JP2020532729A - マーカーを抽出するための非破壊サンプリング装置 - Google Patents

マーカーを抽出するための非破壊サンプリング装置 Download PDF

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Abstract

マーカーの抽出のための方法及び装置であって、可撓性膜を備えた抽出装置の小室のハウジングに置かれた取り外し可能な支持バスケットに試料を導入すること、及び上記ハウジングに予め導入された液体に上記試料を浸すこと、及び上記液体に上記試料を浸した後に、上記抽出小室を密閉すること、及び1〜2Hzの周波数で、1〜5分間、上記可撓性膜に圧力サイクルを加えること、を包含する上記方法。次に、上記圧力サイクルの後、上記試料を浸す上記液体を完全に又は部分的に回収し、且つ上記液体に存在する上記マーカーを検出すること。

Description

本発明は、試料からマーカーを抽出するための非破壊サンプリング方法、装置及び機器に関する。
より具体的には、本発明は、生物学的試料からバイオマーカーを抽出するための方法、装置、及び機器、並びに疾患の初期段階での診断のためのそれらの使用に関する。
試料内の低濃度でのマーカーを抽出することは、その起源に関係なく、試料の完全性を維持しなければならない場合に問題があることが分かっている。
特に、癌などの疾患の初期段階を検出及び評価し、又は治療に対する耐性と反応を予測できるバイオマーカー、即ち生物学的マーカーを探索することは、依然として課題である。
明らかに、バイオマーカーに対する非侵襲的探索は、血液、血清、尿、又は唾液の試料から基本的に出発して行われる。これらの液体において、バイオマーカーは、疾患組織中の濃度と比較して最大10億倍にまで希釈されるため、これらの培地からバイオマーカーを検出することは事実上不可能である。
第2の制限は、固形生検(主として診断のための分析を目的としている)などの組織試料を入手することが困難なことである。このように、明らかな倫理的理由のために、この貴重な人間の素材は、有用で関連性のある新しいバイオマーカーを探索するためには入手できない。上記バイオマーカーは全体として、臨床試験における完全な組織学的な評価をすることを意図されている。さらに、これらの試料は非常に少量(約1〜125mm)で採取される。
それにもかかわらず、バイオマーカーの検出は、個別の診断を提供すること、及び選択可能な最良の治療法を実行できるようにするために不可欠である。
本発明の目的は、試料の完全性を尊重しなければならない場合に、マーカーがどのような起源の試料から抽出されるときにも、マーカーの入手可能性の低い問題を克服することである。
より詳細には、本発明の目的は、バイオマーカーの濃度が低すぎる液体生検(例えば、血液、尿、又は唾液)の使用中に遭遇する問題を克服することであるが、また、固形生検の入手可能性の小さいことを克服することでもある。
第1の態様において、本発明は、試料からマーカーを抽出するための簡単で迅速な方法に関しており、以下の工程:
‐可撓性膜を備えた抽出装置の小室のハウジング内に置かれた使い捨ての支持バスケットに試料を導入すること;
‐上記小室の上記ハウジングに予め導入された液体中に上記試料を浸すこと;
‐上記液体中に上記試料を浸した後に、上記抽出小室を密閉し、1〜2Hz、好ましくは1.5HZの周波数で、1〜5分間、好ましくは3分間、上記可撓性膜に圧力サイクルを加えること;次に
‐上記膜に圧力サイクルを加えた後に、上記試料を完全に又は部分的に回収し、且つ上記液体中に存在する上記マーカーを検出すること;
を包含する。
上記装置の上記膜に加えられる静水圧は、2〜5バール、好ましくは2バールである。
圧力サイクルとは、最大圧力と最小圧力を交互に繰り返す圧力が、所定の期間、所定の周波数で印加されることを意味する。
「試料」という用語は、食品、植物組織、生物組織、鉱物組成などに由来する固体状態の任意のタイプの試料であって、この試料内に低濃度で1以上のマーカーを含みうるものを意味することを意図されている。より具体的には、生体組織試料又は生体試料は、一般に、例えば針又はメスによって採取された手術標本(生検とも呼ばれる)に由来する。組織サンプリングは、例えば肺、乳房、肝臓、腎臓、子宮、前立腺、骨髄、筋肉、結腸、気管支などのような人間又は動物の体の任意の器官又は要素で行われてもよい。組織試料は、癌性腫瘍から取られてもよい。
「液体」という用語は、低粘度又は水に近い粘度の媒体であって、上記媒体中に浸漬された固体試料中に存在するマーカーを可溶化できるものを意味することを意図されている。「液体」という用語は、例えば、水、アルコール、油などに基づく媒体を意味することを意図されている。生物学的試料に使用される水性媒体の例は、生理的液体である。
「生理的液体」という用語は、血液と等張であるか、又は主要な体液(例えば、血液、尿、唾液)と同じ浸透圧を有する液体を意味することを意図されている。生理的液体は、例えば、蒸留水及びNaClの重量/体積の0.9%、すなわち9g/lに希釈された塩化ナトリウムで構成される。生理的液体はより複雑であり、検討中の組織に応じて、例えば塩化カリウム(KCl)、塩化カルシウム(CaCl)、硫酸マグネシウム(MgSO)を含む場合がある。
最後に、リン酸緩衝食塩水(PBS)が、また、9g/lのNaCl又は他の塩(例えば、KClやCaCl)と共に、特に癌性腫瘍由来の試料での生理的液体として用いられる。
上記抽出装置の上記膜に対する上記圧力サイクルは、上記試料から抽出された十分な量のマーカー(特にバイオマーカー)を上記液体(特に生理的液体)から得ることができると同時に、試料(特に組織又は生検試料)の分解を回避できなければならない。上記液体を分離する上記可撓性膜に2〜5バールの低圧をかけると、上記試料中に存在するマーカーを上記試料から押し出すことができる。生体試料の場合、液体を分離する可撓性膜に2〜5バールの低圧をかけると、組織試料から、関心のあるバイオマーカーを含む組織の細胞へ間質液が押し出されうる。それにもかかわらず、圧力サイクルは、引き続く分析のために、組織試料の形態と抗原性を維持することを可能にしなければならない。
1〜5分の短い期間中に周期的圧力をかけられた後、圧力は大気圧に戻され、小室はピストンシリンダーから切り離される。上記液体(特に生理的液体)の一部分又は全部は、マーカー又はバイオマーカーの検出のために上記小室から抽出され、一方、上記試料を保持している上記バスケットは、初期の整合性がそのまま保持されている上記試料について別の後続の分析を可能にするように、上記小室から取り出される。生体組織の試料の場合、生体組織はその後の臨床分析にかけられる。
「マーカー」という用語は、固体試料中に低濃度で存在し且つ上記試料浸漬液中に可溶化できる何らかの物質を意味することが意図されている。マーカーは、例えば、動物又は植物起源の試料又は固形食品中に存在する生物学的化合物(有毒であってもなくてもよい)でありうる。マーカーは、また、バイオマーカーであってもよい。
「バイオマーカー」という用語は、タンパク質だけでなく、検討中の組織の細胞の間質性液体中にある、循環DNA、エキソソーム、miRNA、代謝産物,及び同等の分子をも意味することを意図されている。
本発明による方法は、上記マーカー又はバイオマーカーの抽出及び検出後に、上記試料がその形態学的及び化学的又は生化学的完全性をもって回収されるという利点を有する。
マーカー又はバイオマーカーを抽出する上記方法は、簡易かつ迅速であるという利点を有する。上記方法は、数分しかかからず、上記試料のその後のテスト(例えば生体組織の試料の場合の臨床テスト)に何らの遅延も生じさせない。上記生理液の一部分が抽出小室内に保持されている場合、それは、凍結保存液(例えば液体窒素)内に低温で保存されうる。
第2の態様において、本発明は、マーカーを抽出するための装置に関しており、それは、本発明を理解するために、図1から図7に示されている。
本発明による抽出小室の図である。 試料を抽出小室に導入するステップを示す図である。 2つの部分で構成されるキャップを用いて抽出小室を密閉するステップを示す図である。 試料が中に浸漬されている液体への圧力システムの図である。 圧力サイクルの後、試料を含む支持バスケットを取り外すステップを示す図である。 本発明による抽出装置を含む機器の図である。 本発明による抽出小室及び機器の実施例である。 図9との比較のための、本発明によるバイオマーカーの抽出を受けた生体組織の試料の免疫組織化学的(IHC)分析である。 図8と比較するための、抽出を受けていない参照試料の免疫組織化学的(IHC)分析の1つである。 図8と比較するための、抽出を受けていない参照試料の別の免疫組織化学的(IHC)分析である。 タンパク質マーカーを検出するための本発明による装置の使用例である。 代謝マーカーを検出するための本発明による装置の使用例である。
これらの図面は、本発明の実施形態を例示するためのものであり、本発明をそれらに限定するものではない。
抽出装置(1)は、取り外し可能なバスケット(5)を収容するハウジング(12)を有する抽出小室(3)を備え、このバスケット(5)は、ハウジング(12)に予め入れられた液体に試料(6)を浸すように構成されている。
抽出装置に属する各要素は、射出成形によって製造される。
生物学的用途の装置の場合、製造は、医療装置の製造要件を満たすようにクリーンルーム内で行われる。製造後は、抽出装置の要素は、超音波浴中の有機溶媒(例えば、イソプロパノール)によって洗浄される。このようにして製造された要素の滅菌レベルは、医療機器のDIN EN ISO 17665規格に準拠しなければならず、DNAの痕跡が識別できないようなものでなければならない。
抽出小室は、図7に示されるように透明な高分子材料(例えば、ポリメタクリレート)でできていることが好ましい。
抽出装置(1)は、また、可撓性膜(8)によって抽出小室のハウジング(12)から分離された空洞(7)も含んでいる。
空洞及び可撓性膜から成るアセンブリは、密閉された抽出小室に存在する液体と組織試料の圧縮又は膨張を可能にする。
空洞の容積は、3〜10ml、好ましくは4.5mlである。
上記膜(8)は可撓性の高分子材料でできており、その表面積の50%〜200%の変形に耐えられる。この膜は、例えば液体窒素内における抽出小室(3)に貯蔵中の液体の圧縮又は液体の膨張の間、その変形に耐えなければならない。好ましくは、この膜の可撓性は、その表面積の1〜2倍の変形度を許容する。
この膜は、50〜1000ミクロンの範囲の厚さ(好ましくは100ミクロン)を有するシリコーンでできていることが好ましい。
可撓性膜は好ましくはシリコーン製であり、2つのアセンブリ部品の間に取り付けられ、且つ例えばV字形の溝によって抽出小室(3)の基部に配置される。これら2つのアセンブリ部品は、必要に応じて互いに分離されていてもよい。
抽出装置(1)は、また、図3に示されているように、ハウジング(12)内に取り外し可能な支持バスケット(5)を取り付け、且つ圧力サイクルの間、ハウジング(12)内部に液体を保持するように、抽出小室(3)に配置された漏れ止めキャップを備えている。
好ましい1実施形態によれば、漏れ止めキャップは、2つの部分で構成され、下側部分(4)の上に置かれた上側部分(2)即ちルアーロックキャップは、小室からの液体の抽出を可能にするように、且つ圧力サイクル中に抽出小室の漏れ止めを維持するように構成されている。
このキャップの下側部分は、好ましくは円錐体対円錐体システムによって抽出小室にねじ止めされており、こうして抽出小室が漏れ止めであることを可能にしている。
支持バスケット(5)は、射出成形により製造され、また、プラスチック、好ましくはポリプロピレンでできている。好ましい1実施形態においては、支持バスケットは使い捨てである。
好ましくは、上記バスケットは垂直リブを備え、組織試料を生理的液体に浸すことを可能にする。バスケットの上記リブは、試料がバスケットに留まることを可能にし、同時に生理的液体内に浸漬されるように、試料のサイズに適した幅を持たなければならない。
抽出小室(3)のハウジング(12)内の支持バスケット(5)の容積は、抽出小室内のハウジングの容積の10%〜50%、好ましくは20%に相当する。支持バスケットの容積は、試料のサイズにも関連している。別の好ましい実施形態によれば、抽出装置は、ピストン(11)を有するシリンダー(10)を備え、上記シリンダーは、オリフィス(13)で空洞(7)に接続されている。空洞‐膜アセンブリは、液体に対する圧力の均一な分布と、より優れたマーカー抽出性能とを得ることを可能にする。
好ましくは、空洞の容積部及びピストンの上方のシリンダーの容積部は、空気で満たされているが、他の不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、又は同等物)も使用できる。空洞と空気で満たされたシリンダーとの総容積は、20〜100mlの範囲でありうるが、好ましくは約30mlである。
本発明による装置の、より好ましい実施形態において、ピストンが設けられたシリンダーは、使い捨て医療用注射器である。
シリンダーは、一般に抽出小室に垂直に接続されているが、他の構成、例えば水平構成なども可能である。
別の好ましい実施形態によれば、空洞は、1つ以上の補強材(9)を含む。補強材が2の倍数である場合、それらは、シリンダー(10)接続オリフィス(13)の周りに星形に配置されることが好ましい。補強材の使用は、膜が空洞の壁にくっつくのを有利に防ぐことを可能にする。
生物学的使用のための装置の場合、液体は、好ましくは生理的液体であり、この生理的液体中に浸漬された生物学的組織試料からバイオマーカーを抽出するためのものである。
第3の態様において、本発明は、また、初期段階の疾患の早期診断又は疾患の治療、より具体的には癌の治療のためのバイオマーカーを抽出するための装置に関する。
第4の態様において、本発明は、また、組織の試料又は固形生検から分子代謝及びタンパク質バイオマーカーを検出するための装置の使用に関する。
最後に、第5の態様において、本発明は、抽出装置と圧力ピストンを作動さ小室手段(例えばジャッキ)とを一体化している図6に示されたような機器に関する。この機器は、また、自動パラメータ制御モジュールを備えていてもよい。
図7は、抽出小室及びピストンシリンダーとしての30mlの外科用シリンジを含む機器の1例を示す。
いくつかの例
上記の方法、装置、及び機器は、原発性の結腸直腸(CRC)腫瘍及び肝転移からの結腸直腸(CRC‐LM)腫瘍から得られた生体組織試料の大規模シリーズでテストされた。試料から押し出された液体は、バイオマーカーを検出するためのユニークな材料であり、以下に示されるように、その後の臨床試験のために組織の形態に干渉することはない。
1.本発明による抽出方法の応用
手術で切り取られた生検は、手術直後に採取され、3mmの試料に切り分けられ、4.5mlの小室に入れられた。500ml中で4.5gのNaClを含む4mlの高張PBSバッファー(Weestburg)は、バスケット内の試料として同時に小室に加えられた。次いで独立して、シリンジのピストンが、15mlのマーキングまで動かされる。次に、シリンジは、抽出小室に接続される。続いて、15mlマーキングと7.5mlマーキングの間でシリンジ内のピストンを動かすことにより、試料は、1Hzの周波数で交互に圧力を1分間かけられる。接続された圧力計で独立して実行された測定の間、この体積の変化は、2バール(圧縮状態)と1バール(緩和状態)との間の有効な圧力変動に対応し、且つピストンが15mlマーキングであるときの初期点での1バールに対応する。この手順は各試料について3回繰り返される。その後、抽出液は−20℃で保存された。手順全体は3分間続き、臨床評価のために試料が復元される。同様の手順が、ヒト乳がん腫瘍、原発性結腸直腸がん、肝臓転移腫瘍及び結腸腫瘍からの試料、及びそれらに隣接する正常な対応物の試料にも適用された。
2.本発明による抽出方法を受けた/受けていない試料の免疫組織化学的検査(IHC)結果の比較
本発明による方法が組織試料の形態及び抗原性を変化させないことを検証するために、様々なヒトとマウスの組織の比較分析がこの方法に施された。各組織試料は2つに分けられた。一方は、慣用病理学的分析のためであり、もう一方は、本発明による抽出方法(図8及び9においてINVとも記されている)のためである。慣用分析のための試料及び/又は本発明による抽出方法のための試料は、当業者に知られ、且つA. Bellahcene及びV. CastronovoによってAm. J Pathol(1955年1月; 146(1):95-100)に記載された手順に従って、同じ免疫組織化学的検査(IHC)に供される。
図8において、原発性結腸直腸腫瘍試料(n=10、A図)及び転移肝臓試料(n=10、B図)は、慣用の臨床分析と本発明による抽出方法とを施された後、ヘマトキシリン/エオシン(H&E)分析及び識別されたマーカー(MLH1、MSH2、MSH6、PMS2)の免疫標識付けが行われた。各マーカーの定量的評価は、当業者に知られ、且つD. Waltregny 他により、J Natl Cancer Inst.(1998年7月1日、90(13):1000-8)に記載された方法により実施された。
各場合において、3人の患者から試料が収集された。各IHC画像の強度は、次のスケール(0はトレースなし、1は弱い、2は中程度、3は強い)を用いて評価された。組織は、また、スケール1=0〜33%、2=33〜66%、3=66〜100%を用いて、それらの陽性の程度について評価された。2つの評価のそれぞれによって得られた値は、図8に再現されたHICスコアを得るために乗算される。
図9aにおいて、乳がん(n=3)、結腸直腸がん(CRC; n=3)、又はCRC転移性肝がん(CRC−LM; n=3)を示すマウス組織の試料に、慣用の検査又は本抽出方法が実施され、その後、ヘマトキシリン/エオシン(H&E)分析が行なわれた。
図8及び図9に示されたように、組織の構造(H&E)及び選択されたマーカーの強度に関して有意な差はなかった。
3.ヒト乳癌における、タンパク質及び代謝マーカーを識別するための装置の使用
乳がんの10個の標本、及びそれらに隣接する非腫瘍組織は、実施例1に記載の手順に従って扱われ、その後、本発明による装置及び方法に供された。次に、抽出装置の適用後に得られた液体は、可溶性タンパク質の検出のために質量分析機によって、及び代謝産物の検出のために核磁気共鳴機によって分析された。次に、癌性組織から得られた液体から同定されたマーカーは、正常組織のマーカーと比較された。
3.1タンパク質マーカーの検出
癌組織中で検出されたタンパク質の中で、例えば、ペリオスチン、コンプ、エズリン、ラディキシン、バーシカン、テネイシンが特定されている。これらのタンパク質は、一般に、パブメド(Pubmed)からの抜粋を再現する以下の表1に示されるように、組織の細胞外空間中に存在する。
図10は、本発明による抽出装置及び方法に続いて得られた液体中において特定されたタンパク質マーカーの数を示す。液体(その中に癌組織が漬けられた)中から特定されたマーカーは、正常組織から抽出されたマーカーと比較される。
このようにして、1032個のタンパク質が癌組織から同定され、図10に示差的に表現されている(722が増加、185が減少)。
3.2代謝マーカーの検出
精密な経路分析(Ingenuity Pathway Analysis)は、収集されたデータの解釈とIPAコア分析(IPA Core Analysis)ソフトウェアによる分析に用いられた。
図11に示されたのは、本発明による抽出方法及び装置に従って特定された代謝マーカーである。乳癌の場合、代謝産物の変化と増加が観察される。アラニン、タウリン及びヒポタウリン、ベタイン、並びにグルコースアラニンは、P値に反映されるように、最大の上向き調節(アップレギュレーション)を受けたマーカーである。
P値は、どの分子が導入された参照分子と有意に関連しているかを示す。これは、特徴付けられたすべての機能分子に関連している。倍率濃縮は、試料中の代謝産物の存在の統計的有意性を示している。

Claims (23)

  1. マーカーを抽出するための方法であって、
    ‐可撓性膜を備えた抽出装置の小室のハウジング内に置かれた取り外し可能な支持バスケットに試料を導入すること、
    ‐前記ハウジングに予め導入された液体中に前記試料を浸すこと、
    ‐前記液体中に前記試料を浸した後に、前記抽出小室を密閉すること、
    ‐1〜2Hzの間の周波数で、1〜5分間、前記可撓性膜に圧力サイクルを加えること、
    ‐前記圧力サイクルの後、前記試料を浸す前記液体を完全に又は部分的に回収し、且つ生理的な前記液体中に存在する前記マーカーを検出すること、
    を包含し、
    前記膜に加えられる前記圧力は2〜5バールの間であることを特徴とする、
    上記方法。
  2. 前記圧力サイクルの持続時間は、3分間であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料は生体組織試料であり、前記液体はバイオマーカーの抽出のための生理的液体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記生体組織試料は癌性腫瘍から抽出されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記生理的液体は、9g/lのNaClを含むPBS緩衝液であることを特徴とする、請求項3及び4のいずれか1項に記載の方法。
  6. マーカーを抽出するための装置(1)であって、
    ‐取り外し可能な支持バスケット(5)を収容するためのハウジング(12)を備えた抽出小室(3)であって、前記支持バスケット(5)が、前記ハウジング(12)に予め導入された液体中に試料(6)を浸すように構成されている抽出小室(3)、
    ‐前記液体の圧縮又は膨張を可能にする、可撓性の膜(8)によって前記抽出小室(3)の前記ハウジングから分離された空洞(7)、及び
    ‐前記取り外し可能な支持バスケット(5)を前記ハウジング(12)内に取り付けるために、前記抽出小室(3)に配置された漏れ止めキャップ(2)、
    を備える、
    上記装置。
  7. 前記漏れ止めキャップは、加圧サイクルの間中、前記抽出小室の漏れ止めを維持するように、且つ前記サイクルの最後に前記液体の抽出を可能にするように構成された下側部分(4)と、その上に配置された上側部分、即ちルアーロックキャップ(2)との2つの部分を含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
  8. オリフィス(13)で空洞(7)に接続されたピストン(11)シリンダー(10)をまた備えていることを特徴とする、請求項6又は7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記空洞(7)と前記ピストンの上方の前記シリンダ(10)の容積部とが、空気で満たされていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
  10. 前記空洞(7)は、また、少なくとも1つの補強材(9)を備えていることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 少なくとも2つの補強材は、シリンダ(10)接続オリフィス(13)の周りに星形に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
  12. 前記支持バスケット(5)は、前記試料の前記液体中への浸漬を可能にする複数の垂直リブを備えていることを特徴とする、請求項6〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 前記支持バスケット(5)の前記各リブは、前記試料のサイズに適した幅を持たなければならないことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
  14. 前記支持バスケット(5)は、プラスチック、好ましくはポリプロピレン、で作られていることを特徴とする、請求項6〜13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 前記膜(8)の可撓性は、その表面積の1〜2倍の変形度を許容することを特徴とする、請求項6〜14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記シリンダ(10)は、前記抽出小室(3)に垂直に接続されている、請求項8〜15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 前記ピストン(11)が設けられた前記シリンダ(10)は、使い捨て注射器である、請求項8〜16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 前記試料が生体組織試料であり、前記液体がバイオマーカーの抽出のための生理的液体であることを特徴とする、請求項6〜17のいずれか1項に記載の抽出装置。
  19. 初期段階の癌の早期診断のための、請求項18に記載のバイオマーカーを抽出するための装置。
  20. 癌治療のための、請求項18に記載のバイオマーカーを抽出するための装置。
  21. 固形生検から分子代謝及びタンパク質バイオマーカーを検出するための、請求項18に記載の装置の使用。
  22. 請求項8〜18のいずれか1項に記載のマーカーを抽出する装置と、前記ピストンの移動を作動させるための手段とを含む機器。
  23. 前記ピストンの移動を作動させるための前記手段が、ジャッキであることを特徴とする、請求項22に記載の機器。
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