本願は、2017年11月24日に中国特許庁に出願された、「無線通信方法および機器」と題する中国特許出願第201711189027.Xの優先権を主張するものであり、それは参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
本願は、通信技術の分野に関連し、特に、無線通信方法および機器に関連する。
より高いサービスレートを提供するべく、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation, CA)の概念が第3世代パートナーシップパートナープロジェクト(Third Generation Partnership Project, 3GPP)に導入されている。CAにより、複数の隣接または非隣接キャリアをより大きい帯域幅にまとめることが可能になり得る。CAに参加する、異なるサービングセルに対応するキャリアは、コンポーネントキャリア(Component Carrier, CC)と称される。現在、CA対応端末が、複数のサービングセルに接続され得て、各サービングセルは、1つのコンポーネントキャリアCCに対応する。
新無線(New Radio, NR)システムにおいて、キャリアは、低周波数キャリアおよび高周波数キャリアに分類され得る。CAに参加するコンポーネントキャリアは、すべて低周波数キャリア、または、すべて高周波数キャリアであり得て、低周波数キャリアおよび高周波数キャリアの両方を含み得る。端末は、高周波数キャリアでビーム管理を実行する必要がある。NRシステムにおける高周波数キャリアの場合、端末の移動または回転、物体の遮蔽、通信中の周辺環境の変化などに起因して、基地局と端末との間の通信の品質は通常、影響を受け、基地局と端末との間のビーム対リンクを介した通信さえ中断される。
現在、基地局と端末がキャリアのビーム対リンクを介して互いに通信するとき、ビーム対リンクで通信障害が生じた場合、端末は、キャリア上で候補ビーム情報を再識別し、識別された候補ビーム情報を使用することによって、端末と基地局との間の通信を復旧させる。しかしながら、基地局と端末との間で使用されるキャリア上の通信が現在中断され、端末は、複数回にわたって、識別された候補ビーム情報を使用することによって、キャリア上で端末と基地局との間の通信を直接復旧させることを試行し得る。その結果、これは、長いループバック時間を生じさせ、高速通信障害復旧には好ましくない。
本発明の実施形態は、通信障害復旧効率を改善するための無線通信方法および機器を提供する。
上記の目的を実現するべく、本発明の実施形態において、以下の技術的解決手段が使用される。
第1態様によれば、無線通信方法が提供される。方法は、端末、または端末に内蔵されたチップに適用され、基地局が、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含み、方法は、第1サービングセルのダウンリンク通信に障害が発生したことを検出したとき、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定する段階と、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信する段階であって、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される、段階と、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する段階であって、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される、段階とを備える。
上述の技術的解決手段において、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じたことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定し、第2サービングセルのアップリンクチャネルで第1サービングセルの通信障害復旧要求を送信し、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する。これにより、通信障害復旧成功率を改善でき、更に、高速通信障害復旧を実装できる。加えて、第2サービングセルは正常な通信のサービングセルなので、端末は、候補ビーム情報を取得するためにビーム走査を実行する必要が無く、それにより、ビーム走査時間が節約される。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧要求を送信する段階の前に、方法は、障害復旧要求構成情報を基地局から受信する段階であって、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用され、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネルおよび物理アップリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に備える。可能な実装において、基地局は、端末のために、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを構成し、その結果、端末は、構成されたアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信し得て、それにより、基地局による通信障害復旧要求の検出の成功率を増加させる。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルが物理アップリンク共有チャネルであるとき、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理アップリンク共有チャネルで搬送されるので、端末は、物理アップリンク共有チャネルで通信障害復旧要求を送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み、MAC要求指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。可能な実装において、端末は、MAC要求指示を使用することによって、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを基地局に示し得る。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、端末は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信することは、端末によって、MAC層でMAC要求指示および通信障害復旧要求をパケット化し、MAC‐CEデータパケットを取得すること、および、端末によって、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルでデータパケットを送信することを含む。可能な実装において、端末は、逆パケット化を通じて取得されたMAC応答指示に基づいて、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であると決定し得る。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信することは、端末によって、第2サービングセルのアップリンクチャネルでデータパケットを送信することを含み、データパケットは、通信障害復旧要求指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理アップリンク共有チャネルで搬送されるので、端末は、物理アップリンク共有チャネルで通信障害復旧要求を送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧応答を検出する段階の前に、方法は、障害復旧応答構成情報を基地局から受信する段階であって、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に備える。可能な実装において、基地局は、端末のために、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを構成し、その結果、端末は、構成されたダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出し得て、それにより、端末による通信障害復旧応答の検出の成功率を増加させる。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク共有チャネルであるとき、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理アップリンク共有チャネルで搬送されるので、端末は、物理アップリンク共有チャネルで通信障害復旧要求を送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEはMAC応答指示および通信障害復旧応答を含む。MAC応答指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
第1態様の可能な実装において、端末は媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出することは、端末によって、物理層で第2サービングセルの物理ダウンリンク共有チャネルで基地局からデータパケットを検出すること、および、端末によって、MAC層でデータパケットを逆パケット化し、逆パケット化を通じて取得されたMAC応答指示に基づいて通信障害復旧応答を決定することを含む。
第1態様の可能な実装において、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出することは、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで基地局からのデータパケットを検出することを含み、データパケットは、通信障害復旧応答の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを示すために使用される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧応答を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理ダウンリンク共有チャネルで搬送されるので、基地局は、通信障害復旧応答を物理ダウンリンク共有チャネルに追加する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが更に満たす。可能な実装において、正常な通信のサービングセルが決定された後に、条件を満たす第2サービングセルが更に決定される。これにより、通信障害復旧効率を更に改善でき、通信障害復旧成功率を増加させることができる。
第1態様の可能な実装において、方法は、少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信に障害が発生したことを検出したとき、第2サービングセルのサービングセルインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが満たすと決定する段階を更に備える。可能な実装において、少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信に障害が発生したことを検出したとき、条件を満たす第2サービングセルが選択される。これにより、通信障害復旧効率を更に改善でき、通信障害復旧成功率を更に増加させることができる。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの候補基準信号リソース指示を含み、候補基準信号リソース指示はまた、候補ビーム情報と称され得て、候補基準信号リソース指示は、候補基準信号ポートを表すために使用される。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの標的基準信号リソース指示、すなわち、候補基準信号リソース指示から基地局によって選択された基準信号リソース指示を含む。標的基準信号リソース指示は、ダウンリンクビーム情報とも称され得て、標的基準信号リソース指示は、標的基準信号ポートを表すために使用される。
第2態様によれば、無線通信方法が提供される。方法は、基地局、または、基地局に内蔵されたチップに適用され、基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含み、方法は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末から通信障害復旧要求を受信する段階であって、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される、段階と、通信障害復旧応答を生成する段階であって、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される、段階と、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を端末へ送信する段階とを備える。
第2態様の可能な実装において、端末から通信障害復旧要求を受信する段階の前に、方法は、障害復旧要求構成情報を端末へ送信する段階であって、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用され、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネルおよび物理アップリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に備える。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルが物理アップリンク共有チャネルであることが示されるとき、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第2態様の可能な実装において、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み、MAC要求指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。
第2態様の可能な実装において、基地局は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末から通信障害復旧要求を受信することは、基地局によって、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルで端末からデータパケットを受信すること、および、基地局によって、MAC層でデータパケットを逆パケット化すること、および、逆パケット化を通じて取得されたMAC要求指示に基づいて、通信障害復旧要求を決定することを含む。
第2態様の可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末から通信障害復旧要求を受信することは、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末からデータパケットを受信することを含み、データパケットは、通信障害復旧要求の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用され、その結果、指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧要求を含むことが決定される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理アップリンク共有チャネルで搬送されるので、端末は、物理アップリンク共有チャネルで通信障害復旧要求を送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧応答を端末へ送信する段階の前に、方法は、障害復旧応答構成情報を端末へ送信する段階であって、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に備える。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク共有チャネルであることが示されるとき、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第2態様の可能な実装において、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEはMAC応答指示および通信障害復旧応答を含み、MAC応答指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
第2態様の可能な実装において、基地局は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで端末へ通信障害復旧応答を送信することは、MAC‐CEデータパケットを取得するために、基地局によって、MAC層でMAC応答指示および通信障害復旧応答をパケット化すること、および、基地局によって、物理層で、第2サービングセルの物理ダウンリンク共有チャネルでデータパケットを送信することを含む。
第2態様の可能な実装において、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで端末へ通信障害復旧応答を送信することは、基地局によって、第2サービングセルのダウンリンクチャネルでデータパケットを送信することを含み、データパケットは、通信障害復旧応答の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを示すために使用され、その結果、端末は、指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを決定できる。可能な実装において、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理ダウンリンク共有チャネルで搬送されるので、基地局は、通信障害復旧応答を物理ダウンリンク共有チャネルへ送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第2態様の可能な実装において、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが更に満たす。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの候補基準信号リソース指示を含み、候補基準信号リソース指示はまた、候補ビーム情報と称され得て、候補基準信号リソース指示は、候補基準信号ポートを表すために使用される。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの標的基準信号リソース指示、すなわち、候補基準信号リソース指示から基地局によって選択された基準信号リソース指示を含む。標的基準信号リソース指示は、ダウンリンクビーム情報とも称され得て、標的基準信号リソース指示は、標的基準信号ポートを表すために使用される。
第3態様によれば、無線通信機器が提供される。無線通信機器は、端末、または、端末において使用されるチップであり、基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含み、無線通信機器は、第1態様、または、第1態様の可能な実装のいずれか1つに提供される無線通信方法を実装することが可能な機能を含む。機能はハードウェアによって実装され得る、または、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1または複数のユニットを含む。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器の構造は、プロセッサに接続されるプロセッサおよびメモリを含む。メモリは、プログラムコードを格納するよう構成され、プログラムコードがプロセッサによって実行されるとき、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第1サービングセルのダウンリンク通信の障害が発生したことを検出したとき、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定する段階、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信する段階であって、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される、段階と、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する段階であって、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される、段階とを実行することが可能になる。
第3態様の可能な実装において、通信障害復旧要求を送信する前に、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、障害復旧要求構成情報を基地局から受信する段階であって、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用され、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネル、物理アップリンク共有チャネルの1つである、段階を更に実行する。
第3態様の可能な実装において、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルが物理アップリンク共有チャネルであるとき、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第3態様の可能な実装において、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み、MAC要求指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、MAC‐CEデータパケットを取得するために、MAC層でMAC要求指示および通信障害復旧要求をパケット化する段階と、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルでデータパケットを送信する段階とを更に実行する。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのアップリンクチャネルでデータパケットを送信する段階であって、データパケットは、通信障害復旧要求の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用される、段階を更に実行する。
第3態様の可能な実装において、通信障害復旧応答を検出する段階の前に、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、障害復旧応答構成情報を基地局から受信する段階であって、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に実行する。
第3態様の可能な実装において、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク共有チャネルであるとき、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第3態様の可能な実装において、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEはMAC応答指示および通信障害復旧応答を含み、MAC応答指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
第3態様可能な実装において、無線通信機器は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、物理層で第2サービングセルの物理ダウンリンク共有チャネルで基地局からのデータパケットを検出する段階と、MAC層でデータパケットを逆パケット化し、逆パケット化を通じて取得されたMAC応答指示に基づいて、通信障害復旧応答を決定する段階とを更に実行する。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで基地局からのデータパケットを検出する段階であって、データパケットは通信障害復旧応答の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを示すために使用される、段階を更に実行する。
第3態様の可能な実装において、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが更に満たす。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信に障害が発生したことを検出したとき、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが満たすと決定する段階とを更に実行する。
第4態様によれば、無線通信機器が提供される。無線通信機器は、基地局、または、基地局に内蔵されたチップであり得て、無線通信機器は、第2態様、または、第2態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実装可能な機能を含む。機能はハードウェアによって実装され得る、または、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1または複数のユニットを含む。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、基地局、または、基地局に内蔵されたチップであり、基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含み、無線通信機器の構造は、プロセッサ、および、プロセッサに接続されたメモリを含む。メモリはプログラムコードを格納するよう構成され、プログラムコードがプロセッサによって実行されるとき、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末から通信障害復旧要求を受信する段階であって、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される、段階と、通信障害復旧応答を生成する段階であって、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される、段階と、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を端末へ送信する段階とを実行することが可能になる。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、障害復旧要求構成情報を端末へ送信する段階であって、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用され、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネルおよび物理アップリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に実行する。
第4態様の可能な実装において、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルが物理アップリンク共有チャネルであることが示されるとき、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求は、媒体アクセス制御層制御要素において搬送される。
第4態様の可能な実装において、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み、MAC要求指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルで端末からデータパケットを受信すること、および、MAC層でデータパケットを逆パケット化し、逆パケット化を通じて取得されたMAC要求指示に基づいて、通信障害復旧応答を決定することを更に実行する。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末からデータパケットを受信する段階であって、データパケットは、通信障害復旧要求の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用され、その結果、指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧要求を含むことが決定される、段階を更に実行する。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、障害復旧応答構成情報を端末へ送信する段階であって、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に実行する。
第4態様の可能な実装において、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク共有チャネルであることが示されるとき、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第4態様の可能な実装において、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEはMAC応答指示および通信障害復旧応答を含み、MAC応答指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、MAC‐CEデータパケットを取得するために、MAC層でMAC応答指示および通信障害復旧応答をパケット化する段階と、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルでデータパケットを送信する段階とを更に実行する。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのダウンリンクチャネルでデータパケットを送信する段階であって、データパケットは、通信障害復旧応答の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを示すために使用され、その結果、端末は、指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧応答を含むと決定し得る、段階を更に実行する。
第4態様の可能な実装において、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが更に満たす。
本願の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、命令を格納し、当該命令がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第1態様、または、第1態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実行可能である。
本願の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は命令を格納する。命令がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第2態様、または、第2態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実行可能である。
本願の別の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第1態様、または、第1態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実行可能である。
本願の別の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第2態様、または、第2態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実行可能である。
本願の別の態様によれば、通信システムが提供される。通信システムは端末および基地局を含む。基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは第1サービングセルおよび第2サービングセルを含む。端末は、上述の態様において提供される端末であり得て、第1態様、または、第1態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を端末が実行することをサポートするよう構成される、および/または、基地局は、上述の態様において提供される基地局であり、第2態様、または、第2態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を基地局が実行することをサポートするよう構成される。
上で提供される無線通信方法の機器、コンピュータ記憶媒体、または、コンピュータプログラム製品のいずれか1つは、上で提供される対応する方法を実行するよう構成されることが理解され得る。したがって、機器、コンピュータ記憶媒体、またはコンピュータプログラム製品の有益な効果については、上で提供される対応する方法における有益な効果を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
本発明の一実施形態による通信システムの概略的構造図である。
本発明の一実施形態による通信障害復旧方法の概略フローチャートである。
本発明の一実施形態による無線通信方法の概略フローチャートである。
本発明の一実施形態による通信障害復旧要求の搬送の概略図である。
本発明の一実施形態による通信障害復旧要求の送信の概略フローチャートである。
本発明の一実施形態による通信障害復旧応答の搬送の概略図である。
本発明の一実施形態による通信障害復旧応答の検出の概略フローチャートである。
本発明の一実施形態による別の無線通信方法の概略フローチャートである。
本発明の一実施形態による無線通信機器の概略的構造図である。
本発明の一実施形態による別の無線通信機器の概略的構造図である。
本発明の一実施形態による更に別の無線通信機器の概略的構造図である。
本発明の一実施形態による更に別の無線通信機器の概略的構造図である。
より高いサービスレートを提供するべく、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation, CA)という概念が3GPPに導入されている。CAによって、複数の隣接または非隣接キャリアをより大きい帯域幅に帯域集約することが可能になる。例えば、20MHzの帯域幅を各々有する2つのキャリアが、40MHzの帯域幅にまとめられ得る。CAに参加する、異なるセルに対応するキャリアは、コンポーネントキャリア(Component Carrier, CC)と称され得る。CA対応端末は、複数のサービングセルに接続され得て、端末に接続され得る複数のサービングセルの数は、3GPPプロトコルおよび端末の能力の両方に従って決定され得る。端末がサービングセルにおける無線リソース制御(Radio Resource Control, RRC)接続を開始して確立に成功した後、サービングセルは、端末がキャンプオンするサービングセルであり、サービングセルは、基地局と端末との間のRRC通信を担う。基地局は、RRC接続を確立することによって、端末のために別のサービングセルを構成し得る。
3GPPで定義されるCAデプロイメントシナリオは、同一サイト・同一カバレッジ、同一サイト・非同一カバレッジ、同一サイト・カバレッジホール充填、同一サイト・非同一カバレッジ+リモートラジオヘッド(Remote Radio Heads, RRH)、同一サイト・非同一カバレッジ+リピータを含み得る。
本願の実施形態は、上述のCAデプロイメントシナリオのいずれか1つを含む通信システムに適用可能である。通信システムは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution, LTE)システム、NRシステム、および、任意の将来の通信システムを含み得る。具体的には、通信システムは、基地局および端末を備え得て、端末は、複数のサービングセルに接続され得る。基地局は具体的には、マクロ基地局、マイクロ基地局、ノードB(NodeB、NB)、eNB(eNodeB)、gNB(NR NodeB)などを含み得る。理解を容易にするために、本願の実施形態において、これらの基地局は、基地局と総称される。端末は具体的には、携帯電話、ユーザ機器、電子デバイス、モバイル端末、電子端末、ウェアラブルデバイス(スマートバンド、または、スマートウォッチなど)、コンソールなどを含み得る。理解を容易にするために、本願の実施形態において、これらの端末は、端末と総称される。
理解を容易にするために、NRシステムは、本願におけるCAデプロイメントシナリオを含む通信システムを詳細に説明するための例として使用される。NRシステムにおける利用可能な周波数帯域は、2つの周波数帯域に分割され得る。例えば、6GHzを基準として使用すると、周波数帯域は、6GHzより低い周波数帯域、および、6GHzより高い周波数帯域に分割される。6GHzより低い周波数帯域におけるキャリアは、低周波数キャリアと称され得て、6GHzより高い周波数帯域におけるキャリアは、高周波数キャリアと称され得る。6GHzのキャリアは、高周波数キャリアの範囲、または、低周波数キャリアの範囲に属し得る。本願の実施形態において、低周波数キャリアおよび高周波数キャリアは相対的な概念であり、別の基準に従う分割によって取得され得ることを理解すべきである。複数のビームが1つのキャリア上で構成され得て、複数のビームのカバレッジエリアは、キャリアのカバレッジエリア内に含まれる。言い換えれば、複数のビームのカバレッジエリアは、キャリアのカバレッジエリアのサブセットである。キャリアは高周波数キャリアまたは低周波数キャリアであり得る。
基地局および端末が低周波数キャリア上で互いに通信するとき、および、端末および基地局が低周波数キャリアを使用するとき、全方向式アンテナまたはビームフォーミングアンテナが通信に使用され得る。ビームフォーミングとは、指向性の電磁波を生成するように、アンテナのユニット間の相関が制御されることを意味する。基地局と端末との間のリンク送信の信号対雑音比を増加させるために、電磁波の方向は、端末から基地局への方向と可能な限り一致する。ビームは、自由空間において伝搬する指向性電磁波として理解され得る。例えば、ビームは基準信号ポートであり得て、異なる基準信号ポートは、異なる基準信号構成、すなわち、異なる指向性を有する基準信号を表す。加えて、ビームはまた、送信アンテナまたは受信アンテナが指向性電磁波を効果的に生成または受信できるような送信アンテナまたは受信アンテナの設定として理解され得る。例えば、ビームはアンテナポートであり得て、異なるアンテナポートは異なるアンテナ構成を有し、その結果、指向性電磁波を効果的に生成または受信できる。
基地局および端末が、高周波数キャリア上で構成されたビームを介して、高周波数キャリア上で互いに通信するとき、端末は、情報を基地局へ送信し得る、または、基地局によって送信された情報を受信し得る。同様に、高周波数キャリア上で構成されたビームを介して、基地局はまた、端末によって送信された情報を受信し得る、または、情報を端末へ送信し得る。具体的には、キャリア上で端末はビーム1〜ビーム3を使用し、基地局はビーム4〜ビーム6を使用すると想定する。端末がビーム1を使用することによって情報を基地局へ送信し、かつ、基地局がビーム4を使用することによって、端末によって送信された情報を受信する場合、ビーム1およびビーム4はビーム対と称され得る。ここでのビーム対は、情報の送信および受信のために2つの通信当事者によって使用されるビームの対であり得る。端末および基地局がそれぞれビーム1およびビーム4を使用することによって互いに通信するとき、ビーム1またはビーム4のリンクはビームリンクと称され得る。ここでのビームリンクは、通信のための単一ビームのリンクであり得て、ビーム対リンクは、2つの通信当事者間での情報の送信および受信に使用されるビーム対のリンクであり得る。基地局および端末がビームを使用することによって互いに通信するとき、基地局および端末は、ビームフォーミング技術をサポートする必要がある。ビームフォーミング技術は、基地局と端末との間のリンク送信の信号対雑音比を改善するために使用され得て、それにより、システム容量を増加させる。
図1は、本願の実施形態によるCAデプロイメントシナリオを含むNRシステムのシステムアーキテクチャの図である。NRシステムにおける同一サイト・非同一カバレッジ+RRHのCAデプロイメントシナリオが説明のための例として使用される。NRシステムは、基地局101、端末102、およびRRH103を備える、複数のアンテナアレイが基地局101に配置され、いくつかのアンテナアレイが基地局101に直接デプロイされ、いくつかのアンテナアレイが、RRH103を使用することによって、リモートでデプロイされる。図1において、例えば、CAに参加するコンポーネントキャリアは、第1キャリアおよび第2キャリアを含む。第1キャリアのキャリア周波数は第2キャリアのキャリア周波数より低いと想定する。第1キャリアは、基地局101に直接デプロイされるアンテナアレイを使用することによって放射を実行し、第2キャリアは、リモートでデプロイされるアンテナアレイを使用することによって放射を実行する。第1キャリアに対応する端末セルのカバレッジエリアは、A1、A2、A3を含み得て、第2キャリアに対応する端末セルのカバレッジエリアは、B1、B2、B3、B4、B5を含み得る。
端末102は、第1キャリアに対応するサービングセルにキャンプオンし得て、すなわち、図1におけるA1、A2、またはA3に位置し得る。代替的に、端末102は、第2キャリアに対応するセルにキャンプオンし得て、すなわち、図1におけるB1、B2、B3、B4またはB5に位置し得る。基地局101および端末102は、第1キャリアで構成されるビームを使用することによって互いに通信し得る、または、第2キャリアで構成されるビームを使用することによって互いに通信し得る。具体的には、端末102が、第1キャリアに対応するセルにキャンプオンするとき、第1キャリア上のビームが、基地局101と端末102との間の制御チャネルおよびデータチャネルを搬送するために使用され得て、第2キャリア上のビームはまた、制御チャネルを搬送するために使用され得るが、第1キャリアのみが制御チャネルにおいて物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel, PUCCH)を搬送する。この場合、第2キャリアに対応するセルがアクティブ状態にある場合、第2キャリア上のビームがデータチャネルを搬送するのに使用され得る。または、第2キャリアに対応するセルが非アクティブ状態にある場合、第2キャリア上のビームはデータチャネルを搬送するために使用されることができない。言い換えれば、端末102が第1キャリアに対応するセルにキャンプオンするとき、第2キャリアに対応するセルがアクティブ状態にある場合、第1キャリア上のビームは、制御情報(この場合、アップリンク制御情報は、PUCCH上で搬送される)、および、基地局101と端末102との間のデータ情報を送信するために使用され得て、第2キャリア上のビームはまた、制御情報(この場合、アップリンク制御情報は、PUCCH以外のアップリンクチャネル上で搬送される)およびデータ情報を送信するために使用され得る。端末102が、第1キャリアに対応するサービングセルにキャンプオンするとき、第2キャリアに対応するセルが非アクティブ状態にある場合、第1キャリア上のビームは基地局101と端末102との間で制御情報およびデータ情報を送信するために使用され得て、第2キャリア上のビームは、データ情報を送信するために使用されない。
CAデプロイメントシナリオを含むNRシステムの場合、CAに参加するコンポーネントキャリアが高周波数キャリアを含むとき、基地局と端末との間のリンク送信の信号対雑音比を増加させ、システム容量を増加させるために、端末は、各高周波数キャリア上でビーム管理を実行する必要がある。ビーム管理とは、アップリンクおよびダウンリンクの受信/送信ビーム対を維持することを意味し得る。しかしながら、NRシステムにおける高周波数キャリアの場合、端末の移動または回転、物体の遮蔽、通信中の周辺環境の変化などに起因して、基地局と端末との間の通信の品質は影響を受け、現在の通信におけるビームリンクを介した通信さえ中断される。したがって、通信遮断が基地局と端末との間のビーム対リンクで生じるとき、端末は、ダウンリンク通信障害復旧を実行する必要がある。
本願の実施形態において、ダウンリンク通信障害とは、サービングセルのダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下することを意味し得る。例えば、信号品質または信号強度は、特定の閾値より低い、または、信号品質もしくは信号強度は、一定期間にわたって、特定の閾値より低いままである。同様に、正常な通信とは、サービングセルにおいて通信障害が生じていないことを意味し得る。サービングセルのダウンリンクチャネルは、データチャネルを除くサービングセルのダウンリンクチャネルすべてであり得て、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel, PDCCH)、チャネル状態情報基準信号(Channel Station Indication Reference Signal, CSI−RS)、同期信号ブロック(Synchronizing Signal Block, SS Block)を含み得る、または、いくつかのダウンリンクチャネルであり得る。サービングセルのダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下することは、ダウンリンクチャネルのすべての信号品質が十分に低いレベルに低下することを意味し得る、または、1または複数のダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下することを意味し得る。
本願の実施形態は、単一キャリア通信障害復旧に使用される無線通信方法を提供する。方法は、端末によってトリガおよび実行され得て、具体的には4フェーズ、すなわち、ビーム障害の検出、候補ビームの識別、通信障害復旧要求の送信、および、端末による、通信障害復旧要求に対する基地局の応答の検出を含み得る。具体的には、端末および基地局が単一キャリアを使用することによって互いに通信するとき、端末は、第1キャリアで搬送されるCSI−RS/SSブロックでビーム障害検出を実行し得る。ビーム障害を検出したとき、端末は、候補ビームを識別するために、CSI−RS/SSブロックでビーム走査を実行し得る。端末は、第1キャリアで搬送されるPRACH/PUCCHで通信障害復旧要求を送信する。端末は、第1キャリアで搬送されるPDCCHで、通信障害復旧要求に対する基地局の応答を検出する。
例えば、端末が現在キャンプオンしているセルはサービングセルcであり、サービングセルcに対応するキャリアは第1キャリアである。NRシステムにおいて、上述の通信障害復旧処理プロセスは図2に示され得る。第1キャリアにおいて、端末はビームa1およびビームa2を使用し、基地局はビームa3〜ビームa4を使用すると想定する。ビームa1およびビームa3は1つのビーム対であり、ビームa2およびビームa4は1つのビーム対である。端末はアップリンクチャネルを搬送するために、第1キャリアでビームa1を使用し、アップリンクチャネルはPRACH/PUCCHを含み得る。端末は、第1キャリアでビームa2を使用することによってダウンリンクチャネルを検出し、ダウンリンクチャネルはCSI−RS/SSブロックおよびPDCCHを含み得る。
具体的には、端末および基地局が第1キャリアで互いに正常に通信するとき、端末は、第1キャリアでビームa1を使用することによって基地局へアップリンク制御情報を送信し得て、端末は、ビームa2を使用することによって、基地局によって送信されたダウンリンク制御情報を検出し得る。端末がCSI−RS/SSブロックでダウンリンク通信障害を検出したとき、端末は、候補ビーム対リンクを識別するために、CSI−RS/SSブロックの第1キャリアに対してビーム走査を実行し得る(例えば、第1キャリアで、端末はビームb1およびビームb2を使用し、基地局はビームb3およびビームb4を使用し、ビームb1およびビームb3は1つのビーム対であり、ビームb2およびビームb4は1つのビーム対である)。次に、端末は、ビームa1で搬送されるPRACH/PUCCHで、基地局へ通信障害復旧要求を送信し得て、通信障害復旧要求は、候補ビーム情報(例えばビームb3およびビームb4)を含む。基地局が、端末によって送信された通信障害復旧要求を受信したとき、基地局は、候補ビーム情報からビームb3を選択し、ビームb3のビーム情報を搬送する通信障害復旧応答を端末へ送信し得る。端末は、ビームa2で搬送されるPDCCHで、通信障害復旧応答を検出し得る。端末は、通信障害復旧応答を検出したとき、通信障害復旧応答において搬送されるビームb3のビーム情報に基づいて、基地局がビームb3を使用して情報を送信することを決定し得る。したがって、端末は、同一のビーム対におけるビームb1を使用することによって、基地局によって送信された情報を受信する。端末が通信障害復旧応答を検出せず、検出がタイムアウトしていないと決定した場合、端末は、アップリンク送信電力を増加させ得る、または、別のアップリンクビームを使用することによって通信障害復旧要求を再開し得る。端末が通信障害復旧応答を検出せず、検出がタイムアウトしたと決定した場合、端末は、現在の通信障害復旧に障害が発生したと決定し得る。
図3は、本願の実施形態による無線通信方法の概略フローチャートである。方法は、端末および基地局を備える通信システムに適用される。基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションCAサービスを端末に提供する。少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含む。図3を参照すると、方法は以下の段階を備える。
段階301:ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じたことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定する。
CAに参加するコンポーネントキャリアは、複数のキャリアを含み得る。例えば、複数のキャリアは、第1キャリアおよび第2キャリアを含み、第1キャリアに対応するサービングセルは、第1サービングセルと称され、第2キャリアに対応するサービングセルは、第2サービングセルと称される。第1サービングセルは、ダウンリンク通信障害が生じる少なくとも2つのサービングセルのうちいずれか1つであり得て、第2サービングセルは、正常な通信の少なくとも2つのサービングセルのうちいずれか1つであり得る。本願の本実施形態において、サービングセル、および、サービングセルに対応するキャリアの概念は、相互交換可能であり得る。例えば、第1サービングセルに対応するキャリアが第1キャリアであるとき、以降で現れる第1サービングセルは、第1キャリアで置き換えられ得て、第1キャリアはまた、第1サービングセルで置き換えられ得る。
加えて、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じることはまた、ダウンリンク通信障害が第1キャリアで生じることとして理解され得る。ダウンリンク通信障害の概念は、第1サービングセルのダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下することを意味し得る。具体的には、第1サービングセルのすべてのダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下したことを端末が検出したとき、端末は、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じると決定し得る。
具体的には、第1サービングセルにおいてダウンリンク通信障害が生じたことを端末が検出したとき、端末は、少なくとも2つのサービングセルから、正常な通信の第2サービングセルが存在するかどうかを決定し得る。正常な通信の複数のサービングセルがある場合、端末は、正常な通信のサービングセルから任意のサービングセルを第2サービングセルとして選択し得る、または、正常な通信のサービングセルから、特定条件を満たすサービングセルを第2サービングセルとして選択し得る。第2サービングセルが満たす特定条件は、以下の条件、すなわち、第2サービングセルがPUCCHを搬送すること、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルの品質が最良であることのいずれか1つであり得る。代替的に、特定条件は、第2キャリアがPUCCHを搬送すること、第2キャリアに対応する第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2キャリアのキャリア周波数が最低であること、第2キャリアのダウンリンクチャネルの品質が最良であることとして理解され得る。
例えば、第2サービングセルがPUCCHを搬送する特定条件については、ダウンリンク通信障害復旧機構において、PUCCHは、通信障害復旧要求を搬送するために使用され得る。したがって、PUCCHを搬送する第2サービングセルが選択され、その結果、通信障害復旧要求は、PUCCHで直接搬送され得る。これにより、第1サービングセルの通信障害復旧効率を改善できる。
第2サービングセルのセルインデックスが最小であるという特定条件については、一般的に、インデックスが最小であるサービングセルが、端末が現在キャンプオンしているサービングセルである。サービングセルは、制御チャネル(例えば、PRACH/PUCCH)を搬送し、制御チャネルは、通信障害復旧要求を搬送するために直接使用され得る。これにより、第1サービングセルの通信障害復旧効率を改善できる。
第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であるという特定条件については、より低いキャリア周波数は、より大きいカバレッジエリアに対応し、結果として、より高い情報送信安定性につながる。したがって、第1サービングセルの通信障害から復旧するために最低のキャリア周波数を有する第2サービングセルを選択することにより、通信障害復旧成功率を増加させることができる。
第2サービングセルのダウンリンクチャネルの品質が最良であるという特定条件については、より良いダウンリンクチャネルの品質は、より高い送信安定性および信頼性を示す。したがって、第1サービングセルの通信障害から復旧するために最良のダウンリンクチャネルの品質を有する第2サービングセルを選択することにより、通信障害復旧成功率を増加させることができる。
少なくとも2つのサービングセルが3以上のサービングセルを含むとき、正常な通信の少なくとも2つのサービングセルの各々は、第2サービングセルと称され得ることに留意すべきである。言い換えれば、少なくとも2つのサービングセルは、複数の第2サービングセルを含み得て、したがって、特定条件を満たす第2サービングセルは、複数の第2サービングセルから選択される第2サービングセルであり得る。
段階302:端末は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信し、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される。
端末が第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信するとき、基地局は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧要求を受信し得て、通信障害復旧要求が第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用されると決定し得る。
アップリンクチャネルは、制御情報を搬送するために使用される物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)、または物理アップリンク共有チャネル(PUCCH)を含み得る。本願の本実施形態において、端末は、上述のアップリンクチャネルのいずれか1つに通信障害復旧要求を追加し得る。具体的には、端末は、上述のアップリンクチャネルのいずれか1つで、通信障害復旧要求を基地局へ送信し得て、基地局は、対応するアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を受信し得る。
加えて、端末が第2サービングセルのアップリンクチャネルで基地局へ通信障害復旧要求を送信するとき、端末は、第2サービングセルにおいて搬送される制御チャネルを決定し得る。第2サービングセルがPRACH/PUCCHを搬送する場合、端末は、第2サービングセルのPRACH/PUCCHで基地局へ通信障害復旧要求を送信し得る。この場合、基地局は、PRACH/PUCCHを使用することによって、通信障害復旧要求を受信し得る。第2サービングセルがPUCCHを搬送する場合、端末は、第2サービングセルのPUCCHで、基地局へ通信障害復旧要求を送信し得る。この場合、基地局は、PUCCHで通信障害復旧要求を受信し得る。
具体的には、第2サービングセルがPRACH、PUCCHおよびPUSCHを搬送する場合、端末は優先的に、通信障害復旧要求を基地局へ送信するためにPUSCHを選択し得て、基地局は、PUSCHで通信障害復旧要求を受信する。第2サービングセルがPRACHおよびPUCCHの両方を搬送する場合、端末は優先的に、通信障害復旧要求を基地局へ送信するためにPUCCHを選択し得て、基地局は、PUCCHで通信障害復旧要求を受信し得る。実際の適用において、第2サービングセルが2つ以上のアップリンクチャネルを搬送するとき、端末は、別の方式で、通信障害復旧要求が基地局へ送信されるチャネルを選択し得る。このことは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
更に、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの候補基準信号リソース指示を含み得る。候補基準信号リソース指示は、候補基準信号ポートを示すために使用される。理解を容易にするために、候補基準信号リソース指示は以降、候補ビーム情報と称される。候補ビーム情報は、第2サービングセルのダウンリンクビーム情報であり得る。第1サービングセルの候補基準信号リソース指示は、第1サービングセルの通信障害から復旧させるべく、第2サービングセルのダウンリンクビーム情報が第1サービングセルのダウンリンクビーム情報として使用されることであり得る。
具体的には、第1サービングセルのインデックスはまた、第1キャリアのインデックスであり得て、通信障害復旧要求は、第1キャリアのインデックスおよび候補ビーム情報を含み得る。候補ビーム情報は、第2キャリアに含まれるビーム情報であり、ビーム情報は、複数のビームについての情報であり得る。具体的には、通信障害復旧要求を搬送する方式が、第2サービングセルにおいて通信障害復旧要求を搬送するために使用される異なるアップリンクチャネルに基づいて詳細に説明される。
方式1:端末がPUCCHで通信障害復旧要求を送信するとき、通信障害復旧要求は、以下の方式で搬送され得る。
(a1)通信障害復旧要求は、変調および符号化スキームを使用することによって搬送される。ここで、変調および符号化スキームは、符号分割多重化(Code Division Multiplexing, CDM)、時分割多重化(Time Division Multiplexing, TDM)および周波数分割多重化(Frequency Division Multiplexing, FDM)を含み得る。通信障害復旧要求を搬送するために使用される具体的な符号化および変調スキームは予め設定され得る。
具体的には、通信障害復旧要求がCDM方式で搬送されることは、端末がPUCCHを使用して通信障害復旧要求を搬送するとき、端末は、直交配列符号を使用して通信障害復旧要求を変調し、PUCCHで通信障害復旧要求を送信することを意味する。同様に、基地局がPUCCHを受信するとき、基地局は、通信障害復旧要求を取得するために、同一の直交配列符号を使用してPUCCHを復調する。通信障害復旧要求がTDM方式で搬送されることは、端末がPUCCHを使用して通信障害復旧要求を搬送するとき、端末は指定された時間領域リソース上のPUCCHで通信障害復旧要求を送信することを意味する。同様に、基地局は、同一の時間領域リソースで、通信障害復旧要求を受信する。通信障害復旧要求がFDM方式で搬送されることは、端末がPUCCHを使用して通信障害復旧要求を搬送するとき、端末は、指定された周波数領域リソース上のPUCCHでPUCCHを送信することを意味する。同様に、基地局は、同一の周波数領域リソースで通信障害復旧要求を受信する。
(a2)通信障害復旧要求は、特定のシーケンスを使用することによって搬送され、ここで、特定のシーケンスは、予約シーケンスであり得て、予約シーケンスは、使用のために現在構成されていないシーケンスである。
理解を容易にするために、PUCCHは、10個のバイナリビットを占有し、最初の3個のバイナリビットは予約リソースであり、第4バイナリビットは指示ビットであると想定する。指示ビットが1に設定されているとき、基地局が予約リソースを解析することが示される。3個のバイナリビットに対応するシーケンスは、000、001、010、011、100、101、110および111を含み得て、使用のために現在構成されているシーケンスは、000〜110を含み、111は予約シーケンスである。端末は、予約シーケンス111を構成し得る。具体的には、PUCCHにおける指示シーケンスが111に構成されるとき、PUCCHは通信障害復旧要求を搬送することが示される。同様に、基地局がPUCCHを受信したとき、第4ビットが1に設定されている場合、基地局は、最初の3個のバイナリビットを解析する。最初の3個のバイナリビットに対応するシーケンスが111であるとき、PUCCHは通信障害復旧要求を搬送することが決定され得る。
(a3)ビットが追加される。通信障害復旧要求は、追加ビットを使用することによって搬送される。具体的には、PUCCHによって占有されるビットが追加され、通信障害復旧要求は、追加ビットにおいて搬送される。同様に、基地局がPUCCHを受信するとき、基地局は、追加ビットから通信障害復旧要求を取得し得る。
方式2:端末がPRACHで通信障害復旧要求を送信するとき、通信障害復旧要求は、以下の方式で搬送され得る。
(b1)通信障害復旧要求は、変調および符号化スキームを使用することによって搬送され、変調および符号化スキームは、CDM、TDM、FDMを含み得る。変調および符号化スキームを使用することによってPRACHで通信障害復旧要求を搬送する方式は、PUCCHの上述の方式と同様である。詳細については、前述の説明を参照されたい。本願において、ここでは詳細を再度説明しない。
(b2)通信障害復旧要求は、特定のプリアンブルシーケンスを使用することによって搬送され、ここで、特定のプリアンブルシーケンスは、予約プリアンブルシーケンスであり得て、予約プリアンブルシーケンスは、使用のために現在構成されていないシーケンスである。特定のプリアンブルシーケンスを使用することによってPRACHで通信障害復旧要求を搬送する方式は、PUCCHの上述の方式と同様である。詳細については、前述の説明を参照されたい。本願において、ここでは詳細を再度説明しない。
方式3:端末がPUSCHで通信障害復旧要求を送信するとき、通信障害復旧要求は、以下の方式で搬送され得る。
端末は、媒体アクセス制御(Media Access Control, MAC)層および物理層を含み得て、端末は、MAC層で、通信障害復旧要求をMAC制御要素(MAC Control Element, MAC−CE)に追加し得る。通信障害復旧要求を搬送するために使用されるMAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み得る。MAC要求指示はまた、現在のMAC‐CEのヘッダ(Header)と称され得て、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。
具体的には、端末は、基地局へ送信されるペイロードに通信障害復旧要求を追加し得る。図4に示されるように、端末は、現在スケジューリングされているペイロード、および、通信障害復旧要求(例えば、第1キャリアのインデックスおよび候補ビーム情報)をMAC層でパケット化し得る。例えば、通信障害復旧要求は、スケジューリングされているペイロードの後に配置される、または、スケジューリングされているペイロードの前に配置され得る、または、スケジューリングされているペイロードが存在しないとき、通信障害復旧要求のみがパケット化される。スケジューリングされているペイロードは、PUSCHで現在スケジューリングされているペイロードである。MAC層でパケット化された後に端末によって取得されるペイロードは、401+402+403+404であり得て、401は、現在スケジューリングされているペイロードのMACヘッダを表し、402は、現在スケジューリングされているペイロードを表し、403は、通信障害復旧要求のヘッダを表し、403におけるヘッダは、404におけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。次に、端末が物理層のPUSCHで、パケット化を通じて取得されたデータパケットを基地局へ送信する。同様に、パケット化を通じて取得されたデータパケットを基地局が受信したとき、基地局は、物理層でデータパケットを復号し、MAC層で、復号されたデータパケットを逆パケット化し、通信障害復旧要求を取得し得る。
例えば、通信障害復旧要求を搬送するためのチャネルを端末によって選択する手順が図5に示され得る。端末はまず、PUSCHを使用することによって通信障害復旧要求(REQ)が搬送されるかどうかを決定する。搬送される場合、端末は、PUSCHを搬送するコンポーネントキャリアから正常な通信の最適なCCを選択し、端末の物理層からMAC層へ通信障害復旧要求を送信し、MAC層で通信障害復旧要求をパケット化し、次に、選択されたCCのPUSCHに通信障害復旧要求を追加する。搬送されない場合(すなわち、通信障害復旧要求がPUSCHによって搬送されないと端末が決定した場合)、端末は、正常な通信の最適なコンポーネントキャリアを選択し、選択されたコンポーネントキャリアにPUCCHが存在するかどうかを決定する。PUCCHが存在する場合、端末は、通信障害復旧要求をPUCCHに追加する。または、PUCCHが存在しない場合、端末は、通信障害復旧要求をPRACHに追加する。次に、端末は通信障害復旧要求を基地局へ送信する。
代替的に、第2サービングセルのPUSCHで端末によって基地局へ送信されたデータパケットは、通信障害復旧要求の指示情報を含み、指示情報は、端末によって送信されたデータパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用される。同様に、第2サービングセルのPUSCHで端末によって送信されて基地局によって受信されたデータパケットが指示情報を含むとき、基地局は、データパケットが通信障害復旧要求を含むと決定し得る。
段階303:端末は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出し、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される。
基地局が第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧要求を受信するとき、基地局は、通信障害復旧要求に基づいて通信障害復旧応答を生成し、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで端末へ通信障害復旧応答を送信し得て、その結果、端末は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出し得る。
ダウンリンクチャネルは、制御チャネルを搬送するために使用される物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、および、データ情報を搬送するために使用される物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を含み得る。本願の本実施形態において、端末は、上述のダウンリンクチャネルのいずれか1つで通信障害復旧応答を検出し得る。
加えて、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される。ダウンリンク通信リソースは、第1サービングセルの標的基準信号リソース指示であり得て、標的基準信号リソース指示は、基地局によって選択される基準信号リソース指示であり、標的基準信号リソース指示は、基準信号ポートを示すために使用される。
具体的には、基地局が、端末によって送信されたビーム障害要求を受信したとき、基地局は、通信障害復旧応答を生成し、通信障害復旧応答を端末へ送信し得る。第2サービングセルがPDCCHを搬送する場合、基地局が通信障害復旧応答を生成した後に、基地局は、PDCCHで通信障害復旧応答を送信し得る。同様に、端末がPDCCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出する。第2サービングセルがPDSCHを搬送する場合、基地局が通信障害復旧応答を生成した後に、基地局は、PDSCHで通信障害復旧応答を送信し得る。同様に、端末がPDSCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出する。第2サービングセルがPDCCHおよびPDSCHの両方を搬送する場合、基地局が通信障害復旧応答を生成した後に、基地局は、PDSCHで通信障害復旧応答を優先的に送信し得る。同様に、端末がPDSCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出する。
更に、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの標的基準信号リソース指示を含み得る。標的基準信号リソース指示は、基地局によって選択される基準信号リソース指示であり、標的基準信号リソース指示は、基準信号ポートを示すために使用される。理解を容易にするために、標的基準信号リソース指示は以降、ダウンリンクビーム情報と称される。
具体的には、第1サービングセルのインデックスはまた、第1キャリアのインデックスであり得て、通信障害復旧応答は、第1キャリアのインデックスおよびダウンリンクビーム情報を含み得る。ダウンリンクビーム情報は、通信障害復旧要求に含まれる候補ビーム情報から、基地局によって選択されるダウンリンクビーム情報であり、ダウンリンクビームを示すために使用される。例えば、ダウンリンクビーム情報はビーム番号であり得る。具体的には、通信障害復旧応答を搬送する方式が、第2サービングセルにおいて通信障害復旧応答を搬送するために使用される異なるダウンリンクチャネルに基づいて詳細に説明される。
方式1:端末がPDCCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出したとき、通信障害復旧応答は、以下の方式で搬送され得る。
(c1)通信障害復旧応答は、変調および符号化スキームを使用することによって搬送され、変調および符号化スキームは、CDM、TDM、FDMを含み得る。変調および符号化スキームを使用することによってPDCCHで通信障害復旧応答を搬送する方式は、PUCCHで通信障害復旧要求を搬送する方式と同様である。詳細については、前述の説明を参照されたい。本願において、ここでは詳細を再度説明しない。
(c2)通信障害復旧応答は、特定のシーケンスを使用することによって搬送され、ここで、特定のシーケンスは、予約シーケンスであり得て、予約シーケンスは、使用のために現在構成されていないシーケンスである。
理解を容易にするために、PDCCHが10個のバイナリビットを占有し、最初の3個のバイナリビットは予約リソースであると想定する。3個のバイナリビットに対応するシーケンスは、000、001、010、011、100、101、110および111を含み得て、使用のために現在構成されているシーケンスは、000〜110を含み、111は予約シーケンスである。予約シーケンス111は構成され得る。具体的には、PDCCHにおける指示シーケンスが111に構成されるとき、PDCCHは通信障害復旧応答を搬送することが示される。同様に、端末がキャリアを跨いでPDCCHを受信したとき、端末は、PDCCHの予約リソースを解析し得る。予約リソースにおける対応するシーケンスが111である場合、端末は、PDCCHが通信障害復旧応答を搬送すると決定し得る。
(c3)ビットが追加される。通信障害復旧応答は、追加ビットを使用することによって搬送される。具体的には、PDCCHによって占有されるビットが追加され、通信障害復旧応答は、追加ビットにおいて搬送される。同様に、端末がPDCCHを検出したとき、端末は、通信障害復旧応答を追加ビットから取得し得る。
方式2:端末がPDSCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出したとき、通信障害復旧応答は、以下の方式で搬送され得る。
基地局はMAC層および物理層を含み得て、基地局はMAC−CEを使用して通信障害復旧応答を搬送し得る。通信障害復旧応答を搬送するために使用されるMAC−CEは、MAC応答指示および通信障害復旧応答を含み得る。MAC応答指示はまた、現在のMAC‐CEのヘッダ(Header)と称され得て、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
具体的には、基地局は、端末へ送信されるペイロードに通信障害復旧応答を追加し得る。図6に示されるように、基地局は、MAC層で、現在スケジューリングされているペイロードおよび通信障害復旧応答(例えば、第1キャリアのインデックスおよびダウンリンクビーム情報)をパケット化し得る。例えば、通信障害復旧応答は、ペイロードの後に配置される、または、ペイロードの前に配置され得る。代替的に、ペイロードが存在しないとき、通信障害復旧応答のみがパケット化される。スケジューリングされているペイロードは、PDSCHで現在スケジューリングされているペイロードである。MAC層でパケット化された後に基地局によって取得されるペイロードは、601+602+603+604であり得て、601は、現在スケジューリングされているペイロードのMACヘッダを表し、602は、現在スケジューリングされているペイロードを表し、603は、通信障害復旧応答のヘッダを表し、603におけるヘッダは、604におけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。次に、基地局は、パケット化を通じて取得されたデータパケットを、物理層のPDSCHで端末へ送信する。同様に、端末が、パケット化を通じて取得されたデータパケットをPDSCHで検出したとき、端末は、物理層でデータパケットを復号し得て、復号されたデータパケットをMAC層で逆パケット化して通信障害復旧応答を取得し得る。更に、端末は、通信障害復旧応答に含まれるダウンリンクビーム情報に基づいて、対応するダウンリンクビームを決定し得て、基地局がダウンリンクビームを使用することによって情報を送信することを決定し、それにより、高速通信障害復旧を実装する。
例えば、通信障害復旧応答を検出するために端末がチャネルを選択するための手順が図7に示され得る。端末はまず、PDSCHで通信障害復旧応答(RSP)を検出するかどうかを決定する。検出する場合、端末は、コンポーネントキャリアから、正常な通信の最適なCCを選択し、次に、PDSCHで、通信障害復旧応答を検出する。検出しない場合(すなわち、端末が、PDSCHで通信障害復旧応答を検出しないと決定する場合)、端末は、PDCCHを搬送する正常な通信の最適なCCが存在するかどうかを決定する。最適なCCが存在する場合、端末は、PDCCHで通信障害復旧応答を検出する。最適なCCが存在しない場合、端末は、障害のあるキャリアのPDCCHで通信障害復旧応答を検出する(具体的なプロセスについては、段階304から段階306を参照されたい)。
代替的に、第2サービングセルのPDCCHで基地局によって端末へ送信されるデータパケットは、通信障害復旧応答の指示情報を含む。指示情報は、基地局によって送信されるデータパケットが、通信障害復旧応答を含むことを示すために使用される。同様に、第2サービングセルのPDCCHで基地局によって送信されたデータパケットを端末が検出したとき、端末は、データパケットに含まれる通信障害復旧応答の指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧応答を含むと決定する。
更に、理解を容易にするために、本願において、ビーム障害復旧手順を説明するために、基地局が2つのサービングセルを使用することによってキャリアアグリゲーションサービスを端末に提供する例がここで使用される。2つのサービングセルはサービングセルXおよびサービングセルYであると想定し、端末セルXに対応するコンポーネントキャリアが第1キャリアであり、端末セルYに対応するコンポーネントキャリアが第2キャリアであると想定する。第1キャリアの場合、端末は、ビームa1およびビームa2を使用し、基地局は、ビームa3およびビームa4を使用する。ビームa1およびビームa3は1つのビーム対であり、ビームa2およびビームa4は1つのビーム対である(端末はビームa1を使用してPRACH/PUCCHを搬送し、端末はビームa2を使用してCSI−RS/SSブロックおよびPDCCHを搬送すると想定する)。第2キャリアの場合、端末は、ビームc1およびビームc2を使用し、基地局は、ビームc3およびビームc4を使用する。ビームc1およびビームc3は1つのビーム対であり、ビームc2およびビームc4は1つのビーム対である(端末はビームc1を使用してPRACH/PUCCHおよびPUSCHを搬送し、端末はビームc2を使用してCSI−RS/SSブロック、PDCCH、PDSCHを搬送すると想定する)。
具体的には、端末が、ビームa2で搬送されるCSI−RS/SSブロックで、ビーム障害が第1サービングセルにおいて生じていることを検出したとき、第2サービングセルが正常な通信であると端末が決定した場合、端末は、第2キャリアで構成された複数のダウンリンクビーム(例えば、ビームb3およびビームb4)についての情報を候補ビーム情報として使用し、第2サービングセルのアップリンクチャネル(例えば、ビームc1で搬送されるPRACH/PUCCHまたはPUSCH)で通信障害復旧要求を送信し、ここで、通信障害復旧要求は、第1キャリアのインデックス、および、ビームc3およびビームc4についての情報を含む。基地局が、端末によって送信された通信障害復旧要求を受信したとき、基地局は、基地局が通信障害復旧応答を送信するダウンリンクビームとしてビームc3を選択し得て、通信障害復旧応答を使用することによって、ビーム3についての情報を端末へ送信し得る。端末が、第2サービングセルのダウンリンクチャネル(例えば、ビームc2で搬送されるPDCCHまたはPDSCH)で通信障害復旧応答を検出したとき、端末は、基地局がビームc3を使用して情報を送信し、更に、同一のビーム対におけるビームc1を使用して、基地局によって送信された情報を受信することを決定し得る。
本願の本実施形態において、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じたことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定し、第2サービングセルのアップリンクチャネルで第1サービングセルの通信障害復旧要求を送信し、候補ビーム情報を取得するために第1サービングセルに対応するキャリアでビーム走査を実行することなく、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する。これにより、ビーム走査時間が節約される。加えて、第2サービングセルは、正常な通信のサービングセルであり、通信障害復旧要求は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで送信され、通信障害復旧応答は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで検出される。これにより、通信障害があるサービングセルに対して通信障害復旧を直接実行する場合と比較して、通信障害復旧成功率を増加させることができ、更に、高速通信障害復旧を実装できる。
更に、図8を参照すると、少なくとも2つのサービングセルすべてに障害が発生したことを端末が検出したとき、端末は、少なくとも2つのサービングセルのうち、より良いサービングセルを使用することによって、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を実行し得る。詳細を以下に説明する。
段階304:少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信で障害が発生したことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルが特定条件を満たすと決定し、ここで、特定条件は、第2サービングセルのサービングセルインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを含む。
具体的には、少なくとも2つのサービングセルにおいて、正常な通信のサービングセルが無いとき、すなわち、少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信において障害が発生したと端末が決定したとき、端末は、通信障害がある少なくとも2つのサービングセルから、より良いサービングセルを選択し得る。ここで、第2サービングセルは、より良いサービングセルであると想定する。例えば、少なくとも2つのサービングセルにおいて、第2サービングセルのインデックスが最小である、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低である、または、第2サービングセルのダウンリンクチャネルの品質が、少なくとも2つのサービングセルにおいて最良である。実際の適用において、第2サービングセルは、通信障害復旧効率を改善するために別の方式において選択されるサービングセルであり得る。このことは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
少なくとも2つのサービングセルが3以上のサービングセルを含むとき、第1サービングセルを除く少なくとも2つのサービングセルの各々は、第2サービングセルと称され得ることに留意すべきである。言い換えれば、少なくとも2つのサービングセルは、複数の第2サービングセルを含み得て、したがって、特定条件を満たす第2サービングセルは、複数の第2サービングセルから選択される第2サービングセルであり得る。
段階305:端末は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで、基地局へ通信障害復旧要求を送信する。
段階306:端末は、基地局によって送信された通信障害復旧応答を、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで検出する。
第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末によって基地局へ通信障害復旧要求を送信するプロセスは、段階302において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで、基地局へ通信障害復旧要求を送信するプロセスと一致し、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を端末によって検出するプロセスも、段階303において、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を端末によって検出するプロセスと一致することに留意すべきである。詳細については段階302および段階303における説明を参照されたい。本願の本実施形態において、ここでは詳細を再度説明しない。
本願の本実施形態において、第1サービングセルを使用することによって、通信障害復旧手順を直接搬送する場合と比較して、少なくとも2つのサービングセルすべてが通信障害を有するとき、端末は、通信障害復旧手順を搬送するために、より良い第2サービングセルを選択する。また、これにより、通信障害復旧成功率をある程度増加させることができ、復旧効率を更に改善させることができる。
更に、端末が通信障害要求を送信する前に、基地局は更に、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを構成し得る。これは具体的には、基地局が通信障害復旧要求構成情報を端末へ送信し、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用される、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネル、物理アップリンク共有チャネルのうち1つであることを含み得る。同様に、端末は、障害復旧要求構成情報を基地局から受信する。したがって、端末が通信障害復旧要求を送信するとき、端末は、障害復旧要求構成情報に基づいて、対応するアップリンクチャネルで通信障害要求を送信し得る。
更に、端末が通信障害復旧応答を検出する前に、基地局は更に、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを構成し得て、これは具体的には、基地局が、通信障害復旧応答構成情報を端末へ送信し、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つであることを含み得る。同様に、端末は、障害復旧応答構成情報を基地局から受信する。したがって、基地局によって送信された通信障害復旧応答を端末が検出したとき、端末は、障害復旧応答構成情報に基づいて、対応するダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出し得る。
更に、端末は、端末の能力を基地局へ更に報告し得る。例えば、端末が以下の能力、すなわち、キャリアを跨いで通信障害復旧要求を送信する能力(例えば、第1サービングセルに障害が発生するとき、端末は第2サービングセルを使用して第1サービングセルの通信障害復旧機構を搬送する)、通信障害復旧要求をPUSCHに追加する能力(例えば、端末は、第2サービングセルのPUSCHで通信障害復旧要求を送信する)、および、PDSCHで通信障害復旧応答を検出する能力(例えば、端末は、第2サービングセルのPDSCHで通信障害復旧応答を検出する)のうち1または複数を有する。端末によって報告される能力情報を基地局が受信した後に、基地局は、対応する構成情報を端末へ送信し得て、能力のうち1または複数を使用するよう端末に命令する。
具体的には、端末は、第1指示情報を基地局へ送信し得て、第1指示情報は、端末がキャリアを跨いで通信障害復旧要求を送信する能力を有することを示すために使用される。代替的に、端末は、第2指示情報を基地局へ送信し得て、第2指示情報は、端末が通信障害復旧要求をPUSCHに追加し得ることを示すために使用される。代替的に、端末は、第3指示情報を基地局へ送信し得て、第3指示情報は、端末が、PDSCHを使用することによって通信障害復旧応答を検出し得ることを示すために使用される。実際の適用において、端末は、ある時点において、端末の複数の能力を基地局へ報告し得る。例えば、端末は、ある時点において、上述の3つの能力のうち任意の2つを基地局へ報告し得る、または、ある時点において、上述の3つの能力を基地局へ報告し得る。このことは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
上述の内容は主に、本願の実施形態において提供される解決手段を、ネットワーク要素間の相互作用の観点から説明している。ネットワーク要素は例えば、端末および基地局であることを理解されたい。前述の機能を実装するべく、ネットワーク要素は、機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含む。当業者であれば、本明細書において開示される実施形態において説明される例を参照して、ユニット、アルゴリズムのステップは、本願におけるハードウェア、または、ハードウェアおよびコンピュータソフトウェアの組み合わせによって実装され得ることを容易に認識するであろう。ある機能が、ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアで駆動されるハードウェアで実行されるかどうかは、技術的解決手段の特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、各特定の用途に対し、説明された機能を実装するために異なる方法を用いてよいが、当該実装が本願の保護範囲を超えるものとみなされるべきではない。
本願の実施形態において、端末および基地局の機能モジュールは、上述の方法の例に従って分割することによって取得され得る。例えば、機能モジュールは、対応する機能に基づく分割を通して取得され得る、または、少なくとも2つの機能が1つのモジュールに統合され得る。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実装され得る、または、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装され得る。本願の実施形態において、モジュール分割は例であり、論理的な機能分割に過ぎないことに留意すべきである。実際の実装において、別の分割方式が使用され得る。以下では、機能モジュールが機能に基づく分割を通じて取得される例を説明のために使用する。
統合されたユニットを使用する場合において、図9は、上記の実施形態において使用される無線通信機器の可能な構造の概略図である。無線通信機器は、端末、または端末に内蔵されるチップであり得て、無線通信機器は、処理ユニット901、送信ユニット902および受信ユニット903を備える。処理ユニット901は、上記の実施形態における段階301または段階304を無線通信機器が実行することをサポートするよう構成され得る、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するよう構成される。送信ユニット902は、上記の実施形態における段階302または段階305を無線通信機器が実行することをサポートするよう構成される。受信ユニット903は、上記の実施形態における段階303または段階306を無線通信機器が実行することをサポートする。前述の方法の実施形態における段階のすべての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用され得る。ここでは詳細を再度説明しない。
ハードウェア実装に基づいて、本願における処理ユニット901は、無線通信機器のプロセッサであり得て、送信ユニット902は、無線通信機器の送信機であり得て、受信ユニット903は、無線通信機器の受信機であり得る。送信機および受信機は通常、送受信機として機能するように、共に統合され得る。具体的には、送受信機は、通信インタフェースとも称され得る。
図10は、本願の実施形態による上記の実施形態において使用される無線通信機器の可能な論理構造の概略図である。無線通信機器は、端末、または端末に内蔵されるチップであり得て、無線通信機器は、プロセッサ1002および通信インタフェース1003を含む。プロセッサ1002は、無線通信機器の動作を制御および管理するよう構成される。例えば、プロセッサ1002は、上記の実施形態における段階301および段階304を無線通信機器が実行することをサポートするよう構成される、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するよう構成される。加えて、無線通信機器は更に、メモリ1001およびバス1004を備え得る。プロセッサ1002、通信インタフェース1003、およびメモリ1001は、バス1004を使用することによって互いに接続される。通信インタフェース1003は、無線通信機器が通信を実行することをサポートするよう構成される。メモリ1001は、プログラムコード、および、無線通信機器のデータを格納するよう構成される。
プロセッサ1002は、中央処理装置、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、別のプログラマブルロジックデバイス、トランジスタロジックデバイス、ハードウェアコンポーネント、または、任意の組み合わせであり得る。プロセッサ1002は、本願に開示された内容を参照して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を実装または実行し得る。代替的に、プロセッサは、演算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば、1または複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、または、デジタル信号プロセッサおよびマイクロプロセッサの組み合わせであり得る。バス1004は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス、または拡張型業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどであってよい。バスは、アドレスバス、データバス、および制御バス等に分類され得る。図10中、図示の便宜上、バスは、1つの太線のみを用いて示されている。しかしながら、1つのみのバスが存在すること、または、1つのタイプのバスのみが存在することを示すわけではない。
統合されたユニットを使用する場合において、図11は、上記の実施形態において使用される無線通信機器の可能な構造の概略図である。無線通信機器は、基地局、または、基地局に内蔵されるチップであり得て、無線通信機器は、受信ユニット1101、処理ユニット1102、および送信ユニット1103を含む。受信ユニット1101は、無線通信機器が、上記の実施形態において、段階302において送信された通信障害復旧要求を受信すること、または、段階305において送信された通信障害復旧要求を受信することをサポートするよう構成される。処理ユニット1102は、無線通信機器が、上記の実施形態における、通信障害復旧応答を生成する段階を実行することをサポートするよう構成され、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するよう構成される。送信ユニット1103は、上記の実施形態において、無線通信機器が通信障害復旧応答を端末へ送信する段階を実行することをサポートする。前述の方法の実施形態における段階のすべての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用され得る。ここでは詳細を再度説明しない。
ハードウェア実装に基づいて、本願における処理ユニット1102は、無線通信機器のプロセッサであり得て、受信ユニット1101は、無線通信機器の受信機であり得て、送信ユニット1103は、無線通信機器の送信機であり得る。送信機および受信機は通常、送受信機として機能するように、共に統合され得る。具体的には、送受信機は、通信インタフェースとも称され得る。
図12は、本願の実施形態による上記の実施形態において使用される無線通信機器の可能な論理構造の概略図である。無線通信機器は、基地局、または、端末に内蔵された基地局であり得て、無線通信機器は、プロセッサ1202および通信インタフェース1203を含む。プロセッサ1202は、無線通信機器の動作を制御および管理するよう構成される。例えば、プロセッサ1202は、無線通信機器が通信障害復旧応答を生成する段階を実行することをサポートするよう構成される、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するよう構成される。加えて、無線通信機器は更に、メモリ1201およびバス1204を備え得る。プロセッサ1202、通信インタフェース1203、およびメモリ1201は、バス1204を使用することによって互いに接続される。通信インタフェース1203は、無線通信機器が通信を実行することをサポートするよう構成される。メモリ1201は、プログラムコード、および、無線通信機器のデータを格納するよう構成される。
プロセッサ1202は、中央処理装置、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、別のプログラマブルロジックデバイス、トランジスタロジックデバイス、ハードウェアコンポーネント、または、任意の組み合わせであり得る。プロセッサ1202は、本願に開示された内容を参照して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を実装または実行し得る。代替的に、プロセッサは、演算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば、1または複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、または、デジタル信号プロセッサおよびマイクロプロセッサの組み合わせであり得る。バス1204は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス、または拡張型業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどであってよい。バスは、アドレスバス、データバス、および制御バス等に分類され得る。説明を容易にするために、図12において、バスは1つの太線のみを使用して示されているが、このことは、1つのバスだけがあること、または、1種類のバスだけがあることを意味するものではない。
本願の別の実施形態において、可読記憶媒体が更に提供される。可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を格納する。デバイス(シングルチップマイクロコンピュータ、チップ、または同様のものであり得る)またはプロセッサは、前述の方法の実施形態において提供される無線通信方法における端末の段階を実行する。上述の可読記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含み得る。
本願の別の実施形態において、可読記憶媒体が更に提供される。可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を格納する。デバイス(シングルチップマイクロコンピュータ、チップ、または同様のものであり得る)またはプロセッサは、前述の方法の実施形態において提供される無線通信方法における、基地局の段階を実行する。上述の可読記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含み得る。
本願の別の実施形態では、コンピュータプログラム製品がさらに提供される。コンピュータプログラム製品はコンピュータ実行可能命令を含む。コンピュータ実行可能命令はコンピュータ可読記憶媒体に格納される。デバイスの少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み取り得る。少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ実行可能命令を実行することで、方法の実施形態において提供される無線通信方法における端末の段階をデバイスに実行させる。
本願の別の実施形態では、コンピュータプログラム製品がさらに提供される。コンピュータプログラム製品はコンピュータ実行可能命令を含む。コンピュータ実行可能命令はコンピュータ可読記憶媒体に格納される。デバイスの少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み取り得る。少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ実行可能命令を実行することで、方法の実施形態において提供される無線通信方法における基地局の段階をデバイスに実行させる。
本願の別の実施形態において、通信システムが更に提供される。通信システムは基地局および端末を含む。基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、端末のためにキャリアアグリゲーションサービスを提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含む。端末、または、端末に内蔵されるチップは、図9または図10に提供される無線通信機器であり得て、前述の方法の実施形態における端末の段階を実行するよう構成され、および/または、基地局、または、基地局に内蔵されるチップは、図11または図12に提供される無線通信機器であり得て、前述の方法の実施形態における基地局の段階を実行するよう構成される。
本願の実施形態において、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じたことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定し、第2サービングセルのアップリンクチャネルで第1サービングセルの通信障害復旧要求を送信し、候補ビーム情報を取得するために第1サービングセルに対応するキャリアに対してビーム走査を実行してことなく、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する。これにより、ビーム走査時間が節約される。加えて、第2サービングセルは、正常な通信のサービングセルであり、通信障害復旧要求は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで送信され、通信障害復旧応答は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで検出される。これにより、通信障害があるサービングセルに対して通信障害復旧を直接実行する手順と比較して、通信障害復旧成功率を増加させることができ、更に、高速通信障害復旧を実装できる。
最後に、前述の説明は本願の単なる特定の実装例にすぎず、本願の保護範囲を限定する意図はないことに留意されたい。本願に開示された技術範囲内のあらゆる変形例または置換例は、本願の保護範囲に含まれることになる。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された保護範囲に従うことになる。
本願は、2017年11月24日に中国国家知識産権局に出願された、「無線通信方法および機器」と題する中国特許出願第201711189027.Xの優先権を主張するものであり、それは参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
本願は、通信技術の分野に関連し、特に、無線通信方法および機器に関連する。
より高いサービスレートを提供するべく、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation, CA)の概念が第3世代パートナーシップパートナープロジェクト(Third Generation Partnership Project, 3GPP)に導入されている。CAにより、複数の隣接または非隣接キャリアをより大きい帯域幅にまとめることが可能になり得る。CAに参加する、異なるサービングセルに対応するキャリアは、コンポーネントキャリア(Component Carrier, CC)と称される。現在、CA対応端末が、複数のサービングセルに接続され得て、各サービングセルは、1つのコンポーネントキャリアCCに対応する。
新無線(New Radio, NR)システムにおいて、キャリアは、低周波数キャリアおよび高周波数キャリアに分類され得る。CAに参加するコンポーネントキャリアは、すべて低周波数キャリア、または、すべて高周波数キャリアであり得て、低周波数キャリアおよび高周波数キャリアの両方を含み得る。端末は、高周波数キャリアでビーム管理を実行する必要がある。NRシステムにおける高周波数キャリアの場合、端末の移動または回転、物体の遮蔽、通信中の周辺環境の変化などに起因して、基地局と端末との間の通信の品質は通常、影響を受け、基地局と端末との間のビーム対リンクを介した通信さえ中断される。
現在、基地局と端末がキャリアのビーム対リンクを介して互いに通信するとき、ビーム対リンクで通信障害が生じた場合、端末は、キャリア上で候補ビーム情報を再識別し、識別された候補ビーム情報を使用することによって、端末と基地局との間の通信を復旧させる。しかしながら、基地局と端末との間で使用されるキャリア上の通信が現在中断され、端末は、複数回にわたって、識別された候補ビーム情報を使用することによって、キャリア上で端末と基地局との間の通信を直接復旧させることを試行し得る。その結果、これは、長いループバック時間を生じさせ、高速通信障害復旧には好ましくない。
本願の実施形態は、通信障害復旧効率を改善するための無線通信方法および機器を提供する。
上記の目的を実現するべく、本願の実施形態において、以下の技術的解決手段が使用される。
第1態様によれば、無線通信方法が提供される。方法は、端末、または端末において使用されるチップに適用され、基地局が、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含み、方法は、第1サービングセルのダウンリンク通信に障害が発生したことを検出したとき、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定する段階と、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信する段階であって、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される、段階と、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する段階であって、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される、段階とを備える。
上述の技術的解決手段において、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じたことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定し、第2サービングセルのアップリンクチャネルで第1サービングセルの通信障害復旧要求を送信し、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する。これにより、通信障害復旧成功率を改善でき、更に、高速通信障害復旧を実装できる。加えて、第2サービングセルは正常な通信のサービングセルなので、端末は、候補ビーム情報を取得するためにビーム走査を実行する必要が無く、それにより、ビーム走査時間が節約される。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧要求を送信する段階の前に、方法は、障害復旧要求構成情報を基地局から受信する段階であって、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用され、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネルおよび物理アップリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に備える。可能な実装において、基地局は、端末のために、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを構成し、その結果、端末は、構成されたアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信し得て、それにより、基地局による通信障害復旧要求の検出の成功率を増加させる。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルが物理アップリンク共有チャネルであるとき、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理アップリンク共有チャネルで搬送されるので、端末は、物理アップリンク共有チャネルで通信障害復旧要求を送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み、MAC要求指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。可能な実装において、端末は、MAC要求指示を使用することによって、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを基地局に示し得る。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、端末は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信することは、端末によって、MAC層でMAC要求指示および通信障害復旧要求をパケット化し、MAC‐CEデータパケットを取得すること、および、端末によって、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルでデータパケットを送信することを含む。可能な実装において、端末は、逆パケット化を通じて取得されたMAC応答指示に基づいて、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であると決定し得る。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信することは、端末によって、第2サービングセルのアップリンクチャネルでデータパケットを送信することを含み、データパケットは、通信障害復旧要求指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理アップリンク共有チャネルで搬送されるので、端末は、物理アップリンク共有チャネルで通信障害復旧要求を送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧応答を検出する段階の前に、方法は、障害復旧応答構成情報を基地局から受信する段階であって、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に備える。可能な実装において、基地局は、端末のために、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを構成し、その結果、端末は、構成されたダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出し得て、それにより、端末による通信障害復旧応答の検出の成功率を増加させる。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク共有チャネルであるとき、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理アップリンク共有チャネルで搬送されるので、端末は、物理アップリンク共有チャネルで通信障害復旧要求を送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEはMAC応答指示および通信障害復旧応答を含む。MAC応答指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
第1態様の可能な実装において、端末は媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出することは、端末によって、物理層で第2サービングセルの物理ダウンリンク共有チャネルで基地局からデータパケットを検出すること、および、端末によって、MAC層でデータパケットを逆パケット化し、逆パケット化を通じて取得されたMAC応答指示に基づいて通信障害復旧応答を決定することを含む。
第1態様の可能な実装において、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出することは、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで基地局からのデータパケットを検出することを含み、データパケットは、通信障害復旧応答の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを示すために使用される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧応答を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理ダウンリンク共有チャネルで搬送されるので、基地局は、通信障害復旧応答を物理ダウンリンク共有チャネルに追加する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第1態様の可能な実装において、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが更に満たす。可能な実装において、正常な通信のサービングセルが決定された後に、条件を満たす第2サービングセルが更に決定される。これにより、通信障害復旧効率を更に改善でき、通信障害復旧成功率を増加させることができる。
第1態様の可能な実装において、方法は、少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信に障害が発生したことを検出したとき、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが満たすと決定する段階を更に備える。可能な実装において、少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信に障害が発生したことを検出したとき、条件を満たす第2サービングセルが選択される。これにより、通信障害復旧効率を更に改善でき、通信障害復旧成功率を更に増加させることができる。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの候補基準信号リソース指示を含み、候補基準信号リソース指示はまた、候補ビーム情報と称され得て、候補基準信号リソース指示は、候補基準信号ポートを表すために使用される。
第1態様の可能な実装において、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの標的基準信号リソース指示、すなわち、候補基準信号リソース指示から基地局によって選択された基準信号リソース指示を含む。標的基準信号リソース指示は、ダウンリンクビーム情報とも称され得て、標的基準信号リソース指示は、標的基準信号ポートを表すために使用される。
第2態様によれば、無線通信方法が提供される。方法は、基地局、または、基地局において使用されるチップに適用され、基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含み、方法は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末から通信障害復旧要求を受信する段階であって、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される、段階と、通信障害復旧応答を生成する段階であって、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される、段階と、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を端末へ送信する段階とを備える。
第2態様の可能な実装において、端末から通信障害復旧要求を受信する段階の前に、方法は、障害復旧要求構成情報を端末へ送信する段階であって、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用され、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネルおよび物理アップリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に備える。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルが物理アップリンク共有チャネルであることが示されるとき、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第2態様の可能な実装において、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み、MAC要求指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。
第2態様の可能な実装において、基地局は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末から通信障害復旧要求を受信することは、基地局によって、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルで端末からデータパケットを受信すること、および、基地局によって、MAC層でデータパケットを逆パケット化すること、および、逆パケット化を通じて取得されたMAC要求指示に基づいて、通信障害復旧要求を決定することを含む。
第2態様の可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末から通信障害復旧要求を受信することは、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末からデータパケットを受信することを含み、データパケットは、通信障害復旧要求の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用され、その結果、指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧要求を含むことが決定される。可能な実装において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理アップリンク共有チャネルで搬送されるので、端末は、物理アップリンク共有チャネルで通信障害復旧要求を送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧応答を端末へ送信する段階の前に、方法は、障害復旧応答構成情報を端末へ送信する段階であって、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に備える。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク共有チャネルであることが示されるとき、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第2態様の可能な実装において、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEはMAC応答指示および通信障害復旧応答を含み、MAC応答指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
第2態様の可能な実装において、基地局は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで端末へ通信障害復旧応答を送信することは、MAC‐CEデータパケットを取得するために、基地局によって、MAC層でMAC応答指示および通信障害復旧応答をパケット化すること、および、基地局によって、物理層で、第2サービングセルの物理ダウンリンク共有チャネルでデータパケットを送信することを含む。
第2態様の可能な実装において、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで端末へ通信障害復旧応答を送信することは、基地局によって、第2サービングセルのダウンリンクチャネルでデータパケットを送信することを含み、データパケットは、通信障害復旧応答の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを示すために使用され、その結果、端末は、指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを決定できる。可能な実装において、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を搬送するための方法が提供される。比較的大きいデータ量が物理ダウンリンク共有チャネルで搬送されるので、基地局は、通信障害復旧応答を物理ダウンリンク共有チャネルへ送信する。これにより、端末と基地局との間のシグナリングのインタラクションを低減できる。
第2態様の可能な実装において、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが更に満たす。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの候補基準信号リソース指示を含み、候補基準信号リソース指示はまた、候補ビーム情報と称され得て、候補基準信号リソース指示は、候補基準信号ポートを表すために使用される。
第2態様の可能な実装において、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの標的基準信号リソース指示、すなわち、候補基準信号リソース指示から基地局によって選択された基準信号リソース指示を含む。標的基準信号リソース指示は、ダウンリンクビーム情報とも称され得て、標的基準信号リソース指示は、標的基準信号ポートを表すために使用される。
第3態様によれば、無線通信機器が提供される。無線通信機器は、端末、または、端末において使用されるチップであり、基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含み、無線通信機器は、第1態様、または、第1態様の可能な実装のいずれか1つに提供される無線通信方法を実装することが可能な機能を含む。機能はハードウェアによって実装され得る、または、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1または複数のユニットを含む。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器の構造は、プロセッサに接続されるプロセッサおよびメモリを含む。メモリは、プログラムコードを格納するよう構成され、プログラムコードがプロセッサによって実行されるとき、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第1サービングセルのダウンリンク通信の障害が発生したことを検出したとき、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定する段階、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信する段階であって、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される、段階と、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する段階であって、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される、段階とを実行することが可能になる。
第3態様の可能な実装において、通信障害復旧要求を送信する前に、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、障害復旧要求構成情報を基地局から受信する段階であって、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用され、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネル、物理アップリンク共有チャネルの1つである、段階を更に実行する。
第3態様の可能な実装において、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルが物理アップリンク共有チャネルであるとき、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第3態様の可能な実装において、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み、MAC要求指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、MAC‐CEデータパケットを取得するために、MAC層でMAC要求指示および通信障害復旧要求をパケット化する段階と、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルでデータパケットを送信する段階とを更に実行する。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのアップリンクチャネルでデータパケットを送信する段階であって、データパケットは、通信障害復旧要求の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用される、段階を更に実行する。
第3態様の可能な実装において、通信障害復旧応答を検出する段階の前に、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、障害復旧応答構成情報を基地局から受信する段階であって、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に実行する。
第3態様の可能な実装において、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク共有チャネルであるとき、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第3態様の可能な実装において、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEはMAC応答指示および通信障害復旧応答を含み、MAC応答指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
第3態様可能な実装において、無線通信機器は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、物理層で第2サービングセルの物理ダウンリンク共有チャネルで基地局からのデータパケットを検出する段階と、MAC層でデータパケットを逆パケット化し、逆パケット化を通じて取得されたMAC応答指示に基づいて、通信障害復旧応答を決定する段階とを更に実行する。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで基地局からのデータパケットを検出する段階であって、データパケットは通信障害復旧応答の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを示すために使用される、段階を更に実行する。
第3態様の可能な実装において、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが更に満たす。
第3態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信に障害が発生したことを検出したとき、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが満たすと決定する段階とを更に実行する。
第4態様によれば、無線通信機器が提供される。無線通信機器は、基地局、または、基地局において使用されるチップであり得て、無線通信機器は、第2態様、または、第2態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実装可能な機能を含む。機能はハードウェアによって実装され得る、または、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1または複数のユニットを含む。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、基地局、または、基地局において使用されるチップであり、基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含み、無線通信機器の構造は、プロセッサ、および、プロセッサに接続されたメモリを含む。メモリはプログラムコードを格納するよう構成され、プログラムコードがプロセッサによって実行されるとき、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末から通信障害復旧要求を受信する段階であって、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される、段階と、通信障害復旧応答を生成する段階であって、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される、段階と、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を端末へ送信する段階とを実行することが可能になる。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、障害復旧要求構成情報を端末へ送信する段階であって、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用され、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネルおよび物理アップリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に実行する。
第4態様の可能な実装において、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルが物理アップリンク共有チャネルであることが示されるとき、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求は、媒体アクセス制御層制御要素において搬送される。
第4態様の可能な実装において、物理アップリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧要求が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み、MAC要求指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルで端末からデータパケットを受信すること、および、MAC層でデータパケットを逆パケット化し、逆パケット化を通じて取得されたMAC要求指示に基づいて、通信障害復旧応答を決定することを更に実行する。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末からデータパケットを受信する段階であって、データパケットは、通信障害復旧要求の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用され、その結果、指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧要求を含むことが決定される、段階を更に実行する。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、障害復旧応答構成情報を端末へ送信する段階であって、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つである、段階を更に実行する。
第4態様の可能な実装において、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルが物理ダウンリンク共有チャネルであることが示されるとき、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答は、媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送される。
第4態様の可能な実装において、物理ダウンリンク共有チャネルで搬送される通信障害復旧応答が媒体アクセス制御層制御要素MAC‐CEにおいて搬送されるとき、MAC−CEはMAC応答指示および通信障害復旧応答を含み、MAC応答指示は、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、媒体アクセス制御MAC層および物理層を含み、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、MAC‐CEデータパケットを取得するために、MAC層でMAC応答指示および通信障害復旧応答をパケット化する段階と、物理層で第2サービングセルの物理アップリンク共有チャネルでデータパケットを送信する段階とを更に実行する。
第4態様の可能な実装において、無線通信機器は、以下の段階、すなわち、第2サービングセルのダウンリンクチャネルでデータパケットを送信する段階であって、データパケットは、通信障害復旧応答の指示情報を含み、指示情報は、データパケットが通信障害復旧応答を含むことを示すために使用され、その結果、端末は、指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧応答を含むと決定し得る、段階を更に実行する。
第4態様の可能な実装において、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを第2サービングセルが更に満たす。
本願の第5の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、命令を格納し、当該命令がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第1態様、または、第1態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実行可能である。
本願の第6の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は命令を格納する。命令がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第2態様、または、第2態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実行可能である。
本願の第7の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第1態様、または、第1態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実行可能である。
本願の第8の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第2態様、または、第2態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を実行可能である。
本願の第9の態様によれば、通信システムが提供される。通信システムは端末および基地局を含む。基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションサービスを端末に提供し、少なくとも2つのサービングセルは第1サービングセルおよび第2サービングセルを含む。端末は、上述の態様において提供される端末であり得て、第1態様、または、第1態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を端末が実行することをサポートするよう構成される、および/または、基地局は、上述の態様において提供される基地局であり、第2態様、または、第2態様の可能な実装のいずれか1つにおいて提供される無線通信方法を基地局が実行することをサポートするよう構成される。
上で提供される無線通信方法の機器、コンピュータ記憶媒体、または、コンピュータプログラム製品のいずれか1つは、上で提供される対応する方法を実行するよう構成されることが理解され得る。したがって、機器、コンピュータ記憶媒体、またはコンピュータプログラム製品の有益な効果については、上で提供される対応する方法における有益な効果を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
本願の一実施形態による通信システムの概略的構造図である。
本願の一実施形態による通信障害復旧方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による無線通信方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による通信障害復旧要求の搬送の概略図である。
本願の一実施形態による通信障害復旧要求の送信の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による通信障害復旧応答の搬送の概略図である。
本願の一実施形態による通信障害復旧応答の検出の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による別の無線通信方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による無線通信機器の概略的構造図である。
本願の一実施形態による別の無線通信機器の概略的構造図である。
本願の一実施形態による更に別の無線通信機器の概略的構造図である。
本願の一実施形態による更に別の無線通信機器の概略的構造図である。
より高いサービスレートを提供するべく、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation, CA)という概念が3GPPに導入されている。CAによって、複数の隣接または非隣接キャリアをより大きい帯域幅に帯域集約することが可能になる。例えば、20MHzの帯域幅を各々有する2つのキャリアが、40MHzの帯域幅にまとめられ得る。CAに参加する、異なるセルに対応するキャリアは、コンポーネントキャリア(Component Carrier, CC)と称され得る。CA対応端末は、複数のサービングセルに接続され得て、端末に接続され得る複数のサービングセルの数は、3GPPプロトコルおよび端末の能力の両方に従って決定され得る。端末がサービングセルにおける無線リソース制御(Radio Resource Control, RRC)接続を開始して確立に成功した後、サービングセルは、端末がキャンプオンするサービングセルであり、サービングセルは、基地局と端末との間のRRC通信を担う。基地局は、RRC接続を確立することによって、端末のために別のサービングセルを構成し得る。
3GPPで定義されるCAデプロイメントシナリオは、同一サイト・同一カバレッジ、同一サイト・非同一カバレッジ、同一サイト・カバレッジホール充填、同一サイト・非同一カバレッジ+リモートラジオヘッド(Remote Radio Heads, RRH)、同一サイト・非同一カバレッジ+リピータを含み得る。
本願の実施形態は、上述のCAデプロイメントシナリオのいずれか1つを含む通信システムに適用可能である。通信システムは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution, LTE)システム、NRシステム、および、任意の将来の通信システムを含み得る。具体的には、通信システムは、基地局および端末を備え得て、端末は、複数のサービングセルに接続され得る。基地局は具体的には、マクロ基地局、マイクロ基地局、ノードB(NodeB、NB)、eNB(eNodeB)、gNB(NR NodeB)などを含み得る。理解を容易にするために、本願の実施形態において、これらの基地局は、基地局と総称される。端末は具体的には、携帯電話、ユーザ機器、電子デバイス、モバイル端末、電子端末、ウェアラブルデバイス(スマートバンド、または、スマートウォッチなど)、コンソールなどを含み得る。理解を容易にするために、本願の実施形態において、これらの端末は、端末と総称される。
理解を容易にするために、NRシステムは、本願におけるCAデプロイメントシナリオを含む通信システムを詳細に説明するための例として使用される。NRシステムにおける利用可能な周波数帯域は、2つの周波数帯域に分割され得る。例えば、6GHzを基準として使用すると、周波数帯域は、6GHzより低い周波数帯域、および、6GHzより高い周波数帯域に分割される。6GHzより低い周波数帯域におけるキャリアは、低周波数キャリアと称され得て、6GHzより高い周波数帯域におけるキャリアは、高周波数キャリアと称され得る。6GHzのキャリアは、高周波数キャリアの範囲、または、低周波数キャリアの範囲に属し得る。本願の実施形態において、低周波数キャリアおよび高周波数キャリアは相対的な概念であり、別の基準に従う分割によって取得され得ることを理解すべきである。複数のビームが1つのキャリア上で構成され得て、複数のビームのカバレッジエリアは、キャリアのカバレッジエリア内に含まれる。言い換えれば、複数のビームのカバレッジエリアは、キャリアのカバレッジエリアのサブセットである。キャリアは高周波数キャリアまたは低周波数キャリアであり得る。
基地局および端末が低周波数キャリア上で互いに通信するとき、全方向式アンテナまたはビームフォーミングアンテナが通信に使用され得る。ビームフォーミングとは、指向性の電磁波を生成するように、アンテナのユニット間の相関が制御されることを意味する。基地局と端末との間のリンク送信の信号対雑音比を増加させるために、電磁波の方向は、端末から基地局への方向と可能な限り一致する。ビームは、自由空間において伝搬する指向性電磁波として理解され得る。例えば、ビームは基準信号ポートであり得て、異なる基準信号ポートは、異なる基準信号構成、すなわち、異なる指向性を有する基準信号を表す。加えて、ビームはまた、送信アンテナまたは受信アンテナが指向性電磁波を効果的に生成または受信できるような送信アンテナまたは受信アンテナの設定として理解され得る。例えば、ビームはアンテナポートであり得て、異なるアンテナポートは異なるアンテナ構成を有し、その結果、指向性電磁波を効果的に生成または受信できる。
基地局および端末が、高周波数キャリア上で構成されたビームを介して、高周波数キャリア上で互いに通信するとき、端末は、情報を基地局へ送信し得る、または、基地局によって送信された情報を受信し得る。同様に、高周波数キャリア上で構成されたビームを介して、基地局はまた、端末によって送信された情報を受信し得る、または、情報を端末へ送信し得る。具体的には、キャリア上で端末はビーム1〜ビーム3を使用し、基地局はビーム4〜ビーム6を使用すると想定する。端末がビーム1を使用することによって情報を基地局へ送信し、かつ、基地局がビーム4を使用することによって、端末によって送信された情報を受信する場合、ビーム1およびビーム4はビーム対と称され得る。ここでのビーム対は、情報の送信および受信のために2つの通信当事者によって使用されるビームの対であり得る。端末および基地局がそれぞれビーム1およびビーム4を使用することによって互いに通信するとき、ビーム1またはビーム4のリンクはビームリンクと称され得る。ここでのビームリンクは、通信のための単一ビームのリンクであり得て、ビーム対リンクは、2つの通信当事者間での情報の送信および受信に使用されるビーム対のリンクであり得る。基地局および端末がビームを使用することによって互いに通信するとき、基地局および端末は、ビームフォーミング技術をサポートする必要がある。ビームフォーミング技術は、基地局と端末との間のリンク送信の信号対雑音比を改善するために使用され得て、それにより、システム容量を増加させる。
図1は、本願の実施形態によるCAデプロイメントシナリオを含むNRシステムのシステムアーキテクチャの図である。NRシステムにおける同一サイト・非同一カバレッジ+RRHのCAデプロイメントシナリオが説明のための例として使用される。NRシステムは、基地局101、端末102、およびRRH103を備える、複数のアンテナアレイが基地局101に配置され、いくつかのアンテナアレイが基地局101に直接デプロイされ、いくつかのアンテナアレイが、RRH103を使用することによって、リモートでデプロイされる。図1において、例えば、CAに参加するコンポーネントキャリアは、第1キャリアおよび第2キャリアを含む。第1キャリアのキャリア周波数は第2キャリアのキャリア周波数より低いと想定する。第1キャリアは、基地局101に直接デプロイされるアンテナアレイを使用することによって放射を実行し、第2キャリアは、リモートでデプロイされるアンテナアレイを使用することによって放射を実行する。第1キャリアに対応するサービングセルのカバレッジエリアは、A1、A2、A3を含み得て、第2キャリアに対応するサービングセルのカバレッジエリアは、B1、B2、B3、B4、B5を含み得る。
端末102は、第1キャリアに対応するサービングセルにキャンプオンし得て、すなわち、図1におけるA1、A2、またはA3に位置し得る。代替的に、端末102は、第2キャリアに対応するセルにキャンプオンし得て、すなわち、図1におけるB1、B2、B3、B4またはB5に位置し得る。基地局101および端末102は、第1キャリアで構成されるビームを使用することによって互いに通信し得る、または、第2キャリアで構成されるビームを使用することによって互いに通信し得る。具体的には、端末102が、第1キャリアに対応するセルにキャンプオンするとき、第1キャリア上のビームが、基地局101と端末102との間の制御チャネルおよびデータチャネルを搬送するために使用され得て、第2キャリア上のビームはまた、制御チャネルを搬送するために使用され得るが、第1キャリアのみが制御チャネルにおいて物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel, PUCCH)を搬送する。この場合、第2キャリアに対応するセルがアクティブ状態にある場合、第2キャリア上のビームがデータチャネルを搬送するのに使用され得る。または、第2キャリアに対応するセルが非アクティブ状態にある場合、第2キャリア上のビームはデータチャネルを搬送するために使用されることができない。言い換えれば、端末102が第1キャリアに対応するセルにキャンプオンするとき、第2キャリアに対応するセルがアクティブ状態にある場合、第1キャリア上のビームは、制御情報(この場合、アップリンク制御情報は、PUCCH上で搬送される)、および、基地局101と端末102との間のデータ情報を送信するために使用され得て、第2キャリア上のビームはまた、制御情報(この場合、アップリンク制御情報は、PUCCH以外のアップリンクチャネル上で搬送される)およびデータ情報を送信するために使用され得る。端末102が、第1キャリアに対応するサービングセルにキャンプオンするとき、第2キャリアに対応するセルが非アクティブ状態にある場合、第1キャリア上のビームは基地局101と端末102との間で制御情報およびデータ情報を送信するために使用され得て、第2キャリア上のビームは、データ情報を送信するために使用されない。
CAデプロイメントシナリオを含むNRシステムの場合、CAに参加するコンポーネントキャリアが高周波数キャリアを含むとき、基地局と端末との間のリンク送信の信号対雑音比を増加させ、システム容量を増加させるために、端末は、各高周波数キャリア上でビーム管理を実行する必要がある。ビーム管理とは、アップリンクおよびダウンリンクの受信/送信ビーム対を維持することを意味し得る。しかしながら、NRシステムにおける高周波数キャリアの場合、端末の移動または回転、物体の遮蔽、通信中の周辺環境の変化などに起因して、基地局と端末との間の通信の品質は影響を受け、現在の通信におけるビームリンクを介した通信さえ中断される。したがって、通信遮断が基地局と端末との間のビーム対リンクで生じるとき、端末は、ダウンリンク通信障害復旧を実行する必要がある。
本願の実施形態において、ダウンリンク通信障害とは、サービングセルのダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下することを意味し得る。例えば、信号品質または信号強度は、特定の閾値より低い、または、信号品質もしくは信号強度は、一定期間にわたって、特定の閾値より低いままである。同様に、正常な通信とは、サービングセルにおいて通信障害が生じていないことを意味し得る。サービングセルのダウンリンクチャネルは、データチャネルを除くサービングセルのダウンリンクチャネルすべてであり得て、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel, PDCCH)、チャネル状態情報基準信号(Channel Station Information Reference Signal, CSI−RS)、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block, SS Block)を含み得る、または、いくつかのダウンリンクチャネルであり得る。サービングセルのダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下することは、ダウンリンクチャネルのすべての信号品質が十分に低いレベルに低下することを意味し得る、または、1または複数のダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下することを意味し得る。
本願の実施形態は、単一キャリア通信障害復旧に使用される無線通信方法を提供する。方法は、端末によってトリガおよび実行され得て、具体的には4フェーズ、すなわち、ビーム障害の検出、候補ビームの識別、通信障害復旧要求の送信、および、端末による、通信障害復旧要求に対する基地局の応答の検出を含み得る。具体的には、端末および基地局が単一キャリアを使用することによって互いに通信するとき、端末は、第1キャリアで搬送されるCSI−RS/SSブロックでビーム障害検出を実行し得る。ビーム障害を検出したとき、端末は、候補ビームを識別するために、CSI−RS/SSブロックでビーム走査を実行し得る。端末は、第1キャリアで搬送されるPRACH/PUCCHで通信障害復旧要求を送信する。端末は、第1キャリアで搬送されるPDCCHで、通信障害復旧要求に対する基地局の応答を検出する。
例えば、端末が現在キャンプオンしているセルはサービングセルcであり、サービングセルcに対応するキャリアは第1キャリアである。NRシステムにおいて、上述の通信障害復旧処理プロセスは図2に示され得る。第1キャリアにおいて、端末はビームa1およびビームa2を使用し、基地局はビームa3〜ビームa4を使用すると想定する。ビームa1およびビームa3は1つのビーム対であり、ビームa2およびビームa4は1つのビーム対である。端末はアップリンクチャネルを搬送するために、第1キャリアでビームa1を使用し、アップリンクチャネルはPRACH/PUCCHを含み得る。端末は、第1キャリアでビームa2を使用することによってダウンリンクチャネルを検出し、ダウンリンクチャネルはCSI−RS/SSブロックおよびPDCCHを含み得る。
具体的には、端末および基地局が第1キャリアで互いに正常に通信するとき、端末は、第1キャリアでビームa1を使用することによって基地局へアップリンク制御情報を送信し得て、端末は、ビームa2を使用することによって、基地局によって送信されたダウンリンク制御情報を検出し得る。端末がCSI−RS/SSブロックでダウンリンク通信障害を検出したとき、端末は、候補ビーム対リンクを識別するために、CSI−RS/SSブロックの第1キャリアに対してビーム走査を実行し得る(例えば、第1キャリアで、端末はビームb1およびビームb2を使用し、基地局はビームb3およびビームb4を使用し、ビームb1およびビームb3は1つのビーム対であり、ビームb2およびビームb4は1つのビーム対である)。次に、端末は、ビームa1で搬送されるPRACH/PUCCHで、基地局へ通信障害復旧要求を送信し得て、通信障害復旧要求は、候補ビーム情報(例えばビームb3およびビームb4)を含む。基地局が、端末によって送信された通信障害復旧要求を受信したとき、基地局は、候補ビーム情報からビームb3を選択し、ビームb3のビーム情報を搬送する通信障害復旧応答を端末へ送信し得る。端末は、ビームa2で搬送されるPDCCHで、通信障害復旧応答を検出し得る。端末は、通信障害復旧応答を検出したとき、通信障害復旧応答において搬送されるビームb3のビーム情報に基づいて、基地局がビームb3を使用して情報を送信することを決定し得る。したがって、端末は、同一のビーム対におけるビームb1を使用することによって、基地局によって送信された情報を受信する。端末が通信障害復旧応答を検出せず、検出がタイムアウトしていないと決定した場合、端末は、アップリンク送信電力を増加させ得る、または、別のアップリンクビームを使用することによって通信障害復旧要求を再開し得る。端末が通信障害復旧応答を検出せず、検出がタイムアウトしたと決定した場合、端末は、現在の通信障害復旧に障害が発生したと決定し得る。
図3は、本願の実施形態による無線通信方法の概略フローチャートである。方法は、端末および基地局を備える通信システムに適用される。基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、キャリアアグリゲーションCAサービスを端末に提供する。少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含む。図3を参照すると、方法は以下の段階を備える。
段階301:ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じたことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定する。
CAに参加するコンポーネントキャリアは、複数のキャリアを含み得る。例えば、複数のキャリアは、第1キャリアおよび第2キャリアを含み、第1キャリアに対応するサービングセルは、第1サービングセルと称され、第2キャリアに対応するサービングセルは、第2サービングセルと称される。第1サービングセルは、ダウンリンク通信障害が生じる少なくとも2つのサービングセルのうちいずれか1つであり得て、第2サービングセルは、正常な通信の少なくとも2つのサービングセルのうちいずれか1つであり得る。本願の本実施形態において、サービングセル、および、サービングセルに対応するキャリアの概念は、相互交換可能であり得る。例えば、第1サービングセルに対応するキャリアが第1キャリアであるとき、以降で現れる第1サービングセルは、第1キャリアで置き換えられ得て、第1キャリアはまた、第1サービングセルで置き換えられ得る。
加えて、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じることはまた、ダウンリンク通信障害が第1キャリアで生じることとして理解され得る。ダウンリンク通信障害の概念は、第1サービングセルのダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下することを意味し得る。具体的には、第1サービングセルのすべてのダウンリンクチャネルの信号品質が十分に低いレベルに低下したことを端末が検出したとき、端末は、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じると決定し得る。
具体的には、第1サービングセルにおいてダウンリンク通信障害が生じたことを端末が検出したとき、端末は、少なくとも2つのサービングセルから、正常な通信の第2サービングセルが存在するかどうかを決定し得る。正常な通信の複数のサービングセルがある場合、端末は、正常な通信のサービングセルから任意のサービングセルを第2サービングセルとして選択し得る、または、正常な通信のサービングセルから、特定条件を満たすサービングセルを第2サービングセルとして選択し得る。第2サービングセルが満たす特定条件は、以下の条件、すなわち、第2サービングセルがPUCCHを搬送すること、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルの品質が最良であることのいずれか1つであり得る。代替的に、特定条件は、第2キャリアがPUCCHを搬送すること、第2キャリアに対応する第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2キャリアのキャリア周波数が最低であること、第2キャリアのダウンリンクチャネルの品質が最良であることとして理解され得る。
例えば、第2サービングセルがPUCCHを搬送する特定条件については、ダウンリンク通信障害復旧機構において、PUCCHは、通信障害復旧要求を搬送するために使用され得る。したがって、PUCCHを搬送する第2サービングセルが選択され、その結果、通信障害復旧要求は、PUCCHで直接搬送され得る。これにより、第1サービングセルの通信障害復旧効率を改善できる。
第2サービングセルのセルインデックスが最小であるという特定条件については、一般的に、インデックスが最小であるサービングセルが、端末が現在キャンプオンしているサービングセルである。サービングセルは、制御チャネル(例えば、PRACH/PUCCH)を搬送し、制御チャネルは、通信障害復旧要求を搬送するために直接使用され得る。これにより、第1サービングセルの通信障害復旧効率を改善できる。
第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であるという特定条件については、より低いキャリア周波数は、より大きいカバレッジエリアに対応し、結果として、より高い情報送信安定性につながる。したがって、第1サービングセルの通信障害から復旧するために最低のキャリア周波数を有する第2サービングセルを選択することにより、通信障害復旧成功率を増加させることができる。
第2サービングセルのダウンリンクチャネルの品質が最良であるという特定条件については、より良いダウンリンクチャネルの品質は、より高い送信安定性および信頼性を示す。したがって、第1サービングセルの通信障害から復旧するために最良のダウンリンクチャネルの品質を有する第2サービングセルを選択することにより、通信障害復旧成功率を増加させることができる。
少なくとも2つのサービングセルが3以上のサービングセルを含むとき、正常な通信の少なくとも2つのサービングセルの各々は、第2サービングセルと称され得ることに留意すべきである。言い換えれば、少なくとも2つのサービングセルは、複数の第2サービングセルを含み得て、したがって、特定条件を満たす第2サービングセルは、複数の第2サービングセルから選択される第2サービングセルであり得る。
段階302:端末は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信し、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用される。
端末が第2サービングセルのアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信するとき、基地局は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧要求を受信し得て、通信障害復旧要求が第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を要求するために使用されると決定し得る。
アップリンクチャネルは、制御情報を搬送するために使用される物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)、または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を含み得る。本願の本実施形態において、端末は、上述のアップリンクチャネルのいずれか1つに通信障害復旧要求を追加し得る。具体的には、端末は、上述のアップリンクチャネルのいずれか1つで、通信障害復旧要求を基地局へ送信し得て、基地局は、対応するアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を受信し得る。
加えて、端末が第2サービングセルのアップリンクチャネルで基地局へ通信障害復旧要求を送信するとき、端末は、第2サービングセルにおいて搬送される制御チャネルを決定し得る。第2サービングセルがPRACH/PUCCHを搬送する場合、端末は、第2サービングセルのPRACH/PUCCHで基地局へ通信障害復旧要求を送信し得る。この場合、基地局は、PRACH/PUCCHを使用することによって、通信障害復旧要求を受信し得る。第2サービングセルがPUCCHを搬送する場合、端末は、第2サービングセルのPUCCHで、基地局へ通信障害復旧要求を送信し得る。この場合、基地局は、PUCCHで通信障害復旧要求を受信し得る。
具体的には、第2サービングセルがPRACH、PUCCHおよびPUSCHを搬送する場合、端末は優先的に、通信障害復旧要求を基地局へ送信するためにPUSCHを選択し得て、基地局は、PUSCHで通信障害復旧要求を受信する。第2サービングセルがPRACHおよびPUCCHの両方を搬送する場合、端末は優先的に、通信障害復旧要求を基地局へ送信するためにPUCCHを選択し得て、基地局は、PUCCHで通信障害復旧要求を受信し得る。実際の適用において、第2サービングセルが2つ以上のアップリンクチャネルを搬送するとき、端末は、別の方式で、通信障害復旧要求が基地局へ送信されるチャネルを選択し得る。このことは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
更に、通信障害復旧要求は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの候補基準信号リソース指示を含み得る。候補基準信号リソース指示は、候補基準信号ポートを示すために使用される。理解を容易にするために、候補基準信号リソース指示は以降、候補ビーム情報と称される。候補ビーム情報は、第2サービングセルのダウンリンクビーム情報であり得る。第1サービングセルの候補基準信号リソース指示は、第1サービングセルの通信障害から復旧させるべく、第2サービングセルのダウンリンクビーム情報が第1サービングセルのダウンリンクビーム情報として使用されることであり得る。
具体的には、第1サービングセルのインデックスはまた、第1キャリアのインデックスであり得て、通信障害復旧要求は、第1キャリアのインデックスおよび候補ビーム情報を含み得る。候補ビーム情報は、第2キャリアに含まれるビーム情報であり、ビーム情報は、複数のビームについての情報であり得る。具体的には、通信障害復旧要求を搬送する方式が、第2サービングセルにおいて通信障害復旧要求を搬送するために使用される異なるアップリンクチャネルに基づいて詳細に説明される。
方式1:端末がPUCCHで通信障害復旧要求を送信するとき、通信障害復旧要求は、以下の方式で搬送され得る。
(a1)通信障害復旧要求は、変調および符号化スキームを使用することによって搬送される。ここで、変調および符号化スキームは、符号分割多重化(Code Division Multiplexing, CDM)、時分割多重化(Time Division Multiplexing, TDM)および周波数分割多重化(Frequency Division Multiplexing, FDM)を含み得る。通信障害復旧要求を搬送するために使用される具体的な符号化および変調スキームは予め設定され得る。
具体的には、通信障害復旧要求がCDM方式で搬送されることは、端末がPUCCHを使用して通信障害復旧要求を搬送するとき、端末は、直交配列符号を使用して通信障害復旧要求を変調し、PUCCHで通信障害復旧要求を送信することを意味する。同様に、基地局がPUCCHを受信するとき、基地局は、通信障害復旧要求を取得するために、同一の直交配列符号を使用してPUCCHを復調する。通信障害復旧要求がTDM方式で搬送されることは、端末がPUCCHを使用して通信障害復旧要求を搬送するとき、端末は指定された時間領域リソース上のPUCCHで通信障害復旧要求を送信することを意味する。同様に、基地局は、同一の時間領域リソースで、通信障害復旧要求を受信する。通信障害復旧要求がFDM方式で搬送されることは、端末がPUCCHを使用して通信障害復旧要求を搬送するとき、端末は、指定された周波数領域リソース上のPUCCHで通信障害復旧要求を送信することを意味する。同様に、基地局は、同一の周波数領域リソースで通信障害復旧要求を受信する。
(a2)通信障害復旧要求は、特定のシーケンスを使用することによって搬送され、ここで、特定のシーケンスは、予約シーケンスであり得て、予約シーケンスは、使用のために現在構成されていないシーケンスである。
理解を容易にするために、PUCCHは、10個のバイナリビットを占有し、最初の3個のバイナリビットは予約リソースであり、第4バイナリビットは指示ビットであると想定する。指示ビットが1に設定されているとき、基地局が予約リソースを解析することが示される。3個のバイナリビットに対応するシーケンスは、000、001、010、011、100、101、110および111を含み得て、使用のために現在構成されているシーケンスは、000〜110を含み、111は予約シーケンスである。端末は、予約シーケンス111を構成し得る。具体的には、PUCCHにおける指示シーケンスが111に構成されるとき、PUCCHは通信障害復旧要求を搬送することが示される。同様に、基地局がPUCCHを受信したとき、第4ビットが1に設定されている場合、基地局は、最初の3個のバイナリビットを解析する。最初の3個のバイナリビットに対応するシーケンスが111であるとき、PUCCHは通信障害復旧要求を搬送することが決定され得る。
(a3)ビットが追加される。通信障害復旧要求は、追加ビットを使用することによって搬送される。具体的には、PUCCHによって占有されるビットが追加され、通信障害復旧要求は、追加ビットにおいて搬送される。同様に、基地局がPUCCHを受信するとき、基地局は、追加ビットから通信障害復旧要求を取得し得る。
方式2:端末がPRACHで通信障害復旧要求を送信するとき、通信障害復旧要求は、以下の方式で搬送され得る。
(b1)通信障害復旧要求は、変調および符号化スキームを使用することによって搬送され、変調および符号化スキームは、CDM、TDM、FDMを含み得る。変調および符号化スキームを使用することによってPRACHで通信障害復旧要求を搬送する方式は、PUCCHの上述の方式と同様である。詳細については、前述の説明を参照されたい。本願において、ここでは詳細を再度説明しない。
(b2)通信障害復旧要求は、特定のプリアンブルシーケンスを使用することによって搬送され、ここで、特定のプリアンブルシーケンスは、予約プリアンブルシーケンスであり得て、予約プリアンブルシーケンスは、使用のために現在構成されていないシーケンスである。特定のプリアンブルシーケンスを使用することによってPRACHで通信障害復旧要求を搬送する方式は、PUCCHの上述の方式と同様である。詳細については、前述の説明を参照されたい。本願において、ここでは詳細を再度説明しない。
方式3:端末がPUSCHで通信障害復旧要求を送信するとき、通信障害復旧要求は、以下の方式で搬送され得る。
端末は、媒体アクセス制御(Media Access Control, MAC)層および物理層を含み得て、端末は、MAC層で、通信障害復旧要求をMAC制御要素(MAC Control Element, MAC−CE)に追加し得る。通信障害復旧要求を搬送するために使用されるMAC−CEは、MAC要求指示および通信障害復旧要求を含み得る。MAC要求指示はまた、現在のMAC‐CEのヘッダ(Header)と称され得て、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。
具体的には、端末は、基地局へ送信されるペイロードに通信障害復旧要求を追加し得る。図4に示されるように、端末は、現在スケジューリングされているペイロード、および、通信障害復旧要求(例えば、第1キャリアのインデックスおよび候補ビーム情報)をMAC層でパケット化し得る。例えば、通信障害復旧要求は、スケジューリングされているペイロードの後に配置される、または、スケジューリングされているペイロードの前に配置され得る、または、スケジューリングされているペイロードが存在しないとき、通信障害復旧要求のみがパケット化される。スケジューリングされているペイロードは、PUSCHで現在スケジューリングされているペイロードである。MAC層でパケット化された後に端末によって取得されるペイロードは、401+402+403+404であり得て、401は、現在スケジューリングされているペイロードのMACヘッダを表し、402は、現在スケジューリングされているペイロードを表し、403は、通信障害復旧要求のヘッダを表し、403におけるヘッダは、404におけるペイロードが通信障害復旧要求であることを示すために使用される。次に、端末が物理層のPUSCHで、パケット化を通じて取得されたデータパケットを基地局へ送信する。同様に、パケット化を通じて取得されたデータパケットを基地局が受信したとき、基地局は、物理層でデータパケットを復号し、MAC層で、復号されたデータパケットを逆パケット化し、通信障害復旧要求を取得し得る。
例えば、通信障害復旧要求を搬送するためのチャネルを端末によって選択する手順が図5に示され得る。端末はまず、PUSCHを使用することによって通信障害復旧要求(REQ)が搬送されるかどうかを決定する。搬送される場合、端末は、PUSCHを搬送するコンポーネントキャリアから正常な通信の最適なCCを選択し、端末の物理層からMAC層へ通信障害復旧要求を送信し、MAC層で通信障害復旧要求をパケット化し、次に、選択されたCCのPUSCHに通信障害復旧要求を追加する。搬送されない場合(すなわち、通信障害復旧要求がPUSCHによって搬送されないと端末が決定した場合)、端末は、正常な通信の最適なコンポーネントキャリアを選択し、選択されたコンポーネントキャリアにPUCCHが存在するかどうかを決定する。PUCCHが存在する場合、端末は、通信障害復旧要求をPUCCHに追加する。または、PUCCHが存在しない場合、端末は、通信障害復旧要求をPRACHに追加する。次に、端末は通信障害復旧要求を基地局へ送信する。
代替的に、第2サービングセルのPUSCHで端末によって基地局へ送信されたデータパケットは、通信障害復旧要求の指示情報を含み、指示情報は、端末によって送信されたデータパケットが通信障害復旧要求を含むことを示すために使用される。同様に、第2サービングセルのPUSCHで端末によって送信されて基地局によって受信されたデータパケットが指示情報を含むとき、基地局は、データパケットが通信障害復旧要求を含むと決定し得る。
段階303:端末は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出し、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される。
基地局が第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧要求を受信するとき、基地局は、通信障害復旧要求に基づいて通信障害復旧応答を生成し、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで端末へ通信障害復旧応答を送信し得て、その結果、端末は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出し得る。
ダウンリンクチャネルは、制御情報を搬送するために使用される物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、および、データ情報を搬送するために使用される物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を含み得る。本願の本実施形態において、端末は、上述のダウンリンクチャネルのいずれか1つで通信障害復旧応答を検出し得る。
加えて、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのダウンリンク通信リソースを示すために使用される。ダウンリンク通信リソースは、第1サービングセルの標的基準信号リソース指示であり得て、標的基準信号リソース指示は、基地局によって選択される基準信号リソース指示であり、標的基準信号リソース指示は、基準信号ポートを示すために使用される。
具体的には、基地局が、端末によって送信された通信障害要求を受信したとき、基地局は、通信障害復旧応答を生成し、通信障害復旧応答を端末へ送信し得る。第2サービングセルがPCCHを搬送する場合、基地局が通信障害復旧応答を生成した後に、基地局は、PDCCHで通信障害復旧応答を送信し得る。同様に、端末がPDCCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出する。第2サービングセルがPDSCHを搬送する場合、基地局が通信障害復旧応答を生成した後に、基地局は、PDSCHで通信障害復旧応答を送信し得る。同様に、端末がPDSCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出する。第2サービングセルがPDCCHおよびPDSCHの両方を搬送する場合、基地局が通信障害復旧応答を生成した後に、基地局は、PDSCHで通信障害復旧応答を優先的に送信し得る。同様に、端末がPDSCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出する。
更に、通信障害復旧応答は、第1サービングセルのインデックス、および、第1サービングセルの標的基準信号リソース指示を含み得る。標的基準信号リソース指示は、基地局によって選択される基準信号リソース指示であり、標的基準信号リソース指示は、基準信号ポートを示すために使用される。理解を容易にするために、標的基準信号リソース指示は以降、ダウンリンクビーム情報と称される。
具体的には、第1サービングセルのインデックスはまた、第1キャリアのインデックスであり得て、通信障害復旧応答は、第1キャリアのインデックスおよびダウンリンクビーム情報を含み得る。ダウンリンクビーム情報は、通信障害復旧要求に含まれる候補ビーム情報から、基地局によって選択されるダウンリンクビーム情報であり、ダウンリンクビームを示すために使用される。例えば、ダウンリンクビーム情報はビーム番号であり得る。具体的には、通信障害復旧応答を搬送する方式が、第2サービングセルにおいて通信障害復旧応答を搬送するために使用される異なるダウンリンクチャネルに基づいて詳細に説明される。
方式1:端末がPDCCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出したとき、通信障害復旧応答は、以下の方式で搬送され得る。
(c1)通信障害復旧応答は、変調および符号化スキームを使用することによって搬送され、変調および符号化スキームは、CDM、TDM、FDMを含み得る。変調および符号化スキームを使用することによってPDCCHで通信障害復旧応答を搬送する方式は、PUCCHで通信障害復旧要求を搬送する方式と同様である。詳細については、前述の説明を参照されたい。本願において、ここでは詳細を再度説明しない。
(c2)通信障害復旧応答は、特定のシーケンスを使用することによって搬送され、ここで、特定のシーケンスは、予約シーケンスであり得て、予約シーケンスは、使用のために現在構成されていないシーケンスである。
理解を容易にするために、PDCCHが10個のバイナリビットを占有し、最初の3個のバイナリビットは予約リソースであると想定する。3個のバイナリビットに対応するシーケンスは、000、001、010、011、100、101、110および111を含み得て、使用のために現在構成されているシーケンスは、000〜110を含み、111は予約シーケンスである。予約シーケンス111は構成され得る。具体的には、PDCCHにおける指示シーケンスが111に構成されるとき、PDCCHは通信障害復旧応答を搬送することが示される。同様に、端末がキャリアを跨いでPDCCHを受信したとき、端末は、PDCCHの予約リソースを解析し得る。予約リソースにおける対応するシーケンスが111である場合、端末は、PDCCHが通信障害復旧応答を搬送すると決定し得る。
(c3)ビットが追加される。通信障害復旧応答は、追加ビットを使用することによって搬送される。具体的には、PDCCHによって占有されるビットが追加され、通信障害復旧応答は、追加ビットにおいて搬送される。同様に、端末がPDCCHを検出したとき、端末は、通信障害復旧応答を追加ビットから取得し得る。
方式2:端末がPDSCHで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を検出したとき、通信障害復旧応答は、以下の方式で搬送され得る。
基地局はMAC層および物理層を含み得て、基地局はMAC−CEを使用して通信障害復旧応答を搬送し得る。通信障害復旧応答を搬送するために使用されるMAC−CEは、MAC応答指示および通信障害復旧応答を含み得る。MAC応答指示はまた、現在のMAC‐CEのヘッダ(Header)と称され得て、現在のMAC‐CEにおけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。
具体的には、基地局は、端末へ送信されるペイロードに通信障害復旧応答を追加し得る。図6に示されるように、基地局は、MAC層で、現在スケジューリングされているペイロードおよび通信障害復旧応答(例えば、第1キャリアのインデックスおよびダウンリンクビーム情報)をパケット化し得る。例えば、通信障害復旧応答は、ペイロードの後に配置される、または、ペイロードの前に配置され得る。代替的に、ペイロードが存在しないとき、通信障害復旧応答のみがパケット化される。スケジューリングされているペイロードは、PDSCHで現在スケジューリングされているペイロードである。MAC層でパケット化された後に基地局によって取得されるペイロードは、601+602+603+604であり得て、601は、現在スケジューリングされているペイロードのMACヘッダを表し、602は、現在スケジューリングされているペイロードを表し、603は、通信障害復旧応答のヘッダを表し、603におけるヘッダは、604におけるペイロードが通信障害復旧応答であることを示すために使用される。次に、基地局は、パケット化を通じて取得されたデータパケットを、物理層のPDSCHで端末へ送信する。同様に、端末が、パケット化を通じて取得されたデータパケットをPDSCHで検出したとき、端末は、物理層でデータパケットを復号し得て、復号されたデータパケットをMAC層で逆パケット化して通信障害復旧応答を取得し得る。更に、端末は、通信障害復旧応答に含まれるダウンリンクビーム情報に基づいて、対応するダウンリンクビームを決定し得て、基地局がダウンリンクビームを使用することによって情報を送信することを決定し、それにより、高速通信障害復旧を実装する。
例えば、通信障害復旧応答を検出するために端末がチャネルを選択するための手順が図7に示され得る。端末はまず、PDSCHで通信障害復旧応答(RSP)を検出するかどうかを決定する。検出する場合、端末は、コンポーネントキャリアから、正常な通信の最適なCCを選択し、次に、PDSCHで、通信障害復旧応答を検出する。検出しない場合(すなわち、端末が、PDSCHで通信障害復旧応答を検出しないと決定する場合)、端末は、PDCCHを搬送する正常な通信の最適なCCが存在するかどうかを決定する。最適なCCが存在する場合、端末は、PDCCHで通信障害復旧応答を検出する。最適なCCが存在しない場合、端末は、障害のあるキャリアのPDCCHで通信障害復旧応答を検出する(具体的なプロセスについては、段階304から段階306を参照されたい)。
代替的に、第2サービングセルのPDCCHで基地局によって端末へ送信されるデータパケットは、通信障害復旧応答の指示情報を含む。指示情報は、基地局によって送信されるデータパケットが、通信障害復旧応答を含むことを示すために使用される。同様に、第2サービングセルのPDCCHで基地局によって送信されたデータパケットを端末が検出したとき、端末は、データパケットに含まれる通信障害復旧応答の指示情報に基づいて、データパケットが通信障害復旧応答を含むと決定する。
更に、理解を容易にするために、本願において、ビーム障害復旧手順を説明するために、基地局が2つのサービングセルを使用することによってキャリアアグリゲーションサービスを端末に提供する例がここで使用される。2つのサービングセルはサービングセルXおよびサービングセルYであると想定し、サービングセルXに対応するコンポーネントキャリアが第1キャリアであり、サービングセルYに対応するコンポーネントキャリアが第2キャリアであると想定する。第1キャリアの場合、端末は、ビームa1およびビームa2を使用し、基地局は、ビームa3およびビームa4を使用する。ビームa1およびビームa3は1つのビーム対であり、ビームa2およびビームa4は1つのビーム対である(端末はビームa1を使用してPRACH/PUCCHを搬送し、端末はビームa2を使用してCSI−RS/SSブロックおよびPDCCHを搬送すると想定する)。第2キャリアの場合、端末は、ビームc1およびビームc2を使用し、基地局は、ビームc3およびビームc4を使用する。ビームc1およびビームc3は1つのビーム対であり、ビームc2およびビームc4は1つのビーム対である(端末はビームc1を使用してPRACH/PUCCHおよびPUSCHを搬送し、端末はビームc2を使用してCSI−RS/SSブロック、PDCCH、PDSCHを搬送すると想定する)。
具体的には、端末が、ビームa2で搬送されるCSI−RS/SSブロックで、ビーム障害が第1サービングセルにおいて生じていることを検出したとき、第2サービングセルが正常な通信であると端末が決定した場合、端末は、第2キャリアで構成された複数のダウンリンクビーム(例えば、ビームb3およびビームb4)についての情報を候補ビーム情報として使用し、第2サービングセルのアップリンクチャネル(例えば、ビームc1で搬送されるPRACH/PUCCHまたはPUSCH)で通信障害復旧要求を送信し、ここで、通信障害復旧要求は、第1キャリアのインデックス、および、ビームc3およびビームc4についての情報を含む。基地局が、端末によって送信された通信障害復旧要求を受信したとき、基地局は、基地局が通信障害復旧応答を送信するダウンリンクビームとしてビームc3を選択し得て、通信障害復旧応答を使用することによって、ビーム3についての情報を端末へ送信し得る。端末が、第2サービングセルのダウンリンクチャネル(例えば、ビームc2で搬送されるPDCCHまたはPDSCH)で通信障害復旧応答を検出したとき、端末は、基地局がビームc3を使用して情報を送信し、更に、同一のビーム対におけるビームc1を使用して、基地局によって送信された情報を受信することを決定し得る。
本願の本実施形態において、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じたことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定し、第2サービングセルのアップリンクチャネルで第1サービングセルの通信障害復旧要求を送信し、候補ビーム情報を取得するために第1サービングセルに対応するキャリアでビーム走査を実行することなく、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する。これにより、ビーム走査時間が節約される。加えて、第2サービングセルは、正常な通信のサービングセルであり、通信障害復旧要求は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで送信され、通信障害復旧応答は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで検出される。これにより、通信障害があるサービングセルに対して通信障害復旧を直接実行する場合と比較して、通信障害復旧成功率を増加させることができ、更に、高速通信障害復旧を実装できる。
更に、図8を参照すると、少なくとも2つのサービングセルすべてのダウンリンク通信に障害が発生したことを端末が検出したとき、端末は、少なくとも2つのサービングセルのうち、より良いサービングセルを使用することによって、第1サービングセルのダウンリンク通信障害からの復旧を実行し得る。詳細を以下に説明する。
段階304:少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信で障害が発生したことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルが特定条件を満たすと決定し、ここで、特定条件は、第2サービングセルのインデックスが最小であること、第2サービングセルのダウンリンクチャネルのチャネル品質が最良であること、および、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低であることのうち少なくとも1つを含む。
具体的には、少なくとも2つのサービングセルにおいて、正常な通信のサービングセルが無いとき、すなわち、少なくとも2つのサービングセルのすべてのダウンリンク通信において障害が発生したと端末が決定したとき、端末は、通信障害がある少なくとも2つのサービングセルから、より良いサービングセルを選択し得る。ここで、第2サービングセルは、より良いサービングセルであると想定する。例えば、少なくとも2つのサービングセルにおいて、第2サービングセルのインデックスが最小である、第2サービングセルに対応するキャリア周波数が最低である、または、第2サービングセルのダウンリンクチャネルの品質が、少なくとも2つのサービングセルにおいて最良である。実際の適用において、第2サービングセルは、通信障害復旧効率を改善するために別の方式において選択されるサービングセルであり得る。このことは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
少なくとも2つのサービングセルが3以上のサービングセルを含むとき、第1サービングセルを除く少なくとも2つのサービングセルの各々は、第2サービングセルと称され得ることに留意すべきである。言い換えれば、少なくとも2つのサービングセルは、複数の第2サービングセルを含み得て、したがって、特定条件を満たす第2サービングセルは、複数の第2サービングセルから選択される第2サービングセルであり得る。
段階305:端末は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで、基地局へ通信障害復旧要求を送信する。
段階306:端末は、基地局によって送信された通信障害復旧応答を、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで検出する。
第2サービングセルのアップリンクチャネルで端末によって基地局へ通信障害復旧要求を送信するプロセスは、段階302において、第2サービングセルのアップリンクチャネルで、基地局へ通信障害復旧要求を送信するプロセスと一致し、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を端末によって検出するプロセスも、段階303において、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで、基地局によって送信された通信障害復旧応答を端末によって検出するプロセスと一致することに留意すべきである。詳細については段階302および段階303における説明を参照されたい。本願の本実施形態において、ここでは詳細を再度説明しない。
本願の本実施形態において、第1サービングセルを使用することによって、通信障害復旧手順を直接搬送する場合と比較して、少なくとも2つのサービングセルすべてが通信障害を有するとき、端末は、通信障害復旧手順を搬送するために、より良い第2サービングセルを選択する。また、これにより、通信障害復旧成功率をある程度増加させることができ、復旧効率を更に改善させることができる。
更に、端末が通信障害復旧要求を送信する前に、基地局は更に、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを構成し得る。これは具体的には、基地局が通信障害復旧要求構成情報を端末へ送信し、障害復旧要求構成情報は、通信障害復旧要求が送信されるアップリンクチャネルを示すために使用される、アップリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理アップリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネル、物理アップリンク共有チャネルのうち1つであることを含み得る。同様に、端末は、障害復旧要求構成情報を基地局から受信する。したがって、端末が通信障害復旧要求を送信するとき、端末は、障害復旧要求構成情報に基づいて、対応するアップリンクチャネルで通信障害復旧要求を送信し得る。
更に、端末が通信障害復旧応答を検出する前に、基地局は更に、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを構成し得て、これは具体的には、基地局が、通信障害復旧応答構成情報を端末へ送信し、障害復旧応答構成情報は、通信障害復旧応答が検出されるダウンリンクチャネルを示すために使用され、ダウンリンクチャネルは、以下のチャネル、すなわち、物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理ダウンリンク共有チャネルのうち1つであることを含み得る。同様に、端末は、障害復旧応答構成情報を基地局から受信する。したがって、基地局によって送信された通信障害復旧応答を端末が検出したとき、端末は、障害復旧応答構成情報に基づいて、対応するダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出し得る。
更に、端末は、端末の能力を基地局へ更に報告し得る。例えば、端末が以下の能力、すなわち、キャリアを跨いで通信障害復旧要求を送信する能力(例えば、第1サービングセルに障害が発生するとき、端末は第2サービングセルを使用して第1サービングセルの通信障害復旧機構を搬送する)、通信障害復旧要求をPUSCHに追加する能力(例えば、端末は、第2サービングセルのPUSCHで通信障害復旧要求を送信する)、および、PDSCHで通信障害復旧応答を検出する能力(例えば、端末は、第2サービングセルのPDSCHで通信障害復旧応答を検出する)のうち1または複数を有する。端末によって報告される能力情報を基地局が受信した後に、基地局は、対応する構成情報を端末へ送信し得て、能力のうち1または複数を使用するよう端末に命令する。
具体的には、端末は、第1指示情報を基地局へ送信し得て、第1指示情報は、端末がキャリアを跨いで通信障害復旧要求を送信する能力を有することを示すために使用される。代替的に、端末は、第2指示情報を基地局へ送信し得て、第2指示情報は、端末が通信障害復旧要求をPUSCHに追加し得ることを示すために使用される。代替的に、端末は、第3指示情報を基地局へ送信し得て、第3指示情報は、端末が、PDSCHを使用することによって通信障害復旧応答を検出し得ることを示すために使用される。実際の適用において、端末は、ある時点において、端末の複数の能力を基地局へ報告し得る。例えば、端末は、ある時点において、上述の3つの能力のうち任意の2つを基地局へ報告し得る、または、ある時点において、上述の3つの能力を基地局へ報告し得る。このことは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
上述の内容は主に、本願の実施形態において提供される解決手段を、ネットワーク要素間の相互作用の観点から説明している。ネットワーク要素は例えば、端末および基地局であることを理解されたい。前述の機能を実装するべく、ネットワーク要素は、機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含む。当業者であれば、本明細書において開示される実施形態において説明される例を参照して、ユニット、アルゴリズムのステップは、本願におけるハードウェア、または、ハードウェアおよびコンピュータソフトウェアの組み合わせによって実装され得ることを容易に認識するであろう。ある機能が、ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアで駆動されるハードウェアで実行されるかどうかは、技術的解決手段の特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、各特定の用途に対し、説明された機能を実装するために異なる方法を用いてよいが、当該実装が本願の保護範囲を超えるものとみなされるべきではない。
本願の実施形態において、端末および基地局の機能モジュールは、上述の方法の例に従って分割することによって取得され得る。例えば、機能モジュールは、対応する機能に基づく分割を通して取得され得る、または、少なくとも2つの機能が1つのモジュールに統合され得る。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実装され得る、または、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装され得る。本願の実施形態において、モジュール分割は例であり、論理的な機能分割に過ぎないことに留意すべきである。実際の実装において、別の分割方式が使用され得る。以下では、機能モジュールが機能に基づく分割を通じて取得される例を説明のために使用する。
統合されたユニットを使用する場合において、図9は、上記の実施形態において使用される無線通信機器の可能な構造の概略図である。無線通信機器は、端末、または端末において使用されるチップであり得て、無線通信機器は、処理ユニット901、送信ユニット902および受信ユニット903を備える。処理ユニット901は、上記の実施形態における段階301または段階304を無線通信機器が実行することをサポートするよう構成され得る、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するよう構成される。送信ユニット902は、上記の実施形態における段階302または段階305を無線通信機器が実行することをサポートするよう構成される。受信ユニット903は、上記の実施形態における段階303または段階306を無線通信機器が実行することをサポートする。前述の方法の実施形態における段階のすべての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用され得る。ここでは詳細を再度説明しない。
ハードウェア実装に基づいて、本願における処理ユニット901は、無線通信機器のプロセッサであり得て、送信ユニット902は、無線通信機器の送信機であり得て、受信ユニット903は、無線通信機器の受信機であり得る。送信機および受信機は通常、送受信機として機能するように、共に統合され得る。具体的には、送受信機は、通信インタフェースとも称され得る。
図10は、本願の実施形態による上記の実施形態において使用される無線通信機器の可能な論理構造の概略図である。無線通信機器は、端末、または端末において使用されるチップであり得て、無線通信機器は、プロセッサ1002および通信インタフェース1003を含む。プロセッサ1002は、無線通信機器の動作を制御および管理するよう構成される。例えば、プロセッサ1002は、上記の実施形態における段階301および段階304を無線通信機器が実行することをサポートするよう構成される、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するよう構成される。加えて、無線通信機器は更に、メモリ1001およびバス1004を備え得る。プロセッサ1002、通信インタフェース1003、およびメモリ1001は、バス1004を使用することによって互いに接続される。通信インタフェース1003は、無線通信機器が通信を実行することをサポートするよう構成される。メモリ1001は、プログラムコード、および、無線通信機器のデータを格納するよう構成される。
プロセッサ1002は、中央処理装置、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、別のプログラマブルロジックデバイス、トランジスタロジックデバイス、ハードウェアコンポーネント、または、任意の組み合わせであり得る。プロセッサ1002は、本願に開示された内容を参照して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を実装または実行し得る。代替的に、プロセッサは、演算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば、1または複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、または、デジタル信号プロセッサおよびマイクロプロセッサの組み合わせであり得る。バス1004は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス、または拡張型業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどであってよい。バスは、アドレスバス、データバス、および制御バス等に分類され得る。図10中、図示の便宜上、バスは、1つの太線のみを用いて示されている。しかしながら、1つのみのバスが存在すること、または、1つのタイプのバスのみが存在することを示すわけではない。
統合されたユニットを使用する場合において、図11は、上記の実施形態において使用される無線通信機器の可能な構造の概略図である。無線通信機器は、基地局、または、基地局において使用されるチップであり得て、無線通信機器は、受信ユニット1101、処理ユニット1102、および送信ユニット1103を含む。受信ユニット1101は、無線通信機器が、上記の実施形態において、段階302において送信された通信障害復旧要求を受信すること、または、段階305において送信された通信障害復旧要求を受信することをサポートするよう構成される。処理ユニット1102は、無線通信機器が、上記の実施形態における、通信障害復旧応答を生成する段階を実行することをサポートするよう構成され、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するよう構成される。送信ユニット1103は、上記の実施形態において、無線通信機器が通信障害復旧応答を端末へ送信する段階を実行することをサポートする。前述の方法の実施形態における段階のすべての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用され得る。ここでは詳細を再度説明しない。
ハードウェア実装に基づいて、本願における処理ユニット1102は、無線通信機器のプロセッサであり得て、受信ユニット1101は、無線通信機器の受信機であり得て、送信ユニット1103は、無線通信機器の送信機であり得る。送信機および受信機は通常、送受信機として機能するように、共に統合され得る。具体的には、送受信機は、通信インタフェースとも称され得る。
図12は、本願の実施形態による上記の実施形態において使用される無線通信機器の可能な論理構造の概略図である。無線通信機器は、基地局、または、基地局において使用されるチップであり得て、無線通信機器は、プロセッサ1202および通信インタフェース1203を含む。プロセッサ1202は、無線通信機器の動作を制御および管理するよう構成される。例えば、プロセッサ1202は、無線通信機器が通信障害復旧応答を生成する段階を実行することをサポートするよう構成される、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するよう構成される。加えて、無線通信機器は更に、メモリ1201およびバス1204を備え得る。プロセッサ1202、通信インタフェース1203、およびメモリ1201は、バス1204を使用することによって互いに接続される。通信インタフェース1203は、無線通信機器が通信を実行することをサポートするよう構成される。メモリ1201は、プログラムコード、および、無線通信機器のデータを格納するよう構成される。
プロセッサ1202は、中央処理装置、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、別のプログラマブルロジックデバイス、トランジスタロジックデバイス、ハードウェアコンポーネント、または、任意の組み合わせであり得る。プロセッサ1202は、本願に開示された内容を参照して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を実装または実行し得る。代替的に、プロセッサは、演算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば、1または複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、または、デジタル信号プロセッサおよびマイクロプロセッサの組み合わせであり得る。バス1204は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス、または拡張型業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどであってよい。バスは、アドレスバス、データバス、および制御バス等に分類され得る。説明を容易にするために、図12において、バスは1つの太線のみを使用して示されているが、このことは、1つのバスだけがあること、または、1種類のバスだけがあることを意味するものではない。
本願の別の実施形態において、可読記憶媒体が更に提供される。可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を格納する。コンピュータ実行可能命令が実行されるとき、デバイス(シングルチップマイクロコンピュータ、チップ、または同様のものであり得る)またはプロセッサは、前述の方法の実施形態において提供される無線通信方法における端末の段階を実行することが可能になる。上述の可読記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含み得る。
本願の別の実施形態において、可読記憶媒体が更に提供される。可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を格納する。コンピュータ実行可能命令が実行されるとき、デバイス(シングルチップマイクロコンピュータ、チップ、または同様のものであり得る)またはプロセッサは、前述の方法の実施形態において提供される無線通信方法における、基地局の段階を実行することが可能になる。上述の可読記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含み得る。
本願の別の実施形態では、コンピュータプログラム製品がさらに提供される。コンピュータプログラム製品はコンピュータ実行可能命令を含む。コンピュータ実行可能命令はコンピュータ可読記憶媒体に格納される。デバイスの少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み取り得る。少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ実行可能命令を実行することで、方法の実施形態において提供される無線通信方法における端末の段階をデバイスに実行させる。
本願の別の実施形態では、コンピュータプログラム製品がさらに提供される。コンピュータプログラム製品はコンピュータ実行可能命令を含む。コンピュータ実行可能命令はコンピュータ可読記憶媒体に格納される。デバイスの少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み取り得る。少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ実行可能命令を実行することで、方法の実施形態において提供される無線通信方法における基地局の段階をデバイスに実行させる。
本願の別の実施形態において、通信システムが更に提供される。通信システムは基地局および端末を含む。基地局は、少なくとも2つのサービングセルを使用することによって、端末のためにキャリアアグリゲーションサービスを提供し、少なくとも2つのサービングセルは、第1サービングセルおよび第2サービングセルを含む。端末、または、端末において使用されるチップは、図9または図10に提供される無線通信機器であり得て、前述の方法の実施形態における端末の段階を実行するよう構成され、および/または、基地局、または、基地局において使用されるチップは、図11または図12に提供される無線通信機器であり得て、前述の方法の実施形態における基地局の段階を実行するよう構成される。
本願の実施形態において、ダウンリンク通信障害が第1サービングセルにおいて生じたことを端末が検出したとき、端末は、第2サービングセルのダウンリンク通信が正常であると決定し、第2サービングセルのアップリンクチャネルで第1サービングセルの通信障害復旧要求を送信し、候補ビーム情報を取得するために第1サービングセルに対応するキャリアに対してビーム走査を実行してことなく、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで通信障害復旧応答を検出する。これにより、ビーム走査時間が節約される。加えて、第2サービングセルは、正常な通信のサービングセルであり、通信障害復旧要求は、第2サービングセルのアップリンクチャネルで送信され、通信障害復旧応答は、第2サービングセルのダウンリンクチャネルで検出される。これにより、通信障害があるサービングセルに対して通信障害復旧を直接実行する手順と比較して、通信障害復旧成功率を増加させることができ、更に、高速通信障害復旧を実装できる。
最後に、前述の説明は本願の単なる特定の実装例にすぎず、本願の保護範囲を限定する意図はないことに留意されたい。本願に開示された技術範囲内のあらゆる変形例または置換例は、本願の保護範囲に含まれることになる。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された保護範囲に従うことになる。