よって、本発明は、関連技術の制限及び欠点による1つ又は複数の問題を実質的に除去する衣類処理装置及びその制御方法を対象とする。
本発明は、誘導加熱を用いて、効率性及び安定性を高めた衣類処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施例によって、ドラムに備えられるリフターで生じ得る過熱を効果的に防止し、安定性を向上させた衣類処理装置及びその制御方法を提供しようとする。特に、リフターの基本機能を忠実に維持すると同時に、安定性を向上させた衣類処理装置及びその制御方法を提供しようとする。
本発明の一実施例によって、ドラム及びリフターの形状を変更しなくても、リフターが取り付けられる部分から発生する過熱が防止可能な衣類処理装置及びその制御方法を提供しようとする。
本発明の一実施例によって、リフターの位置を把握し、ドラムの円周面のうち、リフターに対応する部分での発熱量を減らし、エネルギーの損失を低減させて、リフターの破損が防止可能な衣類処理装置及びその制御方法を提供しようとする。
本発明の一実施例によって、ドラムだけではなくリフターにも加熱が行われるようにして、衣類が受容される空間を均一に加熱可能な衣類処理装置を提供しようとする。特に、リフター部分の加熱温度をリフターが取り付けられないドラム部分より低くして、リフターの過熱を防止すると同時に、リフターによる熱伝達を許容し、加熱効率が高められる衣類処理装置及びその制御方法を提供しようとする。
本発明の一実施例によって、従来のドラム及びリフターの形状及び構造の変更を最小化しながらも、安定性及び効率性を向上させた衣類処理装置及びその制御方法を提供しようとする。
本発明の一実施例によって、リフターの位置をセンシング又は推定して、インダクションモジュールの出力を制御し、リフターの過熱を未然に防止する一方、加熱効率が高められる衣類処理装置及びその制御方法を提供しようとする。
上述した目的を具現化するために、本発明の一実施例によれば、金属材質からなり、内部に洗濯物を受容するように備えられるドラムと、前記ドラムの円周面と離隔間隔を有するように備えられ、コイルに電流が加われて発生する磁場によって前記ドラムの円周面を加熱するインダクションモジュールと、前記ドラムの内部で前記ドラムが回転するとき、前記ドラムの内部の洗濯物を移動させるように備えられるリフターと、前記インダクションモジュールの出力を制御し、前記ドラムの円周面から発生する発熱量を制御するモジュール制御部と、を含み、前記モジュール制御部は、前記ドラムの回転によって発生する前記リフターの位置変化に基づいて、前記発熱量を変更して制御することを特徴とする衣類処理装置が提供できる。
前記モジュール制御部は、前記リフターの位置が前記インダクションモジュールと対向する対向位置における前記ドラムの発熱量より、前記リフターの位置が前記対向位置から外れた位置における前記ドラムの発熱量がより大きいように制御することが好ましい。
具体的に、前記モジュール制御部は、リフターの位置がインダクションモジュールと対向する位置であるとき、インダクションモジュールの出力を0又は正常出力より減らし、リフターの位置がインダクションモジュールと対向する位置ではないとき、インダクションモジュールの出力を正常出力に制御することが好ましい。
前記リフターは、前記ドラムの内周面に取り付けられてもよい。具体的に、前記リフターは、プラスチック材質からなってもよい。
前記リフターの位置をセンシングするために、前記リフターとの相対的な位置が固定されるように前記ドラムに備えられる磁石と、前記ドラムの外部の固定位置に備えられ、前記ドラムの回転によって前記磁石の位置変化を感知し、前記リフターの位置をセンシングするセンサーと、を含むことができる。
円筒状のドラムの回転角度を0度から360度にするとき、磁石の位置を感知することで、磁石位置と予め設定された角度を有するように備えられるリフターの位置を推定することができる。
前記センサーは、前記磁石を感知したか否かに応じて互いに異なる信号又はフラッグを出力するリードスイッチ又はホールセンサーを含むことができる。
前記磁石はドラムに備えられ、前記センサーは前記タブに備えられてもよい。前記センサーはインダクションモジュールで発生する磁場の影響を最小化するために、インダクションモジュールが取り付けられるタブ位置の反対側のタブ位置に取り付けられてもよい。
前記ドラムを回転させるモーターの駆動を制御する主制御部をさらに含み、前記主制御部は、前記モジュール制御部と通信するように備えられる。
前記リフターは前記ドラムの円周方向に沿って複数備えられ、前記磁石は前記リフターと同数であり、前記センサーは前記磁石ごとに位置をセンシングして、前記リフターごとに位置をセンシングして、出力を前記モジュール制御部へ伝達する。
一例として、3つのリフターが備えられる場合、3つの磁石が備えられる。リフターと磁石のそれぞれは同一の角度を有するように位置付けられてもよい。よって、1つの磁石が感知されると、隣接するリフターの位置を推定することができる。この場合、ドラムのRPMが変化する区間においても、比較的正確にそれぞれのリフター位置を推定することができる。
前記磁石は前記リフターの数とは関係なく1つだけ備えられ、前記センサーは前記磁石の位置をセンシングして、特定のリフターの位置をセンシングして、出力を前記モジュール制御部へ伝達するように備えられ、前記主制御部は、前記センサーの出力と前記モーターの回転角度によってその他のリフターの位置を推定するように備えられる。
この場合、磁石の個数を減らすことができ、経済的である。ある1つのリフターの位置を磁石によって推定すると、現在のRPM及びリフターとリフターとの間の角度を考慮してその他のリフターの位置を比較的正確に推定することができる。しかし、ドラムのRPMが変化する区間では、相対的に正確なリフターの位置推定が難しい可能性がある。
前記ドラムの円周面には円周面に沿って繰り返されるエンボスパターンが形成され、前記リフターが取り付けられる前記ドラムの円周面では前記エンボスパターンの形成が排除されることができる
前記エンボスパターンは、ドラムの円周面の突出又は陥没によって形成される。よって、エンボスパターンが形成された部分は、そうではない部分に比べて、インダクションモジュールと対向する対向面の面積が小さく、対向距離が大きくなる。よって、エンボスパターンがインダクションモジュールと対向する時点にインダクションモジュールに流れる電流値又はインダクションモジュールの出力(電力)が相対的に大きくなることがある。
一方、リフターが取り付けられるリフター取付部に該当するドラムの円周面では、相対的に対向面積が大きく、対向距離が短い。よって、インダクションモジュールに流れる電流値又はインダクションモジュールの出力が相対的に小さくなることがある。
エンボスパターン及びリフター取付部は、ドラムの円周方向に沿って反復的且つ規則的に形成される。よって、ドラムの回転角度によるインダクションモジュールの電流又は出力の変化によってリフターの位置を推定することができる。即ち、ドラムの回転角度をセンシングする別のセンサーが備えられなくても、比較的正確にリフターの位置を推定することができる。
即ち、前記モジュール制御部は、前記ドラムの回転によって生じる前記インダクションモジュールと対向するエンボスパターンの有無変化による、前記インダクションモジュールの電力又は電流変化によって、前記リフターの位置を推定するように備えられる。換言すれば、インダクションモジュールの出力を制御するモジュール制御部そのもので出力変化のフィードバックを受けて、リフターの位置を推定することができる。
上述した目的を具現化するために、本発明の一実施例によれば、金属材質からなり、内部に洗濯物を受容するように備えられるドラムと、前記ドラムの円周面と離隔間隔を有するように備えられ、コイルに電流が加われて発生する磁場によって前記ドラムの円周面を加熱するインダクションモジュールと、前記ドラムの内部で前記ドラムが回転するとき、前記ドラムの内部の洗濯物を移動させるように備えられるリフターと、前記インダクションモジュールの出力を制御し、前記ドラムの円周面で発生する発熱量を制御するモジュール制御部と、を含む衣類処理装置の制御方法であって、前記インダクションモジュールを作動させるステップと、前記モジュール制御部で前記インダクションモジュールを正常出力に制御するステップと、前記リフターの位置を感知するステップと、前記リフターの位置が感知される場合、前記モジュール制御部で前記インダクションモジュールの出力を減少させるステップと、を含むことを特徴とする衣類処理装置の制御方法が提供できる。
前記リフター位置を感知したか否かとは関係なく、前記出力減少ステップを行うか否かの条件を判断するステップを含むことができる。
前記条件判断ステップにおいて条件は、ドラムの回転速度であってもよく、行う行程であってもよい。
ドラムの回転速度がタンブリング速度よりも速いスピン速度以上である場合、衣類はドラムの内周面に密着して回転することになる。タンブリング速度は、ドラムの回転によってリフターで衣類が持ち上げられた後、落下する速度を意味する。ドラムの回転速度がタンブリング速度よりも大きくなりスピン速度に至ると、遠心力が重力加速度より大きくなり、衣類は落下せず、ドラムの内周面に密着してドラムと一体として回転することになる。
衣類がドラムの内周面に密着する場合、ドラムと衣類との間の熱伝達が持続的に行われることを意味する。よって、この場合は、インダクションモジュールの出力を可変制御する必要がない。
前記条件判断ステップにおいて、前記ドラムの回転速度が予め設定された速度以下である場合、前記出力減少ステップが行われるように制御される。予め設定された速度を超える場合、出力減少ステップは行われなくてもよい。予め設定された速度は、一例として200RPMである。
前記衣類処理装置は前記ドラムを受容して、内部に洗濯水を貯留するタブを含み、前記条件判断ステップにおいて、前記タブの内部に洗濯水が貯留される洗濯行程である場合、前記出力減少ステップが行われないことを特徴とする衣類処理装置の制御方法。
洗濯行程の場合にはドラムの円周面の一部がタブ内部の洗濯水に浸される。よって、ドラムが回転する場合、ドラムに発生する熱が洗濯水に非常に効果的に伝達され得る。よって、洗濯行程の場合には出力減少制御は必要ではないことがある。
前記感知ステップにおいて、前記リフターの位置が前記インダクションモジュールと対向する位置と感知された場合、前記出力減少ステップが行われることが好ましい。
前記出力減少ステップにおいて、出力が正常出力よりも低く制御されるか、又は出力をオフすることが好ましい。
前記インダクションモジュールに流れる電流値又はインダクションモジュールの電力をセンシングするステップをさらに含み、前記リフターの位置感知ステップは、前記電流値又は電力の変化によって前記リフターの位置を推定するステップである。この場合、別のセンサーが必要ではないため、非常に経済的である。
前記衣類処理装置は、前記リフターとの相対的な位置が固定されるように前記ドラムに備えられる磁石と、前記ドラムの外部の固定位置に備えられ、前記ドラムの回転によって前記磁石の位置変化を感知して、前記リフターの位置をセンシングするセンサーと、を含み、前記リフターの位置感知ステップは、前記センサーの出力値に応じて前記リフターの位置を感知するステップである。
前記リフターは、前記ドラムの円周方向に一定間隔に複数備えられ、前記衣類処理装置は、前記複数のリフターのうちの特定のリフターとの相対的な位置が固定されるように前記ドラムに備えられる単一磁石と、前記ドラムの外部の固定位置に備えられ、前記ドラムの回転によって前記単一磁石の位置変化を感知し、前記特定のリフターの位置をセンシングするセンサーと、を含み、前記リフターの位置感知ステップは、前記センサーの出力値に応じて前記リフターの位置を感知し、前記ドラムの回転角度又は前記ドラムを駆動するモーターの回転角度によってその他のリフターの位置を推定する。
前記リフターの位置が前記インダクションモジュールと対向する位置と感知される場合、前記出力減少ステップが行われる。
上述した実施例において、インダクションモジュールが先に作動した後、インダクションモジュールの出力を変化させるように制御することができる。即ち、正常出力でインダクションモジュールが作動された後、出力を変化させてもよい。
インダクションモジュールとドラムとの位置関係、及びインダクションモジュールとドラムの形状によって、インダクションモジュールは実質的に特定部分のドラムのみを加熱するようになる。よって、停止したドラムをインダクションモジュールが加熱すると、ドラムの特定部分のみが高温に加熱される場合がある。よって、ドラムの過熱を防止するためには、ドラムが回転する必要がある。即ち、ドラムが回転して加熱する部分を変化させることが好ましい。
よって、インダクションモジュールの作動のためには、先ずはドラムが回転されることが好ましい。洗濯機又は乾燥機におけるドラムの回転速度は、一般にはタンブリング駆動が可能な回転速度で駆動される。ドラムが停止状態から直ちにタンブリング駆動される速度に加速される。また、タンブリング駆動は正逆回転によって駆動できる。即ち、時計回りにタンブリング駆動が続けられた後、ドラムが停止し、その後再び反時計回りにタンブリング駆動される。
ドラムの回転速度が非常に低い場合、同様にドラムの特定部分が過熱される。例えば、タンブリング駆動速度が40RPMである場合、ドラムが停止状態から40RPMで回転するまでに所定の時間がかかる。よって、ドラムがタンブリング駆動を開始する時点と、ドラムが正常なタンブリング駆動を行う時点とは異なる。即ち、ドラムがタンブリング駆動を開始すると、ドラムは停止状態から徐々に加速し、タンブリングRPMに到達した後、タンブリングRPMで駆動する。一定方向にタンブリング駆動が行われて、再びドラムは停止し、他方向にタンブリング駆動する。
ここで、ドラムの過熱防止、及び加熱エネルギー効率及び時間効率を増加させる必要性がある。
ドラムのRPMが非常に低い区間では加熱を回避するのがドラム過熱を回避する面から好ましい。逆に、ドラムのRPMが正常区間に到達してからドラムを加熱するのは、時間損失をもたらす。
よって、インダクションモジュールの作動時点は、ドラムが回転を開始した後、且つ正常なタンブリングRPMに到達する前であることが好ましい。もちろん、ドラム過熱回避の目的がさらに重要であるため、タンブリングRPMに到達した後、インダクションモジュールを作動させてもよい。
一例として、ドラムRPMが30RPMよりも大きい場合、インダクションモジュールを作動させることができる。また、ドラムRPMが30RPMよりも小さい場合、インダクションモジュールを作動させなくてもよい。
即ち、特定のRPMより大きい場合に限ってインダクションモジュールを作動させて、特定のRPMより小さい場合にはインダクションモジュールを作動させないことが好ましい。
よって、正常なタンブリング駆動区間においてインダクションモジュールは、ドラム回転を開始した後に駆動し、ドラム回転が停止する前に駆動が停止するといえる。即ち、正常なタンブリングRPMよりも小さい予め設定されたRPMを基準として、インダクションモジュールがオン/オフされるといえる。
一方、インダクションモジュールの可変制御は、インダクションモジュールがオン状態で行われるといえる。
上述した目的を具現化するために、本発明の一実施例によれば、金属材質からなり、内部に洗濯物を受容するように備えられるドラムと、前記ドラムの円周面と離隔間隔を有するように備えられ、コイルに電流が加われて発生する磁場によって前記ドラムの円周面を加熱するインダクションモジュールと、前記ドラムの内部で前記ドラムが回転するとき、前記ドラムの内部の洗濯物を移動させるように備えられる金属材質のリフターと、を含み、前記リフターは、前記インダクションモジュールと前記リフターの対向間隔が増加する方向に陥没するように備えられることを特徴とする衣類処理装置が提供できる。
前記リフターの対向面をドラムの円周面よりも半径方向にさらに内側に形成することで、構造的にリフター部分での過熱を防止することができる。この場合、リフターの位置によるインダクションモジュールの出力の可変制御が不要である。また、リフターの対向面そのものが加熱可能であるため、加熱時間を相対的に減らすことができる。
このようなリフターとドラムの構造変更によるリフター部分の過熱防止は、インダクションモジュールの出力の可変制御と共に適用されることもできる。この場合、リフター部分での過熱防止面からはさらに効果的な目的の達成が可能である。
上述した目的を具現化するために、金属材質からなり、内部に洗濯物を受容するように備えられるドラムと、前記ドラムの円周面と離隔間隔を有するように備えられ、コイルに電流が加われて発生する磁場によって、前記ドラムの円周面を加熱するインダクションモジュールと、前記ドラムの内部で前記ドラムが回転するとき、前記ドラムの内部の洗濯物を移動させるように備えられるリフターと、前記インダクションモジュールの出力を制御し、前記ドラムの円周面で発生する発熱量を制御するモジュール制御部と、を含む衣類処理装置の制御方法であって、前記インダクションモジュールを作動させるステップと、前記インダクションモジュールの作動を停止するステップと、前記ドラムの回転速度に応じて前記インダクションモジュールの作動及び停止を判断するステップと、を含むことを特徴とする衣類処理装置の制御方法を提供することができる。
前記ドラムは停止状態から正常なタンブリング駆動回転速度で回転することができる。前記ドラムが回転を開始して加速された後、タンブリング駆動回転速度でドラムの回転が続けられる。よって、ドラムが回転された後、正常なタンブリング回転速度よりも低い予め設定されたドラム回転速度を基準としてインダクションモジュールの駆動及び駆動停止が行われる。
前記インダクションモジュールの駆動を開始すると、前記モジュール制御部で前記インダクションモジュールを正常出力に制御するステップを行うことができる。また、前記リフターの位置を感知するステップを行うことができる。前記リフターの位置を感知すると、前記モジュール制御部において前記インダクションモジュールの出力を減少させるステップを含んでもよい。
よって、タンブリング駆動が続けられる場合、インダクションモジュールは、正常出力区間と減少出力区間を繰り返すことができる。
また、タンブリング駆動が終了する前に、インダクションモジュールがオフされる。これは、予め設定されたドラム回転速度より小さい速度でドラムが駆動されて停止するからである。
またドラムが反対方向に回転する場合、ドラムの回転速度を感知し、インダクションモジュールの駆動を開始すると、インダクションモジュールの駆動が停止されるまで、正常出力制御、リフター位置感知、及び減少出力制御を繰り返すことができる。
よって、ドラムの過熱防止、ドラムの特定部分(リフター部分)の過熱防止、及び時間効率を増加させることができる。
本発明の前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はいずれも例示的かつ説明的なものであり、特許請求される本発明のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
本発明の一実施例によって、ドラムに備えられるリフターで生じ得る過熱を効果的に防止し、安定性を向上させた衣類処理装置及びその制御方法を提供することができる。特に、リフターの基本機能を忠実に維持すると同時に、安定性を向上させた衣類処理装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施例によって、ドラム及びリフターの形状を変更しなくても、リフターが取り付けられる部分から発生する過熱が防止可能な衣類処理装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施例によって、リフターの位置を把握し、ドラムの円周面のうちリフターに対応する部分における発熱量を減らし、エネルギーの損失を低減させて、リフターの破損が防止可能な衣類処理装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施例によって、インダクションモジュールの出力制御条件を把握し、リフターの過熱を防止すると同時に、インダクションモジュールの出力をドラム回転角度とは関係なく利用できるようにして、安定性、効率、及びインダクションモジュールの出力を効果的に利用可能な衣類処理装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施例によって、ドラムだけではなくリフターにも加熱を行い、衣類が受容される空間を均一に加熱可能な衣類処理装置を提供することができる。特に、リフター部分の加熱温度をリフターが取り付けられないドラム部分より低くして、リフターの過熱を防止すると同時に、リフターを通じる熱伝達を許容し、加熱効率が高められる衣類処理装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施例によって、従来のドラム及びリフターの形状及び構造の変更を最小化しながらも、安定性及び効率性を高めた衣類処理装置及びその制御方法を提供することができる。
以下、添付する図面を参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施例に適用可能な衣類処理装置の基本構成及び誘導加熱の原理について説明する。
図1に示されたように、本実施例に係る衣類処理装置の基本構成は、一般の衣類処理装置と同一である又は類似する。但し、インダクションモジュール400が取り付けられて、ドラム300を直接に加熱することが異なる。インダクションモジュール400は加熱手段であるため、一般の衣類処理装置において用いる他の加熱手段がインダクションモジュール400に代替又は並行可能である。
インダクションモジュール400は、電流が供給されて磁場を形成するコイル420を含むことができる。コイル420はワイヤが巻き込まれて形成され、ワイヤの巻き込み方向、即ち、巻き込まれる方向は、加熱対象となるドラム300の中心と一致させることが好ましい。即ち、ワイヤとドラム300の外周面との間の対向面積が大きいようにワイヤが巻き込まれ、このコイル420を位置させることが好ましい。このコイル420の巻き込み方向、位置、及び取付位置は、後述する誘導加熱の原理から明確に理解できる。
コイル420に電流を供給すると、コイル420の巻き込み方向に磁場が発生する。即ち、コイル420の中心軸方向に磁場が発生する。このとき、コイル420に電流の位相差が変わる交流電流を加えると、磁場の方向が変更される交流磁場が形成される。この交流磁場は隣接する導体に前記交流磁場とは反対方向の誘導磁場を発生させ、誘導磁場の変化は導体に誘導電流を発生させる。
即ち、誘導電流及び誘導磁場は、電場及び磁場の変化でインダクションモジュール400から隣接の導体へエネルギーが伝達される形態であるといえる。
よって、ドラム300が金属材質からなり、ドラム300にはコイル420で発生した誘導磁場により、誘導電流の一種である渦電流(eddy current)が発生する。
誘導電流の変化に対する抵抗、即ち、慣性によって、電気エネルギーは熱エネルギーに変換される。即ち、ドラム300そのものが加熱される。よって、この原理によって、インダクションモジュール400から離隔されたドラム300を直接に加熱することができる。この原理によれば、インダクションモジュール400におけるエネルギーは、ドラムとインダクションモジュール400との間の距離が短いほど、及びドラムとインダクションモジュール400の対向面積が大きいほど、さらに効果的にドラムへ伝達可能であることが理解できる。
換言すれば、同一の単位面積がインダクションモジュール400に近いほど、及びインダクションモジュール400と平行であるほど、効率が高められることが分かる。
インダクションモジュール400は、タブ200の外周面に取り付けられることが好ましい。もちろん、タブ200の内周面に取り付けて、インダクションモジュール400とドラムとの間隔をさらに減らすことができる。回転して振動するドラム200がインダクションモジュール400と衝突する問題、またタブ200の内部の高温多湿な環境においてインダクションモジュール400が損傷する問題などを考慮するとき、インダクションモジュール400はタブ200の外周面に取り付けられることが好ましい。
タブ200は、衣類処理装置の外形を形成するキャビネット100の内部に取り付けられ、タブ200の内部にドラム300が回転自在に取り付けられる。タブ200の背面にはドラムを駆動するモーター700が取り付けられる。よって、モーター700の駆動によってドラムがタブの内部で回転する。
タブは、キャビネット100に対してダンパー又はバネのような支持手段800によって支持される。この支持手段はタブ200の下部に備えられる。また、タブの下部には排水ポンプ900が備えられる。
図1及び図2に示されたように、インダクションモジュール400は、タブの前後方向に長く形成され、タブ200の外周面に取り付けられる。インダクションモジュール400はタブの上部外周面に取り付けられることが好ましい。これは、タブ200の下部外周面には、上述のように、支持手段800や排水ポンプ900などのような構成によってインダクションモジュール400の取付空間が足りない可能性があるからである。
インダクションモジュール400は、停止状態のドラムの外周面の一部と対向することができる。よって、インダクションモジュール400に電流が加わると、ドラムの外周面の一部だけが実質的に加熱される。しかし、インダクションモジュール400が作動するとき、ドラム300が回転する場合、ドラムの外周面は全体的に均一に加熱できる。
インダクションモジュール400の加熱効率を考慮するとき、ドラム300の最前方及び最後方は加熱されないことが好ましい。これは、実質的に衣類はドラムの前後の中心部分に集まって処理が行われるからである。加熱されたドラムは、ドラムの内部の衣類に熱を伝達しなければならないが、ドラム300の最前方及び最後方には衣類で熱を伝達することができない。よって、この部分を加熱することは、効率の低下を引き起こす可能性がある。
よって、インダクションモジュール400は、タブ200の前後の中心部分から前後に延びるように取り付けられることが好ましい。
ドラム300の内部には衣類をドラムの内部で撹拌するリフター50が取り付けられる。リフター50はドラム300の回転によって衣類を持ち上げる機能を果たす。リフター50によって持ち上げられた衣類は落下する。よって、リフター50によって洗濯性能や乾燥性能が向上できる。リフター50は、一般に、ドラムを有する衣類処理装置では必須構成であるといえる。
リフター50はドラムそのもののエンボスとは異なる。即ち、ドラムの内部に突出する長さがエンボスよりは相対的に非常に大きい。また、ドラムの前後に延びていることが異なる。
図1に示されたように、リフター50は、ドラムの前後の中心から前後に延びて取り付けられる。また、ドラムの円周方向に沿って複数備えられる。図示のように、リフター50の位置は、インダクションモジュール400の取付位置と類似する。即ち、リフター50の多くの部分がインダクションモジュール400と対向するように位置付けられる。よって、リフター50が備えられるドラムの外周面は、インダクションモジュール400によって加熱される。このリフター50が備えられるドラムの外周面は、直接にドラムの内部の衣類と接触する部分ではない。即ち、リフター50が衣類と接触するため、ドラムの外周面から発生する熱は、衣類ではなくリフター50へ伝達される。よって、リフター50の過熱が問題になり得る。具体的に、リフター50と接触するドラムの円周面での過熱が問題になる。
図3は、一般のドラム20においてリフター30が取り付けられた様子を示す。ドラム20の前方部分及び後方部分を省略したドラムの中心のみを示している。リフター30は、一般にドラムの中心のみに取り付けられるからである。
リフター30は、ドラムの円周方向に沿って複数取り付けられるが、3つ取り付けられる一例を示している。
ドラムの円周面は、リフターが取り付けられるリフター取付部23とリフターが取り付けられないリフター排除部22とからなる。円筒状のドラム20は金属板材を丸く巻いてシーム部26によって形成できる。シーム部26は、金属板材の両端を溶接などによって連結した部分を意味することができる。
ドラムの円周面には多様なエンボスパターンを形成することができ、リフター取付のために複数の貫通孔24及びリフター連通孔25を形成することができる。即ち、リフター排除部22には様々なエンボスパターンが形成され、リフター取付部23には複数の貫通孔及びリフター連通孔が形成できる。
リフター取付部23は、ドラムの円周面の一部である。よって、リフターの取付及び洗濯水の通過のための最小限の孔だけを形成することが一般的である。これは、穿孔などによって形成される孔が多いほど無駄にコストが上昇するからである。
よって、リフター取付部23には取り付けられるリフター30の外郭形状に沿って複数の貫通孔24が形成され、この貫通孔24によってリフター30がドラムの内周面に結合する。また、リフター取付部23の中央部分には、ドラムの外部からリフターの内部へ洗濯水が移動できるように、複数のリフター連通孔25が形成される。
しかし、リフター取付部23には必要な孔24,25だけが形成されて、ドラムの外周面の多くの部分はそのまま維持されるのが一般的である。即ち、リフター取付部23の全面積において孔24,25が形成する全面積は相対的に非常に小さい。よって、リフター取付部23から孔の面積を除いた多くの面積が、直接にインダクションモジュール400と対向する。即ち、リフター取付部23そのものがインダクションモジュール400によって加熱される。
リフター取付部23には、ドラム20の半径方向の内側にリフター30が突設される。よって、リフター取付部23そのものはドラムの内部の衣類と接触しない。但し、リフターそのものがドラムと接触する。
一般に、リフター30は、プラスチック材質からなる。このプラスチック材質のリフター30は、リフター取付部23に直接接触するため、リフター取付部23から発生する熱がリフター30にそのまま伝達される。一方、リフター30はプラスチック材質であるため、接触する衣類に伝達される熱量が非常に少ない。これは、リフター30そのもののプラスチック材質は熱伝達の特性が非常に低いからである。よって、リフター取付部に接するリフターの一部だけが高温に露出され、この熱はリフターの全体に伝達されない。
発明者の実験結果によれば、リフター取付部での温度は摂氏160度まで上昇でき、一方、リフターが取り付けられない部分での温度は摂氏140度まで上昇できることが分かる。これは、リフター取付部で発生する熱が衣類へ伝達できないことによるものと考えられる。
よって、リフター30は過熱することがあり、これによってリフターが損傷するという問題が発生する。また、リフター取付部23で発生する熱を衣類へ伝達できないため、エネルギーを無駄に使って効率が低下する。本発明の一実施例は、このような問題を解決しようとする。
図4は、本発明の一実施例に係るドラム及びリフターを示す。ドラムの製造方法又は形状は、図3に示された一般のドラムと同一である又は類似する。但し、リフター取付部323は異なってもよく、リフターの材質及び形状が異なってもよい。
図示のように、リフター排除部322は、一般のドラムと同様である。しかし、リフター取付部323には、リフター排除部322とは異なり、ドラムの円周面が排除又は省略できる。即ち、ドラムの円周面のうちのリフターの面積と類似する分だけ面積が省略又は排除可能である。上述したリフターの取付又は洗濯水の通過のための孔による省略面積よりも相対的に多くの面積が省略できる。
具体的に、リフター取付部323の中央部分には陥没部325が形成される。陥没部325は、ドラムの円周面の一部が切開された形態であってもよく、ドラムの円周面の一部がドラムの中心方向に陥没した形態であってもよい。図4には、前者の実施例が示されており、図7には、後者の実施例が示されている。
リフター取付部323には取り付けられるリフター50の形状に対応して複数の貫通孔324,326が形成される。貫通孔324,326は、リフター50の外郭形状に対応して、リフターの外郭(フレーム)に沿って複数形成される。一例として、リフターがトラック状である場合、貫通孔は、トラックの外郭に沿って複数形成される。もちろん、この貫通孔は、ドラムの円周面の一部に穴を開ける形態で形成できる。
リフター取付部323の中央部分には、ドラムの円周面の部分が省略できる。即ち、インダクションモジュール400と対向する面積が省略できる。即ち、貫通孔324,326によって囲まれた部分の全体が切開され、切開された形態の陥没部325が形成できる。
この陥没部325は、リフターの内側に対応して形成され、リフターによって閉塞される。よって、この切開形態の陥没部は、ドラムの内部からは見えない。また、ドラムの外側からは、リフター取付部323に取り付けられたリフターの中央部分が見える。
リフター取付部323によってリフターが取り付けられる部分においてドラムの円周面とインダクションモジュール400が対向する面積が実質的に全て排除される。よって、リフター取付部323で発生する熱が極めて小さくなる。これは、一般のプラスチック材質のリフターを同様に使えることを意味する。これは、リフター取付部の全体から発生する熱が極めて小さいため、リフターへ伝達される熱によってリフターが過熱しないからである。
しかし、一般のプラスチックリフターを用いる場合、リフターとリフター取付部とが結合する部分において局部的な加熱が発生することがあり、これは、局部的なリフターの損傷を発生させる。また、リフター取付部323に対応する面積がインダクションモジュールと対向する際に発生する熱の量が最小であるものの、インダクションモジュールが駆動されている。よって、使用されるエネルギーの多くが熱エネルギーに変換しないため、エネルギー損失が生じる。
よって、リフターの過熱防止及びリフター取付部で発生するエネルギー損失の最小化をいずれも満たす工夫が必要である。
図5及び図6を参照して、本発明の一実施例に適用可能なリフターについて詳細に説明する。本実施例によれば、リフターの過熱による損傷防止及びエネルギー損失低下が可能である。
本実施例に係るリフター50は、金属材質のインナーリフター60を含む。インナーリフター60は、楕円又はトラック状に形成される。即ち、ドラムの内周面に当接する外郭又はフレーム61の形状が楕円又はトラック状である。もちろん、この形状からある程度の変形は可能である。しかし、ドラムに取り付けられる際、ドラムの後方から前方に延びるように、長さが幅より大きい形状であることが好ましい。
インナーリフター60は、外郭61において陥没した形態で形成される。即ち、ドラムの中心方向に陥没した形態である。即ち、インナーリフター60の陥没した形状は、ドラムの内部においてリフター50の外形を形成する。即ち、インナーリフター60が陥没して形成されることで、リフター50がドラムの中心方向に突出できる。
インナーリフター60は、金属材質であり、外郭61の内側部分が陥没することで、インダクションモジュール400との離隔距離が増加する。上述のように、インナーリフター60に対応するドラムの円周面は除去された状態である。よって、除去された円周面がインナーリフター60に取り替えられたといえる。換言すれば、除去された円周面がインナーリフターの形態でインダクションモジュールと対向間隔が増加する方向に移動されたといえる。即ち、インナーリフター60が形成する対向面は、リフター排除部の対向面に比べて、ドラムの半径方向の内側にさらに移動したものといえる。
しかし、インナーリフター60の最大の陥没長又は最大の突出長は、ドラムの内周面からドラムの中心までの半径を考慮すると相対的に小さい。即ち、対抗間隔の増加は相対的に小さい。
インナーリフター60は、半径方向に曲面又は傾斜面の形態として陥没する。即ち、外郭61からインナーリフター60の中心まで垂直形態で陥没するのではなく、傾斜面を有するように陥没する。よって、実質的に、インナーリフター60は、インダクションモジュール400に対してインナーリフター60の外郭61の面積と実質的に同一の対向面又は投影面64を有する。但し、陥没状、即ち陥没長又は突出長の増加による等高線の変化によって、対向間隔又は離隔間隔は対向面の位置に応じて変化する。即ち、対向面での離隔距離は外郭61で最小であるといえ、インナーリフター60の中心部分で最大であるといえる。
ここで、インナーリフター60の材質、及びインナーリフター60の高さによって、インナーリフター60は、インダクションモジュール400によって加熱できることが分かる。インナーリフター60は、薄い金属板材からなるため、インダクションモジュール400によってインナーリフター60も効果的に加熱できる。もちろん、ドラムの内周面からインナーリフター60が陥没してインダクションモジュールとの離隔距離(対向距離)が大きくなるが、離隔距離の増加が相対的に小さく、インナーリフター60も十分に加熱できる。
このようなインナーリフター60は、衣類と直接に接触する構成である。よって、インナーリフター60で発生する熱を衣類へ直接に伝達することができる。よって、インダクションモジュールで用いるエネルギーを衣類へ伝達できるため、効率を増加させることができる。
インナーリフター60の中心部分には通孔62が形成される。即ち、インナーリフター60の内部から洗濯水をドラムの内部へ流入させる。リフター連通孔62を通じて水流が形成されるため、洗濯の効率を高めることができる。
一方、インナーリフター60の外郭61又はドラムの結合面には、複数の結合リブ63が形成される。結合リブ63は外郭61に沿って複数形成される。
結合リブ63は、図4に示されたように、リフター取付部323に形成される貫通孔324,326に挿入される。具体的に、リブ貫通孔326と結合する。結合リブ63は、ドラムとの接触面積を減らすために、幅よりも厚さが小さいリブとして形成され、結合リブ63が挿入される貫通孔、特にリブ貫通孔326は、スリット状に形成される。
リブ貫通孔326の周辺のドラムの円周面に発生する熱は、結合リブ63を通じてインナーリフター60へ伝達される。よって、エネルギー効率を増加させることができる。
具体的に、陥没部又は切開部によって、リフター取付部323でドラムの円周面の部分を省略し、この部分を加熱することを排除することができる。これは、この部分から発生する熱は衣類に伝達され難いからである。
一方、陥没部又は切開部によってリフターに金属対向面を形成し、金属対向面を加熱すると同時に、熱を衣類へ直接に伝達することができる。即ち、インダクションモジュールと対向間隔が増加する方向に陥没したリフターによって、リフターの過熱防止及びリフターの熱を利用することができる。特に、インナーリフターを金属材質、より好ましくは、ドラムと同材質、一例として、ステインレス材質から形成することで、インナーリフターをドラムの円周面の一部がドラムの内部に突出したように形成することができる。
よって、エネルギー効率の増加、及び加熱効果の更なる増加が可能である。
図6に示されたように、リフター50はさらにアウターリフター70を含む。アウターリフター70は、インナーリフター60と結合する。両者の結合により、リフター50の内部には空いた空間が形成される。
インナーリフター60のみがある場合、ドラムと接触する部分を最小化する必要があるため、インナーリフターとドラムとが堅固に結合できないという問題が生じ得る。また、インナーリフターの薄い厚さによってインナーリフターの剛性が低下する。即ち、外部の衝撃によってインナーリフターがつぶれやすくなる。
このような問題を解決するために、リフター50はさらにプラスチック材質のアウターリフター70を含むことができる。アウターリフター70によって、リフター50がドラムにさらに堅固に結合する。
ここで、アウターリフター70とドラムとの接触が必要である。即ち、接触面積を最小化しても、アウターリフター70とドラムとの結合のためには接触面積が必要である。よって、アウターリフター70は耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックからなることが好ましい。アウターリフター70とインナーリフターとの間には空いた空間が形成され、インナーリフターは、実質的にリフター50の底面のみを形成することができる。即ち、リフター50の外部面積のうち、インナーリフターが占める面積は相対的に小さい。よって、リフター全体をエンジニアリングプラスチックで形成するよりは経済的である。また、インナーリフターは金属材質で形成するため、熱を衣類へ効果的に伝達することができる。
よって、金属材質のインナーリフター60とエンジニアリングプラスチック材質のアウターリフター70との組み合わせによってリフター50を構成することが非常に好ましいといえる。
このために、アウターリフター70は、底面又は外郭71を有し、外郭71はリフター全体の底面を形成する。しかし、ドラムとの接触面積を減らすために、外郭71は幅が狭く形成される。即ち、空いた楕円又はトラック状に外郭71を形成することができる。これをアウターリフター70の枠又はフレームといえる。
アウターリフターの外郭71には、インナーリフターの結合リブ63が貫通する貫通孔又は挿入孔73が形成される。結合リブ63は、貫通孔73を貫通した後、ドラムと連結される。よって、アウターリフター70が接触するドラムの外周面から発生する熱は、プラスチック材質であるアウターリフターの外郭よりは、金属材質である結合リブ63にさらに効果的に伝達できる。
リフター50、特にアウターリフター70をドラムとさらに堅固に結合するために、フック77が備えられる。フック77は、アウターリフターの外郭71又はフレームに形成される。もちろん、ドラムのリフター取付部にはフックが挿入され固定される貫通孔が形成される。
一方、アウターリフター70は、外郭71を除いて、インナーリフター60の内部に挿入することが好ましい。これによって、インナーリフターの剛性が補強できる。
アウターリフター70のフレーム71の内部、即ち、インナーフレームの内部に挿入するアウターリフターの部分、即ち、挿入部72には様々な構成を形成することができる。挿入部72は、ドラムの内周面と接触しない部分であることが好ましい。即ち、挿入部72を除いて、外郭71のみがドラムの内周面と接触することが好ましい。よって、外郭71を挿入部72と区分するために接触部といってもよい。
挿入部72には、アウターリフター70そのものの剛性補強のための補強リブ76が幅方向に形成される。補強リブ76は複数形成され、アウターリフター70の幅方向に横切ってフレーム71とフレームとを連結する。アウターリフターの幅方向は、リフター50に加わる外力方向と同方向である。即ち、衣類と接触し衣類を持ち上げる方向と一致する。よって、補強リブ75は、リフター50の長さ方向ではない幅方向に形成されることが好ましい。
また、アウターリフター70をドラムにさらに堅固に結合するためのボス74を形成してもよく、ボスにはスクリュー締結孔が形成される。スクリュー締結孔に対応して、ドラムにはスクリュー貫通孔が形成される。
また、アウターリフター70には貫通部が形成される。即ち、ドラム300の外部からリフターの内部へ洗濯水を流入するための貫通部75を形成される。貫通部は、複数形成される。また、貫通部の面積はリフター50の通孔62の面積より大きいことが好ましい。よって、リフターの外部と内部との圧力差によって水流が通孔62によってより強く形成できる。
一方、アウターリフター70のフレーム71は、ドラムの内周面と直接に接触する。上述のように、フレームの幅はドラムとの接触面積を減らすために相対的に小さい。フレームの内部は空いていて、この空いた空間に対応してドラムの円周面にも空いた空間が形成される。即ち、切開部又は陥没部が形成される。この切開部又は陥没部は、フレームの内部の面積と実質的に同一であることが好ましい。即ち、フレーム71の内部に位置するドラムの円周面は、実質的に全て除去されることが好ましい。よって、図4に示されたように、フレーム71の内部にはできる限り多くのドラムの円周面を除去し、これを陥没部、切開部又はドラム連通部325といえる。
図4には、ドラム連通部523がリフター50の形状に対応して1つ形成されることが示されている。即ち、リフターに対応するドラムの円周面の面積をできる限り除去することが好ましいからである。しかし、このドラム連通部523は複数に区画される。即ち、大きいドラム連通部523を複数に区画することが可能である。しかし、区画のためには、ドラムの円周面の一部を残す必要があるため、この部分の加熱はエネルギー損失をもたらす。
以下、図7を参照して、本発明の一実施例に係るドラムについて説明する。
上述した実施例では、ドラムの内部で衣類と接触するリフターをドラムとは別に製作してドラムに取り付けている。特に、ドラムと接触する部分であるリフターの対向面は金属材質からなり、対向面とインダクションモジュールとの間には空いた空間を形成した。よって、リフターが取り付けられるドラムの円周面をドラムの回転軸の中心方向に陥没して対向面を形成したといえる。
本実施例は、リフターをドラムとは別に製作して、ドラムに取り付けたものではなく、ドラムそのものにリフターが一体として形成されたものといえる。
即ち、ドラムの円周面の一部をドラムの中心方向に陥没して、リフター50を形成したものといえる。ドラムの内部ではドラムの一部がドラムの内側に陥没してリフター50が形成されたといえる。ドラムの外部ではドラムの外周面の一部がドラムの内側に陥没した空いた空間を有する陥没部325が形成されたといえる。この空いた空間には空気が満たされる。よって、リフター50が形成する対向面は、ドラムの中心方向に移動する。この対向面はインダクションモジュールとの離隔距離がさらに増加する方向において形成される。
よって、対向面はインダクションモジュールによって加熱され、リフター50は衣類と接触するため、衣類へ熱を容易に伝達することができる。よって、インダクションモジュールにおいて使用するエネルギーは、ドラムの全体、特にリフターにおいても熱エネルギーに転換され、リフターを含むドラムの内周面から衣類へ熱を効果的に伝達することができる。
よって、説明する全実施例において、プラスチック材質のリフターで生じ得るリフターの損傷及びエネルギー効率の低下を防止することができる。また、リフター部分においても熱を衣類に効果的に伝達することができ、加熱性能をさらに効果的に高めることができる。一例として、衣類に熱を加えて衣類を乾燥させる場合、乾燥性能をさらに向上させることができる。
上述した実施例では、一般のドラムの細部構造又はリフターの細部構造を変更して、リフターによって発生可能な問題を解決しようとした。
衣類処理装置を提供する提供者は、特定のタイプの衣類処理装置だけではなく、様々なタイプの衣類処理装置を提供することができる。一例として、乾燥機能のない洗濯機と乾燥機能のある洗濯機とを同時に提供することができる。よって、同一容量のモデルの場合、同一の構成は共通部品を使用して生産するのが最も経済的である。
一例として、同一容量(洗濯処理容量)を有する洗濯機、又は洗濯兼乾燥機の場合、生産者の立場からは、同一のドラム及び同一のリフターを多様なモデルに共通して使用するのがさらに経済的である。これは、従来に使っていたドラム及びリフターを新たなモデルにおいても変更せずにそのまま使うことが製品競争力では有利である。量産を前提とする場合、従来の部品を変更することは、初期投資費や在庫管理費又は生産コストが増加するからである。
新しいドラム又はリフターを製作しなければならないという問題を回避しながらも、上述した問題を解決するための工夫が必要である。以下、上述した問題を解決するための本発明に係る実施例について詳細に説明する。
図8は、本発明の一実施例に対する構成に関する簡略な概念図である。
図8に示されたように、本実施例においても、インダクションモジュール400によってドラム200を加熱するのは同様である。また、ドラム200の内部にリフター50を取り付けるのも同様である。また、ドラムの半径方向の外側、詳しくは、タブ200の外周面にインダクションモジュール400を取り付けるのも、上述した実施例と同様又は類似する。
本実施例では、ドラムの回転角度を把握して、インダクションモジュール400に加わる電流のサイズ又は出力のサイズを変化させることを特徴とする。具体的に、ドラムは円筒状からなり、特定点を基準として、ドラムの回転角度を0度から360度に定義することができる。
例えば、特定のリフターが最上部に位置するA地点におけるドラムの回転角度を0度と定義することができる。ドラムが反時計回り方向に回転する場合、3つのリフターがドラムの円周方向に等間隔に位置する場合、ドラムの回転角度が0度である場合、ドラムの回転角度が120度である場合、及びドラムの回転角度が240度である場合のそれぞれにリフターが位置しているといえる。リフターの左右幅を考慮すれば、略2〜10度の角度範囲にリフターが位置しているといえる。
本実施例によれば、ドラムが回転するとき、リフター50の位置を把握し、インダクションモジュールによるドラムの加熱量を変化させることが可能である。即ち、リフター50がインダクションモジュール400に対向する位置にあるときには、インダクションモジュールによるドラムの加熱量を低減又は除去し、対向する位置から外れる場合、ドラムの加熱量を正常に発揮することができる。このようなドラムの加熱量の変化は、インダクションモジュールの出力変化によって具現化できる。
よって、ドラムの回転角度とは関係なく、常にインダクションモジュールで消費するエネルギーを保つことがないため、エネルギー効率を増加させることができる。また、リフター50に対応するドラム部分では消費するエネルギーを顕著に減らすことができるため、リフター50部分における過熱を顕著に減らすことができる。
図8には、ドラムの円周方向に沿って等間隔に備えられるリフター50と同様に備えられる磁石80が示されている。磁石80は、ドラムの回転角度を効果的に把握するために備えられる。リフター50と同様に、磁石80は円周方向に沿って等間隔に配置される。また、リフターと同数になるように配置される。もちろん、リフターと磁石との角度は、複数のリフターと磁石との間で同一である。
よって、特定の磁石の位置を感知すると、特定の磁石に関連するリフターの位置を感知することができる。具体的に、3つの磁石の位置を感知すると、3つのリフターの位置を感知することができる。図8に示されたように、ドラムが回転するとき、特定の位置で磁石を感知すると、反時計回り方向に略60度ドラムがさらに回転する位置にリフターが位置することが把握できる。
具体的に、本実施例では、ドラムの回転によって磁石80の位置を感知し、リフター50の位置が感知可能なセンサー85をさらに含む。センサーは、ドラムの回転角度からいずれの角度地点に磁石が位置するかを感知し、磁石の位置によってリフターの位置を感知することができる。
もちろん、センサー85は磁石を感知し、単に磁石が感知できるか否かをセンシングすることができる。ドラム200の回転速度は、特定の時点で一定であり、よって、磁石が感知された時点から特定の時間が経過すると、リフター50がインダクションモジュール400に対向する位置に到達することが分かる。
簡単に説明すると、ドラムが1RPMで回転すると仮定する場合、60秒間でドラムは360度回転する。3つの磁石及び3つのリフターが同一角度で配置される場合、磁石80が特定の磁石80を感知した時点に、ドラムがもう60度回転する位置、即ち、10秒後にリフターがセンサーと対向する位置に到達することが分かる。
図8に示されたように、磁石80がドラム200の最下部に位置する磁石を感知する場合、特定のリフターはインダクションモジュール400と対向する位置であることが分かる。よって、リフターがインダクションモジュール400に対向する位置でインダクションモジュール400によるドラムの加熱量は減らし、対向する位置から外れるとドラムの加熱量を増加させることができる。一例として、インダクションモジュールの出力をオフするか、インダクションモジュールの出力を正常に保つことができる。
図8とは異なり、リフター50と同位置に磁石80を配置することができる。この場合、磁石位置センシングがリフター位置センシングと同様である。しかし、この場合、先制的なインダクションモジュールの駆動が難しくなる。極めて短い時間でインダクションモジュールの出力を変化させることができるものの、磁石の感知と同時にインダクションモジュールの出力を変化させることは容易ではない。これは、磁石が占める角度に比べて、リフター50が占める角度がより大きい可能性があるからである。即ち、磁石の位置は、特定の角度で定義することができるが、リフターの角度は特定の角度ではなく特定の角度範囲で定義できるからである。
従って、出力変化のための時間区間とリフターが占める角度区間を考慮するとき、より正確なインダクションモジュールの出力変化のために、磁石の位置は、リフターと円周方向に離隔して所定の角度を有するようにすることが好ましい。また、許容される遅れ時間は、ドラムのRPMに応じて変更することが好ましい。
磁石80はドラムと共に回転すべきである。よって、ドラムに磁石80が備えられることが好ましい。また、磁石80を感知する磁石80はタブ200に備えられることが好ましい。即ち、固定されたタブ200に対してドラム300が回転するように、固定されたセンサー85に対して磁石80が回転するようにすることが好ましい。
図9は、磁石80の位置を感知し、リフターの位置を把握するための制御構成を示す。
衣類処理装置の主制御部10又は主プロセッサは、衣類処理装置の各種の駆動を制御する。一例として、ドラム300の駆動及びドラムの回転速度を制御する。また、主制御部10及び制御に基づいてインダクションモジュール400の出力を制御するモジュール制御部20が備えられる。モジュール制御部は、IH(induction heater)制御部又はIS(induction systema)制御部又はモジュールプロセッサといえる。
モジュール制御部20は、インダクション駆動部に加わる電流を制御するか、インダクションモジュールの出力を制御することができる。一例として、主制御部10においてモジュール制御部20でインダクションモジュールの作動を命令する場合、モジュール制御部20は、インダクションモジュールが作動するように制御する。インダクションモジュールが、単に、オン/オフの動作のみを繰り返す場合は、別のモジュール制御部20が必要ではないことがある。例えば、ドラムが駆動されると、インダクションモジュールがオンに制御され、ドラムが停止すると、インダクションモジュールがオフに制御される。
しかし、本実施例では、ドラムが駆動される間、インダクションモジュールのオン/オフが反復的に制御される。即ち、このような制御変更の時点は非常に早く変更できる。よって、主制御部10とは別にインダクションモジュールの駆動を制御するモジュール制御部20が備えられることが好ましい。これは、主制御部10の処理容量の過多を減らすための方法でもある。
センサー85は、様々なタイプがあり、磁石80を感知して感知結果をモジュール制御部20へ伝達できればよい。
センサー85は、リードスイッチとして備えられる。リードスイッチは、スイッチ形態で磁石による磁力を受けるとスイッチがオンとなり、磁力から外れるとスイッチがオフとなるセンサーである。即ち、磁石がリードスイッチに最も近づく場合、磁石の磁力に影響を受けてリードスイッチがオンとなり、磁石がリードスイッチから外れる場合、リードスイッチがオフとなる。リードスイッチのオンとオフは、互いに異なる信号又はフラッグを出力する。一例として、リードスイッチがオンである場合、5Vの信号、及びリードスイッチがオフである場合、0Vの信号を発生させる。この信号をモジュール制御部20で受信して、リフター50の位置を推定することができる。他方、リードスイッチがオンである場合には0Vの信号を出力して、オフである場合には5Vの信号を出力する。磁力を感知する区間が磁力を感知しない区間より大きいはずであるため、磁力を感知するときに0Vの信号を出力することが好ましい。
モジュール制御部20は、主制御部10によって現在のドラムのRPM情報が分かる。また、リフターと磁石との間の相対的な角度が分かる。よって、モジュール制御部20は、リードスイッチの信号に基づいてリフターの位置を推定することができる。もちろん、推定するリフターの位置に基づいてモジュール制御部20はインダクションモジュール400の出力を変化させることができる。リフター50がインダクションモジュール400に対向する位置においてモジュール制御部20は、インダクションモジュールの出力を0にするか、減少させることができる。よって、リフター50部分において不要なエネルギー消費を顕著に減少させることができる。これによって、リフター50部分における過熱を防止することができる。
センサー85はホールセンサーとして備えられる。ホールセンサーは、磁石80を感知して、互いに異なるフラッグ(flag)を出力することが好ましい。一例として、磁石80を感知する場合に0フラッグ、磁石を感知しない場合に1フラッグを出力する。
いずれの場合でも、モジュール制御部20は磁石を感知する信号に基づいてリフターの位置を推定することができる。また、推定したリフターの位置に基づいてインダクションモジュールの出力を可変制御することができる。
一方、リフターと同数の磁石を使用しなくてもよい。これは、リフターを互いに同間隔に配置することができるため、特定のリフターの位置を感知すると、他のリフターの位置は非常に正確に推定できるためである。即ち、図8とは異なり、3つの磁石のうち2つの磁石は省略してもよい。
一般に、洗濯機の主制御部10は、ドラムの回転角度及び/又はモーター700の回転角度を知っている。即ち、モーター700とドラムが一体として回転して、モーター700の回転角度とドラムの回転角度とが同一であると仮定すると、1つの磁石の位置を把握することで、3つのリフターの位置を把握することができる。
一例として、ドラムが1RPMで回転して、1つの磁石に対して60度回転した位置にリフターが位置する。センサー85が磁石80を感知する場合、60度の回転位置(即ち、10秒後)において特定のリフターが位置することが分かる。同様に、さらに10秒が経過した時点に2番目のリフターが位置し、さらに10秒が経過した時点に3番目のリフターが位置することが分かる。
即ち、主制御部10では、センサー85で感知する1つの磁石に関する情報から3つのリフターの位置を把握することができる。よって、主制御部10は、このリフターの位置に基づいて、モジュール制御部20がインダクションモジュール400の出力を可変制御できるようにする。
よって、本実施例によれば、リフターがインダクションモジュールに対向する時点又はドラムの回転角度区間では、インダクションモジュールの出力を減らすか、0に制御し、対向時点又は対向区間から外れると、インダクションモジュールの出力を正常に保つことができる。
従って、不要なエネルギー消費及びリフター部分に対する過熱を防止することができる。もちろん、従来使用するドラム及びリフターを変更せずに使えるため、非常に経済的である。
一方、図8〜図10に基づいて説明した実施例は、リフターの位置を把握するために別のセンサーと別の磁石を備える必要がある。もちろん、このセンサーとは異なるタイプのセンサーでリフターの位置を把握することもできる。しかし、リフターの位置の把握を目的とする別のセンサーが必要である。
リフターの位置を把握するための別のセンサーは、構成を追加するため、製造が複雑であり、且つ製造コストが増加する。従来の衣類処理装置には必要なかったセンサーや磁石をさらに備える必要があるからである。もちろん、この構成を取り付けるために、タブやドラムの形状又は構造を変更する必要もある。
以下、別のセンサーと磁石を必要ともせず、上述した目的が達成可能な実施例について詳細に説明する。
図11は、ドラムの内周面を展開した一部を示している。図示のように、ドラムの内周面には様々なエンボスパターンが形成される。このようなエンボスは、ドラムの内部に凸な陽刻、又はドラムの外部に凸な陰刻などの様々な形態で形成される。エンボスの模様は様々である。しかし、エンボスのパターンは、一般にドラムの円周方向に同一且つ反復的に示される。
このようなエンボスと同様に、ドラムの内外部を貫通する通孔が形成されるのが一般的である。洗濯水がドラムの内外部に出入りするためである。
しかし、ドラムの円周方向にリフターが取り付けられる部分では、このようなエンボスパターンを省略することが好ましい。即ち、一定のドラムの内周面の半径を維持しているため、リフターの取り付けが容易であるからである。よって、リフターが取り付けられない部分は、ドラムの内周面の半径の変化が大きい。
エンボスの多くはドラムの内部に突設される。即ち、突出面積が相対的に大きい。これは、エンボスがドラムの内部に突出することで、エンボスによるドラムの内周面の面積が増加することができ、よって衣類とドラムの内周面との摩擦面積がさらに増加するからである。
エンボスがなく、同一の半径を有するドラムを仮定すると、ドラムは回転角度とは関係なく、常に同一の面積、及び同一の離隔距離を有してインダクションモジュール400と対向するといえる。
しかし、この対向面積及び対向距離は、ドラムの回転角度に応じて変化する。その理由は、上述したエンボスパターンの有無又はエンボスパターンの変化によって、ドラムの対向面積及び対向距離はドラムの回転角度に応じて変化するからである。即ち、インダクションモジュールと対向するドラムの形状は変化する。
図12は、ドラムの回転角度によるインダクションモジュール400における電流及び出力の変化を示す。
具体的に、ドラムの回転角度に応じてインダクションモジュールにおける電流及び出力が変化することが分かる。換言すれば、特定の時点又は特定の角度において大幅に電流及び出力が減少することが分かる。
このインダクションモジュールで感知する電流の変化又は出力の変化によって、別のセンサーなく、リフターの位置を推定することができる。一例として、インダクションモジュールの出力が維持される間、ドラムの回転によってインダクションモジュールにおける電流又は出力は変化する。
フィードバック制御によって同一の電流又は出力を有するように制御される状態において、リフター部分がインダクションモジュールと対応する場合、電流又は出力を減らすことになる。これは、対向面の面積と距離が最も短くなる位置であるからである。よって、ドラムの回転角度の変化によるインダクションモジュールにおける電流又は出力(電力)の変化によって、リフター取付部分の位置を推定することができる。
このようにリフター取付部分の位置を推定する場合、リフター取付位置でのインダクションモジュールの出力は0となるように制御するか、出力(電力)を顕著に減らすことができる。
図12によれば、360度を基準として略50〜70度の区間、略170〜190度の区間、及び略290〜310度の区間にリフターが位置することと推定できる。例えば、インダクションモジュールが駆動され、ドラムが一周回転する間、3つの角度区間にリフターが位置することと推定することができる。もちろん、リフターの位置をより正確に把握するために、同一過程を複数回繰り返してリフターの位置を補正して推定することができる。
また、リフターの位置の推定を確定すると、この後のドラムの回転からはリフターの位置に基づいてインダクションモジュールの出力が変化するように制御することができる。
図8〜図12に基づいて説明した実施例によって、ドラム及びリフターの格別な変更無しに、効率を増加させることができ、またリフターの過熱を防止することができる。
以下、図13を参照して、本発明の一実施例に係る制御方法について詳細に説明する。本実施例は、図8〜図12に基づいて説明した実施例だけではなく、図4〜図7に基づいて説明した実施例にも適用できる。構造的にリフター部分の過熱防止に対する実施例において、制御的にリフター部部分の過熱防止を複合的に具現化できるからである。
先ず、必要な状況においてインダクションモジュール400の駆動を開始(S10)して、ドラムを加熱させる。このようなドラムの加熱は、ドラムの内部の衣類を乾燥させるか、タブの内部の洗濯水を加熱するために行われる。よって、乾燥行程又は洗濯行程が行われる時点にインダクションモジュール400が駆動される。一方、脱水行程でもインダクションモジュール400が駆動されることがある。この場合、非常に速い速度でドラムが回転するため、ドラムの加熱量は相対的に小さい。しかし、遠心力による水分除去及び加熱による水分蒸発が複合的に行われ、脱水の効果はさらに増加する。
インダクションモジュール400が駆動を開始すると、終了条件を満すか否かを判断(S20)し、終了条件を満たす場合、インダクションモジュール400の駆動を終了(S30)する。終了条件は、洗濯行程の終了であってもよく、乾燥行程の終了であってもよい。しかし、駆動終了(S30)は、1つの洗濯コース又は乾燥コースにおいて最終的な終了ではなく、一時的な終了であってもよい。よって、インダクションモジュールのオン/オフを繰り返すことができる。
インダクションモジュール400が駆動を開始すると、インダクションモジュール400は終了(S30)するまで、正常出力に制御することが好ましい。即ち、予め設定された出力を有するように制御し、より正確な出力制御のために、フィードバック制御することができる。よって、インダクションモジュール400の駆動ステップは、モジュール制御部においてインダクションモジュールを正常出力に制御するステップを含むことができる。
リフター部分における過熱の問題を解決するために、ドラムの回転によるリフターの位置を感知するステップ(S50)が行われることが好ましい。即ち、リフターがインダクションモジュールに対向する位置(最も近い位置でインダクションモジュールと対向する位置)であるか否かを判断するステップが行われる。このようなリフターの位置感知は、ドラムが駆動される間に持続的に行われる。もちろん、ドラムが駆動される間に常にインダクションモジュールが駆動されなくてもよい。一例として、すすぎ行程ではドラムが駆動されるものの、インダクションモジュールが駆動されないことがある。また、洗濯水の加熱を終了した後、続けられる洗濯行程においてドラムの駆動は持続するものの、インダクションモジュールは駆動されないことがある。
よって、インダクションモジュールが駆動されてから初めてリフターの位置を感知することが好ましい。即ち、リフターの位置感知は、インダクションモジュールの駆動が開始されることを前提として行われることが好ましい。
リフターの位置を感知すると、リフターが特定の位置にあるか否かを判断することができる。即ち、出力を減らすか0にするかを判断(S60)する。リフターが対向位置であることを感知する場合、出力を減らすか0にする条件を満たす。よって、出力を減少又は出力を0にする(S80)。また、リフターが対向位置ではないことを感知する場合、出力を正常に保つ(S70)。
このようなステップは繰り返して行われる。よって、リフターの対向位置において出力を下げて、リフターの対向位置ではない場合、出力を正常出力に制御する。よって、制御的な方法でリフター部分の過熱を防止すると同時に、エネルギー効率を高めることができる。
一方、リフターの位置による出力制御は常に行わなくてもよい。即ち、ドラムが駆動され、インダクションモジュールが駆動される間、リフターの位置とは関係なく常に出力が維持できる。即ち、リフターの過熱が無視できれば、このような制御は省略してもよい。
このために、リフターの過熱回避のためのリフターの位置感知及び出力制御の要否を判断するステップ(S40)が行われる。これは、リフターの位置感知が行われる前に行われる。
一例として、ドラムの回転速度が速い場合、例えば200RPM以上の場合には、ドラムの回転速度が速いため、リフター部分から発生する加熱量が相対的に小さい。もちろん、ドラムの回転速度が速く、ドラムと衣類が接触する面積と時間が相対的に大きいといえる。これは、この場合の衣類はリフターによって揺れず、ドラムの内周面に密着するからである。
即ち、ドラムがタンブリングではなくスピン駆動するRPM以上では、リフターの位置による加熱量の制御は意味がない場合がある。
よって、リフターの加熱回避ロジックを適用するか否かを判断するステップは非常に効果的である。もちろん、このステップにおいて適用される条件は、RPMに限らず、その他の条件であってもよい。一例として、乾燥行程においてドラムが加熱されると、衣類へ伝達される熱の量が多い。よって、衣類と接触しないリフター部分における過熱が問題になる。他方、タブに洗濯水が受容され、ドラムの外周面の一部が洗濯水に浸される場合、ドラムが加熱されると、熱の多くは洗濯水へ伝達される。これは、リフター排除部だけではなく、リフター取付部においても同様である。
従って、リフターの加熱回避ロジックを適用するか否かを判断する条件は、いずれの行程であるかであってもよい。洗濯行程の場合、リフターの加熱回避ロジックが排除されることができる。よって、リフターの加熱回避ロジック進入のための条件は様々に変更できる。
一方、リフターの位置感知ステップ(S50)は様々な形態で行われる。即ち、上述したセンサーと磁石を用いる場合、センサー無しにインダクションモジュールの電流変化や出力変化を用いる場合など様々に行うことができる。
上述した実施例によれば、リフターの過熱防止、エネルギー効率の増加を実現することができる。また、リフターの過熱防止が必要ではない場合は、インダクションモジュールによる加熱を最大に利用することができる。