JP2020529468A - パルス磁場勾配を使用する悪性癌細胞の標的化浸透圧溶解 - Google Patents

パルス磁場勾配を使用する悪性癌細胞の標的化浸透圧溶解 Download PDF

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Abstract

電位依存性ナトリウムチャネル(VGSG又は「ナトリウムチャネル」)を過剰発現する腫瘍細胞を標的とするための及び、最初にナトリウム、カリウム—アデノシン・トリホスファターゼ(Na+,K+−ATPアーゼあるいは「ナトリウムポンプ」)を阻害し、次にナトリウムと水を細胞内に侵入させるためにパルス化された磁場勾配でVGSCを刺激して癌細胞の浸透圧溶解を引き起こすための、方法が提供される。【選択図】図1

Description

(関連出願)
本願は、2017年7月20日に出願された米国仮出願第62/534,947号および2018年7月11日に出願された米国仮出願第62/696,702号に対する優先権を主張し、これらの両方は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
本開示は、電位依存性ナトリウムチャネル(VGSC、すなわち「ナトリウムチャネル」)を過剰発現する癌細胞を標的とし、ナトリウム、カリウム−アデノシントリホスファターゼ(Na,K−ATPase、すなわち「ナトリウムポンプ」)を阻害することにより、これらの癌細胞の浸透圧溶解を引き起こすための方法、ならびにパルス磁場勾配によってVGSCを刺激して、ナトリウムと水を癌細胞に進入させるための方法に関する。
転移性癌の化学療法および放射線療法は、正常組織と異常組織の両方に対する毒性のため、患者を殺す前に腫瘍性疾患を殺すよう試みる困難な挑戦である、治療と救済のバランスを臨床医に提示する。すべての従来的な癌治療は、治療期間をはるかに超える可能性のある毒性、死亡率の増加、および生活の質の低下に関連しており、現在の抗腫瘍治療の主な焦点は、癌細胞に対する治療を標的としてあり、たとえば、正常組織ではなく癌細胞によって発現または過剰発現されるタンパク質を標的とする。
多くの浸潤性癌細胞型は、正常細胞よりも1000倍より多くVGSCを過剰発現する。VGSCを過剰発現する癌細胞は、高浸潤性乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、リンパ腫、神経芽細胞腫、および子宮頸癌を含むがこれらに限定されない上皮癌である。いくつかの肉腫、顕著な横紋筋肉腫、中皮腫、骨肉腫もまたVGSCを過剰発現する。上皮癌として分類されない中皮腫もまた、VGSCを過剰発現することが知られている。これらのナトリウムチャネルが活性化されると、Naが細胞に導かれる。これらの癌においては、転移の程度はVGSCの発現の増加と直接関係している。生理学的には、これらの癌細胞は、ニューロンや心筋細胞などの正常な興奮性細胞と特定の細胞特性を共有している(たとえば、活動電位の伝導)。特許文献1は、乳癌を含む癌の治療としてのVGSCの阻害剤の使用を開示している。
米国では、毎年、上皮細胞癌に罹患している160万人のうち、40%が「高侵襲性」でありVGSCを過剰発現していると考えられている。悪性/転移性癌と診断されたこれらの患者は、現在、大規模でしばしば外観を損なう外科手術、化学療法および/または放射線を用いて治療されている。米国では毎年40万人より多くが上皮細胞癌で死亡しており、世界中ではその10倍と推定されている。さらに、浸潤性癌と診断された別の120万人の米国の患者は、従来的な手術、化学療法、および/または放射線を用いて首尾よく治療されている。乳癌は、高浸潤癌の一例である。米国では毎年40,000人より多くが乳癌で死亡し、世界中で465,000人が死亡している。これらの死亡の90%より多くは、原発腫瘍の転移によるものである。さらに、浸潤性乳癌と診断された別の170,000人の米国女性は、従来的な乳房切除術、乳腺腫瘤摘出術、化学療法、および/または放射線を用いて首尾よく治療されている。毎年207,000人の乳癌に罹患している人のうち、癌の40%が「高侵襲性」であり、VGSCを過剰発現していると考えられている。
「電圧依存性ナトリウムチャネル」と名付けられたナトリウムチャネルのファミリーは、細胞膜を横切る電圧の小さな変化(約30mV;静止膜電位の−70mVから閾値の−40mVまで)に対する感受性に起因してそのように称された。これらはまた、電流、膜の機械的障害、超音波、磁場、いくつかの薬物など、多くの刺激によって活性化されることが示されている。VGSCファミリーには9つのメンバーがあり、9つの異なるアイソフォームを有する。これらはNav1.Xと称し、ここで、Xは1〜9を表す。1つの異なるチャネル、NaXは、電圧の推移に応答しないが、細胞外ナトリウム濃度に応答する。
Na,K−ATPアーゼは、動物細胞における遍在性膜貫通タンパク質であり、大半がナトリウムイオンである、より荷電したイオンが、細胞の内側よりも、細胞の外側にある細胞膜を横切ってイオン不均衡を維持するように機能する。このことは、恒常性バランスにある電気化学的勾配を生成する。電圧の変化の存在下でイオンの不均衡が変化するとき、活動電位が生成され、細胞内の高張状態への一時的な浸透圧シフトを引き起こす。ナトリウムの不均衡の回復は、Na,K−ATPaseによって実行される本質的な機能である。Na,K−ATPaseが適切に機能しないとき、水はナトリウムを細胞内に流して浸透圧のバランスを回復し、それによって細胞の体積を増加させる。正常な細胞において、この細胞体積の変化は、膜コンプライアンスのために許容される。Na,K−ATPaseの機能をブロックすることは、細胞の興奮性の喪失、および細胞体積の増加をもたらす可能性がある。強心配糖体を含む多くの阻害剤が知られている。アイソザイムは、各強心配糖体に対する感受性が異なる。30を超える薬物がナトリウムポンプの活動を阻害することが示されてきた。これらには、ウアバイン、ジギタリス、およびその有効成分であるジゴキシンとジギトキシンが含まれる。
特許文献2は、単独で、または細胞アポトーシスを引き起こすことにより膵臓癌を治療するための他の標準的な癌治療薬と組み合わせてのいずれかで、強心配糖体(たとえば、ウアバインおよびプロシリリジン)の使用を開示している。特許文献3は、癌の治療として細胞アポトーシスを誘導するための、ジゴキシンおよびウアバインを含む強心配糖体の使用を開示している。
特許文献4は、電位依存性ナトリウムチャネルを過剰発現する腫瘍細胞に第1の薬剤および第2の薬剤を同時投与することを含む哺乳動物における癌を治療するための方法を開示しており、ここで、第1の薬剤はNa,K−ATPaseを阻害し、第2の薬剤は電位依存性ナトリウムチャネルを刺激して、腫瘍細胞の浸透圧溶解を引き起こし、同時投与後約1時間以内に腫瘍細胞の生存度の実質的な低下をもたらす。これに関して、ナトリウムポンプをブロックし、同時にこれらの細胞のナトリウムチャネルの開口を刺激することによって、高度に悪性の癌細胞を選択的に殺すことができる。第1の薬剤は、ウアバインまたはジギトキシンを含んでもよく、第2の薬剤は、電流、超音波、磁場、またはベラトリジンなどの薬物化合物を含んでもよい。
悪性癌細胞の標的化浸透圧溶解を達成するための磁気刺激を提供するための改善された機構および技術の必要性が存在している。
米国特許第7,393,657号 米国特許出願公開第2007/0105790号 米国特許出願公開第2009/0018088号 米国特許第8,921,320号 米国特許第5,779,637号 米国特許第5,666,056号 米国特許第4,411,270号
本開示の態様および実施形態は、電圧依存性ナトリウムチャネル(VGSCまたは「ナトリウムチャネル」)を過剰発現する癌細胞の標的化浸透圧溶解(TOL)のための方法、およびナトリウム、カリウム−アデノシントリホスファターゼ(Na,K−ATPaseまたは「ナトリウムポンプ」)を阻害し、パルス磁場勾配によりVGSCを刺激して、ナトリウムと水を癌細胞に侵入させることにより、これらの癌細胞の浸透圧溶解を引き起こすための方法を提供する。
本開示の特定の実施形態は、静磁場磁石の存在下で、約0〜20ミリ秒の立ち上がり時間にわたって−90mVから−30mVまで上昇する傾斜、約7.5〜30ミリ秒のパルス間間隔、約20〜60PPSのパルスサイクル周波数を伴うz勾配磁場によりVGSCを刺激することによってVGSCを過剰発現する癌細胞のTOLのための方法に関する。好ましい実施形態において、パルス磁場は、約10ミリ秒の立ち上がり時間にわたって−90mVから−30mVまで上昇する傾斜、2.5ミリ秒にわたってベースに戻ること、7.5ミリ秒のパルス間間隔、および25PPSのパルスサイクル周波数を伴うz勾配磁場である。パルス磁場は80mTで刺激強度に達し、100%に近い細胞溶解を引き起こす。
インビトロでMDA−MB−231細胞の細胞溶解を生成するために必要なパルス磁場の強度を決定するための刺激強度−応答曲線(p<.01)。 TOLはナトリウムの存在に依存する。この棒グラフは、ナトリウム、ジゴキシン、およびPMF(黒棒、Dig−PMF)の存在下では細胞溶解が起こるのに対し、ナトリウム、TOL(白棒、Dig−PMF)の非存在下では細胞溶解が起こらないことを示す(p<.01)。 腫瘍壊死レベルについてのグレード1〜5(1=正常な腫瘍形態、5=完全破壊)を付けた腫瘍からの代表的な切片を示す、MDA−MB−231異種移植片のH&E染色切片の例。 TOLで治療した異種移植片のメジアン腫瘍壊死スコアは、対照、薬物のみ、刺激のみ、またはビヒクルで処理した異種移植片のメジアン腫瘍壊死スコアよりも有意に大きい(対照スコアを組み合わせた、ρ<.05)。 TOLは非癌性組織に損傷を与えない。顕微鏡写真は、MDA−MB−231異種移植片の処理中にTOL治療にさらされた非癌性臓器から採取した切片を例証する。各臓器からの組織は、TOL治療に関連した損傷の徴候を示さなかった。 腫瘍の増殖速度は、TOL(Dig−PMF)での処理後、対照と比較した場合、顕著に遅くなる。 (7A)TOLで処理されたマウスは、対照群のマウスよりも有意に長い人道的エンドポイント安楽死基準に達した。矢印は処理日数を示す。(7B)棒グラフは、各処理群の50%が人道的エンドポイントの安楽死基準に達するまでの平均時間を示す。したがって、TOLで処理したマウスの平均余命は、対照の平均余命を約1週間上回る。
特定されるすべての特許および他の刊行物は、例えば、本発明に関連して使用される可能性があるそのような刊行物に記載される方法を記載および開示する目的で参照により本明細書に組み込まれるが、本明細書において提供される用語の定義とは矛盾する用語の定義を与えるものではない。これらの刊行物は、本出願の出願日前の刊行物の開示のためにのみ提供されている。この点に関して、先行発明のために、または他の何らかの理由のために、本発明者らがそのような開示に先行する資格がないことを認めるものと解釈されるべきではない。日付に関するすべての記述またはこれらの文書の内容に関する表現は、出願人者が入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確性に関する承認を構成するものではない。
本明細書および特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の言及を含む。本明細書全体を通して、特に明記しない限り、「含む(comprise)」、「含み(comprises)」、および「含むこと(comprising)」は、排他的ではなく包括的に使用されるため、記載された整数または整数の群は、1つまたは複数の他の記載されていない整数または整数の群を含み得る。用語「または(or)」は、たとえば「どちらか(either)」によって変更されない限り、包括的である。操作上の例の場合以外に、または明示的に述べられているか、そうでなければ示されている場合を除き、本明細書で使用される成分の量または反応条件を表すすべての数字は、「約」という用語によってすべての場合に修正されるものと理解されるべきである
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。用語「オス」および「メス」は、対応する構成要素またはその相補的な側面を説明するために交換可能に使用される場合があり、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、特定の構造に対する限定ではない。
見出しは便宜のためにのみ提供されるものであり、決して本発明を限定するものと解釈されるべきではない。別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本開示をより容易に理解できるようにするために、特定の用語を最初に定義する。追加の定義は、詳細な説明全体で説明されている。
標的化浸透圧溶解(TOL)は、従来の癌療法よりも多くの利点を有する。化学療法は、通常、癌組織だけでなく健康な組織にも損傷を引き起こし、長期にわたる回復および慢性的な病的状態を導く。これに対して、TOLは、VGSCを過剰発現する細胞のみを破壊する。したがって、病変組織のより選択的な損傷が期待される。このことは、治療の長期的な悪影響を少なくすることに寄与する。放射線療法は、通常、癌組織の周囲の健康な組織を殺傷することに向けられている。化学療法と同様に、これはしばしば長期にわたる回復および慢性的な病的状態をもたらす。VGSCを過剰発現する細胞に対するTOLの選択性のために、新生物周辺の損傷はほとんどないか、全くない。
本開示は、ナトリウム、カリウム−アデノシントリホスファターゼ(Na,K−ATPaseまたは「ナトリウムポンプ」)を阻害することによって、および、ナトリウムおよび水を癌細胞に侵入させるためにパルス磁場勾配によって電位依存性ナトリウムチャネル(VGSCまたは「ナトリウムチャネル」)を刺激することによって、VGSCを過剰発現する癌細胞を標的とし、これらの癌細胞の浸透圧溶解を引き起こす方法を提供する。例えば、磁気刺激を使用して、インビトロで約−90mVと−30mVの間の脱分極を生じてもよい。
ナトリウムチャネルは、神経活動電位の上昇局面の原因である。ニューロンの平均静止膜電位は−70mV、骨格筋では−90mV、上皮細胞では−50mVである。活動電位のピークは+40mVである。ピーク後、チャネルは閉じられ、回復の可変期間があり、その時間の間、別の活動電位は開始できず、すなわち不応期である。チャネルの開口、閉鎖、および再開は、細胞型固有ではなく、サブタイプ固有であるようである。より大きな脱分極は、ナトリウムチャネルの急速な開口とより遅い不活性化、すなわちより多くのナトリウム流入に関連している。ナトリウムの流入は、最初は、電荷勾配を0mVまで低下して流れ、次に濃度勾配を+40mVまで低下して流れる。
電位依存性ナトリウムチャネルには9種の既知のアイソフォームが存在する。アイソフォームの開口は、−90mV〜−30mVの間で変動する。一部のアイソフォームは、閾値値前のレベルである−80mV〜−60mVでゆっくりと開き、ゆっくりと閉じて、刺激加重のメカニズムであるリーク電流を供給する。他のアイソフォームは、閾値電位で急速に開く。チャネルアイソフォームは異なる速度で刺激を再準備または回復させ、急速な点火(神経インパルス)または一定の規則的な点火(心筋)を可能にする。脱分極の平均時間は10〜20ミリ秒である。不活性化からの完全な回復は約45ミリ秒である。
電気刺激が標的とされた浸透圧溶解において使用された場合、パラメータは以下を含んできた:(A)インビトロ−1.0V DC、1ミリ秒パルス、最大5分間15pps、および(b)インビボ−10V DC、1ミリ秒パルス、2.5分間15pps、次いで電極ペアを90°回転、2.5分間再度刺激。
本開示は、標的化浸透圧溶解において磁気刺激を使用する実施形態を提供する。パラメータには、様々な勾配平面で送達される、10ミリ秒にわたる−90mVから−30mVまでの傾斜立ち上がり時間、ベースまでの戻り2.5ミリ秒、および7.5ミリ秒のパルス間間隔、パルスサイクル周波数25PPS、すなわち、20ミリ秒/パルスサイクルが含まれる。傾斜は約0から約20ミリ秒までの範囲であってもよく、パルス間間隔は約15から約30ミリ秒の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、パルスサイクル周波数は約20〜60PPSであってもよい。一実施形態では、パラメータには、12.5ミリ秒の傾斜立ち上がり時間、7.5ミリ秒のプラトー、および12.5ミリ秒のベースラインへの戻りを伴う波形が含まれ、ここで、パルス間間隔は7.5ミリ秒であり、パルス周波数範囲は約25〜50PPSである。
本明細書で使用される「磁場」は、電流および磁性材料の磁気効果を指す。電子などの電荷キャリアが空間を通してまたは電気伝導体内を移動する場合、磁場が発生する可能性がある。電荷キャリア(電流)の移動によって生成される磁束線の幾何学的形状は、静電界内の磁束線の形状に類似している。磁場は、磁気共鳴イメージング装置を含むさまざまな装置によって生成され得る。磁気共鳴イメージングのための装置およびシステムが記載されてきた。例えば、特許文献5、特許文献6、および特許文献7を参照。例えば、ドーナツ型の超伝導磁石または銅巻きの常温電磁石は、初期静磁場を提供し得る。
磁場刺激の生成のための適切な装置およびシステムは、トロイダルまたはソレノイド巻きのハードウェアおよびエンクロージャ、電流駆動ステージ、ならびに電源からなるデバイスと、マイクロコントローラおよび回路基板の設計、ソフトウェアドライバ、ならびにユーザーインターフェイス、上で開発された磁気パルスおよび波形を調整するためのメカニズムとを含む。パルス波形はマイクロコントローラを用いて制御され、これは、パルス幅変調(PWM)信号を生成し、この信号はクラスDスタイルの電子アンプを駆動するために使用され、これが次にはトロイダル巻線を通して電流を駆動する。デバイスは、空のボアにおいて設計された電界パルスを生成し、0.2〜0.9テスラの界強度を送達する。
Na,K−ATPaseを遮断するために使用できる医薬化合物の非限定的な例には、ウアバイン(g−ストロファンチン)ジヒドロウアバイン、ウアバイン八水和物、ウアバゲニン、ジゴキシン、ジギトキシン、ジギタリス、アセチルジギトキシン、アセチルジゴキシン、ラナトシドC、デスラノシド、メチルジゴキシン、ギトホルメート、オレアンデリン、オレアンドリゲニン、ブフォトキシン、ブフォタリン、マリノブファゲニン(3,5−ジヒドロキシ−14,15−エポキシブフォジエノリド)、パリトキシン、オリゴマイシンA、B、C、E、F、およびG、ルタマイシン(オリゴマイシンD)、ルタマイシンB、ストロファンチン(g−ストロファンチン、アコカンテリン)、k−β−ストロファンチン、ストロファンチジン、k−ストロファントシド、シマリン、エリシモシド(カルデノリド)、ヘルベチコシド、ペルボシド、視床下部Na,K−ATPase阻害因子(HIF)、HIFのアグリコン、アレノブファギン、シノブファギン、マリノブファギン、プロシラリジン、シリロシド、ダイグレモンチアナニン、3,4,5,6,テトラヒドロキシキサントン、およびNa,K−ATPaseの他のすべての阻害剤、それぞれの組み合わせおよび誘導体が含まれる。
Na,K−ATPase遮断薬は、直接または静脈内投与を介して単一の腫瘍に、静脈内または管腔内投与を介して単一の器官または領域に、または静脈内、皮下筋肉内または経口投与を介して全身に送達され得る。ナトリウムチャネルの磁場刺激は、単一の腫瘍、単一の臓器、身体の一部、または全身に送達することができる。VGSCファミリーのすべてのタイプとサブタイプは、この技術に対して等しく感受性であるはずである。例えば、Nav1.1、Nav1.2、Nav1.5、Nav1.5a、およびNav1.7を過剰発現する細胞株は、媒介された標的化溶解に対して感受性である。
本明細書に記載される実施例および実施形態は、例示のみを目的とするものであること、およびそれらを考慮して様々な修正または変更が当業者に提案され、本願および添付の特許請求の範囲の技術思想および範囲の中に含まれることが理解されるべきである。本明細書において言及されるすべての刊行物および特許出願は、本発明が関係する当業者の技術レベルを示している。すべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
実施例1.生きている悪性乳癌細胞およびアルコールで殺傷した悪性乳癌細胞のペレットを含むバイアル中のMRIインビトロ研究
培養された、正常な対照およびアルコールで殺傷された悪性乳癌細胞(MDA−MB−231)のベースライン画像を、磁気共鳴画像法(MRI)装置およびシステムで得て、MRIを用いて生細胞と死細胞のあらゆる違いを評価した。この研究のために、3バイアルの細胞を使用して、イメージング時に容易に視覚化されたペレットを形成するために十分な細胞を提供した。単一バイアル中の細胞数は、明確に違いを識別するために十分な大きさのペレットを形成するには不十分であった。細胞を微量遠心管チューブに入れ、遠心分離してペレットを形成させた。次に、チューブをMRIの計算されたフィールドの中心に並べて配置し、スキャンした。チューブ間に明確な違いを観察した。
187.5973の振幅を達成するために10ミリ秒の立ち上がり時間を使用してz勾配での磁場パルスの生成、続いて2.5ミリ秒のベースラインへの戻りおよび−17.5ミリ秒の刺激間間隔を含む、磁気刺激セットのパラメータを選択した。勾配場は5分間パルスした。
実施例2.z勾配中のパルス磁場刺激にさらされたウアバイン処理(TOL)悪性乳癌細胞におけるインビトロ研究の結果
MDA−MB−231細胞の2つのチューブを調製した。ナトリウムポンプを遮断するために、1つのチューブの培地を100nMウアバインを含む培地に置き換えた。両方のチューブを、MRI中で、z勾配場において中心から317mmオフセットに配置し、パルス磁場にさらした。次に、サンプルの位置を変えて画像化した。5分間z勾配中のパルス磁場刺激にさらされた対照MDA−MB−231細胞およびウアバイン処理(TOL)MDA−MB−231細胞のペレットを含むバイアルの磁気共鳴イメージングは、観察可能な違いを表示する。
画像化後、各バイアル内の細胞をトリパンブルーで染色して、各処理:(A)磁気刺激単独または(B)ウアバインおよび磁気刺激によって溶解された細胞の数を推定した。パルス磁場刺激のみにさらされた実質的にすべての細胞はすべて生存しており(トリパンブルー染色を排出)、ウアバインとパルス磁場刺激で同時に処理された細胞の10−15%は死滅していた(外見が収縮しており、染色を保持した)。
この実施例では、磁場刺激の準備中に、細胞を60分間にわたってウアバインにさらした。ウアバイン単独にさらされた場合、わずかな割合の細胞において溶解が起こる可能性があるため、90分間より長いパルス磁場刺激なしで細胞のバイアルをウアバインにさらす研究を行った。この期間にウアバイン単独にさらされた細胞の1%未満が死滅していることがわかり、このことは、細胞が10分間ウアバインにさらされた場合と同様の殺傷率を反映した。
パルス化されたz勾配場の持続時間、振幅および周波数は変動した。すべての標的化浸透圧溶解(TOL)バイアル(ウアバインおよびパルス磁場刺激)を100nMウアバインに10分間暴露した。ウアバイン処理および通常のMDA−MB−231対照バイアルを同じパルス磁場にさらした後、トリパンブルーで染色して、各チューブの細胞溶解量を推定した。利用可能な最大磁場強度(289.1689Amp)を使用して2つの試行を行った。これらの試験の最初のパルス刺激は、立ち上がり時間が10ミリ秒、ベースラインへの戻りが2.5ミリ秒、刺激間の間隔が17.5ミリ秒で送達した。2回目の試行では、刺激は、10ミリ秒の立ち上がり時間、2.5ミリ秒のベースラインへの戻り、および7.5ミリ秒の刺激間間隔でパルスを行った。187.5973 Ampの刺激振幅で追加の試行を実行したが、他の試行とは異なり、10ミリ秒の立ち上がり時間、2.5ミリ秒のベースラインへの戻り、7.5ミリ秒の刺激間間隔を使用して、細胞溶解に対する刺激周波数の寄与をさらに評価した。磁場の振幅が289.1689で、パルス間の間隔が7.5ミリ秒(50Hz)の場合、良好な細胞溶解、例えば、80〜90%の殺傷率を見い出した。
実施例3.z勾配におけるパルス磁場刺激にさらされたジゴキシン処理(TOL)悪性乳癌細胞におけるインビトロ研究の結果
DMEM中で培養されたMDA−MB−231乳癌細胞、または乳房上皮増殖培地(MEGM;Lonza、www.lonza.com)で培養されたMCF−10a正常乳房上皮細胞は、Corning Cellstripper(Corning, NY)を用いて解離し、そして100nMジゴキシン(SigmaAldrich)の有無にかかわらずDMEMを使用して1.5ml微量遠心管に再懸濁した。チューブを、直径8インチ、2.5インチの、12ga銅線の697回転(500フィート)のソレノイドに配置した。AE Techron 7224 DC拡張ACアンプからの5VDC電流は、25Hzでパルスされ、10ミリ秒の傾斜および落下を伴い、ソレノイド中で80mTの磁気パルスを生成する、Techtronics AFG 3021B波形発生器によって制御した。ジゴキシン処理されたMDA−MB−231細胞のうち、10分以内に97.5%が溶解したのに対し、薬物なしの対照では、生存不能であったのは4.5%だけであった。ジゴキシン処理したものと、未処理のもののいずれも、刺激時にMCF−10a細胞は溶解しなかった。
実施例4.標的化浸透圧溶解に対するx、y、z勾配場の同時パルス
標的化浸透圧溶解に対するx、yおよびz勾配場の同時パルスの効果を評価するための研究を行った。細胞バイアルを上記のように調製した。提示された波形は、各勾配場において同一であり、すべて5分間パルスしたが、振幅と周波数に関しては試行間で変動があった。使用した振幅は、持続時間5分のパルス列を送達するためにシステムによって許容された最大振幅であった。このシステムは、より高い振幅で自動的にシャットダウンする。1つの試験では、振幅が262.4531、立ち上がり時間が10ミリ秒、ベースラインへの戻りが2.5ミリ秒、そしてパルス間の間隔が17.5ミリ秒であった。別の試験は、224.9519の振幅、10ミリ秒の立ち上がり時間、2.5ミリ秒のベースラインへの戻り、および7.5ミリ秒のパルス間間隔を含んだ。さらに別の試験は、206.2014の振幅、10ミリ秒の立ち上がり時間、2.0ミリ秒のベースラインへの戻り、および3.0ミリ秒のパルス間間隔を含んだ。細胞溶解は、3つの勾配場が一緒にパルスされたときに、z勾配場が単独でパルスされたときよりも、80〜90%の致死率よりも顕著に低かった。
実施例5.静磁場磁石の非存在下でのz勾配磁場を用いてパルスされた細胞における研究。
静磁場磁石の非存在下で細胞がz勾配磁場を用いてパルスされる研究が行われた。静電界を用いて得られたMDA−MB−231細胞の細胞溶解量の細胞学的評価は、静電界なしで得られた溶解量よりも有意に大きかった。
実施例6.刺激強度の研究−インビトロでMDA−MB−231細胞の細胞溶解を生じるために必要なパルス磁場の強度を決定するための応答曲線
インビトロでMDA−MB−231細胞の細胞溶解を生じるために必要なパルス磁場の強度を決定するために、増加する刺激強度で細胞をパルスする研究を実施した。細胞は、500nMジゴキシンありまたはなしで、微量遠心管に分配した。すべてのチューブを0〜80mTのPMFにさらした。図1は、80mTの刺激強度がMDA−MB−231細胞のほぼ100%の細胞溶解を生じることを示す。
実施例7.ナトリウムの存在とTOLの有効性との関連性の研究
MDA−MB−231細胞を含む培養培地を、ナトリウムを含むかまたは含まないリンガー溶液で置き換え、その後80mTのパルス磁場で10分間刺激する研究を実施した。細胞は、リンガー+Naまたはリンガー−Naのいずれかを含む微量遠心管に移した。これらの各培地のチューブは、4つの処理のいずれかを受けた:リンガービヒクルおよび刺激なし(VEH−No PMF)、ビヒクルおよび80mT PMF(Veh−PMF)、500nMのジゴキシンおよび刺激なし(Dig−No PMF)、およびPMF刺激を伴うジゴキシン(Dig−PMF)、ジゴキシンを受けず、刺激あり(Veh−PMF)または刺激なし(Veh−No PMF)。図2は、リンガー+NaのTOL細胞(Dig−PMF)は約70%の生存不能を表示する一方で、ナトリウムなしのパルスは20%未満の生存不能を表示することを示し、ナトリウムがTOLプロセスにおける必須の参加メンバーであることを示す(p<.01)。
実施例8.電位依存性ナトリウムチャネルのパルス磁場(PMF)刺激を使用したインビボ研究の結果
浸透圧溶解を誘発するパルス磁場のインビボ検証のために、MDA−MB−231異種移植片(直径0.7〜1.2cmの腰下部)を有する4群のJ/Nuマウス(n=8)に、1時間間隔で5回、ジゴキシンまたは生理食塩水5mg/kgを注射した(皮下、背中の後ろ)。このプロトコルは、血管新生が不十分な組織でさえも定常状態の薬物動態を確立する。これらのマウスは、培養細胞と同じパラメータを使用して、最後の注射の30分後から15分間、パルス磁場にさらされた。この処理は、最初の処理の2日後と4日後に繰り返した。マウスを屠殺し、3回目の処理の24時間後に4%パラホルムアルデヒドで固定した。これらの動物の組織は、治療を知らない病理学者によって切片にされ評価された。図3は、MDA−MB−231異種移植片のH&E染色切片の例を示し、腫瘍壊死のレベルについて1〜5段階の腫瘍からの代表的な切片を示す。図4は、TOLを用いて処理した異種移植片の腫瘍壊死スコアのメジアンが、薬物のみ、刺激のみ、またはビヒクルで処理した対照異種移植片の腫瘍壊死スコアのメジアンよりも有意に大きいことを示す。ジゴキシンおよび磁気刺激(TOL)で処理したマウスの腫瘍は、80〜100%の腫瘍溶解を示した。正常な筋肉、腎臓、脳、または心臓において溶解は観察されなかった(図5)。薬物のみおよび刺激のみの対照は、未処理の対照と変わらなかった。異種移植された中皮腫腫瘍を有する免疫不全の追加のヌードマウス3匹は、TOLでの治療後に腫瘍の徴候を示さなかった。図6は、対照と比較した場合、TOL(Dig−PMF)を用いた治療後の腫瘍成長速度が著しく遅いことを示す。
実施例9.免疫適格性BALBcマウスにおける電位依存性ナトリウムチャネルのパルス磁場(PMF)刺激を使用したインビボ研究の結果
浸透圧溶解を誘発するパルス磁場のインビボ検証のために、500Kの高度に悪性のマウス乳癌、4T1の注射後に確立された異種移植片(直径0.7〜1.2cmの腰下部)を有する雌性免疫適格BALBcマウス(n=8)の4つの群において、細胞に7mg/kgのジゴキシンまたは生理食塩水(皮下、首の後ろ)を1時間間隔で5回注射した。このプロトコルは、血管新生が不十分な組織さえも定常状態の薬物動態を確立する。マウスは、培養細胞と同じパラメータを使用して、最後の注射の15分後に開始して30分間、パルス磁場にさらされた。この処理は、0日目(治療の最初の日)、2日目、および4日目に投与した。マウスは、腫瘍成長についてモニターし、人道的エンドポイント安楽死のNIH基準を満たしたときに屠殺した。図7は、TOLで処理されたマウスが、対照群のマウスよりも有意に長い人道的エンドポイント安楽死基準に到達したことを示す。

Claims (20)

  1. 電位依存性ナトリウムチャネルを過剰発現する腫瘍細胞に、Na,K−ATPase阻害剤、および電位依存性ナトリウムチャネルを刺激して浸透圧溶解を引き起こすことができる磁場を同時投与する工程を包含する、哺乳動物の癌を治療する方法。
  2. 前記磁場がパルス磁場を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記パルス磁場がパルスz勾配磁場である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記パルス磁場は、静磁場磁石の存在下でのパルスz勾配磁場である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記パルス磁場が、約0から20ミリ秒の立ち上がり時間にわたって−90mVから−30mVまで上昇する傾斜、約7.5から約30ミリ秒のパルス間間隔、および約20〜60PPSのパルスサイクル周波数を伴うパルスz勾配磁場である、請求項3に記載の方法。
  6. 前記パルス磁場が、約12.5ミリ秒の立ち上がり時間にわたって−90mVから−30mVまで上昇する傾斜、7.5ミリ秒のプラトー、およびベースラインに戻るまで12.5ミリ秒であることを伴う、パルスz勾配磁場であって、パルス間の間隔は7.5ミリ秒、パルスサイクル周波数は約25〜50PPSである、請求項3に記載の方法。
  7. 前記パルス磁場が、約10ミリ秒の立ち上がり時間にわたって−90mVから−30mVまで上昇する傾斜、2.5ミリ秒にわたってベースに戻ること、7.5ミリ秒のパルス間間隔及び、25PPSのパルスサイクル周波数を伴うパルスz勾配磁場である、請求項3に記載の方法。
  8. 前記パルス磁場が80mTで刺激強度に達し、100%に近い細胞溶解を生じる、請求項2に記載の方法。
  9. 前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記腫瘍細胞が、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、リンパ腫、中皮腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、神経腫、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、膵臓癌、甲状腺癌、脾臓癌、胃癌、子宮頸癌、皮膚癌、精巣癌、腎癌、口腔癌、および子宮頸癌からなる群より選択される癌に関連する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記腫瘍細胞が乳癌に関連する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記腫瘍細胞が前立腺癌に関連する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記腫瘍細胞が結腸癌に関連する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記腫瘍細胞が小細胞肺癌に関連する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記腫瘍細胞が非小細胞肺癌に関連する、請求項1記載の方法。
  16. 前記腫瘍細胞が中皮腫に関連する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記阻害剤が、ジゴキシン、ジギトキシン、ジギタリス、ウアバイン、オレアンドリン、ジヒドロウアバイン、ウアバイン八水和物、ウアバゲニン、アセチルジギトキシン、アセチルジゴキシン、ラナトシドC、デスラノシド、メチルジゴキシン、ギトホルメート、オレアンドリゲニン、ブフォトキシン、ブフォタリン、マリノブファゲニン、パリトキシン、オリゴマイシン、ルタマイシン、ルタマイシンB、ストロファンチン、k−β−ストロファンチン、ストロファンチジン、k−ストロファントシド、シマリン、エリシモシド(カルデノリド)、ヘルベチコシド、ペルボシド、視床下部ナトリウム、カリウム−アデノシントリホスファターゼ阻害因子(HIF)、HIFのアグリコン、アレノブファギン、シノブファギン、マリノブファギン、プロシラリジン、シリロシド、ダイグレモンチアナニン、3,4,5,6,テトラヒドロキシキサントン、これらの組み合わせおよび誘導体からなる群より選択される薬物である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記阻害剤がウアバインである、請求項1に記載の方法。
  19. 前記阻害剤がジゴキシンである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記阻害剤が3,4,5,6,テトラヒドロキシキサントンである、請求項1に記載の方法。
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