JP2020528860A - Emm−23材料並びにそのプロセス及び使用 - Google Patents
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Abstract
本開示は、様々な変性EMM−23材料、プロセス及びその使用に関する。
Description
本開示は、EMM−23として指定された材料、そのような材料を製造するプロセス及びこれらの材料の使用に関する。
EMM−23は、結晶質又は実質的に結晶質の材料である。それは、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる特許文献1においてモレキュラーシーブとして記載されている。モレキュラーシーブは、吸着剤として及び炭化水素変換のための触媒又は触媒用担体として使用可能である。EMM−23は、特許文献1に記載される通り、X線回折(XRD)によって識別可能な結晶質構造を有する。EMM−23は、チャネルによって相互連結する均一のキャビティ及び細孔を有する。キャビティ及び細孔の径及び寸法は、特定の径の分子の吸着を可能にするものである。径選択によって分子を吸着するその能力により、EMM−23は、炭化水素変換、例えば分解、水素化分解、不均化、アルキル化、オリゴマー化及び異性化を含む多くの用途を有する。
EMM−23は、水、水酸化イオン、四価元素、任意選択的に三価元素の酸化物及び構造指向剤の供給源の混合物から調製可能である。構造指向剤は、ジ四級アンモニウム分子などの有機分子であり得る。これらの供給源から製造されたままのEMM−23材料は、結晶質フレームワーク中に構造指向剤を含有し得る。製造されたままのEMM−23の熱処理(例えば、焼成)により、構造指向剤を含まないEMM−23が生じるであろう。EMM−23は、特許文献1において以前に記載されているが、改善された特性を有するEMM−23の変性材料に関する要望が依然として存在する。
本開示は、安定性、反応性の提供及び/又は反応性の強化などの改善された特性を有する変性EMM−23材料を調製する改善されたプロセス(又は方法、process)を提供する。
一態様において、本開示は、式IA:
(v)X2O3:YO2(式IA)
の組成物を含む変性EMM−23材料を調製するプロセスであって、式IB:
(q)T:(v)X2O3:YO2(式IB)
(式中、0≦q≦0.5であり、0≦v≦0.1であり、Tは、有機構造指向剤であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である)の組成物を酸及び/又はアンモニウム塩と混合して、式IAの組成物を含む組成物を生成することを含むプロセスを提供する。
(v)X2O3:YO2(式IA)
の組成物を含む変性EMM−23材料を調製するプロセスであって、式IB:
(q)T:(v)X2O3:YO2(式IB)
(式中、0≦q≦0.5であり、0≦v≦0.1であり、Tは、有機構造指向剤であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である)の組成物を酸及び/又はアンモニウム塩と混合して、式IAの組成物を含む組成物を生成することを含むプロセスを提供する。
さらなる態様において、上記プロセスによって調製された変性EMM−23材料が本明細書において提供される。
別の態様において、本開示は、式IBの組成物及びリン酸イオンを含む変性EMM−23材料であって、組成物は、20.0±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.8±0.5Åのc−パラメーターを有する、変性EMM−23材料を提供する。
なお別の態様において、本開示は、式IAのフレームワーク中に組み込まれたリン酸イオンを有する式IAの組成物を含む変性EMM−23材料であって、組成物は、19.8±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有する、変性EMM−23材料を提供する。そのような態様において、式IAは、(s)P2O5:(v)X2O3:YO2として表され得る。
なお別の態様において、表1から選択される少なくとも3つのXRDピーク(度2−シータ)を有する変性EMM−23材料が本明細書において提供される。
1つ以上の態様において、変性EMM−23材料は、表1Aから選択される度2−シータ及びd−間隔値を有する少なくとも3つのXRDピークを有し得る。ここで、d−間隔値は、ブラッグの法則を使用してd−間隔の対応する値に変換されるときの対応する偏差±0.20度2−シータに基づいて決定される偏差を有する。
さらなる態様において、表1又は1Aから選択される少なくとも3つのXRDピークを有する変性EMM−23材料は、式IAのフレームワーク内に組み込まれたリン酸イオンを有する式IAの組成物を含み得、組成物は、19.8±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有する。そのような態様において、式IAは、(s)P2O5:(v)X2O3:YO2として表され得る。
このような要約部分を含む本明細書において記載されるいずれかの2つ以上の特徴を組み合わせて、本明細書に明確に記載されていない特徴の組合せを形成することができる。1つ以上の特徴の詳細は、添付の図面及び以下の説明で明らかにされる。他の特徴及び利点は、記載及び図面並びに請求項から明白となるであろう。
本明細書では、種々の変性EMM−23材料、これらの材料を調製するプロセス及びその使用が提供される。EMM−23の熱処理された(例えば、本明細書では「焼成されたままの」と記載され得る、焼成された)形態は、三価元素の酸化物(例えば、X2O3)及び四価元素の酸化物(例えば、YO2)の化学組成を有するものとして記載され得る。これらの酸化物は、種々のモル比であることが可能である。Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である。製造されたままのEMM−23(すなわちSDAを除去するための熱処理又は他の処理前であり、これは、本明細書では「合成されたままの」と記載され得る)は、合成の試剤の1つとして構造指向剤(SDA)を含み得る。製造されたままのEMM−23の熱処理(例えば、焼成)は、典型的に、結晶質EMM−23の部分的非晶質化を導く可能性のあるSDAを除去するために、空気、窒素又はその混合物から選択される雰囲気中において高温、例えば400〜600℃に材料を暴露する。本開示は、新規変性EMM−23材料及び熱処理中の非晶質化を減少することが可能であるこれらの材料の調製の改善されたプロセスを提供する。
I.酸及び塩処理
一態様において、本開示は、熱処理(例えば、焼成)前に酸及び/又はアンモニウム塩で処理された変性EMM−23材料を調製するプロセスを提供する。酸及び/又はアンモニウム塩によるそのような処理は、非晶質化から材料を安定させるために有益である。EMM−23材料の非晶質化は、結晶質材料を触媒的に不活性な非結晶形態に変換し、したがって非晶質化を最小化することが望ましい。これらの処理は、EMM−23中の過剰量のフレームワーク種としてアニオンを組み込み、これは、その後、塩とアニオン交換され得る。塩とアニオン交換する能力により、変性EMM−23材料のキャビティ及び細孔中の触媒的活性種の分散が可能となる。
一態様において、本開示は、熱処理(例えば、焼成)前に酸及び/又はアンモニウム塩で処理された変性EMM−23材料を調製するプロセスを提供する。酸及び/又はアンモニウム塩によるそのような処理は、非晶質化から材料を安定させるために有益である。EMM−23材料の非晶質化は、結晶質材料を触媒的に不活性な非結晶形態に変換し、したがって非晶質化を最小化することが望ましい。これらの処理は、EMM−23中の過剰量のフレームワーク種としてアニオンを組み込み、これは、その後、塩とアニオン交換され得る。塩とアニオン交換する能力により、変性EMM−23材料のキャビティ及び細孔中の触媒的活性種の分散が可能となる。
酸及び/又はアンモニウム塩処理プロセスは、例えば、式IA:
(v)X2O3:YO2(式IA)
の組成物を含む変性EMM−23材料を調製するために使用され得る。
(v)X2O3:YO2(式IA)
の組成物を含む変性EMM−23材料を調製するために使用され得る。
式IAの組成物を調製するプロセスは、式IB:
(q)T:(v)X2O3:YO2(式IB)
(式中、0≦q≦0.5であり、0≦v≦0.1であり、Tは、有機構造指向剤であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である)の組成物を酸及び/又はアンモニウム塩と混合して、式IAの組成物を含む変性EMM−23材料を生成することを含む。Xは、B、Al、Fe、Ga又はその混合物から選択され得る。例えば、Xは、Alを含み得るか又はAlであり得る。Yは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr又はその混合物から選択され得る。例えば、Yは、Siを含み得るか又はSiであり得る。Tは、ピロリジニウムジカチオンを含み得るか又はピロリジニウムジカチオンであり得る。Tの例としては、1,5−ビス(N−プロピルピロリジニウム)ペンタンジカチオン、1,6−ビス(N−プロピルピロリジニウム)ヘキサンジカチオン、1,4−ビス(N−メチルピロリジニウム)ブタンジカチオン又はその混合物が含まれ得る。
(q)T:(v)X2O3:YO2(式IB)
(式中、0≦q≦0.5であり、0≦v≦0.1であり、Tは、有機構造指向剤であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である)の組成物を酸及び/又はアンモニウム塩と混合して、式IAの組成物を含む変性EMM−23材料を生成することを含む。Xは、B、Al、Fe、Ga又はその混合物から選択され得る。例えば、Xは、Alを含み得るか又はAlであり得る。Yは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr又はその混合物から選択され得る。例えば、Yは、Siを含み得るか又はSiであり得る。Tは、ピロリジニウムジカチオンを含み得るか又はピロリジニウムジカチオンであり得る。Tの例としては、1,5−ビス(N−プロピルピロリジニウム)ペンタンジカチオン、1,6−ビス(N−プロピルピロリジニウム)ヘキサンジカチオン、1,4−ビス(N−メチルピロリジニウム)ブタンジカチオン又はその混合物が含まれ得る。
混合は、溶媒中で実行され得る。1つ以上の態様において、溶媒は、アンモニウム塩を溶解するために十分な極性溶媒であり得る。極性溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール又はその混合物などのプロトン性溶媒が含まれ得る。極性溶媒の他の例としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又はその混合物が含まれ得る。
適切な塩及び酸としては、そのアニオンが過剰量のフレームワーク種として組み込まれることが可能であり、且つ/又は熱処理(例えば、焼成)中にEMM−23の安定性を増加させる試剤が含まれ得る。過剰量のフレームワーク組み込みは、イオン相互作用を通してフレームワークと連結するアニオンを意味する。熱処理中、塩及び/又は酸からのアニオンは、共有結合を通してフレームワークに組み込まれ得、これは、熱処理中に揮発しないであろう非揮発性アニオンを含有する塩及び酸を使用する場合に生じ得る。
適切な塩及び酸としては、Zがリン、バナジウム又はその混合物であるZO4又はZO3イオンを含む試剤を含み得る。例えば、塩又は酸は、(PO4)3−又は(VO3)1−イオンを供給し得る。リン酸イオン(PO4)3−は、本明細書に明確に言及され得るが、いずれの適切なZO4又はZO3イオンも本開示のそのような態様によって使用され得、そのようなものの式IAのフレームワーク中への組み込みにより、式IAは、(s)Z2O5:(v)X2O3:YO2として表され得ることが理解される。1つ以上の態様において、変数sは、0より大きく且つ0.025以下(0<s≦0.025)であり得る。変数sは、式IA中のZ2O5の相対モル比を表す。
適切なアンモニウム塩は、NH4Cl、NH4F、(NH4)2HPO4、(NH4)2SO4、NH4(VO3)又はその混合物から選択され得る。例えば、アンモニウム塩は、(NH4)2HPO4を含み得るか又は(NH4)2HPO4であり得る。例えば、アンモニウム塩は、NH4Cl、例えば1M NH4Cl溶液を含み得るか、又はNH4Cl、例えば1M NH4Cl溶液であり得る。酸の例は、HCl、HNO3、H3PO4、HI、H2SO4、H2SO3、HBr、HNO2、カルボン酸又はその混合物から選択され得る。カルボン酸は、有機カルボン酸であり得る。カルボン酸の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などから選択され得る。1つ以上の態様において、酸は、H3PO4を含み得るか又はH3PO4であり得る。
試剤(例えば、式IBの組成物並びに酸及び/又はアンモニウム塩)は、酸及び/又はアンモニウム塩が構造指向剤と反応するために、且つ/又は過剰量のフレームワーク種として式IBの組成物中に組み込まれるために十分な時間にわたって混合される。例えば、混合は、1〜24、1〜18、1〜16、1〜14、1〜12、1〜10、1〜8、1〜6、1〜4又は1〜2時間にわたって実行され得る。混合は、室温若しくは高温、例えば混合物の還流温度において又は圧力を生成する密閉オートクレーブ中で加熱して実行可能である。例として、式IBの組成物及び1M NH4Clの混合は、1〜24時間にわたり、式IBの組成物及び1M NH4Clの混合物の還流温度において実行され得る。
このプロセスは、過剰量の酸、アンモニウム塩、任意選択的に混合中に存在する場合には溶媒又はその混合物を含む組成物を除去するために、式IBの組成物並びに酸及び/又はアンモニウム塩の混合物をろ過して、式IBのろ過組成物を得ることをさらに含み得る。ろ過は、いずれの望ましくない不純物も除去し得る。ろ過組成物は、式IBの組成物並びに酸及び/又はアンモニウム塩の混合中に使用されるものと同一であるか又は異なり得る溶媒であり得る洗浄溶媒によって洗浄され得る。例えば、洗浄溶媒は、水である。ろ過組成物は、酸及び/又はアンモニウム塩からのイオンを含む。
1つ以上の態様において、ろ過組成物を加熱して、構造指向剤を実質的に含まない熱処理された(例えば、焼成された)生成物が提供され得る(例えば、材料の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%又は少なくとも99重量%が構造指向剤を含まない(すなわち非SDA材料である材料の全重量に基づく重量パーセントである))。加熱は、空気、窒素又はその混合物から選択される雰囲気中において100〜650℃、200〜600℃、300〜600℃、400〜550℃又は500〜550℃の温度であり得る。例えば、加熱は、540℃の温度であり得る。本明細書では、他に示されない限り、測定された温度は、加熱される材料の周囲環境の温度、例えば材料が加熱される雰囲気の温度である。ろ過組成物(式IBの組成物)の加熱は、1時間〜14日間又は式IAの組成物が形成されるまで(例えば、加熱された材料の少なくとも80体積%(%v)、少なくとも90%v又は少なくとも95%vが式IAの組成物であるまで)であり得る。1つ以上の態様において、加熱は、1時間〜7日間、12時間〜5日間、1日間〜3日間又は1日間〜2日間であり得る。例えば、加熱は、1日間〜2日間であり得る。
1つ以上の他の態様において、ろ過組成物がオゾンで処理されて、構造指向剤を実質的に含まない生成物を提供し得る(例えば、材料の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%又は少なくとも99重量%が構造指向剤を含まない(すなわち非SDA材料である材料の全重量に基づく重量パーセントである))。オゾン処理は、オゾンの存在下での加熱を含み得、そのような加熱は、50〜400℃、100〜300℃又は125〜250℃の温度であり得る。ろ過組成物(式IBの組成物)のオゾン処理中の加熱は、1時間〜14日間又は式IAの組成物が形成されるまで(例えば、加熱された材料の少なくとも80体積%(%v)、少なくとも90%v又は少なくとも95%vが式IAの組成物であるまで)であり得る。1つ以上の態様において、加熱は、0.5時間〜4日間、1時間〜3日間又は2時間〜2日間であり得る。EMM−23材料は、本明細書では、熱処理された(例えば、焼成された)として記載され得るが、SDA除去処理のための熱処理の代わりに又はそれに加えて、SDAの全部又は一部を除去するためのオゾン処理が使用され得ることが理解される。
1つ以上の態様において、((s)Z2O5:(v)X2O3:YO2として表され得る)式IAのフレームワーク中にZO4又はZO3(例えば、リン酸)イオンを組み込む式IAの組成物は、本明細書に議論されるMcVicker試験によって記載されるように、メチルシフトに関する活性を示すことができる。触媒に関する酸性度の有用な規模は、Kramer and McVicker,Acc.Chem.Res.19(1986)78又はKramer and McVicker,J.Catalysis,92,355(1985)によって記載されるように、2−メチル−2−ペンテンの異性体化に基づくものである。酸性度のこのような規模において、2−メチル−2−ペンテンに、固定温度(例えば、350℃)において、評価される触媒(例えば、0.7グラム)を受けさせる。触媒部位の存在下において、2−メチル−2−ペンテンは、カルベニウムイオンを形成する。カルベニウムイオンの異性化経路は、触媒中の活性部位の酸性度を示す。したがって、弱酸性部位は、4−メチル−2−ペンテンを形成するが、強酸性部位は、3−メチル−2−ペンテンへの骨格転位をもたらし、非常に強酸性の部位は、2,3−ジメチル−2−ブテンを形成する。3−メチル−2−ペンテン対4−メチル−2−ペンテンのモル比は、0.0〜4.0の範囲である酸性度の規模に関連することができる。非常に弱酸性の部位は、0.0に近い値を有するであろう一方、強酸性部位は、4に近い値を有するであろう。同様に、2,3−ジメチル−2−ブテン対4−メチル−2−ペンテンの比率は、0.0〜1.0の範囲である酸性度の追加的な尺度として使用することができる。弱酸性部位は、0.0に近い値を有するであろう一方、非常に強酸性の部位は、1に近い値を有するであろう。Kramer and McVicker,Acc.Chem.Res.19(1986)78又はKramer and McVicker,J.Catalysis,92,355(1985)によって記載されるように、1つ以上の態様において、((s)Z2O5:(v)X2O3:YO2として表され得る)式IAのフレームワーク中にZO4又はZO3(例えば、リン酸)イオンを組み込む式IAの組成物は、0.1〜4.0の範囲の3−メチルペンテ−2−エン/4−メチル−2−ペンテンの比率及び/又は0.1〜1.0の範囲の2,3−ジメチル−2−ブテン/4−メチル−2−ペンテンの比率によって決定される酸性度値を有し得る。Kramer and McVicker,Acc.Chem.Res.19(1986)78又はKramer and McVicker,Acc.Chem.Res.19(1986)78によって記載されるように、1つ以上の態様において、((s)Z2O5:(v)X2O3:YO2として表され得る)式IAのフレームワーク中にZO4又はZO3(例えば、リン酸)イオンを組み込み、且つ存在するSDAを除去するためにオゾンで処理された式IAの組成物は、存在するSDAを除去するために熱処理された(例えば、焼成された)同一材料と比較して、3−メチルペンテ−2−エン/4−メチル−2−ペンテンのより大きい比率及び/又は2,3−ジメチル−2−ブテン/4−メチル−2−ペンテンのより大きい比率を有し得る。
変数qは、0以上であり且つ0.5以下である。変数qは、式IB中の構造指向剤Tの相対モル比を表す。変数vは、0以上であり且つ0.1以下である。変数vは、式IB中のX2O3の相対モル比を定義する。
1つ以上の態様において、式IAの組成物を含むEMM−23材料を調製する全プロセスは、
(i)任意選択的に溶媒中において式IBの組成物を酸及び/又はアンモニウム塩と混合することと、
(ii)過剰量の酸、アンモニウム塩、溶媒又はその混合物を含む組成物を除去するために、式IBの組成物並びに酸及び/又はアンモニウム塩の混合物をろ過して、式IBのろ過組成物を得ることと、
(iii)洗浄溶媒でろ過組成物を任意選択的に洗浄することと、
(iv)ろ過組成物を加熱して、式IAの組成物を得ることと
を含み得る。
(i)任意選択的に溶媒中において式IBの組成物を酸及び/又はアンモニウム塩と混合することと、
(ii)過剰量の酸、アンモニウム塩、溶媒又はその混合物を含む組成物を除去するために、式IBの組成物並びに酸及び/又はアンモニウム塩の混合物をろ過して、式IBのろ過組成物を得ることと、
(iii)洗浄溶媒でろ過組成物を任意選択的に洗浄することと、
(iv)ろ過組成物を加熱して、式IAの組成物を得ることと
を含み得る。
1つ以上の態様において、式IAを含むプロセスによって調製される変性EMM−23材料は、SDAを除去するための熱処理(例えば、焼成)中に生成し得る非晶質材料を実質的に含み得ない(例えば、材料の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%又は少なくとも99重量%が非晶質材料を含まない(すなわち非非晶質材料である材料の全重量に基づく重量パーセントである))。酸及び/又はアンモニウム塩処理プロセスは、熱処理中の材料の安定性を改善するが、熱処理された生成物の構造完全性及び純度は、維持され、例えば材料の非晶質化を減少させる。材料の構造完全性は、XRDパターンの強度(例えば、強度の急激度)及び/又はミクロ細孔体積(例えば、体積の減少)によって評価され得る。
酸及び/又はアンモニウム塩処理プロセスによって調製された熱処理変性EMM−23材料は、EMM−23のフレームワーク中へのアニオン種の組み込みを導き得る。例えば、吸蔵されたリン酸イオンは、熱処理中にフレームワークで空位の全体又は一部を満たし得、(例えば、共有結合を通して)フレームワーク中に組み込まれ得る。EMM−23は、特定のT原子が不在である空位の通常ではない高い密度を有する。T.Willhammar et al.,J.Am.Chem.Soc.,2014,136,13570−13573を参照されたい。製造されたまま(例えば、焼成されたまま、合成されたまま)の変性EMM−23材料は、式IBの組成物及びリン酸イオンを有し得、この組成物は、20.0±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.8±0.5Åのc−パラメーターを有する。熱処理後、そのような材料は、式IAのフレームワーク内に組み込まれたリン酸イオンを有する式IAの組成物を有し、この組成物は、19.8±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有する。そのような態様において、式IAは、(s)P2O5:(v)X2O3:YO2として表され得る。1つ以上の態様において、変数sは、0より大きく且つ0.025以下(0<s≦0.025)であり得る。変数sは、式IA中のP2O5の相対モル比を表す。
1つ以上の態様において、リン酸イオン(例えば、リン酸)を含む、酸及び/又はアンモニウム塩で処理された熱処理された材料は、表1から選択される少なくとも3つのXRDピーク(度2−シータ)を有し得る。
1つ以上の態様において、リン酸イオン(例えば、リン酸)を含む、酸及び/又はアンモニウム塩で処理された熱処理された材料は、表1Aから選択される度2−シータ及びd−間隔値を有する少なくとも3つのXRDピークを有し得る。ここで、d−間隔値は、ブラッグの法則を使用してd−間隔の対応する値に変換されるときの対応する偏差±0.20度2−シータに基づいて決定される偏差を有する。
材料は、表1又は1Aから選択される少なくとも4つ、少なくとも5つ又は6つのXRDピークを有し得る。本明細書に記載のXRDピークを有するXRDパターンは、Cu(Kα)放射を使用する。1つ以上の態様において、材料は、表1又は1Aから選択される少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ又は6つのXRDピーク並びに19.8±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し得る。d−間隔値は、度2−シータ値によって変化し、したがって、対応する偏差±0.20度2−シータは、ブラッグの法則を使用してd−間隔の対応する値に変換されるときに変化するであろうことが理解される。±0.20度2−シータの偏差が本明細書に記載され得るが、本開示の様々な態様に対して±0.10度2−シータの偏差が使用され得ることが理解される。材料のフレームワーク中に組み込まれるリンの量は、材料(例えば、フレームワーク中に組み込まれたリン酸イオンを含む式IA材料)の全重量に基づいて0.5〜約3重量%又は0.75〜2重量%、例えば1重量%であり得る。
1つ以上の態様において、リン酸イオン(例えば、リン酸)を含む、酸及び/又はアンモニウム塩で処理された熱処理された材料は、表2から選択される少なくとも3つのXRDピーク(度2−シータ)を有し得る。
1つ以上の態様において、リン酸イオン(例えば、リン酸)を含む、酸及び/又はアンモニウム塩で処理された熱処理された材料は、表2Aから選択される度2−シータ及びd−間隔値を有する少なくとも3つのXRDピークを有し得る。ここで、d−間隔値は、ブラッグの法則を使用してd−間隔の対応する値に変換されるときの対応する偏差±0.20度2−シータに基づいて決定される偏差を有する。
材料は、表2又は2Aから選択される少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ又は9つのXRDピークを有し得る。1つ以上の態様において、材料は、表2又は2Aから選択される少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ又は9つのXRDピーク並びに19.8±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し得る。
1つ以上の態様において、リン酸イオン(例えば、リン酸)を含む、酸及び/又はアンモニウム塩で処理された熱処理された材料は、表3から選択される少なくとも3つのXRDピーク(度2−シータ)を有し得る。
1つ以上の態様において、リン酸イオン(例えば、リン酸)を含む、酸及び/又はアンモニウム塩で処理された熱処理された材料は、表3Aから選択される度2−シータ及びd−間隔値を有する少なくとも3つのXRDピークを有し得る。ここで、d−間隔値は、ブラッグの法則を使用してd−間隔の対応する値に変換されるときの対応する偏差±0.20度2−シータに基づいて決定される偏差を有する。
材料は、表3又は3Aから選択される少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15又は16のXRDピークを有し得る。1つ以上の態様において、材料は、表3又は3Aから選択される少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15又は16のXRDピーク並びに19.8±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し得る。
II.追加的な三価元素の組み込み
本明細書では、比較的多量の三価元素(例えば、アルミニウム)を含む追加的な変性EMM−23材料も提供される。より多くの三価元素を有するそのような変性EMM−23材料は、熱処理(例えば、焼成)中又はその最終の熱処理された形態において、より少ない三価元素を有する材料よりも安定である。75以下の三価元素に対する四価元素の原子比(例えば、75未満のSi/Al)を有するEMM−23材料を調製することは、困難である可能性がある。EMM−23中により多くの三価元素を組み込むための1つの可能な経路は、製造されたままのEMM−23材料を調製するための混合物中の三価元素供給源の量を増加させることによるものである。しかしながら、そのようなプロセスは、EMM−23中に多くの追加的な三価元素を組み込まず、EMM−23の再現性は、三価元素の存在に感応性であるように見え、望ましくない不純物を導く可能性がある。本明細書では、熱処理されたEMM−23材料中への三価元素の組み込みを含むプロセスによって調製される、75未満の三価元素に対する四価元素のモル比を有する三価変性EMM−23材料が記載される。
本明細書では、比較的多量の三価元素(例えば、アルミニウム)を含む追加的な変性EMM−23材料も提供される。より多くの三価元素を有するそのような変性EMM−23材料は、熱処理(例えば、焼成)中又はその最終の熱処理された形態において、より少ない三価元素を有する材料よりも安定である。75以下の三価元素に対する四価元素の原子比(例えば、75未満のSi/Al)を有するEMM−23材料を調製することは、困難である可能性がある。EMM−23中により多くの三価元素を組み込むための1つの可能な経路は、製造されたままのEMM−23材料を調製するための混合物中の三価元素供給源の量を増加させることによるものである。しかしながら、そのようなプロセスは、EMM−23中に多くの追加的な三価元素を組み込まず、EMM−23の再現性は、三価元素の存在に感応性であるように見え、望ましくない不純物を導く可能性がある。本明細書では、熱処理されたEMM−23材料中への三価元素の組み込みを含むプロセスによって調製される、75未満の三価元素に対する四価元素のモル比を有する三価変性EMM−23材料が記載される。
1つ以上の態様において、三価元素変性EMM−23材料は、式II:
X2O3:(m)YO2(式II)
の組成物を有し得る。
X2O3:(m)YO2(式II)
の組成物を有し得る。
そのような材料は、式(III):
X2O3:(t)YO2(式III)
の組成物を、Xを含む試剤と組み合わせて、式IIの組成物を含む変性EMM−23材料を生成することを含むプロセスによって形成され得る。変数mは、150未満であり、tは、150以上であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である。Xは、B、Al、Fe、Ga又はその混合物から選択され得る。例えば、Xは、Alを含み得るか又はAlであり得る。Yは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr又はその混合物から選択され得る。例えば、Yは、Siを含み得るか又はSiであり得る。
X2O3:(t)YO2(式III)
の組成物を、Xを含む試剤と組み合わせて、式IIの組成物を含む変性EMM−23材料を生成することを含むプロセスによって形成され得る。変数mは、150未満であり、tは、150以上であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である。Xは、B、Al、Fe、Ga又はその混合物から選択され得る。例えば、Xは、Alを含み得るか又はAlであり得る。Yは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr又はその混合物から選択され得る。例えば、Yは、Siを含み得るか又はSiであり得る。
三価元素Xを含む適切な試剤は、Al(NO3)3、Al2(SO4)3、AlCl3、Fe(NO3)3又はその混合物から選択され得る。例えば、試剤は、Al(NO3)3を含み得るか又はAl(NO3)3であり得る。適切な試剤は、溶液の形態であり得る。
三価元素Xが式IIIの組成物のフレームワーク中のシラノール基と反応するときにプロトンが放出されるため、Xを含む試剤の添加によって組合せのpHを減少させることができる。1つ以上の態様において、このプロセスは、式IIIの組成物及びXを含む試剤の組合せ後のpHを、2.4〜2.6の範囲であり得る、組合せ前のXを含む試剤の溶液のpH(±0.2又は±0.1)に調整することを含み得る。pHを調整して過剰量のプロトンを除去することにより、式IIIの熱処理されたEMM−23材料中に組み込まれる三価元素Xの量を増加させることができる。任意選択的に、pHを調整した後、このプロセスは、Xを含む試剤の追加的な量を、式IIIの組成物を含むpHが調整された組合せに組み合わせることをさらに含み得、Xを含む試剤の追加的な量を有する組合せのpHは、2.4〜2.6の範囲であり得る、組合せ前のXを含む試剤のpHにさらに調整される。Xを含む試剤の添加及び組合せ前のXを含む試剤のpHの±0.2又は±0.1までのpHの調整のこのプロセスは、Xを含む試剤の追加的な量が、式IIIの組成物を含む組合せに添加されるときにpHが変化しなくなるまで繰り返され得る。
式IIIの組成物及びXを含む試剤の組合せのpHを調整することは、組合せに塩基又は酸を適切に添加することを含み得る。pHを増加させるために、例えば組合せ前のXを含む試剤のpHの±0.2又は±0.1までpHを増加させるためにpHを調整する場合、塩基を使用することが望ましい。例えば、塩基は、有機塩基又は水酸化物塩基であり得る。有機塩基は、有機アミン塩基、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アニリンなどであり得る。水酸化物塩基は、水酸化アンモニウムであり得る。1つ以上の態様において、水酸化物塩基は、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属から構成されない(それを含まない)。pHは、Ag/AgClガラス電極を使用して、Thermo Orion(登録商標)モデル310pH計測器によって測定され得る。pHは、周囲温度において測定され得る。周囲温度は、pHに最小の影響を与えるように20〜25℃の範囲であり得る。pH計の校正は、pH=4.01の標準緩衝液及びpH=7.00の標準緩衝液を使用し、2点校正として実行され得る。
式IIIの組成物及びXを含む試剤のpHが調整された組合せは、三価元素組み込みの量を最大化するために十分な時間にわたってある温度において、例えば1〜48時間にわたって50〜200℃において加熱される。加熱は、80〜180℃又は100〜160℃(例えば、100、120、140又は160℃)の温度であり得る。加熱時間は、1〜48時間、1〜24時間、4〜18時間、6〜18時間、6〜16時間、10〜16時間又は12〜16時間であり得る。例えば、加熱時間は、6〜18時間又は12〜16時間であり得る。
1つ以上の態様において、式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料を調製する全プロセスは、
(i)式IIIの組成物を、Xを含む試剤と組み合わせること、
(i)任意選択的に、式IIIの組成物及びXを含む試剤の組合せのpHを、2.4〜2.6の範囲であり得る、組合せ前のXを含む試剤のpHの±0.2又は±0.1の範囲内のpHに調整すること、
(ii)式IIIの組成物及びXを含む試剤のpHが調整された組合せを50〜200℃の温度及び1〜48時間の時間において加熱すること
を含み得る。
(i)式IIIの組成物を、Xを含む試剤と組み合わせること、
(i)任意選択的に、式IIIの組成物及びXを含む試剤の組合せのpHを、2.4〜2.6の範囲であり得る、組合せ前のXを含む試剤のpHの±0.2又は±0.1の範囲内のpHに調整すること、
(ii)式IIIの組成物及びXを含む試剤のpHが調整された組合せを50〜200℃の温度及び1〜48時間の時間において加熱すること
を含み得る。
式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、ゼオライトベータ、ZSM−5又はその混合物などの1種以上の不純物を実質的に含み得ない(例えば、材料の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%又は少なくとも99重量%が不純物を含まない(すなわち変性EMM−23材料であり、且つ不純物でない材料の全重量に基づく重量パーセントである))。ゼオライトベータ、ZSM−5又はその混合物などの他の相が変性EMM−23材料のXRDパターンにおいて識別不可能であるように、式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、実質的に1種以上の不純物を含み得ない。式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、10より大きいアルファ値を有し得る。式IIの組成物のアルファ値は、20より大きいことができ、30より大きいことができ、40より大きいことができ、又は50より大きいことができる。いくつかの例において、アルファ値は、15〜50、20〜40又は30〜35であり得る。
変数mは、150未満であり、且つtは、150以上である。変数mは、式II中のYO2のモル比を表す。変数tは、式III中のYO2のモル比を表す。mが150未満である場合、これは、Y/X<75(例えば、Si/Al<75)の原子比と等しい。tが150以上である場合、これは、Y/X≧75(例えば、Si/Al≧75)の原子比と等しい。1つ以上の態様において、mは、120未満(すなわちY/X<60)、110未満(すなわちY/X<55)、100未満(すなわちY/X<50)、80未満(すなわちY/X<40)、60未満(すなわちY/X<30)、40未満(すなわちY/X<20)、20未満(すなわちY/X<10)又は10未満(すなわちY/X<5)であり得る。変数mは、80〜130又は90〜120であり得る。
式IIを含む組成物を含むEMM−23材料は、0.15cc/gより大きいミクロ細孔体積を有し得る。ミクロ細孔体積は、0.15〜0.30cc/g、0.25〜0.30cc/g又は0.20〜0.30cc/gであり得る。三価元素変性EMM−23材料は、19.6±0.5Åの格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し得る。
式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表4から選択される少なくとも4つのXRDピーク(度2−シータ)を有し得る。
1つ以上の態様において、式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表4Aから選択される度2−シータ及びd−間隔値を有する少なくとも4つのXRDピークを有し得る。ここで、d−間隔値は、ブラッグの法則を使用してd−間隔の対応する値に変換されるときの対応する偏差±0.20度2−シータに基づいて決定される偏差を有する。
1つ以上の態様において、式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表4又は4Aから選択される少なくとも5つ又は6つのXRDピークを有し得る。式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表4又は4Aから選択される少なくとも4つ、少なくとも5つ又は6つのXRDピーク並びに0.15cc/gより大きい(例えば、0.15〜0.30cc/g、0.25〜0.30cc/g又は0.20〜0.30cc/g)ミクロ細孔体積又は19.6±0.5Åの単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し得る。
式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表5から選択される少なくとも4つのXRDピーク(度2−シータ)を有し得る。
1つ以上の態様において、式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表5Aから選択される度2−シータ及びd−間隔値を有する少なくとも4つのXRDピークを有し得る。ここで、d−間隔値は、ブラッグの法則を使用してd−間隔の対応する値に変換されるときの対応する偏差±0.20度2−シータに基づいて決定される偏差を有する。
1つ以上の態様において、式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表5又は5Aから選択される少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ又は10のXRDピークを有し得る。式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表5又は5Aから選択される少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ又は10のXRDピーク並びに0.15cc/gより大きい(例えば、0.15〜0.30cc/g、0.25〜0.30cc/g又は0.20〜0.30cc/g)ミクロ細孔体積又は19.6±0.5Åの格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し得る。
式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表6から選択される少なくとも4つのXRDピーク(度2−シータ)を有し得る。
1つ以上の態様において、式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表6Aから選択される度2−シータ及びd−間隔値を有する少なくとも4つのXRDピークを有し得る。ここで、d−間隔値は、ブラッグの法則を使用してd−間隔の対応する値に変換されるときの対応する偏差±0.20度2−シータに基づいて決定される偏差を有する。
1つ以上の態様において、材料は、表6又は6Aから選択される少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11又は12のXRDピークを有し得る。式IIの組成物を含む三価元素変性EMM−23材料は、表6又は6Aから選択される少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11又は12のXRDピーク並びに0.15cc/gより大きい(例えば、0.15〜0.30cc/g、0.25〜0.30cc/g又は0.20〜0.30cc/g)ミクロ細孔体積又は19.6±0.5Åの格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し得る。
III.異なる濃度のシラノール種によるEMM−23材料
異なる濃度のシラノール種を用いて、(例えば、変性されたか又は未変性の)製造されたままのEMM−23材料を調製し得る。フレームワーク中のSiの環境は、29Si−NMRスペクトロスコピーなどの種々の方法によって調査することができる。記号Q0、Q1、Q2、Q3及びQ4は、4個の酸素原子が付加したSiに対する29Si−NMRスペクトロスコピーにおいて典型的に使用される。数0〜4は、個々のケイ素原子に酸素を通して付加したSi単位の数を表す。例えば、図13では、Q2ピークは、29Si−NMRスペクトル中で−88ppmであり、Q3ピークは、−99ppmであり、Q4ピークは、−108〜−120ppmに見られる。29Si−NMRスペクトロスコピーにより、EMM−23材料中の種々のシラノールの種の量の定量化が可能である。
異なる濃度のシラノール種を用いて、(例えば、変性されたか又は未変性の)製造されたままのEMM−23材料を調製し得る。フレームワーク中のSiの環境は、29Si−NMRスペクトロスコピーなどの種々の方法によって調査することができる。記号Q0、Q1、Q2、Q3及びQ4は、4個の酸素原子が付加したSiに対する29Si−NMRスペクトロスコピーにおいて典型的に使用される。数0〜4は、個々のケイ素原子に酸素を通して付加したSi単位の数を表す。例えば、図13では、Q2ピークは、29Si−NMRスペクトル中で−88ppmであり、Q3ピークは、−99ppmであり、Q4ピークは、−108〜−120ppmに見られる。29Si−NMRスペクトロスコピーにより、EMM−23材料中の種々のシラノールの種の量の定量化が可能である。
熱処理(例えば、焼成)前のEMM−23材料が様々なQ2、Q3及びQ4の含有量を有し得ることが観察された。Q2及びQ3含有量の量は、結晶質生成物の成熟の異なる段階によると思われる。例えば、製造されたままのEMM−23材料(例えば、式IBの組成物又はいずれかの他の合成されたままのEMM−23材料)を調製する場合、8、10及び21日後にEMM−23の調製を停止する(例えば、オートクレーブ中での加熱及び回転を停止する)と、Q2及びQ3の含有量は、それぞれ12.8及び37.4%、11.2及び31.4%並びに8.7及び28.0%であった。そのようなEMM−23材料の熱処理後、これらの材料の29Si NMRは、これらのQ2及びQ3シラノールが完全に焼鈍しされていないことを示すQ2及びQ3含有量を有する。熱処理中の完全な焼鈍しの欠如からシラノールが存在することにより、活性及び安定性を提供することができるアルミニウムなどのフレームワーク及び/又は触媒活性を提供することができる他の材料に他の成分が固定されることが可能になり得る。より多くの詳細に関しては、本明細書に提供される実施例を参照されたい。
IV.一般的な特徴
製造されたままのEMM−23(例えば、SDAを除去するための熱処理前の材料)は、水、水酸化イオン、四価元素Y、任意選択的に三価元素Xの酸化物及び任意選択的に構造指向剤Tの供給源の混合物から調製され得る。
製造されたままのEMM−23(例えば、SDAを除去するための熱処理前の材料)は、水、水酸化イオン、四価元素Y、任意選択的に三価元素Xの酸化物及び任意選択的に構造指向剤Tの供給源の混合物から調製され得る。
例えば、これらの供給源のモル比は、式IB中に存在する場合、以下の通りであり得る:
YO2/X2O3は、少なくとも5(例えば、少なくとも100、少なくとも1000又は全てYO2)であり得、
H2O/YO2は、0.5〜50(例えば、2〜10又は14〜40)であり得、
OH−/YO2は、0.1〜1.0(例えば、0.2〜0.5)であり得、及び
T/YO2は、0.05〜0.5(例えば、0.1〜0.25)であり得る。
YO2/X2O3は、少なくとも5(例えば、少なくとも100、少なくとも1000又は全てYO2)であり得、
H2O/YO2は、0.5〜50(例えば、2〜10又は14〜40)であり得、
OH−/YO2は、0.1〜1.0(例えば、0.2〜0.5)であり得、及び
T/YO2は、0.05〜0.5(例えば、0.1〜0.25)であり得る。
1つ以上の態様において、これらの供給源のモル比は、(次いで三価元素処理を受ける)式IIIを生成するようにその後熱処理される製造されたままのEMM−23を調製するために使用される場合、以下の通りであり得る。
YO2/X2O3は、75に等しいか又は少なくとも75(例えば、少なくとも100、少なくとも1000又は全てYO2)であり得、
H2O/YO2は、0.5〜50(例えば、2〜10又は14〜40)であり得、
OH−/YO2は、0.1〜1.0(例えば、0.2〜0.5)であり得、及び
T/YO2は、0.05〜0.5(例えば、0.1〜0.25)であり得る。
YO2/X2O3は、75に等しいか又は少なくとも75(例えば、少なくとも100、少なくとも1000又は全てYO2)であり得、
H2O/YO2は、0.5〜50(例えば、2〜10又は14〜40)であり得、
OH−/YO2は、0.1〜1.0(例えば、0.2〜0.5)であり得、及び
T/YO2は、0.05〜0.5(例えば、0.1〜0.25)であり得る。
1つ以上の態様において、製造されたままのEMM−23材料は、三価元素X供給源とSDAの水酸化物溶液とを混合し、その後、混合物に四価元素Y供給源を添加し、成分のベース混合物を形成することによって調製され得る。EMM−23材料の種がベース混合物に添加され得る。ベース混合物の溶媒(例えば、水酸化物溶液からの水並びに任意選択的にシリカ供給源の加水分解からのメタノール及びエタノール)は、得られる混合物に関して所望の溶媒対YO2モル比が達成されるように、(例えば、蒸発又は凍結乾燥によって)除去され得る。溶媒除去プロセス中に非常に多くの水が除去される場合、所望のH2O/YO2モル比を達成するために、得られた混合物に水を添加し得る。次いで、混合物を、適切な反応容器、例えばスチールPaarオートクレーブ中に密封する。密封された混合物が、EMM−23結晶が形成するために十分な期間にわたって十分な温度に維持されるように(例えば、1日〜14日間にわたり、150℃に維持された熱対流炉中に配置された密封オートクレーブ中)、密封された混合物を任意選択的に回転又は撹拌しながら加熱する。製造されたままのEMM−23材料の調製に関する詳細な手順についても、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,205,416号明細書に見ることができる。
四価元素Yの供給源の例は、シリカのコロイド性懸濁液、沈殿シリカ、ヒュームドシリカ、アルカリ金属シリケート、テトラアルキルオルトシリケート(例えば、テトラエチルオルトシリケート、テトラメチルオルトシリケートなど)及び酸化ゲルマニウムから選択され得る。シリカの異なる供給源の例としては、LUDOX(登録商標)(例えば、LUDOX(登録商標)AS−40)コロイド性シリカ、ULTRASIL(登録商標)の沈殿シリカ、CARBOSPERSE(商標)、ヒュームドシリカ懸濁液又はその混合物が含まれ得る。
三価元素Xは、アルミニウムを含み得るか又はアルミニウムであり得、且つ適切なアルミニウムの供給源は、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルカリ金属アルミネート、アルミニウムアルコキシド及び硝酸アルミニウムなどの水溶性アルミニウム塩から選択され得る。構造指向剤の適切な供給源は、適切なジ四級アンモニウム化合物の水酸化物及び/又は塩、例えば1,5−ビス(N−プロピルピロリジニウム)ペンタンジカチオン、1,6−ビス(N−プロピルピロリジニウム)ヘキサンジカチオン、1,4−ビス(N−メチルピロリジニウム)ブタンジカチオンから選択され得る。
1つ以上の態様において、(例えば、所望の水対シリカモル比が達成される)溶媒調整後の混合物は、ベース混合物の適切な均一化を保証するための撹拌又は高せん断ブレンドなどの機械的プロセスによって混合され得る。例えば、1800〜2200rpm(例えば、2000rpm)の混合速度を有するFlackTek speedmixerを使用することにより、ベース混合物の均一化を改善することができる。ベース混合物中の試剤の性質に応じて、所望の溶媒モル比(例えば、H2O/YO2)を得るために結晶化前に混合物中の溶媒(例えば、水)の量を減少させ得る。溶媒(例えば、水)含有量を減少させるための適切な方法としては、周囲空気、乾燥窒素、乾燥空気などの静的又は流動雰囲気下での蒸発又は噴霧乾燥若しくは凍結乾燥によるものが含まれ得る。1つ以上の態様において、LUDOX(登録商標)(例えば、LUDOX(登録商標)AS−40)、ULTRASIL(登録商標)、CARBOSPERSE(商標)又はその混合物などのシリカ供給源を使用して、1800〜2200rpm(例えば、2000rpm)の混合速度において、ベース混合物から溶媒を除去することを必要とせずに、所望の溶媒モル比(例えば、H2O/YO2モル比)を有するベース混合物が製造され得る。混合物が10より大きい(例えば、15〜40)の溶媒モル比(例えば、H2O/YO2モル比)を有する場合でも、2000rpmなどの高い混合速度によって混合物の均一化をもたらすことができる。
製造されたままのEMM−23材料の形成におけるEMM−23材料の結晶化は、使用される温度において結晶化が生じるために十分な期間、例えば約1日〜約14日間にわたり、約100〜200℃の温度に維持された熱対流炉中に配置された適切な反応容器、例えばポリプロピレンびん又はTeflonラインド又はステンレス鋼オートクレーブ中において静的又は撹拌条件下で実行され得る。その後、製造されたままのEMM−23材料の固体結晶を(例えば、ろ過又は遠心分離によって)液体から分離及び回収する。
SDAの一部又は全ては、製造されたままのEMM−23材料の合成中に使用される場合、熱処理されたEMM−23材料を形成するために除去され得る。SDAの除去は、SDAの一部又は全てを除去するための十分な温度において、空気、窒素又はその混合物から選択される雰囲気中で製造されたままのEMM−23材料を加熱する熱処理(例えば、焼成)を使用して実行され得る。熱処理のために亜大気圧が使用され得るが、便宜上、大気圧が望ましい。熱処理は、650℃までの温度、例えば400〜600℃で実行され得る。熱処理(例えば、焼成)は、空気から水を除去する乾燥剤を含有する乾燥管に曝露された乾燥空気中の箱形炉で実行され得る。熱処理されたEMM−23材料(例えば、焼成生成物)は、特定の有機的、例えば炭化水素、変換反応の触媒作用において有用となる可能性がある。
EMM−23材料(例えば、製造されたままの、焼成された、変性、未変性又は他のいずれかのEMM−23材料)を水素化成分と組み合わせることができる。水素化成分は、水素化−脱水素作用が実行されるモリブデン、タングステン、レニウム、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン又は白金若しくはパラジウムなどの貴金属から選択され得る。そのような水素化成分は、以下のプロセスの1つ以上によって組成物に組み込まれ得る:共結晶化、第IIIA族元素、例えばアルミニウムが構造内にある範囲までの組成物中への交換、含浸又は物理的混合。例えば、そのような水素化成分は、EMM−23材料中に含浸され得る。白金に関して、EMM−23材料は、白金金属含有イオンを含有する溶液によって含浸され得る。含浸のための適切な白金化合物は、クロロ白金酸、二塩化白金及び白金アミン錯体を含有する化合物から選択され得る。
EMM−23材料(例えば、製造されたままの、焼成された、変性、未変性又は他のいずれかのEMM−23材料)は、吸着剤又は触媒として利用される場合、少なくとも部分的に脱水され得る。そのような脱水は、200〜370℃の範囲の温度において周囲雰囲気中で材料を加熱することによって達成され得、雰囲気は、空気、窒素又はその混合物から選択され得、且つ30分〜48時間にわたり、大気、亜大気又は超大気圧におけるものであり得る。脱水は、EMM−23材料を減圧中に配置することによって室温で実行され得るが、脱水の十分量を得るためにより長い期間が必要とされる。
EMM−23材料(例えば、製造されたままの、焼成された、変性、未変性又は他のいずれかのEMM−23材料)は、吸着剤として又はアルミノシリケートの形態において、多様な有機化合物変換プロセスの触媒作用を引き起こす触媒として使用され得る。単独で又は(他の結晶質触媒を含む)1種以上の他の触媒的に活性な物質との組合せのいずれかで、本明細書に記載の変性EMM−23材料によって効果的に触媒作用を引き起こされる化学変換プロセスの例としては、酸活性を有する触媒を必要とするものが含まれる。本明細書に記載の変性EMM−23材料によって触媒作用を引き起こされ得る有機変換プロセスの例としては、分解、水素化分解、不均化、アルキル化、オリゴマー化及び異性化が含まれる。
EMM−23材料(例えば、製造されたままの、焼成された、変性、未変性又は他のいずれかのEMM−23材料)は、温度に対して抵抗がある別の材料及び有機変換プロセスで利用される他の条件に組み込まれ得る。そのような抵抗材料は、活性材料、不活性材料、合成ゼオライト、天然由来ゼオライト、無機材料又はその混合物から選択され得る。そのような抵抗材料の例は、粘土、シリカ、アルミナなどの金属酸化物又はその混合物から選択され得る。無機材料は、シリカ及び金属酸化物の混合物を含めて天然由来であるか、又はゼラチン状沈殿物若しくはゲルの形態であり得る。EMM−23材料と一緒、すなわちそれと組み合わされるか、又は結晶が活性である製造されたままのEMM−23結晶の合成中に存在する抵抗材料の使用は、特定の有機変換プロセスにおける触媒の変換及び/又は選択性を変更する傾向がある。不活性抵抗材料は、反応速度を制御するための他の手段を利用することなく、経済的及び整然とした様式で生成物を得ることが可能であるように、所与のプロセスにおける変換の量を制御するための希釈剤として適切に作用する。これらの材料は、商業的な操作条件下で触媒の破砕強度を改善するために、天然由来粘土、例えばベントナイト及びカオリン中に組み込まれ得る。前記不活性抵抗材料、すなわち粘土、酸化物などは、触媒のために結合剤として作用する。良好な破砕強度を有する触媒は、商業使用において、触媒が粉末様材料に分解することを阻止することが望ましいため、有益となる可能性がある。
EMM−23材料と複合化され得る天然由来粘土としては、モンモリロナイト及びカオリン系統群が含まれる。これらの系統群には、サブベントナイト並びにDixie、McNamee、Georgia及びFlorida粘土として一般に知られているカオリン又は主要鉱物成分がハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト又はアナウキサイトである他のものが含まれる。そのような粘土は、最初に採鉱された原料のままの状態又は最初に焼成、酸処理若しくは化学変性を受けた状態で使用され得る。EMM−23材料との複合化のために有用な結合剤として、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、ベリリア、アルミナ又はその混合物から選択される無機酸化物も含まれる。
EMM−23材料(例えば、製造されたままの、焼成された、変性、未変性又は他のいずれかのEMM−23材料)は、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニア並びにシリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシア及びシリカ−マグネシア−ジルコニアなどの三元組成物などの多孔性マトリックス材料と複合化され得る。
EMM−23材料及び無機酸化物マトリックスの相対的な割合は、広範囲に変動し得、EMM−23材料含有量は、複合材の約1〜約90重量パーセントの範囲であるか、又は複合材がビーズの形態で調製される場合、複合材の約2〜約80重量パーセントの範囲である。
1つ以上の態様において、特定の組成物に関して「〜を含む材料」という用語を使用して本明細書に記載される実施形態は、特定の組成物「を含むか又はそれである材料」を含むように意味される。
本明細書で使用される場合及び他に指定されない限り、数値又は値の範囲は、当業者に妥当であるとみなされる範囲まで逸脱し得る。器具のバリエーション及び他の要素が数値に影響を与える可能性があることは周知である。そのような偏差は、他に指定されない限り、示される数値又は値の範囲のプラスマイナス2%、5%、10%、15%、20%、25%又は30%であり得る。
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、本明細書に記載の材料(例えば、変性EMM−23材料)が、(例えば、関連するピークの面積又は相対強度の測定による)XRD又はNMRスペクトロスコピーを使用する定量化又はそのような決定のために適切な他の既知の方法により、組成物の全重量に基づいて少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも重量90%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%又は少なくとも99重量%(例えば、99.5重量%若しくは99.9重量%)の純粋なEMM−23材料であることを意味する。材料の残りは、構造指向剤、非晶質材料、他の不純物又はその混合物であり得る非EMM−23材料である。
本明細書で使用される場合、「結晶質」という用語は、限定されないが、例えば溶媒化合物、水和物及び共結晶を含む単一成分又は多成分結晶形態を含む材料の結晶固体形態を意味する。結晶質とは、分子の規則的に繰り返す且つ/又は整然とした配列を有すること及び識別可能な結晶格子を所有することを意味することが可能である。例えば、結晶質EMM−23は、異なる水又は溶媒含有量を有することができる。異なる結晶格子は、XRD(例えば、粉末XRD)によるなどのソリッドステート特徴決定方法によって識別可能である。当業者に既知の他の特徴決定方法は、結晶質形態を識別することにさらに役立ち、また安定性及び溶媒/水含有量を決定することにも役立つ可能性がある。
本明細書で使用される場合、「実質的に結晶質」という用語は、記載された固体材料の試料の重量の主要数(50%より多く)が結晶質であり、試料の残りが非結晶質形態であることを意味する。1つ以上の態様において、実質的に結晶質の試料は、少なくとも95%の結晶化度(例えば、5%の非結晶質形態)、少なくとも96%の結晶化度(例えば、4%の非結晶質形態)、少なくとも97%の結晶化度(例えば、3%の非結晶質形態)、少なくとも98%の結晶化度(例えば、約2%の非結晶質形態)、少なくとも99%の結晶化度(例えば、1%の非結晶質形態)及び100%の結晶化度(例えば、0%の非結晶質形態)を有する。
本明細書で使用される場合、「アルファ値」という用語は、非晶質シリカ/アルミナである標準参照触媒の速度定数に対するノルマルヘキサンの分解に関する試験試料の速度定数の比率によって測定された材料(例えば、本明細書に記載のEMM−23材料)の触媒活性を意味する。例えば、P.B.Weisz and J.N.Miale,J.Catalysis,4(1965)527−529並びにJ.N.Miale,N.Y.Chen, and P.B.Weisz,J.Catalysis,6(1966)278−287を参照されたい。例えば、1のアルファ値は、試験試料及び参照標準がほぼ同じ活性を有することを意味する。1つ以上の態様において、本明細書に記載の変性EMM−23材料、例えば式IIの組成物を含む材料は、10より大きいアルファ値を生じ得る。
本明細書に記載の変性EMM−23材料のミクロ細孔体積は、当該技術分野において既知の方法を使用して決定することができる。例えば、窒素物理吸着によって材料を測定することが可能であり、データは、ミクロ細孔体積法を記載しており、且つ参照により本明細書に組み込まれるLippens,B.C. et al.,“Studies on pore system in catalysts:V.The t method”,J.Catal.,4,319(1965)に記載されているtプロット方法によって分析することができる。そのような窒素物理吸着法を使用して、本明細書に記載の変性EMM−23材料は、0.15〜0.30、0.25〜0.30cc/g又は0.20〜0.30cc/gのミクロ細孔体積を有し得る。
本明細書に報告されるX線回折データは、銅K−アルファ放射を使用して、ゲルマニウムソリッドステート検出器を備えたXceleratorマルチチャネル検出器によるPanalytical X’Pert Pro回折システムによって収集された。回折データは、それぞれの段階に2秒の有効カウント時間を使用して、0.02度の2−シータにおいて段階走査によって記録された。シータは、ブラッグ(Bragg)角である。面間隔、d−間隔は、オングストローム単位で算出され、ラインの相対強度、I/Ioは、バックグラウンド上の最も強いラインの強度のものに対するピーク強度の比率である。強度は、ローレンツ及び極性効果に関して校正されていない。面間隔、d−間隔は、オングストローム単位で算出され、ラインの相対ピーク面積強度、I/I(o)は、バックグラウンド上の最も強いラインの強度の100分の1であり、MDIジェイド(Jade)ピークプロフィール適合アルゴリズムによって決定された。単一ラインとしてリストされた回折データは、結晶学的変化における差異などの特定の条件下でラインを分解するか又は部分的に分解するように出現し得る複数の重複ラインからなり得ることが理解されるべきである。典型的に、結晶学的変化は、構造の変化が生じることのない、単位格子パラメーターのわずかな変化及び/又は結晶対称の変化を含むことができる。相対強度の変化を含むこれらのわずかな影響は、カチオン含有量、フレームワーク組成物、細孔充填の性質及び程度、結晶径及び形状、好ましい配向並びに熱的及び/又は水熱の履歴における差異の結果としても生じる可能性がある。
本開示の態様は、具体的な実施例によってより詳細に説明される。以下の実施例は、例示的な目的のために提供され、且つ決して本開示を限定するように意図されない。当業者は、本質的に同一の結果をもたらすために、種々のパラメーターを変更及び修正可能であることを容易に認識するであろう。
実施例1:製造されたままのEMM−23材料の酸による変性の研究
熱処理(例えば、焼成)を使用して、EMM−23材料から構造指向剤(SDA)を除去する。EMM−23材料のそのような熱処理により、材料の部分的な非晶質化が導かれることが観察されている。非晶質化を回避するか、又はその程度を減少させるために、EMM−23から有機SDAを除去する別法が実行された。それによると、SDAを除去するために150℃においてオゾンを使用することが可能であるが、この方法は、大量の試料に再現可能に適用することが困難である可能性があることが示されている。本研究は、SDAを除去するために種々の酸において、全シリカ、製造されたままのEMM−23材料を加熱することについて調査する。本実施例において使用される製造されたままのEMM−23材料は、米国特許第9,205,416号明細書に記載の手順に従って調製することができる。
熱処理(例えば、焼成)を使用して、EMM−23材料から構造指向剤(SDA)を除去する。EMM−23材料のそのような熱処理により、材料の部分的な非晶質化が導かれることが観察されている。非晶質化を回避するか、又はその程度を減少させるために、EMM−23から有機SDAを除去する別法が実行された。それによると、SDAを除去するために150℃においてオゾンを使用することが可能であるが、この方法は、大量の試料に再現可能に適用することが困難である可能性があることが示されている。本研究は、SDAを除去するために種々の酸において、全シリカ、製造されたままのEMM−23材料を加熱することについて調査する。本実施例において使用される製造されたままのEMM−23材料は、米国特許第9,205,416号明細書に記載の手順に従って調製することができる。
1つの実験において、製造されたままの全シリカEMM−23(X2O3の添加なし)を一晩、熱対流炉中に配置された密封オートクレーブ中において濃HCl中で加熱した。このとき、炉の温度は、150℃に維持された。次いで、ろ過によって材料を回収し、脱イオン水で洗浄した。得られた試料の粉末XRDパターンは、親試料(すなわち処理されていない試料)のものと比較すると、有意な変化を示した。図1(パターンIは、オゾン中で処理されたEMM−23に対応し、パターンIIは、親(未処理)EMM−23に対応し、パターンIIIは、HCl中で加熱されたEMM−23に対応する)を参照されたい。HCl処理試料のパターンも、SDAを除去するためにオゾンで処理された試料のものと異なっていた。酸によって処理された試料の熱重量分析(TGA)によると、親の製造されたままのEMM−23試料と比較して質量損失が示された。TGAデータは、SDAが酸処理後にフレームワーク中になお吸蔵されていたことを示した。EMM−23は、シラノール及びシロキシ基を有する。有機カチオン(例えば、SDA)が収蔵された製造されたままの形態であっても、EMM−23の構造は、カチオン及びアニオンの通過を可能にする。シロキシ基は、塩基性であるため、それらは、プロトンを受け取り、シラノールとなることが可能である。有機カチオン(例えば、SDA)の電荷を補うための過剰フレームワーク種として酸の共役塩基が残るように、電荷のバランスが要求される。スキーム1を参照されたい。
スキーム1
≡Si−O−・・・[SDA]++HA⇔≡Si−OH+[SDA]+A−
スキーム1
≡Si−O−・・・[SDA]++HA⇔≡Si−OH+[SDA]+A−
種々の酸を使用して、追加的な実験が実行された。親の製造されたままのEMM−23を一晩、同様の条件で150℃において異なる酸で処理した。図2では、親の製造されたままのEMM−23材料の粉末XRDパターンを、種々の酸によって処理された変性EMM−23材料と比較した(パターンIは、HNO3に対応し、パターンIIは、NH4Fに対応し、パターンIIIは、H3PO4に対応し、パターンIVは、親材料に対応し、パターンVは、HIに対応し、パターンVIは、H2SO4に対応し、パターンVIIは、HClに対応する)。個々のパターンは、相対的なピーク強度及びピーク位置の両方に関して互いに異なる。表Bに、それぞれの試料に関してインデックスが付けられた六方格子パラメーターを示す。全ての場合において(硫酸を除く)、EMM−23材料の六方格子のa−パラメーターの増加及びc−パラメーターの減少が見られる。これらの変化は、110ピーク(a−パラメーターの変化に対して感応性である)及び101ピーク(a−及びc−パラメーターの両方の変化に対して感応性であるが、c−パラメーターに対してより感応性である)の位置のシフトにおいて明らかにされる。低角範囲における酸によって処理されたEMM−23の粉末XRDパターンを示す図3を参照されたい(パターンIは、HNO3に対応し、パターンIIは、NH4Fに対応し、パターンIIIは、H3PO4に対応し、パターンIVは、親材料に対応し、パターンVは、HIに対応し、パターンVIは、H2SO4に対応し、パターンVIIは、HClに対応する)。
表B中のデータは、測定されたアニオン電荷/N比がCl及びIに関して1に近いことを示す。測定されたCl/N及びI/N原子比は、それぞれ0.9及び1.2である一方、S/N及びP/N原子比は、それぞれ0.40及び0.30である。これらのアニオンがプロトン型で吸蔵される場合、これらの種の取り込みは、電荷バランスの考慮に基づいて理論的な最大限より低い。
図4は、空気から水を除去する乾燥剤を含有する乾燥管に暴露された乾燥空気中で2時間にわたり、箱形炉中で540℃まで焼成された後の種々の酸によって処理された全シリカ変性EMM−23試料の粉末XRDパターンを示す(パターンIは、H3PO4に対応し、パターンIIは、H2SO4に対応し、パターンIIIは、HClに対応し、パターンIVは、HIに対応する)。他の酸によって処理されたEMM23試料に対して比較した場合、リン酸処理されたEMM−23試料は、有意差を示す。図5(パターンIは、H3PO4に対応し、パターンIIは、H2SO4に対応し、パターンIIIは、HClに対応し、パターンIVは、HIに対応する)には、他の酸によって処理されたEMM23試料と比較した場合、焼成されたリン酸処理されたEMM−23試料の101ピークが低角度にあるが、100及び110ピークが同様の位置に残っていることが示される。表Aは、焼成されたリン酸処理されたEMM−23材料に関して測定された粉末XRDピークのリストを含む。六方単位格子パラメーターに関しても表Bを参照されたい。焼成されたリン酸処理されたEMM−23試料のc−パラメーターは、他の酸で処理されたEMM−23試料の焼成されたものにおけるものよりもこの材料においてより大きく、リン原子がフレームワーク中に組み込まれたことを示唆する。リン原子が熱処理(例えば、焼成)中にフレームワーク中に組み込まれると考えられる。変性EMM−23材料のフレームワーク中に組み込まれたリン原子が、EMM−23材料に存在する三峰性細孔の尖点に沿った位置において空位を占拠することにより、六方格子のc−方向に沿っての単位格子の収縮の範囲を減少させることも考えられる。これらの位置を充填する原子が存在しない場合、対立するシラノールは、濃縮し、それによってc軸に沿ってそれらの間の局所的距離が減少する可能性がある。リン酸処理されたEMM−23試料の元素分析によると、540℃での焼成後、1.13%から1.01%までP含有量がわずかに減少することが示される。
リン酸で処理された変性EMM−23材料の酸強度を評価するため、2−メチルペント−2−エンを調査分子として用いて、リン酸で処理されたEMM−23試料の焼成されたものにMcVicker試験を受けさせた。McVicker試験方法を説明し、且つ参照により本明細書に組み込まれるKramer and McVicker,Acc.Chem.Res.19(1986)78を参照されたい。リン酸によって処理されたEMM−23試料は、強い酸性度を示さなかったが、それは、二重結合シフトに関して活性であった。これは、リン酸によって処理されたEMM−23試料の弱酸性又は塩基性の存在と一致する。未処理の全シリカの焼成されたEMM−23材料は、この試験で活性を示さない。同じく、焼成されたHCl処理された全シリカEMM−23試料も活性を示さなかった。これらの観察は、EMM−23のフレームワーク中でリン酸が空位を充填するという概念と一致する。空Q3部位の充填において、リン酸が3つのシラノール種と縮合し、未結合P=O種を残すことが可能であると考えられる。
別の実験において、リン酸処理されたEMM−23の試料を6時間にわたって175℃においてオゾンに暴露し、続いてさらに2時間にわたって200℃においてオゾン処理し、SDAを除去した。540℃において焼成されたリン酸処理されたEMM−23試料とは対照的に、101ピークの位置は、他の非リン酸処理EMM−23試料の焼成されたものと比較して大きく変化しない。しかしながら、酸処理されたEMM−23試料の焼成されたものと異なり、このオゾン処理された試料は、2−メチルペント−2−エンによるMcVicker試験においてメチルシフトに関して活性であった。これは、540℃まで焼成されたリン酸処理EMM−23試料及び他の酸処理EMM−23試料のものよりも強酸性であることを示す。オゾンに暴露されたリン酸処理EMM−23の試料は、焼成試料よりも低い温度で加熱され、吸蔵されたリン酸イオンは、オゾン処理された試料においてシラノール種と縮合しないと考えられた。これは、オゾン処理された試料がより強い酸性を有するという観察と一致する。
実施例2:製造されたままのEMM−23の塩による変性の研究
本研究を実行し、製造されたままのEMM−23をアンモニウム塩による処理に暴露した。1つの実験において、製造されたままの全シリカEMM−23を塩化アンモニウム中において一晩還流させた。製造されたままの全シリカEMM−23材料は、米国特許第9,205,416号明細書に記載の手順に従って調製することができる。別の実験において、製造されたままの全シリカEMM−23材料をフッ化アンモニウムで一晩還流させた。図2及び3は、親の製造されたままの(未処理)EMM−23試料に対する、フッ化アンモニウムで処理され試料の差異を示す。親試料(塩処理なし)は、19.78Åの単位格子a−パラメーター及び13.89Åのc−パラメーターを有し、NH4Fで処理された試料は、19.97Åのa−パラメーター及び13.83Åのc−パラメーターを有する。NH4F処理された試料は、0.44F重量%及び51のSi/F原子比を示し、NH4Cl試料は、1.79N重量%、0.92Cl重量%、31.90Si重量%及び0.20のCl/N原子比を示した。
本研究を実行し、製造されたままのEMM−23をアンモニウム塩による処理に暴露した。1つの実験において、製造されたままの全シリカEMM−23を塩化アンモニウム中において一晩還流させた。製造されたままの全シリカEMM−23材料は、米国特許第9,205,416号明細書に記載の手順に従って調製することができる。別の実験において、製造されたままの全シリカEMM−23材料をフッ化アンモニウムで一晩還流させた。図2及び3は、親の製造されたままの(未処理)EMM−23試料に対する、フッ化アンモニウムで処理され試料の差異を示す。親試料(塩処理なし)は、19.78Åの単位格子a−パラメーター及び13.89Åのc−パラメーターを有し、NH4Fで処理された試料は、19.97Åのa−パラメーター及び13.83Åのc−パラメーターを有する。NH4F処理された試料は、0.44F重量%及び51のSi/F原子比を示し、NH4Cl試料は、1.79N重量%、0.92Cl重量%、31.90Si重量%及び0.20のCl/N原子比を示した。
1つの実験において、製造されたままの全シリカEMM−23試料は、3時間にわたって過レニウム酸の溶液中で還流された。粉末XRDパターンは、処理後に変化を示さず、これは、過レニウム酸が非常に大きく、これらの条件においてその組み込みが不可能であったことを示唆する。別の製造されたままの全シリカEMM−23試料を熱対流炉中150℃において過レニウム酸アンモニウムと一緒に加熱した。再び、粉末XRDパターンの変化が観察されなかった。過レニウム酸アニオンの大きさは、この処理の条件下でその吸蔵を防ぐ。
実施例3:EMM−23のイオン交換
アニオン交換を実行するための酸処理された変性EMM−23材料の能力を調査した。最初に、150℃に維持された熱対流炉中に配置された密封オートクレーブ中において、HCl溶液中で製造されたままの全シリカEMM−23材料を加熱することにより、Cl−EMM−23材料を調製した。製造されたままの全シリカEMM−23材料は、米国特許第9,205,416号明細書に記載された手順に従って調製することができる。Cl−EMM−23材料の2部分を、150℃に維持された熱対流炉中に配置された密封オートクレーブ中においてKI又はNaBrO3の溶液中で一晩(16時間)加熱した。
アニオン交換を実行するための酸処理された変性EMM−23材料の能力を調査した。最初に、150℃に維持された熱対流炉中に配置された密封オートクレーブ中において、HCl溶液中で製造されたままの全シリカEMM−23材料を加熱することにより、Cl−EMM−23材料を調製した。製造されたままの全シリカEMM−23材料は、米国特許第9,205,416号明細書に記載された手順に従って調製することができる。Cl−EMM−23材料の2部分を、150℃に維持された熱対流炉中に配置された密封オートクレーブ中においてKI又はNaBrO3の溶液中で一晩(16時間)加熱した。
得られたKI処理された試料は、0.25のI/N原子比及び0.06のCl/N原子比を有した。処理された試料の粉末XRDパターンは、粉末XRDパターン(データは、示されていない)の中角度域で非晶質の徴候を示すように見えた。臭素酸ナトリウムで一晩処理された試料の粉末XRDパターンは、KI(データは、示されていない)で処理されたものよりも大きい程度まで非晶質化されるように見えた。
曝露時間がそれぞれ4時間及び1時間まで減少されたことを除き、NaBrO3実験を繰り返した。これらの材料の粉末XRDパターンは、より少ない非晶質化を示し、パターン中の相対強度は、最終的なイオン交換された酸処理されたEMM−23材料の非非晶質化EMM−23成分が、処理された材料のそれぞれに関して類似であるが、それらが親の酸処理されたCl−EMM−23材料と異なることを示唆する。図6(パターンIは、150℃においてNaBrO3(水溶液)中で一晩加熱されたCl−EMM−23に対応し、パターンIIは、150℃においてNaBrO3(水溶液)中で4時間加熱されたCl−EMM−23に対応し、パターンIIIは、150℃においてNaBrO3(水溶液)中で1時間加熱されたCl−EMM−23に対応し、パターンIVは、親Cl−EMM−23に対応する)を参照されたい。これらの実験は、イオン交換が急速に最初の数時間以内に生じ得ることも示唆する。
最終のイオン交換された酸処理されたEMM−23材料の完全性は、生成物のN含有量に反映される。最初の製造されたままの酸処理されたEMM−23材料のN含有量は、約1.80%であるが、NaBrO3による一晩のイオン交換処理後、窒素含有量が0.90%に減少した。NaBrO3によって4時間処理された試料に関して、N含有量は、1.44%までのみ低下した。臭素酸ナトリウムによってイオン交換処理された試料のそれぞれのBr/N原子比は、16時間及び4時間のイオン交換に関して0.15〜0.16で一定である。表Cを参照されたい。(これらの条件下で)一定のBr/N原子比は、材料が臭素酸との交換の範囲において動的に限定されないことを示唆する。
実施例4:合成後の三価元素組み込みを使用する熱処理されたEMM−23の変性の研究
アルミニウムを含有するEMM−23材料は、全シリカであるEMM−23材料と比較して、一般に、例えば焼成中により安定であることが示された。図10(パターンIは、原子比Si/Al=75を示し、パターンIIは、原子比Si/Al=300を示し、パターンIIIは、全シリカ試料に対応し、パターンIVは、全シリカ試料に対応する)では、それらを乾燥空気中で箱形炉中540℃において焼成した後、異なる組成物のEMM−23の粉末XRDパターンが比較される。このデータは、XRDにおけるピークの強度によって判断されるように、全シリカ材料のものよりも、製造されたままの材料から熱処理された材料までの転移時、アルミニウムを有する材料の構造完全性がより良好に維持されることを実証する。EMM−23(例えば、Si/Al<75の原子比)の合成間のアルミニウムの組み込みが困難である可能性がある。この研究は、熱処理された(例えば、焼成された)EMM−23材料中にイオンを組み込む種々の方法を調査する。以下に記載されるいくつかの実験において、出発EMM−23材料は、焼成された全シリカ材料又は少量のアルミニウムを有する焼成されたもの(例えば、親試料など)である。
アルミニウムを含有するEMM−23材料は、全シリカであるEMM−23材料と比較して、一般に、例えば焼成中により安定であることが示された。図10(パターンIは、原子比Si/Al=75を示し、パターンIIは、原子比Si/Al=300を示し、パターンIIIは、全シリカ試料に対応し、パターンIVは、全シリカ試料に対応する)では、それらを乾燥空気中で箱形炉中540℃において焼成した後、異なる組成物のEMM−23の粉末XRDパターンが比較される。このデータは、XRDにおけるピークの強度によって判断されるように、全シリカ材料のものよりも、製造されたままの材料から熱処理された材料までの転移時、アルミニウムを有する材料の構造完全性がより良好に維持されることを実証する。EMM−23(例えば、Si/Al<75の原子比)の合成間のアルミニウムの組み込みが困難である可能性がある。この研究は、熱処理された(例えば、焼成された)EMM−23材料中にイオンを組み込む種々の方法を調査する。以下に記載されるいくつかの実験において、出発EMM−23材料は、焼成された全シリカ材料又は少量のアルミニウムを有する焼成されたもの(例えば、親試料など)である。
実験Aにおいて、0.75gの焼成された全シリカEMM−23材料を15mLの1M Al(NO3)3溶液に添加した。焼成された全シリカEMM−23材料は、米国特許第9,205,416号明細書に記載の手順に従って調製することができる。硝酸アルミニウム溶液の初期pHは、2.4であった。焼成された全シリカEMM−23材料の添加後、pHは、1〜1.5まで低下した。pHの低下は、アルミニウムがシラノール基と反応するときのプロトンの放出と一貫している。次いで、濃水酸化アンモニウムを滴下して添加し、pHを2.4〜2.6まで戻し、周囲温度に維持してから1日後、得られたEMM−23材料を懸濁液から単離した。
焼成されたEMM−23材料を硝酸アルミニウム溶液に添加した後、pH調整を行わなかったことを除き、類似の実験(実験B)を繰り返した。pHを調整した後、それぞれ160℃及び100℃に維持された熱対流炉中に配置されたオートクレーブ中で一晩加熱されたことを除き、実験Aと同様に実験C及びDを繰り返した。
27Al MAS NMR(マジック角度回転核磁気共鳴)スペクトロスコピーを使用して、フレームワーク中のAlの挿入を評価及び定量した。図7は、これらの実験(スペクトルIは、一晩周囲温度でpH調整された実験Aに対応し、スペクトルIIは、一晩周囲温度でpH調整されていない実験Bに対応し、スペクトルIIIは、100℃で加熱されたpH調整されていない実験Eに対応し、スペクトルIVは、pH調製後一晩100℃で加熱された実験Dに対応し、スペクトルVは、pH調製後一晩160℃で加熱された実験Cに対応する)のそれぞれの生成物の27Al MAS NMRを示し、表Dは、それらのそれぞれのスペクトルの定量化を要約する。加熱されていない試料のスペクトルは、少濃度のアルミニウムが四面体種として組み込まれることを示し、Si/AlTd原子比は、pH調整された及びpH調整されていない試料に関してそれぞれ454及び350であった。100及び160℃において一晩加熱後、Si/AlTd原子比は、それぞれ67及び97である。八面体、いくつかの場合には(例えば、実験Eにおいて)五配位のアルミニウム種が存在することにも留意されたい。特に、160℃において加熱された試料は、高度に対称の環境でAl種に割り当てられる鋭い八面体アルミニウム信号を示す。これらの実験は、処理の温度がアルミニウムの組み込み度に影響を与えることを示す。
わずかに修正してAl−挿入実験C及びDを繰り返した。一方の場合(実験C’)、EMM−23材料を一晩、Al(NO3)3溶液中で100℃において還流し、及び他方(実験D’)において、処理は、一晩150℃であった。これらの実験は、上記で示された温度に維持された熱対流炉中に配置されたオートクレーブ中で実行された。pHの変化が生じなくなるまで、連続的な還流処理又は加熱処理後に(表Dに示されるように)複数のpH調整が実行されたことを除き、これらの処理を上記の通り実行した。還流された実験C’試料に関して、pHの変化が生じなくなる前に2回のpH調整が実行されたが、150℃まで加熱された実験D’試料は、1回のみのpH調整が必要とされた。
図8(スペクトルIは、アルミニウム処理のない540℃まで焼成された親EMM−23に対応し、スペクトルIIは、EMM−23がAl(NO3)3中で還流され、pHが2回調整された実験C’に対応し、スペクトルIIIは、EMM−23がAl(NO3)3中150℃で加熱され、pHが1回調整された実験D’に対応する)は、518(親、未処理)から47(還流、約100℃)、54(150℃処理)までのSi/Al(Td)から、焼成されたEMM−23材料中へのAlの組み込みがあることを実証する。後者の試料の両方において(実験C’及びD’)、フレームワークに付加されても又はされなくてもよい八面体環境で約20%のAl種が存在する。実験Cの160℃処理試料に関して鋭いAl種が観察されないことに留意されたい(図7)。より高い温度で処理された試料は、アルミニウム組み込みが少ない。これは、より高い温度において、アルミニウム組み込みの動力学は、より速いが、より高い温度においてゼオライトの分解がおそらくより速い速度で進むことであり得る。実際に、100℃で還流された材料は、一晩160℃で加熱されたものよりも結晶質のままである(データは、示されていない)。類似の傾向が図8にも見られ、そこでは、より高い温度で処理された試料は、アルミニウム組み込みが少ない。アルミニウム組み込みには加熱が必要であるが、構造上の損傷に対するアルミニウム組み込みのバランスをとる理想的な温度は、還流条件のものより低くなり得る。表Eは、実験C’、還流(100℃)におけるAl処理されたEMM−23の粉末XRDピークを示す。
本明細書に記載の窒素物理吸着及びアルファ値試験は、100℃において硝酸アルミニウム溶液中で還流された試料において実行された。材料は、0.26cc/gのミクロ細孔体積及び33のアルファ値を有した。これは、10の(直接合成を介して製造された;処理を行っていない親試料)アルミノシリケートEMM−23試料に関して以前に測定されたアルファ値より高い。
他の金属種による組み込みの研究を実行した。焼成された全シリカEMM−23試料を100℃において硝酸マグネシウム、硝酸ランタン、硝酸鉄又は硝酸アルミニウムのいずれかの1M溶液中で一晩加熱した。図9は、処理された試料(パターンIは、脱イオン水中での加熱に対応し、パターンIIは、Al(NO3)3に対応し、パターンIIIは、Fe(NO3)3に対応し、パターンIVは、La(NO3)3に対応し、パターンVは、Mg(NO3)2に対応する)のそれぞれの粉末XRDパターンを示す。約20〜約25度の2−シータにおける非晶質バックグラウンドに見ることができるように、ランタン及びマグネシウムによって処理された試料において非晶質化が生じる。鉄及びアルミニウムによって処理された試料は、それらの結晶化度をより多く維持する。アルミニウム及び鉄の両方は、ゼオライトフレームワーク内に四面体種を形成することが可能であるが、マグネシウム及びランタンは、一般にケイ質フレームワーク内で安定な四面体種を形成しない。
アルミニウム及び鉄の組み込みは、それらがフレームワークの四面体空位を占拠することができるため、熱湯によって誘発される非晶質化に対して焼成された材料を安定させると考えられる。実際に、親の焼成された全シリカEMM−23材料を100℃において一晩加熱することにより、マグネシウム又はランタンによって処理された試料よりもさらに大きい程度までの非晶質化が示される。図9を参照されたく、約20〜約25度の2−シータにおける非晶質バックグラウンドに留意されたい。アルミニウム処理は、単に酸性度を導入するためのルートを提供するのみならず、それらは、水による加水分解に対して材料を安定化させるためにも役立つ。
実施例5:異なる混合速度を使用するEMM−23の調製
典型的に、EMM−23材料は、水、水酸化イオン、四価元素、任意選択的に三価元素の酸化物及び構造指向剤の供給源の混合物を使用して合成される。混合物は、一般にゲルであり、ゲルの組織は、一様に均質化した懸濁液を得ることを困難にさせる。本研究は、EMM−23材料の合成中に試薬を混合するために使用される混合速度を変えることによって均一化を改善し得ることを示す。2000rpmの混合速度によるFlackTek speedmixerを使用して、改善された均一化を達成した。そのような高速ミキサーは、磁気撹拌によって得られるものよりも均一のゲルを提供し、ゲルは、改善された流動性も有する。
典型的に、EMM−23材料は、水、水酸化イオン、四価元素、任意選択的に三価元素の酸化物及び構造指向剤の供給源の混合物を使用して合成される。混合物は、一般にゲルであり、ゲルの組織は、一様に均質化した懸濁液を得ることを困難にさせる。本研究は、EMM−23材料の合成中に試薬を混合するために使用される混合速度を変えることによって均一化を改善し得ることを示す。2000rpmの混合速度によるFlackTek speedmixerを使用して、改善された均一化を達成した。そのような高速ミキサーは、磁気撹拌によって得られるものよりも均一のゲルを提供し、ゲルは、改善された流動性も有する。
1つの実験において、FlackTek speedmixerを23mLの反応器で実行される2つの並発反応において使用した。両方は、静的条件下で150℃において7日間の加熱後、純粋な製造されたままのEMM−23生成物をもたらした。同一混合モードを用いて回転条件下で150℃において10日間の加熱後、125mLオートクレーブ中において、純粋な製造されたままの全シリカEMM−23材料が得られた。同様に、23mLパールボンブ(Parr bomb)中において、Si/Al=300の原子比での3つの追加的な並発調製により、それぞれ回転条件下で150℃において10日間の加熱後、純粋なEMM−23が得られた。これらの試料は、上記で示される温度が維持される熱対流炉中に配置されたオートクレーブ中で密封されていた。
加熱前のゲルの同一混合モードを用いて、らせん型混合機構を有する300mL反応器中において、製造されたままの全シリカEMM−23材料が得られた。らせん型の刃によるこの合成の繰り返しにより、回転条件下で150℃において7日間の加熱後、微量のZSM−5を有する製造されたままの全シリカEMM−23材料の混合物が生じた。全体的に、このらせん型混合法により、再現性が非常に改善した。比較において、Harbil 5G−HDペイントシェーカーによる初期ゲルの以前の混合モードによって300mL反応器中で同合成を繰り返した場合、合成の7日後、生成物は、XRDによって完全に非晶質であった。加熱の12日後にZSM−5及びEMM−23の混合物が得られた。
1つの実験において、高速混合器を使用してアルミノシリケート合成(Si/Al原子比=50、60、75)を実行した。回転された23mLパールボンブ(Parr bomb)中で150℃において7日間ゲルを加熱後、1つの生成物のみがXRDによって純粋な製造されたままのEMM−23材料であるように思われ、他の合成では、微量の非晶質化又はベータ不純物を示す生成物のXRD及びSEMイメージによると、微量のベータ不純物が存在した。別の実験において、合成においてアルミニウムの量が減少し(Si/Al原子比=75、100及び125)、加熱時間を10日間まで増加させた。150℃における10日間の加熱後、それぞれの調製によって純粋な製造されたままのEMM−23材料が得られた。なお別の実験において、Si/Al原子比=75の23mL反応器中での3つの並発反応が実行された。生成物の1つは、粉末XRDによって純粋な製造されたままのEMM−23材料であるように見え、及び他の2つは、微量のベータ及び/又は非晶質材料を有するように見えた。
実施例6:EMM−23のための様々なシリカ供給源の使用
EMM−23材料を合成するためのシリカ供給源は、典型的にテトラエチルオルトシリケート(TEOS)又はテトラメチルオルトシリケート(TMOS)である。LUDOX(登録商標)AS−40コロイド性シリカ及びULTRASIL(登録商標)沈殿シリカなどの他のより従来的なシリカ供給源は、ZSM−5及び非晶質材料などの不純度を生じる可能性があることが当該技術分野において知られている。この研究は、2000rpmの混合速度及び/又はシリカ供給源に関してより長い消化期間(例えば、シリカ供給源を脱重合させるための水酸化物供給源とのより長い混合時間)でのFlackTek speedmixerとの組合せでEMM−23材料の合成のためのより従来的なシリカ供給源を使用することを調査するために実行される。
EMM−23材料を合成するためのシリカ供給源は、典型的にテトラエチルオルトシリケート(TEOS)又はテトラメチルオルトシリケート(TMOS)である。LUDOX(登録商標)AS−40コロイド性シリカ及びULTRASIL(登録商標)沈殿シリカなどの他のより従来的なシリカ供給源は、ZSM−5及び非晶質材料などの不純度を生じる可能性があることが当該技術分野において知られている。この研究は、2000rpmの混合速度及び/又はシリカ供給源に関してより長い消化期間(例えば、シリカ供給源を脱重合させるための水酸化物供給源とのより長い混合時間)でのFlackTek speedmixerとの組合せでEMM−23材料の合成のためのより従来的なシリカ供給源を使用することを調査するために実行される。
(1)水が除去されないか、又は(2)水が凍結乾燥によって除去されるかのいずれかの条件下において、ULTRASIL(登録商標)沈殿シリカ、LUDOX(登録商標)AS−40コロイド性シリカ又はCABOSPERSE(商標)ヒュームドシリカ懸濁液を含む異なるシリカ供給源を使用して、一連の種添加実験を実行した。
水を除去するための凍結乾燥を実行しない実験に関して、H2O/SiO2モル比は、ULTRASIL(登録商標)、LUDOX(登録商標)及びCABOSPERSE(商標)に関してそれぞれ25、30及び41であった。ULTRASIL(登録商標)は、2〜3%のみの水である一方、他のシリカ供給源は、水性懸濁液であるため、ULTRASIL(登録商標)に関する水濃度が最も低いことに留意されたい。図11の粉末XRDパターン(パターンIは、CABOSPERSE(商標)(H2O/SiO2=41)に対応し、パターンIIは、LUDOX(登録商標)(H2O/SiO2=30)に対応し、パターンIIIは、ULTRASIL(登録商標)(H2O/SiO2=25)に対応する)は、非凍結乾燥実験の全てが純粋な製造されたままのEMM−23材料を製造したことを示す。より希釈された条件が、濃縮されたものと同様に作用することは予想されなかったため、これは、驚くべきである。純粋なEMM−23は、ZSM−5が汚染物質として観察された希釈条件で一般に得られない。これらの実験は、純粋なEMM−23材料が、シリカの商業的に実行可能な供給源を使用して典型的な水の濃度(15より大きいH2O/SiO2のモル比)において調製可能であることを示す。
凍結乾燥を使用して水を除去する実験に関して、H2O/Siモル比は、ULTRASIL(登録商標)、LUDOX(登録商標)及びCABOSPERSE(商標)のそれぞれに関して12、16.5及び8.5であった。これらの実験では、完全結晶化に達するために17日を必要とした。これらの凍結乾燥された調製も作用しなかった。粉末パターンによると、それらは、それぞれ有意なレベルのZSM−5(データは、示されていない)を有するEMM−23をもたらしたことが示される。より濃縮された系では成功しないであろうことは、反直感的であるが、これは、TMOSによる実験の場合、シリカの単純なモノマー又はオリゴマー形態によって合成が開始するためであり得る。おそらく、より一般的な供給源(ULTRASIL(登録商標)、LUDOX(登録商標)及びCABOSPERSE(商標))は、それらがシリカの一層濃縮された状態で開始するため、同様に作用しなかった。これらのより一般的なシリカ供給源は、それらが、TEOS又はTMOS供給源からのゲルのものとより同様である初期ゲル状態を達成することができるように、加熱前により多くの消化時間を必要とすると考えられる。これらの凍結乾燥された系において、水が凍結乾燥によって除去される前、SDA供給源によるシリカの消化は、約4時間のみであった。それらが濃縮されたものよりも効率的にシリカを可溶化することが可能であるため、希釈系は、より良好に作用し得る。完全に鉱化されなかったシリカは、ZSM−5に導かれる可能性がある。
それぞれのシリカ供給源に関して、シリカの消化期間を4時間から2日間まで延長した実験を繰り返した。希釈条件の相選択性が種の存在によって影響を受けたかどうかを決定するために、種の存在下及び非存在下の両方において、希釈実験(例えば、H2O/Siモル比がULTRASIL(登録商標)、LUDOX(登録商標)及びCABOSPERSE(商標)に関してそれぞれ25、30及び41である)を実行した。ULTRASIL(登録商標)を用いた実験では、全て良好に純粋な製造されたままのEMM−23材料が製造された。希釈実験(H2O/SiO2=25)に関して、種添加された及び種未添加の実験の両方において、150℃に維持された熱対流炉中に配置された密封オートクレーブ中での17日の加熱後、純粋なEMM−23材料が得られた。H2O/SiO2=10を有する種添加された調製は、10日以内に作用した。同じ結果は、LUDOX(登録商標)AS−40(H2O/SiO2=30)を用いて実行された実験に関して得られた。CABOSPERSE(商標)(H2O/SiO2=41)による希釈実験は、種を添加しない場合、EMM−23及びZSM−5の混合物をもたらしたが、しかし、種が使用された場合、濃縮(H2O/SiO2=5のモル比)及び希釈系の両方に関して純粋な製造されたままのEMM−23材料が得られた。
この研究は、鉱化時間を延長することによってEMM−23に対する選択性が改善されることを示す。さらに、この結果は、加熱前にゲルを均質化するために比較的高い混合速度(例えば、2000rpm)を使用することにより、典型的なH2O/SiO2モル比で従来のシリカ供給源を用いてEMM−23が調製可能であることを示す。ULTRASIL(登録商標)、LUDOX(登録商標)及びCABOSPERSE(商標)などのシリカ供給源を使用してEMM−23材料を製造する能力は、TEOS又はTMOSシリカ供給源を使用することと比較して有意な製造材料費の削減をもたらすことが可能である。
実施例7:異なる濃度のシラノールによるEMM−23の合成
本研究は、異なる濃度のシラノールを用いて種々の製造されたままのEMM−23材料を合成するために実行された。135℃に維持された熱対流炉中に配置されたオートクレーブ中で試料を密封し、次いで8、10、14及び21日後に停止する、一連の製造されたままのEMM−23材料の合成を実行した。これらの生成物のそれぞれに関する粉末XRDパターンデータ、SEMイメージ及び29Si NMRデータを収集した。8日生成物で観察された層状相の微量の不純物を除き、それぞれのパターンは、純粋な製造されたままのEMM−23材料相に対応する。図12を参照されたい(パターンIは、8日に対応し、パターンIIは、10日に対応し、パターンIIIは、14日に対応し、パターンIVは、21日に対応する)。パターンの全ては、a及びc格子パラメーターにおいてわずかな差異があるが、類似の六方格子にインデックス付けすることができる。SEMイメージの試験により、8日生成物が主として層状不純物に対応する少数のプレート様結晶を有する多面体結晶を有することが明らかにされる。結晶の形状は、合成中に変化しない。XRDピーク強度における差異が好ましい配向又は結晶径の影響によるものである可能性はない。EMM−23の構造は、合成の過程で経時的に変化する。
本研究は、異なる濃度のシラノールを用いて種々の製造されたままのEMM−23材料を合成するために実行された。135℃に維持された熱対流炉中に配置されたオートクレーブ中で試料を密封し、次いで8、10、14及び21日後に停止する、一連の製造されたままのEMM−23材料の合成を実行した。これらの生成物のそれぞれに関する粉末XRDパターンデータ、SEMイメージ及び29Si NMRデータを収集した。8日生成物で観察された層状相の微量の不純物を除き、それぞれのパターンは、純粋な製造されたままのEMM−23材料相に対応する。図12を参照されたい(パターンIは、8日に対応し、パターンIIは、10日に対応し、パターンIIIは、14日に対応し、パターンIVは、21日に対応する)。パターンの全ては、a及びc格子パラメーターにおいてわずかな差異があるが、類似の六方格子にインデックス付けすることができる。SEMイメージの試験により、8日生成物が主として層状不純物に対応する少数のプレート様結晶を有する多面体結晶を有することが明らかにされる。結晶の形状は、合成中に変化しない。XRDピーク強度における差異が好ましい配向又は結晶径の影響によるものである可能性はない。EMM−23の構造は、合成の過程で経時的に変化する。
図13(スペクトルC1は、微量の層状相を有するEMM−23に対応し、スペクトルC2は、8日に対応し、スペクトルB1は、10日に対応し、スペクトルA2は、14日に対応し、スペクトルA1は、21日に対応し、スペクトルB2は、層状相に対応する)は、これらの生成物の29Si NMRを別の合成において単離された層状相のものと比較する。層状相は、微量のEMM−23を含有した。表Fは、これらのそれぞれのスペクトルに関するQ2、Q3及びQ4種の定量化を示す。NMRデータから層状不純物をどのように検出することができるのを例示するために、図13の上部には、この相によって汚染されたEMM−23生成物のスペクトルがある。層状相において生じる多くのピークは、EMM−23のものと重複する。しかしながら、層状相にのみ存在する−106ppmにおいてピークがある。このピークは、純粋なEMM−23試料のいずれにおいても観察されないが、それは、層状相によって汚染された試料において大きいQ4ピーク上に肩部として表される。層状相は、Q2ピークを有さない。これは、短い合成時間に観察されたQ2の大きい濃度が層状相によるものである可能性がないというさらなる証拠であり、Q2種は、EMM−23に本質的である。Q2及びQ3含有量は、経時的に減少する。8、10及び14日後、Q2及びQ3含有量は、それぞれ12.8及び37.4%、11.2及び31.4%並びに8.7及び28.0%である。14日〜21日で最小の変化がある。表Fを参照されたい。
本明細書に記載されたものに加えて、本開示の種々の修正形態が前述の説明から当業者に明白であろう。そのような修正形態は、添付の請求項の範囲に含まれるように意図される。限定されないが、本出願に引用される全ての特許、特許出願及び刊行物を含むそれぞれの参考文献は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (23)
- 式IA:
(v)X2O3:YO2(式IA)
の組成物を含む変性EMM−23材料を調製するプロセスであって、式IB:
(q)T:(v)X2O3:YO2(式IB)
(式中、0≦q≦0.5であり、0≦v≦0.1であり、Tは、有機構造指向剤であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である)の組成物を酸及び/又はアンモニウム塩と混合して、前記式IAの組成物を含む前記組成物を生成することを含むプロセス。 - 前記混合は、溶媒中で実行される、請求項1に記載のプロセス。
- 前記溶媒は、極性溶媒を含む、請求項2に記載のプロセス。
- 前記溶媒は、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水又はその混合物を含む、請求項2又は3に記載のプロセス。
- 前記アンモニウム塩又は酸は、ZO4又はZO3イオンを含み、ここで、Zは、リン、バナジウム又はその混合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記アンモニウム塩は、NH4Cl、NH4F、(NH4)2HPO4、(NH4)2SO4、NH4(VO3)又はその混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記酸は、HCl、HNO3、H3PO4、HI、H2SO4、H2SO3、HBr、HNO2、カルボン酸又はその混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
- 過剰量の酸、アンモニウム塩、溶媒又はその混合物を含む組成物を除去するために前記式IBの組成物並びに前記酸及び/又はアンモニウム塩の混合物をろ過して、式IBを含むろ過された固体を得ることをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記ろ過された組成物は、水溶媒で洗浄される、請求項8に記載のプロセス。
- 前記式IBのろ過された組成物を、100℃〜650℃の温度において、1時間〜14日間又は前記式IAの組成物が形成されるまで加熱することをさらに含む、請求項8又は9に記載のプロセス。
- 前記式IBのろ過された組成物をオゾンで処理して、前記式IAの組成物が形成されるまで前記有機構造指向剤を除去することをさらに含む、請求項8又は9に記載のプロセス。
- 前記式IBのろ過された組成物は、ZO4又はZO3イオンを含むアンモニウム塩又は酸と混合されており、ここで、Zは、リン、バナジウム又はその混合物であり、且つ式IAは、式IAのフレームワーク中に組み込まれた前記ZO4又はZO3イオンを含む、請求項11に記載のプロセス。
- Xは、B、Al、Fe、Ga又はその混合物を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
- Yは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr又はその混合物を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセス。
- Tは、ピロリジニウムジカチオンを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロセス。
- Tは、1,5−ビス(N−プロピルピロリジニウム)ペンタンジカチオン、1,6−ビス(N−プロピルピロリジニウム)ヘキサンジカチオン、1,4−ビス(N−メチルピロリジニウム)ブタンジカチオン又はその混合物を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロセス。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載のプロセスによって調製された材料。
- 式IB:
(q)T:(v)X2O3:YO2(式IB)
の組成物及びリン酸イオンを含む変性EMM−23材料であって、
前記組成物は、20.0±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.8±0.5Åのc−パラメーターを有し、
0≦q≦0.5であり、0≦v≦0.1であり、Tは、有機構造指向剤であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である、変性EMM−23材料。 - 式IA:
(v)X2O3:YO2(式IA)
の組成物及び式IAのフレームワーク中に組み込まれたリン酸イオンを含む変性EMM−23材料であって、
前記組成物は、19.8±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し、
0≦v≦0.1であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である、変性EMM−23材料。 - 式IAは、式IAが、全重量に基づいて0.5〜3重量%であるリンの量を有するように、前記式IAのフレームワーク中に組み込まれたリン酸イオンを有する、請求項18又は19に記載の材料。
- 前記式IAのフレームワーク中にリン酸イオンを組み込む式IAは、Kramer and McVicker,Acc.Chem.Res.19(1986)78によって記載される0.1〜10の範囲の3−メチルペント−2−エン/4−メチル−2−ペンテンの比率及び/又は0.01〜1の範囲の2,3−ジメチル−2−ブテン/4−メチル−2−ペンテンの比率によって定義される酸性度値を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の材料。
- 式IA:
(v)X2O3:YO2(式IA)
の組成物及び前記式IAのフレームワーク中に組み込まれたリン酸イオンを含み、
前記組成物は、19.8±0.5Åの六方単位格子a−パラメーター及び13.5±0.5Åのc−パラメーターを有し、
0≦v≦0.1であり、Xは、三価元素であり、且つYは、四価元素である、請求項22に記載の材料。
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