JP2020527413A - 整形外科的コンポーネント設計の最適化方法 - Google Patents

整形外科的コンポーネント設計の最適化方法 Download PDF

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Abstract

解剖学的に適正なプレートの設計を容易にするためイメージングデータ及び3Dモデリングとの利用を通じて骨の外部及び内部解剖学的構造を理解するための方法を開示する。一側面では本方法により、輪郭が対象の解剖学的形状に一致する少なくとも1つの曲面を有するインプラント又はプレートが得られる。対象の解剖学的形状は、骨の画像に基づいて特定される。【選択図】図6

Description

<関連出願の相互参照>
本願は、2017年7月17に出願された、発明の名称を「補綴物周囲及び上腕骨コンポーネント設計の最適化方法」とする米国仮特許出願番号第62/533,203号の利益を主張するものであり、当該仮特許出願の内容は全て、あらゆる目的のために参照により本願明細書に組み込まれているものとする。
<連邦支援研究に関する言及>
無し。
本発明は、肩及び肘手術のための製品提供物の設計を容易にする上腕骨解剖学的構造をモデリングするための方法、対象の骨の一部を修復するための補綴物周囲インプラントを製造するための方法、及び、上肢補綴物周囲骨折からの医用イメージングデータを使用することにより補綴物周囲骨プレート及び髄内釘を最適化するための方法に関する。
関連分野の説明
人口の高齢化及び自動車の急増により世界規模で骨折数が劇的に増加している。また、骨折を持続した後の機能及び結果に関する患者の期待も増加している。それに伴い、これらのファクタは世界規模で、骨折に対するより効果的な介入を劇的に牽引してきた。しかし、プレート及び髄内釘の現在の設計は、形状の点で解剖学的ではなく、入手可能なサイズは解剖学的分布に基づいていない。
骨折処置には、解剖学的に適正でない外傷固定器具に関連する骨折処置の一連の問題がある。この問題にはさらに、解剖学的な形状になっていない髄内器具を配置しようとしたときの骨折拡大や、本当の骨との接触が最適化されていない場合の致命的な早期故障が含まれる。プレートを見ると、現在のプレート締結システムは解剖学的な提供物となっていない。例えば、現在市場に流通している近位端及び遠位端上腕骨プレートは全て、1つのプレート幅しか有しない。このことにより、人口の有意な割合においてプレートが過度に広幅になってしまい、プレートがはみ出ることにより軟組織を刺激してしまう。また、多くの患者においてプレートが過度に小さく、骨固定を最大限にすることに失敗して故障のリスクを増大させることにもなる。患者のサイズが幅広いことに伴う国際的な市場の急速な成長が、この問題を悪化してきた。
世界規模での関節置換術の劇的な増加に伴い、そのインプラント周囲の補綴物周囲骨折の発生も増加している。かかる骨折の処置は困難である。その理由は、関節形成術用のステムが骨髄管を塞いでしまう可能性があり、このことが固定を困難にするからである。関節形成術用コンポーネント周囲の骨折の他にさらに、髄内釘周囲に骨折が生じたときにも同様の問題が生じ得る。
肩及び肘関節形成術に関しては、種々の上腕骨ステム長の製品提供物の数も急速に増加している。種々のステム長の他、ステム固定に関してはセメント方式及び非セメント方式の選択肢が存在する。これらのファクタにより種々の骨折パターンが生まれ、従来はこれらの骨折パターンは十分に理解されなかった。
過去には、プレート及び髄内器具の形状及びサイズ分布について真の科学的根拠や解剖学的根拠を発展させるのではなく、単に亡くなった方の検体のイメージングに設計を重ねることによって、外傷器具を設計してきた会社もあった。過去には、この設計プロセスは「最良当てはめ」に基づくものであったが、これにより、釣り鐘形状の曲線のインプラントが過度に大きい又は過度に小さくなるいずれかの側における人口の割合が有意になる。
プレート及び髄内釘の現在の設計は、形状の点で解剖学的なものではなく、入手可能なサイズは解剖学的分布に基づいていない。プレートは下肢補綴物周囲骨折の処置に使用するために特別に設計されてきたが、上肢補綴物周囲骨折のために特別に設計された固定システムは存在しない。現在の非解剖学的なプレートを用いて確実な固定を行うことは、プレート形状、プレート長及びねじ孔位置が不適切であり、他の骨を捉えるために最適化されていないため、非常に困難になり得る。下肢補綴物周囲プレートは、上肢に使用するには格段に大きく、解剖学的に適正でない傾向にある。このような大きな下肢プレートを上肢に使用すると、どうしても軟組織剥離が増加する可能性があり、このことは治癒に影響を及ぼす可能性がある。そのうえ、解剖学的に適正でなく適正にフィットしないプレートを使用すると、軟組織や隆起部分にインピンジメントが生じ、これにより患者に不快感が生じ、追加の修正手術が必要になり得る。
よって、解剖学的に適正な補綴物周囲骨プレートの設計及び選択を容易にするため、補綴物周囲骨折及びこれに関連する上腕骨解剖学的構造の理解を向上するための方法論を求めるニーズが存在する。
上腕骨は真っ直ぐではなく、解剖学的に適正でない器具を用いると、本当の骨との接触が最適化されていない場合には器具の致命的な早期の緩みを引き起こし、医原性の上腕骨骨折を引き起こし、また、応力集中部に起因する将来の骨折のリスクの増大を引き起こし得る。本発明は、関連する上腕骨解剖学的構造の理解を向上するための手法を提供することにより、上述のニーズに対応する。この方法論は、上腕骨の複数の解剖学的特徴部の相互作用と、これらの特徴部が上腕骨における特定の位置に基づいてどのように変化するか、とを説明するものである。さらに、当該方法論により、上腕骨の形状が各側固有であることが示された。よって、真の人口ベースの分布における解剖学的形状を有する右側専用の器具と左側専用の器具とを提供することにより、器具設計をより容易化かつ改善することができる。かかる方法論により、骨−器具接触部における装着及びフィットを最適化することができる。当該方法論は、全体的及び部分的な肘関節置換術の設計、上腕骨用の髄内釘、肩関節置換術用の修正長ステム、補綴物周囲上腕骨骨折用、上腕骨中央骨幹骨折用、及び遠位端上腕骨骨折用のプレートの設計を容易にするために使用することができる。当該方法論及びこれに関連するデータセットは、適切なサイズ、形状、これらの器具の製品提供物の分布を定めるのをさらに助けることができる。
関連する上腕骨解剖学的構造の理解の他にさらに、補綴物周囲骨折の調査及び分析も、解剖学的に適正な補綴物周囲骨プレートの設計及び選択を容易にすることができる。
一側面では本願開示は、CTスキャンデータ及び3Dモデリングを利用することにより上腕骨解剖学的構造の理解の向上を達成する方法を提供する。従来の報告は、一平面における上腕骨の可能性のある曲げに着目していたが、本願の方法論は、上腕骨解剖学的構造が固有の三次元アーキテクチャを有することに着目する。よって本方法論は、可能性のある問題を最小限にする解剖学的に適正なインプラントの設計を容易にすることができる。
一構成では、対象の骨の骨折を処置するための装置が提供される。当該装置は、第1の長手軸を有する第1の部分と、第2の長手軸を有する第2の部分と、を備えている。第1の部分は、第1の部分と第2の部分との間の第1の連結部において第2の部分に接続されている。第1の長手軸と第2の長手軸とはこの連結部において斜めの角度を成し、第2の部分は第1の部分より大きい幅を有する末端部分を備えている。本装置の第1の部分及び第2の部分は、骨の一領域への固定を提供するように構成することができ、複数のねじ孔を有する。
本装置の一部の構成では、骨は上腕骨であり、上述の第2の端部分は、骨の近位端部分の外表面と一致するように構成されている。第2の部分の末端部の周囲は、上腕骨の近位端部分の大結節と一致する寸法とすることができる。連結部において成される斜めの角度は、上腕骨の中心線に対する大結節の角度と一致することができる。本装置の長さも、上腕骨の長さによって定めることができる。
本装置の一部の構成では、第1の部分の幅は骨の骨折の固定を提供するように設定されている。本装置には複数のねじ孔を設けることができ、当該複数のねじ孔の数は第2の部分の末端部の幅と相関することができる。本装置はまた、対象の左側と右側とに対して個別に構成することができる。
一部の構成では、本装置はさらに第3の長手軸を有する第3の部分を備えている。第1の部分は、当該第1の部分と第3の部分との間の第2の連結線において第3の部分に接続されている。第1の長手軸と第3の長手軸とは、第2の連結部において斜めの角度を成すことができる。
一部の構成では、骨は上腕骨であり、第2の端部分は骨の遠位端部分の外表面と一致するように構成されている。第2の部分の末端部の周囲は、上腕骨の遠位端部分の顆に一致する寸法とすることができる。第1の連結部において成される斜めの角度は、上腕骨の中心線に対する顆の角度に一致させることができる。第2の連結部において成される斜めの角度は、上腕骨の中心線に対する顆の角度に一致させることができる。本装置の長さは、上腕骨の長さによって定めることができる。第3の部分の長さは、骨の骨折のための固定を提供するように設定することができる。
一構成では、骨の骨折を処置するための装置が提供される。当該装置は、第1の長手軸を有する第1の部分と、第2の長手軸を有する第2の部分と、を備えている。第1の部分は、第1の部分と第2の部分との間の第1の連結部において第2の部分に接続されている。第1の連結部は、第1の部分を第2の部分に接続する湾曲部を成す寸法の移行部となる。
一部の構成では、第1の連結部の位置は骨の真っ直ぐな中心線からの偏差が最大となる位置によって決定される。第1の部分の長さは、第2の部分の長さより大きくすることができる。
一部の構成では、本装置は髄内(IM)釘を備えることができ、骨は上腕骨とすることができる。第1の連結部の位置は、上腕骨の長さの60〜90%の間とすることができる。第1の連結部の位置は、上腕骨の長さの80%の位置とすることもできる。
一部の構成では、本装置は第3の長手軸を有する第3の部分を備えている。第2の部分は、当該第2の部分と第3の部分との間の第2の連結部において第3の部分に接続されている。第2の連結部は、第2の部分を第3の部分に接続する湾曲部を成す寸法の移行部となる。第2の連結部の位置は、骨の真っ直ぐな中心線から偏差する位置によって決定することができる。第2の部分の長さは、第3の部分及び第1の部分の長さより大きくすることができる。本装置は髄内(IM)釘とすることができ、骨は上腕骨である。骨が上腕骨である場合、第2の連結部の位置は上腕骨の長さの10〜30%の間とすることができ、又は、上腕骨の長さの20%とすることができる。
一構成では、対象の骨の一部を修復するための整形外科的インプラントを製造するための方法が提供される。本方法は、解剖学的形状に一致する少なくとも1つの曲げ部を含むようにインプラントを形成することを含む。解剖学的形状は複数の工程によって特定することができ、これら複数の工程は、i)少なくとも1つの観察平面から骨の画像を取得する工程と、ii)前記画像上で、骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界までの当該骨の特徴部の最大幅を示す第1の基準線の向きを定める工程と、iii)前記画像上で、第1の基準線に対して垂直であり特徴部の長さを示す第2の基準線であって第1の基準線の中間点から骨の当該骨のエッジまで延在する第2の基準線の向きを定める工程と、iv)前記画像上で、骨の中心線から第1の基準線の中間点までの長さを示す第3の基準線の向きを定める工程と、v)インプラントの少なくとも1つの曲げ部を特定するために第3の基準線と第2の基準線との間の角度を求める工程と、を含むことができる。
一部の構成では本方法は、インプラントが補綴物周囲骨プレート、近位端上腕骨プレート、遠位端上腕骨プレート、上腕骨釘又は上腕骨ステムの少なくとも1つである場合を含む。本方法で使用される中心線は、1)皮質骨境界である骨の第1の境界と第2の境界との間の距離が一定で等間隔である線、又は2)海綿質境界である骨の第1の境界と第2の境界との間の距離が一定で等間隔である線、又は3)真っ直ぐな骨長手軸中心線、とすることができる。
一部の構成では、本方法で使用される骨は上腕骨である。骨が上腕骨である場合、特徴部は大結節とすることができ、第1の基準線は上腕骨における大結節の幅を示すものである。インプラントの1つの曲げ部は、上腕骨の中心線に対する大結節の角度に一致することができる。骨が上腕骨である場合の一部の構成では、特徴部は顆であり、第1の基準線は上腕骨における顆の幅を示すものである。インプラントの1つの曲げ部は、上腕骨の中心線に対する顆の角度に一致することができる。
一部の構成では、本方法で使用される骨は大腿骨、脛骨、橈骨又は尺骨とすることができる。本方法で使用される画像は、コンピュータ断層撮影スキャンスライスとすることができる。一部の構成では本方法は、インプラントにおけるねじ孔位置を決定するために骨の厚さを求めることを含む。本方法は、対象の骨の測定結果を自動的に抽出するために、プロセッサに記憶されたプログラムを実行するように構成された当該プロセッサを備えた制御システムへ画像が送信されるように、自動化することができる。骨の上記の自動的な測定結果は、付加製造システムを用いてプレートを製造するために参照されることができる。
一構成では、対象の骨の一部を修復するための整形外科的インプラントを製造するための方法が提供される。本方法は、少なくとも2つの曲げ部を含むようにインプラントを形成することを含むことができる。これらの曲げ部は、i)少なくとも1つの観察平面から骨の画像を取得し、ii)前記画像上で、骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界までの当該骨の第1の特徴部の最大幅を示す第1の基準線の向きを定め、iii)前記画像上で、骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界までの当該骨の第2の特徴部の最大幅を示す第2の基準線の向きを定め、iv)前記画像上で、第1の基準線に対して垂直な第3の基準線であって第1の基準線の中間点から第2の基準線の中間点まで延在する第3の基準線の向きを定め、v)前記画像上で、第2の基準線に対して垂直であり骨の第2の特徴部の長さを示す第4の基準線であって、第2の基準線の中間点から、当該骨のエッジまで延在する第4の基準線の向きを定め、vi)前記画像上で、骨の中心線から第1の基準線の中間点までの長さを示す第5の基準線の向きを定め、vii)インプラントの少なくとも1つの曲げ部を定めるために、第3の基準線と第4の基準線との間の角度を求め、viii)インプラントの少なくとも1つの曲げ部を定めるために、第3の基準線と第5の基準線との間の角度を求めることによって定められる解剖学的形状に一致することができる。
一部の構成では、本方法は特徴部が上腕骨の顆である場合を含み、第1の基準線は、肘頭窩における上腕骨の顆の幅を示すものである。
このとき、第2の基準線は顆の最大幅を示すものとすることができる。
一構成では、対象の骨の一部を修復するための整形外科的インプラントを製造するための方法が提供される。本方法は、i)少なくとも1つの観察平面から骨の画像を取得し、ii)前記画像上で、骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界までの当該骨の特徴部の最大幅を示す第1の基準線の向きを定め、iii)前記画像上で、第1の基準線に対して垂直であり骨の特徴部の長さを示す第2の基準線であって第1の基準線の中間点から当該骨の中心線まで延在する第2の基準線の向きを定め、iv)インプラントの少なくとも1つの曲げ部を特定するために第2の基準線と中心線との間の角度を求めることによって定められた解剖学的形状に一致する少なくとも1つの曲げ部を含むようにインプラントを形成することを含む。一部の構成では、本方法で使用される骨は上腕骨である。骨が上腕骨である場合、特徴部は大結節とすることができ、第1の基準線は上腕骨における大結節の幅を示すものである。インプラントの1つの曲げ部は、上腕骨の中心線に対する大結節の角度に一致することができる。
一側面では本願開示は、対象の骨の一部を修復するための補綴物周囲インプラントを製造するための方法を提供する。本方法は、輪郭が解剖学的形状に一致する少なくとも1つの曲面を有するように補綴物周囲インプラントを形成することを含むことができる。解剖学的形状は複数の工程によって定めることができ、当該複数の工程は以下の工程を含むことができる。(i)少なくとも1つの観察平面から骨の画像を取得する工程。観察平面は、矢状面、冠状面及び軸面の観察平面を含むことができる。(ii)前記画像上で、骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界まで延在する近位側線の向きを定める工程。(iii)前記画像上で、近位側線から第1の境界と第2の境界との間の骨の長さに沿って延在する骨長手軸の向きを定める工程。(iv)前記画像上で、近位側線から異なる距離にある複数の横線の向きを定める工程。複数の横線はそれぞれ、骨の第1の境界上の複数の第1の交点のうち一点から垂直に複数の第2の交点のうち一点まで延在し、複数の第2の交点のうち一点において骨長手軸と交差する。(v)複数の第1の交点と複数の第2の交点とに基づいて解剖学的形状を外挿する工程。
一部の側面では、補綴物周囲インプラントは補綴物周囲骨プレートとすることができる。複数の横線は近位側線から、又は骨切り線から遠位方向に等間隔に配することができる。この等間隔は、0.1〜50mmの範囲内とすることができる。
一部の側面では、骨は上腕骨とすることができる。他の側面では、骨は橈骨、尺骨、又は他の任意の骨とすることができる。
一部の側面では、前記画像はコンピュータ断層撮影スキャンスライスとすることができる。工程(v)はさらに、少なくとも3つの横線のうち、複数の第1の交点のうち第1の点から複数の第2の交点のうち第1の点まで垂直に延在する第1の線の第1の基準距離を測定することと、少なくとも3つの横線のうち、複数の第1の交点のうち第2の点から複数の第2の交点のうち第2の点まで垂直に延在する第2の線の第2の基準距離を測定することと、少なくとも3つの横線のうち、複数の第1の交点のうち第3の点から複数の第2の交点のうち第3の点まで垂直に延在する第3の線の第3の基準距離を測定することと、第1の基準距離と、第2の基準距離と、第3の基準距離とに基づいて第1の境界の解剖学的形状を外挿すること、を含むことができる。
一部の側面では、工程(v)はさらに、第1の基準距離と第2の基準距離とに基づいて複数の第1の交点のうち第1の点と複数の第1の交点のうち第2の点との間の解剖学的形状の第1の湾曲部を外挿することと、第2の基準距離と第3の基準距離とに基づいて複数の第1の交点のうち第2の点と複数の第1の交点のうち第3の点との間の解剖学的形状の第2の湾曲部を外挿することと、を含むことができる。
一部の側面では、工程(v)はさらに、矢状面の観察平面からのデータを用いて解剖学的形状の湾曲部を外挿すること、又は、冠状面の観察平面からのデータを用いて解剖学的形状の湾曲部を外挿すること、又は、軸面の観察平面からのデータを用いて解剖学的形状の湾曲部を外挿すること、を含むことができる。解剖学的構造の1つの湾曲部を特定するために1つ又は複数の観察平面の任意の組み合わせを使用することができ、また、使用される観察平面は、互いに非直交の角度で得ることができる。
一部の側面では、骨は補綴物周囲骨折を含むことができる。補綴物周囲インプラントは、骨の解剖学的形状にフィットし補綴物周囲骨折を矯正するように形成することができる。補綴物周囲骨折は、(i)補綴物ステムの長さ及び幅を特定し、(ii)ステムの幾何学的形態を特定し、(iii)ステムの固定を特定し、(iv)骨折パターンを特定し、(v)骨折パターンが粉砕性であるか否かを特定し、(vi)アンギュレーション及び変位の量を特定し、(vii)変位を分類することによって特徴付けることができる。補綴物周囲インプラントは、特徴付けられた補綴物周囲骨折によって特定された長さ、幅及び形状を有するように形成することができる。
他の一側面では本願開示は、骨の近位部分と当該骨の遠位部分との間の骨折を処置するための装置を提供し、骨の近位部分は肩関節形成術のために当該近位部分に移植された補綴物を有し、又は、骨の遠位部分は肘関節形成術のために当該遠位部分に移植された補綴物を有する。本装置は、骨に骨折にわたって配置できる寸法の長片のプレートを備えている。プレートは、骨に骨折にわたって配置されたときに骨側に来る骨接点面を有する。一部の実施形態では骨接点面は、プレートの近位部において凸状又は凹状である第1の湾曲部から当該プレートの近位部に長手方向に隣接する当該プレートの第2の部分における第2の湾曲部へ移行する形状を有する。第1の湾曲部が凹状である場合、第2の湾曲部は凸状であり、第1の湾曲部が凸状である場合、第2の湾曲部は凹状である。骨接点面の形状は、第2の湾曲部から、プレートの第2の部分に長手方向に隣接する当該プレートの遠位部における第3の湾曲部へ移行することができる。第2の湾曲部が凹状である場合、第3の湾曲部は凸状であり、第2の湾曲部が凸状である場合、第3の湾曲部は凹状である。第1の湾曲部は、第2の湾曲部が凹状でありかつ第3の湾曲部が凸状であるように、凸状とすることができる。当業者であれば、任意の数の湾曲部分によってプレートの形状を定めることができると理解することができる。
一部の側面ではプレートは、最小限の遠位端骨折範囲での短いステム用に形成された近位端上腕骨短尺補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の側面ではプレートは、骨折範囲が遠位端の短いステムと、最小限の遠位端範囲での正規の長さのステムと、のうち少なくとも1つに対応して形成された近位端上腕骨長尺補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の側面ではプレートは、肘関節全置換術で使用される短い上腕骨ステムに対応して形成された短い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートであって、最小限の近位端骨折範囲での短い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の側面ではプレートは、上腕骨骨折範囲が近位端の肘関節全置換術と、最小限の近位端骨折範囲での肘関節全置換術で使用される正規の長さの上腕骨ステムと、のうち少なくとも1つで使用される短い上腕骨ステムに対応して形成された長い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の側面ではプレートは、最小限の骨折範囲及び中央骨幹非補綴物周囲骨折での正規の長さの肩/上腕骨ステムのうち少なくとも1つに対応して形成された中央骨幹上腕骨補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の側面ではプレートは、高度に粉砕性の骨折を含めた上腕骨の有意な割合を占める骨折に対応して形成された全長型の補綴物周囲プレートとすることができる。
以下の詳細な説明、図面及び添付の特許請求の範囲を参酌すると、本発明の上記及び他の構成、側面及び利点をより良好に理解できる。
本願開示において使用するために適した従来技術の人工肩関節の一実施形態の断面図である。 破線で示された測定線を有する上腕骨の冠状面の観察平面におけるトレースト(traced)コンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 上腕骨の冠状面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 破線で示された測定線を有する上腕骨の矢状面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 上腕骨の矢状面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 測定線を共に示す上腕骨の冠状面の観察平面を示す図である。 上腕骨の軸面断面と、測定線を共に示す上腕骨の骨の画像上における当該断面の位置と、を示す図である。 上腕骨の近位部分の矢状面を、測定線と共に示す図である。 上腕骨の近位部分の矢状面を、測定線と共に示す図である。 上腕骨の近位部分を、測定線と共に示す図である。 上腕骨の近位部分を、曲率半径の線と共に示す図である。 補綴物周囲骨プレートが装着された、図2の線4A−4Aに沿った上腕骨の軸面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 補綴物周囲骨プレートが装着された、図2の線4B−4Bに沿った上腕骨の軸面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 補綴物周囲骨プレートが装着された、図2の線4C−4Cに沿った上腕骨の軸面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 補綴物周囲骨プレートが装着された、図2の線4D−4Dに沿った上腕骨の軸面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 補綴物周囲骨プレートが装着された、図2の線4E−4Eに沿った上腕骨の軸面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 補綴物周囲骨プレートが装着された、図2の線4F−4Fに沿った上腕骨の軸面の観察平面におけるトレーストコンピュータ断層撮影(CT)二次元(2D)CTスライスを示す図である。 人工肩関節と共に用いられる骨プレートの一実施形態を示す図である。 人工肩関節と共に用いられる骨プレートの一実施形態を示す図である。 人工肩関節と共に用いられる骨プレートの一実施形態を示す図である。 冠状面(AP)の観察平面における人工肩関節と共に用いられる骨プレートの一実施形態を示す図である。 矢状面の観察平面における人工肩関節と共に用いられる骨プレートの一実施形態を示す図である。 補綴物周囲骨プレートの一実施形態の斜視図である。 外側顆を測定線と共に示す図である。 外側顆を測定線と共に示す図である。 外側顆を測定線と共に示す図である。 外側顆を測定線と共に示す図である。 外側顆後側を測定線と共に示す図である。 外側顆後側を測定線と共に示す図である。 外側顆後側を測定線と共に示す図である。 内側顆を測定線と共に示す図である。 内側顆を測定線と共に示す図である。 内側顆を測定線と共に示す図である。 内側顆を測定線と共に示す図である。 内側顆後側を測定線と共に示す図である。 内側顆後側を測定線と共に示す図である。 内側顆後側を測定線と共に示す図である。 外側顆プレートの実施形態を示す図である。 外側顆プレートの実施形態を示す図である。 外側顆プレートの実施形態を示す図である。 外側顆後側プレートの実施形態を示す図である。 外側顆後側プレートの実施形態を示す図である。 外側顆後側プレートの実施形態を示す図である。 内側顆プレートの実施形態を示す図である。 内側顆プレートの実施形態を示す図である。 内側顆プレートの実施形態を示す図である。 内側顆後側プレートの実施形態を示す図である。 内側顆後側プレートの実施形態を示す図である。 内側顆後側プレートの実施形態を示す図である。 平均的な海綿質中心線オフセットのグラフである。 上腕骨釘の実施形態を示す図である。 上腕骨釘の実施形態を示す図である。 上腕骨の骨について取得された測定幅のグラフである。 上腕骨の骨について取得された測定幅のグラフである。 上腕骨の骨について取得された測定幅のグラフである。 上腕骨の骨について取得された測定幅のグラフである。
以下の図面の説明において各図で同様の部分には同様の符号を使用する。
本願開示の一側面では、CTスキャンデータ及び3Dモデリングの利用を通じて骨の外部及び内部解剖学的構造の理解を向上するための新規の方法論を提供する。補綴物周囲骨折の理解を向上するため、肩及び肘の人工関節周囲骨折の大規模継続シリーズのレトロスペクティブレビューを行った。このレビューにより、補綴物周囲骨折に対応できる真に解剖学的なプレート締結システムの必要性及び利点がさらに強化された。本方法論は上腕骨について詳述するが、本方法論は、大腿骨、脛骨、橈骨、尺骨、椎体等を含む他の骨にも適用することができる。ただし、これらは限定列挙ではない。本方法論は、上腕骨外部及び内部の解剖学的特徴部の相互作用と、これらの特徴部が上腕骨における特定の位置に基づいてどのように変化するかとを説明するものである。本願開示の一側面では、効率を推進するために自動測定を行っており、この自動化はいかなる骨にも適用可能である。
本願開示の一側面では、本方法論と、解剖学的特徴部の相互作用と、これらの相互間の非依存性とを試験するため、プレート及び髄内釘のモデルを作成した。このモデルは、髄内釘及びプレート両方のための解剖学的な骨折固定を改善するための特別な特徴部を有するものであった。この試験の結果、本方法論は現在入手可能な設計と比較してフィット性を有意に改善することが確認された。本方法論は、解剖学的な形状及びサイズ分布の両方の点で真に解剖学的な外傷固定器具の設計を最適化及び容易化することができる。
まず図1を見ると、従来技術の解剖学的な全人工肩関節10の一実施例が示されている。当業者であれば、例えばリバース型人工肩関節置換術、半関節形成術、ステムレス人工肩関節置換術、表面置換及び人工肘関節等の他の補綴物も、本願開示と共に使用するために適し得ることが明らかである。上腕骨12の上部が、ステム16を備えた上腕骨コンポーネント14と置換されており、このステム16は、上腕骨12に形成された孔内へ延在している。典型的には、ステム16は上腕骨12に形成された孔内に固定されている。ステム16はステム長手軸Sを有する。ステム16には、概ね半球形のヘッド18が接続されている。ステム16はヘッド18と一体とすることができ、又は、ステム16とヘッド18とを別体の部品として形成することができる。半球形のヘッド18は、ベース面19とヘッド長手軸Hとを有する。上腕骨コンポーネント14の半球形のヘッド18は、関節窩コンポーネント24の相補的な凹状部分22と連結しており、これは、セメント方式又は非セメント方式のポスト28を用いて肩甲骨26(一部のみ示す)の関節窩キャビティ内に固定されている。関節窩コンポーネント24は凹状部分22とは反対側にベース面27を有し、これは、関節窩コンポーネント24の連結面として機能する。
解剖学的な人工肩関節置換術を受けた患者のカスタム設計された骨ストックプロトコルによる上腕骨全体の50個の連続した高解像度の薄くカットされた二次元及び三次元のCTスキャンのユニークなデータベースが、調査のために利用可能であった。このカスタム設計されたプロトコルは、これらの患者の解剖学的構造を詳細に理解するために、メイヨクリニックにおいて特に開発されたものである。さらに、これらの各患者の3Dモデリングも行った。その後、外部及び内部の上腕骨解剖学的構造を理解するための手法が、このユニークなリソースを用いて開発され、当該手法について検証を行った。このデータセットにより、上腕骨解剖学的構造を理解するための方法論の開発が促進され、解剖学的に適正なプレート及びインプラントの設計が促進された。
非限定的な実施例では、本方法は、全体的及び部分的な人工肘関節置換術、上腕骨用の髄内釘、人工肩関節置換術用の修正長ステム、人工関節周囲上腕骨骨折用、上腕骨中央骨幹骨折用、及び遠位端上腕骨骨折用のプレートの設計を容易にするものである。
補綴物周囲プレートの適切な設計及び/又は選択は、本願開示の方法を用いることにより達成することができる。補綴物周囲プレートの適切な設計及び選択は、大量の上肢補綴物置換のレビューによって、とりわけ肩及び肘置換のレビューによって促進される。人工肩関節又は人工肘関節周囲に人工関節周囲上腕骨骨折を生じた患者を識別した。このユニークなデータセットは、人工関節周囲上腕骨骨折を生じた59例の人工肩関節事例と、人工関節周囲上腕骨骨折を生じた49例の人工肘関節事例と、の計108事例を含んでいた。このデータセットにより、特定の骨折位置、骨折パターン、及び残りの骨ストックの理解が容易になった。よって一側面では、対象の骨の一部を修復するための人工関節周囲インプラントを設計及び製造する方法が開発された。とりわけ、人工肩関節周囲の人工関節周囲骨折及び人工肘関節周囲の人工関節周囲骨折のための補綴物インプラントを設計及び製造するための方法が開発された。
<人工肩関節周囲の人工関節周囲骨折>
対象に存在する補綴物インプラントは、多数のパラメータによって特徴付けることができる。補綴物インプラントのステムの長さ及び幅は、単位mmで測定することができる。ステムの幾何学的形態は、テーパ形状又は円柱形状のいずれかとして評価することができた。ステムの固定機構は、セメント方式又は非セメント方式として特定することができた。対象の上肢骨折は多種多様なパターンを有することがあり得、これらのパターンは、以下のうち1つとして評価することができる:(1)大結節のみ、(2)タイプA:骨折が補綴物の先端にのみ位置し、近位方向に延在する、(3)タイプB:骨折が補綴物の先端に位置し、近位端において延在せず、又は最小限にしか延在しないが、遠位方向には可変量の範囲を有し得る、(4)タイプC:骨折は補綴物の先端より遠位に位置する、骨折は、粉砕性又は非粉砕性の骨折として特定することもできる。また、ステムが緩んでいるか否かを特定することも重要である。骨折パターンはさらに、横型、斜め型、又は螺旋型として特徴付けることもでき、アンギュレーション及び変位の量も評価することができる。アンギュレーションは、軽度(≦15°)、中程度(15°〜30°)、又は重度(>30°)に分類した。変位は、軽度(上腕骨幹の径の1/3以内)、中程度(上腕骨幹の径の1/3〜2/3)、又は重度(上腕骨幹の径の2/3超)、又は完全変位に分類した。ねじ固定のために適切な骨量が大結節に存在するか否かを判断するため、大結節を評価した。処置は、手術的又は非手術的処置として特定し、処置の種類も特定した。表Aに、上記判断基準に基づいて分類された、人工関節周囲上腕骨骨折を生じた59例の人工肩関節事例のデータを示す。
<人工肘関節周囲の人工関節周囲骨折>
対象に存在する補綴物インプラントは、多数のパラメータによって特徴付けることができる。補綴物インプラントのステムの長さ及び幅は、単位mmで測定することができる。ステムの幾何学的形態は、テーパ形状又は円柱形状のいずれかとして評価することができた。ステムの固定機構は、セメント方式又は非セメント方式として特定することができた。対象の上肢骨折は多種多様なパターンを有することがあり得、これらのパターンは、以下のうち1つとして評価することができる:(1)顆領域のみ、(2)タイプA:骨折が補綴物の先端にのみ位置し、上腕骨遠位部に向かって延在する、(3)タイプB:骨折が補綴物の先端に位置し、遠位端には延在せず、又は最小限にしか延在しないが、近位方向には可変量の範囲を有し得る、(4)タイプC:骨折は補綴物の先端より近位に位置する、骨折は、粉砕性又は非粉砕性の骨折として特定することもできる。また、ステムが緩んだか否かを特定することも重要である。骨折パターンはさらに、横型、斜め型、又は螺旋型として特徴付けることもでき、アンギュレーション及び変位の量も評価することができる。アンギュレーションは、軽度(≦15°)、中程度(15°〜30°)、又は重度(>30°)に分類した。変位は、軽度(上腕骨幹の径の1/3以内)、中程度(上腕骨幹の径の1/3〜2/3)、又は重度(上腕骨幹の径の2/3超)、又は完全変位に分類した。処置は、手術的又は非手術的処置として特定し、処置の種類も特定した。表Bに、上記判断基準に基づいて分類された、人工関節周囲上腕骨骨折を生じた49例の人工肘関節事例のデータを示す。
<術前CTスキャン>
解剖学的に適正なプレート及びインプラントの設計及び製造を容易にするための本方法論は、例えばコンピュータ断層撮影(CT)スキャン等からの術前医用イメージングデータの解析を含み、3Dモデルの使用も含むことができる。一側面では、少なくとも1つの曲面を有するように補綴物インプラントを形成することができ、この曲面は、対象の解剖学的形状に一致する輪郭を有することができる。少なくとも1つの曲面の輪郭は、対象のCTスキャンの解析の際に特定された解剖学的形状に一致することができる。
図2を見ると、解剖学的形状は多数の工程により特定することができる。対象の骨42の画像40を取得することができ、一部の実施形態では画像40はCT画像とすることができ、他の実施形態では画像はX線画像、超音波画像、磁気共鳴画像(MRI)、又は陽電子断層撮影(PET)画像等とすることができる。骨は上腕骨とすることができる。他の実施形態では、骨は橈骨、尺骨、大腿骨、脛骨、又は他の任意の骨とすることができる。画像40上において骨切り線46の向きを定めることができ、骨切り線46は、骨42の第1の境界48から骨42の反対側の第2の境界50まで延在することができる。一部の実施形態では、骨切り線46の向きは対象の上腕骨頭の領域にわたって角度的に定めることができる。画像40上において骨長手軸54の向きを定めることができる。骨長手軸54は上腕骨近位側から長手方向に延在することができる。他の一実施形態では、骨長手軸54は例えば近位側大結節線44等の近位側線と骨切り線46との交差部41Aから長手方向に延在することができ、近位側大結節線44の画像40上での向きは、骨42の第1の境界48上かつ大結節の最近位外側面にある第1の交点41Bから垂直方向に、当該近位側大結節線44が骨切り線46と交差する第2の交点41Aを通って延在することによって定められ、近位側大結節線44はさらに、骨42の第2の境界50上の第3の交点41Cまで延在する。一部の実施形態では、骨42は上腕骨とすることができる。図2Aは、骨長手軸54が骨42の中心線に従うことができる一実施形態を示しており、当該中心線は、第1の境界48と第2の境界50との間の一定で等間隔の距離と定義される。骨軸54が骨42の中心線である場合、軸線54の非直線形状が骨42の曲率半径を決定し、骨軸線54の長さに沿った複数の点においてこの曲率半径を評価することができる。軸線54の非直線形状は、複数の異なる曲率半径を提供することができる。骨軸54が中心線である場合、軸線54と近位側大結節線44との交差部が交点41Aを決定することができる。非限定的な一実施例では、第1の曲率半径が第2の曲率半径に移行することができ、また、第2の曲率半径が第3の曲率半径に移行することができる。第1の曲率半径及び第3の曲率半径は凹状とすると共に、第2の曲率半径は凸状とすることができる。各曲率半径は、異なる半径を有することができる。軸線54が海綿質の髄内管90内において第1の境界48と第2の境界50との間の一定の等間隔の場所に来るように、曲率半径の任意の数の変化を設けることができる。他の一実施形態では、骨長手軸54は中心線に即しないが、直線とすることができ、骨切り線46から延在することができ、又は、第1の境界48と第2の境界50との間の骨の長さに沿った方向における中心線と近位側大結節線44との交差部から確立された交点41Aから直線状に延在することができる。交点41aから異なる距離において、又は例えば近位側大結節線44等の近位側線から異なる距離において、又は骨切り線46から異なる距離において、複数の横線58a,58b,58c,58d,58e,58f,58g,58h,58i,58jの画像40上での向きを定めることができる。複数の各横線58a〜58jは、骨42の第1の境界48上の複数の第1の交点62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g,62h,62i,62jのうち一点から、複数の第2の交点64a,64b,64c,64d,64e,64f,64g,64h,64i,64jのうち一点まで垂直方向に延在し、複数の第2の交点64a〜64jのうち一点において骨長手軸54と交差することができる。複数の各横線58a〜58jはさらに、骨長手軸54上の複数の第2の交点64a〜64jのうち一点から骨42の第2の境界50上の複数の第3の交点68a,68b,68c,68d,68e,68f,68g,68h,68i,68jのうち一点まで垂直方向に延在することもできる。骨42の解剖学的形状は、近位側大結節線44の第1の交点41Bを第1の交点62a〜62jと共に特定し、交点41Bについて近位側大結節線44の交点41Aとなる各対応する第2の交点までの距離を測定し、その後、第1の交点62a〜62jから複数の第2の交点64a〜64jに基づいて、外挿されることができる。具体的には骨42の第1の境界48の解剖学的形状は、近位側大結節線44の第1の交点41Bから、複数の第1の交点62a〜62jと複数の第2の交点41a及び64a〜64jとを用いて外挿することができる。骨42の第2の境界50の解剖学的形状も上記と同様に、近位側大結節線44の第3の交点41Cを用いて、複数の第3の交点68a〜68jを使用して、各対応する第2の交点41a及び64a〜64jまでの距離を測定することにより、外挿することができる。
一部の実施形態では、複数の横線58a〜58jを交点41aから、又は例えば近位側大結節線44等の近位側線から、又は骨切り線46から遠位方向に等間隔に配置することができる。一部の実施形態では、等間隔は0.1〜50mmの範囲内とすることができる。非限定的な一実施形態では、等間隔は25mmとすることができる。このようにして一例の測定は、交点41aから、又は例えば近位側大結節線44等の近位側線から、又は骨切り線46から遠位方向に25mm、50mm、75mm、100mm、125mm、150mm、175mm、及び200mm以上の位置で行うことができる。骨の輪郭をより高解像度で求めるため、より多くの線を追加することができる。
非限定的な一実施例では、複数の第1の交点62a〜62hのうち第1の点62bから複数の第2の交点64a〜64hのうち第1の点64bまで垂直方向に延在する第1の線71bについて第1の基準距離を測定することができる。複数の第1の交点62a〜62hのうち第2の点62eから複数の第2の交点64a〜64hのうち第2の点64eまで垂直方向に延在する第2の線71eの第2の基準距離を測定することができる。複数の第1の交点62a〜62hのうち第3の点62hから複数の第2の交点64a〜64hのうち第3の点64hまで垂直方向に延在する第3の線71hの第3の基準距離を測定することができる。
第1の境界48の解剖学的形状は、第1の線71bの第1の基準距離と、第2の線71eの第2の基準距離と、第3の線71hの第3の基準距離と、に基づいて外挿することができる。複数の第1の交点62a〜62hのうち第1の点62bと当該複数の第1の交点62a〜62hのうち第2の点62eとの間の解剖学的形状の第1の湾曲部は、第1の基準距離及び第2の基準距離に基づいて外挿することができる。複数の第1の交点62a〜62hのうち第2の点62eと当該複数の第1の交点62a〜62hのうち第3の点62hとの間の解剖学的形状の第2の湾曲部は、第2の基準距離及び第3の基準距離に基づいて外挿することができる。
本願開示の方法の他の一変形態様では、第1の境界48及び第2の境界50の解剖学的形状は共に、横線58bの第4の基準距離と、横線58eの第5の基準距離と、横線58hの第6の基準距離と、に基づいて外挿することができる。複数の第1の交点62a〜62jのうち第1の点62bと当該複数の第1の交点62a〜62jのうち第2の点62eとの間の解剖学的形状の第1の湾曲部は、第4の基準距離及び第5の基準距離に基づいて外挿することができる。複数の第1の交点62a〜62jのうち第2の点62eと当該複数の第1の交点62a〜62jのうち第3の点62hとの間の解剖学的形状の第2の湾曲部は、第5の基準距離及び第6の基準距離に基づいて外挿することができる。
図2Dを参照すると、整形外科的プレート又はインプラントの設計を容易にするためだけでなく、患者人口に適切に適合するためにかかるプレート又はインプラントの適切なサイズ分類を提供するため、種々の上腕骨長測定結果を得ることができる。一部の実施形態では、骨の全長1246が求められる。本実施例では骨が上腕骨である場合、全長1246は、上腕骨の頂部と、肘頭窩の中央から真っ直ぐ下方に下りたところの最遠位部分の点と、の間の線を作成することによって求められる。上腕骨の頂部から大結節の頂部までの距離1247と、大結節から肘頭窩までの距離1248とを、全長1246から別個に記録することができる。一実施形態では、患者に必要とされるプレート又はインプラントのサイズを求めるために、患者の測定された上腕骨全長の百分率を計算することができる。
図2Eを参照すると、図2の複数の横線58a,58b,58c,58d,58e,58f,58g,58h,58i,58jは、例えば図2EのA−C及びD−B等の複数の平面内に配置されることを含むことができる。これら複数の横線は、皮質骨及び海綿質物質の厚さの測定を含むこともできる。本実施例では、皮質骨及び海綿質の厚さは上腕骨の2D横断面で得られる。皮質外側厚さ1249、皮質内側厚さ1250、皮質前側厚さ1251、及び皮質後側厚さ1252を求めることができる。海綿質前側−後側距離1253、海綿質内側−外側距離1254、皮質骨前側−後側距離1255、及び皮質骨内側−外側距離1256も求めることができる。一部の実施形態では、平面のいかなる向きも使用することができ、例えば部分回転した前側から部分回転した後側のビュー等を使用することができ、かかるビューは、骨の完全な3D厚さ測定を可能にすることができる。一実施形態ではこれらの測定は、医用画像をコンピュータシステムへ供給し、コンピュータシステムが骨を自動的にセグメンテーションし、例えば上腕骨頭及び肘頭窩等の関連の解剖学的ランドマークを識別して所望の測定を実行する自動方式で得ることができる。これらの測定幅のグラフが、図19A,19B,19C及び19Dの各図に示されている。
図19A,19B,19C及び19Dを参照すると、骨の表面/内部におけるプレート又はインプラントの配置を特定するため骨厚データを使用することができる。骨厚は骨品質に代わってこれを表す尺度であるから、外科医は移植の際にどのねじ孔をプレートのために使用すべきかを決定するため、例えば同図に示されているような厚さデータを用いることもできる。外科医は、より高い品質、より厚い骨に対応するねじ位置を選択することができ、また、比較的薄い骨ストックに対応するねじ孔位置にねじを使用しないように選択することができる。インプラントを骨に装着するためにねじ、ピン、ボルト、及びセルクラージュ等を使用することができ、またねじ孔を使用することができる。より厚い骨との接触を最大限にするため、骨におけるプレートの配置変更をすることもできる。
上記の方法により、上腕骨に対して適切な形状、幅及び長さで、解剖学的に適切な補綴物周囲プレート及び上腕骨中央骨幹プレート両方の設計を容易にすることができる。本方法により、表1に示されたような上腕骨近位端領域の固有のパターン及び形状が明らかとなった。大結節幅は矢状面で測定された。表1中の「解剖学的切断部」の基準となるものは、図2の骨切り線46に相当する。表1の測定は単位mmであり、骨切り線46から長手軸54に沿って遠位方向に25mm(ミリメートル)、50mm、75mm、100mm、125mm、150mm、175mm、及び200mmの位置で、冠状面の一例である図2の横線58a〜58h等の線に沿って行った。本方法によって上腕骨解剖学的構造についての輪郭が定まり、これは、解剖学的に適正な例えば中央骨幹プレートや人工関節周囲プレート等のインプラント及びプレートの設計の助けになり得る。
表1に示すように、上腕骨は大結節において広幅となり得、その後は遠位方向に、上腕骨の解剖頸の約100mm下方まで幅を狭めていく。その後、上腕骨は幅を広げ始めることができ、これは三角筋停止部に相当し得る。その後、上腕骨は幅を狭めていき、解剖頸の約175mm下方において再び幅を広げることができる。これは肘領域に相当し得る。本方法及び3Dモデリングによって、本当の骨との接触を最適化できるインプラント及び器具の開発を容易にすることができる。一側面では本方法は、軟組織剥離と、輪郭が通常の解剖学的構造に合っていないプレートによる軟組織刺激の最小化を促進するために使用することができる。さらに、本方法論からのデータによって真の解剖学的分布と、これらの骨折に対応するために必要なプレートの範囲とを定めることができる。
本方法論ではさらに、表2に示すように男性と女性とを比較すると上腕骨の幅に有意な差があることが明らかとなった。表2中の解剖学的切断部は、図2の骨切り線46に相当する。表2の測定は単位mmであり、骨切り線46から長手軸54に沿って遠位方向に25mm(ミリメートル)、50mm、75mm、100mm、125mm、150mm、175mm、及び200mmの位置で、図2の横線58a〜58h等の線に沿って行った。男女で上腕骨インプラント又はプレートのサイズ及び形状が異なること、及び、インプラント又はプレートが各側固有である可能性があること(左右差)を考慮することができる。
本方法論により、正期の長さのステムと短いステムとで比較すると、骨折位置が異なり得ることを発見した。以下のものを備えた6プレート型のシステムを使用することができる:(1)例えば85〜125mm等の長さの近位端上腕骨短尺人工関節周囲プレートであって、最小限の遠位端骨折範囲での例えば55〜95mm等の長さの短尺のステム又はステムレス用途に主に使用できる近位端上腕骨短尺人工関節周囲プレート。(2)例えば150〜180mm等の長さの近位端上腕骨長尺人工関節周囲プレートであって、骨折範囲が遠位端の短尺のステム、又は最小の遠位端範囲での例えば120〜150mmの長さの正規の長さのステム用に主に使用できる近位端上腕骨長尺人工関節周囲プレート。(3)例えば100〜130mm等の長さの短い遠位端上腕骨人工関節周囲プレートであって、全肘関節置換術で使用される最小の近位端骨折範囲での例えば70〜100mmの長さの短い上腕骨ステム用に主に使用できる短い遠位端上腕骨人工関節周囲プレート。(4)例えば150〜180mm等の長さの長い遠位端上腕骨人工関節周囲プレートであって、人工肘関節全置換術で用いられ上腕骨骨折範囲が近位端の短い上腕骨ステム、又は、人工肘関節全置換術で用いられる最小の近位端骨折範囲での例えば120〜150mm等の正規の長さの上腕骨ステム用に主に使用できる長い遠位端上腕骨人工関節周囲プレート。(5)最小の骨折範囲又は中央骨幹の非人工関節周囲骨折での正規の長さの肩/上腕骨ステム用に主に使用できる、上腕骨中央骨幹人工関節周囲プレート。(6)例えば女性用には270〜330mm、又は男性用には300〜360mm等の長さの全長型の人工関節周囲プレートであって、高度に粉砕性の骨折を含めた上腕骨の有意な割合を占める骨折用に主に使用できる全長型の人工関節周囲プレート。
骨折パターンと、これに関連する分布とを理解することにより、本方法は上述のようにして、遠位方向に延在する螺旋骨折での正規の長さのステムと比較して、横骨折でのステムは短いといった、必要とされるプレートの分布を確立することができる。本方法論及びそのデータセットにより、手術時点で使用すべき個別のプレートを決定する正確な術前計画を推進することができる。本方法により、解剖学的検討に基づくことができるプレート設計が可能になり、また、複数の骨折パターンを考慮して、術前計画において必要とされる適正な骨折プレートを選択するためにこれらの骨折パターンを利用することができる。
骨のプレート固定を達成するためには、周囲の骨を捉えるために曲げることができるタブと、多角ねじと、ケーブルに適合可能なねじ孔と、を考慮することができる。
一実施形態では、図3Aに示すように、大結節301の最近位及び最外側の点を発見し、その後、大結節301の最前面境界310と最後面境界315との間を測定することにより、大結節(GT)幅305を矢状面で測定した。図3Bに示すように、海綿質の中心線325から大結節角度線302に従う大結節幅の中間面330までの大結節角度335を測定した。大結節から三角筋停止部(DI)の近位面までの距離340を、当該結節から三角筋停止部の中心までの距離345と共に測定して、表3に記録した。図3Dは湾曲部解析を含んでおり、弧350は冠状面における大結節の曲率半径を定めるものであり、弧355は大結節と三角筋停止部との間の骨の領域の曲率半径を定めるものである。交点360は弧350及び355の交差部である。表3中の測定結果は50個の肩のCTスキャンに基づくものであり、データは単位mmで表示されており、図3A,3B及び3Cで行ったものである。
この調査は、例えば補綴物周囲骨折等の骨折を固定するための上腕骨インプラント又はプレートの形状及びサイズ分布の点で設計を容易にするために上腕骨解剖学的構造をさらに定義するために行われたものである。非補綴物周囲骨折にも同様の方法論を利用することができる。また、真の解剖学的構造に基づくインプラント及びプレートは、股関節部、膝、足首、肘、手首、手及び脊椎を含めた他の領域においても、各側固有インプラントを含めて有利であることが明らかである。例えば大腿骨では、上記で説明した大結節に代えて、大転子に基づく線を用いることができる。
例えば対象(例えば哺乳類等)のインプラント又はプレート等の補綴物コンポーネントを製造するために使用される上記の測定結果の組み合わせは、種々存在する。補綴物コンポーネントは例えば、(i)チタン合金(例えばチタン−6−アルミニウム−4−バナジウム)、コバルト合金、ステンレス鋼合金、若しくはタンタル等の金属若しくは金属合金、(ii)酸化アルミニウム若しくはジルコニア等の吸収不可能なセラミック、(iii)ポリエチレン等の吸収不可能なポリマー材料、又は(iv)炭素強化ポリマー(例えばポリスルホン等)等の吸収不可能な複合材料、若しくはポリグリコール酸(PGA)並びに/若しくはポリ乳酸(PLA)等の吸収不可能な材料から成ることができる。補綴物コンポーネントは、これらの材料から成る物品を機械加工することにより、又は、これらの材料を適切な型で成形することにより製造することができる。
図2Bを見ると、解剖学的形状は多数の工程によって特定することができる。対象の骨42の画像240を矢状面の観察平面で取得することができ、一部の実施形態では画像240はCT画像とすることができ、他の実施形態では画像はX線画像、超音波画像、磁気共鳴画像(MRI)、又は陽電子断層撮影(PET)画像等とすることができる。骨42は上腕骨とすることができる。他の実施形態では、骨は橈骨、尺骨、大腿骨、脛骨、又は他の任意の骨とすることができる。
画像240上において骨長手軸254の向きを定めることができる。骨長手軸254は図2の交点41aから骨42の長さに沿って第1の境界248と第2の境界250との間に延在することができる。図2Cに示す一実施形態では、骨長手軸254は骨42の中心線に従うことができ、この中心線は、皮質骨の第1の境界248と第2の境界250との間において一定で等間隔であると定義される。これに代えて骨長手軸254は、海綿質の境界間において一定で等間隔であると定義される骨42の中心線とすることができ、これは、皮質骨厚さとのいかなる差も考慮するものになり得る。骨軸254が骨42の中心線である場合、軸線254の非直線形状が骨42の曲率半径を決定し、この曲率半径は、骨軸線254の長さに沿った複数の点において評価することができる。軸線254の非直線形状は、複数の異なる曲率半径を提供することができる。非限定的な一実施例では、第1の曲率半径が第2の曲率半径に移行することができ、また、第2の曲率半径が第3の曲率半径に移行することができる。第1の曲率半径及び第3の曲率半径は凹状とすると共に、第2の曲率半径は凸状とすることができる。各曲率半径は、異なる半径を有することができる。軸線254が海綿質の髄内管90内において第1の境界248と第2の境界250との間で一定で等間隔となるように、曲率半径の任意の数の変化を設けることができる。一実施形態では、骨の長さ上のどの位置に最大曲げ又は最大反りの領域が生じているかを示すため、骨軸254(図2C)に従う中心線からの真っ直ぐな骨長手軸254(図2B)の偏差を求めることができる。これは、プレート、髄内釘、ステム又は他のインプラントを設計する際に、解剖学的構造に一致するために必要とし得る曲げに対応するために使用することができる。
画像240上で近位端部243から又は点41aから複数の異なる距離において、複数の横線258a,258b,258c,258d,258e,258f,258g,258h,258i,258jの向きを定めることができる。複数の各横線258a〜258jは、骨42の第1の境界248上の複数の第1の交点262a,262b,262c,262d,262e,262f,262g,262h,262i,262jのうち一点から垂直に、複数の第2の交点264a,264b,264c,264d,264e,264f,264g,264h,264i,264jのうち一点まで延在し、複数の第2の交点264a〜264jのうち一点において骨長手軸254と交差することができる。複数の各横線258a〜258jはさらに、骨長手軸254上の複数の第2の交点264a〜264jのうち一点から垂直に、骨42の第2の境界250上の複数の第3の交点268a,268b,268c,268d,268e,268f,268g,268h,268i,268jのうち一点まで延在することもできる。骨42の解剖学的形状は、複数の第1の交点262a〜262jと複数の第2の交点264a〜264jとに基づいて外挿することができる。具体的には、骨42の第1の境界248の解剖学的形状は、複数の第1の交点262a〜262jと複数の第2の交点264a〜264jとから外挿することができる。骨42の第2の境界250の解剖学的形状は、複数の第2の交点264a〜264jと複数の第3の交点268a〜268jとから外挿することができる。
一部の実施形態では、複数の横線258a〜258jは近位端部243から遠位方向に等間隔で配置することができる。一部の実施形態では、等間隔は0.1〜50mmの範囲内とすることができる。非限定的な一実施形態では、等間隔は25mmとすることができる。このように一例の測定は、近位端部243から遠位方向に25mm、50mm、75mm、100mm、125mm、150mm、175mm、及び200mm以上の場所で行うことができる。骨の輪郭をより高解像度で求めるため、より多くの線を追加することができる。
非限定的な一実施例では、複数の第1の交点262a〜262hのうち第1の点262bから複数の第2の交点264a〜264hのうち第1の点264bまで垂直方向に延在する第1の線271bについて第1の基準距離を測定することができる。複数の第1の交点262a〜262hのうち第2の点262eから複数の第2の交点264a〜264hのうち第2の点264eまで垂直方向に延在する第2の線271eの第2の基準距離を測定することができる。複数の第1の交点262a〜262hのうち第3の点262hから複数の第2の交点264a〜264hのうち第3の点264hまで垂直方向に延在する第3の線271hの第3の基準距離を測定することができる。
第1の境界248の解剖学的形状は、第1の線271bの第1の基準距離と、第2の線271eの第2の基準距離と、第3の線271hの第3の基準距離と、に基づいて外挿することができる。複数の第1の交点262a〜262hのうち第1の点262bと当該複数の第1の交点262a〜262hのうち第2の点262eとの間の解剖学的形状の第1の湾曲部は、第1の基準距離及び第2の基準距離に基づいて外挿することができる。複数の第1の交点262a〜262hのうち第2の点262eと当該複数の第1の交点262a〜262hのうち第3の点262hとの間の解剖学的形状の第2の湾曲部は、第2の基準距離及び第3の基準距離に基づいて外挿することができる。
本願開示の方法の他の一変形態様では、第1の境界248及び第2の境界250の解剖学的形状は共に、横線258bの第4の基準距離と、横線258eの第5の基準距離と、横線258hの第6の基準距離と、に基づいて外挿することができる。複数の第1の交点262a〜262jのうち第1の点262bと当該複数の第1の交点262a〜262jのうち第2の点262eとの間の解剖学的形状の第1の湾曲部は、第4の基準距離及び第5の基準距離に基づいて外挿することができる。複数の第1の交点262a〜262jのうち第2の点262eと当該複数の第1の交点262a〜262jのうち第3の点262hとの間の解剖学的形状の第2の湾曲部は、第5の基準距離及び第6の基準距離に基づいて外挿することができる。
上記の方法は、適切な形状、幅及び長さを有する解剖学的に適切な補綴物周囲プレート及び上腕骨用の上腕骨中央骨幹プレート両方の設計を促進することができる。本方法により、表1に示されたような上腕骨近位端領域の固有のパターン及び形状が明らかとなった。
図4A〜4Fは、上腕骨の軸面の観察平面における、図2のそれぞれ線4A−4A,4B−4B,4C−4C,4D−4D,4E−4E,4F−4Fに沿ったトレーストコンピュータ断層撮影(CT)軸面二次元(2D)CTスライス列を示しており、当該上腕骨には、各位置に一例の人工関節周囲骨プレート112が装着されている。図示のように、軸面の観察平面における軸面二次元(2D)CTスライスは図4Aの最近位位置から図4Fの最遠位位置へ移行している。図示のように、軸面の観察平面で見た骨42の外形320は、図4Aから図4Fにかけて(すなわち近位から遠位にかけて)大きく変化している。線4A−4A,4B−4B,4C−4C,4D−4D,4E−4E及び4F−4Fはそれぞれ、図2にそれぞれ示されている線4A−4A,4B−4B,4C−4C,4D−4D,4E−4E及び4F−4Fと同一の経路に沿って外側にそれぞれ延在する対応する平面P4A,P4B,P4C,P4D,P4E及びP4Fを有する。
図4A〜4Fには骨プレート112が各軸方向位置に存在する旨が示されているが、当業者であれば、骨プレート112は図4A〜4Fのいずれかに存在することができ、また、図4A〜4Fのいずれかに存在しないことも可能であることが明らかである。骨プレート112はさらに、図4A〜4Fのうち一部の図に存在し、全ての図には存在しないことも可能である。非限定的な一実施例は、図4A〜4Cでは骨プレート112を備えると共に、図4D〜4Fでは骨プレート112を備えないことが可能である。プレートの湾曲部と、これに関連する解剖学的形構造に関する所望の位置とに起因して、骨プレート112は図4A〜4Fの各図中に、又は各図間の異なる位置に現れることもできる。
上記の方法により、上腕骨に対して適切な形状、幅及び長さで、解剖学的に適切な補綴物周囲プレート及び上腕骨中央骨幹プレート両方の設計を容易にすることができる。本方法は、プロセッサを備えた制御システムへ画像を送信し、プロセッサは、対象の骨42の測定結果を自動的に抽出するためのプログラムであって当該プロセッサに記憶されているプログラムを実行するように構成されていることで、自動化することができる。自動化されたシステムは、プレート又はインプラントの設計のために測定を実行し、又は測定結果を解析するための機械学習ルーティンを使用することができる。骨42の測定結果は、特定の患者のために作成される3Dプレート又はインプラントを製造するために参照されることができる。一部の実施形態では、3Dプレートは付加製造システムを用いて三次元で製造することができる。一部の実施形態では、プレートは金属とすることができる。このようにして、外科医はこの患者固有のインプラント/プレートを移植することができる。骨折用途の際には、修復用のプレート/インプラントを作成するために反対側の体肢、例えば反対側の腕等からの画像データをミラーリングすることができる。インプラントについてはステムも、画一的な円柱形を患者の上腕骨に押し込めるのではなく骨の内側面にフィットするように同様に設計することができる。
一実施形態では、測定結果の詳細な解析により、近位端上腕骨プレートの3つの異なるサイズのモデルが開発される。特に図5A,5B及び5Cを参照すると、例示の近位端上腕骨解剖学的構造プレートが3つの異なるサイズで示されている。図5Aは最小のサイズを示しており、図5Bは中間のサイズを示しており、図5Cは最大のサイズを示している。これらのモデルは、本方法論をテストするために作成されたものである。本方法論の結果、左側と右側とで固有のモデルが得られた。プレート510a,510b及び510cの上面の湾曲部は、プレートと骨との接触を最大限にすると共に、かかるプレートを移植された対象が腕を上げたときに軟組織の干渉又は挟み込みを防止するように、結節間溝近傍の大結節の位置における解剖学的構造の湾曲部と一致するように設計された。傾斜付き平坦部520a,520b及び520cは大結節の解剖学的構造に従ったものであり、大結節角は、プレートの遠位面が上腕骨骨幹前面にさらに沿うように据え置かれ、これによって三角筋剥離と軟組織剥離の必要性を低減するように発展されている。湾曲部530a,530b及び530cはプレート近位端部560a,560b及び560cと、三角筋停止部に向かって上腕骨を延在するプレート遠位方向延在部570a,570b及び570cとを混合したものである。プレート近位端部560a,560b及び560cは長手軸580a,580b及び580cを有し、プレート遠位方向延在部570a,570b及び570cは長手軸590a,590b及び590cを有する。一構成では、軸590a,590b及び590cは軸580a,580b及び580cと連結部5Ja,5Jb及び5Jcにおいて交差し、プレート近位端部軸580a,580b及び580cとプレート遠位端部軸590a,590b及び590cとの間の角度は、表3に示されている「GT角度」によって定められる。モデルの一観点は、形状及び適切なサイズ分布の点で解剖学的であるプレートを用いて上腕骨近位端固定を最大限にできることである。
上腕骨近位端骨折の固定の重要な観点は、プレート近位端部560a,560b及び560cに対応する上腕骨近位端領域における固定を最大限にする能力に関する。骨への取付けを行うための孔は、ねじ孔550a,550b及び550cを含み、これは、プレートと骨との間の固定を助けるものである。プレートを骨に取り付けるためにねじ、ピン、ボルト、及びセルクラージュ等を使用することができ、ねじ孔550a,550b及び550cを使用することができる。使用されるねじ孔の数及びサイズは、入手可能なハードウェア及び固定の所望の量に依存して変えることができることが明らかである。現在入手可能なプレートは全て、上腕骨近位端領域についてはワンサイズのプレート幅しか有しない。これは、骨折固定が失敗する最も一般的な領域である。その上この領域は、プレートが非解剖学的である場合にフラグメントの誤配置の一因となり、また、プレートを配置するためにより多くの軟組織欠落部が必要となる領域でもある。モデルの近位端形状は骨幹の遠位方向において企業又は外科医によって所望されるプレートの長さと、遠位方向に伝播する骨折の長さと、に基づいて、可変の距離だけ延長することができる。この可変の距離は、プレート遠位方向延在部570a,570b及び570cに相当する。幅540a,540b及び540cは、遠位端骨折に対応できるように選択することもできる。
一実施形態では、プレートの最近位面の前面−後面傾斜520a,520b及び520cは大結節の本来の湾曲に基づいて設計されている。このような解剖学的形状によりプレート−骨接触が最適化され、上腕骨近位端領域を揺動して支持するプレートの能力が最大限になり、近位端ねじの数を増加して固定を改善すると同時に、肩挙上に伴う肩峰におけるインピンジメントも最小限になる。図5A〜5Cでは、これら3サイズの各プレートは、適切なサイズの患者における固定を最大限にするために近位側に位置する最適化された数のねじ孔550a,550b及び550cを有する。図5Aは最上側に3つのねじ孔550aを有し、それに対して図5Bは4つのねじ孔550bを有し、図5Cは5つのねじ孔550cを有する。ユーザは、使用される個別のねじ孔550a,550b及び550cを選択するフレキシビリティを有する。図5A〜5Cに示されているこれら3つの実施例は、本方法論の利点と、種々のサイズの患者に対して固定及びテイラーメイドを最大限にする能力と、を強化するものである。
一実施形態では、本方法論の結果、上腕骨近位端領域の湾曲部の弧を定義して、骨に適切に配置されるプレートの能力を向上し、プレートを曲げる必要性と、重要な点としてアンギュレーションの観点での骨折の誤配置とを最小限にすることもできた。このことは、図3Dを見ると分かる。図6は、本願開示の方法を使用して設計できる非限定的な一実施形態の補綴物周囲骨プレート112を前後(AP)観察平面で見た図である。骨折133を有する骨102に、一例の補綴物周囲処置システム100が示されている。この補綴物周囲処置システム100はステム106を備えており、ステム106は、骨102に形成された孔内へ延在する。骨102は上腕骨とすることができる。典型的には、ステム106は骨102に形成された孔内に固定される。ステム106には、概ね半球形のヘッド108が接続されている。ステム106はヘッド108と一体とすることができ、又は、ステム106とヘッド108とを別体の部品として形成することができる。半球形のヘッド108は関節窩コンポーネントの相補的な凹状部分と連結することができ、これは、セメント方式又は非セメント方式のポストを用いて肩甲骨の関節窩キャビティ内に固定されている。当業者であれば、例えばリバース型人工肩関節置換術、半関節形成術、ステムレス人工肩関節置換術、表面置換及び人工肘関節等の他の補綴物も、本例の骨プレート112と共に使用するために適し得ることが明らかである。
補綴物周囲処置システム100はさらに、補綴物周囲骨プレート112を備えている。補綴物周囲骨プレート112は上述のいずれかの方法では、対象の解剖学的構造に一致した形状になるように形成することができる。補綴物周囲骨プレート112はさらに、1つ又は複数の補綴物周囲固定具114a〜114dを受けるための開口を有することもできる。この1つ又は複数の補綴物周囲固定具114a〜114dは、補綴物周囲骨プレート112を通り、骨102の第1の部分116を通ってステム106の側まで延在することができ、骨102の第2の部分118内へ延在することができる。1つ又は複数の補綴物周囲固定具114a〜114dは、骨102の第1の部分116内にのみ延在するのに十分な短さとすることもできる。一部の実施形態では、1つ又は複数の補綴物周囲固定具114a〜114dのうち少なくとも1つは、補綴物周囲骨プレート112及び骨102の周囲に延在するケーブルとすることもできる。図示のように、補綴物周囲固定具114は補綴物周囲骨プレート112を骨102に固定する構成となっている。補綴物周囲処置システム100は、補綴物周囲骨プレート112を通って骨102内へ延在する1つ又は複数の固定具120a,120bを備えることもできる。一部の非限定的な実施形態では、この1つ又は複数の固定具120a,120bは1つ又は複数の補綴物周囲固定具114a〜114dより遠位に配置することができる。他の実施形態では、固定具120a,120bは補綴物周囲固定具114a〜114dより近位に配置することができる。補綴物周囲固定具114a〜114d及び固定具120a,120bは、任意の適切な機械的固定要素とすることができ、例えば骨ねじ、ワイヤ、ケーブル等とすることができる。
図示のように、補綴物周囲プレート112は図示の骨に対して解剖学的に適正な設計となっている。補綴物周囲プレート112の骨接点面122は補綴物周囲プレート112の近位部124では、骨102の形状を受けるために凸状とすることができる。骨接点面122は骨の形状を受けるために、近位部124における凸状から、補綴物周囲プレート112の中間部126における凹状へ移行することができる。骨接点面122は骨の形状を受けるために、中間部126における凹状から、補綴物周囲プレート112の遠位部128における凸状へ移行することができる。一実施形態では補綴物周囲プレート112は、骨102とプレート112との接触を最大限にし、これによって骨接点面122を最小限にするために、図3Dの湾曲部解析情報を用いて解剖学的に適正になるように設計されている。
図7は、図6に開示の方法を用いて設計できる補綴物周囲骨プレート112の非限定的な実施形態を矢状面の観察平面で見た図である。
図6〜8を見ると、補綴物周囲骨プレート112の輪郭は複数の自由度で定めることができる。具体的には、対象の骨42の三次元(3D)解剖学的構造を、補綴物周囲骨プレート112及び関連の軟組織解剖学的構造の輪郭と共に考慮する。補綴物周囲骨プレート112の輪郭は、複数の自由度で定めることができる。補綴物周囲骨プレートを特徴付けることができる形状の非限定的な例には、螺旋形状、二重曲線、及びボーンラッピング/ハグ型(bone wrapping/hugging)等が含まれる。よって、補綴物周囲骨プレート112の厚さは、当該プレートに沿った複数の異なる位置において変えることができる(図4A〜4Fも参照のこと)。一部の実施形態では、概ね男性対象には補綴物周囲骨プレートの厚さを厚くし、女性対象には補綴物周囲骨プレートの厚さを概ね薄くすることが望ましい場合があり得る。
一部の実施形態では補綴物周囲プレート112は、骨42に骨折部133にわたって配置できる寸法の長片のプレートとすることができ、かかる補綴物周囲プレート112は、当該プレート112が骨42に骨折部133にわたって配置されたときに骨42側に来る骨接点面350を有する。
非限定的な一実施形態では骨接点面350は、長片のプレートに対して横方向の第1の平面(例えば図2に示されているP4C等)より近位の近位領域と、長片のプレートに対して横方向の第2の平面(例えば図2に示されているP4D等)より遠位の遠位領域と、第1の平面(例えばP4C等)と第2の平面(例えばP4D等)との間に位置する中央骨幹領域と、を有することができる。
骨接点面350は、プレート112の近位部において凸状又は凹状である第1の湾曲部から当該プレートの近位部に長手方向に隣接する当該プレート112の第2の部分における第2の湾曲部へ移行する形状を有することができる。第1の湾曲部が凹状である場合には第2の湾曲部は凸状とすることができ、第1の湾曲部が凸状である場合には第2の湾曲部は凹状とすることができる。一部の実施形態では、第1の湾曲部は凸状とすることができる。骨接点面350の形状は第2の湾曲部から、プレート112の第2の部分に長手方向に隣接する当該プレート112の遠位部における第3の湾曲部に移行することができ、第2の湾曲部が凹状である場合には第3の湾曲部は凸状であり、第2の湾曲部が凸状である場合には第3の湾曲部は凹状である。
骨接点面350の近位端領域は、第1の平面(例えばP4C等)より近位の骨表面に一致することができる。骨接点面350の遠位端領域は、第2の平面(例えばP4D等)より遠位の骨表面に一致することができる。骨接点面350の中央骨幹領域は、第1の平面(例えばP4C等)と第2の平面(例えばP4D等)との間の骨表面に一致することができる。骨接点面350の第2の近位端領域が、第1の平面(例えばP4C等)より近位かつ近位端領域より遠位の骨表面(例えばP4BとP4Cとの間)と一致することができる。骨接点面350の第2の遠位端領域が、第2の平面(例えばP4D等)より遠位かつ遠位端領域より近位の骨表面(例えばP4DとP4Eとの間)と一致することができる。このように、近位端領域を第2の近位端領域より近位(例えばP4AとP4Bとの間)に配置することができ、また、遠位端領域を第2の遠位端領域より遠位(例えばP4EとP4Fとの間)に配置することができる。
一部の実施形態ではプレート112は、孔係合固定具(補綴物周囲固定具114a〜114d)を通して受けるための複数の開口356を有することができる。プレート112は、最小限の遠位端骨折範囲の補綴物の短いステムに対応して形成された近位端上腕骨短尺補綴物周囲プレートとすることができる。図8に、孔係合固定具を受けるための追加の開口が示されている。
一部の実施形態ではプレート112は、骨折範囲が遠位端の補綴物の短いステムと、最小の遠位端範囲の補綴物の正規の長さのステムと、のうち少なくとも1つに対応して形成された近位端上腕骨長尺補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の実施形態ではプレート112は、人工肘関節全置換術で使用される補綴物の短い上腕骨ステムであって最小限の近位端骨折範囲の短い上腕骨ステムに対応して形成された短い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の実施形態ではプレート112は、近位端の上腕骨骨折範囲の人工肘関節全置換術と、最小限の近位端骨折範囲の人工肘関節全置換術で使用される補綴物の正規の長さの上腕骨ステムとのうち少なくとも1つで使用される補綴物の短い上腕骨ステムに対応して形成された長い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の実施形態ではプレート112は、最小限の骨折範囲及び中央骨幹の非補綴物周囲骨折の補綴物の正規の長さの肩/上腕骨ステムのうち少なくとも1つに対応して形成された中央骨幹上腕骨補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の実施形態ではプレート112は、高度に粉砕性の骨折を含めた上腕骨の有意な割合を占める骨折に対応して形成された全長型の補綴物周囲プレートとすることができる。
一部の実施形態では、骨の近位部分と当該骨の遠位部分との間の骨折を処置するための装置が提供される。本装置は、骨42に移植されるように構成された補綴物100と、骨42に骨折133にわたって配置できる寸法の長片のプレート112と、を備えることができる。プレート112は、当該プレート112が骨42に骨折部133にわたって配置されたときに骨42側に来る骨接点面350を有することができる。骨接点面350は、プレート112の近位部において凸状又は凹状である第1の湾曲部から当該プレート112の近位部に長手方向に隣接する当該プレート112の第2の部分における第2の湾曲部へ移行する形状を有することができ、第1の湾曲部が凹状である場合には第2の湾曲部は凸状であり、第1の湾曲部が凸状である場合には第2の湾曲部は凹状である。
図9A〜9Dを参照すると、本方法は上腕骨遠位端の外側顆において適用することができる。当業者であれば、ここで提供されている測定は任意の順序で達成することができ、また、設計される装置又は検討される介入に依存して全ての測定を必要とする訳ではない場合もあり得ると理解できる。図9Aでは、図示のように矢状面において肘頭窩の高さに第1の外側顆幅908が線で描かれており、第1の外側顆の最大幅913が求められる。図9Bでは、幅908に対して垂直になるように第1の長さ線909が作成されており、上腕骨の海綿質中心線へ延在する。外側上顆の最近位面の位置が確立され、この点と幅線908の中心との間に第2の長さ910が作成される。上腕骨外側の最遠位面の位置が確立され、この点と外側上顆の最近位面とを接続するように第3の長さ911が確立される。幅913の中間点から上腕骨外側の最遠位面までの長さを測定するために第4の長さ912が確立される。図9Cでは、外側上顆の最近位面における点を使用して、第1の幅908の中間点と、上腕骨骨幹の外側エッジとに対する外側顆の第1の角度914が求められる。第1の幅908中間点を使用して、外側上顆点と、最大幅913中間点とに対する外側顆の遠位部の第2の角度915が確立される。図9Dでは、外側顆の曲率半径が求められる。外側顆の第1の曲率半径916は、冠状面において外側上顆までの外側顆の湾曲部に従う弧を作成することにより確立される。第2の曲率半径917は、外側上顆を起点として顆の最遠位面までの湾曲部に従う弧を作成することにより確立される。第1の曲率半径916と第2の曲率半径917との間の交差部の位置を特定することにより、交点918が求められる。表4により、外側顆データの概要を提供する。
図10A〜10Cを参照すると、本方法は上腕骨遠位端の外側顆後面に適用することができる。図10Aでは、冠状面で肘頭窩の高さにおいて外側顆後面の最外側から最内側面へ向かう表面にある線であって外側顆後面の中心線に対して垂直な線を作成することにより、第1の幅1019が確立される。最大幅1020は、外側顆後面の最大幅における線を作成することにより確立される。図10Bでは、海綿質の中心線を第1の幅1019の中間点に接続する線を作成することにより、第1の長さ1021が確立される。第2の長さ1022は、第1の幅1019の線の中間点から最大幅1020までの長さを測定することにより確立される。第3の長さ1023は、最大幅1020の中間点から上腕骨後面外側の最遠位端部に向かって真っ直ぐ下方に(z軸を下りて)骨のエッジに点を配置することにより確立される。外側顆後面の第1の角度1024は、幅1019から海綿質中心線上の一点までの第3の長さ1023の最近位点までの角度を作成することにより確立される。外側顆後面の第2の角度1025は、幅1019中間点から最大幅1020中間点まで、上腕骨後面外側の最遠位端部までの骨のエッジにおける角度を作成することにより確立される。図10Cでは、矢状面を使用して、外側顆後面の曲線に従う後面側の弧を作成することにより、曲率半径1023が確立される。表5によって外側顆後面(PLC)データの概要を提示する。表中、「STDEV」とはデータの標準偏差である。
図11A〜11Dを参照すると、本方法は上腕骨遠位端の内側顆(MC)に適用することができる。図11Aでは第1の幅1127は、矢状面上で肘頭窩の高さにおいて内側顆の最前面境界から最後面境界まで線を作成することにより確立される。最大幅1128は、内側顆の最大幅を測定することにより確立される。図11Bでは、幅1127に対して垂直な線であって幅1127の中間点から上腕骨の海綿質中心線まで延在する線を作成することにより、第1の長さ1129が確立される。第2の長さ1130は、幅1127中間点から内側上顆の最近位面までの長さを求めることにより確立される。第3の長さ1131は、内側上顆の近位面の点から上腕骨の最遠位端部までの長さを求めることにより確立される。第4の長さ1132は、最大幅1128中間点から上腕骨の最遠位端部までの長さを求めることにより確立される。図11Cでは、内側上顆の最近位面における点を用いて、第1の幅1127の中間点及び骨幹の内側エッジに対する内側顆の第1の角度1133が作成される。第1の幅1127中間点を用いて内側上顆点まで、最大幅1128中間点に対する第2の角度1134が求められる。図11Dでは、内側顆の曲率半径が求められる。第1の曲率半径1135は、冠状面上で内側上顆までの内側顆の湾曲部に従う弧を作成することにより求められる。第2の曲率半径1136は、内側上顆を起点として上腕骨の最遠位面までの湾曲部に従う弧を作成することにより確立される。第1の曲率半径1135が第2の曲率半径1136と交差する場所を発見することにより、交点1137が求められる。表6により内側顆データの概要を提示する。表中、STDEVはデータの標準偏差である。
図12A〜12Cを参照すると、本方法は上腕骨遠位端の内側顆後面に適用することができる。図12Aでは、内側顆後面の最外側表面から最内側表面まで、冠状面上で肘頭窩の高さに当該内側顆後面の中心線に垂直な線を作成することにより、第1の幅1238が確立される。最大幅1239は、内側顆後面の最大幅において第1の幅1238に対して平行な線を作成することにより求められる。図12Bでは、海綿質の中心線を第1の幅1238の中間点に接続する線を作成することにより、第1の長さ1240が求められる。第2の長さ1241は、第1の幅1238中間点から最大幅1239中間点までの長さを発見することにより求められる。第3の長さ1242は、最大幅1239の中間点から真っ直ぐ下方に(z軸を)下りたところの点を上腕骨後面外側の最遠位端部に接続する線を作成することにより確立される。内側顆後面の中心線と上腕骨海綿質の中心線との間の角度を作成することにより、内側顆後面の第1の角度1243が確立される。第1の幅1238中間点から最大幅1239中間点まで、上腕骨後面内側の最遠位端部における真っ直ぐに(z軸を)下りたところの点までの角度を作成することにより、内側顆後面の遠位部の第2の角度1244が確立される。図12Cでは、矢状面を使用して、内側顆後面の曲線に従う後面側の弧を作成することにより、内側顆後面の曲率半径1245が確立される。表7により、内側顆後面(PMC)データの概要を提示する。ここでSTDEVはデータの標準偏差である。
一実施形態では、患者のサイズ傾向を示唆することによりプレートサイズの設計を助けるため、データの編集を使用することができる。表8は、上記で説明したデータの編集を統計的パーセンタイルと共に提示しており、ここでSTDEVはデータの標準偏差である。
図13A〜16Cを参照すると、一構成では本方法論により、上腕骨遠位端における外側(図13A,13B及び13C)、後面外側(図14A,14B及び14C)、内側(図15A,15B及び15C)及び後面内側(図16A,16B及び16C)の4つの各解剖学的位置について2つの異なるサイズのプレートモデルの開発が促進される。これらのモデルは、本方法論をテストするために作成されたものである。本実施例では、本方法論の結果として、左側と右側とで固有のモデルが得られた。モデルの一観点は、形状及び適切なサイズ分布の点で解剖学的であるプレートを用いて上腕骨遠位端固定を最大限にできることである。
上腕骨遠位端骨折の固定の一観点は、それぞれプレート遠位端部1360a及び1360b,1460a及び1460b,1560a及び1560b、並びに1660a及び1660bに対応する上腕骨遠位端領域における固定を最大限にできる能力に関する。これは、骨折固定が失敗する最も一般的な領域である。さらにこの領域は、非解剖学的なプレートがフラグメントの誤配置、皮膚の下のプレートの痛みを伴う隆起の一因となり、また、プレートを配置するためにより多くの軟組織欠落部が必要となる領域でもある。モデルの形状は、骨折伝播の長さと、企業又は外科医により所望されるプレートの長さと、に基づき、プレート延在部1370a及び1370b,1470a及び1470b,1570a及び1570b、並びに1670a及び1670bで上腕骨骨幹における近位方向に上方向の可変の距離だけ長くすることができる。
プレートの最遠位面の形状は、骨の本当の湾曲に基づいて設計された。かかる解剖学的形状により、プレート−骨接触が最適化され、プレートが上腕骨遠位端領域を揺動及び支持する能力が最大限になり、遠位端ねじの数が増加して固定が改善されると同時に、軟組織の痛みと神経刺激を引き起こし得るプレートが最小限になる。2サイズの各プレートの遠位端ねじ孔の数は最適化され、適切なサイズの患者における固定が最大限になることが分かる。これは、ワンサイズの幅のプレートしか有しない現在の設計では有意な改善である。
また本方法論の結果、上腕骨遠位端領域の湾曲部の弧が定義され、骨に適切に配置できるプレートの能力が向上し、プレートを曲げる必要性が最小限になり、又は重要な点として、アンギュレーションに関して骨折の誤配置が最小限になった。さらに、プレートの近位面が上腕骨骨幹にさらに沿って据え置かれるように固有の角度が開発され、これにより軟組織剥離の必要性も低減した。
図13A及び13Bを参照すると、上腕骨外側遠位端プレートが矢状面で2つの異なるサイズで示されている。プレート延在部1370a及び1370bは長手軸1390a及び1390bを有し、プレート遠位端部1360a及び1360bは長手軸1380a及び1380bを有する。一実施形態では、軸1390aと軸1380aとは連結部13J1aにおいて交差し、軸1390bと軸1380bとは連結部13J1bにおいて交差する。軸1390aと軸1380aとの間の角度と、軸1390bと軸1380bとの間の角度とは、図9Cの角度915によって求めることができる。一部の実施形態では、上腕骨のさらに上方に第2のプレート延在部1375a及び1375bが延在することができ、第2のプレート延在部1375a及び1375bは長手軸1395a及び1395bを有する。軸1395aと軸1390aとは連結部13J2aにおいて交差し、軸1395bと軸1390bとは連結部13J2bにおいて交差する。軸1390aと軸1395aとの間の角度と、軸1390bと軸1395bとの間の角度とは、図9Cの角度914によって求めることができる。一部の実施形態では、1360a及び1360bの長さ及び幅は図9A及び図9Bの911及び913によってそれぞれ求めることができ、1370a及び1370bの長さ及び幅は図9A及び図9Bの910及び908によってそれぞれ求めることができる。代替的に、プレートの角度、長さ、幅、曲率及び他のパラメータは、解剖学的構造への当てはめに基づくことができ、その際には設計者は、特定の患者の解剖学的構造又は特定の人口群の解剖学的構造を受けるようにパラメータを調整することができる。さらに設計者は、本方法により得られたパラメータと工学(例えば材料検討及びエッジ形態等)又は解剖学的パラメータの双方を設計において考慮することもできる。図13Cを参照すると、図13A及び図13Bの外側プレートが矢状面と冠状面との間のビューで示されている。
図14A及び図14Bを参照すると、後面外側遠位端上腕骨プレートが冠状面で2つの異なるサイズで示されている。プレート延在部1470a及び1470bは長手軸1490a及び1490bを有し、プレート遠位端部1460a及び1460bは長手軸1480a及び1480bを有する。一実施形態では、軸1490aと軸1480aとは連結部14J1aにおいて交差し、軸1490bと軸1480bとは連結部14J1bにおいて交差する。軸1490aと軸1480aとの間の角度、及び軸1490bと軸1480bとの間の角度は、図10Bの角度1025によって求めることができる。一部の実施形態では、上腕骨をさらに上方に第2のプレート延在部1475a及び1475bが延在することができ、第2のプレート延在部1475a及び1475bは長手軸1495a及び1495bを有する。軸1490aと1495aとは連結部14J2aにおいて交差し、軸1490bと軸1495bとは連結部14J2bにおいて交差する。軸1490aと軸1495aとの間の角度、及び軸1490bと軸1495bとの間の角度は、図10Bの角度1024によって求めることができる。一部の実施形態では、1460a及び1460bの長さ及び幅は図10A及び図10Bの1023及び1020によってそれぞれ求めることができ、1470a及び1470bの長さは、図10Bの1021と1022とを加算することにより求めることができ、1470a及び1470bの幅は図10Aの1019によって求めることができる。代替的に、プレートの角度、長さ、幅、曲率及び他のパラメータは、解剖学的構造への当てはめに基づくことができ、その際には設計者は、特定の患者の解剖学的構造又は特定の人口群の解剖学的構造を受けるようにパラメータを調整することができる。さらに設計者は、本方法により得られたパラメータと工学(例えば材料検討及びエッジ形態等)又は解剖学的パラメータの双方を設計において考慮することもできる。図14Cを参照すると、図14A及び図14Bの外側プレートが矢状面と冠状面との間のビューで示されている。
図15A及び図15Bを参照すると、内側遠位端上腕骨プレートが矢状面で2つの異なるサイズで示されている。プレート延在部1570a及び1570bは長手軸1590a及び1590bを有し、プレート遠位端部1560a及び1560bは長手軸1580a及び1580bを有する。一実施形態では、軸1590aと軸1580aとは連結部15J1aにおいて交差し、軸1590bと軸1580bとは連結部15J1bにおいて交差する。軸1590aと軸1580aとの間の角度、及び軸1590bと軸1580bとの間の角度は、図11Cの角度1134によって求めることができる。一部の実施形態では、上腕骨をさらに上方に第2のプレート延在部1575a及び1575bが延在することができ、第2のプレート延在部1575a及び1575bは長手軸1595a及び1595bを有する。軸1590aと軸1595aとは連結部15J2aにおいて交差し、軸1590bと軸1595bとは連結部15J2bにおいて交差する。軸1590aと軸1595aとの間の角度、及び軸1590bと軸1595bとの間の角度は、図11Cの角度1133によって求めることができる。一部の実施形態では、1560a及び1560bの長さ及び幅は図11A及び図11Bの1131及び1128によってそれぞれ求めることができ、1570a及び1570bの長さ及び幅は図11A及び図11Bの1130及び1127によってそれぞれ求めることができる。代替的に、プレートの角度、長さ、幅、曲率及び他のパラメータは、解剖学的構造への当てはめに基づくことができ、その際には設計者は、特定の患者の解剖学的構造又は特定の人口群の解剖学的構造を受けるようにパラメータを調整することができる。さらに設計者は、本方法により得られたパラメータと工学(例えば材料検討及びエッジ形態等)又は解剖学的パラメータの双方を設計において考慮することもできる。図15Cを参照すると、図15A及び図15Bの外側プレートが矢状面と冠状面との間のビューで示されている。
図16A及び図16Bを参照すると、内側後面遠位端上腕骨プレートが冠状面で2つの異なるサイズで示されている。プレート延在部1670a及び1670bは長手軸1690a及び1690bを有し、プレート遠位端部1660a及び1660bは長手軸1680a及び1680bを有する。一実施形態では、軸1690aと軸1680aとは連結部16J1aにおいて交差し、軸1690bと軸1680bとは連結部16J1bにおいて交差する。軸1690aと軸1680aとの間の角度、及び軸1690bと軸1680bとの間の角度は、図12Bの角度1244によって求めることができる。一部の実施形態では、上腕骨をさらに上方に第2のプレート延在部1675a及び1675bが延在することができ、第2のプレート延在部1675a及び1675bは長手軸1695a及び1695bを有する。軸1690aと軸1695aとは連結部16J2aにおいて交差し、軸1690bと軸1695bとは連結部16J2bにおいて交差する。軸1690aと軸1695aとの間の角度、及び軸1690bと軸1695bとの間の角度は、図12Bの角度1243によって求めることができる。一部の実施形態では、1660a及び1660bの長さ及び幅は図12A及び図12Bの1242及び1239によってそれぞれ求めることができ、1670a及び1670bの長さ及び幅は図12A及び図12Bの1241及び1238によってそれぞれ求めることができる。代替的に、プレートの角度、長さ、幅、曲率及び他のパラメータは、解剖学的構造への当てはめに基づくことができ、その際には設計者は、特定の患者の解剖学的構造又は特定の人口群の解剖学的構造を受けるようにパラメータを調整することができる。さらに設計者は、本方法により得られたパラメータと工学(例えば材料検討及びエッジ形態等)又は解剖学的パラメータの双方を設計において考慮することもできる。図16Cを参照すると、図16A及び図16Bの外側プレートが矢状面と冠状面との間のビューで示されている。
図18A及び図18Bを参照すると、一実施形態では、本方法論から導き出された測定結果の解析の結果、上腕骨釘の理想的な形状が開発された。上腕骨釘1810は、骨1800の曲げ部に一致するため、少なくとも1つの曲げ部分1820を有する。骨の長さ上のどの位置に最大曲げ又は最大反りの領域が生じているかを示すため、真っ直ぐな骨長手軸254(図2B)と、中心線に従う骨長手軸254(図2C)との差を求められるようにすべく、設計において海綿質中心線と真っ直ぐな中心線とを比較する本方法論を使用した。図17に平均オフセットのグラフが示されており、中心線1710からの最大偏差により、開発者は釘の曲げ部をこの位置に配置する設計検討を行うことができる。このことは、プレート、髄内釘、ステム、又は他のインプラントを設計する際に、解剖学的構造に一致する必要がある曲げ部のために利用することができる。中心線の具体的な座標を特定することにより、上記2つの中心線のオフセットの方向及び大きさを知ることができる。複数の異なるサイズの患者の曲げ位置の概要を、表9に示す。
一実施形態では、設計を最適化する本方法論の可能性を強化するため、3つの異なる長さの釘を作製した。これらのモデルは、本方法論をテストするために作成されたものである。本方法論により、左側と右側とで固有の髄内釘が得られた。
髄内釘の配置で重要な観点は、安定性を最大限にして、さらなる遠位端骨折を引き起こすことなく釘を配置するため、内側の骨との接触を最大限にする能力に関する。これらは、非解剖学的な髄内釘が失敗する最も一般的な領域である。髄内釘モデルの形状は、企業又は外科医によって所望される釘の長さに対して正規化することができる。
設計又は患者へのフィットを促進するための相関の使用
一部の実施形態では、異なる測定結果間の相関を求めることにより、上記方法を用いてインプラントを迅速に設計することができ、又は外科医が、1回の簡単な測定程度の小さい労力でどのインプラントが特定の患者にフィットするかを迅速に特定することができる。一実施形態では、大結節から三角筋停止部の中間までの距離と、上腕骨の全長と、の間に有意な関係が存在する。表10にこの関係が示されており、外科医はこの関係により、患者にフィットするプレート若しくは釘を特定するために大結節から三角筋停止部の中間までの距離若しくは上腕骨の全長のいずれかを測定することが可能になり、又は、表10の関係を利用してこれらのパラメータのうち1つに基づいて設計を作成することができる。
一実施形態では回帰分析により、外側顆後面PLC幅1とPLC最大幅との相関が求められ、ここで0.001のp値は、その関係が統計的に有意であることを示す。また、相関係数が正の0.71である場合、これは、PLC最大幅が増加するときPLC幅1も増加する傾向にあることを示す。この関係を表す当てはめられた線形モデルは、y=2.845+.5265xである。
一実施形態では、72.95%のR値で上腕骨の全長と外側顆(LC)最大幅と、大結節から三角筋停止部までの距離と、性別と、の間の統計的に有意な関係(p値<0.001)を確立するために、重回帰分析が用いられる。女性及び男性の上腕骨全長を求めるための関係式は、y=173.1+2.098X2+0.832X4及びy=186.7+2.098X2+0.832X4であり、式中、X2はLC最大幅であり、X4は大結節から三角筋停止部までの距離である。
<外部の上腕骨解剖学的構造:上腕骨近位端プレート及び上腕骨遠位端プレート>
本方法論は、近位端及び遠位端双方における外部の上腕骨解剖学的構造の特別な考察を提供するものである。本方法論により、上腕骨の固有のパターン及び形状が明らかとなった。固有の長さ、幅、角度及び弧によって解剖学的構造の詳細な理解が提供され、真に解剖学的なプレート設計を促進することができる。さらに、本方法論からのデータにより、患者に対応できる解剖学的なサイズの固有の範囲も定まる。解剖学的構造を1つの幅と非解剖学的な形状を有するプレートに無理矢理合わせるのではなく、本方法論をテストするために使用されたモデルにより、フィットの改善が確認された。
<内部の上腕骨解剖学的構造:髄内釘及び長いステム上腕骨コンポーネント>
本方法論はさらに、上腕骨の複雑な三次元の髄内解剖学的構造のユニークな考察も提供した。上腕骨近位端の中心と遠位端の中心とを真っ直ぐな線で結ぶと、髄骨の中心において上腕骨の長さに沿った経路を辿らないことが分かる。よって、真っ直ぐな上腕骨髄内釘又は長いステムを上腕骨の通路内に押し込もうとすることは困難であり、さらなる骨折のリスクになることが説明できる。2つの中心線の固有のオフセットにより、真に解剖学的な髄内設計の設計が容易になる。本方法論から得られたデータにより、患者に対応できる解剖学的なサイズの固有の範囲も定まる。
品質管理用途
一構成では、測定結果間の比率及び他の関係を含めた、ここで開示している統計的相関関係は、セグメンテーションが適正に行われたことのグラウンドトゥルースを確立するための内部品質管理として使用することができる。研究室は日常業務としての品質管理試験を、通常は毎日、多くの場合には1日複数回行わなければならない。品質管理試験は通常、機器、科学技術者、及び試験で使用される試薬が、確立された標準に対して発揮することを保証するため、通常サンプル及び非通常サンプルを含む。研究室は、患者サンプルの試験を継続できるようにするため、正しい結果を得なければならない。研究室が正しい結果を得ることに繰り返し失敗すると、許容範囲外の結果の原因となった問題を是正したことを示せるまで当該試験の実施を継続することができなくなる。
セグメンテーションルーティンの自動化のため、機械を正常に維持するために本方法論を使用することができる。自動的なルーティンが画像から骨をセグメンテーションするとき、本方法論は、当該状況において骨の長さ又は幅をどのくらいにすべきか、自動的なルーティンがどちらを考慮して、必要に応じてそのセグメンテーションを調整できるか、を確立することができる。非限定的な一実施例では、自動化されたセグメンテーションルーティンは画像内のピクセル又はボクセルの強度値に基づいてセグメンテーションすることができるが、どのピクセル又はボクセルを骨として識別するかを確立するために使用されるしきい強度値は、本願で開示されている本方法論からの入力に基づいて調整することができる。より具体的には、画像中において骨のエッジのより多数のピクセル又はボクセルを骨物質として評価できるようにすることによって骨の長さ又は幅を拡大するため、より多数のピクセル又はボクセルを特定の種類の骨又は組織として評価できるようにするためにしきい値を低く調整することができると共に、しきい値を高くすることにより、骨のエッジのピクセル又はボクセルを排除することによって骨の長さ又は幅を縮小することができる。骨と評価されるピクセル又はボクセルの数を増減することにより、骨の長さ又は幅を、上記方法により当該解剖学的構造に適切であると示された長さ対幅の比率に一致させることができる。当業者であれば、長さ及び幅に代えて、上記にて説明した角度、曲線、曲げ部及び他の骨パラメータを使用できることが明らかである。当業者であれば、強度しきい値に代えて、例えばCT値、コントラストノイズ比、信号雑音比、及びテクスチャ分析等、別の分類ルーティンを用いることが可能であることも明らかである。これは、医薬において使用される他の試験であって、試験及び/又はサンプルが適切であることを保証するために相関関係が使用される他の試験と同様であり得る。
よって本願開示は、解剖学的に適正なインプラント及び/又は補綴物周囲骨プレートの設計及び選択を容易にするために上腕骨解剖学的構造の理解を改善する方法を提供するものであり、本方法では、補綴物周囲骨折の理解を考慮することができる。本方法と、本方法により得られるデータとを利用することにより、人工肩関節及び人工肘関節用のインプラント又は補綴物周囲骨プレートの数、サイズ及び形状のユニークな検討が提供される。また本方法により、治癒を最大限にするために最適なインプラント又は補綴物周囲骨プレートの設計、形状及びサイズの価値のある情報が得られる。新製品開発の段階において、本方法は、コンポーネント製造及びコンポーネント投入の前に最適なフィットを保証するため各新規コンポーネント設計をX線画像により評価するために使用できる価値のあるリソースとなる。本願開示は、ここでは上腕骨の肩及び肘コンポーネント設計のための最適化方法として記載されているが、他の関節(例えば股関節、膝関節、肘関節、足、踵等)のために使用することができ、これにより、上腕骨の外部及び内部の解剖学的構造を理解するために開発されたものと同一の方法論を、大腿骨、脛骨、腓骨、橈骨、尺骨、及び椎体を含めた他の骨にも適用することができるが、これらは限定列挙ではない。本方法論は、人工関節用の真に解剖学的なプレート、髄内釘、及び長いステムコンポーネントを適切なサイズ分布で設計する能力を大幅に向上することができる。
特定の実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明は、上記の実施形態とは異なる実施形態で実施することができ、上記の実施形態は詳解目的で提示されたのであって限定目的ではないことが明らかである。よって、添付の特許請求の範囲は、本願明細書に含まれる実施形態の説明に限定すべきものではない。

Claims (125)

  1. 対象の骨の骨折を処置するための装置であって、
    第1の長手軸を有する第1の部分と、
    第2の長手軸を有する第2の部分と、
    を備え、
    前記第1の部分が前記第2の部分に接続されていることにより、当該第1の部分と当該第2の部分との間に第1の連結部を成し、
    前記第1の長手軸と前記第2の長手軸とは、前記連結部において斜めの角度を成し、
    前記第2の部分は、前記第1の部分より大きい幅を有する末端部分を有し、
    前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記骨の一領域への固定を提供して複数のねじ孔を備えるように構成されている
    ことを特徴とする装置。
  2. 前記骨は上腕骨であり、
    前記第2の端部分は、前記上腕骨の近位端部分の外表面に一致するように構成されている、
    請求項1記載の装置。
  3. 前記第2の部分の末端部の周囲は、前記上腕骨の前記近位端部分の大結節と一致する寸法である、
    請求項2記載の装置。
  4. 前記連結部において成される前記斜めの角度は、前記上腕骨の中心線に対する大結節の角度と一致する、
    請求項2記載の装置。
  5. 前記装置の長さは、前記上腕骨の長さによって定まる、
    請求項2記載の装置。
  6. 前記第1の部分の幅は、前記骨の骨折の固定を提供するように設定されている、
    請求項1記載の装置。
  7. 複数のねじ孔をさらに有し、
    前記ねじ孔の数は、前記第2の部分の末端部の幅と相関している、
    請求項1記載の装置。
  8. 前記対象の左側と右側とで個別に構成されている、
    請求項1記載の装置。
  9. 第3の長手軸を有する第3の部分をさらに備えており、
    前記第1の部分が前記第3の部分に接続されていることにより、当該第1の部分と当該第3の部分との間の第2の連結線を成し、
    前記第1の長手軸と前記第3の長手軸とは、前記第2の連結部において斜めの角度を成す、
    請求項1記載の装置。
  10. 前記骨は上腕骨であり、
    前記第2の端部分は前記上腕骨の遠位端部分の外表面と一致するように構成されている、
    請求項9記載の装置。
  11. 前記第2の部分の末端部の周囲は、前記上腕骨の前記遠位端部分の顆に一致する寸法となっている、
    請求項10記載の装置。
  12. 前記第1の連結部において成される前記斜めの角度は、前記上腕骨の中心線に対する顆の角度に一致する、
    請求項10記載の装置。
  13. 前記第2の連結部において成される前記斜めの角度は、前記上腕骨の中心線に対する顆の角度に一致する、
    請求項10記載の装置。
  14. 前記装置の長さは、前記上腕骨の長さによって定まる、
    請求項10記載の装置。
  15. 前記第3の部分の長さは、前記骨の骨折の固定を提供するように設定されている、
    請求項10記載の装置。
  16. 骨の骨折を処置するための装置であって、
    第1の長手軸を有する第1の部分と、
    第2の長手軸を有する第2の部分と、
    を備えており、
    前記第1の部分が前記第2の部分に接続されていることにより、当該第1の部分と当該第2の部分との間に第1の連結部を成し、
    前記第1の連結部は、前記第1の部分を前記第2の部分に接続する湾曲部を成す寸法の移行部となる
    ことを特徴とする装置。
  17. 前記第1の連結部の位置は、前記骨の真っ直ぐな中心線からの最大偏差の位置によって定まる、
    請求項16記載の装置。
  18. 前記第1の部分は、前記第2の部分の長さより大きい長さを有する、
    請求項16記載の装置。
  19. 前記装置は髄内釘であり、前記骨は上腕骨である、
    請求項16記載の装置。
  20. 前記第1の連結部の位置は前記上腕骨の長さの60〜90%の間である、
    請求項19記載の装置。
  21. 前記第1の連結部の位置は前記上腕骨の長さの80%の位置である、
    請求項19記載の装置。
  22. 第3の長手軸を有する第3の部分をさらに備えており、
    前記第2の部分が前記第3の部分に接続されていることにより、当該第2の部分と当該第3の部分との間の第2の連結線を成し、
    前記第2の連結部は、前記第2の部分を前記第3の部分に接続する湾曲部を成す寸法の移行部となる、
    請求項16記載の装置。
  23. 前記第2の連結部の位置は、前記骨の真っ直ぐな中心線から偏差する位置によって定まる、
    請求項22記載の装置。
  24. 前記第2の部分は、前記第3の部分及び前記第1の部分の長さより大きい長さを有する、
    請求項22記載の装置。
  25. 前記装置は髄内釘であり、前記骨は上腕骨である、
    請求項22記載の装置。
  26. 前記第2の連結部の位置は、前記上腕骨の長さの10〜30%の間である、
    請求項25記載の装置。
  27. 前記第1の連結部の位置は、前記上腕骨の長さの20%の位置である、
    請求項25記載の装置。
  28. 対象の骨の一部を修復するための整形外科的インプラントを製造するための方法であって、
    i)少なくとも1つの観察平面から前記骨の画像を取得し、
    ii)前記画像上で、前記骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界までの当該骨の特徴部の最大幅を示す第1の基準線の向きを定め、
    iii)前記画像上で、前記第1の基準線に対して垂直であり前記骨の前記特徴部の長さを示す第2の基準線であって前記第1の基準線の中間点から当該骨のエッジまで延在する第2の基準線の向きを定め、
    iv)前記画像上で、前記骨の中心線から前記第1の基準線の前記中間点までの長さを示す第3の基準線の向きを定め、
    v)前記インプラントの少なくとも1つの曲げ部を特定するために前記第3の基準線と前記第2の基準線との間の角度を求める
    ことによって決定された解剖学的形状に一致する前記少なくとも1つの曲げ部を有するように前記インプラントを形成することを含むことを特徴とする方法。
  29. 前記インプラントは、補綴物周囲骨プレート、近位端上腕骨プレート、遠位端上腕骨プレート、上腕骨釘、又は上腕骨ステムのうち少なくとも1つである、
    請求項28記載の方法。
  30. 前記中心線は、
    皮質骨境界である前記骨の前記第1の境界と前記第2の境界との間において一定で等間隔の距離である線、
    海綿質境界である前記骨の前記第1の境界と前記第2の境界との間において一定で等間隔の距離である線、又は
    真っ直ぐな骨長手軸中心線
    のうち少なくとも1つである
    請求項28記載の方法。
  31. 前記骨は上腕骨である、
    請求項28記載の方法。
  32. 前記特徴部は大結節であり、
    前記第1の基準線は、前記上腕骨における前記大結節の幅を示すものである、
    請求項31記載の方法。
  33. 前記インプラントの前記少なくとも1つの曲げ部は、前記上腕骨の前記中心線に対する大結節の角度に一致する、
    請求項32記載の方法。
  34. 前記特徴部は顆であり、
    前記第1の基準線は、前記上腕骨における前記顆の幅を示すものである、
    請求項31記載の方法。
  35. 前記インプラントの前記少なくとも1つの曲げ部は、前記上腕骨の前記中心線に対する前記顆の角度に一致する、
    請求項34記載の方法。
  36. 前記インプラントの長さは、前記上腕骨の長さを測定することによって決定される、
    請求項31記載の方法。
  37. 前記骨は大腿骨である、
    請求項28記載の方法。
  38. 前記骨は脛骨である、
    請求項28記載の方法。
  39. 前記骨は橈骨である、
    請求項28記載の方法。
  40. 前記骨は尺骨である、
    請求項28記載の方法。
  41. 前記画像はコンピュータ断層撮影スキャンスライスである、
    請求項28記載の方法。
  42. さらに、前記インプラントにおけるねじ孔位置を決定するために前記骨の厚さを求めることを含む、
    請求項28記載の方法。
  43. 前記方法は自動化されており、前記対象の前記骨の測定結果を自動的に抽出するためにプロセッサに記憶されたプログラムを実行するように構成された当該プロセッサを備えた制御システムへ画像が送信され、
    前記骨の前記測定結果は、付加製造システムを用いてプレートを製造するために参照される、
    請求項28記載の方法。
  44. 対象の骨の一部を修復するための整形外科的インプラントを製造するための方法であって、
    i)少なくとも1つの観察平面から前記骨の画像を取得し、
    ii)前記画像上で、前記骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界までの当該骨の第1の特徴部の最大幅を示す第1の基準線の向きを定め、
    iii)前記画像上で、前記骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界までの当該骨の第2の特徴部の最大幅を示す第2の基準線の向きを定め、
    iv)前記画像上で、前記第1の基準線に対して垂直な第3の基準線であって前記第1の基準線の中間点から前記第2の基準線の中間点まで延在する第3の基準線の向きを定め、
    v)前記画像上で、前記第2の基準線に対して垂直であり前記骨の前記第2の特徴部の長さを示す第4の基準線であって、前記第2の基準線の中間点から、当該骨のエッジまで延在する第4の基準線の向きを定め、
    vi)前記画像上で、前記骨の中心線から前記第1の基準線の前記中間点までの長さを示す第5の基準線の向きを定め、
    vii)前記インプラントの少なくとも1つの曲げ部を定めるために、前記第3の基準線と前記第4の基準線との間の角度を求め、
    viii)前記インプラントの少なくとも1つの曲げ部を定めるために、前記第5の基準線と前記中心線との間の角度を求める
    ことによって定められる解剖学的形状に一致する少なくとも2つの曲げ部を有するように前記インプラントを形成することを含むことを特徴とする方法。
  45. 前記インプラントは補綴物周囲骨プレート、近位端上腕骨プレート、遠位端上腕骨プレート、上腕骨釘又は上腕骨ステムの少なくとも1つである、
    請求項44記載の方法。
  46. 前記中心線は、
    皮質骨境界である前記骨の前記第1の境界と前記第2の境界との間において一定で等間隔の距離である線、
    海綿質境界である前記骨の前記第1の境界と前記第2の境界との間において一定で等間隔の距離である線、又は
    真っ直ぐな骨長手軸中心線
    のうち少なくとも1つである
    請求項44記載の方法。
  47. 前記骨は上腕骨である、
    請求項44記載の方法。
  48. 前記特徴部は顆であり、
    前記第1の基準線は、肘頭窩における前記上腕骨の前記顆の幅を示すものである、
    請求項47記載の方法。
  49. 前記第2の基準線は、前記顆の最大幅を示すものである、
    請求項48記載の方法。
  50. 前記インプラントの長さは、前記上腕骨の長さを測定することによって決定される、
    請求項47記載の方法。
  51. 前記骨は大腿骨である、
    請求項44記載の方法。
  52. 前記骨は脛骨である、
    請求項44記載の方法。
  53. 前記骨は橈骨である、
    請求項44記載の方法。
  54. 前記骨は尺骨である、
    請求項44記載の方法。
  55. 前記画像はコンピュータ断層撮影スキャンスライスである、
    請求項44記載の方法。
  56. さらに、前記インプラントにおけるねじ孔位置を決定するために前記骨の厚さを求めることを含む、
    請求項44記載の方法。
  57. 前記方法は自動化されており、前記対象の前記骨の測定結果を自動的に抽出するためにプロセッサに記憶されたプログラムを実行するように構成された当該プロセッサを備えた制御システムへ画像が送信され、
    前記骨の前記測定結果は、付加製造システムを用いてプレートを製造するために参照される、
    請求項44記載の方法。
  58. 対象の骨の一部を修復するための整形外科的インプラントを製造するための方法であって、
    i)少なくとも1つの観察平面から前記骨の画像を取得し、
    ii)前記画像上で、前記骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界までの当該骨の特徴部の最大幅を示す第1の基準線の向きを定め、
    iii)前記画像上で、前記第1の基準線に対して垂直であり前記骨の前記特徴部の長さを示す第2の基準線であって前記第1の基準線の中間点から当該骨の中心線まで延在する第2の基準線の向きを定め、
    iv)前記インプラントの少なくとも1つの曲げ部を特定するために前記第2の基準線と前記中心線との間の角度を求める
    ことによって決定された解剖学的形状に一致する前記少なくとも1つの曲げ部を有するように前記インプラントを形成することを含むことを特徴とする方法。
  59. 前記インプラントは補綴物周囲骨プレート、近位端上腕骨プレート、遠位端上腕骨プレート、上腕骨釘又は上腕骨ステムの少なくとも1つである、
    請求項58記載の方法。
  60. 前記中心線は、
    皮質骨境界である前記骨の前記第1の境界と前記第2の境界との間において一定で等間隔の距離である線、
    海綿質境界である前記骨の前記第1の境界と前記第2の境界との間において一定で等間隔の距離である線、又は
    真っ直ぐな骨長手軸中心線
    のうち少なくとも1つである
    請求項58記載の方法。
  61. 前記骨は上腕骨である、
    請求項58記載の方法。
  62. 前記特徴部は大結節であり、
    前記第1の基準線は、前記上腕骨における前記大結節の幅を示すものである、
    請求項61記載の方法。
  63. 前記インプラントの前記少なくとも1つの曲げ部は、前記上腕骨の前記中心線に対する大結節の角度に一致する、
    請求項62記載の方法。
  64. 前記特徴部は顆であり、
    前記第1の基準線は、前記上腕骨における前記顆の幅を示すものである、
    請求項61記載の方法。
  65. 前記インプラントの前記少なくとも1つの曲げ部は、前記上腕骨の前記中心線に対する前記顆の角度に一致する、
    請求項64記載の方法。
  66. 前記インプラントの長さは、前記上腕骨の長さを測定することによって決定される、
    請求項61記載の方法。
  67. 前記骨は大腿骨である、
    請求項58記載の方法。
  68. 前記骨は脛骨である、
    請求項58記載の方法。
  69. 前記骨は橈骨である、
    請求項58記載の方法。
  70. 前記骨は尺骨である、
    請求項58記載の方法。
  71. 前記画像はコンピュータ断層撮影スキャンスライスである、
    請求項58記載の方法。
  72. さらに、前記インプラントにおけるねじ孔位置を決定するために前記骨の厚さを求めることを含む、
    請求項58記載の方法。
  73. 前記方法は自動化されており、前記対象の前記骨の測定結果を自動的に抽出するためにプロセッサに記憶されたプログラムを実行するように構成された当該プロセッサを備えた制御システムへ画像が送信され、
    前記骨の前記測定結果は、付加製造システムを用いてプレートを製造するために参照される、
    請求項58記載の方法。
  74. 対象の骨の一部を修復するための整形外科的インプラントを製造するための方法であって、
    (i)少なくとも1つの観察平面から前記骨の画像を取得する工程と、
    (ii)前記画像上で、前記骨の第1の境界から当該骨の反対側の第2の境界まで延在する近位側線の向きを定める工程と、
    (iii)前記画像上で、前記近位側線から前記第1の境界と前記第2の境界との間の前記骨の長さに沿って延在する骨長手軸の向きを定める工程と、
    (iv)前記画像上で、前記近位側線から異なる距離にある複数の横線であって、それぞれ前記骨の前記第1の境界上の複数の第1の交点のうち一点から垂直に複数の第2の交点のうち一点まで延在し、当該複数の第2の交点のうち一点において前記骨長手軸と交差する複数の横線の向きを定める工程と、
    (v)前記複数の第1の交点と前記複数の第2の交点とに基づいて解剖学的形状を外挿する工程と、
    によって定められた前記解剖学的形状に輪郭が一致する少なくとも1つの曲面を有するように、前記インプラントを形成することを含むことを特徴とする方法。
  75. 前記インプラントは補綴物周囲骨プレート、近位端上腕骨プレート、遠位端上腕骨プレート、上腕骨釘又は上腕骨ステムの少なくとも1つである、
    請求項74記載の方法。
  76. 前記骨長手軸の線は、前記第1の境界と前記第2の境界との間において一定で等間隔の距離で前記骨に沿って長手方向に延在する中心線と前記近位側線との交差部から長手方向に延在し、
    前記近位側線は、前記骨の前記第1の境界から前記骨の最近位及び最外側面において前記第2の境界まで延在する、
    請求項74記載の方法。
  77. 前記骨長手軸の線は、前記骨の前記第1の境界から前記骨の反対側の第2の境界まで延在する骨切り線と前記近位側線との交差部から長手方向に延在し、
    前記近位側線は、前記骨の前記第1の境界から前記骨の最近位及び最外側面において前記第2の境界まで延在する、
    請求項74記載の方法。
  78. 前記骨長手軸は、前記骨の近位端の最上面から当該骨の最遠位面まで延在する骨近位端線と前記近位側線との交差部から長手方向に延在し、
    前記近位側線は、前記骨の前記第1の境界から前記骨の最近位及び最外側面において前記第2の境界まで延在する、
    請求項74記載の方法。
  79. 前記複数の横線は、前記近位側線から遠位方向に等間隔で配置されている、
    請求項74記載の方法。
  80. 前記等間隔は0.1〜50mmの範囲内である、
    請求項79記載の方法。
  81. 前記少なくとも1つの観察平面は、矢状面、冠状面、及び軸面の観察平面を含む、
    請求項74記載の方法。
  82. 前記インプラントを形成することは、
    前記矢状面の観察平面から少なくとも1つの輪郭を特定することと、
    前記冠状面の観察平面から少なくとも1つの輪郭を特定することと、
    前記軸面の観察平面から少なくとも1つの輪郭を特定することと、
    を含む、請求項81記載の方法。
  83. 前記骨は上腕骨である、
    請求項74記載の方法。
  84. 前記インプラントの幅を定めるために、前記上腕骨における大結節の幅を使用する、
    請求項83記載の方法。
  85. 前記インプラントの形状を特定するために、前記上腕骨の中心線に対する大結節の角度を使用する、
    請求項83記載の方法。
  86. 前記インプラントの長さは、前記上腕骨の長さを測定することによって決定される、
    請求項83記載の方法。
  87. 前記骨は大腿骨である、
    請求項74記載の方法。
  88. 前記骨は脛骨である、
    請求項74記載の方法。
  89. 前記骨は橈骨である、
    請求項74記載の方法。
  90. 前記骨は尺骨である、
    請求項74記載の方法。
  91. 前記画像はコンピュータ断層撮影スキャンスライスである、
    請求項74記載の方法。
  92. 前記複数の横線は少なくとも3つの線を含む、
    請求項74記載の方法。
  93. 前記方法は自動化されており、前記対象の前記骨の測定結果を自動的に抽出するためにプロセッサに記憶されたプログラムを実行するように構成された当該プロセッサを備えた制御システムへ画像が送信され、
    前記骨の前記測定結果は、付加製造システムを用いてプレートを製造するために参照される、
    請求項74記載の方法。
  94. 工程(v)は、
    前記少なくとも3つの線のうち、前記複数の第1の交点のうち第1の点から前記複数の第2の交点のうち第1の点まで垂直方向に延在する第1の線の第1の基準距離を測定することと、
    前記少なくとも3つの線のうち、前記複数の第1の交点のうち第2の点から前記複数の第2の交点のうち第2の点まで垂直方向に延在する第2の線の第2の基準距離を測定することと、
    前記少なくとも3つの線のうち、前記複数の第1の交点のうち第3の点から前記複数の第2の交点のうち第3の点まで垂直方向に延在する第3の線の第3の基準距離を測定することと、
    前記第1の基準距離と、前記第2の基準距離と、前記第3の基準距離とに基づき、前記第1の境界の解剖学的形状を外挿することと、
    を含む、請求項92記載の方法。
  95. 工程(v)はさらに、
    前記複数の第1の交点のうち前記第1の点と前記複数の第1の交点のうち前記第2の点との間の解剖学的形状の第1の湾曲部を、前記第1の基準距離と前記第2の基準距離とに基づいて外挿することと、
    前記複数の第1の交点のうち前記第2の交点と前記複数の第1の交点のうち前記第3の点との間の解剖学的形状の第2の湾曲部を、前記第2の基準距離と前記第3の基準距離とに基づいて外挿することと、
    を含む、請求項94記載の方法。
  96. 前記骨は補綴物周囲骨折を有し、
    前記インプラントは、前記骨の前記解剖学的形状にフィットして前記補綴物周囲骨折を矯正するように形成されており、
    前記補綴物周囲骨折は、
    (i)補綴物ステムの長さ及び幅を特定することと、
    (ii)前記ステムの幾何学的形態を特定することと、
    (iii)前記ステムの固定を特定することと、
    (iv)骨折パターンを特定することと、
    (v)前記骨折パターンが粉砕性であるか否かを特定することと、
    (vi)アンギュレーション及び変位の量を特定することと、
    (vii)前記変位を分類することと、
    のうち少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項74記載の方法。
  97. 前記インプラントは、特徴付けられた前記補綴物周囲骨折によって決定される長さ、幅及び形状を有するように形成された補綴物周囲プレートである、
    請求項96記載の方法。
  98. 前記補綴物周囲プレートは、最小限の遠位端骨折範囲での短いステム用に形成された近位端上腕骨短尺補綴物周囲プレートである、
    請求項97記載の方法。
  99. 前記補綴物周囲プレートは、骨折範囲が遠位端の短いステムと、最小限の遠位端範囲での正規の長さのステムと、のうち少なくとも1つに対応して形成された近位端上腕骨長尺補綴物周囲プレートである、
    請求項97記載の方法。
  100. 前記補綴物周囲プレートは、肘関節全置換術で使用される短い上腕骨ステムに対応して形成された短い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートであって、最小限の近位端骨折範囲での短い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートである、
    請求項97記載の方法。
  101. 前記補綴物周囲プレートは、上腕骨骨折範囲が近位端の肘関節全置換術と、最小限の近位端骨折範囲での肘関節全置換術で使用される正規の長さの上腕骨ステムと、のうち少なくとも1つで使用される短い上腕骨ステムに対応して形成された長い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートである、
    請求項97記載の方法。
  102. 前記補綴物周囲プレートは、最小限の骨折範囲及び中央骨幹非補綴物周囲骨折での正規の長さの肩/上腕骨ステムのうち少なくとも1つに対応して形成された中央骨幹上腕骨補綴物周囲プレートである、
    請求項97記載の方法。
  103. 前記補綴物周囲プレートは、高度に粉砕性の骨折を含めた上腕骨の有意な割合を占める骨折に対応して形成された全長型の補綴物周囲プレートである、
    請求項97記載の方法。
  104. 補綴物が移植された骨の近位部分と、当該骨の遠位部分と、の間の骨折を処置するための装置であって、
    前記骨に前記骨折にわたって配置できる寸法の長片のプレートを備えており、
    前記プレートは、前記骨に前記骨折にわたって配置されたときに前記骨側に来る骨接点面を有し、
    前記骨接点面は、長片の前記プレートに対して横方向の第1の平面より近位の近位領域と、長片の前記プレートに対して横方向の第2の平面より遠位の遠位領域と、前記第1の平面と前記第2の平面との間に位置する中央骨幹領域と、を有し、
    前記骨接点面は、前記プレートの近位部において凸状又は凹状である第1の湾曲部から当該プレートの当該近位部に長手方向に隣接する当該プレートの第2の部分における第2の湾曲部へ移行する形状を有し、
    前記第1の湾曲部が凹状である場合、前記第2の湾曲部は凸状であり、前記第1の湾曲部が凸状である場合、前記第2の湾曲部は凹状である
    ことを特徴とする装置。
  105. 前記第1の湾曲部は凸状である、
    請求項104記載の装置。
  106. 前記骨接点面の形状は、前記第2の湾曲部から、前記プレートの前記第2の部分に長手方向に隣接する当該プレートの遠位部における第3の湾曲部へ移行し、
    前記第2の湾曲部が凹状である場合、前記第3の湾曲部は凸状であり、前記第2の湾曲部が凸状である場合、前記第3の湾曲部は凹状である、
    請求項104記載の装置。
  107. 前記第1の湾曲部は凸状である、
    請求項106記載の装置。
  108. 前記プレートは、孔係合固定具を通して受けるための複数の開口を有する、
    請求項104記載の装置。
  109. 前記プレートは、最小限の遠位端骨折範囲の前記補綴物の短いステムに対応して形成された近位端上腕骨短尺補綴物周囲プレートである、
    請求項104記載の装置。
  110. 前記プレートは、骨折範囲が遠位端の前記補綴物の短いステムと、最小の遠位端範囲の前記補綴物の正規の長さのステムと、のうち少なくとも1つに対応して形成された近位端上腕骨長尺補綴物周囲プレートである、
    請求項104記載の装置。
  111. 前記プレートは、人工肘関節全置換術で使用される前記補綴物の短い上腕骨ステムであって最小限の近位端骨折範囲の短い上腕骨ステムに対応して形成された短い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートである、
    請求項104記載の装置。
  112. 前記プレートは、近位端の上腕骨骨折範囲の人工肘関節全置換術と、最小限の近位端骨折範囲の人工肘関節全置換術で使用される前記補綴物の正規の長さの上腕骨ステムとのうち少なくとも1つで使用される前記補綴物の短い上腕骨ステムに対応して形成された長い遠位端上腕骨補綴物周囲プレートである、
    請求項104記載の装置。
  113. 前記プレートは、最小限の骨折範囲及び中央骨幹の非補綴物周囲骨折の前記補綴物の正規の長さの肩/上腕骨ステムのうち少なくとも1つに対応して形成された中央骨幹上腕骨補綴物周囲プレートである、
    請求項104記載の装置。
  114. 前記プレートは、高度に粉砕性の骨折を含めた上腕骨の有意な割合を占める骨折に対応して形成された全長型の補綴物周囲プレートである、
    請求項104記載の装置。
  115. 前記骨接点面の前記近位領域は、前記第1の平面より近位の骨表面に一致するように構成されている、
    請求項104記載の装置。
  116. 前記骨接点面の前記遠位領域は、前記第2の平面より遠位の骨表面に一致するように構成されている、
    請求項104記載の装置。
  117. 前記骨接点面の前記中央骨幹領域は、前記第1の平面と前記第2の平面との間の骨表面に一致するように構成されている、
    請求項104記載の装置。
  118. 前記第1の平面より近位かつ前記近位領域より遠位の骨表面に一致するように、前記骨接点面の第2の近位領域が構成されている、
    請求項104記載の装置。
  119. 前記第2の平面より遠位かつ前記遠位領域より近位の骨表面に一致するように、前記骨接点面の第2の遠位領域が構成されている、
    請求項104記載の装置。
  120. 骨の近位部分と当該骨の遠位部分との間の骨折を処置するための装置であって、
    前記骨の前記近位部分に移植されるように構成された補綴物と、
    前記骨に前記骨折にわたって配置できる寸法の長片のプレートと、
    を備えており、
    前記プレートは、前記骨に前記骨折にわたって配置されたときに前記骨側に来る骨接点面を有し、
    前記骨接点面は、長片の前記プレートに対して横方向の第1の平面より近位の近位領域と、長片の前記プレートに対して横方向の第2の平面より遠位の遠位領域と、前記第1の平面と前記第2の平面との間に位置する中央骨幹領域と、を有し、
    前記骨接点面は、前記プレートの近位部において凸状又は凹状である第1の湾曲部から当該プレートの当該近位部に長手方向に隣接する当該プレートの第2の部分における第2の湾曲部へ移行する形状を有し、
    前記第1の湾曲部が凹状である場合、前記第2の湾曲部は凸状であり、前記第1の湾曲部が凸状である場合、前記第2の湾曲部は凹状である
    ことを特徴とする装置。
  121. 前記骨接点面の前記近位領域は、前記第1の平面より近位の骨表面に一致するように構成されている、
    請求項120記載の装置。
  122. 前記骨接点面の前記遠位領域は、前記第2の平面より遠位の骨表面に一致するように構成されている、
    請求項120記載の装置。
  123. 前記骨接点面の前記中央骨幹領域は、前記第1の平面と前記第2の平面との間の骨表面に一致するように構成されている、
    請求項120記載の装置。
  124. 前記第1の平面より近位かつ前記近位領域より遠位の骨表面に一致するように、前記骨接点面の第2の近位領域が構成されている、
    請求項120記載の装置。
  125. 前記第2の平面より遠位かつ前記遠位領域より近位の骨表面に一致するように、前記骨接点面の第2の遠位領域が構成されている、
    請求項120記載の装置。
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