JP2020526240A - 感光性アレイ - Google Patents

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Abstract

本発明は、適切な基材内又は基材上に配された複数の感光性要素を含む感光性アレイに関する。感光性アレイは、インプラント、特に網膜インプラントとして有用である。また、そのようなアレイを製造するための方法も提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、任意に更にコーティングされていてもよい、基材内又は基材上に配された感光性要素を含む感光性アレイ、及びその製造方法に関する。
網膜の感光性細胞の変性によって引き起こされる、網膜の様々な疾患が存在する。変性疾患の例としては、特に世界中の高齢者の間において、失明の主因となっている加齢黄斑疾患(AMD)及び網膜色素変性症(RP)が挙げられる。いずれの疾患も変性性であり、網膜の光受容細胞(光受容体)の喪失に関連している。AMDは、中心視力の喪失を引き起こすが、RPは、初期において周辺視力を徐々に喪失させ、その後、中心視力の喪失を引き起こし、完全な失明を引き起こす。
網膜は、眼の後部にある感光性層であり、桿体及び錐体と呼ばれる約10万個の光受容細胞を含む。これらの細胞は、入射光からのエネルギーを神経信号に変換する役割を有し、この神経信号は、脳の視覚皮質に視神経を介して伝達される。AMD及びRPの光受容細胞の変性により、網膜の光に対する感度が次第に低下し、最終的に失明を引き起こす。重要なことには、網膜の神経細胞と視神経は、光受容細胞ほど、疾患の影響を大きくは受けない。したがって、網膜と脳の間には、無傷で機能可能な接続が依然として存在し、これを視力回復に利用することができる。
網膜インプラントを含む視覚補綴システムが開発されている。これは、網膜組織の一部が変性していても、網膜の大部分は無傷のままであり、依然として光依存性電気刺激によって直接刺激され得るという事実を利用することにより、視覚障害のあるユーザーの適度な視覚と方向感覚を少なくとも一部、再確立するのに有用なツールである。典型的には、網膜インプラントは患者の眼に埋め込まれ、光刺激により、残りの神経細胞を電気的に励起する。刺激されると、これらの残りの神経細胞は、人工的に誘導された電気インパルスを、視神経を通じて脳の視覚部分に伝える。
網膜インプラントは、網膜上及び網膜下の2つのカテゴリに大別することができる(非特許文献1)。網膜上デバイスは、網膜の内表面、即ち最初に入射光に曝される網膜の側面であって、それに沿って、神経節細胞の神経線維が視神経に向かう網膜の側面の上又はその近傍に配される。網膜上インプラントは、通常、眼外デバイス(通常、カメラと入射光をデコードするための超小型電子回路)によって眼のレンズを通して網膜に投影された画像を受信できる複数の画素を含むチップを含み、これにより、画像を電気信号に変換し、更に複数の刺激電極を介して信号を電気刺激に変換し、チップに隣接する網膜細胞を刺激する。これは、盲目又は視覚障害患者の視覚を再構築又は改善するために行われる。対照的に、網膜下デバイスは、網膜の下、網膜とその下にある網膜色素上皮又はより深い他の組織との間に配される。
現在利用可能な網膜インプラント技術は、単一のチップの移植に依存している(特許文献1、特許文献2、及び非特許文献2)は、アレイ状に配された複数の画素をそれぞれ含む複数の剛性で平らなチップ(感光性要素)を記載している。特許文献3、特許文献4、及び特許文献5は、より可撓性のあるチップ(感光性要素)を提供する。前述の先行技術文献はいずれも、網膜インプラントの分野においてよく見られるアプローチの典型例であり、これらは、単一の感光性チップ又は要素の移植に依存する。しかし、これらのアプローチは、特に移植中(チップ又は周囲組織への損傷に至ることがある)の取り扱い、及び限定的視野の点において、特定の欠点を伴う。更に、先行技術のインプラントは、挿入されると簡単にずれてしまい(視力障害を引き起こす)、環境中の液体との接触による腐食を起こしやすい(インプラントを損傷する)。
したがって、先行技術に関連する欠点を克服し、手術中のチップの取り扱いと患者の治療上の利益のいずれをも高める解決策を提供することが望ましい。
WO2016/180535 A1 EP 3144032 A1 US 2003/0097165 A1 US 2005/0090874 A1 WO 2012/058477 A2
Lin et al., 2015, Retinal prostheses in degenerative retinal diseases, J Chin Med Assoc.; 78(9):501−5 Wang et al.J Neural Eng.2012 Aug;9(4):046014
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は、本明細書に記載の特定の方法、プロトコル、及び試薬に、これらは変わる可能性があるので、限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用する用語は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。特段の断りがない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
以下に、本発明の要素について説明する。これら要素は、具体的な実施形態と共に列挙されるが、これらを任意の方式で任意の数組み合わせて更なる実施形態を生み出すことができることを理解すべきである。様々に記載される実施例及び好ましい実施形態は、本発明を明示的に記載される実施形態に限定することを意図するものではない。この記載は、明示的に記載された実施形態を任意の数の開示された及び/又は好ましい要素と組み合わせる実施形態をサポート及び包含すると理解すべきである。更に、特に指定しない限り、本願における全ての記載された要素の任意の入れ換え及び組合せが本願の記載によって開示されるとみなすべきである。
本明細書及びその後に続く特許請求の範囲全体を通して、特に必要としない限り、用語「含む」並びに「含み」及び「含んでいる」等の変形は、指定されている部材、整数、又は工程を含むが、任意の他の指定されていない部材、整数、又は工程を除外するものではないことを意味すると理解される。用語「からなる」は、任意の他の指定されていない部材、整数、又は工程が除外される、用語「含む」の具体的な実施形態である。本発明において、用語「含む」は、用語「からなる」を包含する。したがって、用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」及び「からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、Xのみからなっていてもよく、追加の何かを含んでいてもよい(例えば、X+Y)。
用語「a」及び「an」及び「the」、並びに本発明の説明(特に、特許請求の範囲)において使用される同様の参照は、本明細書に指定されているか又は文脈上明示的に否定されていない限り、単数及び複数の両方を網羅すると解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、範囲内の各別個の値を個別に参照する簡易的な方法として機能することを意図する。本明細書において特に指定しない限り、各個別の値は、本明細書に個々に列挙されているかのように明細書に組み込まれる。明細書中のいずれの言語も、本発明の実施に必須の任意の請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
用語「実質的に」は、「完全に」を除外するものではなく、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含んでいなくてもよい。必要な場合、用語「実質的に」は、本発明の定義から省略されることもある。
数値xに関連する用語「約」は、x±10%を意味する。
パラメータの絶対的又は相対的な関係に関して、又はパラメータ自体の値に関して本明細書に与えられる値はいずれも、統計誤差及び/又は設計上の制約及び変動の影響を受ける。したがって、与えられる値は、その値の前後少なくとも+/−25%の範囲の値、又はサイズに言及する場合は少なくとも+/−10μmの範囲の値を表すと見なすべきである。例えば、サイズが100μmの3ダイオード画素では、電極サイズの最適な値を約15μm〜30μmの範囲とすることができる。
本発明では、特段の断りがない限り、代替物及び実施形態の各種特徴を互いに組み合わせてもよい。
感光性要素(チップ)は、AMD(乾性加齢黄斑変性)やRP(色素性網膜炎)などの外網膜の変性を伴う患者の視覚回復のためのインプラントとして開発された。機能、取り扱い、及び治療上の利益を最適化するために、本発明者らは、適切な基材に支持される又は埋め込まれた、少なくとも1つの電気刺激(好ましくは感光性)要素、好ましくは幾つかの電気刺激、好ましくは感光性要素のアレイを提供するというアイデアを着想した。いくつかの感光性要素が埋め込まれる特別な実施形態によれば、基材を設けることにより、埋め込まれたチップの必要な配置と距離を確保することができる。更に、適切な基材は、好ましくは、手術中の取り扱いを容易にする(インプラントの除去又は変更のための移植及び外植を含む)。適切な柔軟な生体適合性材料(基材又は更なるコーティングのいずれか)に感光性要素をカプセル化することにより、好ましくは、移植中の損傷からインプラントが保護される。更に、カプセル化は、手術中又は手術後の剛性で平らなチップによって引き起こされる機械的外傷を低減することにより、移植後の治癒を有利に改善し得る。
第1の態様において、本発明は、少なくとも1つの刺激要素、好ましくは少なくとも2つの刺激要素を含む電気刺激アレイを提供し、前記刺激要素はそれぞれ、少なくとも1つの刺激電極を含み、前記刺激要素は、基材内又は基材上に配される。任意に、前記刺激要素は、対向電極及び/又は抵抗体を更に含む。
好ましい態様において、本発明は、少なくとも1つの感光性要素、好ましくは少なくとも2つの感光性要素を含む感光性電気刺激アレイ(「感光性アレイ」)を提供し、前記感光性要素はそれぞれ、少なくとも1つのダイオード及び刺激電極を含み、前記感光性要素は、本明細書に記載されるように基材内又は基材上に配される。任意に、前記画素は、対向電極及び/又は抵抗体を更に含む。存在する場合、抵抗体の抵抗は、好ましくは、抵抗、刺激電極のサイズ、及びダイオードのサイズの所定の関係にしたがって選択することができる。感光性アレイは、任意に、コーティングを更に含むことができる。
感光性アレイ
本発明に係る「感光性アレイ」は、基材内又は基材上に配された少なくとも1つの感光性要素(「チップ」)、好ましくは少なくとも2つの感光性要素のアレイを含む又はからなる。換言すれば、本発明に係る「アレイ」又は「感光性アレイ」は、好ましくは、基材内又は基材上に配された少なくとも2つの感光性要素(チップ)の存在を特徴とする。各感光性要素(チップ)は、感光性要素の上又は中に(画素)アレイ状に配された少なくとも1つの画素又は好ましくは複数の画素を含む。
したがって、本発明アレイは、基材が支持層として構成されるかカプセルとして構成されるかに応じて、本明細書において「基材に支持されたアレイ」又は「埋め込まれたアレイ」と称することもある。複数の感光性要素の好ましい使用は、眼に移植されるときに大きな視野をカバーすることを可能にし、関心のある身体部分(例えば、眼)への移植及び/又は外植におけるアレイの取り扱いを更に容易にし得る。本発明アレイは、好ましくは、感光性要素及びその周囲の細胞/組織のいずれをも損傷から保護し得る、及び/又は本明細書の他の箇所で説明する基材支持又は埋め込みアレイの更なる特性を改善し得るコーティングを更に含むことができる。
一般に、関心のある標的領域内のインプラント(例えば、網膜インプラント)として適用可能な任意のタイプの電気刺激要素、好ましくは任意のタイプの感光性要素を、本発明の電気刺激(好ましくは感光性)アレイの形態で提供できる。例えば、現在、網膜インプラントは通常、剛性で平らなチップの形態で提供され、これらのチップはそれぞれ、患者の眼に送達され網膜と接触する。好ましくは、本発明アレイの感光性要素は、本明細書の他の箇所で説明される特徴及びパラメータによって特徴付けることができる(更に、WO2016/180517 A1、WO2016/206809 A1、WO2017/045756 A1における「インプラント」として)。しかし、前述したように、その他のタイプの電気刺激又は特に感光性要素を基材内又は基材上に配し、本明細書に記載するように任意にコーティングすることもでき、これにより、本発明に係る電気刺激(好ましくは感光性)アレイが形成される。
基材
本明細書に記載の本発明の電気刺激(好ましくは感光性)アレイは、適切な基材(及び任意に更にコーティング)を含む。
基材は、様々な方法で構成できる。本発明に係るいくつかのアレイでは、基材は支持層として構成されてもよく、その上に電気刺激(好ましくは感光性)要素が配される。そのようなアレイは、本明細書では「(基材)に支持された」アレイとも呼ばれる。本発明に係る他のアレイでは、基材はカプセルとして構成されてもよく、その中に感光性要素が配される。そのようなアレイは、本明細書では「埋め込まれた」アレイとも呼ばれる。一部のアレイでは、2種類の基材が組み合わされる。そのようなアレイは、本明細書では「組み合わせられた」アレイとも呼ばれる。基材の具体的な構成に関係なく、本発明アレイは、アレイに接触する又はアレイを囲むコーティングを更に含むことができる。
一般に、本明細書に記載の電気刺激(好ましくは感光性)要素を支持及び/又はカプセル化する基材の使用は前例がなく、好ましくは、いくつかの利点を伴う。好ましくは、電気刺激(好ましくは感光性)要素及び本発明アレイの製造及び/又は取り扱いを容易にすることができる。更に、基材は、好ましくは、治療効果及び患者のコンプライアンスを向上させ得る。
基材を含む本発明アレイの具体的な利点としては、以下の1以上を含み得る。
・本明細書に記載される複数の電気刺激(好ましくは感光性)要素の送達を促進する。
・個別に移植された平らなチップに比較して、非平面/曲線/不規則な形状(例えば、眼の形状)によりよく適合する。
・より多くの画素を提供するためにタイリングすることにより、電気刺激(好ましくは感光性)要素の利益/機能性を最適化する。
・電気刺激(好ましくは感光性)要素の取り扱いを容易にし、前記要素への損傷を避ける。
・身体構造又は組織との接触を容易にし、外傷を避ける。
・薬物送達及び補完療法に使用できる。
・アレイの前側と後側を区別できるので、製造及び特に移植中の取り扱いを容易にする。
・最適化された治療結果及び/又は特定の適用分野のために、電気刺激(好ましくは感光性)要素を所望のパターンで配することができる。
基材(及び本発明アレイ)は、移植部位(例えば、(ヒトの)眼)の形状に適合するのに十分に可撓性であることが好ましい。したがって、基材は、例えば、ヒトの網膜の平均曲率半径程度である約12mmに近い曲率半径に曲げられるのに十分に可撓性であることができる。
基材(及び本発明アレイ)は、好ましくは網膜の曲率に適合するように曲げることができるので、デバイスの電極と網膜の標的ニューロン細胞との間のニューロンから電極までの距離を短くすることができる。その結果、ニューロン細胞を励起又は刺激するために各画素に必要な電力を低減し、許容される電力密度でより高い画素密度を実現し、ニューロン細胞を介して知覚される画像の解像度を改善できる。
更に、基材(及び本発明アレイ)は、電気刺激(好ましくは感光性)要素に、任意に移植後に十分な支持を提供するのに十分に剛性であることが好ましい。したがって、基材は、アレイの折り畳み及び電気刺激(好ましくは感光性)要素の重なりを好ましくは防止するのに十分に剛性であることが好ましい。
考慮すべき更なる事項としては、本発明アレイの半透明性が挙げられる。例えば、光の特定の部分を通過させるのに十分に薄いアレイを提供することが望ましい場合がある。
基材の厚みは、前記要件のいずれか又は全てを満たすように選択することが好ましい。好ましくは、基材の厚みは、1μm〜500μm、より好ましくは10μm〜200μm、最も好ましくは10μm〜100μmであることができる。具体的には、基材は、少なくとも10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、又は150μmの厚みを有し得る。
本発明アレイは、少なくとも1つの電気刺激(好ましくは感光性)要素がその上又は中に配される基材に加えて、基材材料に支持される又は埋め込まれた前記要素に接触し、任意に囲むコーティングを更に含むことができる。本発明アレイの基材に適用される多くの考慮事項は、コーティングにも適用される。したがって、以下では、「基材(及び/又は任意のコーティング)材料」又は「基材(及び/又はコーティング)」に言及する。
基材(及び/又は任意のコーティング)材料は、好ましくは生体適合性であることができる。即ち、毒性がなく、有害でなく、生理学的に反応せず、免疫学的拒絶を引き起こさないことにより、生体組織/細胞又は生体に適合することができる。基材(及び/又は任意のコーティング)材料は、少なくとも部分的に生分解性であることができる。即ち、移植後(即ち、生理学的条件下で(例えば、細胞、体液などの作用によって))に、より小さな断片及び/又はその成分(特に、無害な生成物)に分解されることができる。生分解性基材(及び/又は任意のコーティング)材料は、移植後数分間から数時間以内に分解してもよいし(「高速生分解性基材/コーティング」)、本発明アレイの移植後数日間から数週間以内に分解してもよい(「低速生分解性基材/コーティング材料」)。
標的電気刺激を確実にするために、基材(及び/又は任意のコーティング)材料は、好ましくは(本質的に)非導電性であることができる。即ち、本質的に電流を伝導できなくてよい。この文脈において、「本質的に」は、電気刺激アレイ、好ましくは感光性アレイの適切な機能を妨害しない限り、最小限の電流を伝導してもよいことを意味する。或いは、基材(及び/又は任意のコーティング)材料は、好ましくは導電性、即ち電流を伝導することができ、任意に少なくとも1つの接地電極に接続される。
基材(及び/又は任意のコーティング)は、不透明、半透明、又は透明であることができる。具体的には、基材(及び/又は任意のコーティング)の上面及び底面は着色されていてもよく、任意に異なる色で着色されていてもよい。異なる色の着色は、有利なことに、基材(及び/又は任意のコーティング)の底面及び上面(「前側」及び「後側」とも称する)を区別することが可能になり、したがって関心のある身体部分(例えば、ヒトの眼)への埋め込み中にアレイの適切な方向付けが可能になる。したがって、区別可能な着色により、正しい取り扱いと移植が容易になり得る。しかし、基材(及び/又は任意のコーティング)は、無色/透明であってもよい。
電気刺激(好ましくは感光性)要素の本発明アレイは、(ヒト)の身体への移植が特に想定されており、ここで、好ましくは、刺激電極が標的細胞又は組織を刺激する。したがって、基材(及び/又は任意のコーティング)は、電気刺激(好ましくは感光性)要素の刺激電極が標的細胞/組織を電気的に刺激できるように構成されていることが好ましい。その目的のために、基材(及び/又は任意のコーティング)は、好ましくは、刺激電極から標的細胞/組織に電流を伝達することを可能にし得る。具体的には、特に、非導電性材料が基材(及び/又は任意のコーティング)材料として使用され、本発明アレイの刺激電極を被覆場合、基材(及び/又は任意のコーティング)は、ノッチ又は穴を有することができ、ここで、電気刺激(好ましくは感光性)要素の刺激電極に接触し、任意に被覆する。しかし、ノッチ及び穴は、例えば、ガス又は流体の流れを促進するために、基材(及び/又は任意のコーティング)の任意の場所に存在することができる。
適切な基材(及び任意のコーティング)材料は、以下の支持された、埋め込まれた、及びコーティングされたアレイの文脈において例示される。
本発明アレイの基材(及び/又は任意のコーティング)は、治療剤を更に含むことができる。本明細書で使用される用語「治療剤」としては、治療効果を生み出すことができる能動的な力、実体、又は物質が挙げられる。したがって、この用語は、薬剤(有機低分子、ペプチド、タンパク質、抗体などの生物学的物質を含む)並びに細胞及び核酸(「遊離」形態又は適切なベクターの形態で提供される一本鎖及び二本鎖RNA及びDNAを含む)を含む。
特に興味深い治療剤には、抗感染剤、抗炎症剤、治療細胞、及び遺伝子治療ベクターが含まれる。
抗感染剤は、感染病原体の拡散(即ち、伝播及び/又は増殖)を阻害する、又は感染病原体自体を殺滅することにより、感染に対して作用することができる任意の剤を含む。感染病原体は、細菌、ウイルス、感染性タンパク質、真菌、寄生虫、又は原虫を含む。本発明の文脈における適切な抗感染剤としては、抗生物質、抗原虫薬、駆虫薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬、治癩薬(antileprotics)、アミノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、フルオロキノロン、抗ウイルス薬、マクロライド、又はそれらの組合せが挙げられる。
抗炎症剤は、炎症を軽減又は予防できる薬剤を含む。本発明の文脈における適切な抗炎症剤としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、免疫選択性抗炎症性誘導体(ImSAID)、抗炎症性生物活性化合物、コルチコイド及びグルココルチコイドを含むステロイド、又は抗VEGFが挙げられる。
本発明の電気刺激アレイ(好ましくは感光性アレイ)を網膜インプラントとして使用する場合、関心のある治療細胞は、特に、劣化した網膜細胞を回復又は置換できる細胞、又は生存している網膜細胞を維持する及び/又はそれらの喪失を防ぐことができる細胞を含む。例えば、網膜色素上皮(RPE)細胞は、外側網膜の恒常性の維持に重要な機能を有している。これらの機能としては、栄養素の光受容体への輸送の調節、放出された外節(shed outer segments)の食作用、及び迷光の吸収が挙げられる。したがって、本発明は、本発明アレイの基材及び/又はコーティングにおける治療剤としてのRPE細胞の使用を想定する。RPE細胞は、患者の網膜の周辺に由来する、患者の細胞(例えば、線維芽細胞)から生成された人工多能性幹細胞(iPS細胞)に由来する(自家移植)、又はヒト胚性幹細胞に由来する(hESC−RPE)若しくは臍帯血由来幹細胞に由来することができる。
X連鎖型のRPを有する人の約70%は、光受容体の健康を維持するために重要なタンパク質をコードする網膜色素変性症GTPaseレギュレーター(RPGR)遺伝子の機能の喪失を引き起こす突然変異を有する。疾患(例えば、EP)を引き起こす遺伝子変異の影響を克服するために、遺伝子治療剤を本発明に係る治療剤として使用することができる。遺伝子治療薬としては、遺伝子の非変異型を標的細胞に送達して、所望の(機能的)遺伝子産物の発現を誘導又は回復させる適切なベクターが挙げられる。ベクターとしては、プラスミド及びウイルスベクター、特にアデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクターが挙げられる。任意に、更なる遺伝子編集ツールを、罹患個体の網膜に、標的遺伝子(例えば、RPGR)遺伝子の機能的コピーと共に更なる治療剤として同時送達してもよい。このような遺伝子編集ツールは、特に、CRISPR/Casシステムの成分を含む。
基材は、アレイを標的組織、特に網膜組織に取り付けるための突起、かかり(barbs)、フック、及び/又はタック、及び/又は手術中の取り扱いを容易にするハンドルを更に含むことができる。
支持されたアレイ
基材
本発明に係る「支持された」アレイでは、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、支持層、特にフィルム又は膜として構成される適切な基材上に配されることが好ましい。
上で説明したように、適切な基材は、好ましくは可撓性であり、網膜の形状に適合することができ、それと同時に、その上に配された電気刺激(好ましくは感光性)要素に十分な支持を提供する。更に、基材材料は、好ましくは、生体適合性及び/又は非導電性であることができる。
これに関して、支持されたアレイの好ましい基材材料は、パリレン、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリエステル、又はポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、又はバイオ接着剤などのポリマーから選択することができる。
支持されたアレイは、細長い形状、例えば、ストリップの形態を有することができ、その上で、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、細長い配列(例えば、列又は細長い蛇行)状に配することができる、又は細長い配列でそれぞれに対して相対的に変位させることができる。
その目的のために、基材は、好ましくは、少なくとも1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mm、好ましくは3mm〜7mmの長さを有することができる。基材は、好ましくは、少なくとも0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、又は1.5mm、好ましくは0.5mm〜1mmの幅を有することができる。しかし、本明細書では、電気刺激(好ましくは感光性)要素の他の形状、寸法、及び配列も想定される。
支持されたアレイは、本明細書の支持基材層の文脈で例示される材料を含む又はからなる上層を更に含むことができる。前記典型的な非生分解性材料は、好ましくは、刺激電極で生成された電流が標的細胞/組織に流れることを可能にするノッチ又は穴を有することができる。ノッチ又は穴は、以下に例示される(生分解性)コーティングで被覆しても被覆しなくてもよい。したがって、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、上層と支持基材との間に「サンドイッチされる」ことができる。
コーティング
本発明の電気刺激(好ましくは感光性)アレイ、特に本明細書に記載の支持されたアレイは、適切なコーティング材料で更にコーティングされてもよい。前記コーティング材料は、更なる機能性又は有利な特性をアレイに付与し得る。例えば、コーティング材料に治療剤又は細胞を提供してもよい。柔軟で、粘性があり、可撓性のあるコーティングは、更に、脆弱な電気刺激(好ましくは感光性)要素を損傷から保護し、移植中又は移植後の繊細な標的細胞/組織の機械的ストレス又は外傷を避けることができる。コーティングは、連続(即ち、支持されたアレイを完全に被覆する/囲む)又は不連続(即ち、支持されたアレイの一部のみを被覆する)であってもよい。コーティングは、好ましくは、生体適合性及び生分解性であることができる。コーティングは、好ましくは、非導電性であることができる。コーティングは、電流が刺激電極から標的細胞/組織に流れることを可能にするノッチ又は穴を有することができる。コーティングは、任意に基材とは独立して、不透明、半透明、又は透明であることができる。コーティングは、着色されてもよく、その上面と下面が異なる色で着色されてもよい。
具体的には、有用なコーティングは、以下で「カプセル」材料として例示される材料を含む又はからなることができる。したがって、適切なコーティング材料は、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、ゼラチン、ヒドロゲル、又はバイオ接着剤から選択することができる。
本発明はまた、本明細書に記載の支持された及び埋め込まれた電気刺激(好ましくは感光性)要素の組合せ(本明細書では「組み合わされた」アレイと称する)を想定する。その中で、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、典型的には、支持層として構成される基材上に配され、支持層は、以下に記載されるようにカプセルに埋め込まれる。そのようなアレイは、好ましくは、両方の構成によって付与される有利な特性を併せ持つ。組み合わされたアレイは、本明細書に記載のコーティングを更に含むことができる。
埋め込まれたアレイ
基材
本発明に係る「埋め込まれた」アレイにおいては、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、好ましくは、前記感光性要素を囲むカプセルとして構成される適切な基材に配される。
用語「カプセル」は、本発明アレイの電気刺激(好ましくは感光性)要素を囲む封入構造を意味する。「カプセル」は、ノッチ又は穴を有することがあるものの、(埋め込まれた)電気刺激(好ましくは感光性)要素の全ての側面を連続的に被覆することができる。或いは、「カプセル」は、電気刺激(好ましくは感光性)要素の上面又は底面のみを被覆してもよい。「カプセル」は、均質であってもよい(例えば、電気刺激(好ましくは感光性)要素を囲む1つの基材材料からなる)又は組み立てられてもよい(例えば、異なる基材材料からなり、例えば、1つの基材材料からなる上面と、別の基材材料からなる底面とを含む)。
上で説明したように、適切な基材は、好ましくは可撓性であり、ヒトの眼の形状に適合することができ、それと同時に、その中に配された電気刺激(好ましくは感光性)要素に十分な支持を提供する。更に、基材は、好ましくは、生体適合性及び/又は非導電性である。「カプセル型」の基材は、本明細書に記載のコーティングと同様に、生分解性であり得る。更に、カプセル型の基材(及び/又はコーティング)は、ゲル状、粘性、又は固体であることができる。
これに関して、埋め込まれたアレイに適した基材材料としては、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、ゼラチン、ヒドロゲル、又はバイオ接着剤が挙げられる。前記したように、これらの材料は、埋め込まれたアレイ(の一部)を囲む基材カプセルを形成するために組み立てられてもよい。そのような組み立てられたカプセルの場合、適切な基材材料の選択は、アレイの全体的な組み立て体及びその使用目的に依存する。一方の側(例えば、電気刺激を最大化するために標的細胞/組織に接触する側)の生分解性材料と、その反対側(例えば、標的細胞/組織に接触しない側)の非生分解性材料とから組み立てられたカプセルにアレイを埋め込むことが望ましいことがある。或いは、カプセルは、電気刺激要素、好ましくは感光性要素の電極側の高速生分解性材料と、非電極側の低速生分解性材料とから組み立てられてもよい。
埋め込まれたアレイは細長い形状を有することができ、その中で、電気刺激(好ましくは感光性)要素を、細長い配列(例えば、列又は細長い蛇行)状に配することができる、又は細長い配列でそれぞれに対して相対的に変位させることができる。
その目的のために、基材は、好ましくは、少なくとも1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mm、好ましくは3mm〜7mmの長さを有することができる。基材は、好ましくは、少なくとも0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3mm、3.5mm、又は4.5mm、好ましくは1mm〜3mmの幅を有することができる。しかし、本明細書では、電気刺激(好ましくは感光性)要素の他の形状、寸法、及び配列も想定される。
コーティング
支持されたアレイと同様に、埋め込まれたアレイを適切なコーティング材料で更にコーティングしてもよい。適切なコーティング材料としては、本明細書において「カプセル」材料として例示される材料を挙げることができる。したがって、適切なコーティング材料は、コラーゲン、ポリイミド、パリレン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、ゼラチン、ヒドロゲル、又はバイオ接着剤から選択することができる。前記コーティング材料は、更なる機能性又は有利な特性をアレイに付与し得る。例えば、コーティング材料に治療剤又は細胞を提供してもよい。柔軟で、粘性があり、可撓性のあるコーティングは、更に、脆弱な電気刺激(好ましくは感光性)要素を損傷から保護し、移植中又は移植後の繊細な標的細胞/組織の機械的ストレス又は外傷を避けることができる。コーティングは、連続(即ち、埋め込まれたアレイを完全に被覆する/囲む)又は不連続(即ち、埋め込まれたアレイの一部のみを被覆する)であってもよい。コーティングは、基材の文脈において本明細書に記載されるように、好ましくは、生体適合性であり、任意に生分解性であることができる。コーティングは、好ましくは、非導電性であることができる。コーティングは、ノッチ又は穴を有することができる。コーティングは、任意に基材とは独立して、不透明、半透明、又は透明であることができる。コーティングは、着色されてもよく、その上面と下面が異なる色で着色されてもよい。
コラーゲンは、生体材料であり(したがって、生体適合性である)、薄膜状に堆積させることができ、その剛性と吸収速度を容易に調節できるので、好ましい生分解性基材又はコーティング材料である(Shoseyov et al. Bioengineered.2014 Jan−Feb;5(1):49−52)。有利なことに、コラーゲンは周囲組織の治癒を促進し、線維症を防ぐ可能性を有する。ポリイミドとパリレンは、生体適合性材料であり、薄膜状に堆積させることができ、適切な可撓性を有することができるので、好ましい非生分解性基材又はコーティング材料である。
したがって、本発明アレイは、好ましくは、パリレンを含む又はからなる基材を含むことができる。前記基材は、好ましくは、フィルム又は膜として構成することができる。本発明アレイの感光性要素は、好ましくは、前記パリレンフィルム又は膜上に配される。
或いは、本発明アレイは、好ましくは、コラーゲンを含む又はからなる基材を含むことができる。前記基材は、好ましくは、カプセルとして構成することができる。本発明アレイの感光性要素は、好ましくは、コラーゲンカプセル内に配される。
更に、本明細書に記載される本発明アレイは、コラーゲンコーティングを含むことができる。
アレイ設計
本発明アレイとその要素−即ち、少なくとも1つの電気刺激(好ましくは感光性)要素及びその基材−は、その所望の適用可能性(例えば、網膜インプラントとして)を可能にし、好ましくは本明細書に例示する有益な特性の少なくとも1つを示す任意の適切な方法で組み立てられる又は構成されることができる。用語「アレイ設計」は、特に、(1)基材内又は基材上の電気刺激(好ましくは感光性)要素の配列、及び(2)結果として得られるアレイの形状又は形態(通常、相互に依存し得る)を意味する。
配列
本発明アレイは、好ましくは、複数の少なくとも2つの電気刺激(好ましくは感光性)要素(又は「チップ」)を含むことができる。好ましくは、本発明アレイは、少なくとも2個、3個、又は4個の電気刺激(好ましくは感光性)要素を含むことができる。前記電気刺激(好ましくは感光性)要素は、それらが所望の機能を発揮できる方法で、前記基材内又は前記基材上に配することができる。
一般に、任意のタイプの電気刺激(好ましくは感光性)要素を、適切な基材内また適切な基材上に配列させて、本発明アレイを形成することができる。典型的には、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、少なくとも0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、又は3.5mmの辺の長さ又は直径を示することができる。
本発明アレイにおいて、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、互いに対して、少なくとも0mm、より好ましくは0.01mm、0.05mm、0.10mm、0.20mm、0.25mm、0.30mm、0.50mm、0.60mm、0.70mm、0.80mm、0.90mm、又は1.0mmの距離を置いて基材内又は基材上に配することができる。
少なくとも2つの電気刺激(好ましくは感光性)要素は、好ましくは、結果として得られるアレイが、本明細書に記載されるように機能する限り、実質的に線形状、蛇行状、円形状、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、七角形状、八角形状に、規則的又は不規則的なタイリングパターン、ハニカムパターン、グリッドパターン、充填又は非充填パターン、均一又は不均一パターン、又は任意/非対称に、基材内又は基材上に配することができる。
適切な配列の選択は、特に、電気刺激(好ましくは感光性)要素の形状(例えば、円形状、四角形状、六角形状)及び結果として生じるアレイの所望の(又は必要とされる)全体形状に依存し得る。電気刺激(好ましくは感光性)要素は、基材内又は基材上に線形状に(即ち、1つ又はいくつかの列で)配されることが好ましいことがある。電気刺激(好ましくは感光性)要素が、ハニカムパターン又はグリッドパターンなどの規則的なタイリングパターンで基材内又は基材上に配されることが好ましいことがある。「実質的に」線形状、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、七角形状、八角形状、又は非対称の形状又は配列は、形状又は配列が、示された形状に概ね対応し、それからの僅かに逸脱する形状を含むことができることを意味する。
支持された、埋め込まれた、又はコーティングされたアレイにおいて、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、その横方向のマージン又は領域が、基材によって規定される横方向のマージン又は領域によって完全に囲まれる(即ち、それを超えて延在しない)ように基材内又は基材上に配することができる。その結果、全体としての本発明アレイの横方向のマージン又は領域は、基材の寸法によって規定され得る。埋め込まれたアレイ及びコーティングされたアレイにおいては、基材/コーティングは通常、横方向のマージンだけでなく、電気刺激(好ましくは感光性)要素の上面又は底面の少なくとも一方も囲むことが理解されよう。
或いは、支持されたアレイ又はコーティングされたアレイにおいては、電気刺激(好ましくは感光性)要素を、その横方向のマージン又は領域が、基材によって画定される横方向のマージン又は領域によって完全には囲まれない(即ち、それを超えて延在する)ように基材上に配することができる。その結果、前記要素が基材の寸法によって規定される領域を超える限りにおいては、全体としての本発明アレイの全体の横方向のマージン又は領域は、基材とその上に配される電気刺激(好ましくは感光性)要素の寸法によって規定され得る。
アレイの形状
本発明アレイ自体は、その製造並びに意図される使用及び機能(例えば、網膜インプラントとして)を好ましくは容易にする任意の形状を有することができる。一般に、アレイの形状は、電気刺激(好ましくは感光性)要素の配列に適合してもしなくてもよい(例えば、実質的に線形状、円形状、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、七角形状、又は八角形状、ハニカムパターン、グリッドパターン、又は任意/非対称)に配することができる)。したがって、本発明に係る感光性アレイは、実質的に線形状、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、七角形状、八角形状、又は非対称の形状を有することができる。
本発明アレイ全体の適切な形状の選択は、特に、その所望の用途に依存し得る。例えば、ヒトの眼に移植する場合、本発明アレイは、好ましくは、実質的に細長い形状(即ち、線形状又はS字形の曲線状であることができ、その中又はその上に、電気刺激(好ましくは感光性)要素が、1つ又は幾つかの列、蛇行状に配される、又は細長い形状において互いに対して相対的に変位される)又は実質的に円形状又は楕円形状を有することができる。電気刺激(好ましくは感光性)要素は、基材内又は基材上に線形状に(1つ又は幾つか列で、任意に互いに対して細長い形で変位する)又は蛇行して配されることが好ましいことがあり、結果として得られるアレイ自体は、実質的に細長い形状、線形状、又は湾曲形状を有する。
本発明に係る電気刺激要素(好ましくは感光性アレイ)は、関心のある身体部分(例えば、眼の網膜下腔又は網膜上腔)への移植及びin situにおける標的細胞/組織の刺激を好ましくは可能にする任意の辺の長さ又は直径を有することができる。実質的に細長い形状、線形状、又は湾曲形状は、小切開部を通す網膜移植を可能にし、網膜上又は網膜下でのアレイの水平配置を容易にする。
辺の長さ/直径は、特に、アレイに含まれる電気刺激(好ましくは感光性)要素のサイズと数、及びアレイの個々の感光性要素間の空間に依存する。具体的には、本発明アレイは、少なくとも1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、又は10mmの辺の長さ又は直径を有することができる。
黄斑(macula)、即ち、高解像度視覚に使用される網膜の中心部分は、直径約2mmである。したがって、網膜インプラントとして使用される本発明アレイの面積は、黄斑を被覆するのに適した寸法を有することができる。例えば、好ましくは正方形又は円形の形状を有する感光性アレイの場合、辺の長さ及び幅は2×2mm〜10×10mm、特に、3×3mm〜5×5mmの範囲であることができる。
本発明アレイは、平面状であってもよく、又は網膜の形状に一致するように予め湾曲していてもよい(その目的のために、アレイは、例えば、球の形態を取り得る)。
電気刺激(好ましくは感光性)アレイは、アレイを網膜組織に取り付けるための突起、かかり、フック、及び/又はタックを更に含むことができる。電気刺激(好ましくは感光性)アレイは、例えば、手術中に、アレイの取り扱い及び位置合わせを容易にするために、ハンドルを更に含むことができる。そのようなハンドルは、例えば、その中/その上には電気刺激(好ましくは感光性)要素が配されない適切な基材材料の細長い部分から形成することができる。
好ましい実施形態では、本発明の電気刺激(好ましくは感光性)アレイ(5)は、2個、3個、4個、又はそれ以上の複数の電気刺激(好ましくは感光性)要素(50)のアレイを含むことができ、各要素(50)は、本明細書に記載される少なくとも1つ、好ましくは複数の画素アレイ(1)を含み、前記要素(50)は、基材(20)上に配されている。好ましくは、前記基材は、フィルム又は膜として構成することができる。好ましくは、基材(20)は、複数の要素(50)を支持することができる。好ましくは、基材(20)は、可撓性の生体適合性及び/又は非導電性材料からなり得る。好ましい材料としては、パリレン、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリエステル、又はポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、又はバイオ接着剤を含むポリマーが挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、アレイ(5)は、コーティング(22、22’)を更に含むことができる。好ましくは、コーティング(22、22’)は、可撓性の生体適合性及び/又は非導電性材料からなり得る。任意に、コーティング(20、22’)は、生分解性又は非生分解性の材料、又はその両方からなり得る。好ましい材料としては、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、ゼラチン、ヒドロゲル、又はバイオ接着剤が挙げられる。
別の同様に好ましい実施形態では、本発明の電気刺激(好ましくは感光性)アレイ(5)は、2個、3個、4個、又はそれ以上の複数の電気刺激(好ましくは感光性)要素(50)のアレイを含むことができ、各要素(50)は、本明細書に記載される少なくとも1つ、好ましくは複数の画素アレイ(1)を含み、前記要素(50)は、基材(20)内に配されている。好ましくは、前記基材は、カプセルとして構成することができる。好ましくは、要素(50)は、前記基材(20)に埋め込むことができる。好ましくは、基材(20)は、可撓性の生体適合性及び/又は非導電性材料からなり得る。好ましい材料としては、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、ゼラチン若しくはヒドロゲル、又はバイオ接着剤が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、アレイ(5)は、前記した実施形態の文脈において記載したコーティング(22、22’)を更に含むことができる。
感光性要素
本発明は、感光性要素を含む感光性アレイを提供する。本発明アレイに含まれる「感光性要素」は、好ましくは、少なくとも1つのダイオードを含む少なくとも1つの「画素」、刺激電極、並びに、好ましくは対向電極及び抵抗体を含む。好ましくは、前記抵抗体は、刺激電極と対向電極との間に設けることができる。ダイオードと抵抗体は、好ましくは、電気的に互いに並列に接続することができる。個々の画素は、画素アレイ状に配列できる。これらの特定の領域を互いに分離させるために、画素の個々のダイオード間及び/又は画素アレイの画素間に溝を設けることができる。電気的接続を確立するために、ダイオードと電極との間の電気的接点を設けることができる。したがって、本発明アレイの感光性要素は、刺激(又は「作用」)電極、並びに任意に対向(又は「リターン」)電極及び電極間の電気回路に設けられた(シャント)抵抗体を含む。抵抗体の抵抗は、好ましくは、例えば、本明細書に記載される、抵抗、刺激電極のサイズ、及び少なくとも1つのダイオードのサイズの所定の関係にしたがって決定することができる。
好ましくは、本発明アレイを網膜下に埋め込み、光がアレイの前側から来るようにすることができる。各感光性要素の電極とダイオードは、網膜双極細胞と入射光に向かう側に面することができる。或いは、ダイオードと電極とを感光性要素の反対側に配することができる。したがって、感光性要素は、好ましくは、要素の前側にダイオードを、後側に電極を含む、或いはその逆の位置にそれぞれを含むことができる。或いは、本発明アレイを網膜上に埋め込み、光が前側から来て、電極が後側の網膜神経節細胞に面することができる。
本発明アレイの各感光性要素は、少なくとも1つの「画素」(即ち、ダイオード及び刺激電極、並びに任意に前記した対向電極及び抵抗体のアセンブリ)又は複数の画素を含むことができる。複数の画素は、少なくとも1つの画素アレイ状に配することができる。「画素アレイ」は、隣接する画素の明確なマトリックス又は群として理解される。例えば、六角形の形状を有する個々の画素は、1つの画素が6つの更なる周囲画素に隣接するように画素アレイに組み立てることができる。本発明アレイは、複数の感光性要素を含み、各要素は、好ましくは、少なくとも1つの、好ましくは複数の画素アレイを含む又はからなる。
本発明アレイに含まれる感光性要素は、前面及び後面を更に含むことができ、したがって、本発明の感光性アレイに含まれる感光性要素は、その全体を参照により本明細書に援用するWO2016206809に記載された感光性要素に対応し得る。
同様に、本発明のアレイに含まれる感光性要素は、基材層及び界面層を更に含むことができ、したがって、本発明の感光性アレイに含まれる感光性要素は、その全体を参照により本明細書に援用するWO2017/045756A1で「インプラント」として記載される感光性要素に対応し得る。
電極又はダイオード又は画素(又は本明細書に記載の感光性要素又は感光性アレイの他のコンポーネント)の「サイズ」に言及するとき、その空間的寸法が言及される。具体的には、本明細書に記載の感光性要素又は感光性アレイのコンポーネントの「サイズ」は、その表面積、可視領域、活性領域などであり得る。このようなコンポーネントの「サイズ」は、相対的又は絶対的用語で示されることがある。例えば、ダイオード又は電極の「サイズ」は、画素、感光性要素、感光性アレイなどの絶対的な値(例えば、その可視/表面/活性領域に言及することによって)又は合計サイズの各割合(例えば、可視/表面/活性領域)で示すことができる。本明細書で「画素サイズ」に言及するとき、「画素ピッチ」、即ち、1画素のサイズ+隣接する画素間のギャップのサイズが言及されることが好ましい。好ましくは、画素アレイの画素間に(本質的に)ギャップがないことがあり、この場合、画素サイズが、好ましくは、画素ピッチに対応し得る。
抵抗体
本発明アレイの電気刺激(好ましくは感光性)要素はそれぞれ、好ましくは、前記要素の刺激電極と対向電極との間に好ましくは配された抵抗体を含むことができる。抵抗体は、好ましくは、前記画素のダイオードに並列に電気的に接続される。抵抗体は、シャント抵抗体、巻かれた抵抗体(wrapped resistor)、又は別のタイプの抵抗体(例えば、不定抵抗(indefinite resistance)を有する抵抗体)であることができるが、シャント抵抗体が好ましいことがある。適切な抵抗体の選択は、特に、本発明アレイの各電気刺激要素、好ましくは感光性要素(及びダイオード及びそれに含まれる電極)の画素のジオメトリに依存し得る。好ましい実施形態では、本発明の感光性アレイに含まれる感光性要素は、その全体を参照により本明細書に援用するWO2016/180517 A1に記載された感光性要素に対応する。別の好ましい実施形態では、本発明の感光性アレイに含まれる感光性要素は、その全体を参照により本明細書に援用するWO2016/180535A1に記載された感光性要素に対応する。
ダイオード
(フォト)ダイオードは、よく使用される光検出器である。これらは通常、p−n接合を含む半導体デバイスであり、多くの場合、n層とp層との間の真性(非ドープ)層である。真性層を有するダイオードは、p−i−n又はPINフォトダイオードと呼ばれる。空乏領域又は真性領域で吸収された光は、電子−正孔ペアを生成し、その大部分が電流(光電流)に寄与する。通常、(フォト)ダイオードで使用される半導体材料は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ化リン化インジウムガリウム(InGaAsP)、及びヒ化インジウムガリウム(InGaAs)を含む。
ダイオードのサイズが(刺激電極のサイズと共に)、本発明アレイの各画素に設けられた抵抗体の抵抗を決定することが好ましい。この文脈においては、ダイオードの「サイズ」は、その「活性(ダイオード)領域」(即ち、光感受性/感光性領域)に対応することが好ましい。
各画素(したがって本発明アレイの各感光性要素)は、少なくとも1つのダイオードを含むことが好ましい。したがって、各画素(したがって本発明アレイの各感光性要素)は、1個、2個、3個、又はそれ以上のダイオードを含むことができる。ダイオードは、好ましくは、本明細書に記載される所望の機能を発揮できるようにする任意の適切な方法で構成及び配置される。ダイオードは、陽極又は陰極のいずれかの極性で刺激電極と対向電極に接続されることが好ましい。
各画素(したがって本発明アレイの各感光性要素)が複数のダイオードを含む場合、「ダイオードサイズ」は「有効ダイオードサイズ」に対応することが好ましく、これは、総ダイオードサイズ(例えば、総ダイオード有効面積)を画素中のダイオード数で除した比を計算することにより決定することが好ましい。したがって、「有効ダイオードサイズ」は、特に、感光性要素の個々のダイオードが同一又は類似のサイズを有する場合、画素内の平均ダイオードサイズに対応することがある。しかし、感光性要素の個々のダイオードは、サイズが異なってもよい。そのような場合、「有効ダイオードサイズ」の他の定義を適用することができる。例えば、有効ダイオードサイズは、(特に、ダイオードが直列に接続されている場合)、感光性要素に存在する最小のダイオードのサイズ(例えば、ダイオード活性領域)に対応することがある。又は、有効ダイオードサイズは、感光性要素内のダイオードの形状及び位置に関する加重平均として定義することができる。
ダイオードサイズ(好ましくはダイオード活性領域)は、最大100000μmであることができる。特に、ダイオードサイズ(好ましくはダイオード活性領域)は、50μm〜100000μmであることができる。ダイオードサイズ(好ましくはダイオード活性領域)は100μm以上、好ましくは200μm以上であることが好ましいことがある。ダイオードサイズ(好ましくはダイオード活性領域)が500μm〜10000μmであることが特に好ましいことがある。
刺激電極
本発明アレイを形成する電気刺激(好ましくは感光性)要素はそれぞれ、刺激電極(又は活性電極)を含み、刺激電極は、好ましくは、本発明アレイの移植時に関心のある身体部分(例えば、眼)における標的細胞/組織に電気刺激を伝達できるように構成及び配置される。したがって、刺激電極は、埋め込み後、上で定義したように、標的細胞/組織と接触して配置されることが好ましい(即ち、前記細胞/組織と直接接触してもしなくてもよい)。
網膜インプラント(好ましくは網膜下インプラント)として使用される電気刺激(好ましくは感光性)アレイに場合、本発明アレイの刺激電極は、通常、移植時に、神経網膜の個々の細胞、細胞群、細胞の一部、及び神経線維の少なくとも1つに直接接触する。
刺激電極のサイズは(ダイオードのサイズと共に)、本発明アレイの各画素(したがって各電気刺激#(好ましくは感光性)要素)に好ましくは設けられる抵抗体の抵抗を決定することが好ましい。この文脈において、刺激電極の「サイズ」は、その「活性(電極)領域」(即ち、供給された光電流から電気を生成できる電気的に活性な領域)に対応することが好ましい。
典型的には、刺激電極は、白金、酸化イリジウム、及び/又は窒化チタンを含む。或いは、イリジウム、白金イリジウム、ドープされたダイヤモンド、又はダイヤモンド状炭素、又はPEDOT:PSS、又は他の知られた材料を電極材料として使用することができる。好ましい電極材料としては、多孔性又はフラクタルTiN又は白金構造(「黒色白金」又は「多孔性白金」とも呼ばれる)などの高度に多孔性の構造が挙げられる。電極の厚みは、約3μm〜100nmである。
電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、最大100000μm又はそれ以上であることができる。電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、5〜10μmであることができる。或いは、電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、20μm以上、より好ましくは50μm以上、更により好ましくは100μm以上であることができる。電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、100μm〜10000μmであることが更により好ましい場合がある。電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、500μm〜3300μmであることが最も好ましい場合がある。
例えば、5μmの電極活性領域を有する電極を含む画素は、例えば、約20μmの総画素領域を有することができる。電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、画素サイズとは独立して選択することができる。それは、画素サイズ(又は特に画素領域)の2%〜50%、好ましくは5%〜20%、より好ましくは10%〜15%であることができる。具体的には、電極サイズ(又は特に電極領域)は、画素サイズ(又は特に画素領域)の12.5%であることができる。
適切な電極サイズ(好ましくは電極活性領域)の選択は、当業者の技能及び知識の範囲内である。例えば、標的細胞/組織をより正確に刺激するために、より小さい電極(例えば、より小さい電極活性領域を有する)を選択することができ、一方、より大きい電極(より大きい電極活性領域を有する)は、製造を容易にし得る。
神経刺激は、光電流の送達に使用される刺激電極に特別な要件を課す。原則として、刺激電極は、最適な信号処理と刺激のために、大きな電流と電荷密度を扱うことができることが好ましい。しかし、これらは電極の劣化や周囲の細胞/組織の損傷を伴うことがある。したがって、電極サイズ(又は好ましくは活性領域)を大きくすることによって電荷密度を低減し、それによって標的組織/細胞又は電極自体への損傷リスクを最小限に抑えることが必要になることがある。したがって、電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、最適な電荷入力を保証する電極のサイズ(好ましくは活性領域)の最大2倍になる場合がある。
一般に、本発明のアレイを形成する電気刺激(好ましくは感光性)要素のダイオード及び/又は刺激電極のサイズ(好ましくは活性領域)は変化し得る。前記サイズ(好ましくは活性領域)は、アレイの移植が想定される身体部分(例えば、眼)の解剖学的及び生理学的条件又は特徴、及び/又は手術中の取り扱い要件によって決定される上限によることがある。前記サイズ(好ましくは活性領域)の下限は、製造中の技術的制限及び/又は手術中の取り扱い要件によって決定することができる。
対向電極
本発明アレイの電気刺激(好ましくは感光性)要素は、刺激電極によって伝達される刺激信号のためのリターン電流経路を提供する対向電極(「リターン電極」又は「接地電極」とも呼ばれる)を更に含むことが好ましい。
対向電極は、その所望の機能を発揮できるように構成及び配置されることが好ましい。例えば、対向電極は、感光性要素の刺激電極及び/又はダイオード(又はそれらのそれぞれの活性領域)を、(好ましくは完全に)横方向に囲む(即ち、周囲を囲む)ことができる。感光性要素が複数のダイオードを含む場合、対向電極は、これらのダイオードの1つ又は全てを横方向に囲むことができる。記載された配列は、好ましくは、刺激電極によって生成された電界の均一な電界分布による改善された光検出及び刺激を可能にする。対向電極は、刺激電極又は少なくとも1つのダイオード(又はそれらのそれぞれの活性領域)を部分的にのみ囲むこともできる。
取り囲む対向電極のサイズ(好ましくは、その横方向の広がり/幅、又は全画素領域における割合に対応する)は、本発明アレイを形成する感光性要素の刺激電極及びダイオードの配置に依存する。例えば、その幅は、画素サイズの1%〜30%などであり得る。絶対数では、その幅は、5μm〜25μmであることが好ましい。
代替として、例えば、感光性要素上の離れた場所の位置に、中央リターン電極を画素10から分離させて配置してもよい。そのような構成は、単極構成とも呼ばれることがある。リターン電極は必ずしも要素の幾何学的中心にある必要はないことに留意されたい。更に、複数のそのような中央リターン電極が感光性要素上に分布することがある。本発明はこれらの構成のいずれにも適切に使用できることが理解されよう。
抵抗
本発明の好ましい実施形態においては、本発明アレイの電気刺激(好ましくは感光性)要素に好ましくは存在する抵抗体の抵抗の所定の関係は、次の関係にしたがって、「ダイオードサイズ」の「電極サイズ」に対する関係によって決定される。
式中、
Rは、(シャント)抵抗体の抵抗[kOhm]であり、
Dは、ダイオードサイズ[μm]であり、
Eは、電極サイズ[μm]であり、
mは、指数である。
好ましい実施形態によれば、式(1)にしたがう前記関係は、式(2)にしたがう関係によってより詳細に表すことができる。
式中、
Rは、シャント抵抗体の抵抗[kOhm]であり、
areaは、電極の有効電極面積[μm]であり、
areaは、ダイオードの有効ダイオード面積[μm]であり、
nは指数であり、
aは定数である。
パラメータa及びnは、以下の式(2a)で示されるように、各画素、画素アレイ、及び電気刺激(好ましくは感光性)要素の物理的パラメータの寸法に対応する寸法を有する。
式(2)において、指数nは無次元である。しかし、本アプローチは、画素又はその特性の数学的記述ではないことが理解されよう。むしろ、前記式(1)及び(2)は、上に示したパラメータに最もよく反映させることができる具体的な技術的特性を有する画素又は画素アレイを有するインプラントを定義することを可能にする。これは、指数nの大きさによって、定数aが非整数次元を有し得ることを含む。これまでのところ、本発明者らは、この現象の満足できる物理的説明を着想することができなかった。しかし、これは、本発明、即ちインプラント、及び特に少なくとも1つの画素又は画素アレイ全体の技術的特性を定義するパラメータの適性に影響を及ぼさない。
指数nと定数aは、一般に、ダイオードサイズ、電極サイズ、抵抗の間の相互関係を決定する。これらのパラメータにしたがって設計された、電気刺激(好ましくは感光性)要素(及びそれを含むアレイ)は、多数の可能な他の任意のパラメータセットよりも有利であると考えられるので、(網膜)インプラントとしてより適している場合がある。そのようなインプラントは、本明細書に示されるそれぞれのパラメータによって定義される電気刺激(好ましくは感光性)要素を含むアレイを含まない他のインプラントと比較して、向上した性能を示すことができる。特定された関係は、特に、最適なシャント抵抗体を予測し、したがって、本発明の感光性アレイを形成する電気刺激(好ましくは感光性)要素の製造を容易にする方法も提供する。
電極サイズは、所定の総ダイオード活性領域について、総ダイオード活性領域と電極領域との間の比が0.1〜10、好ましくは1〜9、最も好ましくは3〜6になるように選択することができる。そのような電極領域を有する電気刺激(好ましくは感光性)要素は、電荷バランシングの観点から電極性能を低下させることなく最大の電荷密度を提供できるという点で特に有利であり得る。
或いは、電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、所定のダイオード活性領域について、ダイオード活性領域と電極活性領域との間の関係において、定数aが、区間[3・10;2・10]から選択されるように選択することができる。好ましくは、定数aは、区間[7・10;1,5・10]から選択することができる。より好ましくは、aは、10であることができる。
具体的には、定数aは、10であることができ、指数nは、区間[−1,5;−2]、好ましくは区間[−1,75;−1,85]から選択することができる。
或いは、電極サイズ(好ましくは電極活性領域)は、所定のダイオード活性領域について、ダイオード活性領域と電極活性領域との関係において、指数nが区間[−1,5;−2]から選択することができるように選択することができる。好ましくは、指数nは、区間[−1,75;−1,85]から選択することができる。より好ましくは、nは、−1,81であることができる。
具体的には、指数nは、−1,81であることができ、定数aは、区間[3・10;2・10]、好ましくは区間[7・10;1,5・10]から選択することができる。
シャント抵抗体の値に関して、値は、表示された値と異なる場合があり、例えば、表示された値の10%から最適値の最大10倍まで、好ましくは値の50%から表示された値の最大5倍まで異なる場合がる。
前記範囲内のパラメータは、好ましくは、本明細書に記載される電気刺激(好ましくは感光性)要素の提供を可能にする。特に、定数a及び/又は指数nの記載された値によって特徴付けられる(シャント)抵抗体を含む電気刺激(好ましくは感光性)要素は、好ましくは、例えば、電荷注入と電荷バランシングの両方の観点で複数の有利な特性を示す一方で、他のアプローチは、電気刺激要素(好ましくは感光性要素)の特性を、両パラメータのいずれか一方に関してのみしか改善しない場合がある。したがって、記載されたアプローチは、有利なことに、特に標的組織/細胞に接触して移植及び配置されたときに、好ましい特性を示す電気刺激(好ましくは感光性)及びそれを含むアレイのマルチパラメータ評価及び提供を可能にする。
当業者に知られているように、電極/ダイオードサイズ及び抵抗の正確な値は、依然として公差を含む。これは、記述されたアプローチの範囲で実行可能でない更なるパラメータが、インプラントの最終構造に関して更なる妥協を必要とする場合があるという事実のためである。したがって、本明細書に記載のアプローチは、本発明の範囲内の効果的な埋め込み可能電気刺激要素(好ましくは感光性アレイ)にとって許容可能な抵抗値の範囲を提供する。
更なる眼外又は眼内デバイス
本発明に係る電気刺激(好ましくは感光性)アレイは、更なる眼外又は眼内デバイスと共に使用することができる。
網膜下インプラントとして使用される電気刺激(好ましくは感光性)アレイは、原則として、神経網膜の機能障害層に置き換わり、追加の電力供給や信号変換を必要とせずに眼の天然の回路に統合される必要がある。しかし、網膜下インプラントは、ビデオカメラなどの画像情報を表す信号を捕捉するためのデバイス、及びワイヤを介して又は無線リンクによって信号をアレイに中継する送信機を更に組み込むこともできる。
例えば、送信者は、本発明アレイが配されている網膜下空間へのハードワイヤリングを介して、感知された入射光に比例する信号を送信することができる。或いは、受信された画像情報を、電磁誘導を介してインプラントに送信することができる。その目的のために、外部電源から送られる無線周波数(RF)エネルギーを使用して、刺激電極と接地電極と連絡している眼内コイルに信号を送ることができる(U.S.Pat.No.4,628,933 A参照)。
好ましくは、本発明に係る電気刺激(好ましくは感光性)アレイは、赤外線感受性フォトダイオードによって電気エネルギーに変換される不可視赤外線を介して供給され得る(WO98/17343 A1を参照)。そのようなインプラントは、通常、可視光を赤外光に変換する眼鏡(画像情報を受信するビデオカメラを任意に装備)を更に含む。有利なことに、与えられるエネルギーレベルでは、赤外線は可視光よりも有害でなく、ハードワイヤリングを必要としない。眼鏡は、弱光での画像の増幅、及び反対に強光下での減衰を保証し、より広い光度範囲に亘って人工網膜の機能を促進する。
したがって、本発明アレイを使用する網膜(下)インプラントは、特に、更なる光源を組み込むことができる。そのような光源は、原則として身体の外部にあっても内部にあってもよい。光源は、例えば、(任意にパルス化された)赤外光(IR)、特に近赤外光(NIR)を発して、網膜に残存している光受容体には不可視のまま、本発明アレイのダイオードを励起することができる。入射光に曝露されると、網膜下アレイの各画素のダイオードが、この光をパルス電流に変換し、神経網膜を刺激する。具体的には、ポケットコンピュータが、小型ビデオカメラで捕捉された画像を処理するとができる。近眼球投影システム(near−to−eye projection system)は、(パルス)IR、特にNIR(880〜915nm)光を使用して、これらの画像を眼とフォトダイオードアレイに投影する。(N)IR光は、いくつかの組織層(例えば、皮膚又はその他)を透過できるという利点を有するが、本発明の電気刺激(好ましくは感光性)アレイは、(N)IR光に関連する使用に限定されない。
シャント抵抗体を含む画素は、(N)IR光パルスを介して網膜下インプラントとして本発明アレイを利用する場合、特に有利であることがある。シャント抵抗体により、IRパルスの第1相で供給される電荷の急速な放電と、標的細胞/組織に供給される電荷の制御の両方が可能になる。対照的に、高抵抗のシャント抵抗体を使用すると(又はシャント抵抗器をまったく使用しないと)、放電が遅延することがあり、これにより、次のIRパルスが到着する前に電荷バランスが不十分となるリスクが高まる。シャント抵抗体の抵抗が高いと、次のパルスで使用できる容量が制限される可能性があるので、定常状態での供給電荷が減少する。
製造方法
本発明の更なる態様は、本明細書に記載のアレイを製造するための方法に関する。この方法は、少なくとも、(1)好ましくは本明細書に記載される基材を提供する工程、(2)少なくとも2つの電気刺激(好ましくは感光性)要素(「インプラント」)を提供する工程であって、そのそれぞれが、少なくとも1つの刺激電極、対向電極、及び任意に少なくとも1つのダイオード及び/又は抵抗体を有する少なくとも1つの画素を含む工程(抵抗体の抵抗は、抵抗、刺激電極のサイズ、及びダイオードのサイズの所定の関係にしたがって選択されることが好ましい)、(3)前記基材内又は前記基材上に前記電気刺激(好ましくは感光性)要素を配する工程、(4)任意に、本明細書に記載のコーティング、上層、及び/又は治療剤を追加する工程を含む。
本発明アレイに配置される電気刺激(好ましくは感光性)要素は、例えば、WO2016/180517 A1に記載される方法を使用して得ることができる。したがって、使用される電気刺激(好ましくは感光性)要素は、好ましくは本明細書に記載されるものであり、好ましくは、刺激電極のサイズ及びダイオードのサイズは、それぞれ刺激電極及びダイオードの面積として表され、ダイオードサイズは、総ダイオードサイズ、好ましくは総ダイオード面積と、画素内のダイオードの数の比で表される有効ダイオードサイズである。具体的には、前記電気刺激(好ましくは感光性)要素の各画素の抵抗体の抵抗は、好ましくは、次式によって決定することができる。
式中、
Rは、シャント抵抗体の抵抗[kOhm]であり、
areaは、電極の有効電極面積[μm]であり、
areaは、ダイオードの有効ダイオード面積[μm]であり、
nは指数であり、
aは定数である。
本発明アレイの製造中のパラメータ及びパラメータセットの選択は、基材に使用される材料、任意のコーティング、及び電気刺激(好ましくは感光性)要素自体の設計に依存し得る。
本発明方法の工程(3)において、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、(a)前記要素を前記基材内に(完全に又は部分的に)埋め込む、又は(b)前記電気刺激(好ましくは感光性)要素を前記基材に、任意に接着力又はバイオ接着剤によって取り付けることにより、前記基材内又は前記基材上に配されることが好ましい。
例えば、支持されたアレイ(フィルム又は膜の形態の基材を有する)の場合、本発明方法の工程(3)は、電気刺激(好ましくは感光性)要素を所望するように(例えば、電極側を下にして、列をなして)、任意に適切な固定具で配すること、要素の後部に所望の基材(例えば、パリレン、ポリイミド、PDMS、ポリエステル、PGA、PGLA、若しくはPLA、又は生物学的接着剤)のフィルムを堆積することを含み得る。更なる工程において、基材は、所望形状となるように調整(例えば、切断)することができる。
上層を含む「サンドイッチされた」アレイを製造する場合、本発明方法の工程(3)は、(i)上層を、連続層としての電気刺激アレイ(好ましくは感光性アレイ)に付加することを含み得る。この連続層は、電気刺激(好ましくは感光性)要素の部位に穴又はノッチを導入することにより、これらの要素が外部に露出されるように加工されてもよい。通常、上層は、電気刺激(好ましくは感光性)要素がマスクから突出するように、又は電気刺激(好ましくは感光性)要素の上面とコーティングの上面との間に空隙が存在するようにマスク内に埋め込まれるように、アレイ上に配される(穴とノッチを有する)マスクとして提供することができる。空隙には、工程(4)によって生分解性コーティングが充填され、電気刺激(好ましくは感光性)要素は、充填されたコーティングの移植及び分解時に外部に露出される。
「カプセル型」基材を含む埋め込まれたアレイを製造する場合、本発明方法の工程(3)は、適切な(十分に吸収性の)基材材料(例えば、粘性ヒアルロン酸、非架橋モノマー(例えば、コラーゲン))に電気刺激(好ましくは感光性)要素を埋め込むことと、任意に、前記材料の保持特性を誘導する(例えば、架橋プロセスを適用する)こととを含むことができる。
コーティングされたアレイを製造する場合、本発明方法の工程(4)は、(i)電気刺激アレイ、好ましくは連続層としての感光性アレイにコーティングを加えることを含み得る。この連続層は、電気刺激(好ましくは感光性)要素が外部に露出されるように、これらの要素の部位に穴又はノッチを導入することにより加工することができる。或いは、コーティングされたアレイをそのまま移植してもよいし、生分解性コーティングが急速又はゆっくりと分解して、電気刺激(好ましくは感光性)要素が移植時に外部に露出されるようにしてもよい。或いは、コーティングされた層が、電気刺激(好ましくは感光性)要素がマスクから突出する、又は電気刺激(好ましくは感光性)要素の上面とコーティングの上面との間に空隙が存在するようにマスク内に埋め込まれるように、電気刺激(好ましくは感光性)アレイ上に配される(穴とノッチを有する)マスクとして提供してもよい。
一般に、製造方法は、特に、基材材料及びアレイの所望の構成(支持型対埋め込み型)に依存し得る。シリコンベースのアレイの例示的な製造方法は、8つのマスク層を含み得る:画素内フォトダイオード分離のためのディープ反応性イオンエッチング(DRIE)、pn接合を形成するためのn領域ドーピング、オーミック接触を形成するためのp領域ドーピング、第1のビア開口部、第1の金属(Ti/Pt)堆積及びリフトオフ、第2のビア開口部、選択された溝内のポリシリコンの除去、及び第2の金属(酸化イリジウム)堆積及びリフトオフ(詳細については、Wang et al.J.Neural Eng.9(2012)046014に記載されている)。
この方法は、電気刺激(好ましくは感光性)要素を基材内又は基材上に配する前後、若しくはコーティングを付加する前後に、治療細胞、遺伝子治療ベクター、又は薬物などの治療剤を基材及び/又はコーティングに添加する工程を更に含むことができる。
用途及び機能
本発明に係る電気刺激アレイ、及び好ましくは感光性アレイは、関心のある身体部分の標的細胞又は組織、特に神経細胞を(電気的に)刺激することが想定される(したがって好ましくはそのように構成される)。この目的のために、本発明アレイは、関心のある組織又は身体部分に埋め込まれ、標的細胞又は組織(即ち、本発明アレイによって(電気的に)刺激される細胞又は組織)と接触して配され得る。用語「電気刺激アレイ」及び「感光性アレイ」は、埋め込み型及び非埋め込み型のアレイを含む。「接触して配される」は、本発明アレイが、好ましくは標的細胞又は組織の(電気)刺激することを可能にする方法で配されることを意味する。前記アレイによって生成される信号(電流)が好ましくは標的細胞又は組織に到達し刺激する限り、標的細胞/組織と本発明アレイとの間は、直接的接触又は間接的接触のいずれであってもよい。標的細胞/組織は、通常、アレイ(電気刺激アレイ又は感光アレイを含む)に隣接する又は囲む。
したがって、本発明アレイは、インプラント、好ましくは網膜インプラント、又は脳のインプラント、心臓インプラント、又は特に耳(特に内耳)又は筋肉などの電気刺激され得る他の生体組織用のインプラントとして使用することができる。したがって、本発明アレイは、好ましくは、関心のある身体部分、特に眼への移植用に構成される。
本明細書では、本発明の電気刺激(好ましくは感光性)アレイを、網膜インプラント又は人工補綴、好ましくは網膜下インプラントとして使用することが特に想定される。したがって、本発明アレイは、具体的には、加齢性黄斑疾患(AMD)又は網膜色素変性症(RP)、即ち視力の進行性喪失につながる光受容細胞の変性を特徴とする疾患を有する患者において、好ましくは、神経網膜(即ち、神経細胞(双極細胞、水平細胞、アマクリン細胞、任意に神経節細胞及び/又は網膜内の(残りの)光受容細胞)の層)を刺激するために構成することができる。
(ヒトの)眼に埋め込まれると、アレイの各電気刺激(好ましくは感光性)要素に存在するダイオードが、通常、入射光によって励起され、ダイオードの近傍に配され且つこれに電気的に接続されている刺激電極に伝達される電流(「光電流」)を生成する。これにより、刺激電極が励起され、標的細胞/組織(例えば、双極細胞、水平細胞、アマクリン細胞、及び潜在的に神経節細胞も含む、神経網膜の生存細胞)に送達される(及びそれにより刺激する)電流を生成する。したがって、入射光によって活性化されるダイオードのパターンは、網膜の神経細胞のパターンを刺激する。結果として生じる電気刺激パターンは、網膜内部の神経節細胞から伝達され、視神経を介して視覚皮質に導かれ、元の入射画像を表す視覚認知をもたらす。
したがって、本発明アレイの電気刺激(好ましくは感光性)要素のダイオードは、入射光を受け取り、刺激電極中で電荷を生成することが好ましい。幾つかの場合では、外部回路から電力を受け取る網膜下インプラントを提供して、画像信号を増幅することが好ましいことがあります。加えて、本発明の(感光性)アレイを含むインプラント、特に網膜下インプラントは、画像捕捉システム及び信号変換器及び送信機を含む更なる眼外及び/又は眼内デバイスと共に使用することができる。或いは、本発明アレイは、網膜上インプラントとして使用され、水晶体に面する網膜の表面に堆積させてもよい。
したがって、本発明に係る電気刺激(好ましくは感光性)アレイは、好ましくは、ダイオードが入射光を受け取り、電気信号を生成及び送信し、電流を標的細胞又は組織に伝達して電気刺激を引き起こすことができるように構成及び配置される限り、任意の適切な方法で移植することができる。より大きな網膜領域、したがってより大きな視野をカバーできるようにするために、いくつかの電気刺激(好ましくは感光性)アレイを(ヒトの)眼に埋め込むことも考えられる。
本発明の更なる詳細、好ましい実施形態、及び利点は、図面を参照しつつ以下に記載する。
図1は、一列に配された3つの感光性要素50を含む本発明に係る感光性アレイ5の概略図を示す。A:3Dビュー(左パネル)及び断面図(右パネル)においてフィルム状又は膜状の基材上に配された感光性要素50を含む感光性アレイ5。B:3Dビュー(左パネル)及び断面図(右パネル)でカプセル様基材上に配された感光性要素50を含む感光性アレイ5。 図2は、電極を含む感光性画素10の例を示す。 図3は、画素アレイ1を形成する2つの隣接する画素を含む半導体構造の概略断面図を示す。 図4は、本発明感光性アレイ5で使用される感光性要素50を形成することができる画素アレイ1を示す。 図5は、図2の感光性画素の斜視図を配線回路の概略図と共に示す。 図6は、刺激パルスを表す図を示す。 図7は、本発明の実施形態に係る制約パラメータa及びnについての図を示す。 図8は、本発明の実施形態に係る制約パラメータa及びnについての図を示す。 図9は、本発明の実施形態に係る制約パラメータa及びnについての図を示す。 図10は、本発明の実施形態に係る制約パラメータa及びnについての図を示す。 図11は、本発明の実施形態に係る制約パラメータa及びnについての図を示す。 図12は、本発明に係る支持された及び埋め込まれた感光性アレイ5の各構成を概略的に示す。暗い灰色の長方形は、電気刺激又は感光要素50を表す。明るい灰色の領域は、要素を被覆する/埋め込む基材を表す。 図13は、本発明の支持された又は埋め込まれた感光性アレイ5に含まれる複数の電気刺激又は感光性要素50の各形状及びタイリングパターン/配置を概略的に示す。長方形(左)、円形(中央)、及び六角形(右)の形状は、電気刺激又は感光性要素を表す。
図1は、基材(20,22,22’)に埋め込まれ及び/又は支持された電気刺激(好ましくは感光性)要素50の電気刺激(好ましくは感光性)アレイ5を示す。Aは、電気刺激(好ましくは感光性)要素50が、基材20上に配された基材に支持された電気刺激(好ましくは感光性)アレイ5を示す。Bは、埋め込まれた/被覆されたされた電気刺激(好ましくは感光性)アレイ5を示し、電気刺激(好ましくは感光性)要素50が、基材20上に配され、更なる基材材料(22、22’)に更に埋め込まれ且つ被覆されている。
本発明アレイ5の各電気刺激(好ましくは感光性)要素50は、好ましくは、画素アレイ1(図4に例示)に配列された複数の画素10(図2、3に例示)を含む。
図2は、感光性画素10を示す。感光性画素10(「画素」)は、感光性ダイオード12、中心電極14、及び抵抗体16を含む。画素の外周には、対向電極18(「リターン電極」)が設けられている。対向電極18は、各画素上、例えば、図3に示されるように、各画素の周囲に配することができる。したがって、リターン電極はローカルであり、画素アレイ1の異なる中心電極の間にある(「バイポーラ」構成)。
そのようなバイポーラ配置の場合、リターン電極は、相互の接続を断つことができ、その結果、画素は、互いから完全に独立する(独立して動作する)。或いは、個々の画素のリターン電極全てを互いに接続し、画素アレイ1全体に延在することができる任意に六角形状パターンを有する一種のグリッド様構造体を形成してもよい。
更なる代替として、中央リターン電極を、中央(刺激)電極とは別に配してもよい。そのような中央リターン電極は、特に、感光性要素上の遠隔位置に設けることができる(「モノポーラ」構成)。リターン電極は、必ずしも感光性要素の幾何学的中心に位置していなくてもよい。更に、複数のそのような中心電極を設けてもよく、それらは感光性要素又は画素アレイ上に分布される。
図2に示される画素10は、実質的に対称な六角形の形状を有する。図4に例示的に示すように、六角形画素の各辺に隣接して更なる画素を設けて、画素のアレイ(「画素アレイ」又は「電極アレイ」)1を形成することができる。代替の画素形態も考えられる。例えば、画素は、八角形、長方形、円形、ダイヤモンド形状、又はその他の適切な形状を有することができる。画素10は、溝20によって互いに分離されている。溝20は、電気絶縁材料を含む。したがって、個々の画素10は、互いに電気的に絶縁されていることが好ましい。対向電極18は、画素10の周囲を囲む溝20上に配されている。
図3では、画素10は、2つのダイオード12、12’を更に含む。ダイオード12、12’は、画素形状により規定される六角形内に配される。好ましくは、ダイオード12、12’は対称的に配置される。ダイオード12、12’の間には、分離溝20’が設けられている。ダイオード12、12’間の分離溝20’は、分離溝20と同じ特性を有する。したがって、ダイオード12、12’は、互いに電気的に分離されている。それにもかかわらず、各画素の要素間の電気的接続は、電気接点によって確立され得る(図2を参照、ダイオードは、電気接点22によって電気的に接続される)。図3では、ダイオードが直列に接続されています(詳細については、図5を参照)。ダイオード12、12’、特に図2に示されるそれらの感光性表面領域は、画素10の感光性領域を表す。そこで、ダイオード表面領域は、画素10の対称軸(図示せず)の周りで本質的に対称的である。しかし、ダイオードの数が異なる場合もある。例えば、画素10は、ダイオードを1つたけ含むことができ、この場合、トレンチ20’が不要になるため、画素10の感光性領域を増加させることができる。或いは、画素10は、3つ以上のダイオードを含むことができる。2ダイオード画素について既に論じたように、1画素中に2超のダイオードが設けられる場合、個々のダイオードを互いに直列に接続することもできる。
複数(例えば、2つ又は3つ)のダイオードを各画素10に設けて、入射光に応じて生成される電圧を増加させることができる。したがって、ダイオードは直列に接続することができ、N個のダイオードの電圧は、1つだけのダイオードによって生成される電圧よりも係数N倍だけ高い。一方、ダイオードの数が増えると、画素ごとの、各ダイオードによって集められる光が少なくなる可能性ことがある。直列に接続されたこれらのダイオードのそれぞれによって生成される電流は、1つだけ又は僅かな数のダイオードを有する場合と比較して、複数のダイオードを有する場合に著しく低くなることがある。通常、N個のダイオードを有する回路の電流は、1個のダイオードの電流のN倍少ない。したがって、どのパラメータ、即ち、電流又は電圧が、個々の用途に応じてより望ましいかは、選択の問題である。神経刺激の具体的の場合において、必要な刺激パラメータは、組織及び励起される個々の神経細胞、インプラントの位置、更には患者の個々の詳細、年齢、疾患の状態、及び一般的な生理学的状態に依存する。
画素10の中央には、電極14が設けられる。その中心位置により、前記電極14は「中心電極」とも呼ばれる(又は、刺激に通常使用されるため、「刺激電極」と呼ばれる)。図3に示される刺激電極14は、円形の形状を有する。しかし、刺激電極14は、各種形状を有していてもよく、例えば、画素10の形状に一致するリターン電極18又は溝20の形状を模した形状を有していてもよい。円形形状は、刺激電極14によって生成される電界の均一性を有利に保証することができる。意図する用途に応じて、刺激電極14は、均一性が低く、局所的に高い電界分布を可能にする形状をとることがある。
画素10の電極14は、周囲の組織、好ましくは神経組織、特に生体内の網膜の神経組織の刺激のために適合させることができる。典型的には、電極は、白金、酸化イリジウム、及び/又は窒化チタンを含む。或いは、イリジウム、白金イリジウム、ドープされたダイヤモンド又はダイヤモンド様炭素又はPEDOT:PSS、又は他の知られた材料を電極材料として使用してもよい。好ましい電極材料としては、多孔性又はフラクタルTiN又は白金構造(「黒色白金」又は「多孔性白金」とも呼ばれる)などの高度に多孔性の構造が挙げられる。電極14の厚みは、約100nm〜3μmであり得る。しかし、電極の厚みは、10μmの範囲、又は100nm未満にすることもできる。
図2では、リターン電極18は、画素を取り囲み、その六角形状の輪郭に沿う細長い電極として設けられている。或いは、画素10及び刺激電極14を規則的なパターンで又は任意に取り囲む複数のリターン電極が設けられてもよい。これは、特に、画素アレイ1の周辺部分で見られる。更に、(シャント)抵抗体16は、刺激電極14と対電極18との間に位置する。(シャント)抵抗体16は、特に、図3により詳細に示されるように、画素10の2つのダイオード12、12’間の溝に設けてもよい。
図3は、2つの隣接する画素10、10’を有する画素アレイ1の一部の側断面図を示す。画素10、10’は、2つのダイオード12、12’を有する図2に示される画素に対応する。1つ又は3つのダイオード画素は、必要な変更を加えて、2つのダイオード画素の図2に示す層構造と同じ層構造を有することができる。抵抗体16は、画素の表面に配することができる。抵抗体16は、画素10の表面上の導体であることができる。具体的には、前記導体は、ドープシリコン、特に低ドープシリコンを含む又はからなることができる。図4に示すように、画素アレイ1は基材2によって支持されていてもよい。
図4は、複数の画素10を含む画素1のアレイ(「画素アレイ」、「電極アレイ」)を示す。画素10のサイズは、特に、画素アレイ1の意図される用途に応じて選択することができる。各感光性要素5は、通常、複数の画素アレイ1に配された複数の画素10を含む。本発明感光性アレイは、図4に示すように、画素10及び画素アレイ1を含む感光性要素5を有利に含むことができる。
図5は、画素10の概略斜視図を示す。リターン電極20は、画素の六角形状に沿う。刺激電極14は、円形電極である。電圧が印加されると、即ち、刺激電極が電気パルスを生成すると、図5の電界線15で表される電界が生成される。この電界に隣接する標的細胞/組織は、強度、持続する極性などの刺激パルスの詳細に応じて、最終的に刺激されることがある。電極は、組織、即ち、組織内の細胞が電極に直接接触し得るように、組織内に配することもできる。
図5に示す画素10は、直列に接続された2つのダイオード12、12’を更に含み、(シャント)抵抗体16は、ダイオード12、12’に並列に接続され、それにより、好ましくは、信頼性の高い電荷バランシングと刺激パラメータを有する電気回路を確立する。
図6は、使用した画素10の機能を示す。入射光パルス100は、画素10に入る。光パルスは、例えば、750nm〜3000nm、好ましくは800nm〜1000nm、最も好ましくは830nm〜915nmの範囲の波長を有する赤外光パルスであることができる。好ましくは、光パルスは、方形パルスであることができる。しかし、鋸歯状の光パルス又は光強度が非線形に上昇及び/又は下降する光パルスも使用できる。入射光パルスは、(光)電流120の発生を引き起こす。光パルスの印加時間が長いほど、刺激電極14の電圧110は高くなる。活性電極110の電圧が正又は負の範囲で増加すると、対向電極130の電圧は、反対に、陽極又は陰極極性について、それぞれ負又は正の領域で増加する。
光刺激が停止した後、電流120が低下し、刺激電極とリターン電極の電圧が低下する。しかし、均等化するためには、主にシャント抵抗体16の抵抗に応じて、電圧は時間を必要とする。図6の例では、光パルスが停止してから約26ms後になってようやく電圧がゼロにまで低下する。その場合にのみ、最大容量の次の刺激パルスがそれぞれの画素によって印加される。
抵抗体16の抵抗は、画素10の機能及び性能に大きく影響する。光パルスがダイオード12、12’のうちの1つによって、即ち感光性領域上で受け取られると、光パルスは電気パルスに変換される。電気信号は、刺激電極14に送られる。光パルスの位相ごとに送られる電荷は、理想的には、刺激効率を高めるために最大化される必要がある。一方、組織の損傷を防ぐために、電荷密度を高くし過ぎることはできない。したがって、0.35mC/cm〜1.5mC/cm、典型的には1mC/cmの電荷密度が一般に選択される。電荷は更に、次のパルスの前に、印加された電圧が理想的にはゼロまで戻って電荷のバランスを取るように十分に速く放電する必要がある。これには、低い値の抵抗体が必要である。一方、シャント抵抗体の抵抗が低いと、電荷は急速かつ完全に放電できますが、光生成電荷のかなりの部分がシャント抵抗体16で失われ、組織に送られる電荷は減少する。
理想的には、シャント抵抗体の抵抗は、前記したように刺激領域と感光性領域の面積に対応する。
前記した知見は、−1.5<n<−2の関係したがう指数nによって最もよく説明できる。指数nは、−1,65<n<−1,95、特に−1,75<n<−1,85から選択することができる。特に、指数nは、n=−1,81である。
表1及び表2は、電極及びダイオードのμm単位のそれぞれの領域に関して、本発明アレイに組み立てられた感光性要素のいくつかの好ましいパラメータセットの概要を提供する。それぞれの領域を考慮するこのアプローチにより、画素、ダイオード、電極のほぼ任意の形状を考慮することができる。
表1及び表2に示されているパラメータの場合、n=−1,81の好ましい指数nの場合、定数aは、3・10<a<2・10であることが好ましいことが分かった。より好ましくは、定数aは、7・10<a<1,5・10にある。更により好ましい実施形態では、定数aは、7,5・10<a<1,25・10にある。定数aは、例えば、a=10±20%である。最も好ましくは、定数aは、そのような設定でa=10±10%である。なお、[μm]単位の画素サイズは、画素を特徴付けるために一般に使用される尺度である。画素サイズ自体は、電極サイズ(面積)、ダイオードサイズ(面積)、及び抵抗体の抵抗の観点で、画素の個々の特性を定義するために考慮されない。更に、記載される例は、抵抗体16の抵抗、電極14のサイズ、及び1以上のダイオード12、12’のサイズによって画素又は画素アレイを定義するために、本発明思想を例示するに過ぎないことを理解されたい。
表1に示すパラメータセットにしたがう画素構造を有する画素アレイを、約5mW/mmの電力と約4msの光パルス持続時間で照射される光について最適化した。
表1:5mW/mm^2の光パワーで4msの光パルスについて最適化されたシャント抵抗体の抵抗
表2に示す画素構造を有する画素アレイを、約3mW/mmの電力と約4msの光パルス持続時間で照射される光について最適化した。
表2:3mW/mm^2の光パワーで4msの光パルスについて最適化されたシャント抵抗体の抵抗
表3は、多数の可能な構成の特に有利な選択であることが分かった画素のパラメータセットを示す。表3に示されるパラメータセットを、約5mW/mmの電力と約4msの光パルス持続時間で照射される光について最適化した。
表3:5mW/mm^2の光パワーで4msの光パルスについて最適化されたシャント抵抗体の好ましい抵抗
図7は、両対数プロット上で、「x」で表示される、画素アレイ1の画素のための、通常、合理的且つ技術的に可能なそのようなパラメータ構成を示す図を示す。図において、X軸は、ダイオードのサイズ(ここでは、面積)、例えば有効ダイオード面積を表す。図のY軸は、上に定義した式(2)から導出される電極面積によって除されるシャント抵抗体値の対応する関係を示す。図7中「+」で表示されるこれらのパラメータ座標は、本発明の進歩した検討にしたがって制約されるパラメータセットを表す。
これらの制約は、例えば、電極が特定の電荷密度で特定の電荷を提供することができることを要求する場合がある。この電荷密度は、特に、約0,35mC/cmであることができる。電荷密度の上限は、好ましくは1mC/cmである。電荷密度は、最大1,5mC/cmであることができる。更に、これらの制約は、刺激インパルスに応答して電極14と対向電極18との間の最大電圧を超えてはならないことを要求する場合がある。特に、電圧を、水の加水分解電圧未満に維持することが意図される場合がある。図7〜図11に係る例示実施形態について検討される1つの例として、最大電圧を約0,8Vに限定することができる。他方、特定のライティングパラメータについてのこれらの実施形態にしたがって電極によって提供される最小電圧は、0,1V未満であると考えた。更に、これらの制約は、幾つかの実施形態においては、抵抗体16の抵抗が、刺激に利用可能な電荷を最大としつつ、十分に早い電荷バランシングを可能とする、好ましくは0.1μA未満の残留DC電流に相当する、バランスされていない電荷を経時で反映することを要求する。残留DC電流の低下、即ち、電極の電荷バランシングは、組織のより制御された刺激、即ち、画素又は画素アレイの信頼性を高めることを可能にすることができる。
示されるように、そのようなパラメータセットを示す画素及び画素アレイは、前記式(2)によって記述することができる。図7の例示実施形態においては、指数nは、n=−1,81である。図7の点線及び一点鎖線は、式(2)の定数aの上限及び下限を示し、定数aは、それぞれ3・10と2・10である。これらの線は、次式(3)にしたがって書き変えると、式(2)によって定義される直線を表す。
この定義は、以下に述べる図8〜図11にも同様に適用される。
図8は、本発明の更なる好ましいパラメータを示す。これらのパラメータセットは、図8における黒円(・)で示されている。比較として、図8は、合理的な理論的構成として一般に利用可能である構成も示す。図8に係る実施形態の上限及び下限は、それぞれa=7・10とa=1,5・10と定義することができる。
図9は、図8と同一の図を示すが、可能なパラメータセットの全部は表示しておらず、最も好ましい実施形態のパラメータセットの好ましい中央値を近似する直線が加えられている。この線は、定数a=10及び指数n=−1,81によって定義される。図7〜図11に示される対数プロット上の10〜50%オーダの共通する誤差は、好ましい中央値の派生形として考えることができる。
図7〜図9と同様に、図10は、理論的に検討することができる技術的実現の図を示す。更に、図8及び図9におけるように、図10は、黒円(・)で示される本発明に係る最も好ましい実施形態を示す。しかしながら、図10に示される線は、各種指数nについて、前記式(3)によって定義される線の上限及び下限を示す。図10のパラメータセットの上限及び下限の指数は、それぞれn=−1,5とn=−2によって定義される。
図10の図と同様に、図11は、各種指数nのときの限界線の図を示す。ここでの上限は、指数n=−1,75によって定義され、下限は、指数n=−1,85によって定義される。
前記例にしたがう上限及び下限は、可能なパラメータセットの範囲の境界を示す。即ち、上限及び下限値を表す線によって区切られる領域にある任意のパラメータセットは、性質が向上した画素又は画素アレイを提供する思想の一部であると考えるものとする。
実施例
以下の実施例は、本発明に係る各種電気刺激(特に感光性の)アレイの製造方法について説明する。
実施例1:支持されたアレイの製造
パリレン
感光性要素を、プレート(例えば、プレート上のフィルムの接着を避けるためにPTFEプレートなど)上に、前記プレート上に電極側を下にして、一列に配置する。1〜10μmのパリレンCフィルムを、インプラントの後部に堆積させる(薄膜堆積)。パリレンフィルムを所望の形状にカットする。
ポリイミド
オプション1:感光性要素を、例えば接着などによりポリイミドフィルム上に組み立てる。
オプション2:インプラントの製造プロセスにおいて、感光性要素をウエハ上のポリイミドの層に組み込む。
オプション3:ポリイミドのフィルムを、感光性要素の後部に堆積させる(薄膜堆積)。アレイを所望の形状にカットする。
生物学的接着剤
感光性要素を、固定具(例えば、プレート上のフィルムの接着を避けるためのPTFE固定具など)に、前記固定具において電極側を下にして、一列に配置する。前記固定具は、所望の基材の形状で、インプラントの上部に空洞又は数ミクロンの深さを備えている必要がある。空洞内の感光性要素の後部には、最大100μmのポリマー接着剤のフィルムを堆積させる。接着剤は紫外線で硬化される。
PDMS(シリコーン)
最大100μmのPDMSのフィルムを、感光性要素の後部に堆積させ、硬化する。アレイを所望の形状にカットする。
実施例2:埋め込まれたアレイの製造
コラーゲン
感光性要素を、非架橋コラーゲンに埋め込む。その後、架橋を誘導し、感光性要素の周りにコラーゲンの膜を形成する。
ヒアルロン酸
感光性要素を、粘性のあるヒアルロン酸に浸す。ヒアルロン酸に埋め込まれた感光性要素は、感光性要素を埋め込んでいるヒアルロン酸のドロップを流す(flushing)ことにより黄斑下に送達できる。

Claims (42)

  1. 感光性要素のアレイを含む感光性アレイであって、前記感光性要素が少なくとも1つの画素を含み、前記少なくとも1つの画素が、少なくとも1つのダイオード、刺激電極、並びに好ましくは対向電極及び抵抗体を有し、前記アレイが、基材内又は基材上に配された少なくとも2つの感光性要素を含むことを特徴とする感光性アレイ。
  2. 各感光性要素が、複数の画素アレイを含む請求項1に記載の感光性アレイ。
  3. 前記感光性要素が、感光性チップである請求項1から2のいずれかに記載の感光性アレイ。
  4. 前記抵抗体の抵抗が、抵抗、前記刺激電極のサイズ、及び前記ダイオードのサイズの所定の関係にしたがって選択される請求項1から3のいずれかに記載の感光性アレイ。
  5. 前記抵抗体の抵抗が、以下の式によって決定される請求項1から4のいずれかに記載の感光性アレイ。
    (式中、
    Rは、前記抵抗体の抵抗であり、
    areaは、電極面積であり、
    areaは、有効ダイオード面積であり、
    nは指数であり、
    aは定数である。)
  6. 2個、3個、又は4個の感光性要素のアレイを含む請求項1から5のいずれかに記載の感光性アレイ。
  7. 前記少なくとも2つの感光性要素が、実質的に細長い形状、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、七角形状、又は八角形状の形状を有する請求項1から6のいずれかに記載の感光性アレイ。
  8. 前記アレイが、少なくとも0mm、より好ましくは0.01mm、0.05mm、0.10mm、0.20mm、0.25mm、0.30mm、0.50mm、0.60mm、0.70mm、0.80mm、0.90mm、又は1.0mmの距離を置いて前記基材内又は前記基材上に配された少なくとも2つの感光性要素を含む請求項1から7のいずれかに記載の感光性アレイ。
  9. 前記少なくとも2つの感光性要素が、(i)前記基材内に完全に又は部分的に埋め込まれている、又は(ii)任意に接着力又はバイオ接着剤により、前記基材に結合されている請求項1から8のいずれかに記載の感光性アレイ。
  10. 前記少なくとも2つの感光性要素が、実質的に線形状、蛇行状、円形状、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、七角形状、八角形状に、規則的又は不規則的なタイリングパターン、ハニカムパターン、グリッドパターン、充填又は非充填パターン、均一又は不均一パターン、又は任意/非対称に、前記基材内又は前記基材上に配されている請求項1から9のいずれかに記載の感光性アレイ。
  11. コーティングを更に含む請求項1から10のいずれかに記載の感光性アレイ。
  12. 前記コーティングが、連続又は不連続である請求項11に記載の感光性アレイ。
  13. 前記基材及び/又は任意に前記コーティングが、好ましくは(a)それが移植される身体の部分の形状に適合するのに十分に可撓性であり、(b)移植時及び/又は移植後に感光性インプラントの折り畳みを防ぐのに十分に剛性である材料から(実質的に)なる請求項1から12のいずれかに記載の感光性アレイ。
  14. 前記基材及び/又は任意に前記コーティングが、生体適合性である請求項1から13のいずれかに記載の感光性アレイ。
  15. 前記基材及び/又は任意に前記コーティングが、(本質的に)非導電性である請求項1から14のいずれかに記載の感光性アレイ。
  16. 前記基材及び/又は任意に前記コーティングが、前記感光性要素の前記刺激電極が、周囲の標的細胞及び/又は組織を刺激できるように構成される請求項1から15のいずれかに記載の感光性アレイ。
  17. 前記基材及び/又は任意に前記コーティングが、生分解性である請求項1から16のいずれかに記載の感光性アレイ。
  18. 前記感光性要素上に配された上層を含む請求項1から17のいずれかに記載の感光性アレイ。
  19. 前記基材、コーティング、及び/又は前記上層が、ノッチ又は穴を有する請求項1から18のいずれかに記載の感光性アレイ。
  20. 前記基材、コーティング、及び/又は前記上層が、抗感染剤、抗炎症剤、遺伝子治療剤、及び治療細胞から任意に選択される少なくとも1つの活性剤を含む請求項1から19のいずれかに記載の感光性アレイ。
  21. 前記基材及び/又は前記コーティングの上面及び下面が、異なる色で着色されている請求項1から20のいずれかに記載の感光性アレイ。
  22. 前記基材が、その上に配された前記感光性要素を支持する層として構成される請求項1から21のいずれかに記載の感光性アレイ。
  23. 前記基材が、フィルム又は膜として構成される請求項22に記載の感光性アレイ。
  24. 前記感光性要素が、前記基材の横方向のマージンの少なくとも1つを超えて延在する請求項22から23のいずれかに記載の感光性アレイ。
  25. 前記基材が、少なくとも1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mm、好ましくは3mm〜7mmの長さを有する請求項22から24のいずれかに記載の感光性アレイ。
  26. 前記基材が、少なくとも0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、又は1.5mm、好ましくは0.5mm〜1mmの幅を有する請求項22から25のいずれかに記載の感光性アレイ。
  27. 前記基材が、1μm〜500μm、より好ましくは10μm〜200μm、最も好ましくは10μm〜100μm、特に好ましくは少なくとも10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、又は150μm、少なくとも0.1μm、0.5μm、1.0μm、5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μmの厚みを有する請求項22から26のいずれかに記載の感光性アレイ。
  28. 前記基材及び/又は前記上層が、パリレン、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリエステル、又はポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、又はバイオ接着剤を含むポリマーから選択される材料を含む請求項18、19、22から26のいずれかに記載の感光性アレイ。
  29. 前記基材が、前記感光性要素を封入するカプセルとして構成される請求項1から21のいずれかに記載の感光性アレイ。
  30. 前記基材が、固体、ゲル、又は粘性流体である請求項29に記載の感光性アレイ。
  31. 前記基材及び/又は前記コーティングが、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、ゼラチン、ヒドロゲル、又はバイオ接着剤から選択される材料を含む請求項11、12、29、及び30のいずれかに記載の感光性アレイ。
  32. 前記カプセルが、請求項31に記載の少なくとも2つの異なる材料から組み立てられている請求項29から31のいずれかに記載の感光性アレイ。
  33. 好ましくは請求項22から27のいずれかに記載の層として構成された基材、、及び/又は好ましくは請求項29から31のいずれかに記載のカプセルとして構成された基材を含む請求項1から32のいずれかに記載の感光性アレイ。
  34. インプラント、好ましくは網膜インプラントとして使用するための請求項1から33のいずれかに記載の感光性アレイ。
  35. 前記アレイが、2個、3個、4個、又はそれ以上の複数の感光性要素(50)のアレイを含み、各感光性要素(50)が、少なくとも1つ、好ましくは複数の画素アレイ(1)を含み、前記感光性要素(50)が、基材(20)上に配され、前記基材が、フィルム又は膜として構成される請求項1から34のいずれかに記載の感光性アレイ。
  36. 前記基材(20)が、可撓性の生体適合性及び/又は非導電性材料からなり、前記材料が、好ましくはパリレン、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリエステル、又はポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、又はバイオ接着剤を含むポリマーから選択される請求項35に記載の感光性アレイ。
  37. コーティング(22、22’)を更に含む請求項35から36のいずれかに記載の感光性アレイ。
  38. 前記コーティングが、生分解性又は非生分解性材料、又はその両方からなり、前記材料が、任意に、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、ゼラチン、又はハイドロゲル、又はバイオ接着剤から選択される請求項35から37のいずれかに記載の感光性アレイ。
  39. 前記アレイが、2個、3個、4個、又はそれ以上の複数の感光性要素(50)のアレイを含み、各感光性要素(50)が、少なくとも1つ、好ましくは複数の画素アレイ(1)を含み、前記要素(50)が、前記基材(20)内に配され、前記基材が、カプセルとして構成される請求項1から34のいずれかに記載の感光性アレイ。
  40. 前記基材(20)が、可撓性の生体適合性及び/又は非導電性材料からなり、前記材料が、好ましくは、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコール酸)(PLGA)、ゼラチン、又はヒドロゲル、又はバイオ接着剤から選択される請求項39に記載の感光性アレイ。
  41. 請求項1から40のいずれかに記載の感光性アレイを製造するための方法であって、
    (1)好ましくは請求項8から33のいずれかに定義される基材を提供することと、
    (2)好ましくは請求項1から7のいずれかに定義される少なくとも2つの感光性要素を提供することと、
    (3)前記感光性要素を前記基材内又は前記基材上に配することと、
    (4)任意に、コーティング、上層、及び/又は治療剤を追加することとを含むことを特徴とする方法。
  42. 前記感光性要素が、(a)前記感光性要素を前記基材内に埋め込む、又は(b)任意に接着力又はバイオ接着剤によって、前記感光性要素を前記基材に結合させることにより、前記基材内又は前記基材上に配される請求項41に記載の方法。

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