JP2020520995A - 皮膚障害の処置用のピロロピリジン−アニリン化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2017年5月19日出願の米国仮出願第62/508,997号および2018年4月26日出願の米国仮出願第62/663,202号の恩典を主張するものであり、いずれの内容もその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
皮膚疾患またはそれに関連する皮膚障害を処置する上で有用な、化合物、該化合物を含む薬学的組成物、ならびに該化合物および組成物を使用する方法が、本明細書において提供される。また、哺乳動物において疾患または障害を処置する方法であって、哺乳動物に治療有効量または予防有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を投与する段階を含む方法が、本明細書において提供される。
神経線維腫症1型(NF1)は、出生数3,500人中約1人において発生しており、ヒトにおける、神経機能に影響する最も一般的な常染色体優性遺伝単一遺伝子障害の1つである。臨床的には、NF1疾患は、NF1遺伝子の両アレル変異を伴うシュワン細胞が関与する、神経線維腫と呼ばれる良性末梢神経腫瘍の存在、ならびに他の腫瘍徴候および非腫瘍徴候の存在を特徴とする(Jousma et al. Pediatr. Blood Cancer 62: 1709-1716, 2015(非特許文献1))。NF1は、皮膚(dermal)神経線維腫または皮膚(cutaneous)神経線維腫; 叢状神経線維腫; カフェオレ斑; ならびに腋窩部および鼠径部のしみを含むいくつかの皮膚障害に関連している。皮膚(dermal)神経線維腫または皮膚(cutaneous)神経線維腫は、NF1患者の95%超において発生するものであり、身体のどこにでも出現して、そう痒、刺激作用、感染症、身体的苦痛、および美観毀損を引き起こしうる。さらに、皮膚(dermal)神経線維腫または皮膚(cutaneous)神経線維腫は社会的隔離および社会的不安に関連している。
皮膚疾患またはそれに関連する皮膚障害を処置するための、化合物、該化合物を含む薬学的組成物、ならびに該化合物および組成物を使用する方法が、本明細書において提供される。また、哺乳動物において疾患または障害を処置する方法であって、哺乳動物に治療有効量または予防有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を投与する段階を含む方法が、本明細書において提供される。一態様では、哺乳動物はヒトである。
式中、
R1は-OR4、-NR5R5a、またはN結合ヘテロシクロアルキルであり、N結合ヘテロシクロアルキルは1個または2個のR10で置換されていてもよく;
R2aはハロまたはC1〜C6アルキルであり;
R2は-S-C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、またはハロであり;
X1はC1〜C6-アルキルであり;
R3、R3a、およびR3bは独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールは独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよく;
R4はC1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、またはC1〜C6アルコキシアルキルであり;
R5は水素; 1個のヘテロシクロアルキルで置換されていてもよいC1〜C6アルキル; C3〜C8シクロアルキル; C3〜C8シクロアルキル-C1〜C6-アルキル-; C1〜C6ヒドロキシアルキル; C1〜C6アルコキシ-C1〜C6-アルキル; または-OR5bであり;
R5aは水素またはC1〜C6アルキルであり;
R5bは水素、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル-C1〜C6-アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、またはC1〜C6アルコキシ-C1〜C6-アルキルであり;
各R6は独立してカルボキシ、C1〜C6-アルコキシカルボニル、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C1〜C6-アルコキシ-C1〜C6-アルキル、C3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-OC(O)R7、-OS(O)2R7、-O-C1〜C6-ハロアルキル、C3〜C8シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、C1〜C6-アルキルアミノ、ジ-C1〜C6-アルキルアミノ、-NR8aS(O)2R8、-NR8aC(O)R8、-S(O)2R8、-S(O)2NR8aR8、-C(O)R8、-C(O)NR8aR8、および-C1〜C6-アルキレン-R6aからなる群より選択され;
各R6aは独立してC3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-NH2、-NH(C1〜C6-アルキル)、-N(C1〜C6-アルキル)2、-NR9aS(O)2R9、-NR9aC(O)R9、-S(O)2R9、-S(O)2NR9aR9、-C(O)R9、および-C(O)NR9aR9からなる群より選択され;
各R7は独立してアミノ、C1〜C6-アルキルアミノ、ジ-C1〜C6-アルキルアミノ、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C6-アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され;
各R8aおよびR9aは独立してHまたはC1〜6アルキルであり;
各R8およびR9は独立してC1〜C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
各R10は独立して水素、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1〜C6アルキル、C1〜C6-ヒドロキシアルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、アミノ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルキルアミノ-C1〜C6-アルキル、ジ-C1〜C6-アルキルアミノ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールである。
MEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置における、化合物、該化合物を含む薬学的組成物、ならびに該化合物および組成物を使用する方法が、本明細書において提供される。また、哺乳動物においてMEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患を処置する方法であって、哺乳動物に治療有効量または予防有効量の化合物または組成物を投与する段階を含む方法が、本明細書において提供される。一態様では、哺乳動物はヒトである。
本明細書において提供される化合物に言及する場合、別途指示がない限り、以下の用語は以下の意味を有する。別途定義がない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書における用語について複数の定義が存在する場合には、別途記載がない限り本節の定義が優先する。別途指定がない限り、ある用語が置換されていると定義される場合、置換基のリスト内の基はそれ自体置換されている。例えば、置換アルキル基は例えばシクロアルキル基で置換されていてもよく、別途指定がない限り、シクロアルキル基はさらに置換されていない。
で置き換えられていてもよい。いくつかの環は、複素環が完全に芳香族というわけではないという条件で、部分飽和もしくは完全飽和、または芳香族であってもよい。単環式および多環式複素環は、安定した化合物を生じさせる任意のヘテロ原子または炭素原子において主構造に結合しうる。多環式複素環は、環がヘテロ原子を含むか否かにかかわらず、任意の芳香環または非芳香環を含む任意のその環を通じて、主構造に結合しうる。特定の態様では、複素環は、1) 本明細書に記載の少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和または部分不飽和(但し芳香族ではない)の一価の単環式複素環基、あるいは2) 少なくとも1個の環が本明細書に記載の少なくとも1個のヘテロ原子を含む、飽和または部分不飽和(但し芳香族ではない)の一価の二環式または三環式複素環基である、「ヘテロシクロアルキル」である。特定の態様では、複素環は、本明細書に記載の少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む芳香族複素環である「ヘテロアリール」である。複素環、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルが置換されている場合、任意の環上で、すなわち複素環、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルを構成する任意の芳香環または非芳香環上で置換されていてもよい。特定の態様では、当該複素環としてイミダゾリル、チエニル、フリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、キノリニル、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、β-カルボリニル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ジヒドロベンゾイソオキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、2,4-ジオキソ-イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、2-オキソ-インドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、1-オキソ-イソインドリニル、1,3-ジオキソ-イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、3-オキソ-イソオキサゾリジニル、モルホリニル、3,5-ジオキソ-モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、1-オキソ-オクタヒドロイソインドリル、1,3-ジオキソ-ヘキサヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、2,6-ジオキソ-ピペラジニル、ピペリジニル、2,6-ジオキソ-ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、2-オキソピロリジニル、2,5-ジオキソピロリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル、チオモルホリニル、3,5-ジオキソ-チオモルホリニル、チアゾリジニル、2,4-ジオキソ-チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キサンテニル、および1,3,5-トリチアニルが挙げられるがそれに限定されない。いくつかのまたはいずれかの態様では、複素環はベンゾ-1,4-ジオキサニル、ベンゾジオキソリル、インドリニル、2-オキソ-インドリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、またはデカヒドロキノリニルである。
WO 2008067481では、以下のモチーフを有するMEK阻害剤が開示されている:
(本明細書において使用される「A-I」)
式中、Z4は特にNであることができ、Z1〜Z3は特にCR1であることができる。さらに、WO 2008067481では、少なくとも27種の亜属のうち1つとして下記式が開示されている:
(本明細書において使用される「A-Id」)。
式中、ZAはCRAまたはNでありうる。特に、WO 2009082687における化合物は、本出願の化合物とは異なる、ピロロピリジンコア上での置換パターンを示す。上記式中の-C(O)W基はピロロピリジン環の2位にあり、-N(R4)(X4)置換基はピロロピリジン環の3位にある。本出願人の化合物では、これらの位置は逆である。さらに、上記式中のピロロピリジン環には置換可能な窒素が存在しない。本出願人の化合物は、ピロロピリジン環のピロールの窒素がアルキル基で置換されているように設計されている。本発明の化合物は、アルキル基が代謝酵素により除去される代謝変換(「N-脱アルキル化」)を経ることがある。また、本発明の化合物は、ピロロピリジンコア、例えば
の3位における脱カルボキシル化を生じさせる不活性化代謝変換を経ることがある。WO 2008067481の化合物においては、3位がカルボキシレート基を含まず、むしろアニリン部分を含むことから、この代謝変換はありえない。したがって、本出願人の化合物は、WO 2009082687による化合物には存在しない、末梢循環からの1つまたは複数の代謝除去経路を有する。本出願人の発明の化合物のさらなる除去経路の重要性を以下で説明する。
MEKに関連する疾患または障害の活性を調節可能な化合物が本明細書において提供される。本化合物を、本明細書に記載のように形成し、MEKの阻害を必要とする疾患または障害の処置に使用することができる。特定の態様では、疾患または障害は神経線維腫症1型である。特定の態様では、疾患または障害は皮膚RAS病、神経線維腫症1型、皮膚(dermal)神経線維腫、皮膚(cutaneous)神経線維腫、皮下神経線維腫、表在性叢状神経線維腫、乾癬、ケラトアカントーマ(KA)、角化症、乳頭腫、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、コステロ症候群(顔・皮膚・骨格症候群またはFCS症候群)、眼外胚葉症候群、カフェオレ斑、および多発性黒子症候群(旧称レオパード症候群)からなる群より選択される。
(a) 本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物、ならびにその薬学的に許容される塩および組成物;
(b) 対象が処置を必要とするMEK阻害剤応答性障害、MEK阻害剤応答性皮膚障害、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置における使用のための、本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物、ならびにその薬学的に許容される塩および組成物;
(c) 本明細書の他の箇所においてさらに詳細に説明する、本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物の調製のための方法;
(d) 本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物、またはその薬学的に許容される塩を薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む、薬学的製剤;
(e) 対象が処置を必要とする状態の処置のための方法であって、治療有効量または予防有効量の本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物、その薬学的に許容される塩または組成物を投与する段階を含む方法;
(f) 対象におけるMEK阻害剤応答性障害、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置のための方法であって、治療有効量または予防有効量の本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物、その薬学的に許容される塩または組成物を投与する段階を含む方法;
(g) 本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物、またはその薬学的に許容される塩を、対象が処置を必要とするMEK阻害剤応答性障害、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置に有効な1つまたは複数の他の剤と共に、任意で、薬学的に許容される担体または希釈剤中で含む、薬学的製剤;
(h) 対象におけるMEK阻害剤応答性障害、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置のための方法であって、治療有効量または予防有効量の本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物、その薬学的に許容される塩または組成物を、対象が処置を必要とするMEK阻害剤応答性障害、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置のための1つまたは複数の剤との組み合わせで、あるいはそれと交互に投与する段階を含む方法; ならびに
(i) 対象が処置を必要とする状態の処置のための方法であって、治療有効量または予防有効量の本明細書に記載の化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物、特許請求の範囲の化合物、および態様Aにおける化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは組成物を、MEK阻害剤応答性障害、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置のための1つまたは複数の剤との組み合わせで、あるいはそれと交互に投与する段階を含む方法。
本明細書において提供される化合物が、いくつかのキラル中心を有し、光学活性体およびラセミ体として存在および単離可能であることが認識されよう。本明細書に記載の有用な特性を有する、本明細書において提供される化合物の任意のラセミ体、光学活性体、ジアステレオ異性体、互変異性体、もしくは立体異性体、またはその混合物が本発明の範囲内にあることを理解されたい。光学活性体をどのようにして調製するか(特定の態様では、再結晶技術によるラセミ体の分割、光学活性出発原料からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を使用するクロマトグラフィー分離による)は、当技術分野において周知である。さらに、本明細書に記載の化合物は特定の条件下でC11位においてエピマー化しうる。当該エピマーは、本明細書において提供される態様の範囲内である。
i) 結晶の物理的分離 ― 個々の立体異性体の肉眼的結晶を手動で分離する技術。この技術は、別々の立体異性体の結晶が存在する、すなわち材料が集合体であり、結晶が視覚的に別々である場合に使用可能である。
ii) 同時結晶化 ― 別々の立体異性体をラセミ体の溶液から、おそらくは後者が固体状態の集合体である場合にのみ、別々に結晶化する技術。
iii) 酵素的分割 ― 立体異性体の酵素との反応速度の差によりラセミ体を部分的または完全に分離する技術。
iv) 酵素的不斉合成 ― 合成の少なくとも1つの工程が、所望の立体異性体の立体異性的に純粋なまたは立体異性的に濃縮された合成前駆体を得るために酵素反応を使用する、合成技術。
v) 化学的不斉合成 ― 生成物中に不斉(すなわちキラリティー)を生じさせる疾患または障害下で所望の立体異性体をアキラル前駆体から合成する、キラル触媒またはキラル補助剤を使用して実現可能な合成技術。
vi) ジアステレオマー分離 ― ラセミ化合物と個々の鏡像異性体をジアステレオマーに変換する鏡像異性的に純粋な試薬(キラル補助剤)とを反応させる技術。次に、得られたジアステレオマーをクロマトグラフィー、またはいっそう明瞭になったそれらの構造差による結晶化により分離した後、キラル補助剤を除去して所望の鏡像異性体を得る。
vii) 一次および二次不斉変換 ― ラセミ体に由来するジアステレオマーが平衡することで所望の鏡像異性体に由来するジアステレオマーが溶液中で優勢になるか、または所望の鏡像異性体に由来するジアステレオマーの優先的結晶化により平衡が破られることで最終的に原則としてすべての材料が所望の鏡像異性体に由来する結晶性ジアステレオマーに変換される技術。次に所望の鏡像異性体をジアステレオマーから放出する。
viii) 速度論的分割 ― この技術は、立体異性体とキラル非ラセミ試薬または触媒との反応速度が速度論的条件下で不均一であることによるラセミ体の部分的もしくは完全な分割(または部分分割化合物のさらなる分割)の実現を指す。
ix) 非ラセミ前駆体からの立体特異的合成 ― 所望の立体異性体が非キラル出発原料から得られ、かつ合成過程中に立体化学的完全性が損なわれないかまたは最小限にしか損なわれない、合成技術。
x) キラル液体クロマトグラフィー ― ラセミ体の立体異性体を固定相との相互作用の差によって液体移動相中で分離する技術。固定相をキラル材料で作製してもよく、移動相が相互作用の差を誘発するさらなるキラル材料を含んでもよい。
xi) キラルガスクロマトグラフィー ― ラセミ体を揮発し、立体異性体を気体移動相中での固定非ラセミキラル吸着相を含むカラムとの相互作用の差によって分離する技術。
xii) キラル溶媒による抽出 ―立体異性体を特定のキラル溶媒中への1つの立体異性体の優先的溶解により分離する技術。
xiii) キラル膜を横断する輸送 ― ラセミ体と薄膜バリアとを接触させる技術。バリアは通常、一方がラセミ体を含む2つの混和性流体を分離するものであり、濃度差または圧力差などの原動力が、膜バリアを横断する優先的輸送を引き起こす。分離は、ラセミ体の1つの立体異性体しか通過させない膜の非ラセミキラル特性の結果として生じる。
同位体濃縮化合物も本明細書において提供される。薬物動態(「PK」)、薬力学(「PD」)、および毒性プロファイルを改善するための薬剤の同位体濃縮(特定の態様では重水素化)が、いくつかのクラスの薬物について既に実証された。例えばLijinsky et. al., Food Cosmet. Toxicol., 20: 393 (1982); Lijinsky et. al., J. Nat. Cancer Inst., 69: 1127 (1982); Mangold et. al., Mutation Res. 308: 33 (1994); Gordon et. al., Drug Metab. Dispos., 15: 589 (1987); Zello et. al., Metabolism, 43: 487 (1994); Gately et. al., J. Nucl. Med., 27: 388 (1986); Wade D, Chem. Biol. Interact. 117: 191 (1999)を参照。
本明細書において提供される化合物を、当技術分野において利用可能な方法および本明細書に開示される方法を使用して、薬学的組成物に製剤化することができる。本明細書に開示される任意の化合物を、適切な薬学的組成物として提供し、好適な投与経路で投与することができる。
経口投与に好適な薬学的組成物を、錠剤(例えば咀嚼錠剤)、カプレット剤、カプセル剤、および液剤(例えば香味シロップ剤)などであるがそれに限定されない別々の剤形として提示することができる。これらの剤形は所定量の有効成分を含むものであり、当業者に周知の薬学的方法により調製可能である。一般にRemington: The Science and Practice of Pharmacy; Pharmaceutical Press; 第22版(2012年9月15日)を参照。
本明細書において提供される化合物などの有効成分を、当業者に周知の制御放出手段または送達装置により投与することができる。特定の態様では、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み入れられる米国特許第3,845,770号; 第3,916,899号; 第3,536,809号; 第3,598,123号; 第4,008,719号; 第5,674,533号; 第5,059,595号; 第5,591,767号; 第5,120,548号; 第5,073,543号; 第5,639,476号; 第5,354,556号; 第5,639,480号; 第5,733,566号; 第5,739,108号; 第5,891,474号; 第5,922,356号; 第5,972,891号; 第5,980,945号; 第5,993,855号; 第6,045,830号; 第6,087,324号; 第6,113,943号; 第6,197,350号; 第6,248,363号; 第6,264,970号; 第6,267,981号; 第6,376,461号; 第6,419,961号; 第6,589,548号; 第6,613,358号; および第6,699,500号に記載のものが挙げられるがそれに限定されない。これらの剤形を、特定の態様ではヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、または所望の放出プロファイルを実現する様々な比率でのそれらの組み合わせを使用して1つまたは複数の有効成分の遅延放出または制御放出を実現するために使用することができる。本明細書に記載のものを含む、当業者に公知の好適な制御放出製剤を、本明細書において提供される有効成分での使用のために容易に選択することができる。したがって、制御放出に適応した錠剤、カプセル剤、ゲルカプセル剤、およびカプレット剤などであるがそれに限定されない、経口投与に好適な単一単位剤形が、本明細書に包含される。
特定の態様では、非経口剤形が提供される。特定の態様では、非経口剤形を対象に、皮下経路、静脈内経路(ボーラス注射を含む)、筋肉内経路、および動脈内経路を含むがそれに限定されない様々な経路で投与することができる。特定の態様では、非経口剤形を対象に、局所経路、皮下経路、経皮経路、皮内経路、または病変内経路を含むがそれに限定されない様々な経路で投与することができる。非経口剤形の投与が混入物に対する対象の自然防御を通常はバイパスすることから、非経口剤形は通常、滅菌されているか、または対象への投与前に滅菌可能である。特定の態様では、非経口剤形として、注射向けに用意された溶液剤、薬学的に許容される注射用媒体に溶解または懸濁するように用意された乾燥製剤、注射向けに用意された懸濁液剤、および乳剤が挙げられるがそれに限定されない。
経皮剤形、局所剤形、および粘膜剤形も提供される。経皮剤形、局所剤形、および粘膜剤形としては点眼液剤、スプレー剤、エアゾール剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、溶液剤、乳剤、懸濁液剤、または当業者に公知である他の形態が挙げられるがそれに限定されない。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy; Pharmaceutical Press; 第22版(2012年9月15日); およびIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 4th ed., Lea & Febiger, Philadelphia (1985)を参照。口腔内の粘膜組織を処置するために好適な剤形を洗口剤または経口ゲル剤として製剤化することができる。さらに、経皮剤形としては「リザーバ型」または「マトリックス型」パッチ剤が挙げられ、これらを皮膚に適用し、所望量の有効成分の透過を可能にする特定の期間装着することができる。
ヒト治療において、医師は、処置が予防的であるかまたは治療的であるかに従って、かつ年齢、体重、障害または疾患のステージ、および処置すべき対象に特異的な他の要因に従って、医師が最も適切であると考える、用法用量を確定する。特定の態様では、用量は成人1人につき1日当たり約1〜約1000mg、または成人1人につき1日当たり約5〜約250mgもしくは1日当たり約10〜50mgである。特定の態様では、用量は成人1人につき1日当たり約5〜約400mgまたは1日当たり25〜200mgである。特定の態様では、1日当たり約50〜約500mgの用量も想定される。
ざ瘡を処置する剤(例えばアキュテイン、アゼライン酸、過酸化ベンゾイル、サリチル酸);
鎮痛剤(例えばアセトアミノフェン、カプサイシン)、例えばCox2阻害剤、例えばセレコキシブ);
麻酔薬(例えばベンゾカイン、ベンゾカイン/メントール、ジブカイン、ジペロドン、リドカイン、リドカイン/プリロカイン、プラモキシン);
抗感染症薬(例えばクロタミトン);
抗そう痒薬(例えば乳酸アンモニウム、ベンゾカイン、アスコマイシンマクロラクタム、例えばピメクロリムス);
抗そう痒薬/5HT3受容体アンタゴニスト(例えばオンダンセトロン);
抗生物質(例えばクリンダマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン);
抗コリン性制吐薬(例えばジフェンヒドラミン);
抗線維化薬(例えばコラゲナーゼ、ピルフェニドン);
抗ヒスタミン薬(例えばトリプロリジン(Actifed(登録商標))、フェキソフェナジン(Allergra(登録商標)、Allegra(登録商標)D-12、Allegra(登録商標)-24)、Astepro/Astelin点鼻薬(アゼラスチン)(Dymista(登録商標))、塩酸ヒドロキシジン(Atarax(登録商標))、塩酸ジフェンヒドラミン(Benadryl(登録商標))、ブロムフェニラミン(Dimetapp(登録商標) Cold and Allergy Elixir)、Zyrtec(登録商標)(セチリジン)、Chlor-Trimeton(登録商標)(クロルフェニラミン)、デスロラタジン(Clarinex(登録商標)、Clarinex(登録商標)D-12、およびClarinex(登録商標)D-24)、ロラタジン(Claritin(登録商標)、Claritin(登録商標)D-12、Claritin(登録商標)D-24、およびAlavert(登録商標))、ジメンヒドリナート(Dramamine(登録商標))、ジフェンヒドラミン(Benadryl(登録商標)Allergy、Nytol(登録商標)、Sominex(登録商標))、ドキシラミン(Vicks(登録商標)、NyQuil(登録商標)、Alka-Seltzer(登録商標)Plus Night-Time Cold Medicine)、シプロヘプタジン(Periactin(登録商標))、プロメタジン(Phenergan(登録商標))、アクリバスチン(Semprex(登録商標)、Semprex(登録商標)-D)、クレマスチン(Tavist(登録商標))、ドキシラミン(Unisom(登録商標))、レボセチリジン(Xyzal(登録商標));
マスト細胞安定化剤(例えばβ2-アドレナリンアゴニスト、クロモグリク酸、クロモリンナトリウム、Gastrocrom(登録商標)、ケトチフェン、メチルキサンチン、オマリズマブ、ペミロラスト、ケルセチン、ケトチフェン(Zaditen(登録商標));
抗炎症剤(例えばNSAID(例えばアスピリン、サリチル酸コリンおよびサリチル酸マグネシウム、ジクロフェナクカリウム(Cataflam(登録商標))、ジクロフェナクナトリウム(Voltaren(登録商標)、Voltaren(登録商標)XR)、ジクロフェナクナトリウム・ミソプロストール(Arthrotec(登録商標))、ジフルニサル(Dolobid(登録商標))、エトドラク(Lodine(登録商標)、Lodine(登録商標)XL)、フェノプロフェンカルシウム(Nalfon(登録商標))、フルルビプロフェン(Ansaid(登録商標))、イブプロフェン(Advil(登録商標)、Motrin(登録商標)、Motrin(登録商標)IB、Nuprin(登録商標))、インドメタシン(Indocin(登録商標)、Indocin(登録商標)SR)、ケトプロフェン(Actron(登録商標)、Orudis(登録商標)、Orudis(登録商標)KT、Oruvail(登録商標))、サリチル酸マグネシウム(Arthritab、Bayer(登録商標)Select、Doan's Pills、Magan、Mobidin、Mobogesic)、メクロフェナム酸ナトリウム(Meclomen(登録商標))、メフェナム酸(Ponstel(登録商標))、メロキシカム(Mobic(登録商標))、ナブメトン(Relafen(登録商標))、ナプロキセン(Naprosyn(登録商標)、Naprelan(登録商標))、ナプロキセンナトリウム(Aleve(登録商標)、Anaprox(登録商標))、オキサプロジン(Daypro(登録商標))、ピロキシカム(Feldene(登録商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、サルサラート(Amigesic、Anaflex 750、Disalcid、Marthritic、Mono-Gesic、Salflex、Salsitab)、サリチル酸ナトリウム、スリンダク(Clinoril(登録商標))、トルメチンナトリウム(Tolectin(登録商標))、バルデコキシブ(Bextra(登録商標)));
受容体チロシンキナーゼ阻害剤(例えばスニチニブ);
アルキル化剤(例えばダカルバジン、カルボプラチン);
CDK 4/6阻害剤(例えばLEE011);
PKC阻害剤(例えばAEB071);
MAPK阻害剤(例えばRAS阻害剤/ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えばティピファニブ)、Rafキナーゼ阻害剤(例えばソラフェニブ(BAY 43-9006、Nexavar)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、LGX818、TAK-632、MLN2480、PLX-4720)、ERK阻害剤(例えばSCH772984、VTX11e);
PI3K阻害剤(例えばLY294002);
AKT阻害剤(例えばMK 2206);
PI3K/AKT阻害剤(例えばブパリシブ、シズツムマブ);
mTOR阻害剤(例えば局所ラパマイシン、RAD001(エベロリムス/ラパマイシン)、テムシロリムス、シロリムス);
チロシンキナーゼ阻害剤(例えばイマチニブ(Gleevec(登録商標))、カボザンチニブ(チロシンキナーゼc-MetおよびVEGFR2の阻害剤)、ニロチニブ(Tasigna(登録商標));
VEGF阻害剤(例えばラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、セジラニブ);
免疫応答調節剤(例えば局所イミキモド、インターフェロン、PEGインターフェロン);
カルシウムチャネル遮断薬(例えばAvocil(Mederma)/15%ベラパミル、別途ビタミンD、ドキシサイクリン注射液);
スタチン(例えばロバスタチン、メトトレキサート、ビンブラスチン、プレガバリン、テモゾロミド、PLX3397);
HDAC阻害剤(例えばAR-42);
HSP-90阻害剤(例えばガネテスピブ(Ganetespib));
レチノイド(例えばアダパレン、イソトレチノイン、タザロテン、トレチノイン);
ステロイド(例えばアルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、増強ジプロピオン酸ベタメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸クロベタゾール、コルチゾン、デソニド、デキサメタゾン、二酢酸ジフロラゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ハロベタゾール、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、フロ酸モメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド);
局所カルシニューリン阻害剤(例えばピメクロリムス(Elidel(登録商標)クリーム1%、Novartis)、タクロリムス(Protopic(登録商標)軟膏、Astellas)); ならびに
非薬学的治療介入(例えば光線力学療法(局所Levulan Kerastick + 光)、電気乾固(ED)、YAGレーザー)。
対象が処置を必要とするMEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患、あるいは、MEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害または疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置方法における使用のためのキットも提供される。本キットは、本明細書において提供される化合物または組成物と、第2の剤または組成物と、MEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患を処置するための使用法に関する情報を医療提供者に与える説明書とを含みうる。説明書は、印刷形態で、またはフロッピーディスク、CD、もしくはDVDなどの電子媒体の形態で、または該説明書を得ることができるウェブサイトアドレスの形態で提供可能である。本明細書において提供される化合物もしくは組成物、または第2の剤もしくは組成物の単位用量は、対象に投与される際に該化合物または組成物の治療的または予防的に有効な血漿レベルが対象中で少なくとも1日間維持されうる投与量を含みうる。いくつかの態様では、化合物または組成物は滅菌水性薬学的組成物または乾燥粉末(例えば凍結乾燥)組成物として含まれうる。
対象が処置を必要とする疾患または障害、および/あるいはMEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患を対象において処置するための方法であって、該対象と、治療有効量または予防有効量の、その単一の鏡像異性体、鏡像異性体対の混合物、個々のジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、個々の立体異性体、立体異性体の混合物、もしくは互変異性体を含む、本明細書において開示される化合物、例えば式(I)〜(Iu)のうちいずれか1つの化合物および特許請求の範囲の化合物、ならびに態様Aにおける化合物; またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、リン酸エステル、もしくは活性代謝産物とを接触させる段階を含む方法が、本明細書において提供される。
一態様では、皮膚障害はNF1に関連している。レックリングハウゼン神経線維腫症または末梢神経線維腫症としても知られるNF1は、出生数3,000人中約1人において発生しており、最も一般的な遺伝障害および最も一般的な神経皮膚障害の1つである。NF1は、様々なシグナル伝達経路、例えばRasおよびRhoの過剰活性化を生じさせるニューロフィブロミン欠損により引き起こされるものであり、皮膚(dermal)神経線維腫(DF); 皮膚(cutaneous)神経線維腫; 皮下神経線維腫; 表在性叢状神経線維腫(PF); 皮膚(cutaneous)神経線維腫(CF); カフェオレ斑; ならびに腋窩部および鼠径部のしみを含むいくつかの皮膚障害に関連している。DFはNF1患者の95%超において発生する。DFは身体のどこにでも出現しうるものであり、40歳超のNF1患者の88%が100個超のDFを示す。DFは重度の身体的苦痛、美観毀損、および社会的不安を引き起こしうる。顔面DFは、罹患した個人において重度の社会的不安の問題および苦痛を作り出すことがある。DF(皮膚神経線維腫または限局性神経線維腫としても知られる)は、皮膚中または皮膚直下の小さな神経から成長し、通常は思春期近くから小さな隆起として出現する。DFの現行の処置オプションは外科的切除およびCO2レーザー除去に限定されており、いずれも瘢痕を引き起こし、いずれも予防的ではない。
一態様では、皮膚障害はRasの活性化亢進に関連している。一態様では、皮膚障害は乾癬、ケラトアカントーマ(KA)、角化症、乳頭腫、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、コステロ症候群(顔・皮膚・骨格症候群またはFCS症候群)、眼外胚葉症候群、カフェオレ斑、および多発性黒子症候群(旧称レオパード症候群)より選択される。
対象が処置を必要とするMEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患を処置する上での有効性について、化合物を、当業者に公知である任意のアッセイに従ってアッセイすることができる。例示的なアッセイ方法を本明細書の他の箇所に示す。
特定の態様では、本明細書において提供される化合物および組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置方法であって、皮膚障害または皮膚疾患の処置に有効な第2の剤を投与する段階をさらに含む方法において有用である。第2の剤は、米国食品医薬品局または米国以外の国の他の同様の機関により現在承認されている剤を含む、皮膚障害または皮膚疾患の処置に有用な当業者に公知の任意の剤でありうる。
スキーム1
市販の中間体(1)から出発してスキーム1に従って化合物を調製することができ、式中、X1は(いくつかの態様ではメチルであり); R1は-OR4、-NR5R5a、またはN結合ヘテロシクロアルキルであり、N結合ヘテロシクロアルキルは1個または2個のR10で置換されていてもよく; R2aはハロまたはC1〜C6アルキルであり; R3、R3a、およびR3bは独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールは独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよく; R3、R3a、およびR3bは独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールは独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよい。中間体(6)を、本明細書に記載の手順およびスキーム4について以下に記載の手順を使用して処理することができる。
市販のまたは容易に入手可能な式(7)の中間体から出発してスキーム2に従って化合物を調製することができ、式中、X1は(いくつかの態様ではメチルであり); R1は-OR4、-NR5R5a、またはN結合ヘテロシクロアルキルであり、N結合ヘテロシクロアルキルは1個または2個のR10で置換されていてもよく; R2は-S-C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、またはハロであり;R2aはハロまたはC1〜C6アルキルであり; R3、R3a、およびR3bは独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールは独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよく; R3、R3a、およびR3bは独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールは独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよい。スキーム2の中間体(11)を、本明細書に記載の手順およびスキーム4について以下に記載の手順を使用して変換することができる。
市販のまたは容易に入手可能な式(7)の中間体から出発してスキーム3に従って化合物を調製することができ、式中、X1は(いくつかの態様ではメチルであり); R1は-OR4、-NR5R5a、またはN結合ヘテロシクロアルキルであり、N結合ヘテロシクロアルキルは1個または2個のR10で置換されていてもよく; R2は-S-C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、またはハロであり;R2aはハロまたはC1〜C6アルキルであり; R3、R3a、およびR3bは独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールは独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよく; R3、R3a、およびR3bは独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールは独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよい。スキーム3の中間体(14)を、本明細書に記載の手順およびスキーム4について以下に記載の手順を使用して変換することができる。
スキーム4に従って式(I)の化合物を調製することができ、式中、X1(いくつかの態様ではメチルである)、R1、R2、R2a、およびR3〜R3bは、式(I)の化合物について「発明の概要」に定義の通りであり、または本明細書に記載の任意の態様に定義の通りである。(15)のピロール窒素上でのN-アルキル化により調製される中間体(16)を、トリフルオロメチルケトン中間体(17)に容易に変換し、対応する酸(18)に加水分解し、当業者に自明のエステル化法によりtert-ブチルエステル(19)に変換する。(19)をLDAなどの塩基で処理した後、ペルクロロエタンなどの塩素化剤で処理して、中間体(19)の2位を塩素化することで、塩素化中間体(20)を得る。中間体(20)の塩素を塩基の存在下で好適なアニリンに置換することで中間体(21)が得られ、これを4N HClジオキサン溶液の添加ありまたはなしで塩化チオニルで処理することで対応する酸塩化物(22)に容易に変換することができる(J. Org. Chem., 2017, 82 (6), pp 3245-3251)。酸塩化物(22)を好適なアルコール、アミン、またはヒドロキシルアミンでの処理により本発明の化合物に容易に変換することができる。さらに、中間体(22)をペンタフルオロフェノールなどのアルコールでの処理により活性化エステルに変換することができ、次にこれを好適なアルコール、アミン、またはヒドロキシルアミンで処理することで本発明の化合物を得ることができる。
さらに、スキーム5に示す合成経路により式(I)の化合物を調製することができ、式中、X1(いくつかの態様ではメチルである)、R1、R2、R2a、およびR3〜R3bは、式(I)の化合物について「発明の概要」に定義の通りであり、または本明細書に記載の任意の態様に定義の通りである。(7)のピロール窒素上でのN-アルキル化により調製されるニトリル(8)を、対応する酸に加水分解し、エステル化してt-ブチルエステル(20)を形成することができる。次に、スキーム4の順序に従って本発明の化合物を調製することができる。上記に示された例示的調製スキームおよび当業者に公知の手順を利用して、態様Aにおける以下の化合物を調製することができる。
合成例
一般的方法
NMR分光測定
1H NMRスペクトルをBruker Avance III NMR分光計上にて400MHzで記録した。試料を重水素化クロロホルム(CDCl3)またはジメチルスルホキシド(DMSO-d6)中で調製し、生データをACD NMRソフトウェアを使用して処理した。
LCMS分析を、Acquity i-Class Sample Manager-FL、Acquity i-Class Binary Solvent Manager、およびAcquity i-Class UPLC Column ManagerからなるWaters Acquity UPLCシステム上で行った。UV検出をAcquity i-Class UPLC PDA検出器(210〜400nmで走査)を使用して実現し、質量検出をAcquity QDa検出器(100〜1250Daで質量走査; ポジティブモードおよびネガティブモードを同時に)を使用して実現した。Waters Acquity UPLC BEH C18カラム(2.1x50mm、1.7μm)を使用して分析物の分離を実現した。
tert-ブチル 2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボン酸の調製に関する代替法A
代替法Aの工程1:1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニトリル
7-アザインドール-3-カルボニトリル(9.0g、62.8mmol)の乾燥DMF(80mL)溶液を氷浴中で0℃に冷却し、水素化ナトリウム(5.0g、125.7mmol、ミネラルオイル中60%)で数回に分けて処理した。得られた混合物を0℃で45分間攪拌した後、ヨードメタン(7.8mL、125.7mmol)で処理し、室温に1時間かけて徐々に昇温させた。次に混合物をH2O(450mL)に慎重に注ぎ、EtOAc(3x50mL)で抽出した。一緒にした有機相を水(3x50mL)およびブラインで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ120g、ヘキサン中10〜50% EtOAC)で精製して生成物(7.3g、74%)を帯黄白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、4分): 室温2.30分、m/z 158.2 [M+H]+。
1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニトリル(7.3g、46.5mmol)の濃塩酸(12M、73mL、876mmol)懸濁液を攪拌しながら100℃で10時間加熱して透明溶液を得た。次に反応混合物を5℃に冷却し(氷浴)、pHが2に到達するまで40% NaOH水溶液で慎重に処理することで白色析出物を形成した。得られた混合物を1時間攪拌し、濾過し、濾液が中性pHになるまで固体をH2Oで洗浄した後、減圧乾燥させて生成物(6.9g、84%)を白色固体として得た。UPLC-MS(塩基性法、2分): 室温0.17分、m/z 175.2 [M+H]+。
代替法Bの工程1:1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
氷浴中で冷却した、水素化ナトリウムのミネラルオイル中60%分散液(36.5g、914mmol)の無水DMF(300mL)懸濁液に、7-アザインドール(90.0g、762mmol)のDMF(200mL)溶液を添加漏斗によって3時間かけて加えた。反応混合物を30分間攪拌し、氷浴中で冷却した後、ヨウ化メチル(52mL、838mmol)を滴下漏斗によって30分かけて加えた。反応混合物を室温で週末にかけて攪拌した後、UPLC分析は、反応が未完了であることを示した。さらなるヨウ化メチル(5mL、80.3mmol)を加え、反応を完了までUPLCでモニタリングした。反応混合物を氷浴中で冷却し、H2Oで反応停止させ、EtOAc(3x800mL)中に抽出し、一緒にした有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧除去して所望の生成物(130.7g(89.4g、89%有効化合物))を濃褐色二相性油状物として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温0.75分、m/z 133.1 [M+H]+。
氷浴中で冷却した、1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(89.4g、676mmol)のDMF(450mL)溶液に、TFAA(141mL、1.01mol)を添加漏斗によって3時間かけて滴下した。反応液を室温で終夜攪拌した後、H2O(1L)で1時間かけて希釈した。H2Oを加えて析出物を形成させ、これを30分間攪拌した後、濾過した。固体をH2Oで洗浄し、乾燥させて所望の生成物(121g、79%)を白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.05分、m/z 229.1 [M+H]+。
固体2,2,2-トリフルオロ-1-(1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)エタノン(89.9g、394mmol)を収容するフラスコに5M NaOH(788mL、3.94mol)を加え、得られた混合物を50℃に終夜加熱した。反応混合物をH2Oで50%希釈し、TBME(800mL)で洗浄した。得られた水層を濃HCl(330mL)でpH 1に酸性化することで白色析出物を形成した。析出物を濾過し、H2O(1.2L)で洗浄し、40℃で一定重量まで減圧乾燥させて所望の生成物(69.9g、99%)を白色固体として得た。UPLC-MS(塩基性法、2分): 室温0.17分、m/z 175.2 [M+H]+。
氷上で冷却した、上記代替法AまたはBに記載のように調製した1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボン酸(10.0g、56.8mmol)の無水DCM(390mL)懸濁液に、塩化オキサリル(14.4mL、170.4mmol)を15分かけて滴下し、混合物を室温で2時間攪拌した。次に混合物を減圧濃縮して黄色固体を得て、これをtert-ブタノール(300mL、3.14mol)で処理した後、カリウムtert-ブトキシド(10.2g、91mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間攪拌した後、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ120g、DCM中0〜10% MeOH)で精製して生成物(12.6g、86%)を明褐色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.10分、m/z 233.1 [M+H]+。
上記代替法AまたはBに記載のように調製した1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボン酸(68.7g、390mmol)を塩化チオニル(700mL、9.67mol)に攪拌下、室温で加え、得られた混合物を終夜攪拌した。次に塩化チオニルを減圧除去して濃厚懸濁液を得て、これをトルエン(3x200mL)から共蒸留して帯黄白色固体を得た。続いてこの材料をtert-ブタノール(500mL)に懸濁させた。懸濁液に固体カリウムtert-ブトキシド(70g、624mmol)を数回に分けて加え、得られた混合物を終夜攪拌した。溶媒を減圧除去して濃厚固体を得て、これをEtOAc(1.5L)と飽和NaHCO3水溶液(1L)との間で分配した。有機相を収集し、飽和NaHCO3水溶液(1L)で洗浄した後、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて所望の生成物(66.7g、74%)を緑色固体として得た。
上記代替法1または代替法2に記載のように調製したtert-ブチル 1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(4.8g、21.0mmol)の乾燥THF(90mL)溶液をN2で洗い流し、-78℃に冷却した後、LDA溶液(THF中2M、21mL、42mmol)で処理した。混合物を-78℃で0.5時間攪拌した。ヘキサクロロエタン(9.9g、42.0mmol)の乾燥THF(30mL)溶液を加え、混合物を徐々に室温まで昇温させ、1.5時間攪拌した。混合物を飽和NH4Cl水溶液で処理し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ80g、ヘキサン中0〜12% EtOAc)で精製して生成物(4.5g、81%)を淡黄色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.21分、m/z 267.1/269.0 [M+H]+。
tert-ブチル 2-クロロ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(1.0g、3.8mmol)および2-フルオロ-4-ヨードアニリン(0.8g、3.6mmol)の乾燥THF(20mL)懸濁液をN2で洗い流し、-78℃に冷却し、LiHMDS溶液(THF中1M、7.5mL、7.5mmol)で処理した。混合物を徐々に室温まで昇温させ、3時間攪拌した。混合物を飽和NH4Cl水溶液で反応停止させた後、EtOAc(3x50mL)で抽出した。一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ40g、ヘキサン中0〜12% EtOAc)で精製して生成物(1.5g、87%)を黄色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.42分、m/z 468.1 [M+H]+。
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリド
tert-ブチル 2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.6g、1.3mmol)に塩化チオニル(0.9mL、12.8mmol)、続いてH2O(23μL)を加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮乾固させて生成物(0.5g、94%)をベージュ色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.28分、m/z 426.0 [M+H]+(混合物のアリコートをMeOHで反応停止させた後で対応するメチルエステルとして検出)。
tert-ブチル 2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(5.00g、10.7mmol)の無水1,4-ジオキサン(28mL)中攪拌溶液を周囲温度にて塩化チオニル(7.7mL、107mmol)で処理した後、4N塩化水素1,4-ジオキサン溶液(14mL、5.35mmol)で処理し、得られた混合物を50℃に48時間加熱した。反応混合物を40℃に冷却し、無水トルエンからの減圧下での連続的蒸留プロセスに供して(バッチの総量を約30mLに維持)、塩化チオニルおよび1,4-ジオキサンを除去した。得られた2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリドの濃灰色懸濁液をさらに精製せずに後続の工程に使用した。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.29分、m/z 426.0 [M+H]+(バッチのアリコートをメタノール中で反応停止させた後で対応するメチルエステルを得る)。
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリド(460mg、1.07mmol)の乾燥DCM(27mL)溶液を氷浴中で0℃に冷却した後、乾燥ピリジン(970μL、11.98mmol)で処理し、混合物を15分間攪拌し、続いて(2-アミノオキシ)エタノール(124mg、1.61mmol)の乾燥DCM(2mL)溶液を加えた。混合物を15分間攪拌した後、DCMで希釈し、1Mクエン酸水溶液でpH 3に酸性化した。有機相をH2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物を分取HPLCで精製して生成物(181mg、36%)を白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、4分): 室温2.67分、m/z 471.2 [M+H]+。
2-(アミノオキシ)エタノール(8.41g、109mmol)の無水THF(20mL)溶液に0℃で2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリド(9.37g、21.8mmol)の無水THF(80mL)および残留トルエン懸濁液をシリンジによって加えた。40分後、UPLC分析は変換完了を示した。反応混合物をEtOAc(300mL)とH2O(300mL)との間で分配し、二相性混合物を濾過し、有機層を分離した。水層をEtOAc(200mL)で抽出し、有機層を一緒にし、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧除去した。粗固体をEtOAc(40mL、4体積)に懸濁させ、週末にかけて攪拌し、濾過して所望の生成物(7.45g、73%)を濃ベージュ色固体として得た。これをアニソールから再結晶することができる。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.01分、m/z 471.2 [M+H]+。
2-((4-エチニル-2-フルオロフェニル)アミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
2-((2-フルオロ-4-((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(100mg、0.21mmol、UPLC-MSによる純度71%)、ヨウ化銅(I)(1mg、0.004mmol)、PdCl2(PPh3)2(3mg、0.004mmol)の乾燥THF(0.5mL)溶液をN2で洗い流し、トリメチルシリルアセチレン(32μL、0.23mmol)のEt3N(21μL、1.49mmol)溶液を加えた。混合物を室温で3時間攪拌した。混合物をEt2Oで希釈し、セライト(登録商標)パッドを通じて濾過し、濾液を減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ4g、ヘキサン中20〜70% EtOAc)で精製して生成物(25mg、38%)を無色油状物として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.20分、m/z 441.1 [M+H]+。
2-((2-フルオロ-4-((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(100mg、0.23mmol、UPLC-MSによる純度80%)のMeOH(2.1mL)溶液をK2CO3(35mg、0.25mmol)で処理した。混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を分取HPLCで精製して生成物(15mg、22%)を白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温0.93分、m/z 369.1 [M+H]+。
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-N-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
ペルフルオロフェニル 2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリド(0.9g、2.1mmol)の乾燥DCM(50mL)溶液を氷浴中で0℃に冷却した後、Et3N(0.8mL、5.4mmol)およびペンタフルオロフェノール(0.6g、3.2mmol)で処理し、1時間攪拌した。混合物を1:1 DCM/H2O溶液で希釈した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮して生成物1.56g(128mg、定量)を得て、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.43分、m/z 577.8 [M+H]+。
ペルフルオロフェニル 2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]-ピリジン-3-カルボキシレート(400mg、0.69mmol、UPLC-MSによる純度85%)の乾燥DMF(2.4mL)懸濁液をヒドロキシルアミン塩酸塩(58mg、0.83mmol)およびDIPEA(43μL、2.43mmol)で処理した。混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を減圧濃縮した後、残渣を1:1 EtOAc/H2O溶液で希釈した。有機相を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物を分取HPLCで精製して生成物(104mg、39%)を帯黄白色固体として得た。UPLC-MS (酸性法、2分): 室温1.03分、m/z 427.0 [M+H]+。
(R)-N-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
(R)-2-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)イソインドリン-1,3-ジオン
N-ヒドロキシフタルイミド(6.6g、40.5mmol)のTHF(135mL)懸濁液に0℃でトリフェニルホスフィン(10.6g、40.5mmol)および(S)-(2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル)-メタノール(5mL、40.5mmol)を加えた。内部温度を15℃未満に維持しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル(10.3mL、52.7mmol)を滴下した。添加完了時に、混合物を室温に昇温させ、N2下で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をDCM(50mL)で希釈した。得られた析出物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ340g、ヘキサン中10〜100% EtOAc)で精製して生成物(11.1g、99%)を白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.06分、m/z 278.1 [M+H]+。
(R)-2-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)イソインドリン-1,3-ジオン(3.0g、10.8mmol)のDCM(22mL)懸濁液に0℃でメチルヒドラジン(0.62mL、11.9mmol)を滴下した。得られた混合物を室温に昇温させ、N2下で1時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をジエチルエーテル(20mL)で希釈した。混合物を0.5時間攪拌した後、濾過し、ジエチルエーテル(2x20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮乾固させて生成物(0.85g、46%)を淡黄色油状物として得た。
実施例4に記載のように調製したペルフルオロフェニル 2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3--b]ピリジン-3-カルボキシレート(390mg、0.676mmol)のDMF(2mL)溶液に(R)-O-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)ヒドロキシルアミン(149mg、1.010mmol)のDMF(0.5mL)およびDIPEA(24μL、1.350mmol)溶液を加えた。得られた混合物をN2下、室温で18時間攪拌した。反応混合物を氷冷H2O(50mL)で希釈した後、EtOAc(2x25mL)で抽出した。一緒にした有機相をブライン(2x100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮して生成物(300mg、82%)を濃赤色固体として得て、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.15分、m/z 541.1 [M+H]+。
(R)-N-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
(R)-N-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メトキシ)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(220mg、0.40mmol)のMeOH(5mL)溶液にp-トルエンスルホン酸一水和物(39mg、0.20mmol)およびエチレングリコール(13μL、2.40mmol)を加えた。得られた混合物をN2下、室温で0.5時間攪拌した。数滴のEt3Nを反応混合物に加え、溶媒を減圧除去した。粗生成物を分取HPLCで精製して生成物(47mg、24%)を帯黄白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温0.96分、m/z 501.0 [M+H]+。
N-(シクロプロピルメトキシ)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
実施例4に記載のように調製したペルフルオロフェニル 2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(400mg、0.69mmol)のDMF(2.5mL)溶液にO-(シクロプロピルメチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(100mg、0.83mmol)のDMF(0.5mL)およびDIPEA(24μL、1.35mmol)溶液を加えた。得られた混合物をN2下、室温で18時間攪拌した。反応混合物を氷冷H2O(50mL)で希釈した後、EtOAc(2x25mL)で抽出した。一緒にした有機相をブライン(2x100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物を分取HPLC(英国Reach Separations)で精製して生成物(135mg、36%)を白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、4分): 室温1.95分、m/z 481.0 [M+H]+。
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-メトキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
5-メトキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
5-メトキシ-7-アザインドール(5.0g、33.7mmol)の乾燥DMF(25mL)溶液を氷浴中で0℃に冷却し、水素化ナトリウム(1.6g、40.5mmol、ミネラルオイル中60%)で数回に分けて処理した。得られた混合物を0℃で1時間攪拌した後、ヨードメタン(2.3mL、37.1mmol)で処理し、0℃で1時間攪拌した。次に混合物をH2O(200mL)に慎重に注ぎ、EtOAc(3x30mL)で抽出した。一緒にした有機相を水(3x30mL)およびブラインで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して生成物(5.8g、定量)を明褐色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、4分): 室温0.91分、m/z 161.1 [M+H]+。
5-メトキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(5.5g、46.5mmol)の乾燥DMF(7mL)溶液を氷浴中で0℃に冷却し、無水トリフルオロ酢酸(10.6g、50.7mmol)で処理した。次に反応混合物を徐々に室温まで昇温させ、1時間攪拌した。得られた混合物を氷浴中で0℃に冷却し、水(200mL)で処理し、DCM(3x30mL)で抽出した。一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣を5M NaOH水溶液(68mL)に懸濁させ、50℃で18時間加熱した。反応混合物をEt2O(1x30mL)で洗浄し、pH = 1になるまで1M HCl水溶液で慎重に処理することでベージュ色析出物を形成した。固体を濾取し、濾液が中性pHになるまでH2Oで洗浄し、乾燥させて生成物(5.9g、85%)をベージュ色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温0.80分、m/z 207.1 [M+H]+。
氷上で冷却させた、5-メトキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボン酸(5.9g、28.6mmol)の無水DCM(200mL)懸濁液に塩化オキサリル(7.3mL、85.8mmol)を15分かけて滴下し、混合物を室温で1.5時間攪拌した。次に混合物を減圧濃縮して黄色固体を得て、これを氷上で冷却した後、tert-ブタノール(150mL、1.6mol)で処理し、次にカリウムtert-ブトキシド(5.1g、45.8mmol)を加えた。得られた混合物を徐々に室温まで昇温させ、18時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、EtOAc(50mL)とH2O(50mL)との間で分配し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ120g、DCM中0〜3% MeOH)で精製して生成物(3.9g、53%)を黄色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.15分、m/z 263.2 [M+H]+。
tert-ブチル 5-メトキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(2.2g、8.6mmol)の乾燥THF(36mL)溶液をN2で洗い流し、-78℃に冷却した後、LDA溶液(THF中2M、8.55mL、17.1mmol)で処理した。混合物を-78℃で30分間攪拌した。ヘキサクロロエタン(4.1g、17.1mmol)の乾燥THF(12mL)溶液を加え、混合物を徐々に室温まで昇温させ、2時間攪拌した。混合物を飽和NH4Cl水溶液で処理し、EtOAc(3x30mL)で抽出した。一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ120 g、ヘキサン中0〜10% EtOAc)で精製して生成物(2.4g、95%)をベージュ色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.27分、m/z 297.1/299.0 [M+H]+。
tert-ブチル 2-クロロ-5-メトキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(2.4g、8.1mmol)および2-フルオロ-4-ヨードアニリン(1.8g、7.7mmol)の乾燥THF(44mL)懸濁液をN2で洗い流し、-78℃に冷却し、LiHMDS溶液(THF中1M、16.2mL、16.2mmol)で処理した。混合物を徐々に室温まで昇温させ、1.5時間攪拌した。混合物を飽和NH4Cl水溶液で反応停止させた後、EtOAc(3x25mL)で抽出した。一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ120g、ヘキサン中0〜10% EtOAc)で精製して生成物(3.5g、91%)を淡黄色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、4分): 室温2.59分、m/z 498.0 [M+H]+。
tert-ブチル 2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5-エトキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(3.5g、7.0mmol)に塩化チオニル(5.1mL、69.8mmol)、続いてH2O(130μL、7.0mmol)を加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、混合物を室温で1.5時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮乾固させて生成物(3.6g、55%)をベージュ色固体として得て、さらに精製せずに次の工程に使用した。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.31分、m/z 456.0 [M+H]+(混合物のアリコートをMeOHで反応停止させた後で対応するメチルエステルとして検出)。
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5-メトキシ-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリド(1.0g、2.2mmol)の乾燥DCM(57mL)溶液を氷浴中で0℃に冷却した後、乾燥ピリジン(2mL、24.4mmol)で処理し、混合物を5分間攪拌し、続いて(2-アミノオキシ)エタノール(0.4g、5.4mmol)の乾燥DCM(5mL)溶液を加えた。混合物を15分間攪拌した後、減圧濃縮した。粗材料を分取HPLCで精製して生成物(85mg、13%)をベージュ黄色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.07分、m/z 501.0 [M+H]+。
(S)-N-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリド(実施例2参照、937mg、2.18mmol)の乾燥THF(4mL)溶液をN2下、氷水浴中で攪拌しながら冷却した。反応混合物を(S)-(+)-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メタンアミン(256mg、1.95mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.33mL、1.95mmol)の乾燥THF(5mL)溶液で処理し、18時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ40g、ヘキサン中20〜80% EtOAc)で精製して生成物(512mg、44.4%)を帯黄白色固体として得て、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.10分、m/z 525.0 [M+H]+。
(S)-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
(S)-N-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)-アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(512mg、0.97mmol)の1,4-ジオキサン(5.1mL)溶液を4N HCl 1,4-ジオキサン溶液(0.61mL、2.42mmol)で処理し、室温で72時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を1,4-ジオキサン(5.1mL)に再懸濁させ、4N HCl 1,4-ジオキサン溶液(0.61mL、2.42mmol)を加え、完了まで16時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、粗残渣を分取HPLCで精製して生成物(172mg、36.6%)を凝集白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温0.89分、m/z 485.0 [M+H]+。
((R)-N-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリド(実施例2参照、937mg、2.18mmol)の乾燥THF(4mL)溶液をN2下、氷水浴中で攪拌しながら冷却した。反応混合物を(R)-(-)-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メタンアミン(256mg、1.95mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.33mL、1.95mmol)の乾燥THF(5mL)溶液で処理し、18時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ40g、ヘキサン中20〜80% EtOAc)で精製して生成物(442mg、38.5%)を帯黄白色固体として得て、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温1.10分、m/z 525.0 [M+H]+。
(R)-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
(R)-N-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)-アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(442mg、0.84mmol)の1,4-ジオキサン(4.4mL)溶液を4N HCl 1,4-ジオキサン溶液(0.52mL、2.1mmol)で処理し、室温で72時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を1,4-ジオキサン(4.4mL)に再懸濁させ、4N HCl 1,4-ジオキサン溶液(0.52mL、2.1mmol)を加え、完了まで16時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、粗残渣を分取HPLCで精製して生成物(156mg、38%)を凝集白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温0.89分、m/z 485.0 [M+H]+。
2-(2-フルオロ-4-ヨードアニリノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニルクロリド(0.50g、1.16mmol)の1,4-ジオキサン(2.3mL)懸濁液をN2下、氷水浴上で攪拌し、0.5M NH3 1,4-ジオキサン溶液(2.7mL、1.33mmol)を5分かけて滴下した。さらなる1,4-ジオキサン(2.3mL)を加え、反応混合物を室温に昇温させながらさらに18時間攪拌した。次に反応混合物を濃縮下で濃縮乾固させ、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ20g、ヘキサン中20〜100% EtOAC)で精製して生成物(39.1mg、9%)を帯黄白色固体として得た。UPLC-MS(酸性法、2分): 室温0.97分、m/z 411.0 [M+H]+。
MEK阻害アッセイ
以下の手順を使用して化合物のMEK1阻害活性を試験した(Anastassiadis T, et al. Comprehensive assay of kinase catalytic activity reveals features of kinase inhibitor selectivity. Nat Biotechnol. 2011, 29(11), 1039-45を参照)。
試薬
反応緩衝液: 20mM Hepes(pH 7.5)、10mM MgCl2、1mM EGTA、0.02% Brij35、0.02mg/mLウシ血清アルブミン、0.1mM Na3VO4、2mM DTT、1% DMSO
酵素: MEK1、Invitrogenカタログ番号PV3303
N末端Hisタグ化組換えヒト全長タンパク質、昆虫細胞中で発現。RAF1によりインビトロ活性化。MW=49.2kDa、GenBankアクセッション番号NP_002746。
基質: 5μM ERK2(K52R)、キナーゼ失活型変異体、(GenBankアクセッション番号NM_0011949)、N末端His6タグ付きaa2-358、MW=43.63kDa、大腸菌中で発現。
MEK阻害アッセイ
以下の手順を使用して化合物のMEK1阻害活性を試験した(プロトコルはthermofisher.com/content/dam/LifeTech/migration/files/drug-discovery/pdfs.par.60256.file.dat/20130430%20ssbk%20customer%20protocol%20and%20assay%20conditions.pdfで入手可能)。Z'-LYTE生化学アッセイ(ThermoFisher)は、蛍光ベースの共役酵素フォーマットを使用するものであり、タンパク質切断に対するリン酸化ペプチドおよび非リン酸化ペプチドの感受性の差に基づく。
4倍試験化合物2.5μLまたは100倍試験化合物100nL、およびキナーゼ緩衝液2.4μL、2倍ペプチド/キナーゼ混合物5μL、4倍ATP溶液2.5μLをプレートに加え、振盪プレート上に30秒間置いた。キナーゼ反応を室温で60分間進行させた後、発色試薬溶液5μLを加え、混合物を振盪プレート上で30秒間攪拌した。混合物を室温で60分間インキュベートした。プレートリーダーを使用して蛍光を測定し、データを解析した。
FI = 蛍光強度
C100% = 100%リン酸化対照の平均クマリン発光シグナル
C0% = 0%リン酸化対照の平均クマリン発光シグナル
F100% = 100%リン酸化対照の平均フルオレセイン発光シグナル
F0% = 0%リン酸化対照の平均フルオレセイン発光シグナル
DRI = 発色反応干渉
TCFI = 試験化合物の蛍光干渉
細胞ベースアッセイ
NF1関連細胞増殖アッセイにおいてソフトMEK阻害剤を試験するために有用な細胞株の調製はBasu et al. Nature 356: 713-715, 1992; およびDeClue et al. Cell 69: 265-273, 1992に見ることができる。さらに、本明細書に記載のソフトMEK阻害剤の有効性を確定するための例示的なインビトロおよびインビボモデルは、参照によりその全体が組み入れられる米国特許第8,211,875号および第8,487,004号に見ることができる。
細胞ベースアッセイ
あるいは、以下の手順を使用して細胞ベース活性を測定することができる。試験化合物をDMSOに溶解して10mMストックにした。Cell Titer-Glo(登録商標)2.0発光細胞生存率アッセイ試薬をPromega(ウィスコンシン州マジソン)から購入した。A375およびHCT116細胞株をAmerican Type Culture Collection(バージニア州マナサス)から購入した。A375細胞では、細胞培地をDMEM + 10%FBSとした。細胞培地を下記の表に列挙する。HCT116細胞では、細胞培地をマッコイ5A + 10%FBSとした。すべての培地に100μg/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを補充した。培養液を5% CO2および95%空気の加湿雰囲気中で37℃に維持した。
S9安定性アッセイ
化合物を、ヒト皮膚中での代謝安定性について、ヒトS9皮膚画分からの消失速度を評価することで評価した。同様に、化合物を、ヒト肝臓中での代謝安定性について、ヒトS9肝画分からの消失速度を評価することで評価した。以下のプロトコルを使用して皮膚代謝と肝代謝との間の差を評価することができる。
ミクロソーム安定性アッセイ
試験化合物の代謝安定性をヒト肝ミクロソームを使用して評価することで、固有クリアランスを予測することができる。ヒト肝ミクロソームはCorning Gentestから取得する。
以下は下記の表に適用される。NTは、化合物が特定のアッセイにおいて試験されなかったことを示す。アッセイ1は、生物学的実施例1aに記載され、かつ、生物学的実施例1bを使用して試験した化合物8、10、12、および13を除くすべての試験化合物に使用した、生化学MEK IC50(nM)アッセイである。アッセイ2は、生物学的実施例2cに記載のA375(BRAF)GI50(nM)細胞ベースアッセイである。アッセイ3は、生物学的実施例2bに記載のHCT116(Kras)GI50(nM)アッセイである。アッセイ4は、生物学的実施例3に記載のヒト肝S9半減期安定性アッセイである。アッセイ5は、生物学的実施例3に記載のヒト肝S9固有クリアランス値(μL/分/mgタンパク質)である。
インビボモデル
試験手順
本明細書に記載の化合物の局所製剤と、媒体の局所製剤とを、ヌードマウスの皮膚に二つ組で適用する。皮膚を別々の時間間隔で生検し、二等分して半分を液体窒素中で急速凍結し、半分をホルマリン固定し、パラフィン包埋する。p-ERKレベルに関するウエスタンブロット解析のためにタンパク質を単離する。p-ERKレベルの細胞特異的解析のためにFFPE切片のp-ERK免疫染色を行う。さらなる解析は、皮膚の完全性を調査するためのH&E染色を含む。
Jackson Laboratoriesから取得した8週齢マウス129匹を試験開始前に剪毛する。約21匹のマウスを試験に使用した。化合物をマウスの無毛背部皮膚に12時間間隔で適用し、皮膚生検組織を処置前、処置24時間後、72時間後、および96時間後に6mmパンチ生検を使用して得る。
免疫ブロッティングのために、生検直後に表皮を液体窒素中に急速凍結させる。表皮を溶解緩衝液に溶解し、ウエスタンブロットを行う。免疫ブロッティングに使用する抗体はウサギ抗リン酸化p44/42 MAPK(1:3000、Cell Signaling)およびウサギ抗p44/42 MAPK(1:3000、Cell Signaling)、マウス抗アクチン(1:5,000、Sigma-Aldrich)、ロバ抗マウスIgG結合西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP; 1:40,000、Amersham Biosciences)、ならびにヤギ抗ウサギIgG結合HRP(1:40,000、Jackson ImmunoResearch)を含む。
5μmパラフィン切片に対して免疫組織化学的検査を行う。標準的プロトコルを使用する酵素処理(1:1000)による抗原賦活化。抗体としてはウサギp-ERK(Cell Signaling、4307S、1:100)を使用した。Bond Polymer Refine抗ウサギHRP検出キット(Leica Biosystems)を製造者のプロトコルに従って使用した。次に切片をヘマトキシリンで対比染色し、脱水し、TissueTek-PrismaおよびCoverslipper(Sakura)を使用してフィルムにカバーガラスを付けた。
5μMパラフィン切片に対してH&Eを行い、マウス皮膚の細胞毒性、炎症、または他の完全性の変化について評価するために組織を調査する。
実験は未処置マウス皮膚で行われる。あるいは、皮膚を予めTPAで処置してp-ERKレベルを高める。ヌードマウスの皮膚に12.5uG TPAのアセトン100μL溶液を96時間かけて適用して、TPA誘導RAS/MAPK活性化を行う。TPA曝露の48時間後に試験を行う。
インビボマウスモデル
本明細書に記載の化合物を、NF1のマウスモデル、例えばNF1の遺伝子改変マウスモデル、ヒト皮膚(dermal)神経線維腫(もしくは皮膚(cutaneous)神経線維腫)異種移植ヌードマウスモデル、またはその両方、において試験する。例えば、Jousma et al. Pediatr. Blood Cancer 62: 1709-1716, 2015に記載のDhh-CreマウスモデルであるNf1flox/floxを使用する方法を、本試験において使用することができる。磁気共鳴断層撮影(MRI)および体積測定を使用して腫瘍量を測定する。
インビボマウスモデル
本試験は、本明細書に開示される化合物の1日2回の局所投与による皮膚毒性および肉眼的全身毒性を評価するように、かつ全身毒性に対する代謝易変性の効果を評価するように設計された。
本試験の第1の目的は、本明細書に開示される化合物の、マウスへの1日2回、25日間の局所適用による皮膚毒性および全身毒性を特徴づけることにあった。第2の目的は、実施例2の化合物の3回分の投与量を含む製剤を10%体表面積(BSA)のマウス皮膚に25日間適用した後の皮膚中および血漿中化合物レベルの確定; 実施例2の化合物を10% BSAマウス皮膚に1日2回、25日間適用したことによる肉眼的全身毒性の評価; ならびに皮膚中および血漿中化合物レベルと関連毒性との相関の確定を含むものとした。
25日間。
8週齢雄C57BL/6Jマウス(Jackson Laboratories)を試験開始前および毎週剪毛した。すべての実験はスタンフォード大学Animal Care and Use Committeeにより承認された。
化合物を50% DMSO/50%プロピレングリコール媒体に溶解した。以下の化合物0.125mLをマウスの剪毛背部(10% BSA)に1日2回、週5日、合計24日間適用した。1回目の朝の投与の8時間後に2回目の投与を適用した。すべてのマウスを適用部位において週1回剪毛した。
体重測定を第0週から実験終了まで毎週; 各マウスの背部(dorsal back and face)の写真を第0週から実験終了まで毎週; 皮膚; ならびに肉眼的便検査をヘムの色について第0週から実験終了まで毎週評価。
最後の朝の投与の直前(N=3)、最後の適用の1時間後(N=マウス3匹)、および2時間後(N=マウス3匹)に皮膚および血液を採取した; 採血: 血漿中化合物レベル(LCMS); 皮膚生検組織: 組織学的検査およびp-ERK染色用にホルマリン固定、ウエスタン解析および皮膚中化合物レベル(LCMS)用に急速凍結。
本試験はスタンフォード大学IACUC委員会の監督下で行われた。
25日目の実験終了時に(以下に記載の場合を除く)、皮膚を100%エタノールで拭き、1cm2生検組織を各マウスの化合物適用部位から得た。最終投与前に3匹のマウスからの皮膚を、最終化合物適用の1時間後に3匹のマウスからの皮膚を、最終化合物適用の2時間後に3匹のマウスからの皮膚を生検した。試料の半分を直ちにLCMS分析およびウエスタンブロット解析用に急速凍結した。試料の半分を10%ホルマリン中で24時間固定した後、免疫組織化学的検査用にエタノールに移した。また、胃腸管を終夜ホルマリン固定した後、貯蔵用に70% ETOHに移した。
免疫ブロッティング用に、全皮膚生検組織を溶解緩衝液に溶解し、ウエスタンブロットを行った。免疫ブロッティングに使用する抗体はウサギ抗リン酸化p44/42 MAPK(1:3000、Cell Signaling)およびウサギ抗p44/42 MAPK(1:3000、Cell Signaling)、ウサギ抗リン酸化Mek1/2(1:3000、Cell Signaling)、マウス抗アクチン(1:5000、Sigma-Aldrich)、ロバ抗マウスIgG結合西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP; 1:40,000、Amersham Biosciences)、ならびにヤギ抗ウサギIgG結合HRP(1:40,000、Jackson ImmunoResearch)を含んだ。
5μmパラフィン切片に対して免疫組織化学的検査を行った。
5μMパラフィン切片に対してH&Eを行い、マウス皮膚の細胞毒性、炎症、または他の完全性の変化について評価するために組織を調査した。
液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)を使用して皮膚および血漿中の化合物レベルを検出した。LCMS前に以下のように組織を予備処理した。LCMS分析前に組織を刻み、コラゲナーゼと共にインキュベートした後、最後にステンレス鋼ビーズを使用して均質化した。検量線およびQC検定を各アッセイで実行した。
カプラン・マイヤー曲線を解析することで、各アームでの皮膚毒性の進行を、媒体との比較で確定した。t検定を使用して各投与量での化合物レベルを比較した。また、Ki-67+細胞およびp-ERK発現を免疫染色によって細胞レベルで評価した。ウエスタンブロットによりp-ERK発現の半定量的変化が報告された。
ヒト皮膚(dermal)神経線維腫または皮膚(cutaneous)神経線維腫外植プロトコル
皮膚(dermal)神経線維腫(または皮膚(cutaneous)神経線維腫)は、RAS/MAPK経路の下流活性化を生じさせるNF1遺伝子の変異により引き起こされる稀な遺伝性疾患である神経線維腫症1型(NF1)に罹患した個人において発生する良性腫瘍である。最近の研究は、全身MEK阻害剤を使用するMEK1の阻害がマウスモデルにおいて神経線維腫および他のNF-1関連腫瘍を抑制しうることを示した。例えばNew Engl J Med 2016, 375;26; J Clin Invest. 2013, 123(1), 340-347; およびPediatr Blood Cancer 2015, 62(10), 1709-1716を参照。本試験はインビトロ神経線維腫外植モデルを確立するものである。
第1の目的は、神経線維腫外植片中での、RAS/MAPKシグナル伝達の下流バイオマーカーであるp-ERKの抑制に対する本明細書に記載の局所製剤化化合物の有効性を評価することにあった。第2の目的は、本明細書に記載の化合物で処理された神経線維腫外植片の透過性(化合物が局所適用される場合)を評価することにあった。
原発性の皮膚(dermal)神経線維腫または皮膚(cutaneous)神経線維腫を、NF1の臨床診断または遺伝子診断を受けた患者から得た。廃棄されたヒト神経線維腫試料をStanford Surgery Clinicから、承認済みヒト対象プロトコル(Stanford IRB#18325)を使用して得た。試料を研究代表者の指示下で同定し、細胞増殖培地(DMEM/F12含有ペニシリン/ストレプトマイシン(0.1%); ファンギゾン(40μg/mL); B27(ビタミンAなし))に入れた。
1. 思春期前の個人において直径5mm超、思春期後の個人において最大直径15mm超の6個以上のカフェオレ斑。
2. 2個以上の任意の種類の神経線維腫または1個の叢状神経線維腫。
3. 腋窩部または鼠径部のしみ。
4. 2個以上のLisch小結節(虹彩過誤腫)。
5. 視神経膠腫。
6. 偽関節を伴うかまたは伴わない、蝶形骨異形成または長管骨皮質菲薄化などの独特な骨病変。
7. 上記判定基準によるNF-1を有する第一度近親者(親、兄弟、または子)。
試料は、サイズが少なくとも6mmの原発性未処置神経線維腫であった。試料を、削り取り、パンチ生検、または楕円形切除により切除した。試料は皮膚(dermal)神経線維腫または皮膚(cutaneous)神経線維腫の組織学的診断を受けた。試料を研究代表者の指示下で同定した。
免疫ブロッティング用に、全皮膚生検組織を溶解緩衝液に溶解し、ウエスタンブロットを行った。免疫ブロッティングに使用する抗体はウサギ抗リン酸化p44/42 MAPK(1:3000、Cell Signaling)およびウサギ抗p44/42 MAPK(1:3000、Cell Signaling)、ウサギ抗リン酸化Mek1/2(1:3000、Cell Signaling)、マウス抗アクチン(1:5000、Sigma-Aldrich)、ロバ抗マウスIgG結合西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP; 1:40,000、Amersham Biosciences)、ならびにヤギ抗ウサギIgG結合HRP(1:40,000、Jackson ImmunoResearch)を含んだ。
5μmパラフィン切片に対して免疫組織化学的検査を行った。標準的プロトコルを使用する酵素処理(1:1000)による抗原賦活化。抗体としてはウサギp-ERK(Cell Signaling、4307S、1:100)を使用した。Bond Polymer Refine抗ウサギHRP検出キット(Leica Biosystems)を製造者のプロトコルに従って使用した。次に切片をヘマトキシリンで対比染色し、脱水し、TissueTek-PrismaおよびCoverslipper(Sakura)を使用してフィルムにカバーガラスを付けた。
半定量的ウエスタンブロットを使用することで、本明細書に記載の化合物で処置された試料中のp-ERKの、媒体対照に対する差を評価した。
試験は、患者のインフォームドコンセントおよびHIPAAの承認に基づいてIRBの監督下で行った。
図1aおよび図1bは、ヒト皮膚神経線維腫(cNF)外植片中での実施例2の化合物によるpERKの抑制を示す。
hERGスクリーニングアッセイ
Piperら(Piper, D.R. et al., Assay Drug Dev. Technol. 2008,6(2):213-223)に記載の手順と同様の手順を使用してhERGスクリーニングを行った。Predictor hERG FPアッセイ(ThermoFisherから入手可能、カタログ番号PV5365)は、hERGチャネルタンパク質を含む膜画分(Predictor hERG膜)および高親和性赤色蛍光hERGチャネルリガンド(Predictor hERGトレーサーレッド)を利用する、均質な蛍光偏光生化学ベースフォーマットである。Predictor hERGトレーサーリガンドは、hERGチャネルに結合するとき、高い蛍光偏光値を生成する。hERGチャネルタンパク質に結合する化合物(競合物)でPredictor hERGトレーサーレッドが置換されることで、蛍光偏光値が減少する。
いくつかの試験化合物は、比較的高い濃度で、偏光値のさらなる非hERG特異的減少を示すことがあり、これにより、1部位結合モデルに影響を与えそうなデータが生成される。この現象は、hERGチャネルタンパク質を欠く膜で観察され、このことは、トレーサーに結合する膜調製物中の非hERG成分の存在を示唆している。この非特異的相互作用が比較的高い濃度の特定の化合物で置換されることで、偏光値が減少する。この非特異的相互作用に対する試験化合物の効果を、飽和濃度のE-4031の存在下で試験した。試験化合物の偏光干渉を試験するために利用したアッセイウェルは、試験化合物、30μM E-4031、Predictor hERG膜、および、1% DMSOを含むPredictor hERGトレーサーレッドを含んだ。±25%の範囲外のTCPI計算値にフラグを付けた。
試験化合物ウェルの総蛍光値と、0阻害%および100阻害%の対照ウェルの総蛍光値とを比較することで、試験化合物の蛍光干渉を確定した。対照の±20%の範囲外のTCFI値にフラグを付けた。データ点の各セットについて下記式を使用した。
IDBSのXLfitをグラフ化に使用した。用量反応曲線をモデル番号205(シグモイド用量反応モデル)にカーブフィッティングした。曲線における最小応答が-20阻害%と20阻害%との間にフィットしない場合、それを0阻害%に設定した。曲線における最大応答が70阻害%と130阻害%との間にフィットしない場合、それを100阻害%に設定した。
pKa計算値
pKaを、Chemaxonから入手可能なInstant JChemを使用して計算した。実施例2の化合物のピリジン窒素はpKa値3.65を示した。化合物C8:
のピリジン窒素はpKa計算値7.46を示した。計算値の差は3対数単位に近いか、または約1000倍である。
MDCK-MDR1双方向輸送アッセイ
MDCK-MDR1は、MDCK細胞に由来する安定的に遺伝子導入された細胞株であり、ヒトMDR1遺伝子の過剰発現を伴う。この細胞株はP-gp基質および阻害剤の同定および特性評価に広く使用されている。
Papp = (dQ/dt)/A/C0
式中、dQ/dtは、細胞単層を横切って輸送される試験化合物の量に関する初速度であり、Aは濾過膜の表面積であり、C0は、各方向について4点検量線を使用してLC/MS/MSにより計算される、試験化合物の初期濃度である。
比 = Papp,B-A/Papp,A-B
式中、Papp,B-AおよびPapp,A-Bはそれぞれ細胞単層の基底側から頂端側へのおよび頂端側から基底側への試験化合物の見かけの透過率を表す。
代謝産物同定試験
試料処理
化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に10mMで溶解し、20μMで試験した。
LMを解凍し、NADPH(1mM)、アラメチシン(10uM)、およびUDPGA(1mM)溶液で0.5mg/mLに希釈した後、0.5mLをバイアルに移した。0時間試料: LMを37℃で1時間インキュベートした後、反応停止溶液(100%アセトニトリル)1mLをバイアルに加え、よく混合した。次にストック溶液1μLをバイアルに加えた。1時間試料: ストック溶液1μLを希釈LM 0.5mLと共にバイアルに加えた。試料を37℃で1時間インキュベートし、100%アセトニトリル1mLで反応停止させた。
Claims (67)
- 式(I)の化合物、またはそのN-オキシド、立体異性体、立体異性体混合物、および/もしくは薬学的に許容される塩:
式中、
R1は-OR4、-NR5R5a、またはN結合ヘテロシクロアルキルであり、N結合ヘテロシクロアルキルは1個または2個のR10で置換されていてもよく;
R2aはハロまたはC1〜C6アルキルであり;
R2は-S-C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、またはハロであり;
X1はC1〜C6アルキルであり;
R3、R3a、およびR3bは独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールは独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよく;
R4はC1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、またはC1〜C6アルコキシアルキルであり;
R5は水素; 1個のヘテロシクロアルキルで置換されていてもよいC1〜C6アルキル; C3〜C8シクロアルキル; C3〜C8シクロアルキル-C1〜C6-アルキル-; C1〜C6ヒドロキシアルキル; C1〜C6アルコキシ-C1〜C6-アルキル; または-OR5bであり;
R5aは水素またはC1〜C6アルキルであり;
R5bは水素、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル-C1〜C6-アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、またはC1〜C6アルコキシ-C1〜C6-アルキルであり;
各R6は独立してカルボキシ、C1〜C6-アルコキシカルボニル、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C1〜C6-アルコキシ-C1〜C6-アルキル、C3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-OC(O)R7、-OS(O)2R7、-O-C1〜C6-ハロアルキル、C3〜C8シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、C1〜C6-アルキルアミノ、ジ-C1〜C6-アルキルアミノ、-NR8aS(O)2R8、-NR8aC(O)R8、-S(O)2R8、-S(O)2NR8aR8、-C(O)R8、-C(O)NR8aR8、および-C1〜C6-アルキレン-R6aからなる群より選択され;
各R6aは独立してC3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-NH2、-NH(C1〜C6-アルキル)、-N(C1〜C6-アルキル)2、-NR9aS(O)2R9、-NR9aC(O)R9、-S(O)2R9、-S(O)2NR9aR9、-C(O)R9、および-C(O)NR9aR9からなる群より選択され;
各R7は独立してアミノ、C1〜C6-アルキルアミノ、ジ-C1〜C6-アルキルアミノ、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C6-アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され;
各R8aおよびR9aは独立してHまたはC1〜6アルキルであり;
各R8およびR9は独立してC1〜C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
各R10は独立して水素、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6ハロアルキル、アミノ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルキルアミノ-C1〜C6-アルキル、ジ-C1〜C6-アルキルアミノ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、C3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールである。 - X1がC1〜C3アルキルである、請求項1記載の化合物。
- X1が-CH3である、請求項1または2記載の化合物。
- R3、R3a、およびR3bのうち少なくとも1つがC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-S-C1〜C6アルキル、ハロ、C1〜C6アルコキシ、C3〜C8シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、またはフェノキシであり、各フェニルおよびヘテロアリールが独立して1、2、または3個のR6で置換されていてもよい、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
- R3、R3a、およびR3bのうち1つがメチルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
- R3aがメチルであり、R3およびR3bがそれぞれ水素である、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
- R3、R3a、およびR3bのうち1つがメトキシである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
- R3aがメトキシであり、R3およびR3bがそれぞれ水素である、請求項1〜4および7のいずれか一項記載の化合物。
- R3、R3a、およびR3bのうち1つがフルオロである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
- R3aがフルオロであり、R3およびR3bがそれぞれ水素である、請求項1〜4および9のいずれか一項記載の化合物。
- R3およびR3bがそれぞれ水素であり、R3aがC1〜C6アルキル、ハロ、またはC1〜C6アルコキシである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
- R3およびR3bがそれぞれ水素であり、R3aがメチル、フルオロ、またはメトキシである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
- R3、R3a、およびR3bが水素である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
- R2が-S-C1〜C6アルキルである、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
- R2が-SCH3である、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
- R2がC1〜C6アルキルである、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
- R2がCH3である、請求項1〜13および16のいずれか一項記載の化合物。
- R2がC2〜C6アルケニルである、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
- R2がC2〜C4アルケニルである、請求項1〜13および18のいずれか一項記載の化合物。
- R2がC2〜C6アルキニルである、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
- R2がC2〜C3アルキニルである、請求項1〜13および20のいずれか一項記載の化合物。
- R2がハロである、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
- R2がヨードである、請求項1〜13および22のいずれか一項記載の化合物。
- R2aがC1〜C6アルキルである、請求項1〜23のいずれか一項記載の化合物。
- R2aがメチルである、請求項1〜24のいずれか一項記載の化合物。
- R2aがハロである、請求項1〜23のいずれか一項記載の化合物。
- R2aがフルオロである、請求項1〜23および26のいずれか一項記載の化合物。
- R1が、1個または2個のR10で置換されていてもよいN結合ヘテロシクロアルキルである、請求項1〜27のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-OR4または-NR5R5aである、請求項1〜27のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-OR4である、請求項1〜27および29のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aである、請求項1〜27および29のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-OR4であり、R4がC1〜C6アルキルである、請求項1〜27、29、および30のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-OR4であり、R4がC3〜C8シクロアルキルである、請求項1〜27、29、および30のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-OR4であり、R4がC3〜C8シクロアルキル-C1〜C6-アルキルである、請求項1〜27、29、および30のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-OR4であり、R4がC1〜C6ヒドロキシアルキルである、請求項1〜27、29、および30のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-OR4であり、R4がC1〜C6アルコキシアルキルである、請求項1〜27、29、および30のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が非置換C1〜C6アルキルである、請求項1〜27、29、および31のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5がC3〜C8シクロアルキルである、請求項1〜27、29、および31のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5がC3〜C8シクロアルキル-C1〜C6-アルキル-である、請求項1〜27、29、および31のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5がC1〜C6ヒドロキシアルキルである、請求項1〜27、29、および31のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5がC1〜C6アルコキシ-C1〜C6-アルキルである、請求項1〜27、29、および31のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bである、請求項1〜27、29、および31のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bであり、R5bがC1〜C6アルキルである、請求項1〜27、29、31、および42のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bであり、R5bがC3〜C8シクロアルキルである、請求項1〜27、29、31、および42のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bであり、R5bがC3〜C8シクロアルキル-C1〜C6-アルキルである、請求項1〜27、29、31、および42のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bであり、R5bがシクロプロピルメチルである、請求項1〜27、29、31、および42のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bであり、R5bがC1〜C6ヒドロキシアルキルである、請求項1〜27、29、31、および42のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bであり、R5bが非分岐状C1〜C6ヒドロキシアルキルである、請求項1〜27、29、31、および47のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bであり、R5bがC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、C1〜C6ヒドロキシアルキル中のC1〜C6アルキルが1個のヒドロキシで置換されている、請求項1〜27、29、31、42、47、および48のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が-OR5bであり、R5bがC1〜C6アルコキシ-C1〜C6-アルキルである、請求項1〜27、29、31、および42のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5が、1個のヘテロシクロアルキルで置換されたC1〜C6アルキルである、請求項1〜27、29、および31のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5aが水素である、請求項1〜27、29、31、および37〜51のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NR5R5aであり、R5aがC1〜C6アルキルである、請求項1〜27、29、31、および37〜51のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NH-O-CH2CH2OHである、請求項1〜27のいずれか一項記載の化合物。
- R1が-NH-O-CH2(シクロプロピル)である、請求項1〜27のいずれか一項記載の化合物。
- 約60分以下、約45分以下、約30分以下、または約20分以下の半減期を示し、任意で、実質的に生物学的実施例3に記載の通りであるアッセイを使用して、任意でヒト肝S9画分を使用して、半減期が測定される、請求項1〜56のいずれか一項記載の化合物。
- 請求項1〜57のいずれか一項記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
- MEK阻害剤応答性障害、MEK阻害剤応答性皮膚障害、MEK媒介性障害、またはMEK媒介性皮膚障害を処置する方法であって、請求項1〜57のいずれか一項記載の化合物または請求項58記載の薬学的組成物を投与する段階を含む、方法。
- MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が、皮膚RAS病、神経線維腫症1型、皮膚神経線維腫、皮下神経線維腫、および表在性叢状神経線維腫からなる群より選択される、請求項59記載の方法。
- MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が神経線維腫症1型である、請求項59記載の方法。
- MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が皮膚神経線維腫である、請求項59記載の方法。
- MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が皮下神経線維腫である、請求項59記載の方法。
- MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が表在性叢状神経線維腫である、請求項59記載の方法。
- MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が皮膚RAS病である、請求項58または59記載の方法。
- 皮膚RAS病が、乾癬、ケラトアカントーマ(KA)、角化症、乳頭腫、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、コステロ症候群(顔・皮膚・骨格症候群またはFCS症候群)、眼外胚葉症候群、カフェオレ斑、化膿性肉芽腫、皮脂腺過形成、皮膚神経線維腫、脂漏性角化症、脂腺過形成、脂漏性角化症、および多発性黒子症候群(旧称レオパード症候群)からなる群より選択される、請求項65記載の方法。
- 前記化合物または組成物が、局所投与、皮下投与、経皮投与、皮内投与、または病変内投与される、請求項59〜66のいずれか一項記載の方法。
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