JP2020519604A - 目薬送達製剤 - Google Patents

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Abstract

セルロース系ポリマー及びアニオン性多糖を含む送達担体と、両親媒性非イオン性ブロックコポリマー及びカンナビノイドを含むナノ粒子とを含む目薬送達製剤が提供される。本製剤は、約30℃〜約37℃のゲル点を有する。【選択図】図7

Description

本技術は、ナノ粒子薬物送達系に関する。具体的には、本技術は、眼障害の治療のための感熱性送達担体及び薬物運搬ナノ粒子を有する薬物送達製剤に関する。
緑内障は、高眼圧によって引き起こされる慢性視神経症である。小柱網を通る房水の不十分な排出または排出の閉塞により、前眼房内の房水圧が上昇し、その後、後眼房に伝播する。眼圧の上昇により、網膜基底膜の菲薄化がもたらされ、視神経頭が損傷される。緑内障は、現在、世界的に失明の主な原因であり、2020年までに8000万人近くの人口が緑内障に冒されると推定されている。
現在の緑内障療法は、眼内の炭酸脱水酵素を阻害するか、もしくは毛様体上皮細胞による房水の産生を減少させるかのいずれかによって、または小柱網を通る房水排出を増加させることによって眼圧を低下させる機能を果たす。大半が点眼薬として製剤化されている既存の薬理学的に活性な薬剤が点眼薬の投与後に投与量の5%未満しか角膜に浸透しないことが示されているため、この薬剤には改善の余地がある。
緑内障の治療におけるカンナビノイドの役割が極めて広く知られているが、緑内障等の眼障害の治療のためのカンナビノイドベースの製品が現在市場に存在しない。パーキンソン病、ハンチントン病、及び多発性硬化症等の異なる神経変性病態におけるカンナビノイドの神経保護的特性が大々的に研究されている。カンナビノイドが低い水溶解度を有し、結果としてバイオアベイラビリティが低くなる。それ故に、カンナビノイドの眼内組織への標的送達に関連する困難のため、眼障害における治療戦略としての神経保護は追求されていない。カンナビノイドのヒト眼組織への局所送達への以前の試みは、カンナビノイドのビヒクルとしての鉱油及びシクロデキストリンの使用に限定されている。しかしながら、これらのビヒクルの眼刺激性及び細胞毒性のため、これらの試みは、限られた成功しか収めていない。
より大まかには、大半が点眼薬として製剤化されている眼障害の既存の薬物には改善の余地が十分にある。薬物が点眼薬として送達される場合、点眼薬の投与後に投与量の5%未満しか角膜に浸透しないことが知られている。
本発明人は、カンナビノイドの眼内への時空間的投薬量制御放出のための感熱性のナノ粒子を含む送達担体を開発した。
第1の態様では、目薬送達製剤であって、
セルロース系ポリマー及びアニオン性多糖を含む送達担体と、
両親媒性非イオン性ブロックコポリマー及び水難溶性または非混和性の薬理学的に活性な薬剤を含むナノ粒子と、を含み、
本製剤が約30℃〜約37℃のゲル点を有し、好ましくは、薬理学的に活性な薬剤がカンナビノイドである、目薬送達製剤が提供される。
セルロース系ポリマーは、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸メチルセルロース、プロピオン酸メチルセルロース、酪酸メチルセルロース、酢酸エチルセルロース、プロピオン酸エチルセルロース、酪酸エチルセルロース、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酪酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択され得る。
一実施形態では、セルロース系ポリマーは、メチルセルロースである。
セルロース系ポリマーの濃度は、製剤の約0.2重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約6重量%、より好ましくは約1重量%〜約4重量%、より好ましくは約1重量%〜約3重量%、または約2.5重量%であり得る。
アニオン性多糖は、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、アルギン酸塩、アルギン酸塩誘導体、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択され得る。
一実施形態では、アニオン性多糖は、ヒアルロン酸である。
アニオン性多糖の濃度は、製剤の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.2重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約1重量%〜約2重量%、または約1.5重量%であり得る。
両親媒性非イオン性ブロックコポリマーは、ポリ(エチレンオキシド−b−ε−カプロラクトン)(別名、ポリ(ε−カプロラクトン−b−エチレングリコール)またはpCL−PEG)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(ラクチド−b−エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−b−グリコリド)、ポリ(グリコリド−b−エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド−b−エチレングリコール)、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
一実施形態では、両親媒性非イオン性ブロックコポリマーは、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)である。
ある実施形態では、カンナビノイドは、CBGAである。
カンナビノイドは、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(CBGAM)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビクロメン酸(CBCA)カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール−C4(CBD−D4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビジオールコール(CBD−D1)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA−A)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA−B)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(THC)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸C4(THCA−C4)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール−C4(THC−C4)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビオールコール酸(THCA−C1)、)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビオールコール(THC−C1)、デルタ−7−シス−イソ−テトラヒドロカンナビバリン(D7−THCV)、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノール酸(D8−THCA)、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノール(D8−THC)、カンナビシクロール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソイン酸A(CBEA−A)、カンナビエルソイン酸B(CBEA−B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビノール(CBN)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビノール−C4(CBN−C4)、カンナビノール−C2(CBN−C2)、カンナビバリン(CBV)、カンナビオールコール(CBN−C1)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、10−エトキシ−9−ヒドロキシ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール、8,9−ジヒドロキシ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール、カンナビトリオールバリン(CBTV)、エトキシ−カンナビトリオールバリン(CBTVE)、デヒドロカンナビフラン(DCBG)、カンナビフラン(CBF)、カンナビクロマノン(CBCN)、カンナビシトラン(CBT)、10−オキソ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール(OTHC)、デルタ−9−シス−テトラヒドロカンナビノール(cis−THC)、3,4,5,6−テトラヒドロ−7−ヒドロキシ−アルファ−アルファ−2−トリメチル−9−n−プロピル−2,6−メタノ−2H−1−ベンズオキソキシン−5−メタノール(OH−イソ−HHCV)、カンナビリプソール(CBR)、及びトリヒドロキシ−デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(triOH−THC)からなる群から選択され得る。
一実施形態では、カンナビノイドは、カンナビゲロール酸(CBGA)である。
ナノ粒子は、約400nm〜500nm、約300nm〜400nm、約200nm〜300nm、約100nm〜200nm、または約25nm〜100nmの平均粒径を有し得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約50nm〜約300nm、約75nm〜約250nm、約100nm〜250nm、または約200nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約175nm〜約200nmの平均粒径を有する。
製剤のゲル点は、約30℃、30.25℃、30.50℃、30.75℃、31℃、31.25℃、31.50℃、31.75℃、32℃、32.25℃、32.50℃、32.75℃、33℃、33.25℃、33.50℃、33.75℃、34℃、34.25℃、34.50℃、34.75℃、35℃、35.25℃、35.5℃、35.75℃、36℃、36.25℃、36.5℃、36.75℃、または約37℃であり得る。いくつかの実施形態では、製剤のゲル点は、約30℃〜約35℃、より好ましくは約30℃〜約34℃、または約32℃である。
いくつかの実施形態では、セルロース系ポリマーの濃度及びナノ粒子の平均粒径が、製剤のゲル点を決定する。
第2の態様では、目薬送達製剤であって、
メチルセルロース及びヒアルロン酸を含む送達担体と、
ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)及び水難溶性または非混和性の薬理学的に活性な薬剤を含むナノ粒子と、を含み、
本製剤が約30℃〜約37℃のゲル点を有し、好ましくは、薬理学的に活性な薬剤がカンナビゲロール酸(CBGA)である、目薬送達製剤が提供される。
第3の態様では、目薬送達製剤であって、
2.5重量%のメチルセルロース及び1.5重量%のヒアルロン酸を含む送達担体と、
ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)及び水難溶性または非混和性の薬理学的に活性な薬剤であって、好ましくは、薬理学的に活性な薬剤がカンナビゲロール酸(CBGA)である、水難溶性または非混和性の薬理学的に活性な薬剤を含むナノ粒子と、を含み、
ナノ粒子の平均粒径が約175nm〜200nmであり、
本製剤が約32℃のゲル点を有する、目薬送達製剤が提供される。
第4の態様では、眼障害を治療する方法であって、それを必要とする対象の眼に、有効量の第1〜第3の態様のいずれか1つに記載の製剤を投与することを含む、方法が提供される。眼障害は、緑内障であり得る。
第5の態様では、眼障害の治療のための第1〜第3の態様のいずれか1つに記載の製剤の使用が提供される。眼障害は、緑内障であり得る。
本明細書を通じて、文脈が別途必要としない限り、「含む(comprise)」という単語、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」等の変形は、提示される要素、整数、もしくはステップ、または要素群、整数群、もしくはステップ群を包含するが、任意の他の要素、整数、もしくはステップ、または要素群、整数群、もしくはステップ群を排除しないことを意味することが理解される。
本明細書に包含される文献、行為、材料、デバイス、品物等のいずれの考察も、単に本発明に前後関係を提供するためのものである。これらの事柄のいずれかもしくは全てが本明細書の各特許請求の優先日の前に存在したが、これらが先行技術の基礎の一部を形成するか、または本発明の関連分野で共通の一般知識であったと承認するもと見なされるべきではない。
ヒアルロン酸(HA)とメチルセルロース(MC)の異なる重量比を有する送達担体の温度の関数としての損失係数(G’’、塗りつぶされていない記号)及び保管係数(G’、塗りつぶされた記号)。全ての実験を、コーン及びプレート形状を有するレオメータを使用して1Hzで行った。 独立変数(HA濃度、MC濃度、ナノ粒子(NP)サイズ)及びそれらの相互作用のHAMC−NP複合体系のゲル点に及ぼす影響の評価のためのパレートプロット(統計的有意性コード:P値0『***』、0.001『**』、0.01『*』)。 最適化製剤の温度掃引が、眼表面の温度に近い温度でのゲル点の発生を示す。 表1に記載の異なる製造条件下で調製されたポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)(PEO−b−PLA)ナノ粒子(NP)のサイズ分布。 5.0mmの作動距離及び5.00kVの加速電圧での走査型電子顕微鏡法によって取得されたカンナビノイド製剤試料の異なる領域由来のナノ粒子の3つの画像。 PEO−b−PLA NP製剤の原子間力顕微鏡画像。 角膜表面をHAMC−NP製剤または対照製剤のいずれかに曝露した後の、角膜及び水晶体によるカンナビノイド取り込み。
定義
本明細書で使用されるとき、「水難溶性」という用語は、25℃で5mg/mL未満の水溶解度を有する任意の物質を指す。カンナビノイドの水溶解度が低下するにつれて、本発明の有用性が高まる。カンナビノイドは、約1mg/mL未満、約0.1mg/mL未満、及びさらに約0.01mg/mL未満等のさらに低い水溶解度を有し得る。
本明細書で使用されるとき、「非混和性」という用語は、溶媒が、約10重量%未満、または約5重量%未満、または約3重量%未満の水溶液溶解度を有することを意味する。
本明細書で使用されるとき、「送達担体」という用語は、水性媒体に対する親和性を有し、大量の水性媒体を吸収することができるが、通常は水性媒体中に溶解しない幅広いクラスの天然または合成ポリマー材料のうちの少なくとも1つを含む組成物を指す。送達担体は、ある温度で液体であり得、特定の温度でゲルを形成し得る。
本明細書で使用される「眼障害」という用語は、緑内障、強膜炎、移植片対宿主病(GvHD)、角膜炎、角膜潰瘍、角膜剥離、雪盲、タイゲソン表在性点状角膜症、角膜血管新生、フックスジストロフィー、円錐角膜、乾性角結膜炎(ドライアイ)、虹彩炎、角膜知覚麻痺、神経栄養角膜症、目の充血、はやり目、角膜真菌症、眼球乾燥症、網膜芽細胞腫、ブドウ膜炎、翼状片、角膜症、黄斑変性症、スタルガルト病、網膜色素変性症、及び瞼裂斑を含む任意の眼疾患を指す。
本明細書に記載の実施形態では、ある特定の数値及び範囲は、重量%、ゲル点、pH、及び/またはナノ粒子粒径等の様々なパラメータに対して特定されたものである。かかる特定された値及び/または範囲は、別途指示されない限り、±10%変動し得る。
製剤
本明細書に記載の製剤は、約30℃〜約37℃またはそれよりも高い温度でゲルを形成するセルロース系ポリマー及びアニオン性多糖の水溶液を含む。加えて、本製剤は、両親媒性非イオン性ブロックコポリマー及び薬理学的に活性な薬剤を含むナノ粒子を含む。
ナノ粒子送達担体は、液体としてパッケージングされ得、点眼薬として患者に投与され得る。眼と接触すると、その温度が眼の温度に上昇し、液体がゲルを形成する。液体製剤は、容易な投薬を可能にし、製造を簡素化し、規制された工業規模の製造過程の開発への道を簡素化する。
一使用方法では、製剤は、身体に投与される前に、そのゲル点未満(例えば、約30℃〜約37℃のゲル点未満)の温度で維持されて、製剤を液体状態に保つ。例えば、製剤が眼の表面に投与されると、製剤は、眼表面の温度(約32℃)に達した時点でヒドロゲルを形成する。
あるいは、製剤は、約30℃〜約37℃の温度にされてゲルを形成し、その後、身体に投与され得る。例えば、製剤は、液体としてシリンジ内に装填され、シリンジ内で温められてゲルを形成し、ゲルとしてシリンジから投与され得る。あるいは、組成物は、シリンジ内に装填される時点でゲル状態であり得る。
典型的には、製剤のpHは、6.6〜7.8の範囲である。涙液の天然pHは7.4であるが、製剤は、投与される製剤のpHが6.6〜7.8の範囲内に収まる限り、対象に不快感を引き起こさない(Sampath Kumar et al.,“Recent Challenges and Advances in Ophthalmic Drug Delivery System,”in The Pharma Innovation,Vol.1,No.4(2012))。
他の実施形態では、溶液は、カンナビノイドとの使用に適切な安定剤、防腐剤、抗酸化剤、緩衝剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
ナノ粒子
ナノ粒子は、非混和性であり、水難溶性であり、及び/または少なくとも4のlogオクタノール:水分配係数(log Pow)を有するカンナビノイド等の薬理学的に活性な薬剤及び両親媒性、非イオン性ブロックコポリマーのナノ粒子の形成をもたらす任意のプロセスによって形成され得る。例えば、ナノ粒子は、沈殿プロセスまたは乳化プロセスによって形成され得る。
親水性薬物を使用する場合、送達系は、いずれのナノ粒子も使用しない場合がある。代わりに、これらの分子は、ヒドロゲル中に直接可溶化され得る。ヒドロゲルを調製する方法は、以前から変化しないままである。時間依存的薬物送達は、涙液中でのヒドロゲルの段階的可溶化によって確実になる。
好ましくは、ナノ粒子は、沈殿プロセスによって形成される。このプロセスの一実施形態では、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及び両親媒性非イオン性ブロックコポリマーが、最初に、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及びブロックコポリマーが難溶性である水溶液と非混和性の溶媒中に溶解する。いくつかの実施形態では、この有機溶液は、超音波処理される。その後、有機溶液は、水溶液と混合されて、ナノ粒子を沈殿させる。
好適な両親媒性非イオン性ブロックコポリマーは、ポリ(エチレンオキシド−b−ε−カプロラクトン)(別名、ポリ(ε−カプロラクトン−b−エチレングリコール)またはpCL−PEG)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(ラクチド−b−エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−b−グリコリド)、ポリ(グリコリド−b−エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド−b−エチレングリコール)、及びそれらの混合物を含む群から選択され得る。いくつかの実施形態では、両親媒性非イオン性ブロックコポリマーは、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)である。
薬理学的に活性な薬剤及び両親媒性非イオン性ブロックコポリマーの溶解溶液の形成に好適な溶媒は、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及びブロックコポリマーが互いに可溶性であり、かつ水溶液中で混和性である任意の化合物または化合物混合物であり得る。好適な溶媒の例としては、アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、及びジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。薬理学的に活性な薬剤、ポリマー、及びブロックコポリマーが薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及びポリマーを溶解させるのに十分に可溶性である場合、50%酢酸エチル及び50%アセトン等の溶媒混合物も使用され得る。一実施形態では、溶媒は、酢酸エチル、メタノール、アセトン、及びそれらの混合物である。別の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。
水溶液は、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及びブロックコポリマーが沈殿してナノ粒子を形成するのに十分に不溶性である任意の化合物または化合物混合物であり得る。好適な水溶液としては、生理食塩水、緩衝生理食塩水、または水が挙げられ得る。ある実施形態では、水溶液は、水である。
有機溶液と水溶液が混合される。例えば、混合は、ナノ粒子が沈殿するとナノ粒子の懸濁液が水溶液中に形成されるように撹拌され得る、有機溶液の水溶液の容器へのボーラスまたはストリーム添加により得る。
有機溶液:水溶液の体積比は、ナノ粒子が急速に凝集しないナノ粒子懸濁液中に十分な水溶液が存在するように選択され得る。しかしながら、過剰な水溶液は、最終使用のためにさらなる加工を必要とし得る非常に希薄なナノ粒子懸濁液をもたらし得る。一般に、有機溶液:水溶液の体積比は、少なくとも1:100及び1:2(有機溶液:水溶液)であるべきである。いくつかの実施形態では、有機溶液:水溶液の体積比は、約1:20〜約1:5の範囲である。好ましくは、有機溶液:水溶液の体積比は、約1:10である。
ナノ粒子を形成するための代替プロセスは、乳化である。このプロセスでは、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及び両親媒性非イオン性ブロックコポリマーが、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及び両親媒性非イオン性ブロックコポリマーが難溶性である水溶液と非混和性の有機溶媒中に溶解して、有機溶液を形成する。薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及びポリマーの溶解溶液の形成に好適な溶媒は、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及びポリマーが互いに可溶性であり、かつ水溶液と非混和性である任意の化合物または化合物混合物であり得る。例示的な溶媒としては、塩化メチレン、トリクロロエチレン、トリクロロ−トリフルオロエチレン、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、酢酸エチル、フェノール、クロロホルム、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ベンジルアルコール、クレオソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、エーテル、及びそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、溶媒は、塩化メチレン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、及びそれらの混合物である。別の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。好適な水溶液としては、生理食塩水、緩衝生理食塩水、または水が挙げられ得る。水溶液は、好ましくは、水である。ある実施形態では、水溶液は、水である。
有機溶液は、水溶液と混合され、均質化されて、水相中に分布した有機溶液の微細液滴の乳剤を形成する。このプロセスで使用される有機溶液の水溶液に対する体積比は、一般に、1:100(有機溶液:水溶液)〜1:1(有機溶液:水溶液)の範囲である。一実施形態では、有機溶液:水溶液の体積比は、1:10〜1:5(有機溶液:水溶液)の範囲である。
乳剤は、一般に、二段階均質化手順によって形成される。有機溶液及び水溶液が、最初に、ローター/ステーターまたは同様のミキサーを使用して混合されて、「プレ乳剤」を作製する。その後、この混合物は、液滴を超高剪断に供する高圧ホモジナイザーでさらに加工されて、微小液滴の均一乳剤を作製する。その後、有機溶媒の一部が除去されて、水溶液中にナノ粒子懸濁液を形成する。有機溶媒を除去するための例示的なプロセスとしては、蒸発、抽出、透析濾過、パーベーパレイション、蒸気透過、蒸留、及び濾過が挙げられる。ある実施形態では、有機溶媒は、The International Committee on Harmonization(ICH)のガイドラインに従って許容可能なレベルまで除去される。ナノ粒子懸濁液中の溶媒の濃度は、水溶液中の溶媒の溶解度未満であり得る。さらにより低い溶媒濃度が好適である。したがって、ナノ粒子懸濁液中の有機溶媒の濃度は、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、及びさらに約0.1重量%未満であり得る。
ナノ粒子懸濁液が作製されると(沈殿または乳化のいずれかによって)、有機溶媒の一部が当該技術分野で既知の方法を使用して懸濁液から除去される。有機溶媒を除去するための例示的なプロセスとしては、蒸発、抽出、透析濾過、パーベーパレイション、蒸気透過、蒸留、及び濾過、例えば、限外濾過が挙げられる。典型的には、回収されたナノ粒子は、水溶液、例えば、水で洗浄される。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、限外濾過によって回収され、水で洗浄される。溶媒は、FDAまたはICH(The International Council on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use)のガイドラインに従って許容可能なレベルまで除去され得る。例えば、ナノ粒子懸濁液中の有機溶媒の濃度は、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、約7重量%、及びさらに約6重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、及び約0.1重量%未満であり得る。
一実施形態では、ナノ粒子は、
(a)溶媒中に溶解する水難溶性カンナビノイド及び両親媒性非イオン性ブロックコポリマーを含む有機溶液を形成することと、
(b)水溶液を形成することであって、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)及び両親媒性非イオン性ブロックコポリマーが水溶液中で難溶性である、形成することと、
(c)有機溶液を水溶液と混合して、混合物を形成することと、
(d)溶媒を混合物から除去して、ナノ粒子及び水溶液を含む懸濁液を形成することと、を含むプロセスによって形成される。
ナノ粒子は、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約200nm未満、または約100nm未満の平均粒径を有し得る。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約400nm〜約500nm、約300nm〜約400nm、約200nm〜約300nm、約100nm〜約200nm、または約25nm〜約100nmの平均粒径を有する。一実施形態では、ナノ粒子は、約100nm〜約200nmの平均粒径を有する。一実施形態では、ナノ粒子は、約175nm〜約200nmの平均粒径を有する。
薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)は、所望の用途に好適な任意の量で存在し得る。例えば、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)は、製剤の重量に対して約1重量%未満〜約90重量%の範囲の量で存在し得る。より高い濃度またはより低い濃度の薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)が使用されてもよく、濃度は、前述の範囲内で変動し得る。例えば、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)は、製剤の約0.01重量%〜約90重量%、約0.01重量%〜約10重量%、約0.2〜約5重量%、約1重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、約0.1%〜約5重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約1重量%未満〜約50重量%、約1重量%未満〜約30重量%、約1重量%未満〜約80重量%、約5重量%〜約90重量%、約10重量%〜約95重量%、または約0.1〜約5重量%の範囲の量で存在し得る。
乳化プロセス及び沈殿プロセスのいずれも、水溶液中にナノ粒子懸濁液の形成をもたらす。いくつかの例では、液体の一部または全てを懸濁液から除去することによってナノ粒子を濃縮するか、またはナノ粒子を固体形態で単離することが望ましい。液体の少なくとも一部を除去するための例示的なプロセスとしては、噴霧乾燥、噴霧コーティング、噴霧層化、凍結乾燥、蒸発、真空蒸発、濾過、限外濾過、逆浸透、及び当該技術分野で既知の他のプロセスが挙げられる。液体は、濾過または限外濾過によって除去され得る。一実施形態では、液体は、噴霧乾燥によって除去される。別の実施形態では、液体は、蒸発によって除去される。さらに別の実施形態では、液体は、凍結乾燥によって除去される。なお別の実施形態では、液体は、噴霧乾燥、噴霧コーティング、噴霧層化、凍結乾燥、蒸発、真空蒸発、濾過、限外濾過、逆浸透、及び当該技術分野で既知の他のプロセスの任意の組み合わせによって除去される。
いくつかの実施形態では、液体の除去前にある材料がナノ粒子懸濁液に添加されて、液体が除去されるとナノ粒子が凝集するのを遅延させるか、または阻止する助けとなる。この材料は、水溶液に添加されたときにナノ粒子を分散させる助けにもなり得る。この材料は、典型的には、薬学的に許容されるものであり、かつ水溶性である。好適な材料の例としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、トレハロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カゼイン、カゼイン塩、アルブミン、ゼラチン、アカシアガム、ラクトース、マンニトール、及び当該技術分野で既知の他のマトリックス材料が挙げられる。
カンナビノイド及び他の薬理学的に活性な薬剤
任意の好適な薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)が本製剤とともに使用され得る。具体的には、水難溶性または非混和性の薬理学的に活性な薬剤が、対象への投与のために製剤のナノ粒子に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、薬理学的に活性な薬剤は、少なくとも4のlogオクタノール:水分配係数(log Pow)を有する。いくつかの場合には、薬理学的に活性な薬剤は、約4〜約7、約4〜約6.7、約4.5〜約7、約4.5〜約6.7、約5〜約7、または約5〜約6.7のlog Powを有する。
いくつかの実施形態では、カンナビノイドは、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(CBGAM)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビクロメン酸(CBCA)カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール−C(CBD−D4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビジオールコール(CBD−D1)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA−A)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA−B)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(THC)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸C(THCA−C4)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール−C(THC−C4)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビオールコール酸(THCA−C1),)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビオールコール(THC−C1)、デルタ−7−シス−イソ−テトラヒドロカンナビバリン(D7−THCV)、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノール酸(D8−THCA)、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノール(D8−THC)、カンナビシクロール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソイン酸A(CBEA−A)、カンナビエルソイン酸B(CBEA−B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビノール(CBN)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビノール−C(CBN−C4)、カンナビノール−C(CBN−C2)、カンナビバリン(CBV)、カンナビオールコール(CBN−C1)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、10−エトキシ−9−ヒドロキシ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール、8,9−ジヒドロキシ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール、カンナビトリオールバリン(CBTV)、エトキシ−カンナビトリオールバリン(CBTVE)、デヒドロカンナビフラン(DCBG)、カンナビフラン(CBF)、カンナビクロマノン(CBCN)、カンナビシトラン(CBT)、10−オキソ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール(OTHC)、デルタ−9−シス−テトラヒドロカンナビノール(cis−THC)、3,4,5,6−テトラヒドロ−7−ヒドロキシ−アルファ−アルファ−2−トリメチル−9−n−プロピル−2,6−メタノ−2H−1−ベンズオキソキシン−5−メタノール(OH−イソ−HHCV)、カンナビリプソール(CBR)、トリヒドロキシ−デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(triOH−THC)を含む群から選択される。
カンナビノイドは、合成であり得るか、または植物に由来し得る。典型的には、植物は、Cannabis属のものである。他の属の植物で生じるカンナビノイドも本製剤に使用され得る。例えば、Echinacea属、Acmella属、Helichrysum属、及びRadula属の植物に由来するカンナビノイドが本製剤に使用され得る。例えば、シス/トランス異性体ドデカ−2E、4E、8Z、10E/Z−テトラエン酸−イソブチルアミドを含むEchinacea種由来の親油性アルカミド(アルキルアミド)が使用され得る。他の好適なカンナビノイドとしては、ベータ−カリオフィレン及びアナンドアミドが挙げられる。一実施形態では、カンナビノイドは、カンナビゲロール酸(CBGA)である。いくつかの実施形態では、薬学的に活性な薬剤は、CBGA、CBGA機能的誘導体、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、カンナビノイドではない追加の薬理学的に活性な薬剤または代替の薬理学的に活性な薬剤がナノ粒子に含まれ得る。かかるカンナビノイドではない薬理学的に活性な薬剤は、水難溶性であるか、非混和性であるか、または少なくとも約4(例えば、約4〜約7、約4〜約6.7、約4.5〜約7、約4.5〜約6.7、約5〜約7、または約5〜約6.7)のlog Powを有する。好適な薬剤の例としては、ブピバカイン、リドカイン、プロパラカイン、及びテトラカイン等の麻酔剤;アセトアミノフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ボルタレン、フェナセチン、及びサリチルアミド等の鎮痛剤;ナプロキセン及びインドメタシンからなる群から選択される抗炎症剤;マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ピリラミン、コハク酸ドキシラミン、クエン酸フェニルトロキサミン、塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、マレイン酸ブロムフェニラミン、マレイン酸デキスブロムフェニラミン、フマル酸クレマスチン、及びトリプロリジン等の抗ヒスタミン剤;広域及び中範囲抗生物質、真菌薬剤、モノバクタム、及びウイルス剤(具体的にはエリスロマイシン、ペニシリン、及びセファロスポリン等を含む);ならびにそれらの誘導体が挙げられる。
いくつかの実施形態では、追加の薬理学的に活性な薬剤は、緑内障の治療に好適であり得る。緑内障の治療に好適な薬剤の例としては、ベタキソロール、カルテオロール、レボブノロール、チモロール等のベータ遮断薬;ブリンゾラミド及びドルゾラミド等の炭酸脱水酵素阻害剤;ピロカルピン等のコリン作動薬;ビマトプロスト、ラタノプロスト、タフルプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン等のプロスタグランジンが挙げられる。さらなる例としては、カンナビノイド、アプラクロニジン、ブリモニジン、ドルゾラミド、ジピベフリン、ブリンゾラミドが挙げられる。
送達担体
本明細書に記載の送達担体は、水溶液中のセルロース系ポリマー及びアニオン性多糖を含む。
水性媒体と合わせられる場合、混合物が適切な温度にされると、セルロース系及びアニオン性多糖はヒドロゲルを形成する。ヒドロゲルは、周囲温度で液体のままである。患者に投与すると、混合物は、その領域の周囲を流動し、投与部位のより温かい環境下で、安定したヒドロゲルを形成する。
ヒアルロン酸(HA)等の好適なアニオン性多糖は、濃度依存的ゲル化及び剪断希薄化特性を呈する。典型的には、アニオン性多糖ゲルは、それらの高親水性のため、完全性を欠く。対照的に、メチルセルロース等のセルロース系ポリマーは、非常に粘性であり、温度依存的様式でゲルを形成するが、高速ゲル化特性を有しない。本明細書で実証されるように、セルロース系ポリマー及びアニオン性多糖(及びナノ粒子)の送達担体は、温度依存的レオペクシー(増粘化)とチキソトロピー(希薄化)との間のバランスを達成するように最適化され得る。系統的アプローチを使用して、本発明人は、眼表面の特定の温度(すなわち、約30℃〜約37℃)で起こるようにゾル−ゲル転移温度を「調節」した。これらのゲル化特性により、まばたきしたときにヒドロゲルが薄い均一のコーティングを角膜上に形成して、薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)を送達担体中に、かつ薬剤を必要とする領域に近接して維持することが可能になる。
したがって、いくつかの実施形態では、適用時に製剤が温度依存的ゲル形成及び剪断依存的希薄化を呈する、液体として眼表面への適用に好適な送達製剤(例えば、CBGA等の1つ以上のカンナビノイドを含む)が提供される。いくつかの実施形態では、温度依存的ゲル形成及び剪断依存的希薄化特性は、まばたきしたときに薄い均一のコーティングを角膜上に形成するのに十分である。いくつかの実施形態では、温度依存的ゲル形成及び剪断依存的希薄化特性は、対照製剤(例えば、鉱油及びCBGA等の1つ以上のカンナビノイドを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる対照製剤)と比較して、経角膜浸透を増加させる。かかる経角膜浸透の増強により、4時間にわたって少なくとも0.2%、4時間にわたって少なくとも1%、4時間にわたって少なくとも4%、4時間にわたって約0.2%〜約10%、4時間にわたって約0.2%〜約5%、または4時間にわたって約0.5%〜約5%の経角膜浸透が提供され得る。
いくつかの実施形態では、製剤は、例えば、4時間後に、対照製剤(例えば、鉱油及びCBGA等の1つ以上のカンナビノイドを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる対照製剤)によって提供される送達よりも少なくとも50%高い、75%高い、またはその少なくとも2倍の、水晶体に活性な薬物の送達を提供する。いくつかの実施形態では、製剤は、例えば、4時間後に、対照製剤(例えば、鉱油及びCBGA等の1つ以上のカンナビノイドを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる対照製剤)によって提供される送達よりも約50%高い〜約2倍高い、または約75%高い〜約2倍高い、水晶体に活性な薬物の送達を提供する。いくつかの実施形態では、製剤は、例えば、4時間後に、対照製剤(例えば、鉱油及びCBGA等の1つ以上のカンナビノイドを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる対照製剤)によって提供される送達よりも少なくとも50%高い、75%高い、少なくとも2倍、または少なくとも4倍の、角膜に活性な薬物の送達を提供する。いくつかの実施形態では、製剤は、例えば、4時間後に、対照製剤(例えば、鉱油及びCBGA等の1つ以上のカンナビノイドを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる対照製剤)によって提供される送達よりも約50%高い〜約4倍高い、約75%高い〜約4倍高い、または約100%高い〜約4倍高い、角膜に活性な薬物の送達を提供する。
いくつかの実施形態では、セルロース系ポリマーまたはアニオン性多糖は、生体適合性であるか、粘膜付着性であるか、またはこれらの両方である。
好適なセルロース系ポリマーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸メチルセルロース、プロピオン酸メチルセルロース、酪酸メチルセルロース、酢酸エチルセルロース、プロピオン酸エチルセルロース、酪酸エチルセルロース、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酪酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースポリマー誘導体、及びそれらの任意の混合物が挙げられる。
好適なアニオン性多糖としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、アルギン酸塩、アルギン酸塩誘導体、キトサン、キトサン誘導体、及びそれらの任意の混合物が挙げられる。
送達担体は、水性媒体ベースである。一実施形態では、水性媒体は、生理食塩水、緩衝生理食塩水、または水である。
実施例9に記載されるように、セルロース系ポリマーの濃度及びナノ粒子サイズが送達担体のゲル点に影響を及ぼす。例えば、セルロース系ポリマーの濃度の増加により、ゲル点が低くなる(より低い温度でゲルになる)一方で、より大きい粒子を含む送達担体は、より高い温度でゲルを形成する。
所与の組成物のゲル点を決定するために、ゲル点(T)を3つの影響因子と関連付ける以下の多項等式を開発した。
式中、XAPは、アニオン性多糖の濃度であり、XCPは、セルロース系ポリマーの濃度であり、XNPは、平均ナノ粒子粒径である。この等式を使用して、T=約30℃〜約37℃に最適な組成が理解され得る。例えば、T=32℃に最適な組成は、以下から構成され得る。1.5重量%のHA濃度、2.5重量%のMC濃度、及びNP粒径200nm。XAP、XCP、及びXNPの各々間の関係を考慮して、1つが変化すると、特定のゲル点、例えば、32℃で送達担体を産生するために他の各々も変化しなければならない。ゲル点は、レオメータまたは当該技術分野で既知の任意の方法を使用して確認され得る。
製剤に好適なゲル点は、投与されるよう意図されている身体の一部の温度と実質的に同じ温度である。例えば、眼の表面の温度は、約32℃であり、皮膚温度は、約34℃であり、正常な体温は、37、正常な体温は、37℃である。したがって、製剤のゲル点は、約30℃〜少なくとも40℃の範囲であり得る。例えば、好適なゲル点は、約30℃、30.25℃、30.5℃、30.75℃、31℃、31.25℃、31.5℃、31.75℃、32℃、32.25℃、32.5℃、32.75℃、33℃、33.25℃、33.5℃、33.75℃、34℃、34.25℃、34.5℃、34.75℃、35℃、35.25℃、35.5℃、35.75℃、36℃、36.25℃、36.5℃、36.75℃、または少なくとも約37℃である。
いくつかの実施形態では、セルロース系ポリマーの濃度は、製剤の約0.2重量%〜約10重量%である。例えば、セルロース系ポリマーの濃度は、製剤の約0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.25、3.50、3.75、4.0、4.25、4.5、4.75、5.0、5.25、5.5、5.75、6.0、6.25、6.5、6.75、7.0、7.25、7.5、7.75、8.0、8.25、8.5、8.75、9.0、9.25、9.5、9.75、または約10.0重量%であり得る。
いくつかの実施形態では、アニオン性多糖の濃度は、製剤の約0.1重量%〜約10重量%である。例えば、アニオン性多糖の濃度は、製剤の約0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.25、3.50、3.75、4.0、4.25、4.5、4.75、5.0、5.25、5.5、5.75、6.0、6.25、6.5、6.75、7.0、7.25、7.5、7.75、8.0、8.25、8.5、8.75、9.0、9.25、9.5、9.75、または約10.0重量%であり得る。
いくつかの実施形態では、セルロース系ポリマーのアニオン性多糖に対する重量比は、重量比における第1の数値に1.1〜10の任意の整数を含む、約1.1:1〜約10:1の範囲であり得る。
当業者であれば、上述の範囲及び比率が近似値であり、各ポリマーの選択、ならびに送達担体産物に所望のレオロジー特性、ゲル化特性、及び分解特性、ならびにナノ粒子の粒径に依存し得ることを理解するであろう。
一実施形態によれば、送達担体組成物は、メチルセルロース等のセルロース系ポリマーを高温水性媒体(例えば、水または緩衝生理食塩水)で湿潤させて撹拌することによって調製される。水性媒体は、40〜99℃の温度であり得る。高温水性媒体の好適な温度は、40℃、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99℃である。その後、追加の水性媒体(加熱されていない)が添加され、温度が約0℃に下げられ、撹拌が継続された後にアニオン性多糖(ヒアルロン酸等)が添加され、その後、撹拌が継続される。
一実施形態では、水性媒体は、水または緩衝生理食塩水溶液である。
本方法の別の実施形態では、アニオン性多糖が添加される前に、セルロース系ポリマーの一部が添加され得る。一実施形態では、ある量のアニオン性多糖が容器内のある量の水性媒体に周囲温度で添加され、それが溶解するまで撹拌される。その後、溶液が、例えば、約90℃に加熱され、所望の量のセルロース系ポリマーが容器に添加される。
別の実施形態では、セルロース系ポリマーが水性媒体の一部に混合しながら高温で添加されて、セルロース系ポリマー凝集体が完全に湿潤されて分散することを確実にする。その後、残りの溶媒がより低い温度で添加されて、水性溶媒中での粉末の溶解を促進する。その後、容器が冷却され、ある量のアニオン性多糖が固体または溶液として添加される。内容物が混合され、容器が冷却される。その後、低温または周囲温度の水性媒体が混合しながら添加されて、ポリマーの濃度を所望のレベルに調整する。
本明細書に記載の送達担体は、生体適合性であり、化学架橋剤またはフリーラジカルの導入を必要としない。本明細書に記載の送達担体は、例えば、眼を含む身体の多くの領域に安全に投与され得る。
剤形
製剤は、任意の既知の剤形を使用して投与され得る。製剤は、眼への投与を含む局所投与に特によく適している。好適な眼剤形としては、液体、懸濁液、乳剤、ゲル、クリーム、及びペーストが挙げられる。典型的には、眼剤形は、薬理学的に活性な薬剤を含むナノ粒子が懸濁した液体製剤である。
治療方法
本明細書に記載の製剤は、典型的には、液体としてパッケージングされ、点眼薬として適用される。液体は、その温度が体温に上昇するとゲルを形成する。
製剤を使用する治療方法は、典型的には、製剤の患者の眼への投与を必要とする。眼障害の症状を治療または緩和するための点眼薬としての製剤の使用についての典型的なプロトコルは、症状の重症度が許容レベルまで低下するまで、製剤を患眼に少なくとも1日1回、少なくとも一滴点眼することである。特に重症の眼障害では、より頻繁な適用が必要であり得る。例えば、製剤は、例えば、1日1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回投与され得る。
一実施形態では、製剤は、対照製剤と比較して、ある環境下で薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)濃度を改善することができる。インビトロでの濃度増強を決定するために、ナノ粒子中の薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)の量が測定される。製剤は、眼に投与されると、製剤が、対照製剤によって提供される薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)なし濃度の少なくとも1.2倍の薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)濃度を眼の任意の部分に提供する場合に、濃度増強を提供する。
製剤によって提供される薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)濃度は、対照製剤によって提供される濃度の少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍であり得る。製剤によって提供される薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)濃度は、対照製剤によって提供される濃度の少なくとも約1.5倍〜少なくとも約5倍、少なくとも約1.5倍〜約5倍以下、少なくとも約1.5倍〜約6倍以下、少なくとも約1.5倍〜約10倍以下、少なくとも約2倍〜約5倍以下、少なくとも約2倍〜約10倍以下、少なくとも約3倍〜約5倍以下、または少なくとも約3倍〜約10倍以下であり得る。
あるいは、本明細書に記載の製剤は、眼に適用されると、対照製剤で観察される濃度の少なくとも1.2倍の任意の眼組織または眼液中の薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)濃度のAUCを提供する。AUCは、対照製剤のAUCの少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、なおより好ましくは少なくとも約10倍、または少なくとも約20倍であり得る。
眼に適用されると、本明細書に記載の製剤は、対照と比較して少なくとも1.5〜5倍改善された眼組織または眼液中の局所活性濃度の薬理学的に活性な薬剤(例えば、カンナビノイド)を送達する。いくつかの場合には、改善は、対照製剤によって提供される改善の少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍である。いくつかの場合には、改善は、対照製剤によって提供される改善の少なくとも約1.5倍〜少なくとも約5倍、少なくとも約1.5倍〜約5倍以下、少なくとも約1.5倍〜約6倍以下、少なくとも約1.5倍〜約10倍以下、少なくとも約2倍〜約5倍以下、少なくとも約2倍〜約10倍以下、少なくとも約3倍〜約5倍以下、または少なくとも約3倍〜約10倍以下である。
別の実施形態では、製剤は、眼に投与されると、対照製剤で観察される濃度の少なくとも1.2倍の任意の眼組織または眼液中最大カンナビノイド濃度(Cmax)を提供する。好ましくは、Cmaxは、対照製剤のCmaxの少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約6倍、少なくとも約10倍、または少なくとも約20倍である。別の実施形態では、製剤は、眼に投与されると、対照製剤で観察される濃度の1.2倍の任意の眼組織または眼液中最大カンナビノイド濃度(Cmax)を提供する。好ましくは、Cmaxは、対照製剤のCmaxの約2倍、約3倍、約4倍、約6倍、約10倍、または約20倍である。
別の実施形態では、製剤は、眼に投与されると、対照製剤で観察される濃度の少なくとも約1.2倍及び約20倍以下、少なくとも約1.2倍及び約10倍以下、少なくとも約1.2倍及び約5倍以下、少なくとも約1.5倍及び約20倍以下、少なくとも約1.5倍及び約10倍以下、少なくとも約1.5倍及び約5倍以下、少なくとも約2倍及び約20倍以下、少なくとも約2倍及び約10倍以下、少なくとも約2倍及び約5倍以下、少なくとも約3倍及び約20倍以下、または少なくとも約3倍及び約10倍以下、少なくとも約3倍及び約5倍以下の任意の眼組織または眼液中最大カンナビノイド濃度(Cmax)を提供する。
本発明は、これより、決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない以下の具体的な実施例を参照して、より詳細にさらに説明される。
実施例1:材料
ヒアルロン酸ナトリウム(Mw:752kDa)をLifecore Biomedical LLC.(Chicago,IL,USA)から購入した。MC A15 PREM LVを、Dow Chemical(Michigan,USA)からの贈呈物として入手した。ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)(PEO−b−PLA)、(5.0−b−23.0)を、Polymer Source Inc.(Montreal,Canada)から入手した。カルボキシ官能化ポリ(スチレン)ナノ粒子を、Phosphorex(Hopkinton,MA)から購入し、受け取ったままの状態で使用した。これらのポリマーの大半は、医薬品グレードとして利用可能である。さらに、PEO及びPLAの両方を、医薬品グレードのポリマーとして個別に購入することができる。PEOは、DowからPOLYOXとして市販されており、Corbionは、医薬品グレードの乳酸をPURACという商標名で製造している。PLAのLAからの合成を、GMPプロトコルを使用して達成することができ、その後に、ブロックポリマーを、同様のGMP承認プロセスを使用して製造することができる。
カンナビゲロール酸(CBGA、Mw:365kg/mol)を、以前に説明されたように化学的に合成した。水を蒸留し、Millipore Milli−RO 10 Plus及びMilli−Q UF Plus(Bedford,MA)を18MΩ抵抗で使用して脱イオン化した。シミュレートした涙液(STF)を、以前に公開されたプロトコル(Hagerstrom,et al.Eur.J.Pharm.Sci.9,301−309(2000))に従って調製した。使用した全ての有機溶媒は、HPLCグレードのものであり、Aldrichから購入した。全ての他の材料もAldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。
方法
実施例2:ナノ粒子装填送達担体の調製
MCを高温溶媒(90℃)として必要量の半分の量の脱イオン水中に溶解させ、全ての粒子が湿潤するまで撹拌した。残りの脱イオン水を冷水として撹拌しながらMC溶液に添加した。溶液温度を0℃に下げ、撹拌をさらに15分間続けた。必要量のHA粉末をこの溶液に添加し、撹拌をさらに10分間続けた。最後に、必要量のナノ粒子(NP)懸濁液を添加して、製剤中10%NPの最終濃度にした。この混合物をいずれの実験の前に冷蔵庫に一晩放置した。
実施例3:レオロジー実験
角度4°及び直径25mm(CP25−4)のコーン及びプレート形状と連結したPhysica MCR−501レオメータ(Anton Paar,VA,USA)を使用して、全ての実験を行った。シリコーン油を利用して、実験中の試料の脱水を最小限に抑えた。線形粘弾性領域に関連した歪み及び周波数範囲を特定するために、振幅掃引をいずれの実験の前に行った。製剤のゾル−ゲル転移温度を、振動実験を行って、温度掃引中の保管(G’)及び損失(G’’)係数を監視することによって特定した。温度を1℃/分の速度で上昇させ、周波数を1Hzに設定した。ゲル点をG’値とG’’値が一致し始めた温度として記録する。0.01秒−1〜100秒−1の範囲の剪断速度の関数として粘度を測定することによって、製剤の剪断希薄化挙動も調査した。
実施例4:感温性送達担体組成物の最適化のための要因設計
32℃(すなわち、眼表面の温度)でゲル点をもたらす製剤の最適組成を特定するために、要因設計アプローチを利用した。HAMC−NP複合体のゲル構造に影響を及ぼす最も重要な因子が、HA濃度、MC濃度、及びNP粒径であることが知られている。したがって、これらの因子の各々の最適レベルを3因子3レベル要因設計によって特定した。3つの独立変数(HA濃度(XHA)、MC濃度(XMC)、及びNP粒径(XNP))を、−1、0、及び1とコード化した3つの異なるレベルで研究した。因子がとり得る値の特定の範囲、すなわち、区間[L;U]が存在する。その結果、その因子のレベルは、中間点M=L+Uに加えて、最低値L及び最高値Uであり得る。安定性研究を異なる濃度比を有するHA−MCゲルで行い、HA濃度及びMC濃度の値の範囲を試料の分解時間に基づいて特定した。この製剤の適用に意図される時間窓が患者の就寝時間であるため、STF中の8時間未満の分解時間をもたらす最高濃度及び最低濃度をLレベル及びUレベルとして選定した。NP粒径について、値の範囲を、それらの角膜浸透及び刺激の欠如に最適なサイズに基づいて特定した。従属変数は、レオメータによって測定された(温度によって表される)製剤のゲル点であった。実験の実行順序は、いずれの特定のパターンにも従わなかった。統計ソフトウェアRのDoE.ベースパッケージに組み込まれた関数fac.design()を使用して、無作為な実行順序を生成した。完全な要因設計のために、3=27の実験が必要であった。コード化した変数及び実際の変数の値を表1に提示する。
変数間の効果及び相互作用を、Rを使用して得た。変数効果の有意性、ならびにそれらの相互作用効果の有意性を、各パラメータの分散分析(ANOVA)によって評価した(0.5未満のP値を有する結果を統計的に有意であると見なした)。要因設計では、通常、最適出力(最大または最小)を生成する設定を見つけ出すことが目標である。しかしながら、この場合、特定の結果(32℃)をもたらす出力が所望される。この出力が最小でも最大でもないため、32℃をもたらす多くの可能な組み合わせが存在し得る。各変数の出力に及ぼす影響を決定した後、Rにおいて「予測」関数を利用して、約32℃でゲル形成を起こす最適組成を特定する。
要因設計実験のために、カルボキシ官能化ポリスチレンビーズの粒径及びサイズ分布を正確に制御することができるため、カルボキシ官能化ポリスチレンビーズを利用したことに留意されたい。最適NPサイズを特定した時点で、生分解性ナノ粒子を、以下の節に記載されるように、PEO−b−PLAを使用して製造した。
実施例5:薬理学的に活性な薬剤装填PEO−b−PLAナノ粒子の調製
CBGA装填NPの形成を、ナノ沈殿法を使用して実行した。簡潔には、必要量のポリマー及びカンナビノイドを、超音波処理ありまたはなしのいずれかで、10mLの酢酸エチル(有機相)中に溶解させた。その後、有機相を100mLの急速に撹拌した水に滴加し、蓋をしないまま3時間にわたって放置して、酢酸エチルを蒸発させた。NPを限外濾過(8分間、4000g、Amicon Ultra−15、分子量カットオフ30kDa、Millipore,Billerica,MA,USA)によって抽出した。濃縮したNP懸濁液を水で洗浄し、同様に収集した。
実施例6:CBGA装填PEO−b−PLA NPの物理化学的特徴付け
粒子サイズ及び多分散性指数を、Malvern Zetasizer Nano ZS(Malvern,Westborough,Massachusetts)を25℃及び90°の散乱角で使用して測定した。
形態学的評価を、走査型電子顕微鏡法(Jeol−JSM−6400 Electron Microscope,Tokyo,Japan)を使用して行った。SEM試験のために、試料をアルミニウムスタブ上に置き、金(Emitech K550X,Eitech Ltd,UK)でスパッタコーティングした。
原子間力顕微鏡測定を、Multimode 8走査型プローブ顕微鏡(Veeco)を使用して実行した。10μLの製剤試料液滴を新たに切断した雲母上にスポッティングし、表面上に広げて、試料の薄膜を形成した。薄膜を空気乾燥させ、即座にAFMによって観察し、トポグラフィー画像を記録した。
カプセル化効率(EE)を計算するために、等式(1)を使用した。1mLのアセトニトリルを、限外濾過ステップ及び洗浄ステップ後に得られたナノ懸濁液に添加した。この混合物を、100Wの超音波処理器(Sonic Dismembrator;Fisher Scientific)を使用して氷浴中で1分間にわたって超音波処理した。カプセル化されたカンナビノイドの量をHPLC分析によって特定した。機器にUV検出器及び逆相C−18カラムを装備した。15:85の水:アセトニトリル及び0.01%トリフルオロ酢酸(TFA)を含む1mL/分の一定流速及び40℃の温度のアイソクラチック移動相を使用した。ピークを270nmの波長で測定した。10μLの注入体積の場合、保持時間は約9分間であった。
カンナビノイド装填量(DL)を、以下の等式を使用して計算した。
実施例7:インビトロ放出
最適化HAMC−NP製剤のインビトロカンナビノイド放出挙動を、7000 MWCO Slide−A−Lyzer Mini Dialysis Units(Thermo Scientific)を使用して評価した。40μLアリコートの製剤を、18G針を使用して透析ユニットに注入し、試料を絶えず撹拌しながら4LのSTF(32℃)に対して透析した。所定の時間間隔で、3つの透析ユニットをSTFから除去し、それらの含有量を(上述の方法を使用して)HPLCによって分析して、それらのカンナビノイド含有量を決定した。放出されたカンナビノイドの量を、この数を最初のカンナビノイド装填量から差し引くことによって計算した。
実施例8:角膜浸透
HAMC−NP製剤によるカンナビノイドの眼浸透を試験するために、新たに切除されたブタ眼球(比較医学センター(University of British Columbia)から入手)を使用した。フランツ拡散セル技法(完全に切開した角膜を膜として装着させること)を、この方法に関連した実験的落とし穴、すなわち、角膜腫脹のため、避けた。角膜完全性を保ち、かつ実験条件をインビボ状態に確実に近似させるために、この研究で使用した眼球を、眼瞼が上にかぶさった状態で入手した。各眼球を、プラスティシン粘土で作製された凹形状構築物内に置いた。眼球を中に入れる前に、プラスティシン表面をクリングフィルムで被覆した。フランツセルのドナーコンパートメントを角膜の真上に置き、クリングフィルムを使用して固定した。40μLのCBGA装填HAMC−NP製剤または対照製剤(軽油中に溶解したCBGA)のいずれかをドナーセルに添加した。この構築物を32℃の水浴中に入れた。4時間処理した後、製剤を角膜表面から除去し、STFで洗浄した。角膜及び水晶体を切開し、1mLの塩化メチレンに添加した。60℃で4時間インキュベートした後、消化細胞を含むバイアルを遠心分離し、上清を、HPLCを使用して、抽出したCBGA含有量について分析した。
結果及び考察
実施例9:HAMC−NP複合体の最適化
HAMC−NP複合体系のゲル特性に影響を及ぼし得る影響因子は、HA濃度(HA重量%)、MC濃度(MC重量%)、及びNPサイズと考えられる。最初に、ゲル点を複合体系中のポリマー濃度によって制御することができることを確認するために、一組のレオロジー実験を行った。代表的なグラフを図1に示し、複合体中のポリマー濃度比を使用してゲル点を調節することができることが理解され得る。
各因子の影響をより定量的な様式で評価し、かつ眼表面の温度(32℃)に等しいゲル点を有する複合体系を設計するために、3つの独立変数に基づく3要因設計を利用して、残りの実験を計画した。合計27のレオロジー実験を行って、HAMC−NP複合体のゲル点を調べた。図2に提示されるパレートプロットは、各々の個別の因子ならびに異なる因子間の相互作用の複合体のゲル点に及ぼす影響を実証する。
要因設計において得られた結果は、MC(重量%)及びNPサイズが2つの正反対の様式で複合体のゲル点に重大な影響を及ぼし得ることを示す。パレートプロット(図2)に呈されるように、複合体のMC含有量の増加により、より低いゲル点(より低い温度)がもたらされる。前述のように、HAMC−NP複合体の感温性は、MCの感温性性質に起因する。したがって、MCポリマー鎖間の絡み合い数の増加(より高い濃度で)により、ゲル形成に必要なエネルギーレベルの低下(すなわち、より低いゲル点温度)がもたらされるであろう。その一方で、より大きい粒子を含む複合体は、より高い温度でゾル−ゲル転移を経る。これは、より大きい粒子がMCポリマー鎖の絡み合いを大幅に妨害するという事実のためであり得、それ故に、より高い内部エネルギーレベル(より高い温度に関連する)が、かかる系におけるゾル−ゲル転移に必要である。複合体のゲル点に影響を及ぼす別の重要な因子がHA濃度であることが見出された。
この要因設計を通じて、かつ統計的に有意ではない影響(すなわち、HA:NP、及びHA:MC:NP)を除いて、ゲル点(T)を3つの影響因子と関連付ける以下の多項等式を開発した。
Tにおける開発したモデル(等式3)に「予測」関数を利用して、T=32℃に最適な組成が以下から構成され得ると結論付けることができる:1.5重量%のHA濃度、2.5重量%のMC濃度、及びNP粒径:200nm。その後、この最適製剤を産生し、レオメータを使用してそのゲル点を確認した。グラフを図3に提示し、製剤の所望の温度でのゾル−ゲル転移を確認する。
実施例10:CBGA装填PEO−b−PLA NPの物理化学的特徴付け
ナノ沈殿によって調製したPEO−b−PLA NPのサイズ分布へのポリマー組成、CBGA装填、及び超音波処理の影響を調査し、初期ポリマー濃度の有機相中5mg/mLへの設定、2%のカンナビノイド装填、及びワークフローにおける超音波処理ステップの除外により、186nmの平均粒径及び0.118のPDIを有するNPの合成がもたらされることを明らかにした。このサイズは、要因設計により特定された最適NP粒径に近い。異なる製造ステップの影響を図4に示す。
表2に記載の異なる製造条件下で調製したポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)(PEO−b−PLA)ナノ粒子(NP)のサイズ分布
図4に示されるように、有機相の超音波処理により、コアシェル構造の崩壊及びサイズの劇的な増大がもたらされた。凍結乾燥も同じ影響を及ぼした(結果示さず。NP構造への2%CBGAの組み込みにより、それらの粒径がわずかにしか増大しなかったことも見出された。
PEO−b−PLA NPの形態をSEMによって研究した。ナノ粒子のサイズ分布を、走査型電子顕微鏡法(S−3000N走査型電子顕微鏡(Hitachi,Tokyo,Japan))を使用して決定した。小試料をベアアルミニウムスタブ上に置き、空気乾燥させた。その後、試料に5nmの金−パラジウム合金(Desk II Sputter Coater(Denton Vacuum Inc.,Moorestown,NJ,USA))をスパッタコーティングした。5.0mmの作動距離及び5.00kVの加速電圧を使用して、試料を画像化した。6つの画像を試料の異なる部分から取り込み、それらのうちの3つを以下の図5に示す。Image−Jソフトウェア(National Institute of Health,Bethesda,Maryland,USA)を使用して、ナノ粒子の粒径を測定した。6つの画像の各々から20個の粒子を無作為に選択して測定し、かつこれらの画像のうちの1つ中の全ての粒子も測定して、結果の信頼性を確実にし、偏りを低減した。その後、エクセルソフトウェアを使用して、図4に示されるサイズ分布曲線を生成し、分布統計を計算した。第3四分位数を超え、かつ第1四分位数未満の生データ粒子1.5×IQR(四分位範囲)を外れ値に分類し、分布から除いた。外れ値を計上して、中央及び平均粒径が、それぞれ、0.184nm及び0.196nmであると決定し、標準偏差は0.0603であった。最適な中央ナノ粒子粒径と観察された中央ナノ粒子粒径との間にわずかなパーセンテージ差(2%)しか存在せず、ナノ粒子粒径も試料を通じてわずかにしか変動しかなかった。
PEO−b−PLA NP製剤のトポグラフィー洞察を得るために、AFM画像をACタッピングモード(5μm×5μm切片、9.8μm/秒のチップ速度及び8のループ利得、0.977Hzの走査速度を使用)で取得した(図6)。形態学的画像は、表面テクスチュアが滑らかであり、均一な球形状の粒子が送達担体中に埋め込まれていることを示すことを明らかにする。
実施例11:CBGAの角膜浸透
この研究に使用した方法は、従来フランツ拡散技法と比較してインビボ条件により類似している。まばたきに関連する涙液排出及び剪断力の欠如がいくつかの実験的人為現象をもたらし得ることに留意することが重要であるが、ここで使用したインビボモデルは、角膜浸透製剤の研究に許容されたモデル系である。
HAMC−NP製剤によるカンナビノイドの眼浸透を試験するために、新たに切除されたブタ眼球(比較医学センター(UBC)から入手)を使用した。フランツ拡散セル技法(完全に切開した角膜を膜として装着させること)を、この方法に関連した実験的落とし穴、すなわち、角膜腫脹のため、避けた。同様の方法がMunらによって使用されている(Mol.Pharm.11,3556−64(2014))。角膜完全性を保ち、かつ実験条件をインビボ状態に確実に近似させるために、この研究で使用した眼球を、眼瞼が上にかぶさった状態で入手した。各眼球を、プラスティシン粘土で作製された凹形状構築物内に置いた。眼球を中に入れる前に、プラスティシン表面をクリングフィルムで被覆した。フランツセルのドナーコンパートメントを角膜の真上に置き、クリングフィルムを使用して固定した。40μLのCBGA装填HAMC−NP製剤または対照製剤(軽油中に溶解したCBGA)のいずれかをドナーセルに添加した。この構築物を32℃の水浴中に入れた。4時間処理した後、製剤を角膜表面から除去し、STFで洗浄した。角膜及び水晶体を切開し、1mLの塩化メチレンに添加した。60℃で4時間インキュベートした後、消化細胞を含むバイアルを遠心分離し、上清を、HPLCを使用して、抽出したCBGA含有量について分析した。
4時間の処理後の切開した角膜及び水晶体のHPLC分析により、CBGAの目覚しい取り込みが実証された(図7)。製剤が対照製剤よりもはるかに優れているのみならず、この研究は、複合NP−送達担体からの角膜及び水晶体による直接CBGA取り込みを報告する初めての研究であった。
当業者であれば、広範に説明される本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、多くの変形及び/または修正が特定の実施形態に示されるように本発明に加えられてもよいことを理解するであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例証するものであり、限定するものと見なされるべきでない。

Claims (20)

  1. 目薬送達製剤であって、
    セルロース系ポリマー及びアニオン性多糖を含む送達担体と、
    両親媒性非イオン性ブロックコポリマー及びカンナビノイドを含むナノ粒子と、を含み、
    前記製剤が、約30℃〜約37℃のゲル点を有する、前記目薬送達製剤。
  2. 前記セルロース系ポリマーが、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸メチルセルロース、プロピオン酸メチルセルロース、酪酸メチルセルロース、酢酸エチルセルロース、プロピオン酸エチルセルロース、酪酸エチルセルロース、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酪酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の製剤。
  3. 前記セルロース系ポリマーが、メチルセルロースである、請求項2に記載の製剤。
  4. 前記セルロース系ポリマーの濃度が、前記製剤の約0.2重量%〜約10重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤。
  5. アニオン性多糖が、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、アルギン酸塩、アルギン酸塩誘導体、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製剤。
  6. 前記アニオン性多糖が、ヒアルロン酸である、請求項5に記載の製剤。
  7. 前記アニオン性多糖の濃度が、前記製剤の約0.1重量%〜約10重量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製剤。
  8. 前記両親媒性非イオン性ブロックコポリマーが、ポリ(エチレンオキシド−b−ε−カプロラクトン)(別名、ポリ(ε−カプロラクトン−b−エチレングリコール)またはpCL−PEG)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(ラクチド−b−エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−b−グリコリド)、ポリ(グリコリド−b−エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド−b−エチレングリコール)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
  9. 前記両親媒性非イオン性ブロックコポリマーが、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)である、請求項8に記載の製剤。
  10. 前記カンナビノイドが、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(CBGAM)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビクロメン酸(CBCA)カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール−C4(CBD−D4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビジオールコール(CBD−D1)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA−A)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA−B)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(THC)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール酸C4(THCA−C4)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール−C4(THC−C4)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビオールコール酸(THCA−C1)、)、デルタ−9−テトラヒドロカンナビオールコール(THC−C1)、デルタ−7−シス−イソ−テトラヒドロカンナビバリン(D7−THCV)、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノール酸(D8−THCA)、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノール(D8−THC)、カンナビシクロール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソイン酸A(CBEA−A)、カンナビエルソイン酸B(CBEA−B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビノール(CBN)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビノール−C4(CBN−C4)、カンナビノール−C2(CBN−C2)、カンナビバリン(CBV)、カンナビオールコール(CBN−C1)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、10−エトキシ−9−ヒドロキシ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール、8,9−ジヒドロキシ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール、カンナビトリオールバリン(CBTV)、エトキシ−カンナビトリオールバリン(CBTVE)、デヒドロカンナビフラン(DCBG)、カンナビフラン(CBF)、カンナビクロマノン(CBCN)、カンナビシトラン(CBT)、10−オキソ−デルタ−6a−テトラヒドロカンナビノール(OTHC)、デルタ−9−シス−テトラヒドロカンナビノール(cis−THC)、3,4,5,6−テトラヒドロ−7−ヒドロキシ−アルファ−アルファ−2−トリメチル−9−n−プロピル−2,6−メタノ−2H−1−ベンズオキソキシン−5−メタノール(OH−イソ−HHCV)、カンナビリプソール(CBR)、及びトリヒドロキシ−デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(triOH−THC)からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製剤。
  11. 前記カンナビノイドが、カンナビゲロール酸(CBGA)である、請求項10に記載の製剤。
  12. 前記ナノ粒子が、約400nm〜500nm、約300nm〜400nm、約200nm〜300nm、約100nm〜200nm、約175nm〜約200nm、または約25nm〜100nmの平均粒径を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製剤。
  13. 前記ゲル点が、30℃、30.25℃、30.50℃、30.75℃、31℃、31.25℃、31.50℃、31.75℃、32℃、32.25℃、32.50℃、32.75℃、33℃、33.25℃、33.50℃、33.75℃、34℃、34.25℃、34.50℃、34.75℃、35℃、35.25℃、35.5℃、35.75℃、36℃、36.25℃、36.5℃、36.75℃、または37℃である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製剤。
  14. 前記セルロース系ポリマーの濃度及び前記ナノ粒子の平均粒径が、前記製剤の前記ゲル点を決定する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の製剤。
  15. 目薬送達製剤であって、
    メチルセルロース及びヒアルロン酸を含む送達担体と、
    ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)及びカンナビゲロール酸(CBGA)を含むナノ粒子と、を含み、
    前記製剤が、約30℃〜約37℃のゲル点を有する、前記目薬送達製剤。
  16. 目薬送達製剤であって、
    2.5重量%のメチルセルロース及び1.5重量%のヒアルロン酸を含む送達担体と、
    ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)及びカンナビゲロール酸(CBGA)を含むナノ粒子と、を含み、
    前記ナノ粒子の平均粒径が、約175nm〜200nmであり、
    前記製剤が、約32℃のゲル点を有する、前記目薬送達製剤。
  17. 眼障害を治療する方法であって、それを必要とする対象の眼に、有効量の請求項1〜16のいずれか1項に記載の製剤を投与することを含む、前記方法。
  18. 前記眼障害が、緑内障である、請求項17に記載の方法。
  19. 眼障害の治療のための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の製剤の使用。
  20. 前記眼障害が、緑内障である、請求項19に記載の使用。
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