JP2020517402A - チキソトロピー性ビンガム塑性流体避妊方法 - Google Patents

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Abstract

女性対象用の避妊方法、避妊製品および避妊製品システムを提供する。当該方法は、複数のビンガム流体特性を有する所定量のチキソトロピー性避妊製品を対象の膣円蓋に噴霧することを含み、前記避妊製品は、約4〜8重量%の範囲内にある増粘剤と水性担体とを含む。前記チキソトロピー性避妊製品は、前記対象の子宮頚への精子の侵入を防ぐように構成された障壁を形成するように噴霧される。

Description

本特許出願は、2017年4月24日に出願された米国仮特許出願第62/488911号の利益を主張し、当該仮出願の全ての内容は参照によりここに組み込まれるものとする。
本発明は、避妊障壁用の材料および方法に関し、アプリケータおよびアプリケータの使用方法を含む。
現在、女性が利用可能なバリア避妊法の全ての形態において、数多くの不都合が生じている。ペッサリーや子宮頸管キャップの使用による不都合には以下が含まれる。1)器具装着に要する時間、費用およびそれがもたらす不快感。2)適切な時期に器具を挿入または取り外すための計画策定の必要性。3)一部の女性が感じる器具挿入の困難さ。4)器具使用時に一部の女性が感じる痛みおよび全体的な不快感。5)浄水が利用できない地域では困難を極め得る、器具の高度な衛生管理の必要性。6)器具を殺精子剤と併用する必要性であって、腟粘膜の刺激および炎症を引き起こしやすく、HIVや他の性感染症(STI)等、他の健康上のリスクを伴う。7)性交中に器具が押されることによる位置ずれの問題。8)出産後に新しい器具を装着する必要性。9)泡沫錠剤、座薬、クリームおよびゼリー状殺精子剤の全般的な厄介さや不快感。
経口避妊薬および注射または皮下インプラントによるホルモン処置等、他の避妊方法には、膣出血、ホルモン依存性腫瘍の高い発生率、高血圧症、血栓塞栓症、情動的変化および片頭痛を含むがこれらに限らない立証された副作用が含まれる。避妊リング(IUD)は痛みを引き起こすことがあり、医療従事者による挿入を要し、子宮感染症の素因となり得る。これらの要因の一部またはすべてによって、多くの女性がこれらの避妊方法を望ましくない選択肢としている可能性がある。
使用が容易かつ快適であり、性交前および/または後の計画および管理に多くの労力を要しないような、安全性が高く、ホルモンを含有せず、非毒性であり(防腐剤を含まないことが好ましい)、信頼度の高い避妊方法が必要とされている。防腐剤、抗菌剤、殺菌剤といった用語は、文献では区別することなく用いられ、香料、芳香成分または抗菌特性を有する他の成分として添加剤が利用および記載されている場合でも、これらは原料リストから除外されていることがある。
本開示の一態様によると、女性対象用の避妊方法が提供される。当該方法は、複数のビンガム流体特性を有する所定量のチキソトロピー性避妊製品を対象の膣円蓋に噴霧することを含み、避妊製品は、約4〜8重量%の範囲内にある増粘剤と水性担体とを含む。チキソトロピー性避妊製品は、対象の子宮頚への精子の侵入を防ぐように構成された障壁を形成するように噴霧される。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、噴霧する工程は、避妊製品の少なくとも一部分を液化させるのに十分な量のせん断応力を、避妊製品のその部分に選択的に導入するように構成されたアプリケータを使用することを含んでもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、所定量のチキソトロピー性避妊製品を噴霧する工程は、対象の子宮頸膣部と腟粘膜とに避妊製品が付着するように、避妊製品を噴霧することを含んでもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、所定量のチキソトロピー性避妊製品を噴霧する工程は、避妊製品を複数回噴霧することを含み、各回の噴霧によって対象の子宮頸膣部と腟粘膜とに避妊製品の層を重ね、休止期間を設けることで各回の噴霧と次回の噴霧との間に時間的な隔たりを設け、複数の層によって障壁を累積的に形成してもよい。
本開示の別の態様によると、約4〜8重量%の範囲内にある増粘剤と、水性担体とを含む避妊製品が提供される。
本開示の別の態様によると、避妊製品システムが提供される。当該システムは、避妊製品と、アプリケータとを備える。避妊製品は、約4〜8重量%の範囲内にある増粘剤と、水性担体とを含む避妊製品とを含む。アプリケータは、避妊製品の少なくとも一部分を液化させるのに十分な量のせん断応力を、避妊製品のその部分に選択的に導入するように構成される。
本開示の別の態様によると、女性対象用の避妊方法が提供される。当該方法は、複数のビンガム流体特性を有するチキソトロピー性避妊製品を対象の膣円蓋に噴霧することを含み、避妊製品は、粘性剤と水性担体とを含む。避妊製品は、避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、避妊製品内のせん断応力が閾値せん断応力量未満に低下すると半固体状態に戻る。チキソトロピー性避妊製品は、対象の子宮頚への精子の侵入を防ぐように構成された障壁を形成するように噴霧される。
本開示の別の態様によると、膣乾燥の1つ以上の症状の治療方法が提供される。当該方法は、複数のビンガム流体特性を有する所定量のチキソトロピー剤を対象の膣円蓋に噴霧することを含み、チキソトロピー剤は、粘性剤と水性担体とを含む。チキソトロピー剤は、抗菌剤を実質的に含まず、避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、避妊製品内のせん断応力が閾値せん断応力量未満に低下すると半固体状態に戻る。
本開示の別の態様によると、混合されてチキソトロピー剤を生成する、粘性剤と、水性担体とを含む避妊製品が提供される。チキソトロピー剤は、チキソトロピー剤内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、チキソトロピー剤内のせん断応力量が閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、避妊製品内のせん断応力が閾値せん断応力量未満に低下すると半固体状態に戻る。
本開示の別の態様によると、混合されてチキソトロピー剤を生成する、粘性剤と、水性担体とを含む個人用潤滑剤が提供される。チキソトロピー剤は、実質的に抗菌剤を含まず、チキソトロピー剤内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、チキソトロピー剤内のせん断応力量が閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、避妊製品内のせん断応力が閾値せん断応力量未満に低下すると半固体状態に戻る。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、粘性剤は、微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物を含んでもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、避妊製品に含まれる粘性剤は、約7.0〜約8.0重量%の範囲内にあってもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、避妊製品は、防腐剤を実質的に含まないか、抗菌剤を実質的に含まないか、またはいずれも実質的に含まなくてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、アプリケータは、避妊製品を保持するように構成されたリザーバを備える本体と、遠位端部と、アプリケータの遠位端部に配設されたノズルとを有してもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、アプリケータは、リザーバと、使い捨てカートリッジとを有してもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、アプリケータは、使い捨て可能なように構成されてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、アプリケータは、複数回使用可能なように構成されてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、アプリケータは、単回使用量の避妊製品(contraceptive product,CP)を保持可能なサイズの折り畳み式容器を備えてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、アプリケータは、複数回の使用に適した容量のCPを保持可能なサイズの折り畳み式容器を備えてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、避妊製品は、静置時に半固体状態となるように構成され、避妊製品に所定量のせん断応力が導入された際に液化状態に変化し、所定量のせん断応力の少なくとも一部分が解消された際に半固体状態に戻り、半固体状態への復帰中に精子を捕捉するように構成されてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、避妊製品の障壁は、微生物の増殖を阻害するために、微生物の増殖に必須である少なくとも1つの要素に欠けるよう構成されてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、避妊製品は、微生物の増殖に必須である少なくとも1つの栄養素に欠けてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、避妊製品の容量は、避妊製品に含まれる防腐剤及び抗菌剤の一方または双方を減少させるのに不十分であってもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、避妊製品は、リン酸塩を含まなくてもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、避妊製品は、避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、避妊製品内のせん断応力が閾値せん断応力量未満に低下すると半固体状態に戻ってもよい。
本開示の何れかの態様または実施形態によると、閾値せん断応力量は、避妊製品に作用する力によって生じ、当該力は重力以上であってもよい。
CPの実施形態は、個人用潤滑剤としての使用にも非常に適している。後述するように、4〜8重量%の濃度範囲にある粘性剤を有するCPは、個人用潤滑剤としての使用に非常に適した特性を有している。一例として、記載のCPをアプリケータの外側に塗布し、対象の膣腔へのアプリケータの挿入を容易にしてもよい。一人のパートナーまたは両方のパートナーがスプレー塗布することによってCPを塗布できるように、個人用潤滑剤として使用されるCPを、スプレー容器に入れてもよい。
膣性交および肛門性交を含む様々な形の性的接触に勤しむ、最大90%の性的に活発なカップルが個人用潤滑剤を使用している。現在利用可能な潤滑剤には、水性潤滑剤、シリコーン・ベースの潤滑剤、油性潤滑剤が含まれる。水性潤滑剤は、ラテックス製コンドームに悪影響を及ぼさない利点を有するが、乾燥、例えば、水分の消失により使用中の効果が限定される場合がある。油性潤滑剤は、コンドームに悪影響を及ぼす可能性があり、使用後の除去に洗浄剤を要し、衣類や繊維に染みが付く場合がある。シリコーン・ベースの潤滑剤は、蒸発することもなく、ラテックス製コンドームを劣化させることもないが、シリコーン・ベースの装置を劣化させ、それと相互作用する場合がある。
現在利用可能な個人用潤滑剤には、有害な副作用を引き起こし得る要素(例えば、防腐剤、抗菌剤等)が含まれることが多い。このような要素の例としては、石油系製品、「パラベン」と称される合成保存料、フェノキシエタノール、メチルポリシロキサン、ジメチコン、プロピレングリコール、グリセリンおよびクロルヘキシジンが挙げられる。潜在的かつ有害な副作用には、使用者の肌の正常機能および浸透性に対する阻害、様々な異なる種類の癌、皮膚刺激性、皮膚炎、炎症、正常細菌叢に対する阻害、モニリア性膣炎等が挙げられる。本CPにはこのような要素は含まれず、従ってそれらに関連する問題を回避する。
本CPの実施形態は、通常、閉経後萎縮性膣炎による膣乾燥といった症状の治療に使用できる。エストロゲンクリームまたはエストロゲン製剤を用いて膣乾燥を治療できるが、ホルモンの吸収によって重大な副作用が生じる可能性がある。ホルモン非含有の治療薬を入手可能であるが、それらの治療薬は通常、1つ以上の防腐剤とアクリルポリマーとを含む。上記に示すように、幾つかの防腐剤は刺激物となり、正常に生じる膣内細菌叢の変化を誘発し得る。本開示は、膣乾燥の根底にある問題ではなく、その症状を治療し、前述の有害な副作用を回避するものである。濃度約4〜8重量%の範囲にある粘性剤を有する本CPの実施形態を、萎縮性膣炎の治療薬として用いてもよい。これらのCPの実施形態は、腟粘膜に対して十分な水分を供給し、十分な粘膜付着性を有する。多くの場合、定期的(例えば、毎日、数日おき)なCPの塗布量(例えば、5〜10ml)が、膣乾燥の症状の治療に適している。個人用潤滑剤としての使用時に障壁の形成は不要なので、スプレーによって、またはジェルアプリケータを直接挿入することによって、CPを塗布できる。
図1は、本発明の避妊製品の実施形態の実験的試験の結果を含むテーブルIを示す図である。 図2は、各スライドの表面にスプレーで避妊製品が塗布された、水平方向に存在する4枚のスライドを示す図である。 図3は、鉛直方向を向くスライドの表面に避妊製品スプレーを塗布し、当該鉛直方向を向くスライドは重力ベクトルと一直線になっている、図2に示すスライドである。 (A)は、倒置した試験管の底部から落下したCP組成物を示す、試験管の図である。(B)は、倒置した試験管の底部に留まるCP組成物を示す、試験管の図である。 図5は、本発明の避妊製品の実施形態の実験的試験の結果を含むテーブルIIを示す図である。 図6は、避妊製品アプリケータの一実施形態の模式図である。 図7は、避妊製品アプリケータの一実施形態の模式図である。 図8は、機械的利点を含む、避妊製品アプリケータの一実施形態の模式図である。 図9は、避妊製品アプリケータの一実施形態の模式図である。 (A)は、静止状態を示す、避妊製品アプリケータの一実施形態の模式図である。(B)は、流体アクチュエータのピストンが折り畳まれた、図10Aに示すアプリケータの模式図である。
本開示は、避妊製品(「CP」)と称する、後述のチキソトロピー性組成物を使用する避妊障壁方法に関する。本開示の態様には、本方法を使用し得るアプリケータを含む。
本方法に使用されるCPは、特異的かつ機能的に重要な流動学的および生物学的特性を有する。CPは、a)(例えば、室温または体温にて)静止状態にあるとき半固体状態であり、b)少なくとも十分なせん断応力量(すなわち「収率せん断応力量」)の導入時に、前述の半固体状態から液体状態に変化可能であり、c)せん断応力が解消し、再度静止状態への復帰時に、比較的短期間(すなわち、3秒未満)で前述の半固体状態に戻る、ゲル懸濁液である組成物として定義され得る。これらの特性により、CPはビンガム塑性流体のような特性を有すると記述してもよく、擬塑性流体と称してもよい。ビンガム塑性流体として、ある程度のせん断応力をCPの一部分に導入できるが、せん断応力の閾値量(通常、「収率応力」と称する)が当該CPの部分内に存在するまでは、当該CPの部分の状態が半固体状態から液体状態には変わることはない。ほとんどの本CPの実施形態にて、収率応力量に達することは無く、意図的な撹拌力、揚水力等に欠けている。言い換えれば、ひとまとまりのCPに作用する重力(例えば、「1G」)と同等またはそれ以下の力では、CPの状態を半固体状態から液体状態に変更するのに十分なせん断応力がCP内には生じない。説明の理解を深めるため、ここで用いられる「重力」または「1G」といった用語は、重力による一定の吸引力「F」(すなわち、F=mgであって、mが本体の質量であり、gが地球上では9.81m/s2(32.2ft/s2)の平均量である)。(例えば、ポンプ作用またはその他の撹拌によって)収率量またはそれを上回る量のせん断応力をCPに生じさせるのに適した力がCPの一部分に印加される場合、十分なせん断応力が印加されたCPの当該部分は、流動性を有する液体状態へと変化する(すなわち、CPは「剪断減粘特性」を有する)。CPが半固体状態を維持し、十分なせん断応力の導入時に液体状態に変化し、極めて短期間で半固体状態に戻る能力は、後述する幾つかの理由により重要である。
本開示の実施形態は、CPが、水性担体を有する1つ以上の粘性剤を含むことを開示する。許容される粘性剤の例としては、微結晶セルロース、カルボキシアルキルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン、カラギーナン、カルボマー、ガラクトマンナン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルキチンナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、キサンタンガム、キトサン、ゴム糊(アカシアゴムまたはアラビアゴム等の植物由来で分子量200,000以上の天然に存在する植物成分)、マシュマロ、トラガント、カラゲーニン、グアー、クインスシード、サイリウム、ステルキュリア、コンフリー、コロハ、フキタンポポ、アイスランドおよびアイリッシュ・モス、亜麻仁、イナゴマメ、フキタンポポ、およびアカニレ樹皮等を含むがこれに限らない。多数の許容される粘性剤は、その化学組成によりポリマーと記述されてもよい。前述した例の2つ以上を組み合わせて使用してもよい。幾つかの実施形態において、CPの実施形態には、上述したようにレオロジー改良剤が含まれてもよい。
予試験では、微結晶セルロース(「MC」)とカルボキシルメチルセルロースナトリウム(Na−CMC)の混合物が、CPの実施形態内の粘性剤として特に優れていることを示している。本開示に係るチキソトロピー性CP内にて使用可能な粘性剤の具体的かつ非限定的な例として、米国、ニューヨーク州、パターソンのJRS Pharma LPが製造するVIVAPUR(登録商標)MCG、特に、微結晶セルロース(「MC」)とカルボキシルメチルセルロースナトリウム(Na−CMC)の混合物を含むVIVAPUR(登録商標)MCG811Pが挙げられる。本開示は、特定の水性担体に限定されない。幾つかの実施形態において、水性担体は、緩衝生理食塩水、生理食塩水、蒸留水または脱イオン水等であってもよい。
上述の本CPは、特定の実施形態に限定されない。具体的なCP製剤は、特定の用途および/またはCP製剤内に含まれる特定の成分によって異なってもよい。CPは、安全食品認定(GRAS)を得た要素を含むことが好ましい。
後述するように、本CPの実施形態は、粘膜付着特性を有する。「粘膜付着特性」という用語は、湿潤粘膜に付着する物質の特性を意味する。米国材料試験協会は、それを原子価力、鎹作用、水素結合またはそれらの組み合わせを備え得る界面力が2つの面を共に保持している状態であると定義している。あるCPの実施形態の粘膜付着特性によって、粘膜上のCPの塗布層の滞留時間が延長する。
幾つかの実施形態において、熱処理またはガンマ線の照射によって、本開示のCPを殺菌してもよい。殺菌の結果、ある程度の粘度の低下が起こり得るが、熱処理または照射の前に粘性剤の濃度を上げることにより、この問題に対処してもよい。
本方法の態様には、CP膜によって対象の頸管口への侵入を拒むように、使用者が対象の子宮頸膣部および腟粘膜に当該膜を選択的に塗布できるように構成された「CPアプリケータの使用を含む。CPアプリケータは単回使用のアプリケータとして構成されてもよく、または複数回の使用を目的として構成されてもよい。
図6〜10Bを参照すると、CPアプリケータ20の実施形態は、近位端部24と遠位端部26とを有する通常筒状本体22を備える。遠位端部26と本体22の一部分は、対象の膣腔に容易に挿入されるように構成されている。アプリケータ20は、近位端部および遠位端部24、26(例えば、図10Aおよび10B)の間で湾曲してもよく、または目標域に容易にCPが届くように、膣腔内への挿入時に、遠位端部26が対象の子宮頚に当接してはいないが、その近傍に配置可能であるように構成されてもよい。例えば、ヒトの勃起時のペニスの湾曲度を有するアプリケータが、許容される形状のCPアプリケータの一例として挙げられる。但し、本開示はこれに限定されない。本CPの実施形態は、具体的な対象の子宮頚の向きに関わらず、回転時に対象の子宮頸膣部および腟粘膜へのスプレー塗布が可能な幾何学的構成を含む、いかなる幾何学的構成を有してもよい。CPアプリケータ20は、シリコーンまたは同様の材料から成型してもよく、特定の材料に限定されない。CPアプリケータは、塑性変形可能(例えば、弾力的)であるが、膣腔への挿入が可能である程度に十分な硬度を有することが好ましい。幾つかのCPアプリケータの実施形態は、実質的に剛性を有してもよい。
CPアプリケータ20は、CPリザーバ28と、流体アクチュエータ30と、少なくとも1つのノズル32とを更に備える。1つ以上の導管34が、リザーバ28と、流体アクチュエータ30と、少なくとも1つのノズル32とを流体的に接続する。リザーバ28は、所定量のCPを保持し、通常、近位端部24またはその近傍に配置される。CPリザーバ28は、アプリケータ本体22の内部に配置された、近位端部24またはその近傍の区画であってもよく、または、すなわち使い捨てカートリッジのように、アプリケータ20に対して取り付けまたは配置される、取り外し可能なカートリッジ(または任意の種類の容器)であってもよい。リザーバ28は、単回以上の使用(すなわち、複数回分のCPを含む)に十分な量のCPを保持できる大きさであってもよく、または単回使用に十分な量のCPを含む大きさであってもよい。例として、リザーバ28が取り外し可能なカートリッジである、それらの実施形態において、カートリッジは、単回使用量のCPを含む大きさであってもよく、使用後は、カートリッジを取り外して廃却してもよい(または、CPアプリケータ20全体が、単回使用量のCPを含む使い捨て可能なアプリケータとして構成されてもよい。)幾つかの実施形態において、カートリッジは充填済の単回使用かつ使い捨て可能なものであってもよい。幾つかの実施形態において、リザーバ28は、単回使用量のCPを保持する大きさ、または複数回の使用に適したCP量を保持する大きさの折り畳み式容器であってもよい。リザーバ28が折り畳み式容器(例えば、アルミニウム管)である、それらの実施形態において、折り畳み式容器はCPを排出可能な一方で、リザーバ28への適量の空気の侵入を防ぐ。折り畳み式リザーバは、CPが取り除かれた際の空圧によって折り畳まれる。折り畳み式容器を備える、それらのCPアプリケータの実施形態において、CPアプリケータは、容器内まで延びて容器からのCPの排出を促進する有孔管を備える。
1つ以上のノズル32は、遠位端部26に配置され、それぞれがノズル32から噴出する流体の「噴霧パターン」を生成するように構成されてもよい。円錐形の噴霧パターンを生成するように構成されたノズル32は、本開示において大変有用である。本開示は、特定のノズル32の構成に限定されない。上記に示すように、CPアプリケータは回転軸、例えば、近位端部の中心を通り本体内まで延びる直線を中心に回転するよう構成されてもよい。CPアプリケータが湾曲している、それらの実施形態において、ノズルが回転軸から外側を向いてもよく、それによってアプリケータの回転時に更に大きな噴霧パターンを形成する。
上記に示すように、流体アクチュエータ30は、1つ以上の導管34を介して、CPリザーバ28および遠位端部26に位置するノズル32と流体連通する。導管34を介して、リザーバ28から遠位端部26に有用量の液状CPを移動し、遠位端部26に有用量のCPを噴出するように動作可能な、任意の流体アクチュエータ30を使用してもよい。流体アプリケータ30が、リザーバ28内のCPの一部分にせん断応力を生成し、CPを液化状態にできることが好ましいことは言うまでもなく、液化状態のCPは、次いでノズル32に移動可能である。上述したようにCPを移動する、様々な異なる種類の流体アクチュエータを使用してもよいと考えられ、従って、本開示は特定の種類には限定されない。≡幾つかの例においては、静止状態のCPが半固体状態にあるので、使用者による流体アクチュエータの作動を容易にする機械的利点/効力を奏する流体アクチュエータの使用が効果的であり得る。
流体アクチュエータ30の第1例は、筐体42および筐体に対して移動可能な往復ピストン44を有するポンプと、第1の一方弁46,と第2の一方弁48とを備える(図6に概略的に示す)ポンプスプレー式装置である。第1の一方弁46は、ポンプ筐体42とリザーバ28と流体連通しており、第2の一方弁48は、ポンプ筐体42とノズル32と流体連通している。幾つかの例においては、ノズル32はノズルおよび一方弁の双方として構成されてもよい。往復ピストン44は、「前進行程」および「戻り工程」を有するように記載されてもよく、戻り工程は前進行程と反対向きである。
ポンプスプレー式の流体アクチュエータ30が動作すると、ピストン44がポンプスプレー筐体42内を移動して(「前進行程」と称する)、CPに力を印加する。印加された力は、CPの一部が半固体状態から液体状態に変わるのに適している。前進行程の間、第1の一方弁46は、ポンプスプレー筐体42から導管34へCP(例えば、液化状態)を押し出し、その後ノズル32からCPを排出可能なように配向される。また、前進行程の間、第2の一方弁48は、リザーバ28への流体の流れを許可しないように配向される。戻り工程の間、ピストン44は、筐体42内を反対方向に移動することによって、ポンプスプレー筐体42内に負圧(吸引)を生じさせる。第2の一方弁48は、(例えば、液化状態の)CPがリザーバ28から流出可能なように配向される。戻り工程の間に生じた吸引は、所定量のCPを液化させ、ポンプスプレー筐体42に流入させるのに適している。戻り工程の間、第1の一方弁46は、導管34(または、従って外部)からポンプスプレー筐体42内への流体の流れを防ぐように配向される。ポンプピストン44の戻り工程に必要な力を生じさせるために、バネ(図示せず)を使用してもよい。
上述し、図6に概略的に示す種類のポンプスプレー装置を、図10Aおよび10Bにも概略的に示す。このポンプスプレー式装置は、内部に配置された往復ポンプと、1つ以上の1方向弁と、リザーバ(図6を参照)とを備える。図10Aは、「静止」構成の装置を示し、図10Bは、折り畳まれた(すなわち、前進行程が完了した)ポンプを示す。この種の直線往復ポンプは、鼻腔スプレーの用途において知られ、それに用いられる。
図7および8を参照すると、流体アクチュエータ30の第2例は、リザーバ28が使用者によって絞られると、その内部容積が減少し、それによってリザーバ28内のCPが排出されるように(チキソトロピー性CPがどのように移動するかについての具体的な機構については後述する)、リザーバ28が構成された一例である。リザーバ28は、使用者が直接絞ってもよく、絞出可能なCPアプリケータ本体22の一部分に配置されてもよく(すなわち、アプリケータを絞ると、次いでリザーバが絞られる)、またはリザーバ28の絞出を容易にする機械的利点を用いる(例えば、図8に示すような)装置50によって絞られてもよい。
図9を参照すると、流体アクチュエータ30の第3例は、筒部36と、少なくとも部分的に筒部36内に収容されるプランジャ38と、筒部36および導管34と流体連通している開口部40とを備える(図9に示すような)注射器型装置である。注射器の筒部36がリザーバ28の機能を果たし、プランジャ38は筒部36に収容されて、開口部40を介して、筒部36から導管34へと選択的にCPを押し出す。この注射器型装置を、CPに力を印加する機械的利点を有する装置と併用してもよい。
本開示は、特定の種類の流体アクチュエータに限定されない。
幾つかの実施形態において、CPアプリケータ20は、アプリケータ20および/またはリザーバ28に保持されるCPの容量を示すように構成されたインジケータを備えてもよい。
本避妊障壁方法の実施方法の一例として、使用者はまず、CPアプリケータ20と、避妊障壁の形成に適した量のCPとを準備する。上記に示すように、CPアプリケータ20のリザーバは、単回使用に適した量のCPを含む大きさであってもよく、または複数回の使用に適した量のCPを含む大きさであってもよい。リザーバ28には、少なくとも単回使用に適した量のCPが充填される。
使用前、使用者が、挿入前にアプリケータから所定量のCPを1、2回出すことによって、対象は、アプリケータ内に十分な量のCPが残っていることと、アプリケータが正しく動作していることを確認できる。アプリケータの挿入を容易にし、性交時の十分な潤滑性を保証するために、排出したCPを個人用潤滑剤として使用してもよい。
アプリケータ20の遠位端部が使用者の子宮頸膣部に接触することなく、その近傍への配置に適した距離をもって、CPを「充填」したCPアプリケータ20を対象の膣腔に挿入する。CPアプリケータ20の作動によって、リザーバ28内のCPの少なくとも一部分に力が印加される。印加された力は、CPの少なくとも一部分を半固体状態から液体状態に変えることによって噴霧し得る、チキソトロピー性CPの収率応力以上のせん断応力量を導入するのに適している。これを説明するため、図6に概略的に示すような往復ピストン型のCPアプリケータについて検討する。使用者は、ピストンの前進行程を生じさせることによって、CPに力を印加する。CPに印加された力によって、半固体状態のCPの少なくとも一部分が、半固体状態から液体状態に変わる。印加された力は、導管34を介して、ピストン筐体から液体状態のCPを押し出し、アプリケータ20の遠位端部26に位置するノズル32から液体状態のCPを噴出するのに十分である。1つ以上のノズル32は、それぞれがノズルから噴出された流体の「噴霧パターン」を生成するのが好ましく、例えば、円錐形の噴霧パターンである。使用者の子宮頸膣部および腟粘膜に塗布されたCPの膜形成から数秒(またはそれ未満)以内に、(液体状態で付着した)CPの膜が半固体状態に戻る。CPの粘膜付着特性によって、対象の子宮頸膣部および膣腔の粘膜へのCPの付着が容易になる。
本方法は、特定のCPの噴霧方法に限定されない。例えば、使用者は、それ以上の挿入に抵抗を感じるまでCPアプリケータ20を挿入し、ほぼ僅かな量だけそれを引き抜くことによって、アプリケータの遠位端部が使用者の子宮頸膣部から僅かな距離をもって(例えば、1.0インチ以内)配置されてもよい。この分離によって、アプリケータの遠位端部からの液状CPの噴霧パターンが広範に及ぶようになる。また、全体的に広範な噴霧パターンを実現するために、噴霧処理中にアプリケータを軸方向に回転することも有用である(例えば、図10Aおよび10Bに示すような湾曲したアプリケータによって、噴霧パターンが広範に及ぶ)。
CPおよびCPアプリケータの独自の特性に応じて、アプリケータを用いたCPの単回投与によって形成される膜が、対象の頸管口への侵入を拒む避妊障壁を形成するのに十分であってもよい。但し、他の例では、上述の付着処理を複数回繰り返すことが有用であってもよい。連続して複数のCP膜を付着させることによって、実質的に厚みのあるCP膜を集合的に形成でき、例えば、各CPの噴霧膜が付着し、半個体形状に戻り始める(または戻らない)と、次のCP噴霧膜が塗布され、初回の(現在、個体状態の)CP膜に付着する。事実、数ミリメートルの厚みを有するCP障壁の形成が可能であることを試験が示している。上述したように、厚みのあるCP障壁が、対象の頸管口への侵入を拒む。後述するように、対象の子宮頸膣部および腟粘膜に付着する、比較的厚みのあるCP層を生成する本方法の機能に関連して、際立った利点がある。本開示の際立った利点は、使用者の重力指向性を問わずにCPアプリケータを使用してCPを塗布してもよいことであり、例えば、使用者は起立または横臥等の状態でCPを塗布してもよい。
多くの場合に、約10〜20mLの付着物によって適切な避妊障壁が形成されると考えられ、例えば、数百マイクロメートル(すなわち「ミクロン」)から数ミリメートルの厚みを有するCP障壁層を対象の子宮頸膣部および腟粘膜に形成する付着物は、避妊障壁として適切である。
CPの液状噴霧を生成する本方法の機能は、既存の避妊ジェルでは不可能な幾つかの利点を奏する。例えば、対象の子宮頸膣部近傍にCPを噴霧することによって避妊障壁を形成する本方法の機能により、使用者は、対象(およびその子宮頚)の重力指向性を問わずに、前述の避妊障壁を形成することができる。本方法によって、対象が起立しているか、または臥位状態にあるかに関わらず、CP障壁を形成することができ、すなわち、アプリケータを用いて子宮頸膣部および腟粘膜にCPを噴霧し、CPが子宮頸膣部および腟粘膜上でほぼ瞬時に半固体状態に変わり、CPの粘膜付着特性によってCP障壁が所定位置に保持される。
上記に示すように、十分なせん断応力の導入時に半固体状態から液体状態に変化し、極めて短期間で半固体状態に戻るCPの能力は、幾つかの理由により重要である。例えば、CPの実施形態が、静止状態で半固体状態を保つという事実は、CP内またはCP上での細菌の増殖および複製能力に否定的に作用する。このCP特性は、CPが長期間に亘って容器に保存されている間、特に有益である。(半固体状態にある)高粘性CPは、CP内に存在する栄養素への細菌の移動またはその反対方向の移動を阻害する、拡散障壁として機能する。細菌が付近の栄養源を枯渇させ、新たな栄養源へと移動出来なくなると、細菌の補充能力が大幅に減少する。半固体状態のCP内に存在する小さな分子細孔が、拡散障壁、例えば、ウイルスまたはタンパク質と同様に小さな微粒子および/または他の比較的大きな分子に対する拡散障壁として働く半固体状態のCPの能力を高めると、我々は考えている。
本CPが、CP内またはCP上での細菌の増殖および複製能力に否定的に作用する別の理由としては、CPが長期間に亘って保存される場合に、数ミクロンの厚みを有し、CPの総量が極めて小さいと考えられ得るCPの表面が、浮遊微生物に曝されるからである。上述したように、CPは、ビンガム流体特性を示し、収率応力量を含むチキソトロピー性組成物である。従って、剛性リザーバ内の所定量のCPの一面のみが、半固体状態において空気に曝される。CPの収率応力量は、典型的に、ひとまとまりのCPに作用する重力(例えば、「1G」)と同等またはそれ以下の印加力では、CPの状態を半固体状態から液体状態に変更するのに十分なせん断応力がCP内には生じないようなものである。従って、リザーバ内のCPの曝露面は変わらず、曝露面のみが浮遊微生物に曝され得る。上記に示すように、CPの曝露面上の細菌が付近の栄養源を枯渇させ、新たな栄養源へと移動出来なくなると(その反対もしかり)、細菌の補充能力が大幅に減少する。
CP内またはCP上での細菌の増殖および複製能力に関してCPが有する負の影響は、微生物の増殖に必須である1つ以上の要素または化学物質(例えば、リン、リン酸塩またはカリウム)が欠如するようにCPを調合するか、および/または代謝的に利用可能なエネルギー源を含む、微生物の増殖を支え、直ぐに利用可能な化学物質または栄養素が欠如するようにCPを調合することによって強まる。これら成分のいずれの1つが欠けていても(またはその数量が極めて限られる場合に)、微生物の増殖が阻害される。CPの許容される水性担体の例としては、塩化ナトリウムで等張し、次いで殺菌処理を施した、蒸留および脱イオン化された水が好ましい。リン酸塩はDNAまたはRNAの生成に必要なことから、容器または揚水機構からリン酸塩またはリン酸塩含有化合物の何れかの源を除去することによって、微生物の増殖が阻害される。本CPの構成には、完全にリン酸塩が含まれなくてもよい。
本CPのチキソトロピー/ビンガム性は、その精子捕捉能力に関係する。CP障壁を対象の子宮頸膣部に配置すると、半固体状態の障壁が、障壁を通過する精子の移動を防止し、例えば、(半固体状態において)高粘性のCPは、それを介した対象の頸管口への精子の移動を阻害する、拡散障壁として機能する。但し、性交時にCPに印加される力は、収率応力点またはそれを上回るせん断応力をCPに導入するのに十分であることが多い。その結果、収率応力またはそれを上回るせん断応力が印加されたCPの部分が液化するが、せん断応力が消失すると、直ちに半固体形状に戻る。対象の膣腔に導入される精子は、液化状態のCPとある程度混合し、CPが半固体形状に戻ると、精子は半固体状態のCP内に捕捉される。膣腔内に存在する精子の寿命は、約2〜3時間であることが知られている。全てでは無い場合、多くのCPの実施形態には、実質的に3時間を上回る長さで半固体状態を保つ機能がある(例えば、試験を行った複数のCPの実施形態は、24時間を上回る長さで半固体状態を保った)。従って、対象の膣腔内で半固体状態のCPに捕捉された精子は、そこに留まり、全有用時間の間、不動となる。
本CPのチキソトロピー/ビンガム性に関連すると考えられる別の利点は、ウイルス、細菌および原虫感染症を含む、性感染症の感染可能性を減少する機能に関係する。膣腔および子宮頚管粘膜をCPで生体コーティングすることによって、性交渉の相手から他の相手への血液および精液によるウイルス感染(または他の微生物による感染)、特に男性から女性へのウイルス感染の可能性を減少と考えられる。この考えは、少なくとも部分的に、見境なく広がるウイルス感染を予防するために、プラークアッセイ内にて被覆された半固体媒体の既存の使用に基づく。CPの潤滑性は、女性の粘膜剥離または男性および女性の皮膚剥離を予防し、それによって血液感染症および生体組織への侵入を要する細菌感染を減少するのに更に役立つ。
上述から理解されるように、本CPおよび本方法は、数多くの方法で現在利用可能な他の避妊ジェルとは異なるものである。例えば、本方法において、CPは独立型の避妊製品として使用可能であり、ペッサリー、スポンジ、子宮頸管キャップまたは同様の効果を奏する装置等の追加の障壁避妊装置を使用する必要はない。但し、本方法を他の形の避妊方法(すなわち、コンドーム、自己観察法、腟外射精等)と併用して、避妊能力を向上してもよい。また、本方法をノノキシノール9、オクトキシノール9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴールおよび乳酸等の殺精子薬を併用して実施してもよく、例えば、CPに殺精子薬を追加してもよい。
上記に示すように、本CPは、ビンガム塑性流体の特性を有するように記載され得るチキソトロピー性組成物である。ここで用いる用語であるチキソトロピーとは、安静条件下において粘性および半固体状であり、所定量の応力をCPに導入するのに十分な力(例えば、揺動力、撹拌力等)が加わる場合に、粘性が低下し、流動可能な液体となり、せん断応力が消失した場合(特定のCP組成物の機能である、静止期間後)に、粘性および半固体状態に戻るジェルまたは流体の性質である。ビンガムプラスチックは、粘性のプラスチック材料であり、閾値レベルを下回る応力下において固体または半固体となり、その特定のCP組成物の収率応力以上のせん断応力量が加わると流動性を有する。閾値レベルを下回る応力量における流れに対して抵抗性を有するビンガム流体は、時間非依存型であり、このことも重要な特性である。なぜなら、例えば、保存容量のCPの位置変化によって、微生物の増殖を促進し得るCPの液化/混合は招かれないからである。
ここに記載するCPの実施形態が、時間依存性、せん断応力依存性および時間かつ力閾値依存性の粘性効果が変化する、非ニュートン挙動を示し、時間非依存型閾値および収率応力閾値を有すると記載してもよい。本CPの実施形態は、非ニュートン流体挙動を示し、従って、その粘度が、せん断応力依存性および時間依存性を有し、直前のゾルゲル転換からの不攪乱期間に依存するので、粘度測定を数値化するのは困難である。
本方法および本CPの効果を試験するため、様々なCP組成物について複数の試験を実施し、チキソトロピー性組成物としての性能を評価し、同一のCP構成がビンガムプラスチックと一致する特性を示すかどうか判断した。試験を実施したCP組成物には、リン酸緩衝生理食塩水を含む水性担体の3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%および10重量%の粘性剤濃度を有するCP組成物が含まれる。これらの特定の試験において、使用した粘性剤は、微結晶セルロースとカルボキシルメチルセルロースナトリウムとの混合物である。具体的に、使用した粘性剤は、米国、ニューヨーク州、パターソンのJRS Pharma LPが製造するVIVAPUR(登録商標)MCG811Pと名付けられた市販薬である。
図1〜3を参照し、試験の第1系列は以下の工程を含む。(1)デジタル動作するポンプスプレーノズル付の瓶に15mLのCPを充填する。(2)ポンプを作動し、水平方向に志向されたガラススライド10(例えば、図2参照)に向けて単一の噴霧を行い、この時、スプレーノズルはガラススライドから約3.5cmの場所に位置する。(3)ガラススライドを鉛直位置まで90度(90°)回転し、ここでCPを噴霧したガラススライドの表面は、重力ベクトル14(例えば、図3参照)に沿っており、噴霧した材料のコーティング12が付着したスライド10を僅かな期間(例えば、約5秒)観察し、ガラススライド10に対する噴霧した材料のコーティングの安定性を観察する。(4)噴霧した材料のコーティングが安定性を保つ場合、噴霧した材料のコーティング全体が不安定になるまで、すなわちガラススライド10に対して移動し始めるまで、工程2および3を繰り返した。上述の実験的試験によって、重力濃度が異なる粘性剤を有するCPと、その障壁層形成能力および1Gでの厚みの限界を容易に評価できた。図1から分かるように、粘性剤濃度の機能としてのCPコーティングの推定最大厚さが異なった。3重量%の粘性剤を含むCP組成物は、0.5mm(すなわち、500マイクロメートルまたは「ミクロン」)のCPコーティングの推定最大厚さを有し、8重量%の粘性剤を含むCP組成物は、6.0mmのCPコーティングの推定最大厚さを有した。生理食塩水中に約3重量%〜10重量%の範囲内にある粘性剤濃度を有するCPを用いることによって、粘膜組織の表面に、安定した障壁層が付着できることを試験は示している。但し、本開示はこの範囲に限定されない。特に有用なCP層は、4重量%〜8重量%の間の濃度範囲にある粘性剤を有するCPによって形成された。
図4A、4Bおよび5を参照し、試験の第2系列は以下の工程を含む。a)約30mLのCP組成物をポリプロピレン管に充填し、管は円錐状の底部を有し、約1インチ(27mm)の直径と、約41/2インチ(114mm)の長さを有する。b)各CP組成物を手で激しく混合して、各CPにせん断応力を導入する。c)所定期間の間、CPを管内に安置する。d)休止期間の終了後、管を倒置し、十(10)分以内の期間でその管を観察し、重力によってCPが管内を移動したか否かを判定する。10分間の休止期間よりも短い休止期間(例えば、液化後の1〜5分間)を設けて、前述の試験を繰り返し、その結果を図5に示す。試験の第2系列で使用したCP組成物は、試験の第1系列で使用したCP組成物と同一である。
24時間にわたり上下反転した(すなわち、180°回転した)際も、先述の試験管内で幾つかのCP組成物は半固体形状を保ち、安定したことを試験は示した。言い換えれば、24時間以上に亘って1重力(「1G」)が加わった場合に、あるCP組成物が半固体形状を保った。≡図2のテーブルIIに示すデータから分かるように、2重量%および3重量%の粘性剤を有するCP組成物は、5分間の観察期間内に半固体ジェルを形成しなかった。重量4%の粘性剤を有するCP組成物は、1.5分で半固体となったが、倒置した際に管の底部に付着しなかった。例えば、図4Aは、倒置した試験管の底部から落下したCP15を示す。5重量%の粘性剤を有するCP組成物は、5分で半固体となったが、倒置30秒後に、倒置した際に管の底部から滑り始めた。6重量%の粘性剤を有するCP組成物は、1秒以内に固形化した。但し、管を倒置してから2分以内に管内を滑り始めた。8重量%の粘性剤を有するCP組成物は、揺動後直ちに固形化し、管を倒置してから5分後も管内を滑ることはなかった。同一の8%のCP組成物を一晩観察したが、48時間の観察後も滑る兆候は見られなかったが、例えば、図4Bは、倒置した試験管の底部に残るCP15を示す。但し、実際、これらの試験は予備試験であり、特定の成分を用いて調合したCP組成物に関するため、代替的に調合したCP組成物は異なる結果を示す一方で、同一の機能を奏するように構成され得る。
試験結果は、4%〜8%の濃度範囲にあるCPを、(例えば、使用前に容器内で)一人の人物が継続でき、反転可能であり、半固体形状で所定位置に保持可能であることを、さらに示している。試験はまた、3重量%未満の粘性剤濃度を有するCP組成物は、十分な粘性を有さず、また即時に半固体状態にならない可能性が高く、避妊障壁として効果的ではないことを示している。試験はまた、4重量%〜8重量%の範囲にある粘性剤を有するCP組成物が、上述したように微生物の増殖の効果的な阻害剤として働くことを示している。4〜8重量%の範囲にある粘性剤を有するCP組成物が半固体状態から液体状態へと変わり、その後半固体状態に戻る能力は、前述のCP組成物が精子を捕捉することによって、対象の子宮頚への精子の侵入を防ぐためにも機能することを提示している。
避妊ジェルおよび個人用潤滑剤は、通常、抗菌剤を含む。これらの抗菌/化学剤は、対象の膣腔内の健康な正常細菌叢を死滅させるか、または害を及ぼし得るので、有害バクテリアおよびイースト菌の異常増殖を招き得る。抗菌/化学剤自体が、灼熱感を誘発するか、または潜在的に催奇形物質であるか、催奇形物質となることが懸念される刺激物となり得る。今後の妊娠可能性を考慮すると、潜在的な催奇形物質または催奇形物質であると認識されるものを回避することが、特に避妊製品に関しては極めて望ましい。倫理上、催奇形物質に関する試験を人体では実施できないので、妊娠中の女性にて試験を行えない薬剤との接触を避けることが望ましく、刺激を誘発するような刺激の強い化学物質を避けることも望ましい。防腐剤と、患者が懸念し得る殺精子剤を含む化学物質とを含まないCPが望ましいが、実質的に減量した防腐剤を含むCP自体が望ましいので、本開示では必須ではない。
ほぼ例外なく化学的な殺精子添加剤を含む既存の避妊ジェルと異なり、本CPは、潜在的に害や刺激を誘発する防腐剤、抗菌剤または殺精子剤をさらに必要とすること無く、非常に優れた静止時の粘性とチキソトロピー性およびビンガム流体特性とによって機能する。上述したように、本CP組成物の半固体かつ高粘性の状態が、細菌の増殖能力に対して否定的に作用し、その結果、抗菌剤または防腐剤の必要性が減少または失われる。本CPのある実施形態は、細菌の増殖に対してさらに否定的に作用し、そのため抗菌剤または防腐剤の必要性が減少し、すなわち、微生物の増殖を維持するのに必要な化学物質および要素の容量が減少した(または含まない)CP組成物である。例えば、幾つかのCPの実施形態は、現在利用可能な避妊ジェルに用いられる抗菌剤および防腐剤の容量の50%未満の容量で、効果的に機能するよう構成されてもよい。また、幾つかのCPの実施形態は、リンまたはリン含有化合物を含まないように構成されてもよく、リンはDNAおよびRNA構造に必須の要素である。リン酸塩の枯渇は、細菌の死滅に対して効果を奏しないが、なぜなら、細菌は既にリン酸塩を含んでおり、存在し得る細菌の増殖の継続を阻害するからである。
本発明を詳述した実施形態について図示および説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲での発明の様々な形態および詳細の変更が可能であることを当業者に理解されたい。

Claims (57)

  1. 女性対象用の避妊方法であって、
    ビンガム流体特性を有する所定量のチキソトロピー性避妊製品を対象の膣円蓋に噴霧することを含み、前記避妊製品は、約4〜8重量%の範囲内にある粘性剤と水性担体とを含み、
    前記チキソトロピー性避妊製品は、前記対象の子宮頚への精子の侵入を防ぐように構成された障壁を形成するように噴霧される、
    方法。
  2. 前記粘性剤は、微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記粘性剤は、前記避妊製品の約7.0〜約8.0重量%の範囲内にある、請求項2に記載の方法。
  4. 前記避妊製品は、防腐剤を実質的に含まないか、抗菌剤を実質的に含まないか、またはいずれも実質的に含まない、請求項1に記載の方法。
  5. 前記噴霧する工程は、前記避妊製品の少なくとも一部分を液化させるのに十分な量のせん断応力を、前記避妊製品のその部分に選択的に導入するように構成されたアプリケータを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記アプリケータは、前記避妊製品を保持するように構成されたリザーバを備える本体と、遠位端部と、前記アプリケータの遠位端部に配設されたノズルとを有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記リザーバは、使い捨てカートリッジである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記アプリケータは、使い捨て可能なように構成される、請求項5に記載の方法。
  9. 前記アプリケータは、複数回使用可能なように構成される、請求項5に記載の方法。
  10. 前記アプリケータは、単回使用量のCPを保持可能なサイズの折り畳み式容器を備える、請求項5に記載の方法。
  11. 前記アプリケータは、複数回の使用に適した容量のCPを保持可能なサイズの折り畳み式容器を備える、請求項5に記載の方法。
  12. 前記所定量のチキソトロピー性避妊製品を噴霧する工程は、前記対象の子宮頸膣部と腟粘膜とに前記避妊製品が付着するように、前記避妊製品を噴霧することを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記所定量のチキソトロピー性避妊製品を噴霧する工程は、前記避妊製品を複数回噴霧することを含み、各回の噴霧によって前記対象の子宮頸膣部と腟粘膜とに前記避妊製品の層を重ね、休止期間を設けることで各回の噴霧と次回の噴霧との間に時間的な隔たりを設け、複数の前記層によって前記障壁を累積的に形成する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記避妊製品は、静置時に半固体状態となるように構成され、前記避妊製品に所定量のせん断応力が導入された際に液化状態に変化し、前記所定量のせん断応力の少なくとも一部分が解消された際に前記半固体状態に戻り、
    前記避妊製品は、前記半固体状態への復帰中に精子を捕捉するように構成される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記避妊製品の障壁は、微生物の増殖に必須である少なくとも1つの要素に欠けるよう構成される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記避妊製品は、微生物の増殖に必須である少なくとも1つの栄養素に欠ける、請求項1に記載の方法。
  17. 前記避妊製品の容量は、前記避妊製品に含まれる防腐剤及び抗菌剤の一方または双方を減少させるのに不十分である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記避妊製品は、リン酸塩を含まない、請求項16に記載の方法。
  19. 前記避妊製品は、前記避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、前記避妊製品内の前記せん断応力量が前記閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、前記避妊製品内の前記せん断応力が前記閾値せん断応力量未満に低下すると前記半固体状態に戻る、請求項1に記載の方法。
  20. 前記閾値せん断応力量は、前記避妊製品に作用する力によって生じ、当該力は重力以上である、請求項19に記載の方法。
  21. 避妊製品であって、
    約4〜8重量%の範囲内にある増粘剤と、
    水性担体と、を含み、
    前記避妊製品は、防腐剤を実質的に含まないか、抗菌剤を実質的に含まないか、またはいずれも実質的に含まない、避妊製品。
  22. 前記粘性剤は、微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物を含む、請求項21に記載の製品。
  23. 前記粘性剤は、前記避妊製品の約7.0〜約8.0重量%の範囲内にある、請求項22に記載の製品。
  24. 前記避妊製品は、前記避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、前記避妊製品内の前記せん断応力量が前記閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、前記避妊製品内の前記せん断応力が前記閾値せん断応力量未満に低下すると前記半固体状態に戻る、請求項21に記載の製品。
  25. 前記閾値せん断応力量は、前記避妊製品に作用する力によって生じ、当該力は重力以上である、請求項24に記載の製品。
  26. 前記避妊製品は、前記半固体状態への復帰中に、前記避妊製品が精子を捕捉するように構成されるように構成される、請求項24に記載の製品。
  27. 前記避妊製品の障壁は、微生物の増殖を抑制するように構成される、請求項21に記載の製品。
  28. 前記避妊製品は、微生物の増殖に必須である少なくとも1つの要素または栄養素に欠ける、請求項21に記載の製品。
  29. 前記避妊製品の容量は、前記避妊製品に含まれる防腐剤及び抗菌剤の一方または双方を減少させるのに不十分である、請求項28に記載の製品。
  30. 前記避妊製品は、リン酸塩を含まない、請求項29に記載の製品。
  31. 約4〜8重量%の範囲内にある増粘剤と、水性担体とを含む避妊製品と、
    前記避妊製品の少なくとも一部分を液化させるのに十分な量のせん断応力を、前記避妊製品のその部分に選択的に導入するように構成されたアプリケータと、を備える、避妊製品システム。
  32. 前記アプリケータは、使い捨て可能なように構成される、請求項31に記載のシステム。
  33. 前記アプリケータは、複数回使用可能なように構成される、請求項31に記載のシステム。
  34. 前記アプリケータは、単回使用量のCPを保持可能なサイズの折り畳み式容器を備える、請求項31に記載のシステム。
  35. 前記折り畳み式容器は、使い捨て可能なように構成される、請求項34に記載のシステム。
  36. 前記アプリケータは、複数回の使用に適した容量のCPを保持可能なサイズの折り畳み式容器を備える、請求項31に記載のシステム。
  37. 前記アプリケータは、近位端部及び遠位端部を有する筒状本体と、流体アクチュエータと、遠位端部近傍に配設された少なくとも1つのノズルとを有する、請求項31に記載のシステム。
  38. 前記本体は、膣腔内に容易に挿入されるよう構成される、請求項37に記載のシステム。
  39. 前記本体は、前記近位端部と前記遠位端部との間が湾曲しており、回転軸を有し、
    前記ノズルは、前記アプリケータ本体が回転軸を中心に回転する際、外方に向かうように位置決めされる、請求項38に記載のシステム。
  40. 前記アプリケータ本体の前記近位及び遠位端部に亘って延びる長さは、膣腔内への挿入時に、前記遠位端部を使用者の子宮頚近傍に位置決めするのに十分な長さである、請求項38に記載のシステム。
  41. アプリケータは、リザーバを備え、前記流体アクチュエータは、1つ以上の導管を介して、前記リザーバ及び前記ノズルと流体的に連通する、請求項37に記載のシステム。
  42. 前記流体アクチュエータは、前記避妊製品の少なくとも一部分を液化させるのに十分な量のせん断応力を、前記避妊製品のその部分に選択的に導入するように構成された前記アプリケータの要素であり、前記流体アクチュエータは、前記遠位端部に向かう前記1つ以上の導管を通じて、前記リザーバから有用量の前記液状避妊製品を選択的に移動し、次いで前記有用量の避妊製品を前記ノズルから噴出するように構成される、請求項41に記載のシステム。
  43. 前記流体アクチュエータは、筐体及び前記筐体に対して移動可能な往復ピストンを有するポンプと、第1の一方弁と、第2の一方弁と、を備えるポンプスプレー式の装置である、請求項41に記載のシステム。
  44. 女性対象用の避妊方法であって、
    ビンガム流体特性を有するチキソトロピー性避妊製品を対象の膣円蓋に噴霧することを含み、前記避妊製品は、粘性剤と水性担体とを含み、
    前記避妊製品は、前記避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、前記避妊製品内の前記せん断応力量が前記閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、前記避妊製品内の前記せん断応力が前記閾値せん断応力量未満に低下すると前記半固体状態に戻り、
    前記チキソトロピー性避妊製品は、前記対象の子宮頚への精子の侵入を防ぐように構成された障壁を形成するように噴霧される、方法。
  45. 膣乾燥の1つ以上の症状の治療方法であって、
    ビンガム流体特性を有する所定量のチキソトロピー剤を対象の膣円蓋に噴霧することを含み、前記チキソトロピー剤は、粘性剤と水性担体とを含み、
    前記チキソトロピー剤は、抗菌剤を実質的に含まず、前記避妊製品内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、前記避妊製品内の前記せん断応力量が前記閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、前記避妊製品内の前記せん断応力が前記閾値せん断応力量未満に低下すると前記半固体状態に戻る、方法。
  46. 前記チキソトロピー剤は、防腐剤を実質的に含まない、請求項44に記載の方法。
  47. 避妊製品であって、
    チキソトロピー剤を生成するように混合された粘性剤と水性担体とを含み、前記チキソトロピー剤は、前記チキソトロピー剤内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、前記チキソトロピー剤内の前記せん断応力量が前記閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、前記避妊製品内の前記せん断応力が前記閾値せん断応力量未満に低下すると前記半固体状態に戻る、避妊製品。
  48. 個人用潤滑剤であって、
    チキソトロピー剤を生成するように混合された粘性剤と水性担体とを含み、前記チキソトロピー剤は、抗菌剤を実質的に含まず、前記チキソトロピー剤内のせん断応力量が閾値せん断応力量を下回る場合に半固体状態を維持するように構成され、前記チキソトロピー剤内の前記せん断応力量が前記閾値せん断応力量以上の場合に液化状態に変化し、前記避妊製品内の前記せん断応力が前記閾値せん断応力量未満に低下すると前記半固体状態に戻る、個人用潤滑剤。
  49. 前記粘性剤は、微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物を含む、請求項48に記載の個人用潤滑剤。
  50. 前記粘性剤は、前記避妊製品の約7.0〜約8.0重量%の範囲内にある、請求項48に記載の個人用潤滑剤。
  51. 前記避妊製品は、防腐剤を実質的に含まない、請求項48に記載の個人用潤滑剤。
  52. 粘膜組織障壁の製造方法であって、
    ビンガム流体特性を有する所定量のチキソトロピー剤を粘膜組織に噴霧することを含み、前記チキソトロピー剤は、約4〜8重量%の範囲内にある粘性剤と水性担体とを含み、
    前記チキソトロピー剤は、前記障壁を介する前記粘膜組織への要素の移動を実質的に防ぐように構成された前記障壁を形成するように噴霧される、方法。
  53. 前記チキソトロピー剤の障壁は、微生物の増殖に必須である少なくとも1つの要素に欠けるよう構成される、請求項52の方法。
  54. 前記チキソトロピー剤は、微生物の増殖に必須である少なくとも1つの栄養素に欠ける、請求項52の方法。
  55. 前記チキソトロピー剤の容量は、前記避妊製品に含まれる防腐剤及び抗菌剤の一方または双方を減少させるのに不十分である、請求項54の方法。
  56. 前記チキソトロピー剤は、リン酸塩を含まない、請求項52の方法。
  57. 前記チキソトロピー剤は、防腐剤及び抗菌剤の少なくとも一方を実質的に含まない、請求項52の方法。
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