JP2020517266A - 制御された温度を用いた分子操作およびアッセイ(ii) - Google Patents

制御された温度を用いた分子操作およびアッセイ(ii) Download PDF

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Abstract

本発明は、限定はされないがPCRなどの反応の促進のための、急速かつ試料において使いやすい熱サイクリングまたは温度変化のためのデバイス、システム、および方法を提供する。

Description

相互参照
本出願は、2017年4月21日出願の米国仮特許出願(USPPA)第62/488,684号(代理人整理番号ESX−014PRV3)、2018年2月14日出願のPCT出願第PCT/US2018/018108号(代理人整理番号ESXPCT18F14)、および2018年2月15日出願のPCT出願第PCT/US2018/018405号(代理人整理番号ESXPCT18F19)に対する優先権を主張し、これらの各々は、あらゆる目的で参照により全体が本明細書に組み込まれる。
背景
ある特定の化学的、生物学的、および/または医学的アッセイでは、繰り返される熱サイクル、および/または迅速かつ/もしくは正確な温度制御が実行される必要がある。1つの特定の例は、1つ以上の試料中の所定のヌクレオチド(例えば、DNA)を増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。PCRでは、予め設定された熱制御サイクルに従って、試料が特定の温度に繰り返し加熱および冷却される。別の例は、核酸の等温増幅であり、試料は、室温から摂氏65度まで加熱する必要がある。ある特定のシナリオでは、試料の温度を急速かつ均一に変化させることができることが望ましい。
本発明は、急速な熱サイクル変化のためのデバイスおよび方法を提供し、本明細書に開示されるデバイスおよび方法は、限定はされないがPCRなどの反応の促進に適している。
当業者は、以下に記載される図面が単に例示目的のためであることを理解するであろう。図面は、決して本教示の範囲を限定することを意図していない。場合によっては、図面は縮尺どおりではない。実験データ点を提示する図では、データ点をつなぐ線は、単にデータの表示を示すためのものであり、他の意味はない。
試料の温度を急速に変化させ、試料からの信号を監視するためのシステムのある特定の構成要素の概略図を示す。 本発明のデバイスの一実施形態の上面図を示し、QMAXデバイス(またはQMAXカード)を示す。 本発明のデバイスの一実施形態の斜視図および断面図を示す。パネル(A)は、開放構成にあるデバイスの実施形態を示し、パネル(B)は、試料ホルダーが閉鎖構成にあるときのデバイスの実施形態を示し、2つのプレート間で薄層へと圧縮される試料の温度は、電磁波を試料上へ発射するように位置付けられた加熱源によって急速に変化する。 本発明のシステムの一実施形態の斜視図および断面図を示す。パネル(A)は、デバイス(システムの試料ホルダー)が開放構成にあるときのシステムの斜視図を示し、パネル(B)は、試料ホルダーが閉鎖構成にあるときのシステムの断面図を示す。 本発明のシステムの一実施形態の断面図を示し、システムを示し、温度変化および制御を容易にする追加の要素を示す。 本発明の別の実施形態の斜視図を示し、プレート上に複数の試料接触領域があり、これは複数の試料の処理および分析を可能にする。 本発明の例示的な実施形態の断面図を示し、試料がどのように添加および圧縮されるかを示す。 本発明の例示的な実施形態の断面図を示し、PCRプロセスを示す。 本発明の第1のプレートおよび加熱層の例示的な実施形態を示す。パネルAは、上面図であり、パネルBは、断面図である。 本発明の2つの例示的な実施形態の断面図を示し、第1のプレート、第2のプレート、および加熱層を示す。 本発明の例示的な実施形態の断面図を示し、試料の温度を急速に変化させるためのシステムを示す。図11は、一実施形態による加熱源の詳細な要素を示す。 本発明の例示的な実施形態の断面図を示し、試料の温度を急速に変化させるためのシステムを示す。図12は、一実施形態による加熱源の詳細な要素を示す。 本発明の一実施形態を示し、加熱素子は、第1プレートまたは第2プレートのいずれにも接触していない。パネルAは、上面図を示し、パネルBは、側面図を示す。
例示的な実施形態の詳細な説明
以下の詳細な説明は、限定ではなく例として本発明のいくつかの実施形態を図示する。存在する場合、本明細書で使用されるセクションの見出しおよび任意のサブタイトルは、単に構成上の目的のためであり、決して、説明される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。セクションの見出しおよび/またはサブタイトル下の内容は、セクションの見出しおよび/またはサブタイトルに限定されず、本発明の説明全体に適用される。
いかなる出版物の引用も、出願日前のその開示のためであり、添付の特許請求の範囲が先行発明のためにそのような出版物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される出版日は実際の出版日とは異なる可能性があり、個別に確認する必要がある。
図は厳密な比率で要素を示すことを意図していないことに留意するべきである。明確にするために、図に示される場合にいくつかの構成要素が拡大されている。要素の寸法は、参照により本明細書に提供され組み込まれる説明から詳述されるはずである。
本発明は、ある領域(または関連する領域)にわたって試料を均一な超薄の薄型部分にすること、試料ホルダーの低熱吸収および低熱容量、ならびに領域ヒータ要素によって、試料の温度を急速に変化させるためのデバイスおよび方法を提供する。
いくつかの実施形態では、試料ホルダーは、試料を挟むための2つの薄いプレートを有するQMAXカードであり、プレートは、典型的には1μm〜2mmの厚さを有する。
1.作動原理
本発明の一目的は、試料の温度を急速に上昇および低下させることである。
本発明の別の目的は、数秒で1サイクルの試料温度変化(例えば、95℃から55℃)を行うことである。
試料を急速に加熱および冷却するためには、試料の加熱または冷却に必要であるエネルギーを低減する必要がある。1つの材料を加熱および冷却するためのエネルギーは、同じ3つの主要な構成要素を共有する。(i)熱質量(すなわち、材料がエネルギーを吸収および保存する能力。熱質量が大きいほど、加熱に必要なエネルギーは多くなる)、(ii)放射による熱損失、および(iii)熱伝導/対流による熱損失。急速に加熱するためには、3つのエネルギー構成要素の全てを小さくする必要があるが、急速に冷却するには、第1のエネルギー構成要素を小さくするが、最後の2つのエネルギー構成要素を大きくする必要がある。
理論的および実験的調査を通して、本発明は、急速な加熱および冷却のために3つの構成要素のバランスを取りかつ/または最適化することができる、ある特定の設計に基づいている。
本発明の一実施形態は、図1に示されるように、(i)カード上の試料の急速な加熱および冷却を可能にする、「RHC(急速加熱・冷却)カード」または「試料カード」と呼ばれる試料ホルダーと、(ii)加熱システムと、(iii)冷却システム(任意)と、(iv)温度制御システムと、(v)信号監視システム(任意)とを備える。本発明のある特定の実施形態が、図1に示されるただ1つの構成要素または数個の構成要素を有することができることに留意されたい。
RHCカードは、核酸などの分子を増幅するために必要な試料および試薬を保持する。
明らかに、本発明は、異なる試料および異なる用途に使用され得る。
2.急速な加熱および冷却のための試料カード
試料カード(すなわち、RHCカード)の一実施形態が、図2に示される。RHCカードは、試料を保持することができ、急速な加熱および冷却を可能にする。
1.図2に示されるように、流体試料の温度を急速に変化させるためのRHCカードの一実施形態であって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱層(112)とを備え、
i.プレート(10、20)は、異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々は、そのそれぞれの内表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.加熱層(112)は、流体試料を加熱するように構成されており、
加熱層は、(a)プレートのうちの一方の上(内表面もしくは外表面のいずれかの上)またはプレートのうちの一方の内側にあり、(b)加熱源によって加熱することが可能であり、加熱源は、光学的に、電気的に、無線周波数(RF)放射によって、またはそれらの組み合わせによって、加熱層に熱エネルギーを送達し、
加熱層の加熱領域の少なくとも一部は、試料領域と重なり合い、
構成のうちの1つは、2つのプレートが部分的または完全に分離されており、プレート間の平均間隔が少なくとも300μmである、開放構成であり、
構成のうちの別の構成は、開放構成において流体試料を試料接触領域のうちの一方または両方の上に付着させた後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって圧縮されて層になり、平均試料厚さは200μm以下である、実施形態。
いくつかの実施形態では、デバイスは、閉鎖構成において試料の少なくとも一部分を調整するスペーサをさらに備え、試料の少なくとも一部分は、2つのプレートによって制限され、2つのプレートの間隔は、スペーサによって調整される(これにより、試料の少なくとも一部分の厚さが調整される)。
試料の厚さ
試料の熱質量を低減し、かつ試料中の熱対流損失を低減するために、いくつかの実施形態では、加熱層によって加熱されている領域における平均試料厚さは、500μm以下、200μm以下、100μm以下、50μm以下、20μm以下、10μm以下、5μm以下、2μm以下、1μm以下、500nm以下、300nm以下、100nm以下、50nm以下であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
加熱層によって加熱されている領域における1つの好ましい平均試料厚さは、0.1μm〜0.5μm、0.5μm〜10μm、10μm〜20μm、20μm〜30μm、30μm〜50μm、50μm〜80μm、80μm〜100μm、または100μm〜150μmである。
プレートの厚さ
第1および第2のプレートの熱質量を低減し、かつプレートの熱対流損失を低減するために、第1のプレートまたは第2のプレートは、2nm以下、10nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、20mm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の厚さを有する。
第1のプレートまたは第2のプレートの好ましい厚さは、10nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内である。
いくつかの好ましい実施形態では、加熱層を有するプレートの厚さは、ヒータを有しない他方のプレートよりも薄い。
いくつかの好ましい実施形態では、第1のプレートが100nm、200nm、500nm、1μm(ミクロン)、2μm、5μm、10μm、25μm、50μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、250μm、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の厚さを有する一方で、第2のプレートは、25μm、50μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、250μm、500μm、1mm、1.5mm、2mm、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、プレートのうちの少なくとも1つの平均の厚さは、1〜1000μm、10〜900μm、20〜800μm、25〜700μm、25〜800μm、25〜600μm、25〜500μm、25〜400μm、25〜300μm、25〜200μm、30〜200μm、35〜200μm、40〜200μm、45〜200μm、または50〜200μmの範囲内である。
いくつかの実施形態では、プレートのうちの少なくとも1つの平均の厚さは、50〜75μm、75〜100μm、100〜125μm、125〜150μm、150〜175μm、または175〜200μmの範囲内である。
いくつかの実施形態では、プレートのうちの少なくとも1つの平均の厚さは、約50μm、約75μm、約100μm、約125μm、約150μm、約175μm、または約200μmである。
プレート面積
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび/または第2のプレートは、1mm(平方ミリメートル)以下、10mm以下、25mm以下、50mm以下、75mm以下、1cm(平方センチメートル)以下、2cm以下、3cm以下、4cm以下、5cm以下、10cm以下、100cm以下、500cm以下、1000cm以下、5000cm以下、10,000cm以下、10,000cm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の横方向領域を有する。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび/または第2のプレートは、10mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、75mm、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の幅を有する。
いくつかの実施形態では、プレートの1つの好ましい幅は、20mm〜40mmである。
試料蒸発を低減するための縁部密封
いくつかの実施形態では、プレートが閉鎖構成にあるとき、それは、2つのプレートの縁部を密封する密封材を備え、密封は、温度変化中の試料の蒸発を低減または排除するように構成されている。
密封材は、テープ、プラスチックシール、オイルシール、またはそれらの組み合わせであってもよい。
例(RHCカード)−1
第1のプレートおよび第2のプレートは、PMMAまたはPETでできている。第1および第2のプレートは、幅15mm、長さ20mm、および100μm(ミクロン)の同一サイズを有する。高さ30μmの周期的スペーサアレイが使用され(最初にプレートのうちの1つに固定される)、閉鎖構成での試料の厚さが30μmになる。加熱層は、厚さ450nmの金であり、直径6mmであり、プレートのうちの一方の外表面上にある。加熱層を加熱するために400nmのLEDを使用した。閉鎖構成での試料は、約12mmの直径の、かつ加熱層にわたった領域を有する。本発明者らは、感温色素を使用して温度を監視した。本発明者らは、30Cから90Cへの温度変化が約2秒で到達され得、約3秒で90Cから30Cに冷却され得ることを見出した。
3.加熱源および温度制御
RHCカードの加熱層は、加熱源によって加熱されるように構成され、加熱源は、光学的に、電気的に、無線周波数(RF)放射によって、またはそれらの組み合わせによって、加熱層に熱エネルギーを送達する。
光加熱源
加熱層が加熱源によって光学的に加熱される場合、加熱源は、光源、LED(発光ダイオード)、レーザー、ランプ、またはそれらの組み合わせを含む。一方、加熱層は、光加熱源からの放射エネルギーを顕著に吸収する材料層である。顕著な吸収とは、加熱層が光加熱源からの放射エネルギーを試料およびプレートよりも顕著に吸収することを意味する。
電気加熱源
加熱層が加熱源によって電気的に加熱される場合、電気加熱源は、電気配線を通して加熱層に電力を送る電源を備える。
4.試料信号監視
図11および12に示されるように、試料ホルダー内の試料からの信号を検出するために信号センサが使用され得る。
いくつかの実施形態では、信号センサは、流体試料を撮像するように構成された光学センサである。例えば、光学センサは、光検出器、カメラ、または流体試料の画像を取り込むことが可能なデバイスである。いくつかの実施形態では、光学センサは、カメラであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラは、モバイルデバイス(例えば、スマートフォンまたはタブレットコンピュータ)に組み込まれたカメラである。いくつかの実施形態では、カメラは、システムの他の部分から分離されている。
いくつかの実施形態では、信号センサは、デバイスからの電気信号を検出するように構成された電気センサである。いくつかの実施形態では、信号センサは、デバイスからの機械信号を検出するように構成された機械センサである。
いくつかの実施形態では、信号センサは、試料中の分析物の量を監視するように構成されている。いくつかの実施形態では、信号センサは、チャンバの外側にあり、チャンバ上の光学開口部を通して試料から光学信号を受信する。
5.試料の種類
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、診断試料、臨床試料、環境試料、および食品試料などであるが、これらに限定されない試料に使用され得る。試料の種類としては、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願され、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、PCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号に列挙、記載、および要約された試料が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、細胞、組織、体液、および/またはそれらの混合物を含む試料に使用される。いくつかの実施形態では、試料としては、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、血清など)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾、皮脂(皮膚の油)、精液、唾液、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮液などであるが、これらに限定されない新鮮なまたは処理された体液が挙げられる。いくつかの実施形態では、試料は、ヒト体液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、細胞、組織、体液、排泄物、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、分画血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ液、外リンパ液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾、皮脂、精液、唾液、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮液のうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、飲料水などの任意の好適な供給源から得られる環境試料;土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木材、レンガ、下水などからの固体試料;および空気、水中排熱口、産業排気、車両排気などからの気体試料に使用される。ある特定の実施形態では、環境試料は、供給源からの新鮮なものであり、ある特定の実施形態では、環境試料は処理される。例えば、液体形態ではない試料は、主題のデバイス、システム、および方法が適用される前に液体に変えられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、動物の消費、例えば、人間の消費に好適であるか、または好適になる可能性を有する食品試料に使用される。いくつかの実施形態では、食品試料は、生の材料、調理済みまたは加工済み食品、植物および動物の食物源、予め加工済みの食品、ならびに部分的または完全に加工済みの食品などを含む。例えば、いくつかの実施形態では、食品試料は、を含む。ある特定の実施形態では、液体形態ではない試料は、主題のデバイス、システム、および方法が適用される前に液体に変えられる。
試料の任意の体積を分析するために主題のデバイス、システム、および方法が使用され得る。体積の例は、これらに限定されないが、約10mL以下、5mL以下、3mL以下、1マイクロリットル(μL、本明細書では「uL」と同じ)以下、500μL以下、300μL以下、250μL以下、200μL以下、170μL以下、150μL以下、125μL以下、100μL以下、75μL以下、50μL以下、25μL以下、20μL以下、15μL以下、10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意の2つの値の間の範囲を含む。
いくつかの実施形態では、試料の体積は、これらに限定されないが、約100μL以下、75μL以下、50μL以下、25μL以下、20μL以下、15μL以下、10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意の2つの値の間の範囲を含む。いくつかの実施形態では、試料の体積は、これらに限定されないが、約10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意の2つの値の間の範囲を含む。
いくつかの実施形態において、試料の量は、ほぼ一滴の液体である。ある特定の実施形態では、試料の量は、指または指先を刺すことにより収集された量である。ある特定の実施形態では、試料の量は、マイクロニードル、マイクロピペットまたは静脈吸引から収集された量である。
ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、流体試料を保持するように構成されている。ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、流体試料の少なくとも一部を圧縮して薄い層にするように構成されている。ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、試料を加熱および/または冷却するように構成されている構造を含む。ある特定の実施形態では、加熱源は、試料ホルダー内のある特定の構造によって吸収されて試料の温度を変化させることができる電磁波を提供する。ある特定の実施形態では、信号センサは、試料からの信号を検出および/または測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、信号センサは、試料中の分析物を検出および/または測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、ヒートシンクは、試料ホルダーおよび/または加熱源から熱を吸収するように構成されている。ある特定の実施形態では、ヒートシンクは、試料ホルダーを少なくとも部分的に囲むチャンバを含む。
6.用途
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、2016年8月10日に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号に列挙、記載、および要約された用途を含む、様々なタイプの生物学的/化学的サンプリング、検知、アッセイ、および用途において使用され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、試料中の1つ以上の分析物の有無の決定、定量化、および/または増幅が望まれる様々な分野において、様々な異なる用途に利用される。例えば、ある特定の実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、ならびに他の分子、化合物、混合物、および物質の検出に使用される。主題のデバイス、システム、および方法が使用され得る様々な分野としては、人間の疾患および状態の診断、管理、および/または予防、動物の疾患および状態の診断、管理、および/または予防、植物の疾患または状態の診断、管理、および/または予防、農業用途、食品試験、環境試験および汚染除去、薬物試験および予防などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の用途には、これらに限定されないが、(a)例えば、感染症および寄生虫疾患、傷害、心血管疾患、癌、精神障害、神経精神障害、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患などの特定の疾患、またはそれら疾患の特定の病期と相関する化学化合物または生体分子の検出、精製、定量化、および/または増幅、(b)細胞および/または微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、または生体試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の検出、精製、定量化、および増幅、(c)食品の安全性、人間の健康、または国家安全保障に危険をもたらす化学化合物または生体試料、例えば、有毒廃棄物、炭疽の検出、定量化、(d)医学的または生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の検出および定量化、(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液からの特定のDNAまたはRNAの検出および定量化、(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の配列決定および比較、または(g)例えば、医薬品の合成または精製中の反応生成物の検出および定量化が含まれる。
いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、試料中の核酸、タンパク質、または他の分子もしくは化合物の検出に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、システム、および方法は、例えば、対象における疾患状態の診断、予防、および/または管理に用いられるような、生体試料中の1つ以上、2つ以上、または3つ以上の疾患バイオマーカーの迅速な臨床検出および/または定量化に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、システム、および方法は、環境試料、例えば、川、海、湖、雨、雪、下水、下水処理排水、農業排水、産業排水、水道水、または飲料水中の1つ以上、2つ以上、または3つ以上の環境マーカーの検出および/または定量化に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、システム、および方法は、水道水、飲料水、調理済み食品、加工済み食品、または未加工食品から得られる食品試料からの1つ以上、2つ以上、または3つ以上の食品マークの検出および/または定量化に使用される。
いくつかの実施形態では、主題のデバイスはマイクロ流体デバイスの一部である。いくつかの実施形態では、蛍光信号または発光信号を検出するために主題のデバイス、システム、および方法が使用される。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、携帯電話、タブレットコンピュータ、およびラップトップコンピュータなどであるが、これらに限定されない通信デバイスを含むか、またはそれと一緒に使用される。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、光バーコード、無線周波数IDタグ、またはそれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない識別子を含むか、またはそれと一緒に使用される。
いくつかの実施形態では、試料は対象から得られた診断試料であり、分析物はバイオマーカーであり、試料中の分析物の測定量は疾患または状態の診断に役立つ。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、バイオマーカーの測定量、および疾患もしくは状態を有するリスクがないかもしくはリスクが低い個体におけるバイオマーカーの測定値の範囲を示すレポートを受信するか、またはそれを対象に提供することをさらに含み、測定値の範囲に対するバイオマーカーの測定量は、疾患または状態の診断に役立つ。
いくつかの実施形態では、試料は環境試料であり、分析物は環境マーカーである。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含む。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、環境マーカーの測定量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含む。
いくつかの実施形態では、試料は食品試料であり、分析物は食品マーカーであり、試料中の食品マーカーの量は、消費する食品の安全性と相関する。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含む。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、食料マーカーの測定量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含む。
本明細書に記載のデバイス、装置、およびシステムを用いて実行されるアッセイでは、様々な試料が使用され得る。いくつかの実施形態では、試料は核酸を含む。いくつかの実施形態では、試料はタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、試料は炭水化物を含む。試料の温度を急速に変化させ、試料の温度を着実に維持するために、本デバイス、装置、およびシステムが使用され得、これにより、試料を処理するための高速かつ費用対効果の高いアプローチが提供される。加えて、本明細書に記載のデバイス、装置、およびシステムを用いて、様々な用途(例えば、アッセイ)が実行され得る。そのような用途としては、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験が含まれるが、これらに限定されない。そのような用途としてはまた、様々な生物学的、化学的、および生化学的アッセイ(例えば、DNA増幅、DNA定量化、選択的DNA単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、「試料」は、全血、血漿、血清、尿、唾液、および汗などのヒト体液、ならびに細胞培養物(哺乳類、植物、細菌、真菌)が挙げられるがこれらに限定されない試料を含有するか、または含有しない任意の核酸であってもよい。試料は、新たに取得するか、または任意の所望の方法もしくは便利な方法で、例えば、希釈により、あるいは緩衝液もしくは他の溶液もしくは溶媒を加えることにより、保管もしくは処理され得る。試料には、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、およびウイルス粒子などの細胞構造が存在し得る。
本明細書で使用される「核酸」という用語は、任意のDNAもしくはRNA分子、またはDNA/RNAハイブリッド、またはDNAおよび/もしくはRNAの混合物を指す。したがって、「核酸」という用語は、ゲノムまたは染色体DNA、プラスミドDNA、増幅DNA、cDNA、全RNA、mRNA、および小型RNAを含むことを意図しているが、これらに限定されない。「核酸」という用語は、天然のDNAおよび/もしくはRNA分子、または合成DNAおよび/もしくはRNA分子を含むことも意図している。いくつかの実施形態では、無細胞核酸が試料中に存在し、本明細書で使用される「無細胞」とは、核酸がいかなる細胞構造にも含まれていないことを示す。いくつかの他の実施形態では、核酸は、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、および/またはウイルス粒子を含むがこれらに限定されない細胞構造内に含まれる。無細胞核酸の形態の核酸、または細胞構造内の核酸、またはそれらの組み合わせが、試料中に存在し得る。いくつかのさらなる実施形態では、核酸は、第1のプレートの内表面上に導入される前に精製される。またさらなる実施形態では、核酸は、タンパク質および脂質などの他の分子に関連する複合体内に存在し得る。
本発明の方法は、ある範囲の体積の試料に適している。異なる体積を有する試料を、異なる寸法を有するプレート上に導入することができる。
本明細書で使用される「核酸増幅」には、試料中の標的分子を増幅する(その多数のコピーを生成する)ことによって核酸を検出するために使用される任意の技術が含まれ、本明細書では「標的」とは、目的の核酸の配列または部分配列を指す。好適な核酸増幅技術としては、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、デジタルPCRなどの種々のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法、および、例えばループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅などの等温増幅方法が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「必要な試薬」には、プライマー、デオキシヌクレオチド(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K+)、緩衝液、酵素、およびレポーターが含まれるが、これらに限定されない。核酸増幅に必要な試薬は、第1もしくは第2のプレートまたはその両方の内表面上の乾燥形態、または例えばパラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、もしくはそれで包まれた液体形態のいずれかであり得る。
本明細書で使用される「プライマー」とは、いくつかの実施形態では、一対のフォワードおよびリバースプライマーを指し得る。いくつかの実施形態では、プライマーは、複数のプライマーまたはプライマーセットを指し得る。本明細書で使用される、核酸増幅に適した酵素には、DNA依存性ポリメラーゼ、またはRNA依存性DNAポリメラーゼ、またはDNA依存性RNAポリメラーゼが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「レポーター」という用語は、核酸分子に結合するかもしくは核酸分子内に挿入することができる、または増幅プロセスの副産物によって活性化されて核酸分子もしくは増幅プロセスの可視化を可能にすることができる、任意のタグ、標識、または色素を指す。適切なレポーターには、蛍光標識もしくはタグもしくは色素、挿入剤、分子ビーコン標識、または生物発光分子、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの他の実施形態では、本明細書で使用される「必要な試薬」とは、細胞溶解試薬を含むこともでき、これは細胞構造の破壊を容易にする。細胞溶解試薬には、塩、洗剤、酵素、および他の添加物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「塩」という用語には、リチウム塩(例えば、塩化リチウム)、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)、カリウム(例えば、塩化カリウム)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「洗剤」という用語は、アニオン性およびカチオン性を含むイオン性、非イオン性または双性イオン性であり得る。本明細書で使用される「イオン性洗剤」という用語は、水に溶解したときに部分的または全体的にイオン形態である任意の洗剤を含む。適切なアニオン性洗剤には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)または他のアルカリ金属アルキル硫酸塩もしくは同様の洗剤、サルコシル、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「酵素」という用語には、リゾチーム、セルラーゼ、およびプロテイナーゼが含まれるが、これらに限定されない。加えて、EDTA、EGTA、および他のポリアミノカルボン酸を含むがこれらに限定されないキレート剤、ならびにジチオトレイトール(dTT)などのいくつかの還元剤も細胞溶解試薬に含まれ得る。本明細書において必要な試薬の組成は、異なる増幅反応の合理的な設計により異なる。
本明細書で使用される「核酸増幅産物」とは、核酸増幅技術によって生成される様々な核酸を指す。本明細書において核酸増幅産物の種類には、一本鎖DNA、一本鎖RNA、二本鎖DNA、線状DNA、または環状DNAなどが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、核酸増幅産物は、同じ長さおよび構成を有する同一の核酸であり得る。いくつかの他の実施形態では、核酸増幅産物は、異なる長さおよび構成を有する複数の核酸であり得る。
いくつかの実施形態では、核酸増幅後に蓄積された核酸は、レポーターを使用して定量化される。上記で定義および使用されるように、閉鎖チャンバに蓄積された核酸アンプリコンの有無またはその量と相関する定量化可能な特徴を有するレポーター。
本明細書で使用される「細胞溶解試薬」とは、細胞構造の破壊を容易にする塩、洗剤、酵素、および他の添加剤を含むことを意図しているが、これらに限定されない。本明細書において「塩」という用語には、リチウム塩(例えば、塩化リチウム)、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)、カリウム(例えば、塩化カリウム)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「洗剤」という用語は、アニオン性およびカチオン性を含むイオン性、非イオン性または双性イオン性であり得る。本明細書で使用される「イオン性洗剤」という用語は、水に溶解したときに部分的または全体的にイオン形態である任意の洗剤を含む。適切なアニオン性洗剤には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)または他のアルカリ金属アルキル硫酸塩もしくは同様の洗剤、サルコシル、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「酵素」という用語には、リゾチーム、セルラーゼ、およびプロテイナーゼが含まれるが、これらに限定されない。加えて、EDTA、EGTA、および他のポリアミノカルボン酸を含むがこれらに限定されないキレート剤、ならびにジチオトレイトール(dTT)などのいくつかの還元剤も細胞溶解試薬に含まれ得る。本明細書において必要な試薬の組成は、異なる増幅反応の合理的な設計により異なる。
本明細書で使用される「核酸増幅」には、試料中の標的分子を増幅する(その多数のコピーを生成する)ことによって核酸を検出するために使用される任意の技術が含まれ、本明細書では「標的」とは、目的の核酸の配列または部分配列を指す。適切な核酸増幅技術には、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、デジタルPCRなどの種々のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法、および、例えばループ媒介等温増幅、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅などの等温増幅方法が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「必要な試薬2」には、プライマー、デオキシヌクレオチド(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K+)、緩衝液、酵素、およびレポーターが含まれるが、これらに限定されない。核酸増幅に必要な試薬2は、第1もしくは第2のプレートまたはその両方の内表面上の乾燥形態、または例えばパラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、もしくはそれで包まれた液体形態のいずれかであり得る。
本明細書で使用される「プライマー」とは、いくつかの実施形態では、一対のフォワードおよびリバースプライマーを指し得る。いくつかの実施形態では、プライマーは、複数のプライマーまたはプライマーセットを指し得る。本明細書で使用される、核酸増幅に適した酵素には、DNA依存性ポリメラーゼ、またはRNA依存性DNAポリメラーゼ、またはDNA依存性RNAポリメラーゼが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「レポーター」という用語は、核酸分子に結合するかもしくは核酸分子内に挿入することができる、または増幅プロセスの副産物によって活性化されて核酸分子もしくは増幅プロセスの可視化を可能にすることができる、任意のタグ、標識、または色素を指す。適切なレポーターには、蛍光標識もしくはタグもしくは色素、挿入剤、分子ビーコン標識、または生物発光分子、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「核酸増幅産物」とは、核酸増幅技術によって生成される様々な核酸を指す。本明細書において核酸増幅産物の種類には、一本鎖DNA、一本鎖RNA、二本鎖DNA、線状DNA、または環状DNAなどが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、核酸増幅産物は、同じ長さおよび構成を有する同一の核酸であり得る。いくつかの他の実施形態では、核酸増幅産物は、異なる長さおよび構成を有する複数の核酸であり得る。
いくつかの実施形態では、核酸増幅後に蓄積された核酸は、レポーターを使用して定量化される。上記で定義および使用されるように、閉鎖チャンバに蓄積された核酸アンプリコンの有無またはその量と相関する定量化可能な特徴を有するレポーター。
7.QMAXカードの外側に別個の加熱素子がある急速加熱・冷却装置
いくつかの実施形態では、装置は、RHCカードの外側にある別個の加熱素子をさらに備え、RHCカードの近くにまたはそれと接触して配置されたときにRHCカードを加熱するように構成されている。別個の加熱素子は、RHCカードを取り付けるまたは取り外すことが可能であり、加熱層と同様の方法で加熱源からエネルギーを得る。別個の加熱素子により、加熱層のないRHCカードが可能になる。例えば、図13のパネルAおよびBに示されるように、加熱素子は、試料カードから分離している。
「CROFカード(またはカード)」、「COFカード」、「QMAXカード」、「Qカード」、「CROFデバイス」、「COFデバイス」、「QMAXデバイス」、「CROFプレート」、「COFプレート」、および「QMAXプレート」という用語は、いくつかの実施形態ではCOFカードはスペーサを備えていないことを除いて、互換性があり、これらの用語は、異なる構成(開放構成および閉鎖構成を含む)になるように互いに対して移動可能である第1のプレートおよび第2のプレートを備え、かつプレート間の間隔を調整するスペーサを備える(COFのいくつかの実施形態を除く)、デバイスを指す。「Xプレート」という用語は、CROFカードの2つのプレートのうちの1つを指し、スペーサはこのプレートに固定されている。COFカード、CROFカード、およびXプレートのさらなる詳細は、2017年2月7日に出願された仮特許出願第62/456065号に提供され、これはあらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
RCHカードは、プレートのうちの一方の上または内側の加熱層に加え、スペーサを有するかまたは有しない、QMAXカードである。
図2は、第1のプレート10と第2のプレート20とを備えるQMAXカード100を示す。いくつかの実施形態では、第1のプレート10および第2のプレート20は、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成になるように互いに対して移動可能である。ある特定の実施形態では、開放構成において、2つのプレートは、部分的または完全に分離されており、プレート間の平均間隔は、少なくとも300μmである。ある特定の実施形態では、試料は、プレートの一方または両方の上に付着し得る。ある特定の実施形態では、閉鎖構成において、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって圧縮されて層になり、平均試料厚さは200μm以下である。
いくつかの実施形態では、QMAXカード100は、第1のプレート10および第2のプレート20を接続するヒンジ103を備え、これにより、2つのプレートは、互いに対して枢動することができる。いくつかの実施形態では、QMAXカードは、開放構成と閉鎖構成との間のカードの切り替えを容易にするノッチ105を備える。いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方は、透明である。いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方は、可撓性である。いくつかの実施形態では、QMAXカード100は、加熱層190を備える。ある特定の実施形態では、加熱層190は、電磁波を吸収し、エネルギーを変換して試料の温度を上昇させるように構成されている。
図3は、本発明のデバイスの一実施形態の斜視図および断面図を示す。パネル(A)は、開放構成にあるデバイス(システムの「試料ホルダー」とも呼ばれる)100を示す。パネル(A)に示されるように、試料ホルダー100は、第1のプレート10と、第2のプレート20と、間隔機構(図示せず)とを備える。第1のプレート10および第2のプレート20はそれぞれ、外表面(それぞれ11および21)および内表面(それぞれ12および22)を備える。各内表面は、デバイスによって処理および/または分析される流体試料に接触するための試料接触領域(図示せず)を有する。
第1のプレート10および第2のプレート20は、異なる構成になるように互いに対して移動可能である。構成のうちの1つは開放構成であり、この構成では、図3のパネル(A)に示されるように、第1のプレート10および第2のプレート20が部分的または全体的に分離されており、第1のプレート10と第2のプレート20との間の間隔(すなわち、第1のプレートの内表面11と第2のプレートの内表面21との間の距離)は、間隔機構によって調整されない。開放構成では、試料を試料接触領域内で第1のプレート、第2のプレート、またはその両方の上に付着させることができる。
図3のパネル(A)に示されるように、第1のプレート10は、試料接触領域に加熱層112をさらに備える。第2のプレート20が、代替的にまたは追加的に、加熱層112を備えることも可能である。いくつかの実施形態では、加熱層112は、その上に発せられた放射線(例えば、電磁波)を効率的に吸収するように構成されている。吸収率は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、100%以下、85%以下、75%以下、65%以下、55%以下、またはこれら2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である。加熱層112は、吸収された放射線エネルギーの少なくとも実質的な部分を熱(熱エネルギー)に変換するようにさらに構成されている。例えば、加熱層112は、電磁波からのエネルギーを吸収した後、熱の形態で放射線を放出するように構成されている。本明細書で使用される「実質的な部分」または「実質的に」という用語は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、99%以上、または99.9%以上の割合を指す。
加熱層材料
いくつかの実施形態では、加熱層112は、金属プラズモン表面、メタマテリアル、ブラックシリコン、グラファイト、カーボンナノチューブ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、超格子、プラズモン材料、電磁波を効率的に吸収し、かつ吸収されたエネルギーを熱エネルギーに変換することが可能である任意の材料/構造、およびそれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない材料/構造を含む。ある特定の実施形態では、加熱層112は、カーボンナノチューブを含む。
いくつかの実施形態では、加熱層は、2010年5月21日出願の米国仮特許出願第61/347,178号、2012年4月10日出願の米国仮特許出願第61/622,226号、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/801,424号、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/801,096号、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/801,933号、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/794,317号、2014年12月10日出願の米国仮特許出願第62/090,299号、2012年10月1日出願の米国仮特許出願第61/708,314号、2011年5月20日出願のPCT出願第PCT/US2011/037455号、2013年3月15日出願のPCT出願第PCT/US2013/032347号、2014年3月15日出願のPCT出願第PCT/US2014/029979号、2014年3月14日出願のPCT出願第PCT/US2014/028417号、2014年3月16日出願のPCT出願第PCT/US2014/030108号、2013年10月1日出願のPCT出願第PCT/US2013/062923号、2013年6月13日出願の米国特許出願第13/699,270号、2014年8月13日出願の米国特許出願第14/459,239号、2015年9月30日出願の米国特許出願第14/871,678号、2013年3月15日出願の米国特許出願第13/838,600号、2014年8月13日出願の米国特許出願第14/459,251号、2015年3月25日出願の米国特許出願第14/668,750号、2015年9月11日出願の米国特許出願第14/775,634号、2015年9月11日出願の米国特許出願第14/775,638号、2014年3月16日出願の米国特許出願第14/852,412号、2015年12月9日出願の米国特許出願第14/964,394号、2015年10月5日出願の米国特許出願第14/431,266号に記載されるD2PAアレイなどであるがこれに限定されない、ドット結合ドットオンピラーアンテナ(dot−coupled−dots−on−pillar antenna)(D2PA)アレイを含み、これらの完全な開示は、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
図3のパネル(B)は、閉鎖構成にあるときの試料ホルダー100の斜視図および断面図を示す。断面図は、試料ホルダー100または間隔機構の全体を示すことなく、デバイスの一部を示す。パネル(B)に示されるように、試料ホルダー100は、第1のプレート10と、第2のプレート20と、間隔機構(図示せず)とを備える。
図3のパネル(B)中、第1のプレート10および第2のプレート20は、閉鎖構成にある。閉鎖構成では、2つのプレートの内表面11および21は互いに向かい合い、2つのプレート間の間隔102は間隔機構によって調整される。その結果、図に示すように、2つのプレートは、プレートの一方または両方の上に付着した流体試料90を圧縮して層にし、層の厚さは間隔機構(図示せず)によって調整される。
いくつかの実施形態では、加熱中に液体の蒸気がカードから漏れ出ることを防止または低減する「蒸発防止リング」が液体領域(例えば、試料領域)の外側にある。
いくつかの実施形態では、加熱中にQMAXカードをその閉鎖構成に固定するために、QMAXカードの外側にクランプがある。
いくつかの実施形態では、2つのプレートは、正確なレベルに設定されず実質的に均一でもない厳密でない押圧力によって圧縮される。ある特定の実施形態では、2つのプレートは人間の手で直接押圧される。
いくつかの実施形態では、プレートとスペーサとを含むQMAXカードは、カード自体による熱吸収を低減するために、低熱伝導率を有する材料でできている。
いくつかの実施形態では、加熱中にQMAXカードをその閉鎖構成に固定するために、QMAXカードの外側にクランプがある。
いくつかの実施形態では、クランプは、カード自体による熱吸収を低減するために、低熱伝導率を有する材料でできている。いくつかの実施形態では、これらの材料には、ポリマー(例えば、プラスチック)または非晶質有機材料が含まれるが、これらに限定されない。ポリマー材料としては、アクリレートポリマー、ビニルポリマー、オレフィンポリマー、セルロースポリマー、非セルロースポリマー、ポリエステルポリマー、ナイロン、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(フェニレンエーテル)(PPE)、ポリスチレン(PS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ(エチレンフタレート)(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ゴム、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、これらの材料には、酸化ケイ素、磁器、オルセレン(セラミック)、マイカ、ガラス、様々な金属の酸化物などの誘電材料を含む無機材料が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、これらの材料には、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、硫化カドミウム、窒化ガリウム、金塩化物、ヒ化インジウム、水素化ホウ素リチウム、臭化銀、塩化ナトリウムなどの無機化合物が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、これらの材料には、水、エタン、メタン、油、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、シリコーン油、ポリ塩化ビフェニル、液体空気、液体酸素、液体窒素などが挙げられるがこれらに限定されない液体が含まれる。いくつかの実施形態では、これらの材料には、空気、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、二酸化炭素などが挙げられるがこれらに限定されないガスが含まれる。いくつかの実施形態では、材料は、上記の材料の組み合わせである。
本発明のいくつかの実施形態では、2つのプレート間にスペーサがある。いくつかの実施形態では、スペーサのうちの少なくとも1つは、試料接触領域内にある。いくつかの実施形態では、スペーサは、均一な高さを有する。いくつかの実施形態では、試料の厚さは、スペーサの高さとしての試料である。
スペーサの高さは、プレート間の所望の調整された間隔、ならびに/または調整された最終試料の厚さおよび残留試料の厚さによって選択される。スペーサの高さ(所定のスペーサの高さ)、プレート間の間隔、および/または試料の厚さは、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1μm以下、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内である。
スペーサの高さ、プレート間の間隔、および/または試料の厚さは、1つの好ましい実施形態では1nm〜100nm、別の好ましい実施形態では100nm〜500nm、別の好ましい実施形態では500nm〜1000nm、別の好ましい実施形態では1μm(すなわち、1000nm)〜2μm、別の好ましい実施形態では2μm〜3μm、別の好ましい実施形態では3μm〜5μm、別の好ましい実施形態では5μm〜10μm、および別の好ましい実施形態では10μm〜50μm、別の好ましい実施形態では50μm〜100μmである。
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、カード自体による熱吸収を低減するために完全に透明または部分的に透明である。透明度は、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、カード自体による熱吸収を低減するために部分的に反射性である。表面の反射率は、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、QMAXおよびクランプは、カード自体による熱吸収を低減するためにコーティングされた断熱層である。断熱層は、上記の低熱伝導率材料を含む材料を含む。
いくつかの実施形態では、クランプは、閉鎖構成でQMAXカード全体を被覆および密封する。
いくつかの実施形態では、クランプは、閉鎖構成でQMAXカードの表面の一部を被覆する。
いくつかの実施形態では、クランプは、光がQMAXカードの内側に入り、かつQMAXカードから外に出ることを可能にするための透明な窓を有する。
いくつかの実施形態では、クランプは、光がQMAXカードの内側に入り、かつQMAXカードから外に出ることを可能にするために、完全に透明である。
クランプの透明度は、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、閉鎖構成においてクランプとQMAXデバイスとの間に空気または液体が存在する。ある特定の実施形態では、液体としては、水、エタン、メタン、油、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、シリコーン油、ポリ塩化ビフェニル、液体空気、液体酸素、液体窒素などが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、ガスとしては、空気、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、二酸化炭素などが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、クランプを閉鎖した後、クランプによって加えられたQMAXカード表面への圧力は、0.01kg/cm、0.1kg/cm、0.5kg/cm、1kg/cm、2kg/cm、kg/cm、5kg/cm、10kg/cm、20kg/cm、30kg/cm、40kg/cm、50kg/cm、60kg/cm、100kg/cm、150kg/cm、200kg/cmであるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲、および0.1kg/cm〜0.5kg/cm、0.5kg/cm〜1kg/cm、1kg/cm〜5kg/cm、5kg/cm〜10kg/cmの好ましい範囲(圧力)である。
図3のデバイスの断面図に示されるように、加熱層112は、試料接触領域に広がる。しかしながら、加熱層の横方向領域が、試料接触領域の一部のみを約1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、50%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、85%以下、75%以下、55%以下、40%以下、25%以下、8%以下、2.5%以下の割合で占めることが可能であることも留意されるべきである。いくつかの実施形態では、試料の温度変化を容易にするために、いくつかの実施形態では、加熱層の横方向領域は、試料90が試料接触領域上で試料90の横寸法にわたって実質的に均一に、加熱層112からの熱放射を受容するように構成されている。
いくつかの実施形態では、放射線吸収領域は、全プレート領域の10%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、加熱層112は、10nm以上、20nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1μm以上、2μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、50μm以上、100μm以上、75μm以下、40μm以下、15μm以下、7.5μm以下、4μm以下、1.5μm以下、750nm以下、400nm以下、150nm以下、75nm以下、40nm以下、15nm以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の厚さを有する。ある特定の実施形態では、加熱層112は、100nm以下の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、試料層および加熱層112の領域は、均一な厚さよりも実質的に大きい。ここで、「実質的に大きい」という用語は、試料層および/または加熱層の一般的な直径または対角線距離が少なくとも10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1500倍、2000倍、2500倍、3000倍、3500倍、4000倍、4500倍、もしくは5000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内であることを意味する。
図9および10は、QMAXカードの追加の実施形態を示す。図9は、本発明の第1のプレートおよび加熱層の例示的な実施形態を示す。パネルAは上面図であり、パネルBは断面図である。図10は、本発明の2つの例示的な実施形態の断面図を示し、第1のプレート、第2のプレート、および加熱層を示す。全体として、第1のプレートおよび第2のプレート、光学的加熱層は、試料ホルダーと見なされ得、これは、本明細書に示されかつ/または記載される実施形態だけではなく、液体試料の少なくとも一部を圧縮して均一な厚さの層にすることが可能である他の実施形態も指す。
図9のパネルAに示されるように、いくつかの実施形態では、加熱層は、第1のプレートと接触している。しかしながら、いくつかの実施形態では、加熱層が第2のプレート20と接触していてもよいことに留意されたい。加えて、いくつかの実施形態では、加熱層は、プレートのいずれとも接触していない。いくつかの実施形態では、加熱層の別個の構造はなく、第1のプレートおよび/または第2のプレート20および/または試料自体が、試料の温度を上昇させ得る電磁放射線をある程度吸収することができる。
いくつかの実施形態では、加熱層は、1000mm未満、900mm、800mm、700mm、600mm、500mm、400mm、300mm、200mm、100mm、90mm、80mm、75mm、70mm、60mm、50mm、40mm、30mm、25mm、20mm、10mm、5mm、2mm、1mm、0.5mm、0.2mm、0.1mm、もしくは0.01mm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である面積を有する。いくつかの実施形態では、加熱層は、第1のプレート(および/または第2のプレート)の面積よりも実質的に小さい面積を有する。しかしながら、ある特定の実施形態では、加熱層の面積は、第1のプレート(または第2のプレート、または第1のプレートもしくは第2のプレートの試料接触領域)の面積の一部のみを、約1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、50%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、85%以下、75%以下、55%以下、40%以下、25%以下、8%以下、2.5%以下の割合で占める。
いくつかの実施形態では、加熱層は、実質的に均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、加熱層は、10nm未満、20nm、50nm、100nm、200nm、500nm、1μm、2μm、5μm、10μm、20μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、もしくは10mm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の厚さを有する。
加熱層は、任意の形状をとることができる。例えば、上面図から、加熱層は、正方形、円形、楕円形、三角形、矩形、平行四辺形、台形、五角形、六角形、八角形、多角形、または他の様々な形状であってもよい。
いくつかの実施形態では、第1のプレートまたは第2のプレートは、2nm以下、10nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、20mm以下、50mm以下、100mm以下、500mm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、1mm(平方ミリメートル)以下、10mm以下、25mm以下、50mm以下、75mm以下、1cm(平方センチメートル)以下、2cm以下、3cm以下、4cm以下、5cm以下、10cm以下、100cm以下、500cm以下、1000cm以下、5000cm以下、10,000cm以下、10,000cm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内の横方向領域を有する。
いくつかの実施形態では、試料の温度が急速に変化し得るように、加熱層と接触しているプレート(第1プレート、第2プレート、または両方のプレートのいずれか)は薄い。例えば、ある特定の実施形態では、加熱層と接触しているプレートは、500μm以下、200μm、100μm、50μm、25μm、10μm、5μm、2.5μm、1μm、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の厚さを有する。いくつかの実施形態では、1つのプレートのみが加熱層と接触している場合、加熱層と接触しているプレートは、加熱層と接触していないプレートよりも実質的に薄い。例えば、いくつかの実施形態では、加熱層と接触しているプレートの厚さは、加熱層と接触しているプレートの厚さの1/1,000,000未満、1/500,000、1/100,000、1/50,000、1/10,000、1/5,000、1/1,000、1/500、1/100、1/50、1/10、1/5、もしくは1/2、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である。
いくつかの実施形態では、試料層の温度が急速に変化し得るように、試料層は薄い。ある特定の実施形態では、試料層は、100μm以下、50μm、25μm、10μm、5μm、2.5μm、1μm、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、試料ホルダーは、スペーサをさらに備える。ある特定の実施形態では、スペーサは、プレートの一方または両方に固定される。ある特定の実施形態では、スペーサは、試料と混合される。いくつかの実施形態では、スペーサは、均一な高さを有し、スペーサは第2のプレートおよび第2のプレートと一緒に、試料層を調整する。いくつかの実施形態では、試料層の厚さは、スペーサの高さに実質的に等しい。いくつかの実施形態では、プレートは平坦である(例えば、図10のパネルAに示されるように)。いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方のいずれかが、ウェルを含む(例えば、図10のパネルBに示されるように)。例えば、ある特定の実施形態では、ウェルの幅は、500μm未満、200μm、100μm、50μm、25μm、10μm、5μm、2.5μm、1μm、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内であってもよい。ある特定の実施形態では、ウェルの深さは、500μm未満、200μm、100μm、50μm、25μm、10μm、5μm、2.5μm、1μm、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、50nm、20nm、10nm、5nm、2nm、もしくは1nm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内であってもよい。
様々な実施形態では、加熱層の位置決めも異なり得る。いくつかの実施形態では、図10に示されるように、加熱層は、第1のプレートの内表面に位置付けられる。ここで、内表面は、試料と接触している表面として定義され、試料は圧縮されて層になる。もう一方の表面は、外表面である。いくつかの実施形態では、加熱層は、第1のプレートの内表面にある。いくつかの実施形態では、加熱層は、第2のプレートの内表面にある。いくつかの実施形態では、加熱層は、第1のプレートの外表面にある。いくつかの実施形態では、加熱層は、第2のプレートの外表面にある。いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび/または第2のプレートの内表面および/または外表面に少なくとも2つの加熱層がある。
本明細書に示され、かつ記載されるように、いくつかの実施形態では、試料ホルダーは、流体試料を圧縮して薄層にし、したがって試料の熱質量を低減するように構成されている。しかし、熱質量を低減すると、少量のエネルギーが試料の温度を急速に変化させることが可能であり得る。加えて、試料の厚さを制限することによって、熱伝導も制限される。
いくつかの実施形態では、第1のプレート10および第2のプレート20のそれぞれの表面上に試料接触領域がある。試料接触領域は、第1のプレート10および/または第2のプレート20の表面の任意の部分であってもよい。いくつかの実施形態では、加熱層は、試料接触領域と少なくとも部分的に重なり合う。重なり合う部分では、近接性および小さい熱質量により、試料は急速に加熱される。
本発明のいくつかの実施形態によると、急速に加熱および冷却され得る試料カードは、以下の要因および設計の組み合わせおよび/または最適化を使用することによって設計される。
(i)カードならびに試料の熱質量が最小化されて、加熱に必要なエネルギーおよび冷却のために除去されるエネルギーを低減する。
(ii)カードの異なる位置間および/または試料の異なる位置間の熱伝導が低減されて、異なる位置における異なる温度を可能にする。これを達成する一方法は、カードプレートおよびプレートの厚さを低減することである。
(iii)カードプレートおよび/または試料の表面対体積比が増加し、これにより、所与の体積に対して、小さい厚さを有するが、大きい面積を有する。大きい面積は、急速加熱ならびに急速冷却(放射冷却および/または対流冷却のいずれか)を容易にする。
(iv)急速に加熱および冷却すること(すなわち、RHC)ができるヒータ(例えば、加熱層)が、加熱される試料領域のすぐ隣および近くに配置される。試料領域とヒータの加熱素子との離隔距離は、ヒータ領域の平均直径よりもはるかに小さい(「平均直径」は、その面積の円周を円周率(すなわち、3.14)で割ったものとして定義される)。ヒータは、組み合わせの光学ヒータもしくは電気ヒータ、または組み合わせであってもよい。光学ヒータの場合、加熱素子は、光源からの光を吸収し、それを熱に変換する。電気加熱の場合、加熱素子は、電流を通過することによって加熱される。
(v)急速冷却のために、放射冷却および対流冷却が調節される。
(vi)急速冷却のために、放射冷却および/または対流冷却用のヒートシンクが使用される。
加熱、冷却、および制御
図4は、本発明のシステムの一実施形態の斜視図および断面図を示す。パネル(A)および(B)に示されるように、いくつかの実施形態では、システムは、試料ホルダー100と熱制御ユニット200とを備え、試料ホルダー100は、第1のプレート10と、第2のプレート20と、間隔機構(図示せず)とを備え、熱制御ユニット200は、加熱源202とコントローラ204とを備える。図2のパネル(A)および(B)は、システムの試料ホルダー100が閉鎖構成にあるときのシステムの斜視図および断面図を示す。
図3のパネル(B)に示されるように、熱制御ユニット200は、加熱源202とコントローラ204とを備える。いくつかの実施形態では、熱制御ユニット200は、試料の温度変化のために電磁波の形態でエネルギーを提供する。
図4のパネル(A)および(B)の両方を参照すると、加熱源202は、電磁波210を吸収し、かつ電磁波210の実質的な部分を熱に変換するように構成されている試料ホルダー100の加熱層112に、電磁波210を発射し、加熱層112の近傍にある試料90の一部分の温度を上昇させる熱放射をもたらすように構成されている。言い換えれば、加熱源202および加熱層112の結合は、試料90の温度変化を容易にするために必要とされる熱エネルギーを発生させるように構成されている。
いくつかの実施形態では、加熱源202からの放射線は、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、もしくは熱放射、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、加熱層112は、加熱層112が最高の吸収効率を有する好ましい光波長範囲を有する。いくつかの実施形態では、加熱源202は、加熱層112の好ましい波長範囲内の、それと重複する、またはそれを取り囲む波長範囲で電磁波を発射するように構成されている。他の実施形態では、温度変化を容易にするために、波長は、加熱層の好ましい波長から離して合理的に設計される。
いくつかの実施形態では、加熱源202は、狭い波長範囲内のレーザー光を提供するレーザー源を含む。他の実施形態では、加熱源202は、その複数のLED(発光ダイオード)を含む。
図4のパネル(A)および(B)を参照すると、コントローラ204は、試料の温度変化のために、加熱源202から発射される電磁波210を制御するように構成されている。コントローラ204が制御する電磁波210のパラメータには、存在、強度、波長、入射角、およびそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、コントローラは、手動で操作され、例えば、それは、加熱源のオンおよびオフ、したがって加熱源から発射される電磁波の存在を制御する手動スイッチと同じくらい簡単である。他の実施形態では、コントローラは、1つまたは複数の所定のプログラムに従って自動的に電磁波を制御するように構成されるハードウェアおよびソフトウェアを含む。
いくつかの実施形態では、所定のプログラムは、電磁波210のパラメータ(複数可)(例えば、存在、強度、および/または波長)が、それぞれの所定の期間の間所定のレベルに設定されるスケジュールを指す。他の実施形態では、所定のプログラムは、試料90の温度が、それぞれの所定の期間の間所定のレベルに設定され、1つの所定のレベルから別の所定のレベルへの試料温度の変化の期間もそれぞれ設定されるスケジュールを指す。いくつかの実施形態では、コントローラ204はプログラム可能に構成され、これは、コントローラ204が、システムのオペレータによって送られるシステムの所定のプログラムを受信および実行するように構成されているハードウェアおよびソフトウェアを含むことを意味する。
図5は、本発明の一実施形態の断面図を示し、サーマルサイクラーシステムを示し、温度変化および制御を容易にする追加の要素を示す。図5に示されるように、サーマルサイクラーシステムは、試料ホルダー100と熱制御ユニット200とを備える。試料ホルダー100は、第1のプレート10と、第2のプレート20と、間隔機構40と、密封要素30とを備え、熱制御ユニット200は、加熱源202と、コントローラ204と、温度計206と、エキスパンダ208とを備える。
図5は、閉鎖構成にある試料ホルダー100を示し、この構成では、第1および第2のプレート10および20の内表面11および21は、互いに向かい合い、2つのプレート間の間隔102は、間隔機構40によって調整される。開放構成において試料90をプレートの一方または両方の上に付着させた場合、閉鎖構成に切り替えると、第1のプレート10および第2のプレート20が人間の手または他の機構によって押圧され、試料90が2つのプレートによって圧縮されて薄い層になる。いくつかの実施形態では、層の厚さは均一であり、2つのプレート間の間隔102と同じである。ある特定の実施形態では、間隔102(したがって試料層の厚さ)は、間隔機構40によって調整される。いくつかの実施形態では、間隔機構は、プレートの1つに固定される密閉スペーサを備える。いくつかの実施形態では、間隔機構40は、プレートの一方または両方に固定される複数の柱状スペーサを備える。ここで、「固定」という用語は、スペーサ(複数可)がプレートに取り付けられ、少なくともプレートの使用中に取り付けが維持されることを意味する。
いくつかの実施形態では、試料ホルダー100は、2015年8月10日出願の米国仮特許出願第62/202,989号、2015年9月14日出願の米国仮特許出願第62/218,455号、2016年2月9日出願の米国仮特許出願第62/293,188号、2016年3月8日出願の米国仮特許出願第62/305,123号、2016年7月31日出願の米国仮特許出願第62/369,181号、2016年9月15日出願の米国仮特許出願第62/394,753号、2016年8月10日出願のPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号、2016年9月14日出願のPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/051775号、2016年9月15日出願のPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/051794号、および2016年9月27日出願のPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/054025号に記載されたCROFデバイスなどであるがこれに限定されない、圧縮調整オープンフロー(CROF、さらにQMAXとしても知られる)デバイスであり、これらの完全な開示は、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、試料ホルダー100は、閉鎖構成において、媒体接触領域の外側で第1のプレート10と第2のプレート20との間の間隔102を密封するように構成された密封要素30を備える。ある特定の実施形態では、密封要素30は、試料90の横方向領域全体が十分に画定され測定可能であるように、ある特定の領域(例えば、試料受容領域)内に試料90を封入する。ある特定の実施形態では、密封要素30は、試料90の均一性、特に試料層の厚さの均一性を改善する。
いくつかの実施形態では、密封要素30は、閉鎖構成で第1のプレート10と第2のプレート20との間に適用される接着剤を含む。接着剤は、デンプン、デキストリン、ゼラチン、アスファルト、瀝青、ポリイソプレン天然ゴム、樹脂、シェラック、セルロースおよびその誘導体、ビニル誘導体、アクリル誘導体、反応性アクリル系基剤、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−ジエン−スチレン、ポリイソブチレン、アクリロニトリル−ブタジエン、ポリウレタン、ポリスルフィド、シリコーン、アルデヒド縮合樹脂、エポキシ樹脂、アミンベース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィンポリマー、可溶性ケイ酸塩、リン酸セメント、もしくは任意の他の接着剤材料、またはそれらの任意の組み合わせなどの材料から選択されるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、接着剤は、乾燥接着剤、感圧接着剤、接触接着剤、高温接着剤、または一液型もしくは多液型反応性接着剤、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、糊は、天然接着剤もしくは合成接着剤、または任意の他の起源からのもの、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、接着剤は、自然硬化、熱硬化、UV硬化されるか、または任意の他の処理により、またはそれらの任意の組み合わせにより硬化される。
いくつかの実施形態では、密封要素30は、密閉スペーサ(ウェル)を含む。例えば、密閉スペーサは、上面図から円形(または任意の他の密閉された形状)を有し、試料90を取り囲み、第1のプレート10および第2のプレート20と共に試料90を本質的に制限する。ある特定の実施形態では、密閉スペーサ(ウェル)は、間隔機構40としても機能する。そのような実施形態では、密閉スペーサは、試料90の横方向の境界を密封するとともに、試料層の厚さを調整する。
いくつかの実施形態では、コントローラ204は、所定のプログラムに従って、試料90を伴うアッセイおよび/または反応を容易にするために、試料の温度を調節するように構成されている。いくつかの実施形態では、アッセイおよび/または反応はPCRである。ある特定の実施形態では、コントローラ204は、加熱源206からの電磁波の存在、強度、および/または周波数を制御するように構成されている。
図5に示されるように、いくつかの実施形態では、熱制御ユニット200は、温度計206を備える。いくつかの実施形態では、温度計206は、試料90の温度を制御/監視/調節する監視および/またはフィードバック機構を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、温度計206は、試料接触領域またはその近傍の温度を測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、温度計206は、試料90の温度を直接測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、温度計206は、光ファイバ温度計、赤外線温度計、流体結晶温度計、高温計、水晶温度計、シリコンバンドギャップ温度センサ、温度ストリップ、サーミスタ、および熱電対からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、温度計206は赤外線温度計である。
いくつかの実施形態では、温度計206は、信号をコントローラ204に送信するように構成されている。そのような信号は、コントローラ204が対応する変化を行うように、試料90の温度に関する情報を含む。例えば、PCR中、変性ステップに関して、目標温度は95℃に設定され、測定後、温度計は、試料90の測定温度が実際には94.8℃であることを示す信号をコントローラ204に送信し、したがって、コントローラ204は、電磁波を発射する加熱源202の出力を変更するか、または既存の電磁波の特定のパラメータ(例えば、強度もしくは周波数)を調節し、これにより、試料90の温度は、95℃に上昇する。このような測定−信号伝達−調節ループは、任意の反応/アッセイにおいて任意のステップに適用される。
図5に示されるように、熱制御ユニット200は、加熱源202からの電磁波を、より小さい直径からより大きい直径に拡大するように構成されたビームエキスパンダ208を備える。いくつかの実施形態では、加熱源202から発射される電磁波は、試料接触領域全体を被覆するのに十分である。しかしながら、いくつかの実施形態では、加熱源202から発射される電磁波の被覆領域を拡大して、拡大された電磁波210をもたらし、試料接触領域(複数可)全体に熱源を提供する必要がある。ビームエキスパンダ208は、米国特許第4,545,677号、同第4,214,813号、同第4,127,828号、および同第4,016,504号、ならびに米国特許公開第2008/0297912号および同第2010/0214659号(すべての目的のために、それらの全体が参照により組み込まれる)に記載されるビームエキスパンダを含むがこれらに限定されない任意の既知の技術を用いる。
図11および12は、システムの追加の実施形態を提供する。図11は、本発明の例示的な実施形態の断面図を示し、試料の温度を急速に変化させるためのシステムを示す。図11は、一実施形態による加熱源の詳細な要素を示す。
図11および図12に示されるように、いくつかの実施形態では、システムは、試料ホルダーと加熱源とを備える。いくつかの実施形態では、試料ホルダーは、本明細書に記載されるように、第1のプレート、第2のプレート、および/または加熱層を備える。加熱源は、試料に到達し、試料の温度を上昇させる熱に変換され得る電磁波を放出する。いくつかの実施形態では、変換は、加熱層によって実行される。特定の加熱層がない場合、変換は、試料ホルダーの他の部分によって実行される。
図11および図12に示されるように、いくつかの実施形態では、システムは、試料ホルダーを閉じ込めるチャンバを備える。いくつかの実施形態では、チャンバは、図1のヒートシンクの一例である。いくつかの実施形態では、チャンバは、試料の撮像を可能にするように構成された光学開口部を備える。いくつかの実施形態では、チャンバは、加熱源から加熱層への電磁波の通過を可能にするように構成された放射開口部を備える。ある特定の実施形態では、電磁波の通過を可能にするために、窓が放射開口部に位置付けられる。ある特定の実施形態では、フィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)が光学開口部に位置付けられて、試料ホルダー内の試料の撮像を可能にする。
いくつかの実施形態では、チャンバは、試料および/または加熱源から熱を吸収するために使用される。いくつかの実施形態では、チャンバは、金属ケースを備える。いくつかの実施形態では、チャンバは、外層を備える。ある特定の実施形態では、外層は、黒色である。いくつかの実施形態では、外層は、黒色金属から作られる。いくつかの実施形態では、チャンバは、内層を備える。いくつかの実施形態では、内層は、非反射性材料から作られる。ある特定の実施形態では、内層は、黒色である。いくつかの実施形態では、内層は、黒色金属から作られる。
図11および図12に示されるように、いくつかの実施形態では、システムは、試料ホルダー内の流体試料の画像を取り込むように構成された光学センサを備える。いくつかの実施形態では、システムは、光源をさらに備え、これは、場合によっては光学センサと統合され得、場合によっては別々であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、試料に到達することができる励起光を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、試料は、画像が撮影されるように、光学センサによって捕捉され得る信号光を提供することができる。
図11に示されるように、いくつかの実施形態では、加熱源は、LEDまたはレーザーダイオードを備える。ある特定の実施形態では、加熱源は、光をLED/レーザーダイオードから試料ホルダーに方向付けるファイバカプラーおよびファイバをさらに備える。
図12は、本発明の例示的な実施形態の断面図を示し、試料の温度を急速に変化させるためのシステムを示す。図12は、一実施形態による加熱源の詳細な要素を示す。図12に示されるように、いくつかの実施形態では、加熱源は、LEDまたはレーザーダイオードを備える。ある特定の実施形態では、加熱源は、加熱源から試料ホルダー内の試料に電磁波を集束させる1つ以上の集束レンズをさらに備える。
いくつかの実施形態では、電磁波の波長は、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1μm、10μm、25μm、50μm、75μm、もしくは100μm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である。いくつかの実施形態では、電磁波の波長は、100nm〜300nm、400nm〜700nm(可視範囲)、700nm〜1000nm(IR範囲)、1μm〜10μm、10μm〜100μm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である。
生化学およびアッセイ
本発明のサーマルサイクラーシステムおよび関連する方法は、化学的、生物学的、または医学的アッセイまたは反応を容易にするために使用され得る。いくつかの実施形態では、反応は温度変化を必要とする。いくつかの実施形態では、反応は、非特異的反応を回避し、かつ/または待機時間を短縮するために、急速な温度変化を必要とするか、またはそれを好む。ある特定の実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、流体試料中のヌクレオチドの増幅のために周期的な温度変化を必要とする反応を容易にするために使用され、そのような反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が挙げられるが、これに限定されない。以下の説明では、本発明のサーマルサイクラーシステムおよび方法の能力および利用を図示するためにPCRを例として使用する。しかしながら、本明細書で説明するデバイス、システム、および方法のいくつかの実施形態は、温度制御および変化を必要とする他のアッセイおよび/または反応にも適用されることに留意するべきである。
いくつかの実施形態では、アッセイ(例えば、PCR)は、未処理試料を用いて実行され得る。例えば、PCR反応の鋳型は、追加の処理を伴わずに、対象から直接得られた試料によって提供され得る。いくつかの実施形態では、試料は、個体からの全血であってもよい。いくつかの実施形態では、そのような「一段階」アプローチにより、本明細書に記載のデバイスのより便利な使用が可能になる。
いくつかの実施形態では、試料90は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用の予混合された反応媒体である。例えば、ある特定の実施形態では、反応媒体は、DNA鋳型、2種のプライマー、DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K)、および緩衝液などの成分を含むが、これらに限定されない。特定の成分、各成分の濃度、および全体の体積は、反応の合理的な設計によって異なる。
いくつかの実施形態では、PCRアッセイは、以下のステップ間で試料温度のいくつかの変化/変更を必要とする:(i)試料を92〜98℃に加熱することを必要とする任意選択の初期化ステップ、(2)試料を92〜98℃に加熱することを必要とする変性ステップ、(3)試料温度を50〜65℃に下げることを必要とするアニーリングステップ、(4)試料を75〜80℃に加熱することを必要とする延伸(または伸長)ステップ、(5)ステップ(2)〜(4)を約20〜40回繰り返すこと、ならびに(6)アッセイの完了、および試料の温度を周囲温度(例えば、室温)に下げるかまたは約4℃に冷却すること。各ステップの具体的な温度および具体的な期間は様々であり、標的配列の長さ、プライマーの長さ、カチオン濃度、および/またはGCの割合を含むがこれらに限定されない、いくつかの要因に依存する。
本発明のサーマルサイクラーシステムは、PCRアッセイのための急速な温度変化を提供する。例えば、図3のパネル(A)および(B)ならびに図4のパネル(B)を参照すると、いくつかの実施形態では、試料90(例えば、予混合された反応媒体)は、開放構成におけるプレート10および20のうちの一方または両方に添加され、プレートは、閉鎖構成に切り替えられて、試料90を圧縮して、間隔機構(図示せず)によって調整される厚さ102を有する薄層にし、加熱源202は、電磁波210を第1のプレート10へ(例えば、具体的には加熱層112へ)発射し、加熱層112は、電磁波210を吸収し、かつ前述の電磁波210の少なくとも実質的な部分を熱に変換するように構成されており、これは試料の温度を高め、電磁波210の除去は試料90の温度の低下をもたらす。
いくつかの実施形態では、電磁波210を加熱層112へ発射するか、または電磁波の強度を増加させることによって、サーマルサイクラーシステムは、初期化ステップ、変性ステップ、および/または延伸/伸長ステップのうちのいずれかまたは全てに対して急速な加熱を提供し(温度を高め)、いくつかの実施形態では、加熱源202から発射される電磁波の除去または電磁波の強度の減少により、アニーリングステップおよび/または最終冷却ステップへの冷却が急速に達成される。いくつかの実施形態では、電磁波210または電磁波210の強度の増加は、少なくとも50℃/秒、45℃/秒、40℃/秒、35℃/秒、30℃/秒、25℃/秒、20℃/秒、18℃/秒、16℃/秒、14℃/秒、12℃/秒、10℃/秒、9℃/秒、8℃/秒、7℃/秒、6℃/秒、5℃/秒、4℃/秒、3℃/秒、もしくは2℃/秒、またはこれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の昇温傾斜速度を生み出す。ある特定の実施形態では、PCRアッセイにおける平均昇温傾斜速度は、10℃/秒以上である。いくつかの実施形態では、電磁波210の除去または電磁波210の強度の低減は、少なくとも50℃/秒、45℃/秒、40℃/秒、35℃/秒、30℃/秒、25℃/秒、20℃/秒、18℃/秒、16℃/秒、14℃/秒、12℃/秒、10℃/秒、9℃/秒、8℃/秒、7℃/秒、6℃/秒、5℃/秒、4℃/秒、3℃/秒、もしくは2℃/秒、またはこれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の降温傾斜速度をもたらす。ある特定の実施形態では、PCRアッセイにおける平均降温傾斜速度は、5℃/秒以上である。本明細書で使用される「傾斜速度」という用語は、2つの予め設定された温度間の温度変化の速度を指す。いくつかの実施形態では、各ステップへの平均昇温または降温は異なる。
PCR中、目標温度に達した後の任意のステップ内で、試料を一定期間の間、目標温度に維持する必要がある。本発明のサーマルサイクラーシステムは、(1)電磁波210の強度を調節し、温度が目標まで上昇した場合は下げるか、もしくは温度が目標まで低下した場合は増加させることによって、かつ/または(2)試料に提供される熱と試料から除去される熱とのバランスを取ることによって目標温度を維持することにより、温度維持機能を提供する。
図7は、QMAXカードデバイスを使用した核酸増幅のための例示的な手順の断面図を示す。ステップの例には、(A)核酸を含有する試料を第1のプレート(基板)の内面上に導入すること、(B)第2のプレート(QMAXカード)を第1のプレートの内表面へ押圧して、デバイスの閉鎖構成を形成することであって、ここで核酸増幅に必要な試薬が第2のプレートの内表面上で乾燥している、こと、(c)第1および第2のプレートによって封入されたチャンバ内で核酸増幅産物を蓄積することが含まれる。
図7は、QMAXカードデバイスを使用した核酸増幅のための例示的な手順の断面図を示す。
試料は、必要に応じて、第1のプレートもしくは第2のプレートのいずれか、またはその両方にも、導入することができる。本明細書の図7は、試料を第1のプレートの内表面上に導入する一例を提供する。
より詳細には、ステップ(b)において、第2のプレートを、試料と接触している第1のプレートの内表面へ押圧し、デバイスの閉鎖構成を形成する。本明細書で使用される「第2のプレート」とは、試料に接触する内表面上に周期的なスペーサを備えたQMAXカードを指す。
より具体的には、ステップ(c)において、デバイスが閉鎖構成にあるとき、加熱源は、第1のプレートもしくは第2のプレートまたは両方の内表面または外表面上の加熱層へ電磁波を発射する。加熱層は、電磁波を吸収し、かつ前述の電磁波からのエネルギーの少なくとも実質的な部分を熱の形態に変換するように構成されており、その熱が閉鎖したチャンバ内の試料に伝達される。いくつかの実施形態では、加熱源は、周囲温度から98℃までの範囲で前述の試料の温度を調節するようにプログラムされている。いくつかの実施形態では、例えば、従来のPCRの場合、試料は最初に98℃に加熱され、その後、94℃、50〜65℃、および72℃の繰り返しサイクルを15〜40回受ける。いくつかの実施形態では、例えば、等温増幅の場合、試料の温度は一定の温度に維持される。いくつかの実施形態では、例えば、LAMPにより等温増幅を実行する場合、試料は、約1〜70分間、60〜65℃に加熱される。
図8は、QMAXカードデバイスを使用した核酸抽出および増幅を組み合わせた例示的なアッセイ手順の断面図を示す。ステップの例には、(a)捕捉プローブを第1のプレート(基板)の内表面上に固定化すること、(b)試料を第1のプレートの内表面上に導入すること、(c)第2のプレート(QMAXカード1)を第1のプレートの内表面へ押圧し、デバイスの閉鎖構成を形成することであって、ここで核酸の遊離および捕捉を容易にするために必要な試薬1が第2のプレートの内表面上で乾燥している、こと、(d)第1のプレートの内表面上で上記試料からの核酸を捕捉すること、(e)第2のプレートを取り外し、スポンジを使用して第1のプレートの内表面を洗浄すること、(f)第3のプレート(QMAXカード2)を第1のプレートの内表面へ押圧することであって、ここで核酸増幅に必要な試薬2が第3のプレートの内表面上で乾燥している、こと、(g)第1および第3のプレートにより封入されたチャンバ内で核酸増幅産物を蓄積することが含まれる。
より詳細には、ステップ(a)において、捕捉プローブは第1のプレートの内表面上に固定化される。本明細書で使用される「捕捉プローブ」とは、1〜200bp、好ましくは5〜50bp、より好ましくは10〜20bpの長さを有するオリゴヌクレオチドを指す。捕捉プローブは、試料中の目的の核酸配列に相補的な配列を有する。いくつかの実施形態では、同一の捕捉プローブが第1のプレートの表面上に固定化される。いくつかの他の実施形態では、異なる塩基対組成を有する異なる捕捉プローブが、第1のプレートの表面上に固定化される。捕捉プローブは、DNA、またはRNA、またはその両方であり得るが、一本鎖DNAであることが好ましい。本明細書で使用される「固定化する」とは、プレート表面上に捕捉プローブを固着するプロセスを指す。いくつかの実施形態では、捕捉プローブは共有結合を介して固着され、例えば、プレート表面上のコーティングを容易にするために、捕捉プローブの5’または3’末端のいずれかが修飾される。一般的に使用される3’末端修飾としては、チオール、ジチオール、アミン、ビオチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの他の実施形態では、捕捉プローブは、基板表面上に受動的に吸収され得る。
捕捉プローブを用いて固定化した後、プレート表面をブロッカー溶液で遮断する。適切なブロッカーには、6−メルカプトヘキサノール、ウシ血清アルブミンなどが含まれるが、これらに限定されない。
図8のステップ(b)に示されるように、「試料」は、全血、血漿、血清、尿、唾液、および汗などのヒト体液、ならびに細胞培養物(哺乳類、植物、細菌、真菌)が挙げられるがこれらに限定されない試料を含有するか、または含有しない任意の核酸であってもよい。試料は、新たに取得するか、または任意の所望の方法もしくは便利な方法で、例えば、希釈により、あるいは緩衝液もしくは他の溶液もしくは溶媒を加えることにより、保管もしくは処理され得る。試料には、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、およびウイルス粒子などの細胞構造が存在し得る。
試料は、必要に応じて、第1のプレートもしくは第2のプレートのいずれか、またはその両方にも、導入することができる。本明細書の図8は、試料を第1のプレートの内表面上に導入する一例を提供する。
より詳細には、ステップ(c)において、第2のプレート(QMAXカード1)を、試料と接触している第1のプレート(基板)の内表面へ押圧し、デバイスの閉鎖構成を形成する。核酸増幅に必要な試薬1は、第1もしくは第2のプレートまたはその両方の内表面上の乾燥形態、または例えばパラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、もしくはそれで包まれた液体形態のいずれかであり得る。
より詳細には、ステップ(d)において、上記の試料と接触した後、乾燥させた必要な試薬1が試料に溶解する。破壊された細胞構造から遊離した、または無細胞核酸として存在する、またはそれらの組み合わせのいずれかの目的の核酸は、プレート表面上の相補的な捕捉プローブにハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションに使用される時間は、主にQMAXカード1の内表面上のスペーサの仕様によって異なる。いくつかの実施形態では、例えば、高さが30μmのスペーサを有するQMAXカード1が使用される場合、実験データは、2分後に、目的の核酸と固定化された捕捉プローブとの間のハイブリダイゼーションが平衡に達したことを示した。本明細書の図8(d)で使用される場合、「ハイブリダイズされていない核酸」とは、固定化された捕捉プローブによって捕捉されていない核酸を指す。
より具体的には、図8のステップ(e)において、第2のプレート(QMAXカード1)が第1のプレート(基板)から取り外され、第1のプレート(基板)の表面がスポンジを使用して洗浄される。本明細書で使用される「スポンジ」とは、異なる圧力下で孔径を変化させる柔軟な多孔質材料の種類を指す。洗浄緩衝液を含むスポンジは、汚染物質を除去するために、第1のプレート表面と接触する。いくつかの実施形態では、スポンジは、第1のプレート表面と1回接触する。いくつかの他の実施形態では、スポンジは、第1のプレート表面と2回または3回以上接触する。本明細書で使用される「汚染物質」とは、核酸増幅反応に弊害をもたらす細胞片、タンパク質、非特異的核酸などを含むがこれらに限定されない化合物を指す。
より具体的には、図8のステップ(f)において、第3のプレート(QMAXカード2)は、試料と接触して第1のプレートの内表面へ押圧されて、デバイスの閉鎖構成を形成する。核酸増幅に必要な試薬2は、第1もしくは第3のプレートまたはその両方の内表面上の乾燥形態、または例えばパラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、もしくはそれで包まれた液体形態のいずれかであり得る。
より具体的には、図8のステップ(g)において、デバイスが閉鎖構成にあるとき、加熱源は、第1のプレートもしくは第3のプレートまたは両方の内表面または外表面上の加熱層へ電磁波を発射する。加熱層は、電磁波を吸収し、かつ前述の電磁波からのエネルギーの少なくとも実質的な部分を熱の形態に変換するように構成されており、その熱が閉鎖したチャンバ内の試料に伝達される。いくつかの実施形態では、加熱源は、周囲温度から98℃までの範囲で前述の試料の温度を調節するようにプログラムされている。いくつかの実施形態では、例えば、従来のPCRの場合、試料は最初に98℃に加熱され、その後、94℃、50〜65℃、および72℃の繰り返しサイクルを15〜40回受ける。いくつかの実施形態では、例えば、等温増幅の場合、試料の温度は一定の温度に維持される。いくつかの実施形態では、例えば、LAMPにより等温増幅を実行する場合、試料は、約1〜70分間60〜65℃に加熱される。
QMAXのいくつかの実施形態では、プレートの一方または両方の試料接触領域は、COF後にどれだけのフローが発生したかをモニタリングするように構成された圧縮オープンフローモニタリング表面構造(MSS)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、MSSは、試料中の成分(例えば、血液中の血球)に摩擦を引き起こす浅い正方形のアレイを含む。試料のいくつかの成分の分布を確認することにより、COF下での試料およびその成分のフローに関連する情報を取得することができる。
MSSの深さは、スペーサの高さの1/1000、1/100、1/100、1/5、1/2またはいずれかの2つの値の範囲内であり、突起またはウェル形態のいずれかであり得る。
多重化
図6は、本発明の別の実施形態の斜視図を示し、プレート上に複数の試料接触領域があり、これにより複数の試料の処理および分析が可能になる。図3のパネル(A)および(B)に示されるように、本発明のサーマルサイクラーシステムは、試料ホルダー100と熱制御ユニット200とを備え、試料ホルダー100は、第1のプレート10と、複数の第2のプレート20と、複数の間隔機構(図示せず)とを備え、熱制御ユニット200は、加熱源202とコントローラ204とを備える。
図6のパネル(A)を参照すると、プレートのうちの一方または両方(例えば、第1のプレート10)は、複数の試料接触領域(印は付けられていない)を備える。いくつかの実施形態では、プレートのうちの一方または両方(例えば、第1のプレート10)は、複数の加熱層112を備える。図4のパネル(A)は、開放構成にある試料ホルダー100を示し、この構成では、第1のプレート10および第2のプレート20は、部分的または全体的に分離されており、プレートのうちの一方または両方の上の1つ以上の試料の付着を可能にする。開放構成では、第1のプレート10と第2のプレート20との間の間隔は間隔機構によって調整されない。
図6のパネル(B)は、閉鎖構成にある試料ホルダー100を示し、この構成では、2つのプレートの内表面は、互いに向かい合い、2つのプレート間の間隔102は、間隔機構(図示せず)によって調整される。1つ以上の試料をプレート上に付着させた場合、プレートは各試料を圧縮して層にするように構成され、層の厚さは間隔機構によって調整される。
図6のパネル(B)に示されるように、複数の第2のプレート20は、第1のプレート10の一部を被覆するために使用される。例えば、各第2のプレート20は、試料が付着した単一の試料接触領域を覆う。各試料接触領域に対して間隔機構が存在し、間隔機構は異なる高さを有し、各試料接触領域および各試料層の異なる厚さに対して異なる間隔102をもたらす。例えば、間隔機構は柱状のスペーサである。各試料接触領域は、均一な高さを有するスペーサのセットを有する。異なるスペーサのセットは同じまたは異なる高さを有し、異なる試料に対して同じまたは異なる試料層の厚さをもたらす。
図6のパネル(A)および(B)を参照すると、いくつかの実施形態では、コントローラ204は、電磁波210を第1のプレート10(したがって加熱層112)へ発射するように加熱源202を誘導し、電磁波210は、加熱層112によって吸収され、熱に変換され、試料の温度の変化をもたらす。いくつかの実施形態では、複数の試料接触領域がある場合、複数の試料が処理および分析される。例えば、ある特定の実施形態では、試料の各々は、異なる成分を有する予め混合されたPCR反応媒体である。同じヌクレオチドを増幅するための、および/または同じもしくは異なる条件で異なるヌクレオチドを増幅するための異なる条件を試験するために、1つの試料ホルダー100が使用される。
例示的な実施形態
A1.薄い流体試料層の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱層とを備え、
i.加熱層が、プレートのうちの一方の上にあり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
iii.プレートが、試料の温度を急速に変化させるための構成を有し、
a.試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
b.接触領域間の平均間隔が200ミクロン以下であり、
c.2つのプレートが、試料の少なくとも一部を、非常に均一な厚さでかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう調整(または制限)し、
d.加熱層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
e.試料の少なくとも一部および加熱層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、デバイス。
A2.加熱層が、ディスク結合ドットオンピラーアンテナ(disk−coupled dots−on−pillar antenna)(D2PA)アレイ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、裏材料、超格子、または他のプラズモン材料、その他それらの組み合わせを含む、実施形態A1に記載のデバイス。
A3.加熱層が、カーボンもしくはブラックナノ構造またはそれらの組み合わせを含む、実施形態A1に記載のデバイス。
A4.加熱層が、放射線エネルギーを吸収するように構成されている、実施形態A1〜A3のいずれかに記載のデバイス。
A5.加熱層が、放射線エネルギーを吸収した後、熱の形態でエネルギーを放射するように構成されている、実施形態A1〜A4のいずれかに記載のデバイス。
A6.加熱層が、試料層の下に、かつ試料層と直接接触して位置付けられている、実施形態A1〜A5のいずれかに記載のデバイス。
A7.加熱層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、実施形態A1〜A6のいずれかに記載のデバイス。
A8.プレートのうちの少なくとも1つが、加熱層が吸収する放射線を遮断しない、実施形態A1〜A7のいずれかに記載のデバイス。
A9.プレートのうちの一方または両方が、低い熱伝導率を有する、実施形態A1〜A8のいずれかに記載のデバイス。
A10.試料層の均一な厚さが、プレートのうちの一方または両方に固定された1つ以上のスペーサによって調整される、実施形態A1〜A9のいずれかに記載のデバイス。
A11.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、実施形態A1〜A10のいずれかに記載のデバイス。
A12.デバイスが、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするように構成されている、実施形態A11に記載のデバイス。
A13.デバイスが、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するように構成されている、実施形態A1〜A12のいずれかに記載のデバイス。
A14.デバイスが、DNA増幅、DNA定量化、選択的DNA単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するように構成されている、実施形態A1〜A13のいずれかに記載のデバイス。
A15.試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、実施形態A1〜A14のいずれかに記載のデバイス。
B1.薄い流体試料層の温度を急速に変化させるためのシステムであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱層と、加熱源とを備え、
i.加熱層が、プレートのうちの一方の上にあり、
ii.加熱源が、加熱層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成されており、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
iv.プレートが、試料の温度を急速に変化させるための構成を有し、
a.試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
b.接触領域間の平均間隔が200μm以下であり、
c.2つのプレートが、試料の少なくとも一部を、非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限し、
d.加熱層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
e.試料の少なくとも一部および加熱層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、システム。
B2.加熱層が、ディスク結合ドットオンピラーアンテナ(D2PA)アレイ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、超格子、または他のプラズモン材料、その他それらの組み合わせを含む、実施形態B1に記載のシステム。
B3.加熱層が、カーボンもしくはブラックナノ構造またはそれらの組み合わせを含む、実施形態B1に記載のシステム。
B4.加熱層が、加熱源からの電磁波の放射エネルギーの少なくとも80%を吸収するように構成されている、実施形態B1〜B3のいずれかに記載のシステム。
B5.加熱層が、放射線エネルギーを吸収した後、熱の形態でエネルギーを放射するように構成されている、実施形態B1〜B4のいずれかに記載のシステム。
B6.加熱層が、試料層の下に、かつ試料層と直接接触して位置付けられている、実施形態B1〜B5のいずれかに記載のシステム。
B7.加熱層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、実施形態B1〜B6のいずれかに記載のシステム。
B8.プレートのうちの少なくとも1つが、加熱源からの放射線を遮断しない、実施形態B1〜B7のいずれかに記載のシステム。
B9.プレートのうちの一方または両方が、低い熱伝導率を有する、実施形態B1〜B8のいずれかに記載のシステム。
B10.試料層の均一な厚さが、プレートのうちの一方または両方に固定された1つ以上のスペーサによって調整される、実施形態B1〜B9のいずれかに記載のシステム。
B11.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、実施形態B1〜B10のいずれかに記載のシステム。
B12.システムが、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするように構成されている、実施形態B11に記載のシステム。
B13.システムが、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するように構成されている、実施形態B1〜B12のいずれかに記載のシステム。
B14.システムが、DNB増幅、DNB定量化、選択的DNB単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するように構成されている、実施形態B1〜B15のいずれかに記載のシステム。
B15.試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、実施形態B1〜B14のいずれかに記載のシステム。
B16.電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、実施形態B1〜B15のいずれかに記載のシステム。
B17.試料接触領域またはその近傍の温度を測定し、測定された温度に基づいてコントローラに信号を送信するように構成された温度計をさらに備える、実施形態B1〜B16のいずれかに記載のシステム。
B18.温度計が、光ファイバ温度計、赤外線温度計、液晶温度計、高温計、水晶温度計、シリコンバンドギャップ温度センサ、温度ストリップ、サーミスタ、および熱電対からなる群から選択される、実施形態B17に記載のシステム。
C1.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、薄い流体PCR試料層の温度を急速に変化させることにより容易にするためのシステムであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱層と、加熱源と、コントローラとを備え、
i.加熱層が、プレートのうちの一方の上にあり、
ii.加熱源が、加熱層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成されており、
iii.プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、予め混合されたPCR媒体である流体PCR試料と接触するための試料接触領域を備え、
iv.コントローラが、加熱源を制御し、所定のプログラムに従って試料の温度を急速に変化させるように構成されており、
v.プレートが、試料の温度を急速に変化させるための構成を有し、
(a)試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
(b)接触領域間の平均間隔が200μm以下であり、
(c)2つのプレートが、試料の少なくとも一部を、非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限し、
(d)加熱層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
(e)試料の少なくとも一部および加熱層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、システム。
C2.コントローラが、加熱源からの電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されている、実施形態C1に記載のシステム。
C3.加熱源および加熱層が、電磁波が少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生じさせ、電磁波の除去が少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜をもたらすように構成されている、実施形態C1またはC2に記載のシステム。
C4.加熱源および加熱層が、少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜および少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、実施形態C1〜C2のいずれかに記載のシステム。
C5.加熱源および加熱層が、PCR中に初期化ステップ、変性ステップ、および/または延伸/伸長ステップに到達するために少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生み出し、ならびにPCR中にアニーリングステップおよび/または最終冷却ステップに到達するために少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、実施形態C1〜C2のいずれかに記載のシステム。
C6.PCR試料が、鋳型DNA、プライマーDNA、カチオン、ポリメラーゼ、および緩衝剤を含む、実施形態C1〜C5のいずれかに記載のシステム。
D1.薄い流体試料層の温度を急速に変化させるための方法であって、
i.第1のプレートおよび第2のプレートを提供することであって、プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、試料接触領域を備える、提供することと、
ii.加熱層および加熱源を提供することであって、加熱層が、プレートのうちの一方の上にあり、加熱源が、加熱層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成されている、提供することと、
iii.プレートの一方または両方の上に流体試料を付着させることと、
iv.プレートを閉鎖構成になるように押圧することであって、
(a)試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
(b)接触領域間の平均間隔が200μm以下であり、
(c)2つのプレートが、試料の少なくとも一部を、非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限し、
(d)加熱層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
(e)試料の少なくとも一部および加熱層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、押圧することと、
v.加熱源からの電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を変化させることによって、試料層の温度を変化させ維持することとを含む、方法。
D2.プレートを閉鎖形態になるように押圧するステップが、プレートを厳密でない押圧力で押圧することを含む、実施形態D1に記載の方法。
D3.プレートを閉鎖形態になるように押圧するステップが、プレートを人間の手で直接押圧することを含む、実施形態D1またはD2に記載の方法。
D4.非常に均一な厚さの層が、10%未満の厚さの変動を有する、実施形態D1〜D3のいずれかに記載の方法。
D5.加熱層が、ディスク結合ドットオンピラーアンテナ(D2PA)アレイ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、超格子、または他のプラズモン材料、その他それらの組み合わせを含む、実施形態D1〜D4のいずれかに記載の方法。
D6.加熱層が、カーボンもしくはブラックナノ構造またはそれらの組み合わせを含む、実施形態D1〜D5のいずれかに記載の方法。
D7.加熱層が、加熱源からの電磁波の放射エネルギーの少なくとも80%を吸収するように構成されている、実施形態D1〜D6のいずれかに記載の方法。
D8.加熱層が、放射線エネルギーを吸収した後、熱の形態でエネルギーを放射するように構成されている、実施形態D1〜D7のいずれかに記載の方法。
D9.加熱層が、試料層の下に、かつ試料層と直接接触して位置付けられている、実施形態D1〜D8のいずれかに記載の方法。
D10.加熱層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、実施形態D1〜D9のいずれかに記載の方法。
D11.プレートのうちの少なくとも1つが、加熱源からの放射線を遮断しない、実施形態D1〜D10のいずれかに記載の方法。
D12.プレートのうちの一方または両方が、低い熱伝導率を有する、実施形態D1〜D11のいずれかに記載の方法。
D13.試料層の均一な厚さが、プレートのうちの一方または両方に固定された1つ以上のスペーサによって調整される、実施形態D1〜D12のいずれかに記載の方法。
D14.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、実施形態D1〜D13のいずれかに記載の方法。
D15.方法が、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするために使用される、実施形態D14に記載の方法。
D16.方法が、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するために使用される、実施形態D1〜D15のいずれかに記載の方法。
D17.方法が、DNB増幅、DNB定量化、選択的DNB単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するために使用される、実施形態D1〜D16のいずれかに記載の方法。
D18.試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、実施形態D1〜D17のいずれかに記載の方法。
D19.加熱源が、電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されたコントローラによって制御される、実施形態D1〜D18のいずれかに記載の方法。
D20.コントローラが、温度計から信号を受信するように構成されており、温度計が、試料接触領域またはその近傍の温度を測定し、測定された温度に基づいてコントローラに信号を送信するように構成されている、実施形態D1〜D19のいずれかに記載の方法。
D21.温度計が、光ファイバ温度計、赤外線温度計、液晶温度計、高温計、水晶温度計、シリコンバンドギャップ温度センサ、温度ストリップ、サーミスタ、および熱電対からなる群から選択される、実施形態D20に記載の方法。
E1.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、流体PCR試料の温度を急速に変化させることにより容易にするための方法であって、
i.第1のプレートおよび第2のプレートを提供することであって、プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、試料接触領域を備える、提供することと、
ii.加熱層、加熱源、およびコントローラを提供することであって、加熱層が、プレートのうちの一方の上にあり、加熱源が、加熱層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成されている、提供することと、
iii.プレートの一方または両方の上に流体PCR試料を付着させることと、
iv.プレートを閉鎖構成になるように押圧することであって、
(a)試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
(b)接触領域間の平均間隔が200μm以下であり、
(c)2つのプレートが、PCR試料の少なくとも一部を、非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限し、
(d)加熱層が、均一な厚さのPCR試料の少なくとも一部の近くにあり、
(e)試料の少なくとも一部および加熱層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、押圧することと、
v.所定のプログラムに従ってPCR試料層の温度を変化させ維持することによってPCRを実行するために、コントローラを使用して加熱源を制御することであって、温度を変化させるとき、加熱源が、PCR中に少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜および少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出す、制御することとを含む、方法。
E2.PCR試料層の温度を変化させ維持することが、加熱源からの電磁波の強度、波長、周波数、および/または角度を調節することによって達成される、実施形態E1に記載の方法。
E3.加熱源および加熱層が、PCR中に初期化ステップ、変性ステップ、および/または延伸/伸長ステップに到達するために少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生み出し、ならびにPCR中にアニーリングステップおよび/または最終冷却ステップに到達するために少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、実施形態E1〜E2のいずれかに記載のシステム。
E4.PCR試料が、鋳型DNA、プライマーDNA、カチオン、ポリメラーゼ、および緩衝剤を含む、実施形態E1〜E3のいずれかに記載の方法。
NN1 薄い流体試料層の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートとを備え、
i.プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
ii.プレートが、試料の温度を急速に変化させるための構成を有し、
a.試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
b.接触領域間の平均間隔が200ミクロン以下であり、
c.2つのプレートが、試料の少なくとも一部を、非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう調整(または制限)し、
d.加熱層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
e.試料の少なくとも一部および加熱層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、デバイス。
追加の例示的な実施形態
1.試料温度を急速に変化させるためのデバイス
AA1 流体試料温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱層とを備え、
iv.プレートが、異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
v.プレートの各々が、そのそれぞれの内表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、
vi.加熱層が、流体試料を加熱するように構成されており、
加熱層は、(a)プレートのうちの一方の上(内表面もしくは外表面のいずれかの上)またはプレートのうちの一方の内側にあり、(b)加熱源によって加熱することが可能であり、加熱源は、光学的に、電気的に、無線周波数(RF)放射によって、またはそれらの組み合わせによって、加熱層に熱エネルギーを送達し、
加熱層の加熱領域の少なくとも一部が、試料領域と重なり合い、
構成のうちの1つが、2つのプレートが部分的または完全に分離されており、プレート間の平均間隔が少なくとも300μmである、開放構成であり、
構成のうちの別の構成が、開放構成において流体試料を試料接触領域のうちの一方または両方の上に付着させた後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって圧縮されて層になり、平均試料厚さが200μm以下である、デバイス。
AA2.1 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱層とを備え、
iv.試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
v.第1のプレートおよび第2のプレートが、流体試料を、0.1〜200μmの非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限するように構成されており、
vi.加熱層が、(1)1mm未満の厚さを有し、(2)第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの面積よりも実質的に小さい面積を有し、かつ(3)電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されている、デバイス。
AA2.2 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱層とを備え、
i.試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
ii.第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を、0.1〜200μmの非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限するように構成されており、
iii.第1のプレートが、500μm以下の厚さを有し、第2のプレートが、5mm以下の厚さを有し、
iv.加熱層が、1mm未満の厚さおよび100mm未満の面積を有し、電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されている、デバイス。
AA2.3 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱層とを備え、
i.試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
ii.第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を、0.1〜200μmの非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限するように構成されており、
iii.第1のプレートが、500μm以下の厚さを有し、第2のプレートが、5mm以下の厚さを有し、
iv.加熱層が、(1)1mm未満の厚さを有し、(2)第1プレートまたは第2プレートのいずれかの面積よりも実質的に小さい100mm未満の面積を有し、かつ(3)電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されている、デバイス。
AA3 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱層とを備え、
i.試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
ii.第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を、500μm以下の非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限するように構成されており、
iii.第1のプレートが、加熱層と接触しており、1μm以下の厚さを有し、第2のプレートが、加熱層と接触しておらず、5mm以下の厚さを有し、
iv.加熱層が、電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されており、50%以上の吸収係数を有し、3mm未満の厚さを有する、デバイス。
AA4 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱層とを備え、
i.試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
ii.第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を、500μm以下の非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限するように構成されており、
iii.第1のプレートが、加熱層と接触しており、1μm以下の厚さを有し、第2のプレートが、加熱層と接触しておらず、0.1〜2mmの厚さを有し、
iv.加熱層が、電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されており、60%以上の吸収係数を有し、2mm未満の厚さを有する、デバイス。
AA5 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱層とを備え、
i.試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
ii.第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を、500μm以下の非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限するように構成されており、
iii.第1のプレートが、加熱層と接触しており、100μm以下の厚さを有し、第2のプレートが、加熱層と接触しておらず、0.1〜2mmの厚さを有し、
iv.加熱層が、電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されており、70%以上の吸収係数を有し、2mm未満の厚さを有する、デバイス。
AA6.1 加熱層が、プレートのうちの一方の内表面上にある、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.2 加熱層が、プレートのうちの一方の外表面上にある、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.3 加熱層が、プレートのうちの一方の内側にある、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.4 加熱層が、プレートのうちの少なくとも1つと接触している、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.5 加熱層が、プレートのうちのいずれとも接触していない、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.6 プレートが閉鎖構成にあるとき、加熱層が試料と接触している、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA7.加熱層が、単一の材料または複合材料から作られている、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA7.1 加熱層が、高吸収表面を有する半導体または金属材料を含む、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA7.2 加熱層が、シリコン、Ge、InP、GaAs、CdTe、CdS、aSi、金属(Au、Al、Ag、Tiを含む)、炭素被覆Al、黒色塗装Al、炭素(グラフェン、ナノチューブ、ナノワイヤ)、またはそれらの組み合わせを含む、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA7.3 高速加熱導電層がシリコン、Ge、InP、GaAs、CdTe、CdS、aSi、金属(Au、Al、Ag、Tiを含む)、炭素被覆Al、黒色塗装Al、炭素(グラフェン、ナノチューブ、ナノワイヤ)、またはそれらの組み合わせを含む場合に、加熱層が作用している、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA8 試料領域と重なる加熱領域の部分が、試料領域の1%未満、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは99%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA8.1 試料領域と重なる加熱領域の部分が、0.1mm未満、0.5mm、1mm、5mm、10mm、25mm、50mm、75mm、1cm(平方センチメートル)、2cm、3cm、4cm、5cm、10cm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA9.加熱層の吸収係数が、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA9.1.加熱層の吸収係数が、60%超、70%、80%、90%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA9.2.加熱層の吸収係数が、60%を超える、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA10.加熱層が、100nm〜300nm、400nm〜700nm(可視範囲)、700nm〜1000nm(IR範囲)、1μm〜10μm、10μm〜100μm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の吸収波長範囲を有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA11.加熱層が、3mm以下、2mm、1mm、750μm、500μm、250μm、100μm、50μm、25μm、10μm、500nm、200nm、100nm、もしくは50nm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の厚さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA12.加熱層が、0.1mm以下、1mm以下、10mm以下、25mm以下、50mm以下、75mm以下、1cm(平方センチメートル)以下、2cm以下、3cm以下、4cm以下、5cm以下、10cm以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の面積を有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA13.第1のプレートが、500μm以下、200μm、100μm、50μm、25μm、10μm、5μm、2.5μm、1μm、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の厚さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA13.1.第1のプレートが、10〜200μmに等しい厚さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA14.第2のプレートが、5mm以下、4mm、3mm、2mm、1mm、750μm、500μm、250μm、100μm、75μm、50μm、もしくは25μm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の厚さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA14.1.第2のプレートが、10〜1000μmに等しい厚さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA15.試料層が、非常に均一な厚さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA15.1 試料層が、100μm以下、50μm、20μm、10μm、5μm、1μm、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内の厚さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA15.2.試料層が、1〜100μmの厚さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA16.プレートのうちの少なくとも1つの面積が、1mm以下、10mm以下、25mm以下、50mm以下、75mm以下、1cm(平方センチメートル)以下、2cm以下、3cm以下、4cm以下、5cm以下、10cm以下、100cm以下、500cm以下、1000cm以下、5000cm以下、10,000cm以下、10,000cm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内である、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA17.1 プレートのうちの少なくとも1つの面積が、500〜1000mmの範囲内、または約750mmである、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.試料層の厚さを調整するように構成されたスペーサをさらに備える、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.1 スペーサが、プレートのうちの一方または両方のいずれかの上に固定されている、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.2 スペーサが、プレートのうちの一方または両方のいずれかの内表面上に固定されている、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.3 スペーサが、均一な高さを有する、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.4 スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にある、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.5 試料層の厚さが、スペーサの高さと同じである、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA19 一方または両方のプレートが可撓性である、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA20.接触プレートおよび第2のプレートのうちの一方または両方のいずれかに取り付けられた密封構造をさらに備え、密封構造が、デバイス内の液体の蒸発を制限するように構成されている、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA21.第1および第2のプレートのうちの一方または両方のいずれかに取り付けられたクランプ構造をさらに備え、クランプ構造が、デバイスの加熱中にデバイスを保持し、試料層の厚さを調整するように構成されている、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA22 第2のプレートが、試料からの電磁波に対して透過性である、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA23.試料ホルダーおよび加熱層が、熱カプラーによって接続されている、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA24.試料の少なくとも一部および加熱層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA25.加熱層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA26.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA27.料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA28.放射線の面積が、放射線吸収パッドの面積よりも小さく、放射線吸収パッドの面積が、試料液体面積よりも小さく、試料液体の面積が、第1および第2のプレートサイズよりも小さい、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA29.流体試料が、処理済みまたは未処理の体液を含む、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA30.流体試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、血清など)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁、内リンパ液、外リンパ液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾、皮脂(皮膚の油)、精液、唾液、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮液を含む、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。いくつかの実施形態では、試料は、ヒト体液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、細胞、組織、体液、排泄物、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、分画血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ液、外リンパ液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾、皮脂、精液、唾液、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、もしくは呼気凝縮液、またはそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。
AA31.流体試料が、核酸もしくはタンパク質、またはそれらの混合物を含む、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA32.流体試料が、DNAもしくはRNA、またはそれらの混合物を含む、先行するAA実施形態のいずれかに記載のデバイス。
2.加熱源を備えた装置
BB1.流体試料の温度を急速に変化させるための装置であって、
i.AA実施形態のいずれかに記載のデバイスを保持することができるホルダーと、
ii.加熱層にエネルギーを供給するように構成された加熱源と、
iii.加熱源を制御するように構成されたコントローラとを備える、装置。
BB1.1 加熱源は、加熱層が50%以上の吸収係数を有する波長範囲の電磁波を放射するように構成されている、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB2.加熱源が、発光ダイオード(LED)の1つもしくはアレイ、レーザーの1つもしくはアレイ、ランプの1つもしくはアレイ、またはそれらの組み合わせを含む、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB2.1.加熱源が、ハロゲンランプ、反射体付きハロゲンランプ、集束レンズ付きLED、集束レンズ付きレーザー、結合光ファイバ付きハロゲンランプ、結合光ファイバ付きLED、結合光ファイバ付きレーザーを含む、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB3.波長が、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1μm、10μm、25μm、50μm、75μm、もしくは100μm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB3.1.電磁波の波長が、100nm〜300nm、400nm〜700nm(可視範囲)、700nm〜1000nm(IR範囲)、1μm〜10μm、10μm〜100μm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲内である、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB4.試料ホルダーおよび/または加熱源から放射される熱の少なくとも一部を吸収するように構成されたヒートシンクをさらに備える、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB4.1 ヒートシンクが、デバイスを少なくとも部分的に封入するチャンバである、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB4.2.チャンバが、加熱源から加熱層への電磁波の通過を可能にするように構成された下部開口部と、試料の撮像を可能にするように構成された上部開口部とを備える、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB5.試料ホルダーが、光学的に、電気的に、RFによって、またはそれらの組み合わせによって加熱される、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB6.流体試料の温度を急速に変化させるための装置であって、
i.AA実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
ii.試料ホルダーおよび/または加熱源から放射される熱の少なくとも一部を吸収するように構成されたヒートシンクとを備える、装置。
BB7.ヒートシンクが、デバイスを少なくとも部分的に封入するチャンバであり、チャンバが、加熱源から加熱層への電磁波の通過を可能にするように構成された放射開口部と、試料の撮像を可能にするように構成された光学開口部とを備える、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB8.チャンバに取り付けられた冷却部材をさらに備え、冷却部材が、チャンバ内の温度を低下させるように構成されている、先行するBB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB9.冷却部材がファンである、実施形態BB7に記載の装置。
BB10.冷却部材がペルチェクーラーである、実施形態BB7に記載の装置。
BB11.チャンバが、非反射性内面を有する、BB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB11.1 チャンバが、黒色金属でできている内面を有する、BB実施形態のいずれかに記載の装置。
BB12.装置が、チャンバ壁と、吊り下げ式で熱伝導接触している(すなわち最小の熱伝導接触を有する)、BB実施形態のいずれかに記載の装置。
3.試料からの光学信号を観察し、試料温度を急速に変化させるためのシステム
CC1.流体試料の温度を急速に変化させるためのシステムであって、
i.AA実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはBB実施形態のいずれかに記載の装置と、
ii.デバイス上の試料からの信号を検知するように構成された信号センサとを備える、システム。
CC2.信号センサが、流体試料を撮像するように構成された光学センサである、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC2.1 光センサが、光検出器、カメラ、または流体試料の画像を取り込むことが可能なデバイスである、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC3.信号センサが、デバイスからの電気信号を検出するように構成された電気センサである、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC4 信号センサが、デバイスからの機械信号を検出するように構成された機械センサである、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC5 信号センサが、試料中の分析物の量を監視するように構成されている、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC6.信号センサが、チャンバの外側にあり、チャンバ上の光学開口部を通して試料からの光学信号を受信する、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC7.加熱層に結合された熱カプラーをさらに備える、CC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC8.加熱層の温度を監視するサーモスタットをさらに備える、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC9.デバイス内の試料の温度の監視を容易にするように構成された温度監視色素をさらに備える、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC9.1.温度監視色素が液体形態である、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
CC9.2 温度監視色素が、LDS 688、LDS 698、LDS 950、LD 390、LD 423、LD 425、もしくはIR 144、またはそれらの組み合わせを含む、先行するCC実施形態のいずれかに記載のシステム。
4.様々な実施形態
DD1.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、またはシステムであって、
i.プレートの両方のうちの一方の上に固定されたスペーサがあり、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
ii.試料層が、0.1〜200μmの厚さを有し、
iii.第1のプレートが、加熱層と接触しており、500μm以下の厚さを有し、第2のプレートが、加熱層と接触しておらず、5mm以下の厚さを有し、
iv.加熱層が、(1)1mm未満の厚さを有し、(2)第1プレートまたは第2プレートのいずれかの面積よりも実質的に小さい100mm未満の面積を有し、かつ(3)電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されている、デバイス、装置、またはシステム。
DD2.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、またはシステムであって、
i.加熱層が、第1のプレートの内表面上にあり、プレートが閉鎖構成にあるときに試料と接触しており、
ii.加熱層がシリコンで作られており、
iii.試料ホルダーを封入するチャンバがあり、チャンバが、非反射性内面を有する、デバイス、装置、またはシステム。
DD3.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、またはシステムであって、
i.加熱層が50%以上の吸収係数を有する波長範囲の電磁波を放射するように構成された加熱源があり、
ii.加熱源から加熱層への電磁波の通過を可能にするように構成された下部開口部と、試料の撮像を可能にするように構成された上部開口部とを備える、チャンバがあり、
iii.試料ホルダー内の流体試料の画像を取り込むように構成された光学センサがある、デバイス、装置、またはシステム。
5.方法
EE1.流体試料の温度を急速に変化させるための方法であって、
i.CC実施形態に記載のシステムを得ることと、
ii.試料ホルダー内に流体試料を付着させることと、
iii.第1のプレートおよび第2のプレートを押圧して、試料の少なくとも一部を圧縮して均一な厚さの層にすることと、
iv.加熱源からの電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を変化させることによって、試料層の温度を変化させ維持することとを含む、方法。
EE2.試料層の温度を変化させることが、温度を上昇させることまたは温度を低下させることを含む、先行するEE実施形態のいずれかに記載の方法。
EE3.光学センサを用いて試料層を撮像することをさらに含む、先行するEE実施形態のいずれかに記載の方法。
EE4.試料層の温度を監視することと、試料層の温度を変化させ維持するステップを調節することとをさらに含む、先行するEE実施形態のいずれかに記載の方法。
EE5.試料層の温度を変化させ維持するステップが、所定のプログラムに従って実行される、先行するEE実施形態のいずれかに記載の方法。
EE6.方法が、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイを容易にするようにカスタマイズされる、先行するEE実施形態のいずれかに記載の方法。
EE7.試料中の分析物の量をリアルタイムで監視することをさらに含む、先行するEE実施形態のいずれかに記載の方法。
6.試料
FF1.試料が核酸を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.1.試料がDNAを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.2 試料がRNAを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.3 試料が、DNAもしくはRNA分子、またはDNA/RNAハイブリッド、またはDNAおよび/もしくはRNAの混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.4 試料が、ゲノムもしくは染色体DNA、プラスミドDNA、増幅DNA、cDNA、全RNA、mRNA、および小型RNAを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.5 試料が、天然DNAおよび/もしくはRNA分子、または合成DNAおよび/もしくはRNA分子を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.6 試料が無細胞核酸を含み、「無細胞」が、核酸がいかなる細胞構造にも含まれていないことを指す、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.7 試料が、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、および/またはウイルス粒子が挙げられるがこれらに限定されない細胞構造内に含まれる核酸を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.8 試料が、精製された核酸を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF2 試料が、タンパク質および/または脂質を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.試料が、核酸増幅のために構成された試薬を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.1.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.2.試料が、試料中の標的分子を増幅する(その多数のコピーを生成する)ことによって核酸を検出するように構成された試薬を含み、標的分子が、目的の核酸の配列または部分配列を指す、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.3.核酸増幅が、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、デジタルPCRなどの種々のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法、および例えばループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅などの等温増幅方法が挙げられるがこれらに限定されない核酸増幅技術を指す、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.4.試薬が、プライマー、デオキシヌクレオチド(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K+)、緩衝液、酵素、もしくはレポーター、またはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.5.試薬が、第1もしくは第2のプレートまたはその両方の内表面上の乾燥形態、あるいは例えばパラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、またはそれで包まれた液体形態のいずれかである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.6.プライマーが、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの1つ以上の対を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.7.試薬が、DNA依存性ポリメラーゼ、またはRNA依存性DNAポリメラーゼ、またはDNA依存性RNAポリメラーゼを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.8.試薬が、核酸分子に結合するかもしくは核酸分子内に挿入することができる、または増幅プロセスの副産物によって活性化されて核酸分子もしくは増幅プロセスの可視化を可能にすることができる任意のタグ、標識、または色素を指す「レポーター」を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.8.1 レポートとして、蛍光標識もしくはタグもしくは色素、挿入剤、分子ビーコン標識、もしくは生物発光分子、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.試薬が、細胞構造の破壊を容易にするように構成された細胞溶解試薬を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.1.細胞溶解試薬として、塩、洗剤、酵素、および他の添加剤が挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.2.塩として、リチウム塩(例えば、塩化リチウム)、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)、カリウム(例えば、塩化カリウム)が挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.2.洗剤が、アニオン性およびカチオン性を含むイオン性、非イオン性、または双性イオン性である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.3.イオン性洗剤が、水に溶解したときに部分的または全体的にイオン形態である任意の洗剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.4.アニオン性洗剤として、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)もしくは他のアルカリ金属アルキル硫酸塩もしくは同様の洗剤、サルコシル、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.10.酵素として、リゾチーム、セルロース、およびプロテイナーゼが挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.11.キレート剤として、EDTA、EGTA、および他のポリアミノカルボン酸、ならびにジチオトレイトール(dTT)などのいくつかの還元剤が挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF4.試料が、温度変化とともに量が変化する分析物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF5.試料が、全血、血漿、血清、尿、唾、および汗などのヒト体液、および細胞培養物(哺乳動物、植物、細菌、真菌)、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF6.試料が、新たに取得されるか、あるいは任意の所望の方法もしくは便利な方法で、例えば、希釈によって、もしくは緩衝液もしくは他の溶液もしくは溶媒を添加することによって、保管もしくは処理される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF7.試料が、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、およびウイルス粒子、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物などの細胞構造を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
7.測定方法
GG1.試料中の分析物が染色される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG2.分析物の量が、蛍光強度によって測定される、先行するGG実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG3.分析物の量が、比色強度によって測定される、先行するGG実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG4.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、SYBRグリーンI、SYBRグリーンII、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、もしくはNancy−520、またはそれらの組み合わせで染色された核酸である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG5.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、もしくはNancy−520、またはそれらの組み合わせで染色されたDNAであり、蛍光強度を用いて測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG6.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、もしくはNancy−520、またはそれらの組み合わせで染色されたDNAであり、比色強度を用いて測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG7.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、SYBRグリーンII、ピロニンY、もしくはアクリジンオレンジ、またはそれらの組み合わせで染色されたRNAであり、蛍光強度を用いて測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG8.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、SYBRグリーンII、ピロニンY、もしくはアクリジンオレンジ、またはそれらの組み合わせで染色されたRNAであり、比色強度を用いて測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG9.分析物が、レポーターによって検出される核酸である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG9.1.レポーターとして、核酸分子に結合するかもしくは核酸分子内に挿入することができる、または増幅プロセスの副産物によって活性化されて核酸分子もしくは増幅プロセスの可視化を可能にすることができるタグ、標識、または色素が挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG9.2.レポーターとして、蛍光標識もしくはタグもしくは色素、挿入剤、分子ビーコン標識、もしくは生物発光分子、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG9.3.レポーターの量が、比色強度によって、かつ/または蛍光強度によって測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
8.用途
HH1.デバイス、装置、システム、または方法が、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH2.デバイス、装置、システム、または方法が、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH3.デバイス、装置、システム、または方法が、DNA増幅、DNA定量化、選択的DNA単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH4.デバイス、装置、システム、または方法が、リアルタイムPCRを実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH5.デバイス、装置、システム、または方法が、核酸増幅を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH5.1 核酸増幅が、試料中の標的分子を増幅する(その多数のコピーを生成する)ことによって核酸を検出するために使用される任意の技術を含み、標的分子が、目的の核酸の配列または部分配列を指す、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH6 デバイス、装置、システム、または方法が、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、デジタルPCRなどの種々のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法、および例えばループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅などの等温増幅方法が挙げられるがこれらに限定されない核酸増幅技術を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
9.様々な実施形態
JJ1.薄い流体試料層をアッセイするためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、クランプとを備え、
i.第1のプレートおよび第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
iii.プレートのうちの一方または両方が、それぞれのプレートに固定されたスペーサを備え、
iv.スペーサが、200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有し、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
v.加熱層が、流体試料を加熱するように構成されており、
加熱層が、(a)プレートのうちの一方の上(内表面もしくは外表面の上もしくは近くのいずれか)またはプレートのうちの一方の内側にあり、かつ(b)加熱源によって加熱することが可能であり、加熱源が、光学的に、電気的に、無線周波数(RF)放射によって、またはそれらの組み合わせによって、加熱層に熱エネルギーを送達し、
開放構成では、2つのプレートが部分的または完全に分離されており、プレート間の間隔はスペーサによって調整されず、プレートのうちの一方または両方の上に試料を付着させ、
開放構成で試料を付着させた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって圧縮されて実質的に均一な厚さの層になり、かつプレートに対して実質的に停滞し、層の均一な厚さが、2つのプレートの試料接触領域によって制限され、かつプレートおよびスペーサによって調整され、
第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を、0.1〜200μmの非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限するように構成されており、
第1のプレートが500μm以下の厚さを有し、第2のプレートが5mm以下の厚さを有する、デバイス。
JJ2.プレートおよび試料厚さが、試料の温度を10℃/秒以上の速度で変化させることを可能にするように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ3.第1のプレートおよび第2のプレートを圧縮して、2つのプレートを閉鎖構成で一緒に固定するクランプをさらに備え、プレート上に挿入されたクランプの圧力が0.01kg/cm^2以上である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ4.加熱層が、プレートのうちの一方の上または近くにあり、60%以上の吸収係数を有し、かつ2mm未満の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ5.均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くに放射線吸収層をさらに備え、試料の少なくとも一部および放射線吸収層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ6.試料の少なくとも一部および放射線吸収層の領域が、試料の均一な厚さよりも実質的に大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ7.デバイスのプレートのうちの一方の厚さが100μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ8.均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くに放射線吸収層をさらに備え、デバイスのプレートのうちの一方の厚さが100μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ9.第1のプレートおよび第2のプレートを閉鎖構成において一緒に圧縮するクランプをさらに備え、プレート上に挿入されたクランプの圧力が0.01kg/cm^2以上である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ10.第1のプレートおよび第2のプレートを閉鎖構成において一緒に圧縮するクランプをさらに備え、かつ均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くに放射線吸収層をさらに備え、プレート上に挿入されたクランプの圧力が0.01kg/cm^2以上である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ11.薄い流体試料層の温度を急速に変化させるためのシステムであって、
v.先行する請求項のいずれかに記載のデバイスと、
vi.放射線吸収層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成された、放射線源と
を備え、
vii.コントローラが、放射線源を制御し、試料の温度を変化させるように構成されている、システム。
JJ12.薄い流体試料層の温度を急速に変化させるための方法であって、
vi.先行する請求項のいずれかに記載のデバイスまたはシステムを提供するステップと、
vii.デバイスのプレートのうちの一方または両方の上に流体試料を付着させるステップと、
viii.iiの後、プレートを閉鎖構成になるように押圧するステップであって、プレートが試料の少なくとも一部を圧縮して200μm未満の厚さの薄層にする、ステップと、
ix.放射線源からの電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を変化させることによって、試料層の温度を変化させ維持するステップと
を含む、方法。
JJ13.クランプが、クランプとプレートとの間の熱伝導を低減するための断熱層を備えるように構成されており、断熱層が、2W/m−Kの熱伝導率の材料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ14.クランプが、試料を加熱または冷却する必要がある熱質量を低減するための断熱層を備えるように構成されており、断熱層が、2W/m−Kの熱伝導率の材料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ15.閉鎖構成において、クランプが、QMAXカード全体を密封するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ16.閉鎖構成において、クランプが、プレートの表面の一部と熱伝導接触するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ17.閉鎖構成において、クランプが、プレートの周辺表面領域のみと熱伝導接触する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ18.閉鎖構成において、クランプが、プレートの表面領域のみと熱伝導接触し、表面領域が、核酸が増幅される試料の一部分の外側にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ19.クランプが、外側の光がプレートに入ることまたはプレートの内側の光が外に出ることを可能にする透明な窓を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ20.クランプが、外側の光がプレートに入ることまたはプレートの内側の光が外に出ることを可能にする透明な窓を備え、透明度が、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ21.クランプが、第1のプレートおよび第2のプレートを圧縮するための圧力を挿入し、圧力が、0.01kg/cm2、0.1kg/cm2、0.5kg/cm2、1kg/cm2、2kg/cm2、kg/cm2、5kg/cm2、10kg/cm2、20kg/cm2、30kg/cm2、40kg/cm2、50kg/cm2、60kg/cm2、100kg/cm2、150kg/cm2、200kg/cm2、400kg/cm2であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ22.クランプが、第1のプレートおよび第2のプレートを圧縮するための圧力を挿入し、圧力が0.1kg/cm2〜20kg/cm2である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ23.クランプが、第1のプレートおよび第2のプレートを圧縮するための圧力を挿入し、圧力が0.1kg/cm2〜20kg/cm2である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ24.クランプが、第1のプレートおよび第2のプレートを圧縮するための圧力を挿入し、圧力が0.5kg/cm2〜40kg/cm2である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ25.第1のプレートおよび第2のプレートを閉鎖構成において一緒に圧縮するクランプをさらに備え、かつ第1のプレートの少なくとも一部と第2のプレートとの間に密封材料をさらに備え、プレート上に挿入されたクランプの圧力が0.01kg/cm^2以上である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ26.試料の温度を変化させることが、温度を周期的に上下に変化させる熱サイクリングである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ27.試料の温度を変化させることが熱サイクリングであり、熱サイクリングが、ポリメラーゼ連鎖作用(PCR)を使用した核酸の増幅のためである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ28.試料の温度の変化が、核酸の等温増幅のためである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ29.試料の少なくとも一部および放射線吸収層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ30.放射線吸収層が、ディスク結合ドットオンピラーアンテナ(D2PA)アレイ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、超格子、または他のプラズモン材料、その他それらの組み合わせを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ31.放射線吸収層が、カーボンもしくはブラックナノ構造またはそれらの組み合わせを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ32.放射線吸収層が、放射線エネルギーを吸収するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ33.放射線吸収層が、放射線エネルギーを吸収した後、熱の形態でエネルギーを放射するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ34.放射線吸収層が、試料層の下に、かつ試料層と直接接触して位置付けられている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ35.放射線吸収層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ36.プレートのうちの少なくとも1つが、放射線吸収層が吸収する放射線を遮断しない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ37.プレートのうちの一方または両方が、低い熱伝導率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ38.試料層の均一な厚さが、プレートのうちの一方または両方に固定された1つ以上のスペーサによって調整される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ39.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ40.デバイスが、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするように構成されている、先行する実施形態1のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ41.デバイスが、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ42.デバイスが、DNA増幅、DNA定量化、選択的DNA単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ43.試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ44.電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
JJ45.試料接触領域またはその近傍の温度を測定し、測定された温度に基づいてコントローラに信号を送信するように構成された温度計をさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
JJ46.温度計が、光ファイバ温度計、赤外線温度計、液晶温度計、高温計、水晶温度計、シリコンバンドギャップ温度センサ、温度ストリップ、サーミスタ、および熱電対からなる群から選択される、先行する実施形態のいずれかに記載のシステムまたは方法。
JJ47.コントローラが、放射線源からの電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステムまたは方法。
JJ48.放射線源および放射線吸収層は、電磁波が少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生じさせ、電磁波の除去が少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜をもたらすように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステムまたは方法。
JJ49.放射線源および放射線吸収層が、少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜および少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ50.放射線源および放射線吸収層が、PCR中に初期化ステップ、変性ステップ、および/または延伸/伸長ステップに到達するために少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生み出し、ならびにPCR中にアニーリングステップおよび/または最終冷却ステップに到達するために少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ51.PCR試料が、鋳型DNA、プライマーDNA、カチオン、ポリメラーゼ、および緩衝剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ52.プレートを閉鎖形態になるように押圧するステップが、プレートを厳密でない押圧力で押圧することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
JJ53.プレートを閉鎖形態になるように押圧するステップが、プレートを人間の手で直接押圧することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
JJ54.非常に均一な厚さの層が、10%未満の厚さの変動を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
JJ55.試料の温度を変化させることが熱サイクリングであり、熱サイクリングが、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、およびデジタルPCRの群から選択されるポリメラーゼ連鎖作用(PCR)を使用した核酸の増幅のためである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ56.試料の温度の変化が、ループ介在等温増幅、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、およびリコンビナーゼポリメラーゼ増幅の群から選択される核酸の等温増幅のためである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ57.DNA鋳型、プライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K)、および緩衝液から選択される試薬をさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ58.スペーサが、実質的に平坦な頂部を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
JJ59.プレートのうちの一方が50μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、システム、または方法。
関連文書
本発明は、様々な構成要素が互いに矛盾しない限り、複数の方法で組み合わされ得る、様々な実施形態を含む。実施形態は、単一の発明出願とみなされるべきである。各ファイリングは、個別の独立としてではなく、参照として他の出願を有し、その全体においておよびあらゆる目的のために参照される。これらの実施形態は、本出願の開示だけでなく、本明細書で参照され、組み込まれ、または優先権が主張される文書も含む。
(1)定義
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法を説明するために使用される用語は、本出願、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に定義されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
「CROFカード(またはカード)」、「COFカード」、「QMAXカード」、「Qカード」、「CROFデバイス」、「COFデバイス」、「QMAXデバイス」、「CROFプレート」、「COFプレート」、および「QMAXプレート」という用語は、いくつかの実施形態ではCOFカードはスペーサを備えていないことを除いて、互換性があり、これらの用語は、異なる構成(開放構成および閉鎖構成を含む)になるように互いに対して移動可能である第1のプレートおよび第2のプレートを備え、かつプレート間の間隔を調整するスペーサを備える(COFカードのいくつかの実施形態を除く)、デバイスを指す。「Xプレート」という用語は、CROFカードの2つのプレートのうちの1つを指し、スペーサはこのプレートに固定されている。COFカード、CROFカード、およびXプレートのより詳細は、2017年2月7日に出願された仮出願シリアル番号第62/456065号に提供され、これはあらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
(2)Qカード、スペーサ、および均一な試料厚さ
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカード、スペーサ、および均一な試料厚さの実施形態を含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、試料の少なくとも一部を均一性の高い層にするのに役立つスペーサを備える。スペーサの構造、材料、機能、バリエーション、および寸法、ならびにスペーサおよび試料層の均一性は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
(3)ヒンジ、オープニング用ノッチ、凹型エッジ、およびスライダー
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、Qカードの操作および試料の測定を容易にするのに役立つヒンジ、ノッチ、凹部、およびスライダーを備える。ヒンジ、ノッチ、凹部、およびスライダーの構造、材料、機能、バリエーション、寸法は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
(4)Qカード、スライダー、およびスマートフォン検出システム
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、カードがスマートフォン検出システムによって読み取られることを可能にするスライダー(slider)とともに使用される。Qカード、スライダー、およびスマートフォン検出システムの構造、材料、機能、バリエーション、寸法、および接続は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
(5)検出方法
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々なタイプの検出方法を含むか、または使用することができる。検出方法は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
(6)標識
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、分析物検出に使用される様々な種類の標識を用いることができる。標識は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
(7)分析物
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々な種類の分析物(バイオマーカーを含む)の操作および検出に適用することができる。分析物は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
(8)用途(分野および試料)
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々な用途(分野および試料)に使用することができる。用途は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
(9)クラウド
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、データ転送、ストレージ、および/または分析のためにクラウド技術を使用することができる。関連するクラウド技術は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
追加の留意事項
本開示による本発明対象のさらなる例は、以下の列挙された段落に記載されている。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、「単一」という語が使用される場合などの文脈がそうではないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。例えば、「分析物」についての言及は、単一の分析物および複数の分析物を含み、「捕捉作用因子」についての言及は、単一の捕捉作用因子および複数の捕捉作用因子を含み、「検出作用因子」についての言及は、単一の検出作用因子および複数の検出作用因子を含み、「剤」についての言及には、単一の剤および複数の剤が含まれる。
本明細書で使用される場合、「適合させる」および「構成される」という用語は、要素、構成要素、または他の対象物が所与の機能を果たすように設計および/または意図されることを意味する。したがって、「適合される」および「構成される」という用語の使用は、特定の要素、構成要素、または他の対象物が特定の機能を単に果たす「ことができる」ことを意味すると解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を果たすように構成されるとして記載されている対象物は、さらにまたはあるいは、その機能を果たすように作動するものとして説明され得る。
本明細書で使用される場合、「例えば」という句、「例として」という句、および/または「例」もしくは「例示的な」との用語は、本開示による1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法に関して使用される場合、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法の例示的で非排他的な例であることを伝えることを意図している。したがって、記載される構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法は、限定されること、必須とされること、または排他的/網羅的であることを意図してなく、構造的および/もしくは機能的に類似するならびに/または同等である構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法を含む他の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法もまた、本開示の範囲内である。
本明細書で使用される場合、2つ以上の実体(entity)の列挙に関して「のうちの少なくとも1つ」および「1つ以上」という句は、実体の列挙中における実体のうちの任意の1つ以上を意味し、実体の列挙内に具体的に列挙されている各々および全ての実体のうちの少なくとも1つに限定されない。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(もしくは、同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBの組み合わせであってもよい。
本明細書で使用される場合、第1の実体と第2の実体との間に置かれる「および/または」との用語は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、および(3)第1の実体および第2の実体のうちの1つを意味する。「および/または」を用いて列挙された複数の実体は、同じ様式で、すなわち、そのように結合された実体のうちの「1つ以上」と解釈すべきである。「および/または」の句によって具体的に特定された実体以外に、具体的に特定されたそれらの実体に関連するかどうかに関わらず、他の実体が任意選択で存在してもよい。
数値範囲が本明細書で言及される場合、本発明は、端点が含まれる実施形態、両方の端点が除外される実施形態、および一方の端点が含まれ、かつ他方が除外される実施形態を含む。別段の指示がない限り、両方の端点が含まれると見なすべきである。さらに、別段の指示がない限り、または文脈および当業者の理解から明らかでない限り。
任意の特許、特許出願、または他の参考文献が参照により本明細書に組み込まれ、(1)本開示の組み込まれない部分または他の組み込まれた参考文献のいずれかに矛盾する様式で用語を定義する場合において、および/または(2)その他の点でそれらと矛盾する場合において、本開示の組み込まれていない部分が支配するものとし、その中の用語または組み込まれた開示は、用語が定義されている、および/または組み込まれた開示が元々存在していた参考文献に関してのみ支配するものとする。
追加の留意事項
本開示による本発明対象のさらなる例は、以下の列挙された段落に記載されている。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、「単一」という語が使用される場合などの文脈がそうではないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。例えば、「分析物」についての言及は、単一の分析物および複数の分析物を含み、「捕捉作用因子」についての言及は、単一の捕捉作用因子および複数の捕捉作用因子を含み、「検出作用因子」についての言及は、単一の検出作用因子および複数の検出作用因子を含み、「剤」についての言及には、単一の剤および複数の剤が含まれる。
本明細書で使用される場合、「適合させる」および「構成される」という用語は、要素、構成要素、または他の対象物が所与の機能を果たすように設計および/または意図されることを意味する。したがって、「適合される」および「構成される」という用語の使用は、特定の要素、構成要素、または他の対象物が特定の機能を単に果たす「ことができる」ことを意味すると解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を果たすように構成されるとして記載されている対象物は、さらにまたはあるいは、その機能を果たすように作動するものとして説明され得る。
本明細書で使用される場合、「例えば」という句、「例として」という句、および/または「例」もしくは「例示的な」との用語は、本開示による1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法に関して使用される場合、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法の例示的で非排他的な例であることを伝えることを意図している。したがって、記載される構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法は、限定されること、必須とされること、または排他的/網羅的であることを意図してなく、構造的および/もしくは機能的に類似するならびに/または同等である構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法を含む他の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法もまた、本開示の範囲内である。
本明細書で使用される場合、2つ以上の実体(entity)の列挙に関して「のうちの少なくとも1つ」および「1つ以上」という句は、実体の列挙中における実体のうちの任意の1つ以上を意味し、実体の列挙内に具体的に列挙されている各々および全ての実体のうちの少なくとも1つに限定されない。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(もしくは、同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBの組み合わせであってもよい。
本明細書で使用される場合、第1の実体と第2の実体との間に置かれる「および/または」との用語は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、および(3)第1の実体および第2の実体のうちの1つを意味する。「および/または」を用いて列挙された複数の実体は、同じ様式で、すなわち、そのように結合された実体のうちの「1つ以上」と解釈すべきである。「および/または」の句によって具体的に特定された実体以外に、具体的に特定されたそれらの実体に関連するかどうかに関わらず、他の実体が任意選択で存在してもよい。
数値範囲が本明細書で言及される場合、本発明は、端点が含まれる実施形態、両方の端点が除外される実施形態、および一方の端点が含まれ、かつ他方が除外される実施形態を含む。別段の指示がない限り、両方の端点が含まれると見なすべきである。さらに、別段の指示がない限り、または文脈および当業者の理解から明らかでない限り。
任意の特許、特許出願、または他の参考文献が参照により本明細書に組み込まれ、(1)本開示の組み込まれない部分または他の組み込まれた参考文献のいずれかに矛盾する様式で用語を定義する場合において、および/または(2)その他の点でそれらと矛盾する場合において、本開示の組み込まれていない部分が支配するものとし、その中の用語または組み込まれた開示は、用語が定義されている、および/または組み込まれた開示が元々存在していた参考文献に関してのみ支配するものとする。

Claims (59)

  1. 薄い流体試料層をアッセイするためのデバイスであって、
    第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、クランプとを備え、
    i.前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
    ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
    iii.前記プレートのうちの一方または両方が、それぞれのプレートに固定された前記スペーサを備え、
    iv.前記スペーサが、200ミクロン以下である所定の実質的に均一な高さを有し、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、
    v.加熱層が、前記流体試料を加熱するように構成されており、
    前記加熱層が、(a)前記プレートのうちの一方の上(内表面もしくは外表面の上もしくは近くのいずれか)または前記プレートのうちの一方の内側にあり、かつ(b)加熱源によって加熱することが可能であり、前記加熱源が、光学的に、電気的に、無線周波数(RF)放射によって、またはそれらの組み合わせによって、前記加熱層に熱エネルギーを送達し、
    開放構成では、前記2つのプレートが部分的または完全に分離されており、前記プレート間の間隔は前記スペーサによって調整されず、前記プレートのうちの一方または両方の上に前記試料を付着させ、
    前記開放構成で前記試料を付着させた後に構成される閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、前記2つのプレートによって圧縮されて実質的に均一な厚さの層になり、かつ前記プレートに対して実質的に停滞し、前記層の前記均一な厚さが、前記2つのプレートの前記試料接触領域によって制限され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調整され、
    前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが、前記試料の少なくとも一部を、0.1〜200μmの非常に均一な厚さでありかつ前記プレートに対して実質的に停滞した層になるよう制限するように構成されており、
    前記第1のプレートが500μm以下の厚さを有し、前記第2のプレートが5mm以下の厚さを有する、デバイス。
  2. 前記プレートおよび前記試料厚さが、前記試料の温度を10℃/秒以上の速度で変化させることを可能にするように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  3. 前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを圧縮して、前記2つのプレートを前記閉鎖構成で一緒に固定するクランプをさらに備え、前記プレート上に挿入された前記クランプの圧力が0.01kg/cm^2以上である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  4. 前記加熱層が、前記プレートのうちの一方の上または近くにあり、60%以上の吸収係数を有し、かつ2mm未満の厚さを有する、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 均一な厚さの前記試料の前記少なくとも一部の近くに放射線吸収層をさらに備え、前記試料の前記少なくとも一部および前記放射線吸収層の領域が、前記均一な厚さよりも実質的に大きい、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 前記試料の前記少なくとも一部および前記放射線吸収層の前記領域が、前記試料の前記均一な厚さよりも実質的に大きい、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  7. 前記デバイスの前記プレートのうちの一方の厚さが100μm以下である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 均一な厚さの前記試料の前記少なくとも一部の近くに放射線吸収層をさらに備え、前記デバイスの前記プレートのうちの一方の厚さが100μm以下である、請求項1、2、および4のいずれか一項に記載のデバイス。
  9. 前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを前記閉鎖構成において一緒に圧縮するクランプをさらに備え、前記プレート上に挿入された前記クランプの前記圧力が0.01kg/cm^2以上である、請求項3に記載のデバイス。
  10. 前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを前記閉鎖構成において一緒に圧縮するクランプをさらに備え、かつ均一な厚さの前記試料の前記少なくとも一部の近くに放射線吸収層をさらに備え、前記プレート上に挿入された前記クランプの前記圧力が0.01kg/cm^2以上である、請求項3に記載のデバイス。
  11. 薄い流体試料層の温度を急速に変化させるためのシステムであって、
    i.前記請求項のいずれか一項に記載のデバイスと、
    ii.前記放射線吸収層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成された、放射線源と
    を備え、
    iii.コントローラが、前記放射線源を制御し、前記試料の前記温度を変化させるように構成されている、システム。
  12. 薄い流体試料層の温度を急速に変化させるための方法であって、
    i.前記請求項のいずれか一項に記載のデバイスまたはシステムを提供するステップと、
    ii.前記デバイスの前記プレートのうちの一方または両方の上に流体試料を付着させるステップと、
    iii.iiの後、前記プレートを閉鎖構成になるように押圧するステップであって、前記プレートが前記試料の少なくとも一部を圧縮して200μm未満の厚さの薄層にする、ステップと、
    iv.前記放射線源からの前記電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を変化させることによって、前記試料層の前記温度を変化させ維持するステップと
    を含む、方法。
  13. 前記クランプが、前記クランプと前記プレートとの間の熱伝導を低減するための断熱層を備えるように構成されており、前記断熱層が、2W/m−Kの熱伝導率の材料を含む、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  14. 前記クランプが、前記試料を加熱または冷却する必要がある熱質量を低減するための断熱層を備えるように構成されており、前記断熱層が、2W/m−Kの熱伝導率の材料を含む、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  15. 閉鎖構成において、前記クランプが、QMAXカード全体を密封するように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  16. 閉鎖構成において、前記クランプが、前記プレートの表面の一部と熱伝導接触するように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  17. 閉鎖構成において、前記クランプが、前記プレートの周辺表面領域のみと熱伝導接触する、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  18. 閉鎖構成において、前記クランプが、前記プレートの表面領域のみと熱伝導接触し、前記表面領域が、核酸が増幅される前記試料の一部分の外側にある、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  19. 前記クランプが、外側の光が前記プレートに入ることまたはプレートの内側の光が外に出ることを可能にする透明な窓を備える、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  20. 前記クランプが、外側の光が前記プレートに入ることまたはプレートの内側の光が外に出ることを可能にする透明な窓を備え、透明度が、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  21. 前記クランプが、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを圧縮するための圧力を挿入し、前記圧力が、0.01kg/cm2、0.1kg/cm2、0.5kg/cm2、1kg/cm2、2kg/cm2、kg/cm2、5kg/cm2、10kg/cm2、20kg/cm2、30kg/cm2、40kg/cm2、50kg/cm2、60kg/cm2、100kg/cm2、150kg/cm2、200kg/cm2、400kg/cm2であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  22. 前記クランプが、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを圧縮するための圧力を挿入し、前記圧力が0.1kg/cm2〜20kg/cm2である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  23. 前記クランプが、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを圧縮するための圧力を挿入し、前記圧力が0.1kg/cm2〜20kg/cm2である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  24. 前記クランプが、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを圧縮するための圧力を挿入し、前記圧力が0.5kg/cm2〜40kg/cm2である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  25. 前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを前記閉鎖構成において一緒に圧縮するクランプをさらに備え、かつ前記第1のプレートの少なくとも一部と前記第2のプレートとの間に密封材料をさらに備え、前記プレート上に挿入された前記クランプの圧力が0.01kg/cm^2以上である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  26. 前記試料の温度を変化させることが、前記温度を周期的に上下に変化させる熱サイクリングである、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  27. 前記試料の温度を変化させることが熱サイクリングであり、前記熱サイクリングが、ポリメラーゼ連鎖作用(PCR)を使用した核酸の増幅のためである、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  28. 前記試料の前記温度の前記変化が、核酸の等温増幅のためである、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  29. 前記試料の前記少なくとも一部および前記放射線吸収層の領域が、前記均一な厚さよりも実質的に大きい、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  30. 前記放射線吸収層が、ディスク結合ドットオンピラーアンテナ(disk−coupled dots−on−pillar antenna)(D2PA)アレイ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、超格子、または他のプラズモン材料、その他それらの組み合わせを含む、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  31. 前記放射線吸収層が、カーボンもしくはブラックナノ構造またはそれらの組み合わせを含む、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  32. 前記放射線吸収層が、放射線エネルギーを吸収するように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  33. 前記放射線吸収層が、放射線エネルギーを吸収した後、熱の形態でエネルギーを放射するように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  34. 前記放射線吸収層が、前記試料層の下に、かつ前記試料層と直接接触して位置付けられている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  35. 前記放射線吸収層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  36. 前記プレートのうちの少なくとも1つが、前記放射線吸収層が吸収する放射線を遮断しない、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  37. 前記プレートのうちの一方または両方が、低い熱伝導率を有する、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  38. 前記試料層の前記均一な厚さが、前記プレートのうちの一方または両方に固定された1つ以上のスペーサによって調整される、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  39. 前記試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  40. 前記デバイスが、所定のプログラムに従って前記試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  41. 前記デバイスが、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  42. 前記デバイスが、DNA増幅、DNA定量化、選択的DNA単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  43. 前記試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  44. 前記電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、前記請求項のいずれか一項に記載のシステム。
  45. 前記試料接触領域またはその近傍の温度を測定し、前記測定された温度に基づいて前記コントローラに信号を送信するように構成された温度計をさらに備える、前記請求項のいずれか一項に記載のシステム。
  46. 前記温度計が、光ファイバ温度計、赤外線温度計、液晶温度計、高温計、水晶温度計、シリコンバンドギャップ温度センサ、温度ストリップ、サーミスタ、および熱電対からなる群から選択される、前記請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
  47. 前記コントローラが、前記放射線源からの前記電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
  48. 前記放射線源および前記放射線吸収層は、前記電磁波が少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生じさせ、前記電磁波の除去が少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜をもたらすように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のシステムまたは方法。
  49. 前記放射線源および前記放射線吸収層が、少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜および少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  50. 前記放射線源および前記放射線吸収層が、PCR中に初期化ステップ、変性ステップ、および/または延伸/伸長ステップに到達するために少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生み出し、ならびにPCR中にアニーリングステップおよび/または最終冷却ステップに到達するために少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  51. 前記PCR試料が、鋳型DNA、プライマーDNA、カチオン、ポリメラーゼ、および緩衝剤を含む、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  52. 前記プレートを閉鎖形態になるように押圧するステップが、前記プレートを厳密でない押圧力で押圧することを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記プレートを閉鎖形態になるように押圧するステップが、前記プレートを人間の手で直接押圧することを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  54. 非常に均一な厚さの前記層が、10%未満の厚さの変動を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記試料の温度を変化させることが熱サイクリングであり、前記熱サイクリングが、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、およびデジタルPCRの群から選択されるポリメラーゼ連鎖作用(PCR)を使用した核酸の増幅のためである、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  56. 前記試料の前記温度の前記変化が、ループ介在等温増幅、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、およびリコンビナーゼポリメラーゼ増幅の群から選択される核酸の等温増幅のためである、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  57. DNA鋳型、プライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K)、および緩衝液から選択される試薬をさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  58. 前記スペーサが、実質的に平坦な頂部を有する、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
  59. 前記プレートのうちの一方が50μm以下である、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス、システム、または方法。
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