例示的な実施形態の詳細な説明
以下の詳細な説明は、限定ではなく例として本発明のいくつかの実施形態を図示する。存在する場合、本明細書で使用されるセクションの見出しおよび任意のサブタイトルは、単に構成上の目的のためであり、決して説明される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。セクションの見出しおよび/またはサブタイトル下の内容は、セクションの見出しおよび/またはサブタイトルに限定されず、本発明の説明全体に適用される。
いかなる出版物の引用も、出願日前のその開示のためであり、本特許請求の範囲が先行発明のためにそのような出版物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される出版日は実際の出版日とは異なる可能性があり、個別に確認する必要がある。
図は厳密な比率で要素を示すことを意図していないことに留意するべきである。明確にするために、図に示される場合にいくつかの構成要素が拡大されている。要素の寸法は、参照により本明細書に提供され組み込まれる説明から詳述されるはずである。
定義
「試料サーマルサイクラー」または「サーマルサイクラー」という用語は、試料の温度を上昇および低下させることができ、必要に応じて、2つの温度間で試料を繰り返し加熱および冷却することができる装置を指す。
「試料熱サイクリング」または「熱サイクリング」という用語は、試料の温度を繰り返し上昇および低下させることを指す。
「試料熱サイクル」または「熱サイクル」という用語は、試料の温度をより高い温度に上昇させ、次いでそれを冷却して元の温度に戻すサイクルを指す。
「試料熱サイクル時間」または「熱サイクル時間」という用語は、所与の数の熱サイクルを実施する時間を指す。
「試料熱サイクル速度」または「熱サイクル速度」という用語は、熱サイクルを実施する速度を指す。
材料の「熱質量」という用語は、他のエネルギー損失がない場合に、その材料の温度を1度だけ加熱するのに必要なエネルギーを指す。したがって、材料の熱質量は、材料の体積を乗じた単位体積当たりの比熱に等しい。
「熱伝導率対容量比」という用語は、材料の熱伝導率対その熱容量の比を指す。例えば、ほぼ室温で、熱伝導率対容量比は、金では1.25cm^2/秒(センチメートル-平方/秒)、水では1.4×10-3cm^2/秒である。
「無駄なエネルギー」という用語は、関連試料を直接加熱するために使用されない試料ホルダーに供給されるエネルギーを指す。
本明細書で使用される場合、「a」および「an」という用語は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、一般に、特定の使用の文脈内で記述された数値よりも15%大きいかまたは小さい範囲を指す。例えば、「約10」は、8.5~11.5の範囲を含む。
「試料ホルダー支持体」という用語は、試料ホルダーがデバイスに物理的に取り付けられ、デバイスによって機械的に支持されるデバイスを指す。
本明細書で使用される場合、「使い捨て」という用語は、一般に、無期限に再利用されるのではなく、限定された使用後に(例えば、反応、熱サイクルの回数、または時間の観点から)廃棄されるように設計されたデバイスを指す。
「核酸増幅」という用語は、既存の核酸の1つ以上の複製コピーの産生を指す。
「核酸増幅サイクル」という用語は、1回の核酸増幅を実施するために使用されるステップの完全なセットを指す。
「テンプレート」という用語は、増幅される核酸を指す。
「増幅産物」という用語は、テンプレートからの核酸増幅中に産生された既存の核酸の複製コピーを指す。
「黒色塗料」という用語は、昼光照明下で人間の目に対して黒色を有する塗料を指す。
「冷却ガス」または「冷却液体」という用語は、例えば、試料から、試料ホルダーから、材料から、または領域から熱エネルギーを除去するために使用される気相または液相をそれぞれ指す。
本明細書で使用される場合、「機械的接触」という用語は、一般に、材料が物理的に接触している1つ以上の材料間で行われる接触を指す。
「熱経路」という用語は、ある位置から別の位置に熱エネルギーが移行する距離を指す。
「関連試料」または「関連試料体積」という用語は、熱サイクル中に所望の温度に加熱および/または冷却されている試料の体積を指し、関連試料は、試料ホルダー上の試料の一部分または全体の体積であってもよく、試料の一部分と試料の残りの部分との間に流体分離はない。
「high-K(高誘電率)材料」という用語は、50W/(m・K)以上の熱伝導率(K)を有する材料を指す(例えば、金:約314W/(m・K)およびグラファイト約80W/(m・K)がhigh-K材料である)。
「low-K(低誘電率)材料」という用語は、1W/(m・K)以下の熱伝導率(K)を有する材料を指す(例えば、水(約0.6W/(m・K)およびプラスチック約0.2W/(m・K)がlow-K材料である)。
「熱サイクルの冷却時間」および「冷却サイクル時間」という用語は、交換可能である。
「熱サイクルにおける加熱時間」と「加熱サイクル時間」という用語は、互換性がある。
「加熱ゾーン」という用語は、(a)加熱層が冷却層とは別の層である場合の加熱層、または(b)加熱および冷却が同じ層を使用する場合の加熱領域を指し、加熱ゾーンは、加熱源によって直接加熱されている。
「直接加熱される」という用語は、その領域にエネルギーが投入されていることを意味する。例えば、LED加熱源による加熱ゾーンの場合、LED加熱源は、加熱ゾーンに光を投影する。電気加熱源による加熱ゾーンの場合、電気加熱源は、加熱ゾーンに電流を送り、加熱ゾーンで熱を生み出す。
「冷却ゾーン」という用語は、(a)冷却層が加熱層とは別の層である場合の冷却層、または(b)冷却および加熱が同じ層を使用する場合の冷却領域を指す。冷却ゾーンは、特に明記しない限り、50W/m以上の熱伝導率の材料を含む。
「加熱層が加熱源によって加熱される」という用語は、「加熱層または加熱/冷却層の加熱ゾーンが加熱源によって加熱される」ことを意味する。
「非試料材料」という用語は、関連試料体積以外の試料ホルダー上の材料を指す。
「無駄な加熱エネルギー」という用語は、関連試料体積を所望の温度に加熱するために、非試料材料および非関連試料に供給されなければならないエネルギーを指す。
領域の「平均直線寸法」という用語は、その領域に4を掛け、次いでその領域の外周で割ったものに等しい長さとして定義される。例えば、領域が幅wおよび長さLを有する矩形であると、その矩形の直線寸法の平均は、4*W*L/(2*(L+W))である(式中、「*」は乗算を意味し、「/」は除算を意味する)。この定義により、平均線寸法は、幅Wの正方形の場合はW、および直径dを有する円の場合はdのそれぞれである。
「横方向」という用語は、試料ホルダーのプレートに平行である方向を指す。
「縦方向」という用語は、試料ホルダーのプレートに直角である方向を指す。
周期構造配列の「周期」という用語は、構造の中心から最も近い隣接する同一の構造の中心までの距離を指す。
互換的に使用される「スマートフォン」または「携帯電話」という用語は、カメラと、カメラを使用して画像を撮り、カメラによって撮られた画像を操作し、遠隔地にデータを通信することができる通信ハードウェアおよびソフトウェアとを有するタイプの電話を指す。いくつかの実施形態では、スマートフォンは、フラッシュライトを有する。
「加熱層」または「加熱ゾーン」という用語は、特に明記しない限り、50W/m-K以上の熱伝導率を有する材料の層を少なくとも備える材料層を指す。
「加熱体積」という用語は、加熱される材料の体積を指す。「加熱された試料体積」とは、加熱された試料の部分の体積を指す。
「冷却層」という用語は、熱伝導率が高く、黒体の表面熱放射能力の少なくとも50%である大きい表面熱放射能力を有する熱放射冷却層を指す。
加熱および冷却のための試料ホルダー内の試料の「横方向寸法」または「横方向面積」という用語は、所望の温度に加熱されている試料の部分の横方向寸法または横方向面積を指す。
「プレート」という用語は、2つのプレートが「閉鎖構成」にあり、2つのプレートが互いに近接し、スペーサによって分離されている場合を除いて(この場合、プレートの対が自立している)、自立しているプレートを指す。「自立している」という用語は、プレートの中心領域に支持体がないことを意味する。例えば、2つのプレートが閉鎖構成にあり、試料がプレート間にある場合。プレートの対の中央領域は、機械的支持体を有さず、空気のみがプレートの外側表面と接触する。
動作原理
本発明の一態様は、熱サイクル時間を短縮し、そのようなサイクリングに使用される加熱エネルギーを低減し、エネルギー効率を高め、かつ総電力消費を低減することである。
熱サイクル時間(速度)、加熱エネルギー、エネルギー効率、および電力消費は、関連している。所与の試料の温度を上昇させる際により多くの加熱エネルギーが必要とされる場合、試料を冷却する際により多くのエネルギーが除去されなければならず、これは、冷却を実施するためにより多くの時間および/またはより多くのエネルギーを必要とする。
従来技術の多くのサーマルサイクラーは、試料ではなく試料ホルダー(例えば、プラスチックチャンバ壁)に対するかなりの量の加熱エネルギーの使用、試料を冷却するための主要な冷却チャネルとしての、試料ホルダーの大きい熱質量および低熱伝導材料を通した横方向の熱伝導の使用(試料が熱伝導を実施するためにエネルギーを吸収および放出する必要があることに留意)、主要な冷却方法としての伝導冷却の使用、ならびに/または追加の冷却ガスもしくは移動冷却ブロックの使用を必要とする。これらのアプローチは、長い熱サイクル時間、高い加熱エネルギー、低いエネルギー効率、かさばる装置、および/または高いコストの問題をもたらす。
理論的および実験的調査に基づいて、本発明は、従来技術の試料熱サイクリングにおけるある特定の欠点に対する解決策を提供する。
本発明の動作原理を例示するために、サーマルサイクラーによる試料の加熱および冷却におけるエネルギー構成成分を見てみよう。加熱および冷却は、3つのエネルギー構成成分を共有する。(i)熱質量に関連するもの(すなわち、材料がエネルギーを吸収および貯蔵する能力。熱質量が大きいほど、加熱のために追加することが必要なエネルギーは多くなり、冷却の際に除去することが必要なエネルギーは多くなる)、(ii)熱放射による熱損失、および(iii)熱伝導/対流による熱損失。急速に加熱するためには、3つの全てのエネルギー構成成分が小さくなる必要がある。しかし、急速に冷却するためには、第1のエネルギー構成成分は、小さくなる必要があるが、最後の2つのエネルギー構成成分のうちの少なくとも1つは、大きくなる必要がある。
理論的および実験的調査を通して、本発明は、急速な加熱および冷却を達成するために3つのエネルギー構成成分のバランスをとり、かつ/または最適化する。具体的には、ある特定の実施形態では、本発明は、熱サイクルで加熱されなければならない熱質量を低減し、横方向の熱伝導を制限し、加熱された試料からエネルギーを除去する主な方法として放射熱損失を使用する。
本発明によると、試料の冷却は、熱伝導冷却によるのではなく、有意に熱放射冷却によるものである。したがって、熱サイクリングでは、試料ホルダー上の非試料材料の大部分またはかなりの部分は、熱伝導支配型システムほど多くのエネルギーを吸収および放出しない。
本発明の一態様は、試料ホルダー上の非試料材料への加熱を低減するデバイスおよび方法を提供する。
本発明の別の態様は、試料ホルダー上の大きい熱質量および低熱伝導材料を通して、横方向の熱伝導を低減するデバイスおよび方法を提供する。
本発明の別の態様は、試料を冷却するための主要な冷却チャネルとして熱放射冷却を使用するデバイスおよび方法を提供する。
本発明の別の態様は、試料を挟むプレート(すなわち、壁)の間にスペーサを配設するデバイスおよび方法を提供する。スペーサは、プレートが薄く(例えば、25um厚)、可撓性である場合でさえ、広い面積にわたって良好な試料均一性を提供する。スペーサがない場合、試料を閉じ込める2つのプレートが非常に薄くなると、均一な試料厚さを達成することが困難である可能性がある。
本発明の別の態様は、デバイスの動作をより容易にするデバイスおよび方法を提供する。
本発明によると、熱放射冷却は、冷却中に良好な熱放射冷却特性、および加熱中に低熱質量(したがって低加熱エネルギー)を有するように(材料および形状の観点から)構成された材料層を使用する。
本発明によると、試料ホルダーは、熱伝導冷却を制限/最小化するように構成されている。
本発明によると、試料厚さ、試料チャンバ壁厚の第1のプレートおよび第2のプレート(互いに向かい合っている)は、横方向の(すなわち、プレートの方向への)熱伝導を低減するように構成されている。
本発明によると、いくつかの実施形態では、熱放射冷却層は、加熱層と同じ加熱/冷却層であるが、冷却ゾーン対加熱ゾーンの比、材料特性、ならびに材料の厚さおよび幾何学的形状は、加熱/冷却層を、加熱時に低い熱質量、および高速の熱放射冷却を有する状態にするように構成されている。
本発明の別の目的は、数秒またはさらには1秒未満(例えば、0.7秒)で1サイクルの試料温度変化(例えば、95℃~55℃)を行うことである。
本発明の別の態様は、試料温度が環境温度から高温(すなわち、65℃)に上昇し、一定期間(すなわち、5~10分)保持する必要がある、等温核酸増幅のための有用なデバイスおよび方法を提供することである。本発明の一態様は、温度を急速に上昇させ、より少ないエネルギーを使用し、装置をコンパクト、軽量、および携帯可能にすることである。
本発明の一態様は、カードならびに試料の熱質量が最小化されて、加熱に必要なエネルギーおよび冷却のために除去されるエネルギーを低減することである。
本発明の別の態様は、ある特定の実施形態では、試料のごく一部分のみが加熱および/または冷却されることである。
本発明の別の態様は、関連試料面積よりも大きい領域サイズを有する薄い高熱伝導率層を使用することである。
本発明の別の態様は、加熱ゾーン領域よりも大きい領域サイズを有する薄い高熱伝導率層を使用することである。
本発明の別の態様は、試料ホルダー上の非試料材料への加熱を低減するデバイスおよび方法を提供する。
本発明の別の態様は、試料ホルダー上の大きい熱質量および低熱伝導材料において、横方向の熱伝導を低減するデバイスおよび方法を提供する。
本発明の別の態様は、試料を冷却するための主要な冷却チャネルとして熱放射冷却を使用するデバイスおよび方法を提供する。
本発明の別の態様は、冷却ガスを使用することなく高速熱サイクリングを達成することができることである。
本発明の別の態様は、カードならびに試料の熱質量が最小化されて、加熱に必要なエネルギーおよび冷却のために除去されるエネルギーを低減することである。
本発明の別の態様は、急速冷却のために放射冷却および対流冷却が調整されることである。
本発明の別の態様は、放射冷却および/または対流冷却のためのヒートシンクが急速冷却のために使用されることである。
本発明の試料熱サイクル装置の一実施形態(図1に示されるような)は、(i)カード上の試料の急速な加熱および冷却を可能にする、「RHC(急速加熱および冷却)カード」または「試料カード」と呼ばれる試料ホルダーと、(ii)加熱源と、(iii)追加のヒートシンク(任意)と、(iv)温度制御システムと、(v)信号監視システム(任意)とを備える。温度制御システムおよび信号監視システムは、図1には明示的に示されないが、加熱源の出力を制御するために使用され得る。いくつかの実施形態では、試料ホルダ上の試料からの光学信号を検出するための信号センサが含まれる。本発明のある特定の実施形態が、図1に示されるただ1つまたはいくつかの構成要素を有することができることに留意されたい。
図2Aおよび2Bは、本発明のデバイスの2つの実施形態の断面図を示す。図2Aは、別個の加熱層(112-1)と別個の冷却層(112-2)とを備える一実施形態を示し、加熱層(112-1)は、プレートのうちの一方の外面上にあり、冷却層(112-2)は、もう一方のプレートの外面上にある。図2Bは、加熱層(112-1)と冷却層(112-2)とを備える一実施形態を示し、加熱層(112-1)および冷却層(112-2)は、構造的に異なるが、互いに接触し、2つの層は両方、プレートのうちの1つの外面上にある。
SH-1 本発明のRHCカードの一実施形態の1つの詳細な説明は、流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、200um以下の平均分離距離だけ分離され、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
加熱層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、
冷却層と関連試料体積の表面との間の距離が、ゼロであるか、または冷却層と関連試料体積の表面との間の単位面積当たりの熱コンダクタンスを70W/(m2・K)以上にするように構成された距離未満であり、
いくつかの実施形態では、加熱層および冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを有する同じ材料層であり、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンが、同じ面積または異なる面積を有することができることである。
SH-2 本発明のRHCカード(試料ホルダー)の一実施形態の別の詳細な説明は、流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、200um以下の平均分離距離だけ分離され、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
加熱層が、
プレートのうちの1つの内面、外面、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、高い熱伝導率対熱容量比の層が、試料体積の横方向面積よりも大きい面積を有し、
冷却層と関連試料体積の表面との間の距離が、ゼロであるか、または冷却層と関連試料体積の表面との間の単位面積当たりの熱コンダクタンスを150W/(m2・K)以上にするように構成された距離未満であり、
いくつかの実施形態では、加熱層および冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを有する同じ材料層であり、加熱ゾーンおよび冷却が、同じ面積または異なる面積を有することができることである。
図3Aおよび3Bに示されるように、本発明のいくつかの実施形態では、加熱層および冷却層は、1つの層(加熱/冷却層)に組み合わされ、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンを作り、冷却ゾーンは、加熱ゾーンよりも大きい。試料カード100(「RHCカード」とも呼ばれる)は、2つの薄いプレート(10、20)を含んでもよく、それらの間に流体試料(90)を挟み、加熱/冷却層(112)は、試料の下にあり、加熱/冷却層(112)は、カードから離れて位置付けられた熱源によって加熱される。一実施形態によると、試料の縁部には、試料を収容する壁はないが、試料の縁部は、流体試料の縁部の形状を保持する毛管力により流動しない。
図4Aに示されるように、一実施形態によると、プレート10および20は、間隔102によって分離された内面11および21を有してもよい。デバイスが試料を受容する準備ができている(例えば、開放位置にある)とき、間隔102は、大きくてもよい。図4Bは、プレート10と20との間に試料90を挟むために間隔102を小さく(例えば、約200μm未満に)した、デバイス100の閉鎖構成を示す。この実施形態では、加熱/冷却層112は、プレート20の外面22上に位置付けられる。
SH-3 本発明のRHCカードの一実施形態の別の詳細な説明は、流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱/冷却層(112)とを備え、
第1のプレート(10)および第2のプレート(20)が、互いに向かい合い、互いからある距離だけ分離され、
各プレートが、そのそれぞれの内面(11、21)上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、試料と接触し、それらの間に試料を閉じ込め、互いからの平均分離距離(102)および試料を有し、
加熱/冷却層(112)が、第2のプレート(20)の外面(22)上にあり、
加熱/冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを備えるように構成され、熱ゾーンが、流体試料を加熱するように構成され、冷却ゾーンが、熱放射冷却によって試料を冷却するように構成され、
加熱ゾーンが、加熱源からの加熱エネルギーを受容するように、および加熱/冷却層の総面積よりも小さい面積を有するように構成され、
加熱層の加熱ゾーンの少なくとも一部が、試料領域と重なり合うことである。
SH-4 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1および第2のプレートが、異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、200um以下の平均分離距離だけ分離され、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
加熱層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、
プレートのうちの1つの内面、外面、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、
構成のうちの1つが、2つのプレートが部分的または完全に分離され、プレート間の平均間隔が少なくとも300umである、開放構成であり、
構成のうちの別の構成が、開放構成において流体試料が試料接触領域のうちの一方または両方の上に付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって層の中に閉じ込められ、平均試料厚さが200um以下である、デバイス。
SH-5 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、スペーサと、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1および第2のプレートが、異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、200um以下の平均分離距離だけ分離され、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサが、それぞれのプレートの内面上に固定され、
スペーサが、200ミクロン以下の所定の実質的に均一な高さを有し、スペーサ間距離が、所定であり、
加熱層が、
プレートのうちの1つの内面、外面、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、
プレートのうちの1つの内面、外面、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、
構成のうちの1つは開放構成であり、2つのプレートが部分的または完全に分離され、プレート間の間隔はスペーサによって調節されず、試料が、プレートの一方または両方に付着し、
構成のうちの別の構成は、開放構成において試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成において、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって圧縮されて非常に均一な厚さの層になり、層の均一な厚さは、プレートの試料接触表面によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節される、デバイス。
いくつかの実施形態では、加熱/冷却層(112)は、第2のプレート(20)の外面(22)上ではなく、第2のプレート(20)の内面(21)上または内側にあってもよい。
デバイスの全ての実施形態のうちのいくつかの実施形態では、RHCカードは、第1のプレートと第2のプレートとの間に位置付けられて、2つのプレート間の距離(すなわち、プレートの間隔)を調節し、したがって試料厚さを調節するスペーサをさらに備える。スペーサは、プレートが薄く、可撓性である場合でさえ、2つのプレート間の試料の厚さを大きい面積にわたって均一にすることを可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、2つ以上の加熱/冷却層がある。
A.小さい関連試料体積(RE比)
所望の温度まで加熱または冷却する必要がある試料体積の低減は、熱サイクルの加熱時間および冷却時間、ならびに加熱力を短縮することができる。熱サイクルされる試料体積の低減は、(a)試料体積全体を低減すること、または(b)試料ホルダー上の試料の一部分のみを加熱することによって達成され得る。「関連試料」または「関連試料体積」という用語は、熱サイクル中に所望の温度に加熱および/または冷却されている試料の体積を指し、関連試料は、試料ホルダー上の試料の一部分または全体の体積であってもよく、試料の一部分と試料の残りの部分との間に流体分離はない。
いくつかの実施形態では、試料の関連体積は、0.001uL、0.005uL、0.01uL、0.02uL、0.05uL、0.1uL、0.2uL、0.5uL、1uL、2uL、5uL、10uL、20uL、30uL、50uL、100uL、200uL、500uL、1mL、2mL、5mL、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、関連試料体積は、0.001uL~0.1uL、0.1um~2uL、2uL~10uL、10uL~30uL、30uL~100uL、100uL~200uL、または200uL~1mLの範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、関連試料体積は、0.001uL~0.1uL、0.1um~1uL、0.1uL~5uL、または0.1uL~10uLの範囲である。
ある特定の実施形態では、関連試料対全試料体積の比率(RE比)は、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、0.1%、0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、RE比は、0.01%~0.1%、0.1%~1%、1%~10%、10%~30%、30%~60%、60%~90%、または90%~100%の範囲である。
試料の一部分のみを加熱するために、いくつかの実施形態では、加熱ゾーンの面積は、試料の横方向面積のほんの一部であり、その割合(すなわち、加熱ゾーン対試料の横方向面積の比)は、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、0.1%、0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、加熱ゾーン面積対試料の横方向面積の比は、0.01%~0.1%、0.1%~1%、1%~10%、10%~30%、30%~60%、60%~90%、または90%~99%の範囲である。
B.局所加熱、高い縦方向から横方向の熱伝達
high-K(高熱伝導率)層が、試料ホルダー(RHCカード)のプレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側にある場合(例えば、金属層)、熱サイクル中に、high-K層の一部およびhigh-K層の一部の上の試料体積の一部のみを所望の温度まで加熱させながら、high-K層の残りの部分および試料体積の残りの部分をはるかに低い温度で保持するために、いくつかの条件が満たされなければならない。重要な条件は、(1)熱源が、high-K層の一部分を直接加熱しなければならないこと(その部分は、「熱ゾーン」と呼ばれ、例えば、その部分のみがLED光によって直接加熱されるか、または局所電気ヒータを有し、残りの部分はそうではない)、(2)熱ゾーンと試料の一部分との間の縦方向の加熱伝達が、high-K材料内の横方向の(すなわち、high-K材料の横方向への)熱伝達よりもはるかに大きくなければならないこと、(3)関連試料が、大きい横方向対縦方向サイズ比を有しなければならないこと、および(4)熱ゾーンの加熱力が、横方向の熱伝達(すなわち、熱伝導)が比較的ごくわずかである時間枠で関連試料体積を加熱するのに十分でなければならないことである。
上記の条件(2)を満たすための要件を説明するために、high-K層の内側の横方向の熱伝達に対する、high-K加熱ゾーンからhigh-Kと試料との間にある中間層を通した試料への縦方向の熱伝導のスケーリングされた熱伝導比(STC比)は、以下のように定義され、
式中、K
k、K
s、およびK
mはそれぞれ、high-K層、関連試料、および中間層(すなわち、high-Kと試料との間の層)の熱伝導率であり、t
k、t
s、およびt
mはそれぞれ、high-K層、試料、および中間層の厚さであり、Dは、関連試料の平均横寸法であり、0.025は、スケーリング係数である。
熱サイクル中に、high-K層の一部およびhigh-K層の一部の上の試料体積の一部を局所的に加熱しながら、high-K層の残りの部分および試料体積の残りの部分をはるかに低い温度で保持するために、いくつかの実施形態では、スケーリングされた熱伝導比(STM比)は、2以上、5以上、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、100以上、1000以上、10000以上、10000以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、スケーリングされた熱伝導比(STM比)は、10~20、30~50、100~1000、1000~10000、または10000~1000000の範囲である。
上記の条件(2)および(3)を満たすために、いくつかの実施形態では、関連試料の横方向対縦方向サイズ(LVS)比は、5、10、20、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、関連試料のLVS比は、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000の範囲である。
ある特定の実施形態では、関連試料の厚さは低減され(これは、試料の加熱速度にも役立つことができる)、関連試料は、0.05um、0.1um、0.2um、0.5um、1um、2um、5um、10um、20um、30um、40um、50um、60um、70um、80um、90um、100um、200um、300um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、関連試料は、0.05um~0.5um、0.5um~1um、1um~5um、5um~10um、10um~30um、30um~50um、50um~70um、70um~100um、100um~200um、または200um~300umの範囲の厚さを有する。
C.大きい試料対非試料熱質量比(NSTM比)
試料対非試料熱質量比の増加は、加熱時間を短縮し、加熱エネルギーを低減し、エネルギー効率を高めることができる。試料が2つのプレート間に挟まれる一実施形態では、熱質量比は、これらの体積において熱損失がないと仮定して、関連試料体積および関連試料を挟む2つのプレートの部分のみを考慮することによって推定され得る。したがって、熱質量比を測定するための1つのパラメータは、関連試料対非試料の「比面積熱質量」の比である(関連試料を挟むプレートの部分ならびにプレート部分上の部分加熱/冷却層)。材料の「比面積熱質量」という用語は、材料の体積比熱にその厚さを乗じたものを指す。
したがって、試料対非試料熱質量比は、熱伝導および放射による熱損失がごくわずかであると仮定して、無駄なエネルギー(非試料材料を加熱する)に対する、有用な熱エネルギー(関連試料を直接加熱する)の比である。
例えば、水は、4.2J/(cm^3-C)の体積比熱を有し、したがって、厚さ30umの水層の面積比熱は、1.26×10-2J/(cm^2-C)である。PMMAは、1.77J/(cm^3-C)の体積比熱を有し、したがって、厚さ25umのPMMA層の面積比熱は、4.43×10-3J/(cm^2-C)であり、これは、30umの水層の約2.8分の1である。金は、2.5J/(cm^3-C)の体積比熱を有し、したがって、厚さ0.5umの金層の面積比熱は、1.25×10-4J/(cm^2-C)であり、これは、30umの水層の約100分の1であり、ごくわずかである。Auのごくわずかな面積比熱は、その薄い厚さによるものである。
RHCカードの実施形態では、関連試料がそれぞれ厚さ25umの2つのプレート間に挟まれ、加熱/冷却層が厚さ0.5umである場合、この場合の試料対非試料熱質量比は、約1.4である。つまり、熱伝導および放射による熱損失が無視される場合、有用なエネルギー対無駄なエネルギーの比は、約1.4であり、有用なエネルギー対総加熱エネルギーの比は、58%である。
いくつかの実施形態では、試料対非試料熱質量比(NSTM比)は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、1、1.5、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、100、200、300、1000、4000、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
好ましい実施形態では、試料対非試料熱質量比(NSTM比)は、0.1~0.2、0.2~0.5、0.5~0.7、0.7~1、1~1.5、1.5~5、5~10、10~30、30~50、50~100、100~300、300~1000、または1000~4000の範囲である。
試料対非試料熱質量比を高くするために、非試料の面積熱質量を低く保持する必要があり、これは、プレートおよび加熱/冷却層を薄くし、体積比熱を低くする必要がある。
熱質量比を大きくするために、一実施形態は、多層または混合材料を有する薄い材料を使用する。例えば、プラスチックシートまたはプラスチックと混合された炭素を含む炭素繊維層(複数可)であり、これは、0.1um、0.2um、0.5um、1um、2um、5um、10um、25um、50um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有することができる。
D.関連試料の薄い厚さおよび大きい横方向対縦方向サイズ比(LVS比)
「試料の横方向対縦方向サイズ比」または「試料のLVS比」という用語は、関連試料体積の平均横方向サイズ対その平均縦方向サイズの比を指す。試料のより大きいLVS比は、加熱および/または冷却が主に縦方向からである実施形態において、無駄な加熱エネルギーを低減し、加熱速度および/または冷却速度を高めることができ、総熱エネルギーに対する関連試料の縁部における横方向の熱伝導損失を低減することができる。これらは全て、冷却時間を延長し、かつ/または延長することができる。
いくつかの実施形態では、関連試料のLVS比は、5、10、20、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、関連試料のLVS比は、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000の範囲である。
例えば、試料は、15mmの横寸法、および30umの厚さ、したがって500の試料のLVSを有する。
ある特定の実施形態では、関連試料の厚さは低減され(これは、試料の加熱速度にも役立つことができる)、関連試料は、0.05um、0.1um、0.2um、0.5um、1um、2um、5um、10um、20um、30um、40um、50um、60um、70um、80um、90um、100um、200um、300um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、関連試料は、0.05um~0.5um、0.5um~1um、1um~5um、5um~10um、10um~30um、30um~50um、50um~70um、70um~100um、100um~200um、または200um~300umの範囲の厚さを有する。
E.非試料の薄い厚さおよび大きい横方向対縦方向サイズ比(LVS比)
「非試料の横方向対縦方向サイズ比」または「非試料のLVS比」という用語は、関連試料を挟む2つのプレートの部分の平均横方向サイズ(これは、関連試料体積の平均横方向サイズと同じである)の、その厚さに対する比を指す。非試料の大きいLVS比は、総熱エネルギーに対して非試料の縁部のおける横方向の熱伝導損失を低減することができる。
いくつかの実施形態では、非試料のLVS比は、5、10、20、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
好ましい実施形態では、非試料のLVS比は、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000の範囲である。
例えば、2つの厚さ25umのプレートが、関連試料の5mm以上の横寸法の試料を挟み、したがって、各プレートに対する非試料のLVSは、200以上である。
加熱時間を短縮し、加熱エネルギーを低減し、エネルギー効率を高めるために、(試料ホルダー上の)非試料材料を通る横方向の熱伝導が低減されなければならない。
具体的には、第1および第2のプレートが良好な熱材料ではない材料でできている場合、プレートの厚さは、最小化されなければならない。
いくつかの実施形態では、第1のプレートまたは第2のプレートまたは両方のプレートの各々は、10nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1um、2.5um、5um、10um、25um、50um、100um、200um、500um、1000um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、第1のプレートまたは第2のプレートまたは両方のプレートの各々は、10nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1um、2.5um、5um、10um、25um、50um、75um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
第1のプレートおよび第2のプレートは、同じ厚さまたは異なる厚さを有することができ、同じ材料または異なる材料でできていてもよい。
いくつかの好ましい実施形態では、第1のプレートまたは第2のプレートまたは両方のプレートの各々は、10nm~500nm、500nm~1um、1um~2.5um、2.5um~5um、5um~10um、10um~25um、25um~50um、50um~100um、100um~200um、または200um~500um、または500um~1000umの範囲の厚さを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、プラスチック、薄いガラス、または同様の物理的特性を有する材料である。第1のプレートまたは第2のプレートは、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、175um、250um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、プラスチック、薄いガラス、または同様の物理的特性を有する材料である。第1のプレートが5um、10um、25um、50um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する一方で、第2のプレート(加熱層または冷却層を有するプレート)は、100nm、500nm、1um、5um、10um、それらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
F.high Kおよび/または高い熱伝導率対容量比(KC比)の冷却層
非試料材料を通るいかなる熱伝導もエネルギーを無駄にするため、かつ横方向の熱伝導が縦方向の熱伝導よりもはるかに長い熱経路を有するため、非試料材料における横方向の熱伝導で無駄になるエネルギーは、最小化されなければならない。このタイプの無駄なエネルギーを最小化する1つの方法は、冷却層のために高い熱伝導(high-K)またはより正確には高い熱伝導率対容量比(KC比)の材料を使用することである。所与の熱伝導率、所与の温度変化、および所与の幾何学的形状に対して、high Kおよび/または高KC比材料は、low Kおよび/または低KC比材料よりも加熱するために必要とするエネルギーがはるかに少ない。
いくつかの実施形態では、冷却層のためのKC比材料は、0.1cm^2/秒、0.2cm^2/秒、0.3cm^2/秒、0.4cm^2/秒、0.5cm^2/秒、0.6cm^2/秒、0.7cm^2/秒、0.8cm^2/秒、0.9cm^2/秒、1cm^2/秒、1.1cm^2/秒、1.2cm^2/秒、1.3cm^2/秒、1.4cm^2/秒、1.5cm^2/秒、1.6cm^2/秒、2cm^2/秒、3cm^2/秒以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、冷却層のKC比は、0.5cm^2/秒~0.7cm^2/秒、0.7cm^2/秒~0.9cm^2/秒、0.9cm^2/秒~1cm^2/秒、1cm^2/秒~1.1cm^2/秒、1.1cm^2/秒~1.3cm^2/秒、1.3cm^2/秒~1.6cm^2/秒、1.6cmの範囲である。
いくつかの実施形態では、高熱伝導率(すなわち、high-K)材料が冷却層に使用され、high-K材料は、50W/(m・K)、80W/(m・K)、100W/(m・K)、150W/(m・K)、200W/(m・K)、250W/(m・K)、300W/(m・K)、350W/(m・K)、400W/(m・K)、450W/(m・K)、500W/(m・K)、600W/(m・K)、1000W/(m・K)、5000W/(m・K)以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの範囲である熱伝導率を有する。
いくつかの好ましい実施形態では、高熱伝導率(すなわち、high-K)材料が冷却層に使用され、high-K材料は、50W/(m・K)~100W/(m・K)、110W/(m・K)~200W/(m・K)、200W/(m・K)~400W/(m・K)、400W/(m・K)~600W/(m・K)、または400W/(m・K)~5000W/(m・K)の範囲の熱伝導率を有する。
いくつかの実施形態では、high-K材料は、金属、半導体から選択され、50W/(m・K)より高い熱伝導率、および任意の組み合わせ(任意の混合物を含む)を可能にする。いくつかの実施形態では、high-K材料は、金、銅、銀、およびアルミニウム、ならびに任意の組み合わせ(任意の混合物を含む)から選択される。いくつかの実施形態では、high-K材料は、炭素粒子、カーボンチューブ、グラファイト、シリコン、および任意の組み合わせ(任意の混合物を含む)から選択される。
G-1.横方向の関連試料面積および加熱ゾーン面積よりも大きい冷却ゾーン面積
非試料材料における無駄なエネルギーを削減しながら試料を効果的に冷却するために、いくつかの実施形態では、high Kおよび/または高KC比材料(「high K材料」と呼ばれる)が試料から熱を除去するための主要なチャネルとして使用される。high-K冷却ゾーン(層)の面積は、関連試料の横方向サイズよりも大きくなければならない。
ある特定の実施形態では、冷却ゾーン(層)は、関連試料の横方向面積よりも1.5、2、3、4、5、10、20、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲だけ大きい面積を有する。
好ましい実施形態では、冷却ゾーン(層)は、関連試料の横方向面積よりも1.5~5、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000倍の範囲だけ大きい面積を有する。
冷却速度および熱サイクル効率を高めるために、ある特定の実施形態では、high-K冷却層(ゾーン)は、加熱ゾーン面積よりも大きい面積でなければならない。
いくつかの実施形態では、冷却ゾーン(層)の面積は、加熱ゾーン(層)の面積よりも1.1、1.5、2、3、4、5、10、20、30、40、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、5000、10,000、100,000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲(すなわち、冷却ゾーン面積対加熱ゾーン面積の比、「CH比」)だけ大きい。
好ましい実施形態では、冷却ゾーン(層)は、加熱ゾーン(層)の横方向面積よりも1.1~1.5、1.5~5、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000倍の範囲だけ大きい面積を有する。
G-2.冷却ゾーン面積および加熱ゾーン面積は、横方向の関連試料面積と同じである
ある特定の実施形態では、冷却ゾーン面積および加熱ゾーン面積は、横方向の関連試料面積と同じであり、これは、プレート上の総試料面積よりもはるかに小さく、プレートの面積よりも小さい。冷却ゾーンは、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2、1mm^2の面積を有する。
冷却ゾーンは、異なる形状を有することができる。ある特定の実施形態では、1つのプレート上に2つ以上の冷却ゾーンがあり、冷却ゾーンは、空気またはプラスチックなどの低熱伝導性材料によって互いから分離されている。
H.high Kおよび/または高い熱伝導率対容量比(KC比)の加熱ゾーン
エネルギーを無駄にする非試料材料を通る任意の熱伝導のため、かつ横方向の熱伝導が縦方向の熱伝導よりもはるかに長い熱経路を有するため、非試料材料における横方向の熱伝導で無駄になるエネルギーは、最小化されなければならない。このタイプの無駄なエネルギーを最小化する1つの方法は、加熱ゾーンにおける材料のために高い熱伝導率対容量(KC)比の材料を使用することであり、これは、所与の熱伝導率、所与の温度変化、および所与の幾何学的形状に対して加熱するために必要とするエネルギーがはるかに少ない。
いくつかの実施形態では、加熱層のためのKC比材料は、0.1cm^2/秒、0.2cm^2/秒、0.3cm^2/秒、0.4cm^2/秒、0.5cm^2/秒、0.6cm^2/秒、0.7cm^2/秒、0.8cm^2/秒、0.9cm^2/秒、1cm^2/秒、1.1cm^2/秒、1.2cm^2/秒、1.3cm^2/秒、1.4cm^2/秒、1.5cm^2/秒、1.6cm^2/秒、2cm^2/秒、3cm^2/秒以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、加熱層のKC比は、0.5cm^2/秒~0.7cm^2/秒、0.7cm^2/秒~0.9cm^2/秒、0.9cm^2/秒~1cm^2/秒、1cm^2/秒~1.1cm^2/秒、1.1cm^2/秒~1.3cm^2/秒、1.3cm^2/秒~1.6cm^2/秒、1.6cm^2/秒~2cm^2/秒、または2cm^2/秒~3cm^2/秒の範囲である。
いくつかの実施形態では、高熱伝導率(すなわち、high-K)材料が加熱層に使用され、high-K材料は、50W/(m・K)、80W/(m・K)、100W/(m・K)、150W/(m・K)、200W/(m・K)、250W/(m・K)、300W/(m・K)、350W/(m・K)、400W/(m・K)、450W/(m・K)、500W/(m・K)、600W/(m・K)、1000W/(m・K)、5000W/(m・K)以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの範囲である熱伝導率を有する。
いくつかの好ましい実施形態では、高熱伝導率(すなわち、high-K)材料が加熱層に使用され、high-K材料は、50W/(m・K)~100W/(m・K)、110W/(m・K)~200W/(m・K)、200W/(m・K)~400W/(m・K)、400W/(m・K)~600W/(m・K)、または400W/(m・K)~5000W/(m・K)の範囲の熱伝導率を有する。
いくつかの実施形態では、high-K材料は、金属、半導体から選択され、50W/(m・K)より高い熱伝導率、および任意の組み合わせ(任意の混合物を含む)を可能にする。いくつかの実施形態では、high-K材料は、金、銅、銀、およびアルミニウム、ならびに任意の組み合わせ(任意の混合物を含む)から選択される。いくつかの実施形態では、high-K材料は、炭素粒子、カーボンチューブ、グラファイト、シリコン、および任意の組み合わせ(任意の混合物を含む)から選択される。
加熱ゾーン(層)によって光エネルギーを受容するために、熱放射増強表面(複数可)が使用される(加熱ゾーンの片側または両側で)。熱放射吸収増強表面は、表面の構造を直接修正すること(例えば、ナノ構造のパターン化)、高熱放射材料をコーティングすること(例えば、黒色塗料のコーティング)、またはその両方によって達成され得る。
熱放射増強表面は、高い平均光吸収率を有する(例えば、我々の実験で使用した黒色塗料)。ある特定の実施形態では、加熱ゾーンは、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、100%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する。
ある特定の好ましい実施形態では、加熱ゾーンは、30%~40%、40%~60%、60%~80%~90%、または90%~100%の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する。
いくつかの好ましい実施形態では、加熱ゾーンは、30%~100%、50%~100%、70%~100%、または80%~100%の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する。
ある特定の実施形態では、加熱ゾーンは、400nm~800nm、700nm~1500nm、900nm~2000nm、または2000nm~20000nmの波長範囲にわたって平均化することによって、上記の値の平均光吸収率を有する表面を有する。
熱放射冷却の増加
ある特定の実施形態では、高速温度サイクリングは、熱サイクル中に、好ましくは熱放射冷却のための材料として高熱伝導率材料を使用することによって、試料および試料ホルダーの全冷却(すなわち、周囲への熱の除去)における熱放射冷却の割合を高めることによって達成される。1つの理由は、横方向の熱伝導による冷却が、多くの非試料材料を加熱してエネルギーを無駄にする必要があるためである。別の理由は、熱放射冷却が、温度の4乗に比例し、薄膜における熱伝導よりも効果的である可能性があることである。
熱放射冷却を増強するために、ある特定の実施形態では、熱放射冷却は、熱放射冷却のために増強された冷却層(冷却ゾーン)を使用する。増強は、(i)冷却ゾーン(層)の熱伝導率の増加、(ii)冷却ゾーン(層)の面積の拡大、(iii)冷却ゾーンの表面熱放射の増強、および(iv)それらの組み合わせを含む。
高熱伝導率材料の例は、金属(金、銀、銅、アルミニウムなど)、半金属、半導体(例えば、シリコン)、またはそれらの組み合わせである。
冷却ゾーン(層)の熱放射をさらに増強するために、熱放射増強表面(複数可)が使用される(冷却ゾーンの片側または両側で)。熱放射増強表面は、表面の構造を直接修正すること(例えば、ナノ構造のパターン化)、高熱放射材料をコーティングすること(例えば、黒色塗料のコーティング)、またはその両方によって達成され得る。
熱放射増強表面は、高い平均光吸収率を有する(例えば、我々の実験で使用した黒色塗料)。ある特定の実施形態では、冷却ゾーンは、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、100%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する。
ある特定の好ましい実施形態では、冷却ゾーンは、30%~40%、40%~60%、60%~80%~90%、または90%~100%の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する。
いくつかの好ましい実施形態では、冷却ゾーンは、30%~100%、50%~100%、70%~100%、または80%~100%の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する。
ある特定の実施形態では、冷却ゾーンは、400nm~800nm、700nm~1500nm、900nm~2000nm、または2000nm~20000nmの波長範囲にわたって平均化することによって、上記の値の平均光吸収率を有する表面を有する。
ある特定の実施形態では、表面熱放射増強層は、黒色塗料、プラズモン構造、ナノ構造、またはそれらの任意の組み合わせである。
高熱放射材料は、人間の目で黒色に見えるポリマー混合物である(「黒色塗料」と呼ばれることが多い)。高熱放射材料としては、ポリマーおよびナノ粒子の混合物が挙げられるが、これに限定されない。ナノ粒子の一例は、ブラックカーボンナノ粒子、炭素、ナノチューブ、グラファイト粒子、グラフェン、金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子、またはそれらの組み合わせである。
高熱放射材料は、層表面上に付着させるかまたは作製される材料をさらに含み、人間の目で黒色に見える。材料としては、ブラックカーボンナノ粒子、炭素、ナノチューブ、グラファイト粒子、グラフェン、金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子、またはそれらの組み合わせがあげられるが、これらに限定されない。
プラズモン構造は、ナノ構造プラズモン構造を含む。
いくつかの実施形態では、冷却層は、表面熱放射増強層を有する高熱伝導率金属(50W/(m・K)以上)の層を備える。いくつかの実施形態では、表面熱放射増強層は、低い横方向の熱コンダクタンスを有し、これは、極薄層、低熱伝導率、またはその両方のいずれかによるものである。
熱放射冷却の割合.
ある特定の実施形態では、熱放射冷却は、放射冷却層(すなわち、特に明記しない限り、high-K材料)の面積を増加させることによって達成され、放射冷却層の面積は、関連試料の横方向面積よりも1.2、1.5、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80 100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲だけ大きい。
好ましい実施形態では、放射冷却ゾーン(層)は、関連試料の横方向面積よりも1.2~3、3~5、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000倍の範囲だけ大きい面積を有する。
いくつかの実施形態では、熱サイクル中の試料および試料ホルダーの総冷却に対する、冷却ゾーン(層)による熱放射冷却の比は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、熱サイクル中の試料および試料ホルダーの総冷却に対する、冷却ゾーン(層)による熱放射冷却の比は、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~99%の範囲である。
J.冷却層の厚さの制御
ある特定の実施形態では、冷却層の厚さの厚さは、局所的な加熱および/またはエネルギー効率の最適化を容易にするように構成されている。冷却ゾーン(層)が厚すぎると、加熱エネルギーのかなりの割合が冷却層によって無駄にされ、加熱時間を長くする(所与の加熱力に対して)。一方、冷却ゾーンが薄すぎると、冷却時間がかなり長くなる。したがって、冷却層の厚さは、高速加熱および冷却の両方にとって最適化されなければならない。
我々の実験を通して、我々は、high-K冷却層の厚さが冷却速度を調節することができることがわかった。適切なhigh-K冷却層の厚さおよび適切なLED出力密度を選択することによって、高速加熱および冷却が達成され得る。
層の熱伝導が材料の熱伝導率に層の厚さを掛けたものに比例するため、最適化されるべきなのはこの積である。
いくつかの実施形態では、冷却ゾーン(層)は、6×10-5W/K、9×10-5W/K、1.2×10-4W/K、1.5×10-4W/K、1.8×10-4W/K、2.1×10-4W/K、2.7×10-4W/K、3×10-4W/K、1.5×10-4W/K、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の、熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、冷却ゾーン(層)は、6×10-5W/K~9×10-5W/K、9×10-5W/K~1.5×10-4W/K、1.5×10-4W/K~2.1×10-4W/K、2.1×10-4W/K~2.7×10-4W/K、2.7×10-4W/K~3×10-4W/K、または3×10-4W/K~1.5x10-4W/Kの範囲の、熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する。
ある特定の好ましい実施形態では、冷却ゾーン(層)は、9×10-5W/K~2.7×10-4W/K、9×10-5W/K~2.4×10-4W/K、9×10-5W/K~2.1×10-4W/K、または9×10-5W/K~1.8×10-4W/Kの範囲内の、熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する。
一実施形態では、冷却ゾーンは、200nm~800nmの範囲の厚さの金層を備える。別の実施形態では、冷却ゾーンは、300nm~700nmの範囲の厚さの金層を備える。
K.試料と加熱ゾーンまたは冷却ゾーンとの間の大きいコンダクタンス
試料を急速に加熱および冷却するために、関連試料と加熱層および/または冷却層との間の単位面積当たりの熱伝導は、大きくなければならない。面積当たりの熱伝導は、伝導率(単位体積)をHC層と試料との間にある材料の材料厚さで割ったものに等しい。例えば、一方の表面上にHC層、およびもう一方の表面上に試料を有する第2のプレートとしての厚さ100nmのPSの場合、HC層と試料との間のコンダクタンスは、約1000W/(m2・K)である。
実験に基づいて、RHCカードのいくつかの実施形態では、加熱ゾーンと関連試料との間の材料は、約1000W/(m2・K)以上になるように構成された熱伝導率および厚さを有する。
RHCカードのいくつかの実施形態では、加熱ゾーンと関連試料との間の材料は、1000W/(m2・K)、2000W/(m2・Km2・K)、3000W/(m2・Km2・K)、4000W/(m2・Km2・K)、5000W/(m2・Km2・K)、7000W/(m2・Km2・K)、10000W/(m2・K)、20000W/(m2・K)、50000W/(m2・K)、50000W/(m2・K)、100000W/(m2・K)以上、または任意のそれらの値の範囲である単位面積当たりのコンダクタンスを有するように構成された熱伝導率および厚さを有する。
加熱ゾーンと関連試料との間の材料の単位面積当たりの好ましいコンダクタンスは、1000W/(m2・K)~2000W/(m2・K)、2000W/(m2・K)~4000W/(m2・K)、4000W/(m2・K)~10,000W/(m2・K)、または10000W/(m2・K)~100000W/(m2・K)の範囲である。
別の好ましい実施形態では、加熱ゾーンと関連試料との間の距離は、ゼロであり、したがって、加熱ゾーンと関連試料との間の材料の単位面積当たりのコンダクタンスに対して無限である。
ある特定の実施形態では、加熱層または冷却層は、0.1~0.3W/(m・K)の範囲の熱伝導率を有する薄いプラスチックプレート(またはフィルム)によって関連試料から分離され、薄いプラスチック層は、0nm、10nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1um、2.5um、5um、10um、25um、50um、75nm、100um、150um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、関連試料を加熱層または冷却層から分離する薄いプラスチックプレート(またはフィルム)は、0nm~100nm、100nm~500nm、500nm~1um、1um~5um、5um~10um、10um~25um、25um~50um、50um~75um、75um~100um、または100um~150umの範囲の厚さを有する。
RHCカードの1つの好ましい実施形態では、関連試料を加熱層または冷却層から分離する薄いプラスチックプレート(またはフィルム)は、1nm、10nm、0.1um、0.5um、1umm、5um、10um、20um、25um、または任意の2つの値の間の範囲の厚さを有する。
L.小さい相対的試薬横方向拡散
温度変化または熱サイクル中に関連試料体積において生化学反応を実質的に均一にするために、関連試料の平均横方向面積は、分子増幅および/または反応に使用される核酸および/または他の試薬の横方向拡散よりもかなり大きくなければならない。このように、温度変化または熱サイクリングの期間中、関連試料体積内の分子の大部分は、関連試料体積から外に拡散するのに十分な時間を有さず、一方で、関連試料体積外の分子の大部分は、関連試料体積内へと拡散するのに十分な時間を有しない。
分子量が約600Daの分子の3分の熱サイクル持続時間および約1x10^-6cm2/秒の拡散定数を考慮すると、拡散距離は、約130umである。
ある特定の実施形態では、熱サイクリングまたは反応のための期間中の関連試料体積の平均横方向サイズ対試薬の拡散距離の比は、5、6、7、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、500、1000、5000、10000、100000以上、または任意の2つの値の間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、熱サイクリングまたは反応のための期間中の関連試料体積の平均横方向サイズ対試薬の拡散距離の比は、5~10、10~30、30~60、6~100、100~200、200~500、500~1000、1000~5000、5000~10000、または10000~100000の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、熱サイクリングまたは反応のための期間中の関連試料体積の平均横方向サイズ対試薬の拡散距離の比は、5~10、10~30、30~60、6~100、100~200、200~500、500~1000、1000~5000、5000~10000、または10000~100000の範囲である。
ある特定の好ましい実施形態では、関連体積の平均横寸法は、1mm、2mm、3mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm 10mm、12mm、15mm、20mm、30mm、40mm、50mm、70mm、100mm、200mm、または任意の2つの値の間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、関連体積の平均横寸法は、1mm~5mm、5mm~10mm、10mm~20mm、20mm~40mm、40mm~70mm、70mm~100mm、または100mm~200mmの範囲である。
別の好ましい実施形態では、関連体積の平均横寸法は、1mm~5mm、1mm~10mm、または5mm~20mmの範囲である。
M.縁部密封なしまたは単純な縁部密封
試料ホルダーの動作およびコストを単純化するために、ある特定の実施形態では、試料を閉じ込める2つのプレート間に密封はなく、つまり、プレート間に挟まれた試料は、試料の縁部から周囲に蒸発する可能性がある。しかしながら、我々の実験では、我々は、我々の試料カード構成において、試料の横方向面積対試料の縁部面積の比が大きいため、そのような蒸発が試料の総体積に対してごくわずかであり、プレートが蒸発の大部分を防止したことがわかった。
いくつかの実施形態では、試料の蒸発を低減または排除するために、エンクロージャリングスペーサまたはいくつかの不連続なスペーサ壁がプレートの一方または両方上に配置され得る。
P-2強制空冷
ある特定の実施形態では、冷却プロセスを加速するためにRHCカード付近に強制空冷/循環システムがある。強制空冷システムの例としては、カード付近の冷気を循環させる1つのファン、カード付近の冷気を循環させるいくつかのファン、カード付近の冷気を冷却する冷却源、カードに直接接触する冷却パッド、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、カードの頂面の空気を冷却する強制空冷/循環システムがある。
ある特定の実施形態では、カードの底面の空気を冷却する強制空冷/循環システムがある。
ある特定の実施形態では、カードの全ての表面を包囲する空気を冷却する強制空冷/循環システムがある。
2.機械構造設計
N.可動プレートおよび圧縮オープンフロー、ヒンジ、オープニング用ノッチ、凹型エッジ、ならびにスライダー
試料を簡単に装填するために、本発明のある特定の実施形態では、RHCカードの2つのプレートは、異なる構成になるように互いに対して移動可能である。試料を、プレートの開放構成において付着させ、次いでプレートを、閉鎖構成になるように押圧する。押圧中、試料はプレート間で流動し薄層になり、プレート間には試料が流動することを可能にする十分なスペースがあるため、この流動は、「圧縮オープンフロー」と呼ばれる。
ある特定の実施形態では、試料厚さを調節するための空間がプレートの一方または両方の上に追加され、したがって、流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスは、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1および第2のプレートは、異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々は、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域は、互いに向かい合い、200um以下の平均分離距離だけ分離され、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
加熱層は、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積は、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層は、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、
構成のうちの1つは、2つのプレートが部分的または完全に分離され、プレート間の平均間隔が少なくとも300umである、開放構成であり、
構成のうちの別の構成は、開放構成において流体試料が試料接触領域のうちの一方または両方の上に付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって層になるように閉じ込められ、平均試料厚さが200um以下であり、
いくつかの実施形態では、加熱層および冷却層は、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを有する同じ材料層であり、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンは、同じ面積または異なる面積を有することができる。
いくつかの実施形態では、可動プレートを備えた試料ホルダー(「RHCカード」または「Qカード」とも呼ばれる)は、試料ホルダーの操作および試料の測定を容易にするのに役立つヒンジ、ノッチ、凹部をさらに備える。さらに、試料ホルダーは、スライダー内へと摺動することができる。ヒンジ、ノッチ、凹部、スライダー、および圧縮オープンフローの構造、材料、機能、バリエーション、寸法は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
スペーサ(13)
ある特定の実施形態では、試料厚さを調節し、厚さを均一にするために、実施形態SH-5に記載のスペーサが使用される。スペーサはまた、両方のプレートが非常に薄い場合(例えば、25um以下)でさえ、均一な試料厚さを達成することを可能にする。
ある特定の実施形態では、スペーサは、プレートの一方または両方に固定される。ある特定の実施形態では、スペーサは、試料と混合される。いくつかの実施形態では、スペーサは、均一な高さを有し、スペーサは第1のプレートおよび第2のプレートと一緒に、試料層を調節する。いくつかの実施形態では、試料層の厚さは、スペーサの高さに実質的に等しい。
いくつかの実施形態では、プレートは、平坦である(例えば、図12Aに示されるように)。いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方のいずれかが、ウェルを含む(例えば、図12Bに示されるように)。例えば、ある特定の実施形態では、ウェルの幅は、500um、200um、100um、50um、25um、10um、5um、2.5um、1um、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm未満、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲であってもよい。ある特定の実施形態では、ウェルの深さは、500um、200um、100um、50um、25um、10um、5um、2.5um、1um、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、50nm、20nm、10nm、5nm、2nm、もしくは1nm未満、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方がウェルを有し、試料の大部分または全体が一方のプレートのウェル内のみにあり、もう一方のプレート(図示せず)によって被覆されている。
P.試料カートリッジおよび熱伝導分離
ある特定の実施形態では、RHCカード(試料ホルダー)は、試料カートリッジ上にさらに載置され得る。カートリッジは、基部(「アダプタ」とも呼ばれる)の中または外に摺動するように構成され得る。基部は、電源、温度センサおよびコントローラ、信号測定デバイス、ならびにカートリッジの有無にかかわらず試料ホルダーが基部の中または外に摺動するためのスロットを収容する。
いくつかの実施形態では、試料ホルダー、カートリッジ(すなわち、試料ホルダー支持体)、またはその両方は、「熱伝導分離」され、つまり、熱サイクル中に周囲への熱伝導を有しないか、またはほとんど有しない。この場合、熱サイクリングにおける冷却は、本質的に熱放射によるものである(これは、「伝導性熱伝達なし」と呼ばれる)。いくつかの実施形態では、「熱伝導分離」は、試料ホルダー、カートリッジ、またはその両方において、それらの材料の構成、幾何学的形状(厚さの低減を含む)、またはその両方によって達成される。
Q.上記の組み合わせ
RHCカードの一実施形態は、SH-1、SH-2、SH-3、およびA~Pのサブセクションに記載にされる本明細書の任意の組み合わせであってもよい。
R.加熱源
RHCカードの加熱層または加熱/冷却層は、加熱源によって加熱されるように構成され、加熱源は、光学的に、電気的に、高周波(RF)放射によって、またはそれらの組み合わせによって、加熱/冷却層に熱エネルギーを送達する。
S.基部(すなわち、アダプタ)
いくつかの実施形態では、装置は、試料カード、加熱源、温度センサ、温度制御された全体の一部(いくつかの実施形態ではスマートフォンを含む)、追加のヒートシンク(任意)、ファン(任意)、またはそれらの組み合わせを収容するように構成された基部(アダプタ)をさらに備える。いくつかの実施形態では、アダプタは、試料カードまたは試料カートリッジが挿入され得るカードスロットを備える。いくつかの実施形態では、試料カードまたは試料カートリッジは、スロットに完全に挿入された後、またはスロット内の所定の位置に到達した後、安定化され、移動することなく定位置に留まる。
T.スマートフォン
いくつかの実施形態では、試料カードの管理、加熱および/冷却の制御、信号の検知、カメラの動作使用の監視、フラッシュによる光/エネルギーの提供、ローカルまたはリモートデバイスへの通信、基部(アダプタ)を通したシステへの組み込み、それらの組み合わせのために、スマートフォンが使用される。
U.等温核酸増幅の応用
わずかな修正を加えた本発明はまた、試料温度が周囲温度から高温(すなわち、65℃)に上昇し、一定期間(すなわち、5~10分)その温度で保持する必要がある、等温核酸増幅のための有用なデバイスおよび方法を提供する。いくつかの実施形態では、等温核酸増幅試験に必要な修正のうちの1つは、冷却ゾーン/層を低減または排除することであり、これにより、試料および/または試料ホルダーから周囲への熱エネルギーの損失が低減される。
わずかな修正を加えた本発明は、試料温度が周囲温度から高温(すなわち、50C)に上昇し、一定期間(すなわち、5~10分)その温度で保持する必要がある、通常のPCR前の等温プロセスを含む逆転写ポリメラーゼ連鎖反応のための有用なデバイスおよび方法を提供する。わずかな修正を加えた本発明は、試料温度が周囲温度から高温(すなわち、50C)に上昇し、一定期間(すなわち、1~20分)その温度で保持する必要がある、dUTPおよびウラシル-DNA N-グリコシラーゼを使用する方法としてPCR相互汚染を最小化するための有用なデバイスおよび方法を提供する。
ある特定の実施形態の実験
本発明のある特定の実施形態が実験的に試験された。実験結果の一部がここに例示される。
我々の実験のいくつかでは、図18Aに示される装置は、試料ホルダー(例えば、RHCカード)、レンズによって試料ホルダーの面積(約5mm×5mm)に集束したLED光源(すなわち、エネルギー源)、および熱伝導絶縁材料でできている試料ホルダー支持体(図18Aには示されない)を備える。試料ホルダー支持体は、第2のプレートの2つの反対側の縁部における(例えば、第2のプレートの外周の周囲の)約2mmのリムを支持する。追加のヒートシンクはなく、熱は主に開放環境(例えば、部屋)に放射された。
このセクションに記載の実験では、試料ホルダーは、第1のプレートと、第2のプレートと、加熱/冷却層とを備える。プレートのうちの1つは、スペーサを有する。第1のプレートおよび第2のプレートは、異なる構成になるように互いに対して移動可能である。構成のうちの1つは、2つのプレートが少なくとも300umの平均距離だけ分離されている開放構成にある。開放構成では、試料がプレートのうちの一方の上に付着する。次いで、もう一方のカードを試料の上に配設し、2つのプレートを閉鎖構成へと手で押圧した。閉鎖構成では、スペーサは、2つのプレート間の距離を調節し、したがって試料厚さは、2つのプレートおよびスペーサによって調節される。適切なスペーサおよびプレートを使用することによって(本説明の他の部分を参照)、閉鎖構成での試料厚さは、広い面積にわたって均一になることができ、スペーサの高さに近くなる。実験的に、我々は、試料厚さが、異なる手の押圧力、圧力、および順序(最初にRHCカードの一方の領域を押圧し、次いで他方の領域に擦り込む)でさえ、均一であったことがわかった。
第1のプレートは、厚さ約50um、幅20mm、長さ20mmのポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)フィルムでできている。
第2のプレートは、幅20mmの正方形および厚さ25umのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである。第2のプレートは、その内面上に、高さ30um、サイズ30um×40um、スペーサ間距離80umの柱状スペーサの周期的アレイを有する。スペーサは、均一な高さおよび平坦な頂面を有する(他のタイプのスペーサも使用され得、後述される)。平坦なPMMAプレートの直接インプリントによって、プレート上に固定されるスペーサを製造した(他の製造方法も可能である)。
第2のプレートの外面または内面のいずれかの上の異なる材料および幾何学的形状の様々な加熱/冷却層を実験的に試験した。1つの例(図18Aに示される)は、加熱/冷却層が第2のプレートの外面上にあり、第2のプレートの外面全体を被覆するものである。加熱/冷却層は、Au(金)フィルムと黒色塗料層とを備える。金フィルムは、第2のプレートの外面と接触している1つの表面と、黒色塗料で塗装されている別の表面とを有する。黒色塗料は、ブラックカーボンナノ粒子およびポリマー混合物の複合体であるフィルムの市販品である。黒色塗料は、約9umの平均厚さ(約2umの厚さ変動)を有する。黒色塗料層は、図19に示されるように、入射するLED光に直接面していてもよい。Auフィルムと第2のプレートの外面との間には、5nmのTi接着層があり、Auと第2のプレートとの間の接着を改善する。しかし、接着層は任意であり、接着層の厚さが薄いため、試料ホルダーの熱特性にほとんどまたはまったく影響を与えないはずである。
加熱源は、中心波長が450nmの青色発光ダイオード(LED)であってもよい。図19に示されるように、レンズを使用してLEDからの光を加熱/冷却層に投影したが、加熱/冷却層の中央領域上のみであり、典型的には加熱/冷却層上のLEDスポットサイズ(すなわち、面積)は、いくつかの実施形態によると約5mm×5mmである。後に示されるように、所与の試料カードおよび試料厚さの場合、LED加熱スポット上の試料のみが設計温度に変化または到達することができる。したがって、加熱ゾーンの面積は、約5mm×5mmである。いくつかの実施形態では、第1のプレートの全面積である冷却ゾーン面積と比較して、冷却ゾーン面積は、加熱ゾーン面積の約16倍大きくてもよい(すなわち、high-K C/H比=16)。
LED加熱源は、100ミリ秒未満の時間でLED電流を変化させることができる電源から電力供給される。いくつかの実施形態では、LED光を集束させるために非球面状コンデンサーレンズが使用され、レンズは、12mmの直径、10.5mmの焦点距離、および0.54の開口数(N.A.)を有する。
感温色素(LDS698)は、加熱ゾーン(すなわち、LEDによって直接放射される領域)における試料の温度を監視する。光検出器を使用して感温色素およびフィードバックを監視して、LED電流、したがってLED加熱源および加熱ゾーンの温度を制御した。
以下に記載される実験(実験1~実験12)では、特に明記しない限り、試料ホルダーは、第2のプレートの2つの反対側の縁部において約2mmのリムを支持することによって試料ホルダーを支持し、したがって試料ホルダーは、外側から熱伝導分離され、試料ホルダーの冷却は、主に熱放射冷却によるものである。熱放射冷却は、主にH/C層によって提供され、これは、試料およびプレートが不十分な熱放射体であり、H/C層よりもはるかに低い熱伝導を有するためである。熱放射冷却は、熱エネルギーを開放環境(すなわち、部屋)に放射する。
我々の実験では、水に近い熱特性を有する約5uLの液体試料を、2つのプレート間およびプレート表面のほぼ中央領域に付着させた。試料を最初にRHCカードのプレートのうちの一方を落とし、次いで、もう一方のカードを試料の上に配設し、2つのプレートを閉鎖構成へと手で押圧した。プレート上のスペーサにより、2つのプレートが閉鎖構成にあるとき、2つのプレート間の間隔は、高さ30umのスペーサアレイによって30umの分離に調節され、試料厚さは、異なる手の押圧力、圧力、および順序(最初にRHCカードの一方の領域を押圧し、次いで他の領域に擦り込む)でさえ、均一であることがわかった。人間の手で押圧することによって良好な試料厚さを達成することは、本発明の実際の使用においていくつかの利点を提供する。
2つのプレート間の試料が約5uLの場合、試料は、30umの厚さおよび約166mm^2の面積を有する(およそ約13mm×約13mmの正方形。試料横方向形状は、図18Bのトップダウン図に示されるように、プレート上のスペーサによって影響を受ける)。いくつかの実施形態では、総試料面積は、加熱ゾーン面積(約5mm×5mm)の約6.6倍を超える。実験的に、我々は、この設定では、加熱ゾーン上の試料の部分のみが所望の温度に加熱されたことがわかった。すなわち、加熱されている試料の部分の面積(体積)は、総試料面積(体積)の約1/6である。
さらに、この設定では、試料ディスクの縁部に物理的な壁はなく、空気のみがあった。しかしながら、後述するように、我々は、30サイクルPCRの前後の試料ディスク直径があまり変化しないことがわかり(すなわち、肉眼ではほとんど違いが見られない)、これは、液体試料を封入するための物理的な壁(空気-液体境界面を除く)なしでさえ、試料の蒸発がほとんどごくわずかであることを意味する。
この実験セクションで使用される全てのスペーサは、一方のプレート上に固定され、もう一方のプレートと接触することができる平坦な頂部を有する柱である。
我々の実験では、液体試料をプレートのうちの1つの上に付着させ、次いで第2のプレートを試料の上に配置した。プレートを人間の手で一緒に押圧した。手で押圧している間、試料は広がり、プレート間にフィルムを形成する。プレート上の(均一な高さの)スペーサにより、手で押圧しても、最終試料厚さは均一であり、2つのプレート表面およびスペーサの高さによって調節される。さらに、試料が最終厚さに到達し、手の押圧力が除去された後、試料ホルダーの2つのプレートは、液体試料の毛管力によって互いに「自己」保持して、一定の試料厚さを「自己」維持する。さらに、65~95Cの熱サイクル中でさえ、毛管力は、試料の厚さをなおも一定に保持する。クランプを使用しないそのような自己試料を保持は、デバイスの動作およびコストを大幅に単純化することができる。
実験-1
異なるH/C層材料の光吸収
1つの実験では、LED光の吸収に対するH/C層の材料の効果を研究した。
加熱/冷却(H/C)層の異なる材料の光吸収スペクトル。実験的に、我々は、450nmのLED照射のための4つの異なるH/C層材料:厚さ500nmのAu(金)のみ(すなわち、黒色塗料なし)、厚さ400nmのAl(アルミニウム)のみ、黒色塗料(厚さ9um)を有するAu(厚さ500nm)、および黒色塗料(厚さ9um)を有するAl(厚さ400nm)の光吸収スペクトル(すなわち、1-R(光反射))を試験した。我々は、図20に示されるように、光吸収が、400~800nmの波長範囲全体にわたって黒色塗料がコーティングされたAuおよびAlに対して約99%であり、Auのみに対して最大73%(約490nmの波長において)および490nmの波長後にはるかに小さく、Alのみに対して400nm~800nmの帯域幅で0.1%であることがわかった。これは、実験で使用した厚さ9umの黒色塗料が、H/C層の光吸収および放射を大幅に増強したことを意味する。
実験-2
加熱ゾーン面積サイズ測定
別の実験では、HC層上の加熱ゾーンの面積を測定した。我々は、HC層からプレートおよび試料への縦方向の熱伝達が、HC層を伴うプレート、試料における横方向の熱伝導よりも桁違いに優れているという事実によることが実験的にわかった。試料の加熱ゾーンの面積は、HC層上のLED照射面積とほぼ同じ面積である。
実験的に、試料ホルダーカード(図18Aに示される)は、厚さ50umのPMMAプレートの第1のプレート、厚さ25umのPETの第2のプレート、スペーサによって制御された厚さ30umの試料間隙を有し、金のH/Cは、第2のプレートの外面上にある。第1のプレート、第2のプレート、および金/黒色塗料HC層は、20mm×20mmの同じ面積を有する。HC層は、厚さ500nmのAu(金)フィルムと黒色塗料層とを備える。金フィルムは、第2のプレートの外面と接触している1つの表面と、黒色塗料で塗装されている別の表面とを有する。黒色塗料は、ブラックカーボンナノ粒子およびポリマー混合物の複合体であるフィルムの市販品である。黒色塗料は、約9umの平均厚さ(約2umの厚さ変動)を有する。H/C層の約5mm×5mmの加熱ゾーン上に投影されるLED加熱力は、300mWである。試料液体は、60%の水および40%のDMSO中2mg/mLの5uL感温色素LDS698である。感温色素により、我々は、試料の温度を光学的に測定することが可能である。RHCカード上の5uLの試料は、30umの厚さおよび約167mm^2の面積を有し、これは、加熱ゾーン面積よりもはるかに大きい。熱サイクリングは、65℃~95℃である。
我々は、所与の条件で、熱サイクリング(65~95C)において、感温色素の測定に基づいて、167mm^2の試料面積について、LED直接照射の上の試料領域(約5mm×5mm)のみが熱サイクリング(65~95C)を有する一方で、試料領域の残りの部分は、室温(すなわち、環境温度(例えば、約20C))に近いほぼ一定の温度のままであることを実験的に観察した。試料における熱サイクルゾーンは、試料の総面積のおよそ約1/6である。試料の熱サイクルゾーンから環境温度を有する試料領域までの移行距離は、感温色素から約2~3mmと測定される。この実験はまた、面積20mm×20mmの金/黒色塗料HC層では、LEDによって直接照射される試料の領域(約5mm×5mm)のみが加熱されることも示す。つまり、加熱ゾーンは、総HC層のわずか1/16である(すなわち、high-K C/H比=16)。理由は、前述のように、所与のRHCカードでは、HC層からプレートおよび試料への縦方向の熱伝達が、HC層を伴うプレートおよび試料における横方向の熱伝導よりも桁違いに優れているためである。
実験-3
加熱および冷却時間に対するHC層面積の効果
別の実験では、加熱および冷却時間に対するH/Cゾーン面積の効果を研究した。2つのタイプのRHCカードが調査される。
タイプ1のRHCカードは、円形ディスク形状のHC層を使用する。タイプ1のRHCカードは、厚さ100umのPMMAポリ(メチルメタクリレート)プレートの第1のプレート、厚さ50umのPET(ポリエチレンテレフタレート)の第2のプレート、スペーサで制御された厚さ30umの試料間隙を含んでもよく、H/C層は、第2のプレートの外面上の厚さ700nmの金フィルムである。第1のプレートおよび第2のプレートは、正方形の形状および20mm×20mmの面積を有する。第2のプレートは、その内面上に、平坦な頂部、均一な高さ30um、サイズ30um×40um、スペーサ間距離80umの柱状スペーサの周期的アレイを有する。第2のプレートの外面の中央に位置付けられたHC層は、厚さ700nmのAu層であり、異なるRHCカードに対して異なるディスク直径を有する円形ディスク形状である。
タイプ2のRHCカードは、正方形のHC層を使用する。タイプ2のRHCカードは、厚さ50umのPMMAプレートの第1のプレート、厚さ50umのPETの第2のプレート、試料厚さを30umに制御するための高さ30umのスペーサを含んでもよく、H/C層は、第2のプレートの外面上の厚さ500nmの金フィルムである。第1のプレートは、正方形の形状、20mm×20mmの面積、およびその内面上に、平坦な頂部、均一な高さ30um、サイズ30um×40um、スペーサ間距離80umの柱状スペーサの周期的アレイを有する。第2のプレートは、正方形の形状および4つの異なるHC層に対して4つの異なる面積を有する。第2のプレートのうちの2つは、それぞれ10mm×10mmおよび20mm×20mmのHC層面積に対して20mm×20mmの面積を有するが、他の2つのは、それぞれ30mm×30mmおよび40mm×40mmのHC層面積に対するHC層と同じ面積を有する。
2つのタイプのRHCカードの試験において、LED加熱力は、H/C層の約5mm×5mmの面積上に投影されて加熱ゾーンを形成し、300mWの出力を有する。試料液体は、60%の水および40%のDMSO中2mg/mLの5uL感温色素LDS698である。感温色素により、我々は、試料の局所温度を光学的に測定することが可能である。RHCカード上の5uLの試料は、30umの厚さ(スペーサによって調節される)および約167mm^2の面積を有し、これは、加熱ゾーン面積よりもはるかに大きい。熱サイクリングは、65℃~95℃である。
実験データ(図22および図23に示される)は、H/C層の面積が大きくなると、加熱時間が増加なるが、冷却時間が減少することを示す。タイプ1のRHCカードの場合、HC層は、カードの機械的支持体(例えば、試料ホルダー)と直接物理的に接触せず、したがって冷却サイクル時間の短縮は主に、HC層の放射冷却面積の増加によって引き起こされるHC層の熱放射冷却の増加によるものである。
実験-4
500nmのAu H/C層および500mWの加熱で達成される0.6秒の加熱、0.75秒の冷却
別の実験では、厚さ30μmおよび5μLの水様試料ならびに500mWのLED出力を用いたRHCカード(図18Aに示したものと同じ)の加熱および冷却サイクルを研究した。図21に示される実験データは、約0.65秒の加熱時間(平均昇温傾斜43℃/秒)および約0.75秒の冷却時間(平均降温傾斜37℃/秒)を伴う、65℃~93℃の10回のサイクルを示す。
実験-5
(加熱および冷却時間に対するH/C層の厚さの効果)
1つの実験では、加熱および冷却時間に対するH/C金層の厚さの効果を研究した。
例示的なRHCカードは、厚さ100umのPMMAプレートの第1のプレート、厚さ50umのPETの第2のプレート、試料厚さを制御するための厚さ30umのスペーサアレイを有し、金のH/C層は、第2のプレートの外面上にある。第1のプレート、第2のプレート、および金HC層は、20mm×20mmの同じ面積を有する。H/C層の約5mm×5mmの加熱ゾーン上に投影されるLED加熱力は、300mWである。RHCカード上の5uLの水様試料は、30umの厚さおよび約167mm^2の面積を有し、これは、加熱ゾーン面積よりもはるかに大きい。熱サイクリングは、65℃~95℃である。
図24Aおよび24Bに示される実験データは、HC層の金の厚さが300nmから700nmに変化すると、熱サイクルの加熱時間がわずかに(1.75秒から1.90秒に)増加するが、熱サイクルの冷却時間が金の厚さと共に(1.5秒から1.3秒に)減少することを示す。
冷却サイクル時間は、金の厚さと共に短くなる。これは、(a)金HC層の熱放射冷却が試料の冷却に重要であり、かつ(b)熱放射冷却が、放射のために試料から金を通した金表面への熱伝導を伴うことを示唆する。金が厚いほど、試料から金HC層の縁部への熱の熱伝導が良好になる。
加熱サイクル時間は、金の厚さの増加と共に長くなる。明らかに、より厚い金は、総加熱エネルギーを増加させる。しかし、この実験では、LEDは、約5mm×5mmの関連試料面積および金HC層面積のみを最大サイクル温度まで加熱し、金の熱質量は(薄い厚さのため)小さく、したがって総加熱エネルギーの増加は小さく、金の厚さの増加に伴う加熱サイクルのわずかな増加をもたらす。
実験-6
(加熱および冷却時間に対する加熱/冷却層-試料距離の効果)
別の実験では、加熱および冷却時間に対するHC層と試料との間の距離の効果を研究した。
例示的なRHCカードは、厚さ100umのPMMAプレートの第1のプレート、異なるRHCカードに対して異なる厚さを有するPETフィルムの第2のプレート、スペーサによって制御された厚さ30umの試料厚さを有し、HC層は、むき出しの厚さ0.5umの金でできており、第2のプレートの外面上にある。第1のプレート、第2のプレート、および金HC層は、20mm×20mmの同じ面積を有する。H/C層の約5mm×5mmの加熱ゾーン上に投影されるLED加熱力は、300mWである。RHCカード上の5uLの水様試料は、30umの厚さおよび約167mm^2の面積を有し、これは、加熱ゾーン面積よりもはるかに大きい。熱サイクリングは、65℃~95℃である。
HC層と試料との間の距離は、第2のプレート表面と接触している金表面と、別の第2のプレート表面と接触している試料表面との間の距離(すなわち、金から試料までの距離)である。
図25Bおよび25Cに示される実験データは、第2のプレートの厚さ(したがって金から試料までの距離)が25umから1000umに変化すると、加熱サイクル時間および冷却サイクル時間の両方が増加するが、加熱サイクル時間が、第2のプレートの厚さと共に、冷却サイクル時間よりもはるかに大幅に増加することを示す。
データは、第2のプレートの厚さの増加により、第2のプレートの加熱および冷却に必要なエネルギーが大幅に増加し、試料とHC層との間の熱伝導が大幅に低減することを示唆する。
高速加熱および冷却のために、(試料およびHC層によって物理的に挟まれている)第2のプレートの厚さを低減しなければならず、これは、可能な限り薄くなければならない。第2のプレートの好ましい厚さは、25nm以下である。第2のプレートの別の好ましい厚さは、10nm以下である。
実験-7
(加熱および冷却時間に対する試料厚さの効果)
別の実験では、加熱および冷却時間に対する2つのプレート間に挟まれた試料厚の効果を研究した。
例示的なRHCカードは、厚さ100umのPMMAプレートの第1のプレート、厚さ25umのPETフィルムの第2のプレート、試料厚さを制御するためのスペーサの周期的アレイを有し、HC層は、むき出しの厚さ0.5umの金でできており、第2のプレートの外面上にある。水様試料は、各異なるRHCカードに対して異なる間隙(すなわち、厚さ)を有する。第1のプレート、第2のプレート、および金HC層は、20mm×20mmの同じ面積を有する。H/C層の約5mm×5mmの加熱ゾーン上に投影されるLED加熱力は、300mWである。RHCカード上の水様試料は、約167mm2の面積を有し、これは、加熱ゾーン面積よりもはるかに大きい。熱サイクリングは、65℃~95℃である。
図27Aおよび27Bに示される実験データは、試料厚さが10umから100umに変化すると、加熱サイクル時間および冷却サイクル時間の両方が増加するが、加熱サイクル時間が、第2のプレートの厚さと共に、冷却サイクル時間よりもはるかに大幅に増加することを示す。
データは、試料厚さの増加により、試料の加熱および冷却に必要なエネルギーが大幅に増加することを示唆する。
高速加熱および冷却のために、試料厚さを低減しなければならず、これは、可能な限り薄くなければならない。試料の好ましい厚さは、30um以下である。試料の別の好ましい厚さは、10um以下である。試料の別の好ましい厚さは、5um以下である。
実験-8
加熱および冷却時間に対するLED出力の効果
別の実験では、加熱および冷却時間に対するLED出力の効果を研究した。例示的なRHCカードは、厚さ50umのPMMAプレートの第1のプレート、厚さ25umのPETの第2のプレートを有し、HC層は、第2のプレートの外面上にある。第1のプレート、第2のプレート、および金/黒色塗料HC層は、20mm×20mmの同じ面積を有する。第1のプレートは、その内面上に、30umの高さ、30um×40umの横方向断面サイズ、および80umのスペーサ間距離を有するスペーサの周期的アレイを有する。HC層は、厚さ500nmのAu(金)フィルムと黒色塗料層とを備える。金フィルムは、第2のプレートの外面と接触している1つの表面、および黒色塗料で塗装されている別の表面を有する。黒色塗料は、ブラックカーボンナノ粒子およびポリマー混合物の複合体であるフィルムの市販品である。黒色塗料は、約9umの平均厚さ(約2umの厚さ変動)を有する。
青色(ピーク波長450nm)LEDによって提供される加熱力を、H/C層の約5mm×5mmの加熱ゾーン上に投影し、出力は、100mw~500mWまで様々であった。試料液体は、60%の水および40%のDMSO中2mg/mLの5uL感温色素LDS698である。感温色素により、我々は、試料の温度を光学的に測定することが可能である。RHCカード上の5uLの試料は、30umの厚さおよび約167mm^2の面積を有し、これは、加熱ゾーン面積よりもはるかに大きい。
図27Aに示される実験データは、加熱時間と加熱源出力との間の関係を示し、RHCカード上で100mW~500mWの加熱LED出力強度を用いて65℃~93℃に加熱するために必要な時間の実験データを示す。
図27Bに示される実験データは、冷却時間と加熱源出力との間の関係を示し、93℃~65℃に冷却するために必要な時間を示す。加熱/冷却時間結果も表1に示される。
実験データは、所与の試料ホルダー(すなわち、RHCカード)について、LED出力が100mWから500mWに増加すると、熱サイクル時間が14秒から0.4秒に低下する一方で、冷却サイクル時間がほぼ一定であることを示す。
実験データは、低い加熱力(すなわち、低い加熱力密度)について、一定量のエネルギーを送達するのにより時間がかかり、より長い時間は、熱伝導におけるエネルギー損失および放射損失を増加させ、したがって無駄なエネルギーを増加することを示唆する。冷却のために、所与の温度で一定の体積の試料中に貯蔵される熱エネルギーの量が一定であるため、その温度に到達する時間の長さに関係なく、冷却時間は、加熱サイクル時間とほとんど無関係である。
実験は、総熱サイクル時間を短縮するために、加熱力を増加させなければならないことを示した。
(表1)RHC加熱時間および冷却時間に対するLED出力の効果
実験-9
加熱および冷却時間に対するH/C層の材料の効果
別の実験では、加熱および冷却時間に対するH/C層の材料の効果を研究した。例示的なRHCカードは、厚さ50umのPMMAプレートの第1のプレート、厚さ25umのPETフィルムの第2のプレート、水様試料の厚さを厚さ30umに調節するためのスペーサの周期的アレイを有し、HC層は、第2のプレートの外面上にある。HC層は、各異なるRHCカードに対して異なる材料を有する。第1のプレート、第2のプレート、およびHC層は、20mm×20mmの同じ面積を有する。H/C層の約5mm×5mmの加熱ゾーン上に投影されるLED加熱力は、300mWである。RHCカード上の5uLの水様試料は、30umの厚さおよび約167mm^2の面積を有し、これは、加熱ゾーン面積よりもはるかに大きい。熱サイクリングは、65℃~93℃である。
図28Aおよび28Bに示される実験データは、試験した3つの異なるHC層材料について、加熱サイクル時間および冷却サイクル時間はそれぞれ、Au(厚さ500nm)および9umの黒色塗料のHC層を有する試料ホルダーに対して0.75秒および0.75秒、AuのHC層(厚さ500nm)のみの試料ホルダーの場合は1秒と1.1秒、AlのHC層(厚さ500nm)のみを有する試料ホルダーに対して1秒および1.1秒、ならびにAlのHC層(厚さ500nm)および9umの黒色塗料のHC層を有する試料ホルダーに対して1.75秒および1秒である。
この実験は、熱放射冷却における良好な横方向の熱コンダクタンスの重要性を示す。黒色塗料を伴う金と比較して、アルミニウムおよび黒色塗料は、ほぼ試料の光吸収(したがって放射)を有するが、はるかに不十分な横方向の熱伝導を有し、これは、熱が横方向にそれほど広がることができないため、効果的な熱放射面積をはるかに小さくする。
実験は、HC層のための材料の好ましい実施形態が、薄い金フィルムおよび黒色塗料であることを示す。
実験-10
0.73秒の熱サイクル時間の実証
(加熱時間0.23秒および冷却時間0.5秒)
別の実験では、65C~93Cの熱サイクリングについて、RHCカード(カード-B)は、0.73秒の熱サイクル時間(加熱時間0.23秒および冷却時間0.5秒)を実験的に実証し、別のRHCカード(カード-A)は、0.9秒の熱サイクル時間(加熱時間0.3秒および冷却時間0.6秒)を実験的に実証した。
図29Aは、2つのプレートを有する試料ホルダーを示し、それらの各々は、いくつかの実施形態によると、厚さ約10μm、幅約20mm、および長さ約20mmの高密度ポリエチレン(HDPE)フィルムである。試料厚さを制御するスペーサは、約60mg/mLの濃度を有する直径約24μmのソーダ石灰球であった。球スペーサを試料と混合した。
図29Bは、厚さ25umのポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)フィルムの第1のプレートと、厚さ10umの高密度ポリエチレン(HDPE)フィルムの第2のプレートとを有する試料ホルダーを示す。両方のプレートは、20mm×20mmの同じ面積を有する。第1のプレートは、その内面上に、高さ10um、サイズ30um×40um、スペーサ間距離80umのスペーサの周期的アレイを有する。
図29Aおよび図29Bに示される両方の試料ホルダーの実施形態は、第2のプレートの外面全体にH/C層を有する。H/C層は、厚さ500nmのAuフィルムを備え、これは、第2のプレートの外面と接触している1つの表面と、黒色塗料で塗装されている別の表面とを有する。黒色塗料は、ブラックカーボンナノ粒子およびポリマー混合物からなるフィルムの市販製品であり、塗装されたフィルムは、9umの平均厚さおよび2umの厚さ変動を有する。
試料は、60%の水および40%のDMSO中2mg/mLの濃度の感温色素LDS698である。試料の体積は、図29Aの試料ホルダーに対して5uL、図29Bの試料ホルダーに対して3uLである。
中心波長450nmの青色発光ダイオード(LED)である加熱源は、HC層の黒色塗料層上に500mWのエネルギーを投影し、第2のプレートの中心に面積約5mm×5mmの加熱ゾーンを形成した。
実験データ(表2)は、65C~93Cの熱サイクリングについて、図29Aの試料ホルダーが0.3秒の加熱サイクル時間および0.60秒の冷却時間、したがって0.90秒の合計熱サイクル時間を有し、図29Bの試料ホルダーが、0.23秒の加熱サイクル時間および0.50秒の冷却時間、したがって0.73秒の合計熱サイクル時間を有することを示す。
実験-11
加熱および冷却時間に対する試料支持体および試料アダプタの使用の効果
別の実験では、加熱および冷却時間に対する試料支持体および試料アダプタの使用の効果を研究した。
実験では、RHCカードを機械的試料カード支持体(「カード支持体」と呼ばれる)上に配置し、次いでカード支持体をアダプタ内へと摺動させた。熱サイクル時間を、(a)RHCカードのみ、(b)カード支持体上のRHCカード、および(c)カード支持体上のRHCカードで、カード支持体がアダプタ内に摺動する場合について測定した。
いくつかの実施形態では、試料ホルダー(図30Aおよび30Bに示される)は、10um~50umの厚さ、22mmの幅、および27mmの長さを有するポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)フィルムである第1のプレートを備える。第1のプレートは、その内面上に、30umの高さ、30um×40umの断面サイズ、および80umのスペーサ間距離を有するスペーサの周期的アレイを有する。
いくつかの実施形態では、第2のプレートは、10um~50umの厚さ、20mmの幅、および27mmの長さを有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたは高密度ポリエチレンフィルムである。加熱/冷却層は、第2のプレートの外面全体を被覆する。加熱/冷却層は、厚さ100nm~500nmのAuフィルムを備え、これは、第2のプレートの外面と接触している1つの表面と、黒色塗料で塗装されている別の表面とを有する。黒色塗料は、約9umの平均厚さを有する。
いくつかの実施形態によると、カード支持体(図30Aおよび図30Bに示される)は、中心に15mm×15mmの正方形の穴を有する幅24mmおよび長さ32mmの厚さ1mmのPMMAプレートを備える。RHCカードおよびカード支持体を、図30Bに示されるように、RHCカードの黒色塗料とカード支持体の表面との間に厚さ10~15umの接着剤を使用して接着した。
いくつかの実施形態によると、カードアダプタは、試料カードがUの中または外に摺動することができる2つのU字形フレームのアセンブリを備える。U字形フレームのうちの一方はプラスチックでできており、もう一方の部品はアルミニウムでできており、2つのU字形フレームは、それらの間に間隙がある状態で並行に組み立てられ、間隙は、試料カードが摺動するためのスロットである。カードアダプタの一例は、従来のSDカードコネクタをU字形に切断することである(後端から切断)。
厚さ50nmの第1のカードおよび厚さ25nmのPETの第2のカード(両方とも20mm×20mmの面積を有する)のRHCカードの熱サイクル時間の試験において、試料液体は、60%の水および40%のDMSO中2mg/mLの5uL感温色素LDS698であり、450nmの青色LEDを、5mm×5mmの面積(加熱ゾーンを形成)および300mWの出力で黒色塗料上に投影した。
図31に示される実験データは、65℃~93℃の熱サイクリングについて、(a)RHCカードのみに対して、加熱サイクル時間が0.67秒であり、冷却サイクルが0.9秒であり、合計熱サイクル時間が1.57秒であり、(b)カード支持体上のRHCカードに対して、加熱サイクル時間が0.77秒であり、冷却サイクルが0.87秒であり、合計熱サイクル時間が1.64秒であり、かつ(c)カード支持体上のRHCカードで、カード支持体がアダプタ内に摺動する場合に対して、加熱サイクル時間が0.93秒であり、冷却サイクルが0.7秒であり、合計熱サイクル時間が1.63秒であったことを実証する。
実験データは、主に熱放射冷却に基づいてRHCカードを冷却することによって、熱サイクル時間を4%未満増加させながら、RHCカードがカード支持体によって支持され得、カード支持体がアダプタに挿入され得ることを示唆する。
実験-12
追加のヒートシンクを使用する効果
別の実験では、加熱および冷却時間に対する外部ヒートシンクの追加の効果を研究した。この実験では、RHCカードからの熱が周囲に放射するのではなく、ペルチェ冷却をRHCカードのHC層の縁部と接触して配置した。
RHCカードは、厚さ50umのPMMAプレートの第1のプレート、厚さ50umのPETフィルムの第2のプレート、試料厚さを30umに制御するためのスペーサの周期的アレイを有し、HC層は、むき出しの厚さ0.3umの金でできており、第2のプレートの外面上にある。第1のプレートは、20mm×20mmの面積を有する。第2のプレートおよび金HC層は、30mm×30mmの同じ面積を有する。
H/C層の約5mm×5mmの加熱ゾーン上に投影されるLED加熱力は、500mWである。RHCカード上の5uLの水様試料は、30umの厚さおよび約167mm^2の面積を有し、これは、加熱ゾーン面積よりもはるかに大きい。熱サイクリングは、65℃~93℃である。
いくつかの設定では、0Cヒートシンクを提供するペルチェクーラは、第2のプレートと3mmの縁部重なり合うことによって、HC層と接触しているか、またはHC層の近くにある。参照設定では、ペルチェクーラはなかった。試料液体は、60%の水および40%のDMSO中2mg/mLの濃度の5uL感温色素LDS698である。
実験データ(表3)は、ペルチェクーラがない場合、RHCカード内の液体の65℃~93℃への加熱時間が0.63秒である一方で、93℃~65℃への冷却時間が1.2秒であり、Auフィルムと接触しているペルチェクーラがある場合、RHCカード内の液体の65℃~93℃への加熱時間が0.73秒に増加する一方で、93℃~65℃への冷却時間が0.93秒に短縮されることを示す。ペルチェクーラを使用すると、総熱サイクル時間が1.83~1.66に短縮される。加熱サイクル時間をわずかに増加させるが、冷却サイクル時間を大幅に短縮することによって、これを達成した。
(表3)RHCカードとともに追加のヒートシンクを使用する効果
試料カード(すなわち、RHCカード)
試料カード(すなわち、RHCカード)の主要な構成要素のある特定の例示的な実施形態が以下に示される。
試料厚さ
試料の熱質量を低減し、かつ試料中の熱対流損失を低減するために、いくつかの実施形態では、加熱/冷却層によって加熱されている領域における平均試料厚は、500□m以下、200□m以下、100□m以下、50□m以下、20□m以下、10□m以下、5□m以下、2□m以下、1□m以下、500nm以下、300nm以下、100nm以下、50nm以下、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
加熱/冷却層によって加熱されている領域における1つの好ましい平均試料厚は、0.1um~0.5um、0.5um~10um、10um~20um、20um~30um、30um~50um、50um~80um、80um~100um、または100um~150umである。
実験-13
RHCカードおよびシステムを用いたアルタイムPCR増幅の例
この実験におけるRHCカードは、厚さ50umのPMMAプレートの第1のプレート、厚さ25umのPETの第2のプレートを有し、H/C層は、第2のプレートの外面上にある。金/黒色塗料HC層は、直径10mmの面積を有する。第1のプレートは、その内面上に、スペーサの周期的アレイを有する。HC層は、薄いAu(金)フィルムと黒色塗料層とを備える。金フィルムは、第2のプレートの外面と接触している1つの表面、および黒色塗料と接触している別の表面を有する。黒色塗料は、ブラックカーボンナノ粒子およびポリマー混合物の複合体であるフィルムの市販品である。黒色塗料は、約9umの平均厚さ(約2umの厚さ変動)を有する。
全体積20uLの黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ゲノムDNAの増幅用PCR(リアルタイムPCR)試薬は、MSSA順方向プライマー、MSSA逆方向プライマー、ならびにAptaTaq DNA緩衝剤、Aptataqポリメラーゼ、MgCl2、dNTP、ウシ血清アルブミン(BSA)、テンプレートDNA、およびddH2Oを有するCy5標識DNAプローブを含む。
リアルタイムPCR実験において、2つの陽性RHCカードが、特に20サイクルの増幅後、蛍光シグナル対サイクル数の明らかな増加を示した。一方で、1つ陰性RHCカードは、蛍光シグナル対サイクル数の明らかな増加は有しない。RHCシステムにおける40サイクルの増幅後、RHCカードにおけるPCR産物が抽出され、核酸ゲル処理が実施されて、2つの陽性RHCカードのみが成功した増幅帯域を有することを確認する。
試料ウェル
ある特定の実施形態では、プレートのうちの一方または両方が試料ウェルを有し、ウェルは、ウェル内の試料の最大体積を調節し、試料がプレートの他の位置に流入することを防止する。
プレートの厚さ
第1および第2のプレートの熱質量を低減し、かつプレートにおける横方向の熱伝導損失を低減するために、第1のプレートおよび第2のプレートの厚さは、薄いことが好ましい。
ある特定の実施形態では、第1のプレートまたは第2のプレートは、2nm以下、10nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、第1のプレートまたは第2のプレートは、10nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1um、2.5um、5um、10um、25um、50um、100um、200um、500um、1000um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
第1のプレートおよび第2のプレートは、同じ厚さまたは異なる厚さを有することができ、同じ材料または異なる材料でできていてもよい。
いくつかの好ましい実施形態では、第1のプレートまたは第2のプレートは、10nm~500nm、500nm~1um、1um~2.5um、2.5um~5um、5um~10um、10um~25um、25um~50um、50um~100um、100um~200um、または200um~500um、または500um~1000umの範囲の厚さを有する。
第1のプレートまたは第2のプレートの好ましい厚さは、10nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、加熱/冷却層を有するプレートの厚さは、ヒータを有しない他のプレートよりも薄い。
いくつかの好ましい実施形態では、第1のプレートが100nm、200nm、500nm、1μm(ミクロン)、2μm、5μm、10μm、25μm、50μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、250μm、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の厚さを有する一方で、第2のプレートは、25μm、50μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、250μm、500μm、1mm、1.5mm、2mm、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、プレートのうちの少なくとも1つの平均の厚さは、1~1000μm、10~900μm、20~800μm、25~700μm、25~800μm、25~600μm、25~500μm、25~400μm、25~300μm、25~200μm、30~200μm、35~200μm、40~200μm、45~200μm、または50~200μmの範囲である。
いくつかの実施形態では、プレートのうちの少なくとも1つの平均の厚さは、50~75μm、75~100μm、100~125μm、125~150μm、150~175μm、または175~200μmの範囲である。
いくつかの実施形態では、プレートのうちの少なくとも1つの平均の厚さは、約50μm、約75μm、約100μm、約125μm、約150μm、約175μm、または約200μmである。
プレート面積.いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび/または第2のプレートは、1mm2(平方ミリメートル)以下、10mm2以下、25mm2以下、50mm2以下、75mm2以下、1cm2(平方センチメートル)以下、2cm2以下、3cm2以下、4cm2以下、5cm2以下、10cm2以下、20cm2以下、30cm2以下、50cm2以下、100cm2以下、500cm2以下、1000cm2以下、5000cm2以下、10,000cm2以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の横方向面積を有する。
好ましい実施形態では、第1のプレートおよび/または第2のプレートは、1mm2(平方ミリメートル)~10mm2、10mm2~50mm2、50mm2~100mm2、1cm2~5cm2、5cm2~20cm2、20cm2~50cm2、50cm2~100cm2、100cm2~500cm2、500cm2~1000cm2、または1000cm2~10,000cm2の範囲の横方向面積を有する。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、同じ横寸法を有する。いくつかの実施形態では、プレートのうちの一方は、もう一方のプレートとは10%以下、30%以下、50%以下、80%以下、90%以下、95%以下、99%以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲だけ異なる面積を有する(最大のプレートを異なる割合の計算の基数ととる)。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび/または第2のプレートは、5mm、10mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、75mm、100mm、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の幅または長さを有する。
好ましい実施形態では、第1のプレートおよび/または第2のプレートは、5mm~10mm、20mm~30mm、30mm~50mm、50mm~75mm、または75mm~100mmの範囲の幅または長さを有する。
1つの好ましい実施形態では、プレートは、5mm~50mmの範囲の幅または長さを有する。別の好ましい実施形態では、プレートは、5mm~50mmの範囲の幅および6mm~70mmの範囲の長さを有する。
プレート用材料
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートの材料としては、ポリマー(例えば、プラスチック)または非晶質有機材料が挙げられるが、これらに限定されない。ポリマー材料としては、アクリレートポリマー、ビニルポリマー、オレフィンポリマー、セルロースポリマー、非セルロースポリマー、ポリエステルポリマー、ナイロン、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(フェニレンエーテル)(PPE)、ポリスチレン(PS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ(エチレンフタレート)(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ゴム、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートの材料としては、酸化ケイ素、磁器、オルセレン(セラミック)、マイカ、ガラス、様々な金属の酸化物などの誘電材料を含む無機材料が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートの材料としては、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、硫化カドミウム、窒化ガリウム、金塩化物、ヒ化インジウム、水素化ホウ素リチウム、臭化銀、塩化ナトリウム、グラファイト、カーボンナノチューブ、炭素繊維などの無機材料が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートの材料は、金属(例えば、金、銅、アルミニウムなど)および合金が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートの材料は、上記に列挙した材料の多層および/または混合物でできている。
加熱層および冷却層
ある特定の実施形態では、加熱層(112-1)および冷却層(112-2)は、high K材料および/または高KC比材料を含む。high Kおよび/または高KC比材料は、金属フィルム、半導体、半金属、プラズモン表面、メタマテリアル(例えば、ナノ構造)、ブラックシリコン、グラファイト、カーボンナノチューブ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、超格子、プラズモン材料、電磁波を効率的に吸収し、かつ吸収されたエネルギーを熱エネルギーに変換することが可能である任意の材料/構造、およびそれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない材料/構造を含む。
光加熱源によって加熱される加熱層の場合、加熱層は、光加熱源からの放射エネルギーを有意に吸収する材料層を備える。有意な吸収とは、加熱/冷却層が光加熱源からの放射エネルギーを試料およびプレートよりも顕著に吸収することを意味する。
ある特定の実施形態では、加熱/冷却層は、50nm~15umの範囲の厚さを有する。ある特定の実施形態では、加熱/冷却層は、100nm~1umの範囲の厚さを有するhigh K層を備える。
いくつかの実施形態では、光加熱領域の寸法は、約1um、2um、5um、10um、20um、50um、100um、200um、500um、1mm、2mm、5mm、10mm、20mm、50mm、100mm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。様々な実施形態において、光加熱領域のサイズおよび形状は異なり得る。
いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、2010年5月21日に出願された米国仮特許出願第61/347,178号、2012年4月10日に出願された米国仮特許出願第61/622,226号、2011年5月20日に出願された米国PCT出願第PCT/US2011/037455号2013年3月15日に出願されたPCT出願第PCT/US2013/032347号、および2013年6月13日に出願された米国特許出願第13/699,270号に記載されるD2PAアレイなどであるがこれに限定されない、ドット結合ドットオンピラーアンテナ(D2PA)アレイを備え、これらの完全な開示は、あらゆる目的のために参照により全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、2つ以上の加熱/冷却層が存在し得る。例えば、第1または第2のプレートのうちのいずれかの少なくとも2つの表面は、加熱/冷却層を有する。
いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、2層材料:加熱用の層および冷却用の層であってもよく、2層材料は、第1または第2のプレートのうちのいずれかの同じ表面上にあってもよい。試料に対して、加熱層が第2のプレートの外面上にあってもよい一方で、冷却層は、第1のプレートの外面または内面上にある。冷却層でさえ、第1のプレートの外面にあり、これは、第1のプレートの厚さが薄い限り(例えば、25um以下)、試料の冷却において効率的でなければならない。
スペーサ
本発明のいくつかの実施形態では、2つのプレート間にスペーサがある。いくつかの実施形態では、スペーサのうちの少なくとも1つは、試料接触領域内にある。いくつかの実施形態では、スペーサは、均一な高さを有する。いくつかの実施形態では、試料の厚さは、スペーサの高さとしての試料である。いくつかの実施形態では、スペーサは、プレートのうちの1つの上に固定される。
スペーサの機能.本発明において、スペーサは、以下の機能および特性のうちの1つまたは任意の組み合わせを有するように構成される。スペーサは、(1)試料の厚さもしくは試料の関連体積をプレートと共に制御するか、(好ましくは、厚さの制御は、関連領域にわたって正確もしくは均一もしくはその両方である)、(2)試料がプレート表面上に圧縮調節オープンフロー(CROF)を有することを可能にするか、(3)所与の試料領域(体積)において大きい表面積(体積)をとらないか、(4)試料中の粒子もしくは分析物の沈殿の影響を低減するか、もしくは増加させるか、(5)プレートの内面の湿潤特性を変化させ、かつ/もしくは制御するか、(6)プレートの位置、サイズのスケール、および/もしくはプレートに関連する情報を識別するか、または(7)上記の任意の組み合わせを行うように構成されている。
スペーサのアーキテクチャおよび形状.所望の試料厚さの低減および制御を達成するために、ある特定の実施形態では、スペーサは、そのそれぞれのプレート上に固定される。一般に、スペーサは、CROFプロセス中に試料厚さを調節することができる限り、任意の形状を有することができるが、より良好な均一性、押圧におけるオーバーシュートの低減などのある特定の機能を達成するためには、ある特定の形状が好ましい。
スペーサ(複数可)は、単一のスペーサまたは複数のスペーサである。(例えば、アレイ)。複数のスペーサのいくつかの実施形態は、スペーサのアレイ(例えば、柱)であり、スペーサ間距離は、周期的もしくは非周期的であるか、またはプレートのある特定の領域において周期的もしくは非周期的であるか、またはプレートの異なる領域において異なる距離を有する。
スペーサには、「開放スペーサ」および「封入スペーサ」の2種類がある。開放スペーサは、試料がスペーサを通って流動することを可能にするスペーサであり(すなわち、試料は、スペーサの周囲を、かつそれを過ぎて流動する。例えば、スペーサとしてのポスト。)、封入スペーサは、試料の流動を止めるスペーサである(すなわち、試料は、スペーサを超えて流動することができない。例えば、リング形状のスペーサであり、試料は、リングの内側にある。)。両方のタイプのスペーサが、それらの高さを使用して、閉鎖構成で最終試料厚さを調節する。
いくつかの実施形態では、スペーサは、開放スペーサのみである。いくつかの実施形態では、スペーサは、封入スペーサのみである。いくつかの実施形態では、スペーサは、開放スペーサおよび封入スペーサの組み合わせである。
「柱状スペーサ」という用語は、スペーサが柱形状を有することを意味し、柱形状は、圧縮オープンフロー中に試料がその周囲を流動することを可能にする高さおよび横方向形状を有する物体を指す。いくつかの実施形態では、スペーサは、平坦な頂部を有する(例えば、プレートと接触する平坦な頂部を備えた柱)。
いくつかの実施形態では、柱スペーサの横方向形状は、(i)円形、楕円形、矩形、三角形、多角形、リング形、星形、文字形(例えば、L字形、C字形、形、A~Zの文字)、数字形(0、1、2、3、4、…~9などの形状)、(ii)少なくとも1つの丸い角を有する群(i)の形状、(iii)ジグザグまたは粗い縁部を有する群(i)からの形状、ならびに(iv)(i)、(ii)、および(iii)の重ね合わせの群から選択された形状である。複数のスペーサの場合、異なるスペーサは、異なる横方向形状およびサイズ、ならびに隣接するスペーサからの異なる距離を有することができる。
いくつかの実施形態では、スペーサは、ポスト、カラム、ビーズ、球、および/または他の好適な幾何学形状であってもよく、かつ/またそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、以下の制限を除いて、スペーサの横方向(すなわち、それぞれのプレート表面を横切る)形状および寸法は、何でもよい。(i)スペーサの幾何学的形状は、試料厚さおよび体積の測定において有意な誤差を引き起こさない、または(ii)スペーサの幾何学的形状がプレート間の試料の流出を防止しない(すなわち、封入形態にはない)。しかし、いくつかの実施形態では、いくつかのスペーサが試料の流動を制限するために閉鎖スペーサである必要がある。
いくつかの実施形態では、スペーサの形状は、丸い角を有する。例えば、矩形のスペーサは、1つ、いくつか、または全ての角が丸い(90度の角度ではなく円のように)。丸い角は、スペーサの製造をより容易にすることが多く、場合によっては生体物質への損傷をより少なくする。
柱の側壁は、直線、曲線、傾斜、または側壁の異なるセクションで異なる形状であってもよい。いくつかの実施形態では、スペーサは、様々な横方向形状の柱、側壁、および柱の高さ対柱の横方向面積の比の柱である。
好ましい実施形態では、スペーサは、開放流を可能にするための柱の形状を有する。
スペーサの材料.本発明において、スペーサは一般に、試料の関連体積の厚さを2つのプレートと共に調節するために使用することが可能である任意の材料でできている。いくつかの実施形態では、スペーサの材料は、プレートの材料とは異なる。いくつかの実施形態では、スペースの材料は、少なくとも1つのプレートの材料の一部と少なくとも同じである。
スペーサは、単一の材料、複合材料、複数の材料、多層の材料、合金、またはそれらの組み合わせでできている。スペーサの材料の各々は、無機材料、有機材料、または混合物であり、材料の例は、材料-1および材料-2の段落に示されている。好ましい実施形態では、スペーサは、CROFに使用されるプレートと同じ材料で作られる。
スペーサの機械的強度および可撓性.いくつかの実施形態では、スペーサの機械的強度は十分強く、これにより、プレートの圧縮中および閉鎖構成において、スペーサの高さは、プレートが開放構成にあるときと同じかまたは有意に同じである。いくつかの実施形態では、開放構成と閉鎖構成との間のスペーサの違いが特徴付けられ、かつ予め決定され得る。
スペーサの材料は、剛性、可撓性、またはそれらの2つの間の任意の可撓性である。剛性は、プレートを閉鎖構成にするために使用される所与の押圧力に関連し、スペースが押圧力下でその高さの1%を超えて変形しない場合、スペーサ材料は、剛性と見なされ、そうでなければ可撓性と見なされる。スペーサが柔軟な材料でできている場合、閉鎖構成での最終試料厚さは、押圧力およびスペーサの機械的特性から予め決定され得る。
試料内のスペーサ.所望の試料厚さの低減および制御を達成するために、特に良好な試料厚さの均一性を達成するために、ある特定の実施形態では、スペーサは、試料または試料の関連体積内に配設される。いくつかの実施形態では、適切なスペーサ間距離を有して、試料または試料の関連体積内に1つ以上のスペーサがある。ある特定の実施形態では、スペーサのうちの少なくとも1つが試料内にあるか、スペーサのうちの少なくとも2つが試料もしくは試料の関連体積内にあるか、または少なくとも「n」個のスペーサが試料もしくは試料の関連体積内にあり、「n」は、CROF中の試料厚さの均一性または必要な試料の流動特性によって決定され得る。
スペーサの高さ.いくつかの実施形態では、全てのスペーサは、同じ所定の高さを有する。いくつかの実施形態では、スペーサは、異なる所定の高さを有する。いくつかの実施形態では、スペーサは、群または領域に分割され得、各群または領域は、その独自のスペーサの高さを有する。また、ある特定の実施形態では、スペーサの所定の高さは、スペーサの平均高さである。いくつかの実施形態では、スペーサは、ほぼ同じ高さを有する。いくつかの実施形態では、スペーサの数のある割合は、同じ高さを有する。いくつかの実施形態では、同じプレート上で、ある量でのスペーサの高さは、別の領域のスペーサの高さとは異なる。場合によっては、異なる領域で異なるスペーサの高さを有するプレートには、アッセイの利点を有する。
スペーサの高さは、所望の調節された最終試料厚さおよび残留試料厚さによって選択される。スペーサの高さ(所定のスペーサの高さ)および/または試料厚さは、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、5um以下、10um以下、20um以下、30um以下、50um以下、100um以下、150um以下、200um以下、300um以下、500um以下、800um以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
スペーサの高さおよび/または試料厚さは、1つの好ましい実施形態では1nm~100nm、別の好ましい実施形態では100nm~500nm、別の好ましい実施形態では500nm~1000nm、別の好ましい実施形態では1um(すなわち、1000nm)~2um、別の好ましい実施形態では2um~3um、別の好ましい実施形態では3um~5um、別の好ましい実施形態では5um~10um、および別の好ましい実施形態では10um~50um、別の好ましい実施形態では50um~100umである。
いくつかの実施形態では、スペーサの高さおよび/または試料厚さは、(i)分析物の最小寸法に等しいか、もしくはそれよりわずかに大きいか、または(ii)分析物の最大寸法に等しいか、もしくはそれよりわずかに大きい。「わずかに大きい」とは、約1%~5%大きく、それらの2つの値の間の任意の数であることを意味する。
いくつかの実施形態では、スペーサの高さおよび/または試料厚さは、分析物の最小寸法よりも大きい(例えば、分析物は、異方性形状を有する)が、分析物の最大寸法よりも小さい。
例えば、赤血球は、2umの最小寸法(ディスクの厚さ)および11umの最大寸法(ディスクの直径)を有するディスク形状を有する。本発明の一実施形態では、スペーサは、関連領域内のプレートの内面間隔を、一実施形態では2um(最小寸法に等しい)、別の実施形態では2.2um、または他の実施形態では3(最小寸法よりも50%大きい)であるが、赤血球の最大寸法よりも小さくするように選択される。そのような実施形態は、血球計数においてある特定の利点を有する。一実施形態では、赤血球計数のために、内面間隔を2または3umおよびそれらの2つの値の間の任意の数にすることによって、希釈されていない全血試料は、その間隔内に閉じ込められ、平均して、各赤血球(RBC)は、他と重なり合わず、赤血球を視覚的に正確に計数することを可能にする。(RBC間の重なり合いが多すぎると、計数において重大な誤差を引き起こす可能性がある)。
本発明において、いくつかの実施形態では、プレートおよびスペーサを使用して、試料の厚さだけではなく、プレートが閉鎖構成にあるときの試料中の分析物/実体の配向および/または表面密度も調節する。プレートが閉鎖構成にある場合、試料の厚さが薄いほど、より少ない表面積当たりの分析物/実体をもたらす(すなわち、より低い表面濃度)。
スペーサの横寸法.開放スペーサの場合、横寸法は、xおよびyの2つの直交方向におけるその横寸法(幅と呼ばれることもある)によって特徴付けられ得る。各方向のスペーサの横寸法は同じか、または異なる。
いくつかの実施形態では、x方向対y方向の横寸法の比は、1、1.5、2、2、5、10、100、500、1000、10,000、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。いくつかの実施形態では、試料の流動方向を調節するために異なる比率が使用され、比が大きいほど、流動は、一方向(より大きいサイズの方向)に沿っている。
いくつかの実施形態では、xおよびy方向のスペーサの異なる横寸法は、(a)プレートの配向を示すスケールマーカーとしてスペーサを使用すること、(b)好ましい方向により多くの試料の流動を生み出すためにスペーサを使用すること、またはその両方として使用される。
好ましい実施形態では、周期、幅、および高さ。
いくつかの実施形態では、全てのスペーサは、同じ形状および寸法を有する。いくつかの実施形態では、各スペーサは、異なる横寸法を有する。
封入スペーサの場合、いくつかの実施形態では、封入スペーサ(複数可)によって封入される試料の全体積に基づいて、内側の横方向形状およびサイズが選択され、体積サイズは、本開示に記載されており、ある特定の実施形態では、外側の横方向形状およびサイズは、スペーサに対する液体の圧力およびプレートを押圧する圧縮圧力を支持するために必要な強度に基づいて選択される。
柱状スペーサの平均横寸法に対する高さのアスペクト比.ある特定の実施形態では、柱状スペーサの平均横寸法に対する高さのアスペクト比は、100,000、10,000、1,000、100、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、0、00001、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
スペーサの高さの精度.スペーサの高さは、正確に制御されなければならない。スペーサの相対精度(すなわち、所望のスペーサの高さに対する偏差の比)は、0.001%以下、0.01%以下、0.1%以下、0.5%以下、1%以下、2%以下、5%以下、8%以下、10%以下、15%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、99.9%以下、またはそれらの値のうちのいずれかの間の範囲である。
スペーサ間距離.スペーサは、プレート上または試料の関連領域内の単一のスペーサまたは複数のスペーサであってもよい。いくつかの実施形態では、プレート上のスペーサは、アレイ形態で構成および/または配置され、アレイは、周期的、非周期的アレイ、またはプレートのある位置では周期的であるが、他の位置では非周期的である。
いくつかの実施形態では、スペーサの周期的アレイは、正方形、矩形、三角形、六角形、多角形、またはそれらの任意の組み合わせの格子を有し、組み合わせとは、プレートの異なる位置が異なるスペーサ格子を有することを意味する。
いくつかの実施形態では、スペーサアレイのスペーサ間距離は、アレイの少なくとも1つの方向で周期的(すなわち、均一なスペーサ間距離)である。いくつかの実施形態では、スペーサ間距離は、閉鎖構成でのプレート間隔の間の均一性を改善するように構成されている。
隣接するスペーサの間の距離(すなわち、スペーサ間距離)は、1um以下、5um以下、10um以下、20um以下、30um以下、40um以下、50um以下、60um以下、70um以下、80um以下、90um以下、100um以下、200um以下、300um以下、400um以下、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
ある特定の実施形態では、スペーサ間距離は、400以下、500以下、1mm以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、7mm以下、10mm以下、またはそれらの値の間の任意の範囲である。ある特定の実施形態では、スペーサ間距離は、10mm以下、20mm以下、30mm以下、50mm以下、70mm以下、100mm以下、またはそれらの値の間の任意の範囲である。
隣接するスペーサ間の距離(すなわち、スペーサ間距離)は、プレートおよび試料の所与の特性について、プレートの閉鎖構成において、2つの隣接するスペーサ間の試料厚さの変動が、いくつかの実施形態では、最大でも0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、50%、80%、もしくはそれらの値の間の任意の範囲であるか、またはある特定の実施形態では、最大でも80%、100%、200%、400%、もしくはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
明らかに、2つの隣接するスペーサ間で所与の試料厚さの変動を維持するために、より可撓性のプレートが使用される場合、より近いスペーサ間距離が必要である。
好ましい実施形態では、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、2~4umの高さ、5~20umの平均横寸法、および1um~100umのスペーサ間間隔を有する柱である。
好ましい実施形態では、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、2~4umの高さ、5~20umの平均横寸法、および100um~250umのスペーサ間間隔を有する柱である。
好ましい実施形態では、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、4~50umの高さ、5~20umの平均横寸法、および1um~100umのスペーサ間間隔を有する柱である。
好ましい実施形態では、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、4~50umの高さ、5~20umの平均横寸法、および100um~250umのスペーサ間間隔を有する柱である。
スペーサアレイの周期は、1つの好ましい実施形態では1nm~100nm、別の好ましい実施形態では100nm~500nm、別の好ましい実施形態では500nm~1000nm、別の好ましい実施形態では1um(すなわち、1000nm)~2um、別の好ましい実施形態では2um~3um、別の好ましい実施形態では3um~5um、別の好ましい実施形態では5um~10um、別の好ましい実施形態では10um~50um、別の好ましい実施形態では50um~100um、別の好ましい実施形態では100um~175um、および別の好ましい実施形態では175um~300umである。
スペーサ密度.スペーサは、1um2当たり1を超える、10um2当たり1を超える、100um2当たり1を超える、500um2当たり1を超える、1000um2当たり1を超える、5000um2当たり1を超える、0.01mm2当たり1を超える、0.1mm2当たり1を超える、1mm2当たり1を超える、5mm2当たり1を超える、10mm2当たり1を超える、100mm2当たり1を超える、1000mm2当たり1を超える、10000mm2当たり1を超える、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の表面密度でそれぞれのプレート上に配置される。
スペーサは、所与の試料領域(体積)において大きい表面積(体積)をとらないように構成されている。
スペーサ体積対試料体積の比.多くの実施形態では、試料体積(すなわち、試料の体積)に対するスペーサ体積(すなわち、スペーサの体積)の比、および/または試料の関連体積に対する試料の関連体積内にあるスペーサの体積の比は、ある特定の利点を達成するために制御される。利点としては、試料厚さ制御の均一性、分析物の均一性、試料の流動特性(すなわち、流速、流動方向など)が挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、試料体積に対するスペーサ体積r)の比、および/または試料の関連体積に対する試料の関連体積内にあるスペーサの体積の比は、100%未満、最大でも99%、最大でも70%、最大でも50%、最大でも30%、最大でも10%、最大でも5%、最大でも3%、最大でも1%、最大でも0.1%、最大でも0.01%、でも0.001%、またはそれらの値のうちのいずれかの間の範囲である。
プレートに固定されたスペーサ.本発明において重要な役割を果たすスペーサ間距離およびスペーサの配向は、好ましくは、プレートを開放構成から閉鎖構成にするプロセス中に維持され、かつ/または好ましくは、開放構成から閉鎖構成へのプロセス前に予め決定される。
本発明のいくつかの実施形態は、プレートが閉構成になる前に、スペーサがプレートのうちの1つの上に固定されることである。「スペーサがそのそれぞれのプレートと固定される」という用語は、スペーサがプレートに取り付けられ、プレートの使用中に取り付けが維持されることを意味する。「スペーサがそのそれぞれのプレートと固定される」ことの一例は、スペーサがプレートの一片の材料でモノリシックにできており、プレート表面に対するスペーサの位置が変化しないことである。「スペーサがそのそれぞれのプレートと固定されない」ことの一例は、スペーサが接着剤によってプレートに接着されているが、プレートの使用中、接着剤がスペーサをプレート表面上のその元の位置に保持することができない(すなわち、スペーサがプレート表面上のその元の位置から離れて移動する)ことである。
いくつかの実施形態では、スペーサのうちの少なくとも1つは、そのそれぞれのプレートに固定される。ある特定の実施形態では、2つのスペーサがそのそれぞれのプレートに固定される。ある特定の実施形態では、スペーサの大部分は、それらのそれぞれのプレートと固定される。ある特定の実施形態では、スペーサの全ては、それらのそれぞれのプレートと固定される。
いくつかの実施形態では、スペーサは、プレートにモノリシックに固定される。
いくつかの実施形態では、スペーサは、以下の方法および/または構成:取り付け、結合、融合、インプリント、およびエッチングのうちの1つまたは任意の組み合わせによって、それぞれのプレートに固定される。
「インプリントされる」という用語は、一片の材料をインプリント(すなわちエンボス加工)して、プレート表面上にスペーサを形成することによって、スペーサおよびプレートがモノリシックに固定されることを意味する。材料は、材料の単層であっても材料の多層であってもよい。
「エッチングされる」という用語は、一片の材料をエッチングして、プレート表面上にスペーサを形成することによって、スペーサおよびプレートがモノリシックに固定されることを意味する。材料は、材料の単層であっても材料の多層であってもよい。
「融合される」という用語は、スペーサおよびプレートを一緒に取り付けることによって、スペーサおよびプレートがモノリシックに固定され、スペーサおよびプレートの元の材料が互いに融合され、融合後の2つの材料間に明確な材料の境界があることを意味する。
「結合される」という用語は、スペーサおよびプレートを接着によって結合することによって、スペーサおよびプレートがモノリシックに固定されることを意味する。
「取り付けられる」という用語は、スペーサおよびプレートが一緒に接続されることを意味する。
いくつかの実施形態では、スペーサおよびプレートは、同じ材料で作られる。他の実施形態では、スペーサおよびプレートは、異なる材料から作られる。他の実施形態では、スペーサおよびプレートは、一体に形成される。他の実施形態では、スペーサは、そのそれぞれのプレートに固定された一端を有するが、その端部は、2つのプレートの異なる構成を収容するために開放している。
他の実施形態では、スペーサの各々は独立して、それぞれのプレートへの取り付け、結合、融合、インプリント、およびエッチングのうちの少なくとも1つが行われる。「独立して」という用語は、そのそれぞれのプレートへの取り付け、結合、融合、刻印、およびエッチング方法から選択される同じまたは異なる方法によって、1つのスペーサがそのそれぞれのプレートと固定されることを意味する。
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのスペーサ間の距離が所定である(「所定のスペーサ間距離」とは、ユーザがプレートを使用するときにその距離が既知であることを意味する)。
本明細書に記載の全ての方法およびデバイスのいくつかの実施形態では、固定スペーサに加えて追加のスペーサがある。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、金型を使用して薄いプラスチックフィルムをエンボス加工(例えば、ナノインプリント)することによって、プレート上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、プレートの厚さは、50um~500umである。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、金型を使用して薄いプラスチックフィルムをエンボス加工(例えば、ナノインプリント)することによって、プレート上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、プレートの厚さは、50um~250umである。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、プレート上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、プレートの厚さは、50um~500umである。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、プレート、金型を使用して薄いプラスチックフィルム上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、プレートの厚さは、50um~250umである。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、金型を使用して薄いプラスチックフィルムをエンボス加工(例えば、ナノインプリント)することによって、プレート上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、プラスチックフィルムは、PS(ポリスチレン)のPMMA(ポリメチルメタクリレート)のいずれかである。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、金型を使用して薄いプラスチックフィルムをエンボス加工(例えば、ナノインプリント)することによって、プレート上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、プラスチックフィルムは、PS(ポリスチレン)のPMMA(ポリメチルメタクリレート)のいずれかであり、プレートの厚さは、50um~500umである。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、金型を使用して薄いプラスチックフィルムをエンボス加工(例えば、ナノインプリント)することによって、プレート上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、プラスチックフィルムは、PS(ポリスチレン)のPMMA(ポリメチルメタクリレート)のいずれかであり、プレートの厚さは、50um~250umである。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、金型を使用して薄いプラスチックフィルムをエンボス加工(例えば、ナノインプリント)することによって、プレート上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、プラスチックフィルムは、PS(ポリスチレン)のPMMA(ポリメチルメタクリレート)のいずれかであり、スペーサは、正方形または矩形のいずれかの形状を有し、同じスペーサの高さを有する。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、正方形または矩形の形状(丸い角の有無にかかわらず)を有する。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、1um~200umの柱の幅(各横方向のスペーサ幅)、2um~2000umの柱の周期(すなわち、スペーサ周期)、および1um~100umの柱の高さ(すなわち、スペーサの高さ)を有する正方形または矩形の柱を有する。
1つの好ましい実施形態では、PMMAまたはPSでできているスペーサは、1um~200umの柱の幅(各横方向のスペーサ幅)、2um~2000umの柱の周期(すなわち、スペーサ周期)、および1um~100umの柱の高さ(すなわち、スペーサの高さ)を有する正方形または矩形の柱を有する。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、プレート上にモノリシックに作製され、プラスチック材料でできており、スペーサは、1um~200umの柱の幅(各横方向のスペーサ幅)、2um~2000umの柱の周期(すなわち、スペーサ周期)、および1um~100umの柱の高さ(すなわち、スペーサの高さ)を有する正方形または矩形の柱を有する。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、プレート上にモノリシックに作製され、同じ材料でできており、スペーサは、1um~200umの柱の幅(各横方向のスペーサ幅)、2um~2000umの柱の周期(すなわち、スペーサ周期)、および1um~10umの柱の高さ(すなわち、スペーサの高さ)を有する正方形または矩形の柱を有する。
1つの好ましい実施形態では、スペーサは、プレート上にモノリシックに作製され、PMMAまたはPSまたは他のプラスチックから選択された同じ材料でできており、スペーサは、1um~200umの柱の幅(各横方向のスペーサ幅)、2um~2000umの柱の周期(すなわち、スペーサ周期)、および10um~50umの柱の高さ(すなわち、スペーサの高さ)を有する正方形または矩形の柱を有する。
試料の比厚.本発明において、より小さいプレート間隔(所与の試料領域に対して)、またはより大きい試料領域(所与のプレート間隔に対して)を使用すること、またはその両方によって、より大きいプレート保持力(すなわち、2つのプレートを一緒に保持する力)が達成され得ることが観察された。
いくつかの実施形態では、プレートのうちの少なくとも1つは、関連面積域を包含する領域において透明であり、各プレートが、閉鎖構成で試料と接触するように構成された内面を有するか;プレートの内面は、閉鎖構成で互いと実質的に並行であるか;スペーサを有する位置を除いて、プレートの内面は、実質的に平坦であるか;またはそれらの任意の組み合わせである。
最終試料厚さおよび均一性.いくつかの実施形態では、最終試料厚さに対して実質的に平坦であると判断され、実施形態および用途に応じて、試料厚さに対する比は、0.1%未満、0.5%未満、1%未満、2%未満、5%未満、もしくは10%未満、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、試料厚さに対する平坦性は0.1%未満、0.5%未満、1%未満、2%未満、5%未満、10%未満、20%未満、50%未満、もしくは100%未満、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、実質的に平坦とは、表面の平坦性変動自体(平均厚さから測定)が0.1%未満、0.5%未満、1%未満、2%未満、5%未満、もしくは10%未満、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲であることを意味し得る。一般に、プレート厚さに対する平坦性は、0.1%未満、0.5%未満、1%未満、2%未満、5%未満、10%未満、20%未満、50%未満、もしくは100%未満、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲であってもよい。
スペーサの高さは、プレート間の所望の調節された間隔、ならびに/または調整された最終試料厚さおよび残留試料厚さによって選択される。スペーサの高さ(所定のスペーサの高さ)、プレート間の間隔、および/または試料厚さは、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1μm以下、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
スペーサの高さ、プレート間の間隔、および/または試料厚さは、1つの好ましい実施形態では1nm~100nm、別の好ましい実施形態では100nm~500nm、別の好ましい実施形態では500nm~1000nm、別の好ましい実施形態では1μm(すなわち、1000nm)~2μm、別の好ましい実施形態では2μm~3μm、別の好ましい実施形態では3μm~5μm、別の好ましい実施形態では5μm~10μm、および別の好ましい実施形態では10μm~50μm、別の好ましい実施形態では50μm~100μmである。
いくつかの実施形態では、スペーサは、球状ビーズ内にあり、試料中で無作為に疑われ得る。
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、カード自体による熱吸収を低減するために完全に透明または部分的に透明であり、透明度は、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、カード自体による熱吸収を低減するために部分的に反射性である。表面の反射率は、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスおよびクランプは、カード自体による熱吸収を低減するために断熱層でコーティングされる。断熱層は、上記の低熱伝導率材料を含む材料を含む。
いくつかの実施形態では、クランプは、閉鎖構成でQMAXカード全体を被覆および密封する。
いくつかの実施形態では、クランプは、閉鎖構成でQMAXカードの外周のみを被覆および密封する。
いくつかの実施形態では、クランプは、加熱および冷却ゾーン領域ではなく、閉鎖構成でQMAXカードの外周のみを被覆および密封する。
いくつかの実施形態では、クランプは、閉鎖構成におけるQMAXカードの表面の一部を被覆する。
いくつかの実施形態では、クランプは、光がQMAXカードの内側に入り、かつQMAXカードから外に出ることを可能にするための透明な窓を有する。
いくつかの実施形態では、クランプは、光がQMAXカードの内側に入り、かつQMAXカードから外に出ることを可能にするために、完全に透明である。
クランプの透明度は、30%超、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であるか、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、閉鎖構成におけるクランプとQMAXデバイスとの間に空気または液体が存在する。ある特定の実施形態では、液体としては、水、エタン、メタン、油、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、シリコーン油、ポリ塩化ビフェニル、液体空気、液体酸素、液体窒素などが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、ガスとしては、空気、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、二酸化炭素などが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、クランプを閉鎖した後、クランプによって加えられたQMAXカード表面への圧力は、0.01kg/cm2、0.1kg/cm2、0.5kg/cm2、1kg/cm2、2kg/cm2、kg/cm2、5kg/cm2、10kg/cm2、20kg/cm2、30kg/cm2、40kg/cm2、50kg/cm2、60kg/cm2、100kg/cm2、150kg/cm2、200kg/cm2、500kg/cm2、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲、および0.1kg/cm2~0.5kg/cm2、0.5kg/cm2~1kg/cm2、1kg/cm2~5kg/cm2、5kg/cm2~10kg/cm2の好ましい範囲(圧力)である。
いくつかの実施形態では、クランプを閉鎖した後、クランプによって加えられたQMAXカード表面への圧力は、少なくとも0.01kg/cm2、0.1kg/cm2、0.5kg/cm2、1kg/cm2、2kg/cm2、kg/cm2、5kg/cm2、10kg/cm2、20kg/cm2、30kg/cm2、40kg/cm2、50kg/cm2、60kg/cm2、100kg/cm2、150kg/cm2、200kg/cm2、または500kg/cm2である。
図2Aおよび図2Bのデバイスの断面図に示されるように、加熱/冷却層112は、試料接触領域に広がる。しかしながら、加熱/冷却層の横方向面積が、試料接触領域の一部のみを約1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、50%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、85%以下、75%以下、55%以下、40%以下、25%以下、8%以下、2.5%以下の割合で占めることが可能であることも留意されるべきである。いくつかの実施形態では、試料の温度変化を容易にするために、いくつかの実施形態では、加熱/冷却層の横方向面積は、試料90が試料接触領域上で試料90の横寸法にわたって実質的に均一に、加熱/冷却層112からの熱放射を受容するように構成されている。
いくつかの実施形態では、放射線吸収領域は、全プレート領域の10%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、加熱/冷却層112は、10nm以上、20nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1□m以上、2□m以上、5□m以上、10□m以上、20□m以上、50□m以上、100□m以上、75□m以下、40□m以下、15□m以下、7.5□m以下、4□m以下、1.5□m以下、750nm以下、400nm以下、150nm以下、75nm以下、40nm以下、15nm以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。ある特定の実施形態では、加熱/冷却層112は、100nm以下の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、試料層および加熱/冷却層112の領域は、均一な厚さよりも実質的に大きい。ここで、「実質的に大きい」という用語は、試料層および/または加熱/冷却層の一般的な直径または対角線距離が少なくとも10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、1000倍、1500倍、2000倍、2500倍、3000倍、3500倍、4000倍、4500倍、もしくは5000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲であることを意味する。
図11Aおよび11Bは、本発明の第1のプレートおよび加熱/冷却層の例示的な実施形態を示す。図11Aは、上面図であり、図11Bは、断面図である。図12Aおよび12Bは、本発明の2つの例示的な実施形態の断面図を示し、第1のプレート、第2のプレート、および加熱/冷却層を示す。全体として、第1のプレートおよび第2のプレート、ならびに任意に加熱/冷却層は、試料ホルダーと見なされ得、これは、本明細書に示され、かつ/または記載される実施形態だけではなく、液体試料の少なくとも一部を均一な厚さの層になるよう圧縮することが可能である他の実施形態も指す。
図11Aおよび11Bに示されるように、いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、第1のプレートと接触している。しかしながら、いくつかの実施形態では、加熱/冷却層が第2のプレート20と接触していてもよいことに留意されたい。加えて、いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、プレートのいずれとも接触していない。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層の別個の構造はなく、第1のプレートおよび/または第2のプレート20および/または試料自体は、試料の温度を上昇させ得る電磁放射線をある程度吸収することができる。
いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、1000mm2、900mm2、800mm2、700mm2、600mm2、500mm2、400mm2、300mm2、200mm2、100mm2、90mm2、80mm2、75mm2、70mm2、60mm2、50mm2、40mm2、30mm2、25mm2、20mm2、10mm2、5mm2、2mm2、1mm2、0.5mm2、0.2mm2、0.1mm2、もしくは0.01mm2未満、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である面積を有する。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、第1のプレート(および/または第2のプレート)の面積よりも実質的に小さい面積を有する。例えば、ある特定の実施形態では、加熱/冷却層の面積は、第1のプレート(または第2のプレート、または第1のプレートもしくは第2のプレートの試料接触領域)の面積の一部のみを、約1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、50%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、85%以下、75%以下、55%以下、40%以下、25%以下、8%以下、2.5%以下の割合で占める。
いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、実質的に均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、10nm、20nm、50nm、100nm、200nm、500nm、1□m、2□m、5□m、10□m、20□m、50□m、100□m、200□m、300□m、400□m、500□m、600□m、700□m、800□m、900□m、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、もしくは10mm未満、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
加熱/冷却層は、任意の形状をとることができる。例えば、上面図から、加熱/冷却層は、正方形、円形、楕円形、三角形、矩形、平行四辺形、台形、五角形、六角形、八角形、多角形、または他の様々な形状であってもよい。
いくつかの実施形態では、第1のプレートまたは第2のプレートは、2nm以下、10nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、20mm以下、50mm以下、100mm以下、500mm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、1mm2(平方ミリメートル)以下、10mm2以下、25mm2以下、50mm2以下、75mm2以下、1cm2(平方センチメートル)以下、2cm2以下、3cm2以下、4cm2以下、5cm2以下、10cm2以下、100cm2以下、500cm2以下、1000cm2以下、5000cm2以下、10,000cm2以下、10,000cm2以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の横方向面積を有する。
ある特定の実施形態では、プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサのスペーサ間距離(IDS)の4乗(ISD4/(hE))は、5×106um3/GPa以下である。
ある特定の実施形態では、スペーサの柱接触充填率およびヤング率の積は、2MPa以上であり、柱接触充填率は、(柱状領域における)全プレート面積に対する柱が接触しているプレートの面積の比である。
ある特定の実施形態では、スペーサは、実質的に均一な高さ、および分析物のサイズよりも少なくとも約2倍大きく、最大200umである所定の一定スペーサ間距離を有し、スペーサのうちの少なくとも1つは、試料接触領域内にある。
いくつかの実施形態では、試料の温度が急速に変化し得るように、加熱/冷却層を有するプレート(第1のプレート、第2のプレート、または両方のプレートのいずれか)は薄い。例えば、ある特定の実施形態では、加熱/冷却層と接触しているプレートは、500um、200um、100um、50um、25um、10um、5um、2.5um、1um、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、1つのプレートのみが加熱/冷却層と接触している場合、加熱/冷却層と接触しているプレートは、加熱/冷却層と接触していないプレートよりも実質的に薄い。例えば、いくつかの実施形態では、加熱/冷却層と接触しているプレートの厚さは、加熱/冷却層と接触しているプレートの厚さの1/1,000,000、1/500,000、1/100,000、1/50,000、1/10,000、1/5,000、1/1,000、1/500、1/100、1/50、1/10、1/5、もしくは1/2未満、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
いくつかの実施形態では、試料層の温度が急速に変化し得るように、試料層は薄い。ある特定の実施形態では、試料層は、100um、50um、25um、10um、5um、2.5um、1um、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
様々な実施形態では、加熱/冷却層の位置決めも異なり得る。いくつかの実施形態では、図12Aまたは12Bに示されるように、加熱/冷却層は、第1のプレートの内面に位置付けられる。ここで、試料が層になるよう圧縮されるとき、内面は、試料と接触している表面として定義される。もう一方の表面は、外面である。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、第1のプレートの内面にある。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、第2のプレートの内面にある。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、第1のプレートの外面にある。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、プレートのうちの一方または両方の内側にある。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、第2のプレートの外面にある。いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび/または第2のプレートの内面および/または外面に少なくとも2つの加熱/冷却層がある。
本明細書に示され、かつ記載されるように、いくつかの実施形態では、試料ホルダーは、流体試料を圧縮して薄層し、したがって試料の熱質量を低減するように構成されている。しかし、熱質量を低減すると、少量のエネルギーが試料の温度を急速に変化させることが可能であり得る。加えて、試料厚さを制限することによって、熱伝導も制限される。
いくつかの実施形態では、第1のプレート10および第2のプレート20のそれぞれの表面上に試料接触領域がある。試料接触領域は、第1のプレート10および/または第2のプレート20の表面の任意の部分であってもよい。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、試料接触領域と少なくとも部分的に重なり合う。重なり合う部分では、近接性および小さい熱質量により、試料は急速に加熱される。
いくつかの実施形態では、試料ホルダー100は、2015年8月10日出願の米国仮特許出願第62/202,989号、2015年9月14日出願の米国仮特許出願第62/218,455号、2016年2月9日出願の米国仮特許出願第62/293,188号、2016年3月8日出願の米国仮特許出願第62/305,123号、2016年7月31日出願の米国仮特許出願第62/369,181号、2016年9月15日出願の米国仮特許出願第62/394,753号、2016年8月10日出願のPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号、2016年9月14日出願のPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/051775号、2016年9月15日出願のPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/051794号、および2016年9月27日出願のPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/054025号に記載されたCROFデバイスなどであるがこれに限定されない、圧縮調整オープンフロー(CROF、QMAXとしても知られる)デバイスであり、これらの完全な開示は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
試料蒸発を低減するための縁部密封
2つのプレートが試料を大きい横方向対縦方向の比(例えば、15mm対30um=500)を有する形状に挟むと、2つのプレートによって被覆された試料表面が500倍大きいため、熱サイクル中の試料の蒸発が大幅に低減される。実験的に、我々は、30回の温度サイクリング(約60秒)で、試料体積の目に見える変化なかったことがわかった。
一方、いくつかの実施形態では、それは、2つのプレートと接触して、試料蒸気が外に出ることを防止する封入チャンバを形成する密封要素を有する。そのような密封要素は、試料の蒸発を低減または排除することに加えて、試料の汚染を低減することができる。密封要素は、テープ、プラスチックシール、オイルシール、またはそれらの組み合わせであってもよい。
いくつかの実施形態では、密封要素は試料に到達しないが密封要素は2つのプレートと接触して、試料蒸気が外に出ることを防止する封入チャンバを形成する。いくつかの実施形態では、密封要素は、関連試料の厚さを調節するためのスペーサとして使用され得る。
いくつかの実施形態では、図7に示されるように、試料ホルダー100は、閉鎖構成において、媒体接触領域の外側で第1のプレート10と第2のプレート20との間の間隔102を密封するように構成された密閉要素30を備える。ある特定の実施形態では、密閉要素30は、試料90の全体の横方向の領域が十分に画定され測定可能であるように、ある特定の領域(例えば、試料受容領域)内に試料90を封入する。ある特定の実施形態では、密閉要素30は、試料90、特に試料層の厚さの均一性を改善する。
いくつかの実施形態では、図7に示されるように、密閉要素30は、閉鎖構成で第1のプレート10と第2のプレート20との間に適用される接着剤を含む。接着剤は、デンプン、デキストリン、ゼラチン、アスファルト、瀝青、ポリイソプレン天然ゴム、樹脂、シェラック、セルロースおよびその誘導体、ビニル誘導体、アクリル誘導体、反応性アクリル系基剤、ポリクロロプレン、スチレン-ブタジエン、スチレン-ジエン-スチレン、ポリイソブチレン、アクリロニトリル-ブタジエン、ポリウレタン、ポリスルフィド、シリコーン、アルデヒド縮合樹脂、エポキシ樹脂、アミンベース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィンポリマー、可溶性ケイ酸塩、リン酸セメント、もしくは任意の他の接着剤材料、またはそれらの任意の組み合わせなどの材料から選択されるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、接着剤は、乾燥接着剤、感圧接着剤、接触接着剤、高温接着剤、または一液型もしくは多液型反応性接着剤、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、糊は、天然接着剤もしくは合成接着剤、または任意の他の起源からのもの、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、接着剤は、自然硬化、熱硬化、UV硬化されるか、もしくは任意の他の処理、またはそれらの任意の組み合わせにより硬化される。
いくつかの実施形態では、図7に示されるように、密閉要素30は、封入されたスペーサ(ウェル)を備える。例えば、封入されたスペーサは、上面図から円形(または任意の他の封入された形状)を有し、試料90を取り囲み、第1のプレート10および第2のプレート20と共に試料90を本質的に制限する。ある特定の実施形態では、封入されたスペーサ(ウェル)は、間隔機構40としても機能する。そのような実施形態では、封入されたスペーサは、試料90の横方向の境界を密閉すると共に、試料層の厚さを調節する。
いくつかの実施形態では、加熱中に液体の蒸気がカードから逃げることを防止または低減する「蒸発防止リング」が液体領域(例えば、試料領域)の外側にある。
いくつかの実施形態では、加熱中にQMAXカードをその閉鎖構成に固定するために、QMAXカードの外側にクランプがある。
いくつかの実施形態では、2つのプレートは、正確なレベルに設定されておらず実質的に均一でもない不正確な押圧力によって、圧縮される。ある特定の実施形態では、2つのプレートは人間の手で直接押圧される。
いくつかの実施形態では、プレートとスペーサとを含むQMAXカード/RHCカードは、カード自体による熱吸収を低減するために、低熱伝導率を有する材料でできている。
いくつかの実施形態では、加熱中にQMAXカードをその閉鎖構成に固定するために、QMAXカードの外側にクランプがある(すなわち、クランプは、プレートの対の中心ではなく、プレートの縁部の周囲のみを締め付ける)。いくつかの実施形態では、クランプは、カード自体による熱吸収を低減するために、低熱伝導率を有する材料でできている。
加熱源、追加のヒートシンク、温度センサ、および温度制御
RHCカードの加熱層または加熱/冷却層は、加熱源によって加熱されるように構成され、加熱源は、光学的に、電気的に、高周波(RF)放射によって、またはそれらの組み合わせによって、加熱/冷却層に熱エネルギーを送達する。
光加熱源.いくつかの実施形態では、加熱層が加熱源によって光学的に加熱される場合、加熱源は、LED(発光ダイオード)、レーザー、ランプ、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない光源を備える。
より多くの光を光加熱源の光源から加熱層に到達させるために、加熱源のいくつかの実施形態は、光学レンズ、光学パイプ、またはそれらの組み合わせを使用する。
いくつかの実施形態では、電磁波の波長は、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1um、10um、25um、50um、75um、もしくは100um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、電磁波の波長は、100nm~300nm、400nm~700nm(可視範囲)、700nm~1000nm(IR範囲)、1um~10um、10um~100um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
レンズ(複数可)は、0.001、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、04、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.5、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲のNA(開口数)を有する。
好ましい実施形態では、レンズは、0.01~0.1、0.1~0.4、0.4~0.7、0.7~1.0、または1.0~1.5の範囲のNAを有する。
図14Aおよび14Bは、本発明の一実施形態の斜視図および断面図をそれぞれ示し、加熱源(例えば、LED光)から加熱ゾーンまたはプレートに電磁波(例えば、光)を誘導するために、光学パイプが使用される。
ある特定の実施形態では、光源の光を加熱ゾーン/プレートにコリメートする光学パイプ(光学コリメータとも呼ばれる)は、反射壁を備えた中空管を備える。
光学パイプの一実施形態は、反射壁(すなわち、その内壁、外壁、または両方の反射)を備えた中空誘電体管を備える。中空誘電体管は、ガラス、プラスチック、またはそれらの組み合わせの材料でできていてもよい。反射壁は、中空管の壁上の薄い光反射コーティングであってもよい。反射コーティングは、金、アルミニウム、銀、銅、またはそれらの任意の混合物もしくは組み合わせなどの薄い金属フィルムであってもよい。図17は、中空管と、管の外壁上の反射材料コーティングとを備える、光学パイプの一実施形態の斜視図を示す。反射コーティングはまた、内壁にあってもよい。反射壁は、目的の光を反射する多層干渉材料でできていてもよい。光学パイプは、反射壁を有する中空パイプを備えた材料ブロックであってもよい。
いくつかの実施形態では、中空パイプは、1mm~70mmの範囲の長さ、1mm~40mmの範囲の内のり寸法(直径または幅)、および0.01mm~10mmの範囲の壁厚を有する。
いくつかの好ましい実施形態では、光学パイプ用の中空パイプは、1mm~5mm、5mm~10mm、10mm~15mm、15mm~20mm、20mm~30mm、または30mm~50mmの範囲の内のり寸法(または平均幅)を有する。
いくつかの好ましい実施形態では、光学パイプ用の中空パイプは、0.001mm~0.01mm、0.01mm~0.1mm、0.1mm~0.5mm、0.5mm~1mm、1mm~2mm、または2mm~50mmの範囲の壁厚(または平均幅)を有する。
電気加熱源.いくつかの実施形態では、加熱層または加熱/冷却層が加熱源によって電気的に加熱される場合、電気加熱源は、電気配線を通して加熱/冷却層に電力を送る電源を備える。
追加のヒートシンク.いくつかの実施形態では、試料および試料ホルダーから周囲に熱が除去されるが、いくつかの実施形態では、熱除去を促進するために追加のヒートシンクが使用される。追加のヒートシンクは、ペルチェ冷却器、受動性放熱器、またはその両方であってもよい。いくつかの実施形態では、試料の冷却を促進する空気対流を生み出すために(試料および試料ホルダーに直接、追加のヒートシンクに直接、またはおよびその両方)、ファンが使用される。
図6Aおよび6Bは、閉鎖位置にある試料ホルダー100と熱制御ユニット200とを備える熱サイクルシステムのいくつかの実施形態の斜視図および断面図のそれぞれをさらに示す。試料ホルダー100は、第1のプレート10と、第2のプレート20と、間隔機構(図示せず)とを含んでもよい。熱制御ユニット200は、加熱源202とコントローラ204とを含んでもよい。
図6Bに示されるように、熱制御ユニット200は、加熱源202とコントローラ204とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、熱制御ユニット200は、試料の温度変化のために電磁波の形でエネルギーを提供する。
図6Aおよび6Bの両方を参照すると、加熱源202は、電磁波210を吸収し、かつ電磁波210の実質的な部分を熱に変換するように構成されている試料ホルダー100の加熱/冷却層112に、電磁波210を発射し、加熱/冷却層112の近傍にある試料90の一部分の温度を上昇させる熱放射をもたらすように構成されている。言い換えれば、加熱源202および加熱/冷却層112の結合は、試料90の温度変化を容易にするために必要とされる熱エネルギーを発生させるように構成されている。
いくつかの実施形態では、加熱源202からの放射は、電波、マイクロ波、赤外線波、可視光、紫外線波、X線、ガンマ線、もしくは熱放射、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層112は、加熱/冷却層112が高い吸収効率を有する光波長の好ましい範囲を有する。いくつかの実施形態では、加熱源202は、加熱/冷却層112の好ましい波長範囲内の、それと重複する、またはそれを取り囲む波長範囲で電磁波を発射するように構成されている。他の実施形態では、温度変化を容易にするために、波長は、加熱/冷却層の好ましい波長から離れて合理的に設計される。
いくつかの実施形態では、加熱源202は、狭い波長範囲内のレーザー光を提供するレーザー源を含む。他の実施形態では、加熱源202は、その複数のLED(発光ダイオード)を含む。
温度センサ.試料の温度は、リアルタイム温度センサを備えた加熱ゾーン/層に予め較正されたエネルギーを送達することによって、リアルタイム温度センサを使用することによって、またはその両方によって制御され得る。
リアルタイム温度センサは、温度計、熱電対、放射温度センサ、感温色素(温度によって光の強度もしくは色もしくはその両方のいずれかを変化させる)、またはそれらの組み合わせであってもよい。
図7に示されるように、いくつかの実施形態では、熱制御ユニット200は、温度計206を備える。いくつかの実施形態では、温度計206は、試料90の温度を制御/監視/調整する監視および/またはフィードバック機構を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、温度計206は、試料接触領域またはその近傍の温度を測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、温度計206は、試料90の温度を直接測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、温度計206は、光ファイバ温度計、赤外線温度計、流体結晶温度計、高温計、水晶温度計、シリコンバンドギャップ温度センサ、温度ストリップ、サーミスタ、および熱電対からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、温度計206は赤外線温度計である。
いくつかの実施形態では、温度計206は、信号をコントローラ204に送信するように構成されている。そのような信号は、コントローラ204が対応する変化を行うように、試料90の温度に関する情報を含む。例えば、PCR中、変性ステップに関して、目標温度は95℃に設定され、測定後、温度計は、試料90の測定温度が実際には94.8℃であることを示す信号をコントローラ204に送信し、したがって、コントローラ204は、電磁波を発射する加熱源202の出力を変更するか、または既存の電磁波の特定のパラメータ(例えば、強度もしくは周波数)を調整し、これにより、試料90の温度は、95℃に上昇する。このような測定-信号伝達調整ループは、任意の反応/アッセイにおいて任意のステップに適用される。
コントローラ.図4のパネル(A)および(B)を参照すると、コントローラ204は、試料の温度変化のために、加熱源202から発射される電磁波210を制御するように構成されている。コントローラ204が制御する電磁波210のパラメータには、存在、強度、波長、入射角、およびそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、コントローラは、手動で操作され、例えば、それは、加熱源のオンおよびオフ、したがって加熱源から発射される電磁波の存在を制御する手動スイッチと同じくらい簡単である。他の実施形態では、コントローラは、1つまたは複数の所定のプログラムに従って自動的に電磁波を制御するように構成されるハードウェアおよびソフトウェアを含む。
いくつかの実施形態では、所定のプログラムは、電磁波210のパラメータ(複数可)(例えば、存在、強度、および/または波長)が、それぞれの所定の期間の間所定のレベルに設定されるスケジュールを指す。他の実施形態では、所定のプログラムは、試料90の温度が、それぞれの所定の期間の間所定のレベルに設定され、1つの所定のレベルから別の所定のレベルへの試料温度の変化の期間もそれぞれ設定されるスケジュールを指す。いくつかの実施形態では、コントローラ204は、プログラム可能に構成され、これは、コントローラ204が、システムのオペレータによって配信されるシステムの所定のプログラムを受信および実行するように構成されているハードウェアおよびソフトウェアを含むことを意味する。
図7は、本発明の一実施形態の断面図を示し、サーマルサイクラーシステムを実証し、温度変化および制御を容易にする追加の要素を示す。図7に示されるように、サーマルサイクラーシステムは、試料ホルダー100と熱制御ユニット200とを備える。試料ホルダー100は、第1のプレート10と、第2のプレート20と、間隔機構40と、密封要素30とを備え、熱制御ユニット200は、加熱源202と、コントローラ204と、温度計206と、エキスパンダ208とを備える。
図7は、閉鎖構成にある試料ホルダー100を示し、この構成では、第1および第2のプレート10および20の内面11および21は、互いに向かい合い、2つのプレート間の間隔102は、間隔機構40によって調節される。試料90が開放構成にあるプレートの一方または両方の上に付着している場合、閉鎖構成に切り替えると、第1のプレート10および第2のプレート20が人間の手または他の機構によって押圧され、試料90が2つのプレートによって圧縮されて薄い層になる。いくつかの実施形態では、層の厚さは均一であり、2つのプレート間の間隔102と同じである。ある特定の実施形態では、間隔102(したがって試料層の厚さ)は、間隔機構40によって調節される。いくつかの実施形態では、間隔機構は、プレートの1つに固定される封入されたスペーサを備える。いくつかの実施形態では、間隔機構40は、プレートの一方または両方に固定される複数の柱状スペーサを備える。ここで、「固定」という用語は、スペーサ(複数可)がプレートに取り付けられ、少なくともプレートの使用中に取り付けが維持されることを意味する。
いくつかの実施形態では、コントローラ204は、所定のプログラムに従って、試料90を伴うアッセイおよび/または反応を容易にするために、試料の温度を調整するように構成されている。いくつかの実施形態では、アッセイおよび/または反応はPCRである。ある特定の実施形態では、コントローラ204は、加熱源206からの電磁波の存在、強度、および/または周波数を制御するように構成されている。
試料信号監視
図11および12に示されるように、試料ホルダー内の試料(および温度変化中の反応からの生成物)からの信号を検出するために信号センサが使用され得る。
いくつかの実施形態では、信号センサは、流体試料を撮像するように構成された光学センサである。例えば、光学センサは、光検出器、カメラ、または流体試料の画像を取り込むことが可能なデバイスである。いくつかの実施形態では、光学センサは、カメラであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラは、モバイルデバイス(例えば、スマートフォンまたはタブレットコンピュータ)に組み込まれたカメラである。いくつかの実施形態では、カメラは、システムの他の部分から分離されている。いくつかの実施形態では、信号を発生させるために試料(および温度変化中の反応からの生成物)を励起するために、光源または複数の光源が使用される。
いくつかの実施形態では、信号センサは、デバイスからの電気信号を検出するように構成された電気センサである。いくつかの実施形態では、信号センサは、デバイスからの機械信号を検出するように構成された機械センサである。
いくつかの実施形態では、信号センサは、試料中の分析物の量を監視するように構成されている。いくつかの実施形態では、信号センサは、チャンバの外側にあり、チャンバ上の光学開口部を通して試料から光学信号を受信する。
基部およびシステム
いくつかの実施形態では、装置は、試料カード、加熱源、温度センサ、温度制御された全体の一部(いくつかの実施形態ではスマートフォンを含む)、追加のヒートシンク(任意)、ファン(任意)、またはそれらの組み合わせを収容するように構成された基部(アダプタ)をさらに備える。いくつかの実施形態では、アダプタは、試料カードが挿入され得るカードスロットを備える。いくつかの実施形態では、試料カードは、スロットに完全に挿入された後、またはスロット内の所定の位置に到達した後、安定化され、移動することなく定位置に留まる。
いくつかの実施形態では、基部(アダプタ)は、試料が撮像され得るように、試料カードおよび試料カード内の試料を光学センサ(例えば、カメラ)の視野内に位置付けるように構成されている。ある特定の実施形態では、カメラは、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン)の一部である。いくつかの実施形態では、アダプタは、スロット内にスライダーを備える。ある特定の実施形態では、試料カードは、アダプタのスロットの中または外に摺動することができるスライダー上に配置され得る。いくつかの実施形態では、アダプタは、カード支持体を備える。ある特定の実施形態では、試料カードは、撮像前に移動する必要がないカード支持体上に配置され得る。
いくつかの実施形態では、アダプタは、光学センサ(例えば、モバイルデバイス、例えば、スマートフォン)および試料カードの相対位置が固定されるように、光学センサに接続可能にであるように構成されている。ある特定の実施形態では、アダプタは、交換可能であり、(一例として)モバイルデバイスに直接取り付けられる接続部材を含むことができる。接続部材は、モバイルデバイス上に摺動し、アダプタをモバイルデバイスにしっかりと取り付け、撮像または分析物の検出および/もしくは測定のために試料カードを最適に位置付けることができる。ある特定の実施形態では、接続部材は、異なるモバイルデバイスに異なる接続部材が使用され得るように交換可能である。
いくつかの実施形態では、アダプタは、試料を加熱または冷却する電磁波の通過を可能にする放射開口部を備える。いくつかの実施形態では、アダプタは、試料の撮像を可能にする光学開口部を備える。いくつかの実施形態では、アダプタは、試料カード様の加熱シンクとして機能する。図13および14は、システムの追加の実施形態を提供する。図13は、本発明の例示的な実施形態の断面図を示し、試料の温度を急速に変化させるためのシステムを示す。図13は、一実施形態による加熱源の詳細な要素を示す。
図13および図14に示されるように、いくつかの実施形態では、システムは、試料ホルダーと加熱源とを備える。いくつかの実施形態では、試料ホルダーは、本明細書に記載されるように、第1のプレート、第2のプレート、および/または加熱/冷却層を備える。加熱源は、試料に到達する電磁波を放出し、試料の温度を上昇させる熱に変換され得る。いくつかの実施形態では、変換は、加熱/冷却層によって実行される。特定の加熱/冷却層がない場合、変換は、試料ホルダーの他の部分によって実行される。
図13および図14に示されるように、いくつかの実施形態では、システムは、試料ホルダーを閉じ込めるチャンバを備える。いくつかの実施形態では、チャンバは、図1の追加のヒートシンクの一例である。いくつかの実施形態では、チャンバは、試料の撮像を可能にするように構成された光学開口部を備える。いくつかの実施形態では、チャンバは、加熱源から加熱/冷却層への電磁波の通過を可能にするように構成された放射開口部を備える。ある特定の実施形態では、電磁波の通過を可能にするために、窓が放射開口部に位置付けられる。ある特定の実施形態では、フィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)が光学開口部に位置付けられて、試料ホルダー内の試料の撮像を可能にする。
いくつかの実施形態では、チャンバは、試料および/または加熱源から熱を吸収するために使用される。いくつかの実施形態では、チャンバは、金属ケースを備える。いくつかの実施形態では、チャンバは、外層を備える。ある特定の実施形態では、外層は、黒色である。いくつかの実施形態では、外層は、黒色金属から作られる。いくつかの実施形態では、チャンバは、内層を備える。いくつかの実施形態では、内層は、非反射性材料から作られる。ある特定の実施形態では、内層は、黒色である。いくつかの実施形態では、内層は、黒色金属から作られる。
図13および図14に示されるように、いくつかの実施形態では、システムは、試料ホルダー内の流体試料の画像を取り込むように構成された光学センサを備える。いくつかの実施形態では、システムは、光源をさらに備え、これは、場合によっては光学センサと統合され得、場合によっては別々であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、試料に到達することができる励起光を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、試料は、画像が撮影されるように、光学センサによって捕捉され得る信号光を提供することができる。
図13に示されるように、いくつかの実施形態では、加熱源は、LEDまたはレーザーダイオードを備える。ある特定の実施形態では、加熱源は、光をLED/レーザーダイオードから試料ホルダーへ方向付けるファイバカプラおよびファイバをさらに備える。
図14は、本発明の例示的な実施形態の断面図を示し、試料の温度を急速に変化させるためのシステムを示す。図14は、一実施形態による加熱源の詳細な要素を示す。図14に示されるように、いくつかの実施形態では、加熱源は、LEDまたはレーザーダイオードを備える。ある特定の実施形態では、加熱源は、加熱源から試料ホルダー内の試料に電磁波を集束させる1つ以上の集束レンズをさらに備える。
図7に示されるように、熱制御ユニット200は、加熱源202からの電磁波を、より小さい直径からより大きい直径に拡大するように構成されたビームエキスパンダ208を備える。いくつかの実施形態では、加熱源202から発射される電磁波は、試料接触領域全体を被覆するのに十分である。しかしながら、いくつかの実施形態では、加熱源202から発射される電磁波の被覆領域を拡大して、拡大された電磁波210をもたらし、全ての試料接触領域(複数可)に熱源を提供する必要がある。ビームエキスパンダ208は、米国特許第4,545,677号、同第4,214,813号、同第4,127,828号、および同第4,016,504号、ならびに米国特許公開第2008/0297912号および同第2010/0214659号(あらゆる目的のために、それらの全体が参照により組み込まれる)に記載されるビームエキスパンダを含むがこれらに限定されない任意の既知の技術を用いる。
スマートフォン
いくつかの実施形態では、試料カードは、モバイルデバイスによって撮像される。ある特定の実施形態では、モバイルデバイスは、スマートフォンであり、これは一例として役立ち得る。
いくつかの実施形態では、スマートフォンは、試料カード内の試料を撮像するために使用され得るカメラを備える。いくつかの実施形態では、試料カードを収容するためにアダプタが使用され、アダプタは、試料カード(およびその中の試料)がカメラの視野内に配設され得るように、スマートフォンに取り付けられるように構成されている。
いくつかの実施形態では、スマートフォンは、装置を制御するように構成された制御ユニットとしても機能し得る。例えば、試料カードの加熱および/または冷却を制御するために、スマートフォンが使用される。ある特定の実施形態では、スマートフォンは、加熱源に接続され、加熱源からの電磁波を制御する。いくつかの実施形態では、スマートフォンは、電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御する。ある特定の実施形態では、スマートフォンは、試料の温度を測定する温度計から温度データを受信する。ある特定の実施形態では、スマートフォンは、温度データに基づいて電磁波を制御する。
いくつかの実施形態では、スマートフォンは、データ処理および通信デバイスとしても機能し得る。例えば、試料が撮像された後、画像は、スマートフォンに保存され得る。ある特定の実施形態では、保存画像は、スマートフォンのソフトウェアまたはアプリケーションによって処理され得る。例えば、分析物の存在および/または量は、スマートフォンのソフトウェアまたはアプリケーションによって画像から推定され得る。ある特定の実施形態では、処理された結果は、スマートフォンの画面に表示され得る。ある特定の実施形態では、処理された結果は、例えば、電子メールまたは他のメッセージングソフトウェアを用いてユーザに送信され得る。ある特定の実施形態では、処理された結果は、追加のステップでさらなる診断を行い、かつ/またはデータを処理することができる第三者、例えば、医療専門家に送信され得る。いくつかの実施形態では、画像は、処理することなく、表示および/または送信され得る。ある特定の実施形態では、画像は、スマートフォンの画面に表示される。ある特定の実施形態では、画像は、例えば、電子メールまたは他のメッセージングソフトウェアによってユーザに送信される。ある特定の実施形態では、画像は、画像をさらに処理することができる第三者、例えば、リモートサーバに送信され得る。いくつかの実施形態では、結果および/または画像は、送信される前に圧縮および/または暗号化される。
RHCカードの使用
本説明のRHCカードは、試料の試験における複数のステップのうちの1つのステップとして、または試験全体を実施する1つのステップとして使用され得る。
いくつかの実施形態では、RHCカードは、いわゆる「ワンステップアッセイ」で使用され、分析のための全ての試薬および試料がRHCカード上に装填され、熱サイクリングまたは温度変化が実施され、信号が熱サイクルまたは温度変化中に観察されている。
他の実施形態
実施形態-1
一実施形態は、実施形態SH-1~SH-6のデバイスを備え、第1のプレートおよび第2のプレートは、可撓性プラスチックフィルムおよび/または薄いガラスフィルムであり、各々は、1um~25umの範囲から選択された値の実質的に均一な厚さを有する。
各プレートは、1cm^2~16cm^2の範囲の面積を有する。
2つのプレート間に挟まれた試料は、40um以下の厚さを有する。
関連試料対試料全体の比(RE比)は、12%以下である。
冷却ゾーンは、加熱ゾーンより少なくとも9倍大きい。
試料対非試料の熱質量比は、2.2以上である。
RHCは、いくつかの実施形態ではスペーサを有しないが、他の実施形態ではスペーサを有する。
STC比は、冷却ゾーンは、70W/mK以上の熱伝導率および熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する材料の層を備える。
実施形態-2
SH-1~SH-xの実施形態に関して、それらは、高速熱サイクリングのための以下のパラメータ設定を有する。
第1のプレートおよび第2のプレートは、プラスチックまたは薄いガラスである。第1のプレートおよび第2のプレートは、100nm、500nm、1um、5um、10um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
2つのプレート間の試料は、5um、10um、30um、50um、100um、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
H/C層から試料までの距離は、10nm、100nm、500nm、1um、5um、10um、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比は、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比は、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離は、5mm、10mm、20mm、30mm、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
実施形態-3
SH-1~SH-xの実施形態に関して、それらは、高速熱サイクリングのための以下のパラメータ設定を有する。
第1のプレートおよび第2のプレートは、プラスチックまたは薄いガラスである。第1のプレートが10um、25um、50um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する一方で、第2のプレート(加熱層または冷却層を有するプレート)は、100nm、500nm、1um、5um、10um、それらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
2つのプレート間の試料は、5um、10um、30um、50um、100um、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
H/C層と試料との間の距離は、10nm、100nm、500nm、1um、5um、10um、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比は、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比は、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離は、5mm、10mm、20mm、30mm、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
実施形態-4
SH-1~SH-xの実施形態に関して、それらは、高速熱サイクリングのための以下のパラメータ設定を有する。
第1のプレートおよび第2のプレートは、プラスチックまたは薄いガラスである。第1のプレートおよび第2のプレートは、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、175um、250um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
2つのプレート間の試料は、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、250um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
H/C層と試料との間の距離は、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、175um、250um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比は、100、64、16、9、4、2、1、0.5、0.1、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
加熱ゾーンに対する冷却ゾーン面積の比は、100、64、16、9、4、2、1、0.5、0.1、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離は、500um、1mm、3mm、5mm、10mm、20mm、30mm、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
実施形態-5
SH-1~SH-5の実施形態に関して、それらは、高速熱サイクリングのための以下のパラメータ設定を有する。
光学パイプは、光源(例えば、LED)からの光を加熱ゾーンにコリメートする。光学パイルは、反射壁を備えた中空の穴を備えた構造(例えば、管または穴を削った構造)を含む。ライトパイルは、1~8mmの横寸法および2~5ommの長さを有する。
実施形態-6
SH-1~SH-5の実施形態に関して、それらは、高速熱サイクリングのための以下のパラメータ設定を有する。
第1のプレートおよび第2のプレートは、プラスチックまたは薄いガラスである。第1のプレートおよび第2のプレートは、100nm、500nm、1um、5um、10um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
2つのプレート間の試料は、1~5um、5~10um、10~30um、または30~50umの範囲の厚さを有する。
H/C層から試料までの距離は、10nm~100nm、100nm~500nm、500nm~1um、1um~5um、5um~10um、または10um~25umの範囲である。
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比は、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比は、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離は、5mm、10mm、20mm、30mm、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
冷却層のKC比は、0.5cm^2/秒~0.7cm^2/秒、0.7cm^2/秒~0.9cm^2/秒、0.9cm^2/秒~1cm^2/秒、1cm^2/秒~1.1cm^2/秒、1.1cm^2/秒~1.3cm^2/秒、1.3cm^2/秒~1.6cm^2/秒、1.6cm^2/秒~2cm^2/秒、または2cm^2/秒~3cm^2/秒の範囲である。
試料対非試料の熱質量比は、0.2~0.5、0.5~0.7、0.7~1、1~1.5、1.5~5、5~10、10~30、30~50、または50~100の範囲である。
実施形態-7
SH-1~SH-5の実施形態ならびに実施形態1~実施形態6に関して、それらは、高速熱サイクリングのための以下のパラメータ設定を有する。
第1のプレートおよび/または第2のプレートは、1mm2(平方ミリメートル)~10mm2、10mm2~50mm2、50mm2~100mm2、1cm2~5cm2、5cm2~20cm2、または20cm2~50cm2の範囲の横方向面積を有する。
スケーリングされた熱伝導比(STM比)は、10~20、30~50、50~70、70~100、100~1000、1000~10000、または10000~1000000の範囲であり、冷却ゾーン(層)は、6×10-5W/K、9×10-5W/K、1.2×10-4W/K、1.5×10-4W/K、1.8×10-4W/K、2.1×10-4W/K、2.7×10-4W/K、3×10-4W/K、1.5×10-4W/K、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の、熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する。
試料ホルダー(RHCカード)は、熱サイクル中に周囲への有意な熱伝導は有しない。
試料の種類
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、診断試料、臨床試料、環境試料、および食品試料などであるが、これらに限定されない試料に使用され得る。試料の種類としては、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願され、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、PCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号に列挙、記載、および要約された試料が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、細胞、組織、体液、および/またはそれらの混合物を含む試料に使用される。いくつかの実施形態では、試料はヒトの体液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、細胞、組織、体液、糞便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢(cerumen)、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ、外リンパ、糞便、呼吸、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮物のうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、飲料水などの任意の好適な源から得られる環境試料;土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木材、レンガ、下水などからの固体試料;および空気、水中排熱口、産業排気、車両排気などの気体試料に使用される。ある特定の実施形態では、環境試料は、源からの新鮮なものであり、ある特定の実施形態では、環境試料は、処理される。例えば、液体形態ではない試料は、主題のデバイス、システム、および方法が適用される前に液体に変換される。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、動物の消費、例えば、人間の消費に好適であるか、または好適になる可能性を有する食品試料に使用される。いくつかの実施形態では、食品試料は、生の材料、調理済みまたは加工済み食品、植物および動物の食物源、予め加工済みの食品、ならびに部分的または完全に加工済みの食品などを含む。ある特定の実施形態では、液体形態ではない試料は、主題のデバイス、システム、および方法が適用される前に液体形態に変換される。
試料の任意の体積を分析するために主題のデバイス、システム、および方法が使用され得る。体積の例は、これらに限定されないが、約10mL以下、5mL以下、3mL以下、1マイクロリットル(μL、本明細書では「uL」)以下、500μL以下、300μL以下、250μL以下、200μL以下、170μL以下、150μL以下、125μL以下、100μL以下、75μL以下、50μL以下、25μL以下、20μL以下、15μL以下、10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意の2つの値の間の範囲を含む。
いくつかの実施形態では、試料の体積は、これらに限定されないが、約100μL以下、75μL以下、50μL以下、25μL以下、20μL以下、15μL以下、10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意の2つの値の間の範囲を含む。いくつかの実施形態では、試料の体積は、これらに限定されないが、約10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意の2つの値の間の範囲を含む。
いくつかの実施形態において、試料の量は、ほぼ一滴の液体である。ある特定の実施形態では、試料の量は、刺された指または指先から収集された量である。ある特定の実施形態では、試料の量は、マイクロニードル、マイクロピペットまたは静脈吸引から収集された量である。
ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、流体試料を保持するように構成されている。ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、流体試料の少なくとも一部を薄い層へと圧縮するように構成されている。ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、試料を加熱および/または冷却するように構成されている構造を含む。ある特定の実施形態では、加熱源は、試料ホルダー内のある特定の構造によって吸収されて試料の温度を変化させることができる電磁波を提供する。ある特定の実施形態では、信号センサは、試料からの信号を検出および/または測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、信号センサは、試料中の分析物を検出および/または測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、ヒートシンクは、試料ホルダーおよび/または加熱源から熱を吸収するように構成されている。ある特定の実施形態では、ヒートシンクは、試料ホルダーを少なくとも部分的に囲むチャンバを含む。
用途
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、2016年8月10日に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437に列挙、記載、および要約された用途を含む、様々なタイプの生物学的/化学的サンプリング、検知、アッセイ、および用途に使用され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、試料中の1つ以上の分析物の有無の決定、定量化、および/または増幅が望まれる様々な分野において、様々な異なる用途に利用される。例えば、ある特定の実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、ならびに他の分子、化合物、混合物、および物質の検出に使用される。主題のデバイス、システム、および方法が使用され得る様々な分野としては、人間の疾患および状態の診断、管理、および/または予防、動物の疾患および状態の診断、管理、および/または予防、植物の疾患または状態の診断、管理、および/または予防、農業用途、食品試験、環境試験および汚染除去、薬物試験および予防などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の用途には、これらに限定されないが、(a)特定の疾患、または疾患の特定の病期、例えば、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物または生体分子の検出、精製、定量化、および/または増幅、(b)細胞および/または微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、または生体試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の検出、精製、定量化、および増幅、(c)食品の安全性、人間の健康、または国家安全保障を危険にさらす化学化合物または生体試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の検出、定量化、(d)医学的または生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の検出および定量化、(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液の特定のDNAまたはRNAの検出および定量化、(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の配列決定および比較、または(g)例えば、医薬品の合成または精製中の反応生成物の検出および定量化が挙げられる。
いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、試料中の核酸、タンパク質、または他の分子もしくは化合物の検出に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、システム、および方法は、例えば、対象における疾患状態の診断、予防、および/または管理に用いられるような、生体試料中の1つ以上、2つ以上、または3つ以上の疾患バイオマーカーの迅速な臨床検出および/または定量化に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、システム、および方法は、環境試料、例えば、川、海、湖、雨、雪、下水、下水処理排水、農業排水、産業排水、水道水、または飲料水中の1つ以上、2つ以上、または3つ以上の環境マーカーの検出および/または定量化に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、システム、および方法は、水道水、飲料水、調理済み食品、加工済み食品、または未加工食品から得られる食品試料からの1つ以上、2つ以上、または3つ以上の食品マークの検出および/または定量化に使用される。
いくつかの実施形態では、分析物を検出するために本発明のデバイス、システム、および方法が使用され得る。いくつかの実施形態では、分析物は、病原体である。検出され得る例示的な病原体としては、水痘帯状疱疹;表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、大腸菌(Escherichia coli)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA)、黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス・キャピティス(Staphylococcus capitis)、スタフィロコッカス・ワルネリ(Staphylococcus warneri)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)、スタフィロコッカス・シミュランス(Staphylococcus simulans)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、およびカンジダ・アルビカンス(Candida albicans);淋病(淋菌(Neisseria gorrhoeae))、梅毒(梅毒トレポネーマ(Treponena pallidum))、クラミジア(クラミジア・トラコマティス(Chlamydia tracomitis))、非淋菌性尿道炎(ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasm urealyticum))、軟性下疳(軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi))、トリコモナス症(腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis));緑膿菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA)、肺炎桿菌、ヘモフィルス・インフルエンザエ、黄色ブドウ球菌、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、ヘモフィルス・パラインフルエンザ(Haemophilis parainfluenzae)、大腸菌、エンテロコッカス・フェカリス、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、ヘモフィルス・パラヘモリチカス(Haemophilis parahaemolyticus)、エンテロコッカス・クロアカ(Enterococcus cloacae)、カンジダ・アルビカンス、カタル球菌(Moraxiella catarrhalis)、肺炎球菌、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsella oxytoca)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorscens)、ナイセリア・メニンギティディス(Neiseria meningitidis)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carinii)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsella pneumoniae)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、および結核菌(Mycobacterium tuberculosis)などが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、診断マーカーである分析物を検出するために本発明のデバイス、システム、および方法が使用され得る。いくつかの実施形態では、診断マーカーは、以下の表のうちのいずれかから選択される。
いくつかの実施形態では、健康状態について試料が得られる対象に伝えるために本発明のデバイス、システム、および方法が使用され得る。本方法、デバイス、およびシステムによって診断または測定され得る健康状態としては、化学はかり;栄養健康;運動;疲労;睡眠;ストレス;前糖尿病;アレルギー;老化;環境毒素、農薬、除草剤、合成ホルモン類似体への曝露;妊娠;閉経;および男性更年期が挙げられるが、これらに限定されない。表4.3は、本発明を使用して検出され得る例示的な診断マーカー、およびそれらに関連する健康状態を提供する。
他の実施形態では、本方法によって検出され得る診断マーカーは、試料が得られる対象の疾患または健康状態を診断する証拠となる試料、例えば、診断試料中の抗体である。表4.4は、試料中のエピトープ結合抗体分析物の量を測定し、それにより関連疾患または健康状態、例えば、自己免疫疾患を診断するための本方法の捕捉剤として、全体またはエピトープ断片として使用され得る5つの自己抗体標的のリストを提供する。いくつかの場合では、疾患または健康状態は、アレルゲンに対する免疫応答に関連している。表4.5は、試料中のエピトープ結合抗体分析物の量を測定し、それにより関連疾患または健康状態、例えば、アレルギーを診断するための本方法の捕捉剤として、全体またはエピトープ断片として使用され得るアレルゲンのリストを提供する。ある特定の場合では、疾患または健康状態は、感染性疾患に関連し、感染因子は、感染因子(例えば、リポ多糖、毒素、タンパク質など)に由来する1つ以上のエピトープに対する抗体の測定量を含む情報に基づいて診断され得る。表4.6は、試料中のエピトープ結合抗体分析物の量を測定し、それにより関連疾患または健康状態、例えば、感染を診断するための本方法の捕捉剤として、全体またはエピトープ断片として使用され得る感染因子由来のエピトープのリストを提供する。本診断方法での使用に好適であり得る他のエピトープまたは抗原は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、PCT出願公開第WO2013/164476号に記載されている。
いくつかの実施形態では、疾患または健康状態に関連するマイクロRNA(miRNA)バイオマーカーである診断マーカーを検出するために本発明のデバイス、システム、および方法が使用され得る。表4.7は、使用され得るmiRNAバイオマーカーおよびそれらの関連する疾患/健康状態の例示的なリストを提供する。
(表4.7)診断miRNAマーカー
*括弧内のmiRNAマーカーは下方制御されている
いくつかの実施形態では、環境試料を検出または分析するために本発明のデバイス、システム、および方法が使用され得る。環境試料は、川、海、湖、雨、雪、下水、下水処理流出、農業排水、産業排水、水道水、または飲料水などの任意の好適な供給源から得られ得る。
いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システムおよび方法を使用して検出または分析され得る分析物は、環境マーカーである。環境マーカーは、捕捉剤で構成されたデバイス内の環境マーカーに特異的に結合する捕捉剤によって捕捉され得る任意の好適なマーカーであり得る。いくつかの実施形態では、本発明のデバイスおよびシステムは、水中の鉛または毒素の濃度を検出する。いくつかの実施形態では、試料中の環境マーカーの存在、非存在、または定量的レベルは、試料が得られた環境の状態を示し得る。いくつかの実施形態では、環境マーカーは、環境にさらされる生物、例えば、ヒト、コンパニオンアニマル、植物などに毒性または有害である物質であり得る。いくつかの実施形態では、環境マーカーは、環境にさらされる一部の個体においてアレルギー反応を引き起こし得るアレルゲンであり得る。いくつかの実施形態では、試料中の環境マーカーの存在、非存在、または定量的レベルは、環境の一般的健康と相関し得る。そのような場合、環境の一般的健康は、1週間、数か月、数年、または数十年などの期間にわたって測定され得る。
いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、環境マーカーの測定量を含む情報に基づいて、試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することをさらに含む。環境の安全性リスクを評価するために使用される情報は、環境マーカーの種類および測定量以外のデータを含み得る。これらの他のデータは、例えば、位置、高度、温度、日/月/年の時間、気圧、湿度、風向および風速、天気などを含み得る。データは、例えば、ある特定の期間(分、時間、日、週、月、年など)にわたる平均値もしくは傾向、またはより短い期間(ミリ秒、秒、分など)にわたる瞬時値を表し得る。
いくつかの実施形態では、レポートは、デバイスを読み取るように構成されたデバイスによって生成され得るか、または環境マーカーの測定量を含むデータを送信したときに遠隔地で生成され得る。いくつかの実施形態では、専門家は、遠隔地にいるか、または遠隔地に送信されたデータにアクセスすることができ、データを分析またはレビューしてレポートを生成することができる。いくつかの実施形態では、専門家は、US Centers for Disease Control(CDC)もしくはUS Environmental Protection Agency(EPA)などの政府機関、大学などの研究機関、または民間企業の科学者または管理者であってもよい。いくつかの実施形態では、専門家は、デバイスによって送信され、かつ/または遠隔地で分析されたデータに基づいて、ユーザに指示または勧告を送信することができる。
例示的な環境マーカーのリストは、2015年9月29日に出願された米国仮出願第62/234,538号の表8に記載されており、その出願は参照により本明細書に組み込まれる。
追加の例示的な環境マーカーが、表4.8に列挙される。
いくつかの実施形態では、食品試料を検出または分析するために本発明のデバイス、システム、および方法が使用され得る。食品試料は、生の食品、加工済み食品、調理済み食品、飲料水など、任意の好適な供給源から得られ得る。いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システムおよび方法を使用して検出または分析され得る分析物は、食品マーカーである。食品マーカーは、捕捉剤で構成されたデバイス内の食品マーカーに特異的に結合する捕捉剤によって捕捉され得る、表4.9に示されるような任意の好適なマーカーであり得る。いくつかの実施形態では、試料中の食品マーカーの存在、非存在、または定量的レベルは、食品が消費された場合の対象に対する安全性または有害性を示し得る。いくつかの実施形態では、食品マーカーは、試料が取得された食品中の生物の存在を示す病原体または微生物に由来する物質である。いくつかの実施形態では、食品マーカーは、対象によって消費された場合、毒性または有害な物質である。いくつかの実施形態では、食品マーカーは、対象によって消費された場合、非意図的にまたは予想外に生理機能を変化させ得る生物活性化合物である。
いくつかの実施形態では、食品マーカーは、食品が得られた方法(例えば、栽培、調達、捕獲、収穫、加工、調理など)を示す。いくつかの実施形態では、食品マーカーは、食品の栄養含有量を示す。いくつかの実施形態では、食品マーカーは、試料が得られる食品が対象によって消費される場合、アレルギー反応を誘導し得るアレルゲンである。
いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、食品マーカーの測定レベルを含む情報に基づいて、試料が得られた食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することをさらに含む。消費食品の安全性を評価するために使用される情報は、食品マーカーの種類および測定量以外のデータを含み得る。これらの他のデータは、消費者に関連する任意の健康状態(アレルギー、妊娠、慢性または急性疾患、現在の処方薬など)を含み得る。
レポートは、デバイスを読み取るように構成されたデバイスによって生成され得るか、または食品マーカーの測定量を含むデータを送信したときに遠隔地で生成され得る。いくつかの実施形態では、食品安全の専門家は、遠隔地にいるか、または遠隔地に送信されたデータにアクセスすることができ、データを分析またはレビューしてレポートを生成することができる。食品安全の専門家は、US Food and Drug Administration(FDA)もしくはCDCなどの政府機関、大学などの研究機関、または民間企業の科学者または管理者であってもよい。いくつかの実施形態では、食品安全の専門家は、デバイスによって送信され、かつ/または遠隔地で分析されたデータに基づいて、ユーザに指示または勧告を送信することができる。
例示的な食品マーカーのリストは、2015年9月29日に出願された米国仮出願第62/234,538号の表9に記載されており、その出願は参照により本明細書に組み込まれる。
追加の例示的な食品マーカーが、表4.9に列挙される。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明のデバイスを含むキットに関する。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の分析物に特異的に結合するように構成されたデバイスを含む。いくつかの実施形態では、キットは、手持ち式デバイス、例えば、携帯電話を使用して主題の方法を実施するための説明書を含む。いくつかの実施形態では、説明書は、キット内に様々な形態で存在することができ、そのうちの1つ以上がキット内に存在することができる。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、好適な媒体または基材上に印刷された情報、例えば、情報が印刷される1枚または複数枚の紙、キットの包装内、添付文書内などである。別の手段は、情報が記録または記憶されているコンピューター可読媒体、例えば、ディスケット、CD、DVD、ブルーレイ、コンピューター可読メモリなどである。存在し得るさらに別の手段は、離れたサイトの情報にアクセスするためにインターネット経由で使用され得るウェブサイトアドレスである。キットはさらに、コンピューター可読媒体上で提供される、本明細書に記載されるようなデバイス上の分析物を測定するための方法を実施するためのソフトウェアを含むことができる。任意の便利な手段がキット内に存在し得る。
いくつかの実施形態では、キットは、目的の分析物の標識に使用するための、検出可能な標識、例えば、目的の分析物に特異的に結合する蛍光標識抗体またはオリゴヌクレオチドを含む検出剤を含む。検出剤は、デバイスとして別の容器で提供され得るか、またはデバイス内に提供され得る。
いくつかの実施形態では、キットは、試料中に検出され得る既知の検出可能な量の分析物を含む対照試料を含む。対照試料は、容器内で提供され得、既知の濃度で溶液中にあってもよいか、または乾燥形態、例えば、凍結乾燥もしくはフリーズドライで提供され得る。キットはまた、乾燥試料で提供される場合、対照試料の溶解に使用するための緩衝剤も含むことができる。
いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、スマートフォンを使用している単純で迅速な血球計数に使用され得る。いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、比較的平坦な表面の薄いガラススライド(例えば、0.2mm厚)または薄いプラスチックフィルム(例えば、15mm厚)から選択され、各々が約0.5cm~10cmの長さおよび幅を伴う面積を有する。いくつかの実施形態では、スペーサは、ガラス、プラスチック、または押圧下で大きく変形しない他の材料でできている。いくつかの実施形態では、試料付着前に、スペーサは、第1のプレート、第2のプレート、またはその両方の上に配設され、第1のプレート、第2のプレート、またはその両方は任意に、血球計数を容易にする試薬(染色色素および/または抗凝固剤)でコーティングされる。いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、容易な輸送およびより長い貯蔵寿命のためにバッグ内に密封され得る。
血球計数試験のいくつかの実施形態では、約1uL(マイクロリットル)(または約0.1uL~3uL)の血液のみが試料に必要とされ、これは、例えば指または他の人体の場所から採取され得る。いくつかの実施形態では、血液試料は、希釈することなく、人体(例えば、指)から第1のプレートおよび第2のプレートに直接付着され得る。そのような実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、互いに向き合うことができ、これにより血液試料は、第1のプレートおよび第2のプレートの内面間にある。いくつかの実施形態では、試薬は予め付着させ(染色色素または抗凝固剤)、それらは、試料と混合するために内面上に付着させる。次いで、第1のプレートおよび第2のプレートは、指または単純な機械デバイス(例えば、バネを使用して押圧するクリップ)によって押圧され得る。押圧下で、内側の間隔が低減され、低減は、最終的にスペーサの高さによって設定された値で停止され、最終試料厚さが達成され、これは一般に、最終的な内側の間隔に等しい。最終的な内側の間隔がわかっているため、最終試料厚さがわかり、つまり、この方法によって定量化(測定)される。
いくつかの実施形態では、血液試料が希釈されない場合、押圧(試料変形)後、スペーサ、したがって最終試料厚さは薄くなり得、例えば、1um未満、2um未満、3um未満、4um未満、5um未満、7um未満、10um未満、15um未満、20um未満、30um未満、40um未満、50um未満、60um未満、80未満um、100um未満、150um未満、またはそれらの2つの数のうちのいずれかの間の任意の範囲であり得る。最終試料厚さが厚い場合、撮像中に多くの赤血球が重なり合う可能性があり、これが細胞計数を不正確にする可能性があるため、薄い最終試料は有用である。例えば、希釈せずに厚さ約4umの全血を使用すると、約1層の血液中の赤血球をもたらす。
押圧後、試料は、直接または追加の光学素子(例えば、必要に応じてレンズ、フィルタ、または光源)のいずれかで、スマートフォンによって撮像され得る。試料の画像は処理されて、細胞の種類ならびに細胞数を特定することができる。画像処理は、画像を撮影する同じスマートフォンにおいてローカルで行われ得るか、またはリモートで行われ得るが、最終結果はスマートフォンに送り返される(画像は遠隔地に送信され、そこで処理される)。スマートフォンは、特定の細胞に対して細胞番号を表示する。場合によっては、ある特定のアドバイスが表示される。アドバイスは、試験前にスマートフォン上に記憶され得るか、または遠隔機械または専門家から発信され得る。
ある特定の実施形態では、試薬は、本明細書に記載の方法およびデバイスを使用して、第1のプレートおよび/または第2のプレートの内面上に配設される。
いくつかの実施形態では、血液検査のためのデバイスまたは方法は、(a)本明細書に記載のデバイスまたは方法、および(b)閉鎖構成でのプレート間隔(すなわち、2つのプレートの内面間の距離)、またはそのような間隔の使用を含み、プレート間隔内の希釈されていない全血は、赤血球(RBC)の横方向の平均細胞間距離がRBCのディスク形状の平均直径よりも大きい。
いくつかの実施形態では、非球状細胞の配向を整えるためのデバイスまたは方法は、(a)本明細書に記載の装置または方法、および(b)閉鎖構成でのプレート間隔(すなわち、2つのプレートの内面間の距離)を含む。プレート)、またはそのような間隔の使用を含み、間隔は、その長い方向における細胞の平均サイズよりも小さい(長い方向は、細胞の最大寸法方向である)。そのような配置は、試料体積(例えば、赤血球量)の測定を改善することができる。
いくつかの実施形態では、血液検査における分析物は、タンパク質マーカーを含み、そのリストは、American Association for Clinical Chemistryのウェブサイトで見つけることができる。
表4.10は、ポイントオブケア(POC)設定および/または非専門ユーザ/対象による使用場所において、本発明を使用して検出され得る追加の例示的な分析物を提供する。
いくつかの実施形態では、健康状態を検出または診断するために本発明のデバイス、システム、および方法が使用され得る。いくつかん実施形態では、健康状態としては、化学はかり;栄養健康;運動;疲労;睡眠;ストレス;前糖尿病;アレルギー;老化;環境毒素、農薬、除草剤、合成ホルモン類似体への曝露;妊娠;閉経;および男性更年期が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、2つ以上の異なる核酸試料中の核酸の相対レベルは、上記の方法を使用して得られ、比較され得る。これらの実施形態では、上記の方法から得られた結果は通常、試料中の核酸(例えば、構成的RNA)の総量に対して正規化され、比較される。これは、比率を比較することによって、または任意の他の手段によって行われ得る。特定の実施形態では、2つ以上の異なる試料の核酸プロファイルを比較して、特定の疾患または状態に関連する核酸を特定することができる。
いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、a)試料を取得することと、b)捕捉剤への試料中の分析物の結合に好適な条件下で、目的の分析物に結合する捕捉剤を含むデバイスに試料を適用することと、c)デバイスを洗浄することと、d)デバイスを読み取り、それにより試料中の分析物の量の測定値を得ることと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、分析物は、バイオマーカー、環境マーカー、または食品マーカーであり得る。いくつかの場合では、試料は液体試料であり、診断試料(唾液、血清、血液、尿、汗、涙、精液、または粘液など);川、海、湖、雨、雪、下水、下水処理流出、農業排水、産業排水、水道水、もしくは飲料水から得られる環境試料;または水道水、飲料水、調理済み食品、処理済みの食品、もしくは生の食品から得られる食品試料であり得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、マイクロ流体デバイス内に配設され得、適用ステップb)は、デバイスを備えるマイクロ流体デバイスに試料を適用することを含むことができる。いくつかの実施形態では、読み取りステップd)は、デバイスからの蛍光または発光シグナルを検出することを含むことができる。いくつかの実施形態では、読み取りステップd)は、デバイスを読み取るように構成された手持ち式デバイスを用いてデバイスを読み取ることを含むことができる。手持ち式デバイスは、携帯電話、例えばスマートフォンであり得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイス上の分析物捕捉剤複合体に結合することができる標識剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、ステップc)とd)の間に、デバイス上の分析物-捕捉剤複合体に結合する標識剤をデバイスに適用するステップと、デバイスを洗浄するステップと、をさらに含むことができる。いずれの実施形態においても、読み取りステップd)は、デバイスの識別子を読み取ることを含むことができる。識別子は、光学バーコード、無線周波数IDタグ、またはそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、分析物に結合する捕捉剤を含む対照デバイスに対照試料を適用すること(対照試料は、既知の検出可能な量の分析物を含む)と、対照デバイスを読み取り、それにより試料中の分析物の既知の検出可能な量の対照測定値を得ることと、をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、試料は対象から得られた診断試料であり得、分析物はバイオマーカーであり得、測定された試料中の分析物の量は疾患または状態の診断に役立ち得る。
いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、疾患または状態を有しないか、またはその低いリスクにある個体において測定されたバイオマーカーの量および測定されたバイオマーカーの値の範囲を示すレポートを受信するか、または対象に提供することをさらに含むことができ、測定された値の範囲に対する測定されたバイオマーカーの量は、疾患または状態の診断に役立つ。いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、試料中のバイオマーカーの測定量を含む情報に基づいて対象を診断することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、診断ステップは、測定されたバイオマーカーの量を含むデータを遠隔地に送信し、遠隔地からの測定値を含む情報に基づいた診断を受信することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、表に列挙されるものから選択され得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、各々が本明細書に記載のバイオマーカーに結合する複数の捕捉剤を含むことができ、読み取りステップd)は、試料中の複数のバイオマーカーの量の尺度を得ることを含み、試料中の複数のバイオマーカーの量は、疾患または状態の診断に役立つ。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、抗体エピトープであり得、バイオマーカーは、抗体エピトープに結合する抗体であり得る。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、表から選択された生体分子またはその断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、表から選択されたアレルゲンまたはその断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、表から選択された感染因子由来の生体分子またはその断片を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、表から選択された複数の抗体エピトープを含むことができ、読み取りステップd)は、試料中の複数のエピトープ結合抗体の量の尺度を得ることを含み、試料中の複数のエピトープ結合抗体の量は、疾患または状態の診断に役立つ。
いくつかの実施形態では、試料は環境試料であり得、分析物は環境マーカーであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される環境マーカー。いくつかの実施形態では、方法は、試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、測定された環境マーカーの量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含むことができる。いずれの実施形態においても、デバイスは、各々が本明細書に記載の環境マーカーに結合する複数の捕捉剤を含むことができ、読み取りステップd)は、試料中の複数の環境マーカーの量の測定値を得ることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、試料は食品試料であり得、分析物は食品マーカーであり得、試料中の食品マーカーの量は、消費する食品の安全性と相関し得る。いくつかの実施形態では、食品マーカーは、本明細書に記載される一例である。任意の実施形態では、方法は、試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含み得る。任意の実施形態では、方法は、測定された食料マーカーの量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含み得る。いくつかの実施形態では、デバイスアレイは、各々が本明細書に記載の食品マーカーに結合する複数の捕捉剤を含むことができ、取得は、試料中の複数の食品マーカーの量の尺度を得ることを含み、試料中の複数の食品マーカーの量は、消費に対する食品の安全性と相関し得る。
いくつかの実施形態では、主題のデバイスはマイクロ流体デバイスの一部である。いくつかの実施形態では、蛍光または発光信号を検出ために主題のデバイス、システム、および方法が使用される。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、携帯電話、タブレットコンピュータ、およびラップトップコンピュータなどであるが、これらに限定されない通信デバイスを含むか、またはそれと一緒に使用される。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、光バーコード、無線周波数IDタグ、またはそれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない識別子を含むか、またはそれと一緒に使用される。
いくつかの実施形態では、試料は対象から得られた診断試料であり、分析物はバイオマーカーであり、測定された試料中の分析物の量は疾患または状態の診断に役立つ。いくつかの実施形態では、対象のデバイス、システム、および方法は、疾患または状態を有しないか、またはその低いリスクにある個体において測定されたバイオマーカーの量および測定されたバイオマーカーの値の範囲を示すレポートを受信するか、または対象に提供することをさらに含み、測定された値の範囲に対する測定されたバイオマーカーの量は、疾患または状態の診断に役立つ。
いくつかの実施形態では、試料は環境試料であり、分析物は環境マーカーである。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含む。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、測定された環境マーカーの量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含む。
いくつかの実施形態では、試料は食品試料であり、分析物は食品マーカーであり、試料中の食品マーカーの量は、消費する食品の安全性と相関する。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含む。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、測定された食料マーカーの量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含む。
本明細書に記載のデバイス、装置、およびシステムを用いて実行されるアッセイでは、様々な試料が使用され得る。いくつかの実施形態では、試料は、核酸を含む。いくつかの実施形態では、試料は、タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、試料は、炭水化物を含む。試料の温度を急速に変化させ、試料の温度を着実に維持し、試料を処理するための高速かつ費用対効果の高いアプローチを提供するために、本デバイス、装置、およびシステムが使用され得る。加えて、本明細書に記載のデバイス、装置、およびシステムを用いて、様々な用途(例えば、アッセイ)が実行され得る。そのような用途としては、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験が含まれるが、これらに限定されない。そのような用途としてはまた、様々な生物学的、化学的、および生化学的アッセイ(例えば、DNA増幅、DNA定量化、選択的DNA単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、「試料」は、全血、血漿、血清、尿、唾液、および汗などのヒト体液、ならびに細胞培養物(哺乳類、植物、細菌、真菌)が挙げられるが、これらに限定されない試料を含有するか、または含有しない任意の核酸であってもよい。試料は、新たに取得するか、または任意の所望の方法もしくは便利な方法で、例えば、希釈、あるいは緩衝液、または他の溶液もしくは溶媒を加えることにより、保管または処理され得る。試料には、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、ウイルス粒子などの細胞構造が存在し得る。
本明細書で使用される「核酸」という用語は、任意のDNAもしくはRNA分子、またはDNA/RNAハイブリッド、またはDNAおよび/もしくはRNAの混合物を指す。したがって、「核酸」という用語は、ゲノムまたは染色体DNA、プラスミドDNA、増幅DNA、cDNA、全RNA、mRNA、および低分子RNAを含むことを意図しているが、これらに限定されない。「核酸」という用語は、天然のDNAおよび/もしくはRNA分子、または合成DNAおよび/もしくはRNA分子を含むことも意図している。いくつかの実施形態では、無細胞核酸が試料中に存在し、本明細書で使用される「無細胞」は、核酸がいかなる細胞構造にも含まれていないことを示す。いくつかの他の実施形態では、核酸は、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、および/またはウイルス粒子を含むがこれらに限定されない細胞構造内に含まれる。無細胞核酸の形態、または細胞構造内、またはそれらの組み合わせのいずれかの核酸が、試料中に存在し得る。いくつかのさらなる実施形態では、核酸は、第1のプレートの内面上に導入される前に精製される。またさらなる実施形態では、核酸は、タンパク質および脂質などの他の分子に関連する複合体内に存在し得る。
本発明の方法は、ある範囲の体積の試料に適している。異なる体積を有する試料を、異なる寸法を有するプレート上に導入することができる。
本明細書で使用される「核酸増幅」には、試料中の標的分子を増幅する(その多数のコピーを生成する)ことによって核酸を検出するために使用される任意の技術が含まれ、本明細書では「標的」は、目的の核酸の配列または部分配列を指す。好適な核酸増幅技術としては、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、デジタルPCRなどの異なるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法、および等温増幅方法、例えば、ループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、およびリコンビナーゼポリメラーゼ増幅などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「必要な試薬」または「試薬」には、プライマー、デオキシヌクレオチド(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K+)、緩衝液、酵素、添加剤、およびレポーターが含まれるが、これらに限定されない。「核酸増幅に必要な試薬」または「核酸増幅のための試薬」は、第1もしくは第2のプレート、またはその両方の内面上の乾燥形態、または例えば、パラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、または包まれた液体形態のいずれかであり得る。
本明細書で使用される、「プライマー」は、いくつかの実施形態では、一対のフォワードおよびリバースプライマーを指し得る。いくつかの実施形態では、プライマーは、複数のプライマーまたはプライマーセットを指し得る。本明細書で使用される、核酸増幅に適した酵素には、DNA依存性ポリメラーゼ、またはRNA依存性DNAポリメラーゼ、またはDNA依存性RNAポリメラーゼが含まれるが、これらに限定されない。好適なDNA依存性ポリメラーゼの例には、AptaTaqポリメラーゼ、Kapa2G Fastポリメラーゼ、Kapa2G Robust、Z-Taqポリメラーゼ、Terra PCR Direct Polymerase、SpeedStar HS DNAポリメラーゼ、Phusion DNAポリメラーゼ、およびHigh-Fidelity DNAポリメラーゼが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「添加剤」には、いくつかの実施形態では、7-デアザ-2’-デオキシグアノシン7-デアザdGTP、BSA、ゼラチン、ベタイン、DMSO、ホルムアミド、Tween 20、NP-40、Triton X-100、塩化テトラメチルアンモニウムが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「レポーター」という用語は、核酸分子に結合するか、もしくは核酸分子内に挿入することができる、または増幅プロセスの副産物によって活性化されて核酸分子または増幅プロセスの可視化を可能にすることができる任意のタグ、標識、または色素を指す。適切なレポーターには、蛍光標識もしくはタグもしくは色素、挿入剤、分子ビーコン標識、または生物発光分子、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの他の実施形態では、本明細書で使用される「必要な試薬」または「試薬」(例えば、核酸増幅反応のための)は、細胞溶解試薬を含むこともでき、これは細胞構造の破壊を容易にする。細胞溶解試薬には、塩、洗剤、酵素、および他の添加物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「塩」という用語には、リチウム塩(例えば、塩化リチウム)、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)、カリウム(例えば、塩化カリウム)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「洗剤」という用語は、アニオン性およびカチオン性、非イオン性または双性イオン性を含むイオン性であり得る。本明細書で使用される「イオン性洗剤」という用語は、水に溶解したときに部分的または全体的にイオン形態である任意の洗剤を含む。適切なアニオン性洗剤には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)または他のアルカリ金属アルキル硫酸塩もしくは同様の洗剤、サルコシル、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「酵素」という用語には、リゾチーム、セルラーゼ、およびプロテイナーゼが含まれるが、これらに限定されない。加えて、EDTA、EGTA、および他のポリアミノカルボン酸を含むがこれらに限定されないキレート剤、ならびにジチオトレイトール(dTT)などのいくつかの還元剤も細胞溶解試薬に含まれ得る。本明細書において必要な試薬の組成は、異なる増幅反応の合理的な設計により異なる。いくつかの実施形態では、例えば、LAMPを介して等温増幅を実行する場合、試料は、約1~70分間60~65℃に加熱される。
本明細書で使用される、「核酸増幅産物」は、核酸増幅技術によって生成される様々な核酸を指す。本明細書において核酸増幅産物の種類には、一本鎖DNA、一本鎖RNA、二本鎖DNA、線状DNA、または環状DNAなどが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、核酸増幅産物は、同じ長さおよび構成を有する同一の核酸であり得る。いくつかの他の実施形態では、核酸増幅産物は、異なる長さおよび構成を有する複数の核酸であり得る。
いくつかの実施形態では、核酸増幅後に蓄積された核酸は、レポーターを使用して定量化される。上記で定義および使用されるように、閉鎖チャンバに蓄積された核酸アンプリコンの有無、または量と相関する定量化可能な特徴を有するレポーター。
本明細書で使用される「細胞溶解試薬」は、細胞構造の破壊を容易にする塩、洗剤、酵素、および他の添加剤を含むことを意図しているが、これらに限定されない。本明細書において「塩」という用語には、リチウム塩(例えば、塩化リチウム)、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)、カリウム(例えば、塩化カリウム)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「洗剤」という用語は、アニオン性およびカチオン性、非イオン性または双性イオン性を含むイオン性であり得る。本明細書で使用される「イオン性洗剤」という用語は、水に溶解したときに部分的または全体的にイオン形態である任意の洗剤を含む。適切なアニオン性洗剤には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)または他のアルカリ金属アルキル硫酸塩もしくは同様の洗剤、サルコシル、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において「酵素」という用語には、リゾチーム、セルラーゼ、およびプロテイナーゼが含まれるが、これらに限定されない。加えて、EDTA、EGTA、および他のポリアミノカルボン酸を含むがこれらに限定されないキレート剤、ならびにジチオトレイトール(dTT)などのいくつかの還元剤も細胞溶解試薬に含まれ得る。本明細書において必要な試薬の組成は、異なる増幅反応の合理的な設計により異なる。
本明細書で使用される「必要な試薬2」には、プライマー、デオキシヌクレオチド(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K+)、緩衝液、酵素、およびレポーターが含まれるが、これらに限定されない。核酸増幅に必要な試薬2は、第1もしくは第2のプレート、またはその両方の内面上の乾燥形態、または例えば、パラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、または包まれた液体形態のいずれかであり得る。
QMAXカードの外側に別個の加熱素子がある急速加熱および冷却装置
いくつかの実施形態では、装置は、RHCカードの外側にある別個の加熱素子をさらに備え、RHCカードの近くにまたは接触して配設されたときにRHCカードを加熱するように構成されている。別個の加熱素子は、RHCカードの取り付けまたは分離が可能であり、加熱/冷却層と同様の方法で加熱源からエネルギーを得る。別個の加熱素子により、加熱/冷却層のないRHCカードが可能になる。例えば、図15Aおよび15Bに示されるように、加熱素子は、試料カードから分離している。
「CROFカード(またはカード)」、「COFカード」、「QMAXカード」、「Qカード」、「CROFデバイス」、「COFデバイス」、「QMAXデバイス」、「CROFプレート」、「COFプレート」、および「QMAXプレート」という用語は、互換性があり、本明細書に記載のデバイスの実施形態を識別するために使用され得る。「Xプレート」という用語は、CROFカードの2つのプレートのうちの1つを指し、スペーサはこのプレートに固定されている。COFカード、CROFカード、およびXプレートのより詳細は、2017年2月7日に出願された仮特許出願第62/456065号に提供され、これはあらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
RHCカードは、プレートのうちの1つの上または内側にスペーサおよび加熱/冷却層を有するか、または有しないQMAXカードである。
図5は、第1のプレート10と第2のプレート20と備えるデバイスカード100を示す。いくつかの実施形態では、第1のプレート10および第2のプレート20は、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成になるように互いに対して移動可能である。ある特定の実施形態では、開放構成において、2つのプレートは、部分的または完全に分離され、プレート間の平均間隔は、少なくとも300umである。ある特定の実施形態では、試料は、プレートの一方または両方の上に付着し得る。ある特定の実施形態では、閉鎖構成において、試料の少なくとも一部は2つのプレートによって圧縮されて層になり、平均試料厚さは、200um以下である。
いくつかの実施形態では、QMAXカード100は、第1のプレート10および第2のプレート20を接続するヒンジ103を備え、これにより、2つのプレートは、互いに対して枢動することができる。いくつかの実施形態では、QMAXカードは、開放構成と閉鎖構成との間のカードの切り替えを容易にするノッチ105を備える。いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方は、透明である。いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方は、可撓性である。いくつかの実施形態では、QMAXカード100は、加熱/冷却層190を備える。ある特定の実施形態では、加熱/冷却層190は、電磁波を吸収し、エネルギーを変換して試料の温度を上昇させるように構成されている。
図4Aおよび4Bは、本発明のデバイスの一実施形態の斜視図および断面図を示す。図4Aは、開放構成にあるデバイス(システムの「試料ホルダー」とも呼ばれる)100を示す。図4Aに示されるように、試料ホルダー100は、第1のプレート10と、第2のプレート20と、間隔機構(図示せず)とを備える。第1のプレート10および第2のプレート20はそれぞれ、内面(それぞれ11および21)および外面(それぞれ12および22)を備える。各内面は、デバイスによって処理および/または分析される流体試料に接触するための試料接触領域(図示せず)を有する。
第1のプレート10および第2のプレート20は、異なる構成になるように互いに対して移動可能である。構成のうちの1つは、開放構成であり、この構成では、図4Aに示されるように、第1のプレート10および第2のプレート20が部分的または全体的に分離され、第1のプレート10と第2のプレート20との間の間隔(すなわち、第1のプレートの内面11と第2のプレートの内面21との間の距離)は、間隔機構によって調節されない。開放構成では、試料を試料接触領域の第1のプレート、第2のプレート、またはその両方の上に付着させることができる。
図4Aに示されるように、第2のプレート20は、試料接触領域に加熱/冷却層112をさらに備える。第1のプレート10が、代替的にまたは追加的に、加熱/冷却層112を備えることも可能である。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層112は、その上に発せられた放射線(例えば、電磁波)を効率的に吸収するように構成されている。吸収率は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、100%以下、85%以下、75%以下、65%以下、55%以下、またはいずれの2つの値間の範囲内である。加熱/冷却層112は、吸収された放射線エネルギーの少なくとも実質的な部分を熱(熱エネルギー)に変換するようにさらに構成されている。例えば、加熱/冷却層112は、電磁波からエネルギーを吸収した後、熱の形態で放射線を放出するように構成されている。本明細書で使用される「実質的な部分」または「実質的に」という用語は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、99%以上、または99.9%以上の割合を指す。
図3Aおよび3Bは、閉鎖構成にある試料カードを示し、加熱/冷却層は、加熱源によって直接加熱されている/加熱されることになる加熱ゾーンを備え、図3Aは斜視図を示し、図3Bは断面図を示す。いくつかの実施形態では、加熱/冷却層は、加熱源によって加熱されている/直接加熱されることになる加熱ゾーンを備える。いくつかの実施形態では、加熱源は、レンズまたは他の変調器による変調の有無にかかわらず、加熱/冷却層に到達する電磁放射線(波)を放出する。そのような放射線(波)を直接受ける領域は、加熱ゾーンと称される。
いくつかの実施形態では、加熱ゾーンは、加熱/冷却層の全面積よりも小さい。いくつかの実施形態では、加熱ゾーンは、加熱/冷却層の面積の約1/1000、1/500、1/200、1/100、1/50、1/20、1/10、1/5、1/2、または2/3、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、試料が2つのプレートによって装填および圧縮されて薄層にされたとき、直接電磁波の経路内にあるか、または加熱ゾーンの領域に直接接触している試料の体積は、加熱体積と称される。いくつかの実施形態では、試料層が薄いため、かつ/または加熱/冷却層の優れた吸収特性のため、加熱体積内の試料は、所望の温度まで急速に加熱され得る。いくつかの実施形態では、加熱体積内の試料はまた、所望の温度まで急速に冷却され得る。
生化学およびアッセイ
本発明のサーマルサイクラーシステムおよび関連方法は、化学的、生物学的、または医学的アッセイまたは反応を容易にするために使用され得る。いくつかの実施形態では、反応は温度変化を必要とする。いくつかの実施形態では、反応は、非特異的反応を回避し、かつ/または待機時間を短縮するために、急速な温度変化を必要とするか、または好む。ある特定の実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、流体試料中のヌクレオチドの増幅のために周期的な温度変化を必要とする反応を容易にするために使用され、そのような反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が挙げられるが、これに限定されない。以下の説明では、本発明のサーマルサイクラーシステムおよび方法の能力および利用を図示するためにPCRを例として使用する。しかしながら、本明細書で説明するデバイス、システム、および方法のいくつかの実施形態は、温度制御および変化を必要とする他のアッセイおよび/または反応にも適用されることに留意するべきである。
いくつかの実施形態では、アッセイ(例えば、PCR)は、未処理試料を用いて実行され得る。例えば、PCR反応のテンプレートは、追加の処理なしで対象から直接得られた試料によって提供され得る。いくつかの実施形態では、試料は、個体からの全血であってもよい。いくつかの実施形態では、そのような「一段階」アプローチにより、本明細書に記載のデバイスのより便利な使用が可能になる。
いくつかの実施形態では、試料90は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用の予混合された反応媒体である。例えば、ある特定の実施形態では、反応媒体としては、DNAテンプレート、2種のプライマー、DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K+)、および緩衝液などの構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。特定の構成要素、各構成要素の濃度、および全体の体積は、反応の合理的な設計によって異なる。いくつかの実施形態では、PCRアッセイは、以下のステップ間で試料温度のいくつかの変化/変更を必要とする:(i)試料を92~98℃に加熱することを必要とする任意選択の初期化ステップ、(2)試料を92~98℃に加熱することを必要とする変性ステップ、(3)試料温度を50~65℃に下げることを必要とするアニーリングステップ、(4)試料を75~80℃に加熱することを必要とする拡張(または伸長)ステップ、(5)ステップ(2)~(4)を約20~40回繰り返す、および(6)アッセイが完了し、試料の温度を周囲温度(例えば、室温)に下げるか、または約4℃に冷却する。各ステップの具体的な温度および具体的な期間は異なり、標的配列の長さ、プライマーの長さ、カチオン濃度、および/またはGCの割合を含むがこれらに限定されない、いくつかの要因に依存する。
本発明のサーマルサイクラーシステムは、PCRアッセイのための急速な温度変化を提供する。例えば、図3のパネル(A)および(B)ならびに図4のパネル(B)を参照すると、いくつかの実施形態では、試料90(例えば、予混合された反応媒体)は、開放構成におけるプレート10および20のうちの一方または両方に添加され、プレートは、閉鎖構成に切り替えられて、試料90を圧縮して、間隔機構(図示せず)によって調整される厚さ102を有する薄層にし、加熱源202は、電磁波210を第1のプレート10に(例えば、具体的には加熱/冷却層112に)発射し、加熱/冷却層112は、電磁波210を吸収し、かつ前述の電磁波210の少なくとも実質的な部分を熱に変換するように構成されており、これは、試料の温度を高め、電磁波210の除去は、試料90の温度の低下をもたらす。
いくつかの実施形態では、電磁波210を加熱/冷却層112に発射するか、または電磁波の強度を増加させることによって、サーマルサイクラーシステムは、初期化ステップ、変性ステップ、および/または延伸/伸長ステップのうちのいずれかまたは全てに対して急速な加熱を提供し(温度を高め)、いくつかの実施形態では、加熱源202から発射される電磁波の除去または電磁波の強度の減少により、アニーリングステップおよび/または最終冷却ステップへの冷却が急速に達成される。いくつかの実施形態では、電磁波210または電磁波210の強度の増加は、少なくとも80℃/秒、70℃/秒、60℃/秒、50℃/秒、45℃/秒、40℃/秒、35℃/秒、30℃/秒、25℃/秒、20℃/秒、18℃/秒、16℃/秒、14℃/秒、12℃/秒、10℃/秒、9℃/秒、8℃/秒、7℃/秒、6℃/秒、5℃/秒、4℃/秒、3℃/秒、もしくは2℃/秒、またはいずれの2つの値間の範囲内の昇温傾斜速度を生み出す。ある特定の実施形態では、PCRアッセイにおける平均昇温傾斜速度は、10℃/秒以上である。いくつかの実施形態では、電磁波210の除去または電磁波210の強度の低減は、少なくとも80℃/秒、70℃/秒、60℃/秒、50℃/秒、45℃/秒、40℃/秒、35℃/秒、30℃/秒、25℃/秒、20℃/秒、18℃/秒、16℃/秒、14℃/秒、12℃/秒、10℃/秒、9℃/秒、8℃/秒、7℃/秒、6℃/秒、5℃/秒、4℃/秒、3℃/秒、もしくは2℃/秒、またはいずれの2つの値間の範囲内の降温傾斜速度をもたらす。ある特定の実施形態では、PCRアッセイにおける平均降温傾斜速度は、5℃/秒以上である。本明細書で使用される「傾斜速度」という用語は、2つの予め設定された温度間の温度変化の速度を指す。いくつかの実施形態では、各ステップへの平均上昇温度または下降温度は異なる。
PCR中、目標温度に達した後の任意のステップ内で、試料を一定期間の間目標温度に維持する必要がある。本発明のサーマルサイクラーシステムは、(1)電磁波210の強度を調整し、温度が目標まで上昇した場合は下げるかまたは、温度が目標まで低下した場合は増加させることによって、かつ/または(2)試料に提供される熱と試料から除去される熱とのバランスを取ることによって目標温度を維持することにより、温度維持機能を提供する。
図9は、いくつかの実施形態によるデバイスを使用している核酸増幅のための例示的な手順の断面図を示す。ステップの例としては、(A)核酸を含有する試料を第1のプレート(基板)の内側に導入すること、(B)第2のプレートを第1のプレートの内面に押圧して、デバイスの閉鎖構成を形成することであって、核酸増幅に必要な試薬を第2のプレートの内面で乾燥させる、形成すること、(C)第1および第2のプレートによって封入されたチャンバ内に核酸増幅産物を蓄積することが挙げられる。
試料は、必要に応じて、第1のプレートもしくは第2のプレートのいずれか、またはその両方にも導入することができる。本明細書の図9は、試料を第1のプレートの内面に導入する一例を提供する。
より詳細には、ステップ(B)において、第2のプレートを、試料と接触している第1のプレートの内面に押圧し、デバイスの閉鎖構成を形成する。「第2のプレート」とは、試料に接触する内面上に周期的なスペーサを備えたプレートを指し得る。
より具体的には、ステップ(C)において、デバイスが閉鎖構成にあるとき、加熱源は、第1のプレートもしくは第2のプレートまたは両方の内面または外面の加熱/冷却層に電磁波を発射する。加熱/冷却層は、電磁波を吸収し、かつ前述の電磁波からのエネルギーの少なくとも実質的な部分を熱の形態に変換し、それが閉鎖したチャンバ内の試料に伝達されるように構成されている。いくつかの実施形態では、加熱源は、周囲温度から98℃の範囲で前述の試料の温度を調整するようにプログラムされている。いくつかの実施形態では、例えば、従来のPCRの場合、試料は最初に98℃に加熱され、その後、94℃、50~65℃、および72℃の繰り返しサイクルを15~40回受ける。いくつかの実施形態では、例えば、等温増幅の場合、試料の温度は一定の温度に維持される。いくつかの実施形態では、例えば、LAMPを介して等温増幅を実行する場合、試料は、約1~70分間60~65℃に加熱される。
図10は、いくつかの実施形態によるカードデバイスを使用している核酸抽出および増幅を組み合わせた例示的なアッセイ手順の断面図を示す。ステップの例には、(A)捕捉プローブを第1のプレート(基板)の内面上に固定化すること、(B)試料を第1のプレートの内面上に導入すること、(C)第2のプレートを第1のプレートの内面に押圧し、デバイスの閉鎖構成を形成すること(核酸の解放および捕捉を容易にするために必要な試薬1を第2のプレートの内面上で乾燥させる)、(D)上記該試料から第1のプレートの内面上に核酸を捕捉すること、(E)第2のプレートを取り外し、スポンジを使用して第1のプレートの内面を洗浄すること、(F)第3のプレートを第1のプレートの内面に押圧すること(核酸増幅に必要な試薬2を第3のプレートの内面上で乾燥させる)、(G)第1および第3のプレートにより封入されたチャンバに核酸増幅産物を蓄積することを含む。
いくつかの実施形態では、ステップ(a)において、捕捉プローブは第1のプレートの内面に固定化される。本明細書で使用される「捕捉プローブ」は、1~200bp、好ましくは5~50bp、より好ましくは10~20bpの長さを有するオリゴヌクレオチドを指し得る。捕捉プローブは、試料中の目的の核酸配列に相補的な配列を有し得る。いくつかの実施形態では、同一の捕捉プローブが第1のプレートの表面上に固定化され得る。いくつかの他の実施形態では、異なる塩基対組成を有する異なる捕捉プローブが、第1のプレートの表面上に固定化され得る。捕捉プローブは、DNA、またはRNA、またはその両方であり得るが、一本鎖DNAであることが好ましい。本明細書で使用される「固定化する」とは、プレート表面上に捕捉プローブを固定するプロセスを指す。いくつかの実施形態では、捕捉プローブは共有結合を介して固定され、例えば、プレート表面上のコーティングを容易にするために、捕捉プローブの5’または3’末端のいずれかが修飾される。一般的に使用される3’末端修飾としては、チオール、ジチオール、アミン、ビオチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの他の実施形態では、捕捉プローブは、基板表面に受動的に吸収され得る。
捕捉プローブで固定化した後、プレート表面をブロッカー溶液で遮断され得る。適切なブロッカーには、6-メルカプトヘキサノール、ウシ血清アルブミンなどが含まれるが、これらに限定されない。
図10のステップ(B)に示されるように、「試料」は、いくつかの実施形態によると、全血、血漿、血清、尿、唾液、および汗などのヒト体液、ならびに細胞培養物(哺乳動物、植物、細菌、真菌)が挙げられるが、これらに限定されない試料を含有するか、または含有しない任意の核酸であってもよい。試料は、新たに取得するか、または任意の所望の方法もしくは便利な方法で、例えば、希釈、あるいは緩衝液、または他の溶液もしくは溶媒を加えることにより、保管または処理され得る。試料には、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、ウイルス粒子などの細胞構造が存在し得る。
試料は、必要に応じて、第1のプレートもしくは第2のプレートのいずれか、またはその両方にも導入することができる。本明細書の図10は、試料を第1のプレートの内面に導入する一例を提供する。
いくつかの実施形態では、ステップ(C)において、第2のプレートを、試料と接触している第1のプレート(基板)の内面に押圧し、デバイスの閉鎖構成を形成する。核酸増幅に必要な試薬1は、第1もしくは第2のプレート、またはその両方の内面上の乾燥形態、または例えば、パラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、または包まれた液体形態のいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、ステップ(D)において、上記の該試料と接触した後、乾燥させた必要な試薬1が試料に溶解される。破壊された細胞構造から解放された、または無細胞核酸として存在する、またはそれらの組み合わせのいずれかの目的の核酸は、プレート表面上の相補的な捕捉プローブにハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションに使用される時間は、主にプレートの内面上のスペーサの仕様によって異なる。いくつかの実施形態では、例えば、高さが30umのスペーサを有するプレートが使用される場合、実験データは、2分後に、目的の核酸と固定化された捕捉プローブとの間のハイブリダイゼーションが平衡に達したことを示した。本明細書で使用される「非ハイブリダイズ核酸」は、固定化された捕獲プローブによって捕獲されない核酸を指す。
いくつかの実施形態では、図10のステップ(E)において、第2のプレートが第1のプレート(基板)から取り外され、第1のプレート(基板)の表面がスポンジを使用して洗浄される。本明細書で使用される「スポンジ」は、異なる圧力下で孔径を変化させる柔軟な多孔質材料のクラスを指す。洗浄緩衝液を含むスポンジは、汚染物質を除去するために、第1のプレート表面と接触する。いくつかの実施形態では、スポンジは、第1のプレート表面と1回接触する。いくつかの他の実施形態では、スポンジは、第1のプレート表面と2回または3回以上接触する。本明細書で使用される「汚染物質」は、核酸増幅反応に有害な細胞片、タンパク質、非特異的核酸などを含むがこれらに限定されない化合物を指す。
いくつかの実施形態では、図10のステップ(F)において、第3のプレート(QMAXカード2)は、試料と接触して第1のプレートの内面に押圧されて、デバイスの閉鎖構成を形成する。核酸増幅に必要な試薬2は、第1もしくは第3のプレート、またはその両方の内面上の乾燥形態、または例えば、パラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、または包まれた液体形態のいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、図10のステップ(G)において、デバイスが閉鎖構成にあるとき、加熱源は、第1のプレートもしくは第3のプレートまたは両方の内面または外面の加熱/冷却層に電磁波を発射する。加熱/冷却層は、電磁波を吸収し、かつ前述の電磁波からのエネルギーの少なくとも実質的な部分を熱の形態に変換し、それが閉鎖したチャンバ内の試料に伝達されるように構成されている。いくつかの実施形態では、加熱源は、周囲温度から98℃の範囲で前述の試料の温度を調整するようにプログラムされている。いくつかの実施形態では、例えば、従来のPCRの場合、試料は最初に98℃に加熱され、その後、94℃、50~65℃、および72℃の繰り返しサイクルを15~40回受ける。いくつかの実施形態では、例えば、等温増幅の場合、試料の温度は一定の温度に維持される。いくつかの実施形態では、例えば、LAMPを介して等温増幅を実行する場合、試料は、約1~70分間60~65℃に加熱される。
いくつかの実施形態では、プレートの一方または両方の試料接触領域は、COF後にどれだけのフローが発生したかをモニタリングするように構成された圧縮オープンフローモニタリング表面構造(MSS)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、MSSは、試料中の成分(例えば、血液中の血球)に摩擦を引き起こす浅い正方形のアレイを含む。試料のいくつかの成分の分布を確認することにより、COF下での試料およびその成分のフローに関連する情報を取得することができる。
MSSの深さは、スペーサの高さの1/1000、1/100、1/100、1/5、1/2またはいずれかの2つの値の範囲であり、突起またはウェル形態のいずれかであり得る。
多重化
図8Aおよび8Bは、開放構成(図8A)および閉鎖構成(図8B)にある試料ホルダー100の斜視図を示し、プレート上に複数の試料接触領域があり、複数の試料の処理および分析を可能にする。図8Aおよび8Bに示されるように、本発明のサーマルサイクラーシステムは、試料ホルダー100と熱制御ユニット200とを備え、試料ホルダー100は、複数の第1のプレート10と、第2のプレート20と、複数の間隔機構(図示せず)とを備え、熱制御ユニット200は、加熱源202とコントローラ204とを備える。
図8Aを参照すると、プレートのうちの一方または両方(例えば、第2のプレート20)は、複数の試料接触領域(印が付けられていない)を備える。いくつかの実施形態では、プレートのうちの一方または両方(例えば、第2のプレート20)は、複数の加熱/冷却層112を備える。図8Aは、開放構成にある試料ホルダー100を示し、この構成では、第1のプレート10および第2のプレート20は、部分的または全体的に離れており、プレートのうちの一方または両方の上の1つ以上の試料の付着を可能にする。開放構成では、第1のプレート10と第2のプレート20との間の間隔は、間隔機構によって調節されない。
図8Bは、閉鎖構成にある試料ホルダー100を示し、この構成では、2つのプレートの内面は、互いに向かい合い、2つのプレート間の間隔102は、間隔機構(図示せず)によって調節される。1つ以上の試料がプレート上に付着している場合、プレートは各試料を圧縮して層にするように構成され、層の厚さは間隔機構によって調節される。
図8Bに示されるように、複数の第1のプレート10は、第2のプレート20の一部を被覆するために使用される。例えば、各第1のプレート10は、試料を付着させる単一の試料接触領域を覆う。各試料接触領域に対して間隔機構が存在し、間隔機構は異なる高さを有し、各試料接触領域および各試料層の異なる厚さに対して異なる間隔102をもたらす。例えば、間隔機構は柱状のスペーサである。各試料接触領域は、均一な高さを有するスペーサのセットを有する。異なるスペーサのセットは同じまたは異なる高さを有し、異なる試料対して同じまたは異なる試料層の厚さをもたらす。
図8Aおよび8Bを参照すると、いくつかの実施形態では、コントローラ204は、電磁波210を第2のプレート20(したがって加熱/冷却層112)に発射するように加熱源202を誘導し、電磁波210は、加熱/冷却層112によって吸収され、熱に変換され、試料中の温度の変化をもたらす。いくつかの実施形態では、複数の試料接触領域が存在する場合、複数の試料が処理および分析される。例えば、ある特定の実施形態では、試料の各々は、異なる構成要素を有する予混合されたPCR反応媒体である。同じヌクレオチドを増幅するための、および/または同じもしくは異なる条件で異なるヌクレオチドを増幅するための異なる条件を試験するために、1つの試料ホルダー100が使用される。
追加の例示的な実施形態
AAA-1.1 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、それらの間の200um以下の平均分離距離だけ分離され、試料と接触し、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
加熱層が、
プレートのうちの1つの内面、外面、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、
冷却層と関連試料体積の表面との間の距離が、ゼロであるか、または冷却層と関連試料体積の表面との間の単位面積当たりの熱コンダクタンスを70W/(m2・K)以上にするように構成された距離未満であり、
いくつかの実施形態では、加熱層および冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを有する同じ材料層であり、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンが、同じ面積または異なる面積を有することができる、デバイス。
AAA-1.2 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、互いから200um以下の平均分離距離だけ分離され、試料と接触し、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
加熱層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、高い熱伝導率対熱容量比の層が、試料体積の横方向面積よりも大きい面積を有し、
冷却層と関連試料体積の表面との間の距離が、ゼロであるか、または冷却層と関連試料体積の表面との間の単位面積当たりの熱コンダクタンスを70W/(m2・K)以上にするように構成された距離未満であり、
いくつかの実施形態では、加熱層および冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを有する同じ材料層であり、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンが、同じ面積または異なる面積を有することができる、デバイス。
AAA-1.3 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1および第2のプレートが、異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、200um以下の平均分離距離だけ分離され、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
加熱層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、
冷却層と関連試料体積の表面との間の距離が、ゼロであるか、または冷却層と関連試料体積の表面との間の単位面積当たりの熱コンダクタンスを70W/(m2・K)以上にするように構成された距離未満であり、
構成のうちの1つが、2つのプレートが部分的または完全に分離され、プレート間の平均間隔が少なくとも300umである、開放構成であり、
構成のうちの別の構成は、開放構成において流体試料が試料接触領域のうちの一方または両方の上に付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって層になるように閉じ込められ、平均試料厚さが200um以下であり、
いくつかの実施形態では、加熱層および冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを有する同じ材料層であり、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンが、同じ面積または異なる面積を有することができる、デバイス。
AAA-1.4 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、スペーサと、加熱層(112-1)と、冷却層(112-2)とを備え、
第1および第2のプレートが、異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
第1のプレートおよび第2のプレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、それらの間の200um以下の平均分離距離だけ分離され、試料と接触し、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサが、それぞれのプレートの内面上に固定され、
スペーサが、200ミクロン以下の所定の実質的に均一な高さを有し、スペーサ間距離が、所定であり、
加熱層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、
プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、
関連試料体積を冷却するように構成され、
0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、
冷却層と関連試料体積の表面との間の距離が、ゼロであるか、または冷却層と関連試料体積の表面との間の単位面積当たりの熱コンダクタンスを70W/(m2・K)以上にするように構成された距離未満であり、
構成のうちの1つが開放構成であり、2つのプレートが部分的または完全に分離され、プレート間の間隔はスペーサによって調節されず、試料が、プレートの一方または両方の上に付着し、
構成のうちの別の構成が、開放構成において試料が付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成において、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって圧縮されて非常に均一な厚さの層になり、層の均一な厚さが、プレートの試料接触表面によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節され、
いくつかの実施形態では、加熱層および冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを有する同じ材料層であり、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンが、同じ面積または異なる面積を有することができる、デバイス。
AAA-1.5 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱/冷却層(112)とを備え、
第1のプレート(10)および第2のプレート(20)が、互いに向かい合い、互いからある距離だけ分離され、
各プレートが、そのそれぞれの内面(11、21)上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、試料と接触し、それらの間に試料を挟み、互いからの平均分離距離(102)を有し、
加熱/冷却層(112)が、第2のプレート(20)の外面(22)上にあり、
加熱/冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを備えるように構成され、熱ゾーンが、流体試料を加熱するように構成され、冷却ゾーンが、熱放射冷却によって試料を大幅に冷却するように構成され、
加熱ゾーンが、加熱源からの加熱エネルギーを受容するように、および加熱/冷却層の総面積よりも小さい面積を有するように構成され、
加熱層の加熱ゾーンの少なくとも一部が、試料領域と重なり合う、デバイス。
AAA-1.6 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱/冷却層(112)とを備え、
第1のプレート(10)および第2のプレート(20)の各々が、そのそれぞれの内面(11、21)上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合っており、互いから平均分離距離(102)だけ分離され、試料と接触し、それらの間に試料を挟むことが可能であり、
加熱/冷却層(112)が、50W/(m・K)以上の熱伝導率を有し、第2のプレート(20)の外面(22)上、内面上、または内側にあり、
加熱/冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを備えるように構成され、加熱ゾーンが、試料の一部分を加熱し、加熱/冷却層の総面積よりも小さい面積を有するように構成され、冷却ゾーンが、試料を冷却するように構成され、
加熱ゾーン、第2のプレート、および試料の一部分が、2以上のスケーリングされた熱伝導比(STC比)を有するように構成され、
加熱ゾーンが、加熱源からの加熱エネルギーを受容するように構成され、加熱層の加熱ゾーンの少なくとも一部が、試料領域と重なり合う、デバイス。
AAA-1.7 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレート(10)と、第2のプレート(20)と、加熱/冷却層(112)とを備え、
各プレートが、そのそれぞれの内面(11、21)上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、試料接触領域が、互いに向かい合い、試料と接触し、それらの間に試料を挟み、互いからの平均分離距離(102)を有し、
加熱/冷却層(112)が、50W/(m・K)以上の熱伝導率を有し、第2のプレート(20)の外面(22)上、内面上、または内側にあり、
加熱/冷却層が、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを備えるように構成され、加熱ゾーンが、試料の一部分を加熱し、加熱/冷却層の総面積よりも小さい面積を有するように構成され、冷却ゾーンが、試料を冷却するように構成され、
加熱ゾーン、第2のプレート、および試料の一部分が、2以上のスケーリングされた熱伝導比(STC比)を有するように構成され、
加熱/冷却層が、6×10-5W/K~3×10-4W/Kの範囲の、熱伝導率にその厚さを乗じたものを有し、
加熱ゾーンが、加熱源からの加熱エネルギーを受容するように構成され、
加熱層の加熱ゾーンの少なくとも一部が、試料領域と重なり合う、デバイス。
AAA-2.1.加熱層が、加熱源によって加熱されるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-2.2.加熱層が、冷却層と同じ層であり、同じ層が、加熱ゾーン領域と冷却ゾーン領域とを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-2.3.加熱層(すなわち、加熱ゾーン)が、冷却層(すなわち、冷却ゾーン)よりも小さい面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-2.4.加熱層(すなわち、加熱ゾーン)が、冷却層(冷却ゾーン)領域の約1/100、1/50、1/20、1/10、1/8、1/6、1/5、1/4、1/3、1/2、2/3、3/4、もしくは5/6、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-2.5.冷却層と関連試料体積の表面との間の距離が、ゼロであるか、または冷却層と関連試料体積の表面との間の単位面積当たりの熱コンダクタンスを150W/(m2・K)以上にするように構成された距離未満である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-2.6.加熱層が、金属プラズモン表面、メタマテリアル、ブラックシリコン、グラファイト、カーボンナノチューブ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、もしくは超格子、またはそれらの組み合わせを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-2.7.加熱層が、塗料層の有無にかかわらず、Al、Ag、またはAuを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-2.8.加熱層が、1000W/(m2・K)、2000W/(m2・K)、3000W/(m2・K)、4000W/(m2・K)、5000W/(m2・K)、7000W/(m2・K)、10000W/(m2・K)、20000W/(m2・K)、50000W/(m2・K)、50000W/(m2・K)、100000W/(m2・K)以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である単位面積当たりの熱コンダクタンスを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-2.9.加熱層が、1000W/(m2・K)~2000W/(m2・K)、2000W/(m2・K)~~4000W/(m2・K)、4000W/(m2・K)~10,000W/(m2・K)、または10000W/(m2・K)~100000W/(m2・K)の範囲である単位面積当たりの熱コンダクタンスを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA3.1 冷却層が、1000W/(m2・K)、2000W/(m2・K)、3000W(m2・K)、4000W/(m2・K)、5000W/(m2・K)、7000W/(m2・K)、10000W/(m2・K)、20000W/(m2・K)、50000W/(m2・K)、50000W/(m2・K)、100000W/(m2・K)以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である単位面積当たりの熱コンダクタンスを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-3.2.冷却層が、1000W/(m2・K)~2000W/(m2・K)、2000W/(m2・K)~~4000W/(m2・K)、4000W/(m2・K)~10,000W/(m2・K)、または10000W/(m2・K)~100000W/(m2・K)の範囲である単位面積当たりの熱コンダクタンスを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-3.3 冷却層が、主に熱放射冷却によって関連試料を冷却する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-3.4 熱放射冷却による関連試料の冷却が、プレートに対して横方向の熱伝導冷却による冷却よりも大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA-3.5 熱放射冷却による試料の冷却が、熱伝導冷却による冷却の少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、もしくは1000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA4.1 加熱層または冷却層が、約0.1um、0.2um、0.5um、1um、2um、5um、10um、20um、30um、40um、50um、100um、200um、500um、1mm、2mm、5mm、10mm、20mm、もしくは50mm、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA4.2 加熱層または冷却層が、0.01mm2、0.02mm2、0.05mm2、0.1mm2、0.2mm2、0.5mm2、1mm2、2mm2、5mm2、10mm2、20mm2、50mm2、100mm2、200mm2、500mm2、もしくは1000mm2未満、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA4.3 加熱層または冷却層が、約1mm、2mm、3mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、12mm、もしくは15mm、または任意の2つの値の間の範囲である面積寸法を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA4.4 加熱層または冷却層が、金属プラズモン表面、メタマテリアル、ブラックシリコン、グラファイト、カーボンナノチューブ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、もしくは超格子、またはそれらの組み合わせを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA5.1 加熱層および冷却層が、構造的に別個の層であり、加熱層が、加熱ゾーンを有し、冷却層が、冷却ゾーンを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA6.1 冷却ゾーン面積対加熱ゾーン面積の比が、1、1.5、2、2.5、3、5、10、15、20、25、50、75、100、200、500、もしくは1000より大きいか、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA6.2 冷却ゾーン面積が、熱伝導冷却による冷却よりも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、もしくは1000倍以上大きいか、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲だけ、関連試料体積の横方向面積よりも大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA6.3 デバイスの冷却が、熱サイクル中に、総冷却の50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは99%以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの範囲である熱放射冷却を有し、総冷却が、放射冷却および伝導冷却の和である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA6.4 熱サイクル中のhigh K冷却層を通した熱放射によるデバイスの冷却が、総冷却の60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは99%以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの範囲であり、総冷却が、放射冷却および伝導冷却の和である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA7.1 プレートのうちの少なくとも1つが、可撓性である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA8.1 デバイスが、試料が2つのプレートによって薄層になるように閉じ込められたときに試料の厚さを調節するスペーサを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA8.2 スペーサが、スペーサ間距離(ISD)を有し、プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD4/(hE))が、5×106um3/GPa以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA8.3.スペーサが、接触充填率を有し、スペーサの接触充填率およびヤング率の積が、2MPa以上であり、接触充填率が、試料接触領域内で、全プレート面積に対するスペーサとプレートとの間の接触面積の比である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA8.4.スペーサが、試料接触領域内にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA8.5.スペーサが、実質的に平坦な頂部を有する柱の形状を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA8.6.スペーサが、プレートのうちの一方または両方のいずれかの上に固定されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA8.7.スペーサが、均一な高さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA8.8.試料の厚さが、スペーサの高さと同じである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA9.1 加熱層および/または冷却層が、プレートのうちの1つの内面上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA9.2 加熱層および/または冷却層が、プレートのうちの1つの外面上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA9.3 加熱層および冷却層が別個であり、加熱層が、プレートのうちの一方の外面上にあり、冷却層が、もう一方のプレートの外面上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA9.4 加熱層および冷却層が別個であり、加熱層が、プレートのうちの一方の内面上にあり、冷却層が、もう一方のプレートの内面上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA9.5 加熱層および冷却層が別個であり、加熱層が、プレートのうちの一方の内面または外面上にあり、冷却層が、もう一方のプレートの内面または外面上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA9.6 加熱層および冷却層が、プレートのうちの一方または両方のいずれかの内側にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA9.7 加熱ゾーンおよび冷却ゾーンが、加熱および/または冷却層上で部分的に重なり合っている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA10.1 第1のプレートまたは第2のプレートが、10nm、100nm、200nm、500nm、1000nm、2μm(ミクロン)、5μm、10μm、20μm、50μm、100μm、150μm、200μm、300μm、500μm、800μm、1mm(ミリメートル)、2mm、3mm、5mm、10mm、20mm、50mm、100mm、500mm未満、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA10.2 第1のプレートまたは第2のプレートが、1mm2(平方ミリメートル)、10mm2、25mm2、50mm2、75mm2、1cm2(平方センチメートル)、2cm2、3cm2、4cm2、5cm2、10cm2、100cm2、500cm2、1000cm2、5000cm2、10,000cm2、10,000cm2未満、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である横方向面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA10.3 第1のプレートまたは第2のプレートが、アクリレートポリマー、ビニルポリマー、オレフィンポリマー、セルロースポリマー、非セルロースポリマー、ポリエステルポリマー、ナイロン、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(フェニレンエーテル)(PPE)、ポリスチレン(PS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ(エチレンフタレート)(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ゴム、またはそれらの任意の組み合わせを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA10.3.1 第1のプレートまたは第2のプレートが、PMMAを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA10.4 プレートが、プレートを収容する構造から熱的に分離されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA11.1 関連試料が、約0.01uL、0.02uL、0.05uL、0.1uL、0.2uL、0.5uL、1uL、2uL、5uL、10uL、20uL、50uL、100uL、200uL、500uL、1mL、2mL、5mL、10mL、20mL、もしくは50mL、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である体積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA11.2 試料厚さに対する関連試料面積の横方向の平均寸法の比が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、500、1000、2000、5000、100,000よりも大きいか、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA12.1 プレートが、人間の手で直接可能であるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA12.2 プレートが、正確なレベルに設定されておらず実質的に均一でもない不正確な力で、人間の手によって直接圧縮されるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA12.3 第1のプレートおよび第2のプレートを接続し、2つのプレートが互いに対して異なる構成へと枢動することを可能にするヒンジをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA12.4 プレートのうちの少なくとも1つが、プレートの縁部または角に1つ以上の開放ノッチを備え、ノッチ(複数可)が、異なる構成間でのプレートの変化を容易にする、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA12.5 プレートのうちの少なくとも1つが、プレートの縁部または角に1つ以上の開放ノッチを備え、ノッチ(複数可)が、ほぼ閉鎖構成であるか、または閉鎖構成にある構成から開放構成へのプレートの変化を容易にする、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AAA13.1.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、デバイスを支持するように構成された試料支持体とを備える、試料カートリッジ。
AAA13.2.試料支持体が、エネルギーが加熱層に到達することを可能にする1つ以上の開口部を備える、先行する実施形態のいずれかに記載の試料カートリッジ。
AAA14.1 流体試料の温度を急速に変化させるための装置であって、
先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
デバイスにエネルギーを供給するように構成された加熱源と
を備える、装置。
AAA14.2 加熱源が、加熱/冷却層が50%以上の吸収係数を有する波長範囲の電磁波を放射するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA14.3.加熱源が、発光ダイオード(LED)の1つもしくはアレイ、レーザーの1つもしくはアレイ、ランプの1つもしくはアレイ、またはそれらの組み合わせを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA14.4.加熱源が、ハロゲンランプ、反射体付きハロゲンランプ、集束レンズ付きLED、集束レンズ付きレーザー、結合光ファイバ付きハロゲンランプ、結合光ファイバ付きLED、結合光ファイバ付きレーザーを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA14.5 加熱源とデバイスとの間に光学パイプをさらに備え、光学パイプが、エネルギーを加熱源から加熱層へ誘導するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA15.1 流体試料の温度を急速に変化させるための装置であって、
先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
デバイスを収容するように構成されたアダプタと
を備える、装置。
AAA15.2 アダプタが、デバイスを収容し、加熱源からの電磁波を受容するようにデバイスを位置付けるように構成された試料スロットを備える、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA15.3 アダプタが、デバイスが試料スロット内へと摺動することを可能にするように構成されたスライダーを備える、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA16.1 流体試料の温度を急速に変化させるための装置であって、
先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
デバイスにエネルギーを供給するように構成された加熱源と、
加熱ユニットを制御するように構成された制御ユニットと
を備える、装置。
AAA16.2 制御ユニットが、加熱源からの電磁波を制御するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA16.3 制御ユニットが、電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA16.2 制御ユニットが、試料の温度を検出するように構成された温度センサを備える、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
A16.2.1 制御ユニットが、温度センサによって検出された温度に基づいて、加熱源によって供給されるエネルギーを制御する、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
AAA17.1.流体試料の温度を急速に変化させるためのシステムであって、
先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
デバイスによって受信され得る電磁波を放射するように構成された加熱源と、
少なくとも部分的に加熱源からの電磁波を変化させることによって、試料の加熱および冷却を制御するように構成された制御ユニットと
を備える、システム。
AAA17.2 デバイスを収容するように構成されたアダプタをさらに備える、先行する実施形態のいずれかの記載のシステム。
AAA17.3 電磁波を加熱源からデバイスへ誘導するように構成された光学パイプをさらに備える、先行する実施形態のいずれかの記載のシステム。
AAA17.4 試料からの信号を検出するように構成された信号センサをさらに備える、先行する実施形態のいずれかの記載のシステム。
AAA17.4.1.信号センサが、流体試料を撮像するように構成された光学センサである、先行する実施形態のいずれかの記載のシステム。
AAA18.1 流体試料の温度を急速に変化させるためのキットであって、
先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
化学的/生物学的反応を容易にするように構成された試薬と
を備える、キット。
AAA18.2 試薬が核酸増幅のために構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のキット:
AAA18.3 試薬が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のキット。
AAA18.4 試薬が、試料中の標的分子を増幅する(その多数のコピーを生成する)ことによって核酸を検出するように構成され、標的分子が、目的の核酸の配列または部分配列を指す、先行する実施形態のいずれかに記載のキット。
AAA18.5 試薬が、プライマー、デオキシヌクレオチド(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K+)、緩衝液、酵素、もしくはレポーター、またはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のキット。
AAA18.6 試薬が、第1もしくは第2のプレート、またはその両方の内面上の乾燥形態、あるいは例えば、パラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、または包まれた液体形態のいずれかである、先行する実施形態のいずれかに記載のキット。
AAA18.7 試薬が、DNA依存性ポリメラーゼ、またはRNA依存性DNAポリメラーゼ、またはDNA依存性RNAポリメラーゼを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のキット。
AAA18.8 試薬が、核酸分子に結合するか、もしくは核酸分子内に挿入することができる、または増幅プロセスの副産物によって活性化されて核酸分子または増幅プロセスの可視化を可能にすることができる任意のタグ、標識、または色素を指す「レポーター」を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のキット。
AAA18.9 試薬が、細胞構造の破壊を容易にするように構成された細胞溶解試薬を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のキット。
AAA19.1 加熱層および/または冷却層が、電子ビーム蒸着によって第1のプレートおよび/または第2のプレートに取り付けられる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、および/またはキット。
AAA19.2.加熱層および/または冷却層が、金を含み、金が、電子ビーム蒸着によって第1のプレートおよび/または第2のプレートに取り付けられる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、および/またはキット。
AA1.流体試料温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱/冷却層とを備え、
プレートが、異なる構成になるように互いに対して移動可能であり、
プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を有し、
加熱/冷却層が、流体試料を加熱するように構成され、
加熱/冷却層が、(a)プレートのうちの1つの上(内面もしくは外面のいずれか)または内側にあり、(b)加熱源によって加熱することが可能であり、加熱源が、光学的に、電気的に、高周波(RF)放射によって、またはそれらの組み合わせによって、加熱/冷却層に熱エネルギーを送達し、
加熱/冷却層の加熱領域の少なくとも一部が、試料領域と重なり合い、
構成のうちの1つが、2つのプレートが部分的または完全に分離され、プレート間の平均間隔が少なくとも300umである、開放構成であり、
構成のうちの別の構成が、開放構成において流体試料が試料接触領域のうちの一方または両方の上に付着した後に構成される閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって圧縮されて層になり、平均試料厚さが、200um以下である、デバイス。
AA2.1 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱/冷却層とを備え、
試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
第1のプレートおよび第2のプレートが、流体試料を0.1~200umの非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込めるように構成され、
加熱/冷却層が、(1)1mm未満の厚さを有し、(2)第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの面積よりも実質的に小さい面積を有し、かつ(3)電磁波からエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されている、デバイス。
AA2.2 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱/冷却層とを備え、
試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を0.1~200umの非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込めるように構成され、
第1のプレートが、500um以下の厚さを有し、第2のプレートが、5mm以下の厚さを有し、
加熱/冷却層が、1mm未満の厚さおよび100mm2未満の面積を有し、電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されている、デバイス。
AA2.3 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱/冷却層とを備え、
試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を0.1~200umの非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込めるように構成され、
第1のプレートが、500um以下の厚さを有し、第2のプレートが、5mm以下の厚さを有し、
加熱/冷却層が、(1)1mm未満の厚さを有し、(2)第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの面積よりも実質的に小さい100mm2未満の面積を有し、かつ(3)電磁波からエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されている、デバイス。
AA3 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱/冷却層とを備え、
試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を500um以下の非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込めるように構成され、
第1のプレートが、加熱/冷却層と接触しており、1um以下の厚さを有し、第2のプレートが、加熱/冷却層と接触しておらず、5mm以下の厚さを有し、
加熱/冷却層が、電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成され、50%以上の吸収係数を有し、3mm未満の厚さを有する、デバイス。
AA4 流体試料の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
試料ホルダーと、加熱/冷却層とを備え、
試料ホルダーが、第1のプレートと第2のプレートとを備え、プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
第1のプレートおよび第2のプレートが、試料の少なくとも一部を500um以下の非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込めるように構成され、
第1のプレートが、加熱/冷却層と接触しており、1um以下の厚さを有し、第2のプレートが、加熱/冷却層と接触しておらず、0.1~2mmの厚さを有し、
加熱/冷却層が、電磁波からのエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成され、60%以上の吸収係数を有し、2mm未満の厚さを有する、デバイス。
AA6.1 加熱/冷却層が、プレートのうちの1つの内面上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.2 加熱/冷却層が、プレートのうちの1つの外面上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.3 加熱/冷却層が、プレートのうちの1つの内側にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.4 加熱/冷却層が、プレートの少なくとも1つと接触している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.5 加熱/冷却層が、プレートのうちのいずれとも接触していない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA6.6 プレートが閉鎖構成にあるとき、加熱/冷却層が、試料と接触している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA7.加熱/冷却層が、単一の材料または複合材料から作られている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA7.1 加熱/冷却層が、高吸収表面を有する半導体または金属材料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA7.2 加熱/冷却層が、シリコン、Ge、InP、GaAs、CdTe、CdS、aSi、金属(Au、Al、Ag、Tiを含む)、炭素被覆Al、黒色塗料Al、炭素(グラフェン、ナノチューブ、ナノワイヤ)、またはそれらの組み合わせを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA7.3 高速加熱導電層がシリコン、Ge、InP、GaAs、CdTe、CdS、aSi、金属(Au、Al、Ag、Tiを含む)、炭素被覆Al、黒色塗料Al、炭素(グラフェン、ナノチューブ、ナノワイヤ)、またはそれらの組み合わせを含む場合に、加熱/冷却層が作用している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA8 試料領域と重なる加熱領域の部分が、試料領域の1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは99%未満、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA8.1 試料領域と重なる加熱領域の部分が、0.1mm2、0.5mm2、1mm2、5mm2、10mm2、25mm2、50mm2、75mm2、1cm2(平方センチメートル)、2cm2、3cm2、4cm2、5cm2、10cm2、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA9.加熱/冷却層の吸収係数が、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA9.1.加熱/冷却層の吸収係数が、60%、70%、80%、90%超、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA9.2.加熱/冷却層の吸収係数が、60%を超える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA10.加熱/冷却層が、100nm~300nm、400nm~700nm(可視範囲)、700nm~1000nm(IR範囲)、1um~10um、10um~100um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の吸収波長範囲を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA11.加熱/冷却層が、3mm、2mm、1mm、750um、500um、250um、100um、50um、25um、10um、500nm、200nm、100nm、もしくは50nm以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA12.加熱/冷却層が、0.1mm2以下、1mm2以下、10mm2以下、25mm2以下、50mm2以下、75mm2以下、1cm2(平方センチメートル)以下、2cm2以下、3cm2以下、4cm2以下、5cm2以下、10cm2以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA13.第1のプレートが、500um、200um、100um、50um、25um、10um、5um、2.5um、1um、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA13.1.第1のプレートが、10~200umに等しい厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA14.第2のプレートが、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、750um、500um、250um、100um、75um、50um、もしくは25um以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA14.1.第2のプレートが、10~1000umに等しい厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA15.試料層が、非常に均一な厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA15.1 試料層が、100um、50um、20um、10um、5um、1um、500nm、400nm、300nm、200nm、もしくは100nm以下、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA15.2.試料層が、1~100umの厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA16.プレートのうちの少なくとも1つの面積が、1mm2以下、10mm2以下、25mm2以下、50mm2以下、75mm2以下、1cm2(平方センチメートル)以下、2cm2以下、3cm2以下、4cm2以下、5cm2以下、10cm2以下、100cm2以下、500cm2以下、1000cm2以下、5000cm2以下、10,000cm2以下、10,000cm2以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA17.1 プレートのうちの少なくとも1つの面積が、500~1000mm2の範囲、または約750mm2である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.試料層の厚さを調整するように構成されたスペーサをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.1 スペーサが、プレートのうちの一方または両方のいずれかに固定されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.2 スペーサが、プレートのうちの一方または両方のいずれかの内面に固定されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.3 スペーサが、均一な高さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.4 スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA18.5 試料層の厚さが、スペーサの高さと同じである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA19 一方または両方のプレートが、可撓性である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA20.接触および第2のプレートのうちの一方または両方のいずれかに取り付けられた密封構造をさらに備え、密封構造が、デバイス内の液体の蒸発を制限するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA21.第1および第2のプレートのうちの一方または両方のいずれかに取り付けられたクランプ構造をさらに備え、クランプ構造が、デバイスの加熱中にデバイスを保持し、試料層の厚さを調整するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA22.第2のプレートが、試料からの電磁波に対して透明である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA23.試料ホルダーおよび加熱/冷却層が、熱カプラーによって接続されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA24.試料の少なくとも一部および加熱/冷却層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA25.加熱/冷却層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA26.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA27.試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、先行する実施形態1のいずれかに記載のデバイス。
AA28.放射線の面積が、放射線吸収パッドの面積よりも小さく、放射線吸収パッドの面積が、試料液体面積よりも小さく、試料液体の面積が、第1および第2のプレートサイズよりも小さい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA29.流体試料が、処理済みまたは未処理の体液を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA30.流体試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、血清など)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾、皮脂(皮膚の油)、精液、唾液、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮液を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。いくつかの実施形態では、試料は、ヒト体液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、細胞、組織、体液、排泄物、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、分画血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾、皮脂、精液、唾液、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、もしくは呼気凝縮液、またはそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。
AA31.流体試料が、核酸もしくはタンパク質、またはそれらの混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
AA32.流体試料が、DNAもしくはRNA、またはそれらの混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
加熱源を備えた装置
BB1.流体試料の温度を急速に変化させるための装置であって、
AA実施形態のいずれかに記載のデバイスを保持することができるホルダーと、
加熱/冷却層にエネルギーを供給するように構成された加熱源と、
加熱源を制御するように構成されたコントローラと
を備える、装置。
BB1.1 加熱源が、加熱層が50%以上の吸収係数を有する波長範囲の電磁波を放射するように構成されている、実施形態BB1に記載の装置。
BB2.加熱源が、発光ダイオード(LED)の1つもしくはアレイ、レーザーの1つもしくはアレイ、ランプの1つもしくはアレイ、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態BB1またはBB1.1に記載の装置。
BB2.1.加熱源が、ハロゲンランプ、反射体付きハロゲンランプ、集束レンズ付きLED、集束レンズ付きレーザー、結合光ファイバ付きハロゲンランプ、結合光ファイバ付きLED、結合光ファイバ付きレーザーを含む、実施形態BB1~BB2のいずれかに記載の装置。
BB3.波長が、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1um、10um、25um、50um、75um、もしくは100um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、実施形態BB1~BB2.1のいずれかに記載の装置。
BB3.1 電磁波の波長が、100nm~300nm、400nm~700nm(可視範囲)、700nm~1000nm(IR範囲)、1um~10um、10um~100um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、実施形態BB1~BB3のいずれかに記載の装置。
BB4.試料ホルダーおよび/または加熱源から放射される熱の少なくとも一部を吸収するように構成されたヒートシンクをさらに備える、実施形態BB1~BB3.1のいずれかに記載の装置。
BB4.1.ヒートシンクが、デバイスを少なくとも部分的に封入するチャンバである、実施形態BB1~BB4のいずれかに記載の装置。
BB4.2.チャンバが、加熱源から加熱/冷却層への電磁波の通過を可能にするように構成された下部開口部と、試料の撮像を可能にするように構成された上部開口部とを備える、実施形態BB1~BB4.1のいずれかに記載の装置。
BB5.試料ホルダーが、光学的、電気的、RF、またはそれらの組み合わせによって加熱される、実施形態BB1~BB4.2のいずれかに記載の装置。
BB6.流体試料の温度を急速に変化させるための装置であって、
AA実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
試料ホルダーおよび/または加熱源から放射される熱の少なくとも一部を吸収するように構成されたヒートシンクと
を備える、装置。
BB7.ヒートシンクが、デバイスを少なくとも部分的に封入するチャンバであり、チャンバが、加熱源から加熱/冷却層への電磁波の通過を可能にするように構成された放射開口部と、試料の撮像を可能にするように構成された光学開口部とを備える、実施形態BB1~BB6のいずれかに記載の装置。
BB8.チャンバに取り付けられた冷却部材をさらに備え、冷却部材が、チャンバ内の温度を低下させるように構成されている、実施形態BB1~BB7のいずれかに記載の装置。
BB9.冷却部材が、ファンである、実施形態BB7に記載の装置。
BB10.冷却部材が、ペルチェクーラである、実施形態BB7に記載の装置。
BB11.チャンバが、非反射性内面を有する、実施形態BB1~BB10のいずれかに記載の装置。
BB11.1 チャンバが、黒色金属でできている内面を有する、実施形態BB1~BB11のいずれかに記載の装置。
BB12.装置が、チャンバ壁と吊り下げ熱伝導接触している(すなわち最小の熱伝導接触を有する)、実施形態BB1~BB11.1のいずれかに記載の装置。
BB13.ヒートシンクが、試料ホルダーをモバイルデバイスに接続するように構成されている、実施形態BB1~BB12のいずれかに記載の装置。
BB13.1 モバイルデバイスが、カメラを備えたスマートフォンである、実施形態B13に記載の装置。
BB14.ヒートシンクが、試料カード内の試料の画像の取り込みを最適化する光学素子を備える、実施形態BB1~13.1のいずれかに記載の装置。
CC1.流体試料の温度を急速に変化させるためのシステムであって、
AA実施形態のいずれかに記載のデバイスまたはBB実施形態のいずれかに記載の装置と、
デバイス上の試料からの信号を検知するように構成された信号センサと
を備える、システム。
CC2.信号センサが、流体試料を撮像するように構成された光学センサである、CC1に記載のシステム。
CC2.1 光センサが、光検出器、カメラ、または流体試料の画像を取り込むことが可能なデバイスである、実施形態CC1またはCC2に記載のシステム。
CC3.信号センサが、デバイスからの電気信号を検出するように構成された電気センサである、実施形態CC1~CC2.1のいずれかに記載のシステム。
CC4.信号センサが、デバイスからの機械信号を検出するように構成された機械センサである、実施形態CC1~CC3のいずれかに記載のシステム。
CC5.信号センサが、試料中の分析物の量を監視するように構成されている、実施形態CC1~CC4のいずれかに記載のシステム。
CC6.信号センサが、チャンバの外側にあり、チャンバ上の光学開口部を通して試料から光学信号を受信する、実施形態CC1~CC5のいずれかに記載のシステム。
CC7.加熱/冷却層に結合された熱カプラーをさらに備える、実施形態CC1~CC6のいずれかに記載のシステム。
CC8.加熱/冷却層の温度を監視するサーモスタットをさらに備える、実施形態CC1~CC7のいずれかに記載のシステム。
CC9.デバイス内の試料の温度の監視を容易にするように構成された温度監視色素をさらに備える、実施形態CC1~CC8のいずれかに記載のシステム。
CC9.1.温度監視色素が、液体形態である、実施形態CC1~CC9のいずれかに記載のシステム。
CC9.2.温度監視色素が、LDS 688、LDS 698、LDS 950、LD 390、LD 423、LD 425、もしくはIR 144、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態CC1~CC9.1のいずれかに記載のシステム。
DD1.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、またはシステムであって、
プレートの両方のうちの一方上に固定されるスペーサがあり、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
試料層が、0.1~200umの厚さを有し、
第1のプレートが、加熱/冷却層と接触しており、500um以下の厚さを有し、第2のプレートが、加熱/冷却層と接触しておらず、5mm以下の厚さを有し、
加熱/冷却層が、(1)1mm未満の厚さを有し、(2)第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの面積よりも実質的に小さい100mm2未満の面積を有し、かつ(3)電磁波からエネルギーを熱に変換して、均一な厚さの層内の流体試料の少なくとも一部の温度を上昇させるように構成されている、デバイス、装置、またはシステム。
DD2.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、またはシステムであって、
加熱/冷却層が、第1のプレートの内面にあり、プレートが閉鎖構成にあるときに試料と接触しており、
加熱/冷却層が、シリコンで作られ、
試料ホルダーを封入するチャンバがあり、チャンバが、非反射性内面を有する、デバイス、装置、またはシステム。
DD3.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、またはシステムであって、
加熱/冷却層が50%以上の吸収係数を有する波長範囲の電磁波を放射するように構成された加熱源があり、
加熱源から加熱/冷却層への電磁波の通過を可能にするように構成された下部開口部と、試料の撮像を可能にするように構成された上部開口部とを備える、チャンバがあり、
試料ホルダー内の流体試料の画像を取り込むように構成された光学センサがある、デバイス、装置、またはシステム。
EE1.1.流体試料の温度を急速に変化させるための方法であって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱層と、冷却層とを備えるデバイスを提供することであって、
プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、試料接触領域を備え、
加熱層が、プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、試料の関連体積を加熱するように構成され、試料の関連体積が、所望の温度に加熱されている試料の一部分または全体であり、
冷却層が、プレートのうちの1つの内面上、外面上、または内側に位置付けられ、関連試料体積を冷却するように構成され、0.6cm2/秒以上の熱伝導率対熱容量の比を有する材料の層を含み、高い熱伝導率対熱容量比の層が、試料体積の横方向面積よりも大きい面積を有し、
冷却層と関連試料体積の表面との間の距離が、ゼロであるか、または冷却層と関連試料体積の表面との間の単位面積当たりの熱コンダクタンスを150W/(m2・K)以上にするように構成された距離未満である、提供することと、
それぞれのプレートの試料接触領域のうちの一方または両方の上に流体試料を付着させることと、
プレートを手で押圧して、試料接触領域を互いに向かい合わせにし、プレートが、200um以下の平均分離距離だけ分離され、試料をそれらの間に挟み、試料の少なくとも一部を押圧して薄層にすることと、
デバイス内の関連体積の温度を変化させ、かつ/または維持することと
を含む、方法。
EE1.2.流体試料の温度を急速に変化させるための方法であって、
SC-A実施形態のデバイスを提供することと、
それぞれのプレートの試料接触領域のうちの一方または両方の上に流体試料を付着させることと、
前記プレートを手で押圧して、それらの間に前記試料を挟み、前記試料の少なくとも一部を押圧して薄層にすることと、
デバイス内の関連体積の温度を変化させ、かつ/または維持することと
を含む、方法。
EE1.3.流体試料の温度を急速に変化させるための方法であって、
CC実施形態に記載のシステムを得ることと、
試料ホルダー内に流体試料を付着させることと、
第1のプレートおよび第2のプレートを押圧して、試料の少なくとも一部を圧縮して均一な厚さの層にすることと、
放射線源からの電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を変化させることによって、試料層の温度を変化させ維持することと
を含む、方法。
EE2.試料層の温度を変化させることが、温度を上昇させることまたは温度を低下させることを含む、実施形態EE1に記載の方法。
EE3.光学センサを用いて試料層を撮像することをさらに含む、実施形態EE1またはEE2記載の方法。
EE4.試料層の温度を監視することと、試料層の温度を変化させ維持するステップを調整することとをさらに含む、実施形態EE1~EE3のいずれかに記載の方法。
EE5.試料層の温度を変化させ維持するステップが、所定のプログラムに従って実行される、実施形態EE1~EE4のいずれかに記載の方法。
EE6.方法が、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイを容易にするようにカスタマイズされる、実施形態EE1~EE5のいずれかに記載の方法。
EE7.試料中の分析物の量をリアルタイムで監視することをさらに含む、実施形態EE1~EE6のいずれかに記載の方法。
FF1.試料が、核酸を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.1 試料が、DNAを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.2 試料が、RNAを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.3 試料が、DNAもしくはRNA分子、またはDNA/RNAハイブリッド、またはDNAおよび/もしくはRNAの混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.4 試料が、ゲノムもしくは染色体DNA、プラスミドDNA、増幅DNA、cDNA、全RNA、mRNA、および小RNAを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.5 試料が、天然DNAおよび/もしくはRNA分子、または合成DNAおよび/もしくはRNA分子を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.6 試料が、無細胞核酸を含み、「無細胞」が、核酸がいかなる細胞構造にも含まれていないことを指す、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.7 試料が、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、および/またはウイルス粒子が挙げられるが、これらに限定されない細胞構造内に含まれる核酸を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF1.8 試料が、精製された核酸を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF2.試料が、タンパク質および/または脂質を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.試料が、核酸増幅のために構成された試薬を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.1.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.2.試料が、試料中の標的分子を増幅する(その多数のコピーを生成する)ことによって核酸を検出するように構成された試薬を含み、標的分子が、目的の核酸の配列または部分配列を指す、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.3.核酸増幅が、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、デジタルPCRなどの異なるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法、および等温増幅方法、例えば、ループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、およびリコンビナーゼポリメラーゼ増幅などが挙げられるが、これらに限定されない核酸増幅技術を指す、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.4.試薬が、プライマー、デオキシヌクレオチド(dNTP)、二価カチオン(例えば、Mg2+)、一価カチオン(例えば、K+)、緩衝液、酵素、もしくはレポーター、またはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.5.試薬が、第1もしくは第2のプレート、またはその両方の内面上の乾燥形態、あるいは例えば、パラフィンなどの温度が増加すると融解する材料で覆われた、それに埋め込まれた、または包まれた液体形態のいずれかである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.6.プライマーが、順方向プライマーおよび逆方向プライマーの1つ以上の対を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.7.試薬が、DNA依存性ポリメラーゼ、またはRNA依存性DNAポリメラーゼ、またはDNA依存性RNAポリメラーゼを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.8.試薬が、核酸分子に結合するか、もしくは核酸分子内に挿入することができる、または増幅プロセスの副産物によって活性化されて核酸分子または増幅プロセスの可視化を可能にすることができる任意のタグ、標識、または色素を指す「レポーター」を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.8.1 レポートとして、蛍光標識もしくはタグもしくは色素、挿入剤、分子ビーコン標識、もしくは生物発光分子、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.試薬が、細胞構造の破壊を容易にするように構成された細胞溶解試薬を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.1.細胞溶解試薬として、塩、洗剤、酵素、および他の添加剤が挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.2.塩として、リチウム塩(例えば、塩化リチウム)、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)、カリウム(例えば、塩化カリウム)が挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.2.洗剤が、アニオン性およびカチオン性を含むイオン性、非イオン性、または双性イオン性である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.3.イオン性洗剤が、水に溶解したときに部分的または全体的にイオン形態である任意の洗剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.9.4.アニオン性洗剤として、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)もしくは他のアルカリ金属アルキル硫酸塩もしくは同様の洗剤、サルコシル、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.10.酵素として、リゾチーム、セルロース、およびプロテイナーゼが挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF3.11.キレート剤として、EDTA、EGTA、および他のポリアミノカルボン酸、ならびにジチオトレイトール(dTT)などのいくつかの還元剤が挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF4.試料が、温度変化と共に量が変化する分析物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF5.試料が、全血、血漿、血清、尿、唾、および汗などのヒト体液、および細胞培養物(哺乳動物、植物、細菌、真菌)、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF6.試料が、新たに取得されるか、あるいは任意の所望の方法もしくは便利な方法で、例えば、希釈、または緩衝液もしくは他の溶液もしくは溶媒を添加することによって、保管または処理される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
FF7.試料が、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、真菌細胞、およびウイルス粒子、ならびにそれらの組み合わせまたは混合物などの細胞構造を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG1.試料中の分析物が、染色される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG2.分析物の量が、蛍光強度によって測定される、実施形態GG1に記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG3.分析物の量が、比色強度によって測定される、実施形態GG1またはGG2に記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG4.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、SYBRグリーンI、SYBRグリーンII、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、もしくはNancy-520、またはそれらの組み合わせで染色された核酸である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG5.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、もしくはNancy-520、またはそれらの組み合わせで染色されたDNAであり、蛍光強度で測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG6.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、もしくはNancy-520、またはそれらの組み合わせで染色されたDNAであり、比色強度で測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG7.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、SYBRグリーンII、ピロニンY、もしくはアクリジンオレンジ、またはそれらの組み合わせで染色されたRNAであり、蛍光強度で測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG8.分析物が、臭化エチジウム(EB)、メチレンブルー、SYBRグリーンII、ピロニンY、もしくはアクリジンオレンジ、またはそれらの組み合わせで染色されたRNAであり、比色強度で測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG9.分析物が、レポーターによって検出される核酸である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG9.1.レポーターとして、核酸分子に結合するか、もしくは核酸分子内に挿入することができる、または増幅プロセスの副産物によって活性化されて核酸分子または増幅プロセスの可視化を可能にすることができるタグ、標識、または色素が挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG9.2.レポーターとして、蛍光標識もしくはタグもしくは色素、挿入剤、分子ビーコン標識、もしくは生物発光分子、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
GG9.3.レポーターの量が、比色強度によって、かつ/または蛍光強度によって測定される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH1.デバイス、装置、システム、または方法が、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH2.デバイス、装置、システム、または方法が、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH3.デバイス、装置、システム、または方法が、DNA増幅、DNA定量化、選択的DNA単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH4.デバイス、装置、システム、または方法が、リアルタイムPCRを実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH5.デバイス、装置、システム、または方法が、核酸増幅を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH5.1 核酸増幅が、試料中の標的分子を増幅する(その多数のコピーを生成する)ことによって核酸を検出するために使用される任意の技術を含み、標的分子が、目的の核酸の配列または部分配列を指す、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
HH6 デバイス、装置、システム、または方法が、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、タッチダウンPCR、逆転写PCR、RACE PCR、デジタルPCRなどの異なるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法、および等温増幅方法、例えば、ループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング酵素増幅、ローリングサークル増幅、およびリコンビナーゼポリメラーゼ増幅などが挙げられるが、これらに限定されない核酸増幅技術を実行するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
A1.薄い流体試料層の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱/冷却層とを備え、
加熱/冷却層が、プレートのうちの一方の上にあり、
プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
プレートが、試料の温度を急速に変化させるための構成を有し、
試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
接触領域間の平均間隔が200ミクロン以下であり、
2つのプレートが、試料の少なくとも一部を非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう調節し(または閉じ込め)、
加熱/冷却層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
試料の少なくとも一部および加熱/冷却層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、デバイス。
A2.加熱/冷却層が、ディスク結合ドットオンピラーアンテナ(disk-coupled dots-on-pillar antenna)(D2PA)アレイ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、裏材料、超格子、または他のプラズモン材料、その他それらの組み合わせを含む、実施形態A1に記載のデバイス。
A3.加熱/冷却層が、カーボンもしくはブラックナノ構造またはそれらの組み合わせを含む、実施形態A1に記載のデバイス。
A4.加熱/冷却層が、放射エネルギーを吸収するように構成されている、実施形態A1~A3のいずれかに記載のデバイス。
A5.加熱/冷却層が、放射線エネルギーを吸収した後、熱の形態でエネルギーを放射するように構成されている、実施形態A1~A4のいずれかに記載のデバイス。
A6.加熱/冷却層が、試料層の下に、かつ試料層と直接接触して位置付けられている、実施形態A1~A5のいずれかに記載のデバイス。
A7.加熱/冷却層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、実施形態A1~A6のいずれかに記載のデバイス。
A8.プレートのうちの少なくとも1つが、加熱/冷却層が吸収する放射線を遮断しない、実施形態A1~A7のいずれかに記載のデバイス。
A9.プレートのうちの一方または両方が、低い熱伝導率を有する、実施形態A1~A8のいずれかに記載のデバイス。
A10.試料層の均一な厚さが、プレートのうちの一方または両方に固定される1つ以上のスペーサによって調整される、実施形態A1~A9のいずれかに記載のデバイス。
A11.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、実施形態A1~A10のいずれかに記載のデバイス。
A12.デバイスが、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするように構成されている、実施形態A11に記載のデバイス。
A13.デバイスが、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するように構成されている、実施形態A1~A12のいずれかに記載のデバイス。
A14.デバイスが、DNA増幅、DNA定量化、選択的DNA単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するように構成されている、実施形態A1~A13のいずれかに記載のデバイス。
A15.試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、実施形態A1~A14のいずれかに記載のデバイス。
B1.薄い流体試料層の温度を急速に変化させるためのシステムであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱/冷却層と、加熱源とを備え、
加熱/冷却層が、プレートのうちの一方の上にあり、
加熱源が、加熱/冷却層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成され、
プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
プレートが、試料の温度を急速に変化させるための構成を有し、
試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
接触領域間の平均間隔が200μm以下であり、
2つのプレートが、試料の少なくとも一部を非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込め、
加熱/冷却層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
試料の少なくとも一部および加熱/冷却層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、システム。
B2.加熱/冷却層が、ディスク結合ドットオンピラーアンテナ(D2PA)アレイ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、超格子、または他のプラズモン材料、その他それらの組み合わせを含む、実施形態B1に記載のシステム。
B3.加熱/冷却層が、カーボンもしくはブラックナノ構造またはそれらの組み合わせを含む、実施形態B1に記載のシステム。
B4.加熱/冷却層が、加熱源からの電磁波からの放射エネルギーの少なくとも80%を吸収するように構成されている、実施形態B1~B3のいずれかに記載のシステム。
B5.加熱/冷却層が、放射線エネルギーを吸収した後、熱の形態でエネルギーを放射するように構成されている、実施形態B1~B4のいずれかに記載のシステム。
B6.加熱/冷却層が、試料層の下に、かつ試料層と直接接触して位置付けられている、実施形態B1~B5のいずれかに記載のシステム。
B7.加熱/冷却層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、実施形態B1~B6のいずれかに記載のシステム。
B8.プレートのうちの少なくとも1つが、加熱源からの放射線を遮断しない、実施形態B1~B7のいずれかに記載のシステム。
B9.プレートのうちの一方または両方が、低い熱伝導率を有する、実施形態B1~B8のいずれかに記載のシステム。
B10.試料層の均一な厚さが、プレートのうちの一方または両方に固定される1つ以上のスペーサによって調整される、実施形態B1~B9のいずれかに記載のシステム。
B11.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、実施形態B1~B10のいずれかに記載のシステム。
B12.システムが、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするように構成されている、実施形態B11に記載のシステム。
B13.システムが、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するように構成されている、実施形態B1~B12のいずれかに記載のシステム。
B14.システムが、DNB増幅、DNB定量化、選択的DNB単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するように構成されている、実施形態B1~B15のいずれかに記載のシステム。
B15.試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、実施形態B1~B14のいずれかに記載のシステム。
B16.電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されているコントローラをさらに備える、実施形態B1~B15のいずれかに記載のシステム。
B17.試料接触領域またはその近傍の温度を測定し、測定された温度に基づいてコントローラに信号を送信するように構成された温度計をさらに備える、実施形態B1~B16のいずれかに記載のシステム。
B18.温度計が、光ファイバ温度計、赤外線温度計、液晶温度計、高温計、水晶温度計、シリコンバンドギャップ温度センサ、温度ストリップ、サーミスタ、および熱電対からなる群から選択される、実施形態B17に記載のシステム。
C1.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、薄い流体PCR試料層の温度を急速に変化させることにより容易にするためのシステムであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、加熱/冷却層と、加熱源と、コントローラとを備え、
加熱/冷却層が、プレートのうちの一方の上にあり、
加熱源が、加熱/冷却層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成され、
プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、予混合されたPCR媒体である流体PCR試料と接触するための試料接触領域を備え、
コントローラが、加熱源を制御し、所定のプログラムに従って試料の温度を急速に変化させるように構成され、
プレートが、試料の温度を急速に変化させるための構成を有し、
試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
接触領域間の平均間隔が200μm以下であり、
2つのプレートが、試料の少なくとも一部を非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込め、
加熱層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
試料の少なくとも一部および加熱/冷却層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、システム。
C2.コントローラが、加熱源からの電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されている、実施形態C1に記載のシステム。
C3.加熱源および加熱/冷却層が、電磁波が少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生じさせ、電磁波の除去が少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜をもたらすように構成されている、実施形態C1またはC2に記載のシステム。
C4.加熱源および加熱/冷却層が、少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜および少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、実施形態C1またはC2に記載のシステム。
C5.加熱源および加熱/冷却層が、PCR中に初期化ステップ、変性ステップ、および/または延伸/伸長ステップに到達するために少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生み出し、ならびにPCR中にアニーリングステップおよび/または最終冷却ステップに到達するために少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、実施形態C1またはC2に記載のシステム。
C6.PCR試料が、テンプレートDNA、プライマーDNA、カチオン、ポリメラーゼ、および緩衝剤を含む、実施形態C1~C5のいずれかに記載のシステム。
D1.薄い流体試料層の温度を急速に変化させるための方法であって、
第1のプレートおよび第2のプレートを提供することであって、プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、試料接触領域を備える、提供することと、
加熱/冷却層および加熱源を提供することであって、加熱/冷却層が、プレートのうちの一方の上にあり、加熱源が、加熱/冷却層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成されている、提供することと、
プレートの一方または両方に流体試料を付着させることと、
プレートを閉鎖構成へと押圧することであって、
試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
接触領域間の平均間隔が200μm以下であり、
2つのプレートが、試料の少なくとも一部を非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込め、
加熱/冷却層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
試料の少なくとも一部および加熱/冷却層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、押圧することと、
放射線源からの電磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を変化させることによって、試料層の温度を変化させ維持することと
を含む、方法。
D2.プレートを閉鎖形態に押圧するステップが、プレートを不正確な押圧力で押圧することを含む、実施形態D1に記載の方法。
D3.プレートを閉鎖形態に押圧するステップが、プレートを人間の手で直接押圧することを含む、実施形態D1またはD2に記載の方法。
D4.非常に均一な厚さの層が、10%未満の厚さの変動を有する、実施形態D1~D3のいずれかに記載の方法。
D5.加熱/冷却層が、ディスク結合ドットオンピラーアンテナ(D2PA)アレイ、シリコンサンドイッチ、グラフェン、超格子、または他のプラズモン材料、その他それらの組み合わせを含む、実施形態D1~D4のいずれかに記載の方法。
D6.加熱/冷却層が、カーボンもしくはブラックナノ構造またはそれらの組み合わせを含む、実施形態D1~D5のいずれかに記載の方法。
D7.加熱/冷却層が、加熱源からの電磁波からの放射エネルギーの少なくとも80%を吸収するように構成されている、実施形態D1~D6のいずれかに記載の方法。
D8.加熱/冷却層が、放射線エネルギーを吸収した後、熱の形態でエネルギーを放射するように構成されている、実施形態D1~D7のいずれかに記載の方法。
D9.加熱/冷却層が、試料層の下に、かつ試料層と直接接触して位置付けられている、実施形態D1~D8のいずれかに記載の方法。
D10.加熱/冷却層が、電波、マイクロ波、赤外波、可視光、紫外波、X線、ガンマ線、および熱放射からなる群から選択される電磁波を吸収するように構成されている、実施形態D1~D9のいずれかに記載の方法。
D11.プレートのうちの少なくとも1つが、加熱源からの放射線を遮断しない、実施形態D1~D10のいずれかに記載の方法。
D12.プレートのうちの一方または両方が、低い熱伝導率を有する、実施形態D1~D11のいずれかに記載の方法。
D13.試料層の均一な厚さが、プレートのうちの一方または両方に固定される1つ以上のスペーサによって調整される、実施形態D1~D12のいずれかに記載の方法。
D14.試料が、予混合されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)媒体である、実施形態D1~D13のいずれかに記載の方法。
D15.方法が、所定のプログラムに従って試料の温度を変化させるためのPCRアッセイを容易にするために使用される、実施形態D14に記載の方法。
D16.方法が、診断試験、健康管理、環境試験、および/または法医学的試験を実行するために使用される、実施形態D1~D15のいずれかに記載の方法。
D17.方法が、DNB増幅、DNB定量化、選択的DNB単離、遺伝分析、組織適合検査、癌遺伝子同定、感染症試験、遺伝子指紋法、および/または父子鑑定を実行するために使用される、実施形態D1~D16のいずれかに記載の方法。
D18.試料層が、試料蒸発を低減するために横方向に密封されている、実施形態D1~D17のいずれかに記載の方法。
D19.加熱源が、磁波の存在、強度、波長、周波数、および/または角度を制御するように構成されたコントローラによって制御される、実施形態D1~D18のいずれかに記載の方法。
D20.コントローラが、温度計から信号を受信するように構成され、温度計が、試料接触領域またはその近傍の温度を測定し、測定された温度に基づいてコントローラに信号を送信するように構成されている、実施形態D1~D19のいずれかに記載の方法。
D21.温度計が、光ファイバ温度計、赤外線温度計、液晶温度計、高温計、水晶温度計、シリコンバンドギャップ温度センサ、温度ストリップ、サーミスタ、および熱電対からなる群から選択される、実施形態D20に記載の方法。
E1.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、流体PCR試料の温度を急速に変化させることにより容易にするための方法であって、
第1のプレートおよび第2のプレートを提供することであって、プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、試料接触領域を備える、提供することと、
加熱/冷却層、加熱源、およびコントローラを提供することであって、加熱/冷却層が、プレートのうちの一方の上にあり、加熱源が、加熱/冷却層が顕著に吸収する電磁波を放射するように構成されている、提供することと、
プレートの一方または両方に流体PCR試料を付着させることと、
プレートを閉鎖構成へと押圧することであって、
試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
接触領域間の平均間隔が200μm以下であり、
2つのプレートが、PCR試料の少なくとも一部を非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう閉じ込め、
加熱/冷却層が、均一な厚さのPCR試料の少なくとも一部の近くにあり、
試料の少なくとも一部および加熱/冷却層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、押圧することと、
所定のプログラムに従ってPCR試料層の温度を変化させ維持することによってPCRを実行するために、コントローラを使用して加熱源を制御することであって、温度が変化するとき、加熱源が、PCR中に少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜および少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出す、制御することと
を含む、方法。
E2.PCR試料層の温度を変化させ維持することが、加熱源からの電磁波の強度、波長、周波数、および/または角度を調整することによって達成される、実施形態E1に記載の方法。
E3.加熱源および加熱/冷却層が、PCR中に初期化ステップ、変性ステップ、および/または延伸/伸長ステップに到達するために少なくとも10℃/秒の平均昇温速度傾斜を生み出し、ならびにPCR中にアニーリングステップおよび/または最終冷却ステップに到達するために、少なくとも5℃/秒の平均降温速度傾斜を生み出すように構成されている、実施形態E1またはE2に記載のシステム。
E4.PCR試料が、テンプレートDNA、プライマーDNA、カチオン、ポリメラーゼ、および緩衝剤を含む、実施形態E1~E3のいずれかに記載の方法。
NN1 薄い流体試料層の温度を急速に変化させるためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートとを備え、
プレートの各々が、そのそれぞれの表面上に、流体試料と接触するための試料接触領域を備え、
プレートが、試料の温度を急速に変化させるための構成を有し、
試料接触領域が互いに向かい合い、かなり平行であり、
接触領域間の平均間隔が200ミクロン以下であり、
2つのプレートが、試料の少なくとも一部を非常に均一な厚さでありかつプレートに対して実質的に流れない層になるよう調節し(または閉じ込め)、
加熱/冷却層が、均一な厚さの試料の少なくとも一部の近くにあり、
試料の少なくとも一部および加熱/冷却層の領域が、均一な厚さよりも実質的に大きい、デバイス。
JJ1.第1のプレートおよび第2のプレートを接続し、2つのプレートがヒンジを中心に異なる構成へと回転することを可能にするように構成されているするヒンジをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ2.プレートの相対位置が外力によって調整された後、ヒンジが、外力が除去される直前の角度から5度以内である2つのプレート間の角度を維持する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ3.プレートの相対位置が外力によって調整された後、ヒンジが、外力が除去される直前の角度から10度以内である2つのプレート間の角度を維持する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ4.ヒンジが、実質的に均一な厚さの一片のヒンジ材料片でできており、ヒンジ材料が、第1のプレートの内面の一部および第2のプレートの外面の一部に取り付けられ、取り付けが、動作を使用して完全に分離していない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ5.ヒンジが、実質的に均一な厚さの一片のヒンジ材料でできており、ヒンジ材料が、第1のプレートおよび第2のプレートの外面の一部に取り付けられ、取り付けが、動作を使用して完全に分離していない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ6.ヒンジ材料が、金属である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ7.ヒンジ材料が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、スズ、白金、ニッケル、コバルト、およびそれらの合金からなる群から選択される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
JJ8.ヒンジが、第1のリーフと、第2のリーフと、リーフを接続し、リーフが接合部を中心に回転するように構成された接合部とを備え、
第1のリーフが、第1のプレートの縁部を包み込むことなく、第1のプレートの内面に取り付けられ、第2のリーフが、第2のプレートの外面に取り付けられ、接合部が、第2のプレートのヒンジ縁部に長手方向に平行に位置付けられ、2つのプレートが接合部を中心に回転することを可能にする、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
KK1.プレートのうちの一方が、プレートの縁部または角に1つ以上の開放ノッチを備え、
閉鎖構成またはその近くで、もう一方のプレートの縁部が、開放ノッチと重なり合うように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス
KK2.ノッチが、試料付着のために、ほぼ閉鎖構成であるか、または閉鎖構成にある構成から開放構成へのプレートの変化を容易にする、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
KK3.少なくとも1つのノッチの幅が、ノッチ付き縁部の幅の1/6~2/3の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
KK4.ノッチのないプレートの開口縁部が、ノッチ上の部分を除いて、ノッチ付き縁部の内側にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
KK5.第1のプレートが、1つ以上のノッチ付き縁部を備え、これらの各々が、少なくとも1つのノッチを有し、第2のプレートが、ノッチ上に並置された1つ以上の対応する開口縁部を備え、ユーザがノッチ上で開口縁部のうちの1つを押して、2つのプレートを閉鎖構成と開放構成との間で切り替えるか、または第1のプレートおよび第2のプレートによって形成される角度を変化させることを可能にする、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
KK6.ノッチが、2つの隣接するノッチ付き縁部の交点に位置付けられる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
LL1.先行する実施形態のいずれかにおいて、プレートの各々が、そのそれぞれの外面上に、プレートを一緒に押し付ける押圧力を加えるための力領域をさらに含み、力は、力が加えられた時点で、(a)未知で予測不可能、または(b)知ることができず、かつ加えられる力の30%以上の精度内で予測することが不可能、のいずれかである大きさを有する不正確な力である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
LL2.プレートの各々が、そのそれぞれの外面上に、プレートを一緒に押し付ける押圧力を加えるための力領域をさらに含み、力は、力が加えられた時点で、30%、40%、50%、70%、100%、200%、300%、500%、1000%、2000%以上、またはそれらの2つの値の間の任意の範囲の精度内で決定することが不可能である大きさを有する不正確な力である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
LL3.不正確な力が、人間の手によって提供される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
MM1.第1のプレートおよび第2のプレートが、可撓性プラスチックフィルムおよび/または薄いガラスフィルムであり、各々は、1um~25umの範囲から選択された値の実質的に均一な厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM2.各プレートが、1cm^2~16cm^2の範囲の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM3.2つのプレート間に挟まれた試料が、40um以下の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM4.関連試料対試料全体の比(RE比)が、12%以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM5.冷却ゾーンが、加熱ゾーンよりも少なくとも9倍大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM6.試料対非試料の熱質量比が、2.2以上である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM7.RHCカードが、スペーサを備えない、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM8.RHCカードが、プレートのうちの一方または両方の上に固定されるスペーサを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM9.
第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチックまたは薄いガラスである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。第1のプレートおよび第2のプレートが、100nm、500nm、1um、5um、10um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有し、
2つのプレート間の試料が、5um、10um、30um、50um、100um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有し、
H/C層から試料までの距離が、10nm、100nm、500nm、1um、5um、10um、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、かつ
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離が、5mm、10mm、20mm、30mm、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
MM10.
第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチックまたは薄いガラスである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。第1のプレートおよび第2のプレートが、100nm、500nm、1um、5um、10um、もしくはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有するか、
2つのプレート間の試料が、5um、10um、30um、50um、100um、もしくはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有するか、
H/C層から試料までの距離が、10nm、100nm、500nm、1um、5um、10um、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、または
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離が、5mm、10mm、20mm、30mm、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
MM11.
第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチックまたは薄いガラスである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。第1のプレートが10um、25um、50um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する一方で、第2のプレート(加熱層または冷却層を有するプレート)が、100nm、500nm、1um、5um、10um、それらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有し、
2つのプレート間の試料が、5um、10um、30um、50um、100um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有し、
H/C層と試料との間の距離が、10nm、100nm、500nm、1um、5um、10um、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、かつ
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離が、5mm、10mm、20mm、30mm、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
MM12.
第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチックまたは薄いガラスである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。第1のプレートが10um、25um、50um、もしくはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する一方で、第2のプレート(加熱層もしくは冷却層を有するプレート)が、100nm、500nm、1um、5um、10um、それらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有するか、
2つのプレート間の試料が、5um、10um、30um、50um、100um、もしくはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有するか、
H/C層と試料との間の距離が、10nm、100nm、500nm、1um、5um、10um、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、または
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離が、5mm、10mm、20mm、30mm、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
MM13.
第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチックまたは薄いガラスである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。第1のプレートおよび第2のプレートが、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、175um、250um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有し、
2つのプレート間の試料が、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、250um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有し、
H/C層と試料との間の距離が、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、175um、250um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲であり、
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比が、100、64、16、9、4、2、1、0.5、0.1、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、
加熱ゾーンに対する冷却ゾーン面積の比が、100、64、16、9、4、2、1、0.5、0.1、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、かつ
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離が、500um、1mm、3mm、5mm、10mm、20mm、30mm、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
MM14.
第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチックまたは薄いガラスである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。第1のプレートおよび第2のプレートが、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、175um、250um、もしくはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有するか、
2つのプレート間の試料が、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、250um、もしくはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有するか、
H/C層と試料との間の距離が、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、175um、250um、もしくはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲であるか、
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比が、100、64、16、9、4、2、1、0.5、0.1、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、
加熱ゾーンに対する冷却ゾーン面積の比が、100、64、16、9、4、2、1、0.5、0.1、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、または
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離が、500um、1mm、3mm、5mm、10mm、20mm、30mm、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲である。
MM15.光学パイプが、光源(例えば、LED)からの光を加熱ゾーンにコリメートし、光学パイプが、反射壁を備えた中空の穴を備えた構造(例えば、管または穴を削った構造)を含み、光学パイプが、1mm~8mmの横寸法および2mm~50mmの長さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM16.
第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチックまたは薄いガラスであり、
第1のプレートおよび第2のプレートが、100nm、500nm、1um、5um、10um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有し、
2つのプレート間の試料が、1~5um、5~10um、10~30um、または30um~50umの範囲の厚さを有し、
H/C層から試料までの距離が、10nm~100nm、100nm~500nm、500nm~1um、1um~5um、5um~10um、または10um~25umの範囲であり、
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離が、5mm、10mm、20mm、30mm、またはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であり、
冷却層のKC比が、0.5cm^2/秒~0.7cm^2/秒、0.7cm^2/秒~0.9cm^2/秒、0.9cm^2/秒~1cm^2/秒、1cm^2/秒~1.1cm^2/秒、1.1cm^2/秒~1.3cm^2/秒、1.3cm^2/秒~1.6cm^2/秒、1.6cm^2/秒~2cm^2/秒、または2cm^2/秒~3cm^2/秒の範囲であり、かつ
試料対非試料の熱質量比が、0.2~0.5、0.5~0.7、0.7~1、1~1.5、1.5~5、5~10、10~30、30~50、または50~100の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
MM17.
第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチックまたは薄いガラスであり、
第1のプレートおよび第2のプレートが、100nm、500nm、1um、5um、10um、もしくはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有するか、
2つのプレート間の試料が、1~5um、5~10um、10~30um、または30um~50umの範囲の厚さを有し、
H/C層から試料までの距離が、10nm~100nm、100nm~500nm、500nm~1um、1um~5um、5um~10um、もしくは10um~25umの範囲であるか、
関連試料面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、
加熱面積に対する冷却ゾーン面積の比が、16、9、4、2、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、
H/C層と加熱源(例えば、LED)との間の距離が、5mm、10mm、20mm、30mm、もしくはそれらの2つのうちのいずれかの間の範囲であるか、
冷却層のKC比が、0.5cm^2/秒~0.7cm^2/秒、0.7cm^2/秒~0.9cm^2/秒、0.9cm^2/秒~1cm^2/秒、1cm^2/秒~1.1cm^2/秒、1.1cm^2/秒~1.3cm^2/秒、1.3cm^2/秒~1.6cm^2/秒、1.6cm^2/秒~2cm^2/秒、もしくは2cm^2/秒~3cm^2/秒の範囲であるか、または
試料対非試料の熱質量比が、0.2~0.5、0.5~0.7、0.7~1、1~1.5、1.5~5、5~10、10~30、30~50、または50~100の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN1.デバイスが、加熱層と冷却層とを備え、冷却層が、その加熱ゾーンよりも大きい面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN2.デバイスが、1つの加熱/冷却層を備え、冷却ゾーンが、その加熱ゾーンよりも大きい面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN3.デバイスが、高熱伝導率(50W/(m2・-K))および関連試料の横方向面積よりも大きい面積を有する冷却層を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN4.デバイスが、高熱伝導率(50W/(m2・K)(m・K)超)および関連試料の横方向面積よりも2~40倍大きい面積を有する冷却層を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN5.デバイスが、(i)高熱伝導率(50W/(m・K)超)および(ii)熱放射増強層(熱放射を特定する)を有する冷却層を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN6.デバイスが、(i)高熱伝導率(50W/(m・K)超)、および(ii)熱放射増強層、および(iii)関連試料の横方向面積よりも大きい面積を有する冷却層を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN7.デバイスが、(i)高熱伝導率(50W/(m・K)超)、および(ii)熱放射増強層、および(iii)関連試料の横方向面積よりも1.5~100倍大きい面積を有する冷却層を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN8.デバイスが、波長範囲にわたって70%の平均光吸収係数を有する熱放射増強層を有する冷却ゾーンを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN9.デバイスが、6×10-5W/K~3×10-4W/Kの範囲の、熱伝導率にその厚さを乗じたものを有する冷却ゾーンを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN10.デバイスが、200nm~800nmの範囲の厚さの金層を含む冷却ゾーンを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN11.デバイスが、6×10-5W/K~3×10-4W/Kの範囲の、熱伝導率にその厚さを乗じたものを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN12.デバイスが、
高熱伝導率(50W/(m・K)超)を有し、
波長範囲にわたって70%の平均光吸収係数を有する熱放射増強層を備え、
関連試料の横方向面積よりも1.5~100倍大きい面積を有し、かつ
6×10-5W/K~3×10-4W/Kの範囲の、熱伝導率にその厚さを乗じたものを有する、冷却層を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN13.デバイスが、6×10-5W/K、9×10-5W/K、1.2×10-4W/K、1.5×10-4W/K、1.8×10-4W/K、2.1×10-4W/K、2.7×10-4W/K、3×10-4W/K、1.5×10-4W/K、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の、熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する冷却ゾーン(層)を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN14.デバイスが、6×10-5W/K~9×10-5W/K、9×10-5W/K~1.5×10-4W/K、1.5×10-4W/K~2.1×10-4W/K、2.1×10-4W/K~2.7×10-4W/K、2.7×10-4W/K~3×10-4W/K、または3×10-4W/K~1.5x10-4W/Kの範囲の、熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する冷却ゾーン(層)を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN15.デバイスが、9×10-5W/K~2.7×10-4W/K、9×10-5W/K~2.4×10-4W/K、9×10-5W/K~2.1×10-4W/K、または9×10-5W/K~1.8×10-4W/Kの範囲内の、熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する冷却ゾーン(層)を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN16.デバイスが、200nm~800nmの範囲の厚さの金層を含む冷却ゾーンを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。別の実施形態では、冷却ゾーンは、300nm~700nmの範囲の厚さの金層を備える。
NN17.デバイスにおいて、加熱ゾーンと関連試料との間の材料が、1000W/(m2・K)、2000W/(m2・K)、3000W/(m2・K)、4000W/(m2・K)、5000W/(m2・K)、7000W/(m2・K)、10000W/(m2・K)、20000W/(m2・K)、50000W/(m2・K)、50000W/(m2・K)、100000W/(m2・K)以上、または任意のそれらの値の範囲である単位面積当たりのコンダクタンスを有するように構成された熱伝導率および厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN18.加熱ゾーンと関連試料との間の材料の単位面積当たりの好ましいコンダクタンスが、1000W/(m2・K)~2000W/(m2・K)、2000W/(m2・K)~~4000W/(m2・K)、4000W/(m2・K)~10,000W/(m2・K)、または10000W/(m2・K)~100000W/(m2・K)の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN19.加熱ゾーンと関連試料との間の距離が、ゼロであり、したがって、加熱ゾーンと関連試料との間の材料の単位面積当たりのコンダクタンスに対して無限である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN20.加熱層または冷却層が、0.1~0.3W/(m・K)の範囲の熱伝導率を有する薄いプラスチックプレート(またはフィルム)によって関連試料から分離され、薄いプラスチック層が、0nm、10nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1um、2.5um、5um、10um、25um、50um、75nm、100um、150um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN21.関連試料を加熱層または冷却層から分離する薄いプラスチックプレート(またはフィルム)が、0nm~100nm、100nm~500nm、500nm~1um、1um~5um、5um~10um、10um~25um、25um~50um、50um~75um、75um~100um、または100um~150umの範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN22.関連試料を加熱層または冷却層から分離する薄いプラスチックプレート(またはフィルム)が、0.1um、0.5um、1umm、5um、10um、20um、25um、または任意の2つの値の間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN23.加熱ゾーンの面積が、冷却ゾーンまたは領域の面積のほんの一部であり、冷却ゾーン(層)の面積が、加熱ゾーンの面積よりも1.1、1.5、2、3、4、5、10、20、30、40、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、5000、10,000、100,000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲だけ大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN24.冷却ゾーン(層)が、加熱ゾーン(層)の横方向面積よりも1.1~1.5、1.5~5、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000倍の範囲だけ大きい面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN25.冷却ゾーン(層)が、関連試料の横方向面積よりも1.5、2、3、4、5、10、20、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲だけ大きい面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN26.冷却ゾーン(層)が、関連試料の横方向面積よりも1.5~5、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000倍の範囲だけ大きい面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN27.第1のプレートまたは第2のプレートが、10nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1um、2.5um、5um、10um、25um、50um、100um、200um、500um、1000um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN28.第1のプレートおよび第2のプレートが、同じ厚さまたは異なる厚さを有することができ、同じ材料または異なる材料でできていてもよい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN29.第1のプレートまたは第2のプレートが、10nm~500nm、500nm~1um、1um~2.5um、2.5um~5um、5um~10um、10um~25um、25um~50um、50um~100um、100um~200um、または200um~500um、または500um~1000umの範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN30.第1のプレートおよび第2のプレートが、プラスチック、薄いガラス、または同様の物理的特性を有する材料である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。第1のプレートまたは第2のプレートは、100nm、500nm、1um、5um、10um、25um、50um、100um、175um、250um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する。
NN31.熱サイクリングまたは反応のための期間中の関連試料体積の平均横方向サイズ対試薬の拡散距離の比が、5、6、7、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、500、1000、5000、10000、100000以上、または任意の2つの値の間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN32.熱サイクリングまたは反応のための期間中の関連試料体積の平均横方向サイズ対試薬の拡散距離の比が、5~10、10~30、30~60、6~100、100~200、200~500、500~1000、1000~5000、5000~10000、または10000~100000の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN33.熱サイクリングまたは反応のための期間中の関連試料体積の平均横方向サイズ対試薬の拡散距離の比が、5~10、10~30、30~60、6~100、100~200、200~500、500~1000、1000~5000、5000~10000、または10000~100000の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN34.関連体積の平均横寸法が、1mm、2mm、3mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm 10mm、12mm、15mm、20mm、30mm、40mm、50mm、70mm、100mm、200mm、または任意の2つの値の間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN35.関連体積の平均横寸法が、1mm~5mm、5mm~10mm、10mm~20mm、20mm~40mm、40mm~70mm、70mm~100mm、または100mm~200mmの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN36.関連体積の平均横寸法が、1mm~5mm、1mm~10mm、または5mm~20mmの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN37.熱放射増強表面が、高い平均光吸収率を有する(例えば、我々の実験で使用した黒色塗料)、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。ある特定の実施形態では、冷却ゾーンは、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、100%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する。
NN38.冷却ゾーンが、30%~40%、40%~60%、60%~80%~90%、または90%~100%の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN39.冷却ゾーンが、30%~100%、50%~100%、70%~100%、または80%~100%の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN40.冷却ゾーンが、400nm~800nm、700nm~1500nm、900nm~2000nm、または2000nm~20000nmの波長範囲にわたって平均化することによって、上記の値の平均光吸収率を有する表面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN41.黒色塗料が、人間の目で黒色に見えるポリマー混合物である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。黒色塗料としては、ポリマーおよびナノ粒子の混合物が挙げられるが、これに限定されない。ナノ粒子の一例は、ブラックカーボンナノ粒子、炭素、ナノチューブ、グラファイト粒子、グラフェン、金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子、またはそれらの組み合わせである。
NN42.プラズモン構造が、ナノ構造プラズモン構造を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN43.冷却プレートが、表面熱放射増強層を有する高熱伝導率金属(50W/(m・K)以上)の層を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。いくつかの実施形態では、表面熱放射増強層は、低い横方向の熱コンダクタンスを有し、これは、極薄層、低熱伝導率、またはその両方のいずれかによるものである。
NN44.熱放射冷却が、放射冷却層(すなわち、特に明記しない限り、high-K材料)の面積を増加させることによって達成され、放射冷却層の面積が、関連試料の横方向面積よりも1.2、1.5、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80 100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000倍、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲だけ大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN45.放射冷却ゾーン(層)が、関連試料の横方向面積よりも1.2~3、3~5、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000倍の範囲だけ大きい面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN46.熱サイクル中の試料および試料ホルダーの総冷却に対する、冷却ゾーン(層)による熱放射冷却の比が、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN47.熱サイクル中の試料および試料ホルダーの総冷却に対する、冷却ゾーン(層)による熱放射冷却の比が、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~99%の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN48.加熱層のためのKC比材料が、0.1cm^2/秒、0.2cm^2/秒、0.3cm^2/秒、0.4cm^2/秒、0.5cm^2/秒、0.6cm^2/秒、0.7cm^2/秒、0.8cm^2/秒、0.9cm^2/秒、1cm^2/秒、1.1cm^2/秒、1.2cm^2/秒、1.3cm^2/秒、1.4cm^2/秒、1.5cm^2/秒、1.6cm^2/秒、2cm^2/秒、3cm^2/秒以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN49.加熱層のKC比が、0.5cm^2/秒~0.7cm^2/秒、0.7cm^2/秒~0.9cm^2/秒、0.9cm^2/秒~1cm^2/秒、1cm^2/秒~1.1cm^2/秒、1.1cm^2/秒~1.3cm^2/秒、1.3cm^2/秒~1.6cm^2/秒、1.6cm^2/秒~2cm^2/秒、または2cm^2/秒~3cm^2/秒の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN50.熱放射増強表面(複数可)が使用される(加熱ゾーンの片側または両側で)、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。熱放射吸収増強表面は、表面の構造を直接修正すること(例えば、ナノ構造のパターン化)、高熱放射材料をコーティングすること(例えば、黒色塗料のコーティング)、またはその両方によって達成され得る。
NN51.熱放射増強表面が、高い平均光吸収率を有する(例えば、我々の実験で使用した黒色塗料)、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。ある特定の実施形態では、加熱ゾーンは、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、100%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する。
NN52.加熱ゾーンが、30%~40%、40%~60%、60%~80%~90%、または90%~100%の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN53.加熱ゾーンが、30%~100%、50%~100%、70%~100%、または80%~100%の範囲の平均光吸収率を有する表面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN54.加熱ゾーンが、400nm~800nm、700nm~1500nm、900nm~2000nm、または2000nm~20000nmの波長範囲にわたって平均化することによって、上記の値の平均光吸収率を有する表面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN55.試料のLVS比が、5、10、20、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN56.試料のLVS比が、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN57.試料が、15mmの横寸法、および30umの厚さ、したがって500の試料のLVSを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN58.関連試料の厚さが低減され(これは、試料の加熱速度にも役立つことができる)、関連試料が、0.05um、0.1um、0.2um、0.5um、1um、2um、5um、10um、20um、30um、40um、50um、60um、70um、80um、90um、100um、200um、300um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN59.関連試料が、0.05um~0.5um、0.5um~1um、1um~5um、5um~10um、10um~30um、30um~50um、50um~70um、70um~100um、100um~200um、または200um~300umの範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN60.冷却層のためのKC比材料が、0.1cm^2/秒、0.2cm^2/秒、0.3cm^2/秒、0.4cm^2/秒、0.5cm^2/秒、0.6cm^2/秒、0.7cm^2/秒、0.8cm^2/秒、0.9cm^2/秒、1cm^2/秒、1.1cm^2/秒、1.2cm^2/秒、1.3cm^2/秒、1.4cm^2/秒、1.5cm^2/秒、1.6cm^2/秒、2cm^2/秒、3cm^2/秒以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN61.冷却層のKC比が、0.5cm^2/秒~0.7cm^2/秒、0.7cm^2/秒~0.9cm^2/秒、0.9cm^2/秒~1cm^2/秒、1cm^2/秒~1.1cm^2/秒、1.1cm^2/秒~1.3cm^2/秒、1.3cm^2/秒~1.6cm^2/秒、1.6cmの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN62.高熱伝導率(すなわち、high-K)材料が冷却層に使用され、high-K材料は、50W/(m・K)、80W/(m・K)、100W/(m・K)、150W/(m・K)、200W/(m・K)、250W/(m・K)、300W/(m・K)、350W/(m・K)、400W/(m・K)、450W/(m・K)、500W/(m・K)、以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの範囲の熱伝導率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN63.試料対非試料熱質量比(NSTM比)が、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、1、1.5、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、100、200、300、1000、4000、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN64.試料対非試料熱質量比(NSTM比)が、0.1~0.2、0.2~0.5、0.5~0.7、0.7~1、1~1.5、1.5~5、5~10、10~30、30~50、50~100、100~300、300~1000、または1000~4000の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN65.試料対非試料熱質量比を高くするために、非試料の面積熱質量を低く保持する必要があり、これは、プレートおよび加熱/冷却層を薄くし、体積比熱を低くする必要がある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN66.デバイスが、多層または混合材料を有する薄い材料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。例えば、プラスチックシートまたはプラスチックと混合された炭素を含む炭素繊維層(複数可)であり、これは、0.1um、0.2um、0.5um、1um、2um、5um、10um、25um、50um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有することができる。
NN67.試料の関連体積が、0.001uL、0.005uL、0.01uL、0.02uL、0.05uL、0.1uL、0.2uL、0.5uL、1uL、2uL、5uL、10uL、20uL、30uL、50uL、100uL、200uL、500uL、1mL、2mL、5mL、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN68.関連試料体積が、0.001uL~0.1uL、0.1um~2uL、2uL~10uL、10uL~30uL、30uL~100uL、100uL~200uL、または200uL~1mLの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN69.関連試料体積が、0.001uL~0.1uL、0.1um~1uL、0.1uL~5uL、または0.1uL~10uLの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN70.関連試料対全試料体積の比率(RE比)が、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、0.1%、0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN71.RE比が、0.01%~0.1%、0.1%~1%、1%~10%、10%~30%、30%~60%、60%~90%、または90%~100%の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN72.加熱ゾーンの面積が、試料の横方向面積のほんの一部であり、その割合(すなわち、加熱ゾーン対試料の横方向面積の比)が、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、0.1%、0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN73.加熱ゾーン面積対試料の横方向面積の比が、0.01%~0.1%、0.1%~1%、1%~10%、10%~30%、30%~60%、60%~90%、または90%~99%の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN74.スケーリングされた熱伝導比(STM比)が、2以上、5以上、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、100以上、1000以上、10000以上、10000以上、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN75.1 スケーリングされた熱伝導比(STM比)が、10~20、30~50、50~70、70~100、100~1000、1000~10000、または10000~1000000の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN75.2 スケーリングされた熱伝導比(STM比)が、10~20、30~50、50~70、70~100、100~1000、1000~10000、または10000~1000000の範囲であり、冷却ゾーン(層)は、6×10-5W/K、9×10-5W/K、1.2×10-4W/K、1.5×10-4W/K、1.8×10-4W/K、2.1×10-4W/K、2.7×10-4W/K、3×10-4W/K、1.5×10-4W/K、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の、熱伝導率にその厚さを掛けたものを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN75.3 スケーリングされた熱伝導比(STM比)が、20~80の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN76.関連試料の横方向サイズ対縦方向サイズ(LVS)の比が、5、10、20、50、70、100、200、300、400、500、600、700、800、800、1,000、2000、5000、10,000、100,000、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN77.関連試料のLVS比が、5~10、10~50、50~100、100~500、500~1,000、1000~10,000、または10,000~100,000の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN78.関連試料の厚さが低減され(これは、試料の加熱速度にも役立つことができる)、関連試料が、0.05um、0.1um、0.2um、0.5um、1um、2um、5um、10um、20um、30um、40um、50um、60um、70um、80um、90um、100um、200um、300um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
NN78.関連試料が、0.05um~0.5um、0.5um~1um、1um~5um、5um~10um、10um~30um、30um~50um、50um~70um、70um~100um、100um~200um、または200um~300umの範囲の厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、装置、システム、または方法。
OO1.
ポリマー材料を含み、100μm以下の厚さを有する、第1のプレートと、
ポリマー材料を含み、100μm以下の厚さを有する、第2のプレートと、
前記第1のプレートまたは前記第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層であって、6×10-5W/Kに加熱/冷却層の厚さを乗じた値から1.5×10-4W/Kに加熱/冷却層の厚さを乗じた値の間の熱伝導率を有する、加熱/冷却層と
を備える、デバイスであって、
第1のプレートおよび第2のプレートが、平行配置で互いに向かい合い、ある距離で互いから分離され、第1のプレートおよび第2のプレートが、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料を受容するように構成されている、デバイス。
OO2.
第1のプレートと、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレートと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層と
を備える、デバイスであって、
加熱/冷却層が、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が少なくとも30℃/秒の速度で加熱されるように、電磁放射線を受けるように構成されている、デバイス。
OO3.
第1のプレートと、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレートと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層と
を備える、デバイスであって、
加熱/冷却層が光源によって発生した電磁放射線を受けていないときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が、少なくとも30℃/秒の速度で冷却される、デバイス。
OO4.
第1のプレートと、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、第2のプレートの内面が、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートの内面から分離されている、第2のプレートと、
第2のプレートの内面または外面上に配置された加熱/冷却層と、
第1のプレートの内面上で乾燥した試薬の層と
を備える、デバイス。
OO5.加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、OO1~OO4実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO6.光吸収層が、黒色塗料を含む、OO5に記載のデバイス。
OO7.第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、OO1~OO6実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO8.加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、OO1~OO7実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO9.第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、OO1~OO8実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO10.第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された複数の球状スペーサをさらに備える、OO1~OO9実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO11.約10umの高さを有する複数のスペーサをさらに備え、複数のスペーサが、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置される、OO1~OO9実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO12.第1のプレートと第2のプレートとの間の距離が、100μm以下である、OO1~OO11実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO13.第1のプレートを第2のプレートと接続するように構成されかつ第1のプレートまたは第2のプレートの縁部に連結されたヒンジをさらに備える、OO1~OO12実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO14.液体試料の少なくとも一部分が、電磁放射線の経路に沿ったある体積の試料を含む、OO1~OO13実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO15.液体試料の少なくとも一部分が、加熱/冷却層に隣接するある体積の試料を含む、OO1~OO14実施形態のいずれかに記載のデバイス。
OO16.乾燥試薬の層が、核酸増幅に使用される試薬を含む、OO4に記載のデバイス。
PP1.
ポリマー材料を含み、100μm以下の厚さを有する、第1のプレート、
ポリマー材料を含み、100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレート、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層であって、6×10-5W/Kに加熱/冷却層の厚さを乗じた値から1.5×10-4W/Kに加熱/冷却層の厚さを乗じた値の間の厚さおよび熱伝導率を有する、加熱/冷却層、ならびに
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つを支持するように構成された、支持フレーム
を備える、デバイスと、
デバイスを受容するように構成された第1の開口、および少なくとも1つの他の開口を有する、筐体と、
電磁放射線を加熱/冷却層に向けて方向付けるように構成された光源と
を備える、システムであって、
加熱/冷却層が、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が少なくとも30℃/秒の速度で加熱されるように、電磁放射線の少なくとも一部分を吸収するように構成され、
加熱/冷却層が光源によって発生した電磁放射線を受けていないときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が、少なくとも30℃/秒の速度で冷却され、
システムが500mW未満の電力を消費する、システム。
PP2.
第1のプレート、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレート、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層、ならびに
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つを支持するように構成された、支持フレームを備える、デバイスと、
電磁放射線を加熱/冷却層に向けて方向付けるように構成された光源と
を備える、システムであって、
加熱/冷却層が前記光源によって発生した電磁放射線を受けていないときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が、少なくとも30℃/秒の速度で冷却される、システム。
PP3.
第1のプレート、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレート、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層を備える、デバイスと、
放射を加熱/冷却層に向けて方向付けるように構成された光源と
を備える、システムであって、500mW未満の電力を消費する、システム。
PP4.
第1のプレート、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレート、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層、ならびに
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つを支持するように構成された、支持フレーム
を備える、デバイスと、
デバイスを受容するように構成された第1の開口、および少なくとも1つの他の開口を有する、筐体と、
電磁放射線を筐体の少なくとも1つの他の開口を通して、かつ加熱/冷却層に向けて方向付けるように構成された光源と
を備える、システムであって、
加熱/冷却層が光源によって発生した電磁放射線を受けていないときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料が、少なくとも30℃/秒の速度で冷却される、システム。
PP5.デバイスが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、PP1~PP4実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
PP6.光吸収層が、黒色塗料を含む、PP5に記載のシステム。
PP7.第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、PP1~PP6実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
PP8.加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、PP1~PP7実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
PP9.第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、PP1~PP8実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
PP10.光源が、発光ダイオード(LED)を含む、PP1~PP9実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
PP11.LEDが、青色LEDを含む、PP10に記載のシステム。
PP12.電磁放射線を光源から加熱/冷却層へ誘導するように構成された光学パイプをさらに備える、PP1~PP11実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
PP13.筐体の少なくとも1つの他の開口が、デバイスが第1の開口を介して筐体内に配設されるときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分にわたって位置合わせされるように構成されている、PP1またはPP4に記載のシステム。
PP14.支持フレームが、第1のプレートまたは第2のプレートの外周に沿って少なくとも第1のプレートまたは第2のプレートを支持するように構成されている、PP1~PP13実施形態のいずれか1つに記載のシステム。
QQ1.デバイスを使用する方法であって、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと
を含む、方法。
QQ2.デバイスを使用する方法であって、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと
を含む、方法。
QQ3.デバイスを使用する方法であって、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと
を含む、方法。
QQ4.第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、QQ1~QQ3実施形態のいずれか1つに記載の方法。
QQ5.光吸収層が、黒色塗料を含む、QQ4に記載の方法。
QQ6.第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、QQ1~QQ5実施形態のいずれか1つに記載の方法。
QQ7.加熱層の厚さが、3μm以下である、QQ1~QQ6実施形態のいずれか1つに記載の方法。
QQ8.第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、QQ1~QQ7実施形態のいずれか1つに記載の方法。
QQ9.熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱層に向かって光を放射することを含む、QQ1~QQ8実施形態のいずれか1つに記載の方法。
QQ10.流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、QQ9に記載の方法。
QQ11.電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、QQ1~QQ10実施形態のいずれか1つに記載の方法。
QQ12.支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、QQ1~QQ11実施形態のいずれか1つに記載の方法。
RR1.核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
RR2.核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
1つ以上のPCRサイクルを実行することによって試料中の核酸を増幅することであって、各PCRサイクルが、変性ステップ、アニーリングステップ、および伸長ステップを含む、増幅することと
を含み、
変性ステップ、アニーリングステップ、および/または伸長ステップのうちの1つ以上が、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと
を含む、方法。
RR3.核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
RR4.核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
1つ以上のPCRサイクルを実行することによって試料中の核酸を増幅することであって、各PCRサイクルが、変性ステップ、アニーリングステップ、および伸長ステップを含む、増幅することと
を含み、
変性ステップ、アニーリングステップ、および/または伸長ステップのうちの1つ以上が、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
RR5.核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
RR6.核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
1つ以上のPCRサイクルを実行することによって試料中の核酸を増幅することであって、各PCRサイクルが、変性ステップ、アニーリングステップ、および伸長ステップを含む、増幅することと
を含み、
変性ステップ、アニーリングステップ、および/または伸長ステップのうちの1つ以上が、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
RR7.第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、RR1~RR6実施形態のいずれか1つに記載の方法。
RR8.光吸収層が、黒色塗料を含む、RR7に記載の方法。
RR9.第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、RR1~RR8実施形態のいずれか1つに記載の方法。
RR10.加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、RR1~RR9実施形態のいずれか1つに記載の方法。
RR11.第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、RR1~RR10実施形態のいずれか1つに記載の方法。
RR12.熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、RR1~RR11実施形態のいずれか1つに記載の方法。
RR13.流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、RR12に記載の方法。
RR14.電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、RR1~RR13実施形態のいずれか1つに記載の方法。
RR15.支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、RR1~RR14実施形態のいずれか1つに記載の方法。
SS1.試料中に標的核酸配列が存在するかまたは存在しないかを検出するための方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在し、試薬が、標的核酸とハイブリダイズすることができるプライマーを含む、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が標的核酸配列の増幅産物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
SS2.試料中に標的核酸配列が存在するかまたは存在しないかを検出するための方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在し、試薬が、標的核酸とハイブリダイズすることができるプライマーを含む、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
流体試料が標的核酸配列の増幅産物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
SS3.試料中に標的核酸配列が存在するかまたは存在しないかを検出するための方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在し、試薬が、標的核酸とハイブリダイズすることができるプライマーを含む、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が標的核酸配列の増幅産物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
SS4.第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、SS1~SS3実施形態のいずれか1つに記載の方法。
SS5.光吸収層が、黒色塗料を含む、SS4に記載の方法。
SS6.第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、SS1~SS5実施形態のいずれか1つに記載の方法。
SS7.加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、SS1~SS6実施形態のいずれか1つに記載の方法。
SS8.第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、SS1~SS7実施形態のいずれか1つに記載の方法。
SS9.熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、SS1~SS8実施形態のいずれか1つに記載の方法。
SS10.流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、SS9に記載の方法。
SS11.電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、SS1~SS10実施形態のいずれか1つに記載の方法。
SS12.支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、SS1~SS11実施形態のいずれか1つに記載の方法。
TT1.試料中の分析物の有無を検出するための方法であって、
流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを前記第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
TT2.試料中の分析物の有無を検出するための方法であって、
含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
TT3.試料中の分析物の有無を検出するための方法であって、
流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
UU1.対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含み、
分析物の有無が、対象が状態を有することを示す、方法。
UU2.対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含み、
分析物の有無が、対象が状態を有することを示す、方法。
UU3.対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含み、
分析物の有無が、対象が状態を有することを示す、方法。
UU4.対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料中の分析物の量を定量化することと、
前記量を分析物の対照量または参照量と比較することと
を含み、
対照量または参照量と比較して、試料中の分析物の量がより多いことまたは低減していることが、対象が状態を有することを示す、方法。
UU5.対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
流体試料中の分析物の量を定量化することと、
前記量を分析物の対照量または参照量と比較することと
を含み、
対照量または参照量と比較して、試料中の分析物の量がより多いことまたは低減していることが、対象が状態を有することを示す、方法。
UU6.対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料中の分析物の量を定量化することと、
前記量を分析物の対照量または参照量と比較することと
を含み、
対照量または参照量と比較して、試料中の分析物の量がより多いことまたは低減していることが、対象が状態を有することを示す、方法。
VV1.
OO実施形態のいずれか1つに記載のデバイスと、
予混合されたポリメラーゼ連鎖反応媒体と
を備える、キット。
VV2.予混合されたポリメラーゼ連鎖反応媒体が、DNAテンプレート、2種のプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、二価カチオン、一価カチオン、および緩衝液を含む、VV1に記載のキット。
PCRおよび分子増幅
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイス、装置、システム、および/または方法は、迅速な分子(例えば、核酸)増幅に使用され得る。ある特定の実施形態では、デバイス、装置、システム、および方法は、等温核酸増幅に使用され得る。ある特定の実施形態では、デバイス、装置、およびシステムは、非等温核酸増幅に使用され得る。
一般に、非等温核酸増幅には、熱エネルギーの周期的な付与および除去を必要とする。核酸増幅に使用され得る多くの非等温戦略は、(追加の薬剤で化学修飾できるか、またはできない)1つまたは複数の目的の核酸を含む反応混合物の正確な時間における正確な温度への加熱および冷却、ならびに増幅反応を完了するために必要な試薬を伴う。そのような核酸増幅反応の非限定的な例としては、PCR;PCRの変形(例えば、逆転写酵素PCR(RT-PCR)、定量PCR(Q-PCR)、またはリアルタイム定量PCR(RTQ-PCR));リガーゼ連鎖反応(LCR);LCRの変形(例、逆転写酵素LCR(RTLCR)、定量LCR(Q-LCR)、リアルタイム定量LCR(RTQ-LCR));およびデジタル核酸増幅反応(例えば、デジタルPCR(dPCR)、デジタルRT-PCR(dRT-PCR)、デジタルQ-PCR(dQ-PCR)、デジタルRTQ-PCR(dRTQ-PCR)、デジタルLCR(dLCR)、デジタルRT-LCR(dRT-LCR)、デジタルQ-LCR(dQ-LCR)、デジタルRTQ-LCR(dRTQ-LCR)が挙げられる。これらの核酸増幅反応、およびその他については、以下にさらに詳しく記載される。
PCR反応
本開示のデバイス、装置、システム、および方法は、PCR増幅反応の完了、またはPCR増幅を含む任意のステップ(例えば、変性、アニーリング、伸長など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、試料は、PCR反応を完了するために必要な試薬を含むことができる。PCR反応のための試薬の非限定的な例としては、増幅されるテンプレート核酸(例えば、DNA)分子、テンプレート核酸上の標的配列とハイブリダイズすることができる2種のプライマーのセット、ポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)、デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)、所望のPCR反応に適したpHおよび濃度の緩衝剤、一価カチオン、および二価カチオンが挙げられる。一般に、試料中の各試薬の比は、変動し得、例えば、増幅される核酸の量および/または増幅産物の所望の量に依存し得る。PCR増幅反応に必要な各試薬の比を決定する方法は、例えば、米国特許第4,683,202号および4,683,195号に記載されており、これらはあらゆる目的のために、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
PCRは一般に、いくつかの主要な試薬および核酸(例えば、DNA)テンプレートを含む反応混合物の加熱および冷却を伴う。核酸テンプレートに加えて、PCRに使用され得る試薬の非限定的な例としては、プライマー、ポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、緩衝液、二価カチオン、および一価カチオンが挙げられる。一般に、核酸テンプレート毎に少なくとも2つの異なるプライマーが反応混合物中にふくまれ得、各プライマーは、核酸テンプレートの一部分(例えば、その3’末端)に相補的である。核酸テンプレートは、ポリメラーゼによって複製される。
PCRに有用であり得るDNAポリメラーゼの非限定的な例としては、Taqポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、Pwoポリメラーゼ、Tflポリメラーゼ、rTthポリメラーゼ、Tliポリメラーゼ、Tmaポリメラーゼ、およびVentRポリメラーゼ、Kapa2gポリメラーゼ、KODポリメラーゼ、HaqZ05ポリメラーゼ、Haqz05ポリメラーゼ、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
dNTPは、三リン酸基を含むヌクレオチドであり、一般に、増幅されたDNAが合成されるビルディングブロックである。PCRに有用なdNTPの非限定的な例としては、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、およびデオキシチミジン三リン酸(dTTP)が挙げられる。
緩衝液が一般に使用されて、反応混合物中のDNAポリメラーゼおよび/または他の依存構成成分の最適な活性および安定性のために好適な化学環境(例えば、pH、イオン強度など)を提供することができる。例えば、トリス-塩酸塩の緩衝剤がPCR法に有用であり得る。
DNAポリメラーゼの機能性には二価カチオンも必要とされ得、非限定的な例としては、マグネシウムイオン(Mg2+)およびマンガン(Mn2+)イオンが挙げられる。例えば、カリウムイオン(K+)などの一価カチオンが含まれ得、望ましくない非特異的な増幅産物の産生を最小限に抑えるのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、PCR反応のための試薬は、分析物の存在について血液または他の液体試料を試験するように設計されたアッセイの一構成成分であり得る。例えば、以下のプロトコルのうちのいずれかによって塩化物イオンが測定され得、これらのアッセイの構成成分は、保管場所に存在することができる。比色法:塩化物イオンが、チオシアン酸第二水銀からのチオシアン酸を置換する。遊離チオシアネートは第二鉄イオンと反応して着色錯体チオシアン酸第三鉄を形成し、これは測光的に測定される。電量法:銀電極間の一定の直流の通過が銀イオンを産生し、これが塩化物と反応して塩化銀を形成する。全ての塩化物が銀イオンと結合した後、遊離銀イオンが蓄積し、電極にわたる電流の増加を引き起こし、反応の終点を示す。水銀測定法:塩化物が水銀イオンの標準溶液で滴定され、HgCl2可溶性複合体を形成する。反応の終点は、過剰な水銀イオンが指示色素であるジフェニルカルバゾンと結合して青色を形成するときに比色分析によって検出される。同様に、マグネシウムは、カルマガイトを使用して比色により測定することができ、カルマガイトは、マグネシウムと反応すると赤紫色に変わり(ホルマザン色素試験による)、マグネシウムとの反応、またはマグネシウムと結合して青色の錯体を形成するメチルチモールブルーを使用すると、600nmで発光する。同様に、カルシウムは、O-クレゾールフタレインコンプレクソンとカルシウムとの反応で紫色に変わるO-クレゾールフタレインを使用している比色技術によって検出することができる。同様に、重炭酸塩(HCO3-)およびホスホエノールピルビン酸(PEP)が、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)によって触媒される反応においてオキサロ酢酸およびリン酸塩に変換されるため、二色で試験され得る。リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(MD)は、還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の同時酸化を伴うオキサロ酢酸のマレートへの還元を触媒する。このNADHの酸化は、試料の重炭酸塩含有量に比例して、380/410nmで二色により測定される反応混合物の吸光度の減少をもたらす。血中尿素窒素は、比色試験で検出され得、ジアセチルまたはフィアロンが尿素と共に黄色の色原体を発色させ、測光、または尿素をアンモニアおよび炭酸に変換する酵素ウレアーゼの複数回使用によって定量化され得、これは、例えば、i)アンモニアがアルファ-ケトグルタル酸と反応したときの340nmでの吸光度を減少、ii)尿素が加水分解される溶液の伝導率の増加率の測定によってアッセイされ得る。同様に、クレアチニンは、試料をアルカリ性ピクラート溶液で処理して赤色の錯体をもたらすことにより、比色により測定することができる。加えて、クレアチニンは、クレアチニンがクレアチニンイミノヒドロラーゼによって加水分解されるときに生成されるアンモニアを測定する非ジャッフェ反応を使用して測定することができる。グルコースは、濃度を推定するために血液を一定期間、一定量のグルコースオキシダーゼに曝されるアッセイにおいて測定することができる。指定された時間後に、過剰な血液が除去され、色が発色し、これは、グルコース濃度を推定するために使用される。例えば、グルコースとのグルコースオキシダーゼ反応は、ヨウ化カリウム(ろ紙中)をヨウ素に変換し、茶色を形成する発生期の酸素を形成する。血液中のグルコースレベルの間接的な読み取りとしてのグリコシル化ヘモグロビンの濃度。赤血球の溶血血液がクロマトグラフされるとき、ヘモグロビンA1a、A1b、およびA1cと名づけられた3つ以上の小さいピークが、主要なヘモグロビンAピークの前に溶出される。これらの「迅速」ヘモグロビンは、二段階反応におけるグルコースのヘモグロビンへの不可逆的付着によって形成される。ヘキソキナーゼは、グルコースがアデノシン三リン酸(ATP)およびマグネシウムイオンの存在下でヘキソキナーゼ(HK)によってリン酸化されて、グルコース-6-リン酸およびアデノシン二リン酸(ADP)を産生するアッセイにおいて測定され得る。グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6P-DH)は、グルコース-6-リン酸をグルコン酸-6-リン酸に特異的に酸化させ、同時にNAD+をNADHに還元する。340nmでの吸光度の増加は、試料中のグルコース濃度に比例する。HDL、LDL、トリグリセリドは、コレステロールの加水分解および抽出後に、620nmでのリーベルマン‐バーチャード試薬(無水酢酸、氷酢酸、および濃硫酸の混合試薬)による発色を伴うアベル‐ケンダル法を使用して測定され得る。トリグリセリド参照値を決定するために、蛍光分析が使用され得る。血漿高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)の決定は、ヘパリン塩化マンガンによる全血漿(LDLおよびVLDL)のアポタンパク質B含有リポタンパク質の沈殿後、血漿総コレステロールに使用されるのと同じ手順により測定される。これらの化合物は、コレステロールエステルおよび遊離コレステロールの両方を定量化する酵素駆動反応に基づいたアッセイにおいて比色により検出することもできる。コレステロールエステルは、コレステロールエステラーゼを介してコレステロールに加水分解され、これは次にコレステロールオキシダーゼによってケトンコレスト-4-エン-3-オンと過酸化水素に酸化される。次に、過酸化水素は、非常に特異的な比色プローブで検出される。西洋ワサビペルオキシダーゼは、1:1の比率で結合するプローブと過酸化水素との間の反応を触媒する。試料は、コレステロール標準の既知の濃度と比較され得る。
PCRの単一サイクルは、典型的には、変性ステップ、アニーリングステップ、および伸長ステップを含む一連のステップを含む。変性中、二本鎖DNAの各塩基対の塩基間で形成される水素結合が破壊されるように、二本鎖DNAテンプレートが個々の鎖に融解され得る。変性後、アニーリングステップが完了し、反応混合物は、プライマーが元の個々の鎖の各々に存在する相補配列とハイブリダイズする条件下でインキュベートされる。アニーリング後、伸長ステップが開始し、反応混合物に存在するdNTPを使用して、プライマーがDNAポリメラーゼによって伸長される。伸長の終わりに、2つの新しい二本鎖DNA分子が生じ、各々がDNAテンプレートの元の個々の鎖のうちの1つを含む。PCRの各ステップは一般に、反応混合物の加熱または冷却から生じる反応混合物の温度の変化によって開始される。1回の増幅が完了すると、熱サイクルは、さらなる回の増幅のために繰り返され得る。複製増幅産物の生成は、後続の各熱サイクルと共に理論的に指数関数的である。例えば、単一のDNAテンプレートの場合、各ステップnは、合計r個の複製をもたらすことができる。
PCR増幅を成功させるには、各ステップにおける高収率、高選択性、および制御された反応速度が必要である。収率、選択性、および反応速度も一般に、温度に依存し、最適な温度は、反応混合物中のポリヌクレオチド、酵素、および他の構成成分の組成および長さに依存する。加えて、異なるステップまたは異なる核酸が増幅されるために、異なる温度が最適であり得る。さらに、テンプレートDNAの配列、設計されたプライマーの配列、および反応混合物の組成に応じて、最適な反応条件は異なり得る。維持される温度、サイクルの各部分の継続時間、サイクル数、温度変化率などを選択することによって、PCR反応の実施に使用され得るサーマルサイダーがプログラムされ得る。
PCRのプライマーは、既知のアルゴリズムに従って設計され得る。例えば、プライマーを設計するために、市販のソフトウェアまたはカスタムソフトウェアに実装されるアルゴリズムが使用され得る。いくつかの例では、プライマーは、少なくとも約12個の塩基からなることができる。他の例では、プライマーは、少なくとも約15、18、または20塩基長からなることができる。さらに他の例では、プライマーは、最大50+塩基長であり得る。プライマーは、特定の反応に関与するプライマーの全てが、互いの少なくとも約5℃以内、より典型的には約2℃以内である融解温度を有するように設計され得る。プライマーは、自己ハイブリダイゼーションまたは他の所望のプライマーとのハイブリダイゼーションを回避するためにさらに設計され得る。当業者は、反応混合物中のプライマーの量または濃度が、例えば、所与のテンプレートDNAに対するプライマーの結合親和性および/または利用可能なテンプレートDNAの量に従って変動することを認識するであろう。典型的なプライマー濃度は、例えば、0.01μM~0.5μMの範囲であり得る。
例示的なPCR反応では、二本鎖DNAテンプレートおよびPCRに必要な追加試薬を含む反応混合物が約80~98℃に加熱され、その温度で約10~90秒間保持されて、DNAテンプレートをその個々の鎖に変性させる。次いで、アニーリングステップ中に、各個々の鎖は、反応混合物を約30~65℃の温度に冷却し、その温度で約1~2分間保持することによって、反応混合物に含まれるそのそれぞれのプライマーにハイブリダイズされる。次いで、伸長ステップが開始され、dNTPをプライマーに付加するDNAポリメラーゼの作用によって、各個々の鎖にハイブリダイズされたそれぞれのプライマーの伸長が生じる。反応混合物を約70~75℃の温度に加熱し、その温度で30秒~5分間保持することによって、伸長が開始される。反応は、例えば、DNAテンプレートの初期量、所望の増幅産物の長さ、dNTPの量、プライマーの量、および/またはプライマーの厳密性に応じて、任意の所望のサイクル数で繰り返され得る。
一般的なPCR法が核酸増幅に有用であり得るが、他のより特殊な形態のPCRが、所与の用途にさらに有用であり得る。一般的に使用される、より特殊な形態のPCRの非限定的な例としては、逆転写PCR(RT-PCR)(例えば、米国特許第7,883,871号)、定量PCR(qPCR)(例えば、米国特許第6,180,349号)、リアルタイム定量PCR(RTQ-PCR)(例えば、米国特許第8,058,054号)、対立遺伝子特異的PCR(例えば、米国特許第5,595,890号)、アセンブリPCR(例えば、米国特許公開第20120178129号)、非対称PCR(例えば、欧州特許公開第EP23 73 807号)、ダイヤルアウトPCR(例えば、Schwartz J,NATURE METHODS、2012年9月;9(9):913-915)、ヘリカーゼ依存性PCR(例えば、Vincent M,EMBO REPORTS 5,2004,5(8)):795-800)、ホットスタートPCR(例えば、欧州特許公開第EP1419275号)、逆PCR(例えば、米国特許第6,607,899号)、メチル化特異的PCR(例えば、欧州特許公開第EP1690948号)、ミニプライマーPCR(米国特許公開第2012/0264132号)、マルチプレックスPCR(米国特許公開第2012/0264132号)、ネステッドPCR(米国特許公開第2012/0264132号)、オーバーラップエクステンションPCR(米国特許公開第2012/0264132号)、熱非対称インターレースPCR(米国特許公開第2012/0264132号)、およびタッチダウンPCR(米国特許公開第2012/0264132号)が挙げられる。本明細書で開示されるデバイス、装置、システム、および/または方法は、そのようなより特殊な形態のPCRを実行するために利用され得る。
RT-PCR反応
本開示のデバイス、装置、システム、および方法は、RT-PCR増幅反応の完了を含むことができ、したがって、試料は、RT-PCR反応を完了するのに必要な試薬を含むことができる。そのような試薬の非限定的な例としては、PCR反応を完了するのに必要な試薬、逆転写酵素、および相補的DNA(cDNA)補体を合成するために使用され得るRNAテンプレートが挙げられる。cDNA増幅の前に逆転写酵素が除去されなければならない場合、サーマルサイクラーに供給される試料は、PCR反応を完了するのに必要な試薬を含有することができず、別個の増幅反応を必要とする可能性がある。一般に、試料中の各試薬の比は、変動し得、例えば、増幅される核酸の量および/または増幅産物の所望の量に依存し得る。RT-PCR増幅反応に必要な各試薬の比を決定する方法は、一般に当業者に既知である。
逆転写とは、逆転写酵素によってリボ核酸(RNA)がその一本鎖相補的DNA(cDNA)に複製されるプロセスを指す。逆転写酵素の非限定的な例としては、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)転写酵素、トリ骨髄芽球症ウイルス(AMY)転写酵素、AMV転写酵素の変異体、またはエンドH活性を有する逆転写酵素が挙げられる。逆転写PCR(RT-PCR)では、一般にエンドH3活性を有する逆転写酵素が、RNAテンプレートおよびPCRに必要な試薬を含む反応混合物に添加される。逆転写酵素は、適切な条件でdNTPをRNAテンプレートにハイブリダイズすることによって、cDNAへのRNAテンプレート複製を完了することができる。
複製の終わりに、逆転写酵素は、RNAテンプレートから複製された一本鎖cDNAを除去して、上記のPCR法でcDNAの追加複製を可能にすることができる。例えば、RNAの配列などのRNAに関する情報を収集するために、PCRから産生されたcDNAおよびその増幅産物が間接的に使用され得る。逆転写酵素によってRNAから合成されたcDNA産物は、反応混合物から除去されて、別の後続のPCR反応のセットでDNAテンプレートとして使用され得るか、またはPCRを介した増幅が原位置で生じることができ、逆転写酵素は、PCRに必要な試薬を有する反応混合物中に含まれる。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応
本開示のデバイス、装置、システム、および方法は、Q-PCRまたはRTQ-PCR増幅反応の完了を含むことができ、したがって、試料は、Q-PCRまたはRTQ-PCR増幅反応を完了するのに必要な試薬を含むことができる。そのような試薬の非限定的な例としては、PCR反応を完了するために必要な試薬、および増幅産物を検出するために使用されるレポーターが挙げられる。一般に、試料中の各試薬の比は、変動し得、例えば、増幅される核酸の量および/または増幅産物の所望の量に依存し得る。Q-PCRまたはRTQ-PCR増幅反応に必要な各試薬の比を決定する方法は、一般に当業者に既知である。
定量PCR(Q-PCR)は、試料中のテンプレートDNAの量が定量化されるPCRのバリエーションである。一般に、PCR法によって産生された増幅産物は、例えば、蛍光色素などのレポーターに結合される。反応の終了時に、レポーターが検出され得、結果が逆算されて(レポーター対DNAの会合比および既知の熱サイクル数に基づいて)、存在する元のDNAテンプレートの量を決定することができる。いくつかの例では、増幅が進行するにつれて、蛍光色素がリアルタイムで検出され得る。そのようなQ-PCRのバリエーションは、リアルタイム定量PCR(RTQ-PCR)、リアルタイムPCR、または動的PCRと適切に呼ばれ得る。試料中に特定のDNAテンプレートが存在するかどうかを判断するために、Q-PCRおよびRTQ-PCRの両方が使用され得る。しかしながら一般に、PCRサイクルの数が増加するにつれて反応効率が変化する可能性があるため、RTQ-PCR法は、所望の熱サイクル数の完了時に得られる増幅産物の集合体ではなく、合成されたときの増幅産物に対して測定が行われるため、一般により感度が高く、より信頼性が高く、したがって当業者によってより頻繁に用いられ得る。Q-PCRおよびRTQ-PCRはまた、例えば、RT-PCRなどの他のPCR法と組み合わされ得る。Q-PCRまたはRTQ-PCRを他のPCR法と組み合わせる例示的な有用性として、レポーターがRT-PCR反応混合物中に含まれて、低レベルのメッセンジャーRNA(mRNA)を、その関連するcDNAの複製を介して検出および/または定量化することができ、これは、特定の細胞または組織における相対的な遺伝子発現の定量化を可能にすることができる。
Q-PCRおよびRTQ-PCR法の一部として、増幅されたDNAを定量化するために1つ以上のレポーターが使用され得る。レポーターは、共有結合および/または非共有結合(例えば、イオン性相互作用、ファンデルワールス力、疎水性相互作用、水素結合など)の両方によってDNAと会合され得る。例えば、二本鎖DNAと非共有結合的にインターカレートする蛍光色素が、レポーターとして使用され得る。別の例では、相補的DNAとハイブリダイズすると蛍光を発するDNAオリゴヌクレオチドプローブが、レポーターとして使用され得る。いくつかの例では、レポーターは、初期反応物に結合することができ、増幅されたDNAを検出するために、レポーターレベルの変化が使用され得る。他の例では、レポーターは、DNA増幅の進行中にのみ検出可能または検出不可能であり得る。レポーターの検出は、当技術分野で好適な多くの検出システムのうちの1つで達成され得る。光学検出器(例えば、蛍光計、紫外線/可視光吸収分光光度計)または分光検出器(例えば、核磁気共鳴(NMR)、赤外分光法)が、例えば、レポーター検出の有用なモダリティであり得る。例えば、ゲル電気泳動などのゲルベースの技術も検出に使用され得る。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、検出され得るインターカレーターであり得る。インターカレーターは一般に、相補的塩基間の水素結合を破壊することによってDNAに結合し、代わりにそれ自体が破壊された塩基間に適合する。インターカレーターは、1つ以上の破壊された塩基とその独自の水素結合を形成することができる。インターカレーターの非限定的な例としては、SYBRグリーン、SYBRブルー、DAPI、ヨウ化プロピジウム、Hoeste、SYBRゴールド、臭化エチジウム、アクリジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリフラビン、フルオルマニン、エリプチシン、ダウノマイシン、クロロキン、ジスタマイシンD、クロモマイシン、ホミジウム、ミトラマイシン、ルテニウムポリピリジル、アントラマイシン、フェナントリジンおよびアクリジン、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジウム、ジヒドロエチジウム、エチジウムホモダイマー-1および-2、エチジウムモノアジド、ならびにACMAが挙げられる。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、検出され得るマイナーグルーブバインダーであり得る。マイナーグルーブバインダーの非限定的な例としては、インドールおよびイミダゾールが挙げられる(例えば、Hoechst 33258、Hoechst 33342、Hoechst 34580、およびDAPI)。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、検出され得る核酸染色であり得る。核酸染色の非限定的な例としては、アクリジンオレンジ(インターカレーションも可能)、7-AAD、アクチノマイシンD、LDS751、ヒドロキシスチルバミジン、SYTOXブルー、SYTOXグリーン、SYTOXオレンジ、POPO-1、POPO-3、YOYO-1、YOYO-3、TOTO-I、TOTO-3、JOJO-I、LOLO-1、BOBO-1、BOBO-3、PO-PRO-1、PO-PRO-3、BO-PRO-1、BO-PRO-3、TO-PRO-1、TO-PRO-3、TO-PRO-5、JO-PRO-1、LO-PRO-1、YO-PRO-1、YO-PRO-3、PicoGreen、OliGreen、RiboGreen、SYBRゴールド、SYBRグリーンI、SYBRグリーンII、SYBR DX、SYTO-40、-41、-42、-43、-44、-45(青)、SYTO-13、-16、-24、-21、-23、-12、-11、-20、-22、-15、-14、-25(緑)、SYTO-81、-80、-82、-83、-84、-85(オレンジ)、SYTO-64、-17、-59、-61、-62、-60、-63(赤)が挙げられる。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、検出され得る蛍光色素であり得る。蛍光色素の非限定的な例としては、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、ローダミン、テトラメチルローダミン、R-フィコエリスリン、Cy-2、Cy-3、Cy-3.5、Cy-5、Cy5.5、Cy-7、テキサスレッド、Phar-Red、アロフィコシアニン(APC)、SybrグリーンI、SybrグリーンII、Sybrゴールド、CellTrackerグリーン、7-AAD、エチジウムホモダイマーI、エチジウムホモダイマーII、エチジウムホモダイマーIII、臭化エチジウム、ウンベリフェロン、エオシン、緑色蛍光タンパク質、エリスロシン、クマリン、メチルクマリン、ピレン、マラカイトグリーン、スチルベン、ルシファーイエロー、カスケードブルー、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル、ユーロピウムおよびテルビウムを含むものなどの蛍光ランタニド錯体、カルボキシテトラクロロフルオレセイン、5および/もしくは6-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(もしくは6-)ヨードアセトアミドフルオレセイン、5-{[2(および3)-5-(アセチルメルカプト)-スクシニル]アミノ}フルオレセイン(SAMSA-フルオレセイン)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、5および/もしくは6カルボキシローダミン(ROX)、7-アミノメチル-クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸(AMCA)、BODIPYフルオロフォア、8-メトキシピレン-1,3,6-トリスルホン酸三ナトリウム塩、3,6-ジスルホネート-4-アミノナフタルイミド、フィコビリタンパク質、AlexaFluor 350、405、430、488、532、546、555、568、594、610、633、635、647、660、680、700、750、および790色素、DyLight 350、405、488、550、594、633、 650、680、755、および800色素、または当業者に既知の他のフルオロフォアが挙げられる。Q-PCRおよびRTQ-PCR法に有用であり得るフルオロフォアの詳細なリストについては、Hermanson,G.T.,BIOCONJUGATE TECHNIQUES(Academic Press,San Diego,1996)およびLakowicz,J.R.,PRINCIPLES OF FLUORESCENCE SPECTROSCOPY,(Plenum Pub Corp,2nd edition(July 1999))も参照されたい(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、検出され得る放射性種であり得る。Q-PCRおよびRTQ-PCR法に有用であり得る放射性種の非限定的な例としては、14C 1231 1241 1251 131 I、Tc99m、35S、または3Hが挙げられる。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、検出可能なシグナルを生じさせることができる酵素であり得る。そのようなシグナルは、酵素のその所与の基質に対する作用によって生じ得る。Q-PCRまたはRTQ-PCR法に有用であり得る酵素の非限定的な例としては、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、I2-ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、~-ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、およびルシフェラーゼが挙げられる。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、検出され得る親和性リガンド標識であり得る。特定のリガンドは、例えば、蛍光色素などの標識を含むことができ、標識リガンドのその基質への結合は、有用なシグナルを生じさせることができる。Q-PCRまたはRTQ-PCR法に有用であり得る結合対の非限定的な例としては、ストレプトアビジン/ビオチン、アビジン/ビオチン、または抗原/抗体複合体、例えば、ウサギIgGおよび抗ウサギIgGなどが挙げられる。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、光散乱または表面プラズモン共鳴(SPR)を介して検出され得るナノ粒子であり得る。SPRベースの検出に有用な材料の非限定的な例としては、金および銀材料が挙げられる。Q-PCRまたはRTQ-PCR反応に有用であり得る他のナノ粒子は、量子ドット(Qdot)であり得る。Qdotは一般に、例えば、米国特許第6,207,392号に記載される半導体ナノクリスタルで構成される。Qdotの産生に使用産生され得る半導体材料の非限定的な例としては、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、GaAs、InGaAs、InP、InAs、またはそれらの混合組成物が挙げられる。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応で使用されるレポーターは、標識オリゴヌクレオチドプローブであり得る。プローブベースの定量法は、標識オリゴヌクレオチドを使用して、所望のDNAテンプレートの増幅産物の配列特異的検出に依存する。オリゴヌクレオチドは、プライマーまたはより長い異なるタイプのオリゴヌクレオチドであり得る。オリゴヌクレオチドは、DNAまたはRNAであり得る。結果として、非配列特異的レポーターとは異なり、標識された配列特異的プローブは、増幅産物中のいくつかの塩基とハイブリダイズし、したがって検出の特異性および感度の増加をもたらす。プローブに結合された標識は、上記の様々なレポーターのうちのいずれかであり得、消光剤(例えば、蛍光を阻害するために使用される分子)も含むことができる。プローブベースの定量的増幅を実施するための方法は、米国特許第5,210,015号に記載され、これは、参照により全体が本明細書に組み込まれる。Q-PCRまたはRTQ-PCR反応に有用であり得るプローブの非限定的な例としては、TaqManプローブ、TaqMan Tamaraプローブ、TaqMan MGBプローブ、またはLionプローブが挙げられる。
消光剤および蛍光色素の様々な配置が、両方が使用される場合に使用され得る。例えば、分子ビーコンの場合、消光剤は、ヘアピン構造を形成することが可能なオリゴヌクレオチドの一方の末端に結合される。オリゴヌクレオチドのもう一方の末端には蛍光色素がある。増幅産物上の相補配列に結合していない場合、オリゴヌクレオチドは、それ自体と相互ハイブリダイズし、ヘアピン構成をとる。ヘアピン構成では、蛍光色素および消光剤が近接し、色素の蛍光を効果的に防止する。しかしながら、所望のテンプレートDNAの増幅産物とハイブリダイズすると、オリゴヌクレオチドは、線形にハイブリダイズし、蛍光と消光剤が分離し、色素からの蛍光が達成され、続いて検出され得る。他の例では、隣接位置に保持された蛍光色素および消光剤を含む線形のRNAベースのプローブが検出に使用され得る。色素が消光剤に近接していることが、その蛍光を防止する。しかしながら、DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性でプローブを分解すると、消光剤および色素は分離され、遊離色素が蛍光を発して、検出され得る。異なるプローブが異なる配列のために設計され得るため、多重化が可能である。多重化検出では、各所望のDNAテンプレートに対して異なるレポーターで標識された異なるプローブを使用することによって、同じ反応混合物中の複数のDNAテンプレートをアッセイすることが可能であり得る。
Q-PCRまたはRTQ-PCR反応は、単一のレポーターを含むことができるか、または複数のレポーターを含むことができる。1つ以上の検出法が定量化のために使用され得る。さらに、Q-PCRおよびRT-PCRが一般に定量化ステップのみを追加するため、それは一般に、あらゆるタイプのPCR反応に連結され得る。
LCR反応
本開示のデバイス、装置、システム、および方法は、LCR増幅反応(または本明細書の別の箇所に記載のLCR反応の任意のステップ)の完了を含むことができ、したがって、試料は、LCR増幅反応を完了するのに必要な試薬を含むことができる。そのような試薬の非限定的な例としては、増幅されるテンプレートDNA分子、テンプレートDNA上の標的配列の異なるが他に隣接する部分と各々がハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドプローブのセット、DNAリガーゼ、所望のLCR反応に適したpHおよび濃度の緩衝剤、一価カチオン、および二価カチオンが挙げられる。一般に、試料中の各試薬の比は、変動し得、例えば、増幅される核酸の量および/または増幅産物の所望の量に依存し得る。LCR増幅反応に必要な各試薬の比を決定する方法は、一般に当業者に既知である。
LCRは一般に、PCRに似た方法であるが、いくつかの重要で主要な違いがある。一般的なLCRとPCRの主要な違いは、LCRがDNAポリメラーゼによるヌクレオチドの重合ではなく、DNAリガーゼ酵素を使用してオリゴヌクレオチドプローブを増幅して増幅産物を産生することである。LCRでは、DNAテンプレートに特異的である2つの相補的なオリゴヌクレオチドプローブ対が使用され得る。複製されるテンプレートDNAのその個々の鎖への変性後、各プローブ対は、テンプレートのそのそれぞれの個々の鎖の隣接位置にハイブリダイズすることができる。プライマーは一般に、LCRでは使用されない。テンプレートDNAに相補的なDNAの連続鎖を産生するために、2つのプローブの結合によって作り出されたギャップおよび/またはニックが酵素DNAリガーゼによって密封され得る。ただし、PCRと同様に、LCRは一般に、熱サイクリングを必要とし、熱サイクルの各部分が反応の特定のステップを駆動する。温度変化を繰り返すと、DNAテンプレートの変性、オリゴヌクレオチドプローブのアニーリング、オリゴヌクレオチドプローブのライゲーション、元のDNAテンプレートからのライゲーションユニットの分離が生じ得る。さらに、1つの熱サイクルで合成されたライゲーションユニットは、次の熱サイクルで複製され得る。各熱サイクルによりDNAテンプレートが2倍になり、PCRと同様の方法でテンプレートDNAが指数関数的に増幅する。
ギャップLCR反応
本開示のデバイス、装置、システム、および方法は、ギャップLCR増幅反応の完了を含むことができ、したがって、試料は、ギャップLCR増幅反応を完了するのに必要な試薬を含むことができる。そのような試薬の非限定的な例としては、LCR反応を完了するために必要な試薬が挙げられ、オリゴヌクレオチドプローブのセットは各々、テンプレートDNA、dNTP、およびDNAポリメラーゼ上の標的配列の異なる非隣接部分とハイブリダイズすることができる。一般に、試料中の各試薬の比は、変動し得、例えば、増幅される核酸の量および/または増幅産物の所望の量に依存し得る。ギャップLCR増幅反応に必要な各試薬の比を決定する方法は、一般に当業者に既知である。
ギャップLCRは、特定の配列がDNAテンプレート中に存在しない場合はライゲーションすることができない修飾オリゴヌクレオチドプローブを利用する特殊なタイプのLCRである。プローブは、DNAテンプレートの個々の鎖にハイブリダイズするときに、それを不連続に行い、一般に1個からいくつかの塩基対のギャップによって分離されるように設計され得る。ギャップは、DNAポリメラーゼを使用してdNTPで充填され得、これにより2つの元のプローブが隣接することができる。一般的なLCRにあるように、DNAリガーゼは、元のテンプレートに相補的なDNAの連続鎖を産生するために、2つの結果として生じる隣接プローブを結合することができる。新しく合成された鎖は、テンプレート増幅のさらなる熱サイクルに使用され得る。ギャップLCRは一般に、テンプレートDNA上に所望の配列が存在しない場合のライゲーションを最小限に抑えるため、LCRよりも高い感度を有する。さらに、DNAリガーゼおよびDNAポリメラーゼの両方を組み合わせて使用すると、低レベルのDNAテンプレートが利用可能である場合でさえ、目的の配列をより正確に特定することもできる。
加えて、LCRがDNA複製法であるため、RT-PCR、Q-PCR、およびRTQPCRに類似した方法が可能である。例えば、上記で指定したレポーターのいずれも、定量(Q-LCR)またはリアルタイム定量LCR(RTQ-LCR)反応での使用が検討され得る。さらに、LCR法は、PCRまたは他の核酸増幅技術と組み合わされ得る。
Q-LCRおよびLTQ-LCR反応
本開示のデバイス、装置、システム、および方法は、Q-LCRおよびLTQ-PCR反応の完了を含むことができ、したがって、試料は、Q-LCRおよびRTQ-LCR反応を完了するのに必要な試薬を含むことができる。そのような試薬の非限定的な例としては、LCR反応を完了するために必要な試薬、および増幅産物を検出するために使用されるレポーターが挙げられる。一般に、試料中の各試薬の比は、変動し得、例えば、増幅される核酸の量および/または増幅産物の所望の量に依存し得る。Q-LCRおよびRTQ-LCR増幅反応に必要な各試薬の比を決定する方法は、一般に当業者に既知である。
LCRがDNA複製法であるため、RT-PCR、Q-PCR、およびRTQPCRに類似した方法が可能である。例えば、上記で指定したレポーターのいずれも、定量(Q-LCR)またはリアルタイム定量LCR(RTQ-LCR)反応での使用が検討され得る。さらに、LCR法は、PCRまたは他の核酸増幅技術と組み合わされ得る。
デジタル核酸増幅反応
本開示のデバイス、装置、システム、および方法は、デジタル核酸増幅反応の完了を含むことができ、したがって、試料は、デジタル核酸増幅反応を完了するのに必要な試薬を含むことができる。一般に、核酸増幅に必要な試料および/または試薬をより小さい区分に適切に分離すると、本明細書で考察される例示的な核酸増幅反応のいずれもデジタル形式で実行され得る。いくつかの実施形態では、そのような区分は、液滴であってもよいか、または元の試料のより大きいアリコートであってもよい。一般に、区分内の各試薬の比は、変動し得、例えば、各液滴中の増幅される核酸の量および/または増幅産物の所望の量に依存し得る。特定のデジタル核酸増幅反応に必要な各試薬の比を決定する方法は、一般に当業者に既知である。
デジタル核酸増幅は、より大きい試料から得られた区分に分割された核酸テンプレートのサブセットの増幅を可能にする技術である。場合によっては、区分は、単一の核酸テンプレートを含むことができ、これによりテンプレートの増幅から生成された増幅産物は、テンプレートのみから得られる。増幅産物は、本明細書に記載されるこれらの例示的なレポーターのいずれかを含むレポーターを使用して検出され得る。単一の核酸テンプレートの増幅は、例えば、遺伝子の野生型対立遺伝子、突然変異体対立遺伝子、母性対立遺伝子、または父性対立遺伝子を含む遺伝的変異を識別するのに有用であり得る。PCRに関するこの技術のより包括的な考察は、別の場所で見つけることができ、Pohl et al.,Expert Rev.Mol.Diagn.,4(1):41-7(2004)、およびVogelstein and Kinzler,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:9236-9241(1999)を参照されたい(これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。完全な反応混合物(例えば、増幅される核酸テンプレートおよび所望の核酸増幅反応に必要な試薬の両方を含む反応混合物)を含む区分の適切な熱サイクリングが達成される限り、本明細書で考察される例示的な核酸増幅反応のうちのいずれかが、デジタルで実行され得る。実際、デジタル核酸増幅法は、それらの非デジタルの類似物のように熱サイクリングおよび正確な温度制御が依然として必要である。
デジタル核酸増幅反応では、大きい試料が多くの小さい区分に分割され、それにより区分は、平均して核酸テンプレートの単一コピーまたはテンプレートの複数コピーを含有することができる。個々の核酸分子は、多くのデバイスおよび戦略を用いて分配され得、非限定的な例としては、マイクロウェルプレート、キャピラリー、エマルジョンを含む分散液、小型チャンバのアレイ、核酸結合表面、フローセル、液滴区分、またはそれらの組み合わせが挙げられる。各区分は、最適な核酸増幅反応を使用して、熱サイクルされて、その構成成分テンプレート核酸の増幅産物を生成することができ、そのような反応の非限定的な例としては、デジタルPCR(dPCR)核酸増幅反応、デジタルLCR(dLCR)核酸増幅反応、デジタルRT-PCR(dRT-PCR)核酸増幅反応、デジタル(dRT-LCR)核酸増幅反応、デジタルQ-PCR(dQ-PCR)核酸増幅反応、デジタルQ-LCR(dQ-LCR)核酸増幅反応、デジタルRTQ-PCR(dRTQ-PCR)核酸増幅反応、デジタルLTQ-LCR(dLTQ-LCR)核酸増幅反応、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
レポーターが使用される場合、各区分は、目的の特定の核酸テンプレートに対して「陽性」または「陰性」とみなされ得る。陽性の数が計数され得、したがって、その計数に基づいて予め分配された試料中のテンプレートの開始量を推測することができる。いくつかの例では、元の試料中の核酸テンプレート集団の区分がポアソン分布に従うと仮定することによって、計数が達成され得る。そのような分析に基づいて、各区分は、目的の核酸テンプレートを含む(例えば「陽性」とラベル付けされる)または目的の核酸テンプレートを含まない(例えば「陰性」とラベル付けされる)としてラベル付けされる。核酸増幅後、「陽性」反応を含む区分の数を計数することによって、テンプレートが定量化され得る。さらに、デジタル核酸増幅は、元の試料中に存在する核酸テンプレートの初期量を決定するために、増幅サイクルの数に依存しない。この依存性の欠如は、不確実な指数関数的増幅に関する仮定に依存することを排除し、したがって、直接的で絶対的な定量化の方法を提供する。
最も一般的には、区分内の核酸テンプレートの適切な濃度に到達するために、開始試料の複数の連続希釈が使用される。各区分の体積は、例えば、増幅産物の生成に使用されるサーマルサイクラーの体積容量を含む多くの要因に依存し得る。さらに、デジタル核酸増幅によって実行される定量分析は一般に、低い偽陽性率で核酸テンプレートの単一コピーを確実に増幅する必要があり得る。そのような能力は、マイクロリットル規模の容器で慎重に最適化する必要があり得る。さらに、核酸増幅反応の分析精度は、反応の数に依存し得る。
いくつかの実施形態では、デジタル核酸増幅反応は、液滴デジタル核酸増幅反応であり得る。そのような核酸増幅反応の非限定的な例としては、液滴デジタルPCR(ddPCR)、液滴デジタルRT-PCR(ddRT-PCR)、液滴デジタルQ-PCR(ddQ-PCR)、液滴デジタルRTQ-PCR(ddRTQ-PCR)、液滴デジタルLCR(ddLCR)、液滴デジタルRT-LCR(ddRT-LCR)、液滴デジタルQ-LCR(ddQ-LCR)、もしくは液滴デジタルRTQ-LCR(ddRTQ-PCR)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
場合によっては、デジタル核酸増幅反応は、液滴デジタル核酸増幅反応であり得る。例えば、そのような核酸増幅反応は、液滴デジタルPCR(ddPCR)核酸増幅反応であり得る。ddPCR核酸増幅反応は、最初に核酸を含むより大きい試料を複数の液滴に分配することによって完了され得る。各液滴は、元の試料中の核酸のランダムな区分を含む。次いで、液滴は、PCR反応に必要な試薬を含む異なる液滴と組み合わされ得る(例えば、テンプレートDNA上の標的配列とハイブリダイズすることができる2種のプライマーのセット、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)、所望のPCR反応に適したpHおよび濃度の緩衝剤、一価カチオン、および二価カチオン)。新しい組み合わされた液滴は、サーマルサイクラーで適切に熱サイクルされ、PCRが開始される。あるいは、試料は、液滴に分配する前にPCRに必要な試薬をすでに含むことができ、したがって、他の液滴との液滴の組み合わせは必要とされない。
同様の手順に従って、液滴デジタルRT-PCR(ddRT-PCR)核酸増幅反応、液滴デジタルLCR(ddLCR)核酸増幅反応、液滴デジタルRT-PCR(ddRT-LCR)核酸増幅反応、液滴デジタルQ-PCR(ddQ-PCR)核酸増幅反応、液滴デジタルRTQ-PCR(ddRTQ-PCR)核酸増幅反応、液滴デジタルQ-LCR(ddQ-LCR)核酸増幅反応、または液滴デジタルRTQ-LCR(ddRTQ-LCR)反応を完了することができる。
定量的液滴デジタル核酸増幅反応(例えば、ddQ-PCR、ddRTQ-PCR、ddQ-LCR、またはddRTQ-LCR)の場合、液滴は、増幅産物を検出するために使用されるレポーターも含むことができる。そのようなレポーターは、液滴を組み合わせることによって核酸と接触することができるか、または増幅される核酸テンプレートを含む区分内にすでに含まれ得る。
液滴核酸増幅は、様々な試料ホルダーを使用して完了され得る。いくつかの例では、液滴は、試料ホルダーの1つ以上のウェルに適用され、次いで熱サイクルされ得る。他の例では、例えば、フローセルまたはマイクロ流体デバイスなどの流体チャネルを備えるデバイスが使用され得る。試料ホルダー(またはサーマルサイクラーの他の構成要素)を通して液滴を輸送するために流体チャネルが使用され得、これにより試料ホルダー(またはサーマルサイクラーの他の構成要素)の異なる温度領域と液滴が熱接触すると、液滴の適切な熱サイクリングが生じる。
関連文書
本発明は、様々な構成要素が互いに矛盾しない限り、複数の方法で組み合わされ得る、様々な実施形態を含む。実施形態は、単一の発明出願とみなされるべきである。各ファイリングは、個別の独立としてではなく、参照として他の出願を有し、その全体においておよびあらゆる目的のために参照される。これらの実施形態は、本出願の開示だけでなく、本明細書で参照され、組み込まれ、または優先権が主張される文書も含む。
定義
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法を説明するために使用される用語は、本出願、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に定義されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
「CROFカード(またはカード)」、「COFカード」、「QMAXカード」、「Qカード」、「CROFデバイス」、「COFデバイス」、「QMAXデバイス」、「CROFプレート」、「COFプレート」、および「QMAXプレート」という用語は、いくつかの実施形態では、COFカードはスペーサを備えていないことを除いて、互換性があり、これらの用語は、異なる構成(開放構成および閉鎖構成を含む)になるように互いに相対的に移動可能である第1のプレートおよび第2のプレートを備え、かつプレート間の間隔を調節するスペーサを備える(COFカードのいくつかの実施形態を除く)、デバイスを指す。「Xプレート」という用語は、CROFカードの2つのプレートのうちの1つを指し、スペーサはこのプレートに固定されている。COFカード、CROFカード、およびXプレートのより詳細は、2017年2月7日に出願された仮出願シリアル番号第62/456065号に提供され、これはあらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
RHCカード(試料ホルダー)は、Qカードを含む。
(2)Qカード、スペーサ、および均一な試料厚さ
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカード、スペーサ、および均一な試料厚さの実施形態を含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、試料の少なくとも一部を均一性の高い層にするのに役立つスペーサを備える。スペーサの構造、材料、機能、バリエーション、および寸法、ならびにスペーサおよび試料層の均一性は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
(3)ヒンジ、オープニング用ノッチ、凹型エッジ、およびスライダー
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、Qカードの操作および試料の測定を容易にするのに役立つヒンジ、ノッチ、凹部、およびスライダーを備える。ヒンジ、ノッチ、凹部、およびスライダーの構造、材料、機能、バリエーション、寸法は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
(4)Qカード、スライダー、およびスマートフォン検出システム
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、カードがスマートフォン検出システムによって読み取られることを可能にするスライダー(slider)と共に使用される。Qカード、スライダー、およびスマートフォン検出システムの構造、材料、機能、バリエーション、寸法、および接続は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
(5)検出方法
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々なタイプの検出方法を含むか、または使用することができる。検出方法は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
(6)標識
本明細書で開示されるデバイス、システム、および方法は、分析物検出に使用される様々な種類の標識を用いることができる。標識は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、分析物の標識化は、例えば、検出可能な標識を含む分析物特異的結合メンバーなどの標識剤の使用を含む。検出可能な標識としては、蛍光標識、比色標識、化学発光標識、酵素結合試薬、多色試薬、アビジン-ストレプトアビジン関連検出試薬などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、蛍光標識である。蛍光標識は、蛍光検出器によって検出可能である標識部分である。例えば、目的の分析物への蛍光標識の結合は、目的の分析物が蛍光検出器によって検出されることを可能にする。蛍光標識の例としては、試薬と接触すると蛍光を発する蛍光分子、電磁放射線(例えば、UV、可視光、X線など)で照射されると蛍光を発する蛍光分子などが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、標識化のための好適な蛍光分子(フルオロフォア)としては、IRDye800CW、Alexa 790、Dylight 800、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、カルボキシフルオレセインのスクシンイミジルエステル、フルオレセインのスクシンイミジルエステル、フルオロセインジクロロトリアジンの5-異性体、ケージドカルボキシフルオレセイン-アラニン-カルボキシアミド、オレゴングリーン488、オレゴングリーン514;ルシファーイエロー、アクリジンオレンジ、ローダミン、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、ヨウ化プロピジウム、JC-1(5,5’,6,6’-テトラクロロ-1,1’,3,3’-テトラエチルベンゾイミダゾイルカルボシアニンヨウ化物)、テトラブロモローダミン123、ローダミン6G、TMRM(テトラメチルローダミンメチルエステル)、TMRE(テトラメチルローダミンエチルエステル)、テトラメチルロサミン、ローダミンBおよび4-ジメチルアミノテトラメチルロサミン、緑色蛍光タンパク質、青色シフト緑色蛍光タンパク質、シアンシフト緑色蛍光タンパク質、赤色シフト緑色蛍光タンパク質、黄色シフト緑色蛍光タンパク質、4-アセトアミド-4’-イソチオシアネートスチルベン-2,2’ジスルホン酸;アクリジンおよび誘導体、例えば、アクリジン、アクリジンイソチオシアネート;5-(2’-アミノエチル)アミノナフタリン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフト-アリミド-3,5ジスルホン酸塩;N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;4,4-ジフルオロ-5-(2-チエニル)-4-ボラ-3a,4aジアザ-5-インダセン-3-プロピオン酸BODIPY;カスケードブルー;ブリリアントイエロー;クマリンおよび誘導体:クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151);シアニン色素;シアノシン;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5”-ジブロモピロガロール-スルホナフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチレントリアミンペンタアセテート;4,4’-ジイソチオシアナートジヒドロ-スチルベン-2-,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナートスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-(ジメチルアミノ]ナフタリン-1-スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシンおよび誘導体:エオシン、エオシンイソチオシアネート、および誘導体;エリスロシンB、エリスロシン、イソチオシアネート;エチジウム;5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノ--フルオレセイン(DTAF)、2’,7’ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、QFITC、(XRITC);フルオレスカミン;IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアネート、4-メチルウンベリフェロネオルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローザニリン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレンおよび誘導体:ピレン、5ピレンブチラート、スクシンイミジル1-ピレン;ブチラート量子ドット;リアクティブレッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド3B-A)ローダミンおよび誘導体:6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリドローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサス10レッド);N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン;テトラメチルホダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;5-(2’-アミノエチル)アミノナフタリン-1-スルホン酸(EDANS)、4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、ロゾール酸;CAL Fluor Orange 560、テルビウムキレート誘導体;Cy3;Cy5;Cy5.5;Cy7;IRD700;IRD800;La Jolla Blue、フタロシアニン;ならびにナフタロシアニン、クマリン、および関連色素、キサンテン色素、例えば、ロードール、レソルフィン、ビマン、アクリジン、イソインドール、ダンシル色素、アミノフタルヒドラジド、例えば、ルミノール、およびイソルミノール誘導体、アミノフタルイミド、アミノナフタルイミド、アミノベンゾフラン、アミノキノリン、ジシアノヒドロキノン、蛍光ユーロピウムおよびテルビウム錯体;それらの組み合せなどが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な蛍光タンパク質および発色性タンパク質には、これらに限定されないが、Aequoria victoriaまたはその誘導体、例えば、Enhanced GFPなどの「ヒト化」誘導体に由来するGFP;Renilla reniformis、Renilla mulleri、またはPtilosarcus guernyiなどの別の種からのGFP;「ヒト化」組換えGFP(hrGFP);Anthozoan種の様々な蛍光タンパク質および着色タンパク質のうちのいずれか;それらの組み合わせなどが挙げられる。
いくつかの実施形態では、血球を染色するために使用され得る色素は、ライト染色(エオシン、メチレンブルー)、ギムザ染色(エオシン、メチレンブルー、およびアズールB)、キャンーグリュンワルド(Can-Grunwald)色素、リーシュマン染色(「多色性」メチレンブルー(すなわち、脱メチル化して様々なアズールになる)およびエオシン)、エリスロシンB染色(エリトロシンB)、ならびに他の蛍光染色を含み、これには、アクリジンオレンジ色素、3,3-ジヘキシルオキサカルボシアニン(DiOC6)、ヨウ化プロピジウム(PI)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)およびベーシックオレンジ21(BO21)色素、臭化エチジウム、ブリリアントスファフラビンおよびスチベンジスルホン酸誘導体、エリスロシンBまたはトリパンブルー、Hoechst 33342、三塩酸塩、三水和物、およびDAPI(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール、二塩酸塩)を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、標識剤は、目的の分析物に特異的に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、標識剤は、試料がデバイスに適用される前にデバイス内に存在し得る。いくつかの実施形態では、標識剤が分析物-捕捉剤複合体に結合した後にデバイスが洗浄されて、分析物-捕捉剤複合体に結合していないいかなる過剰な標識剤もデバイスから除去することができる。
いくつかの実施形態では、例えば、分析物がCROFデバイス、すなわち、サンドイッチ型アッセイにおいて結合している捕捉剤と同時に分析物に結合することができる標識結合剤を使用して、分析物がデバイスに結合された後に、分析物が標識される。
いくつかの実施形態では、核酸分析物は、デバイス上に捕捉され得、標識核酸は、デバイス内で核酸分析物が結合される捕捉剤と同時に分析物にハイブリダイズすることができる。
(7)分析物
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々な種類の分析物(バイオマーカーを含む)の操作および検出に適用することができる。分析物は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
(8)用途(分野および試料)
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々な用途(分野および試料)に使用することができる。用途は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
(9)クラウド
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、データ転送、ストレージ、および/または分析のためにクラウド技術を使用することができる。関連するクラウド技術は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの全ての出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
追加の留意事項
本開示による本発明対象のさらなる例は、以下の列挙された段落に記載されている。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、「単一」という語が使用される場合などの文脈がそうではないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。例えば、「分析物」についての言及は、単一の分析物および複数の分析物を含み、「捕捉作用因子」についての言及は、単一の捕捉作用因子および複数の捕捉作用因子を含み、「検出作用因子」についての言及は、単一の検出作用因子および複数の検出作用因子を含み、「剤」についての言及には、単一の剤および複数の剤が含まれる。
本明細書で使用される場合、「適合させる」および「構成される」という用語は、要素、構成要素、または他の対象物が所与の機能を果たすように設計および/または意図されることを意味する。したがって、「適合される」および「構成される」という用語の使用は、特定の要素、構成要素、または他の対象物が特定の機能を単に果たす「ことができる」ことを意味すると解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を果たすように構成されるとして記載されている対象物は、さらにまたはあるいは、その機能を果たすように動作するものとして説明され得る。
本明細書で使用される場合、「例えば」という句、「例として」という句、および/または「例」もしくは「例示的な」との用語は、本開示による1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法に関して使用される場合、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法の例示的で非排他的な例であることを伝えることを意図している。したがって、記載される構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法は、限定されること、必須とされること、または排他的/網羅的であることを意図してなく、構造的および/もしくは機能的に類似するならびに/または同等である構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法を含む他の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法もまた、本開示の範囲内である。
本明細書で使用される場合、2つ以上の実体(entity)の列挙に関して「のうちの少なくとも1つ」および「1つ以上」という句は、実体の列挙中における実体のうちの任意の1つ以上を意味し、実体の列挙内に具体的に列挙されている各々および全ての実体のうちの少なくとも1つに限定されない。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(もしくは、同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBの組み合わせであってもよい。
本明細書で使用される場合、第1の実体と第2の実体との間に置かれる「および/または」との用語は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、および(3)第1の実体および第2の実体のうちの1つを意味する。「および/または」を用いて列挙された複数の実体は、同じ様式で、すなわち、そのように結合された実体のうちの「1つ以上」と解釈すべきである。「および/または」の句によって具体的に特定された実体以外に、具体的に特定されたそれらの実体に関連するかどうかに関わらず、他の実体が任意選択で存在してもよい。
数値範囲が本明細書で言及される場合、本発明は、端点が含まれる実施形態、両方の端点が除外される実施形態、および一方の端点が含まれ、かつ他方が除外される実施形態を含む。別段の指示がない限り、両方の端点が含まれると見なすべきである。さらに、別段の指示がない限り、または文脈および当業者の理解から明らかでない限り。
任意の特許、特許出願、または他の参考文献が参照により本明細書に組み込まれ、(1)本開示の組み込まれない部分または他の組み込まれた参考文献のいずれかに矛盾する様式で用語を定義する場合において、および/または(2)その他の点でそれらと矛盾する場合において、本開示の組み込まれていない部分が支配するものとし、その中の用語または組み込まれた開示は、用語が定義されている、および/または組み込まれた開示が元々存在していた参考文献に関してのみ支配するものとする。
追加の例示的な実施形態
ポリマー材料を含み、100μm以下の厚さを有する、第1のプレートと、
ポリマー材料を含み、100μm以下の厚さを有する、第2のプレートと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層であって、6×10-5W/Kに加熱/冷却層の厚さを乗じた値から1.5×10-4W/Kに加熱/冷却層の厚さを乗じた値の間の熱伝導率を有する、加熱/冷却層と
を備える、デバイスであって、
第1のプレートおよび第2のプレートが、平行配置で互いに向かい合い、ある距離で互いから分離され、第1のプレートおよび第2のプレートが、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料を受容するように構成されている、デバイス。
加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された複数の球状スペーサをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
約10umの高さを有する複数のスペーサをさらに備え、複数のスペーサが、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートと第2のプレートとの間の距離が、100μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートを第2のプレートと接続するように構成されかつ第1のプレートまたは第2のプレートの縁部に連結されたヒンジをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートと、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレートと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層と
を備える、デバイスであって、
加熱/冷却層が、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が少なくとも30℃/秒の速度で加熱されるように電磁放射線を受けるよう構成されている、デバイス。
加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された複数の球状スペーサをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
約10umの高さを有する複数のスペーサをさらに備え、複数のスペーサが、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
液体試料の少なくとも一部分が、電磁放射線の経路に沿ったある体積の試料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートを第2のプレートと接続するように構成されかつ第1のプレートまたは第2のプレートの縁部に連結されたヒンジをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートと、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレートと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層と
を備える、デバイスであって、
加熱/冷却層が光源によって発生した電磁放射線を受けていないときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が、少なくとも30℃/秒の速度で冷却される、デバイス。
加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された複数の球状スペーサをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
約10umの高さを有する複数のスペーサをさらに備え、複数のスペーサが、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
液体試料の少なくとも一部分が、加熱/冷却層に隣接するある体積の試料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートを第2のプレートと接続するように構成されかつ第1のプレートまたは第2のプレートの縁部に連結されたヒンジをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートと、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、第2のプレートの内面が、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートの内面から分離されている、第2のプレートと、
第2のプレートの内面または外面上に配置された加熱/冷却層と、
第1のプレートの内面上で乾燥した試薬の層と
を備える、デバイス。
加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された複数の球状スペーサをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
約10umの高さを有する複数のスペーサをさらに備え、複数のスペーサが、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
乾燥試薬の層が、核酸増幅に使用される試薬を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
第1のプレートを第2のプレートと接続するように構成されかつ第1のプレートまたは第2のプレートの縁部に連結されたヒンジをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
ポリマー材料を含み、100μm以下の厚さを有する、第1のプレート、
ポリマー材料を含み、100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレート、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層であって、ある厚さを有し、6×10-5W/Kに加熱/冷却層の厚さを乗じた値から1.5×10-4W/Kに加熱/冷却層の厚さを乗じた値の間の熱伝導率を有する、加熱/冷却層、ならびに
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つを支持するように構成された、支持フレーム
を備える、デバイスと、
デバイスを受容するように構成された第1の開口、および少なくとも1つの他の開口を有する、筐体と、
電磁放射線を加熱/冷却層に向けて方向付けるように構成された光源と
を備える、システムであって、
加熱/冷却層が、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が少なくとも30℃/秒の速度で加熱されるように、電磁放射線の少なくとも一部分を吸収するように構成され、
加熱/冷却層が光源によって発生した電磁放射線を受けていないときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が、少なくとも30℃/秒の速度で冷却され、
システムが500mW未満の電力を消費する、システム。
デバイスが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
光源が、発光ダイオード(LED)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
電磁放射線を光源から加熱/冷却層へ誘導するように構成された光学パイプをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
筐体の少なくとも1つの他の開口が、デバイスが第1の開口を介して筐体内に配設されるときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分にわたって位置合わせされるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
支持フレームが、第1のプレートまたは第2のプレートの外周に沿って少なくとも第1のプレートまたは第2のプレートを支持するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレート、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレート、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層、ならびに
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つを支持するように構成された、支持フレーム
を備える、デバイスと、
電磁放射線を加熱/冷却層に向けて方向付けるように構成された光源と
を備える、システムであって、
加熱/冷却層が前記光源によって発生した電磁放射線を受けていないときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料の少なくとも一部分が、少なくとも30℃/秒の速度で冷却される、システム。
デバイスが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
光源が、発光ダイオード(LED)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
LEDが、青色LEDを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
電磁放射線を光源から加熱/冷却層へ誘導するように構成された光学パイプをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
支持フレームが、第1のプレートまたは第2のプレートの外周に沿って少なくとも第1のプレートまたは第2のプレートを支持するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレート、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレート、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層
を備える、デバイスと、
放射を加熱/冷却層に向けて方向付けるように構成された光源と
を備える、システムであって、500mW未満の電力を消費する、システム。
デバイスが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
光源が、発光ダイオード(LED)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
LEDが、青色LEDを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
電磁放射線を光源から加熱/冷却層へ誘導するように構成された光学パイプをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートまたは第2のプレートの外周に沿って少なくとも第1のプレートまたは第2のプレートを支持するように構成された支持フレームをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレート、
100μm以下の厚さを有する第2のプレートであって、平行配置で第2のプレートの厚さ以下の距離だけ第1のプレートから分離されている、第2のプレート、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に配置された加熱/冷却層、ならびに
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つを支持するように構成された、支持フレーム
を備える、デバイスと、
デバイスを受容するように構成された第1の開口、および少なくとも1つの他の開口を有する、筐体と、
電磁放射線を筐体の少なくとも1つの他の開口を通して、かつ加熱/冷却層に向けて方向付けるように構成された光源と
を備える、システムであって、
加熱/冷却層が光源によって発生した電磁放射線を受けていないときに、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた液体試料が、少なくとも30℃/秒の速度で冷却される、システム。
デバイスが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに備え、光吸収層が、少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートが、第2のプレートに対して移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
光源が、発光ダイオード(LED)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
LEDが、青色LEDを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
電磁放射線を光源から加熱/冷却層へ誘導するように構成された光学パイプをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
支持フレームが、第1のプレートまたは第2のプレートの外周に沿って少なくとも第1のプレートまたは第2のプレートを支持するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
デバイスを使用する方法であって、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
デバイスを使用する方法であって、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
デバイスを使用する方法であって、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
1つ以上のPCRサイクルを実行することによって試料中の核酸を増幅することであって、各PCRサイクルが、変性ステップ、アニーリングステップ、および伸長ステップを含む、増幅することと
を含み、
変性ステップ、アニーリングステップ、および/または伸長ステップのうちの1つ以上が、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
1つ以上のPCRサイクルを実行することによって試料中の核酸を増幅することであって、各PCRサイクルが、変性ステップ、アニーリングステップ、および伸長ステップを含む、増幅することと
を含み、
変性ステップ、アニーリングステップ、および/または伸長ステップのうちの1つ以上が、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
核酸を増幅する方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が、第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つの上に位置する1つ以上のスペーサによって決定される厚さで、第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように、第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
1つ以上のPCRサイクルを実行することによって試料中の核酸を増幅することであって、各PCRサイクルが、変性ステップ、アニーリングステップ、および伸長ステップを含む、増幅することと
を含み、
変性ステップ、アニーリングステップ、および/または伸長ステップのうちの1つ以上が、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれた流体試料の少なくとも一部分中に核酸増幅産物を蓄積することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
試料中に標的核酸配列が存在するかまたは存在しないかを検出するための方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在し、試薬が、標的核酸とハイブリダイズすることができるプライマーを含む、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が標的核酸配列の増幅産物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
試料中に標的核酸配列が存在するかまたは存在しないかを検出するための方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在し、試薬が、標的核酸とハイブリダイズすることができるプライマーを含む、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
流体試料が標的核酸配列の増幅産物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
試料中に標的核酸配列が存在するかまたは存在しないかを検出するための方法であって、
核酸を含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、核酸増幅のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在し、試薬が、標的核酸とハイブリダイズすることができるプライマーを含む、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が標的核酸配列の増幅産物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
第1のプレートまたは第2のプレートが、加熱/冷却層上に配置された光吸収層をさらに含み、光吸収層が少なくとも30%の平均光吸収率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
光吸収層が、黒色塗料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートと第2のプレートとの間に接続されたヒンジを使用して、第1のプレート上で第2のプレートを閉鎖することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
加熱/冷却層の厚さが、3μm以下である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
第1のプレートおよび第2のプレートのうちの少なくとも1つが、その主表面にわたって約400mm2の面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
熱源を作動させることが、LEDを作動させて加熱/冷却層に向かって光を放射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
流体試料の一部分の測定温度または推定温度に基づいてLEDの出力を制御することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
電磁放射線が加熱層に到達する前に、ビームエキスパンダを使用して電磁放射線を拡大することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
支持フレーム上で第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの外周を支持することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
試料中の分析物の有無を検出するための方法であって、
流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
試料中の分析物の有無を検出するための方法であって、
含有する流体試料を、流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
試料中の分析物の有無を検出するための方法であって、
流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含む、方法。
対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含み、
分析物の有無が、対象が状態を有することを示す、方法。
対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含み、
分析物の有無が、対象が状態を有することを示す、方法。
対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料が分析物を含有するかどうかを検出することと
を含み、
分析物の有無が、対象が状態を有することを示す、方法。
対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、少なくとも30℃/秒の速度で流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料中の分析物の量を定量化することと、
前記量を分析物の対照量または参照量と比較することと
を含み、
対照量または参照量と比較して、試料中の分析物の量がより多いことまたは低減していることが、対象が状態を有することを示す、方法。
対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
所与の期間にわたって、第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱/冷却層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることと、
所与の期間の後に熱源を停止することであって、加熱/冷却層に隣接する流体試料の少なくとも一部分が、停止後に少なくとも30℃/秒の速度で冷却する、停止することと、
流体試料中の分析物の量を定量化することと、
前記量を分析物の対照量または参照量と比較することと
を含み、
対照量または参照量と比較して、試料中の分析物の量がより多いことまたは低減していることが、対象が状態を有することを示す、方法。
対象における状態を診断するための方法であって、
対象からの流体試料を流体デバイスの第1のプレート上に付着させることと、
流体試料が第1のプレートと第2のプレートとの間に挟まれるように第2のプレートを第1のプレートの上に配設することであって、分析物の検出のための試薬が、第2のプレートの内面上に存在する、配設することと、
第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの上に位置する加熱層に向かって電磁放射線を放射するように構成された熱源を作動させることであって、熱源が500mW未満の電力を消費する、作動させることと、
少なくとも加熱層を使用して、流体試料の少なくとも一部分を加熱することと、
流体試料中の分析物の量を定量化することと、
前記量を分析物の対照量または参照量と比較することと
を含み、
対照量または参照量と比較して、試料中の分析物の量がより多いことまたは低減していることが、対象が状態を有することを示す、方法。
先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
予混合されたポリメラーゼ連鎖反応媒体と
を備える、キット。
予混合されたポリメラーゼ連鎖反応媒体が、DNAテンプレート、2種のプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、二価カチオン、一価カチオン、および緩衝液を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のキット。