JP2020515625A - 細胞死およびインターフェロン発現の差次的誘導のための組成物および方法 - Google Patents

細胞死およびインターフェロン発現の差次的誘導のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本明細書に開示されるのは、細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導するための組成物および方法である。細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導することができる組成物は、5’−三リン酸非直鎖状RNAを含む。該RNAは、少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第1のステムループを含み、少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第2のステムループ、および第1のステムループと第2のステムループの間のスペーサーを含んでもよい。細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導するための方法は、組成物と細胞を接触させるステップ、または細胞の増殖を阻害する、または細胞の死を誘導するのに有効な量で組成物を対象に投与するステップを含む。

Description

関連出願の相互参照
本特許出願は、2017年4月3日に出願された米国仮特許出願第62/480,780号の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表の参照
本出願は、EFS−Web経由で電子的に出願されており、.txtフォーマットで電子的に提出された配列表を含む。.txtファイルは、2018年4月3日に作成された「2018−04−03_5667−00429_ST25.txt」と題された配列表を含有し、サイズは4,014バイトである。この.txtファイルに含有される配列表は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
開示された技術は、一般には細胞死の誘導のための組成物および方法を対象とする。より詳細には、技術は、細胞死および差次的なインターフェロン発現の誘導のためのRNA組成物およびその使用を対象とする。
パターン認識受容体(PRR)は、感染に対して宿主防御応答を開始する免疫センサーである。これらは、エンドソームコンパートメントおよび細胞質内の細胞表面に位置し、そこで侵入病原体と関連した種々の分子サインを認識する態勢にある1。ウイルスまたは細菌RNAは、複数のPRRの強力なリガンドであることが公知である1。レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG−I)、メラノーマ分化関連遺伝子5(MDA−5)、RNA活性化タンパク質キナーゼR(PKR)、laboratory of genetics and physiology 2(LGP2)、Nacht leucine−rich repeat protein 3(NALP3)およびinterferon−induced protein with tetratricopeptide repeats 1(IFIT1)は細胞質内に位置し、そこでRNA内の特異的分子パターン、例えば、5’三リン酸(5’ppp)、5’二リン酸(5’pp)および二本鎖RNA(dsRNA)を感知する。2、3 Toll様受容体(TLR)3、7および8は、エンドソームコンパートメントに局在化され、dsRNA(TLR3)および一本鎖RNA(ssRNA)(TLR7およびTLR8)によって活性化される。3
抗感染免疫に加えて、RNA感知PRRの活性化は、感染細胞のプログラム細胞死を媒介することができ、これにより宿主は、感染細胞を犠牲にしてウイルス複製を効率的にブロックできるようになる。4 PRR活性化は、感染細胞だけでなく、感染していない悪性細胞においても細胞死を誘導する。合成ウイルスdsRNA類似体、ポリイノシンポリシチジン酸(polyI:C)、および5’pppを含有する短いRNA二本鎖によるトランスフェクションは、インターフェロン(IFN)−β産生、ならびにRNA感知PRRの活性化を通じた、メラノーマ5、肝細胞癌、6 神経膠芽腫、7 前立腺癌、8 卵巣癌、9 乳癌10および膵臓癌11を含む様々なヒト癌細胞のプログラム細胞死を誘導する。興味深いことに、RNA誘導PRR活性化は、アポトーシス促進分子、例えば、Noxa、PumaおよびTRAILを腫瘍細胞で上方制御したが、非悪性細胞では上方制御しなかった。これは、PRR活性化RNAによる腫瘍選択的細胞死の誘導に関係している可能性がある。5、12
さらに、PRR媒介性細胞死は、損傷関連分子パターン(DAMP)(例えば、high−mobility group box 1 protein(HMGB1))の放出、カルレティキュリンの表面移行、樹状細胞(DC)の抗原取り込みおよび成熟を生じさせる。これは、RNA誘導腫瘍細胞死が免疫原性促進性であり、抗腫瘍免疫をもたらし得ることを示唆するものである。11、13、14 I型IFN、例えば、IFN−αおよびIFN−βは、ヘルパー1型T細胞応答の増強、MHCクラスI分子の上方制御、ナチュラルキラー(NK)細胞およびT細胞媒介性細胞傷害性の生成を含む幅広い免疫刺激活性、ならびに抗増殖性、抗血管新生およびアポトーシス促進効果を含む抗腫瘍活性を有する。15 故に、PRR媒介性細胞死およびI型IFNの放出は、腫瘍に対する治療的および予防的細胞性免疫応答の両方を協同的および相乗的に誘導することができる。
現在、RNA感知PRRアゴニストは、癌患者にとって全般的利益がほとんどないまたはないことを示している。16、17 この失敗は、1つには、免疫反応の非特異的誘導によって引き起こされる毒性に起因する。18 全てのPRRシグナル伝達は、結果としてMAPキナーゼ、NF−κBおよびIFN調節因子(IRF)の活性化に至り、最終的には炎症性サイトカインおよびIFNの産生につながる。3 これらのサイトカインおよびIFNは、抗腫瘍免疫応答および癌細胞死の誘導を促進する。その一方で、これらは、正常な組織の損傷および臓器不全の原因となり得る。15 さらに、腫瘍および腫瘍間質細胞によって産生される炎症促進性サイトカインは、腫瘍増殖および生存を促進させ、抗腫瘍免疫の調節解除に寄与し、19 抗癌PRRアゴニストの治療効果に負の影響を与える。したがって、これらが臨床的に有用な薬剤になるには、安全で有効なRNA感知PRRアゴニストの開発が必要である。
RIG−I、5 MDA5、20 TLR310およびTLR7、21を含む複数のRNA感知PRRは、サイトカイン発現と共にプログラム細胞死を誘導することが示されている。そのようなRNA感知PRRの活性化が癌細胞の細胞死にどうつながるのか、およびPRR媒介性細胞死とサイトカイン発現が分離され得るかどうかは依然として明らかになっていない。近年、Yuらは、N末端カスパーゼ動員ドメイン(N−terminal caspase−recruitment domain)(CARD)を欠くMDA5変異体は、前立腺癌細胞のプログラム細胞死プログラムに関与しているが、IFN−βの発現は誘導しないことを示した。22 しかし、癌細胞において細胞死とIFNおよび炎症促進性サイトカイン発現を差次的に誘導するRNAアゴニストは開発されていない。
本明細書に開示されるのは、細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導するための組成物および方法である。本発明の1つの態様において、細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導することができる組成物は、5’−三リン酸非直鎖状RNAを含む。RNAは、少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第1のステムループを含んでもよい。RNAはまた、少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第2のステムループと、第1のステムループと第2のステムループの間のスペーサーとを含むこともできる。いくつかの実施形態において、RNAはまた、1つもしくは複数の2’−フルオロ修飾ピリミジン、または1つもしくは複数の2’−フルオロ修飾プリンもしくはホスホロチオール化ヌクレオチドなどの他の修飾も含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1のステムループは、その相補体とハイブリダイズして第1のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含み、および/または第2のステムループは、その相補体とハイブリダイズして第2のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドもしくは3’末端ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態において、RNAは、ICR2(配列番号8)に対して、限定するものではないが少なくとも80%、85%、90%、または95%を含む、少なくとも50%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、RNAは、ICR4(配列番号15)、ICR4A(配列番号16)、ICR5X(配列番号17)、またはICR5Y(配列番号18)に対して、限定するものではないが少なくとも80%、85%、90%、または95%を含む、少なくとも50%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、RNAは、ICR4(配列番号15)もしくはICR4A(配列番号16)に対して、限定するものではないが少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%を含む、少なくとも50%の配列同一性を有するssRNAオリゴヌクレオチド;またはICR5Y(配列番号18)に対して、限定するものではないが少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%を含む、少なくとも50%の配列同一性を有する第2のオリゴヌクレオチドに完全にもしくは部分的にハイブリダイズされた、ICR5X(配列番号17)に対して、限定するものではないが少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%を含む、少なくとも50%の配列同一性を有する第1のオリゴヌクレオチドを含むdsRNAから本質的になる。
いくつかの実施形態において、ステムループは、ICR2(配列番号8)に対して、限定するものではないが少なくとも80%、85%、90%、または95%を含む、少なくとも50%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドから形成され、オリゴヌクレオチドは、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズしてステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、ステムループは、ICR2(配列番号8)から本質的になるオリゴヌクレオチドから形成される。
いくつかの実施形態において、スペーサーは、RNAの一本鎖セグメントを含む。特定の実施形態においてスペーサーは、少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第3のステムループを含む。他の実施形態において、スペーサーは、RNAの二本鎖セグメントを含む。
組成物は、1つまたは複数の治療剤をさらに含んでもよい。治療剤は、化学療法剤、抗癌生物製剤、免疫療法剤、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてもよい。
組成物は、1つまたは複数の細胞質送達組成物をさらに含んでもよい。細胞質送達組成物は、リポソーム、合成ポリマー、細胞透過性ペプチド、ナノ粒子、ウイルス粒子、エレクトロポレーション緩衝液、ヌクレオフェクション試薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてもよい。
本発明の別の態様は、上記に記載された組成物のいずれかを含む医薬組成物である。医薬組成物は、細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導することができる組成物の治療有効量、および1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含んでもよい。
本発明の別の態様は、細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導する方法である。方法は、細胞の増殖を阻害する、または細胞の死を誘導するのに有効な量で、細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導することができる上記に記載された組成物のいずれかと細胞を接触させるステップを含んでもよい。
本発明の別の態様は、対象における細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導する方法である。方法は、前記請求項のいずれか1項のような組成物を、細胞の増殖を阻害する、または細胞の死を誘導するのに有効な量で、そのような治療を必要とする対象に投与するステップを含んでもよい。
上記に記載された方法のどちらかにおいて、細胞は癌細胞を含んでもよい。癌細胞は、メラノーマ、脳癌、前立腺癌、乳癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、結腸直腸癌、白血病、リンパ腫、または卵巣癌細胞を含んでもよい。
上記に記載された方法のどちらかにおいて、組成物、または少なくともRNAは、少なくとも複数の細胞の細胞質に送達される。
本発明の非限定的な実施形態は、添付図面を参照しながら例として記載される。添付図面は概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図するものではない。図面では、例示される各々の同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には単一の数字で表される。当業者が本発明を理解できるようにするために例示が必要でない場合、明確にする目的で、全ての構成要素が全ての図面において表示されるわけでも、本発明の各実施形態の全ての構成要素が示されるわけでもない。
2’F修飾5’ppp RNAによる構造依存的な増殖阻害およびIFN−β発現の差次的誘導を例示する図である。2’Fピリミジンを組み込んだ5’ppp RNAは、5’pppならびに、様々な長さの3’オーバーハングヘアピン(ICR1(配列番号1)、ICR1A(配列番号2)、ICR1B(配列番号3)、ICR1C(配列番号4))、平滑末端ヘアピン(ICR2−3(配列番号5)、ICR2(配列番号8)、ICR2A(配列番号9)、ICR2B(配列番号10))、5’オーバーハングヘアピン(ICR3(配列番号11)、ICR3A(配列番号12)、ICR3B(配列番号13)、ICR3C(配列番号14))および複数のステムループ(ICR4(配列番号15)、ICR4A(配列番号16)、ICR5(配列番号17および18))を含む様々な二次構造を含有するように設計し、生成した。直鎖状5’ppp ssRNA(ICR−L(配列番号19))および長いdsRNA(pIC)も生成した。RNA二次構造は、mFoldを用いて予測した。癌細胞をこれらのRNAで治療するために、WM266.4ヒトメラノーマ細胞(1×104細胞/ウェル)に、示された濃度のRNAを96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。RNA治療後72時間時点で、細胞および培養上清を回収し、増殖阻害およびIFN−β発現についてそれぞれ分析した。データは、2つの個別の実験を表す。エラーバーはS.D.である。 (図1B)ICR4(配列番号15)、ICR2(配列番号8)、ICR2−1(配列番号7)、ICR2−2(配列番号6)、およびICR2−3(配列番号5)の予測された構造、ならびに(図1C)6〜9bpステムを有する5’ppp 2’FヘアピンRNAの細胞傷害性を例示する図である。WM266−4細胞に、示されたRNAを4時間トランスフェクトした。細胞増殖率は、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイによって決定した。エラーバーはS.D.である。 (図1B)ICR4(配列番号15)、ICR2(配列番号8)、ICR2−1(配列番号7)、ICR2−2(配列番号6)、およびICR2−3(配列番号5)の予測された構造、ならびに(図1C)6〜9bpステムを有する5’ppp 2’FヘアピンRNAの細胞傷害性を例示する図である。WM266−4細胞に、示されたRNAを4時間トランスフェクトした。細胞増殖率は、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイによって決定した。エラーバーはS.D.である。 ICR4が、ICR2と比べてヒト癌細胞および自然免疫細胞におけるIFN−βおよび炎症促進性サイトカイン発現の減少を誘導することを示す図である。WM266−4細胞(1×104細胞/ウェル)(図2A)、ヒトPBMC(1×105細胞/ウェル)(図2B、図2E)およびヒトDC(5×104細胞/ウェル)(図2C〜2D)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。図2A〜図2D、培養上清をトランスフェクション後24時間時点で回収した。図2E、ヒトPBMCの増殖を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイを用いて測定した。データは3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR4が、ICR2と比べてヒト癌細胞および自然免疫細胞におけるIFN−βおよび炎症促進性サイトカイン発現の減少を誘導することを示す図である。WM266−4細胞(1×104細胞/ウェル)(図2A)、ヒトPBMC(1×105細胞/ウェル)(図2B、図2E)およびヒトDC(5×104細胞/ウェル)(図2C〜2D)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。図2A〜図2D、培養上清をトランスフェクション後24時間時点で回収した。図2E、ヒトPBMCの増殖を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイを用いて測定した。データは3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR4が、ICR2と比べてヒト癌細胞および自然免疫細胞におけるIFN−βおよび炎症促進性サイトカイン発現の減少を誘導することを示す図である。WM266−4細胞(1×104細胞/ウェル)(図2A)、ヒトPBMC(1×105細胞/ウェル)(図2B、図2E)およびヒトDC(5×104細胞/ウェル)(図2C〜2D)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。図2A〜図2D、培養上清をトランスフェクション後24時間時点で回収した。図2E、ヒトPBMCの増殖を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイを用いて測定した。データは3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR4が、ICR2と比べてヒト癌細胞および自然免疫細胞におけるIFN−βおよび炎症促進性サイトカイン発現の減少を誘導することを示す図である。WM266−4細胞(1×104細胞/ウェル)(図2A)、ヒトPBMC(1×105細胞/ウェル)(図2B、図2E)およびヒトDC(5×104細胞/ウェル)(図2C〜2D)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。図2A〜図2D、培養上清をトランスフェクション後24時間時点で回収した。図2E、ヒトPBMCの増殖を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイを用いて測定した。データは3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR4が、ICR2と比べてヒト癌細胞および自然免疫細胞におけるIFN−βおよび炎症促進性サイトカイン発現の減少を誘導することを示す図である。WM266−4細胞(1×104細胞/ウェル)(図2A)、ヒトPBMC(1×105細胞/ウェル)(図2B、図2E)およびヒトDC(5×104細胞/ウェル)(図2C〜2D)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。図2A〜図2D、培養上清をトランスフェクション後24時間時点で回収した。図2E、ヒトPBMCの増殖を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイを用いて測定した。データは3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR2およびICR4によるヒト前立腺およびヒト膵臓癌細胞のIFN−β発現および増殖阻害の差次的誘導を示す図である。DU−145ヒト前立腺癌細胞株(図2F)、PANC−1ヒト膵臓癌細胞株(図2G)およびBxPC3ヒト膵臓癌細胞株(図2H)に、ICR2、ICR4(各1μg/ml)またはトランスフェクション試薬単独(モック)をトランスフェクトした。細胞増殖およびIFN−β産生を、それぞれMTSアッセイおよびELISAによって決定した。エラーバーはS.D.である。 ICR2およびICR4によるヒト前立腺およびヒト膵臓癌細胞のIFN−β発現および増殖阻害の差次的誘導を示す図である。DU−145ヒト前立腺癌細胞株(図2F)、PANC−1ヒト膵臓癌細胞株(図2G)およびBxPC3ヒト膵臓癌細胞株(図2H)に、ICR2、ICR4(各1μg/ml)またはトランスフェクション試薬単独(モック)をトランスフェクトした。細胞増殖およびIFN−β産生を、それぞれMTSアッセイおよびELISAによって決定した。エラーバーはS.D.である。 ICR2およびICR4によるヒト前立腺およびヒト膵臓癌細胞のIFN−β発現および増殖阻害の差次的誘導を示す図である。DU−145ヒト前立腺癌細胞株(図2F)、PANC−1ヒト膵臓癌細胞株(図2G)およびBxPC3ヒト膵臓癌細胞株(図2H)に、ICR2、ICR4(各1μg/ml)またはトランスフェクション試薬単独(モック)をトランスフェクトした。細胞増殖およびIFN−β産生を、それぞれMTSアッセイおよびELISAによって決定した。エラーバーはS.D.である。 ICR2、ICR4およびpolyI:Cをトランスフェクトしたマウス癌細胞による細胞傷害性(図2I)およびサイトカイン産生(図2J〜L)を示す図である。B16マウスメラノーマ細胞株およびPANC−02マウス膵臓癌細胞株にトランスフェクション試薬単独(モック)、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各1μg/ml)をトランスフェクトした。細胞および培養上清をトランスフェクション後3日時点で回収した。細胞増殖(図2I)および(図2J)IFN−β、(図2K)IL−6および(図2L)TNFαの産生を、それぞれMTSアッセイおよびELISAによって決定した。エラーバーはS.D.である。 ICR2、ICR4およびpolyI:Cをトランスフェクトしたマウス癌細胞による細胞傷害性(図2I)およびサイトカイン産生(図2J〜L)を示す図である。B16マウスメラノーマ細胞株およびPANC−02マウス膵臓癌細胞株にトランスフェクション試薬単独(モック)、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各1μg/ml)をトランスフェクトした。細胞および培養上清をトランスフェクション後3日時点で回収した。細胞増殖(図2I)および(図2J)IFN−β、(図2K)IL−6および(図2L)TNFαの産生を、それぞれMTSアッセイおよびELISAによって決定した。エラーバーはS.D.である。 ICR2、ICR4およびpolyI:Cをトランスフェクトしたマウス癌細胞による細胞傷害性(図2I)およびサイトカイン産生(図2J〜L)を示す図である。B16マウスメラノーマ細胞株およびPANC−02マウス膵臓癌細胞株にトランスフェクション試薬単独(モック)、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各1μg/ml)をトランスフェクトした。細胞および培養上清をトランスフェクション後3日時点で回収した。細胞増殖(図2I)および(図2J)IFN−β、(図2K)IL−6および(図2L)TNFαの産生を、それぞれMTSアッセイおよびELISAによって決定した。エラーバーはS.D.である。 ICR2、ICR4およびpolyI:Cをトランスフェクトしたマウス癌細胞による細胞傷害性(図2I)およびサイトカイン産生(図2J〜L)を示す図である。B16マウスメラノーマ細胞株およびPANC−02マウス膵臓癌細胞株にトランスフェクション試薬単独(モック)、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各1μg/ml)をトランスフェクトした。細胞および培養上清をトランスフェクション後3日時点で回収した。細胞増殖(図2I)および(図2J)IFN−β、(図2K)IL−6および(図2L)TNFαの産生を、それぞれMTSアッセイおよびELISAによって決定した。エラーバーはS.D.である。 ICR4およびpolyI:Cは急性細胞死を誘導し、一方ICR2は遅発性細胞死を誘導したことを示す図である。WM266−4細胞(2×105細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を24ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。細胞および培養上清を、トランスフェクション後4時間(図3A)、24時間(図3B)および48時間(図3C)時点で回収した。細胞死を、アネキシンVおよび7−AAD染色(図3D)を用いて決定した。%細胞死=(%アネキシンV+/7−AAD−)+(%アネキシンV−/7−AAD+)+(%アネキシンV+/7−AAD+)。IFN−β産生をELISA(図3E)によって決定した。図3A〜3Cデータは、3つの個別の実験を表す。図3D〜3Eデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR4およびpolyI:Cは急性細胞死を誘導し、一方ICR2は遅発性細胞死を誘導したことを示す図である。WM266−4細胞(2×105細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を24ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。細胞および培養上清を、トランスフェクション後4時間(図3A)、24時間(図3B)および48時間(図3C)時点で回収した。細胞死を、アネキシンVおよび7−AAD染色(図3D)を用いて決定した。%細胞死=(%アネキシンV+/7−AAD−)+(%アネキシンV−/7−AAD+)+(%アネキシンV+/7−AAD+)。IFN−β産生をELISA(図3E)によって決定した。図3A〜3Cデータは、3つの個別の実験を表す。図3D〜3Eデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR4およびpolyI:Cは急性細胞死を誘導し、一方ICR2は遅発性細胞死を誘導したことを示す図である。WM266−4細胞(2×105細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を24ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。細胞および培養上清を、トランスフェクション後4時間(図3A)、24時間(図3B)および48時間(図3C)時点で回収した。細胞死を、アネキシンVおよび7−AAD染色(図3D)を用いて決定した。%細胞死=(%アネキシンV+/7−AAD−)+(%アネキシンV−/7−AAD+)+(%アネキシンV+/7−AAD+)。IFN−β産生をELISA(図3E)によって決定した。図3A〜3Cデータは、3つの個別の実験を表す。図3D〜3Eデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR4およびpolyI:Cは急性細胞死を誘導し、一方ICR2は遅発性細胞死を誘導したことを示す図である。WM266−4細胞(2×105細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を24ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。細胞および培養上清を、トランスフェクション後4時間(図3A)、24時間(図3B)および48時間(図3C)時点で回収した。細胞死を、アネキシンVおよび7−AAD染色(図3D)を用いて決定した。%細胞死=(%アネキシンV+/7−AAD−)+(%アネキシンV−/7−AAD+)+(%アネキシンV+/7−AAD+)。IFN−β産生をELISA(図3E)によって決定した。図3A〜3Cデータは、3つの個別の実験を表す。図3D〜3Eデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR4およびpolyI:Cは急性細胞死を誘導し、一方ICR2は遅発性細胞死を誘導したことを示す図である。WM266−4細胞(2×105細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4、polyI:C(各1μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を24ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。細胞および培養上清を、トランスフェクション後4時間(図3A)、24時間(図3B)および48時間(図3C)時点で回収した。細胞死を、アネキシンVおよび7−AAD染色(図3D)を用いて決定した。%細胞死=(%アネキシンV+/7−AAD−)+(%アネキシンV−/7−AAD+)+(%アネキシンV+/7−AAD+)。IFN−β産生をELISA(図3E)によって決定した。図3A〜3Cデータは、3つの個別の実験を表す。図3D〜3Eデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR2はIFN依存性細胞死を誘導するが、ICR4は誘導しないことを示す図である。WM266−4細胞(1×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。組換えヒトIFN−β(100ng/ml)を陽性対照として使用した。トランスフェクション後直ちに、B18R(1μg/ml)の存在下または非存在下で細胞を3日間培養した。細胞傷害性を、B18R(1μg/ml)の存在下(図3F)または非存在下(図3G)のアネキシンV/7−AADアッセイおよびMTSアッセイ(図3H)によって決定した。図3F〜3Gデータは、2つの個別の実験を表す。図3Hデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR2はIFN依存性細胞死を誘導するが、ICR4は誘導しないことを示す図である。WM266−4細胞(1×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。組換えヒトIFN−β(100ng/ml)を陽性対照として使用した。トランスフェクション後直ちに、B18R(1μg/ml)の存在下または非存在下で細胞を3日間培養した。細胞傷害性を、B18R(1μg/ml)の存在下(図3F)または非存在下(図3G)のアネキシンV/7−AADアッセイおよびMTSアッセイ(図3H)によって決定した。図3F〜3Gデータは、2つの個別の実験を表す。図3Hデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 ICR2はIFN依存性細胞死を誘導するが、ICR4は誘導しないことを示す図である。WM266−4細胞(1×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を96ウェルプレートで4時間トランスフェクトした。組換えヒトIFN−β(100ng/ml)を陽性対照として使用した。トランスフェクション後直ちに、B18R(1μg/ml)の存在下または非存在下で細胞を3日間培養した。細胞傷害性を、B18R(1μg/ml)の存在下(図3F)または非存在下(図3G)のアネキシンV/7−AADアッセイおよびMTSアッセイ(図3H)によって決定した。図3F〜3Gデータは、2つの個別の実験を表す。図3Hデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*:P<0.05。 T7ポリメラーゼ誘導IVT副産物の生成を示す図である。(図3I)ICR2およびICR2に相補的なICR2アンチセンスを、T7ポリメラーゼ誘導IVTによって生成した。ICR2二本鎖を、ICR2およびICR2アンチセンスのハイブリダイゼーションによって生成した。RNAを20%ポリアクリルアミドゲルで分析した。ICR2 IVTの(図3J)下方および(図3K)上方のバンドを精製し、ヒトメラノーマ細胞株WM266−4にトランスフェクトした。細胞死レベルを、フローサイトメトリーベースアネキシンV−PE/7−AAD染色分析によってトランスフェクション後翌日に決定した。 T7ポリメラーゼ誘導IVT副産物の生成を示す図である。(図3I)ICR2およびICR2に相補的なICR2アンチセンスを、T7ポリメラーゼ誘導IVTによって生成した。ICR2二本鎖を、ICR2およびICR2アンチセンスのハイブリダイゼーションによって生成した。RNAを20%ポリアクリルアミドゲルで分析した。ICR2 IVTの(図3J)下方および(図3K)上方のバンドを精製し、ヒトメラノーマ細胞株WM266−4にトランスフェクトした。細胞死レベルを、フローサイトメトリーベースアネキシンV−PE/7−AAD染色分析によってトランスフェクション後翌日に決定した。 T7ポリメラーゼ誘導IVT副産物の生成を示す図である。(図3I)ICR2およびICR2に相補的なICR2アンチセンスを、T7ポリメラーゼ誘導IVTによって生成した。ICR2二本鎖を、ICR2およびICR2アンチセンスのハイブリダイゼーションによって生成した。RNAを20%ポリアクリルアミドゲルで分析した。ICR2 IVTの(図3J)下方および(図3K)上方のバンドを精製し、ヒトメラノーマ細胞株WM266−4にトランスフェクトした。細胞死レベルを、フローサイトメトリーベースアネキシンV−PE/7−AAD染色分析によってトランスフェクション後翌日に決定した。 ICR2およびICR4が、細胞死およびPRRシグナル伝達経路の差次的な活性化をトリガーすることを示す図である。(図4A)WM266−4細胞(2×105細胞/ウェル)を、z−VAD−fmk、Nec−1、z−VAD−fmkおよびNec−1またはDMSOの混合物と6時間プレインキュベートし、その後、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を4時間トランスフェクトした。DMSO、z−VAD−fmkおよび/またはNec−1の存在下で細胞を3日間培養した。細胞死を、トランスフェクション後72時間時点でアネキシンV/7−AADアッセイによって決定した。(図4B〜4C)WM266.4細胞を、ICR2、ICR4またはモックをトランスフェクション後24時間時点で回収した。全細胞溶解物、ミトコンドリア溶解物および核抽出物を調製し、ウエスタンブロットによって分析した。(図4B)全細胞溶解物中の切断されたカスパーゼ3および7、XIAPおよびTRAILを含む細胞死関連分子の発現を評価した。β−チューブリン発現をローディング対照として使用した。(図4C)ミトコンドリア溶解物中のミトコンドリアRIP1およびシトクロムCオキシダーゼIV(COX IV)、核抽出物中のNF−κB p65およびヒストンH3ならびに全細胞溶解物中のホスホ−IRF3の発現を決定した。エラーバーはS.D.を表す。図4Aデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。図4Bおよび図4Cデータは、2つの個別の実験を表す。*P<0.05(vs DMSO)。 ICR2およびICR4が、細胞死およびPRRシグナル伝達経路の差次的な活性化をトリガーすることを示す図である。(図4A)WM266−4細胞(2×105細胞/ウェル)を、z−VAD−fmk、Nec−1、z−VAD−fmkおよびNec−1またはDMSOの混合物と6時間プレインキュベートし、その後、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を4時間トランスフェクトした。DMSO、z−VAD−fmkおよび/またはNec−1の存在下で細胞を3日間培養した。細胞死を、トランスフェクション後72時間時点でアネキシンV/7−AADアッセイによって決定した。(図4B〜4C)WM266.4細胞を、ICR2、ICR4またはモックをトランスフェクション後24時間時点で回収した。全細胞溶解物、ミトコンドリア溶解物および核抽出物を調製し、ウエスタンブロットによって分析した。(図4B)全細胞溶解物中の切断されたカスパーゼ3および7、XIAPおよびTRAILを含む細胞死関連分子の発現を評価した。β−チューブリン発現をローディング対照として使用した。(図4C)ミトコンドリア溶解物中のミトコンドリアRIP1およびシトクロムCオキシダーゼIV(COX IV)、核抽出物中のNF−κB p65およびヒストンH3ならびに全細胞溶解物中のホスホ−IRF3の発現を決定した。エラーバーはS.D.を表す。図4Aデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。図4Bおよび図4Cデータは、2つの個別の実験を表す。*P<0.05(vs DMSO)。 ICR2およびICR4が、細胞死およびPRRシグナル伝達経路の差次的な活性化をトリガーすることを示す図である。(図4A)WM266−4細胞(2×105細胞/ウェル)を、z−VAD−fmk、Nec−1、z−VAD−fmkおよびNec−1またはDMSOの混合物と6時間プレインキュベートし、その後、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはトランスフェクション剤単独(モック)を4時間トランスフェクトした。DMSO、z−VAD−fmkおよび/またはNec−1の存在下で細胞を3日間培養した。細胞死を、トランスフェクション後72時間時点でアネキシンV/7−AADアッセイによって決定した。(図4B〜4C)WM266.4細胞を、ICR2、ICR4またはモックをトランスフェクション後24時間時点で回収した。全細胞溶解物、ミトコンドリア溶解物および核抽出物を調製し、ウエスタンブロットによって分析した。(図4B)全細胞溶解物中の切断されたカスパーゼ3および7、XIAPおよびTRAILを含む細胞死関連分子の発現を評価した。β−チューブリン発現をローディング対照として使用した。(図4C)ミトコンドリア溶解物中のミトコンドリアRIP1およびシトクロムCオキシダーゼIV(COX IV)、核抽出物中のNF−κB p65およびヒストンH3ならびに全細胞溶解物中のホスホ−IRF3の発現を決定した。エラーバーはS.D.を表す。図4Aデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。図4Bおよび図4Cデータは、2つの個別の実験を表す。*P<0.05(vs DMSO)。 ICR2およびICR4によるRNA感知PRR媒介性細胞傷害性の誘導を示す図である。(図5A)Huh7.0(RIG−I野生型)およびHuh7.5(RIG−I変異体)細胞(7×103細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各1mg/ml)またはモックを96ウェルプレートでトランスフェクトした。細胞傷害性を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイによって決定した。(図5B)WM266−4細胞中のRIG−I、PKRおよびMDA5を、siRNAで3回ノックダウンした。細胞(1×104細胞/ウェル)を96ウェルプレートに再播種し、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはモックでトランスフェクトした。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。(図5C)ヒトメラノーマ細胞におけるRIG−I、MDA5およびPKRのノックダウン。siRNA媒介ノックダウン効率を、モックトランスフェクション(対照)またはsiRNA(5’pppを欠く)トランスフェクション4日後、示されているようにsiRNA対応抗体を用いてウエスタンブロットによって評価した。β−アクチン抗体をローディング対照として使用した。(図5D)HEK−TLR3およびHEK−TLR7レポーター細胞(各4×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各0.5μg/ml)をトランスフェクトした。非トランスフェクトpolyI:C(polyI:C)およびR848を、それぞれTLR3およびTLR7の陽性対照として使用した。PBS処理を陰性対照として使用した。ICR2およびICR4を、細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)による処理により脱リン酸化して、INF−β(図5E)および増殖阻害(図5F)を調べた。脱リン酸化は2回繰り返した。WM266−4細胞に、BAP処理およびBAP未処理ICR2もしくはICR4(各30nM)またはモックトランスフェクションをトランスフェクトした。細胞傷害性およびIFN−β産生を、トランスフェクション後2日時点で決定した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。 ICR2およびICR4によるRNA感知PRR媒介性細胞傷害性の誘導を示す図である。(図5A)Huh7.0(RIG−I野生型)およびHuh7.5(RIG−I変異体)細胞(7×103細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各1mg/ml)またはモックを96ウェルプレートでトランスフェクトした。細胞傷害性を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイによって決定した。(図5B)WM266−4細胞中のRIG−I、PKRおよびMDA5を、siRNAで3回ノックダウンした。細胞(1×104細胞/ウェル)を96ウェルプレートに再播種し、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはモックでトランスフェクトした。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。(図5C)ヒトメラノーマ細胞におけるRIG−I、MDA5およびPKRのノックダウン。siRNA媒介ノックダウン効率を、モックトランスフェクション(対照)またはsiRNA(5’pppを欠く)トランスフェクション4日後、示されているようにsiRNA対応抗体を用いてウエスタンブロットによって評価した。β−アクチン抗体をローディング対照として使用した。(図5D)HEK−TLR3およびHEK−TLR7レポーター細胞(各4×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各0.5μg/ml)をトランスフェクトした。非トランスフェクトpolyI:C(polyI:C)およびR848を、それぞれTLR3およびTLR7の陽性対照として使用した。PBS処理を陰性対照として使用した。ICR2およびICR4を、細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)による処理により脱リン酸化して、INF−β(図5E)および増殖阻害(図5F)を調べた。脱リン酸化は2回繰り返した。WM266−4細胞に、BAP処理およびBAP未処理ICR2もしくはICR4(各30nM)またはモックトランスフェクションをトランスフェクトした。細胞傷害性およびIFN−β産生を、トランスフェクション後2日時点で決定した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。 ICR2およびICR4によるRNA感知PRR媒介性細胞傷害性の誘導を示す図である。(図5A)Huh7.0(RIG−I野生型)およびHuh7.5(RIG−I変異体)細胞(7×103細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各1mg/ml)またはモックを96ウェルプレートでトランスフェクトした。細胞傷害性を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイによって決定した。(図5B)WM266−4細胞中のRIG−I、PKRおよびMDA5を、siRNAで3回ノックダウンした。細胞(1×104細胞/ウェル)を96ウェルプレートに再播種し、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはモックでトランスフェクトした。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。(図5C)ヒトメラノーマ細胞におけるRIG−I、MDA5およびPKRのノックダウン。siRNA媒介ノックダウン効率を、モックトランスフェクション(対照)またはsiRNA(5’pppを欠く)トランスフェクション4日後、示されているようにsiRNA対応抗体を用いてウエスタンブロットによって評価した。β−アクチン抗体をローディング対照として使用した。(図5D)HEK−TLR3およびHEK−TLR7レポーター細胞(各4×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各0.5μg/ml)をトランスフェクトした。非トランスフェクトpolyI:C(polyI:C)およびR848を、それぞれTLR3およびTLR7の陽性対照として使用した。PBS処理を陰性対照として使用した。ICR2およびICR4を、細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)による処理により脱リン酸化して、INF−β(図5E)および増殖阻害(図5F)を調べた。脱リン酸化は2回繰り返した。WM266−4細胞に、BAP処理およびBAP未処理ICR2もしくはICR4(各30nM)またはモックトランスフェクションをトランスフェクトした。細胞傷害性およびIFN−β産生を、トランスフェクション後2日時点で決定した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。 ICR2およびICR4によるRNA感知PRR媒介性細胞傷害性の誘導を示す図である。(図5A)Huh7.0(RIG−I野生型)およびHuh7.5(RIG−I変異体)細胞(7×103細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各1mg/ml)またはモックを96ウェルプレートでトランスフェクトした。細胞傷害性を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイによって決定した。(図5B)WM266−4細胞中のRIG−I、PKRおよびMDA5を、siRNAで3回ノックダウンした。細胞(1×104細胞/ウェル)を96ウェルプレートに再播種し、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはモックでトランスフェクトした。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。(図5C)ヒトメラノーマ細胞におけるRIG−I、MDA5およびPKRのノックダウン。siRNA媒介ノックダウン効率を、モックトランスフェクション(対照)またはsiRNA(5’pppを欠く)トランスフェクション4日後、示されているようにsiRNA対応抗体を用いてウエスタンブロットによって評価した。β−アクチン抗体をローディング対照として使用した。(図5D)HEK−TLR3およびHEK−TLR7レポーター細胞(各4×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各0.5μg/ml)をトランスフェクトした。非トランスフェクトpolyI:C(polyI:C)およびR848を、それぞれTLR3およびTLR7の陽性対照として使用した。PBS処理を陰性対照として使用した。ICR2およびICR4を、細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)による処理により脱リン酸化して、INF−β(図5E)および増殖阻害(図5F)を調べた。脱リン酸化は2回繰り返した。WM266−4細胞に、BAP処理およびBAP未処理ICR2もしくはICR4(各30nM)またはモックトランスフェクションをトランスフェクトした。細胞傷害性およびIFN−β産生を、トランスフェクション後2日時点で決定した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。 ICR2およびICR4によるRNA感知PRR媒介性細胞傷害性の誘導を示す図である。(図5A)Huh7.0(RIG−I野生型)およびHuh7.5(RIG−I変異体)細胞(7×103細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各1mg/ml)またはモックを96ウェルプレートでトランスフェクトした。細胞傷害性を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイによって決定した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。(図5B)WM266−4細胞中のRIG−I、PKRおよびMDA5を、siRNAで3回ノックダウンした。細胞(1×104細胞/ウェル)を96ウェルプレートに再播種し、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはモックでトランスフェクトした。(図5C)ヒトメラノーマ細胞におけるRIG−I、MDA5およびPKRのノックダウン。siRNA媒介ノックダウン効率を、モックトランスフェクション(対照)またはsiRNA(5’pppを欠く)トランスフェクション4日後、示されているようにsiRNA対応抗体を用いてウエスタンブロットによって評価した。β−アクチン抗体をローディング対照として使用した。(図5D)HEK−TLR3およびHEK−TLR7レポーター細胞(各4×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各0.5μg/ml)をトランスフェクトした。非トランスフェクトpolyI:C(polyI:C)およびR848を、それぞれTLR3およびTLR7の陽性対照として使用した。PBS処理を陰性対照として使用した。ICR2およびICR4を、細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)による処理により脱リン酸化して、INF−β(図5E)および増殖阻害(図5F)を調べた。脱リン酸化は2回繰り返した。WM266−4細胞に、BAP処理およびBAP未処理ICR2もしくはICR4(各30nM)またはモックトランスフェクションをトランスフェクトした。細胞傷害性およびIFN−β産生を、トランスフェクション後2日時点で決定した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。 ICR2およびICR4によるRNA感知PRR媒介性細胞傷害性の誘導を示す図である。(図5A)Huh7.0(RIG−I野生型)およびHuh7.5(RIG−I変異体)細胞(7×103細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4(各1mg/ml)またはモックを96ウェルプレートでトランスフェクトした。細胞傷害性を、トランスフェクション後3日時点でMTSアッセイによって決定した。(図5B)WM266−4細胞中のRIG−I、PKRおよびMDA5を、siRNAで3回ノックダウンした。細胞(1×104細胞/ウェル)を96ウェルプレートに再播種し、ICR2、ICR4(各0.2μg/ml)またはモックでトランスフェクトした。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。(図5C)ヒトメラノーマ細胞におけるRIG−I、MDA5およびPKRのノックダウン。siRNA媒介ノックダウン効率を、モックトランスフェクション(対照)またはsiRNA(5’pppを欠く)トランスフェクション4日後、示されているようにsiRNA対応抗体を用いてウエスタンブロットによって評価した。β−アクチン抗体をローディング対照として使用した。(図5D)HEK−TLR3およびHEK−TLR7レポーター細胞(各4×104細胞/ウェル)に、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各0.5μg/ml)をトランスフェクトした。非トランスフェクトpolyI:C(polyI:C)およびR848を、それぞれTLR3およびTLR7の陽性対照として使用した。PBS処理を陰性対照として使用した。ICR2およびICR4を、細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)による処理により脱リン酸化して、INF−β(図5E)および増殖阻害(図5F)を調べた。脱リン酸化は2回繰り返した。WM266−4細胞に、BAP処理およびBAP未処理ICR2もしくはICR4(各30nM)またはモックトランスフェクションをトランスフェクトした。細胞傷害性およびIFN−β産生を、トランスフェクション後2日時点で決定した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。 2’Fピリミジンまたは2’OHピリミジンを含有するICR2およびICR4の細胞死およびIFN−β誘導活性の比較を示す図である。WM266−4細胞に、2’F ICR2、2’OH ICR2、2’F ICR4または2’OH ICR4(各35nM)をトランスフェクトした。(図5G)細胞傷害性および(図5H)IFN−β産生を、トランスフェクション後72時間時点で評価した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。 2’Fピリミジンまたは2’OHピリミジンを含有するICR2およびICR4の細胞死およびIFN−β誘導活性の比較を示す図である。WM266−4細胞に、2’F ICR2、2’OH ICR2、2’F ICR4または2’OH ICR4(各35nM)をトランスフェクトした。(図5G)細胞傷害性および(図5H)IFN−β産生を、トランスフェクション後72時間時点で評価した。エラーバーはS.D.を表す。*P<0.05。 免疫原性細胞死誘導剤による処理後のヒト癌細胞からの自然免疫刺激性DAMPおよびカルレティキュリンの放出を示す図である。(図6A)WM266−4(2×105細胞/ウェル)細胞に、24ウェルプレートでICR2またはICR4(各0.5μg/ml)をトランスフェクトし、トランスフェクション後24時間時点で回収した。カルレティキュリンの表面発現をフローサイトメトリーによって決定した。(図6B)ICR2、ICR4またはドキソルビシン(Dox)で処理した、死んだ/死につつあるWM266−4細胞のDCによる取り込みを、食作用アッセイによって決定した。(図6C)ICR2、ICR4またはDoxで処理した細胞からの核タンパク質HMGB1の分泌を、ELISAによって決定した。(図6D〜6F)DAMPを、「方法」に記載されているようにトランスフェクション剤単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離した。HEK−TLR2、HEK−TLR3、HEK−TLR4およびHEK−TLR9レポーター細胞(5×104細胞/ウェル)をDAMP(25%v/v)とインキュベートした。TLR4(図6D)、TLR3(図6E)、TLR2(図6F)、およびTLR9(図6G)の活性化を比色アッセイによって決定した。Pam3CSK4、非トランスフェクトPolyI:C、LPSおよびCpG 2006を、TLRレポーターアッセイの陽性対照として使用した。図6A〜6Bデータは、2つの個別の実験を表す。図6C〜6Gデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*P<0.05。 免疫原性細胞死誘導剤による処理後のヒト癌細胞からの自然免疫刺激性DAMPおよびカルレティキュリンの放出を示す図である。(図6A)WM266−4(2×105細胞/ウェル)細胞に、24ウェルプレートでICR2またはICR4(各0.5μg/ml)をトランスフェクトし、トランスフェクション後24時間時点で回収した。カルレティキュリンの表面発現をフローサイトメトリーによって決定した。(図6B)ICR2、ICR4またはドキソルビシン(Dox)で処理した、死んだ/死につつあるWM266−4細胞のDCによる取り込みを、食作用アッセイによって決定した。(図6C)ICR2、ICR4またはDoxで処理した細胞からの核タンパク質HMGB1の分泌を、ELISAによって決定した。(図6D〜6F)DAMPを、「方法」に記載されているようにトランスフェクション剤単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離した。HEK−TLR2、HEK−TLR3、HEK−TLR4およびHEK−TLR9レポーター細胞(5×104細胞/ウェル)をDAMP(25%v/v)とインキュベートした。TLR4(図6D)、TLR3(図6E)、TLR2(図6F)、およびTLR9(図6G)の活性化を比色アッセイによって決定した。Pam3CSK4、非トランスフェクトPolyI:C、LPSおよびCpG 2006を、TLRレポーターアッセイの陽性対照として使用した。図6A〜6Bデータは、2つの個別の実験を表す。図6C〜6Gデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*P<0.05。 免疫原性細胞死誘導剤による処理後のヒト癌細胞からの自然免疫刺激性DAMPおよびカルレティキュリンの放出を示す図である。(図6A)WM266−4(2×105細胞/ウェル)細胞に、24ウェルプレートでICR2またはICR4(各0.5μg/ml)をトランスフェクトし、トランスフェクション後24時間時点で回収した。カルレティキュリンの表面発現をフローサイトメトリーによって決定した。(図6B)ICR2、ICR4またはドキソルビシン(Dox)で処理した、死んだ/死につつあるWM266−4細胞のDCによる取り込みを、食作用アッセイによって決定した。(図6C)ICR2、ICR4またはDoxで処理した細胞からの核タンパク質HMGB1の分泌を、ELISAによって決定した。(図6D〜6F)DAMPを、「方法」に記載されているようにトランスフェクション剤単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離した。HEK−TLR2、HEK−TLR3、HEK−TLR4およびHEK−TLR9レポーター細胞(5×104細胞/ウェル)をDAMP(25%v/v)とインキュベートした。TLR4(図6D)、TLR3(図6E)、TLR2(図6F)、およびTLR9(図6G)の活性化を比色アッセイによって決定した。Pam3CSK4、非トランスフェクトPolyI:C、LPSおよびCpG 2006を、TLRレポーターアッセイの陽性対照として使用した。図6A〜6Bデータは、2つの個別の実験を表す。図6C〜6Gデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*P<0.05。 免疫原性細胞死誘導剤による処理後のヒト癌細胞からの自然免疫刺激性DAMPおよびカルレティキュリンの放出を示す図である。(図6A)WM266−4(2×105細胞/ウェル)細胞に、24ウェルプレートでICR2またはICR4(各0.5μg/ml)をトランスフェクトし、トランスフェクション後24時間時点で回収した。カルレティキュリンの表面発現をフローサイトメトリーによって決定した。(図6B)ICR2、ICR4またはドキソルビシン(Dox)で処理した、死んだ/死につつあるWM266−4細胞のDCによる取り込みを、食作用アッセイによって決定した。(図6C)ICR2、ICR4またはDoxで処理した細胞からの核タンパク質HMGB1の分泌を、ELISAによって決定した。(図6D〜6F)DAMPを、「方法」に記載されているようにトランスフェクション剤単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離した。HEK−TLR2、HEK−TLR3、HEK−TLR4およびHEK−TLR9レポーター細胞(5×104細胞/ウェル)をDAMP(25%v/v)とインキュベートした。TLR4(図6D)、TLR3(図6E)、TLR2(図6F)、およびTLR9(図6G)の活性化を比色アッセイによって決定した。Pam3CSK4、非トランスフェクトPolyI:C、LPSおよびCpG 2006を、TLRレポーターアッセイの陽性対照として使用した。図6A〜6Bデータは、2つの個別の実験を表す。図6C〜6Gデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*P<0.05。 免疫原性細胞死誘導剤による処理後のヒト癌細胞からの自然免疫刺激性DAMPおよびカルレティキュリンの放出を示す図である。(図6A)WM266−4(2×105細胞/ウェル)細胞に、24ウェルプレートでICR2またはICR4(各0.5μg/ml)をトランスフェクトし、トランスフェクション後24時間時点で回収した。カルレティキュリンの表面発現をフローサイトメトリーによって決定した。(図6B)ICR2、ICR4またはドキソルビシン(Dox)で処理した、死んだ/死につつあるWM266−4細胞のDCによる取り込みを、食作用アッセイによって決定した。(図6C)ICR2、ICR4またはDoxで処理した細胞からの核タンパク質HMGB1の分泌を、ELISAによって決定した。(図6D〜6F)DAMPを、「方法」に記載されているようにトランスフェクション剤単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離した。HEK−TLR2、HEK−TLR3、HEK−TLR4およびHEK−TLR9レポーター細胞(5×104細胞/ウェル)をDAMP(25%v/v)とインキュベートした。TLR4(図6D)、TLR3(図6E)、TLR2(図6F)、およびTLR9(図6G)の活性化を比色アッセイによって決定した。Pam3CSK4、非トランスフェクトPolyI:C、LPSおよびCpG 2006を、TLRレポーターアッセイの陽性対照として使用した。図6A〜6Bデータは、2つの個別の実験を表す。図6C〜6Gデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*P<0.05。 免疫原性細胞死誘導剤による処理後のヒト癌細胞からの自然免疫刺激性DAMPおよびカルレティキュリンの放出を示す図である。(図6A)WM266−4(2×105細胞/ウェル)細胞に、24ウェルプレートでICR2またはICR4(各0.5μg/ml)をトランスフェクトし、トランスフェクション後24時間時点で回収した。カルレティキュリンの表面発現をフローサイトメトリーによって決定した。(図6B)ICR2、ICR4またはドキソルビシン(Dox)で処理した、死んだ/死につつあるWM266−4細胞のDCによる取り込みを、食作用アッセイによって決定した。(図6C)ICR2、ICR4またはDoxで処理した細胞からの核タンパク質HMGB1の分泌を、ELISAによって決定した。(図6D〜6F)DAMPを、「方法」に記載されているようにトランスフェクション剤単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離した。HEK−TLR2、HEK−TLR3、HEK−TLR4およびHEK−TLR9レポーター細胞(5×104細胞/ウェル)をDAMP(25%v/v)とインキュベートした。TLR4(図6D)、TLR3(図6E)、TLR2(図6F)、およびTLR9(図6G)の活性化を比色アッセイによって決定した。Pam3CSK4、非トランスフェクトPolyI:C、LPSおよびCpG 2006を、TLRレポーターアッセイの陽性対照として使用した。図6A〜6Bデータは、2つの個別の実験を表す。図6C〜6Gデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*P<0.05。 免疫原性細胞死誘導剤による処理後のヒト癌細胞からの自然免疫刺激性DAMPおよびカルレティキュリンの放出を示す図である。(図6A)WM266−4(2×105細胞/ウェル)細胞に、24ウェルプレートでICR2またはICR4(各0.5μg/ml)をトランスフェクトし、トランスフェクション後24時間時点で回収した。カルレティキュリンの表面発現をフローサイトメトリーによって決定した。(図6B)ICR2、ICR4またはドキソルビシン(Dox)で処理した、死んだ/死につつあるWM266−4細胞のDCによる取り込みを、食作用アッセイによって決定した。(図6C)ICR2、ICR4またはDoxで処理した細胞からの核タンパク質HMGB1の分泌を、ELISAによって決定した。(図6D〜6F)DAMPを、「方法」に記載されているようにトランスフェクション剤単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離した。HEK−TLR2、HEK−TLR3、HEK−TLR4およびHEK−TLR9レポーター細胞(5×104細胞/ウェル)をDAMP(25%v/v)とインキュベートした。TLR4(図6D)、TLR3(図6E)、TLR2(図6F)、およびTLR9(図6G)の活性化を比色アッセイによって決定した。Pam3CSK4、非トランスフェクトPolyI:C、LPSおよびCpG 2006を、TLRレポーターアッセイの陽性対照として使用した。図6A〜6Bデータは、2つの個別の実験を表す。図6C〜6Gデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*P<0.05。 免疫原性細胞死誘導剤による処理後のヒト癌細胞からの自然免疫刺激性DAMPおよびカルレティキュリンの放出を示す図である。(図6A)WM266−4(2×105細胞/ウェル)細胞に、24ウェルプレートでICR2またはICR4(各0.5μg/ml)をトランスフェクトし、トランスフェクション後24時間時点で回収した。カルレティキュリンの表面発現をフローサイトメトリーによって決定した。(図6B)ICR2、ICR4またはドキソルビシン(Dox)で処理した、死んだ/死につつあるWM266−4細胞のDCによる取り込みを、食作用アッセイによって決定した。(図6C)ICR2、ICR4またはDoxで処理した細胞からの核タンパク質HMGB1の分泌を、ELISAによって決定した。(図6D〜6F)DAMPを、「方法」に記載されているようにトランスフェクション剤単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離した。HEK−TLR2、HEK−TLR3、HEK−TLR4およびHEK−TLR9レポーター細胞(5×104細胞/ウェル)をDAMP(25%v/v)とインキュベートした。TLR4(図6D)、TLR3(図6E)、TLR2(図6F)、およびTLR9(図6G)の活性化を比色アッセイによって決定した。Pam3CSK4、非トランスフェクトPolyI:C、LPSおよびCpG 2006を、TLRレポーターアッセイの陽性対照として使用した。図6A〜6Bデータは、2つの個別の実験を表す。図6C〜6Gデータは、3つの実験の平均である。エラーバーはS.D.である。*P<0.05。 ICR2およびICR4をトランスフェクトした細胞における核タンパク質HMGB1の細胞質移行を示す図である。WM266−4細胞に、ICR2、ICR4またはトランスフェクション試薬単独(モック)を4時間トランスフェクトした。細胞をトランスフェクション後24時間時点で回収し、抗HMGB1(緑色)およびDAPI(青色)で共染色した。核および細胞質HMGB1および核DAPIの発現を、蛍光顕微鏡(fluoresce microscopy)によって検出した。 DAMPで刺激したヒトDCがサイトカインを産生したことを示す図である。ヒトPBMC由来未成熟DCを、トランスフェクション試薬単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)またはドキソルビシン(Dox DAMP)で処理したWM266−4細胞から単離したDAMPで刺激した。刺激DC(デノボ)によるTNFα、IL−6およびIL−8のデノボ産生、ならびにDAMP中の既存のサイトカイン(キャリーオーバー)をELISAによって決定した。 免疫原性細胞死誘導剤で処理したヒト癌細胞からの凝固促進性DAMPの放出を示す図である。トランスフェクション試薬単独(モックDAMP)、ICR2(ICR2 DAMP)、ICR4(ICR4 DAMP)、polyI:C(pIC DAMP)およびドキソルビシン(Dox DAMP)で処理した細胞からのDAMP放出によるヒト血漿凝固の増強を、凝固アッセイによって決定した。n=3、エラーバーはS.D.である。# P<0.05(示された比較)。*P<0.05(vs正常な血漿凝固時間(なし))。 ICR2およびICR4による腫瘍増殖の阻害を示す図である。(図7A〜7B)ヒトメラノーマWM266−4細胞(7×105)をヌードマウスに皮下注射した。担腫瘍マウスに、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各20μg/マウス)をin vivo jetPEIを用いて5日間連続で毎日腫瘍内注射した(n=9)。腫瘍増殖(図7A)を1日おきに測定し、生存率(図7B)を決定した。(図7C)B16−F0マウスメラノーマ細胞(2×105)を、同系C57BL/6マウスに皮下注射した。ICR4またはpIC(各20μg/マウス)のどちらかを4日間連続で腫瘍内投与し(n=5)、生存率(図7C)を決定した。エラーバーはS.D.である。*P<0.05(ビヒクルvs ICR2、ICR4、pIC)。 ICR2およびICR4による腫瘍増殖の阻害を示す図である。(図7A〜7B)ヒトメラノーマWM266−4細胞(7×105)をヌードマウスに皮下注射した。担腫瘍マウスに、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各20μg/マウス)をin vivo jetPEIを用いて5日間連続で毎日腫瘍内注射した(n=9)。腫瘍増殖(図7A)を1日おきに測定し、生存率(図7B)を決定した。(図7C)B16−F0マウスメラノーマ細胞(2×105)を、同系C57BL/6マウスに皮下注射した。ICR4またはpIC(各20μg/マウス)のどちらかを4日間連続で腫瘍内投与し(n=5)、生存率(図7C)を決定した。エラーバーはS.D.である。*P<0.05(ビヒクルvs ICR2、ICR4、pIC)。 ICR2およびICR4による腫瘍増殖の阻害を示す図である。(図7A〜7B)ヒトメラノーマWM266−4細胞(7×105)をヌードマウスに皮下注射した。担腫瘍マウスに、ICR2、ICR4またはpolyI:C(pIC)(各20μg/マウス)をin vivo jetPEIを用いて5日間連続で毎日腫瘍内注射した(n=9)。腫瘍増殖(図7A)を1日おきに測定し、生存率(図7B)を決定した。(図7C)B16−F0マウスメラノーマ細胞(2×105)を、同系C57BL/6マウスに皮下注射した。ICR4またはpIC(各20μg/マウス)のどちらかを4日間連続で腫瘍内投与し(n=5)、生存率(図7C)を決定した。エラーバーはS.D.である。*P<0.05(ビヒクルvs ICR2、ICR4、pIC)。
本明細書に開示されるのは、INF−β、TNF−α、またはIL−6を含む炎症促進性サイトカインの同時発現を伴うまたは伴わない免疫原性癌細胞死を差次的に誘導することができる複数のヌクレアーゼ耐性RNA分子である。組成物は、5’三リン酸、2’フルオロ修飾ピリミジン非直鎖状一本鎖RNA(ssRNA)または二本鎖RNA(dsRNA)を含む。この後の例に示されるように、組成物は強力な細胞傷害性を誘発する。いくつかの場合では、組成物はまた相当量のI型IFN産生も誘導する。しかし、他の場合では、組成物は相当量のサイトカイン産生を誘導しない。故に、本明細書に開示された組成物は、強力な細胞傷害性ではあるがサイトカイン産生の差次的誘導をもたらす。
本明細書に記載されるRNA組成物は、ステムループの共通の構造モチーフを共有する。複数のステムループを含むRNA組成物は、サイトカイン産生を大きく誘導することなくテストされた最低濃度でいくつかの最高レベルの細胞傷害性または増殖阻害を示した。単一のステムループを有するRNA組成物のいくつかは、サイトカイン産生を大きく誘導することなく相当な細胞傷害性または増殖阻害を示すが、それらの単一ステム組成物は、複数ステム組成物と同等の濃度でより低い細胞傷害性もしくは増殖阻害、またはより大きなサイトカイン産生を示す傾向があった。いくつかの場合では、単一ステム組成物は、同等の濃度でより低い細胞傷害性もしくは増殖阻害またはより大きなIFN産生を示す。
サイトカインは、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、ケモカイン、およびリンホカインなどの一連のタンパク質を含む免疫調節剤である。この後の例に示されるように、RNA組成物は、INF−β、TNF−α、またはIL−6などのサイトカインの産生を差次的に誘導することができる。
ステムループは、ヌクレオチドの完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成され、ヘアピン構造モチーフをもたらす。ステムループは、約5個〜約30個または約8個〜約25個の任意の数のヌクレオチド対合を含む、任意の適切な数のヌクレオチド対合から形成され得る。特定の実施形態において、ステムループは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個のヌクレオチド対合、またはその間の任意の数のヌクレオチド対合を含む。部分的なハイブリダイゼーションのみを有するステムループは、ステムに沿った相補的ヌクレオチド間のヌクレオチド対合を妨げる任意の数のヌクレオチド対ミスマッチを有し得る。好ましくは、ステムループは、生理的条件下で依然として安定である。いくつかの場合では、ステムループは、1、2、3、4、もしくは5個のヌクレオチド対ミスマッチ、またはその間の任意の範囲のヌクレオチド対ミスマッチを有する。ステム内のミスマッチは、ステムループにおけるバルジと呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、安定は、熱力学的安定性または動力学的安定性であり得る。
RNA組成物は、5’末端修飾を含んでもよい。5’末端修飾は、5’−三リン酸を含んでもよい。RNA組成物がdsRNAを含む場合、5’末端の一方または両方が5’−三リン酸を含むように修飾され得る。
RNA組成物は、2’−フルオロ修飾ピリミジンまたは2’−フルオロ修飾プリンを含んでもよい。2’−フルオロ修飾は、少なくとも1つのピリミジンまたはプリンに存在してもよく、ピリミジンの全て、プリンの全て、またはピリミジンおよびプリンの全てを含む、任意の数のピリミジンまたはプリンに存在してもよい。適切には、2’−フルオロ修飾は、ピリミジンおよび/またはプリンの10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%、またはその間の任意の範囲で存在している。2−フルオロ修飾は、ウリジン、シチジン、グアニン、アデニン、またはそれらの任意の組み合わせに存在してもよい。いくつかの実施形態において、ウリジンのみが2’−フルオロ修飾である。一実施形態において、RNA中のウリジンの全てが2’−フルオロ−修飾され、RNA中のシチジンの全てが2’−フルオロ−修飾され、RNA中のグアニンの全てが2’−フルオロ−修飾され、RNA中のアデニンの全てが2’−フルオロ−修飾され、またはそれらの任意の組み合わせである。
RNA組成物は、硫黄原子がリン酸の非架橋酸素に置換されたホスホロチオエート修飾ヌクレオチドを含んでもよい。適切には、ホスホロチオエート修飾は、ヌクレオチドの10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%、またはその間の任意の範囲で存在している。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端の最後の3〜5ヌクレオチドがホスホロチオエート修飾される。他の実施形態において、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの全てがホスホロチオエート修飾される。
RNA組成物は、平滑末端ステムループ、5’オーバーハングを有するステムループ、3’オーバーハング、または5’オーバーハングおよび3’オーバーハングの両方を有するステムループを含んでもよい。平滑末端ステムループは、互いとハイブリダイズし、ステムループを形成することができる5’末端ヌクレオチドおよびその3’末端相補体を含む。5’オーバーハングのみを有するステムループは、その相補体とハイブリダイズしてステムループを形成することができる3’末端ヌクレオチドを含む。3’オーバーハングのみを有するステムループは、その相補体とハイブリダイズしてステムループを形成することができる5’末端ヌクレオチドを含む。5’オーバーハングおよび3’オーバーハングの両方を有するステムループに関して、5’末端ヌクレオチドも3’末端ヌクレオチドもステムループの一部を形成しない。
5’または3’オーバーハングは、RNA組成物が細胞増殖を阻害する、または細胞死を誘導することを可能にする任意の長さとなり得る。適切には、5’および/または3’オーバーハングは、約1〜約50ヌクレオチド長となり得る。いくつかの実施形態において、5’および/または3’オーバーハングは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10ヌクレオチドの長さ、またはその間の任意の範囲の長さを含む、約1〜約10ヌクレオチド長である。他の場合では、5’および/または3’オーバーハングは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50ヌクレオチドの長さ、またはその間の任意の範囲の長さを含む、約10〜約50ヌクレオチド長である。当業者は、所望の活性をもたらす適当なオーバーハングの長さを選択することができるであろう。例が示しているように、より短いオーバーハング、特に3’オーバーハングを含むRNA組成物は、細胞増殖を阻害または細胞死を誘導し、サイトカイン産生を誘導する能力を示す可能性がより高い。対照的に、より長いオーバーハングを含むRNA組成物は、サイトカイン産生を誘導することなく細胞増殖を阻害する、または細胞死を誘導する能力を示す可能性がより高い。
特定の実施形態において、RNA組成物は、複数のステムループを含む。この後の例に示されるように、2つまたは3つのステムループを含むRNA組成物は、驚くべきことに、大幅なIFN産生も同様に誘導することなく細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導するのに有効である。複数のステムループを有するRNA組成物は、第1のステムループ、第2のステムループ、およびステムループ間のスペーサーを最小限含む。ステムループは同じであってもよいが、例に示されている通りである必要はない。
RNA組成物は、末端ヌクレオチドがその相補体とハイブリダイズして第1のステムループ、第2のステムループ、または両方のいずれかを形成することを可能にするヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの実施形態において、RNA組成物は、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第1または第2のステムループのどちらかを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、RNA組成物は、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズしてどちらかのステムループを形成することができる3’末端ヌクレオチドを含む。例に示されるように、RNA組成物は、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第1のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチド、およびその相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第2のステムループを形成することができる3’末端ヌクレオチドを含んでもよい。また、例に示されるように、RNA組成物は二本鎖であってもよく、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第1のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチド、およびその相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第2のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含んでもよい。
RNA組成物は、第1のステムループおよび第2のステムループのどちらかまたは両方と結合された5’または3’オーバーハングを含んでもよい。第1のステムループまたは第2のステムループのどちらかと結合された5’または3’オーバーハングは、RNA組成物が細胞増殖を阻害する、または細胞死を誘導することを可能にする任意の長さとなり得る。適切には、5’および/または3’オーバーハングは、約1〜約50ヌクレオチド長となり得る。いくつかの実施形態において、5’および/または3’オーバーハングは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10ヌクレオチドの長さ、またはその間の任意の範囲の長さを含む、約1〜約10ヌクレオチド長である。他の場合では、5’および/または3’オーバーハングは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50ヌクレオチドの長さ、またはその間の任意の範囲の長さを含む、約10〜約50ヌクレオチド長である。当業者は、所望の活性をもたらす適当なオーバーハングの長さを選択することができるであろう。
スペーサーは、複数ステムループ組成物におけるステムループを接続する。いくつかの実施形態において、スペーサーは、ssRNAのセグメント、dsRNAのセグメント、またはその組み合わせを含む。dsRNAセグメントは、第2のヌクレオチド配列を伴う第1のヌクレオチド配列のセグメントの完全または部分的にハイブリダイズされたセグメントを含んでもよい。部分的なハイブリダイゼーションのみを有するスペーサーは、スペーサーに沿った相補的ヌクレオチド間のヌクレオチド対合を妨げる任意の数のヌクレオチド対ミスマッチを有し得る。好ましくは、スペーサーは、生理的条件下で熱力学的または動力学的に依然として安定である。いくつかの場合、ステムループは、1、2、3、4、5個、またはそれ以上のヌクレオチド対ミスマッチを有する。
スペーサーは、IFN産生を大きく誘導することなく細胞傷害性の利点を提供する任意の適切な長さとなり得る。適切には、スペーサーの長さは、ssRNAセグメントに沿った約5〜約100ヌクレオチド、dsRNAセグメントに沿った約5〜約100個のハイブリダイズもしくはミスマッチヌクレオチド対、またはその組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、スペーサーの長さは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50ヌクレオチドの長さ、またはその間の任意の範囲の長さを含む、約5〜約50ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態において、スペーサーは二次構造を伴わない。他の実施形態において、スペーサーは二次構造を伴う。構造化されたスペーサーは、ステムループを含み、少なくとも第3のステムループを含むRNA組成物をもたらすことができる。第3のステムループは、ヌクレオチドの完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成され、ヘアピン構造モチーフをもたらすことができる。ステムループは、約5〜約30個または約8〜約25個の任意の数のヌクレオチド対合を含む、任意の適切な数のヌクレオチド対合から形成され得る。特定の実施形態において、ステムループは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個のヌクレオチド対合、またはその間の任意の数のヌクレオチド対合を含む。部分的なハイブリダイゼーションのみを有するステムループは、ステムループが生理的条件下で依然として安定である限り、ステムに沿った相補的ヌクレオチド間のヌクレオチド対合を妨げる任意の数のヌクレオチド対ミスマッチを有し得る。いくつかの場合、ステムループは、1、2、3、4、または5個のヌクレオチド対ミスマッチ、またはその間の任意の範囲のヌクレオチド対ミスマッチを有する。
例示的なRNAオリゴヌクレオチドが、表1に示されている。2’Fピリミジンを組み込んだ5’ppp RNAを含む免疫原性癌細胞殺滅RNA(Immunogenic Cancer cell−killing RNA)(ICR)と呼ばれるRNA組成物は、5’pppならびに3’オーバーハングヘアピン(ICR1、ICR1A、ICR1B、ICR1C)、平滑末端ヘアピン(ICR2−3、ICR2、ICR2A、ICR2B)、5’オーバーハングヘアピン(ICR3、ICR3A、ICR3B、ICR3C)、複数のステムループを含むssRNA(ICR4、ICR4A)および複数のステムループを含むdsRNA(ICR5XおよびICR5Yのハイブリダイゼーションから形成されるICR5)を含む様々な予測された二次構造を様々な長さで含有するように設計および生成された。直鎖状5’ppp ssRNA(ICR−L)および長いdsRNA(pIC)もまた比較のために生成された。当業者には明らかであるように、ICR1、ICR1A、ICR1B、ICR1C、ICR2A、ICR2B、ICR3、ICR3A、ICR3B、ICR3C、ICR4、ICR4A、ICR5X、およびICR5Yの各々は、ICR2のオリゴヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、RNA組成物は、ステムループを形成することができるオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、RNA組成物は、ICR2に対して少なくとも50%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドの完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される1つまたは複数のステムループを含む。特定の実施形態において、RNA組成物は、ICR2に対して少なくとも60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドの完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される1つまたは複数のステムループを含む。RNA組成物はまた、ICR2に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドの完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される1つまたは複数のステムループから本質的になる。
いくつかの実施形態において、RNA組成物は、ICR1、ICR1A、ICR1B、ICR1C、ICR2A、ICR2B、ICR3、ICR3A、ICR3B、ICR3C、ICR4、ICR4A、ICR5X、またはICR5Yに対して少なくとも50%の配列同一性を有する1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、RNA組成物は、任意のICR1、ICR1A、ICR1B、ICR1C、ICR2A、ICR2B、ICR3、ICR3A、ICR3B、ICR3C、ICR4、ICR4A、ICR5X、またはICR5Yに対して、少なくとも60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む。RNA組成物はまた、ICR1、ICR1A、ICR1B、ICR1C、ICR2A、ICR2B、ICR3、ICR3A、ICR3B、ICR3C、ICR4、ICR4A、ICR5X、またはICR5Yのいずれかに対して、少なくとも50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する1つまたは複数のオリゴヌクレオチドから本質的に成ってもよい。
例1に示されるように、ICRは、直鎖状ICRおよび最も短いステムループを含有するICRを除き用量依存的細胞傷害性を示した。細胞傷害性を示すそれらのICRに関して、サイトカイン発現は差次的に誘導された。9〜12bpの長いステムループに平滑末端を有するICRは、ヒトメラノーマ細胞によるIFN−βのpolyI:Cより2〜3倍高い産生を誘導し、5’および3’オーバーハングの長さ、ならびにステムループの数および長さは、IFN−β発現と逆相関した。
本明細書で使用される場合、RNA組成物が、同じ条件下でpolyI:Cと少なくとも同程度のサイトカインの産生を誘導するならば、あるいは、サイトカイン産生が、未処理対照細胞におけるIFNの産生と比較して5、6、7、8、9、10倍またはそれ以上増加するならば、RNA組成物は相当量または多量のサイトカインを誘導する。いくつかの場合、測定されるサイトカインは、INF−β、TNF−α、またはIL−6である。
PRR誘導癌細胞死は、結集して癌に対する自然および適応免疫応答を刺激し、また、正常な組織に対する破壊的な炎症性応答および血栓性合併症も引き起こす可能性がある複数の免疫および止血調節因子、例えば、IFN、炎症性サイトカイン、DAMPの放出を伴う。PRR誘導癌細胞死によって生成される2つに分かれた応答が、どうしたらPRR治療の抗癌治療効果および全般的利点を増強するように好都合に修飾されるかが長いこと問われてきた。以下に示されるように、ICR2もICR4も、polyI:Cと比べて、ヒト癌細胞の強い免疫原性細胞死、ならびにヒト癌細胞および免疫細胞によるTNF−α産生の大幅な低下を誘発する新規のPRR刺激ssRNAである。ICR2は、ヒト癌細胞のIFN依存性壊死およびICR4よりはるかに高量のI型IFNを誘導する。対照的に、ICR4は、RIG−I依存性アポトーシス細胞死を誘導し、ICR2より炎症性が大幅に低いDAMPおよび凝固性が低いDAMPを生成した。
アポトーシスなどの生理学的細胞死は免疫原性または免疫寛容原性が乏しく、一方で、壊死などの病理的死は免疫原性であると考えられてきた。37 しかし、特定のアポトーシス剤、例えば、ドキソルビシンは、壊死剤より免疫原性の癌細胞死を誘導したことも示されている。34、38 免疫系が、異なる癌細胞死にどのように差次的に応答するのかは依然として不明である。ICR4生成DAMPによって刺激されるTLRのタイプは、ICR2およびpolyI:C生成DAMPによって刺激されるものと類似していたが、ICR4生成DAMPによって刺激されるTLRのシグナル強度は、ICR2およびpolyI:C生成DAMPによって刺激されるTLRのシグナル強度より大幅に低かった。TLRシグナル強度と一致して、ICR4誘導細胞死は、ICR2およびpolyI:C誘導細胞死より大幅に少ない量の内因性TLR4リガンドHMGB1を放出した。
DAMPのレベルは、細胞死の免疫原性およびTLR刺激活性と必ずしも直接相関しない。ICR4もドキソルビシンもアポトーシス癌細胞死を誘導し、それらは同等量のHMGB1放出を引き起こした。しかし、TLR4レポーター細胞は、ICR4生成DAMPによって刺激されたが、ドキソルビシン生成DAMPには刺激されなかった。酸化的状態に応じて、HMGB1は、自然応答および炎症性応答を差次的に誘導することが示された。39 還元型HMGB1はTLR4を刺激することができ、免疫刺激活性を有するが、酸化型HMGB1はTLR4を刺激せず、免疫寛容原性活性を有する。39、40 これらのデータは、異なるタイプの細胞死は、量的および質的に異なるDAMPを生成し、異なるTLR刺激および異なる免疫応答につながり得ることを示唆している。
Kohlwayらは、10bpの二本鎖長を有する5’ppp RNAヘアピンが、RIG−I ATPアーゼ活性をインビトロで有効に刺激し、このRNAヘアピンによるトランスフェクションが、RIG−I発現293T細胞株によるIFN−β産生を誘導することを示した。24 ICR2は、9bpの二本鎖長を有する2’F修飾5’ppp RNAヘアピンである。ICR2の二次構造は、KohlwayのRNAヘアピンと極めて類似している。しかし、ICR2は、公知のRIG−I刺激モチーフ、例えば、U/UC、41を含有せず、一方、KohlwayのRNAはU/UCモチーフを有する。本発明者らは、ICR2による処理が、Huh7.0およびRIG−I欠損Huh7.5細胞株の両方と同等の細胞傷害性を示すことを示した。さらに、ICR2誘導癌細胞死およびIFN−β発現は、個別のRIG−I、MDA5およびPKRの欠損によって著しい影響を受けなかった。理論に拘束されるものではないが、1つの可能性は、ICR2が他のRNA感知PRRによって認識され得るということである。例えば、TLR13は、機能およびリガンドが依然としてほとんど理解されていないエンドソームTLRである。最近の研究は、ステムループ構造を形成すると予測されるウイルス由来16nt ssRNAが、マウスTLR13を刺激したことを示している。42 ヒトTLR13遺伝子およびその抗癌活性は、まだ解明されていない。ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン2(NOD2)は、細菌ペプチドグリカンおよびウイルスssRNAを認識する別の細胞質PRRである。43 NOD2は、ヒトおよびマウス細胞においてIRF3の活性化およびIFN−βの発現をトリガーする。44 さらに、IFIT1は、配列非依存的に5’ppp RNAに選択的に結合し、抗ウイルス応答を誘導する。2 別の可能性は、複数のRNA感知PRRがICR2を同時に認識し、ICR2誘導IFN−β発現および細胞死における代償的役割を果たし得るということである。
本明細書に記載されるRNA組成物は、1つまたは複数の治療剤と組み合わせることができる。治療剤は、対象における癌を治療するのに使用される抗癌治療剤であってもよい。適切な抗癌治療剤には、限定するものではないが、放射線、化学療法剤、抗癌生物製剤、または免疫療法剤が挙げられ得る。
化学療法剤は、癌を治療するのに使用され得る化学療法化合物である。適切な化学療法剤には、限定するものではないが、5−フルオロウラシル、アクラシノマイシン、活性化シトキサン、ビサントレン、ブレオマイシン、カルモフール、CCNU、シスプラチナム、ダウノルビシン、ドキソルビシン、DTIC、メルファラン、メトトレキサート、ミトロマイシン(mithromycin)、マイトマイシン、マイトマイシンC、ペプロマイシン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、レチノイン酸、タモキシフェン、タキソール、テガフール、VP16、またはVM25が挙げられ得る。
抗癌生物製剤は、癌を治療するのに使用され得る生体分子(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、脂質、または炭水化物)である。抗癌生物製剤には、限定するものではないが、IL−1α、IL−2、IL−2β、IL−3、IL−4、CTLA−2、IFN−α、IFN−γ、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、IL−12、IL−23、IL−15、IL−7、もしくはそれらの任意の組み合わせなどのサイトカイン;またはリツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ チウキセタン、トシツモマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、オファツムマブ、ブレンツキシマブベドチン、ペルツズマブ、アドトラスツズマブエムタンシン、およびオビヌツズマブなどの抗癌抗体が挙げられ得る。
用語「免疫療法剤」は、その対象における免疫応答を誘導および/または増強することにより、対象における癌を治療するのに使用される任意の治療薬を指す。免疫療法剤には、限定するものではないが、チェックポイント阻害剤、癌ワクチン、改変T細胞などの免疫細胞、抗癌ウイルス、または二重特異性抗体が挙げられ得る。チェックポイント阻害剤は、自己寛容の維持および免疫応答の程度の調節に関与する免疫細胞中の免疫チェックポイント経路をブロックする抗体などの治療薬である。腫瘍は、腫瘍抗原に特異的なT細胞に対する免疫耐性の主な機構として、特定の免疫チェックポイント経路をしばしば利用する。免疫チェックポイントの多くは、受容体−リガンド相互作用によって開始され、故にリガンドもしくは受容体のどちらかに対する抗体によってブロックされ得、またはリガンドもしくは受容体の可溶性組換え形態によって調節され得る。そのような免疫チェックポイント遮断は、さもなければ免疫抑制的な腫瘍微小環境で腫瘍特異的T細胞が機能し続けることを可能にする。
例示的なチェックポイント阻害剤には、限定するものではないが、プログラム細胞死タンパク質1(PD1、CD279としても知られる)、プログラム細胞死1リガンド1(PD−L1、CD274としても知られる)、PD−L2、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA4、CD152としても知られる)、A2AR、CD27、CD28、CD40、CD80、CD86、CD122、CD137、OX40、GITR、ICOS、TIM−3、LAG3、B7−H3、B7−H4、BTLA、IDO、KIR、またはVISTAを標的にする抗体または他の治療薬が挙げられる。適切な抗PD1抗体には、限定するものではないが、ランブロリズマブ(Merck MK−3475)、ニボルマブ(Bristol−Myers Squibb BMS−936558)、AMP−224(Merck)、およびピディリズマブ(CureTech CT−011)が挙げられる。適切な抗PD−L1抗体には、限定するものではないが、MDX−1105(Medarex)、MEDI4736(Medimmune)MPDL3280A(Genentech/Roche)およびBMS−936559(Bristol−Myers Squibb)が挙げられる。例示的な抗CTLA4抗体には、限定するものではないが、イピリムマブ(Bristol−Myers Squibb)およびトレメリムマブ(Pfizer)が挙げられる。
最近の研究は、免疫原性細胞死誘導癌治療薬およびチェックポイント阻害剤、例えば、抗CTLA4および抗PD−L1の組み合わせが、抗腫瘍応答および抗腫瘍免疫を相乗的に増強することを示した。45 ICR2およびICR4は、ヒト癌に対する強力なPRR刺激細胞傷害性剤である。ICR2およびICR4は、特有の免疫刺激活性および止血活性を有する。チェックポイント阻害剤および本明細書に記載されるRNA組成物の組み合わせは、進行癌に対する強力および有効な抗癌療法となるであろう。
癌ワクチンは、生体の免疫系を刺激して癌細胞を攻撃する。癌ワクチンは、一般には、腫瘍抗原特異的ヘルパーT細胞ならびに/または細胞傷害性T細胞およびB細胞を活性化する腫瘍抗原を免疫原性製剤中に含む。ワクチンは、限定するものではないが、樹状細胞、単球、ウイルス、リポソームおよびDNAワクチンを含む様々な製剤であり得る。例示的な癌ワクチンには、限定するものではないが、シプリューセル−T(Provenge(登録商標)、またはAPC8015)が挙げられる。シプリューセル−Tは、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)および顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)の改変融合タンパク質を充填された自己樹状細胞(DC)から開発された、FDA承認癌ワクチンである。
免疫療法剤には、癌細胞または癌細胞増殖を攻撃または低減するように対象へ養子移入される免疫細胞(すなわち、T細胞またはB細胞)が挙げられ得る。免疫細胞は、自己であってもよく、または免疫細胞を受け取る対象とは異なる対象に由来し、拒絶反応を低減するように修飾されてもよい。免疫細胞はまた、対象の癌に対する天然または遺伝子改変反応性も有し得る。例えば、天然自己T細胞は、転移性癌の治療に有効であることが示されている。例えば、Rosenberg SA et al., Nat. Rev. Cancer 8 (4): 299-308(2008)参照。天然自己T細胞は、切除された対象の腫瘍内で見出され得る。そのようなT細胞は、高濃度のIL−2、抗CD3およびアロ反応性フィーダー細胞を用いてインビトロで増えるように誘導することができる。これらのT細胞は、例えば、その抗癌活性をさらに高めるためのIL−2の外因性投与と共に、次いで対象に戻される。
本明細書に記載される組成物はまた、細胞質送達機構も含むことができる。そのような送達機構は当業者が利用可能であり、以下に限定されるものではないが、合成ポリマー(siRNA送達に使用されるものなど)、細胞透過性ペプチド(VP16など)、ナノ粒子、ウイルス送達もしくは細胞の細胞質へのリポソーム送達(リポフェクション)、遺伝子銃による送達を含む全ての遺伝子送達機構を含み、またはトランスフェクション、ヌクレオフェクションもしくは電気穿孔を含み得る。細胞質送達機構は、細胞増殖阻害またはプログラム細胞死の誘導が望まれる細胞に組成物を送達することのみを標的にすることができる。例えば、細胞送達機構は、癌細胞またはウイルス感染細胞に対するRNAを特異的に標的にすることができる。組成物は、その上、受容体媒介エンドサイトーシスによる取り込みのために細胞を標的にすることもできる。さらに、細胞は、本明細書に記載されるRNA組成物を発現するように遺伝子改変することができる。RNAは、適切に刺激されたときのみRNAの発現を可能にする、誘導性プロモーターなどのプロモーターに作動可能に接続することができる。
本明細書に記載される組成物はまた、対象における癌の治療をもたらし得る癌細胞増殖の阻害または癌細胞のプログラム細胞死の誘導に使用することもできる。組成物はまた、他の非癌性増殖性障害の治療、またはウイルスもしくは他の細胞内病原体に感染された細胞などの感染細胞の治療においても有用であり得る。本明細書に提供される組成物はまた、抗原、病原体または癌細胞に対する免疫応答を刺激するアジュバントとして投与することもできる。本明細書に記載される組成物を投与され得る対象には、以下に限定されるものではないが、哺乳動物、家畜およびヒトが挙げられ、具体的にはイヌ、ネコ、魚、ニワトリ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギが挙げられ得る。
これらの系統と一緒に、本明細書に記載されるssRNAまたはdsRNAを含む組成物を用いて細胞の増殖を阻害する、またはプログラム細胞死を誘導する方法もまた提供される。方法は、組成物と細胞を接触させるステップ、あるいは細胞の増殖を阻害する、細胞のプログラム細胞死を誘導する、または細胞による炎症性サイトカイン産生を増加させるのに有効な量で組成物を対象に投与するステップを含む。細胞は、メラノーマ細胞、または以下に限定されるものではないが、脳、前立腺、卵巣、腎臓、肺、肝臓、結腸直腸および乳癌細胞または白血病もしくはリンパ腫細胞を含む他の癌細胞であってもよい。
適切には、組成物は、細胞の細胞質に送達される。組成物は、上記に記載され、以下に限定されるものではないが、リポソーム、合成ポリマー、細胞透過性ペプチド、ナノ粒子、ウイルスカプセル化、受容体媒介エンドサイトーシス、電気穿孔、または細胞の細胞質に組成物を送達するための任意の他の手段を含む、細胞質送達機構を通じて送達することができる。
細胞は、インビボ、インビトロ、またはエクスビボで直接または間接的に組成物と接触され得る。接触は、細胞、組織、哺乳動物、患者、またはヒトへの投与を包含する。さらに、細胞の接触には、細胞質送達機構による細胞培養物への組成物の添加、または任意の利用可能な手段による細胞の細胞質への組成物の導入が挙げられる。他の適切な方法には、以下に記載される投与の適当な手順および経路を用いた、細胞、組織、哺乳動物、または患者への組成物の導入または投与が挙げられ得る。
本明細書に記載される組成物の投与は、癌細胞の増殖を阻害する、または癌を治療することができる。この効果は、組成物の投与の全体的な免疫刺激効果に起因する、または組成物との接触によって開始されるプログラム細胞死による可能性がある。本明細書に記載される組成物の投与は、対照処理細胞と比較して、細胞の増殖を20%、30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%またはそれ以上阻害することができる。本明細書に記載される組成物の投与はまた、処理細胞の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、または75%超において細胞死、適切にはプログラム細胞死を誘導することもできる。プログラム細胞死は、細胞内プログラムによって媒介される細胞死の任意の方法を含み、以下に限定されるものではないが、アポトーシス、オートファジー、ネクロトーシス、アノイキス、または他の非アポトーシス型のプログラム細胞死を含む。
本明細書に記載される組成物は、対象における癌を治療するために対象に投与することができる。癌の治療には、以下に限定されるものではないが、対象における癌細胞数または腫瘍サイズの低減、より攻撃的な形態への癌の進行の低減、癌細胞の増殖の低減(増殖の阻害)または腫瘍増殖の速度の低減、癌細胞の殺滅(任意の方法による)、癌細胞の転移の低減または対象における癌の再発の可能性の低減が挙げられる。対象の治療は、本明細書で使用される場合、疾患を患っているまたは疾患を発症するリスクのある対象に、対象の状態(例えば、1つまたは複数の症状)の改善、疾患の進行の遅延、症状の発症の遅延または症状の進行の緩徐化等を含む利点を与える任意のタイプの治療を指す。
組成物は、医薬組成物を製造するのに使用されてもよい。上記に記載されたRNAおよび組成物ならびに薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。薬学的に許容される担体は、インビボでの投与に適した任意の担体である。組成物における使用に適した薬学的に許容される担体の例には、以下に限定されるものではないが、水、緩衝溶液、グルコース溶液、オイルヌクレオチド(oil−nucleotided)または細菌培養液が挙げられる。組成物の追加の成分には、安定剤、保存料、希釈剤、乳化剤および潤滑剤などの、例えば賦形剤が適切には挙げられ得る。薬学的に許容される担体または希釈剤の例には、炭水化物などの安定剤(例えば、ソルビトール、マンニトール、デンプン、スクロース、グルコース、デキストラン)、アルブミンまたはカゼインなどのタンパク質、ウシ血清または脱脂乳などのタンパク質含有剤、および緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)が挙げられる。特に、そのような安定剤が組成物に添加される場合、組成物は凍結乾燥または噴霧乾燥に適している。組成物はまた、乳化することもできる。
有効量または治療有効量は、本明細書で使用される場合、癌などの状況、障害または状態を治療するために対象に投与されるときに、治療(上記に定義された)を達成するのに十分な組成物の量を意味する。治療有効量は、組成物、疾患およびその重症度、ならびに治療される対象の年齢、体重、健康状態および反応性に応じて異なるであろう。
本明細書に記載される組成物は、以下に限定されるものではないが、経口、局所、鼻腔内、腹腔内、非経口、静脈内、頭蓋内、腫瘍内、筋肉内、皮下、髄腔内、経皮、鼻咽頭、または経粘膜吸収を含む、当業者に公知の任意の手段によって投与することができる。故に組成物は、摂取可能、注射可能な局所または座薬製剤として製剤化され得る。組成物はまた、リポプレックス、ポリプレックス、標的特異的ナノ粒子または徐放性ビヒクルで送達することもできる。本発明による対象への組成物の投与は、用量依存的に有益な効果を示すようである。故に、広範な限度内で、より大量の組成物の投与は、より少量の投与より有益な生物学的効果の増加を達成することが予想される。さらに、有効性もまた、毒性が見られるレベルより下の投与量で企図される。
いずれの場合においても投与される特定の投与量は、当業者に公知のように、投与される組成物、治療または阻害される疾患、対象の状態、および組成物の活性または対象の応答を変更し得る他の関連のある医学的要因に従って調整されることが理解されるであろう。例えば、特定の対象に対する特定の用量は、年齢、体重、全般的な健康状態、食生活、投与のタイミングおよび方法、排出速度、併用される医薬品、ならびに療法が適用される特定の障害の重症度に依存する。所与の患者に対する投与量は、従来の考察を用いて、例えば適当な従来の薬理学的または予防的プロトコルによって決定することができる。
対象に対する最大投与量は、望ましくないまたは耐え難い副作用を引き起こさない最高投与量である。個別の予防的または治療レジメンに関して変数の数は大きく、広範囲の用量が予想される。投与経路もまた、投与量要件に影響を与えるであろう。組成物の投与量は、治療前症状または未治療で放置された症状と比べて、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%状態の症状を低減することが予期される。薬学的調製物および組成物は、治癒をもたらすことなく疾患の症状を緩和もしくは軽減し得る、または、いくつかの実施形態において、疾患もしくは障害を治癒するのに使用され得ることが具体的に企図される。
組成物を投与するための適切な有効投与量は、当業者により決定され得るが、典型的には体重1キログラムあたり、週に約1マイクログラム〜約100,000マイクログラムに及ぶものの、典型的には体重1キログラムあたり、週に約1,000マイクログラム以下である。いくつかの実施形態において、有効投与量は、体重1キログラムあたり、週に約10〜約10,000マイクログラムに及ぶ。別の実施形態において有効投与量は、体重1キログラムあたり、週に約50〜約5,000マイクログラムに及ぶ。別の実施形態において、有効投与量は、体重1キログラムあたり、週に約75〜約1,000マイクログラムに及ぶ。本明細書に記載される有効投与量は、投与される総量を指す。すなわち、1つを超える組成物が投与される場合、有効投与量は投与される総量に相当する。組成物は、単回投与または分割投与として投与することができる。例えば、組成物は、4時間、6時間、8時間、12時間、1日、2日、3日、4日、1週間、2週間、もしくは3週間またはそれ以上隔てて2回以上投与されてもよい。
その他
本開示は、本明細書に記載された構成要素、または方法ステップの構成、配置の特定の細部に限定されない。本明細書に開示された組成物および方法は、この後の本開示に照らして当業者に明らかとなる様々な方法で作成され、実践され、使用され、実施され、および/または形成されることができる。本明細書で使用される表現および用語は、説明の目的のみであり、特許請求の範囲の限定として見なされるべきではない。第1の、第2の、および第3のなどの序数標識は、説明および特許請求の範囲で使用される場合、様々な構造または方法ステップを指し、任意の特定の構造もしくはステップ、またはそのような構造もしくはステップの任意の特定の順序もしくは構成を示すと解釈されることを意味するものではない。本明細書に記載された全ての方法は、本明細書に特に指示のない限り、または文脈によって特に明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で行うことができる。本明細書に提供されるありとあらゆる例、または例示的用語(例えば、「など(such as)」)の使用は、本開示を容易にすることが単に意図され、特に主張されない限り、本開示の範囲に対するいかなる制限も意味するものではない。本明細書の用語、および図面に示された構造は、任意の特許請求されていない要素が、開示された発明の主題の実践に不可欠であることを示していると解釈されるべきではない。用語「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する(having)」およびそれらの変形形態の本明細書における使用は、その後に列挙された要素およびその同等物、ならびに追加の要素を包含することを意図している。特定の要素を「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する(having)」として記載された実施形態は、それらの特定の要素「から本質的になる」および「からなる」としても企図される。
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に特に指示のない限り、範囲内にあるそれぞれの値を個々に指す簡略表記法としての役目を果たすことが意図されているにすぎず、それぞれの値は、本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。例えば、濃度範囲が1%〜50%として述べられているならば、2%〜40%、10%〜30%、または1%〜3%などの値が、本明細書に明示的に列挙されることが意図される。これらは、具体的に意図されるものの例にすぎず、列挙された最低値と最高値の間の数値、ならびに列挙された最低値および最高値を含む数値の全ての可能性のある組み合わせが、本開示に明示的に述べられていると見なされるべきである。特定の記載された量または量の範囲を説明するための単語「約」の使用は、例えば、成形測定等における製造公差、器械誤差および人的誤差に起因することが説明され得る、または当然説明される値などの、記載された量に極めて近い値がその量に含まれることを示すことを意図するものである。量に言及する全てのパーセンテージは、特に指示のない限り質量による。
本明細書に引用された任意の非特許または特許文献を含むいかなる参考文献も、先行技術となることを承認するものではない。特に、本明細書における任意の文献への言及は、特に記載のない限り、これらの文献のいずれかが米国または任意の他の国における当技術分野の共通の一般常識の一部を形成するという承認にはならないことが理解されるであろう。参考文献のいずれの論考もその著者が主張することを述べており、本出願者は、本明細書に引用された文献のいずれかの正確さおよび適切さに異議を申し立てる権利を有する。本明細書に引用された全ての参考文献は、特に明示的に指示されない限り、その全体が参照により完全に組み込まれる。引用された参考文献に見出されるいずれかの定義および/または説明に何らかの不一致がある場合には、本開示が支配するものとする。
文脈によって特に指定または指示されない限り、用語「a」、「an」、および「the」は、「1つまたは複数」を意味する。例えば、「タンパク質(a protein)」または「RNA(an RNA)」は、それぞれ「1つまたは複数のタンパク質」または「1つまたは複数のRNA」を意味すると解釈されるべきである。
以下の例は、例示することを意図するにすぎず、本発明の範囲または添付の特許請求の範囲に対する限定として意図するものではない。
参考文献




材料および方法
細胞培養
ヒトメラノーマ細胞株WM266−4(ATCC、マナッサス、VA)は、10%FBS、1×非必須アミノ酸(NEAA)および1mMピルビン酸ナトリウムを補充したイーグル最小必須培地で維持した(全てInvitrogen製、カールスバッド、CA)。ヒト前立腺癌細胞株DU145(ATCC)は、1×NEAAおよび1mMピルビン酸ナトリウム、10%FBSを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(Invitrogen)で培養した。ヒト肝細胞癌細胞株、Huh7.0およびHuh7.5は、Dr. Stacy M. Horner、デューク大学によって好意により提供された。Huh7.0、Huh7.5、ヒト膵臓癌細胞株PANC−1(ATCC)、マウス膵臓癌細胞株PANC−02(NIH)およびマウスメラノーマ細胞株B16.F0(ATCC)は、10%FBSを補充したDMEMで維持した。ヒト膵臓癌細胞株BxPC3細胞は、10%FBSおよび2mM L−グルタミンを含むRPMI 1640(Invitrogen)で維持した。TLRレポーター細胞株、HEK−Blue Null、HEK−Blue hTLR2、HEK−Blue hTLR3、HEK−Blue hTLR4およびHEK−Blue hTLR9細胞(全てInvivoGen、サンディエゴ、CAから購入)は、NF−kB/AP−1誘導性分泌型胎盤アルカリホスファターゼ(SEAP)および対応するTLRを安定に発現し、これらの細胞は製造者の指示書に従って維持された。ヒト正常末梢血単核細胞(PBMC)(Stemcell Technologies、バンクーバー、カナダ)は、10%FBSおよび2mM L−グルタミンを含むRPMI 1640で培養した。未成熟樹状細胞(DC)は、以前に記載されているようにPBMCから生成した。46 全ての細胞を37℃、5%CO2を含む加湿雰囲気でインキュベートした。
ICRの生成
全てのICRは、以前に記載されているように、Y639F変異体T7 RNAポリメラーゼを用いたDNA鋳型からのインビトロ転写と、その後のゲル精製によって産生した。28 ICR中の全てのピリミジンは2’フルオロ修飾される。
インビトロRNA処理およびPRR刺激
ICRおよびpolyI:Cに、どちらもDharmaFECT(登録商標)Duoリポソームトランスフェクション試薬(Thermo Scientific、ウォルサム、MA)をトランスフェクション試薬(μl):RNA(μg)比3:1で製造者の指示書に従ってトランスフェクトした。RNAは80〜90%のコンフルエント細胞にトランスフェクトした。細胞をRNAトランスフェクション剤複合体と4時間インキュベートし、その後新鮮な培養培地を補充した。細胞および培養上清を様々な時点で回収した。Pam3CSK4、CpG 2006、PolyI:C、R848(全てInvivoGen製)およびLPS(Sigma)を、対照TLRおよびPRRアゴニストとして使用した。
細胞増殖阻害および細胞死の定量化
未処理細胞と比べた増殖阻害を、Celltiter 96(登録商標)MTS Cell Proliferation Assay Kit(Promega、マディソン、WI)を用いて処理後72時間時点で製造者の指示書に従って定量化した。増殖阻害パーセントは、以下の式:増殖阻害%=([O.D.]未処理−[O.D.]処理)/[O.D.]未処理×100を使用して計算した。細胞死はPE Annexin V Apoptosis Detection Kit I(BD Biosciences、サンノゼ、CA)を用いて測定した。
I型IFN、RIPKおよびカスパーゼの阻害
I型IFNデコイ受容体B18R(1μg/ml)(eBioscience、サンディエゴ、CA)、RIPキナーゼ阻害剤ネクロスタチン−1(100μM)(Sigma、セントルイス、MO)およびパン−カスパーゼ阻害剤Z−VAD−fmk(50μM)(InvivoGen)で細胞をRNA処理前および処理直後に6時間処理した。IFN−β依存性細胞死を誘導するために、細胞を組換えヒトIFN−β(100ng/ml)(Peprotech、ロッキーヒル、NJ)で処理した。
RIG−I、PKRおよびMDA5発現のsiRNAノックダウン
RIG−I、PKRおよびMDA5の一過性ノックダウンは、以前に記載されているように行った。28 2回目のsiRNAトランスフェクション後5時間時点で、細胞を回収し、96ウェルプレートに再播種し、一晩インキュベートした。細胞を、次いでPRR活性化RNAで処理した。
DAMPの生成
DAMPを生成するために、5×105 WM266−4細胞にRNA(1μg/ml)をトランスフェクトし、またはドキソルビシン(7.5μM)(Sigma)とインキュベートした。4時間後、細胞を新鮮な培養培地で5回洗浄し、1mlの培養培地で2〜3日間インキュベートした。死細胞はトリパンブルーを用いてカウントする。95%を超える細胞が死滅したら、培養上清を1200RPMで5分間、遠心分離によって回収し、使用まで−80℃で保管した。
食作用アッセイ
細胞をPKH67 Green Fluorescent Cell Linker Kit(Sigma)を用いて標識した。PKH67標識細胞をRNAまたはドキソルビシン(7.5μM)(Sigma)を用いて殺滅した。死んだ/死につつある細胞を処理後48時間時点で回収し、未成熟DCと1時間インキュベートした。PKH67標識した、死んだ/死につつある細胞の食作用を、フローサイトメトリーによって決定した。
DAMP誘導TLR活性化およびDC刺激
DAMPを完全培地で25%(v/v)に希釈した。5×104TLRレポーター細胞または1×105未成熟DCを、希釈したDAMPと96ウェルプレートで一晩インキュベートした。TLR活性化を決定するために、SEAP放出のレベルを比色アッセイを用いて決定した。簡単には、40μl培養上清を回収し、180μl QUANTI−Blue(商標)(InvivoGen)と平底96ウェルプレートで3時間インキュベートした。SEAP活性は、光学密度(OD)をBioTek Power Wave XS2 ELISAプレートリーダー(BioTek、ウィヌースキ、VT)により650nmで読み取って得た。Pam3CSK4(TLR2アゴニスト)、CpG 2006(TLR9アゴニスト)、PolyI:C(TLR3アゴニスト)およびLPS(全てInvivoGen製)を、対照TLR刺激因子として使用した。DC刺激を決定するために、DCによるサイトカイン産生をELISAによって決定した。
インビボ抗腫瘍療法
5〜6週齢NU/JマウスをJackson Laboratory(バーハーバー、ME)から入手した。7×105WM266−4ヒトメラノーマ細胞をNU/Jヌードマウスの右側腹部に皮下移植した。マウスが触知可能な腫瘍を有する場合、in vivo−jetPEI(登録商標)(Polyplus Transfection、ニューヨーク、NY)を用いて、N/P=8で担腫瘍マウスに20μgのRNA分子を腫瘍内注射した。RNAを5日間連続で毎日注射した。腫瘍増殖は、キャリパーを用いて腫瘍の直径を1日おきに測定して評価した。腫瘍体積は、[(横)2×(縦)]/2として定義した。2000mm3を超える腫瘍体積を有するマウスを安楽死させた。マウスの使用を含む全ての実験手順は、ガイドラインに従って、およびデューク大学の動物実験委員会に準拠して行った。
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)
TNF−α、IL−6およびIL−8は、BD OptEIA(商標)ELISAセット(BD Biosciences、フランクリンレイクス、NJ)を用いて決定した。IFN−β産生は、IFN−β ELISAキット(PBL Biomedical Laboratories、ピスカタウェイ、NJ)を用いて決定した。HMGB−1分泌は、HMGB1 ELISAキット(Tecan、モリスビル、NC)を用いて製造者の指示書に従って決定した。
イムノブロット分析および抗体
ミトコンドリアおよび核画分を、それぞれMitochondria Isolation KitおよびNE−PER Nuclear Extraction試薬(両方ともThermo Scientific製)を用いて単離した。ミトコンドリア溶解物、核溶解物および全細胞溶解物を、完全プロテアーゼ阻害剤カクテルおよびホスファターゼ阻害剤カクテル(Sigma)の存在下、1×RIPA緩衝液(Sigma、セントルイス、MO)中で調製した。30μgのタンパク質溶解物を4〜20%Mini−PROTEAN(登録商標)TGX(商標)ポリアクリルアミドゲル(Bio−Rad、ハーキュリーズ、CA)で電気泳動分離し、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜(PolyScreen(登録商標)、PerkinElmer)に移した。TBST20ですすいだ後、膜をTBTS20中5%ドライミルクで1時間ブロッキングし、その後、一次抗体抗XIAP(1:1000)(3B6;Cell Signaling、ダンバーズ、MA)、抗TRAIL(1:1000)(C92B9;Cell Signaling)、抗ホスホ(p)−IRF−3(1:500)(4D4G;Cell Signaling)、抗切断カスパーゼ−3(1:200)(D3E9;Cell Signaling)、抗カスパーゼ−7(1:200)(Cell Signaling)、抗NF−κB p65(1:1,000)(L8F6;Cell Signaling)、抗RIP(1:1,000)(Cell Signaling)、抗RIG−I(1:500)(D14G6;Cell Signaling、Danvers、MA)、抗MDA5(1:500)(D74E4;Cell Signaling)および抗PKR(1:350)(カタログ番号3072;Cell Signaling)と一晩インキュベーションした。異なるタンパク質を同じ膜で順次検出する場合、Restore Western Blot Stripping Buffer(Thermo Scientific、ロックフォード、IL)で膜を8分間処理し、上記に記載したように洗浄し、ブロッキングし、再びプロービングした。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗ウサギ(1:2,000)(Cell Signaling)または抗マウス(1:2,000)(Cell Signaling)二次抗体を用いて一次抗体を検出した。抗β−チューブリン(1:1,000)(9F3;Cell Signaling)、抗CoxIV(1:1,000)(3E11;Cell Signaling)および抗ヒストンH3(1:1,000)(D1H2;Cell Signaling)を、ローディング対照として使用した。HRP活性は、Western Lightning Plus Kit(PerkinElmer、ウォルサム、MA)を用いて可視化した。
表面カルレティキュリンおよび細胞質HMGB−1の検出
表面カルレティキュリンの発現は、抗カルレティキュリン−PE(1/100希釈)(Abcam、ケンブリッジ、MA)および7−AAD(BD Biosciences)と共染色した後、フローサイトメトリーによって決定した。HMGB1の検出には、細胞を4%パラホルムアルデヒド溶液で固定し、その後5%BSA、PBS中0.2%Triton X−100でブロッキングおよび透過処理し、抗HMGB1(1/1000希釈)(Abcam)で一晩染色し、Alexa Fluor 488結合ヤギ抗ウサギIgG(1/1000希釈)(Abcam)を二次抗体として使用した。DAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)(Sigma)を、核対比染色剤として使用した。HMGB1およびDAPIの発現をZeiss Axio Observer顕微鏡下で観察し、MetaMorphソフトウェア(サニーベール、CA)を用いて画像を分析した。
凝固アッセイ
5μl DAMPまたは培養培地を、50μL正常プールヒト血漿(George King Bio−Medical Inc.、オーバーランドパーク、KS)と混合した。混合物を37℃で3分間インキュベートし、その後50μL CaCl2(25mM)を添加した。STart(登録商標)Hemostasis Analyzer(Diagnostica Stago、パーシッパニー、NJ)を用いて凝固時間を記録した。
統計分析
実験群の細胞増殖、細胞死、サイトカイン産生および腫瘍体積の違いを、両側スチューデントt検定を用いて比較した。生存の有意性をログランク(Mantel−Cox)検定によって決定した。0.05未満の確率(P<0.05)を統計的有意性に使用した。
(例1)
癌細胞死ならびにIFN−βおよび炎症促進性サイトカインの発現の差次的誘導に関するRNA分子のスクリーニング
鎖間または鎖内塩基対(10〜20bp)からなる5’(p)ppおよび短いRNA二本鎖は、RIG−Iによって認識される公知のモチーフである。23、24 MDA5およびTLR3は、それぞれ長いdsRNA(0.5〜6kb)25および短いdsRNA(>21bp)26によって配列非依存的に活性化され、一方TLR7は、AUおよびGUリッチな短いssRNAによって配列依存的に活性化される。27 しかし、RIG−I、MDA5、TLR3およびTLR7によって認識される他のモチーフが存在している可能性がある。本発明者らは近年、5’pppおよびステムループを含有するRNAアプタマーによるトランスフェクションが、ヒトメラノーマ細胞における細胞死およびIFN−β発現をRIG−IおよびIPS−I依存的に誘導することを見出した。28 これらのRNAリガンドの構造および配列情報を用いて、本発明者らは先ず、5’ppp、AUおよびGUモチーフならびに様々な長さおよび数のステムループを含有するssRNAを設計して、ヒト癌細胞におけるPRR媒介性免疫原性細胞死およびI型IFN発現の増強に最適なRNA構造を決定した(図1Aおよび表1)。RNAリガンドの安定性および細胞半減期を増加させるために、本発明者らは、2’フルオロ(2’F)ピリミジンをRNAに組み込んだ。これらのRNAは、免疫原性癌細胞殺滅RNA(Immunogenic Cancer cell−killing RNA)(ICR)と呼ばれる。
9bpより長い少なくとも1つのステム構造を含有するICRによるトランスフェクションは、ヒトメラノーマ細胞において細胞傷害性を用量依存的に誘導し、一方、直鎖状ICRおよび9bpより短いステム構造を含有するICRは、これらの細胞において細胞傷害性を誘導しなかった(図1A〜1C)。興味深いことに、3’オーバーハングの長さではなく5’オーバーハングの長さが細胞傷害性と逆相関した。細胞傷害性とは異なり、9〜12bp長のステムループに平滑末端を有するICRは、polyI:Cより2〜3倍高い、ヒトメラノーマ細胞によるIFN−βの産生を誘導し、一方、5’および3’オーバーハングの長さならびにステムループの数および長さは、ヒトメラノーマ細胞におけるIFN−β発現と逆相関した(図1Aおよび2A)。種々のICR間の細胞傷害性およびIFN−β発現パターンの違いを解明するために、本発明者らは2つの代表的なICR、ICR2およびICR4をさらに調べた。ICR2は23nt長の平滑末端、ヘアピンRNAであり、高い細胞傷害性および高いIFN−β発現を誘導し、一方ICR4は、55nt長の二重ステムループ構造を形成すると予測され、高い細胞傷害性および低いIFN−β発現を誘導した(図1A〜1C)。
(例2)
ICR2およびICR4は、ヒトおよびマウス癌細胞および自然免疫細胞において炎症促進性サイトカインおよびIFN−βの発現を差次的に誘導した
本発明者らは次に、ICR2およびICR4が、メラノーマ細胞以外の種々のタイプの癌細胞において細胞傷害性およびIFN−β発現を差次的に誘導するかどうかを問うた。ICR2およびICR4は両方とも、ヒト前立腺癌細胞(DU−145)およびヒト膵臓癌細胞(PANC−1およびBxPC3)の増殖の70%を超える減少を誘導した。ICR2は、これらの細胞におけるIFN−β発現のICR4より2倍以上高い増加を誘導した(図2F〜2G)。ICR2およびICR4によるIFN−β発現の差次的誘導はまた、ヒトPBMCおよびDCを含む自然免疫細胞でも観察された(図2B〜2C)。IFN−βに加えて、ヒトDCにおける炎症促進性サイトカイン、例えば、腫瘍壊死因子(TNF)αおよびインターロイキン(IL)−6の発現は、ICR2よりICR4によって有意に低く誘導された(図2D)。興味深いことに、ICR2によるトランスフェクションは、ヒト癌細胞およびDCにおいてpolyI:Cによるトランスフェクションより有意に高いIFN−β発現を誘導したが、ICR2によるトランスフェクションは、polyI:CによるトランスフェクションよりTNFαおよびIL−6の有意に低い発現を誘導した(図2A、2C、および2D)。癌細胞とは対照的に、ICR2およびICR4は、ヒトPBMCにおいて細胞傷害性を誘導しなかった(図2E)。驚くべきことに、ICR2は、マウス癌細胞において細胞傷害性もIFN−β、TNFαおよびIL−6の発現も誘導しなかった。ICR4は、マウスメラノーマ細胞およびマウス膵臓癌細胞において細胞傷害性およびIFN−β発現を誘導したが、細胞傷害性効果は、ヒト対応物と比べてマウス癌細胞ではるかに低かった(48.11±5.365%(B16)vs 92.7075±1.223%(WM266−4);41.59±7.809%(PANC−02)vs 88.39±4.470%(PANC−1)(図2F〜2Hおよび2I〜2L)。
(例3)
ICR2は遅発性IFN依存性細胞死を誘導し、一方ICR4は急性IFN非依存性細胞死を誘導した
本発明者らは次に、ヒト癌細胞においてICR2およびICR4によって誘導される細胞傷害性の機構を解明した。アネキシンV単一陽性細胞は早期アポトーシスを表し、一方、アネキシンVおよび7−AAD二重陽性細胞は一次および二次壊死細胞である。29 早期アポトーシスは、ICR4またはpolyI:Cによるトランスフェクション後4時間時点で現れ、早期アポトーシスならびに一次および二次壊死は両方とも、培養中これらの細胞において徐々に増加した(図3A〜3G)。ICR2をトランスフェクトした細胞では、有意な細胞死は4時間時点で現れず、ほんのわずかな早期アポトーシスおよび壊死が24時間時点で現れた。興味深いことに、ICR2をトランスフェクトした細胞は、48時間時点で早期アポトーシス事象よりはるかに多くの壊死事象を示した(図3A〜3E)。T7 RNAポリメラーゼは、RNA依存性RNAポリメラーゼ活性を有し、T7 RNAポリメラーゼ誘導IVTは、非鋳型自己相補的産物を形成する可能性があることが示されている。23 本発明者らは、T7 RNAポリメラーゼ誘導IVTによって産生したICR2が、予想された長さのICR2 RNAおよび予想より長い長さのICR2 IVT産物の両方を含有することを観察した(図3I)。より長い長さのICR2 IVT産物によるトランスフェクションは、トランスフェクション後24時間時点で顕著な細胞死を誘導した(図3J〜3K)。IVT副産物によって誘導される非特異的細胞死を回避するために、予想された長さのICRをポリアクリルアミドゲル電気泳動によって精製した。細胞死とは異なり、ヒトメラノーマ細胞によるIFN−β産生は、ICR2、ICR4またはpolyI:Cによるトランスフェクション後4時間時点で観察されなかった。IFN−βは、トランスフェクション後24時間および48時間時点で継続的に検出した。ICR2をトランスフェクトした細胞は、ICR4をトランスフェクトした細胞より8〜10倍高い量のIFN−βを産生した(図3H)。IFN−βは、カスパーゼ依存性アポトーシス30およびネクロトーシスと呼ばれるプログラム壊死31を含む複数の機構を介した細胞死を誘導することが知られている。故に、本発明者らは、ICR2はIFN依存性癌細胞死を誘導し、一方ICR4はIFN非依存性癌細胞死を誘導すると推測した。ICR2およびICR4によるIFN依存性または非依存性細胞死の機構をさらに解明するために、ヒトメラノーマ細胞にICR2またはICR4のどちらかをトランスフェクトし、その後、ワクシニアウイルスコードインターフェロンαおよびβデコイ受容体B18Rで処理した。B18RはICR2およびIFN−β誘導細胞死を有意に阻害したが、ICR4誘導細胞死は有意に阻害しなかった(図3F〜3H)。このデータは、ICR2がIFN依存的に細胞死を少なくとも一部誘導し、一方ICR4はIFN非依存的にアポトーシスを誘導することを示唆している。
(例4)
ICR2およびICR4は、ヒト癌細胞における異なる細胞死機構をトリガーした
本発明者らは次に、ICR2およびICR4で処理したヒト癌細胞における細胞死機構およびシグナル伝達経路を調べた。Z−VAD−fmkはパン−カスパーゼ阻害剤であり、故にアポトーシス阻害剤と見なされている。ネクロスタチン−1(Nec−1)は、受容体相互作用セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ1(RIP1)の阻害剤であり、ネクロトーシス阻害剤として一般に使用されている。ICR4によって誘導される細胞死は、Nec−1よりz−VAD−fmkによって阻害され、一方ICR2については、細胞死はz−VAD−fmkよりNec−1によって阻害されることから、逆が当てはまる(図4A)。z−VAD−fmkおよびNec−1の両方による同時処理は、z−VAD−fmkまたはNec−1のどちらかによる単一治療より癌細胞死を大幅に阻害した(図4A)。これらのデータは、ICR2誘導細胞死はカスパーゼよりはるかにRIP1に依存性であり、一方、ICR4誘導細胞死はRIP1よりカスパーゼに依存性であることを示している。この結果と一致して、ICR4で処理したメラノーマ細胞における切断カスパーゼ3および7の発現レベルは、ICR2で処理した細胞よりはるかに高いことが見出された(図4B)。対照的に、ICR2で処理した細胞は、ICR4で処理した細胞よりミトコンドリアに移行したRIP1が有意に多かった(図4C)。興味深いことに、ICR2およびICR4は両方とも、ヒトメラノーマ細胞において抗アポトーシスタンパク質X連鎖アポトーシス阻害剤(anti−apoptotic protein X−linked inhibitor of apoptosis)(XIAP)を有意に下方制御し、アポトーシス促進性タンパク質TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TNF−related apoptosis−inducing ligand)(TRAIL)を上方制御した(図4B)。これらの観察は、ICR2およびICR4は両方とも、XIAPの下方制御およびTRAILの上方制御によってヒト癌細胞をプログラム細胞死に対して感作させることを示唆している。
(例5)
ICR2およびICR4で処理した癌細胞におけるNF−κBの差次的な活性化
ICR2で処理した細胞は、ICR4で処理した細胞よりはるかに多くのIFN−βおよび炎症促進性サイトカインを産生した(図2A〜2D)。本発明者らは、ICR2およびICR4が、それぞれ炎症性サイトカインおよびIFNの発現をもたらすNF−kBおよびIRFシグナル伝達経路を差次的に活性化すると推測した。NF−κBは、ICR2をトランスフェクトした細胞の核画分で高度に検出されたが、ICR4をトランスフェクトした細胞の核画分ではわずかに検出されたのみであり、一方リン酸化IRF3は、ICR2またはICR4のどちらかをトランスフェクトした細胞で同じように検出された(図4C)。IRF3の活性化は、抗ウイルス応答において、アポトーシスの誘導およびI型IFN遺伝子の発現を含む二重の役割を有することが知られている。32 IRF3は、ヒトメラノーマ細胞においてICR2およびICR4によって同様に活性化されたが、IRF3は、ICR2およびICR4をトランスフェクトした細胞において異なる役割を果たしている可能性がある。ICR2およびICR4をトランスフェクトした細胞におけるIRF3の機能的活性化を解明するために、さらなる研究が必要とされる。
(例6)
ICR2およびICR4によるRNA感知PRRの活性化
本発明者らの最近の研究は、5’pppおよびステムループを含有する2’F修飾RNAアプタマーが、ヒトメラノーマおよび肝細胞癌細胞によるプログラム細胞死およびIFN−β産生をRIG−I依存的に誘導することを示した。28 ICR2およびICR4がヒト癌細胞のRIG−I依存性細胞死を誘導したかどうかに答えるために、本発明者らは、Huh7.0、RIG−I野生型ヒト肝細胞癌細胞株、およびHuh7.5、RIG−I変異体Huh7.0細胞株を、ICR2またはICR4のどちらかで処理した。ICR4は、Huh7.0細胞に対して細胞傷害性であったが、Huh7.5に対しては細胞傷害性でなかった(図5A)。興味深いことに、ICR2は、Huh7.0およびHuh7.5において類似した細胞傷害性を誘導した。さらに、ICR4は、siRNA媒介RIG−Iノックアウトを有するヒトメラノーマ細胞において細胞傷害性を有意に低減したが、ICR2では低減せず、一方ICR4およびICR2は、PKRおよびMDA5を含む他の細胞質RNA感知PRRのノックアウトを有するヒトメラノーマ細胞において類似したレベルの細胞傷害性をもたらした(図5B〜5C)。さらに、ヒトTLR3およびTLR7レポーター細胞は、ICR2およびICR4によって刺激されなかった(図5D)。細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)誘導脱リン酸化によってICR2およびICR4の5’pppを除去すると、ヒトメラノーマ細胞による細胞死およびIFN−β産生を有意に妨げた(図5E〜5F)。興味深いことに、2’OHピリミジンを組み込んだICR4は、2’Fピリミジンを組み込んだICR4と比べて細胞傷害性を有意に減少させたが、IFN−β誘導活性は減少させず、一方2’OHピリミジンを組み込んだICR2は、細胞傷害性およびIFN−β誘導活性の両方を完全に抑制した(図5G〜5H)。故に、ICR4は、抗癌応答をRIG−I依存的だがPKRおよびMDA5非依存的に誘導した。対照的に、ICR2誘導抗癌応答は、RIG−I、MDA5またはPKRの喪失によって影響を受けないようであった。
(例7)
ICR2およびICR4は、カルレティキュリンおよびHMGB1の移行を誘導した
特定のタイプの抗癌薬剤、例えば、ドキソルビシンは、DAMPの放出、「eat−me」シグナル(例えば、小胞体常在タンパク質カルレティキュリン)の表面発現、ならびにDCおよびNK細胞などの自然免疫細胞の活性化を特徴とする免疫原性細胞死を誘導することができる。33 この免疫原性細胞死は、抗腫瘍免疫応答の誘導による癌療法の全体的な治療転帰に大きく寄与する。ICR2およびICR4は両方とも、カルレティキュリンの表面移行をわずかに誘導した(図6A)。表面カルレティキュリンは、DCによるドキソルビシン処理癌細胞の食作用を促進することが示されている。34 DCによるICR2およびICR4処理癌細胞の食作用を研究するために、ヒト未成熟DCを、図6Bに示されているようにICR2およびICR4によって殺滅されたヒトメラノーマ細胞とインキュベートした。これらの死んだ/死につつある癌細胞は、ドキソルビシンによって殺滅された細胞と同じくらい有効にDCに取り込まれた。核から細胞質へのHMGB1の移行もまた、ICR2およびICR4で処理したヒトメラノーマ細胞において観察された(図6H)。興味深いことに、ICR2による処理は、ICR4またはドキソルビシンによる処理より有意に高いレベル、およびpolyI:Cによる処理と類似した高レベルの、ヒトメラノーマ細胞からのHMGB1放出を誘導した(図6C)。ICR4誘導細胞死によって放出されたDAMPは、ドキソルビシン誘導細胞死によって放出されたDAMPよりTLR4の刺激において有意に強力であったにもかかわらず、HMGB1放出の増加と一致して、ICR2誘導メラノーマ細胞死によって生成されたDAMPは、ICR4誘導細胞死によって生成されたDAMPより、HMGB1認識TLR4の有意に多い活性化を誘導した(図6D)。
(例8)
ICR2およびICR4は、自然免疫刺激性および凝固促進性DAMPのヒト癌細胞からの放出を誘導した
ICR2およびICR4で処理した癌細胞から放出されたDAMPが、他のTLRを刺激するかどうかを解明するために、本発明者らは、死んだ/死につつあるヒトメラノーマ細胞から放出されたDAMPを回収し、TLR2、TLR3およびTLR9レポーター細胞とインキュベートした。これらのTLRレポーター細胞の活性化のレベルは、ICR2処理細胞から放出されたDAMPとpolyI:C処理細胞から放出されたDAMPの間で有意に異ならなかった。しかし、ICR2処理細胞から放出されたDAMPは、ICR4処理細胞から放出されたDAMPよりTLRレポーター細胞を強力に活性化した。ICR4処理細胞は、ドキソルビシン処理細胞より有意に高いTLR3活性化を誘導し(図6E)、一方ICR4処理細胞は、ドキソルビシン処理細胞より有意に少ないTLR2およびTLR9活性化を誘導した(図6F〜6G)。ICR2およびICR4処理癌細胞から放出されたこれらのDAMPは、未成熟ヒトDCを刺激してサイトカインを産生した(図6I)。免疫刺激活性に加えて、DAMPは止血および血栓症を促進することが知られており35、抗癌療法後の腫瘍再発および転移において重要な役割を果たしている可能性がある。36 興味深いことに、ICR2およびpolyI:C処理ヒトメラノーマ細胞から放出されたDAMPは、モックトランスフェクト細胞から放出されたDAMPと比べて血漿の凝固を活性化し、一方、ICR4およびドキソルビシン処理メラノーマ細胞から放出されたDAMPは、血漿凝固時間を有意に変化させなかった(図6J)。これらのデータは、ICR4処理癌細胞が、ICR2処理細胞より低い量の自然免疫刺激因子およびプロコアグラントを放出したことを示唆した。
(例9)
ICR2およびICR4によるインビボトランスフェクションは、メラノーマ−保有マウスにおける生存を延長した
最後に、本発明者らは、ヒトメラノーマ異種移植モデルにおいてICR2およびICR4のインビボ治療有効性を評価した。ICR2またはICR4による反復腫瘍内治療は、腫瘍増殖を阻害し(図7A)、皮下ヒトメラノーマ異種移植片を有するヌードマウスにおける生存を有意に増強した(図7B)。ICR2およびゴールドスタンダートのPRR刺激RNAアゴニストpolyI:Cと比べて、ICR4の治療効果の低減傾向が観察された。しかし、ICR2、ICR4およびpolyI:Cの差は、統計的に有意ではなかった。B16マウスメラノーマを有する免疫応答性マウスにおいて、ICR4治療は、polyI:C治療より治療効果が有意に少ないようであった(図7C)。

Claims (45)

  1. 5’−三リン酸、2’−フルオロ修飾ピリミジン非直鎖状RNAを含む、細胞死を誘導することができる組成物であって、
    RNAが、
    (a)少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第1のステムループと、
    (b)少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第2のステムループと、
    (c)第1のステムループと第2のステムループの間のスペーサーと
    を含む、組成物。
  2. RNAが、ICR2(配列番号8)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. RNAが、ICR4(配列番号15)、ICR4A(配列番号16)、ICR5X(配列番号17)、またはICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項2に記載の組成物。
  4. RNAが、ICR4(配列番号15)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項3に記載の組成物。
  5. RNAが、ICR4A(配列番号16)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項3に記載の組成物。
  6. RNAが、ICR5X(配列番号17)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項3に記載の組成物。
  7. RNAが、ICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項3に記載の組成物。
  8. RNAが、
    ICR5X(配列番号17)またはICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第1のオリゴヌクレオチドと、
    第1のオリゴヌクレオチドの一部に完全または部分的にハイブリダイズされた第2のオリゴヌクレオチドと
    を含む、請求項3に記載の組成物。
  9. 第1のオリゴヌクレオチドが、ICR5X(配列番号17)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含み、
    第2のオリゴヌクレオチドが、ICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、
    請求項8に記載の組成物。
  10. 第1のステムループが、ICR2(配列番号8)から本質的になるオリゴヌクレオチドから形成される、請求項2から9までのいずれか1項に記載の組成物。
  11. RNAが、
    (i)ICR4(配列番号15)またはICR4A(配列番号16)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するssRNAオリゴヌクレオチド、または
    (ii)ICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第2のオリゴヌクレオチドに完全または部分的にハイブリダイズされた、ICR5X(配列番号17)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第1のオリゴヌクレオチドを含むdsRNA
    から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
  12. RNAが、ICR4(配列番号15)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドから本質的になる、請求項11に記載の組成物。
  13. RNAが、ICR4A(配列番号16)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドから本質的になる、請求項11に記載の組成物。
  14. RNAが、ICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第2のオリゴヌクレオチドに完全または部分的にハイブリダイズされた、ICR5X(配列番号17)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第1のオリゴヌクレオチドを含むdsRNAから本質的になる、請求項11に記載の組成物。
  15. 第1のステムループが、その相補体とハイブリダイズして第1のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含み、
    第2のステムループが、その相補体とハイブリダイズして第2のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドまたは3’末端ヌクレオチドを含む、
    請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物。
  16. 第1のステムループが、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第1のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含み、
    第2のステムループが、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第2のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドまたは3’末端ヌクレオチドを含む、
    請求項15に記載の組成物。
  17. 第1のステムループが、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第1のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含み、
    第2のステムループが、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第2のステムループを形成することができる3’末端ヌクレオチドを含む、
    請求項15に記載の組成物。
  18. 第1のステムループが、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第1のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含み、
    第2のステムループが、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズして第2のステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含む、
    請求項15に記載の組成物。
  19. スペーサーがRNAの一本鎖セグメントを含む、請求項1から18までのいずれか1項に記載の組成物。
  20. スペーサーが、少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第3のステムループを含む、請求項1から19までのいずれか1項に記載の組成物。
  21. スペーサーが、RNAの二本鎖セグメントを含む、請求項1から20までのいずれか1項に記載の組成物。
  22. ICR2(配列番号8)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドから形成されるステムループを含む2’−フルオロ修飾ピリミジン非直鎖状RNAを含む、細胞死を誘導することができる組成物であって、オリゴヌクレオチドが、その相補的ヌクレオチドとハイブリダイズしてステムループを形成することができる5’−三リン酸修飾末端ヌクレオチドを含む、組成物。
  23. RNAが、少なくとも8個のヌクレオチド対合の完全または部分的なハイブリダイゼーションから形成される第2のステムループと、ICR2(配列番号8)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドから形成されるステムループと第2のステムループの間のスペーサーとをさらに含む、請求項22に記載の組成物。
  24. RNAが、ICR4(配列番号15)、ICR4A(配列番号16)、ICR5X(配列番号17)、またはICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項23に記載の組成物。
  25. RNAが、ICR4(配列番号15)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項24に記載の組成物。
  26. RNAが、ICR4A(配列番号16)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項24に記載の組成物。
  27. RNAが、ICR5X(配列番号17)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項24に記載の組成物。
  28. RNAが、ICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項24に記載の組成物。
  29. RNAが、
    ICR5X(配列番号17)またはICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第1のオリゴヌクレオチドと、
    第1のオリゴヌクレオチドの一部に完全または部分的にハイブリダイズされた第2のオリゴヌクレオチドと
    を含む、請求項24に記載の組成物。
  30. 第1のオリゴヌクレオチドが、ICR5X(配列番号17)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含み、
    第2のオリゴヌクレオチドが、ICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドを含む、
    請求項29に記載の組成物。
  31. ステムループが、ICR2(配列番号8)から本質的になるオリゴヌクレオチドから形成される、請求項23から30までのいずれか1項に記載の組成物。
  32. RNAが、
    (i)ICR4(配列番号15)もしくはICR4A(配列番号16)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するssRNAオリゴヌクレオチド、または
    (ii)ICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第2のオリゴヌクレオチドに完全または部分的にハイブリダイズされた、ICR5X(配列番号17)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第1のオリゴヌクレオチドを含むdsRNA
    から本質的になる、請求項23に記載の組成物。
  33. RNAが、ICR4(配列番号15)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドから本質的になる、請求項32に記載の組成物。
  34. RNAが、ICR4A(配列番号16)に対して少なくとも80%の配列同一性を有するオリゴヌクレオチドから本質的になる、請求項32に記載の組成物。
  35. RNAが、ICR5Y(配列番号18)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第2のオリゴヌクレオチドに完全または部分的にハイブリダイズされた、ICR5X(配列番号17)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する第1のオリゴヌクレオチドを含むdsRNAから本質的になる、請求項32に記載の組成物。
  36. 治療剤をさらに含む、請求項1から35までのいずれか1項に記載の組成物。
  37. 治療剤が、化学療法剤、抗癌生物製剤、免疫療法剤、およびそれらの任意の組み合わせから選択される群のメンバーを含む、請求項36に記載の組成物。
  38. 細胞質送達組成物をさらに含む、請求項1から37までのいずれか1項に記載の組成物。
  39. 細胞質送達組成物が、リポソーム、合成ポリマー、細胞透過性ペプチド、ナノ粒子、ウイルス粒子、エレクトロポレーション緩衝液、またはヌクレオフェクション試薬、およびそれらの任意の組み合わせからなる群のメンバーを含む、請求項38に記載の組成物。
  40. 請求項1から39までのいずれか1項に記載の組成物の治療有効量、および1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む、医薬組成物。
  41. 細胞の増殖を阻害する、または細胞の死を誘導するのに有効な量で、請求項1から40までのいずれか1項に記載の組成物と細胞を接触させるステップを含む、細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導する方法。
  42. 請求項1から41までのいずれか1項に記載の組成物を、細胞の増殖を阻害する、または細胞の死を誘導するのに有効な量で、そのような治療を必要とする対象に投与するステップを含む、対象における細胞の増殖を阻害する、または細胞死を誘導する方法。
  43. 細胞が癌細胞を含む、請求項41または請求項42に記載の方法。
  44. 癌細胞が、メラノーマ、脳癌、前立腺癌、乳癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、結腸直腸癌、白血病、リンパ腫、または卵巣癌細胞を含む、請求項43に記載の方法。
  45. 組成物が、少なくとも複数の細胞の細胞質に送達される、請求項41から44のいずれか1項に記載の方法。
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