図面において、同様の参照文字は一般に、異なる図を通して同じ部分を指す。また、図面は必ずしも大きさ通りに描かれておらず、一般に本発明の原理を示す部分が強調される。
生理学的パラメータを測定し、及び/又は様々な種類の治療(例えば、薬、熱、電気など)を施すウェアラブルデバイスは、ヘルスケア産業においてより一般的になりつつある。これらのウェアラブルデバイスは、パッチ、入れ墨状のデバイスなどといった様々な形態を取り得る。更に、様々な生理学的パラメータを測定することができるスマートウォッチ、スマートベルトなどのようなウェアラブル電子機器もまた遍在している。しかしながら、ウェアラブルデバイスは、長期間の使用後など、様々な状況において根本的な表在性紅斑(皮膚刺激)をもたらす場合がある。パッチ下の皮膚刺激は、場合によっては浸軟、即ちウェアラブルデバイスの下に蓄積する汗による皮膚の湿気への長期曝露に関連し得る。紅斑は、ユーザに不快感を与え、おそらく皮膚への損傷をもたらす場合がある。現在、紅斑を治療することは、例えば下にある皮膚を治療するために、ウェアラブルデバイスの再配置、交換、及び/又は除去を必要とし得る。これらの処置は、医療従事者及び/又はユーザに更なる作業負荷を強いる可能性があり、コストを増大させる可能性がある。
特に家庭での監視の状況において、ウェアラブルデバイスの養生法を確実に遵守するため、紅斑を検出及び/又は制限することが有益であろう。より一般的には、出願人は、紅斑(又は紅斑の発症)が検出されるときを、ウェアラブルデバイスのユーザ(及び/又は医療関係者)に通知し、その結果是正措置が取られることができることが有益であると理解及び認識している。上記に鑑みて、本開示の様々な実施形態及び実現は、下にある組織における紅斑を検出するよう構成されたウェアラブルデバイスに向けられる。
PPG命名法では、PPG波形は、いわゆる直流(「DC」)成分及び交流(「AC」)成分を含み得る。PPG波形のDC成分は、表面又は表面付近の組織から反射された光に対応し得、組織構造及び/又は動脈血と静脈血との両方の平均血液量のような要因に依存する振幅を持ち得る。PPG波形のAC成分は、心周期の収縮期と拡張期との間に生じる血液量における変化を実証することができる。
図1は、生体組織から反射された光のAC成分とDC成分の両方を示す例示的なPPG波形を概略的に示す。PPG波形のDC成分は平均血液量を表す。PPG波形のAC成分は、心周期の収縮期と拡張期との間に生じる血液量における変化を表す。DC成分の振幅の減少は、皮膚の発赤を示す場合がある。しかしながら、DC成分の振幅はまた、組織と光源との間の距離、組織と光センサとの間の距離、及び/又はウェアラブルデバイスと組織表面との間の界面における水分レベルなどの他の要因に大きく依存し得る。光散乱は一般に、波長依存性であり(より短い波長ではより大きな散乱)、そのため、ウェアラブルデバイスと組織表面との間の界面の散乱特性における変化は、比較的短い波長でのDC成分振幅の減少をもたらし得る。従って、DC成分振幅のみを分析することは、組織紅斑に関する偽陽性をもたらし得る。
従って、本書に記載の様々な実施形態では、ウェアラブルデバイスにより放出された(及び組織から反射又は透過した)光のAC成分及びDC成分の両方が、(いくつかの実施形態では他の測定基準とともに)使用され、組織紅斑がより正確に検出されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、AC成分の振幅は、組織表面下の血管の血管拡張に関する測定基準として使用され得る。組織紅斑の決定を、DCベースラインからのDC成分の振幅における減少(上記のように紅斑以外の現象により引き起こされ得る)のみに基づき行うのではなく、様々な実施形態において、ACベースラインからのAC成分の振幅における変化(例えば増加)が、DC成分の振幅における変化と相関され、組織紅斑が検出されることができる。
図2Aは、外面102(例えば皮膚表面)を備えるユーザ(例えば患者又は他の個人)の組織100を断面で示す。ウェアラブルデバイス104は、組織100の外面102に固定された基板105(可撓性であってもなくてもよい)を含み得、1つ又は複数の光源1061−N(例えばLED)及び光センサ1081−N(例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、及び/又は逆バイアスLEDなどの光センサ)を含み得る。いくつかの実施形態では、光源106及び光センサ108は、単一のユニット(例えば、光を放射し及び反射光を検出するために使用されるLED)を形成することができる。いくつかの実施形態では、光源106により放射される光は、PPGの間に使用される光と同様であり得る。
様々な実施形態において、ロジック110は、光源106及び光センサ108と動作可能に結合されてもよい。ロジック110は、メモリ(図示省略)に格納された命令を実行するよう構成された1つ又は複数のプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)などの様々な形態を取り得る。いくつかの実施形態では、ロジック110はまた、ウェアラブルデバイス104と一体の1つ又は複数の出力デバイス122と動作可能に結合され得る。出力デバイス122は、裸眼で見える1つ又は複数のLED、スピーカ、触覚フィードバック機構(例えば振動を引き起こす)、様々な無線技術を利用する無線送信機/トランシーバ(例えば低エネルギーBluetooth、Wi−Fi、RFID、EnOcean、ZigBee、Z−Waveなど)などの様々な形態を取り得る。
図2Aには示されていないが、いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス104は、心拍数、汗、体温、SpO2、1つ又は複数のバイオマーカー、グルコースなどを含むがこれらに限定されないユーザの様々な生理学的パラメータを測定するよう構成され、ロジック110と動作可能に結合される1つ又は複数の生理学的センサを含み得る。追加的又は代替的に、様々な実施形態において、ウェアラブルデバイス104は、組織100に提供され得る1つ若しくは複数の化学物質(例えば、局所用医薬品、他の医薬品、インスリンなど)を含む1つ若しくは複数のリザーバなどのユーザに治療を施すための1つ若しくは複数の機構、及び/又は電極、加熱/冷却要素などの他の要素を含み得る。
矢印により示されるように、1つ又は複数の光源106は、組織100に向かって光を放射するよう構成され得る。放出された光は、組織100を貫通すると、様々な態様で散乱する場合がある。散乱光(例えば、表面102に向かって反射される光)の少なくともいくつかは、1つ又は複数の光センサ108により検出されることができる。放射光の散乱量は、光が放射される波長を含む様々な要因に依存し得る。例えば、波長が短いほど、散乱は大きくなる。加えて、放出された光が組織100に浸透する深さは波長に依存し得る。波長が短ければ短いほど、光はあまり深く浸透しない。例えば、青色光は1mm未満まで浸透する傾向がある。赤色光は、組織100を約2mmまで浸透する傾向がある。近赤外光は、組織100を4mmも浸透し得る。
図2Aでは、光源106は、青色又は緑色−黄色の波長(又は「スペクトル」)における光のみを放射している。その結果、光は組織100内に約1mmを超えて侵入しない。1つ又は複数の光センサ108により捕捉される反射光、これはPPG波形のDC成分に対応し得るが、同様に青及び/又は緑黄色のスペクトルである。表面102の下の1mm未満の深さから反射されるこの光は、表面102への色の変化を示す場合がある。例えば、ウェアラブルデバイス104の下の表面102が赤くなるとき、この色の変化は、例えば、光センサ108により生成された信号の1つ又は複数の属性(例えば振幅)を分析することにより、ロジック110により検出されることができる。しかしながら、斯かる色の変化は、紅斑以外の現象によりもたらされるかもしれない。例えば、ウェアラブルデバイス104と表面102との間に湿気が蓄積し、反射光にアーチファクトが導入され、これが光センサ108により検出される。従って、ロジック110が、紅斑を検出するために1mm以下の深さから反射された青色光及び/又は緑色−黄色光のみを使用する場合、前述のアーチファクトは偽陽性をもたらす場合がある。
従って、図2Bに示されるように、様々な実施形態において、ロジック110は、組織100を複数の異なる深さで浸透するよう選択された複数の波長で光を放射するべく、1つ又は複数の光源106を操作するよう構成され得る。複数の波長で反射光を検出すると、1つ又は複数の光センサ108は、ロジック110により分析される信号を生成することができ、組織の紅斑が存在するかどうかが複数の測定基準に基づき決定される。
例えば、いくつかの実施形態では、ロジック110は、1つ又は複数の光センサ108により生成された1つ又は複数の信号を受信することができる。1つ又は複数の信号は、組織100から反射された光の1つ又は複数の光センサ108による検出に基づき、1つ又は複数の光センサ108により生成されてもよい。様々な実施形態において、ロジック110は、信号を分析して、例えば、組織100の第1の深さから反射された第1の波長の光から、第1の測定基準を決定することができる。例えば、図2Bにおいて、光源106により放射された光は、実線の矢印で示される第1の波長の成分を含む。これは、この例では1mm未満である第1の深さまで組織100に侵入する。従って、第1の波長は例えば、青色、緑色、及び/又は黄色の光であり得る。様々な実施形態において、第1の測定基準は、光センサ108により検出される第1の波長におけるDC成分の振幅であり得る。
同様に、ロジック110は、信号を分析して、組織100の第2の深さから反射された第2の波長の光から、第2の測定基準を決定することができる。例えば、図2Bにおいて、光源106により放射された光は、破線の矢印で示される第2の波長の成分を含む。これは、この例では約2mmである第2の深さまで組織100により深く浸透する。従って、第2の波長は、例えば赤色光であり得る。様々な実施形態では、第2の測定基準は、例えば光センサ108により検出される第2の波長(又は場合によっては任意の波長)における反射光のAC成分の振幅とすることができる。
様々な実施形態において、ロジック110は、第1の測定基準と第2の測定基準との間の相関を検出するよう構成されてもよい。少なくとも部分的にこの相関に基づき、ロジック110は、組織紅斑を示す出力を提供することができる。例えば、第1の測定基準が、例えば、黄緑色のスペクトルにおける(例えばベースラインから)減少したDC振幅を示すと仮定する。この減少したDC振幅は、赤みが表面102又はその近くで検出されたことを示し得る。しかしながら、DC振幅の減少は、ウェアラブルデバイス104と組織100の表面102との間に蓄積した湿気によりもたらされるアーチファクトなど、皮膚刺激以外の要因により引き起こされる場合がある。
従って、第2の測定基準が第1の測定基準と比較され、相関があるかどうか(例えば、第2の測定基準が第1の測定基準に基づかれる紅斑の予備的決定を「裏付ける」かどうか)が決定されることができる。第2の測定基準が、例えば赤又は赤外スペクトルにおける(例えばベースラインから)上昇したAC振幅を示すと仮定する。この上昇したAC振幅は、深さ約2mm以上での血管120の血管拡張を示し得る。第1の測定基準(黄−緑色スペクトルにおける減少したDC振幅)及び第2の測定基準(いくつかの場合において使用される任意のスペクトルにおける上昇したAC振幅)を一緒に考慮すれば、ロジック110は、紅斑が実際に存在すると推論し得る。対照的に、第2の測定基準がベースラインAC振幅を示す(即ち血管拡張がない)場合、DC振幅の減少を示す第1の測定基準は、アーチファクトの可能性が高いとして無視され得る。
いくつかの実施形態では、追加の波長の光を使用して、検出された皮膚の赤みが真に紅斑を示すのか、又は他の要因により引き起こされるのかが決定されることができる。ここで図3を参照すると、図3の一点鎖線の矢印で示される光源106により放射される第3の波長の光が、第1及び第2の波長よりも深く、例えば4mmまで組織100に浸透する。従って、第3の波長は、例えば近赤外であり得る。様々な実施形態において、第3の測定基準は、光センサ108により検出される反射近赤外光のAC成分振幅であり得る。ロジック110は、斯かる第3の測定基準を使用して、第1及び/又は第2の測定基準に基づき行われた決定を裏付ける及び/又は反論することができる。
様々な実施形態では、組織における紅斑を検出するために既に説明したものに加えて又はその代わりに、追加の測定基準が使用されることができる。これらの追加の測定基準は、(例えば、EnOcean、低電力Bluetooth、RFIDなどの無線技術を使用して)ロジック110とは別個であるが、これと通信する生理学的センサにより提供されてもよい。例えば、ユーザのスマートウォッチは、ユーザの心拍数を検出し、これをユーザが装着したパッチに提供することができる。追加的又は代替的に、これらの他の測定基準は、ウェアラブルデバイス104と一体のセンサにより提供されてもよい。
図4では、例えば、本開示の選択された態様(及び先の図に示された実施形態と同じ要素の多くのものを含む)で構成されたウェアラブルデバイス404は、一体型生理学的センサ430を含む。生理学的センサ430は、組織100から皮膚の発赤以外の1つ又は複数の生理学的パラメータを検出するよう構成されてもよい。例えば、生理学的センサ430が、心拍数を検出するよう構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光源106及び/又は光センサ108を使用して、例えばPPG技術を用いて心拍数が検出されることができる。斯かる実施形態では、生理学的センサ430と光源106/光センサ108とが組み合わせられることができる。他の実施形態では、超音波、ドップラーレーダー、心電図(「ECG」)など、他の技術を使用して心拍数が検出されることができる。
様々な実施形態では、生理的センサ430により提供される1つ又は複数の追加の測定基準は、紅斑の発見の信頼性を高める(又は斯かる発見に反論する)ため、上述の第1及び/又は第2の測定基準と相関されることができる。例えば、第1の測定基準(例えば、緑−黄色の波長におけるDC成分の振幅)が皮膚表面の赤みを示唆し、第2の測定基準(例えばAC成分の振幅)が組織表面下の血管拡張を示唆すると仮定する。共に考慮することにより、第1及び第2の測定基準は、組織紅斑を示唆するよう相関されることができる。しかしながら、生理学的センサにより提供される追加の測定基準が、心拍数の増加、体温の上昇など、皮膚の発赤及び/又は血管拡張に関する他の原因を証明すると仮定する。これらの追加の測定基準は、第1及び第2の測定基準に基づき紅斑の発見における信頼性を低下させるのに使用されてもよく、場合によりは紅斑の発見を完全に否定するために使用されてもよい。
ユーザが検出した心拍数がロジック110に提供されると仮定する。ユーザの心拍数が上昇している場合、ロジック110は、ユーザがストレスを受けている、運動している、又は特定の気候(例えば寒い天候)にあると推測することができる。これらの要因のいずれもが、心拍数及び/又は皮膚温度の増加を引き起こし、それが次に皮膚の発赤及び/又は組織100の表面102の下の血管120の血管拡張を増加させることができる。従って、ロジック110が、ユーザの心拍数が上昇していると決定する場合、ロジック110は例えば、ユーザの組織により反射された緑色−黄色光のDC成分における振幅の減少(皮膚表面の発赤を示唆する)を無視する。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、ロジック110は、ユーザの組織により反射された光のAC成分における振幅の増加を無視してもよい。これは、心拍数の上昇がなければ、紅斑を示す場合がある。
心拍数に加えて、又はその代わりに、生理学的センサ430は、他の生理学的パラメータを検出するよう構成され得る。このパラメータに関して、上昇した測定値は、ストレス、運動、又は(着用者の及び/又は着用者の環境の)温度、汗のレベル、血圧などの他の要因に関連し得る又はし得ない。これらの他の生理学的パラメータは例えば、(上述のように)緑色−黄色スペクトルにおける反射光のDC成分に基づき、ロジック110によりなされた組織刺激の任意の予備的決定と相関させ又は反論するために使用され得る。
図5は、様々な実施形態による例示的方法500を示す。方法500の特定の動作は、特定の順序で描かれているが、これは限定を意味するものではない。様々な実施形態では、1つ又は複数の動作が追加、省略、及び/又は順序変更されることができる。
ブロック502で、ウェアラブルデバイスが組織に固定されることができる。例えば、本開示の選択された態様で構成されたパッチ又は入れ墨状デバイスは、(例えば、生体適合性接着剤を用いて)ユーザの胸、額、付属物、腹部などの様々な位置でユーザの皮膚に接着され得る。追加的又は代替的に、スマートウォッチ又はスマートバンドなどのウェアラブルコンピューティングデバイスが、例えばベルト又は他の同様のメカニズムによりユーザの皮膚に固定されることができる。
ブロック504において、ウェアラブルデバイスと一体の1つ又は複数の光源が、(例えば、複数のスペクトルにわたって)複数の波長で光を放射するよう、(例えば、ロジック110により)操作され得る。いくつかの実施形態では、複数の波長の光が同時に放射されてもよい。他の実施形態では、異なる波長の光が、例えば、シーケンシャルに、2つ以上の波長を交互に切り替えるなど、異なる時間に放射されてもよい。上述のように、異なる波長の光は、下にある組織の異なる深さまで侵入することができる。
ブロック506において、ウェアラブルデバイスと一体の1つ又は複数の光センサにより生成された1つ又は複数の信号が例えば、ロジック110において、又はウェアラブルデバイスと一体の送信機と無線通信する遠隔計算デバイスのロジックにおいて受信され得る。ブロック508で、1つ又は複数の光センサからの信号が分析され、第1の(例えば、比較的短い)波長内の反射光から第1の測定基準が決定されることができる。上述のように、第1の測定基準は、1つ又は複数の比較的短い波長のスペクトル(例えば、緑−黄、青など)における反射光の振幅を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の測定基準は、それらの1つ又は複数の波長における反射光のDC成分であり得る。
上述のように、比較的低い波長での反射光のDC成分の振幅の減少は、下にある組織における赤みにより引き起こされる場合があるが、水分の蓄積、光センサと皮膚表面と間の間隔の変化などのアーチファクトによっても引き起こされることができる。従って、ブロック510で、1つ又は複数の光センサからの信号が分析され、第2の(例えば比較的長い)波長内の検出光から第2の測定基準が決定されることができる。上述のように、第2の測定基準は例えば、1つ又は複数の比較的長い波長スペクトル(例えば、赤、近赤外など)における反射光の振幅を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の測定基準は反射光のAC成分の振幅であり得る。いくつかの実施形態では、ブロック512(これはオプションであり得る)で、第3の測定基準(又は第3の測定基準を超える追加の測定基準)が、1つ又は複数の生理学的センサ(例えば430)から決定され得る。これらのセンサは、ウェアラブルデバイスと一体であってもよく、又は例えば無線通信チャネルにより遠隔接続されてもよい。これらの追加の測定基準は例えば、心拍数、体温(インビボ又は外部)、血圧、グルコースレベル、又は組織の紅斑の予備的決定を確証若しくは反論するために使用され得る他の任意のパラメータ(生理学的又はその他)を含み得る。
ブロック514において、例えば、ウェアラブルデバイスと一体のロジック110により、又は遠隔計算デバイスのロジックにより、少なくとも第1及び第2の測定基準(及び利用可能であればブロック512で、生理学的センサにより提供される任意の追加の測定基準)の間に相関があるかどうかが決定され得る。例えば、比較的短い波長における反射光のDC成分の振幅における減少(例えば、ベースラインからの)が、例えば別の比較的長い波長における反射光のAC成分の振幅における対応する増加を伴うかどうかが決定されることができる。ブロック512で生理学的センサにより提供された追加の測定基準が利用可能である場合、それらの測定基準は同様に第1及び/又は第2の測定基準と相関されることができる。例えば、着用者の心拍数が上昇していない(及び従って運動している、又はストレス下にある可能性が低い)ことを示す心拍数測定基準は、反射光の様々な波長での変化したAC及びDC振幅と相関されることができる。
ブロック514での答えが「はい」であれば、方法500はブロック516に進むことができる。ブロック516において、組織紅斑を示す出力が、1つ又は複数の出力デバイス(例えば122)を介して提供されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスと一体のLED又は他の視覚的出力デバイスは、ある種の視覚的出力(例えば、明滅、色の変化など)を提供することができる。追加的又は代替的に、ウェアラブルデバイスと一体の音声及び/又は触覚フィードバックデバイスが、音声及び/又は触覚フィードバックを提供してもよい。出力デバイス122が無線送信機であるいくつかの実施形態では、出力は、着用者のスマートフォン又は医療関係者により操作されるコンピューティングデバイスなどの遠隔計算デバイスに、送信機により無線で送信されるアウトバウンドメッセージを含み得る。それらの遠隔計算デバイスは次いで、視覚的、音声的、及び/又は触覚的なフィードバックを上げることにより応答し得る。ウェアラブルデバイスがリザーバを備えているいくつかの実施形態では、リザーバに格納される1つ又は複数の化学物質(例えば局所治療)が放出され、例えば皮膚を治癒又は別の態様で和らげる(例えば乾燥させる)ため組織の刺激領域に提供される。従って、リザーバは、相関に少なくとも部分的に基づき、1つ又は複数の皮膚治療薬品を基材の下の組織に提供するよう構成(又は動作可能に)されることができる。いくつかの実施形態では、ロジック110は、少なくとも部分的に相関に基づき、1つ又は複数の皮膚治療薬品を基板の下の組織に提供するべくリザーバを制御するよう構成され得る。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスの真下の皮膚が呼吸することを可能にするように動作可能である構造を含み得る。例えば、パッチは、空気流を増加させるため(例えば、化学薬品、熱、電流などを使用して)拡張され得る孔を含み得る。
他方、ブロック514における答えが「いいえ」である場合、それは、例えば、反射光のDC成分の振幅における減少が、水分の蓄積などの皮膚の発赤以外の現象により引き起こされたことを示し得る。斯かる場合、出力が提供されないでもよいし、又は水分の蓄積又はセンサ/デバイスの誤動作をユーザに通知するために異なる出力が提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、閾値数の偽陽性が第1及び/又は第2の測定基準により提供されるが、生理学的センサにより提供される追加の測定基準と矛盾する場合、不良光源及び/又はセンサを示す出力が提供され得る。
いくつかの実施形態では、本開示の選択された態様で構成されたウェアラブルデバイスは、皮膚の表面下の組織からの光の捕捉を容易にするための機構を備えていてもよい。例えば、より広い範囲の組織が監視されることを可能にするため、導光要素がいくつかのウェアラブルデバイスに組み込まれることができる。これらの導光要素は、光チャネル、結晶、レンズなどのような様々な形態を取り得る。導光要素は例えば、ウェアラブルデバイスの設置面積及び/又は光源のアレイの設置面積の外側の組織から反射される光を捕捉するよう構成されてもよい。場合によっては、そうでなければ光センサに向かって捕捉されない可能性がある反射光を案内するため、1つ又は複数の光導波路が設けられてもよい。いくつかの実施形態では、本開示の選択された態様で構成されたウェアラブルパッチの接着剤部分の下に散乱される光を案内及び/又は捕捉するため、1つ又は複数の導光要素(及び/又は光センサ)が配置され得る。
いくつかの実施形態が、本書に記載及び例示されるが、当業者であれば、本書に記載される機能を実行し、並びに/又は結果を得る及び/若しくは1つ若しくは複数の利点を得るための様々な他の手段及び/又は構造を容易に想像することができるであろう。斯かる変形及び/又は修正の各々は、本発明の範囲内であるとみなされる。より一般的には、当業者は、本書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が、例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の用途に依存するであろうことを理解されるであろう。当業者は、本書に記載される特定の本発明の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、又は単なる日常的な実験を用いて確認することができるであろう。従って、前述の実施形態は単なる例示として提示され、添付の特許請求の範囲及びそれと均等の範囲内で、本発明の実施形態が、具体的に記載され請求項に記載される以外の態様で実施され得る点を理解されたい。本開示の本発明の実施形態は、本書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法に関する。更に、斯かる特徴、システム、物品、物質、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、斯かる特徴、システム、物品、物質、キット及び/又は方法の2つ以上の任意の組み合わせが、本開示の範囲に含まれる。
本書において規定され使用される全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文献における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を制御すると理解されるべきである。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味するものとして理解されたい。
本書において使用される「及び/又は」という語句は、そのように結合された要素の「一方又は両方」、即ち場合によっては結合的に存在し、他方では離反的に存在する要素を意味するものとして理解されたい。「及び/又は」を用いて列挙される複数の要素は、同じように、即ちそのように結合された要素の「1つ又は複数の」と解釈されるべきである。具体的に特定された要素と関連するかどうかにかかわらず、「及び/又は」句により具体的に特定される要素以外の他の要素がオプションで存在してもよい。従って、非限定的な例として、例えば「有する」などの非限定的な言語と併せて使用されるとき、「A及び/又はB」への参照は、一実施形態では、Aのみ(オプションでB以外の要素を含む)を指し;別の実施形態では、Bのみ(オプションでA以外の要素を含む)を指し;更に別の実施形態では、A及びBの両方(オプションで他の要素を含む)を指す、等となる。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「又は」は、上で定義した「及び/又は」と同じ意味を持つ点を理解されたい。例えば、リストにおける項目を分離するとき、「又は」又は「及び/又は」は、包括的なものとして解釈され、即ち、複数の要素又はリストにある要素の少なくとも1つを含むが、1つ又は複数の要素も含み、オプションでリストにない追加的な項目も含む。例えば、「唯一の」又は「正確に1つの」又は特許請求の範囲において使用されるときの「からなる」といった限定用語は、明確に反対の指示がない限り、複数の要素又はリストにある要素の正確に1つの要素を含むことを指す。一般的に、本書で使用される「又は」という用語は、「どちらか」、「の1つ」、「の1つのみ」、又は「の正確に1つ」といった排他的な用語により先行されるときのみ、排他的な選択肢(即ち、一方又は他方だが両方ではない)を示すものとして解釈される。特許請求の範囲で使用されとき「本質的に〜からなる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を持つ。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される、1つ又は複数の要素のリストを参照する「少なくとも1つの」という語句は、要素のリストにおける任意の1つ又は複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリストにおいて具体的に列挙される各要素の少なくとも1つを含むものではなく、要素のリストにおける要素の任意の組合せを除外するものではない点を理解されたい。この定義はまた、具体的に特定された要素に関連するかしないかに関わらず、「少なくとも1つの」という語句が参照する要素のリストにおいて具体的に特定された要素以外の要素がオプションで存在することを可能にする。従って、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は同等に「A又はBの少なくとも1つ」、又は同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つのA、オプションで1つ又は複数のAを含み、Bが存在しない(及びオプションでB以外の要素を含む)ことを指し;別の実施形態では、少なくとも1つのB、オプションで1つ又は複数のBを含み、Aが存在しない(及びオプションでA以外の要素を含む)ことを指し;更に別の実施形態では、少なくとも1つのA、オプションで1つ又は複数のAと、少なくとも1つのB、オプションで1つ又は複数のBとを含む(及びオプションで他の要素を含む)ことを指す、等となる。
反対のことが明示されない限り、1つ又は複数のステップ又は動作を含む本書で請求される任意の方法において、方法におけるステップ又は動作の順序は、方法のステップ又は動作が列挙される順序に必ずしも限定されない点を理解されたい。
本書における「有する」、「含む」、「運ぶ」、「持つ」、「備える」、「関連する」、「保持する」、「構成される」などの全ての過渡的な語句は、オープンエンドであると理解され、即ち含むが、これらに限定されるものではないものとして理解されたい。「からなる」及び「本質的に〜からなる」という移行句だけが、米国特許商標庁のMPEP第2111.03項に記載されるように、閉鎖又は半閉鎖移行句である。特許協力条約(PCT)規則6.2(b)に従い特許請求の範囲で使用される特定の表現及び参照符号は、その範囲を限定するものではない点を理解されたい。