JP2020513802A - 全細胞ワクチン - Google Patents

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Abstract

本開示は、グリカン及び複合糖質抗原を発現する弱毒化細菌細胞と、非ヒト種における細菌感染症を予防または治療する上で有効な全細胞ワクチンの製造における当該弱毒化細菌細胞の使用と、に関する。【選択図】図1A

Description

本開示は、グリカン抗原及び複合糖質抗原を発現する弱毒化細菌細胞と、非ヒト動物種において免疫応答を誘発し、細菌感染症を予防または治療する上で有効な全細胞ワクチンまたは免疫原性組成物の製造における当該弱毒化細菌細胞の使用と、に関する。
畜産物の需要が増加している結果として、動物の健康は、新たな課題及び付加的な課題に直面している。ブタ、ウシ、またはニワトリなどの何百もの動物を拘束及び収容すると、動物の成長及び生産にかかる費用は減少するものの、疾患の発生及び拡散は著しく増加する。動物の疾患は、生産性の低下、市場崩壊、または農業従事者にとっての生計リスクなどの経済的なリスクと関連するだけでなく、ヒトの健康リスクをもたらすことにもなる。家畜を健康に維持することは、経済的及び社会的に成功する上で必須のことであるが、獣医薬におけるワクチンの適用及び開発は未発達であり、このことは、動物のワクチン接種にかかる費用を減らす必要があることが主な理由であることに加えて、動物の疾患を引き起こす病原体に関する我々の知見が、ヒトに感染する病原体ほど蓄積されていないことによるものである。例えば、複合糖質ワクチンは、ヒトでは広く使用されて普及しているが、獣医学的な適用は限られており、この原因は、複合糖質ワクチンの開発費用が依然として高いことによるものである。
病原性細菌は、動物に影響を与える感染性疾患の主な原因である。農業的に重要な動物種における細菌感染症を管理することは難しい問題であり、この理由は、集団全体に感染が容易に拡散し得る近さで動物が互いに密に近接して存在することによるものである。特定の感染病原体に対する免疫を大部分の動物が有するときには集団免疫が存在するが、免疫を有さない動物が集団中にかなりの数で存在すると集団免疫が損なわれ得る。集団免疫を実行するためには、集団の感受性メンバーについて動物を絶えず監視して伝播を管理することが必要である。細菌伝播の管理は、実行する上で労働集約的かつ費用のかかる対策を多く講じることによるものであり、こうした管理には、隔離、感染病原体保有動物の排除、環境管理[すなわち、清潔な水及び食物供給の維持、排泄物の衛生的な処分、空気の衛生管理]、抗生物質の使用、非病原性細菌の増殖を増進し、病原性細菌の増殖を阻止するためのプロバイオティクスの使用、ならびに集団の抵抗性メンバーの数を増やすための能動免疫化が含まれる。
細菌感染症に対して全般に抵抗性の集団を得るには、免疫を誘導するワクチンの基礎を形成する抗原を同定する必要がある。
さらに、動物種は、ヒトにも感染する細菌性病原体を宿している。人畜共通感染症は、非ヒト動物からヒトへと伝播することが可能な感染性疾患である。グラム陰性細菌によって引き起こされる人畜共通感染性の細菌感染症の例には、感染した乳汁及び肉からヒトに伝播するBrucella属の種によって引き起こされるブルセラ症、Campylobacter属の種によって引き起こされるカンピロバクター症、Vibrio choleraによって引き起こされるコレラ、感染した未調理肉または低温殺菌が行われていない乳汁に由来するYersina属の種によって引き起こされるエルシニア症、ならびに感染した肉(特に豚肉)及び卵に由来するSalmonella属の種によって引き起こされるサルモネラ症が含まれる。多様な細菌によって引き起こされ、家畜に影響を与え得る疾患にはさまざまなものが存在し、こうした疾患は、ニワトリの大腸菌症、乳牛の乳腺炎、またはブタの呼吸器疾患などである。感染症が生じると治療選択肢は限られており、抗生物質に頼るものであることが多いが、こうした抗生物質は、費用がかかるものであり、さらに重要なことには、それを繰り返し使用することが耐性を与える一因となっている。したがって、予防接種が方法として好ましく、予防接種によって非ヒト動物の疾患が予防され、こうした疾患の根絶が一般に後押しされる。
奏功するワクチンの特徴の定義は、伴う副作用が最小限に留まる持続性の防御免疫応答を誘発する能力を有することである。ほとんどの家畜ワクチンが、弱毒化生細菌株に基づくものであるか、または抗原の非生存構成成分を含む製品に基づくものであり、こうしたワクチンは、不活化全細胞ワクチン、またはタンパク質サブユニットもしくは糖質サブユニットに基づく病原体の抗原部分のみを含むサブユニットワクチン、組換えタンパク質、ペプチド、もしくは核酸に基づく製品などである。
炭水化物特異抗原を含む複合糖質ワクチンは、さまざまな病原性細菌に対する防御をもたらすことができる。しかしながら、複合糖質ワクチンは、免疫原性が低いという欠点を抱えていることが多く、メモリーBリンパ球細胞応答を十分に生成することができない。多糖抗原をタンパク質担体に結合させて複合糖質を生成すると、免疫原性が著しく増加する。現在認可されているヒト複合糖質ワクチンには、Haemophilus influenzae、Neisserria meningitidis、及びStreptococcus pneumoniaeに対するものが含まれ、これらのヒト複合糖質ワクチンは、担体タンパク質に化学的に結合した細菌多糖を含む。H.influenzaeB型(Hib)ワクチンまたはPrevnar(登録商標)(S.pneumoniaによって引き起こされる疾患に対する防御を与える莢膜ベースの13価複合糖質ワクチン)では、Corynebacterium diphtheriaから単離されたジフテリア毒素の非毒性バージョンであるiCRM197が担体タンパク質として使用されている。
こうした複合糖質ワクチンは、有効ではあるものの、それを生産するには、天然の病原体から多糖グリカンを精製すると共に、当該多糖を適切なタンパク質担体に化学的に結合させることが必要であり、このプロセスは、費用が非常にかかり、非効率的であり、多大な時間を要するプロセスである。グリカンは、細菌源から得られるか、または化学合成によって得られる。担体タンパク質は、典型的には、破傷風及びジフテリア(最も一般的には、組換え形態としてのもの(CRM197))などの細菌毒素であるが、他の担体も使用されている。例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)は、動物ワクチン試験においてよく使用されている。グリカンを担体タンパク質に結合させるには、一般に、段階をいくつか経てグリカン及び/または担体を化学的に活性化することが必要であり、こうして結合させて得られる生成物は不均一なものである。
タンパク質担体上に抗原性多糖グリカンを転移することが可能なオリゴ糖転移酵素を含む改変細菌株を使用することは、複合糖質を生産する上で経済的な代替方法となるものであり、当該技術分野において知られている。ヒトに使用するための複合糖質ワクチンを細菌発現系で生産することは、W02009/104074またはWO2014/114926に開示されている。細菌発現系において複合糖質を生産するには、アクセプタータンパク質、多糖生合成遺伝子座、及び結合反応のためのオリゴ糖転移酵素という3つの遺伝子を同時発現させることが必要である。しかしながら、1つのみの宿主での同時発現は、収量が最適以下となることが多く、これによって、商業的に実行することが不可能となっている。
本開示では、抗原性多糖、オリゴ糖転移酵素、及びアクセプタータンパク質をコードする転写カセットを、プラスミドの一部として導入するか、またはゲノムに直接的に挿入することによって1つまたは複数の病原性細菌の抗原性多糖を弱毒化全細胞生ワクチンにおいて発現させるグリカン結合技術が使用され、それによって複数の病原体に対する弱毒化全細胞生ワクチンの防御スペクトルが広がる。さらに、オリゴ糖転移酵素、毒性担体タンパク質、またはグリカン生合成に必要なタンパク質をコードする遺伝子を含む翻訳効率を下げた組換え発現系も開示される。リボソーム結合部位[RBS]と翻訳開始コドンとの間の距離を長くしたベクターを提供することによって翻訳効率が下がり、それによって、細菌が高密度に増殖できるようなり、発現する組換えタンパク質が細菌細胞に毒性を示す濃度に達すると生じるその有害作用が回避される。
本発明の態様によれば、転写カセットで形質転換された病原性細菌細胞が提供され、当該転写カセットは、当該形質転換病原性細菌細胞が発現しない異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドを含む生合成遺伝子座を含み、当該異種グリカン抗原は、細菌細胞表面に発現する。
本発明の態様によれば、1つまたは複数の転写カセットで形質転換された病原性細菌細胞が提供され、当該1つまたは複数の転写カセットは、
オリゴ糖転移酵素ポリペプチドをコードする核酸分子と、
当該オリゴ糖転移酵素の基質として少なくとも1つの糖鎖付加部位を含む1つまたは複数の担体ポリペプチドをコードする核酸分子と、当該形質転換病原性細菌細胞が発現しない異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドを含む生合成遺伝子座をコードする核酸分子と、
を含み、当該病原性細菌細胞が弱毒化され、当該異種グリカン抗原が細菌細胞表面に発現することを特徴とし、当該異種グリカンが当該担体ポリペプチドに結合することで、当該弱毒化病原性細菌細胞内に保持された複合糖質も生成する。
本発明の別の好ましい実施形態では、当該細菌細胞は、膜ポリペプチドまたは膜結合型ポリペプチドをコードする少なくとも1つの不活性遺伝子または変異遺伝子を含み、病原性細菌生細胞は弱毒化されており、この弱毒化は、当該遺伝子の不活化または変異の結果である。
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ以上の遺伝子が不活性であるか、または変異を有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該遺伝子は、ソルターゼをコードする遺伝子及び/または多糖修飾酵素をコードする遺伝子からなる群から選択され、当該改変は、当該ソルターゼ遺伝子または当該多糖修飾遺伝子の発現の不活化または抑制と関連する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ソルターゼをコードする遺伝子は、
i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で当該核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、当該核酸分子がソルターゼをコードする、当該核酸分子と、
からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該ソルターゼをコードする遺伝子は、
i)配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で当該核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、当該核酸分子がソルターゼをコードする、当該核酸分子と、
からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該多糖修飾酵素をコードする遺伝子は、
i)配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で当該核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、当該核酸分子が多糖修飾酵素をコードする、当該核酸分子と、
からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる。
核酸分子のハイブリダイゼーションは、2つの相補的な核酸分子が互いにある一定量の水素結合を受けると生じる。ハイブリダイゼーションの厳密性は、核酸の周囲の環境条件、ハイブリダイゼーション方法の性質、ならびに使用される核酸分子の組成及び長さによって異なり得る。特定の厳密度の達成に必要なハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,2001)、及びTijssen,Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes Part I,Chapter 2(Elsevier,New York,1993)において議論されている。Tは、核酸分子の所与の鎖の50%が、その相補鎖にハイブリダイズする温度である。以下には、ハイブリダイゼーション条件のセット例が示されるが、これに限定はされない:
非常に高い厳密性(少なくとも90%の同一性を共有する配列がハイブリダイズするようになる)
ハイブリダイゼーション:5×SSCを使用して65℃で16時間実施
2回の洗浄:2×SSCを使用して室温(RT)でそれぞれ15分間実施
2回の洗浄:0.5×SSCを使用して65℃でそれぞれ20分間実施
高い厳密性(少なくとも80%の同一性を共有する配列がハイブリダイズするようになる)
ハイブリダイゼーション:5×〜6×SSCを使用して65℃〜70℃で16〜20時間実施
2回の洗浄:2×SSCを使用してRTでそれぞれ5〜20分間実施
2回の洗浄:1×SSCを使用して55℃〜70℃でそれぞれ30分間実施
低い厳密性(少なくとも50%の同一性を共有する配列がハイブリダイズするようになる)
ハイブリダイゼーション:6×SSCを使用してRT〜55℃で16〜20時間実施
少なくとも2回の洗浄:2×〜3×SSCを使用してRT〜55℃でそれぞれ20〜30分間実施。
本発明の好ましい実施形態では、配列は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3に示される全長配列にわたって少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を共有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ソルターゼ及び/または当該多糖修飾酵素をコードする当該遺伝子は、当該ソルターゼ及び/または当該多糖修飾酵素をコードするヌクレオチド配列のすべてまたは一部を欠失させるか、あるいは当該ソルターゼ及び/または当該多糖修飾酵素の発現を制御する制御領域のすべてまたは一部を欠失させることによって改変される。
本開示と関連する「弱毒化」は、細菌細胞が改変されていることを意味し、当該改変細菌細胞の病原性は、低減または弱められているが、当該改変細菌細胞は、免疫応答を誘発する能力を依然として有しており、例えば、当該弱毒化細菌細胞を含む組成物が投与されている対象動物において液性応答または細胞性反応を誘発する能力を依然として有する。本発明による弱毒化細菌細胞は、不活化され得る。
本発明による弱毒化細菌細胞は、複数の外来抗原に対する免疫応答を誘発する細胞が得られるように形質転換される。動物対象では、弱毒化細菌細胞に固有の抗原に対する免疫応答が生じる。この免疫応答は、細胞表面に発現する外来異種グリカンに対する応答によって補完される。動物による免疫応答には、それぞれのグリカン抗原を発現する細胞をプローブ及び破壊するオプソニン抗体を産生することが含まれる。操作された細菌細胞が破壊されると、当該細菌細胞に発現及び保持されている複合糖質(例えば、ペリプラズム間隙に保持されている複合糖質)が放出される。この放出は、当該複合糖質を対象とする第2の免疫応答をさらに誘導するための追加免疫として働き、それによって、動物対象に対する抗原の曝露が持続する。複数の細菌性病原体に由来する抗原を使用することで、複数の細菌性病原体に対する防御が可能となる。
本発明の別の代替の好ましい実施形態では、当該弱毒化病原性細菌細胞は、人畜共通感染性細菌種である。
動物種は、ヒトにも感染する細菌性病原体を宿している。人畜共通感染症は、非ヒト動物からヒトへと伝播することが可能な感染性疾患である。グラム陰性細菌によって引き起こされる人畜共通感染性の細菌感染症の例には、感染した乳汁及び肉からヒトに伝播するBrucella属の種によって引き起こされるブルセラ症、Campylobacter属の種によって引き起こされるカンピロバクター症、Vibrio choleraによって引き起こされるコレラ、感染した未調理肉または低温殺菌が行われていない乳汁に由来するYersinia属の種によって引き起こされるエルシニア症、ならびに感染した肉(具体的には、豚肉)及び卵に由来するSalmonella属の種によって引き起こされるサルモネラ症が含まれる。
本発明の好ましい実施形態では、当該オリゴ糖転移酵素は、Campylobacter属のオリゴ糖転移酵素である。
本発明の好ましい実施形態では、当該Campylobacter属のオリゴ糖転移酵素は、Campylobacter jejuniのオリゴ糖転移酵素である。
本発明の代替の実施形態では、当該Campylobacter属のオリゴ糖転移酵素は、Campylobacter sputorumのオリゴ糖転移酵素である。
本発明の好ましい実施形態では、当該オリゴ糖転移酵素は、配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるか、または配列番号4に示される全長ヌクレオチド配列にわたって少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該オリゴ糖転移酵素は、配列番号5もしくは配列番号6に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるか、または配列番号5もしくは配列番号6に示される全長ヌクレオチド配列にわたって少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該オリゴ糖転移酵素は、配列番号7に示されるアミノ酸配列によって示されるものであるか、または配列番号7に示される全長アミノ酸配列に対して少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列によって示されるものである。
本発明の好ましい実施形態では、当該オリゴ糖転移酵素は、配列番号8に示されるアミノ酸配列によって示されるものであるか、または配列番号8に示される全長アミノ酸配列に対して少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列によって示されるものである。
好ましい実施形態では、オリゴ糖転移酵素は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、または配列番号8に示される全長ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列に対して、少なくとも55%の同一性を有し、より好ましくは、少なくとも60%の同一性を有し、さらにより好ましくは、少なくとも65%の同一性を有し、さらにより好ましくは、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%の同一性を有し、最も好ましくは、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該担体ポリペプチドは、Asn−X−SerまたはAsn−X−Thr(Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である)というアミノ酸モチーフを含む。
本発明の代替の実施形態では、当該アクセプターポリペプチドは、D/E−X−N−X−S/T(Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である)というアミノ酸モチーフを含む。
本発明の代替の好ましい実施形態では、当該アクセプターポリペプチドは、DQNAT(配列番号44)、DNNNT(配列番号45)、DNNNS(配列番号46)、DQNRT(配列番号47)、ENNFT(配列番号48)、DSNST(配列番号49)、DQNIS(配列番号50)、DQNVS(配列番号51)、DNNVS(配列番号52)、DYNVS(配列番号53)、DFNVS(配列番号54)、DFNAS(配列番号55)、DFNSS(配列番号56)、DVNAT(配列番号57)、DFNVT(配列番号58)、DVNAS(配列番号59)、DVNVT(配列番号60)、EVNAT(配列番号61)からなる群から選択される糖鎖付加モチーフを含む。
本発明の好ましい実施形態では、当該担体ポリペプチドは、当該弱毒化病原性細菌細胞のゲノムによってコードされる内在性担体ポリペプチドである。
本発明の代替の実施形態では、当該担体ポリペプチドは、当該弱毒化病原性細菌細胞によって天然には発現しない核酸分子によってコードされる異種担体ポリペプチドである。
本発明の好ましい実施形態では、当該異種担体ポリペプチドは、病原性細菌種から単離された核酸分子によってコードされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該異種担体ポリペプチドは、配列番号9、配列番号10、または配列番号11に示されるヌクレオチド配列によってコードされる。
本発明の好ましい実施形態では、異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドを含む生合成遺伝子座をコードする当該核酸分子は、莢膜多糖をコードする。
本発明の好ましい実施形態では、当該多糖は、O抗原である。
反復性のグリカンポリマーを含むO抗原は、グラム陰性細菌の外膜と結合して見られるリポ多糖(LPS)の多糖成分である。O抗原は、典型的には、動物において強力な免疫応答を誘発する。O鎖の組成は、細菌株によって異なり、既知の異なるE.coli株によって生成される異なるO抗原構造の数は160を超える。O抗原は、細菌細胞の外表面に露出しており、宿主抗体による認識のための標的として働く。多糖合成遺伝子座の例は、当該技術分野においてよく知られており、“Genetic analysis of the capsular biosynthetic locus from all 90 pneumococcal serotypes”,Bentley SD,Aanensen DM,Mavroidi A,Saunders D,Rabbinowitsch E,Collins M,Donohoe K,Harris D,Murphy L,Quail MA,Samuel G,Skovsted IC,Kaltoft MS,Barrell B,Reeves PR,Parkhill J,Spratt BG.PLoS Genet.2006 Mar:2(3):e31、“Gene content and diversity of the loci encoding biosynthesis of capsular polysaccharides of the 15 serovar reference strains of Haemophilus parasuis.”Howell KJ,Weinert LA,Luan SL,Peters SE,Chaudhuri RR,Harris D,Angen O,Aragon V,Parkhill J,Langford PR,Rycroft AN,Wren BW,Tucker AW,Maskell DJ;BRaDP1T Consortium.J Bacteriol.2013 Sep:195(18):4264−73.doi:10.1128/JB.00471−13.Epub 2013 Jul 19;“Exploitation of bacterial N−linked glycosylation to develop a novel recombinant glycoconjugate vaccine against Francisella tularensis”.Cuccui J,Thomas RM,Moule MG,D’Elia RV,Laws TR,Mills DC,Williamson D,Atkins TP,Prior JL,Wren BW.Open Biol.2013 May 22;3(5):130002、及び“Characterization of the structurally diverse N−linked glycans of Campylobacter species”.Jervis AJ,Butler JA,Lawson AJ,Langdon R,Wren BW,Linton D.J Bacteriol.2012 May:194(9):2355−62において見つけることができる。
本発明の代替の好ましい実施形態では、当該多糖は、七糖である。
本発明の好ましい実施形態では、当該生合成遺伝子座は、配列番号12に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。
本発明の好ましい実施形態では、当該オリゴ糖転移酵素をコードする当該核酸分子は、当該弱毒化病原性細菌細胞のゲノムに安定的に組み込まれる。
本発明の別の好ましい実施形態では、当該担体ポリペプチドをコードする当該核酸分子は、当該弱毒化病原性細菌細胞のゲノムに安定的に組み込まれる。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、当該生合成遺伝子座をコードする当該核酸分子は、当該弱毒化病原性細菌細胞のゲノムに安定的に組み込まれる。
本明細書に開示の転写カセットを使用する本発明による弱毒化病原性細菌細胞の遺伝子形質転換は、弱毒化病原性細菌細胞のゲノムとは別に複製されて遺伝子(複数可)のコピーを複数生成するエピソームベクターを使用する形質転換を介するものであり得る。あるいは、弱毒化病原性細菌細胞のゲノムとの組換えを起こし、当該弱毒化病原性細菌細胞のゲノムと共に複製される組み込みベクター(例えば、トランスポゾン)である。
本発明の好ましい実施形態では、オリゴ糖転移酵素ポリペプチド、担体ポリペプチド、及び異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドを含む生合成遺伝子座をコードする当該核酸分子は、当該弱毒化病原性細菌細胞のゲノムにそれぞれ組み込まれる。
本発明の好ましい実施形態では、当該転写カセットは、少なくとも、当該オリゴ糖転移酵素ポリペプチドをコードする核酸分子に対して、機能可能なように連結されたプロモーターを含む。
本発明の好ましい実施形態では、当該転写カセットは、少なくとも、当該担体ポリペプチドをコードする核酸分子に対して、機能可能なように連結されたプロモーターを含む。
本発明の好ましい実施形態では、異種グリカン抗原の合成に必要な当該1つまたは複数のポリペプチドが、1つまたは複数のプロモーターに機能可能なように連結されることで、当該ポリペプチドをコードする核酸分子のそれぞれまたはすべてが発現する。
本発明の好ましい実施形態では、当該プロモーターは、リボソーム結合部位に機能可能なようにさらに連結され、当該リボソーム結合部位の3’プライム末端と、当該担体ポリペプチド及び/または異種グリカン抗原及び/またはオリゴ糖転移酵素ポリペプチドをコードする核酸分子の5’開始コドンと、の間にヌクレオチドスペーサー配列が設けられ、当該担体ポリペプチド及び/または異種グリカン抗原及び/またはオリゴ糖転移酵素ポリペプチドをコードする核酸分子からの翻訳は、当該ヌクレオチドスペーサー配列を含まない、当該組換えポリペプチドをコードする対照核酸分子と比較すると低減される。
原核生物の核酸分子におけるリボソーム結合部位は、シャイン・ダルガーノ[SD]配列と称され、核酸分子の開始コドンの5〜13ヌクレオチド上流に典型的には位置するコンセンサス配列である。コンセンサスRBS配列は、A及びTの含量が高い翻訳スペーサー領域が後に続くプリン高含量領域からなるものであり、例えば、コンセンサスAGGAGGまたはコンセンサスAGGAGGUである。開始コドンは、AUGであることが一般的であるが、GUG、UUG、AUU、またはCUGなどのコドンにおいても翻訳が開始され得る。本発明の好ましい実施形態では、当該ヌクレオチドスペーサー配列は、少なくとも13ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ヌクレオチドスペーサー配列は、13〜40ヌクレオチドの長さを有し、好ましくは、ヌクレオチドスペーサー配列は、13〜20ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ヌクレオチドスペーサー配列は、16ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ヌクレオチドスペーサー配列は、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、30ヌクレオチド、31ヌクレオチド、32ヌクレオチド、33ヌクレオチド、34ヌクレオチド、35ヌクレオチド、36ヌクレオチド、37ヌクレオチド、38ヌクレオチド、39ヌクレオチド、または40ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ヌクレオチドスペーサー配列は、少なくとも40ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ヌクレオチドスペーサー配列は、40〜75ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ヌクレオチドスペーサー配列は、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチド、60ヌクレオチド、65ヌクレオチド、70ヌクレオチド、または75ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該プロモーターは、発現を構成的にする構成的プロモーターである。
本発明の好ましい実施形態では、当該プロモーターは、制御可能なものであり、発現制御を可能にする誘導性または抑制性のヌクレオチド要素を含む。
本発明の好ましい実施形態では、当該プロモーターは、制御可能なプロモーターであり、誘導物質に応じて発現を制御する誘導性ヌクレオチド要素を含む。
本発明の代替の実施形態では、当該制御可能なプロモーターは、リプレッサーに応じて発現を制御する抑制性ヌクレオチド要素を含む。
遺伝子発現の誘導物質及びリプレッサーを利用する細菌発現系は、当該技術分野においてよく知られており、遺伝子発現の誘導または抑制を増進するよく確立された改変を含む。例えば、lacIqは、細胞内でLacリプレッサーの転写を増加させ、そのレベルを上昇させる変異をlacI遺伝子のプロモーター領域に有する。さらに、Ptacは、trpプロモーターの−35領域と、lacUV5プロモーター/オペレーターの−10領域と、から構成される強力なハイブリッドプロモーターであり、強力な誘導性を有する。
本発明の好ましい実施形態では、当該オリゴ糖転移酵素及び/または当該担体ポリペプチド及び/または生合成遺伝子座の核酸分子の翻訳の減少は、当該オリゴ糖転移酵素及び/または当該担体ポリペプチド及び/または生合成遺伝子座をコードするが、当該スペーサーヌクレオチド配列は含まない対照核酸分子と比較すると、少なくとも10%の減少である。
本発明の好ましい実施形態では、核酸の翻訳の減少は、当該組換えポリペプチドをコードするが、当該スペーサーヌクレオチド配列は含まない対照核酸と比較すると、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%の減少である。
本発明の好ましい実施形態では、当該生合成遺伝子座は、Pgl遺伝子座である。
好ましくは、当該Pgl遺伝子座は、PglG、PglF、PglE、Cj1122c、PglD、PglC、PglA、PglJ、PglI、PglH、PglKからなる群から選択される、当該1つまたは複数のポリペプチドをコードする遺伝子を含む。
別の好ましい実施形態では、異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドをコードする当該核酸分子は、配列番号12に示される配列を含み、当該配列番号12は、PglBの機能性バージョン(例えば、配列番号4またはその多型配列変異体)を含まない。
本発明の代替の実施形態では、当該弱毒化病原性細菌細胞は、不活化される。
本発明の別の態様によれば、本発明による弱毒化または不活化された病原性細菌細胞を含むワクチンまたは免疫原性組成物が提供される。
本発明の別の好ましい実施形態では、当該ワクチンまたは免疫原性組成物は、アジュバント及び/または担体を含む。
アジュバント(免疫増強剤または免疫調節剤)は、ワクチン抗原の免疫応答を改善するために何十年もの間使用されている。アジュバントをワクチン製剤に含める目的は、ワクチン抗原に特異的な免疫応答を増強、促進、及び延長させることである。アジュバントの利点には、より弱い抗原の免疫原性の増強、良好な免疫化に必要な抗原量の低減、追加免疫化の頻度の低減が含まれる。選択的に、所望の免疫応答を最適化するためにアジュバントを利用することもでき、例えば、免疫グロブリンのクラス及び細胞傷害性Tリンパ球応答またはヘルパーTリンパ球応答の誘導に関する免疫応答を最適化するためにアジュバントを利用することもできる。さらに、粘膜表面における抗体応答を促進するために、ある特定のアジュバントを使用することができる。
アジュバントは、その起源、作用機序、及び物理的または化学的な特性に応じて分類することができる。最も一般的に説明されるアジュバントクラスは、ゲル型のもの、微生物、油乳濁液及び乳化剤に基づくもの、粒子性のもの、合成のもの、ならびにサイトカインである。本発明による最終的なワクチン製品には複数のアジュバントが存在し得る。現在使用または開発されているアジュバントの起源及び性質は、実にさまざまである。例えば、MDPは、細菌細胞壁に由来し、サポニンは、植物を起源とし、スクアレンは、サメの肝臓に由来し、組換え内在性免疫調節剤は、組換えの細菌細胞、酵母細胞、または哺乳類細胞に由来する。
家畜ワクチンのために認可されたアジュバントがいくつか存在しており、こうしたアジュバントは、ヒトに使用するには反応性が高すぎる鉱物油乳濁液などである。同様に、完全フロイントアジュバントは、知られる中で最も強力なアジュバントの1つである。
本発明のワクチン組成物は、注射を含めて、任意の通常の経路によって投与することができる。投与は、例えば、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、腔内投与、皮下投与、または皮内投与であり得る。本発明のワクチン組成物は、有効量で投与される。「有効量」は、単独で、または追加用量と一緒に、所望の応答を生成するワクチン組成物の量である。細菌性疾患の治療の場合、所望の応答は、感染性病原体への曝露時に防御を与える。
本発明の態様によれば、非ヒト動物対象における細菌感染症の予防または治療において使用するための、本発明によるワクチン組成物が提供される。
本発明の好ましい実施形態では、当該ワクチン組成物は、当該非ヒト動物対象における2つの異なる細菌感染症を予防または治療する。
本発明の別の好ましい実施形態では、当該ワクチン組成物は、当該非ヒト動物対象における3つの異なる細菌感染症を予防または治療する。
別の好ましい実施形態では、当該細菌感染症は、Actinobacillus pleuropneumoniae、Escherichia coli、Clostridium perfringens、Campylobacter jejuni、Campylobacter coli、Haemophilus parasuis、Streptococcus suis、Streptococcus uberis、Salmonella typhimurium、Salmonella enterica、Staphylococcus aureus、Mycobacterium bovis、Francisella tularensis、Shigella flexneri、Yersinia enterocolitica、Bordetella bronhiseptica、Brucella abortus、Listeria monocytogenes、Erysipelotrix rhusiopatie、及びLeptospira interrogansからなる群から選択される細菌種によって引き起こされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該細菌感染症は、連鎖球菌感染の結果である。
本発明の好ましい実施形態では、当該細菌感染症は、Escherichia coli、Staphylococcus aureus、及びStreptococcus uberisによって引き起こされ、当該細菌感染症は、乳腺炎である。
本発明の代替の実施形態では、当該細菌感染症は、Actinobacillus pleuropneumoniae、Haemophilus parasuis、及びStreptococcus suisによって引き起こされ、当該細菌感染症は、呼吸器感染症である。
本発明の別の実施形態では、当該細菌感染症は、Escherichia coli、Campylobacter jejuniまたはCampylobacter coli、及びClostridium perfringensによって引き起こされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該細菌感染症は、Mycoplasma hyopneumoniaeによって引き起こされる。
別の好ましい実施形態では、当該非ヒト動物は、家畜動物であり、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、シカ、イノシシ、及び家禽(例えば、ニワトリ)、魚(例えば、サケ)である。
別の好ましい実施形態では、当該動物は、コンパニオンアニマルであり、例えば、ネコ、イヌ、オウム、ウサギ、ハムスター、及びモルモットである。
本発明の別の態様によれば、非ヒト動物種における免疫応答の誘導において使用するための免疫原性組成物が提供される。
本発明の好ましい実施形態では、当該免疫応答は、液性応答の誘導であり、具体的には、オプソニン抗体応答の誘導である。
本発明の代替の実施形態では、当該免疫応答は、細胞媒介性免疫応答である。
本発明の態様によれば、本発明による弱毒化病原性細菌細胞を含む細胞培養物が提供される。
本発明の別の態様によれば、本発明による弱毒化病原性細菌細胞の製造方法が提供され、この方法は、
i)本発明による細菌細胞培養物を得るステップと、
ii)細胞培養条件を得るステップと、
iii)細胞培養物から弱毒化病原性細菌細胞を培養及び任意選択で単離するステップと、
を含む。
本発明の別の態様によれば、本発明による細菌細胞培養物を含む細胞培養容器が提供される。
本発明の好ましい実施形態では、当該細胞培養容器は、発酵槽である。
本発明によるプロセスで使用される細菌培養物は、宿主生物に応じて、当業者に知られる様式で増殖または培養される。原則として、炭素源(通常は、糖の形態のもの)、窒素源(通常は、有機窒素源の形態のもの(酵母エキスなど)または塩(硫酸アンモニウムなど))、微量元素(鉄塩、マンガン塩、及びマグネシウム塩など)、ならびに適切な場合はビタミン、を含む液体培地において、酸素含有ガスを導入しながら0℃〜100℃、好ましくは10℃〜60℃の温度で細菌の増殖培養が行われる。
液体培地のpHは、一定に保つ(すなわち、培養期間中に制御する)ことも、保たないようにすることもできる。培養物の増殖培養は、バッチ式、半バッチ式、または連続式のものであり得る。栄養素は、発酵の開始時点で供給するか、または半連続的もしくは連続的に流加することができる。生成した生成物は、当業者に知られるプロセスによって上記のように細菌から単離することができ、例えば、抽出、蒸留、結晶化、適切な場合は、塩を用いる沈降、及び/またはクロマトグラフィーによって単離することができる。このプロセスでは、pH値は、pH4〜12、好ましくはpH6〜9、特に好ましくはpH7〜8に保つことが有利である。
知られている培養方法の概要はBioprocess technology 1.Introduction to Bioprocess technology(Gustav Fischer Verlag,Stuttgart,1991)という教科書、またはStorhas(Bioreaktoren und periphere Einrichtungen[Bioreactors and peripheral equipment](Vieweg Verlag,Brunswick/Wiesbaden,1994))による教科書において見つけることができる。
使用すべき培地は、問題の細菌株の要件を適切に満たさなくてはならない。さまざまな細菌のための培地の説明は、“Manual of Methods for General Bacteriology”of the American Society for Bacteriology(Washington D.C.,USA,1981)という教科書において見つけることができる。
上記のように、本発明に従って利用することができるこうした培地は、通常、1つまたは複数の炭素源、窒素源、無機塩、ビタミン、及び/または微量元素を含む。
好ましい炭素源は、単糖、二糖、または多糖などの糖である。炭素源の例は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、リボース、ソルボース、リブロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、デンプン、またはセルロースである。複合化合物(糖蜜または精糖に由来する他の副産物など)を介して糖を培地に添加することもできる。さまざまな炭素源の混合物を添加することも有利であり得る。考え得る他の炭素源は、油及び脂肪(例えば、大豆油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、及び/またはヤシ脂肪など)、脂肪酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、及び/またはリノール酸など)、アルコール及び/または多価アルコール(例えば、グリセロール、メタノール、及び/またはエタノールなど)、及び/または有機酸(例えば、酢酸及び/または乳酸など)である。
窒素源は、通常、有機窒素化合物もしくは無機窒素化合物であるか、またはこうした化合物を含む材料である。窒素源の例には、液体形態もしくは気体形態のアンモニアまたはアンモニウム塩(硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、もしくは硝酸アンモニウムなど)、硝酸塩、尿素、アミノ酸、あるいは複合窒素源(コーンスティープリカー、大豆ミール、大豆タンパク質、酵母エキス、肉エキス、及び他のものなど)が含まれる。窒素源は、個別に使用するか、または混合物として使用することができる。
培地に存在し得る無機塩化合物には、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、コバルト、モリブデン、カリウム、マンガン、亜鉛、銅、及び鉄の塩化物、リン含有塩、及び硫酸塩が含まれる。
無機硫黄含有化合物(例えば、硫酸塩、亜硫酸塩、亜ジチオン酸塩、テトラチオン酸塩、チオ硫酸塩、硫化物など)あるいは有機硫黄化合物(メルカプタン及びチオールなど)が、含硫ファインケミカル(具体的には、メチオニン)を生成させるための硫黄源として使用され得る。
リン酸、リン酸二水素カリウム、もしくはリン酸水素二カリウム、または対応するナトリウム含有塩が、リン源として使用され得る。
金属イオンを溶液中に留めるためにキレート剤が培地に添加され得る。特に適したキレート剤は、ジヒドロキシフェノール(カテコールまたはプロトカテク酸など)及び有機酸(クエン酸など)を含む。
細菌を培養するために本発明に従って使用される発酵培地は、通常、他の増殖因子(ビタミンなど)または増殖促進物質も含み、こうした増殖因子または増殖促進物質には、例えば、ビオチン、リボフラビン、チアミン、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸、及びピリドキシンが含まれる。増殖因子及び塩は、複合培地成分(酵母エキス、糖蜜、コーンスティープリカー、及び同様のものなど)から得られることが多い。さらに、適切な前駆物質を培地に添加することも可能である。培地化合物の正確な組成は、特定の実験に大きく依存するものであり、それぞれの特定の事例ごとに個別に決定される。培地の最適化に関する情報は、“Applied Microbiol.Physiology,A Practical Approach”(Editors P.M.Rhodes,P.F.Stanbury,IRL Press(1997)pp.53−73,ISBN 0 19 963577 3)という教科書において見つけることができる。商業的な供給業者から増殖培地を入手することもでき、こうした増殖培地は、例えば、Standard 1(Merck)またはBHI(ブレインハートインフュージョン、DIFCO)及び同様のものである。
培地成分はすべて、熱(20分、1.5バール、及び121℃)またはろ過滅菌によって滅菌処理される。こうした成分は、一緒に滅菌処理されるか、または必要に応じて別々に滅菌処理され得る。培地成分はすべて、培養の開始時点で存在するか、または必要に応じて連続式もしくはバッチ式で添加され得る。
培養温度は、通常、15℃〜45℃、好ましくは25℃〜40℃であり、一定に保たれ得るか、または実験中に変更され得る。培地のpHは、5〜8.5の範囲、好ましくは7.0付近にするべきである。培養のためのpHは、塩基性化合物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、及びアンモニア水など)または酸性化合物(リン酸もしくは硫酸など)を添加することによって培養中に制御することができる。起泡は、消泡剤(例えば、脂肪酸ポリグリコールエステルなど)を利用することによって制御できる。プラスミドの安定性を維持するために、選択的な作用を有する適切な物質(例えば、抗生物質)を培地に添加することが可能である。好気条件は、酸素または酸素含有ガス混合物(例えば、周囲の空気など)を培養物に導入することによって維持される。培養温度は、通常、20℃〜45℃であり、好ましくは25℃〜40℃である。培養は、所望の生成物の形成が最大となるまで継続される。この目標は、通常、10〜160時間以内に達成される。
次に、発酵ブロスをさらに処理することができる。バイオマスは、必要に応じて、分離方法(例えば、遠心分離、ろ過、デカント、もしくはこれらの方法の組み合わせなど)によって発酵ブロスから完全もしくは部分的に取り出されるか、または当該ブロスに完全に残され得る。バイオマスは、それを分離した後に処理することが有利である。
しかしながら、既知の方法(例えば、ロータリーエバポレーターを利用するもの、薄膜式エバポレーターを利用するもの、流下膜式エバポレーターを利用するもの、逆浸透によるもの、またはナノろ過によるものなど)を使用して、細胞を分離せずに発酵ブロスを増粘させるか、または濃縮することもできる。最終的に、この濃縮発酵ブロスを処理することで、そこに存在する脂肪酸を得ることができる。
本発明の態様によれば、膜ポリペプチドまたは膜結合型ポリペプチドをコードする少なくとも1つの不活性遺伝子または変異遺伝子を含む病原性細菌生細胞が提供され、病原性細菌生細胞は弱毒化されており、この弱毒化は、当該遺伝子の不活化または変異の結果である。
本発明の好ましい実施形態では、当該弱毒化細菌細胞は、グラム陽性細菌細胞である。
本発明の代替の好ましい実施形態では、当該弱毒化細菌細胞は、グラム陰性細菌細胞である。
本発明の好ましい実施形態では、当該弱毒化病原性グラム陰性細菌細胞は、Escherichia属の種(例えば、E.coli、E.coli血清型078)、Salmonella属の種(例えば、S.typhimurium,S.entrica)、Leptospira属の種、Francisella属の種(例えば、F.tularensis)、Shigella属の種(例えば、S.flexneri)、Yersinia属の種(例えば、Y.enterolitica)、Bordetella属の種(例えば、B.bronchiseptica)及びBrucella属の種(例えば、B.abortus)、Brachyspira属の種(例えば、Brachyspira pinosicoli)、Haemophilus属の種(例えば、Haemophilus parasuis)からなる群から選択される。
本発明の代替の好ましい実施形態では、当該病原性グラム陽性細菌細胞は、Listeria属の種(例えば、L.monocytogenes)、Erysipelotrix属の種(例えば、E.rhusiopathiae)、及びMycobacterium属の種(例えば、M.bovis)からなる群から選択される。
本発明の代替の好ましい実施形態では、当該細菌細胞は、Streptococcus属のものである。
本発明の好ましい実施形態では、当該細菌性病原体は、Streptococcus suis、Streptococcus pyogenes、Streptococcus equisimilis、Streptococcus bovis、Streptococcus anginosus、Streptococcus sanguinis、Streptococcus mitis、Streptococcus innuae、Streptococcus equi、Streptococcus uberus、及びStreptococcus pneumoniaeからなる群から選択される。
本発明の好ましい実施形態では、当該細菌細胞は、Streptococcus suisである。
本発明の好ましい実施形態では、当該細菌細胞は、Mycoplasma hyopneumoniaeである。
本発明の好ましい実施形態では、当該遺伝子は、ソルターゼをコードする遺伝子及び/または多糖修飾酵素をコードする遺伝子からなる群から選択され、当該改変は、当該ソルターゼ遺伝子または当該多糖修飾遺伝子の発現の不活化または抑制と関連する。
本発明の好ましい実施形態では、当該ソルターゼをコードする遺伝子は、
i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で当該核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、当該核酸分子がソルターゼをコードする、当該核酸分子と、
からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該ソルターゼをコードする遺伝子は、
i)配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で当該核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、当該核酸分子がソルターゼをコードする、当該核酸分子と、
からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる。
本発明の好ましい実施形態では、当該多糖修飾酵素をコードする遺伝子は、
i)配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で当該核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、当該核酸分子が多糖修飾酵素をコードする、当該核酸分子と、
からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」及び「含む(contain)」という言葉ならびにこれらの言葉の異形(例えば、「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」は、「含むが、限定はされない(including but not limited to)」を意味し、他の部分、添加物、成分、整数値、またはステップを除外することは意図されない(それらを除外しない)。「本質的になる」は、本質的な整数値を有するが、本質的な整数値の機能に実質的に影響を与えない整数値を含むことを意味する。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通じて、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、単数形は、複数形を包含する。具体的には、不定冠詞が使用される場合、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、本明細書は、単数の存在だけでなく複数の存在も企図するものであることが理解されよう。
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例と関連付けて説明される特性、整数値、特徴、化合物、化学部分、または群は、適用対象と不適合でない限り、本明細書に記載の任意の他の態様、実施形態、または実施例に適用可能であることが理解されよう。
ここでは、下記の図面を参照して本発明の実施形態が説明されることになるが、説明される実施形態は例示にすぎない:
C.jejuni pglB及びCspglB2の発現誘導後のE.coli CLM24の増殖を比較したものを示す。増殖曲線を描くことで、CspglB1またはCspglB2の誘導後のE.coli細胞の光学密度を監視した(図1A及び図1B)。我々は、CspglB2とC.jejuni pglBとが非常に類似した毒性レベルを有すると思われることを見出した。 単一の糖鎖付加部位を有する外毒素Aが糖鎖付加を受ける糖鎖付加効率をE.coli CLM24において試験したものを示す。 PoulvaC E.coliの2つの独立したにクローンに由来するCjaAへのC.jejuniの七糖の糖鎖付加を示す(バンドB及びバンドC)。A)抗cMycタグチャネルのみ、B)抗C.jejuni七糖のみ、C)cMycとC.jejuniの七糖とを重ね合わせてシグナルを統合したもの。 PoulVac E.coli及びSalmonellaの表面におけるハイブリッド多糖の形成を示し、Streptococcus equiでは、UndPPの代わりにホスファチジルグリセロール膜アンカーへの結合を介して表面提示がなされることになるという違いが存在する。 プロトタイプの二重家禽複合糖質ワクチンを示す。 構築されたコンストラクトに対応するDNA配列を示す。pEXT21配列(緑色)、EcoRI制限酵素認識部位(紫色)、10ヌクレオチドの挿入(黄色)、C.sputorum pglBの配列(赤色)。コンティグは、構築されたコンストラクトを示し、予測は、C.sputorum pglBの予測配列である。 対立遺伝子交換によって操作された遺伝子座を示す模式図を示す。Aは、cps2E遺伝子座を示し、Bは、srtB遺伝子座を示し、Cは、srtF遺伝子座を示す。大きな矢印は、遺伝子座内の個々の遺伝子を示し、青のものは、欠失標的となる遺伝子を示す。小さな矢印は、欠失カセットの構築に使用されるプライマー対を示す。 S.suis P1/7に由来するcps2E遺伝子(莢膜生成を担う)(A)、srtB遺伝子(B)、及びsrtF遺伝子(C)の欠失を示す。PCRスクリーニングを行って3つの標的遺伝子の欠失を確認した。このPCRスクリーニングでは、S.suis P1/7における標的遺伝子にまたがるプライマーを使用して欠失を同定した。A.Δcps2EのPCRスクリーニング、MW(Hyperladder I分子量マーカー)、Δcps2E(csp2E欠失変異DNA)、R(野生型DNAへの復帰変異体)、WT(野生型P1/7DNA)、水(水対照)。B.ΔsrtBのPCRスクリーニング、MW(Hyperladder I分子量マーカー)、ΔsrtB(ΔsrtB欠失変異DNA)、WT(野生型P1/7DNA)。C.ΔsrtFのPCRスクリーニング、MW(Hyperladder I分子量マーカー)、ΔsrtF(ΔsrtF欠失変異DNA)、WT(野生型P1/7DNA)。欠失はすべて、PCR産物をサンガーシークエンシングすることによって確認した。 構築されたコンストラクトに対応するDNA配列を示す。pEXT21配列(緑色)、EcoRI制限酵素認識部位(紫色)、10ヌクレオチドの挿入(黄色)、C.sputorum pglBの配列(赤色)。コンティグは、構築されたコンストラクトを示し、予測は、C.sputorum pglBの予測配列である。 糖鎖工学コンストラクトを有するE.coli CLM24の増殖曲線を示す。オレンジ色は、EcoRI制限酵素認識部位の直後にATG開始コドンを有するC.sputorum PglBをコードするpEXT21を示す。青色は、C.jejuni pglBを有するpEXT21を示す。 糖鎖工学コンストラクトを有するE.coli CLM24の増殖曲線を示す。PglBの供給源は、EcoRI制限酵素認識部位の直後のATG開始コドンの前に10塩基対のスペーサーを有するC.sputorum PglBをコードするpEXT21である。 ブタへの変異体の投与後0日目及び15日目の血清抗体価を示す。
材料及び方法
細菌株及び増殖条件
クロラムフェニコール(12.5μg.ml−1)を添加(適切な場合)したLuria−Bertani(LB)増殖培地においてEscherichia coli Top10(Invitrogen)を増殖させた。5%CO雰囲気のインキュベーターにおいて37℃でS.suis P1/7株を培養し、BHI培地で増殖させた。適切な場合は、クロラムフェニコール(5μg.ml−1)を培地に添加した。電気穿孔によってプラスミドをS.suisに導入した。
一般的な分子生物学手法
リゾチーム(リン酸緩衝生理食塩水中10mg.ml−1、37℃で30分間実施)に次いでSDS(10%[wt/vol])、65℃で30分間実施)で処理、またはchelexによる抽出(細胞ペレットを5%のchelex[Sigma]中でボルテックスし、10分間煮沸し、ペレットを形成させ、上清を取り出し、使用した)に従って、プラスミドミニキット(Qiagen)を使用してプラスミドを抽出し、DNeasy血液及び組織キット(Qiagen)を用いてゲノムDNAを抽出した。クローニングについてはPhusion高忠実度ポリメラーゼ(NEB)を使用してDNAを増幅し、スクリーニングについてはGo−taqポリメラーゼ(Promega)を使用してDNAを増幅した。これらの増幅は両方共、製造業者の説明書に従って実施した。PCR反応物及びアガロースゲルからのDNA抽出は、それぞれQIAquick PCRキット及びゲル抽出キット(Qiagen)を使用して実施した。制限エンドヌクレアーゼ、アンタークティックホスファターゼ(Antarctic phosphatase)、及びT4リガーゼ(NEB)を使用する制限酵素処理/ライゲーションクローニングによってプラスミドを構築した。制限酵素解析及びサンガーシークエンシング(SourceBioscience)によってプラスミドを確認した。
対立遺伝子交換プラスミドの構築
この試験では、すべての対立遺伝子交換プラスミドのための骨格としてモジュラープラスミドpMTL82151を使用した。対立遺伝子交換カセットは、SOE−PCRによって構築し、制限エンドヌクレアーゼで消化し、同一の制限エンドヌクレアーゼを使用して直鎖化したpMTL82151と連結した。すべてのプライマー及びその対応する制限エンドヌクレアーゼのリストは、表2で確認することができる。標的遺伝子の最初の3つのコドン及び終端の5つのコドンから、それぞれ上流または下流に約1200bpの領域が増幅されるように内部SOEプライマーを設計した。
変異導入
電気穿孔によって対立遺伝子交換プラスミドをS.suisに導入し、クロラムフェニコール(Cm)を添加したBHI寒天上で形質転換体を増殖させることで、プラスミド由来のcatP遺伝子についての選択を実施した。この実験の第2部では、クロラムフェニコールによる選択を省くことで、プラスミドマーカーcatPを含まないダブルクロスオーバークローンが増殖できるようにした。非選択培地でシングルクロスオーバークローンの継代培養を毎日実施し、この継代培養を最大で連続8日実施した。それぞれの継代培養時点で、プラスミドによってコードされるCm耐性の消失について、いくつかのコロニーをレプリカプレート法によってスクリーニングした。レプリカプレート法を用いて非選択プレート及びCmプレートへの播種を実施することよってダブルクロスオーバー事象を検出し、変異体をPCRによって検証した(以下を参照のこと)。
インフレーム欠失変異体の確認
染色体隣接プライマーも使用して、PCRによってインフレーム欠失変異体を確認した。変異体の配列は、サンガーシークエンシング(Sourcebioscience)によって確認した。
C.sputorum pglB2発現プラスミドpELLA1の構築
DNA合成によってC.sputorum pglB2のコドン最適化バージョンを生成し、クローニングベクターpUC57kmに導入した。このコドン最適化バージョンは、当該コンストラクトの5’末端及び3’末端にEcoRI(GAATTC)制限酵素認識部位を有するように設計した。E.coli DH5α細胞においてプラスミドpEXT21を増やし、プラスミド抽出(QIAGEN Ltd UK)によって精製した。CsPglB2を含むpUC57Km(1μg)及びpEXT21(1μg)をEcoRIHF(New England Biolabs U.K.)で消化し、IPTG誘導性発現ベクターpEXT21のEcoRI部位へのクローニングによってベクターpELLA1を得た。
pELLA2の構築
プラスミドpEXT21をテンプレートとし、当該プラスミドpEXT21に由来するpTacプロモーター及びLacIリプレッサーと共に、PCRによってC.sputorum PglB2をコードする遺伝子を増幅し(この増幅では、フォワードプライマー(配列番号13 5’−TTTTGCGGCCGCTTCTACGTGTTCCGCTTCC−3’)及びリバースプライマー(配列番号14 5’−TTTTGCGGCCGCATTGCGTTGCGCTCACTGC−3’)と共にaccuprime Taq hifiを使用し、94℃/2分の後、94℃30秒、56℃30秒、及び68℃4分を35サイクル実施するサイクル条件を使用した)、pJCUSA1のZeocin(登録商標)耐性トランスポゾンおける特有のNotI部位に連結した。このZeocin(登録商標)耐性トランスポゾンでは、抗生物質マーカーにloxP部位が隣接しており、これによって、CRE酵素を導入することで最終標的株から抗生物質マーカーを後に除去することが可能である。このトランスポゾンは、pMB1複製起点を有していることから、任意のE.coli株において維持することができ、その後に、SfiIによる制限酵素消化を使用してZeocin(登録商標)耐性カセットと共に切り出し、移動させ、pUT送達ベクターに導入することで、機能性トランスポゾンを得ることができる。このトランスポゾンの配列は、以下に示される(配列番号15):
5’GGCCGCCTAGGCCGCGGCCGCCTACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATGTCTGACGCTCAGTGGAACGACGCGTAACTCACGTTAAGGGATTTTGGTCATGATCAGCACGTTGACAATTAATCATCGGCATAGTATATCGGCATAGTATAATACGACAAGGTGAGGAACTAAAACATGGCCAAGTTGACCAGTGCCGTTCCGGTGCTCACCGCGCGCGACGTCGCCGGAGCGGTCGAGTTCTGGACCGACCGGCTCGGGTTCTCCCGGGACTTCGTGGAGGACGACTTCGCCGGTGTGGTCCGGGACGACGTGACCCTGTTCATCAGCGCGGTCCAGGACCAGGTGGTGCCGGACAACACCCTGGCCTGGGTGTGGGTGCGCGGCCTGGACGAGCTGTACGCCGAGTGGTCGGAGGTCGTGTCCACGAACTTCCGGGACGCCTCCGGGCCGGCCATGACCGAGATCGGCGAGCAGCCGTGGGGGCGGGAGTTCGCCCTGCGCGACCCGGCCGGCAACTGCGTGCACTTCGTGGCCGAGGAGCAGGACTGAATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATGGCCGCCTAGGCC−3’。
このトランスポゾンにCspglB2を挿入したものを、pUT送達ベクターに導入してプラスミドpELLA2を生成し、Transformax E.coli株EC100D pir+(Cambio U.K.)において維持した。
細菌接合
レシピエントであるE.coli株または任意の他の細菌の染色体へとCspglB2トランスポゾンカーゴを導入することを可能にするために、プラスミドpELLA2をE.coli MFD(ジアミノピメリン酸(DAP)要求株)に導入した。Zeocin(登録商標)(100μg/ml)及びアンピシリン(100μg/ml)を増殖培地に添加した。ドナー細菌とレシピエント細菌との両方を、対数増殖後期に到達するまで増殖させた。遠心分離によって細菌細胞をペレットにし、PBSで3回洗浄してから、レシピエントとドナーとの比を1:3として一緒に混合した後、抗生物質を含まない乾燥LB寒天プレートにスポットし、4〜8時間保持した。細胞を剥離させてからPBSに浮遊させ、希釈液を、適切な選択抗生物質を含むLB寒天に播種することで接合完了体を選択した。個々のコロニーをピッキングし、pUT骨格の消失及びトランスポゾンの存在についてスクリーニングを実施した。
マーカーが除去されたpglB挿入物の生成
CspglB2と、Zeocin(登録商標)耐性カセット周囲のloxP組換え部位と、を含むトランスポゾンをPoulVAc E.coliに導入した。Zeocin(登録商標)耐性コロニーを選択した後、電気穿孔を介して温度感受性ベクターpCRE5を導入することによって当該抗生物質選択マーカーを除去した(参考文献:Appl Environ Microbiol.2008 February;74(4):1064−1075.Genetic Tools for Select−Agent−Compliant Manipulation of Burkholderia pseudomallei.Kyoung−Hee Choi,Takehiko Mima,Yveth Casart,Drew Rholl,Ayush Kumar,Ifor R.Beacham and Herbert P.Schweizer)。
50μg/mlのカナマイシンの存在下でPoulVAc E.coliを28℃で培養し、ラムノースを最終濃度が0.2%となるよう添加して発現誘導を行い、当該生物を数回継代培養することで、Zeocin(登録商標)耐性は消失しているが、カナマイシン耐性を維持している(染色体からブレオマイシン耐性遺伝子がはじき出されたことを示す)コロニーを選択した。
次に、このE.coli変異体を42℃で継代培養することでpCRE5プラスミドを脱落させ、当該プラスミドを有さない状態に戻した。再びカナマイシン感受性となったコロニーをスクリーニングすることで、pCRE5が消失し、pglBのマーカー除去済誘導性コピーがE.coliの染色体上に完全に生成したことを確認した。
pELLA3の構築
Accuprime Taq Hifiを使用し、プライマーとしてCsPglB1fwd:TTTTGAATTCGATTATCGCCATGGCGTCAAATTTTAATTTCGCTAAA(配列番号16)及びリバースプライマーCsPglB1rev:TTTT GAATTC TTATTTTTTGAGTTTATAAATTTTAGTTGAT(配列番号17)を使用して、C.sputorumに由来するpglB遺伝子を増幅した。この増幅では、94℃/30秒の後、94℃/30秒、53℃/30秒、68℃/2分を24サイクル実施するサイクル条件を使用した。制限酵素EcoRI HFを用いて37℃で16時間、PCR産物の切断処理を実施した。制限酵素EcoRI HFを用いて37℃で16時間、プラスミドpEXT21の切断処理も実施した。PCR精製キット(QIAGEN UK)を用いて、プラスミドとPCR産物との両方を精製し、アンタークティックホスファターゼ(Antarctic phosphatase)(NEB UK Ltd)を用いて37℃で1時間処理することによってプラスミドpEXT21の脱リン酸化処理を実施した。80℃で2分間加熱することによって当該酵素を熱失活させた後、T4 DNAリガーゼ(Promega UK)を使用して上記プラスミドと上記挿入断片とを共に連結し、この反応液を4℃で一晩インキュベートした。このライゲーション反応物をE.coli Dh10β細胞(NEB UK Ltd)に形質転換し、LBスペクチノマイシンプレート(80μg/ml)で回復させた。次に、コンストラクトをシークエンシングすることで、クローニングしたC.sputorum PglBにクローニングプロセス中にいずれの変異も生じなかったことを確認した。この新たなコンストラクトをpELLA3と命名した。
この糖鎖工学ツールの別のバージョンでは、マリナーHimar1因子を、当該トランスポゾンのIR1末端とIR2末端との間に特有のNotI部位を有するように改変した。このNotI部位は、Himar1トランスポゾン中に含まれるermカセットの制御下へと、Streptococcus pneumoniaeの血清型3型に由来するヒアルロン酸合成酵素遺伝子及びUDP−Glcデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を組み込むことを可能にするために使用した。Himar1に基づく挿入物の調製に使用したベクターは、ベクターpCAM45(May et al.FEMS Microbiology Letters 2004)の誘導体であり、この誘導体は、R6k複製起点を除去することで改変したものである。この新たなトランスポゾン保有ベクターをpELLA4と命名した。
担体ポリペプチド
改変された担体ポリペプチド[GT−ExoA]をコードするプラスミドpGVXN150:GT−ExoAで弱毒化細菌株を形質転換した。このGT−ExoAコンストラクトは、ベクターpGHにおけるP.aeruginosaの外毒素Aの改変バージョンを発現するように操作し、制限酵素NheI及び制限酵素EcoRI(NEB)を使用して、pEC415に由来するベクターにクローニングした。合成されるタンパク質は、N末端にN結合型糖鎖付加シークオンを4つ含み、かつC末端に糖鎖タグ(glycotag)をさらに4つ含むことに加えて、Pglによる当該タンパク質への糖鎖付加を可能にする内部改変を2つ含む。さらに、当該タンパク質のC末端にヘキサヒスチジンタグを付加することで、精製が容易になるようにすると共に、N末端配列にE.coli DsbAシグナルペプチドを付加することで、ペリプラズムへのSec依存性の分泌が可能になるようにした。pGVXN150:GT−ExoAは、アンピシリン耐性を有し、L−(+)−アラビノース誘導性である。次に、プライマーGTExoA NF(配列番号18;GCGCTGGCTGGTTTAGTTT)、プライマーGTExoA NR(配列番号19;CGCATTCGTTCCAGAGGT)、プライマーGTExoA CF(配列番号20;GACAAGGAACAGGCGATCAG)、及びプライマーGTExoA CR(配列番号21;TGGTGATGATGGTGATGGTC)を用いて、サンガーシークエンシングを使用して当該コンストラクトの配列を確認した。
PglBの毒性の低減
タンパク質グリカン結合技術では、Campylobacter jejuni PglBを使用することが必要である。この酵素は、13回膜貫通型ドメインを有しており、E.coliにおいて過剰発現すると毒性を示す。オリゴヌクレオチドPglBEcoRI(EcoRI作用部位は太字で示される)(配列番号22:
)及びオリゴヌクレオチドPglBNcoI−HA(配列番号23:AACCATGGTTAAGCGTAATCTGGAACATCGTATGGGTAAATTTTAAGTTTAAAAACCTTAGC)をプライマーとして使用し、PCRによってpglB遺伝子を最初に増幅した。この増幅では、pACYC(pgl)をテンプレートとして用いてPfuポリメラーゼを使用した。オリゴヌクレオチドPglBNcoI−HAは、ウエスタンブロットによってPglBの発現を追跡するためにHAタグをコードする。EcoRI及びNcoIを用いてPCR産物を消化し、ベクターpMLBADの同一部位にクローニングした。得られたプラスミドをpMAF10と命名した。PglBがアラビノース依存性に発現することをウエスタンブロットによって確認した(Feldman et al.2005)。このコンストラクトを、ベクターpEXT21のEcoRI部位にサブクローニングすることで、CjpglBのIPTG依存性誘導性発現が可能になる。このプラスミドとORFとの組み合わせは、いくつかの複合糖質ワクチンを生成するために数年間使用されているものである。Campylobacter sputorumに由来するPglBを使用する改変を最近行った際に、我々は試験を実施し、リボソーム結合部位がpEXT21ベクター自体の中にコードされていることを明らかにしている。このことは、RBSとpglBのATG開始コドンとの間の距離によって翻訳効率が部分的に制御されることを意味する。PglBをコードする遺伝子を、DNA配列を10塩基対延長したベクターpEXT21に挿入することで、当該酵素の毒性が減少し、それに伴って、光学密度によって測定したときの担体E.coli株の増殖が増加することに我々は気付いた。したがって、ATG開始コドンの前に追加のヌクレオチドを挿入するという単純な改変によってC.jejuni PglBの毒性を低減するか、あるいは発現プラスミド中に含まれるRBSから遺伝子をさらに遠ざけてクローニングすることが可能であり得る。
pACYC184にクローニングされたC.jejuni 81116 pgl遺伝子座へのインビトロの変異導入
pACYC184(pACYCpgl)にクローニングされたC.jejuni 81116糖鎖付加遺伝子座の11遺伝子への変異導入を、カスタマイズされたEZ::TNトランスポゾンシステム(Epicentre,Madison,WI,USA)を使用してインビトロで実施した。簡潔に記載すると、転写ターミネーターを含まず、したがって、下流への極性効果を発揮できないカナマイシン耐性カセット(Trieu−Cuot et al.,1985)をPCRによって増幅し、ベクターpMOD(商標)<MCS>(Epicentre)のマルチクローニング部位にクローニングした。このコンストラクトを、ScaI消化によって直鎖化し、カナマイシン耐性カセットを、隣接するモザイク末端と共に、プライマーFP−1及びプライマーRP−1(Epicentre)を使用してPCRによって増幅した。このPCR産物を、インビトロでの転移反応を実施することでプラスミドpACYCpgl(Wacker et al.,2002)と結合させた。この転移反応は、製造業者の説明(Epicentre)に従って実施した。得られた変異導入pACYCpglプラスミドプールを電気穿孔によってE.coli XL1−Blue MRF’(Stratagene)に導入し、PCRによって推定変異体をスクリーニングすることで、カナマイシンカセットの位置及び方向を同定した。糖鎖付加遺伝子座の遺伝子と同一の転写方向で挿入されたカナマイシン耐性カセットを有する変異体のみを使用し、これらの変異体は、配列解析によっても確認した。
ブタにおけるStreptococcus suisの変異体及び野生型P1/7株の病態形成
表1:実験群
鼻腔スワブ及び血液試料をブタから採取した後、Strepococcus suisの変異株及び野生型株の鼻腔内投与を実施した(0日目)。S.suisの変異株及び野生型株を含むPBS(約10CFU/ml)をブタに2ml(鼻孔当たり1ml)投与した(表3)。
表2 接種物の力価:
2日目、5日目、及び7日目に、鼻腔スワブまたは鼻腔スワブ及び扁桃腺スワブを採取し、細菌数を数えるために直ちに播種した。
跛行、嗜眠、神経症状を含めて、重度疾患の臨床徴候についてブタを観察した。血液用SST、鼻腔スワブ、扁桃腺スワブ、漿膜(心膜、胸腔、腹腔)スワブ、関節穿刺排液または関節スワブ(患部である関節または踵関節)、CSF穿刺排液などの試料を死体解剖時に採取した。肺胞洗浄液を採取し、直ちに培養または凍結し、肉眼的病変を記録した。肺胞洗浄液を除き、試料は2mlのPBS中に収集した。肺胞洗浄液の場合は、50mlのPBSを肺に注入し、ピペットで収集した。100ulの試料をTSA血液寒天プレートに播種した。
症状が十分に重度(呼吸困難、バタバタする動き(paddling)、及び/またはヒトが飼育領域に立ち入っても立てない状態)であれば、ブタを安楽死させた。その他の場合で、ブタが臨床徴候を全く示さないのであれば、感染から15日目にブタを安楽死させた。ブタへの曝露から15日後に血清抗体価を測定した(図12)。
実施例1
単一の内部糖鎖付加部位を有するPseudomonas aeruginosaの外毒素AをコードするpEC415ベクターと、miniTn5km2要素を挿入することによってpglB遺伝子を破壊した、C.jejuniの七糖全体をコードするプラスミドpACYCpglB::kmとともに、コンストラクトpELLA1をE.coli CLM24細胞に形質転換した。比較として、外毒素Aをコードするコンストラクト及びC.jejuniの七糖をコードするコンストラクトを、C.jejuni由来のpEXT21pglBを有するE.coli CLM24細胞に形質転換した。30μg/ml−1のcm、100μg/ml−1のamp、80μg/ml−1のスペクチノマイシンを含む500mlのLBに対して、コンストラクトの組み合わせのいずれかを有するCLM24を一晩培養した培養物10mlを植菌し、振とうしながら37℃でインキュベートした。600nmでの光学密度の読み取りを1時間に1回の間隔で実施し、OD600nmが0.4に達した時点でIPTGを最終濃度1mM、L−アラビノースを最終濃度0.2%となるように添加することによってタンパク質発現を誘導した。最初の誘導から5時間後、L−アラビノースを0.2%となるように添加し、OD600nmの測定を継続した(図1A)。
タンパク質発現の誘導を全く行わないE.coli CLM24細胞の増殖も測定した。この測定は、IPTGまたはL−アラビノースを全く添加しなかったことを除き、pELLA1を有さないE.coli CLM24細胞について上に記載したものと同一の方法で実施した(図1B)。
実施例2
単一の糖鎖の付加が可能な外毒素Aをコードするプラスミド、C.sputorum PglB2またはC.jejuni PglBをコードするプラスミドを有するE.coli CLM24の培養物を使用して、500mlのLBブロスの植菌を実施した。実施例1に記載したようにタンパク質発現を誘導し、その際、L−アラビノースを0.2%となるように添加(2回目)した後に、培養物をさらに16時間インキュベートするという変更を加えた。この時点で、4000×gで30分間遠心分離することによって細胞をペレット形成させ、高圧細胞ホモジナイザー(Stansted Fluid power)を使用して溶解し、NiNTAに結合させることでCLM24細胞からHISタグ付き外毒素Aを精製した。12%のビス−トリスゲル(Invitrogen)でタンパク質を分離した後、ニトロセルロース膜に転写した。この転写タンパク質を、ウサギhr6抗campyグリカン一次抗体及びマウス抗HISを用いてプローブした。ヤギ抗ウサギ赤外色素標識二次抗体及びヤギ抗マウス赤外色素標識二次抗体を使用することで、Odyssey LI−CORスキャナー(LI−COR Biosciences UK Ltd)を使用して糖タンパク質を可視化できるようにした(図2)。
実施例3
c−Mycタグの付いた、4つの糖鎖の付加が可能なL−アラビノース誘導性CjaAをコードするプラスミドpUA31とともに、pACYCpglを電気穿孔によってPoulVAC E.coliに導入した。0.2%のL−アラビノースで誘導を2回行った後、37℃で振とうしながら全部で24時間のインキュベートを実施した。培養物を1ml取得し、10,000×gで10分間遠心分離した。上清を捨て、SDS PAGE用の2×ローディング色素100μlにペレットを再懸濁した。この懸濁液を10分間煮沸してから、20μlを12%のビス−トリスゲルにロードし、ニトロセルロース膜に転写した。マウス抗c−Myc抗体及びウサギhr6抗体を用いて試料をプローブした。ヤギ抗ウサギ赤外色素標識二次抗体及びヤギ抗マウス赤外色素標識二次抗体を使用することで、Odyssey LI−CORスキャナー(LI−COR Biosciences UK Ltd)を使用して糖タンパク質を可視化できるようにした(図3)。
実施例4
pUA31(アクセプタータンパク質CjaAをコードする)、pACYCpgl(pglB::km)(C.jejuniの七糖をコードする遺伝子座をコードするが、pglBはノックアウトされている)、及びpMAF10(アラビノース誘導性C.jejuni PglBをコードする)でSalmonella Typhimurium株SL3749を形質転換した。一晩37℃で振とう培養した培養物10mlを調製し、200mlのLBブロスへの植菌に使用した。この植菌LBブロスを、OD600nmが0.4に達するまで37℃で継続的に振とうした。この時点で、L−アラビノースを0.2%となるように添加することで、CjaA及びPglBの発現を誘導した。4時間のインキュベートの後、L−アラビノースを最終濃度が0.2%となるように再び添加し、培養物を37℃で振とうしながらさらに16時間インキュベートした。6000×gで30分間遠心分離することによって細菌培養物をペレット形成させ、25mMのトリス及び0.15MのNaClを含む30ml(TBS)(pH7.5)に再懸濁した。高圧細胞ホモジナイザーを使用して細胞を溶解させた。SDSを2%、Triton X−100を1%となるように添加し、溶解材料を4℃で混合しながら3時間インキュベートした。次に、この材料を4000×gで20分間遠心分離した。ペレットを捨ててから、c−Myc sepharose(Thermo Scientific USA)を300μl添加した。これを混合しながら4℃で一晩インキュベートした。次に、この材料を4000×gで10分間遠心分離し、上清を除去した。1mlのTBSを0.05%のTweenと共に添加した。これを、10,000×gの遠心分離を瞬間的に行うことによって5回洗浄した。3μlのDTTを含む2×SDSローディング緩衝液300μlを添加することによってタンパク質を溶出させ、10分間煮沸した。実施例3に記載したようにウエスタンブロットを実施した(図5)。
実施例5
これまでに、CspglBのIPTG誘導性コピーを有するトランスポゾンpELLA2を使用することで、この遺伝子を、糖鎖工学E.coli株であるW3110、CLM24、CLM37、Sθ874、SCM7、SCM6、SCM3、ならびにPoulVAc E.coli、及びS.typhimuriumの染色体に組み込んだ。
実施例6
Campylobacter jejuni七糖pACYCpgl(pglBのノックアウトなし)及びアクセプタータンパク質をコードするプラスミドならびにコンストラクトpELLA1を有するE.coli株CLM24を37℃で振とうしながら、30μg/mlのCm、80μg/mlのSp、100μg/mlのAmpを含む50mlのLBブロスで増殖させた。600nmでの光学密度の読み取りを1時間に1回の間隔で実施した。この増殖を、C.jejuni pglBをpEXT21に含めたときに観測されたものと比較した。OD600nmの光学密度が0.4に達した時点で、IPTGを最終濃度が1mMとなるように添加し、L−アラビノースを最終濃度が0.2%となるように添加した。結果は、図8に示されており、3回の生物学的反復の平均(平均値)である。
実施例7
Campylobacter jejuni七糖pACYCpgl(pglBのノックアウトなし)及びアクセプタータンパク質をコードするプラスミドならびにコンストラクトpELLA3を有するE.coli株CLM24を37℃で振とうしながら、30μg/mlのCm、80μg/mlのSp、100μg/mlのAmpを含む50mlのLBブロスで増殖させた。600nmでの光学密度の読み取りを1時間に1回の間隔で実施した。この増殖を、C.jejuni pglBをpEXT21に含めたときに観測されたものと比較した。OD600nmの光学密度が0.4に達した時点で、IPTGを最終濃度が1mMとなるように添加し、L−アラビノースを最終濃度が0.2%となるように添加した。結果は、図9に示されており、3回の生物学的反復の平均(平均値)である。
実施例8
ブタ及びヒトの病原体であるStreptococcus suis血清型2型(ss2)への、対抗選択マーカー非存在下での変異導入
S.suis血清型2型は、ブタの主要な病原体であり、種の壁を超えてヒトに感染を引き起こすことが最近報告されている。多糖莢膜が存在することが、主な病原性決定要因であると考えられており、莢膜形成にはcps2E遺伝子が必要不可欠であると考えられている。我々にとっての他の目的遺伝子はS.suisのソルターゼであり、S.suisのソルターゼには、6つの推定ソルターゼ(SrtA〜F)が存在する。
最初に、S.suisでは複製せず、したがって、この生物における自殺プラスミドとしての適性を有するプラスミドpMTL82151を同定した。pMTL82151で形質転換したS.suis P1/7コンピテント細胞は、選択プレートでコロニーを形成することができなかったが、複製プラスミドpSET1で形質転換した細胞は、予想どおりにコロニーを形成した。次に、csp2E遺伝子、srtB遺伝子、及びsrtF遺伝子を欠失させるための対立遺伝子交換カセットを構築し、約1.2kbpのホモロジー領域を含めた(例外として、srtFのホモロジー領域2には700bpのホモロジー領域を含めることで、E.coliに毒性を示すと思われるいずれの全遺伝子のクローニングも生じないようにした)。対立遺伝子交換プラスミドでS.suisを形質転換し、クロラムフェニコール(Cm)耐性シングルクロスオーバークローンを得た。シングルクロスオーバー組み込み体を、選択なしで継代培養し、コロニーをプレートに毎日パッチすることで、二重組換えが生じたかどうかを決定した。この頻度は十分に高いものであったため、選択なしで5〜6回継代培養することによって変異体を容易に単離することができた。Cm感受性クローンをPCRによってスクリーニングすることで、変異または野生型への対立遺伝子復帰変異を当該クローンが含むかどうかを決定し、cps2E変異体、srtB変異体、及びsrtF変異体を単離し、サンガーシークエンシングによって確認した。

表3
HA=ホモロジーアーム、bp=塩基対、F=フォワード、R=リバース。下線付きの配列は、制限エンドヌクレアーゼの認識配列に対応する。
実施例9
S.suisの野生型株(P1/7)、cps2E変異体(疾患を引き起こさない対照として使用した)、srtB変異体、及びsrtF変異体、ならびにssu1476(選別した推定タンパク質)の変異体をブタに投与した。投与は、鼻腔内投与によって実施した。この投与経路は、ブタにおける天然の感染経路である。
群4〜5では、臨床徴候の発生/死体解剖が3〜8日で生じた一方で、群1〜3は、投与から15日経っても、臨床症状を全く示さなかった。
表4:結果−死体解剖時点でのStrepの培養
NCS=臨床徴候なし。
?=混入細菌が多すぎるため、Strepのコロニーの存在有無の判断が不可能であり、PCRを実施することが計画されている。
+=Strepは存在するが、他の細菌が存在するため、Strepの数を推定することが困難である。
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Claims (51)

  1. 1つまたは複数の転写カセットで形質転換された病原性細菌細胞であって、前記1つまたは複数の転写カセットが、
    オリゴ糖転移酵素ポリペプチドをコードする核酸分子と、
    前記オリゴ糖転移酵素の基質として少なくとも1つの糖鎖付加部位を含む1つまたは複数の担体ポリペプチドをコードする核酸分子と、前記形質転換病原性細菌細胞が発現しない異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドを含む生合成遺伝子座をコードする核酸分子と、
    を含み、前記病原性細菌細胞が弱毒化され、前記異種グリカン抗原が前記細菌細胞表面に発現することを特徴とし、前記異種グリカンが前記担体ポリペプチドに結合することで、前記弱毒化病原性細菌細胞内に保持された複合糖質も生成する、前記病原性細菌細胞。
  2. 前記細菌細胞が、膜ポリペプチドまたは膜結合型ポリペプチドをコードする少なくとも1つの不活性遺伝子または変異遺伝子を含み、前記病原性細菌生細胞が弱毒化されており、前記弱毒化が、前記遺伝子の不活化または変異の結果である、請求項1に記載の病原性細菌細胞。
  3. 前記遺伝子が、ソルターゼをコードする遺伝子及び/または多糖修飾酵素をコードする遺伝子からなる群から選択され、前記改変が、前記ソルターゼ遺伝子または前記多糖修飾遺伝子の発現の不活化または抑制と関連する、請求項1または請求項2に記載の病原性細菌細胞。
  4. 前記ソルターゼをコードする前記遺伝子が、
    i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で前記核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、前記核酸分子がソルターゼをコードする、前記核酸分子と、
    からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる、請求項3に記載の病原性細菌細胞。
  5. 前記ソルターゼをコードする前記遺伝子が、
    i)配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で前記核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、前記核酸分子がソルターゼをコードする、前記核酸分子と、
    からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる、請求項3に記載の病原性細菌細胞。
  6. 前記多糖修飾酵素をコードする前記遺伝子が、
    i)配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で前記核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、前記核酸分子が多糖修飾酵素をコードする、前記核酸分子と、
    からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる、請求項3に記載の病原性細菌細胞。
  7. 前記ソルターゼ及び/または前記多糖修飾酵素をコードする前記遺伝子が、前記ソルターゼ及び/または前記多糖修飾酵素をコードする前記ヌクレオチド配列のすべてまたは一部を欠失させるか、あるいは前記ソルターゼ及び/または前記多糖修飾酵素の発現を制御する制御領域のすべてまたは一部を欠失させることによって改変される、請求項3〜6のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  8. 前記オリゴ糖転移酵素が、Campylobacter属のオリゴ糖転移酵素である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  9. 前記Campylobacter属のオリゴ糖転移酵素が、Campylobacter jejuniのオリゴ糖転移酵素である、請求項8に記載の病原性細菌細胞。
  10. 前記Campylobacter属のオリゴ糖転移酵素が、Campylobacter sputorumのオリゴ糖転移酵素である、請求項8に記載の病原性細菌細胞。
  11. 前記オリゴ糖転移酵素が、配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるか、または配列番号4に示される全長ヌクレオチド配列にわたって少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる、請求項9に記載の病原性細菌細胞。
  12. 前記オリゴ糖転移酵素が、配列番号5もしくは配列番号6に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるか、または配列番号5もしくは配列番号6に示される全長ヌクレオチド配列にわたって少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる、請求項10に記載の病原性細菌細胞。
  13. 前記オリゴ糖転移酵素が、配列番号7に示されるアミノ酸配列によって示されるものであるか、または配列番号7に示される全長アミノ酸配列に対して少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列によって示されるものである、請求項9または請求項11に記載の病原性細菌細胞。
  14. 前記オリゴ糖転移酵素が、配列番号8に示されるアミノ酸配列によって示されるものであるか、または配列番号8に示される全長アミノ酸配列に対して少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列によって示されるものである、請求項10または請求項12に記載の病原性細菌細胞。
  15. 前記担体ポリペプチドが、Asn−X−SerもしくはAsn−X−Thr、このときXは、プロリン以外の任意のアミノ酸である、というアミノ酸モチーフを含むか、または前記アクセプターポリペプチドが、D/E−X−N−X−S/T、このときXは、プロリン以外の任意のアミノ酸である、というアミノ酸モチーフを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  16. 前記担体ポリペプチドが、前記弱毒化病原性細菌細胞のゲノムによってコードされる内在性担体ポリペプチドである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  17. 前記担体ポリペプチドが、前記弱毒化病原性細菌細胞によって天然には発現しない核酸分子によってコードされる異種担体ポリペプチドである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  18. 前記異種担体ポリペプチドが、病原性細菌種から単離された核酸分子によってコードされる、請求項17に記載の病原性細菌細胞。
  19. 前記異種担体ポリペプチドが、配列番号9、配列番号10、または配列番号11に示されるヌクレオチド配列によってコードされる、請求項17または請求項18に記載の病原性細菌細胞。
  20. 異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドを含む生合成遺伝子座をコードする前記核酸分子が、莢膜多糖をコードする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  21. 前記多糖が、O抗原である、請求項20に記載の病原性細菌細胞。
  22. 前記多糖が、七糖である、請求項20に記載の病原性細菌細胞。
  23. 前記生合成遺伝子座が、配列番号12に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む、請求項22に記載の病原性細菌細胞。
  24. 前記オリゴ糖転移酵素をコードする前記核酸分子が、前記弱毒化病原性細菌細胞のゲノムに安定的に組み込まれる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  25. 前記担体ポリペプチドをコードする前記核酸分子が、前記弱毒化病原性細菌細胞のゲノムに安定的に組み込まれる、請求項1〜24のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  26. 前記生合成遺伝子座をコードする前記核酸分子が、前記弱毒化病原性細菌細胞のゲノムに安定的に組み込まれる、請求項1〜25のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  27. 前記生合成遺伝子座が、Pgl遺伝子座である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  28. 前記Pgl遺伝子座が、PglG、PglF、PglE、Cj1122c、PglD、PglC、PglA、PglJ、PglI、PglH、PglKからなる群から選択される、前記1つまたは複数のポリペプチドをコードする遺伝子を含む、請求項27に記載の病原性細菌細胞。
  29. 異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドをコードする前記核酸分子が、配列番号12に示される配列を含み、前記配列番号12が、PglBの機能性バージョンを含まない、請求項27または請求項28に記載の病原性細菌細胞。
  30. 前記転写カセットが、少なくとも、前記オリゴ糖転移酵素ポリペプチドをコードする前記核酸分子に対して、機能可能なように連結されたプロモーターを含む、請求項1〜29のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  31. 前記プロモーターが、リボソーム結合部位に機能可能なようにさらに連結され、前記リボソーム結合部位の3’プライム末端と、前記担体ポリペプチド及び/または前記異種グリカン抗原及び/または前記オリゴ糖転移酵素ポリペプチドをコードする前記核酸分子の5’開始コドンと、の間にヌクレオチドスペーサー配列が設けられ、前記担体ポリペプチド及び/または前記異種グリカン抗原及び/または前記オリゴ糖転移酵素ポリペプチドをコードする前記核酸分子からの翻訳が、前記ヌクレオチドスペーサー配列を含まない、前記組換えポリペプチドをコードする対照核酸分子と比較すると低減される、請求項30に記載の病原性細菌細胞。
  32. 前記プロモーターが、制御可能なものであり、発現制御を可能にする誘導性または抑制性のヌクレオチド要素を含む、請求項30または請求項31に記載の病原性細菌細胞。
  33. 前記弱毒化病原性細菌細胞が、不活化される、請求項1〜32のいずれか1項に記載の病原性細菌細胞。
  34. 請求項1〜33のいずれか1項に記載の弱毒化または不活化された病原性細菌細胞を含む、ワクチンまたは免疫原性組成物。
  35. 非ヒト動物対象における細菌感染症の予防または治療において使用するための、請求項34に記載のワクチンまたは免疫原性組成物。
  36. 前記ワクチンまたは免疫原性組成物が、前記非ヒト動物対象における2つの異なる細菌感染症を予防または治療する、請求項35に記載の使用に沿う組成物。
  37. 前記ワクチンまたは免疫原性組成物が、前記非ヒト動物対象における3つの異なる細菌感染症を予防または治療する、請求項35に記載の使用に沿う組成物。
  38. 前記細菌感染症が、Actinobacillus pleuropneumoniae、Escherichia coli、Clostridium perfringens、Campylobacter jejuni、Campylobacter coli、Haemophilus parasuis、Streptococcus suis、Streptococcus uberis、Salmonella typhimurium、Salmonella enterica、Staphylococcus aureus、Mycobacterium bovis、Francisella tularensis、Shigella flexneri、Yersinia enterocolitica、Bordetella bronhiseptica、Brucella abortus、Listeria monocytogenes、Erysipelotrix rhusiopatie、及びLeptospira interrogansからなる群から選択される細菌種によって引き起こされる、請求項35〜37のいずれか1項に記載の使用に沿う組成物。
  39. 前記細菌感染症が、連鎖球菌感染の結果である、請求項35〜38のいずれか1項に記載の使用に沿う組成物。
  40. 前記細菌感染症が、Mycoplasma hyopneumoniae感染の結果である、請求項35〜37のいずれか1項に記載の使用に沿う組成物。
  41. 請求項1〜32のいずれか1項に記載の弱毒化病原性細菌細胞を含む、細胞培養物。
  42. 請求項41に記載の細菌細胞培養物を含む、細胞培養容器。
  43. 膜ポリペプチドまたは膜結合型ポリペプチドをコードする少なくとも1つの不活性遺伝子または変異遺伝子を含む病原性細菌生細胞であって、前記病原性細菌生細胞が弱毒化されており、前記弱毒化が、前記遺伝子の不活化または変異の結果である、前記病原性細菌生細胞。
  44. 前記細菌細胞が、Streptococcus属のものである、請求項43に記載の病原性細菌生細胞。
  45. 前記細菌性病原体が、Streptococcus suis、Streptococcus pyogenes、Streptococcus equisimilis、Streptococcus bovis、Streptococcus anginosus、Streptococcus sanguinis、Streptococcus mitis、Streptococcus innuae、Streptococcus equi、Streptococcus uberus、及びStreptococcus pneumoniaeからなる群から選択される、請求項44に記載の病原性細菌生細胞。
  46. 前記細菌細胞が、Streptococcus suisである、請求項45に記載の病原性細菌生細胞。
  47. 前記遺伝子が、ソルターゼをコードする遺伝子及び/または多糖修飾酵素をコードする遺伝子からなる群から選択され、前記改変が、前記ソルターゼ遺伝子または前記多糖修飾遺伝子の発現の不活化または抑制と関連する、請求項43〜46のいずれか1項に記載の病原性細菌生細胞。
  48. 前記ソルターゼをコードする前記遺伝子が、
    i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で前記核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、前記核酸分子がソルターゼをコードする、前記核酸分子と、
    からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる、請求項47に記載の病原性細菌生細胞。
  49. 前記ソルターゼをコードする前記遺伝子が、
    i)配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で前記核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、前記核酸分子がソルターゼをコードする、前記核酸分子と、
    からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる、請求項47に記載の病原性細菌生細胞。
  50. 前記多糖修飾酵素が、
    i)配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    ii)(i)に定義されるヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果として縮重するヌクレオチド配列を含む核酸分子と、
    iii)核酸分子であって、厳密なハイブリダイゼーション条件の下で前記核酸分子の相補鎖が上記のi)及びii)のヌクレオチド配列にハイブリダイズし、前記核酸分子が多糖修飾酵素をコードする、前記核酸分子と、
    からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされる、請求項47に記載の病原性細菌生細胞。
  51. 転写カセットで形質転換された病原性細菌細胞であって、前記転写カセットが、前記形質転換病原性細菌細胞が発現しない異種グリカン抗原の合成に必要な1つまたは複数のポリペプチドを含む生合成遺伝子座を含み、前記異種グリカン抗原が、前記細菌細胞表面に発現する、前記病原性細菌細胞。
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