JP2020513595A - 正しい単眼奥行き手がかりを持つニアアイシーケンシャルライトフィールドプロジェクタ - Google Patents

正しい単眼奥行き手がかりを持つニアアイシーケンシャルライトフィールドプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】人工のライトフィールドを作り出し、観察者の眼に届ける。【解決手段】本発明は、ニアアイ投影画像をユーザの眼に投影するためのライトフィールドプロジェクタであって、複数の入射ライトフィールド(38、40)を順次発光するように構成された複数の照明点光(34、36)を備える光源(28)と、一連のソース画像を提供するように構成された空間光変調器(30)と、を備える。空間光変調器(30)はさらに、複数のピンホール開口ライトフィールド(16、18)を順次投影するように、入射光フィールド(38、40)のそれぞれをソース画像に従って変調するように構成される。各ピンホール開口ライトフィールド(16、18)は、ソース画像からのライトフィールド構成要素を運ぶ。順次投影されたピンホール開口ライトフィールド(16、18)のそれぞれは、交差仮想ピンホール(20、22)を形成し、そこを通してソース画像からの構成要素が可視である。各仮想ピンホール(20、22)は、照明点光(34、36)のサイズによって決定され、互いに空間的にシフトされた開口絞りを備え、ニアアイ投影画像は仮想ピンホール(20、22)を通して観察される。

Description

本発明は、ユーザの眼に虚像を投影するために最適化された単眼奥行手がかりを持つライトフィールドプロジェクタに関する。本発明はさらに、前記ライトフィールドプロジェクタを備える拡張現実感装置に関する。
従来の3次元(3D)ディスプレイ及びプロジェクタは、主に両眼性手がかりによって投影画像の奥行きの錯覚を与え、また、ヘッドマウントディスプレイ及び動き追跡能力を有するニアアイプロジェクタの場合には、動きの手がかりももたらす。他のマイナーな奥行き手がかりも通常存在する。立体3Dディスプレイ及びプロジェクタは、各眼の異なる視点から見た3Dシーンの画像に対応する画像を各観察者の眼に送達し、可能であれば、人工的に生成された3Dシーンで彼の変化する視点を模倣するために、観察者の頭の動きに従って画像を変える。従来の3Dディスプレイ及びプロジェクタでは、両眼及び動きの奥行き手がかりは通常、眼の調節作用及び有限の被写界深度に起因する画像のぼけなどの単眼の奥行き手がかりと一致しない。
目は可変レンズを備え、実世界では、眼の網膜に鮮明な画像を投影するには、レンズを、観察対象の距離に合焦させる必要がある。別の距離にある物体は焦点が合っていないので、網膜上のそれらの画像はぼやけている。従来の3Dディスプレイ及びプロジェクタは、しかしながら、平面スクリーンから、又は走査レーザビーム又はほぼゼロの開口絞りを有するライトフィールド(明視野)を使用する直接網膜投影によって、各眼に画像を提供する。前者は、光学システムにおいて平面スクリーンの光学像の距離に目を合焦させることを必要とする。これ以降、「光学像」という用語は、光学系を通して見たときの物体の見かけの位置を意味する。平面スクリーン上に表示された写真は、全て鮮明であるか、又はそれらに既にぼけが存在しているかのいずれかであり、眼の調節によってぼやけないようにすることはできない。目がディスプレイの光学画像の距離以外の任意の距離に合焦するとき、表示された写真の網膜画像はぼやけている。網膜投影は、網膜上に投影された画像の常に合焦された画像を生成し、眼の調節は画像のサイズ及び位置のみに影響を及ぼす。常に合焦しているライトフィールドは、光路中の塵埃のような全ての欠陥の影を運ぶ。
3Dシーンの人工的に投影された光の中で正しい単眼奥行き手がかりを作成するため、次の概念を含むいくつかの概念が提案された。(i)ホログラフィックディスプレイ。(ii)デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などのディスプレイと組み合わされた自由曲面ミラーなどの高速可変焦点光学素子を有するニアアイプロジェクタ。(iii)ディスプレイの光学像の距離を能動的に制御し、測定された又は推定された眼の焦点距離に従って表示された写真に対応するぼけを生じさせる光学系を備えたディスプレイ。(iv)マイクロレンズアレイ又はポイントライトアレイバックライトによって表示画像を空間的に多重化するディスプレイ。それぞれの概念には、特定の長所と短所がある。ホログラフィックディスプレイは、理論的には、人工の3Dシーンの完全に正しいライトフィールドを提供可能であるが、回折や色収差の影響を受け、大量の入力データ、コヒーレント光源、高解像度の位相及び振幅変調を必要とする。光の高速可変焦点レンズ及び自由曲面ミラーは、量産されていない繊細な部品であり、それらの光学特性は光学的欠陥の影響を受ける。スクリーンの光学像の能動的に制御された距離及び表示された写真における人工的なぼけを有するプロジェクタは、眼の焦点距離の測定又は推定、並びにその結果としてのプロジェクタ光学系及びデジタルぼけの適合を必要とする。この概念は、個々の眼の間の違いによって複雑となる測定誤差という問題を有し、そしてこの概念は確かに正しいライトフィールドを提供せず、それはライトフィールドの効果を模倣するだけである。マイクロレンズアレイ又は透明空間光変調器を持つ点光バックライトによる画像の空間多重化の概念による商業的に魅力的な画像解像度の達成は、網膜像のぼけを眼の焦点距離に正しく依存させるために人工シーンの各画像点が同時に複数回表示されるので特別な小ピッチ高解像度ディスプレイを必要とする。拡張現実アプリケーションにおけるシースルーディスプレイとしてのそれらの使用は、マイクロレンズアレイは不透明ディスプレイを含み、点−光アレイの概念は大型で空間を占有するという事実によって複雑になる。ネマティック液晶又は有機発光ダイオードディスプレイを用いた画像の時間多重化に基づく他の複数の概念は、これらのディスプレイのリフレッシュ時間が短いという問題がある。
従来のディスプレイ及びプロジェクタは、正しい単眼奥行き手がかりを有するライトフィールドを生成しない。開発中であることが知られているライトフィールドディスプレイ及びプロジェクタは、特別な構成要素に基づいているか、複数要因が満足できる状態ではないか、又は技術的制限のため近い将来には使用され得ない。さらに詳細は下記を参照されたい。
本発明は、デジタル処理された情報をユーザの眼に投影する電子装置及び光学装置に関する。より具体的には、本発明は、視覚シーンの光を作り出し、その光を眼のすぐ近くから眼に投影する装置に関する。投影された光は、実世界から眼に入る自然光と重ね合わせてもよい。投影された人工光は、現実の世界と同様に投影された視覚シーンにおいて、受け取る眼が異なる距離の対象物に自然に焦点を変えることができて、対象物の現実的なぼけ及び被写界深度を観察できるという、特性を有する。本発明はまた、形状要因は小さく、コンテキスト上のデジタル情報を自然に観察される実世界に重ね合わせる、日常的なウェアラブルアイウェアとして使用され得る装置に関する。
本発明の目的は、人工のライトフィールドを作り出し、そのライトフィールドを観察者の眼に届けることである。より具体的には、ライトフィールドプロジェクションは、眼の近くからライトフィールドを眼へ投影し、投影されたライトフィールドを、実世界から観察者の眼の瞳孔に入る光と混合可能な、小型の形状要因の装置で、構成される。
開示された発明は、観察者に正しい単眼奥行き手がかりを提供するニアアイライトフィールドプロジェクタである。より特定的には、プロジェクタは、観察者の瞳への複数の常に合焦しているライトフィールド成分の時間多重化及び順次投影によって人工ライトフィールドを生成する。視力の自然な遅延時間により、観察者は、合成されたライトフィールドを知覚し、そして正しい眼の調節及び関連する画像のぼやけのような現実的な単眼奥行き手がかりを経験する。
本発明に開示された(使用者の眼に近い)ニアアイライトフィールドプロジェクタは、現実的な単眼奥行き手がかりを有するライトフィールドを生成し、これは、現実的な有限の被写界深度に対する観察者の知覚及び人工的に生成された3Dシーンにおける正しい調節を作り出す。ライトフィールドプロジェクタは、実質的に無限でほぼ連続的な範囲の深さ、高い画像解像度、低い画像持続性を提供し、信頼性の高い現在量産されている構成要素を用いて実行可能であり、拡張された実際の適用のために、薄型透明メガネを持つシステムに組み込まれてもよい。
このプロジェクタは、人間又は動物の眼に3Dシーンのライトフィールドを提供する。
ライトフィールドプロジェクタのユーザは、投影されたライトフィールドにおいて現実的な単眼奥行き手がかりを経験する。このプロジェクタは、正しい眼球調節機能を備えた3Dバーチャル及び拡張現実情報の配信に適する。
本発明は、例として与えられ、図によって示される実施形態の説明を用いてよりよく理解されるであろう。
一実施形態による、ピンホール開口ライトフィールドの投影を示す図である。 一実施形態による、別のピンホール開口ライトフィールドの投影を示す図である。 一実施形態による、複数のピンホール開口ライトフィールドからの広開口ライトフィールドを示す図である。 一実施形態による、ピンホール開口ライトフィールドの網膜像を示す図である。 一実施形態による、別のピンホール開口ライトフィールドの網膜像を示す図である。 一実施形態による、2つのピンホール開口ライトフィールドからなる網膜像を示す図である 別の実施形態による、2つのピンホール開口ライトフィールドからなる網膜像を示す図である。 別の実施形態による、2つのピンホール開口ライトフィールドから構成される網膜像を示す図である。 一実施形態による、9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 別の実施形態による、9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 別の実施形態による、9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 一実施形態による、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 別の実施形態による、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 別の実施形態による、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 一実施形態による、照明ステップ中のライトフィールドプロジェクタの概略図を表す。 別の照明ステップ中の、図4aのライトフィールドプロジェクタの概略図を表す。 複数の照明ステップを示す、図4aのライトフィールドプロジェクタの概略図を表す。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 順次投影中の図5aのライトフィールドプロジェクタを表す。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 一実施形態による、連続照明ステップを示す図である。 一実施形態による、4つのハーフトーン画像構成要素を示す図である。 別の実施形態による順次照明ステップを示す図である。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを示す図である。 一実施形態による拡張現実感装置を表す図である。 さらに別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 図11aのライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの正面図を示す。 さらに別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 さらに別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 一実施形態による、ライトフィールドプロジェクタ内の点光源を構成する要素を表す図である。 別の実施形態による要素を表す図である。 さらに別の実施形態による要素を表す図である。 別の実施形態による要素を表す図である。 別の実施形態による要素を表す図である。 一実施形態によるライトフィールドプロジェクタのシースルーボックスを示す図である。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタのシースルーボックスを表す図である。 一実施形態によるライトフィールドプロジェクタの再帰反射ディスプレイを示す図である。 別の実施形態による再帰反射ディスプレイを示す図である。 さらに別の実施形態による再帰反射ディスプレイを示す図である。 さらに別の実施形態による再帰反射ディスプレイを示す図である。 別の実施形態による、拡張現実感装置の正面図を示す。 別の実施形態による、拡張現実感装置の背面図を示す。 別の実施形態による、拡張現実感装置の正面図を示す。 別の実施形態による、拡張現実感装置の背面図を示す。
図1aは、実施形態による、対象物12及び14を有する3Dシーンから仮想ピンホール20を通って眼の瞳孔10の中へ及び網膜24の上へのピンホール開口ライトフィールド16の投影を示す。図1bは、対象物12及び14を有する3Dシーンから別の仮想ピンホール22を通って眼の瞳孔10の中へ、そして網膜24の上への別のピンホール開口ライトフィールド18の投影を示す。図1cは、複数のピンホール開口ライトフィールドからの広開口ライトフィールド26の構成を示す。
瞳孔10は、2mmから8mmの典型的値の直径を持つ眼の瞳孔である。遠い対象物12は、近い対象物14よりも遠い距離で仮想3Dシーン内に位置する任意の物体である。近辺の(又はニアアイ)対象物14は、仮想3Dシーン内に位置する対象物である。ピンホール開口ライトフィールド16は、点光源又はピンホールフィルタのサイズによって決定される、その開口絞りの直径がほぼゼロである放射状ライトフィールドであり、仮想ピンホール20を通してみられるはずの3Dシーンからのライトフィールド成分を運ぶ。別のピンホール開口ライトフィールド18は、その仮想ピンホール22が仮想ピンホール20とは別の位置にある、その開口絞りの直径がほぼゼロの放射状ライトフィールドである。仮想ピンホール20は、放射状ピンホール開口ライトフィールド16の光線の交点である。それは点光源又はピンホールの変調画像である。別の仮想ピンホール22は、放射状ピンホール開口ライトフィールド18の光線の交点である。網膜24は、眼の光感知部分である。広開口ライトフィールド26は、その光が少なくとも部分的に眼の瞳孔10に入射するのに十分な大きさの開口絞りを有するライトフィールドである。この目的のために、その開口絞りの直径によって与えられる射出瞳は、好ましくは5mmから100mmである。
光線27は、SLM(光変調器)からの反射後のライトフィールドの光線である。
図2aは、ピンホール開口ライトフィールド16の(投影像に対応する)網膜像66を示し、図2bは、他のピンホール開口ライトフィールド18の網膜像68を示す。図2cは、眼132が遠い対象物12に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18からなる網膜像70を示す。図2dは、眼132が遠い対象物12と近い対象物14との間に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18からなる網膜像72である。図2eは、眼132が近い対象物14に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18からなる網膜像74である。
図3aは、眼132が遠い対象物12に合焦されているときの9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像76である。図3bは、眼132が12と14の間に合焦されているときの9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像78を示す。図3cは、眼132が近い対象物14合焦されているときの9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像80を示す。図3dは、眼132が遠い対象物12に合焦されているときの100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像82を示している。図3eは、眼132が対象物12と14との間に合焦されているときの100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像84であり、図3fは、眼132が近い対象物14に合焦されるときの100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像86を示す。
図4aは、点状光34によって生成され、光学系32を通って導かれ、光変調器(SLM)30からの反射によって変調されることで生成される入射放射状ライトフィールド38からピンホール開口ライトフィールド16を生成する、1照明ステップの図である。図4bは、別の点光36によって生成され、光学系32を通って導かれ、そしてSLM30からの反射によって変調されることで生成される入射放射状ライトフィールド40からピンホール開口ライトフィールド18を生成する、別の照明ステップの図である。図4cは、複数のピンホール開口ライトフィールドの順次投影からの広開口ライトフィールド26の構成の図である。
点光源アレイ28は、二次元平面上に分布する点光源のアレイ(配列)である。他の実施形態では、点光源アレイ28も一次元又は三次元であり得る。
SLM30は、DMD又は強誘電性液晶オンシリコン(FLCOS)などの高速反射型空間光変調器である。案内光学系32は、点光アレイ28からの光をSLM30及び瞳孔10へ案内する一組の光学素子である。点光源34は、ピンホールマスクを有する発光ダイオード又は光ファイバの出口又は他の小径光源のような小径の光源である。他の点光源36は、点光源34とは別の場所に配置された小径の光源である。
入射ライトフィールド38は、点光源34から放射された放射線のライトフィールドである。他の入射ライトフィールド40は、他の点光源36から放射された放射線のライトフィールドである。
要素29は、本質的に光源34と、完全に透明な鏡58又は半透明の鏡59とを備える複合体である。複数の要素29の配列はそこで、複数の点光源28の配列を表し、同時にフーリエフィルタ54の機能を果たす反射型フーリエフィルタを表す。
コリメート光源37は、例えば、コリメート光ビームを均一な放射状のライトフィールドに変換する要素29内の拡散要素148を照明するレーザ光源又はインコヒーレント点光源からのコリメート光である。
光線41は、光源34のような光源からの入射放射状ライトフィールドの光線である。
図5aは、反射型SLM30、全反射プリズム44、コリメータ42、及び接眼光学系46を備えるライトフィールドプロジェクタの、特に好ましい実施形態である。図5bは、仮想点50のソース画像を表示するSLM30からの入射光の反射による複数の光線の順次投影による仮想点対象物48のライトフィールドの生成の図である。
コリメータ42は、入射放射状の狭い開口のライトフィールドを平行光線、従って平面波を有するライトフィールドに変換する任意の光学凸レンズである。全反射プリズム44は、全反射角度よりも大きい光線を反射する光学素子である。接眼部46は、入射光を少なくとも部分的に眼の瞳孔10に入射するライトフィールドコーンに集光する、凸レンズ、ミラー、1組のレンズ、又は1組のミラーなどの光学素子である。仮想点対象物48は仮想3Dシーン内の任意の点である。仮想点50のソース画像は、SLM30上の仮想点対象物48の一連の画像である。
図6は、追加の光学系52、56及びフーリエフィルタ54を有するライトフィールドプロジェクタの代替的実施形態である。
凸レンズ52は、入射ライトフィールドを光フーリエ変換する光学素子である。調整レンズ56は、投射ライトフィールドの伝播を調整し、投射ライトフィールドのいくつかのパラメータを改善する任意の光学素子である。
図7aは、4つの点光源28と4つの画像構成要素の例で示されたSLM30の特定の順次照明の図である。
図7bは、点−光アレイ28内の個々のアクティブ点光についてSLM30に表示された4つのハーフトーン画像構成要素の例である。
図8は、照明シーケンス間のSLM30の照明の特定の時間的混合の図を示す。
図9は、実際の世界60(遠方視で物体からの遠方の画像)を、透明眼鏡を通して観察する立体拡張現実システムにプロジェクタを組み込むための、傾斜点光アレイ28及び傾斜ミラー58を備えるライトフィールドプロジェクタの代替的実施形態を示す。
図10は、薄い透明ガラス64上に小さな傾斜ミラー58のアレイを備え、2つのライトフィールドプロジェクタエンジン62を備える拡張現実感装置を示す。
傾斜ミラー59(図13)及び58は、それぞれ、それらの仮想ピンホールの位置でピンホール開口ライトフィールドを反射するアレイに配置された小径の部分反射又は全反射ミラー(サブミラー)である。傾斜ミラーの直径は、250から2000マイクロメートルの間であることが好ましい。現実世界60は、実際の世界である。ライトフィールドプロジェクタエンジン62は、開口絞りの直径がほぼゼロである複数のライトフィールドの時間多重化によって有限開口絞りを有するライトフィールドを生成するプロジェクタである。眼鏡64は、任意の透明な又は部分的に透明な眼鏡、あるいは一般に、中実の透明箱又は透明材料のモノリス(単一体)である。
図2では、常時焦点網膜像66は、ピンホール開口ライトフィールド16によって網膜24上に投影された仮想シーンの像である。別の常焦点網膜像68は、網膜24上のピンホール開口ライトフィールド18によって投影されるような仮想シーンの像である。画像66及び68上の遠い対象物12及び近い対象物14の画像の相互シフトに留意されたい。網膜像70は、眼132が遠い対象物12に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18から構成される像である。網膜像72は、遠い対象物12と近い対象物14との間に眼132が合焦されているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18から構成される像である。網膜像74は、眼132が近い対象物14に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18から構成される像である。
網膜像76(図3a参照)は、眼132が遠い対象物12に合焦されているときに9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26を用いて投影された像である。この場合、点−光アレイ28は、3×3点光の長方形の二次元アレイである。網膜像78(図3b参照)は、眼132が遠い対象物12と近い対象物14との間に合焦しているときに、9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26で投影された像である。網膜像80(図3c参照)は、眼132が近い対象物14に合されているときに9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26を用いて投影された像である。
網膜像82(図3d参照)は、眼132が遠い対象物12に合焦されているときに、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26を用いて投影された像である。ここで、点光源アレイ28は、長方形の二次元配列に配置された10×10の点光源を有する。網膜像84(図3e参照)は、眼132が対象物12と対象物14との間に合焦されているときに、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドで投影された像である。網膜像86(図3e参照)は、眼132が近い対象物14に合焦されているときに、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26を用いて投影された像である。
例示的な網膜像82、84及び86は、複数の異なるピンホール開口ライトフィールドが十分に速いシーケンスで投影される場合、滑らかな画像を生成する広開口ライトフィールド26として観察者によって知覚されることを示す。眼132の焦点距離に依存する網膜24をぼかす。ディスプレイ制御電子機器88(図4c参照)は、SLM30上に画像を生成する信号を生成し、フォーマットし、そしてエクスポートする回路である。照明制御電子機器90は、特定の時間依存方式で点光源アレイ28内の特定の点光源に電力を供給する信号を生成し、フォーマットし、そしてエクスポートする回路である。同期92は、どの画像構成要素がどの特定の点光によってSLM30上に照射されるかを制御するディスプレイと点光源制御電子装置88及び90との間の通信である。画像信号94は、SLM30上に一連の画像構成要素を生成する調整された電子信号である。照明信号96は、点光源アレイ28内の点光源からの一連の発光を引き起こす調整された電子信号である。
アクティブ点光源98は、実際の照明ステップ(図7a参照)又はシーケンス(図8参照)において発光する点光源である。非アクティブ点光源100は、実際の工程(図7)又はシーケンス(図8)において発光しない点光源である。一連の画像構成要素102は、SLM30上に次々に表示される時間的な一連の画像である。照明オン/オフ104は、点−光アレイ28内の点−光からSLM30の平均照度を決定する時間依存信号である。アクティブ点光源106の位置は、実際の画像フレームにおける点光源アレイ28内のアクティブ点光源98の位置を示す照明シーケンス図である。画像フレーム108は、1つの点光が特定の平均光強度で1つの画像構成要素を照明する期間である。画像構成要素110は、SLM30上に表示され、広開口ライトフィールド26を構成する情報の少なくとも一部を担持する画像である。他の画像構成要素112は、広開口ライトフィールド26を構成する情報の他の部分を担持する画像である。照射ステップ114は、その平均照射強度を決定するためにアクティブ点光源98の発光を制御する信号の一部である。他の照射ステップ114は、他のフレームにおける他のアクティブ点照明98の発光を制御する信号の他の部分である。画像構成要素シーケンス118の例は、SLM30に表示される画像構成要素の例を表す一連の画像である。表示されている画像構成要素120、122、124、及び126内の対象物の相互の(及び誇張された)シフト、及びそれらと実際のフレーム内のアクティブ点光源98の位置との相関関係に留意されたい。表示されている画像構成要素120、122、124、又は126は、SLM30上の108などの画像フレームに表示される画像の一例である。画像シーケンス128は、ライトフィールド26の一部を構成する照明及び投影シーケンスである。別の画像シーケンス130は、投影されたライトフィールド26を完成又は高密度化する任意の相補的又は冗長な照明及び投影シーケンスである。眼132は、任意の人間又は任意の動物の眼である。
図11aは、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み要素を有する小型の透明シースルー箱134として構成されたライトフィールドプロジェクタの代替実施形態を表す。図11bは、図11aのライトフィールドプロジェクタの上面図又は側面図である。この態様において、小型シースルーボックス134は、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を備え、ピンホール開口ライトフィールド38のラジアルコーン及び変調されたピンホール開口ライトフィールド16の包絡線の一例を備える。ピンホール開口ライトフィールド38は、要素29の一つの内部の単一点光源から、レンズ52を通過するSLM30へのピンホール開口ライトフィールド38である。変調されたピンホール開口ライトフィールド16は、SLM30からレンズ52を通って別の要素29に到達するピンホール開口ライトフィールド38の反射により変調されたもので、包絡線において、結合ピンホール開口ライトフィールド16は頂点を有し、少なくとも部分的に眼の網膜24に向かって反射する。
図11cは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示し、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を備え、ピンホール開口ライトフィールド40及び変調されたピンホール開口ライトフィールド18の包絡線の一例を持つ小型シースルー箱134として構成されている。ピンホール開口ライトフィールド40は、1つの光源29からレンズ52を通過してSLM30に至るものである。ピンホール開口ライトフィールド18は、レンズ52を介して別の要素29へのSLM30からの反射によって変調されたものである。包絡線において、ピンホール開口ライトフィールド18は頂点を有し、少なくとも部分的に眼の網膜24に向かって反射する。
図11dは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態では、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素及び合成ライトフィールド26の一例を備える小型シースルー箱134として構成されている。合成ライトフィールド26は、瞳孔10を通して眼132に入り、眼の網膜24に達する。
図11eは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の正面図又は背面図を示す。この実施形態では、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素と、光路38及び変調されたピンホール開口ライトフィールド18の経路の一例とを備える小型のシースルー箱134として構成されている。光路38は、素子29の1つの内側の単一光源からレンズ52を通ってSLM30への光路である。変調されたピンホール開口ライトフィールド18の経路は、SLM30からレンズ52を通って別の素子29への経路である。
ライトフィールドプロジェクタ134の埋め込み構成要素を有するシースルー箱は、人工的に投影されたライトフィールドを、周囲の自然界から眼の瞳孔10に入る自然のライトフィールドと混合するのに適した透明シースルー装置の代替実施形態の、必須部分である。
図12aは、層系136とSLM30との組み合わせによって引き起こされる再帰反射によって逐次空間光変調を実行するライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を備える小型シースルー箱134として構成された、ライトフィールドプロジェクタの代替的な一実施形態を示す。
図12bは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素と、及びラジアルピンホール開口ライトフィールド38の一例を伴う小型シースルーボックス134として構成されている。ラジアルピンホール開口ライトフィールド38は、層系136とSLM30との組み合わせによってピンホール開口ライトフィールド16として変調及び再帰反射されて能動素子29に戻るものである。能動素子29は、ピンホール開口ライトフィールド16を瞳孔10と網膜24とに反射させる。
図12cは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素と、ピンホール開口ライトフィールド40の別のラジアルコーンの例とを備えた小型シースルー箱134として構成されている。ピンホール開口ライトフィールド40は、ピンホール開口ライトフィールド18として層系136とSLM30との組み合わせによって変調及び再帰反射されて能動素子29に戻るものである。能動素子29は、ピンホール開口ライトフィールド18を瞳孔10と網膜24とに反射する。
図12dは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素と、複数のラジアルピンホール開口ライトフィールドとを備える小型シースルー箱134として構成されている。複数のラジアルピンホール開口ライトフィールドは、順に並びライトフィールド26を構成する。
図12eは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、透明箱64の内側の埋め込み素子29と、箱64の外側に層系136及びSLM30とを有する小型シースルー箱134として構成されている。
図12fは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、透明箱64の内側の埋め込み素子29を備え、箱システムの外側に層系136及びSLM30を備え、複数のラジアルピンホール開口ライトフィールドを備える小型シースルー箱134として構成されている。これらの複数の放射状ピンホール開口ライトフィールドは、順に並びライトフィールド26を構成する。
図12gは、ライトフィールドプロジェクタの別の代替実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、透明箱64の内側の埋め込み素子29を備え、箱システム64の外側に層系136及びSLM30を備え、複数の放射状ピンホール開口ライトフィールドを備える小型シースルー箱134として構成されている。複数の放射状ピンホール開口ライトフィールドは、順に並びライトフィールド26を構成する。
反射型SLM30と組み合わせて再帰反射ディスプレイを構成する層系136は、例えば、マイクロレンズアレイ、あるいは平行及び垂直ミラーのグリッドを備えてもよい。マイクロレンズアレイ、あるいは平行及び垂直ミラーのグリッドは、FLCOSやDMDのような従来の反射型ディスプレイの反射面に近接して配置される。層系136と反射型SLM30との組み合わせは、再帰反射型ディスプレイとして機能する。
図13aは、点光源34と、部分反射及び部分透明ミラー59と、層系136を備えるスケール外で示されたSLM30とを有する理想化された素子29を表す。素子29はそれらが一体となって、SLM30からの入射光38の再帰反射を生じさせる。SLM30では、ピンホール開口ライトフィールド16が部分的に眼に向かって反射すると共に、初期光源34内に円錐頂点を有する変調されたピンホール開口ライトフィールド16を作る。
図13bは、透明ホルダ150(第1の透明ホルダ)内の点光源34と、透明ホルダ151(第2の透明ホルダ)上の部分反射及び部分透明ミラー59と、光吸収コーティング138と、光形成光学系140と、透明電力供給線142及び144とを有する素子29の好ましい一実施形態を示す。
図13cは、透明ホルダ150内の点光源34と、透明ホルダ151又は150上の全反射ミラー58と、光吸収コーティング138と、光形成光学系140と、透明電力線142及び144とを有する素子29の別の実施形態を示す。
図13dは、透明ホルダ151又は150上の全反射ミラー58と、光吸収コーティング138とを備え、光線146によって照明される透明ホルダ150内の光拡散要素148を有する素子29の別の実施形態を示す。
図13eは、透明ホルダ151上の部分反射及び部分透明ミラー59と、光吸収コーティング138とを備え、光線146によって照明される透明ホルダ150内の光反射要素148を有する素子29の別の実施形態を示す。
図13fは、照明制御電子機器90から能動素子29への透明電極142及び144の配線の例と、表示制御電子機器88の位置の例とを示す。
図13gは、外部コリメート光源37による素子29の外部照明の一例を示す。
光吸収コーティング138は、光源34からの光線が眼の瞳孔10に直接向かうなどの望ましくない方向に伝播するのを防止する任意のコーティングである。光学素子140は、光源34から放射された光をピンホール開口ライトフィールド38のような一様な放射状の光の円錐に成形しかつ均質化する任意の素子である。光学素子140は、例えば、光源34の表面上の半透明コーティングなどの光拡散層と、拡散層の近くにあるピンホールフィルタ、又は小口径絞りを用いてSLM30を均一に照明する、拡散(均質化)された光38を投影する凸レンズ38とを備える。光学素子140はまた、内壁に光反射拡散層がコーティングされ、光源34のピンホール開口ライトフィールド38のような均質化されたラジアルライトコーンを放射するための開口を有する中空箱を備えてもよい。ピンホール開口ライトフィールド38は、光源34は、中空箱の内側にある。中空箱は、半透明の拡散層でコーティングされているか、又は中空箱から直接ではなく、光拡散コーティングからの反射後にのみ光を放射しないように配向されている。
一実施形態による、空間光変調器30と組み合わせたときに再帰反射ディスプレイとして機能する層系136の、斜視図を図14aに示し、側面図又は平面図を図14bに示す。
ここでは、空間光変調器30は、FLCOSのもののような偏光回転層156を備え、層系136は、偏光フィルタ160と、レンズと反射面156との間の最小距離に等しい焦点距離を有するレンズ158を有するマイクロレンズアレイとを備える。図14bは、偏光回転層156の明るい画素152と暗い画素154とを示す(下記参照)。
別の実施形態による、再帰反射ディスプレイとして機能するように反射型SLM30と組み合わせて使用される層系136の、斜視図を図14cに示し、側面図又は平面図を図14dに示す。ここで、反射型SLM30はDMDのもののような傾斜ミラー162を備え、層系136は、互いに平行又は垂直であると共に、アクティブで明るい画素に対応する位置のミラー162に垂直な固定反射面166のグリッドを備える。明るい画素のミラーとミラー166とは、コーナーキューブ再帰反射器を構成する。
光源34の透明ホルダ150及び151と、ミラー58又は部分透明ミラー59の透明ホルダ150及び151とは、一般に、前記物体34、58、59を所望の位置及び向きに物理的に保持する、任意の透明な物体である。この透明な物体は、例えば、特別に成形された、シリコン片又はアクリルガラス片であり得る。
反射型SLM30の明るい画素152は、反射光線が、16又は18のような変調されたピンホール開口ライトフィールド及び最後に合成ライトフィールド26の意図された部分となるように入射光線41を反射する画素である。反射型SLMの暗い画素154は、反射光線が、16又は18などの変調されたピンホール開口ライトフィールド及び最後に合成ライトフィールド26の意図された部分となるように入射光線41を反射しない画素である。暗い画素154から反射された光線は、眼の網膜24の外側で吸収される。SLMの反射面156は、FLCOS、DMD、又は他の偏向ディスプレイの画像パターンを有するミラー部分である。顕微鏡レンズとしてのマイクロレンズ158は、理想的にはSLM30の画素と同じ周期性を有するマイクロレンズアレイの一部である。マイクロレンズ158は、理想的にはマイクロレンズの中心とSLM30の反射面との間の最小距離と同一の焦点距離を有する。偏光フィルタ160は、特定の偏光方向を有する光を吸収し、吸収した偏光と平行な偏光を有する光を透過するフィルタである。マイクロミラー162はDMD SLM30の機械的に移動する(傾斜する)ミラーであり、入射光線をそれらがライトフィールド26の意図された部分になる方向に反射する向きを有する。マイクロミラー164はDMD SLM30の機械的に移動する(傾斜する)ミラーであり、入射光線をそれらがライトフィールド26の一部にならない方向に反射する向きを有する。光線168は、それらがライトフィールド26の一部にならない方向に向きを変えられた光線である。
図15aは、透明箱の外側に配置されたSLMを有するライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を有するシースルー箱134を備える拡張型又は複合現実感装置の代替的な一実施形態の正面図を示す。
図15bは、透明箱の外側に配置されたSLMを有するライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を有するシースルー箱134を備える拡張型又は複合現実感装置の代替的な一実施形態の背面図を示す。
図15cは、透明箱の内側にSLMが配置されたライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を有するシースルー箱134を備える拡張型又は複合現実感装置の代替的な一実施形態の正面図を示す。
図15dは、透明箱の内側にSLMが配置されたライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を有するシースルー箱134を備える拡張型又は複合現実感装置の代替的な一実施形態の背面図を示す。
眼鏡170の腕部は、人間の耳の上に置かれると想定される機械的構造であり、電子機器、電池、又は他の機能構成要素を備えてもよい。
本発明の全体構成の説明
本発明に開示されているライトフィールドプロジェクタの全体構造は、2つの最も重要な部分、二次元点光源アレイ28のような照明源と、高速反射型SLM30とを備える。SLM30及び点光源アレイ28の制御エンジン88及び90は、38又は40のような特定の入射光ライトフィールドを、SLM30上の対応する、66、68、120、122、124、又は126のような画像で変調するために同期される(同期92)。点光源アレイ28内の点光源とSLM30上に表示された画像との組み合わせのそれぞれは、広開口ライトフィールド26の少なくとも部分的な情報に対応する。例えば、SLM30が点光源34で生成された入射ライトフィールド38で照らされると、プロジェクタはピンホール開口ライトフィールド16を形成する。この点光源34に対するSLM30上の画像は、仮想ピンホール20を通して見られると想定されるように、人工シーンの(特定色のビットプレーンなどのような)画像情報の少なくとも一部を含まなければならない。案内光学系32は、点光源アレイ28からSLM30への入射光を、SLM30からの反射後に広開口ライトフィールド26の形態の出力へと案内するように働く。
本発明の全ての特定の実施形態は、これらの基本的な構成要素を代替の構成で、かつ案内光学系32の代替の具体化と共に備える。例えば、案内光学系は、図6に示すような任意のレンズ及びフィルタを備えてもよく、あるいは点光源アレイ28は、プロジェクタの光軸に対してやはり傾斜された(又は3次元的とされた)20及び22のような仮想ピンホールの配置を作るために、プロジェクタの光軸に対して傾斜(又は三次元)されてもよい。
開示された本発明の代替の実施形態は、人工的に投影されたライトフィールド26と実世界60によって生成された自然ライトフィールドとを組み合わせるように構成される。シースルーライトフィールドプロジェクタの最小フォームファクタの実施形態は、SLM30と層系136とを備える再帰反射ディスプレイと層系136とを使用する。SLM30と層系136とはいっしょになって、位置の点光源28とフィルタリングミラー58とが互いに一致することを可能にする。
本発明を構成する部分間の関係
眼132の瞳孔10(図1参照)は、複数のピンホール開口ライトフィールド26から構成される広開口ライトフィールド26の一部を受け取る。複数のピンホール開口ライトフィールド26は、ピンホール開口ライトフィールド16と、別のピンホール開口ライトフィールド18を含む。広開口ライトフィールド26の開口絞りによって与えられる射出瞳は、瞳孔10がプロジェクタに対して相対的に移動している場合であっても、ライトフィールド26の少なくとも一部を瞳孔10内に投影するために瞳孔10よりも大きい。広開口ライトフィールド26は、20及び22のような複数の仮想ピンホールを通して見られるように、遠い対象物12及び近い対象物14のような複数の対象物の画像を運ぶ。仮想ピンホール20及び22は瞳孔10の近傍に配置され、技術的に可能な限り小さな直径を有する。網膜24は、例えば遠い対象物12及び近い対象物14を有する人工シーンの画像を受け取り、観察される対象物の距離及び眼132の焦点距離に依存する画像のぼけを、図2及び3に示されるように、感知する。ライトフィールドプロジェクタエンジン62(図10参照)は、点光源34と、他の点光源36とを含む複数の点光源を含む二次元の点光源アレイ28を備える。点光源34と、別の点光源36とは、入射光ライトフィールド38及び40を含む入射光ライトフィールドの光源である。34及び36のような複数の点光源は、案内光学系32を介して反射型SLM30を速い順序で次々に照射する。光学系32は、随意に、点光源アレイ28とSLM30との間に配置されたコリメートレンズ42と、SLM30によって変調された所望のライトフィールドを他の光成分から分離する全反射プリズム44とを含む。レンズ52及び56などの任意選択の光学素子は、SLM30から反射されたライトフィールドが接眼部46に入る前にフーリエフィルタ54を介して案内するように機能する。フーリエフィルタ54は、例えば、SLM30からの反射後のライトフィールドから回折成分を除去する。
図7の4つの点光源を用いた例に示すように、SLM30及び点光源アレイ28内のアクティブ点光源98は、同期信号92を介してエンジン88と90との間で同期される。点光源アレイ28を用いたSLM30照明のシーケンス128及び130は、広開口ライトフィールド26内の情報を最大限に混合及び高密度化するために、好ましくは、図8の例に示されるように後続の各シーケンスにおいて変更される。各瞬間に広開口ライトフィールドの一部だけが瞳孔10に入るので、混合は重要である。各点光照明についてSLM30上に表示される画像は、図7及び図8に示唆されるように、画像の単色ビットプレーンであり得る。しかし、単色ビットプレーンは、SLM30が速いシーケンスで表示可能な他の部分的な情報であり得る。DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)のような2値ディスプレイの場合、ライトフィールドは、図7の画像120、122、124及び126のような同じ又は類似の強度の2値モノクロ画像、あるいは部分的なグレースケール情報が明るい画素の密度によって決定される2値ハーフトーン画像(図7b参照)から構成され得る。2値モノクロ画像で生成された複数のライトフィールドの重なり、特に、ハーフトーン画像(図7b参照)は、色及び強度スケールの錯覚を作る。ここで、「2値モノクロ画像」及び「ハーフトーン画像」との表現は、「モノクロディザ画像」、例えばディザリング(https://en.wikipedia.org/wiki/Dither参照。)を用いて1ビット白黒スペースで表されるグレースケール画像として理解されるべきである。誘導光学系32は、瞳孔の位置から光学系32を通して見たときに空間光変調器30の像面が、観察者の調節範囲の外側、例えば、瞳孔10から10cm未満の前方、又は瞳孔10の後方の長い距離にあるように、設定してもよい。この設定の理由は、観察者の眼132がSLM30の像面に合焦不能であるからである。この配置における各画像構成要素の各画素は、光学系32の不完全性のためにわずかにぼやけている。結果として得られる合成画像は、そして、自然に滑らかに感じられる。
本発明の操作及び機能についての説明
図1は、本開示に提示されるニアアイライトフィールドプロジェクタの基本原理を示す。観察者に現実的な有限の被写界深度及び正確な眼の調節を提供するメカニズムは、16及び18のような複数のピンホール開口の構成により、12及び14のような対象物を有する仮想3Dシーンから瞳10に入ると想定される全光フィールドの近似に基づいている。仮想ピンホール開口ライトフィールド16及び18は、異なる仮想ピンホール20及び22を通って、瞳孔10に入光する。仮想ピンホール10、22及び別のものは、そのライトフィールドが少なくとも部分的及び少なくとも一時的に瞳孔10を通るように、瞳孔10の近くに位置しなければならない。
16及び18のような各ピンホール開口ライトフィールドは、観察者の網膜24上に図2a及び図2bの66及び68のような常に焦点の合った画像を形成する。66及び68などの画像は、対応する仮想ピンホール20及び22の視点から見たときの、オブジェクト12及び14を有する仮想3Dシーンの画像に対応する。したがって、画像66と68は同一ではない。特に、瞳孔10から異なる距離にある対象物12及び14の像の位置は互いにシフトされる。画像68において寸法dによって示されるこの相互シフトは、仮想ピンホール20及び22からの仮想オブジェクト12及び14の距離、ならびにピンホール20及び22の相互距離に依存する。さらに、そして最も重要なことに、網膜24上の画像66及び68の全体的な位置は、眼132の焦点距離に依存する。例えば、眼が遠くの物体12(家)の距離に焦点を合わせられるとき、この物体は、両方のピンホール20及び22を通して網膜24上の同じ場所に投影され、一方、別の距離にある近くの物体14(アリ)の2つの画像はdだけシフトされる。ピンホール開口ライトフィールド16及び18が瞳孔10に同時に又は速いシーケンスで入ると、結果として得られる網膜24上の画像は両方の画像66及び68を含むことになる。この場合、眼132が遠くの物体に焦点を合わせたとき図12(家)では、網膜24上のこの物体12の像は重なり合って一度だけ現れるが、図2cの像70に示すように、より近い物体14(アリ)の像は二重に見える。反対に、眼132が近くの物体14(アリ)の距離に焦点を合わせられるとき、結果として生じる画像74は、図2eに見られるようにアリ14の1つの画像及び遠い家12の2倍の画像を含む。他の焦点は、図2dに示すように両方の対象物を2倍にした72のような画像を作成する。
複数のピンホール開口ライトフィールドが合計されると、66、68、120、122、124、126のようなそれらの個々の複数の画像は、網膜24上に合わさることになる。したがって、結果として生じる画像は眼132の焦点距離、仮想ピンホールからの物体の距離、仮想ピンホールの数、及び仮想ピンホールの距離に依存することになる。3×3ピンホールの長方形アレイに配置されている9個のピンホールを有する、結果画像76の例は、眼132が遠い対象物12に合焦しているときの図3aにみられ、遠い対象物12及び近い対象物14の間に眼132が合焦しているときの図3bの画像78と、眼132が近い対象物14に焦点を合焦しているときの図3cの画像80とである。
最後に、ライトフィールド26が多数(例えば百)の異なるピンホール開口ライトフィールドから構成されている場合、結果として生じる網膜上の画像は、図3dの画像82(遠方の対象物12に合焦)、図3eの画像84(遠い対象物12と近い対象物14との間に合焦)、及び図3fの画像86(近い対象物14に合焦)に見られるようにほぼ自然なぼけを含む(焦点)。この原理は、眼132が眼132の調節範囲内の任意の距離にある任意の対象物に合焦することを可能にし、それが網膜24上のそれらの画像の重なりをもたらし、重なることは画像を鮮明に見せる一方、別の距離にある対象物の合成画像をぼやかす。
図4aから図4cのライトフィールドプロジェクタ装置の概略図では、16及び18のような複数のピンホール開口ライトフィールドは時間的に多重化され、広開口ライトフィールド26を構成する。ライトフィールド26は、観察者の眼の瞳孔10に入ると考えられる完全ライトフィールドを部分的に再構成する。図4aから図4cの最も単純な概略実施形態では、装置は、(図4aから4cの側面から見た)二次元点光アレイ28、高速反射型SLM30及び導光光学系32を備える。投影シーケンスの各ステップは、38及び40のような入射放射状点ライトフィールドを案内する光学系32を介して、点光アレイ28内の34又は36のような選択された点光を用いたSLM30の規定フラッシュ照明からなる。SLM30は、選択反射によって入射ライトフィールドの振幅(及び任意選択で位相も)を変調する。34及び36のような選択された点光による各照明ステップに対して、反射パターンは対応する仮想ピンホール20及び22を通して見られるような仮想シーンの画像の一部に対応する。光学系32は、SLM30から反射して振幅変調ライトフィールドコーン16及び18を生成(又は投影)するように38及び40などのライトフィールドを案内する。仮想ピンホール20を通って伝播するライトフィールド16は、理想的には、仮想3Dシーンからのピンホール開口ライトフィールド情報の少なくとも一部と同一である(その結果、ニアアイ投影画像が得られる)。SLM30上の画像は、92を介して信号96を介して点光源アレイ28の照明シーケンスを制御する照明制御回路90と同期されている画像信号94を介して制御電子機器88によって制御される。
本明細書に開示されるライトフィールドプロジェクタのより特定の好ましい実施形態は、図5aに示される。それは、(図5aの側面から見た)二次元の点−光アレイ28、任意選択的にコリメートレンズ42、任意選択的に全反射プリズム44、高速反射SLM30、及びレンズ46のような接眼部光学系を含む。全システムは、SLM30によって変調される光学系42、44、30、46を介して、点光源アレイ28からの光を20及び22のような仮想ピンホールに順次投射する。
図5bは、特定の仮想距離における仮想点対象物48からのライトフィールドがどのようにして生成されるかを示す。仮想点対象物48からのライトフィールドは、投影シーケンスの間に次々に生成される複数のピンホール開口ライトフィールドにおけるその対応する光線の合計である。アレイ28からの各アクティブ点光に対して、異なる画像が反射型SLM30に表示される。仮想点対象物48は、仮想点50のソース画像の位置でSLM30上に順次表示される。その結果、眼の網膜24は、仮想点対象物48から複数の光線を速いシーケンスで受け取る。網膜24上の仮想点対象物48の像の位置は、眼132の焦点距離に依存する。眼132が仮想点対象物48の距離に合焦している場合、光線は1つのスポットで網膜24に重なり合い、眼132が別の距離に合焦している場合、網膜上の画像は、ぼやけて見えるようにするために互いに隣接して複数回、仮想点対象物48の画像を含む。このプロセスで併合される画像の数は、瞳孔10に入るピンホール開口ライトフィールドの数に依存する。数値が大きいほど、画像のぼけはより自然に見える。
図7は、点光アレイ28を用いたSLM30の順次照明のプロセスを示している。図7の例は4つの点光と4つの例示的な画像構成要素のみを含むが、実際の点光アレイ28は何千もの点光と何千もの画像構成要素を含み得る。表示される画像構成要素102のシーケンスは、SLM30が108のようなフレームを表示し、その間にSLM30が、114又は116のような時間に依存する関数によって与えられる照明で対応するアクティブ点光98で照らされる110又は112のような画像構成要素を表示することを示す。例示的な画像構成要素118のシーケンスは、瞳孔10からそれらの仮想距離、誘導光学系32の特性、及びアクティブ点光の位置に従って相互にシフトされた対象物を含む画像120、122、124及び126を示す。一連のアクティブ点光106及び照明シーケンス104は、画像シーケンス118と共に、仮想シーンを画像構成要素に分解するプロセスに応じて、原則として任意のものとし得る。
しかしながら、実際の照明及び表示シーケンスは、理想的には特定の目的のために最適化されて、そして正しい部分強度を有する最終画像の全ての成分を含む。シーケンスは、最上位ビット(MSB)プレーンから最下位ビット(LSB)プレーンまでの全てのグレースケールビットプレーンに対応する2値画像から構成してもよく、それプレーンはアレイ28内の対応するアクティブ点光98の色を有する。個々の点光の色が異なってもよい。最終画像におけるビットプレーンの部分的な強度は、ビットプレーンフレーム108の長さに対する露光の相対的な長さによって制御される。照明の強度は、シーケンス104のようにパルスの長さによって実現し得るが、連続的に制御された強度を用いたパルス幅変調又は他の手段によっても実現し得る。例えばピンホールマスクを有する発光ダイオード(LED)であるアクティブ点光の位置は、シーケンス106によって示されている。白丸98は、LEDが発光していることを示している。黒丸100は、LEDが消灯していることを意味する。特定の画像構成要素に対応するライトフィールドが観察者の瞳孔に入ることが保証されていない現実的な用途では、各画像構成要素は(どの画像構成要素が変更されるかに従って)異なる点光で数回投影されることが望ましい。例えば、最終画像が強度と色の異なる個々のビットプレーンに分解される場合、各ビットプレーン(https://en.wikipedia.org/wiki/Bit_plane参照。)は全てのポイントライトで理想的に照らされるべきである。しかしながら、これはほとんどの状況において非現実的であり、したがって他の点光に対するビットプレーンの繰り返し数は、最適化されなければならない。異なる重要性を有する画像構成要素(ビットプレーン構成要素の異なる輝度など)の管理を必要としない適切なアプローチは、図7bのグレースケールは明るい画素の密度によって定義される画像のような中間調2値画像の使用である。全てのそのような画像構成要素は、同じ重要性を有する。
図8は、1つの完全画像の投影中に照明及び表示シーケンスをどのようにシャッフルすることができるかを示している。この例は、10×10の長方形の点光28と、1つ又は複数の8ビット画像構成要素に分解される画像とを想定している。白丸は、図8の隣接する番号によって示される順序で所与のシーケンス128又は130において次々に光を放射するアクティブ点光98を示す。各点光は異なる色を発するものとし得る。重要な点は、SLM30のストロボ点光照明によって生成される結果として生じるライトフィールド26が、観察者の視力待ち時間の期間中に技術的に可能な限り多くのピンホール開口ライトフィールドを含むことである。ピンホール開口ライトフィールド当たりの完全な画像情報は、全ての色の全てのビットプレーンが1つの対応する点光で照らされることを意味する。これを達成するために、対応する強度を有する全てのビット平面が全ての点光で照らされるまで、シーケンス128と130の間のような照明パターンの所定の変換で照明シーケンスを繰り返さなければならない。実際の実施では、例えば、制限されたフレームレート、観察者の待ち時間、瞳孔開口のサイズ、画像の種類(モノクロ、グレースケール、RGBなど)による、個々の場合の特定の制限に従って、点光当たりのビットプレーンの数は減少されてもよい。実際的な試験は、投影される情報の量が、結果の品質の許容可能な損失を伴って、点光当たり1つのビットプレーンと同程度に減少可能であることを示している。
異なる表現で既に上述したように、各照明ステップにおいてSLM30によって表示される個々の画像は、異なる点光で、異なる色で、しかし同じ又は類似の強度で照らされている明るい画素の密度によって決定されるハーフトーン画像(図7b)のような2値モノクロ画像でもあり得る。網膜24上に重なる複数のハーフトーン画像(図7b)の結果の合計は、色のスケール及び輝度を作り出す。同じ強度の二値画像の時間的多重化は、眼の瞳孔10が各瞬間に広開口ライトフィールド26の不特定のサブセットを受け取るときの状況において便利である。
図11の、開示されたシースルー複合現実感装置の代替実施形態では、人工的に投影されたライトフィールドと現実世界からの自然光との混合は、点光源による反射型SLM30の順次照明によって行われる。この点光源は、点光源アレイ28の一部である34のような、図11の実施形態だけでなく、各点光は素子29に埋め込まれている、図12の実施形態でもある。図11の実施形態におけるSLM30は、レンズ52を通して照明される。38のような入射ピンホール開口ライトフィールド16がSLM30から反射されると、反射されたピンホール開口ライトフィールド16はSLM30上のパターンによって変調され、レンズ52を通ってしかし反対方向に再び伝播する。レンズ52は、変調されたピンホール開口ライトフィールド16を、頂点、又は換言すると、20のような仮想ピンホールに、集束させる。図11の実施形態では、この頂点は、要素29のミラー58又は59の位置に配置されている。ミラー58又は59は、変調されたピンホール開口ライトフィールド16を眼の瞳孔10に向けて反射する。ミラー58又は59は、SLM30における小ピッチ画素の周期的パターンから反射された光の干渉により、変調光フィールド16内に存在する回折サテライトをフィルタリングするフーリエフィルタとして、作用する。光源素子29とフィルタ素子29は、一般に、光学系内の互いの像に対応する異なる位置にある。実際の光源素子29の開口数が理想的にゼロではなく、実際のシステム内の再帰反射が理想的ではなく、(SLM30によるその光の変調後の)光源の一次像がフィルタリング素子29の位置でゼロではないサイズとなることを引き起こすため、フィルタリング素子29のフィルタリングミラー58又は59は、照明素子29の像の位置にある理論的に理想的な位置からずらしてもよい。
発明の独特な特徴
ニアアイライトフィールドプロジェクタエンジン62は、常時合焦ライトフィールドの、時間的に多重化されるシーケンスからなる自律ライトフィールド26を提供する。このプロジェクタは、現実的な単眼の奥行き手がかりを提供するため観察者の眼の調節に関する情報を必要としない。(瞳孔運動の領域をカバーするために)眼の瞳孔10及びその近傍に直接投影することは、(大型の3Dディスプレイとは対照的に)プロジェクタに伝達されプロジェクタから投影されなければならない情報量を減少させる。眼の調節からの画像深度の単眼知覚及び有限の被写界深度による画像ぼけの他に、観察者は、観察される物体の距離を、瞳孔10が動くときの近い対象物14及び遠い対象物12の小さな相互変位から、感知する。投影対象物が実世界に関して正確な位置を有するようにプロジェクタ32の光学系を設定してもよい。光学系32及び投射ライトフィールド26は、被写界深度の影響を低減又は増幅するように配置してもよい。
特に、構成要素が同じ強度のモノクロ二値画像からなる場合、ライトフィールド構成要素の高速順次投影は、動いている物体の現実的な知覚を支援する。従来のディスプレイでは、動いている対象物を含む各フレームは通常、対応するモーションぶれを含んでいるため、観察者が静止背景又はシーン内の静止対象物を観察したときの視覚的体験は向上する。動いている物体は、しかしながら、眼がその動きを追跡しているときでも、ぼやけていると知覚される。実世界では、位置が観察者の眼で追跡されている移動対象物はシャープになり、追跡された物体に対して相対的に移動する他の物体はモーションぶれを有すると知覚される。ライトフィールドプロジェクタ62は、従来のディスプレイの数十倍の速さでライトフィールド構成要素を投影する。このことは、どの対象物が観察者によって追跡されているかにより観察者が経験するモーションぶれはより現実的である一方、眼はほとんどモーションぶれなしで各ライトフィールド構成要素を受け取ることを意味する。
ライトフィールドプロジェクタは、比較的低コストで信頼性の高い大量生産部品から構成し得る。
図9及び図10の代替的実施形態におけるもののような拡張現実眼鏡と組み合わせて、ライトフィールドプロジェクタ62は、全ての対象物の正しい単眼深度手がかりを用いて(又は別の拡張現実光学系を介して送達される)、実世界60から入るライトフィールドをミラー58から反射されたライトフィールド26と組み合わせることができる。
ライトフィールド26において知覚され得る距離の範囲は実質的に連続的であり、ゼロ距離から無限大までの範囲である。
プロジェクタ62で生成された単眼奥行き手がかりは、図9の構成の場合のように、観察者のそれぞれの眼が異なるプロジェクタ62から対応するライトフィールドを受け取るときの立体奥行き手がかりと組み合わせてもよい。立体プロジェクタの単眼奥行き手がかりを修正することで、いわゆる適合的眼球離反運動の不一致が解消される。
複数の画像構成要素からの最終画像の合成は、合成画像が各画像構成要素よりも高い解像度を有することを引き起こす。
広開口ライトフィールド26がピンホール開口ライトフィールドからなるという事実は、入力画像のデジタル処理によって光学系32の不完全性を補償することを可能にする。光学誤差をデジタル補正は、光学部品の価格を大幅に下げる可能性がある。
再帰反射ディスプレイを有するシースループロジェクタの実施形態は、コンパクトで非常に小さいフォームファクタの複合現実感メガネを構築するために使用され得る。
本発明の製作方法
ここに開示された本発明の好ましい実施例は、赤、緑、青のような複数の発光ダイオードからなる点光アレイ28を用いて製造され得る。点光アレイ28は、レーザ切断、マイクロマシニング、又はエッチングによって製造される、ピンホールのアレイを包含するマスクで覆われている。あるいは、各ダイオードを、その出力が点光として機能する光ファイバと結合することで作製し得る。光ファイバスプリッタ、可動ダイオード、可動ミラーなどの使用を含む、点光アレイの多数の実施形態が、存在し得る。
SLM30は、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)又はFLCOS(強誘電性液晶オンシリコン)に基づいてもよく、選択的に全反射プリズム44又は偏光プリズムと、適切な焦点距離の従来のコリメートレンズ42と組み合わせてもよい。接眼部46は、比較的小さい焦点距離を有する単一のレンズ又はミラーから製作し得て、両方とも選択的に球面及び色収差誤差のデジタル補償と組み合わされる。接眼部46は、より複雑で最適化された市販の広角接眼レンズに基づくものとしてもよい。
選択的なフィルタ光学系は、入射ライトフィールドのフーリエ平面を作り出す少なくとも1つの従来のレンズ52を含む。ピンホールアレイを有するフーリエフィルタ54は、レーザカット、穿孔又はエッチングされたピンホール又は他のフィルタリングパターンを有する光学的に不透明かつ非半透明の板部材で製作し得る。フィルタ54は、図9、図10、図11、図12及び図15の実施形態における58のようなマイクロミラーで、ピンホール又は他のフィルタリングパターンが置換される反射モードで代替的に構成してもよい。
素子29のアレイは、透明ホルダ150及び151内の光源のための開口部の指向性ドライエッチング又はウェットエッチング、並びに光吸収材料138、ミラー58及び59、透明電極142及び144のスパッタリング又は蒸発などの材料堆積を伴う従来のマイクロテクノロジーリソグラフィのステップによって製造してもよい。マイクロレンズアレイ158は、従来のマイクロテクノロジー技術を用いて既に商業的に生産されている。ミラー166の格子は、透明基板へのトレンチのドライエッチングと、その後のトレンチの壁へのアルミニウムのような反射金属の化学的又は物理的堆積と、基板の他の表面からの堆積金属の除去(研磨)によって製造し得る。
本発明の代替実施形態
図6は、本発明において開示されるライトフィールドプロジェクタのより特定の代替的な一実施形態を示す。DMD又はFLCOSのような反射型SLM30は、約10μmの典型的な画素ピッチを有し、これは反射されたライトフィールドにおいて回折成分の出現をもたらす。したがって、図6の実施形態は、フーリエフィルタ54の位置に点光アレイ28の像面を形成する追加の光学系52と、56及び46のような接眼光学系とを含む。フーリエフィルタ54は、変調されたピンホール開口ライトフィールドを透過し、点ライトアレイ28とフーリエフィルタ54との間に生成されたライトフィールドの全ての回折成分を遮断する。実際には、フーリエフィルタ54は、点−光アレイ28の拡大縮小画像である固定ピンホールアレイである。フィルタ52上のピンホールは、好ましくは、それらの開口での回折を最小にするのに十分に大きい、例えば300μm以上である。他方、アレイ28内の点光の大きさは、それらが十分な光強度を提供する限り可能な限り小さくしてもよい。各ピンホール開口ライトフィールドの開口絞りがフーリエフィルタ54によって決定されるとき、アレイ28内の点光はより大きい直径を有し得る。より大きい直径の点光は、DMD内のマイクロミラーの反射角度の変動を補償する。
図9は、本発明において開示される、基本的なライトフィールドプロジェクション概念の汎用性を示す。図9の実施形態におけるプロジェクタ62は、図5aから基本設計の修正である。図9の点−光アレイ28は、20及び22のような仮想ピンホールを含む点−光の像面もまた傾斜させるようにする光軸に対して、傾斜している。この投影配置は、同様に光軸に対して傾斜しているレンズ52のような光学素子と、入力画像の対応する変換とを伴ってもよい。投影されたピンホール開口ライトフィールドは、20及び22のような仮想ピンホールの位置で、58のような小さな傾斜ミラーから反射され、観察者の眼132に向けられる。ミラー58は、人工ライトフィールド26を現実世界60からのライトフィールドと組み合わせるために、表面上に配置、又は透明メガネ内部に埋め込んでもよい。そのような実施形態は、拡張現実システムを構成する。ミラー58は、ライトフィールド26から回折成分を除去するフーリエフィルタとしても機能する。
図10は、薄い透明メガネ64上の2つのライトフィールドプロジェクタ62と2つの傾斜ミラーアレイ58とを備える拡張現実感装置の実際的な構成の一例である。広開口ライトフィールド26はまた、ライトフィールド26をプロジェクタから眼の瞳孔10に導く任意の適切な導波路に挿入してもよい。
図11は、複数の素子29のそれぞれの位置が、レンズ52及びSLM30の反射面を有する光学システム内の同じ又は別の素子29の画像の位置と一致する拡張型又は複合現実感装置用のシースルーボックスの代替的な一実施形態である。各素子29は、(全ての点光源は点光アレイ28を構成する一方)34又は36のような点光源と、ミラー58又は半透明ミラー59とを含むので、各素子29は同時に光源及びフーリエフィルタ54内のミラーとして機能する。図11bは、素子29内の点光源34が、レンズ52を通って伝搬し、SLM30から反射し、レンズ52を通ってンホール開口ライトフィールド16の円錐の頂点まで再び変調光フィールド16として伝搬する放射状ピンホール開口光フィールド38を放射することを示す。頂点は点光源34の像であり、それは仮想ピンホール20である。この実施形態における頂点の位置は、他の素子29内のミラー58又は59の位置と一致する。別の素子29は、したがって、SLM30から、ライトフィールド26から、そして同時に、瞳孔10に対して所望の角度を持ってピンホール開口ライトフィールド16の向きを変えるミラーからの反射によって生成された高次回折サテライトを除去するフィルタとして機能する。図11cは、別の点光源36がその像と、仮想ピンホール22とを、さらに別の素子29のミラー58又は59に生成することを示している。複数の素子29は、このように、同時に、照明光源(点−光アレイ)及びフーリエフィルタとして機能する。
図12は、各素子29が同時に点光源及びそれ自身のライトフィールドのフィルタである拡張型又は複合現実感装置用のシースルーボックスの、代替的な一実施形態である。図12bは、素子29内の点光34がSLM30によって変調されたライトフィールド38を放射し、層系136の存在により、ライトフィールド16として最初の素子29に戻って再帰反射されることを示している。したがって、点光源34の位置と、点光源34の像と、フィルタリングミラー58又は59と、仮想ピンホール20とは、同じ素子29において同じ位置を有する。図12cは、他の点光源36を有する他の素子29が同じ特性を有し、入射ライトフィールド40と、変調ライトフィールド18と、仮想ピンホール22とを用いて同じ動作を実行することを示す。図12dは、人工的に投影されたライトフィールド26を構成する全てのピンホール開口ライトフィールドの包絡線を有するシースルーボックス134のこの代替的な一実施形態を示す。実際の装置では、透明箱64内の素子29の数、密度及び分布は異なると予想される。特に、素子29の数及び密度は、高品質のライトフィールド26及び広い視野を作り出すためにはより高くなければならない。多数の素子29を有する装置は、全ての素子29のサブセットのみがアクティブ(反復照明シーケンスを実行する)であり、瞳孔10及びアクティブな素子29によって決定される視野内に位置する仮想物体からライトフィールド26を提供するモードで、動作され得る。このモードは、狭い視野をカバーする投影された対象物の高品質のライトフィールド画像の提供を可能にし、同時に、能動素子29のサブセットを変更することによって広い視野をカバーする可能性を提供する。換言すると、ライトフィールド情報は広い視野の任意の部分から投影され得るが、特定の位置の対象物の詳細な画像を提供するために、狭い視野だけが、所与の瞬間に投影されたライトフィールドで埋められ得る。この点を考慮して、複合現実感コンテンツ、拡張現実コンテンツ、又は仮想現実コンテンツが作成され得る。特に複合現実感アプリケーションは、観察者が実世界を見ていて、仮想対象物は特定の瞬間に全視野のほんの一部しか占有できないという事実を悪用する可能性がある。仮想現実(しかし複合現実)の場合、仮想対象物の高品質の画像は、全視野の狭い部分に対して投影され得る。観察者の周辺視野に対応する全視野の他の部分は、低密度のアクティブな素子29を有する低品質のライトフィールドのみで提供される一方で、全視野の狭い部分では、高密度の素子29がアクティブであり、観察者が光学的かつ精神的に合焦している。低品質のライトフィールドが提供される部分については、観察者の視覚的注意の方向を識別するアイトラッキングを使用することによって改善され得る。
図12e、図12f及び図12gは、透明箱64の外側に配置され、入射光が38又は40及び40のような入射光と、ライトフィールド26とがボックス64の外側を伝搬する、層系136及びSLM30を備える再帰反射ディスプレイを有するシースルーライトフィールドプロジェクタ134の代替的な一実施形態を示す。
図13は、素子29の内部構造のいくつかの例示的な実施形態を説明する。図13aの理想化された素子29は、点光源34と、50から500μmの間の直径を有する部分的に透明で部分的に反射する円形ミラー59とを備える。点光源は、層系136を用いてSLM30から変調されかつ再帰反射された放射状光フィールド38を、放射状光フィールド16として放射する。ライトフィールド16はミラー59から眼の瞳孔10へ反射される。ミラー59からの反射は、ライトフィールド26からのSLM30への入射光の変調によって生成された回折サテライトを除去する。図13における、素子29の実施形態は、光吸収コーティング138と、LED34に電圧及び電流を供給する給電線142及び144とを伴い、放射状ライトフィールド38を整形し均質化する光形成光学系140を有する、単色LEDのような光源34を有する素子29の、可能な実用的具体化を表す。これらの要素は、透明ホルダ150に取り付けられているか又はその上に配置されている。光源34は、対応する数の給電線を必要とする複数の色を放射するものとし得る。例えば、3色LED用に4本の給電線という構成があり得る。光源34がSLM30を照明する光が透過する半透明ミラー59は、透明ホルダ150と接触している別の透明ホルダ151上に配置されてもよい。
図13cは、図13bの点光源34と同一又は類似の構造を有する点光源34の隣に配置された(原則として半透明鏡でもあり得る)全反射鏡58を有する素子29の、一実施形態である。ミラー58は、理想的には瞳孔10の視点から光源を覆っている。図13d及び図13eの素子29の実施形態は、図13b及び図13cの素子29の実施形態に対する代替的実施形態である。ここでは点光源148は、能動的な電子的に駆動される光源ではなく、図13gに示されるように光源37からの集中光ビーム146によって照射される拡散要素148である。
SLM30によって変調された光の再帰反射を、最終的に引き起こす層系136の2つの基本的な実施形態が図14に示されている。図14a及び図14bの層系136は、マイクロレンズ158の中心とSLM30の反射面156との間の最小距離に対応する焦点距離を有するマイクロレンズ158のアレイを備える。この例におけるSLM30はFLCOSであると仮定され、それ故、SLM30の素子29と反射面156との間の入射光線41及び反射光線27の経路に偏光フィルタ160の存在を必要とする。フィルタは、マイクロレンズ158を通ってSLM30の反射面156に伝搬する入射光線41のうちの1つの偏光成分のみを透過させる。入射光線41は、反射光線27を、偏光フィルタ27を透過させる明るい画素152から同じ偏向で反射されるか、又は反射光線が偏光フィルタ160によって遮断される回転偏向で暗い画素154から反射される。図14bは、暗い画素154から反射後の偏光フィルタ160における光線の吸収を示す。
図14c及び図14dは、層系136及び反射型SLM30を備える再帰反射ディスプレイの他の具体化例を示している。この例におけるSLM30はDMDであると仮定されるが、原則的には任意の反射型光変調器であり得る。層系136は、互いに平行かつ垂直であり、かつ明るい画素に対応するミラーに対して垂直であるミラーの格子166を備える。
SLM30の明るい画素に対応する各ミラー162は、ミラー166と共にキューブコーナー再帰反射体を構成する。図14dは、暗い画素164に対応するミラーからの入射光線41の反射も示す。ミラー164は格子166に対して垂直ではなく、キューブコーナー再帰反射体を構成しない。光線168は、それゆえ、光線168がライトフィールド26の形成に関与しない方向に偏向される。
SLM30は、原則として任意の反射型光変調器であってよく、開示された実施形態は例示的であり限定的ではないと想定される。実際、SLM30は、反射面と組み合わされた透過型光変調器でもあり得る。
図15は、シースルーライトフィールドプロジェクタ134がコンパクトなウェアラブル複合現実感メガネをどのように構成できるかを示す。必要な制御電子機器88及び90を有するSLM30は、それぞれ図15a及び図15bのメガネの正面図及び背面図に見られるようにメガネの外側に配置されてもよく、あるいはそれぞれ図15c及び図15dの正面図及び背面図に見られるようにメガネの内側に配置されてもよい。
本発明が、ここに与えられた詳細事項に限定されるべきではないように、本実施形態は、例示的であり限定的ではないと見なされるべきである。
10 瞳孔
12 遠い対象物
14 近い対象物
16 ピンホール開口ライトフィールド
18 他のピンホール開口ライトフィールド
20 仮想ピンホール
22 別の仮想ピンホール
24 網膜
26 広開口ライトフィールド
27 SLM
28 点光源アレイ
29 放射状光源とミラー
30 空間光変調器SLM
32 誘導光学系
34 点光源
36 他の点光源
37 コリメート光ビーム
38 入射ラジアルライトフィールド
40 他の入射放射状ライトフィールド
41 入射光線フィールド
42 コリメータ
44 全反射プリズム
46 接眼レンズ
48 仮想点対象物
50 仮想点対象物のソース画像
52 凸レンズ
54 フーリエフィルタ
56 調整レンズ
58 傾斜ミラー
59 部分的に透明なミラー
60 実世界
62 ライトフィールドプロジェクタエンジン
64 メガネ、透明箱
66 常に合焦される網膜像
68 別の常に合焦される網膜像
70、72 合成網膜像
74、76 合成網膜像
78 合成網膜像
82、84 暗い画素に対応する合成網膜像
86 合成網膜像
88 ディスプレイ制御電子機器
90 照明制御電子機器
92 同期信号
94 映像信号
96 照明信号
98 アクティブ点光源
100 非アクティブ点光源
102 画像構成要素のシーケンス
104 初期化オン/オフ
106 アクティブ点光源の位置
108 画像フレーム
110 画像構成要素(ソース画像)
112 他の画像構成要素(ソース画像)
114 照射ステップを持つ要素
116 もう1つのステップ
118 画像構成要素シーケンス
120 表示されている画像構成要素
122 表示されている画像構成要素
124 表示されている画像構成要素
126 表示されている画像構成要素
128 画像シーケンス
130 他の画像シーケンス
132 眼
134 シースルーボックス
136 層系
138 光吸収コーティング
140 要素
142 透明給電線
144 透明給電線
146 光線
148 光拡散要素
150 最初の透明ホルダ
151 第2の透明ホルダ
152 反射型SLMの明るい画素
154 反射型SLMの暗い画素
156 SLMの反射面
158 マイクロレンズ
160 偏光フィルタ
162 DMDディスプレイ(明るい画素)のマイクロミラー
164 DMDディスプレイ(暗い画素)のマイクロミラー
168 暗い画素に対応するマイクロミラーから反射された光線
170 メガネの腕部
171 フレーム
172 視軸線
本発明は、ユーザの眼に虚像を投影するために最適化された単眼奥行手がかりを持つライトフィールドプロジェクタに関する。本発明はさらに、前記ライトフィールドプロジェクタを備える拡張現実感装置に関する。
従来の3次元(3D)ディスプレイ及びプロジェクタは、主に両眼性手がかりによって投影画像の奥行きの錯覚を与え、また、ヘッドマウントディスプレイ及び動き追跡能力を有するニアアイプロジェクタの場合には、動きの手がかりももたらす。他のマイナーな奥行き手がかりも通常存在する。立体3Dディスプレイ及びプロジェクタは、各眼の異なる視点から見た3Dシーンの画像に対応する画像を各観察者の眼に送達し、可能であれば、人工的に生成された3Dシーンで彼の変化する視点を模倣するために、観察者の頭の動きに従って画像を変える。従来の3Dディスプレイ及びプロジェクタでは、両眼及び動きの奥行き手がかりは通常、眼の調節作用及び有限の被写界深度に起因する画像のぼけなどの単眼の奥行き手がかりと一致しない。
目は可変レンズを備え、実世界では、眼の網膜に鮮明な画像を投影するには、レンズを、観察対象の距離に合焦させる必要がある。別の距離にある物体は焦点が合っていないので、網膜上のそれらの画像はぼやけている。従来の3Dディスプレイ及びプロジェクタは、しかしながら、平面スクリーンから、又は走査レーザビーム又はほぼゼロの開口絞りを有するライトフィールド(明視野)を使用する直接網膜投影によって、各眼に画像を提供する。前者は、光学システムにおいて平面スクリーンの光学像の距離に目を合焦させることを必要とする。これ以降、「光学像」という用語は、光学系を通して見たときの物体の見かけの位置を意味する。平面スクリーン上に表示された写真は、全て鮮明であるか、又はそれらに既にぼけが存在しているかのいずれかであり、眼の調節によってぼやけないようにすることはできない。目がディスプレイの光学画像の距離以外の任意の距離に合焦するとき、表示された写真の網膜画像はぼやけている。網膜投影は、網膜上に投影された画像の常に合焦された画像を生成し、眼の調節は画像のサイズ及び位置のみに影響を及ぼす。常に合焦しているライトフィールドは、光路中の塵埃のような全ての欠陥の影を運ぶ。
3Dシーンの人工的に投影された光の中で正しい単眼奥行き手がかりを作成するため、次の概念を含むいくつかの概念が提案された。(i)ホログラフィックディスプレイ。(ii)デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などのディスプレイと組み合わされた自由曲面ミラーなどの高速可変焦点光学素子を有するニアアイプロジェクタ。(iii)ディスプレイの光学像の距離を能動的に制御し、測定された又は推定された眼の焦点距離に従って表示された写真に対応するぼけを生じさせる光学系を備えたディスプレイ。(iv)マイクロレンズアレイ又はポイントライトアレイバックライトによって表示画像を空間的に多重化するディスプレイ。それぞれの概念には、特定の長所と短所がある。ホログラフィックディスプレイは、理論的には、人工の3Dシーンの完全に正しいライトフィールドを提供可能であるが、回折や色収差の影響を受け、大量の入力データ、コヒーレント光源、高解像度の位相及び振幅変調を必要とする。光の高速可変焦点レンズ及び自由曲面ミラーは、量産されていない繊細な部品であり、それらの光学特性は光学的欠陥の影響を受ける。スクリーンの光学像の能動的に制御された距離及び表示された写真における人工的なぼけを有するプロジェクタは、眼の焦点距離の測定又は推定、並びにその結果としてのプロジェクタ光学系及びデジタルぼけの適合を必要とする。この概念は、個々の眼の間の違いによって複雑となる測定誤差という問題を有し、そしてこの概念は確かに正しいライトフィールドを提供せず、それはライトフィールドの効果を模倣するだけである。マイクロレンズアレイ又は透明空間光変調器を持つ点光バックライトによる画像の空間多重化の概念による商業的に魅力的な画像解像度の達成は、網膜像のぼけを眼の焦点距離に正しく依存させるために人工シーンの各画像点が同時に複数回表示されるので特別な小ピッチ高解像度ディスプレイを必要とする。拡張現実アプリケーションにおけるシースルーディスプレイとしてのそれらの使用は、マイクロレンズアレイは不透明ディスプレイを含み、点−光アレイの概念は大型で空間を占有するという事実によって複雑になる。ネマティック液晶又は有機発光ダイオードディスプレイを用いた画像の時間多重化に基づく他の複数の概念は、これらのディスプレイのリフレッシュ時間が短いという問題がある。
従来のディスプレイ及びプロジェクタは、正しい単眼奥行き手がかりを有するライトフィールドを生成しない。開発中であることが知られているライトフィールドディスプレイ及びプロジェクタは、特別な構成要素に基づいているか、複数要因が満足できる状態ではないか、又は技術的制限のため近い将来には使用され得ない。さらに詳細は下記を参照されたい。
非特許文献1は、高い空間解像度を保持し、従来のディスプレイと同じバンド幅要求で操作しながら、眼の調節作用及び網膜ぼけをサポートするニアアイフィールドディスプレイを開示する。
特許文献1は、仮想現実及び拡張現実体験をユーザに提示するシステムを開示し、このシステムは、画像データの1つ又はそれ以上のフレームを提供する画像発生源と、画像データの1つ又はそれ以上のフレームと関連付けられる光を伝送するように構成された光変調器と、ユーザの眼に画像情報を方向付ける基板とを備える
米国特許出願公開第2015/241707号
Andrew Maimone et. al., "High Efficiency Near−Eye Light Field Display" ACM Trans. Graph. Article, 17 March 2015 (2015−03−17)
本発明は、デジタル処理された情報をユーザの眼に投影する電子装置及び光学装置に関する。より具体的には、本発明は、視覚シーンの光を作り出し、その光を眼のすぐ近くから眼に投影する装置に関する。投影された光は、実世界から眼に入る自然光と重ね合わせてもよい。投影された人工光は、現実の世界と同様に投影された視覚シーンにおいて、受け取る眼が異なる距離の対象物に自然に焦点を変えることができて、対象物の現実的なぼけ及び被写界深度を観察できるという、特性を有する。本発明はまた、形状要因は小さく、コンテキスト上のデジタル情報を自然に観察される実世界に重ね合わせる、日常的なウェアラブルアイウェアとして使用され得る装置に関する。
本発明の目的は、人工のライトフィールドを作り出し、そのライトフィールドを観察者の眼に届けることである。より具体的には、ライトフィールドプロジェクションは、眼の近くからライトフィールドを眼へ投影し、投影されたライトフィールドを、実世界から観察者の眼の瞳孔に入る光と混合可能な、小型の形状要因の装置で、構成される。
開示された発明は、観察者に正しい単眼奥行き手がかりを提供するニアアイライトフィールドプロジェクタである。より特定的には、プロジェクタは、観察者の瞳への複数の常に合焦しているライトフィールド成分の時間多重化及び順次投影によって人工ライトフィールドを生成する。視力の自然な遅延時間により、観察者は、合成されたライトフィールドを知覚し、そして正しい眼の調節及び関連する画像のぼやけのような現実的な単眼奥行き手がかりを経験する。
本発明に開示された(使用者の眼に近い)ニアアイライトフィールドプロジェクタは、現実的な単眼奥行き手がかりを有するライトフィールドを生成し、これは、現実的な有限の被写界深度に対する観察者の知覚及び人工的に生成された3Dシーンにおける正しい調節を作り出す。ライトフィールドプロジェクタは、実質的に無限でほぼ連続的な範囲の深さ、高い画像解像度、低い画像持続性を提供し、信頼性の高い現在量産されている構成要素を用いて実行可能であり、拡張された実際の適用のために、薄型透明メガネを持つシステムに組み込まれてもよい。
このプロジェクタは、人間又は動物の眼に3Dシーンのライトフィールドを提供する。
ライトフィールドプロジェクタのユーザは、投影されたライトフィールドにおいて現実的な単眼奥行き手がかりを経験する。このプロジェクタは、正しい眼球調節機能を備えた3Dバーチャル及び拡張現実情報の配信に適する。
本発明は、例として与えられ、図によって示される実施形態の説明を用いてよりよく理解されるであろう。
一実施形態による、ピンホール開口ライトフィールドの投影を示す図である。 一実施形態による、別のピンホール開口ライトフィールドの投影を示す図である。 一実施形態による、複数のピンホール開口ライトフィールドからの広開口ライトフィールドを示す図である。 一実施形態による、ピンホール開口ライトフィールドの網膜像を示す図である。 一実施形態による、別のピンホール開口ライトフィールドの網膜像を示す図である。 一実施形態による、2つのピンホール開口ライトフィールドからなる網膜像を示す図である 別の実施形態による、2つのピンホール開口ライトフィールドからなる網膜像を示す図である。 別の実施形態による、2つのピンホール開口ライトフィールドから構成される網膜像を示す図である。 一実施形態による、9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 別の実施形態による、9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 別の実施形態による、9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 一実施形態による、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 別の実施形態による、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 別の実施形態による、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像を示す図である。 一実施形態による、照明ステップ中のライトフィールドプロジェクタの概略図を表す。 別の照明ステップ中の、図4aのライトフィールドプロジェクタの概略図を表す。 複数の照明ステップを示す、図4aのライトフィールドプロジェクタの概略図を表す。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 順次投影中の図5aのライトフィールドプロジェクタを表す。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 一実施形態による、連続照明ステップを示す図である。 一実施形態による、4つのハーフトーン画像構成要素を示す図である。 別の実施形態による順次照明ステップを示す図である。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを示す図である。 一実施形態による拡張現実感装置を表す図である。 さらに別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 図11aのライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの正面図を示す。 さらに別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 さらに別の実施形態によるライトフィールドプロジェクタを表す図である。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの上面図を示す。 一実施形態による、ライトフィールドプロジェクタ内の点光源を構成する要素を表す図である。 別の実施形態による要素を表す図である。 さらに別の実施形態による要素を表す図である。 別の実施形態による要素を表す図である。 別の実施形態による要素を表す図である。 一実施形態によるライトフィールドプロジェクタのシースルーボックスを示す図である。 別の実施形態による、ライトフィールドプロジェクタのシースルーボックスを表す図である。 一実施形態によるライトフィールドプロジェクタの再帰反射ディスプレイを示す図である。 別の実施形態による再帰反射ディスプレイを示す図である。 さらに別の実施形態による再帰反射ディスプレイを示す図である。 さらに別の実施形態による再帰反射ディスプレイを示す図である。 別の実施形態による、拡張現実感装置の正面図を示す。 別の実施形態による、拡張現実感装置の背面図を示す。 別の実施形態による、拡張現実感装置の正面図を示す。 別の実施形態による、拡張現実感装置の背面図を示す。
図1aは、実施形態による、対象物12及び14を有する3Dシーンから仮想ピンホール20を通って眼の瞳孔10の中へ及び網膜24の上へのピンホール開口ライトフィールド16の投影を示す。図1bは、対象物12及び14を有する3Dシーンから別の仮想ピンホール22を通って眼の瞳孔10の中へ、そして網膜24の上への別のピンホール開口ライトフィールド18の投影を示す。図1cは、複数のピンホール開口ライトフィールドからの広開口ライトフィールド26の構成を示す。
瞳孔10は、2mmから8mmの典型的値の直径を持つ眼の瞳孔である。遠い対象物12は、近い対象物14よりも遠い距離で仮想3Dシーン内に位置する任意の物体である。近辺の(又はニアアイ)対象物14は、仮想3Dシーン内に位置する対象物である。ピンホール開口ライトフィールド16は、点光源又はピンホールフィルタのサイズによって決定される、その開口絞りの直径がほぼゼロである放射状ライトフィールドであり、仮想ピンホール20を通してみられるはずの3Dシーンからのライトフィールド成分を運ぶ。別のピンホール開口ライトフィールド18は、その仮想ピンホール22が仮想ピンホール20とは別の位置にある、その開口絞りの直径がほぼゼロの放射状ライトフィールドである。仮想ピンホール20は、放射状ピンホール開口ライトフィールド16の光線の交点である。それは点光源又はピンホールの変調画像である。別の仮想ピンホール22は、放射状ピンホール開口ライトフィールド18の光線の交点である。網膜24は、眼の光感知部分である。広開口ライトフィールド26は、その光が少なくとも部分的に眼の瞳孔10に入射するのに十分な大きさの開口絞りを有するライトフィールドである。この目的のために、その開口絞りの直径によって与えられる射出瞳は、好ましくは5mmから100mmである。
光線27は、SLM(光変調器)からの反射後のライトフィールドの光線である。
図2aは、ピンホール開口ライトフィールド16の(投影像に対応する)網膜像66を示し、図2bは、他のピンホール開口ライトフィールド18の網膜像68を示す。図2cは、眼132が遠い対象物12に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18からなる網膜像70を示す。図2dは、眼132が遠い対象物12と近い対象物14との間に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18からなる網膜像72である。図2eは、眼132が近い対象物14に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18からなる網膜像74である。
図3aは、眼132が遠い対象物12に合焦されているときの9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像76である。図3bは、眼132が12と14の間に合焦されているときの9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像78を示す。図3cは、眼132が近い対象物14合焦されているときの9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像80を示す。図3dは、眼132が遠い対象物12に合焦されているときの100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像82を示している。図3eは、眼132が対象物12と14との間に合焦されているときの100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像84であり、図3fは、眼132が近い対象物14に合焦されるときの100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドの網膜像86を示す。
図4aは、点状光34によって生成され、光学系32を通って導かれ、光変調器(SLM)30からの反射によって変調されることで生成される入射放射状ライトフィールド38からピンホール開口ライトフィールド16を生成する、1照明ステップの図である。図4bは、別の点光36によって生成され、光学系32を通って導かれ、そしてSLM30からの反射によって変調されることで生成される入射放射状ライトフィールド40からピンホール開口ライトフィールド18を生成する、別の照明ステップの図である。図4cは、複数のピンホール開口ライトフィールドの順次投影からの広開口ライトフィールド26の構成の図である。
点光源アレイ28は、二次元平面上に分布する点光源のアレイ(配列)である。他の実施形態では、点光源アレイ28も一次元又は三次元であり得る。
SLM30は、DMD又は強誘電性液晶オンシリコン(FLCOS)などの高速反射型空間光変調器である。案内光学系32は、点光アレイ28からの光をSLM30及び瞳孔10へ案内する一組の光学素子である。点光源34は、ピンホールマスクを有する発光ダイオード又は光ファイバの出口又は他の小径光源のような小径の光源である。他の点光源36は、点光源34とは別の場所に配置された小径の光源である。
入射ライトフィールド38は、点光源34から放射された放射線のライトフィールドである。他の入射ライトフィールド40は、他の点光源36から放射された放射線のライトフィールドである。
要素29は、本質的に光源34と、完全に透明な鏡58又は半透明の鏡59とを備える複合体である。複数の要素29の配列はそこで、複数の点光源28の配列を表し、同時にフーリエフィルタ54の機能を果たす反射型フーリエフィルタを表す。
コリメート光源37は、例えば、コリメート光ビームを均一な放射状のライトフィールドに変換する要素29内の拡散要素148を照明するレーザ光源又はインコヒーレント点光源からのコリメート光である。
光線41は、光源34のような光源からの入射放射状ライトフィールドの光線である。
図5aは、反射型SLM30、全反射プリズム44、コリメータ42、及び接眼光学系46を備えるライトフィールドプロジェクタの、特に好ましい実施形態である。図5bは、仮想点50のソース画像を表示するSLM30からの入射光の反射による複数の光線の順次投影による仮想点対象物48のライトフィールドの生成の図である。
コリメータ42は、入射放射状の狭い開口のライトフィールドを平行光線、従って平面波を有するライトフィールドに変換する任意の光学凸レンズである。全反射プリズム44は、全反射角度よりも大きい光線を反射する光学素子である。接眼部46は、入射光を少なくとも部分的に眼の瞳孔10に入射するライトフィールドコーンに集光する、凸レンズ、ミラー、1組のレンズ、又は1組のミラーなどの光学素子である。仮想点対象物48は仮想3Dシーン内の任意の点である。仮想点50のソース画像は、SLM30上の仮想点対象物48の一連の画像である。
図6は、追加の光学系52、56及びフーリエフィルタ54を有するライトフィールドプロジェクタの代替的実施形態である。
凸レンズ52は、入射ライトフィールドを光フーリエ変換する光学素子である。調整レンズ56は、投射ライトフィールドの伝播を調整し、投射ライトフィールドのいくつかのパラメータを改善する任意の光学素子である。
図7aは、4つの点光源28と4つの画像構成要素の例で示されたSLM30の特定の順次照明の図である。
図7bは、点−光アレイ28内の個々のアクティブ点光についてSLM30に表示された4つのハーフトーン画像構成要素の例である。
図8は、照明シーケンス間のSLM30の照明の特定の時間的混合の図を示す。
図9は、実際の世界60(遠方視で物体からの遠方の画像)を、透明眼鏡を通して観察する立体拡張現実システムにプロジェクタを組み込むための、傾斜点光アレイ28及び傾斜ミラー58を備えるライトフィールドプロジェクタの代替的実施形態を示す。
図10は、薄い透明ガラス64上に小さな傾斜ミラー58のアレイを備え、2つのライトフィールドプロジェクタエンジン62を備える拡張現実感装置を示す。
傾斜ミラー59(図13)及び58は、それぞれ、それらの仮想ピンホールの位置でピンホール開口ライトフィールドを反射するアレイに配置された小径の部分反射又は全反射ミラー(サブミラー)である。傾斜ミラーの直径は、250から2000マイクロメートルの間であることが好ましい。現実世界60は、実際の世界である。ライトフィールドプロジェクタエンジン62は、開口絞りの直径がほぼゼロである複数のライトフィールドの時間多重化によって有限開口絞りを有するライトフィールドを生成するプロジェクタである。眼鏡64は、任意の透明な又は部分的に透明な眼鏡、あるいは一般に、中実の透明箱又は透明材料のモノリス(単一体)である。
図2では、常時焦点網膜像66は、ピンホール開口ライトフィールド16によって網膜24上に投影された仮想シーンの像である。別の常焦点網膜像68は、網膜24上のピンホール開口ライトフィールド18によって投影されるような仮想シーンの像である。画像66及び68上の遠い対象物12及び近い対象物14の画像の相互シフトに留意されたい。網膜像70は、眼132が遠い対象物12に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18から構成される像である。網膜像72は、遠い対象物12と近い対象物14との間に眼132が合焦されているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18から構成される像である。網膜像74は、眼132が近い対象物14に合焦しているときの2つのピンホール開口ライトフィールド16及び18から構成される像である。
網膜像76(図3a参照)は、眼132が遠い対象物12に合焦されているときに9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26を用いて投影された像である。この場合、点−光アレイ28は、3×3点光の長方形の二次元アレイである。網膜像78(図3b参照)は、眼132が遠い対象物12と近い対象物14との間に合焦しているときに、9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26で投影された像である。網膜像80(図3c参照)は、眼132が近い対象物14に合されているときに9つのピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26を用いて投影された像である。
網膜像82(図3d参照)は、眼132が遠い対象物12に合焦されているときに、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26を用いて投影された像である。ここで、点光源アレイ28は、長方形の二次元配列に配置された10×10の点光源を有する。網膜像84(図3e参照)は、眼132が対象物12と対象物14との間に合焦されているときに、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールドで投影された像である。網膜像86(図3e参照)は、眼132が近い対象物14に合焦されているときに、100個のピンホール開口ライトフィールドからなるライトフィールド26を用いて投影された像である。
例示的な網膜像82、84及び86は、複数の異なるピンホール開口ライトフィールドが十分に速いシーケンスで投影される場合、滑らかな画像を生成する広開口ライトフィールド26として観察者によって知覚されることを示す。眼132の焦点距離に依存する網膜24をぼかす。ディスプレイ制御電子機器88(図4c参照)は、SLM30上に画像を生成する信号を生成し、フォーマットし、そしてエクスポートする回路である。照明制御電子機器90は、特定の時間依存方式で点光源アレイ28内の特定の点光源に電力を供給する信号を生成し、フォーマットし、そしてエクスポートする回路である。同期92は、どの画像構成要素がどの特定の点光によってSLM30上に照射されるかを制御するディスプレイと点光源制御電子装置88及び90との間の通信である。画像信号94は、SLM30上に一連の画像構成要素を生成する調整された電子信号である。照明信号96は、点光源アレイ28内の点光源からの一連の発光を引き起こす調整された電子信号である。
アクティブ点光源98は、実際の照明ステップ(図7a参照)又はシーケンス(図8参照)において発光する点光源である。非アクティブ点光源100は、実際の工程(図7)又はシーケンス(図8)において発光しない点光源である。一連の画像構成要素102は、SLM30上に次々に表示される時間的な一連の画像である。照明オン/オフ104は、点−光アレイ28内の点−光からSLM30の平均照度を決定する時間依存信号である。アクティブ点光源106の位置は、実際の画像フレームにおける点光源アレイ28内のアクティブ点光源98の位置を示す照明シーケンス図である。画像フレーム108は、1つの点光が特定の平均光強度で1つの画像構成要素を照明する期間である。画像構成要素110は、SLM30上に表示され、広開口ライトフィールド26を構成する情報の少なくとも一部を担持する画像である。他の画像構成要素112は、広開口ライトフィールド26を構成する情報の他の部分を担持する画像である。照射ステップ114は、その平均照射強度を決定するためにアクティブ点光源98の発光を制御する信号の一部である。他の照射ステップ114は、他のフレームにおける他のアクティブ点照明98の発光を制御する信号の他の部分である。画像構成要素シーケンス118の例は、SLM30に表示される画像構成要素の例を表す一連の画像である。表示されている画像構成要素120、122、124、及び126内の対象物の相互の(及び誇張された)シフト、及びそれらと実際のフレーム内のアクティブ点光源98の位置との相関関係に留意されたい。表示されている画像構成要素120、122、124、又は126は、SLM30上の108などの画像フレームに表示される画像の一例である。画像シーケンス128は、ライトフィールド26の一部を構成する照明及び投影シーケンスである。別の画像シーケンス130は、投影されたライトフィールド26を完成又は高密度化する任意の相補的又は冗長な照明及び投影シーケンスである。眼132は、任意の人間又は任意の動物の眼である。
図11aは、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み要素を有する小型の透明シースルー箱134として構成されたライトフィールドプロジェクタの代替実施形態を表す。図11bは、図11aのライトフィールドプロジェクタの上面図又は側面図である。この態様において、小型シースルーボックス134は、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を備え、ピンホール開口ライトフィールド38のラジアルコーン及び変調されたピンホール開口ライトフィールド16の包絡線の一例を備える。ピンホール開口ライトフィールド38は、要素29の一つの内部の単一点光源から、レンズ52を通過するSLM30へのピンホール開口ライトフィールド38である。変調されたピンホール開口ライトフィールド16は、SLM30からレンズ52を通って別の要素29に到達するピンホール開口ライトフィールド38の反射により変調されたもので、包絡線において、結合ピンホール開口ライトフィールド16は頂点を有し、少なくとも部分的に眼の網膜24に向かって反射する。
図11cは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示し、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を備え、ピンホール開口ライトフィールド40及び変調されたピンホール開口ライトフィールド18の包絡線の一例を持つ小型シースルー箱134として構成されている。ピンホール開口ライトフィールド40は、1つの光源29からレンズ52を通過してSLM30に至るものである。ピンホール開口ライトフィールド18は、レンズ52を介して別の要素29へのSLM30からの反射によって変調されたものである。包絡線において、ピンホール開口ライトフィールド18は頂点を有し、少なくとも部分的に眼の網膜24に向かって反射する。
図11dは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態では、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素及び合成ライトフィールド26の一例を備える小型シースルー箱134として構成されている。合成ライトフィールド26は、瞳孔10を通して眼132に入り、眼の網膜24に達する。
図11eは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の正面図又は背面図を示す。この実施形態では、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素と、光路38及び変調されたピンホール開口ライトフィールド18の経路の一例とを備える小型のシースルー箱134として構成されている。光路38は、素子29の1つの内側の単一光源からレンズ52を通ってSLM30への光路である。変調されたピンホール開口ライトフィールド18の経路は、SLM30からレンズ52を通って別の素子29への経路である。
ライトフィールドプロジェクタ134の埋め込み構成要素を有するシースルー箱は、人工的に投影されたライトフィールドを、周囲の自然界から眼の瞳孔10に入る自然のライトフィールドと混合するのに適した透明シースルー装置の代替実施形態の、必須部分である。
図12aは、層系136とSLM30との組み合わせによって引き起こされる再帰反射によって逐次空間光変調を実行するライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を備える小型シースルー箱134として構成された、ライトフィールドプロジェクタの代替的な一実施形態を示す。
図12bは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素と、及びラジアルピンホール開口ライトフィールド38の一例を伴う小型シースルーボックス134として構成されている。ラジアルピンホール開口ライトフィールド38は、層系136とSLM30との組み合わせによってピンホール開口ライトフィールド16として変調及び再帰反射されて能動素子29に戻るものである。能動素子29は、ピンホール開口ライトフィールド16を瞳孔10と網膜24とに反射させる。
図12cは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素と、ピンホール開口ライトフィールド40の別のラジアルコーンの例とを備えた小型シースルー箱134として構成されている。ピンホール開口ライトフィールド40は、ピンホール開口ライトフィールド18として層系136とSLM30との組み合わせによって変調及び再帰反射されて能動素子29に戻るものである。能動素子29は、ピンホール開口ライトフィールド18を瞳孔10と網膜24とに反射する。
図12dは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、ライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素と、複数のラジアルピンホール開口ライトフィールドとを備える小型シースルー箱134として構成されている。複数のラジアルピンホール開口ライトフィールドは、順に並びライトフィールド26を構成する。
図12eは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、透明箱64の内側の埋め込み素子29と、箱64の外側に層系136及びSLM30とを有する小型シースルー箱134として構成されている。
図12fは、ライトフィールドプロジェクタのさらに別の実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、透明箱64の内側の埋め込み素子29を備え、箱システムの外側に層系136及びSLM30を備え、複数のラジアルピンホール開口ライトフィールドを備える小型シースルー箱134として構成されている。これらの複数の放射状ピンホール開口ライトフィールドは、順に並びライトフィールド26を構成する。
図12gは、ライトフィールドプロジェクタの別の代替実施形態の上面図又は側面図を示す。この実施形態において、ライトフィールドプロジェクタは、透明箱64の内側の埋め込み素子29を備え、箱システム64の外側に層系136及びSLM30を備え、複数の放射状ピンホール開口ライトフィールドを備える小型シースルー箱134として構成されている。複数の放射状ピンホール開口ライトフィールドは、順に並びライトフィールド26を構成する。
反射型SLM30と組み合わせて再帰反射ディスプレイを構成する層系136は、例えば、マイクロレンズアレイ、あるいは平行及び垂直ミラーのグリッドを備えてもよい。マイクロレンズアレイ、あるいは平行及び垂直ミラーのグリッドは、FLCOSやDMDのような従来の反射型ディスプレイの反射面に近接して配置される。層系136と反射型SLM30との組み合わせは、再帰反射型ディスプレイとして機能する。
図13aは、点光源34と、部分反射及び部分透明ミラー59と、層系136を備えるスケール外で示されたSLM30とを有する理想化された素子29を表す。素子29はそれらが一体となって、SLM30からの入射光38の再帰反射を生じさせる。SLM30では、ピンホール開口ライトフィールド16が部分的に眼に向かって反射すると共に、初期光源34内に円錐頂点を有する変調されたピンホール開口ライトフィールド16を作る。
図13bは、透明ホルダ150(第1の透明ホルダ)内の点光源34と、透明ホルダ151(第2の透明ホルダ)上の部分反射及び部分透明ミラー59と、光吸収コーティング138と、光形成光学系140と、透明電力供給線142及び144とを有する素子29の好ましい一実施形態を示す。
図13cは、透明ホルダ150内の点光源34と、透明ホルダ151又は150上の全反射ミラー58と、光吸収コーティング138と、光形成光学系140と、透明電力線142及び144とを有する素子29の別の実施形態を示す。
図13dは、透明ホルダ151又は150上の全反射ミラー58と、光吸収コーティング138とを備え、光線146によって照明される透明ホルダ150内の光拡散要素148を有する素子29の別の実施形態を示す。
図13eは、透明ホルダ151上の部分反射及び部分透明ミラー59と、光吸収コーティング138とを備え、光線146によって照明される透明ホルダ150内の光反射要素148を有する素子29の別の実施形態を示す。
図13fは、照明制御電子機器90から能動素子29への透明電極142及び144の配線の例と、表示制御電子機器88の位置の例とを示す。
図13gは、外部コリメート光源37による素子29の外部照明の一例を示す。
光吸収コーティング138は、光源34からの光線が眼の瞳孔10に直接向かうなどの望ましくない方向に伝播するのを防止する任意のコーティングである。光学素子140は、光源34から放射された光をピンホール開口ライトフィールド38のような一様な放射状の光の円錐に成形しかつ均質化する任意の素子である。光学素子140は、例えば、光源34の表面上の半透明コーティングなどの光拡散層と、拡散層の近くにあるピンホールフィルタ、又は小口径絞りを用いてSLM30を均一に照明する、拡散(均質化)された光38を投影する凸レンズ38とを備える。光学素子140はまた、内壁に光反射拡散層がコーティングされ、光源34のピンホール開口ライトフィールド38のような均質化されたラジアルライトコーンを放射するための開口を有する中空箱を備えてもよい。ピンホール開口ライトフィールド38は、光源34は、中空箱の内側にある。中空箱は、半透明の拡散層でコーティングされているか、又は中空箱から直接ではなく、光拡散コーティングからの反射後にのみ光を放射しないように配向されている。
一実施形態による、空間光変調器30と組み合わせたときに再帰反射ディスプレイとして機能する層系136の、斜視図を図14aに示し、側面図又は平面図を図14bに示す。
ここでは、空間光変調器30は、FLCOSのもののような偏光回転層156を備え、層系136は、偏光フィルタ160と、レンズと反射面156との間の最小距離に等しい焦点距離を有するレンズ158を有するマイクロレンズアレイとを備える。図14bは、偏光回転層156の明るい画素152と暗い画素154とを示す(下記参照)。
別の実施形態による、再帰反射ディスプレイとして機能するように反射型SLM30と組み合わせて使用される層系136の、斜視図を図14cに示し、側面図又は平面図を図14dに示す。ここで、反射型SLM30はDMDのもののような傾斜ミラー162を備え、層系136は、互いに平行又は垂直であると共に、アクティブで明るい画素に対応する位置のミラー162に垂直な固定反射面166のグリッドを備える。明るい画素のミラーとミラー166とは、コーナーキューブ再帰反射器を構成する。
光源34の透明ホルダ150及び151と、ミラー58又は部分透明ミラー59の透明ホルダ150及び151とは、一般に、前記物体34、58、59を所望の位置及び向きに物理的に保持する、任意の透明な物体である。この透明な物体は、例えば、特別に成形された、シリコン片又はアクリルガラス片であり得る。
反射型SLM30の明るい画素152は、反射光線が、16又は18のような変調されたピンホール開口ライトフィールド及び最後に合成ライトフィールド26の意図された部分となるように入射光線41を反射する画素である。反射型SLMの暗い画素154は、反射光線が、16又は18などの変調されたピンホール開口ライトフィールド及び最後に合成ライトフィールド26の意図された部分となるように入射光線41を反射しない画素である。暗い画素154から反射された光線は、眼の網膜24の外側で吸収される。SLMの反射面156は、FLCOS、DMD、又は他の偏向ディスプレイの画像パターンを有するミラー部分である。顕微鏡レンズとしてのマイクロレンズ158は、理想的にはSLM30の画素と同じ周期性を有するマイクロレンズアレイの一部である。マイクロレンズ158は、理想的にはマイクロレンズの中心とSLM30の反射面との間の最小距離と同一の焦点距離を有する。偏光フィルタ160は、特定の偏光方向を有する光を吸収し、吸収した偏光と平行な偏光を有する光を透過するフィルタである。マイクロミラー162はDMD SLM30の機械的に移動する(傾斜する)ミラーであり、入射光線をそれらがライトフィールド26の意図された部分になる方向に反射する向きを有する。マイクロミラー164はDMD SLM30の機械的に移動する(傾斜する)ミラーであり、入射光線をそれらがライトフィールド26の一部にならない方向に反射する向きを有する。光線168は、それらがライトフィールド26の一部にならない方向に向きを変えられた光線である。
図15aは、透明箱の外側に配置されたSLMを有するライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を有するシースルー箱134を備える拡張型又は複合現実感装置の代替的な一実施形態の正面図を示す。
図15bは、透明箱の外側に配置されたSLMを有するライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を有するシースルー箱134を備える拡張型又は複合現実感装置の代替的な一実施形態の背面図を示す。
図15cは、透明箱の内側にSLMが配置されたライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を有するシースルー箱134を備える拡張型又は複合現実感装置の代替的な一実施形態の正面図を示す。
図15dは、透明箱の内側にSLMが配置されたライトフィールドプロジェクタの埋め込み構成要素を有するシースルー箱134を備える拡張型又は複合現実感装置の代替的な一実施形態の背面図を示す。
眼鏡170の腕部は、人間の耳の上に置かれると想定される機械的構造であり、電子機器、電池、又は他の機能構成要素を備えてもよい。
本発明の全体構成の説明
本発明に開示されているライトフィールドプロジェクタの全体構造は、2つの最も重要な部分、二次元点光源アレイ28のような照明源と、高速反射型SLM30とを備える。SLM30及び点光源アレイ28の制御エンジン88及び90は、38又は40のような特定の入射光ライトフィールドを、SLM30上の対応する、66、68、120、122、124、又は126のような画像で変調するために同期される(同期92)。点光源アレイ28内の点光源とSLM30上に表示された画像との組み合わせのそれぞれは、広開口ライトフィールド26の少なくとも部分的な情報に対応する。例えば、SLM30が点光源34で生成された入射ライトフィールド38で照らされると、プロジェクタはピンホール開口ライトフィールド16を形成する。この点光源34に対するSLM30上の画像は、仮想ピンホール20を通して見られると想定されるように、人工シーンの(特定色のビットプレーンなどのような)画像情報の少なくとも一部を含まなければならない。案内光学系32は、点光源アレイ28からSLM30への入射光を、SLM30からの反射後に広開口ライトフィールド26の形態の出力へと案内するように働く。
本発明の全ての特定の実施形態は、これらの基本的な構成要素を代替の構成で、かつ案内光学系32の代替の具体化と共に備える。例えば、案内光学系は、図6に示すような任意のレンズ及びフィルタを備えてもよく、あるいは点光源アレイ28は、プロジェクタの光軸に対してやはり傾斜された(又は3次元的とされた)20及び22のような仮想ピンホールの配置を作るために、プロジェクタの光軸に対して傾斜(又は三次元)されてもよい。
開示された本発明の代替の実施形態は、人工的に投影されたライトフィールド26と実世界60によって生成された自然ライトフィールドとを組み合わせるように構成される。シースルーライトフィールドプロジェクタの最小フォームファクタの実施形態は、SLM30と層系136とを備える再帰反射ディスプレイと層系136とを使用する。SLM30と層系136とはいっしょになって、位置の点光源28とフィルタリングミラー58とが互いに一致することを可能にする。
本発明を構成する部分間の関係
眼132の瞳孔10(図1参照)は、複数のピンホール開口ライトフィールド26から構成される広開口ライトフィールド26の一部を受け取る。複数のピンホール開口ライトフィールド26は、ピンホール開口ライトフィールド16と、別のピンホール開口ライトフィールド18を含む。広開口ライトフィールド26の開口絞りによって与えられる射出瞳は、瞳孔10がプロジェクタに対して相対的に移動している場合であっても、ライトフィールド26の少なくとも一部を瞳孔10内に投影するために瞳孔10よりも大きい。広開口ライトフィールド26は、20及び22のような複数の仮想ピンホールを通して見られるように、遠い対象物12及び近い対象物14のような複数の対象物の画像を運ぶ。仮想ピンホール20及び22は瞳孔10の近傍に配置され、技術的に可能な限り小さな直径を有する。網膜24は、例えば遠い対象物12及び近い対象物14を有する人工シーンの画像を受け取り、観察される対象物の距離及び眼132の焦点距離に依存する画像のぼけを、図2及び3に示されるように、感知する。ライトフィールドプロジェクタエンジン62(図10参照)は、点光源34と、他の点光源36とを含む複数の点光源を含む二次元の点光源アレイ28を備える。点光源34と、別の点光源36とは、入射光ライトフィールド38及び40を含む入射光ライトフィールドの光源である。34及び36のような複数の点光源は、案内光学系32を介して反射型SLM30を速い順序で次々に照射する。光学系32は、随意に、点光源アレイ28とSLM30との間に配置されたコリメートレンズ42と、SLM30によって変調された所望のライトフィールドを他の光成分から分離する全反射プリズム44とを含む。レンズ52及び56などの任意選択の光学素子は、SLM30から反射されたライトフィールドが接眼部46に入る前にフーリエフィルタ54を介して案内するように機能する。フーリエフィルタ54は、例えば、SLM30からの反射後のライトフィールドから回折成分を除去する。
図7の4つの点光源を用いた例に示すように、SLM30及び点光源アレイ28内のアクティブ点光源98は、同期信号92を介してエンジン88と90との間で同期される。点光源アレイ28を用いたSLM30照明のシーケンス128及び130は、広開口ライトフィールド26内の情報を最大限に混合及び高密度化するために、好ましくは、図8の例に示されるように後続の各シーケンスにおいて変更される。各瞬間に広開口ライトフィールドの一部だけが瞳孔10に入るので、混合は重要である。各点光照明についてSLM30上に表示される画像は、図7及び図8に示唆されるように、画像の単色ビットプレーンであり得る。しかし、単色ビットプレーンは、SLM30が速いシーケンスで表示可能な他の部分的な情報であり得る。DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)のような2値ディスプレイの場合、ライトフィールドは、図7の画像120、122、124及び126のような同じ又は類似の強度の2値モノクロ画像、あるいは部分的なグレースケール情報が明るい画素の密度によって決定される2値ハーフトーン画像(図7b参照)から構成され得る。2値モノクロ画像で生成された複数のライトフィールドの重なり、特に、ハーフトーン画像(図7b参照)は、色及び強度スケールの錯覚を作る。ここで、「2値モノクロ画像」及び「ハーフトーン画像」との表現は、「モノクロディザ画像」、例えばディザリング(https://en.wikipedia.org/wiki/Dither参照。)を用いて1ビット白黒スペースで表されるグレースケール画像として理解されるべきである。誘導光学系32は、瞳孔の位置から光学系32を通して見たときに空間光変調器30の像面が、観察者の調節範囲の外側、例えば、瞳孔10から10cm未満の前方、又は瞳孔10の後方の長い距離にあるように、設定してもよい。この設定の理由は、観察者の眼132がSLM30の像面に合焦不能であるからである。この配置における各画像構成要素の各画素は、光学系32の不完全性のためにわずかにぼやけている。結果として得られる合成画像は、そして、自然に滑らかに感じられる。
本発明の操作及び機能についての説明
図1は、本開示に提示されるニアアイライトフィールドプロジェクタの基本原理を示す。観察者に現実的な有限の被写界深度及び正確な眼の調節を提供するメカニズムは、16及び18のような複数のピンホール開口の構成により、12及び14のような対象物を有する仮想3Dシーンから瞳10に入ると想定される全光フィールドの近似に基づいている。仮想ピンホール開口ライトフィールド16及び18は、異なる仮想ピンホール20及び22を通って、瞳孔10に入光する。仮想ピンホール10、22及び別のものは、そのライトフィールドが少なくとも部分的及び少なくとも一時的に瞳孔10を通るように、瞳孔10の近くに位置しなければならない。
16及び18のような各ピンホール開口ライトフィールドは、観察者の網膜24上に図2a及び図2bの66及び68のような常に焦点の合った画像を形成する。66及び68などの画像は、対応する仮想ピンホール20及び22の視点から見たときの、オブジェクト12及び14を有する仮想3Dシーンの画像に対応する。したがって、画像66と68は同一ではない。特に、瞳孔10から異なる距離にある対象物12及び14の像の位置は互いにシフトされる。画像68において寸法dによって示されるこの相互シフトは、仮想ピンホール20及び22からの仮想オブジェクト12及び14の距離、ならびにピンホール20及び22の相互距離に依存する。さらに、そして最も重要なことに、網膜24上の画像66及び68の全体的な位置は、眼132の焦点距離に依存する。例えば、眼が遠くの物体12(家)の距離に焦点を合わせられるとき、この物体は、両方のピンホール20及び22を通して網膜24上の同じ場所に投影され、一方、別の距離にある近くの物体14(アリ)の2つの画像はdだけシフトされる。ピンホール開口ライトフィールド16及び18が瞳孔10に同時に又は速いシーケンスで入ると、結果として得られる網膜24上の画像は両方の画像66及び68を含むことになる。この場合、眼132が遠くの物体に焦点を合わせたとき図12(家)では、網膜24上のこの物体12の像は重なり合って一度だけ現れるが、図2cの像70に示すように、より近い物体14(アリ)の像は二重に見える。反対に、眼132が近くの物体14(アリ)の距離に焦点を合わせられるとき、結果として生じる画像74は、図2eに見られるようにアリ14の1つの画像及び遠い家12の2倍の画像を含む。他の焦点は、図2dに示すように両方の対象物を2倍にした72のような画像を作成する。
複数のピンホール開口ライトフィールドが合計されると、66、68、120、122、124、126のようなそれらの個々の複数の画像は、網膜24上に合わさることになる。したがって、結果として生じる画像は眼132の焦点距離、仮想ピンホールからの物体の距離、仮想ピンホールの数、及び仮想ピンホールの距離に依存することになる。3×3ピンホールの長方形アレイに配置されている9個のピンホールを有する、結果画像76の例は、眼132が遠い対象物12に合焦しているときの図3aにみられ、遠い対象物12及び近い対象物14の間に眼132が合焦しているときの図3bの画像78と、眼132が近い対象物14に焦点を合焦しているときの図3cの画像80とである。
最後に、ライトフィールド26が多数(例えば百)の異なるピンホール開口ライトフィールドから構成されている場合、結果として生じる網膜上の画像は、図3dの画像82(遠方の対象物12に合焦)、図3eの画像84(遠い対象物12と近い対象物14との間に合焦)、及び図3fの画像86(近い対象物14に合焦)に見られるようにほぼ自然なぼけを含む(焦点)。この原理は、眼132が眼132の調節範囲内の任意の距離にある任意の対象物に合焦することを可能にし、それが網膜24上のそれらの画像の重なりをもたらし、重なることは画像を鮮明に見せる一方、別の距離にある対象物の合成画像をぼやかす。
図4aから図4cのライトフィールドプロジェクタ装置の概略図では、16及び18のような複数のピンホール開口ライトフィールドは時間的に多重化され、広開口ライトフィールド26を構成する。ライトフィールド26は、観察者の眼の瞳孔10に入ると考えられる完全ライトフィールドを部分的に再構成する。図4aから図4cの最も単純な概略実施形態では、装置は、(図4aから4cの側面から見た)二次元点光アレイ28、高速反射型SLM30及び導光光学系32を備える。投影シーケンスの各ステップは、38及び40のような入射放射状点ライトフィールドを案内する光学系32を介して、点光アレイ28内の34又は36のような選択された点光を用いたSLM30の規定フラッシュ照明からなる。SLM30は、選択反射によって入射ライトフィールドの振幅(及び任意選択で位相も)を変調する。34及び36のような選択された点光による各照明ステップに対して、反射パターンは対応する仮想ピンホール20及び22を通して見られるような仮想シーンの画像の一部に対応する。光学系32は、SLM30から反射して振幅変調ライトフィールドコーン16及び18を生成(又は投影)するように38及び40などのライトフィールドを案内する。仮想ピンホール20を通って伝播するライトフィールド16は、理想的には、仮想3Dシーンからのピンホール開口ライトフィールド情報の少なくとも一部と同一である(その結果、ニアアイ投影画像が得られる)。SLM30上の画像は、92を介して信号96を介して点光源アレイ28の照明シーケンスを制御する照明制御回路90と同期されている画像信号94を介して制御電子機器88によって制御される。
本明細書に開示されるライトフィールドプロジェクタのより特定の好ましい実施形態は、図5aに示される。それは、(図5aの側面から見た)二次元の点−光アレイ28、任意選択的にコリメートレンズ42、任意選択的に全反射プリズム44、高速反射SLM30、及びレンズ46のような接眼部光学系を含む。全システムは、SLM30によって変調される光学系42、44、30、46を介して、点光源アレイ28からの光を20及び22のような仮想ピンホールに順次投射する。
図5bは、特定の仮想距離における仮想点対象物48からのライトフィールドがどのようにして生成されるかを示す。仮想点対象物48からのライトフィールドは、投影シーケンスの間に次々に生成される複数のピンホール開口ライトフィールドにおけるその対応する光線の合計である。アレイ28からの各アクティブ点光に対して、異なる画像が反射型SLM30に表示される。仮想点対象物48は、仮想点50のソース画像の位置でSLM30上に順次表示される。その結果、眼の網膜24は、仮想点対象物48から複数の光線を速いシーケンスで受け取る。網膜24上の仮想点対象物48の像の位置は、眼132の焦点距離に依存する。眼132が仮想点対象物48の距離に合焦している場合、光線は1つのスポットで網膜24に重なり合い、眼132が別の距離に合焦している場合、網膜上の画像は、ぼやけて見えるようにするために互いに隣接して複数回、仮想点対象物48の画像を含む。このプロセスで併合される画像の数は、瞳孔10に入るピンホール開口ライトフィールドの数に依存する。数値が大きいほど、画像のぼけはより自然に見える。
図7は、点光アレイ28を用いたSLM30の順次照明のプロセスを示している。図7の例は4つの点光と4つの例示的な画像構成要素のみを含むが、実際の点光アレイ28は何千もの点光と何千もの画像構成要素を含み得る。表示される画像構成要素102のシーケンスは、SLM30が108のようなフレームを表示し、その間にSLM30が、114又は116のような時間に依存する関数によって与えられる照明で対応するアクティブ点光98で照らされる110又は112のような画像構成要素を表示することを示す。例示的な画像構成要素118のシーケンスは、瞳孔10からそれらの仮想距離、誘導光学系32の特性、及びアクティブ点光の位置に従って相互にシフトされた対象物を含む画像120、122、124及び126を示す。一連のアクティブ点光106及び照明シーケンス104は、画像シーケンス118と共に、仮想シーンを画像構成要素に分解するプロセスに応じて、原則として任意のものとし得る。
しかしながら、実際の照明及び表示シーケンスは、理想的には特定の目的のために最適化されて、そして正しい部分強度を有する最終画像の全ての成分を含む。シーケンスは、最上位ビット(MSB)プレーンから最下位ビット(LSB)プレーンまでの全てのグレースケールビットプレーンに対応する2値画像から構成してもよく、それプレーンはアレイ28内の対応するアクティブ点光98の色を有する。個々の点光の色が異なってもよい。最終画像におけるビットプレーンの部分的な強度は、ビットプレーンフレーム108の長さに対する露光の相対的な長さによって制御される。照明の強度は、シーケンス104のようにパルスの長さによって実現し得るが、連続的に制御された強度を用いたパルス幅変調又は他の手段によっても実現し得る。例えばピンホールマスクを有する発光ダイオード(LED)であるアクティブ点光の位置は、シーケンス106によって示されている。白丸98は、LEDが発光していることを示している。黒丸100は、LEDが消灯していることを意味する。特定の画像構成要素に対応するライトフィールドが観察者の瞳孔に入ることが保証されていない現実的な用途では、各画像構成要素は(どの画像構成要素が変更されるかに従って)異なる点光で数回投影されることが望ましい。例えば、最終画像が強度と色の異なる個々のビットプレーンに分解される場合、各ビットプレーン(https://en.wikipedia.org/wiki/Bit_plane参照。)は全てのポイントライトで理想的に照らされるべきである。しかしながら、これはほとんどの状況において非現実的であり、したがって他の点光に対するビットプレーンの繰り返し数は、最適化されなければならない。異なる重要性を有する画像構成要素(ビットプレーン構成要素の異なる輝度など)の管理を必要としない適切なアプローチは、図7bのグレースケールは明るい画素の密度によって定義される画像のような中間調2値画像の使用である。全てのそのような画像構成要素は、同じ重要性を有する。
図8は、1つの完全画像の投影中に照明及び表示シーケンスをどのようにシャッフルすることができるかを示している。この例は、10×10の長方形の点光28と、1つ又は複数の8ビット画像構成要素に分解される画像とを想定している。白丸は、図8の隣接する番号によって示される順序で所与のシーケンス128又は130において次々に光を放射するアクティブ点光98を示す。各点光は異なる色を発するものとし得る。重要な点は、SLM30のストロボ点光照明によって生成される結果として生じるライトフィールド26が、観察者の視力待ち時間の期間中に技術的に可能な限り多くのピンホール開口ライトフィールドを含むことである。ピンホール開口ライトフィールド当たりの完全な画像情報は、全ての色の全てのビットプレーンが1つの対応する点光で照らされることを意味する。これを達成するために、対応する強度を有する全てのビット平面が全ての点光で照らされるまで、シーケンス128と130の間のような照明パターンの所定の変換で照明シーケンスを繰り返さなければならない。実際の実施では、例えば、制限されたフレームレート、観察者の待ち時間、瞳孔開口のサイズ、画像の種類(モノクロ、グレースケール、RGBなど)による、個々の場合の特定の制限に従って、点光当たりのビットプレーンの数は減少されてもよい。実際的な試験は、投影される情報の量が、結果の品質の許容可能な損失を伴って、点光当たり1つのビットプレーンと同程度に減少可能であることを示している。
異なる表現で既に上述したように、各照明ステップにおいてSLM30によって表示される個々の画像は、異なる点光で、異なる色で、しかし同じ又は類似の強度で照らされている明るい画素の密度によって決定されるハーフトーン画像(図7b)のような2値モノクロ画像でもあり得る。網膜24上に重なる複数のハーフトーン画像(図7b)の結果の合計は、色のスケール及び輝度を作り出す。同じ強度の二値画像の時間的多重化は、眼の瞳孔10が各瞬間に広開口ライトフィールド26の不特定のサブセットを受け取るときの状況において便利である。
図11の、開示されたシースルー複合現実感装置の代替実施形態では、人工的に投影されたライトフィールドと現実世界からの自然光との混合は、点光源による反射型SLM30の順次照明によって行われる。この点光源は、点光源アレイ28の一部である34のような、図11の実施形態だけでなく、各点光は素子29に埋め込まれている、図12の実施形態でもある。図11の実施形態におけるSLM30は、レンズ52を通して照明される。38のような入射ピンホール開口ライトフィールド16がSLM30から反射されると、反射されたピンホール開口ライトフィールド16はSLM30上のパターンによって変調され、レンズ52を通ってしかし反対方向に再び伝播する。レンズ52は、変調されたピンホール開口ライトフィールド16を、頂点、又は換言すると、20のような仮想ピンホールに、集束させる。図11の実施形態では、この頂点は、要素29のミラー58又は59の位置に配置されている。ミラー58又は59は、変調されたピンホール開口ライトフィールド16を眼の瞳孔10に向けて反射する。ミラー58又は59は、SLM30における小ピッチ画素の周期的パターンから反射された光の干渉により、変調光フィールド16内に存在する回折サテライトをフィルタリングするフーリエフィルタとして、作用する。光源素子29とフィルタ素子29は、一般に、光学系内の互いの像に対応する異なる位置にある。実際の光源素子29の開口数が理想的にゼロではなく、実際のシステム内の再帰反射が理想的ではなく、(SLM30によるその光の変調後の)光源の一次像がフィルタリング素子29の位置でゼロではないサイズとなることを引き起こすため、フィルタリング素子29のフィルタリングミラー58又は59は、照明素子29の像の位置にある理論的に理想的な位置からずらしてもよい。
発明の独特な特徴
ニアアイライトフィールドプロジェクタエンジン62は、常時合焦ライトフィールドの、時間的に多重化されるシーケンスからなる自律ライトフィールド26を提供する。このプロジェクタは、現実的な単眼の奥行き手がかりを提供するため観察者の眼の調節に関する情報を必要としない。(瞳孔運動の領域をカバーするために)眼の瞳孔10及びその近傍に直接投影することは、(大型の3Dディスプレイとは対照的に)プロジェクタに伝達されプロジェクタから投影されなければならない情報量を減少させる。眼の調節からの画像深度の単眼知覚及び有限の被写界深度による画像ぼけの他に、観察者は、観察される物体の距離を、瞳孔10が動くときの近い対象物14及び遠い対象物12の小さな相互変位から、感知する。投影対象物が実世界に関して正確な位置を有するようにプロジェクタ32の光学系を設定してもよい。光学系32及び投射ライトフィールド26は、被写界深度の影響を低減又は増幅するように配置してもよい。
特に、構成要素が同じ強度のモノクロ二値画像からなる場合、ライトフィールド構成要素の高速順次投影は、動いている物体の現実的な知覚を支援する。従来のディスプレイでは、動いている対象物を含む各フレームは通常、対応するモーションぶれを含んでいるため、観察者が静止背景又はシーン内の静止対象物を観察したときの視覚的体験は向上する。動いている物体は、しかしながら、眼がその動きを追跡しているときでも、ぼやけていると知覚される。実世界では、位置が観察者の眼で追跡されている移動対象物はシャープになり、追跡された物体に対して相対的に移動する他の物体はモーションぶれを有すると知覚される。ライトフィールドプロジェクタ62は、従来のディスプレイの数十倍の速さでライトフィールド構成要素を投影する。このことは、どの対象物が観察者によって追跡されているかにより観察者が経験するモーションぶれはより現実的である一方、眼はほとんどモーションぶれなしで各ライトフィールド構成要素を受け取ることを意味する。
ライトフィールドプロジェクタは、比較的低コストで信頼性の高い大量生産部品から構成し得る。
図9及び図10の代替的実施形態におけるもののような拡張現実眼鏡と組み合わせて、ライトフィールドプロジェクタ62は、全ての対象物の正しい単眼深度手がかりを用いて(又は別の拡張現実光学系を介して送達される)、実世界60から入るライトフィールドをミラー58から反射されたライトフィールド26と組み合わせることができる。
ライトフィールド26において知覚され得る距離の範囲は実質的に連続的であり、ゼロ距離から無限大までの範囲である。
プロジェクタ62で生成された単眼奥行き手がかりは、図9の構成の場合のように、観察者のそれぞれの眼が異なるプロジェクタ62から対応するライトフィールドを受け取るときの立体奥行き手がかりと組み合わせてもよい。立体プロジェクタの単眼奥行き手がかりを修正することで、いわゆる適合的眼球離反運動の不一致が解消される。
複数の画像構成要素からの最終画像の合成は、合成画像が各画像構成要素よりも高い解像度を有することを引き起こす。
広開口ライトフィールド26がピンホール開口ライトフィールドからなるという事実は、入力画像のデジタル処理によって光学系32の不完全性を補償することを可能にする。光学誤差をデジタル補正は、光学部品の価格を大幅に下げる可能性がある。
再帰反射ディスプレイを有するシースループロジェクタの実施形態は、コンパクトで非常に小さいフォームファクタの複合現実感メガネを構築するために使用され得る。
本発明の製作方法
ここに開示された本発明の好ましい実施例は、赤、緑、青のような複数の発光ダイオードからなる点光アレイ28を用いて製造され得る。点光アレイ28は、レーザ切断、マイクロマシニング、又はエッチングによって製造される、ピンホールのアレイを包含するマスクで覆われている。あるいは、各ダイオードを、その出力が点光として機能する光ファイバと結合することで作製し得る。光ファイバスプリッタ、可動ダイオード、可動ミラーなどの使用を含む、点光アレイの多数の実施形態が、存在し得る。
SLM30は、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)又はFLCOS(強誘電性液晶オンシリコン)に基づいてもよく、選択的に全反射プリズム44又は偏光プリズムと、適切な焦点距離の従来のコリメートレンズ42と組み合わせてもよい。接眼部46は、比較的小さい焦点距離を有する単一のレンズ又はミラーから製作し得て、両方とも選択的に球面及び色収差誤差のデジタル補償と組み合わされる。接眼部46は、より複雑で最適化された市販の広角接眼レンズに基づくものとしてもよい。
選択的なフィルタ光学系は、入射ライトフィールドのフーリエ平面を作り出す少なくとも1つの従来のレンズ52を含む。ピンホールアレイを有するフーリエフィルタ54は、レーザカット、穿孔又はエッチングされたピンホール又は他のフィルタリングパターンを有する光学的に不透明かつ非半透明の板部材で製作し得る。フィルタ54は、図9、図10、図11、図12及び図15の実施形態における58のようなマイクロミラーで、ピンホール又は他のフィルタリングパターンが置換される反射モードで代替的に構成してもよい。
素子29のアレイは、透明ホルダ150及び151内の光源のための開口部の指向性ドライエッチング又はウェットエッチング、並びに光吸収材料138、ミラー58及び59、透明電極142及び144のスパッタリング又は蒸発などの材料堆積を伴う従来のマイクロテクノロジーリソグラフィのステップによって製造してもよい。マイクロレンズアレイ158は、従来のマイクロテクノロジー技術を用いて既に商業的に生産されている。ミラー166の格子は、透明基板へのトレンチのドライエッチングと、その後のトレンチの壁へのアルミニウムのような反射金属の化学的又は物理的堆積と、基板の他の表面からの堆積金属の除去(研磨)によって製造し得る。
本発明の代替実施形態
図6は、本発明において開示されるライトフィールドプロジェクタのより特定の代替的な一実施形態を示す。DMD又はFLCOSのような反射型SLM30は、約10μmの典型的な画素ピッチを有し、これは反射されたライトフィールドにおいて回折成分の出現をもたらす。したがって、図6の実施形態は、フーリエフィルタ54の位置に点光アレイ28の像面を形成する追加の光学系52と、56及び46のような接眼光学系とを含む。フーリエフィルタ54は、変調されたピンホール開口ライトフィールドを透過し、点ライトアレイ28とフーリエフィルタ54との間に生成されたライトフィールドの全ての回折成分を遮断する。実際には、フーリエフィルタ54は、点−光アレイ28の拡大縮小画像である固定ピンホールアレイである。フィルタ52上のピンホールは、好ましくは、それらの開口での回折を最小にするのに十分に大きい、例えば300μm以上である。他方、アレイ28内の点光の大きさは、それらが十分な光強度を提供する限り可能な限り小さくしてもよい。各ピンホール開口ライトフィールドの開口絞りがフーリエフィルタ54によって決定されるとき、アレイ28内の点光はより大きい直径を有し得る。より大きい直径の点光は、DMD内のマイクロミラーの反射角度の変動を補償する。
図9は、本発明において開示される、基本的なライトフィールドプロジェクション概念の汎用性を示す。図9の実施形態におけるプロジェクタ62は、図5aから基本設計の修正である。図9の点−光アレイ28は、20及び22のような仮想ピンホールを含む点−光の像面もまた傾斜させるようにする光軸に対して、傾斜している。この投影配置は、同様に光軸に対して傾斜しているレンズ52のような光学素子と、入力画像の対応する変換とを伴ってもよい。投影されたピンホール開口ライトフィールドは、20及び22のような仮想ピンホールの位置で、58のような小さな傾斜ミラーから反射され、観察者の眼132に向けられる。ミラー58は、人工ライトフィールド26を現実世界60からのライトフィールドと組み合わせるために、表面上に配置、又は透明メガネ内部に埋め込んでもよい。そのような実施形態は、拡張現実システムを構成する。ミラー58は、ライトフィールド26から回折成分を除去するフーリエフィルタとしても機能する。
図10は、薄い透明メガネ64上の2つのライトフィールドプロジェクタ62と2つの傾斜ミラーアレイ58とを備える拡張現実感装置の実際的な構成の一例である。広開口ライトフィールド26はまた、ライトフィールド26をプロジェクタから眼の瞳孔10に導く任意の適切な導波路に挿入してもよい。
図11は、複数の素子29のそれぞれの位置が、レンズ52及びSLM30の反射面を有する光学システム内の同じ又は別の素子29の画像の位置と一致する拡張型又は複合現実感装置用のシースルーボックスの代替的な一実施形態である。各素子29は、(全ての点光源は点光アレイ28を構成する一方)34又は36のような点光源と、ミラー58又は半透明ミラー59とを含むので、各素子29は同時に光源及びフーリエフィルタ54内のミラーとして機能する。図11bは、素子29内の点光源34が、レンズ52を通って伝搬し、SLM30から反射し、レンズ52を通ってンホール開口ライトフィールド16の円錐の頂点まで再び変調光フィールド16として伝搬する放射状ピンホール開口光フィールド38を放射することを示す。頂点は点光源34の像であり、それは仮想ピンホール20である。この実施形態における頂点の位置は、他の素子29内のミラー58又は59の位置と一致する。別の素子29は、したがって、SLM30から、ライトフィールド26から、そして同時に、瞳孔10に対して所望の角度を持ってピンホール開口ライトフィールド16の向きを変えるミラーからの反射によって生成された高次回折サテライトを除去するフィルタとして機能する。図11cは、別の点光源36がその像と、仮想ピンホール22とを、さらに別の素子29のミラー58又は59に生成することを示している。複数の素子29は、このように、同時に、照明光源(点−光アレイ)及びフーリエフィルタとして機能する。
図12は、各素子29が同時に点光源及びそれ自身のライトフィールドのフィルタである拡張型又は複合現実感装置用のシースルーボックスの、代替的な一実施形態である。図12bは、素子29内の点光34がSLM30によって変調されたライトフィールド38を放射し、層系136の存在により、ライトフィールド16として最初の素子29に戻って再帰反射されることを示している。したがって、点光源34の位置と、点光源34の像と、フィルタリングミラー58又は59と、仮想ピンホール20とは、同じ素子29において同じ位置を有する。図12cは、他の点光源36を有する他の素子29が同じ特性を有し、入射ライトフィールド40と、変調ライトフィールド18と、仮想ピンホール22とを用いて同じ動作を実行することを示す。図12dは、人工的に投影されたライトフィールド26を構成する全てのピンホール開口ライトフィールドの包絡線を有するシースルーボックス134のこの代替的な一実施形態を示す。実際の装置では、透明箱64内の素子29の数、密度及び分布は異なると予想される。特に、素子29の数及び密度は、高品質のライトフィールド26及び広い視野を作り出すためにはより高くなければならない。多数の素子29を有する装置は、全ての素子29のサブセットのみがアクティブ(反復照明シーケンスを実行する)であり、瞳孔10及びアクティブな素子29によって決定される視野内に位置する仮想物体からライトフィールド26を提供するモードで、動作され得る。このモードは、狭い視野をカバーする投影された対象物の高品質のライトフィールド画像の提供を可能にし、同時に、能動素子29のサブセットを変更することによって広い視野をカバーする可能性を提供する。換言すると、ライトフィールド情報は広い視野の任意の部分から投影され得るが、特定の位置の対象物の詳細な画像を提供するために、狭い視野だけが、所与の瞬間に投影されたライトフィールドで埋められ得る。この点を考慮して、複合現実感コンテンツ、拡張現実コンテンツ、又は仮想現実コンテンツが作成され得る。特に複合現実感アプリケーションは、観察者が実世界を見ていて、仮想対象物は特定の瞬間に全視野のほんの一部しか占有できないという事実を悪用する可能性がある。仮想現実(しかし複合現実)の場合、仮想対象物の高品質の画像は、全視野の狭い部分に対して投影され得る。観察者の周辺視野に対応する全視野の他の部分は、低密度のアクティブな素子29を有する低品質のライトフィールドのみで提供される一方で、全視野の狭い部分では、高密度の素子29がアクティブであり、観察者が光学的かつ精神的に合焦している。低品質のライトフィールドが提供される部分については、観察者の視覚的注意の方向を識別するアイトラッキングを使用することによって改善され得る。
図12e、図12f及び図12gは、透明箱64の外側に配置され、入射光が38又は40及び40のような入射光と、ライトフィールド26とがボックス64の外側を伝搬する、層系136及びSLM30を備える再帰反射ディスプレイを有するシースルーライトフィールドプロジェクタ134の代替的な一実施形態を示す。
図13は、素子29の内部構造のいくつかの例示的な実施形態を説明する。図13aの理想化された素子29は、点光源34と、50から500μmの間の直径を有する部分的に透明で部分的に反射する円形ミラー59とを備える。点光源は、層系136を用いてSLM30から変調されかつ再帰反射された放射状光フィールド38を、放射状光フィールド16として放射する。ライトフィールド16はミラー59から眼の瞳孔10へ反射される。ミラー59からの反射は、ライトフィールド26からのSLM30への入射光の変調によって生成された回折サテライトを除去する。図13における、素子29の実施形態は、光吸収コーティング138と、LED34に電圧及び電流を供給する給電線142及び144とを伴い、放射状ライトフィールド38を整形し均質化する光形成光学系140を有する、単色LEDのような光源34を有する素子29の、可能な実用的具体化を表す。これらの要素は、透明ホルダ150に取り付けられているか又はその上に配置されている。光源34は、対応する数の給電線を必要とする複数の色を放射するものとし得る。例えば、3色LED用に4本の給電線という構成があり得る。光源34がSLM30を照明する光が透過する半透明ミラー59は、透明ホルダ150と接触している別の透明ホルダ151上に配置されてもよい。
図13cは、図13bの点光源34と同一又は類似の構造を有する点光源34の隣に配置された(原則として半透明鏡でもあり得る)全反射鏡58を有する素子29の、一実施形態である。ミラー58は、理想的には瞳孔10の視点から光源を覆っている。図13d及び図13eの素子29の実施形態は、図13b及び図13cの素子29の実施形態に対する代替的実施形態である。ここでは点光源148は、能動的な電子的に駆動される光源ではなく、図13gに示されるように光源37からの集中光ビーム146によって照射される拡散要素148である。
SLM30によって変調された光の再帰反射を、最終的に引き起こす層系136の2つの基本的な実施形態が図14に示されている。図14a及び図14bの層系136は、マイクロレンズ158の中心とSLM30の反射面156との間の最小距離に対応する焦点距離を有するマイクロレンズ158のアレイを備える。この例におけるSLM30はFLCOSであると仮定され、それ故、SLM30の素子29と反射面156との間の入射光線41及び反射光線27の経路に偏光フィルタ160の存在を必要とする。フィルタは、マイクロレンズ158を通ってSLM30の反射面156に伝搬する入射光線41のうちの1つの偏光成分のみを透過させる。入射光線41は、反射光線27を、偏光フィルタ27を透過させる明るい画素152から同じ偏向で反射されるか、又は反射光線が偏光フィルタ160によって遮断される回転偏向で暗い画素154から反射される。図14bは、暗い画素154から反射後の偏光フィルタ160における光線の吸収を示す。
図14c及び図14dは、層系136及び反射型SLM30を備える再帰反射ディスプレイの他の具体化例を示している。この例におけるSLM30はDMDであると仮定されるが、原則的には任意の反射型光変調器であり得る。層系136は、互いに平行かつ垂直であり、かつ明るい画素に対応するミラーに対して垂直であるミラーの格子166を備える。
SLM30の明るい画素に対応する各ミラー162は、ミラー166と共にキューブコーナー再帰反射体を構成する。図14dは、暗い画素164に対応するミラーからの入射光線41の反射も示す。ミラー164は格子166に対して垂直ではなく、キューブコーナー再帰反射体を構成しない。光線168は、それゆえ、光線168がライトフィールド26の形成に関与しない方向に偏向される。
SLM30は、原則として任意の反射型光変調器であってよく、開示された実施形態は例示的であり限定的ではないと想定される。実際、SLM30は、反射面と組み合わされた透過型光変調器でもあり得る。
図15は、シースルーライトフィールドプロジェクタ134がコンパクトなウェアラブル複合現実感メガネをどのように構成できるかを示す。必要な制御電子機器88及び90を有するSLM30は、それぞれ図15a及び図15bのメガネの正面図及び背面図に見られるようにメガネの外側に配置されてもよく、あるいはそれぞれ図15c及び図15dの正面図及び背面図に見られるようにメガネの内側に配置されてもよい。
本発明が、ここに与えられた詳細事項に限定されるべきではないように、本実施形態は、例示的であり限定的ではないと見なされるべきである。
10 瞳孔
12 遠い対象物
14 近い対象物
16 ピンホール開口ライトフィールド
18 他のピンホール開口ライトフィールド
20 仮想ピンホール
22 別の仮想ピンホール
24 網膜
26 広開口ライトフィールド
27 SLM
28 点光源アレイ
29 放射状光源とミラー
30 空間光変調器SLM
32 誘導光学系
34 点光源
36 他の点光源
37 コリメート光ビーム
38 入射ラジアルライトフィールド
40 他の入射放射状ライトフィールド
41 入射光線フィールド
42 コリメータ
44 全反射プリズム
46 接眼レンズ
48 仮想点対象物
50 仮想点対象物のソース画像
52 凸レンズ
54 フーリエフィルタ
56 調整レンズ
58 傾斜ミラー
59 部分的に透明なミラー
60 実世界
62 ライトフィールドプロジェクタエンジン
64 メガネ、透明箱
66 常に合焦される網膜像
68 別の常に合焦される網膜像
70、72 合成網膜像
74、76 合成網膜像
78 合成網膜像
82、84 暗い画素に対応する合成網膜像
86 合成網膜像
88 ディスプレイ制御電子機器
90 照明制御電子機器
92 同期信号
94 映像信号
96 照明信号
98 アクティブ点光源
100 非アクティブ点光源
102 画像構成要素のシーケンス
104 初期化オン/オフ
106 アクティブ点光源の位置
108 画像フレーム
110 画像構成要素(ソース画像)
112 他の画像構成要素(ソース画像)
114 照射ステップを持つ要素
116 もう1つのステップ
118 画像構成要素シーケンス
120 表示されている画像構成要素
122 表示されている画像構成要素
124 表示されている画像構成要素
126 表示されている画像構成要素
128 画像シーケンス
130 他の画像シーケンス
132 眼
134 シースルーボックス
136 層系
138 光吸収コーティング
140 要素
142 透明給電線
144 透明給電線
146 光線
148 光拡散要素
150 最初の透明ホルダ
151 第2の透明ホルダ
152 反射型SLMの明るい画素
154 反射型SLMの暗い画素
156 SLMの反射面
158 マイクロレンズ
160 偏光フィルタ
162 DMDディスプレイ(明るい画素)のマイクロミラー
164 DMDディスプレイ(暗い画素)のマイクロミラー
168 暗い画素に対応するマイクロミラーから反射された光線
170 メガネの腕部
171 フレーム
172 視軸線

Claims (41)

  1. 複数の入射ライトフィールド(38、40)を順次放出するように構成された複数の照明点光(34、36)を備える光源(28)と、
    一連のソース画像を提供するように構成された空間光変調器(30)と、
    を備え、
    空間光変調器(30)はさらに、複数のピンホール開口ライトフィールド(16、18)を順次投影するように、入射光フィールド(38、40)のそれぞれをソース画像に従って変調するように構成され、各ピンホール開口ライトフィールド(16、18)は、ソース画像からのライトフィールド成分を搬送する、
    ニアアイ投影画像をユーザの眼に投影するライトフィールドプロジェクタであって、
    順次投影されたピンホール開口ライトフィールド(16、18)のそれぞれは、交差仮想ピンホール(20、22)を形成し、それを通してソース画像からの構成要素が可視であって、仮想ピンホール(20、22)のそれぞれが、開口絞りを備えて、照明点光(34、36)のサイズによって決定され、互いに空間的にシフトされ、ニアアイ投影画像が複数の仮想ピンホール(20、22)を通して見られる、
    ことを特徴とするライトフィールドプロジェクタ。
  2. 順次投影された複数のピンホール開口ライトフィールド(16、18)は、交差広開口ライトフィールド(26)を形成する、請求項1に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  3. 広開口ライトフィールド(26)は、照明点光(34、36)のサイズによって決定され、順次投影された複数のピンホール開口ライトフィールド(16、18)が、少なくとも部分的にユーザの眼の瞳孔(10)に入ることができるように十分に大きな開口絞りを備える、請求項2に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  4. 広開口ライトフィールド(26)の射出瞳孔の直径は、5mmから100mmの間の値である、請求項3に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  5. 複数の入射ライトフィールド(38、40)を光源(28)から空間光変調器(30)に案内し、ピンホール開口ライトフィールド(16、18)を空間光変調器(30)と広開口ライトフィールド(26)との間に案内するように構成された光学装置(32)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  6. 空間光変調器(30)が、高速反射型空間光変調器と、デジタルマイクロミラー装置と、シリコン上の強誘電性液晶とのいずれか一つを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  7. 空間光変調器(30)上に一連のソース画像(110、112)を生成するように構成されたディスプレイ制御電子機器回路(88)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  8. 複数の照明点光(34、36)を制御するための信号を供給するように構成された照明制御電子機器回路(90)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  9. 光源(28)の複数の照明点光(34、36)は、一次元、二次元又は三次元配列で配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  10. 照明制御電子機器回路(90)は、時系列関数に従って複数の点光源(34、36)の下位の組み合わせを点灯するように構成されてある、請求項7又は8に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  11. 光学装置(32)は、入射ライトフィールド(38、40)を平面波に変換するように構成されたコリメータ(42)を備える、請求項4から9のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  12. 光学装置(32)は、全反射角より大きな反射角を有するピンホール開口ライトフィールド(16、18)を反射するように構成された第1の光学素子(44)を備える、請求項4から10のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  13. 光学装置(32)は、空間光変調器(30)と広開口ライトフィールド(26)との間にフーリエフィルタ(54)をさらに備える、請求項4から11のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  14. 光学装置(32)は、反射されたピンホール開口ライトフィールド(16、18)の光フーリエ変換を実行するように構成された凸レンズ(52)をさらに備える、請求項4から12のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  15. 光学装置(32)が、反射されたピンホール開口ライトフィールド(16、18)を広開口ライトフィールド(26)内に集束させるように構成された第2の光学素子(46)をさらに備える、請求項4から13のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  16. ソース画像は、複数の画素を含むモノクロディザ画像を含み、明るい画素の密度が明るさを決定する、請求項1から14のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタ。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載のライトフィールドプロジェクタを備える、ユーザが装着することとした拡張現実感装置であって、
    点光源(28)及び空間光変調器(30)は、拡張現実感装置が装着されているときに、ピンホール開口ライトフィールド(16、18)が、網膜(24)に到達するように、ユーザの少なくとも1つの眼(132)の視軸線(172)に沿って投影されるように、配置されている、拡張現実感装置。
  18. ユーザに装着されているとき、点光源(28)と空間光変調器(30)とは、眼(132)の視野外に配置され、
    ライトフィールドプロジェクタが、ピンホール開口ライトフィールド(16、18)を視軸線(172)に沿って反射するように構成されたミラー(58、59)を備える、請求項17に記載の拡張現実感装置。
  19. ミラー(58、59)が、透過的なガラス(64、134)の表面上に設けられているか、又は内部に埋め込まれてある、請求項18に記載の拡張現実感装置。
  20. ガラスは、複数の要素(29)を含むシースルーボックス(134)を備え、
    各要素(29)は、複数の要素(29)が点光源(28)を形成するように照明点光(34、36)を備える、請求項19に記載の拡張現実感装置。
  21. ミラー(58、59)が各要素(29)に含まれ、
    複数の要素(29)は、各ピンホール開口ライトフィールド(16、18)が視軸線(172)に沿って、要素の1つに含まれるミラー(58、59)によって反射されるように、シースルーボックス(134)内に配置された、請求項20に記載の拡張現実感装置。
  22. 複数の要素(29)のそれぞれが、第2の透明ホルダ(151)上にミラー(58、59)を包含する第1の透明ホルダ(150)を備える、請求項20又は21に記載の拡張現実感装置。
  23. 第1の透明ホルダ(150)が、光吸収コーティング(138)及び光形成光学系(140)を備える、請求項22に記載の拡張現実感装置。
  24. 第1の透明ホルダ(150)は、光ビーム(146)によって照明される光拡散要素(148)を含み、ミラー(58、59)が光吸収コーティングを備える、請求項22に記載の拡張現実感装置。
  25. ミラー(58)が、広開口ライトフィールド(26)からの回折成分を除去するために構成されたフーリエフィルタを備える、請求項18から24のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  26. ミラー(58)は、アレイ状に配置された部分反射型又は全反射型の複数のサブミラーを備え、各サブミラーは、ピンホール開口ライトフィールド(16、18)の1つを反射する、請求項18から25のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  27. サブミラーは、250μmから2000μmの範囲内の直径を有する、請求項26に記載の拡張現実感装置。
  28. 空間光変調器(30)がシースルーボックス(134)の一側部に備えられ、
    入射光フィールド(38、40)が空間光に到達する前にレンズ(52)を通過するように、レンズ(52)がシースルーボックス(134)と空間光変調器(30)との間に備えられている、請求項20から27のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  29. シースルーボックス(134)が、空間光変調器(30)と組み合わせて再帰反射ディスプレイとして機能する層系(136)を備える、請求項20から27のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  30. 層系(136)は、入射ライトフィールド(38、40)が、空間光変調器(30)に到達する前に層系(136)及び空間光変調器(30)によって再帰反射されるようにシースルーボックス(134)と空間光変調器(30)との間に備えられている、請求項29に記載の拡張現実感装置。
  31. 空間光変調器(30)がシースルーボックス(134)から物理的に分離されている、請求項19から30のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  32. 層系(136)が、マイクロレンズアレイと、平行及び垂直ミラーの格子とのうちの1つを備える、請求項29から31のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  33. 空間光変調器(30)は、偏向回転反射層(156)を備え、
    層系(136)は、偏光フィルタ(160)と、レンズと偏光回転反射層(156)との間の最小距離に等しい焦点距離を有するレンズ(158)を有するマイクロレンズアレイとを備える、請求項29から32のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  34. 反射型SLM(30)が傾斜ミラー(162)を備え、
    層系(136)は、互いに平行又は垂直であり、かつアクティブな明るい画素に対応する位置でミラー(162)に対して垂直である固定反射面(166)の格子を備える、請求項29から32のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  35. ニアアイ投影画像は、遠方視(60)の対象物から来るライトフィールドによって形成される遠い画像と組み合わせ可能である、請求項17から34のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  36. ニアアイ投影画像は、眼(132)の視野を部分的に占める、請求項35に記載の拡張現実感装置。
  37. ニアアイ投影画像が、遠い画像と相対的に所定の位置に形成されるように構成された、請求項36に記載の拡張現実感装置。
  38. メガネを備え、メガネの各ガラス部がミラー(58、59)を備える、請求項19から37のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  39. メガネを備え、メガネの各ガラス部がシースルーボックス(134)を備える、請求項20から37のいずれか一項に記載の拡張現実感装置。
  40. 空間光変調器(30)上に一連のソース画像(110、112)を表示することと、
    表示されたソース画像(110、112)を放射光線のライトフィールド(38、40)で照明することと、
    を備える、請求項18から39のいずれか一項に記載の拡張現実感装置を操作する方法であって、
    複数の点光源(34、36)の下位の組み合わせが、時系列関数に従って点灯される、拡張現実感装置を操作する方法。
  41. ニアアイ投影画像は、遠方視(60)の対象物から来るライトフィールドによって形成される遠い画像と組み合わせ可能であって、
    ニアアイ投影画像が、表示されたソース画像(110、112)を放射光線のライトフィールド(38、40)で順次照明することによって遠い画像と組み合わされる、請求項40に記載の方法。
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