JP2020513274A - バランスを定量化するための多重パラメータ法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、個人のバランスを表す値を得るために個人のバランスを定量化する方法に関し、その方法は、記憶手段に接続された少なくとも1つのデータ処理モジュールを備えたデバイスによって実施され、その方法は、a)圧力及び/又は力センサを備えたプラットフォームから得られた個人の少なくとも1つの動揺図を記憶手段に記録するステップと、b)データ処理モジュールによって、記憶手段に記録された個人の少なくとも1つの動揺図から、圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータの値及び圧力中心の少なくとも1つの安定軌跡パラメータの値を抽出するステップと、c)データ処理モジュールによって、ステップb)で抽出された軌跡パラメータの値から、複数の定量化因子の値を決定するステップと、d)データ処理モジュールによって、複数の定量化因子の値を、参照動揺図から得られた同一の定量化因子の値と比較するステップと、e)データ処理モジュールによって、比較の終了時に個人のバランスを表す値を決定するステップとを含む。

Description

本発明は、個人のバランスの定量化の分野に関する。より詳細には、本発明は、ヒトのバランスを定量化するための多重パラメータ法、この方法を実施するように構成されたデバイス、及びそのデバイスを組み込むシステムに関する。本発明は特に、例えばリハビリテーション過程の状況において、自己定量化アプローチにおいて、又は高齢者において、特に在宅支援アプローチでの転倒のリスクを警戒するために、このバランスの変化の追跡を可能にする。
「自己定量化(「定量化された自己」)」はますます一般的に行われるようになっており、またこれはますます多くのパラメータを含むようになっている。同様に、睡眠又は歩行などの自己測定に関連する様々な機能を定量化することができる市販のデバイスが増えている。
静的及び動的バランスは、我々の日常生活動作の不可欠な要素であり、バランスの欠如は転倒の主な原因である。更にバランスは、下肢に関わる事故などの身体事故の結果としてだけでなく、精神障害の発症又は脳血管発作などの脳卒中の発症に関連して、変化(つまり低下)し得る。運動機能、感覚機能及び/又は認知機能の障害に関連するこの姿勢の不安定が転倒を助長することがあり、これは命に関わり得るか、又は重大な身体不全を引き起こし得る。
2012年の世界保健機構の推計によると、世界で毎年約424,000人が転倒によって命を落としており、従って転倒は世界での事故死の原因の第2位となっている。フランスの保健衛生監視研究所によると、フランスにおいて65歳以上の人々で毎年450,000回の転倒があり、これはフランスにおいて年間4,000〜4,500件という、高齢者で最も多い死因である。
従って、ヒトの転倒は、その頻度並びにその医学的及び社会的影響から、特に高齢者の間で、公衆衛生上の大きな問題である。例えば転倒後症候群は、日々の活動をすることに対する自信の喪失を伴う転倒恐怖症をもたらし、これは最終的には寝たきりにつながる。したがって、多くの治療は個人のバランスの回復を目的とし、運動はその維持を目的としている。
これらの課題にもかかわらず、現在のところ、個人のバランスを定量化するための直感的な、信頼できる、安価な方法又はデバイスは存在しない。
現在、医師は、患者を視覚的に追跡する方法によって、ほとんどの場合はロンベルグ試験などの標準化された試験によって、バランスを評価する。後者は、医師が診断を行い、考えられる静的運動失調症の原因を特定することを助ける。それにもかかわらず、そのような追跡は、個人のバランスを定性化できるものの客観的に定量化することはできない。しかしながら、定量法は、客観性、解釈の均質性を高めることができ、上述のような試験(例えば経時的な追跡又は複数人のグループ内での追跡)の比較を行う可能性を与えることができ、更に患者を視覚的に追跡する方法によって知覚できない挙動を特定することができる。
現在、概して力プラットフォームから測定された圧力中心の変位の研究に基づく、バランスを評価するための方法が存在する。特に1980年代及び1990年代に、「規格85」の確立により標準化の努力がなされ、それはサンプリング周波数5Hzでの51.2秒の取得時間で、パラメータの再現性を確保するために、標準化された寸法の個室に個人を入れて足の位置を定めることを含むプロトコルを定めることを含む(非特許文献1)。
これに関連して、概ね最小で10Hzの周波数における圧力中心の変位のデータから通常定められるパラメータにより、対象者が自身の直立性バランスを維持する能力を説明でき、そのパラメータは以下から選択されることができる。
−変位の長さ、
−圧力中心が動く表面であって、圧力中心の支持点の90%を内包する信頼楕円(ガウス曲線に基づく)の表面の計算によってmmを単位として測定される表面に対応する、動揺図のプロットの表面、
−圧力中心が移動した距離と信頼楕円の表面との間の比に対応する、長さ対表面(LFS)、
−Y軸に沿った速度の変動(VFY)、又は
−振動数。
姿勢動揺検査は、立ち姿勢を評価するための最も適切な方法であるが、バランス障害の評価における姿勢動揺検査の位置付けについては依然として議論の余地がある。取得費用、実施費用、検査の再現性、感度、その特異性、結果の解釈の難しさ(多数の測定が2つの状態の間で比較される)といった複数の理由により、その使用が妨げられている。実際には、これらの方法は、圧力中心の変位の複数のパラメータに独立して焦点を当てており、これらを組み合わせるものではない。これらの方法では、専門家なしで簡単かつ迅速な方法で、個人のバランスを表す値を得ることはできない。
Wiiフィットバランスボード(登録商標)と呼ばれる力プラットフォームにより、圧力中心の変位を追跡でき、またこれは、特に圧力中心の変位の測定に基づいて「Wiiフィット年齢」を測定する機能も提供する。多くの記事がこの力プラットフォームによるバランスの評価に焦点を当てており、ホイートストンブリッジセンサに基づく力プラットフォームで得られるものと同様の圧力中心変位データの取得を可能とするものの(非特許文献2)、このタイプのデバイスによるバランスの測定はそれほど決定的なものではない(非特許文献3)。
このような性能の欠如、又は最良の場合でも低い性能は、圧力中心の変位の単一因子評価、及び過剰又は過少取得をもたらし得る経時的な取得頻度のランダムな変化におそらく関連している。多重パラメータ法が使用される稀な場合では、研究データが極めて複雑であり、モデル化が困難であるため、満足な結果を生成できない。従って、バランスを評価するためにこれまでに使用されていた分析法は、簡単かつ安価なデバイスを用いて容易に測定することができる独自の信頼できる値を提供しない。
これは、2015年12月14日及び15日に開催されたHorizon Maths 2015カンファレンスでの口頭による発表で確認された(非特許文献4)。科学的考察及び問題の共有として発表されたこの口頭による発表の中で、発表者は、最新技術で使用されている技法に言及し、4〜5個の参照指標について言及した。発表者は、姿勢動揺検査での上記5つの参照特性によって集約されることができない合成指標の必要性に注目し、機械的側面、幾何学的側面及び頻度の側面に関連する1,000個の記述子の存在に言及している。
従って、自身のバランスを管理したい誰もが低コストで日常的に使用できるだけでなく、公的機関又は医療従事者も使用することができる、バランス定量化デバイスに対する必要性が存在する。
Gageyほか 1988年 - Etudes statistiques des mesures faites sur l’homme normal a l’aide de la plate-forme de stabilometrie clinique normalisee Clarkほか、2010年 - Validity and reliability of Nintendo wii balance board for assessment of standing balance Gobleほか 2014年 - Using the Wii Fit as a tool for balance assessment and neurorehabilitation: the first half decade of "Wii-search" https://www.sciencesmaths-paris.fr/upload/Contenu/HorizonMaths/HM2015/hm2015-vayatis.pdf
本発明は、従来技術の欠点を克服することを目的とする。特に本発明は、バランスを定量化する、即ち個人のバランス状態を表す値を確立する、迅速で簡単な、姿勢医学の専門家の介入を必ずしも必要としない、信頼できる方法を提供することを目的とする。なおこの方法は、一般開業医又は専門家に代わることを意図したものではなく、診断を行うものではないことに留意されたい。
本発明は、すべての要素を含むバランス定量化システムに組み込むことができるバランス定量化デバイスを提供することもまた目的とする。
この目的のために、本発明は、個人のバランスを表す値を得るために前記個人のバランスを定量化する方法に関し、その方法は、記憶手段に接続された少なくとも1つのデータ処理モジュールと、場合により分類モジュールとを備えたデバイスによって実施され、その方法は、
a)圧力及び/又は力センサを備えたプラットフォームから得られた前記個人の少なくとも1つの動揺図と、任意で前記個人の肥満度指数(BMI)とを前記記憶手段に記録するステップと、
b)前記データ処理モジュールによって、前記記憶手段に記録された前記個人の前記少なくとも1つの動揺図から、圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータの値及び前記圧力中心の少なくとも1つの安定軌跡パラメータの値を抽出するステップと、
c)前記データ処理モジュールによって、ステップb)で抽出された前記軌跡パラメータの値から、複数の定量化因子の値を決定するステップと、
d)前記データ処理モジュールによって、前記複数の定量化因子の値を、参照動揺図から得られた同一の定量化因子の値と比較するステップと、
e)前記データ処理モジュールによって、前記比較の終了時に前記個人のバランスを表す値を決定するステップと
を含む。
この方法の実施は、複数の定量化因子を決定するステップを含み、その複数の定量化因子はその後にバランスを表す値を比較及び決定するステップにおいて一緒に処理される。従来技術と異なり、本発明の方法は、バランスを表す値を得るために、圧力中心の位置及び安定に関連する軌跡パラメータを考慮してこれらを組み合わせることを含む。
上記方法の他の任意の特徴によると、
−上記方法を実施する前記デバイスは分類モジュールを更に備え、前記記録するステップは、更に前記個人の肥満度指数(BMI)データを記録するステップを含み、その後に前記分類モジュールによって、記録された前記BMIデータに応じて前記個人の前記少なくとも1つの動揺図をBMIカテゴリに分類するステップが続き、該分類するステップは、好ましくは前記記録するステップa)の後かつ前記抽出するステップb)の前に行われる。更に、少なくとも2つの前記定量化因子の値を比較する前記ステップで、少なくとも2つの前記定量化因子の値は、前記分類するステップで決定された前記BMIカテゴリと同じBMIカテゴリに分類された参照動揺図から得られた同一の定量化因子の値と比較される。この考慮によりBMI及び定量化因子を組み合わせてバランスを表す値を得ることにより、バランスの定量化の結果を向上させることができる。
−前記分類するステップで決定される前記BMIカテゴリは、少なくとも3つのBMIカテゴリから選択される。少なくとも3つのBMIカテゴリを定めることにより、本発明の方法によって得られるバランスを表す値の適合性を向上させることができる。これらのBMIカテゴリは、21未満のBMI、21〜30のBMI、及び30より大きなBMIである。
−ステップb)は、更に前記圧力中心の少なくとも1つの動力学軌跡パラメータの値を抽出するステップを含む。圧力中心の動力学軌跡パラメータの値を考慮することにより、ROC(受信者動作特性)曲線によって、より詳細には曲線下面積(AUC)データによって示されることができる、得られるバランスを表す値の適合性を向上させることができる。
−前記圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータは、X軸に沿った前記圧力中心の位置、Y軸に沿った前記圧力中心の位置、及び極座標における半径から選択される。圧力中心のこれらの位置軌跡パラメータは、バランス定量化に特に関連するので、本発明者によって多数の位置軌跡パラメータから選択された。好ましくは、前記圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータは、極座標における半径である。
−前記圧力中心の少なくとも1つの安定軌跡パラメータは、径方向バランス、時間バランス、及びバリスティック間隔から選択される。圧力中心のこれらの安定軌跡パラメータは、これらはバランス定量化に特に関連するので、本発明者によって多数の安定軌跡パラメータから選択された。
−前記圧力中心の少なくとも1つの動力学軌跡パラメータは、前記圧力中心の変位の速度、前記圧力中心の変位の加速度、力、及び偏差から選択される。圧力中心のこれらの動力学軌跡パラメータは、これらはバランス定量化に特に関連するので、本発明者によって多数の動力学軌跡パラメータから選択された。
−ステップc)で決定される定量化因子のうちの少なくとも1つは、上記軌跡パラメータの平均値、中央値、変動値、及び極値から選択される。あるいは、ステップc)で決定される定量化因子のうちの少なくとも1つは、上記軌跡パラメータの平均値、中央値、変動値、二乗平均値、及び極値から選択される。
−ステップb)は、ロンベルグ試験で生成された2つの動揺図から実施される。ロンベルグ試験は、姿勢医学の専門家が数十年に亘って使用してきた試験であり、これにより、特に目を閉じた状態又は目を開けた状態で得られた動揺図の値を比較することによって、本発明の状況におけるバランスを表す値を得ることができる。
−ステップc)で決定される定量化因子のうちの少なくとも1つは、上記軌跡パラメータの極値であり、この極値は、軌跡パラメータの値の5以上15以下の百分位数、又は85以上95以下の百分位数に相当する。バランスを分析するための現在の方法には一般に見られない極値の分析により、本発明の状況では特に適切な結果をもたらすことができる。
−ステップd)及びe)は、ステップc)で決定された定量化因子の値を、参照動揺図(好ましくはステップa)で決定されたBMIカテゴリと同じBMIカテゴリに分類された)から得られた同一の定量化因子の値に基づいて事前に較正されたスコアリングアルゴリズムで実行することによって実施される。ステップd)及びe)をまとめたスコアリングアルゴリズムを用いることにより、特に、上記方法の実施時間を短縮でき、かつ上記方法の効率を向上させることができる。
−事前に較正された前記スコアリングアルゴリズムは、教師あり学習統計法、好ましくはランキングフォレスト又はランダムフォレスト法を実施することによって得られた。本発明者は、バランス定量化の状況において、ランキングフォレスト又はランダムフォレスト法が極めて有効であることを発見した。好ましくは、教師あり学習統計法はバギングステップと併用される。よって、事前に較正された前記スコアリングアルゴリズムは、バギングステップを実施することを含む教師あり学習統計法を実施するステップによって得ることができる。
−上記方法は、ステップc)において、少なくとも5個の定量化因子の値を決定することを含む。従来技術の方法は、一般に動揺図から抽出した値の1対1の比較に基づくものであるが、本発明の状況では、少なくとも5個の定量化因子を組み合わせることで、より良好な性能を可能とする。
本発明は、更に個人のバランスを定量化するためのデバイスに関し、そのデバイスは、
−前記個人の少なくとも1つの動揺図と、有利には前記個人の肥満度指数データとを含むデータを受信することができる通信モジュールと、
−前記動揺図と、該当する場合には前記BMIデータとを記録することができる記憶手段と、
−前記記憶手段に接続することができる少なくとも1つのデータ処理モジュールと
を備え、前記データ処理モジュールは、
○前記通信モジュールが受信した前記個人の動揺図から、圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータの値及び圧力中心の少なくとも1つの安定軌跡パラメータの値を抽出し、
○抽出した前記軌跡パラメータの値から複数の定量化因子を決定し、
○前記定量化因子の値を、参照動揺図から得られた同一の定量化因子の値と比較し、
○前記比較に基づいて、前記個人のバランスを表す値を決定する
ように構成される。
有利には、前記デバイスは、前記個人の動揺図を、前記個人のBMIに応じた肥満度指数(BMI)カテゴリに分類するように構成された分類モジュールを更に備え、前記定量化因子の値を、前記個人の動揺図のBMIカテゴリと同じBMIカテゴリに分類された参照動揺図から得られる同一の定量化因子の値と比較する。よって本発明は、分類モジュールを備える個人のバランスを定量化するためのデバイスにも関し、
−前記通信モジュールは、更に前記個人のBMIデータを受信することができ、
−前記記憶手段は、更に前記BMIデータを記録することができ、
−前記分類モジュールは、前記個人の動揺図を、前記個人の前記BMIデータに応じたBMIカテゴリに分類するように構成され、
−前記データ処理モジュールは、更に前記定量化因子の値を、前記個人の動揺図の前記BMIカテゴリと同じBMIカテゴリに分類された参照動揺図から得られた同一の定量化因子の値と比較するように構成される。
本発明は、更に個人のバランスを定量化するためのシステムに関し、そのシステムは、
−プラットフォームと、ここで該プラットフォームは個人を載せるようにされ、また前記プラットフォーム上の前記個人の足による圧力に応じて、第1の周波数で生データを生成するように構成された圧力及び/又は力センサを備え、
−前記プラットフォームによって生成された前記生データから、前記個人の少なくとも1つの動揺図を得るようにされた生データの処理ユニットと、
−前記処理ユニットと通信することができる、本発明のバランス定量化デバイスと
を備える。
前記システムの他の任意の特徴によると、
−前記プラットフォームは、25Hz以上の周波数でその異なる複数のセンサの値を測定するように構成される。これにより、計算されるバランスを表す値の信頼性を向上させることができる。
−前記定量化デバイスは更に再サンプリングモジュールを備え、該再サンプリングモジュールは、前記生データ又は前記動揺図を第1の周波数で処理することにより、第2の周波数で再サンプリングされた動揺図を生成するように構成され、前記第2の周波数は、実質的に一定の周波数を有する。これにより、計算されるバランスを表す値の信頼性を向上させることができる。
本発明の他の利点及び特徴は、説明のためのかつ限定でない例として与えられる以下の記載を、添付の図面を参照しながら読むことで明らかになるであろう。
図1A及び1Bは、本発明の2つの実施形態によるバランス定量化方法の略図である。 y軸が前−後軸に対応し、x軸が内側−外側軸に対応する、本発明による動揺図を示す。 図3A及び3Bは、本発明による動揺図を示し、図3Aは、「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータの全ての値のX軸上の投影に対応し、図3Bは、「Y軸に沿った圧力中心の位置」パラメータの全ての値のY軸上の投影を示す。 図2に示される動揺図に基づいて計算された「時間バランス」パラメータの全ての値を、時間(X軸)の関数として示す。破線は、本発明によるバリスティック間隔パラメータを計算するための閾値を示す。 「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータの全ての値のX軸上の投影と、このパラメータから計算された4つの定量化因子とを示す。 本発明のバランス定量化方法の実施の一例を示す。楕円形の中の数字は方法のステップに対応し、長方形の中にある数字は、これらのステップを実施した後に得られる値に対応する。 図7A及び7Bは、本発明の2つの実施形態による、ランキングフォレスト型アルゴリズムから構築された2つの決定木を示し、図7Bは、BMIに応じて分類を行う予備ステップを含む。F1は、バリスティック間隔の第90百分位数に関する目を閉じた状態/目を開けた状態の比に対応し、F2は、Y軸上の位置の変動に関する目を閉じた状態/目を開けた状態の比であり、F3は、目を閉じた状態の時間バランスの変動である。 本発明のバランス定量化デバイスを示す。 本発明のバランス定量化システムを示す。 本発明のある実施形態によるランキングフォレスト型アルゴリズムから取得して作られたスコアのROC曲線を示す。
以下の記載では、本発明の意味において、「バランス」は身体の安定性、特に個人の重心の安定性に関係している姿勢バランスに相当する。本発明におけるバランスの概念は、転倒を回避する個人の能力に関係しており、静的バランス及び動的バランスを包含する。
「バランス定量化」は、本発明の意味において、個人の圧力中心の軌跡又は変位に対して、例えばスコア、分類又は等級などの値を割り当てることに相当する。このバランス定量化によりバランスを表す値を得ることができ、更にこのバランス定量化は、様々なサイズ(例えば1、5、10、100)の多くの等分又は非等分スケールに基づいて実施されることができる。バランス定量化時に割り当てられるバランスを表す値により、例えば決定規則によって、ある個人をあるグループに割り当てることもできる。本発明の定量化は、特に学習法から生成されるスコアリングアルゴリズムを実行することによって、実施されることができる。
「肥満度指数」は、本発明の意味において、ヒトの身体のサイズを推定するための値に相当する。以下において、肥満度指数データ又は肥満度指数は相互交換可能なものとして言及される。この肥満度指数は、一般にキログラム・メートル−2(kg.m−2)で表され、以下の式に基づいて計算される。
BMI=体重/身長
「BMIカテゴリ」は、本発明の意味において、BMI分類による値のグループに相当する。以下において、BMIカテゴリデータ又はBMIカテゴリは相互交換可能なものとして言及される。多くの分類が提案されている。例えば、WHOは次の分類を提案している。
<18.5 低体重
18.5〜24.99 正常体重
25〜29.99 過剰体重
≧30 肥満
本発明の意味において、「モデル」、「規則」又は「スコアリングアルゴリズム」は、バランスの定量化、即ち1人以上の個人を予め定義されたグループY内に分類すること、又は1人以上の個人をある分類内にランク付けすることを可能とする有限の一連の操作又は命令として理解される。この操作の有限シーケンスを実行することにより、例えばXを観測したYを再現する可能性が高い関数fの実行を用いて、例えば複数の特性の組Xで表される観測値にラベルYを割り当てることができる。
Y=f(X)+e
ここでeは、ノイズ又は測定誤差を表す。
「教師あり学習法」は、本発明の意味において、n個のラベル付き観測値(X1…n、Y1…n)の基底から関数fを定義する方法を意味し、ここでY=f(X)+eである。
本発明の意味において、「圧力中心」は、対象者の身体によって地面に対して与えられる垂直力の共通重心の、対象者と地面の間の接点を通る水平な平面上への投影を意味する。これらの測定は、力プラットフォーム若しくは靴又は変形可能な地面などの足底の下の圧力の分布を分析するプラットフォームを用いて実施することができる(Benda, B.J. ほか 1994年. Biomechanical relationship between center of gravity and center of pressure during standing. Rehabilitation Engineering, IEEE Transactions on 1994, 2, 3-10)。圧力中心は、重心の正確な投影でなくても、重心と緊密に関係している。圧力中心の変位は、一般にバランスを維持するために、重心の変位よりも速くて幅広い。これは、重心の位置を制御するために個人が行う努力を反映している。
本発明の意味において、「重心」は個人の身体の重心を意味する。これは本発明の意味において、個人の質量の共通重心に対応する。重心は完璧な安定状態に維持されることはできず、例えば直立時に、重心は前後及び左右に揺れる。
「動揺図」又は「圧力中心の軌跡」は、圧力中心の軌跡又は変位に関連するデータを意味する。動揺図は「スタビログラム(stabilogram)」とも呼ばれ、通常は、力プラットフォーム、センサを備えた「インテリジェント」床、又は圧力センサを備えたソールなどのプラットフォームによって生成される。これは、経時的な圧力中心の計算された軌跡に相当する。圧力中心の軌跡は、時間に応じた正規直交基準座標系x,yでの一連の位置データによって、一定時間に亘って定められる。
「プラットフォーム」は、本発明の意味において、センサ、例えば力センサ又は圧力センサタイプのセンサを含む地面に置いたデバイスに相当し、個人の足によってプラットフォームに与えられた力に比例する電気信号、光信号又は磁気信号を生成する。使用されるセンサは、例えば3つの力及びモーメント成分Fx、Fy、Fz、Mx、My及びMzを生成するためのホイートストンブリッジひずみゲージや、圧電式圧力センサ、ピエゾ抵抗式圧力センサ、又は静電容量型圧力センサにすることができる。本発明の意味において、プラットフォームは、上記センサから得られる「生データ」を生成するように構成される。
「パラメータ」、より詳細には「圧力中心の軌跡から計算されたパラメータ」は、本発明の意味において、圧力中心の軌跡の、複数の一連の値への変換を意味する。圧力中心の位置に関連する軌跡パラメータは、圧力中心の位置軌跡パラメータとも呼ばれ、圧力中心の安定性と関係又は関連している軌跡パラメータは、圧力中心の安定軌跡パラメータとも呼ばれ、圧力中心の動力学と関係又は関連している軌跡パラメータは、圧力中心の動力学軌跡パラメータとも呼ばれる。これらのパラメータについては、以下の記載において更に詳細に説明される。
「定量化因子」、より詳細には「得られたパラメータの変換から計算された定量化因子」は、本発明の意味において、あるパラメータの全ての値を選択又は変換することによって得られる単一の値を意味する。
「参照定量化因子」は、バランスが予め定量化されたヒトの参照動揺図から得られた値を意味する。
本発明の意味において、「ROC(Receiver Operating Characteristic)曲線」は、それぞれの所与の閾値に対する、モデルの特異性(偽陽性率)の関数としての感度(真陽性率)の変化を表す。これは、点(0,0)と点(1,1)の間で上昇する曲線であり、通常は最初の二等分線の上方に位置する。実際に、ランダム予測は最初の二等分線に対応する線を与える。ROC曲線に関して、この曲線が最初の二等分線の上方において高くなればなるほど、予測はより良好となり、ROC曲線の下側の面積(AUC:曲線下面積)はモデルの質を示す(理想的な予測に関して1、ランダムな予測に関して0.5)。
以下の記載では、同一の参照番号は同一の要素を指すために使用される。
第1の態様によると、本発明は、個人のバランスを表す値を得るための、その個人のバランスを定量化するための方法1に関する。現在までに認識されている方法は、視覚的評価又は観察に基づくものであり、完全に客観的なものではないのに対し、本発明の方法は値を生成し、その値はスコアによって、より詳細には数値によって表されることもできるという利点を有する。更にこの値は、完全に自動的に、客観的に、そして1つ以上の動揺図に追加してその個人に関する情報をその方法に供給する必要なしに、生成されることができる。
図1Aに示されるこの定量化方法1のある実施形態は、記憶手段280に接続された少なくとも1つのデータ処理モジュール220を備えたデバイスによって実施される。有利には、そのデバイスは、本発明の定量化デバイス2にし得る。
より詳細には、図1Aに示されるように、本発明の定量化方法1は、
a)圧力及び/又は力センサ312を備えたプラットフォーム310から得られた個人の少なくとも1つの動揺図110を記憶手段280に記録するステップ10と、
b)データ処理モジュール220によって、記憶手段280に記録された個人の動揺図110から、圧力中心の位置121に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値及び圧力中心の安定性122に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出するステップ20と、
c)データ処理モジュール220によって、ステップb)で抽出した軌跡パラメータ121、122の値から、複数の、例えば少なくとも2つの定量化因子130の値を決定するステップ30と、
d)データ処理モジュール220によって、複数の定量化因子130の値を、参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と比較するステップ40と、
e)データ処理モジュール220によって、比較40の終了時に、個人のバランスを表す値160を決定するステップ50と
を含む。
図1Bに示されるこの定量化方法1のある実施形態は、記憶手段280に接続された少なくとも1つのデータ処理モジュール220と、分類モジュール250とを備えたデバイスによって実施される。有利には、そのデバイスは、本発明の定量化デバイス2とすることができる。
より詳細には、図1Bに示されるように、本発明の定量化方法1は、
a)圧力及び/又は力センサ312を備えたプラットフォーム310から得られた個人の少なくとも1つの動揺図110と、その個人のBMIデータ16とを、記憶手段280に記録するステップ10と、
b)分類モジュール250によって、個人の1つ以上の動揺図110を、個人のBMI16に応じたBMIカテゴリ150に分類するステップ15と、
c)データ処理モジュール220によって、記憶手段280に記録された個人の動揺図110から、圧力中心の位置121、圧力中心の安定性122、及び/又は圧力中心の動力学123に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出するステップ20と、
d)データ処理モジュール220によって、ステップc)で抽出した軌跡パラメータ121、122、123の値から、複数の定量化因子130の値を決定するステップ30と、
e)データ処理モジュール220によって、複数の定量化因子130の値を、ステップb)で決定されたBMIカテゴリと同じBMIカテゴリに分類された参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と比較するステップ40と、
f)データ処理モジュール220によって、比較40の終了時に、個人のバランスを表す値160を決定するステップ50と
を含む。
本発明のバランス定量化方法1は、動揺図110に描かれたような個人の圧力中心の軌跡データの処理に基づく。
個人の圧力中心のこれらの軌跡データは、一般に圧力中心の軌跡データに相当し、一般には個人が立っているときに取得される。
好ましくは、その取得は、例えば両足を用いて、又は臀部において、立って行われる。
安定性に対する視神経求心性の影響は、一方は目を開けた状態、もう一方は目を閉じた状態の圧力中心の2つの変位又は軌跡動態を生成することによって測定される。よって好ましくは、抽出ステップ20は、個人が目を開けている際に得られた動揺図110と、個人が目を閉じている際に得られた動揺図110とから実施される。
特に、動揺図110の取得時間は、5〜70秒、好ましくは20〜60秒、更に好ましくは20〜40秒とすることができる。
有利には、圧力中心の軌跡データは、ロンベルグ試験で得ることができる。ロンベルグ試験は、個人を起立させ、静止させ、腕を身体に沿わせ、真っ直ぐ前を向いた状態とすることからなる。圧力中心の変位を30秒間記録する。例えば目を開けた状態で30秒の記録を行い、目を閉じた状態で30秒の記録を別に行う。
あるいは、支持体上に配置された、変形することができる又は固有感覚情報及び触覚情報を妨げることができる発泡体を用いることによって、その方法の感度を向上させることができる。この発泡体は、例えば1〜10ミリメートルの厚さ及び100〜500kg/mの密度を有することができる。
本発明の方法は、圧力中心の変位に関連するデータから、即ち少なくとも1つの動揺図110に基づいて、又はセンサから得られた圧力中心の変位に関連する生データに基づいて、実施されることができる。
本発明の定量化方法1は、個人の少なくとも1つの動揺図110と、有利にはBMIデータ16とを、記憶手段280に記録するステップ10を含む。この記録は、一時的又は非一時的メモリなどのあらゆるタイプのメモリで実施されることができる。この記録は、好ましくは非一時的メモリで行われる。
動揺図110は、本発明の方法が実施される十分前に、離れた場所で生成されることができる。あるいは動揺図110は、本発明のバランス定量化方法1の実施直前に、同一のシステムによって生成されることができる。よって、本発明の定量化方法1は、事前に圧力中心11の変位に関連する生データを生成するステップを含んでもよい。ただしこのステップは任意であって、本発明の定量化方法1の前に公知のデバイス及び方法によって実施されることができる。圧力中心の変位に関連する生データは、例えばプラットフォームに存在する各センサによって測定された圧力値に相当する。
これらの生データにより圧力中心の軌跡データ(即ち動揺図)に変換するステップ12を行うことができる。この変換ステップもまた、本発明の方法の前に公知の方法によって実施されることができるため、任意である。図2は、本発明による動揺図110の、より詳細には動揺図110のプロット125のグラフである。
本発明の定量化方法1は、有利には個人の1つ以上の動揺図110を、その個人のBMI16に応じた肥満度指数(BMI)カテゴリ150に分類するステップ15を含むことができる。この分類するステップは、分類モジュール250によって、記憶手段280に記録された個人の動揺図110に関して、やはり記憶手段280に記録されることができるその個人に関連するBMI値16から実施されることができる。このステップ15は、例えばその個人の動揺図にラベルを割り当てることを含んでもよく、このラベルはその個人のBMI値に依存する。その個人のBMI値は、本発明の方法の実施の十分前に離れた場所で生成されることができる。あるいはBMI値16は、本発明のバランス定量化方法1の実施直前に、同一のシステムによって生成されることができる。したがって、本発明の定量化方法1は、その個人のBMIデータ16を事前に生成するステップを含んでもよい。ただしこのステップは任意であって、上述のように、本発明の定量化方法1の前に公知のデバイス及び方法によって実施されることができる。ステップ15による分類により、1つ以上の動揺図110を、少なくとも2つのカテゴリ150、好ましくは少なくとも3つのカテゴリ150に分類することができる。例えばBMIカテゴリ150は、
−BMI21未満、
−BMI21〜30、及び
−BMI30超
とすることができる。
本発明の定量化方法1は、個人の動揺図110から複数の軌跡パラメータ120の値を抽出するステップ20を含む。この抽出ステップは、データ処理モジュール220によって、記憶手段280に記録された個人の動揺図110から実施されることができる。
この抽出ステップ20により、圧力中心の軌跡データ(即ち動揺図)を変換して、圧力中心の変位の特性を表すパラメータを得ることができる。このようにして計算されるパラメータは、例えば各時点tに関する圧力中心の速度、加速度、軸上の位置である。
この抽出ステップ20は、圧力中心の軌跡データ又は力プラットフォームの生データなどの、圧力中心の変位に関連する一連のデータから実施されることができる。あるいは実際には、本発明によるパラメータの抽出又は計算は、センサの生データから、圧力中心の軌跡データ12の生成及びその後でのパラメータ120への変換を含む単一のステップで、直接実施されることができる。
本発明者は、個人のバランスの信頼できる定量化を得るために、様々なパラメータの群からの複数のパラメータの分析を組み合わせた多重パラメータ法が不可欠であることを発見した。
本発明の方法の実施の一部として、本発明者は、抽出ステップ20で実施される上述の変換を、3つのカテゴリ、i)圧力中心の位置に関連するもの、ii)圧力中心の安定性に関連するもの、及びiii)圧力中心の変位の動力学に関連するもの、に分類した。
従って、データ処理モジュール220による個人の動揺図110からの抽出ステップ20は、
−圧力中心の位置121、
−圧力中心の安定性122、及び/又は
−圧力中心の動力学123
に関連する、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの軌跡パラメータ120を抽出するステップ20を含むことができる。
更に本発明者は、多くの軌跡パラメータから、バランスの定量化に最も有効な軌跡パラメータを選択した。本発明者は、圧力中心の位置121に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータと、圧力中心の安定性122に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータとを用いてそれを決定した。よって、本発明の定量化方法1の一部として計算される軌跡パラメータは、
−圧力中心の位置121に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータと、
−圧力中心の安定性122に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータと
を含む。
実際には、本発明者は、これら2つの種類の中の少なくとも1つのパラメータを用いることで定量化の精度を向上させることができ、それにより先行技術文献のみならず、先行技術文献の記述子を用いる発明によるスコアリングアルゴリズムに比べて、大幅に良好な性能を得ることができることが分かった。
更に本発明者は、圧力中心の動力学123に関連するパラメータを、圧力中心の安定性及び位置パラメータに追加することにより、定量化を向上させることができることも示した。よって本発明によると、計算される軌跡パラメータは、圧力中心の動力学123に関連する少なくとも1つのパラメータも含むことができる。
圧力中心の位置121に関連する変換
X軸に沿った圧力中心の位置
この位置は、X軸の平面内の正規直交基準座標系の中心線と比較した、圧力中心の位置に対応する。例えば、圧力中心の位置が時点tにおいて左に向かってシフトしている場合、X軸に沿った位置は、この時点tに関して、左での大きな支持を示す負の値を有する。この位置は、例えばミリメートルを単位として測定されることができる。図3Aは、図2に示す動揺図110から得られた、「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータ121aの一連の値を示す。
Y軸に沿った圧力中心の位置
この位置は、Y軸の平面内の正規直交基準座標系の中心線に対する、圧力中心の位置に対応する。例えば、位置が時点tにおいて後方にシフトしている場合、Y軸に沿った位置は、その時点tに関して、後方での大きな支持を示す負の値を有する。この位置は、例えばミリメートルを単位として測定されることができる。図3Bは、図2に示す動揺図110から得られた、「Y軸に沿った圧力中心の位置」パラメータ121bの離散値を示す。
極座標における半径
この距離は、正規直交基準平面による圧力中心の平均位置(0,0)からの圧力中心の距離に相当する。例えば圧力中心が、時点tにおいて、圧力中心の平均位置から60°の軸に沿って4ミリメートルだけシフトした場合、極座標における半径は、その時点tに関して4ミリメートルの値を有する。本発明者によって初めて提案されたこのような変換により、原点からの圧力中心の全体的な距離を、重心のX及びY座標に限定することなく定量化することができる。
圧力中心の安定性122に関連する変換
径方向バランス
径方向バランスは、所定の期間t秒に亘っての、ある所与の時点における現在値からの圧力中心の最大距離である。径方向バランスの計算のために考慮される時間は、0.05〜10秒、好ましくは0.1〜2秒とすることができる。径方向バランスは、取得時間に亘っての圧力中心の変位の全てのサンプリング点に関して計算される。よってこれは時間の関数であり、例えばミリメートルを単位として測定されることができる。
時間バランス
時間バランスは、圧力中心がいずれかの所与の時点におけるその位置からrミリメートルより多く移動するのに必要な時間である。時間バランスの計算のために考慮される距離rは、0.1〜20ミリメートル、好ましくは1〜10ミリメートルとすることができる。時間バランスは、取得時間に亘っての圧力中心の変位の全てのサンプリング点に関して計算される。よってこれは時間の関数であり、例えば秒を単位として測定されることができる。
バリスティック間隔
バリスティック間隔は、2つのバランス位置の間の時間間隔である。あるバランス位置は、時間バランスの高い値に対応する。好ましくは、バランス位置は、時間バランスが動揺図において観察される最大値の60%より大きくなる、好ましくは80%より大きくなる時間に相当する。バリスティック間隔は、取得時間に亘って計算され、得られる値の数は取得に応じて変わり得る。これは時間の関数ではなく、例えば秒を単位として測定されることができる。図4は、時間の関数として、図2に示す動揺図110に基づいて計算された「時間バランス」パラメータの全ての値を示す。「バリスティック間隔」パラメータ122aの値は、例えば秒で表され、これはP1とP3の間及びP4とP6の間にある値の間での時間に相当する。例えばこのパラメータは、P3−P2間、P3−P1間、P6−P1間、P6−P2間、P6−P3間、P6−P5間、P5−P1間、P4−P3間の時間差に相当する値を含む。
圧力中心の動力学123に関連する変換
圧力中心の変位の速度
圧力中心の変位の速度は、取得時間に亘っての圧力中心の変位の全てのサンプリング点に関して計算される。よってこのパラメータは時間の関数であり、例えばミリメートルで測定されることができる。
圧力中心の変位の加速度
圧力中心の変位の加速度は、取得時間に亘っての圧力中心の変位の全てのサンプリング点に関して計算される。よってこのパラメータは時間の関数であり、例えばミリメートル/秒を単位として測定されることができる。

本発明による「力」は、全てのサンプリング点に関して計算された速度と加速度とのスカラー積の値に相当する。このパラメータは、圧力中心の速度のノルムを変更するために個人が消費するエネルギを表す。
偏差
本発明による「偏差」は、全てのサンプリング点に関して計算された速度と加速度とのベクトル積のノルムに相当する。このパラメータは、圧力中心の速度(即ちその変位、その軌跡又はその移動)方向を変更するために個人が消費するエネルギを表す。
動揺図110の研究の状況において、力及び偏差は、圧力中心の変位の長さ、Y軸に応じた速度(VFY)の変動、又はLFS(即ち長さ対表面比)(これらは従来技術によると、対象者がその姿勢を制御するために消費するエネルギ消費に関する情報を提供する)を有利に置換することができる2つのパラメータである。特に、本発明者が提案した偏差により、個人のエネルギ消費量を新たな角度から評価でき、更にその偏差は、従来技術で提案されたパラメータ(例えばVFY、LFS)よりも、本発明の方法においてより適切である。
本発明の定量化方法1は、軌跡パラメータ120から複数の定量化因子130を決定するステップ30もまた含むことができる。この決定するステップ30は、データ処理モジュール220によって実施されることができる。圧力中心の軌跡データの抽出ステップ20で軌跡パラメータ120が生成されると、従来技術の作業は、一般に取得期間に亘ってのこれらのパラメータの平均及び変動のみに焦点を当てていた。
本発明者が開発した方法では、本発明者は、これらの一連の値から、他の一連の値との組み合わせにおいて個人のバランスを表す単一の値を生成するために、これらのパラメータを変換する他の多くの方法に関心を持った。従って、これまでは全く使用されなかった新たな定量化因子が生成された。
従って、軌跡パラメータ120から複数の定量化因子130を決定するステップ30は、各軌跡パラメータ120に関して、全ての値を、例えば統計的な比較モデルによって、比較の状況で使用することができる単一の値に変換することからなる。この単一の値(定量化因子)への変換は、複数の軌跡パラメータに関して、又はある同一の軌跡パラメータに関して、繰り返すことができる。図5は、「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータに関して計算されたいくつかのこれらの定量化因子を示す。
本発明の定量化方法の状況において最も有益な定量化因子は、抽出された軌跡パラメータ120の平均値、中央値、変動、二乗平均、又は極値である。したがって好ましくは、本発明の定量化方法1は、少なくとも1つのパラメータに関して、上記軌跡パラメータ(121、122、123)の平均値127、中央値128、変動、二乗平均又は少なくとも1つの極値を計算することを含む。更に好ましくは、本発明の定量化方法1は、少なくとも1つのパラメータに関して、そのパラメータの少なくとも1つの極値を計算することを含む。
パラメータの極値は、百分位数を決定することによって得られる。百分位数(percentile又はcentile)は、例えばあるパラメータの全ての値を順序付けした後に、同一個数の値を備えた100個のサブセットにソートすることによって計算されることができる。図5は、「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータの第10百分位数126及び第95百分位数129を示し、これらはそれぞれ、これらの値のうちの下位10%以内にあるX軸に沿った圧力中心の位置の最高値と、これらの値のうちの上位5%以内にあるX軸に沿った圧力中心の位置の最低値とに対応する。よって第10百分位数は、10%の低い値と90%の高い値とを分割する値であり、第95百分位数は、95%の低い値と5%の高い値とを分割する値である。好ましくは、軌跡パラメータ120の極値は、第15百分位数以下の百分位数又は第85百分位数以上の百分位数、より好ましくは第10百分位数以下の百分位数又は第90百分位数以上の百分位数、更に好ましくは第5百分位数以下の百分位数又は第95百分位数以上の百分位数に対応する。
あるいは、軌跡パラメータ120の極値は、第5百分位数以上の百分位数及び第15百分位数以下の百分位数(極小値)、又は85位数以上の百分位数及び第95百分位数以下の百分位数(極大値)に対応してもよい。
更に、定量化因子130の計算の後、本発明者は、いくつかのパラメータ又は定量化因子について、目を開けた状態(O)/目を閉じた状態(F)の比較により、バランスに関する能力を区別することができることを示した。よって本発明の定量化方法1は特に、少なくとも1つの定量化因子に関して、O/F又はF/O比を計算することを含む。
本発明者は、開発中に、バランスの定量化に特に適した一連の定量化因子130を選択した。好ましくは、本発明の定量化方法1の状況において、圧力中心の位置に関係している定量化因子を以下の値から選択する。
−圧力中心のX又はY軸上の平均又は中央値、
−圧力中心のX又はY軸上の値の二乗平均値、
−圧力中心のX又はY軸上の極値、及び
−圧力中心のX又はY軸上の変動。
特に、本発明の定量化方法1の状況において、圧力中心のX又はY軸上の極値に関係している定量化因子は、以下から選択される。
−好ましくは第10百分位数以下の百分位数である、横軸(Y)に沿った圧力中心の位置の極小値(これらの値は最大の観察された後方突進現象に相当する)、及び
−好ましくは第90百分位数以上の百分位数である、横軸(Y)に沿った圧力中心の軌跡の極大値。
好ましくは、本発明の定量化方法は、以下の定量化因子から独立して選択されることができる、圧力中心の位置に関係している少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの定量化因子を計算することを含む。
−X軸上の圧力中心の位置の第15百分位数、好ましくは第10百分位数、更に好ましくは第5百分位数であり、好ましくは個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−圧力中心のY軸上での中央値であり、好ましくは個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−圧力中心のX軸上での中央値であり、好ましくは個人が目を開けている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−Y軸上の圧力中心の位置の第15百分位数、好ましくは第10百分位数、更に好ましくは第5百分位数であり、好ましくは個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−圧力中心の軌跡のY軸上での変動であり、好ましくは個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−圧力中心の軌跡のX軸上での変動であり、好ましくは個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−Y軸上での平均又は中央値、より好ましくは、個人が目を開けているときに記録された動揺図に関するこれらの値と、個人が目を閉じているときに記録された動揺図に関するこれらの値との間の比、
−極座標における半径の極値、例えば、
○圧力中心の極座標における半径の第15百分位数、好ましくは第10百分位数、更に好ましくは第5百分位数であり、好ましくは個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
○圧力中心の極座標における半径の第85百分位数、好ましくは第90百分位数、更に好ましくは第95百分位数であり、好ましくは個人が目を開けている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−圧力中心の極座標における半径の中央値、及び
−圧力中心の極座標における半径の二乗平均値。
好ましくは、本発明の定量化方法1は、以下の定量化因子から独立して選択されることができる、圧力中心の安定性に関係している少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの定量化因子を計算することを含む。
−0.5秒の持続時間に亘っての径方向バランスの第10百分位数であり、好ましくは個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−0.1秒の持続時間に亘っての径方向バランスの第90百分位数であり、好ましくは個人が目を開けている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、
−1〜10ミリメートル、好ましくは1〜5ミリメートルの距離についての時間バランスの変動であり、好ましくは、個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関して得られる値に対する個人が目を開けている間に測定された圧力中心の変位に関して得られる値の比、
−バリスティック間隔値の平均値、二乗平均値又は中央値、好ましくは平均値であり、好ましくは個人が目を閉じている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、及び
−バリスティック間隔の極大値、即ちバリスティック間隔の第85百分位数〜第95百分位数、例えば第85百分位数、好ましくは第90百分位数、更に好ましくは第95百分位数。
好ましくは、本発明の定量化方法の状況において、圧力中心の動力学に関係している定量化因子は、力の平均値、中央値、二乗平均値又は変動から選択され、好ましくは個人が目を開けている間に測定された圧力中心の変位に関するものである。
好ましくは、本発明の定量化方法は、以下の定量化因子から独立して選択されることができる、圧力中心の動力学に関係している少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの定量化因子を計算することを含む。
−圧力中心の変位の加速度の極小値、例えば第15百分位数、好ましくは第10百分位数、
−圧力中心の変位の偏差の極小値、即ち第5百分位数〜第15百分位数、例えば第15百分位数、好ましくは第10百分位数、更に好ましくは第5百分位数であり、好ましくは個人が目を開けている間に測定された圧力中心の変位に関するもの、及び
−圧力中心の変位の速度の極大値、例えば第85百分位数、好ましくは第90百分位数であり、好ましくは個人が目を開けている間に測定された圧力中心の変位に関するもの。
本発明者は初めて、複数のパラメータ及び/又は定量化因子の組み合わせに基づく多重パラメータ法を提案している。よって、圧力中心の安定性122に関係している少なくとも1つのパラメータ、及び圧力中心の位置121に関係している少なくとも1つのパラメータを抽出することに加えて、本発明者は、本発明の定量化方法1において更に信頼できる値を得るために、複数の定量化因子、例えば同一の軌跡パラメータに関連する複数の定量化因子を計算した後に、これらを組み合わせることが好ましいと判断した。よって、可能な最良の方法でバランスを定量化するために、より詳細には転倒のリスクを予測するために、軌跡パラメータ120から少なくとも5個の定量化因子130、更に好ましくは少なくとも8個の定量化因子130を計算することが好ましい。
本発明者はまた、BMIカテゴリ150と、圧力中心の軌跡に関係している定量化因子との併用も初めて提案している。よって本発明者は、本発明の定量化方法1において信頼できる値を得るために、及び可能な最良の方法でバランスを定量化するために、より詳細には転倒のリスクを予測するために、複数の定量化因子を組み合わせることに加えて、1つ以上の動揺図をBMI値に従って分類することが有利であると判断した。
よって、本発明の定量化方法1は、定量化因子130の複数の値を、参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と、好ましくはステップb)で決定されたBMIカテゴリ150と同じBMIカテゴリ150に分類された参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と、比較するステップ40を含む。
上記比較ステップは、データ処理モジュール220を用いて実行されることができ、そして公知の統計的方法を用いて実施されることができる。好ましくは、この比較ステップ40は、パーセプトロン、カーネル、多重カーネル学習、サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、バギング、AdaBoost、k近傍法及び/又はペナルティ付与フィッシャー線形判別などの、比較、分類又は学習モデルを用いて実施されることができる。
これらの統計的方法のうち、線形回帰モデルは単純であって実施が容易である。しかしながら、これらの線形モデルは線形性の仮説によって制限され、本発明の定量化方法1には最適でない。よって比較ステップ40は、非線形統計モデルを使用することを含む。
より好ましくは、比較ステップ40は、あるデータセットに関して訓練されて、集団の新たな観測のラベルを予測するように構成されたモデルに基づく。例えば較正のために、複数の参照動揺図111並びにそれに関連する参照パラメータ及び/又は定量化因子によって、並びにバイナリラベル(ラベル又は種類)、例えば「良いバランス」/「悪いバランス」の形式のバイナリラベルによって特徴付けられた、ある集団を代表する複数の個人の組からのあるデータセットを使用することができる。本発明の状況においては、個人の動揺図110のBMIカテゴリと同じBMIカテゴリ150に分類される参照動揺図111に対する上記比較が有利である。よって比較ステップ40は、参照動揺図111を、その参照動揺図111に添付されたBMIデータ16に応じて分類する予備的なサブステップを含んでもよい。データセットは複数のラベルを含むこともできる。本発明の状況において、定量化方法1は、少なくとも25個の参照動揺図111、好ましくは少なくとも50個、更に好ましくは少なくとも100個の参照動揺図111に基づくことができる。
比較ステップ40は、教師あり統計学習モデルを使用することを含む。実際には、本発明者は、本発明の定量化方法1の状況において、最良の定量化結果は、教師あり統計学習原理に基づく方法、好ましくは多変量データに適応した方法から得られると判断した。
教師あり学習法の中で、本発明者はいくつかのより有効な処理方法を特定した。これは、本発明の方法から得られる定量化因子が、大きなアンバランス及び全体的に不均一な測定基準を有するデータセットに由来するという事実に関係し得る。よって好ましくは、この比較ステップ40は様々な非線形教師あり統計学習法を用いて実施される。例えば、以下を挙げることができる。
−例えばBurgesによって1998年に記載されている(Data Mining and Knowledge Discovery. A Tutorial on Support Vector Machines for Pattern Recognition)、カーネル法(例えばラージマージンセパレータ−サポートベクターマシン(SVM)、カーネルリッジ回帰)、
−例えばBriemanによって2001年に記載されている(Machine Learning. Random Forests)、アンサンブル法(例えばバギング、ブースティング、決定木、ランダムフォレスト)、又は
−例えばRosenblattによって1958年に記載されている(The perceptron: a probabilistic model for information storage and organization in the brain)、ニューラルネットワーク。
上述のように、本発明の方法の目的は、個人がどのグループに属するかを予測することを超えて、バランスを定量化すること、即ち質の数値又はレベルを個人のバランスと関連付けることである。よって本発明の定量化方法1は、比較ステップ40の結果に基づいて、個人のバランスを表す値160を決定するステップ50を含む。
好ましくは、バランスを表す値160は、集団を構成する個人をランク付けするための、その集団における順序関係の定義に基づくことができる。このステップは、バイナリ順序付け(binary ordering)と呼ぶことができる。実際には、バイナリ順序付けの課題は、ラベルYが既知でない確率変数Xの少なくとも1つの新規の観測値Xを順序付けするために、ペア(X,Y)のコピーのサンプルSn={(Xi、Yi),1≦i≦n}からモデルを学習することからなる。このようなモデルにより、正となる可能性が最も高い観測値を一番上の分類に置き、負となる可能性が最も高い観測値を一番下の分類に置くことによって、新規の観測値を順序付けすることができる。
あるいは、このバランスを表す値160の割り当ては、フレキシブルマージンSVM又はガウス混合モデルなどの複数の統計的方法に基づくことができる。
好ましくは、本発明の定量化方法1は、スコアリングアルゴリズム500を使用することを含み、スコアリングアルゴリズム500はデータ処理モジュール220に組み込まれることができ、そして以下を実行するように構成されることができる。
−複数の定量化因子130の値を、有利には個人の動揺図110のBMIカテゴリと同じBMIカテゴリ150に分類された参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と比較するステップ40、及び
−その比較の終了時に、個人のバランスを表す値160を決定するステップ50。
このスコアリングアルゴリズム500は、異なる教師あり学習モデルから構築されてもよい。更に好ましくは、このスコアリングアルゴリズム500は、順序付け規則のリスクを最小化することによってより効率的な予測規則を得るように構成された、RankBoost、AdaRank、Rank SVM、Lambda rank、ランキングフォレスト又はニューラルネットワークなどの方法の教師あり統計学習モデルに基づく。更に、バランス定量化のためのBMI分類の重要性の一部として、本発明の定量化方法1は、BMIカテゴリ150毎に1つのスコアリングアルゴリズム500を使用することを含んでもよい。
更に好ましくは、この又はこれらのスコアリングアルゴリズム500は、複数の非線形教師あり統計学習モデルの組み合わせから構築されたものであってもよい。従って好ましくは、スコアリングアルゴリズム500の生成は、「バギング」ステップ及び/又はブースティングステップを含むことができる。例えばスコアリングアルゴリズム500は、バギングステップを用いて構築された複数のランキングツリー型の木を含んでもよい。実際には、本発明の状況において本発明者が開発したスコアリングアルゴリズムは、それらがバギングステップを含む場合に極めて有効である。
更に好ましくは、ランキングフォレスト又はランダムフォレスト法を実行することにより、事前に較正されたスコアリングアルゴリズム500を得た。
バギング、即ちブートストラップアグリゲーティングは、初期学習セットの異なる複数のサブセットで学習アルゴリズムを訓練する方法である。実際には、B個のサブセットは、そのそれぞれをランダムにN回抽出して、これらを初期学習セットに戻すことによって生成される。これらのサブセットはブートストラップサンプルと呼ばれる。バギング及びその実行については、Galarほかの2011年(A Review on Ensembles for the Class Imbalance Problem: Bagging-, Boosting-, and Hybrid-Based Approaches)に詳述されている。バギングは、決定木などの学習アルゴリズムと組み合わせると極めて有効であり、本発明者は、本発明の方法にはアンダーバギング法が特に好適であることも発見した。
ブースティングは、AdaBoost、LPBoost、TotalBoost、BrownBoost、xgboost、MadaBoost、LogitBoostなどのアルゴリズムのセットを包む。ブースティングは、複数の「弱い」(即ち可能性の認識と同程度に少なくとも2つの種類を認識することができる)決定規則を組み合わせることによって正確な決定を生成するために、学習アルゴリズムを訓練する方法を指す。ブースティングにより、複数の弱い規則の連続的な反復によって、強い分類規則又は決定規則を生成することができる。従ってブースティングは逐次法であり、各サンプルは、1つ前のサンプルに対する基本規則の実行に従て抽出される。ブースティング及びその実行については、Freund及びSchapireによって1999年(Machine Learning Large. Margin Classification Using the Perceptron Algorithm)に詳述されている。
ランダムフォレスト分析又はランダムフォレストは、教師あり統計学習法の1つである。これはバギングの原理に基づくものであり、この分析の独自性は、少数の変数を用いて構築されたK個の木の集合である。各ノードは少数の変数を用いて構築されるが、常に一定であり、ランダムに選択される。例えば、同一の変数Yを予測するために、複数の独立したモデルを構築し、これらのモデルの予測を集約する。独立した複数のモデルのこのような集約により変動を低減でき、従って予測誤差を低減することができる。
好ましくは、本発明の定量化方法1により、バランスの質に比例するスコア又は0〜100の値の形式で、バランス定量化を得ることができる。例えば、30未満の値は悪いバランスを示す。
好ましくは、比較の結果に基づいてバランスの値を決定するステップの後に、得られたバランスを表す値160を記録し、場合によりその値を、その個人に関する固有の識別子と関連付けるステップ60が続く。
従ってこれにより、その個人は、自身のバランスを表す値160を経時的に比較することができる。よって好ましくは、本発明の定量化方法1は、その個人のバランスを表す値160の変化、従ってその個人のバランスの質の変化を追跡するために、異なる日に同一の個人に実施されることができる。
図1に示されるように、本発明のバランス定量化方法1は、上記のバランスを表す値160をグラフで表すステップ70もまた含んでもよい。その値は、表示モジュール340aによってディスプレイに表示されることができる。このディスプレイは、値又はグラフを表示する簡単なディスプレイとすることができる。
このグラフは、バランスを表す値160の経時的な変化、又は複数の個人のあるグループ内におけるこの値の位置付けを示すことができる。
上記のバランスを表す値160は、タブレット、サーバ又はパーソナルコンピュータなどの遠隔システムに伝送されることもできる。従って本発明の定量化方法1は、バランスを表す値160、計算された定量化因子、及び/又は計算されたパラメータを、タブレット、サーバ又はコンピュータなどの少なくとも1つの通信システムに、少なくとも1つの通信ネットワークを介して伝送するステップを含んでもよい。
好ましくは、本発明は、静的バランス及び動的バランスを定量化することを含む、バランス定量化方法1に関する。更に好ましくは、本発明は、静的バランスの定量化に関する。
この新規のバランス定量化方法1の開発の一部として、本発明者は、開発した静的モデル及び特にROC曲線が使用するスコアリングアルゴリズムによって得られた、バランスを表す値160の妥当性を検証した。本発明者が使用する、開発した静的モデル及び特にスコアリングアルゴリズム500により、0.7より大きい、好ましくは0.8より大きいAUCを得ることができる。
図6は、本発明のある特定の実施形態を示す。本発明者はこの実施形態から、実施例において示されるように49人の個人の動揺図を分析した。図10は、本発明のある特定の実施形態を示す。本発明者はこの実施形態から、実施例において示されるように84人の個人の動揺図を分析した。
図7A及び7Bは、ランキングフォレストモデルによって構築された、本発明による2つの決定木を示す。図7Bは、ここでは二項選択として表される、個人のBMI値16に応じて動揺図110をBMIカテゴリ150(例えばBMI<21)に分類するステップ15が先行する決定木を示す。
本発明の意味において、F1及びF2は、圧力中心の位置121に関係しているパラメータに関連する定量化因子に相当する。更に、バリスティック間隔の第90百分位数は、本発明の意味において特に好ましい定量化因子である。
F3は、圧力中心の安定性122に関連する定量化因子に相当する。
スコアリングアルゴリズム500によるこれらの定量化因子の組み合わせにより、バランスを表す値160(例えば0、0.33、0.66、1)を生成することができる。
ある態様によると、本発明は、本発明のバランス定量化方法1を実施することができるバランス定量化デバイス2に関する。
より詳細には、本発明のバランス定量化デバイス2は、
−個人の動揺図110を受信することができる、例えば個人の少なくとも1つの動揺図を含むデータを受信することができる通信モジュール210と、
−記憶手段280と、
−データ処理モジュール220と
を含む。
あるいは、本発明のバランス定量化デバイス2は、
−個人の少なくとも1つの動揺図110と、その個人の肥満度指数データ16とを含むデータを受信することができる通信モジュール210と、
−動揺図110及びBMIデータ16を記録することができる記憶手段280と、
−分類モジュール250と、
−データ処理モジュール220と
を含む。
本発明のバランス定量化デバイス2を、図8に概略的に示す。これらのモジュールは図8では別個のものであるが、本発明は、本明細書に記載の全ての機能を組み合わせた単一のモジュールなど、異なるタイプの構成を提供してもよい。これらのモジュールは複数の電子基板に分割される又は単一の電子基板に集められることができる。
通信モジュール210は、プラットフォーム、タブレット、電話、コンピュータ又はサーバなどの遠隔システムに対して、情報を送受信するように構成される。その通信モジュールにより、データを少なくとも1つの通信ネットワークで伝送でき、有線又は無線通信を備えることができる。好ましくは、その通信は、wifi、3G、4G及び/又はBluetooth(登録商標)などの無線プロトコルによって作動する。
通信モジュール210により、例えば圧力中心の変位の生データ、BMIデータ16又は動揺図110を受信することができる。通信モジュール210はまた、計算されたパラメータに関連するデータ、計算された定量化因子に関連するデータ、及びバランスを表す値160に関連するデータを送信するようにも構成される。これらのデータ交換は、圧力センサの生の値を含むファイル;圧力中心の軌跡の座標を含むファイル;並びにパラメータ120、定量化因子130、カテゴリデータ150、その個人の肥満度指数データ16、及び動揺図110から決定されたバランスを表す値160を含むファイルの送受信の形態を取ることができる。
交換されたデータは、好ましくは暗号化された形式に変換されて、調べられる個人に固有の鍵に関連付けられることができる。
データ処理モジュール220は、
・通信モジュール210によって伝送されたある個人の動揺図110から、圧力中心の位置121に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値、及び圧力中心の安定性122に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出し、
・抽出した軌跡パラメータ121、122の値から、複数の定量化因子130を決定し、
・その定量化因子130の値を、参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と比較し、
・その比較に基づいてその個人のバランスを表す値160を決定する
ように構成される。
あるいは、データ処理モジュール220は、
・通信モジュール210によって伝送されたある個人の動揺図110から、圧力中心の位置121、圧力中心の安定性122、及び/又は圧力中心の動力学123に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出し、
・抽出した軌跡パラメータ121、122、123の値から、複数の定量化因子130を決定し、
・その定量化因子130の値を、その個人の動揺図110のBMIカテゴリと同じBMIカテゴリ150に分類された参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と比較し、
・その比較に基づいてその個人のバランスを表す値160を決定する
ように構成される。
有利には、データ処理モジュール220はプロセッサを有し、記憶手段280に接続することができる。
記憶手段280は、一時的メモリ及び/又は非一時的メモリを備えてもよい。記憶手段280は、例えばファイルの形式で、圧力センサの生の値、圧力中心の軌跡の座標、パラメータ120、定量化因子130、BMIデータ16、BMIカテゴリデータ150、及び1つ以上の動揺図110から決定されたバランスを表す値160を記録することができる。非一時的メモリは、例えばデータ処理モジュールの構成を記録することができ、同時に非一時的メモリは、例えば動揺図110を記録することができる。非一時的メモリは、CD−ROM、メモリカード、又はリモートサーバにホストされたハードドライブなどの媒体とすることができる。
好ましくは、データ処理モジュール220は、本発明の定量化方法1の異なる複数のステップを実施するように構成される。よって、本発明のバランス定量化方法1の好ましいステップはまた、本発明のデータ処理モジュール220についての好ましい構成でもある。
本発明の定量化デバイス2はまた、動揺図110を生成するためのモジュール230を含んでもよい。このモジュールは、力又は圧力センサによって生成されたものなどの圧力中心の変位の生データから、動揺図110に関連するデータ(例えば、時間に応じたx及びy軸に沿った位置)を生成するように構成される。
本発明の定量化デバイス2はまた、再サンプリングモジュール240を含んでもよい。実際には、圧力中心の変位の生データ又は動揺図110を生成することができる全てのデバイスが、制御されたサンプリング周波数を提供するわけではない。従って一部のデバイスは、動揺図110が第1のランダムな周波数で生成される状態を引き起こすことがあり、その周波数は、取得中に、例えばある同一の動揺図110に関して10〜1000Hzの間で絶えず変化するため、予測できない。しかしながら、このような周波数の変化は、本発明のバランス定量化方法1の性能の低下をもたらし得る。よって好ましくは、再サンプリングモジュールが、第2の周波数で実質的に一定の周波数を用いて再サンプリングされた動揺図110を生成するために、生データ又は動揺図110を第1の周波数で処理するように構成される。「実質的に一定の周波数」は、動揺図110内で10%未満だけ変化する、好ましくは5%未満だけ変化する、更に好ましくは1%未満だけ変化する周波数と理解される。
再サンプリングモジュール240が生成した第2の周波数の動揺図110は、25Hz以上のサンプリング周波数を有する。好ましくは、第2の周波数は、参照動揺図111の周波数と実質的に同一である。
本発明のバランス定量化方法は、個人の動揺図110を、その個人のBMI16に応じた肥満度指数(BMI)カテゴリ150に分類するように構成された分類モジュール250を備える。
本発明のバランス定量化デバイスは、干渉信号を削減又は抑制するために、圧力又は力センサによって生成された生データをフィルタリングするように構成されたノイズ除去モジュール290を備えてもよい。ノイズ除去は、ウェーブレットノイズ除去、閾値処理、ウィーナーフィルタ、及びデコンボリューションなどの様々な方法に基づくことができる。
そのデバイスはまた、コントロールインタフェース260を備えてもよい。このコントロールインタフェースは、ユーザがバランス定量化デバイスと相互作用することができるように構成される。コントロールインタフェースは、例えばユーザコマンドを受信することができる手動の作動装置(例えばボタン)又はタッチスクリーンを備えてもよい。
上記デバイスはまた、表示モジュール270を備えてもよい。この表示モジュールは、液晶ディスプレイを備えてもよい。その表示モジュールにより、定量化の結果、バランスを表す値160、その値の経時的な進行、及び複数のヒトのグループ内でのバランスを表す値160に関するその位置付けなどの様々な情報を表示することができる。
別の態様によると、本発明は、本発明の定量化方法1を実施するようにされた、図9に示されるバランス定量化システム3に関する。好ましくは、個人のバランスを定量化するためのシステム3は、
−プラットフォーム310と、ここでプラットフォーム310は、個人を載せるようにされ、またプラットフォーム310上のその個人の足による圧力に応じて、第1の周波数で生データ313を生成するようにされた圧力及び/又は力センサ312を備え、
−プラットフォーム310によって生成された生データ313から、その個人の少なくとも1つの動揺図110を得るようにされた生データの処理ユニット320と、
−その処理ユニット320と通信することができる上述のバランス定量化デバイス2と
を備える。
図9に示されるように、本発明のプラットフォーム310は、個人を載せることを意図した支持体であり、力及び/又は圧力センサを用いて圧力中心の変位を測定することができる。圧力中心を測定するためのいずれのセンサシステムも使用することができる。唯一の要件は、プラットフォーム310が、圧力中心を位置付けるための生データを生成できなければならないことである。この支持体は、例えば1対のソールや、センサ又はスケールを備えた「インテリジェント」床とすることができる。好ましくは、プラットフォーム310はトレイ311を有する。通常は、トレイ311の一辺の寸法は15〜70cm、好ましくは25〜40cm程度にすることができる。このトレイ311は、例えば複数の個人間で、及び同一の個人について経時的に、足の再現性のある配置を可能とするテンプレートを含むことができる。
プラットフォーム310は、所与の時点においてトレイ上に与えられた圧力又は力を測定するように構成され、そのためにセンサ312を含む。そのセンサは、与えられた力を、生データに対応する電気信号、光信号又は磁気信号に変換する。これらの生データは、圧力中心の座標を特定し、そしてその経時的な変化を追跡するために、組み合わせて処理されることができる。これらのセンサは、圧力又は力センサとすることができる。力センサは、立っている対象者の支持力の結果を測定する。プラットフォームに与えられた力及びモーメントの測定により、圧力中心の座標を特定でき、またその経時的な変化を追跡することができる。圧力センサは、例えばトレイに載っている個人の体重によって生じた圧力、又は個人の足によってプラットフォーム上に与えられた圧力を測定又は検出するように構成された、圧力セルを備えてもよい。これらのセンサから得られたデータは、生データである。プラットフォーム310はまた、複数の抵抗式又は圧電式センサ(例えば1000〜6000個のセンサ)を備えることもできる。好ましくは、プラットフォームの両端に位置する4個のセンサが存在し、例えば右側のセンサと左側のセンサ、又は上側のセンサと下側のセンサは20〜50cm離れる。例えば図9に示されるように、プラットフォーム310は、トレイの4つの隅(左上、右上、左下、右下)に位置する4個のセンサ312を有する。
プラットフォーム310は有利には時間カウントモジュールを含み、そしてその種々のセンサ312の値をランダムな間隔で、例えば10Hzから1000Hzまで変化し得る周波数で測定するように構成されることができる。好ましくは、プラットフォーム310は、25Hz以上、好ましくは50Hz以上の周波数で、その種々のセンサ312の値を測定するように構成される。
更に好ましくは、プラットフォーム310は、動揺図110を取得する際に、25Hz以上の周波数でかつ実質的に一定の方法で、その種々のセンサ312の値を測定するように構成される。実際には、サンプリング周波数が低すぎる、又はあまりにランダムであると、バランスの定量化は十分に正確にはならない。周波数が一定でない場合、好ましくは平均取得周波数を60Hz以上、より好ましくは75Hz以上とする。
プラットフォーム310は表示デバイスを含んでもよく、好ましくはトレイ311上に立っている個人がその表示デバイスを見ることができるように配置される。
プラットフォーム310はまた、個人に指示(例えばトレイ311に乗る、又はトレイ311から降りる)を与えることができる、スピーカーデバイスを含んでもよい。これらの指示はまた、表示デバイスによって与えられることもできる。
プラットフォーム310はまた、個人の体重、脂肪分、水分、骨、筋肉量、心拍数、及び/又は肥満度指数を測定するためのモジュールを含むこともできる。
バランス定量化システム3はまた、プラットフォームによって生成された生データを処理するためのユニット320も含む。この生データの処理ユニット320は、センサ312によって生成された生データから、個人の少なくとも1つの動揺図110を生成するように用意及び/又は構成される。この生データの処理ユニット320は、例えば図9に示されるようにプラットフォーム310に組み込まれることができる。しかしながら、生データの処理ユニット320は、リモートサーバ330、定量化デバイス2(例えば、この定量化デバイス2は、それにより動揺図110を生成するためのモジュール230も組み込む)、又は制御デバイス340に組み込まれることもできる。
バランス定量化システム3は、図9に示されるようなリモートサーバ330を含んでもよい。例えば、ウェブインタフェースにより、又は制御デバイス340に直接実装された適切な機能により直接、このリモートサーバ330にアクセスすることができる。1つ以上の制御デバイス340とリモートサーバ330との間の全ての通信は、例えばHTTPSプロトコル及びAES512暗号化によって保護されることができる。
このリモートサーバは、定量化デバイス2をホストすることができる。よって、単一の定量化デバイス2が複数の個人を追跡することができる。
本発明の定量化システムは、プラットフォーム310及びバランス定量化デバイス2と相互作用するように構成された、システム制御デバイス340を含んでもよい。このシステム制御デバイス340により、例えばプラットフォーム310からのデータ取得を制御でき、また定量化デバイス2からの結果を表示することができる。
このシステム制御デバイス340は、好ましくはタブレット340a、ラップトップ、又は腕時計などのモバイル機器である。
本発明の定量化システムは、身長及び体重データから個人のBMIを決定するように構成された、BMI決定デバイス350を含んでもよい。
別の態様によると、本発明は、本発明のバランス定量化方法1を実施するように構成されたコンピュータプログラム4に関する。コンピュータプログラム4は、非一時的記憶媒体に記録され、コンピュータ、タブレット又はサーバで実行されることができ、そのコンピュータプログラムは少なくとも、
−ある個人の動揺図110から、圧力中心の位置121に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値、及び圧力中心の安定性122に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出するようにされたアルゴリズムと、
−抽出した軌跡パラメータ121、122の値から、複数の定量化因子130を決定するようにされたアルゴリズムと、
−その定量化因子130の値を、参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と比較するようにされたアルゴリズムと、
−その比較に基づいてその個人のバランスを表す値160を決定するようにされたアルゴリズムと
を含む。
別の態様によると、本発明は、本発明のバランス定量化方法1を実施するように構成されたコンピュータプログラム4に関する。コンピュータプログラム4は、非一時的記憶媒体に記録され、コンピュータ、タブレット又はサーバで実行されることができ、そのコンピュータプログラムは少なくとも、
−ある個人の動揺図110を、その個人のBMI16に応じた肥満度指数(BMI)カテゴリ150に分類するようにされたアルゴリズムと、
−ある個人の動揺図110から、圧力中心の位置121、圧力中心の安定性122、及び/又は圧力中心の動力学123に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出するようにされたアルゴリズムと、
−1つ以上の抽出した軌跡パラメータ121、122、123の値から、複数の定量化因子130を決定するようにされたアルゴリズムと、
−その定量化因子130の値を、動揺図110のBMIカテゴリ150と同じBMIカテゴリ150に分類された参照動揺図111から得られた同一の定量化因子の値と比較するようにされたアルゴリズムと、
−その比較に基づいてその個人のバランスを表す値160を決定するようにされたアルゴリズムと
を含む。
より好ましくは、そのコンピュータプログラム4は、非一時的記憶媒体に記録され、コンピュータ、タブレット又はサーバで実行されることができ、そのコンピュータプログラムは少なくとも、
−任意である、ある個人の動揺図110を、その個人のBMI16に応じた肥満度指数(BMI)カテゴリ150に分類するようにされたアルゴリズムと、
−ある個人の動揺図110から、圧力中心の位置121に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値、圧力中心の安定性122に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値、及び圧力中心の動力学123に関連する少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出するようにされたアルゴリズムと、
−抽出した軌跡パラメータ121、122、123の値から、複数の定量化因子130を決定するようにされたアルゴリズムと、
−複数の定量化因子130の値を比較し、その比較に基づいてその個人のバランスを表す値160を決定するようにされたスコアリングアルゴリズムと
を含む。
本発明の方法、デバイス、システム及びコンピュータプログラムにより、個人のバランスの定量化が可能となり、そしてこれらは多数の用途を有することができる。
実際には、本発明により、個人のバランスに関連する次の3つの主要な質問、
−A]自然な又は治療下でのバランスの変化、
−B]バランスの質、及びそれによる必然の結果、起こり得るバランス障害の重症度(例えば転倒のリスクの度合い)、並びに
−C]起こり得るバランス障害の1つ以上の原因
に答えるために、個人のバランスの数字での客観的な値を得るための測定ツール、即ち方法、その方法を実施するためのデバイス、及びそのデバイスを組み込むシステムを提供することができる。
実際には、個人のバランスを表す、その個人のバランスの質を示す値160の生成により、その個人又は他の人がこのバランスに数字での客観的な値を割り当てることができる。
これらの値又はスコアは、学習された基準からの偏差を特定するために、経時的な監視の一部として用いられることができる。
同様に、本発明は異なる治療の効果を明らかにするために使用されることができ、更に本発明によるバランスの定量化によって回復率を追跡することができる。よって本発明は、スポーツプログラム、人工器官、スポーツシューズ、補償インソール、リハビリテーションプロトコル、神経学的障害治療及び/又は外科技術の成果評価の状況において実施されることができる。本発明の方法は、特に高齢者に適応される。
更に本発明を用いて、ある個人のバランスの質を他の個人のバランスの質と比較して、例えばその個人が転倒のリスクを有するかどうかを決定することができる。よって本発明は、転倒のリスクの測定の一部として、例えば6ヶ月において実施されることができる。この状況において、本発明の定量化方法1によって決定されたバランスを表す値160は、6ヶ月における転倒のリスクの指標値となる。特に本発明の意味において、その個人は60歳より上の、好ましくは70歳より上のヒトである。
更に、ある個人で得られた定量化因子130の値を、異なるカテゴリのヒトにおいて得られた定量化因子の値と比較することにより、どのようにその個人を看護すべきかの目標を設定し、その個人を適切なサービス(例えば外傷学、リウマチ学、神経学)に誘導することを支援することができる。従って本発明は、バランス障害の原因を決定する状況において実施されることができる。
研究対象となる個人
以下に示す結果は、「Agence National de Securite du Medicament et des produits de sante」によって承認されたプロトコルにより得られたものであり、全ての参加者について書面による同意を得た。
本発明を、以下の特徴を有する49人の個人の第1グループに対して実施した。
−年齢70歳より上、
−プラットフォーム上で立つことができる、
−診察時のBMIが21未満、及び
−インフォームドコンセントが得られている。
この研究において、その49人の個人には以下が含まれていた。
−27人は、診察前6ヶ月以内に転倒が報告された、
−7人の転倒は外傷及び入院に至った、
−16人は外傷に至ったが入院には至らなかった、
−4人は良性として分類された(外傷なし、入院なし)。
本発明を、84人の個人の第2グループに対しても実施した。参加者は、様々な場所、ヴァル=ド=グラース病院(パリ、フランス)の神経科、ベギン病院(パリ、フランス)の救急科、及び診療所(パリ、フランス)の診察室から集められた。試験対象患者基準は第1グループの個人と同様であり、年齢65歳より上、一般的な医学的又は神経学的診療を受けている、プラットフォーム上で立つことができる、バランス関連の障害に罹患していない、インフォームドコンセントが得られている、というものであった。
健康な個人、即ち臨床検査後に無症状の個人のみをこの研究に含めた。顕著な高血圧(平均収縮期血圧(SBP)140mmHg、又は平均拡張期血圧(DBP)90mmHg)である対象者、低血圧(SBP90mmHg又はDBP60mmHg)である対象者、際だった変化のある対象者、又はバランスを大きく変え得る薬物(血管作用薬、向精神薬など)を摂取している対象者は除外した。
圧力中心の変位の測定
診察中にWiiバランスボード(登録商標)を用いて個人の圧力中心の移動を追跡し、本発明の一部として特別に開発したカスタムアプリケーションを用いて記録した。足を、肩幅を越えずに、患者にとって最も快適な位置に配置した。圧力中心の軌跡を、目を開けた状態で20秒間、その後に目を閉じた状態で20秒間記録した。第2グループの個人について、圧力中心の軌跡を、目を開けた状態で25秒間、その後に目を閉じた状態で25秒間記録した。過去6ヶ月に発生した転倒についての報告を記録するために、各個人に転倒に関する質問を行った。
予備処理
動揺図の計算の前に、WBBによる生の信号の出力をノイズ除去処理及び再サンプリングした。
統計的分析
各動揺図に関して、15個の定量化因子を動揺図から計算した。
参照動揺図から得られた定量化因子により、図7に示される決定木の下位部分のようなランキングフォレストアルゴリズムに基づくスコアリングアルゴリズムを設定することができる。F1は、バリスティック間隔の第90百分位数に関する目を閉じた状態/目を開けた状態の比に対応し、F2は、Y軸上の位置の変動に関する目を閉じた状態/目を開けた状態の比であり、F3は、目を閉じた状態の時間バランスの変動である。分析対象の動揺図から得られた定量化因子は、このスコアリングアルゴリズムのための入力となり、スコアリングアルゴリズムは、バランスを示す値、より詳細には個人の転倒のリスクを示す値を、0〜1で計算する。低いスコアは転倒のリスクが高いことに対応し、高いスコアは転倒のリスクが低い特性を示す。各動揺図に関して、以下の5個の異なるパラメータを計算した。
1)内側−外側軸に沿ったCoP(圧力中心)の位置、
2)前−後軸に沿ったCoPの位置、
3)CoPの位置と軌跡の中心の間の距離、即ち半径、
4)CoPの瞬間加速度、及び
5)バリスティック間隔、即ち密度ピーク間の距離(ここで動揺密度は、現在位置を中心とする時間的に小さな空間円として定義される)
次にこれらの5つの指数がこれらの信号から算出される(得られる定量化因子は、下の表1に定義されている)。これらは信号の5次元表現をエンコードする。
表1.使用した定量化因子の概要
従って本発明は、従来技術とは異なり、個人のバランスに関する数字での客観的な値を得るための測定ツールを提供する。
第2グループの個人の結果
参加者の年齢、性別、体重、身長に関する基本的なデータを収集した。これを以下の表に示す(表2)。
表2.サンプルに含まれる患者の統計データ。転倒者は、過去6ヶ月に少なくとも1回の転倒を報告した患者である。2つの母集団において、性別、年齢、体重、身長及び肥満度指数(BMI)に関する有意差は見られなかった。
この実施例の母集団では、定量化因子(5)を除き、個別に使用されたほとんどの定量化因子は、従来のウィルコクソン検定によって有意な結果(p<0.05)を示さず、ROC分析におけるこれらの性能はランダムな分類要素の性能に近いものであった(AUC=0.49〜0.54)。これは、2つのグループを適切に分類してバランスを定量化するための単一の記述子の能力に疑問を呈する(表3)。
表3.使用した各定量化因子に関する、転倒者及び非転倒者についての平均及び標準偏差、AUC、ウィルコクソンランクの合計の試験に関するp値
表3において、本発明者は、その指数単独では転倒者と非転倒者とを分類できないことを観察した。これは、実施例の母集団において、一部の転倒者及び非転倒者が極めて類似した動揺図を有しているという事実によるものであり得る。例えば、転倒しやすい一部の対象者は、比較的大きな動揺図及び前−後座標での高い変動を有するが、他の対象者は狭いCoP軌跡を有し得る。
表3において、本発明者は、これらの本質的に矛盾する特性により、線形アプローチの分類精度に疑問があることを観察した。これは、その方法が転倒者の1つ以上のカテゴリに誤ったラベルを付与する傾向があるためである。
更に、定量化因子(1)単独の使用はランダムに近いAUCを生成するものの、これはウィルコクソン検定では有意なp値を示した(表3を参照)。対照的に、全ての定量化因子を複雑かつ非線形的な方法で組み合わせるランキングフォレストアプローチにより、0.75という有意なAUCを得ることができる。これらの方法によって得られるROC曲線は、図10に示されている。
最後に表4は、この実施例で使用した定量化因子の重要度の相対平均を示す。全ての定量化因子が、アルゴリズムによって重要とみなされたことに留意されたい。これは、動揺図の分析時に異なる複数の定量化因子を使用する必要性を明らかにし得る。
表4.この実施例で使用した定量化因子の重要度(Quant. Imp.)の平均及び標準偏差
結論
この研究では、高齢者の集団(84人の個人)において転倒者と非転倒者とを分類するための新規のアプローチを提案した。このアプローチは、ランキングフォレスト型アルゴリズムに基づいて、たった2つの単純な統計的測定値を用いながら安定した分類性能を得るという利点を組み合わせる。このモデルでは、動揺図は、多次元空間(5つの定量化因子)において特徴付けられ、全データセット(学習セット)の70%のサブセットを用いて形成された非線形スコアリングアルゴリズムで評価された。この性能は、残りの30%において検証された。
結果を各エンティティの性能と比較したところ、各特徴は転倒者と非転倒者との分類においてランダムな性能を有するものの、ランキングフォレストスコアは大幅に高い性能を達成することが示された。
結論として、本発明の方法により、将来の転倒のリスクの予測に関して重要な情報を得ることができ、またその情報を、単純な1分のプロトコルだけで抽出することができる。

Claims (20)

  1. 個人のバランスを表す値(160)を得るために前記個人のバランスを定量化する方法であって、該方法は、記憶手段(280)に接続された少なくとも1つのデータ処理モジュール(220)を備えたデバイスによって実施され、前記方法は、
    a)圧力及び/又は力センサ(312)を備えたプラットフォーム(310)から得られた前記個人の少なくとも1つの動揺図(110)を前記記憶手段(280)に記録するステップ(10)と、
    b)前記データ処理モジュール(220)によって、前記記憶手段(280)に記録された前記個人の前記少なくとも1つの動揺図(110)から、圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータ(121)の値及び前記圧力中心の少なくとも1つの安定軌跡パラメータ(122)の値を抽出するステップ(20)と、
    c)前記データ処理モジュール(220)によって、ステップb)で抽出された前記軌跡パラメータ(121、122)の値から、複数の定量化因子(130)の値を決定するステップ(30)と、
    d)前記データ処理モジュール(220)によって、前記複数の定量化因子(130)の値を、参照動揺図(111)から得られた同一の定量化因子の値と比較するステップ(40)と、
    e)前記データ処理モジュール(220)によって、前記比較するステップ(40)の終了時に前記個人のバランスを表す値(160)を決定するステップと
    を含む、定量化方法。
  2. 前記方法を実施する前記デバイスは分類モジュール(250)を更に備え、
    −前記記録するステップ(10)は、更に前記個人の肥満度指数(BMI)データ(16)を記録するステップを含み、その後に前記分類モジュール(250)によって、記録された前記BMIデータ(16)に応じて前記個人の前記少なくとも1つの動揺図(110)をBMIカテゴリ(150)に分類するステップ(15)が続き、該分類するステップ(250)は、前記記録するステップa)(10)の後かつ前記抽出するステップb)(20)の前に行われ、
    −少なくとも2つの前記定量化因子(130)の値を比較するステップ(40)において、少なくとも2つの前記定量化因子(130)の値は、前記分類するステップ(15)で決定された前記BMIカテゴリ(150)と同じBMIカテゴリ(150)に分類された参照動揺図(111)から得られた同一の定量化因子の値と比較される
    ことを特徴とする、請求項1に記載の定量化方法。
  3. 前記分類するステップ(250)で決定される前記BMIカテゴリ(150)は、少なくとも3つのBMIカテゴリ(150)から選択される、請求項2に記載の定量化方法。
  4. ステップb)は、更に前記圧力中心の少なくとも1つの動力学軌跡パラメータ(123)の値を抽出するステップ(21)を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の定量化方法。
  5. 前記圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータ(121)は、X軸に沿った前記圧力中心の位置、Y軸に沿った前記圧力中心の位置、及び極座標における半径から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の定量化方法。
  6. 前記圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータ(121)は、極座標における半径であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の定量化方法。
  7. 前記圧力中心の少なくとも1つの安定軌跡パラメータ(122)は、径方向バランス、時間バランス、及びバリスティック間隔から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の定量化方法。
  8. 前記圧力中心の少なくとも1つの動力学軌跡パラメータ(123)は、前記圧力中心の変位の速度、前記圧力中心の変位の加速度、力、及び偏差から選択されることを特徴とする、請求項4から7のいずれかに記載の定量化方法。
  9. ステップb)は、ロンベルグ試験で生成された2つの動揺図(110)から実施されることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の定量化方法。
  10. ステップc)で決定される前記定量化因子(130)のうちの少なくとも1つは、前記軌跡パラメータ(121、122,123)の極値であり、該極値は、前記軌跡パラメータ(121、122,123)の値の5以上15以下の百分位数、又は85以上95以下の百分位数に相当することを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の定量化方法。
  11. ステップd)及びe)は、ステップc)で決定された前記定量化因子(130)の値を、前記参照動揺図(111)から得られた前記同一の定量化因子の値に基づいて事前に較正されたスコアリングアルゴリズム(500)で実行することによって実施されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の定量化方法。
  12. 前記スコアリングアルゴリズム(500)は、ステップa)で決定された前記BMIカテゴリ(150)と同じBMIカテゴリ(150)に分類された前記参照動揺図(111)から得られた前記同一の定量化因子の値に基づいて事前に較正されることを特徴とする、請求項11に記載の定量化方法。
  13. 事前に較正された前記スコアリングアルゴリズム(500)は、教師あり学習統計法、好ましくはランキングフォレスト又はランダムフォレスト法を実施することによって得られることを特徴とする、請求項12に記載の定量化方法。
  14. 事前に較正された前記スコアリングアルゴリズム(500)は、バギングステップを実施することを含む教師あり学習統計法を実施するステップによって得られる、請求項12又は13に記載の定量化方法。
  15. ステップc)において、少なくとも5個の前記定量化因子(130)の値を決定することを含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の定量化方法。
  16. 個人のバランスを定量化するためのデバイス(2)であって、該デバイスは、
    −前記個人の動揺図(110)を受信することができる通信モジュール(210)と、
    −前記動揺図(110)を記録することができる記憶手段(280)と、
    −前記記憶手段(280)に接続することができる少なくとも1つのデータ処理モジュール(220)と
    を備え、前記データ処理モジュール(220)は、
    ○前記通信モジュール(210)が受信した前記個人の動揺図(110)から、圧力中心の少なくとも1つの位置軌跡パラメータ(121)の値及び圧力中心の少なくとも1つの安定軌跡パラメータ(122)の値を抽出し、
    ○抽出した前記軌跡パラメータ(121、122)の値から複数の定量化因子(130)を決定し、
    ○前記定量化因子(130)の値を、参照動揺図(111)から得られた同一の定量化因子の値と比較し、
    ○前記比較に基づいて、前記個人のバランスを表す値(160)を決定する
    ように構成される、定量化デバイス。
  17. 前記デバイスは、分類モジュール(250)を更に備え、
    −前記通信モジュール(210)は、更に前記個人のBMIデータ(16)を受信することができ、
    −前記記憶手段は、更に前記BMIデータ(16)を記録することができ、
    −前記分類モジュール(250)は、前記個人の動揺図(110)を、前記個人の前記BMIデータ(16)に応じたBMIカテゴリ(150)に分類するように構成され、
    −前記データ処理モジュール(220)は、更に前記定量化因子(130)の値を、前記個人の動揺図(110)の前記BMIカテゴリ(150)と同じBMIカテゴリ(150)に分類された参照動揺図(111)から得られた同一の定量化因子の値と比較するように構成される
    ことを特徴とする、請求項16に記載の定量化デバイス。
  18. 個人のバランスを定量化するためのシステム(3)に関し、該システムは、
    −プラットフォーム(310)と、ここで該プラットフォーム(310)は個人を載せるようにされ、また前記プラットフォーム(310)上の前記個人の足による圧力に応じて、第1の周波数で生データ(313)を生成するように構成された圧力及び/又は力センサ(312)を備え、
    −前記プラットフォーム(310)によって生成された前記生データ(313)から、前記個人の少なくとも1つの動揺図(110)を得るようにされた生データの処理ユニット(320)と、
    −前記処理ユニット(320)と通信することができる、請求項16又は17に記載の定量化デバイスと
    を備える、定量化システム。
  19. 前記プラットフォーム(310)は、25Hz以上の周波数でその異なる複数のセンサ(312)の値を測定するように構成されることを特徴とする、請求項19に記載の定量化システム(3)。
  20. 前記定量化デバイスは更に再サンプリングモジュールを備え、該再サンプリングモジュールは、前記生データ又は前記動揺図(110)を第1の周波数で処理することにより、第2の周波数で再サンプリングされた動揺図を生成するように構成され、前記第2の周波数は、実質的に一定の周波数を有することを特徴とする、請求項19に記載の定量化システム(3)。
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