本開示は、垂直離着陸(VTOL)配向または水平飛行配向で動作できる、UAV(例えば、クアッドコプター、ヘキサコプター、ヘプタコプター、オクタコプター)などの航空機を説明する。同様に、航空機がVTOL配向にある場合、それは、6つの自由度のいずれかで独立して移行することができる。具体的には、本明細書で説明するように、航空機は、3つの自由度の回転(ピッチ、ヨー、およびロール)のいずれか、および/または3つの自由度の並進(サージ、ヒーブ、およびスウェイ)のいずれかで効率的に回転し得る。例えば、航空機は、異なる角度に配向された6つの推進機構を含んでもよく、したがって、航空機がVTOL配向にあるとき、一緒に垂直方向および/または水平方向に推力を提供することができる。
以下でさらに考察するように、航空機が水平飛行配向にあり、かつ実質に水平な方向にナビゲートしているときに、航空機の推進機構を囲み、推進機構の周りの保護と揚力の両方を提供するリングウィングが、航空機に含まれる。
本明細書で使用される場合、「物流施設」としては、倉庫、流通センター、クロスドッキング施設、注文履行施設、梱包施設、出荷施設、レンタル施設、図書館、小売店、卸売店、博物館、またはマテリアル(在庫)取扱いのうちの1つ以上の機能を実行するための他の施設もしくは施設の組み合わせが挙げられる場合があるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「配達場所」は、1つ以上の在庫物品(本明細書ではペイロードとも呼ばれる)が配達され得る任意の場所を指す。例えば、配達場所は、個人の住居、事業所、物流施設内の場所(例えば、梱包ステーション、在庫保管場所)、またはユーザーもしくは在庫が位置する任意の場所などであり得る。在庫または物品は、航空機を使用して、輸送することができる物理的な品物であり得る。例えば、本明細書で考察される航空機のペイロードによって運ばれる物品は、電子商取引ウェブサイトの顧客によって注文され、航空機によって、配達場所に空中配達されてもよい。
図1は、開示された実装形態による、実質的に円筒形状であり、かつ複数の推進機構を囲むリングウィングを有する航空機100の図を示している。航空機100は、航空機100の胴体110を中心として間隔を置いて配置された、6つのモータ101−1、101−2、101−3、101−4、101−5、および101−6、ならびに対応するプロペラ104−1、104−2、104−3、104−4、104−5、および104−6を含む。プロペラ104は、任意の形態のプロペラ(例えば、グラファイト、炭素繊維)および任意のサイズであってもよい。例えば、プロペラは、直径10インチから12インチの炭素繊維プロペラであってもよい。
プロペラのうちのいくつかの形態および/またはサイズは、他のプロペラとは異なっていてもよい。同様に、モータ101は、DCブラシレスモータなどの任意の形態のモータであってもよく、対応するプロペラを回転させるために十分なサイズであってもよい。同様に、いくつかの実装形態では、いくつかのモータ101のサイズおよび/またはタイプは、他のモータ101と異なっていてもよい。いくつかの実装形態では、プロペラによって生成される力が、第1の方向に回転するときの正の力、または第2の方向に回転するときの負の力のいずれであってもよいように、モータがいずれの方向に回転してもよい。あるいは、またはそれに加えて、プロペラのブレードのピッチは、可変であってもよい。ブレードのピッチを変えることにより、プロペラによって生成される力は、正の方向または負の方向のいずれに変更されてもよい。なおさらに、いくつかの実装形態では、ブレードのピッチは、ブレードが移動方向と整列し、それゆえブレードが回転していない場合に抗力を提供しないように調整されてもよい。
モータ101および対応するプロペラ104の各対は、本明細書では、推進機構102−1、102−2、102−3、102−4、102−5、および102−6などの推進機構102と総称される。同様に、図1に示す実施例では、推進機構102をモータ101およびプロペラ104を含むものとして説明しているが、他の実装形態では、推進機構102として、他の形態の推進を利用してもよい。例えば、航空機100の推進機構102のうちの1つ以上は、航空機を操縦するためにファン、ジェット、ターボジェット、ターボファン、ジェットエンジンおよび/または同様のものを利用してもよい。一般的に説明すると、本明細書で使用されるような推進機構102は、単独で、および/または他の推進機構と組み合わせて、航空機を操縦するのに十分な力を生成する能力を有する、任意の形態の推進機構を含む。さらに、選択された実装形態では、推進機構(例えば、102−1、102−2、102−3、102−4、102−5、および102−6)は、それらの個々の配向が動的に変更され得るように(例えば、垂直から水平への飛行配向の変化)、またはその間の任意の位置になるように構成されてもよい。
同様に、本明細書の実施例ではどちらの方向にも力を生成できる推進機構について説明しているが、いくつかの実装形態では、推進機構は、単一の方向にのみ力を生成してもよい。しかしながら、推進機構の配向は、力を正の方向、負の方向、および/または他の任意の方向に配向することができるように調整されてもよい。
航空機100はまた、航空機100の周囲に延在して、その外周を形成する、実質的に円筒形の形状を有するリングウィング107も含む。示される例では、リングウィングは、形状が実質的に円形状であり、航空機の底部に向かってテーパーになっている。リングウィング107は、航空機が図1に示すように配向され、実質的に水平な方向に移動するときに、揚力を生成するための翼形状を有する。以下でさらに示し、かつ説明するように、リングウィングは、胴体110に対してある角度で位置付けられており、そのためリングウィングの下部は、示されるように配向されて水平方向に移動するときに、航空機の前方に向かうため、フロントウィングとして機能する。リングウィング107の底部よりも長い弦長を有するリングウィングの上部は、さらに後方にあり、それゆえリアウィングとして機能する。
リングウィングは、モータアーム105によって、胴体110に固定される。示される実施例では、モータアーム105−1、105−2、105−3、105−4、105−5、および105−6の各々は、一方の端部で胴体110に連結され、胴体110から延在し、もう一方の端部でリングウィング107に連結され、それによってリングウィング107を、胴体110へと固定する。
航空機100の胴体110、モータアーム105、およびリングウィング107は、グラファイト、炭素繊維、および/またはアルミニウムなどの任意の1つ以上の適切な材料で形成されてもよい。
推進機構102の各々は、推進機構102が外周のリングウィング107内に実質的に収容されるように、それぞれのモータアーム105に連結される。例えば、推進機構102−1はモータアーム105−1に連結され、推進機構102−2はモータアーム105−2に連結され、推進機構102−3はモータアーム105−3に連結され、推進機構102−4はモータアーム105−4に連結され、推進機構102−5はモータアーム105−5に連結され、そして推進機構102−6はモータアーム105−6に連結される。示される実施例では、各推進機構102は、胴体110とリングウィング107との間のそれぞれのモータアーム105のほぼ中間点で連結される。他の実装形態では、推進機構は、モータアームに沿った他の場所で連結されてもよい。同様に、いくつかの実装形態では、推進機構のうちのいくつかは、モータアームの中間点で連結されてもよく、推進機構のうちのいくつかは、それぞれのモータアームに沿った他の場所(例えば、胴体110に向かってより近い、またはリングウィング107に向かってより近い)で連結されてもよい。
図示されるように、推進機構102は、互いに対して異なる角度で配向されてもよい。例えば、推進機構102−2および102−5は、推進機構102−2および102−5のそれぞれによって生成される力が胴体と一列に並んでいるか、または同じ方向もしくは配向になるように、胴体110と整列される。示される実施例では、航空機100は、胴体が移動方向で水平に配向されるように水平飛行用に配向されている。そのような配向では、推進機構102−2および102−5は、本明細書では推力とも呼ばれる水平方向の力を提供し、推力推進機構として機能する。
推進機構102−2および102−5と比較して、推進機構102−1、102−3、102−4、および102−6の各々は、胴体110の配向に対してオフセットしている、または角度が付けられている。水平飛行のために図1に示すように航空機100が水平に配向されている場合、推進機構102−1、102−3、102−4、および102−6を、推進機構として使用して、水平方向以外の方向に推力を与えて、航空機にピッチ、ヨー、ロール、ヒーブ、および/またはスウェイを生じさせ得る。他の実装形態では、水平飛行中、推進機構102−1、102−3、102−4、および102−6は、力を発生せず、航空機100が、リングウィング107の空気力学的形状からの揚力、ならびに推力推進機構102−2および102−5によって生成される水平方向の推力の結果として、水平方向に空中で推進され得るように無効化されてもよい。
推進機構102−1、102−3、102−4、および102−6の各々の配向の角度は、異なる実装形態に対して異なってもよい。同様に、いくつかの実装形態では、推進機構102−1、102−3、102−4、および102−6のオフセットは、各々同じであってもよく、一部は1つの方向に配向され、一部は別の方向に配向され、各々が異なる量、および/または異なる方向に配向されてもよい。
図1に示される実施例では、各推進機構102−1、102−2、102−3、102−4、102−5、および102−6は、各それぞれのモータアーム105−1、105−2、105−3、105−4、105−5、および105−6の位置に対して約30度で配向され得る。さらに、推進機構の配向の方向は、推進機構の対が互いに向かって配向されるようになっている。例えば、推進機構102−1は、推進機構102−6に対して約30度で配向される。同様に、推進機構102−2は、第3のモータアーム105−2を中心として第2の方向に約30度で配向され、かつ推進機構102−3に対して配向される。最後に、推進機構102−4は、第4のモータアーム105−4を中心として第1の方向で、推進機構102−5に対して約30度で配向されている。示されるように、胴体110の両側にある推進機構102−2および102−5は、同じ第1の方向(この例では水平)に整列され、かつ配向される。胴体110の両側にある推進機構102−3および102−6は、第1の方向と比較して角度が付けられた同じ第2の方向に整列され、かつ配向されている。胴体110の両側にある推進機構102−1および102−4は、第1の方向および第2の方向と比較して角度が付けられた同じ第3の方向に整列され、かつ配向されている。
図2は、開示された実装形態による、垂直離着陸(VTOL)のために配向された航空機200の側面図を示す。航空機200は、図1に関して上述した航空機100に対応する。図2に示すように配向されたとき、航空機を6つの自由度(ピッチ、ヨー、ロール、ヒーブ、サージ、およびスウェイ)のいずれかで操縦し得るため、VTOLおよび高い操縦性が可能になる。
示されるように、航空機がVTOL用に配向されたとき、モータアーム205−1、205−2および205−3などのモータアーム、ならびにリングウィング207は、ほぼ水平かつ同一平面内に整列している。この配向において、推進機構の各々は、水平方向および/または垂直方向に対してオフセットしている、または角度が付けられている。このように、各推進機構202は、力を生成するときに、水平成分および垂直成分の両方を含む力を生成する。示される実施例では、各推進機構は、垂直に対して約30度の角度が付けられている。同様に、上述したように、隣接する推進機構は、推進機構の対を形成するために、向かい合う方向に角度が付けられている。例えば、推進機構202−2は、推進機構202−3に対して配向される。以下でさらに考察するように、隣接する推進機構を互いに向かって角度を付けて、推進機構の対を形成すると、各推進機構からの水平方向の力が相殺され、そのため推進機構の対は、垂直方向の力を生成することができる。同様に、一対の推進機構のうちの推進機構の一方が、その一対のもう一方の推進機構よりも大きな力を生成している場合、一対の推進機構から正味の水平方向の力がもたらされる。したがって、図2に示すように、航空機200が、角度が付けられた推進機構を有してVTOL用に配向されている場合、航空機は、6つの自由度のいずれかで独立して動くことができる。例えば、航空機がX方向にサージする場合、推進機構によって生成される力を変更することによって、X方向のサージを可能にするために前方にピッチする必要なく、X方向で正味の水平方向の力を生成することができる。
水平飛行中にオフセットしたリングウィング207で、胴体を水平に配向することができるように(図1に示すように)、航空機200がVTOL用に配向されているときには、胴体はある角度に回転される(図2に示すように)。この実施例では、胴体210は垂直から約30度で角度付けられている。他の実装形態では、垂直からの回転量は、航空機200が水平飛行に配向されているときにリングウィング207のために望ましいオフセットの量に応じて、大きくてもよく、または小さくてもよい。
航空機はまた、図2に示されるように、着陸位置まで延在可能な1つ以上の着陸装置203も含んでもよい。飛行中、着陸装置203は、リングウィング207の内部に引き込まれ、かつ/または上方に回転されて、リングウィングの後縁に沿ったままであってもよい。さらに他の実施例では、着陸装置は恒久的に固定されていてもよい。
胴体210は、航空機制御システム214、電力モジュール206、および/または航空機によって輸送されるペイロード212などの航空機の1つ以上の構成要素を格納するために使用されてもよい。航空機制御システムについては、以下でさらに考察される。電力モジュール(複数可)206は、航空機200に取り外し可能に取り付けられてもよい。航空機用の電力モジュール(複数可)206は、例えば、バッテリー電力、太陽光電力、ガス電力、スーパーキャパシタ、燃料電池、代替発電源、またはそれらの組み合わせの形態であってもよい。電力モジュール(複数可)206は、航空機制御システム214、推進機構202、およびペイロード係合モジュール210−1に連結され、かつこれらに電力を提供する。
いくつかの実装形態では、電力モジュールのうちの1つ以上は、自律的に取り外しおよび/または別の電力モジュールと交換できるように構成されてもよい。例えば、航空機が配達場所、中継場所、および/または物流施設に着地したとき、航空機は、電力モジュールを再充電する場所で、充電部材と係合してもよい。
ペイロード212は、航空機によって輸送される任意のペイロードであってもよい。いくつかの実装形態では、空中輸送に対する顧客から注文された物品を空中輸送するために航空機が使用されてもよく、ペイロードは、1つ以上の顧客注文物品を含んでもよい。例えば、顧客は、電子商取引ウェブサイトから物品を注文してもよく、その物品は、航空機200を使用して、顧客指定の配達場所に配達されてもよい。
いくつかの実装形態では、胴体210は、ペイロード係合モジュール210−1を含んでもよい。例えば、ペイロード係合モジュール210−1は、ペイロード212を胴体へと追加し得る、または胴体から取り外し得るように、胴体の内部にアクセスできる開位置と、図2に示すように、ペイロード212が胴体の内部に固定されるような閉位置との間で回転することができる、胴体210のヒンジ留めされた部分であってもよい。
図3は、開示された実装形態による、リングウィング307を有する航空機300の側面図である。航空機300は、図1で考察した航空機100、および図2で考察した航空機200に対応する。示されるように、図3に示すように航空機が水平飛行のために配向されている場合、胴体310は水平に配向され、かつ推進機構のうちの2つである、推進機構302−2および胴体の反対側にあり、図1に示されている推進機構は、実質的に水平な方向の推力を生成するように配向されている。比較すると、推進機構302−1および302−3などのその他の推進機構は、実質的に水平な方向の力を生成するように配向されていない。水平飛行中、推進機構302−1および302−3などの推進機構は無効化されてもよく、および/または使用して、航空機を実質的に水平な方向で空中でナビゲートする際に、航空機をピッチ、ヨー、および/またはロールさせる、操縦力を生成することができる。いくつかの実装形態では、実質的に水平な力を生成するように整列されていない推進機構を、風の中で自由に回転できるようにしてもよく、そしてその回転から生成されるエネルギーを航空機300の電力モジュールを充電するために使用してもよい。
リングウィング307は、リングウィングの下部307−2がリングウィング307の上部307−1の前方に位置付けられるように角度が付けられている。リーディングウィング、すなわち下部307−2は、リアウィング、すなわち上部307−1よりも1平方インチあたりの揚力がはるかに大きいためであり、また下部307−2の弦長は、上部307−1の弦長よりも短い。同様に、示されるように、リングウィングの上部307−1は、下部307−2とは異なるキャンバーを有する。弦長およびキャンバーは、上部307−1に沿って示されたものから、下部307−2へと移行する。リングウィングの側部は、ある程度の揚力を提供するが、各側部の中間点では、リングウィング307によって生成される最小の揚力が存在する。
揚力を提供することに加えて、リングウィング307は、航空機300の推進機構を囲む保護バリアまたはシュラウドを提供する。リングウィング307の保護バリアは、航空機の安全性を高める。例えば、航空機が別の物体と接触した場合、物体は、推進機構ではなくむしろリングウィングに接触することになる可能性がより高い。
図4は、開示された実装形態による、リングウィング407を有する航空機400の正面図である。航空機400は、図1の航空機100、図2の航空機200、および図3の航空機300に対応する。図3に関して上記に考察したように、航空機が水平飛行のために配向されている場合、図3および図4に示すように、胴体410は進行方向に配向され、リングウィング407は揚力を生じるように移動方向に配向され、かつ胴体410の両側にある推進機構402−2および402−5は、航空機を水平に前進または推進するために、実質的に水平な方向の力を生成するように整列されている。その他の推進機構402−1、402−3、402−4、および402−6はオフセットされ、また無効化されてもよく、操縦力を生成するために使用されてもよく、かつ/または自由に回転して、航空機400の電力モジュールを充電するために使用されるエネルギーを生成することができるようにされてもよい。推進機構402−2および402−5の各々によって生成される推力を増加させることにより、航空機の水平速度が増加する。同様に、リングウィング407からの揚力も増加する。いくつかの実装形態では、以下でさらに考察するように、1つ以上のエルロンが、リングウィングの表面に含まれ、水平飛行中の航空機の空中ナビゲーションを制御するために使用されてもよい。
以下で考察するように、航空機を、図2に示すVTOL配向から、図3および図4に示す水平飛行配向に移行するために、推進機構402の各々によって生成される力は、航空機を前方にピッチさせ、水平方向の速度を増加させる。水平速度が増加し、ピッチが増加すると、リングウィングの翼形状によって生成される揚力が増加し、それにより、航空機はさらに水平飛行配向へとピッチし、航空機は空中に留まることができる。
対照的に、以下で考察するように、航空機が水平飛行配向からVTOL配向に移行する場合、推進機構からの力により、航空機のピッチが減少し、水平速度が低下する場合がある。航空機のピッチが減少すると、リングウィングの翼形状によって生成される揚力が減少し、6つの推進機構402の各々によって生成される推力は、航空機400の飛行を維持するために利用される。
図1〜図4に示すように、推進機構402の各々は、リングウィングと実質的に整列されたほぼ同じ平面内に位置付けられている。同様に、各推進機構402は、推進機構が互いに対して、および航空機400の胴体410の周りに対してほぼ等しい距離で位置付けられるように、胴体410の周りに互いに約60度の間隔で配置される。例えば、第2の推進機構402−2および第5の推進機構402−5は各々、X軸に沿って位置付けられてもよい。第3の推進機構402−3は、X軸から約60度に位置付けられてもよく、第4の推進機構402−4は、X軸から約120度に位置付けられてもよい。同様に、第1の推進機構402−1および第6の推進機構402−6は、同様に、負の方向にX軸から約60度および120度に位置付けられてもよい。
他の実装形態では、推進機構間の間隔は、異なっていてもよい。例えば、第1の方向に配向されている推進機構402−1、402−3、および402−5は各々、120度離れたほぼ等間隔であってもよく、第2の方向に配向されている推進機構402−2、402−4、および402−6はまた、120度離れたほぼ等間隔であってもよい。しかしながら、第1の方向に配向された推進機構と第2の方向に配向された推進機構との間の間隔は、等しくなくてもよい。例えば、第1の方向に配向された推進機構402−1、402−3、および402−5は、X軸に関して航空機の外周の周囲に、約0度、約120度、および約240度に位置付けられてもよく、第2の方向に配向された推進機構402−2、402−4、および402−6は、X軸に関して航空機400の外周の周囲に、約10度、約130度、および約250度に位置付けられてもよい。
他の実装形態では、推進機構は他の整列を有してもよい。同様に、他の実装形態では、推進機構の数が少ないか、または追加の推進機構がある場合がある。同様に、いくつかの実装形態では、推進機構のすべてが、同じ平面内に整列していなくてもよく、かつ/またはリングウィングは、推進機構の一部またはすべてとは異なる平面内にあってもよい。
上述し、図1〜図4に示した実施例では、各それぞれのモータアームを中心として推進機構を約30度回転し、かつリングウィングが胴体に対して約30度オフセットしていることを考察しているが、他の実装形態では、推進機構および/またはリングウィングの配向は、30度より大きくても小さくてもよく、またリングウィングの角度は、1つ以上の推進機構の角度と異なってもよい。いくつかの実装形態では、航空機がVTOL配向にあるときの航空機の操縦性がより重要である場合、推進機構の配向は、30度より高くてもよい。例えば、推進機構の各々は、第1または第2の方向のいずれかで、各それぞれのモータアームを中心として約45度で配向されてもよい。それに比べて、航空機がVTOL配向にあるときの航空機の揚力がより重要である場合、推進機構の配向は、30度未満であってもよい。例えば、各推進機構は、各それぞれのモータアームを中心として垂直配向から約10度で配向されてもよい。
いくつかの実装形態では、いくつかの推進機構の配向は、その他の推進機構と異なっていてもよい。例えば、推進機構402−1、402−3、および402−5は各々、第1の方向に約15度に配向されてもよく、また推進機構402−2、402−4、および402−6は、第2の方向に約25度に配向されてもよい。さらに他の実施例では、推進機構の対は、推進機構の他の対とは異なる配向を有してもよい。例えば、推進機構402−1および402−6は各々、互いに向かって第1の方向および第2の方向で、それぞれ約30度に配向されてもよく、推進機構402−3および402−2は各々、互いに向かって第1の方向および第2の方向で、それぞれ約45度に配向されてもよく、そして推進機構402−5および402−4は各々、互いに向かって第1の方向および第2の方向で、それぞれ約45度に配向されてもよい。
以下で考察するように、図示のように推進機構を部分的に互いに向かって対で配向することにより、推進機構の対によって生成される横方向または水平方向の力は、同じ量の力を生成するときに相殺され、そのため航空機がVTOL配向にあるとき、その対からの力の合計は、実質的に垂直な方向(Z方向)のみである。同様に、以下で考察するように、対のうちの一方の推進機構がもう一方の推進機構よりも大きな力を生成する場合、航空機がVTOL配向にあるとき、横方向または水平方向の力は、X方向および/またはY方向にもたらされる。推進機構の対のうちの1つ以上から生成される水平方向の力により、航空機がVTOL配向にあるときに、航空機のピッチを変更することなく、航空機を、水平方向および/またはヨーに平行移動させることができる。推進機構402の複数の対による横方向の力の生成は、航空機400が6つの自由度(サージ、スウェイ、ヒーブ、ピッチ、ヨー、およびロール)のいずれかで独立して動作することを可能にする。その結果、航空機400の安定性と操縦性が向上する。
図1〜図4に示す実装形態は、航空機の中央部分から放射状に延在して、リングウィングに連結される6つのアームを含んでいるが、他の実装形態では、より少ないまたは追加のアームが存在していてもよい。例えば、航空機は、アーム105間に延在し、航空機に対する追加の支持を提供する支持アームを含んでもよい。別の実施例として、すべてのモータアームが、リングウィングまで延在し、かつ連結していなくてもよい。
図5は、開示された実装形態による、実質的に六角形の形状であり、複数の推進機構を囲むリングウィングを備えた航空機500の図を示している。図1〜図4に関して考察した航空機と同様に、航空機500は、航空機500の胴体510を中心として間隔を置いて配置された6つの推進機構502−1、502−2、502−3、502−4、502−5、および502−6を含む。上述のように、推進機構502はモータ501およびプロペラ504を含んでもよいが、他の実装形態では、推進機構502として、他の形態の推進が利用されてもよい。例えば、航空機500の推進機構502のうちの1つ以上は、ファン、ジェット、ターボジェット、ターボファン、ジェットエンジンおよび/または同様のものを利用して、航空機を操縦し得る。一般的に説明すると、本明細書で使用されるような推進機構502は、単独でおよび/または他の推進機構と組み合わせて、航空機を操縦するのに十分な力を生成する能力を有する、任意の形態の推進機構を含む。さらに、選択された実装形態では、推進機構(例えば、502−1、502−2、502−3、502−4、502−5、および502−6)は、それらの個々の配向が動的に変更(例えば、垂直飛行配向から水平飛行配向への変化)され得るように構成されてもよく、またはその間の任意の位置になり得るように構成されてもよい。
同様に、本明細書の実施例ではどちらの方向にも力を生成できる推進機構について説明しているが、いくつかの実装形態では、推進機構は、単一の方向にのみ力を生成してもよい。しかしながら、推進機構の配向は、力を正の方向、負の方向、および/または任意の他の方向に配向することができるように調整されてもよい。
この実装形態では、航空機500はまた、航空機500の周囲に延在し、かつその外周を形成する、実質的に六角形の形状を有するリングウィング507も含む。示される例では、リングウィングは6つのセグメント507−1、507−2、507−3、507−4、507−5、および507−6を有し、これらのセグメントは、隣接する端で結合されて、航空機500の周囲にリングウィング507を形成する。リングウィング507の各セグメントは、航空機が図5に示すように配向され、実質的に水平な方向に動くときに、揚力を生成するための翼形状を有する。示され、かつ以下でさらに考察されるように、リングウィングは、胴体510に対してある角度で位置付けられており、そのためリングウィングの下部セグメント507−2は、示されるように配向され、かつ水平方向に移動するときに、航空機の前方に向かうため、フロントウィングとして機能する。リングウィング507の下部セグメント507−2よりも長い弦長を有するリングウィングの上部セグメント507−1は、より後方にあり、したがってリアウィングとして機能する。
リングウィング507は、モータアーム505によって、胴体510に固定されている。この実施例では、6つのモータアーム505−1、505−2、505−3、505−4、505−5、および505−6のすべては、一方の端部で胴体510に連結され、胴体510から延在し、そしてもう一方の端部でリングウィング507に連結され、それによってリングウィング507を、胴体510に固定する。他の実装形態では、そのすべてのモータアームよりも少ない数のモータアームが、胴体510から延在して、リングウィング507へと連結していてもよい。例えば、モータアーム505−2および505−5は、一方の端部で胴体510に連結されてもよく、胴体から外向きに延在してもよいが、リングウィング507には連結されなくてもよい。
いくつかの実装形態では、航空機はまた、胴体510からリングウィング507まで延在する1つ以上のスタビライザーフィン520も含んでもよい。スタビライザーフィン520もまた、翼形状を有してもよい。示される実施例では、スタビライザーフィン520は、胴体510からリングウィング507まで垂直に延在している。他の実装形態では、スタビライザーフィンは他の位置にあってもよい。例えば、スタビライザーフィンは、モータアーム505−1とモータアーム505−6との間の胴体から下向きに延在してもよい。
一般に、1つ以上のスタビライザーフィンは、胴体510から、任意の2つのモータアーム505の間で延在して、リングウィング507の内部に連結してもよい。例えば、スタビライザーフィン520は、モータアーム505−3と505−4との間で上方に延在してもよく、第2のスタビライザーフィンは、胴体からモータアーム505−5と505−6との間で延在してもよく、第3のスタビライザーフィンは、胴体からモータアーム505−1と505−2との間で延在してもよい。
同様に、示される実施例は、一方の端部で胴体510から延在し、もう一方の端部でリングウィング507の内部に連結するモータアームを示すが、他の実装形態では、スタビライザーフィン(複数可)のうちの1つ以上は、胴体から延在して、リングウィングに連結しなくてもよく、リングウィングから延在して、胴体に連結しなくてもよい。いくつかの実装形態では、1つ以上のスタビライザーフィンは、リングウィング507の外部から延在してもよく、1つ以上のスタビライザーフィンは、リングウィング507の内部から延在してもよく、1つ以上のスタビライザーフィンは、胴体510から延在してもよく、かつ/または1つ以上のスタビライザーフィンは、胴体510から延在して、リングウィング507の内部に連結してもよい。
航空機500の胴体510、モータアーム505、スタビライザーフィン520、およびリングウィング507は、グラファイト、炭素繊維、および/またはアルミニウムなどの任意の1つ以上の適切な材料で形成されてもよい。
推進機構502の各々は、推進機構502が外周のリングウィング507内に実質的に収容されるように、それぞれのモータアーム505に連結される。例えば、推進機構502−1はモータアーム505−1に連結され、推進機構502−2はモータアーム505−2に連結され、推進機構502−3はモータアーム505−3に連結され、推進機構502−4はモータアーム505−4に連結され、推進機構502−5はモータアーム505−5に連結され、推進機構502−6はモータアーム505−6に連結される。示される例では、各推進機構502−1、502−3、502−4、および502−6は、モータアーム505−1、505−3、505−4、および505−6のそれぞれの胴体510とリングウィング507との間のほぼ中間点で連結されている。比較すると、推進機構502−2および502−5は、それぞれのモータアーム505−2および505−5の端部に向かって連結されている。他の実装形態では、推進機構は、モータアームに沿った他の場所で連結されてもよい。同様に、いくつかの実装形態では、推進機構のうちのいくつかは、モータアームの中間点で連結されてもよく、推進機構のうちのいくつかは、それぞれのモータアームに沿った他の場所(例えば、胴体510に向かってより近く、またはリングウィング507に向かってより近く)で連結されてもよい。
示されるように、推進機構502は、互いに対して異なる角度に配向されてもよい。例えば、推進機構502−2および502−5は、推進機構502−2および502−5の各々によって生成される力が胴体と一列に並んでいるか、またはこれと同じ方向もしくは配向になるように、胴体510と整列される。示される実施例では、航空機500は、胴体が進行方向に水平に配向されるように水平飛行用に配向されている。そのような配向では、推進機構502−2および502−5は、本明細書では推力とも呼ばれる水平方向の力を提供し、推力推進機構として機能する。
推進機構502−2および502−5と比較して、推進機構502−1、502−3、502−4、および502−6の各々は、胴体510の配向に対してオフセットしている、または角度が付けられている。水平飛行のために図5に示すように航空機500が水平に配向されている場合、推進機構502−1、502−3、502−4、および502−6を、推進機構として水平方向以外の方向に推力を与えるように使用して、航空機にピッチ、ヨー、ロール、ヒーブ、および/またはスウェイを生じさせてもよい。他の実装形態では、水平飛行中、推進機構502−1、502−3、502−4、および502−6は、いかなる力も発生しないように無効化され、また航空機500は、リングウィング507の空気力学的形状からの揚力、ならびに推力推進機構502−2および502−5によって生成される水平方向の推力の結果として、水平方向にて空中で推進されてもよい。
いくつかの実装形態では、リングウィング507の1つ以上のセグメントは、航空機500の空中飛行を制御するように調整され得る、エルロン509を含み得る。例えば、1つ以上のエルロン509がリングウィング507の上部セグメント507−1に含まれてもよく、かつ/または1つ以上のエルロン509が、側部セグメント507−4および/もしくは507−3に含まれてもよい。エルロン509は、航空機500が図5に示すように配向されているときに、水平飛行の間に航空機のピッチ、ヨー、および/またはロールを制御するように動作可能であってもよい。
推進機構502−1、502−2、502−3、502−4、502−5、および502−6の各々の配向の角度は、異なる実装形態に対して異なってもよい。同様に、いくつかの実装形態では、推進機構502−1、502−2、502−3、502−4、502−5、および502−6のオフセットは、各々同じであってもよく、一部は1つの方向に配向され、かつ一部は別の方向に配向されてもよく、各々が異なる量、および/または異なる方向に配向されてもよい。
図5に示された実施例では、各推進機構502−1、502−2、502−3、502−4、502−5、および502−6は、各それぞれのモータアーム505−1、505−2、505−3、505−4、505−5、および505−6の位置に対して約30度で配向されてもよい。さらに、推進機構の配向の方向は、推進機構の対が互いに対して配向されているようなものである。例えば、推進機構502−1は、推進機構502−6に対して約30度で配向される。同様に、推進機構502−2は、第3のモータアーム505−2を中心として第2の方向に約30度で配向され、かつ推進機構502−3に向かって配向されている。最後に、推進機構502−4は、第4のモータアーム505−4を中心として第1の方向で、推進502−5に向かって約30度で配向されている。示されるように、胴体510の両側にある推進機構502−3および502−6は、同じ第1の方向(この例では水平)に整列され、かつ配向されている。胴体510の両側にある推進機構502−2および502−5は、第1の方向と比較して角度が付けられた同じ第2の方向に整列され、かつ配向されている。胴体510の両側にある推進機構502−1および502−4は、第1の方向および第2の方向と比較して角度が付けられた同じ第3の方向に整列され、かつ配向されている。
図6は、開示された実装形態による、垂直離着陸(VTOL)のために配向された航空機600の側面図を示す。航空機600は、図5に関して上述した航空機500に対応する。図6に示すように配向されたとき、航空機を、6つの自由度(ピッチ、ヨー、ロール、ヒーブ、サージ、およびスウェイ)のいずれかで操縦し得るため、VTOLおよび高い操縦性が可能である。
図示のように、航空機がVTOL用に配向されたとき、モータアームおよびリングウィング607は、ほぼ水平かつ同一平面内に整列している。この配向において、推進機構の各々は、水平方向および/または垂直方向に対してオフセットしている、または角度が付けられている。このように、各推進機構602は、力を生成するときに、水平成分および垂直成分の両方を含む力を生成する。示される例では、各推進機構は、垂直に対して約30度の角度が付けられている。同様に、上述したように、隣接する推進機構は、推進機構の対を形成するように、向かい合う方向に角度が付けられている。例えば、推進機構602−2は、推進機構602−3に向かって配向される。以下でさらに考察するように、隣接する推進機構を互いに向かって角度を付けて、推進機構の対を形成すると、各推進機構からの水平方向の力が相殺され、そのため推進機構の対は、垂直方向の力を生成することができる。同様に、一対の推進機構のうちの推進機構の一方が、もう一方の推進機構よりも大きな力を生成している場合、一対の推進機構から正味の水平方向の力がもたらされる。したがって、図6に示すように、航空機600が、角度が付けられた推進機構を有してVTOL用に配向されている場合、航空機は、6つの自由度のいずれかで独立して動くことができる。例えば、航空機がX方向にサージする場合、推進機構によって生成される力を変更することによって、X方向のサージを可能にするために前方にピッチする必要なく、X方向に正味の水平方向の力を生成することができる。
水平飛行中、オフセットしたリングウィング607を用いて、胴体を水平に配向することができるように(図5に示すように)、航空機600がVTOL用に配向されているとき(図6に示すように)、胴体はある角度で回転する。この実施例では、胴体610は垂直から約30度で角度を付けられている。他の実装形態では、垂直からの回転量は、航空機600が水平飛行に配向されているときのリングウィング607のために望ましいオフセットの量に応じて、大きくてもよく、または小さくてもよい。
航空機はまた、図6に示されるように、着陸位置へと延在可能な1つ以上の着陸装置603も含んでもよい。飛行中、着陸装置603は、リングウィング607の内部へと引き込まれてもよく、かつ/または上方に回転されて、リングウィングの後縁に沿ったままであってもよい。さらに他の実施例では、着陸装置は恒久的に固定されていてもよい。
胴体610は、航空機制御システム614、電力モジュール606、および/または航空機によって輸送されるペイロード612などの航空機の1つ以上の構成要素を格納するために使用されてもよい。航空機制御システムについては、以下でさらに考察される。電力モジュール(複数可)606は、航空機600に取り外し可能に取り付けられてもよい。航空機用の電力モジュール(複数可)606は、例えば、バッテリー電力、太陽光電力、ガス電力、スーパーキャパシタ、燃料電池、代替発電源、またはそれらの組み合わせの形態であってもよい。電力モジュール(複数可)606は、航空機制御システム614、推進機構602、およびペイロード係合モジュール610−1に連結され、かつこれらに電力を提供する。
いくつかの実装形態では、電力モジュールのうちの1つ以上は、自律的に取り外しおよび/または別の電力モジュールと交換できるように構成されてもよい。例えば、航空機が配達場所、中継場所、および/または物流施設に着地したとき、航空機は、電力モジュールを再充電する場所で、充電部材と係合してもよい。
ペイロード612は、航空機によって輸送される任意のペイロードであってもよい。いくつかの実装形態では、空中輸送に対する顧客から注文された物品を空中輸送するために航空機を使用されてもよく、ペイロードは、1つ以上の顧客注文物品を含んでもよい。例えば、顧客は、電子商取引ウェブサイトから物品を注文してもよく、その物品は、航空機600を使用して、顧客指定の配達場所に配達されてもよい。
いくつかの実装形態では、胴体610は、ペイロード係合モジュール610−1を含んでもよい。例えば、ペイロード係合モジュール610−1は、ペイロード612を胴体へと追加し得る、または胴体から取り外し得るように、胴体の内部にアクセスできる開位置と、図6に示すように、ペイロード612が胴体の内部に固定されるような閉位置との間で回転することができる、胴体610のヒンジ留めされた部分であってもよい。
図7は、開示された実装形態による、リングウィング707を備えた航空機700の側面図である。航空機700は、図5で考察した航空機500、および図6で考察した航空機600に対応する。示されるように、図7に示すように航空機が水平飛行用に配向されている場合、胴体710は水平に配向され、また推進機構のうちの2つ、すなわち推進機構702−2と、胴体の反対側にあり、かつ図5に示されている推進機構とは、実質的に水平な方向の推力を生成するように配向されている。比較すると、推進機構702−1および702−3などのその他の推進機構は、実質的に水平な方向の力を生成するように配向されていない。水平飛行中、航空機が実質的に水平な方向で空中をナビゲートする際に、航空機にピッチ、ヨー、および/またはロールを生じさせることになる、操縦力を生成するために、推進機構702−1および702−3などの推進機構を無効化してもよく、かつ/またはこれらを使用してもよい。いくつかの実装形態では、実質的に水平な力を生成するように整列されていない推進機構を、風の中で自由に回転させることができ、その回転から生成されるエネルギーを使用して、航空機700の電力モジュールを充電してもよい。
リングウィング707は、リングウィングの下部セグメント707−2がリングウィング707の上部セグメント707−1の前方に位置付けられるように角度が付けられている。リーディングウィングである下部セグメント707−2は、リアウィングである上部セグメント707−1よりもはるかに大きい揚力を1平方インチあたり作り出すため、下部セグメント707−2の弦長は、上部セグメント707−1の弦長よりも短い。同様に、示されるように、リングウィングの上部セグメント707−1は、下部セグメント707−2とは異なるキャンバーを有する。弦長およびキャンバーは、上部セグメント707−1に沿って示されたものから、下部セグメント707−2へと移行する。スタビライザーフィン520(図5)などの1つ以上のスタビライザーフィンを含む実装形態では、下部セグメント707−2と上部セグメント707−1との間の弦長の差はより小さくてもよく、かつ/または下部セグメント707−2と上部セグメント707−1との間のキャンバーの差はより小さくてもよい。
リングウィングの側部セグメント707−4およびセグメント707−6などの側部セグメントは、ある程度の揚力を提供するが、各側部セグメントの中間点708では、リングウィング707によって生成される最小の揚力が存在する。中間点708で生成される揚力は最小であるので、航空機の総重量を減らすためにセグメントはテーパーにされる場合がある。この実施例では、側部セグメント707−4および707−6などの側部セグメントは、中間点に向かってテーパーになっているが、構造的完全性のためにある程度の寸法を保持し、かつ推進機構702の周囲の保護バリアとして動作する。示された実施例は、セグメント707−4および707−6の両方が中間点708でより小さい端部に向かってテーパーになっていることを示すが、他の実装形態では、テーパーは、より大きい上部セグメント707−1からより小さい下部セグメント707−2まで一貫していてもよい。
揚力を提供することに加えて、リングウィング707は、航空機700の推進機構を囲む保護バリアまたはシュラウドを提供する。リングウィング707の保護バリアは、航空機の安全性を高める。例えば、航空機が別の物体と接触した場合、物体は、推進機構ではなくむしろリングウィングに接触することになる可能性がより高い。
図8は、開示された実装形態による、実質的な六角形の形状を有するリングウィング807を有する航空機800の正面図である。航空機800は、図5の航空機500、図6の航空機600、および図7の航空機700に対応する。図7に関して上述したように、航空機が水平飛行用に配向されている場合、図7および図8に示すように、胴体810は移動方向に配向され、リングウィング807は揚力を生じるように移動方向に配向され、また胴体810の両側にある推進機構802−2および802−5は、航空機を水平に推進または推力を与えるために、実質的に水平な方向の力を生成するように整列されている。他の推進機構802−1、802−3、802−4、および802−6は、オフセットしており、また無効化されてもよく、操縦力を生成するために使用されてもよく、かつ/または自由に回転して、航空機800の電力モジュールを充電するために使用されるエネルギーを生成してもよい。推進機構802−2および802−5の各々によって生成される推力を増加させることにより、航空機の水平速度が増加する。同様に、リングウィング807からの揚力も増加する。いくつかの実装形態では、図5に関して上述したものなどの1つ以上のエルロンが、リングウィングの表面に含まれ、かつ水平飛行中に航空機の空中ナビゲーションを制御するために使用されてもよい。同様に、水平飛行中に航空機を安定させるために、1つ以上のスタビライザーフィン820が含まれてもよい。
いくつかの実装形態では、六角形の形状のリングウィングは、製造コストを削減し、より安定した飛行を提供し、エルロンなどの制御要素を含むことができるより平坦な表面を提供してもよい。同様に、他の構成要素を、リングウィングの表面に連結してもよい。他の構成要素としては、センサ、画像化要素、距離計、識別マーカー、全地球測位衛星アンテナ、アンテナなどのナビゲーション構成要素等が挙げられるが、これらに限定されない。
以下で考察するように、航空機を、図6に示すVTOL配向から、図7および図8に示す水平飛行配向へと移行するために、推進機構802の各々によって生成される力は、航空機を前方にピッチさせ、水平方向の速度を増加させる。水平速度が増加し、ピッチが増加すると、リングウィングの翼形状によって生成される揚力が増加し、それにより、航空機を水平飛行配向へとさらにピッチさせ、航空機が空中に留まることができるようにする。
対照的に、以下で説明するように、航空機が水平飛行配向からVTOL配向に移行する場合、推進機構からの力により、航空機のピッチを減少させ、水平速度を低下させる場合がある。航空機のピッチが減少すると、リングウィングの翼形状によって生成される揚力が減少し、6つの推進機構802の各々によって生成される推力が、航空機800の飛行を維持するために利用される。
図5〜図8に示すように、推進機構802の各々は、リングウィングと実質的に整列されたほぼ同じ平面内に位置付けられている。同様に、各推進機構802は、推進機構が互いに対して、および航空機800の胴体810の周りにほぼ等しい距離で位置付けられるように、胴体810の周りに互いに約60度の間隔で配置される。例えば、第2の推進機構802−2および第5の推進機構802−5は各々、X軸に沿って位置付けられてもよい。第3の推進機構802−3は、X軸から約60度に位置付けられてもよく、第4の推進機構802−4は、X軸から約120度に位置付けられてもよい。同様に、第1の推進機構802−1および第6の推進機構802−6は、同様に、負の方向にX軸から約60度および120度に位置付けられてもよい。
他の実装形態では、推進機構間の間隔は、異なっていてもよい。例えば、第1の方向に配向されている推進機構802−1、802−3、および802−5は各々、120度離れたほぼ等間隔であってもよく、第2の方向に配向されている推進機構802−2、802−4、および802−6はまた、120度離れたほぼ等間隔であってもよい。しかしながら、第1の方向に配向された推進機構と第2の方向に配向された推進機構との間の間隔は、等しくなくてもよい。例えば、第1の方向に配向された推進機構802−1、802−3、および802−5は、X軸に関して航空機の外周の周りに、約0度、約120度、および約240度に位置付けられてもよく、第2の方向に配向された推進機構802−2、802−4、および802−6は、X軸に関して航空機800の外周の周りに、約10度、約130度、および約250度に位置付けられてもよい。
他の実装形態では、推進機構は他の整列を有してもよい。同様に、他の実装形態では、推進機構の数が少ないか、または追加的な推進機構がある場合がある。同様に、いくつかの実装形態では、推進機構のすべてが、同じ平面内に整列していなくてもよく、かつ/またはリングウィングは、推進機構の一部またはすべてとは異なる平面内にあってもよい。
上述し、図5〜図8に示した実施例では、各それぞれのモータアームを中心として推進機構を約30度回転し、リングウィングが胴体に対して約30度オフセットしていることを考察しているが、他の実装形態では、推進機構および/またはリングウィングの配向は、30度より大きくても小さくてもよく、リングウィングの角度は、1つ以上の推進機構の角度と異なってもよい。いくつかの実装形態では、航空機がVTOL配向にあるときの航空機の操縦性がより重要である場合、推進機構の配向は、30度よりも高くてもよい。例えば、推進機構の各々は、第1または第2の方向のいずれかで、各それぞれのモータアームを中心として約45度で配向されてもよい。それに比べて、航空機がVTOL配向にあるときの航空機の揚力がより重要である場合、推進機構の配向は、30度未満であってもよい。例えば、各推進機構は、各それぞれのモータアームを中心として垂直配向から約10度で配向されてもよい。
いくつかの実装形態では、いくつかの推進機構の配向は他の推進機構と異なってもよい。例えば、推進機構802−1、802−3、および802−5は各々、第1の方向に約15度で配向されてもよく、推進機構802−2、802−4、および802−6は、第2の方向に約25度で配向されてもよい。さらに他の実施例では、推進機構の対は、推進機構の他の対とは異なる配向を有していてもよい。例えば、推進機構802−1および802−6はそれぞれ、互いに向かって第1の方向および第2の方向に、各々約30度で配向されてもよく、推進機構802−3および802−2はそれぞれ、互いに向かって第1の方向および第2の方向に、各々約45度で配向されてもよく、推進機構802−5および802−4はそれぞれ、互いに向かって第1の方向および第2の方向に、各々約45度で配向されてもよい。
以下で考察するように、示すように推進機構を対で部分的に互いに対して配向することにより、推進機構の対によって生成される横方向または水平方向の力は、同じ量の力を生成するときに相殺されることになり、そのため航空機がVTOL配向にあるとき、その対からの力の合計は、実質的に垂直な方向(Z方向)のみである。同様に、以下で考察するように、対の一方の推進機構がもう一方の推進機構よりも大きな力を生成する場合、航空機がVTOL配向にあるとき、横方向または水平方向の力をX方向および/またはY方向にもたすことになる。推進機構の対のうちの1つ以上から生成される水平方向の力により、航空機がVTOL配向にあるときに、航空機のピッチを変更することなく、航空機を、水平方向に平行移動させかつ/またはヨーすることができる。推進機構802の複数の対による横方向の力の生成は、航空機800が6つの自由度(サージ、スウェイ、ヒーブ、ピッチ、ヨー、およびロール)のいずれかで独立して動作することを可能にする。その結果、航空機800の安定性と操縦性が向上する。
図5〜図8に示す実装形態は、航空機の中央部分から放射状に延在して、リングウィングに連結される6つのアームを含んでいるが、他の実装形態では、アームがより少なくてもよく、または追加的なアームが存在していてもよい。例えば、航空機は、アーム505間に延在し、航空機に追加の支持を提供する支持アームを含んでもよい。別の実施例として、すべてのモータアームが、リングウィングまで延在し、かつこれと連結していなくてもよい。
図1〜図8で上述した実施例では、実質的に円形状(図1〜図4)または実質的に六角形状(図5〜図8)のいずれかのリングウィングについて説明しているが、他の実装形態では、リングウィングは他の形状を有してもよい。例えば、リングウィングは、実質的に正方形、長方形、五角形、八角形などであってもよい。
図9は、開示された実装形態による、例示的な操縦性プロセス900を示すフロー図である。例示的な操縦性プロセス900は、航空機がVTOL配向にあるときに実行される。例示的なプロセス900は、902のように、操縦を含む空中ナビゲーション指令を受信することから始まる。操縦とは、航空機の現在の飛行の態様を変化または変更するための任意の指令であってもよい。例えば、操縦は、上昇または下降(ヒーブ)、速度の増減(サージ)、右または左への移動(スウェイ)、ピッチ、ヨー、ロール、および/またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
指令された操縦に基づいて、プロセス例は、903のように、操縦の実行に使用される推進機構を決定する。本明細書で説明するように、航空機は、航空機がVTOL配向にあるときに、6つの自由度のいずれかで航空機に1つ以上の操縦を実行させることになる推力を生成するために選択的に使用され得る、本明細書で考察するような複数の推進機構を含んでもよい。
操縦を実行するために使用されるべき推進機構を決定することに加えて、904のように、推進機構の各々によって生成される推力の大きさおよび方向が決定される。上述のように、いくつかの実装形態では、推進機構は、それらが整列するいずれかの方向に力を生成するように構成されてもよい。あるいは、またはそれに加えて、推進機構は、推進機構によって生成される力が異なる方向に配向され得るように、2つ以上の位置間で回転可能であるように構成されてもよい。他の実装形態では、推進機構は、航空機上の固定的な位置に固定されてもよい。
指令された操縦を生成するために使用されるべき決定された推進機構と、それらの推進機構によって生成される力の決定された大きさおよび方向とに基づいて、命令が、906のように、力を生成させる決定された推進機構に送信される。図14〜図19は、6つの自由度のいずれかで1つ以上の指令された操縦を実行するために各推進機構によって生成され得る、異なる力の実施例を示している。
図10は、開示された実装形態による、垂直飛行から水平飛行への例示的な移行プロセス1000を示すフロー図である。例示的なプロセスは、航空機がVTOL配向で動作しているときに、複数の推進機構と、複数の推進機構のうちの少なくとも一部分を囲むリングウィングとを含む、本明細書で説明する航空機のいずれかによって実行され得る。例示的なプロセス1000は、1002のように、水平成分を含む空中指令を受信すると開始する。指令は、例えば、コントローラ、リモートコンピューティングリソース、その他の航空機などのリモートソースから受信されてもよい。他の実施例では、指令は、定義された飛行経路の一部であり、自律動作などの一部として航空機によって決定されてもよい。
水平成分を有する指令を受信すると、それぞれの推進機構によって、および/またはリングウィングの1つ以上のエルロンによって力が生成され、これが、1004のように、航空機を前方にピッチさせ、かつ指令された水平方向における速度を増加させる。以下でさらに説明するように、Y軸を中心としたピッチングモーメントとX方向のサージを引き起こす様々な推進機構による様々な力が生成されてもよい。
航空機が前方にピッチングし、指令されたX方向にサージングするのに従って、1006のように、水平対気速度およびピッチ角の両方がそれぞれのしきい値を超えているかどうかについての決定が行われる。ピッチ角しきい値と対応する水平対気速度しきい値は、互いに依存する場合があり、航空機が水平飛行のために航空機のリングウィングから十分な揚力を受けるために必要なピッチおよび水平対気速度に対応する場合がある。
水平対気速度またはピッチ角の一方または両方が、それぞれのしきい値を超えていないと決定された場合、1008のように、指令が満たされたかどうかについての決定が行われる。指令が満たされたと決定された場合、1010のように、例示的なプロセスは完了する。指令が満たされていないと決定された場合、例示的なプロセス1000は、ブロック1004に戻り、継続する。
決定ブロック1006に戻って、水平対気速度が水平対気速度しきい値を超えており、かつピッチ角がピッチ角しきい値を超えていると決定された場合、1012のように、実質的に水平な方向に配向された2つの推進機構の推力を増加し、そして1014のように、航空機が水平飛行配向にあるときに操縦性推進機構と呼ばれるその他の推進機構によって生成される推力は、減少または終了する。航空機が水平対気速度しきい値を超える水平方向に移動しており、かつ航空機のピッチ角がピッチ角しきい値を超える場合、航空機は、上述した水平飛行配向にあると見なされる。
航空機が水平飛行配向にあるとき、水平方向に航空機を前進し続けるために、水平に整列した推進機構の推力は増加し、その他の推進機構によって提供される推力の減少を構成する。航空機が、水平飛行配向にあり、対気速度しきい値を超える水平対気速度の速さで移動しているとき、リングウィングの空気力学的形状は、航空機を水平飛行に維持するのに十分な揚力を生成する。水平に整列された推進機構によって生成される力は、航空機を水平に前進させる。
航空機は、水平方向において空中をナビゲートし続け、1016のように、空中指令を完了する。本明細書に記載の実装形態の水平飛行配向は、すべての推進機構を利用して、水平方向にナビゲートしなければならない航空機と比較して、航空機の効率性および航続距離を改善する。
図11は、開示された実装形態による、水平飛行から垂直飛行への例示的な移行プロセス1100を示すフロー図である。例示的なプロセスは、複数の推進機構と、複数の推進機構のうちの少なくとも一部分を囲むリングウィングとを含む、本明細書で考察する航空機のいずれかによって、航空機が水平飛行配向で動作しているときに実行され得る。例示的なプロセス1100は、1102のように、垂直成分を含む空中指令を受信すると開始する。指令は、例えば、コントローラ、リモートコンピューティングリソース、その他の航空機などのリモートソースから受信されてもよい。他の実施例では、指令は、定義された飛行経路の一部であってもよく、自律動作などの一部として航空機によって決定されてもよい。
垂直成分を含む指令を受信すると、推進機構のうちの1つ以上および/またはリングウィングの1つ以上のエルロンによって力が発生し、それは、1104のように、航空機のピッチを低下させ、水平対気速度を低下させ得る。以下でさらに考察するように、Y軸を中心としたピッチングモーメントの減少を引き起こす様々な推進機構による様々な力が、生成されてもよい。
航空機のピッチが減少し、場合によっては水平対気速度が低下すると、1106のように、航空機の水平対気速度またはピッチ角がそれぞれのしきい値を下回っているかどうかについての決定が行われる。ピッチ角しきい値と対応する水平対気速度しきい値は、互いに依存する場合があり、航空機が水平飛行のために航空機のリングウィングから十分な揚力を受けるために必要なピッチおよび水平対気速度に対応する場合がある。
ピッチ角も水平対気速度もそれぞれのしきい値を下回っていないと決定された場合、1108のように、指令が満たされたかどうかについての決定が行われる。指令が満たされたと決定された場合、1110のように、例示的なプロセスは完了する。指令が満たされていないと決定された場合、例示的なプロセス1100は、ブロック1104に戻り、継続する。
決定ブロック1106に戻って、水平対気速度が水平対気速度しきい値を下回っているか、またはピッチ角がピッチ角しきい値を下回っているかのいずれかと決定された場合、1112のように、実質的に水平な方向に配向された2つの推進機構の推力が減少し、そして1114のように、その他の推進機構によって生成される推力が増加する。航空機が水平対気速度しきい値を下回って移動し、ピッチ角がピッチ角しきい値を下回る場合、航空機は、上述したVTOL配向にあると見なされる。
航空機がVTOL配向にあるとき、推進機構の各々によって生成される推力は、航空機の飛行を維持し、かつ航空機を空中でナビゲートまたは操縦するために使用される。
航空機は、垂直方向において空中でナビゲートし続け、1116のように、空中指令を完了する。本明細書に記載される実装形態のVTOL飛行配向は、航空機の操縦性を向上し、航空機が、垂直離陸、着陸、ペイロード配達を完了し、かつ限られた空間内で動作および操縦できるようにする。
本明細書で説明するように、VTOL配向と水平飛行配向との間で移行できる航空機を提供すると、航空機の全体的な性能、安全性、および効率性が向上する。例えば、航空機が顧客への配達のために、顧客が注文した物品を空中でナビゲートする場合、航空機は、ペイロード(顧客物品)を搭載され、航空機が定義された高度に達するまで、VTOL配向においてソース場所から実質的に垂直な方向で出発し、次に、顧客の配達場所の上方の定義された高度の位置へと効率的かつ迅速にナビゲートするために、水平飛行配向に移行してもよい。顧客の配達場所の上方のある位置に到達すると、航空機は、水平飛行配向からVTOL配向に移行し、配達場所まで垂直に下降し、そして物品を配達することができる。物品の配達が完了すると、航空機は、垂直に上昇し、別の場所へとナビゲートしてもよい。
図12は、開示された実装形態による、VTOL配向における垂直離陸から、水平飛行配向における水平飛行への例示的な飛行移行1201を示す。VTOL配向から水平飛行配向への移行は、本明細書で考察される航空機のいずれかによって実行され得る。この実施例では、初期段階で、航空機1200−1は着陸しており、リングウィング1207−1がX−Y平面内に水平に整列し、かつ胴体1210−1が垂直に対してある角度で回転しているような、VTOL配向に位置付けられている。着陸装置1203−1も航空機を支持するために配備されている。
次に、航空機は、航空機1200−2によって示されるように、航空機をある高度まで垂直に上昇させる推進機構を使用して、垂直推力を生成する。第2の時点では、航空機1200−2は依然としてVTOL配向にあり、胴体1210−2は垂直から回転し、かつリングウィングおよび対応する推進機構は、X−Y平面内で水平に整列している。この実施例では、航空機が上昇すると、着陸装置1203−2が回転し、リングウィング1207−2に向かって収縮し始める。
航空機1200−3により示される時間3において、航空機は、Y軸を中心としてピッチモーメントを引き起こす異なる推進機構による異なる力を生成することにより、前方へピッチし始める。示されるように、航空機1200−3が前方にピッチングし始めると、リングウィング1207−3と推進機構は、もはや水平に整列せず、航空機は、胴体1210−3の整列方向に移動し始める。最終的に、時間3において、この実施例の着陸装置1203−3は完全に格納されている。
時間4において、航空機1200−4によって示されるように、航空機1200−4のピッチは増加し続け、航空機の水平対気速度は増加し続ける。ピッチおよび水平対気速度が増加するにつれて、リングウィングは、より垂直な配向へと移動し、そして航空機をある高度に維持することになる揚力を発生し始める。さらに、リングウィングによって発生された揚力により、時間5における航空機1200−5によって示されるように、航空機は水平飛行配向へと回転し続ける。
時間5において、航空機1200−5は水平飛行配向にあり、胴体1210−5は水平に配向され、航空機は、実質的に水平な成分を含む方向において空中でナビゲートしている。上述のように、航空機が水平飛行配向にあるとき、推進機構のうちの2つが水平に整列して、実質的に水平な方向の推力を生成する。このように、これら2つの推進機構によって生成される力は増加し、その他の推進機構は、無効化され、低減され、または航空機の電力モジュールを充電するために使用されるエネルギーを生成するために、自由に回転することができる。いくつかの実装形態では、使用されない推進機構は、航空機の抗力を低減するために、折り畳まれるか、または邪魔にならないように位置付けられるように調整可能であってもよい。
航空機1200−6によって時間6において示されるように、航空機が水平飛行配向で動作する間、胴体1210−6は移動方向に水平に配向されたままであり、リングウィング1207−6は、航空機の効率的な水平飛行を支持する揚力を生成するように配向されたままである。水平飛行配向では、航空機は、より低い電力消費で高速で空中をナビゲートすることができ、それにより航空機の航続距離が増大する。
図13は、開示された実装形態による、水平飛行配向からVTOL配向への例示的な飛行移行1301を示す。この実施例では、空中飛行体1300−1によって示される時間1において、航空機は、水平飛行配向にあり、実質的に水平な方向において空中をナビゲートしている。航空機1300−2によって示される時間2において、航空機は、VTOL配向に移行して、下降するための指令を受信する。指令を実行する際、推進機構および/またはリングウィングのエルロンによって生成される力が、リングウィング1307−3が水平方向に向かって回転し始め、胴体1310−3が水平配向から離れるように回転し始めるために、航空機1300−3のピッチを減少し始めさせる。ピッチが減少し、リングウィングが回転するにつれて、航空機の水平対気速度が低下し、リングウィングによって生成される揚力が減少する。リングウィングからの揚力の減少に対抗するために、航空機が飛行を維持するように、航空機の推進機構によって生成される力を増加する。
航空機1300−4によって示される時間4において、水平対気速度は実質的に終了し、リングウィング1307−4がさらに水平方向に向かって回転し続け、胴体1310−4が上方に回転し続けるように、航空機のピッチは減少し続ける。同様に、航空機1300−4の推進機構によって生成される力は、航空機を高度に維持するのに十分な揚力を生成している。
航空機1300−5によって示される時間5において、航空機は移行を完了しており、そのためリングウィング1307−5はX−Y平面内で水平に整列し、胴体1310−5は水平から離れるように回転し、航空機1300−5の推進機構は、航空機1300−5の揚力および操縦性を提供する。
推進機構により生成される力を減少させることにより、航空機1300−6は、時間6において、下降し、かつ着陸装置1303−6を配備し始める。最後に、時間7において、航空機1300−7が下降し、着陸装置1303−7が配備され、航空機は、リングウィング1307−7および対応する推進機構がX−Y平面内で水平に整列するVTOL配向を維持する。この実施例では、推進機構によって生成される力は、航空機を表面上でホバリングできるようにする。そのような位置において、航空機1300−7は、ペイロードの配達、着陸、上昇、または6つの自由度のいずれかでの移動を配備または完了することができる。
図14〜図19は、航空機がVTOL配向にあるときに、頭上から、または上から見下ろした視点から見た、図1〜図8に示す航空機の推進機構の図である。説明を容易にするために、航空機の他の構成要素は、図14〜図19から省略されており、推進機構のうちの1つ以上によって生成され得るX方向またはY方向の様々な力が、ベクトルによって示されている。考察のために、Z方向に発生する力、または推進機構による力のZ成分は、図14〜図19から省略されている。特に明記されている場合を除き、推進機構によって生成される力のZ成分の合計は等しく、航空機に作用する重力に相反するため、航空機の高度は、実質的に変化しないままである。
理解されるように、力のZ成分の合計が、航空機に作用する重力よりも大きくなる(高度を上げる)、または小さくなる(高度を下げる)ように推進機構によって生成される力をさらに変えることにより、航空機の高度または垂直位置は、増加または減少されてもよい。
航空機が示されたVTOL配向にある場合、示された力が生成されたとき、これらの力は航空機にX方向のサージ(図14)、Y方向のスウェイ(図15)、ホバー(図16)、ピッチ(図17)、ヨー(図18)、およびロール(図19)を生じさせることになる。
以下の実施例では、正味の力および/またはモーメントの大きさおよび方向を決定するための力の成分の合計について考察しているが、この考察は、説明のみを目的とするものであることが理解されよう。示された航空機の正味の力およびモーメントは、航空機の構成に基づいて、図20に関して説明されるような制御システムによって決定されてもよい。例えば、影響マトリクスを利用して、各推進機構によって生成された特定の力または推力が与えられた航空機に対する正味の力(または正味の力成分)およびモーメントを決定することができる。同様に、逆影響マトリクスを利用して、所望の力、または正味の力成分およびモーメントが与えられた各推進機構に対して必要とされる力または推力を決定することができる。
図1〜図8に示された航空機を参照して、推進機構がそれぞれのモータアームを中心として交互の方向に約30度で配向されていると仮定し、推進機構が航空機の原点から1半径に位置し、航空機がVTOL配向にあると仮定すると、6つの推進機構の各々の推力が与えられた正味の力のX、YおよびZ成分、ならびにX軸、Y軸、およびZ軸を中心としたモーメントを決定するために、以下の影響マトリクスを使用することができる。
同様に、所望の正味の力成分およびモーメントが与えられた6つの推進機構の各々に対する推力を決定するために、以下の逆影響マトリクスを使用してもよい。
図14は、開示された実装形態により、航空機がVTOL配向にあるときに、航空機をX方向にサージさせる推力ベクトル1403を有する、本明細書で考察される航空機の推進機構1402の図である。上述のように、推進機構1402の各々は、ほぼ同じ平面内、この実施例では、X−Y平面内にあり、上述のように対1406内に配向されている。同様に、航空機がVTOL配向にあるとき、航空機は任意の方向にナビゲートされ得るが、図14は航空機1400の機首方位を示している。
航空機1400の構成において、航空機1400をX方向にサージさせるために、推進機構1402−1、1402−3、1402−4、および1402−6は、この実施例では第1の大きさと呼ばれるほぼ等しい大きさの力1403−1、1403−3、1403−4、および1403−6を発生させる。同様に、推進機構1402−2および1402−5は各々、本明細書で第2の大きさと呼ばれる等しい大きさの力1403−2および1403−5を生成する。力1403−2および1403−5の第2の大きさは、力1403−1、1403−3、1403−4、および1403−6の第1の大きさより小さい。力1403−1、1403−2、1403−3、1403−4、1403−5、および1403−6の各々は、X成分、Y成分、およびZ成分を有する。上述のように、示された実施例の力1403−1、1403−2、1403−3、1403−4、1403−5、および1403−6のZ成分の合計は、航空機に作用する重力と等しく、かつこれと相反する。したがって、説明および図示を容易にするために、力のZ成分は、考察および図14から省略されている。
第1の方向における第1の推進機構1402−1の配向によって、また第1の推進機構1402−1が第1の大きさを有する第1の力1403−1を生成しているため、第1の力1403−1は、正のX成分1403−1xおよび負のY成分1403−1yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第6の推進機構1402−6の配向によって、および第6の推進機構1402−6が第1の大きさを有する第6の力1403−6を生成しているため、第6の力1403−6は、正のX成分1403−6xおよび正のY成分1403−6yを含む方向を有する。さらに、力1403−1および1403−6は両方ともほぼ等しい大きさであり、推進機構の配向は両方とも約30度であるが、対向する方向にあるため、それぞれのX成分の大きさはほぼ等しく、かつX成分の方向は同じであり、それぞれのY成分の大きさはほぼ等しく、かつY成分の方向は対向している。力1403−1および1403−6を合計すると、推進機構の第1の対1406−1に対する合力1407−1は、第3の大きさ、X成分1403−1xとX成分1403−6xとの合計である正のX成分を有し、かつ正のY成分1403−6yと負のY成分1403−1yとが互いに相殺された合計であるため、Y成分を有しない。
推進機構1402−2および1402−3の第2の対1406−2に目を転じると、第1の方向における第3の推進機構1402−3の配向によって、および第3の推進機構1402−3が第1の大きさを有する第3の力1403−3を生成しているため、第3の力1403−3は、正のX成分1403−3xおよび正のY成分1403−3yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第2の推進機構1402−2の配向によって、および第2の推進機構1402−2が第2の大きさを有する第2の力1403−2を生成しているため、第2の力1403−2は、負のX成分1403−2xおよび正のY成分1403−2yを含む方向を有する。力1403−3および1403−2を合計すると、推進機構の第2の対1406−2に対する合力1407−2は、第4の大きさ、より大きい正のX成分1403−3xとより小さい負のX成分1403−2xとの差である負のX成分1407−2x、および正のY成分1403−3yと正のY成分1403−2yとの合計である正のY成分1407−2yを有する。
推進機構1402−5および1402−4の第3の対1406−3については、第1の方向における第5の推進機構1402−5の配向によって、および第5の推進機構1402−5が第2の大きさを有する第5の力1403−5を生成しているため、第5の力1403−5は、負のX成分1403−5xおよび負のY成分1403−5yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第4の推進機構1402−4の配向によって、および第4の推進機構1402−4が第1の大きさを有する第4の力1403−4を生成しているため、第4の力1403−4は、正のX成分1403−4xおよび負のY成分1403−4yを含む方向を有する。力1403−5および1403−4を合計すると、推進機構の第3の対1406−3に対する合力1407−3は、第4の大きさ、より大きい正のX成分1403−4xとより小さい負のX成分1403−5xとの差である正のX成分1407−3x、および負のY成分1403−5yと負のY成分1403−4yとの合計である負のY成分1407−3yを有する。
推進機構の第3の対1406−3に対する第2の対1406−2の位置付けによって、およびこれらの対が同様の力を生成するため、合力1407−2および1407−3は、ほぼ同じ大きさである第4の大きさ、同じ方向を有するほぼ同じX成分の大きさ、およびほぼ等しいが対向する方向を有するY成分の大きさを有する。
最後に、3つの合力1407−1、1407−2、および1407−3の各々を合計すると、正味の力1409は、第5の大きさ、第1の合力1407−1、第2の合力1407−2、および第3の合力1407−3のx成分1407−1x、1407−2x、および1407−3xの合計である大きさを有する正のX方向を有し、かつ第1の合力1407−1がY成分を有せず、かつ第2の合力1407−2と第3の合力1407−3の相反するY成分1407−2yと1407−3yの大きさが互いに相殺されるため、Y成分を有しない。正味の力1409は、第5の大きさ、正のX成分を有し、かつY成分を有しないため、正味の力1409は、航空機1400を正のX方向にサージさせる。
図15は、開示された実装形態により、航空機がVTOL配向にあるときに、航空機をY方向にスウェイさせる推力ベクトル1503を有する、本明細書で考察される航空機の推進機構1502の図である。上述のように、推進機構1502の各々は、ほぼ同じ平面内、この実施例では、X−Y平面内にあり、上述のように対1506内に配向されている。同様に、航空機がVTOL配向にあるとき、航空機は任意の方向にナビゲートされ得るが、図15は航空機1500の機首方位を表示している。
航空機1500の構成において、航空機1500をY方向にスウェイさせるために、第1の推進機構1502−1は第1の大きさの第1の力1503−1を発生し、第2の推進機構1502−2は第2の大きさの第2の力1503−2を発生し、第3の推進機構1502−3は第3の大きさの第3の力を発生し、第4の推進機構1502−4は第4の大きさの第4の力1503−4を発生し、第5の推進機構1502−5は第5の大きさの第5の力1503−5を発生し、第6の推進機構1502−6は第6の大きさの第6の力1503−6を発生する。
力1503−1、1503−2、1503−3、1503−4、1503−5、および1503−6の各々は、X成分、Y成分、およびZ成分を有する。上述のように、図示された実施例の力1503−1、1503−2、1503−3、1503−4、1503−5、および1503−6のZ成分の合計は、航空機に作用する重力と等しく、かつこれと相反する。したがって、説明および図示を容易にするために、力のZ成分は、考察および図15から省略されている。
第1の方向における第1の推進機構1502−1の配向によって、および第1の推進機構1502−1が第1の大きさを有する第1の力1503−1を生成しているため、第1の力1503−1は、正のX成分1503−1xおよび負のY成分1503−1yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第6の推進機構1502−6の配向によって、および第6の推進機構1502−6が第6の大きさを有する第6の力1503−6を生成しているため、第6の力1503−6は、正のX成分1503−6xおよび正のY成分1503−6yを含む方向を有する。力1503−1および1503−6を合計すると、推進機構の第1の対1506−1に対する合力1507−1は、第7の大きさ、X成分1503−1xとX成分1503−6xとの合計である正のX成分1507−1x、およびより大きい正のY成分1503−6yとより小さい負のY成分1503−1yとの差である正のY成分1507−1yを有する。
推進機構1502−2および1502−3の第2の対1506−2に目を転じると、第1の方向における第3の推進機構1502−3の配向によって、および第3の推進機構1502−3が第3の大きさを有する第3の力1503−3を生成しているため、第3の力1503−3は、正のX成分1503−3xおよび正のY成分1503−3yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第2の推進機構1502−2の配向によって、および第2の推進機構1502−2が第2の大きさを有する第2の力1503−2を生成しているため、第2の力1503−2は、負のX成分1503−2xおよび正のY成分1503−2yを含む方向を有する。力1503−3および1503−2を合計すると、推進機構の第2の対1506−2に対する合力1507−2は、第8の大きさ、より大きい負のX成分1503−2xとより小さい正のX成分1503−3xとの差である負のX成分1507−2x、および正のY成分1503−3yと正のY成分1503−2yとの合計である正のY成分1507−2yを有する。
推進機構1502−5および1502−4の第3の対1506−3については、第1の方向における第5の推進機構1502−5の配向によって、および第5の推進機構1502−5が第5の大きさを有する第5の力1503−5を生成しているため、第5の力1503−5は、負のX成分1503−5xおよび負のY成分1503−5yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第4の推進機構1502−4の配向によって、および第4の推進機構1502−4が第4の大きさを有する第4の力1503−4を生成しているため、第4の力1503−4は、正のX成分1503−4xおよび負のY成分1503−4yを含む方向を有する。力1503−5および1503−4を合計すると、推進機構の第3の対1506−3に対する合力1507−3は、第9の大きさ、より大きい負のX成分1503−5xとより小さい正のX成分1503−4xとの差である負のX成分1507−3x、負のY成分1503−5yと負のY成分1503−4yとの合計である負のY成分1507−3yを有する。
3つの対の操縦性コンポーネント1506−1、1506−2、および1506−3の位置付けのため、合力1507−1、1507−2、および1507−3の合計は、第10の大きさ、正のY成分を有し、かつX成分を有しない、正味の力1509をもたらす。例えば、結果として得られるX成分1507−1x、1507−2x、および1507−3xを合計すると、2つの負のX成分1507−2xおよび1507−3xが組み合わさって、正のX成分1507−1xと相殺され、結果的に正味の力1509に対するX成分はなくなる。同様に、2つの正のY成分1507−1yと1507−2yとの合計は、負のY成分1507−3yより大きく、そのため、結果的として得られるすべてのY成分の合計は、航空機1500が正のY方向にスウェイするように、正味の力1509に正のY成分を提供する。
図16は、開示された実装形態により、空中車両航空機がVTOL配向にあるときに、航空機をZ方向にホバリング、上昇、または下降させる推力ベクトル1603を有する、本明細書で考察される航空機の推進機構1602の図である。上述のように、推進機構1602の各々は、ほぼ同じ平面内、この実施例では、X−Y平面内にあり、上述のように対1606内に配向されている。同様に、航空機がVTOL配向にあるとき、航空機は任意の方向にナビゲートされ得るが、図16は航空機1600の機首方位を表示している。
航空機1600の構成において、航空機1600をZ方向にホバリング、上昇または下降させるために、第1の推進機構1602−1、第2の推進機構1602−2、第3の推進機構1602−3、第4の推進機構1602−4、第5の推進機構1602−5、および第6の推進機構1602−6のすべては、この実施例では第1の大きさと呼ばれる、ほぼ等しい大きさの力1603を発生させる。
力1603−1、1603−2、1603−3、1603−4、1603−5、および1603−6の各々は、X成分、Y成分、およびZ成分を有する。上述のように、航空機がホバーを維持する実装形態では、示される実施例の力1603−1、1603−2、1603−3、1603−4、1603−5、および1603−6のZ成分の合計は、航空機に作用する重力と等しく、かつこれと相反する。航空機が上昇する場合、Z方向の力の合計が重力よりも大きくなるように、推進機構の各々によって生成される力は、等しい量で増加する。比較すると、航空機が下降する場合、Z方向の力の合計が重力よりも小さくなるように、推進機構の各々によって生成される力は、等しい量だけ減少する。説明および図示を容易にするために、力のZ成分は、考察および図16から省略されている。図16に関する考察は、正味の力1609がZ成分のみを有するように、X成分とY成分の合計がどのように相殺されるかを示すことになる。
第1の方向における第1の推進機構1602−1の配向によって、および第1の推進機構1602−1が第1の大きさを有する第1の力1603−1を生成しているため、第1の力1603−1は、正のX成分1603−1xおよび負のY成分1603−1yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第6の推進機構1602−6の配向によって、および第6の推進機構1602−6が第1の大きさを有する第6の力1603−6を生成しているため、第6の力1603−6は、正のX成分1603−6xおよび正のY成分1603−6yを含む方向を有する。さらに、第6の力1603−6および第1の力1603−1は同じ第1の大きさを有し、かつ対向する方向に配向されているため、それぞれのX成分およびY成分の大きさは同じである。同様に、それぞれのX成分の方向は同じであり、かつそれぞれのY成分の方向は対向する。力1603−1および1603−6を合計すると、推進機構の第1の対1606−1に対する合力1607−1は、第2の大きさ、X成分1603−1xとX成分1603−6xとの合計である正のX成分を有し、対向するY成分1603−1yと1603−6yとが互いに相殺されるため、Y成分を有しない。
推進機構1602−2および1602−3の第2の対1606−2に目を転じると、第1の方向における第3の推進機構1602−3の配向によって、および第3の推進機構1602−3が第1の大きさを有する第3の力1603−3を生成しているため、第3の力1603−3は、正のX成分1603−3xおよび正のY成分1603−3yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第2の推進機構1602−2の配向によって、および第2の推進機構1602−2が第1の大きさを有する第2の力1603−2を生成しているため、第2の力1603−2は、負のX成分1603−2xおよび正のY成分1603−2yを含む方向を有する。力1603−3および1603−2を合計すると、推進機構の第2の対1606−2に対する合力1607−2は、第3の大きさ、より大きい負のX成分1603−2xとより小さい正のX成分1603−3xとの差である負のX成分1607−2x、および正のY成分1603−3yと正のY成分1603−2yとの合計である正のY成分1607−2yを有する。
推進機構1602−5および1602−4の第3の対1606−3については、第1の方向における第5の推進機構1602−5の配向によって、および第5の推進機構1602−5が第1の大きさを有する第5の力1603−5を生成しているため、第5の力1603−5は、負のX成分1603−5xおよび負のY成分1603−5yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第4の推進機構1602−4の配向によって、および第4の推進機構1602−4が第1の大きさを有する第4の力1603−4を生成しているため、第4の力1603−4は、正のX成分1603−4xおよび負のY成分1603−4yを含む方向を有する。力1603−5および1603−4を合計すると、推進機構の第3の対1606−3に対する合力1607−3は、第3の大きさ、より大きい負のX成分1603−5xとより小さい正のX成分1603−4xとの差である負のX成分1607−3x、および負のY成分1603−5yと負のY成分1603−4yとの合計である負のY成分1607−3yを有する。
3つの対の操縦性コンポーネント1606−1、1606−2、および1606−3の位置付けのため、合力1607−1、1607−2、および1607−3の合計は、X成分を有せず、かつY成分も有しない、正味の力1609をもたらす。具体的には、正のY成分1607−2yは、同じ大きさおよび対向する方向を有しているため、負のY成分1607−3yと相殺される。同様に、負のX成分1607−2xおよび1607−3xの各々は、正のX成分1607−1xの約半分であり、組み合わさって、3つのX成分は相殺される。推進機構1602から発生した力1603の正の成分の合計が等しく、かつ重力と相反する場合、航空機1600はホバリングする。比較すると、力1603の正のZ成分の合計が重力より大きい場合、航空機1600は、正のZ方向(すなわち、実質的に正の垂直方向)にヒーブする。比較すると、力1603の正のZ成分の合計が重力より小さい場合、航空機1600は、負のZ方向(すなわち、実質的に負の垂直方向)にヒーブする。
図17は、開示された実装形態により、航空機がVTOL配向にあるときに、航空機をY軸を中心としてピッチさせる推力ベクトル1703を有する、本明細書で考察される航空機の推進機構1702の図である。上述のように、推進機構1702の各々は、ほぼ同じ平面内、この実施例では、X−Y平面内にあり、上述のように対1706内に配向されている。同様に、航空機がVTOL配向にあるとき航空機は任意の方向にナビゲートされ得るが、図17は航空機1700の機首方位を表示している。
航空機1700の構成において、航空機1700をY軸を中心としてピッチさせるために、第1の推進機構1702−1および第6の推進機構1702−6は、ほぼ同じ第1の大きさを有する第1の力1703−1および第6の力1703−6を発生させる。第3の推進機構1702−3および第4の推進機構1704−2は、第1の大きさより大きいほぼ同じ第2の大きさを有する、第3の力1703−3および第4の力1703−4を発生させる。第2の推進機構1702−2および第5の推進機構1702−5は、第1の大きさより大きく、第2の大きさより小さいほぼ同じ第3の大きさを有する、第2の力1703−2および第5の力1703−5を生成する。
力1703−1、1703−2、1703−3、1703−4、1703−5、および1703−6の各々は、X成分、Y成分、およびZ成分を有する。この実施例では、航空機1700を、X方向におけるサージング、Y方向におけるスウェイング、またはZ方向におけるヒービングもなしに、Y軸を中心として前方にピッチさせるために、推進機構によって発生したすべての力のX成分の合計が相殺され、推進機構によって発生したすべての力のY成分の合計が相殺され、推進機構によって発生したすべての力のZ成分と重力の合計が相殺される。しかしながら、以下でさらに考察するように、力は原点1711または航空機1700の重心から複数の距離において生成され、推進機構の第2の対1706−2からの合力1707−2のZ成分の大きさ、および第3の推進機構1706−3からの合力1707−3のZ成分の大きさは、推進機構の第1の対1706−1からの合力1707−1のZ成分の大きさより大きいため、力のZ成分の大きさの差と原点1711からのオフセットにより、Y軸を中心としてモーメントが生成され、これが航空機を、Y軸を中心として前方にピッチさせる。推進機構の第1の対1706−1のZ成分と比較して、推進機構の第2の対1706−2と推進機構の第3の対1706−3のZ成分の組み合わせの大きさの差が大きいほど、Y軸を中心としたモーメントが大きくなり、航空機はY軸を中心としてより多くピッチする。説明および図示を容易にするために、個々の力のZ成分は、考察および図17から省略されている。
第1の方向における第1の推進機構1702−1の配向によって、および第1の推進機構1702−1が第1の大きさを有する第1の力1703−1を生成しているため、第1の力1703−1は、正のX成分1703−1xおよび負のY成分1703−1yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第6の推進機構1702−6の配向によって、および第6の推進機構1702−6が第1の大きさを有する第6の力1703−6を生成しているため、第6の力1703−6は、正のX成分1703−6xおよび正のY成分1703−6yを含む方向を有する。さらに、第6の力1703−6および第1の力1703−1は同じ第1の大きさを有し、かつこれらは対向する方向に配向されているため、それぞれのX成分およびY成分の大きさは同じである。同様に、それぞれのX成分の方向は同じであり、それぞれのY成分の方向は対向する。力1703−1および1703−6を合計すると、推進機構の第1の対1706−1に対する合力1707−1は、第4の大きさ、X成分1703−1xとX成分1703−6xとの合計である正のX成分1707−1xを有し、対向するY成分1703−1yと1703−6yが互いに相殺されるため、Y成分を有しない。さらに、第1の対1706−1の合力1707−1は、力1703−1および1703−6の正のZ成分の合計である正のZ成分における第5の大きさを有する、Z成分1707−1zを有する。
推進機構1702−2および1702−3の第2の対1706−2に目を転じると、第1の方向における第3の推進機構1702−3の配向によって、および第3の推進機構1702−3が第2の大きさを有する第3の力1703−3を生成しているため、第3の力1703−3は、正のX成分1703−3xおよび正のY成分1703−3yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第2の推進機構1702−2の配向によって、および第2の推進機構1702−2が第3の大きさを有する第2の力1703−2を生成しているため、第2の力1703−2は、負のX成分1703−2xおよび正のY成分1703−2yを含む方向を有する。力1703−3および1703−2を合計すると、推進機構の第2の対1706−2の合力1707−2は、第6の大きさ、より大きい負のX成分1703−2xとより小さい正のX成分1703−3xとの差である負のX成分1707−2x、および正のY成分1703−3yと正のY成分1703−2yとの合計である正のY成分1707−2yを有する。さらに、第2の対1706−2の合力1707−2は、正のZ成分における第7の大きさを有するZ成分を有し、これは第1の合力1707−1のZ成分1707−1zの第5の大きさより大きい。
推進機構1702−5および1702−4の第3の対1706−3については、第1の方向における第5の推進機構1702−5の配向によって、および第5の推進機構1702−5が第3の大きさを有する第5の力1703−5を生成しているため、第5の力1703−5は、負のX成分1703−5xおよび負のY成分1703−5yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第4の推進機構1702−4の配向によって、および第4の推進機構1702−4が第2の大きさを有する第4の力1703−4を生成しているため、第4の力1703−4は、正のX成分1703−4xおよび負のY成分1703−4yを含む方向を有する。力1703−5および1703−4を合計すると、推進機構の第3の対1706−3に対する合力1707−3は、第6の大きさ、より大きい負のX成分1703−5xとより小さい正のX成分1703−4xとの差である負のX成分1707−3x、および負のY成分1703−5yと負のY成分1703−4yとの合計である負のY成分1707−3yを有する。さらに、第3の対1706−3の合力1707−3は、正のZ成分における第7の大きさを有する、Z成分1707−3を有し、これは第1の合力1707−1のZ成分1707−1zの第5の大きさより大きい。
3つの対の操縦性コンポーネント1706−1、1706−2、および1706−3の位置付けのため、合力1707−1、1707−2、および1707−3の合計は、X成分を有せず、かつY成分も有しない、正味の力をもたらす。具体的には、正のY成分1707−2yは、同じ大きさおよび対向する方向を有しているため、負のY成分1707−3yと相殺される。同様に、負のX成分1707−2xおよび1707−3xの各々は、正のX成分1707−1xの約半分であり、組み合わさって、3つのX成分は相殺される。同様に、合力1707−1、1707−2、および1707−3のZ成分の大きさの合計は、航空機1500に作用する重力と等しく、かつこれと相反する。しかしながら、推進機構の第2の対1706−2および推進機構の第3の対1706−3からの合力1707−2および1707−3のZ成分1707−2zおよび1707−3zの第7の大きさは各々、推進機構の第1の対1706−1の合力1707−1のZ成分1707−1zの第5の大きさよりも大きく、かつこれらの力は原点1711からある距離離れているため、Y軸を中心としてモーメント1709−Pが生じ、その結果として航空機1500がY軸を中心として前方にピッチする。
図18は、開示された実装形態により、航空機がVTOL配向にあるときに、航空機をZ軸を中心としてヨーさせる推力ベクトル1803を有する、本明細書で考察される航空機の推進機構1802の図である。上述のように、推進機構1802の各々は、ほぼ同じ平面内、この実施例では、X−Y平面内にあり、上述のように対1806内に配向されている。同様に、航空機がVTOL配向にあるとき、航空機は任意の方向にナビゲートされ得るが、図18は航空機1800の機首方位を表示している。
航空機1800の構成において、航空機1800をZ軸を中心としてヨーさせるために、第1の推進機構1802−1、第3の推進機構1802−3、および第5の推進機構1802−5は、ほぼ同じ第1の大きさを各々有する第1の力1803−1、第3の力1803−3、および第5の力1803−5を発生させる。同様に、第2の推進機構1802−2、第4の推進機構1804−4、および第6の推進機構1802−6は、第1の大きさより大きいほぼ同じ第2の大きさをそれぞれ有する、第2の力1803−2、第4の力1803−4、および第6の力1803−6を発生させる。
力1803−1、1803−2、1803−3、1803−4、1803−5、および1803−6の各々は、X成分、Y成分、およびZ成分を有する。この実施例では、航空機1800を、X方向におけるサージング、Y方向におけるスウェイング、またはZ方向におけるヒービングもなしに、Z軸を中心としてヨーさせるために、推進機構によって発生したすべての力のX成分の合計が相殺され、推進機構によって発生したすべての力のY成分の合計が相殺され、推進機構によって発生したすべての力のZ成分と重力の合計が相殺される。しかしながら、以下でさらに考察するように、力は原点1811または航空機1800の重心から複数の距離において生成され、推進機構1806−1、1806−2、および1806−3の対の合力1807−1、1807−2、および1807−3は、反時計回り方向においてZ軸を中心としてモーメントを生じさせ、これは航空機を、反時計回り方向においてZ軸を中心としてヨーさせる。
第1の方向における第1の推進機構1802−1の配向によって、および第1の推進機構1802−1が第1の大きさを有する第1の力1803−1を生成しているため、第1の力1803−1は、正のX成分1803−1xおよび負のY成分1803−1yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第6の推進機構1802−6の配向によって、および第6の推進機構1802−6が第2の大きさを有する第6の力1803−6を生成しているため、第6の力1803−6は、正のX成分1803−6xおよび正のY成分1803−6yを含む方向を有する。力1803−1および1803−6を合計すると、推進機構の第1の対1806−1に対する合力1807−1は、第3の大きさ、正のX成分1803−1xと正のX成分1803−6xとの合計である正のX成分807−1x、およびより大きい正のY成分1803−6yとより小さい負のY成分1803−1yとの差である正のY成分1807−1yを有する。
推進機構1802−2および1802−3の第2の対1806−2に目を転じると、第1の方向における第3の推進機構1802−3の配向によって、および第3の推進機構1802−3が第1の大きさを有する第3の力1803−3を生成しているため、第3の力1803−3は、正のX成分1803−3xおよび正のY成分1803−3yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第2の推進機構1802−2の配向によって、および第2の推進機構1802−2が第2の大きさを有する第2の力1803−2を生成しているため、第2の力1803−2は、負のX成分1803−2xおよび正のY成分1803−2yを含む方向を有する。力1803−3および1803−2を合計すると、推進機構の第2の対1806−2の合力1807−2は、第4の大きさ、より大きい負のX成分1803−2xとより小さい正のX成分1803−3xとの差である負のX成分1807−2x、および正のY成分1803−3yと正のY成分1803−2yとの合計である正のY成分1807−2yを有する。
推進機構1802−5および1802−4の第3の対1806−3については、第1の方向における第5の推進機構1802−5の配向によって、および第5の推進機構1802−5が第1の大きさを有する第5の力1803−5を生成しているため、第5の力1803−5は、負のX成分1803−5xおよび負のY成分1803−5yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第4の推進機構1802−4の配向によって、および第4の推進機構1802−4が第2の大きさを有する第4の力1803−4を生成しているため、第4の力1803−4は、正のX成分1803−4xおよび負のY成分1803−4yを含む方向を有する。力1803−5および1803−4を合計すると、推進機構の第3の対1806−3に対する合力1807−3は、第4の大きさ、より大きい正のX成分1803−4xとより小さい負のX成分1803−5xとの差である正のX成分1807−3x、および負のY成分1803−5yと負のY成分1803−4yとの合計である負のY成分1807−3yを有する。
3つの対の操縦性コンポーネント1806−1、1806−2、および1806−3の位置付けのため、合力1807−1、1807−2、および1807−3の合計は、X成分を有せず、かつY成分も有しない、正味の力をもたらす。同様に、正味の力のZ成分は、重力によって相殺される。正のY成分1807−1yおよび正のY成分1807−2yは、負のY成分1807−3yと相殺される。同様に、正のX成分1807−1xおよび正のX成分1807−3xは、負のX成分1807−2xと相殺される。同様に、合力1807−1、1807−2、および1807−3のZ成分の大きさの合計は、航空機1800に作用する重力と等しく、かつこれと相反する。しかしながら、合力1807−1、1807−2、および1807−3は、原点1811または航空機1811の重心からの距離だけ離れているため、これらの力は、Z軸を中心としてモーメント1809−Yを生成し、それにより、Z軸を中心として航空機1800をヨーさせる。
図19は、開示された実装形態により、航空機がVTOL配向にあるときに、航空機をX軸を中心としてロールさせる推力ベクトル1903を有する、本明細書で考察される航空機の推進機構1902の図である。上述のように、推進機構1902の各々は、ほぼ同じ平面内、この実施例では、X−Y平面内にあり、上述のように対1906内に配向されている。同様に、航空機がVTOL配向にあるとき、航空機は任意の方向にナビゲートされ得るが、図19は航空機1900の機首方位を表示している。
航空機1900の構成において、航空機1900をX軸を中心としてロールさせるために、第1の推進機構1902−1、第2の推進機構1902−2、および第3の推進機構1902−3は、ほぼ同じ第1の大きさを有する第1の力1903−1、第2の力1903−2、および第3の力1903−3を発生させる。第4の推進機構1902−4、第5の推進機構1902−5、および第6の推進機構1902−6は、第1の大きさより小さいほぼ同じ第2の大きさを有する、第4の力1903−4、第5の力1903−5、および第6の力1903−6を発生させる。
力1903−1、1903−2、1903−3、1903−4、1903−5、および1903−6の各々は、X成分、Y成分、およびZ成分を有する。この実施例では、航空機1900を、X方向におけるサージング、Y方向におけるスウェイング、またはZ方向におけるヒービングもなしに、X軸を中心としてロールさせるために、推進機構によって発生したすべての力のX成分の合計が相殺され、推進機構によって発生したすべての力のY成分の合計が相殺され、推進機構によって発生したすべての力のZ成分と重力の合計が相殺される。ただし、以下でさらに考察するように、力は原点から複数の距離において生成され、力1903−1、1903−2、および1903−3のZ成分の大きさは、力1903−4、1903−5、および1903−6のZ成分の大きさより大きいため、力のZ成分の大きさの差および原点1911からのオフセットは、航空機1900をX軸を中心としてロールさせるX軸を中心としたモーメントをもたらす。第4の力1903−4、第5の力1903−5、および第6の力1903−6のZ成分の大きさと比較して、第1の力1903−1、第2の力1903−2、および第3の力1903−3のZ成分の組み合わせ間の大きさの差が大きいほど、モーメントが大きくなり、航空機はX軸を中心としてより多くロールする。説明および図示を容易にするために、個々の力のZ成分は、考察および図19から省略されている。
第1の方向における第1の推進機構1902−1の配向によって、および第1の推進機構1902−1が第1の大きさを有する第1の力1903−1を生成しているため、第1の力1903−1は、正のX成分1903−1xおよび負のY成分1903−1yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第6の推進機構1902−6の配向によって、および第6の推進機構1902−6が第2の大きさを有する第6の力1903−6を生成しているため、第6の力1903−6は、正のX成分1903−6xおよび正のY成分1903−6yを含む方向を有する。力1903−1および1903−6を合計すると、推進機構の第1の対1906−1に対する合力1907−1は、第3の大きさ、X成分1903−1xとX成分1903−6xとの合計である正のX成分1907−1x、およびより大きい負のY成分1903−1yとより小さい正のY成分1903−6yとの差である負のY成分1907−1yを有する。さらに、第1の対1906−1の合力1907−1は、正のZ方向における第4の大きさを有する、正のZ成分1907−1zを有する。
推進機構1902−2および1902−3の第2の対1906−2に目を転じると、第1の方向における第3の推進機構1902−3の配向によって、および第3の推進機構1902−3が第1の大きさを有する第3の力1903−3を生成しているため、第3の力1903−3は、正のX成分1903−3xおよび正のY成分1903−3yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第2の推進機構1902−2の配向によって、および第2の推進機構1902−2が第1の大きさを有する第2の力1903−2を生成しているため、第2の力1903−2は、負のX成分1903−2xおよび正のY成分1903−2yを含む方向を有する。力1903−3および1903−2を合計すると、推進機構の第2の対1906−2に対する合力1907−2は、第5の大きさ、より大きい負のX成分1903−2xとより小さい正のX成分1903−3xとの差である負のX成分1907−2x、および正のY成分1903−3yと正のY成分1903−2yとの合計である正のY成分1907−2yを有する。さらに、第2の対1906−2の合力1907−2は、正のZ方向において第6の大きさを有する正のZ成分1907−2zを有し、これは第1の合力1907−1の第4の大きさ1907−1zより大きい。
推進機構1902−5および1902−4の第3の対1906−3については、第1の方向における第5の推進機構1902−5の配向によって、および第5の推進機構1902−5が第2の大きさを有する第5の力1903−5を生成しているため、第5の力1903−5は、負のX成分1903−5xおよび負のY成分1903−5yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第4の推進機構1902−4の配向によって、および第4の推進機構1902−4が第2の大きさを有する第4の力1903−4を生成しているため、第4の力1903−4は、正のX成分1903−4xおよび負のY成分1903−4yを含む方向を有する。力1903−5および1903−4を合計すると、推進機構の第3の対1906−3に対する合力1907−3は、第7の大きさ、より大きい負のX成分1903−5xとより小さい正のX成分1903−4xとの差である負のX成分1907−3x、および負のY成分1903−5yと負のY成分1903−4yとの合計である負のY成分1907−3yを有する。さらに、第3の対1906−3の合力1907−3は、正のZ方向における第8の大きさを有し、これは第6の大きさより小さい。
3つの対の操縦性コンポーネント1906−1、1906−2、および1906−3の位置付けのため、合力1907−1、1907−2、および1907−3の合計は、X成分を有せず、かつY成分も有しない、正味の力をもたらす。具体的には、正のY成分1907−2yは、負のY成分1907−1yおよび1907−3yと相殺される。同様に、負のX成分1907−2xおよび1907−3xの各々は、正のX成分1907−1xと相殺される。同様に、合力1907−1、1907−2、および1907−3のZ成分の大きさの合計は、航空機1500に作用する重力と等しく、かつこれと相反する。しかしながら、第1の力1903−1、第2の力1903−2、および第3の力1903−3のZ成分の合計は、第4の力1903−4、第5の力1903−5、および第6の力1903−6のZ成分の合計より大きく、かつこれらの力は原点からある距離だけ離れているため、X軸を中心としたモーメント1909−Rが生じ、その結果航空機1900をX軸を中心としてロールさせる。
図20は、開示された実装形態による、例示的な航空機制御システム2000を示すブロック図である。様々な実施例において、ブロック図は、本明細書で考察する様々なシステムおよび方法を実装するために、および/または本明細書で考察する航空機の動作を制御するために使用されてもよい、航空機制御システム2000の1つ以上の態様を示し得る。示された実装形態では、航空機制御システム2000は、入力/出力(I/O)インターフェース2010を介して、メモリ(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体2020)に連結された、1つ以上のプロセッサ2002を含む。航空機制御システム2000はまた、電子速度制御(ESC)、電力モジュール2006および/またはナビゲーションシステム2007などの推進機構コントローラ2004も含む。航空機制御システム2000は、ペイロード係合コントローラ2012、ネットワークインターフェース2016、および1つ以上の入力/出力デバイス2017をさらに含む。
様々な実装形態において、航空機制御システム2000は、1つのプロセッサ2002を含むユニプロセッサシステム、またはいくつかの(例えば、2、4、8、または他の適切な数の)プロセッサ2002を含むマルチプロセッサシステムであってもよい。プロセッサ(複数可)2002は、命令を実行することができる任意の適切なプロセッサであってもよい。例えば、様々な実装形態では、プロセッサ(複数可)2002は、x86、PowerPC、SPARC、またはMIPS ISAもしくは任意のその他の適切なISAなどの様々な命令セットアーキテクチャ(ISA)のうちのいずれかを実装する、汎用または組み込みプロセッサであってもよい。マルチプロセッサシステムでは、各プロセッサ(複数可)2002は通常、同じISAを実装し得るが、必ずしもそうでなくてもよい。
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体2020は、プロセッサ(複数可)2002によってアクセス可能な実行可能な命令、データ、飛行経路、飛行制御パラメータ、重心情報、および/またはデータ項目を記憶するように構成されてもよい。様々な実装形態において、非一時的コンピュータ可読記憶媒体2020は、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、シンクロナスダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、または任意の他のタイプのメモリなどの任意の適切なメモリ技術を使用して、実装されてもよい。示される実装形態では、本明細書で説明するものなどの所望の機能を実施するプログラム命令およびデータは、プログラム命令2022、データ記憶2024および飛行制御2026として、それぞれ非一時的なコンピュータ可読記憶媒体2020内に記憶されて示されている。他の実装形態では、プログラム命令、データ、および/または飛行制御は、非一時的媒体などの異なるタイプのコンピュータアクセス可能媒体、または非一時的コンピュータ可読記憶媒体2020もしくは航空機制御システム2000とは別の同様の媒体で、受信、送信、または保存されてもよい。一般的に言えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体としては、I/Oインターフェース2010を介して、航空機制御システム2000に連結された磁気または光学媒体(例えば、ディスクまたはCD/DVD−ROM)などの記憶媒体またはメモリ媒体が挙げられ得る。非一時的なコンピュータ可読媒体を介して記憶されたプログラム命令およびデータは、ネットワークインターフェース2016を介して実装され得るようなネットワークおよび/または無線リンクなどの通信媒体を介して伝達され得る、伝送媒体、または電気信号、電磁気信号、もしくはデジタル信号などの信号によって送信されてもよい。
一実装形態では、I/Oインターフェース2010は、プロセッサ(複数可)2002、非一時的コンピュータ可読記憶媒体2020、および任意の周辺デバイスと、ネットワークインターフェースまたは入出力デバイス2017などの他の周辺機器インターフェースとの間のI/Oトラフィックを調整するように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、I/Oインターフェース2010は、1つの構成要素(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体2020)からのデータ信号を、別の構成要素(例えば、プロセッサ(複数可)2002)による使用に適した形式に変換するために、任意の必要なプロトコル、タイミング、または他のデータ変換を実行してもよい。いくつかの実装形態では、I/Oインターフェース2010は、例えば、周辺構成要素相互接続(PCI)バス標準またはユニバーサルシリアルバス(USB)標準のバリアントなどの様々なタイプの周辺バスを介して取り付けられたデバイスのためのサポートを含んでもよい。いくつかの実装形態では、I/Oインターフェース2010の機能は、例えば、ノースブリッジおよびサウスブリッジなどの2つ以上の別個の構成要素に分割されてもよい。また、いくつかの実装形態では、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体2020へのインターフェースなどのI/Oインターフェース2010の機能の一部またはすべては、プロセッサ(複数可)2002の中へと直接組み込んでもよい。
推進機構コントローラ2004は、ナビゲーションシステム2007と通信し、各揚力推進機構および/または推進機構の回転速度を調整して、航空機を安定させ、かつ/または1つ以上の操縦を実行し、そして飛行経路に沿って航空機を案内する。
ナビゲーションシステム2007は、全地球測位システム(GPS)、屋内測位システム(IPS)、もしくは他の同様のシステム、ならびに/または航空機100をある場所にナビゲートする、かつ/もしくはある場所からナビゲートするために使用することができるセンサを含んでもよい。ペイロード係合コントローラ2012は、項目を係合および/または係脱するために使用される、アクチュエータ(複数可)またはモータ(複数可)(例えば、サーボモータ)と通信する。
ネットワークインターフェース2016は、航空機制御システム2000、他のコンピュータシステム(例えば、リモートコンピューティングリソース)などのネットワークに取り付けられた他のデバイス、および/または他の航空機の航空機制御システムとの間でデータを交換できるように構成されてもよい。例えば、ネットワークインターフェース2016は、航空機と、1つ以上のリモートコンピューティングリソース上に実装された航空機制御システムとの間の無線通信を可能にする場合がある。無線通信の場合、航空機のアンテナまたは他の通信構成要素を利用してもよい。別の実施例として、ネットワークインターフェース2016は、多数の航空機間の無線通信を可能にする場合がある。様々な実装形態において、ネットワークインターフェース2016は、Wi−Fiネットワークなどの無線の一般的なデータネットワークを介した通信をサポートしてもよい。例えば、ネットワークインターフェース2016は、セルラー通信ネットワーク、衛星ネットワークおよびこれに類するものなどの遠隔通信ネットワークを介した通信をサポートしてもよい。
入力/出力デバイス2017は、いくつかの実装形態では、1つ以上のディスプレイ、画像化デバイス、熱センサ、赤外線センサ、飛行時間センサ、加速度計、圧力センサ、気象センサなどを含んでもよい。複数の入力/出力デバイス2017が存在し、航空機制御システム2000によって制御されてもよい。着陸を支援するだけでなく、飛行中の障害物を回避するためにもこれらのセンサのうちの1つ以上を利用してもよい。
図20に示されるように、メモリは、本明細書で説明される例示的なルーチンおよび/またはサブルーチンを実施するように構成され得る、プログラム命令2022を含んでもよい。データ記憶2024は、飛行経路の決定、着陸、物品の係脱位置の特定、操縦を実行するために利用する操縦推進機構の決定などのために提供され得る、データ項目を維持するための様々なデータストアを含んでもよい。様々な実装形態において、1つ以上のデータストアに含まれているとして本明細書に示されているパラメータ値および他のデータは、説明されていない他の情報と組み合わせされてもよく、またはより多くのデータ構造へと、より少ないデータ構造へと、または異なるデータ構造へと、異なるように分割されてもよい。いくつかの実装形態では、データストアは、物理的に1つのメモリに配置されてもよく、または2つ以上のメモリに分散されてもよい。
当業者は、航空機制御システム2000が単に例示的なものであり、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解するであろう。具体的には、コンピューティングシステムおよびデバイスは、示された機能を実行することができるハードウェアまたはソフトウェアの任意の組み合わせを含んでもよい。航空機制御システム2000は、示されていない他のデバイスに接続されてもよく、またはその代わりに独立型システムとして動作してもよい。さらに、示された構成要素によって提供される機能は、いくつかの実装形態では、より少ない構成要素に結合されてもよく、または追加の構成要素に分散されてもよい。同様に、いくつかの実装形態では、図示された構成要素の一部の機能が提供されない場合があり、かつ/または他の追加的な機能が利用可能になる場合がある。
また、当業者は、様々な項目が使用中にメモリまたは記憶装置に記憶されるように示されているが、これらの項目またはそれらの一部分は、メモリ管理およびデータ整合性の目的でメモリと他の記憶デバイスとの間で転送されてもよいことも理解するであろう。あるいは、他の実装形態では、ソフトウェア構成要素の一部またはすべてを、別のデバイスのメモリ内で実行し、かつ示された航空機制御システム2000と通信してもよい。システム構成要素またはデータ構造の一部またはすべてはまた、適切なドライブで読み取られる非一時的なコンピュータアクセス可能媒体、またはポータブル物品に(例えば、命令または構造化データとして)記憶されてもよく、その様々な実施例が本明細書で説明される。いくつかの実装形態では、航空機制御システム2000とは別のコンピュータアクセス可能媒体上に記憶された命令は、無線リンクなど通信媒体を介して伝達される伝送媒体または電気、電磁気もしくはデジタル信号などの信号を介して、航空機制御システム2000に送信されてもよい。様々な実装形態は、コンピュータアクセス可能媒体上に前述の説明に従って実装された、命令および/またはデータを受信、送信、または記憶することをさらに含んでもよい。したがって、本明細書で説明する技法は、他の航空機制御システム構成で実施されてもよい。
本明細書で開示される実装形態は、航空機装置を含んでもよい。航空機装置は、胴体、胴体に連結されかつ胴体から延在する第1のモータアーム、胴体に連結されかつ胴体から延在する第2のモータアーム、胴体に連結されかつ胴体から延在する第3のモータアーム、胴体に連結されかつ胴体から延在する第4のモータアーム、胴体に連結されかつ胴体から延在する第5のモータアーム、胴体に連結されかつ胴体から延在する第6のモータアーム、第1のモータアーム、第2のモータアーム、第3のモータアームおよび第4のモータアームの各々に連結されたリングウィングであって、リングウィングが胴体の少なくとも一部分の周りに延在するように連結されたリングウィング、第1のモータアームに連結され、かつ胴体とリングウィングとの間の第1の位置にある第1の推進機構、第2のモータアームに連結され、かつ胴体とリングウィングとの間の第2の位置にある第2の推進機構、第3のモータアームに連結され、かつ胴体とリングウィングとの間の第3の位置にある第3の推進機構、第4のモータアームに連結され、かつ胴体とリングウィングとの間の第4の位置にある第4の推進機構、第5のモータアームに連結され、かつ胴体とリングウィングとの間の第5の位置にある第5の推進機構、ならびに第6のモータアームに結合され、かつ胴体とリングウィングとの間の第6の位置にある第6の推進機構のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実装形態では、第1の推進機構および第6の推進機構は、第1の推進機構によって生成される第1の力の少なくとも一部分が、第6の推進機構によって生成される第6の力の少なくとも一部分を相殺する推進機構の第1の対を形成するように配向され、第2の推進機構および第3の推進機構は、第2の推進機構によって生成される第2の力の少なくとも一部分が、第3の推進機構によって生成される第3の力の少なくとも一部分を相殺する推進機構の第2の対を形成するように配向され、かつ/または第4の推進機構および第5の推進機構は、第4の推進機構によって生成される第4の力の少なくとも一部分が、第5の推進機構によって生成される第5の力の少なくとも一部分を相殺する推進機構の第3の対を形成するように配向される。さらに、いくつかの実装形態では、航空機装置はまた、航空機装置による目的地への配達のために電子商取引ウェブサイトを通じて注文された物品を含むペイロードを係合するように構成されている、ペイロード係合構成要素も含んでもよい。
随意的に、航空機装置の第2の推進機構および第5の推進機構は、航空機装置が水平飛行配向にあるときに実質的に水平な方向の力を生成するように、胴体と、かつ実質的に水平な方向で整列されてもよい。随意的に、リングウィングは、航空機装置が、水平飛行配向にあり、かつ実質的に水平な方向で移動しているときに、揚力を生成するように配向されてもよい。随意的に、第1の推進機構、第3の推進機構、第4の推進機構、および第6の推進機構の各々によって生成される力は、航空機装置が水平飛行配向にあり、実質的に水平な方向にナビゲートしているとき、終了されてもよい。随意的に、ペイロード係合構成要素は、ペイロードが航空機装置の胴体内に収容されるように、ペイロードを係合してもよい。
本明細書で開示される実装形態は、航空機のナビゲーション方法を含んでもよい。航空機のナビゲーション方法は、水平成分を含む方向にナビゲートするための指令を受信すること、および航空機が、航空機の胴体が、垂直配向に対してある角度にあり、航空機のリングウィングが、実質的に水平な配向にあり、かつ航空機の複数の推進機構が、実質的に水平な配向にあるような、垂直離着陸(VTOL)配向にあることを決定することとのうちの1つ以上を含んでもよい。さらに、航空機のナビゲーション方法はまた、複数の推進機構のうちの第1の推進機構によって、航空機をVTOL配向から水平飛行配向へと回転するように、航空機のピッチを増加させる第1の力を発生させることであって、これにより、航空機の胴体が、航空機の移動方向で、水平配向になる、ことと、複数の推進機構のうちの第2の推進機構が、実質的に水平に配向されて、実質的に水平な方向の第2の力を生成することと、複数の推進機構のうちの第3の推進機構が、実質的に水平に配向されて、実質的に水平な方向の第3の力を生成することと、も含んでもよい。さらに、航空機のナビゲーション方法はまた、第2の推進機構および第3の推進機構から、第2の力および第3の力を発生させて、航空機が水平飛行配向にある間に、航空機を水平方向にサージさせることも含んでもよい。航空機のナビゲーション方法の一部として、航空機のリングウィングは、航空機が、水平飛行配向にあり、かつ水平方向にサージしているときに、航空機をある高度に維持するのに十分な揚力を生成する。
随意的に、航空機のナビゲーション方法は、航空機のピッチが、ピッチしきい値を超えていると決定すること、航空機の水平対気速度が、水平対気速度しきい値を超えていると決定すること、ならびに航空機のピッチが、ピッチしきい値を超えており、かつ航空機の水平対気速度が、水平対気速度しきい値を超えていると決定することに応じて、第1の推進機構、航空機の第4の推進機構、航空機の第5の推進機構、および航空機の第6の推進機構の各々によって、生成されている力を終了させることをさらに含んでもよい。随意的に、第1の推進機構、第4の推進機構、第5の推進機構、および第6の推進機構は、航空機が水平飛行配向にあるときに、実質的に水平な方向に整列していなくてもよい。随意的に、第1の推進機構、第2の推進機構、第3の推進機構、第4の推進機構、第5の推進機構、および第6の推進機構は各々、航空機がVTOL配向にあるときに、水平成分および垂直成分を含む、それぞれの力を生成するように整列していてもよい。随意的に、第1の推進機構、第2の推進機構、第3の推進機構、第4の推進機構、第5の推進機構、および第6の推進機構は各々、航空機がVTOL配向にあるときに、6つの自由度のいずれかで、航空機を移動させる正味の力が、第1の推進機構、第2の推進機構、第3の推進機構、第4の推進機構、第5の推進機構、および第6の推進機構から生成され得るように、整列していてもよい。随意的に、航空機のナビゲーション方法はまた、垂直成分を含む第2の方向にナビゲートするための第2の指令を受信すること、航空機が水平飛行配向にあることを決定すること、航空機が、水平飛行配向からVTOL配向に回転するように、航空機のピッチを減少させること、および航空機がVTOL配向にある間に、航空機の複数の推進機構の各々から力を生成して、航空機の飛行を維持することも含んでもよい。随意的に、航空機は、少なくとも6つの推進機構を含んでもよく、少なくとも6つの推進機構のうちの少なくとも1つは、第1の方向に配向されており、少なくとも6つの推進機構のうちの少なくとも1つは、第2の方向に配向されており、第1の配向は、第2の配向に対向する。随意的に、航空機が水平飛行配向にあるときに、リングウィングは、リングウィングの下部セグメントが、リーディングウィング位置にあり、リングウィングの上部セグメントが、リアウィング位置にあるようにオフセットしていてもよい。
本明細書で開示される実装形態は、航空機装置を含んでもよい。航空機装置は、航空機装置が垂直離着陸(VTOL)配向にあるときに、垂直配向に対してある角度で整列している胴体、胴体に連結され、胴体の周りに位置付けられた複数の推進機構、およびリングウィングであって、航空機装置がVTOL配向に配向されたときに、リングウィングが実質的に水平な方向に整列するように、胴体に連結され、胴体の周りに位置付けられた、リングウィングのうちの1つ以上を含んでもよい。
随意的に、複数の推進機構は、航空機装置がVTOL配向にあるときに、実質的に水平面内にあってもよい。随意的に、複数の推進機構は、航空機装置がVTOL配向にあるときに、各推進機構が水平成分および垂直成分を含む力を生成するように、角度が付けられていてもよい。随意的に、航空機装置が水平飛行配向にあるときに、胴体は水平方向に整列していてもよく、航空機装置が水平飛行配向にあるときに、推進機構の少なくとも2つは、水平方向に整列し、かつ実質的に水平な方向にそれぞれの力を生成してもよく、またリングウィングは、航空機装置が水平飛行配向にあり、かつ実質的に水平な方向で空中をナビゲートしているときに、揚力を生成してもよい。随意的に、リングウィングは、航空機装置が水平飛行配向にあるときに、リングウィングの下部セグメントがリーディングウィングとして動作し、かつリングウィングの上部セグメントが航空機装置のリアウィングとして動作するように、垂直からオフセットしていてもよい。随意的に、リングウィングは実質的に六角形の形状を有していてもよい。随意的に、リングウィングは、リングウィングの上部セグメントに沿ってより長い弦長を有していてもよく、またリングウィングの下部セグメントに沿ってより短い弦長を有していてもよい。
本開示の上記態様は、例示的であることを意図している。それらは、本開示の原理と応用とを説明するために選択されたものであり、網羅的であること、または本開示を限定することを意図していない。開示された態様の数多くの修正および変形が、当業者には明らかであり得る。コンピュータ、通信、および音声処理の分野の当業者は、本明細書で説明する構成要素およびプロセスステップは、他の構成要素もしくはステップ、または構成要素もしくはステップの組み合わせと交換可能であり、それでもなお本開示の利益および利点を達成できることを認識すべきである。さらに、本開示は本明細書に開示された特定の詳細およびステップの一部またはすべてがなくても実施できることが、当業者には明らかであるべきである。
上記の実施例は航空機に関して説明されたが、開示された実装形態はまた、地上ベースの車両および水ベースの車両を含むがこれらに限定されない他の形態の車両にも使用され得る。
開示されたシステムの態様は、コンピュータ方法として、またはメモリデバイスまたは非一時的なコンピュータ可読記憶媒体などの製品として実装されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能であってもよく、またコンピュータまたは他のデバイスに本開示で説明されるプロセスを実行させるための命令を含んでもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性コンピュータメモリ、不揮発性コンピュータメモリ、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、フラッシュドライブ、リムーバブルディスク、および/または他の媒体によって実装されてもよい。さらに、モジュールおよびエンジンのうちの1つ以上の構成要素は、ファームウェアまたはハードウェアで実装されてもよい。
特に明記されていない限り、「a」や「an」などの冠詞は、一般に1つ以上の説明された項目を含むと解釈されるべきである。したがって、「に構成されたデバイス」などの語句は、列挙された1つ以上のデバイスを含むことを意図している。そのような1つ以上の列挙されたデバイスは、述べられた列挙を実行するように集合的に構成することもできる。例えば、「列挙A、B、およびCを実行するように構成されたプロセッサ」には、列挙BおよびCを実行するように構成された第2のプロセッサと連携して動作する、列挙Aを実行するように構成された第1のプロセッサを含むことができる。
本明細書で使用される場合、「約」、「およそ」、「ほぼ」、「ほとんど」または「実質的に」という用語などの本明細書で使用される程度の言い回しは、それでも所望の機能を実行する、または所望の結果を達成する、記載された値、量、または特性に近い値、量、または特性を表す。例えば、「約」、「およそ」、「概ね」、「ほとんど」または「実質的に」という用語は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、および0.01%未満の量を指す場合がある。
本明細書を通して使用されているように、「may」という単語は、必須の意味(つまり、「しなければならない」という意味)ではなく、許容的な意味(つまり、潜在力があるという意味)で使用されている。同様に、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、および「含む(includes)」という言葉は、含むことを意味するが、これに限定されない。さらに、本明細書で使用する場合、「連結」という用語は、その接続が恒久的(例えば、溶接)もしくは一時的(例えば、ボルト締め)、直接もしくは間接的(例えば、中間物を通じて)、機械的、化学的、光学的、または電気的であるかどうかによらず、一緒に接続された2つ以上の構成要素を指し得る。さらに、本明細書で使用する場合、「水平」飛行とは、地面(例えば、海面)と実質的に平行な方向で移動する飛行を指し、「垂直」飛行とは、地球の中心から半径方向外向きに実質的に移動する飛行を指す。軌道には「水平」および「垂直」の両方の飛行ベクトルの成分が含まれてもよいことが、当業者には理解されるべきである。
本発明をその例示的な実装形態に関して説明および図示したが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、前述およびその他の様々な追加および省略が、それらにおいておよびそれらに対してなされてもよい。
図5に示された実施例では、各推進機構502−1、502−2、502−3、502−4、502−5、および502−6は、各それぞれのモータアーム505−1、505−2、505−3、505−4、505−5、および505−6の位置に対して約30度で配向されてもよい。さらに、推進機構の配向の方向は、推進機構の対が互いに対して配向されているようなものである。例えば、推進機構502−1は、推進機構502−6に対して約30度で配向される。同様に、推進機構502−2は、第3のモータアーム505−2を中心として第2の方向に約30度で配向され、かつ推進機構502−3に向かって配向されている。最後に、推進機構502−4は、第4のモータアーム505−4を中心として第1の方向で、推進機構502−5に向かって約30度で配向されている。示されるように、胴体510の両側にある推進機構502−3および502−6は、同じ第1の方向(この例では水平)に整列され、かつ配向されている。胴体510の両側にある推進機構502−2および502−5は、第1の方向と比較して角度が付けられた同じ第2の方向に整列され、かつ配向されている。胴体510の両側にある推進機構502−1および502−4は、第1の方向および第2の方向と比較して角度が付けられた同じ第3の方向に整列され、かつ配向されている。
航空機1700の構成において、航空機1700をY軸を中心としてピッチさせるために、第1の推進機構1702−1および第6の推進機構1702−6は、ほぼ同じ第1の大きさを有する第1の力1703−1および第6の力1703−6を発生させる。第3の推進機構1702−3および第4の推進機構1702−4は、第1の大きさより大きいほぼ同じ第2の大きさを有する、第3の力1703−3および第4の力1703−4を発生させる。第2の推進機構1702−2および第5の推進機構1702−5は、第1の大きさより大きく、第2の大きさより小さいほぼ同じ第3の大きさを有する、第2の力1703−2および第5の力1703−5を生成する。
第1の方向における第1の推進機構1802−1の配向によって、および第1の推進機構1802−1が第1の大きさを有する第1の力1803−1を生成しているため、第1の力1803−1は、正のX成分1803−1xおよび負のY成分1803−1yを含む方向を有する。同様に、第2の方向における第6の推進機構1802−6の配向によって、および第6の推進機構1802−6が第2の大きさを有する第6の力1803−6を生成しているため、第6の力1803−6は、正のX成分1803−6xおよび正のY成分1803−6yを含む方向を有する。力1803−1および1803−6を合計すると、推進機構の第1の対1806−1に対する合力1807−1は、第3の大きさ、正のX成分1803−1xと正のX成分1803−6xとの合計である正のX成分1807−1x、およびより大きい正のY成分1803−6yとより小さい負のY成分1803−1yとの差である正のY成分1807−1yを有する。