JP2020509797A - 注入バルーンおよびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、(a)第1の端部(104)および第2の端部(106)を有するフレーム(102)であって、フレームが、フレームの第1の端部と第2の端部との間に配置される複数の支柱(108)を含むフレームと、(b)フレームの複数の支柱の中に配置される複数のチャネル(110)と、(c)フレームに結合され、拡張状態において、フレームが、注入バルーンが、それを通って拡張して、フレームから外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝(116)を画定するように構成される複数の開口(114)を提供するように配置される注入バルーン(112)と、(d)フレームの中に画定され、複数のチャネルと複数の溝との間の流体連通を可能にするように構成される複数の穴(118)と、(e)フレームの第1の端部または第2の端部に配置され、複数のチャネルと流体連通するリザーバを含む注入ハブ(120)とを含む装置を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2017年3月7日に出願された「Infusion Balloon and Expandable Frame and Methods for Use Thereof」とい名称の米国仮出願第62/468,330号に対する優先権の恩恵を請求し、同仮出願の内容の全てを参考文献としてここに援用する。
局所的薬物送達は、それによって、治療薬が、ヒトまたは動物の患者の血管系内の特定区域に送達される作業である。この局所的治療は、目的とする標的区域で薬物または治療薬の濃度を上げることを可能にしながらも、循環系内での全身系送達によって結果的に生じる可能性のある毒性を回避するものである。知られている局所的薬物送達方法には、薬物溶出ステントまたはバルーン、多孔質薬物注入バルーン、および直接的カテーテル送達が含まれる。
本開示は、フレームおよび注入バルーンを含む装置を使用して、脈管系内の選択された部位に薬物溶液または治療薬を送達するための方法および装置を対象とする。装置は、有益なことに、他の知られているバルーンの長さより最大で4倍長くてもよい長さにバルーンを増大させることを可能にすることができ、単一の処置でより大きい損傷部位を治療する利点を提供する。装置は、治療部位まで送達する間、薬物溶液を受容するための複数の溝をさらに提供することができる。これらの溝は、有益なことに、治療部位まで薬物溶液の流れを案内しながら、同時に、薬物が治療部位の壁と接触している時間を増やすために薬物流れを遅くすることができる。さらに、注入バルーンおよびバルーンの関連付けられるチャネルは、内腔の容積の一部を占めることによって必要とされる薬物溶液の体積を最小限に抑えるのに役立つことができる。加えて、装置は、薬物または治療薬を薬物送達バルーンの外面上の複数の溝の中に、そしてそれに沿って効率的に前進させるために、注入の間、システムの中で十分な圧力が維持されることを可能にするように注入バルーンより上流で膨張することができる閉塞バルーンをさらに含むことができる。閉塞バルーンは、さらに、治療区域からの血流を遮断することによって周辺流失を防止するのに役立つ。
したがって、第1の態様では、(a)第1の端部および第2の端部を有するフレームであって、フレームが、フレームの第1の端部と第2の端部との間に配置される複数の支柱を含むフレームと、(b)フレームの複数の支柱の中に配置される複数のチャネルと、(c)フレームに結合され、拡張状態において、フレームが、注入バルーンが、それを通って拡張して、フレームから外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝を画定するように構成される複数の開口を提供するように配置される注入バルーンと、(d)フレームの中に画定される複数の穴であって、複数の穴が、複数のチャネルと複数の溝との間の流体連通を可能にするように構成される複数の穴と、(e)フレームの第1の端部または第2の端部に配置される注入ハブであって、注入ハブが、複数のチャネルと流体連通しているリザーバを含む注入ハブとを含む装置が提供される。
第2の態様では、(a)第1の端部および第2の端部を有するフレームであって、フレームが、フレームの第1の端部と第2の端部との間に配置される複数の支柱を含むフレームと、(b)フレームの複数の支柱に結合された毛管作用材料と、(c)フレームに結合され、拡張状態において、フレームが、注入バルーンが、それを通って拡張して、フレームから外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝を画定するように構成される複数の開口を提供するように配置される注入バルーンと、(d)フレームの第1の端部または第2の端部に配置される注入ハブであって、注入ハブが、リザーバ、および毛管作用材料との流体連通を可能にする複数の開口を含む注入ハブとを含む別の装置が提供される。
第3の態様では、(a)第1の端部および第2の端部を有するフレームであって、フレームが、フレームの第1の端部と第2の端部との間に配置される複数の支柱を含むフレームと、(b)フレームに結合され、拡張状態において、フレームが、注入バルーンが、それを通って拡張して、フレームから外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝を画定するように構成される複数の開口を提供するように配置される注入バルーンと、(c)フレームの第1の端部に隣接して配置される閉塞バルーンであって、閉塞バルーンおよび注入バルーンが、バルーン膨張ポートと流体連通しているように構成される閉塞バルーンと、(d)閉塞バルーンと注入バルーンとの間に配置される1つまたは複数の薬物送達ダクトとを含む装置が提供される。
第4の態様では、(a)上記態様のいずれかの装置を、ガイドワイヤを覆うカテーテルを利用して治療部位に送達することと、(b)閉塞バルーンおよび注入バルーンを膨張させ、それによって、フレームを拡張させ、注入バルーンを複数の開口を通して拡張させて、外側へ半径方向に延伸させ、それによって、複数の溝を画定することと、(c)薬物溶液を、注入ハブと流体連通しているカテーテルの薬物送達内腔の中に注射することと、(d)薬物溶液を、薬物送達内腔を通して注入ハブへ進めて、フレームの複数のチャネルの中に、複数の穴を通して複数の溝へ進めて、治療部位の中に前進させることとを含む方法が提供される。
これらの態様、利点、および代替案、ならびに他の態様、利点、および代替案は、必要に応じて添付の図面を参照しながら以下の詳細説明を読むことで、当業者には明らかになろう。
例示的実施形態による、装置の平面図である。 例示的実施形態による、図1の装置の正面断面図である。 例示的実施形態による、図1の装置の側断面図である。 例示的実施形態による、螺旋状、縦方向、正弦波状、斜交平行状、または格子状の注入バルーンを備えた図1の装置の側部断面図である。 例示的実施形態による、装置の2つの内腔構成の正面断面図である。 例示的実施形態による、装置の3つの内腔構成の正面断面図である。 例示的実施形態による、別の装置の側断面図である。 例示的実施形態による、図7の装置の正面断面図である。 例示的実施形態による、さらに別の装置の平面図である。 開示された方法の例示的実施形態よって実行され得る機能を描写する流れ図である。
本明細書には例示的な装置および方法が記載される。「例示的」という語は、本明細書では「例、実例、または図解としての役割をすること」を意味するために使用されていることを理解すべきである。「例示的」として本明細書に記載されるどのような実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書に記載される例示的な実施形態は、制限的であるようには意味されていない。装置および方法の特定の態様は、多種多様な異なった構成で配置され、組み合わされることができ、そのすべてが、本明細書において想定されていることが容易に理解されよう。
その上、図に示される特定の配置は、制限的と見なされてはならない。他の実施形態は、提供された図に示される各要素より多いまたは少ない要素を含む場合もあると理解されなければならない。さらに、図示される要素のいくらかは、組み合わされるまたは省略される場合もある。さらに、例示的な実施形態は、図中の示されていない要素を含む場合もある。
本明細書で使用される場合、測定値に関して、「約」は、+/−5%を意味する。
本明細書で使用される場合、「結合される」は、直接的、ならびに間接的に関連付けられることを意味する。例えば、部材Aは、直接的に部材Bと関連付けられ得る、または例えば別の部材Cを介して、それと間接的に関連付けられ得る。さまざまな開示される要素の中のすべての関係が、必ずしも表されるわけではないことを理解されたい。
特に明記しない限り、用語「第1の」、「第2の」等は、本明細書では標識として使用されているにすぎず、これらの用語が指す品目に、順序的、位置的、または階層的な要件を付与するようには意図されていない。さらに、例えば、「第2の」品目への言及は、例えば、「第1の」またはより低い数字が付与された品目、および/または例えば、「第3の」またはより高い数字が付与された品目の存在を必要としない、または排除しない。
本明細書における「1つの実施形態」または「1つの例」への言及は、例に関連して記載される1つまたは複数の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施例に含まれていることを意味する。本明細書の中のさまざまな場所での語句「1つの実施形態」または「1つの例」は、同じ例を指している場合もあり、指していない場合もある。
本明細書で使用される場合、明記される機能を行う「ように構成される」装置、要素、および方法は、さらなる修正の後、明記される機能を行う可能性を単に有しているのではなく、どのような変更もせずに明記された機能を行うことが実際にできる。換言すれば、明記される機能を行う「ように構成される」装置、要素、および方法は、明記される機能を行うために特に選択され、作成され、実施され、利用され、プログラム化され、および/または設計される。本明細書で使用される場合、「ように構成される」は、装置、要素、および方法がさらなる修正なしに明記される機能を行うことを可能にする、装置、要素、および方法の実在する特性を意味する。この開示のために、特定の機能を行うように「構成される」ように記載される装置、要素、および方法は、追加的にまたは代替的に、「適応されて」いる、および/またはその機能を行うのに「有効で」あると説明され得る。
本明細書で使用される場合、「注入バルーンの膨張した直径」は、フレームの第1の端部と第2の端部の間の中間で測定された直径を指す。
本明細書で使用される場合、「毛管作用」材料は、重力のような外力(例えば吸い上げ作用)の補助なしに、またはそれに反しさえして、液体が狭い空間で流れる性能である。
本明細書で使用される場合、「治療部位」は、薬物送達バルーンが薬物溶液を効果的に投与するために展開される血管または動脈を指す。治療部位は、例えば、補助教具として使用される人工内腔をさらに含む場合もある。
本明細書で使用される場合、「薬物溶液」は、治療部位の中に投与されることができる何らかの流動性材料を指す。薬物溶液が、対象に投与される治療を含むとき、溶液で投与されることができるどのような適切な薬物でも、使用されることができる。さまざまな非制限的な実施形態では、治療は、シロリムス、ヘパリン、およびセルベース治療法、および抗悪性腫瘍薬、消炎剤、抗血小板薬、抗凝血剤、抗フィブリン、抗トロンビン、抗有糸分裂薬、抗生剤、抗アレルギー剤および抗酸化剤物質を含むことができる。そのような抗悪性腫瘍薬および/または抗有糸分裂薬の例には、パクリタキセル(例えばコネティカット州スタムフォード、Bristol−Myers Squibb Co.によるTAXOL(登録商標))、ドセタキセル(例えばドイツ、フランクフルト、Aventis S.A.からのTaxotere(登録商標))、メトトレキサート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、塩酸ドキソルビシン(例えばニュージャージー州、ピーパック、Pharmacia & UpjohnからのAdriamycin(登録商標))、およびマイトマイシン(例えばコネティカット州スタムフォード、Bristol−Myers Squibb Co.からのMutamycin(登録商標))が含まれる。そのような抗血小板薬、抗凝血剤、抗フィブリンおよび抗トロンビンの例には、アスピリン、ナトリウムヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパリン類似物質、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン、およびプロスタサイクリン類似体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン)、ジピリダモール、グリコプロテインIIb/IIIa血小板注入バルーン受容体拮抗剤抗体、組換型ヒルジン、およびAngiomaxa(マサチューセッツ州ケンブリッジ、Biogen, Inc.)などのトロンビン阻害剤が含まれる。そのような細胞増殖抑制性または抗増殖性剤の例には、アンギオペプチン、カプトプリルなどのアンギオテンシン転換酵素抑制剤(例えばコネティカット州スタムフォード、Bristol−Myers Squibb Co.からのCapoten(登録商標)およびCapozide(登録商標))、シラザプリルまたはリシノプリル(例えば、ニュージャージー州ホワイトハウスステーション、Merck & Co., Inc.からのPrinivil(登録商標)およびPrinzide(登録商標))、カルシウム拮抗薬(ニフェジピンなどの)、コルヒチン、タンパク質、ペプチド、線維芽細胞成長因子(FGF:fibroblast growth factor)アンタゴニスト、魚油(オメガ3−脂肪酸)、ヒスタミンアンタゴニスト、ロバスタチン(HMG−CoA還元酵素の阻害剤、コレステロール低下薬、ニュージャージー州ホワイトハウスステーション、Merck & Co., Inc.からの商標名Mevacor(登録商標))、モノクローナル抗体(血小板由来成長因子(PDGF:Platelet−Derived Growth Factor)レセプタに特有のものなどの)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、スラミン、セロトニンブロッカ、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGF拮抗剤)、および一酸化窒素が含まれる。抗アレルギー性薬剤の例は、ペミロラスト(permirolast)カリウムである。適切な薬剤であり得る他の治療物質または薬剤には、シスプラチン、インスリン増感剤、受容体型チロシンキナーゼ阻害剤、カルボプラチン、アルファインターフェロン、遺伝子工学による上皮細胞、ステロイド性消炎剤、非ステロイド性消炎剤、抗ウイルス剤、抗癌剤、抗血液凝固剤、フリーラジカル捕捉剤、エストラジオール、抗生剤、酸化窒素供与体、スーパーオキサイドディスムターゼ、スーパーオキサイドディスムターゼ模倣体、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、タクロリムス、デキサメタゾン、ABT−578、クロベタゾール、細胞増殖抑制性薬剤、そのプロドラッグ、その共薬物、およびそれらの組合せが含まれる。他の治療物質または薬剤には、ラパマイシン、および40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(EVEROLIMUSの商標名で知られている)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、メチルラパマイシン、および40−O−テトラゾール−ラパマイシンなどの構造誘導体またはその機能的な類似体が含まれ得る。加えて、装置が、例えば教育模型または訓練実演で使用される場合、水などの非治療的流体が、使用されることもある。
以下の記述では、開示される概念の十分な理解を可能にするために、数多くの具体的な詳細が記載されるが、開示される概念は、これらの細目の一部または全部がなくても実践され得る。他の例では、知られている装置および/または方法の詳細は、開示を不必要に不明瞭にすることを回避するために省略されている。いくつかの概念は、具体例と関連させて説明されるが、これらの例は、制限的であるようには意図されていないことを理解されたい。
図に関すると、図1は、例示的実施形態による、装置100の平面図を図示する。装置100は、第1の端部104および第2の端部106を有するフレーム102を含む。フレーム102の長さは、約50mmから約200mmの範囲であり得る。さまざまな実施形態では、フレーム102の長さは、約80mmから約200mm、約100mmから約200mm、約120mmから約200mm、約140mmから約200mm、約160mmから約200mm、約180mmから約200mm、約60mmから約120mm、約60mmから約100mm、および約10mmから約80mmの範囲である。
フレーム102は、フレーム102の第1の端部104と第2の端部106との間に配置される複数の支柱108を含む。フレーム102および対応する支柱108は、ニチノールまたはさまざまな生体適合性ポリマー類でできていてもよい。随意的な実施形態では、複数の支柱108は、非制限的な例として、少なくとも螺旋状、縦方向、正弦波状、斜交平行状、または格子状である配置を有する。1つの例では、フレーム102は、2個から8個の支柱108を含む。複数の支柱108は、フレーム102の第1の端部104からフレーム102の第2の端部106まで実質的に直線状であってもよい、または、複数の支柱108は、フレーム102の第1の端部104からフレーム102の第2の端部106まで曲線状であってもよい。そのような曲線は、例えば螺旋状、縦方向、正弦波状であり得る。1つの例では、複数の支柱108は、縦に配置される少なくとも1つの支柱および円周方向に配置される少なくとも1つの支柱を含む。そのような例では、非制限的な例として、円周方向に配置される少なくとも1つの支柱は、斜交平行状、または格子状になっていてもよい。装置100は、フレーム102の複数の支柱108の中に配置される複数のチャネル110をさらに含む。1つの例では、複数のチャネル110は、図2の装置100の正面断面図に図示されるように、複数の支柱108の中に相互連結ネットワークを形成する。1つの例では、複数の支柱108は、中空であり、それによって、複数のチャネル110を画定している。
装置100は、フレーム102に結合された注入バルーン112をさらに含む。さまざまな例では、注入バルーン112は、フレーム102の内部に結合されているか、フレーム102の外部に結合されているか、またはフレーム102の中に埋め込まれているかのいずれかであってもよい。注入バルーン112は、結果的に、例えば約5気圧の低破裂圧力になる、ポリウレタン、ラテックス、またはシリコーンなどの適合材料でできていることができる。注入バルーン112は、圧縮状態(すなわち、装置100を治療部位まで送達する間)から拡張状態へ変遷するように構成されることができる。注入バルーン112は、拡張状態において、フレーム102が、注入バルーン112が、それを通って拡張して、フレーム102から外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝116を画定するように構成される複数の開口114を提供するように配置されることができる。複数の溝116は、図2に示されるように、フレーム102の隣接開口114を通って拡張して、フレーム102の隣接開口114から外側へ半径方向に延伸する注入バルーン112の隣接部分の間の空間によって画定される。
複数の溝116は、(1)薬物溶液の流れを案内する、および(2)薬物が治療部位の血管壁115と接触する時間を増やすために、薬物溶液の流れを遅くする働きをする。複数の溝116は、好ましくは、注入バルーン112の中心軸と軸方向に整列しており、さまざまな実施例では、他の可能性の中で、渦巻状、螺旋状、正弦波状、または実質的に直線状であってもよい。1つの特定の例では、図4に示されるように、注入バルーン112自体は、螺旋状、縦方向、正弦波状、斜交平行状、または格子状の断面を含んでいてもよい。別の例では、上記のように、フレームの複数の支柱108は、螺旋状、縦方向、正弦波状、斜交平行状、または格子状である。溝が蛇行するほど、目標血管壁115に接触する表面積をより多く提供し、さらに、薬物溶液が目標血管壁115に接触する時間を延ばすので、渦巻状、螺旋状、または正弦波状溝の方が、直線状溝より好ましい可能性がある。さらに、溝のいずれかのパターンが、例えば斜交平行状またはハチ巣模様を含んでいることが想定される。複数の溝116の形状は、フレーム102の複数の開口114の形状を反映している場合もある。
1つの例では、フレーム102は、注入バルーン112が、圧縮状態および拡張状態の両方にあるとき、複数の開口114を含む。別の例では、フレーム102の複数の開口114は、注入バルーン112が拡張状態のときだけに存在する。そのような例では、フレーム102および注入バルーン112が、同じ圧力に応答して異なる速度で拡張するように、フレーム102は、注入バルーン112のヤング係数より高いヤング係数を有することができる。
装置100は、フレーム102の中に画定される複数の穴118をさらに含む。複数の穴118は、複数のチャネル110と複数の溝116との間の流体連通を可能にするように構成される。1つの例では、注入バルーン112が、圧縮状態および拡張状態の両方にあるとき、複数の穴118が、開いている。別の例では、注入バルーン112が、圧縮状態にあるとき、複数の穴118が、閉じており、注入バルーン112が、拡張状態にあるとき、複数の穴118が、開いている。そのような例では、複数の穴118のそれぞれは、注入バルーン112が膨張する際に、注入バルーン112によって加えられる圧力に応答して開く弁を含むことができる。装置100は、フレーム102の第1の端部104または第2の端部106に配置される注入ハブ120をさらに含む。注入ハブ120は、複数のチャネル110と流体連通しているリザーバ122を含む。注入ハブ120のリザーバ122は、薬物溶液を受容して、複数のチャネル110を通る薬物溶液を、複数の穴118から複数の溝116の中へより均一に分配するように構成され得る。注入ハブ120のリザーバ122は、周状であってもよい。
1つの実施形態では、装置100は、図3に示されるように、フレーム102の支柱108に結合された毛管作用材料123をさらに含む。毛管作用材料123用の例示的材料には、生物学的、生合成的、および合成的微小管、薄い管、または多孔質材料が含まれ得る。毛管作用は、液体と包囲している固体面との間の分子間力に起因する可能性がある。例えば、薄い管の直径が、十分に小さく、その場合、液体内の凝集に起因する表面張力と、液体と管状壁との間の接着力とが組み合わされて、液体を管の長さに沿って推進させるように作用する。作動中、毛管作用材料123は、流体をフレーム102の複数の支柱108に沿って運搬して、それによって、流体を治療部位と接触するように配置するように構成される。さまざまな実施形態では、毛管作用材料123は、フレーム102と一緒に拡張するように構成される。いくつかの実施形態では、微小管および薄い管は、流体を複数の溝116の長さに沿って均一に分配するために、注入ハブ120に隣接する第1の端部およびその第2の端部が、複数の支柱108の長さに沿って互い違いの構成に配置された状態で配置され得る。
1つの実施形態では、装置100は、少なくとも1つの内腔を有するカテーテル124をさらに含む。そのような例では、装置100は、少なくとも1つの内腔と連通しているバルーン膨張ポート126、それを通って薬液が投与される、少なくとも1つの内腔と連通している薬物送達ポート128、およびガイドワイヤを受容するための少なくとも1つの内腔と連通しているガイドワイヤポート130をさらに含んでいてもよい。装置100は、フレーム102の第1の端部104に隣接して配置される閉塞バルーン132をさらに含む場合もある。バルーン膨張ポート126を使用して、閉塞バルーン132および注入バルーン112の両方を膨張させるように、閉塞バルーン132および注入バルーン112は、バルーン膨張ポート126と流体連通しているように構成される。1つの例示的実施形態では、2つ、3つ、4つ、またはそれより多くの異なる薬物溶液または他の溶液が、治療に適切であると考えられるように、薬物送達ポート108に導入され得るように、薬物送達ポート128は、図1に示されるように、二叉に分かれていてもよい。
閉塞バルーン132は、他の可能性の中で、結果的に、例えば約5気圧の低破裂圧力になる、ポリウレタン、ラテックス、またはシリコーンなどの非外傷性適合材料で構成されてもよい。しかしながら、閉塞バルーン132は、より大きな圧力、例えば最大で約20気圧に耐えるように構成されてもよい。閉塞バルーン132は、低圧力膨張、約1から2気圧を利用して治療部位の形状およびサイズに適合するように構成されてもよい。一旦膨張すると、閉塞バルーン132は、血流に因る薬物溶液の希釈を最小限にするべく、閉塞バルーン132から下流の治療部位への薬物送達を可能にするため、治療部位に閉塞を提供することができる。注入バルーン112および閉塞バルーン132の両方の膨張した直径は、約2.5mmから約24mmの範囲であってもよい。閉塞バルーン132の長さは、約20mmから約40mmの範囲であってもよい。1つの実施形態では、閉塞バルーン132の膨張した直径は、注入バルーン112の膨張した直径とほぼ同じ直径から、注入バルーン112の膨張した直径より約2mmから約6mm大きい直径までの範囲である。閉塞バルーン132およびフレーム102は、約2mmから約20mmまでの範囲の距離だけ相互に離されていてもよい。この距離は、薬物溶液が、複数の溝116に入ってそれらに沿って効果的に前進させられることができるように、十分な圧力をシステムの中で維持することを可能にする。作動中、閉塞バルーン132は、薬物溶液を注入ハブ120の中に導入する前に膨張させられてもよい。
1つの例では、カテーテル124の少なくとも1つの内腔は、2つの並列内腔133を含む。図5は、2つの内腔133の正面断面図を図示する。特に、装置100は、バルーン膨張ポート126と連通している注入内腔134を含むことができ、閉塞バルーン132および注入バルーン112を膨張させるために生理食塩水対照混合物または何らかの他の適切な液状媒体を受容するように構成され得る。さらに、装置100は、薬物送達ポート128およびガイドワイヤポート130と連通しているガイドワイヤ内腔136を含むことができる。1つの実施形態では、第2の内腔116は、薬物溶液を受容するのに適した大きさおよび形状になっていてもよい。1つの実施形態では、第2の内腔116は、さらに、約0.25mmから約1mmの範囲、好ましくは、約0.254mmから約0.9652mmの範囲の直径を有するガイドワイヤを受容するのに適した大きさおよび形状になっていてもよい。ガイドワイヤ内腔136は、ガイドワイヤ内腔136の長さに延在する1つまたは複数の薬物送達チャネル138を含むことができる。これらの薬物送達チャネル138は、薬物溶液を薬物送達ポート128から治療部位まで運搬するために使用されることができる。ガイドワイヤ内腔136は、ガイドワイヤ内腔136の長さに延在するガイドワイヤチャンネル140をさらに含むことができる。別の例では、ガイドワイヤ内腔136は、ガイドワイヤおよび薬物溶液の両方のための単一チャネルを含む場合もある。
そのような構成では、薬物溶液が、ガイドワイヤ内腔136を通過することができるように、ガイドワイヤは、使用後除去されてもよい。作動中、装置100は、ガイドワイヤが、ガイドワイヤ内腔136の中にありながら、薬物溶液を注入するように構成されてもよい。そのような構成では、ガイドワイヤ内腔136は、ガイドワイヤポート130と薬物送達ポート128との間の場所から注入ハブ120のちょうど遠位まで、ガイドワイヤより大きい直径を有することができる。ガイドワイヤ内腔136は、フレーム102の遠位端部まで、注入ハブ120のちょうど遠位のガイドワイヤの直径の周囲まで収縮することになろう。さらに、ガイドワイヤ内腔136は、薬物溶液が、ガイドワイヤポート130から出て行くことを防止するように、注入ハブ120に対して近位のガイドワイヤの直径の周囲まで収縮する。別の例では、フランジまたは一方向弁が、薬物溶液がガイドワイヤポート130を出て行くことを防止するために、使用されてもよい。さらに別の例では、フレーム102によって包囲されたカテーテル124の一部は、注入ポート120と流体連通している室142を有する。そのような例では、注入バルーン112が、拡張状態にあるとき、室142は、少なくとも1つの内腔の中で内側へ半径方向に膨張して、それによって注入ハブ120に対して遠位のガイドワイヤとのシールを形成するように構成される。他の構成も、同様に可能である。
別の実施形態では、バルーン膨張ポート126、薬物送達ポート128、およびガイドワイヤポート130は、3つの同心状に整列している内腔144に結合されることができる。例えば、図6は、3つの内腔144の正面断面図を図示する。図6に示されるように、3つの同心状に整列している内腔144は、ガイドワイヤ内腔136、薬物送達内腔146、および注入内腔134を含む。ガイドワイヤ内腔136は、ガイドワイヤポート130と連通していることができ、約0.25mmから約1mmまでの範囲の、好ましくは約0.254mmから約0.9652mmの範囲の直径を有するガイドワイヤを受容するのに適した大きさおよび形状になっていることができる。薬物送達内腔146は、薬物送達ポート128と連通していてもよい。薬物送達内腔146は、薬物送達内腔146の構造的一体性を維持するために、ガイドワイヤ内腔136と注入内腔134との間に延在する複数の可撓性スペーサ148を含むことができる。これらのスペーサ148は、薬物送達内腔146およびガイドワイヤ内腔136と共同で、薬物送達内腔146の長さに延在する1つまたは複数の薬物送達チャネル138をさらに画定することができる。上記のように、これらの薬物送達チャネル134は、薬物溶液を薬物送達ポート128から治療部位まで運搬するために使用されることができる。注入内腔134は、バルーン膨張ポート126と連通していることができる。注入内腔134は、注入内腔134の構造的一体性を維持するのを助けるために、複数の可撓性スペーサ150をさらに含むことができる。これらのスペーサ150は、注入内腔134および薬物送達内腔146と共同で、注入内腔134の長さに延在する複数の流体送達チャネル152をさらに画定することができる。これらの流体送達チャネル152は、閉塞バルーン132、注入バルーン112、および注入ハブ120のリザーバ122と流体連通していることができる。
使用中に、上記実施形態のいずれか1つの装置100は、ガイドワイヤを覆うカテーテルを利用して治療部位に送達される。一旦治療部位に配置されると、閉塞バルーン132は、血流に因る薬物溶液の希釈を最小限にするべく、閉塞バルーン132から下流の治療部位への薬物送達を可能にするため、膨張させられて治療部位に閉塞を提供する。注入バルーン112は、フレーム102が、注入バルーン112がそれを通って拡張して、フレーム102から外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝116を画定するように構成される複数の開口114を提供するように、次いで膨張させられる。薬物溶液は、次いで薬物送達ポート126に提供され、注入ハブ120のリザーバ122の中に提供される。そこから、薬物溶液は、複数のチャネル110を通って、複数のホール118から出て、そして、複数の溝116の中に移行して、治療部位で血管壁115に接触する。薬物溶液は、下流に進んで、注入バルーン112の外面の中に画定される複数の溝116の中に入りそれらに沿って前進する。薬物溶液が、フレーム102の第2の端部106で複数の溝116から出ると、薬物溶液は、通常の動脈血流および基本的な生理機能により処理され得る。
図7は、例示的実施形態による、別の例示的装置200を図示する。装置200は、上記装置100の1つまたは複数の特徴を含む場合がある。図7に示されるように、装置200は、第1の端部204および第2の端部206を有するフレーム202を含む。フレーム202は、フレーム202の第1の端部204と第2の端部206との間に配置される複数の支柱208を含む。装置200は、フレーム202の複数の支柱208に結合された毛管作用材料223をさらに含む。装置200は、フレーム202に結合された注入バルーン212をさらに含む。注入バルーン212は、圧縮状態(すなわち、装置200を治療部位まで送達する間)から拡張状態へ変遷するように構成されることができる。注入バルーン212は、拡張状態において、フレーム202が、注入バルーン212が、それを通って拡張して、フレーム202から外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝216を画定するように構成される複数の開口214を提供するように配置されることができる。複数の溝116は、図8に示されるように、フレーム102の隣接開口114を通って拡張して、フレーム102の隣接開口114から外側へ半径方向に延伸する注入バルーン112の隣接部分の間の空間によって画定される。装置200は、フレーム202の第1の端部204または第2の端部206に配置される注入ハブ220をさらに含む。注入ハブ220は、毛管作用材料との流体連通を可能にするために、リザーバ222および複数の開口219を含む。
上記のように、毛管作用材料223用の例示的材料には、生物学的、生合成的、および合成的微小管、薄い管、または多孔質材料が含まれ得る。毛管作用は、液体と包囲している固体面との間の分子間力に起因する可能性がある。例えば、薄い管の直径が、十分に小さく、その場合、液体内の凝集に起因する表面張力と、液体と管状壁との間の接着力とが組み合わされて、液体を管の長さに沿って推進させるように作用する。作動中、毛管作用材料223は、流体をフレーム202の複数の支柱208に沿って運搬して、それによって、流体を治療部位と接触するように配置するように構成される。さまざまな実施形態では、毛管作用材料223は、フレーム202と一緒に拡張するように構成される。いくつかの実施形態では、微小管および薄い管は、流体を複数の溝216の長さに沿って均一に分配するために、注入ハブ220に隣接する第1の端部およびその第2の端部が、複数の支柱208の長さに沿って互い違いの構成に配置された状態で配置され得る。
1つの実施形態では、装置200は、フレーム202の複数の支柱208の中に配置される複数のチャネル210をさらに含む。そのような例では、装置200は、図8に示されるように、複数の支柱208の中に画定される複数の穴218をさらに含む。複数の穴218は、複数のチャネル210と毛管作用材料223との間の流体連通を可能にするように構成される。
図9は、例示的実施形態による、さらに別の例示的装置300を図示する。装置300は、上記の装置100および/または装置200の1つまたは複数の特徴を含む場合がある。図9に示されるように、装置300は、第1の端部304および第2の端部306を有するフレーム302を含む。フレーム302は、フレーム302の第1の端部304と第2の端部306との間に配置される複数の支柱308を含む。装置300は、フレーム302に結合された注入バルーン312をさらに含む。注入バルーン312は、圧縮状態(すなわち、装置300を治療部位まで送達する間)から拡張状態へ変遷するように構成されることができる。注入バルーン312は、拡張状態において、フレーム302が、注入バルーン312が、それを通って拡張して、フレーム302から外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝316を画定するように構成される複数の開口314を提供するように配置されることができる。装置300は、フレーム302の第1の端部304に隣接して配置される閉塞バルーン332をさらに含む。閉塞バルーン332および注入バルーン312は、バルーン膨張ポートと流体連通しているように構成される。装置300は、閉塞バルーン332と注入バルーン312との間に配置される1つまたは複数の薬物送達ダクト313をさらに含む。換言すれば、これらの薬物送達ダクト313は、作動中の閉塞バルーン132より下流にあることができる。薬物送達ダクト313の数は、他の可能性の中で、閉塞バルーン132と注入バルーン312との間の距離、および/または薬物送達ダクト313の直径によって決まり得る。1つの特定の例では、2個から24個の薬物送達ダクト313がある。
図10は、例示的な実施形態による方法400を説明する簡易流れ図である。ブロックは、連続的な順序で説明されているが、これらのブロックは、同時に、および/または本明細書に記載されるものとは異なる順序で行われてもよい。さらに、さまざまなブロックは、所望の実施に基づいて、結合されて数が少なくなる場合、追加的なブロックに分けられる場合、および/または削除される場合もある。
ブロック402では、方法400は、上記実施形態のいずれか1つの装置を、ガイドワイヤを覆うカテーテルを利用して治療部位まで送達することを含む。薬物送達バルーン装置は、例として、ワイヤを覆った(over−the−wire)、または迅速な交換技術を利用して標準的同軸様式で導入されて、送達されることができる。
ブロック404では、方法400は、閉塞バルーンおよび薬物送達バルーンを膨張させ、それによって、フレームを拡張させ、注入バルーンを複数の開口を通して拡張させて、外側へ半径方向に延伸させ、それによって、複数の溝を画定することを含む。1つの実施形態では、閉塞バルーンおよび薬物送達バルーンは、生理食塩水対照混合物を、例えばバルーン膨張ポートの中に注射することによって膨張させられてもよい。生理食塩水対照混合物は、次いで、カテーテルの注入内腔を通って、閉塞バルーンおよび薬物送達バルーンへと前進させられることができ、ついには、両方のバルーンが膨張する。閉塞バルーンおよび薬物送達バルーンは、閉塞バルーンが、最初に生理食塩水対照膨張混合物を受容するように直列に連結されているので、閉塞バルーンは、わずかにより速い速度で膨張させられ得る。別の実施形態では、閉塞バルーンおよび薬物送達バルーンは、何らかの他の適切な液状媒体を使用して膨張させられてもよい。
閉塞バルーンおよび薬物送達バルーンの両方が膨張したあと、方法400は、薬物溶液を、注入ハブと流体連通しているカテーテルの薬物送達内腔の中に注射するブロック406に続く。1つの実施形態では、薬物送達内腔は、カテーテルの薬物送達ポートと流体連通している。1つの特定の例では、2つ、3つ、4つ、またはそれより多くの異なる薬物溶液または他の溶液が、適切であると考えられるように、薬物送達ポートに導入され得るように、薬物送達ポートは、二叉に分かれている。
ブロック408では、方法400は、薬物溶液を、薬物送達内腔を通して注入ハブへ進めて、フレームの複数のチャネルの中に、複数の穴を通して複数の溝へ進めて、治療部位の中に前進させることを含む。この段階では、閉塞バルーンと薬物送達バルーンとの間の空間は、薬物溶液が薬物送達ダクトを介して送達されるとき、薬物溶液を保管するリザーバの役目を果たす。薬物溶液が、薬物送達内腔に導入されている圧力に因って、薬物溶液は、下流に進んで、注入バルーンの外面に画定される複数の溝の中に入りそれらに沿って前進する。薬物溶液の注射は、約1気圧から約4気圧以下の液圧で行われる。薬物溶液がフレームの第2の端部で複数の溝から出ると、薬物溶液は、通常の動脈血流および基本的な生理機能により処理され得る。1つの例では、閉塞バルーンの膨張した直径は、注入バルーンの膨張した直径とほぼ同じ直径から、注入バルーンの膨張した直径より約2mmから約6mm大きい直径までの範囲である。
1つの例では、共通内腔が、薬物送達内腔およびガイドワイヤ内腔で使用されており、フレームによって包囲されたカテーテルの一部は、注入ポートと流体連通している室を有する。そのような例では、方法200は、カテーテルの室を膨張させ、それによってカテーテルの内壁の一部を拡張させて、注入ハブに対して遠位のガイドワイヤとのシールを形成すことをさらに含むことができる。
さまざまな態様および実施形態が本明細書において開示されてきたが、他の態様および実施形態が、当業者には明らかとなることになろう。本発明の範囲の、そして本発明の異なる態様の間のすべての実施形態は、特にコンテキストが明確に指図されない限り、組み合わされることができる。本明細書に開示されるさまざまな態様および実施形態は、説明を目的としており、制限的であるようには意図されてなく、真の範囲および精神は、特許請求の範囲によって示される。

Claims (34)

  1. 第1の端部および第2の端部を有するフレームであって、前記フレームが、前記フレームの第1の端部と第2の端部との間に配置される複数の支柱を含むフレームと、
    前記フレームの前記複数の支柱の中に配置される複数のチャネルと、
    前記フレームに結合され、拡張状態において、前記フレームが、前記注入バルーンが、それを通って拡張して、前記フレームから外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝を画定するように構成される複数の開口を提供するように配置される注入バルーンと、
    前記フレームの中に画定される複数の穴であって、前記複数の穴が、前記複数のチャネルと前記複数の溝との間の流体連通を可能にするように構成される複数の穴と、
    前記フレームの前記第1の端部または前記第2の端部に配置される注入ハブであって、前記注入ハブが、前記複数のチャネルと流体連通しているリザーバを含む注入ハブと
    を備える装置。
  2. 少なくとも1つの内腔を有するカテーテルと、
    前記少なくとも1つの内腔と連通しているバルーン膨張ポートと、
    前記少なくとも1つの内腔と連通している薬物送達ポートと、
    前記少なくとも1つの内腔と連通しているガイドワイヤポートと
    をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  3. 前記フレームの前記第1の端部に隣接して配置される閉塞バルーンをさらに備え、前記閉塞バルーンおよび前記注入バルーンが、前記バルーン膨張ポートと流体連通しているように構成される、
    請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記注入ハブの前記リザーバが、周状である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記複数の支柱が、少なくとも螺旋状、縦方向、正弦波状、斜交平行状、または格子状である配置を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記複数のチャネルが、前記複数の支柱の中に相互連結ネットワークを形成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記閉塞バルーンおよび前記フレームが、約2mmから約20mmまでの範囲の距離だけ相互に離されている、請求項3から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記閉塞バルーンおよび前記注入バルーンがそれぞれ、約2.5mmから約24mmの範囲の膨張した直径を有する、請求項3から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記閉塞バルーンの前記膨張した直径が、前記注入バルーンの前記膨張した直径とほぼ同じ直径から、前記注入バルーンの前記膨張した直径より約2mmから約6mm大きい直径までの範囲である、請求項3から8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記閉塞バルーンの長さが、約20mmから約40mmの範囲である、請求項3から9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記フレームの長さが、約50mmから約200mmの範囲である、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記フレームの長さが、約200mmである、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記フレームが、2個から8個の支柱を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記複数の支柱が、縦に配置される少なくとも1つの支柱および円周方向に配置される少なくとも1つの支柱を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記注入バルーンが、前記フレームの内部もしくは外部の一方に結合されているか、または前記フレームの中に埋め込まれているかのどちらかである、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記複数の支柱が、中空であり、それによって、前記複数のチャネルを画定している、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記ガイドワイヤポートが、約0.254mmから約0.9652mmの範囲の直径を有するガイドワイヤを受容するのに適した大きさになっている、請求項2から16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記フレームによって包囲された前記カテーテルの一部が、前記注入ポートと流体連通している室を有し、前記拡張状態にあるとき、前記少なくとも1つの内腔の中で内側へ半径方向に膨張して、それによってガイドワイヤとのシールを形成するように構成される、請求項2から17のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記カテーテルの前記少なくとも1つの内腔が、ガイドワイヤ内腔および注入内腔を備える、請求項2から18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記薬物送達ポートおよび前記ガイドワイヤポートが両方共、前記カテーテルの前記ガイドワイヤ内腔と連通している、請求項19に記載の装置。
  21. 前記カテーテルの前記少なくとも1つの内腔が、ガイドワイヤ内腔、薬物送達内腔、および注入内腔を備える、請求項2から18のいずれか一項に記載の装置。
  22. 前記薬物送達ポートが、前記薬物送達内腔と連通しており、前記ガイドワイヤポートが、前記カテーテルの前記ガイドワイヤ内腔と連通している、請求項21に記載の装置。
  23. 前記注入バルーンが、前記拡張状態にあるとき、前記複数の穴が、開いている、請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記フレームの前記支柱に結合された毛管作用材料をさらに備える、請求項1から23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記毛管作用材料が、生物学的、生合成的、および合成的微小管、薄い管、または多孔質材料を含む、請求項24に記載の装置。
  26. 第1の端部および第2の端部を有するフレームであって、前記フレームが、前記フレームの前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置される複数の支柱を含むフレームと、
    前記フレームの前記複数の支柱に結合された毛管作用材料と、
    前記フレームに結合され、拡張状態において、前記フレームが、注入バルーンが、それを通って拡張して、前記フレームから外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝を画定するように構成される複数の開口を提供するように配置される注入バルーンと、
    前記フレームの前記第1の端部または前記第2の端部に配置される注入ハブであって、前記注入ハブが、リザーバ、および前記毛管作用材料との流体連通を可能にする複数の開口を含む注入ハブと
    を備える装置。
  27. 前記フレームの前記複数の支柱の中に配置される複数のチャネルと、
    前記複数の支柱の中に画定される複数の穴であって、前記複数の穴が、前記複数のチャネルと前記毛管作用材料との間の流体連通を可能にするように構成される複数の穴と
    をさらに備える請求項26に記載の装置。
  28. 前記毛管作用材料が、生物学的、生合成的、および合成的微小管、薄い管、または多孔質材料を含む、請求項26または27に記載の装置。
  29. 第1の端部および第2の端部を有するフレームであって、前記フレームが、前記フレームの前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置される複数の支柱を含むフレームと、
    前記フレームに結合され、拡張状態において、前記フレームが、注入バルーンが、それを通って拡張して、前記フレームから外側へ半径方向に延伸し、それによって、複数の溝を画定するように構成される複数の開口を提供するように配置される注入バルーンと、
    前記フレームの前記第1の端部に隣接して配置される閉塞バルーンであって、前記閉塞バルーンおよび前記注入バルーンが、バルーン膨張ポートと流体連通するように構成される閉塞バルーンと、
    前記閉塞バルーンと前記注入バルーンとの間に配置される1つまたは複数の薬物送達ダクトと
    を備える装置。
  30. 請求項1から29のいずれか一項に記載の前記装置を、ガイドワイヤを覆うカテーテルを利用して治療部位に送達することと、
    前記閉塞バルーンおよび前記注入バルーンを膨張させ、それによって、前記フレームを拡張させ、前記注入バルーンを前記複数の開口を通して拡張させて、外側へ半径方向に延伸させ、それによって、複数の溝を画定することと、
    薬物溶液を、前記注入ハブと流体連通する前記カテーテルの薬物送達内腔の中に注射することと、
    前記薬物溶液を、前記薬物送達内腔を通して前記注入ハブへ進めて、前記フレームの前記複数のチャネルの中に、前記複数の穴を通して前記複数の溝へ進めて、前記治療部位の中に前進させることと
    を含む方法。
  31. 前記薬物溶液を注射することが、約1気圧から約4気圧以下の液圧で行われる、請求項30に記載の方法。
  32. 前記閉塞バルーンの前記膨張した直径が、前記注入バルーンの前記膨張した直径とほぼ同じ直径から、前記注入バルーンの前記膨張した直径より約2mmから約6mm大きい直径までの範囲である、請求項30または31に記載の方法。
  33. 前記閉塞バルーンおよび前記注入バルーンを膨張させることが、
    生理食塩水対照混合物をバルーン膨張ポートの中に注射することと、
    前記生理食塩水対照混合物を、前記カテーテルの注入内腔を通して前記閉塞バルーンおよび前記注入バルーンに前進させることと
    を含む、請求項30から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 共通内腔が、前記薬物送達内腔および前記ガイドワイヤ内腔で使用されており、前記フレームによって包囲された前記カテーテルの一部が、前記注入ポートと流体連通する室を有し、前記方法が、
    前記カテーテルの前記室を膨張させ、それによって前記カテーテルの内壁の一部を拡張させて、前記注入ハブに対して遠位の前記ガイドワイヤとのシールを形成すること
    をさらに含む、請求項30から33のいずれか一項に記載の方法。
JP2019544813A 2017-03-07 2018-03-07 注入バルーンおよびその使用方法 Pending JP2020509797A (ja)

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