JP2020509064A - βセクレターゼ阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)および(II)【化1】(式中、基は、本明細書において定義されるとおりである)に示される構造を有する三環系のβ−セクレターゼ阻害剤に関する。本発明は、このような化合物を含む医薬組成物、このような化合物および組成物を調製するプロセスならびにアルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群、脳卒中に伴う認知症、パーキンソン病に伴う認知症、βアミロイドに伴う認知症、加齢黄斑変性、2型糖尿病および他の代謝障害など、β−セクレターゼが関与する障害を防止および処置するためのこのような化合物および組成物の使用も対象とする。

Description

本発明は、式(I)および(II)
(式中、基は、本明細書において定義されるとおりである)
に示される構造を有する三環系のβ−セクレターゼ阻害剤ならびにその互変異性体および立体異性形態に関する。本発明は、このような化合物を含む医薬組成物、このような化合物および組成物を調製するプロセスならびにアルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群、脳卒中に伴う認知症、パーキンソン病に伴う認知症、βアミロイドに伴う認知症、加齢黄斑変性、2型糖尿病および他の代謝障害など、β−セクレターゼが関与する障害を防止および処置するためのこのような化合物および組成物の使用も対象とする。
アルツハイマー病(AD)は、老化に伴う神経変性疾患である。AD患者は、認知障害および記憶喪失を患い、不安症などの行動問題も抱えている。ADに罹患している人の90%超が散発型の障害を有する一方、この症例の10%未満は、家族性または遺伝性である。米国では、65歳で10人に約1人がADを有し、85歳で2人に1人がADに罹患している。初期診断からの平均余命は、7〜10年であり、AD患者は、介護付き生活施設でのまたは家族による広範な介護を必要とする。人口に占める高齢者の数が増加するにつれ、ADに対する医学的関心が高まっている。現在使用可能なADの治療は、この疾患の症状を単に処置するものに過ぎず、それには認知性を改善するためのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤ならびにこの病気に伴う行動問題をコントロールするための抗不安薬および抗精神病薬が含まれる。
AD患者の脳における顕著な病理学的特徴は、タウタンパク質の過剰リン酸化によって生じる神経原線維変化およびβアミロイド1−42(Aβ1−42)ペプチドの凝集によって形成されるアミロイド斑である。Aβ1−42は、オリゴマー、次いで原線維を形成し、最終的にアミロイド斑を形成する。オリゴマーおよび原線維は、特に神経毒性があると考えられており、ADに関連する神経損傷の大部分を引き起こし得る。Aβ1−42の形成を防止する薬剤は、ADを処置するための疾患修飾薬となる可能性がある。Aβ1−42は、770個のアミノ酸から構成されるアミロイド前駆体タンパク質(APP)から生成する。Aβ1−42のN末端がβ−セクレターゼ(BACE1)により切断された後、γセクレターゼによりC末端が切断される。γセクレターゼは、Aβ1−42に加えて、主要な切断産物であるAβ1−40ならびにAβ1−38およびAβ1−43も遊離する。これらのAβ型も凝集してオリゴマーおよび原線維を形成し得る。したがって、BACE1の阻害剤は、Aβ1−42ならびにAβ1−40、Aβ1−38およびAβ1−43の形成を防止することが期待され、ADの処置における治療薬となる可能性がある。
2型糖尿病(T2D)は、インスリン耐性により、および膵β細胞からのインスリン分泌が不十分になることにより、血糖調節が良好に機能せず、高血糖になることが原因となる。T2Dの患者は、微小血管および大血管の疾患ならびに糖尿病性腎症、網膜症および心血管疾患を含む一連の関連合併症のリスクが高い。T2Dの罹患率の上昇は、世界の人々のますます体を動かすことが減ってきているライフスタイルおよび高エネルギー食品の摂取と関係がある。
β細胞の機能不全ならびにその結果として生じるインスリン分泌の大幅な低下および高血糖は、T2Dの発症を示す。現行の処置のほとんどは、顕性T2Dを特徴付けるβ細胞量の減少を防止するものではない。しかしながら、GLP−1類似体、ガストリンおよび他の薬剤が最近開発されたことでβ細胞の維持および増殖が実現可能になり、これにより糖耐性を高め、顕性T2Dの進行を遅くすることが示されている。
Tmem27は、β細胞の増殖およびインスリン分泌を促進するタンパク質として同定されている。Tmem27は、β細胞の表面から構成的に脱落している42kDaの膜糖タンパク質であり、完全長細胞Tmem27の分解から生じる。トランスジェニックマウスにおいてTmem27を過剰発現させると、糖尿病の食事性肥満DIOモデルにおいてβ細胞量が増加し、糖耐性が改善する。さらに、齧歯類のβ細胞増殖アッセイ(例えば、INS1e細胞を使用)においてTmem27のsiRNAをノックアウトすると、増殖速度が低下する。これは、β細胞量の調節におけるTmem27の役割を示すものである。
BACE2は、Tmem27の分解を担うプロテアーゼである。これは、膜結合アスパルチルプロテアーゼであり、ヒト膵β細胞中でTmem27と共存している。これは、APP、IL−1R2およびACE2を分解する能力があることも知られている。ACE2を分解する能力があることは、高血圧の調節におけるBACE2の役割の可能性を示すものである。
さらに、BACE1および/またはBACE2の阻害剤は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈血栓症、自己免疫性/炎症性疾患、乳がんなどのがん、心筋梗塞および脳卒中などの心血管疾患、皮膚筋炎、ダウン症候群、胃腸疾患、多形性膠芽腫、グレーブス病、ハンチントン病、封入体筋炎(IBM)、炎症性反応、カポジ肉腫、コストマン病、エリテマトーデス、マクロファージ性筋膜炎、若年性突発性関節炎、肉芽腫性関節炎、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、関節リウマチ、シェーグレン症候群、脊髄小脳失調症1、脊髄小脳失調症7、ウィップル病またはウィルソン病の治療処置および/または予防処置にも使用することができる。
本発明は、式(I)および(II)
(式中、
Rは、ハロ、C1〜3アルキルオキシ、シアノ、2−シアノ−ピリジン−5−イル、3−シアノ−ピリジン−5−イルおよびピリミジン−5−イルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されるフェニルであり;
−L−は、−CH−NH−(C=O)−および−(C=O)−NR1a−から選択され;
は、C3〜6シクロアルキル、Ar、Het、Ar−CH−、Het−CH−および4−モルホリニル−CH−からなる群から選択され;ここで、
Arは、フェニルまたはハロ、シアノ、C1〜3アルキル、モノ−ハロ−C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノ−ハロ−C1〜3アルキルオキシおよびポリハロ−C1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたフェニルであり;および
Hetは、ハロ、シアノ、C1〜3アルキル、モノ−ハロ−C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノ−ハロ−C1〜3アルキルオキシおよびポリハロ−C1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、インダゾリル、1H−ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリルおよびベンゾチアゾリルからなる群から選択され;および
a)R1aは、HもしくはC1〜3アルキルであるか;または
b)−NR1aは、C1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、シアノ、オキソ、ハロ−フェニル、(C1〜3アルキル)フェニル、(C1〜3アルキルオキシ)フェニル、ハロ−フェニルオキシ、(C1〜3アルキル)フェニルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)フェニルオキシ、C1〜3アルキル−(C=O)−、C3〜6シクロアルキル−(C=O)−、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリルおよびチアゾリルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−4(5H)−イルおよび8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルからなる群から選択される複素環式基を一緒に形成し;および
は、水素またはC1〜3アルキルである)
の化合物、その互変異性体および立体異性形態ならびにそれらの薬学的に許容される付加塩および溶媒和物を対象とする。
本発明の実例となるものとして、薬学的に許容される担体と、上記化合物のいずれかとを含む医薬組成物がある。本発明の一例として、上記化合物のいずれかと、薬学的に許容される担体とを混合することによって作製される医薬組成物がある。本発明を例示するものとして、医薬組成物を作製するプロセスであって、上記化合物のいずれかと、薬学的に許容される担体とを混合することを含むプロセスがある。
本発明を例示するものとして、β−セクレターゼ酵素によって媒介される障害を処置する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の上記化合物または医薬組成物のいずれかを投与することを含む方法がある。
本発明をさらに例示するものとして、β−セクレターゼ酵素を阻害する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の上記化合物または医薬組成物のいずれかを投与することを含む方法がある。
本発明の一例として、アルツハイマー病、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群、脳卒中に伴う認知症、パーキンソン病に伴う認知症、βアミロイドに伴う認知症および加齢黄斑変性、好ましくはアルツハイマー病、2型糖尿病および他の代謝障害からなる群から選択される障害を処置する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の上記化合物または医薬組成物のいずれかを投与することを含む方法がある。
本発明の別の例として、(a)アルツハイマー病、(b)軽度認知障害、(c)老衰、(d)認知症、(e)レビー小体型認知症、(f)ダウン症候群、(g)脳卒中に伴う認知症、(h)パーキンソン病に伴う認知症、(i)βアミロイドに伴う認知症または(j)加齢黄斑変性、(k)2型糖尿病および(l)他の代謝障害の処置を、それを必要としている対象において行うのに使用するための、上記化合物のいずれかがある。
本発明は、上に定義した式(I)および(II)の化合物ならびにその薬学的に許容される付加塩および溶媒和物を対象とする。式(I)の化合物は、β−セクレターゼ酵素(β部位切断酵素、BACE、BACE1、Asp2もしくはメマプシン2またはBACE2としても知られる)の阻害剤であり、アルツハイマー病、軽度認知障害、老衰、認知症、脳卒中に伴う認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に伴う認知症、βアミロイドに伴う認知症および加齢黄斑変性、好ましくはアルツハイマー病、軽度認知障害または認知症、より好ましくはアルツハイマー病、2型糖尿病および他の代謝障害の処置に有用であり得る。
一実施形態では、本発明は、本明細書に定義した式(I)および(II)
(式中、
−L−は、−(C=O)−NR1a−であり;
a)R1aは、HもしくはC1〜3アルキルであり、かつRは、C3〜6シクロアルキル、ArおよびHetからなる群から選択されるか;または
b)−NR1aは、C1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、シアノ、オキソ、ハロ−フェニル、(C1〜3アルキル)フェニル、(C1〜3アルキルオキシ)フェニル、ハロ−フェニルオキシ、(C1〜3アルキル)フェニルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)フェニルオキシ、C1〜3アルキル−(C=O)−、C3〜6シクロアルキル−(C=O)−、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリルおよびチアゾリルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−4(5H)−イルおよび8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルからなる群から選択される複素環式基を一緒に形成し;ここで、
Arは、フェニルまたはハロ、シアノ、C1〜3アルキル、モノ−ハロ−C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノ−ハロ−C1〜3アルキルオキシおよびポリハロ−C1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたフェニルであり;および
Hetは、ハロ、シアノ、C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキルおよびC1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピリジル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され;および
RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである)
の化合物に関する。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書に定義した式(I)および(II)
(式中、
−L−は、−(C=O)−NR1a−であり;
−NR1aは、C1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)C1〜3アルキル、シアノ、オキソ、C1〜3アルキル−(C=O)−およびC3〜6シクロアルキル−(C=O)−からなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イルおよび1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イルからなる群から選択される複素環式基を一緒に形成し;および
RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである)
の化合物に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に定義した式(I)および(II)
(式中、
−L−は、−CH−NH−(C=O)−であり;
は、C3〜6シクロアルキル、Ar、Het、Ar−CH−、Het−CH−および4−モルホリニル−CH−からなる群から選択され;および
RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである)
の化合物に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に定義した式(I)および(II)
(式中、
−L−は、−CH−NH−(C=O)−であり;
は、C3〜6シクロアルキル、Ar、Hetおよび4−モルホリニル−CH−からなる群から選択され;ここで、
Arは、フェニルまたはハロ、シアノ、C1〜3アルキル、モノ−ハロ−C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノ−ハロ−C1〜3アルキルオキシ−およびポリハロ−C1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたフェニルであり;および
Hetは、ハロ、シアノ、C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキルおよびC1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されるピリジル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され;および
RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである)
の化合物に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に定義した式(I)および(II)
(式中、
Rは、ハロ、C1〜3アルキルオキシ、シアノ、2−シアノ−ピリジン−5−イル、3−シアノ−ピリジン−5−イルおよびピリミジン−5−イルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で置換されたフェニルであり;および
、RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである)
の化合物に関する。
さらなる実施形態では、Rは、C1〜3アルキル、特にメチルである。
本発明は、特に、三環式骨格中の炭素中心C4aおよびC10aがシス配置である(すなわち、HおよびRは、骨格平面の同じ側に突出している)化合物
に関する。
したがって、特に、本発明は、以下に示す式(I’)および(II”)の化合物ならびに式(I’)および(II”)の化合物に関し、ここで、(I’)および(II’)において、三環のコアは、図面の平面にあり、HおよびRは、図面の平面の上方に突出している(結合が太い楔
で示される)か、または三環のコアは、図面の平面にあり、HおよびRは、図面の平面の下方に突出している(結合が平行線の楔
で示される)。
定義
「ハロ」は、フルオロ、クロロおよびブロモを意味し;「C1〜3アルキル」は、1、2または3個の炭素原子炭素原子を有する直鎖状または分岐状の飽和アルキル基、それぞれ例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピルなどを意味し;「C1〜3アルキルオキシ」は、エーテル基を意味し(ここで、C1〜3アルキルは、上で定義されるとおりである);「モノ−およびポリハロC1〜3アルキル」は、1、2、3個または可能であればそれより多くの、上で定義されるとおりのハロ原子で置換された、上で定義されるとおりのC1〜3アルキルを意味し;「モノ−およびポリハロC1〜3アルキルオキシ」は、エーテル基を意味し(ここで、モノ−およびポリハロC1〜3アルキルは、上で定義されるとおりである);「C3〜6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを意味する。
本明細書で使用する「対象」という用語は、処置、観察または実験の目的物となるかまたは目的物となっている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用する「治療有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって求められている、組織系、動物またはヒトにおける生物学的または医学的応答(処置されている疾患または障害の症状の軽減を含む)を誘発する活性化合物または医薬剤の量を意味する。
本明細書で使用する場合、「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む生成物および特定の成分の特定の量での組合せから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
上記および下記では、「式(I)の化合物」という用語は、その付加塩、溶媒和物および立体異性体を含むものとする。
「立体異性体」または「立体化学的異性形態」という用語は、上記または下記で同義的に使用される。
本発明は、式(I)の化合物の全ての立体異性体を純粋な立体異性体または2種以上の立体異性体の混合物として含む。
エナンチオマーは、重ね合わせることができない互いの鏡像となっている立体異性体である。エナンチオマーの対の1:1混合物は、ラセミ体またはラセミ混合物である。ジアステレオマー(またはジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、すなわち鏡像の関係にない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E配置またはZ配置となり得る。化合物が二置換シクロアルキル基を含有する場合、置換基は、シス配置またはトランス配置となり得る。したがって、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体およびこれらの混合物を含む。
絶対配置は、カーン・インゴルド・プレローグ表示法に従って特定される。不斉原子における配置は、RまたはSで特定される。絶対配置が不明である分割化合物は、平面偏光を回転させる方向によって(+)または(−)で示すことができる。
特定の立体異性体が同定される場合、これは、前記立体異性体が実質的に他の異性体を含まない、すなわち他の異性体を50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より一層好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満のみ伴うことを意味する。したがって、式(I)の化合物が例えば(R)と特定される場合、これは、その化合物が実質的に(S)異性体を含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばEと特定される場合、これは、その化合物が実質的にZ異性体を含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばシスと特定される場合、これは、その化合物が実質的にトランス異性体を含まないことを意味する。
医薬で使用される場合、本発明の化合物の付加塩は、毒性のない「薬学的に許容される付加塩」を指す。しかしながら、他の塩が本発明による化合物またはその薬学的に許容される付加塩の調製に有用であることがある。本化合物の好適な薬学的に許容される付加塩としては、例えば、化合物の溶液を塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸などの薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成され得る酸付加塩が挙げられる。さらに、本発明の化合物が酸部分を有する場合、その薬学的に許容される好適な付加塩としては、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩および好適な有機配位子と形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩を挙げることができる。
薬学的に許容される付加塩の調製に使用することができる代表的な酸として、以下に限定されるものではないが、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、β−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸およびウンデシレン酸が挙げられる。薬学的に許容される付加塩の調製に使用することができる代表的な塩基として、以下に限定されるものではないが、アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレン−ジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛が挙げられる。特定の塩は、トリフルオロ酢酸付加塩である。
化合物の名称は、Chemical Abstracts Service(CAS)によって取り決められた命名規則に従って、または国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry)(IUPAC)によって取り決められた命名規則に従って命名された。互変異性形態の場合、その構造の示される互変異性形態の名称が命名された。示されていない他の互変異性形態も本発明の範囲内に含まれる。
化合物の調製
実験手順1
式(I)および(II)による最終化合物は、式(III)および(IV)(式中、Qは、塩基不安定性(例えば、アシル)または酸不安定性(例えば、トリチル)保護基を示す)の中間体化合物を脱保護することによって調製することができる(反応スキーム1)。このような反応は、当該技術分野で知られている反応条件下で行うことができる。
中間体化合物の調製
実験手順2
式(IV)(式中、Rは、C1〜3アルキルである)(本明細書では、式(IV−a)の中間体と称する)の中間体は、対応する式(III)(式中、Rは、メチルである)の中間体(本明細書では、式(III−a)の中間体と称する)と、ヨウ化C1〜3アルキルとの反応によって調製することができる(反応スキーム2)。反応は、例えば、反応混合物を100℃で加熱するなどの熱条件下で行うことができる。反応スキーム2では、可変要素は、全て式(I)におけるように定義される。
実験手順3
式(III)(式中、Rは、水素である)の中間体化合物(本明細書では、(III−b)と称する)は、当該技術分野で知られているO−脱メチル化手順に従って式(III−a)の中間体化合物から調製することができる。前記変換は、ヨウ化ナトリウムなどの好適な添加剤の存在下、アセトニトリルなどの好適な不活性溶媒中、好適な反応条件下、例えば好都合な温度、通常50℃において、反応が確実に完了する時間にわたって中間体(III−a)をトリメチルクロロシランなどの好適なO−脱メチル化剤で処理することによって都合よく行うことができる。反応スキーム3では、可変要素は、全て式(I)におけるように定義される。
実験手順4
式(III)(式中、−L−Rは、−CH−NH−(C=O)−Rである)の中間体化合物(本明細書では、式(III−c)の中間体と称する)は、式(III−d)の中間体から、標準的なペプチドカップリング方法、例えばDCMなどの好適な溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基およびHBTUなどのペプチドカップリング試薬の存在下、室温などの好都合な温度において、反応が確実に完了する時間にわたって中間体(III−d)を適切なカルボン酸で処理するなどによって調製することができる。式(III−d)の中間体化合物は、式(III−e)の中間体化合物から、当該技術分野で知られている還元手順により、例えばTHFなどの好適な溶媒に溶解した中間体(III−d)を室温などの好都合な温度において、反応が確実に完了する時間にわたって水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤で処理するなどの手順によって調製することができる。式(III−e)の中間体は、当該技術分野で知られているシアノ化手順に従って、対応する式(III−f)の中間体から調製することができる。前記シアノ化は、例えば、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)などの好適なPd触媒、例えば1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどの好適な配位子および亜鉛末の存在下、例えばDMAなどの好適な不活性溶媒中、例えば120℃などの好適な温度において、反応が完了するまで、対応する式(III−f)の中間体化合物を例えばシアン化亜鉛などのシアン化剤で処理することによって都合よく行うことができる。反応スキーム4では、可変要素は、全て式(I)におけるように定義される。
実験手順5
式(III)(式中、−L−Rは、−(C=O)−NR1aである)の中間体化合物(本明細書では、式(III−g)の中間体と称する)は、式(III−h)の中間体から、標準的なペプチドカップリング方法、例えばDCMなどの好適な溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基およびHBTUなどのペプチドカップリング試薬の存在下、室温などの好都合な温度において、反応が確実に完了する時間にわたって中間体(III−h)を適切なアミンで処理するなどによって調製することができる。式(III−h)の中間体化合物は、式(III−i)の中間体化合物から、標準的な加水分解手順、例えば水/ジオキサンなどの好適な溶媒の混合物中、80℃などの好都合な温度において、反応が確実に完了する時間にわたって中間体(III−i)を水酸化リチウムなどの水酸化物で処理するなどの手順によって調製することができる。
式(III−h)および(III−i)の中間体化合物は、対応する式(III−f)の中間体から、当該技術分野で知られているパラジウムを触媒としたカルボニル化手順に従って調製することができる。前記カルボニル化は、一酸化炭素雰囲気において、例えば酢酸パラジウムなどの好適なパラジウム触媒、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどの好適な配位子および酢酸カリウムなどの好適な塩基の存在下、例えばTHF/EtOHなどの好適な反応溶媒または溶媒の混合物中で式(III−f)の中間化合物を撹拌することによって都合よく行うことができる。反応は、オートクレーブ中、好適な圧力、例えば30バール、好都合な温度、通常120℃において、反応が確実に完了する時間にわたって行うことができる。反応スキーム5では、可変要素は、全て式(I)におけるように定義される。
式(III−d)および(III−h)の中間体は、本発明の化合物の合成における有用な中間体である。したがって、一実施形態では、本発明は、式(III−d’)の化合物および式(III−h’)の化合物
(式中、Q’は、Hまたは保護基であり、かつRおよびRは、本明細書中の式(I)の化合物で定義されるとおりである)
に関する。
実験手順6
式(III−f)の中間体化合物は、当該技術分野で知られている臭素化手順に従って式(III−j)の中間体化合物から調製することができる。前記臭素化は、例えば、アセトニトリルなどの好適な不活性溶媒中、例えば室温などの好適な温度において、反応が完了するまで、例えば16時間にわたり、対応する式(III−j)の中間体化合物を例えばN−ブロモコハク酸イミドなどの臭素化剤で処理することによって都合よく行うことができる。
式(III−j)の中間体化合物は、当該技術分野で知られている手順に従って、例えばtert−ブトキシカルボニル基などの保護基PGによって保護する必要があり得る。前記反応は、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)などの好適な触媒の存在下、THFなどの好適な不活性溶媒中、好適な反応条件下、例えば好都合な温度、通常r.t.において、反応が確実に完了する時間にわたって中間体化合物(III−j)を二炭酸ジ−tert−ブチルで処理することによって都合よく行うことができる。
次いで、保護した中間体(III−k)を上記のように臭素化して(III−l)を得、次いでこれを周囲温度において好適な溶媒中または無溶媒で、例えばトリフルオロ酢酸またはギ酸などの好適な酸で処理して脱保護することにより、中間体(III−f)を得ることができる。
反応スキーム6では、QおよびPGは、保護基であり、他の可変要素は、全て式(I)におけるように定義される。
実験手順7
式(III−j)の中間体化合物は、当該技術分野で知られている環化手順に従って式(V)の中間体化合物から調製することができる。前記環化は、例えば、DCMなどの好適な反応溶媒中、好適な反応条件下、例えば好都合な温度、通常r.t.において、反応が確実に完了する時間にわたって式(V)の中間体化合物を1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミンなどの好適な試薬で処理することによって都合よく行うことができる。
式(V)の中間体化合物は、例えば、DCMなどの好適な不活性溶媒中、好都合な温度、通常r.t.において、反応が完了するまで、例えば3時間にわたり、対応する式(VI)の中間体化合物を例えばベンジルイソチオシアネートなどの好適な試薬と反応させることにより(その結果、化合物(V)および(III)(式中、Qは、フェニル(C=O)−である)を生じる)調製することができる。
式(VI)の中間体化合物は、当該技術分野で知られているアジリジン環の開環手順に従って、対応する式(VII)の中間体化合物から調製することができる。前記反応は、水素雰囲気下、例えばアルカノール(例えば、メタノール、エタノールなど)などの好適な溶媒中、ラネーニッケルなどの好適な触媒の存在下、好都合な温度、通常r.t.において、反応が完了するまで、例えば6時間にわたって反応物を撹拌することによって実施することができる。
式(VII)の中間体化合物は、対応する式(VIII)の中間体化合物を式(IX)(式中、Xは、ハロであり、Rは、式(I)で定義されるとおりである)の中間体と反応させることにより調製することができる。反応は、THFなどの好適な反応不活性溶媒中、好適な反応条件下、例えば好適な温度、通常−78℃〜室温の範囲において、反応が確実に完了する時間にわたって行うことができる。式(IX)の中間体化合物は、市販品を購入するか、または文献の手順に従って合成することができる。
実験手順8
式(VIII)の中間体化合物は、当該技術分野で知られている環化手順に従って、対応する式(X)の中間体化合物を反応させることによって調製することができる。前記環化は、例えば、THFなどの好適な反応不活性溶媒中、好適な反応条件下、例えば好都合な温度、通常50℃において、反応が確実に完了する時間にわたって式(X)の中間体化合物を例えば塩酸などの好適な酸で処理することによって都合よく行うことができる。
式(X)の中間体化合物は、当該技術分野で知られているカップリング手順に従って式(XI)の中間体化合物を反応させることによって調製することができる。前記変換は、イソプロピルマグネシウムクロリド−塩化リチウム錯体などの好適なメタル化試薬および例えばシアン化銅(I)ジ(塩化リチウム)錯体溶液などの好適な有機銅アート試薬前駆体の存在下で式(XI)の中間化合物を対応するシアノ銅酸塩試薬に変換し、続いて臭化アリルなどの適切なハロゲン化物を添加することによって都合よく行うことができる。反応は、例えば、THFなどの好適な反応不活性溶媒中、好都合な温度、通常−70℃〜r.t.において、確実に反応が完了する時間にわたって行われ得る。
式(XI)の中間体化合物は、当該技術分野で知られているウィッティヒ反応手順に従って式(XII)の中間体化合物を反応させることによって調製することができる。前記反応は、例えば、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの好適な塩基の存在下、例えばトルエンなどの好適な反応不活性溶媒中、好適な温度、通常−10℃〜r.t.において、確実に反応が完了する時間にわたって式(XII)の中間体化合物を例えばメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドなどの好適なホスホニウム塩で処理することによって都合よく行うことができる。
式(XII)の中間体化合物は、一般に、市販品を購入するか、または文献の手順に従って合成することができる。
反応スキーム8では、可変要素は、全て式(I)におけるように定義される。
実験手順9
代わりに、式(VIII)の中間体化合物は、式(IX−a)(式中、Rは、例えば、クロスカップリング反応、アルキル化反応および脱保護反応などの当業者に知られた手順を使用することによってRに変換することができる任意の基である)の有機金属種の添加を受けることができる。中間体化合物(VII−a)は、前述の実施例に記載したのと同じ合成経路を用いて合成を続けることができる。当業者であれば、合成過程のいずれの時点でRからRへの変換を行うことが適切であるかを判断することができるであろう。
化合物の調製 − フローケミストリー
本明細書に記載のCyclOps(商標)プラットフォームを用いて、多くの化合物を合成し、スクリーニングし、それは、高い成功範囲(61〜96%の成功率)で機能した。フロー合成システムは、FlowCommander(商標)ソフトウェアによって制御される一体化されたバルブおよび試薬ループを備えたVapourtec(登録商標)R4反応器およびR2ポンプモジュールを利用した。ケミストリーの複雑さに応じて、最大で4つまでの反応器、ポンプおよびバルブを使用した。最終反応器からの生成物は、生成物のアリコートを精製システムに注入することを可能にするHPLC注入バルブに流入した。合成システムにおける分散による材料の損失は、いくつかの方法で最小限に抑えられた。最初に、分散を最小限に抑えるために、システム全体にわたって小口径の管を使用した。第2に、反応物および生成物の定常状態濃度が反応器内で確実に達成されるように試薬ループサイズを選択した。最後に、最大生成物濃度の時点において、すなわち定常状態条件下でアリコートが確実に採取されるようにHPLCへの注入の時間を調節した。一般に、試薬のフレッシュボトルの使用および/またはその場での試薬の生成は、合成結果を改善し得る。
実験手順10
式(I)(式中、−L−Rは、−CH−NH−(C=O)−Rである)の化合物(本明細書では、式(I−a)の化合物と称する)は、式(III−d)(式中、Qは、例えば、トリチルなどの保護基である)の中間体から、DIPEAなどの適切な塩基の存在下で例えばHATUなどの適切なカップリング試薬を用いて調製することができる。反応は、わずか1.2当量でも進むが、通常、2当量のアミンまたは酸のカップリングパートナー(IX−b)の使用で確実に最大の変換が生じる。通常、1.2当量のHATUが使用され、DIPEAは、(III−d)に対して3倍過剰に存在する。DIPEAなどの塩基を(III−d)に添加する。
アミド形成のための注入ループサイズは、通常、各成分で250μLである。脱保護のための酸溶液、例えばTFAは、33%TFA(NMP中)を0.5ml注入する。
アミド形成は、通常、溶媒としてNMPを使用し、40℃で20分間、流れ中で行われ、保護生成物が得られる。
保護基、例えばトリチル基は、既知の手順に従って例えば33%TFA(NMP中)を使用して脱離させることができる。次いで、これを第1の反応流出物に加え、得られた混合物を通常120℃で15分間加熱する。反応スキーム10では、可変要素は、全て式(I)におけるように定義される。
実験手順11
式(I)(式中、−L−Rは、−(C=O)−NR1aである)の化合物(本明細書では、式(I−b)の化合物と称する)は、式(III−h)(式中、Qは、例えば、トリチルなどの保護基である)の中間体から、例えばDCMなどの好適な溶媒中、DIPEAなどの適切な塩基の存在下、例えばHBTUなどの適切なカップリング試薬を用いて、反応が確実に完了する条件で式(IX−c)のアミンと反応させることによって調製することができる。反応スキーム11では、可変要素は、全て式(I)におけるように定義される。
薬効薬理
本発明の化合物およびその薬学的に許容される組成物は、BACEを阻害し、したがってアルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に伴う認知症、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、HIV疾患による認知症、頭部外傷による認知症、ハンチントン病による認知症、ピック病による認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病による認知症、前頭側頭型認知症、ボクサー認知症、βアミロイドに伴う認知症および加齢黄斑変性、2型糖尿病ならびに他の代謝障害の処置または防止に有用であり得る。
本明細書で使用する場合、「処置」という用語は、疾患の進行を遅延、中断、阻止もしくは停止するかまたは症状を軽減し得る全てのプロセスを指すものとするが、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではない。
本発明は、AD、MCI、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に伴う認知症、アルツハイマー型認知症、βアミロイドに伴う認知症および加齢黄斑変性、2型糖尿病ならびに他の代謝障害からなる群から選択される疾患または病態の処置または防止に使用するための、一般式(I)による化合物、その立体異性形態またはその薬学的に許容される酸付加塩もしくは塩基付加塩にも関する。
本発明は、AD、MCI、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に伴う認知症、アルツハイマー型認知症、βアミロイドに伴う認知症および加齢黄斑変性、2型糖尿病ならびに他の代謝障害からなる群から選択される疾患または病態の処置、防止、改善、調節またはそれらのリスクの軽減に使用するための、一般式(I)による化合物、その立体異性形態またはその薬学的に許容される酸付加塩もしくは塩基付加塩にも関する。
上で既に述べたように、「処置」という用語は、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではないが、上記の障害のいずれかの対症処置を指す場合もある。式(I)の化合物の有用性に鑑みて、上記の疾患のいずれか1つに罹患しているヒトを含む温血動物などの対象を処置する方法または上記の疾患のいずれか1つに罹患しているヒトを含む温血動物などの対象を予防する方法が提供される。
前記方法は、治療有効量の式(I)の化合物、その立体異性形態、その薬学的に許容される付加塩または溶媒和物の、ヒトを含む温血動物などの対象への投与、すなわち全身投与または局所投与、好ましくは経口投与を含む。
したがって、本発明は、上記の疾患のいずれかを防止および/または処置する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の本発明による化合物を投与することを含む方法にも関する。
本発明は、βサイトアミロイド切断酵素の活性を調節する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の本発明によるかつ特許請求の範囲で定義される化合物または本発明によるかつ特許請求の範囲で定義される医薬組成物を投与することを含む方法にも関する。
処置方法は、1日に1〜4回摂取する投薬計画で活性成分を投与することも含み得る。これらの処置方法では、本発明による化合物は、投与前に製剤化されることが好ましい。本明細書で下記に記載するように、好適な医薬製剤は、よく知られ、容易に入手可能な成分を使用して既知の手順で調製される。
アルツハイマー病またはその症状を処置または防止するのに好適であり得る本発明の化合物は、単独で投与されるか、または1種または複数の追加の治療剤と併用投与され得る。併用療法には、式(I)の化合物および1種または複数の追加の治療薬を含有する単一医薬投与製剤の投与ならびに式(I)の化合物および各追加の治療薬(それ自体個別の医薬投与製剤)の投与が含まれる。例えば、式(I)の化合物および治療薬は、患者に錠剤またはカプセル剤などの単一経口投与組成物で一緒に投与され得、または各薬剤が個別の経口投与製剤で投与され得る。
当業者は、本明細書に記載の疾患または病態の別の命名法、疾病分類および分類体系に精通しているであろう。例えば、American Psychiatric AssociationのDiagnostic&Statistical Manual of Mental Disorders第5版(DSM−5(商標))は、神経認知障害群(NCD)(重度と軽度との両方)、特にアルツハイマー病による神経認知障害、外傷性脳損傷(TBI)による神経認知障害、レビー小体病による神経認知障害、パーキンソン病による神経認知障害または血管性NCD(多発性梗塞を伴って存在する血管性NCDなど)などの用語を使用している。このような用語は、本明細書に記載の疾患または病態の一部の別の名称として当業者が使用する場合がある。
医薬組成物
本発明は、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群、脳卒中に伴う認知症、パーキンソン病に伴う認知症およびβアミロイドに伴う認知症および加齢黄斑変性、2型糖尿病ならびに他の代謝障害など、β−セクレターゼの阻害が有益である疾患を防止または処置するための組成物も提供する。前記組成物は、治療有効量の式(I)による化合物と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む。
活性成分を単独で投与することが可能であるが、医薬組成物としてそれを提供することが好ましい。したがって、本発明は、本発明による化合物を薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物をさらに提供する。担体または希釈剤は、組成物の他の成分と混合可能であり、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
本発明の医薬組成物は、薬学の技術分野においてよく知られる任意の方法によって調製され得る。治療有効量の特定の化合物は、有効成分として、塩基形態または付加塩形態において、薬学的に許容される担体と組み合わされて均質な混合物にされるが、これは、投与に所望される製剤の形態に応じて多様な形態をとり得る。これらの医薬組成物は、好ましくは、経口、経皮もしくは非経口投与などの全身投与;または吸入、鼻腔スプレー、点眼剤を介したものもしくはクリーム、ゲルもしくはシャンプーなどを介したものなどの局所投与に好適な単位剤形であることが望ましい。例えば、経口剤形の組成物の調製では、懸濁剤、シロップ、エリキシル剤および液剤などの経口液体製剤の場合、例えば水、グリコール、油、アルコールなど;または散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合、デンプン、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤および崩壊剤などの固体担体など、通常の医薬媒体のいずれかを使用することができる。錠剤およびカプセル剤は、その投与が容易であるため、最も有利な経口単位剤形であり、その場合、固体医薬担体が明らかに使用される。非経口組成物の場合、担体は、通常、滅菌水を少なくとも大部分含むことになるが、例えば溶解性を促進する他の成分が含まれ得る。例えば、担体が生理食塩水、ブドウ糖溶液または生理食塩水とブドウ糖溶液との混合物を含む注射用溶液を調製することができる。注射用懸濁剤も調製することができ、その場合、適切な液体担体および懸濁化剤などが使用され得る。経皮投与に好適な組成物では、担体は、皮膚に重大な有害作用を引き起こさない任意の性質の少量の好適な添加剤と任意選択により組み合わせて、浸透促進剤および/または好適な湿潤剤を任意選択により含む。前記添加剤は、皮膚への投与を容易にすることができ、かつ/または所望の組成物の調製に役立ち得る。これらの組成物は、様々な方法で例えば経皮パッチ、スポットオンまたは軟膏として投与され得る。
投与を容易にし、投与量を均一にするために、前述の医薬組成物を単位剤形に製剤化することが特に有利である。本明細書および特許請求の範囲で使用する単位剤形は、一体型投与に好適な物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果が得られるように計算された所定量の活性成分を含有する。そのような単位剤形の例としては、錠剤(割線入り錠剤またはコーティング錠を含む)、カプセル剤、丸剤、分包散剤、カシェ剤、注射用溶液または懸濁剤、小さじ量および大さじ量など、ならびにそれらを分割して複合したものがある。
正確な投与量および投与頻度は、当業者によく知られているように、使用される式(I)の特定の化合物、処置される特定の病態、処置される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度および全身の健康状態ならびにその個体が摂取している可能性がある他の医薬に依存する。さらに、前記有効1日量は、治療対象の応答に応じて、および/または本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて減少または増加され得ることが明らかである。
投与方法に応じて、医薬組成物は、有効成分を0.05〜99重量%、好ましくは0.1〜70重量%、より好ましくは0.1〜50重量%および薬学的に許容される担体を1〜99.95重量%、好ましくは30〜99.9重量%、より好ましくは50〜99.9重量%含むことになるであろう。パーセンテージは、全て組成物の全重量に基づく。
本化合物は、経口、経皮もしくは非経口投与などの全身投与;または吸入、鼻腔スプレー、点眼剤を介したものもしくはクリーム、ゲルもしくはシャンプーなどを介したものなどの局所投与のために使用することができる。本化合物は、経口投与されることが好ましい。正確な投与量および投与頻度は、当業者によく知られているように、使用される式(I)による特定の化合物、処置される特定の病態、処置される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度および全身の健康状態ならびにその個体が摂取している可能性がある他の医薬に依存する。さらに、前記有効1日量は、治療対象の応答に応じておよび/または本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて減少または増加され得ることが明らかである。
単回剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる式(I)の化合物の量は、処置される疾患、哺乳動物種および特定の投与方式に応じて変動するであろう。しかし、一般的な指針として、本発明の化合物の好適な単位用量は、例えば、好ましくは0.1mg〜約1000mgの有効化合物を含有し得る。好ましい単位用量は、1mg〜約500mgである。より好ましい単位用量は、1mg〜約300mgである。より一層好ましい単位用量は、1mg〜約100mgである。このような単位用量は、1日2回以上、例えば1日2、3、4、5または6回、しかし好ましくは1日当たり1または2回投与することができるため、体重70kgの成人のための総用量は、1回の投与当たり対象の体重1kg当たり0.001〜約15mgの範囲である。好ましい投与量は、1回の投与につき対象の体重1kg当たり0.01〜約1.5mgであり、このような治療は、数週間または数カ月間、場合により数年間にわたり得る。しかし、当然のことながら、当業者によく理解されているように、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、使用する特定の化合物の活性、処置される個体の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事、投与時間および投与経路、排泄率、以前投与された他の薬物ならびに治療を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存するであろう。
典型的な投与量は、1mg〜約100mgの錠剤もしくは1mg〜約300mgの錠剤を1錠、1日1回もしくは1日数回服用または活性成分の含量を比較的多く含有する徐放カプセル剤もしくは錠剤を1つ、1日1回服用とすることができる。徐放効果は、異なるpH値で溶解するカプセル材料により、浸透圧で徐々に放出するカプセルにより、または他の既知の任意の放出制御手段により得ることができる。
当業者に明らかであろうように、これらの範囲外の投与量を使用することが必要となる場合があり得る。さらに、臨床医または治療医は、個々の患者の応答に応じて治療を開始、中断、調整または終了する方法および時点を知っているであろうことにも留意されたい。
上記の組成物、方法およびキットについて、当業者は、それぞれに使用するのに好ましい化合物が上記で好ましいと記載されている化合物であることを理解するであろう。組成物、方法およびキットについてより一層好ましい化合物は、下記の非限定的な実施例で提供される化合物である。
実験の部
以下では、「aq.」という用語は、水性を意味し、「r.m.」は、反応混合物を意味し、「r.t.」または「RT」は、室温を意味し、「DIPEA」は、N,N’−ジイソプロピルエチルアミンを意味し、「DIPE」は、ジイソプロピルエーテルを意味し、「THF」は、テトラヒドロフランを意味し、「DMF」は、ジメチルホルムアミドを意味し、「DCM」は、ジクロロメタンを意味し、「EtOH」は、エタノールを意味し、「EtOAc」は、エチルアセテートを意味し、「AcOH」は、酢酸を意味し、「iPrOH」は、イソプロパノールを意味し、「iPrNH」は、イソプロピルアミンを意味し、「ACN」または「MeCN」は、アセトニトリルを意味し、「MeOH」は、メタノールを意味し、「Pd(OAc)」は、パラジウム(II)ジアセタートを意味し、「rac」は、ラセミを意味し、「sat.」は、飽和を意味し、「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「SFC−MS」は、超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「LC−MS」は、液体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「GCMS」は、ガスクロマトグラフィー/質量分析を意味し、「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーを意味し、「RP」は、逆相を意味し、「UPLC」は、超高速液体クロマトグラフィーを意味し、「R」は、保持時間(分)を意味し、「[M+H]」は、化合物の遊離塩基のプロトン化質量を意味し、「HATU」は、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、「HBTU」は、N,N,N’,N’,−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、「Xantphos」は、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス[ジフェニルホスフィン]を意味し、「TFA」は、トリフルオロ酢酸を意味し、「EtO」は、ジエチルエーテルを意味し、「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを意味し、「NMP」は、N−メチルピロリドンを意味し、「NMR」は、核磁気共鳴を意味し、LDAは、リチウムジイソプロピルアミドを意味し、「DIPA」は、ジイソプロピルアミンを意味し、「n−BuLi」は、n−ブチルリチウムを意味する。「h」は、時間を意味する。「min」は、分を意味し、「NaCO」は、炭酸ナトリウムを意味し、「sol.」は、溶液を意味し、「BOC」は、t−ブトキシカルボニルを意味し、「DMA」は、N,N−ジメチルアセトアミドを意味し、「DMAP」は、ジメチルアミノピリジンを意味し、「mw」は、マイクロ波を意味し、「NBS」は、N−ブロモスクシンイミドを意味し、「Pd(PPh」は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を意味し、「DBU」は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを意味し、「SQD」は、シングル四重極検出器を意味し、「MSD」は、質量選択検出器を意味し、「BEH」は、架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「DAD」は、ダイオードアレイ検出器を意味し、「HSS」は、高強度シリカを意味し、「Q−Tof」は、四重極飛行時間型質量分析計を意味し、「CLND」は、化学発光窒素検出器を意味し、「ELSD」は、蒸発光散乱検出器を意味する。
立体化学的配置の割り当ておよび図形表示
中間体/化合物の中心C4aおよびC10aの立体配置は、以下のように示されている:
a)中間体/化合物がエナンチオピュアであり、絶対立体配置が知られている場合、例えば立体配置がC4a(R)、C10a(S)に対応し、化合物が単一のジアステレオ異性体およびエナンチオピュアである場合、コアは、
として表され;
b)中間体/化合物がエナンチオピュアであるが、絶対立体配置が知られていない場合、コアは、
(ここで、楔は、シスジアステレオ異性体を示すためにランダムに割り当てられている)として表され;シス相対配置の他の純粋なエナンチオマーが単離されている場合、中間体/化合物は、他の単離エナンチオマー中間体/化合物と区別するために、
として表され;
c)中間体/化合物がシス相対配置の2つのエナンチオマーのラセミ混合物である場合、コアは、
として表されている。
中間体/化合物の立体化学的絶対配置は、化学合成法およびNMR(相対立体配置の割り当て)ならびに化合物30および中間体26ならびに種々のエナンチオピュア類似体のBACE1酵素との共結晶化(示された化合物のインビトロ活性と共に、これにより化合物におけるR基の好ましい配向を確認することができる)に基づいて理論的に説明されている。
A.中間体の調製
中間体1
THF(100mL)中のDIPA(3.5mL、25mmol)の混合物を−20℃に冷却し、n−BuLi(ヘプタン中2.7M、9.2mL、25mmol)を滴下した。10分間撹拌した後、r.m.を−75℃に冷却し、THF(50mL)中の2−フルオロ−3−ヨードピリジン(5.55g、25mmol)を滴下した。−65℃で2h撹拌を続けた。r.m.を−75℃に冷却し、THF(25mL)中のギ酸エチル(2.3mL、28mmol)を滴下した。10分後、ナトリウムメトキシド(5.8mL、0.95g/mL、25mmol、純度25%)を滴下した。冷却浴を取り除き、r.m.をr.t.にし、塩水(50mL)、EtO(100mL)で処理し、層を分離した。水層をEtO(100mL)で抽出し、有機層をまとめて塩水(50mL)で処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、中間体1(6.15g、94%)を得、これをそのまま次の反応工程で使用した。
中間体2
トルエン(150mL)中のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(8.4g、24mmol)の撹拌混合物にカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.7M、34mL、24mmol)を−10℃で滴下した。この温度で30分間撹拌を続けた。トルエン(20mL)中の中間体1(2.1g、8mmol)を滴下し、2時間後、水(50mL)でr.m.の反応を停止させ、層を分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して黄褐色の油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/ヘプタン 0/100〜10/90)により精製して、中間体2を油状物(1.86g、80%)として得た。
中間体3
撹拌し冷却した(−70℃)、THF(500mL)中の中間体2(30g、100mmol)の混合物に、内部温度を−65℃未満に維持しながら、イソプロピルマグネシウムクロリド−塩化リチウム錯体(105mL、1.3M、140mmol)を滴下した。添加が完了したところで、撹拌を1.5h続けた。次いで、シアン化銅(I)ジ(塩化リチウム)錯体溶液(105mL、1M、110mmol)を−70℃で滴下し、15分後、臭化アリル(28mL、31mmol)を滴下した。r.m.をr.t.にし、次いで塩水(100mL)で反応を停止させ、EtO(0.3L)および水(0.1L)で希釈し、層を分離した。有機層をまずアンモニアで少しずつ青色が消失するまで洗浄し(5×0.2L)、次いで塩水(0.1L)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM/ヘプタン 98/2〜100/0)で精製して、中間体3(19.6g、93%)を得た。
中間体4
中間体3(19.6g、95mmol)のTHF(200mL)溶液を撹拌し、6MのHCl水溶液(70mL、420mmol)で処理し、r.m.を50℃で30分間加熱した。r.mを氷水(0.2L)に注ぎ入れ、pHが中性になるまでNaCO飽和溶液で処理した。r.m.をDCM(3×0.1L)で抽出し、有機層をまとめてMgSOで乾燥させた。得られた溶液にトリエチルアミン(40mL、290mmol)、次いで塩酸ヒドロキシルアミン(8g、120mmol)を加え、撹拌を1h続けた。r.m.をNaHCO飽和溶液(0.1L)で希釈し、層を分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、メカニカルスターラーを備えた1Lの四つ口フラスコに移し、0℃(内部温度)に冷却した。この冷却した溶液に次亜塩素酸ナトリウム(210mL、470mmol)を滴下した。添加完了後、r.m.をr.t.にし、r.t.で終夜撹拌を続けた。層を分離し、水層をDCM(0.2mL)で抽出した。有機層をまとめてMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、固体を得、これをDIPE(0.1L)から再結晶させて、中間体4(8.64g、44%)を得た。
中間体5
窒素下において1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(9.699mL、70.51mmol)を43mLのTHF中で攪拌し、r.m.を−15℃に冷却した。イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M、43.048mL、86.1mmol)を−15℃で滴下し、r.m.を0〜5℃で1h撹拌し、次いで再度−15℃に冷却した。43mlのTHFに溶解した中間体4(7.2g、35.26mmol)を滴下した。この混合物を室温に到達させた後、60mLのNHCl飽和溶液に滴下し、EtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、中間体5を得た(11.15g、99%、シス/トランス混合物)。
中間体6
EtOH(473mL)中のRaney(登録商標)−Nickel(64g)およびチオフェン(DIPE中4%、85mL)を水素化フラスコに入れた後、EtOH(473mL)に溶解した中間体5(17.2g、54mmol)を加えた。フラスコを脱気し、次いで水素ガスでフラッシュした後、14℃で6h撹拌した。r.m.をdicalite(登録商標)で濾過し、EtOHおよびTHFで洗浄した後、生成物を蒸発により濃縮した。生成物を精製した(シリカ、MeOH/DCM 0/100〜6/94)。純粋な画分を蒸発させて、中間体6を得た(10.34g、60%)。
中間体7
中間体6(2.32g、7.24mmol)を氷浴中の130mLのDCMに溶解した後、20mLのDCM中のベンゾイルイソチオシアナート(1.66g、10.14mmol)を混合物に滴下し、反応物をr.t.で1.5h撹拌した。少量の氷を依然として撹拌しているr.m.に加え、生成物を、DCMを用いて抽出し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発によって濃縮した。有機層をカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/ヘプタン 0/100〜80/20)により精製した。生成物を含む画分を集め、蒸発により濃縮して、中間体7(3.50g、定量的)を得た。
中間体8Aおよび8B
窒素フロー下、r.t.において、中間体7(3.5g、7.24mmol)をDCM(91mL)中で撹拌した後、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(2.62mL、19.80mmol)を滴下し、r.m.を10分間撹拌した。反応が完了に至ったところで、20mLのNaHCO飽和水溶液で反応を停止させ、10分間撹拌した。有機物質を、DCMを用いて抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発により濃縮した。この物質をDIPE中で撹拌して白色固体を得、これを濾別し、オーブン中で乾燥させて2.46gの混合物を得、これをPrep SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 30×250mm、移動相:CO、0.2%のiPrNHを含有するMeOH)により精製して、中間体8a(1.99g、33%、純粋なエナンチオマー)および中間体8b(1.67、28% 純粋なエナンチオマー)を得た。
中間体9
THF(20mL、0.89g/mL、0.25mol)中の中間体8a(2.2g、0.0047mol)の混合物を撹拌し、BOC無水物(1.24g、0.0057mol)およびDMAP(50mg、0.00041mol)で処理した。r.t.で1h撹拌した後、r.m.をNaHCO飽和溶液(20mL)、水(50mL)およびEtOAc(100mL)で希釈し、層を分離した。水層をEtOAc(50mL)で抽出した。有機層をまとめて塩水(20mL)で処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、中間体9を白色泡状物(2.77g、99%)として得た。
中間体10
ACN(250mL、0.79g/mL、4.81mol)中の中間体9(2.77g、0.0049mol)の混合物を撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1g、0.0056mol)を少量ずつ加え、そのr.m.をr.t.で4日間撹拌した後、さらにN−ブロモスクシンイミド(0.2g、0.0011mol)を加え、撹拌をさらに3h続けた。r.m.を40mLの飽和NaHCO、水(0.1L)、EtOAc(200mL)で希釈し、層を分離した。水層をEtOAc(50mL)で抽出し、有機層をまとめて塩水(0.1L)で処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、オフホワイト色の固体を得た。これを、ヘプタン中、0〜50%のEtOAcの勾配で溶出する120gのRedisepフラッシュカラムを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体10を明るい白色の固体として得た(2.1g、収率67%)。
中間体11
中間体10(13.71g、21mmol)およびギ酸(79.7mL、2.1mmol)をr.t.で1h撹拌した。r.m.中に存在するギ酸を蒸発させ、生成物をNaCOで塩基性化した後、DCMで抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発により濃縮し、DIPEから結晶化させて、生成物を得た。この結晶を濾別し、乾燥させて、中間体11を得た(9.32g、81%)。
中間体12
中間体11(9.32g、17mmol)、DBU(25.5mL、171mmol)およびMeOH(192.8mL)を圧力管に入れ、60℃で終夜撹拌した。r.m.を蒸発により濃縮させた後、物質をカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM〜5%MeOH(DCM中))により2回精製した。生成物を含有する画分を合わせ、蒸発により濃縮させて、中間体12(6.84g、91%)を得た。
中間体13
中間体12(0.87g、1.976mmol)を乾燥アセトニトリル(76mL)に溶解し、次いでEtN(0.55mL.3.95mmol)を添加し、続いてトリフェニルメチルクロリド(0.826g、2.96mmol)を加えた。次いで、r.m.を80℃に1.5h加熱し、次いで溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解した。KCOを用いて混合物を塩基性化した後、有機層を塩水(×3)で洗浄し、相を分離した。有機層をまとめてMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘプタン 0/100〜10/90)により精製した。所望の画分を集め、真空下で蒸発させた。化合物をMeOHからトリチュレートし、結晶を濾別し、乾燥させて、中間体13(1.3g、96%)を白色固体として得た。
中間体14
75mLのステンレス鋼オートクレーブに窒素雰囲気下で中間体13(1.1g、1.61mmol)、Pd(OAc)(77.2mg、0.34mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(44mg、0.107mmol)、酢酸カリウム(385mg、3.93mmol)、THF(20mL)およびEtOH(20mL)を投入した。オートクレーブを閉じ、30バールCOに加圧した。r.m.を120℃で19h撹拌した。r.m.を蒸発させた後、DCMを加え、混合物をdicalite(登録商標)で濾過した。有機物質を、DCMを用いて抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発によって濃縮して、1.48gの生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/DCM 0/100〜2/98)により精製し、生成物を含有する画分を合わせ、蒸発により濃縮して中間体14(0.902g、83%)を得た。
中間体15
中間体14(1.137g、1.682mmol)、水酸化リチウム(484mg、20.189mmol)、水(130mL)および1,4−ジオキサン(130mL)を、所望の生成物に完全に変換するまで80℃で3h撹拌した。次いで、ジオキサンを蒸発させ、混合物をAcOHでpHを約3にまで酸性化した。続いて、r.m.をDCMで抽出し、有機層を集め、MgSOで乾燥させ、真空中で溶媒を蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM 0/100〜5/95)により精製して、中間体15を得、これをオーブン中で乾燥して固体(0.845g、78%)を得た。
中間体16
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(519.4mg、0.57mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(649.7mg、1.17mmol)をmwバイアル内のDMA(106.7mL)中で混合し、この混合物を、窒素を用いて10分間脱気した。次いで、中間体13(1.6g、2.34mol)を添加し、続いて亜鉛(183.9mg、2.81mmol)およびZn(CN)(2.20g、18.8mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、150℃で4h加熱した。このr.m.を氷水に注ぎ、撹拌したところ、褐色の固体が生成された。固体を濾別し、DCMに溶解し、水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発により濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/DCM 0/100〜1/99)により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発により濃縮して、中間体16(1.47g、定量的)を得た。
中間体17
中間体16(1.47g、2.3mmol)を窒素フロー下において−20℃でTHF(乾燥)(147mL)に溶解し、LiAlH(THF中2M、2.34mL、4.7mmol)を滴下した。反応物をr.t.で温め、16h間撹拌した。このr.m.を氷浴で冷却し、ロッシェル塩溶液(HO中1.5M)10mLで反応を停止させた。有機物質をDCMで抽出しMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発により濃縮した。これをシリカ(溶離液:DCM〜>5%MeOH/NH(DCM中))で精製し、生成物を含有する画分を合わせ、真空中で濃縮し、オーブンで2h乾燥して、中間体16(0.74g、50%)を得た。220mgの出発物質を回収した。
中間体18
中間体15(90mg、0.14mmol)をDCM(2.25mL)中で撹拌し、DIPEA(0.12mL、0.70mmol)およびHBTU(52.69mg、0.139mmol)を添加し、r.t.で0.5h、撹拌を続けた。この溶液にシクロプロピルアミン(0.0116mL、0.167mmol)を添加し、r.t.で1h、撹拌を続けた。NaOH(1N溶液、3mL)を添加し、r.m.を5分間撹拌した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発により濃縮した。有機残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/DCM 0/100〜4/96)により精製し、生成物を含有する画分を合わせ、蒸発により濃縮して、中間体18(135mg、純度72%、定量的)を得た。
中間体19
撹拌し冷却した(5℃)2−フルオロフェニルマグネシウムブロミド(20mL、1M、20mmol)の不均一混合物に中間体4(2g、9.8mmol)のトルエン(40mL)溶液を滴下した。添加が完了したところで、30分間撹拌を続け、次いでr.m.の反応をNHCl飽和水溶液(50mL)、水(0.1L)で停止させ、層を分離した。水相をEtOAc(3×0.1L)で抽出し、有機層をまとめて塩水(0.1L)で処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/DCM 0/100〜100/0)により精製して、中間体19をオフホワイト色の泡状物として得た(2.45g、83%、シス/トランス 93/7)。
中間体20
中間体6の合成で報告したものと同様の合成手順に従って中間体20を調製した。中間体19(2.8g、9.32mmol)から出発して中間体20を得、これをそのまま次の工程に使用した(2.8g、定量的、シス/トランス 96/4)。
中間体21
中間体7の合成で報告したものと同様の合成手順に従って中間体21を調製した。中間体20(1.6g、5.29mmol)から出発して中間体21を白色の泡状物として得た(2.22g、90%、シス)。
中間体22
中間体8の合成で報告したものと同様の合成手順に従って中間体22を調製した。中間体21(2.22g、4.77mmol)から出発して中間体22を白色固体として得た(1.4g、66%、シス)。
中間体23
THF(20mL)中の中間体22(1.5g、3.4mmol)の撹拌混合物にBOC−無水物(0.9g、4.1mmol)およびDMAP(0.01g、0.082mmol)を添加し、r.m.をr.t.で3h撹拌した。r.m.をNaHCO飽和水溶液(5mL)で希釈し、層を分離し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/DCM 0/100〜2/98)で精製して、中間体23を白色固体として得た(1.1g、60%、シス)。
中間体24
中間体23(1.1g、2mmol)のMeCN(50mL)懸濁液を撹拌し、NBS(0.46g、2.6mmol)を少量ずつ添加した。16h後、r.m.をDCM(0.1L)およびNaHCO飽和水溶液で希釈し、層を分離した。有機層を塩水で処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、固体を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/ヘプタン 0/100〜50/50)で精製して、中間体24を白色固体として得た(0.8g、64%、シス)。
中間体25
DCM(20mL)中の中間体24(0.8g、1.3mmol)の混合物を撹拌し、TFA(1mL、13mmol)で処理した。1h後、r.t.においてこの混合物をNaHCO飽和水溶液でpHが約8になるまで希釈し、層を分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、中間体25を白色固体として得た(0.67g、99%、シス)。
中間体26
DCM(5mL)中の中間体25(0.15g、0.24mol)の混合物を撹拌し、TFA(1mL、13mmol)を添加した。10分後、r.m.をDCM(20mL)およびNaHCO飽和水溶液でpHが塩基性になるまで希釈し、層を分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して油状物を得た。この油状物をMeOH(10mL)に溶解し、DBU(0.36mL、2.4mmol)で処理した。r.m.を65℃で16h加熱し、次いでr.m.を真空中で濃縮して油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、7Mアンモニア(MeOH中)/DCM 0/100〜4/96)により精製して油状物を得、これをEtOでトリチュレートした。得られた白色固体を乾燥させて(真空オーブン、60℃、1h)、中間体26を得た(47mg、47%、シス)。
中間体27
中間体13の合成で報告したものと同様の合成手順に従って中間体27を調製した。中間体26(0.47g、1.11mmol)から出発して中間体27を得た(0.396g、54%、シス)。
中間体28
マイクロ波管にジメチルアセトアミド(10mL)中のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(25mg、0.027mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(30mg、0.053mmol)を投入し、窒素で脱気し、次いで中間体27(150mg、0.226mmol)、亜鉛末(5mg、0.076mmol)およびシアン化亜鉛(108mg、0.9mmol)を添加した。管に蓋をし、120℃で12h加熱した。r.m.を冷却し、氷水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層をまとめて水(2×5mL)で処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、褐色の固体を得た。この固体をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/DCM 0/100〜1/99)により精製して、中間体28を白色固体として得(0.159g、定量的、シス)、これをそのまま次の工程で使用した。
中間体29
氷のように冷却した中間体28(0.24g、0.39mmol)のTHF(10mL)溶液に水素化リチウムアルミニウム(THF中2M、0.39mL、0.79mmol)を滴下した。このr.m.をr.t.に到達させ、16h撹拌した。次いで、ロッシェル塩飽和溶液を添加し(5mL)、続いてEtOAc(20mL)を添加し、層を分離した。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出し、有機層をまとめて塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過後、真空中で濃縮した。次いで、粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカ、7Mアンモニア(MeOH中)/DCM 0/100〜5/95)により精製して、中間体29(0.14g、58%、シス)を得た。
中間体30
DCM(20mL)中の中間体29(0.12g、0.195mmol)、シクロプロパンカルボン酸(20mg、0.23mmol)およびトリエチルアミン(0.1mL、0.72mmol)の撹拌混合物にHBTU(90mg、0.237mmol)を一度に加えた。r.t.で2h撹拌した後、r.m.を水(1mL)で希釈し、層を分離した。その後、有機層を水(2mL)および1M HCl(0.5mL)で処理し、次いで1M NaOH(1mL)で処理した。この溶液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、オフホワイト色の固体を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/ヘプタン 0/100〜50/50)により精製して、中間体30を白色固体として得た(85mg、64%、シス)。
中間体31
中間体14の合成について報告したものと同様の合成手順(中間体8a、9、10、11、12、13から14の順に)に従って、中間体8bから出発して中間体31を得た。
B.最終化合物の調製
実施例E1 − 基本手順フローケミストリーによるアミド化合物の調製
1つの容器において、中間体17(25mg)および塩基(例えば、DIPEA(17μL))を溶媒(例えば、NMP(400μL))に溶解した。第2および第3の容器でカップリング剤(例えば、HATU(17.6mg))および酸カップリング剤(2当量)を溶媒(例えば、NMP(400μL))に溶解した。最後の容器に酸のストック溶液(例えば、33%TFA(NMP中)(2mL))を入れた。
最初の3つの容器をGilson 215に装填し、250μL注入ループに注入し、続いて各ポンプを33μL/minで作動させながら、40℃に加熱した2mLステンレス鋼コイル上に注入した。酸(TFA)溶液を0.5mL注入ループに装填し、ピークは、自動的に120℃に加熱した2mLステンレス鋼コイルにマッチした。酸(TFA)ポンプを33μL/minで作動させた。流出物は、20μLのループを通してプラットフォームの精製およびアッセイ部に自動的に注入された。
RP HPLCへの言及は、分取HPLCを用いて精製されたサンプルに関連する。画分を凍結乾燥法により凍結乾燥した。勾配プロファイルは、必要とする化合物と任意の中間体との間の分解能を最大にするために試料毎に調節した。分取HPLCシステムは、以下の構成要素から構成された。
ヘッドを備えたGilson 322ポンプ(0.3〜30ml/min)
半分取フローセルを備えたGilson155検出器(経路長0.5mm)
Gilson 819インジェクタモジュール
Gilson 506システムインターフェースモジュール
100×16mmチューブが装着されるようにセットされたGilson FC204フラクションコレクター
Unipoint 5.11により制御した。
HPLCカラム:Phenomenex Luna、5μm C18(2)、150mm×21.2mm
溶媒A:10mMの酢酸アンモニウムを含有するHPLCグレード水(pH未調整)
溶媒B:HPLCグレードアセトニトリル
検出:230nmおよび260nm
実施例E2 − 化合物1の調製
中間体18(135mg、0.20mmol)をTFA(6mL)中、60℃で1.5h撹拌した。TFAを蒸発させ、有機残留物をNaCOで中和させた後、DCMと水との間で分配した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発により濃縮した。これをカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/DCM 0/100〜8/92)により精製し、生成物を含有する画分を合わせ、蒸発により濃縮した。さらに生成物をオーブンで終夜乾燥させて、化合物1(52mg、60%)を得た。
実施例E3 − 化合物22の調製
中間体15(100mg、0.154mmol)をNMP(300μL)に溶解し、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(81μL、0.463mmol)およびピペリジン−4−カルボニトリル(17.01mg、0.154mmol)を添加し、続いてHATU(70.4mg、0.185mmol)を添加した。反応物を10分間放置し、次いでLCMSにより分析し、反応が完了したことを確認した。2,2,2−トリフルオロ酢酸(151μL、1.975mmol)を添加し、この混合物を120℃で20分間加熱した。混合物を水に注ぎ、DCMで抽出した。有機相を集め、濾過し、蒸発させて、ガムを得、これをRP HPLC(溶媒B − 最小10%、中間55%、最大95%)により精製して、化合物22を白色固体として得た(21.6mg、28%)。
実施例E4 − 化合物26の調製
中間体15(100mg、0.154mmol)をNMP(300μL)に溶解し、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(100mg、0.772mmol)および4−(ピロリジン−3−イル)ピリジン(22.88mg、0.154mmol)を添加し、続いてHATU(70.4mg、0.185mmol)を添加した。反応物を10分間放置し、次いでLCMSにより分析し、反応が完了したことを確認した。混合物を水に注ぎ、DCMで抽出した。有機相を集め、濾過し、蒸発させて、ガムを得た。2,2,2−トリフルオロ酢酸(151μL、1.975mmol)を添加し、この混合物を120℃で20分間加熱した。混合物を水に注ぎ、DCMで抽出した。有機物を乾燥させ、濾過し、蒸発させて、ガムを得、これをRP HPLC(溶媒B − 最小10%、中間60%、最大95%)により精製して、化合物26を白色固体として得た(14.1mg、17%)。
実施例E5 − 化合物48の調製
中間体17(50mg、0.079mmol)をNMP(300μL)に溶解し、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(41.3μL、0.237mmol)および3−クロロピラジン−2−カルボン酸(13.78mg、0.087mmol)を添加し、続いてHATU(36.1mg、0.095mmol)を添加した。反応物を10分間放置し、次いでLCMSにより分析し、反応が完了したことを確認した。2,2,2−トリフルオロ酢酸(151μL、1.975mmol)を添加し、この混合物を120℃で20分間加熱した。混合物を水に注ぎ、DCMで抽出した。有機物を乾燥させ、濾過し、蒸発させて、ガムを得、これをRP HPLC(溶媒B − 最小10%、中間55%、最大95%)により精製して、化合物48を白色固体として得た(10mg、24%)。
実施例E6 − 化合物4の調製
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(440mL)およびTHF(220μL)中の中間体31(33.8mg、0.05mmol)および4−アミノピリジン(5.2mg、0.055mmol)の溶液(0.150ml/min)と、LHDMS(THF中1.0M、220μL、0.22mmol)の溶液(0.050ml/min)との2つの溶液を2つのシリンジポンプでSigma−Aldrich(登録商標)マイクロリアクターに送り、50℃で混合した(V=1mL、Rt=5分)。次いで、TFA(880μL、11.5mmol)を粗混合物に加え、マイクロ波照射下において120℃で5分間加熱し、溶媒を真空中で蒸発させて、粗生成物を得、これをRP HPLC(固定相:C18 Sunfire 30×100mm 5μm、移動相:80%の0.1%TFA水溶液、20%のCHCNから0%の0.1%TFA水溶液、100%のCHCNの勾配)により精製して、化合物4を得た(11mg、43%)。
実施例E7 − 化合物29の調製
MeOH(7mL)および酢酸(7mL)中の中間体30(0.085g、0.012mmol)の撹拌混合物を80℃で16h加熱した。r.m.を真空中で濃縮し、次いでDCM(20mL)で希釈し、NaCO飽和水溶液(2mL)で処理した。層を分離し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(4g、Redisepフラッシュカラム、0〜10% 7N NH/MeOH(DCM中)の勾配)で精製して、化合物29(0.032g、59%)を白色固体として得た。
下の表1および2に例示され(*Ex.No.)、上記実施例の1つと同様に調製された(Ex No.で示される)式(I)および(II)の化合物を列挙する。塩の形態が示されていない場合、その化合物は、遊離塩基として得られたものである。「Ex.No.」は、実施例番号を指し、そのプロトコルに従ってその化合物が合成された。「Co.No.」は、化合物番号を意味する。
C.分析の部
LCMS(液体クロマトグラフィー/質量分析法)
LCMS基本手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、それぞれの方法で指定されたLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)検出器またはUV検出器およびカラムを使用して行った。必要に応じて追加の検出器を含めた(下の方法の表を参照されたい)。
カラムからの流れを、大気圧イオン源を備えた質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、データ取込時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ取得は、適切なソフトウェアを用いて行った。化合物は、それらの実測保持時間(R)およびイオンで表される。データの表で別に指定しない場合、報告した分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)および/または[M−H](脱プロトン化分子)に対応する。複数の同位体パターンを有する分子(例えば、Br、Cl)について、報告される値は、最も低い同位体質量について得られた値である。全ての結果は、用いられた方法に通常付随する実験上の不確実性を伴って得られた。
融点
値は、ピーク値または融解範囲であり、この分析方法に通常付随する実験上の不確実性を伴って得られる。
複数の化合物について、DSC823e(Mettler−Toledo)で融点を測定した。融点を30℃/分の温度勾配で測定した。最高温度は、400℃であった。
NMR
複数の化合物について、H NMRスペクトルを、400MHzで運転するBruker DPX−400分光器または600MHzで運転する、360MHzで運転するBruker DPX−360分光器において、クロロホルム−d(重水素化クロロホルム、CDCl)またはDMSO−d(重水素化DMSO、ジメチル−d6スルホキシド)を溶媒として用いて記録した。化学シフト(δ)は、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で報告する。
D.薬理学的な実施例
本発明で提供される化合物は、β部位APP切断酵素1(BACE1)の阻害剤である。アスパラギン酸プロテアーゼであるBACE1の阻害は、アルツハイマー病(AD)の処置に適していると考えられている。βアミロイド前駆体タンパク質(APP)からのβアミロイドペプチド(Aβ)の産生および蓄積は、ADの発症および進行において重要な役割を果たしていると考えられている。Aβは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)からAβドメインのN末端側およびC末端側をそれぞれβ−セクレターゼおよびγセクレターゼで順次切断することにより産生される。
式(I)の化合物は、その酵素活性阻害能により、BACE1において実質的にその効果を有すると予想される。このような阻害剤の挙動は、下記の生化学的蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に基づくアッセイおよびSKNBE2細胞における細胞αLisaアッセイを用いて試験され、これらのアッセイは、このような化合物、とりわけ式(I)による化合物の同定に好適であり、表8および表9に示す。
BACE1の生化学的FRETに基づくアッセイ
このアッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(FRET)に基づくアッセイである。このアッセイのための基質は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)β−セクレターゼ切断部位の「スェーデン」Lys−Met/Asn−Leu変異を含有する、APP由来の13アミノ酸ペプチドである。この基質は、2つのフルオロフォアも含有する。すなわち、(7−メトキシクマリン−4−イル)酢酸(Mca)は、320nmの励起波長と405nmの発光とを有する蛍光ドナーであり、2,4−ジニトロフェニル(Dnp)は、専有の消光剤アクセプターである。これらの2つの基間の距離は、光励起すると、共鳴エネルギー移動を通してドナー蛍光エネルギーがアクセプターにより顕著に消光されるように選択されている。BACE1により切断されると、フルオロフォアMcaが消光基Dnpから分離され、ドナーの十分な蛍光収率が回復される。蛍光の増強は、タンパク質分解速度と直線的に相関する。
簡潔に述べると、384ウェルフォーマットで最終濃度0.04μg/mlの組換えBACE1タンパク質を化合物またはDMSOの存在下においてインキュベーションバッファ(50mMクエン酸バッファ pH5.0、0.05%PEG)中、20μM基質と共に室温で450分間インキュベートする。次に、様々なインキュベーション時間(0、30、60、90、120および450分)で蛍光測定(励起320nmおよび発光405nm)によってタンパク質分解量を直接測定する。全ての実験に対して、時間曲線(0分〜120分で30分毎)を使用して、高対照の最小基底シグナルが見出される時間を決定する。この時点(Tx)のシグナルを、450分の時点のシグナルから減算するために使用する。結果をT450とTxとの間の差としてRFUで表す。
最小二乗和法により、%対照min対化合物濃度のプロットに対して最良適合曲線をフィットさせる。これから、IC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を得ることができる。
LC=低対照値の中央値
=低対照:酵素を用いない反応
HC=高対照値の中央値
=高対照:酵素を用いた反応
%効果=100−[(試料−LC)/(HC−LC)×100]
%対照=(試料/HC)×100
%対照min=(試料−LC)/(HC−LC)×100
次の例示化合物を基本的に上記のように試験し、次の活性が示された。
SKNBE2細胞における細胞αLISAアッセイ
2つのαLisaアッセイにおいて、全Aβレベルと、産生され、ヒト神経芽細胞腫SKNBE2細胞の培地中に分泌されるAβ1−42のレベルとを定量する。このアッセイは、野生型アミロイド前駆体タンパク質(hAPP695)を発現するヒト神経芽細胞腫SKNBE2に基づいている。本化合物を希釈し、これらの細胞に添加し、18時間インキュベートし、次いでAβ1−42および全Aβの測定を行う。全AβおよびAβ1−42をサンドイッチαLisaによって測定する。αLisaは、ストレプトアビジンコートビーズおよび抗体Ab4G8またはcAb42/26結合アクセプタービーズに付着したビオチン化抗体AbN/25を用いる、それぞれ全AβおよびAβ1〜42を検出するためのサンドイッチアッセイである。全AβまたはAβ1−42の存在下において、ビーズは、極めて接近する。ドナービーズの励起により一重項酸素分子の放出が起こり、それによりアクセプタービーズで一連のエネルギー移動が起こり、その結果、発光が生じる。発光を1時間のインキュベーション後に測定する(励起650nmおよび発光615nm)。
最小二乗和法により、%対照min対化合物濃度のプロットに対して最良適合曲線をフィットさせる。これから、IC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を得ることができる。
LC=低対照値の中央値
=低対照:αLisaにおいてビオチン化Abを用いることなく、化合物なしで予備インキュベートした細胞
HC=高対照値の中央値
=高対照:化合物なしでプレインキュベートした細胞
%効果=100−[(試料−LC)/(HC−LC)×100]
%対照=(試料/HC)×100
%対照min=(試料−LC)/(HC−LC)×100
次の例示化合物を基本的に上記のように試験し、次の活性が示された。
BACE2の生化学的FRETに基づくアッセイ
このアッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(FRET)に基づくアッセイである。このアッセイのための基質は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)β−セクレターゼ切断部位の「スェーデン」Lys−Met/Asn−Leu変異を含有する。この基質は、2つのフルオロフォアも含有する。すなわち、(7−メトキシクマリン−4−イル)酢酸(Mca)は、320nmの励起波長と405nmの発光とを有する蛍光ドナーであり、2,4−ジニトロフェニル(Dnp)は、専有の消光剤アクセプターである。これらの2つの基間の距離は、光励起すると、共鳴エネルギー移動を通してドナー蛍光エネルギーがアクセプターにより顕著に消光されるように選択されている。β−セクレターゼにより切断されると、フルオロフォアMcaが消光基Dnpから分離され、ドナーの十分な蛍光収率が回復される。蛍光の増強は、タンパク質分解速度と直線的に相関する。
簡潔に述べると、384ウェルフォーマットで化合物の非存在下または存在下においてインキュベーションバッファ(50mMクエン酸バッファ pH5.0、0.05%PEG、DMSOなし)中、10μM基質と共に最終濃度0.4μg/mlの組換えBACE2タンパク質を室温で450分間インキュベートする。次に、タンパク質分解量をT=0およびT=450で蛍光測定(励起320nmおよび発光405nm)によって直接測定する。結果をT450とT0との間の差としてRFU(相対蛍光単位)で表す。
最小二乗和法により、%対照min対化合物濃度のプロットに対して最良適合曲線をフィットさせる。これから、IC50値(活性の50%阻害を引き起こす阻害濃度)を得ることができる。
LC=低対照値の中央値
=低対照:酵素を用いない反応
HC=高対照値の中央値
=高対照:酵素を用いた反応
%効果=100−[(試料−LC)/(HC−LC)×100]
%対照=(試料/HC)×100
%対照min=(試料−LC)/(HC−LC)×100
次の例示化合物を基本的に上記のように試験し、次の活性が示された。
生化学的アッセイ − 自動
一般的方法
他に示さない限り、全ての生化学物質は、Sigma−Aldrich Chemical Company、Poole、Dorset、U.K.から購入し、分析用またはより高級な非水性溶媒はThermoFisher Scientific、Loughborough、U.K.から購入した。MilliQ水(Elix 5&MilliQ Gradient;Merck Millipore)を、生物学的バッファを作るためのベース水性溶媒として使用した。50mMクエン酸溶液(1.00244;Merck Biosciences)を50mMクエン酸三ナトリウム(1.06448;Merck Biosciences)の撹拌溶液に最終pHが5.0に達するまで添加することによってベースアッセイバッファを調製した。これに、ポリエチレングリコール(「PEG」)(P1458;Sigma Aldrich)の40%溶液を0.05%の最終濃度まで添加し、したがって、ベースバッファは、0.05%PEGを含有する50mMクエン酸ナトリウム、pH5.0から構成された。全てのアッセイを384ウェルアッセイプレート(Costar 4514;Corning Life Sciences)でルーチン的に実施し、37±1℃で60分間インキュベートした後、終点蛍光強度を読み取った。(7−メトキシルクマリン−4−イル)酢酸ベースの基質β−セクレターゼ基質VI(M2465;Bachem)を100%DMSO(D/4121/PB08;ThermoFisher)中の1mMストックとして調製した。ベースバッファにDMSOを最終濃度1%(体積/体積)まで添加することによってアッセイバッファを調整した。β−セクレターゼI(18.64μM;「BACE1」)およびβ−セクレターゼII(4.65μM;「BACE2」)をJanssen Pharmaceutica、Beerse、Belgiumから入手し、凍結アリコート(約20μl)として保存し、必要に応じて解凍した。
手動アッセイ
典型的には、12.5μlのアッセイバッファをアッセイプレートのB〜P列に分配した。A列に対し、アッセイバッファで適切に希釈した試験化合物18.75μlを添加した。試料の6.25μlアリコートをA列からB列に移し、試料をピペットで3回混合した。このプロセスをプレートに沿って繰り返し、6.25μlの溶液をN列での混合後に廃棄した。O列およびP列を陽性および陰性対照とした。P列に6.25μlのベースバッファを加えた。A列〜O列に対し、ベースバッファで希釈した6.25μlの酵素(新しく調製した40nMのBACE1または40nMのBACE2)を加えた。100%DMSO溶液中の1mMをHPLCグレードの水(Optima W6−212;ThermoFisher)に希釈して作った、新たに調製した80μM基質6.25μlを全ウェルに添加し、アッセイを開始した。アッセイプレートを覆い、37±1℃で60分間インキュベートした。ウェルの蛍光強度を、360/405nm(励起/発光)で1ウェル当たり9回の読み取りプロトコル(50msインテグレーション;密度3、0.25mm間隔;SpectraMAX Paradigmプレートリーダー;TUNEカートリッジ;SoftMax Pro v 6.3ソフトウェア;Molecular Devices UK Ltd.、Wokingham、Berkshire,UK)を用いて読み取り、9回の読み取りの中央値をテキストファイルとして出力した。ベンダーから供給される非線形回帰分析モデルを用いたPrismソフトウェアv6.3(GraphPad Inc、San Diego、CA、USA)により、データの分析を行った。IC50を決定するために、4パラメータロジスティック可変傾斜モデルを用いて、生蛍光強度データを陰性対照に固定された「ボトム」にフィットさせた。
自動バイオアッセイハードウエア
CyclOpsバイオアッセイモジュールは、画分収集ステーション、試薬ステーション、液体処理ロボット、プレートストアおよび統合プレートリーダー(SpectraMAX Paradigm、TUNEカートリッジ、SoftMax Pro v6.3;Molecular Devices)から構成された。分画収集ステーションは、Hポータルキャリッジ(Festo AG&CoKG、Esslingen、Germany)上に搭載された384ウェル収集プレート(P−384−240SQ−C;Axygen、Union City、CA、USA)、シリンジドライブおよび200μlループを備えた2方向6ポート注入バルブ(VICI AG International、Schenkon Switzerland)から構成された。注入バルブの出力は、384ウェル収集プレートの全ての位置にアドレス可能であった。試薬ステーションは、油圧冷却(10〜12℃)アルミニウムセグメントからなり、各セグメントは、SBSマイクロタイタープレートフットプリントを収容するように作製された。独立したアドレス可能な試薬ステーションをこれらのセクション内に収容した。必要に応じて、標準的な実験室用プラスチック器具(例えば、Eppendorfチューブ、Falconチューブなど)を収容するために特注のアルミニウムハウジングを使用した。必要に応じて、試薬リザーバを覆い、蓋は、テフロン(登録商標)被覆プローブが溶液に到達できる穴を含んだ。液体処理システムに存在する試薬は以下のとおりであった。
・覆った試薬リザーバ(390007;Porvair Sciences Ltd.、Leatherhead、UK)に収容されたプローブ洗浄溶液(約150ml;33.3:33.3:33.3 水:プロパン−2−オール(P/7508/17;ThermoFisher):メタノール(M/4058/17;ThermoFisher))
・アッセイバッファ溶液
・HPLCグレード水
・5ml用Eppendorfチューブ(0030 119.401;Eppendorf)に入った、ベースバッファで希釈された40nMのBACE1
・1.5ml用Eppendorfチューブ(0030 000.919;Eppendorf)に入った、100mMの塩化ナトリウムおよび20%グリセロール(16374;USB Corp.、Cleveland、OH、USA)を含有する25mMのトリス(648311;Merck Biosciences、Nottingham、U.K.)、pH7.5で希釈された400nMのBACE2
・1.5ml用Eppendorfチューブに入った、100%DMSO中の1mMの基質(周囲温度で保持)
・2本の空の1.5ml用Eppendorfチューブ
液体処理システムは、グリッパーアームおよび単一のテフロン被覆ステンレス鋼プローブを備えたLISSYシステム(Zinsser Analytik GmbH、Frankfurt、Germany)から構成された。全ての液体処理工程間において、テフロン被覆ステンレス鋼プローブをプローブ洗浄溶液で洗浄し、続いてシステム液(水)で洗浄した。バイオアッセイシステムの制御は、WinLISSYソフトウェア(Zinsser Analytik)およびSoftMax Pro(これは、WinLISSY自動化コマンド制御下にあった)を使用して行った。プレートストアは、アッセイプレートのスタック(Costar 4514)を収容した。入力リレーおよび出力リレーは、バイオアッセイモジュールとCyclOps制御ソフトウェアとの間の接点閉鎖制御およびフィードバックを可能にした。プレートストアは、液体処理システムによって到達され得るアッセイプレートのスタックを収容するアルミニウムラックであった。
自動バイオアッセイプロセス
希釈モジュールの出力は、「ロード」位置に設置された収集ステーション注入弁を通って流れた。入力ポーリングモードに設定されたWinLISSYにより、CyclOps制御ソフトウェアによる接点閉鎖でバイオアッセイプロトコルを開始した。第1の動作は注入弁を「注入」位置に作動させ、ループ内容物を分離し、画分収集システムは、ループ内容物を収集プレート上のアドレス可能なウェルに分配した。同時に、液体処理システムは、アッセイプレートを液体処理ベッド上のアッセイステーションに送達した。アッセイプレートのカラムに対し、液体ハンドリングシステムは、12.5μlのアッセイ緩衝液をB列からP列までアッセイプレートの2つのカラムに分配した。A列には、収集プレートの各ウェルから18.75μlの試験化合物を加えた。A列からのサンプルの6.25μlアリコートをB列に移した。このプロセスを両方のカラムに対してプレートに沿って繰り返し、6.25μlの試薬をN列で廃棄した。O列およびP列は、陽性対照および陰性対照とした。P列に6.25μlのアッセイバッファを加えた。第1のカラムのA列〜O列に対し、ベースバッファ中に保存された6.25μlの40nMのBACE1を添加した。BACE2酵素を添加するために、17.5μlの400nMのBACE2を157.5μlのベースバッファで希釈した。これを、指定された受入Eppendorfチューブ中で175μlの溶液を5回ピペッティングすることによって混合し、次いで6.25μlの希釈BACE2をそれぞれのカラムに加えた。MCA基質について、100%DMSO中の30.8μlの1mMのMCA基質を385μlのHPLC水で希釈した。これを、指定された受入Eppendorfチューブ中で400μlを5回ピペッティングすることによって混合し、次いで6.25μlをそれぞれのカラムに加えた。次いで、アッセイプレートをプレートリーダーキャリッジに移し、引出しを閉じ、アッセイインキュベーションを開始した。60分後、WinLISSYは、蛍光強度を読み取るプロトコルファイルをロードして実行するようにプレートリーダーに指示するサブルーチンを実行した。このプロトコルファイルは、マイクロタイタープレートを読み取り、対応するデータをテキストファイルとして書き込むのに必要なパラメータを含んだ。1ウェル当たり9回の読み取りプロトコル(50msインテグレーション;密度3、0.25mm間隔)のプロトコルを用いて、蛍光強度を360/405nm(励起/発光)で読み取り、9回の読み取りの中央値をテキストファイルとして出力した。
CyclOpsバイオアッセイデータ分析
CyclOpsソフトウェアを、バイオアッセイ共有データファイルフォルダをポーリングするように設定した。データを保存する際、WinLISSYは、バイオアッセイが完了したことをCyclOpsソフトウェアに通知する出力接点閉鎖信号を送信した。CyclOpsソフトウェアが開き、処理し、データを分析した。データ処理は、被験物質の各濃度を対応する列に(希釈モジュールから受け取ったデータと共に)付加することからなった。その後、データは、4パラメータロジスティックモデルを用いる非線形回帰分析によって分析され(MATLAB;MathWorks、Cambridge、U.K.)、IC50が決定された。スパンは、ベースライン(すなわちP列)と最大観察陽性対照率(すなわちO列)との間で固定した。データの品質を維持するために、自動バイオアッセイデータ分析を管理するためのルールを設定した。第1の例において、75パーセント以上の活性または25パーセント以下の活性が観察された場合、データを排除した。これにより、良好な分析を実施するのに十分な滴定データが存在することが確実になった。その後、適合の質をR−2乗値によって判定した。この値が0.85を下回った場合、データを排除した。全ての場合において、排除は、システムに報告されるバイオアッセイ失敗タグをもたらした。外れ値の分析を、以前に記載されているように(Motulsky,H.J.and Brown,R.E.,(2006),BMC Bioinformatics,7,123)、Q値10%で行った。自動IC50分析では、適合フラグのエラーが生成される前に最大3つの外れ値を除外することができる。バイオアッセイデータの交差検証を、非線形回帰分析4パラメータロジスティック可変傾斜モデルを用いるPrismソフトウェアv6.3(GraphPad Inc.)を用いて同じものを分析して、生蛍光強度データを陰性対照に固定された「ボトム」に適合させることによって達成した。

Claims (15)

  1. 式(I)
    (式中、
    Rは、ハロ、C1〜3アルキルオキシ、シアノ、2−シアノ−ピリジン−5−イル、3−シアノ−ピリジン−5−イルおよびピリミジン−5−イルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で任意選択的に置換されるフェニルであり;
    −L−は、−CH−NH−(C=O)−および−(C=O)−NR1a−から選択され;
    は、C3〜6シクロアルキル、Ar、Het、Ar−CH−、Het−CH−および4−モルホリニル−CH−からなる群から選択され;ここで、
    Arは、フェニルまたはハロ、シアノ、C1〜3アルキル、モノ−ハロ−C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノ−ハロ−C1〜3アルキルオキシおよびポリハロ−C1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたフェニルであり;および
    Hetは、ハロ、シアノ、C1〜3アルキル、モノ−ハロ−C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノ−ハロ−C1〜3アルキルオキシおよびポリハロ−C1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、インダゾリル、1H−ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリルおよびベンゾチアゾリルからなる群から選択され;および
    a)R1aは、HもしくはC1〜3アルキルであるか、または
    b)−NR1aは、C1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、シアノ、オキソ、ハロ−フェニル、(C1〜3アルキル)フェニル、(C1〜3アルキルオキシ)フェニル、ハロ−フェニルオキシ、(C1〜3アルキル)フェニルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)フェニルオキシ、C1〜3アルキル−(C=O)−、C3〜6シクロアルキル−(C=O)−、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリルおよびチアゾリルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−4(5H)−イルおよび8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルからなる群から選択される複素環式基を一緒に形成し;および
    は、水素またはC1〜3アルキルである)
    の化合物またはその互変異性体もしくは立体異性形態あるいはその薬学的に許容される付加塩および溶媒和物。
  2. −L−は、−(C=O)−NR1a−であり;
    a)R1aは、HもしくはC1〜3アルキルであり、かつRは、C3〜6シクロアルキル、ArおよびHetからなる群から選択されるか;または
    b)−NR1aは、C1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、シアノ、オキソ、ハロ−フェニル、(C1〜3アルキル)フェニル、(C1〜3アルキルオキシ)フェニル、ハロ−フェニルオキシ、(C1〜3アルキル)フェニルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)フェニルオキシ、C1〜3アルキル−(C=O)−、C3〜6シクロアルキル−(C=O)−、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリルおよびチアゾリルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−4(5H)−イルおよび8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルからなる群から選択される複素環式基を一緒に形成し;ここで、
    Arは、フェニルまたはハロ、シアノ、C1〜3アルキル、モノ−ハロ−C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノ−ハロ−C1〜3アルキルオキシ−およびポリハロ−C1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたフェニルであり;および
    Hetは、ハロ、シアノ、C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキルおよびC1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピリジル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. −NR1aは、C1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、(C1〜3アルキルオキシ)C1〜3アルキル、シアノ、オキソ、C1〜3アルキル−(C=O)−およびC3〜6シクロアルキル−(C=O)−からなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イルからなる群から選択される複素環式基を一緒に形成する、請求項1または2に記載の化合物。
  4. −L−は、−CH−NH−(C=O)−であり;および
    は、C3〜6シクロアルキル、Ar、Het、Ar−CH−、Het−CH−および4−モルホリニル−CH−からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  5. は、C3〜6シクロアルキル、Ar、Hetおよび4−モルホリニル−CH−からなる群から選択され;ここで、
    Arは、フェニルまたはハロ、シアノ、C1〜3アルキル、モノ−ハロ−C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノ−ハロ−C1〜3アルキルオキシ−およびポリハロ−C1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたフェニルであり;および
    Hetは、ハロ、シアノ、C1〜3アルキル、ポリ−ハロ−C1〜3アルキルおよびC1〜3アルキルオキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されるピリジル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニルからなる群から選択される、請求項1または4に記載の化合物。
  6. Rは、ハロ、C1〜3アルキルオキシ、シアノ、2−シアノ−ピリジン−5−イル、3−シアノ−ピリジン−5−イルおよびピリミジン−5−イルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基で置換されたフェニルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 治療有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  8. 医薬組成物を調製するプロセスであって、薬学的に許容される担体を治療有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物と混合することを含むプロセス。
  9. 医薬品として使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  10. アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群、脳卒中に伴う認知症、パーキンソン病に伴う認知症またはβアミロイドに伴う認知症の処置、防止または予防に使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  11. アルツハイマー病、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群、脳卒中に伴う認知症、パーキンソン病に伴う認知症およびβアミロイドに伴う認知症からなる群から選択される障害を処置する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または請求項7に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
  12. β部位アミロイド切断酵素の活性を調節する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または請求項7に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
  13. アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群、脳卒中に伴う認知症、パーキンソン病に伴う認知症またはβアミロイドに伴う認知症を処置または防止するための薬剤の製造のための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または請求項7に記載の医薬組成物の使用。
  14. 式(I−a)または(I−b)(式中、R、RおよびRは、請求項1〜6のいずれか一項に定義されるとおりである)による化合物を調製するプロセスであって、工程a)またはb)
    a)式(III−d)(式中、Qは、保護基である)の化合物をカップリング試薬の存在下、適切な塩基の存在下で式(IX−b)(式中、Rは、請求項1、4、5または6のいずれか一項に定義されるとおりである)の化合物と反応させる工程
    または
    b)式(III−h)(式中、Qは、保護基であり、かつRおよびRは、請求項1または6に定義されるとおりである)の中間体をカップリング試薬および適切な塩基の存在下で式(IX−c)(式中、RおよびR1aは、請求項1、2、3または6のいずれか一項に定義されるとおりである)の化合物と反応させる工程
    を含むプロセス。
  15. 式(III−d’)または(III−h’)
    (式中、Q’は、Hまたは保護基であり、かつRおよびRは、請求項1〜6のいずれか一項に定義されるとおりである)
    の化合物。
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