図1は、本明細書に説明されるような対象特有の肺炎転帰を予測するための臨床転帰予測システム(「COPS」)の実施形態のブロック図を図示する。
図2は、本明細書に説明されるようなベイジアンネットワークの実施形態、およびモデルパラメータと肺炎転帰との間の条件付き従属的関係を示すためのベイジアンネットワークのノードを表すモデルパラメータであって、図1のCOPSを使用して選択されるモデルパラメータを図示する。
図3は、候補分類アルゴリズムおよび図1のCOPSによって選択されるようなベイジアンネットワークの対応するモデルパラメータの性能メトリックのチャートの実施形態を図示する。
図4は、候補分類アルゴリズムおよび図1のCOPSによって選択されるようなベイジアンネットワークの対応するモデルパラメータの決定曲線分析の実施形態を図示する。
図5は、本明細書に説明されるような対象特有の肺炎転帰を予測するための方法の実施形態を図示する。
詳細な説明
定義
本明細書で使用される技術および科学用語は、別様に定義されない限り、本開示が関連する当業者によって一般的に理解される意味を有する。
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、単数形のみを指定するように明示的に記述されない限り、単数および複数の両方を指定する。
本明細書で使用されるような用語「投与する(administer)」、「投与(administration)」、および「投与すること(administering)」は、(1)医療専門家またはその委任代理人のいずれかによって、もしくはその指導の下で等、提供する、与える、投薬する、および/または処方すること、ならびに(2)医療専門家または対象によって等、入れる、服用する、または消費することを指し、別様に記述されない限り、いかなる具体的投薬形態または投与経路にも限定されない。
本明細書で使用されるような用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」、または「処置(treatment)」は、肺炎が「治癒した」(curedまたはhealed)と見なされるかどうか、および全ての症状が消散されているかどうかにかかわらず、肺炎もしくはその1つまたはそれを上回る症状を軽減する、寛解する、または改善することを含む。本用語はまた、肺炎もしくはその1つまたはそれを上回る症状の進行を低減または予防すること、肺炎もしくはその1つまたはそれを上回る症状の基礎的機構を妨害または予防すること、ならびに任意の処置および/または予防利益を達成することも含む。
本明細書で使用されるように、「対象」、「患者」、または「検査対象」は、哺乳類、特に、ヒトまたはヒト以外の霊長類を示す。検査対象は、肺炎に対する素因の査定を必要とする場合とそうではない場合がある。いくつかの実施形態では、検査対象は、胸部X線、CT胸部スキャン、動脈血液ガス検査(オキシメータの使用を含む)、グラム染色、痰培養、迅速尿検査、気管支鏡検査法、肺生検、および胸腔穿刺のうちの1つまたはそれを上回るものによる肺炎の症状の検出に先立って等、肺炎の症状の検出に先立って査定される。いくつかの実施形態では、検査対象は、対象が、胸部X線、CT胸部スキャン、動脈血液ガス検査(オキシメータの使用を含む)、グラム染色、痰培養、迅速尿検査、気管支鏡検査法、肺生検、および胸腔穿刺のうちの1つまたはそれを上回るものによって検出可能な肺炎の症状を有することに先立って等、肺炎の任意の検出可能な症状の発症に先立って査定される。いくつかの実施形態では、検査対象は、任意のタイプの病気または症状の検出可能な症状を有していない。いくつかの実施形態では、検査対象は、限定されないが、尿路感染症、髄膜炎、心膜炎、心内膜炎、骨髄炎、および感染性関節炎等のウイルスまたは細菌感染症を有すること、気管支炎を有するまたは発症すること、内科外科または歯科手技を受けること、限定されないが、戦闘中に受けた創傷、爆風損傷、圧挫損傷、銃創、四肢創傷等の開放創または外傷を有すること、院内感染症に罹患すること、中心ライン留置または挿管等の医療介入を受けていること、糖尿病を有すること、HIVを有すること、血液透析を受けること、臓器移植手技を受けること(ドナーまたはレシピエント)、限定されないが、カルシニューリン阻害剤、mTOR阻害剤、IMDH阻害剤、および生物製剤またはモノクローナル抗体等のグルココルチコイドまたは任意の他の免疫抑制処置を受容すること等の肺炎を発症する危険に対象をさらす、損傷、状態、または創傷を有する。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に説明される方法の適用に先立って、肺炎を発症する危険に対象をさらす状態を有していない。他の実施形態では、対象は、肺炎を発症する危険に対象をさらす状態を有する。
用語「肺炎」は、当技術分野内であるように本明細書で使用され、肺感染症を意味する。ウイルス、細菌、真菌、およびさらに寄生虫が、肺炎を引き起こし得る。用語「肺炎」は、本明細書では肺炎連鎖球菌のみに由来する感染症に限定されないが、本明細書で使用されるような用語「肺炎」は、肺炎連鎖球菌の肺感染症を確実に含む。肺炎を引き起こし得る他の微生物の実施例は、限定されないが、マイコプラズマ肺炎菌、インフルエンザウイルス、および呼吸器合胞体ウイルスを含む。肺炎の症状は、限定されないが、咳、熱、速い呼吸または息切れ、戦慄および悪寒、胸部痛、頻拍、疲労、衰弱、吐き気、嘔吐、および下痢を含む。
肺炎は、本開示の方法の適用中の任意の時点で診断され得るが、その必要はない。一実施形態では、肺炎診断検査は、本開示の方法の適用後に対象に実施される。肺炎を診断するが、その発症を予測しない、現在の方法は、限定されないが、胸部X線、CT胸部スキャン、動脈血液ガス検査(オキシメータの使用を含む)、グラム染色、痰培養、迅速尿検査、気管支鏡検査法、肺生検、および胸腔穿刺を含む。これらの診断手技のうちのいずれか1つは、対象が肺炎を現在有していないことを確認するように、本開示の方法を対象に適用することに先立って実施されることができる。加えて、または代替として、そのような肺炎診断手技は、本開示の方法を対象に適用した後に実施されてもよい。そのような「事後方法」肺炎診断手技は、任意の識別できる症状の発現の前に、肺炎の早期発症を監視することに有用であり得る。
本明細書で使用されるように、用語「危険性の増加」または「危険性の上昇」は、検査対象が、正常または参照個体もしくは個体の集団と比較して肺炎を発症もしくは獲得する可能性の増加を有することを意味するために、使用される。いくつかの実施形態では、参照個体は、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷、状態、もしくは創傷を有することに先立つ、またはそのような損傷、状態、もしくは創傷を有した後のより早い時点を含む、より早い時点における検査対象である。危険性の増加は、相対的または絶対的であり得、定性的または定量的に表され得る。例えば、危険性の増加は、単純に、対象の危険プロファイルを判定し、以前の研究に基づいて、「危険性の増加」カテゴリに対象を入れるものとして表され得る。代替として、対象の危険性の増加の数値的表現は、危険プロファイルに基づいて判定され得る。本明細書で使用されるように、危険性の増加の表現の実施例は、限定されないが、可能性、確率、オッズ比、p値、寄与危険度、バイオマーカ指数スコア、相対頻度、正の予測値、負の予測値、および相対危険度を含む。危険性は、対象の肺炎転帰を予測することに基づいて判定され得る。例えば、予測肺炎転帰は、対象が肺炎を有するか、または肺炎を有していないかどうかという指標、対象が肺炎を有する、または肺炎を有していない可能性の指標、もしくは対象が肺炎に罹患するであろう可能性の指標を含み得る。
例えば、対象の危険プロファイルと肺炎に罹患する可能性との間の相関は、オッズ比(OR)によって、かつ相対危険度(RR)によって測定され得る。P(R+)が、危険プロファイル(R)を伴う個体に関する肺炎を発症する確率であり、P(R−)が、危険プロファイルを伴わない個体に関する肺炎を発症する確率である場合には、相対危険度は、2つの可能性の比、すなわち、RR=P(R+)/P(R−)である。
症例対照研究では、相対危険度の直接測定値は、多くの場合、サンプリング設計により、取得されることができない。オッズ比は、低発生率疾患の相対危険度の概算を可能にし、OR=(F+/(1−F+))/(F−/(1−F−))と計算されることができ、式中、F+は、症例対照研究における危険プロファイルの頻度であり、F−は、対照における危険プロファイルの頻度である。F+およびF−は、研究の危険プロファイル頻度を使用して計算されることができる。
寄与危険度(AR)はまた、危険性の増加を表すために使用されることもできる。ARは、危険プロファイルの具体的要素に対する、肺炎を呈する集団内の個体の割合を説明する。ARはまた、個々の危険因子の公衆衛生影響の観点から、症状の病因における個々の構成要素(具体的要素)の役割を定量化することにおいて重要であり得る。AR測定の公衆衛生関連性は、プロファイルまたは個々の因子が存在しない場合に予防され得る、集団内の肺炎の症例の割合を推定することにある。ARは、以下のように判定され得、すなわち、AR=PE(RR−1)/(PE(RR−1)+1)であり、式中、ARは、プロファイルまたはプロファイルの個々の因子に起因する危険度であり、PEは、プロファイルまたは全体として集団内のプロファイルの個々の成分への暴露の頻度である。RRは、研究中のプロファイルまたはプロファイルの個々の因子が一般集団内で比較的低い発生率を有するときに、オッズ比を用いて概算され得る、相対危険度である。
具体的プロファイルとの関連付けは、診断された肺炎の存在または不在とともに危険プロファイルを回帰させることによって、回帰分析を使用して実施されることができる。回帰は、1つまたはそれを上回る因子に関して補正または調節される場合とそうではない場合がある。分析が調節され得る因子は、限定されないが、年齢、性別、体重、民族、存在する場合は損傷のタイプ、地理的場所、絶食状態、妊娠または妊娠後の状態、月経周期、対象の一般健康、アルコールまたは薬物消費、カフェインまたはニコチン摂取、および概日リズムを含む。
A. 因子、バイオマーカ、臨床パラメータ、および成分
用語「因子」、「危険因子」、および/または「成分」は、本明細書に説明される方法のうちのいずれかの実施に先立って、またはその間に、査定、検出、測定、受信、ならびに/もしく判定される、個々の構成要素を指すために使用される。便宜上、それらは、本明細書では臨床パラメータと称される。
対象の臨床パラメータの実施例は、限定されないが、性別、年齢、損傷の日付、損傷の場所、腹部損傷の存在、損傷の機構、創傷深度、創傷表面積、創傷清拭の回数、関連付けられる損傷、創傷閉鎖のタイプ、創傷閉鎖の成功、輸血の要件、輸血される血液製剤の総数、対象に投与される全血球の量、対象に投与される赤血球(RBC)の量、対象に投与される濃厚赤血球(pRBC)の量、対象に投与される血小板の量、全濃厚RBCのレベル、外傷重症度スコア(ISS)、腹部の簡易式外傷指数(AIS)、頭部のAIS、胸部(胸郭)のAIS、急性生理学および慢性健康評価II(APACHE II)スコア、対象からのサンプル中の臨界定着(CC)の存在、外傷性脳損傷の存在、外傷性脳損傷の重症度、入院期間、集中治療室(ICU)の滞在期間、人工呼吸器の装着日数、病院からの退院、院内感染症の発症、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2受容体(IL−2R)のレベル、対象からの血清サンプル中のIL−2Rのレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−3(IL−3)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−6(IL−6)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−7(IL−7)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−8(IL−8)のレベル、対象からのサンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベル、対象からのサンプル中のガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(MIG)のレベル、および対象からのサンプル中のエオタキシンのレベルのうちのいずれか1つまたはそれを上回るものを含む。
臨床パラメータは、1つまたはそれを上回る生物学的エフェクタならびに/もしくは1つまたはそれを上回る非生物学的エフェクタを含み得る。本明細書で使用されるように、用語「生物学的エフェクタ」または「バイオマーカ」は、限定されないが、検定され得る、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂肪酸、核酸、糖タンパク質、プロテオグリカン等の分子を意味するために使用される。生物学的エフェクタの具体的実施例は、サイトカイン、成長因子、抗体、ホルモン、細胞表面受容体、細胞表面タンパク質、炭水化物等を含むことができる。生物学的エフェクタのより具体的な実施例は、IL−1α、IL−1β、IL−1受容体拮抗薬(IL−1RA)、IL−2、IL−2受容体(IL−2R)、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−17等のインターロイキン(IL)、ならびに腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターフェロンアルファ(IFN−α)、インターフェロンガンマ(IFN−γ)、上皮成長因子(EGF)、塩基性内皮成長因子(bEGF)、肝細胞成長因子(HGF)、血管内皮成長因子(VEGF)等の成長因子、および単球走化性タンパク質−1(CCL2/MCP−1)、マクロファージ炎症性タンパク質−1アルファ(CCL3/MIP−1α)、マクロファージ炎症性タンパク質−1ベータ(CCL4/MIP−1β)、CCL5/RANTES、CCL11/エオタキシン、ガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(CXCL9/MIG)ならびにインターフェロンガンマ誘導タンパク質−10(CXCL10/IP10)等のケモカインを含む。いくつかの実施形態では、生物学的エフェクタは、可溶性である。いくつかの実施形態では、生物学的エフェクタは、細胞表面受容体等の膜結合性である。いくつかの実施形態では、生物学的エフェクタは、血清、創傷流出物、および/または血漿等の対象の流体サンプル中で検出可能である。
本明細書で使用されるように、用語「非生物学的エフェクタ」は、概して、具体的分子と見なされない、臨床パラメータである。具体的分子ではないが、非生物学的エフェクタは、それでもなお依然として、日常的測定を通して、または査定されているデータを階層化する測定を通してのいずれかで、定量化可能であり得る。例えば、赤血球、白血球、血小板の数または濃縮物、凝固時間、血液酸素含有量等は、危険プロファイルの非生物学的エフェクタ成分であろう。これらの成分の全ては、日常的方法および機器を使用して、測定可能または定量化可能である。他の非生物学的成分は、容易または日常的に定量化可能ではない場合がある、もしくは施術者の判断または意見を要求し得る、データを含む。例えば、創傷重症度は、危険プロファイルの成分であり得る。創傷重症度を分類することのガイダンスが公開され得るが、創傷重症度を階層化し、例えば、数値を重症度に割り当てることは、依然として、観察、およびある程度、判断または意見を伴う。ある事例では、非生物学的エフェクタに割り当てられる数量または測定は、2進数、例えば、不在である場合は「0」、または存在する場合は「1」であり得る。他の事例では、危険プロファイルの非生物学的エフェクタ側面は、定量化されることができない、またはされるべきではない、定性的成分を伴い得る。
いくつかの実施形態では、損傷の機構は、臨床パラメータである。本明細書で使用されるように、用語「損傷の機構」は、対象が損傷を受けた様式を意味し、3つのカテゴリのうちの1つ、すなわち、爆風損傷、圧挫損傷、銃創(GSW)のうちの1つに入り得る。爆風損傷は、爆発への直接または間接的暴露に起因する複雑なタイプの身体的外傷である。爆風損傷は、例えば、高次爆発物の爆発ならびに低次爆発物の爆燃とともに発生し得る。爆風損傷は、爆発が閉鎖空間内で起こるときに構成され得る。圧挫損傷は、身体の圧迫を引き起こす物体による損傷である。圧挫損傷は、自然災害後または意図的な攻撃からのある形態の外傷後に、よく見られる。GSWは、対象が銃器からの弾丸または他の種類の発射物によって撃たれたときに発生する損傷である。
臨床パラメータのレベルは、対象から採取または単離されるサンプル中で検定、検出、測定、および/または判定されることができる。「サンプル」および「試験サンプル」は、本明細書では同義的に使用される。
臨床パラメータの試験サンプルまたは源の実施例は、限定されないが、本明細書に説明される本発明の方法によって検査され得る、対象または患者から単離される生物学的流体および/または組織を含み、限定されないが、全血、末梢血、血清、血漿、脳脊髄液、創傷流出物、尿、羊水、腹水、胸膜液、リンパ液、呼吸、腸、および尿生殖路の種々の外分泌物、涙、唾液、白血球、固形腫瘍、リンパ腫、白血病、骨髄腫、ならびにそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、サンプルは、血清サンプル、創傷流出物、または血漿サンプルである。
いくつかの実施形態では、臨床パラメータは、バイオマーカ、血液製剤の投与、および外傷重症度スコアのうちの1つまたはそれを上回るものである。具体的実施形態では、対象の臨床パラメータは、表1で列挙される臨床パラメータのうちの1つまたはそれを上回るもの、2つまたはそれを上回るもの、3つまたはそれを上回るもの、4つまたはそれを上回るもの、5つまたはそれを上回るもの、6つまたはそれを上回るもの、7つまたはそれを上回るもの、8つまたはそれを上回るもの、9つまたはそれを上回るもの、10個またはそれを上回るもの、11個またはそれを上回るもの、12個またはそれを上回るもの、13個またはそれを上回るもの、14個またはそれを上回るもの、15個またはそれを上回るもの、16個またはそれを上回るもの、17個またはそれを上回るもの、18個またはそれを上回るもの、19個またはそれを上回るもの、20個またはそれを上回るもの、21個またはそれを上回るもの、22個またはそれを上回るもの、23個またはそれを上回るもの、24個またはそれを上回るもの、25個またはそれを上回るもの、26個またはそれを上回るもの、27個またはそれを上回るもの、28個またはそれを上回るもの、29個またはそれを上回るもの、30個またはそれを上回るもの、31個またはそれを上回るもの、32個またはそれを上回るもの、33個またはそれを上回るもの、34個またはそれを上回るもの、35個またはそれを上回るもの、36個またはそれを上回るもの、37個またはそれを上回るもの、38個またはそれを上回るもの、39個またはそれを上回るもの、40個またはそれを上回るもの、41個またはそれを上回るもの、42個またはそれを上回るもの、43個またはそれを上回るもの、44個またはそれを上回るもの、もしくは45個から選択される。
本明細書に開示される方法の具体的実施形態では、臨床パラメータは、頭部のAIS、腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からの血清サンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、および対象からの血清サンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベルのうちの1つまたはそれを上回るものから選択される。
本明細書で使用されるように、用語「対象に投与される全ての血液製剤の総和」は、対象に投与される血液製剤の総量を反映する値を指す。血液製剤は、限定されないが、全血、血小板、赤血球、濃厚赤血球、および血清を含む。いくつかの実施形態では、本値は、出血後に対象を安定させるために必要とされる血液製剤の総量を反映する。安定化は、対象において達成される止血を指し、対象において出血または出血の完全な停止のいずれかの間の平衡状態を達成することとして定義される。
本明細書で使用されるように、用語「AIS」は、創傷または損傷の重症度を査定するために外来診療所で日常的に使用される当技術分野内の周知のパラメータである、簡易式外傷指数を指す。いくつかの実施形態では、1のAISは、軽度の損傷であり、2のAISは、中程度の損傷であり、3のAISは、重篤な損傷であり、4のAISは、重度の損傷であり、5のAISは、致命的な損傷であり、6のAISは、生存不可能な損傷である。
本明細書で使用されるように、用語「ISS」または「ISSスコア」は、創傷または損傷の重症度を査定するために外来診療所で日常的に使用される当技術分野内の周知のパラメータである、外傷重症度スコアを指す。ISSは、外傷患者における損傷の重症度を評価するためのメトリックである。これは、AISスコアが身体部位のいくつかのカテゴリ(例えば、頭部および頸部、腹部、皮膚、胸部、四肢、および顔面)毎に求められる、複合スコアである。3つの最も高い部位特有のAISスコアが、次いで、全体として患者または対象のISSを求めるように、2乗され、ともに加算される。ISSは、0〜75に及ぶことができる。損傷が6のAIS(生存不可能な損傷)を割り当てられる場合、ISSスコアは、自動的に75に割り当てられる。
インターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)はまた、C−X−Cモチーフケモカイン10(CXCL10)としても公知であり、ヒトではCXCL10遺伝子(Entrez遺伝子3627;RefSeqタンパク質:NP_001556)によってコード化される8.7kDaタンパク質である。
インターロイキン10(IL−10)はまた、ヒトサイトカイン合成抑制因子(CSIF)としても公知であり、IL10遺伝子(Entrez遺伝子3586;RefSeqタンパク質:NP_000563)によってコード化される抗炎症性サイトカインである。
単球走化性タンパク質1(MCP−1)はまた、ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド2(CCL2)としても公知であり、組織損傷または感染症のいずれかによって生成される炎症の部位に単球、記憶T細胞、および樹状細胞を動員する、サイトカインである。MCP−1は、CCL2遺伝子(Entrez遺伝子6347;RefSeqタンパク質:NP_002973)によってコード化される。ELISA検定、フローサイトメトリ、免疫組織化学、および/またはウェスタンブロットで使用するために好適なMCP−1抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号14−7096−81)。
以下の表2は、肺炎の有無別の対象の臨床パラメータの例示的値および範囲を提供する。これらの値は、頭部のAIS、腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、対象に投与される全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からの血清サンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、および対象からの血清サンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベルを反映する。
肺炎の個々の臨床パラメータ(例えば、肺炎の危険プロファイルの成分)の実施例は、限定されないが、腹部損傷、頭部損傷、受容される血小板および濃厚赤血球(pRBC)、全pRBC、ならびにIP−10、MCP−1、およびIL−10の血清レベルを含む。肺炎の危険プロファイルの個々の成分の他の実施例は、限定されないが、頭部のAISスコア、胸部(胸郭)のAISスコア、臨界定着、および血清IL7レベルを含む。
インターロイキン7(IL−7)は、IL7遺伝子(Entrez遺伝子3574;RefSeqタンパク質:NP_000871、NP_001186815、NP_001186816、NP_001186817)によってコード化される成長因子サイトカインである。
本明細書で使用されるように、用語「臨界定着」(または「CC」)は、主治医によって最初に検査されたときに、対象が少なくとも1つの創傷に関して血清および/または組織中に有するCFUの測定値である。例えば、対象が1mlの血清あたり1×105のCFUを有する場合、または少なくとも1つの創傷が1mgの組織あたり1×105のCFUを有する場合、対象は、CCに関して「陽性」であると言われる。全血清CFUが、少なくとも1×105のCFUを有する、または1つの創傷もそれを有していない場合、対象は、CCに関して「陰性」であると言われる。
本明細書で使用されるように、本明細書に説明されるシステムおよび方法でこれらの臨床パラメータを使用する目的のために、腹部損傷および/または頭部損傷等の損傷を査定することは、1−6のAISスコアで反映されるような損傷の程度または範囲を判定することを意味する。
B. 予測診断モデル化のための機械学習システムおよび方法
種々の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、機械学習アルゴリズムを実行し、臨床データに基づいて診断予測を可能にするため等に、データマイニング、パターン認識、知的予測、および他の人工知能プロシージャを実施することができる。機械学習アルゴリズムは、限定された確実性の条件で決定を誘導し得る知識構造を明らかにするするように、ますます実装されている。手動技法を使用すると、これは、多数のデータ点が関与するため、可能ではないであろう。しかしながら、機械学習アルゴリズムを効果的に使用するために、機械学習アルゴリズムによって実装されるモデルの比較が、既存のデータから最適な結果を取り出すために要求され得る。
既存のこれらのアルゴリズムは、診断予測を実施するために使用されるモデルの正確度、選択性、および/または特異性を増加させることによって等、診断予測技術の実施を改良し、したがって、対象のための意思決定または対象への処置の送達を改良することができる。種々の機械学習アルゴリズムが、そのような目的のために使用されることができるが、所望の性能特性を伴う機械学習システムを生成することは、高度にドメイン特有であり、適切なアルゴリズム(またはそれらの組み合わせ)および機械学習システムを生成するようにアルゴリズムを用いてモデル化されるパラメータを選択するために、厳密なモデル化、試験、および妥当性確認を要求し得る。
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、データ、通常、大量のデータを探査し、変数の間のパターンおよび/または系統的関係を抽出し、次いで、検出されたパターンを新しいデータのセットに適用することによって所見の正当性を立証するように、実行されることができる。機械学習アルゴリズムは、3つの段階、すなわち、(1)初期探査、(2)モデル構築または妥当性確認/検証によるパターン識別、および(3)予測を生成するためにモデルを新しいデータに適用することによる等の展開で実装されることができる。これらの段階に重複が存在し得、種々の段階の出力は、所望の診断予測システムをより効果的に生成するように、他の段階にフィードまたはフィードバックされ得ることを理解されたい。
初期探査段階は、データ準備を含んでもよい。データ準備は、データを一掃すること、データを変換すること、記録のサブセットを選択すること、および多数の変数(「フィールドまたは次元」)を伴うデータセットの場合、変数選択動作(例えば、特徴選択、パラメータ選択)を実施し、(考慮されている統計的方法に応じて)変数の数を管理可能な範囲にすることを含んでもよい。データ準備が実施されるデータは、訓練データと称され得る。多くの教師付き学習問題では、変数選択は、一般化性能、実行時間要件および制約、ならびに問題自体によって課される解釈上の問題を含む、種々の理由により、重要であり得る。機械学習アルゴリズムの性能が、アルゴリズムを訓練するために使用される訓練データの質に強く依存し得ることを考慮すると、変数選択および他のデータ準備動作は、所望の性能を確実にするために高度に有意であり得る。
いくつかの実施形態では、データ準備は、データに前処理動作を実行することを含むことができる。例えば、インピュテーションアルゴリズムは、欠落したデータの値を生成するように実行されることができる。上方サンプリングおよび/または予測因子ランク変換が、データにおける分類不平衡および非正規性に適応するように(例えば、変数選択のために)実行されることができる。
いくつかの実施形態では、インピュテーションアルゴリズムを実行することは、欠落したデータを有する臨床パラメータに関して利用可能なデータの分布(例えば、ガウス分布)を生成し、分布に基づいて欠落したデータの値を補間することによって等、欠落したデータの値を補間または推定することを含む。例えば、ランダムフォレストRパッケージからのrfImputeが、欠落したデータを帰属させるために使用されることができる。
分析問題の性質に応じて、本第1の段階は、回帰モデルのための簡潔な予測因子の単純な選定の間のいずれかの場所に活動を伴い、最も関連性のある変数を識別し、次の段階で考慮され得るモデルの複雑性および/または一般性質を判定するために、多種多様なグラフィカルおよび統計的方法を使用して、予備分析を精巧にし得る。
変数選択は、制約ベースのアルゴリズム、制約ベースの構造学習アルゴリズム、および/または制約ベースのローカル発見学習アルゴリズム等の教師付き機械学習アルゴリズムを実行することを含むことができる。変数選択は、訓練データの中の残りの変数に対して所望の予測能力を有する、訓練データの中の変数のサブセットを識別し、選択された変数に基づいて生成されるモデルを使用して、より効率的で正確な予測を可能にするように、実行されることができる。いくつかの実施形態では、変数選択は、限定されないが、Grow−Shrink(「gs」)、Incremental Association Markov Blanket(「iamb」)、Fast Incremental Association(「fast.iamb」)、Max−Min Parents & Children(「mmpc」)、またはSemi−Interleaved Hiton−PC(「si.hiton.pc」)アルゴリズムを含む、「bnlearn」Rパッケージからの機械学習アルゴリズムを使用して実施される。Rは、統計的算出のためのプログラミンング言語およびソフトウェア環境である。(Rまたは他の環境内の)そのような機械学習アルゴリズムの種々の他の実装が、本明細書に説明される変数選択および他のプロセスを実施するために使用され得ることを理解されたい。変数選択は、同一の分布からの他のデータセットへの一般化可能性を増加させようと試行する、変数の完全なセットの基礎的分布を表そうとする変数のより小さい次元セットを検索することができる。
いくつかの実施形態では、変数選択は、ベイジアンネットワークのノードとして使用される、変数のサブセットに関して訓練データを検索するように実施される。ベイジアンネットワーク(例えば、信念ネットワーク、ベイジアン信念ネットワーク)は、有向非巡回グラフを使用して、変数のセットおよびそれらの条件付き依存性を表す、確率モデルである。例えば、診断予測との関連で、変数選択は、ベイジアンネットワークのノードとして使用されるように、訓練データから変数を選択するために使用されることができる。具体的対象のためのノードの値を考慮すると、対象のための診断の予測が、次いで、生成されることができる。
機械学習アルゴリズムは、とりわけ、クラスタ分析、線形および非線形の両方である回帰、分類、決定分析、および時系列分析を含むことができる。クラスタ化は、データ内の公知の構造を使用することなく、その要素が何らかの形で「類似」する、データ内のグループおよび構造を発見するタスクとして定義され得る。
分類は、新しいデータに適用される公知の構造を一般化するタスクとして定義され得る。分類アルゴリズムは、とりわけ、線形判別分析、分類および回帰ツリー/決定ツリー学習/ランダムフォレストモデル化、最近傍、サポートベクターマシン、ロジスティック回帰、一般化線形モデル、単純ベイジアン分類、およびニューラルネットワークを含むことができる。いくつかの実施形態では、限定されないが、線形判別分析(lda)、分類および回帰ツリー(cart)、k−最近傍(knn)、サポートベクターマシン(svm)、ロジスティック回帰(glm)、ランダムフォレスト(rf)、一般化線形モデル(glmnet)、および/または単純ベイズ(nb)を含む、分類アルゴリズムが、Rキャレットパッケージの訓練機能から使用されることができる。
ランダムフォレストモデルは、約102〜105個の決定ツリー等の多数の決定ツリーの「フォレスト」を含むことができる。決定ツリーの数は、結果として生じるランダムフォレストモデルのアウトオブバッグ誤差(下記で議論されるように、それらの訓練データのランダムにサンプリングされたセットの中に各訓練サンプルを有していなかったツリーのみを使用する、各訓練サンプル上の平均予測誤差)を計算することによって、選択されてもよい。いくつかの実施形態では、使用される決定ツリーの数は、数百のツリーであってもよく、ランダムフォレストモデルを実行するために必要とされる計算の数を削減することによって、機械学習システムの算出性能を改良することができる。ランダムフォレストの2つの主要な魅力は、データに正規分布または変換のいずれかが行われるように要求せず、アルゴリズムが調整を殆ど要求しないことであり、これは、データセットを更新するときに有利であり、その数値プロセスは、相互検証を含み、モデル構築後相互検証の必要性を排除する。
いくつかの実施形態では、各ランダムフォレスト決定ツリーは、ブートストラップ集約(「バギング」)によって生成され、決定ツリー毎に、訓練データは、訓練データのランダムにサンプリングされたセットを生成するように、代替物とランダムにサンプリングされ、次いで、決定ツリーは、訓練データのランダムにサンプリングされたセットで訓練される。変数選択がランダムフォレストモデルを生成することに先立って実施される、いくつかの実施形態では、訓練データは、(全ての変数に基づいてサンプリングすることとは対照的に)変数選択からの変数の低減セットに基づいてサンプリングされる。
対象に関する変数の値を考慮して、予測を実施するために、各決定ツリーは、末端ノードによって従われる決定規則に到達するまで(例えば、対象における疾患の存在、または対象における疾患の非存在)、所与の値を使用してトラバースされる。末端ノードによって従われる決定規則からの結果は、次いで、決定ツリーに関する結果として使用される。ランダムフォレストモデルにおける全ての決定ツリーを横断する結果は、対象に関する予測を生成するように合計される。
単純ベイジアンアルゴリズムは、ベイズの定理を適用し、変数選択を使用して識別される変数の値等の変数の値に基づいて結果を予測することができる。本モデルは、変数がそれぞれ、肺炎を有することと独立して関連付けられるという仮定に起因して、「単純」と呼ばれる。予測を実施するときに、変数の同時確率が存在することがより現実的であり得るが、単純アプローチは、生成されている診断予測システムのために望ましい性能特性を提供し得る。単純ベイズモデルは、各変数の値と訓練データにおいて表される対応する結果との間の関係を計算することによって、訓練されることができる。例えば、特定の疾患のための診断予測システムでは、各変数の値は、特定の疾患が存在するかどうかという結果と関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、関係は、正規分布が、(1)疾患が存在している、または(2)疾患が存在していない場合において、各変数が規定値を有し得る確率を判定するために使用され得るように、変数の値に関して正規分布を使用して計算されてもよい。次いで、訓練された単純ベイズを実行し、対象に関して特定の疾患の存在を予測するとき、各変数の値毎に、特定の疾患が対象に存在すると考慮して、変数がその値を有するであろう確率が、計算されることができる。同様に、各変数の値毎に、特定の疾患が対象に存在しないと考慮して、変数がその値を有するであろう確率が、計算されることができる。症例毎の確率は、組み合わせられ、次いで、特定の疾患が対象に存在するかどうかに関して予測を生成するように比較されることができる。
いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークは、第1の層(例えば、入力層)、第2の層(例えば、出力層)、および1つまたはそれを上回る隠れ層等の1つまたはそれを上回るノードをそれぞれ含む、複数の層を含む。ニューラルネットワークは、層のノードの間で実施され得る算出と関連付けられる加重およびバイアス等の特性を含むことができる。例えば、入力層のノードは、入力データを受信し、入力データに算出を実施し、算出の結果を隠れ層に出力することができる。隠れ層は、1つまたはそれを上回る入力層ノードから出力を受信し、受信された出力に算出を実施し、結果を別の隠れ層または出力層に出力してもよい。加重およびバイアスは、各ノードによって実施される算出に影響を及ぼすことができ、訓練データに合致するようにニューラルネットワークを訓練するために使用されている最適化アルゴリズム等のニューラルネットワークを実行するアルゴリズムによって、操作されることができる。
回帰分析は、最小誤差を伴ってデータをモデル化する関数を見出そうと試行する。回帰分析は、独立変数の値を考慮して、関数が従属変数の値を予測するために使用され得るため、予測に使用されることができる。
第2の段階、すなわち、モデル構築または妥当性確認/検証によるパターン識別は、種々のモデルを考慮し、予測性能に基づいて最良のものを選定することを含むことができる。予測性能は、問題になっている可変性を解説し、サンプルを横断して安定した結果を生じることに対応することができる。これは、単純な動作のように聞こえ得るが、実際、ある時は、非常に精巧なプロセスを伴う。その目標を達成するように開発された種々の技法が存在し、そのうちの多くは、いわゆる「モデルの競合評価」に基づき、すなわち、異なるモデルを同一のデータセットに適用し、次いで、それらの性能を比較し、最良のモデルを選定する。多くの場合、予測機械学習のコアと見なされる、これらの技法は、バギング(投票、平均化)、ブースティング、スタッキング(積層一般化)、およびメタ学習を含むことができる。妥当性確認は、選択されたモデルの出力を妥当性確認データと比較することを含むことができる。例えば、訓練データの一部は、モデルを訓練するために使用されるものとは別個に保持されることができ、次いで、訓練されたモデルの性能特性を確認するために使用されることができる。
機械学習アルゴリズム(およびそれらの組み合わせ)の比較が有用であり得る、異なるシナリオが存在する。多くの適用シナリオは、単一モデルを有していないが、複数の関連モデルを有する。いくつかの典型的実施例は、異なる時点で、またはデータの異なるサブセット、例えば、異なる生産部位からの生産品質データの中で導出される、データに基づいて訓練される機械学習アルゴリズムである。別の一般的な場合は、データの異なる側面を捕捉するために、異なるタイプの機械学習アルゴリズム上で機械学習アルゴリズムを用いて同一のデータを表すことである。これら全ての場合において、個々のデータマイニングモデルだけではなく、それらの間の類似性および差異も着目される。そのような差異は、例えば、生産品質および依存性が経時的に発展する程度、異なるタイプの機械学習アルゴリズムが、同一の設備において生産される異なる製品を表すそれらの方法において異なる程度、または生産設備が相互に異なる程度を知らせ得る。
機械学習アルゴリズム(およびそれらの組み合わせ)は、性能メトリックを使用して比較されることができる。性能メトリックは、機械学習アルゴリズム(および機械学習アルゴリズムを使用して作成される予測モデル)の意図された適用に基づいて、選択されてもよい。診断予測モデルに関して、性能メトリックは、カッパスコア、正確度スコア、感度、特異性、合計、陽性分類、および陰性分類アウトオブバッグ(OOB)誤差推定値、受信者動作特性曲線(ROC)、曲線下面積(AUC)、混同行列、ビッカースおよびエルキンス決定曲線分析(DCA)、または機械学習アルゴリズムの性能の他の測定値を含むことができる。
カッパスコアは、予期される正確度への診断予測モデルの観察される正確度の比較を表す。例えば、カッパスコアは、予期される正確度によって測定されるようなランダム分類子の正確度を制御し、診断予測モデルが訓練データに密接に合致する程度(例えば、変数と訓練データにおいて公知である対応する結果との間の関係)を測定する。
感度は、そのようなものとして正確に識別される予測からの陽性結果の割合を測定する。したがって、感度は、偽陰性の回避を定量化することができる。特異性は、そのようなものとして正確に識別される予測からの負の結果の割合を測定する。
OOBは、サブサンプル訓練データへのブートストラッピングに依拠する、ランダムフォレストおよび他の機械学習技法における予想誤差を測定する。OOB誤差分析は、変数選択モデルが陽性分類に関してOOB誤差(予測性能)を改良し得る程度を示すために使用されることができる。
ROC曲線は、偽陽性率(特異性)の関数としての真陽性率(感度)のプロットである。AUCは、ROC曲線の下の面積を表す。例えば、モデル性能は、受信者動作特性曲線(ROC)および曲線下面積(AUC)を算出するように、Rコマンドにおいてplot.rocを使用して、さらに査定されることができる。
決定曲線分析(DCA)は、全ての患者が検査陽性であると仮定し、したがって、全員を処置すること、または全ての患者が検査陰性であると仮定し、したがって、処置を誰にも提供しないこと等のベースライン処置方法と比較して、診断予測モデルによって予測される診断に基づいて処置の純便益を計算するために使用されることができる。DCA曲線は、閾値確率の関数として診断予測モデルの純便益をプロットし、閾値確率は、偽陽性予測の相対的な害を考慮して、対象が処置を選ぶであろう値である。DCAは、患者への純便益の観点から、種々の予測および診断パラダイムを比較するために使用される。典型的DCA分析は、全員無処置ヌルモデルを、「全員処置」またはバイオマーカ予測因子上に構築されるモデルのガイダンスに従って処置すること等の種々の代替的モデルと比較する。DCA分析は、特定のモデルの決定曲線がヌルモデル(x軸)の上方かつ「全員処置」モデルの右側にある場合に、患者への正の純便益を示すものとして解釈されることができる。純便益は、一連の予測閾値カットオフにわたるモデル性能(例えば、偽陽性または偽陰性を予測する傾向)およびこれらの閾値における個別の感度/特異性の総和として、数学的に定義される。閾値カットオフは、その閾値における予測の不正確性を考慮して処置することの相対的な害および利益を考慮して、処置する決定が行われるであろう点と見なされ得る。本分析は、予測モデルが患者にとって最も有用である、閾値カットオフを実証する。Memorial Sloan Kettering Cancer Centerのウェブサイト、www.mskcc.orgからのdca Rコマンドが、決定曲線分析(DCA)を算出するために使用されることができる。
第3の段階、すなわち、展開は、前の段階で最良として選択されるモデルを使用し、予期される結果の予測または推定値を生成するために、それを新しいデータに適用することを含むことができる。例えば、選択されたモデルは、特定の対象の予期される転帰を予測するために、特定の対象に特有の臨床データを使用して実行されることができる。いくつかの実施形態では、特定の対象の臨床データは、特に、疾患が特定の対象に存在するかどうかを確認した後に、モデルを更新するために使用されることができる。
C. 肺炎転帰を予測するための対象特有の予測モデル化を使用するためのシステムおよび方法
いくつかの実施形態では、対象特有の肺炎転帰を予測するための予測モデルを生成するための本明細書に説明されるシステムおよび方法は、2つの主要なステップ、すなわち、変数選択および2項分類の実行を伴う。変数選択の利点は、変数選択が、同一の分布からの他のデータセットへの一般化可能性を増加させようと試行する、変数の完全なセットの基礎的分布を表そうとする変数のより小さい次元セットを検索し得ることである。データセットが比較的小さい場合等のいくつかの実施形態では、算出時間は、考慮事項ではない場合がある。変数選択が、理論上、全変数セットの基礎的分布のより良好な表現に基づくため、それらは、より一般化可能であり、過剰適合の影響を受けにくいはずである。
臨床転帰を予測するための機械学習ソリューションを構築する際に、典型的には、予測されている臨床転帰に関連性があり得る、臨床パラメータの包括的リストを機械学習アルゴリズムに提供することは、実行不可能である。例えば、臨床パラメータの非常に大きいリストがあると、有意な雑音、高度に相関した変数、および所望の性能メトリックを満たす予想モデルを(変数選択および分類を実施することによって)生成する機械学習アルゴリズムの能力に悪影響を及ぼし得る誤差を導入するための他の機会が存在し得る。
いくつかの状況では、臨床パラメータの数は、約5,000〜50,000の変数であってもよく、そこから、機械学習ソリューションは、変数選択および他の動作を実施する必要があろう。そうすることは、容易に利用可能ではなく、そのようなプロセスを事実上不可能にする、非常に大きい計算リソースを要求するであろう。加えて、たとえそのようなリソースが利用可能であったとしても、結果として生じるソリューションに誤差を導入するための機会が、全ての変数を考慮することからの任意の付加利益に対抗するであろう。
本ソリューションでは、7,000超の初期臨床および非臨床パラメータが、機械学習ソリューションを訓練するために潜在的に使用され得る対象に関して利用可能であった。これらの臨床パラメータは、人口統計学、創傷タイプ、創傷機構、創傷場所、破砕特性、血液製剤の投与、外傷重症度スコア、処置、タバコ使用量、活動レベル、手術歴、栄養、血清タンパク質発現、創傷流出物タンパク質発現、組織細菌学、mRNA発現、およびラマン分光法等の多種多様なカテゴリに分けられた。これらのカテゴリから、専門知識を使用して、以下、すなわち、血清タンパク質発現、血液製剤の投与、および外傷重症度スコアが、本明細書に開示される機械学習ソリューションとともに併用するために選択された。専門選択プロセスは、多くの可能性として考えられるパラメータを、最も強い予測力をもたらすであろう最小数に集約するために重要であった。本プロセスはまた、下記の節Dに説明される本ソリューションの方法を改良することもできる。
いくつかの実施形態では、血清タンパク質発現内に分けられる臨床パラメータは、とりわけ、対象からのサンプル中の上皮成長因子(EGF)のレベル、対象からのサンプル中のエオタキシン−1(CCL11)のレベル、対象からのサンプル中の塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の肝細胞成長因子(HGF)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンアルファ(IFN−α)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ(IFN−γ)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン10(IL−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン12(IL−12)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン13(IL−13)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン15(IL−15)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン17(IL−17)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1アルファ(IL−1α)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1ベータ(IL−1β)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1受容体拮抗薬(IL−1RA)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2(IL−2)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2受容体(IL−2R)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン3(IL−3)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン4(IL−4)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン5(IL−5)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン6(IL−6)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン7(IL−7)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン8(IL−8)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からのサンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベル、対象からのサンプル中のガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(MIG)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP−1α)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1ベータ(MIP−1β)のレベル、対象からのサンプル中のケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド5(CCL5)のレベル、対象からのサンプル中の腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)のレベル、および/または対象からのサンプル中の血管内皮細胞成長因子(VEGF)のレベルを含む。
いくつかの実施形態では、血液製剤の投与カテゴリ内に分けられる臨床パラメータは、とりわけ、対象に投与される全血球の量、対象に投与される赤血球(RBC)の量、対象に投与される濃厚赤血球(pRBC)の量、対象に投与される血小板の量、対象に投与される全ての血液製剤の総和、および/または全濃厚RBCのレベルを含む。
いくつかの実施形態では、外傷重症度スコアカテゴリ内に分けられる臨床パラメータは、とりわけ、外傷重症度スコア(ISS)、腹部の簡易式外傷指数(AIS)、胸部(胸郭)のAIS、四肢のAIS、顔面のAIS、頭部のAIS、および/または皮膚のAISを含む。
本明細書に説明される機械学習ソリューションは、識別されたカテゴリ内の臨床パラメータに変数選択を実行し、肺炎転帰を予測するための予測モデルを生成することができる。
ここで図1を参照すると、臨床転帰予測システム(COPS)100が、本開示のある実施形態によって示される。COPS100は、訓練データベース105と、機械学習エンジン110と、予測エンジン130とを含む。COPS100は、節Dにおいて下記に説明されるコンピューティング環境の特徴を使用して、実装されることができる。例えば、COPS100は、対象における肺炎の危険性の予測を表示するため等に、COPS100からの出力を表示するためのディスプレイデバイスを含む、またはそれに結合されることができる。
COPS100は、限定されないが、節Bにおいて上記に説明されるものを含む、種々の機械学習プロセスを実行することができる。COPS100は、プロセッサを含むコンピュータを使用して、実装されることができ、コンピュータは、肺炎転帰の1つまたはそれを上回る予測、危険プロファイルを含む、出力を生成するように、および/または統計的危険性を判定するように、構成もしくはプログラムされる。COPS100は、コンピュータに通信可能に結合される画面上に出力を表示することができる。いくつかの実施形態では、2つの異なるコンピュータ、すなわち、危険プロファイルを生成するように構成またはプログラムされる第1のコンピュータ、および統計的危険性を判定するように構成またはプログラムされる第2のコンピュータが、使用されることができる。これらの別個のコンピュータはそれぞれ、その独自のディスプレイまたは同一のディスプレイに通信可能にリンクされることができる。
訓練データベース
訓練データベース105は、対象における肺炎転帰と関連付けられる臨床パラメータの値を記憶する。臨床パラメータの値は、複数の第1の対象毎に受信および記憶されることができる。第1の対象は、上記で議論されるように、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷、状態、もしくは創傷を有し得る。訓練データベース105は、複数の臨床パラメータのうちの少なくとも1つの臨床パラメータの第1の値および対応する肺炎転帰を受信および記憶することができる。訓練データベース105は、複数の臨床パラメータの第1の値を、複数の第1の対象毎に対応する肺炎転帰に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、訓練データベース105は、対象毎に、単一の時点と関連付けられる、複数の臨床パラメータの第1の値を記憶する。
臨床パラメータは、性別、年齢、損傷の日付、損傷の場所、腹部損傷の存在、損傷の機構、創傷深度、創傷表面積、創傷清拭の回数、関連付けられる損傷、創傷閉鎖のタイプ、創傷閉鎖の成功、輸血の要件、輸血される血液製剤の総数、対象に投与される全血球の量、対象に投与されるRBCの量、対象に投与されるpRBCの量、対象に投与される血小板の量、全pRBCのレベル、外傷重症度スコア(ISS)、腹部のAIS、頭部のAIS、胸部(胸郭)のAIS、急性生理学および慢性健康評価II(APACHE II)スコア、対象からのサンプル中の臨界定着(CC)の存在、外傷性脳損傷の存在、外傷性脳損傷の重症度、入院期間、集中治療室(ICU)の滞在期間、人工呼吸器の装着日数、病院からの退院、院内感染症の発症、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2受容体(IL−2R)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−3(IL−3)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−6(IL−6)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−7(IL−7)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン−8(IL−8)のレベル、対象からのサンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベル、対象からのサンプル中のガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(MIG)のレベル、および対象からのサンプル中のエオタキシンのレベルを含むことができる。臨床パラメータは、Luminexプロテオームデータ、RNAseq、トランスクリプトームデータ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)データ、および定量的細菌学データから選択される少なくとも1つを含むことができる。
肺炎転帰は、(i)浸潤物、空洞現象、胸水、または合併のうちの少なくとも1つを示す胸部放射線検査、および(ii)定量化された呼吸培養からの病原体の単離から選択される、少なくとも1つを通して診断され得るような確認された肺感染症に基づくことができる。加えて、または代替として、肺炎の存在は、研究周期中の任意の時点で定量的洗浄および抗生物質を用いた処置によって診断される、確認された肺感染症によって特性評価される。肺炎転帰は、2値変数(例えば、肺炎が第1の対象に存在する、または肺炎が第1の対象に存在しない)であってもよい。
COPS100は、訓練データベース105の中に記憶されたデータに前処理を実行することができる。前処理は、変数選択および/または分類がデータに実施される前に実施されてもよい。いくつかの実施形態では、COPS100は、インピュテーションアルゴリズムを実行し、訓練データベース105内の欠落したデータの値を生成することができる。訓練データベース105は、非一貫性であり得る、異種ソースからの臨床パラメータの値を含んでもよい。例えば、訓練データベース105は、1つの対象に関してIL−3ではなくIL−10の値と、別の対象に関してIL−10ではなくIL−3の値とを含んでもよい。COPS100は、インピュテーションアルゴリズムを実行し、1つの対象に関してIL−3および別の対象に関してIL−10の値を帰属させ、欠落したデータの値を生成することができる。例えば、ランダムフォレストRパッケージからのrfImputeが、欠落したデータを帰属させるために使用されることができる。
いくつかの実施形態では、COPS100は、訓練データベース105のデータに上方サンプリングまたは予測因子ランク変換のうちの少なくとも1つを実行する。上方サンプリングおよび/または予測因子ランク変換は、データにおける分類不平衡および非正規性に適応するように、変数選択のみのために実行されることができる。
機械学習エンジン
機械学習エンジン110は、変数として臨床パラメータの低減セットを使用する、肺炎転帰(およびその危険性)を予測するためのモデルを生成することができる。機械学習エンジン110は、変数選択(例えば、特徴選択、パラメータ選択)を実行し、複数の臨床パラメータからモデルパラメータのサブセットを選択することができる。変数選択は、訓練データベース105の中に記憶された危険プロファイル(例えば、肺炎転帰またはその関連付けられる危険性)に不可欠である、生物学的エフェクタおよび非生物学的エフェクタ成分を識別するために使用されることができる。機械学習エンジン110は、選択されたモデルパラメータに分類を実行し、肺炎転帰/危険予測を生成するための候補モデルを選択することができる。
いくつかの実施形態では、機械学習エンジン110は、訓練データベース105を使用して複数の変数選択アルゴリズム115を実行し、変数選択アルゴリズム115毎にモデルパラメータのサブセットを選択する。モデルパラメータのサブセットは、モデルパラメータの各サブセットの数が臨床パラメータの数未満であるように、訓練データベース105の複数の臨床パラメータから選択される。
いくつかの実施形態では、機械学習エンジン110によって実行される変数選択アルゴリズム115は、教師付き機械学習アルゴリズムを含む。機械学習アルゴリズムは、制約ベースのアルゴリズム、制約ベースの構造学習アルゴリズム、および/または制約ベースのローカル発見学習アルゴリズムであることができる。例えば、機械学習エンジン110は、限定されないが、Grow−Shrink(「gs」)、Incremental Association Markov Blanket(「iamb」)、Fast Incremental Association(「fast.iamb」)、Max−Min Parents & Children(「mmpc」)、またはSemi−Interleaved Hiton−PC(「si.hiton.pc」)アルゴリズムを含む、「bnlearn」Rパッケージからの機械学習アルゴリズムを実行することができる。
例えば、機械学習エンジン110は、変数選択アルゴリズム115を実行し、「bnlearn」Rパッケージからの制約ベースのアルゴリズムおよび制約ベースのローカル発見学習アルゴリズムを使用して、血清Luminex変数ならびに利用可能な臨床変数のセット全体に変数選択を実施し、ベイジアンネットワークのノードに関して入力データベースを検索することができる。いくつかの実施形態では、訓練データベース105は、患者創傷負担を考慮するための創傷体積および創傷表面積の総和を含む。
変数選択アルゴリズム115毎に、機械学習エンジン110は、ベイジアンネットワークのノードとして(複数の臨床パラメータから選択される)モデルパラメータの対応するサブセットを使用する。機械学習エンジン110は、各ベイジアンネットワークを生成し、モデルパラメータのサブセットと訓練データベース105の中に記憶された対応する肺炎転帰との間の条件付き依存性を表す。したがって、機械学習エンジン110は、各変数選択アルゴリズム115によって選択されるモデルパラメータのサブセットによって表される低減変数セットとして、ノードを選択することができる。
いくつかの実施形態では、訓練データベース105の臨床パラメータに変数選択(および分類)を実施することに先立って、機械学習エンジン110は、複数の臨床パラメータをランダムに並べ換えることができる。
機械学習エンジン110は、モデルパラメータのサブセット毎に分類アルゴリズム125(例えば、2項分類アルゴリズム)を実行し、モデルパラメータのサブセットに基づいて肺炎転帰の予測を生成することができる。いくつかの実施形態では、機械学習エンジン110は、限定されないが、線形判別分析(lda)、分類および回帰ツリー(cart)、k−最近傍(knn)、サポートベクターマシン(svm)、ロジスティック回帰(glm)、ランダムフォレスト(rf)、一般化線形モデル(glmnet)、および/または単純ベイズ(nb)を含む、分類アルゴリズム125を実行する。分類アルゴリズム125は、Rキャレットパッケージの訓練機能から読み出されてもよい。分類アルゴリズム125は、モデルパラメータの各サブセットに対応する訓練データベース105内の臨床パラメータの第1の値を識別し、識別された第1の値を使用して肺炎転帰の予測を生成することによって、実行されてもよい。
単純ベイズモデル分類アルゴリズム125を実行することは、各モデルパラメータに対応する第1の値と対応する肺炎転帰との間の関係を計算することを含むことができる。モデルパラメータ毎に、関係は、肺炎が対象に存在すると考慮して、モデルが特定の値を有し得る第1の確率、および同様に、肺炎が対象に存在しないと考慮して、モデルが特定の値を有し得る第2の確率を示してもよい。いくつかの実施形態では、関係は、第1の値の正規分布(の仮定)に基づく確率関数である。
肺炎転帰の予測を生成するために、機械学習エンジン110は、単純ベイズモデル分類アルゴリズム125において入力としてモデルパラメータの試験値を使用することができる。試験値は、訓練データベース105の第1の値から選択されてもよい。モデルパラメータ毎の第1の確率は、肺炎が対象に存在すると考慮して、対象がこれらの試験値を有するであろう確率を判定するように、試験値を使用して計算されることができ(例えば、第1の確率=(Test ValueModelParameter|Pneumonia Present))、同様に、肺炎が対象に存在しない場合の第2の確率が計算されることができる(例えば、第2の確率=P(Test ValueModelParameter|PneumoniaNot Present)。第1の確率は、対象が肺炎を有すると考慮して、対象が試験値を有するであろう全体的確率を計算するように、(例えば、ともに乗算されることによって)組み合わせられることができ、第2の確率は、同様に、組み合わせられることができる。複合確率が、肺炎転帰の予測を生成するように比較されることができる。例えば、全体的確率の比が1を上回る場合には、肺炎の存在が予測されるであろう。
機械学習エンジン110は、肺炎転帰の予測を使用し、性能メトリックを計算することができる。例えば、機械学習エンジン110は、(i)(各変数アルゴリズム115によって選択される)モデルパラメータのサブセットおよび(ii)肺炎転帰の予測を生成するために使用される分類アルゴリズム125の組み合わせ毎に、性能メトリックを計算することができる。性能メトリックは、肺炎転帰を予測する各組み合わせの能力を表すことができる。
機械学習エンジン110は、カッパスコア、感度、または特異性のうちの少なくとも1つを含む、性能メトリックを計算することができる。カッパスコアは、予期される正確度へのモデルパラメータのサブセットおよび分類アルゴリズムの組み合わせの観察される正確度の比較を示す。いくつかの実施形態では、機械学習エンジン110は、感度および特異性に基づいて、ROC曲線を生成することができる。機械学習エンジン110はまた、ROC曲線に基づいてAUCを計算することもできる。いくつかの実施形態では、候補分類アルゴリズム125は、さらなる性能メトリックによって評価されることができる。例えば、候補分類アルゴリズム125は、正確度、情報なし率、正の予測値、および負の予測値に基づいて、評価されることができる。
機械学習110は、性能メトリックに基づいて、種々のポリシ、発見的問題解決法、または他の規則を適用し、候補分類アルゴリズム125(および変数選択アルゴリズム115のうちの1つによって選択されるモデルパラメータの対応するサブセット)を選択することができる。例えば、性能メトリック毎の値は、個別の閾値と比較されることができ、分類アルゴリズム125は、閾値を超える性能メトリックの値に応答して候補分類アルゴリズム125(または潜在的候補)であると判定されることができる。機械学習エンジン110は、加重を各性能メトリックに割り当て、複合性能メトリックを計算することができる。機械学習エンジン110は、規定順序で性能メトリックを評価することができる。
いくつかの実施形態では、機械学習エンジン110は、規則に基づいて候補分類アルゴリズム125およびモデルパラメータの対応するサブセットを選択し、(1)最高カッパスコア、続いて、(2)最高感度、(3)続いて、閾値特異性を上回る特異性を有する、組み合わせを識別する。
機械学習エンジン110は、決定曲線分析(DCA)を実行し、候補分類アルゴリズム125の性能を評価することができる、および/または混同行列を用いる。DCAは、全員無処置パラダイムであるヌルモデル、または「全員処置」介入パラダイムと比較して、臨床設定で候補分類アルゴリズム125を使用することの純便益を査定するために使用されることができる。DCAは、候補分類アルゴリズム125の性能の正当性を立証するように、および/または他の性能メトリック下で類似性能を有するいくつかの分類アルゴリズム125の間から候補分類アルゴリズム125を選択するように、実行されることができる。
機械学習エンジン110は、複数の反復で実行されることができる。例えば、訓練データベース105のデータは、1回を上回って、例えば、10、20、30、40、50回、またはさらなる回数で、変数選択および2項分類アルゴリズムにかけられることができる。
いくつかの実施形態では、機械学習エンジン110によって生成される候補モデル(モデルパラメータのサブセットおよび候補分類アルゴリズム125の組み合わせ)は、訓練データベース105の臨床パラメータの全セットを使用して生成されるモデルと性能を比較されることができる。例えば、機械学習エンジン110は、モデルパラメータのサブセットに基づいて分類アルゴリズム125を実行することに関して類似様式で、臨床パラメータの全セットを使用して分類アルゴリズム125を実行し、モデル性能の基準を表すことができる。候補モデルは、DCAを使用して、臨床パラメータの全セットを使用して生成されるモデルと比較されることができる。機械学習エンジン110は、インピュテーションアルゴリズムを実行し、欠落したデータを用いて臨床パラメータを処理することができる。
ここで図2−4を参照すると、選択されたモデルパラメータを使用して実行される候補分類アルゴリズムのモデルパラメータおよび性能メトリックが、図示される。簡潔には、図2は、モデルパラメータのサブセットに基づくベイジアンネットワーク200を図示し、図3は、候補分類アルゴリズムの関連付けられるAUC、感度、特異性とともに、ROC曲線を図示し、図4は、候補分類アルゴリズムに実施されるDCAを図示する。
さらに図2を参照すると、図示される実施例では、機械学習エンジン110は、複数の変数選択アルゴリズム115を使用して変数選択を実施し、ベイジアンネットワーク200を生成することができる。機械学習エンジン110は、性能メトリックを計算し、肺炎転帰を予測するために使用されるべきであるモデルパラメータのサブセットを判定することができる。例えば、機械学習エンジン110は、単純ベイズ2項分類アルゴリズム125において起動される最大・最小親子(MMPC)アルゴリズムによって選択されるモデルパラメータのサブセットが、全ての他の2項分類アルゴリズム125を用いたモデルパラメータの全ての他のサブセットより優れていると判定することができる。図示される実施形態では、モデルパラメータのサブセットは、以下の臨床パラメータ、すなわち、腹部のAIS、頭部のAIS、対象に投与される血小板、対象に投与されるRBC、対象に投与されるpRBC、およびインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)、単球走化性タンパク質1(MCP−1)、ならびにインターロイキン10(IL−10)の血清レベルを含む。
さらに図3を参照すると、候補分類アルゴリズム125の性能メトリックのチャート300が、図示される。チャート300に示されるように、機械学習エンジン110は、上記のモデルパラメータのサブセットを使用して、候補分類アルゴリズム125のための性能メトリックを計算し、0.7のカッパ、0.93の正確度、0.88の情報なし率、0.73の感度、0.96の特異性、0.73の正の予測値、0.96の負の予測値、およびAUC信頼区間(0.83〜0.95)を伴う0.89のAUCを含むことができる。
全変数モデルへの候補分類アルゴリズム125の比較は、候補分類アルゴリズム125においてより良好な性能を実証することができる。これは、過剰パラメータ化が頻繁にモデルの性能低下につながるため、本明細書に説明されるシステムおよび方法の長所である。図示される実施形態では、候補分類アルゴリズム125、ROC曲線、およびそれらの個別のAUCが、良好な予測能力を実証した。同様に、候補分類アルゴリズム125は、全変数モデルよりも高い正確度およびカッパ統計を有した。
いくつかの実施形態では、COPS100は、臨床パラメータの全セットに対してモデルパラメータのサブセットを使用し、肺炎転帰の予測を生成することによって、コンピュータシステムの算出性能(例えば、処理速度、メモリ使用量)を増加させることができる。例えば、COPS100は、より少ない計算を実行し、各肺炎転帰予測を生成するが、モデルパラメータのサブセットを使用することによって過剰パラメータ化および他のモデル性能問題を回避することができる。
さらに図4を参照すると、DCA400が、候補分類アルゴリズム125に基づいて示される。候補分類アルゴリズム125は、DCAに基づいて優れた性能を実証することができ、処置の純便益の閾値確率の大部分に関して、候補分類アルゴリズム125は、全変数モデルよりも大きい純便益ならびに全員処置および全員無処置パラダイムを実証した。
予測エンジン
図1に戻って参照すると、いくつかの実施形態では、COPS100は、予測エンジン130を含む。予測エンジン130は、少なくとも1つの第2の対象に特有の肺炎転帰を予測することができる。少なくとも1つの第2の対象は、損傷を有し得る。予測エンジン130は、少なくとも1つの第2の対象に関して、複数の臨床パラメータのうちの少なくとも1つの臨床パラメータの第2の値を受信することができる。
いくつかの実施形態では、受信された第2の値のうちの少なくとも1つは、候補分類アルゴリズム125で使用されるモデルパラメータのサブセットのモデルパラメータに対応する。予測エンジン130が、臨床パラメータのいくつかの第2の値を受信し、そのうちの少なくとも1つが、モデルパラメータのサブセットのモデルパラメータに対応しない場合、予測エンジン130は、インピュテーションアルゴリズムを実行し、そのような欠落したパラメータの値を生成してもよい。
予測エンジン130は、モデルパラメータの対応するサブセットおよび少なくとも1つの臨床パラメータの第2の値を使用して、候補分類アルゴリズム125を実行し、少なくとも1つの第2の対象に特有の肺炎転帰を計算することができる。実施例では、候補分類アルゴリズム125は、以下のモデルパラメータ、すなわち、IP−10(500)、IL−10(35)、MCP1(3000)、第2の対象に投与される血小板(2)、対象に投与される全ての血液製剤の総和(35)、対象に投与される赤血球(25)、頭部のAIS(4)、および腹部のAIS(5)に基づく、単純ベイズモデルを含んでもよい(および第2の対象の示された第2の値を受信した)。これらの値を使用して、予測エンジン130は、対象が肺炎を有すると考慮して、第2の対象がモデルパラメータのこれらの値、すなわち、IP−10(0.0007)、IL−10(0.01)、MCP1(0.0002)、第2の対象に投与される血小板(0.16)、対象に投与される全ての血液製剤の総和(0.01)、対象に投与される赤血球(0.03)、頭部のAIS(0.13)、および腹部のAIS(0.10)を有するであろう確率を候補分類アルゴリズム125に計算させることができ、8.736e−16の全体的確率をもたらす。同様に、予測エンジン130は、所与の非肺炎例と関連付けられる全体的確率が約ゼロであると判定することができる。したがって、予測エンジン130は、全体的確率に基づいて(例えば、全体的確率の比に基づいて)第2の対象が肺炎を有するという予測を出力することができる。
図1に示されるように、COPS100は、予測エンジン130を含む。いくつかの実施形態では、遠隔デバイス150は、加えて、または代替として、予測エンジン155を含んでもよい。予測エンジン155は、予測エンジン130の特徴を組み込むことができる。遠隔デバイス150は、携帯用電子デバイスとして実装されることによって等、下記の節Dで説明されるコンピューティング環境の特徴を組み込むことができる。遠隔デバイス150は、種々の有線または無線通信プロトコルのうちのいずれかを使用して、COPS100と通信することができる(インターネットプロトコルシステムまたは他の中間通信システムを介して通信することを含む)。例えば、遠隔デバイス150は、COPS100から予測エンジン130(またはモデルパラメータの対応するサブセットを伴う候補分類アルゴリズム125)を受信することができる。
種々の実施形態では、COPS100および/または遠隔デバイス150は、ユーザインターフェースを通して複数の臨床パラメータの第2の値を受信することができ、第2の値を受信することに応答して肺炎転帰の予測を出力することができる。遠隔デバイス150は、第2の値を受信し、第2の値をCOPS100に伝送する、ローカルアプリケーションとして予測エンジン155を実行する、クライアントデバイスとして実装されることができ、COPS100は、第2の対象に特有の肺炎転帰の予測を計算し、計算された予測を予測エンジン155に伝送する、サーバデバイスとして実装されることができる。遠隔デバイス150は、次いで、COPS100から受信される、計算された予測を出力してもよい。
いくつかの実施形態では、COPS100は、第2の対象に関して受信される第2の値ならびに予測肺炎転帰に基づいて、訓練データベース105を更新することができる。したがって、COPS105は、対象に関する新しいデータから継続的に学習することができる。COPS100は、訓練データベース105の中に、第2の対象に関して受信される第2の値に関連する予測肺炎転帰を記憶することができる。予測肺炎転帰は、(複数の第1の対象の公知の肺炎転帰と比較して)予測値であるという指標とともに記憶されてもよく、これは、機械学習エンジン110が、公知の転帰データと異なるように、訓練データベース105の中に記憶された予測転帰データを処理することを可能にすることができる。加えて、経時的に、それに基づいて予測転帰が生成された第2の対象はまた、(例えば、第2の対象が肺炎を有することを示す症状の発症に基づいて、または予測肺炎転帰の生成に続いて経過する十分な時間周期等の第2の対象が肺炎を有していないという指標に基づいて)公知の肺炎転帰を有し得ることを理解されたい。COPS100は、第2の対象に関して受信される第2の値に関連する公知の肺炎転帰を記憶することができる。COPS100はまた、予測肺炎転帰に対する更新の指標とともに公知の肺炎転帰を記憶することもでき、これは、機械学習エンジン110が更新から学習し、したがって、予測エンジン130によって使用するための候補分類アルゴリズム/モデルパラメータのサブセットを生成および選択するために使用される、変数選択および分類プロセスを改良することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、COPS100は、予測肺炎転帰と公知の肺炎転帰との間の差異を計算し、更新の指標として本差異を記憶する。
ここで図5を参照すると、対象特有の肺炎転帰を予測するための方法500が、本開示のある実施形態によって図示される。方法500は、COPS100および/または遠隔デバイス150を含む、本明細書に説明される種々のシステムによって実施されることができる。
505では、対象に関して臨床パラメータの第1の値および対応する肺炎転帰が、受信される。第1の対象は、損傷を有し得る。いくつかの実施形態では、複数の臨床パラメータの第1の値は、対象毎に単一の時点と関連付けられる。510では、第1の値を対応する肺炎転帰に関連付ける訓練データベースが、生成される。
いくつかの実施形態では、前処理が、訓練データベースの中に記憶されたデータに実行される。前処理は、変数選択および/または分類がデータに実施される前に実施されてもよい。いくつかの実施形態では、インピュテーションアルゴリズムが、訓練データベース105内の欠落したデータの値を生成するように実行されることができる。いくつかの実施形態では、上方サンプリングまたは予測因子ランク変換のうちの少なくとも1つが、訓練データベースのデータに実行される。上方サンプリングおよび/または予測因子ランク変換は、データにおける分類不平衡および非正規性に適応するように、変数選択のみのために実行されることができる。
515では、複数の変数選択アルゴリズムが、変数選択アルゴリズム毎に選択する訓練データベースの中に記憶されたデータを使用して実行される。モデルパラメータのサブセットは、モデルパラメータの各サブセットの数が臨床パラメータの数未満であるように、訓練データベースの複数の臨床パラメータから選択される。制約ベースのアルゴリズム、制約ベースの構造学習アルゴリズム、および/または制約ベースのローカル発見学習アルゴリズム等の変数選択アルゴリズムが、モデルパラメータのサブセットを選択するために使用されることができる。モデルパラメータのサブセットは、モデルパラメータが複数のモデルパラメータと訓練データベースの中に記憶された対応する肺炎転帰との間の条件付き依存性を表すように、ベイジアンネットワークのノードとして使用されることができる。いくつかの実施形態では、臨床パラメータは、変数選択に先立ってランダムに並び換えられる。
520では、少なくとも1つの分類アルゴリズムが、モデルパラメータのサブセットに基づいて肺炎転帰の予測を生成するように、モデルパラメータの各サブセットを使用して実行される。分類アルゴリズムは、モデルパラメータの各サブセットに対応する訓練データベース内の臨床パラメータの第1の値を識別し、識別された第1の値を使用して肺炎転帰の予測を生成することによって、実行されてもよい。いくつかの実施形態では、分類アルゴリズムは、複数の線形判別分析(lda)、分類および回帰ツリー(cart)、k−最近傍(knn)、サポートベクターマシン(svm)、ロジスティック回帰(glm)、ランダムフォレスト(rf)、一般化線形モデル(glmnet)、および/または単純ベイズ(nb)を含む。
単純ベイズモデル分類アルゴリズムを実行することは、各モデルパラメータに対応する第1の値と対応する肺炎転帰との間の関係を計算することを含むことができる。モデルパラメータ毎に、関係は、肺炎が対象に存在すると考慮して、モデルが特定の値を有し得る第1の確率、および同様に、肺炎が対象に存在しないと考慮して、モデルが特定の値を有し得る第2の確率を示してもよい。いくつかの実施形態では、関係は、第1の値の正規分布(の仮定)に基づく確率関数である。
肺炎転帰の予測を生成するために、モデルパラメータの試験値が、単純ベイズモデル分類アルゴリズムにおいて入力として使用されることができる。試験値は、訓練データベースの第1の値であってもよい。モデルパラメータ毎の第1の確率は、肺炎が対象に存在すると考慮して、対象がこれらの試験値を有するであろう確率を判定するように、試験値を使用して計算されることができ、同様に、肺炎が対象に存在しない場合の第2の確率が計算されることができる。第1の確率は、対象が肺炎を有すると考慮して、対象が試験値を有するであろう全体的確率を計算するように、(例えば、ともに乗算されることによって)組み合わせられることができ、第2の確率は、同様に、組み合わせられることができる。複合確率が、肺炎転帰の予測を生成するように比較されることができる。例えば、全体的確率の比が1を上回る場合には、肺炎の存在が予測されるであろう。
525では、少なくとも1つの性能メトリックが、分類アルゴリズム毎(例えば、(i)変数選択アルゴリズムを使用して選択されるモデルパラメータのサブセットおよび(ii)肺炎転帰予測を生成するために使用される分類アルゴリズムの組み合わせ毎)に計算される。性能メトリックは、肺炎転帰を予測する各組み合わせの能力を表すことができる。
性能メトリックは、カッパスコア、感度、または特異性のうちの少なくとも1つを含むことができる。カッパスコアは、予期される正確度へのモデルパラメータのサブセットおよび分類アルゴリズムの組み合わせの観察される正確度の比較を示す。いくつかの実施形態では、ROC曲線が、感度および特異性に基づいて生成されることができる。AUCが、ROC曲線に基づいて計算されることができる。いくつかの実施形態では、候補分類アルゴリズムは、さらなる性能メトリックによって評価されることができる。例えば、候補分類アルゴリズムは、正確度、情報なし率、正の予測値、および負の予測値に基づいて、評価されることができる。
530では、候補分類アルゴリズムが、性能メトリックに基づいて選択される。種々のポリシ、発見的問題解決法、または他の規則が、候補分類アルゴリズム(および変数選択アルゴリズムのうちの1つによって選択されるモデルパラメータの対応するサブセット)を選択するように、性能メトリックに基づいて適用されることができる。例えば、性能メトリック毎の値が、個別の閾値と比較されることができ、分類アルゴリズムが、閾値を超える性能メトリックの値に応答して候補分類アルゴリズム(または潜在的候補)であると判定されることができる。いくつかの実施形態では、候補分類アルゴリズムおよびモデルパラメータの対応するサブセットが、規則に基づいて選択され、(1)最高カッパスコア、続いて、(2)最高感度、(3)続いて、閾値特異性を上回る特異性を有する、組み合わせを識別する。
535では、臨床パラメータの第2の値が、受信される。第2の値は、損傷を有する少なくとも1つの第2の対象に関して受信されてもよい。いくつかの実施形態では、受信された第2の値のうちの少なくとも1つは、候補分類アルゴリズムで使用されるモデルパラメータのサブセットのモデルパラメータに対応する。臨床パラメータのいくつかの第2の値が受信され、そのうちの少なくとも1つがモデルパラメータのサブセットのモデルパラメータに対応しない場合、インピュテーションアルゴリズムが、そのような欠落したパラメータの値を生成するように実行されてもよい。
540では、候補分類アルゴリズムが、少なくとも1つの第2の対象に特有の肺炎転帰の予測を計算するように、モデルパラメータの対応するサブセットおよび少なくとも1つの臨床パラメータの第2の値を使用して実行される。
545では、少なくとも1つの第2の対象に特有の予測肺炎転帰が、出力される。例えば、予測肺炎転帰は、電子デバイス上でユーザに表示されてもよい、またはオーディオ出力として提供されてもよい。予測肺炎転帰は、別のデバイスに伝送されてもよい。予測肺炎転帰は、第2の対象が肺炎を有する、第2の対象が(例えば、信頼閾値に対して)肺炎を有する可能性が高い、または第2の対象が参照危険性レベルに対して肺炎の危険性の増加を有するというインジケーションのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される方法は、2つの主要なステップ、すなわち、変数低減および2項分類を伴う。臨床パラメータのセット全体に変数選択を実施するために、「bnlearn」Rパッケージから等の抑制ベースのアルゴリズムおよび抑制ベースのローカル発見学習アルゴリズムが、ベイジアンネットワークのノードに関して入力データセットを検索するために、カスタマイズされた方法で使用されることができる。変数選択は、高度に相関している変数を除去することによって実施されてもよい。対象が損傷(肺炎の危険に対象をさらす損傷等)を有する、いくつかの実施形態では、創傷体積および創傷表面積の総和が、患者創傷負担を考慮するように変数セットに加算されることができる。上方サンプリング、データインピュテーション、および予測因子ランク変換のうちの1つまたはそれを上回るものが、変数選択を改良し、データにおける分類不平衡に適応するように実施されることができる。変数セットは、様々な2項分類アルゴリズムで起動されることができ、最初に、最高カッパ、次いで、最高感度および妥当な特異性を生じる、最良の変数セットおよび2項分類アルゴリズムの組み合わせが、選定されることができる。随意に、結果として生じたモデルは、正確度、情報なし率、正の予測値、および負の予測値を使用して、調査されることができる。随意に、モデル性能は、受信者動作特性曲線(ROC)、曲線下面積(AUC)、および決定曲線分析(DCA)を使用して、さらに査定されることができる。
次に、ランダムフォレストモデルが、基準として未加工データから引き出される変数の全セットを使用して構築されることができる。欠落したデータを伴うプロセスサンプルを取り扱うために、(例えば)RパッケージのrfImputeが、使用されることができる。モデルの合計陽性分類および陰性分類アウトオブバッグ(OOB)誤差推定値が、プロットされることができ、次いで、正確度およびカッパスコアが、「ランダムフォレスト」Rパッケージを使用することによって等、計算されることができる。(本変数の全セットは、変数が選択された同一の全セットであり得る。)次に、ランダムフォレストモデルが、ベイジアンネットワーク選択変数を用いて、または使用されるものと高度に相関している変数を除去することによって、構築されることができる。加えて、OOB誤差プロットを用いたランダムフォレスト性能、正確度およびカッパスコアが、査定されることができる。最小OOB誤差およびBICスコアを伴うモデル、ならびに最高正確度およびカッパスコアが、選定されることができる。両方のランダムフォレストモデルが、例えば、複数の分類および回帰ツリー、ならびに各分割時に候補としてランダムにサンプリングされるp変数の平方根を使用して、構築されることができ、pは、モデルの中の変数の数である。分類および回帰ツリーの数は、約102〜105個のツリーであってもよいが、数百個のツリーの使用を超えると、(潜在的に算出要件が上回る)性能メトリックへの限界利益の減少が存在し得る。いったんこれら2つのモデルが生成されると、それらの受信者動作特性曲線(ROC)および個別の曲線下面積(AUC)の形状が、比較されることができる。随意に、ビッカースおよびエルキンス決定曲線分析(DCA)を使用するモデル性能ならびに混同行列が、査定されることができる。全変数ランダムフォレストモデルおよび低減変数ランダムフォレストモデルの決定曲線の両方が、プロットされることができる。DCAは、全員無処置ヌルモデル、または「全員処置」介入パラダイムと比較して、臨床設定でモデルを使用することの純便益を査定するために使用されることができる。
いくつかの実施形態では、腹部損傷、頭部損傷、受容される血小板および濃厚赤血球(pRBC)、全pRBC、ならびにインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)、単球走化性タンパク質1(MCP−1)、およびインターロイキン10(IL−10)の血清レベルを含む、臨床パラメータは、変数の他のセットより優れている。例えば、いくつかの実施形態では、MMPC変数を用いて起動される単純ベイズアルゴリズムは、0.7またはそれを上回るカッパ、0.93またはそれを上回る正確度、0.88またはそれを上回る情報なし率、0.73またはそれを上回る感度、0.96またはそれを上回る特異性、0.73またはそれを上回る正の予測値、0.96またはそれを上回る負の予測値、およびAUC信頼区間(0.83〜0.95)を伴う0.89またはそれを上回るAUCのうちの1つまたはそれを上回るものを生成し得る。
いくつかの実施形態では、全変数モデルへの変数選択されたモデルの比較は、前者においてより良好な性能を示す。これは、過剰パラメータ化が頻繁にモデルの性能低下につながるため、本明細書に説明される方法の長所である。本明細書に説明されるような変数選択されたモデルでは、ROC曲線およびそれらの個別のAUCは、モデルが良好な予測能力を有することを示す。同様に、これらのモデルは、全変数モデルよりも高い正確度およびカッパ統計を有する。
D. 危険性を判定する、バイオマーカを検出する、および処置するための方法
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、肺炎に関して対象の危険プロファイルを判定すること、対象が肺炎を発症する危険性の増加を有するかどうかを判定すること、対象において危険因子を査定すること、バイオマーカのレベルを検出すること、および肺炎に関して対象を処置することに関する。本明細書に説明される方法の任意の実施形態によると、対象は、胸部X線、CT胸部スキャン、動脈血液ガス検査(オキシメータの使用を含む)、グラム染色、痰培養、迅速尿検査、気管支鏡検査法、肺生検、および胸腔穿刺のうちの1つまたはそれを上回るものによる肺炎の症状の検出に先立って等、肺炎の症状の検出に先立って査定されてもよい。本明細書に説明される方法の任意の実施形態によると、検査対象は、対象が1つまたはそれを上回るそのような方法によって検出可能な肺炎の症状を有すること先立って等、肺炎の任意の検出可能な症状の発症に先立って査定されてもよい。本明細書に説明される方法の任意の実施形態によると、検査対象は、爆風損傷、圧挫損傷、銃創、または四肢創傷等の肺炎を発症する危険に対象をさらす、損傷、状態、または創傷を有し得る。
危険因子を検出する方法
いくつかの実施形態によると、対象において危険因子(例えば、臨床パラメータ)を査定する方法が提供され、本方法は、対象からのサンプル中の上皮成長因子(EGF)のレベル、対象からのサンプル中のエオタキシン−1(CCL11)のレベル、対象からのサンプル中の塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の肝細胞成長因子(HGF)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンアルファ(IFN−α)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ(IFN−γ)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン10(IL−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン12(IL−12)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン13(IL−13)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン15(IL−15)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン17(IL−17)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1アルファ(IL−1α)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1ベータ(IL−β)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1受容体拮抗薬(IL−1RA)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2(IL−2)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2受容体(IL−2R)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン3(IL−3)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン4(IL−4)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン5(IL−5)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン6(IL−6)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン7(IL−7)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン8(IL−8)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からのサンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベル、対象からのサンプル中のガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(MIG)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP−1α)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP−1β)のレベル、対象からのサンプル中のケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド5(CCL5)のレベル、対象からのサンプル中の腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)のレベル、対象からのサンプル中の血管内皮細胞成長因子(VEGF)のレベル、対象に投与される全血球の量、対象に投与される赤血球(RBC)の量、対象に投与される濃厚赤血球(pRBC)の量、対象に投与される血小板の量、対象に投与される全ての血液製剤の総和、全濃厚RBCのレベル、外傷重症度スコア(ISS)、腹部の簡易式外傷指数(AIS)、胸部(胸郭)のAIS、四肢のAIS、顔面のAIS、頭部のAIS、および皮膚のAISから選択される1つまたはそれを上回るもの等の1つまたはそれを上回る臨床パラメータを測定、査定、検出、検定、および/または判定するステップを含む、それから成る、もしくは本質的にそれから成る。
特定の実施形態では、対象において危険因子(例えば、臨床パラメータ)を査定する方法が提供され、本方法は、対象における頭部のAIS、対象における腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、対象に投与される全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のIP−10のレベル、対象からの血清サンプル中のIL−10のレベル、および対象からの血清サンプル中のMCP−1のレベルから選択される1つまたはそれを上回るもの等の1つまたはそれを上回る臨床パラメータを測定、査定、検出、検定、および/または判定するステップを含む、それから成る、もしくは本質的にそれから成る。
いくつかの実施形態によると、バイオマーカのレベルを検出する方法が提供され、本方法は、対象からの1つまたはそれを上回るサンプル中で、対象からのサンプル中の上皮成長因子(EGF)のレベル、対象からのサンプル中のエオタキシン−1(CCL11)のレベル、対象からのサンプル中の塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の肝細胞成長因子(HGF)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンアルファ(IFN−α)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ(IFN−γ)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン10(IL−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン12(IL−12)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン13(IL−13)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン15(IL−15)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン17(IL−17)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1アルファ(IL−1α)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1ベータ(IL−β)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1受容体拮抗薬(IL−1RA)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2(IL−2)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2受容体(IL−2R)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン3(IL−3)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン4(IL−4)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン5(IL−5)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン6(IL−6)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン7(IL−7)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン8(IL−8)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からのサンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベル、対象からのサンプル中のガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(MIG)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP−1α)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1ベータ(MIP−1β)のレベル、対象からのサンプル中のケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド5(CCL5)のレベル、対象からのサンプル中の腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)のレベル、対象からのサンプル中の血管内皮細胞成長因子(VEGF)のレベルから選択される、1つまたはそれを上回るバイオマーカのレベルを測定、検出、検定、または判定するステップを含む、それから成る、もしくは本質的にそれから成る。
特定の実施形態では、バイオマーカのレベルを検出する方法が提供され、本方法は、対象からの1つまたはそれを上回るサンプル中で、IP−10、IL−10、およびMCP−1から選択される、1つまたはそれを上回るバイオマーカのレベルを測定、検出、検定、または判定するステップを含む、それから成る、もしくは本質的にそれから成る。具体的実施形態では、1つまたはそれを上回るバイオマーカは、IP−10、IL−10、およびMCP−1を備える、それから成る、または本質的にそれから成る。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、上記に記載されるものから選択されるもの等の1つまたはそれを上回る臨床パラメータ、2つまたはそれを上回る臨床パラメータ、3つまたはそれを上回る臨床パラメータ、4つまたはそれを上回る臨床パラメータ、5つまたはそれを上回る臨床パラメータ、6つまたはそれを上回る臨床パラメータ、7つまたはそれを上回る臨床パラメータ、8つまたはそれを上回る臨床パラメータ、9つまたはそれを上回る臨床パラメータ、10個またはそれを上回る臨床パラメータ、11個またはそれを上回る臨床パラメータ、12個またはそれを上回る臨床パラメータ、13個またはそれを上回る臨床パラメータ、14個またはそれを上回る臨床パラメータ、15個またはそれを上回る臨床パラメータ、16個またはそれを上回る臨床パラメータ、17個またはそれを上回る臨床パラメータ、18個またはそれを上回る臨床パラメータ、19個またはそれを上回る臨床パラメータ、20個またはそれを上回る臨床パラメータ、21個またはそれを上回る臨床パラメータ、22個またはそれを上回る臨床パラメータ、23個またはそれを上回る臨床パラメータ、24個またはそれを上回る臨床パラメータ、25個またはそれを上回る臨床パラメータ、26個またはそれを上回る臨床パラメータ、27個またはそれを上回る臨床パラメータ、28個またはそれを上回る臨床パラメータ、29個またはそれを上回る臨床パラメータ、30個またはそれを上回る臨床パラメータ、31個またはそれを上回る臨床パラメータ、32個またはそれを上回る臨床パラメータ、33個またはそれを上回る臨床パラメータ、34個またはそれを上回る臨床パラメータ、35個またはそれを上回る臨床パラメータ、36個またはそれを上回る臨床パラメータ、37個またはそれを上回る臨床パラメータ、38個またはそれを上回る臨床パラメータ、39個またはそれを上回る臨床パラメータ、40個またはそれを上回る臨床パラメータ、41個またはそれを上回る臨床パラメータ、42個またはそれを上回る臨床パラメータ、43個またはそれを上回る臨床パラメータ、44個またはそれを上回る臨床パラメータ、45個またはそれを上回る臨床パラメータが、測定、査定、検出、検定、および/または判定される。特定の実施形態では、2、3、4、5、6、7、または8つの臨床パラメータが、測定、査定、検出、検定、および/または判定される。
個々の臨床パラメータのレベルを査定、検出、測定、および/または判定するために、1つまたはそれを上回るサンプルが、対象から採取または単離される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個のサンプルが、対象から採取または単離される。1つまたはそれを上回るサンプルは、因子、危険因子、バイオマーカ、臨床パラメータ、および/または成分のレベルを査定することに先立って、処理される場合とそうではない場合がある。例えば、全血が、個体から採取されてもよく、血液サンプルが、血液から血漿または血清を単離するように、処理される、例えば、遠心分離されてもよい。1つまたはそれを上回るサンプルは、処理または分析に先立って、貯蔵される、例えば、凍結される場合とそうではない場合がある。いくつかの実施形態では、IP−10、IL−10、およびMCP−1から選択される、1つまたはそれを上回る臨床パラメータが、創傷流出物等の血清サンプルではない対象からのサンプル中で検出される。
いくつかの実施形態では、対象から単離されるサンプル中の個々のバイオマーカのレベルが、超高性能液体クロマトグラフィ(UPLC)、高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)、ガスクロマトグラフィ(GC)、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)、またはUPLCと併せて質量分析を使用して、査定、検出、測定、および/または判定される。バイオマーカを査定する他の方法は、限定されないが、ELISA検定、ウェスタンブロット、および多重免疫学的検定等の生物学的方法を含む。他の技法は、定量的アレイ、PCR、RNAシークエンシング、DNAシークエンシング、およびノーザンブロット分析を使用することを含んでもよい。他の技法は、Luminexプロテオームデータ、RNAseq、トランスクリプトームデータ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)データ、および定量的細菌学データを含む。
臨床パラメータ、特に、バイオマーカのレベルを判定するために、バイオマーカ分子全体、例えば、全長タンパク質またはRNA転写産物全体が、存在する、または完全に配列決定される必要はない。換言すると、例えば、分析されているタンパク質の断片のレベルを判定することが、分析されている危険プロファイルの個々の成分が増加または減少されていることを断定または査定するために十分であり得る。同様に、例えば、アレイまたはブロットが、バイオマーカレベルを判定するために使用される場合、検出可能な信号の存在、不在、および/または強度が、バイオマーカのレベルを査定するために十分であり得る。
ELISA検定で使用するために好適なIP−10抗体は、例えば、Millipore Sigmaから入手可能である(カタログ番号ABF50)。免疫蛍光、フローサイトメトリ、免疫細胞化学、および/またはウェスタンブロットで使用するために好適なIP−10抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号PA5−46999)。ELISA検定および/またはウェスタンブロットで使用するために好適なIL−10抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号M011B)。フローサイトメトリおよび/または免疫組織化学で使用するために好適なIL−10抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号MA1−82664)。ELISA検定および/またはウェスタンブロットで使用するために好適なIL−7抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号MA5−23700)。いくつかの実施形態では、抗体は、検出可能な標識を備える。
上記のように、バイオマーカは、ThermoFisher Scientificから入手可能なLuminexTM免疫検定プラットフォームを使用して、検出、検定、または測定されることができる。例えば、Cytokine & Chemokine 34−Plex Human ProcartaPlexTM パネル1A(カタログ番号EPX340−12167−901)は、単一の血清または血漿サンプル中で、以下の標的、すなわち、エオタキシン/CCL11、GM−CSF、GROアルファ/CXCL1、IFNアルファ、IFNガンマ、IL−1ベータ、IL−1アルファ、IL−1RA、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8/CXCL8、IL−9、IL−10、IL−12p70、IL−13、IL−15、IL−17A、IL−18、IL−21、IL−22、IL−23、IL−27、IL−31、IP−10/CXCL10、MCP−1/CCL2、MIP−1アルファ/CCL3、MIP−1ベータ/CCL4、RANTES/CCL5、SDF1アルファ/CXCL12、TNFアルファ、TNFベータ/LTAを検出する。
いくつかの実施形態では、臨床パラメータは、対象が、爆風損傷、圧挫損傷、銃創、または四肢創傷等の肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷、状態、または創傷を受ける前、受けた後の第1の時点、および/または受けた後の後続の時点等の異なる時点で、対象から単離されるサンプル中で検出、測定、検定、査定、ならびに/もしくは判定される。例えば、本明細書に説明される方法のいくつかの実施形態は、1週間またはそれを上回る、2週間またはそれを上回る、3週間またはそれを上回る、4週間またはそれを上回る、1ヶ月またはそれを上回る、2ヶ月またはそれを上回る、3ヶ月またはそれを上回る、4ヶ月またはそれを上回る、5ヶ月またはそれを上回る、6ヶ月またはそれを上回る、7ヶ月またはそれを上回る、8ヶ月またはそれを上回る、9ヶ月またはそれを上回る、10ヶ月またはそれを上回る、11ヶ月またはそれを上回る、1年またはそれを上回る、もしくはさらに2年またはそれよりも長い等の時間周期にわたって、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはさらにそれを上回る時点で、バイオマーカを検出するステップを含んでもよい。本方法はまた、対象が肺炎の処置の前および/または間ならびに/もしくは後に査定される、実施形態を含む。具体的実施形態では、本方法は、肺炎の処置の有効性を監視するために有用であり、肺炎に対する処置を開始することに先立って、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、もしくはそれを上回る異なる時点で、対象から単離されるサンプル中のバイオマーカ等の臨床パラメータを検出し、続いて、肺炎に対する処置を開始した後の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、もしくはそれを上回る異なる時点等の臨床パラメータを検出するステップと、該当する場合、検出されるレベルの変化を判定するステップとを含む。処置は、肺炎の症状および/または原因を治癒、除去、または軽減するように設計される任意の処置であってもよい。
いくつかの実施形態によると、対象において臨床パラメータを検出する方法が提供され、本方法は、腹部損傷、頭部損傷、受容される血小板およびpRBC、全pRBC、ならびにインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)、単球走化性タンパク質1(MCP−1)、およびインターロイキン10(IL−10)の血清レベルから選択される、1つまたはそれを上回る臨床パラメータのレベルを測定するステップを含む、それから成る、または本質的にそれから成る。いくつかの実施形態では、本方法は、レベルの上昇を検出するステップを含む。本明細書で使用されるように、「上昇」は、参照レベルまたは値に対して増加されるレベルまたは値を指す。本明細書で使用されるように、「低減」は、参照レベルまたは値に対して低減されるレベルを指す。これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、参照値は、対象に関して前もって検出、測定、検定、査定、または判定された値である。他の実施形態では、参照値は、参照対象が肺炎の検出可能な症状を有していなかったときに、1つまたはそれを上回る参照対象の集団に関して検出、測定、検定、査定、または判定される。
肺炎の危険性を判定または査定するための方法
いくつかの実施形態によると、肺炎の危険プロファイルを判定する方法が提供され、危険プロファイルは、対象からのサンプル中の上皮成長因子(EGF)のレベル、対象からのサンプル中のエオタキシン−1(CCL11)のレベル、対象からのサンプル中の塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の肝細胞成長因子(HGF)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンアルファ(IFN−α)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ(IFN−γ)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン10(IL−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン12(IL−12)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン13(IL−13)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン15(IL−15)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン17(IL−17)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1アルファ(IL−1α)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1ベータ(IL−β)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1受容体拮抗薬(IL−1RA)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2(IL−2)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2受容体(IL−2R)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン3(IL−3)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン4(IL−4)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン5(IL−5)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン6(IL−6)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン7(IL−7)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン8(IL−8)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からのサンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベル、対象からのサンプル中のガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(MIG)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP−1α)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1ベータ(MIP−1β)のレベル、対象からのサンプル中のケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド5(CCL5)のレベル、対象からのサンプル中の腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)のレベル、対象からのサンプル中の血管内皮細胞成長因子(VEGF)のレベル、対象に投与される全血球の量、対象に投与される赤血球(RBC)の量、対象に投与される濃厚赤血球(pRBC)の量、対象に投与される血小板の量、対象に投与される全ての血液製剤の総和、全濃厚RBCのレベル、外傷重症度スコア(ISS)、腹部の簡易式外傷指数(AIS)、胸部(胸郭)のAIS、四肢のAIS、顔面のAIS、頭部のAIS、および皮膚のAISから選択される1つまたはそれを上回る臨床パラメータに基づく、1つまたはそれを上回る成分を備える、それから成る、もしくは本質的にそれから成る。そのような方法は、対象に関して1つまたはそれを上回る臨床パラメータを検出するステップと、検出された臨床パラメータから対象の危険プロファイル値を計算するステップとを含む、それから成る、または本質的にそれから成ってもよい。
特定の実施形態では、肺炎の危険プロファイルを判定する方法が提供され、危険プロファイルは、頭部のAIS、腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のIP−10のレベル、対象からの血清サンプル中のIL−10のレベル、および対象からの血清サンプル中のMCP−1のレベルから選択される1つまたはそれを上回る臨床パラメータに基づく、1つまたはそれを上回る成分を備える、それから成る、もしくは本質的にそれから成る。そのような方法は、対象に関して1つまたはそれを上回る臨床パラメータを検出するステップと、検出された臨床パラメータから対象の危険プロファイル値を計算するステップとを含む、それから成る、または本質的にそれから成ってもよい。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、危険プロファイルは、上記に記載されるものから選択されるもの等の1つまたはそれを上回る臨床パラメータ、2つまたはそれを上回る臨床パラメータ、3つまたはそれを上回る臨床パラメータ、4つまたはそれを上回る臨床パラメータ、5つまたはそれを上回る臨床パラメータ、6つまたはそれを上回る臨床パラメータ、7つまたはそれを上回る臨床パラメータ、8つまたはそれを上回る臨床パラメータ、9つまたはそれを上回る臨床パラメータ、10個またはそれを上回る臨床パラメータ、11個またはそれを上回る臨床パラメータ、12個またはそれを上回る臨床パラメータ、13個またはそれを上回る臨床パラメータ、14個またはそれを上回る臨床パラメータ、15個またはそれを上回る臨床パラメータ、16個またはそれを上回る臨床パラメータ、17個またはそれを上回る臨床パラメータ、18個またはそれを上回る臨床パラメータ、19個またはそれを上回る臨床パラメータ、20個またはそれを上回る臨床パラメータ、21個またはそれを上回る臨床パラメータ、22個またはそれを上回る臨床パラメータ、23個またはそれを上回る臨床パラメータ、24個またはそれを上回る臨床パラメータ、25個またはそれを上回る臨床パラメータ、26個またはそれを上回る臨床パラメータ、27個またはそれを上回る臨床パラメータ、28個またはそれを上回る臨床パラメータ、29個またはそれを上回る臨床パラメータ、30個またはそれを上回る臨床パラメータ、31個またはそれを上回る臨床パラメータ、32個またはそれを上回る臨床パラメータ、33個またはそれを上回る臨床パラメータ、34個またはそれを上回る臨床パラメータ、35個またはそれを上回る臨床パラメータ、36個またはそれを上回る臨床パラメータ、37個またはそれを上回る臨床パラメータ、38個またはそれを上回る臨床パラメータ、39個またはそれを上回る臨床パラメータ、40個またはそれを上回る臨床パラメータ、41個またはそれを上回る臨床パラメータ、42個またはそれを上回る臨床パラメータ、43個またはそれを上回る臨床パラメータ、44個またはそれを上回る臨床パラメータ、45個またはそれを上回る臨床パラメータから計算される。特定の実施形態では、危険プロファイルは、上記に記載されるものから選択されるもの等の2、3、4、5、6、7、または8つの臨床パラメータから計算される。具体的実施形態では、対象は、対象の本明細書の成分または因子のうちの5つ、4つ、3つ、2つ、またはさらに1つが異常レベルにある場合に、肺炎に罹患する危険性の増加を有すると診断される。危険因子の個々のレベルは、危険プロファイル値が、対象が肺炎を発症する危険性の増加を有することを示すために、危険性の増加と相関する必要がないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、IP−10、IL−10、およびMCP−1から選択される、1つまたはそれを上回る臨床パラメータが、創傷流出物等の血清サンプルではない対象からのサンプル中で検出される。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る臨床パラメータは、対象から単離される生物学的流体または組織である対象からのサンプル中で検出される。生物学的流体または組織は、限定されないが、全血、末梢血、血清、血漿、脳脊髄液、創傷流出物、尿、羊水、腹水、リンパ液、呼吸、腸、および尿生殖路の種々の外分泌物、涙、唾液、白血球、固形腫瘍、リンパ腫、白血病、ならびに骨髄腫を含む。これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、1つまたはそれを上回る臨床パラメータは、血清サンプルおよび創傷流出物から選択される対象からのサンプル中で検出される。これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、サンプルは、対象からの血漿サンプルである。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、危険プロファイル値は、頭部の外傷重症度スコア(ISS)、胸郭のISS、臨界定着(CC)の存在、およびインターロイキン−7(IL7)の血清レベルから選択される1つまたはそれを上回るものを含む、臨床パラメータに基づく。
いくつかの実施形態では、個々の成分自体の測定が、危険プロファイルで使用され、これらのレベルは、「2進」値、例えば、「上昇した」または「上昇していない」を各成分に提供するために使用されることができる。2進値はそれぞれ、数、例えば、「1」または「0」にそれぞれ変換されることができる。
いくつかの実施形態では、「危険プロファイル値」は、プロファイルの個々の成分に全体的集合値として与えられる、単一の値、数、因子、またはスコアであることができる。例えば、各成分が上記等の値を割り当てられる場合、成分値は、単純に、各個々またはカテゴリの値の全体的スコアであってもよい。例えば、肺炎を予測するための危険プロファイルの4つの成分が使用され、これらの成分のうちの3つが「+2」の値を割り当てられ、1つが「+1」の値を割り当てられる場合、本実施例における危険プロファイルは、+7となり、正常値は、例えば「0」である。このようにして、危険プロファイル値は、有用な単一の数またはスコアであり得、その実際の値または規模は、肺炎を発症する実際の危険性の指標であり得、例えば、値が「より正である」ほど、肺炎を発症する危険性が大きくなる。
いくつかの実施形態では、「危険プロファイル値」は、全体的プロファイルの個々の成分に与えられる、一連の値、数、因子、またはスコアであることができる。別の実施形態では、「危険プロファイル値」は、血漿マーカ部分等のプロファイルの個々の成分に与えられる値、数、因子、またはスコア、ならびに成分の群に集合的に与えられる値、数、因子、またはスコアの組み合わせであってもよい。別の実施例では、危険プロファイル値は、具体的成分の個々の値、数、またはスコア、ならびに成分の群の値、数、またはスコアを備える、もしくはそれから成ってもよい。
いくつかの実施形態では、危険プロファイルからの個々の値が、診断数値に丸められた個々の成分値からの加重スコアを利用し得る、「複合危険指数」等の単一のスコアを開発するために、使用されることができる。複合危険指数はまた、個々の成分値からの非加重スコアを使用して生成されてもよい。そのような実施形態では、「複合危険指数」が、1つまたはそれを上回る対照(正常)対象の集団から同様に開発される値の範囲によって判定され得るような具体的閾値レベルを超えるとき、個体は、肺炎を発症する高い危険性または正常よりも高い危険性を有すると見なされ得る一方で、「複合危険指数」の正常範囲値を維持することは、肺炎を発症する低いまたは最小限の危険性を示すであろう。これらの実施形態では、閾値は、1つまたはそれを上回る対照(正常)対象の集団からの複合危険指数によって設定されてもよい。
いくつかの実施形態では、危険プロファイルの値は、個々の測定からのデータの集合であることができ、「危険プロファイル値」がプロファイルの個々の成分の個々の測定の集合であるように、スコアリングシステムに変換される必要はない。
いくつかの実施形態では、対象の危険プロファイルは、参照危険プロファイルと比較される。これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、参照危険プロファイル値は、対象に関して前もって検出される臨床パラメータから計算される。したがって、本発明はまた、対象における肺炎の進行を監視する方法も含み、本方法は、1つを上回る時点で対象の危険プロファイルを判定するステップを含む。例えば、本発明の方法のいくつかの実施形態は、1週間またはそれを上回る、2週間またはそれを上回る、3週間またはそれを上回る、4週間またはそれを上回る、1ヶ月またはそれを上回る、2ヶ月またはそれを上回る、3ヶ月またはそれを上回る、4ヶ月またはそれを上回る、5ヶ月またはそれを上回る、6ヶ月またはそれを上回る、7ヶ月またはそれを上回る、8ヶ月またはそれを上回る、9ヶ月またはそれを上回る、10ヶ月またはそれを上回る、11ヶ月またはそれを上回る、1年またはそれを上回る、もしくはさらに2年またはそれよりも長い等の時間周期にわたって、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはさらにそれを上回る時点で、対象の危険プロファイルを判定するステップを含むであろう。本明細書に説明される方法はまた、対象の危険プロファイルが肺炎の処置の前および/または間ならびに/もしくは後に査定される、実施形態も含む。換言すると、本発明はまた、処置の経過にわたって、かつ処置後に、対象の危険プロファイルを査定することによって、肺炎の処置の有効性を監視する方法も含む。具体的実施形態では、肺炎の処置の有効性を監視する方法は、肺炎の処置の受容に先立って、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、もしくはそれを上回る異なる時点で、対象の危険プロファイルを判定し、続いて、肺炎に対する処置を開始した後の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、もしくはそれを上回る異なる時点で、対象の危険プロファイルを判定するステップと、該当する場合、対象の危険プロファイルの変化を判定するステップとを含む。処置は、肺炎の症状および/または原因を治癒、除去、または軽減するように設計される任意の処置であってもよい。
他の実施形態では、参照危険プロファイル値は、参照対象が肺炎の検出可能な症状を有していなかったときに、1つまたはそれを上回る参照対象の集団に関して検出される臨床パラメータから計算される。具体的実施形態では、参照危険プロファイル値は、爆風損傷、圧挫損傷、銃創、または四肢創傷等の肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷、状態、または創傷を有する参照対象の集団に関して検出される臨床パラメータから計算される。
参照レベルと比較される臨床パラメータのレベルまたは値は、変動し得る。いくつかの実施形態では、因子、危険因子、バイオマーカ、臨床パラメータ、および/または成分のうちのいずれか1つまたはそれを上回るもののレベルまたは値は、参照レベルまたは値よりも少なくとも1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500、1,000、または10,000倍高い。いくつかの実施形態では、因子、危険因子、バイオマーカ、臨床パラメータ、および/または成分のうちのいずれか1つまたはそれを上回るもののレベルまたは値は、参照レベルまたは値よりも少なくとも1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500、1,000、または10,000倍低い。代替物では、因子または成分のレベルまたは値は、標準に正規化されてもよく、これらの正規化レベルまたは値は、次いで、因子または成分がより低い、より高い、またはほぼ同一であるかどうかを判定するように、相互と比較されることができる。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、参照危険プロファイル値と比較した対象の危険プロファイル値の増加は、対象が肺炎を発症する危険性の増加を有することを示す。
他の実施形態では、対象の危険プロファイルは、「正常」危険プロファイルと見なされるプロファイルと比較される。「正常」危険プロファイルを確立するために、個体または個体の群が、最初に、肺炎を有し得るという兆候、症状、または診断インジケータを有していないことを確実にするように査定されてもよい。次いで、個体または個体の群の危険プロファイルは、次いで、「正常危険プロファイル」を確立するように判定されることができる。一実施形態では、正常危険プロファイルは、対象が、爆風損傷、圧挫損傷、銃創、または四肢創傷等の肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷、状態、または創傷を有していない、および/または肺炎の兆候、症状、もしくは診断インジケータを有していないとき等、対象が健康と見なされるときに、同一の対象から確認されることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、「正常対象」からの危険プロファイル、例えば、「正常危険プロファイル」は、胸部創傷を有するが、肺炎の兆候、症状、または診断インジケータを有していない、もしくは頭部創傷を有するが、肺炎の兆候、症状、または診断インジケータを有していない、もしくは四肢(腕、手、指、脚、足、足指)に少なくとも1つの創傷を有するが、肺炎の兆候、症状、または診断インジケータを有していない対象等の、損傷または創傷を有するが、肺炎を有し得るという兆候、症状、または診断インジケータを有していない対象に由来する。
したがって、いくつかの実施形態では、「正常」危険プロファイルは、肺炎を有するという任意の兆候、症状、または診断インジケータの発症に先立って、サンプルが採取される同一の対象において査定される。例えば、正常危険プロファイルは、早期の時点で対象に関するデータに基づいて、縦断様式で査定されてもよく、経時的に危険プロファイル(およびその値)の間の比較を可能にする。
別の実施形態では、正常危険プロファイルが、異なる対象または患者から(分析されている対象から)のサンプル中で査定され、本異なる対象は、肺炎を有していない、または有する疑いがない。なおも別の実施形態では、正常危険プロファイルは、健康な個体の集団内で査定され、その構成要素は、肺炎を有し得るという兆候、症状、または診断インジケータを表示しない。したがって、対象の危険プロファイルは、単一の正常サンプルから生成される正常危険プロファイルまたは1つを上回る正常サンプルから生成される危険プロファイルと比較されることができる。
具体的実施形態では、対象は、対象の本明細書の成分または因子のうちの5つ、4つ、3つ、2つ、またはさらに1つが異常レベルにある場合に、肺炎に罹患する危険性の増加を有すると診断される。
いくつかの実施形態によると、対象からのサンプル中の上皮成長因子(EGF)のレベル、対象からのサンプル中のエオタキシン−1(CCL11)のレベル、対象からのサンプル中の塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の肝細胞成長因子(HGF)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンアルファ(IFN−α)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ(IFN−γ)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン10(IL−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン12(IL−12)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン13(IL−13)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン15(IL−15)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン17(IL−17)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1アルファ(IL−1α)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1ベータ(IL−β)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1受容体拮抗薬(IL−1RA)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2(IL−2)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2受容体(IL−2R)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン3(IL−3)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン4(IL−4)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン5(IL−5)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン6(IL−6)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン7(IL−7)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン8(IL−8)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からのサンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベル、対象からのサンプル中のガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(MIG)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP−1α)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1ベータ(MIP−1β)のレベル、対象からのサンプル中のケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド5(CCL5)のレベル、対象からのサンプル中の腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)のレベル、対象からのサンプル中の血管内皮細胞成長因子(VEGF)のレベル、対象に投与される全血球の量、対象に投与される赤血球(RBC)の量、対象に投与される濃厚赤血球(pRBC)の量、対象に投与される血小板の量、対象に投与される全ての血液製剤の総和、全濃厚RBCのレベル、外傷重症度スコア(ISS)、腹部の簡易式外傷指数(AIS)、胸部(胸郭)のAIS、四肢のAIS、顔面のAIS、頭部のAIS、および皮膚のAISから選択される、対象の1つまたはそれを上回る臨床パラメータを検出するステップと、検出された臨床パラメータから対象の危険プロファイル値を計算するステップと、対象の危険プロファイル値を参照危険プロファイル値と比較するステップであって、参照危険プロファイル値と比較した対象の危険プロファイル値の増加は、対象が肺炎を発症する危険性の増加を有することを示す、ステップとを含む、対象、随意に、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する対象が、随意に、その検出可能な症状の発症に先立って、肺炎を発症する危険性の増加を有するかどうかを判定する方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する。いくつかの実施形態では、肺炎を発症する危険性の増加は、その検出可能な症状の発症に先立って判定される。
具体的実施形態では、頭部のAIS、腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からの血清サンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、および対象からの血清サンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベルから選択される、対象の1つまたはそれを上回る臨床パラメータを検出するステップと、検出された臨床パラメータから対象の危険プロファイル値を計算するステップと、対象の危険プロファイル値を参照危険プロファイル値と比較するステップであって、参照危険プロファイル値と比較した対象の危険プロファイル値の増加は、対象が肺炎を発症する危険性の増加を有することを示す、ステップとを含む、対象、随意に、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する対象が、随意に、その検出可能な症状の発症に先立って、肺炎を発症する危険性の増加を有するかどうかを判定する方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する。いくつかの実施形態では、肺炎を発症する危険性の増加は、その検出可能な症状の発症に先立って判定される。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、本方法は、頭部のAIS、腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からの血清サンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、および対象からの血清サンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベルから選択される、1つまたはそれを上回る臨床パラメータ、2つまたはそれを上回る臨床パラメータ、3つまたはそれを上回る臨床パラメータ、4つまたはそれを上回る臨床パラメータ、5つまたはそれを上回る臨床パラメータ、6つまたはそれを上回る臨床パラメータ、7つまたはそれを上回る臨床パラメータ、もしくは8つの臨床パラメータを検出するステップを含む。
本開示はまた、随意に、個体における肺炎の知覚可能、顕著、または測定可能な兆候が存在する前等のその検出可能な症状の発症の前に、肺炎に対して肺炎を発症する危険性の増加を有することが判定される個体を処置する方法も提供する。処置の実施例は、抗生物質療法の開始または拡大を含み得る。そのような早期処置の利益は、敗血症、膿胸、換気支援の必要性の回避、入院もしくは集中治療室の滞在期間の短縮、および/または医療費の削減を含み得る。
いくつかの実施形態によると、頭部のAIS、腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からの血清サンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、および対象からの血清サンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベルから選択される、1つまたはそれを上回る危険因子を査定するステップを含む、対象、随意に、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する対象において、危険因子を査定する方法が提供される。いくつかの実施形態では、危険因子は、肺炎危険因子であり、随意に、その検出可能な症状の発症の前に査定される。
いくつかの実施形態によると、随意に、その検出可能な症状の発症に先立って、対象が肺炎を発症する危険性の増加を有するかどうかを判定する方法が提供され、本方法は、(a)対象からの少なくとも1つのサンプルを分析し、対象の危険プロファイルの値を判定するステップであって、危険プロファイルは、頭部の外傷重症度スコア(ISS)、胸郭のISS、臨界定着(CC)の存在、およびインターロイキン−7(IL7)の血清レベルを備える、ステップと、(b)対象の危険プロファイルの値を正常危険プロファイルと比較し、対象の危険プロファイルが正常危険プロファイルと比較して改変されているかどうかを判定するステップであって、対象の危険プロファイルの値の増加が、正常危険プロファイルを伴う個体と比較して、肺炎を発症する危険性の増加を有することを示す、ステップとを含む、それから成る、または本質的にそれから成る。これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、正常危険プロファイルは、現在または将来、肺炎の症状を示さない、健康な個体の集団から生成される危険プロファイルを備える。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、危険プロファイルはさらに、腹部損傷、頭部損傷、受容される血小板およびpRBC、全pRBC、ならびにインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)、単球走化性タンパク質1(MCP−1)、およびインターロイキン10(IL−10)の血清レベルを備える、またはそれから成る。
単変量分析のため等のいくつかの実施形態では、ウィルコクソン順位和検定が、具体的指標と関連付けられる具体的患者群からのバイオマーカを識別するために、使用されることができる。危険プロファイルの個々の成分のレベルの査定は、絶対または相対値として表されることができ、別の成分、標準、内部標準、またはサンプル中にあることが公知である別の分子もしくは化合物に関連して、表される場合とそうではない場合がある。レベルが標準または内部標準に対して査定される場合、標準または内部標準は、サンプル処理に先立って、その間に、または後に、試験サンプルに追加されてもよい。
肺炎を処置する方法
いくつかの実施形態によると、その検出可能な症状の発症に先立って、肺炎に対する処置を対象に投与するステップを含む、随意に、肺炎の危険に対象をさらす損傷を有する、対象を肺炎に関して処置する方法が提供され、対象は、対象からのサンプル中の上皮成長因子(EGF)のレベル、対象からのサンプル中のエオタキシン−1(CCL11)のレベル、対象からのサンプル中の塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)のレベル、対象からのサンプル中の肝細胞成長因子(HGF)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンアルファ(IFN−α)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ(IFN−γ)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン10(IL−10)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン12(IL−12)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン13(IL−13)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン15(IL−15)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン17(IL−17)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1アルファ(IL−1α)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1ベータ(IL−β)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン1受容体拮抗薬(IL−1RA)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2(IL−2)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン2受容体(IL−2R)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン3(IL−3)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン4(IL−4)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン5(IL−5)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン6(IL−6)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン7(IL−7)のレベル、対象からのサンプル中のインターロイキン8(IL−8)のレベル、対象からのサンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からのサンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベル、対象からのサンプル中のガンマインターフェロンによって誘導されるモノカイン(MIG)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP−1α)のレベル、対象からのサンプル中のマクロファージ炎症性タンパク質1ベータ(MIP−1β)のレベル、対象からのサンプル中のケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド5(CCL5)のレベル、対象からのサンプル中の腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)のレベル、対象からのサンプル中の血管内皮細胞成長因子(VEGF)のレベル、対象に投与される全血球の量、対象に投与される赤血球(RBC)の量、対象に投与される濃厚赤血球(pRBC)の量、対象に投与される血小板の量、対象に投与される血液製剤の総和、濃厚RBCのレベル、外傷重症度スコア(ISS)、腹部の簡易式外傷指数(AIS)、胸部(胸郭)のAIS、四肢のAIS、顔面のAIS、頭部のAIS、および皮膚のAISから選択される、1つまたはそれを上回る臨床パラメータから計算される危険プロファイル値によって判定されるように、肺炎を発症する危険性の上昇を有することが前もって判定されている。いくつかの実施形態では、対象は、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する。いくつかの実施形態では、肺炎を発症する危険性の増加は、その検出可能な症状の発症に先立って判定される。
いくつかの実施形態によると、その検出可能な症状の発症に先立って、肺炎に対する処置を対象に投与するステップを含む、随意に、肺炎の危険に対象をさらす損傷を有する、対象を肺炎に関して処置する方法が提供され、対象は、頭部のAIS、腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からの血清サンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、および対象からの血清サンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベルから選択される、1つまたはそれを上回る臨床パラメータから計算される危険プロファイル値によって判定されるように、肺炎を発症する危険性の上昇を有することが前もって判定されている。いくつかの実施形態では、対象は、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する。いくつかの実施形態では、肺炎を発症する危険性の増加は、その検出可能な症状の発症に先立って判定される。
「危険性の上昇」は、(上記で説明されるような)参照危険プロファイル値を上回る対象の危険プロファイル値を指す。いくつかの実施形態では、危険性の上昇は、参照危険プロファイル値を少なくとも1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500、1,000、または10,000倍上回る検査対象の危険プロファイル値である。
いくつかの実施形態によると、肺炎に関して対象を処置する方法が提供され、本方法は、(a)腹部損傷、頭部損傷、受容される血小板およびpRBC、全pRBC、ならびにインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)、単球走化性タンパク質1(MCP−1)、およびインターロイキン10(IL−10)の血清レベルから選択される、個々の危険因子を備える危険プロファイルを査定するステップと、(b)対象の危険プロファイルが正常対象の危険プロファイルを上回るときに、肺炎に対する処置を対象に投与するステップとを含む、それから成る、または本質的にそれから成る。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、危険プロファイル値は、頭部のAIS、腹部のAIS、対象に投与される血小板の量、全濃厚RBCのレベル、対象に投与される全ての血液製剤の総和、対象からの血清サンプル中のインターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)のレベル、対象からの血清サンプル中のインターロイキン−10(IL−10)のレベル、および対象からの血清サンプル中の単球走化性タンパク質1(MCP−1)のレベルから選択される、1つまたはそれを上回るさらなる臨床パラメータを含む、臨床パラメータに基づく。いくつかの実施形態では、IP−10、IL−10、およびMCP−1から選択される、1つまたはそれを上回る臨床パラメータのレベルは、創傷流出物等の血清サンプルではない対象からのサンプル中にある。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、1つまたはそれを上回る臨床パラメータは、血清サンプルおよび創傷流出物から選択される対象からのサンプル中で検出される。これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、サンプルは、血漿サンプルである。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、参照危険プロファイル値は、対象が損傷を有するときに対象に関して前もって検出される臨床パラメータから計算される。
これらの方法のうちのいずれかの具体的実施形態では、処置は、肺炎を有する対象の任意の検出可能な症状の発症に先立って、対象に投与される。
処置の方法はまた、肺炎に対する処置の有効性を監視する方法を含んでもよい。いったん処置計画が確立されると、肺炎を発症する危険性を予測することを支援するための本開示の方法の使用の有無にかかわらず、経時的に対象の危険プロファイルを監視する方法は、肺炎に対する処置の有効性を査定するために使用されることができる。例えば、対象の危険プロファイルは、肺炎に対する処置の前、間、および後を含む、経時的に査定されることができる。危険プロファイルは、監視されることができ、例えば、経時的なプロファイルの値の正規化または減少は、処置が処置の有効性を示し得ることを示す。
対象が肺炎に罹患する危険性があるという指標に応答して開始され得る、肺炎に対する好適な処置は、限定されないが、対象への抗生物質または抗ウイルス剤の投与を含む。
本発明はまた、その検出可能な症状の発症に先立って、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する対象において肺炎を処置するための抗生物質または抗ウイルス剤も提供し、対象は、本明細書に説明される方法のうちのいずれか1つによって判定されるように、肺炎を発症する危険性の上昇を有することが前もって判定されている。
本発明はまた、その検出可能な症状の発症に先立って、肺炎を発症する危険に対象をさらす損傷を有する対象において肺炎を処置するための薬剤の調製で使用するための抗生物質または抗ウイルス剤も提供し、対象は、本明細書に説明される方法のうちのいずれか1つによって判定されるように、肺炎を発症する危険性の上昇を有することが前もって判定されている。
抗生物質または抗ウイルス剤の選択肢は、通常、対象の病気の重症度、宿主因子(例えば、併存疾患、年齢)、および推定原因物質(例えば、細菌の種またはウイルスの株)に基づく。抗生物質の非限定的実施例は、アジスロマイシン(Zithromax)、アズトレオナム(Azactam)、セフェピム(Maxipime)、セフォタキシム(Claforan)、セフロキシム(Ceftin、Kefurox、Zinacef)、シプロフロキサシン(Cipro)、クリンダマイシン(Cleocin)、ドキシサイクリン(Bio−Tab、Doryx、Doxy、Periostat、Vibramycin、Vibra−Tabs)、エルタペネム(Invanz)、リネゾリド(Zyvox)、ゲンタマイシン(Gentacidin)、スルファメトキサゾールおよびトリメトプリム(Bactrim、Bactrim DS、Cotrim、Cotrim DS、Septra、Septra DS)、アモキシシリンおよびクラブラン酸(Augmentin、Augmentin XR)、アンピシリンおよびスルバクタム(Unasyn)、セフタジジム(Ceptaz、Fortaz、Tazicef、Tazidime)、セフトリアキソン(Rocephin)、アモキシシリン(Amoxil、Biomox、Trimox)、イミペネムおよびシラスタチン(Primaxin)、レボフロキサシン(Levaquin)、クラリスロマイシン(Biaxin)、エリスロマイシン(E.E.S.、E−Mycin、Eryc、Ery−Tab、Erythrocin)、バンコマイシン(Vancocin)、テラバンシン(Vibativ)、メロペネム(MerremIV)、モキシフロキサシン(Avelox)、ペニシリンG(Pfizerpen)、ピペラシリンおよびタゾバクタムナトリウム(Zosyn)、セフタロリン(Teflaro)、セフプロジル(Cefzil)、チカルシリンおよびクラブラン酸(Timentin)、ならびにそれらの組み合わせを含む。抗ウイルス剤の非限定的実施例は、オセルタミビル(Tamiflu)、ザナミビル(Relenza)、およびペラミビル(Rapivab)を含む。
処置方法のいくつかの実施形態では、抗生物質または抗ウイルス剤の有効量が、対象に投与される。「有効量」は、肺炎の少なくとも1つまたはそれを上回る症状を軽減すること等の有益または所望の結果を生じるために十分な量である。本明細書で使用されるような有効量はまた、肺炎の発症を遅延させる、肺炎の症状(例えば、肺機能の損失)の経過を改変する、または肺炎の症状を逆転するために十分な量も含むであろう。本定義と一致して、本明細書で使用されるように、用語「治療的有効量」は、体外、試験管内、または生体内でRNAウイルス複製を阻害するために十分な量である。したがって、「有効量」は、患者によって変動し得る。しかしながら、任意の所与の症例に関して、適切な「有効量」は、日常的方法のみを使用して、当業者によって判定されることができる。有効量は、1つまたはそれを上回る投与、適用、もしくは投与量で、投与されることができる。
治療計画の成功は、以下の方法のうちの少なくとも1つ、すなわち、対象における肺炎の1つまたはそれを上回る症状の改善を検出するステップ、対象における改善された肺機能を検出するステップ、処置後に対象が肺炎の症状を発症していないことを判定するステップ、対象の危険因子プロファイルの1つまたはそれを上回る成分のレベルもしくは値の低減を検出するステップ、および対象の危険因子プロファイルの値の低減を検出するステップによって、判定または査定されることができる。いくつかの実施形態では、処置計画の成功は、対象の危険因子プロファイルの1つまたはそれを上回る成分のレベルもしくは値の増加を検出すること、および/または対象の危険因子プロファイルの値の増加を検出することによって、判定または査定されることができる。肺炎の症状は、限定されないが、咳、熱、速い呼吸または息切れ、戦慄および悪寒、胸部痛、頻拍、疲労、衰弱、吐き気、嘔吐、および下痢を含む。いくつかの実施形態では、肺炎の処置の成功は、対象に診断検査を実施することによって、判定されることができる。肺炎に関する診断検査は、限定されないが、胸部X線、CT胸部スキャン、動脈血液ガス検査(オキシメータの使用を含む)、グラム染色、痰培養、迅速尿検査、気管支鏡検査法、肺生検、および胸腔穿刺を含む。
キット
いくつかの実施形態によると、本明細書に説明される方法のうちのいずれかを実施するためのキットが提供される。したがって、本発明は、上記で説明されるように、肺炎の危険プロファイルを判定するため、対象が肺炎を発症する危険性の増加を有するかどうかを判定するため、対象において危険因子を査定するため、対象が肺炎を発症する危険性の増加を有するかどうかを判定するため、対象においてバイオマーカのレベルを検出するため、対象においてバイオマーカのレベルの上昇を検出するため、および肺炎に関して対象を処置するためのキットを提供する。
いくつかの実施形態では、キットは、バイオマーカに特異的に結合する固体基質上に固定化される抗体の1つまたはそれを上回るセット等の1つまたはそれを上回るバイオマーカを検出するための1つまたはそれを上回る試薬を備える、それから成る、もしくは本質的にそれから成る。具体的実施形態では、キットは、固体基質上に固定化される抗体の少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つのセットを備え、各セットは、本明細書で議論されるバイオマーカ(例えば、IP−10、IL−10、およびMCP−1)を検出するために有用である。
具体的実施形態では、基質上に固定化される抗体は、標識される場合とそうではない場合がある。例えば、抗体は、標識される、例えば、具体的タンパク質の結合が標識を変位させ得、サンプル中のマーカの存在が信号の不在によってマークされるような様式で、標識タンパク質に結合されてもよい。加えて、基質上に固定化される抗体は、表面上に直接または間接的に固定化されてもよい。抗体を含むタンパク質を固定化するための方法が、当技術分野内で周知であり、そのような方法は、具体的因子を対象とする抗体が、次いで、特異的に結合され得る、基質の表面上に、標的タンパク質、例えば、IL−10、または別の抗体を固定化するために使用されてもよい。このようにして、具体的バイオマーカを対象とする抗体は、本発明の目的のために、基質の表面上に固定化される。
ELISA検定で使用するために好適なIP−10抗体は、例えば、Millipore Sigmaから入手可能である(カタログ番号ABF50)。免疫蛍光、フローサイトメトリ、免疫細胞化学、および/またはウェスタンブロットで使用するために好適なIP−10抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号PA5−46999)。ELISA検定および/またはウェスタンブロットで使用するために好適なIL−10抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号M011B)。フローサイトメトリおよび/または免疫組織化学で使用するために好適なIL−10抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号MA1−82664)。ELISA検定および/またはウェスタンブロットで使用するために好適なIL−7抗体は、例えば、ThermoFisher Scientificから入手可能である(カタログ番号MA5−23700)。いくつかの実施形態では、抗体は、検出可能な標識を備える。
いくつかの実施形態では、本開示のキットは、対象からサンプルを収集するためのコンテナと、1つまたはそれを上回る試薬、例えば、IP−10、IL−10、またはMCP−1を検出するために有用な1つまたはそれを上回る抗体、および/または較正曲線を調製するための精製標的バイオマーカとを備える、それから成る、もしくは本質的にそれから成る。
いくつかの実施形態では、キットはさらに、標識の存在(または不在)を検出するために使用される、洗浄緩衝財、標識試薬、および試薬等の付加的試薬を備える。
いくつかの実施形態では、キットはさらに、使用説明書を備える。
E. コンピューティング環境
当業者によって理解されるであろうように、本開示の側面は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。故に、本開示の側面は、完全にハードウェア実施形態、完全にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、または概して、本明細書では「回路」、「エンジン」、「モジュール」、もしくは「システム」と称され得る、ソフトウェアおよびハードウェア側面を備える実施形態の形態をとってもよい。さらに、本開示の側面は、その上に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する、1つまたはそれを上回るコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。本開示の側面は、1つまたはそれを上回るアナログおよび/またはデジタル電気もしくは電子コンポーネントを使用して、実装されてもよく、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理、および/またはコンピュータプログラム製品の命令を実行することによって等、本明細書に説明される種々の入出力、制御、分析、および他の機能を実施するように構成される他のアナログならびに/もしくはデジタル回路要素を含んでもよい。
1つまたはそれを上回るコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定されないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、もしくはデバイス、または前述の任意の好適な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な実施例(非包括的リスト)は、以下、すなわち、1つまたはそれを上回るワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述の任意の好適な組み合わせを含むであろう。本書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、もしくはそれに関連して使用するためのプログラムを含有する、または記憶し得る、任意の有形媒体であってもよい。
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンド内に、または搬送波の一部として、その中に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを伴う伝搬データ信号を含んでもよい。そのような伝搬信号は、限定されないが、電磁、光学、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含む、種々の形態のうちのいずれかをとってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、もしくはそれに関連して使用するためのプログラムを通信、伝搬、または輸送し得る、任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードは、限定されないが、無線、有線、ファイバケーブル、RF等、または前述の任意の好適な組み合わせを含む、任意の適切な媒体を使用して、伝送されてもよい。本開示の側面のための動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、または同等物等のオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または類似プログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたはそれを上回るプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上および部分的に遠隔コンピュータ上で、または完全に遠隔コンピュータもしくはサーバ上で、実行されてもよい。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む、任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてもよい、または接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通して)外部コンピュータに行われてもよい。
本開示の側面は、限定されないが、SASおよびRパッケージを含む、種々のソフトウェア環境を使用して、実装されてもよい。SAS(「統計分析ソフトウェア」)は、Jim GoodnightおよびN. C.State Universityの同僚によって作成された汎用パッケージ(StataおよびSPSSに類似する)である。すぐに使えるプロシージャは、限定されないが、分散の分析、回帰、カテゴリデータ分析、多変量分析、生存率分析、精神測定分析、クラスタ分析、およびノンパラメトリック分析を含む、広範囲の統計分析を取り扱う。Rパッケージは、種々のUNIX(登録商標)プラットフォームに準拠し、その上で起動する、無料汎用パッケージである。
本開示の側面は、本開示の実施形態による、方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して、下記に説明される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図の中のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックの中で規定される機能/作用を実装するための手段を作成するように、マシンを生成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよい。
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読媒体の中に記憶された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックの中で規定される機能/作用を実装する命令を含む、製造品を生成するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスに特定の様式で機能するように指図し得る、コンピュータ可読媒体の中に記憶されてもよい。コンピュータプログラム命令はまた、一連の動作ステップを、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実施させ、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックの中で規定される機能/作用を実装するためのプロセスを提供するように、コンピュータ実装プロセスを生成するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードされてもよい。
図中のフローチャートおよびブロック図は、本開示の種々の実施形態による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能性として考えられる実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を図示する。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の中の各ブロックは、規定論理機能を実装するための1つまたはそれを上回る実行可能命令を備える、コードのモジュール、セグメント、または部分を表してもよい。また、いくつかの代替的実装では、ブロックの中に記述される機能は、図中に記述される順序外で起こり得ることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際に、実質的に同時に実行されてもよい、またはブロックは、ある時は、関与する機能性に応じて、逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図の中のブロックの組み合わせは、規定機能もしくは作用、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実施する、専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得ることも留意されたい。
いくつかの実施形態では、COPS100および/または遠隔デバイス150等の本明細書に説明されるシステムは、通信電子機器を含む。通信電子機器は、別の電子デバイス、クラウドサーバ、またはインターネットリソース等の遠隔ソースから電子信号を伝送および受信するように構成されることができる。通信電子機器120は、任意の数または組み合わせの通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA、TDNM、WCDMA(登録商標)、OFDM、GPRS、EV−DO、WiFi、WiMAX、S02.xx、UWB、LTE、衛星等)を使用して、通信するように構成されることができる。通信電子機器はまた、USBポート、シリアルポート、IEEE 1394ポート、光学ポート、パラレルポート、および/または任意の他の好適な有線通信ポート等の有線通信特徴を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、COPS100および/または遠隔デバイス150等の本明細書に説明されるシステムは、ディスプレイデバイスおよびユーザ入力デバイスを含む、ユーザインターフェースデバイスを含む。ディスプレイデバイスは、画像データを受信し、画像データを表示するように構成される、種々のディスプレイデバイス(例えば、CRT、LCD、LED、OLED)のうちのいずれかを含んでもよい。例えば、画像データは、肺炎転帰の予測を表示するために使用されることができる。ユーザ入力デバイスは、キー、ボタン、スライダ、ノブ、タッチパッド(例えば、抵抗もしくは容量タッチパッド)、またはマイクロホン等の種々のユーザインターフェース要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースデバイスは、ユーザインターフェースデバイスが、タッチ入力としてユーザ入力を受信し、タッチ入力の場所、強度、持続時間、または他のパラメータを検出することに基づいて、ユーザ入力によって示されるコマンドを判定し得るように、タッチスクリーンディスプレイデバイスおよびユーザ入力デバイスを含む。
種々の例示的実施形態に示されるようなシステムおよび方法の構造および配列は、例証的にすぎない。いくつかの実施形態のみが、本開示で詳細に説明されているが、多くの修正が可能である(例えば、種々の要素のサイズ、寸法、構造、および割合、パラメータの値等の変形例)。例えば、要素の位置は、逆転または別様に変動されてもよく、離散要素または位置の性質または数は、改変または変動されてもよい。故に、全てのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることを意図している。任意のプロセスまたは方法ステップの順序または順番は、代替実施形態によると、変動または再配列決定されてもよい。他の代用、修正、変更、および省略が、本開示の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態の設計、動作条件、および配列に行われてもよい。
図は、方法ステップの具体的順序を示すが、ステップの順序は、描写されるものと異なり得る。また、2つまたはそれを上回るステップは、同時に、または部分的に同時に実施されてもよい。そのような変形例は、選定されるソフトウェアおよびハードウェアシステムならびに設計者の選択肢に依存するであろう。全てのそのような変形例は、本開示の範囲内である。同様に、ソフトウェア実装は、種々の接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ、および決定ステップを遂行するように、規則ベースの論理および他の論理を用いた標準プログラミング技法を用いて、遂行され得る。