JP2020506952A - 発芽促進剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、種子発芽促進のための新規な化合物、この化合物の製造方法、この化合物を含む種子、この化合物を含む種子発芽促進組成物、および種子の発芽を促進するためのこの化合物の使用方法に関する。特に、この化合物は、低温ストレス条件下でのトウモロコシの発芽の促進に有用である。

Description

本発明は、種子発芽促進のための新規な化合物、この化合物の調製方法、この化合物を含む種子、この化合物を含む種子発芽促進組成物、および種子の発芽を促進するためのこの化合物の使用方法に関する。特に、この化合物は、様々なストレス条件下でのトウモロコシの発芽の促進に有用である。
本発明の化合物はストリゴラクトンの誘導体である。ストリゴラクトン誘導体は、植物成長調節および種子発芽特性を有し得る植物ホルモンである。これらは文献に既に記載されてきている。一定の公知のストリゴラクタム誘導体は、例えば植物成長調節および/または種子発芽促進といったストリゴラクトンと同様の特性を有し得る。国際公開第2015/061764号には、干ばつストレス条件下で特に効果的であると考えられるストリゴラクトンの化学模倣物を含む植物繁殖材料が開示されている。国際公開第2015/128321号には、修飾されたブテノリド環を有するストリゴラクトン誘導体が記載されている。
本発明は、改善された特性を有するストリゴラクトン誘導体に関する。本発明の化合物の有益性は、非生物的ストレスに対する改善された耐性、改善された種子発芽性、作物成長に対するより良好な制御、改善された作物収量、ならびに/または、化学的、加水分解的、物理的および/もしくは土壌安定性などの改善された物理特性を含む。特に、改善された発芽は、より速い発芽、より均一な発芽、より同調した発芽、またはより高割合の発芽する種子を含み得る。本発明の化合物は、軽度の乾燥ストレス、乾燥ストレス、寒冷ストレス、塩ストレス、または浸透圧ストレスなどの非生物的ストレス条件下での発芽を改善することもできる。
本発明によれば、式(I)の化合物
(式中、Xは酸素またはN−R1であり;
1は、水素、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C8アルキルカルボニル、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびベンジルからなる群から選択され、任意でそれぞれ1つ以上のR2で置換されるものであり;
各R2は、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルカルボニル、C1〜C4アルコキシカルボニル、カルボン酸、アミノカルボニル、C1〜C4アミノカルボニル、およびC3〜C4シクロアルキルからなる群から独立して選択され;
W、Y、およびZはそれぞれ独立して水素、メチル、トリフルオロメチル、またはフッ素であり;
Uは水素またはメチルである)
またはその塩が提供される。
本発明の化合物は、種々の幾何異性体または光学異性体(ジアステレオ異性体およびエナンチオマー)または互変異性型として存在し得る。本発明は、全てのこのような異性体および互変異性体ならびにあらゆる割合のこれらの混合物と、重水素化化合物などの同位体型とを包含する。また本発明は、本発明の化合物の全ての塩、N−オキシド、および半金属錯体(metalloidic complex)を包含する。
単独での、あるいはより大きい基(例えば、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルなど)の一部としての各アルキル部分は直鎖でも分枝鎖でもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチルまたはネオ−ペンチルである。アルキル基は、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルキル、およびC1〜C3アルキルを含む。
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有するアルキル部分、例えばC2〜C6アルケニルである。特定の例としては、ビニルおよびアリルが挙げられる。アルケニル部分は、より大きい基(例えば、アルケノキシ、アルケノキシカルボニル、アルケニルカルボニル、アルケニルアミノカルボニル(alkyenlaminocarbonyl)、ジアルケニルアミノカルボニルなど)の一部であってもよい。
「アセトキシ」という用語は、−OC(=O)CH3を指す。
「アルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有するアルキル部分、例えばC2〜C6アルキニルである。特定の例としては、エチニルおよびプロパルギルが挙げられる。アルキニル部分は、より大きい基(例えば、アルキノキシ、アルキノキシカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキニルアミノカルボニル、ジアルキニルアミノカルボニルなど)の一部であってもよい。
ハロゲンは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)である。
ハロアルキル基(単独で、あるいはより大きい基、例えばハロアルコキシまたはハロアルキルチオなどの一部として)は、同一または異なるハロゲン原子の1つまたは複数によって置換されたアルキル基であり、例えば、−CF3、−CF2Cl、−CH2CF3または−CH2CHF2である。
ヒドロキシアルキル基は1つまたは複数のヒドロキシル基によって置換されたアルキル基であり、例えば、−CH2OH、−CH2CH2OHまたは−CH(OH)CH3である。
アルコキシアルキル基はアルキルに結合したアルコキシ基(R−O−R’)であり、例えば、−(CH2rO(CH2sCH3(式中、rは1〜6であり、sは1〜5である)である。
本明細書の文脈において、「アリール」という用語は、単環式、二環式または三環式であり得る環系を指す。このような環の例としては、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、インデニルまたはフェナントレニルが挙げられる。
他に記載されない限り、アルケニルおよびアルキニルは、単独であるいは別の置換基の一部として、直鎖でも分枝鎖でもよく、2〜6個の炭素原子を含有することができ、そして適切な場合には、(E)配置または(Z)配置のいずれかであり得る。例としては、ビニル、アリル、エチニルおよびプロパルギルが挙げられる。
他に記載されない限り、シクロアルキルは単環式または二環式でよく、任意選択的に、1つまたは複数のC1〜C6アルキル基によって置換されていてもよく、3〜7個の炭素原子を含有する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
「ヘテロシクリル」という用語は、N、OおよびSから選択される1〜4個のへテロ原子を含有する環系を指し、ここで、窒素および硫黄原子は任意選択的に酸化されており、窒素原子は任意選択的に4級化されている。ヘテロシクリルは、ヘテロアリール、飽和類似体、さらにこれらの不飽和または部分不飽和類似体、例えば、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチオフェニル、9H−フルオレニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−ジオキセピニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラニル、ピペリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキサニル、4,5−ジヒドロ−イソオキサゾリル、テトラヒドロフラニルおよびモルホリニルなどを含む。加えて、「ヘテロシクリル」という用語は、炭素および水素原子、ならびに窒素、酸素、および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロシクロアルキル、非芳香族単環式または多環式環、例えば、オキセタニルまたはチエタニルなどを含む。単環式ヘテロシクロアルキルは、3〜7員を含み得る。
「ヘテロアリール」という用語は、N、O、およびS(ここで、窒素および硫黄原子は任意選択的に酸化されており、例えば5、6、9または10員を有する)から選択される1〜4個のへテロ原子を含有し、単環または2つ以上の縮合環のいずれかからなる芳香族環系を指す。単環は3個までのへテロ原子、そして二環式系は4個までのへテロ原子を含有することができ、これらは、好ましくは、窒素、酸素および硫黄から選択されるであろう。このような基の例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルが挙げられる。
X、R1、R2、U、W、Y、およびZのさらなる定義は、いずれかの組み合わせで、以下に記載されているとおりである。
Xは酸素またはN−R1である。一実施形態において、Xは酸素である。さらなる実施形態において、XはN−R1である。
1は、水素、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C8アルキルカルボニル、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびベンジルからなる群から選択され、任意でそれぞれ1つ以上のR2で置換されるものである。
1がC1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C8アルキルカルボニル、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはベンジルである場合、これらのそれぞれは0個、1個、2個、3個、または4個のR2基で置換されていてもよい。一実施形態において、R1がC1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C8アルキルカルボニル、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはベンジルである場合、これらのそれぞれは0個、1個または2個のR2基で置換されていてもよい。
一実施形態において、R1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、およびヘテロアリールからなる群から選択され、任意でそれぞれ1つ以上のR2で置換されるものである。
各R2は、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルカルボニル、C1〜C4アルコキシカルボニル、カルボン酸、アミノカルボニル、C1〜C4アミノカルボニル、およびC3〜C4シクロアルキルからなる群から独立して選択される。
一実施形態において、各R2は、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、およびC3〜C4シクロアルキルからなる群から独立して選択される。
さらなる実施形態において、各R2は、ハロゲン、シアノ、およびC3〜C4シクロアルキルからなる群から独立して選択される。一実施形態において、R2はハロゲンである。
Uは水素またはメチルである。一実施形態において、Uは水素である。さらなる実施形態において、Uはメチルである。
W、Y、およびZは、それぞれ独立して水素、メチル、トリフルオロメチル、またはフッ素である。一実施形態において、W、Y、およびZはそれぞれ独立して水素またはトリフルオロメチルである。
Wは、水素、メチル、トリフルオロメチル、またはフッ素である。一実施形態において、Wは水素、フッ素、またはトリフルオロメチルである。一実施形態において、Wはフッ素またはトリフルオロメチルである。一実施形態において、Wは水素またはトリフルオロメチルである。一実施形態において、Wは水素である。一実施形態において、Wはフッ素である。さらなる実施形態において、Wはメチルである。さらなる実施形態において、Wはトリフルオロメチルである。
Yは水素、メチル、トリフルオロメチル、またはフッ素である。一実施形態において、Yは水素、フッ素、またはトリフルオロメチルである。一実施形態において、Yはフッ素またはトリフルオロメチルである。一実施形態において、Yは水素またはトリフルオロメチルである。一実施形態において、Yは水素である。別の実施形態において、Yはフッ素である。さらなる実施形態において、Yはメチルである。さらなる実施形態において、Yはトリフルオロメチルである。
Zは水素、メチル、トリフルオロメチル、またはフッ素である。一実施形態において、Zは水素、フッ素、またはメチルである。一実施形態において、Zは水素またはフッ素である。一実施形態において、Zは水素である。別の実施形態において、Zはフッ素である。さらなる実施形態において、Zはメチルである。さらなる実施形態において、Zはトリフルオロメチルである。
好ましくは、WおよびYは、トリフルオロメチル、フッ素、およびメチルからなる群からそれぞれ独立して選択され、Zはフッ素または水素である。好ましくは、WおよびYは共にトリフルオロメチルであり、Zはフッ素または水素であり、Uは水素である。
一実施形態において、WおよびYは共にトリフルオロメチルである。
一実施形態において、本発明の化合物は、式(II):
のものである。
さらなる実施形態において、本発明の化合物は、式(III):
のものである。
例えば、本発明は、次の化合物:

を含む。
下の表1は、本発明の化合物の例を含む。
一実施形態では、本発明の化合物は、農学的に許容される補助剤と組み合わせて適用される。特に、本発明の化合物と、農学的に許容される補助剤とを含む組成物が提供される。また、本発明の化合物を含む農薬組成物も言及され得る。
本発明は、非生物的ストレスへの植物の耐性を改善する方法を提供し、本方法は、植物、植物部位、植物繁殖材料、または植物が成長している生息地に、本発明に従う化合物、組成物または混合物を適用することを含む。一実施形態では、非生物的ストレスは、低温、塩、および/または浸透圧ストレスである。
本発明は、植物の成長を調節または改善するための方法を提供し、本方法は、植物、植物部位、植物繁殖材料、または植物が成長している生息地に、本発明に従う化合物、組成物または混合物を適用することを含む。一実施形態では、植物の成長は、植物が非生物的ストレス条件にさらされる場合に調節または改善される。
本発明は、種子または種子を含む場所に、本発明による化合物、組成物、または混合物を適用することを含む、種子の発芽または植物の出芽を促進するための方法も提供する。発芽または出芽は、例えばより速いまたはより均一な発芽または出芽によって刺激される。
また本発明は、化学物質の植物毒性効果に対して植物を安全にするための方法も提供し、本方法は、植物、植物部位、植物繁殖材料、または植物が成長している生息地に、本発明に従う化合物、組成物または混合物を適用することを含む。
適切には、化合物または組成物は、所望の応答を誘発するのに十分な量で適用される。
本発明によると、「作物の成長を調節または改善する」は、植物活力の改善、植物品質の改善、ストレス因子への耐性の改善、および/または投与物利用効率の改善を意味する。
「植物活力の改善」は、本発明の方法を存在させずに同じ条件下で成長させた対照植物中の同じ形質と比較して、特定の形質が定性的または定量的に改善されることを意味する。このような形質には、早期および/または改善された発芽、改善された出芽、より少ない種子を使用する能力、増大された根の成長、より発育した根系、増大された根粒形成、増大された苗条成長、増大された分げつ、より強力な分げつ、より生産的な分げつ、増大または改善された植物立性、より少ない植物倒れ(倒伏)、草高の増大および/または改善、植物重量の増大(新鮮または乾燥)の増大、より大きい葉身、より緑色の葉色、増大された色素含量、増大された光合成活性、より早い開花、より長い穂、早期の穀粒成熟、種子、果実または莢サイズの増大、莢または穂数の増大、莢または穂当たりの種子数の増大、種子質量の増大、種子登熟の増強、より少ない死滅根出葉、老化の遅延、植物の活力の改善、貯蔵組織中のアミノ酸のレベルの増大および/またはより少ない必要投与物(例えば、必要とされる肥料、水および/または労力がより少ない)が含まれるが、これらに限定されない。活力が改善された植物は、上記の形質のいずれか、または上記の形質の2つ以上の任意の組み合わせにおける増大を有し得る。
「植物品質の改善」は、本発明の方法を存在させずに同じ条件下で成長させた対照植物中の同じ形質と比較して、特定の形質が定性的または定量的に改善されることを意味する。このような形質には、植物の外観の改善、エチレンの低減(産生の低下および/または受容の阻害)、収穫材料、例えば、種子、果実、葉、野菜などの品質の改善(このような品質改善は、収穫材料の外観の改善として現れることもある)、炭水化物含量の改善(例えば、糖および/またはデンプンの増量、糖酸比の改善、還元糖の低減、糖の発生速度の増大)、タンパク質含量の改善、油の含量および組成の改善、栄養価の改善、抗栄養化合物の減少、官能特性の改善(例えば、味覚の改善)および/または消費者の健康上の利益の改善(例えば、ビタミンおよび抗酸化物質のレベルの増大))、収穫後特性の改善(例えば、貯蔵寿命および/または貯蔵安定性の向上、より容易な加工性、より容易な化合物の抽出)、より均一な作物の発育(例えば、植物の同期化された発芽、開花および/または結実)、および/または種子品質の改善(例えば、次のシーズンで使用するため)が含まれるが、これらに限定されない。品質が改善された植物は、上記の形質のいずれか、または上記の形質の2つ以上の任意の組み合わせにおける増大を有し得る。
「ストレス因子への耐性の改善」は、本発明の方法を存在させずに同じ条件下で成長させた対照植物中の同じ形質と比較して、特定の形質が定性的または定量的に改善されることを意味する。このような形質には、生物的および/または非生物的ストレス因子、特に、干ばつ(例えば、植物中の含水量の欠乏、水の取込みの可能性の欠如または植物への水の供給の低下をもたらす任意のストレス)、寒冷暴露、熱曝露、浸透圧ストレス、UVストレス、洪水、塩分の増大(例えば、土壌中)、増大されたミネラル曝露、オゾン曝露、高い光曝露および/または栄養素(例えば、窒素および/またはリン栄養素)の限られた利用性などの、準最適の成長条件を引き起こす非生物的ストレス因子に対する耐性および/または抵抗性の増大が含まれるが、これらに限定されない。ストレス因子への耐性が改善された植物は、上記の形質のいずれか、または上記の形質の2つ以上の任意の組み合わせにおける増大を有し得る。干ばつおよび栄養素ストレスの場合、このような耐性の改善は、例えば、水および栄養素のより効率的な取込み、使用または保持に起因し得る。特に、本発明の化合物または組成物は、干ばつストレスへの耐性を改善するために有用である。
「投与物利用効率の改善」は、本発明の方法を存在させずに同じ条件下で成長させた対照植物の成長と比較して、所与のレベルの投与物を使用して、植物がより効率的に成長できることを意味する。特に、投与物には、肥料(例えば、窒素、リン、カリウム、微量栄養素など)、光および水が含まれるが、これらに限定されない。投与物利用効率が改善された植物は、上記の投与物のいずれか、または上記の投与物の2つ以上の任意の組み合わせの利用の改善を有し得る。
作物の成長の調節または改善の他の効果には、草高の低下、または分げつの減少が含まれ、これらは、より少ないバイオマスおよびより少ない分げつを有することが望ましい作物または条件において有利な特徴である。
上記の作物増強のいずれかまたは全ては、例えば、植物の生理機能、植物の成長および発育、ならびに/または植物構造を改善することによって、収穫量の改善をもたらし得る。本発明との関連では、「収穫量」には、(i)(a)植物それ自体によって産生される量の増大、または(b)植物物質を収穫する能力の改善に起因し得る、バイオマス生産、穀粒収穫量、デンプン含量、含油量および/またはタンパク質含量の増大、(ii)収穫材料の組成の改善(例えば、糖酸比の改善、油組成の改善、栄養価の増大、抗栄養化合物の減少、消費者の健康上の利益の増大)、および/または(iii)作物を収穫する能力の増大/促進、作物の加工性の改善および/またはより良い貯蔵安定性/貯蔵寿命が含まれるが、これらに限定されない。農作植物の収穫量の増大は、定量的測定を行うことが可能である場合には、それぞれの植物の産物の収穫量が、同一条件下であるが本発明を適用せずに産生されたその植物の同一の産物の収穫量よりも、測定可能な量だけ増大されることを意味する。本発明によると、収穫量は、少なくとも0.5%、より好ましくは少なくとも1%、さらにより好ましくは少なくとも2%、さらにより好ましくは少なくとも4%、好ましくは5%またはそれ以上に増大されることが好ましい。
また上記の作物増強のいずれかまたは全ては土地利用の改善をもたらすこともでき、すなわち、これまで利用できなかった土地、または栽培のために準最適であった土地が利用可能になり得る。例えば、干ばつ条件下で生存する能力の増大を示す植物は、準最適降雨量の地域(例えば、恐らく砂漠の周辺または砂漠自体)において栽培可能であり得る。
本発明の1つの態様では、作物増強は、有害生物および/または病害および/または非生物的ストレスからの圧力を実質的に存在させずに行われる。本発明のさらなる態様では、植物活力、ストレス耐性、品質および/または収穫量における改善は、有害生物および/または病害からの圧力を実質的に存在させずに行われる。例えば、有害生物および/または病害は、本発明の方法よりも前に、または本発明の方法と同時に適用される有害生物駆除処理によって防除され得る。また本発明のさらなる態様では、植物活力、ストレス耐性、品質および/または収穫量における改善は、有害生物および/または病害の圧力を存在させずに行われる。さらなる実施形態では、植物活力、品質および/または収穫量における改善は、非生物的ストレスを存在させずに、または実質的に存在させずに行われる。
本発明の化合物は単独で使用することもできるが、一般的に、担体、溶媒および界面活性剤(SFA)などの配合補助剤を用いて組成物に配合される。従って、本発明はさらに、本発明の化合物と、農学的に許容される配合補助剤とを含む組成物を提供する。また、本発明の化合物と、農学的に許容される配合補助剤とから本質的になる組成物も提供される。また、本発明の化合物と、農学的に許容される配合補助剤とからなる組成物も提供される。
本発明はさらに、本発明の化合物と、農学的に許容可能な配合補助剤とを含む植物成長調節剤組成物を提供する。実質的に、本発明の化合物と、農学的に許容可能な配合補助剤とからなる植物成長調節剤組成物も提供されている。また、本発明の化合物と、農学的に許容される配合補助剤とからなる植物成長調節剤組成物も提供される。
本発明はさらに、本発明の化合物と、農学的に許容される配合補助剤とを含む、植物の非生物的ストレス管理組成物を提供する。また、本発明の化合物と、農学的に許容される配合補助剤とから本質的になる、植物の非生物的ストレス管理組成物も提供される。また、本発明の化合物と、農学的に許容される配合補助剤とからなる、植物の非生物的ストレス管理組成物も提供される。
本発明はさらに、本発明の化合物と、農学的に許容される配合補助剤とを含む種子発芽促進組成物を提供する。実質的に、本発明の化合物と、農学的に許容可能な配合補助剤とからなる種子発芽促進組成物もまた提供されている。本発明の化合物と、農学的に許容可能な配合補助剤とからなる種子発芽促進組成物もまた提供されている。
すぐに使用できる組成物を作ることもできるが、組成物は、使用前に希釈される濃縮物の形態であってもよい。最終の希釈は通常水で行われるが、水の代わりにあるいは水に加えて、例えば、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油または溶媒を用いて行うこともできる。
組成物は、一般的に、0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%の本発明の化合物と、好ましくは0〜25重量%の海面活性物質を含む1〜99.9重量%の配合補助剤とを含む。組成物はいくつかの配合物タイプから選択することができ、そのうちの多くは、Manual on Development and Use of FAO Specifications for Plant Protection Products,5th Edition,1999から知られている。これらには、吐粉性(dustable)粉末(DP)、可溶性粉末(SP)、水溶性顆粒(SG)、水分散性顆粒(WG)、湿潤性粉末(WP)、顆粒(GR)(緩効性または速効性)、可溶性濃縮物(SL)、油混和性液体(OL)、超微量液体(UL)、乳化性濃縮物(EC)、分散性濃縮物(DC)、エマルション(水中油型(EW)および油中水型(EO)の両方)、マイクロエマルション(ME)、懸濁濃縮物(SC)、エアロゾル、カプセル懸濁液(CS)および種子処理配合物が含まれる。任意の場合に選択される配合物は、想定される特定の目的と、本発明の化合物の物理的、化学的および生物学的特性とに依存するであろう。
吐粉性粉末(DP)は、本発明の化合物と、1つまたは複数の固体希釈剤(例えば、天然クレイ、カオリン、葉ろう石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、キーゼルグール、チョーク、ケイ藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびマグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク、ならびに他の有機および無機固体担体)とを混合し、この混合物を機械的に粉砕して微粉末にすることによって調製され得る。
可溶性粉末(SP)は、本発明の化合物と、1つもしくは複数の水溶性無機塩(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムなど)または1つもしくは複数の水溶性有機個体(例えば、多糖など)と、任意選択的に、1つもしくは複数の湿潤剤、1つもしくは複数の分散剤、または前記薬剤の混合物とを混合して、水分散性/溶解性を改善することによって調製され得る。次に、この混合物は微粉末に粉砕される。同様の組成物を顆粒化して、水溶性顆粒(SG)を形成することもできる。
湿潤性粉末(WP)は、本発明の化合物と、1つまたは複数の固体希釈剤または担体と、1つまたは複数の湿潤剤と、好ましくは1つまたは複数の分散剤と、任意選択的に、1つまたは複数の懸濁化剤とを混合して、液体中での分散を容易にすることによって調製され得る。次に、この混合物は微粉末に粉砕される。同様の組成物を顆粒化して、水分散性顆粒(WG)を形成することもできる。
顆粒(GR)は、本発明の化合物と、1つまたは複数の粉末固体希釈剤または担体との混合物を顆粒化することによって、あるいは予め形成されたブランクの顆粒から、本発明の化合物(または適切な薬剤中のその溶液)を多孔質顆粒状材料(例えば、軽石、アタパルジャイトクレイ、フラー土、キーゼルグール、ケイ藻土または粉砕トウモロコシ穂軸など)中に吸収させることによって、あるいは本発明の化合物(または適切な薬剤中のその溶液)を硬質コア材料(例えば、砂、ケイ酸塩、鉱物炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩など)上に吸着させ、必要に応じて乾燥させることによって形成され得る。吸収または吸着を助けるために一般的に使用される薬剤には、溶媒(例えば、脂肪族および芳香族石油系溶媒、アルコール、エーテル、ケトンおよびエステルなど)および固着剤(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖および植物油など)が含まれる。1つまたは複数の他の添加剤(例えば、乳化剤、湿潤剤または分散剤)も顆粒中に含まれ得る。
分散性濃縮物(DC)は、本発明の化合物を、水または有機溶媒(例えば、ケトン、アルコールまたはグリコールエーテルなど)中に溶解させることによって調製され得る。これらの溶液は、界面活性剤(例えば、水での希釈を改善するため、または噴霧タンク中での結晶化を防止するため)を含有していてもよい。
乳化性濃縮物(EC)または水中油型エマルション(EW)は、本発明の化合物を、有機溶媒(任意選択的に、1つもしくは複数の湿潤剤、1つもしくは複数の乳化剤、または前記薬剤の混合物を含有する)中に溶解させることによって調製され得る。ECにおける使用に適した有機溶媒には、芳香族炭化水素(例えば、SOLVESSO 100、SOLVESSO 150およびSOLVESSO 200によって例示されるアルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(例えば、シクロヘキサノンまたはメチルシクロヘキサノンなど)およびアルコール(例えば、ベンジルアルコール、フルフリルアルコールまたはブタノールなど)、N−アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリドンまたはN−オクチルピロリドンなど)、脂肪酸のジメチルアミド(例えば、C8〜C10脂肪酸ジメチルアミドなど)、ならびに塩素化炭化水素が含まれる。EC生成物は、水への添加で自然に乳化して、適切な器具による噴霧適用を可能にするために十分な安定性を有するエマルションを生じ得る。EWの調製は、本発明の化合物を、液体(室温で液体でない場合には、妥当な温度、通常70℃よりも低い温度で溶融され得る)として、あるいは溶液(適切な溶媒中に溶解させることにより)において得るステップと、次に、得られた液体または溶液を、1つまたは複数のSFAを含有する水中に高せん断下で乳化させて、エマルションを生成するステップとを含む。EWにおける使用に適した溶媒には、植物油、塩素化炭化水素(例えば、クロロベンゼンなど)、芳香族溶媒(例えば、アルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど)、および水中の溶解度が低い他の適切な有機溶媒が含まれる。
マイクロエマルション(ME)は、1つまたは複数の溶媒および1つまたは複数のSFAのブレンドと水を混合して、熱力学的に安定した等方性液体配合物を自然に生じさせることによって調製され得る。本発明の化合物は、最初は、水または溶媒/SFAブレンドのいずれかに存在する。MEにおいて使用するのに適した溶媒には、ECまたはEWにおける使用について上記で記載したものが含まれる。MEは水中油系または油中水系(どの系が存在するかは伝導度の測定によって決定され得る)のいずれかでよく、水溶性および油溶性の害虫駆除剤を同じ配合物中に混合するのに適切であり得る。MEは水中への希釈に適しており、マイクロエマルションのまま残るか、あるいは従来の水中油型エマルションが形成される。
懸濁濃縮物(SC)は、本発明の化合物の微粉化した不溶性固体粒子の水性または非水性懸濁液を含み得る。SCは、適切な媒体中の本発明の固体化合物を、任意選択的に1つまたは複数の分散剤と共に、ボールまたはビーズミル粉砕して、化合物の微粒子懸濁液を生成することによって調製され得る。1つまたは複数の湿潤剤が組成物中に含まれていてもよく、粒子の沈降速度を低下させるために懸濁剤が含まれていてもよい。あるいは、本発明の化合物は乾式粉砕され、上記の薬剤を含有する水に添加されて、所望の最終生成物を生成してもよい。
エアロゾル配合物は、本発明の化合物と、適切な噴射剤(例えば、n−ブタン)とを含む。また本発明の化合物は適切な媒体(例えば、水、またはn−プロパノールなどの水混和性液体)中に溶解または分散されて、手で作動される非加圧式噴霧ポンプにおいて使用するための組成物を提供し得る。
カプセル懸濁液(CS)はEW配合物の調製と同様の方法で調製され得るが、油滴の水性分散体が得られ、各油滴が高分子シェルによりカプセル化されて、本発明の化合物と、任意選択的に、そのための担体または希釈剤とを含有するように、付加的な重合段階を伴う。高分子シェルは、界面重縮合反応またはコアセルベーション法のいずれかで生成され得る。本組成物は本発明の化合物の制御放出を提供することができ、種子処理のために使用され得る。また本発明の化合物は生分解性高分子マトリックス中に配合されて、化合物のゆっくりした制御放出を提供し得る。
本組成物は、例えば、表面における湿潤、保持または分配;処理表面における雨への抵抗性;または本発明の化合物の取込みもしくは移動性を改善することにより、組成物の生物学的性能を改善するために1つまたは複数の添加剤を含み得る。このような添加剤には、界面活性剤(SFA)と、例えば特定の鉱油または天然植物油(例えば、大豆油および菜種油など)などの油に基づいた噴霧添加剤と、これらおよび他の生物学的増強(bio−enhancing)補助剤(本発明の化合物の作用を補助または変更し得る成分)のブレンドとが含まれる。湿潤剤、分散剤および乳化剤は、カチオン性、アニオン性、両性または非イオン性タイプのSFAであり得る。
カチオン性タイプの適切なSFAには、第4級アンモニウム化合物(例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリンおよびアミン塩が含まれる。
適切なアニオン性SFAには、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホナート、ならびにジイソプロピル−およびトリイソプロピル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、エーテル硫酸塩、アルコールエーテル硫酸塩(例えば、ラウレス−3−硫酸ナトリウム)、エーテルカルボン酸塩(例えば、ラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1つまたは複数の脂肪アルコールと、リン酸(主に、モノ−エステル)または五酸化リン(主に、ジエステル)との反応、例えば、ラウリルアルコールと四リン酸との反応の生成物;さらに、これらの生成物はエトキシル化され得る)、スルホスクシンアマート(sulphosuccinamate)、パラフィンまたはオレフィンスルホナート、タウラートおよびリグノスルホナートが含まれる。
両性タイプの適切なSFAには、ベタイン、プロピオナートおよびグリシナートが含まれる。
非イオン性タイプの適切なSFAには、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物など)と、脂肪アルコール(例えば、オレイルアルコールまたはセチルアルコールなど)またはアルキルフェノール(例えば、オクチルフェノール、ノニルフェノールまたはオクチルクレゾールなど)との縮合生成物;長鎖脂肪酸またはヘキシトール無水物から誘導される部分エステル;前記部分エステルと、エチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純エステル(例えば、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド);およびレシチンが含まれる。
適切な懸濁化剤には、親水コロイド(例えば、多糖類、ポリビニルピロリドンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)および膨潤性クレイ(例えば、ベントナイトまたはアタパルジャイトなど)が含まれる。
本発明の化合物または組成物は、植物、植物の部位、植物器官、植物繁殖材料または植物が成長している生息地に適用され得る。
「植物」という用語は、種子、実生、稚樹、根、塊茎、茎、柄、葉、および果実を含む植物の全ての物理的部位を指す。
「場所(locus)」という用語は、本明細書で使用される場合、植物が成長している区域、または栽培植物の種子が蒔かれる区域、または種子が土壌中に入れられるだろう区域を意味する。これには、土壌、種子、および実生、ならびに確立された植生が含まれる。
「植物繁殖材料」という用語は、植物の全ての生殖部位(例えば、種子)または植物の増殖性部位(例えば、挿し木および塊茎など)を示す。これには、厳密な意味での種子、ならびに植物の根、果実、塊茎、鱗茎、根茎、および部位が含まれる。
適用は、一般的に、通常はトラクター搭載の大面積用噴霧器により組成物を噴霧することによって行われるが、散粉(粉末の場合)、滴下または灌注などの他の方法も使用することができる。あるいは、組成物は、植え付けの前または植え付け時に、畝間にあるいは直接種子に適用され得る。
本発明の化合物または組成物は、出芽前または出芽後に適用され得る。適切には、作物植物の成長を調節するため、または非生物的ストレスへの耐性を増強するために組成物が使用される場合、組成物は作物の出芽後に適用され得る。種子の発芽の促進のために組成物が使用される場合、組成物は出芽前に適用してもよい。
本発明は、植え付けの前、最中、もしくは後に、またはこれらの任意の組み合わせで、本発明の化合物または組成物を植物繁殖材料に適用することを想定する。
有効成分は任意の生理学的状態の植物繁殖材料に適用可能であるが、一般的な手法は、処理プロセスの間に損傷を受けないように十分に耐久性の状態の種子を使用することである。通常、種子は、フィールドから収穫され、植物から取り外され、そして任意の穂軸、柄、外側の殻、および周囲の髄または他の非種子植物材料から分離されているであろう。また種子は、好ましくは、種子に対する生物学的な損傷が処理によって生じない程度に生物学的に安定であろう。処理は、種子の収穫から種子の播種までの間(播種プロセスの最中を含む)にいつでも種子に適用可能であると考えられている。
植物繁殖材料または植え付け場所に対する有効成分の適用または処理のための方法は当該技術分野において知られており、粉衣、コーティング、ペレット形成および浸漬、ならびに苗床トレイ適用、畝間適用、土壌灌注、土壌注入、点滴灌漑、スプリンクラーもしくはセンターピボットによる適用、または土壌への取込み(全面または帯域)が含まれる。代替的または付加的に、有効成分は、植物繁殖材料と一緒に蒔かれる適切な基材上に適用され得る。
本発明の化合物の適用率は広い限度内で異なることができ、土壌の性質、適用方法(出芽前または出芽後;種子粉衣;種子畝間適用;不耕起適用など)、作物植物、優勢な気候条件、ならびに適用方法、適用時間および標的作物に支配される他の因子に依存する。葉面または灌注適用の場合、本発明に従う本発明の化合物は、通常、1〜2000g/ha、特に5〜1000g/haの比率で適用される。種子処理の場合、適用率は通常、100kgの種子につき0.0005〜150gである。
本発明の化合物および組成物は、双子葉または単子葉作物に適用され得る。本発明に従う組成物を使用することができる有用な植物の作物には、ベリー植物、例えば、ブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリーおよびストロベリー;穀類、例えば、大麦、トウモロコシ(コーン)、キビ、オート麦、米、ライ麦、ソルガム ライ小麦および小麦;繊維植物、例えば、綿、亜麻、麻、ジュートおよびサイザル麻;農作物、例えば、糖および飼料用ビート、コーヒー、ホップ、カラシ、菜種(キャノーラ)、ケシ、サトウキビ、ヒマワリ、茶およびタバコ;果樹、例えば、リンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、サクランボ、柑橘類、ネクタリン、モモ、セイヨウナシおよびプラム;草、例えば、バミューダグラス、ブルーグラス、ベントグラス、センチピードグラス、フェスク、ライグラス、セントオーガスティングラスおよびゾイシアグラス;ハーブ、例えば、バジル、ルリジサ、チャイブ、コリアンダー、ラベンダー、ラベージ、ミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージおよびタイムなど;マメ科植物、例えば、インゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメおよびダイズ;堅果、例えば、アーモンド、カシュー、落花生、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカン、ピスタチオおよびクルミ;ヤシ、例えば、アブラヤシ;観賞用植物、例えば、花、低木および高木;他の高木、例えば、カカオ、ココナッツ、オリーヴおよびゴム;野菜、例えば、アスパラガス、ナス、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、キュウリ、ニンニク、レタス、マロー、メロン、オクラ、タマネギ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ダイオウ、ホウレンソウおよびトマト;ならびにつる植物、例えば、ブドウなどの多年生および一年生作物が含まれる。
作物は、天然に存在するもの、従来の育種方法によって得られるもの、または遺伝子操作によって得られるものであると理解されるべきである。これらは、いわゆる出力形質(例えば、改善された貯蔵安定性、より高い栄養価および改善された風味)を含有する作物を含む。
作物は、ブロモキシニルのような除草剤、またはALS−、EPSPS−、GS−、HPPD−およびPPO−阻害剤などの除草剤の種類に対して耐性にされた作物も含むと理解されるべきである。従来の育種方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックスに対して耐性にされた作物の一例は、Clearfield(登録商標)サマーキャノーラである。遺伝子操作法によって除草剤に対して耐性にされた作物の例としては、例えば、商品名RoundupReady(登録商標)、Herculex I(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホサート−およびグルホシネート−耐性トウモロコシ品種が挙げられる。
また作物は、有害な昆虫に対して自然に耐性であるか、あるいは耐性にされたものであると理解されるべきである。これには、例えば、例えば毒素産生細菌から知られているものなどの、1つまたは複数の選択的に作用する毒素を合成することができるように組換えDNA技術の使用により形質転換された植物が含まれる。発現され得る毒素の例としては、δ−エンドトキシン、植物性殺虫性タンパク質(Vip)、線虫共生細菌の殺虫性タンパク質、ならびにサソリ、クモ類、スズメバチおよび真菌により産生される毒素が挙げられる。
バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現するように改変された作物の一例は、BtトウモロコシKnockOut(登録商標)(Syngenta Seeds)である。殺虫剤耐性をコードする2つ以上の遺伝子を含み、従って2つ以上の毒素を発現する作物の一例は、VipCot(登録商標)(Syngenta Seeds)である。作物またはその種子材料も、多数のタイプの有害生物に対して耐性であることが可能である(遺伝子改変により形成される場合、いわゆる積層されたトランスジェニックイベント)。例えば、植物は、例えばHerculex I(登録商標)(Dow AgroSciences,Pioneer Hi−Bred International)のように、殺虫性タンパク質を発現する能力を有することができ、同時に除草剤耐性でもある。
また本発明の化合物は、例えば統合化雑草防除プログラムの一環として、非作物植物の種子の発芽を促進させるために使用され得る。作物の播種の前に、本発明の化合物が雑草種子の発芽を促進するために使用されてもよく、その結果作物に植物毒性の問題を生じさせることなしに非選択的な除草剤を使用して雑草を防除することができる。
通常、作物の管理において、栽培者は、本発明の化合物または組成物に加えて、1つまたは複数の他の農学的化学物質または生物学的製剤を使用し得る。本発明の化合物または組成物、およびさらなる有効成分を含む混合物も提供される。
農学的化学物質または生物学的製剤の例としては、害虫駆除剤、例えば、殺ダニ剤、殺菌剤、殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤、植物成長調節剤、作物増強剤、薬害軽減剤、ならびに植物栄養素および植物肥料が挙げられる。適切な混合パートナーの例は、Pesticide Manual,第15版(British Crop Protection Councilにより発行)において見出すことができる。このような混合物は、同時に(例えば、予め配合された混合物またはタンク混合として)、あるいは適切な時間尺度で順次、植物、植物繁殖材料または植物が成長している生息地に適用され得る。害虫駆除剤と本発明との同時適用は、農業家が製品を作物に適用するのに費やす時間を最小限にするという付加利益を有する。組み合わせは、任意の手段、例えば、従来の育種または遺伝子改変を用いて植物に組み込まれた特定の植物形質も包含し得る。
また本発明は、非生物的ストレスへの植物の耐性を改善し、植物の成長を調節または改善し、種子発芽を促進し、そして/あるいは化学物質の植物毒性効果に対して植物を安全にするための、式(I)、(II)、(II−1)、(II−1a)、(II−1b)、(III)、(III−1)、(III−1a)、もしくは(III−1b)の化合物、または式(I)、(II)、(II−1)、(II−1a)、(II−1b)、(III)、(III−1)、(III−1a)、もしくは(III−1b)に従う化合物と、農学的に許容される配合補助剤とを含む組成物の使用も提供する。
また本発明は、例えばより速いまたはより均一な発芽または出芽による、種子の発芽および/または苗の出芽を刺激するための、本発明の化合物、組成物、または混合物の使用も提供する。
本発明は、非生物的ストレスへの植物の耐性を改善するための、本発明の化合物、組成物、または混合物の使用も提供する。一実施形態において、非生物的ストレスは低温、塩、および/または浸透圧ストレスである。
また、非生物的ストレスへの植物の耐性を改善し、植物の成長を調節または改善し、種子発芽を促進し、そして/あるいは化学物質の植物毒性効果に対して植物を安全にするための、本発明の化合物、組成物または混合物の使用も提供されている。
本発明の化合物は、以下の方法によって製造され得る。
反応スキーム1
式(I)の化合物は、式(IV)の化合物から、カリウムtert−ブチレートまたはナトリウムtert−ブチレートなどの塩基の存在下、塩基を活性化させるクラウンエーテルの存在下または不在下における、式(IV)の化合物および化合物(V)を用いた反応によって調製することができる。反応は、触媒量または化学量論量のヨウ化カリウムまたはヨウ化テトラブチルアンモニウムなどのヨウ素塩の存在下で行うこともできる。式(I)の化合物は、国際公開第2012/080115号(X=NR)および英国特許第1591374号明細書(X=O)に記載されているものと同様の方法によって調製することができる。
反応スキーム2
式(IV)の化合物は、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムtert−ブチレート、またはナトリウムtert−ブチレートなどの塩基の存在下、X=NR1かつR1が水素の場合(VIa)には窒素を置換した後、ギ酸メチルなどのギ酸エステル誘導体との反応により式(VIb/c)の化合物から調製することができる。あるいは、式(IV)の化合物は、塩化水素などの酸を用いた加水分解により式(VII)の化合物から調製することができる。式(VII)の化合物は、ブレデレック試薬(tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン)を用いる反応により、およびX=NR1かつR1が水素の場合には窒素を置換した後、式(VI)の化合物から調製することができ、ここでRはメチルまたは類似体である。式(IV)の化合物は、国際公開第2012/080115号(X=NR1)および英国特許第1591374号明細書(X=O)に記載されているものと同様の方法によって調製することができる。
反応スキーム3
式(VI)の化合物は、有機酸または無機酸(塩化アンモニウム等)および金属源(亜鉛等)を用いる還元反応によって、式(IX)の化合物から調製することができる。式(IX)の化合物は、公知の市販されている式(VIII)の化合物から、モノペルオキシフタル酸マグネシウム(MMPP)などの過酸化物を用いるBaeyer−Villiger反応(X=O)によって、またはメシチルスルホニルアミン(MSH)またはヒドロキシルアミンを用いるBeckmann反応(X=NR1)によって調製することができる。あるいは、式(VI)の化合物は、モノペルオキシフタル酸マグネシウム(MMPP)などの過酸化物を用いるBayer−Villiger反応(X=O)によって、またはメシチルスルホニルアミン(MSH)もしくはヒドロキシルアミンを用いるBeckmann反応(X=NR1)によって、式(X)の化合物から調製することができる。式(X)の化合物は、塩化アンモニウムなどの酸および亜鉛などの金属を用いた還元反応により、式(VII)の公知の市販されている化合物から調製することができる。
反応スキーム4
式(VIII)の化合物は、市販の式(XI)の化合物から、ジクロロケトンなどのケトンとの[2+2]環状付加反応によって調製することができる。
反応スキーム5
式(III)の化合物は、XがN−R1であり、R1がtert−ブトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基である式(I)の化合物から、有機または無機酸(トリフルオロ酢酸またはHCl等)との反応、またはマグネシウム塩などのルイス酸の存在下での反応により調製することができる。
反応スキーム6
式(V)の化合物(式中、Lgは、ハロゲンなどの脱離基である)は、ピリジンなどの塩基の存在下または不在下における、塩化チオニル、ホスゲンもしくは1−クロロ−N,N,2−トリメチル−1−プロペニルアミンなどの塩素化剤、または、PBr3もしくは臭化チオニルなどの臭素化剤を伴う反応により、式(XII)の化合物から調製され得る。
式(V)の化合物(式中、Lgは、アルキルスルホニルまたはアリールスルホニルなどの脱離基である)は、トリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下における、対応する塩化アルキルスルホニルまたは塩化アリールスルホニルとの反応により式(XII)の化合物から調製され得る。式(V)の化合物は、国際公開第2015/128321号に記載されているものと同様の方法によって調製可能である。
反応スキーム7
式(XII)の化合物は、式(XIII)の化合物から、任意選択的には三塩化セリウムなどのルイス酸の存在下で、水素化ジイソプロピルアルミニウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、または水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤との反応によって調製することができる。式(XII)の化合物は、国際公開第2015/128321号に記載されているものと同様の方法によって調製することができる。
反応スキーム8
式(XIII)の化合物は、公知の市販されている式(XIV)の化合物から、アルコール溶媒または酢酸中で加熱することによる式R1NH2のアミンまたはその対応する塩との反応によって調製することができる。式(XIII)の化合物は、国際公開第2015/128321号に記載されているものと同様の方法によって調製することができる。
調製実施例
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
化合物合成および特徴付け
以下の略語が本節を通して用いられている:s=一重項;bs=幅広の一重項;d=二重項;dd=二重の二重項;dt=二重の三重項;bd=幅広の二重項;t=三重項;td=三重の二重項;bt=幅広の三重項;tt=三重の三重項;q=四重項;m=多重項;Me=メチル;Et=エチル;Pr=プロピル;Bu=ブチル;DME=1,2−ジメトキシエタン;THF=テトラヒドロフラン;M.p.=融点;RT=保持時間、MH+=分子カチオン(すなわち、実測分子量)。
以下のHPLC−MS法を化合物の分析に用いた:
方法A:エレクトロスプレー源(極性:陽イオンまたは陰イオン、キャピラリー:3.00kV、コーン:30.00V、抽出器:2.00V、ソース温度:100℃、脱溶媒和温度:250℃、コーンガス流:50L/Hr、脱溶媒和ガス流量:400L/Hr、質量範囲:100〜900Da)を備えるWaters(シングル四重極型質量分光計)製のZQ Mass Spectrometer、ならびに、Waters製のAcquity UPLC(溶剤デガッサ、バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメントおよびダイオード−アレイ検出器においてスペクトルを記録した。カラム:Waters製のUPLC HSS T3、1.8μm、30×2.1mm、温度:60℃、流量0.85mL/分;DAD波長範囲(nm):210〜500)溶剤勾配:A=H2O+5%MeOH+0.05%HCOOH、B=アセトニトリル+0.05%HCOOH)勾配:0分間 10% B;0〜1.2分間 100% B;1.2〜1.50分間 100% B。
方法B:エレクトロスプレー源(極性:陽イオンまたは陰イオン、キャピラリー:3.00kV、コーン:30.00V、抽出器:2.00V、ソース温度:100℃、脱溶媒和温度:250℃、コーンガス流:50L/Hr、脱溶媒和ガス流量:400L/Hr、質量範囲:100〜900Da)を備えるWaters(シングル四重極型質量分光計)製のZQ Mass Spectrometer、ならびに、Waters製のAcquity UPLC(溶剤デガッサ、バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメントおよびダイオード−アレイ検出器においてスペクトルを記録した。カラム:Waters製のUPLC HSS T3、1.8μm、30×2.1mm、温度:60℃、流量0.85mL/分;DAD波長範囲(nm):210〜500)溶剤勾配:A=H2O+5%MeOH+0.05%HCOOH、B=アセトニトリル+0.05%HCOOH)勾配:0分間 10% B;0〜2.7分間 100% B;2.7〜3.0分間 100% B。
実施例P1:2,2−ジクロロ−7,7a−ジヒドロ−2aH−シクロブタ[a]インデン−1−オン(VIII)の調製
アルゴン下のフラスコに、乾燥ジエチルエーテル(450mL)、インデン(250mmol、30.1mL)(450ml)、および銅亜鉛合金(751mmol、96.9g)を入れた。この懸濁液に、ジエチルエーテル(150ml)中トリクロロアセチルクロリド(501mmol、56.5mL)およびオキシ塩化リン(275mmol、25.9mL)の溶液を添加した。添加が完了した後、懸濁液を16時間加熱還流した。その後、反応混合物を、ジエチルエーテルで洗浄したセライト(登録商標)パッドを通して濾過した。濾液を水、飽和NaHCO3水溶液、および食塩水で洗浄した。その後、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、得られた粗製残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより最終的に精製することで、式(VIII)の化合物をオフホワイトの固体として97%の収率で得た(242mmol、55.0g)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 7.47(m,1H),7.25−7.40(m,3H),4.48−4.57(m,2H),3.43(d,1H),3.22(dd,1H).
実施例P2:1,1−ジクロロ−3,3a,4,8b−テトラヒドロインデノ[2,1−b]ピロール−2−オン(IXa)の調製
室温のジクロロメタン(290mL)中の式(VIII)の化合物(44mmol、10.0g)の溶液に、公知のメシチルスルホニルヒドロキシルアミン(MSH、46mmol、9.9g)(MSHの調製のためのAngew.Chem.Int.Ed.2011,50,4127−4132を参照のこと)および1さじの(a spun of)Na2SO4を添加した。得られた混合物を室温で7日間撹拌した(4日後にさらに0.5当量の新たに調製したMSHを添加した)。その後、懸濁液をセライト(登録商標)で濾過し、フィルターケーキをジクロロメタンで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し(残留MSHが潜在的に存在するため、粗製残留物を最少の溶媒中に保持した)、粗製残留物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。式(IXa)の化合物を70%の収率で白色固体として単離した(31mmol、7.5g)。LCMS(方法A):RT 0.83分;ES+243(M+H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 7.60(d,1H),7.40(bs,1H),7.13−7.28(m,3H),4.55(td,1H),4.42(d,1H),3.16(dd,1H),2.98(dd,1H).
実施例P3:3,3a,4,8b−テトラヒドロ−1H−インデノ[2,1−b]ピロール−2−オン(VIa)の調製
式(IXa、8.3mmol、2.0g)の化合物をメタノール(80mL)中の塩化アンモニウム(41.5mmol、2.2g)の飽和溶液の中に溶解させ、次いで銅亜鉛合金(33.2mmol、4.2g)を添加し、得られた懸濁液を室温で16時間撹拌した。その後、反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、フィルターケーキをMeOHで洗浄し、濾液を減圧下で留去することで3.5gの白色残留物を得てからこれをEtOAcの中に懸濁し、水で数回洗浄した。その後、合わせた水をEtOAcで再抽出した。次いで、合わせた有機フラクションを食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することで式(VIa)の化合物を99%の収率で白色固体として得た(8.2mmol、1.4g)。LCMS(方法A):RT 0.63分;ES+174(M+H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 7.22−7.32(m,4H),6.06(bs,1H),4.53(t,1H),3.98(m,1H),3.27(dd,1H),2.99(d,1H),2.90(dd,1H),2.53(d,1H).
実施例P4:tert−ブチル2−オキソ−1,3a,4,8b−テトラヒドロインデノ[2,1−b]ピロール−3−カルボキシレート(VIb)の調製
式(VIa、8.3mmol、1.4g)の化合物をCH2Cl2(40mL)の中に溶解させ、その後、tert−ブトキシカルボニルtert−ブチルカーボネート(10.0mmol、2.2g)、トリメチルアミン(16.6mmol、2.3mL)、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(0.41mmol、0.05g)を溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。その後媒体をHCl(1M)で洗浄し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNaHCO3溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、留去することで式(VIb)の化合物を定量的な収率で得た(8.4mmol、2.3g)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 7.10−7.22(m,4H),4.80(td,1H),3.77(m,1H),3.38(dd,1H),3.11(dd,1H),2.97(dd,1H),2.60(dd,1H),1.49(s,9H)
実施例P5:tert−ブチル(1E)−1−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−4,8b−ジヒドロ−3aH−インデノ[2,1−b]ピロール−3−カルボキシレート(IVb)の調製
アルゴン下、式(VIb)の化合物(11.0mmol、3.3g)をブレデレック試薬(tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン)(34mmol、6.7g)で処理し、反応混合物を100℃まで(褐色溶液)1時間45分加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し、水で洗浄し、続いて食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。その後、粗製反応残留物をペンタンで処理し、得られた固体を濾別することで、式(VIIb)の化合物を90%の収率で得た(10.3mmol、3.4g)。その後、式(VIIb)の化合物(7.8mmol、2.5g)を、1,4−ジオキサン(40.0mL)および塩酸水溶液(1M、15.5mL)の中に溶解させ、得られた反応混合物を室温で35分間撹拌した。食塩水を添加し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機フラクションを硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製することで、式(IVb)の化合物を96%の収率で得た(7.4mmol、2.2g)。LCMS(方法A):RT 0.95分;ES−300(M−H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 11.1(bs,1H),7.14−7.34(m,4H),4.95(td,1H),4.38(d,1H),3.56(dd,1H),3.20(dd,1H),1.61(s,9H).
実施例P6:tert−ブチル(1E)−1−[[1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−5−オキソ−2H−ピロール−2−イル]オキシメチレン]−2−オキソ−4,8b−ジヒドロ−3aH−インデノ[2,1−b]ピロール−3−カルボキシレート(I−1)の調製
アルゴン雰囲気下、式(IVb、1.0mmol、0.3g)の化合物を0℃で無水1,2−ジメトキシエタン(DME、10mL)の中に懸濁させた。tBuOK(1.14mmol、0.13g)を一度に入れ、0℃で30分後に式(V−1、1.01mmol、0.28g)の化合物を2mLのDME中の溶液として添加した。媒体を室温で16時間撹拌し、20mLのNH4Cl水溶液を添加し、反応混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮することで、ジアステレオ異性体の粗製1:1混合物として式(I−1)の化合物を得た(収率>99%と推定)。LCMS(方法A):RT 2.25分;ES+610(M+H+)
化合物I−2、I−29、I−30、およびI−71は、国際公開第2012/080115号に記載されているものと同様の手順に従って調製した。
LCMS(方法A):RT 1.13分;ES+473(M+H+)
LCMS(方法A):RT 1.31分;ES+621(M−H+)
LCMS(方法B):RT 1.95分;ES+488(M+H+)
LCMS(方法A):RT 1.20分;ES+551(M+H+)
実施例P7:(1E)−1−[[1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−5−オキソ−2H−ピロール−2−イル]オキシメチレン]−3,3a,4,8b−テトラヒドロインデノ[2,1−b]ピロール−2−オン(III−1)の調製
アルゴン下、式(I−1、3.9mmol、2.4g)の化合物をCH2Cl2(24mL)の中に溶解させ、HCl(Et2O中2M、10mL)を滴下した。得られた溶液を室温で3時間撹拌してから飽和NaHCO3水溶液(50ml)の中に注ぎ入れた。相を分離し、水相をCH2Cl2で抽出し、合わせた有機フラクションを食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、乾固するまで濃縮した。得られた粗製褐色オイル(2.1g)をEtOAC(5ml)の中に溶解し、室温で2時間後、形成された固体を集め、EtOAcで洗浄し、高真空下で乾燥させた。式(III−1)の化合物を、26%の収率(1.03mmol、0.52g)で白色の固体として、およびジアステレオ異性体の1:1混合物として得た。LCMS(方法A):RT 1.11分;ES+509(M−H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm(ジアステレオ異性体の混合物)8.33(s,2H),8.30(s,2H),7.73(bs,2H),7.70(bs,2H),7.33(d,1H),7.10−7.23(m,5H),6.96−7.05(m,2H),6.84(m,2H),6.39(m,1H),6.37(m,1H),5.91(bs,1H),5.89(bs,1H),4.64(d,1H),4.52(d,1H),4.43(t,1h),4.37(t,1H),3.28(m,1H),3.25(m,1H),2.96(m,1H),2.92(m,1H),2.09(m,6H)
化合物III−2、III−15、およびIII−16は、同様の手順に従って調製した。
LCMS(方法A):RT 0.89分;ES+373(M+H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm(立体異性体の混合物、データは両方のジアステレオ異性体について示されている)7.63(m,2H),7.58(m,2H),7.43(m,4H),7.08−7.31(m,10H),6.88(m,2H),6.75(m,2H),6.31(bs,1H),6.28(bs,1H),6.03(bs,2H),4.58(m,1H),4.48(m,1H),4.39(t,1H),4.34(t,1H),3.27−3.18(m,2H),2.96−2.87(m,2H),2.08(m,3H),2.06(m,3H).
LCMS(方法A):RT 1.13分;ES+523(M+H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm(立体異性体の混合物、データは両方のジアステレオ異性体について示されている)8.32(bs,2H),8.30(bs,2H),7.69(bs,1H),7.66(bs,1H),7.12−7.25(m,8H),7.00(m,1H),6.97(m,1H),6.47(bs,1H),6.41(bs,1H),6.21(bs,1H),6.18(bs,1H),4.64(m,1H),4.53(m,1H),4.43(m,1H),4.35(m,1H),3.27(m,1H),3.23(m,1H),2.96(m,1H),2.91(m,1H),2.10(bs,3H),2.07(bs,3H),1.96(bs,6H).
LCMS(方法A):RT 0.95分;ES+387(M+H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm(立体異性体の混合物、データは両方のジアステレオ異性体について示されている)7.63(m,2H),7.57(m,2H),7.36−7.45(m,4H),7.03−7.30(m,11H),6.85−6.93(m,2H),6.13(bs,1H),6.11(bs,1H),6.08(bs,1H),4.60(m,1H),4.51(m,1H),4.40(t,1H),4.35(t,1H),3.18−3.27(m,2H),2.88−2.97(m,2H),2.06(s,3H),2.04(s,3H),1.96(s,3H),1.94(s,3H).
実施例P8:1,1−ジクロロ−4,8b−ジヒドロ−3aH−インデノ[2,1−b]フラン−2−オン(IXc)の調製
式(VIII、26mmol、6.0g)の化合物をメタノール(88mL)および水(50mL)の中に溶解させ、モノペルオキシフタル酸マグネシウム(66mmol、40.8g)を添加し、得られた溶液を40〜45℃で16時間加熱した。室温まで冷却した後、反応をNa223水溶液(10%)、その後飽和NaHCO3水溶液でクエンチした。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。式(IXc)の化合物を淡黄色固体として79%の収率で得た(21mmol、5.1g)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 7.73(d,1H),7.25−7.42(m,3H),5.52(t,1H),4.53(d,1H),3.43(d,1H),3.33(dd,1H).
実施例P9:3,3a,4,8b−テトラヒドロ−1H−インデノ[2,1−b]ピロール−2−オン(VIc)の調製
式(IXc、21mmol、5.1g)の化合物をメタノール(200mL)中の塩化アンモニウム(100mmol、5.6g)の飽和溶液に溶解させ、次いで、銅亜鉛合金(63mmol、8.1g)を添加した。その後、得られた反応混合物を室温で16時間撹拌し、Celite(登録商標)で濾過し、フィルターケーキをメタノールで洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、得られた粗製残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。式(VIc、17mmol、2.97mmol)の化合物を無色オイルとして単離した。LCMS(方法A):RT 0.73分;ES+175(M−H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 7.23−7−33(m,4H),5.33(m,1H),4.04(m,1H),3.36(d,1H),3.08(dd,1H),2.77(d,1H).
実施例P10:(1E)−1−(ヒドロキシメチレン)−4,8b−ジヒドロ−3aH−インデノ[2,1−b]フラン−2−オン(IVc)の調製
アルゴン下、無水テトラヒドロフラン(120mL)中の式(VIc、18mmol、3.30g)の化合物およびギ酸メチル(54.0mmol、3.43mL)の脱気した溶液に、0℃でtBuOK(19.8mmol、2.24g)を5分かけて少しずつ添加した。懸濁液を0℃で1時間撹拌し、次いで室温に到達させ、16時間撹拌した。混合物に氷水および1MのHClを(pH約5まで)添加し、有機相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機フラクションを食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた粗製残留物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、式(IVc)の化合物をオフホワイトの固体として74%の収率で単離した(13mmol、2.7g)。LCMS(方法A):RT 0.74分;ES+203(M+H+);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm
実施例P11:1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−2−[(E)−(2−オキソ−4,8b−ジヒドロ−3aH−インデノ[2,1−b]フラン−1−イリデン)メトキシ]−2H−ピロール−5−オン(II−1a/b)
式(IVc、0.74mmol、0.15g)の化合物を無水1,2−ジメトキシエタン(DME、7mL)の中に溶解させ、溶液を0℃まで冷却し、次いでtBuOK(0.89mmol、0.10g)を添加した。0℃で30分後、3mLのDME中の式(V−1)の化合物の溶液を滴下した。反応混合物を室温までゆっくりと温め、この温度で72時間撹拌した。その後NH4Clの飽和水溶液(10ml)を添加し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製することで、純粋なジアステレオ異性体として式(II−1a、0.078mmol、0.040g)および(II−1b、0.063mmol、0.032g)の化合物を得た(総収率19%)。式(II−1a)の化合物についてのLCMS(方法A):RT 1.21分;ES+510(M+H+);式(II−1a)の化合物についての1H NMR(400MHz、CDCl3)δ ppm 8.31(s,2H),7.75(bs,1H),7.24−7.35(m,4H),7.15−7.21(m,1H),6.88(m,1H),6.45(m,1H),5.21(t,1H),4.60(d,1H),3.41(dd,1H),3.32(d,1H),2.13(m,3H). 式(II−1b)の化合物についてのLCMS(方法A):RT 1.20分;ES+510(M+H+);式(II−1b)の化合物についての1H NMR(400MHz、CDCl3)δ ppm 8.29(bs,2H),7.77(bs,1H),7.31(d,1H),7.20−7.22(m,2H),7.00−7.04(m,2H),6.86(m,1H),6.48(m,1H),5.24(td,1H),4.70(dd,1H),3.39(dd,1H),3.31(d,1H),2.14(m,3H).
生物学的実施例
本発明による化合物および先行技術から公知の構造的に関連した化合物(国際公開第2015/128321号に開示されている化合物P1およびP2)について比較トウモロコシ発芽試験を行った。
実施例B1:トウモロコシ種子発芽−低温ストレス(15℃)
塩ストレスおよび低温ストレス下でのNK Falkoneトウモロコシ種子の発芽に対する式(II−1およびIII−1)の化合物の影響を以下のとおりに評価した。
NK Falkoneトウモロコシの種子(2015年に収穫)を丸い種子を避けるためにふるいを使用してサイズ分けした。
トウモロコシの種子を24ウェルのプレートに入れた(各プレートを1つの実験単位または再現とみなした)。発芽は、1つのウェルにつき0.5%のDMSOを含有する蒸留水200μlを添加することによって開始させた。各処理の特性評価のために8つの再現(すなわち8つのプレート)を使用した。プレートはHJ−BIOANALYTIKのシールホイル(Polyolefin Art.Nr.900320)を用いて密封した。全てのプレートは15℃の気候室内の2つのカルーセルの中に入れた。実験は、相対湿度60%の気候室で完全にランダム化された設計で設定した。
異なる時間点で写真を撮影することにより発芽を経時的に追跡した。Image Jソフトウェアを用いて開発したマクロによりイメージ分析を自動で行った。ロジスティック曲線を当てはめることにより発芽の動的分析を行った。ロジスティック曲線から:T50;傾き、および、プラトーの3つのパラメータを算出した。全ての3つのパラメータは、高い農学的関連性を有すると共に、早期における良好な作物の生育を確実とするために重要な必須要素である。化合物の選択に係るT50および傾きを以下の表2に示す。全ての値は、未処理の対照と比した割合として表記されている。全ての3つのパラメータは8回の反復実験を考慮して算出されており、動態学的パラメータは、発芽曲線の各々について別々に判定されている。太字のデータは、処理した種子と未処理の対照(p<0.05)との間において統計的に有意な差異を有する発芽の増大を示す。T50は、種子群の半分が発芽に必要とする時間に相当する。より負側の%値がより速い発芽を示す。傾きは種子群の発芽がどの程度同期的であるかを示す。正の値がより急勾配の曲線を示し;曲線の勾配が急であるほど、発芽はより良好であると共により均一である。
結果は、同じ割合で、本発明の化合物III−1を用いた種子の処理が、最も近い先行技術の化合物であるP1よりも大きい勾配(より均一で同調した発芽)をもたらすことを示している。結果は、同じ割合で、本発明の化合物II−1aまたは化合物II−1bを用いた種子の処理が、最も近い先行技術の化合物であるP2よりも大きい勾配(より均一で同調した発芽)およびより低いT50(より速い発芽に対応する)をもたらすことも示している。
実施例B2:トウモロコシ種子発芽−塩(NaCl、100mM)および低温ストレス(15℃)
塩ストレスおよび低温ストレス下でのNK Falkoneトウモロコシ種子の発芽に対する式(III−1およびP1)の化合物の影響を以下のとおりに評価した。
実験プロトコルは、1つのウェルにつき0.5%のDMSOおよび100mMのNaClを含有する蒸留水200μlを添加することによって発芽を開始させたこと以外は実施例B1と同じであった。結果を表3に示す。
実施例B3:トウモロコシ種子発芽−塩(NaCl、100mM))ストレスおよび最適温度(23℃)
実験プロトコルは、プレートを23℃の気候室の中に入れたこと以外は実施例B1と同じであった。結果を表4に示す。
結果は、同じ割合で、本発明の化合物III−1を用いた種子の処理が、最も近い先行技術の化合物であるP1よりも大きい勾配(より均一で同調した発芽)およびより低いT50(より速い発芽に対応する)をもたらすことを示している。
実施例B4:トウモロコシ種子発芽−浸透圧ストレス(PEG2%)および低温ストレス(15℃)
塩ストレスおよび低温ストレス下でのNK Falkoneトウモロコシ種子の発芽に対する式(III−1およびP1)の化合物の影響を以下のとおりに評価した。
実験プロトコルは、1つのウェルにつき0.5%のDMSOおよび2%のPEGを含有する蒸留水200μlを添加することによって発芽を開始させたこと以外は実施例B1と同じであった。結果を表5に示す。
結果は、同じ割合で、本発明の化合物III−1を用いた種子の処理が、最も近い先行技術の化合物であるP1よりも大きい勾配(より均一で同調した発芽)およびより低いT50(より速い発芽に対応する)をもたらすことを示している。
安定性実施例
本発明による化合物および先行技術から公知の構造的に関連する化合物(国際公開第2015/128321号に開示されている化合物P1−上を参照のこと)に対して加水分解安定性試験を行った。
実施例S1:加水分解安定性
試料の調製
標準溶液/処理溶液
個別の加水分解安定性分析を行う前に、1000ppmの各試験化合物(すなわち化合物III−1およびP1)を含有するストック溶液をアセトニトリル中で調製した。
分析で使用した試薬は次のとおりに調製した。20mMの緩衝液を、20mMの混合された酢酸塩、ホウ酸塩、およびリン酸緩衝液のストック溶液から調製し、必要に応じてpHを7または9に調整した。
以下の方法で、各試験化合物について試験溶液をLCバイアル中で調製した。
加水分解安定性:緩衝液(750μL)+アセトニトリル(250μL)+化合物ストック溶液(2〜40μL)。
緩衝液を最初に別々のガラス製LCバイアルの中に分注し、40℃に設定したサーモスタットを備えたオートサンプラーの中に入れ、個別の分析を開始する前に30分間平衡化した。
分析は、逆相条件下で10cmのC18カラムおよびアセトニトリル(HPLCグレード)酸性化水(0.2%ギ酸)移動相を使用して1ml/分の流量でWaters LCMSシステム上で行った。ピーク検出は最適波長(230〜250nm)であり、ピーク面積を定量化のために使用した。
化合物溶液を添加することによって反応を開始させ、一定時間間隔でバイアルからHPLCシステムへ直接行われる一連の反復注入を通して観察した。試験化合物に起因するピーク面積の初期およびその後の測定値を使用して、指数関数的半減期をフィッティングし、一次速度定数を計算した。
pH7および9で検出された両方の化合物III−1のジアステレオ異性体(III−1aおよびIII−1b)ならびにpH9での化合物P1の極性の高い方のジアステレオ異性体については、採用した実験条件下では不十分な減少が観察されたため、最終半減期を決定することができなかった。そのため、残った化合物の割合を最後の評価時に記録した。
安定性データ(t1/2)、すなわち試験化合物の半分が加水分解される時間(時間単位)を下の表6に示す。
結果は、pH9において、本発明の化合物III−1の極性の低い方の異性体が、最も近い先行技術の化合物であるP1の対応する極性の低い方の異性体よりも安定であることを示している。

Claims (16)

  1. 式(I)
    (式中、Xは酸素またはN−R1であり;
    1は、水素、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C8アルキルカルボニル、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびベンジルからなる群から選択され、任意でそれぞれ1つ以上のR2で置換されるものであり;
    各R2は、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルカルボニル、C1〜C4アルコキシカルボニル、カルボン酸、アミノカルボニル、C1〜C4アミノカルボニル、およびC3〜C4シクロアルキルからなる群から独立して選択され;
    W、Y、およびZは、それぞれ独立して水素、メチル、トリフルオロメチル、またはフッ素であり;
    Uは水素またはメチルである)
    の化合物またはその塩。
  2. Xが、N−R1であり、R1が、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C8アルキルカルボニル、C1〜C8アルコキシカルボニル、およびヘテロアリールからなる群から選択され、任意でそれぞれ1つ以上のR2で置換されるものである、請求項1に記載の化合物。
  3. 1が、水素、メチル、アセチル、チアゾイル、およびC(O)OtBuからなる群から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  4. WおよびYが、トリフルオロメチル、フッ素、およびメチルからなる群から独立して選択され、Zが、フッ素または水素である、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  5. WおよびYがCF3である、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  6. ZがHである、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  7. UがHである、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 式(II−1):
    の化合物。
  9. 式(III−1):
    の化合物。
  10. 式(III−15):
    の化合物。
  11. 先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物、および、農学的に許容可能な配合補助剤を含む組成物。
  12. 先行する請求項のいずれか一項に定義される化合物、および、さらなる有効成分を含む混合物。
  13. 植物の種子発芽を促進する方法であって、前記植物、植物部位、植物繁殖材料、または植物が成長している生息地に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、請求項11に記載の組成物、または請求項12に記載の混合物を適用する工程を含む方法。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、請求項11に記載の組成物、または請求項12に記載の混合物を含む植物繁殖材料。
  15. 非生物的ストレスに対する植物の耐性を改善する方法であって、前記植物、植物部位、植物繁殖材料、または植物が成長している生息地に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、請求項11に記載の組成物、または請求項12に記載の混合物を適用する工程を含む方法。
  16. 植物の成長を調節または改善する方法であって、前記植物、植物部位、植物繁殖材料、または植物が成長している生息地に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、請求項11に記載の組成物、または請求項12に記載の混合物を適用する工程を含む方法。
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