JP2020506923A - 治療方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(i)天然精製IFNε;
(ii)最適化発現によって生成したIFNεを含む、組換えIFNε;
(iii)IFNεの機能的な天然バリアント;
(iv)活性について最適化したものを含む、IFNεの機能的な合成バリアント;
(v)異なる種からの2つ若しくはそれよりも多いIFNεのハイブリッド;及び/又は
(vi)Ifnε発現又はIFNε活性のインデューサー
の使用が本明細書において可能になる。本発明は、がんを治療するために、(i)〜(vi)のうちの任意の1つ、すなわち、(i)〜(vi)からなる群から選択される作用剤を使用するか、又は(i)〜(vi)のうちの2つ若しくはそれよりも多くの組合せを使用し得る。Ifnε発現又はIFNε活性のインデューサーについての言及は、プロモーター活性をアップレギュレートし、調節制御を最適化して高レベルのIFNεを提供する作用剤、及びIFNε活性を向上させる作用剤を含む。
細胞株及び細胞培養
卵巣がん系ID8(マウス;Robyら(2000)Carcinogenesis 21(4):585〜591頁)をin vitroアッセイのために使用した。ID8細胞株を、4% v/v熱活性化ウシ胎児血清(FCS;GibcoBRL社)を補充したRPMI 1640(GibcoBRL社、Ontario、Canada)中で培養した。すべての細胞を、5% v/v二酸化炭素(CO2)の雰囲気中で37℃にて培養した。細胞は、MycoAlert(商標)PLUSマイコプラズマ検出キット(比<1;Lonza社、Basel)によりマイコプラズマ陰性であった。
細胞株を12ウェルプレート中に播種し(1.5×105個の細胞/ウェル)、24時間後に、再懸濁緩衝液(以下に説明する)又はPBSを媒体対照として、0〜1000IU/mlの組換えIFNε又はIFNβ(以下に説明する)で刺激した。その後、細胞を37℃で3時間インキュベートし、その後mRNA抽出した。
QIAGEN RNeasyミニキット(Invitrogen社、USA)を使用して製造業者のプロトコールにより、RNAを抽出した(詳細なプロトコールについては付録Bを参照のこと)。細胞をベータメルカプトエタノール/RLT(1mlのRLT緩衝液当たり10μl-ME)中に回収し、1mLシリンジ及び23ゲージの針を使用して、各試料をシリンジ中に10回出し入れして細胞をホモジナイズした。QIAGEN RNase-free DNaseセット(Invitrogen社、USA)を使用して製造業者の指示書により、RNAをカラム上DNase処理した。その後、NanoDrop(登録商標)ND-1000分光光度計を使用して、RNA収率及び質を評価し(RNA純度について許容される範囲、2.0まで260/280比及び2.0〜2.2まで260/230比)、-80℃で保存した。
全部で500ngのRNAを、ジエチルピロカーボネート(DEPC)処理したMilli-Q H2Oで7μlにした。その後、M-MLV逆転写酵素(Promega社、USA)を使用して製造業者の指示書により、RNAをcDNAに逆転写した。cDNA試料を、使用するまで-20℃で保存した。
逆転写酵素の存在下又は非存在下(+/-RT)でのcDNA合成からの試料について、GAPDH PCRを行った。陰性RT試料についてGAPDH PCRによって産生した産物が存在しないことにより、ゲノムDNA汚染の存在が除外された。1μlのcDNAのアリコートを、5×緑色GoTaq緩衝液、塩化マグネシウム、フォワード及びリバースGAPDHプライマー、10mM dNTP、GoTaq酵素(Promega社、USA)に添加し、DEPC処理H2Oにより全部で25μlの体積にした。
可能な場合、イントロンにかかるようにプライマーを設計した。これにより、cDNAバンドが、サイズに基づいてゲノムDNAから確実に区別され得る。Primer Express(登録商標)v3.0ソフトウェア(Applied Biosystems社、USA)を使用してプライマーを設計した。2μlのcDNA、5μlのSybr Green PCR Master Mix(Applied Biosystems社、USA)、関連するフォワード及びリバースプライマーの0.2μlの各10mMストック並びにDEPC H2Oを含む、全部で10μlにて、各反応を行った。すべての遺伝子増幅を、細胞内で安定に発現する内部対照遺伝子である18Sの発現について正規化した。試料をMicroAmp(商標)光学384ウェル反応プレート上に三重でロードし、MicroAmp(商標)光学接着フィルムにより密閉した。加えて、2つのRT陰性反応、及びDEPC処理H2OをcDNAに置き換えて使用した転写産物なしの対照を使用した。解離曲線の分析及びアガロースゲルの可視化によって、単一のPCR産物の増幅を確認した。プライマー配列のリストを、Table 2(表2)に提供する。
ヒトヌクレオチド(配列番号27)
ヒトアミノ酸(配列番号28)
マウスヌクレオチド(配列番号29)
マウスヌクレオチド(最適化)[配列番号30]
マウスヌクレオチド(配列番号31)
マウスアミノ酸(配列番号32)
rmIFNεのアミノ酸残基22〜27(配列番号33)
リアルタイム細胞分析(RTCA)のためにxCELLigence系(ACEA Biosciences, Inc.社、San Diego、CA、USA)を使用して、細胞増殖を測定した。50マイクロリットルの細胞培養培地を96ウェルEプレート(ACEA Biosciences, Inc.社)中の各ウェルに添加し、インピーダンスバックグラウンド測定を行った。その後、細胞を、血清非含有培養培地中の100μLの体積に添加し(ID8-6×103個の細胞/ウェル、CAOV3及びOVCAR4-1×105個の細胞/ウェル)、一晩接着させた。組換えIFN又は媒体を細胞に添加し、最終体積を通常の培養培地で200μLにした。Eプレートを37℃で5% v/v CO2にてインキュベートし、処理あり又はなしで、RTCA系上で15分の時間間隔にて最長で72時間インピーダンスを測定した。データ分析のために、細胞含有ウェルについてのCIを培養培地のみを含むウェルのCIから引くことによって基線細胞指数(CI)を決定する。結果の統計評価を容易にするために、各ウェルからのインピーダンス測定を、IFNでの刺激時間について正規化し、「正規化細胞指数」と呼んだ。3つの独立実験を技術上四重で行い、RCTAソフトウェアを使用して、増殖速度を示す、成長曲線の倍加時間及び傾き(1/時間)について分析した。データを2元ANOVA及びシダックの多重比較検定を使用して分析した。****p<0.0001、***p<0.001。
シングルセル追跡のために、48ウェルプレート中に2.5×104個の細胞/ウェルで血清非含有培地中にID8細胞を播種し、一晩接着させた。スクラッチアッセイのために、48ウェルプレート中にID8細胞を播種し、コンフルエンスに到達させた。P10フィルター(Axygen Scientific社、California)の先端を使用して被覆されたウェルをスクラッチした。CellTrace(商標)CFSE細胞増殖キット(ThermoFischer Scientific社、Massachusetts)を使用して製造業者の教示により細胞を染色し、その後、PBS中で洗浄し、組換えIFNで処理した。共焦点顕微鏡を使用して30分毎に12時間、蛍光画像を捕え、Imarisソフトウェアを使用して分析した。シングルセル追跡のために、蛍光により個々の細胞を追跡して、各細胞が移動した全距離(長さ追跡)及び各細胞の最初の位置から最後の位置までの直接置換長(置換追跡)を12時間にわたり測定した。有意性は、技術上三重で播種した2.5×104個の細胞が移動した平均距離を比較するスチューデントT検定によって決定した。スクラッチアッセイについては、12時間にわたるスクラッチ(空の空間)の閉鎖の表面積の割合として細胞移動を測定した。有意性は、1元ANOVA及びテューキーの多重比較法によって決定した。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
12ウェルプレートにおいて2ml中にID8細胞を播種し(3.5×104個の細胞/ウェル)、一晩接着させた。細胞を組換えマウスIfnε又は媒体対照により48時間刺激した。1〜5mMの過酸化水素(H2O2)を、アポトーシス誘導の陽性対照として使用した。刺激後、細胞をトリプシン処理し、PBS中で洗浄した。シングルセル懸濁液を、FITCアネキシンVアポトーシス検出キットII(BD Biosciences社、New Jersey)を使用して製造業者の教示によりFITCコンジュゲートアネキシンV及びヨウ化プロピジウム(PI)で染色し、FACSCanto(商標)IIフローサイトメーター(BD Biosciences社)及びFlo-Joソフトウェアを使用してフローサイトメトリーにより分析した。アポトーシスの異なる期をi)生存細胞(FITC Annexin V-/PI-)、ii)アポトーシス初期(FITC Annexin V+/PI-)、iii)アポトーシス後期(FITC AnnexinV+/PI+)及びiv)壊死細胞(FITC Annexin V-/PI+)として定義した。
ヒト卵管、マウス器官及び腫瘍試料を、10% v/v中性緩衝ホルマリン中で24時間固定し、その後、70% v/vエタノール中で洗浄し、パラフィン中に包埋した。組織を、4μmの厚さの切片にし、H&E、平滑筋アクチン(SMa)、サイトケラチン18(Ck18)及びIFNεについて染色した。簡単に説明すると、組織学的組織切片を脱パラフィン処理し、再水和した。10mMトリス/1mM EDTA(pH9.0)中で6分間の熱により抗原回復を行った。3% v/v過酸化水素による内因性ペルオキシダーゼ活性の阻害後、組織をCAS-Block[商標](ThermoFisher Scientific社)中で1時間遮断した。その後、組織を抗IFNε(1:200;Novus Biologicals社、Colorado)、抗SMa(1:100;Dako Omnis社、Santa Clara)、抗Ck18(1:50;Dako Omnis社)及びアイソタイプ対照としてのウサギIgG(1:200;Vector Laboratories社、California)又はマウスIgG1(1:37;Vector Laboratories社)と共に4℃で一晩インキュベートした。ビオチニル化抗ウサギ又は抗マウスIgG(両方とも1:250希釈;Vector Laboratories社)を同じ緩衝液中に希釈し、1時間インキュベートした。その後、スライドを0.05% v/v Tween/PBS中で洗浄し、アビジン及びビオチニル化ホースラディッシュペルオキシダーゼ(VECTASTAIN(登録商標)Elite(登録商標)ABCキット、Vector Laboratories社)と共に製造業者の教示によりインキュベートし、再び洗浄した。その後、スライドをジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド(DAB;DAB+Substrate Chromogen System、Dako Omnis社)と共に製造業者の教示によりインキュベートした。切片をヘマトキシリンで45秒間対比染色し、その後脱水し、ジブチルフタレートポリスチレンキシレン(DPX;Merck社、Germany)を伴ってカバーガラス下に置いた。Imagescopeソフトウェアにおける陽性画素分析ツールを使用して染色強度を計算し、有意性を、マンホイットニー検定を使用して決定した。**p<0.01、****p<0.0001。
蛍光色素に直接的にコンジュゲートした1パネルのモノクローナル抗体を使用して表面抗原発現について研究したC57BL/Jマウスの腹膜灌流細胞から、シングルセル懸濁液を得た。非特異的結合を防ぐために、抗マウスCD16/CD32 FcγIII/II受容体遮断抗体(BD PharMingen社、California)により細胞表面受容体を遮断した。表面染色のために、蛍光色素標識抗体の様々な組合せ:パネル1-APCコンジュゲートCD45、APC-Cy7コンジュゲートCD8、FITCコンジュゲートNK-1.1、PEコンジュゲートCD69、Pacific BlueコンジュゲートCD4;パネル2-APCコンジュゲートCD25、APC-Cy7コンジュゲートCD8、FITCコンジュゲートCD45、PEコンジュゲートPan CK、PE-Cy7コンジュゲートCD4及びPacific BlueコンジュゲートFoxP3;パネル3-APCコンジュゲートCD45、APC-Cy7コンジュゲートCD11b、FITCコンジュゲートLy6C、PEコンジュゲートI-Ab、PE-Cy7コンジュゲートCD11c及びPacific Blue Ly6Gにより細胞を染色した。FACSCanto(商標)IIフローサイトメーター(BD Biosciences社)及びFlo-Joソフトウェアを使用して細胞を分析した。
Cytometric bead array(BD CBAマウス炎症キット;BD Pharmingen社)を使用して、ID8細胞を注射したマウス(以下の卵巣がんの腹腔内モデルを参照のこと)からの腹膜浸出細胞の上清中のサイトカインレベルを製造業者の教示により決定した。IL-8、IL-1β、IL-6、IL-10、IL-12p70又はTNF-αについての捕獲ビーズとサンドイッチ複合体を形成するPEコンジュゲート検出抗体を検出するために、フローサイトメトリーを使用した。FACSCanto(商標)IIフローサイトメーター(BD Biosciences社)及びFlo-Joソフトウェアを使用して、各サンドイッチ複合体についてのPE蛍光強度を得た。
C57bl/6バックグラウンドのIfnε-/-マウス(Fungら(2013)上記)及び野生型マウス(Monash Animal Research Facility、Monash University、Clayton、Australia)を、標準の特異的病原体非含有(SPF)条件下で飼育した。
雌(10週齢)のC57BL/6野生型(Ifnε+/+)及びIfnε欠損マウス(Ifnε-/-)を、これらの実験において使用した。マウスを誘導チャンバー内でイソフルラン吸入(酸素中の5%)によって麻酔し、すべての手技中ノーズコーンにより送達する2.5〜3.0%イソフルランで麻酔を維持した。手術前にマウスにカプロフェン(5mg/kg)を皮下注射した。卵巣脂肪パッドの直ぐ上の背側正中位置で小切開を行い、腹膜壁を通して第2の小切開を行った。卵巣脂肪パッドを外に出し、バルクリップで安定化し、解剖顕微鏡を使用して、曝露した卵巣内の卵管を位置付けた。ID8細胞(1×106個)を左卵巣嚢の下に注射した。6/0縫合糸を使用して腹膜壁を縫合閉鎖し、その後、局所的ブピバカインを投与し、切開閉鎖を手術用ステープルで閉鎖した。その後3日間、鎮痛薬(カプロフェン5mg/体重kg)を飲料水中で与えた。体重、BCS1やせ(骨格構造が目立ち、椎体が突出している)、BCS2不十分な状態(脊柱の区分が明らかであるが、突出はしていない)及びBCS3良い状態(触診なしで脊椎は明らかでない)として定義されるボディコンディションスコア(BCS)並びに臨床徴候について、マウスをモニターし、ID8注射後13週目に処分した。死体解剖で、各マウスの全体的な広がり及び腫瘍負荷を考証し(腫瘍小結節の数、小結節沈着物の部位を記録し、写真撮影した)、腹膜から腹水液を抜き出して体積測定及び細胞カウントを行い、組織(脾臓、横隔膜、腹膜壁、腸間膜脂肪、雌生殖器系)を収集して質量測定及び免疫組織化学分析を行った。
雌(6〜8週齢)のC57BL/6野生型(Ifnε+/+)マウスを、これらの実験において使用した。30ゲージの針を使用して、マウスに5×106個のID8細胞を腹腔内注射した。体重、BCS及び臨床徴候についてマウスをモニターし、ID8注射後8週目に処分した。死体解剖で、各マウスの全体的な広がり及び腫瘍負荷を考証し(腫瘍小結節の数、小結節沈着物の部位を記録し、写真撮影した)、腹膜から腹水液を抜き出して体積測定及び細胞カウントを行い、組織(脾臓、横隔膜、腹膜壁、腸間膜脂肪、雌生殖器系)を収集して質量測定及び免疫組織化学分析を行った。
腹腔内ID8細胞注射後3日目にIFN処置を開始した。マウスは、2〜500IU/注射の用量で1週間に3回腹腔内注射した組換えマウスIfnε、又は500IU/注射のIfnβ、又は媒体のいずれかを8週間受容した。死体解剖で、直交異方性「原発」腫瘍を、転移(横隔膜及び腹膜)、脾臓、腹水液(体積及び細胞カウント)及び腹膜灌流と共に収集し、試料を計量し、写真撮影し、免疫組織化学分析のために処理した。
マウス
muIFNεの生成及び精製
IFNε遺伝子及びバキュロウイルスを含有する組換えバクミドの産生及びPCRスクリーニングを、他で説明する通りに行った。簡単に説明すると、PCR陽性コロニーを拡張し、EndoFree Maxi-Prepキットを使用して製造業者の教示(Qiagen社)により組換えバクミドを単離した。Sf9昆虫細胞への精製バクミドのトランスフェクションによって、組換えバキュロウイルスを産生し、高タイターバキュロウイルスを産生した。IFNεを可溶性タンパク質として発現させ、培養培地に分泌させた。
細菌系を使用したhuIFNεの生成
ヒトIFNε(タグなしネイティブ187残基配列)を、大腸菌(Escherichia coli)BL21(DE3)においてpET-28a発現ベクター(Novagen社)から発現した。新しく形質転換した細胞のシングルコロニーを、50μg/mLのカナマイシンを含有するL-Brothに接種した。培養物を、250rpmで一定振盪しながら37℃にて一晩成長させた。16時間後、細胞培養物を、50μg/mLのカナマイシンを含有する新しいL-Brothで50倍希釈した。混合物を37℃で振盪しながら、光学密度(OD600)が0.6〜0.8に達するまでインキュベートし、そこで細胞を1mMイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導した。細胞を3時間成長させ、その後5000gで15分間の遠心分離によって回収した。細胞ペレットを更なる使用まで-20℃で凍結した。
凍結細胞を室温で30分間解凍した。細胞ペレットの各グラムを、10mMジチオスレイトール(DTT)、5mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び0.5% w/v complete Miniプロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤(Roche社)を添加した10mLのBugBuster Master Mix(Merck Millipore社)により再懸濁し、穏やかに攪拌しながら室温で2時間インキュベートした。溶解物を30000gで20分間遠心分離し、上清を捨てた。次に、封入体(IB)を、すべて10mM DTT及び5mM EDTAを含有する異なる緩衝液(IBの各グラムについて70mL):(1)1:10希釈したBugBuster Master Mix(及びMilliQ水)、(2)10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)緩衝液pH8.0並びに150mM NaCl及び2M尿素、(3)10mMトリス緩衝液pH8.0並びに150mM NaCl及び5% v/v Triton X-100を使用して多数回洗浄した。各洗浄後、30000gで20分間遠心分離して、上清を除去した。その後、IBを、10mMトリスpH8.0及び150mM NaCl(IBの各グラムについて70mL)で2回洗浄して、生成物中のEDTAを除去した。その後、IBを、6Mグアニジン塩酸塩(Gdn-HCl)pH7.4、100mM Na2HPO4及び10mMトリスを含有する緩衝液を使用して、一定攪拌下で低温室にて一晩可溶化した。得られた混合物を30000gで20分間遠心分離し、溶液を0.2μm濾過した。
DTTを5mMの濃度で、変性したhuIFNε溶液に添加し、混合物を室温(25℃)で軽度の攪拌下にて2時間インキュベートした。その後、混合物を4℃まで冷却し、その後それを、穏やかに攪拌しながら4℃で50倍体積のリフォールド緩衝液(20mMリン酸緩衝液pH7.4、150mM NaCl、0.8M L-アルギニン(L-Arg)及び10μM CuSO4)に一滴ずつ添加し、リフォールディングを16時間進行させた。
リフォールド混合物にEDTAを5mM濃度で添加し、リフォールド溶液のpHをpH6.0に調節し、その後、Vivaspin 200接線流フィルター(MWCO 10kDa)及びVivaspin 20濃縮器(MWCO 10kDa)の両方を使用して4℃でそれを濃縮した。その後、試料を、ゲル濾過(HiLoad 16/60 Superdex 200)を使用して、1.0mL/分の流速で、150mM NaCl及び0.8M L-Argを含有する20mMリン酸緩衝液pH6.0をランニング緩衝液として精製した。huIFNεを含有する画分を混合し、1mLの陰イオン交換樹脂(Q Sepharose fast flow)をそれに添加した。混合物を4℃で一定攪拌下にて18時間インキュベートした。その後、素通り画分を収集し、Vivaspin 20濃縮器を使用して濃縮した。
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)及びウェスタンブロットを、Bolt Bis-Tris及び4〜12 %勾配ゲル(Life Technologies社)並びにBolt MOPS SDSランニング緩衝液(Life Technologies社)を使用して165Vで50分間行った。SDS-PAGE分析のために、クーマシーブルー溶液(0.25% w/vクーマシーブルーR-250、50% v/vメタノール及び10% v/v酢酸)で2時間ゲルを染色し、その後、40% v/vエタノール及び10% v/v酢酸を含有する溶液で脱色した。ウェスタンブロットのために、タンパク質バンドを、Immobilon-FLフッ化ポリビニリデン(PVDF)膜に、Bolt移行緩衝液(Life Technologies社)を使用して30Vで45分間移行した。膜をOdyssey遮断緩衝液(PBS)[LI-COR Biosciences社]中で室温にて1時間インキュベートした。緩衝液を捨て、1:500希釈のウサギポリクローナル抗huIFNε抗体(Novus Biological社)を膜上に添加し、4℃で16時間インキュベートした。その後、抗体溶液を除去し、膜を、0.1% v/v Tween20を含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)pH7.4で3回洗浄した。1:1000希釈の抗ウサギIgG(H&L)(ヤギ)抗体IR染料800コンジュゲート(Rockland社)を膜上に添加し、室温で1時間インキュベートした。膜を、前のように0.1% v/v Tween20を含有するPBS pH7.4で洗浄した。ウェスタンブロット分析を、Odyssey赤外線撮像システム(LI-COR Biosciences社)を使用して700及び800チャネルの両方を使用して行った。
カブトガニ血球抽出成分(LAL)試験を使用して、試料中のエンドトキシンレベルを試験した。試験系及び試薬をCharles River社から購入した。タンパク質試料を最初にLAL試薬水で1:10に希釈し、その後、エンドトキシン特異的緩衝液で更に1:10に希釈した。その後、試料をLALカートリッジ(生試料について感受性0.05〜5EU/mL)上にロードし、Endosafe-PTSを使用して吸光度を記録した。
ヒトIFNε試料を、500mM NaCl、5mM EDTA及び10% v/vグリセロールを含有する20mMリン酸緩衝液pH6.0中に調製した。円二色性(CD)実験を、Peltier温度制御水サーキュレーターを備えたJasco J-810分光計で25℃にて行った。1mm経路長の石英セル、3回の蓄積ランサイクル、1nmのバンド幅、0.1nmのデータピッチ及び1秒のデータ統合時間を使用して190〜250nmの範囲のスペクトルを測定した。データを、Jasco Spectra Managerを使用して分析した。
卵巣がんにおけるIFNεの役割
マウス及びヒト腫瘍由来細胞株の両方を組換えIFNεにより処理した効果を評価し、他の従来型I型IFNによる効果と比較した。
IFNεはマウス卵巣がんID8細胞株に抗腫瘍効果を誘導する
目的は、卵巣がんのマウスモデルにおいてin vivoでのIFNεの抗腫瘍効果を特徴付けるためにID8細胞株を使用することであった。最初に、この細胞が実際にIFNεを含むI型IFNに応答し得ることを確認することが重要であった。ID8細胞を、in vitroで様々な用量の組換えIFNε又はIFNβのいずれかにより3時間刺激し、その後、3つのウェルの定量により、IFNにより調節される遺伝子(IRG)、cxcl10、isg15及びifit1(図1)を特徴付けた。IFNεは、IFNβ(IU/ml)と同様に、すべての3つのIRGの発現を用量依存的様式で有意に誘導し、したがって、これらの細胞がIFNεに応答し得ることが確認された。
卵巣がん発達:患者試料におけるIFNεの調節不全
卵巣がん患者試料における免疫組織化学を使用して、卵巣がん患者に対して健康な人におけるIFNε発現をアッセイした。組織切片を組織マイクロアレイ(TMA)にフォーマットして、染色間の実験誤差を最小限にした。得られた健康な卵管対照試料からの切片を染色し、卵巣がん患者と並列して染色する対照組織ブロックを産生することによって、IHC分析を開始した。IFNεは、健康な卵管の上皮において高度に発現していることが分かった。対照として、上皮をサイトケラチン18で、及び下にある間質細胞を平滑筋アクチン(SMA)で染色した。
卵巣がん発達におけるIFNεの役割及び治療利益:マウスモデル
卵巣がんの腫瘍発生における内因性IFNεの役割を調査した。
播種性卵巣がんのモデルにおける組換えIFNε治療からの追加のデータ
IFNεはヒト卵巣がん細胞において抗腫瘍効果を誘導する
IFNεが、マウス卵巣がん細胞株に対して強い抗腫瘍効果を有することが示されたので、次に評価したことは、ヒト卵巣細胞株に対するその効果であった。上述の通り、CaOV3及びOVCAR4細胞はHGSCを代表するので、これらを選択した。
健康なC57BL/6野生型マウス(6〜8週齢)を、組換えマウスIFNε又はIFNβ(500IU/用量)で腹腔内注射により毎週3回8週間、処置した。腹膜灌流により腹膜浸出細胞をPBS中に収集し、免疫細胞集団についてフローサイトメトリーを使用して分析した。IFNε治療は、CD8+T細胞(図9A)、CD4+T細胞の活性化(図9B)、炎症性単球(図9C)及びCD4+T細胞上のPD1発現(図9D)を含む、抗がん免疫において重要であることが知られている免疫細胞集団及びそれらの活性化状態を有意に調節することが分かった。
ヒト卵巣がんの転移性の広がり(横隔膜、腹膜壁及び腸間膜)、悪性腹水発達、脾腫及び貧血を正確に再現する進行した播種性卵巣がんのモデルのために、腹腔内ID8マウスモデルを使用した。C57BL/6野生型マウス(6〜8週齢)に、ID8細胞(1匹のマウス当たり5×106個の細胞)を腹腔内注射した。注射後3日目に、マウスは、腹腔内組換えIFNε又はIFNβ治療(500IU/用量毎週3回)を8週間開始した。IFNεで処置したマウスは、PBS対照マウス又はIFNβで処置したマウスより、腸間膜における腫瘍散在が有意に減少し、腹膜及び横隔膜沈着物がより少ないことが分かった。
図13Aは、8週までにこのモデルは十分に進行して、(体重増加によって、及びマウスの処理に際して示される通り)びまん性腫瘍発達及び腹膜液の出血を有したが、しかしながら、この時点は進行した腹水発達直前のマウスであったことを示す。腹水発達をほとんど示さない非腫瘍所有対照と比較して、処置群のいずれも、有意な体重増加の差を示さなかった。しかしながら、高用量のIFNεを除くどの処置群も、それら自体の対照と比較して有意性へと向かう傾向がある。加えて、腫瘍所有処置群間で有意差が見られ、500IU IFNεで処置したマウスにおいて最も少ない量の疾患発症が示される。
体重に対する腫瘍及びIFN処置の影響の評価、並びに貧血のいくつかの評価(足蒼白、腹水液中の赤血球カウント及び出血等級)。高用量のIFNεのみが、足蒼白及びRBCカウントに対して有意な効果を有した。
図15Aは、0〜4(0(疾患なし)、1(明らかな疾患がほとんどなく、探索に際して一部の小腫瘍沈着物)、2(明らかな腫瘍であるが、1つの沈着物に主に局在化する)、3(脾臓近くに発達した大きな腫瘍小結節及び腸間膜全体にわたる一部の沈着物)、4(脾臓近くの大きな腫瘍小結節が腸間膜全体を通して拡張し、数え切れないほど多い))に等級付けられる、腫瘍発達及び腸間膜全体にわたる広がりの程度を示す。高用量のIFNεで処置したマウスは、有意に少ない腸間膜領域に存在する疾患を有する唯一の処置群であった。
高悪性度漿液性卵巣がんにおける卵管上皮IFNεの発現の低減は予後が悪いことと相関する
卵巣がんにおけるIFNεの役割の可能性を更に特定するために、多くのHGSCの推定上の起源細胞である(Kurman及びShih(2011)Human pathology 42:918〜931頁)、分泌上皮細胞(SEC)を含有するヒト卵管(FT)上皮におけるその内因性発現を特徴付けた。免疫組織化学を使用して、本発明者らは、SECを含む見かけ上すべての上皮におけるIFNε発現を示した。この発現パターンは、上皮マーカーであるサイトケラチン18の発現パターンと同様であり、非上皮組織を優勢に染色した平滑筋アクチン(SMa)とは対照的であった。この発現を、ヒトFT分泌細胞のトランスクリプトームデータセット及びIFNεの発現についての主要なFT上皮を分析することによって確認し、IFNεがこれらの細胞において高度且つ構成的に発現する唯一のIFNであることを示した。
IFNεは卵巣がんの同系同所性モデルにおいて強い抗腫瘍効果を有する
上記のデータは、IFNεが抗腫瘍特性を有することを意味し、これを示す任意の先行研究が存在しないので、本発明者らは、卵巣がんのin vivo同系同所性モデルにおけるIFNε活性を調査した(実施例4もまた参照のこと)。免疫応答性マウスの卵巣の嚢内空間にマウス卵巣がん細胞、ID8を注射する(Greenawayら(2008)Gynecologic oncology 108:385〜394頁)。このモデルは、嚢内の「原発」同所性腫瘍成長、並びに腹腔内の様々な段階及び位置の転移性の広がり及び成長に対する腫瘍細胞固有及び外的(免疫調節)機構による、IFNεの直接及び間接的抗腫瘍効果の評価を可能にする。
IFNεは進行した卵巣がんのモデルにおいて腹水及び転移を抑制する
HGSCの大多数は、後期転移性疾患として存在するので、ID8細胞を直接的に腹膜に注射することによって、外因性IFNε処置の有効性を、この進行期の疾患を再現するモデルにおいて評価した。マウスは、腹膜全体にわたる広範囲の播種性腫瘍成長を示し、腹膜壁への、腸間膜全体にわたる、及び横隔膜上の、並びに血性悪性腹水等のヒトにおける卵巣がんの特徴的な広がりを模倣する、多数の器官上の腫瘍小結節の接着及び成長を伴った。IFNεでの処置は、このモデルにおいて腹膜腫瘍散在を有意に抑制し、腸間膜において腫瘍成長が低減し、横隔膜及び腹膜壁に接着した腫瘍小結節がより少なかった。加えて、IFNε処置マウスは、悪性腹水発達の低減を示し、それによって腹膜液は体積が低減し、出血は顕著により少なく、より少ない循環上皮腫瘍細胞しか含有しなかった。IFNε処置は、ケモカインMCP1(CCL2)等の、より低レベルの炎症性サイトカインレベルをもたらした。際立ったことに、IFNβの投与は、どの測定によっても腹水腫瘍成長に対して効果を有しなかった。
内因性及び外因性IFNεはin vivoで免疫細胞を調節する
上記の結果は合わせて、IFNεが卵巣がんの発達中のモデル、確率したモデル及び進行したモデルの腹膜の広がりに対して有効性を維持することを示すが、しかしながら、IFNβとは共有しないIFNεに特異的な作用機構は未知のままであった。従来型I型IFNは、腫瘍細胞に対して直接的に、又は免疫細胞を介して間接的に、抗腫瘍作用を発揮し得るので、本発明者らは、腫瘍の存在とは独立しているが、卵巣がん転移の部位である腹腔における、IFNεの今まで未知の固有のin vivo免疫調節効果を定義することを求めた。IFNε処置は、CD4+T細胞数を調節せず、CD8+CD4-細胞の小さいが有意な増大のみを示したが、PD1、CD69及びCD25のCD4細胞発現を活性化した。また、IFNε処置は、全腹膜白血球、炎症性マクロファージ及び樹状細胞を増大した。
内因性IFNεは卵巣がん転移を抑制する
WT及びIFNε-/-マウスにおける同所性腫瘍発達及び散在を比較することによって、内因性IFNεが、腫瘍発生において役割を果たすかどうかを調査した。ID8留置後13週目までに、IFNε-/-マウスは、腹膜出血及び腹水蓄積、大きな小結節性同所性腫瘍並びに腹腔全体にわたる多数の転移性腫瘍沈着物を発達した。際立ったことに、腫瘍細胞は、すべての3つの測定による腹膜転移の増大によって示される通り、内因性IFNεの非存在下においてより容易に腹膜全体にわたり散在したが、「原発」同所性腫瘍成長は、同様の卵巣質量によって示される通り、WT及びIFNε-/-マウスにおいて同様であった。初期腫瘍発達におけるこの内因性IFNεの効果の理解を深めるため、本発明者らが、ID8留置後6週間のマウスにおける腫瘍負荷を比較すると、このとき、IFNε-/-マウスは、比較的小さい、より結節性でない同所性腫瘍を発達していた。しかしながら、本発明者らは、この初期段階ではWTとIFNε-/-マウスとの間で原発腫瘍質量の有意差がないことを示したが、IFNε-/-マウスにおいて、腹膜壁上の腫瘍転移の増大及び腹腔内に見られる全転移によって測定される通り、腫瘍散在及び転移性増殖の増大が示された。
腹膜転移に対するIFNεの直接及び間接的抗腫瘍効果の区別
卵巣がんモデルにおける外因性及び内因性IFNεの作用機構を更に精査するために、本発明者らは、免疫細胞がI型IFNに応答し得ないIFNAR1を欠くマウス(Ifnar1-/-マウス)において、腫瘍発達を特徴付けた。ID8注射後8週目に、Ifnar1-/-マウスは、特徴的な腹膜出血、腹水蓄積、並びに腸間膜全体にわたる、及び腹膜壁に接着した小結節性腫瘍沈着物を示した。WTマウスと比較して、腫瘍所有Ifnar1-/-マウスにおいて、より進行した疾患のいくつかの徴候、特に、より多数の上皮腹膜腫瘍細胞、全腹膜白血球、CD4及びCD8細胞があった。加えて、腹水体積及び腹膜出血は増大する傾向があった。
IFNεは卵巣がん細胞に対して固有の抗腫瘍活性を調節する
このモデルにおけるIFNε駆動腫瘍抑制の機構は、直接的な腫瘍固有の機構によることが示唆されているが、これらは、このIFNについて示されていない。それゆえ、本発明者らは、マウス卵巣がん細胞株ID8におけるin vitroでのIFNεの直接的な抗腫瘍効果のレパートリーを定義することを求めた。rmuIFNεによるID8細胞の処理は、免疫応答、PDL1、Tap1;細胞死、Casp1及びBcl-2;細胞周期、Ccne1及びCdc20、並びに走化性、Cxcl10を含む、がん関連生物学的経路に関連する遺伝子の発現を有意に調節した。組換えmuIFNεは、xCELLigenceを使用して測定した成長速度の減少及び倍加時間の延長によって示される通り、用量依存的抗増殖効果を示し、これは更にMTTアッセイを使用して確認された。加えて、muIFNεは、アネキシンV/PI染色の増大によって示される通り、これらの細胞におけるアポトーシスの増大を誘導した。まとめると、これらの結果は、マウス卵巣がん細胞が、がん関連経路に関連するIRGの誘導を含む、古典的なIFNシグナル伝達経路を通して組換えIFNεによる直接的な刺激に応答することを示す。また、そのような経路の調節は、in vitroでIFNεが、抗増殖効果及びアポトーシス促進効果を含む、固有の抗がん特性を有することを示す、機能アッセイと相関し、これは、それゆえ、上述のIfnarヌルマウスからの結果と一致するin vivoでのその作用機構の1つであり得る。
実施例1〜12の要約
インターフェロンイプシロン(IFNε)は、I型IFNクラスターにおける遺伝子によってコードされるI型IFNであり、従来型IFNAR受容体を介してシグナル伝達し、独特に調節され、女性生殖器系(FRT)を感染から保護することにおいて重要である。
(2)IFNε発現は、HGSCにおいて低減した;
(3)IFNε発現の低減は、予後が悪いことと相関した
を示す、これらのがんにおけるIFNεの関与の証拠が得られる。
(4)IFNε-/-マウスにおけるIFNεの喪失は、腫瘍発達の増大を引き起こした;
(5)機構的に、IFNAR1欠損マウスを使用して、本発明者らは、IFNεが腫瘍細胞に対して直接的に作用することを示し、in vitro研究は、IFNεが増殖を阻害し、アポトーシスを誘導し、PDL1のような免疫調節性表面分子及びケモカイン発現を誘導することを示した;
(6)IFNεは、腹膜転移(この疾患を有する女性における主要な問題)の抑制において特に有効であった;
(7)発達中のがん、確立したがん及び進行したがんに対する抗腫瘍作用(治療的可能性);
(8)IFNεは、腹膜免疫細胞活性化及びPDL1発現を調節する(したがって、免疫治療との組合せ)
を示した。
組換えマウスヒト(rm)IFNε及びヒト(hu)IFNεの発現及び生理化学的特徴付け
IFNεの生理化学的及び生物学的特性を特徴付けるために、以前に特徴付けられているI型IFNの場合と同様に、このタンパク質のシグナルペプチドがどこで切断されて成熟分泌タンパク質を産生したかを解明することが重要であった。Ifne1遺伝子を、CMVプロモーターの制御下で発現し、HEK293細胞に一過的にトランスフェクトした。これらの細胞からの上清は、SDS PAGE及び抗IFNεモノクローナル抗体による免疫ブロッティングによって検出される約20kDaのタンパク質を含有することが分かった。これらの上清からのIFNεの免疫沈降により、クーマシーで染色したSDS-PAGE上の約20kDaのバンドが可視化され、これはアイソタイプ対照抗体により免疫沈降を行った場合には見られなかった。この20kDaタンパク質のアミノ末端シークエンシングは、rmIFNεタンパク質(受託番号NP_796322)の残基22〜27を示す6つのアミノ酸残基「LEPKRI(配列番号33)」を特定した。この結果は、成熟IFNεポリペプチドは、公開されているrmIFNε(受託番号NP_796322)の配列のロイシン22で開始すること、及びそれゆえ、成熟タンパク質は、20,006Daの理論的分子量を有する(Gasteigerら(2003)Nucleic Acids Res 31:3784〜3788頁)ことを示した。
Claims (32)
- 対象におけるがん細胞を阻害するための方法であって、前記がん細胞のアポトーシスを間接又は間接的に誘導すること、増殖、運動性及び/又は移動に関して有効な量のインターフェロンイプシロン(IFNε)、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサーに前記がん細胞を曝露する工程を含む方法。
- 前記IFNεが、治療される前記対象の種と同種の種に由来する、請求項1に記載の方法。
- 前記IFNεが、治療される前記対象の種と異種の種に由来する、請求項1に記載の方法。
- 前記対象が、ヒトである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記IFNεが、組換えヒトIFNε又はIfnε発現のインデューサー;組換え非ヒトIFNε又はIfnε発現のインデューサー;及びヒトIFNεと非ヒトIFNεとのハイブリッドからなるリストから選択される、請求項4に記載の方法。
- 前記IFNεが、ヒトIFNεとマウスIFNεとのハイブリッドである、請求項5に記載の方法。
- 前記がん細胞が、上皮組織、結合組織、腺組織、胚性組織、造血細胞、リンパ組織若しくは骨髄又はそのような細胞が由来する細胞に由来する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞が、卵巣、子宮、卵管、子宮内膜、胎盤、乳房、精巣、前立腺、脳、胃、肝臓、脾臓、膵臓、胸腺、結腸、肺、腎臓、心臓、甲状腺又は平滑筋からのがん細胞である、請求項7に記載の方法。
- 前記細胞が、卵巣がん細胞である、請求項8に記載の方法。
- 前記卵巣がん細胞が、低〜高悪性度漿液性癌細胞である、請求項9に記載の方法。
- 前記卵巣がん細胞が、高悪性度漿液性癌細胞である、請求項10に記載の方法。
- 前記IFNε又はバリアント、ハイブリッド若しくはインデューサーが、別の抗がん剤との組合せで使用される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記抗がん剤が、化学療法剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、有糸分裂阻害剤、ステロイド、性ホルモン又はホルモン様薬物、アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、ホルモンアゴニスト及び微小管阻害剤からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
- IFNε又はバリアント若しくはハイブリッドの前記量が、10IU/用量〜106IU/用量である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
- 対象におけるがんの治療での医薬の製造における、IFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサーの使用。
- 対象におけるがんの治療での使用のための、IFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記IFNεが、治療される前記対象の種と同種の種に由来する、請求項15に記載の使用、又は請求項16に記載のIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記IFNεが、治療される前記対象の種と異種の種に由来する、請求項15に記載の使用、又は請求項16に記載のIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記対象が、ヒトである、請求項16から18のいずれか一項に記載の使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記IFNεが、組換えヒトIFNε;組換え非ヒトIFNε;及びヒトIFNεと非ヒトIFNεとのハイブリッドからなるリストから選択される、請求項19に記載の使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記IFNεが、ヒトIFNεとマウスIFNεとのハイブリッドである、請求項20に記載の使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記がんが、上皮組織、結合組織、腺組織、胚性組織、造血細胞、リンパ組織又は骨髄のがんである、請求項15から21のいずれか一項に記載の使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記がんが、卵巣、子宮、卵管、子宮内膜、胎盤、乳房、精巣、前立腺、脳、胃、肝臓、脾臓、膵臓、胸腺、結腸、肺、腎臓、心臓、甲状腺又は平滑筋にある、請求項22に記載の使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記がんが、卵巣がんである、請求項23に記載の使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー若しくはIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記卵巣がんが、高悪性度漿液性癌である、請求項24に記載の使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- その使用が別の抗がん剤のアジュバントである、使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- 前記抗がん剤が、化学療法剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、有糸分裂阻害剤、ステロイド、性ホルモン又はホルモン様薬物、アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、ホルモンアゴニスト及び微小管阻害剤からなる群から選択される、請求項26に記載の使用又はIFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー。
- がんの治療における使用のための、IFNε、又はその機能的な天然若しくは合成バリアント若しくはハイブリッド形態、又はIfnε発現又はIFNε活性のインデューサー、並びに1つ又は複数の担体、アジュバント及び/又は賦形剤を含む製剤。
- 前記がんが、卵巣、子宮、卵管、子宮内膜、胎盤、乳房、精巣、前立腺、脳、胃、肝臓、脾臓、膵臓、胸腺、結腸、肺、腎臓、心臓、甲状腺又は平滑筋のがんである、請求項28に記載の製剤。
- 前記がんが、卵巣がんである、請求項29に記載の製剤。
- 抗がん剤と組合せる、請求項21から30のいずれか一項に記載の製剤。
- 前記抗がん剤が、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、有糸分裂阻害剤、ステロイド、性ホルモン又はホルモン様薬物、アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、ホルモンアゴニストからなる群から選択される、請求項31に記載の製剤。
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