JP2020506370A - 分析系におけるプロセス中に試薬を同定するための方法 - Google Patents

分析系におけるプロセス中に試薬を同定するための方法 Download PDF

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Abstract

分析系(100)におけるプロセス中に試薬(130)を同定するための方法を開示する。分析系(100)は、液体クロマトグラフ(102)および質量分析計(104)を含む。該方法は、試薬(130)を提供し、少なくとも1つの化学物質(134)を、質量分析計(104)の検出レベルより高い濃度で、試薬(130)に添加し、試薬(130)を、化学物質(134)とともに、分析系(100)によってプロセシングし、そして化学物質(134)に相当する、質量分析計(104)の物質検出シグナルの検出に基づいて、試薬(130)を同定する工程を含む。

Description

分析系におけるプロセス中に試薬を同定するための方法を開示する。
背景
異なるタイプの実験室、例えば臨床実験室において、質量分析、およびより具体的にはタンデム質量分析とカップリングした液体クロマトグラフィ(LC−MS/MS)の実施に関して、増大しつつある関心がある。特に、療法薬剤監視または薬物乱用検査における小分子に関して、公表される方法の数は増加しつつある。
あらかじめ検証された臨床的MS適用のため、いくつかのすぐに使用できるキットが、商業的に入手可能になってきている。しかし、質量分析の使用は、こうしたキットと組み合わせたとしても、臨床診断には、規制当局により認可されない可能性もある。これは大部分、非常にわずかな分析物に関するものを除いて標準化された方法がないためであり、そして例えばいまだに多くの手動の工程が行われており、そして使用可能でかつ組み合わせ可能な、そして臨床的関連性の信頼可能でかつ再現可能な結果を送達する際に役割を果たす、多様なハードウェア構成要素があることにより、使用者に依存する要因がいまだに多数あるためである。特に、試料調製は、典型的には、手動で、そして面倒な手順である。続く遠心分離でのタンパク質沈殿が、望ましくないそして潜在的に妨害性である試料マトリックスを取り除くために、最も一般的な方法である。キットの使用は、少なくとも部分的に自動化可能な試料調製を、部分的に容易にしうる。しかし、キットは、関心対象の限定された数の分析物に関してのみ入手可能であり、そして試料調製から分離および検出までの全プロセスは、複雑なままであり、非常に洗練された装置を扱うには、非常に訓練された実験室職員の立会いが必要である。
やはり典型的には、バッチアプローチにしたがい、この場合、同じ調製条件下であらかじめ調製した試料のバッチが、同じ分離条件下での連続分離実行を経る。しかし、このアプローチは、ハイスループットが不可能であり、そして柔軟性がなく、例えば優先性がより高く、そして最初にプロセシングする必要がある、入ってくる緊急の試料を考慮した再スケジューリング(あらかじめ定義されたプロセシングシーケンスの変更)を可能にしない。
タンデム質量分析とカップリングした液体クロマトグラフィの実施は、いくつかの試料を平行してプロセシングすることを可能にする。試料は通常、LC−MS系を通じてプロセシングする前に調製されていなければならない。この目的のため、異なるタイプの試薬を用いる。これらの試薬の少なくとも1つは、その調製のため、試料に添加される。試薬同一性および品質を確実にすることは、質量分析的分析のための自動化された系の本質的な特徴である。現在、試薬の同一性および品質、ならびに異なる流路への正しい接続を含めて、正しい試薬が系に装填されることを確実にするのは、使用者の責任である。現在、系によって利用可能な自動化直接コントロールは存在しない。さらに、流路完全性を確実にすることは、質量分析的分析のために非常に平行化されたLC系に本質的な特徴である。現在、これは、流動変換バルブのタイミングおよび配置によってのみ確実にされる。
要旨
開示する方法の態様は、質量分析とカップリングした液体クロマトグラフィを用いる分析系において、質量分析検出計自体によって、試薬の自動化直接コントロールを提供することを目的とする。したがって、開示する態様は、好適でそして信頼性があり、したがって特定の分析法、例えば臨床診断に適した方法を提供することを目的とする。特に、ランダムアクセス試料調製およびLC分離で、例えば最大100試料/時間またはそれより多い、ハイスループットが得られうる一方、それぞれの試薬を全プロセスを通じて同定可能である。さらに、該方法は完全に自動化可能であり、ウォークアウェイタイム(walk−away time)を増加させ、そして必要な技術レベルを減少させることも可能である。
本明細書に開示するのは、分析系におけるプロセス中に試薬を同定するための方法であって、分析系が液体クロマトグラフおよび質量分析計を含む、前記方法である。
分析系におけるプロセス中に試薬を同定するための開示する方法の態様は、独立クレームの特徴を有する。単独の方式で、または任意の恣意的な組み合わせで実現可能である、本発明のさらなる態様を、従属クレームに開示する。
以下で用いるような用語「有する(have)」、「含む(comprise)」または「含まれる(include)」あるいはその任意の恣意的な文法的変形は、非排他的な方式で用いられる。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で記載される実体に、さらなる特徴は存在しない状況、および1つまたはそれより多いさらなる特徴が存在する状況の両方を指してもよい。例えば、表現「AはBを有する」、「AはBを含む」および「AにはBが含まれる」は、Bに加えて、Aに他の要素がまったく存在しない状況(すなわちAはもっぱらそして排他的にBからなる状況)、ならびにBに加えて実体Aに1つまたはそれより多いさらなる要素、例えば要素C、要素CおよびDまたはさらにさらなる要素が存在する状況の両方を指してもよい。
さらに、用語「少なくとも1つ」、「1つまたはそれより多く」、あるいは、特徴または要素が1回または典型的には1回より多く存在してもよいことを示す類似の表現は、それぞれの特徴または要素を導入する際に一度だけ用いられるであろう。その後は、大部分の場合、それぞれの特徴または要素に言及する際、それぞれの特徴または要素が1回または1回より多く存在してもよいという事実にもかかわらず、表現「少なくとも1つ」または「1つまたはそれより多く」は反復されないであろう。
さらに、以下で用いるように、用語「詳細には(particularly)」、「より詳細には(more particularly)」、「特に(specifically)」、「より具体的に(more specifically)」または類似の用語は、代替の可能性を制限することなく、さらなる/別の特徴と組み合わせて用いられる。したがって、これらの用語によって導入される特徴はさらなる/別の特徴であり、そしていかなる点でも請求項の範囲を制限することを意図しない。本発明は、当業者が認識するであろうように、代替特徴を用いることによって実行可能である。同様に、「本発明の態様において」または類似の表現によって導入される特徴は、本発明の代替態様に関するいかなる制限も伴わず、本発明の範囲に関するいかなる制限も伴わず、そして本発明の他のさらなる/別のまたはさらなる/別のものではない特徴を伴うような方式で導入される特徴を組み合わせる可能性に関するいかなる制限も伴わず、さらなる/別の特徴であることが意図される。
開示する方法にしたがって、分析系におけるプロセス中に試薬を同定するための方法を開示する。分析系は、液体クロマトグラフおよび質量分析計を含む。該方法は:
−試薬を提供し、
−少なくとも1つの化学物質を、質量分析計の検出レベルより高い濃度で、試薬に添加し、
−試薬を、化学物質とともに、分析系によってプロセシングし、
−化学物質に相当する、質量分析計の物質検出シグナルの検出に基づいて、試薬を同定する
工程を含む。
用語「分析系」は、本明細書において、測定値を得るように設定された、少なくとも液体クロマトグラフおよび質量分析計を含む任意の系を含む。分析系は、多様な化学的、生物学的、物理的、光学的または他の技術的方法を通じて、試料またはその構成要素のパラメータ値を決定するように操作可能である。分析系は、試料または少なくとも1つの分析物の前記パラメータを測定して、そして得た測定値を返すように操作可能であってもよい。分析装置によって返される、ありうる分析結果のリストは、限定なしに、試料中の分析物の濃度、試料中の分析物の存在を示すデジタル(あるまたはない)結果(検出レベルを超える濃度に対応する)、光学パラメータ、DNAまたはRNA配列、タンパク質または代謝産物の質量分析から得られるデータ、および多様なタイプの物理的または化学的パラメータを含む。分析系は、試料および/または試薬のピペッティング、ドージング、および混合を補助するユニットを含んでもよい。分析系は、アッセイを実行するために、試薬を保持するための試薬保持ユニットを含んでもよい。試薬を、例えば、貯蔵区画またはコンベヤ内の適切な容器または位置に置いた、個々の試薬または試薬群を含有するコンテナまたはカセットの形で配置してもよい。分析系は、消耗性フィーディングユニットを含んでもよい。分析系は、そのワークフローが特定のタイプの分析物のために最適化されている、プロセスおよび検出系を含んでもよい。こうした分析系の例は、化学的反応または生物学的反応の結果を検出するか、あるいは化学的反応または生物学的反応の進行を監視するために用いられる、臨床化学分析装置、凝固化学分析装置、免疫化学分析装置、尿分析装置、核酸分析装置である。
分析系は臨床診断系として設計されていてもよいし、または臨床診断系の一部であってもよい。
「臨床診断系」は、本明細書において、in vitro診断のための試料の分析に特化した実験室自動化装置を指す。臨床診断系は、必要にしたがって、そして/または望ましい実験室ワークフローにしたがって、異なる構造を有してもよい。複数の装置および/またはモジュールを一緒にカップリングすることによって、さらなる構造を得ることも可能である。「モジュール」は、特化された機能を有する臨床診断系全体よりも典型的にはより小さいサイズの作業セルである。この機能は、分析機能であってもよいが、また、分析前または分析後の機能であってもよく、あるいは、これは、分析前機能、分析機能、または分析後機能のいずれかに対する補助的機能であってもよい。特に、モジュールは、例えば1つまたはそれより多い分析前工程および/または分析工程および/または分析後工程を実行することによって、試料プロセシングワークフローの特化されたタスクを実行するための1つまたはそれより多い他のモジュールと協働するように設定されていてもよい。特に、臨床診断系は、特定のタイプの分析、例えば臨床化学、免疫化学、凝固、血液学、液体クロマトグラフィ分離、質量分析等のために最適化された、それぞれのワークフローを実行するように設計された、1つまたはそれより多い分析装置を含んでもよい。したがって、臨床診断系は、それぞれのワークフローと共に、1つの分析装置またはこうした分析装置のいずれかの組み合わせを含んでもよく、ここで、分析前モジュールおよび/または分析後モジュールが個々の分析装置にカップリングされるか、または複数の分析装置によって共有されていてもよい。あるいは、分析前機能および/または分析後機能を、分析装置中に組み込まれたユニットによって実行してもよい。臨床診断系は、機能ユニット、例えば、試料および/または試薬および/または系の液体をピペッティングしそして/またはポンピングしそして/または混合するための液体取り扱いユニット、およびまたソートし、貯蔵し、輸送し、同定し、分離し、検出するための機能ユニットを含んでもよい。
用語「試料」は、本明細書において、関心対象の1つまたはそれより多い分析物を含有すると推測され、そしてその定性的および/または定量的検出が、臨床状態と関連しうる、生物学的物質を指す。試料は、任意の生物学的供給源、例えば血液、唾液、眼のレンズの液体、脳脊髄液、汗、尿、母乳、腹水、粘液、滑液、腹腔水、羊水、組織、細胞等を含む、生理学的液体に由来してもよい。試料を、使用前に前処理してもよく、例えば血液から血漿の調製、粘液の希釈、溶解等を行ってもよく;処理法は、濾過、遠心分離、蒸留、濃縮、干渉構成要素の不活性化、および試薬の添加を伴ってもよい。いくつかの場合、供給源から得られたままの試料を直接用いてもよいし、あるいは試料特性を修飾するための前処理および/または試料調製ワークフロー後、例えば内部標準を加えた後、別の溶液で希釈した後、または例えば1つもしくはそれより多くのin vitro診断試験の実行を可能にするため、または関心対象の分析物を濃縮する(抽出する/分離する/濃縮する)ため、そして/または関心対象の分析物(単数または複数)の検出に潜在的に干渉するマトリックス構成要素を除去するため、試薬と混合した後に、用いてもよい。用語「試料」は、傾向として、試料調製前の試料を指すように用いられる一方、用語「調製試料」は、試料調製後の試料を指すことも可能である。特定されない例において、用語「試料」は、一般的に、試料調製前の試料または試料調製後の試料のいずれか、あるいはその両方を指すことも可能である。関心対象の分析物の例は、一般的に、ビタミンD、乱用薬物、療法薬剤、ホルモン、および代謝産物である。しかし、このリストは包括的ではない。
用語「液体クロマトグラフ」は、本明細書において、液体クロマトグラフィ(LC)に用いるように設定されている装置を指す。LCは、移動相が液体である分離技術である。LCは、カラムまたは平面のいずれで実行してもよい。一般的に非常に小さい充填粒子および比較的高い圧を利用する、現在の液体クロマトグラフィは、高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)と称される。HPLCにおいて、試料は、高圧の液体(移動相)によって、不規則なまたは球状の形状の粒子、多孔性一体化層、あるいは多孔性膜で構成される固定相が充填されたカラムの通過を強いられる。HPLCは、歴史的に、移動相および固定相の極性に基づいて、2つの異なるサブクラスに分けられる。固定相が移動相より極性である(例えば移動相としてのトルエン、固定相としてのシリカ)方法は、順相液体クロマトグラフィ(NPLC)と称され、そして逆(例えば移動相として水−メタノール混合物および固定相としてC18=オクタデシルシリル)は逆相液体クロマトグラフィ(RPLC)と称される。
用語「質量分析計」は、本明細書において、質量分析(MS)に用いられるよう設定された装置を指す。MSは、化学種をイオン化し、そして質量対電荷比に基づいて、イオンをソートする分析技術である。より単純な用語では、マススペクトルは、試料内の質量を測定する。質量分析は、多くの異なる分野で用いられ、そして純粋な試料とともに複雑な混合物に適用される。マススペクトルは、質量対電荷比の関数としてのイオンシグナルのプロットである。これらのスペクトルは、試料の元素的または同位体的シグネチャー、粒子および分子の質量を決定し、そして分子、例えばペプチドおよび他の化合物の化学構造を解明するために用いられる。典型的なMS法において、固体、液体、または気体であってもよい試料を、例えば電子で該試料を照射することによってイオン化する。これは、試料分子のいくつかの荷電断片への破壊を引き起こしうる。次いで、質量対電荷比にしたがって、典型的にはこれらのイオンを加速し、そして電場または磁場に供することによって、これらのイオンを分離し:同じ質量対電荷比のイオンは、同じ量の偏向を経るであろう。イオンは、荷電粒子を検出可能な機構、例えば電子増倍管によって検出される。結果は、質量対電荷比の関数として、検出されたイオンの相対的存在量のスペクトルとしてディスプレイされる。試料中の原子または分子は、既知の質量を同定された質量に相関させるか、または特徴的な断片化パターンを通じて同定されうる。
用語「試薬」は、本明細書において、分析のための試料を調製するか、反応が起こることを可能にするか、あるいは試料または試料中に含有される分析物の物理的パラメータの検出を可能にするため、試料の処理に用いられる物質を指す。特に、試薬は、例えば試料中に存在する1つもしくはそれより多い分析物または試料の望ましくないマトリックス構成要素に結合するか、またはこれらを化学的に変換することが可能な反応物質、典型的には、化合物もしくは剤であるかまたはこうした反応物質を含む物質であってもよい。反応物質の例は、酵素、酵素基質、コンジュゲート化色素、タンパク質結合分子、リガンド、核酸結合分子、抗体、キレート剤、促進剤、阻害剤、エピトープ、抗原等である。しかし、用語、試薬は、試料に添加可能な任意の液体を含むように用いられ、これには、水または他の溶媒または緩衝溶液を含む希釈液、あるいはタンパク質、結合タンパク質または表面への分析物の特異的または非特異的結合の破壊のために用いられる物質が含まれる。試料を、例えば、試料コンテナ、例えば一次チューブ(primary tubes)および二次チューブ(secondary tubes)を含む試料チューブ、またはマルチウェルプレート、あるいは任意の他の試料保持支持体中で提供してもよい。試薬を、例えば、個々の試薬または試薬群を含有するコンテナまたはカセットの形で配置してもよく、そして貯蔵区画またはコンベヤ内の適切な容器または位置に置いてもよい。他のタイプの試薬または系の液体を、バルクコンテナ中で、またはラインサプライを通じて提供してもよい。
用語「化学物質」は、本明細書において、物質が割り当てられるかまたは添加される試薬とは異なる任意の化学物質を指す。基本的な要件は、用いる化学物質が、試薬と同じワークフローにしたがわなければならないため、関心対象の試薬に比べて、試薬プロセシングおよびクロマトグラフィ中にほぼ同一の振る舞いを示すことである。これは、試薬と類似の極性を持つ化学同位体または物質を用いることによって達成されうる。
開示する方法を用いて、化学コーディングに関する可能性を提供する。化学コーディングの可能性は、質量分析検出の高い多重化能によって可能になる特別な特徴であり、これによって、化学物質の濃度が質量分析計の検出レベルを超えるように十分に高いならば、測定中のいかなる時点でも、さらなるシグナル、例えばバックグラウンドシグナルの検出が可能になる。いくつかのマーカー(存在/非存在;高濃度/低濃度等)の組み合わせによって、系にあるすべての試薬の明白な標識が可能になるであろう。主にHPLC溶出剤、例えば水、アセトニトリル、メタノール等である、特定の試薬ロットの産生中の系の試薬(単数または複数)に、化学物質をスパイクする。該化学物質は、分析中のいかなる時点でも、LC−MS系のバックグラウンドシグナル中に存在する。したがって、特定の試薬ロットの同一性を、産生事象および製造まで、任意の試料分析中に、遡って追跡することも可能である。
化学物質は、系の試薬(溶媒)中に、マイナーな微量構成要素として存在し、そしてHPLCカラム、捕捉カラム、質量分析計イオン源などの分析系内に連続して注入される可能性が高いため、これらの微量構成要素のいかなる要求されない濃縮も、分析系に影響を及ぼしうるため、回避されなければならない。したがって、追跡目的のため、用いる化学物質は、用いるクロマトグラフィ条件に応じて、特定の溶出および検出上の振る舞いを持たなければならない。
開示する方法を用いて、化学物質(単数または複数)は、いかなるさらなる濃縮工程も伴わずに、質量分析計によって容易に検出されうる濃度レベルで、溶媒中に存在する。極性条件は、化学物質(単数または複数)が、全体の分析時間中に、クロマトグラフィ固定相上に保持されないことを確実にするものであり、例えば、高い極性の化学物質(単数または複数)および逆相材料上の中程度の極性から低い極性の溶出剤系である。これは、化学物質(単数または複数)の一定のシグナルバックグラウンドを生じ、該バックグラウンドは、質量分析検出装置によって連続して監視可能であり、そして分析中の任意の時点で、化学物質(単数または複数)の読み出しを可能にする。
特に、プロセス中に、試薬を連続して同定することも可能である。用語「連続して同定する」は、本明細書において、分析系への試薬のインプットから、分析系からの試薬の排出または除去までの時間範囲内での、永続的な同定を指す。したがって、試薬が分析系に存在する限り、該試薬を同定可能である。これは、化学物質が、質量分析計のバックグラウンドシグナルを引き起こすために可能である。
液体クロマトグラフの固定相上へのその保持を防止するように、化学物質を設定してもよい。したがって、試薬同一性が明白に検出可能であるように、ワークフロー全体で、化学物質が試薬を追跡することが確実になる。
例えば、化学物質が液体クロマトグラフの固定相上に保持されるのを防止するように、化学物質の極性および分子量を液体クロマトグラフの固定相に適応させてもよい。
化学物質の極性は、化学物質の同重性オリゴマーの混合物を用いることによって適応させてもよい。したがって、用いる化学物質は、試薬プロセシングおよびクロマトグラフィ中、関心対象の試薬と、ほとんど同一の振る舞いを示す。それによって、試薬の同一性は、明白に検出されうる。
分子量は、化学物質の相同体、誘導体または同位体標識を用いることによって適応させてもよい。したがって、分子量は、かなり単純な方式で適応させうる。
液体クロマトグラフは、複数の液体クロマトグラフィチャネルを含む、液体クロマトグラフィ分離ステーションを含んでもよく、ここで化学物質は、複数の液体クロマトグラフィチャネルの1つに割り当てられる。
用語「液体クロマトグラフ分離ステーション」は、本明細書において、例えば関心対象の分析物をマトリックス構成要素、例えば続く検出、例えば質量分析検出になお干渉する可能性がある試料分離後に残っているマトリックス構成要素から分離し、そして/または個々の検出を可能にするため関心対象の分析物を互いに分離するために、調製試料をクロマトグラフィ分離に供するように設計された、分析装置あるいは分析装置中のモジュールまたはユニットを指す。1つの態様にしたがって、液体クロマトグラフ分離ステーションは、試料を質量分析のために調製し、そして/または調製試料を質量分析計にトランスファーするように設計された、中間分析装置あるいは分析装置中のモジュールまたはユニットである。特に、液体クロマトグラフ分離ステーションは、複数の液体クロマトグラフィチャネルを含むマルチチャネル液体クロマトグラフ分離ステーションである。
「液体クロマトグラフィチャネル」は、試料(単数または複数)および分析物のタイプにしたがって選択された固定相を含み、そして例えば一般的に知られるように、極性またはlog P値、サイズまたはアフィニティにしたがって、選択された条件下で、関心対象の分析物を捕捉し、そして/または分離し、そして溶出しそして/またはトランスファーするために、固定相を通じて移動相をポンピングする、少なくとも1つのキャピラリーチュービングおよび/または液体クロマトグラフィカラムを含む流体ラインである。少なくとも1つの液体クロマトグラフィチャネル中の少なくとも1つの液体クロマトグラフィカラムは交換可能であってもよい。特に、液体クロマトグラフィは、液体クロマトグラフィチャネルよりも多い液体クロマトグラフィカラムを含んでもよく、この場合、複数の液体クロマトグラフィカラムが、同じ液体クロマトグラフィチャネルに、交換可能にカップリングしていてもよい。キャピラリーチュービングは液体クロマトグラフィカラムをバイパスしてもよいし、またはデッドボリュームの調節を可能にして、溶出時間ウィンドウを微調整してもよい。
液体クロマトグラフィ分離ステーションは、典型的にはまた、十分な数のポンプ、例えば溶出勾配の使用を必要とする条件の場合はバイナリポンプ、およびいくつかのスイッチングバルブもさらに含む。
したがって、質量分析計で化学物質を検出することによって、試薬が正しいチャネルまたはターゲットチャネルと関連しているかどうかが検出可能である。
特に、チャネルの1つを通じた試薬の流れを追跡することも可能である。したがって、試薬が正しいチャネルまたはターゲットチャネルを通じて流れるかどうかを検出することも可能である。
方法は、質量分析計の実際の検出シグナルに、試薬に相当する試薬検出シグナルおよび物質検出シグナルが含まれるかどうかを検出することによって、化学物質を割り当てたチャネルを通じた試薬の流れを検出する工程をさらに含んでもよい。したがって、試薬に相当する試薬検出シグナルおよび物質検出シグナルの両方を検出する場合、ターゲットチャネルを通じた試薬の流れを検出することも可能である。
試薬のタイプに応じて、化学物質を複数の液体クロマトグラフィチャネルの1つに割り当ててもよい。したがって、チャネルへの試薬の有効な割り当てを提供する。
方法は、異なる化学物質の組成物を試薬に添加し、試薬を、化学物質の組成物とともに、分析系によってプロセシングし、そして化学物質の組成物に相当する物質検出シグナルを含む、質量分析計の物質検出シグナルパターンの検出に基づいて、試薬を同定する工程をさらに含んでもよい。したがって、試薬に関する化学コーディングを提供し、試薬の同一性を検出するための検出品質を改善する。
方法は、複数の試薬を提供し、複数の試薬の各々に、異なる化学物質の組成物を添加し、ここで複数の試薬に添加する組成物が互いに異なる、複数の試薬を、化学物質の組成物とともに、分析系によってプロセシングし、そして化学物質の異なる組成物に相当する物質検出シグナルを含む質量分析計の物質検出シグナルパターンの検出に基づいて、複数の試薬各々を同定する工程をさらに含んでもよい。したがって、平行方式で、または同時にプロセシングされる複数の試薬であってさえ、明白にそして信頼性を持って同定可能である。特に、異なる化学物質の組成物の提供によって、試薬が明白に同定可能であるように、それぞれの試薬の化学コーディングを提供することが可能になる。
組成物の数は、液体クロマトグラフィチャネルの数に対応することも可能である。したがって、各チャネルにある種のシグネチャーを割り当ててもよい。
化学物質は、少なくとも分子量が互いに異なってもよい。したがって、異なる分子量を持ち、1つの化学物質の化学的に異なるかまたは安定な同位体である、定義される物質の可変性の組成物によって、シグネチャーを生成し、ここで、各種の適用される濃度は、好ましくは等しい。必要なデジタルパターンの数は、区別しなければならない流路またはチャネルの数に等しい。例えば、5つの流路またはチャネルは、組成物のみによって提供される5つの異なる化学コードを必要とする。
化学物質は:ペプチド、ペプチドの誘導体、ペプチド核酸、オリゴヌクレオチド、炭水化物、炭水化物の誘導体、およびオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1つの要素であることも可能である。したがって、うまく取り扱い可能である物質を用いることも可能である。
方法は、少なくとも2つの異なる化学物質を試薬に添加することによって、コードを生成する工程をさらに含むことも可能であり、各化学物質があらかじめ決定した濃度を有し、少なくとも1つの化学物質のあらかじめ決定した濃度は、質量分析計の検出レベルより高い。したがって、少なくとも2つの異なる化学物質の濃度を変化させることによって、かなり単純な方式で、安全なコードを生成することも可能である。
少なくとも1つの化学物質を試薬に添加する工程を、工場製造工程で行うことも可能である。したがって、試薬に化学物質を添加しなければならないのは、分析系の使用者ではなく、これは、試薬の製造者によってあらかじめ行われる。それによって、試薬が分析系の使用者によって操作されなくてもよいため、試薬の同一性および品質が確実になる。したがって、製造者による試薬の化学コーディングは、試薬が、分析系の使用者によって、操作されているかまたは修飾されているかどうかを検出することを可能にする。
本発明はさらに、本明細書に含まれる態様の1つまたはそれより多くにおいて、プログラムをコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行した際に、本発明にしたがった方法を実行するための、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムを開示し、そして提唱する。特に、コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能データキャリア上で記憶されてもよい。したがって、特に、上に示すような方法工程の1つ、1つより多く、またはさらにすべてを、コンピュータまたはコンピュータネットワークを用いることによって、好ましくはコンピュータスクリプトを用いることによって、実行してもよい。
本発明はさらに、本明細書に含まれる態様の1つまたはそれより多くにおいて、該プログラムをコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行した際に、本発明にしたがった方法を実行するためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品を開示し、そして提唱する。特に、プログラムコード手段は、コンピュータ読み取り可能データキャリア上で記憶されてもよい。
さらに、本発明は、データ構造がその上に記憶されているデータキャリアであって、コンピュータまたはコンピュータネットワーク内に、例えばコンピュータまたはコンピュータネットワークの作業メモリまたは主メモリ内にロードされた後、本明細書に開示する態様の1つまたはそれより多くにしたがって、方法を実行可能である、前記データキャリアを開示し、そして提唱する。
本発明はさらに、プログラムをコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行した際に、本明細書に開示する態様の1つまたはそれより多くにしたがった方法を実行するための、機械読み取り可能キャリア上に記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品を提唱し、そして開示する。本明細書において、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般的に、恣意的な形式で、例えば紙形式で、またはコンピュータ読み取り可能データキャリア上に存在してもよい。特に、コンピュータプログラム製品は、データネットワーク上で流通されてもよい。
最後に、本発明は、本明細書に開示する態様の1つまたはそれより多くにしたがって方法を実行するための、コンピュータ系またはコンピュータネットワークにより読み取り可能な命令を含有する、修飾された(modulated)データシグナルを提唱し、そして開示する。
好ましくは、本発明のコンピュータの実施の側面に言及した際、本明細書に開示する態様の1つまたはそれより多くにしたがった方法の、方法工程の1つまたはそれより多く、あるいはさらに方法工程のすべては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを用いることによって実行可能である。したがって、一般的に、データの提供および/または操作を含む方法工程のいずれも、コンピュータまたはコンピュータネットワークを用いることによって実行可能である。一般的に、これらの方法工程には、典型的には手動の作業を必要とする方法工程、例えば試料の提供および/または実際の測定を実行する特定の側面を除いて、方法工程のいずれも含まれることも可能である。
特に、本発明はさらに:
−少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータまたはコンピュータネットワークであって、該プロセッサが、本明細書に記載する態様の1つにしたがって方法を実行するために適応されている、前記コンピュータまたはコンピュータネットワーク、
−コンピュータロード可能データ構造であって、該データ構造がコンピュータ上で実行される間、本明細書に記載する態様の1つにしたがって方法を実行するために適応されている、前記データ構造、
−コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される間、本明細書に記載する態様の1つにしたがって該プログラムが方法を実行するために適応されている、コンピュータスクリプト、
−コンピュータプログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行される間、本明細書に記載する態様の1つにしたがって方法を実行するための、プログラム手段を含むコンピュータプログラム、
−先行する態様にしたがったプログラム手段を含むコンピュータプログラムであって、プログラム手段がコンピュータに読み取り可能な記憶媒体上に記憶されている、前記コンピュータプログラム、
−記憶媒体であって、データ構造が該記憶媒体上に記憶され、そして該データ構造が、コンピュータまたはコンピュータネットワークの主記憶および/または作業記憶内にロードされた後、本明細書に記載する態様の1つにしたがった方法を実行するために適応されている、前記記憶媒体、および
−プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品であって、該プログラムコード手段がコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行される場合、本明細書に記載する態様の1つにしたがった方法を実行するために、プログラムコード手段が記憶媒体上に記憶されることが可能であるかまたは記憶されている、前記コンピュータプログラム製品
を開示する。
開示する方法の知見を要約して、以下の態様を開示する:
態様1:分析系におけるプロセス中に試薬を同定するための方法であって、分析系が液体クロマトグラフおよび質量分析計を含み、該方法が:
−試薬を提供し、
−少なくとも1つの化学物質を、質量分析計の検出レベルより高い濃度で、試薬に添加し、
−試薬を、化学物質とともに、分析系によってプロセシングし、そして
−化学物質に相当する、質量分析計の物質検出シグナルの検出に基づいて、試薬を同定する
工程を含む、前記方法。
態様2:試薬を、プロセス中に連続して同定する、態様1記載の方法。
態様3:液体クロマトグラフの固定相上に化学物質が保持されるのを防止するように、化学物質が設定されている、態様1または2記載の方法。
態様4:化学物質が液体クロマトグラフの固定相上に保持されるのを防止するように、化学物質の極性および分子量が液体クロマトグラフの固定相に対して適応されている、態様3記載の方法。
態様5:化学物質の極性が、化学物質の同重性オリゴマーの混合物を用いることによって適応されている、態様4記載の方法。
態様6:分子量が、化学物質の相同体、誘導体または同位体標識を用いることによって適応されている、態様3または4記載の方法。
態様7:液体クロマトグラフが、複数の液体クロマトグラフィチャネルを含む液体クロマトグラフィ分離ステーションを含み、化学物質が複数の液体クロマトグラフィチャネルの1つに割り当てられる、態様1〜6のいずれか一項記載の方法。
態様8:チャネルの1つを通じた試薬の流れを追跡する、態様7記載の方法。
態様9:質量分析計の実際の検出シグナルが、試薬に相当する試薬検出シグナルおよび物質検出シグナルを含んだかどうかを検出することによって、化学物質が割り当てられたチャネルを通じた試薬の流れを検出する工程をさらに含む、態様8記載の方法。
態様10:化学物質が、試薬のタイプに応じて、複数の液体クロマトグラフィチャネルの1つに割り当てられる、態様7〜9のいずれか一項記載の方法。
態様11:異なる化学物質の組成物を試薬に添加し、試薬を、化学物質の組成物とともに、分析系によってプロセシングし、そして化学物質の組成物に相当する物質検出シグナルを含む、質量分析計の物質検出シグナルパターンの検出に基づいて、試薬を同定する工程をさらに含む、態様7〜10のいずれか一項記載の方法。
態様12:複数の試薬を提供し、複数の試薬の各々に、異なる化学物質の組成物を添加し、ここで複数の試薬に添加する組成物が互いに異なる、複数の試薬を、化学物質の組成物とともに、分析系によってプロセシングし、そして化学物質の異なる組成物に相当する物質検出シグナルを含む質量分析計の物質検出シグナルパターンの検出に基づいて、複数の試薬各々を同定する工程をさらに含む、態様11記載の方法。
態様13:組成物の数が液体クロマトグラフィチャネルの数に対応する、態様12記載の方法。
態様14:化学物質が、少なくとも分子量によって互いに異なる、態様11〜13のいずれか一項記載の方法。
態様15:化学物質が:ペプチド、ペプチドの誘導体、ペプチド核酸、オリゴヌクレオチド、炭水化物、炭水化物の誘導体およびオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1つの要素である、態様1〜14のいずれか一項記載の方法。
態様16:各化学物質があらかじめ決定した濃度を有する、少なくとも2つの異なる化学物質を試薬に添加することによって、コードを生成する工程をさらに含み、少なくとも1つの化学物質のあらかじめ決定した濃度が質量分析計の検出レベルより高い、態様1〜15のいずれか一項記載の方法。
態様17:工場製造工程で試薬への少なくとも1つの化学物質の添加を行う、態様1〜16のいずれか一項記載の方法。
本発明のさらなる特徴および態様は、特に従属クレームと組み合わせて、続く説明により詳細に開示されるであろう。その中で、それぞれの特徴を、当業者が理解するであろうように、単独の方式で、ならびに任意の恣意的な実現可能な組み合わせで達成してもよい。態様を、図面に模式的に示す。その中で、これらの図面中の同一の参照番号は、同一要素または機能的に同一である要素を指す。
図1は、分析系におけるプロセス中に試料同一性を追跡するための分析系および方法の模式図を示す。 図2は、化学物質の構成を模式的に示す。
図1を参照すると、分析系100の例が記載される。分析系は、臨床診断系であってもよい。分析系100は、少なくとも液体クロマトグラフ102および質量分析計104を含む。現在の態様において、分析系100は、各々少なくとも1つの関心対象の分析物を含む試料108の自動化前処理および調製のための試料調製ステーション106をさらに含む。
液体クロマトグラフ102は、複数の液体クロマトグラフィチャネル112を含む液体クロマトグラフィ分離ステーション110を含む。液体クロマトグラフィチャネル112は、互いに異なることも可能であり、ここで、より短いサイクル時間の液体クロマトグラフィチャネル112およびより長いサイクル時間の液体クロマトグラフィチャネル112がある。しかし、液体クロマトグラフィ分離ステーション110は、複数のより迅速な液体クロマトグラフィチャネル112のみ、または複数のより緩慢な液体クロマトグラフィチャネル112のみを含んでもよい。分析系100は、液体クロマトグラフィチャネル112のいずれか1つに、調製試料をインプットするための試料調製/液体クロマトグラフィインターフェース114をさらに含む。
分析系100は、液体クロマトグラフィ分離ステーション110を質量分析計104に連結するための、液体クロマトグラフィ/質量分析計インターフェース116をさらに含む。液体クロマトグラフィ/質量分析計インターフェース116は、イオン化源118、ならびにイオン化源118および質量分析計104の間のイオン移動度モジュール120を含む。イオン移動度モジュール120は、高電界非対称波形イオン移動度分光法(high−field asynmetric waveform ion mobility spectrometry)(FAIMS)モジュールであってもよい。質量分析計104は、多重反応監視(MRM)が可能な、タンデム質量分析計、および特に三重四極質量分析計である。
分析系100は、関心対象の分析物に応じて、各々、試料調製工程のあらかじめ定義されたシーケンスを含み、そして完了のためにあらかじめ定義された時間を必要とする、あらかじめ定義された試料調製ワークフローに、試料108を割り当てるようプログラミングされたコントローラー122をさらに含む。コントローラー122は、関心対象の分析物に応じて、各調製試料に関して、液体クロマトグラフィチャネル112を割り当て(あらかじめリザーブし)、そして予期される溶出時間に基づいて、重複しないLC溶出物アウトプットシーケンスE1〜nにおいて、異なる液体クロマトグラフィチャネル112から、関心対象の分析物が溶出することを可能にする、調製試料をインプットするための液体クロマトグラフィチャネルインプットシーケンスI1〜nを計画するように、さらにプログラミングされる。コントローラー122は、液体クロマトグラフィチャネルインプットシーケンスI1〜nにマッチする、調製試料アウトプットシーケンスP1〜nを生成する、試料調製スタートシーケンスS1〜nをセットし、そして開始するよう、さらにプログラミングされる。
図1において、試料調製スタートシーケンスS1〜nの各試料、調製試料アウトプットシーケンスP1〜nおよび液体クロマトグラフィチャネルインプットシーケンスI1〜nの各調製試料、液体クロマトグラフィ溶出物アウトプットシーケンスE1〜nの各液体クロマトグラフィ溶出物を、重複しない隣接セグメントを含むシーケンスのセグメント中に示し、各セグメントは、1つの参照期間を模式的に示す。各シーケンスは、したがって、参照期間または時間単位のシーケンスであり、その長さは固定されていてもよく、そして異なるシーケンスに渡って一定のままである。
試料調製スタートシーケンスS1〜nにおける新規試料の調製は、参照期間あたり1つの試料の頻度で、あるいは試料調製が開始されない、シーケンスにおける空のセグメントによって示される、1つまたはそれより多い参照期間によって分離された間隔で、開始される。
また、調製試料アウトプットシーケンスP1〜nにおける試料の調製は、参照期間あたり1つの調製試料の頻度で、あるいは試料調製が完了しない、シーケンスにおける空のセグメントによって示される、1つまたはそれより多い参照期間によって分離された間隔で、完了する。
また、調製試料は、参照期間あたり1つの液体クロマトグラフィチャネルインプットの頻度で、あるいは液体クロマトグラフィチャネルインプットが行われない、シーケンスにおける空のセグメントによって示される、1つまたはそれより多い参照期間によって分離された間隔で、液体クロマトグラフィチャネルインプットシーケンスI1〜nにしたがってそれぞれの割り当てられた液体クロマトグラフィチャネル112にインプットされる。
また、液体クロマトグラフィ溶出物アウトプットシーケンスE1〜nにおける液体クロマトグラフィ溶出物は、参照期間あたり1つの液体クロマトグラフィ溶出物の頻度で、あるいは液体クロマトグラフィ溶出物がアウトプットされない、シーケンスにおける空のセグメントによって示される、1つまたはそれより多い参照期間によって分離された間隔で、アウトプットされる。
あるいは、液体クロマトグラフィチャネル112は、液体クロマトグラフィ/質量分析計インターフェース116に連結可能であり、そしてコントローラー122が、イオン化源118に、一度に1つの液体クロマトグラフィ溶出物をインプットするため、液体クロマトグラフィ溶出物アウトプットシーケンスE1〜nにしたがって、バルブスイッチング124をコントロールする。特に、液体クロマトグラフィ溶出物アウトプットシーケンスE1〜nにおける液体クロマトグラフィ溶出物は、参照期間あたり1つの液体クロマトグラフィ溶出物の頻度で、あるいは液体クロマトグラフィ溶出物アウトプットシーケンスE1〜nにしたがって、1つまたはそれより多い参照期間によって分離された間隔で、イオン化源118にインプットされる。
イオン化源118は、ESI源126およびAPCI源128を含む二重イオン化源であり、ここで、液体クロマトグラフィ溶出物アウトプットシーケンスE1〜nにおける液体クロマトグラフィ溶出物に応じて、そして該溶出物中に含有される関心対象の分析物(単数または複数)に応じて、コントローラー122は、最も適切である、2つのイオン化源126、128の1つを選択することも可能である。試料調製スタートシーケンスS1〜nをセットする際、コントローラー122は、イオン化源126、128の間の頻繁なスイッチが防止されるように、やはりイオン化源126、128にしたがって、試料を一緒にグループ分け(シーケンス中で互いに隣接して配置)してもよい。イオン化源スイッチングを、例えば、1つまたはそれより多い空の参照期間中に計画してもよい。
図1への参照を続けると、分析系112におけるプロセス中に試薬130を同定するための方法が記載される。該方法は、試薬130を提供する工程を含む。試薬130は、試薬容器132、例えばコンテナ中に存在してもよい。化学物質134を、質量分析計104の検出レベルより高い濃度で試薬130に添加する。試薬130への化学物質134の添加を工場製造工程で行う。試薬コンテナ132を試料調製ステーション106にインプットすることも可能である。試薬130を用いて、試料108を調製する。例えば、試薬130のあらかじめ定義された用量を、試料108内に分配する。いかなる場合も、試料108を液体クロマトグラフ102にインプットする前に、試薬130を、化学物質134とともに、試料108に添加する。
次いで、試料108を試薬130および化学物質134とともに、分析系100によってプロセシングする。言い換えると、こうして調製した試料108を、試薬130および化学物質134とともに、液体クロマトグラフ102にインプットし、液体クロマトグラフ102を通過させ、そして質量分析計104にインプットする。質量分析計104によって、試料108の単数および/または複数の構成要素を検出し、そして測定する。さらに、質量分析計104によって、試薬130を検出し、そして測定する。試薬130は、化学物質132に相当する物質検出シグナルを含む質量分析計104の物質検出シグナルの検出に基づいて同定される。言い換えると、質量分析計104のシグナルには、試薬130に相当する検出結果だけでなく、化学物質134に特有のシグナルも含まれ、それによって、試薬130を明白に同定することが可能になる。この方法を用いると、試薬130は、プロセス中に連続して同定される。
本明細書において、以後、開示する方法とともに使用可能な化学物質134の特定の詳細を記載する。基本的に、試薬130は、少なくとも1つの関心対象の分析物を含み、そして化学物質134は、用いる化学物質が、分析物と同じワークフローにしたがわなければならないため、関心対象の分析物に比べて、試料および試薬プロセシングおよびクロマトグラフィ中にほぼ同一の振る舞いを示すことを確実にするため、化学同位体であり、そして/または関心対象の分析物と類似の極性を有する。化学物質134は、同一の分子量を有する。化学物質134は:ペプチド、ペプチドの誘導体、ペプチド核酸、オリゴヌクレオチド、およびオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1つの要素である。さらに、化学物質は、液体クロマトグラフ102の固定相上への保持を防止するように設定される。これは、化学物質134が液体クロマトグラフ102の固定相上に保持されるのを防止するように、化学物質134の極性および分子量を、液体クロマトグラフ102の固定相に対して適応させることで達成可能である。例えば、化学物質134の極性を、化学物質134の同重性オリゴマーまたは同位体の混合物を用いることによって適応させ、そして分子量を、化学物質134の相同体、誘導体または同位体標識を用いることによって適応させる。より詳細には、化学物質134の極性を、化学物質134のオリゴマーまたは誘導体の混合物を用いることによって適応させる。各オリゴマー構成要素は、本明細書に以下にさらに詳細に記載するように、分子量コーディングのための標識基136を有し、該標識基が損なわれずに測定されるか、または質量分析プロセス中に放出され、そして質量分析計104によって測定される。
図2は、化学物質134の1つの構成を模式的に示す。化学物質134は、極性分子基138および親油性分子基140を含む。化学物質134は、(極性)−(親油性)、式中、(極性)が極性分子基138を示し、(親油性)が親油性分子基140を示し、そしてn、mが0より大きい整数である、の構造を有する単量体ブロックで形成される。より詳細には、化学物質は、ランダムに重合する単量体構築ブロック、n(極性)およびm(親油性)、式中、(極性)が極性分子基138を示し、(親油性)が親油性分子基140を示し、そしてn、mが0より大きい整数である、で形成される。図2に示す例において、化学物質134は、4つの極性分子基138、それに続く4つの親油性分子基140を含む。したがって、各化学物質134は、同重性オリゴマー基142および少なくとも1つの分子量コーディング基144を含み、ここで、異なる化学物質134の同重性オリゴマー基142および分子量コーディング基144は互いに異なる。
化学物質134を、したがって、試料の化学コーディングに用いてもよい。ターゲット分析物の数は、分析系100上のアプリケーションメニューに非常に依存する。コーディング化学物質に対する必要条件は、したがって、アプリケーションメニューの全極性範囲を含むことである。これは、上に記載するように、コーディング化学物質の複雑な機能的実体の組成物によって達成される。単量体は、同一の分子量を有するように設計され(同重性構築ブロック)、したがって、このオリゴマーサブユニットの全体の分子量は、同重性オリゴマー主鎖を生成する比n/mとは独立に、一定である。nおよびmの配列分布は、質量分析計104の望ましい読み出し、選択したイオン監視を用いることのみによるまたは分子量の読み出しによる分子量、および断片化パターンによる配列(娘イオンスキャン)に応じて、ランダムであってもよいしまたはランダムでなくてもよい。この構築ブロックに付着させて、分子量区別標識がある。分子量コーディング基144の機能は、異なる分子量を有する多様なコーディング物質の生成を可能にすることである。これは、例えば、分子量コーディング基144内に異なる量の安定同位体標識または異なる化学官能性を用いることによって生成される。オリゴマー構築ブロックの機能は、サブユニットが異なるクロマトグラフィ特性(logP)を有するが、同一の分子量を有する、極性リーダーを生成することである。したがって、分子量コーディング基144および同重性オリゴマー主鎖の組み合わせによって、化学コーディング実体を生成することが可能である。同重性オリゴマー主鎖の生成に用いられる単量体に関する例は、129.16の分子量を有するセリン−プロピルエーテル、129.16の分子量を有するホモセリン−エチルエーテル、および129.11の分子量を有するグルタミン酸である。
したがって、最後に、各分子量コーディング基144を、アプリケーションの全クロマトグラフィ空間を含む同重性オリゴマー主鎖の混合物に連結する。したがって、関心対象の分析物の極性(logP)とは独立に、各化学コーディング実体または化学物質134の少なくとも1つのメンバーは、関心対象の分析物と同じ時間ウィンドウで、質量分析計104によって検出されるであろう。例えば、同じ同重性オリゴマー主鎖に付着した7つの異なる分子量コーディング基144を用いることによって、107の異なる化学コードのマトリックスを生成することが可能である。この場合、唯一の区別基準は分子量である(SIM読み取りのみ)。
上述のように、液体クロマトグラフィ分離ステーション110は、複数の液体クロマトグラフィチャネル112を含む。したがって、複数の試料108および試薬130を同時にプロセシングすることも可能である。化学物質134は、複数の液体クロマトグラフィチャネル112の1つに割り当てられる。例えば、化学物質134は、試薬130のタイプに応じて、複数の液体クロマトグラフィチャネル112の1つに割り当てられる。それによって、チャネル112の1つを通じた試薬130の流れを追跡することも可能である。特に、化学物質134が割り当てられるチャネル112を通じた試薬130の流れは、質量分析計104の実際の検出シグナルに、試薬134に相当する試薬検出シグナルおよび物質検出シグナルが含まれるかどうかを検出することによって、検出されうる。言い換えると、この流れは、試薬130がターゲットチャネルまたは正しいチャネル112を通過したかどうかを検出することも可能である。
方法は、複数の試薬130を提供し、異なる化学物質134の組成物146を複数の試薬130各々に添加し、ここで複数の試料108に添加する組成物146は、互いに異なる、複数の試薬130を化学物質134の組成物146とともに、分析系100によってプロセシングし、そして化学物質134の異なる組成物146に相当する物質検出シグナルを含む、質量分析計104の物質検出シグナルパターンの検出に基づいて、複数の試薬130各々を同定する工程をさらに含んでもよい。化学物質134は、少なくとも分子量が互いに異なる。この場合、組成物146の数は、液体クロマトグラフィチャネル112の数に対応することも可能である。したがって、少なくとも2つの異なる化学物質134を試薬130に添加することによって、コードを生成することも可能である。この目的のため、各化学物質134はあらかじめ決定した濃度を有し、ここで、少なくとも1つの化学物質134のあらかじめ決定した濃度は、質量分析計104の検出レベルよりも高い。
100 分析系
102 液体クロマトグラフ
104 質量分析計
106 試料調製ステーション
108 試料
110 液体クロマトグラフィ分離ステーション
112 液体クロマトグラフィチャネル
114 試料調製/液体クロマトグラフィインターフェース
116 液体クロマトグラフィ/質量分析計インターフェース
118 イオン化源
120 イオン移動度モジュール
122 コントローラー
124 バルブスイッチング
126 ESI源
128 APCI源
130 組成物
134 化学物質
136 標識基
138 極性分子基
140 親油性分子基
142 同重性オリゴマー基
144 分子量コーディング基
146 組成物

Claims (15)

  1. 分析系(100)におけるプロセス中に試薬(130)を同定するための方法であって、分析系(100)が液体クロマトグラフ(102)および質量分析計(104)を含み、該方法が:
    −試薬(130)を提供し、
    −少なくとも1つの化学物質(134)を、質量分析計(104)の検出レベルより高い濃度で、試薬(130)に添加し、
    −試薬(130)を、化学物質(134)とともに、分析系(100)によってプロセシングし、そして
    −化学物質(134)に相当する、質量分析計(104)の物質検出シグナルの検出に基づいて、試薬(130)を同定する
    工程を含む、前記方法。
  2. 試薬(130)が、プロセス中に連続して同定される、請求項1記載の方法。
  3. 液体クロマトグラフの固定相上に化学物質(134)が保持されるのを防止するように、化学物質(134)が設定されている、請求項1または2記載の方法。
  4. 化学物質(134)が液体クロマトグラフ(102)の固定相上に保持されるのを防止するように、化学物質(134)の極性および分子量が液体クロマトグラフの固定相に対して適応されている、請求項3記載の方法。
  5. 化学物質(134)の極性が、化学物質の同重性オリゴマーの混合物を用いることによって適応されている、請求項4記載の方法。
  6. 分子量が、化学物質の相同体、誘導体または同位体標識を用いることによって適応されている、請求項3または4記載の方法。
  7. 液体クロマトグラフ(102)が、複数の液体クロマトグラフィチャネル(112)を含む液体クロマトグラフィ分離ステーション(110)を含み、化学物質(134)が複数の液体クロマトグラフィチャネル(112)の1つに割り当てられる、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. チャネル(112)の1つを通じた試薬(130)の流れを追跡する、請求項7記載の方法。
  9. 質量分析計(104)の実際の検出シグナルが、試薬(130)に相当する試薬検出シグナルおよび物質検出シグナルを含むかどうかを検出することによって、化学物質(134)が割り当てられたチャネル(112)を通じた試薬(130)の流れを検出する工程をさらに含む、請求項8記載の方法。
  10. 化学物質(134)が、試薬(130)のタイプに応じて、複数の液体クロマトグラフィチャネル(112)の1つに割り当てられる、請求項7〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 異なる化学物質(134)の組成物(146)を試薬(130)に添加し、試薬(130)を、化学物質(134)の組成物(146)とともに、分析系(112)によってプロセシングし、そして化学物質(134)の組成物(146)に相当する物質検出シグナルを含む、質量分析計(104)の物質検出シグナルパターンの検出に基づいて、試薬(130)を同定する工程をさらに含む、請求項7〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 複数の試薬(130)を提供し、複数の試薬(130)の各々に、異なる化学物質(134)の組成物(146)を添加し、ここで複数の試薬(130)に添加する組成物(146)が互いに異なる、複数の試薬(130)を、化学物質(134)の組成物(146)とともに、分析系(112)によってプロセシングし、そして化学物質(134)の異なる組成物に相当する物質検出シグナルを含む質量分析計(104)の物質検出シグナルパターンの検出に基づいて、複数の試薬(130)各々を同定する工程をさらに含む、請求項11記載の方法。
  13. 組成物(146)の数が液体クロマトグラフィチャネル(112)の数に対応する、請求項12記載の方法。
  14. 化学物質(134)が、少なくとも分子量によって互いに異なる、請求項11〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 各化学物質(134)があらかじめ決定した濃度を有する、少なくとも2つの異なる化学物質(134)を試薬(130)に添加することによって、コードを生成する工程をさらに含み、少なくとも1つの化学物質(134)のあらかじめ決定した濃度が質量分析計(104)の検出レベルより高い、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
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