JP2020505435A - がんの治療 - Google Patents

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Abstract

COH29((N−(4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5−フェニルチアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロキシベンズアミド))を投与することによって、対象におけるがんを治療する方法が、本明細書において特に提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、それらの全体を参照により本明細書に組み込む、2017年2月6日に出願された米国仮特許出願第62/455,430号及び26、2017年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/511,747号の優先権を主張する。
ファイル048440−648001WO.TXT、2018年2月5日作成、1,097バイト、マシンフォーマットIBM−PC、MS−Windowsオペレーティングシステムに記載された配列表は、あらゆる目的のために、その全体を参照により本明細書に組み込む。
代謝拮抗薬ヒドロキシ尿素(HU)は、慢性骨髄性白血病及び頭頸部がん等を含む種々のヒトがんを治療するために使用されてきた(1)。ヒドロキシ尿素の主要な抗がん標的は、リボヌクレオチドレダクターゼ(RR)であり、リボヌクレオチドレダクターゼは、リボヌクレオチドを、対応するデオキシ形態に還元して、DNAの複製及び修復のためのdNTPを供給する(3、4)。ヒトRRは、hRRM1サブユニット及びhRRM2サブユニットから構成される(3、4)。遺伝毒性刺激の後、代替的なRR酵素は、hRRM1及びp53R2(腫瘍抑制タンパク質p53によってトランス活性化されたhRRM2のホモログ)から構成されるDNA修復のためのdNTPを供給するように誘導される(5)。細胞内において、HUは、遊離基が仲介する触媒作用(3)をクエンチする酸化的転換(6)によって遊離基を生成させることにより、両方の種類のRR(4)を阻害することが知られている。しかしながら、薬理学的には、HU療法には、インビボにおける短い半減期及び厄介な副作用、最も特定すると骨髄抑制、並びに胃腸及び皮膚に及ぼす効果という難点がある(7)。
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1(PARP1)及びPARP2は両方とも、腫瘍の進行に関与するADP−リボシルトランスフェラーゼ(ART)である。PARP1等のPARP活性を有するARTメンバーは、高度に保存された活性部位配列を有する、触媒作用のある保存ドメインを含有する(12〜14)。一本鎖DNA切断の後、PARP1は、β−NAD+基質からADP−リボースポリマーを合成し、これらをアクセプタータンパク質(それ自体又は他のタンパク質)のグルタメート残基、リシン残基又はアスパルテート残基に移送するが、これらは、後でポリ(ADP−リボース)グリコヒロドラーゼ(PARG)によって分解される。一本鎖DNA切断修復(SSBR)又は塩基除去修復(BER)の最中、PARP1及びPARP2は、X線修復補完タンパク質−1(XRCC1)と相互作用して、SSBR/BER 因子、DNA ポリメラーゼβ又はDNAリガーゼIIIをDNA損傷部位に補充する(12〜14)。PARP1がない場合、DNA複製中に一本鎖切断が存在し続けることにより、停滞した複製フォークが生じるが、この複製フォークの分解には、BRCA1又はBRCA2が仲介する相同修復(HR)が必要になる(15、16)。BRCA1とBRCA2は、家族性乳がんの発症に関連付けられた腫瘍抑制遺伝子である(11)。したがって、BRCA1の非存在下においては、二本鎖切断が蓄積して、アポトーシスによる細胞死が起きる。BRCA1/2欠損腫瘍は、PARP1阻害剤に感受性が高いものであり得るが、PARP1阻害剤に対する獲得耐性という難点を有し得る。
よって、当技術分野においては、現在の療法に伴う副作用及び/又は獲得耐性を回避してBRCA1/2欠損腫瘍を治療する必要性がある。したがって、当技術分野における上記及び他の課題に対する解決法が、本明細書において提供される。
一態様において、それを必要としている対象のがんを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の、構造:
Figure 2020505435
を有する化合物を投与することを含み、
有効量が、少なくとも投与日当たり約50mgである。
別の態様において、薬学的に許容される賦形剤及び構造
Figure 2020505435
を有する化合物を含む、医薬組成物であって、本化合物が、約50mg〜約1000mgの量で存在する、
医薬組成物を提供する。
別の態様において、本明細書において開示された医薬組成物を21日間にわたって毎日供給した後で7日間にわたって医薬組成物を投与しないように構成された供給器を含む、キットが提供される。
BRCA1ステータスは、COH29細胞毒性及び抗腫瘍活性に影響する。図1A:COH29と一緒に72時間インキュベートして溶解させたwt(野生型)BRCA1(OV90)発現又は突然変異BRCA1(UWB1.289)発現卵巣がん細胞(細胞生存可能性をMTTアッセイによって査定した)に関する用量応答曲線であり、図示されている点は、エラーバーを示した状態で、3回の独立した実験の平均を表しており;雌のNSGマウスの乳房脂肪体に含まれるHCC1937(図1B)細胞及びHCC1937+BRCA1(図1C)細胞によって確立された腫瘍外植体の成長(マウスは、表示のように、COH29又はビヒクルによって処理されており、結果は、1グループ当たり4匹のマウスから取得した腫瘍測定値の平均±標準誤差である)。 BRCA1ステータスは、COH29細胞毒性及び抗腫瘍活性に影響する。図1A:COH29と一緒に72時間インキュベートして溶解させたwt(野生型)BRCA1(OV90)発現又は突然変異BRCA1(UWB1.289)発現卵巣がん細胞(細胞生存可能性をMTTアッセイによって査定した)に関する用量応答曲線であり、図示されている点は、エラーバーを示した状態で、3回の独立した実験の平均を表しており;雌のNSGマウスの乳房脂肪体に含まれるHCC1937(図1B)細胞及びHCC1937+BRCA1(図1C)細胞によって確立された腫瘍外植体の成長(マウスは、表示のように、COH29又はビヒクルによって処理されており、結果は、1グループ当たり4匹のマウスから取得した腫瘍測定値の平均±標準誤差である)。 BRCA1ステータスは、COH29細胞毒性及び抗腫瘍活性に影響する。図1A:COH29と一緒に72時間インキュベートして溶解させたwt(野生型)BRCA1(OV90)発現又は突然変異BRCA1(UWB1.289)発現卵巣がん細胞(細胞生存可能性をMTTアッセイによって査定した)に関する用量応答曲線であり、図示されている点は、エラーバーを示した状態で、3回の独立した実験の平均を表しており;雌のNSGマウスの乳房脂肪体に含まれるHCC1937(図1B)細胞及びHCC1937+BRCA1(図1C)細胞によって確立された腫瘍外植体の成長(マウスは、表示のように、COH29又はビヒクルによって処理されており、結果は、1グループ当たり4匹のマウスから取得した腫瘍測定値の平均±標準誤差である)。 患者コホートにおけるRRM2発現とPARP1との相関の図である。乳がん(図2A)及び卵巣がん(図2B)における臨床成果の公開データベースから抽出された、RRM2及びPARP1の発現の回帰プロット。 患者コホートにおけるRRM2発現とPARP1との相関の図である。乳がん(図2A)及び卵巣がん(図2B)における臨床成果の公開データベースから抽出された、RRM2及びPARP1の発現の回帰プロット。 COH29は、BRCA1欠損ヒト乳がん細胞におけるPARP1を阻害する。(図3A):突然変異又はwt BRCA1(いずれの場合においても、wt=+BRCA1)を発現した乳がん細胞株(HCC1937)及び卵巣がん細胞株(UWB1.289)の同質遺伝子型の組における、PARP1活性に及ぼされるCOH29の効果を、Materials&Methodsに記載の手順を使用して2反復で査定した。 COH29は、BRCA1欠損ヒト乳がん細胞におけるPARP1を阻害する。図3B:同質遺伝子型HCC1937/HCC1937+BRCA1細胞株における、PARP1 タンパク質発現に及ぼされるCOH29の効果を、一次抗体として抗ヒトPARP1抗体を使用して、ウエスタンブロット分析によって査定した。ローディングコントロールは、β−アクチンである。 COH29及びシスプラチンによって二重に処理した後の、細胞生存能力に及ぼされるBRCA1の効果。図4B:5μM COH29単独、4μMシスプラチン単独又は同じ濃度のこれらの2種の薬物の組合せの存在下において、提示された細胞における24時間生存可能性のヒストグラム(3回の独立した実験の平均が示されている)。 COH29及びシスプラチンによって二重に処理した後の、細胞生存能力に及ぼされるBRCA1の効果。図4A:ある固定濃度のCOH29(12.5μM)+シスプラチン(12.5、25、50及び100μM)によって24時間処理されており、MTTアッセイ(図示されている点は、エラーバーを示した状態で、3回の独立した実験の平均を表している)によって査定された、HCC1937及びHCC1937+BRCA1細胞の生存可能性。 ゼブラフィッシュ遺伝毒性アッセイにおけるHUに比較したCOH29の効果。 ゼブラフィッシュ遺伝毒性アッセイにおけるHUに比較したCOH29の効果。図5B:ゼブラフィッシュ(0、5、10、20、50mM、n=50、3反復で実施)における、異なる濃度が相異なる一系列のHUに関する棒グラフ。 ゼブラフィッシュ遺伝毒性アッセイにおけるHUに比較したCOH29の効果。図5C:提示のように、COH29に曝露された4dpfにおける野生型ゼブラフィッシュ胚。 ゼブラフィッシュ遺伝毒性アッセイにおけるHUに比較したCOH29の効果。図5A:提示のように(眼及び心臓の発生の形態変化が矢印によって指し示されている)、HUに曝露された4dpf(受精後日数)における野生型ゼブラフィッシュ胚。図5D:ゼブラフィッシュ(0、10、20、50、100μM、n=46、3反復で実施)における、異なる濃度が相異なる一系列のCOH29の効果に関する棒グラフ。 COH29処理が、DNA損傷チェックポイントを活性化させている. ウエスタンブロットによって査定された、p53を発現したヒト乳がん細胞(MCF−7)又はp53を欠損したヒト乳がん細胞(MCF−7 p53−/−)、及び、トリプルネガティブ乳がん細胞(MDA−MB−468)における、DNA損傷チェックポイントタンパク質に及ぼされるCOH29処理の効果。 COH29は、DDRを活性化させ、BRCA1野生型ヒト肺がん細胞におけるRAD51発現を抑制する。図7A:DDR関連タンパク質に及ぼされるCOH29の効果を、ウエスタンブロット分析によって細胞質及び核において査定した。ここで、細胞は、提示の用量において48時間COH29によって処理されており、細胞溶解物は、提示の抗体を使用して、イムノブロッティングに供した(FOXO3活性は、下流標的p27Kip1のレベルによって提示されており、β−チューブリン及びラミンA/Cは、Cyt.及びNuc.抽出物の分画及びローディングコントロールを表す)。 COH29は、DDRを活性化させ、BRCA1野生型ヒト肺がん細胞におけるRAD51発現を抑制する。図7B〜図7D:DDR関連タンパク質、phospho−ATM(図7B)、γ−H2AX(図7C)及びphospho−p53(図7D)の共局在化に及ぼされるCOH29の効果の図であり、核におけるfoxo3は、間接免疫蛍光法 アッセイによって査定した。各タンパク質に関しては、300個の染色済み細胞の平均を分析したが、ヒストグラムは、陽性核(5個以上の病巣)を伴う細胞の百分率(%)を示しており、ここで、生物学的反復の回数は、3であり、エラーバーは、標準偏差(SD)を表しており、p値(対応のあるt検定)は、提示のとおりである)。 COH29は、DDRを活性化させ、BRCA1野生型ヒト肺がん細胞におけるRAD51発現を抑制する。図7B〜図7D:DDR関連タンパク質、phospho−ATM(図7B)、γ−H2AX(図7C)及びphospho−p53(図7D)の共局在化に及ぼされるCOH29の効果の図であり、核におけるfoxo3は、間接免疫蛍光法 アッセイによって査定した。各タンパク質に関しては、300個の染色済み細胞の平均を分析したが、ヒストグラムは、陽性核(5個以上の病巣)を伴う細胞の百分率(%)を示しており、ここで、生物学的反復の回数は、3であり、エラーバーは、標準偏差(SD)を表しており、p値(対応のあるt検定)は、提示のとおりである)。 COH29は、DDRを活性化させ、BRCA1野生型ヒト肺がん細胞におけるRAD51発現を抑制する。図7B〜図7D:DDR関連タンパク質、phospho−ATM(図7B)、γ−H2AX(図7C)及びphospho−p53(図7D)の共局在化に及ぼされるCOH29の効果の図であり、核におけるfoxo3は、間接免疫蛍光法 アッセイによって査定した。各タンパク質に関しては、300個の染色済み細胞の平均を分析したが、ヒストグラムは、陽性核(5個以上の病巣)を伴う細胞の百分率(%)を示しており、ここで、生物学的反復の回数は、3であり、エラーバーは、標準偏差(SD)を表しており、p値(対応のあるt検定)は、提示のとおりである)。 NHEJ DNA修復に及ぼされるCOH29の効果。細胞を薬物に24時間曝露した後におけるEJ2(図8A)(代替的なNHEJ経路)又はEJ5(図8B)(NHEJ 経路)細胞のFACS分析によって査定された、示された用量における、COH29単独の活性又はCOH29とシスプラチンとの組合せの活性。 NHEJ DNA修復に及ぼされるCOH29の効果。細胞を薬物に24時間曝露した後におけるEJ2(図8A)(代替的なNHEJ経路)又はEJ5(図8B)(NHEJ 経路)細胞のFACS分析によって査定された、示された用量における、COH29単独の活性又はCOH29とシスプラチンとの組合せの活性。 COH29は、ヒト肺がん細胞におけるRAD51を抑制している。図9A:RAD51タンパク質に及ぼされるCOH29の効果を、一次抗体として抗ヒトRAD51抗体を使用する間接免疫蛍光法アッセイによって査定した。 COH29は、ヒト肺がん細胞におけるRAD51を抑制している。図9B:RAD51タンパク質に及ぼされるCOH29の効果を、一次抗体として抗ヒトRAD51抗体を使用するウエスタンブロット分析(ローディングコントロールは、β−アクチンだった)によって査定したが、この分析に関しては、A549肺がん細胞を、提示の用量において24時間COH29によって処理し、COH−29処理後のγ−H2AXの発現パターンも、図9A及び図9Bにおいて同様に分析した。 リボヌクレオチドレダクターゼ(RR)のM2サブユニットの表面にあるポケット部に結合するCOH29の能力を、図示する図である。 72時間の毒性アッセイのときに、ゲムシタビン(KB−Gem)耐性細胞株(図11A)及びヒドロキシ尿素(KBHUR)耐性細胞株(図11B)における、COH29の活性を、図示する図である。ヒドロキシ尿素(濃度2〜50mmol/L)、ゲムシタビン(濃度20〜500μmol/L)及びCOH29(濃度2〜250μmol/L)を、COH29に対するヒドロキシ尿素耐性細胞又はゲムシタビン耐性細胞の72時間生存可能性の比較に基づいて、KBHUR及びゲムシタビンのそれぞれに関するリアルタイム成長曲線のために使用した。 72時間の毒性アッセイのときに、ゲムシタビン(KB−Gem)耐性細胞株(図11A)及びヒドロキシ尿素(KBHUR)耐性細胞株(図11B)における、COH29の活性を、図示する図である。ヒドロキシ尿素(濃度2〜50mmol/L)、ゲムシタビン(濃度20〜500μmol/L)及びCOH29(濃度2〜250μmol/L)を、COH29に対するヒドロキシ尿素耐性細胞又はゲムシタビン耐性細胞の72時間生存可能性の比較に基づいて、KBHUR及びゲムシタビンのそれぞれに関するリアルタイム成長曲線のために使用した。 マウス異種移植片におけるCOH29の活性を、図示する図である。がん細胞を植え込み、腫瘍が測定可能になるまで皮下部位で成長するままにした。経口用COH29を50mg/kg及び100mg/kgで1日2回投薬することによって12日間処理された白血病性(MOLT−4)マウス(図12A)、及び、200mg/kg、300mg/kg又は400mg/kgの経口用COH29によって7日間処理された卵巣がんを有するマウス(TOV112D)(図12B)(1グループ当たり4匹の動物に関する平均±SDが示されている)に関する、皮下異種移植片成長曲線。 マウス異種移植片におけるCOH29の活性を、図示する図である。がん細胞を植え込み、腫瘍が測定可能になるまで皮下部位で成長するままにした。経口用COH29を50mg/kg及び100mg/kgで1日2回投薬することによって12日間処理された白血病性(MOLT−4)マウス(図12A)、及び、200mg/kg、300mg/kg又は400mg/kgの経口用COH29によって7日間処理された卵巣がんを有するマウス(TOV112D)(図12B)(1グループ当たり4匹の動物に関する平均±SDが示されている)に関する、皮下異種移植片成長曲線。 マウス異種移植片におけるCOH29の活性を、図示する図である。がん細胞を植え込み、腫瘍が測定可能になるまで皮下部位で成長するままにした。図12Cは、ビヒクル(solutol−15)又は100mg/kgの経口用COH29によって12日間処理されたマウスから得たMOLT−4腫瘍異種移植片におけるRNRの活性を、図示する図である。 マウス異種移植片におけるCOH29の活性を、図示する図である。がん細胞を植え込み、腫瘍が測定可能になるまで皮下部位で成長するままにした。図12Dは、MOLT−4腫瘍異種移植片から得た、腫瘍内dTNPプールに及ぼされる経口用COH29の効果を、図示する図である。 インビトロ(図13A)及びマウス乳房脂肪体の同所性腫瘍異種移植片(図13B)における、HCC1937 BRCA1欠損及びHCC1937 BRCA1野生型乳がん細胞におけるCOH29の効果を、図示する図である。 インビトロ(図13A)及びマウス乳房脂肪体の同所性腫瘍異種移植片(図13B)における、HCC1937 BRCA1欠損及びHCC1937 BRCA1野生型乳がん細胞におけるCOH29の効果を、図示する図である。 COH29の臨床プロトコルに関する実験設計スキームを図示する、図である。COH29は、用量レベルに応じて、21日間にわたって1日1回又は1日2回経口投与される。PKサンプリングの時間経過は、サイクル1の最初の投薬前に開始し、その後、第1のCOH29の投薬から15分後、30分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、6時間後、8時間後、24時間後(すなわち、2日目における朝の投薬の前)及び168時間後(すなわち、8日目における朝の投薬の前)に開始した。血液サンプリングは、研究対象薬物の投与前、及び必要に応じて、後続サイクルの1日目の投薬前に実施したが、研究の終了時に、PBMC PD研究のために実施されている。 COH29(用量規定毒性(「DLT」)に基づく)に関する加速漸増第I相設計(accelerated titration phase I design)を、図示する図である。
規定
本明細書において、「患者」、「対象」「それを必要としている患者」及び「それを必要としている対象」は、相互変換可能に使用されており、本明細書において上述したように、COH29の投与又は他の抗がん剤と組み合わせたCOH29の投与によって治療することができる疾患又は状態に罹っている又は罹りやすい生物を指す。いくつかの実施形態において、疾患又は状態は、がんである。対象の非限定的な例には、ヒト、他の哺乳類、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、乳牛、シカ及び哺乳類ではない他の動物が挙げられる。いくつかの実施形態において、患者は、ヒトである。
本明細書において使用されている「がん対象」は、本明細書において記述されたがんを有する対象を指す。がん対象は、本明細書において記述されたがんのうちの少なくとも1つを有し得る。したがって、例えば、がん対象は、「乳がん対象」(例えば、乳がんを有する対象)を指してもよいし、又は「卵巣がん対象」(例えば、卵巣がんを有する対象)を指してもよい。がん対象は、特定の遺伝型又は表現型の特徴(例えば、欠損遺伝子生成物又は特定の抗がん剤に対する耐性)を示すがんを有し得る。したがって、がん対象は、BRCA1欠損対象であってよく、ここで、BRCA1欠損対象が、BRCA1欠損遺伝子又はBRCA1欠損タンパク質(例えば、「「BRCA1欠損」)を含むがんを有する対象である。いくつかの実施形態において、「BRCA1欠損対象」は、BRCA1遺伝子が発現しないこと(例えば、対照又は健康な対象に比べて減少した発現)、対象において機能的BRCA1が存在しないこと(例えば、対照又は健康な対象に比べて減少した量)、又は、対象において少なくとも部分的にがんを直接若しくは間接的に引き起こすBRCA1の低減された発現を指す。いくつかの実施形態において、BRCA1欠損対象は、BRCA1遺伝子の発現がないこと、対象において機能的BRCA1が存在しないことを示す。がん対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象」であってよく、ここで、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象は、当技術分野において公知の少なくともひとつのPARP1阻害剤に対する耐性があるがんを有する対象である。がん対象は、「DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象」であってよく、ここで、このような対象は、当技術分野において公知の少なくともひとつのDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性があるがんを有する。がん対象は、ひとつより多い遺伝型又は表現型の特徴を示すがんを有し得る(例えば、乳がん対象は、BRCA1欠損及び少なくともひとつのPARP1阻害剤に対する耐性を有するがんを有し得る)。
「COH29」は、式(N−(4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5−フェニルチアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロキシベンズアミド)
Figure 2020505435
を有する化合物を指す。
COH29及びCOH29の合成は、それらの全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第7,956,076号、第8,372,983号及び国際出願番号PCT/US13/24490号において記述されている。
COH29は、例えば乳がん対象、卵巣がん対象、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象を含む、本明細書において記述されたがん対象に投与することができる。投与は、本明細書に記載の治療有効量におけるものであってよい。
「BRCA1」は、一般的な通常の意味に従って使用されており、同じ又は類似した名称のタンパク質及びそのタンパク質の機能的フラグメント及びホモログを指す。この「BRCA1」という用語は、BRCA1の組換え形態又は天然形態(例えば、乳がん1、早期発症;GI No:1698399)又はBRCA1活性を維持している(例えば、BRCA1に比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%の活性に収まっている)BRCA1のバリアントを含む。
「γ−H2AX」は、一般的な通常の意味に従って使用されており、同じ又は類似した名称のタンパク質及びそのタンパク質の機能的フラグメント及びホモログを指す。この「γ−H2AX」という用語は、γ−H2AXの任意の組換え形態又は天然形態(例えば、γ ヒストンH2AX;GI No:4504253)又はγ−H2AX活性を維持している(例えば、γ−H2AXに比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%の活性に収まっている)γ−H2AXのバリアントを含む。
「Rad51」は、一般的な通常の意味に従って使用されており、同じ又は類似した名称のタンパク質及びそのタンパク質の機能的フラグメント及びホモログを指す。この「Rad51」という用語は、Rad51の任意の組換え形態又は天然形態(例えば、GI No:49168602)又はRad51活性を維持している(例えば、Rad51に比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%の活性に収まっている)Rad51のバリアントを含む。
「PARP1」は、一般的な通常の意味に従って使用されており、同じ又は類似した名称のタンパク質及びそのタンパク質の機能的フラグメント及びホモログを指す。この「PARP1」という用語は、PARP1の任意の組換え形態又は天然形態(例えば、ポリ[ADP−リボース]ポリメラーゼ1;GI No:156523968))又はPARP1活性を維持している(例えば、PARP1に比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%の活性に収まっている)PARP1のバリアントを含む。「PARP1阻害剤」は、PARP1(NADADP−リボシルトランスフェラーゼ1)の活性を阻害する組成物(例えば、化合物、ペプチド、タンパク質、核酸又は抗体)である。
「PARP1阻害剤」は、PARP1の活性又は発現を阻害することによってがんを治療するときに効果的な、組成物(例えば、化合物、ポリペプチド、アミノ酸、ポリヌクレオチド、核酸又は抗体)である。PARP1阻害剤の非限定的な例には、オラパリブ、ベリパリブ、イニパリブ及びニラパリブが挙げられる。
「DNA損傷作用のある抗がん剤」は、DNAを損傷させることによってがんを治療するときに有効な組成物(例えば、化合物、ポリペプチド、アミノ酸、ポリヌクレオチド、核酸又は抗体)である。DNA損傷作用のある抗がん剤は、化学療法用物質であってよい。いくつかの実施形態において、DNA損傷作用のある作用物質は、照射(例えば、γ線照射)を含む。DNA損傷作用のある抗がん剤の相互作用は、直接的であってもよいし(例えば、DNA自体と結合又は相互作用すること)、又は間接的であってもよい(例えば、DNAと相互作用する他の分子と結合又は相互作用すること)。本明細書において、DNA損傷作用のある抗がん剤には例えば、アルキル化剤(例えば、エチレンイミン、メチルメラミン、ニトロソ尿素、ニトロゲンマスタード、ブスルファン、シクロホスファミド及びプロカルバジン)、代謝拮抗物質、アントラサイクリン、白金主体型作用物質、タキサン、キナーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC)、トポイソメラーゼ阻害剤及びヌクレオチドアナログが挙げられる。いくつかの実施形態において、DNA損傷作用のある抗がん剤は、DNA塩基対の間にインターカレートし、又はDNAにある副溝若しくは主溝の中に結合する、組成物を含む。いくつかの実施形態において、DNA損傷作用のある抗がん剤は、トポイソメラーゼI剤、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、トポイソメラーゼII剤、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、アドリアマイシン(例えば、ドキソルビシン)、エトポシド、一本鎖切断剤(例えば、BCNU(カルムスチン)、CCNU(ロムスチン))、DTIC(ダカルバジン)、シトキサン(シクロホスファミド)、イホスファミド、ブレオマイシン及びミトマイシンCである。
「化学療法用物質」又は「化学療法剤」は、純粋な通常の意味に従って使用されており、抗腫瘍性特性又は細胞の成長若しくは増殖を阻害する能力を有する化学組成物又は化合物を指す。
抗がん薬シスプラチンは、例えば卵巣がん、睾丸がん、生殖細胞腫瘍、小細胞肺がん、リンパ球種、頭頸部がん及び膀胱がんが挙げられる、様々なヒトがんを治療するために使用されてきた。本明細書において「白金主体型化合物」又は「白金含有作用物質」は、有機及び/又は無機官能基によって取り囲まれた中心にある白金原子を含有する重金属錯体を含む、化合物を指す。白金主体型薬物も、白金主体型化合物に含まれる。白金主体型化合物の非限定的な例には、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、トリプラチン、テトラニトレート、薬学的に許容されるこれらの塩、これらの立体異性体、これらの誘導体、これらのアナログ及びこれらの組合せが挙げられる。「シスプラチン」という用語は、それらの全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第4,177,263号、第4,584,316号、第5,648,362号及び第5,399,694号において記述されたもの等の誘導体及びアナログを含む。
シスプラチンの抗がん活性は、求核性基を有するシスプラチンクロリドイオンを伴う交換反応を必要とする、標的細胞におけるDNAの架橋に主に起因する。シスプラチンは、d(GpG)又はd(ApG)配列を有する鎖内付加体の形成によって、DNA中に二座配位による傷害を生じさせる。シスプラチンは、DNA複製に干渉し得る鎖間架橋を生成することもできる。これらの傷害は、DNA損傷チェックポイントを活性化させて、細胞周期の進行を停止させる。患者における二次腫瘍の形成は、シスプラチン療法に伴う主要な課題のうちの1つである。シスプラチンに関する他の副作用は、腎毒性、神経毒性、嘔気、中毒性難聴、骨髄毒性及び電解質平衡障害を含み得る。シスプラチン耐性は、がん患者においても見受けられる。
「治療する」又は「治療」という用語は、外傷、疾患、病理又は状態の治療又は緩和の成功に関する任意の徴候を指しており、軽減;寛解;症状の減弱、又は、外傷、病理若しくは状態を患者にとってより耐えられるものにすること;変性又は劣化の速度の減速;変性の最終地点の衰弱作用を減じること;患者の物理的又は精神的なウェルビーイングの改善等、任意の目標パラメータ又は主観的パラメータも含める。症状の治療又は緩和は、診察、神経精神病学的検査及び/又は精神医学的評価の結果を含む、目標パラメータ又はパラメータに基づくことができる。「治療する」という用語及びその活用形は、外傷、病理、状態又は疾患の予防を含む。
本明細書において使用されているとき、「がん」という用語は、白血病、癌腫及び肉腫を含む、哺乳類において見受けられるすべての種類のがん、新生物、悪性又は良性腫瘍を指す。例示的ながんには、乳がん、卵巣がん、結腸がん、肝臓がん、腎臓がん及び膵臓がんが挙げられる。さらなる例には、白血病(例えば、急性骨髄性白血病(「AML」)又は慢性骨髄性白血病(「CML」))、脳がん、肺がん、非小細胞肺がん、メラノーマ、肉腫及び前立腺がん、子宮頸がん、胃がん、頭頸部がん、子宮がん、中皮腫、転移性骨がん、髄芽腫、ホジキン病、非ホジキン性リンパ球種、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性膵インスリゾーマ、悪性カルチノイド、尿中膀胱がん、前癌性皮膚傷害、睾丸がん、リンパ球種、甲状腺がん、神経芽細胞腫、食道がん、尿生殖路がん、悪性高カルシウム血症、子宮内膜がん、副腎皮質がん、膵臓内分泌腺及び外分泌腺の新生物が挙げられる。
「白血病」という用語は、造血器官の進行性悪性疾患を広範に指しており、一般に、血液及び骨髄に含まれる白血球及び白血球の前駆物質の誤った増殖及び発達を特徴とする。一般に、白血病は臨床的には、(1) 疾患の持続期間及び特質(急性又は慢性);(2) 関与する細胞の種類;骨髄性(骨髄系)、リンパ様(リンパ行性)又は単球性;及び(3) 血液中の異常細胞の数の増加の有無(白血病性又は非白血病性(亜白血病性))に基づいて分類される。マウス白血病モデルは、インビボにおける抗白血病活性を予測するものとして、幅広く受け入れられている。P388細胞アッセイにおける検査で陽性と出る化合物は一般に、治療される白血病の種類にかかわりなく、ある程度のレベルの抗白血病活性を示すと考えられている。したがって、本開示は、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血病性白血病、白血球血症性白血病、好塩基性白血病、芽細胞白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎生細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞白血病、血球芽細胞性白血病、血液芽球性白血病、組織球性白血病、幹細胞白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ系白血病、リンパ芽細胞性白血病、リンパ球性白血病、リンパ行性白血病、リンパ様白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、マスト細胞白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄性顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、プラスマ細胞白血病、多発性骨髄腫、プラスマ細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーデル細胞白血病、シリング白血病、幹細胞白血病、亜白血病性白血病及び未分化細胞白血病することを含む、白血病を治療する方法を含む。
「肉腫」という用語は一般に、胚性結合組織に似た物質から構成されたおり、一般には、線維状又は均一な物質に埋め込まれた状態の密に詰め込まれた細胞から構成される、腫瘍を指す。抗腫瘍性チオール結合ミトコンドリア型酸化剤と抗がん剤との組合せによって治療され得る肉腫には、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アベメシー肉腫(Abemethy’s sarcoma)、脂肪性肉腫、脂肪肉腫、胞巣状南部肉腫、エナメル上皮歯牙肉腫、ブドウ状肉腫、緑色肉腫、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルムシ腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞性肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキンス肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽球性肉腫、リンパ球種、T細胞の免疫芽球性肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クプファー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫型肉腫、傍骨肉腫、網赤血球肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫及び毛細血管拡張性肉腫が挙げられる。
「メラノーマ」という用語は、皮膚及び他の器官のメラノサイト系に起因した腫瘍を意味するように取り扱われる。抗腫瘍性チオール結合ミトコンドリア型酸化剤と抗がん剤との組合せによって治療され得るメラノーマには例えば、末端黒子型メラノーマ、無色素性メラノーマ、良性若年性メラノーマ、クラウドマンメラノーマ、S91メラノーマ、ハーディング−パッセーメラノーマ、若年性メラノーマ、悪性黒子型メラノーマ、悪性メラノーマ、結節性メラノーマ、爪下メラノーマ及び表在拡大型メラノーマが挙げられる。
「癌腫」という用語は、周囲の組織に浸潤して転移を起こしやすい上皮細胞から構成される、悪性新生物を指す。抗腫瘍性チオール結合ミトコンドリア型酸化剤と抗がん剤との組合せによって治療される得る例示的な癌腫には例えば、細葉細胞癌、小葉癌、腺嚢癌、腺様嚢胞癌、腺癌、副腎皮質癌、肺胞性癌、肺胞細胞癌、基底細胞癌、基底細胞性癌、類基底細胞癌、基底有棘細胞癌、細気管支肺胞性癌、細気管支癌、気管支原性癌、大脳様癌、胆管細胞癌、絨毛癌、コロイド腺癌、面皰癌、子宮体癌、篩状癌、鎧状癌、皮膚癌、円柱状癌、円柱状細胞癌、管癌、硬性癌、胎児性癌、脳様癌、類表皮癌、腺上皮癌、外方発育癌、潰瘍癌、線維性癌、膠様質癌、膠様癌、巨細胞癌、巨細胞性癌、腺癌、顆粒膜細胞癌、毛母組織癌、血液様癌、幹細胞癌、ハースル細胞癌、ヒアリン癌、副腎様癌、小児胎児性癌、上内皮癌、表皮内癌、上皮内癌、クロムペッヘル癌、クルチッキー細胞癌、大細胞癌、レンズ状癌、レンズ様癌、脂肪腫性癌、リンパ上皮癌、髄様性癌、髄様癌、黒色癌、軟癌、粘液性癌、粘液分泌性癌、粘液細胞性癌、粘液表皮癌、粘液様癌、粘液癌、粘液腫様癌、鼻咽腔癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、類骨癌、乳頭状癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、軟性癌、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫性癌、シュナイダー癌、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、バレイショ状癌、回転楕円面細胞癌、紡錘細胞癌、海綿状癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、ひも状癌、毛細血管拡張症性癌、毛細血管拡張性癌、移行細胞癌、結節性癌、結節癌、いぼ状癌及び絨毛性癌が挙げられる。
「がんモデル生物」は、がんを示唆する表現型又はがん誘発要素の生体内における活性を示す、生体(例えば、がん細胞株)である。がんモデル生物は、本明細書において記述されたがんの表現型を示し得る。したがって、がんモデル生物は例えば、PARP1阻害剤に対する耐性がある又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性がある、BRCA1欠損がん細胞株であってよい。多種多様な生体ががんモデル生物として作用することが可能であり、例えば、がん細胞、並びにげっ歯類(例えば、マウス又はラット)及び霊長類(ヒト等)等の哺乳類生体を挙げることができる。がん細胞株は、インビボにおけるがんに類似した表現型又は遺伝子型を示す細胞として、当業者によって幅広く理解されている。本明細書において使用されているがん細胞株は、動物(例えば、マウス)及びヒト由来の細胞株を含む。
「抗がん剤」は、純粋な通常の意味に従って使用されており、抗腫瘍性特性又は細胞の成長若しくは増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば、化合物、ポリペプチド、アミノ酸、ポリヌクレオチド、核酸又は抗体)を指す。一部の実施形態において、抗がん剤は、化学療法用物質である。一部の実施形態において、抗がん剤は、本明細書において、がんを治療する方法に有用であると認められている作用物質である。一部の実施形態において、抗がん剤は、FDA又は米国以外の国に属する類似の規制規正機関により、がんの治療用として承認された作用物質である。抗がん剤は、特定のがん又は特定の組織に対して選択的であり得る。
本明細書において使用されているとき、「投与する」という用語は、対象への経口投与、座薬としての投与、局所的な接触、静脈内投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病巣内投与、髄腔内投与、鼻腔内投与若しくは皮下投与、又は、徐放性デバイス、例えば小型浸透圧ポンプの植込みを意味する。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸又は経皮)を含む、任意の経路によるものである。非経口投与には例えば、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、皮内投与、皮下投与、腹腔内投与、脳室内投与及び頭蓋内投与が挙げられる。他の送達様式には、限定されるわけではないがリポソーム製剤、静脈内点滴、経皮パッチ等の使用が挙げられる。
「共投与する」は、本明細書において記述された組成物が、ひとつ以上のさらなる療法の施用と同時に、直前に、又は直後に投与されることを意味する。例えば、COH29は、患者に単独で投与されてもよいし、又は共投与されてもよい。共投与は、個別の又は(1種より多い化合物又は作用物質の)組合せの化合物を同時投与又は逐次投与することを意味する。したがって、調合剤は所望に応じて、(例えば、代謝分解を低減するために)他の活性物質と組み合わせることもできる。
本明細書において開示された組成物は、アプリケータースティック、溶液、懸濁液、乳液、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、粉末及びエーロゾルとして配合されたとき、局所的な経路によって経皮送達することができる。経口用調合剤には、患者による消化に適した錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ロゼンジ、カシェ、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤等が挙げられる。固体形態調合剤には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ、座薬及び分散性顆粒剤が挙げられる。液体形態調合剤には、溶液、懸濁液及び乳液、例えば、水又は水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。本発明の組成物は、持続放出及び/又は快適さをもたらすための成分をさらに含んでもよい。このような成分は、高分子量のアニオン性疑似粘液状ポリマー、ゲル化作用のある多糖及び細かく砕いた薬物キャリア基質を含む。これらの成分は、米国特許第4,911,920号、第5,403,841号、第5,212,162号及び第4,861,760号においてさらに詳細に論述されている。これらの特許の全内容は、あらゆる目的のためにそれらの全体を参照により本明細書に組み込む。本明細書において開示された組成物は、体内で徐放するための微小球として送達することもできる。例えば、微小球は、皮下で徐放される薬物含有微小球の皮内注射(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623〜645頁、1995年を参照されたい)によって投与することもできるし、生分解性の注射用ゲル製剤(例えば、Gao Pharm.Res.12:857〜863頁、1995年を参照されたい)投与することもできるし、又は、経口投与のための微小球体(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669−674頁、1997年を参照されたい)として投与することもできる。別の実施形態において、本発明の組成物の製造は、細胞膜と融合し又はエンドサイトーシスされるリポソームの使用によって送達することが可能であり、すなわち、受容体リガンドにある表面膜タンパク質受容体に結合して、エンドサイトーシスを起こすものである、リポソームに結合した受容体リガンドを用いことによって送達することが可能である。リポソームの使用によって、特に、リポソーム表面が、標的細胞に対して特異的である、又はそうでない場合は、特異的な器官に優先的に案内される、受容体リガンドを有する場合、インビボにおいて、本発明の組成物の送達を標的細胞に集中させることができる。(例えば、Al−Muhammed、J.Microencapsul.13:293〜306頁、1996年、Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698〜708頁、1995年、Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576−1587、1989を参照されたい)。本組成物は、ナノ粒子として送達することもできる。
一部の実施形態において、2種以上の異なる医薬組成物は、共投与される。場合によっては、2種以上の異なる医薬組成物は、同時に共投与される。場合によっては、2種以上の異なる医薬組成物は、複数回の投与の間に時間間隔を空けないようにして、逐次共投与される。他の場合において、2種以上の異なる医薬組成物は、ある間隔を空けて逐次共投与される。特定の実施形態において、2種以上の異なる医薬の共投与の間にある間隔は、これらの異なる医薬の投与の間において、約0.25時間、約0.5時間、約1時間、約2時間、約3時間、約12時間、約1日又は約2日以上であり得る。
「有効量」は、当該化合物が存在しないときとの比較で、ある化合物が明示された目的を達成する(例えば、当該化合物の投与が目的とする効果を達成すること、疾患を治療すること、酵素活性を低下させること、酵素活性を増大させること、シグナリング経路を低減すること、又は、疾患又は状態に関するひとつ以上の症状を低減すること)ために十分な量である。「治療有効量」の一例は、疾患に関するひとつ又は複数の症状の治療、予防又は低減に寄与するために十分な量であり、この量もまた、「治療有効量」と呼ばれることもある。ひとつ又は複数の症状の「低減」(及びこの語句の文法的な等価物)は、症状(ひとつ又は複数)の重症度若しくは頻度を減少させること、又は、症状(ひとつ又は複数)をなくすことを意味する。厳密な量は、治療の目的に依存し得るが、当業者ならば、公知の技法を使用して確定可能である(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(第1〜3巻、1992年)、Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999年)、Pickar,Dosage Calculations (1999)、及び、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、2003年、Gennaro編、Lippincott, Williams & Wilkinsを参照されたい)。
哺乳類に投与される投薬量及び頻度(単回投薬又は多回投薬)は、種々の因子、例えば、哺乳類が別の疾患を罹患しているかどうか及び投与経路;レシピエントのサイズ、年齢、性別、健康状態、体重、ボディマス指数及び食事;治療される疾患の症状の性質及び程度、同時進行している治療の種類、治療される疾患に起因した合併症、又は、他の心臓関連の問題に応じて変化し得る。他の治療レジメン又は作用物質が、本開示の方法及び化合物と一緒に使用されてもよい。確立された投薬量(例えば、頻度及び持続期間)に関する調整及び操作は、十分に当業者の能力に含まれる。
本明細書において記述された治療有効量は最初に、細胞培養アッセイから判定することができる。目標濃度は、本明細書において記述された方法又は当技術分野において公知の方法を使用して測定したときに、本明細書において記述された方法を達成することができる、活性化合物(ひとつ又は複数)の濃度であり得る。
当技術分野において周知のように、ヒトにおける使用のための治療有効量は、動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒト用の用量は、動物において効果的であると判明した濃度を達成するように配合され得る。上記のように、ヒトにおける投薬量は、化合物の有効性をモニタリングし、投薬量を増えるように又は減るように調節することによって、調節することができる。上記方法及び他の方法に基づいてヒトにおける最大の有効性を達成するように用量を調節することは、十分に、当業者の能力に含まれる。
投薬量は、患者及び利用される化合物に関する要件に応じて変化し得る。本開示との関連において、患者に投与される用量は、有益な治療的応答を患者に長期的に及ぼすために十分なものにすべきである。用量のサイズもまた、何らかの有害な副作用の存在、性質及び程度によって決定することができる。特定の状況に適した投薬量の決定は、作業実施者の技術に含まれる。一般に、治療は、本化合物の最適な用量を下回るより少ない投薬量で開始される。その後は、ある状況下において最適な効果に到達するまで、少しずつ投薬量を増大させる。投薬量の量及び間隔は、個別に調節して、治療される特定の臨床学的適応症を治療するために効果的な投与化合物のレベルをもたらすことができる。これにより、個体の疾患状態の重症度に釣り合う治療レジメンをもたらすことができる。
本明細書において規定のように、タンパク質と阻害剤との相互作用に関する「阻害」、「阻害する」及び「阻害している」等の用語は、活阻害剤の非存在下におけるタンパク質の活性又は機能との比較で、タンパク質の活性又は機能に悪影響する(例えば、減少させる)ことを意味する。ある遺伝子を阻害することとの関連で使用されている場合、「阻害している」は、阻害剤の非存在下における遺伝子の活性又は発現との比較で、遺伝子の活性又は発現に悪影響する(例えば、減少させる)ことを意味する。一部の実施形態において、阻害は、疾患又は疾患の症状の低減を指す。一部の実施形態において、阻害は、特定のタンパク質又は核酸標的の活性の低減を指す。したがって、阻害は、少なくとも部分的に、部分的に若しくは全体的に刺激を遮断すること、活性化を減少、予防若しくは遅延させること、又は、シグナル伝達若しくは酵素活性若しくはタンパク質の量を不活性化、脱感作化若しくはダウンレギュレートすることを含む。
「相乗効果」、「相乗作用」「相乗的」、「複合した相乗的な量」及び「相乗的治療効果」という用語は、本明細書において相互変換可能に使用されており、組合せで投与された化合物の実測効果を指しており、ここで、この実測効果は、単独で投与された各化合物の個別の効果の合計より大きい。
「医薬組成物」という用語は、他の化学成分を含有する、化合物COH29の混合物を指す。場合によっては、さらなる化学成分は、キャリア、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、及び/又は賦形剤。医薬組成物は、生体への本化合物の投与を容易化する。化合物を投与する技法には、限定されるわけではないが、静脈内投与、経口投与、エーロゾル投与、非経口投与、点眼、肺内投与及び局所投与が挙げられる。
「有害効果又は副作用」という用語は、所望される薬物又は治療の効果に加えて起きる、望ましくない二次的な効果を指す。重症なものである場合、有害効果は、処方された治療へのノンコンプライアンスにつながる可能性がある。
「用量規定毒性又はDLT」という用語は、患者が治験中の薬物による治療を施されている間にモニタリングされる毒性を指しており、安全性分析の一部でもある。「用量規定毒性又はDLT」という用語は、次のもののうちのいずれかを指す:グレード4 血小板減少症(血小板数<25,000/mm3);グレード3 血小板減少症(血小板数25,000〜50,000/mm3)、出血又は輸血の必要性を伴う;発熱性好中球減少症(NCI CTCに準拠、絶対好中球数(ANC)<1.0×109/L、発熱>38.5℃);並びに、研究対象薬物に関連付けられていると調査者が考える任意の他の>グレード3非血液学的毒性。
「最大耐量又はMTD」という用語は、ある「許容される」レベルの毒性を生じさせる用量、又は、もし超過すれば毒性に関して「許容されない」危険性に動物又は患者を晒すことになる用量を指しており、比較的高い用量の薬物が可能な中で最も大きい有益な抗腫瘍効果を達成するように選択されるがん及びHIVの治療における第I相臨床試験の主要な目的である。MTDは、治療された患者母集団において特定の頻度のDLTを生じさせる、用量も指し得る。
「ヒト等価用量又はヒト等価濃度(HEC)」という用語は、ヒトに投与された場合において、より少ない用量による試験動物において生じた効果に等しい効果を生じさせる、化学物質(薬物)の量を指す。
「腫瘍縮小効果」という用語は、抗がん剤の有効性を評価するための臨床試験における臨床試験における一般的なエンドポイントを指しており、相効率(ORR)、無増悪期間(TTP)、無病生存率(DFS)及び無増悪生存率(PFS)等のいくつかの用語を包含する。
「バイオマーカー」という用語は、ある個体における疾患の重症度又は存在に関する測定可能な指標を指す。提案されたバイオマーカーが認可されたらすぐに、当該バイオマーカーを使用して、個体における疾患危険性もしくは疾患の存在を診断するか、又は、個体における疾患に治療を適合させる(薬物治療又は投与レジームの選択)ことができる。可能性のある薬物療法を評価するときにおいて、バイオマーカーは、生存率又は不可逆的罹患率等、自然のエンドポイントの代用品として使用することもできる。ある治療がバイオマーカーを改変し、これが、健康の改善に直接関係している場合、バイオマーカーは、臨床学的な利益を評価するための代用エンドポイントとして作用する。使用の主要な領域は、薬物開発工程である。
方法
第1の態様において、それを必要としている対象におけるがんを治療する方法であるが、本明細書において提供される。本方法は、ある有効量のCOH29を対象に投与することを含む。対象は、本明細書において記載された、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。したがって、いくつかの実施形態において、対象は、BRCA1欠損対象である。いくつかの実施形態において、対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象のうちの少なくともひとつである。いくつかの実施形態において、対象は、BRCA1欠損対象、及び、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象のうちの少なくとも一種であってよい(すなわち、がんは、BRCA1欠損、及び、PARP1阻害剤又はDNA損傷作用のある抗がん剤のうちの少なくともひとつに対する耐性を有する)。いくつかの実施形態において、がんは、ゲムシタビン耐性がんである。いくつかの実施形態において、がんは、ヒドロキシ尿素耐性がんである。
いくつかの実施形態において、対象は、乳がん対象、卵巣がん対象、結腸がん対象、肝臓がん対象、腎臓がん対象、肺がん対象、非小細胞肺がん対象、脳がん対象、前立腺がん対象、膵臓がん対象、メラノーマ対象、白血病対象又は肉腫対象である。
いくつかの実施形態において、対象は、乳がん対象又は卵巣がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、乳がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、卵巣がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、結腸がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、肝臓がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、腎臓がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、肺がん対象又は非小細胞肺がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、脳がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、前立腺がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、膵臓がん対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、メラノーマ対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、白血病対象であってよい。いくつかの実施形態において、対象は、肉腫対象であってよい。
がん対象(例えば、乳がん、卵巣がん、肺がん、前立腺がん又は膵臓がん対象)は、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象のうちのひとつであってもよい。したがって、いくつかの実施形態において、がん対象は、BRCA1欠損対象である。いくつかの実施形態において、がん対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象である。いくつかの実施形態において、がん対象は、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。いくつかの実施形態において、がん対象は、BRCA1欠損対象及びPARP1阻害剤に対する耐性のある対象である。いくつかの実施形態において、がん対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。いくつかの実施形態において、がん対象は、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。
したがって、いくつかの実施形態において、対象は、乳がん又は卵巣がんを有するBRCA1欠損対象である。BRCA1欠損対象は、乳がんを有し得る。BRCA1欠損対象は、卵巣がんを有し得る。
いくつかの実施形態において、対象は、乳がん又は卵巣がんを有するPARP1阻害剤に対する耐性のある対象である。PARP1阻害剤に対する耐性のある対象は、乳がんを有し得る。PARP1阻害剤に対する耐性のある対象は、卵巣がんを有し得る。
いくつかの実施形態において、対象は、限定されるわけではないがシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、アドリアマイシン、ミトキサントロン、VP16、CPT11又はカンプトテシンが挙げられる、少なくともひとつのDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性を特徴とするがんを有する、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。いくつかの実施形態において、対象は、乳がん、卵巣がん、結腸がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、脳がん、前立腺がん、膵臓がん、メラノーマ、白血病又は肉腫を有する、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。対象は、乳がんを有するDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。対象は、卵巣がんを有するDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。
いくつかの実施形態において、対象は、BRCA1欠損対象及びPARP1阻害剤に対する耐性のある対象である。対象は、乳がん又は卵巣がんを有するBRCA1欠損対象、及び、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象であってよい。対象は、乳がんを有するBRCA1欠損対象及びPARP1阻害剤に対する耐性のある対象であってよい。対象は、卵巣がんを有するBRCA1欠損対象及びPARP1阻害剤に対する耐性のある対象であってよい。
いくつかの実施形態において、対象は、BRCA1欠損対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。対象は、乳がん又は卵巣がんを有するBRCA1欠損対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。対象は、乳がんを有するBRCA1欠損対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。対象は、卵巣がんを有するBRCA1欠損対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。
いくつかの実施形態において、対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。対象は、乳がん又は卵巣がんを有するPARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。対象は、乳がんを有するPARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象 であってよい。対象は、卵巣がんを有するPARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。
いくつかの実施形態において、対象は、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。対象は、乳がん又は卵巣がんを有するBRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。対象は、乳がんを有するBRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。対象は、卵巣がんを有するBRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい。
いくつかの実施形態において、がん対象は、乳がん対象及びBRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象のうちの少なくともひとつである。したがって、いくつかの実施形態において、乳がん対象は、BRCA1欠損対象でもある。いくつかの実施形態において、乳がん対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象でもある。いくつかの実施形態において、乳がん対象は、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象でもある。乳がん対象は、BRCA1欠損対象及びPARP1阻害剤に対する耐性のある対象であってよい(例えば、乳がん対象は、BRCA1欠損を有し、PARP1阻害剤に対する耐性がある、がんを有する)。乳がん対象は、BRCA1欠損対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい(例えば、乳がん対象は、BRCA1欠損を有し、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性がある、がんを有する)。乳がん対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい(例えば、乳がん対象は、PARP1阻害剤及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性があるがんを有する)。乳がん対象は、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい(例えば、乳がん対象は、BRCA1欠損を有し、PARP1阻害剤及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性がある、がんを有する)。
いくつかの実施形態において、がん対象は、卵巣がん対象、及び、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象のうちの少なくともひとつである。したがって、いくつかの実施形態において、卵巣がん対象は、BRCA1欠損対象でもある。いくつかの実施形態において、卵巣がん対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象でもある。いくつかの実施形態において、卵巣がん対象は、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象でもある。卵巣がん対象は、BRCA1欠損対象及びPARP1阻害剤に対する耐性のある対象であってよい(例えば、卵巣がん対象は、BRCA1欠損を有し、PARP1阻害剤に対する耐性がある、がんを有する)。卵巣がん対象は、BRCA1欠損対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい(例えば、卵巣がん対象は、BRCA1欠損を有し、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性がある、がんを有する)。卵巣がん対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい(例えば、卵巣がん対象は、PARP1阻害剤及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性があるがんを有する)。卵巣がん対象は、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってよい(例えば、卵巣がん対象は、BRCA1欠損を有し、PARP1阻害剤及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性がある、がんを有する)。
いくつかの実施形態において、がん対象は、乳がん対象、卵巣がん対象、結腸がん対象、肝臓がん対象、腎臓がん対象、肺がん対象、非小細胞肺がん対象、脳がん対象、前立腺がん対象、膵臓がん対象、メラノーマ対象、白血病対象又は肉腫対象である。いくつかの実施形態において、がん対象は、乳がん対象又は卵巣がん対象である。いくつかの実施形態において、がん対象は、乳がん対象である。いくつかの実施形態において、がん対象は、卵巣がん対象である。
対象は、本明細書において記述されたがんを有してもよく、ここで、がんは、BRCA1欠損、PARP1阻害剤に対する耐性又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のうちの少なくともひとつを示す。がんは、乳がん、卵巣がん、結腸がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、脳がん、前立腺がん、膵臓がん、メラノーマ、白血病又は肉腫であってよい。がんは、BRCA1欠損を有する上記がんのうちの1つであってよい。がんは、PARP1阻害剤に対する耐性を有する上記がんのうちの1つであってよい。がんは、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性を有する上記がんのうちの1つであってよい。
いくつかの実施形態において、がんは、BRCA1欠損、及び、PARP1阻害剤に対する耐性又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のうちの少なくともひとつを有する。いくつかの実施形態において、がんは、PARP1阻害剤に対する耐性を有し、BRCA1欠損又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対するBRCA1耐性のうちの少なくともひとつを有する。いくつかの実施形態において、がんは、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性を有し、BRCA1欠損又はPARP1阻害剤に対するBRCA1耐性のうちの少なくともひとつを有する。
がんは、乳がん又は卵巣がんであってよい。がんは、乳がんであってよい。がんは、卵巣がんであってよい。がんは、結腸がんであってよい。がんは、肝臓がんであってよい。がんは、腎臓がんであってよい。がんは、肺がん又は非小細胞肺がんであってよい。がんは、脳がんであってよい。がんは、前立腺がんであってよい。がんは、膵臓がんであってよい。がんは、メラノーマであってよい。がんは、白血病であってよい。がんは、肉腫であってよい。
いくつかの実施形態において、COH29の投与は、がん対象(例えば、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象)における特定のタンパク質の活性又は発現を低下させる。阻害は、プロテアソームの補充によってタンパク質の分解を誘導することができる、標的タンパク質へのCOH−29の結合に起因し得る。同様に、タンパク質レベルの変化は、対応する遺伝子の発現パターンを調節することができる。いくつかの実施形態において、COH29は、対象におけるPARP1、Rad51又はBRCA1の活性又は発現を阻害する。分析は、COH29治療の結果として差次的発現した遺伝子を同定するために実施されてもよい(例えば、マイクロアレイ分析)。したがって、COH29を投与することは、対象におけるBRCA1タンパク質の活性又は発現を低下させることができる。COH29を投与することは、対象におけるPARP1タンパク質の活性又は発現を低下させることができる。COH29を投与することは、対象におけるRad51タンパク質の活性又は発現を低下させることができる。対象は、その実施形態を含む本明細書において記述されたがん対象であってよい。いくつかの実施形態において、がん対象は、乳がん対象、卵巣がん対象、結腸がん対象、肝臓がん対象、腎臓がん対象、肺がん対象、非小細胞肺がん対象、脳がん対象、前立腺がん対象又は膵臓がん対象である。がん対象は、乳がん対象又は卵巣がん対象であってよい。
いくつかの実施形態において、COH29治療済みのBRCA1欠損対象のRNA発現プロファイルは、BRCA1+(例えば、無傷のBRCA1)であるCOH29治療済みのがん対象のRNA発現プロファイルと比較することができる。したがって、いくつかの実施形態において、COH29は、BRCA1+であるがん対象の場合に比べてより大きな程度で、BRCA1欠損対象におけるタンパク質の活性又は発現をより大きな程度で阻害する。したがって、いくつかの実施形態において、COH29は、BRCA1+であるがん対象の場合に比べてより大きな程度で、BRCA1欠損対象におけるPARP1を阻害する。COH29は、BRCA1+であるがん対象の場合に比べてより大きな程度で、BRCA1欠損対象におけるRad51阻害することができる。いくつかの実施形態において、COH29は、合成致死性によって、BRCA1欠損対象を治療する。BRCA1欠損対象は、その実施形態を含めて、本明細書において記述されたとおりである。いくつかの実施形態において、BRCA1欠損対象は、乳がん対象又は卵巣がん対象でもある。
いくつかの実施形態において、COH29の投与は、がんにおける特定のタンパク質の活性又は発現を低下させる(例えば、BRCA1欠損であり、又はPARP1阻害剤若しくはDNA損傷作用のある抗がん剤の片方若しくは両方に耐性がある、がん)。阻害は、プロテアソームの補充によってタンパク質の分解を誘導することができる、標的タンパク質へのCOH−29の結合に起因し得る。同様に、タンパク質レベルの変化は、対応する遺伝子の発現パターンを調節することができる。いくつかの実施形態において、COH29は、がんにおけるPARP1、Rad51又はBRCA1の活性又は発現を阻害する。分析は、COH29治療の結果として差次的発現した遺伝子を同定するために実施されてもよい(例えば、マイクロアレイ分析)。したがって、COH29を投与することは、がんにおけるBRCA1タンパク質の活性又は発現を低下させることができる。COH29を投与することは、がんにおけるPARP1タンパク質の活性又は発現を低下させることができる。COH29を投与することは、がんにおけるRad51タンパク質の活性又は発現を低下させることができる。がんは、その実施形態を含む本明細書において記述されたがんであってよい。いくつかの実施形態において、がんは、乳がん、卵巣がん、結腸がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、脳がん、前立腺がん又は膵臓がんである。がんは、乳がん又は卵巣がんであってよい。
いくつかの実施形態において、COH29によって治療されたBRCA1欠損がんのRNA発現プロファイルは、COH29によって治療されたBRCA1+がんのRNA発現プロファイルと比較することができる。したがって、いくつかの実施形態において、COH29は、BRCA1+であるがんの場合に比べてより大きな程度で、BRCA1欠損したがんにおけるタンパク質の活性又は発現を阻害する。COH29は、BRCA1+であるがんの場合に比べてより大きな程度で、BRCA1欠損したがんにおけるPARP1を阻害することができる。COH29は、BRCA1+であるがんの場合に比べてより大きな程度で、BRCA1欠損したがんにおけるRad51を阻害することができる。いくつかの実施形態において、COH29は、合成致死性によって、BRCA1欠損したがんを治療する。がんは、その実施形態を含む本明細書において記述されたがんであってよい。がんは、乳がん又は卵巣がんであってよい。
COH29は、合成致死性によって、BRCA1欠損ヒトがんに対する特異性を示し得る。したがって、いくつかの実施形態において、COH29は、その実施形態を含むBRCA1欠損対象を治療する。いくつかの実施形態において、合成致死性は、BRCA1欠損がん中の第2のタンパク質の阻害に起因する。第2のタンパク質は、PARP1であってよい。BRCA1欠損を有するがんの発現プロファイルは、BRCA1+がん細胞に比較することができる。いくつかの実施形態において、COH29は、BRCA1欠損したがんにおけるPARP1活性を約10%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%,65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%低下させる。したがって、いくつかの実施形態において、COH29は、BRCA1+がん細胞の場合に比べてより大きなBRCA1欠損がん細胞における有効性により、PARP1活性を阻害する。いくつかの実施形態において、COH29は、BRCA1欠損したがんにおけるPARP1発現を約5%、10%、15%、20%を、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%減少させる。したがって、いくつかの実施形態において、COH29は、BRCA1+がん細胞の場合に比べてより大きなBRCA1欠損がん細胞における有効性により、PARP1発現を阻害する。
COH29の投与は、対象におけるDNA修復を阻害することができる。COH29の投与は、塩基除去修復(BER)を阻害することができる(例えば、例えば特異的なグリコシラーゼを用いた損傷塩基の除去によって酸化的アルキル化、脱アミノ化及び脱プリン化/脱ピリミジン化による損傷に起因した塩基の傷害を修正することによる、損傷DNAの修復)。COH29の投与は、ヌクレオチド除去修復(NER)を阻害することができる(例えば、短い一本鎖DNAセグメントの除去によって紫外線への曝露に起因した損傷等のかさ高いDNA付加体に起因したDNA損傷を修正する)。COH29の投与は、(例えば、非相同末端結合(NHEJ経路)、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)経路又は相同組換え(HR)を使用して)対象における二本鎖DNA切断修復を阻害することができる。COH29の投与は、対象における塩基除去修復、ヌクレオチド除去修復又は二本鎖DNA切断修復を阻害することができる。
いくつかの実施形態において、COH29の遺伝毒性プロファイル、及びこの結果としての、DNA損傷チェックポイントを活性化させてDNA損傷を誘導するCOH29の能力は、例えばATM、foxo3、γ−H2AX、p53又はRad51等のタンパク質に関する調節された活性又は発現の検出によって、査定することができる。
調節は、タンパク質の活性若しくは発現の増大又は活性若しくは発現の減少であってもよい。したがって、いくつかの実施形態において、COH29の投与は、対象におけるγ−H2AXの活性又は発現を増大させる。いくつかの実施形態において、COH29の投与は、対象におけるγ−H2AXの活性又は発現を増大させる。COH29の投与は、対象におけるγ−H2AXの活性又は発現を、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍又は20倍増大させることができる。増大させたγ−H2AX活性又は発現は、DNA損傷チェックポイントの活性化及びDNA損傷の誘導を指し示すことができる。いくつかの実施形態において、COH29の投与は、その実施形態を含む本明細書において記述されたがんにおけるγ−H2AX活性又は発現を増大させる。いくつかの実施形態において、COH29の投与は、その実施形態を含む本明細書において記述されたがんにおけるγ−H2AX活性又は発現を増大させる。いくつかの実施形態において、COH29の投与は、トリプルネガティブ乳がんにおけるγ−H2AX活性又は発現を増大させる。したがって、いくつかの実施形態において、ある有効量のCOH29を投与することは、トリプルネガティブ乳がんを治療する。
COH29は、DNA二本鎖切断(DSB)修復を阻害することができる。DSBは、例えば相同組換え(HR)又は非相同末端結合(NHEJ)経路によって修復することができる。いくつかの実施形態において、COH29は、HRを阻害する。いくつかの実施形態において、COH29は、NHEJ経路を阻害する。DNA損傷反応は、例えばBRCA1及びRad51等のHR修復に関与するタンパク質のタンパク質レベルの抑制によって、長期化することができる。いくつかの実施形態において、COH29の投与は、対象又はがんにおけるRad51の活性又は発現を減少させる。いくつかの実施形態において、COH29の投与は、対象又はがんにおけるBRCA1の活性又は発現を減少させる。いくつかの実施形態において、BRCA1又はRad51の発現は、対象又はがんにおいて減少する。いくつかの実施形態において、BRCA1及びRad51の発現は、対象又はがんにおいて減少する。
別の態様において、それを必要としている対象におけるがんを治療する方法が、本明細書において提供される。本方法は、複合した相乗的な量においてCOH29及びDNA損傷作用のある抗がん剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、その実施形態を含めて、本明細書において記述されたとおりである。したがって、特定の実施形態において、対象は、BRCA1が欠損した対象又はPARP1阻害剤に対する耐性のある対象である。対象は、BRCA1が欠損した対象であってよい。対象は、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象であってよい。
がんは、乳がん、卵巣がん、結腸がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、脳がん、前立腺がん、膵臓がん、メラノーマ、白血病又は肉腫であってよい。がんは、乳がん又は卵巣がんであってよい。したがって、いくつかの実施形態において、対象は、乳がん対象又は卵巣がん対象である。対象は、乳がん対象であってよい。対象は、卵巣がん対象であってよい。対象は、それらの実施形態を含む本明細書において記述されたひとつ以上の表現型又は遺伝子型を示すこともできる(例えば、乳がん対象は、BRCA1が欠損した対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象であってもよい)。いくつかの実施形態において、対象は、BRCA1欠損対象及びDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。対象は、DNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性を有するがんを有し得る。本明細書における方法は、ある有効量のCOH29を共投与することによって、少なくともひとつのDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性を有するがんの治療を提供することができる。
いくつかの実施形態において、DNA損傷作用のある抗がん剤は、DNA損傷作用のある化学療法剤である。DNA損傷作用のある抗がん剤は、アルキル化剤であってよい。DNA損傷作用のある抗がん剤は、その実施形態を含む本明細書において記述された代謝拮抗物質であってよい。DNA損傷作用のある抗がん剤は、アントラサイクリンであってよい。DNA損傷作用のある抗がん剤は、白金主体型作用物質であってよい。DNA損傷作用のある抗がん剤は、タキサンであってよい。DNA損傷作用のある抗がん剤は、キナーゼ阻害剤であってよい。DNA損傷作用のある抗がん剤は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤であってよい。DNA損傷作用のある抗がん剤は、トポイソメラーゼ阻害剤であってよい。DNA損傷作用のある抗がん剤は、ヌクレオチドアナログであってよい。いくつかの実施形態において、がんの阻害は、DNA損傷作用のあるがん用作用物質及びCOH29の存在下で相乗的に増進される。
いくつかの実施形態において、上記治療する方法は、合成致死性によって少なくとも2種のタンパク質を阻害することを含む。タンパク質のうちの少なくともひとつは、BRCA1であってよい。タンパク質のうちの少なくともひとつは、Rad51であってよい。タンパク質のうちの少なくともひとつは、PARP1であってよい。いくつかの実施形態において、PARP1の阻害は、BRCA1欠損対象におけるものであってよい。いくつかの実施形態において、PARP1の阻害は、DNA損傷作用のある抗がん剤及びCOH29の存在下において、相乗的に増進される。DNA損傷作用のある抗がん剤は、本明細書に記載のそれらの誘導体を含む、ゲムシタビン、γ線照射又はシスプラチンであってよい。
DNA損傷作用のある抗がん剤は、本明細書において記述されたその誘導体を含む、シスプラチンであってよい。いくつかの実施形態において、COH29の投与は、単独で投与された場合におけるシスプラチンの細胞毒性より大きなレベルにまでシスプラチンの細胞毒性を増大させる(例えば、複合した相乗的な量においてCOH29とシスプラチンとを一緒に投与する)。シスプラチンは、抗がん活性が標的細胞におけるDNA架橋に主に起因する、幅広く使用されている化学療法用物質である。したがって、いくつかの実施形態において、COH29及びシスプラチンの共投与は、COH29又はシスプラチンが単独で投与された場合におけるがん細胞の生存能力の低下より大きながん細胞の生存能力の低下を起こす(例えば、複合した相乗的な量においてCOH29とシスプラチンとを一緒に投与する)。
DNA損傷作用のある抗がん剤は、ゲムシタビンであってよい。いくつかの実施形態において、COH29及びゲムシタビンの共投与は、COH29又はゲムシタビンが単独で投与されたときのがん細胞の生存能力の低下に比べてより大きな、がん細胞の生存能力の低下が起きる(例えば、COH29及びゲムシタビンを一緒にして、複合した相乗的な量で投与する)。DNA損傷作用のある抗がん剤は、γ線照射であってよい。いくつかの実施形態において、COH29の投与及びγ線照射による治療は、COH29又はγ線照射が単独で投与されたときのがん細胞の生存能力の低下に比べてより大きな、がん細胞の生存能力の低下を起こす。COH29は、γ線照射による治療の前、最中又は後に投与することができる。
別の態様において、それを必要としている対象におけるがんを治療する方法が、本明細書において提供される。本方法は、有効量の構造:
Figure 2020505435
を有する化合物を含み、
有効量が、少なくとも投与日当たり約50mgである。
いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約10mg〜投与日当たり約2400mgまでである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約100mg〜投与日当たり約2400mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約200mg〜投与日当たり約2400mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約100mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約200mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約300mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約400mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約500mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約600mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約700mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約800mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約900mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1000mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1100mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1200mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1300mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1400mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1500mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1600mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1700mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1800mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1900mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2000mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2100mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2200mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2300mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2400mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2500mgである。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約3000である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約3500である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約4000である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約4500である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約5000である。
いくつかの実施形態において、本方法は、本化合物を21日間にわたって毎日投与した後で7日間にわたって本化合物を投与しないことを含む、一連の治療を含む。いくつかの実施形態において、一連の治療は、28日間毎日繰り返される。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり1回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約100mg又は投与日当たり約200mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり2回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約300mg又は投与日当たり約400mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり3回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約600mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり4回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約800mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり5回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1000mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり6回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1200mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり7回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1400mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり8回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1600mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり9回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約1800mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり10回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2000mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり11回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2200mgである。いくつかの実施形態において、投与は、1日当たり12回である。いくつかの実施形態において、有効量は、投与日当たり約2400mgである。
上記において開示されたそれを必要としている対象のがんを治療するための任意の態様又はその実施形態に加えて、いくつかの実施形態において、対象は、固形腫瘍がん対象である。いくつかの実施形態において、対象は、乳がん対象又は卵巣がん対象である。いくつかの実施形態において、対象は、難治性固形腫瘍がん対象である。いくつかの実施形態において、対象は、乳がん対象である。いくつかの実施形態において、乳がん対象は、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である。
医薬組成物
別の態様において、薬学的に許容される賦形剤及び構造:
Figure 2020505435
を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を含む、医薬組成物であって、
化合物が、少なくとも約50mgの有効量で存在する、医薬組成物が提供される。
一部の実施形態において、有効量は、約50mg〜約2400mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約2000mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約1600mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約1200mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約800mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約600mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約500mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約400mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約300mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約200mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg〜約100mgである。一部の実施形態において、上記量は、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約800mg、約1200mg、約1600mg、約2000mg又は約2400mgである。
投薬量
一態様において、COH29製剤は、本明細書において記述された疾患及び状態の治療のために使用される。さらに、そのような治療を必要としている対象にある本明細書において記述された疾患又は状態のいずれかを治療する方法は、治療有効量のCOH29製剤を前記対象に投与することを含む。
場合によっては、COH29の最大耐量(MTD)及び最大応答用量(MRD)は、確立された動物及びヒト実験プロトコル及び本明細書において記述された例によって、決定される。場合によっては、COH29の毒性及び治療有効性は、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され、限定されるわけではないが、LD50(母集団のうちの50%にとって致命的な用量)及びED50(母集団のうちの50%において治療的に有効な用量)を決定するためも含める。有毒な効果と治療効果との用量比は、治療指数であり、LD50とED50との比として表すことができる。高い治療指数を示すCOH29投薬量は、興味深いものである。場合によっては、細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための種々の投薬量を配合するときに使用される。COH29の投薬量は好ましくは、最小の毒性を伴うED50を含む種々の循環濃度に収まる。
一部の実施形態において、本明細書において記述された医薬組成物は、1日当たりの用量が、約50mg〜約5000mg、約100mg〜約2000mg、約200mg〜約1600mg、約300mg〜約1200mg、約400〜約800mgのCOH29又は薬学的に許容されるその塩又は溶媒和物となるように、それを必要としている対象に提供される。特定の実施形態において、本明細書において記述されたCOH29医薬組成物は、COH29又は薬学的に許容されるその塩又は溶媒和物に対して約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg、約100mg、約101mg、約102mg、約103mg、約104mg、約105mg、約106mg、約107mg、約108mg、約109mg、約110mg、約111mg、約112mg、約113mg、約114mg、約115mg、約116mg、約117mg、約118mg、約119mg、約120mg、約121mg、約122mg、約123mg、約124mg、約125mg、約126mg、約127mg、約128mg、約129mg、約130mg、約131mg、約132mg、約133mg、約134mg、約135mg、約136mg、約137mg、約138mg、約139mg、約140mg、約141mg、約142mg、約143mg、約144mg、約145mg、約146mg、約147mg、約148mg、約149mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、約660mg、約670mg、約680mg、約690mg、約700mg、710mg、約720mg、約730mg、約740mg、約750mg、約760mg、約770mg、約780mg、約790mg、約800mg、約810mg、約820mg、約830mg、約840mg、約850mg、約860mg、約870mg、約880mg、約890mg、約900mg、910mg、約920mg、約930mg、約940mg、約950mg、約960mg、約970mg、約980mg、約990mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約1600mg、約1700mg、約1800mg、約1900mg、約2000mg、約2100mg、約2200mg、約2300mg若しくは約2400mg、又は、これらの中から導出可能な任意の範囲の1日用量で、提供される。本明細書において記述された1日当たりの用量は、b.i.d.、t.i.d.又はq.i.d.等で与えられる分割用量の形態において1日当たり1回又は1日当たり複数回与えることが可能であり、ここで、分割用量の数は、1日当たりの用量に等しい。
一部の実施形態において、本化合物は、1日当たり1回投与される。一部の実施形態において、本化合物は、1日当たり2回投与される。一部の実施形態において、100mgの本化合物は、1日当たり1回投与される。一部の実施形態において、100mgの本化合物は、1回が100mgの用量で、1日当たり1回投与される。一部の実施形態において、200mgの本化合物は、1日当たり2回投与される。一部の実施形態において、200mgの本化合物は、1日当たり2回投与され、ここで、2回の100mgの用量が約12時間空けて投与される。一部の実施形態において、300mgの本化合物は、1日当たり2回投与され、ここで、1回の200mgの用量が投与され、続いて、100mgの用量が約12時間後に投与される。一部の実施形態において、200mgの本化合物が朝に投与され、100mgの本化合物が夕方に投与される。一部の実施形態において、300mgの本化合物は、1日当たり2回投与される。一部の実施形態において、400mgの本化合物は、1日当たり2回投与される。一部の実施形態において、400mgの本化合物は、1日当たり2回投与され、ここで、2回の200mgの用量が、約12時間空けて投与される。一部の実施形態において、600mgの本化合物が、1日当たり投与される。一部の実施形態において、600mgの本化合物が、1日当たり投与され、ここで、2回の300mgの用量が、約12時間空けて投与される。いくつかの実施形態において、800mgの本化合物は、1日当たり2回投与され、ここで、2回の400mgの用量が、約12時間空けて投与される。一部の実施形態において、900mgの本化合物は、1日当たり2回投与される。一部の実施形態において、1200mgの本化合物は、1日当たり2回投与される。一部の実施形態において、1200mgの本化合物は、1日当たり2回投与される。一部の実施形態において、1200mgの本化合物は、1日当たり2回投与され、ここで、2回の600mgの用量が、約12時間空けて投与される。一部の実施形態において、1600mgの本化合物は、1日当たり2回投与される。一部の実施形態において、1600mgの本化合物は、1日当たり2回投与され、ここで、2回の800mgの用量が、約12時間空けて投与される。一部の実施形態において、1800mgの本化合物は、1日当たり2回投与され、ここで、2回の900mgの用量が、約12時間空けて投与される。一部の実施形態において、2400mgの本化合物は、1日当たり2回投与され、ここで、2回の1200mgの用量が、約12時間空けて投与される。
さらなる実施形態において、COH29医薬組成物に適した1日分投薬量は、体重当たりで、COH29又は薬学的に許容されるその塩又は溶媒和物に対して、約0.5mg/kg〜約100.0mg/kgである。一部の実施形態において、COH29医薬組成物に適した1日分投薬量は、体重当たりで、COH29又は薬学的に許容されるその塩又は溶媒和物に対して、約0.75mg/kg〜約75mg/kgである。別の実施形態において、COH29医薬組成物に適した1日分投薬量は、体重当たりで、COH29又は薬学的に許容されるその塩又は溶媒和物に対して、約1mg/kg〜約50mg/kgである。別の実施形態において、COH29医薬組成物に適した1日分投薬量は、COH29又は薬学的に許容されるその塩又は溶媒和物に対して約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、21mg/kg、約22mg/kg、約23mg/kg、約24mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg、約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約47mg/kg、約48mg/kg、約49mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kg又は約100mg/kgである。
一部の実施形態において、本明細書において記述されたCOH29医薬組成物は、COH29の最大耐量(MTD)で提供される。他の実施形態において、投与されるCOH29医薬組成物の量は、最大耐量(MTD)に対して約10%〜約90%、MTDに対して約25%〜約75%、又は、MTDに対して約50%である。一部の他の実施形態、投与されるCOH29医薬組成物の量は、COH29のMTDに対して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上、又は、これらの中から導出可能な任意の範囲である。
別の態様において、本明細書において開示された医薬組成物を21日間にわたって毎日投与した後で7日間にわたって医薬組成物を投与しないように構成された供給器を含む、キットが提供される。
一部の実施形態において、供給器は、1日当たり1〜6つの医薬組成物投薬単位を吐出するように構成される。
一部の実施形態において、キットは、前記医薬組成物を7日間投与しない間毎日投与するための7つのプラセボ製剤投薬単位をさらに含む。
DNA損傷作用のある薬物の有効性は、細胞のDNA修復能(9)によって大きく影響及び調節される。実際、DNA修復の小分子阻害剤は、前臨床研究(18)において、従来の化学療法薬と組み合わせられてきており、これは、DNA修復の仕組みが、新規ながん治療のための有望な目標であることを指し示している。さらに、PARP阻害剤は、臨床試験において、白金化学療法と組み合わせられてきた(19、20)。これらの報告と一致する事柄としては特に、COH29がシスプラチンの細胞、特にBRCA1欠損細胞に対する感受性を向上することが発見された。これは、COH29の合成致死性が、HR欠損細胞におけるNER又はBERに依存することを示唆している。COH29は、いくつかのDNA修復経路(NER、BER及びHR)に干渉し得、シスプラチンの存在下又は非存在下においてBRCA1欠損細胞中に観察される細胞毒性に寄与し得る。したがって、COH29は、強力なDNA修復阻害剤として活用できる可能性がある。
すべての細胞株は、American Type Culture Collection(Manassas、VA、USA)から入手した。細胞は、37℃で5%CO中において、培地(Sigma)1ml当たり10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン及び100Uのペニシリン及び100μgのストレプトマイシンを含むRPMI1640培地(Mediatech)中に取り込んだ状態で維持した。HCC1937+BRCA1細胞を単離するために、HCC1937親細胞に、完全長BRCA1 cDNAを発現したpcDNA3.1プラスミドをトランスフェクトした。安定なトランスフェクタントクローンを選択し、薬物感受性アッセイに使用した。安定なトランスフェクションという目的で、製造業者の取扱い説明書に従ってFUGENE(R)6transfectin試薬(Roche Molecular Biochemical、Monza、Italy)を使用して、30〜40%のコンフルエントの細胞を、2mgのプラスミドDNAと一緒に終夜インキュベートした。次いで、細胞を、ピューロマイシン(1μg/ml)(Invitrogen Life Technologies、La Jolla、CA、USA)中に取り込んだ状態で選択した。20〜30日後、HCC1937トランスフェクションからの生存ピューロマイシン耐性コロニーを展開し、スクリーニングした。ピューロマイシンを安定に発現し、成長可能性を保持していたクローンを、ウエスタンブロット分析によってBRCA1発現についてアッセイした。ピューロマイシン耐性cDNA/トランスフェクタント細胞におけるBRCA1発現の回復を、ウエスタンブロット分析によって評価した。これらのトランスフェクション細胞は、BRCA1タンパク質の発現の増大を示していたが、これは、タンパク質発現の効果的な回復を示唆している。
COH29は、City of Hopeにおいて合成し、精製した。γ−H2AXを、cell signaling(Danvers、MA、USA)から購入した。Rad51をNovus(Littleton、CO、USA)から購入した。β−アクチンは、Millipore(Billerica、MA、USA)から得た。FOXO3に特異的な抗体(H−144及びN−16、1:1000)、phospho−H2AX serine−139(γ−H2AX、1:1,000)、phospho−p53 serine−15(p53−pS15、1:1,000)、Rad51(1:1000)、β−チューブリン(1:1000)、ラミンA/C(1:2000希釈)PARP及びanti−mouse及びanti−rabbit IgGを、Santa Cruz Biotechnology(Santa Cruz、CA、USA)から得た。FOXO3(1:1,000)及びphospho−ATM serine−1981(ATM−pS1981、1:1,000希釈)に対するAbは、それぞれEpitomics(Burlingame、CA)及びMillipore(Billerica、MA)から得た。p53−pS15に対するAbを、Cell Signaling Technology(Danvers、MA)から購入した。抗p27Kip1 Abを、BD PharMingen(San Diego、CA)から購入した。Alexa 488(緑色)共役及びAlexa 594(赤色)共役二次Abを、Molecular Probes(Eugene、OR)から得た。Anti−rabbit IgG(分子全体)−FITC抗体を、Sigma(St.Louis、MO、USA)から購入した。RHODAMINE RED−X(商標)Goat Anti−Mouse IgGを、Invitrogen(Carlsbad、CA、USA)から購入した。
先述のように(21、22)、免疫蛍光法実験を実施した。具体的には、A549細胞をカバーガラス上で成長させた。24時間又は48時間のCOH29(1μM又は10μM)による治療後、4%パラホルムアルデヒドによって10分間細胞を固定し、TRITON(商標)X−100(0.5%)によって透過処理した。これらのカバーガラスをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)によって洗浄し、PBS含有2%ウシ血清アルブミン(BSA)によってブロッキングし、FOXO3又はATM−pS1981又はγ−H2AX又はp53−pS15(1:50〜1:200希釈)に対して特異的なAbと一緒にインキュベートし、続いて、Alexa 488−conjugated anti−rabbit又はanti−mouse(1:200)、Alexa 594−conjugated anti−goat(1:100)二次Ab(Molecular Probes)と一緒にインキュベートした。細胞を4’,6−ジアミジノ−2−フェニリンドール(DAPI;Sigma)と一緒にインキュベートして、核を染色した。特異的染色を可視化し、Leica SP2 AOBS共焦点レーザー走査型顕微鏡によって画像を取得した。病巣陽性細胞を測定するために、約300個の細胞を共焦点顕微鏡法によって無作為に捕集し、使用した。検討する病巣陽性細胞の百分率は、少なくとも5個の病巣を含有する細胞から計算した。提示されている各エラーバーは、標準偏差の平均である。
細胞より下のレベルへの分画のために、細胞をトリプシン処理し、冷PBS溶液によって2回洗浄した。1,200gで5分間遠心分離した後、0.2%NONIDET(商標)P−40(NP−40)を含有するバッファー(50mM HEPES、pH7.5、150mM NaCl、1mM EDTA)中で細胞をインキュベートし、プロテアーゼ阻害剤(それぞれ5μg/mlのペプスタチン、ロイペプチン及びアプロチニン)及びホスファターゼ阻害剤を氷上で5分間添加した。1,000gにおける5分間の遠心分離後、上澄みを(すなわち、細胞質画分)を収集し、同じバッファーによってペレットを2回洗浄した。洗浄した試料は、核分画のための0.5%NP−40を含有する分画バッファーによって、40分間氷上に抽出した。すべての試料を超音波処理し、16,000gにおける15分間の遠心分離によって清澄化した。すべての画分のタンパク質濃度を、Bio−Radタンパク質アッセイ(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA)によって判定した。先述のように(21,22)、イムノブロッティングを実施した。簡単に言うと、等しい量のゆでたタンパク質試料にSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を施し、ニトロセルロースメンブレン(Bio−Rad Laboratories)上に移した。メンブレンは、0.05%Tween20(TBST)を含有するトリス緩衝生理食塩水に取り込んだ状態で、3%BSA中において1時間ブロッキングし、1%BSAを含有するTBST中に希釈した一次抗体(1:500又は1:1000)と一緒に1時間インキュベートした。TBSTによる2回の洗浄後、メンブレンを、ホースラディッシュペルオキシダーゼ共役二次Ab(1:3000希釈)と一緒に室温で1時間インキュベートした。West−Q化学発光キット(GenDEPOT、Barker、TX)によって、イムノブロットをフィルム上に可視化した。
MTTと一緒にインキュベートし、生存細胞によって形成されたMTTホルマザンを、560nmの波長でマイクロプレートリーダーによってモニタリングすることによって、MTT細胞毒性アッセイを実施したが、生存率は、次の式を使用して決定した:
(Atest−Ablank)/(Acontrol−Ablank)×100%。半自動的な蛍光に基づくデジタルイメージング顕微鏡法システム(DIMSCAN)を使用して、96ウェルプレート内で細胞毒性を判定した。DIMSCANは、デジタルイメージング顕微鏡法を使用して、生細胞を定量化し、これによって、FDA(フルオレセインジアセテート;Alfa Aesar、Ward Hill、MA)を選択的に蓄積させる。DIMSCANは、デジタル式スレッショルド化及びエオシンY(Mallinckrodt Baker、Center Valley、PA)によるクエンチによってバックグラウンド蛍光を除いた後で、ウェル1個当たりの全蛍光(生存細胞の数に比例する)を定量化することによって、4logの動的範囲にわたって細胞毒性を測定することができる。細胞は、細胞株の成長速度に応じて、ウェル1個当たり2,000〜5,000個の細胞として、100μLの完全培地中で96ウェルプレートに播種した。終夜インキュベーションした後、50μLの培地中で様々な濃度において試験化合物を各ウェルに加えた。37℃で96時間薬物と一緒にインキュベーションした後、FDA(最終濃度:10mg/mL)及びエオシンY[最終濃度:0.1%(w/v)]を各ウェルに加え、細胞を37℃でさらに20分間インキュベートした。次いで、ウェル1個当たりの全蛍光を、DIMSCANを使用して測定したが、この結果は、処理済みのウェルにおける蛍光の、無処理のウェルにおける蛍光に対する比(生存率)として表した。
正所性腫瘍モデル。City of HopeのIACUCによって承認されたプロトコルを使用して、マウスにおける実験を実施した。HCC1937及びHCC1937+BRCA1細胞は、ゆっくりと成長する腫瘍を形成するため、MATRIGEL(商標)(Becton−Dickinson Biosciences)を使用して植え込まれた。腫瘍を確定させるために、50%MATRIGEL(商標)を含有する200μLの無血清培地中の4×10細胞を、1組の8週齢の雌のNSGマウスの鼠径部の周りにある乳房脂肪体に注射した。初期腫瘍が直径13mmに到達したらすぐに、これらの初期腫瘍を切開して取り出し、3mmの小片に切り刻み、実験マウスの乳房脂肪体の鼠径部に植え込んだ。腫瘍は、28日間の期間にわたって測定されたが、各時点において、スチューデントt検定を使用して、30%solutol中の400mg/kgのCOH29を毎日強制摂食させることと、対応するビヒクル対照との統計学的有意性を判定した。0.05未満のp値(両側検定)は、統計学的有意性を指し示していると考えた。
先述のように(23)、EJ2細胞を生成して、GFPの蛍光強度のモニタリングによってAlt−NHEJを評価し、EJ5細胞を使用して、NJEJを判定した。細胞を6ウェルプレートに播種し、異なる濃度のCOH29又はシスプラチンによって24時間処理した。次いで、細胞をトリプシン処理し、洗浄し、フローサイトメトリーによって分析した。
抗ヒトBRCA1 siRNA発現を発現するプラスミドの構築を、先述のように実施した(24)。したがって、これまでに公開された抗ヒトBRCA1 siRNA配列を利用した(5’−UCACAGUGUCCUUUAUGUA−3”[配列番号:1]及び
5’−UACAUAAAGGACACUGUGA−3’[配列番号:2])。いずれの場合においても、siRNAをコードするアニールしたオリゴヌクレオチド二本鎖を、RNAポリメラーゼIII依存性H1 RNAプロモーターの制御下で発現するように発現ベクターpsiRNA−hH1zeo(InvivoGen、San Diego、CA、USA)中にサブクローン化した。電気穿孔法によって、等モル濃度で提示のプラスミドを用いて、細胞をトランスフェクトした。
RNEASY(R)Micro Kit(Qiagen Inc.)を使用して、全RNAを単離した。ゲノムDNAのコンタミネーションを、DNAse I処理によって除去した。単離されたRNAの完全性を、1%アガロースゲル(SeaKem、FMC、Rockland、ME、USA)又はAgilent 2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies、Santa Clara、CA、USA)を用いて、電気泳動によって検査した。RNA濃度(A260/A280比)を、紫外分光光度法によって判定した。MMLV逆転写酵素及びプライマー(Invitrogen)としてのランダムヘキサマーを使用して、全RNAからcDNAを調製した。cDNA試料を使用して、リアルタイムPCRによって、遺伝子の発現を定量化した。BRCA1用のプライマーは、APPLIED BIOSYSTEMS(R)、Foster City、CA、USAから購入した。18S及びβ−アクチンのためのさらなるプライマー及びプローブを、APPLIED BIOSYSTEMS(R)ガイドライン(PRIMER EXPRESS(R)ソフトウェア;APPLIED BIOSYSTEMS(R))に従って、リアルタイムPCR要件に適合するように設計した。プライマーの配列は、AGGAATTGCGGGAGGAAAATGGGT(配列番号:3)及びGCCCCCTGAAGATCTTTCTGTCCT(配列番号:4)だった。
製造業者のプロトコルに従ってPARP1化学発光法アッセイキット(BPS Bioscience、San Diego)を使用して、PARP1活性を判定した。簡単に言うと、試験用阻害剤、陽性対照、基質対照及びブランク反応を使用して、25℃において1時間、PARPアッセイバッファー中で活性化されたDNAによって、リボシル化反応を実施した。検出は、ストレプトアビジン−HRPによるものであり、化学発光性基質A及びBを光度計で読み取った。
ゼブラフィッシュ(ダニオ・レリオ(Danio rerio))をTaipei Medical Universityのzebrafish Core facilityから入手し、明が14時間で暗が10時間のサイクルにより28℃に維持した。胚を28℃でインキュベートし、異なる発生段階を、記述されたようにして判定した(25)。異なる濃度のHU(0、5、10、20、50mM)又はCOH29(0、10、20、50、100μM)を用いて、20hpfにおいて野生型胚を処理して、変異原性効果を評価した。15個の胚を、ウェルの状態に応じて処理した。処理済みの胚は、2dpf、3dpf、4dpf、5dpf及び6dpfにおいて観察した。6dpfにおいて、魚類が示す発生異常の百分率及び生存率を判定した。Olympus IX70−FLA倒立型蛍光顕微鏡を使用して、胚を観察した。画像は、SPOTデジタルカメラシステム(Diagnostic Instruments、Sterling Heights、Michigan、USA)を使用して撮影し、ImageJソフトウェアによってまとめた(26)。
PARTEK(R)GENOMICS SUITE(商標)(バージョン6.6;Partek,Inc.)を使用して、マイクロアレイ試料をRMA正規化したが(27)、遺伝子は、当該遺伝子が少なくとも1.2倍の変化及び0.05未満の誤発見率(FDR)を示した場合に、差次的発現していると規定された。FDR値は、Benjamini及びHochberg(28)の方法を使用して、線型対比p値によるANOVAの分布から計算した。遺伝子オントロジー(GO)(29)エンリッチメント分析を、PARTEK(R)GENOMICS SUITE(商標)の中で実施したが、GOカテゴリーは、Fisherの正確検定p値が0.05未満である場合に有意だと規定した。
RRM2−PARP1相関分析は、Ivshinaらの研究に基づいて、AFFYMETRIX(R)U133A&B(GSE4922)を使用して、パラフィンに埋め込んだ289個の乳がん腫瘍試料の遺伝子発現プロファイル作成処理から判定した。(30)Bioconductor Rパッケージ、64ビット、バージョン3.0.2を使用して、統計学的分析を実施した。(31)スピアマンの順位相関を使用して、相関分析を実施した。P<0.05及びr>0.5のレベルは、統計学的に有意であると考えた。
SV40複製起点を含有するpSVO+プラスミドのインビトロ複製を、これまでに公開された態様で(26)、修正を加えて実施した。最終的な25μLの反応容積は、30mM HEPES(pH=7.2)、7mM MgCl、0.5 mM DTT、5μCi[α−32P]−dCTP、1μM dCTP、それぞれ100μMのdTTP、dCTP及びdGTP、それぞれ200μMのCTP、UTP及びGTP、4mM ATP、40mMのクレアチンリン酸、50μgのクレアチンホスホキナーゼ、50ngのpSVO+、0.1〜1.0μgのTAg(滴定アッセイによって判定された最適な濃度)並びに(滴定アッセイによって判定された)最適な量のHeLa抽出物(Chimerx;Milwaukee、WI)を内包していた。DNA複製の阻害を定量化するために、反応の開始前に30分間COH29の濃度を高めながらHeLa抽出物をインキュベートした。HeLa化合物混合物を残りのSV40DNA複製成分に加え、37℃で1時間インキュベートし、WHATMAN(R)DE81フィルターにスポットし、100mMピロリン酸ナトリウム(pH7.4)及び300mMギ酸アンモニウム(pH7.4)によって洗浄した後、乾燥させた。次いで、新たに合成されたDNA娘鎖中に導入された放射性標識材料の量を、液体シンチレーション計数によって判定した。
いかなる特定の理論にも拘束されることはないが、COH29抗がん活性は、DNA複製のためのデオキシリボヌクレオチドの生合成用の酵素であるヒトリボヌクレオチドレダクターゼ(hRR)の阻害に少なくとも部分的に起因し得る。さらに、塩基除去修復複合体の成分として、リボヌクレオチドレダクターゼもまた、DNA修復に関与する。この結果、いくつかの実施形態において、COH29は、修復用複合体に属するいくつかのさらなる成分を標的とすることが、本明細書において発見された。さらに、いくつかの実施形態において、BRCA1欠損ヒト乳がん又は卵巣がん細胞は、野生型BRCA1の相当物に比べてCOH29に対する感受性がより高い。いくつかの実施形態において、COH29は、BRCA1突然変異細胞において、シスプラチン等のDNA架橋薬との間に相乗効果を示す。いくつかの実施形態において、COH29は、いかなる特定の理論にも拘束されるわけではないが相同組換え(HR)経路によって二本鎖切断(DSB)の修復に関与するRAD51を抑制することが、本明細書において発見された。いくつかの実施形態において、COH29は、複数のDNA修復経路を標的としており、潜在的には、遺伝的背景(突然変異)に起因したバックアップ用のDNAの修復を調節する。いくつかの実施形態において、COH29は、PARP阻害剤(例えば、PARP1阻害剤)に対する獲得耐性を克服することができる。いかなる特定の理論にも拘束されるわけではないが、薬理学的には、COH29は、ゲムシタビン耐性ヒトがん細胞の増殖を抑制し、シスプラチン又はγ線照射と相乗作用することが、本明細書において発見された。
COH29は、いかなる特定の理論にも拘束されるわけではないが、hRRM1とhRRM2との界面に配置されたhRRM2サブユニットにある構造的に保存されたリガンド結合用のポケット部を占有する、芳香族置換されたチアゾール化合物である(図10)。いくつかの実施形態において、このポケット部に結合することにより、hRRM1/hRRM2組立体を阻害し、RR活性を効果的に阻害する。インビトロにおいて、COH29は、複数のヒトがん細胞株中で活性であるが、非常に強力であり、大抵の場合において10μM未満のIC50を有することが示された。COH29は、NCI−60細胞株パネルにおいて広範な活性を有すること、及び、例えばヒト卵巣がん細胞株が挙げられる複数のヒト乳がん細胞株が、COH29に対して感受性が良いことが、示されてきた(6)。乳がん及び卵巣がんは、母集団(32)に比べて突然変異BRCA1遺伝子のキャリアの方がより高い頻度で発生する。したがって、本明細書においては、BRCA1を欠損したヒトがん細胞がCOH29に対する高められた感受性を実証するかどうかを調査した。実際、図1Aに提示のように、ホモ接合型2594delC突然変異(33)によって短縮されたBRCA1タンパク質を発現するUWB1.289卵巣がん細胞株は、野生型BRCA1(IC50:31.57±3.35μM)を発現したOV90ヒト卵巣がん細胞株に比べて、COH29(IC50:12.30±1.15μM)に対する感受性がより高かった。
COH29の効果は、同一の遺伝的背景を有し、BRCA1発現のみが異なる、複数の乳がん細胞において査定して、突然変異BRCA1が細胞毒性を増大させる程度を判定した。最初に、BRCA1発現をサイレンシングする効果を検査した。HCC1937は、短縮されたBRCA1タンパク質の内因性発現をもたらす、挿入突然変異に対してホモ接合型のヒト乳がん細胞であり(34)、HCC1937+BRCA1は、ヒト野生型BRCA1タンパク質を発現した安定なトランスフェクタントクローンである。BRCA1発現は、これらの細胞におけるRNA干渉によって抑制された。10μM COH29によって72時間処理した後、対照siRNAをトランスフェクションしたHCC1937+BRCA1細胞のうちの72%が、生存した。対照的に、BRCA1 siRNAをトランスフェクションした細胞のうち53%のみが生き残った。COH29細胞毒性に及ぼされる野生型BRCA1発現を回復する効果を、HCC1937と、HCC1937+BRCA1細胞とを比較することによって調査した。相異なる用量のCOH29によって72時間処理された場合、野生型BRCA1を発現した細胞は、BRCA1突然変異HCC1937細胞(IC50:7.25±0.64μM)に比べてCOH29(IC50:35.01±3.63μM)に対する感受性が格段に低かった。リアルタイム逆転写酵素ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)は、HCC1937+BRCA1細胞が、HCC1937より約2.5倍高いレベルのBRCA1を発現することを示した。
COH29に対するBRCA1欠損細胞の感受性を、正所性腫瘍外植体モデルにおいてさらに確認した。マウスの乳房脂肪体に植え込まれたHCC1937腫瘍の成長は、400mg/kgのCOH29を毎日経口投薬することによって、ビヒクルに比較して有意に(p=0.0007)抑制された(図1B)。対照的に、同質遺伝子型HCC1937+BRCA1細胞によって確立された腫瘍は、ビヒクル対照の場合に比べてCOH29処理済みのマウスの方が有意により小さいということはなかった(p=0.1577;図1C)。
卵巣がん細胞におけるCOH29による処理への応答に及ぼされるBRCA1突然変異の影響もまた、検査した。UWB1.289+BRCA1は、ヒト野生型BRCA1遺伝子を発現した卵巣がん細胞の安定なトランスフェクタントクローンであり、UWB1.289は、ネオマイシン耐性遺伝子を発現した対照プラスミドをトランスフェクトした親細胞である。これらの細胞は、相異なる用量のCOH29によって72時間処理した。wt BRCA1を発現した細胞は、COH29に対する感受性が減じていた(UWB1.289+BRCA1及びUWB1.289のそれぞれに関して、IC50:23.52±2.38μM及び12.30±1.15μM)。RT−PCRアッセイは、UWB1.289+BRCA1細胞が、UWB1.289より約3.08倍高いレベルのBRCA1を発現することを示した。この結果は、COH29が、BRCA1を欠損したヒトがん細胞において、より大きな致死性を誘導し得ることを示唆している。COH29に関するさらなる薬理学的データが、表1及び表2において提供されている。特に重要であるのは、COH29が、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素又はシスプラチンに耐性がある様々なヒトがん細胞の成長を抑制するという発見である(表1及び図11A(KB−Gem)及び図11B(KBHUR))。
COH29は、リンパ球種(MOLT−4)(図12A)及び卵巣(TOV112D)(図12B)マウス異種移植片腫瘍を阻害した。腫瘍リボヌクレオチドレダクターゼ活性も低下したが、これに対応して、腫瘍内dNTFプールが減少した(図12C及び図12D)。COH29は、HCC1937 BRCA1野生型乳がん細胞の場合に比べて、インビトロにおけるHCC1937 BRCA1欠損乳がん細胞(図13A)及びマウス乳房脂肪体正所性腫瘍異種移植片(図13B)のときに、有意により効果的であることが示された。
COH29がBRCA1突然変異ヒトがん細胞を優先的に溶解させる機構を確認するという目的で、AFFYMETRIX(R)遺伝子C臀部(R)マイクロアレイプラットフォームを使用して、ゲノムワイドマイクロアレイ分析を実施して、COH29処理によって影響される遺伝子発現プロファイル及び経路を確認した。BRCA1を欠損したCOH29処理済みのHCC1937乳がん細胞のRNA発現プロファイルを、COH29処理済みのHCC1937+BRCA1細胞のRNA発現プロファイルと比較した。HCC1937−COH29細胞と、HCC1937+BRCA1−COH29細胞との両方が、DNA修復遺伝子に関する遺伝子オントロジー(GO)エンリッチメントを示しており(表1a;p値は、0.0046〜0.0069の範囲である)、これは、COH29がDNA修復経路に干渉することを示唆している。例えば、DNA修復に関与するDNAライゲーションは、表現型の効果に関係し得るHCC1937細胞中では、より強く強化される。BRCA1野生型細胞において、COH29によって誘導されたDNA損傷のシグナリングは、BRCA1及びRad51の発現を抑制したが、これは、COH29は、相同組換え(HR)経路を阻害して、COH29活性化DDR(DNA損傷応答)によって誘導される二本鎖切断(DSB)を維持できることを示唆している。
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公に利用することが可能な乳がん及び卵巣がん患者コホートにおける遺伝子発現の研究を検査して、RRM2とPARP1との遺伝子発現相関を検証した。卵巣がんコホート(n=90、p=0、r=0.62;図2B)に関するAnglesioらの調査(35)のときの、乳がんコホート(n=289、P=0、r=0.56;図2A)に関するIvshinaらの調査(30)、並びに、RRM2及びPARP1遺伝子発現の相関分析における、RRM2とPARP1との相関を観察した。選択された患者コホートにおけるさらなる遺伝子型と表現型との相関は、慣例的な乳房及び卵巣用の化学療法と組み合わせたCOH29による標的化治療に関する危険性プロファイルを決定するために役立ち得る。
COH29がBRCA1突然変異ヒトがん細胞を優先的に溶解させることになる機構を、標的タンパク質を同定しようとする試みによって探索した。標的タンパク質(1種又は複数)の発現プロファイルは、COH29との相互作用によって影響され得る。例えば、標的タンパク質へのCOH−29の結合は、プロテアソームの補充によって、標的タンパク質の分解を誘導することができる。同様に、タンパク質レベルの変化は、対応する遺伝子の発現パターンを改変し得る。マイクロアレイ分析を実施して、COH29治療の結果として差次的発現した遺伝子を同定した。BRCA1を欠損したCOH29治療済みのHCC1937乳がん細胞のRNA発現プロファイルを、COH29治療済みのHCC1937+BRCA1細胞のRNA発現プロファイルと比較した。差次的発現した遺伝子のクラスタリングは、図2A及び2Bに示されている。
COH29がhPARP1を阻害したかどうかを判定するために、PARP1活性を、COH29によって処理された細胞又は処理されなかった細胞の溶解物中において、4時間、8時間又は24時間検査した。BRCA1を欠損したヒト乳がんHCC1937細胞においては、24時間のCOH29インキュベーションは、PARP1活性を41.08%低下させたが(無処理の場合における726177cpsと、COH29処理された場合における427851cpsとの対比)、同様に処理されたBRCA1を含有するHCC1937+BRCA1細胞においては、PARP1活性が12.66%(無処理の場合における2336878cpsと、COH−29処理された場合における2041097cpsとの対比)低下した(図3A)。
COH29によるPARP1の阻害は、UWB1.289ヒト卵巣がん株においては、より劇的なものだった(図3A)。PARP1活性は、8時間のCOH29処理後のBRCA1を欠損したUWB1.289細胞において、31.79%低下したが(無処理の場合における113559cpsと、COH29処理した場合における774611との対比)、PARP1活性は、同様に処理されたwt BRCA1を発現したUWB1.289+BRCA1細胞においては、46.31%(無処理の場合における145769cpsと、COH29処理した場合における2129944cpsとの対比)上昇した。総合すると、これは、COH29がPARP1を阻害し、これにより、BRCA1欠損ヒトがん細胞における有効性が高まることを指し示している。
PARP1のタンパク質レベルに及ぼされるCOH29の効果もまた、検査した。COH29による24時間の処理は、HCC1937 BRCA1欠損乳がん細胞において、PARP1タンパク質を漸減させており、程度は減じるが、HCC1937−BRCA1 wt細胞においてもPARP1タンパク質を漸減させている(図3B)。わずかな低下が、4時間のCOH29処理の間に観察された。対照的に、4時間のABT−888処理は、BRCA1ステータスにかかわらず、HCC1937細胞中におけるPARP1の有意な低下をもたらした(図3B)。
BRCA1突然変異細胞のバックグラウンドにおいてPARP1を阻害することによって得られた合成致死性は、DNA損傷作用のある薬物の細胞毒性を増大させ得る。(18)COH29によるPARP1の阻害が、BRCA1欠損ヒトがん細胞におけるシスプラチンの細胞毒性を向上するかどうかを、検査した。シスプラチンは、抗がん活性が標的細胞におけるDNA架橋に主に起因する、幅広く使用されている化学療法用物質である。wt BRCA1(HCC1937+)を発現したヒト乳がん株HCC1937の安定なトランスフェクタント又は対照トランスフェクタント(HCC1937)細胞を、同時に、COH29及びシスプラチンによって24時間処理した。生存能力の有意な低下は、2種の薬物による処理後のHCC1937+BRCA1細胞に比較すると、HCC1937細胞において起きた(図4A)。並行して実施された対照実験は、COH29単独又はシスプラチン単独による単一の処理が、度合いは減じているが同様のレベルの2種の細胞株に対する影響をもたらすことを示した(図4B;同様に表3も参照されたい)。COH29とゲムシタビン又はγ線照射とのさらなる相乗効果が、観察された(表2)。
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RR阻害薬ヒドロキシ尿素は、遺伝毒性のあるものであることが知られている(36、37)。COH29もRRを阻害するため、同様の結果が、COH29に関しても予想される。ヒト細胞において、このような損傷は、DNA損傷チェックポイントを活性化させて、細胞周期の進行を停止させ、これによって、修復のための時間を確保する。いかなる特定の理論にも拘束されることはないが、DNA損傷によって開始されるシグナリングは最初に、「毛細血管拡張性運動失調症変異」(ATM)及び「ATM and Rad 3−related」(ATR)によって仲介される。Chk1及びChk2は、Cdc25ホスファターゼをリン酸化する、シグナリングイベントのための下流キナーゼを表す。同様に、Cdc25の阻害は、Cdk/サイクリン複合体を抑制して、細胞周期を停止させる(39)。DNA損傷チェックポイントに及ぼされるCOH29の効果を査定するために、p53ステータスが異なる2種の細胞株を利用した。野生型p53によって活性化されたDNA損傷チェックポイント(図6の左側のパネル)を内包するMCF7細胞のCOH29処理は、ATMのリン酸化によって証拠立てられる。下流キナーゼCHK1及びCHK2もまた、リン酸化された。p53(MCF−7 p53−/−)を欠損したMCF7細胞において、これらのタンパク質もまた、COH29処理後に同様に修飾された(図6の中央のパネル)。DNAが損傷すると、ATM又はATRがγ−H2AXをリン酸化して、損傷したDNAの部位に修復タンパク質を補充する(39)。γ−H2AXレベルの増大は、両方の細胞株において、COH29処理後に起きた。したがって、COH29処理は、p53に独立した様式でDNA損傷チェックポイントを活性化させる。最後に、低減されたレベルのプロゲステロン受容体、エストロゲン受容体及びHer2受容体を発現する「トリプルネガティブ」ヒト乳がん細胞におけるCOH29の影響を、検査した(33)。MDA−MB−468細胞がCOH29によって処理された場合、上記キナーゼに関して類似の活性化プロファイルが観察された(図6、右側パネル)。
BRCA1野生型細胞におけるCOH29の効果を、さらに評価した。図7Aに提示のように、COH29もまた、核におけるγ−H2AX、phospho−p53及びphospho−ATMの蓄積を誘導した。さらに、foxo3及びその標的タンパク質p27の誘導を、COH29処理済み細胞において観察した(図7A)。さらに、共焦点免疫蛍光法顕微鏡法によって、γ−H2AX、phospho−p53及びphospho−ATMは、核において、foxo3と共局在化することが判明した(図7B、図7C及び図7D)。この結果は、COH29が、BRCA1野生型NSCLC A549細胞においても同様にDNA損傷を誘導することを指し示している。DNA二本鎖切断(DSB)は、相同組換え(HR)又は非相同末端結合(NHEJ)経路によって修復することができる。DSB DNA修復におけるCOH29の役割をさらに解明するという目的で、COH29は、細胞において、GFPを主体とした染色体リポーターEJ5−GFPによって、NHEJ修復効率にわずかな効果を及ぼすことが判定された(図8A〜図8B)。しかしながら、HR修復の原因である重要なタンパク質であるRad51の発現に及ぼされるCOH29の効果は、ウエスタン分析によると、BRCA1野生型NSCLC A549細胞の核において、ダウンレギュレーションされた(図7A)。さらに、COH29は、細胞中におけるDSBマーカーγ−H2AXの蓄積を伴う、BRCA1及びRad51病巣形成のタンパク質レベルを抑制しており(図9A及び図9B)、これは、COH29が、BRCA1野生型A549細胞におけるHR経路のダウンレギュレーションによって、DNA損傷反応(DDR)によって誘導されるDSBを長期化できる可能性があることを示唆している。
COH29の遺伝毒性を査定するという目的で、1〜7dpf(受精後日数)にわたって、種々の用量のCOH29(0〜100μM)を用いて野生型ゼブラフィッシュ胚を処理し、発生的欠陥を引き起こすことが知られたHU(0〜50mM)によって同様に処理された胚に対して比較した。予想されたとおり、HUは、4dpfで眼及び心臓に欠陥を発生させており(図5A)、突然変異胚の数が用量に応じて増加した(図5B)。対照的に、COH29の存在下においては、発生的欠陥がないこと(図5C)又は生存可能性(図5D)の低下が観察された。
本明細書において、COH29は、インビトロ研究とインビボ研究との両方において、BRCA1野生型細胞株の場合よりBRCA1欠損の場合の方がより活性であることが確認された。BRCA1は、DNA損傷に対する細胞応答のメディエーターのうちの1つである。したがって、本明細書においては、COH29処理済みのBRCA1欠損及びBRCA1野生型細胞に関する差次的遺伝子発現の分析を実施し、PARP1がさらなる阻害されたタンパク質であることを確認した。COH29によって増大したDNA損傷作用のある作用物質であるシスプラチンの活性。COH29は、p53においてDNA損傷チェックポイントを独立に活性化させ、この核Rad51は、ダウンレギュレーションされる。
ヒト細胞において、シスプラチンによって形成され得る架橋等のDNAの損傷は通常、BER経路によって修復される。RRは修復のために必要なdNTPを提供するため、酵素は、S期中に起きるBER密接に関与する。G1期において、p53誘導可能なサブユニットp53R2は、BERのためのdNTPを提供する。COH29によるRRの阻害は、インビボでdNTPの漸減を起こすことが報告されている(6)。
COH29は、本発明者らのデータがHR複合タンパク質Rad51の抑制を示していることによって示唆されているとおり、二本鎖DNA切断修復に影響し得る。これは、COH29が細胞内においてRad51タンパク質のレベルを漸減させるという観察によって、指し示されている(図7A)。DNA損傷に応答して、RAD51は、サイトゾルから核に移行して、ssDNAにヌクレオフィラメントを形成するが、これは、HR経路を促進するために必須のステップである(45、46)。無処理の細胞において、Rad51の大部分は、サイトゾルにおいて発現している(図7B、上側パネル)。COH29への曝露に応答してRad51が劇的に低下することと、これと同時進行して、核におけるγ−H2AXの発現が有意に増大することとは、Rad51が、COH29に誘導されるDSBにおいて役割を担い得ることを示唆している。このRad51に及ぼされるCOH29の効果は、複製フォークを停滞させることが知られたHUに関して文献で記述されたものに類似しているが(47)、ここでは、重要な相違点として、COH29が、HU(6)より20倍強力であり、認識可能なほどに遺伝毒性のあるものではないという点がある(図5A〜図5D)。
さらに、COH29は、別の重要なHR成分であるBRCA1も抑制した。PARPの阻害は、E2F4及びp130によって仲介されるBRCA1及びRAD51の発現をダウンレギュレートすることが、報告されてきた(48)。HR DNA修復の仕組みを妨害する阻害剤の開発(51)は、高められたRad51発現が数多くの種類のがんにおいて観察されてきており、不良な予後及び薬物耐性と相関している(52、53)ため、魅力的なものになってきた。Rad51発現レベルをアップレギュレートすることによるHR能の増大は、PARP阻害剤に対するがん細胞の耐性の原因になり得ることが報告されてきた(54)。BRCA1欠損細胞においてさえ、53BP1の喪失は、部分的なHR修復を可能にし、PARP阻害剤に対する獲得耐性を仲介することができる(55)。COH29によって誘導される発現レベルのダウンレギュレートによって、Rad51機能を不活性化することは、がんのための潜在的な療法として作用し得る。本発明者らのデータは、COH29が細胞中においてBER、NER及びHR修復経路に干渉し得ることを示しており、これは、COH29が、遺伝的背景又はPARP阻害剤に対する耐性に起因したバックアップ用のDNA修復を目的とし得ることを示唆している。
合成致死性又は他の手段によってDNA損傷作用のある薬物の効能を増大させることには、DNA修復能をインビボで抑制することによって、これらの薬物の変異原性潜在能力を高めてしまう危険性が伴う。dsB修復経路の場合、POLD1の不活性化(上記を参照されたい)は、結腸直腸腺腫及び結腸直腸癌(49)を引き起こすことが示された。RAD51の多形は、特定のヒトがん型の発症に関連付けられている(50)。しかしながら、本明細書におけるデータは、COH29処理が、HUとは異なり、ゼブラフィッシュの胚発生中における眼で見える形態学的異常をもたらさないことを示していた。ここで記述された進歩は、ヒトがんを治療するための現在の戦略のさらなる改善につながる可能性がある。様々なヒト乳がん細胞に及ぼされるCOH−29の効果は、表3に示されている。
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臨床研究
ファースト−イン−ヒューマン第I相、単一施設、用量漸増、安全性研究。COH29に関する実験設計スキームは、図14に示されている。
選択基準:(1) 標準療法に対して難治性である又は標準療法が存在しない組織学的に確認された進行した固形腫瘍を患っている18歳以上の男性患者及び女性患者;(2) 患者は、測定可能な又は評価可能な疾患を有さなければならない;(3) 患者は、骨髄の30%以下に影響する先行の放射線療法を受けていた場合に、参加することが可能である;(4) 患者は、登録前に4週間以上にわたって臨床的に安定な治療された脳転移の既往がある場合に、登録されることが可能である;(5) 2以下のECOGパフォーマンスステータス;(6) 治療する臨床医の査定によって判定される12週間超の平均余命;並びに(7) 標準的な実験アセスメントに従った十分な器官機能。
除外基準:(1) 患者は、研究する治療の開始前に、4週間以上にわたって先行の化学療法又は放射線を受けていなければならない;(2) 患者は、丸剤を飲み込むことができず、又は飲み込むことを望まない;(3) 直近3か月以内での心筋梗塞を含む活動性心臓疾患、症候性冠動脈疾患若しくは心臓ブロック又は無制御のうっ血性心不全;及び(4) 妊婦である又は活発に授乳している女性。
ヒトにおける最大安全初期用量は、FDA Guidance及び次のステップに基づいて計算される:ステップ1 無毒性量(NOAEL)を決定する;ステップ2 ヒト等価用量計算(HED);ステップ3 最も適切な種からHEDを選択する;ステップ4 安全率を適用する(標準は、10で割ることである)。体表面積に基づいたヒト等価用量への動物用量の変換が、下記の表4に示されている。
Figure 2020505435
前臨床毒性学
毒性に関する懸念は、FDAによって推奨されている2種の動物毒物学研究において、観察されなかった。このパイロット研究においては、腫瘍異種移植片の成長を阻害することが観察された最も低い用量は、IL2−rg(KO)/NOD−Scidマウスにおいて、毎日の経口投与による50mg/kgだった。10日目又は21日目において毒性を示さなかった用量の10倍に等価な用量のときの、ラット及びイヌにおける毒性研究。これらの結果は、下記の表5に示されている。
Figure 2020505435
臨床研究において使用される用量レベルは、下記の表6に示されている。1日280mgの用量は、ラット(より感受性の高い種)における250mg/kg/日のNOAELのHEDの10分の1と、イヌにおける84mg/kg/日との対比である。
Figure 2020505435
Figure 2020505435
加速漸増第I相設計は、図15に示されている。患者内用量漸増が許可されており、設計は、2つの中等度の毒性又は1つの用量規定毒性(DLT)が見受けられる場合、標準的な3+3に戻る。
DLT規定に関しては、グレード3以上の非血液学的毒性は、次の説明に従って、用量を制限するものであると考えられる:グレード3の下痢は、治療に対して難治性であり、24時間以内にグレード1以下に補正することができない場合にのみ、用量を制限するものであると考えられる。出血性又はグレード4の下痢は、用量を制限するものであり;グレード3嘔気及び嘔吐は、制吐療法に対して難治性であり、24時間以内にグレード1以下に補正することができない場合にのみ、用量を制限するものであると考えられ;IV流体によって24時間以内にグレード1以下に補正されないクレアチニンにおけるグレード3の上昇は、用量を制限するものであると考えられる。クレアチニンにおけるすべてのグレード4の上昇は、用量を制限するものであり;24時間以内にグレード1又はベースラインに補正することができないグレード3電解質毒性は、用量を制限するものであると考えられる。腫瘍疼痛は、当該腫瘍疼痛が鎮痛薬による最適な治療に対して難治性ではない限り、用量を制限するものであるとは考えられない。グレード4に関しては、次の事柄が検討される:グレード4血小板減少症;5日以上持続するグレード4好中球減少症又は発熱性好中球減少症;グレード4溶血;未解決の毒性の結果としての2週間超の治療の遅延;及び、任意の度合いの貧血、5日以上持続するグレード4好中球減少症の非存在下における白血球過小症又はリンパ球減少症は、用量を制限するものであるとは考えられない。
最大用量レベルは、最も近い動物研究において達成された最も高いレベルに対応する、2400mg/日(用量レベル8)に上限を定めた。リアルタイムPKモニタリングを実施して、投薬が、動物毒物学研究において観察された最大レベルである5000hr・ng/mLのAUCを超えないことを確実にする。患者内用量の漸増は、用量レベルがクリアされた場合に許される。
第1の患者は、用量レベル1に参加したが(1日に100mgを2回)、いかなるDLTも伴うことなくクリアした。第2の患者は、用量レベル3に参加したが(1日に200mgを2回)、グレード2皮膚発疹の中等度の毒性を有していた。第3の患者は、用量レベル5に参加した(1日に400mgを2回で、いかなるDLTも伴うことなくクリアした。第4の患者は、用量レベル7に参加したが(1日に800mgを2回)、グレード2下痢の中等度の毒性を有していた。ここで、本試行は、標準的な3+3用量漸増設計に変わった。第5の患者は、用量レベル7で参加した。第6の患者は、用量レベル7でスクリーニングしている。リアルタイムPKモニタリングを、サイクル1のときに患者ごとに実施し、これまでにFDAによって設定されたAUC安全性しきい値を超えることがないようにした。
患者は、28日サイクルのうちの21日間にわたって、経口用COH29を1日2回受け取る。用量レベルは、投与日当たり200〜2400mgの範囲である。用量漸増は、加速用量設定相(accelerated dose−finding phase)中に用量レベルの跳躍(用量の2倍化)を可能にするサイモンの加速漸増設計を利用して、追求される。PD査定は、細胞アポトーシスの度合いを判定するためのプラスマCK18レベルの測定、RNR阻害を評価するための末梢血単核細胞(PBMC)におけるdNTP不足レベルの評価、及び、PARP阻害を査定するためのPBMCにおけるPAR発現の測定を含む。デュアルカラー式免疫組織染色を使用する腫瘍RRM2発現の定量化は、COH29に対する抗腫瘍応答の予測用バイオマーカーとして探索されている。
番号付きの実施形態
1. がんの治療を必要としている対象のがんを治療する方法であって、
有効量の、構造:
Figure 2020505435
を有する化合物を投与することを含み、
前記有効量が、少なくとも投与日当たり約50mgである、
方法。
2. 前記有効量が、投与日当たり約50mg〜投与日当たり約2400mgである、実施形態1の方法。
3. 前記有効量が、投与日当たり約100mg〜投与日当たり約2400mgである、実施形態1又は2の方法。
4. 前記有効量が、投与日当たり約200mg〜投与日当たり約2400mgである、実施形態1〜3のいずれか1つの方法。
5. 前記有効量が、投与日当たり約100mgである、実施形態1〜3のいずれか1つの方法。
6. 前記有効量が、投与日当たり約200mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
7. 前記有効量が、投与日当たり約300mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
8. 前記有効量が、投与日当たり約400mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
9. 前記有効量が、投与日当たり約500mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
10. 前記有効量が、投与日当たり約600mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
11. 前記有効量が、投与日当たり約700mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
12. 前記有効量が、投与日当たり約800mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
13. 前記有効量が、投与日当たり約900mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
14. 前記有効量が、投与日当たり約1000mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
15. 前記有効量が、投与日当たり約1100mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
16. 前記有効量が、投与日当たり約1200mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
17. 前記有効量が、投与日当たり約1300mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
18. 前記有効量が、投与日当たり約1400mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
19. 前記有効量が、投与日当たり約1500mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
20. 前記有効量が、投与日当たり約1600mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
21. 前記有効量が、投与日当たり約1700mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
22. 前記有効量が、投与日当たり約1800mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
23. 前記有効量が、投与日当たり約1900mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
24. 前記有効量が、投与日当たり約2000mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
25. 前記有効量が、投与日当たり約2100mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
26. 前記有効量が、投与日当たり約2200mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
27. 前記有効量が、投与日当たり約2300mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
28. 前記有効量が、投与日当たり約2400mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
29. 前記有効量が、投与日当たり約2500mgである、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
30. 前記化合物を21日間にわたって毎日投与した後で7日間にわたって前記化合物を投与しないことを含む一連の治療を含む、実施形態1〜29のいずれか1つの方法。
31. 前記一連の治療が、28日間毎日繰り返される、実施形態1〜30のいずれか1つの方法。
32. 前記投与することが、1日当たり1回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
33. 前記有効量が、投与日当たり約100mg又は投与日当たり約200mgである、実施形態32の方法。
34. 前記投与することが、1日当たり2回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
35. 前記有効量が、投与日当たり約300mg又は投与日当たり約400mgである、実施形態34の方法。
36. 前記投与することが、1日当たり3回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
37. 前記有効量が、投与日当たり約600mgである、実施形態35の方法。
38. 前記投与することが、1日当たり4回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
39. 前記有効量が、投与日当たり約800mgである、実施形態38の方法。
40. 前記投与することが、1日当たり5回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
41. 前記投与することが、1日当たり6回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
42. 前記有効量が、投与日当たり約1200mgである、実施形態41の方法。
43. 前記投与することが、1日当たり7回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
44. 前記投与することが、1日当たり8回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
45. 前記有効量が、投与日当たり約1600mgである、実施形態44の方法。
46. 前記投与することが、1日当たり9回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
47. 前記投与することが、1日当たり10回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
48. 前記投与することが、1日当たり11回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
49. 前記投与することが、1日当たり12回である、実施形態1〜31のいずれか1つの方法。
50. 前記有効量が、投与日当たり約2400mgである、実施形態49の方法。
51. 前記対象が、固形腫瘍がん対象である、実施形態1〜50の1つの方法。
52. 前記対象が、乳がん対象又は卵巣がん対象である、実施形態1〜51のいずれか1つの方法。
53. 前記対象が、難治性固形腫瘍がん対象である、実施形態1〜52のいずれか1つの方法。
54. 前記対象が、乳がん対象である、実施形態51又は53の方法。
55. 前記乳がん対象が、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である、実施形態54の方法。
56. 前記投与することが、前記対象におけるDNA修復を阻害する、実施形態1〜55のいずれか1つの方法。
57. 前記投与することが、前記対象における塩基除去修復(BER)、ヌクレオチド除去修復(NER)又は二本鎖DNA切断修復を阻害する、実施形態1〜55のいずれか1つの方法。
58. 前記投与することが、前記対象におけるγ−H2AXタンパク質の活性又は発現を増大させる、実施形態1〜55のいずれか1つの方法。
59. 前記投与することが、前記対象におけるRad51タンパク質の活性又は発現を低下させる、実施形態1〜55のいずれか1つの方法。
60. 前記投与することが、前記対象におけるBRCA1タンパク質の活性又は発現を低下させる、実施形態1〜55の1つの方法。
61. 前記投与することが、前記対象におけるPARP1タンパク質の活性又は発現を低下させる、実施形態1〜55の1つの方法。
62. 薬学的に許容される賦形剤及び構造
Figure 2020505435
を有する化合物を含む、医薬組成物であって、
前記化合物が、少なくとも約50mgの量で存在する、
医薬組成物。
63. 前記有効量が、約50mg〜約1000mgである、実施形態62の医薬組成物。
64. 前記量が、約50mg〜約500mgである、実施形態62又は63の医薬組成物。
65. 前記量が、約50mg〜約400mgである、実施形態62〜64のいずれか1つの医薬組成物。
66. 前記量が、約50mg〜約300mgである、実施形態62〜65のいずれか1つの医薬組成物。
67. 前記量が、約50mg〜約200mgである、実施形態62〜66のいずれか1つの医薬組成物。
68. 前記量が、約100mg〜約200mgである、実施形態62〜67のいずれか1つの医薬組成物。
69. 前記量が、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg又は約500mgである、実施形態62〜68のいずれか1つの医薬組成物。
70. 経口用医薬組成物である、実施形態62〜69のいずれか1つの医薬組成物。
71. 前記経口用医薬組成物が、錠剤又はカプセル剤である、実施形態62〜70のいずれか1つの医薬組成物。
72. 実施形態62〜71の1つの医薬組成物を21日間毎日投与した後で7日間にわたって前記医薬組成物を投与しないように構成された供給器を含む、キット。
73. 前記供給器が、1日当たり1〜6つの医薬組成物投薬単位を吐出するように構成される、実施形態72のキット。
74. 前記医薬組成物を7日間投与しない間毎日投与するための7つのプラセボ製剤投薬単位をさらに含む、実施形態72又は73のキット。
75. 前記対象が、血液がん対象である、実施形態1〜50のいずれか1つの方法。
76. 前記対象が、白血病がん対象である、実施形態1〜50及び75のいずれか1つの方法。

Claims (21)

  1. がんの治療を必要としている対象のがんを治療する方法であって、
    有効量の、構造:
    Figure 2020505435
    の化合物を投与することを含み、
    前記有効量が、少なくとも投与日当たり約50mgである、
    方法。
  2. 前記有効量が、投与日当たり約50mg〜投与日当たり約2400mgである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物を21日間にわたって毎日投与した後で7日間にわたって前記化合物を投与しないことを含む、一連の治療を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記一連の治療が、28日ごとに繰り返される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記投与が、1日当たり1回である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記対象が、固形腫瘍がん対象である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記対象が、乳がん対象又は卵巣がん対象である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記対象が、難治性固形腫瘍がん対象である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記対象が、乳がん対象である、請求項6に記載の方法。
  10. 前記乳がん対象が、BRCA1欠損対象、PARP1阻害剤に対する耐性のある対象又はDNA損傷作用のある抗がん剤に対する耐性のある対象である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記投与が、前記対象におけるDNA修復を阻害する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記投与が、前記対象における塩基除去修復(BER)、ヌクレオチド除去修復(NER)又は二本鎖DNA切断修復を阻害する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記投与が、前記対象におけるγ−H2AXタンパク質の活性又は発現を増大させる、請求項1に記載の方法。
  14. 前記投与が、前記対象におけるRad51タンパク質の活性又は発現を低下させる、請求項1に記載の方法。
  15. 前記投与が、前記対象におけるBRCA1タンパク質の活性又は発現を低下させる、請求項1に記載の方法。
  16. 前記投与が、前記対象におけるPARP1タンパク質の活性又は発現を低下させる、請求項1に記載の方法。
  17. 薬学的に許容される賦形剤、及び構造:
    Figure 2020505435
    の化合物を含む、医薬組成物であって、
    前記化合物が、少なくとも約50mgの量で存在する、
    医薬組成物。
  18. 前記有効量が、約50mg〜約1000mgである、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 請求項17に記載の医薬組成物を21日間にわたって毎日供給した後で、前記医薬組成物を7日間にわたって投与しないように構成された供給器を含む、キット。
  20. 前記対象が、血液がん対象である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記対象が、白血病がん対象である、請求項20に記載の方法。
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