本発明の課題は、第1のモジュールを第2のモジュールから迅速及び/又は容易に取り外すことができる工具装置を提供することである。
本願の1つの態様によれば、工具装置は、第1のモジュールと、第1のモジュールから取り外し可能な第2のモジュールとを含み、第1のモジュールは差し込み収容部を備え、第2のモジュールは、差し込み方向を規定する差し込み軸に沿って差し込み収容部内に差し込むことができる差し込み部を備える。その際、差し込み部は、差し込み収容部内において、ロック位置と通過位置との間で、差し込み軸の周りを回転方向に回転可能であり、差し込み収容部は、差し込み方向に連続する複数の第1の突起を備え、差し込み部は、差し込み方向に連続する複数の第2の突起を備える。ロック位置において、それぞれの第2の突起は差し込み軸の方向において第1の突起の背後に嵌まり込み、他方、通過位置において、第1の突起は差し込み軸の方向においてそれぞれの第2の突起を通過させる。
有利な実施形態は、第1の突起が、差し込み軸の周りの回転方向において互いに隣接して配置されていることを特徴とする。別の有利な実施形態は、第2の突起が、差し込み軸の周りの回転方向において互いに隣接して配置されていることを特徴とする。
有利な実施形態は、第1の突起が、第2のモジュールと反対を向いた側に、差し込み軸に沿って上り勾配となっている第1のフランクを備えることを特徴とする。有利には、複数の第1の突起の第1のフランクは、差し込み軸に沿って異なる傾斜で上り勾配となっている。特に有利には、第1のフランクは、第2のモジュールから離れる方向において、それぞれ1つの第1の突起から次の第1の突起に向けて、より急峻になる。
有利な実施形態は、複数の第1の突起が差し込み軸に関して径方向の異なる高さを有することを特徴とする。有利には、第1の突起は、差し込み軸に沿って第2のモジュールから離れる方向において、それぞれ1つの第1の突起から次の第1の突起に向けて、より高くなる。
有利な実施形態は、第2の突起が、第1のモジュールと反対を向いた側に、差し込み軸に沿って上り勾配となっている第2のフランクを備えることを特徴とする。有利には、複数の第2の突起の第2のフランクは、差し込み軸に沿って異なる傾斜で上り勾配となっている。特に有利には、第2のフランクは、第1のモジュールから離れる方向において、それぞれ1つの第2の突起から次の第2の突起に向けて、より急峻になる。
有利な実施形態は、複数の第2の突起が差し込み軸に関して径方向の異なる高さを有することを特徴とする。有利には、第2の突起は、差し込み軸に沿って第1のモジュールから離れる方向において、それぞれ1つの第2の突起から次の第2の突起に向けて、より高くなる。
有利な実施形態は、打ち込み軸に沿って第2のモジュールに向かって最も前の第1の突起が、打ち込み軸の周りの周方向に傾斜した第1の導入スロープを備えることを特徴とする。別の有利な実施形態は、打ち込み軸に沿って第1のモジュールに向かって最も前の第2の突起が、打ち込み軸の周りの周方向に傾斜した第2の導入スロープを備えることを特徴とする。
本願の別の態様によれば、工具装置は、第1のモジュールと、第1のモジュールから取り外し可能な第2のモジュールとを含み、第1のモジュールは差し込み収容部を備え、第2のモジュールは、差し込み方向を規定する差し込み軸に沿って差し込み収容部内に差し込むことができる差し込み部を備える。その際、差し込み部は、差し込み収容部内において、ロック位置と通過位置との間で、差し込み軸の周りで回転方向に回転可能である。差し込み収容部は第1の突起を備え、差し込み部は第2の突起を備え、ロック位置において、第2の突起は差し込み軸の方向において第1の突起の背後に嵌まり込み、通過位置において、第1の突起は差し込み軸の方向において第2の突起を通過させる。工具装置は、ロック位置及びロック解除位置を有するロックユニットを備え、ロックユニットは、第2のモジュールの第1のモジュールからの取り外しを、ロック位置においては阻止し、ロック解除位置においては許容する。
有利な実施形態は、ロックユニットが、2つのモジュールの一方に配置されたプランジャと、2つのモジュールの他方に配置されたプランジャ収容部とを備え、プランジャが、ロック位置においてプランジャ収容部内に嵌まり込み、ロック解除位置においてプランジャ収容部の外部に配置されることを特徴とする。有利には、2つのモジュールの他方は接続要素を備え、接続要素は、差し込み軸の周りでもう一方のモジュールに対して回転可能に配置され且つプランジャ収容部を備える。同様に有利には、プランジャは、ロック解除位置からロック位置への移行の際、差し込み軸に関して径方向内向きにプランジャ収容部内へ移動する。代替的に、プランジャは、ロック解除位置からロック位置への移行の際、差し込み軸に関して径方向外向きにプランジャ収容部内へ移動する。
有利な実施形態は、ロックユニットがアクチュエータ要素を備えることを特徴とする。有利には、アクチュエータ要素はプランジャと堅固に接続されている。
有利な実施形態は、ロックユニットが、プランジャとプランジャ収容部を互いに押し付けるプランジャばねを備えることを特徴とする。
有利な実施形態は、ロックユニットが、差し込み部が差し込み収容部に対して差し込み軸に沿って変位することを、ロック位置においては阻止し、ロック解除位置においては許容することを特徴とする。
有利な実施形態は、ロックユニットが、2つのモジュールの他方に配置された複数のプランジャ収容部を備えることを特徴とする。
有利な実施形態は、差し込み部が、差し込み収容部内において、複数のロック位置と複数の通過位置との間で、差し込み軸の周りで回転可能であることを特徴とする。
有利な実施形態は、工具装置が、ラッチ要素及びラッチ収容部を有するラッチユニットを備え、ラッチ要素が、ロック位置においてラッチ収容部内に嵌まり込むことを特徴とする。有利には、ラッチ要素は2つのモジュールの一方に、ラッチ収容部は2つのモジュールの他方に、それぞれ配置されている。同様に有利には、ラッチ要素は2つのモジュールの他方に、ラッチ収容部は接続要素に、それぞれ配置されている。同様に有利には、ラッチ収容部は2つのモジュールの他方に、ラッチ要素は接続要素に、それぞれ配置されている。
有利な実施形態は、工具装置が、更に、ロック位置及びロック解除位置を有する安全装置を含み、当該安全装置が、工具装置のスイッチオンを、ロック位置においては阻止し、ロック解除位置においては許容することを特徴とする。更に、工具装置はロック解除インターロックを含み、当該ロック解除インターロックは、安全装置のロック位置からロック解除位置への移行を、通過位置においては阻止し、ロック位置においては許容する。有利には、ロック解除インターロックは、第1のモジュールに配置された第1のブロック要素と、第2のモジュールに配置された第2のブロック要素とを備え、第1のブロック要素及び第2のブロック要素は、通過位置においては互いに阻止し、ロック位置においては互いに通過する。同様に有利には、ロック解除インターロックは、複数の第1のブロック要素及び複数の第2のブロック要素を備える。
有利な実施形態は、ロックユニットが、差し込み部が差し込み収容部内において差し込み軸の周りで回転することを、ロック位置においては阻止し、ロック解除位置においては許容することを特徴とする。
有利な実施形態は、プランジャが、ロック解除位置からロック位置への移行の際、差し込み軸に沿ってプランジャ収容部内へ移動することを特徴とする。
本願の別の態様によれば、工具装置は、第1のモジュールと、第1のモジュールから取り外し可能な第2のモジュールとを含み、第1のモジュールは差し込み収容部を備え、第2のモジュールは、差し込み方向を規定する差し込み軸に沿って差し込み収容部内に差し込むことができる差し込み部を備える。その際、差し込み部は、差し込み収容部内において、ロック位置と通過位置との間で、差し込み軸の周りで回転方向に回転可能である。差し込み収容部は第1の突起を備え、差し込み部は第2の突起を備え、ロック位置において、第2の突起は差し込み軸の方向において第1の突起の背後に嵌まり込み、通過位置において、第1の突起は差し込み軸の方向において第2の突起を通過させる。2つのモジュールのうちの一方は阻止部材及び支持部材を含み、阻止部材は、2つのモジュールのうちの他方の方を向いた外側の阻止輪郭と、2つのモジュールのうちの他方から離れる方を向いた内側の阻止輪郭とを備える。2つのモジュールのうちの他方は、阻止部材の方を向いた逆輪郭を備え、外側の阻止輪郭は、2つのモジュールのうちの他方に対する一方の差し込み軸の周りの回転を阻止するために、阻止部材のロック位置において逆輪郭内に嵌まり込む。支持部材は支持輪郭を備え、支持輪郭は、支持部材の保持位置において、阻止部材をロック位置に保持するために内側の阻止輪郭を差し込み軸の方向において支持し、支持部材の解放位置において、差し込み軸に沿ってロック位置から阻止部材を取り外すことを可能とする。
有利な実施形態は、支持部材が、阻止部材に対して支持部材を差し込み軸の周りで回転させることによって、保持位置から解放位置に移動させることができることを特徴とする。
有利な実施形態は、内側の阻止輪郭及び/又は支持輪郭が、解放位置から保持位置への支持部材の移動を容易とするために、導入斜面を備えることを特徴とする。
有利な実施形態は、外側の阻止輪郭及び/又は逆輪郭が、ロック位置からの阻止部材の取り外しを容易とするための取り外しスロープを備えることを特徴とする。
有利な実施形態は、工具装置が、支持部材を阻止部材に対して保持位置に付勢する支持ばねを含むことを特徴とする。
有利な実施形態は、阻止部材がロック位置から取り外された場合に、2つのモジュールのうちの一方が、2つのモジュールのうちの他方に対して、複数の固定位置の間で差し込み軸の周りを回転可能であり、阻止部材がロック位置に嵌め込まれた場合に、2つのモジュールのうちの一方が、2つのモジュールのうちの他方に対して、複数の固定位置のうちの1つに固定されることを特徴とする。有利には、固定位置は、異なる作動エネルギー/動力を有する少なくとも2つのエネルギー設定及び/又は動力設定を含む。同様に有利には、固定位置は、工具装置がその意図された機能で作動可能である作動位置と、2つのモジュールのうちの一方が他方から取り外し可能である分解位置とを含む。
本願の別の態様によれば、工具装置は、第1のモジュールと、第1のモジュールから取り外し可能な第2のモジュールとを含み、第1のモジュールは差し込み収容部を備え、第2のモジュールは、差し込み方向を規定する差し込み軸に沿って差し込み収容部内に差し込むことができる差し込み部を備える。その際、差し込み部は、差し込み収容部内において、ロック位置と通過位置との間で、差し込み軸の周りで回転方向に回転可能である。差し込み収容部は第1の突起を備え、差し込み部は第2の突起を備え、ロック位置において、第2の突起は差し込み軸の方向において第1の突起の背後に嵌まり込み、通過位置において、第1の突起は差し込み軸の方向において第2の突起を通過させる。差し込み収容部は、基本位置においては工具装置の作動を阻止し、押し付け位置においては工具装置の作動を許容し、差し込み部が差し込み収容部内においてロック位置にある場合、第2のモジュールを第1のモジュールに押し付けると、差し込み収容部は差し込み軸の方向に押し込み位置へ移動する。
有利な実施形態は、第1のモジュールが、差し込み軸に沿って差し込み収容部と共に移動される押し込み阻止要素と押し込みブロック要素とを含み、押し込み阻止要素が、差し込み収容部に対して差し込み軸の周りで通常位置と分解位置との間で回転可能であることを特徴とする。押し込みブロック要素は、押し込み阻止要素が通常位置にある場合に、差し込み収容部の押し込み位置への移動を許容し、他方、押し込み阻止要素が分解位置にある場合に、差し込み収容部の押し込み位置への移動を阻止する。
有利な実施形態は、押し込み阻止要素が押し込み阻止輪郭を備え、差し込み軸に沿ったその移動は、押し込み阻止要素が分解位置にある場合、押し込みブロック要素によって阻止されることを特徴とする。
有利な実施形態は、押し込み阻止要素が追随輪郭(Mitnahmekontur)を備え、第2のモジュールが、差し込み部が差し込み収容部内に差し込まれた場合に追随輪郭内に嵌まり込むタペット(Mitnehmer)を備えることを特徴とする。
有利な実施形態は、差し込み部のロック位置から通過位置への回転によって、押し込み阻止要素が通常位置から分解位置へ共に回転することを特徴とする。有利な実施形態は、差し込み部の通過位置からロック位置への回転によって、押し込み阻止要素が分解位置から通常位置へ共に回転することを特徴とする。
有利な実施形態は、押し込み阻止要素が差し込み軸の周りに配置されたスリーブを含むことを特徴とする。
有利な実施形態は、工具装置が、打ち込まれるべき固定要素にエネルギーを伝達するための打ち込み要素と、打ち込み要素を駆動するための動力駆動される駆動ユニットとを含むことを特徴とする。有利には、第1のモジュールは、駆動ユニット、打ち込み要素、打ち込み要素のためのガイドシリンダ、及び/又は、操作要素を含む。同様に有利には、第2のモジュールは、打ち込み要素、打ち込み要素のためのガイドシリンダ、操作要素、及び/又は、固定要素のためのマガジンを含む。
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される実施例から明らかになるであろう。
図1には、工具装置100の第1の実施例が側面図で示されている。工具装置100は、駆動モジュール110と、エネルギー調整モジュール120と、マガジンモジュール130とを含み、マガジンモジュール130は、エネルギー調整モジュール120内に取り外し可能に差し込まれており、エネルギー調整モジュール120は、駆動モジュール110内に取り外し可能に差し込まれている。図示されていない実施例では、例えば、駆動モジュールがエネルギー調整モジュール内に、又は、エネルギー調整モジュールがマガジンモジュール内に、それぞれ差し込まれている。
工具装置100は、釘、ボルト、リベット等のような不図示の固定要素を打ち込むための打ち込み機として形成されており、打ち込まれるべき固定要素にエネルギーを伝達するための、例えば打ち込みピストンとして形成された不図示の打ち込み要素と、打ち込み要素を駆動するための不図示の動力駆動される駆動ユニットとを含む。第1のモジュール110は、ハウジング140と、ハウジング140内に収容された駆動ユニットと、同様にハウジング140内に収容された打ち込み要素のためのガイドシリンダと、を含む。第2のモジュール120は操作要素150を含み、マガジンモジュール130は、その内部を固定要素が打ち込み要素によって打ち込み方向160に、例えば鋼、コンクリート又は木材から成る不図示の基盤内に打ち込まれる打ち込みチャネルと、打ち込みチャネル内に固定要素を供給するためのマガジン170と、を含む。
駆動ユニットは、例えば、火薬又はガス作動の燃焼室、圧縮空気作動の圧力室、機械式又は空気式の駆動ばね、又は、電気作動のフライホイールを含む。操作要素150により、固定要素に伝達されるべき打ち込みエネルギーが調整可能である。
図2には、不図示のマガジンを備えるマガジンモジュール200が示されている。マガジンモジュール200は、差し込み方向220を規定する差し込み軸230に沿って差し込み収容部310(図3)内に差し込まれ得る差し込み部210を含む。差し込み部210は、差し込み収容部310に対する差し込み部210のロック位置において、それぞれ差し込み収容部310の第1の突起340(図3)の背後に嵌まり込むように設けられた、差し込み方向220に連続する複数の第2の突起240を備える。差し込み部210は、差し込み軸230の周りの周方向において第2の突起240の間に、差し込み収容部310に対する差し込み部210の通過位置において、差し込み収容部310の第1の突起340が差し込み軸230に沿って通過することを可能とするように設けられた第2の中間空間250を備える。その際、差し込み部210は、差し込み収容部310内において、ロック位置と通過位置との間で、差し込み軸230の周りで回転方向260に回転可能である。第2の突起240は、差し込み方向220において前後して、回転方向260において隣接して、配置されている。第2の中間空間250は、本実施例では、回転方向260に沿って互いにそれぞれ45°ずれており、その結果、差し込み軸230の周りの周方向に沿って、合計8つの異なる通過位置が設けられている。
図3には、ガイドシリンダ370内を案内される不図示の打ち込み要素のための不図示の駆動源を備える駆動モジュール300が示されている。駆動モジュール300は、その内部に差し込み部210(図2)が差し込み方向320を規定する差し込み軸330に沿って差し込まれ得る差し込み収容部310を含む。差し込み収容部310は、差し込み収容部310に対する差し込み部210のロック位置において、それぞれ差し込み部210の第2の突起240(図2)の背後に嵌まり込むように設けられた、差し込み方向320に連続する複数の第1の突起340を備える。差し込み収容部310は、差し込み軸330の周りの周方向において第1の突起340の間に、差し込み収容部310に対する差し込み部210の通過位置において、差し込み部210の第2の突起240が差し込み軸330に沿って通過することを可能とするように設けられた第1の中間空間350を備える。その際、差し込み部210は、差し込み収容部310内において、ロック位置と通過位置との間で、差し込み軸330の周りで回転方向360に回転可能である。第1の突起340は、差し込み方向320において前後して、回転方向360において隣接して、配置されている。
図4には、差し込み方向420を規定する差し込み軸430に沿って不図示の差し込み収容部内に差し込まれ得る差し込み部400の一部が、断面図で示されている。差し込み部400は、差し込み収容部に対する差し込み部400のロック位置において、それぞれ差し込み収容部の第1の突起の背後に嵌まり込むように設けられた、差し込み方向420に連続する複数の第2の突起440を備える。
第2の突起440は、それぞれ、差し込み方向420と反対を向いた側に、差し込み軸430に沿って上り勾配となっている第2のフランク480を備える。第2のフランク480は、差し込み方向420とは逆向きに、それぞれ1つの第2の突起440から次の第2の突起440に向けて、より急峻になる。それによって、差し込み部400と差し込み収容部との間に作用する力は、より均等に個々の第2の突起440に分配される。それに加えて、第2の突起440は、差し込み方向420とは逆向きに、差し込み軸に対して径方向の高さhに関して、それぞれ1つの第2の突起440から次の第2の突起440に向けて、より高くなる。それによって、差し込み部400は、差し込み部400が所望の深さで差し込み収容部内に差し込まれた場合にのみ、差し込み収容部に対して差し込み軸430の周りの回転方向に回転することができる。
図5には、差し込み部500及び差し込み収容部510の一部が示されており、差し込み部500は、差し込み方向520を規定する差し込み軸530に沿って、差し込み収容部510内に差し込まれ得る。差し込み収容部510は、差し込み方向520に連続する複数の第1の突起541を備える。差し込み部500は、差し込み収容部510に対する差し込み部500のロック位置において、それぞれ差し込み収容部510の第1の突起541の背後に嵌まり込むように設けられた、差し込み方向520に連続する複数の第2の突起542を備える。差し込み収容部510又は差し込み部500は、差し込み軸530の周りの周方向において第1の突起541及び第2の突起542の間に、第1の中間空間551又は第2の中間空間552を備え、これらは、差し込み収容部510に対する差し込み部500の通過位置において、第2の突起542又は第1の突起541が差し込み軸530に沿って通過することを可能とするように設けられている。その際、差し込み部500は、差し込み収容部510内において、ロック位置と通過位置との間で、差し込み軸530の周りで回転方向560に回転可能である。
第1の突起541及び第2の突起542は、差し込み方向520において前後して配置されている。打ち込み軸530に沿って差し込み部500に向かって最も前の第1の突起541は、それぞれ、回転方向560に傾斜した2つの第1の導入スロープ561を備える。それによって、差し込み部500を差し込み収容部510内に差し込む際の通過位置の把握が容易となる。同様に、打ち込み軸530に沿って差し込み収容部に向かって最も前の第2の突起542は、それぞれ、回転方向560に傾斜した2つの第2の導入スロープ562を備える。
図6には、工具装置600の一部が、分解図で示されている。工具装置600は、駆動モジュール610と、駆動モジュール610から取り外し可能であってマガジン625を備えるマガジンモジュール620とを含む。駆動モジュール610は、差し込み収容部630を備える。マガジンモジュール620は、差し込み軸640に沿って差し込み収容部630内に差し込み可能な差し込み部650を備える。その際、差し込み部650は、差し込み収容部630内において、複数の交互に並んだロック位置と通過位置との間で、差し込み軸640の周りで回転方向660に回転可能である。差し込み収容部630は不図示の第1の突起を備え、差し込み部650は第2の突起670を備え、ロック位置では、第2の突起670は差し込み軸640の方向において第1の突起の背後に嵌まり込み、通過位置では、第1の突起は差し込み軸640の方向において第2の突起を通過させる。
工具装置600は、ロック位置及びロック解除位置を有するロックユニット680を備え、ロックユニット680は、マガジンモジュール620の駆動モジュール610からの取り外しを、ロック位置においては阻止し、ロック解除位置においては許容する。ロックユニット680は、マガジンモジュール620に配置されたプランジャ690と、駆動モジュール610に配置され多数のプランジャ収容部710(図7)を備える接続要素700と、を含む。更に、ロックユニット680は、プランジャ690と堅固に接続されたアクチュエータ要素695を備える。
更に、工具装置600は、2つのラッチ要素730と多数のラッチ収容部740とを有するラッチユニット720を備え、ラッチ要素730は、差し込み部650が差し込み収容部630に対してロック位置にある場合に、それぞれラッチ収容部740のうちの1つに嵌まり込む。ラッチ要素730は、差し込み収容部630に、したがって駆動モジュール610に配置されており、他方、ラッチ収容部740は、接続要素700に配置されている。ラッチ要素730は、差し込み収容部630内のボール収容部770内に配置され、外側にある環状ばね780によって内側へ接続要素700に押し付けられるボールとして形成されている。不図示の実施例では、駆動モジュール又は接続要素に配置された1つ又は複数のラッチ要素と、接続要素又は駆動モジュールに配置された1つ又は複数のラッチ収容部と、が設けられる。
更に、工具装置600は、ロック位置及びロック解除位置を有する安全装置750を備え、当該安全装置750は、工具装置600のスイッチオンを、ロック位置においては阻止し、ロック解除位置においては許容する。安全装置750のロック解除インターロック760は、安全装置750のロック位置からロック解除位置への移行を、通過位置においては阻止し、ロック位置においては許容する。ロック解除インターロック760は、駆動モジュール610に配置された複数の第1の阻止要素761と、接続要素700に配置された複数の第2の阻止要素862(図8)とを含み、第1の阻止要素761及び第2の阻止要素862は、通過位置においては互いに阻止し、ロック位置においては差し込み軸640に沿って互いに通過する。
図7には、接続リング790として形成され、プランジャ収容部710に加えて、その内部にラッチ収容部740が配置された円周溝795を備える接続要素700が示されている。接続要素700が差し込み収容部630に対して回転方向660に回転する際、ラッチ要素730は、差し込み部650が差し込み収容部630に対してロック位置にある場合、溝795内を移動し、ラッチ収容部740内に係合する。その際、接続要素700は、ロックユニット680を介して差し込み部650と共に回転する。
図8、9及び10には、プランジャ690を有するマガジンモジュール620が、接続要素700と共に示されており、その際、例えば差し込み部のようなマガジンモジュール620の覆う部分は示されていないので、マガジンモジュール620内の打ち込みチャネル800が見えている。プランジャ690は、プランジャ突起691と共に、差し込み軸640に関して径方向外向きに接続要素700の不可視のプランジャ収容部の1つに嵌り込み、その結果、ロックユニット680はロック位置にある。ロックユニット680は、プランジャ690とプランジャ収容部を互いに押し付けるプランジャばね810を含み、その結果、ロックユニット680はロック位置に保持される。
図8によるロック位置において、ロックユニット680は、差し込み部が差し込み収容部に対して差し込み軸に沿って変位すること、及び、差し込み部が差し込み収容部内で差し込み軸の周りに回転することを阻止する。しかしながら、駆動モジュール610に対してマガジンモジュール620が回転することは可能であり、その際、接続要素700は、ロックユニット680のロック位置において、マガジンモジュール620と共に、ラッチユニット720の1つの1つの固定位置から次の固定位置へと回転する。
図9において、マガジンモジュール620及び接続要素700は、ラッチユニット720の別のそのような固定位置において示されている。ロックユニット680は、依然としてロック位置にある。
図10において、マガジンモジュール620及び接続要素700は、アクチュエータ要素695が、したがってプランジャ690が、ばねの力に抗して差し込み軸640に関して径方向内向きに移動された後の状態で示されている。その際、プランジャ突起691はプランジャ収容部から外へ移動し、その結果、ロックユニット680は、今やロック解除位置にある。ロック解除位置において、ロックユニット680は、差し込み部が差し込み収容部に対して差し込み軸に沿って変位すること、及び、差し込み部が差し込み収容部内で差し込み軸の周りに回転することを許容し、その結果、マガジンモジュール620は、回転方向への回転によって、差し込み部を差し込み収容部に対して通過位置へと回転させ、その後、マガジンモジュール620は駆動モジュールから引き抜くことができる。
ロック解除位置からロック位置への移行の際、プランジャ690は、差し込み軸に関して径方向外向きにプランジャ収容部内へ移動する。不図示の実施例において、プランジャは、ロック解除位置からロック位置への移行の際、差し込み軸に関して径方向外向きに又は差し込み軸に沿って、プランジャ収容部内へ移動する。
図11において、プランジャ690は、プランジャ突起691及びストッパ692と共に示されており、ストッパ692は、マガジンモジュール620が通過位置へ回転された時、ロック解除位置において阻止要素862の1つと整列する。アクチュエータ要素695はプランジャ690と堅固に接続されており、これと共に一体の要素を形成する。
図12には、工具装置の駆動モジュール1200が部分的に示されている。駆動モジュール1200は、複数の第1の突起1240を有する差し込み収容部1210を備える。差し込み収容部1210内には、工具装置の別のモジュールの差し込み部を差し込むことができる。駆動モジュール1200はロック1260を含み、ロック1260は、図12に示された通常位置において、差し込み収容部1210内に差し込まれた差し込み部が、差し込み収容部1210に対して回転しないよう、固定する。押しボタン1250がロック1260と堅固に接続されており、差し込み収容部1210内で差し込み部を回転させ、駆動モジュール1200から別のモジュールを取り外すことができるようにするために、押されなければならない。それに加えて、駆動モジュールは、第1の指示矢印1270を備える。
図13には、工具装置の操作モジュール1300が示されている。操作モジュール1300は、不図示の第2の突起を備える差し込み部1310を備え、当該第2の突起は、差し込み部1310が差し込み収容部1210内に差し込まれ、差し込み収容部1210に対して回転された場合に、駆動モジュール1200の第1の突起1240(図12)の背後に嵌まり込むように設けられている。操作モジュール1300は、それによって工具装置の打ち込みエネルギーを調整可能な調整スリーブ1330を含む。この目的のために、調整スリーブにはエネルギー目盛1340が付いている。更に、操作モジュールは、圧縮ばね1350と、圧縮ばね1350を支持するためのばね受け1360とを備える。ばね受け1360には第2の指示矢印1370が付いており、第2の指示矢印1370は、操作モジュール1300が所望の位置で駆動モジュール1200に装着され得るよう、駆動モジュール1200の第1の指示矢印1270(図12)と位置合わせされなければならない。
図14では、操作モジュール1300が、調整スリーブなしで示されている。調整スリーブの下に、操作モジュール1300は、阻止部材1400及び支持部材1410を備え、阻止部材1400は、駆動モジュール1200の方を向いた外側の阻止輪郭1420と、駆動モジュール1200から離れる方を向いた内側の阻止輪郭1430とを備える。駆動モジュール1200は、阻止部材1400の方を向いた逆輪郭1280を備え、外側の阻止輪郭1420は、駆動モジュール1200に対する操作モジュール1300の回転を阻止するために、阻止部材1400のロック位置において逆輪郭1280内に嵌まり込む。支持部材1410は、支持輪郭1440を備える。
図15では、操作モジュール1300が部分的に示されており、支持部材1410は保持位置にある。保持位置において、支持輪郭1440は、阻止部材1400をロック位置に保持するために、内側の阻止輪郭1430を差し込み軸の方向において支持する。
図16では、操作モジュール1300が部分的に示されており、支持部材1410は解放位置にある。解放位置において、支持輪郭1440は、差し込み軸に沿ってロック位置から阻止部材1400を取り外すことを可能とする。
支持部材1410は、阻止部材1400に対して支持部材1410を差し込み軸の周りで回転させることによって、保持位置から解放位置に移動させることができる。内側の阻止輪郭1430及び支持輪郭1440は、解放位置から保持位置への支持部材1410の移動を容易とするために、導入斜面1470を備える。更に、外側の阻止輪郭1420(図14)及び逆輪郭1280(図12)は、駆動モジュール1200に対するロック位置からの阻止部材1400の取り外しを容易とするための取り外しスロープ1425,1285を備える。更に、操作モジュール1300は、第1の支持ばね1450及び第2の支持ばね1460を備え、これらは、支持部材1410を阻止部材1400に対して保持位置に付勢する。
ここで、調整スリーブ1330が差し込み軸の周りで回転されると、回転の方向に応じて第1の支持ばね1450又は第2の支持ばね1460が変形し、その結果、支持部材1410は、第1又は第2の支持ばね1450,1460のばね力に抗して解放位置へ移動される。これにより、阻止部材1400はロック位置から取り外されることができ、次に、駆動モジュール1200に対して共に回転することができる。したがって、一方の手で駆動モジュール1200を保持し、他方の手でエネルギーを調整することが可能である。
その際、阻止部材1400は、複数のエネルギーレベルが設定可能であるように、逆輪郭1280の複数の固定位置に嵌まり込むことができる。阻止部材1400が固定位置の1つに嵌まり込むか、又は、調整スリーブ1330が解放されると、支持ばね1450,1460は、支持部材1410を、図15による保持位置へ押し戻し、その結果、阻止部材1400は、嵌まり込んだロック位置に保持される。異なるエネルギーレベルに加えて、阻止部材1400は、操作モジュール1300を駆動モジュール1200から取り外すことができる分解位置をも備える。
図17には、操作モジュール1300が部分的に示されている。操作モジュール1300は、複数の第2の突起1710を有する差し込み部1700を含む。差し込み部1700は溝(Kulisse)1720を備え、その内部において、ロック1260は、駆動モジュール1200に対して差し込み部1700が回転した場合に、阻止部材1400の分解位置に対応し、操作モジュール1300が駆動モジュール1200から取り外し可能である端部ストッパ1730まで移動する。
図18には、駆動モジュール1200が部分的に断面図で示されている。操作モジュール1300と駆動モジュール1200との間の押し付け溝(Anpresskulisse)1800が、分解位置においては工具装置の押し付け及び作動を阻止し、各作動位置(エネルギーレベル)においては工具装置の押し付け及び作動を許容する。
図19及び20には、駆動モジュール1910と、駆動モジュール1910から取り外し可能なマガジンモジュール1920とを備えた工具装置1900が示されている。マガジンモジュール1920は、不図示の差し込み部を含む。駆動モジュール1910は、不図示の差し込み収容部を含み、当該差し込み収容部は、図20による基本位置においては工具装置の作動を阻止し、図19による押し付け位置においては工具装置の作動を許容する。マガジンモジュール1920を駆動モジュール1910に押し付けると、差し込み収容部が差し込み軸1930の方向に押し込み位置へ移動する。
駆動モジュール1910は、差し込み軸1930に沿って差し込み収容部と共に移動される押し込み阻止要素1940と、押し込みブロック要素1950とを含み、押し込み阻止要素1940は、差し込み収容部に対して差し込み軸1930の周りで通常位置と分解位置との間で回転可能である。押し込み阻止要素1940は押し込み阻止輪郭1960を備え、差し込み軸1930に沿ったその移動は、押し込み阻止要素1940が分解位置にある場合、押し込みブロック要素1950によって阻止される。したがって、押し込みブロック要素1950は、押し込み阻止要素1940が通常位置にある場合にのみ、差し込み収容部の押し込み位置への移動を許容する。押し込み阻止要素1940の分解位置において、押し込みブロック要素1950は、逆に、差し込み収容部の押し込み位置への移動を阻止する。
押し込み阻止要素1940がマガジンモジュール1920と共に回転するよう、押し込み阻止要素1940は追随輪郭1970を、マガジンモジュール1920は、差し込み部が差し込み収容部に差し込まれた場合に追随輪郭1970に嵌まり込むタペット1980を、それぞれ備える。
差し込み部のロック位置から通過位置への回転によって、押し込み阻止要素1940は通常位置から分解位置へ共に回転する。同様に、差し込み部の通過位置からロック位置への回転によって、押し込み阻止要素1940は分解位置から通常位置へ共に回転する。押し込み阻止要素1940は、差し込み軸1930の周りに配置されたスリーブとして形成されている。
本発明が、固定要素のための打ち込み装置の複数の実施例を参照して説明された。個々の実施例の全ての特徴が、それらが互いに矛盾しない限り、任意の組み合わせで単一の装置において実現され得ることは、自明である。また、本発明が、他の用途、特にねじ込み装置又はハンマードリル等にも適していることにも留意されたい。