JP2020500875A - 統合失調症または統合失調感情障害を処置するためのバルベナジンの使用 - Google Patents

統合失調症または統合失調感情障害を処置するためのバルベナジンの使用 Download PDF

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Abstract

本明細書において提供されているのは、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を、統合失調症または統合失調感情障害の処置を必要とする被験体に投与することによって、統合失調症または統合失調感情障害を処置するための方法である。

Description

本明細書において提供されているのは、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルもしくはその同位体変種;またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を、それを必要とする被験体に投与することによって統合失調症または統合失調感情障害を処置するための方法である。
統合失調症は、成人人口のおよそ1%が罹患し、セルフケアおよび身体的健康に対する障害の影響を介して、ならびに自殺を介して平均余命を平均20年から25年低減する。現在、統合失調症の根底にある病原機序は、十分に理解されていない。統合失調症は、精神病の特徴的症状、支離滅裂性およびいわゆる「陰性」症状(情動表現の範囲の低減、発話の生成の低減および意志/意欲の欠如を表す);疾病の持続期間;機能の欠損;ならびに自閉症および双極性障害など他の障害の除外に基づいて臨床的に診断される。臨床医にとって、どの精神病患者が統合失調症を有しているかを同定することは、臨床的洞察力およびDSM−IVまたはICD−10診断マニュアルに対する熟知を必要とする(例えば、Corvin、BMC Biol.、2011年;9巻:77頁を参照されたい)。
抗精神病薬物治療は、統合失調症の処置における柱である。神経遮断薬としても公知であるこれらの抗精神病薬物は、一般に、統合失調症の「陽性」症状、即ち精神病、思考障害および支離滅裂な行動の低減を引き起こす。抗精神病薬は、一般に、認知に対して、ならびに意欲および情動の欠如、引きこもり、毎日の活動における興味の欠如、および活動を予定または実施する能力の低減を含む疾患の「陰性」症状に対して、あまり影響を及ぼさない。
第1世代または「定型」抗精神病薬は、統合失調症および他の精神病性障害の処置において50年を超える間使用されてきた。最初に市場に出た抗精神病薬は、クロルプロマジンであり;他の定型抗精神病薬は、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、スルピリド、チオリダジンおよびトリフルオペラジンを含む。これらの定型抗精神病薬は全て、D2ドーパミン受容体拮抗作用を介してそれらの一次効力を獲得し、パーキンソン症候群(振戦、強剛性、動作緩慢および歩行不安定性)、ならびにジストニア、ジスキネジア(例えば、遅発性ジスキネジア)およびアカシジアを含めた動作障害を引き起こす傾向を有する。
第2世代または「非定型」抗精神病薬が開発され、これらの薬物は、慢性投与でTDおよび関連の動作障害を引き起こすリスクがより低い。これらの薬物は、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、イロペリドン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドンおよびジプラシドンを含む。これらの非定型抗精神病薬は全て、他の神経伝達物質のための受容体に対する追加の効果を有するD2ドーパミン受容体拮抗作用を介してそれらの一次効力を発揮する。これらの非定型抗精神病薬は、平均余命に影響するのに十分な代謝副作用を伴う。これらの副作用は、体重増加を誘発する傾向、ならびに関連の代謝妨害、例えば高トリグリセリド血症および高血糖症を含む。クロザピンは、重度の精神疾病のための処置として最も有効であるように見えるが、それは、薬物を使用するための要件として患者の白血球数の頻繁なモニタリングを必要とする無顆粒球症の有意な発生率を含めて、追加の重篤な医学的副作用を有する。
統合失調症または統合失調感情障害の処置に加えて、ある特定の抗精神病薬物療法が、双極性障害、大うつ病性障害(MDD)および自閉症スペクトラム障害の処置として承認された。特に不安、注意欠陥多動性障害(ADHD)、認知症、うつ病、不眠症、強迫性障害(OCD)、外傷後ストレス障害、物質乱用、およびトゥレット症候群を含めた様々な状態の処置のために使用される非定型の適応外使用が普及している。
抗精神病薬物療法の投与と関連する副作用は、患者の健康および幸福に有意に影響し得るので、現在の治療の代替が必要とされている。
テトラベナジン(TBZ)としても公知である、3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オンによる小胞モノアミン輸送体2系(VMAT2)の可逆的阻害は、様々な神経障害の処置を改善する。しかしながら、こうした処置の欠点は、応答の変動、TBZ急速代謝による頻繁な摂取の必要、および副作用である。TBZと関連する副作用は、鎮静、うつ病、アカシジアおよびパーキンソン症候群を含む。
2つのキラル中心を有するとともに2つの立体異性体のラセミミックスであるTBZは、それの還元形態、ジヒドロテトラベナジン(DHTBZ)としても公知である3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オールに、in vivoにおいて急速および広範に代謝される。DHTBZは、4つの個々の異性体:(±)アルファ−DHTBZおよび(±)ベータ−DHTBZとして存在すると思われる。(2R,3R,11bR)または(+)アルファ−DHTBZは、活性代謝物の絶対配置であると考えられる(Kilbournら、Chirality、1997年、9巻、59〜62頁)。テトラベナジンは、ハンチントン(Hungtington)病を有する患者における舞踏病の治療に関して、ある特定のヨーロッパ諸国において承認されている。しかしながら、テトラベナジンは、急速に代謝され、1日全体にわたって頻繁に投与されなければならない。(Muller、Expert Opin. Investig. Drugs、2015年、24巻、737〜742頁)。そのため、当技術分野において、統合失調症または統合失調感情障害を含めた神経障害の処置のための有効な治療薬を開発するという未だ満たされていない必要性がある。
バルベナジン、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、ジヒドロテトラベナジンの(+)−α−異性体の精製プロドラッグも、小胞モノアミン輸送体2系(VMAT2)の阻害剤である。
Corvin、BMC Biol.、2011年;9巻:77頁 Kilbournら、Chirality、1997年、9巻、59〜62頁 Muller、Expert Opin. Investig. Drugs、2015年、24巻、737〜742頁
本明細書において提供されているのは、VMAT2阻害剤またはVMAT2阻害剤を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体に投与することによって統合失調症または統合失調感情障害を処置するための方法である。
その上、本明細書において提供されているのは、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を投与することによって統合失調症または統合失調感情障害を処置する方法である。
本明細書においてその上提供されているのは、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を含む、統合失調症または統合失調感情障害を処置することにおける使用のための医薬組成物である。
図1は、長期バルベナジン処置(48週目)および処置離脱(52週目)後の陽性および陰性症候群スケール(PANSS)によって測定される場合の、ベースラインからのスコアの平均変化を表す。PANSSは、統合失調症/統合失調感情障害を有する被験体のみに投与した(40mg、n=154;80mg、n=155)。
定義
本明細書において説明されている本開示の理解を容易にするため、多数の用語が下記に定義されている。
一般に、本明細書において使用されている名称ならびに本明細書に記載されている有機化学、医薬品化学および薬理学における実験室手順は、当技術分野において周知されているとともに一般的に用いられるものである。別段に定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的および科学的用語は、一般に、この開示が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
「被験体」という用語は、以下に限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットまたはマウスを含めた動物を指す。「被験体」および「患者」という用語は、本明細書において、例えばヒト被験体などの哺乳動物被験体、一実施形態ではヒトへの言及において相互交換可能に使用される。
本明細書で使用される場合、「同位体濃縮」は、その原子の天然同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体濃縮」は、その原子の天然同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1個の原子を含有する化合物を指すこともできる。
本明細書において提供されている化合物に関して、特別な原子位置が重水素または「D」を有すると指定される場合、その位置での重水素の存在度は、約0.015%である重水素の天然存在度よりも実質的に大きいと理解される。重水素を有すると指定される位置は、典型的に、特定の実施形態では、各々指定された重水素位置で少なくとも1000(15%の重水素取り込み)、少なくとも2000(30%の重水素取り込み)、少なくとも3000(45%の重水素取り込み)、少なくとも3500(52.5%の重水素取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素取り込み)、少なくとも6000(90%の重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素取り込み)、少なくとも6600(99%の重水素取り込み)または少なくとも6633.3(99.5%の重水素取り込み)の最小同位体濃縮係数を有する。
本明細書において提供されている化合物の同位体濃縮は、質量分光分析法、核磁気共鳴分光法および結晶解析法を含めて、当業者に公知である従来の分析方法を使用して決定することができる。
薬物動態(「PK」)、薬力学(「PD」)および毒性プロファイルを改善するための医薬品の同位体濃縮(例えば、重水素化)は、一部のクラスの薬物で以前に実証されている。例えば、Lijinskyら、Food Cosmet. Toxicol.、20巻:393頁(1982年);Lijinskyら、J. Nat. Cancer Inst.、69巻:1127頁(1982年);Mangoldら、Mutation Res.、308巻:33頁(1994年);Gordonら、Drug Metab. Dispos.、15巻:589頁(1987年);Zelloら、Metabolism、43巻:487頁(1994年);Gatelyら、J. Nucl. Med.、27巻:388頁(1986年);Wade D、Chem. Biol. Interact.、117巻:191頁(1999年)を参照されたい。
薬物の同位体濃縮は、例えば、(1)望まれない代謝物を低減または除去するために、(2)親薬物の半減期を増加させるために、(3)所望の効果を達成するために必要とされる用量数を減少させるために、(4)所望の効果を達成するのに必要な用量の量を減少させるために、(5)いくらかでも形成されたならば、活性代謝物の形成を増加させるために、ならびに/あるいは(6)特定の組織における有害な代謝物の生成を減少させるために、および/または併用療法が企図されているもしくは企図されていなくとも、併用療法のためのより有効な薬物および/もしくはより安全な薬物を作り出すために使用することができる。
原子からそれの同位体の1つへの置き換えは、しばしば、化学反応の反応速度の変化をもたらす。この現象は、速度論的同位体効果(「KIE」)として公知である。例えば、C−H結合が化学反応における速度決定ステップ(即ち、最も高い遷移状態エネルギーを有するステップ)中に切断されるならば、その水素から重水素への置換は反応速度の減少を引き起こし、プロセスは減速する。この現象は、重水素速度論的同位体効果(「DKIE」)として公知である。(例えば、Fosterら、Adv. Drug Res.、14巻、1〜36頁(1985年);Kushnerら、Can. J. Physiol. Pharmacol.、77巻、79〜88頁(1999年)を参照されたい)。
DKIEの規模は、C−H結合が切断される所与の反応の速度と水素の代わりに重水素が置換された場合の同じ反応の速度との間の比として表現することができる。DKIEは、約1(同位体効果なし)から非常に大きな数、例えば50またはそれよりも多くを範囲とすることができ、水素の代わりに重水素が置換される場合に反応が50倍またはそれよりも大きく遅くなり得ることを意味する。高いDKIE値は、一部には、不確定性原理の帰結であるトンネリングとして公知である現象によるものであり得る。トンネリングは小さい質量の水素原子によるものであり、それは、プロトンが関与する遷移状態が、必要とされる活性化エネルギーの非存在下で形成されることがあるため生じる。重水素は水素よりも質量が大きいので、統計的に、この現象を受ける確率がはるかに低い。
トリチウム(「T」)は、研究調査、核融合炉、中性子発生器および放射性医薬品において使用される、水素の放射性同位元素である。トリチウムは、核中に2つの中性子を有する水素原子であり、3に近い原子量を有する。それは、最も一般的にTOとして見出される非常に低い濃度で環境において天然に存在する。トリチウム崩壊は遅く(半減期=12.3年)、ヒト皮膚の外層に浸透することができない低エネルギーベータ粒子を放出する。内部曝露は、これの同位体と関連する主な危険であるが、それは、大量に経口摂取されると著しい健康リスクをもたらすはずである。重水素と比較して、より少ない量のトリチウムを、それが危険なレベルに達する前に、消費する必要がある。水素からトリチウム(「T」)への置換は、なお、重水素よりも強い結合をもたらし、数値的により大きい同位体効果を与える。同様に、以下に限定されないが、炭素については13Cまたは14C、硫黄については33S、34Sまたは36S、窒素については15N、および酸素については17Oまたは18Oを含めて、他の元素から同位体への置換は、同様の速度論的同位体効果をもたらすことがある。
例えば、DKIEは、おそらく塩化トリフルオロアセチルなどの反応種の生成を制限することによってハロタンの肝毒性を減少させるために使用された。しかしながら、この方法は、全ての薬物クラスに適用可能であるとは限らない。例えば、重水素取り込みは、代謝スイッチングをもたらすことがある。代謝スイッチングの概念は、異物が、第I相酵素によって隔離される場合、一過性に結合し、化学反応(例えば、酸化)の前に様々な立体配座で再結合することができることを主張している。この仮説は、多くの第I相酵素における結合ポケットの相対的に巨大なサイズおよび多くの代謝反応の雑多な性質によって支持されている。代謝スイッチングは、潜在的に、異なる割合の公知の代謝物および全く新たな代謝物をもたらすことがある。この新たな代謝プロファイルは、多かれ少なかれ毒性を付与し得る。
動物の体は、それの循環系から、治療剤などの外来性物質を除去する目的で、様々な酵素を発現する。こうした酵素の例は、シトクロムP450酵素(「CYP」)、エステラーゼ、プロテアーゼ、レダクターゼ、脱水素酵素およびモノアミンオキシダーゼを含み、これらの外来性物質と反応するとともに、これらを腎排泄のためにより極性の中間体または代謝物に変換する。医薬化合物の最も共通の代謝反応の一部は、炭素−水素(C−H)結合を炭素−酸素(C−O)または炭素−炭素(C−C)pi−結合のいずれかに酸化することを伴う。結果として生じた代謝物は、生理学的条件下で安定または不安定であることがあり、親化合物に相対して実質的に異なる薬物動態学的、薬力学的ならびに急性および長期毒性プロファイルを有し得る。多くの薬物にとって、こうした酸化は急速である。これらの薬物は、そのため、複数のまたは高い日用量の投与をしばしば必要とする。
そのため、本明細書において提供されている化合物のある特定の位置での同位体濃縮は、天然同位体組成を有する同様の化合物との比較において、本明細書において提供されている化合物の薬物動態学的、薬理学的および/または毒物学的プロファイルに影響する検出可能なKIEを生成することができる。
「同位体変種」という用語は、こうした治療剤を構築する原子の1つまたは複数で非天然割合の同位体を含有する治療剤を指す。ある特定の実施形態では、治療剤の「同位体変種」は、以下に限定されないが、水素(H)、重水素(H)、トリチウム(H)、炭素−11(11C)、炭素−12(12C)、炭素−13(13C)、炭素−14(14C)、窒素−13(13N)、窒素−14(14N)、窒素−15(15N)、酸素−14(14O)、酸素−15(15O)、酸素−16(16O)、酸素−17(17O)、酸素−18(18O)、フッ素−17(17F)、フッ素−18(18F)、リン−31(31P)、リン−32(32P)、リン−33(33P)、硫黄−32(32S)、硫黄−33(33S)、硫黄−34(34S)、硫黄−35(35S)、硫黄−36(36S)、塩素−35(35Cl)、塩素−36(36Cl)、塩素−37(37Cl)、臭素−79(79Br)、臭素−81(81Br)、ヨウ素123(123I)、ヨウ素−125(125I)、ヨウ素−127(127I)、ヨウ素−129(129I)、およびヨウ素−131(131I)を含めて、非天然割合の1つまたは複数の同位体を含有する。ある特定の実施形態では、治療剤の「同位体変種」は、以下に限定されないが、水素(H)、重水素(H)、トリチウム(H)、炭素−11(11C)、炭素−12(12C)、炭素−13(13C)、炭素−14(14C)、窒素−13(13N)、窒素−14(14N)、窒素−15(15N)、酸素−14(14O)、酸素−15(15O)、酸素−16(16O)、酸素−17(17O)、酸素−18(18O)、フッ素−17(17F)、フッ素−18(18F)、リン−31(31P)、リン−32(32P)、リン−33(33P)、硫黄−32(32S)、硫黄−33(33S)、硫黄−34(34S)、硫黄−35(35S)、硫黄−36(36S)、塩素−35(35Cl)、塩素−36(36Cl)、塩素−37(37Cl)、臭素−79(79Br)、臭素−81(81Br)、ヨウ素123(123I)、ヨウ素−125(125I)、ヨウ素−127(127I)、ヨウ素−129(129I)、およびヨウ素−131(131I)を含めて、非天然割合の1つまたは複数の同位体を含有する。
当業者の判断に従って実現可能な場合、治療剤において、任意の水素は、例えばHであり得る、または任意の炭素は、例えば13Cであり得る、または任意の窒素は、例えば15Nであり得る、または任意の酸素は、例えば18Oであり得ることが理解される。ある特定の実施形態では、治療剤の「同位体変種」は、非天然割合の重水素(D)を含有する。
「処置する」、「処置すること」および「処置」という用語は、障害、疾患もしくは状態または障害、疾患もしくは状態と関連する症状の1つまたは複数を軽減または抑止すること;あるいは障害、疾患または状態それ自体の原因(複数可)を軽減または根絶することを含むと意味される。
「防止する」、「防止すること」および「防止」という用語は、障害、疾患もしくは状態および/またはそれの付随症状の発症を遅延および/または排除する;被験体が障害、疾患または状態を獲得するのを除く;あるいは障害、疾患または状態を獲得するという被験体のリスクを低減する方法を含むと意味される。
本明細書で使用される場合、および別段に特定されていない限り、「管理する」、「管理すること」および「管理」という用語は、疾患もしくは障害のまたはその1つもしくは複数の症状の進行、伝播または悪化を防止または減速することを指す。しばしば、被験体が予防剤および/または治療剤から得る有益な効果は、疾患または障害の治癒をもたらさない。これに関して、「管理すること」という用語は、疾患の再発を防止または最小化する試みにおいて、特別な疾患を患っていた被験体を処置することを包含する。
本明細書で使用される場合、特別な医薬組成物の投与による特別な障害の症状の寛解は、恒久的または一時的にしろ、持続性または一過性にしろ、組成物の投与に起因し得るまたはそれと関連し得る任意の低下を指す。
「疾患」、「症候群」および「状態」(医学的状態における)という用語の全てが、正常な機能を損ない、兆候および症状を区別することによって典型的に顕在化される、ヒトまたは動物の体のまたはそれの一部の1つの異常状態を反映するという点で、「障害」という用語は、本明細書で使用される場合、「疾患」、「症候群」および「状態」(医学的状態における)という用語と一般に同義であることが意図され、それらの用語と相互交換可能に使用される。
「治療有効量」という用語は、投与された場合、処置されている障害、疾患または状態の症状の1つまたは複数の発病を防止するまたはある程度軽減するのに十分である化合物の量を含むと意味される。「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医師または臨床医によって探索されている、生物学的分子(例えば、タンパク質、酵素、RNAまたはDNA)、細胞、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出すのに十分である化合物の量も指す。
本明細書で使用される場合、および別段に特定されていない限り、化合物の「予防有効量」は、疾患もしくは障害を防止するのにまたはそれの再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、疾患の防止において予防利益を提供する、単独でまたは1種もしくは複数種の他の薬剤との組合せでの治療剤の量を意味する。「予防有効量」という用語は、全体的に予防を改善するまたは別の予防剤の予防効力を増強する量を包含することができる。
「薬学的に許容されるキャリア」、「薬学的に許容される賦形剤」、「生理学的に許容されるキャリア」または「生理学的に許容される賦形剤」という用語は、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、溶媒または封入材料を指す。一実施形態では、各構成成分は、医薬製剤の他の成分と適合性であるとともに、妥当な利益/リスク比に相応する、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答、免疫原性、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織または器官との接触における使用に適当であるという意味で「薬学的に許容」される。Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第22版;Pharmaceutical Press:2012年;Handbook of Pharmaceutical Excipients、第7版;Roweら編;The Pharmaceutical Press:2012年;Handbook of Pharmaceutical Additives、第3版;AshおよびAsh編;Gower Publishing Company:2007年;Pharmaceutical Preformulation and Formulation、第2版;Gibson編;CRC Press LLC: Boca Raton、FL、2009年を参照されたい。
「投与量」、「投与単位(dosage unit)」および「投与量レベル」という用語は、別段に文脈が明らかに指示していない限り、本開示全体にわたって相互交換可能に使用される。
本明細書および添付する請求項において使用されている場合、不定冠詞「a」および「an」ならびに定冠詞「the」は、別段に文脈が明らかに指示していない限り、複数形ならびに単数形の指示対象を含む。
「約」または「およそ」という用語は、値がどのように測定または決定されるかに一部依存する、当業者によって決定される場合の特別な値について許容される誤差を意味する。ある特定の実施形態では、「約」または「およそ」という用語は、1、2、3または4標準偏差内を意味する。ある特定の実施形態では、「約」または「およそ」という用語は、所与の値または範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%または0.05%内を意味する。
「活性成分」および「活性物質」という用語は、障害、疾患または状態の1つまたは複数の症状を処置、防止または寛解するために被験体に単独でまたは1種もしくは複数種の薬学的に許容される賦形剤との組合せで投与される化合物を指す。本明細書で使用される場合、「活性成分」および「活性物質」は、本明細書に記載されている化合物の光学活性異性体または同位体変種であってよい。
「薬物」、「治療剤」および「化学療法剤」という用語は、障害、疾患または状態の1つまたは複数の症状を処置、防止または寛解するために被験体に投与される化合物またはその医薬組成物を指す。
「溶媒和物」という用語は、溶質、例えば、本明細書において提供されている化合物の1つまたは複数の分子ならびに化学量論量または非化学量論量で存在する溶媒の1つまたは複数の分子によって形成される複合体または凝集体を指す。適当な溶媒は、以下に限定されないが、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよび酢酸を含む。ある特定の実施形態では、溶媒は薬学的に許容される。一実施形態では、複合体または凝集体は、結晶性形態である。別の実施形態では、複合体または凝集体は、非結晶性形態である。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。水和物の例は、以下に限定されないが、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物および五水和物を含む。
本明細書で使用される場合および別段に表示されていない限り、「多形体」および「多形形態」という用語は、化合物または複合体の固体結晶性形態を指す。同じ化合物の異なる多形体は、異なる物理的、化学的および/または分光学的特性を呈することができる。異なる物理的特性は、以下に限定されないが安定性(例えば、熱または光に対する)、圧縮性および密度(製剤および製品の製造に重要)、ならびに溶解速度(生物学的利用能に影響し得る)を含む。安定性の差異は、化学的反応性(例えば、剤形は、別の多形体から構成される場合よりも1つの多形体から構成される場合のほうがより急速に変色するなどの示差酸化)もしくは機械的特徴(例えば、動力学的に好まれる多形体が熱力学的により安定な多形体に変換すると、錠剤は貯蔵で砕ける)または両方(例えば、1つの多形体の錠剤は、高い湿度で分解に対してより感受性である)における変化に起因し得る。多形体の異なる物理的特性は、それらの加工に影響し得る。例えば、1つの多形体は、例えばそれの粒子の形状またはサイズ分布により、別の多形体よりも、溶媒和物を形成する可能性がより高いかまたは不純物を含まずに濾過もしくは洗浄するのがより困難であり得る。
分子の多形体は、当技術分野において公知である多数の方法によって得ることができる。こうした方法は、以下に限定されないが、溶融再結晶化、溶融冷却、溶媒再結晶化、脱溶媒和、急速な蒸発、急冷、徐冷、蒸気拡散および昇華を含む。多形体は、以下に限定されないが、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、X線粉末回折法(XRPD)、単結晶X線回折法、振動分光法、溶液熱量測定、固体状態核磁気共鳴(NMR)、赤外(IR)分光法、ラマン分光法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、電子結晶解析法および定量分析、粒子サイズ分析(PSA)、表面積分析、可溶度、ならびに溶解の速度など、周知の技法を使用して、検出、同定、分類および特徴付けすることができる。
化合物の「結晶性形態」という用語は、遊離酸としての化合物の、遊離塩基としての化合物の、化合物の酸付加塩、化合物の塩基付加塩、化合物の複合体、化合物の溶媒和物(水和物を含める)、または化合物の共結晶としての、任意の結晶性形態を指すことができる。化合物の「固体形態」という用語は、化合物の任意の結晶性形態、あるいは、遊離酸としての化合物の、遊離塩基としての化合物の、化合物の酸付加塩、化合物の塩基付加塩、化合物の複合体、または化合物の溶媒和物(水和物を含める)、または化合物の共沈殿物としての、任意の非晶質形態を指すことができる。多くの例において、「結晶性形態」および「固体形態」という用語は、例えば、薬学的に許容される付加塩、薬学的に許容される複合体、薬学的に許容される溶媒和物、薬学的に許容される共結晶、および薬学的に許容される共沈殿物のものを含めて、薬学的に許容されるものを指すことができる。
「統合失調症または統合失調感情障害」という用語は、以下に限定されないが、異常な社会的行動および現実であることを理解できないことを表す疾病を含む。統合失調症は、陽性および陰性(または欠陥)症状の用語で表される。陽性症状は、大部分の個体が通常経験しないが統合失調症を有する人々に存在するものである。それらは、妄想、思考および発話の障害、ならびに幻触、幻聴、幻視、幻嗅および幻味を含むことができ、典型的に精神病の顕在化とみなされる。幻覚は、妄想のテーマの内容にも典型的に関連する。陰性症状は、正常な情動応答のまたは他の思考プロセスの欠陥である。それらは、一般的に、平面的な表現または乏しい情動、発話の欠乏、喜びを経験できないこと、関係を形成するという欲求の欠如、および意欲の欠如を含む。
「VMAT2」という用語は、モノアミン、特に神経伝達物質、例えばドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンおよびヒスタミンを細胞サイトゾルからシナプス小胞へ輸送するように作用する内在性膜タンパク質である、ヒト小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2を指す。
「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」または「VMAT2の阻害」という用語は、VMAT2の機能を変更する、本明細書において開示されている化合物の能力を指す。VMAT2阻害剤は、阻害剤とVMAT2との間の可逆的もしくは不可逆的な共有結合を形成することによって、または非共有結合複合体の形成を介して、VMAT2の活性をブロックまたは低減することができる。こうした阻害は、特別な細胞型においてのみ明らかであり得る、または特別な生物学的事象に付随し得る。「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」または「VMAT2の阻害」という用語は、複合体がVMAT2と天然基質との間で形成する確率を減少させることによって、VMAT2の機能を変更することも指す。一部の実施形態では、VMAT2の調節は、WO2005077946;WO2008/058261;EP1716145;Kilbournら、European Journal of Pharmacology、1995年、(278巻)、249〜252頁;Leeら、J. Med. Chem.、1996年、(39巻)、191〜196頁;Schermanら、Journal of Neurochemistry、1988年、50巻(4号)、1131〜36頁;Kilbournら、Synapse、2002年、43巻(3号)、188〜194頁;Kilbournら、European Journal of Pharmacology、1997年、331巻(2〜3号)、161〜68頁;およびEricksonら、Journal of Molecular Neuroscience、1995年、6巻(4号)、277〜87頁に記載されている方法を使用して評価することができる。
「薬学的に許容される塩」は、生物学的特性を保持するとともに毒性でないまたはそうでなければ医薬的使用に望ましくなくない、本明細書において提供されている化合物の任意の塩を指す。こうした塩は、当技術分野において周知されている様々な有機および無機の対イオンから誘導することができる。こうした塩は、限定されないが、以下を含む:(1)有機または無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、桂皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、樟脳酸、樟脳スルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸およびムコン酸などの酸で形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、(a)金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオン、またはアルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化亜鉛、および水酸化バリウム、アンモニアによって置き換えられている場合、あるいは(b)有機塩基、例えば脂肪族、脂環式または芳香族の有機アミン、例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−メチルグルカミン ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、およびテトラメチルアンモニウム水酸化物などと配位する場合のいずれかで形成される塩。
薬学的に許容される塩は、例のみとしておよび限定せずに、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムなど、ならびに化合物が塩基官能基を含有する場合、非毒性の有機酸または無機酸の塩、例えばハロゲン化水素酸塩、例えば塩酸塩および臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、グリコール酸塩、グルタル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ソルビン酸塩、アスコルビン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、ピクリン酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ラウリン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩、1,2−エタン−ジスルホネート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、4−クロロベンゼンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、4−トルエンスルホネート、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボキシレート、グルコヘプトン酸塩、3−フェニルプロピオネート、トリメチルアセテート、tert−ブチルアセテート、ラウリル硫酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩およびムコン酸塩などをさらに含む。
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するおよび合成のα、β、γまたはδアミノ酸を指し、以下に限定されないが、タンパク質に見出されるアミノ酸、即ちグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパルテート、グルタメート、リシン、アルギニンおよびヒスチジンを含む。一実施形態では、アミノ酸はL配置にある。代替として、アミノ酸は、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロイシニル(isoleuccinyl)、プロリニル、フェニルアラニニル(phenylalaninyl)、トリプトファニル、メチオニニル(methioninyl)、グリシニル、セリニル、トレオニニル(threoninyl)、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタロイル、リシニル、アルギニニル(argininyl)、ヒスチジニル、β−アラニル、β−バリニル、β−ロイシニル、β−イソロイシニル、β−プロリニル、β−フェニルアラニニル、β−トリプトファニル、β−メチオニニル、β−グリシニル、β−セリニル、β−トレオニニル、β−システイニル、β−チロシニル、β−アスパラギニル、β−グルタミニル、β−アスパルトイル、β−グルタロイル、β−リシニル、β−アルギニニル、またはβ−ヒスチジニルの誘導体であってよい。
処置の方法ならびに医薬調製物および組成物
VMAT2阻害剤(およびその生理学的に許容される塩)は、小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2(VMAT2)を阻害することによって中枢神経系におけるモノアミンの供給を低減することができる。VMAT2阻害は、神経伝達物質系(例えば、ドーパミンおよびセロトニン)の調節をもたらす。
一実施形態では、本明細書に記載されているのは、統合失調症または統合失調感情障害を処置するためのVMAT2阻害剤の使用である。別の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種;またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を含む。一部の実施形態では、本明細書において提供されているのは、統合失調症または統合失調感情障害を処置するための、(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)、もしくはその同位体変種、またはその多形体の使用である。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジン(3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は重水素化されている。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化テトラベナジン(TBZ)である。重水素化テトラベナジンは、3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(d−TBZ)を含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルである。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)α−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)α−HTBZ);または(+)α−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)α−HTBZ)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)β−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)β−HTBZ);または(+)β−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)β−HTBZ)である。
一部の実施形態では、統合失調症または統合失調感情障害は、以下に限定されないが、陽性および陰性症状と関連する障害を含む。
一部の実施形態では、本明細書において提供されているのは、本明細書に記載されているVMAT2阻害剤またはVMAT2阻害剤を含む医薬組成物を被験体に投与することを含む、統合失調症または統合失調感情障害の1つまたは複数の症状の処置、防止または寛解のための方法である。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種;またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を含む。
一部の実施形態では、本明細書において提供されているのは、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体;あるいは本明細書に記載されている医薬組成物を被験体に投与することを含む、統合失調症または統合失調感情障害の1つまたは複数の症状の処置、防止または寛解のための方法である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)である。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジン(3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化されている。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化テトラベナジン(TBZ)である。重水素化テトラベナジンは、3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(d−TBZ)を含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルである。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)α−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)α−HTBZ);または(+)α−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)α−HTBZ)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)β−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)β−HTBZ);または(+)β−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)β−HTBZ)である。
他の実施形態では、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種;またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体は、統合失調症または統合失調感情障害と関連する症状を防止する、その発生の可能性を低減する、その進行を遅くする、その顕在化を遅延させる、またはそれを処置することができる。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)である。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジン(3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化されている。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化テトラベナジン(TBZ)である。重水素化テトラベナジンは、3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(d−TBZ)を含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルである。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)α−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)α−HTBZ);または(+)α−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)α−HTBZ)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)β−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)β−HTBZ);または(+)β−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)β−HTBZ)である。
一部の実施形態では、統合失調症または統合失調感情障害を有する被験体において、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を用いる処置は、統合失調症または統合失調感情障害と関連する1つまたは複数の症状を改善または有効に低減することができる。一部の実施形態では、症状は、以下に限定されないが、陽性症状および陰性症状を含む。一部の実施形態では、症状は、例として、典型的に精神病の顕在化とみなされる、妄想、思考および発話の障害ならびに幻触、幻聴、幻視、幻嗅および幻味などの陽性症状を含む。幻覚は、妄想のテーマの内容にも典型的に関連する。一部の実施形態では、症状は、例として、平面的な表現または乏しい情動、発話の欠乏、喜びを経験することができないこと、関係を形成する所望の欠如、および意欲の欠如などの陰性症状を含む。一部の実施形態では、陰性症状は、生活の質の低さ、機能的能力、および他者への負担に寄与するように見えるものを含む。
一部の実施形態では、統合失調症または統合失調感情障害を有する被験体において、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を用いる処置は、以下に限定されないが、陽性および陰性(または欠陥)症状と関連するものを含めて、統合失調症または統合失調感情障害と関連する行動問題を管理することができる。
統合失調症または統合失調感情障害の原因は、環境因子および遺伝因子を含む。可能な環境因子は、都市での育ち、大麻使用、ある特定の感染症、親の年齢、および妊娠中の栄養不良を含む。遺伝因子は、様々な共通のおよび希少な遺伝子バリアントを含む。診断は、行動の観察、本人の報告した経験、および本人を熟知している他者の報告に基づく。診断中、人の文化も考慮に入れなければならない。統合失調症は、それが一般通念においてしばしば混同される状態である「二重人格」または「多重人格障害」を意味するものではない。
処置の主力は、カウンセリング、職業訓練、および社会的リハビリテーションと併せて、抗精神病薬物療法である。定型または非定型抗精神病薬が、より良好であるかは不明である。自己または他者にリスクがある、より重篤な状況において、非自発的な入院が必要であり得るが、入院期間は、ここでは、かつての入院期間よりも短く頻繁でない。
精神病性症状は、双極性障害、境界性人格障害、薬物中毒および薬物誘発性精神病を含めて、いくつかの他の精神障害に存在し得る。妄想(「非奇異」)は妄想性障害に、ならびに引きこもりは社交不安障害、回避性人格障害および分裂病型人格障害においてもみられる。分裂病型人格障害は、統合失調症の症状と同様であるがそれよりも重度でない症状を有する。統合失調症は、偶然、説明され得るよりもかなりしばしば強迫性障害(OCD)と併せて発生するが、OCDに発生する強迫観念を統合失調症の妄想と区別するのは難しいことがある。ベンゾジアゼピンから離脱する一部の人々は、長時間続くことがある重度の離脱症候群を経験する。それは、統合失調症に似ていることがあり、そのように誤診され得る。
より一般の医学的および神経学的検査は、代謝妨害、全身性感染、梅毒、HIV/AIDS、てんかん、辺縁系脳炎および脳病変など精神病性統合失調症様症状をまれに生じ得る医学的疾病を外すことを必要とされ得る。脳卒中、多発性硬化症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下および認知症、例えばアルツハイマー病、ハンチントン病、前頭側頭型認知症およびレビー小体認知症も、統合失調症様精神病性症状と関連し得る。幻視、急性発症および意識レベルの変動によって区別することができるとともに根底にある医学的疾病を示すせん妄を外すことが必要であり得る。小児において、幻覚は、典型的な小児期の空想から分離されなければならない。
統合失調症は、症例の40パーセントから50パーセントに見出される脳構造における、および急性精神病状態中の脳化学における、わずかな差異と関連する。神経心理学的検査および脳画像診断技術、例えば脳活動における機能差を検査するfMRI(機能的磁気共鳴画像法)およびPETを使用する研究は、差異が、前頭葉、海馬および側頭葉において最も一般的に発生するようであることを示した。アルツハイマー病に見出されるものよりも小さい、脳体積の低減は、前頭皮質および側頭葉の部域において報告されている。これらの体積変化が進行性であるまたは疾患の発症の前に存在するかどうかは不明である。これらの差異は、統合失調症としばしば関連する神経認知欠損と関係していた。
統合失調症は、アメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM 5)または世界保健機関の疾病および関連保健問題の国際統計分類(ICD−10)のいずれかにおける基準に基づいて診断される。これらの基準は、本人の自己報告した経験、および報告された行動における異常、続いて、メンタルヘルス専門家による臨床的評価を使用する。統合失調症と関連する症状は、集団において連続して発生し、診断が行われる前にある特定の重症度に達するはずである。陽性および陰性症候群スケール(PANSS)は、統合失調症を有する被験体における症状の重症度を測定する際に使用される30項目7ポイントの格付け手段である。評価は、訓練されたインタビュー者によって、およそ45分の期間にわたって行われる。PANSS上の各項目には、完全な定義、ならびに7つの格付けポイント全てについて詳細な固定基準が付いている(Stanley R. Kay、The Positive and Negative Syndrome Scale (PANSS) for Schizophrenia、Scizophrenia Bulletin、1987年、13巻、262〜276頁)。30項目は、3つのサブスケール−陽性症状(妄想および幻覚)、陰性症状(引きこもり、平坦な感情/感情鈍麻)、および一般の精神病理学に分割される。これらの3つのサブスケールは合計されて総スコアを与えることができる。
ある特定の実施形態では、統合失調症または統合失調感情障害を有する被験体において、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を用いる処置は、統合失調症または統合失調感情障害と関連する1つまたは複数の症状を改善または有効に低減することができる。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)である。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジン(3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化されている。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化テトラベナジン(TBZ)である。重水素化テトラベナジンは、3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(d−TBZ)を含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルである。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)α−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)α−HTBZ);または(+)α−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)α−HTBZ)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)β−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)β−HTBZ);または(+)β−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)β−HTBZ)である。
一部の実施形態では、被験体は、医療当業者によって診断されたことがある被験体を含む。統合失調症または統合失調感情障害と関連する症状は、以下に限定されないが、陽性症状および陰性症状を含む。一部の実施形態では、統合失調症を有する個体は、幻覚(最も報告されているのは、声が聞こえること)、妄想(しばしば、現実には奇異妄想または被害妄想)、ならびに支離滅裂な考えおよび発話を経験することがある。最後のものは、一連の思考の喪失から、意味においてただ単に漠然と連想される文、言葉のサラダとして公知である理解不可能な発話を範囲とし得る。引きこもり、身なりおよび衛生のずさんさ、ならびに意欲および判断の喪失は全て、統合失調症に共通である。人の思考または感情が現実に自身のものでないかのように感じるなどの自己経験を、思考は人の頭に入れられていると信じるように歪めることは、時として受動現象と呼ばれ、一般的でもある。情動的困難の観察可能なパターン、例えば応答性の欠如がしばしばある。社会的認知における欠損は、パラノイアの症状のように統合失調症と関連する。社会的隔離が一般的に発生する。労働および長期記憶、注意、実行機能、ならびに処理の速度における困難も、一般的に発生する。1つの非共通サブタイプにおいて、本人は、ほとんど無言である、奇異な姿勢でじっとしているまたは目的のない激越を呈することがあり、全ての緊張病の兆候であり得る。統合失調症を有する人々の約30パーセントから50パーセントは、彼らが疾病を有することまたは彼らの推奨された処置に従うことを受け入れられない。処置は、病識に対して一部の効果を有し得る。統合失調症を有する人々は、しばしば、顔の感情知覚(facial emotion perception)が困難であることがわかる。
バルベナジンは、米国特許第8,039,627号および同第8,357,697号に従って調製することができ、これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。テトラベナジンは、PCT公報WO2010/018408、同WO2011/019956および同WO2014/047167に開示されている製剤化を含めて、様々な方法によって投与することができ、これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の実施形態では、本明細書において提供されている組成物および方法における使用のためのバルベナジンは、米国出願第15/338,214号に開示されている通りの多形形態Iであり、この開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
別の実施形態では、米国特許第8,524,733号に開示されている通りのd−テトラベナジンが投与され、特定された期間にわたって、代謝物(+)α−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(血漿中で重水素化(+)α−HTBZ)または重水素化(+)β−HTBZ)の適切な濃度をもたらす。d−テトラベナジンは、PCT公報WO2014/047167に開示されている通りの製剤化を含めて、様々な方法によって投与することができ、この開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
医薬組成物
本明細書においてその上提供されているのは、1種または複数種の薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤との組合せにおいて、活性な医薬成分として(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種;またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を含む、統合失調症または統合失調感情障害を処置することにおける使用のための医薬組成物である。一部の実施形態では、医薬組成物は、(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)を含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、VMAT2阻害剤を含む。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジン(3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン)である。他の実施形態では、医薬組成物は、重水素化VMAT2阻害剤を含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化テトラベナジン(TBZ)である。重水素化テトラベナジンは、3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(d−TBZ)を含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルである。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、重水素化(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)α−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)α−HTBZ);または(+)α−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)α−HTBZ)である。他の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(+)β−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール((+)β−HTBZ);または(+)β−3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(重水素化(+)β−HTBZ)である。
賦形剤の選択は、かなりの程度まで、特別な投与モード、活性成分の溶解度および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの因子に依存する。
本明細書において提供されている医薬組成物は、単位剤形または複数剤形で提供することができる。単位剤形は、本明細書で使用される場合、当技術分野において公知である通り、ヒトおよび動物被験体への投与に適当であるとともに個々にパッケージされている、物理的に個別の単位を指す。各単位用量は、必要とされる医薬キャリアまたは賦形剤と共同して、所望の治療効果を生成するのに十分な活性成分(複数可)の所定の量を含有する。単位剤形の例は、アンプル、シリンジ、ならびに個々にパッケージされた錠剤およびカプセルを含む。単位剤形は、その端数または倍数で投与することができる。複数剤形は、分離された単位剤形で投与されるために単一の容器中にパッケージされた複数の同一単位剤形である。複数剤形の例は、バイアル、錠剤もしくはカプセルの瓶、またはパイントもしくはガロンの瓶を含む。
本明細書において提供されている医薬組成物は、単独でまたは本明細書において提供されている1種または複数種の他の化合物、1種または複数種の他の活性成分との組合せで投与することができる。本明細書において提供されている医薬組成物は、経口投与、非経口投与および局所的投与のための様々な剤形で製剤化することができる。医薬組成物は、遅延放出剤形、延長放出剤形、長期放出剤形、持続放出剤形、拍動放出剤形(pulsatile- release dosage form)、制御放出剤形、加速および高速放出剤形、標的化放出剤形、プログラム放出剤形(programmed-release dosage form)、ならびに胃貯留剤形を含めた修飾放出剤形として製剤化することもできる。これらの剤形は、当業者に公知である従来の方法および技法に従って調製することができる(Remington: The Science and Practice of Pharmacy、上記参照;Modified-Release Drug Delivery Technology、Rathboneら編、Drugs and the Pharmaceutical Science、Marcel Dekker, Inc.: New York、NY、2002年;126巻を参照されたい)。
本明細書において提供されている医薬組成物は、一度にまたは時間間隔で複数回投与することができる。正確な投与量および処置の持続期間は、処置されている患者の年齢、体重および状態で変動し得、かつ、公知の試験プロトコールを使用してまたはin vivoもしくはin vitro試験または診断データからの外挿によって経験的に決定することができると理解される。任意の特別な個体のため、特定の投与レジメンは、個体の必要性、および製剤を投与するまたはその投与を監督する人の専門的判断に従って、時間をかけて調整されるべきであることがさらに理解される。
経口投与
本明細書において提供されている医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体または液体剤形で提供することができる。本明細書で使用される場合、経口投与は、頬側、舌および舌下投与も含む。適当な経口剤形は、以下に限定されないが、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、芳香錠、カシェ剤、ペレット剤、薬用チューインガム、顆粒剤、バルク粉剤・散剤(bulk powder)、発泡性または非発泡性の粉剤・散剤または顆粒剤、液剤、エマルジョン、懸濁剤、液剤、ウエハ剤、スプリンクル剤、エリキシル剤およびシロップ剤を含む。活性成分(複数可)に加えて、医薬組成物は、以下に限定されないが、バインダー、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、染料移行阻害剤(dye-migration inhibitor)、甘味剤および香味剤を含めて、1種または複数種の薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤を含有することができる。
バインダーまたはグラニュレーターは、錠剤に粘着性を付与することで、錠剤が圧縮後に無傷のままでいるのを確実にする。適当なバインダーまたはグラニュレーターは、以下に限定されないが、デンプン、例えばトウモロコシデンプン、バレイショデンプンおよびアルファ化デンプン(例えば、デンプン1500);ゼラチン;糖、例えばスクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜およびラクトース;天然および合成ガム、例えばアカシア、アルギン酸、アルギネート、アイリッシュモスの抽出物、パンワールガム(Panwar gum)、ガティガム、イサブゴル殻の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム、カラマツアラボガラクタン、粉末化トラガカント、およびグアーガム;セルロース、例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);微結晶性セルロース、例えばアビセル−PH−101、アビセル−PH−103、アビセルRC−581、アビセル−PH−105(FMC Corp.、Marcus Hook、PA);ならびにその混合物を含む。適当な充填剤は、以下に限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレート類、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびその混合物を含む。バインダーまたは充填剤は、本明細書において提供されている医薬組成物中に約50重量%から約99重量%存在することができる。
適当な希釈剤は、以下に限定されないが、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉糖を含む。マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロースおよびイノシトールなど、ある特定の希釈剤は、十分な量で存在する場合、一部の圧縮錠剤に、咀嚼することによって口内での崩壊を可能にする特性を付与することができる。こうした圧縮錠剤は、咀嚼可能な錠剤として使用することができる。
適当な崩壊剤は、以下に限定されないが、寒天;ベントナイト;セルロース、例えばメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース;木材生成物;天然スポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;ガム、例えばグアーガムおよびビーガムHV;柑橘類パルプ;架橋セルロース、例えばクロスカルメロース;架橋ポリマー、例えばクロスポビドン;架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース、例えばデンプングリコール酸ナトリウム;ポラクリリンカリウム;デンプン、例えばトウモロコシデンプン(com starch)、バレイショデンプン、タピオカデンプンおよびアルファ化デンプン;粘土;アライン(align);ならびにその混合物を含む。本明細書において提供されている医薬組成物における崩壊剤の量は、製剤の型で様々であり、当業者には容易に識別可能である。本明細書において提供されている医薬組成物は、約0.5重量%から約15重量%、または約1重量%から約5重量%の崩壊剤を含有することができる。
適当な滑沢剤は、以下に限定されないが、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱物油;軽鉱物油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール、例えばベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG);ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油を含めた水素化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル(ethyl laureate);寒天;デンプン;ヒカゲノカズラ;シリカまたはシリカゲル、例えばAEROSIL(登録商標)200(W.R.Grace Co.、Baltimore、MD)およびCAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co.、Boston、MA);ならびにその混合物を含む。本明細書において提供されている医薬組成物は、約0.1重量%から約5重量%の滑沢剤を含有することができる。
適当な流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co.、Boston、MA)、およびアスベストフリータルクを含む。着色剤は、アルミナ水和物上に懸濁された承認され認定された水溶性FD&C染料および水不溶性FD&C染料のいずれか、および色レーキ(color lake)ならびにその混合物を含む。色レーキは、重金属の含水酸化物への水溶性染料の吸着による組合せであり、染料の不溶形をもたらす。香味剤は、果実などの植物から抽出される天然フレーバー、ならびにペパーミントおよびサリチル酸メチルなど、心地よい味感覚を生成する化合物の合成ブレンドを含む。甘味剤は、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、および人工甘味料、例えばサッカリンおよびアスパルテームを含む。適当な乳化剤は、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、ならびに界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標)80)およびオレイン酸トリエタノールアミンを含む。懸濁化剤および分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンを含む。保存料は、グリセリン、メチルおよびプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウムおよびアルコールを含む。湿潤剤は、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。溶媒は、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコールおよびシロップを含む。エマルジョンに利用される非水性液体の例は、鉱物油および綿実油を含む。有機酸は、クエン酸および酒石酸を含む。二酸化炭素の供給源は、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを含む。
多くのキャリアおよび賦形剤は、同じ製剤内でさえいくつかの機能を果たし得ると理解されるべきである。本明細書において提供されている医薬組成物は、圧縮錠剤、粉薬錠剤(tablet triturate)、咀嚼可能なロゼンジ、急速溶解錠剤、多重圧縮錠剤、または腸溶コーティング錠(enteric-coating tablets)、糖衣錠もしくはフィルムコーティング錠として提供することができる。腸溶錠(enteric coated tablet)は、胃酸の作用に抵抗するが腸内で溶解または崩壊する物質でコーティングされている圧縮錠剤であり、したがって、胃の酸性環境から活性成分を保護する。腸溶コーティング剤は、以下に限定されないが、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、セラック、アンモニア化セラックおよびセルロースアセテートフタレートを含む。糖衣錠は、不快な味または臭気を隠すことおよび酸化から錠剤を保護することに有益であり得る糖コーティングによって囲まれている圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠は、水溶性材料の薄層またはフィルムで覆われている圧縮錠剤である。フィルムコーティング剤は、以下に限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000およびセルロースアセテートフタレートを含む。フィルムコーティングは、糖コーティングと同じ一般の特徴を付与する。多重圧縮錠剤は、層状錠剤、および加圧コーティング錠剤または乾燥コーティング錠剤を含めて、1つを超える圧縮サイクルによって作製される圧縮錠剤である。
錠剤剤形は、単独で、またはバインダー、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤および/もしくは着色料を含めて本明細書に記載されている1種もしくは複数種のキャリアもしくは賦形剤との組合せで、粉末化、結晶性または顆粒形態で活性成分から調製することができる。香味剤および甘味剤は、殊に、咀嚼可能な錠剤およびロゼンジの形成において有用である。
本明細書において提供されている医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプンまたはアルギン酸カルシウムから作製することができる軟カプセルまたは硬カプセルとして提供することができる。乾燥充填カプセル(DFC)としても公知である硬ゼラチンカプセルは、2つのセクションからなり、一方が他方をすっぽり被り(one slipping over the other)、したがって活性成分を完全に封入する。軟弾性カプセル(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、または同様のポリオールの添加によって可塑化されているゼラチンシェルなど、軟質の球状シェルである。軟ゼラチンシェルは、微生物の成長を防止するための保存料を含有することができる。適当な保存料は、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸を含めて、本明細書に記載されている通りのものである。本明細書において提供されている液体剤形、半固体剤形および固体剤形は、カプセル中にカプセル化することができる。適当な液体剤形および半固体剤形は、プロピレンカーボネート、植物油またはトリグリセリド中の溶液および懸濁液を含む。こうした溶液を含有するカプセルは、米国特許第4,328,245号;同第4,409,239号;および同第4,410,545号に記載されている通りに調製することができる。カプセルは、活性成分の溶解を修飾または持続するために当業者によって公知である通りにコーティングすることもできる。
本明細書において提供されている医薬組成物は、エマルジョン、液剤、懸濁剤、エリキシル剤およびシロップ剤を含めて、液体剤形および半固体剤形で提供することができる。エマルジョンは2相系であり、ここで、一方の液体は小さい小球の形態で別の液体全体にわたって分散されており、これは水中油型または油中水型であってよい。エマルジョンは、薬学的に許容される非水性液体または溶媒、乳化剤および保存料を含むことができる。懸濁剤は、薬学的に許容される懸濁化剤および保存料を含むことができる。アルコール水溶液は、薬学的に許容されるアセタール、例えば低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(「低級」という用語は、1個から6個の間の炭素原子を有するアルキルを意味する)、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール;ならびに1個または複数のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒、例えばプロピレングリコールおよびエタノールを含むことができる。エリキシル剤は、清澄な加糖のおよびハイドロアルコール溶液である。シロップ剤は、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液であり、保存料を含有することもできる。液体剤形のため、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液は、十分な量の薬学的に許容される液体キャリア、例えば水で希釈されることで、好都合にも投与のために測定することができる。
他の有用な液体剤形および半固体剤形は、以下に限定されないが、本明細書において提供されている活性成分(複数可)、および1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテルを含めて、ジアルキル化モノまたはポリアルキレングリコールを含有するものを含み、ここで、350、550および750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤は、1種または複数種の抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(hydroxyto1uene)(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレート、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそれのエステル、ならびにジチオカーバメートをさらに含むことができる。
経口投与のための、本明細書において提供されている医薬組成物は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェアまたはナノ系の形態で提供することもできる。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載されている通りに調製することができる。
本明細書において提供されている医薬組成物は、液体剤形に再構成される非発泡性または発泡性の顆粒剤および粉剤・散剤として提供することができる。非発泡性の顆粒剤または粉剤・散剤において使用される薬学的に許容されるキャリアおよび賦形剤は、希釈剤、甘味料および湿潤剤を含むことができる。発泡性の顆粒剤または粉剤・散剤において使用される薬学的に許容されるキャリアおよび賦形剤は、有機酸、および二酸化炭素の供給源を含むことができる。
着色剤および香味剤は、上記剤形の全てで使用することができる。本明細書において提供されている医薬組成物は、遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的化放出形態およびプログラム放出形態を含めて、即時または修飾放出剤形として製剤化することができる。
本明細書において提供されている医薬組成物は、所望の治療的作用を欠損しない他の活性成分と、または所望の作用を補う物質、例えば制酸薬、プロトンポンプ阻害剤およびH受容体アンタゴニストと共製剤化する(co-formulated)ことができる。
本明細書において提供されている医薬組成物は、局所投与または全身投与のための注射、注入または移植によって非経口的に投与することができる。非経口投与は、本明細書で使用される場合、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内(intrathecal)投与、脳室内投与、尿道内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑膜内投与および皮下投与を含む。
非経口投与
本明細書において提供されている医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノ系、および注射の前に液体中で溶液または懸濁液にするのに適当な固体形態を含めて、非経口投与に適当である任意の剤形で製剤化することができる。こうした剤形は、薬学の当業者に公知である従来の方法に従って調製することができる(Remington: The Science and Practice of Pharmacy、上記を参照されたい)。
非経口投与が意図される医薬組成物は、以下に限定されないが、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対する抗微生物剤または保存料、安定剤、溶解増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、封鎖剤またはキレート化剤、凍結保護剤、凍結乾燥保護剤、増粘剤、pH調整剤ならびに不活性ガスを含めて、1種または複数種の薬学的に許容されるキャリアおよび賦形剤を含むことができる。
適当な水性ビヒクルは、以下に限定されないが、水、食塩水、生理的食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロースおよび乳酸リンゲル注射液を含む。非水性ビヒクルは、以下に限定されないが、植物由来の固定油、ヒマシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、水素化植物油、水素化大豆油、ならびにヤシ油およびパーム種子油の中鎖トリグリセリドを含む。水混和性ビヒクルは、以下に限定されないが、エタノール、1,3−ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300およびポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドを含む。
適当な抗微生物剤または保存料は、以下に限定されないが、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチルおよびp−ヒドロキシ安息香酸プロピル(methyl and propyl phydroxybenzates)、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸を含む。適当な等張剤は、以下に限定されないが、塩化ナトリウム、グリセリンおよびデキストロースを含む。適当な緩衝剤は、以下に限定されないが、ホスフェートおよびシトレートを含む。適当な抗酸化剤は、亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含めて、本明細書に記載されている通りのものである。適当な局所麻酔薬は、以下に限定されないが、塩酸プロカインを含む。適当な懸濁化剤および分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンを含めて、本明細書に記載されている通りのものである。適当な乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80およびオレイン酸トリエタノールアミンを含めて、本明細書に記載されているものを含む。適当な封鎖剤またはキレート化剤は、以下に限定されないが、EDTAを含む。適当なpH調整剤は、以下に限定されないが、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸および乳酸を含む。適当な錯化剤は、以下に限定されないが、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−ベータ−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル7−ベータ−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex、Lenexa、KS)を含めたシクロデキストリンを含む。
本明細書において提供されている医薬組成物は、単回または複数回投与量投与のために製剤化することができる。単回投与量製剤は、アンプル、バイアルまたはシリンジ中にパッケージされる。複数回投与量非経口製剤は、静細菌性または静真菌性濃度で抗微生物剤を含有しなければならない。全ての非経口製剤は、当技術分野において公知であるとともに実践されている通り、滅菌でなければならない。
一実施形態では、医薬組成物は、すぐに使える滅菌液剤として提供される。別の実施形態では、医薬組成物は、使用の前にビヒクルで再構成される凍結乾燥粉剤および皮下注射用錠剤(hypodermic tablet)を含めて、滅菌乾燥可溶性製品として提供される。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、すぐに使える滅菌懸濁剤として提供される。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、使用の前にビヒクルで再構成される滅菌乾燥不溶性製品として提供される。また別の実施形態では、医薬組成物は、すぐに使える滅菌エマルジョンとして提供される。
本明細書において提供されている医薬組成物は、遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的化放出形態およびプログラム放出形態を含めて、即時または修飾放出剤形として製剤化することができる。
医薬組成物は、移植デポーとしての投与のための懸濁液、固体、半固体または揺変性液体として製剤化することができる。一実施形態では、本明細書において提供されている医薬組成物は、体液中で不溶性であるが医薬組成物中の活性成分が拡散するのを可能にする外部ポリマー膜によって囲まれている固体内部マトリックス中に分散される。
適当な内部マトリックスは、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えばアクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、ならびに架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルを含む。
適当な外部ポリマー膜は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレンとのコポリマー、アイオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーを含む。
局所的投与
本明細書において提供されている医薬組成物は、皮膚、開口部または粘膜に局所的に投与することができる。局所的投与は、本明細書で使用される場合、皮膚(内)投与、結膜投与、角膜内投与、眼内投与、点眼投与(ophthalmic administration)、耳介投与、経皮投与、経鼻投与、腟投与、尿道投与(uretheral administration)、呼吸器投与および直腸投与を含む。
本明細書において提供されている医薬組成物は、エマルジョン、液剤、懸濁剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、軟膏剤、散粉性粉剤、包帯剤、エリキシル剤、ローション剤、懸濁剤、チンキ剤、ペースト剤、フォーム剤、フィルム剤、エアロゾル剤、浣腸剤、スプレー剤、坐剤、絆創膏、皮膚パッチ剤を含めて、局所効果または全身効果のための局所的投与に適当である任意の剤形で製剤化することができる。本明細書において提供されている医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、ナノ系、およびその混合物を含むこともできる。
本明細書において提供されている局所製剤における使用に適当な薬学的に許容されるキャリアおよび賦形剤は、以下に限定されないが、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対する抗微生物剤または保存料、安定剤、溶解増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、封鎖剤またはキレート化剤、浸透増強剤、凍結保護剤(cryopretectant)、凍結乾燥保護剤、増粘剤、ならびに不活性ガスを含む。
医薬組成物は、電気穿孔、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレシスおよびマイクロ針または針なし注射、例えばPOWDERJECT(商標)(Chiron Corp.、Emeryville、CA)、およびBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies Inc.、Tualatin、OR)によって局所的に投与することもできる。
本明細書において提供されている医薬組成物は、軟膏、クリームおよびゲルの形態で提供することができる。適当な軟膏ビヒクルは、豚脂、安息香豚脂、オリーブ油、綿実油および他の油、白色ワセリンなどを含めて、油性または炭化水素性基剤;親水性ワセリン、ヒドロキシステアリンサルフェートおよび無水ラノリンなど、乳化性または吸収性基剤;親水性軟膏など、水除去性基剤(water-removable base);種々の分子量のポリエチレングリコールを含めて、水溶性軟膏基剤;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリンおよびステアリン酸を含めて、油中水型(W/O)エマルジョンまたは水中油型(O/W)エマルジョンのいずれかのエマルジョン基剤を含む(Remington: The Science and Practice of Pharmacy、上記を参照されたい)。これらのビヒクルは軟化薬であるが、抗酸化剤および保存料の添加を一般に必要とする。
適当なクリーム基剤は、水中油型または油中水型であってよい。クリームビヒクルは水洗性であってよく、油相、乳化剤および水性相を含有する。油相は、「内部」相とも呼ばれ、ワセリンおよび脂肪アルコール、例えばセチルアルコールまたはステアリルアルコールから一般に構成される。水性相は通常、必ずではないが、体積が油相を超え、保水剤を一般に含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性界面活性剤であってよい。
ゲルは、半固体の懸濁液型系である。単一相ゲルは、液体キャリア全体にわたって実質的に均一に分布されている有機巨大分子を含有する。適当なゲル化剤は、架橋アクリル酸ポリマー、例えばカルボマー、カルボキシポリアルキレン、Carbopol(登録商標);親水性ポリマー、例えば酸化ポリエチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーおよびポリビニルアルコール;セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびメチルセルロース;ガム、例えばトラガカントおよびキサンタンガム;アルギン酸ナトリウム;ならびにゼラチンを含む。均一なゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンなどの分散剤が添加され得る、またはゲル化剤が磨砕、機械的混合および/または撹拌によって分散され得る。
本明細書において提供されている医薬組成物は、坐剤、ペッサリー、ブジー、湿布剤もしくはパップ剤、ペースト剤、粉剤・散剤、包帯剤、クリーム剤、硬膏剤、避妊薬、軟膏剤、液剤、エマルジョン、懸濁剤、タンポン剤、ゲル剤、フォーム剤、スプレー剤または注腸剤の形態で、直腸に、尿道に、膣にまたは膣周囲に投与することができる。これらの剤形は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy(上記参照)に記載される通り、従来のプロセスを使用して製造することができる。
直腸、尿道および腟の坐剤は、身体開口部への挿入のための固形体であり、これは常温で固体であるが体温で融解または軟化することで、開口部の内側に活性成分を放出する。直腸および腟の坐剤において利用される薬学的に許容されるキャリアは、本明細書において提供されている医薬組成物を用いて製剤化される場合に体温の近傍に融点を生成する硬化剤;ならびに亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含めて、本明細書に記載されている通りの抗酸化剤などのビヒクルを含む。適当なビヒクルは、以下に限定されないが、カカオ脂(テオブロマ油)、グリセリン−ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白色および黄色ワックス、ならびに脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドの適切な混合物、ヒドロゲル、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸;グリセリン化ゼラチンを含む。様々なビヒクルの組合せが使用され得る。直腸および腟の坐剤は、圧縮された方法または成形によって調製することができる。直腸および腟の坐剤の典型的重量は、約2gから3gである。
本明細書において提供されている医薬組成物は、液剤、懸濁剤、軟膏剤、エマルジョン、ゲル形成液剤、液剤用の粉剤・散剤、ゲル剤、眼挿入物および埋込物(implant)の形態で眼科的に投与することができる。
本明細書において提供されている医薬組成物は、鼻腔内にまたは吸入によって呼吸器へ投与することができる。医薬組成物は、単独でまたは1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなど適当な噴霧剤との組合せで、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、例えば微細なミストを生成する電気流体力学を使用するアトマイザー、またはネブライザーを使用する送達のためのエアロゾル剤または液剤の形態で提供することができる。医薬組成物は、単独でまたは不活性キャリア、例えばラクトースまたはリン脂質との組合せで、吹入のための乾燥粉剤;および点鼻薬として提供することもできる。鼻腔内使用のため、粉剤は、キトサンまたはシクロデキストリンを含めた生体接着剤を含むことができる。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーにおける使用のための液剤または懸濁剤は、エタノール、エタノール水溶液、または本明細書において提供されている活性成分を分散するため、可溶化するためもしくはその放出を延長するための適当な代替剤、溶媒として噴霧剤;および/あるいは界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸を含有するように製剤化することができる。
本明細書において提供されている医薬組成物は、50マイクロメーターもしくはそれ未満、または10マイクロメーターもしくはそれ未満など、吸入による送達に適当なサイズに微粉化することができる。こうしたサイズの粒子は、当業者に公知である粉砕方法、例えばスパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成する超臨界流体加工、高圧均質化、またはスプレー乾燥を使用して調製することができる。
吸入器または吹送器における使用のためのカプセル、ブリスターおよびカートリッジは、本明細書において提供されている医薬組成物の粉末ミックス;適当な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプン;および性能改質剤(performance modifier)、例えばl−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムを含有するように製剤化することができる。ラクトースは、無水であってよいまたは一水和物の形態であってよい。他の適当な賦形剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースを含む。吸入/鼻腔内投与のための本明細書において提供されている医薬組成物は、適当なフレーバー、例えばメンソールおよびレボメントール、または甘味料、例えばサッカリンもしくはサッカリンナトリウムをさらに含むことができる。
局所的投与のための本明細書において提供されている医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出およびプログラム放出を含めて、即時放出または修飾放出であるように製剤化することができる。
修飾放出
本明細書において提供されている医薬組成物は、修飾放出剤形として製剤化することができる。本明細書で使用される場合、「修飾放出」という用語は、同じ経路によって投与される場合に活性成分(複数可)の放出の速度または場所が即時剤形のものと異なる剤形を指す。修飾放出剤形は、遅延放出剤形、延長放出剤形、長期放出剤形、持続放出剤形、拍動またはパルス放出剤形、制御放出剤形、加速および高速放出剤形、標的化放出剤形、プログラム放出剤形および胃貯留剤形を含む。修飾放出剤形における医薬組成物は、以下に限定されないが、マトリックス制御放出デバイス、浸透圧制御放出デバイス、多微粒子制御放出デバイス、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層状コーティング、ミクロスフェア、リポソーム、およびその組合せを含めて、当業者に公知である様々な修飾放出デバイスおよび方法を使用して調製することができる。活性成分(複数可)の放出速度は、活性成分(複数可)の粒子サイズおよび多型(polymorphorism)を変更することによって修飾することもできる。
修飾放出の例は、以下に限定されないが、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;同第4,008,719号;同第5,674,533号;同第5,059,595号;同第5,591,767号;同第5,120,548号;同第5,073,543号;同第5,639,476号;同第5,354,556号;同第5,639,480号;同第5,733,566号;同第5,739,108号;同第5,891,474号;同第5,922,356号;同第5,972,891号;同第5,980,945号;同第5,993,855号;同第6,045,830号;同第6,087,324号;同第6,113,943号;同第6,197,350号;同第6,248,363号;同第6,264,970号;同第6,267,981号;同第6,376,461号;同第6,419,961号;同第6,589,548号;同第6,613,358号;および同第6,699,500号に記載されているものを含む。
マトリックス制御放出デバイス
修飾放出剤形で本明細書において提供されている医薬組成物は、当業者に公知であるマトリックス制御放出デバイスを使用して製作することができる(「Encyclopedia of Controlled Drug Delivery」、2巻、Mathiowitz編、Wiley、1999年におけるTakadaらを参照されたい)。
一実施形態では、修飾放出剤形で本明細書において提供されている医薬組成物は、合成ポリマーを含めて水膨張性ポリマー、浸食性ポリマーまたは可溶性ポリマー、ならびに多糖類およびタンパク質など天然に存在するポリマーおよび誘導体である浸食性マトリックスデバイスを使用して製剤化される。
浸食性マトリックスを形成する際に有用な材料は、以下に限定されないが、キチン、キトサン、デキストランおよびプルラン;寒天ガム、アラビアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラゲナン、ガッティガム、グアーガム、キサンタンガムおよびスクレログルカン;デンプン、例えばデキストリンおよびマルトデキストリン;親水性コロイド、例えばペクチン;ホスファチド、例えばレシチン;アルギネート;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;ならびにセルロース誘導体(cellulosic)、例えばエチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC);ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America,Inc.、Piscataway、NJ);ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート);ポリラクチド;L−グルタミン酸およびエチル−L−グルタメートのコポリマー;分解性乳酸グリコール酸(lactic acidglycolic acid)コポリマー;ポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸;ならびに他のアクリル酸誘導体、例えば、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレートおよび(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロリドのホモポリマーおよびコポリマーを含む。
別の実施形態では、医薬組成物は、非浸食性マトリックスデバイスを用いて製剤化される。活性成分は、不活性マトリックス中に溶解または分散され、一旦投与されると不活性マトリックスを介する拡散によって主に放出される。非浸食性マトリックスデバイスとしての使用に適当な材料は、以下に限定されないが、不溶性可塑物、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、塩化ビニルと酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレンとのコポリマー、アイオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、およびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、および;親水性ポリマー、例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、および架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニル;ならびに脂肪化合物、例えばカルナウバワックス(camauba wax)、微結晶性ワックスおよびトリグリセリドを含む。
マトリックス制御放出系において、所望の放出動態は、例えば、用いられるポリマー型、ポリマー粘度、ポリマーおよび/または活性成分(複数可)の粒子サイズ、活性成分(複数可)対ポリマーの比、および組成物中の他の賦形剤を介して制御することができる。
修飾放出剤形で本明細書において提供されている医薬組成物は、直接圧縮、乾燥または湿式顆粒化に続いて圧縮、溶融−顆粒化に続いて圧縮を含めて、当業者に公知である方法によって調製することができる。
浸透圧制御放出デバイス
修飾放出剤形で本明細書において提供されている医薬組成物は、1チャンバーシステム、2チャンバーシステム、非対称膜技術(AMT)、および押出コアシステム(ECS)を含めた浸透圧制御放出デバイスを使用して製作することができる。一般に、こうしたデバイスは、少なくとも2種の構成成分:(a)活性成分(複数可)を含有するコア;および(b)コアをカプセル化する、少なくとも1つの送達ポートを有する半透膜を有する。半透膜は、送達ポート(複数可)を介する押出しによって薬物放出を引き起こすために、使用水性環境からコアへの水の流入を制御する。
活性成分(複数可)に加えて、浸透圧デバイスのコアは、必要に応じて、使用環境からデバイスのコアへの水の輸送のための駆動力を作り出す浸透圧剤を含む。浸透圧剤の1つのクラスは、「オスモポリマー」および「ヒドロゲル」とも称される水膨潤性親水性ポリマーであり、以下に限定されないが、親水性ビニルポリマーおよびアクリルポリマー、多糖類、例えばアルギン酸カルシウム、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、PVA/PVPとメタクリル酸メチルおよび酢酸ビニルなどの疎水性モノマーとのコポリマー、大きなPEOブロックを含有する親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびカルボキシエチル、セルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、およびデンプングリコール酸ナトリウムを含む。
浸透圧剤の他のクラスは、水を吸収することで、周囲コーティングのバリアを横切る浸透圧勾配に影響することができるオスモゲンである。適当なオスモゲンは、以下に限定されないが、無機塩、例えば硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウムおよび硫酸ナトリウム;糖、例えばデキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロースおよびキシリトール,;有機酸、例えばアスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸および酒石酸;尿素;ならびにその混合物を含む。
異なる溶解速度の浸透圧剤が用いられることで、どれほど急速に活性成分(複数可)が剤形から最初に送達されるかに影響を及ぼすことができる。例えば、Mannogeme EZ(SPI Pharma、Lewes、DE)などの非晶質糖が使用されることで、最初の2時間の間により速い送達を提供して所望の治療効果を迅速に生成することができ、徐々におよび連続して残りの量の放出を提供して長期間にわたって治療的または予防的効果の所望のレベルを維持することができる。この場合において、活性成分(複数可)は、代謝および排出される活性成分の量を置き換えるような速度で放出される。
コアは、剤形の性能を増強するために、または安定性もしくは加工を促進するために、本明細書に記載されている通りの多種多様な他の賦形剤およびキャリアを含むこともできる。
半透膜を形成する際に有用な材料は、様々なグレードのアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、およびセルロース誘導体を含み、これらは、生理学的関連のpHで水透過性および水不溶性である、または架橋などの化学的変更によって水不溶性にされやすい。コーティングを形成する際に有用な適当なポリマーの例は、可塑化、非可塑化および強化酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、CAプロピオネート、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、CAエチルカルバメート、CAP、CAメチルカルバメート、CAスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CAエチルカーボネート、CAクロロアセテート、CAエチルオキサレート、CAメチルスルホネート、CAブチルスルホネート、CA p−トルエンスルホネート、酢酸寒天(agar acetate)、三酢酸アミロース、ベータグルカンアセテート、ベータグルカントリアセテート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンガムのトリアセテート、ヒドロキシル化(hydroxlated)エチレン−ビニルアセテート、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸およびエステルならびにポリ(メタクリル)酸およびエステルおよびそのコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハロゲン化物、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックス、ならびに合成ワックスを含む。
半透膜は、疎水性微多孔性膜であってもよく、ここで、米国特許第5,798,119号に開示されている通り、細孔にはガスが実質的に充填されており、水性媒体によって湿潤されていないが水に透過性である。こうした疎水性であるが水透過性の膜は、典型的に、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハロゲン化物、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックス、ならびに合成ワックスなどの疎水性ポリマーで構成されている。
半透膜上の送達ポート(複数可)は、機械穴開けまたはレーザー穴開けによってコーティング後に形成することができる。送達ポート(複数可)は、水溶性材料のプラグの浸食によってまたはコア中の刻み目上の膜のより薄い部分の破断によって、in situで形成することもできる。加えて、送達ポートは、米国特許第5,612,059号および同第5,698,220号に開示されている型の非対称膜コーティングの場合の通り、コーティングプロセス中に形成することができる。
放出された活性成分(複数可)の総量および放出速度は、半透膜の厚さおよび多孔性、コアの組成、ならびに送達ポートの数、サイズおよび位置を介して実質的に調節することができる。
浸透圧制御放出剤形における医薬組成物は、製剤の性能または加工を促進するために、本明細書に記載されている通りの追加の従来の賦形剤をさらに含むことができる。
浸透圧制御放出剤形は、当業者に公知である従来の方法および技法に従って調製することができる(Remington: The Science and Practice of Pharmacy、上記参照;SantusおよびBaker、J. Controlled Release、1995年、35巻、1〜21頁;Vermaら、Drug Development and Industrial Pharmacy、2000年、26巻、695〜708頁;Vermaら、J. Controlled Release、2002年、79巻、7〜27頁を参照されたい)。
ある特定の実施形態では、本明細書において提供されている医薬組成物は、活性成分(複数可)および他の薬学的に許容される賦形剤を含むコアをコーティングする非対称浸透圧膜を含むAMT制御放出剤形として製剤化される。米国特許第5,612,059号およびWO2002/17918を参照されたい。AMT制御放出剤形は、直接圧縮、乾式顆粒化、湿式顆粒化およびディップコーティング方法を含めて、当業者に公知である従来の方法および技法に従って調製することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書において提供されている医薬組成物は、活性成分(複数可)、ヒドロキシルエチルセルロースおよび他の薬学的に許容される賦形剤を含むコアをコーティングする浸透圧膜を含む、ESC制御放出剤形として製剤化される。
多微粒子制御放出デバイス
修飾放出剤形で本明細書において提供されている医薬組成物は、直径が約10μmから約3mm、約50μmから約2.5mm、または約100μmから1mmの範囲の多様な粒子、顆粒またはペレットを含む多微粒子制御放出デバイスとして製作することができる。こうした多微粒子(multiparticulate)は、湿式および乾式顆粒化、押出し/球状化、ローラー圧縮、溶融凝結を含めて当業者に公知であるプロセスによって、およびシードコアをスプレーコーティングすることによって、作製することができる。例えば、Multiparticulate Oral Drug Delivery; Marcel Dekker:1994年;およびPharmaceutical Pelletization Technology; Marcel Dekker:1989年を参照されたい。
本明細書に記載されている通りの他の賦形剤は、医薬組成物とブレンドされることで、多微粒子を加工および形成するのに役立つことができる。結果として得られる粒子は、それら自体、多微粒子デバイスを構成することができる、または腸溶性ポリマー、水膨張性ポリマーおよび水溶性ポリマーなど様々なフィルム形成材料によってコーティングすることができる。多微粒子は、カプセルまたは錠剤としてさらに加工することができる。
標的化送達
本明細書において提供されている医薬組成物は、リポソームベースの送達システム、再シール赤血球ベースの送達システムおよび抗体ベースの送達システムを含めて、処置されるべき被験体の身体の特別な組織、受容体または他の部域に標的化されるように製剤化することもできる。例は、以下に限定されないが、米国特許第6,316,652号;同第6,274,552号;同第6,271,359号;同第6,253,872号;同第6,139,865号;同第6,131,570号;同第6,120,751号;同第6,071,495号;同第6,060,082号;同第6,048,736号;同第6,039,975号;同第6,004,534号;同第5,985,307号;同第5,972,366号;同第5,900,252号;同第5,840,674号;同第5,759,542号;および同第5,709,874号を含む。
投与量
統合失調症もしくは統合失調感情障害の1つもしくは複数の症状またはVMAT2阻害と関連した他の状態、障害もしくは疾患の処置、防止または寛解において、適切な投与レベルは、一般に、1日当たり患者体重1kgにつき約0.001mgから100mg(1日当たりのmg/kg)、1日当たり約0.01mg/kgから約80mg/kg、1日当たり約0.1mg/kgから約50mg/kg、1日当たり約0.5mg/kgから約25mg/kg、または1日当たり約1mg/kgから約20mg/kgであり、これは、単回または複数回用量で投与することができる。この範囲内で、投与量は、1日当たり0.005mg/kgから0.05mg/kg、0.05mg/kgから0.5mg/kg、または0.5mg/kgから5.0mg/kg、1mg/kgから15mg/kg、1mg/kgから20mg/kg、または1mg/kgから50mg/kgであってよい。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約0.001mg/kgから100mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約5.0mgから150mgであり、ある特定の実施形態では、1日当たり10mgから100mgである。他の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約25mg/kgから約100mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約0.01mg/kgから約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約0.1mg/kgから約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約0.1mg/kgから約50mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約0.1mg/kgから約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約0.5mg/kgから約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約0.5mg/kgから約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約0.5mg/kgから約25mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約1mg/kgから約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約1mg/kgから約75mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約1mg/kgから約50mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約1mg/kgから約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約1mg/kgから約25mg/kgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約80mgである。ある特定の実施形態では、投与量レベルは、1日当たり約40mgである。
経口投与のため、医薬組成物は、処置されるべき患者への投与量の症候的調整のために、1.0mgから1,000mgの活性成分、特に約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、約80mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約750mg、約800mg、約900mgおよび約1,000mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約100mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約80mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約75mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約50mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約40mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約25mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。組成物は、1日当たり1回、2回、3回および4回を含めて、1日当たり1回から4回のレジメンで投与することができる。
しかしながら、任意の特別な患者のための投与量の特定の用量レベルおよび頻度は、変えることができ、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全般的な健康、性別、食餌、投与のモードおよび時間、排出速度、薬物組合せ、特別な状態の重症度、ならびに治療を受けているホストを含めて、様々な因子に依存すると理解される。
本明細書においてその上提供されているのは、本明細書において提供されている通りの1つまたは複数の固体形態の化合物と輸送体とを接触させることを含む、VMAT2活性を調節する方法である。一実施形態では、輸送体は、細胞によって発現される。
本明細書において提供されている化合物は、統合失調症または統合失調感情障害、および抗精神病薬物療法で一般的に処置される他の状態を含めて、本明細書において提供されている化合物が有用である疾患または状態の1つまたは複数の症状の処置、防止または寛解において有用な他の薬剤と組み合わせるまたはそれとの組合せで使用することもできる。
一実施形態では、本明細書において提供されている化合物は、定型抗精神病薬物と組み合わせるまたはそれとの組合せで使用することもできる。特異的な実施形態では、定型抗精神病薬物は、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、スルピリド、チオリダジンまたはトリフルオペラジンである。他の特定の実施形態では、抗精神病薬物は、非定型抗精神病薬物である。より特異的な実施形態では、非定型抗精神病薬物は、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、イロペリドン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドンまたはジプラシドンである。特定の一実施形態では、非定型抗精神病薬物は、クロザピンである。
こうした他の薬剤または薬物は、その一般的に使用される経路によっておよび量で、本明細書において提供されている化合物と同時にまたは逐次に投与することができる。本明細書において提供されている微粒子が1種または複数種の他の薬物と同時に使用される場合、本明細書において提供されている化合物に加えてこうした他の薬物を含有する医薬組成物は、利用し得るが必要ではない。したがって、本明細書において提供されている医薬組成物は、本明細書において提供されている化合物に加えて、1種または複数種の他の活性成分または治療剤も含有するものを含む。
本明細書において提供されている化合物の第2の活性成分に対する重量比は変更することができ、各成分の有効用量に依存する。一般に、各々の有効用量が使用される。したがって、例えば、本明細書において提供されている化合物が、第2の薬物またはこうした他の薬物を含有する医薬組成物との組合せで使用される場合、微粒子の第2の薬物に対する重量比は、約1,000:1から約1:1,000、または約200:1から約1:200の範囲であってよい。本明細書において提供されている微粒子および他の活性成分の組合せも一般に上記の範囲内であるが、各場合において、各活性成分の有効用量が使用されるべきである。
薬物動態特性
ある特定の実施形態では、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体は、それの活性形態、ジヒドロテトラベナジンとしても公知である(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール:最も活性な代謝物であると考えられる(+)α−DHTBZにin vivoで代謝される(例えば、Kilbournら、Chirality、1997年、9巻、59〜62頁を参照されたい)。
一実施形態では、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を、1mLの血漿当たり約15ngから約60ngの間の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)の最大血液血漿濃度(Cmax)および1mLの血漿当たり少なくとも15ngの(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)の最小血液血漿濃度(Cmin)を8時間にわたって達成するのに十分な量で含む医薬組成物を、統合失調症または統合失調感情障害の処置を必要とする被験体に投与することを含む、統合失調症または統合失調感情障害を処置するための方法が、本明細書において提供されている。
他の実施形態では、本明細書に記載されている方法における(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)の血漿濃度への言及は、重水素化(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)および非重水素化(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)の両方を含む。本明細書に記載されている通りの重水素化VMAT2阻害剤(例えば、重水素化(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、または重水素化(deutereted)(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール)が被験体に投与されるならば、重水素化(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オールが被験体の血液血漿中に出現し、測定されることになることは、当業者に明らかである。本明細書に記載されている通りの非重水素化VMAT2阻害剤(例えば、非重水素化(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、または非重水素化(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール)が被験体に投与されるならば、非重水素化(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オールが被験体の血液血漿中に出現し、測定されることになる。本明細書に記載されている通りの重水素化および非重水素化VMAT2阻害剤の組合せが被験体に投与されるならば、重水素化および非重水素化(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オールの両方が被験体の血液血漿中に出現し、両方が測定されることになる。
ある特定の実施形態では、(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxは、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mLまたは約60ng/mL血漿である。ある特定の実施形態では、(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCminは、8時間、12時間、16時間、20時間、24時間、28時間または32時間の期間にわたって、少なくとも15ng/mL、少なくとも20ng/mL、少なくとも25ng/mL、少なくとも30ng/mL、または少なくとも35ng/mL血漿である。ある特定の実施形態では、(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCminは、約15ng/mLから約35ng/mLの間である。
一実施形態では、医薬組成物は、約15ng/mLから約60ng/mL血漿の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxおよびCmaxのおよそ少なくとも33%のCminを24時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、約15ng/mLから約60ng/mL血漿の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxおよびCmaxのおよそ少なくとも50%のCminを24時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。ある特定の特別な実施形態では、医薬組成物は、約15ng/mLから約60ng/mL血漿の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxおよびCmaxのおよそ約少なくとも33%〜50%の間のCminを24時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約15ng/mLから約60ng/mL血漿の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxおよびCmaxのおよそ少なくとも33%のCminを12時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。さらに別のある特定の実施形態では、医薬組成物は、約15ng/mLから約60ng/mL血漿の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxおよびCmaxのおよそ少なくとも50%のCminを12時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。ある特定の特別な実施形態では、医薬組成物は、約15ng/mLから約60ng/mL血漿の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxおよびCmaxのおよそ約少なくとも33%〜50%の間のCminを12時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。
別の実施形態では、医薬組成物は、それを必要とする被験体に、約15ng/mLから約60ng/mL血漿の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxおよび約5ng/mLから約30ng/mL血漿の間のCminを24時間にわたって提供する量で投与される。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、それを必要とする被験体に、約15ng/mLから約60ng/mL血漿の(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)のCmaxおよび約7.5ng/mLから約30ng/mL血漿の間のCminを24時間にわたって提供する量で投与される。
別の実施形態では、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種;またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を、活性な医薬成分として:(i)1mLの血漿当たり約15ngから約60ngの(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)の治療濃度範囲;および(ii)1mLの血漿当たり少なくとも15ngの(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)の閾値濃度を約8時間から約24時間の期間にわたって提供するのに十分な量で含む医薬組成物を、統合失調症または統合失調感情障害の処置を必要とする被験体に投与することを含む、統合失調症または統合失調感情障害を処置するための方法が、本明細書において提供されている。
ある特定の実施形態では、治療濃度範囲は、1mLの血漿当たり約15ngから約35ng、約40ng、約45ng、約50ngまたは約55ngまでの(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)である。
ある特定の実施形態では、(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)の閾値濃度は、約8時間、約12時間、約16時間、約20時間、約24時間、約28時間または約32時間の期間にわたって、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mLまたは約60ng/mL血漿である。特定の実施形態では、(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール(R,R,R DHTBZ)の閾値濃度は、約8時間から約24時間の期間にわたって約15ng/mLから約35ng/mLの間である。
(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オール、および本明細書において開示されている通りの化合物の血漿濃度は、Derangulaら、Biomedical Chromatography、2013年27巻(6号):792〜801頁、Mehvarら、Drug Metabolism and Distribution、1987年15巻(2号):250〜55頁に記載されている通りの方法によっておよび一般にタンデム質量分析によって測定することができる。
これらのおよび他の変化は、上の詳細な記載に照らして実施形態に行うことができる。特異的な実施形態は例示の目的で本明細書に記載されてきたが、当業者に明白である、本開示を実施するための上記モードの様々な修正は、以下の請求項の範疇内であると意図される。この明細書において引用されている全ての刊行物、特許および特許出願は、各々のこうした刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書に組み込まれると具体的におよび個々に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (16)

  1. (S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を投与することを含む、統合失調症または統合失調感情障害を処置する方法。
  2. (S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体を投与することを含む、統合失調症または統合失調感情障害と関連する行動問題を処置する方法。
  3. 前記(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体が、(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)、もしくはその同位体変種、またはその多形体である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 陽性症状を処置する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 陰性症状を処置する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  6. (S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体が、投与単位の形態である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記投与単位が、25mgから100mgの(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)、もしくはその同位体変種、またはその多形体を含有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記投与単位が、40mgの(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)、もしくはその同位体変種、またはその多形体を含有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記投与単位が、80mgの(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)、もしくはその同位体変種、またはその多形体を含有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記投与単位が、錠剤またはカプセル剤である、請求項6から8のいずれかに記載の方法。
  11. 統合失調症または統合失調感情障害を処置することにおける使用のための、化合物(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステル、もしくはその同位体変種、またはその薬学的に許容される塩もしくは多形体。
  12. 前記化合物が、経口投与のために製剤化される、請求項11に記載の使用のための化合物。
  13. 前記化合物が、単一剤形として製剤化される、請求項11または12に記載の使用のための化合物。
  14. 前記剤形が、錠剤またはカプセル剤である、請求項13に記載の使用のための化合物。
  15. 前記剤形が、40mgの(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)、もしくはその同位体変種、またはその多形体を含有する、請求項13または14に記載の使用のための化合物。
  16. 前記剤形が、80mgの(S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル2−アミノ−3−メチルブタノエートジ(4−メチルベンゼンスルホネート)、もしくはその同位体変種、またはその多形体を含有する、請求項13または14に記載の使用のための化合物。
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