JP2020500511A - 操作されたtgfベータ単量体およびtgfベータシグナル伝達のためのそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2016年11月18日に出願された米国仮出願番号第62/423,920号の利益を主張しており、この仮出願は、その全体が参考として本明細書中に援用される。
本開示は、高親和性TGF−βII型受容体(TβRII)に結合する能力を保持しながら二量体化を阻害するように修飾された、組換えトランスフォーミング増殖因子(TGF)−β単量体に関する。本開示はさらに、TGF−βシグナル伝達を阻害する組換えTGF−β単量体の使用に関する。
本発明は、米国国立衛生研究所により授与された助成金番号GM058670の政府支援によりなされた。政府は、本発明に特定の権利を有する。
TGF−βは、細胞増殖、遊走、分化、およびアポトーシスを含む細胞プロセスに対して多様な生物学的影響を有する多機能性サイトカインである。3つの哺乳動物TGF−βアイソフォーム、TGF−β1、−β2および−β3は、I型(TβRI)およびII型(TβRII)セリン/スレオニンキナーゼ受容体から構成される細胞表面受容体複合体を通じてその機能を発揮する。受容体活性化は、SMADタンパク質、ならびにRas、RhoA、TAK1、MEKK1、PI3K、およびPP2Aを含む他の下流の標的の両方を誘導して、全面的なTGF−β応答をもたらす(RobertsおよびWakefield、Proc Natl Acad Sci USA 100巻:8621〜8623頁、2003年;DerynckおよびZhang、Nature 425巻:577〜584頁、2003年;Massague、Cell 134巻:215〜230頁、2008年)。
本明細書に記載されるのは、TGF−βシグナル伝達を遮断することができる操作されたTGF−β単量体である。操作された単量体は、TGF−β二量体化およびTβRIの動員を妨げることによりTGF−βシグナル伝達を阻害する。
37C.F.R.1.822において定義されるように、添付の配列表に列挙されるアミノ酸配列は、アミノ酸の標準的な3文字表記を使用して示される。配列表は、2017年11月6日に作成の、11.3KBのASCIIテキストファイルとして提出され、それは本明細書に参照により組み込まれる。添付の配列表の内容は以下のとおりである:
I.略号
AUC 分析用超遠心法
BSA ウシ血清アルブミン
EC50 50%有効濃度
FBS ウシ胎児血清
IC50 50%抑制濃度
NMR 核磁気共鳴
RU 共鳴単位
SPR 表面プラズモン共鳴
TβRI トランスフォーミング増殖因子−βI型受容体
TβRII トランスフォーミング増殖因子−βII型受容体
TGF−β トランスフォーミング増殖因子−β
TR−FRET 時間分解蛍光共鳴エネルギー転移
特に断りのない限り、専門用語は従来の用法に従って使用される。分子生物学における一般用語の定義は、Benjamin Lewin、Genes V、Oxford University Press刊、1994年(ISBN 0-19-854287-9);Kendrewら(編)、The Encyclopedia of Molecular Biology、Blackwell Science Ltd.刊、1994年(ISBN 0-632-02182-9);およびRobert A. Meyers(編)、Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference、VCH Publishers,Inc.刊、1995年(ISBN 1-56081-569-8)に見出すことができる。
本明細書に開示されるのは、二量体化およびI型受容体結合を阻害するが、高親和性TGF−βII型受容体(TβRII)に結合する能力を保持するように修飾された組換えトランスフォーミング増殖因子(TGF)−β単量体である。本明細書に開示された組換えTGF−β単量体は、異常なTGF−βシグナル伝達により特徴付けられる疾患または障害、例えば線維性障害、眼疾患、特定のタイプのがん、または結合組織の遺伝性障害の処置などのために、TGF−βシグナル伝達を阻害するのに使用することができる。さらに、組換えTGF−β単量体をコードする核酸分子は、組換えタンパク質を過剰産生するようにT細胞を再プログラムするのに使用することができる。組換えTGF−β単量体を過剰発現するように操作されたT細胞は、異常なTGF−βシグナル伝達により特徴付けられる疾患または障害の処置などのために、遺伝子治療用途において使用することができる。
組換えヒトTGF−β単量体または融合タンパク質を含む、医薬組成物などの組成物が本明細書で提供される。また、提供されるのは、組換えヒトTGF−β単量体をコードするベクターを含む、T細胞などの単離された細胞を含む組成物である。いくつかの実施形態において、組成物は、薬学的に許容される担体を含む。
ドミナントネガティブとして機能するためにTGF−βシグナル伝達を遮断する操作されたTGF−β単量体
本実施例は、TGF−βシグナル伝達を遮断できる操作されたTGF−β単量体を記載する。本明細書においてmmTGF−β2−7Mと称する操作されたTGF−β単量体には、野生型の二量体TGF−β2の単量体と比較して以下の3つの変化を有する:
(1)鎖間ジスルフィドを通常は形成するシステイン(Cys77)がセリンにより置換された(図1D);
(2)α3へリックスが除去され、極性および荷電残基を担持する短いループで置き換えられた(図1D);
(3)TGF−β2に対して7つの残基が置換され、これにより高親和性でのTβRII結合が可能になった(図1E)。
以前の試験では、野生型TGF−β1およびTGF−β3単量体(鎖間ジスルフィドを通常は形成するシステイン残基Cys77がセリンに置換される、TGF−β1およびTGF−β3単量体)が、天然のジスルフィド結合したホモ二量体と比較して約10分の1〜15分の1の効力であるにもかかわらず、約150pMの中間点刺激強度(EC50)と、顕著なシグナル伝達活性を保持していることを示した(Amatayakul-Chantlerら、J Biol Chem 269巻:27687〜27691頁、1994年;Zunigaら、J Mol Biol 355巻:47〜62頁、2006年)。
タンパク質の発現および精製
安定にトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において、プロドメインと結合した分泌タンパク質としてTGF−β1を発現させた。TGF−β1を産生するために用いる細胞系、およびそれに続く馴化培地からの成熟型のジスルフィド結合したTGF−β1ホモ二量体を単離する方法は、先行文献に記載されている(ZouおよびSun、Protein Expr Purif 37巻、265〜272頁、2004年)。ヒトホモ二量体TGF−β2(TGF−β2)、ヒトホモ二量体TGF−β3(TGF−β3)、ならびに、aviタグを有する(CullおよびSchatz、Methods Enzymol 326巻、430〜440頁、2000年)ホモ二量体TGF−β3(TGF−β3−avi)、単量体TGF−β2(mTGF−β2)、単量体TGF−β2(mTGF−β3)、ミニ単量体TGF−β1(mmTGF−β1)、ミニ単量体TGF−β2(mmTGF−β2)、ミニ単量体TGF−β3(mmTGF−β3)、高い親和性でのTβRII結合を可能にする7つの置換を有するミニ単量体TGF−β2(mmTGF−β2−7M)、および高い親和性でのTβRII結合を可能にする7つの置換を有するaviタグを有する(CullおよびSchatz、Methods Enzymol 326巻、430〜440頁、2000年)ミニ単量体TGF−β2(mmTGF−β2−7M)を含むバリアントを、E.Coliにおいて発現させ、封入体から天然のフォールディング状態のジスルフィド結合したホモ二量体(TGF−β2、TGF−β3、TGF−β3−avi)または単量体(mTGF−β1、mTGF−β2、mTGF−β3、mmTGF−β1、mmTGF−β2、mmTGF−β3、mmTGF−β2−7M、mmTGF−β2−7M−avi)にリフォールディングさせ、文献の記載(HuangおよびHinck、Methods Mol Biol 1344巻、63〜92頁、2016年)に従い、高分解能カチオン交換クロマトグラフィーを使用して均一に精製した(Source Q、GE Healthcare、Piscataway、NJ)。本試験において使用する二量体および単量体TGF−βの命名および主要な特徴を表1にまとめ、全配列を図8に示す。
TGF−β二量体および単量体を、100mM酢酸中で300μMまたはそれよりも高い濃度に濃縮し、100mMの酢酸またはリン酸緩衝食塩水(PBS、10mMのNa2HPO4、1.8mMのKH2PO4、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、pH7.4)中に所定の濃度に希釈した。PBSに希釈した試料のpHを、NaOHの小アリコートを用いて最終pHが7.4となるよう調整した。340nmの試料の光散乱を、HP 8452ダイオードアレイ分光光度計(HP、Palo Alto、CA)を使用して測定した。試料をマイクロチューブへ移し、5分間20000×gで遠心分離し、上清の280nmの吸光度をNANODROP(商標)分光光度計(ThermoFisher、Waltham、MA)を使用して測定した。溶解度アッセイの結果を、図4A〜4Dに示す。
0.1%(w/v)の15NH4Cl、または0.1%(w/v)の15NH4Clおよび0.03%(w/v)の13C標識グルコースを含有するM9培地で細菌細胞を増殖させることにより、NMR用の15N、または15Nおよび13Cで放射性同位元素標識したmmTGF−β2およびmmTGF−β2−7Mの試料を調製した。全てのNMR試料を、10mMのリン酸ナトリウム、10mMの3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート(CHAPS)、5%の2H2O、0.02%のw/vアジ化ナトリウム中、0.2mM〜0.4mMのタンパク質濃度で、pH4.7において調製した。全てのNMRデータを、37℃の試料温度で、700または800MHzで得た。高感度HNCACB(WittekindおよびMueller、J Magn Reson Ser B 101巻:201〜205頁、1993年)、CBCA(CO)NH(Grzesiekら、J Magn Reson Ser B 101巻:114〜119頁、1993年)、C(CO)NH(GrzesiekおよびBax、J Biomol NMR 3巻:185〜204頁、1993年)、HNCO(Kayら、J Magn Reson 89巻:496〜514頁、1990年)により回収および分析し、13C、15N捕捉グリッドの位置において25%のノンユニフォームサンプリング(NUS)を有するデータセットとして、mmTGF−β2およびmmTGF−β2−7Mのバックボーン共鳴割り当てを得た。先行文献(Kayら、Biochemistry 28巻:8972−8979頁、1989年)に記載の1H検出パルス方式を使用して、70.95MHzの15N周波数、300°Kで、インターリービング方式でバックボーンアミド15N T2弛緩パラメータを測定した。16〜192msで変化させる8〜10の遅延時間を使用し、各T2データセットを回収した。T2遅延時間の関数としての相対ピークの強度を、指数関数的に壊変する2つのパラメータにフィットさせて、T2弛緩時間を得た。NMRPipeを使用し、NUSデータセットの13Cおよび15Nディメンジョンのミッシングポイントの予測に用いられるSMILEアルゴリズム(Yingら、J. Biomol. NMR 2016年)によりデータ処理した(Delaglioら、J Biomol NMR 6巻:277〜293頁、1995年)。データ解析は、NMRFAM−SPARKYを使用して実行した(Leeら、Bioinformatics 31巻:1325〜1327頁、2015年)。
図3A〜3Bに示されるTGF−β2およびmmTGF−β2を用いたSPR測定は、BIACORE(商標)3000 SPR(G.E.Healthcare、Piscataway、NJ)装置を使用して実行し、その際、CM5センサーチップ(G.E.Healthcare、Piscataway、NJ)の表面上に、アミン(カルボジイミドベースの)カップリングキット(G.E.Healthcare、Piscataway、NJ)を使用し、TGF−β2またはmmTGF−β2を直接固定化した。TGF−β3およびmmTGF−β2−7mを用いた、図3C、3Eおよび3G、ならびに図3D、3Fおよび3Hにそれぞれ示すSPR実験は、ストレプトアビジンコーティングされたCM5センサーチップ(GE Healthcare、Piscataway、NJ)上へ、適度な密度(50〜200RU)でビオチン化リガンドを捕捉させたBIACORE(商標)X100 SPR装置(G.E.Healthcare、Piscataway、NJ)を使用して実行した。N末端の15アミノ酸のaviタグを有するTGF−β3またはmmTGF−β2−7Mを発現させることによって、ビオチン化TGF−β3またはmmTGF−β2−7Mを作製した(CullおよびSchatz、Methods Enzymol 326巻、430〜440頁、2000年)。TGF−β3−aviまたはmmTGF−β2−7M−aviを、pH8.0で10mMのビシン中でTβRIIと結合させ、細菌にて発現させた触媒量のBirAリコンビナーゼ、ビオチンおよびATPと、記載(HuangおよびHinck、Methods Mol Biol 1344巻、63〜92頁、2016年)に従い、37℃で2時間、インキュベートすることによってビオチン化した。ビオチン化されたaviタグ付きTGF−β3またはaviタグ付きTGF−β2−7mを、94.9%の水/5%のアセトニトリル/0.1%のトリフルオロ酢酸で平衡化したC4逆相カラムと結合させ、アセトニトリルの直線勾配によって溶出させた。
mmTGF−β2の結晶は、25℃で、10mMのMES(pH5.5)中の7.9mg/mLのタンパク質ストック液0.2μLを、0.2μLのウェルからの沈殿液、20%のPEG 3350、0.2Mのチオシアン酸ナトリウムと混合し、シッティングドロップにて形成させた。回収した結晶を、過剰な母液を除いた小さいナイロンループに装着し、データ収集前に、液体窒素でフラッシュ冷却した。Advanced Photon Source NE−CATビームライン24−ID−Cでデータを得、集積し、XDS(Kabsch、Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 66巻、125〜132頁、2010年)を使用して解析した。サーチモデルとしてPDBエントリー2TGI(Daopinら、Science 257巻、369〜373頁、1992年)の短縮バージョンを使用し、PHASER(McCoyら、J Appl Crystallogr 40巻、658〜674頁、2007年)において実施される分子置換法により構造を決定した。座標はPHENIX(Adamsら、Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 66巻、213〜221頁、2010年)を使用して精密化し、その際、ねじれ角力学とのシミュレーテッドアニーリングを行い、またCOOT(Emsleyら、Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 66巻、486〜501頁、2010年)を使用した手動リビルディングに置き換えた。データ収集および精密化統計処理を表3に示す。
CAGA12 TGF−βレポーターにより安定にトランスフェクトしたヒト胎生期腎臓293(HEK293)細胞を、ルシフェラーゼレポーターアッセイに使用した(Thiesら、Growth Factors 18巻:251〜259頁、2001年)。10%のウシ胎児血清(FBS)および1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において、安定にトランスフェクトされたCAGA12 TGF−βレポーターを含むHEK293細胞を維持した。TGF−β(TGF−β1、8pM;TGF−β2、20pM;TGF−β3、10pM)の一定の亜飽和濃度の存在した、TGF−β(TGF−β1、mTGF−β3またはmmTGF−β2−7M)の濃度系列、またはmmTGF−β2−7Mの濃度系列とともに16時間、細胞を処理した。0.1%(w/v)のBSAを含むDMEMにタンパク質を希釈した。16時間後に、細胞をTropix溶解緩衝液によって溶解させ(ThermoFisher、Waltham、MA)、ルシフェラーゼ活性をPromega GloMax照度計(Promega、Madison、WI)で測定した。ルシフェラーゼ活性を、ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイにより測定した全タンパク質レベルに正規化した。Graphpad Prism 6を使用し、データをリガンド活性(EC50)およびリガンド阻害活性(IC50)の標準モデルにフィットさせた(Graphpad、La Jolla、CA)。結果を図6A〜6Bに示す。
以下の精製されたタンパク質を用いて、TβRIおよびTβRIIを含有する複合体の形成に対するリガンドの要件を検討した:TGF−β3、mTGF−β3、mmTGF−β2−7M、ビオチン化TβRI−ΔC−AviおよびTβRII−His。最初に、TGF−β3:TbRII−His(1:2)、mTGF−β3:TβRII−His(1:1)およびmmTGF−β2−7M:TβRII−His(1:1)の二元複合体を、20μMで、50mMのトリス緩衝液(pH7.5)中で形成させ、4℃で保存した。抗His mAb(Tb−anti−His、CisBio、Bedford、MA)で標識されたドナーテルビウムクリプテートから、アクセプターXL665標識ストレプトアビジン(SA−665、CisBio、Bedford、MA)への蛍光の近位依存的な転移に基づく時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR−FRET)アッセイを用い、三元リガンドTβRII−His:ビオチン化TβRI−ΔC−Avi複合体の会合をモニターした。100nMまたは250nMのTGF−β3:TβRII−His(1:2)、mTGF−β3:TβRII−His(1:1)およびmmTGF−β2−7M:TβRII−His(1:1)複合体を含む50μLアッセイを、50nMのビオチン化TβRI−ΔC−Aviとインキュベートした。各50μl三元複合体形成アッセイではまた、2nMのTb−抗−Hisおよび30nM SA−665を含み、室温で2時間インキュベートした。6つの複製物で各条件を試験した。緩衝液対照(n=6)は、2nM Tb−抗−Hisおよび30nM SA−XL665のみを含んだ。各アッセイの緩衝液条件は、50mMのトリス、50mMのNaCl、pH7.5とした。コーニングブラック384ウェルの低フランジマイクロプレート(ThermoFisher、Waltham、MA)においてアッセイを実施した。2時間のインキュベートの後、BMG Labtech Pherastar FSマルチモードプレートリーダー(BMG Labtech Inc.、Cary、NC)上で、アッセイプレートにおけるテルビウム/XL−665 TR−FRETを測定した。337、490および665nmのフィルタを備えた光学モジュールを用い、337/490(テルビウム放出)および337/665(XL−665)放出の生データを発生させるTR−FRETをモニターした。665放出/490放出の比率を各条件で測定し、次に、試料対バックグラウンドのシグナルを反映する指標となるΔFを算出するために用いた。ΔFは、以下の方程式を使用して算出した:(Ratiosignal−Rationegative/Rationegative)×100。Ratiosignalとは、三元複合体または緩衝液対照を含むアッセイを意味する。Rationegativeとは、2つのアッセイ緩衝液対照(2nM Tb−抗−Hisおよび30nM SA−665)を意味する。緩衝液対照では、ΔFを算出するため、陰性対照として、6つの複製物中2つを割り当てた。ΔFは、残りの4つの緩衝液対照の複製物を用いて算出された。結果を図7A、7Bおよび14に示す。
mTGF−β3、mmTGF−β2およびmmTGF−β2−7Mを沈降速度によって分析し、単量体TGF−βの自己会合によるホモ二量体形成の平衡定数を決定した。mTGF−β3、mmTGF−β2およびmmTGF−β2−7Mを、クオーツウィンドウを装着したepon 2チャネルセンターピースにて280nmで各々測定し、100mMのNaClを含み、pH3.8に調整した15mMのリン酸ナトリウム緩衝液中27時間、20℃および42,000rpmで遠心分離した。UTHSCSAのCAUMAセンターにおいて、Beckman Optima XL−I分析用超遠心機を用い、強モードで300のスキャンを収集した。データ解析は、UltraScanリリース2130によって実行し(DemelerおよびGorbet、Analytical ultracentrifugation data analysis with Ultrascan-III、Analytical Ultracentrifugation: Instrumentation, Software, and Applications(Uchiyama, S.、Stafford, W.、およびLaue, T.編)、119〜143頁、Springer、2016年;Demelerら、A comprehensive data analysis package for analytical ultracentrifugation experiments、2016年)、Texas Advanced Computing CenterのLonestar−5で計算を実行した。(Demeler、Curr Protoc Protein Sci 7章、ユニット7 13、2010年)に記載のように、最初に沈降速度データを二次元スペクトル分析にフィットさせ、生データから時間的および放射状の不変ノイズを除去し、メニスカス位置にフィットさせた。次にデータを、アダプティブ時空間有限要素法(CaoおよびDemeler、Biophys J 95巻、54〜65頁、2008年)およびパラメータ最適化のための遺伝的アルゴリズム(Demelerら、Macromol Biosci 10巻、775〜782頁、2010年)を用いて個々の単量体−二量体モデルにフィットさせた。単量体−二量体モデルは、質量作用および可逆的会合挙動の原因であり、KD(水力学的パラメータ)ならびに偏比容にフィットする一方、野性型または変異体のいずれかでは予測されたモル質量を仮定する。各データセットについてMonte Carlo分析(DemelerおよびBrookes、Colloid Polym Sci 286巻、129〜137頁、2008年)を100回反復して実施し、フィッティング統計値を得た。緩衝液の密度および粘性を、緩衝液組成に基づきUltraScanにより推定し、全ての水力学的値を、標準的な条件(20℃および水)に対して補正した。フィッティングの結果、ランダムな残差および超低RMSD値を有する優れたフィットであった。全ての結果を表4および図11〜13にまとめる。
操作されたミニ単量体TGF−β(mmTGF−β)のデザイン
TGF−β受容体複合体の構造(Groppeら、Mol Cell 29巻、157〜168頁、2008年;Radaevら、J Biol Chem 285巻:14806〜14814頁、2010年)、ならびに、それに伴うTGF−β3 C77Sによる結合および架橋の研究(Zunigaら、J Mol Biol 354巻、1052〜1068頁、2005年;Groppeら、Mol Cell 29巻、157〜168頁、2008年;Huangら、EMBO J 30巻:1263〜1276頁、2011年)は、単量体TGF−βのシグナル伝達能力(TGF−β1 C77SまたはmTGF−β1、ならびに、TGF−β3 C77SまたはmTGF−β3)が、非共有結合的に二量体化するそれらの能力に由来し、それにより、それらの受容体に結合することを示唆した(図1Aおよび1C)。これは、二量体形成およびTβRIの結合に関与する残基を除去または変更することによって、単量体TGF−βとの受容体複合体会合を減少させ、または完全に除去することが可能であるはずであるという仮説を生じさせるものであった。おそらく単量体の自己会合に最も大きく貢献する構造モチーフは、「ヒール」α−へリックス(α−ヘリックス3)である(図1A))。このヘリックスは、非常に両親媒性が高く、対向する単量体の「パーム(掌)」を裏打ちする残基による多数の疎水的相互作用を有する(図1B)。このヘリックスはまた、TβRIの結合面の大部分を形成する(図1C)。したがって、α−ヘリックス3の除去が単量体の自己会合およびTβRIの結合を妨害すると仮定されたが、これがα−ヘリックス3から遠く離れたリガンドフィンガーチップを通じて発生するため、TβRII結合を損なわない(図1A)。
mmTGF−β1、mmTGF−β2およびmmTGF−β3と称する上記のTGF−β1、−β2および−β3の「ミニ単量体」をEscherichia Coliにおいて発現させ、不溶性の封入体形で蓄積させた。封入体を単離し、変性剤中で再構成し、精製した後、ミニ単量体を、先行文献記載のようにpH9.0のCHAPS含有緩衝液へ希釈して巻き戻した(Huangら、Methods Mol Biol 1344巻:63〜92頁、2016年)。ミニ単量体のフォールディングは大きく異なり、mmTGF−β2の大部分は、フォールディングの間、可溶化されたままであり、カチオン交換クロマトグラフィーによる精製の後、多量の単量体タンパク質が産生された一方、mmTGF−β1およびmmTGF−β3では、少量のみがフォールディングの間可溶化されたままであり、カチオン交換クロマトグラフィーによる精製の後、(TGF−β1)単量体タンパク質は得られず、また(TGF−β3)単量体タンパク質はごくわずかしか得られなかった。このパターンは、過去に全長野生型単量体からのTGF−βホモ二量体のフォールディングについて観察されたパターンを反映するものであり(Huangら、Methods Mol Biol 1344巻:63〜92頁、2016年)、またおそらく、各単量体に特異的な4つの分子内ジスルフィドを適切に形成する単量体の固有の傾向の違いを反映するものである。予想されたTβRIIの低い結合親和性のため、mmTGF−β2は、最も望ましくないバリアントであった。しかしながらこれは、TGF−β2のLys−25、Ile−92およびLys−94の、TGF−β1およびTGF−β3の対応する残基への置換が、高い親和性でTβRIIに結合する能力をTGF−β2に付与することを証明した先行研究に基づく対応指定可能な課題と考えられた(Baardsnesら、Biochemistry 48巻:2146〜2155頁、2009年;De Crescenzoら、J Mol Biol 355巻:47〜62頁、2006年)。
以上で示される結果は、mmTGF−β2が、天然の状態でフォールディングされるのにもかかわらず、それがTβRIIに結合する固有の親和性が低いことを示す。mmTGF−β2に対し、TGF−β1およびTGF−β3と同等の高い親和性でTβRIIに結合する能力を与えるために、TβRIIとの界面において異なることが以前示されたマウスTGF−β2の3つの残基Lys−25、Ile−92およびAsn−94(De Crescenzoら、J Mol Biol 355巻:47〜62頁、2006年;Hartら、Nat Struct Biol 9巻:203〜208頁、2002年)を、TGF−β1および−β3由来の対応する残基Arg−25、Val−92およびArg−94により置換した(図1Eおよび1F)。これらの3つの残基の置換は、以前の研究において、TGF−β1およびTGF−β3と同等のTβRII結合親和性をTGF−β2に付与するのに十分なことが示されている(Baardsnesら、Biochemistry 48巻:2146〜2155頁、2009年;De Crescenzoら、J Mol Biol 355巻:47〜62頁、2006年)。これにもかかわらず、TGF−β1と比較してTGF−β2においては異なる、TβRII−結合部位の周辺の4つのさらなる残基もまた、TGF−β1の対応する残基で置換した(R26K、L89V、T95KおよびI98V)(図1Eおよび1F)。以前の結果は、これが厳密には必要でないことを示唆したにもかかわらず、TβRIIに対するmmTGF−β2−結合部位の残基の実際の方向が、高親和性TGF−βアイソフォームであるTGF−β1およびTGF−β3のそれとできるだけ密接にマッチするか否かの確認を行った。mmTGF−β2−7Mと称する得られたこれら7つのアミノ酸置換を有する構築物を(図1E、図9および表1)、不溶性の封入体の形でE.Coliにおいて発現させた。mmTGF−β2と同様、タンパク質のほとんどは天然フォールディング緩衝液への再構成および希釈の後、溶液中に残っており、大量の均一な単量体が単離できた(E.Coli培地中4〜5mg/L)。
上記の結果は、mmTGF−β2−7MがTGF−βシグナル伝達のドミナントネガティブ阻害剤として機能するために必要となる必須の属性の1つを備えていることを示し、すなわちそれは、TGF−β1およびTGF−β3のそれと同等の高い親和性でTβRIIに結合する能力である。mmTGF−β2−7Mがシグナルを発し得るか否か、もしそうでなければ、それが阻害剤として機能し得るか否かを直接判断するため、CAGA12プロモーターの制御下のTGF−βルシフェラーゼレポーターで安定にトランスフェクトしたHEK293細胞を、TGF−βの濃度を増加させて処理することによってTGF−βシグナル伝達を評価した(Thiesら、Growth Factors 18巻:251〜259頁、2001年)。その結果、二量体TGF−β1(TGF−β1)および全長単量体TGF−β3(mTGF−β3)では、シグモイド状にルシフェラーゼ応答が増加し、約25pMのTGF−β1および250pMのmTGF−β3の濃度によって測定されるルシフェラーゼ応答がさらに増加しないことが示された。これは、(全長)単量体TGF−β1および−β3が、それらの二量体相対物に対して効力が5分の1〜15分の1であったことを示した以前の報告と整合している(Zunigaら、J Mol Biol 354巻、1052〜1068頁、2005年;Amatayakul-Chantlerら、J Biol Chem 269巻:27687〜27691頁、1994年)。正規化されたルシフェラーゼ応答を、リガンド依存的な活性化の標準的モデルに容易にフィットさせることができ、TGF−β1に対しては12.4±1.5pM、mTGF−β3に対しては182±16pMのEC50値を得た。TGF−β1およびmTGF−β3での値は、以前TGF−β1についてAmatayakul−Chantlerら(J Biol Chem 269巻:27687〜27691頁、1994年)により、またmTGF−β3についてのZunigaら(J Mol Biol 354巻、1052〜1068頁、2005年)により報告された値とほぼ一致した。TGF−β1およびmTGF−β3で観察された強力なサブナノモル濃度のシグナル伝達活性は、mmTGF−β2−7Mのそれとは対照的であり、後者は、mTGF−β3の飽和応答をもたらした濃度(約200pM)、または最高4桁高い濃度で検出可能なシグナル伝達活性を有さなかった(図6A)。したがって、mmTGF−β2−7Mはシグナル伝達活性が完全に失われたか、または、シグナル伝達活性を有してもmTGF−β3の10,000分の1未満の効力であった。
TGF−βは、多くのヒト疾患の進行を促進する役割を果たすが(Dietzら、Nature、352巻、337〜339頁、1991年、Biernackaら、Growth Factors、29巻、196〜202頁、2011年、Massague、Cell、134巻、215〜230頁、2008年、Loeysら、Pediatr Endocrinol Rev、10巻、417〜423頁、2013年)、この20年程の間、前臨床試験および臨床的試験において、ヒト用に承認された阻害剤はなかった。本明細書に示される結果は、操作されたTGF−β単量体(Cys−77およびヒールα−ヘリックス(α3)を欠失)が、20〜70nMの範囲のIC50値により強力にTGF−β1、−β2および−β3のシグナル伝達を遮断および阻害する機能を奏することを示す(図6Bおよび図15)。この新規な阻害剤は、他の種類の阻害剤が有する限界、例えばTGF−βの天然の高い特異性を克服するいくつかの属性を有し、ゆえに、TβRIIに対する阻害剤は、はるかにより無差別なTGF−βキナーゼ阻害剤と比較して、はるかにより高い特異性をTGF−βIIに付与することができ、したがって好ましくない副作用を低減する。さらに、阻害剤のサイズが小さい(約10kDa)ことにより、TGF−βが疾患の進行を亢進する腫瘍および他の高密度な組織を透過する能力が非常に高くなり、それは非常により大きく(約150kDa)、血管および高灌流器官の間隙のみを占める傾向があるIgG抗体と比較して明らかに有利である(Meibohm(2012年)、Therapeutic Proteins: Strategies to Modulate Their Plasma Half-Lives(Kontermann R.編)、23〜38頁、Wiley-Blackwell、Weinheim、Germany、Meibohmおよびraeckman(2008年)、「Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Peptides and Protein Drugs」、Pharmaceutical Biotechnology: Fundamentals and Applications(Crommelin D. J. A.、Sindelar R. D.、およびMeibohm B.編)、95〜123頁、Informa Healthcare、New York)。この新規な阻害剤の他の利点としては、その高い固有の安定性が挙げられ、それは、4つのフィンガーをまとめる4つの分子内ジスルフィド結合、および天然型TGF−β二量体または全長TGF−β単量体と異なり、それが中性pHの水における溶解度が非常に高いという事実によるものである。
Claims (47)
- 組換えトランスフォーミング増殖因子(TGF)−β単量体であって、
(i)配列番号2の残基77に対応するアミノ酸残基におけるシステインからセリンへの置換と、
(ii)配列番号2のアミノ酸残基52〜71に対応するα3ヘリックスの欠失と、
(iii)組換えTFG−β単量体の正味電荷を増加させる、野生型TFG−β単量体と比べて少なくとも1個のアミノ酸置換と
を含む、組換えTGF−β単量体。 - TGF−βII型受容体(TβRII)に対する前記組換えTGF−β単量体の親和性を高める、野生型TFG−β2単量体と比べて少なくとも1個のアミノ酸置換をさらに含む、請求項1に記載の組換えTGF−β単量体。
- ヒトTGF−β2単量体である、請求項1または請求項2に記載の組換えTGF−β単量体。
- 前記単量体の正味電荷を増加させる前記少なくとも1個のアミノ酸置換が、
配列番号2の残基51に対応するアミノ酸残基におけるロイシンからアルギニンへの置換;
配列番号2の残基73に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからリジンへの置換;または
配列番号2の残基51に対応するアミノ酸残基におけるロイシンからアルギニンへの置換、および残基73に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからリジンへの置換の両方
を含む、請求項3に記載の組換えヒトTGF−β2単量体。 - TβRIIに対する前記単量体の親和性を高める前記少なくとも1個のアミノ酸置換が、配列番号2の残基23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98もしくは99に対応するアミノ酸残基、またはそれらの2つもしくはそれよりも多い残基の任意の組合せにおいて置換を含む、請求項3または請求項4に記載の組換えヒトTGF−β2単量体。
- TβRIIに対する前記単量体の親和性を高める前記少なくとも1個のアミノ酸置換が、残基23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36または37に少なくとも1個の置換、および残基89、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99に少なくとも1個の置換を含む、請求項5に記載の組換えヒトTGF−β2単量体。
- TβRIIに対する前記単量体の親和性を高める前記少なくとも1個のアミノ酸置換が、残基25におけるリジンからアルギニン、残基26におけるアルギニンからリジン、残基89におけるロイシンからバリン、残基92におけるイソロイシンからバリン、残基94におけるアスパラギンからアルギニン、残基95におけるスレオニンからリジン、残基98におけるイソロイシンからバリン、またはそれらの2つもしくはそれよりも多い任意の組合せを含む、請求項6に記載の組換えヒトTGF−β2単量体。
- 残基25におけるリジンからアルギニン、残基26におけるアルギニンからリジン、残基89におけるロイシンからバリン、残基92におけるイソロイシンからバリン、残基94におけるアスパラギンからアルギニン、残基95におけるスレオニンからリジン、および残基98におけるイソロイシンからバリンを含む、請求項7に記載の組換えヒトTGF−β2単量体。
- 配列番号8または配列番号10のアミノ酸配列を含む、請求項3から8のいずれか一項に記載の組換えヒトTGF−β2単量体。
- ヒトTGF−β1単量体である、請求項1または請求項2に記載の組換えTGF−β単量体。
- 前記単量体の正味電荷を増加させる前記少なくとも1個のアミノ酸置換が、
配列番号1の残基51に対応するアミノ酸残基におけるイソロイシンからアルギニンへの置換;
配列番号1の残基74に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからリジンへの置換;
配列番号1の残基75に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからセリンへの置換;または
配列番号1の残基51に対応するアミノ酸残基におけるイソロイシンからアルギニンへの置換、残基74に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからリジンへの置換、および残基75に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからセリンへの置換
を含む、請求項10に記載の組換えヒトTGF−β1単量体。 - 配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項10または請求項11に記載の組換えヒトTGF−β1単量体。
- ヒトTGF−β3単量体である、請求項1または請求項2に記載の組換えTGF−β単量体。
- 前記単量体の正味電荷を増加させる前記少なくとも1個のアミノ酸置換が、
配列番号3の残基51に対応するアミノ酸残基におけるロイシンからグルタミン酸への置換;
配列番号3の残基72に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからグルタミン酸への置換;
配列番号3の残基74に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからアスパラギン酸への置換;または
配列番号3の残基51に対応するアミノ酸残基におけるロイシンからグルタミン酸への置換、残基72に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからグルタミン酸への置換、および残基74に対応するアミノ酸残基におけるアラニンからアスパラギン酸への置換
を含む、請求項13に記載の組換えヒトTGF−β3単量体。 - 配列番号9のアミノ酸配列を含む、請求項13または請求項14に記載の組換えヒトTGF−β3単量体。
- PEG化されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体。
- グリコシル化または高グリコシル化されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体。
- 請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体および異種タンパク質を含む、融合タンパク質。
- 前記異種タンパク質がタンパク質タグを含む、請求項18に記載の融合タンパク質。
- 前記異種タンパク質がFcドメインを含む、請求項18に記載の融合タンパク質。
- 前記異種タンパク質がアルブミンまたはアルブミン結合ポリペプチドを含む、請求項18に記載の融合タンパク質。
- 前記異種タンパク質が、抗体、その抗原結合断片、または標的化部分を含む、請求項18に記載の融合タンパク質。
- 一本鎖ポリペプチドである、請求項18に記載の融合タンパク質。
- 二量体ポリペプチドを形成する、請求項18に記載の融合タンパク質。
- ヘテロ二量体である、請求項18に記載の融合タンパク質。
- 多量体である、請求項18に記載の融合タンパク質。
- 放射線療法剤、化学療法のための細胞傷害剤、または薬物を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体、または請求項18から26のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
- イメージング剤、蛍光色素、または蛍光タンパク質タグを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体、または請求項18から26のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
- 請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体、または請求項18から26のいずれか一項に記載の融合タンパク質、および薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む、組成物。
- 細胞におけるTGF−βシグナル伝達を阻害する方法であって、前記細胞を、請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体、請求項18から26のいずれか一項に記載の融合タンパク質、または請求項29に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
- in vitro方法である、請求項30に記載の方法。
- 前記組換えTGF−β単量体、融合タンパク質または組成物を、異常なTGF−βシグナル伝達に関連する疾患または障害を有する対象に投与することを含む、in vivo方法である、請求項30に記載の方法。
- 対象における異常なTGF−βシグナル伝達に関連する疾患または障害を処置する方法であって、請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体、請求項18から26のいずれか一項に記載の融合タンパク質、または請求項29に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
- 異常なTGF−βシグナル伝達に関連する前記疾患または障害が、線維性障害である、請求項32または請求項33に記載の方法。
- 異常なTGF−βシグナル伝達に関連する前記疾患または障害が、乳がん、脳がん、膵臓がん、前立腺がんまたは皮膚がんである、請求項32または請求項33に記載の方法。
- 異常なTGF−βシグナル伝達に関連する前記疾患または障害が、眼疾患である、請求項32または請求項33に記載の方法。
- 異常なTGF−βシグナル伝達に関連する前記疾患または障害が、結合組織の遺伝性障害である、請求項32または請求項33に記載の方法。
- 請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えTGF−β単量体をコードする、単離された核酸分子。
- プロモーターに作動可能に連結された、請求項38に記載の核酸分子。
- 請求項38または請求項39に記載の核酸分子を含むベクター。
- 請求項38または請求項39に記載の核酸分子、または請求項40に記載のベクターを含む単離された細胞。
- Tリンパ球である、請求項41に記載の単離された細胞。
- 対象における異常なTGF−βシグナル伝達に関連する疾患または障害を処置する方法であって、請求項41または請求項42に記載の単離された細胞を前記対象に投与することを含む、方法。
- 異常なTGF−βシグナル伝達に関連する前記疾患または障害が、線維性障害である、請求項43に記載の方法。
- 異常なTGF−βシグナル伝達に関連する前記疾患または障害が、乳がん、脳がん、膵臓がん、前立腺がんまたは皮膚がんである、請求項43に記載の方法。
- 異常なTGF−βシグナル伝達に関連する前記疾患または障害が、眼疾患である、請求項43に記載の方法。
- 異常なTGF−βシグナル伝達に関連する前記疾患または障害が、結合組織の遺伝性障害である、請求項43に記載の方法。
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