JP2020205180A - 全固体電池用負極 - Google Patents

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Abstract

【課題】全固体電池の充放電サイクル後の内部抵抗の増加を抑制可能な全固体電池用負極を提供することを目的とする。【解決手段】本発明においては、負極活物質と、固体電解質と、を含む全固体電池用負極において、固体電解質は、繊維状固体電解質と、粒子状固体電解質とからなり、繊維状固体電解質の体積と粒子状固体電解質の体積の合計に占める繊維状固体電解質の体積の割合を0vol%より大きく、40vol%未満とすることにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、全固体電池用の負極に関する。
全固体電池は、通常、正極と、負極と、正極及び負極の間に形成された固体電解質層から構成される。特許文献1には、Si粒子である負極活物質と、Li2S−P2S5系の粒子状固体電解質と、カーボンナノチューブである導電材とを用いた全固体電池の負極が開示されている。
特許文献2には、チタン酸リチウムである負極活物質と、P2O5、Al2O3、Li2O、TiO2及びSiO2を含む繊維状固体電解質と、バインダとを用いた全固体電池の負極が開示されている。
特開2018−206537号公報 特開2009−187911号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成の場合、充放電に伴い、負極活物質が膨張収縮を繰り返すことで、全固体電池の負極内部に空隙が広がってしまう。これにより、負極活物質と固体電解質との接触性が低下、すなわち負極活物質と固体電解質との接触面積低減により、リチウムイオン伝導性が低下するため、充放電サイクル後の内部抵抗の増加が大きくなり、電池性能が低下する。また、特許文献2に開示の構成の場合、負極活物質と繊維状固体電解質との接触性が不十分なため、充放電サイクル後の内部抵抗の増加が大きくなり、電池性能が低下する。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、全固体電池の充放電サイクル後の内部抵抗の増加を抑制可能な全固体電池用負極を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、負極活物質と、固体電解質と、を含む全固体電池用負極であって、固体電解質は、繊維状固体電解質と、粒子状固体電解質とからなり、繊維状固体電解質の体積と粒子状固体電解質の体積の合計に占める繊維状固体電解質の体積の割合が0vol%より大きく、40vol%未満であることを特徴とする、全固体電池用負極を提供する。
本発明によれば、上記範囲の体積割合で含まれる繊維状固体電解質および粒子状固体電解質により、全固体電池の充放電時における負極活物質の膨張収縮を吸収可能な空隙を確保できる一方、負極活物質と固体電解質間の接触性も高めることができる。これによって、リチウムイオン伝導性を向上できるため、全固体電池の充放電サイクル後の内部抵抗の増加を抑制可能な全固体電池用負極を得ることができる。
本発明によれば、全固体電池の充放電サイクル後の内部抵抗の増加を抑制可能な全固体電池用負極を提供することができる。
本発明の1つの実施形態である全固体電池の断面図である。 実施例1−1〜1−6および比較例1の結果を示したグラフである。 実施例2−1〜2−4および1−1の結果を示したグラフである。 実施例3−1〜3−4および1−1の結果を示したグラフである。 実施例4−1〜4−4および1−1の結果を示したグラフである。
以下、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
[負極]
本発明の負極は、負極活物質と、繊維状固体電解質と、粒子状固体電解質と、を含み、繊維状固体電解質の体積と粒子状固体電解質の体積の合計に占める繊維状固体電解質の体積の割合が0vol%より大きく、40vol%未満である。任意成分として、導電材及びバインダ等が含まれていても良い。
負極活物質には、金属イオンを吸蔵放出可能な材料である、金属活物質、カーボン活物質、および酸化物活物質等を用いることができる。金属活物質としては、In、Al、Si、およびSnの金属単体、又は、これらを含有する合金等が挙げられる。カーボン活物質としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられる。酸化物活物質としては、Nb2O5、Li4Ti5O12、SiO等が挙げられる。負極活物質は、金属活物質であることが好ましく、中でもSi元素、Sn元素、Al元素、またはIn元素を含む金属活物質であることが好ましい。充放電サイクル時に、負極活物質の膨張収縮が繰り返される場合の体積膨張率が高いので、内部抵抗の増加の影響がより大きくなり、本発明の効果が顕著となるからである。また、金属活物質は上述した中でも、Si元素を含む活物質であることが好ましい。Si元素を含む金属活物質は、体積膨張率が極めて高い。例えば、Si単体を負極活物質として用いた場合、体積膨張率は、約4倍となる。よって、全固体電池への内部抵抗の増加の影響が特に大きくなる。
粒子状固体電解質は、アスペクト比(=平均繊維長÷平均繊維径)が2未満である、粒子状の固体電解質であれば特に限定されない。固体電解質としては、硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2S−P2S5 、Li2S−SiS2 、LiX−Li2S−SiS2 、LiX−Li2S−P2S5 、LiX−Li2O−Li2S−P2S5、LiX−Li2S−P2O5、LiX−Li3PO4−P2S5、及びLi3PS4等が挙げられる。なお、上記「Li2S−P2S5」の記載は、Li2SおよびP2S5を含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。また、上記LiXの「X」は、ハロゲン元素を示す。上記LiXを含む原料組成物中にLiXは1種又は2種以上含まれていてもよい。LiXが2種以上含まれる場合、2種以上の混合比率は特に限定されるものではない。硫化物系固体電解質における各元素のモル比は、原料における各元素の含有量を調製することにより制御できる。また、硫化物系固体電解質における各元素のモル比や組成は、例えば、ICP発光分析法で測定することができる。
酸化物系固体電解質としては、例えばLi6.25La3Zr2Al0.25O12 、Li3PO4 、及びLi3+xPO4−xNx(LiPON)等が挙げられる。
繊維状固体電解質は、アスペクト比が2以上である、繊維状の固体電解質であれば特に限定されない。固体電解質としては、上述した硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等が挙げられる。
繊維状固体電解質のアスペクト比は、3.4以上であってもよく、4.2以上であってもよい。
繊維状固体電解質の平均繊維長は、2μm以上であり、3.2μm以上であってもよく、4.5μm以上であってもよい。なお、平均繊維長は、繊維状固体電解質のSEM観察を行い、10本の繊維状固体電解質の繊維長の平均値として求めることができる。
繊維状固体電解質の製造方法としては、ロッド法、ポッド法、遠心法、吹き付け法、旋回ガスジェット法などの公知の方法を用いることができる。遠心法は回転するディスクあるいはスピナーの周辺の穴または突起から、遠心力によって融液を吹き出す製法である。吹き付け法はガラス原料を坩堝中で加熱熔融し、坩堝のノズルより流下するガラス融液に高圧窒素等の高圧気体を吹き付ける方法である。旋回ガスジェット法は、融液の円柱状流外周の接線方向にガスジェットを吹き付け、ガラス融液を高速で旋回させ、細い糸状物質とし、それを遠心力によって引き出す方法である。
また、繊維状固体電解質の体積と粒子状固体電解質の体積を合計した固体電解質の体積と、負極活物質の体積の合計における、固体電解質の体積割合は、19vol%以上であり、25vol%以上であってもよく、38vol%以上であってもよい。
[正極]
正極は、正極活物質と、固体電解質と、導電材と、を少なくとも含み、任意成分として、バインダ等がさらに含まれていても良い。
正極に使用される正極活物質には、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等を用いることができる。この正極活物質は、予めLiNbO3により被覆されていてもよい。正極活物質として、その他の公知材料を用いても良い。
正極に使用される固体電解質には、例えば、Li2S−LiBr−LiI−P2S5等の硫化物系固体電解質等が挙げられるが、その他の公知材料を用いても良い。
正極に使用される導電材には、例えば、炭素材料、金属粒子が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等の粒子状炭素材料、VGCF等の炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。金属粒子としては、Ni、Cu、Fe、SUS等が挙げられる。
正極に使用されるバインダには、例えばブタジエンゴム、水素化ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素化スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等のゴム系バインダ;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ポリヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等のフッ化物系バインダ;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどポリオレフィン系の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂;ポリアミド等のアミド系樹脂;ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートなどのメタクリル系樹脂;等が挙げられる。
[固体電解質層]
本実施形態における固体電解質層は、正極および負極の間に形成される層である。固体電解質層は、イオンの伝導を行うことができる層であれば、特に限定されるものではない。
固体電解質層に用いられる固体電解質は、上述した硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等が挙げられる。
[全固体電池]
図1に、本発明の1つの実施形態である全固体電池の断面図を示す。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1に示すように、全固体電池101は、負極2と、正極3と、負極2と正極3の間に配置される固体電解質層1を備える。固体電解質層1を介して、負極2と正極3との間にイオンが伝導する。
本発明の1つの実施形態である全固体電池101は、負極2に、繊維状固体電解質4と、粒子状固体電解質5と、負極活物質6と、を含み、繊維状固体電解質の体積と粒子状固体電解質の体積の合計に占める繊維状固体電解質の体積の割合は0vol%より大きく、40vol%未満である。
なお、全固体電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
全固体電池の製造方法は、本発明の負極を全固体電池に用いれば、特に限定されない。
例えば、負極、正極及び固体電解質層を、平板プレス、又はロールプレス等で加圧成形することで正極−固体電解質層−負極接合体を得た後に、正極−固体電解質層−負極接合体に対して、集電体を取り付けることで、全固体電池としてもよい。
その他の製造方法として、正極集電体の一面上に正極用スラリーを塗布・乾燥して得た正極と、負極集電体の一面上に負極用スラリーを塗布・乾燥して得た負極とを、正極集電体、正極、固体電解質層、負極、負極集電体の順となるように、固体電解質層を正極と負極の間に配置することで、全固体電池としてもよい。
次に、本発明に係る負極の製造方法、及び本発明に係る負極を全固体電池に適用した場合に、充放電サイクル後の内部抵抗の増加が抑制されていることを示す実験結果について説明する。
(実施例1−1)
<負極の製造>
[粒子状固体電解質の製造]
Li2S(日本化学工業社製)とP2S5(アルドリッチ社製)とを出発原料として、Li2S0.7656g、P2S51.2344g秤量し、メノウ乳鉢を用いて5分間混合して、原料組成物を得た。その後、該原料組成物に対し、ヘプタンを4g入れ、遊星型ボールミルを用いて、300rpmの回転数において40時間メカニカルミリングすることで、粒子状固体電解質(アスペクト比:1.5、粒子径:800nm)を得た。
[繊維状固体電解質の製造]
Li2S-P2S5系ガラスを原料として熔融用坩堝の中に入れ、加熱によりガラスを熔融状態とした。坩堝の先端部(熔融ガラス流出部)には、流出する熔融ガラスを繊維化するための旋回ガスジェットノズルを設け、該旋回ガスジェットノズルから、熔融ガラスを流下させながら高圧窒素を吹き付けることで、繊維状固体電解質(アスペクト比:5.6)を得た。
負極活物質としてSi8.0mgと、固体電解質、導電助剤としてVGCF(昭和電工社製)0.6mg、バインダ溶液(PVDFを75mol%含有するバインダの、5重量%酪酸ブチル溶液)150mg、を酪酸ブチル溶媒に溶かしてスラリーを調製した。なお、固体電解質は、繊維状固体電解質の体積と粒子状固体電解質の体積の合計に占める繊維状固体電解質の体積の割合が16vol%となるように調整した。具体的には、体積割合を材料の密度で割ることで、質量割合を求め、繊維状固体電解質と粒子状固体電解質とを各々秤量することで、体積割合を調整した。このスラリーを、負極集電体(Cu箔)上に、ベーカーアプリケータを用いて均一な厚みとなるように塗工した。その後、乾燥させて、負極を得た。
<正極の製造>
ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi3/5Co1/5Mn1/5O2)の表面をLiNbO3で表面処理して、正極活物質を準備した。この正極活物質23.5mgと、導電助剤としてVGCF(昭和電工社製)0.9mg、粒子状固体電解質0.91mg、バインダ溶液(PVDFを75mol%含有するバインダの、5重量%酪酸ブチル溶液)150mg、を酪酸ブチル溶媒に溶かしてスラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体(Al箔)上に、ベーカーアプリケータを用いて均一な厚みとなるように塗工した。その後、乾燥させて、正極を得た。
<全固体電池の製造>
セラミックス製の型(断面積1.0cm2)に粒子状固体電解質を11.5mg入れ、油圧プレスの目盛で1tonプレスした。その一方の面に、正極を入れ、油圧プレスの目盛で1tonプレスした。その他方の面に、負極を入れ、油圧プレスの目盛で3tonプレスし、1MPaで拘束することで全固体電池を作製した。
(比較例1、実施例1−2〜1−6)
繊維状固体電解質の体積及び粒子状固体電解質の体積の合計に占める繊維状固体電解質の体積の割合を0、2、10、23、30、38vol%とした以外は、実施例1−1と同様にして電池を得た。
(実施例2−1〜2−4)
繊維状固体電解質のアスペクト比を、3.4、4.2、6.8、7.2とした以外は、実施例1−1と同様にして電池を得た。繊維状固体電解質のアスペクト比は、旋回ガスジェットノズル径の大きさ(0.3mm〜9mm)を変えることで調整した。
(実施例3−1〜3−4)
繊維状固体電解質の平均繊維長を、2.3μm、3.2μm、5.8μm、6.2μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池を得た。繊維状固体電解質の平均繊維長は、ふるい分級(ふるいにかけて長い繊維長の固体電解質を選別する方法)又は、遊星型ボールミル(メカニカルミリング処理により、繊維を切断することで短い繊維長の固体電解質を選別する方法)を行うことで調整した。なお、平均繊維長は、繊維状固体電解質のSEM観察により、10本の繊維状固体電解質の繊維長の平均値とした。
(実施例4−1〜4−4)
繊維状固体電解質と19、25、38、65vol%とした以外は、実施例1−1と同様にして電池を得た。
<電池特性(抵抗増加率)の評価>
初期:0.21mAで4.35VまでCC/CV充電した後、0.50mAで3.0VまでCC/CV放電を行った。その後、以下のDC−IR測定を行い、初期の抵抗値を求めた。
DC−IR測定:電圧を3.7Vに調整した後、8mAの電流を5秒間流したときの電圧降下から抵抗値を求めた。
耐久後:60℃の恒温槽において、4.0mAの電流値を用い、3.3Vから4.1Vの範囲でCC充放電を行うのを1サイクルとして500サイクル繰り返した。その後、初期設定と同様にDC−IR測定を行い、耐久後の抵抗値を求めた。
初期の抵抗値を分母、耐久後の抵抗値を分子として抵抗増加率を求めた。比較例1に係る全固体電池の抵抗増加率を100としたときの相対値で各電池を評価した。結果を、表1〜4に示す。また、表1〜4において、変更したパラメータ値と相対抵抗増加率との関係を、各々図2〜5に示す。
Figure 2020205180
Figure 2020205180
Figure 2020205180
Figure 2020205180
表1〜4及び図2〜5に示したように、比較例1の抵抗増加率を100とした際、繊維状固体電解質を0vol%より大きく、40vol%未満の割合とした全ての実施例において、抵抗増加率が100より小さくなった。よって、上記範囲の体積割合で含まれる繊維状固体電解質および粒子状固体電解質により、全固体電池の充放電サイクル後の内部抵抗の増加を抑制できることが確認された。これは、全固体電池の充放電時における負極活物質の膨張収縮を吸収可能な空隙の確保できる一方、負極活物質と固体電解質間の接触性も高めることができ、リチウムイオン伝導性を向上できたためと考えられる。
表1および図2に示したように、維状固体電解質の体積と粒子状固体電解質の体積の合計に占める繊維状固体電解質の体積の割合が、23vol%以上30vol%以下の範囲内である場合において、内部抵抗の増加が最も抑制されていた。これは、上記範囲の体積比率で用いると、全固体電池の充放電時に、負極活物質の膨張収縮を吸収可能な空隙の確保しつつ、負極活物質と固体電解質間の接触性を高めることができる作用効果を最大限に発揮したためと推測される。
また、表2および図3に示したように、繊維状固体電解質が0vol%より大きく、40vol%未満の範囲内である場合において、繊維状固体電解質のアスペクト比が大きくなるにつれて、内部抵抗の増加抑制の効果が向上した。これは、負極活物質と固体電解質間の接触性を、さらに高めることができたためと推測される。
また、表3および図4に示したように、繊維状固体電解質が0vol%より大きく、40vol%未満の範囲内である場合において、繊維状固体電解質の平均繊維長が大きくなるにつれて、内部抵抗の増加抑制の効果が向上した。これは、繊維状固体電解質のアスペクト比を大きくした場合と同様の効果が得られたためと推測される。
さらに、表4および図5に示したように、固体電解質の体積割合が大きくなるにつれて、内部抵抗の増加抑制の効果も向上した。これは、活物質の体積割合が減少したことで、活物質の膨張収縮による負極内部の空隙生成が抑制され、固体電解質の体積割合が増加したことで、リチウムイオン伝導性が向上したためと推測される。
以上の結果から、本発明の全固体電池用負極は、全固体電池の充放電サイクル後の内部抵抗の増加を抑制可能であると考えられる。
1…固体電解質層
2…負極
3…正極
4…繊維状固体電解質
5…粒子状固体電解質
6…負極活物質
101…全固体電池

Claims (1)

  1. 負極活物質と、固体電解質と、を含む全固体電池用負極であって、
    前記固体電解質は、繊維状固体電解質と、粒子状固体電解質とからなり、
    前記繊維状固体電解質の体積と前記粒子状固体電解質の体積の合計に占める前記繊維状固体電解質の体積の割合が0vol%より大きく、40vol%未満であることを特徴とする、全固体電池用負極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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