JP2020205148A - 紙及び発光素子 - Google Patents

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利博 山瀬
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【課題】EL素子に用いるEL発光紙の発光特性を向上させる。【解決手段】発光素子100は、紙110と、紙110を挟む一対の電極120及び130と、を備え、紙110が、ナノ構造体と、エレクトロルミネッセンス発光材料と、を内部に含有する。ナノ構造体はナノセルロースであり、セルロースナノファイバーであること、エレクトロルミネッセンス発光材料が分散型無機エレクトロルミネッセンス材料であり、ポリ酸であることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、紙及び発光素子に関する。
従来より、高分子材料等のバインダー中に無機化合物蛍光体を分散させた層を絶縁膜を介して透明電極で挟むことで、無機化合物を用いた分散型エレクトロルミネッセンス(EL)素子が作製されてきた。EL素子はディスプレイや光源等の製造に利用され、今なお盛んに研究が行われている。
また、ポリ酸を用いたEL素子の基材として紙を用いることで、絶縁体を使用せずに分散型EL素子を作製することが可能である。例えば、特許文献1には、ガラス棒を用いて紙全面にポリ酸水溶液を塗布及び乾燥させることで得られたポリ酸担持発光紙を透明電極で直接挟むことにより作成されるEL素子が開示されている。また、特許文献2には、不溶化されたポリ酸を紙内部に担持しており向上した安定性を有するEL素子、及び発光材料として分散型無機蛍光体を紙内部に担持しているEL素子が開示されている。
特開2015−079630号公報 特開2016−132840号公報
EL発光紙の実用化のために、EL発光紙の発光特性をさらに向上させることが望まれる。
本発明は、EL発光紙の発光特性を向上させることを目的とする。
本発明の目的を達成するために、例えば、一実施形態に係る紙は以下の構成を備える。すなわち、ナノ構造体と、エレクトロルミネッセンス発光材料と、を内部に含有することを特徴とする。
EL発光紙の発光特性を向上させることができる。
実施例1で作製された発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例4−1で作成された発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例4−2で作成された発光素子の発光スペクトルを示す図。 一実施形態に係る発光素子の構成を示す模式図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
本発明の一実施形態に係る紙は、ナノ構造体と、エレクトロルミネッセンス発光材料と、を内部に含有する。
紙は、繊維を層状にしたものである。一実施形態において、紙は植物繊維を層状にしたもの、又は植物繊維を含む材料を層状にしたものである。別の実施形態において、紙は合成繊維によって構成され、又は合成繊維を含んでいてもよい。紙の寸法は特に限定されない。また、紙の厚さにも特に制限はなく、用途に応じて任意の厚さの紙を用いることができる。
紙の種類は特に限定されない。例えば、珪藻土を含む珪藻土紙を用いることもできる。このように、紙には繊維以外の添加物が含まれていてもよい。使用可能な紙の一例としては、三善製紙社製のディアライト紙、FLS用紙、耐水紙、サンシリカ紙、及び珪藻土紙等が挙げられる。
紙の厚さは特に限定されず、用途に応じて適宜調整できる。一実施形態において、紙の厚さは10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。一方で、紙の厚さは300μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
一実施形態において、本実施形態に係る紙は乾燥している。乾燥状態にある紙は、取り扱いが容易である。また、乾燥状態にある紙は、特殊な封止を行わなくても性質が変化しないことが期待される。紙が含有する水分は、12%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、8%以下であることがさらに好ましい。紙の水分は、JIS P 8127:2010に従って測定できる。
ナノ構造体とは極めて微細な構造を持つ物質である。ナノ構造体は、例えば、10−6m未満の長さ、幅、又は直径を有する物質である。ナノ構造体は、微細な構造を有するために、例えば植物パルプ内の間隙のような微小な空間内であっても侵入することができる。内部にナノ構造体が分散されナノコンポジット化した複合材料は、緻密化して界面が増大し、引張り強さ、弾性率、熱変形温度等の物性に変化が生じることが知られている。
一実施形態において、紙の内部にナノ構造体が担持される。例えば、紙を構成する繊維のマトリックス中にナノ構造体が担持されている。このような構成によれば、発光紙としての発光特性が向上することが、本発明者らにより発見された。また、一実施形態によれば、このような構成により印加電圧への耐圧性も向上する。これらの理由としては、ナノ構造体が紙繊維の隙間を充足して誘電率の小さい空気を繊維内から取り除き、紙内部の空隙率及び含有水(格子水)を減少させて緻密化することによって、ポリ酸の見かけの誘電率が増加することが考えられる。
発光効率を向上させる観点から、ナノ構造体はナノセルロースであってもよい。ナノセルロースとは、セルロースのナノ構造体である。ナノセルロースは、例えば、植物繊維の主成分となるセルロースを極めて細かく分解することにより作製することができる。ナノセルロースは、例えば、1μm未満の直径を有するセルロース繊維であってもよい。ナノセルロースとしては、例えば、セルロースナノファイバー(CNF)又はセルロースナノクリスタルを用いることができる。なお、ナノセルロースは、特定の官能基を有するように修飾されていてもよい(例えば、国際公開第2016/010016号)。
発光効率を向上させる観点から、ナノ構造体はCNFであってもよい。CNFは上記のようにナノセルロースの一形態であり、高強度、軽量、比表面積の大きさに由来する高吸着力、高硬度及び低熱膨張等様々な特性を持つバイオマス素材として広く注目を集めている。また、植物由来であることから環境負荷が小さく、持続的な資源であるとして今後の展開、活用が望まれている。CNFとしては、例えば、100nm未満の直径を有するものを用いてもよく、30nm未満の直径を有するものを用いてもよい。一方で、CNFとして、1nm以上の直径のものを用いてもよい。また、CNFとしては、長さ4μm以上のものを用いてもよく、又は100μm以下のものを用いてもよい。CNFの長さ及び幅の測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた形態観察によって行うことができる。
CNFの分散物は、高粘度であるが流動時には極端に粘度が低下するチキソトロピーを示し、保水性、増粘性、粒子分散安定性に優れたゲル特性を有することが知られている。この特性からCNFは増粘剤、分散剤として用いられてもよく、例えば一実施形態において用いられるCNFゲル(第一工業製薬社製,レオクリスタ CNF−3)の有機溶剤分散物は、セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及び多糖類であるキサンタンガムと比較しても高い粘度を示す。溶液の粘度は、JIS K 6503:2001に準拠して測定できる。
紙に含有されるナノ構造体の量は特に限定されるわけではないが、紙1cmあたり0.001mg以上であることが好ましく、0.005mg以上であることがより好ましく、0.01mg以上であることがさらに好ましく、0.02mg以上であることが特に好ましい。また、紙1cmあたり2mg以下であってもよく、0.6mg以下であってもよく、0.25mg以下であってもよい。ナノ構造体の量は、紙の厚さなどに合わせて適宜調整できる。
エレクトロルミネッセンス(EL)発光材料とは、外部から紫外線やX線照射、外部からの電圧の印加等により発光を示す蛍光体粒子である。EL材料は特に限定されず、従来知られているものを使用することができる。本実施形態においては、紙の内部に発光材料が担持される。例えば、紙を構成する繊維のマトリックス中に発光材料が担持されている。このため、一実施形態においては分散された状態でも発光を示すことが知られている無機分散型蛍光体がEL発光材料として用いられる。すなわち、EL材料としては、分散型無機エレクトロルミネッセンス材料を用いることができる。無機分散型蛍光体としては、例えばZnS、CdSe、CdTe、ZnSe等を母体としてこれにセリウム、ユウロピウムなどの希土類や銅、マンガン、金、銀イオン等の遷移金属をドープした蛍光体が知られている。
EL発光材料はポリ酸であってもよい。ポリ酸は、金属原子にいくつか(通常は4個又は6個)の酸素原子が結合したモノオキソ酸イオンが数多く集まって脱水縮合してできた金属酸化物のポリオキソ酸イオンで通常は陰イオンである。ポリ酸は、単一種の金属のオキソ酸が縮合した多核構造のイソポリ酸と、2種以上の金属のオキソ酸が縮合した多核構造のヘテロポリ酸との双方を含む。ポリ酸は水和物等の溶媒和物であってもよい。ポリオキソ酸を構成する金属原子は、特に限定されないが、モリブデン、ユウロピウム、タングステン、アンチモン、バナジウム又はチタン等が挙げられる。
ポリ酸については、例えば日本化学会編,ポリ酸の化学,季刊化学総説,学会出版センター,20号,1993年、及び山瀬利博著,Handbook on the Physics and Chemistry of Rare Earths, ed. Karl Gschneidner Jr., Jean-Claude Buenzli, and Vitalij Pecharsky, Elsevier B. V., vol. 39, pp. 297-356, 2009.等に記載されている。
例えば、発光性のポリ酸としては、発光性を有するポリ酸母体を有するポリ酸、又は発光センターとして働くEu3+若しくはTb3+等の希土類イオン又はCr3+若しくはMn4+等の遷移金属イオンを含むポリ酸が挙げられる。発光性のポリ酸については、山瀬利博著、Chemical Reviews 98, 307, 1998、及び山瀬利博著, Handbook on the Physics and Chemistry of Rare Earths, ed. Karl Gschneidner Jr., Jean-Claude Buenzli, and Vitalij Pecharsky, Elsevier B. V., vol. 39, pp. 297-356, 2009.等に詳しく記載されている。
発光性とは、エネルギーを与えた際に発光する性質のことを指す。例えば、発光性を示すポリ酸は、エックス線、紫外線、電子線又はベータ線を与えた際に発光しうる。また、発光性を示すポリ酸は、電磁波、光、電子の照射以外に電圧を印加した場合にも発光しうる。
強い発光性を有するポリ酸母体としては、例えばCs[W1032]・20HO、K5.51.5[SbW24]・6HO、K[Mo24]・4HO等が挙げられる。
また、発光センターを含むポリ酸としては、陰イオンとして[EuW10369−、[DyW10369−、[TbW10369−、[CrMo249−、[MnW248−又は[Mn(Nb1912−等を含むポリ酸が挙げられる。このようなポリ酸を担持する紙は、発光紙として、より具体的にはEL発光素子の発光層として用いることができる。このような発光紙は、折り曲げることが容易であり、デバイスに取り付けることも容易であることから、様々な用途に用いることができる。
また、抗ウイルス作用を有するポリ酸としては、K11H[(VO)(SbW33]・27HOやK[PTi1040]・6HO等が挙げられる。さらに、抗バクテリア作用を有するポリ酸としては、K[P1862]・14HO、K[SiMo1240]・3HO又はK[PTi1040]・6HO等が挙げられる。このようなポリ酸を担持する紙は、衛生用品に用いることができる。このような生物活性を示すポリ酸については、山瀬利博著、Biomedical Inorganic Polymers, Bioactivity and Applications of Natural and Synthetic Polymeric Inorganic Molecules, eds. Werner E.G. Mueller, Xiaohong Wang, Heinz C. Schroeder, Springer-Verlag Berlin Heidelberg, pp.65-116, 2013.に詳しく記載されている。
EL発光材料として、2種類以上の発光材料の組み合わせが用いられてもよい。例えば、2種類以上のポリ酸を組み合わせて用いることにより、組み合わせられた色の発光を示す発光紙を作製することもできる。
紙に担持されるEL発光材料の量は特に限定されるわけではないが、紙1cmあたり0.01mg以上であることが好ましく、0.1mg以上であることがさらに好ましく、0.2mg以上であることがより好ましい。一方で、紙1cmあたり10mg以下であってもよく、2mg以下であってもよい。EL発光材料の量は、紙の厚さ及び用途に合わせて適宜調整できる。
紙は、ポリエーテル化合物を内部にさらに含有していてもよい。ポリエーテル化合物とは、エーテル結合(−C−O−C−)を主鎖にもつ高分子化合物である。ポリエーテル化合物の分子量は特に限定されず、例えば10000以上であってもよく、100000以上であってもよく、又は300000以上であってもよい。また、ポリエーテル化合物の分子量は、例えば2000000以下であってもよく、1000000以下であってもよく、500000以下であってもよい。ポリエーテル化合物としては、例えばポリエチレングリコール(PEO)又はポリプロピレングリコールを用いることができる。一実施形態において、紙に含有されるポリエーテル化合物の量は特に限定されるわけではないが、紙1cmあたり0.002mg以上であることが好ましく、0.01mg以上であることが好ましく、0.02mg以上であることがさらに好ましい。また、紙1cmあたり10mg以下であることが好ましく、2mg以下であることがより好ましく、0.6mg以下であることがさらに好ましい。
PEOはエチレングリコールが重合した高分子化合物であり、粘度平均分子量に応じて物理的形態が透明溶液、ゲル状の液体、ゴム状の弾性体等様々な状態に変化する。このため、使用用途に応じて粘度平均分子量を選択することで、所望の効果を得ることができる。また粉末状の固体PEOは任意の割合で水溶媒に溶解し、また多くの有機溶媒にも溶解することができる。粉末状の固体PEOの溶媒としては、例えば、水、アルコール類、アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエン、THF又は酢酸エチル等が用いられてもよい。
ポリエーテル化合物を紙に含有させることにより、発光紙の発光効率を向上させることができる。その理由としては、ポリエーテル化合物が、ナノ構造体と同様に紙繊維の隙間を充足することが考えられる。また、ポリエーテル化合物を用いることにより、分散液における粒子の分散性を向上させることができるため、EL材料を紙内部に均一に保持させることが容易になる。このように、ポリエーテル化合物を用いることは、分散型無機EL材料を含有する発光紙において特に有効である。この観点から、ポリエーテル化合物には十分な粘度を有する化合物を用いることができる。
一実施形態において内部に含有するとは、ナノ構造体又はポリエーテル化合物等を紙の繊維層内に浸透させた形で保持することである。
分散型無機EL材料を含有する発光紙を作製する場合においては、特許文献2で開示されているように、BaTiOのような誘電体が用いられていた。この場合、発光紙での粒子の分散性が必ずしも十分ではなく、一方で、本実施形態によれば、例えば、繊維内部に含有されたナノ構造体(及び必要に応じてポリエーテル化合物)による発光特性の改善により、誘電体を含まずとも良好な発光性能を得ることができる。
また、特許文献2では誘電体を分散させるために比較的高沸点かつ人体に影響を及ぼしうる有機溶媒が用いられ、分散液塗布後に高沸点有機溶媒除去のために加熱処理が行われていた。一方で、本実施形態では、BaTiOのような誘電体の代わりに、ナノ構造体(及び必要に応じてポリエーテル化合物)を用いることができる。このため、分散型EL素子の作製時に上記のような溶媒の使用及び加熱処理を省略できるという、化学環境的な利点を得ることができる。特にCNF及びPEOを含む分散液を作製するためには低沸点アルコールを溶媒として利用できるため、よりEL素子の作製が容易になる。
本発明の一実施形態に係る発光素子は、上記の紙と、紙を挟む一対の電極と、を備える。以下では、図1を参照しながら、本実施形態に係る発光素子が説明される。本実施形態に係る発光素子100は、紙110と、紙110を挟む一対の電極120及び130と、を備える。
紙110は、上述の発光紙であり、ナノ構造体と、エレクトロルミネッセンス発光材料と、を内部に含有している。紙110は、上述のように、さらにポリエーテル化合物などを含有していてもよい。
一対の電極120及び130は、発光素子100の電極であり、紙110に電圧を印加するために用いられる。
電極120は導電性材料で構成され、種類は特に限定されない。光を取り出すために、電極120又は130のどちらか片方が、又は両方が透明電極であってもよい。また、発光紙を湾曲させることを容易とするために、電極120及び130はフィルム電極、特に透明フィルム電極であってもよい。透明フィルム電極としては、例えばITO−PETフィルム電極又はST−PETフィルム電極を用いることができる。
電極130は電極120と同様のものを用いてもよいが、電極120と異なるものを用いてもよい。例えば、電極120にITO−PETフィルム電極、電極130にホットメルトアルミニウムシート電極を使用することで発光素子100を作製することができる。
図1に示されるように、紙110と、紙を挟む一対の電極120,130とは、接着剤140,150を用いて接着されていてもよい。発光素子の発光部として紙を用いる場合、接着剤を用いて電極を紙に接着することにより、紙と電極との接触が良好となり、良好な発光性能を得ることができる。
接着剤120及び130の種類は特に限定されず、適宜選択することができる。接着剤120及び130としては、例えばCNF、アクリル樹脂、又は別の合成樹脂等を含有している接着剤を用いることができる。発光効率がより向上する点で、接着剤120及び130として、CNF又は水性アクリル樹脂を用いることができる。
電極120と130はそれぞれ異なる接着剤により紙110と接着されてもよい。例えば、接着剤140としてはCNFを含有する接着剤を、接着剤150としてはアクリル樹脂を含有する接着剤を使用することで発光素子100を作製することができる。
このように、接着剤を用いて電極を紙に接着することにより、接着剤の乾燥後にも、紙と電極との密着を維持することができる。このため、発光紙の性能を長期に渡って維持することが容易になる。また、接着剤の層を薄く保つことにより、接着層での電圧損失を最小限に抑え、発光性能をより向上させることができる。さらには、接着剤を用いて電極を紙に接着することにより、紙の湾曲性を活かし、自在に折り曲げることが可能な、優れた発光素子を得ることができる。このような発光素子は、デバイスへの取り付けが容易であることから様々な用途に使用することができる。また、紙とフィルム電極によって構成される発光素子は、大面積化することが容易である。接着剤を用いて電極を紙に接着することは、このような大面積の発光素子を作製するためにも有利である。
なお、発光素子の発光部として紙を用いる場合に、接着剤を用いて電極を紙に接着することにより、良好な発光性能を得るなどの上述の効果を得るためには、紙がナノ構造体を含むことは必須ではない。例えば、一実施形態に係る発光素子は、エレクトロルミネッセンス発光材料を内部に備える紙と、紙を挟む一対の電極とが、接着剤を用いて接着されている。この紙は、上述のようにナノ構造体を含む発光紙であってもよいし、例えば特許文献1又は2で開示されている発光紙であってもよい。
[実施例1]
[実施例1−1]
5cm×10cmの大きさに裁断された紙(三善製紙社製,ディアライト25,パルプ質量25g/m、厚さ40〜50μmを用意した。また、バインダーとしてのゼラチン(コニカ社製,製品名TS−361 PC,14mg)と、発光材料としてのNa[EuW1036]・32HO(MOデバイス社製,2g)とを、超音波攪拌によって水(100mL)に溶解させることにより塗布液を作製した。Na[EuW1036]・32HOは室温環境下において紫外線照射により赤色に発光する性質を有する水溶性のポリ酸である。なお、Na[EuW1036]・32HOは白色の固体であり、室温下での水への溶解度は約5g/100mLである。得られた塗布液(1mL)を紙の全面に塗布し、室温下で風乾させることにより、サンプルAを作製した。塗布液の塗布は山瀬利博、灰田光男、特許第5666674、6038966号記載の方法に従って行った。すなわち、ビーカー中のポリ酸水溶液をピペットで発光紙に滴下し、ガラス棒で紙全面に塗布した。こうして得られたポリ酸水溶液が塗布された紙を、室温で空気中に2日間置くことにより十分に乾燥させた。
[実施例1−2]
BaCl・2HO(関東化学社製,0.3mg)を水(10mL)に溶解させることにより、塗布液を作製した。実施例1−1に従って得られたサンプルAの全面にこの塗布液(1mL)を塗布し、室温下で乾燥させることにより、サンプルBを作製した。塗布液の塗布は山瀬利博、灰田光男、特許第5666674、6038966号記載の方法に従って行った。
[実施例1−3]
0.965%の複数の植物由来からなるセルロースナノファイバー水溶液(中越パルプ社製,NB−A)を蒸留水で約4倍に希釈することにより、0.25%NB−A水溶液を作製した。実施例1−2に従って得られたサンプルBの全面にこの0.25%NB−A水溶液(0.5mL)を塗布し、室温下で風乾させることにより、サンプルCを作製した。塗布液の塗布は山瀬利博、灰田光男、特許第5666674、6038966号記載の方法に従って行った。
[実施例1−4]
セルロースナノファイバー(CNF)を5%含むCNFゲル(第一工業製薬社製,レオクリスタ CNF−3)をメタノールで50倍に希釈することにより、0.1%CNFメタノール分散液を作製した。実験例1−2に従って得られたサンプルBの全面にこの0.1%CNFメタノール水溶液(1mL)を塗布し、室温下で風乾させることにより、サンプルDを作製した。塗布液の塗布は山瀬利博、灰田光男、特許第5666674、6038966号記載の方法に従って行った。
[実施例1−1〜実施例1−4で作製した発光紙を用いた発光素子の作製]
発光紙であるサンプルA〜Dのそれぞれを裁断したもの(5cm×2.5cm)を、接着剤(0.25%NB−A水溶液,表裏両面にそれぞれ2滴)の滴下後直ちにフィルム電極2枚で挟み、室温下で風乾させることにより測定用の発光素子(ELセル−I)を作製した。電極には、ポリエステル(PET)フィルムにインジウム錫酸化物(ITO)をコートしたフィルム電極(尾池工業株式会社製,KG150NMH3−50−U8,フィルム厚は50μm)である、ITO−PETフィルム電極(4cm×3cm)を使用した。また、サンプル紙の厚みは、長方形の各サンプル紙の15〜20箇所で測定し平均値を求めた。
[EL測定]
EL測定は山瀬利博、灰田光男、特許第5666674、6038966号記載の方法と同様に行った。すなわち、パルス電圧電源を用いて電圧を電極間に印加した際に発光紙から放出されるEL発光を観測した。ELセルからのEL発光は、分光器(ニコン社製)―ホトマル(浜松ホトニクス社製)―ボックスカー積分器(NF回路設計ブロック社製)―記録計により測定され、オシロスコープ(Iwatsu−LcRoy9361 300 MHz)によりモニターされた。
2枚のITO−PETフィルム電極間にパルス電圧を印加することにより、Na[EuW1036]・32HOに由来する赤色発光が観測された。いずれのサンプルも閾値となる−0.3kV付近からEL発光を示し、以後印加電圧の増加に応じて指数関数的に発光強度が増加したが、それぞれ一定の電圧でマイクロプラズマの発生を伴うブレークダウンが生じた。サンプルA〜Cにおけるこのブレークダウン電圧は、それぞれ−0.4kV、−0.5kV、−0.7kVであり、各サンプル調製法に応じた耐圧性の増加が確認された。閾値電圧及びブレークダウン電圧値の測定は、観測されるEL発光強度及び印加電圧を順次増加又は減少させ、EL発光強度と印加電圧をプロットさせることで行った。
サンプルA及びBを用いてEL発光を観測するためには、低電位(−0.1kV〜−0.2kV)の印加によるエージング工程、すなわち高電圧によりEL発光を行わせる前に一定時間低電圧を印加しておくこと、が必要であった。これは、エージング工程を通じ、ポリ酸に含まれている結晶水がその大きな比誘電率(およそ80)ゆえにポリ酸結晶内で分極により配向変化するためであると考えられた。[EuW10369−のアルカリ土類金属塩の結晶構造として、34個の結晶水を持つNaSr[EuW1036]・34HOが知られている(山瀬利博、尾関智二、上田恭太著、国際結晶学会誌、C49巻 1572−1574ページ、1993年)。このことから、ストロンチウムに比べイオン半径が大きいバリウムを有するポリ酸バリウム塩は、34個以上の結晶水を含むことが予想される。バリウム塩の形成により、ポリ酸の分子径及びポリ酸結晶の粒子径はともに増加する。このためポリ酸の結晶内の結晶場によって配向していた小さい分子径の水分子はその電気双極子ゆえに電圧印加によって分極される。従って、分子径、粒子径ともに大きなポリ酸バリウム塩の結晶水が再配向をして分極するには所定の緩和時間が必要とされるものと推定された。このようにエージング工程を通じてポリ酸バリウム塩の結晶水の一部又はすべてが再配向し、ポリ酸塩の誘電率が増加した結果、耐圧性が向上したものと考えられる。
サンプルに対してパルス電圧を印加した際に得られたEL発光スペクトルを図1に示す。スペクトルはEu3+固有の発光を示し、具体的には592、618、650、695nm付近の発光ピークが、それぞれ遷移に帰属される。
発光スペクトルで最も強い発光ピークである618nm付近の遷移の発光強度を比較することで、サンプルA〜Dについての発光の相対強度を計算した。現段階で得られたEL特性の比較を表1に示す。
Figure 2020205148
表1に示されるように、不溶性のポリ酸アルカリ土類金属塩を担持しているサンプルBにおいては、サンプルAよりもEL発光強度が増加した。これは、ポリ酸のナトリウム陽イオンとアルカリ土類陽イオンとの交換反応が紙パルプ内で進行し、ポリ酸の誘電率が向上したことによるものと推定される。
また、CNFの水溶液又はメタノール溶液を塗布したサンプルC及びDでは、耐圧性が向上し、及びサンプルBよりもさらに増加したEL発光強度が観測された。さらに、EL測定を行うにあたり、サンプルA及びBにおいてはエージング工程が必要であったが、一方でCNF含有のサンプルC及びDにおいてはエージング工程が不要となっていた。これは、極微小な構造体であるCNFがサンプルに浸透することによって、パルプ層内に多量に含まれる誘電率の小さな空気が除かれ、紙内部の空隙率及び含水率(格子水)が減少し紙内部が緻密、高密度化して見かけのポリ酸の誘電率が増加することにより、耐圧性、発光特性がともに向上したためであると推定される。
[実施例2]
実施例1−2又は1−3と同様に作製したサンプルB又はサンプルCと、実施例1で発光素子を作製する際に用いたフィルム電極と、様々な接着剤とを用いて、発光素子を作製した。
[実施例2−1]
サンプルBとフィルム電極とを、実施例1と同様に接着剤(0.25%NB−A水溶液)を用いて接着することにより、ELセル−Iを作製した。
[実施例2−2]
NB−AナノファイバーではないCNF水溶液としての1.34%竹ナノファイバー(NB−B)水溶液(中越パルプ株式会社製 nanoforest−S−1BBC)を蒸留水で約5倍に希釈することで、0.27%NB−B水溶液を作製した。サンプルB(5cm×2.5cm)にこの水溶液(表裏両面にそれぞれ2滴)を滴下した後、直ちにフィルム電極(4cm×3cm)で挟み室温下で風乾させることによりELセル−IIを作製した。
[実施例2−3]
水性アクリル樹脂系接着剤としてのジョイントコークA接着剤(ヤヨイ化学工業株式会社製)を蒸留水で20倍に希釈することで、5%分散水溶液を作製した。サンプルB(5cm×2.5cm)にこの水溶液(表裏両面にそれぞれ2〜3滴)を滴下した後、直ちにフィルム電極(4cm×3cm)で挟み室温下で風乾させることによりELセル−IIIを作製した。
[実施例2−4]
水性アクリル樹脂系接着剤としての60%アクリル樹脂を含む多目的シール接着剤(コニシ株式会社製,#04786)を蒸留水で20倍に希釈することで、5%分散水溶液を作製した。サンプルB(5cm×2.5cm)にこの水溶液(表裏両面にそれぞれ2〜3滴)を滴下した後、直ちにフィルム電極(4cm×3cm)で挟み室温下で風乾させることによりELセル−IVを作製した。
[実施例2−5]
白色ネイルエナメル(ちふれ社製)を同社製の希釈液で2倍に希釈することで、50%ネイルエナメル溶液を作製した。ITOフィルム電極面(4cm×3cm)にこのネイルエナメル溶液(2〜3滴)を滴下した後、直ちにサンプルB(5cm×2.5cm)を介して挟み室温下で風乾させることによりELセル−Vを作製した。
[EL測定]
実施例1と同様に、ELセル−II、III、IV及びVへのパルス電圧の印加によってそれぞれのEL発光特性を評価した。電圧を印加すると、いずれのサンプルでもELセル−Iと同様の赤色発光が確認された。得られた結果を、ELセル−Iについての結果とともに表2に示す。
Figure 2020205148
アクリル樹脂、又はネイルエナメルを接着剤として使用したELセルIII、IV及びVにおいて、CNFを使用したELセルI及びIIと比較した際に閾値電圧並びにブレークダウン電圧の上昇傾向が確認された。これはアクリル樹脂及びネイルエナメルの電気抵抗値がCNFと比較して高いことによるものと推定されたが、いずれもEL発光素子に用いる接着剤として有効であることが示された。
また、各セルのEL相対強度を比較すると、ELセル−I、II、III、及びIVにおいて、ELセル−Vより高い値が測定された。これは、CNF及びアクリル樹脂が、発光紙と電極を良好に接触、固定しELセルの発光特性を向上させうる優れた接着剤であることを示している。
また、表2はサンプルBについての測定結果を示すが、サンプルBの代わりにサンプルCを用いて同様にELセルを作製して発光特性を評価した場合、エージングはいずれも不要となり表2の結果に類似した発光特性が得られた。
また、ELセルの構築の際、接着剤として片面にNB−A水溶液、もう片面に水性アクリル樹脂を用いた場合にも、同様に優れたEL特性を示すELセルを作製することができた。さらに、2枚のITO−PETフィルム電極の1枚をホットメルトアルミニウムシート電極で置換した場合にも、同様の結果が得られた。
さらに、Na[EuW1036]・32HOの代わりにポリ酸としてNa[TbW1036]・20HOを用いることにより、同様の実験でTb3+に由来する緑色発光を示すELセルを作製することができた。
[実施例3]
ディアライト25紙(5cm×2.5cm)、並びに実施例1−1及び1−2と同様に作製したサンプルA及びサンプルBを用意し、実施例1と同様に、それぞれを用いて測定用の発光素子(ELセル−I)を作製した。
[静電容量測定]
作製したELセルそれぞれについて静電容量を評価した。具体的には、LCRメーター(日置電機株式会社製,3532−80,ケミカルインピーダンスメータ)を用い、100Hzおよび50Hz、1Vの条件で測定した。なお、フィルム電極のELセルからの剥離を防ぐため、顕微鏡スライドガラス(2枚)でELセルを挟み、粘着テープで固定した状態で行った。得られた結果をサンプル紙の平均厚みと合わせて表3に示す。
Figure 2020205148
表3の結果から明らかなように、Na[EuW1036]・32HO処理を行ったA紙およびB紙において、サンプル紙の厚みの増加が確認された。これは[EuW10369−/Ba2+がディアライト紙の表面にも一部存在している可能性を示唆している。
また、Na[EuW1036]・32HO処理を行ったA紙およびB紙において、セル全体の静電容量はディアライト紙と比較して減少した。この実験結果は、各サンプルの紙厚にそれほどの差がないことから、サンプルBの全体の静電容量が、基材である紙の静電容量と、[EuW10369−の静電容量と、Ba2+の静電容量と、が直列に接続された回路の合計静電容量で表されることを支持しており、[EuW10369−/Ba2+系のEL発光は[EuW10369=発光層が高誘電率のBa2+層によってサンドイッチされたミクロな積層タイプEL素子が紙内部に分散された状態と見做された。
[実施例4]
[実施例4−1]
5cm×10cmの大きさに裁断された紙(三善製紙社製,ディアライト25,パルプ質量25g/m,厚さ40〜50μm)を用意した。また、親油性処理されたセルロースナノファイバーを5%含むCNFゲル(第一工業製薬社製,レオクリスタ CNF−3)をメタノールで20倍に希釈した0.25%CNFメタノール分散液(10mL)を作製した。この分散液に、増粘剤としてのポリエチレングリコール(PEO)(分子量300000〜500000,0.05g)と、発光材料としてのZnS:Cu(大日本塗料株式会社製,0.25g)と、BaTiO(日本純正化学株式会社製,0.25g)とを、超音波攪拌によって分散させることで、塗布液である白色乳化分散液を作製した。得られた塗布液(1mL)を紙の全面に塗布し、室温下で風乾させることによりサンプルEを作製した。塗布液の塗布は山瀬利博、灰田光男、特許第5666674、6038966号記載の方法に従って行った。
また、上記CNFメタノール分散液(10mL)に、増粘剤としてのポリエチレングリコール(分子量300000〜500000,0.05g)と、発光材料としてのZnS:Cu(大日本塗料株式会社製,0.25g)とを、超音波攪拌によって分散させることで、BaTiOを含まない塗布液を作製した。得られた塗布液(1mL)をディアライト紙(5cm×10cm)の全面に塗布することによりサンプルFを作製した。塗布液の塗布は山瀬利博、灰田光男、特許第5666674、6038966号記載の方法に従って行った。
[EL測定]
発光紙であるサンプルEおよびFを用いてELセルを作製し、それぞれについてEL発光特性および静電容量を測定した。ELセルの作製は実施例2−5に従う方法で行い、すなわち、各サンプル紙(5cm×2.5cm)とITO−PETフィルム電極(4cm×3cm)とを50%ネイルエナメル溶液を用いて接着することによりELセル−Vを作製した。
ELセルへのパルス電圧(−0.2kV〜−0.8kV)の印加により得られた結果を図2に示す。およそ477nmと500nmに二つの発光ピークを示す青色のELスペクトルが観測され、発光強度は電圧の増加と共に増加した。
490nm付近のEL発光の相対強度を比較し、ELセル全体の静電容量の測定結果(F)およびサンプル紙の平均厚み(μm)と共に表4に示す。
Figure 2020205148
サンプルEおよびFの紙厚がサンプルA〜Dと比較して増加していることが確認された。これは、塗布時においてZnS蛍光体粒子の紙内部への浸透量が少なく、紙表面に大部分が残存していることを示している。
表4から明らかなように、サンプルEおよびFの間で発光特性に明確な差異は確認できなかった。一方で静電容量はBaTiOを除いたサンプルFで増加することから、PEOとCNFの紙内部への浸透によってZnS間及び紙内部の空隙の減少に伴って生じた発光紙全体の緻密化がサンプルEに比べて大きいため、高誘電体としてのBaTiO粒子の添加が必須ではなくなったことが推定された。また、−0.2kV〜−0.7kVの範囲の印加電圧下で安定したEL発光が認められたことにより、PEO/CNF系ではZnS粒子が分散安定化されていることが支持された。
従来のZnS蛍光体ベースのEL発光紙は、特許第6038966号に記載されたように、誘電体としてのBaTiO粒子、バインダーとしてのエチルセルロースECビヒクル(日清化成社製,EC−300FTP)を加えた塗布用分散液を用いる工程で作成されており、エチルセルロースECビヒクルに含有される高沸点有機溶媒を取り除くための加熱処理が必須となっていた。今回PEO/CNF系によってZnS蛍光体粒子の分散性、結着性や紙内部の緻密性、高密度性が増加したことは上述した通りであり、その結果として製造プロセスの簡易化及びメタノール溶媒の使用が可能となったことによる経済的優位性の発生及び化学環境的な負荷の低減が可能となったことが示されている。
[実施例4−2]
図3には、硫化亜鉛蛍光体としてZnS:CuではなくZnS:Cu、Al(大日本塗料株式会社製)を用いたことを除き、実施例4−1のサンプルFと同様に作製した発光紙を用いて、実施例4−1と同様に作製したELセルへのパルス電圧の印加によって得られたELスペクトルを示す。図3に示すように、およそ526nmに発光ピークを示す緑色発光が観察され、さらに−0.2kV〜−0.7kV範囲の印加電圧下で安定したEL発光が認められた。このように、CNFメタノール分散液にPEOと硫化亜鉛蛍光体を分散させることにより、安定した発光を持ち化学環境学的に優しい簡便なプロセスで製造できる発光紙が得られることが確認された。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
110 紙、120 電極、130 電極、140 接着剤、150 接着剤

Claims (10)

  1. ナノ構造体と、エレクトロルミネッセンス発光材料と、を内部に含有することを特徴とする紙。
  2. 前記ナノ構造体はナノセルロースであることを特徴とする、請求項1に記載の紙。
  3. 前記ナノ構造体はセルロースナノファイバーであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の紙。
  4. 前記エレクトロルミネッセンス発光材料が分散型無機エレクトロルミネッセンス材料であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙。
  5. 前記エレクトロルミネッセンス発光材料がポリ酸であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の紙。
  6. ポリエーテル化合物を内部にさらに含有することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の紙。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の紙と、前記紙を挟む一対の電極と、を備えることとを特徴とする発光素子。
  8. エレクトロルミネッセンス発光材料を内部に備える紙と、前記紙を挟む一対の電極とが、接着剤を用いて接着されていることを特徴とする発光素子。
  9. 前記接着剤がセルロースナノファイバー又はアクリル樹脂を含有することを特徴とする、請求項8に記載の発光素子。
  10. 前記電極が透明フィルム電極であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の発光素子。
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