JP2020204566A - 光学測定装置および光学測定方法 - Google Patents

光学測定装置および光学測定方法 Download PDF

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金市 森田
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Abstract

【課題】携帯可能な程度に小型で、固相抽出された試料について簡便にオンサイトでの分析が可能な光学測定装置および光学測定方法を提供する。【解決手段】光学測定装置100は、注液口201と廃液口202とを有し、注液口と廃液口との間に固相抽出材料が配置された筒状の液体試料容器を収容可能な試料容器収容部を有する試料容器保持部110と、試料容器収容部に収容された液体試料容器の内部に送気を行うことで、液体試料容器に注液された液体試料300を固相抽出材料に対して通液させる送気部と、試料容器収容部に収容された液体試料容器の内部に挿入可能なセンサ部131を有する測定部130と、を備える。センサ部は、光照射部と、光照射部から放出される照射光が照射され固相抽出材料の表面により反射された反射光を受光する受光部と、を有する。送気部と測定部とは、試料容器保持部における液体試料容器の注液口側に、交換可能に連結される。【選択図】図1

Description

本発明は、固相抽出された試料に対して光測定を行う光学測定装置および光学測定方法に関し、特に、測定の対象となる試料が得られた地で、その場測定が可能なオンサイト分析に特化した携帯型の光学測定装置および光学測定方法に関する。
従来、液体試料に含まれる環境汚染物質となる金属等を定量する装置として、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)などが知られている。しかしながら、このような装置は高額であり、また、大型であるので、研究室や分析センターといった分析拠点に置かれ、測定対象試料を採取する現場(オンサイト)で活用できるものではない。
液体試料に含まれる金属を定量する方法としては、ランベルト・ベールの法則により吸光度を測定する吸光度分析法が知られている。ランベルト・ベールの法則により吸光度を算出するパラメータとして、モル吸光係数があるが、この数値は現実に入手可能な試薬によって制限され、サンプルを測定レンジに調整するためには濃度を高める必要がある。
特に、河川などに含まれる、例えば重金属の濃度というのはppbオーダーであり、採取した水等を試薬で前処理して着色してそのまま測定しても、濃度が低すぎて吸光度を算出することはできない。
そこで、例えば特許文献1には、固相抽出フィルタを用いて液体サンプル中に含まれる金属を濃縮抽出し、比色定量する方法が開示されている。
特開2017−106843号公報
しかしながら、サンプルを採取する場所は基本的に自然環境であり、ICP−AESのような分析装置が置かれた場所から遠隔にある。そのため、測定対象試料の分析には、現場でのサンプルの採取、分析拠点へのサンプルの運搬、分析拠点での分析、結果の報告といった手順が踏まれ、分析結果が得られるまでに要する時間は遠大である。また、サンプルが採取した瞬間から何らかの変化が起こるという可能性がある場合、その場観察(現場定量)は重要である。
その場観察をするには、携帯型の測定装置が必要である。ここでいう携帯というのは、可搬さえできればどれだけ大きくてもよいというのではなく、せいぜいパームトップのレベルで小型であるということを意味する。
また、上記のような固相抽出フィルタを用いて試料を抽出する場合、当該フィルタをエンプティリザーバーと呼ばれる筒状の試料容器の底部に配置し、液体試料をフィルタに通液することで固相抽出するのが一般的である。この通液後のフィルタは、試料容器から取り出された後、分析される。ところが、通液後のフィルタを試料容器から取り出すのは手間である。
そこで、本発明は、携帯可能な程度に小型で、固相抽出された試料について簡便にオンサイトでの分析が可能な光学測定装置および光学測定方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る光学測定装置の一態様は、注液口と廃液口とを有し、前記注液口と前記廃液口との間に固相抽出材料が配置された筒状の液体試料容器を収容可能な試料容器収容部を有する試料容器保持部と、前記試料容器保持部に着脱可能に連結され、前記試料容器収容部に収容された前記液体試料容器の内部に送気を行うことで、前記液体試料容器に注液された液体試料を前記固相抽出材料に対して通液させる送気部と、前記試料容器保持部に着脱可能に連結され、前記試料容器収容部に収容された前記液体試料容器の内部に挿入可能なセンサ部を有する測定部と、を備え、前記センサ部は、光照射部と、前記光照射部から放出される照射光が照射され前記固相抽出材料の表面により反射された反射光を受光する受光部と、を有し、前記送気部と前記測定部とは、前記試料容器保持部における前記液体試料容器の前記注液口側に、交換可能に連結される。
このように、固相抽出材料を用いて濃縮抽出された測定対象試料に対して光を照射し、その反射光を受光するので、試料の吸光度を適切に測定し精度良く比色定量を行うことができる。上記のように吸光光度法を採用することで、装置を携帯可能な程度に小型化することができる。また、センサ部を筒状の液体試料容器の内部に挿入して光測定を行うことができるので、固相抽出材料を液体試料容器から取り出すことなく精度良く測定を行うことができる。さらに、送気部と測定部とを交換するだけで、濃縮抽出後の測定対象試料に対して即座に光測定を行うことができるので、オンサイトでの活用に便利である。
また、上記の光学測定装置において、前記試料容器保持部における前記液体試料容器の前記廃液口側に連結され、前記液体試料容器の前記廃液口から排出される廃液を貯留する廃液貯留部をさらに備えていてもよい。この場合、固相抽出材料を通液した廃液をその場に廃棄しないように、適切に保持することができる。
さらに、上記の光学測定装置において、前記廃液貯留部は、前記試料容器保持部に対して着脱可能に連結されていてもよい。この場合、廃液貯留部内を交換して廃液を貯留することができる。また、試料容器保持部から取り外すことで、廃液貯留部の移送が容易となる。
また、上記の光学測定装置において、前記送気部は、電動エアーポンプを備えていてもよい。この場合、安定した加圧が可能となる。
さらに、上記の光学測定装置において、前記センサ部は、前記光照射部と前記固相抽出材料との間に配置され、前記光照射部から放出される前記照射光を前記固相抽出材料に導光する投光用導光部と、前記固相抽出材料と前記受光部との間に配置され、前記反射光を前記受光部に導光する受光用導光部と、をさらに備えていてもよい。この場合、固相抽出材料への照射光の照射と、固相抽出材料からの反射光の受光とを適切に行うことができる。
また、上記の光学測定装置において、前記センサ部は、前記投光用導光部の光出射端および前記受光用導光部の光入射端が、前記固相抽出材料の表面の近傍に位置するまで前記液体試料容器の内部に挿入可能であってもよい。この場合、精度よく光測定を行うことができる。
さらにまた、上記の光学測定装置において、前記投光用導光部および前記受光用導光部は、光を導光する導光路と、当該導光路を、光を吸収する特性を有する顔料を含有する顔料含有樹脂により包囲する包囲部材と、を備えていてもよい。この場合、簡易な構成でノイズ光(迷光等)の影響を抑制することができる。
また、本発明に係る光学測定方法の一態様は、注液口と廃液口とを有し、前記注液口と前記廃液口との間に固相抽出材料が配置された筒状の液体試料容器を、試料容器保持部に形成された試料容器収容部に収容する工程と、前記試料容器収容部に収容された前記液体試料容器の前記注液口から、前記液体試料容器の内部に液体試料を注液する工程と、前記試料容器保持部における前記液体試料容器の前記注液口側に送気部を連結し、前記送気部から前記液体試料が注液された前記液体試料容器の内部に送気して前記液体試料を前記固相抽出材料に対して通液させる工程と、前記液体試料を前記固相抽出材料に対して通液させた後、前記送気部を前記試料容器保持部から取り外し、前記試料容器保持部における前記液体試料容器の前記注液口側に測定部を連結することで当該測定部が有するセンサ部を前記試料容器収容部の内部に挿入する工程と、前記試料容器保持部に前記測定部が連結された状態で、前記センサ部の光照射部から前記固相抽出材料の表面に照射光を照射し、その反射光を前記センサ部の受光部により受光する工程と、を含む。
このように、固相抽出材料を用いて濃縮抽出された測定対象試料に対して光を照射し、その反射光を受光するので、試料の吸光度を適切に測定し精度良く比色定量を行うことができる。吸光光度法を採用することで、装置を携帯可能な程度に小型化することができる。また、センサ部を筒状の液体試料容器の内部に挿入して光測定を行うことができるので、固相抽出材料を液体試料容器から取り出す必要が無い。さらに、送気部と測定部とを交換するだけで、濃縮抽出後の測定対象試料に対して即座に光測定を行うことができるので、オンサイトでの活用に便利である。
本発明の一つの態様によれば、携帯可能な程度に小型で、固相抽出された試料について簡便にオンサイトでの分析が可能である。
本実施形態における光学測定装置の概略構成図である。 測定部の構成例を示す図である。 図2のA−A断面図である。 送気部を取り付けた状態を示す図である。 試料容器の挿入方法を説明する図である。 送気部の取付方法を説明する図である。 測定部の取付方法を説明する図である。 測定部の別の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における光学測定装置100の概略構成図である。
光学測定装置100は、試料容器保持部110と、廃液貯留部120と、測定部130と、を備える。
試料容器保持部110は、その中央部に、液体試料容器200を収容するための試料容器収容部111を備える。試料容器収容部111は、筒状の液体試料容器200の長手方向が鉛直方向に延びる姿勢で液体試料容器200を収容することができる。
試料容器保持部110は、遮光性を有する材料により構成されている。例えば、試料容器保持部110は、黒色顔料が分散された樹脂により構成することができる。
液体試料容器200は、例えば円筒状(注射筒状)のエンプティリザーバーと呼ばれるカートリッジであり、長手方向における一方の端部に注液口201、他方の端部に廃液口202となる開口を有する。液体試料容器200は、液体試料の量に応じた形状および容量を有する。液体試料容器200の材質は、特に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜選択可能である。例えば樹脂、ガラスを選択して用いてもよい。樹脂であれば、ポリプロピレンを用いてもよい。
また、液体試料容器200の下部(底部)には、固相抽出材料であるフィルタ210が装着されている。ここで、フィルタ210は、例えばメンブレンフィルタやフリッツ等の固相抽出フィルタ(SPEフィルタ:solid phase extraction)とすることができる。一定量の液体試料を所定の流速でフィルタ210に対して通液することで、液体試料中に含まれる測定対象となる試料300を濃縮抽出することができる。
なお、フィルタ210の種類や構成については、検出感度や試料300の種類等に応じて適宜選択することができる。
液体試料容器200は、注液口201を上方にして、長手方向が鉛直方向に延びる姿勢で試料容器収容部111の上部から挿入され、試料容器収容部111に収容され、保持される。
試料容器収容部111の底部には開口部が形成されており、試料容器収容部111に液体試料容器200が収容された状態では、液体試料容器200の廃液口202を含む下端部の一部が、試料容器収容部111の下端面から突出する。
試料容器保持部110の下(試料容器保持部110における液体試料容器200の廃液口202側)には、廃液貯留部120が連結されている。廃液貯留部120は、その内部に、フィルタ210に液体試料を通役させた後の廃液301を暫定的に保持しておく保持空間121を備える。試料容器収容部111に液体試料容器200が収容された状態では、液体試料容器200の廃液口202が廃液貯留部120の上部に形成された開口部122を介して保持空間121内に露出する。これにより、試料容器収容部111に液体試料容器200が収容された状態において、液体試料容器200の廃液口202から排出される廃液301は、廃液貯留部120の保持空間121に直接溜まる。
廃液貯留部120は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の耐蝕性を有する材料により構成することができる。この場合、測定に用いる試薬にフッ化物のような薬品を用いる場合でも、廃液を保持することができる。なお、廃液貯留部120は、ABS樹脂やPET樹脂等により構成することもできる。
廃液貯留部120は、試料容器保持部110に対して着脱可能に構成されていてもよい。また、廃液貯留部120の内壁の表面が、耐蝕性を有する材料で覆われていてもよい。なお、特に図示しないが、試料容器保持部110から取り外された廃液貯留部120の開口部122には、当該開口部122を塞ぐための蓋部を設置可能であってもよい。
試料容器保持部110の上(試料容器保持部110における液体試料容器200の注液口201側)には、測定部130を連結することができる。測定部130は、試料容器保持部110に対して着脱可能に構成されている。
測定部130は、試料容器保持部110上に測定部130が連結された状態において液体試料容器200の中に挿入されるセンサ部131を備える。センサ部131は、鉛直方向を長手方向とする棒状の形状を有する。液体試料容器200内において、センサ部131の下端部は、フィルタ210および固相抽出された試料300に近接し、接触しない。
また、測定部130は、給電部132と、演算部133と、通信部134と、を備える。給電部132は、センサ部131に電力を供給する。演算部133は、センサ部131から送出される測定信号を受信し、当該測定信号に基づき、試料300の吸光度を計算する。通信部134は、演算部133により計算された結果を外部装置に送信することができる。通信部134は、例えば無線通信により外部装置との間で通信を行うことができる。ただし、通信部134による通信方式は、上記に限定されない。通信部134は、有線通信により外部装置との間で通信を行ってもよい。
なお、本実施形態では、測定部130が演算部133を備える場合について説明するが、外部装置が演算部133の機能を有する演算手段を備えていてもよい。この場合、通信部134は、受光センサ12により得られる測定信号を外部装置に送信し、外部装置の演算手段が試料300の吸光度を計算する。
図2は、センサ部131の構成例を示す図である。
センサ部131は、光源(光照射部)131aと、受光センサ(受光部)131bと、投光用導光部131cと、受光用導光部131dと、を備える。光源131a、受光センサ131b、投光用導光部131cおよび受光用導光部131dは、センサ部131に埋設されている。
センサ部131は、光源131aから試料300に対して照射光Lpを照射し、フィルタ210により固相抽出された試料300に照射されて反射された反射光Lrを受光センサ131bによって受光するように構成されている。
光源131aは、試料300の光照射面(上面)に対向する位置に配置される。受光センサ131bは、光源131aと同様に、試料300の光照射面に対向する位置に配置される。光源131aは、例えば発光ダイオード(LED)であり、受光センサ131bは、例えばフォトダイオードである。なお、光源131aは、レーザダイオードであってもよい。また、受光センサ131bは、RGBカラーセンサや光電子倍増管などであってもよい。
光源131aと試料300との間には、光源131aから放出される光を試料300へ導光する投光用導光部131cが配置されている。投光用導光部131cは、例えば光ファイバとすることができる。また、受光センサ131bと試料300との間には、試料30により反射された反射光を受光センサ131bに導光する受光用導光部131dが配置されている。受光用導光部131dは、例えば光ファイバとすることができる。
投光用導光部131cの光出射端および受光用導光部131dの光入射端は、センサ部131の下端面に配置されている。そして、センサ部131は、その下端面が試料300の表面(上面)の近傍に位置するまで、液体試料容器200の内部に挿入可能である。
なお、光源131aと試料300との間や試料300と受光センサ131bとの間には、必要に応じて光学フィルタを配置してもよい。
受光用導光部131dは、試料300により反射された反射光Lr0のうち、光源131aからの照射光Lpの光軸とのなす角が所定の角度θとなる反射光Lrを受光センサ131bに導光する。受光用導光部131dは、上記の反射光Lrを受光センサ131bに導光するために、図3に図2のA−A断面図を示すように投光用導光部131cに対して水平方向に所定距離離間して配置される。
なお、本実施形態では、測定部131における液体試料容器200内に挿入される部分(挿入部分)の外形が円柱形状である場合について説明するが、当該挿入部分の外形は上記に限定されるものではない。挿入部分の断面形状およびサイズは、液体試料容器200の断面形状およびサイズに対応させて任意に設定可能である。
所定の角度θは、0°<θ≦45°の任意の角度に設定することができる。ただし、所定の角度θは、0°<θ≦9°に設定することが好ましい。この角度θは、光源11から試料300の光照射面の法線方向に照射され試料300により反射される反射光のうち、正反射光(鏡面反射光)とほぼ等しい方向に進む光を受光できる角度である。
角度θは、できるだけ小さい方が試料濃度と光応答との関係が線形に近づくため、好ましい。また、角度θは、できるだけ小さい方が測定部131の液体試料容器200への挿入部分を細くすることができるため、好ましい。
本発明者は、フィルタにより固相抽出された試料の分析に、表色値測定においてJIS Z 8722:2009で規定されている照明及び受光の幾何学条件に基づく配置(JIS配置)以外の配置が採用可能かどうかを調査した。具体的には、光照射された試料からの正反射光の方向に進む光を測定光とし、試料濃度と光応答(光源から放出される光の光強度Iとセンサで受光される測定光の光強度Iの比)との関係を調査することで、フィルタにより固相抽出した試料の分析が可能かどうかを検証した。その結果、試料濃度と光応答との関係はほぼ線形であることが確認できた。
すなわち、固相抽出された試料の光測定において、図2に示すように、試料面法線に対して光軸が0°である光線束を照射し、試料面法線に対して光軸が0°<θ≦9°をなす方向の反射光を受光する条件を採用することで、高精度な分析が可能であることが確認できた。
上述したように、測定部130は、試料容器保持部110に対して着脱可能である。測定部130が取り外された試料容器保持部110の上(試料容器保持部110における液体試料容器200の注液口201側)には、図4に示すように、送気部140を連結することができる。
送気部140は、ポンプ141と、送気チューブ142と、を備える。ポンプ141は、送気チューブ142を介して液体試料容器200内に空気を送る小型の電動エアーポンプである。本実施形態では、送気部140から送られる空気圧を利用して液体試料容器200内を加圧する加圧方式を採用し、固相抽出による試料前処理を迅速にかつ再現性良く行うようにする。
なお、ポンプ141は、送気球などの手動ポンプであってもよい。ただし、手動ポンプの場合、一定の圧力で加圧することが困難であるため、安定した送気を行うためには電動ポンプを利用することが好ましい。
液体試料を固相抽出材料に対して通液させる方式としては、上記の加圧方式の他に、例えば枝付きフラスコ等を利用して減圧条件下で送液を行う吸引方式がある。しかしながら、吸引方式を採用した場合、装置の小型化が困難であるため、本実施形態では加圧方式を採用するものとする。
以下、光学測定装置100の使用方法について説明する。
まず、測定対象試料が含まれた液体試料を所定の液量分用意する。
次に、フィルタ210の表面に試薬が定着されている場合を除き、上記の液体試料と試薬とを混合し、呈色反応等を生ぜしめる。
そして、図5に示すように、試料容器保持部110の試料容器収容部111に、液体試料が注液されていない空の液体試料容器200をセットする。液体試料容器200の内部には固相抽出材料であるフィルタ210がセットされている。
試料容器保持部110に液体試料容器200をセットしたら、液体試料容器200の注液口201から液体試料を注液する。次に、図6に示すように、液体試料302が注液された液体試料容器200を保持する試料容器保持部110に、送気部140を連結する。
そして、上述した図4に示すように、送気部140より液体試料容器200の内部に送気を行う。これにより、液体試料302(図6)がフィルタ210を通液し、図4に示すように、フィルタ210の注液側表面が固相抽出された試料300により着色される。また、このときフィルタ210を通液した廃液301は、液体試料容器200の廃液口202より排出されて廃液貯留部120に保持される。
次に、試料容器保持部110から送気部140を取り外し、図7に示すように、試料容器保持部110に測定部130を連結する。このとき、図1に示すように、測定部130のセンサ部131が液体試料容器200の内部に挿入され、センサ部131の下端面がフィルタ210の注液側表面(上面)の近傍で対向する。
そして、この状態で、測定部130は、図2に示す光源131aを駆動し、所定の波長成分を有する光を放出させる。光源131aから放出された光は、投光用導光路131cを通してフィルタ210の表面に照射される。すると、フィルタ210により固相抽出された試料300によって所定の波長の光が吸収され、試料300から反射した反射光は、測定部130の受光用導光路13dに入射して伝播し、受光センサ131bにより受光される。
このように、本実施形態における光学測定装置100は、液体試料容器200を収容可能な試料容器収容部111を有する試料容器保持部110と、試料容器保持部100に交換可能に連結される測定部130と送気部140と、を備える。送気部140が試料容器保持部110に連結された場合には、送気部140は、試料容器収容部111に収容された液体試料容器200の内部に送気を行うことで、液体試料容器200に注液された液体試料をフィルタ210に対して通液させる。測定部130が試料容器保持部110に連結された場合には、試料容器収容部111に収容された液体試料容器200の内部にセンサ部131が挿入され、センサ部131は、フィルタ210表面へ光を照射し、その反射光を受光する。
このように、固相抽出材料であるフィルタ210を用いて濃縮抽出された試料300に対して光を照射し、その反射光を受光するので、試料300の吸光度を適切に測定し精度良く比色定量を行うことができる。上記のように吸光光度法を採用することで、装置を携帯可能な程度に小型化することができる。
また、液体試料容器には様々な形状があるが、一般的には筒状である。検体の量は、どの程度濃縮したいかにより異なるため、液体試料容器は必然的に長くなる。固相抽出材料は、その液体試料容器の先端に固定されることが多く、取り出すのが不便である。これに対して、本実施形態では、センサ部131を筒状の液体試料容器200の内部に挿入して光測定を行うことができるので、固相抽出材料であるフィルタ210を液体試料容器200から取り出す必要が無い。
また、センサ部131は、光源131aとフィルタ210との間に配置された投光用導光部131cと、フィルタ210と受光センサ131bとの間に配置された受光用導光部131dと、を備え、投光用導光部131cの光出射端および受光用導光部131dの光入射端が、フィルタ210の表面の近傍に位置するまで液体試料容器200の内部に挿入可能である。したがって、フィルタ210表面に適切に光を照射し、その反射光を高精度に受光することができる。
さらに、送気部140と測定部130とを交換するだけで、濃縮抽出後の試料300に対して即座に光測定を行うことができるので、オンサイトでの活用に非常に便利である。
また、本実施形態における光学測定装置100は、試料容器保持部111の下に、液体試料容器200の廃液口202から排出される廃液301を貯留する廃液貯留部120を備えることができる。
検体を着色するための試薬は、基本的には研究室等の施設において適切に廃棄されるものであり、試薬が混入した廃液を屋外などの自然環境で廃棄することは環境保護上許されない。本実施形態では、使用済みの廃液301を廃液貯留部120に保持することができるので、その場に廃棄しないようにすることができる。また、廃液貯留部120は、試料容器保持部110に対して着脱可能に連結される構成であってもよい。この場合、試料容器保持部110から取り外すことで、廃液貯留部120の移送が容易となり、研究室等の施設に持ち帰って適切に廃液301を廃棄することができる。
以上のように、本実施形態における光学測定装置100は、携帯可能な程度に小型化が可能で持ち運びに簡便であり、自然環境を主とする採取場所において採取した液体サンプルの濃縮抽出した成分について、その場観察が可能な装置とすることができる。
したがって、例えば鉱山近傍の河川に含まれる環境汚染物質を、現場で迅速かつ適切に定量することが可能となる。
(変形例)
上記実施形態においては、センサ部131は投光用導光路131cおよび受光用導光路131dとして光ファイバを備える場合について説明したが、センサ部131の構成は上記に限定されるものではない。例えば図8に示すセンサ部131’のように、導光路131eと、導光路131eを包囲する包囲部材131fと、を備える構成であってもよい。なお、この図8において、上述した図2のセンサ部131と同一構成を有する部分には、図2と同一符号を付している。
導光路131eは、光源131aから放出される光を試料300に導光するとともに、試料300により反射された反射光を受光センサ131bに導光する投光受光用導光路である。導光路131eは、光源131aおよび受光センサ131b側を底面とする円錐台形状を有する。つまり、導光路131eの試料300に対面する側の面積は、光源131aおよび受光センサ131bに対面する側の面積よりも小さい。そして、当該円錐台の底面に垂直な面における円錐台の母線のなす角度は、所定の角度θに設定されている。
導光路131eは、照射光Lpおよび反射光Lrに対して透明な樹脂(例えば、シリコーン樹脂)により構成される。また、包囲部材131fは、顔料含有樹脂からなる。ここで、顔料含有樹脂は、光透過特性を有する樹脂(例えば、シリコーン樹脂)に、迷光を吸収する特性を有する顔料を含有したものである。上記顔料は、例えば、黒色顔料であるカーボンブラック等を採用することができる。
導光路131eを構成する透明な樹脂と、顔料含有樹脂を構成する光透過性を有する樹脂との材質は同じにすることができる。これにより、両樹脂の界面での反射および散乱が抑制される。また、顔料含有樹脂に入射した迷光は、その顔料含有樹脂で吸収され、導光路131eにほとんど戻らず、迷光の複雑な多重反射がほとんど発生しない。
このセンサ部131’において、導光路131eの円錐の高さ方向は、センサ部131’の軸方向に一致している。そして、センサ部131’は、その軸方向が試料300の光照射面の法線方向となるように配置される。したがって、光源131aからの照射光Lpの光軸とのなす角が所定の角度θとならない光は、包囲部材131fに吸収され、受光センサ131bには到達しない。
このように、センサ部131’は、透明な樹脂(シリコーン樹脂)により構成される導光路131eを、外光や散乱光を吸収可能な顔料含有樹脂からなる包囲部材131fにより包囲した構成を有することができる。これにより、上記外光や散乱光からのノイズ光(迷光)の影響を抑制することが可能である。特に、上記透明な樹脂と、顔料含有樹脂との材質を同じにすることにより、両樹脂の界面での反射や散乱を適切に抑制することができる。
したがって、センサ部131’の光学系は、複雑な多重反射に対応する必要がなく、小型・簡便化される。結果として、光学測定装置100も小型化される。上記したシリコーン樹脂で構築した光学系の技術を、SOT(Silicone Optical Technologies)と呼称する。
なお、図8に示すセンサ部131’は、1つの導光路131eを包囲部材131fで包囲する構成を有しており、光源131aからの光をフィルタ210に導光する投光用導光部と、フィルタ210からの反射光を受光センサ131bに導光する受光用導光部とが一体的に構成されている場合について説明した。しかしながら、センサ部の構成は、上記に限定されるものではない。
例えば、光源131aから放出される光を試料300に導光する投光用導光路と、試料300により反射された反射光を受光センサ131bに導光する受光用導光路とを、それぞれ1つずつ備えていてもよい。つまり、投光用導光部および受光用導光部が、それぞれ導光路と、それを包囲する包囲部材とを備えていてもよい。
また、図8に示すセンサ部131’においては、導光路131eを透明な樹脂により構成する場合について説明したが、導光路131eは空洞であってもよい。その場合、導光路131eとそれを包囲する顔料含有樹脂からなる包囲部材131fとの界面における迷光反射の抑制効果は得られないものの、顔料含有樹脂に入射した迷光は当該顔料含有樹脂によって吸収されるので、迷光の複雑な多重反射はある程度抑制される。
100…光学測定装置、110…試料容器保持部、111…試料容器収容部、120…廃液貯留部、130…測定部、131…センサ部、131a…光源、131b…受光センサ、131c…投光用導光部、131d…受光用導光部、131e…導光路、131f…包囲部材、140…送気部、141…ポンプ、142…送気チューブ、200…液体試料容器、210…フィルタ、300…試料、301…廃液

Claims (8)

  1. 注液口と廃液口とを有し、前記注液口と前記廃液口との間に固相抽出材料が配置された筒状の液体試料容器を収容可能な試料容器収容部を有する試料容器保持部と、
    前記試料容器保持部に着脱可能に連結され、前記試料容器収容部に収容された前記液体試料容器の内部に送気を行うことで、前記液体試料容器に注液された液体試料を前記固相抽出材料に対して通液させる送気部と、
    前記試料容器保持部に着脱可能に連結され、前記試料容器収容部に収容された前記液体試料容器の内部に挿入可能なセンサ部を有する測定部と、を備え、
    前記センサ部は、
    光照射部と、
    前記光照射部から放出される照射光が照射され前記固相抽出材料の表面により反射された反射光を受光する受光部と、を有し、
    前記送気部と前記測定部とは、前記試料容器保持部における前記液体試料容器の前記注液口側に、交換可能に連結されることを特徴とする光学測定装置。
  2. 前記試料容器保持部における前記液体試料容器の前記廃液口側に連結され、前記液体試料容器の前記廃液口から排出される廃液を貯留する廃液貯留部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学測定装置。
  3. 前記廃液貯留部は、前記試料容器保持部に対して着脱可能に連結されることを特徴とする請求項2に記載の光学測定装置。
  4. 前記送気部は、電動エアーポンプを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学測定装置。
  5. 前記センサ部は、
    前記光照射部と前記固相抽出材料との間に配置され、前記光照射部から放出される前記照射光を前記固相抽出材料に導光する投光用導光部と、
    前記固相抽出材料と前記受光部との間に配置され、前記反射光を前記受光部に導光する受光用導光部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学測定装置。
  6. 前記センサ部は、
    前記投光用導光部の光出射端および前記受光用導光部の光入射端が、前記固相抽出材料の表面の近傍に位置するまで前記液体試料容器の内部に挿入可能であることを特徴とする請求項5に記載の光学測定装置。
  7. 前記投光用導光部および前記受光用導光部は、光を導光する導光路と、当該導光路を、光を吸収する特性を有する顔料を含有する顔料含有樹脂により包囲する包囲部材と、を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の光学測定装置。
  8. 注液口と廃液口とを有し、前記注液口と前記廃液口との間に固相抽出材料が配置された筒状の液体試料容器を、試料容器保持部に形成された試料容器収容部に収容する工程と、
    前記試料容器収容部に収容された前記液体試料容器の前記注液口から、前記液体試料容器の内部に液体試料を注液する工程と、
    前記試料容器保持部における前記液体試料容器の前記注液口側に送気部を連結し、前記送気部から前記液体試料が注液された前記液体試料容器の内部に送気して前記液体試料を前記固相抽出材料に対して通液させる工程と、
    前記液体試料を前記固相抽出材料に対して通液させた後、前記送気部を前記試料容器保持部から取り外し、前記試料容器保持部における前記液体試料容器の前記注液口側に測定部を連結することで当該測定部が有するセンサ部を前記試料容器収容部の内部に挿入する工程と、
    前記試料容器保持部に前記測定部が連結された状態で、前記センサ部の光照射部から前記固相抽出材料の表面に照射光を照射し、その反射光を前記センサ部の受光部により受光する工程と、を含むことを特徴とする光学測定方法。
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