JP2020204503A - 異常検知装置、異常検知方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、磁気センサによりバルブの開閉状態を検知し、バルブが閉状態から開状態になるまでの時間に基づいて、バルブの異常予兆を検知する方法が開示されている。
以下、本発明の各実施形態によるバルブの異常予兆方法について図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本発明の各実施形態に係る蒸気弁装置が適用される蒸気タービンを備えた発電プラントの概略系統図である。図2は、本発明の一実施形態に係る蒸気弁装置の概略断面図である。
発電システム30は、高圧蒸気タービン32、中圧蒸気タービン33、及び低圧蒸気タービン34からなる蒸気タービン31と、高圧蒸気を高圧蒸気タービン32に供給するボイラ35と、高圧蒸気タービン32から排出された蒸気を再加熱して、中圧蒸気タービン33に供給する再熱器36と、蒸気タービン31の回転駆動力により駆動される発電機37とから構成されている。
本発明の実施形態に係る蒸気弁装置1は、例えば上述したような蒸気タービン31の主蒸気止め弁2、及び蒸気加減弁3によって構成されている。図示するように蒸気弁装置1に対して異常検知装置100が設けられている。異常検知装置100は、主蒸気止め弁2、及び蒸気加減弁3の異常予兆を検知する。
以下の説明では、センサ23が検知した振動データに基づいて、蒸気加減弁3の異常予兆を検知する場合を例に説明を行う。
図示するように異常検知装置100は、振動データ分析部101と、運転データ取得部102と、正常時データベース103と、許容範囲設定部104と、判定部105と、出力部106とを備えている。
運転データ取得部102は、蒸気タービン31に設けられた各種センサの検知した値、制御値などを取得する。例えば、運転データ取得部102は、蒸気加減弁3の弁開度、蒸気加減弁3を通過する蒸気の流量および温度などの情報を取得する。
また、許容範囲設定部104は、例えば、蒸気タービン31の負荷帯や負荷の変化に基づいて許容範囲を設定してもよい。
分析データ401は、弁軸12にスケールが付着する前(正常時)にセンサ23等が検知した振動データ(加速度の波形データ)を周波数分析した結果得られるスペクトルである。分析データ402は、弁軸12にスケールが付着した後(異常時)にセンサ23等が検知した振動データを周波数分析した結果得られるスペクトルである。あるいは、分析データ401、402は、蒸気加減弁3の物理モデルに基づいて、机上計算により得られたものであってもよい。図示するように分析データ401と分析データ402のピーク周波数は異なる。これは、スケールの付着により、弁軸12の振動特性が変化したためである。判定部105は、振動データ分析部101が分析した分析データ401のピーク周波数と分析データ402のピーク周波数の差が所定の閾値以上の場合、蒸気加減弁3に異常予兆ありと判定する。正常時データベース103には、例えば、正常時のピーク周波数と、そのピーク周波数に対する許容範囲が設定されている。
減衰比 = Δf÷2f
なお、減衰比は、この方法に限らず、他の公知の方法によって算出してもよい。
振動データ601は、弁軸12にスケールが付着する前(正常時)のセンサ23等が検知した振動データ(加速度の時系列変化)である。振動データ602は、弁軸12にスケールが付着した後(異常時)にセンサ23等が検知した振動データである。あるいは、振動データ601、602は、蒸気加減弁3の物理モデルに基づいて、机上計算により得られたものであってもよい。判定部105は、振動データ601と振動データ602の波形(振幅や周波数)を比較して、振動データ602が正常か否かを判定してもよい。あるいは、判定部105は、振動データ601と振動データ602の相関係数を演算して、振動データ602が正常か否かを判定してもよい。
例えば、蒸気タービン31が一定の負荷で運転しているような場合、運転データ取得部102が取得する弁開度、流量、温度などの情報も一定である。許容範囲設定部104は、正常時データベース103を参照して、一定の弁開度、流量、温度の組み合せに対応する周波数分析データの許容範囲を取得する。図7に示す閾値701と閾値702は、それぞれ許容範囲設定部104が設定した許容範囲の上限値と下限値である。図7の黒丸点は、振動データ分析部101が分析した周波数分析データである。判定部105は、振動データ分析部101が分析した周波数分析データが、許容範囲内に収まっていれば、蒸気加減弁3へのスケールの堆積は進行しておらず正常な状態であると判定する。一方、周波数分析データが、許容範囲外となると蒸気加減弁3へのスケールの堆積が進行しつつある(異常予兆あり)と判定する。判定部105が、異常と判定する基準は、任意に設定することができる。例えば、判定部105は、連続して所定回数以上、周波数分析データが許容範囲外となると、異常の予兆があると判定してもよいし、所定期間に所定回数以上、周波数分析データが許容範囲外となると、異常の予兆があると判定してもよい。
蒸気タービン31の負荷が変動している場合、運転データ取得部102が取得する弁開度、流量、温度などの情報も変動する。例えば、負荷が増大すると、蒸気加減弁3の開度や蒸気の流量も増大し、温度も変化する。開度や流量、温度に変化があると弁軸12の振動特性(ピーク周波数、減衰比、ピーク値)が変化する。その為、開度等の変化に応じた閾値に基づいて、振動データ分析部101が分析した振動特性のデータが正常か異常かを判定しなければならない。
図9は、本発明の一実施形態に係る異常検知処理の一例を示すフローチャートである。
以下の処理は、例えば、所定の制御周期で繰り返し行われる。
まず、運転データ取得部102が、蒸気加減弁3の弁開度、蒸気加減弁3を通過する蒸気の流量および温度を取得する(ステップS101)。運転データ取得部102は、これらの情報を許容範囲設定部104へ出力する。次に許容範囲設定部104は、正常時データベース103を参照して、運転データ取得部102が取得した弁開度および流量および温度に対応する弁軸12の振動特性の正常な範囲を取得し、この範囲を許容範囲として設定する(ステップS102)。設定された許容範囲は、蒸気タービン31の運転状況に応じたピーク周波数の許容範囲、ピークの減衰比の許容範囲、ピーク値の許容範囲のうちの少なくとも1つである。許容範囲設定部104は、許容範囲の設定値を判定部105へ出力する。
これにより、例えば、弁棒(弁軸12)の固着を予測することができる。また、定期点検など、運転停止をする予定がある時に異常検知されたバルブの点検や保守などを予め計画しておくことができる。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の異常検知装置100は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
なお、主蒸気止め弁2、蒸気加減弁3、主蒸気止め弁40、蒸気加減弁41は蒸気タービンの主弁の一例である。
Claims (12)
- 流体がバルブを通過するときに検知された振動データの振動特性を分析する分析部と、
前記分析部が分析した前記振動特性と、前記バルブの開度、前記流体の流量および前記流体の性情に応じた前記バルブの正常時における振動特性と、に基づいて前記バルブの異常予兆を検知する判定部と、
を備える異常検知装置。 - 前記バルブが、蒸気タービンの主弁の場合、前記判定部は、前記蒸気タービンの運転状況に対応する前記バルブの正常時における振動特性に基づいて、前記バルブの異常予兆を検知する、
請求項1に記載の異常検知装置。 - 前記振動特性は、前記振動データを周波数分析して得られるスペクトルのピーク周波数である、
請求項1から請求項2の何れか1項に記載の異常検知装置。 - 前記振動特性は、前記振動データを周波数分析して得られるスペクトルのピークの減衰比である、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の異常検知装置。 - 前記振動特性は、前記振動データを周波数分析して得られるスペクトルのピーク値である、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の異常検知装置。 - 前記振動特性は、前記振動データの時系列の波形である、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の異常検知装置。 - 前記流体の性情は、前記流体の温度である、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の異常検知装置。 - 前記バルブは弁棒を備え、前記振動データは当該弁棒の振動である、
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の異常検知装置。 - 前記弁棒または前記弁棒と一体的に構成された部材に取り付けられた振動を検知するセンサ、
をさらに備える請求項8に記載の異常検知装置。 - 前記判定部が異常予兆を検知すると、前記バルブに固着の予兆があることを通知する出力部、
をさらに備える請求項1から請求項9の何れか1項に記載の異常検知装置。 - 流体がバルブを通過するときに検知された振動データの振動特性を分析するステップと、
前記分析するステップで分析した前記振動特性と、前記バルブの開度、前記流体の流量および前記流体の性情に応じた前記バルブの正常時における振動特性と、に基づいて前記バルブの異常予兆を検知するステップと、
を有する異常検知方法。 - コンピュータに、
流体がバルブを通過するときに検知された振動データの振動特性を分析するステップと、
前記分析するステップで分析した前記振動特性と、前記バルブの開度、前記流体の流量および前記流体の性情に応じた前記バルブの正常時における振動特性と、に基づいて前記バルブの異常予兆を検知するステップと、
を実行させるプログラム。
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