JP2020204019A - 土壌改良材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、食品を原料としつつも効果が高く、土壌の還元消毒に用いる際の使用時の臭気の問題も改善された土壌改良材を提供することである。【解決手段】本発明によって、トウモロコシを含む原料からの糖化工程から排出される糖化ろ滓を含んでなる、土壌の還元消毒を行うための土壌改良材が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、土壌改良材およびその製造方法に関する。特に本発明の土壌改良材によれば、土壌への混和処理および表面処理のいずれにおいても、土壌中の病原微生物を抑制することができる。
現在、植物の病害を防除する手段として、耕種的防除(土づくり、栽培方法の工夫など)、化学的防除(化学農薬など)、生物的防除(生物農薬など)、育種的防除(抵抗性品種など)、およびこれらを複合した方法が知られており、様々な観点から技術開発がなされている。
一般に、土壌中の病原微生物を抑制するための土壌消毒が広く行われているが、化学的防除の例としては、クロルピクリンなどを用いるガス消毒など、耕種的防除の例としては、高温の蒸気を用いる蒸気消毒、太陽熱消毒、還元消毒などが知られている。
中でも還元消毒は、化学薬剤を使わない環境への負荷が低減された土壌消毒法として実施され、土壌中の病原微生物の種類にかかわらず高い効果が期待できる。還元消毒では、具体的には、米ぬかや小麦フスマなどの有機物を圃場に散布し、ロータリーなどで耕起して土壌に混和し、灌水を行った後、樹脂製フィルムなどで地表面を被覆し、3〜4週間程度地温を25〜30℃以上に保つことによって、土壌微生物を急激に増殖させて土壌を急激な還元状態にする。病原微生物は酸素を必要とするため、土壌を還元状態にすることによって、土壌中の病原微生物を減少・死滅させることができる。
還元消毒に用いる有機物として、食品製造における副生物を利用することが検討されている。例えば、特許文献1には、小麦フスマおよび/または末粉から主としてなる造粒物を土壌に混合して発酵させ、還元状態にすることにより土壌を消毒する方法が記載されている。非特許文献1〜2では、食品工場から排出されるタピオカ澱粉由来のアミノ酸生成過程の副生物を還元消毒に用いることが検討されており、糖含有珪藻土と糖蜜吸着資材を含む資材を土壌還元消毒に用いてトマトの青枯病を防除することが試験されている。
特開2006−61003号公報
「新規資材を用いた土壌還元消毒によるトマト青枯病の防除」(農業試験場ニュースNo.128、和歌山農業試験場、平成29年1月発行) 大谷洋子「トマト青枯病菌に対する糖含有珪藻土と糖蜜吸着資材を用いた土壌還元消毒の処理条件の検討」(関西病虫研報(60):71-76, 2018)
従来、食品製造で副生する小麦フスマを用いて土壌の還元消毒を行うことが提案されていたが(特許文献1)、土壌の深層部まで還元消毒を行うことが難しい場合があった。また、還元消毒のために用いる有機物に窒素分が多いと、還元消毒によってドブのような臭い(どぶ臭)が発生するという問題もあった。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、食品を原料としつつも効果が高く、土壌の還元消毒に用いる際の臭気の問題も改善された土壌改良材を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討したところ、トウモロコシなどを原料として糖質を製造する際に副生する糖化ろ滓を用いて還元消毒を行うことによって、効果的に土壌を還元状態にして病原微生物を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、これに限定されるものではないが、下記の発明を包含する。
(1) トウモロコシを含む原料からの糖化工程から排出される糖化ろ滓を含んでなる、土壌の還元消毒を行うための土壌改良材。
(2) 珪藻土、パーライトおよび活性炭からなる群より選択されるろ材を含有する、(1)に記載の土壌改良材。
(3) 10〜50質量%の糖質を含んでなる、(1)または(2)に記載の土壌改良材。
(4) 15〜40質量%の糖質を含んでなる、(1)または(2)に記載の土壌改良材。
(5) 土壌表面から60cmまでの深さに施用するための、(1)〜(4)のいずれかに記載の土壌改良材。
(6) 土壌への混和処理および/または表面処理によって、土壌の還元消毒を行うための、(1)〜(4)のいずれかに記載の土壌改良材。
(7) トウモロコシを含む原料からの糖化工程において排出される糖化ろ滓を含む土壌改良材を土壌に施用することを含む、土壌の還元消毒方法。
本発明によれば、トウモロコシなどを原料として糖質を製造する際に副生する糖化ろ滓を用いて土壌の還元消毒を効果的に実施することができる。また、本発明の土壌改良材は、混和処理および表面処理の両方に使用することができ、ユーザーにおいて大変使用しやすいものである。さらに、本発明の土壌改良材は、食品製造において排出される副生物を利用するものであり、環境保護や廃棄物の有効活用の観点からも本発明は有効である。
図1は、実験に用いた実験装置の概略図である。
本発明では、トウモロコシなどを原料として糖質を製造する際に副生する糖化ろ滓を、土壌改良材として用いる。本発明に係る土壌改良材を土壌に適用することによって、土壌を還元状態にして病原微生物を抑制することができる。
糖化ろ滓
本発明においては、トウモロコシを含む原料を糖化する工程で発生する副生物を土壌改良材として使用する。前記植物原料を糖化する糖化工程で生じる副生物(本明細書において糖化ろ滓ともいう)は、糖化工程における不純物の除去や脱色を行うろ過工程で排出され、ろ材と糖質を主に含有する。糖化ろ滓は、必要に応じて脱水や乾燥などを行い、水分含量が50%以下とすることが好ましく、30%以下や15%以下としてもよい。
本発明に係る糖化ろ滓に含まれるろ材の種類には制限はないが、多孔質構造を有するろ材が好ましく、珪藻土、パーライト、活性炭、ゼオライトなどが特に好ましい。珪藻土、パーライト、活性炭などは、食品製造の糖化工程などにおいて、食品を精製するためのろ材として用いられ、使用後に糖化ろ滓として排出される。本発明に用いられる珪藻土、パーライト、活性炭は、特に制限されるものではなく、公知の珪藻土、パーライト、活性炭を用いることができる。一般に珪藻土は、単細胞藻類の一種である珪藻が堆積してできた岩石を乾燥、粉砕、分級して精製し、必要に応じて焼成や分級などをして製造される。珪藻土は、空隙率が大きいため、液体の吸収能力やろ過能力が良好で、ろ材として広く利用されている。本発明においては、分級などによって粒度を揃えた珪藻土を好適に使用することができ、例えば、平均粒子径が1〜120μm程度であり、5〜100μmや10〜80μmであってよく、空隙率(空間率)は約80〜90%であってもよい。一般にパーライトは、ガラス質の火山岩を加熱して製造され、多孔質構造を有する。一般に活性炭は、植物質、石炭質、石油質、動物質などの有機物を原材料とし、水蒸気や二酸化炭素、空気などのガスまたは塩化亜鉛などの化学薬品を用いて炭化させて製造される。活性炭は多孔質構造を有する物質であり、多くの物質を吸着させる性質があることから、脱臭や水質浄化など、有害物質や不純物の吸着に利用されている。
食品製造の糖化工程で副生する糖化ろ滓は、多孔質構造を有するろ材に糖質などが吸着しているため、それを土壌に混合すると適切な速度で土壌中に均一に成分を行き渡らせることが可能である。また、本発明に係る土壌改良材は、還元消毒作業時に水によって、ろ材に吸着している糖質が溶出するとともに土壌深層部に浸透していくため、資材混和域のみならず、資材混和域よりも深い土壌深層部においても優れた還元消毒効果を奏することができる。
一般にトウモロコシなどを含む原料を糖化する場合、原料からデンプンを抽出した後、アミラーゼなどの酵素を用いて液化し、次いで、グルコアミラーゼなどの酵素を用いて糖化が行われる。糖化後の反応液については、珪藻土や活性炭などのろ材を用いてろ過が行われ、その際に、上述したような糖化ろ滓が排出される。
本発明に用いる糖化ろ滓は、食品製造の糖化工程におけるろ過の際に排出されるが、ろ過の方法は特に制限されず、公知のろ過方法を用いることができる。ろ過装置を用いる場合は、圧力をかけたり、連続式で処理したりしてもよい。本発明に係る糖化ろ滓は、ろ過直後はケーキ状であることが多いが、これに限定されず、好ましい態様において、粉状、粒状、顆粒状、フレーク状にすることができる。上述したように、乾燥、粉砕、造粒などの加工を行うことによって、糖化ろ滓の性状を調整することも可能である。
本発明に係る糖化ろ滓は、例えば、コーンスターチ、水あめ、粉あめ、オリゴ糖、麦芽糖、異性化糖、ぶどう糖などの糖化製品を製造する際に副生するものであるが、トウモロコシを原料とする糖化製品を製造する際に副生したものであれば、これらに限定されない。
また、本発明に係る糖化ろ滓は珪藻土などのろ材を含んでいるため、米ぬかや小麦フスマと比較して、鉄、カルシウムなどのミネラル成分を土壌に多く補給することができる。
本発明の土壌還元消毒材に用いる糖化ろ滓は、乾燥重量あたり10〜50質量%の糖質を含有することが好ましく、12〜48質量%の糖質を含有することがより好ましく、15〜45質量%の糖質を含有することがさらに好ましい。また、本発明の土壌還元消毒材に用いる糖化ろ滓は、好ましい態様において、糖質を乾燥重量あたり15〜40質量%含有し、より好ましくは17〜36質量%、さらに好ましくは20〜34質量%含有する。また、本発明の土壌還元消毒材に用いる糖化ろ滓は、その粗灰分量が乾燥重量あたり5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%や12〜30質量%がより好ましい。さらに、本発明の土壌還元消毒材に用いる糖化ろ滓は、例えば、ろ材を5〜90質量%含有してもよく、10〜80質量%や15〜70質量%含有していてもよい。
本発明において、糖化工程の原料となる植物はトウモロコシを含む。トウモロコシの種類などは特に制限されないが、例えば、デントコーン、スイートコーン、フリントコーン、ポップコーン、ワキシーコーン、ソフトコーン等のトウモロコシを好適に使用することができる。また、トウモロコシに加えて、糖化工程の原料にトウモロコシ以外の植物材料を用いることができ、例えば、菜種、米、小麦、大麦、ライ麦、オーツ麦、大豆、小豆、エンドウ豆、ヒマワリ種、綿実、ジャガイモ、サツマイモ、サトウキビ、ビート、トマト、ミカンなどが糖化原料に含まれていてもよい。
本発明に係る土壌改良材には、例えば、大豆粕、大豆皮、大豆蛋白、大豆胚軸、大豆粉、オカラ、大豆油、大豆脱ガム油滓、大豆ソーダ油滓、大豆白土滓、大豆脱ロウ滓、コーンブラン、コーンジャーム、コーンジャーム粕、コーングルテンフィード、コーングルテンミール、コーンスターチ、コーン油、コーン脱ガム油滓、コーンソーダ油滓、コーン白土滓、コーン脱ロウ滓)、菜種粕、菜種油、菜種脱ガム油滓、菜種ソーダ油滓、菜種白土滓、種脱ロウ滓、ヒマワリ滓、ヒマワリ油、ヒマワリ脱ガム油滓、ヒマワリソーダ油滓、ヒマワリ白土滓、ヒマワリ脱ロウ滓、米粉、米油、ビール粕、ウイスキー粕、水飴、異性化糖、オリゴ糖、ぶどう糖、ジャガイモ皮、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ビート粕、ミカン皮、ミカン搾粕、酒粕などが含まれていてもよい。
土壌改良材
本発明において土壌の還元消毒とは、土壌を還元状態にすることによって、土壌中の有害な微生物などを防除することを意味する。
本発明の土壌改良材は、本発明に係る糖化ろ滓を用いて製造する。糖化ろ滓を発生時の形態でそのまま使用してもよいし、乾燥、粉砕、造粒などの加工を行ってから使用してもよい。
本発明に係る土壌改良材は、混合する土壌中の水分含量、土壌の透水性や保水性、混合後の給水の有無などに応じてその水分含量を調整することができる。土壌改良材の水分含量が高すぎると、土壌へ散布しにくくなる場合や、資材が腐敗する場合がある。また、土壌改良材の水分含量が低すぎると資材が飛散しやすくなったり、成型加工がしにくくなったりすることがある。
本発明に係る土壌改良材の形状としては、特に制限されないが、例えば、粉状、粒状、顆粒状、フレーク状、円柱形のペレット状、楕円体形のペレット状、角柱状、球状、立方体状などに成型してもよい。このような形状であれば、農業機械を用いて圃場に散布しやすいため、広範囲の土壌消毒にも適用しやすい。また、本発明の土壌改良材は、前記のように成型して用いる場合には、その成形品が多孔質構造を有していることが好ましく、多孔質構造を有していると土壌改良材の立体形状が土壌中で崩壊しやすくなり、より速やかに発酵して、土壌の還元化(還元消毒)を促進することができる。
本発明に係る土壌改良材を成型して造粒物とする場合、その大きさは、最大サイズ部分の寸法が2〜25mmの範囲内、特に3〜20mmの範囲内とすることが好ましく、最小サイズ部分の寸法は1〜15mmの範囲内、特に1〜10mmの範囲内とすることが好ましい。ここで、「最大サイズ部分」とは1個の造粒物における最も寸法の大きな部分(例えば造粒物の長さ、径、辺などのうちの最長部分)をいい、また「最小サイズ部分」とは1個の造粒物における最も寸法の小さな部分(例えば造粒物の長さ、径、辺などのうちの最短部分)をいう。例えば、造粒物が円柱形のペレットであるときに、直径の方が長さよりも小さい場合、「最大サイズ部分」はペレットの長さ、「最小サイズ部分」はペレットの直径を意味し、逆にペレットの直径の方が長さよりも大きい場合は、「最大サイズ部分」はペレットの直径を、「最小サイズ部分」はペレットの長さを意味する。
造粒物などを成型する際の製法は特に制限されず、従来から用いられている造粒装置を適宜使用することができる。具体的には、例えば、押出式ペレットマシーン、エキスパンダー、エクストルーダーなどの押出式造粒装置、圧縮造粒装置、転動式造粒装置などを好適に用いることができる。
土壌への土壌改良材の使用量は、土壌の種類、pH、含水量、保水性、透水性、土壌中に含まれることが予想される有害微生物の種類などによって適宜調整すればよい。好ましい態様において、本発明の土壌改良材は、土壌の面積に対して、例えば、土壌改良材の乾燥重量あたり0.1〜10t/10a(アール)の量で使用することができ、0.2〜8t/10aであることが好ましく、0.5〜5t/10aであることがより好ましい。土壌改良材の使用量が少なすぎると、土壌中での発酵が不足して十分な還元消毒が難しくなる場合がある一方、使用量が多くなり過ぎると、コストの上昇などを招き、土壌への混和作業が困難となる場合や、発酵不良を生ずる場合がある。
本発明の土壌改良材の製造においては、本発明に係る糖化ろ滓の配合量はいかようにも設定でき、糖化ろ滓のみを原料としてもよい。糖化ろ滓以外の原材料を使用する場合は、糖化ろ滓に含まれる有効成分である糖質の量を考慮することが望ましい。糖化ろ滓の配合量が少なすぎると、有効成分濃度が少なくなるため還元消毒効果が発揮されない。好ましい態様において、本発明の土壌改良材は10質量%以上が糖化ろ滓で構成されており、30質量%以上や50質量%以上が糖化ろ滓で構成されていてもよい。
本発明においては、本発明に係る土壌改良材を単独で混合してもよいし、微生物資材や他の成分と併用してもよい。微生物資材と併用することによって土壌改良材の発酵がより促進されるため、土壌の還元化およびそれに伴う土壌の消毒を一層促進することができる。併用し得る微生物資材としては、例えば、土壌で生育させようとする植物に対して無害であり、人やその他の動物などに対しても無害で、土壌温度が上昇しても死滅しない微生物または該微生物を含有する資材であると好ましい。具体的には、例えば、耐熱性菌(例えば、80℃の温度で20分間処理した後でも生存可能な耐熱性菌)などを好適に使用することができ、その例としては、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)などのバチルス属微生物、サーモアクチノミセス・ブルガリス(Thermoactinomyces vulgaris)、サーモモノスポーラ・カーバラ(Thermomonospora curvara)などの好温・好熱性の放線菌、フミコーラ・インソケンス(Humicola insokens)、タラロマイセス・デユポンティ(Talaromyces dupontii)などの好熱性の糸状菌などを挙げることができる。
本発明の土壌改良材を用いて行う土壌還元消毒の消毒対象は、植物の土壌病害を引き起こす病原体であり、すなわち、土壌中の線虫、植物病原菌(糸状菌、細菌を含む)、昆虫の幼虫および成虫、植物ウイルスなどである。線虫として、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウが例示されるがこれらに限定されない。植物病原菌は、土壌伝染性のものであれば特に限定されないが、例えば、青枯病菌(Ralstonia solanacearum)、軟腐病菌(Erwinia carotovora)、苗立枯病菌(Pythium spp.)、疫病菌(Phytophthora spp.)、半身萎凋病菌(Verticillium dahliae)、つる割病菌(Fusarium oxysporum)、萎凋病菌(Fusarium oxysporum)、根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae)、立枯病菌(Gaeumanomyces gramineum)、白絹病菌(Athelia rolfsii)、紫紋羽病菌(Helicobasidium mompa)、白紋羽病菌(Rosellinia necatrix)、根腐病菌(Aphanomyces euteiches)、根くびれ病菌(Aphanomyces raphani)、黒腐菌核病菌(Sclerotium cepivorum)、粉状そうか病菌(Spongospora subterranea)、そうか病菌(Streptomyces scabies)、根頭がんしゅ病菌(Agrobacterium tumefaciens)、条斑病菌(Cephalosporium gramineum)、落葉病菌(Cephalosporium gregatum)、葉枯病菌(Helminthosporium sativum)、黒根病菌(Thielaviopsis basicola)、苗立枯病菌(Rhizoctonia solani)が例示される。昆虫の幼虫として、ハリガネムシ、ネキリムシ、コガネムシの幼虫、ハムシの幼虫が例示される。植物ウイルスとして、線虫媒介ウイルス、微生物媒介ウイルスが例示される。
また、本発明に係る土壌改良材を土壌に施用する場合、必要に応じて、例えばバーミキュライト、パーライト、ゼオライト、珪藻土などの鉱物、他の土壌改良材、普通肥料、特殊肥料などを土壌に混合してもよい。また、臭気が気になる場合には、その防止策として、生石灰(CaO)などの防臭剤を併用してもよい。
本発明では、還元消毒の対象である土壌の種類は特に制限されず、例えば、通常の黒土、赤土、砂質土壌、粘土質土壌、それらの混合物からなる土壌、またpH調整された、酸性土壌、中性土壌、アルカリ性土壌のいずれに対しても適用できる。
土壌の還元消毒に当たっては、土壌中に十分な水分を含有させた状態で土壌改良材を使用すると、発酵が円滑に行われて土壌の還元化が促進される。好ましい態様において、湛水状態となるまで灌水することができる。また、土壌の水分含量は、20質量%以上が好ましく、25質量%以上や35質量%以上としてよい。土壌の水分含量が元々多い場合、水を加えずに、本発明の土壌改良材を単に混合するだけで還元消毒を十分に行うことができる。土壌に水を加えて還元消毒を行う場合、水分の供給は、土壌改良材を土壌に混合する前、混合と同時、または混合した直後のいずれの時点で行ってもよい。
なお、本明細書でいう土壌の水分含量は、土壌を100℃で5時間乾燥した場合の乾燥前後の重量から、下式で求めることができる。
・土壌の水分含量(%)=(1−乾燥後の土壌重量/乾燥前の土壌重量)×100
土壌への土壌改良材の施用方法は特に制限されず、種々の方法で土壌と混合すればよい。好ましい態様において、ロータリーなどを用いて土壌改良材を土壌中に均一に混合すると効率よく土壌を還元消毒することができる。
本発明による土壌の還元消毒は、畑地、水田、公園、花壇などのような土壌がある場所に出向いて行うことができる。その場合、土壌を耕す際に土壌改良材を混合すると土壌改良材の施用作業を簡便に行うことができる。また、本発明の土壌改良材は、あらかじめ用意しておいた採取土壌や調整土壌などに対しても行うことができる。さらに、本発明の土壌改良材を用いて還元消毒した土壌は、土壌中に含まれていた有害な微生物、昆虫類などの生物が低減しており、植物の生育用土壌として好適であるので、有害生物の防除済みの土壌として、適当な容器に充填して流通、販売することもできる。
本発明の土壌改良材は、土壌温度を上昇させるための特別な設備や部材などを用いずに行うことができるが、還元消毒効果を高めるために、還元消毒期間中に温度上昇策を講じてもよい。例えば、発酵熱の見込めない場合に、ビニールハウスの閉め切りやシート被覆などの太陽熱による温度上昇策などを採用することが好ましい。土壌温度が高くなると、本発明による土壌の還元消毒をより効果的に行うことができる。
米ぬかや小麦フスマを還元消毒資材として用いた場合、土壌中の窒素成分が増加してしまうことが知られ、還元消毒終了後に作物を栽培する際には、肥料成分の調整という対応が必要であった。本発明に係る糖化ろ滓には、還元消毒終了後の肥料調整が不要であるという利点がある。
一つの態様において、本発明は、上記の土壌改良材を用いた土壌改良方法であり、本発明によって、土壌の還元消毒を効果的に実施することができる。土壌改良材の施用方法に制限はなく、公知の方法によることができるが、好ましい態様において、本発明に係る土壌改良材は、土壌表面から例えば60cmまでの深さに施用することができる。また、本発明の土壌改良材は、例えば、本発明に係る土壌改良材は、土壌表面に散布するだけでもよいし、土壌表面への散布後、樹脂製のシートや土などを被覆してもよい。さらに、本発明の土壌改良材は、土壌と混和して使用してもよい。
以下、具体的な実験に基づいて本発明をより詳細に説明するが、以下に説明する具体例は、本発明の代表的な例を示したものであり、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
また、特に記載しない限り、本明細書において、濃度などは質量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。なお、乾燥重量という場合、100℃で5時間乾燥後に測定した重量を意味する。
実験1:土壌改良材の製造
(製造例1)
トウモロコシを0.3%の亜硫酸水に48時間浸漬した後、ウェットミリング法に従って、胚芽、繊維分、たん白質を分離することで精製したコーンスターチを得た。これに10質量%消石灰、水を加えて、pH5.8、30質量%のコーンスターチスラリーとした後、αアミラーゼ(ターマミル120L、ノボザイムズ社製)を、固形分(g)当たり0.2質量%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で処理してコーンスターチ液化液を得た。このコーンスターチ液化液を95℃で保温して、経時的にDE値(Dextrose Equivalent値)を測定してDE15になった時点で、55℃まで冷却し、10%塩酸でpH4.5に調整した。これにグルコアミラーゼ(グルクザイムNL4.2、天野エンザイム社製)を固形分(g)当たり0.1質量%添加して60℃で反応させることで、ぶどう糖を主成分とする糖液を調製した。
得られた糖液を、濾過装置で連続的に珪藻土(平均粒子径:約53μm)を用いてろ過して、糖化ろ滓を得た(糖化ろ滓の水分率:32.8%)。糖化ろ滓を乾燥後に粉砕して、粉末状の土壌改良材を製造した。乾燥重量あたりの糖質含量は24.6%、粗灰分は12.3%、ろ材の重量割合は15〜20%程度であった。
(製造例2)
製造例1と同様に製造したコーンスターチ液化液を95℃で保温して、経時的にDE値を測定してDE10になった時点で70℃まで冷却し、αアミラーゼ(ターマミル120L、ノボザイムズ社製)を、固形分(g)当たり0.05質量%添加し、経時的にDE値を測定してDE30になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、80℃で保温して反応を停止した。
得られた糖液を、濾過装置で連続的に珪藻土(平均粒子径:約37μm)を用いてろ過して、糖化ろ滓を得た(糖化ろ滓の水分率:34.8%)。糖化ろ滓を乾燥後に粉砕して、粉末状の土壌改良材を製造した。乾燥重量あたりの糖質含量は35.1%、粗灰分は26.7%、ろ材の重量割合は20〜30%程度であった。
(製造例3)
製造例1と同様にして、ぶどう糖を主成分とする糖液を調製し、得られた糖液を、濾過装置で連続的にパーライト(平均粒子径:約28μm)を用いてろ過して、糖化ろ滓を得た(糖化ろ滓の水分率:32.6%)。糖化ろ滓を乾燥後に粉砕して、粉末状の土壌改良材を製造した。乾燥重量あたりの糖質含量は12.6%、粗灰分は41.3%、ろ材の重量割合は60〜75%程度であった。
(製造例4)
製造例1と同様にして、ぶどう糖を主成分とする糖液を調製し、得られた糖液を珪藻土でろ過した。
本製造例では、製造例1で得られた珪藻土濾過液を、さらに粉状活性炭(200メッシュ通過重量が80%以上)を用いてろ過して、粉状活性炭を含んでなる糖化ろ滓を得た(糖化ろ滓の水分率:52.0%)。この糖化ろ滓を乾燥後に粉砕して、粉末状の土壌改良材を製造した。乾燥重量あたりの糖質含量は46.8%、粗灰分は14.4%、ろ材の重量割合は50〜60%程度であった。
(分析方法)
上記の製造例で得られた土壌改良材を下記の方法に基づいて分析した。分析結果を下表に示す。
・全炭素(%):「肥料等試験法(2016)」(農林水産消費安全技術センター)に従って測定した。
・全窒素(%):「肥料等試験法(2016)」(農林水産消費安全技術センター)に従って測定した。
・糖質含量(%):サンプル2.0gを水に懸濁し、激しく振盪してサンプルに吸着している水溶性の糖質を抽出し、遠心分離(3000rpm、5分間)後の上清を回収した。これを3回くり返した後、25mLにメスアップし、0.45μmのフィルターでろ過して分析試料液とした。次いで、分析試料液中の糖含量はフェノール硫酸法で測定し、サンプルの乾燥重量あたりの糖質含量を算出した。
・糖組成(%):サンプル1.0gを水に懸濁し、激しく振盪してサンプルに吸着している水溶性の糖質を抽出し、遠心分離(3000rpm、5分間)後の上清を回収した。これを3回くり返した後、0.20μmのフィルターでろ過し、脱イオン処理を行って分析試料とした。次いで、高速液体クロマトグラフィーシステム(島津製作所製)を用いて下記の条件で分析試料を分析し、ピーク面積から糖組成を求めた。
(カラム)MCI GEL CK04S(三菱ケミカル製)
(カラム温度)40℃
(移動相)水
(流速)0.4mL/分
(検出)RI(示差屈折)
・粗灰分量(%):サンプル5gをるつぼに入れ、穏やかに加熱して炭化させた後、550±5℃で4時間加熱して灰化させた。これをデシケーター中で放冷した後、灰分重量を測定し、分析試料重量に対する割合として算出した。
実験2:土壌改良材の評価(屋内試験1)
ポリ塩化ビニル製のパイプ(直径20.5cm、長さ73cm)に土壌(千葉県内の黒ボク土)と菌体胞子を埋設し、土壌改良材の評価を行った(図1)。菌体胞子としてはトマト萎凋病菌(Fusarium oxysporum)の分生胞子(6.8Log CFU/g−perlite)の菌体バッグを用い、土壌表面から約30cmと約60cmの位置に埋設した。
土壌表面から約25cmまでの深さの領域の土壌に対して、製造例1の土壌改良剤(33g)を土壌と混和し、約3.3Lの水を上部から散布した後、2週間、25℃で静置した。なお、本実験における3.3Lの注水は、100L/mに相当する。
次いで、土壌1gあたりのトマト萎凋病菌菌体の生存数を、FoG1培地を用いた希釈平板法で計測した(NDは菌体が検出されなかったことを意味する)。
表から明らかなように、本発明に基づく土壌改良材を用いると、土壌表面に近い上層部だけでなく深層部についても、効果的に土壌を還元消毒し、微生物を抑制することができた。
実験3:土壌改良材の評価(屋内試験2)
実験2と同様にして、土壌改良材としての有効性を評価した。土壌表面から30cmおよび60cmの位置に酸化還元電位計(ORPメーター)を設置し、土壌の酸化還元電位を経時的に測定した。
ポリ塩化ビニル製のパイプ(直径20.5cm、長さ73cm)に土壌(千葉県内の黒ボク土)を充填した。土壌表面から約25cmまでの深さの領域の土壌に対して、下記の土壌改良材を土壌と混和し、約3.3Lの水を上部から散布した後、25℃で静置した。ただし、表面処理の試験区では製造例2の土壌改良材を土壌表面に散布し、土壌への混和は行わなかった。また、エタノールの試験区では、土壌改良材を使用せず、約3.3Lのエタノール水溶液(0.5容量%)を上部から土壌に散布した後、25℃で静置した。なお、本実験における土壌改良材の施用量は1t/10aに相当し、3.3Lの注水は100L/mに相当する。
(土壌改良材)
・なし(水のみ)
・製造例1の土壌改良剤:約33g
・製造例2の土壌改良剤:約33g
・小麦フスマ(昭和産業製):約33g
・エタノール水溶液(0.5容量%)
上記の表から明らかなように、糖化ろ滓を含む土壌改良材を土壌に施用することによって、処理後数日から急激に電位が低下し、土壌を効果的に還元することができた。土壌の還元化は、注水による空気の追い出しと、土壌中の嫌気性微生物が資材中の有機物を資化して増殖する過程で起きるため、土壌改良材に含まれる糖質が土壌深くまで浸透していることが示唆された。また、製造例1の土壌改良材を使用するとどぶ臭が感じられなかったのに対し、小麦フスマを使用した場合、どぶ臭が認められた。
実験4:土壌改良材の評価(屋内試験3)
土壌改良材の有効性を評価すべく、土壌中のトマト萎凋病菌とネコブセンチュウに対する、本発明の土壌改良材による還元消毒効果を検証した。
ポリ塩化ビニル製のパイプ(直径20.5cm、長さ73cm)に土壌(千葉県内の黒ボク土)と菌体胞子を埋設し、土壌改良材の評価を行った。菌体胞子としてはトマト萎凋病菌(Fusarium oxysporum)の分生胞子(6.8Log CFU/g−perlite)の菌体バッグとネコブセンチュウ(2921頭/乾土20g)の汚染土バッグを用い、土壌表面から約30cmの位置に埋設した。
混和処理の試験区では、土壌改良剤を土壌表面から25cmの深さまで混和した。具体的には、土壌改良材を土壌と混和し、約3.3Lの水を上部から散布した後、2週間、25℃で静置した。本実験における土壌改良材の施用量は1t/10aに相当し、3.3Lの注水は100L/mに相当する。表面処理の試験区には製造例1の土壌改良材を土壌表面に散布し、土壌への混和は行わなかった。
25℃で2週間静置し、土壌1gあたりのトマト萎凋病菌菌体の生存数を、FoG1培地を用いた希釈平板法で計測した。また、製造例1を施用した試験区については、ネコブセンチュウの密度をベルマン法にて計測した(NDは検出されなかったことを意味する)。
(土壌改良材)
・なし(水のみ)
・製造例1の土壌改良剤:約33g
・製造例2の土壌改良剤:約33g
表から明らかなように、全試験区においてトマト萎凋病菌とネコブセンチュウの還元消毒効果が確認された。特に、土壌への混和を行わず表面に散布するのみであっても、還元消毒効果が得られることが明らかとなった。
実験5:土壌改良材の評価(屋外試験)
屋外圃場での土壌改良材としての有効性を評価した。また、本実験では地温が下がる秋〜冬の時期の還元消毒を試みた(試験期間11〜12月、試験場所:茨城県内、試験期間の平均地温:約20℃)。
作物未耕作のパイプハウス内に、3.4m×3.0mの区を作成し、灌水チューブを4本設置した。次に、製造例1の土壌改良材(乾燥重量あたり7t/10a相当量)をムラが無いように散布し、鍬で10cmの深さになるよう耕起した。次に、表土がぬかるむまで予備灌水し、樹脂製の透明シートで被覆した。最後に、樹脂製の透明シート浮き上がるまで灌水した。また、1日後、6日後、11日後、29日後に湛水状態になるまで水を追加した。
処理開始から36日後、処理区の土壌の還元状態を確認した。具体的には、ジピリジル液(還元化の指示薬)を滴下して呈色を確認した結果、土壌改良材を施用した土壌では、地表から30cmまでの深さにおいて赤色の呈色が確認された一方、土壌改良材を施用しなかった土壌では呈色は確認されなかった。また、強いどぶ臭は感じられなかった。
還元消毒効果を得るには、通常25〜30℃以上の地温が好ましいとされているが、本発明の土壌改良材を用いた場合は、地温が比較的低い場合においても還元効果が確認された。
実験6:土壌改良材の評価(屋内試験)
6−1.トマト萎凋病菌およびネコブセンチュウ
土壌中のトマト萎凋病菌(Fusarium oxysporum)とネコブセンチュウに対する土壌改良材による還元消毒効果を検証した。
約4L容のプラスチック容器(縦17cm×横17cm×高さ16cm)に、本発明の土壌改良材を一定の割合で混合した土壌を4kg充填した。トマト萎凋病菌の分生胞子(6.7Log CFU/g−perlite)の菌体バッグとおよびネコブセンチュウ(31頭/乾土20g)の汚染土バッグを埋設し、これに1Lの水道水を注水した。対照として、水処理区(土壌改良材は混合せず、水道水を1L注水)を設けた。なお、土壌改良材を1%混合した条件は、およそ1.4t/10aの施用量に相当する。
容器は密閉し30℃で15日間保温した。次いで、土壌中のトマト萎凋病菌菌体の生存数を、FoG1培地を用いた希釈平板法で、ネコブセンチュウの生存数をベルマン法で計測した(NDは検出されなかったことを意味する)。
表から明らかなように、製造例1〜4の土壌改良剤を用いた全試験区においてトマト萎凋病菌とネコブセンチュウの還元消毒効果が確認された。特に、土壌改良剤の混合割合が0.25〜1.0%で、還元消毒効果が得られることが明らかとなった。
6−2.青枯病菌
土壌中の青枯病菌(Ralstonia solanacearum)に対する土壌改良材による還元消毒効果を検証した。
約1.5L容の円筒状のプラスチック容器(直径11cm×高さ16cm)に、土壌改良材を一定の割合で混合した青枯病菌汚染土壌(7.1Log CFU/g−soil)を1.5kg充填し、これに375mLの水道水を注水した。対照として、水処理区(土壌改良材は混合せず、水道水を375mL注水)を設けた。なお、土壌改良材を1%混合した条件は、およそ1.6t/10aの施用量に相当する。
容器は密閉し30℃で22日間保温した。次いで、土壌中の青枯病菌の生存数を希釈平板法で計測した(NDは検出されなかったことを意味する)。
表から明らかなように、製造例1〜4の土壌還元剤を用いることで青枯病菌の還元消毒効果が確認された。特に、土壌改良材の施用量が1.0%(1.6t/a相当)以上である場合、より顕著な還元消毒効果が得られることが明らかになった。

Claims (7)

  1. トウモロコシを含む原料からの糖化工程から排出される糖化ろ滓を含んでなる、土壌の還元消毒を行うための土壌改良材。
  2. 珪藻土、パーライトおよび活性炭からなる群より選択されるろ材を含む、請求項1に記載の土壌改良材。
  3. 10〜50質量%の糖質を含んでなる、請求項1または2に記載の土壌改良材。
  4. 15〜40質量%の糖質を含んでなる、請求項1または2に記載の土壌改良材。
  5. 土壌表面から60cmまでの深さに施用するための、請求項1〜4のいずれかに記載の土壌改良材。
  6. 土壌への混和処理および/または表面処理によって、土壌の還元消毒を行うための、請求項1〜4のいずれかに記載の土壌改良材。
  7. トウモロコシを含む原料からの糖化工程において排出される糖化ろ滓を含む土壌改良材を土壌に施用することを含む、土壌の還元消毒方法。
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