JP2020203350A - 荷役装置およびツール台 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロボットアームを高精度で動作させなくても、比較的単純で簡易にツールをロボットアームに着脱させる技術を提供する。【解決手段】ツール台は、台座部と、可動部とを備える。台座部は、物品を荷役するロボットアームの動作範囲内に配置される。可動部は、ロボットアームに着脱されるツールを保持する領域を有し、ロボットアームにツールを着脱させる際にかかる領域をロボットアームに離接させる方向へ台座部に対して変位する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、物品を荷役するロボットアームに着脱されるツールを保持するツール台に関する。
物品の物流センタなどでは、荷下ろしされた荷物、部品、製品などの様々な物品を荷役するための各種の荷役装置が用いられている。荷役装置は、例えば集積領域に集積された物品をマニピュレータ(ロボットアーム)でピッキングし、搬送装置などに移動させる。搬送装置は、物品を仕分けや組み立てなどの次工程に搬送する。
ロボットアームは、物品を荷役するためのツール(エンドエフェクタなどとも呼ばれる)をアーム先端部に備えている。ツールは、物品の形状、大きさ、重量、材質などに応じて各種のものが存在し、最適なものが適宜選択されて使用される。
ロボットアームは、物品を荷役するためのツール(エンドエフェクタなどとも呼ばれる)をアーム先端部に備えている。ツールは、物品の形状、大きさ、重量、材質などに応じて各種のものが存在し、最適なものが適宜選択されて使用される。
ロボットアームに対してツールを着脱させる場合、例えばロボットアームをツールに対して変位させることで、自動化を図ることが可能である。これにより、荷役作業を効率的かつ迅速に行うことができる。その一方で、自動化を図る場合であっても、ツールは、正しい姿勢で安全かつ確実にロボットアームに着脱させる必要がある。したがって、ツール着脱時にロボットアームをツールに対して変位させる際には、ロボットアームを高精度で動作させることが求められる。
しかしながら、ロボットアームは、動作パワーが大きく、ツールとの相対位置を高精度に制御することは必ずしも容易ではない。特に、多種多様なツールが着脱対象となるような場合には、ツール着脱時におけるロボットアームの動作制御はさらに複雑となり、より一層の精度が求められる。
このため、ロボットアームを高精度で動作させなくても、比較的単純で簡易にツールをロボットアームに着脱させる技術が望まれている。
このため、ロボットアームを高精度で動作させなくても、比較的単純で簡易にツールをロボットアームに着脱させる技術が望まれている。
実施形態のツール台は、台座部と、可動部とを備える。台座部は、物品を荷役するロボットアームの動作範囲内に配置される。可動部は、ロボットアームに着脱されるツールを保持する領域を有し、ロボットアームにツールを着脱させる際にかかる領域をロボットアームに離接させる方向へ台座部に対して変位する。
以下、実施形態に係るツール台について、図1から図14を参照して説明する。ツール台は、物品を荷役するロボットアームに着脱されるツールを管理する装置である。ツール台およびロボットアームは、例えば物流センタなどで稼働する荷役装置をそれぞれ構成する。物品は、宅配物、小包、郵便物等を含む荷物、各種の部品や製品など、荷役の対象となり得る有形物である。物品の態様(形状、大きさ、重量、材質など)は、一律ではなく多種多様である場合を想定するが、一律であってもよい。ツール台は、これらの多種多様な物品に対して最適な荷役作業を行うために必要な各種のツールを保持する。
図1および図2には、本実施形態のツール台3を備えた荷役装置1の構成をそれぞれ示す。図1は、荷役装置1を垂直方向の上方から模式的に示す図である。垂直方向は、水平面(一例として物流センタの建屋の床面)と直交する方向である。図2は、荷役装置1のブロック図である。
図1および図2に示すように、荷役装置1は、ロボットユニット2と、ツール台3と、制御装置4とを備える。
ロボットユニット2は、集積領域11から所望領域12に物品5を移動させる。集積領域11および所望領域12は、例えば物品5を収容する箱やケージ、ベルトコンベア、ローラコンベア並びに台車などの搬送装置、仕分けや組み立てなどの作業台である。ロボットユニット2は、ロボットアーム21と、ツール22と、ロボット通信部23とを備える。
ロボットユニット2は、集積領域11から所望領域12に物品5を移動させる。集積領域11および所望領域12は、例えば物品5を収容する箱やケージ、ベルトコンベア、ローラコンベア並びに台車などの搬送装置、仕分けや組み立てなどの作業台である。ロボットユニット2は、ロボットアーム21と、ツール22と、ロボット通信部23とを備える。
ロボットアーム21は、基台部21aとアーム部21bとを備え、アーム部21bが基台部21aに対して変位するいわゆるピッキングロボットである。本実施形態では一例として、ロボットアーム21は、物品5をピッキングして移動させるが、物品5の移動態様は特に問わない。例えば、物品5を引きずってもしくは押して、あるいはこれらの態様とピッキングとを適宜選択して物品5を移動させてもよい。
基台部21aは、例えば物流センタの建屋の床面に位置決め固定される。アーム部21bは、基台部21aとの接続部位である基端から先端まで、複数の関節部で連結されて伸長している。アーム部21bは、関節部によって複数に細分され、各部分が関節部において所定の軸まわりに回動する。これにより、アーム部21bは、基台部21aに対して所望の姿勢とされ、所定範囲内において自由に変位(動作)する。所定範囲(つまり、可動範囲)には、物品5の集積領域11、物品5の移動先である所望領域12、およびツール台3が含まれる。したがって、アーム部21bの各部分を軸まわりに回動させることで、アーム部21bを集積領域11、所望領域12およびツール台3に対して変位させることが可能となる。なお、関節部および軸の数は、アーム部21bに要求される動作精度や可動範囲などに応じて任意に設定すればよい。
アーム部21bの先端には、ツールマスタ24が備えられている。ツールマスタ24は、ツール22を着脱する機械要素である。アーム部21bに対するツール22の取り付けと取り外しは、ツールマスタ24を介してなされる。例えば、ツール22の交換時、ツールマスタ24は、アーム部21bに取り付けられているツール22(現ツール)を取り外す。取り外された現ツールは、ツール台3に保持される。その後、ツールマスタ24は、ツール台3に保持された別のツール22(新ツール)をアーム部21bに取り付ける。
本実施形態では一例として、ツールマスタ24は、吸着体、真空発生器、コンプレッサ、バルブ、圧力センサ(いずれも図示省略)などを含み、略円柱状に構成されている。ツールマスタ24は、エアによる吸着とその解放によってツール22を着脱する。すなわち、ツールマスタ24は、ツール22を吸着体で吸着して取り付け、吸着体の吸着を解放してツール22を取り外す。このようなエアによる方法の他、ツール22の着脱方法は、例えば作業油(油圧)や機械的な結合などによるものであってもよい。
ツールマスタ24は、ツール22の姿勢(以下、ツール姿勢という)を検出する姿勢検出部241を備える。ツール姿勢は、ツールマスタ24への取り付け前の状態においては、取り付け時におけるツール22の姿勢である。ツールマスタ24への取り付け後(ツールマスタ24からの取り外し前)の状態においては、ツール22が取り付けられている姿勢である。また、ツールマスタ24からの取り外し後の状態においては、ツール22がツール台3(区画領域35a)に保持されている姿勢である。
本実施形態では一例として、姿勢検出部241は、ツール22に設けられた金属板などからの光の反射の有無、強度、偏りなどを検出するセンサである。姿勢検出部241は、検出結果である光の反射状態を示す信号をロボット通信部23に出力する。ただし、姿勢検出部241は、このような光の反射を検出するセンサに限られず、例えばツールマスタ24とツール22との接触有無を検出するセンサなどであってもよい。
図3に示すように、ツールマスタ24は、ツール22に代えて、位置決め治具25を着脱可能に構成されている。すなわち、アーム部21bには、ツールマスタ24を介して位置決め治具25が適宜取り付けられる。位置決め治具25は、後述するように、ロボットアーム21に対するツール台3の位置を調整する際に使用される部材である。図3は、ツールマスタ24に位置決め治具25が取り付けられた状態の一例を模式的に示す図である。図3に示す構成例では、位置決め治具25は、後述するツール台3の保持部35の二つの区画領域35aに亘る長さを持つ直方体状をなしている。位置決め治具25は、垂直方向に貫通する位置決め孔251を有している。位置決め孔251は、後述する規定部(ボス)35cを差し込み可能に配置される。位置決め孔251の孔径は、規定部35cのボス径よりも僅かに大径に設定される。ツール台3は、位置決め孔251に規定部(ボス)35cが適正に差し込まれた状態となるように配置される。これにより、ロボットアーム21に対するツール台3の位置が調整される(詳細は後述)。
ツール22は、ツールマスタ24に着脱自在に取り付けられる機械要素である。本実施形態では、ツール22とツールマスタ24とはN対1の関係にあり、一つのツールマスタ24に着脱可能なツール22は複数存在する。
図4には、ツール22の構成を示す。図4は、ツール台3に保持されたツール22を模式的に示す斜視図である。図4に示すように、ツール22は、本体部22aとチェンジャ部22bを有する。
本体部22aは、物品5の荷役に寄与する部分である。本実施形態では物品5をピッキングするべく、本体部22aは、物品5を解放可能に把持する把持機構を備える。把持は、吸着や挟持など、物品5の保持態様全般を包含する概念として規定される。これにより、本体部22aは、アーム部21bとともに基台部21aに対して変位し、集積領域11に集積された物品5を把持機構で把持し、把持した物品5を所望領域12の上で解放する。把持機構は、例えば物品5を吸着する吸盤や挟持する爪、真空発生器、コンプレッサ、バルブ、圧力センサ、これらを動作させるアクチュエータ(いずれも図示省略)などを備える。
本体部22aは、物品5の荷役に寄与する部分である。本実施形態では物品5をピッキングするべく、本体部22aは、物品5を解放可能に把持する把持機構を備える。把持は、吸着や挟持など、物品5の保持態様全般を包含する概念として規定される。これにより、本体部22aは、アーム部21bとともに基台部21aに対して変位し、集積領域11に集積された物品5を把持機構で把持し、把持した物品5を所望領域12の上で解放する。把持機構は、例えば物品5を吸着する吸盤や挟持する爪、真空発生器、コンプレッサ、バルブ、圧力センサ、これらを動作させるアクチュエータ(いずれも図示省略)などを備える。
チェンジャ部22bは、ツールマスタ24との接続部分である。ツール22(本体部22a)は、チェンジャ部22bを介してツールマスタ24に着脱される。チェンジャ部22bは、略円柱状の外観形状をなしており、その外周から板状に張り出した支持片221を有している。支持片221は、ツール22がツール台3に保持された際、後述する保持部35に支持され、本体部22aを適正な姿勢に維持する部位である。
ツール22は、ツール台3によって管理される。例えばロボットアーム21の稼働時、ツール22は、物品5の態様(形状、大きさ、重量、材質など)に応じて最適なものが選択される。選択されたツール22は、ツールマスタ24を介してアーム部21bに取り付けられ、別のツール22への交換時に取り外される。アーム部21bに取り付けられておらず、現時点で不使用のツール22は、ツール台3に保持(保管)されている。ツール交換時などにおける着脱の詳細については、後述する。
図2に示すように、ロボット通信部23は、制御装置4(具体的には通信制御部44)との間で、ロボットアーム21、具体的にはアーム部21b、ツール22およびツールマスタ24の動作を制御する各種の信号を有線もしくは無線を介して送受信する。これらの動作には、ロボットアーム21の荷役動作、およびツールマスタ24に対するツール22の着脱動作が含まれる。
図4から図6には、ツール台3の構成を示す。図4は、ツール台3の全体構成、図5および図6は、ツール台3の構成の一部をそれぞれ模式的に示す斜視図である。また、図5は、ツールマスタ24に取り付けられていない状態でツール22がツール台3に保持されている状態の一例を示す図である。図6は、ツールマスタ24に取り付けられている状態でツール22がツール台3に保持されている状態の一例を示す図である。図2、図4から図6に示すように、ツール台3は、台座部31と、可動部32と、検出部33と、通信部(以下、ツール台通信部という)34とを備える。
台座部31は、ツール台3のベースとなる部分であり、ロボットアーム21に対して位置決め配置されている。本実施形態において、台座部31は、ロボットアーム21と同様に物流センタの建屋の床面に位置決め固定され、ロボットアーム21に対して静止している。台座部31の配置エリアは、ロボットアーム21の動作範囲、換言すれば基台部21aに対するアーム部21bの可動範囲に含まれる。
台座部31は、可動部32を台座部31に対して変位させる移動機構311を有する。本実施形態では、移動機構311としてエアシリンダが適用されている。エアシリンダは、ガイド31a、スライダ31b、エアコンプレッサ31c、バルブ31dなどを含んで構成されている。移動機構311には、エアシリンダの他、既知の各種機構を適用可能であり、例えばボールスプライン、チェーンやベルト、これらの組み合わせなどを適用してもよい。
ガイド31aは、シリンダと、シリンダ内を進退するピストンを備え、座面31sの上に配置されて可動部32の変位方向へ直線状に伸びている。可動部32の変位方向は、可動部32が台座部31に対して変位する方向であり、ツール22をツールマスタ24に着脱させる際に、可動部32(具体的には、後述する区画領域35a)がツールマスタ24に離接する方向(以下、ツール着脱方向という)として規定される。本実施形態のツール着脱方向は略垂直方向であり、ガイド31aは略垂直方向に起立している。
スライダ31bは、ガイド31aに沿って移動する移動体である。したがって、スライダ31bは、ツール着脱方向に移動する。本実施形態において、スライダ31bは、ガイド31aのピストンに接続されており、シリンダ内を進退するピストンと同期して略垂直方向に昇降する。スライダ31bの昇降範囲は、ピストンの最大進退距離である。ピストンの最大進退距離は、ガイド31aの長さ(起立高さ)の所定範囲内に規定される。
エアコンプレッサ31cは、ガイド31aのシリンダにエアを送出する。バルブ31dは、エアコンプレッサ31cから送出されたエアをシリンダに対して給排する。バルブ31dは、例えば吸気ポートおよび排気ポートを開閉させて、シリンダに対するエアの給排を切り換える。エアコンプレッサ31cおよびバルブ31dは、所定の配管でシリンダに接続されている。これにより、エアコンプレッサ31cから送出されたエアがバルブ31dでシリンダに給排されることで、シリンダ内をピストンが進退する。すなわち、かかるエアの給排により、スライダ31bは、ガイド31aに沿って移動する。エアコンプレッサ31cおよびバルブ31dは、後述するようにツール台通信部34が送受信した信号に基づいて、制御装置4(具体的には動作制御部42)によって動作制御される。
可動部32は、ツール台3の可動部分であり、台座部31に対して変位する。可動部32は、スライダ31bに設けられ、スライダ31bとともにガイド31aに沿って移動する。これにより、可動部32はツール着脱方向、本実施形態では略垂直方向に昇降する。
図4から図6に示すように、可動部32は、板状に構成され、水平面と略直交するようにスライダ31bと一体化されている。可動部32は、ツール22を保持する保持部35を有している。保持部35は、可動部32の上端から水平面と略平行に板状に張り出している。保持部35は、ツール22を保持するために区画され、ツール22を保持する際にツール22が進退(出入)する領域(以下、区画領域という)35aを有している。区画領域35aは、保持部35を規定する板状体の一部に形成された切り欠きである。区画領域35aは、アーム部21bに取り付けられたツール22の保持部35へのアクセス領域であり、保持されたツール22と保持部35との不要な干渉を防ぐための退避領域でもある。
保持部35は、区画領域35aの縁35bに支持片221を引っ掛けてツール22を保持する。この時、ツール22は、縁35bに引っ掛けた支持片221で自重を支え、略垂直方向に沿ってぶら下がった状態となる。区画領域35aは、上述した退避領域であり、このようにぶら下がった状態のツール22の本体部22aと干渉しない大きさで切り欠かれている。本実施形態では一例として、垂直方向から見た区画領域35aの輪郭は、一辺が欠落した矩形状をなしている。欠落した一辺部分は、区画領域35aへのツール22のアクセス口として外部に開放されており、該部分の間口は、本体部22aの差渡し寸法に比べて十分に広い。したがって、区画領域35aへの進退(アクセス)時に本体部22aが区画領域35aと干渉することが抑制される。
保持部35は、ツール22の保持位置、換言すれば支持片221の支持位置を規定する規定部35cを有している。また、支持片221は、規定部35cにその位置が規定される被規定部221aを有している。本実施形態では、規定部35cとして、区画領域35aの縁35bに突起(以下、ボス35cという)が設けられている。また、被規定部221aとして、ボス35cの外周に沿った曲率で支持片221に溝(以下、溝221aという)が形成されている。区画領域35aの縁35bには、区画領域(切り欠き)35aの対向辺の近傍に一つずつ、二つのボス35cが配置されている。支持片221には、端辺に一つずつ、二つの溝221aが配置されている。これらのボス35cと溝221aがそれぞれ嵌り合うことで、区画領域35aの縁35bにおける支持片221の支持位置が規定される。この状態において、ツール22は、略垂直方向に沿った適正な姿勢で保持部35に保持される。
図4から図6に示す構成例では、保持部35には区画領域35aが二箇所に形成されている。したがって、保持部35は、各区画領域35aに一つずつツール22を収め、二つのツール22を同時に保持可能とされている。保持部35に保持されるツール22の数は任意であり、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。例えば、図4から図6に示す構成例に準じる場合、保持するツール22の数に合わせて保持部35に区画領域35aを形成する。これにより、区画領域35aの数と同数のツール22を保持部35に保持できる。
また、図4から図6に示す構成例では可動部32および保持部35を板状としているが、これらの形態は板状に限定されない。要するに、可動部32および保持部35は、台座部31に対して可動部32がツール着脱方向に変位し、保持部35がツールマスタ24へのツール着脱に支障を来さない形態であればよい。
図2に示すように、検出部33は、制御装置4(具体的には動作制御部42)がツール台3を動作制御するために必要な情報(データ)を検出する。検出部33は、位置検出部331とツール検出部332を含んで構成されている。これらの検出部331,332は、光、電磁気、圧力などの検出素子を有する各種のセンサである。検出されたデータは、電気信号としてツール台通信部34を介して制御装置4(具体的には通信制御部44)に送信される。
位置検出部331は、可動部32の変位状態を検出する。変位状態は、例えば台座部31の座面31sに対する可動部32の変位前後の位置、変位距離などである。本実施形態において、変位前後の位置は座面31sからの垂直方向の高さ、変位距離は垂直方向の高さ変動である。位置検出部331は、可動部32の変位状態を直接検出すればよいが、スライダ31bやガイド31aのピストンの変位状態を検出することで、可動部32の変位状態を間接的に検出してもよい。位置検出部331は、これらの変位状態を検出可能に台座部31に配置される。
ツール検出部332は、保持部35にツール22が保持されているか否か、換言すれば、区画領域35aにおけるツール22の存否(有無)を検出する。以下の説明では、ツール検出部332の検出対象を単にツール有無という。ツール検出部332は、区画領域35aの縁35bに設けられている。図5および図6に示す構成例では、一つの区画領域35aの縁35bには、該区画領域35aの四隅の近傍に一つずつ、四つのツール検出部332が配置されている。これら四つのツール検出部332で、かかる区画領域35aにおけるツール有無が検出される。一つの区画領域35a、換言すれば一つのツール22に対応するツール検出部332の数は、四つに限定されず、三つ以下あるいは五つ以上であってもよい。要するに、ツール検出部332は、保持部35に同時に保持可能な数のツール22の存否(有無)を検出可能な最低限の数だけ配置されていればよい。
図2に示すように、ツール台通信部34は、制御装置4(具体的には通信制御部44)との間で、可動部32および検出部33、具体的にはエアコンプレッサ31c、バルブ31d、位置検出部331、およびツール検出部332の動作を制御する各種の信号を有線もしくは無線を介して送受信する。これらの動作には、可動部32の変位動作、およびツールマスタ24に対するツール22の着脱動作が含まれる。また、ツール台通信部34は、通信制御部44から受信する上記信号に基づき、位置検出部331が検出した可動部32の変位状態、およびツール検出部332が検出したツール有無を含む信号を有線もしくは無線を介して通信制御部44に送信する。
例えば、ロボットアーム21(ツールマスタ24)へのツール22の取り付けにあたって、ツール台通信部34は、通信制御部44との間で次のような信号を送受信する。ツール台通信部34は、可動部32(保持部35の区画領域35a)にツール22が保持されている場合、それを示す信号を通信制御部44に送信する。送信した信号の応答信号として、ツール台通信部34は、ロボットアーム21(ツールマスタ24)に接近する方向へ可動部32を変位させることを示す通知信号を通信制御部44から受信する。そして、ツールマスタ24にツール22が取り付けられた際、それを示す信号を通信制御部44に送信する。送信した信号の応答信号として、ツール台通信部34は、ツールマスタ24から離間する方向へ可動部32を変位させることを示す通知信号を通信制御部44から受信する。
一方、ロボットアーム21(ツールマスタ24)からのツール22の取り外しにあたって、ツール台通信部34は、通信制御部44との間で次のような信号を送受信する。ツール台通信部34は、可動部32(保持部35の区画領域35a)にツール22が保持されていない場合、それを示す信号を通信制御部44に送信する。送信した信号の応答信号として、ツール台通信部34は、ロボットアーム21(ツールマスタ24)に接近する方向へ可動部32を変位させることを示す通知信号を通信制御部44から受信する。そして、ツールマスタ24からツール22が取り外された際、それを示す信号を通信制御部44に送信する。送信した信号の応答信号として、ツール台通信部34は、ツールマスタ24から離間する方向へ可動部32を変位させることを示す通知信号を通信制御部44から受信する。
制御装置4は、ロボットユニット2およびツール台3の動作を制御する。すなわち、制御装置4は、ロボットユニット2の制御部、およびツール台3の制御部として機能する。制御装置4は、CPU、メモリ、記憶装置(不揮発メモリ)、入出力回路、タイマなどを含み、所定の演算処理を実行する。例えば、制御装置4は、各種データを入出力回路により読み込み、記憶装置からメモリに読み出したプログラムを用いてCPUで演算処理し、処理結果に基づいてロボットユニット2およびツール台3の動作制御を行う。
図2に示すように、本実施形態では演算処理の具体的内容に応じ、制御装置4は、検出制御部41と、動作制御部42と、マップ格納部43と、通信制御部44と、管理部45とを備える。
検出制御部41は、集積領域11における物品5の集積態様を検出する。物品5の集積態様は、集積された複数の物品5の輪郭、大きさ、向き、重なり、境界などの態様である。例えば、検出制御部41は、物品5の集積態様や形態を撮像する3Dカメラや2Dカメラなどの撮像装置である。検出制御部41は、検出結果である物品5の集積態様のデータ(例えば、物品5の集積領域11の撮像画像データ)を動作制御部42に与える。
動作制御部42は、ロボットアーム21、ツール22、ツールマスタ24、移動機構311、および検出部33の動作をそれぞれ制御する。集積領域11から所望領域12に物品5を移動させる場合、動作制御部42は、物品5を集積領域11からピッキングさせ、所望領域12で物品5を解放させる。物品5のピッキング時および解放時、動作制御部42は、ツール22の把持機構の動作を制御する。その際、ピッキングの前処理として、動作制御部42は、検出制御部41が検出した物品5の集積態様に基づいて、ツール22が把持する物品5を選択し、その把持面を決定する。例えば、動作制御部42は、検出制御部41が撮像した画像データを解析する。物品5の移動時、動作制御部42は、アーム部21bの各部分を関節部の軸まわりにアクチュエータなどで回動させる。これにより、動作制御部42は、アーム部21bを基台部21aに対して所望姿勢とし、ツール22の位置を集積領域11から所望領域12まで変位させる。
加えて、アーム部21b(ツールマスタ24)に対するツール22の着脱時、動作制御部42は、アーム部21bの各部分を関節部の軸まわりにアクチュエータなどで回動させる。これにより、動作制御部42は、アーム部21bを基台部21aに対して所望姿勢とし、ツール台3との間で変位させる。また、動作制御部42は、エアコンプレッサ31cおよびバルブ31dを動作させ、ガイド31aのシリンダにエアを給排させる。これにより、ツール台3の可動部32をツール着脱方向に変位させる。そして、動作制御部42は、ツール22をツールマスタ24に着脱させる。その際、動作制御部42は、位置検出部331が検出した可動部32の変位状態、およびツール検出部332が検出したツール有無に基づいて、ツールマスタ24に対するツール22の着脱を制御する(詳細は後述)。
マップ格納部43は、ツール台3とツール22との対応関係をマップ(マスタテーブル)として蓄積して管理する。マップは、ツール台3におけるツール22の管理位置(以下、アドレスという)と、そのアドレスで管理されるツール22の識別子(以下、IDもしくはツールIDという)との対応関係を示すレコードの集合(データベース)である。ツール台3のアドレスおよびツール22のIDには、それぞれ固有値が予め割り振られている。ツール台3のアドレスは、保持部35の区画領域35aごとに設定されている。マップのレコード(ツール台3のアドレスとツール22のツールIDとの対応関係を示すデータ)は、適宜登録、更新(追加、変更、削除)される。これにより、ツール台3(区画領域35a)のアドレスとツール22のIDとの対応関係は、常に最新の情報に維持される。マップのレコードは、ツール着脱(交換)時などに管理部45によって読み出される。なお、マップ格納部43は省略可能である。例えば、ツール着脱(交換)時などには、ツール台3のアドレスと該アドレスに対応するツールIDをオペレータがその都度入力し、管理部45に付与してもよい。
通信制御部44は、検出制御部41、動作制御部42、マップ格納部43、および管理部45と、ロボット通信部23およびツール台通信部34との間で、ロボットアーム21による物品5のピッキングとロボットアーム21に対するツール22の着脱(交換)をそれぞれ制御するための各種の信号を有線もしくは無線を介して送受信する。
管理部45は、検出制御部41、動作制御部42、マップ格納部43、および通信制御部44を一元管理する。本実施形態では、管理部45を検出制御部41、動作制御部42、マップ格納部43、および通信制御部44とは別の構成とするが、管理部45を含むこれら各部は、それぞれの機能を果たすアプリケーションプログラムとして一つのマスタ装置(筐体)に搭載し、共通の演算処理部で実行される構成であってもよい。
ここで、ロボットアーム21に対するツール22の着脱(交換)時における荷役装置1の動作と作用について、ロボットユニット2およびツール台3に対する制御装置4の制御フローに従って説明する。
なお、以下の各説明においてその都度言及しないが、制御装置4は、通信制御部44とロボット通信部23およびツール台通信部34との間で、制御のために必要な所定の信号をそれぞれ送受信することで、ロボットユニット2およびツール台3に対して所望の制御を実行する。すなわち、ロボット通信部23およびツール台通信部34は、姿勢検出部241、位置検出部331、およびツール検出部332によって検出されたツール姿勢、可動部32の変位状態、およびツール有無に基づいて、ロボットアーム21および可動部32の動作可否の信号を通信制御部44に送信する。通信制御部44は、ロボットアーム21および可動部32の動作指示信号をロボット通信部23およびツール台通信部34に送信する。
本実施形態では、ツール台3を用いてロボットアーム21に対してツール22の着脱が行われる。このため、ツール着脱の前提作業として、ロボットアーム21に対するツール台3の位置調整をまず行う。ツール台3の位置調整は、例えば物流センタの建屋の床面上の直交する二つの方向、およびこれらと直交する方向(図4に矢印X,Y,Zでそれぞれ示す方向)に対するツール台3の座標位置(X座標、Y座標およびZ座標)を決定する作業である。ツール台3の位置は、例えば荷役装置1を物流センタなどに導入する際に調整され、必要に応じて再調整される。これにより、ロボットアーム21に対してツール台3が正しく配置され、ロボットアーム21にツール22を適正に着脱させることが可能となる。
図3に示すように、ツール台3の位置調整にあたっては、ツールマスタ24に位置決め治具25を取り付ける。図7には、位置決め治具25を用いたツール台3の位置調整時における制御装置4の制御フローを示す。
ツール台3の位置を調整するにあたって、動作制御部42は、ロボットアーム21のアーム部21bを初期位置に位置付ける(S101)。その際、例えば荷役作業後など、アーム部21bの位置が初期位置でない場合、動作制御部42は、アーム部21bを初期位置に戻す。初期位置は、例えばツールマスタ24に対してツール22を着脱させる際に基準となるとともに、物品5をピッキングする際に基準となる位置である。
次いで、動作制御部42は、アーム部21bを第1の調整位置に変位させる(S102)。第1の調整位置は、ツールマスタ24に位置決め治具25が取り付けられたアーム部21bをツール台3と干渉させることなく、安全にツール台3の位置調整を開始もしくは完了可能な位置として規定されている。
続けて、動作制御部42は、アーム部21bを第2の調整位置に変位させる(S103)。第2の調整位置は、ツール台3の可動部32を位置決め治具25に向けて変位(上昇)させることが可能な位置として規定されている。端的には、第2の調整位置は、位置決め治具25が区画領域35aと正対する位置である。
このようにアーム部21bが第2の調整位置に変位した状態で、ツール台3の位置調整が図られる(S104)。具体的には、位置決め治具25の位置決め孔251が保持部35の規定部(ボス)35cに適正に差し込まれた状態(以下、適正状態という)となるように、ツール台3を移動させる。適正状態は、例えば位置決め孔251とボス35cとが同芯状に位置付けられた状態である。S104では、適正状態となるまで、可動部32の昇降とツール台3の移動が繰り返される。したがって、動作制御部42は、位置決め治具25に対して可動部32を適宜昇降させる。ツール台3の移動は、適正状態となることを目視で確認しながら人手で行えばよい。ただし、人手を介さずに自動でツール台3を移動させても構わない。
その間、動作制御部42は、位置決め治具25が適正状態で区画領域35aに存在しているか否かを判定する(S105)。判定にあたって、動作制御部42は、ツール検出部332からツール有無を示す信号を取得する。この場合、ツールマスタ24に取り付けられているのは位置決め治具25であり、ツール有無を示す信号は、位置決め治具25の有無を示す信号として出力されている。動作制御部42は、取得した信号を解析し、ツール台3が適正配置されているか否かを判定する。解析した結果、例えば、すべての区画領域35aの縁35bと位置決め治具25とが適正に接触している場合、動作制御部42は、位置決め治具25が適正状態であると判定する。この場合、位置決め治具25の位置決め孔251が保持部35のボス35cに適正に差し込まれた状態となっているため、ツール台3は適正配置されている。一方、これらが適正に接触していない場合、動作制御部42は、位置決め治具25が適正状態ではないと判定する。この場合、位置決め治具25の位置決め孔251が保持部35のボス35cに適正に差し込まれた状態となっていないため、ツール台3は適正配置されていない。
位置決め治具25が適正状態となり、ツール台3が適正配置されている場合、動作制御部42は、位置調整制御を終了させる。一方、位置決め治具25が適正状態ではなく、ツール台3が適正配置されていない場合、動作制御部42は、ツール台3が適正配置されるまで、S104およびS105を繰り返す。
初期位置、第1の調整位置、第2の調整位置は、例えば建屋の床面にロボットアーム21が設置されると、ツール台3やツール22の形態などに応じて、管理部45によって予め演算される。演算された各座標位置(X座標、Y座標およびZ座標)の値は、例えば制御装置4の記憶装置に格納され、ツール台3の位置決め調整時にパラメータとして動作制御部42に読み出される。また、第1の調整位置および第2の調整位置は、後述するように、ツールマスタ24にツール22を着脱させるべく可動部32をツールマスタ24に向けて変位(昇降)させる際のアーム部21bの位置を演算するための基準位置として規定されている。すなわち、ツール着脱時、動作制御部42は、第1の調整位置および第2の調整位置からX方向、Y方向およびZ方向にそれぞれ所定距離だけアーム部21bを変位させる。
位置調整が完了すると、動作制御部42は、アーム部21bを第2の調整位置、第1の調整位置を経由して、初期位置まで戻す(S106)。これにより、動作制御部42は、ツール22の着脱制御に備える。
位置調整が完了してツール台3が適正配置され、アーム部21bが初期位置に戻された後、動作制御部42は、ツール22の着脱制御を行う。例えば、現時点においてアーム部21bにツール22が取り付けられていない状態においては、ツール取付処理が実行される。これに対し、現時点においてアーム部21bにツール22が取り付けられている状態においては、ツール取外処理が実行される。
図8には、アーム部21bに対するツール22の取り付け時(ツール取付処理)における制御装置4の制御フローを示す。ツール取付処理は、例えば後述するツール取外フラグがONである場合に実行される。ツール取外フラグがONであれば、アーム部21bにツール22が取り付けられていない状態であり、ツール22の取り付けが可能な状態であることを意味する。
図8に示すように、ツール取付処理において、管理部45は、動作制御部42にツール22(取付対象ツール)の取り付けを指示する(S201)。その際、管理部45は、例えばマップ格納部43が管理するマップからレコードを読み出し、取付対象ツールのID(ツールID)および該IDに対応するツール台3(区画領域35a)のアドレスを含む信号(トリガー)を動作制御部42に送信する。動作制御部42は、送信されたツールIDおよびアドレスの値をメモリに保持する。
取付指示を受けると、動作制御部42は、ツール台3における可動部32の現在位置を確認する(S202)。このため、動作制御部42は、起点条件を判定する。起点条件は、可動部32がツール22の着脱作業の起点となる位置(以下、起点位置という)以下に位置しているか否かの判定条件である。起点位置は、通常のツール管理状態にある場合の台座部31に対する可動部32の位置(端的には座面31sからの高さ)として規定されている。通常のツール管理状態は、ツール22の着脱作業時以外において、ツール台3の保持部35がツール22を保持(保管)している状態である。起点位置の座標データは、例えば制御装置4の記憶装置に格納され、起点条件の判定時にパラメータとして動作制御部42に読み出される。起点条件の判定にあたって、動作制御部42は、位置検出部331から可動部32の現在位置を取得し、起点位置と比較する。例えば、可動部32の現在位置が起点位置以下である場合、動作制御部42は、起点条件を満たすと判定する。一方、可動部32の現在位置が起点位置よりも上方である場合、動作制御部42は、起点条件を満たさないと判定する。
起点条件を満たす場合、動作制御部42は、取付対象ツールがツール台3に保持されていることを確認する(S203)。このため、動作制御部42は、取付対象ツールのIDに対応するアドレスの区画領域35a(所定区画領域)にツール22が存在しているか否かを判定する。判定にあたって、動作制御部42は、所定区画領域において、ツール22の存在がツール検出部332によって検出されているかを解析する。例えば、ツール検出部332からツール22の保持(所定区画領域におけるツール22の存在)を示す信号が送信されている場合、動作制御部42は、所定区画領域にツール22が保持されていると判定する。一方、かかる信号が送信されていない場合、動作制御部42は、所定区画領域にツール22が保持されていないと判定する。
ツール22が保持されている場合、動作制御部42は、ツールマスタ24をツール取付可能状態とする(S204)。ツール取付可能状態は、ツールマスタ24にツール22が取り付けられていない状態であり、ツール22を取り付けることが可能な状態である。ツール取付可能状態とするべく、動作制御部42は、ツールマスタ24を動作させる。ツールマスタ24は、例えば真空発生器およびコンプレッサを稼働させるとともに、バルブを開き、吸着体を吸着解放状態とする。
次いで、動作制御部42は、ツールマスタ24にツール22を取り付けるべく、ロボットアーム21を動作させる(S205)。例えば、動作制御部42は、ツール22を保持するツール台3の所定区画領域に向けてアーム部21bを変位させる。その際、動作制御部42は、初期位置から第1の位置を経由して、第2の位置にアーム部21bを位置付ける。初期位置、第1の位置、第2の位置は、アーム部21bの先端、つまりツールマスタ24のツール22との取付部分の中心点の変位位置を示す。
第1の位置は、ツールマスタ24にツール22を着脱させる際、アーム部21bをツール台3と干渉させることなく、安全にツール22の着脱を開始もしくは終了可能な位置として規定されている。第1の位置は、上述した第1の調整位置から例えばX方向にX1だけ変位させ、Y座標およびZ座標はそのままとした座標位置である。第1の調整位置からのX方向への変位距離(X1)は、所定区画領域のアドレスに基づいて管理部45によって演算され、動作制御部42に付与されている。図9には、アーム部21bが第1の位置に位置付けられた状態の一例を示す。
第2の位置は、ツールマスタ24にツール22を着脱させるべく可動部32をツールマスタ24に向けて変位(昇降)させる際のアーム部21bの位置として規定されている。第2の位置は、第1の位置から例えばY方向にY2だけ変位させ、X座標およびZ座標はそのままとした座標位置である。第1の位置からのY方向への変位距離(Y2)は、所定区画領域のアドレスに基づいて管理部45によって演算され、動作制御部42に付与されている。図10には、アーム部21bが第2の位置に位置付けられた状態の一例を示す。
動作制御部42は、第2の位置において、ツールマスタ24のツール22との取付部分を下方に臨ませ、ツール22のチェンジャ部22bと正対させるように、アーム部21bを変位させる。
続けて、動作制御部42は、可動部32を変位(上昇)させる(S206)。例えば、動作制御部42は、所定時間にわたり、バルブ31dの給気ポートを開いてエアコンプレッサ31cからエアを送出させ、ガイド31aのシリンダに供給する。所定時間経過後、動作制御部42は、エアコンプレッサ31cからのエアの送出を停止させ、バルブ31dの給気ポートを閉じる。これにより、可動部32がスライダ31bとともにガイド31aに沿って上昇して静止する。すなわち、動作制御部42は、区画領域35aに保持されたツール22をツールマスタ24に向けて所定高さ(後述する着脱位置)まで上昇させる。
動作制御部42は、ツール台3における可動部32の現在位置を確認する(S207)。このため、動作制御部42は、着脱点条件を判定する。着脱点条件は、ツールマスタ24に対してツール22を着脱させる位置(以下、着脱位置という)に可動部32が位置しているか否かの判定条件である。着脱位置は、所定区画領域に保持されたツール22を取り付けるべく、ツールマスタ24に対する動作制御を開始可能な可動部32の位置として規定されている。着脱位置の値は、例えば制御装置4の記憶装置に格納され、着脱点条件の判定時にパラメータとして動作制御部42に読み出される。着脱点条件の判定にあたって、動作制御部42は、位置検出部331から可動部32の現在位置を取得し、着脱位置と比較する。例えば、可動部32の現在位置が着脱位置とほぼ一致している場合、動作制御部42は、着脱点条件を満たすと判定する。一方、可動部32の現在位置が着脱位置と一致していない場合、動作制御部42は、着脱点条件を満たさないと判定する。
着脱点条件を満たす場合、動作制御部42は、所定区画領域に保持されたツール22がツールマスタ24に対して適正なツール姿勢であることを確認する(S208)。このため、動作制御部42は、所定区画領域に保持されたツール22のツールマスタ24に対するツール姿勢が適正であるか否かを判定する。判定にあたって、動作制御部42は、ツールマスタ24の姿勢検出部241から光の反射を示す信号を取得する。動作制御部42は、取得した信号を解析し、例えば反射強度に偏りがない場合、ツール姿勢が適正であると判定する。一方、反射強度に偏りがある、あるいは反射を示す信号がない場合、動作制御部42は、ツール姿勢が適正でないと判定する。
ツール姿勢が適正である場合、動作制御部42は、ツールマスタ24にツール22を取り付ける(S209)。取り付けにあたって、動作制御部42は、ツールマスタ24を動作させる。ツールマスタ24は、例えば真空発生器およびコンプレッサを稼働させるとともに、バルブを閉じ、ツール22を吸着体で吸着させる。図11には、ツールマスタ24にツール22(取付対象ツール)が取り付けられた状態の一例を示す。
動作制御部42は、取り付けられたツール22のIDを確認する(S210)。このため、動作制御部42は、メモリに保持したツールIDの値とツールマスタ24に取り付けられたツール22のIDの値を比較する。両者の値が一致する場合、動作制御部42は、取り付けられたツール22が取付対象ツールである、つまり正しいツール2が取り付けられていると判定する。一方、両者の値が一致しない場合、動作制御部42は、取り付けられたツール22が取付対象ツールではない、つまり誤ったツール22が取り付けられていると判定する。ツールマスタ24に取り付けられたツール22のIDは、例えばツール22に示されたIDの読み取りやツールマスタ24とツール22との電気的な接続状態(接続端子同士の通電有無)などによって、動作制御部42に付与される。
取付対象ツールが取り付けられている場合、動作制御部42は、取付対象ツールの電源をOFFからONに切り替える(S211)。その際、動作制御部42は、ツールマスタ24を動作させる。例えば、ツールマスタ24と取付対象ツール間の電源系統のリレーをONとすることで、ツールマスタ24と取付対象ツールのチェンジャ部22bとを電気的に接続させる。これにより、取付対象ツールのアクチュエータなどが作動可能な状態となる。
動作制御部42は、ツールマスタ24とチェンジャ部22bとの電気的な接続状態を確認する(S212)。例えば、両者の接続端子同士が適正に通電されている場合、動作制御部42は、これらが電気的に接続されている、つまり取付対象ツールが電気的に動作可能な状態であると判定する。一方、両者の接続端子同士が適正に通電されていない場合、動作制御部42は、これらが電気的に接続されていない、つまり取付対象ツールが電気的に動作不能な状態であると判定する。
ツールマスタ24とチェンジャ部22bとが電気的に接続されている場合、動作制御部42は、可動部32を変位(下降)させる(S213)。例えば、動作制御部42は、所定時間にわたり、バルブ31dの排気ポートを開き、エアコンプレッサ31cから送出されたエアをガイド31aのシリンダから排出させる。所定時間経過後、動作制御部42は、バルブ31dの排気ポートを閉じる。これにより、可動部32がスライダ31bとともにガイド31aに沿って下降して静止する。すなわち、動作制御部42は、所定区画領域に保持された取付対象ツールを着脱位置から所定高さまで下降させる。この場合、所定高さは起点位置である。図12には、可動部32が起点位置まで下降した状態の一例を示す。この状態においては、被規定部(溝)221aに対して規定部(ボス)35cが下降し、ボス35cと溝221aとの嵌合が解かれた状態となっている。したがって、取付対象ツールを所定区画領域から移動可能となり、取付対象ツールは、可動部32とともに下降することなく、ツールマスタ24に取り付けられた位置でそのまま静止する。
動作制御部42は、ツール台3における可動部32の現在位置を確認する(S214)。このため、動作制御部42は、起点条件を判定する。起点条件の判定方法は、S202と同様である。
起点条件を満たす場合、動作制御部42は、ツールマスタ24に取り付けられた取付対象ツールが適正なツール姿勢であることを確認する(S215)。このため、動作制御部42は、ツールマスタ24に取り付けられた取付対象ツールのツール姿勢が適正であるか否かを判定する。ツール姿勢の判定方法は、S208と同様である。
ツール姿勢が適正である場合、動作制御部42は、取付対象ツールがツール台3に保持されていないことを確認する(S216)。取付対象ツールがツール台3に保持されていない状態は、所定区画領域に保持されていた取付対象ツールがツールマスタ24に取り付けられ、可動部32の下降により、所定区画領域の縁35bから支持片221が離れた状態であることを意味する。このため、動作制御部42は、所定区画領域に取付対象ツールが存在しているか否かを判定する。ツール有無の判定方法は、S203と同様である。
取付対象ツールが保持されていない場合、動作制御部42は、ツール取付処理を終了させるべく、ロボットアーム21を動作させる(S217)。例えば、動作制御部42は、初期位置に向けてアーム部21bを変位させる。この場合、アーム部21bは、第2の位置に位置付けられており(S205)、動作制御部42は、第2の位置から第1の位置を経由して、初期位置にアーム部21bを位置付ける。これにより、ロボットアーム21は、例えば取付対象ツールによる物品5のピッキングなど、荷役作業に備える。図13には、アーム部21bが第1の位置を経由している状態の一例を示す。
アーム部21bが初期位置に変位されると、動作制御部42は、ツール取付処理が正常終了したことを示す信号を管理部45に送信する(S218)。かかる信号が管理部45に送信されると、ツール取付処理は終了(正常終了)する。その際、管理部45は、ツール取付処理が正常終了していることを示すフラグ(以下、ツール取付フラグという)をONに設定する。ツール取付フラグの初期値はOFFであり、ツール取付処理が異常終了した場合、管理部45は、ツール取付フラグを異常値に設定する。
また、ツール取付処理が正常終了すると、管理部45は、後述するツール22を取り外すための処理で使用するツール取外フラグをいずれも初期値(OFF)に戻す。これにより、管理部45は、ツール22の取り付け後の取り外し(交換)に備える。
なお、S202,S214において起点条件を満たさない場合、S203においてツール22が保持されていない場合、S207において着脱点条件を満たさない場合、S208,S215においてツール姿勢が適正でない場合、S210において取付対象ツールが取り付けられていない(誤ったツール22が取り付けられている)場合、S212においてツールマスタ24とチェンジャ部22bとが電気的に接続されていない場合、S216において取付対象ツールが保持されている場合、動作制御部42は、ツール取付処理が正常でない(異常である)ことを示す信号を管理部45に送信する。ツール取付処理の異常信号が管理部45に送信されることによっても、ツール取付処理は終了(異常終了)する。その際、動作制御部42は、所定の異常処理を実行してもよい。例えば、異常処理として、警告灯の点灯(点滅)、警告音の鳴動、警告メッセージの表示などの警告を行い、取付対象ツールの取り付け時に生じたエラーの周知徹底を図る。各ステップの異常処理の内容は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
次に、ツール22の取り外し時(ツール取外処理)における制御装置4の動作と作用について説明する。
図14には、ツール取外処理における制御装置4の制御フローを示す。ツール取外処理は、例えば上述したツール取付フラグがONである場合に実行される。ツール取付フラグがONであれば、アーム部21bにツール22が取り付けられている状態であり、該ツール22の取り外しが可能な状態であることを意味する。
図14には、ツール取外処理における制御装置4の制御フローを示す。ツール取外処理は、例えば上述したツール取付フラグがONである場合に実行される。ツール取付フラグがONであれば、アーム部21bにツール22が取り付けられている状態であり、該ツール22の取り外しが可能な状態であることを意味する。
図14に示すように、ツール取外処理において、管理部45は、動作制御部42にツール22の取り外しを指示する(S301)。その際、管理部45は、例えば取外対象ツールのID(ツールID)および該IDに対応するツール台3(区画領域35a)のアドレスを含む信号(トリガー)を動作制御部42に送信する。動作制御部42は、送信されたツールIDおよびアドレスの値をメモリに保持する。
取外指示を受けると、動作制御部42は、ツール台3における可動部32の現在位置を確認する(S302)。このため、動作制御部42は、起点条件を判定する。起点条件の判定方法は、S202,S214と同様である。
起点条件を満たす場合、動作制御部42は、取外対象ツールがツール台3に保持されていないことを確認する(S303)。取外対象ツールがツール台3に保持されていない状態は、取外対象ツールのIDに対応するアドレスの区画領域35a(所定区画領域)が空いていることを意味する。すなわち、取外対象ツールをツールマスタ24から取り外し、所定区画領域に保持させることが可能であることを意味する。このため、動作制御部42は、所定区画領域にツール22が存在しているか否かを判定する。ツール有無の判定方法は、S203,S216と同様である。
ツール22が保持されていない場合、動作制御部42は、取外対象ツールの電源をONからOFFに切り替える(S304)。その際、動作制御部42は、ツールマスタ24を動作させる。例えば、ツールマスタ24と取外対象ツール間の電源系統のリレーをOFFとすることで、ツールマスタ24と取外対象ツールのチェンジャ部22bとを電気的に切断させる。これにより、取外対象ツールのアクチュエータなどが作動不能な状態となる。
動作制御部42は、ツールマスタ24とチェンジャ部22bとの接続状態を確認する(S305)。例えば、両者の接続端子同士が適正に切断されている場合、動作制御部42は、これらが電気的に切断されている(通電していない)、つまり取外対象ツールが電気的に動作不能な状態であると判定する。一方、両者の接続端子同士が適正に切断されていない場合、動作制御部42は、これらが電気的に切断されていない、つまり取外対象ツールが電気的に動作不能な状態でないと判定する。取外対象ツールが電気的に動作不能な状態には、取外対象ツールが電気的に動作可能な状態のみならず、不安定であっても電気的に動作可能な状態も含む。
ツールマスタ24とチェンジャ部22bとが電気的に切断されている場合、動作制御部42は、ツールマスタ24から取外対象ツールを取り外すべく、ロボットアーム21を動作させる(S306)。例えば、動作制御部42は、取外対象ツールを保持させるツール台3の所定区画領域に向けてアーム部21bを変位させる。その際、動作制御部42は、初期位置から第1の位置を経由して(図13参照)、第2の位置にアーム部21bを位置付ける(図12参照)。
次いで、動作制御部42は、可動部32を変位(上昇)させる(S307)。例えば、動作制御部42は、エアコンプレッサ31cおよびバルブ31dをS206と同様に動作制御する。これにより、動作制御部42は、取外対象ツールの支持片221に向けて、可動部32を所定高さ(着脱位置)まで上昇させる(図11参照)。
動作制御部42は、ツール台3における可動部32の現在位置を確認する(S308)。このため、動作制御部42は、着脱点条件を判定する。着脱点条件の判定は、S207と同様である。
着脱点条件を満たす場合、動作制御部42は、ツールマスタ24から取外対象ツールを取り外す(S309)。取り外しにあたって、動作制御部42は、ツールマスタ24を動作させる。ツールマスタ24は、例えば真空発生器およびコンプレッサを稼働させるとともに、バルブを開き、取外対象ツールに吸着している吸着体の吸着を解放する。
続けて、動作制御部42は、可動部32を変位(下降)させる(S310)。例えば、動作制御部42は、エアコンプレッサ31cおよびバルブ31dをS213と同様に動作制御する。これにより、可動部32がスライダ31bとともにガイド31aに沿って下降して静止する。この時、取外対象ツールは、可動部32とともに下降し、支持片221が所定区画領域の縁35bで支持されて略垂直方向に沿ってぶら下がった状態となる。すなわち、支持片221を縁35bに引っ掛けた状態で取外対象ツールが所定区画領域に保持される(図10参照)。また、規定部(ボス)35cと被規定部(溝)221aとが嵌合した状態となる。したがって、取外対象ツールは、所定区画領域に位置決めされて保持される。
動作制御部42は、ツール台3における可動部32の現在位置を確認する(S311)。このため、動作制御部42は、起点条件を判定する。起点条件の判定方法は、S202,S214,S306と同様である。
起点条件を満たす場合、動作制御部42は、取外対象ツールがツール台3に保持されていることを確認する(S312)。このため、動作制御部42は、所定区画領域に取外対象ツールが存在しているか否かを判定する。ツール有無の判定方法は、S203,S216,S303と同様である。
取外対象ツールが保持されている場合、動作制御部42は、所定区画領域に保持されている取外対象ツールが適正なツール姿勢であることを確認する(S313)。このため、動作制御部42は、所定区画領域に保持されている取外対象ツールのツール姿勢が適正であるか否かを判定する。ツール姿勢の判定方法は、S208,S215と同様である。
ツール姿勢が適正である場合、動作制御部42は、ツールマスタ24をツール取付状態とする(S314)。ツール取付状態は、ツールマスタ24からツール22(取外対象ツール)が取り外されているが、疑似的にツール22が取り付けられている状態である。この場合、動作制御部42は、ツールマスタ24を動作させ、例えば真空発生器およびコンプレッサを稼働させるとともに、バルブを閉じる。これにより、疑似的に吸着体にツール22が吸着された状態とする。
そして、動作制御部42は、ツール取外処理を終了させるべく、ロボットアーム21を動作させる(S315)。例えば、動作制御部42は、初期位置に向けてアーム部21bを変位させる。この場合、アーム部21bは、第2の位置に位置付けられており(S306)、動作制御部42は、第2の位置から第1の位置を経由して(図9参照)、初期位置にアーム部21bを位置付ける。これにより、ロボットアーム21は、例えばツール交換(ツールマスタ24に対する取付対象ツールの取り付け)に備える。
アーム部21bが初期位置に変位されると、動作制御部42は、ツール取外処理が正常終了したことを示す信号を管理部45に送信する(S316)。かかる信号が管理部45に送信されると、ツール取外処理は終了(正常終了)する。その際、管理部45は、ツール取外処理が正常終了していることを示すフラグ(以下、ツール取外フラグという)をONに設定する。ツール取外フラグの初期値はOFFであり、ツール取外処理が異常終了した場合、管理部45は、ツール取外フラグを異常値に設定する。
また、ツール取外処理が正常終了すると、管理部45は、上述したツール取付処理で使用するツール取付フラグをいずれも初期値(OFF)に戻す。これにより、管理部45は、ツール22の取り外し後の取り付け(交換)に備える。
なお、S302,S306,S311において起点条件を満たさない場合、S303においてツール22が保持されている場合、S305においてツールマスタ24とチェンジャ部22bとが電気的に切断されていない場合、S308において着脱点条件を満たさない場合、S312において取外対象ツールが保持されていない場合、S313においてツール姿勢が適正でない場合、動作制御部42は、ツール取外処理が正常でない(異常である)ことを示す信号を管理部45に送信する。ツール取外処理の異常信号が管理部45に送信されることによっても、ツール取外処理は終了(異常終了)する。その際、動作制御部42は、所定の異常処理を実行してもよい。例えば、異常処理として、警告灯の点灯(点滅)、警告音の鳴動、警告メッセージの表示などの警告を行い、取外対象ツールの取り外し時に生じたエラーの周知徹底を図る。各ステップの異常処理の内容は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
このように本実施形態のツール台3によれば、区画領域35aにツール22を保持した状態で、可動部32を台座部31に対してツール着脱方向に変位(昇降)させることができる。したがって、ツールマスタ24を静止させた状態であっても、可動部32を昇降させることで、これと同期してツール22をツールマスタ24に対して離接させることができる。すなわち、ツールマスタ24に対してツール22を変位させることで、ツール22をツールマスタ24に着脱させることができる。
このため、ツール着脱時点において、ロボットアーム21のアーム部21bを動作させずに済む。結果として、ロボットアーム21の動作パワーやツール22との相対位置を制御することなく、ツールマスタ24に対してツール22を着脱可能となる。可動部32の昇降に要する動作パワーは、ロボットアーム21の動作パワーと比べて小さい、また、可動部32の昇降には、アーム部21bを変位させる場合ほど高精度の制御を要しない。例えば、従来のようなティーチペンダントによる高精度の動作計画などは不要となる。したがって、ツール台3の可動部32の昇降という比較的単純で簡易な手段で、ロボットアーム21に対するツール22の着脱を自動化させることができる。加えて、多種多様なツール22が着脱対象となるような場合には、ツール着脱時にアーム部21bを変位させるための制御はさらに複雑となり、より一層の精度が求められる。このため、このような場合、可動部32の昇降によってツール22の着脱を自動化させる効果はより顕著となる。
ツールマスタ24に対してツール22が着脱されると、アーム部21bは、第2の位置から初期位置に戻される。その際、アーム部21bは、可動部32が起点位置まで下降した後、第1の位置を経由して変位する。起点位置は、ツール台3の保持部35がツール22を保持し、通常のツール管理状態にある場合の台座部31に対する可動部32の位置である。第1の位置は、ツールマスタ24にツール22を着脱させる際、アーム部21bをツール台3に対して干渉させることなく、安全にツール22の着脱を開始もしくは終了可能な位置である。
垂直方向から見た区画領域35aの輪郭は、一辺が欠落した矩形状をなしており、欠落した一辺部分は、区画領域35aへのツール22のアクセス口として外部に開放されている。このため、このアクセス口からツール22を区画領域35aに進退(出入)させることができ、アーム部21bを第1の位置を経由させて初期位置まで戻すことができる。
第1の位置を経由させることで、ツール22が取り付けられたアーム部21b、もしくはツール22が取り外されたアーム部21bをツール台3と干渉させることなく、より安全に初期位置まで戻すことができる。したがって、ツール22の着脱時において、アーム部21b、端的にはツールマスタ24およびツール22と、ツール台3との接触を確実に回避することができる。また、区画領域35aの欠落した一辺部分(アクセス口)の間口は、本体部22aの差渡し寸法に比べて十分に広いため、区画領域35aへの進退(アクセス)時にツール22と区画領域35aとの接触を抑制できる。このため、例えばツールマスタ24、ツール22、およびツール台3の接触による損傷や不具合などを抑制することができ、耐久性の向上を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本実施形態において、可動部32は、保持部35として複数(二つ)の区画領域35aを有しており、これらの区画領域35aを同時に昇降させる。このため、可動部32は、各区画領域35aに一つずつツール22を収め、複数のツール22を同時に保持することができる。複数のツール22が同時に保持されている場合、これらのツール22は、可動部32の昇降によって、可動部32とともに同時に昇降する。
例えばツール22の重量が増すと、複数のツール22を同時に昇降させる動力も増大する。このため、複数のツール22を同時に保持する場合、台座部に複数の可動部を設け、これらがそれぞれ個別に台座部に対して昇降(変位)するツール台としてもよい。この場合、ツール台は、各可動部が一つずつ区画領域を有し、例えば可動部(区画領域)の数だけ移動機構を備えていてもよいし、一つの移動機構が複数の可動部を個別に変位させるような構成であってもよい。
1…荷役装置、2…ロボットユニット、3…ツール台、4…制御装置、5…物品、11…集積領域、12…所望領域、21…ロボットアーム、21a…基台部、21b…アーム部、22…ツール、22a…本体部、22b…チェンジャ部、23…ロボット通信部、24…ツールマスタ、25…位置決め治具、31…台座部、31a…ガイド、31b…スライダ、31c…エアコンプレッサ、31d…バルブ、31s…座面、32…可動部、33…検出部、34…ツール台通信部、35…保持部、35a…区画領域(切り欠き)、35b…縁、35c…規定部(ボス)、41…検出制御部、42…動作制御部、43…マップ格納部、44…通信制御部、45…管理部、221…支持片、221a…被規定部(溝)、241…姿勢検出部、251…位置決め孔、311…移動機構、331…位置検出部、332…ツール検出部。
Claims (10)
- 物品を荷役するロボットアームの動作範囲内に配置された台座部と、
前記ロボットアームに着脱されるツールを保持する領域を有し、前記ロボットアームに前記ツールを着脱させる際に、前記領域を前記ロボットアームに離接させる方向へ前記台座部に対して変位する可動部と、を備える
ツール台。 - 前記可動部の変位状態および前記可動部に保持されている前記ツールの有無を検出する検出部を備える
請求項1に記載のツール台。 - 前記ロボットアーム、前記可動部および前記検出部の動作を制御する制御装置との間で、前記動作を制御するための信号を送受信する通信部を備え、
前記通信部は、前記制御装置から受信する信号に基づき、前記検出部によって検出された前記可動部の変位状態および前記ツールの有無を含む信号を前記制御装置に送信する
請求項2に記載のツール台。 - 前記通信部は、
前記可動部に前記ツールが保持されている場合、それを示す信号を前記制御装置に送信し、送信した信号の応答信号として前記ロボットアームに接近する方向へ前記可動部を変位させることを示す通知信号を前記制御装置から受信し、
前記ロボットアームに前記ツールが取り付けられた際、それを示す信号を前記制御装置に送信し、送信した信号の応答信号として前記ロボットアームから離間する方向へ前記可動部を変位させることを示す通知信号を前記制御装置から受信する
請求項3に記載のツール台。 - 前記通信部は、
前記可動部に前記ツールが保持されていない場合、それを示す信号を前記制御装置に送信し、送信した信号の応答信号として前記ロボットアームに接近する方向へ前記可動部を変位させることを示す通知信号を前記制御装置から受信し、
前記ロボットアームから前記ツールが取り外された際、それを示す信号を前記制御装置に送信し、送信した信号の応答信号として前記ロボットアームから離間する方向へ前記可動部を変位させることを示す通知信号を前記制御装置から受信する
請求項3に記載のツール台。 - 前記可動部は、前記ツールの保持位置を規定する規定部を有する
請求項1から5のいずれか一項に記載のツール台。 - それぞれ個別に前記台座部に対して変位する複数の前記可動部を備える
請求項6に記載のツール台。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載のツール台と、
前記ツール台を介して着脱された前記ツールで物品を荷役する前記ロボットアームと、
前記ツール台および前記ロボットアームの動作を制御する制御装置と、を備える
荷役装置。 - 前記制御装置は、前記ロボットアームに前記ツールが取り付けられていない場合、
前記可動部に前記ツールが保持されていることを示す信号を前記ツール台から受信すると、前記ロボットアームに接近する方向へ前記可動部を変位させて、前記ロボットアームに前記ツールを取り付け、
前記ロボットアームに前記ツールが取り付けられたことを示す信号を前記ツール台から受信すると、前記ロボットアームから離間する方向へ前記可動部を変位させる
請求項8に記載の荷役装置。 - 前記制御装置は、前記ロボットアームに前記ツールが取り付けられている場合、
前記可動部に前記ツールが保持されていないことを示す信号を前記ツール台から受信すると、前記ロボットアームに接近する方向へ前記可動部を変位させて、前記ロボットアームから前記ツールを取り外し、
前記ロボットアームから前記ツールが取り外されたことを示す信号を前記ツール台から受信すると、前記ロボットアームから離間する方向へ前記可動部を変位させる
請求項8に記載の荷役装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019112818A JP2020203350A (ja) | 2019-06-18 | 2019-06-18 | 荷役装置およびツール台 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019112818A JP2020203350A (ja) | 2019-06-18 | 2019-06-18 | 荷役装置およびツール台 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020203350A true JP2020203350A (ja) | 2020-12-24 |
Family
ID=73836798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019112818A Pending JP2020203350A (ja) | 2019-06-18 | 2019-06-18 | 荷役装置およびツール台 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020203350A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023032621A1 (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-09 | 株式会社アマダ | ワーク供給ロボット及びワーク供給システム |
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2019
- 2019-06-18 JP JP2019112818A patent/JP2020203350A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023032621A1 (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-09 | 株式会社アマダ | ワーク供給ロボット及びワーク供給システム |
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