JP2020202049A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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陽平 堀
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剛典 和田
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浩昭 中原
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毅 松下
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Abstract

【課題】効率が高く、しかもワークの種類に応じた加熱が可能である誘導加熱装置を提供する。【解決手段】誘導加熱装置10は、コア22と、コア22の端部であってワーク14が配置されるギャップを介して対向する一対の磁極28a,28bと、一対の磁極28a,28bのまわりにそれぞれ巻回されたコイル24a,24bと、コイル24a,24bを磁極28a,28bに沿って移動させてワーク14からの距離を調整する駆動機構26a,26bとを備える。一対の磁極28a,28bはコア22における両端部である。一対の磁極28a,28bは、コア22によるループ状の磁束Φの経路の一部でギャップを形成している。コイル24a,24bは、それぞれループ状の磁束Φの経路に沿った同一方向に磁束を発生させる向きに巻回されており、それぞれ直列に接続されている。【選択図】図2

Description

本発明は、コアと、該コアのまわりに巻回されたコイルとを備える誘導加熱装置に関する。
ワークとして金属などの誘電体を加熱するのに該ワークに誘起される渦電流を利用する誘導加熱装置が知られている。誘導加熱装置は、コアと、該コアのまわりに巻回されたコイルとを備えており、コイルに交流電流を通電することによって磁束を発生させ、該磁束をコアの端部からワークに供給することにより、ワークに渦電流を発生させる。誘導加熱はワーク内部の渦電流によって内部からの発熱ができるので効率が高く迅速な加熱が可能である。
ところで、誘導加熱装置は対象のワークの形状や物性に応じた専用設計がなされており、ワークが異なると加熱効率が変化する。そこで特許文献1においては、コイル位置を一定にしながらコアを相対的に昇降させてワークとの距離を調整することが提案されている。
また板材などの加熱には、特許文献2のようなC型コアを備える誘導加熱装置が用いられることがある。このような誘導加熱装置では、一対の磁極がワークを挟んだ対向位置に設けられていて磁路に大きなギャップがなく、C型コアの内部に磁束が通過するループが形成されるため加熱効率が優れている。C型コアの磁極の各端部にはコイルが巻回されている。
特開2001−32016号公報 特許第6054325号公報
特許文献1に記載の誘導加熱装置はコアを昇降装置で昇降させているが、この場合コアが専用設計であって汎用性が低く、例えば既存の誘導加熱装置には適用できない。また、コアがフェライトである場合には加工が難しく昇降装置に組み付けにくい。
さらに、特許文献1に記載の誘導加熱装置は、板材などを加熱する場合には特許文献2に記載のC型コアを備える誘導加熱装置と比較して効率が低く、しかもC型コアで特許文献1のようにコアとワークとの距離を調整することは困難である。
さらにまた、各磁極に巻回された一対のコイルに対してはインバータによって交流電流が流されるが、一対の磁極のギャップに配置されたワークの種類が異なると一対のコイル間のインピーダンスが変化してしまい、インバータで適用可能な範囲から外れてしまうことがある。そうすると、ある種類のワークを加熱するためにはコイルを含むC型コアを入れ替えるか、または別のインバータを用意する必要がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、効率が高く、しかもワークの種類に応じた加熱が可能である誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる誘導加熱装置は、1以上のコアと、前記コアの端部であってワークが配置されるギャップを介して対向する一対の磁極と、一対の前記磁極のまわりにそれぞれ巻回されたコイルと、前記コイルの少なくとも一方を前記磁極に沿って移動させて前記ワークからの距離を調整する駆動機構と、を備えることを特徴とする。
前記コアは1つであり、前記一対の磁極は前記コアにおける両端部であってもよい。
前記コアは複数であり、前記一対の磁極は異なる前記コアにおけるそれぞれの一端部であってもよい。
前記一対の磁極は、前記コアによるループ状の磁束経路の一部で前記ギャップを形成していてもよい。
前記コイルは、それぞれループ状の前記磁束経路に沿った同一方向に磁束を発生させる向きに巻回されており、それぞれ直列に接続されていてもよい。
一対の前記コイルの間のインピーダンスを測定する測定器と、前記測定器による測定結果に基づいて前記駆動機構を駆動する制御部と、を備えてもよい。
前記制御部は、一対の前記コイルの間のインダクタンスが目的値となるように、前記前記駆動機構を駆動して一対の前記コイルを変位させてもよい。
本発明にかかる誘導加熱装置は、効率が高く、しかもワークの種類に応じた加熱が可能である。
図1は、実施形態にかかる誘導加熱装置を含む加熱システムのブロック図である。 図2は、実施形態にかかる誘導加熱装置の斜視図である。 図3は、誘導加熱装置の磁気回路を等価電気回路に置き替えた図である。 図4は、誘導加熱装置によってワークを加熱する状態を示す模式側面図であり、(a)は小さいワークを加熱する状態を示し、(b)は大きいワークを加熱する状態を示す。 図5は、加熱システムを稼働させる際のインピーダンス調整の手順を示すフローチャートである。 図6は、ワークが平板状である場合の幅と、コイル間距離と、インピーダンスとの関係を示す解析結果によるグラフである。 図7は、変形例に係る誘導加熱装置を示す図であり、(a)は第1の変形例にかかる誘導加熱装置の模式図であり、(b)は第2の変形例にかかる誘導加熱装置の模式図である。
以下に、本発明にかかる誘導加熱装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかる誘導加熱装置10および該誘導加熱装置10を含む加熱システム12のブロック図である。図2は、実施形態に係る誘導加熱装置10の斜視図である。図1に示すように、加熱システム12は被加熱物としてのワーク14を加熱するものであり、誘導加熱装置10と、インバータ16と、測定器18と、制御部20とを備える。これらの区分は便宜上のものであり、例えば測定器18および制御部20は誘導加熱装置10の一部としてもよい。
図2に示すように、誘導加熱装置10はコア22と、一対のコイル24a,24bと、これらのコイル24a,24bの位置を調整する駆動機構26a,26bとを備える。コイル24a,24bは、機械的には駆動機構26a,26bによって駆動され、電気的にはインバータ16によって駆動される。コア22はいわゆる鉄心であって透磁率の高い材質で構成され、例えばフェライトが用いられる。コア22はC型であって、ワーク14が配置されるギャップを介してZ方向で対向する一対の磁極28a,28bと、磁極28a,28bからやや離れてZ方向に延在する架橋部30と、磁極28a,28bと架橋部30とをつなぐ連接部32a,32bとを有する。
磁極28a,28bはコア22の端部でコイル24a,24bが巻回される部分およびその近傍であり、ワーク14に対して磁気的な作用を与える部分である。磁極28a,28b、架橋部30および連接部32a,32bは矩形断面を有する直方体部材であり、相互に固定されている。磁極28aと磁極28bとの間はワーク14が挿入可能な程度に適度に離間してギャップを形成している。ワーク14は、例えば金属の薄板材であり、Z方向に対して直交する方向に移動しながら誘導加熱装置10によって加熱され、または位置固定の状態で加熱される。ワーク14は、基本的には磁極28aの端面と磁極28bの端面とから等しい距離に配置される。
コイル24aはベース板34aに固定されており、磁極28aのまわりにボビン35を介して巻回されている。コイル24bはベース板34bに固定されており、磁極28bのまわりにボビン35を介して巻回されている。コイル24a,24bはベース板34a,34bおよびボビン35に対して必要に応じて接着してもよい。コイル24a,24bの導線は、例えば被覆銅線であり、冷媒が流通する中空部を有してもよい。
コイル24a,24bが巻回されたボビン35は、磁極28a,28bに対してZ方向に変位可能なように多少の隙間が形成されている。ボビン35と磁極28a,28bとの間には固体または液体の潤滑材が設けられていてもよい。コイル24aとコイル24bとは接続線36によって直列に接続されている。接続線36は、コイル24aとコイル24bとが適度に離間可能な程度に余裕のある長さとなっており、適度な弾性・可撓性を有する。コイル24aとコイル24bとは磁極28aおよび磁極28bに対して同方向の磁束を発生させる向きに巻回されている。このように、直列に接続されたコイル24aとコイル24bとを1台のインバータ16で駆動することにより、コイル24aとコイル24bとに加わる電流が同期し、周波数や位相のずれがなく磁気干渉が生じない。
駆動機構26aはフレーム38aと、モータ40aと、スクリュー42aと、ナット44aとを備える。フレーム38aは、駆動機構26aのベースとなる部材であり、Z方向に延在するポスト38aaと、該ポスト38aaの両端に直交する外側ビーム38abおよび内側ビーム38acとを有する。フレーム38aは、ワーク14と非干渉の位置に設けられる。モータ40aは外側ビーム38abの内側面に固定されている。スクリュー42aはZ方向に延在してベース板34aの孔を貫通しており、その一端はモータ40aの出力軸に固定されて、他端は内側ビーム38acに軸支されている。ナット44aは、ベース板34aに固定された状態でスクリュー42aに螺合している。
駆動機構26aと駆動機構26bとは同じ構成であり、Z方向について逆向きに配置されている。駆動機構26bは駆動機構26aと同様の構成要素を備えており、対応する構要素は添え字のアルファベット「a」を「b」に代えて示し、詳細な説明を省略する。
駆動機構26a,26bは図示しない筺体を介してコア22と接続されている。駆動機構26a,26bはコア22に対して直接的に固定されていてもよい。内側ビーム38acと内側ビーム38bcとの間にはワーク14の出し入れが可能な隙間46が確保されている。
駆動機構26aによれば、モータ40aがスクリュー42aを正転および反転することにより、螺合するナット44aがZ方向に変位し、これにともないベース板34aおよびコイル24aは磁極28aにガイドされながらZ方向に沿って変位可能である。同様に、駆動機構26bによれば、モータ40bがスクリュー42bを正転および反転することにより、螺合するナット44bがZ方向に変位し、これにともないベース板34bおよびコイル24bは磁極28bにガイドされながらZ方向に沿って変位可能である。
このように、コイル24aとコイル24bとは、駆動機構26aおよび駆動機構26bによって独立的に変位可能となっているが、設計条件によってはワーク14との距離が略等しくなるように連動する構成としてもよい。コイル24aおよびコイル24bがワーク14から等距離になるように駆動機構26aおよび駆動機構26bによって変位されると、ワーク14を両面からバランスよく加熱することができるが、設計条件によっては駆動機構26aおよび駆動機構26bのいずれか一方を省略し、コイル24aおよびコイル24bのいずれか一方を固定としてもよい。駆動機構26a,26bは、例えばロボットなどで置き替えてもよい。
コイル24a,24bは、ストッパに当接するまで互いに接近・離間可能である。互いに離間する方向のストッパは、例えば連接部32a,32bを利用することができる。互いに接近する方向のストッパは、例えば磁極28a,28bの各端面に設けられる。駆動機構26a,26bには、コイル24a,24bのZ方向変位を計測するセンサが設けられていてもよいし、またはストッパに当接した地点をゼロ点として記憶し、該ゼロ点からの移動距離をZ方向位置として認識してもよい。
C型のコア22を備える誘導加熱装置10では、一対の磁極28a,28bがワーク14を挟んだ対向位置に設けられていて磁路に大きなギャップがなく、コア22の内部に磁束Φが通過するループが形成されるため加熱効率が優れている。
図1に戻り、インバータ16は、直列接続されたコイル24aおよび24bに対して高周波電流を印加するように配線されている。測定器18は、インバータ16の2本の出力線に接続されており、コイル24a、コイル24bおよびその間に配置されるワーク14を含めた総合的なインピーダンスを測定可能である。測定器18は、例えばインバータ16の2本の出力線の電圧と電流とからインピーダンスを測定するものであり、インバータ16の稼働中においても測定が可能である。測定された結果は制御部20に供給される。制御部20は駆動機構26a,26bに接続されており、測定器18から得られるインピーダンス値に基づいてモータ40a,40bを正転または反転させ、コイル24aとコイル24bとの距離を調整する。コイル24aおよびコイル24bは、基本的にはワーク14から等距離に配置される。制御部20は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)である。
コイル24a,24bは、駆動機構26a,26bによって進退することから、磁極28a,28bの端部はコイル24a,24bから突出し得る。この突出した部分のZ方向長さはそれぞれL2とする。磁極28a,28bにおけるコイル24a,24bから突出する部分の長さを双方とも同じL2とすることにより、回路的にバランスがよい。磁極28aと磁極28bとの各端部のZ方向距離はL1とする。L1は固定であり、L2は可変である。また磁束Φのうち、コイル24aとコイル24bとの間で磁極28aおよび磁極28bを通り、さらにワーク14を通って該ワーク14の加熱に寄与する成分を有効磁束Φ1とし、その他を漏れ漏れ磁束Φ2とする。
図3は、誘導加熱装置10の磁気回路を等価電気回路に置き替えた図である。また、図3は理解が容易となるように直流回路として示しているが、実際は交流回路である。図3に示すように、コイル24aおよびコイル24bは電源と等価であり、コア22はこれらを直列に接続する導線と等価である。コア22によって接続されていない側でコイル24aとコイル24bとの間は等価的に直列部48と並列接続部49との並列回路で表される。
直列部48は、コイル24aとコイル24bとの間で磁極28aおよび磁極28bを含む部分の等価回路であり、有効磁束Φ1が通る部分の回路である。並列接続部49は、コイル24aとコイル24bとの間で磁極28aおよび磁極28bを通らない部分の等価回路であり、漏れ磁束Φ2が通る部分の回路である。
直列部48は、1つの抵抗Rmと、それを挟む2つの抵抗Rmとの直列回路である。抵抗Rmは、磁極28a,28bを通る部分の磁気抵抗に相当するが磁極28a,28bの比透磁率は大きいため、Rm≒0であることから無視可能である。抵抗Rmは磁極28aの端面とこれに対向する磁極28bの端面との間の磁気抵抗に相当する。抵抗Rmはワーク14の種類(サイズ、形状、物性など)によって影響を受ける。直列部48の抵抗はRmを無視すると、Rm=L1/(μ×S1)である。μは真空の透磁率であるが、空中でもほぼ等しいとする。S1は磁極28a,28bの断面積である。
並列接続部49は、1つの抵抗Rm’と、それを挟む2つの抵抗Rm’との直列回路である。抵抗Rm’は、長さL2の部分で磁極28a,28bを通らない分の磁気抵抗に相当する。この部分の断面積をS2と仮定する。抵抗Rm’は長さL1の部分で、仮定された断面積S2と部分を通る磁気抵抗に相当する。並列接続部49の抵抗はRm’+2Rm=(L1+2L2)/(μ×S2)である。
直列部48と並列接続部49との合成抵抗Rmは、Rm=L1×(L1+2L2)/(2(L1+2L2)×(μ×S1))である。コイルの巻き数をNとすればインダクタンスはN/Rm=(2(L1+2L2)×(μ×N×S1)))/(L1×(L1+2L2))となる。
そうすると、コイル24aとコイル24bとの間のインピーダンス(インダクタンス)は、距離L2の関数で表されることから距離L2によって所望値に調整することができる。すなわち、抵抗Rmはワーク14の種類によって変化しうるが、距離L2を変化によりそれを相殺させることができ、全体の合成抵抗に相当するインピーダンスIdを所定の目的値に合わせることができる。この合成抵抗に相当するインピーダンスIdは測定器18によって測定される。
なお、図3に基づく説明では磁気を電気に置き替えたが、実際の誘導加熱装置10は磁気回路であり、上記の説明における電気が磁気に置き替えられ、電流Iは有効磁束Φに置き替えら、電流Iは漏れ磁束Φに置き替えられる。
図4は、誘導加熱装置10によってワークを加熱する状態を示す模式側面図であり、(a)は小さいワーク14Sを加熱する状態を示し、(b)は大きいワーク14Lを加熱する状態を示す。
図4(a)に示すように、小さいワーク14Sを加熱する場合には、コイル24aとコイル24bとを短い距離Daまで近づける。コイル24aとコイル24bとはワーク14Sに応じて、例えば磁極28a,28bの各端面にまで変位して互いに近接することができる。
図4(b)に示すように、大きいワーク14Lを加熱する場合には、コイル24aとコイル24bとを長い距離Db(Db>Da)まで遠ざける。コイル24aとコイル24bとはワーク14Lに応じて、例えば連接部32a,32bに当接するまで変位して互いに離間することができる。
図5は、加熱システム12を稼働させる際のインピーダンス調整の手順を示すフローチャートである。図5に示す処理は基本的には制御部20において自動的に行われる。
加熱システム12を稼働させる場合には、まずワーク14を磁極28aと磁極28bとの隙間の加熱位置にセットする。
次に、図5のステップS1において、駆動機構26a,26bを駆動してコイル24a,24bの位置調整を行い、コイル間距離dを初期値d0にする。コイル間距離dはd=L1+2L2(図1参照)とする。L1は固定であることから、実際にはL2の部分を調整する。初期値d0は余裕をもって大きい値に設定しておく。なお、図5における設定式で「←」は右辺を左辺に代入する処理を示す。
ステップS2において、測定器18によりコイル24aとコイル24bとの間のインピーダンスIdを測定する。このインピーダンスIdは現在値であり、磁極28a,28bとそのギャップ、およびワーク14が含まれる。
ステップS3において、インピーダンスIdと所定の目的値Idとを比較しId<Idであれば(Yes)ステップS4へ移り、Id≧Idであれば(No)図5に示す処理を終了する。
ステップS4において、コイル間距離dと所定の距離下限値duとを比較し、du<dであれば(Yes)ステップS5へ移り、du≧dであれば(No)、インピーダンスIdの調整が不調であることから所定のエラー出力をする。
ステップS5において、コイル間距離dをギャップ補正量tだけ減少させる処理を行う。ギャップ補正量tは適度に小さい値である。この処理の後にステップS2へ戻る。なお厳密に言えば、コイル間距離dは現実の物理量であり、制御部20では該コイル間距離dを変更させる指令値に基づいてギャップ補正量tだけ減少させる。
ステップS2〜S5のループ処理によれば、コイル間距離dはステップS5で徐々に減らされていることから、ステップS3でId≧Idとなったときには(No)、実質的にはId=Idとなり、インピーダンスIdが調整されたことになる。
図5では、インピーダンスIdが目標値Id0より大きい場合にはコイル24a,24bをワーク14から近づける処理を行っているが、小さい場合にはワーク14から遠ざけるようにしてもよい。
インピーダンスIdが目的値Id0になれば、測定器18による測定と制御部20による駆動機構26a,26bの駆動を終了し、インバータ16からコイル24a,24bに電流を供給して誘導加熱を開始する。なお、図5の処理中は測定器18でインピーダンスIdを計測するために、インバータ16から定周波数、定電圧でコイルCを駆動してもよい。この計測用の印加電圧は、加熱前処理としての低電圧に設定されていてもよい。
このような手順により、一対の磁極28a,28bのギャップに配置されたワーク14の種類が異なっても一対のコイル24a,24b間のインピーダンスIdを目的値Id0に合わせることができる。したがって、例えばインバータ16における出力可能な周波数範囲に応じてインピーダンスIdに合わせることができ、コイル24a,24bやコア22を交換したり、またはインバータ16を交換する必要がない。また、インピーダンスIdの調整は制御部20、測定器18および駆動機構26a,26bの作用下に自動的に行うことができる。この自動処理は、制御部20の作用下に、一対のコイル24a,24bの間のインダクタンスIdが目的値Id0となるように、駆動機構26a,26bを駆動して一対のコイル24a,24bを段階的に変位させることにより容易に実現される。コイル24a,24bの変位は、ギャップ補正量tを十分に小さく設定することにより実質的に連続的に変化するようにしてもよい。
図6は、ワーク14が平板状である場合の幅w(図2参照)と、コイル間距離D(図2参照)と、インダクタンスIdとの関係を示す解析結果によるグラフである。図6では、コイル24a,24b間のインピーダンスとして主成分であるインダクタンスIdに基づいて示している。図6に示すように、ワーク14の幅wが10mm、20mmおよび30mmの場合を比較すると幅wが小さいほどインダクタンスIdは大きくなる。また、いずれの場合もコイル間距離DにしたがってインダクタンスIdが比例的に増大する傾向がある。上記の稼働手順によれば、仮にインダクタンスId=Idが適正値である場合、ワーク14の幅wが10mmのときにはコイル間距離DがDとなるように調整し、幅wが20mmのときにはコイル間距離DがDとなるように調整し、幅wが30mmのときにはコイル間距離DがDとなるように調整すればよい。
加熱システム12においては、ワーク14の温度に基づいてコイル24a,24bの変位を調整するフィードバック制御をしてもよい。このようなフィードバック制御によれば、例えば気温の影響を抑制することができる。ワーク14の温度を検出する手段は接触式でも非接触式でもよく、または何らかの推定手段でもよい。フィードバック制御と測定器18によるインピーダンスに基づく稼働手順とは併用してもよい。
誘導加熱装置10はコア22が汎用的形状であることから、これに対応したコイル24a,24bおよび駆動機構26a,26bを、既存の多くの誘導加熱装置に適用できる可能性がある。また、コア22には加工が不要であり、またはほぼ不要であることから、加工が困難であるフェライトを適用することができる。フェライトは低強度ではあるが低損失であることため、誘導加熱装置10は高効率、低コストおよび省エネルギーである。
さらに、C型のコア22は板材などを加熱する場合に、該板材の両側から磁束Φを通して効率よく加熱することができる。さらにまた、誘導加熱装置10は駆動機構26a,26bによってコイル24a,24bを調整することによりワーク14の種類に応じた加熱が可能である。
次に、変形例にかかる誘導加熱装置10Aおよび10Bについて説明する。
図7は、変形例に係る誘導加熱装置を示す図であり、(a)は第1の変形例にかかる誘導加熱装置10Aの模式図であり、(b)は第2の変形例にかかる誘導加熱装置10Bの模式図である。
図7(a)に示すように、誘導加熱装置10AはZ方向に対向する2つのコア50aとコア50bとを備える。2つのコア50aとコア50bとは対向面の隙間を介して矩形を形成している。一方のコア50aにおける左側端の磁極52aと他方のコア50aにおける左側端の磁極52bとは薄いワーク54aを挟んで対向している。一方のコア50aにおける右側端の磁極56aと他方のコア50aにおける右側端の磁極56bとは厚いワーク54bを挟んで対向している。
左側の磁極52aのまわりにはコイル58aが巻回され、左側の磁極52bのまわりにはコイル58bが巻回されている。右側の磁極56aのまわりにはコイル60aが巻回され、右側の磁極56aのまわりにはコイル60bが巻回されている。各コイル58a,58b,60a,60b(以下、代表的にコイルCとも呼ぶ。)は、それぞれに対応して個別に設けられた駆動機構62によってZ方向に変位可能となっている。駆動機構62は、モータ64と、該モータ64によって回転するスクリュー66と、該スクリュー66に螺合するナット68とを備え、ナット68が各コイルCにつながっている。駆動機構62は上記の駆動機構26a,26bと同様の構成である。
誘導加熱装置10Aでは2つのコア50a,50bに沿ったループ状の磁束Φが発生する。各コイルCは、それぞれループ状の磁束経路に沿った同一方向に磁束を発生させる向きに巻回されており、それぞれ直列に接続されている。これにより、各コイルCは1台のインバータ16(図1参照)で駆動可能である。
誘導加熱装置10Aにおいて左半分に着目すると、磁極52aと磁極52bとは異なるコア50aおよびコア50bにおけるそれぞれの一端部であるが、対向するように配置されて対をなしている。磁極52aと磁極52bとは磁束Φの経路の一部でギャップを形成しており、このギャップにワーク54aが配置さている。
また、誘導加熱装置10Aにおいて右半分に着目すると、磁極56aと磁極56bとは異なるコア50aおよびコア50bにおけるそれぞれの一端部であるが、対向するように配置されて対をなしている。磁極56aと磁極56bとは磁束Φの経路の一部でギャップを形成しており、このギャップにワーク54bが配置されている。
このように、誘導加熱装置10Aにおける左半分および右半分は、上記の誘導加熱装置10とほぼ同様の構成になっており、駆動機構62によるコイルCの変位調整によりワーク54aおよびワーク54bに対して個別にインピーダンス調整をすることができる。
なお、ワーク54aおよびワーク54bのインピーダンス調整のためには、コイル58aとコイル58bとの距離およびコイル60aとコイル60bとの距離が可変であればいいことから、4つの駆動機構62のうち、例えば上方の2台または下方の2台を省略してもよい。さらに、設計条件によっては、ワーク54aおよびワーク54bのいずれか一方だけのインピーダンス調整をする場合には、インピーダンス調整を行わない側の2台の駆動機構62を省略してもよい。ワーク54aとワーク54bとは別体でも一体でもよい。ワーク54aとワーク54bとが別体である場合、両者は接触していてもよいし、非接触でもよい。
図7(b)に示すように、誘導加熱装置10Bは3つのコア70a、コア70bおよびコア70cを備える。以下、コア70a〜70cにおける各構成要素について、説明の簡略化のため同符号を付す。各コア70a,70b,70cは、両端の磁極72にそれぞれコイル76が巻回されている。コア70aとコア70b、コア70bとコア70c、およびコア70cとコア70aとは、それぞれ磁極72同士が対向している。
各磁極72にはそれぞれコイル76が巻回されている。各コイル76は、それぞれ駆動機構62によって磁極72にそって変位可能である。
誘導加熱装置10Bでは3つのコア70a〜70cに沿ったループ状の磁束Φが発生する。各コイル76は、それぞれループ状の磁束経路に沿った同一方向に磁束を発生させる向きに巻回されており、それぞれ直列に接続されている。これにより、各コイル76は1台のインバータ16(図1参照)で駆動可能である。
また、誘導加熱装置10Bにおいて、個別のコア70a〜70cにおけるそれぞれの一端部を形成する6つの磁極72は、ギャップを介して対向する3組の対をなしている。各対の磁極72,72は磁束Φの経路の一部でギャップを形成しており、このギャップには異なる形状のワーク74a,74b,74cが配置されている。
このように、誘導加熱装置10Bでは、各対の磁極72,72およびその周辺部の構造が上記の誘導加熱装置10とほぼ同様の構成になっており、駆動機構62によるコイル76の変位調整によりワーク74a〜74cに対して個別にインピーダンス調整をすることができる。
なお、上記の誘導加熱装置10,10A,10Bはコアの数が1〜3の例を示しているが、コアの数は4以上であってもよい。また、上記各実施例におけるコアに沿った磁束Φはループ状であると説明したがループ状とは広義であり、磁束Φは平面状の単純形状の輪である必要はなく、平面状または立体状のエンドレス形状であればよい。1以上のコアはこの磁束Φに沿うように配置すればよい。
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10,10A,10B 誘導加熱装置
12 加熱システム
14,14S,14L,54a,54b,74a,74b,74c ワーク
16 インバータ
18 測定器
20 制御部
22,50a,50b,70a,70b,70c コア
24a,24b,58a,58b,60a,60b,76 コイル
26a,26b,62 駆動機構
28a,28b,52a,52b,56a,56b,72 磁極
30 架橋部
34a ベース板
34b ベース板
36 接続線
46 隙間
Φ 磁束
Φ 有効磁束
Φ 漏れ磁束

Claims (7)

  1. 1以上のコアと、
    前記コアの端部であってワークが配置されるギャップを介して対向する一対の磁極と、
    一対の前記磁極のまわりにそれぞれ巻回されたコイルと、
    前記コイルの少なくとも一方を前記磁極に沿って移動させて前記ワークからの距離を調整する駆動機構と、
    を備えることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記コアは1つであり、前記一対の磁極は前記コアにおける両端部であることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記コアは複数であり、前記一対の磁極は異なる前記コアにおけるそれぞれの一端部であることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記一対の磁極は、前記コアによるループ状の磁束経路の一部で前記ギャップを形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記コイルは、それぞれループ状の前記磁束経路に沿った同一方向に磁束を発生させる向きに巻回されており、それぞれ直列に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱装置。
  6. 一対の前記コイルの間のインダクタンスを測定する測定器と、
    前記測定器による測定結果に基づいて前記駆動機構を駆動する制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  7. 前記制御部は、一対の前記コイルの間のインダクタンスが目的値となるように、前記前記駆動機構を駆動して一対の前記コイルを変位させることを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱装置。
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