JP2020201722A - 構造体の熱解析方法および熱解析装置 - Google Patents

構造体の熱解析方法および熱解析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 構造体の最適化された1次元熱抵抗モデルを用いて、構造体の1次元熱解析を精度高く行うことが可能な構造体の熱解析方法および熱解析装置を提供する。【解決手段】 分割部2bは、分割ステップ102において、基礎データ取得部2aによって取得された構造体4の表面4aの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、構造体4の1つの表面4aを、表面から外部への放熱量W1,W2の差が所定のしきい値Δより小さくなる2つの表面4a1,4a2に分割する。表面4a1と表面4a2とは、長方形状の境界線5によって分割され、表面4a1からは放熱量W1、表面4a2からは放熱量W2が構造体4の外部へ同程度に放熱される。【選択図】 図3

Description

本発明は、構造体を1次元熱抵抗モデルで表現して1次元熱解析を行う構造体の熱解析方法および熱解析装置に関するものである。
従来、この種の熱抵抗モデルとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
この熱抵抗モデルでは、半導体集積回路の上面が2つに分割されてトップインナーノードとトップアウターノードとが設定され、下面が2つに分割されてボトムインナーノードとボトムアウターノードとが設定される。また、半導体集積回路の側面にサイドノードが設定され、リードにリードノードが設定される。
電子機器技術評議会(JEDEC:Joint Electron Device Engineering Councils)によって採用されている熱抵抗モデルであるDELPHIモデル(JESD15−4:DELPHI Compact Thermal Model Guideline)では、半導体集積回路に収容される半導体チップの全面発熱時にも、半導体チップ全体がジャンクションノードそのものとして表され、その熱抵抗モデルは、このジャンクションノードを含む上記の各ノードと、各ノード間を結合する熱抵抗とで表現される。このDELPHIモデルでは、半導体チップの局所発熱時における発熱モデルとしては精度が低い。このため、特許文献1で提案される熱抵抗モデルでは、半導体チップにおいて、パワートランジスタなどのジャンクション部における局所発熱部をジャンクションノードで表現し、局所発熱部以外の半導体チップ部分をプレートノードで表現する。
また、従来、この種の熱解析方法として、例えば、特許文献2に開示されたものがある。
この熱解析方法では、スマートフォンといった電子装置が熱解析の対象とされる。スマートフォンは、液晶、上部ケース、回路基板、下部ケース、電池のそれぞれにノードが設定される。回路基板は他の部品に比較して複雑な熱伝導となる。このため、熱解析精度を高めるため、回路基板には複数のノードが設定される。この際、プロセッサは、有限要素法解析で算出された各要素の熱量と温度に基づき、ノードを所定数の要素ごとに設定し、各ノードに温度を熱情報として割り当てる。
また、要素間の温度差が所定の値よりも小さいときには、各要素を接続して新たな要素とする。新たな要素の温度は接続する前の各要素の平均値とされる。さらに、新たな要素と他の要素との間の温度差が所定の値よりも小さいときには、新たな要素と他の要素とを接続してさらに新たな要素とする。また、要素間の温度差が所定の値よりも大きいときには、各要素を接続しない。プロセッサは、このように分割し直した各要素にノードを設定する。このような手法でノードを設定して熱回路網を生成することで、熱解析の精度が向上されると共に、温度変化の少ない箇所ではノード数が少なくなるため、解析時間が短縮される。
特開2016−218605号公報 特開2017−27132号公報
構造体の熱抵抗モデルを導出する際、特許文献1に開示されたように構造体のある表面を複数のノードに分割する際、特許文献2に開示された手法、つまり、要素間の温度差が所定の値よりも小さいときには、各要素を接続して新たな要素とする手法を適用して、構造体のある表面を複数のノードに分割する手法が考えられる。
しかしながら、この手法では、温度変化の大きい箇所で構造体の表面が細分化されることになり、分割される各表面に設定されるノードは温度変化の大きい箇所に多く設定される。このため、表面分割後の温度変化の大きい領域と温度変化の小さい領域とで、表面から外部へ放出される放熱量の差が大きくなり、熱解析結果において放熱量の小さいノードについての熱解析精度が劣化する。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
熱源を内部に備えた構造体の各表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を所定の方法で取得する基礎データ取得ステップと、基礎データ取得ステップによって取得された表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、構造体の少なくとも1つの表面を、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する分割ステップと、分割ステップによって分割された各表面および構造体の残りの各表面に表面ノードを設定すると共に、構造体の内部に内部ノードを設定するノード設定ステップと、ノード設定ステップによって設定された各表面ノード間並びに各表面ノードおよび内部ノード間の熱抵抗を算出する熱抵抗算出ステップと、各表面ノードと内部ノードと熱抵抗とで表現される構造体の1次元熱抵抗モデルを導出するモデル導出ステップと、モデル導出ステップによって導出された1次元熱抵抗モデルを使って構造体の1次元熱解析を行う熱解析ステップとがコンピュータの演算処理により実行される構造体の熱解析方法を構成した。
本構成によれば、構造体の少なくとも1つの表面は、基礎データ取得ステップで取得されたその1つの表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、分割ステップにより、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割される。したがって、分割された各表面から外部へ放出される熱量は同程度となるようになる。このため、構造体の分割される表面に温度変化の大きい箇所が複数あっても、従来のように温度変化の大きい箇所に多くの表面ノードが設定されることなく、構造体の分割される表面には、その外部への放熱量を平準化する複数の表面ノードがノード設定部によって設定される。よって、分割ステップによって1つの表面から分割された複数の各表面は、それぞれの表面領域から外部へ放出される熱量が同程度となり、従来のように偏りが生じて表面ノードごとの熱解析精度の劣化が起きることを防ぐことができる。この結果、モデル導出ステップによって構造体の最適化された1次元熱抵抗モデルが導出され、熱解析ステップにおいて、最適化された1次元熱抵抗モデルを用いて、構造体の1次元熱解析を精度高く行うことが可能となる。
また、本発明は、熱源を内部に備えた構造体の各表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を所定の方法で取得する基礎データ取得部と、基礎データ取得部によって取得された表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、構造体の少なくとも1つの表面を、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する分割部と、分割部によって分割された各表面および構造体の残りの各表面に表面ノードを設定すると共に、構造体の内部に内部ノードを設定するノード設定部と、ノード設定部によって設定された各表面ノード間並びに各表面ノードおよび内部ノード間の熱抵抗を算出する熱抵抗算出部と、各表面ノードと内部ノードと熱抵抗とで表現される構造体の1次元熱抵抗モデルを導出するモデル導出部と、モデル導出部によって導出された1次元熱抵抗モデルを使って構造体の1次元熱解析を行う熱解析部とを備える構造体の熱解析装置を構成した。
本構成によれば、構造体の少なくとも1つの表面は、基礎データ取得部によって取得されたその1つの表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、分割部により、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割される。したがって、分割された各表面から外部へ放出される熱量は同程度となるようになる。このため、構造体の分割される表面に温度変化の大きい箇所があっても、従来のように温度変化の大きい箇所に多くのノードが設定されることなく、構造体の分割される表面には、それぞれのノードから外部への放熱量を均等化し、表面ノードごとの偏りを小さくするように複数のノードがノード設定部によって設定される。この結果、モデル導出部によって構造体の最適化された1次元熱抵抗モデルが導出され、熱解析部により、最適化された1次元熱抵抗モデルを用いて、構造体の1次元熱解析を精度高く行うことが可能となる。
本発明によれば、構造体の最適化された1次元熱抵抗モデルを用いて、構造体の1次元熱解析を精度高く行うことが可能な構造体の熱解析方法および熱解析装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態による構造体の熱解析装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す熱解析装置によって実行される構造体の熱解析方法の概略を表わすフローチャートである。 第1の実施形態による構造体の熱解析方法を説明するための図である。 第1の実施形態による構造体の熱解析方法と従来の熱解析方法とにおける、構造体の1つの表面を複数の表面に分割するメカニズムの違いを説明するグラフである。 第1の実施形態による構造体の熱解析方法における熱抵抗モデルによってシミュレートされる構造体の各ノードについての解析結果温度と、詳細モデルによってシミュレートされる同解析結果温度とを比較して示すグラフである。 従来の構造体の熱解析方法における熱抵抗モデルによってシミュレートされる構造体の各ノードについての解析結果温度と、詳細モデルによってシミュレートされる同解析結果温度とを比較して示すグラフである。 従来の構造体の熱解析方法によって解析される各ノードの温度と、第1の実施形態による構造体の熱解析方法によって解析される各ノードの温度との、詳細モデルから解析される同温度に対する誤差の平均を表わす棒グラフである。 本発明の第2の実施形態による構造体の熱解析方法を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態による構造体の熱解析方法を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態による構造体の熱解析方法を説明するための図である。
次に、本発明による構造体の熱解析方法および熱解析装置を実施するための形態について、説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による構造体4の熱解析装置1の構成を示すブロック図である。図2は、この熱解析装置1によって実行される構造体4の熱解析方法の概略を表わすフローチャートである。
構造体4は、図3(a)に単純な構造で概念的に示されるような、例えば6つの表面4a,4b,4c,4d,4eおよび4fを、それぞれ上面,下面,右前方側面,右後方側面,左後方側面および左前方側面として、その外周囲に有する半導体装置であり、熱源を内部に備える。構造体4の熱解析装置1は、MPU(Micro Processing Unit)等からなるプロセッサ2と、ROM(Read Only Memory)3aやRAM(Random Access Memory)3b等からなる記憶部3とを備えるコンピュータから構成されている。ROM3aにはプロセッサ2の動作手順を規定するプログラムや、構造体4の熱情報を始めとする各種データが記憶されている。プロセッサ2は、ROMに記憶されたプログラムにしたがい、RAM3bを一時記憶作業領域として各部の制御を行う。
プロセッサ2は、基礎データ取得部2a、分割部2b、ノード設定部2c、熱抵抗算出部2d、モデル導出部2eおよび熱解析部2fを機能ブロックとして有する。
図2に示すフローチャートはコンピュータの演算処理により実行される。基礎データ取得部2aは、基礎データ取得ステップ101において、ROM3aに記憶された構造体4に関する熱情報についての各種データに基づいて、構造体4の各表面4a,4b,4c,4d,4eおよび4fの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を所定の方法で取得する。所定の方法は、本実施形態では、構造体4を複数の有限個の要素に分割して数値解析を行う有限要素法である。基礎データ取得部2aは、この有限要素法により、構造体4の各表面4a,4b,4c,4d,4eおよび4fを構成する各要素の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を取得する。図3(a)および(b)に示す構造体4の各表面4a,4b,4c,4d,4eおよび4fには、基礎データ取得部2aによって取得された各要素の温度分布が、斜線等が付された各領域によって表わされている。
分割部2bは、分割ステップ102において、基礎データ取得部2aによって取得された構造体4の表面4a,4b,4c,4d,4eおよび4fの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、構造体4の少なくとも1つの表面を、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する。本実施形態では、分割部2bは、基礎データ取得部2aによって取得された構造体4の表面4aの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、図3(b)に示すように、1つの表面4aを、表面から外部への放熱量W1,W2の差が所定のしきい値Δより小さくなる2つの表面4a1,4a2に分割する。表面4a1と表面4a2とは、長方形状の境界線5によって分割され、表面4a1からは放熱量W1、表面4a2からは放熱量W2が構造体4の外部へ放熱される。この際、各放熱量W1,W2間には次の(1)式が成立し、各放熱量W1,W2の差の絶対値がしきい値Δより小さくされる。
|W1−W2|<Δ …(1)
ノード設定部2cは、ノード設定ステップ103において、分割部2bによって分割された各表面4a1,4a2、および構造体の残りの各表面4b,4c,4d,4eおよび4fに表面ノードを設定すると共に、構造体の内部に内部ノードを設定する。本実施形態では、ノード設定部2cは、図3(c)に示す構造体4の熱抵抗モデル6のように、構造体4の上面の各表面4a1,4a2にそれぞれトップインナーノード(Top_i)6a,トップアウターノード(Top_o)6bを設定し、下面の表面4bを2分割してそれぞれにボトムインナーノード(bottom_i)6c,ボトムアウターノード(bottom_o)6d、右前方側面,右後方側面,左後方側面および左前方側面の表面4c,4d,4eおよび4fにサイドノード(sides)6eを設定する。また、構造体4の内部に内部ノード(junction)6fを設定する。そして、設定した各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fに、各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fを割り当てた表面の温度や放熱量といった熱情報を割り当てる。
熱抵抗算出部2dは、熱抵抗算出ステップ104において、ノード設定部2cによって上記のように設定された各表面ノード6a,6b,6c,6dおよび6e間並びに各表面ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび内部ノード6f間の熱抵抗を算出する。これらの熱抵抗は、ノード設定部2cが各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fに割り当てた熱情報が用いられて、算出される。図3(c)に示す構造体4の熱抵抗モデル6では、各熱抵抗は、各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6f間を結んで結合する線6gとして表わされ、熱抵抗モデル6は熱抵抗ネットワークとして表現される。
モデル導出部2eは、各表面ノード6a,6b,6c,6dおよび6eと内部ノード6fと熱抵抗6gとで図3(c)に示すように表現される構造体の1次元熱抵抗モデル6を導出する。この熱抵抗モデル6には、各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fに熱情報が割り当てられている。熱解析部2fは、モデル導出部2eによって導出された1次元熱抵抗モデル6を使って構造体4の1次元熱解析を行い、構造体4における熱の流れなど解析する。
本実施形態による構造体4の熱解析装置1および熱解析方法によれば、構造体4の1つの表面4aは、基礎データ取得部2aによって基礎データ取得ステップ101で取得されたその1つの表面4aの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、分割ステップ102において、表面から外部への放熱量W1,W2の差が(1)式に示されるように所定のしきい値Δより小さくなる2つの表面4a1,4a2に、分割部2bによって分割される。したがって、分割された各表面4a1,4a2から外部へ放出される熱量は、基礎データ取得ステップ101で考慮した条件について同程度となるようにできる。
例えば、1つの表面4aの領域Rにおける温度分布が図4(a)に示すグラフの特性線21に表わされる場合、トップインナーノード6aが割り当てられる表面4a1の中央領域Riと、トップアウターノード6bが割り当てられる表面4a2の周囲領域Roとにおいて、構造体4の周囲温度Tと特性線21とで囲まれる斜線を付した面積が同程度となるように、境界線5が設定されて、表面4aが分割される。ここで、面積は、温度Tの環境温度に対する上昇分を領域Rについて積分したものであり、1つの表面4aの中で熱伝達係数が一定とみなせる場合、RiとRoの領域の面積比は、RiとRoの領域における放熱量Wの比率と対応する関係にある。なお、同グラフの横軸は表面4aにおける領域R、縦軸は表面4aの各領域Rの温度tを表わす。表面4aの各領域Rの温度tは、特性線21に示されるように、構造体4の周囲温度Tよりも高くなっている。
一方、特許文献2に開示された手法、つまり、要素間の温度差が所定の値よりも小さいときには、各要素を接続して新たな要素とする手法を適用して、構造体4の1つの表面4aを分割する手法では、表面4aにおける領域Rの温度分布が図4(a)に示す特性線21と同じ特性線21で図4(b)のグラフに表わされる場合、表面4aにおける領域Rは、境界線5’により、それぞれの領域Ri,Ro内の温度変化が大き過ぎないように、トップインナーノードが割り当てられる中央領域Riとトップアウターノードが割り当てられる周囲領域Roとに分割される。なお、図4(b)に示すグラフの横軸および縦軸は図4(a)に示すものと同じである。
したがって、特許文献2に開示された手法では、構造体4の1つの表面4aに温度変化の大きい箇所が複数ある場合、温度変化の大きい箇所で構造体4の表面4aが細分化されることになり、分割される各表面に設定される表面ノードは温度変化の大きい箇所に多く設定されることになる。このため、温度変化の小さい箇所では表面ノードがまばらに設定される。この結果、温度変化の小さい箇所は、その領域の面積が構造体4の1つの表面4aにおいて大きな面積を占めても、熱解析の対象として重視されなくなり、温度変化の小さい箇所における熱解析の精度が劣化する。
しかし、本実施形態による構造体4の熱解析装置1および熱解析方法によれば、分割された各表面4a1,4a2から構造体4の周囲へ放出される熱量W1,W2がほぼ等量となり、構造体4の1つの表面4aに温度変化の大きい箇所が複数あっても、従来のように温度変化の大きい箇所に多くの表面ノードが設定されることはない。すなわち、構造体4の1つの表面4aには、ノード設定部2cにより、図3(b)および(c)の点線に示すように、その外部への放熱量を平準化する複数の表面ノード6a,6bが、2つの表面4a1,4a2に対応して設定される。よって、分割ステップ102によって1つの表面4aから分割された複数の各表面4a1,4a2は、従来のように偏ることなくそれぞれのノードから外部への放熱量を均等化し、表面ノードごとの放熱量の偏りを小さくすることができる。この結果、モデル導出ステップ105によって構造体の最適化された図3(c)に示す1次元熱抵抗モデル6が導出され、熱解析ステップ106において、最適化された1次元熱抵抗モデル6を用いて、構造体4の1次元熱解析を精度高く行うことが可能となる。
図5に示すグラフは、本発明実施後の上記実施形態による構造体4の熱解析装置1および熱解析方法に用いられる熱抵抗モデル6によってシミュレートされる構造体4の各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fについての解析結果温度と、有限要素法によって構造体4の各要素について算出される物性値等から導出される詳細な熱抵抗モデル(詳細モデル)によってシミュレートされる構造体4の各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fについての解析結果温度とを比較して示すグラフである。
同グラフの横軸は後者の詳細モデルによる解析結果温度[℃]、縦軸は前者の熱抵抗モデル6による解析結果温度[℃]を表わす。また、丸印のプロットはジャンクションノード6f、横棒印のプロットはトップインナーノード6a、バツ印のプロットはトップアウターノード6b、菱形印のプロットはボトムインナーノード6c、四角印のプロットはボトムアウターノード6d、三角印のプロットはサイドノード6eについての解析結果温度[℃]を表わす。
同グラフに示されるように、上記実施形態による構造体4の熱解析装置1および熱解析方法に用いられる熱抵抗モデル6からシミュレートされる解析結果温度と、詳細モデルからシミュレートされる解析結果温度とはほぼ同一直線上に乗っている。このことから、本実施形態による熱抵抗モデル6は詳細モデルと同様な解析結果を導くことが確認される。
図6に示すグラフは、表面領域を熱源の大きさに基づいて分割する従来手法の熱抵抗モデルによってシミュレートされる構造体4の各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fについての解析結果温度と、上記の詳細モデルによってシミュレートされる構造体4の各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fについての解析結果温度とを比較して示すグラフである。
同グラフの縦軸は前者の従来手法による熱抵抗モデルによる解析結果温度[℃]を表わす。また、同グラフの横軸および各プロットは図5に示すものと同じである。同グラフから、上記の実施形態を用いずに表面領域を熱源の大きさに基づいて分割した熱抵抗モデルからシミュレートされる解析結果温度は、詳細モデルからシミュレートされる解析結果温度と比較すると、横棒印のプロットで表わされるトップインナーノード6aについての温度誤差が大きいことが分かる。このことから、上記実施形態による構造体4の熱解析装置1および熱解析方法によれば、構造体4の1つの表面4aについて、従来の手法に比較して精度高く熱解析を行えていることが確認される。
図7に示すグラフには、上述した特許文献2に開示された従来手法によって解析される各ノード(節点)6a,6b,6c,6d,6eおよび6fの温度の、詳細モデルから解析される同温度に対する誤差の平均が棒31によって示されている。また、上記実施形態による構造体4の熱解析装置1および熱解析方法によって解析される各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fの温度の、詳細モデルから解析される同温度に対する誤差の平均が棒32によって示されている。各棒31,32の高さは、各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fの温度誤差の百分率[%]で表わした平均に相当する。
同グラフから、上記実施形態による構造体4の熱解析装置1および熱解析方法によって解析される各ノード6a,6b,6c,6d,6eおよび6fの温度は、従来手法によって解析される同温度に比較して、誤差が小さいことが分かる。したがって、上記実施形態による構造体4の熱解析装置1および熱解析方法によれば、従来手法より精度高く熱解析を行えることが理解される。
図8は、本発明の第2の実施形態による構造体4の熱解析方法を説明するための図である。同図において図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
第2の実施形態による構造体4の熱解析方法は、図1に示す構造体4の熱解析装置1を用いて行われる。第2の実施形態による構造体4の熱解析方法では、図2に示すフローチャートの基礎データ取得ステップ101で、複数の表面4a1,4a2に分割する1つの表面4aの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を、有限要素法で、構造体4の複数の条件下で取得する。また、分割ステップ102で、基礎データ取得ステップ101で1つの表面4aについて複数の条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、1つの表面4aを、複数の条件下で、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する。その後のノード設定ステップ103から熱解析ステップ106までの各ステップでは、第1の実施形態による熱解析方法と同じ処理が行われる。
第2の実施形態では、基礎データ取得部2aは、図8(a)に示すように上面4aを主として冷却する第1の条件と、図8(b)に示すように下面4bを主として冷却する第2の条件と、図8(c)に示すように上面4aおよび下面4bの両面を冷却する第3の条件との、構造体4の3つの各条件下で、基礎データ取得ステップ101において、表面4aの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を取得する。
分割部2bは、分割ステップ102において、第1,第2および第3の各条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、各条件下で表面から外部へ放出される放熱量W1,W2(図8(d)参照)のそれぞれの積算値ΣW1,ΣW2の差が、所定のしきい値Δより小さくなる2つの表面4a1,4a2に分割する。積算値ΣW1は、第1,第2および第3の各条件下において表面4a1から放出される各放熱量W11,W12およびW13の和である(ΣW1=W11+W12+W13)。積算値ΣW2は、第1,第2および第3の各条件下において表面4a2から放出される各放熱量W21,W22およびW23の和である(ΣW2=W21+W22+W23)。この際、各放熱量W1,W2間には次の(2)式が成立する。
|ΣW1−ΣW2|<Δ …(2)
このように1つの表面4aを2つの表面4a1,4a2に分割することで、複数の条件を想定して表面4a1,4a2から放出される放熱量W1,W2の差を小さくする効果が得られる。
また、分割ステップ102において、第1,第2および第3の各条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、それぞれの条件下で表面から外部へ放出される放熱量W1,W2の各差の平均値が、所定のしきい値Δより小さくなる2つの表面4a1,4a2に分割するようにしてもよい。つまり、第1の条件下において表面4a1,4a2から放出される各放熱量W11,W21の差(=|W11−W21|)と、第2の条件下において表面4a1,4a2から放出される各放熱量W12,W22の差(=|W12−W22|)と、第3の条件下において表面4a1,4a2から放出される各放熱量W13,W23の差(=|W13−W23|)との平均値が、所定のしきい値Δより小さくなる2つの表面4a1,4a2に分割するようにしてもよい。この際、各放熱量W1,W2間には、Nを構造体4の条件数(N=3)とすると、次の(3)式が成立する。
Σ|W1−W2|/N<Δ …(3)
このように1つの表面4aを2つの表面4a1,4a2に分割することでも、複数の条件を想定して表面4a1,4a2から放出される放熱量W1,W2の差を小さくする効果が得られる。
したがって、第2の実施形態による構造体4の熱解析方法によれば、分割された各表面4a1,4a2から外部へ放出される熱量W1,W2は、構造体4の3つの条件下で同程度となるようになる。このため、構造体4の1つの表面4aには、ノード設定ステップ103において、ノード設定部2cにより、図8(d)および(e)の点線に示すように、構造体4の3つの条件下でその外部への放熱量を平準化する2つの表面ノード6a,6bが、2つの表面4a1,4a2に対応して設定される。この結果、モデル導出ステップ105において、構造体4のより最適化された図8(e)に示す1次元熱抵抗モデル6がモデル導出部2eによって導出され、熱解析ステップ106において、より最適化された1次元熱抵抗モデル6を用いて、構造体4の1次元熱解析を熱解析部2fによって構造体4の3つの条件下でより精度高く行うことが可能となる。
図9は、本発明の第3の実施形態による構造体4の熱解析方法を説明するための図である。同図において図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
第3の実施形態による構造体4の熱解析方法は、図1に示す構造体4の熱解析装置1を用いて行われる。第3の実施形態による構造体4の熱解析方法では、図2に示すフローチャートの基礎データ取得ステップ101で、複数の表面に分割する1つの表面4aを含む構造体4の複数の表面のそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を、有限要素法で取得する。また、分割ステップ102で、基礎データ取得ステップ101で構造体4の複数の表面について取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、複数の表面に分割する1つの表面4aを含む構造体4の複数の表面を、表面から外部への放熱量の差が当該複数の表面についてそれぞれ所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する。その後のノード設定ステップ103から熱解析ステップ106までの各ステップでは、第1の実施形態による熱解析方法と同じ処理が行われる。
第3の実施形態では、基礎データ取得部2aは、2つの表面4a1,4a2に分割する1つの表面4aを含む、図9(a)に示す構造体4の2つの表面4a,4bのそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を、基礎データ取得ステップ101において有限要素法で取得する。分割部2bは、2つの表面4a,4bについて取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、分割ステップ102において、構造体4の2つの表面4a,4bを、表面から外部への放熱量の差が当該2つの表面4a,4bについて所定のしきい値Δより小さくなる複数の表面に分割する。
本実施形態では、図9(b)に示すように、表面4aは、放出する放熱量がW1の表面4a1と、放出する放熱量がW2の表面4a2とに分割され、表面4bは、放出する放熱量がW3の表面と、放出する放熱量がW4の表面と、放出する放熱量がW5の表面とに分割される。この際、当該5つの表面について、各放熱量W1,W2,W3,W4およびW5の差が所定のしきい値Δより小さくなって、次の(4)式が成立するように、2つの表面4a,4bは表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割される。ここで、i,j(i≠j)はそれぞれ1〜5のいずれかの整数値である。
|Wi−Wj|<Δ …(4)
このように2つの表面4a,4bを、2つの表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割することで、当該5つの表面から放出される各放熱量W1,W2,W3,W4およびW5の差は、所定のしきい値より小さくなる。
したがって、分割された5つの表面から外部へ放出される熱量W1,W2,W3,W4およびW5は、2つの表面4a1,4a2に分割する1つの表面4aを含む構造体4の2つの表面4a,4bで、同程度となるようになる。例えば、上面の表面4aから放出される熱量が2[W]、下面の表面4bから放出される熱量が3[W]で、上面の表面4aから分割される表面4a1,4a2がそれぞれ1[W]ずつ放熱される(W1=W2=1[W])ように2分割される場合、下面の表面4bも、分割後のそれぞれの表面からの放熱量が1[W]ずつとなる(W3=W4=W5=1[W])ように3分割される。
このため、構造体4の2つの表面4a,4bには、ノード設定ステップ103において、ノード設定部2cにより、図9(b)および(c)の点線に示すように、当該2つの表面4a,4bでそれらの外部への放熱量を平準化する5つの表面ノード6a,6b,6c,6dおよび6hが、5つの表面に対応して設定される。ここで、表面ノード6hは、表面4bのうちの放熱量がW5の表面に対応して設定されるボトムミドルノード(bottom_m)である。この結果、モデル導出ステップ105において、構造体4のより最適化された図9(c)に示す1次元熱抵抗モデル6がモデル導出部2eによって導出され、熱解析ステップ106において、より最適化された1次元熱抵抗モデル6を用いて、構造体4の2つの表面4a,4bについて、構造体4の1次元熱解析を熱解析部2fによってより精度高く行うことが可能となる。
図10は、本発明の第4の実施形態による構造体4の熱解析方法を説明するための図である。同図において図8および図9と同一または相当する部分には同一符号を付して説明する。
第4の実施形態による構造体4の熱解析方法は、図1に示す構造体4の熱解析装置1を用いて行われる。第4の実施形態による構造体4の熱解析方法では、図2に示すフローチャートの基礎データ取得ステップ101で、複数の表面4a1,4a2に分割する1つの表面4aを含む構造体4の複数の表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を、有限要素法で、構造体4の複数の条件下で取得する。また、分割ステップ102で、1つの表面4aを含む構造体4の複数の表面について、基礎データ取得ステップ101で構造体4の複数の条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、1つの表面4aを含む構造体4の複数の表面を、複数の条件下で、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなるようにそれぞれの表面を複数に分割する。その後のノード設定ステップ103から熱解析ステップ106までの各ステップでは、第1の実施形態による熱解析方法と同じ処理が行われる。
第4の実施形態では、基礎データ取得部2aは、図10(a)に示すように上面4aを主として冷却する第1の条件と、図10(b)に示すように下面4bを主として冷却する第2の条件と、図10(c)に示すように上面4aおよび下面4bの両面を冷却する第3の条件との、構造体4の3つの各条件下で、基礎データ取得ステップ101において、1つの表面4aを含む構造体4の2つの表面4a,4bの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を取得する。
分割部2bは、2つの表面4a,4bについて各条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、分割ステップ102において、各条件下で表面から外部へ放出される放熱量W1,W2,W3,W4およびW5(図10(d)参照)のそれぞれの積算値ΣW1,ΣW2,ΣW3,ΣW4およびΣW5の差が、所定のしきい値Δより小さくなる、表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割する。
積算値ΣW1は、第1,第2および第3の各条件下において表面4a1から放出される各放熱量W11,W12およびW13の和である(ΣW1=W11+W12+W13)。積算値ΣW2は、第1,第2および第3の各条件下において表面4a2から放出される各放熱量W21,W22およびW23の和である(ΣW2=W21+W22+W23)。積算値ΣW3は、表面4bの3つに分割されたうちの放熱量がW3の表面から、第1,第2および第3の各条件下において放出される各放熱量W31,W32およびW33の和である(ΣW3=W31+W32+W33)。積算値ΣW4は、表面4bの3つに分割されたうちの放熱量がW4の表面から、第1,第2および第3の各条件下において放出される各放熱量W41,W42およびW43の和である(ΣW4=W41+W42+W43)。積算値ΣW5は、表面4bの3つに分割されたうちの放熱量がW5の表面から、第1,第2および第3の各条件下において放出される各放熱量W51,W52およびW53の和である(ΣW5=W51+W52+W53)。
この際、各放熱量W1,W2,W3,W4およびW5間には次の(5)式が成立する。ここで、i,j(i≠j)はそれぞれ1〜5のいずれかの整数値である。
|ΣWi−ΣWj|<Δ …(5)
このように1つの表面4aを含む構造体4の2つの表面4a,4bを、表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割することで、複数の条件を想定して表面から外部へ放出される放熱量W1,W2,W3,W4およびW5の差を小さくする効果が得られる。
また、分割ステップ102において、2つの表面4a,4bについて各条件件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、それぞれの条件下で表面から外部へ放出される放熱量W1,W2,W3,W4およびW5の各差の平均値が、所定のしきい値Δより小さくなる、表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割するようにしてもよい。つまり、第1の条件下において当該5つの表面から放出される各放熱量W11,W21,W31,W41,W51の差(=|Wi−Wj|)と、第2の条件下において当該5つの表面から放出される各放熱量W12,W22,W32,W42,W52の差(=|Wi−Wj|)と、第3の条件下において当該5つの表面から放出される各放熱量W13,W23,W33,W43,W53の差(=|Wi−Wj|)との平均値が、所定のしきい値Δより小さくなる、2つの表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割するようにしてもよい。この際、各放熱量W1,W2,W3,W4およびW5間には、Nを構造体4の条件数(N=3)とすると、次の(6)式が成立する。
Σ|Wi−Wj|/N<Δ …(6)
このように1つの表面4aを含む構造体4の2つの表面4a,4bを、表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割することでも、複数の条件を想定して表面から外部へ放出される放熱量W1,W2,W3,W4およびW5の差を小さくする効果が得られる。
したがって、第4の実施形態による構造体4の熱解析方法によれば、分割された表面4a1,4a2を含む5つの表面から外部へ放出される熱量W1,W2,W3,W4およびW5は、2つの表面4a,4bについて、構造体4の3つの条件下で同程度となるようになる。このため、構造体4の2つの表面4a,4bには、ノード設定ステップ103において、ノード設定部2cにより、図10(d)および(e)の点線に示すように、構造体4の3つの条件下で2つの表面4a,4bのそれぞれの外部への放熱量を平準化する5つの表面ノード6a,6b,6c,6dおよび6hが、5つの表面に対応して設定される。この結果、モデル導出ステップ105において、構造体4のより最適化された図10(e)に示す1次元熱抵抗モデル6がモデル導出部2eによって導出され、熱解析ステップ106において、熱解析部2fにより、より最適化された1次元熱抵抗モデル6を用いて、2つの表面4a,4bについて、構造体4の1次元熱解析を構造体4の3つの条件下でより精度高く行うことが可能となる。
なお、上記各実施形態では、熱源を内部に備えた構造体4の各表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を取得する所定の方法が有限要素法であった場合について、説明した。しかし、この所定の方法は有限要素法に限定されるものではなく、例えば、構造体4の温度分布または放熱量分布をシミュレーションする別の方法や、構造体4の温度分布または放熱量分布をサーモグラフィーや熱量センサなどのセンサによって実測する方法であってもよい。
また、上記各実施形態では、1つの表面4aを2つの表面4a1,4a2に分割する場合について説明したが、3つ以上の表面に分割するようにしてもよい。また、上記の第3および第4の実施形態では、構造体4の上面,下面の2つの表面4a,4bを、2つの表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割する場合について、説明した。しかし、分割する表面4a1,4a2を含む構造体4の複数の表面は、上面,下面の2つの表面4a,4bに限定されるものでなく、例えば、上面の表面4aと各側面の表面4c,4d,4e,4fとを対象にしてもよい。また、上記の第3、第4の実施形態では、構造体4の上面,下面の2つの表面4a,4bを、2つの表面4a1,4a2を含む5つの表面に分割する場合について、説明したが、複数の表面を分割する場合には、分割後のそれぞれの表面からの放熱量の差をしきい値以下にするために、分割数を決める際に一定の制約を満たす必要がある。上記の実施形態では上面4aを2分割、下面4bを3分割しているが、上面からの放熱量が2W、下面からの放熱量が6Wである場合、上面を2分割すると、分割後はそれぞれ1Wの放熱量となるため、下面は6分割することが必要になる。すなわち、実際に複数の面を分割する場合には、それぞれの面からの放熱量を考慮して分割数の決定を行う。また、表面を分割する形状については、上記各実施形態では矩形を用いて説明したが、形状は矩形に限る必要はなく、円、楕円、三角形など他の形状であっても同様の効果は得られるものであり、分割形状を限定するものではない。また、分割する位置についても、上記各実施形態では、表面の中心と外周に分割する例を用いて説明したが、右半分と左半分など他の分け方でも同様の効果は期待でき、上記実施形態は分割位置を限定するものではない。
このような各構成によっても上記の各実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、上記各実施形態では構造体4を半導体装置として説明したが、構造体4はこれに限定されるものではなく、例えば、スマートフォン等を始めとする各種の携帯電子機器や、車載電子機器、医療電子機器などであってもよい。これらの場合にも、各種の電子機器等は、例えば図3(a)に示すように6つの表面を備えた単純な構造体4として概念的に表現することができ、上記の各実施形態と同様な作用効果が奏される。
1…熱解析装置(コンピュータ)
2…プロセッサ
2a…基礎データ取得部
2b…分割部
2c…ノード設定部
2d…熱抵抗算出部
2e…モデル導出部
2f…熱解析部
3…記憶部
3a…ROM
3b…RAM
4…構造体
4a,4b,4c,4d,4e,4f…構造体4の表面
4a1,4a2…1つの表面4aから分割された表面
5…境界線
6…熱抵抗モデル
6a,6b,6c,6d,6e,6h…表面ノード
6f…内部ノード
6g…熱抵抗

Claims (11)

  1. 熱源を内部に備えた構造体の各表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を所定の方法で取得する基礎データ取得ステップと、前記基礎データ取得ステップによって取得された前記表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、前記構造体の少なくとも1つの前記表面を、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する分割ステップと、前記分割ステップによって分割された各表面および前記構造体の残りの各前記表面に表面ノードを設定すると共に、前記構造体の内部に内部ノードを設定するノード設定ステップと、前記ノード設定ステップによって設定された各前記表面ノード間並びに各前記表面ノードおよび前記内部ノード間の熱抵抗を算出する熱抵抗算出ステップと、各前記表面ノードと前記内部ノードと前記熱抵抗とで表現される前記構造体の1次元熱抵抗モデルを導出するモデル導出ステップと、前記モデル導出ステップによって導出された前記1次元熱抵抗モデルを使って前記構造体の1次元熱解析を行う熱解析ステップとがコンピュータの演算処理により実行される構造体の熱解析方法。
  2. 前記基礎データ取得ステップで、複数の表面に分割する少なくとも1つの前記表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を前記所定の方法で前記構造体の複数の条件下で取得し、
    前記分割ステップで、前記基礎データ取得ステップで少なくとも1つの前記表面について前記複数の条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、少なくとも1つの前記表面を、前記複数の条件下で、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造体の熱解析方法。
  3. 前記分割ステップで、前記基礎データ取得ステップで少なくとも1つの前記表面について前記複数の条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、少なくとも1つの前記表面を、前記複数の条件下で表面から外部へ放出される放熱量の積算値の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割することを特徴とする請求項2に記載の構造体の熱解析方法。
  4. 前記分割ステップで、前記基礎データ取得ステップで少なくとも1つの前記表面について前記複数の条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、少なくとも1つの前記表面を、前記複数の条件のそれぞれの下で、表面から外部へ放出される放熱量の差の平均値が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割することを特徴とする請求項2に記載の構造体の熱解析方法。
  5. 前記基礎データ取得ステップで、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の前記表面のそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を前記所定の方法で取得し、
    前記分割ステップで、前記基礎データ取得ステップで前記構造体の複数の前記表面について取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の前記表面を、表面から外部への放熱量の差が当該複数の前記表面について所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造体の熱解析方法。
  6. 前記基礎データ取得ステップで、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の表面のそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を前記所定の方法で前記構造体の複数の条件下で取得し、
    前記分割ステップで、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の前記表面について、前記基礎データ取得ステップで前記構造体の複数の条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の前記表面を、前記複数の条件下で、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造体の熱解析方法。
  7. 前記分割ステップで、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の前記表面について、前記基礎データ取得ステップで前記構造体の複数の条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の前記表面を、前記複数の条件下で表面から外部へ放出される放熱量の積算値の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割することを特徴とする請求項6に記載の構造体の熱解析方法。
  8. 前記分割ステップで、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の前記表面について、前記基礎データ取得ステップで前記構造体の複数の条件下で取得されたそれぞれの温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、複数の表面に分割する1つの前記表面を含む前記構造体の複数の前記表面を、前記複数の条件のそれぞれの下で、表面から外部へ放出される放熱量の差の平均値が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割することを特徴とする請求項6に記載の構造体の熱解析方法。
  9. 前記構造体は半導体装置であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の構造体の熱解析方法。
  10. 前記所定の方法は、前記構造体を複数の有限個の要素に分割して数値解析を行う有限要素法、または、前記構造体の温度分布または放熱量分布をシミュレーションする方法、または、前記構造体の温度分布または放熱量分布をセンサによって実測する方法であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の構造体の熱解析方法。
  11. 熱源を内部に備えた構造体の各表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方を所定の方法で取得する基礎データ取得部と、前記基礎データ取得部によって取得された前記表面の温度分布または放熱量分布の少なくとも一方に基づいて、前記構造体の少なくとも1つの前記表面を、表面から外部への放熱量の差が所定のしきい値より小さくなる複数の表面に分割する分割部と、前記分割部によって分割された各表面および前記構造体の残りの各前記表面に表面ノードを設定すると共に、前記構造体の内部に内部ノードを設定するノード設定部と、前記ノード設定部によって設定された各前記表面ノード間並びに各前記表面ノードおよび前記内部ノード間の熱抵抗を算出する熱抵抗算出部と、各前記表面ノードと前記内部ノードと前記熱抵抗とで表現される前記構造体の1次元熱抵抗モデルを導出するモデル導出部と、前記モデル導出部によって導出された前記1次元熱抵抗モデルを使って前記構造体の1次元熱解析を行う熱解析部とを備える構造体の熱解析装置。
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