JP2020201037A - 試料解析システム、試料解析装置、及び試料解析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なう試料解析システムにおいて、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現する。【解決手段】物質情報DB50は、予めデータベース化された複数の物質の情報を記憶する。関連物質名DB60は、所定のカテゴリ(アスベストや粘土鉱物等)に含まれる複数の関連物質の名称を記憶する。処理装置30は、物質情報DB50に記憶された複数の物質の情報の中から、関連物質名DB60に記憶された関連物質の名称を有する物質の情報を抽出し、X線回折装置10の測定結果をその抽出された物質情報と照合することによって、試料の定性分析を行なうように構成される。【選択図】図1
Description
本開示は、試料解析システム、試料解析装置、及び試料解析方法に関する。
試料に対してX線を照射し、X線の回折現象を利用して試料の構成元素を分析するX線回折(XRD:X-Ray Diffraction)法において、多結晶体を試料として扱う粉末X線回折法が知られている。粉末X線回折における定性分析では、試料にX線を照射して実測した回折パターンを、予めデータベース化された既知物質の回折パターンと比較することにより、試料に含まれる物質の同定が行なわれる。
具体的には、横軸を回折角2θとし、縦軸を回折強度Iとする試料の回折パターンにおいて、ブラッグの式(2d×sinθ=nλ、d:格子面間隔、λ:入射X線の波長、n:整数)を用いて、回折強度Iのピーク位置2θをd値に換算することで、既知物質のd値と比較することができる。
物質の同定には、所謂ハナワルト法(3強線法)がしばしば用いられる。ハナワルト法(3強線法)とは、最大の強度を有するピークに対して上位3番目までの相対強度に対応するd値を3つ(3強線)選択し、選択されたd値及び相対強度の比率等の合致率が高いものを同定される物質の候補とするものである。
既知物質の回折パターンの情報は、データベース化されており、たとえば、ICDD(International Centre for Diffraction Data)のPDF(Powder Diffraction File)や、ICSD(Inorganic Crystal Structure Database)、CSD(Cambridge Structural Database)等の種々のデータベースが提供されている。
たとえば、特開2013−68555号公報(特許文献1)には、X線回折測定データから回線X線のピーク位置と積分強度とを求め、それらを予めデータベース化された標準ピークカードデータ(ICDDのPDF等)と照合し、試料に含まれる物質を検索する定性分析を行なう解析方法が記載されている(特許文献1参照)。
しかしながら、たとえば建材中にアスベストが含まれているか否かを分析するアスベスト定性分析等において、試料に含まれている可能性の高い物質を検索結果として出力する場合に、以下のような各種問題が生じている。
第1に、たとえばICDDのPDF−4+をデータベースに用いる場合、40万件超もの多種の物質の情報が登録されており、上記のようなハナワルト法を用いて検索しても、期待している検索結果が得られない可能性がある。
なお、ICDDのPDFでは、鉱物や有機物、無機物といった物質の種類で分類されたグループを検索対象とすることが可能であるが、それでも、たとえば鉱物(Mineral)のグループに登録されている物質情報は4万件以上であり、やはり期待している検索結果が得られない可能性がある。
第2に、既知物質を実測して回折パターンのデータベースを自ら作成し、そのデータベースを用いて検索することも可能ではあるが、有用なデータベースとするためには、多数(たとえば数百種類)の既知物質を実測し、物質毎に回折パターンをデータベース化する必要があり、多大な手間を要する。
第3に、公知のデータベース(たとえばICDDのPDF)では、多数の物質情報を管理するために物質情報毎に識別子(カード番号やID等)が付与されているため、検索対象とする物質の識別子を適宜リスト化して予め登録しておき、登録された識別子に合致する物質情報をデータベースから抽出して検索対象とすることも考えられる。この手法は、期待した検索結果が得られる可能性は高いけれども、多数(たとえば数百種類)の物質情報の識別子を調べてリストに登録することが必要であり、このような作業は多大な手間を要するとともに、ユーザが物質を漏れなくリストに登録することも難しい。
それゆえに、本開示の目的は、X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なう試料解析システムにおいて、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することである。
本開示の試料解析システムは、X線回折装置と、X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なうように構成された解析装置とを備える。解析装置は、第1の記憶部と、第2の記憶部と、処理装置とを含む。第1の記憶部は、予めデータベース化された複数の物質の情報を記憶する。第2の記憶部は、所定のカテゴリ(たとえばアスベストや粘土鉱物等)に含まれる複数の関連物質の名称を記憶する。処理装置は、第1の記憶部に記憶された複数の物質の情報の中から、第2の記憶部に記憶された関連物質の名称を有する物質の情報を抽出し、X線回折装置の測定結果をその抽出された物質情報と照合することによって、試料の定性分析を行なうように構成される。
上記の試料解析システムでは、第2の記憶部には、公知のデータベースで用いられる識別子(カード番号やID等)ではなく、所定のカテゴリに含まれる複数の関連物質の名称が記憶されており、この関連物質の名称を有する物質情報が、第1の記憶部に記憶された複数の物質情報の中から抽出される。このような関連物質の名称リストは、比較的容易にユーザが漏れなく作成することが可能である。そして、このような関連物質の名称リストに基づいて、第1の記憶部に記憶された複数の物質情報の中から検索対象を適切に絞り込むことができる。したがって、この試料解析システムによれば、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<試料解析システム及びX線回折装置の構成>
図1は、本開示の実施の形態に従う試料解析システムの全体構成例を概略的に示す図である。図1を参照して、試料解析システム1は、X線回折装置10と、解析装置20とを備える。解析装置20は、処理装置30と、記憶装置40と、入力装置70と、表示装置80とを含む。解析装置20は、X線回折装置10から得られる測定データを解析するための情報処理装置であり、たとえばパソコン又はサーバによって構成される。
図1は、本開示の実施の形態に従う試料解析システムの全体構成例を概略的に示す図である。図1を参照して、試料解析システム1は、X線回折装置10と、解析装置20とを備える。解析装置20は、処理装置30と、記憶装置40と、入力装置70と、表示装置80とを含む。解析装置20は、X線回折装置10から得られる測定データを解析するための情報処理装置であり、たとえばパソコン又はサーバによって構成される。
図2は、X線回折装置10の構成例を示す図である。図2を参照して、X線回折装置10は、X線管球11と、試料ホルダ12と、スリット13と、検出器14と、ゴニオメータ15とを含む。解析対象の試料Sは、試料ホルダ12上に載置される。
X線管球11は、試料Sへ照射するX線(一次X線)を発生する。X線管球11は、フィラメントとターゲットとを含んで構成され、フィラメントから発生した熱電子を高電圧で加速させてターゲットに衝突させることによりターゲットからX線を発生させる。ターゲットには、たとえば、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、Co(コバルト)等が用いられる。
検出器14は、半導体材(たとえばシリコン)を主要な構成要素とする半導体検出器である。検出器14は、X線フォトンが半導体材に吸収される際に生じる電子−正孔対を検出することにより、X線フォトンのエネルギ(波長)に比例した高さ(波高値)のパルス信号を生成する。この波高値毎のパルス数をカウントすることにより、エネルギ(波長)に応じたX線の強度が検出される。
ゴニオメータ15は、X線管球11から試料Sの表面に入射するX線の光路L1と試料Sの表面とが成す角度θ(第1角度)を変化させるように、試料ホルダ12の保持部を回動させる。ゴニオメータ15は、さらに、試料Sで回折して検出器14に導入されるX線の光路L2と試料Sの表面とが成す角度(第2角度)を、第1角度と同じ角度θに維持しつつ変化させるように、試料ホルダ12の保持部と検出器14の保持部とを同軸で回動させる。
X線管球11から試料Sに向けて、波長λのX線を連続的に照射しつつ、ゴニオメータ15により、角度2θを一定の時間毎にΔ2θだけ増加させるように、試料ホルダ12及び検出器14を回動させる。これにより、角度θがブラッグ反射の条件2dsinθ=nλ(nは整数)を満たすときにのみ、検出器14において回折X線が検出される。
したがって、角度2θを増加させながら検出器14で回折X線の強度を検出することにより、角度2θと回折X線の検出強度との関係を示すデータ(「回折パターン」と称される。)を得ることができる。この回折パターンは、試料Sに含まれる結晶に存在する格子面に対応した固有のパターンとなるため、この回折パターンから試料Sに含まれる結晶種を同定することができる。
再び図1を参照して、解析装置20について、処理装置30は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ(ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory))と、各種信号を入出力するための入出力バッファとを含んで構成される(いずれも図示せず)。CPUは、ROMに格納されているプログラムをRAM等に展開して実行する。ROMに格納されるプログラムは、処理装置30の処理手順が記されたプログラムである。処理装置30は、これらのプログラム及び記憶装置40に記憶された各種データに従って、試料解析システム1における各種処理を実行する。処理装置30の構成及び処理については、後ほど詳しく説明する。
記憶装置40は、物質情報データベース(DB)50と、第1関連物質名DB60−1、第2関連物質名DB60−2・・・(以下、第1関連物質名DB60−1、第2関連物質名DB60−2・・・を総括して「関連物質名DB60」と称する場合がある。)とを含む。物質情報DB50には、既知物質の回折パターンの情報が記憶されている。既知物質の回折パターンの情報は、上述のように、ICDDのPDFや、ICSD、CSD等の公開されたデータベースとして提供されており、これらのデータベースの少なくとも1つが物質情報DB50に格納されている。この実施の形態では、一例として、ICDDのPDF−4+が物質情報DB50に格納されているものとする。
各関連物質名DB60には、アプリケーション(分析対象)毎の関連物質名の情報が記憶されている。この例では、第1関連物質名DB60−1には、建材の試料にアスベストが含まれているか否かを分析する建材中アスベスト定性分析用に、アスベストに関連する物質の名称のリストが格納されている。第2関連物質名DB60−2には、試料に粘土鉱物が含まれているか否かを分析する粘土鉱物定性分析用に、粘土鉱物に関連する物質の名称のリストが格納されている。第3関連物質名DB60−3(図示省略)には、土壌の試料に肥料が含まれているか否かを分析する肥料・土壌定性分析用に、肥料に関連する物質の名称のリストが格納されている。
X線回折装置10によって測定された試料の回折パターンを、物質情報DB50に格納されている既知物質の回折パターンと比較することにより、測定された試料に含まれる物質を同定することができる。しかしながら、物質情報DB50には、非常に多くの物質情報が登録されているため、試料の定性分析等において、試料に含まれている可能性の高い物質を検索結果として出力する場合に、以下のような各種問題が生じている。
たとえば、建材中アスベスト定性分析を行なう場合、物質情報DB50に格納されているICDDのPDF−4+には、40万件を超える多種の物質情報が登録されており、ハナワルト法等を用いて検索しても、期待している検索結果が得られない可能性がある。
なお、アスベストは、無機繊維状の鉱物の総称であるところ、ICDDのPDF−4は、鉱物種に限定したデータベースも提供している。しかしながら、それでも登録されている物質情報は4万件以上もあり、このようなデータベースを検索対象としても、やはり期待している検索結果が得られない可能性がある。
また、既知物質を実測して回折パターンのデータベースを自ら作成し、そのデータベースを用いて検索することも可能ではある。しかしながら、有用なデータベースとするためには、多数の既知物質を網羅的に実測し、物質毎に回折パターンをデータベース化する必要があり、多大な手間を要する。
また、ICDDのPDF−4+では、登録されている物質情報毎に識別子としてのカード番号が付されているため、たとえばアスベストに関連する物質のカード番号をリスト化して予め登録しておき、登録されたカード番号に合致する物質をPDF−4+から抽出して検索対象とすることも考えられる。この手法によれば、期待した検索結果が得られる可能性は高いけれども、アスベストに関連する多種の物質に対応するカード番号を調べ上げてリストに登録することが必要であり、このような作業は多大な手間を要するとともに、ユーザが漏れなく登録することも難しい。
そこで、本実施の形態に従う試料解析システム1では、アプリケーション(分析対象)毎に関連物質名の情報が格納される関連物質名DB60が設けられる。たとえば、第1関連物質名DB60−1には、建材中アスベスト定性分析用に、アスベストに関連する各種物質の名称のリストが格納されている。そして、建材中アスベスト定性分析を行なう場合には、第1関連物質名DB60−1に格納されたアスベスト関連物質の名称を有する物質情報が、物質情報DB50に格納されている物質情報の中から抽出される。そして、物質情報DB50から抽出された物質情報を検索対象として、試料を構成する物質の検索(同定)が行なわれる。
物質情報DB50に登録されている各物質の名称(ICDDのPDFでは英語名称)に合わせて物質情報DB50内を検索する必要があるので、各関連物質名DBには、物質情報DB50に登録されている物質の名称と対応付けられた形で関連物質の名称リストが格納される。
これにより、たとえば建材中アスベスト定性分析を行なう場合には、第1関連物質名DB60−1のアスベスト関連物質の名称リストに基づいて、物質情報DB50に記憶された多数の物質情報の中から検索対象を適切に絞り込むことができる。なお、第1関連物質名DB60−1内の情報は、ICDDのPDF−4+で用いられるカード番号ではなく、アスベストに関連する物質の名称であるので、このような物質名称に基づくデータベースは、ユーザが比較的容易に漏れなく作成することが可能である。
同様に、粘土鉱物定性分析を行なう場合には、第2関連物質名DB60−2の粘土鉱物関連物質の名称リストに基づいて、物質情報DB50に記憶された多数の物質情報の中から検索対象を適切に絞り込むことができる。また、肥料・土壌定性分析を行なう場合には、第3関連物質名DB60−3の肥料関連物質の名称リストに基づいて、物質情報DB50に記憶された多数の物質情報の中から検索対象を適切に絞り込むことができる。
なお、一つの物質に複数の呼称が用いられ得る場合には、関連物質名DB60に複数の呼称を登録しておくのが好ましく、さらには、使用言語が異なっても検索可能とするために、多言語で物質名称を登録しておくのが好ましい。
<関連物質名DB60のデータ構成>
図3は、第1関連物質名DB60−1に格納されるデータの構成例を示す図である。図3を参照して、第1関連物質名DB60−1は、建材中アスベスト定性分析用のDBであって、第1関連物質名DB60−1には、以下に説明するように、アスベストに関連する物質の名称のリストが格納されている。
図3は、第1関連物質名DB60−1に格納されるデータの構成例を示す図である。図3を参照して、第1関連物質名DB60−1は、建材中アスベスト定性分析用のDBであって、第1関連物質名DB60−1には、以下に説明するように、アスベストに関連する物質の名称のリストが格納されている。
アスベストは「石綿」とも称される。アスベストの英語表記は「Asbestos」であり、物質情報DB50に格納されているICDDのPDF−4+では、各物質の名称が英語表記で登録されていることから、この例では、「アスベスト」については、英語表記の「Asbestos」に紐付けられて「アスベスト」及び「石綿」の名称が登録されている。
アスベストは、無機繊維状の鉱物の総称であり、蛇紋石系の鉱物、角閃石系の鉱物、石膏、炭酸カルシウム等に分類される。蛇紋石系は「蛇紋石族」とも称され、蛇紋石系に含まれる代表的な鉱物は「クリソタイル」である。クリソタイルは「温石綿」又は「白石綿」とも称される。蛇紋石系及びクリソタイルの英語表記は、それぞれ「Serpentine」及び「Chrysotile」である。したがって、この例では、「蛇紋石系」については、英語表記の「Serpentine」に紐付けられて「蛇紋石系」及び「蛇紋石族」の名称が登録されており、さらに、「クリソタイル」について、英語表記の「Chrysotile」に紐付けられて「クリソタイル」、「温石綿」、及び「白石綿」の名称が登録されている。
同様に、角閃石系は「角閃石族」とも称され、角閃石系の英語表記は「Amphibole」である。角閃石系に含まれる代表的な鉱物は、「クロシドライト」、「アモサイト」、「アンソフィライト」、「トレモライト」、及び「アクチノライト」である。クロシドライトは「青石綿」とも称され、クロシドライトの英語表記は「Crocidolite」である。アモサイトは「茶石綿」又は「カミントン閃石」とも称され、アモサイトの英語表記は「Amosite」である。アンソフィライトは「直閃石綿」とも称され、アンソフィライトの英語表記は「Anthophyllite」である。トレモライトは「透角閃石綿」又は「透閃石」とも称され、トレモライトの英語表記は「Tremolite」である。アクチノライトは「陽起石綿」又は「緑閃石」とも称され、アクチノライトの英語表記は「Actinolite」である。
以上により、「角閃石系」については、英語表記の「Amphibole」に紐付けられて「角閃石系」及び「角閃石族」の名称が登録されており、さらに、具体的な鉱物としての「クロシドライト」について、英語表記の「Crocidolite」に紐付けられて「クロシドライト」及び「青石綿」の名称が登録されている。さらに、「アモサイト」について、英語表記の「Amosite」に紐付けられて、「アモサイト」、「茶石綿」、及び「カミントン閃石」の名称が登録されており、「アンソフィライト」について、英語表記の「Anthophyllite」に紐付けられて「アンソフィライト」及び「直閃石綿」の名称が登録されている。また、さらに、「トレモライト」について、英語表記の「Tremolite」に紐付けられて、「トレモライト」、「透角閃石綿」、及び「透閃石」の名称が登録されており、「アクチノライト」について、英語表記の「Actinolite」に紐付けられて、「アクチノライト」、「陽起石綿」、及び「緑閃石」の名称が登録されている。
さらに、石膏の英語表記は「Gypsum」であり、英語表記の「Gypsum」に紐付けられて「石膏」の名称が登録されている。また、炭酸カルシウムの英語表記は「Calcium carbonate」であり、英語表記の「Calcium carbonate」に紐付けられて「炭酸カルシウム」の名称が登録されている。
図4は、第2関連物質名DB60−2に格納されるデータの構成例を示す図である。図4を参照して、第2関連物質名DB60−2は、粘土鉱物定性分析用のDBであって、第2関連物質名DB60−2には、以下に説明するように、粘土鉱物に関連する物質の名称のリストが格納されている。
粘土鉱物の英語表記は「Clay mineral」であり、上述のように、物質情報DB50に格納されているICDDのPDF−4+では、各物質の名称が英語表記で登録されていることから、この例では、「粘土鉱物」については、英語表記の「Clay mineral」に紐付けられて「粘土鉱物」の名称が登録されている。
粘土鉱物は、たとえば、バーミキュライト、ハイドロバイオタイト、ブルーサイト、セピオライト、クロライト、マイカ、長石等を含む。バーミキュライトは「蛭石」又は「苦土蛭石」とも称され、バーミキュライトの英語表記は「Vermiculite」である。ハイドロバイオタイトは「加水黒雲母」とも称され、ハイドロバイオタイトの英語表記は「Hydrobiotite」である。ブルーサイトは「水滑石」とも称され、ブルーサイトの英語表記は「Brucite」である。セピオライトは「海泡石」とも称され、セピオライトの英語表記は「Sepiolite」である。クロライトは「緑泥石」とも称され、クロライトの英語表記は「Chlorite」である。マイカは「雲母」とも称され、マイカの英語表記は「Mica」である。長石の英語表記は「Feldspar」である。
以上により、「粘土鉱物」については、英語表記の「Clay mineral」に紐付けられて「粘土鉱物」の名称が登録されており、さらに、具体的な鉱物としての「バーミキュライト」について、英語表記の「Vermiculite」に紐付けられて、「バーミキュライト」、「蛭石」、及び「苦土蛭石」の名称が登録されている。さらに、「ハイドロバイオタイト」について、英語表記の「Hydrobiotite」に紐付けられて「ハイドロバイオタイト」及び「加水黒雲母」の名称が登録されており、「ブルーサイト」について、英語表記の「Brucite」に紐付けられて「ブルーサイト」及び「水滑石」が登録されている。また、「セピオライト」について、英語表記の「Sepiolite」に紐付けられて「セピオライト」及び「海泡石」の名称が登録されており、「クロライト」について、英語表記の「Chlorite」に紐付けられて「クロライト」及び「緑泥石」が登録されている。また、さらに、「マイカ」について、英語表記の「Mica」に紐付けられて「マイカ」及び「雲母」の名称が登録されており、「長石」について、英語表記の「Feldspar」に紐付けられて「長石」が登録されている。
図5は、第3関連物質名DB60−3に格納されるデータの構成例を示す図である。図5を参照して、第3関連物質名DB60−3は、肥料・土壌定性分析用のDBであって、第3関連物質名DB60−3には、以下に説明するように、肥料に関連する物質の名称のリストが格納されている。
肥料の英語表記は「Fertilizer」であり、上述のように、物質情報DB50に格納されているICDDのPDF−4+では、各物質の名称が英語表記で登録されていることから、この例では、「肥料」については、英語表記の「Fertilizer」に紐付けられて「肥料」の名称が格納されている。
肥料は、たとえば、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム等を含む。リン酸アンモニウムの英語表記は「Ammonium phosphate」であり、リン酸水素二アンモニウムの英語表記は「Ammonium phosphate dibasic, Phosphammite」であり、リン酸二水素アンモニウムの英語表記は「Ammonium dihydrogen phosphate, Biphosphammite」である。
したがって、「肥料」については、英語表記の「Fertilizer」に紐付けられて「肥料」の名称が格納されており、さらに、具体的な肥料としての「リン酸アンモニウム」について、英語表記の「Ammonium phosphate」に紐付けられて「リン酸アンモニウム」の名称が登録されている。さらに、「リン酸水素二アンモニウム」について、英語表記の「Ammonium phosphate dibasic, Phosphammite」に紐付けられて「リン酸水素二アンモニウム」の名称が登録されており、「リン酸二水素アンモニウム」について、英語表記の「Ammonium dihydrogen phosphate, Biphosphammite」に紐付けられて「リン酸二水素アンモニウム」の名称が登録されている。
再び図1を参照して、この実施の形態では、関連物質名DB60に利用者が関連物質の名称を追加で登録することができる。これにより、関連物質名DB60に、検索対象となる物質の名称を網羅的に登録し、物質情報DB50から検索対象を漏れなく、かつ、適切に抽出することが可能となる。
入力装置70は、試料解析システム1の利用者が操作可能な入力デバイスであり、マウスやキーボード等によって構成される。利用者は、検索したい物質名を入力装置70から指定することができる。
表示装置80は、試料解析システム1の検索条件及び解析結果を利用者に表示する表示デバイスであり、液晶ディスプレイ等によって構成される。表示装置80をタッチパネル化して入力装置70と一体的に構成してもよい。表示装置80は、処理装置30による表示処理に従って、入力装置70から入力された物質に関連する物質名を表示したり、入力装置70から入力された物質が含まれる関連物質名DB60に登録されている全物質名を表示したり、定性分析の結果を表示したりすることができる。
<処理装置30の構成>
図6は、図1に示した処理装置30の構成を機能的に示すブロック図である。図6を参照して、処理装置30は、プロファイル解析部31と、関連物質名選択部32と、物質情報検索部33と、関連物質名登録部34と、物質情報DB選択部35と、表示制御部36とを含む。
図6は、図1に示した処理装置30の構成を機能的に示すブロック図である。図6を参照して、処理装置30は、プロファイル解析部31と、関連物質名選択部32と、物質情報検索部33と、関連物質名登録部34と、物質情報DB選択部35と、表示制御部36とを含む。
プロファイル解析部31は、X線回折装置10によって測定された試料の回折パターンに対して、スムージング、バックグラウンド除去、Ka1−a2分離、ピークサーチ、系統誤差補正等の各種データ処理を行ない、回折パターンのピーク位置及びピーク強度を算出する。
関連物質名選択部32は、検索したい物質名が入力装置70から入力されると、当該物質名が含まれる関連物質名DB60を特定し、特定された関連物質名DB60から、当該物質名に関連する一連の物質名を選択する。ここで選択された物質名に対応する物質が物質情報DB50から抽出され、検索対象の候補となる。
選択された一連の物質名は、表示装置80に表示される。この場合、表示装置80に表示された一連の物質名の中から利用者が検索対象の候補を選択可能としてもよいし、表示装置80に表示された一連の物質名に対応する物質全てを検索対象の候補としてもよい。
なお、図3〜図5に示したように、関連物質名DB60には、物質情報DB50に登録されている物質の名称(ICDDのPDFでは英語名)と対応付けられて関連物質の名称リスト(たとえば和文名)が登録されており、さらに、一つの物質に対して複数の名称が存在する場合には、複数の名称が登録されている。そのため、物質情報DB50に登録されている物質の名称が1ワード(英語名)であっても、選択された物質名に対応する物質の情報を物質情報DB50から検索することができる。
たとえば、入力装置70から「アスベスト」やアスベストの一部である「クリソタイル」と入力された場合に、関連物質名選択部32は、建材中アスベスト定性分析用の第1関連物質名DB60−1から、クロシドライトやアモサイト、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライト等を関連物質として表示装置80に表示させる。そして、関連物質名選択部32は、表示装置80に表示させた上記の物質名のうち、利用者により選択された物質名に対応する物質を検索対象の候補とする。なお、上記のような利用者による選択機能を設けることなく、入力装置70から入力された物質名に関連する物質全てを検索対象としてもよい。
なお、入力装置70から分析対象(「建材中アスベスト定性分析」等)が指定された場合に、関連物質名選択部32は、指定された分析対象に対応する関連物質名DB60(分析対象が「建材中アスベスト分析」の場合には第1関連物質名DB60−1)に含まれる全物質の名称を表示装置80にリスト表示させるようにしてもよい。
物質情報検索部33は、関連物質名選択部32により選択された検索対象の物質の情報を物質情報DB50から検索して抽出する。上述のように、関連物質名DB60では、各物質名は、物質情報DB50に登録されている物質の名称と対応付けられているので、関連物質名選択部32により選択された物質名に対応する物質情報を物質情報DB50から検索して抽出することができる。そして、物質情報検索部33は、プロファイル解析部31により算出された未知試料のプロファイル(回折パターンのピーク位置及びピーク強度)と、物質情報DB50から抽出された各物質のプロファイルデータとを比較し、たとえばハナワルト法(3強線法)を用いて、d値及び強度等の適合率を計算する。そして、物質情報検索部33は、適合率の高い順に所定数の物質情報を表示装置80に表示させる。
関連物質名登録部34は、入力装置70から入力される、関連物質名DB60に登録されていない物質名を、該当の関連物質名DB60に追加するための処理を実行する。未登録の物質名をどの関連物質名DB60に追加するかは、未登録物質名の入力とともに、利用者が分析対象(関連物質名DB60)を指定する。
物質情報DB選択部35は、物質検索に利用する既知物質のDBを選択する。すなわち、物質情報DB50には、ICDDのPDFや、ICSD、CSD等の公開された各種DBをインストール可能であり、複数のDBがインストールされている場合に、利用するDBを入力装置70から利用者が選択することができる。そして、物質情報DB選択部35は、入力装置70からの入力に従って、物質検索に利用する既知物質のDBを選択する。
表示制御部36は、表示装置80の表示を制御する。たとえば、表示制御部36は、入力装置70からの入力事項や、関連物質名選択部32により選択された物質名、物質情報検索部33による検索結果、物質情報DB選択部35により選択されたDB等の各種情報を表示装置80に表示させるための処理を実行する。
図7は、この試料解析システム1による試料解析の手順の一例を示すフローチャートである。図7を参照して、解析装置20の処理装置30は、X線回折装置10を制御することによって、試料S(図2)のX線回折測定を実行する(ステップS10)。
試料の回折パターンが取得されると、処理装置30は、取得された試料の回折パターンのプロファイル解析を実行する(ステップS20)。具体的には、処理装置30は、取得された回折パターンに対して、スムージング、バックグラウンド除去、Ka1−a2分離、ピークサーチ、系統誤差補正等の各種データ処理を行ない、回折パターンのピーク位置及びピーク強度を算出する。
次いで、検索物質名が指定される(ステップS30)。検索物質名の指定は、利用者により入力装置70から指定される。検索物質名が指定されると、処理装置30は、検索物質名が含まれる関連物質名DB60を特定する。そして、処理装置30は、その特定された関連物質名DB60に登録されている関連物質名の一覧を表示装置80に表示させる(ステップS40)。
関連物質名の一覧が表示装置80に表示されると、その中から検索候補が指定される(ステップS50)。検索候補の指定は、利用者により入力装置70から指定される。たとえば、表示された物質名を利用者がクリックしたりチェックボックスにチェックを入れたりすることによって、検索候補が指定される。なお、検索候補をここで指定することなく、一覧表示された関連物質名に対応する物質全てを検索候補としてもよい。
検索候補が指定されると、物質情報DB50が選択される(ステップS60)。具体的には、物質情報DB50には、ICDDのPDFや、ICSD、CSD等の公開された各種DBか格納されており、物質検索に利用するDBが入力装置70から利用者により選択される。なお、物質情報DB50に1種類のDB(たとえばICDDのPDFのみ)しか格納されていない場合には、ステップS60において当該DBが自動的に選択されるようにしてもよい。
次いで、処理装置30は、ステップS50において指定された検索候補の物質名を有する物質情報を物質情報DB50から抽出する(ステップS70)。関連物質名DB60では、各物質名は、物質情報DB50に登録されている物質の名称と対応付けられているので、ステップS50において指定された検索候補の物質名に対応する物質情報を物質情報DB50から抽出することができる。
そして、処理装置30は、抽出された物質情報を検索対象として、測定試料の定性分析を実行する(ステップS80)。具体的には、処理装置30は、ステップS20において算出された試料のプロファイル(回折パターンのピーク位置及びピーク強度)と、ステップS70において抽出された各物質情報のプロファイルデータとを比較し、たとえばハナワルト法(3強線法)を用いて、各物質情報とのd値及び強度等の適合率を計算する。
そして、処理装置30は、定性分析の結果を表示装置80に表示させる(ステップS90)具体的には、処理装置30は、ステップS80における定性分析の結果、適合率の高い順に所定数の物質情報を表示装置80に表示させる。これにより、利用者は、表示装置80に表示された定性分析の結果に基づいて、試料中に対象物質が含まれているか否かを判定することができる。
以上のように、この実施の形態によれば、関連物質名が記憶された関連物質名DB60を用いて、物質情報DB50に記憶された多種の物質情報の中から検索対象を適切に絞り込むことができる。したがって、この実施の形態によれば、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、物質情報DB50に記憶された多種の物質情報の中から、建材アスベストに関連する検索対象を適切に絞り込むことができる。したがって、この実施の形態によれば、建材中アスベスト定性分析において、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、物質情報DB50に記憶された多種の物質情報の中から、粘土鉱物に関連する検索対象を適切に絞り込むことができる。したがって、この実施の形態によれば、粘土鉱物分析において、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、関連物質名DB60に記憶された複数の関連物質の名称を表示装置80に表示し、物質情報DB50において検索対象とする物質情報を利用者が選択可能としたので、利用者の希望に沿って検索対象を決定することができる。
また、この実施の形態によれば、関連物質の名称を関連物質名DB60に追加的に記憶可能としたので、利用者によって関連物質名DB60の内容をより充実化させることができる。その結果、関連物質名DB60に記憶された関連物質名に基づく検索機能を充実化させることができる。
<変形例>
なお、上記の実施の形態では、利用者が入力装置70から検索物質名を指定するものとしたが(図7のステップS30)、物質名を直接指定するのではなく、分析対象を指定するようにしてもよい。分析対象とは、建材の試料にアスベストが含まれているか否かを分析する「建材中アスベスト定性分析」、試料に所定の粘土鉱物が含まれているか否かを分析する「粘土鉱物定性分析」、試料に所定の肥料が含まれているか否かを分析する「肥料・土壌定性分析」等である。
なお、上記の実施の形態では、利用者が入力装置70から検索物質名を指定するものとしたが(図7のステップS30)、物質名を直接指定するのではなく、分析対象を指定するようにしてもよい。分析対象とは、建材の試料にアスベストが含まれているか否かを分析する「建材中アスベスト定性分析」、試料に所定の粘土鉱物が含まれているか否かを分析する「粘土鉱物定性分析」、試料に所定の肥料が含まれているか否かを分析する「肥料・土壌定性分析」等である。
図8は、この変形例における試料解析システム1による試料解析の手順の一例を示すフローチャートである。図8を参照して、ステップS110,S120及びステップS150からステップS190の処理は、図7に示したフローチャートのステップS10,S20及びステップS50からステップS90の処理とそれぞれ同じである。
ステップS120において試料の回折パターンのプロファイル解析が実行されると、分析対象が指定される(ステップS130)。分析対象の指定は、利用者により入力装置70から指定される。
分析対象が指定されると、処理装置30は、指定された分析対象に対応する関連物質名DB60を特定する。具体的には、ステップS130において「建材中アスベスト定性分析」が指定された場合には、処理装置30は、第1関連物質名DB60−1を特定する。「粘土鉱物定性分析」が指定された場合には、処理装置30は、第2関連物質名DB60−2を特定し、「肥料・土壌定性分析」が指定された場合には、処理装置30は、第3関連物質名DB60−3を特定する。
そして、処理装置30は、ステップS130において指定された分析対象に対応する関連物質名DB60に登録されている物質名の一覧を表示装置80に表示させる(ステップS140)。
関連物質名の一覧が表示装置80に表示されると、ステップS150へ処理が移行され、表示された物質名の一覧の中から検索候補が指定される。以降の処理は、図7で説明済みであるので説明を繰り返さない。
この変形例によっても、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。
[態様]
上述した例示的な実施の形態及びその変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
[態様]
上述した例示的な実施の形態及びその変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る試料解析システムは、X線回折装置と、X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なうように構成された解析装置とを備える。解析装置は、第1の記憶部と、第2の記憶部と、処理装置とを含む。第1の記憶部は、予めデータベース化された複数の物質の情報を記憶する。第2の記憶部は、所定のカテゴリ(たとえばアスベストや粘土鉱物等)に含まれる複数の関連物質の名称を記憶する。処理装置は、第1の記憶部に記憶された複数の物質の情報の中から、第2の記憶部に記憶された関連物質の名称を有する物質の情報を抽出し、X線回折装置の測定結果をその抽出された物質情報と照合することによって、試料の定性分析を行なうように構成される。
第1項に記載の試料解析システムにおいては、第2の記憶部には、公知のデータベースで用いられる識別子(カード番号やID等)ではなく、所定のカテゴリに含まれる複数の関連物質の名称が記憶されており、この関連物質の名称を有する物質情報が、第1の記憶部に記憶された複数の物質情報の中から抽出される。このような関連物質の名称リストは、比較的容易にユーザが漏れなく作成することが可能である。そして、このような関連物質の名称リストに基づいて、第1の記憶部に記憶された複数の物質情報の中から検索対象を適切に絞り込むことができる。したがって、この試料解析システムによれば、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することができる。
(第2項)第1項に記載の試料解析システムにおいて、所定のカテゴリは、アスベスト関連物質であり、第2の記憶部は、アスベストに分類される物質の名称を記憶する。
第2項に記載の試料解析システムによれば、第1の記憶部に記憶された複数の物質情報の中から、アスベストに関連する検索対象を適切に絞り込むことができる。したがって、この試料解析システムによれば、建材中アスベスト定性分析において、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することができる。
(第3項)第1項に記載の試料解析システムにおいて、所定のカテゴリは、粘土鉱物であり、第2の記憶部は、粘土鉱物に分類される物質の名称を記憶する。
第3項に記載の試料解析システムによれば、第1の記憶部に記憶された複数の物質情報の中から、粘土鉱物に関連する検索対象を適切に絞り込むことができる。したがって、この試料解析システムによれば、粘土鉱物定性分析において、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することができる。
(第4項)第1項から第3項のいずれか1項に記載の試料解析システムにおいて、処理装置は、第2の記憶部に記憶された複数の関連物質の名称を利用者に報知し、利用者によって選択された関連物質の名称を有する物質の情報を、第1の記憶部に記憶された複数の物質の情報の中から抽出するように構成される。
第4項に記載の試料解析システムによれば、第1の記憶部からの物質情報の抽出に用いる関連物質の名称を利用者によって選択可能としたので、利用者の希望に沿って検索対象を決定することができる。
(第5項)第1項から第4項のいずれか1項に記載の試料解析システムにおいて、処理装置は、利用者の要求に従って、カテゴリに含まれる関連物質の名称を第2の記憶部に追加的に記憶させる。
第5項に記載の試料解析システムによれば、関連物質の名称を第2の記憶部に追加的に記憶可能としたので、利用者によって第2の記憶部の内容をより充実化させることができる。その結果、第2の記憶部に記憶された関連物質名に基づく検索機能を充実化させることができる。
(第6項)X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なうように構成された試料解析装置であって、第1の記憶部と、第2の記憶部と、処理装置とを含む。第1の記憶部は、予めデータベース化された複数の物質の情報を記憶する。第2の記憶部は、所定のカテゴリに含まれる複数の関連物質の名称を記憶する。処理装置は、第1の記憶部に記憶された複数の物質の情報の中から、第2の記憶部に記憶された関連物質の名称を有する物質の情報を抽出し、X線回折装置の測定結果をその抽出された物質情報と照合することによって、試料の定性分析を行なうように構成される。
(第7項)X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なう試料解析方法であって、予めデータベース化された複数の物質の情報の中から、所定のカテゴリに含まれる複数の関連物質の名称を有する物質情報を抽出するステップと、X線回折装置の測定結果をその抽出された物質情報と照合することによって、試料の定性分析を行なうステップとを含む。
上記第6項に記載の試料解析装置、及び第7項に記載の試料解析方法によれば、効率的な検索を可能とし、精度の高い定性分析を実現することができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 試料解析システム、10 X線回折装置、11 X線管球、12 試料ホルダ、13 スリット、14 検出器、15 ゴニオメータ、20 解析装置、30 処理装置、31 プロファイル解析部、32 関連物質名選択部、33 物質情報検索部、34 関連物質名登録部、35 物質情報DB選択部、36 表示制御部、40 記憶装置、50 物質情報DB、60 関連物質名DB、70 入力装置、80 表示装置。
Claims (7)
- X線回折装置と、
前記X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なうように構成された解析装置とを備え、
前記解析装置は、
予めデータベース化された複数の物質の情報を記憶する第1の記憶部と、
所定のカテゴリに含まれる複数の関連物質の名称を記憶する第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された複数の物質の情報の中から、前記第2の記憶部に記憶された関連物質の名称を有する物質の情報を抽出し、前記X線回折装置の測定結果をその抽出された物質情報と照合することによって、前記試料の定性分析を行なうように構成された処理装置とを含む、試料解析システム。 - 前記カテゴリは、アスベスト関連物質であり、
前記第2の記憶部は、アスベストに分類される物質の名称を記憶する、請求項1に記載の試料解析システム。 - 前記カテゴリは、粘土鉱物であり、
前記第2の記憶部は、粘土鉱物に分類される物質の名称を記憶する、請求項1に記載の試料解析システム。 - 前記処理装置は、
前記第2の記憶部に記憶された複数の関連物質の名称を利用者に報知し、
利用者によって選択された関連物質の名称を有する物質の情報を、前記第1の記憶部に記憶された複数の物質の情報の中から抽出するように構成される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の試料解析システム。 - 前記処理装置は、利用者の要求に従って、前記カテゴリに含まれる関連物質の名称を前記第2の記憶部に追加的に記憶させる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の試料解析システム。
- X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なうように構成された試料解析装置であって、
予めデータベース化された複数の物質の情報を記憶する第1の記憶部と、
所定のカテゴリに含まれる複数の関連物質の名称を記憶する第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された複数の物質の情報の中から、前記第2の記憶部に記憶された関連物質の名称を有する物質の情報を抽出し、前記X線回折装置の測定結果をその抽出された物質情報と照合することによって、前記試料の定性分析を行なうように構成された処理装置とを含む、試料解析装置。 - X線回折装置によって測定された回折X線に基づいて試料の定性分析を行なう試料解析方法であって、
予めデータベース化された複数の物質の情報の中から、所定のカテゴリに含まれる複数の関連物質の名称を有する物質情報を抽出するステップと、
前記X線回折装置の測定結果をその抽出された物質情報と照合することによって、前記試料の定性分析を行なうステップとを含む、試料解析方法。
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