JP2020200376A - 樹脂組成物、積層フィルム、積層フィルムの製造方法及び積層フィルムの使用用途 - Google Patents

樹脂組成物、積層フィルム、積層フィルムの製造方法及び積層フィルムの使用用途 Download PDF

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Abstract

【課題】スクアリリウム化合物(色素)を含有し、光硬化可能な樹脂組成物であって、該色素の優れた色再現性を発現でき、該色素の色素活性を失活させないように光硬化させることができる、新たな樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)スクアリリウム化合物、(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤を含む樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、これを用いた積層フィルム、該積層フィルムの製造方法及び該積層フィルムの使用用途、例えば偏光板、液晶表示装置に関する。
近年、画像表示装置において、光源の長寿命化に伴い、自発光による有機ELディスプレイが画像表示装置として増加する傾向にある。このような自発光による有機ELディスプレイの表示性能に関し、色再現性のさらなる向上が望まれている。
色規格として、例えば、CIE1931−XYZ表色系のxy色度図において、青色座標(xB,yB)、緑色座標(xG,yG)、赤色座標(xR,yR)の三点を結んだ三角形で示される領域を用いる場合がある。画像表示装置では通常、このような赤、緑、青色画素の3点による三角形で示される領域が、再現できる色の限界となるため、当該三角形領域が大きいほど、画像表示装置が画面上で再現できる色の範囲すなわち色再現域が広いことを示す。
広い色再現域を有する色空間を達成するためには、分光スペクトルを構成する各色度、例えば赤色、緑色、青色それぞれの領域のピークをシャープにする、言い方を変えれば、“色純度”を高めることが効果的である。しかし、現状、組み合わせている蛍光体では、特定の波長領域の波長吸収性能が低い傾向にあり、より広い色再現域を達成するのが困難な状況にあった(特許文献1)。特に青色LEDと緑色及び赤色発光の蛍光体とで構成された液晶表示装置は、色温度を上げることで高色純度となって色再現域が広がるため、色再現性が良好となる反面、色温度を上げるために理想的な発光スペクトルを持つLEDの作製が困難であった。
このような課題に対する解決手段として、例えば特許文献2には、色素としてのスクアリリウム化合物を架橋性樹脂に混合して、色調補正機能を有する架橋樹脂層を設ける提案が為されている。
特開2011−162445号公報 特開2019−31638号公報
しかし、特許文献2に開示されている方法では、ガラス基板上に架橋樹脂層を設ける際、100℃以上の熱処理を行って硬化させるため、時間がかかるばかりか、高温での硬化によって、製造設備が制限される問題があった。また、ガラス基板に代えて樹脂フィルムを基材として用いた場合、熱ダメージによって当該樹脂フィルムの平面性が損なわれることが懸念された。
色素としてのスクアリリウム化合物を架橋樹脂層に配合することで、色純度が良好な色再現性を得られることを期待することができる。そこで本発明者は、上述のような熱ダメージを抑えるべく、光架橋性樹脂として通常使用される“光硬化性アクリル樹脂”に、色素としてのスクアリリウム化合物を混ぜ合せて光架橋させて架橋樹脂層を形成してみたところ、予想に反して、当該スクアリリウム化合物の色素活性が失活してしまうことが判明した。
そこで本発明は、スクアリリウム化合物を含有し、光硬化させることができる樹脂組成物であって、スクアリリウム化合物が備えている優れた色再現性を実現するができ、しかも、スクアリリウム化合物の色素活性を失活させないように光硬化させることができる、新たな樹脂組成物、並びに、これを用いた積層フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、(A)スクアリリウム化合物、(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤を含む樹脂組成物を提案する。
本発明はまた、基材フィルムの少なくとも片面側に、上記樹脂組成物が硬化してなる架橋樹脂層を備えており、最大吸収波長が570〜620nmに存在する積層フィルムを提案する。
本発明はまた、上記積層フィルムの製造方法に関し、基材フィルムの少なくとも片面側に、上記樹脂組成物を塗布した後、水銀ランプと紫外線カットフィルターを組み合わせて用いるか、又は、UV−LEDを用いて、350nm以下の波長を含まない光を照射して前記樹脂組成物を硬化させて架橋樹脂層を形成することを特徴とする、積層フィルムの製造方法を提案する。
スクアリリウム化合物は、波長380〜450nmの短波長領域における副吸収が少なく、波長570〜620nmにおいて吸収ピークを有するため、それを含むフィルムを使用することにより、色純度が良好な色再現性を実現することができる。よって、例えば、青色発光LEDと緑色及び赤色発光の蛍光体で構成された白色LEDをバックライト光源に用いた液晶表示装置において、前記白色LED光源から画像表示面に至る途中の何れかの位置に前記積層フィルム又は機能性フィルムを挟んで用いた場合、光源に含まれる570nm〜620nm領域の光を減少させることが可能であり、色再現性に優れた液晶表示装置を提供することが可能である。
本発明が提案する樹脂組成物に関しては、架橋させる主成分樹脂として、アクリル樹脂ではなく、エポキシ樹脂を使用し、且つ、スクアリリウム化合物を含有させることにより、スクアリリウム化合物が備えている優れた色再現性を得ることができ、しかも、スクアリリウム化合物の色素活性を失活させないように光硬化させることができる。これは、アクリル樹脂の架橋(重合)メカニズムと、エポキシ樹脂のそれとが異なるため、光硬化によってスクアリリウム化合物の色素活性が失活しないものと推察される。
本発明が提案する積層フィルム、すなわち、基材フィルムの少なくとも片面側に、本発明が提案する樹脂組成物が硬化してなる架橋樹脂層を備えており、最大吸収波長が570〜620nmに存在する積層フィルムであれば、例えば、100℃以上に加熱することなく架橋樹脂層を形成することができるから、例えば基材フィルムに対する熱ダメージを抑えることができ、例えば基材フィルムの平面性を維持することができ、しかも、スクアリリウム化合物が備えている優れた色再現性を得ることができる。
よって、本発明が提案する積層フィルムは、例えば、偏光子の片側に貼り合わせることにより、色再現性にすぐれた偏光板を作製することができる。また、青色発光LEDと、緑色及び赤色発光の蛍光体とで構成された白色LEDをバックライト光源に用いた液晶表示装置において、前記白色LEDから画像表示面に至る途中の何れかの位置に、本発明が提案する積層フィルムを介在させることで、色再現性に優れた液晶表示装置を作製することができる。
液晶表示装置の構成例を示す。 本発明の機能性フィルムの一例を用いた偏光板の構成例を示す。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態の例に限定されるものではない。
<<本積層フィルム>>
本発明の実施形態の一例に係る積層フィルム(「本積層フィルム」と称する)は、基材フィルム(「本基材フィルム」と称する)の少なくとも片面側に、(A)スクアリリウム化合物、(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤を含む樹脂組成物(「本樹脂組成物」と称する)を硬化させてなる架橋樹脂層(「本架橋樹脂層」と称する)を設けた構成を有する。
<本基材フィルム>
本基材フィルムは、単層構成であっても、多層構成であってもよい。
本基材フィルムが多層構成の場合、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
多層から構成される例として、例えば、内層、中間層、及び外層を有する3層から構成されていてもよく、3層以上から構成されていてもよい。
本基材フィルムは、単層構成であっても、多層構成であっても、各層の主成分樹脂は、加熱により軟化する性質を有する熱可塑性樹脂であれば、特に限定されない。
本基材フィルムは、スクアリリウム化合物を含む架橋樹脂層を形成しない側の面には、本発明の主旨を損なわない範囲において、その他の層として易接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層などの機能層を、所望する用途に応じて形成することができる。
(熱可塑性樹脂)
本基材フィルムを構成する各層の主成分樹脂としての前記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;ポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグリコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート;等を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよく、或いは2種以上を併用して混合樹脂としてもよい。
各層の主成分樹脂は、中でもポリエステル又はポリイミド(PI)であるのが好ましい。このようなフィルムを「ポリエステルフィルム」又は「ポリイミドフィルム」と称する。
この際、「主成分樹脂」とは、本基材フィルムの各層を構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂を意味し、例えば本基材フィルムを構成する各層を構成する樹脂のうち50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂である。
なお、本基材フィルムを構成する各層は、その主成分樹脂がポリエステル又はポリイミドであれば、ポリエステル又はポリイミド以外のその他の樹脂或いは樹脂以外の成分を含有していてもよい。
中でも、本積層フィルムを光学用途に用いる場合、本基材フィルムは、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムが好適に用いられる。
(ポリエステル)
本基材フィルムを構成する各層の主成分樹脂としてのポリエステル(「本ポリエステル」と称する)は、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。
本ポリエステルが、ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができる。
前記脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
他方、本ポリエステルが、共重合ポリエステルである場合、そのジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、セバシン酸などの一種または2種以上を挙げることができる。他方、そのグリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または2種以上を挙げることができる。
代表的なポリエステルの具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)を例示することができる。中でも、PET、PENが取扱い性の点で好ましい。
なお、本基材フィルムを構成する各層の主成分樹脂が、例えばポリエチレンテレフタレートである場合、そのフィルムを「ポリエチレンテレフタレートフィルム」と称する。他の樹脂が主成分樹脂である場合も同様である。
(ポリイミド)
本基材フィルムは、ポリエステルフィルムの他に、ポリイミドフィルムも好適である。前記ポリイミドのイミド化に関しては、例えばジアミンとジアンヒドリド、特に芳香族ジアンヒドリドと芳香族ジアミンとを1:1の当量比でポリアミド酸重合した後にイミド化する方法を例示することができる。
当該芳香族ジアンヒドリドとしては、例えば2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物(TDA)、ピロメリット酸二無水物(1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及びビスカルボキシフェニルジメチルシラン二無水物(SiDA)などを例示することができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、前記芳香族ジアミンとしては、例えばオキシジアニリン(ODA)、p−フェニレンジアミン(pPDA)、m−フェニレンジアミン(mPDA)、p−メチレンジアニリン(pMDA)、m−メチレンジアニリン(mMDA)、ビストリフルオロメチルベンジジン(TFDB)、シクロヘキサンジアミン(13CHD、14CHD)、及びビスアミノヒドロキシフェニルヘキサフルオロプロパン(DBOH)などを例示することができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(他の成分)
本基材フィルムには、所望する用途に応じて、可塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、耐候性改良剤、及び熱安定剤などの添加剤を含有してもよい。
(厚み)
本基材フィルムの厚みは、ハンドリング性の観点から9μm以上であるのが好ましく、中でも12μm以上、その中でも25μm以上、その中でも特に38μm以上であるのがさらに好ましい。その一方、薄膜化の観点から、350μm以下であるのが好ましく、中でも250μm以下であるのがさらに好ましい。
(製法)
本基材フィルムは、例えば樹脂組成物を溶融製膜方法や溶液製膜方法によりフィルム形状にすることにより形成することができる。多層構造の場合は、共押出してもよい。
また、一軸延伸又は二軸延伸したものであってもよく、剛性の点から、二軸延伸フィルムが好ましい。
本基材フィルムは、本架橋樹脂層を形成する前、或いは、その他の層を形成する前に、予め、コロナ処理、及びプラズマ処理などの表面処理を施してもよい。
<本架橋樹脂層>
本積層フィルムは、本基材フィルムの少なくとも片面側に、(A)スクアリリウム化合物、(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤を含む本樹脂組成物を塗布して硬化させてなる本架橋樹脂層を設けた構成を有する。
((A)スクアリリウム化合物)
本架橋樹脂層を形成する本樹脂組成物は、色素としてのスクアリリウム化合物を必須成分として含有する。
スクアリリウム化合物は、波長380〜450nmの短波長領域における副吸収が少なく、波長570〜620nmにおいて吸収極大すなわち吸収ピークを有するため、色素としてスクアリリウム化合物を用いることにより、色純度が良好で優れた色再現性を実現することができる色調補正用積層フィルムを得ることができる。
本発明において「スクアリリウム化合物」とは、下記式(I)で示されるように、少なくとも2つのカルボニル基からなる四員環を有する化合物を言う。例えば、中央に四員環を有し、その左右に環を有するものを挙げることができる。左右の環は同一のものでも異なるものでもよく、対称スクアリリウム化合物であっても非対称スクアリリウム化合物であってもよい。
Figure 2020200376
式(I)中、A及びAは各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
上記芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基を挙げることができる。
芳香族環基の炭素数は、特に限定するものではなく、中でも2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましい。その一方、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。
芳香族環基の炭素数を前記下限値以上とすることで、電子供与性基の導入が容易となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで、芳香族環の副吸収が抑えられる傾向がある。
上記芳香族炭化水素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基を挙げることができる。
このように、芳香族炭化水素環基における環は5員環でも、6員環でもよく、また、単環でも、縮合環でもよい。副吸収を抑えるためには単環であることがさらに好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
上記芳香族複素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。
芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基を挙げることができる。
芳香族環基が有していてもよい置換基とは、任意の置換基である。好ましくは、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20アルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数2〜20のPEG型ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜20の置換基を有していてもよいシリル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20の置換基を有していてもよいアミノ基、フッ素原子を有するアルキル基、水酸基などを挙げることができる。
スクアリリウム化合物の中でも、耐熱性、耐光性の観点から、下記一般式(II)で表されるスクアリリウム化合物が好ましい。
Figure 2020200376
式(II)中、X及びXは各々独立に、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又はハロゲン原子を表す。
(X、X
前記式(II)中、X及びXは各々独立に、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。中でも、吸収波長の観点からカルボニル基が好ましく、一方で吸収波長を短波長化するとの観点からスルホニル基が好ましい。X及びXは同じものでも異なるものでもよい。但し、耐光性や耐熱性の観点から同じものであることが好ましい。
(R及びR
前記式(II)中、R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基又はハロゲン原子を表す。
アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を挙げることができる。アルキル基の炭素数は特に限定されない。中でも、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、また、13以下が好ましく、12以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで耐熱性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、例えばエチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n―オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。これらの中でも、溶解性の観点から、直鎖または分岐アルキル基好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキル基を有してもよりアミノ基などを挙げることができる。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基を挙げることができる。芳香族環基の炭素数は特に限定されない。中でも2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスペクトル形状がシャープになる傾向がある。
芳香族炭化水素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基を挙げることができる。
一方で芳香族複素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。
芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基を挙げることができる。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えばアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。これらの中でも溶解性の観点からフッ素、塩素原子が好ましい。
これらの中でも、R及びRとしては、溶解性の観点から、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、分岐アルキル基がさらに好ましい。
スクアリリウム化合物は、一種を単独であっても、2種以上からなる混合物であってもよい。よって、本発明における「スクアリリウム化合物」は、スクアリリウム化合物のみからなる混合物も包含する。
なお、スクアリリウム化合物は、次に3例示すように共鳴構造を複数挙げることができる。但し、これらの共鳴構造は特に断らない限り同義である。
Figure 2020200376
上記共鳴構造を示す式において、A,Aの芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基を挙げることができる。
芳香族環基の炭素数は、特に限定されない。中でも2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。
炭素数を上記下限値以上とすることで、電子供与性基の導入が容易となる傾向があり、また、上記上限値以下とすることで芳香族環の副吸収が抑えられる傾向がある。
以下、スクアリリウム化合物の具体例を挙げる。
Figure 2020200376
Figure 2020200376
Figure 2020200376
Figure 2020200376
Figure 2020200376
スクアリリウム化合物は、公知の方法で製造することができる。例えばTop.Heterocycl.Chem.14,133−181(2008)に記載の方法に準じて製造することができる。
スクアリリウム化合物は、570〜620nmの範囲内に吸収ピーク(これらの吸収ピークを「スクアリリウム化合物の吸収ピーク」と称する。)を有するスクアリリウム化合物であるのが好ましい。
ここで、吸収ピークとは、分光吸収スペクトルにおいて、測定ノイズレベル以上の吸収極大、すなわち凸状の波形部を意味し、具体的形状については限定しない。測定ノイズか否かは、例えば、複数回測定して対象となるピークが再現されるかどうかで判断できる。また、測定対象の材料を溶解していない溶媒のみのサンプルの測定結果と比較することで、測定対象の材料固有の吸収ピークか、測定ノイズであるかを判断することもできる。
570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するか否かは、そのような吸収ピークのピーク波長、すなわち当該吸収ピークの頂点、言い換えれば極大吸収波長が570〜620nmの範囲内にあるか否かで判断する。よって、複数の吸収ピークが存在する場合、そのうちの少なくとも一つが570〜620nmの範囲内に存在すればよい。中でも、最もピーク強度の高い吸収ピークが570〜620nmの範囲内に存在するのがさらに好ましい。
スクアリリウム化合物のピーク波長(λmax)は570〜620nmの範囲内であれば特に限定されない。中でも、580nm以上が好ましく、590nm以上がより好ましく、また、610nm以下が特に好ましい。前記範囲内とすることで色再現性が良好となる傾向がある。
なお、吸収ピークの極大吸収波長は、スクアリリウム化合物をテトラヒドロフラン等の溶媒に溶解させた溶液を作製して測定した吸収スペクトルから算出することができる。詳細な条件は実施例に記載のものを採用することが好ましい。
スクアリリウム化合物が、置換基の結合位置が異なる異性体の混合物である場合、前記極大吸収波長は混合物の吸収スペクトルにおける値である。
さらに、スクアリリウム化合物吸収ピークのうち最もピーク強度の高い吸収ピークの半値全幅は、特に限定されない。中でも、40nm以下であることが好ましく、35nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましく、また、通常25nm以上である。
当該吸収ピークの半値全幅を前記上限値以下とすることで、色再現性が向上される傾向がある。
吸収ピークの半値全幅(FWHM)は、前述の吸収スペクトルにて、極大吸収波長(λmax)における吸光度Aの半値となる波長A1及び波長A2を読み取り、波長A1波長A2の差の絶対値を算出することで得られる。
スクアリリウム化合物が、置換基の結合位置が異なる異性体の混合物である場合、前記半値全幅は混合物の吸収スペクトルにおける値である。
スクアリリウム化合物において、波長500〜620nmにおける吸収ピークの数は、特に限定されない。中でも、輝度低下を抑制する観点から、好ましくは1つである。吸収ピークの数は、前述の吸収スペクトルから算出することができる。
なお、波長500〜620nmにおける吸収ピークの数は、吸収スペクトルに含まれる吸収ピークのうち、その極大吸収波長が波長500〜620nmに含まれるものの数を意味する。
他方、スクアリリウム化合物の波長380〜450nmにおける透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、また、この透過率は通常100%以下である。透過率を前記下限値以上とすることで、フィルムの色再現性を向上する傾向がある。透過率は前述の吸収スペクトルから算出することができる。
本樹脂組成物中、スクアリリウム化合物の含有割合は特に限定されない。中でも、本樹脂組成物の全固形分に対して0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。その一方、10質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下であるのが特に好ましい。
スクアリリウム化合物の含有割合を上記範囲にすることで、本樹脂組成物が安定になり、また、所望する色再現性を達成しやすい、あるいはスクアリリウム化合物の析出防止などの利点を有する。
また、本樹脂組成物中、スクアリリウム化合物の含有割合は、エポキシ樹脂100質量部に対して0.01質量部以上であるのが好ましく、0.05質量部以上であるのがより好ましく、0.01質量部以上であるのがさらに好ましい。その一方、10質量部以下であるのが好ましく、5質量部以下がより好ましく、1質量部以下であるのが特に好ましい。
スクアリリウム化合物の含有割合を上記範囲にすることで、本樹脂組成物が安定になり、また、所望する色再現性を達成しやすい、あるいはスクアリリウム化合物の析出防止などの利点を有する。
本発明では特に、上記構造を有するスクアリリウム化合物を用いることで光吸収性能が良好となるので、好ましい。
((B)エポキシ樹脂)
本樹脂組成物及び本架橋樹脂層において、架橋する主成分樹脂として、アクリル樹脂ではなく、エポキシ樹脂を使用することにより、スクアリリウム化合物の色素活性を失活させないように光硬化させることができる。これは、アクリル樹脂の架橋(重合)メカニズムと、エポキシ樹脂のそれとが異なるため、光硬化によってスクアリリウム化合物の色素活性が失活しないものと推察される。
また、エポキシ樹脂は、構造上、「剛直」な構造と「柔軟」な構造との調和(バランス)が取りやすいこと、ハードコート、粘着加工などの後加工に対する機能層との接着性、耐溶剤性が良好な点、光学用途に適した高透明性を有する点からも、好ましい。
また、エポキシ樹脂は、後述する光カチオン開始剤を利用できる点でも好ましい。光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン開始剤との組み合わせに関しては、エポキシ樹脂の骨格構造がビスフェノールA型の芳香族環または脂環式のいずれであっても、スクアリリウム化合物と混ぜ合わせた後、特定波長において、良好な光吸収特性を得ることができる。
なお、主成分樹脂とは、本樹脂組成物及び本架橋樹脂層を構成する樹脂の中で最も質量割合の高い樹脂を言う。例えば本樹脂組成物及び本架橋樹脂層を構成する樹脂のうち50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂である。
本発明における「エポキシ樹脂」は、分子中に平均1個以上のオキシラン環を有する化合物の総称であると定義することができる。また、オキシラン環を有する化合物と同様にカチオン重合性を示す、オキセタン類などの環状エーテルも本発明ではエポキシ樹脂の定義に含まれるものとする。
本樹脂組成物及び本架橋樹脂層における前記エポキシ樹脂は、以下(1)〜(3)のうちの一種であるエポキシ樹脂を少なくとも一種類以上含むものが好ましい。
(1)芳香環を有するエポキシ樹脂
(2)脂環構造を有するエポキシ樹脂
(3)脂環式エポキシ基を有するエポキシ樹脂
(1)芳香環を有するエポキシ樹脂(以下、芳香族エポキシ樹脂と称す)
芳香族エポキシ樹脂とは、芳香環を含むエポキシ樹脂を指す。
該芳香族エポキシ樹脂の具体例としては、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール等、少なくとも1個の芳香族環を有する1価フェノール又は、そのアルキレンオキサイド付加物のモノ/ポリグリシジルエーテル化物、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、又はこれらに更にアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテル化物やエポキシノボラック樹脂;レゾルシノールやハイドロキノン、カテコール等の2個以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物のグリシジルエーテル;ベンゼンジメタノールやベンゼンジエタノール、ベンゼンジブタノール等のアルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のモノ/ポリグリシジルエーテル化物;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の2個以上のカルボン酸を有する多塩基酸芳香族化合物のグリシジルエステル、安息香酸やトルイル酸、ナフトエ酸等の安息香酸類のグリシジルエステル、スチレンオキサイド又はジビニルベンゼンのエポキシ化物等を挙げることができる。
中でも、フェノール類のグリシジルエーテル、アルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のグリシジルエーテル化物、多価フェノール類のグリシジルエーテル化物、安息香酸類のグリシジルエステル、多塩基酸類のグリシジルエステル、スチレンオキサイド又はジビニルベンゼンのエポキシ化物の群から選ばれるエポキシ樹脂を使用することが低粘度化や耐湿性及び耐熱性の観点から好ましい。
芳香族エポキシ樹脂としては、多官能でエポキシ当量が80〜500であるものが、硬化性に優れるため好ましい。エポキシ当量に関して、好ましくは100〜500、さらに好ましくは150〜500、その中でも特に150〜400の範囲が好ましい。
(2)脂環構造を有するエポキシ樹脂(以下、脂環族エポキシ樹脂と称す)
脂環族エポキシ樹脂は、芳香族エポキシ樹脂の芳香環を一部もしくは全て水素添加させた構造を有するエポキシ樹脂や、脂環骨格を元来有するグリコールにエピクロロヒドリンを付加させて得られる構造のエポキシ樹脂を総称したものである。
例えば、前記芳香族エポキシ樹脂を一部〜全部水素添加した構造のエポキシ樹脂や、シクロヘキサンジメタノールやシクロペンタンメタノールやイソソルバイドなどをエポキシ化した樹脂を挙げることができる。
中でも、フェノール類のグリシジルエーテルの水添化物、アルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のグリシジルエーテル化物の水添化物の群から選ばれるエポキシ樹脂を使用することが低粘度化や透明性の観点から好ましい。
脂環族エポキシ樹脂としては、多官能でエポキシ当量が80〜500であるものが、硬化性に優れるため好ましい。エポキシ当量に関して、好ましくは100〜500、さらに好ましくは150〜500、その中でも特に150〜400の範囲がよい。
(3)脂環式エポキシ基を有するエポキシ樹脂(以下、脂環式エポキシ樹脂と称す)
脂環式エポキシ樹脂とは、シクロヘキセンオキシドなど脂環式エポキシ基を有するエポキシ樹脂を指す。
該脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個のシクロヘキサンやシクロペンタン環を含有する化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキシドやシクロペンテンオキシド含有化合物を挙げることができる。例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、プロパン−2,2−ジイル−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン、α−ピネンオキシド、リモネンジオキシド、脂環式エポキシ基を有するシロキサン骨格、イソシアヌレート骨格、ヒダントイン骨格化合物等を挙げることができる。
脂環式エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が80〜500であるものが、硬化性に優れるため好ましい。エポキシ当量に関しては、中でも100以上或いは500以下、その中でも150以上或いは500以下、その中でも特に200以上或いは400以下の範囲が硬化性の観点からさらに好ましい。
また、芳香族エポキシ樹脂、水添化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂は各々単独で用いてもよいし、二種以上を併用することもできる。
なお、本発明においては分類上、芳香環と脂環構造とを両方とも有する場合には、(1)、(2)の何れか、該当する構造単位のより多い側に分類されるものとする。
一方、芳香環と脂環構造とが同じ程度の比率で含まれる場合には、(1)、(2)のいずれに分類されてもよいものとする。
((C)光重合開始剤)
本架橋樹脂層又は本樹脂組成物における「光重合開始剤」とは、光や電子線又はX線等の活性エネルギー線などの光照射により活性種を発生し、エポキシ樹脂を重合(架橋)させる役割を果たす物質である。
本架橋樹脂層又は本樹脂組成物における光重合開始剤としては、架橋の際にスクアリリウム化合物が色素失活するのをより一層効果的に防ぐ観点から、前記活性種としてカチオンやアニオンを発生させる光カチオン開始剤及び光アニオン開始剤を用いるのが好ましい。
その中でも、カチオン系の光重合開始剤は自分から色素に対して求核攻撃をしないため、スクアリリウム化合物がより安定して存在することができる。よって、光カチオン開始剤が特に好ましい。
上記光カチオン開始剤としては、例えばスルホニウム塩系,ヨードニウム塩系等のオニウム塩系光カチオン開始剤を挙げることができる。
上記オニウム塩系におけるアニオン成分としては、例えばPF 、(Rf)PF(6−n) (Rf=CCFCFn2)等のリン酸イオン、SbF 等のアンチモン酸イオン、B(C等のボレート塩、トリフルオロメタンスルホナート等のフルオロアルキルスルホン酸イオン等を挙げることができる。
上記オニウム塩系におけるカチオン成分としては、例えば芳香族スルホニウム等のスルホニウム、芳香族ヨードニウム等のヨードニウム、芳香族ホスホニウム等のホスホニウム、芳香族スルホキソニウム等のスルホキソニウム等を挙げることができる。
このようなオニウム塩としては、例えば、上記アニオン成分をカウンターアニオンとして有する、芳香族スルホニウム塩等のスルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩等のヨードニウム塩、芳香族ホスホニウム塩等のホスホニウム塩、芳香族スルホキソニウム塩等のスルホキソニウム塩等を挙げることができる。
光カチオン開始剤の分解に有効な波長は、主にカチオン成分の化学構造に依存して変わり、硬化速度は、主にアニオン成分の種類と硬化するエポキシ樹脂の種類によって変わるので、用途により適宜選択することができ、単独もしくは二種以上併せて用いることができる。
また、上記光カチオン開始剤としては、芳香族スルホニウム塩系や芳香族ヨードニウム塩系の光カチオン開始剤が、硬化性に優れる為好ましい。
他方、上記光アニオン開始剤としては、例えばカルボン酸塩系,ボレート塩系等のイオン型やカルバメート系やアミド系などの非イオン型の光アニオン開始剤を用いることができる。具体的には、WPBGシリーズ(和光純薬社製)、O0395、A2502(東京化成工業社製)、EIPBG(アイバイツ社製)などの光アニオン開始剤を挙げることができる。
光重合開始剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.01〜10質量部含有するのが好ましく、中でも0.05質量部以上或いは8質量部以下、その中でも特に0.1質量部以上或いは5質量部以下の割合で含有するのがさらに好ましい。
光重合開始剤の含有量が0.01質量部以上であれば、エポキシ樹脂を十分に重合させることができる一方、10質量部以下であれば、エポキシ樹脂の重合度を維持することが可能であり、本架橋樹脂層の物性の低下を抑えたり、残存する重合開始剤が本架橋樹脂層に悪影響を与えたりするのを抑制することができる。また、それ以上添加しても、さらなる硬化速度の向上が期待しがたい。以上の点から、上記好適な範囲で用いることが好ましい。
(光増感剤)
本樹脂組成物は、光硬化に用いる光源波長に応じて、適宜光増感剤を配合することができる。
光増感剤とは、重合開始剤が持つ吸収帯より長波長域の吸収帯を持ち、光吸収による励起後に開始剤へ電子もしくはエネルギーの移動が行われ、開始剤の分解・重合開始種の発生に寄与する化合物である。
上記光増感剤としては、ジメチルアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセンなどのアントラセン化合物、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン化合物、2−エチルアントラキノン、(±)−カンファーキノンなどのキノン化合物、ジアルコキシナフタレンなどのナフタレン化合物、ベンジル、クルクミンなどの芳香族のジケトン化合物などを挙げることができる。
光増感剤は、単独もしくは二種以上併せて用いることができる。
また、光増感剤としては、350nmより大きい波長領域に吸収帯を持ち、芳香族スルホニウム塩系や芳香族ヨードニウム塩系の光カチオン開始剤との電子移動が生じやすいアントラセン化合物やチオキサントン化合部及びキノン化合物の群から選択して使用することが、長波長帯の吸光度が好適なレベルにあり、樹脂中の分散不良が発生しにくく、また光硬化性の向上や光硬化時の硬化速度向上の観点から好ましい。
光増感剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.01〜10質量部含有するのが好ましく、中でも0.05質量部以上或いは8質量部以下、その中でも特に0.1質量部以上或いは5質量部以下の割合で含有するのがさらに好ましい。
光増感剤の含有量が、0.01質量部以上であれば、増感作用を十分に発揮することができる一方、10質量部以下であれば、エポキシ樹脂との相溶性の低下や深部への硬化阻害を防ぐことができ、硬化速度を維持することができる。
(溶剤)
本樹脂組成物は必要に応じて溶剤を含有してもよい。
当該溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のポリオール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等を挙げることができ、これらの溶剤は必要に応じて2種又はそれ以上の混合溶剤として使用することもできる。
特に、(A)スクアリリウム化合物や(B)エポキシ樹脂や(C)光重合開始剤の溶解性や安定性に応じて選定すればよい。中でも、光重合開始剤として光カチオン開始剤や光アニオン開始剤を用いる場合、例えば光カチオン開始剤を用いる場合は、溶剤中に遊離塩基が含まれないことが好ましく、種類によっては遊離酸が微少に含まれることで安定する場合もある。適宜用いる材料の特性を勘案して溶媒は選択することができる。
(その他成分)
本樹脂組成物は、必要に応じて、三フッ化ホウ素や、CP−66(旭電化(株)製)等のスルホニウムイオン系化合物等のカチオン性熱重合開始剤、酸増殖剤、シラン系あるいはチタネート系のカップリング剤、可塑剤、希釈剤、シリコーン化合物等の可撓性付与剤、分散剤、湿潤剤、着色剤、顔料、染料、無機質充填剤等の無機添加剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、酸化防止剤、脱泡剤、離型剤、流れ調整剤等を配合してもよい。
<本積層フィルムの製造方法>
本積層フィルムは、本基材フィルムの少なくとも片面に本樹脂組成物を塗布し、当該樹脂組成物を硬化させて本架橋樹脂層を形成するようにして製造することができる。
(本架橋樹脂層の形成方法)
本基材フィルムの少なくとも片面側に本樹脂組成物を塗布し硬化させて本架橋樹脂層を形成する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
本基材フィルムに本架橋樹脂層を形成する方法としては、例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工法、ロール加工法、押出成型加工法、ブロー成型法、インフレーション成型法、溶融流延法、加圧成型加工法、ペースト加工法、粉体成型法、及び塗布法などを挙げることができる。
これらの中でも、(A)スクアリリウム化合物が耐熱性に乏しい性質を有するため、光吸収特性を好適に発揮させる観点から、また簡便な方法であることから、塗布法を用いることが好ましい。
塗布法では、先ず、(A)スクアリリウム化合物と(B)エポキシ樹脂と(C)光重合開始剤とを、溶媒中に分散あるいは溶解させて本樹脂組成物を調製するようにするのが好ましい。
次いで、調製した本樹脂組成物を、本基材フィルム上に塗布し、乾燥させることによって、本基材フィルムの少なくとも片面に本架橋樹脂層を備えた本積層フィルムを製造することができる。
本基材フィルムに本樹脂組成物を塗布する方法(塗布法式)としては、例えば、リバースグラビアコート方式、ダイレクトグラビアコート方式、ロールコート方式、ダイコート方式、バーコート方式、及びカーテンコート方式などを挙げることができる。なお、塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著1979年発行に記載例がある。
本樹脂組成物の調製において、溶媒の使用量は、適宜調整すればよく特に限定されないが固形分濃度が0.1〜50質量%となる割合で用いることが好ましい。好ましくは1〜30質量%、その中でも特に5〜20質量%がよい。
本発明において、「固形分基準」は、該当組成物中の溶媒を除外した残りの全体を意味する。
また、本樹脂組成物の調製において、(A)スクアリリウム化合物の使用量は、特に限定されない。例えば、(B)エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部となる割合で用いることが好ましく、中でも0.05質量部以上或いは5質量部以下、その中でも特に0.1質量部以上或いは3質量部以下の割合とするのが特に好ましい。
(架橋樹脂層の膜厚)
本樹脂組成物の塗布量(乾燥後)すなわち本架橋樹脂層の厚さは、0.1〜20μmであるのが好ましく、中でも0.5μm以上或いは15μm以下、その中でも1.0μm以上或いは10μm以下の範囲内とするのがさらに好ましい。
上記塗工量(乾燥後)が、上記下限未満である場合、均質に架橋樹脂層が形成されず、(A)スクアリリウム化合物が有する光吸収特性を好適に発揮させることができないおそれがある。一方、上記塗工量(乾燥後)が、上記範囲を超える場合、架橋樹脂層が厚く形成され過ぎ、基材フィルムと架橋樹脂層との密着性が劣るおそれがある。
(紫外線照射方法)
紫外線照射方法については、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV−LEDなどの紫外線光源ランプを用いることができる。必要に応じて、紫外線カットフィルターを併用してもよい。
特に、水銀ランプと紫外線カットフィルターを組み合わせて用いるか、又は、UV−LEDを用いるかして、350nm以下の波長を含まない光を照射するのが好ましい。350nm以下の波長を含まない光を照射することにより、スクアリリウム化合物が色素失活するのをより一層効果的に防ぐことができる。
紫外線照射量に関しては、積算光量で50mJ/cm〜3000mJ/cmであるのが好ましく、中でも100mJ/cm以上或いは2500mJ/cm以下、その中でも特に200mJ/cm以上或いは2000mJ/cm以下であるのがさらに好ましい。50mJ/cm以上であれば、光量が不足することなく、架橋樹脂層の硬化を十分に行うことができる。その一方、3000mJ/cm以下であれば、光量が多すぎることなく、架橋樹脂層の変色や熱による基材フィルムの変形などを防ぐことができる。
<本積層フィルムの特性>
(光吸収特性)
本積層フィルムは、最大吸収波長が570〜620nmに存在するのが好ましく、中でも580〜620nm或いは570〜600nm、中でも580〜600nm、その中でも特に585〜600nmに存在するのがさらに好ましい。
ここで「最大吸収波長」とは、分光吸収スペクトルにおいて、複数の吸収ピークすなわち吸収極大が存在する場合、その中で最大のピーク強度すなわち吸光度を示す吸収ピークのピーク強度すなわち吸収極大波長を意味する。
本積層フィルムにおいて、最大吸収波長は、スクアリリウム化合物の種類のほか、光重合開始剤の種類や硬化方法などによって調整することができる。但し、これに限定するものではない。
<耐溶剤性>
本積層フィルムは、架橋樹脂層自体が緻密な架橋構造を形成することができるため、耐溶剤性を良好とすることができる。
<特徴>
これまで本発明者が行ってきた試験結果より、同じ紫外線硬化型架橋系樹脂組成物を用いても上述の通り、反応過程が異なると、結果的に所望する性能、本発明では特定波長範囲における光吸収性能が発現しないことがわかった。
かかる観点より、アクリル樹脂の重合メカニズムではなく、エポキシ樹脂の重合メカニズムを採用することにより、スクアリリウム化合物の色素を失活させることなく、特定波長範囲における光吸収性能を好ましく実現することができることが分かった。
さらにエポキシ樹脂は、構造上、「剛直」な構造と「柔軟」な構造との調和(バランス)が取りやすいこと、ハードコート、粘着加工などの後加工に対する機能層との接着性、耐溶剤性が良好な点、光学用途に適した高透明性を有する点からも、好ましい。
カチオン系の光重合開始剤は自分から色素に対して求核攻撃をしないため、色素(スクアリリウム化合物)がより安定して存在できるため、光重合開始剤としては、カチオン系の光重合開始剤がより好ましいことが分かった。他方、ラジカル系光重合開始剤は、発生したラジカル種が色素を求核攻撃し易いため、スクアリリウム化合物が失活し易く、所望する光波長吸収性能を得るのが難しいものと推察される。
また、前述したエポキシ樹脂は、このような光カチオン開始剤を利用できる点でも好ましい。光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン開始剤との組み合わせに関しては、エポキシ樹脂の骨格構造がビスフェノールA型の芳香族環または脂環式のいずれであっても、スクアリリウム化合物と混ぜ合わせた後、特定波長において、良好な光吸収特性を示すことが分かった。
<本積層フィルムの形態>
本積層フィルムは、本架橋樹脂層上に機能層を有する機能性フィルム(「本機能性フィルム」と称する)とすることができる。
機能層とは、本発明に係る(A)スクアリリウム化合物に由来する光吸収特性などとは異なる機能を有する層のことを指している。機能層の具体例としては、例えばハードコート層、粘着剤層などを代表例として挙げることができる。
(ハードコート層)
前記ハードコート層の形成に用いられる樹脂は、主として紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂に代表される活性エネルギー線硬化型樹脂である。この他にも高硬度、高耐擦傷性、基材との密着性、透明性など、ハードコートとして必要な物理的強度と光学的性能を有するものであれば、特に限定されるわけではない。また、これらは単独で用いてもよいし、他の成分(モノマーあるいはプレポリマー)と混合して用いてもよく、目的や用途に応じ、有機粒子、無機粒子、酸化防止剤、表面改質剤など樹脂以外のその他成分を併用してもよい。
(粘着剤層)
前記粘着剤層の形成に用いられる粘着剤は、従来から公知の粘着剤を適宜選択して使用できる。例えばアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤などの透明性を有する粘着剤によって形成される。
なお、粘着剤層の厚みは、通常15〜50μm程度である。この際、薄すぎると粘着力(接着力)が弱くなり、厚過ぎるとコスト高となる上、粘着剤による糊汚れが発生し易くなる傾向にあるので、好ましくは20〜30μmである。
本積層フィルム及び機能性フィルムは、特に色調補正を目的とした、光学フィルムとして用いることができる。本発明に係る積層フィルムを用いれば、光吸収特性が良好であるために、効率良く色調補正することができる。
<本液晶表示装置>
次に、本積層フィルムの用途の一例として、液晶表示装置(「本液晶表示装置」と称する)の構成事例について説明する。但し、本発明においては以下の構成事例に何ら限定させるわけではない。
本液晶表示装置は、光源から画像表示面に至る途中の何れかの位置に、本積層フィルム又は本機能性フィルムを備えたものであればよい。
本液晶表示装置の構成例としては、例えば、バックライト/プリズムシート/偏光板/表示面(タッチパネル)からなる構成、或いは、図1に示すように、バックライト/プリズムシート/偏光板/液晶層/電極又は配光膜/カラーフィルター/ガラス基板/偏光板/表示面(タッチパネル)からなる構成例などを挙げることができる。この際、前記偏光板として、本機能性フィルムの本基材フィルムが、接着層を介して、偏光子の片側に貼り合わされ、機能層が、接着層を介して、保護フィルムに貼り合わされてなる構成を備えた偏光板を挙げる。
但し、本液晶表示装置の構成を上記構成例に限定するものではない。
また、バックライトとプリズムシートの間、プリズムシートと偏光板の間には、拡散シート、DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)などを配置してもよい。
また、図1に示すように、バックライトと液晶層との間には、ガラス基板、偏向板、プリズムシート、拡散シートなどのうちのいずれかの部材が少なくとも1種類以上配置されていてもよい。各部材の配置される順序は表示装置の特性に応じて、適宜選択可能である。
(バックライト部材)
前記バックライト部材の光源としては、例えば、青色発光LEDと、緑色及び赤色発光の蛍光体とで構成された白色LED光源をバックライト光源に用いたものを挙げることができる。但し、これに限定するものではない。
そして、例えば、前記白色LED光源と、当該白色LED光源から発する点光または線光を面光へと変換する導光板と、導光板上に配置され導光板から照射された光を拡散及び集光させる光学シート等と、導光板の下部に配置され導光板の下部方向へ進行する光を液晶セル方向へ反射させる反射シートを含む構成例をバックライト部材の構成例として挙げることができる。
当該バックライト部材は、液晶セルの反視認側に配置され、液晶セルの背面側から光を照射することができる。
前記光学シート等は、光を拡散させる拡散シートと、光を集光させる集光シートと、前記集光シートを保護するための保護シートを含んでいてもよい。
なお、上記LED光源としては、青色LEDと赤色・緑色蛍光体(RG蛍光体)とを組み合わせて白色光を生成するLED光源(B−RG方式)及び青色LEDとイットリウム・アルミニウム・ガーネット蛍光体(YAG蛍光体)とを組み合わせて白色光を生成するLED光源(B−YAG方式)を好ましく挙げることができる。
RG蛍光体としては、青色光を吸収して赤色蛍光と緑色蛍光を発光する蛍光体であればよい。例えば、特開2003−141905号公報に記載の従来公知のRG蛍光体を用いることができる。
YAG蛍光体としては、青色光を吸収して緑色蛍光を発光する蛍光体であればよく、例えば、特開2008−218486号公報に記載の従来公知のYAG蛍光体を用いることができる。
白色LED光源は、導光板の表側と裏側以外の面(端面)に配置(サイドライト型面光源)してもよいし、導光板の裏側に配置(直下型面光源)してもよい。サイドライト型面光源のなかでも、導光板の一側面だけに白色LED光源を配置したエッジライト型面光源は、小型化の可能な観点から好ましい。
(導光板)
導光板(側面から入れた光を拡散させ、表面に均一の光を出す薄く光るパネル)や、例えば図1で示されるプリズムシートや拡散シートなどは、従来公知の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
当該熱可塑性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、一種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(偏光板)
バックライト側偏光板及び画像表示面側偏光板は、特定の振動方向(偏光軸)の直線偏光のみを通過させる機能を有する部材である。通常、バックライト側偏光板と画像表示面側偏光板は、その偏光軸が互いに直交するように配置される。バックライト部材から射出した非偏光のうち特定の振動方向の直線偏光だけがバックライト側偏光板を通過し、射出し、液晶セルに入射する。次いで、液晶セルに入射した偏光のうち一部は、液晶セルを通過中に偏光軸(振動方向)が90°又は−90°変えられた直線偏光になり、射出し、画像表示面側偏光板に入射する。そして、液晶セルを通過中に偏光軸(振動方向)が90°又は−90°変えられた直線偏光だけが画像表示面側偏光板を通過し、画像表示光となって射出される。
偏光板としては、従来公知の液晶表示装置に用いられている偏光板を用いることができる。偏光板は、上述したような偏光特性を有する偏光子のみから構成されている態様や当該偏光子の一面側にのみ保護フィルムが設けられている態様でもよい。ただし、通常、保護フィルム/偏光子/保護フィルムのように偏光子を保護フィルムで挟んだ構成を有する。
本発明においては、前述のように、前記偏光板の保護フィルムの一つを置き換えて、ハードコート層付きの本機能性フィルム(機能層が外側)に接着層を介して、偏光子の片側に貼り合わされ、もう一方に接着層を介して、保護フィルムが貼り合わされた偏光板としてもよい(図2)。
(液晶セル)
本発明に用いられる液晶セルは、従来の液晶表示装置の液晶セルと同様の構成であり、一般的には、駆動基盤、液晶層、カラーフィルターで構成される。
液晶セルは、例えば、カラーフィルターと、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)基板等の駆動基板とを対向させて1〜10μm程度の間隙部を設け、当該間隙部内に液晶化合物を充填して液晶層を形成し、その周囲をシール材で密封した構造を有する。カラーフィルターと対向する電極基板の内面側には液晶を配向させるための液晶配向膜が設けられる。
(カラーフィルター)
カラーフィルターは、例えば、赤(R)緑(G)青(B)の画素(着色層)を所定の二次元パターン状に配列し、各画素間をブラックマトリクス(BM)層で仕切った構成を有している。
液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定されず、一般的な液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、上記したTFT方式以外に、例えば、TN(Twisted Nematic)方式、IPS(In−Plane Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式、及びMVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができる。
液晶層の液晶化合物としては、液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)エポキシ当量
JIS K7236に準じて電位差滴定法により測定し、樹脂固形分としての値に換算した。
(2)光吸収特性
分光光度計(株式会社島津製作所 紫外可視分光光度計 型式名:UV-2450)を用いて、架橋樹脂層面側を測定面として、測定波長300〜700nmにおける積層フィルムの吸光度を測定した。
そして、最大吸収波長が570〜620nmに存在する場合を「有り」、最大吸収波長が570〜620nmに存在しない場合を「無し」と判定した。
(3)架橋樹脂層の耐溶剤性
試料サンプルの塗膜表面に酢酸エチル1gを滴下し5秒経過後にキムワイプで5往復拭った。外観に変化がないものを「○(合格)」と評価し、外観に変化が生じたものを「×(不合格)」と評価した。
(基材フィルムF1)
三菱ケミカル製 二軸延伸PETフィルム(O300Eタイプ:188μm)
(4)光硬化性
樹脂組成物からなる塗膜がタックフリーになる、言い換えればベタベタしなくなるまで硬化させるのに必要な紫外線照射量について、下記判定基準により、樹脂組成物の光硬化性の判定を行った。
(判定基準)
◎(より好ましい)・・・250mJ/cm未満
〇(好ましい)・・・250mJ/cm以上950mJ/cm未満
×(不合格)・・・950mJ/cm以上
〔(A)スクアリリウム化合物〕
以下の実施例及び比較例で(A)スクアリリウム化合物(A−1)〜(A−4)は以下のようにして合成した。
[スクアリリウム化合物(A−1)〜(A−3)の合成:化合物−1]
特開2002−363434号公報の実施例3に記載の方法により、以下の化学構造のスクアリリウム化合物(A−1)〜(A−3)の混合物としての化合物−1を合成した。
なお、スクアリリウム化合物の混合物である化合物−1は、分光光度計(株式会社島津製作所 紫外可視分光光度計 型式名:UV-2450)を用いて吸光度を測定したところ、570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有していた。
Figure 2020200376
Figure 2020200376
Figure 2020200376
[スクアリリウム化合物(A−4)の合成:化合物−2]
特開2002−363434号公報に記載の方法により、以下の化学構造のスクアリリウム化合物(A−4)としての化合物−2を合成した。
なお、スクアリリウム化合物である化合物−2は、分光光度計(株式会社島津製作所 紫外可視分光光度計 型式名:UV-2450)を用いて吸光度を測定したところ、570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有していた。
Figure 2020200376
<実施例1>
基材フィルムF1上に下記樹脂組成物1を塗布し、80℃、120秒で乾燥後、UV−LED装置を用いて積算光量が1500mJ/cmになるように波長:365nmの紫外線を照射した後、80℃、40分間の加熱を実施し、乾燥後の厚み7μmの架橋樹脂層が設けられた積層フィルムを得た。
(樹脂組成物1)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−2) 0.11質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製jER828
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;186g/eq) 100質量部
(C)光カチオン開始剤 富士フィルム和光純薬(株)
(WPI−170:Bis(4-tert-butylphenyl)iodium hexafluorophosphate)4質量部
増感剤 2−エチルアントラキノン 4質量部
溶媒 酢酸ブチル 110質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<実施例2>
実施例1において、樹脂組成物1を樹脂組成物2に変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物2)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−2) 0.11質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製jER828
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;186g/eq) 100質量部
(C)光カチオン開始剤 富士フィルム和光純薬(株)
(WPI−170:Bis(4-tert-butylphenyl)iodium hexafluorophosphate) 5質量部
増感剤 2−イソプロピルチオキサントン 0.5質量部
溶媒 酢酸ブチル 110質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<実施例3>
実施例1において、樹脂組成物1を樹脂組成物3に変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物3)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−2) 0.11質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製jER828
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;186g/eq) 100質量部
(C)光カチオン開始剤 富士フィルム和光純薬(株)
(WPI−170:Bis(4-tert-butylphenyl)iodium hexafluorophosphate) 5質量部
増感剤 川崎化成(株)(アントラキュアーUVS−1331:9,10−ジブトキシアントラセン) 1質量部
溶媒 酢酸ブチル 110質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<実施例4>
実施例1において、樹脂組成物1を樹脂組成物4に変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物4)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−2) 0.11質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製jER828
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;186g/eq) 100質量部
(C)光カチオン開始剤:サンアプロ(株)製(CPI−100P) 4質量部
増感剤 川崎化成(株)(アントラキュアーUVS−1331:9,10−ジブトキシアントラセン) 1質量部
溶媒 酢酸ブチル 110質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<実施例5>
実施例1において、樹脂組成物1を樹脂組成物5に変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物5)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−2) 0.11質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製YX8000
(ビスフェノールA型水添エポキシ樹脂、エポキシ当量;205g/eq) 50質量部
三菱ケミカル社製YL9029
(脂環式エポキシ樹脂、エポキシ当量;303g/eq) 50質量部
(C)光カチオン開始剤:
チバスペシャリティーケミカルズ(イルガキュア290) 4質量部
溶媒:酢酸ブチル 110質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<実施例6>
実施例1において、樹脂組成物1を樹脂組成物6に変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物6)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−2) 0.11質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製YX8000
(ビスフェノールA型水添エポキシ樹脂、エポキシ当量;186g/eq) 50質量部
三菱ケミカル社製YL9029
(脂環式エポキシ樹脂、エポキシ当量;303g/eq) 50質量部
(C)光カチオン開始剤:サンアプロ(株)製(CPI−200K) 4質量部
溶媒:酢酸ブチル 110質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<実施例7>
実施例1において、樹脂組成物1を樹脂組成物7に変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物7)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−2) 0.11質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製jER828
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;186g/eq) 100質量部
(C)光カチオン開始剤:サンアプロ(株)製(CPI−100P) 4質量部
溶媒 酢酸ブチル 110質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<実施例8>
実施例1において、樹脂組成物1を樹脂組成物8に変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物8)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−2) 0.11質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製jER828
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;186g/eq) 100質量部
(C)光カチオン開始剤:
チバスペシャリティーケミカルズ(イルガキュア290) 4質量部
溶媒 酢酸ブチル 110質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<実施例9>
実施例1において、樹脂組成物1を樹脂組成物9に変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物9)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−1) 0.5質量部
(B)エポキシ樹脂 三菱ケミカル社製jER828
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;186g/eq) 100質量部
(C)光カチオン開始剤 富士フィルム和光純薬(株)
(WPI−170:Bis(4-tert-butylphenyl)iodium hexafluorophosphate)5質量部
溶媒 酢酸ブチル 110質量
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
<比較例1>
基材フィルムF1上に下記架橋樹脂組成物10を塗布し、80℃、120秒で乾燥後、高圧水銀灯を用いて、積算光量が400mJ/cmになるように波長250〜340nmの紫外線を照射し、乾燥後の厚み7μmの架橋樹脂層が設けられた積層フィルムを得た。
(架橋樹脂組成物10)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−1) 0.5質量部
(B)光硬化性アクリル樹脂 三菱ケミカル社製 紫光UV1700B 100質量部
ラジカル型光重合開始剤
TPO(2,4,6-trimethylbenzoyl-diphenyl phosphine oxide) 0.11質量部
溶媒:酢酸ブチル 8質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は90質量%となった。
得られた積層フィルムは、色素がラジカル型光重合開始剤による求核攻撃を受けたためか、色素が失活し、透明であった。
<比較例2>
基材フィルムF1上に下記樹脂組成物11を塗布し、80℃、120秒で乾燥後、塗布量(乾燥後)が7μmの非架橋樹脂層が設けられた積層フィルムを得た。
(樹脂組成物11)
(A)スクアリリウム化合物(化合物−1) 0.5質量部
(B)熱可塑性樹脂 三菱ケミカル社製(BR−80:アクリル樹脂) 100質量部
溶媒 酢酸ブチル 900質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は10質量%となった。
得られた積層フィルムは、光吸収特性は良好であったが、樹脂層が架橋していないため、耐溶剤性に乏しい結果であった。
Figure 2020200376
<考察>
上記実施例及び比較例の結果、並びに、これまで本発明者が行ってきた試験結果より、同じ紫外線硬化型架橋系樹脂組成物を用いても上述の通り、反応過程が異なると、結果的に所望する性能、本発明では特定波長範囲における光吸収性能が発現しないことがわかった。
かかる観点より、アクリル樹脂の重合メカニズムではなく、エポキシ樹脂の重合メカニズムを採用することにより、スクアリリウム化合物の色素を失活させることなく、特定波長範囲における光吸収性能を好ましく実現することができることが分かった。
さらにエポキシ樹脂は、構造上、「剛直」な構造と「柔軟」な構造との調和(バランス)が取りやすいこと、ハードコート、粘着加工などの後加工に対する機能層との接着性、耐溶剤性が良好な点、光学用途に適した高透明性を有する点からも、好ましいことが分かった。
また、カチオン系の光重合開始剤は自分から色素に対して求核攻撃をしないため、色素(スクアリリウム化合物)がより安定して存在できるため、光重合開始剤としては、カチオン系の光重合開始剤がより好ましいことが分かった。他方、ラジカル系光重合開始剤は、発生したラジカル種が色素を求核攻撃し易いため、スクアリリウム化合物が失活し易く、所望する光波長吸収性能を得るのが難しいものと推察される。
また、前述したエポキシ樹脂は、このような光カチオン開始剤を利用できる点でも好ましいことが分かった。光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン開始剤との組み合わせに関しては、エポキシ樹脂の骨格構造がビスフェノールA型の芳香族環または脂環式のいずれであっても、スクアリリウム化合物と混ぜ合わせた後、特定波長において、良好な光吸収特性を示すことが分かった。

Claims (16)

  1. (A)スクアリリウム化合物、(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤を含む樹脂組成物。
  2. (A)スクアリリウム化合物が570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有する化合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記樹脂組成物中、(B)エポキシ樹脂100質量部に対して、(A)スクアリリウム化合物を0.01質量部〜10質量部含有する請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 以下の(1)〜(3)のうちの少なくとも一種類以上のエポキシ樹脂を含む、請求項1〜3の何れかに記載の樹脂組成物。
    (1)芳香環を有するエポキシ樹脂
    (2)脂環構造を有するエポキシ樹脂
    (3)脂環式エポキシ基を有するエポキシ樹脂
  5. 前記光重合開始剤が光カチオン開始剤である、請求項1〜4の何れかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記樹脂組成物中に増感剤を含む、請求項1〜5の何れかに記載の樹脂組成物。
  7. 基材フィルムの少なくとも片面側に、請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成物が硬化してなる架橋樹脂層を備えており、その最大吸収波長が570〜620nmに存在する積層フィルム。
  8. 基材フィルムが、ポリエステルフィルムである、請求項7に記載の積層フィルム。
  9. 基材フィルムが、ポリイミドフィルムである、請求項7に記載の積層フィルム。
  10. 前記架橋樹脂層が、塗布層である請求項7〜9の何れかに記載の積層フィルム。
  11. 請求項7〜10の何れかに記載の積層フィルムの製造方法であって、
    基材フィルムの少なくとも片面側に、請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成物を塗布した後、水銀ランプと紫外線カットフィルターを組み合わせて用いるか、又は、UV−LEDを用いて、350nm以下の波長を含まない光を照射して前記樹脂組成物を硬化させて架橋樹脂層を形成することを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
  12. 請求項7〜10の何れかに記載の積層フィルムの前記架橋樹脂層上に機能層を積層してなる構成を備えた機能性フィルム。
  13. 前記機能層がハードコート層である、請求項12に記載の機能性フィルム。
  14. 前記機能層が粘着剤層である、請求項12に記載の機能性フィルム。
  15. 前記請求項12又は13に記載の機能性フィルムの前記基材フィルムが、接着層を介して、偏光子の片側に貼り合わされ、前記機能層が、接着層を介して、保護フィルムに貼り合わされてなる構成を備えた偏光板。
  16. 青色発光LEDと、緑色及び赤色発光の蛍光体とで構成された白色LEDをバックライト光源に用いた液晶表示装置であり、前記白色LEDから画像表示面に至る途中の何れかの位置に、請求項7〜10の何れかに記載の積層フィルム又は請求項12〜14の何れかに記載の機能性フィルムを備えた液晶表示装置。
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