JP2020199456A - 分離デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】分離デバイスのサンプル供給部に標的粒子が滞留することを抑制する技術を提供する。【解決手段】標的粒子及び非標的粒子を含む流体サンプル中に含まれる前記標的粒子を前記流体サンプルから分離するための分離デバイスであって、前記流体サンプルを前記分離デバイスに供給するためのサンプル供給穴11と、前記サンプル供給穴11と接続するポート12と、前記ポート12のサンプル出口13から前記流体サンプルが供給され、前記標的粒子を前記流体サンプルから分離する分離領域30と、を有し、前記ポート12の前記サンプル供給穴11よりも上流側の上流側内壁面15と、前記サンプル供給穴11の重心との間の最長距離Lが、1.5mm以下である、分離デバイス。【選択図】図1

Description

本発明は、分離デバイスに関する。
有機物、生体高分子、細胞等を含む液性の試料から、目的物質、細胞を分離するための方法として、DLD(Deterministic Lateral Displacement)を応用した、マイクロ流体デバイス(分離デバイス)を用いた方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。この手法によれば、液性試料中に含まれる複数種類の粒子から、大きさに応じて標的の粒子を分離することができる。
上述の分離デバイスを用いた方法では、液性試料中の目的物質、細胞と結合することができる捕捉分子を表面に固定した捕捉粒子を用いる。捕捉粒子を液性試料と混合して標的粒子を形成させた後、分離デバイスを用いることにより、標的粒子を分離して回収することができる(例えば、特許文献1を参照)。
Inglis DW et al., Critical particle size for fractionation by deterministic lateral displacement, Lab Chip, 2006, vol. 6, 655-658.
国際公開第2016/136273号
しかしながら、標的粒子を含む流体サンプルを分離デバイスのサンプル供給部へ供給したときに、サンプル供給部に標的粒子が滞留し、標的粒子の回収率が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、分離デバイスのサンプル供給部に標的粒子が滞留することを抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]標的粒子及び非標的粒子を含む流体サンプル中に含まれる前記標的粒子を前記流体サンプルから分離するための分離デバイスであって、前記流体サンプルを前記分離デバイスに供給するためのサンプル供給穴と、前記サンプル供給穴と接続するポートと、前記ポートのサンプル出口から前記流体サンプルが供給され、前記標的粒子を前記流体サンプルから分離する分離領域と、を有し、前記ポートの前記サンプル供給穴よりも上流側の上流側内壁面と、前記サンプル供給穴の重心との間の最長距離Lが、1.5mm以下である、分離デバイス。
[2]前記流体サンプルを前記分離デバイスに供給するための送液経路を更に有し、前記送液経路は前記サンプル供給穴に接続されている、[1]に記載の分離デバイス。
[3]前記送液経路が、前記分離デバイスに対して略垂直に接続されている、[2]に記載の分離デバイス。
[4]前記標的粒子の比重が、前記流体サンプルの流体成分の比重の0.85倍以上1.15倍以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の分離デバイス。
[5]前記標的粒子が、細胞であるか、又は、細胞と捕捉分子を固定した担体との複合体であり、前記担体が樹脂、金属、ガラス及びシリカからなる群から選ばれる1種以上の材料からなる、[1]〜[4]のいずれかに記載の分離デバイス。
本発明によれば、分離デバイスのサンプル供給部に標的粒子が滞留することを抑制する技術を提供することができる。
分離デバイス1Aの内部に形成された分離流路部6を示す模式図である。 分離デバイス1Aの部分正断面図である。 分離デバイス1Aのサンプル供給部10付近の部分破断斜視図である。 分離デバイス1Aのサンプル供給部10付近の部分正断面図である。 分離デバイス1Aのサンプル出口13付近の部分平断面図である。 分離デバイス1Aの分離領域30の平面図である。 DLDを説明する模式図である。 捕捉粒子73を説明する模式図である。 標的粒子70を説明する模式図である。 分離デバイス1Bの平面図である。 サンプル供給部のポート径が6mmである場合の、流体サンプルの軌跡をシミュレーションにより解析した結果である。 サンプル供給部のポート径が1.5mmである場合の、流体サンプルの軌跡をシミュレーションにより解析した結果である。 サンプル供給部のポート径が6mmである場合の、流体サンプルの流速をシミュレーションにより解析した結果である。 サンプル供給部のポート径が1.5mmである場合の、流体サンプルの流速をシミュレーションにより解析した結果である。 サンプル供給部のポート径が6mmである場合の、各時刻の流体サンプルの位置をシミュレーションにより解析した結果である。 サンプル供給部のポート径が1.5mmである場合の、各時刻の流体サンプルの位置をシミュレーションにより解析した結果である。 サンプル供給部のポート径が6mmである場合の、流体サンプルを送液開始直後の、ポートにおける粒子の写真である。 サンプル供給部のポート径が6mmである場合の、流体サンプルの送液開始から15秒後の、ポートにおける粒子の写真である。 サンプル供給部のポート径が1.5mmである場合の、流体サンプルを送液開始直後の、ポートにおける粒子の写真である。 サンプル供給部のポート径が1.5mmである場合の、流体サンプルの送液開始から15秒後の、ポートにおける粒子の写真である。
[分離デバイス]
まず、本発明の1実施形態にかかる分離デバイスを説明する。図1は、分離デバイス1Aの内部に形成された分離流路部6を示す模式図である。図2は、分離デバイス1Aの正断面図である。
本実施形態のデバイスは、標的粒子及び非標的粒子を含む流体サンプル中に含まれる前記標的粒子を前記流体サンプルから分離するためのものである。
分離デバイス1Aは板状蓋部材5とベース板4の接合により形成されている。分離流路部6は、板状蓋部材5に溝状に形成された凹部によって、板状蓋部材5とベース板4との間に確保された空間である。
図1に例示されるように、分離デバイス1Aの分離流路部6は、バッファーを供給するバッファー供給部20と、流体サンプルを供給するサンプル供給部10と、バッファー供給部20から延びる流路22と、標的粒子を回収する第1の回収部40と、非標的粒子を回収する第2の回収部50とを備えている。流路22は、板状蓋部材5に溝状に形成され、板状蓋部材5とベース板4との間に確保された空間である。
図1に例示するように、分離デバイス1Aの分離流路部6の流路22は、バッファー供給部20の下流に、拡張部24を有している。拡張部24は、流路22が、板状蓋部材5の面方向において流路22の延在方向に垂直の流路幅方向に、拡張されて形成されている。
また、流路22は、拡張部24の下流に、サンプルに含まれる標的粒子と非標的粒子とを分離する分離領域30を有している。第1の回収部40及び第2の回収部50は、分離領域30の下流端に連通されている。
拡張部24の幅は、流路22におけるバッファー供給部20とサンプル供給部10の間の部分及び分離領域30の幅よりも広く設計されている。
図1に例示するように、拡張部24には、サンプル供給部10を確保するために、板状蓋部材5に突出形成された隔壁25が設けられている。隔壁25は、拡張部24の内部における板状蓋部材5の面方向の一部の領域を取り囲むように形成されている。サンプル供給部10は隔壁25によって取り囲まれた内側の空間全体を指す。
ただし、隔壁25の下流端は不連続部分を有し、不連続部分はサンプル出口13として開放されている。隔壁25は、流路22の流路幅方向の両側の内壁から離間された位置に形成されている。隔壁25と、流路22の内壁との間は流路22の一部となっている。
図1、図2に例示されるように、板状蓋部材5には、バッファー供給部20に連通するバッファー供給穴21が貫通形成されている。バッファー供給穴21は、板状蓋部材5の面方向における、バッファー供給部20の中央部に設けられている。
図3は、分離デバイス1Aのサンプル供給部10付近の部分破断斜視図である。また、図4は、分離デバイス1Aのサンプル供給部10付近の部分正断面図である。
図3、4に例示されるように、板状蓋部材5には、サンプル供給部10に連通するサンプル供給穴11が貫通形成されている。サンプル供給穴11は、板状蓋部材5の面方向における、サンプル供給部10の中央部に設けられている。
本明細書において、サンプル供給部10は、ポートという場合がある。
また、図4に例示されるように、サンプル供給穴11には、流体サンプルをサンプル供給部10へ供給する送液経路14が接続されていてもよい。サンプル供給部10の送液経路14は、分離デバイス1Aに対して略垂直に接続されていてもよい。
図1、図4において、以下、サンプル供給部10のサンプル出口側を下流側、サンプル出口側と反対側を上流側(奥側)という。また、隔壁25におけるサンプル出口とは反対側の内壁面は、上流側内壁面15である。
板状蓋部材5の面方向におけるサンプル供給穴11の重心と、上流側内壁面15との最長距離Lは、1.5mm以下である。
図1に例示されるように、流路22におけるバッファー供給部20とサンプル供給部10の間の部分は、流路22の拡張部24における隔壁25の外側の部分に連通され、隔壁25の下流端付近の流路22はバッファー出口23となっている。
送液経路14によって、サンプル供給穴11から供給された流体サンプルは、サンプル供給部10の内部を流動し、サンプル出口13から流出して、分離領域30へ流入する。
バッファー供給穴21から供給されたバッファーは、バッファー供給部20の内部を流動し、流路22におけるバッファー供給部20とサンプル供給部10の間の部分を通り、バッファー出口23から流出し、分離領域30へ流入する。
図5は、サンプル出口13付近の部分平断面図である。図1、図5に例示されるように、サンプル出口13はバッファー出口23と近接して配置され、サンプル出口13から排出された流体サンプル2とバッファー出口23から排出されたバッファー3は、サンプル出口13及びその両側のバッファー出口23の下流側の合流部31においてなめらかに合流し、分離領域30へ流入する。
図5に例示されるように、分離領域30において、サンプル出口13から排出された流体サンプル2と、バッファー出口23から排出されたバッファー3とは、層流を形成する。
図6は、分離デバイス1Aの分離領域30の平面図である。図5、図6に例示されるように、分離領域30は、粒子を大きさによって分離するピラー32を連続的に有している。分離領域30へ流入した粒子のうち、一定の大きさ以上の標的粒子70は、流れの方向に対して直進せずに斜めに移動し、一定の大きさより小さい非標的粒子71は、流れの方向に沿って直進する。
図7は、DLDを説明する模式図である。上述した、分離領域30において、粒子の大きさによって粒子を分離する方法はDLD法(Deterministic Lateral Displacement)であってもよい(例えば、非特許文献1を参照)。
図7に示すように、流れの方向に対して斜めに移動する粒子の臨界直径(上述した一定の大きさ)をDc、流体の流れ方向と垂直方向のピラー間隔をg、ピラー32のずれ角度をθ、ε=tanθと定義すると、
Dc=1.4gε0.48
となることが知られている。
ここで、上述の一定の大きさとは、臨界直径Dcに相当する。
ただし、0.06<ε<0.1であることが好ましい。
臨界直径Dcが所望の大きさとなるように、ピラー間隔g、ピラー32のずれ角度θでピラー32を配置した分離領域30を用いることにより、直径が臨界直径より大きい標的粒子70と、直径が臨界直径より小さい非標的粒子71とを分離することができる。
図1に例示されるように、第1の回収部40は、臨界直径Dcより大きい粒子を含む流体が流入する第1の回収流路41と、臨界直径Dcより大きい粒子を含む流体を回収する第1の回収口42とを有している。第2の回収部50は、臨界直径Dcより小さい粒子を含む流体が流入する第2の回収流路51と、臨界直径Dcより小さい粒子を含む流体を回収する第2の回収口52とを有している。
合流部31において合流した流体サンプル2とバッファー3は、分離領域30へ流入する。臨界直径Dcより大きい粒子は流れ方向に対して斜めの方向に移動して、第1の回収流路41へ流入し、第1の回収口42から回収される。臨界直径Dcより小さい粒子は流れ方向に沿って直進して、第2の回収流路51へ流入し、第2の回収口52から回収される。
図8は、捕捉粒子73を説明する模式図である。図8に例示するように、流体サンプル2は、目的物質72と、非目的物質76を含む。図8に例示するように、目的物質72と結合する捕捉粒子73は、目的物質72と結合する捕捉分子74が固定された担体75である。
図9は、標的粒子70を説明する模式図である。図9に例示するように、捕捉粒子73は、目的物質72と結合して複合体である標的粒子70を形成するが、非目的物質76とは結合しない。
実施形態に係る分離デバイス1Aを用いることにより、流体サンプル2から、標的粒子70を分離することができる。標的粒子70は、目的物質72よりも大きく、かつ、捕捉粒子73よりも大きい。ここで、非標的粒子71(図示略)は、流体サンプル2中に含まれる、標的粒子70より小さい粒子を指す。
実施形態に係る分離デバイス1Aを用いることにより、流体サンプル2に含まれる目的物質72と、捕捉粒子73とを含む流体サンプル2から、標的粒子70を分離することができる。
本実施形態に係る分離デバイス1Aは、第1の回収流路41、第2の回収流路51の2個の回収流路を有しているが、回収流路の数は2個に限定されず、分離デバイス1Aの回収流路の数は3個以上であってもよい。
サンプル供給穴11、バッファー供給穴21の形状は、特に限定されず、円形状であってもよいし、三角形状、正方形状、矩形状等の多角形状であってもよい。
サンプル供給穴11、バッファー供給穴21、第1の回収口42、第2の回収口52には、チューブを接合させてもよいし、シリンジ等の接合部を設けてもよい。
サンプル供給穴11への流体サンプル2の供給、バッファー供給穴21へのバッファー3の供給は、一定速度で送液してもよい。例えば、シリンジポンプ等を用いて、流体サンプル2、バッファー3を供給することができる。
流体サンプル2は、血液、唾液、尿、涙、リンパ液等の体液;組織、細胞等の破砕液;組織、細胞等の培養液;排せつ物懸濁液;細胞、組織、生体等と接触させた液体等を含んでもよい。流体サンプル2は、上記の液体に、任意の希釈液が加えられていてもよい。目的物質72としては、細胞、タンパク質、核酸、脂質、糖鎖等の物質を挙げることができる。
標的粒子70は、目的物質72と捕捉粒子73の複合体であってもよいし、目的物質72そのものであってもよい。標的粒子70は、例えば、細胞そのものであってもよい。
捕捉分子74としては、例えば、抗体、レクチン、アプタマー、細胞接着分子、糖鎖等が挙げられるがこれに限定されず、目的物質72を認識する分子であれば、どのような分子であってもよい。
担体75の材料としては、樹脂、金属、ガラス、シリカ等が挙げられる。担体75は、1種の材料から形成されてもよいし、これら複数種類の材料から形成されてもよい。担体75の材料としては、ポリスチレン、ラテックス等が好ましい。
担体75の比重は、流体サンプル2の比重の0.85倍以上1.15倍以下であることが好ましい。担体75と目的物質72が結合した標的粒子の比重は、流体サンプル2の比重の0.85倍以上1.15倍以下であることが好ましい。
非標的粒子71と、標的粒子70とを、分離領域30において分離するためには、臨界直径Dcは、非標的粒子71の大きさ以上、標的粒子70の大きさ以下に設定することが好ましい。
例えば、目的物質72が、大きさが9〜15μmの細胞であり、非標的粒子71が、大きさが7〜13μmの細胞である場合、捕捉粒子73の大きさは、5μm以上であることが好ましい。より具体的には、捕捉粒子73の大きさは、15μm〜50μmであることが好ましく、20μm〜40μmであることが更に好ましい。
例えば、血液中から、標的粒子70として循環性腫瘍細胞(Circulating Tumour Cell、CTC)を分離する場合、赤血球の大きさは6〜8μmであり、白血球の大きさは9〜15μmであり、CTCの大きさは10〜20μmであるため、臨界直径Dcは、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることが更に好ましい。捕捉粒子73の大きさは、7μm〜60μmであることが好ましく、10μm〜55μmであることが更に好ましく、15μm〜50μmであることが更に好ましく、20μm〜40μmであることが更に好ましい。
ピラー32の構造としては、特に限定されず、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等の多角柱構造、円柱構造等を挙げることができる。
流体サンプル2及びバッファー3と接触する部材の材料としては、ガラス、シリコーン、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、プラスチック等を用いることができる。上述の材料は、目的物質72を吸着しない材料であることが好ましい。流体サンプル2及びバッファー3と接触する部材の表面を、生体物質の付着を防ぐMPC(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)等によりコーティングした材料を用いてもよい。
バッファー供給穴21より流入するバッファーとしては、細胞への悪影響及びタンパク質の変性等を防ぐために、生理食塩水、PBS等を用いることができる。
標的粒子70を含む流体サンプル2を、サンプル供給穴11から流入させると、流体サンプル2はサンプル供給部(ポート)10を流動する。実施例において後述するように、流体サンプル2中の標的粒子70は、サンプル供給穴11よりも上流側の上流側内壁面15付近に滞留することがある。
実施例において後述するように、サンプル供給穴11の重心と、サンプル供給穴11よりも上流側の上流側内壁面15との最長距離Lが長いほど、サンプル供給部10の上流側内壁面15付近を流れる流体サンプル2の流速は小さくなり、ポート12の上流側内壁面15付近に滞留しやすくなる。
標的粒子70が、サンプル供給部10の上流側内壁面15付近に滞留すると、標的粒子70が分離領域30へ流入しにくくなり、その結果、分離デバイス1Aによる標的粒子70の回収率が低下する。
標的粒子70がサンプル供給部10の上流側内壁面15付近に滞留することを防止するために、サンプル供給穴11の重心と、ポート12の上流側内壁面15との最長距離Lは、1.5mm以下であることが好ましい。
サンプル供給部10の上流側内壁面15の形状としては、特に限定されないが、サンプル供給部10の上流側内壁面15付近における標的粒子70の滞留を防止するために、円弧状であることが好ましい。
図10は、変形例の分離デバイス1Bの平面図である。図10に例示するように、分離デバイス1Bにおいて、サンプル供給部10は、サンプル出口13よりも上流側に、凝集物除去領域60を有していてもよい。凝集物除去領域60は複数の除去部を有していてもよい。除去部はピラー構造を有していることが好ましい。
図10に例示するように、凝集物除去領域60は、除去部61、62を備え、除去部61はピラー61a(図示略)を有し、除去部62はピラー62a(図示略)を有している。
除去部61、62のピラー間隔は、目的物質72と捕捉粒子73が結合した標的粒子70よりも広くすることが好ましい。ピラー61a及びピラー62aのピラー間隔は、80μm〜250μmが好ましく、100μm〜230μmがより好ましく、120〜220μmが更に好ましい。
ピラー61a及びピラー62aの構造としては、特に限定されず、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等の多角柱構造、円柱構造等を挙げることができる。
ピラー61aのピラー間隔は、ピラー62aのピラー間隔と同等か、それ以上であることが好ましい。上述のようにピラー間隔を設定することにより、流体サンプル2に含まれる微小凝集物を大きいものから順に除去することにより、微小凝集物の除去効率を上げ、微小凝集物が分離領域30において詰まることを防止し、より多くの流体サンプル2を処理することができる。
各ピラー間隔をこのように設定することにより、流体サンプル2に含まれる微小凝集物をより効率的に除去することができる。分離領域30よりも上流において微小凝集物を除去することにより、分離領域30のピラー32において微小凝集物が詰まることを防止し、分離領域30における分離効率を向上させることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
サンプル供給部(ポート)のポート径が、6mmの場合と、1.5mmの場合とについて、シミュレーションにより、サンプル供給部に供給された流体の軌跡を解析した。シミュレーションソフトとして、FloDEF(メンター・グラフィックス・コーポレーション製)を用いた。
サンプル供給穴の重心と、ポートの上流側内壁面との最長距離Lの2倍が、ポート径に相当する。また、流速は、(50μL/min)に設定した。
まず、ポート径が6mmの場合について、流体の軌跡をシミュレーションにより解析した。結果を図11に示す。図11中、サンプル供給穴から延びる複数の曲線は、流入する流体の軌跡を表す。
その結果、サンプル供給穴から流入した流体は、サンプル供給部の出口から直接に流出する場合と、サンプル供給穴からポートの上流側内壁面へ流れる場合とがあることが明らかになった。
次に、ポート径が1.5mmの場合についても、流体の軌跡をシミュレーションにより解析した。結果を図12に示す。
その結果、ポート径が6mmの場合と同様に、サンプル供給穴から流入した流体は、サンプル供給部の出口から直接に流出する場合と、サンプル供給穴からポートの上流側内壁面へ流れる場合とがあることが明らかになった。
[実験例2]
実験例1と同様の条件下で、サンプル供給部の各位置における、流速と、流体の流れる方向とを、シミュレーションにより算出された値を基に可視化した。
まず、ポート径が6mmの場合について、流速と、流体の流れる方向とをシミュレーションにより解析した。結果を図13に示す。
その結果、ポートの上流側内壁面付近の流体の速度は、サンプル供給部の出口付近の流体の速度と比較して、遅いことが明らかになった。
次に、ポート径が1.5mmの場合について、流速と、流体の流れる方向とをシミュレーションにより解析した。結果を図14に示す。
その結果、ポート径が6mmの場合と同様に、ポートの上流側内壁面付近の流体の速度は、サンプル供給部の出口付近の流体の速度と比較して、遅いことが明らかになった。
また、ポート径が6mmの場合、ポート径が1.5mmの場合と比較して、ポートの上流側内壁面付近の流体の速度は、より遅くなることが明らかになった。
[実験例3]
流体サンプルが、サンプル供給部へ供給されてから、サンプル出口へ到達するまでの時間(滞留時間)を、シミュレーションにより解析した。
まず、ポート径が6mmである場合について、シミュレーションにより、滞留時間を解析した。結果を図15に示す。
図15中、横軸は流体サンプルが流入してからの経過時間を示し、縦軸はサンプル供給穴の中心(重心)からのサンプル出口方向への変位を示す。図15中の各曲線は、実施例2と同様の各軌跡を流体サンプルが通過することを示す。ただし、出口方向への変位を正とした。
その結果、ポート径が6mmである場合、流体サンプルが流入してからサンプル出口に到達するまでの時間は、2〜8秒であることが明らかになった。また、サンプル供給穴から流入した流体のうち、ポートの上流側内壁面付近を流れる流体は、出口に到達するまでの時間が長いことが明らかになった。
次に、ポート径が1.5mmである場合について、シミュレーションにより滞留時間を解析した。結果を図16に示す。
その結果、ポート径が1.5mmである場合、流体サンプルが流入してからサンプル出口に到達するまでの時間は、0.2〜0.7秒であることが明らかになった。
これらの結果から、ポート径が6mmである場合、ポート径が1.5mmである場合に比べて、サンプル出口に到達するまでの時間が顕著に長いことが明らかになった。
サンプル出口に到達するまでの時間が長いということは、その軌跡を通過する流体サンプルの速度が遅いことを意味している。すなわち、サンプル出口に到達するまでの時間が顕著に長い軌跡を通過しようとする標的粒子は、流体サンプルの流れから受ける力が弱く、それだけサンプル供給部に滞留しやすいことを示唆している。
[実験例4]
粒子を含む流体サンプルが、サンプル供給部へ供給された後、粒子がポート内を移動する様子を観察した。
まず、ポート径が6mmであるサンプル供給部へ、粒子を含む流体を供給し、粒子がポート内を移動する様子を観察した。図17は、粒子を含む流体を供給した直後のポート内の様子を示す写真であり、図18は、粒子を含む流体を供給してから15秒後のポート内の様子を示す写真である。
その結果、ポート径が6mmである場合、流体を供給した直後から15秒後を比較すると、ポートの上流側内壁面付近にある流体中の粒子は、ほとんど移動していないことが明らかになった。
次に、ポート径が3mmであるサンプル供給部へ、粒子を含む流体を供給し、粒子がポート内を移動する様子を観察した。図19は、粒子を含む流体を供給した直後のポート内の様子を示す写真であり、図20は、粒子を含む流体を供給してから15秒後のポート内の様子を示す写真である。
その結果、ポート径が3mmである場合、流体を供給した直後から15秒後を比較すると、ポートの上流側内壁面付近にある流体中の粒子は、15秒の間に移動していることが明らかになった。
これらの結果から、ポート径が大きい場合、ポートの上流側内壁面付近にある流体中の粒子は滞留し、出口に到達するまでの時間が顕著に長くなることが明らかになった。
以上の結果から、サンプル供給穴の中心(重心)と、ポートの上流側内壁面との最長距離Lが、3mmであると粒子は滞留し、1.5mmであると粒子は滞留しないことが明らかになった。
本発明によれば、分離デバイスのサンプル供給部に標的粒子が滞留することを抑制する技術を提供することができる。
1A…分離デバイス、1B…分離デバイス、2…流体サンプル、3…バッファー、4…ベース板、5…板状蓋部材、6…分離流路部、10…サンプル供給部(ポート)、11…サンプル供給穴、13…サンプル出口、14…送液経路、15…上流側内壁面、20…バッファー供給部、21…バッファー供給穴、22…流路、23…バッファー出口、24…拡張部、25…隔壁、30…分離領域、31…合流部、32…ピラー、40…第1の回収部、41…第1の回収流路、42…第1の回収口、50…第2の回収部、51…第2の回収流路、52…第2の回収口、60…凝集物除去領域、61…除去部、61a…ピラー、62…除去部、62a…ピラー、70…標的粒子、71…非標的粒子、72…目的物質、73…捕捉粒子、74…捕捉分子、75…担体、76…非目的物質

Claims (5)

  1. 標的粒子及び非標的粒子を含む流体サンプル中に含まれる前記標的粒子を前記流体サンプルから分離するための分離デバイスであって、
    前記流体サンプルを前記分離デバイスに供給するためのサンプル供給穴と、
    前記サンプル供給穴と接続するポートと、
    前記ポートのサンプル出口から前記流体サンプルが供給され、前記標的粒子を前記流体サンプルから分離する分離領域と、
    を有し、
    前記ポートの前記サンプル供給穴よりも上流側の上流側内壁面と、前記サンプル供給穴の重心との間の最長距離Lが、1.5mm以下である、
    分離デバイス。
  2. 前記流体サンプルを前記分離デバイスに供給するための送液経路を更に有し、前記送液経路は前記サンプル供給穴に接続されている、請求項1に記載の分離デバイス。
  3. 前記送液経路が、前記分離デバイスに対して略垂直に接続されている、請求項2に記載の分離デバイス。
  4. 前記標的粒子の比重が、前記流体サンプルの流体成分の比重の0.85倍以上1.15倍以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離デバイス。
  5. 前記標的粒子が、細胞であるか、又は、細胞と捕捉分子を固定した担体との複合体であり、前記担体が樹脂、金属、ガラス及びシリカからなる群から選ばれる1種以上の材料からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分離デバイス。
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