JP2020198673A - バッテリー充電/再生システム及び、その制御方法 - Google Patents

バッテリー充電/再生システム及び、その制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のバッテリーやセルを直列接続したバッテリー装置、特に、フローティング充電中のこれらバッテリー装置の劣化状態を正確に検出し、夫々の劣化状況に応じた再生処理を実施することによって、長期間使用可能に保ち得るバッテリー充電再生システム及び方法を提供する。【解決手段】バッテリー充放電手段と、バッテリー個々の電圧を測定するセル電圧検出手段と、各バッテリー個々を選択接続する選択スイッチ手段と、各バッテリーの劣化状態を解析する信号解析手段と、状態情報記憶手段と、実行すべき再生処理アルゴリズムを記憶したアルゴリズム記憶手段と、制御手段と、を備え、バッテリーに対し充電処理/放電処理を行い、各セル電圧の変化により劣化を評価し、所要の再生処理アルゴリズムの選択と実行を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリー充電/再生システム、及びその制御方法に関し、詳細には、複数のバッテリー、又は、複数のバッテリーセル(単に「セル」と云う)を直列に接続したバッテリー装置に対し、充電/放電を行うと共に、バッテリーやセル個々の劣化状態情
報を収集し、劣化状態に応じて自律的に夫々のバッテリーやセルに適した再生処理を選択実行する機能を備えたバッテリー充電/再生システム、及びその制御方法に関する。
バッテリーは携帯電話無線中継局を始めとして、各種通信設備、あるいは病院等の公共施設における非常用電源としても多用されており、地震や各種災害時等において商用電源の供給が途絶した際には、バッテリーに蓄積した電力に切り替えて設備の機能を維持するように構成されている。このような電源システムは、一般に無停電電源(UPS;Uninterruptible Power System)と称され、商用電源が正常な期間はバッテリーに常時フローティング充電を行って電力を蓄え、非常事態に備えている。
バッテリーとしては、比較的大容量の鉛バッテリーの他に、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン電池、等が知られているが、これら二次電池は、充電/放電を繰り返すと、二次電池としての蓄電機能が低下し蓄積可能な電力量が減少するため、定期的なメンテナンスや新品との交換が必要である。
機能低下の原因はバッテリーの種類によっても異なるが、鉛バッテリーでは放電に伴って発生する絶縁物質が電極に付着する(サルフェーション)ことや、部分的細隙間閉塞やセルバランスの崩れによる転極の発生(初期バーリア)、過放電による突然の転極、正極軟化や負極硬化、あるいは充電時の温度上昇による熱逸走(熱暴走)などが知られている。
従来から、劣化したバッテリーの機能を少しでも長く維持するための再生手段が、種々研究され提案されているが、バッテリーの劣化状態を迅速且つ正確に検知する手段が極めて重要である。即ち、劣化した状態で長期間使用すれば、再生不可能な状態となり、破棄せざるを得ないバッテリー数が増大する。
バッテリーの劣化状態を検知する方法や手段としては種々のものが考えられているが、電気自動車用バッテリーのように駐車中に外部電源装置から充電を行い、運転中はバッテリーからの供給電力でモーターを駆動するようなサイクルユースと称される場合は、充電や放電時の電流/電圧特性から機能劣化の程度を検知する技術が知られているので、比較的容易に劣化状況を知ることが出来る。
一方、上述したフローティング充電方式にて使用されるバッテリーでは常時充電状態であることから、バッテリー端子電圧や流出電流を自動的に検診することが困難であり、定期的にバッテリーが設置された場所に出向き、バッテリー液の比重や電圧チェックを行い、セル交換の緊急性があるか検査する程度のメンテナンスにとどまっている。
即ち、バッテリーの劣化状態把握(評価)と、劣化したバッテリーの再生処理との二つの観点から考えれば、フローティング充電使用とサイクルユース使用とでは、互いに異なった対応が必要である。また、バッテリーの構造の違いによっても、夫々、対応が異なる。例えば、バッテリー液の比重を測って劣化状態を判断する方法は、密閉型のバッテリーでは使用できないし、複数のバッテリーやセルを直列に接続したバッテリー装置では、一挙に個別のセルの正確な劣化状態を把握することは困難であった。
本発明者等は長年にわたり、バッテリー再生に係る種々の発明を行っており、その一部として、特許文献1〜3に開示されるものが存する。
特開2009−236629号公報 国際公開第2012−053487号 特開2017−011978号公報
上述したように、バッテリーの機能維持のためには、劣化状況を迅速に把握し、劣化が進行する前に所要の再生処理を行うことが出来れば破棄されるバッテリー数を大幅に削減することが可能である。
しかしながら、定期点検ではバッテリーの状態を正確かつリアルタイムで把握することが難しく、次の定期点検までの間に予測不能の障害が発生した状況で、商用電源供給が絶たれると通信設備等の機能維持が不可能となり、人的物的被害の回避が困難となる。
あるいは、完全に障害状態に至らない場合であっても、次の定期点検まで劣化した状態で放置するとより一層劣化が進み、結果的にバッテリー寿命が短くなって破棄されるバッテリー数が増大することは上述したとおりである。
本発明は、このような観点からなされたものであって、常時充電状態にある、複数のバッテリーやバッテリーセルが直列に接続されたバッテリー装置に適用して有用なバッテリー充電/再生システムを提供することを目的としている。
更に、本発明では、複数直列接続された個々のバッテリーやバッテリーセルの劣化状態を迅速に検知するとともに、再生処理の為に複数の処理アルゴリズムを用意し、検知した劣化状態に対応して適切な処理アルゴリズムを自動的に選択してバッテリー再生処理を行う機能を備え、劣化が進行する前に機能回復させることによって長期間の使用を可能にするバッテリー評価手段を含む、バッテリー充電/再生装置及び、その制御方法、言わば充電再生ロボット、或いは、アクティブメンテナンスシステムと称すべきバッテリー充電/再生システム及びその制御方法を提供することを目的としている。
本発明に係るバッテリー充電/再生システムが対象とするのは、複数のバッテリー又は複数のセルを直列に接続して所望の出力電圧を供給するように構成されたバッテリー装置を想定しているが、複数のバッテリーや複数のセルを備えたバッテリーを更に直列或いは並列に接続したバッテリー装置に適用することも可能である。本発明としては、例えば、以下の態様を含む。
[1]フローティング充電状態にある、複数のバッテリーを直列に接続したバッテリー装置に対するバッテリー充電/再生システムであって、
接続されたバッテリーの充放電を行うためのバッテリー充放電手段と、
前記直列に接続されたバッテリー個々の電圧を測定するセル電圧検出手段と、
前記直列に接続されたバッテリーに流れる電流を測定する電流検出手段と、
前記バッテリー充放電手段の出力端と前記各バッテリー個々の正極端子及び負極端子との間に配置される選択スイッチ手段と、
前記バッテリー充放電手段又は/及び前記セル電圧検出手段又は/及び前記電流検出手段から送られてくる充電/放電電圧、充電/放電電流、電圧/電流の時間的変化情報の少なくとも一つに基づいて、夫々のバッテリーの劣化状態を解析する信号解析手段と、
前記信号解析手段から送られてくる各バッテリーに関する状態情報を記憶しておく状態情報記憶手段と、
各バッテリーに対応して実行すべき再生処理アルゴリズムを記憶したアルゴリズム記憶手段と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記直列接続されたバッテリーの少なくとも一つに対して、充電処理又は放電処理を行い、その際の、バッテリーセル個々の電圧の変化に基づいて劣化状態を評価し、劣化の程度に基づいて再生処理順番と、充電又は/及び放電を含む再生処理アルゴリズムの選択と、を行うことを特徴とするバッテリー充電/再生システム。
[2] 前記制御手段は、更に、再生処理後の劣化状態が回復したか否かを確認し、劣化状態の回復が確認されるまで、所要回数再生処理を繰り返し制御するように構成されていることを特徴とする項[1]記載のバッテリー充電/再生システム。
[3] 再生処理を行う順番は、劣化程度が大きいバッテリーを優先することを特徴とする項[1]または[2]記載のバッテリー充電/再生システム。
[4] 前記バッテリー装置が、複数のバッテリーセルを直列に接続されたものであることを特徴とする項[1]から[3]のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
[5] 前記制御手段は、前記バッテリー又はバッテリーセルに対し、
0.06CA〜0.25CAの電流により定電流充電を行う強定電流充電工程と、前記強定電流充電工程における電流の0.01CA〜0.05CAの電流により定電流充電を行う弱定電流充電工程と、
0.06CA〜0.25CAの電流により定電流充電を行うループ内強定電流充電工程と、ループ内強定電流の0.01CA〜0.05CAの電流により定電流充電を行うループ内弱定電流充電工程とを、所定のループ回数だけ交互に繰り返すループ充電工程と、定電圧充電を行う定電圧充電工程とを、順次実行するようにされていることを特徴とする項[1]から[4]のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
[6] 前記バッテリーのフローティング充電中に、その総充電電圧を1.0〜1.5V高くするステップ重畳課電装置を備え、
総充電電圧を高くした状態で、前記信号解析手段により、夫々のバッテリーの劣化状態を解析することを特徴とする項[1]から[5]のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
[7] 前記バッテリー又はバッテリーセルは個々を識別する識別子が付されており、夫々の状態情報を記憶しておく状態情報記憶手段に、夫々の識別子を付して記憶されていることを特徴とする項[1]から[6]のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
[8] 前記制御手段に、パラメータ選択手段を備え、前記状態情報記憶手段に記憶された各バッテリー又はバッテリーセル個々の状態情報に基づいて、夫々のバッテリー又はバッテリーセルに対する多段多重ループ充電に関する駆動パラメータ、制御パラメータ、監視パラメータ、製造メーカパラメータの少なくとも一つを選択するように構成したことを特徴とする項[1]から[7]のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
[9] 前記充電/再生制御手段に、AI制御手段を備え、前記状態情報記憶手段に記憶された各バッテリー又はバッテリーセル個々の状態情報に基づいて、夫々のバッテリー又はバッテリーセルに対する多段多重ループ充電に関する駆動パラメータ、制御パラメータ、監視パラメータ、製造メーカパラメータ、の所要のものを選択し、超臨界状態での過電圧状態を安全領域に維持するように構成したことを特徴とする項[1]から[8]のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
[10] フローティング充電状態にある、複数のバッテリーを直列に接続したバッテリー装置に対するバッテリー充電/再生方法であって、
接続されたバッテリーの充放電を行うためのバッテリー充放電処理と、
前記直列に接続されたバッテリー個々の電圧を測定するセル電圧検出処理と、
充放電手段の出力端と前記各バッテリー個々の正極端子及び負極端子との間に配置される選択スイッチを制御する選択スイッチ制御処理と、
前記バッテリー充放電処理又は及び前記セル電圧検出処理により送られてくる充電/放電電圧、充電/放電電流、電圧/電流の時間的変化情報の少なくとも一つに基づいて、夫々のバッテリーの劣化状態を解析する信号解析処理と、
前記信号解析処理により得られる各バッテリーに関する状態情報を記憶しておく状態情報記憶処理と、
各バッテリーに対応して実行すべき再生処理アルゴリズムを記憶したアルゴリズム記憶手段から所要のアルゴリズムを選択する処理と、を含み、
前記選択スイッチ制御処理は、前記直列接続されたバッテリーの少なくとも一つに対して、充電処理又は放電処理を含み、その際の、バッテリーセル個々の電圧の変化に基づいて劣化状態を評価する処理を行い、劣化の程度に基づいて再生処理順番と、再生処理アルゴリズムの選択と、を行う処理を含むことを特徴とするバッテリー充電/再生処理方法。
[11] 前記充電/再生制御処理に、AI制御処理を含み、前記状態情報記憶処理に基づき得られた各バッテリー又はバッテリーセル個々の状態情報に基づいて、夫々のバッテリー又はバッテリーセルに対する多段多重ループ充電処理に関する駆動パラメータ、制御パラメータ、監視パラメータ、の所要のものを選択し、超臨界状態での過電圧状態を安全領域に維持するように処理することを特徴とする項[10]記載のバッテリー充電/再生処理方法。
本発明によれば、バッテリーの種類を問わず、フローティング充電状態にある、複数接続された各バッテリーやバッテリーセル(以下単に「セル」と表記する場合がある)の劣化状態情報を正確に検知することができ、劣化が進んだバッテリーやセルの劣化状況に対応して、適した再生処理を行うことが可能である。特に、他のバッテリーやセルに比して、劣化が進んだバッテリーやセルを自動的に選択し、夫々の劣化程度に応じた再生処理を行うことを可能とする。
特に、商用電源途絶時には充電が止まり、バッテリーからの放電に移行する。このとき、電流検出手段によって放電電流値を計測し、放電停止までの放電容量を把握することができ、また、各セルの電圧情報を統合することによって、各セルの残容量を推定することができる。さらには、各セルの劣化程度について検証することも可能となる。
充電中でも放電中でも非常電源として使用するような常時充電状態にある場合であっても、各バッテリーの劣化状態を正確に把握し、且つ、劣化したバッテリーを自動的に再生し得るシステムを提供することが出来る。
また、本発明ではバッテリー装置に含まれる個々のバッテリーや個々のセルに対する充電/再生処理において用いる多段ループ式充電のために複数の制御パラメータを備え、各バッテリーや各セルに対する再生処理において選択した制御パラメータに対する再生率、充電容量の増加率、その後の劣化具合情報を記憶しておき、過去の情報に基づき、各バッテリーや各セルの再生のための制御パラメータを自動的に選択する機能を持たせることが出来る。即ち、AI機能を備えたバッテリー充電/再生装置を構成し、充電ロボットと云い得るバッテリー充電/再生システムや装置を実現することができる。
なお、再生率、充電容量の増加率、等に関しては、同一出願人が出願した特許文献1乃至3を参照できる。
その結果、バッテリーの寿命を長期間維持し、破棄されるバッテリーの数を大幅に削減することが可能となる。更に、複数接続されたバッテリーやバッテリーセルの一部の劣化が進行することにより、他のバッテリーやセルの機能が引きずられて劣化することを未然に防止する効果も得られる。即ち、劣化が進んで再生不可能と判断される場合、早めに劣化したセルやバッテリーを正常なものに交換すれば、連結した他のセルやバッテリーへの悪影響を軽減することができる。
図1は、本発明をフローティング充電方式のバッテリーに適用したバッテリー充電/再生装置の一例を示すブロック図である。 図2は、劣化によるセル過電圧バラツキ特性図の一例である。 図3は、充電回路にステップ重畳課電回路を挿入する回路図である。 図4は、本発明のバッテリー充電/再生装置の制御例を示すフローチャートである。 図5は、停電時におけるバッテリー放電時のバッテリー充電/再生装置の制御の一例を示すフローチャートである。 図6は、本発明において実現する単セル充電ロボット制御例を示す状態遷移図である。 図7は、本発明において実現する単セル充電ロボット制御例を示す状態遷移図である。 図8は、本発明において使用する多段多重ループ充電におけるパラメータの例を示す図である。 図9は、本発明に係る他のバッテリー充電/再生装置の一例を示すブロック図である。
本発明の実施形態(実施例)について図面を用いて説明する。
図1は本発明をフローティング充電方式のバッテリー装置に適用した場合の充電/再生システムの一実施例を示すブロック図である。
この例において、バッテリー充電/再生システム1が充電/再生対象としているバッテリー装置2は、一つのセル電圧が2Vのバッテリーセル(以下単に「セル」と云う)を24個直列接続して48Vの定格出力を供給するものを想定している。各セルは夫々、正極(+)と負極(−)の一対の電極を備え、夫々の正極と負極を互いに直列接続して48Vを出力するように組み合わされたバッテリー装置である。
この例に示すバッテリー充電/再生システム1は、バッテリー装置2に含まれる24個の各セルの両電極の夫々と充放電器3との間に設けた選択スイッチ4,5と、充放電器3に接続された制御部6と、制御部6と充放電器3に接続した信号解析部7と、バッテリー装置2の各セルの電圧を検出して信号解析部7に供給するセル電圧検出部8及び電流検出部9,10(以下、信号解析部7、セル電圧検出部8、電流検出部9,10を纏めて「バッテリーセンサー」とも呼ぶ)と、を含んでいる。
更に、バッテリー装置2の直列接続したセルに直列に電流検出部9及び負荷側には電流検出部10が挿入されており、その信号が、セル電圧信号と一緒に、信号解析部7に供給されている。
選択スイッチ4,5は図示したように、充放電器3の正極(+)と負極(−)夫々に接続された二系統両切型の選択スイッチ端子群を備え、夫々のルートは充電スイッチS1、S2及び放電スイッチS3、S4を介して、電圧/電流測定用のシャント抵抗Rと、各セルの正極と負極に接続されている。この例では、スイッチS1〜S4を含め、両切型のスイッチング端子を総称して選択スイッチ4,5と云う。ここで言うスイッチS1〜S4としては、リレースイッチのみならず、例えば、サイリスタスイッチなどの半導体スイッチを使用することもできる。
更に、上記制御部6には後述する各セルの状態情報を記憶しておく状態情報記憶部(状態情報記憶手段)11、アルゴリズム記憶部(アルゴリズム記憶手段)12、パラメータ記憶部(パラメータ記憶手段)13が含まれている。なお、パラメータやアルゴリズムについては後述する。
この制御部6は、例えば、パーソナルコンピュータに所要のアルゴリズムを実行するプログラムをインストールしたものであっても良いし、更には、通信手段を介して外部に設置された制御装置に接続される形態であっても良い。例えば、複数個所に点在するバッテリー装置を、通信手段を介して集中管理する場合は、充電/再生処理すべきバッテリー装置近傍に必要最小限の装置を配置し、それ以外は集中管理部所において、必要な情報を収集しながら遠隔操作により目的を達成することができる。
なお、電流検出部としては、図1に示すようにバッテリーやセル直列接続ルート中に一つ若しくは少数の電流検出部9,10を配置する構成であっても良いが、磁気抵抗効果型薄膜電流センサや電力センサが知られているので、それらを使用すればセル毎の充電/放電電圧、充電/放電電流、電圧/電流の時間的変化情報(波形)を高精度に測定することが出来る。
このような構成によれば、制御部6により選択スイッチ4,5を制御して、バッテリー装置2の中の任意のセル(Sb1〜Sb24の中の一つ)を選んで、充放電器3又は放電抵抗Rに接続し、放電処理や充電処理を施すことができる。なお、符号Shはシャント抵抗である。
そして、その処理によって、充電/放電されたセルを含め、直列接続された他のセルの電圧、電流の応動を検出し、これらの各セルの状態情報を信号解析部7において解析すれば、各セルの劣化状態を知ることができる。これらの状態情報や解析結果は状態情報記憶部11に蓄積しておく。
この処理において肝要なことは、直列接続したセルの一つについて充電/放電すると、他のセルがそれに反応して充電又は放電が行われることになり、その様子(各セルの端子電圧や電流)を監視すると、夫々のセル毎の劣化の状態情報を得ることが出来ることである。
図2に示す一例のように、複数のバッテリーやセルが直列に接続されたバッテリー装置においてバッテリーセルの過電圧値は劣化状況に応じてバラツキが変化している。更には、組バッテリー装置においては、その全セルについての平均過電圧値(全セルの過電圧の平均値)が大きくなると、そのバッテリー装置におけるセルの過電圧値のバラツキが顕著になる。即ち、横軸をバッテリーセルの平均過電圧値(V)とし、縦軸を各バッテリーにおけるセル間の過電圧値バラツキ値(V)とすれば所定の曲線グラフが得られる。即ち、組バッテリーの各セルの過電圧特性に基づいて過電圧の変化に敏感なセルと鈍感なセルが判別可能になる。ここに各バッテリー装置の各セルの劣化順位情報を得る手掛かりが入手できる。
しかしながら、フローティング充電中の組バッテリーにおいては、バッテリーが大きいので、全体的に大きな電圧や電流を供給し難いので、従来のように大きな充電や放電を繰り返すのは大掛かりになり、このような方法でバッテリーやセルの劣化状態を検出することが困難であった。
そこで本発明者は種々実験を重ねた結果、複数直列接続されたバッテリーがフローティング充電中であっても、どれか一つのバッテリーやセルに、特定の処理を施すことによって、直列接続された他のバッテリーやセル個々の劣化状態を把握し得ることを知見したものである。
即ち、図1に示すように組バッテリーの各セルを選択する手段と、セル毎に端子電圧を計測する手段と、直列接続されたセルを個別に充電/放電する手段と、を備えた構成の充電/再生システムを構築し、以下に説明するような処理と制御を行うことによって、従来困難であったフローティング中の個別セルの劣化状態を検知することを可能にしたものである。
この構成によれば、常時充電流であるフローティング充電中のバッテリー装置のいずれか一つのセルに対し、充電/放電を繰り返しながら各セルの過電圧を測定しても、全体的なバッテリー装置への悪影響を及ぼすことなく、各セルの劣化状況を把握し得る。そこで、これらの情報を収集し、信号解析部において情報を解析して夫々のセルの劣化状況を状態情報記憶部11に記憶しておく。
なお、上述した実施例において、直列接続するバッテリーやセルとして公称電圧2ボルトの単セルを例示したが、本発明ではこの例に限らず、例えば4ボルト、6ボルト等の単セルのバッテリーを複数直列接続したバッテリー装置に、同様に採用することができることは云うまでも無い。
図3は、単セルにセルを振動するのでなくて主回路にステップ重畳課電する回路図である。
本実施形態では、逆流防止ダイオードなどを設けることで、トータル回路に影響が少ない方式のステップ重畳課電で過電圧を変動させてもバッテリー個々のセルの劣化情報は得られる。この方式も劣化判別には有効である。
このステップ重畳課電回路をフローティング充電の充電器14に内蔵することも有効であるといえる。
図4は、上述したように構成したバッテリー再生/充電システムの制御処理フローの一例を示す図である。
処理がスタートすると(St101)それまでに収集して状態情報記憶部11に記録した各セルに関する情報に基づいて、各セルの劣化の程度を比較して充電/再生処理を行うセルの順番を決定する(St102)。
劣化の進んだセルを最初に活性化する理由は、劣化が進んだセルを活性化することがバッテリー全体のセルバランスを整え、そのことによってバッテリー全体の蓄電容量を大きく回復することが出来るからである。即ち、劣化が進んだセルが未再生のまま存在すると、そのセルが転極する等の理由によってバッテリー全体の蓄電容量回復を阻害する。
選択したセルの確認を行い(St103)、間違いがある場合はSt103に戻り、再度劣化が一番大きなセルを選択した後、確認を行い、間違いがない場合は(St104)充電/再生処理(活性化充電)を行う(St105)。
活性化充電についての詳細は後述するが、再生対象セルの劣化状態が回復したか否かを判断し、未回復の場合は、再びSt105に戻って充電/再生処理(活性化充電)を実行し、回復が確認されれば(St106)、その後の回復処理順位を診断する(St107)。
なお、上記St107において一つ、或いは数個のセル充電/再生処理(活性化充電)を行う毎に、その後に充電/再生処理(活性化充電)を行うべきセルの順位を確認するのは、一つ、或いは数個のセル状態が変化すると、全体のセルバランスが変化する結果、以前診断した結果と相違する場合があるので、活性化充電を行う毎に、次に活性化すべきセルの診断を細かく行うことが望ましいことは既に説明したとおりである。従って、St107においては、そのときの全体のセルバランス状況や、著しく劣化したセルが検出される場合は、St102に戻って、所定条件に合致するまで、St102〜St107を繰り返す。
St107において所定の条件を満たす場合は、次に再生処理すべきセルの劣化順位を診断し、劣化状態に基づき再生すれば全体的な活性化効果が大きいセル、及び、その次に活性化すべきセルまで選定する(St108)。St108で劣化が大きい順番を検知したら、プログラム上、1日、1月、1年においてタイムスケジュールが決められている場合は、そのタイミングであるか否かを判断し(St110)、タイムラインに該当する場合はSt102に戻って、設定された処理を行うが、該当しない場合は処理を終了する(End、St111)。
この例に示すように、1日、1月、1年と期間間隔が異なると、処理すべきアルゴリズムが異なってくるので、期間毎に最適な処理を行うことがバッテリーの機能を長期間維持し、破棄せざるを得ないバッテリーを極減する上で有効である。
出願人は、長年、バッテリーの研究に携わっているが、バッテリーの蓄電機能には極めて複雑且つ繊細なメカニズムを包含していることを実感している。
以上の制御において、本実施例の特徴は、充電/再生制御手段は、バッテリー又はセルの劣化状態の程度が大きなものを選択し、その劣化状態に応じて所要の再生アルゴリズムを実行すると共に、バッテリー装置全体のセルバランスが所定範囲以内であることを判断し、満たさない場合は予め設定した回数、再生処理を繰り返すように構成されていることが特徴的である。
また、上記処理過程において、劣化回復ができないバッテリーやセルが検出された場合は、劣化の程度情報を付して制御手段の所要メモリ領域に記録すると共に、通信手段を介して、管理センタ等に通知するように構成すれば、迅速にメンテナンスの実施が可能である。
なお、同一出願人はバッテリーやセルの劣化程度を正確に評価する手段を提案している(特許文献1)ので、本発明の実施において詳細を参照することが出来る。
また、特許文献3には、単独のバッテリーの再生手段として、臨界充電状態における充電処理を提案しているので、この制御を本発明の再生処理の一部に採用することができる。
即ち、特許文献3に記載されているように、0.06CA〜0.25CAの電流により定電流充電を行う強定電流充電工程と、この強定電流充電工程における電流の0.01CA〜0.05CAの電流により定電流充電を行う弱定電流充電工程と、
0.06CA〜0.25CAの電流により定電流充電工程を行うループ内強定電流充電工程と、ループ内強電流充電の0.01CA〜0.05CAの電流により定電流充電を行うループ内弱定電流充電工程と、を所定回数繰り返すループ内充電工程と、定電圧充電を行う定電圧充電工程と、を順次実行するとバッテリーに優しくまた安全で効果的である。
なお、本発明の上述した充電/再生処理は、図1に示すようなフローティング充電方式のバッテリー装置においても実施可能である。その理由は、再生処理中のセルの放電は、順次個々に一つ行われ、再生が終了したセルをフル充電するように制御すれば、万一、処理中に停電になったとしても支障を来さないであろう。また、一つのセルの放電量を極力小さい範囲(短時間に微小電流)で処理すれば、万一、処理中に停電になったとしても、一つのバッテリーの充電量が不足するのみであるから、停電中のバックアップにおける支障は極めて小さいと云い得る。
図5は、停電時におけるバッテリー放電時のバッテリー充電/再生装置の制御の一例を示すフローチャートである。
停電が発生すると(St201)、充電器14及び充放電器3は停止する(St202)。一方で、バッテリーセンサーは、バッテリー装置2の電力を用いて動作を継続し(St203)、セル電圧検出部8及び電流検出部9,10からの信号に基づき、バッテリー装置2の各セルの放電電圧や放電電流情報を収集する(St204)。
停電から復旧すると(St205)、充電器14及び充放電器3が復旧するとともに(St206)、バッテリー装置2のフローティング充電が再開される(St207)。復旧した充放電器3は、図6に示すように自動的に立ち上がり、状態情報記憶部11にバッテリーセンサー情報を取り込み記憶する。この記憶された各セルに関する情報に基づき、図4に示すフローに沿って決定された充電/再生処理を行うセルに対して充電を行う。
一方で、信号解析部7においては、バッテリー装置2の各セルの最新の劣化状態が解析され(St208)、解析結果が状態情報記憶部11に記憶される(St209)。
St208における解析の結果、セルが転極している場合には、転極セルに対して、転極を回復させるように、復旧充電(重畳充電)を行う(St210)。一方で、セルが転極していない場合には、通常の充電及びバッテリー装置2の劣化診断に移行する(St211)。
このように、停電などのイレギュラーが発生し、セルが転極してしまった際にも、自動的に、かつ、早急に対処することによって、バッテリー装置2の故障を防止し、バッテリー装置2の劣化を抑制することができる。
また、本発明では、セルアンバランスを検知する範囲で放電すれば良いので、特定の(一つの)セルに単セルインパルス負荷(数分間)をかけて得られる負荷時のセル電圧情報によりバッテリーセルの劣化状況を判別するようにも構成できるので、フローティング充電中のバッテリー装置の一部についてこれらの処理を施しても全体的に支障を来すおそれは少ない。勿論、サイクルユースのバッテリー装置への適用も可能であることは云うまでもない。
即ち、本発明は日常的にバッテリーを、システム運転に支障が無いように点検して、劣化状態が進んで再生不可能な状態になる前に活性化することにより、バッテリーの延命を確保し、且つ、正確なバッテリーの残性能を維持することが可能である。
また、特許文献3に提案している方法を利用すれば、より一層、バッテリーの再生処理効率を高めることができる。
即ち、特許文献3に示した超臨界状態での過電圧状態を経た後のセルバランス変化を監視する方法は、総電圧では困難であるが、単セル(個別セル)においては比較的容易に実現できるので、セル単位で、多段ループ式充電において繰り返し各セルの情報を収集すれば、従来困難であった初期の劣化状態から中期の劣化状態のバッテリーを傷めることなく安全に検知が可能となる。
従って、劣化状態が比較的初期状態において、再生処理を行い得るので、長期間に亘って電力蓄積能力を維持するバッテリー充電/再生装置を実現可能である。
図6は、本発明に係るバッテリー充電/再生装置の制御方法の他の例を示すフロー図であり、図7は、本発明を利用して単セル充電ロボット制御を想定した処理フローの例を示している。即ち、各セルを放電する際の電圧/電流波形に基づいて、セルの劣化状態を判断して、メモリに記憶する処理と、放電したセルに充電する処理をサイクリックに実行する。
月間タイムライン制御は前もって設定したスタート条件でフローを開始する。スタート後は、センサから得られる情報に基づき、充電器及び制御部の判断で自律的に所要の手順で運転される。充電器や制御部には全てのセルを充電/放電するモードが用意されているので、運転モードの選択を行うのみで自動的に各セルに対する充電/放電処理を行うように構成することもできる。
また、充電モードには後述するように多段ループ式充電のための多数のパラメータを備えているので、各セルの劣化状況に対応して多段ループ充電パラメータの中から所要のパラメータを選択して実行する。このような制御は、単セル充電ロボットを実現する上で有用である。
図7は、本発明に基づいて充電ロボットを構築した場合の、各処理の相互作用効果を示す図であり、本発明において提案する複数の処理手段が組み合わされことによって充電ロボットとして、様々な効果が得られる。
即ち、図7に示すように、タイムリーに劣化セルを活性化する手段(単セル活性化手段)と、セルバランス崩れの検知手段(バッテリーセンサー)と、タイムライン制御(1日、1月、1年タイムライン制御)の少なくとも三つの制御手段を組み合わせることによって、充電ロボットを実現することが出来る。
図7に示す例は、単位バッテリーが2V、4V、6Vで、蓄電容量が150AH〜1000AHで24セルの組バッテリーを想定したものである。タイムリーに劣化セルを活性化するために、月間バッテリー保全タイムライン制御と、セルバランス崩れの検出処理とを、相互に関連付けて総合的に制御することによって充電ロボットを構築することが可能となる。そのために図に示すように、単セルの活性化処理、保全タイムラインの作成と更新処理、セルバランスのループ診断処理、とを自在に組み合わせてシステム構築を図る。
図8は、多段多重ループ式充電方式における充電命令の構成要素である各パラメータの一例を示す図である。
図6、7を用いて既に説明した充電ロボットの実施においても使用できるが、多段多重ループ式充電においては、駆動パラメータとして充電電流や放電電流を含む、多数のパラメータが考えられる。図示したものは一部であるが、電流強度パラメータ、電圧強度パラメータ、電力強度パラメータ、それらの組み合わせパラメータ、パルス重畳パラメータ、単セル重畳パラメータ、等が考えられる。
また、制御パラメータとしては、シーケンス制御やタイムライン制御、セルバランス制御に関連して、タイマー制御、重畳充電優先制御パラメータ、ループ制御パラメータ、等が考えられる。更に、監視パラメータとしては、安全監視のための温度監視(バッテリー液や電極の上昇温度)や過充電監視、等を含めることが望ましい。
また、発明者等の長年の研究によって、バッテリーは製造メーカによって僅かではあるが特性にバラツキがあることを知見している。既に説明したように、バッテリーの充放電メカニズムや劣化/再生のメカニズムは、極めて複雑であり、メーカ間の特性のバラツキも、再生処理においては無視できないと思われる。そこで、高精度のバッテリー充電/再生処理を行うに際して、製造メーカを一つの情報(パラメータ)として加えることは、有意なことであると考えられる。例えば、セルの過電圧特性が同一であっても、メーカが異なれば、劣化の評価も異なる可能性があるので、夫々のメーカ製品毎の情報があれば、より正確に劣化評価が可能となる。また、複数の異なるメーカ製のバッテリーやセルを複数含めて組バッテリー装置を構築する場合に、メーカ毎の情報を加味できれば、バッテリー全体の機能向上にも資すると考えられる。
図9は、本発明のバッテリー充電/再生システムを、更に、AI化(人口知能化)する場合のブロック構成図の一例である。この実施例が図1の構成と異なる部分は、制御部60にAIエンジン16を備えたことである。
上述したように、バッテリー装置2は、鉛蓄電池を始めとして、多数の種類のバッテリーが使用されているが、夫々、バッテリーの種類によって劣化状態や充電/放電特性が異なっている。従って、予め設定した幾種類かの制御パターンの監視手段でメンテナンスを行っても、必ずしも適切な処理ができるとは限らない可能性がある。
そこで、本発明ではAI(人工知能)技術を使用することによって、考えられる多数のパラメータを用意して置き、再生対象のバッテリーやセルの劣化状態や過去のデータ等を参照しながら、その時々の状況に対応して、充電/放電のサイクルパターン等を自動的に選択して再生処理を行うように構成する。
即ち、図8を用いて説明したように、多段多重ループ式充電においては、駆動パラメータとして充電電流や放電電流を含む、多数のパラメータが考えられる。図示したものは一部であるが、電流強度パラメータ、電圧強度パラメータ、電力強度パラメータ、それらの組み合わせパラメータ、パルス重畳パラメータ、単セル重畳パラメータが考えられ、更に制御パラメータとしては、シーケンス制御やタイムライン制御、セルバランス制御に関連して、タイマー制御、重畳充電優先制御パラメータ、ループ制御パラメータ、等が考えられる。更に、監視パラメータとしては、安全監視のための温度監視(バッテリー液や電極の上昇温度)や過充電監視、等が必要である。また、製造メーカ情報(パラメータ)を加えることもできる。
上述したように、本発明者は、超臨界充電状態を利用することがスリーピング状態にあるバッテリーの再生に有用であることを提案(特許文献3)しているが、その実現には、本発明で提案するAIによる正確な制御管理が有用であり、AI技術を利用すれば、多種多様に変化するバッテリーの状態を正確に把握して、夫々に対応した処理を行うことが可能である。
別の表現をすれば、評価対象のバッテリーやセルについて、放電/充電処理を行い、その放電/充電波形の特徴から劣化状態を判断するための「ルールベース」または「目的関数」を用意し、それに基づいてバッテリーの劣化状態を判断する(機械学習)。更に、その結果に基づいて再生処理のパラメータを選択し、選択したパラメータに基づいて再生処理を実行し、更に、再生処理の結果、所望の状態に再生されたか否かを判断して、それらを学習データ(機械学習)として知識データベースに蓄積する。このような処理はAI制御における「深層学習(ディープラーニング)」に該当するが、各バッテリーやセルには個々に識別情報(識別子)を付しておき、得られた情報を夫々の識別情報と結び付けて管理しておけば、その後の転用や、他のバッテリーやセルとの組み合わせにおいて有用であろう。例えば、組バッテリー構築が、常に、新品バッテリーが使われる訳ではなく、再生品としての使用も地球環境保護の観点から極めて重要である。
今後の地球環境保護のためには、太陽電池や風力発電、或いは、揚水式発電等が注目されているが、日光や風力等のエネルギー源が得られない期間はバッテリーに蓄えた電力で補う仕組みが不可欠である。しかも、それらのバッテリー装置の保守点検は、無人で行われることが好ましいであろう。
図9に示すように、制御部60に、更に、AIエンジン(人工知能制御部)16を備えておき、自律的に選択したパラメータにより再生/充電し、その結果、各セルの回復状況情報を検出してAIエンジン16の学習データメモリにフィードバックすれば、運用実績に基づいて、セル毎に、如何なるパラメータが効果的であるかを学習する。この手段によれば、時間経過とともに知的情報が蓄積され、時系列的セルの状況を踏まえて、最適な充電/再生パラメータやモードを自動的に選択することが出来る。
上述の図9に示した実施例がルールベースと機械学習機能を備えた、所謂、ロボット化したシステムであるのに対し、制御部60にAIエンジン16を備えた構成では、更に、進歩した深層学習機能を備えたAI型バッテリー再生システムを実現することができる。
この方法によれば、比較的長期間放置せざるを得ないような使用状況においても、バッテリーの維持管理を自動的に行うことが可能となる。即ち、バッテリーの劣化状況を踏まえて、適切な充電/放電を実行し、セルバランスの維持によって一部のセルの劣化進行によるバッテリー全体の劣化を防止することが可能である。
このシステムは、フローティング充電中であっても、全体的なバッテリー装置として支障を来さない範囲での放電は可能であるので、図3や図4を用いて説明した種々の制御方法を含めてAI化が実施可能である。
例えば、第一のセルについて放電1を行い、放電特性に基づいて、劣化状態を検出したら、検出した劣化状態に対応して、同一セルについて充電/再生処理を行う。次に、第2のセルについて、放電2を行い、その結果得られた劣化状況に対応して第2のセルについて選択したパラメータにより充電/再生を行う如く、順次放電と充電を繰り返す処理を行うこともできる。
或いは、図9を用いて既に説明したように、過去に収集し、記憶している各セルの劣化情報に基づいて最も劣化度合いが大きなセルについて再生処理を行いつつ、セル毎の残容量放電による回復検査を行う処理を順番に行う処理であってもよい。
なお、本発明のAI化に当たっては、本発明者等が長年蓄えたバッテリー再生に関する多くのデータを学習データとし、更に、深層学習(ディープラーニング)を構築中であるので、利用可能である。その実施形態としては、これらの情報に基づいて、バッテリー再生に特化したAIセンタを構築し、バッテリー需要者やその保守メンテナンスを行う業者からの要望に応じて、ネットワークを介して夫々のメンテナンス対象のバッテリー装置近傍に備えた制御装置や監視装置、及び、本発明に係るバッテリー充電/再生システムに必要な最小限の装置にアクセスし、AIセンタに備えた豊富なデータに基づいてバッテリーの再生処理を行う方法が、効率的であろう。
1 バッテリー充電/再生システム
2 バッテリー装置
3 充放電器
4、5 選択スイッチ
6、60 制御部
7 信号解析部
8 セル電圧検出部
9、10 電流センサ
11 状態情報記憶部
12 アルゴリズム記憶部
13 パラメータ記憶部
14 主充電器
15 負荷
16 AIエンジン
S1〜S4 充電・放電スイッチの一部
Sb1〜Sb24 選択スイッチ
R 放電抵抗
Sh シャント抵抗

Claims (11)

  1. フローティング充電状態にある、複数のバッテリーを直列に接続したバッテリー装置に対するバッテリー充電/再生システムであって、
    接続されたバッテリーの充放電を行うためのバッテリー充放電手段と、
    前記直列に接続されたバッテリー個々の電圧を測定するセル電圧検出手段と、
    前記バッテリー充放電手段の出力端と前記各バッテリー個々の正極端子及び負極端子との間に配置される選択スイッチ手段と、
    前記バッテリー充放電手段又は及び前記セル電圧検出手段から送られてくる充電/放電電圧、充電/放電電流、電圧/電流の時間的変化情報の少なくとも一つに基づいて、夫々のバッテリーの劣化状態を解析する信号解析手段と、
    前記信号解析手段から送られてくる各バッテリーに関する状態情報を記憶しておく状態情報記憶手段と、
    各バッテリーに対応して実行すべき再生処理アルゴリズムを記憶したアルゴリズム記憶手段と、
    制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記直列接続されたバッテリーの少なくとも一つに対して、充電処理又は放電処理を行い、その際の、バッテリーセル個々の電圧の変化に基づいて劣化状態を評価し、劣化の程度に基づいて再生処理順番と、再生処理アルゴリズムの選択と、を行うことを特徴とするバッテリー充電/再生システム。
  2. 前記制御手段は、更に、再生処理後の劣化状態が回復したか否かを確認し、劣化状態の回復が確認されるまで、所要回数再生処理を繰り返し制御するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のバッテリー充電/再生システム。
  3. 再生処理を行う順番は、劣化程度が大きいバッテリーを優先することを特徴とする請求項1または2記載のバッテリー充電/再生システム。
  4. 前記バッテリー装置が、複数のバッテリーセルを直列に接続されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
  5. 前記制御手段は、前記バッテリー又はバッテリーセルに対し、
    0.06CA〜0.25CAの電流により定電流充電を行う強定電流充電工程と、前記強定電流充電工程における電流の0.01CA〜0.05CAの電流により定電流充電を行う弱定電流充電工程と、
    0.06CA〜0.25CAの電流により定電流充電を行うループ内強定電流充電工程と、ループ内強定電流の0.01CA〜0.05CAの電流により定電流充電を行うループ内弱定電流充電工程とを、所定のループ回数だけ交互に繰り返すループ充電工程と、定電圧充電を行う定電圧充電工程とを、順次実行するようにされていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
  6. 前記バッテリーのフローティング充電中に、その総充電電圧を1.0〜1.5V高くするステップ重畳課電装置をさらに備え、
    総充電電圧を高くした状態で、前記信号解析手段により、夫々のバッテリーの劣化状態を解析することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
  7. 前記バッテリー又はバッテリーセルは個々を識別する識別子が付されており、夫々の状態情報を記憶しておく状態情報記憶手段に、夫々の識別子を付して記憶されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
  8. 前記制御手段に、パラメータ選択手段を備え、前記状態情報記憶手段に記憶された各バッテリー又はバッテリーセル個々の状態情報に基づいて、夫々のバッテリー又はバッテリーセルに対する多段多重ループ充電に関する駆動パラメータ、制御パラメータ、監視パラメータ、製造メーカパラメータの少なくとも一つを選択するように構成したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
  9. 前記充電/再生制御手段に、AI制御手段を備え、前記状態情報記憶手段に記憶された各バッテリー又はバッテリーセル個々の状態情報に基づいて、夫々のバッテリー又はバッテリーセルに対する多段多重ループ充電に関する駆動パラメータ、制御パラメータ、監視パラメータ、製造メーカパラメータ、の所要のものを選択し、超臨界状態での過電圧状態を安全領域に維持するように構成したことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のバッテリー充電/再生システム。
  10. フローティング充電状態にある、複数のバッテリーを直列に接続したバッテリー装置に対するバッテリー充電/再生方法であって、
    接続されたバッテリーの充放電を行うためのバッテリー充放電処理と、
    前記直列に接続されたバッテリー個々の電圧を測定するセル電圧検出処理と、
    充放電手段の出力端と前記各バッテリー個々の正極端子及び負極端子との間に配置される選択スイッチを制御する選択スイッチ制御処理と、
    前記バッテリー充放電処理又は及び前記セル電圧検出処理により送られてくる充電/放電電圧、充電/放電電流、電圧/電流の時間的変化情報の少なくとも一つに基づいて、夫々のバッテリーの劣化状態を解析する信号解析処理と、
    前記信号解析処理により得られる各バッテリーに関する状態情報を記憶しておく状態情報記憶処理と、
    各バッテリーに対応して実行すべき再生処理アルゴリズムを記憶したアルゴリズム記憶手段から所要のアルゴリズムを選択する処理と、を含み、
    前記選択スイッチ制御処理は、前記直列接続されたバッテリーの少なくとも一つに対して、充電処理又は放電処理を含み、その際の、バッテリーセル個々の電圧の変化に基づいて劣化状態を評価する処理を行い、劣化の程度に基づいて再生処理順番と、再生処理アルゴリズムの選択と、を行う処理を含むことを特徴とするバッテリー充電/再生処理方法。
  11. 前記充電/再生制御処理に、AI制御処理を含み、前記状態情報記憶処理に基づき得られた各バッテリー又はバッテリーセル個々の状態情報に基づいて、夫々のバッテリー又はバッテリーセルに対する多段多重ループ充電処理に関する駆動パラメータ、制御パラメータ、監視パラメータ、の所要のものを選択し、超臨界状態での過電圧状態を安全領域に維持するように処理することを特徴とする請求項10記載のバッテリー充電/再生処理方法。
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