以下、図面を参照して、本発明の結束機の実施の形態としての鉄筋結束機の一例について説明する。
<鉄筋結束機の構成例>
図1は、鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面から見た構成図、図2は、鉄筋結束機の要部構成の一例を示す側面から見た構成図、図3は、鉄筋結束機の要部構成の一例を示す一部破断斜視図、図4Aは、鉄筋結束機の全体構成の一例を示す正面から見た構成図、図4Bは、図2のA−A線断面図である。また、図5は、鉄筋結束機の外観側面図、図6は、鉄筋結束機の外観上面図、図7は、鉄筋結束機の外観正面図である。
鉄筋結束機1Aは、ワイヤWを矢印Fで示す正方向に送り、結束物である鉄筋Sの周囲に巻き回し、鉄筋Sの周囲に巻き回されたワイヤWを、矢印Rで示す逆方向に送って鉄筋Sに巻き付けた後、ワイヤWを捩じり、鉄筋SをワイヤWで結束する。
鉄筋結束機1Aは、上述した機能を実現するため、ワイヤWが収容されるマガジン2Aと、ワイヤWを送るワイヤ送り部3Aを備える。また、鉄筋結束機1Aは、ワイヤ送り部3Aで正方向にワイヤWを送る動作で、ワイヤ送り部3Aに引き込まれるワイヤWをガイドする第1のワイヤガイド4A1と、ワイヤ送り部3Aから送り出されるワイヤWをガイドする第2のワイヤガイド4A2を備える。
更に、鉄筋結束機1Aは、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWを鉄筋Sの周囲に巻き回す経路を構成するカール形成部5Aを備える。また、鉄筋結束機1Aは、ワイヤ送り部3Aで逆方向にワイヤWを送る動作で、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを切断する切断部6Aと、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを捩じる結束部7Aと、結束部7Aを駆動する駆動部8Aを備える。
マガジン2Aは収容部の一例で、長尺状のワイヤWが繰り出し可能に巻かれたリール20が回転、着脱可能に収納される。ワイヤWは、塑性変形し得る金属線で構成されたワイヤ、金属線が樹脂で被覆されたワイヤ、あるいは撚り線のワイヤが使用される。
リール20は、ワイヤWが巻かれる筒状のハブ部21と、このハブ部21の軸方向両端側に一体に設けられた一対のフランジ部22、23を備える。フランジ部22、23は、ハブ部21よりも径の大きい略円板状の形状とされており、ハブ部21と同心に設けられている。リール20は、2本のワイヤWがハブ部21に巻かれ、リール20から同時に2本のワイヤWを引き出せるようになっている。
マガジン2Aは、図4A、図4Bに示すように、第1のワイヤガイド4A1と第2のワイヤガイド4A2で規定されるワイヤWの送り経路FLに対し、ハブ部21の軸方向に沿ったリール20の軸線方向に沿って、一の方向にオフセットした状態でリール20が取り付けられる。本例では、リール20のハブ部21の全体が、ワイヤWの送り経路FLに対し一の方向にオフセットした形態となる。
図8Aは、ワイヤ送り部の一例を示す正面図、図8Bは、ワイヤ送り部の一例を示す平面図である。次に、ワイヤ送り部3Aの構成について説明する。ワイヤ送り部3Aは、並列された2本のワイヤWを挟持して送る一対の送り部材として、回転動作でワイヤWを送る第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rを備える。
第1の送りギア30Lは、駆動力の伝達を行う歯部31Lを備える。歯部31Lは、本例では平歯車を構成する形状で、第1の送りギア30Lの外周の全周に形成される。また、第1の送りギア30Lは、ワイヤWが入る溝部32Lを備える。溝部32Lは、本例では断面形状が略V字形状の凹部で構成され、第1の送りギア30Lの外周の全周に、円周方向に沿って形成される。
第2の送りギア30Rは、駆動力の伝達を行う歯部31Rを備える。歯部31Rは、本例では平歯車を構成する形状で、第2の送りギア30Rの外周の全周に形成される。また、第2の送りギア30Rは、ワイヤWが入る溝部32Rを備える。溝部32Rは、本例では断面形状が略V字形状の凹部で構成され、第2の送りギア30Rの外周の全周に、円周方向に沿って形成される。
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rを対向させて、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが、第1のワイヤガイド4A1と第2のワイヤガイド4A2で規定されるワイヤWの送り経路FLを挟んで設けられる。このワイヤWの送り経路FLが、一対の第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rによるワイヤ送り部3Aの幅中心位置となる。そして、図4B等に示すように、リール20は、ワイヤ送り部3Aの幅中心位置に対して、一の方向にオフセットした状態で配置される。
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが互いに近づく方向及び離れる方向に変位可能に構成される。本例では、第2の送りギア30Rを、第1の送りギア30Lに対して変位させる。
そこで、第1の送りギア30Lは、ワイヤ送り部3Aの支持部材301に対して、軸300Lにより回転可能に支持される。また、ワイヤ送り部3Aは、第2の送りギア30Rを第1の送りギア30Lに対して近づく方向及び離れる方向に変位させる第1の変位部材36を備える。第1の変位部材36は、一方の端部側に第2の送りギア30Rを軸300Rにより回転可能に支持する。また、第1の変位部材36は、支持部材301に他方の端部が軸36aを支点として回転可能に支持される。
ワイヤ送り部3Aは、第1の変位部材36を変位させる第2の変位部材37を備える。第2の変位部材37は、一方の端部側に第1の変位部材36が連結される。また、第2の変位部材37は、他方の端部側にバネ38が連結される。更に、第2の変位部材37は、一方の端部側と他方の端部側の間が、軸37aを支点として支持部材301に回転可能に支持される。
第1の変位部材36は、第2の変位部材37を介してバネ38により押圧され、軸36aを支点とした回転動作で矢印V1方向に変位する。これにより、第2の送りギア30Rは、バネ38の力で第1の送りギア30L方向に押圧される。
第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に2本のワイヤWが装填されている状態では、第1の送りギア30Lの溝部32Lに一方のワイヤWが入り、第2の送りギア30Rの溝部32Rに他方のワイヤWが入る形態で、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rとの間にワイヤWが挟持される。
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rとの間にワイヤWを挟持した状態で、第1の送りギア30Lの歯部31Lと第2の送りギア30Rの歯部31Rが噛み合う。これにより、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間で回転による駆動力が伝達される。
ワイヤ送り部3Aは、本例では、第1の送りギア30Lが駆動側、第2の送りギア30Rが従動側となる。
第1の送りギア30Lは、図示しない送りモータの回転動作が伝達されて回転する。第2の送りギア30Rは、第1の送りギア30Lの回転動作が歯部31Lと歯部31Rとの噛み合いにより伝達され、第1の送りギア30Lに従動して回転する。
これにより、ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持したワイヤWを、ワイヤWの延在方向に沿って送る。2本のワイヤWを送る構成では、第1の送りギア30Lの溝部32Lと一方のワイヤWとの間に生じる摩擦力、第2の送りギア30Rの溝部32Rと他方のワイヤWとの間に生じる摩擦力、及び、一方のワイヤWと他方のワイヤWとの間に生じる摩擦力により、2本のワイヤWが並列された状態で送られる。
ワイヤ送り部3Aは、図示しない送りモータの回転方向の正逆を切り替えることで、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rの回転方向が切り替えられ、ワイヤWの送り方向の正逆が切り替えられる。
次に、ワイヤWの送りをガイドするワイヤガイドについて説明する。図4Bに示すように、第1のワイヤガイド4A1は、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの上流側に配置される。また、第2のワイヤガイド4A2は、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの下流側に配置される。
第1のワイヤガイド4A1及び第2のワイヤガイド4A2は、ワイヤWが通るガイド穴40Aを備える。鉄筋結束機1Aでは、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWの経路がカール形成部5Aで規制されることで、ワイヤWの軌跡が図1に破線で示すようなループRuとなり、ワイヤWが鉄筋Sの周囲に巻き回される。
このワイヤWにより形成されるループRuの径方向に交差する向きを軸方向としたとき、第1のワイヤガイド4A1及び第2のワイヤガイド4A2のガイド穴40Aは、ループRuの軸方向に沿って2本のワイヤWを並列させて通す形状で構成される。なお、2本のワイヤWが並列する方向は、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが並ぶ方向に沿った方向でもある。
第1のワイヤガイド4A1及び第2のワイヤガイド4A2は、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間を通るワイヤWの送り経路FL上にガイド穴40Aが設けられる。第1のワイヤガイド4A1は、ガイド穴40Aを通るワイヤWを、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間の送り経路FLに誘導する。
第1のワイヤガイド4A1及び第2のワイヤガイド4A2は、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対してガイド穴40Aの上流側であるワイヤ導入部は、下流側に比べて開口面積が大きくした円錐形状または角錐形状等のテーパ状となっている。これにより、第1のワイヤガイド4A1及び第2のワイヤガイド4A2に対するワイヤWの導入が容易になる。
次に、ワイヤWを鉄筋Sの周囲に巻き回すワイヤWの送り経路を構成するカール形成部5Aについて説明する。カール形成部5Aは、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで送られるワイヤWに巻き癖をつけるカールガイド50と、カールガイド50で巻き癖を付けられたワイヤWを結束部7Aに誘導する誘導ガイド51Aを備える。
カールガイド50は、ワイヤWの送り経路を構成するガイド溝52と、ガイド溝52との協働でワイヤWに巻き癖をつけるガイド部材としての第1のガイドピン53a、第2のガイドピン53b及び第3のガイドピン53cを備える。カールガイド50は、ガイド板50L、ガイド板50C及びガイド板50Rが積層された構成で、ガイド板50Cでガイド溝52のガイド面が構成される。また、ガイド板50L、50Rで、ガイド溝52のガイド面から立設する側壁面が構成される。
第1のガイドピン53aは、カールガイド50において第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで正方向に送られるワイヤWの導入部側に設けられる。第1のガイドピン53aは、ガイド溝52によるワイヤWの送り経路に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に配置される。第1のガイドピン53aは、ガイド溝52に沿って送られるワイヤWが、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に入り込まないように、ワイヤWの送り経路を規制する。
第2のガイドピン53bは、第1のガイドピン53aと第3のガイドピン53cとの間に設けられる。第2のガイドピン53bは、ガイド溝52によるワイヤWの送り経路に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側に配置される。第2のガイドピン53bは、周面の一部がガイド溝52から突出する。これにより、ガイド溝52でガイドされるワイヤWは、第2のガイドピン53bが設けられる部位では第2のガイドピン53bに接する。
第3のガイドピン53cは、カールガイド50において第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで正方向に送られるワイヤWの排出部側に設けられる。第3のガイドピン53cは、ガイド溝52によるワイヤWの送り経路に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側に配置される。第3のガイドピン53cは、周面の一部がガイド溝52から突出する。これにより、ガイド溝52でガイドされるワイヤWは、第3のガイドピン53cが設けられる部位では第3のガイドピン53cに接する。
カール形成部5Aは、第1のガイドピン53aを退避させる退避機構53を備える。退避機構53は、第1のガイドピン53aの軸方向に沿った側方へ第1のガイドピン53aを移動させることで、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで逆方向にワイヤWを送る動作で、鉄筋Sに巻き付けられるワイヤWが移動する経路から、第1のガイドピン53aを退避させる。
次に、ワイヤWに巻き癖を付ける作用について説明する。第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで正方向に送られるワイヤWは、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側の2点と、この2点の間の内側の1点の少なくとも3点で、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の位置が規制されることで、ワイヤWにループ状の巻き癖が付けられる。
本例では、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、第1のガイドピン53aの上流側に設けられる第2のワイヤガイド4A2と、第1のガイドピン53aの下流側に設けられる第3のガイドピン53cの2点で、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側の位置が規制される。また、第1のガイドピン53aで、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側の位置が規制される。これにより、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで正方向に送られるワイヤWにループ状の巻き癖が付けられる。
なお、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側の位置で、第3のガイドピン53cに送られるワイヤWが接する位置のガイド溝52に、第2のガイドピン53bを設けることで、ガイド溝52の摩耗を防ぐことができる。
図9Aは、第1の実施の形態の誘導ガイドを示す側断面図、図9Bは、第1の実施の形態の誘導ガイドを示す一部破断斜視図、図9Cは、第1の実施の形態の誘導ガイドを示す要部側断面図である。また、図9Dは、第1の実施の形態の誘導ガイドを構成する第1のガイド部を示す側面図、図9Eは、第1の実施の形態の誘導ガイドを構成する第1のガイド部を示す平面図、図9Fは、第1の実施の形態の誘導ガイドを構成する第1のガイド部を示す正面図である。
次に、第1の実施の形態の誘導ガイド51Aについて説明する。誘導ガイド51Aは、図4Aに示すように、第1のワイヤガイド4A1と第2のワイヤガイド4A2で規定されるワイヤWの送り経路FLに対し、リール20がオフセットされた一の方向の反対方向である他の方向にオフセットされた位置に設けられる。
誘導ガイド51Aは、カールガイド50で巻き癖が付けられたワイヤWが導入され、ワイヤWにより形成されるループRuの軸方向及び径方向の位置を規制する第1のガイド部55を備える。また、誘導ガイド51Aは、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の位置を規制し、第1のガイド部55に導入されたワイヤWを結束部7Aに誘導する第2のガイド部57を備える。
第1のガイド部55は、第2のガイド部57に対し、カールガイド50で巻き癖が付けられたワイヤWが導入される側に設けられる。第1のガイド部55は、リール20がオフセットされた一の方向に位置する側である一の側に、側面部55Lを備える。また、第1のガイド部55は、リール20がオフセットされた一の方向と反対方向に位置する側である他の側に、側面部55Lと対向して側面部55Rを備える。更に、第1のガイド部55は、側面部55Lが一の側に立設し、側面部55Rが他の側に立設して、側面部55Lと側面部55Rを繋ぐ底面部55Dを備える。
第2のガイド部57は、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側に、ワイヤWの送り方向に沿って結束部7Aに向けて延在する面によるガイド面57aを備える。第2のガイド部57は、第1のガイド部55から第2のガイド部57に誘導されるワイヤWの送り方向に沿って、ガイド面57aの上流側の先端に導入側端部P1が形成される。
誘導ガイド51Aは、第1のガイド部55の中に、第2のガイド部57にワイヤWを誘導することを促進する誘導促進部58Aを備える。
誘導促進部58Aは、導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向に段差を有する部位を設けて構成される。例えば、誘導促進部58Aは、導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に位置する。
具体的には、誘導促進部58Aは、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に、底面部55Dから所定の高さで突出する凸部で構成される。誘導促進部58Aの高さは、第2のガイド部57の導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に突出する寸法である。
また、誘導促進部58Aは、第1のガイド部55の一方の側面部55Lと他方の側面部55Rとの間の底面部55Dに、第1のガイド部55と一体で設けられる。
更に、誘導促進部58Aは、第1のガイド部55で第2のガイド部57に誘導されるワイヤWの送り方向に対し、第2のガイド部57の上流側で、少なくとも導入側端部P1の近傍に設けられる。また、誘導促進部58Aは、ワイヤWを誘導する誘導面580Aを備える。
誘導面580Aは、ワイヤWが第1のガイド部55の底面部55Dに接しながら第2のガイド部57方向に送られる場合に、ワイヤWの先端WSを、第1のガイド部55の底面部55Dから第2のガイド部57のガイド面57a方向へ誘導する形状に傾斜した面で構成される。
第1のガイド部55は、誘導促進部58Aの誘導面580Aと、底面部55Dとの成す角α1が鋭角となるよう構成される。
第1のガイド部55は、誘導促進部58Aに対し、第1のガイド部55から第2のガイド部57に誘導されるワイヤWの送り方向に沿った下流側に、ワイヤWで形成されるループRuの径方向の外側に窪んだ凹部581Aが形成される。そして、誘導ガイド51Aは、第1のガイド部55の凹部581Aに、第2のガイド部57が入る形態である。
第1のガイド部55の一方の側面部55Lは、第2のガイド部57のガイド面57aにワイヤWを誘導する第1の誘導部55L1と、ガイド面57aに沿ってワイヤWを誘導する第2の誘導部55L2を備える。
第1のガイド部55の他方の側面部55Rは、第2のガイド部57のガイド面57aにワイヤWを誘導する第3の誘導部55R1と、ガイド面57aに沿ってワイヤWを誘導する第4の誘導部55R2を備える。
誘導ガイド51Aは、一対の側面部55L、55Rと、底面部55Dで囲われた空間で集束通路55Sが構成される。また、誘導ガイド51Aは、集束通路55SにワイヤWが進入する開口端部55E1が形成される。開口端部55E1は、第1のガイド部55の第2のガイド部57から離れた側の端部であり、一対の側面部55L、55Rと、底面部55Dで囲われた空間で開口している。
第1のガイド部55は、第1の誘導部55L1と第3の誘導部55R1との間隔が、開口端部55E1から第2のガイド部57のガイド面57aに向かうにしたがって狭くなる。これにより、第1のガイド部55は、第1の誘導部55L1と第3の誘導部55R1との間隔が、開口端部55E1に位置する第1の誘導部55L1の開口端部55EL1と、第3の誘導部55R1の開口端部55ER1との間で最も広くなる。
また、第1のガイド部55は、第1の誘導部55L1とつながる第2の誘導部55L2が、第2のガイド部57のガイド面57aの一の側に位置し、第3の誘導部55R1とつながる第4の誘導部55R2が、ガイド面57aの他の側に位置する。第2の誘導部55L2と第4の誘導部55R2は、並列する2本のワイヤWの径方向の幅以上の所定の間隔を以て、互いが平行に対向する。
これにより、第1の誘導部55L1と第3の誘導部55R1との間隔は、第1の誘導部55L1が第2の誘導部55L2とつながり、第3の誘導部55R1が第4の誘導部55R2とつながる部位が最も狭くなる。よって、第1の誘導部55L1と第2の誘導部55L2がつながる部位が、第3の誘導部55R1に対する第1の誘導部55L1の最狭部55EL2となる。また、第3の誘導部55R1と第4の誘導部55R2がつながる部位が、第1の誘導部55L1に対する第3の誘導部55R1の最狭部55ER2となる。
これにより、誘導ガイド51Aは、第1の誘導部55L1の最狭部55EL2と、第3の誘導部55R1の最狭部55ER2との間が、集束通路55Sの最狭部55E2となる。誘導ガイド51Aは、集束通路55Sの断面積が、ワイヤWの進入方向に沿って、開口端部55E1から最狭部55E2に向かって徐々に狭くなる。
誘導ガイド51Aは、集束通路55Sに進入するワイヤWの進入角度を、最狭部55E2に向くように変える進入角度規制部56Aを備える。
鉄筋結束機1Aでは、リール20が一の方向にオフセットされて配置される。この一の方向にオフセットされたリール20から、ワイヤ送り部3Aで送られ、カールガイド50で巻き癖が付けられるワイヤWは、リール20がオフセットされた一の方向の反対方向である他の方向に向かう。
このため、第1のガイド部55の側面部55Lと側面部55Rとの間の集束通路55Sに進入するワイヤWは、まず、側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入する。この側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入するワイヤWの先端を、第1の誘導部55L1の最狭部55EL2と、第3の誘導部55R1の最狭部55ER2との間、すなわち、集束通路55Sの最狭部55E2方向に向ける。このため、側面部55Rと対向する側面部55Lの第1の誘導部55L1に、進入角度規制部56Aが設けられる。
進入角度規制部56Aは、集束通路55Sの開口端部55E1と最狭部55E2とを結んだ仮想線、本例では、第1の誘導部55L1の開口端部55EL1と、最狭部55EL2とを結んだ仮想線55EL3より側面部55R側である仮想線55EL3の内側に突出した位置に設けられる。本例では、進入角度規制部56Aは、第1の誘導部55L1において、開口端部55EL1と最狭部55EL2との中間付近を、第3の誘導部55R1方向に凸状となる形状として構成される。これにより、第1の誘導部55L1は、図9Eに示す平面視で屈曲した形状である。
カールガイド50で巻き癖が付けられたワイヤは、第1のガイド部55の一対の側面部55L、55Rの間に導入される。誘導ガイド51Aは、ワイヤWにより形成されるループRuの軸方向に沿った位置を、第1のガイド部55の第1の誘導部55L1と第3の誘導部55R1で規制し、第2のガイド部57のガイド面57aに誘導する。
また、誘導ガイド51Aは、第2のガイド部57のガイド面57aに誘導されたワイヤWにより形成されるループRuの軸方向に沿った位置を、第1のガイド部55の第2の誘導部55L2と第4の誘導部55R2で規制し、このワイヤWにより形成されるループRuの径方向の位置を、第2のガイド部57のガイド面57aで規制する。
誘導ガイド51Aは、本例では、第2のガイド部57が鉄筋結束機1Aの本体部10Aに固定され、第1のガイド部55が第2のガイド部57に固定される。なお、第1のガイド部55が軸55bを支点として回転可能な状態で第2のガイド部57に支持される構成としても良い。このような構成では、第1のガイド部55は、開口端部55E1側が、カールガイド50に対して近づく方向へ図示しないバネで付勢された状態で、カールガイド50に対して離接する方向に開閉可能に構成される。これにより、鉄筋SをワイヤWで結束した後、鉄筋結束機1Aを鉄筋Sから抜く動作で第1のガイド部55を退避させて、鉄筋結束機1Aを鉄筋Sから抜く動作を容易にしている。
次に、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを切断する切断部6Aについて説明する。切断部6Aは、固定刃部60と、固定刃部60との協働でワイヤWを切断する可動刃部61と、結束部7Aの動作を可動刃部61に伝達する伝達機構62を備える。固定刃部60は、ワイヤWが通る開口60aを備え、開口60aにワイヤWを切断可能なエッジ部を設けて構成される。
可動刃部61は、固定刃部60を支点軸とした回転動作で、固定刃部60の開口60aを通るワイヤWを切断する。伝達機構62は、結束部7Aの動作を可動刃部61に伝達し、結束部7Aの動作と連動して可動刃部61を回転させ、ワイヤWを切断する。
固定刃部60は、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して第2のワイヤガイド4A2の下流側に設けられ、開口60aがワイヤガイドを構成する。
図10A、図10Bは、結束部及び駆動部の一例を示す平面断面図、図10Cは、結束部及び駆動部の一例を示す側断面図で、次に、ワイヤWで鉄筋Sを結束する結束部7A、及び、結束部7Aを駆動する駆動部8Aについて説明する。
結束部7Aは、ワイヤWが係止される係止部材70と、係止部材70を開閉する作動部材71と、係止部材70及び作動部材71を作動させる回転軸72を備える。
係止部材70は、第1の可動係止部材70Lと、第2の可動係止部材70Rと、固定係止部材70Cを備える。係止部材70は、第1の可動係止部材70Lの先端側が、固定係止部材70Cに対し一の側に位置し、第2の可動係止部材70Rの先端側が、固定係止部材70Cに対し他の側に位置する。
係止部材70は、第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rの後端側が、固定係止部材70Cに軸76で回転可能に支持される。これにより、係止部材70は、軸76を支点とした回転動作で、第1の可動係止部材70Lの先端側が固定係止部材70Cに対して離接する方向に開閉する。また、第2の可動係止部材70Rの先端側が固定係止部材70Cに対して離接する方向に開閉する。
作動部材71と回転軸72は、回転軸72の外周に設けたネジ部と、作動部材71の内周に設けたナット部により、回転軸72の回転動作が、矢印A1、A2で示す回転軸72の軸方向に沿った作動部材71の前後方向への移動に変換される。作動部材71は、第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rを開閉する開閉ピン71aを備える。
開閉ピン71aは、第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rに設けられた開閉ガイド孔73に挿入される。開閉ガイド孔73は、作動部材71の移動方向に沿って延在し、作動部材71と連動して移動する開閉ピン71aの直線方向の動きを、軸76を支点とした第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rの回転による開閉動作に変換する形状を有する。なお、図10A、図10Bでは、第1の可動係止部材70Lに設けられた開閉ガイド孔73を図示しているが、第2の可動係止部材70Rにも左右対称の形状で同様な開閉ガイド孔73が設けられる。
結束部7Aにおいて、係止部材70が設けられた側を前側、作動部材71が設けられた側を後側とする。係止部材70は、作動部材71が矢印A2で示す後方向に移動することで、開閉ピン71aの軌跡と開閉ガイド孔73の形状により、図10Aに示すように、第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rが、軸76を支点とした回転動作で固定係止部材70Cから離れる方向に移動する。
これにより、第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Aが、固定係止部材70Cに対して開き、第1の可動係止部材70Lと固定係止部材70Cとの間、第2の可動係止部材70Rと固定係止部材70Cとの間に、ワイヤWが通る送り経路が形成される。
第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rが、固定係止部材70Cに対して開いた状態では、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで送られるワイヤWは、第1のワイヤガイド4A1及び第2のワイヤガイド4A2にガイドされ、固定係止部材70Cと第1の可動係止部材70Lの間を通る。固定係止部材70Cと第1の可動係止部材70Lの間を通るワイヤWは、カール形成部5Aに誘導される。また、カール形成部5Aで巻き癖が付けられ、結束部7Aに誘導されたワイヤWは、固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rの間を通る。
係止部材70は、作動部材71が矢印A1で示す前方向に移動することで、開閉ピン71aの軌跡と開閉ガイド孔73の形状により、図10Bに示すように、第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rが、軸76を支点とした回転動作で固定係止部材70Cに近づく方向に移動する。これにより、第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Aが、固定係止部材70Cに対して閉じる。
第1の可動係止部材70Lが固定係止部材70Cに対して閉じると、第1の可動係止部材70Lと固定係止部材70Cとの間に挟まれたワイヤWが、第1の可動係止部材70Lと固定係止部材70Cとの間を移動することが可能な形態で係止される。また、第2の可動係止部材70Rが固定係止部材70Cに対して閉じると、第2の可動係止部材70Rと固定係止部材70Cとの間に挟まれたワイヤWが、第2の可動係止部材70Rと固定係止部材70Cとの間から抜けない形態で係止される。
作動部材71は、ワイヤWの一方の端部である先端WS側を所定の方向に押して曲げる曲げ部71b1と、切断部6Aで切断されたワイヤWの他方の端部である終端(WE)側を所定の方向に押して曲げる曲げ部71b2を備える。
作動部材71は、矢印A1で示す前方向に移動することで、固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rで係止されたワイヤWの先端WS側を曲げ部71b1で押して、鉄筋S側へ曲げる。また、作動部材71は、矢印A1で示す前方向に移動することで、固定係止部材70Cと第1の可動係止部材70Lで係止され、切断部6Aで切断されたワイヤWの終端(WE)側を曲げ部71b2で押して、鉄筋S側へ曲げる。
結束部7Aは、回転軸72の回転動作と連動した係止部材70及び作動部材71の回転を規制する回転規制部74を備える。回転規制部74は、作動部材71に設けられる。回転規制部74は、係止部材70でワイヤWを係止する動作域から、作動部材71の曲げ部71b1、71b2でワイヤWを折り曲げる動作域では、図示しない係止部に係止される。これにより、回転軸72の回転に連動した作動部材71の回転が規制され、回転軸72の回転動作で作動部材71が前後方向へ移動する。また、回転規制部74は、係止部材70で係止したワイヤWを捩じる動作域では、図示しない係止部との係止が解除され、回転軸72の回転に連動して作動部材71を回転させる。係止部材70は、作動部材71の回転と連動して、ワイヤWを係止した固定係止部材70C、第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rが回転する。
駆動部8Aは、モータ80と、減速及びトルクの増幅を行う減速機81を備える。結束部7Aと駆動部8Aは、回転軸72とモータ80が減速機81を介して連結され、回転軸72が、減速機81を介してモータ80に駆動される。
上述した第1のガイドピン53aの退避機構53は、作動部材71の前後方向への移動を第1のガイドピン53aの変位に変換するリンク機構で構成される。また、可動刃部61の伝達機構62は、作動部材71の前後方向への移動を可動刃部61の回転動作に変換するリンク機構で構成される。
次に、ワイヤWの送りを規制する送り規制部9Aについて説明する。送り規制部9Aは、固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rの間を通るワイヤWの送り経路に、ワイヤWの先端WSが突き当てられる部材を設けて構成される。送り規制部9Aは、図3、図4Bに示すように、本例ではカールガイド50を構成するガイド板50Rと一体で構成され、ガイド板50Rから、ワイヤWの送り経路に交差する方向へ突出する。
次に、鉄筋結束機1Aの形状について説明する。鉄筋結束機1Aは、作業者が手に持って使用する形態であり、本体部10Aとハンドル部11Aを備える。鉄筋結束機1Aは、上述したカール形成部5Aのカールガイド50と誘導ガイド51Aが、本体部10Aの前側の端部に設けられる。また、鉄筋結束機1Aは、ハンドル部11Aが本体部10Aから下方向に延在する。更に、ハンドル部11Aの下部にバッテリ15Aが着脱可能に取り付けられる。また、鉄筋結束機1Aは、マガジン2Aがハンドル部11Aの前方に設けられる。鉄筋結束機1Aは、上述したワイヤ送り部3A、切断部6A、結束部7A,結束部7Aを駆動する駆動部8A等が本体部10Aに収納される。
次に、鉄筋結束機1Aの操作部について説明する。鉄筋結束機1Aは、ハンドル部11Aの前側にトリガ12Aが設けられ、ハンドル部11Aの内部にスイッチ13Aが設けられる。鉄筋結束機1Aは、トリガ12Aの操作で押されるスイッチ13Aの状態に応じて、制御部14Aがモータ80及び図示しない送りモータを制御する。
<鉄筋結束機の動作例>
図11A〜図11Eは、ワイヤで鉄筋を結束する動作の一例を示す動作説明図で、次に、各図を参照して、鉄筋結束機1Aにより鉄筋Sを2本のワイヤWで結束する動作について説明する。
鉄筋結束機1Aは、2本のワイヤWが第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持され、このワイヤWの先端WSが、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの挟持位置から、切断部6Aの固定刃部60との間に位置した状態が待機状態となる。また、鉄筋結束機1Aは、待機状態では、図10Aに示すように、第1の可動係止部材70Lが固定係止部材70Cに対して開き、第2の可動係止部材70Rが固定係止部材70Cに対して開いた状態である。
鉄筋Sがカール形成部5Aのカールガイド50と誘導ガイド51Aの間に入れられ、トリガ12Aが操作されると、図示しない送りモータが正回転方向に駆動され、第1の送りギア30Lが正転すると共に、第1の送りギア30Lに従動して第2の送りギア30Rが正転する。これにより、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持された2本のワイヤWが、矢印Fで示す正方向に送られる。
ワイヤ送り部3Aで正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、ワイヤ送り部3Aの上流側に第1のワイヤガイド4A1が設けられ、下流側に第2のワイヤガイド4A2が設けられることで、2本のワイヤWが、当該ワイヤWにより形成されるループRuの軸方向に沿って並列された状態で送られる。
ワイヤWが正方向に送られると、ワイヤWは固定係止部材70Cと第1の可動係止部材70Lの間を通り、カール形成部5Aのカールガイド50のガイド溝52を通過する。これにより、ワイヤWは、第2のワイヤガイド4A2と、カールガイド50の第1のガイドピン53a及び第3のガイドピン53cの3点、更には、第3のガイドピン53cより上流側の第2のガイドピン53bで、鉄筋Sの周囲に巻き回される巻き癖が付けられる。
カールガイド50で巻き癖が付けられたワイヤWは、誘導ガイド51Aの第1のガイド部55で第2のガイド部57に誘導される。第1のガイド部55の誘導促進部58AでワイヤWを第2のガイド部57に誘導する動作については後述する。第2のガイド部57に誘導されたワイヤWは、図11Aに示すように、先端WSが第2のガイド部57のガイド面57aに接する。カールガイド50で巻き癖が付けられたワイヤWは、更にワイヤ送り部3Aで正方向に送られることで、誘導ガイド51Aにより固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rの間に誘導される。そして、ワイヤWは、先端WSが送り規制部9Aに突き当てられるまで送られる。ワイヤWの先端WSが送り規制部9Aに突き当てられる位置まで送られると、図示しない送りモータの駆動が停止される。
なお、ワイヤWの先端WSが送り規制部9Aに接してから、ワイヤ送り部3Aの駆動が停止されるまで、若干のタイムラグがあることから、図11Bに示すように、ワイヤWにより形成されるループRuが、誘導ガイド51Aの第1のガイド部55の底面部55Dに接する程度まで、径方向へ広がる方向に撓む。
ワイヤWの正方向への送りを停止した後、モータ80が正回転方向に駆動される。作動部材71は、モータ80の回転に連動した回転軸72の回転動作が、回転規制部74により規制されて、モータ80の回転が直線移動に変換される。これにより、作動部材71は、前方向である矢印A1方向に移動する。
作動部材71が前方向に移動すると、図10Bに示すように、開閉ピン71aが開閉ガイド孔73を通過する。これにより、第1の可動係止部材70Lは、軸76を支点とした回転動作で、固定係止部材70Cに近づく方向に移動する。第1の可動係止部材70Lが固定係止部材70Cに対して閉じると、第1の可動係止部材70Lと固定係止部材70Cとの間に挟まれたワイヤWが、第1の可動係止部材70Lと固定係止部材70Cとの間を移動することが可能な形態で係止される。
また、第2の可動係止部材70Rは、軸76を支点とした回転動作で、固定係止部材70Cに近づく方向に移動する。第2の可動係止部材70Rが固定係止部材70Cに対して閉じると、第2の可動係止部材70Rと固定係止部材70Cとの間に挟まれたワイヤWが、第2の可動係止部材70Rと固定係止部材70Cとの間から抜けない形態で係止される。
更に、作動部材71が前方向に移動すると、作動部材71の動作が退避機構53に伝達され、第1のガイドピン53aが退避する。
第1の可動係止部材70L及び第2の可動係止部材70Rが閉じる動作でワイヤWを係止する位置まで作動部材71を前進させた後、モータ80の回転を一時停止し、図示しない送りモータを逆回転方向に駆動する。これにより、第1の送りギア30Lが逆転すると共に、第1の送りギア30Lに従動して第2の送りギア30Rが逆転する。
よって、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持されたワイヤWが、矢印Rで示す逆方向に送られる。ワイヤWの先端WS側が、第2の可動係止部材70Rと固定係止部材70Cとの間から抜けない形態で係止されているので、ワイヤWを逆方向に送る動作で、図11Cに示すように、ワイヤWは鉄筋Sに密着されるようにして巻き付けられる。
ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けて、図示しない送りモータの逆回転方向の駆動を停止した後、モータ80を正回転方向に駆動することで、作動部材71を矢印A1で示す前方向に移動させる。作動部材71が前方向に移動する動作が伝達機構62で切断部6Aに伝達されることで可動刃部61が回転し、第1の可動係止部材70Lと固定係止部材70Cで係止されたワイヤWが、固定刃部60と可動刃部61の動作で切断される。
ワイヤWを切断した後、作動部材71を更に前方向に移動させることで、図11Dに示すように、曲げ部71b1、71b2が鉄筋Sに接近する方向へ移動する。これにより、固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rで係止されたワイヤWの先端WS側を、曲げ部71b1で鉄筋S側へ押圧して、係止位置を支点として鉄筋S側へ曲げる。作動部材71が更に前方向に移動することで、第2の可動係止部材70Rと固定係止部材70Cとの間で係止されたワイヤWが、曲げ部71b1で挟まれた状態で保持される。
また、固定係止部材70Cと第1の可動係止部材70Lで係止され、切断部6Aで切断されたワイヤWの終端WE側を、曲げ部71b2で鉄筋S側へ押圧して、係止位置を支点として鉄筋S側へ曲げる。作動部材71が更に前方向に移動することで、第1の可動係止部材70Lと固定係止部材70Cとの間で係止されたワイヤWが、曲げ部71b2で挟まれた状態で保持される。
ワイヤWの先端WS側及び終端WE側を鉄筋S側に折り曲げた後、モータ80が更に正回転方向に駆動されることで、作動部材71が更に前方向に移動する。作動部材71が所定の位置まで移動することで、回転規制部74の係止が解除される。
これにより、モータ80が更に正回転方向に駆動されることで、回転軸72と連動して作動部材71が回転すると共に、ワイヤWを保持している係止部材70が作動部材71と一体に回転し、図11Eに示すように、ワイヤWを捩じる。
ワイヤWを捩じった後、モータ80が逆回転方向に駆動される。作動部材71は、モータ80の回転に連動した回転軸72の回転動作が、回転規制部74により規制されて、モータ80の回転が直線移動に変換される。これにより、作動部材71は、後方向である矢印A2方向に移動する。
作動部材71が後方向に移動すると、曲げ部71b1、71b2がワイヤWから離れ、曲げ部71b1、71b2によるワイヤWの保持が解消される。また、作動部材71が後方向に移動すると、図10Aに示すように、開閉ピン71aが開閉ガイド孔73を通過する。これにより、第1の可動係止部材70Lは、軸76を支点とした回転動作で、固定係止部材70Cに離れる方向に移動する。また、第2の可動係止部材70Rは、軸76を支点とした回転動作で、固定係止部材70Cに離れる方向に移動する。これにより、係止部材70からワイヤWが抜ける。
<誘導ガイドでワイヤWを誘導する作用効果例>
図12A、図12B、図12Cは、第1の実施の形態の誘導ガイドにおけるワイヤの動きを示す説明図であり、次に、誘導ガイド51AでワイヤWを誘導する作用効果について説明する。
上述したように、カールガイド50で巻き癖が付けられるワイヤWは、リール20がオフセットされた一の方向の反対方向である他の方向に向かう。このため、誘導ガイド51Aにおいて、第1のガイド部55の側面部55Lと側面部55Rとの間に進入するワイヤWは、まず、側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入する。
さて、従前の鉄筋結束機は、カールガイドで巻き癖が付けられてループを形成するワイヤ軌跡を円と仮定したときの直径が50〜70mm程度である。これに対し、鉄筋結束機1Aは、カールガイド50で巻き癖が付けられてループRuを形成するワイヤWの軌跡を円と仮定したときの長軸方向の長さが75mm以上100mm以下程度となる。
このように、カールガイド50で巻き癖が付けられてループRuを形成するワイヤWの軌跡を楕円と仮定したとき、長軸方向の長さが75mm以上100mm以下程度となると、側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入するワイヤWの進入角度α11が、従前の鉄筋結束機と比較して大きくなる。
このため、誘導ガイド51Aにおいて、側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入するワイヤWの先端WSが、第3の誘導部55R1に接すると、ワイヤWの先端WSが、第3の誘導部55R1に沿ってガイドされる際の抵抗が増加する。よって、ワイヤWが、第1の誘導部55L1の最狭部55EL2と、第3の誘導部55R1の最狭部55ER2の間に向かわず、送り不良が発生する可能性がある。
そこで、進入角度規制部56Aを設けて、側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入するワイヤWの先端を、第1の誘導部55L1の最狭部55EL2と、第3の誘導部55R1の最狭部55ER2の間に向ける。
すなわち、第1のガイド部55の側面部55Lと側面部55Rとの間に進入するワイヤWが、側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入することで、側面部55Lと側面部55Rとの間に位置する部位のワイヤWが、図12Bに示すように進入角度規制部56Aに接する。ワイヤWが進入角度規制部56Aに接すると、進入角度規制部56Aを支点として、ワイヤWの先端WSが、第1の誘導部55L1の最狭部55EL2と、第3の誘導部55R1の最狭部55ER2の間に向かう方向へ、ワイヤWが回転しようとする力が当該ワイヤWに加わる。
これにより、図12Cに示すように、側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入するワイヤWの進入角度α12が小さくなり(α2<α1)、ワイヤWの先端WSが、第1の誘導部55L1の最狭部55EL2と、第3の誘導部55R1の最狭部55ER2の間に向かう。よって、カールガイド50で巻き癖が付けられたワイヤWを、第1のガイド部55の一対の第2の誘導部55L2、第4の誘導部55R2の間に導入することができる。
図13A、図13Bは、第1の実施の形態の誘導ガイドにおけるワイヤの動きを示す説明図、図14A〜図14Dは、第1の実施の形態の誘導ガイドにおけるワイヤの動きを示す要部説明図である。また、図15は、従来の誘導ガイドにおけるワイヤの動きを示す説明図、図16A〜図16Cは、従来の誘導ガイドにおけるワイヤの動きを示す要部説明図である。次に、第1のガイド部55の誘導促進部58AでワイヤWを第2のガイド部57に誘導する作用効果について説明する。
上述したように、リール20が一の方向にオフセットされて配置されることで、カールガイド50で巻き癖が付けられるワイヤWは、リール20がオフセットされた一の方向の反対方向である他の方向に向かう。
このため、第1のガイド部55の側面部55Lと側面部55Rとの間に進入し、第1のガイド部55から第2のガイド部57に向かう正方向に送られるワイヤWは、まず、側面部55Rの第3の誘導部55R1に向かって進入する。ワイヤWが側面部55Rの第3の誘導部55R1に接しながら正方向に送られると、ワイヤWの先端WSが第1のガイド部55の底面部55Dに向かって移動する力が働く。これにより、ワイヤWの先端WSが、第2のガイド部57のガイド面57aに接するより前に、第1のガイド部55の底面部55Dに接する場合がある。
さて、誘導ガイド51Aは、第1のガイド部55と第2のガイド部57の2つの部品が組み合わされた構成である。このため、各部品の寸法公差等により、第1のガイド部55の底面部55Dと、第2のガイド部57の導入側端部P1との間に隙間L1が形成される場合がある。
第1のガイド部55に誘導促進部を備えていない従来の誘導ガイドでは、ワイヤWの先端WSが、第2のガイド部57のガイド面57aに接するより前に、第1のガイド部55の底面部55Dに接すると、ワイヤWが正方向に送られることで、図15、図16Aに示すように、ワイヤWの先端WSが第2のガイド部57の導入側端部P1に接する。
ワイヤWの先端WSが第2のガイド部57の導入側端部P1に接した状態で、ワイヤWが更に送られることで、図16Bに示すように、第1のガイド部55の底面部55Dに対するワイヤWの侵入角度が変化する。
しかし、第1のガイド部55の底面部55Dに対するワイヤWの侵入角度が変化しても、第1のガイド部55の底面部55Dと、第2のガイド部57の導入側端部P1との間に形成された隙間L1の寸法によっては、ワイヤWの先端WSが第2のガイド部57の導入側端部P1と接した状態が解消せず、ワイヤWが第2のガイド部57のガイド面57aに誘導できない場合がある。
また、第1のガイド部55の底面部55Dと、第2のガイド部57の導入側端部P1との間に隙間L1が、ワイヤWの直径より大きくなると、図16Cに示すように、ワイヤWの先端WSが隙間L1に入り、ワイヤWが第2のガイド部57のガイド面57aに誘導できない場合がある。
これに対し、第1のガイド部55に誘導促進部58Aを備えた本実施の形態の誘導ガイド51Aでは、ワイヤWの先端WSが、第2のガイド部57のガイド面57aに接するより前に、第1のガイド部55の底面部55Dに接すると、ワイヤWが正方向に送られることで、図13、図14Aに示すように、ワイヤWの先端WSが第1のガイド部55の誘導促進部58Aに接する。
ワイヤWの先端WSが第1のガイド部55の誘導促進部58Aに接した状態で、ワイヤWが更に正方向に送られることで、図14Bに示すように、第1のガイド部55の底面部55Dに対するワイヤWの侵入角度が変化する。
更に、ワイヤWが正方向に送られることで、誘導促進部58Aの誘導面580Aの傾斜に沿って誘導され、ワイヤWの先端WSが、第1のガイド部55の底面部55Dから離れる方向に移動する。
そして、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWの先端WSが誘導促進部58Aの誘導面580Aを通過し、図14Cに示すように、導入側端部P1より下流側でガイド面57aに接する。
また、2本のワイヤWを送る場合も、各ワイヤWが誘導促進部58Aの誘導面580Aの傾斜に沿って誘導され、ワイヤWの先端WSが、第1のガイド部55の底面部55Dから離れる方向に移動する。
そして、更に2本のワイヤWが正方向に送られることで、各ワイヤWの先端WSが誘導促進部58Aの誘導面580Aを通過し、図14Dに示すように、導入側端部P1より下流側でガイド面57aに接する。
これにより、第1のガイド部55の底面部55Dに接したワイヤWを第2のガイド部57のガイド面57aに誘導でき、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWを図3等に示すように固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rの間に誘導することができる。
図17A〜図17Fは、誘導ガイドの他の実施の形態を示す要部側断面図である。図17Aに示すように、第2の実施の形態の誘導ガイド51Bでは、第1のガイド部55は、誘導促進部58Bの誘導面580Bと、底面部55Dとの成す角α1が鋭角となるよう構成される。
また、第1のガイド部55及び第2のガイド部57は、誘導促進部58Bの誘導面580Bと、底面部55Dとの成す角α1が、第1のガイド部55の底面部55Dと、第2のガイド部57のガイド面57aとの成す角α2と同等以下となるように構成される。これにより、誘導促進部58Bの誘導面580Bの傾斜に沿ってワイヤWを誘導しやすくなる。
図17Bに示すように、第3の実施の形態の誘導ガイド51Cでは、誘導促進部58Cは、第2のガイド部57の導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向に段差を有する部位を設けて構成される。
具体的には、誘導促進部5Cは、第1のガイド部55で第2のガイド部57に誘導されるワイヤWの送り方向に対し、第1のガイド部55において導入側端部P1より上流側が、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側に位置し、導入側端部P1より下流側が、ループRuの径方向の内側に位置する段差を、底面部55Dに設けて構成される。
誘導ガイド51Cでは、ワイヤWが誘導促進部58Cの誘導面580Cの傾斜に沿って誘導され、ワイヤWの先端WSが誘導促進部58Cの誘導面580Cを通過すると、更にワイヤWが正方向に送られることで、誘導面580Cの傾斜に沿った方向へワイヤWが誘導される。
これにより、第1のガイド部55の底面部55Dに接したワイヤWを第2のガイド部57のガイド面57aに誘導でき、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWを図3等に示すように固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rの間に誘導することができる。
図17Cに示すように、第4の実施の形態の誘導ガイド51Dでは、誘導促進部58Dは、第2のガイド部57の導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向に段差を有する部位を設けて構成される。
具体的には、誘導促進部5Dは、第1のガイド部55で第2のガイド部57に誘導されるワイヤWの送り方向に対し、第1のガイド部55において導入側端部P1より上流側が、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に位置し、導入側端部P1より下流側が、ループRuの径方向の外側に位置する段差を、底面部55Dに設けて構成される。
誘導促進部58Dは、導入側端部P1より上流側の底面部55Dを、導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に突出させた形態である。
第1のガイド部55は、誘導促進部58Dの下流側に、ワイヤWで形成されるループRuの径方向の外側に窪んだ凹部581Dが形成される。そして、誘導ガイド51Dは、第1のガイド部55の凹部581Dに、第2のガイド部57が入る形態である。
誘導ガイド51Dでは、ワイヤWが第1のガイド部55の底面部55Dを構成する誘導促進部58Dに沿って誘導され、ワイヤWの先端WSが誘導促進部58Dを通過すると、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWの先端WSが導入側端部P1より下流側でガイド面57aに接する。
これにより、第1のガイド部55の底面部55Dに接したワイヤWを第2のガイド部57のガイド面57aに誘導でき、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWを図3等に示すように固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rの間に誘導することができる。
図17Dに示すように、第5の実施の形態の誘導ガイド51Eでは、誘導促進部58Eは、第2のガイド部57の導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向に段差を有する部位を設けて構成される。
具体的には、誘導促進部5Eは、第1のガイド部55で第2のガイド部57に誘導されるワイヤWの送り方向に対し、導入側端部P1より上流側の底面部55Dを、導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に設けて構成される。第1のガイド部55は、誘導促進部58Eの下流側に開口部581Eが設けられ、底面部55Dが設けられていない。
誘導ガイド51Eは、開口部581Eに、第2のガイド部57が入る形態である。これにより、第1のガイド部55の底面部55Dで構成される誘導促進部58Eは、導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に位置する。言い換えると、第1のガイド部55の底面部55Dに対して、第2のガイド部57の導入側端部P1が、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側に位置する。このように、第1のガイド部55の底面部55Dと第2のガイド部57の導入側端部P1との位置関係を実現する開口部581Eで、誘導促進部を実現しているとも言える。
誘導ガイド51Eでは、ワイヤWが第1のガイド部55の底面部55Dを構成する誘導促進部58Eに沿って誘導され、ワイヤWの先端WSが誘導促進部58Eを通過すると、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWの先端WSが導入側端部P1より下流側でガイド面57aに接する。
これにより、第1のガイド部55の底面部55Dに接したワイヤWを第2のガイド部57のガイド面57aに誘導でき、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWを図3等に示すように固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rの間に誘導することができる。
図17Eに示すように、第6の実施の形態の誘導ガイド51Fでは、誘導促進部58Fは、第2のガイド部57の導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向に段差を有する部位を設けて構成される。
具体的には、誘導促進部5Fは、第1のガイド部55で第2のガイド部57に誘導されるワイヤWの送り方向に対し、第1のガイド部55において導入側端部P1より上流側が、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に位置し、導入側端部P1より下流側が、ループRuの径方向の外側に位置する段差を、底面部55Dに設けて構成される。
誘導促進部58Fは、導入側端部P1より上流側の底面部55Dを、導入側端部P1に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に設けた形態である。
第1のガイド部55は、誘導促進部58Fの下流側に、ワイヤWで形成されるループRuの径方向の外側に窪んだ凹部581Fが形成される。第1のガイド部55は、導入側端部P1の上流側と下流側で底面部55Dが繋がっておらず、誘導促進部58Eと凹部581Fの間に開口が設けられる。そして、誘導ガイド51Fは、第1のガイド部55の凹部581Fに、第2のガイド部57が入る形態である。
誘導ガイド51Fでは、ワイヤWが第1のガイド部55の底面部55Dを構成する誘導促進部58Fに沿って誘導され、ワイヤWの先端WSが誘導促進部58Fを通過すると、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWの先端WSが導入側端部P1より下流側でガイド面57aに接する。
これにより、第1のガイド部55の底面部55Dに接したワイヤWを第2のガイド部57のガイド面57aに誘導でき、更にワイヤWが正方向に送られることで、ワイヤWを図3等に示すように固定係止部材70Cと第2の可動係止部材70Rの間に誘導することができる。
図17Fに示すように、第7の実施の形態の誘導ガイド51Gでは、誘導促進部58Gが第1のガイド部55と別部品で構成される。誘導促進部58Gは、円筒状、円柱状、中空または中実の角柱状の部材で構成され、誘導促進部58Gの側面が底面部55Dから突出し、誘導面580Gを構成する。誘導促進部58Gが角柱状である場合、誘導促進部58Gの誘導面580Gと、底面部55Dとの成す角が鋭角となるよう構成される。
誘導促進部58Gは、圧入等により第1のガイド部55に取り付けられる構成でも良い。また、誘導促進部58Gは、本体部10A等を介して第1のガイド部55に設けられる構成でも良い。更に、誘導促進部58Gは、所定の形状の板状の部材が、第1のガイド部55に溶接等で取り付けられる構成でも良い。