上記のソリューションは、形状の或る範囲内の所定のタイプの臓器、すなわち、関心ある構造体に関して満足な最終結果をもたらすことができる場合がある。しかしながら、それに基づいて描写が行われる記憶された輪郭のライブラリにその形状があてはまらない関心ある構造体全体の描写は、問題がある及び/又は時間がかかる場合がある。
したがって、本発明の目的は、一方では、比較的軽度の人手の介入を必要とし、他方では、三次元画像データセットにおける改良された幾何学的補間をもたらすソリューションを提供することである。
本発明の一態様によれば、目的は、命令の第1のセットを受信した後で処理ユニットが以下のことを行うように構成される、最初に説明した構成により達成される。ソースデータにおける第2の軸方向の位置で関心ある解剖学的構造体を通る第2の画像スライスにおいて構成されるソースデータの第2の二次元グラフィック表現を定義するソースデータの第2のサブセットを選択する。第2の軸方向の位置は、第1の軸方向の位置とは異なる。次いで、処理ユニットは、グラフィカルディスプレイ上に提示するために第2のインターフェースにソースデータの第2のサブセットを出力させるように構成された制御命令を生成するように構成される。第3のインターフェースを介して、処理ユニットは、第2の画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の第2のエッジを識別する命令の第2のセットを受信するように構成される。その後、第1及び第2のエッジとソースデータに基づいて、処理ユニットは、関心ある解剖学的構造体の境界面の近似を表す三次元シェルを計算するように構成される。
この構成は、第1及び第2のエッジとソースデータを併せて用いることにより、比較的少ない離散ステップで関心ある解剖学的構造体の高品質の描写に達することが可能となるので有利である。他の利点は、輪郭ライブラリが必要とされないことである。さらに、ソースデータの異なるサブセットは、互いに特に類似している必要はない。言い換えれば、画像スライスは、比較的大きい距離だけ分離することができる。もちろん、これはソリューションをユーザの見地から融通性の高いものにする。
本発明のこの態様の一実施形態によれば、処理ユニットは、データポイントの第1及び第2のセット間を排他的に補間することによりソースデータにおける第1及び第2の軸方向の位置間の三次元シェルの最初の推定を計算するように構成され、データポイントの第1のセットは、第1のエッジのアウトラインを記述し、データポイントの第2のセットは、第2のエッジのアウトラインを記述する。したがって、以下の近似プロセスのための信頼できる基礎が確立される。
本発明のこの態様の別の実施形態によれば、第1の画像スライスはソースデータにおいて第1の配向を有し、第2の画像スライスは第1の配向と平行に配向される。処理ユニットはさらに、表面再構築アルゴリズム、例えば、ユーザにより描かれた輪郭、例えば凸包又は同様のものを近似する三次元表面を計算するための形状に基づく補間を採用するアルゴリズム又は任意の他のアルゴリズムを用いることにより三次元シェルの最初の推定を計算するように構成される。これにより、近似プロセスは、ほとんどのタイプの解剖学的構造体に関して容認できる結果へ非常に迅速に収束する。
したがって、好ましくは、処理ユニットは、三次元シェルの最初の推定とソースデータに基づいて、三次元シェルの第1の後続する推定を計算するように構成される。その後、三次元シェルの先行する推定と第1及び第2のエッジとソースデータに基づいて、任意の後続する推定が計算される。これにより、三次元シェルの推定は、手書きの輪郭と画像データとの両方に幾何学的に緊密に保たれ、これは高品質の最終結果を保証する。
本発明のこの態様のさらに別の実施形態によれば、処理ユニットはさらに、第1のエッジの近傍のソースデータの第1のサブセットの第1のデータ部分を解析し、第2のエッジの近傍のソースデータの第2のサブセットの第2のデータ部分を解析するように構成される。これらの解析に基づいて、次に、処理ユニットは、関心ある解剖学的構造体の推定される外周を定義する画像特徴の集合を導出し、例えば調和関数に基づく補間を用いて、画像特徴の集合にさらに基づいて三次元シェルの後続する推定を計算するように構成され、画像特徴の集合は補間プロセスの境界条件を表す。その結果、画像特徴の特性は、関心ある構造体の周りの表面にわたってかなり変化し得るが、その外周は、正確に推定することができる。例えば、この手法は、その骨格が構造体のいくつかの部分で非常に強いエッジを有し、他の部分で非常に弱いエッジを有し得る(そこでは代わりに周囲の構造体が非常に強いエッジを有し得る)大腿骨頭の描写を比較的問題がないものにする。
本発明のこの態様のまたさらに別の実施形態によれば、処理ユニットは、三次元シェルを推定される外周に近似する三角形メッシュ構造の第1反復を生成するように構成される。三角形メッシュ構造は、それぞれメッシュ構造のいくつかの三角形が出会う頂点の組を含む。好ましくは、処理ユニットはさらに、第1反復に加えて、三角形メッシュ構造の少なくとも1つのさらなる反復を生成するように構成され、三角形メッシュ構造の少なくとも1つのさらなる反復は、推定される外周と三角形メッシュ構造の頂点との間の全距離測度に関する第1反復に対する改良である、推定される外周の近似を表す。したがって、関心ある解剖学的構造体の外周を、三角形メッシュ構造を通じて正確に表現することができ、これは効率的なグラフィカル処理及び視覚化を可能にする。
本発明のこの態様の1つのさらなる実施形態によれば、処理ユニットは、第1及び第2のサブセットに加えて、ソースデータの少なくとも1つのさらなるサブセットを選択するように構成される。少なくとも1つのさらなるサブセットは、ソースデータにおける少なくとも1つのさらなる軸方向の位置で関心ある解剖学的構造体を通る少なくとも1つのさらなる画像スライスにおいて構成されるソースデータの少なくとも1つのさらなる二次元グラフィック表現を定義する。少なくとも1つのさらなる軸方向の位置は、第1及び第2の軸方向の位置とは異なる。少なくとも1つのさらなるサブセットのそれぞれに関して、処理ユニットは、グラフィカルディスプレイ上に提示するために第2のインターフェースにソースデータの少なくとも1つのさらなるサブセットを出力させるように構成された制御命令を生成するように構成される。次いで、第3のインターフェースを介して受信した命令の少なくとも1つのさらなるセットに応答して、処理ユニットは、少なくとも1つのさらなる画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の少なくとも1つのさらなるエッジを識別するように構成される。その後、第1、第2、及び少なくとも1つのさらなるエッジとソースデータに基づいて、処理ユニットは、関心ある解剖学的構造体の表面推定を表す三次元シェルの改良バージョンを計算するように構成される。これは、ユーザが1つ以上の手書きの輪郭を追加することにより自動描写プロセスを都合よく支援し、スピードアップできることを意味する。
本発明のこの態様のさらに別の実施形態によれば、第3のインターフェースは、命令の補足的なセットを処理ユニットに送るように構成され、命令の補足的なセットは、前記画像スライスのうちの少なくとも1つにおける関心ある解剖学的構造体の調整されたエッジを識別する。そのうえ、処理ユニットは、調整されたエッジにさらに基づいて三次元シェルを計算するように構成される。したがって、ユーザは、関心ある解剖学的構造体のエッジのアウトラインを直観的な様態で、手動で変更することにより描写プロセスを微調整することもできる。
本発明のこの態様のまたさらに別の実施形態によれば、第3のインターフェースは、例えばコンピュータマウス又は同様のポインティングデバイスを介して生成された、ユーザコマンドの形態の命令のセットを受信することに特化して構成される。
本発明の別の態様によれば、この目的は、命令の第1のセットを受信した後で、ソースデータの第2の二次元グラフィック表現を定義するソースデータの第2のサブセットが選択される、最初に説明した方法により達成される。第2のサブセットは、ソースデータにおける第2の軸方向の位置で関心ある解剖学的構造体を通る第2の画像スライスにおいて構成され、第2の軸方向の位置は第1の軸方向の位置とは異なる。第2のインターフェースを介して、ソースデータの第2のサブセットが、グラフィカルディスプレイ上に提示するために出力される。その後、第3のインターフェースを介して受信した命令の第2のセットに応答して、第2の画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の第2のエッジが識別される。最後に、第1及び第2のエッジとソースデータに基づいて、三次元シェルが計算される。三次元シェルは、関心ある解剖学的構造体の境界面の近似を表す。この方法、並びに、その好ましい実施形態の利点は、提案されるシステムに関する上記の説明から明白である。
本発明のさらなる態様によれば、この目的は、少なくとも1つのプロセッサのメモリにロード可能であり、且つ、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるときに上記で提案した方法を実施するように適応されたソフトウェアを含む、コンピュータプログラムにより達成される。
本発明の別の態様によれば、この目的は、少なくとも1つのプロセッサにロードされるときに上記で提案した方法を行うように少なくとも1つのプロセッサを制御するためのプログラムが記録されている、プロセッサ可読媒体により達成される。
本発明のさらなる利点、有益な特徴、及び用途は、以下の説明及び従属請求項から明白であろう。
ここで、添付図を参照しながら、例として開示される好ましい実施形態によって本発明をより詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る三次元医用画像データを輪郭描出するための画像処理システム100の概要を示す。システム100は、処理ユニット140と、第1、第2、及び第3のインターフェース110、120、及び130を含む。好ましくは、処理ユニット140上で実行されているときに後述する手順を実行するためのソフトウェアを記憶する、メモリ150も含まれる。提示の目的で、図1は、インターフェース110、120、及び130を別個のエンティティとして例示する。しかしながら、実際的な実装では、インターフェースのうちの2つ以上が共通のユニットへ一体化されてよい。
第1のインターフェース110は、関心ある解剖学的構造体を表す三次元医用画像データの形態のソースデータSDに処理ユニット140がアクセスすることを可能にするように構成される。ソースデータSDは、関心ある解剖学的構造体に隣接する組織も含む。提案されるシステム100の目的は、例えば、関心ある解剖学的構造体の放射線治療を計画するために、この構造体を隣接する組織から区別することができるように、関心ある解剖学的構造体を輪郭描出する、すなわち描写することである。
ここで図2も参照すると、処理ユニット140は、ソースデータSDにおける第1の軸方向の位置z1で関心ある解剖学的構造体を通る第1の画像スライスにおいて構成されるソースデータSDの第1の二次元グラフィック表現を定義するソースデータSDの第1のサブセットsd1を選択するように構成される。
第2のインターフェース120は、グラフィカルディスプレイ170上に提示するためにソースデータの第1のサブセットsd1を出力するように構成される。ソースデータの第1のサブセットsd1は、処理ユニット140からの制御命令に応答して出力される。
第3のインターフェース130は、命令[I]edgeの第1のセットを処理ユニット140に送るように構成される。命令[I]edgeの第1のセットは、第1の画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の第1のエッジE1を識別し、好ましくは、キーボード及び/又はコンピュータマウス、又は同様のポインティングデバイスを介して入力されるユーザコマンドucmd1及び/又はucmd2に応答して生成される。
図2は、第1の画像スライスによって表されるソースデータの第1のサブセットsd1でのソースデータSDにおける関心ある解剖学的構造体の形状に第1のエッジE1がどのように従うかを例示する。
命令[I]edgeの第1のセットを受信した後で、処理ユニット140は、ソースデータSDの第2の二次元グラフィック表現を定義するソースデータSDの第2のサブセットsd2を選択するように構成される。第2のサブセットsd2は、ソースデータSDにおける第2の軸方向の位置z2で関心ある解剖学的構造体を通る第2の画像スライスにおいて構成される。第2の軸方向の位置z2は、第1の軸方向の位置z1とは異なる。言い換えれば、第2のサブセットsd2は、ソースデータSDからのデータの別個の二次元スライスを含み、このデータのスライスは、第1のサブセットsd1によって表されるスライスと平行であってよく、又は平行でなくてもよい。しかしながら、後述するように、第1の画像スライスと第2の画像スライスが実際に互いに平行であれば有利である。
処理ユニットは、グラフィカルディスプレイ170上に提示するために、すなわち、ユーザがこれを視覚的に観察し、第2の画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の第2のエッジE2を記述するためのコマンドを生成することができるように、第2のインターフェース120にソースデータSDの第2のサブセットsd2を出力させるように適応された制御命令を生成するように構成される。
したがって、処理ユニットはまた、第3のインターフェース130を介して、第2の画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の第2のエッジE2を識別する命令[I]edgeの第2のセットを受信するように構成される。上記と同様に、命令[I]edgeの第2のセットは、好ましくは、キーボード及び/又はコンピュータマウス、又は同様のポインティングデバイスを介して入力されるユーザコマンドucmd1及び/又はucmd2に応答して生成される。
最後に、処理ユニット140は、第1のエッジE1及び第2のエッジE2とソースデータSDに基づいて、三次元シェル3DSを計算するように構成される。ここで、三次元シェル3DSは、関心ある解剖学的構造体の境界面の近似を表す。三次元シェル3DSは、ソースデータSDと第1のエッジE1及び第2のエッジE2への幾何学的距離との両方を目的関数に組み込む非線形最適化問題を解くことにより反復的に適応される、変形可能表面モデルによって計算されてよい。この手法は、ユーザ入力、すなわち、第1のエッジE1及び第2のエッジE2を定義するユーザコマンドucmd1及び/又はucmd2に三次元シェル3DSが密接に結び付けられることを保証するので有益である。これはまた、比較的少ない離散ステップで高品質の結果に達する。第1のサブセットsd1及び第2のサブセットsd2が平行な画像スライスをそれぞれ表すならば、三次元シェル3DSの最初の推定は、表面再構築アルゴリズム、例えば、ユーザにより描かれた輪郭、例えば凸包又は同様のものを近似する三次元表面を計算するための形状に基づく補間を採用するアルゴリズム又は任意の他のアルゴリズムを用いることにより計算されてよい。すなわち、これにより、近似プロセスは、ほとんどのタイプの解剖学的構造体に関して容認できる結果へ非常に迅速に収束する。
遡れば、ユーザは、既に描かれた輪郭、例えば第1のエッジE1及び/又は第2のエッジE2が、ソースデータSDの画像内容とより良好に一致するように多少異なるアウトラインを有するべきであることに気付くかもしれない。したがって、本発明の一実施形態によれば、第3のインターフェース130は、命令[I]edgeの補足的なセットを処理ユニット140に送るように構成され、命令[I]edgeの補足的なセットは、前記画像スライスのうちの少なくとも1つにおける関心ある解剖学的構造体の調整されたエッジを識別する。また、好ましくは、命令[I]edgeの補足的なセットは、キーボード及び/又はコンピュータマウス、又は同様のポインティングデバイスを介して入力されているユーザコマンドucmd1及び/又はucmd2に応答して生成される。処理ユニット140はさらに、調整されたエッジにさらに基づいて三次元シェル3DSを計算するように構成される。
図3は、三次元シェル3DSを関心ある解剖学的構造体の推定される外周Pに近似する三角形メッシュMの例を示す。三角形メッシュ構造Mは、それぞれメッシュ構造Mのいくつかの三角形が出会う頂点vの組を含む。このタイプの三角形メッシュ表現は、データの効率的なグラフィカル処理及び視覚化を可能にするので有益である。
したがって、処理ユニット140は、好ましくは、三角形分割と、形状に基づく補間に基づいて、三角形メッシュ構造Mの第1反復を生成するように構成される。次いで、メッシュ構造Mは、第1のエッジE1及び第2のエッジE2のそれぞれ及びソースデータSDと離散数のステップで一致するように連続的に適応される。ここで、現在の近似表面が、適応のための拘束表面として用いられる。最初の近似では、この表面は3DS’で表される。
好ましくは、処理ユニット140は、第1反復に加えて、三角形メッシュ構造Mの少なくとも1つのさらなる反復を生成するように構成され、三角形メッシュ構造Mの少なくとも1つのさらなる反復は、推定される外周Pと三角形メッシュ構造Mの頂点vとの間の全距離測度に関する第1反復に対する改良である、推定される外周Pの近似を表す。図4は、三角形メッシュM及び推定される外周Pに関連してこの距離測度を概略的に示す。
上記で簡潔に述べたように、推定される外周Pを定義する画像特徴の特性は、関心ある構造体の周りの表面にわたってかなり変化し得る。難しいシナリオでは、関心ある構造体は、その境界面のいくつかの部分で非常に強いエッジを有し、他の部分で非常に弱いエッジを有する。後者の部分の近くの、周囲の構造体/組織は、代わりに非常に強いエッジを有し得る。この問題に対処するために、図5は、本発明の一実施形態に従ってエッジE1及びE2の近傍のソースデータSDの一部がどのように解析されるかを例示する。
本発明のこの実施形態では、処理ユニット140は、第1のエッジE1の近傍のソースデータSDの第1のサブセットsd1の第1のデータ部分B1を解析し、第2のエッジE2の近傍のソースデータSDの第2のサブセットsd2の第2のデータ部分B2を解析するように構成される。これらの解析に基づいて、処理ユニット140は、関心ある解剖学的構造体の推定される外周Pを定義する画像特徴の集合を導出し、画像特徴の集合にさらに基づいて、三次元シェル3DSの後続する推定を計算するように構成される。
好ましくは、それぞれ第1のエッジE1及び第2のエッジE2の周りで局所的に導出されるこれらの画像特徴は、調和関数を用いて三次元シェル3DSの推定上へ補間される。例えば、処理ユニット140は、調和関数を用いることにより最初の推定3DS’にわたって推定される外周Pを定義する画像特徴の集合を補間するように構成することができる。ここで、第1のデータ部分B1及び第2のデータ部分B2から導出される画像特徴は、補間プロセスの境界条件を表す。
これにより、大腿骨頭の骨格などの同じく非常に複雑な表面を識別し、正確にモデル化することができる。磁気共鳴画像における構造体も、ここでの強度が構造体の表面にわたってかなり変化する場合であっても、上手く描写することができる。
ここで図2に戻り、本発明の別の実施形態を説明する。関心ある解剖学的構造体の形状に応じて、構造体の適切な描写を得るために異なる数のエッジを描くことが適切であり得る。一般に、多くの凹面要素を有する構造体は、全体として凸形の形状を有する構造体よりも多くのエッジをユーザが定義することを必要とする。
したがって、融通性の向上のために、処理ユニット140は、好ましくは、第1のサブセットsd1及び第2のサブセットsd2それぞれに加えて、ソースデータSDの少なくとも1つのさらなるサブセットを選択するように構成される。図2は、関心ある解剖学的構造体を通る少なくとも1つのさらなる画像スライスにおいて構成されるソースデータSDのさらなる二次元グラフィック表現を定義するこのようなサブセットsd3の例を示す。さらなるサブセットsd3は、ソースデータSDにおけるさらなる軸方向の位置z3に存在し、さらなる軸方向の位置z3は、第1の軸方向の位置z1及び第2の軸方向の位置z2とは異なる。
図2に示された例では、さらなるサブセットsd3は、第1のサブセットsd1によって表される画像スライスと平行な画像スライスを表す。このような平行な配向は、三次元シェル3DSが表面再構築アルゴリズム、例えば形状に基づく補間を採用するアルゴリズムを用いることにより計算されることを可能にするので有利である。これは、次に、一般に、近似プロセスがほとんどのタイプの解剖学的構造体に関して容認できる結果へ非常に迅速に収束することにつながる。
ソースデータSDのさらなるサブセットsd3に関して(又は1つ以上存在する場合に、各さらなるサブセットに関して)、処理ユニット140は、ユーザがこの画像データを視覚的に観察し得るように、グラフィカルディスプレイ170上に提示するために第2のインターフェース120にさらなるサブセットsd3を出力させるように適応された制御命令を生成するように構成される。
処理ユニット140は、第3のインターフェース130を介して、さらなる画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の少なくとも1つのさらなるエッジE3を識別する命令[I]edgeのさらなるセットを受信するように構成される。上記と同様に、命令[I]edgeのさらなるセットは、好ましくは、キーボード及び/又はコンピュータマウス、又は同様のポインティングデバイスを介して入力されているユーザコマンドucmd1及び/又はucmd2に応答して生成される。
処理ユニット140は、第1、第2、及びさらなるエッジE1、E2、及びE3それぞれとソースデータSDに基づいて、三次元シェルの改良バージョン3DSiを計算するように構成される。ここで、三次元シェルの改良バージョン3DSiは、関心ある解剖学的構造体の更新された表面推定を表す。
処理ユニット140は、コンピュータプログラムを実行することにより上記の手順を行うように構成されれば一般に有利である。したがって、処理ユニット140は、好ましくは、コンピュータプログラム製品を記憶するメモリユニットに通信可能に接続され、コンピュータプログラム製品は、処理ユニット140により実行可能な命令を含み、それにより、処理ユニット140は、コンピュータプログラム製品が処理ユニット140上で実行されるときに前述のアクションを実行するように動作可能である。
要約するために、図6での流れ図を参照しながら、ここで、三次元医用画像データを輪郭描出するための本発明に係る一般的方法を説明する。
最初のステップ610において、関心ある解剖学的構造体、並びに、関心ある解剖学的構造体に隣接する組織の3D画像を表す、ソースデータが受信される。
次いで、ステップ620において、ソースデータの第1のサブセットが選択され、グラフィカルディスプレイ上に提示される。ソースデータの第1のサブセットは、ソースデータの第1の二次元グラフィック表現を定義し、第1のサブセットは、ソースデータにおける第1の軸方向の位置で関心ある解剖学的構造体を通る第1の画像スライスにおいて構成される。
その後、ステップ630で、命令の第1のセットが受信されているかをチェックする。好ましくは、命令の第1のセットは、ユーザにより例えばコンピュータマウスを介して入力される手動コマンドに応答して生成される。このような命令の第1のセットが受信されている場合、手順はステップ640へ続く。そうでなければ、手順はループバックし、ステップ630にとどまる。
ステップ640において、命令の第1のセットに応答して第1の画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の第1のエッジが識別される。好ましくは、第1のエッジを例示するグラフィックスも、ユーザへのフィードバックとしてグラフィカルディスプレイ上に提示される。
次いで、ステップ650において、ソースデータの第2のサブセットが選択され、グラフィカルディスプレイ上に提示される。ソースデータの第2のサブセットは、ソースデータの第2の二次元グラフィック表現を定義し、第2のサブセットは、ソースデータにおける第2の軸方向の位置で関心ある解剖学的構造体を通る第2の画像スライスにおいて構成され、第2の軸方向の位置は第1の軸方向の位置とは異なる。
その後、ステップ660で、命令の第2のセットが受信されているかをチェックする。上記と同様に、命令の第2のセットは、好ましくは、ユーザにより例えばコンピュータマウスを介して入力される手動コマンドに応答して生成される。このような命令の第2のセットが受信されている場合、手順はステップ670へ続く。そうでなければ、手順はループバックし、ステップ660にとどまる。
ステップ670において、命令の第2のセットに応答して第2の画像スライスにおける関心ある解剖学的構造体の第2のエッジが識別される。
その後、ステップ680において、第1及び第2のエッジとソースデータに基づいて、三次元シェルが計算される。三次元シェルは、関心ある解剖学的構造体の境界面の近似を表し、したがって、三次元シェルは反復的に計算される。図7は、本発明の一実施形態に従ってこれをどのように行うことができるかを例示する流れ図を示す。
ここで、最初のステップ710において、データポイントの第1及び第2のセット間の補間により、ソースデータにおける第1及び第2の軸方向の位置間の三次元シェルの最初の推定が計算される。データポイントの第1のセットは、第1のエッジの第1のアウトラインを記述し、データポイントの第2のセットは、第2のエッジの第2のアウトラインを記述する。
その後、ステップ720において、関心ある解剖学的構造体の推定される外周を定義する画像特徴の集合が導出される。好ましくは、画像特徴の集合は、第1及び第2のエッジのそれぞれの近傍のソースデータの解析に基づいて導出される。
次いで、ステップ730において、三次元シェルの後続する推定が、三次元シェルの先行する推定(すなわち、第1反復での最初の推定)、第1及び第2のエッジ、画像特徴の集合、及びソースデータに基づいて計算される。
その後、ステップ740で、品質基準が満たされているかをチェックし、例えば、基準は、画像情報と第1及び第2のエッジへの幾何学的距離との両方を目的関数に組み込む非線形最適化問題の観点で表される。前記基準が満たされている場合、手順は終了する。そうでなければ、手順はステップ730へループバックする。
上記の図6及び図7を参照して説明したプロセスステップ並びにステップの任意のサブシーケンスのすべては、プログラムされたプロセッサによって制御され得る。そのうえ、図面を参照して前述した本発明の実施形態は、プロセッサと、少なくとも1つのプロセッサにおいて行われるプロセスを含むが、本発明は、コンピュータプログラム、特に、本発明を実施するように適応されるキャリア上又は内のコンピュータプログラムにも拡張される。プログラムは、部分的にコンパイルされた形態又は本発明に係るプロセスの実装に用いるのに適した任意の他の形態などのソースコード、オブジェクトコード、中間ソースコード、及びオブジェクトコードの形態であり得る。プログラムは、オペレーティングシステムの一部、又は別個のアプリケーションであり得る。キャリアは、プログラムを搭載することができる任意のエンティティ又はデバイスであり得る。例えば、キャリアは、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)、例えばDVD(Digital Video/Versatile Disk)、CD(Compact Disc)、又は半導体ROM、EPROM(Erasable Programmable Read−Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などの記憶媒体、又は磁気記録媒体、例えばフロッピーディスク又はハードディスクを含み得る。さらに、キャリアは、電気ケーブル又は光ケーブルを介して若しくは無線又は他の手段により伝達され得る電気信号又は光信号などの伝送可能なキャリアであり得る。プログラムが、ケーブル又は他のデバイス又は手段により直接伝達され得る信号で具体化されるとき、キャリアは、このようなケーブル又はデバイス又は手段により構成され得る。代替的に、キャリアは、プログラムが組み込まれる集積回路であってよく、集積回路は、該当するプロセスを行う又は行う際に用いるように適応される。
本明細書で用いられるときの「備える、含む」という用語は、表記された特徴、整数、ステップ、又はコンポーネントの存在を明記するために採用される。しかしながら、該用語は、1つ以上の付加的な特徴、整数、ステップ、又はコンポーネント、又はその群の存在又は追加を除外しない。
本発明は、図面で説明した実施形態に限定されず、請求項の範囲内で自由に変更され得る。