JP2020193932A - 熱伝達率センサ - Google Patents
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Abstract
Description
前記第1媒体の側に位置する第1表面(201)と、前記第1表面の反対側に位置して前記第2媒体の側に位置する第2表面(202)とにそれぞれ計測点(P)が設けられた第1測温体(2)、及び前記第1測温体の前記計測点によって生じる第1起電力(V1)を検出する第1検出回路(24)を有する第1検出部(12)と、
前記第1媒体の側に位置する第1表面(301)と、前記第1表面の反対側に位置して前記第2媒体の側に位置する第2表面(302)とにそれぞれ計測点(P)が設けられ、前記第1表面と前記第2表面とが対向する厚み方向(T)に熱が通過するときの熱抵抗(R1,R2)が前記第1測温体と異なる第2測温体(3)、及び前記第2測温体の前記計測点によって生じる第2起電力(V2)を検出する第2検出回路(34)を有する第2検出部(13)と、
前記第1起電力と前記第2起電力との比を利用して、前記第1媒体と前記第2媒体との間の熱伝達率を算出する算出部(4)と、を備える熱伝達率センサにある。
<実施形態>
本形態の熱伝達率センサ1は、図1〜図3に示すように、固体としての第1媒体B1と、流体としての第2媒体B2との間の熱伝達率hを測定するものである。ここで、図1は、熱伝達率センサ1の構成を示し、図2は、第1媒体B1と第2媒体B2との配置環境を示し、図3は、熱伝達率センサ1が配置された第1媒体B1と第2媒体B2との配置環境を示す。
(熱伝達率センサ1)
図2に示すように、熱伝達率センサ1は、固体と気体、固体と液体、固体と固体との間において熱伝達が生じる環境下において、熱伝達率hを測定するために用いられる。熱伝達率hは、熱解析等のシミュレーションを行う際に、シミュレーションを行う環境下における種々の媒体B1,B2間の熱伝達率hとして入力するために、熱伝達率センサ1によって測定することができる。熱伝達率センサ1によって媒体B1,B2間の熱伝達率hを実際に測定し、この実際に測定された熱伝達率hの値を用いることにより、熱解析等のシミュレーションの精度を向上させることができる。
熱伝達率センサ1によって熱伝達率hを測定する対象は、種々の流体が流れる配管、機器等とすることができる。熱伝達率hの測定対象は、例えば、冷媒が流れる種々の機器とすることができる。この場合には、第1媒体B1は、固体としての金属部材とし、第2媒体B2は、流体としての冷媒とすることができる。
図1及び図4に示すように、第1測温体2及び第2測温体3は、導通部21,31と導通部21,31を絶縁する絶縁部22,32とによって構成されている。導通部21,31は、P型半導体211,311とN型半導体212,312とが、第1表面201,301の側の端部と第2表面202,302の側の端部とにおいて、計測点Pを形成するとともに、導体213,313を介して交互に複数個のP型半導体211,311及びN型半導体212,312が直列に電気接続されたものである。P型半導体211,311及びN型半導体212,312は、熱を電力に変換する熱電変換素子を構成するものである。P型半導体211,311及びN型半導体212,312には、例えば、ビスマス・テルル系(Bi−Te系)の材料を用いることができる。
図1に示すように、第1検出回路24は、第1測温体2の導通部21の両端部に生じる第1起電力V1を検出するよう構成されている。第1起電力V1は、第1媒体B1の温度と第2媒体B2の温度との違いによって、第1測温体2の導通部21における複数のP型半導体211及びN型半導体212に生じる電圧である。第2検出回路34は、第2測温体3の導通部31の両端部に生じる第2起電力V2を検出するよう構成されている。第2起電力V2は、第1媒体B1の温度と第2媒体B2の温度との違いによって、第2測温体3の導通部31における複数のP型半導体311及びN型半導体312に生じる電圧である。
図1に示すように、本形態の第1測温体2と第2測温体3とは、同形状に形成されている。第1測温体2の第1表面201には、第1測温体2を第1媒体B1の壁面B11に貼り付けるための貼付層23が設けられている。第2測温体3の第1表面301には、第2測温体3を第1媒体B1の壁面B11に貼り付けるための貼付層33が設けられている。第1測温体2と第2測温体3とは、互いに隣接する状態で第1媒体B1の壁面B11に貼り付けられる。
図2に示すように、固体としての第1媒体B1の壁面B11に測温体2,3が配置されていない状態において、第1媒体B1と、流体としての第2媒体B2との間の熱流束q[W/m2]は、第1媒体B1と第2媒体B2との間の温度差ΔT[K]、及び第1媒体B1と第2媒体B2との間の熱抵抗R[K・m2/W]を用いて、q=ΔT/Rの式によって表される。また、熱伝達率h[W/(m2・K)]は、熱抵抗R[K・m2/W]の逆数として、h=1/Rとして表される。
測温体2,3が配置された場合の第1媒体B1と第2媒体B2との間の熱流束qxと、測温体2,3が配置されていない場合の第1媒体B1と第2媒体B2との間の熱流束qとの比は、熱通過率qx/qとして表される。そして、前述した熱流束qのq=ΔT/Rの式と、熱流束qxのqx=ΔT/(R+Rx)の式とを用いて、熱通過率qx/qは、qx/q=1/(1+Rx/R)=1/(1+Rx・h)によって表される。
図8に示すように、算出部4は、熱伝達率センサ1の使用前であるマップ作成時に作成されて、第1起電力(第1出力電圧)V1と第2起電力(第2出力電圧)V2との比と、熱伝達率hとの関係が求められた関係マップMを有する。関係マップMは、熱伝達率センサ1の試作品について求められたものが、熱伝達率センサ1の製品の算出部4において記憶される。関係マップMは、マップ作成時において、第1起電力V1と第2起電力V2との比と、熱伝達率hとの関係として求められる。本形態においては、第1起電力V1と第2起電力V2との比は、第1起電力V1を第2起電力V2によって除算した値V1/V2とし、これを出力電圧比V1/V2として表す。
マップ作成時において、熱伝達率センサ1の試作品について、熱伝達率hの測定試験が行われ、熱伝達率hと出力電圧比V1/V2との関係マップMが作成され、この関係マップMが算出部4に記憶される。次いで、センサ使用時において、熱伝達率センサ1の第1測温体2及び第2測温体3が第1媒体B1の壁面B11に貼り付けられる。そして、第1検出回路24によって第1測温体2の導通部21に生じる第1起電力V1が検出されるとともに、第2検出回路34によって第2測温体3の導通部31に生じる第2起電力V2が検出される。
本形態の熱伝達率センサ1は、熱流センサ、熱流束センサ等の名称で知られる2つの測温体2,3を利用して熱伝達率hを算出する際に、新たな測定原理を導入したものである。具体的には、第1検出部12によって第1測温体2の導通部21の両端に生じる第1起電力V1を検出するとともに、第2検出部13によって第2測温体3の導通部31の両端に生じる第2起電力V2を検出する。そして、算出部4によって、第1起電力V1と第2起電力V2との比である出力電圧比V1/V2を、出力電圧比V1/V2と熱伝達率hとの関係マップMに照合して、第1媒体B1と第2媒体B2との間の熱伝達率hを算出する。
12 第1検出部
13 第2検出部
2 第1測温体
24 第1検出回路
3 第2測温体
34 第2検出回路
4 算出部
Claims (4)
- 固体としての第1媒体(B1)と、流体又は固体としての第2媒体(B2)との間の熱伝達率(h)を測定する熱伝達率センサ(1)であって、
前記第1媒体の側に位置する第1表面(201)と、前記第1表面の反対側であって前記第2媒体の側に位置する第2表面(202)とにそれぞれ計測点(P)が設けられた第1測温体(2)、及び前記第1測温体の前記計測点によって生じる第1起電力(V1)を検出する第1検出回路(24)を有する第1検出部(12)と、
前記第1媒体の側に位置する第1表面(301)と、前記第1表面の反対側であって前記第2媒体の側に位置する第2表面(302)とにそれぞれ計測点(P)が設けられ、前記第1表面と前記第2表面とが対向する厚み方向(T)に熱が通過するときの熱抵抗(R1,R2)が前記第1測温体と異なる第2測温体(3)、及び前記第2測温体の前記計測点によって生じる第2起電力(V2)を検出する第2検出回路(34)を有する第2検出部(13)と、
前記第1起電力と前記第2起電力との比を利用して、前記第1媒体と前記第2媒体との間の熱伝達率を算出する算出部(4)と、を備える熱伝達率センサ。 - 前記算出部は、
前記熱伝達率センサの使用前であるマップ作成時に作成され、前記第1起電力と前記第2起電力との比と、前記熱伝達率との関係が求められた関係マップ(M)を有しており、
かつ、前記熱伝達率センサの使用時であるセンサ使用時においては、前記第1検出回路によって検出される第1起電力と、前記第2検出回路によって検出される第2起電力との比を前記関係マップに照合して前記熱伝達率を算出するよう構成されている、請求項1に記載の熱伝達率センサ。 - 前記第1測温体は、P型半導体(211)とN型半導体(212)とが、前記第1表面の側の端部と前記第2表面の側の端部とにおいて、前記計測点を形成するとともに、導体(213)を介して交互に複数個が直列に電気接続された導通部(21)と、絶縁性材料によって構成されて前記導通部を囲む絶縁部(22)とを有し、
前記第1検出回路は、前記第1測温体の前記導通部の両端部に生じる起電力を前記第1起電力として検出するよう構成され、
前記第2測温体は、P型半導体(311)とN型半導体(312)とが、前記第1表面の側の端部と前記第2表面の側の端部とにおいて、前記計測点を形成するとともに、導体(313)を介して交互に複数個が直列に電気接続された導通部(31)と、絶縁性材料によって構成されて前記導通部を囲む絶縁部(32)とを有し、
前記第2検出回路は、前記第2測温体の前記導通部の両端部に生じる起電力を前記第2起電力として検出するよう構成されている、請求項1又は2に記載の熱伝達率センサ。 - 前記第1測温体の熱抵抗(R1)と前記第2測温体の熱抵抗(R2)とは、
前記第1測温体を構成する各部位の材質と前記第2測温体を構成する各部位の材質、
前記第1測温体の前記厚み方向の厚み(u1)と前記第2測温体の前記厚み方向の厚み(u2)、
及び前記第1測温体を前記第1媒体に貼り付けるための貼付層(23)の、材質もしくは前記厚み方向の厚み(t1)と、前記第2測温体を前記第1媒体に貼り付けるための貼付層(33)の、材質もしくは前記厚み方向の厚み(t2)とのうちの少なくとも一つが異なることによって異なっている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝達率センサ。
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