JP2020191633A - 誘電体導波管型共振部品及びその特性調整方法 - Google Patents

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原田 信洋
Nobuhiro Harada
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Abstract

【課題】構成部品に若干の寸法ずれが発生しても、共振周波数を微調整することができ、製品歩留まりの良い小型の誘電体導波管型共振部品を提供する。【解決手段】誘電体導波管型共振部品が、相互に反対側に位置する第1の面及び第2の面と、第1の面の外周縁と第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、第1の面に設けられた凹部とを有する誘電体ブロックと、誘電体ブロックの外面及び凹部の内壁に形成された導体膜とを備え、導体膜を取り除いた非メタライズ部を有し、非メタライズ部は、凹部の底面の少なくとも一部の領域、凹部の開口端の外周縁の少なくとも一部を含む領域、及び凹部の底面に対向する、第2の面の領域の少なくとも一部の領域のうちの少なくとも一つの領域に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体導波管型共振部品及びその特性調整方法に関し、特にマイクロ波帯やミリ波帯での使用に適した誘電体導波管型共振部品及びその特性調整方法に関する。
携帯電話機などの移動通信機器に用いられる誘電体共振部品としては、例えば、特許文献1に記載された誘電体導波管型共振器、及び特許文献2に記載された誘電体フィルタがある。
特許文献1には、誘電体ブロックの外面に導電体膜を形成して誘電体導波管型共振器を構成するとともに、誘電体ブロックに貫通孔を形成することの記載がある。そして、誘電体ブロックの外形寸法(a、b、c)によって無負荷Qを設定し、この外形寸法と貫通孔の大きさ及び形成位置によって共振周波数を設定することが記載されている。
また、特許文献1には、誘電体ブロックの外面に端子電極を形成するとともに、誘電体ブロックの内部に内面に結合用電極を有する孔を形成し、その一方端を端子電極に接続し、他方端を導電体膜に接続することの記載がある。
特許文献2には、誘電体フィルタが、4つの共振空洞を含み、各共振空洞がデバックホールと呼ばれる窪みを含み、そのバッグホールがセラミクス等の本体の四隅にそれぞれ配置されることの記載がある。そして、デバックホールの深さによってデバックホールに対応する共振空洞の共振周波数が決定されることの記載がある。
特開平10−93311号公報 特表2018−526949号公報
特許文献1及び特許文献2に記載されるように、誘電体導波管型共振部品の共振周波数は誘電体ブロックに設けられる孔や窪みの形状によって変わるが、孔や窪みの形状が金型等で決められると、製造過程で若干の寸法ずれが発生した場合に、あとから微調整をすることは難しい。そのため、誘電体導波管型共振部品の歩留まりを悪化させる場合があった。
本発明の目的は、誘電体導波管型共振部品及びその特性調整方法において、製造過程で誘電体ブロック、導体膜などの構成部品に若干の寸法ずれが発生しても、共振周波数を微調整することができ、製品歩留まりの良い小型の誘電体導波管型共振部品及びその特性調整方法を提供することにある。
(1)本発明の第1の態様となる誘電体導波管型共振部品は、相互に反対側に位置する第1の面及び第2の面と、該第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、前記第1の面に設けられた凹部と、を有する誘電体ブロックと、
前記誘電体ブロックの外面及び前記凹部の内壁に形成された導体膜と、を備え、
前記導体膜を取り除いた非メタライズ部を有し、
前記非メタライズ部は、前記凹部の底面の少なくとも一部の領域、前記凹部の開口端の外周縁の少なくとも一部を含む領域、及び前記凹部の底面に対向する、前記第2の面の領域の少なくとも一部の領域のうちの少なくとも一つの領域に設けられている、誘電体導波管型共振部品である。
(2) 上記(1)に記載された誘電体導波管型共振部品において、前記凹部は前記誘電体ブロックの中央部に形成されていることが望ましい。
(3) 本発明の第2の態様となる誘電体導波管型共振部品は、上記(1)又は(2)に記載された誘電体導波管型共振部品を誘電体導波管型共振器として複数備え、複数の該誘電体導波管型共振器が相互に結合された誘電体導波管型共振部品である。
(4) 上記(3)に記載された誘電体導波管型共振部品において、前記非メタライズ部は、前記凹部の底面の少なくとも一部の領域と、前記凹部の開口端の外周縁の少なくとも一部の領域とのうちの少なくとも一つの領域に設けられ、前記第2の面に入出力端子が設けられていることが望ましい。
(5) 上記(3)に記載された誘電体導波管型共振部品において、前記非メタライズ部は、前記凹部の底面に対向する、前記第2の面の領域の少なくとも一部に設けられ、前記第1の面に入出力端子が設けられていることが望ましい。
(6) 上記(3)から(5)のいずれか1項に記載された誘電体導波管型共振部品において、相互に隣接する前記誘電体導波管型共振器を仕切るためのスロットを備えることが望ましい。
(7) 本発明の第3の態様となる誘電体導波管型共振部品の特性調整方法は、上記(1)から(6)のいずれかに記載の誘電体導波管型共振部品の前記非メタライズ部の面積を変えることで共振周波数を調整する誘電体導波管型共振部品の特性調整方法である。
本発明によれば、製造過程で誘電体ブロック、導体膜などの構成部品に若干の寸法ずれが発生しても、非メタライズ部の面積を調整することにより、共振周波数を微調整することができ、従って、小型で製品歩留まりのよい誘電体導波管型共振部品を提供できる。
本発明の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。 (A)は本発明の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す正面図、(B)は、図1のA−A’部の断面図である。 非メタライズ部の直径と誘電体導波管型共振部品の共振周波数との関係を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。 (A)は本発明の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す正面図、(B)は、図4のA−A’部の断面図である。 非メタライズ部の角度と誘電体導波管型共振部品の共振周波数との関係を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。 本発明の第3の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を図7とは異なる側から見た模式的斜視図である。 本発明の第3の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を底面側から見た模式的斜視図である。 図7のA−A’部の断面図である。 本発明の第3の実施の形態の他の構成例による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。 図11のA−A’部の断面図である。 (A)は本発明の第4の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す底面図、(B)は、図13(A)のA−A’部の断面図である。 本発明の第5の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。 本発明の第5の実施の形態による誘電体導波管型共振部品の底面側から見た模式的斜視図である。 図14のA−A’部の断面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。図2の(A)は本発明の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す正面図、図2の(B)は、図1のA−A’部の断面図である。本実施形態の誘電体導波管型共振部品は誘電体導波管型共振器である。
誘電体導波管型共振部品1Aは、誘電体ブロック10Aを有する。誘電体ブロック10Aの材料は、たとえばMgO、TiOを主成分とするセラミックであり、比誘電率εrが20程度の誘電体セラミックスを好適に使用することができる。
誘電体ブロック10Aは、長さL、幅W及び高さHの略直方体の基本形状を持つ。高さHはたとえば約5.5mmであり、幅W、長さLはたとえばともに約12mmである。誘電体ブロック10Aは、高さHを隔てて互いに反対側に位置する第1の面11及び第2の面12と、第1の面11の外周縁と第2の面12の外周縁との間に位置する4つの側壁面13−1〜13−4とを有する。誘電体ブロック10Aの形状は特に直方体に限定されず他の形状であってもよい。側壁面の数は誘電体ブロック10Aの形状が略直方体であるため4つであるが、側壁面の数は誘電体ブロック10Aの形状によって決められ、例えば誘電体ブロック10Aの形状が、断面が三角形、五角形、六角形である立方体である場合には、側壁面の数はそれぞれ3つ、5つ、6つとなる。
図2の(A)及び(B)に示すように、誘電体ブロック10Aには、第1の面11のほぼ中央部に凹部14が形成されている。凹部14の形状はたとえば直径が約2.8mm、深さが約2mmの円柱である。凹部14の形状は特に円柱状に限定されるものではなく、例えば、断面が四角形、五角形、六角形である柱状であってもよい。
誘電体ブロック10Aの外面、すなわち第1の面11、第2の面12、側壁面13−1〜13−4、及び凹部14の内壁には導体膜15が付されている。導体膜15の材料としては、たとえば銀が使用される。
凹部14の底面の少なくとも一部の領域には、非メタライズ部16が設けてあり、非メタライズ部16において、誘電体ブロック10Aの誘電体セラミックが露出している。非メタライズ部16は、たとえばダイヤモンドの刃先を具備したリューター等で導体膜15を除去することで形成される。
かくして、本実施形態では、TE101モードの誘電体導波管型共振部品1Aが構成される。
本実施形態において、誘電体ブロック10Aの第1の面11に、導体膜15を内壁に有する凹部14を設けたことで凹部14が電界に摂動として作用し、共振周波数が下降する。また、凹部14の内壁の底面に設けた非メタライズ部16の面積で摂動量が変化するため、非メタライズ部16の面積を変えることで共振周波数を細かく調整することができる。
TE101モードの誘電体導波管型共振部品1Aの場合、電界の最も強い位置は第1の面11の中央部であり、この位置に凹部14を設定することで共振周波数をより広い範囲で調整することができる。よって、凹部14は第1の面11の中央部に形成されることが望ましいが、共振周波数を意図する値に調整可能な範囲であれば、第1の面11の中央部からずれた位置に凹部14が形成されてもよい。
本実施形態における凹部14の内壁の底面の非メタライズ部16の直径と誘電体導波管型共振部品1Aの共振周波数との関係をシミュレーションした特性図を図3に示す。ここで、簡略化のために非メタライズ部16の形状を円形状とし、横軸を非メタライズ部16の直径φとした。
図3より、非メタライズ部16の直径φすなわち面積を大きくすると、共振周波数が高くなり、非メタライズ部16の面積で共振周波数を調整することができることがわかる。
非メタライズ部16の形状は、円形に限るものではなくその他の形状でも良い。例えば、四角形、楕円形等であってもよい。非メタライズ部16の形状は凹部14の断面形状の相似形となっているが、凹部14の断面形状と異なる形状であってもよい。
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。図5の(A)は本発明の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す正面図、図5の(B)は、図4のA−A’部の断面図である。図4及び図5において、図1及び図2の構成部材と同一構成部材については同一符号を付する。本実施形態の誘電体導波管型共振部品は第1の実施形態と同様に誘電体導波管型共振器である。
本発明の第2の実施の形態による誘電体導波管型共振部品1Bに用いられる誘電体ブロック10Bの形状及び材料は、第1の実施の形態に用いられる誘電体ブロック10Aの形状及び材料と同様である。
本実施形態の誘電体導波管型共振部品1Bは、第1の実施形態の誘電体導波管型共振部品1Aの非メタライズ部16に替わって非メタライズ部17を備えている。非メタライズ部17は、凹部14の円周に沿った第1の面11の一部領域17aと、凹部14の円周に沿った内壁の一部領域17bとからなり、一部領域17aに対応する第1の面11の導体膜15と、一部領域17bに対応する内壁の導体膜15を取り除くことで形成される。非メタライズ部17の一部領域17aと一部領域17bとは繋がっており、非メタライズ部17において、誘電体ブロック10Bの誘電体セラミックが露出している。非メタライズ部17を設ける位置は、凹部14の円周に沿っていればよく、特に図4及び図5に示した位置に限定されない。
本実施形態における非メタライズ部17の角度と誘電体導波管型共振部品1Bの共振周波数との関係をシミュレーションした特性図を図6に示す。ここで、簡略化のために非メタライズ部17は、一部領域17aの幅a、及び一部領域17bの幅bをそれぞれ0.4mmに設定し、凹部14の中心軸を中心とした非メタライズ部17の角度をθとした。
図6より、非メタライズ部17の角度θすなわち面積を大きくすると、共振周波数が低くなり、非メタライズ部17の面積で共振周波数を調整することができる。特に角度60度以上で共振周波数の変化が大きいためその効果は格別であり、より広い範囲で周波数調整が可能となる。
なお、非メタライズ部17の角度θを変えて面積を変える替わりに、非メタライズ部17の一部領域17aの幅a及び/又は一部領域17bの幅bを変えて面積を変えてもよい。また、非メタライズ部17の角度θと、非メタライズ部17の一部領域17aの幅a及び/又は一部領域17bの幅bとを変えて面積を変えてもよい。
非メタライズ部17を設ける場合、一部領域17aの幅aと一部領域17bの幅bとは同じである必要はなく、幅aを幅bよりも大きく、又は幅bを幅aよりも大きくしてもよい。
非メタライズ部17は、図5の(B)の凹部14の開口端の円周縁18の少なくとも一部を含む領域の導体膜を取り除くように形成される。また、非メタライズ部17は凹部14の開口端の円周縁18を含む導体膜が取り除かれていれば、一部領域17a又は一部領域17bのみを設けてもよい。なお、ここでは凹部14を円柱状としているために外周縁は円周縁となる。
本実施形態の誘電体導波管型共振部品1Bにおいて、凹部14の底面に第1の実施形態と同様に非メタライズ部16を設けてもよい。この場合、凹部14の底面に設けられた非メタライズ部16と、非メタライズ部17との両方を用いて共振周波数を調整することができる。
(第3の実施形態)
図7は本発明の第3の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。図8は本発明の第3の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を図7とは異なる側から見た模式的斜視図である。図9は本発明の第3の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を底面側から見た模式的斜視図である。図10は図7のA−A’部の断面図である。図7〜図10において、図1及び図2の構成部材と同一構成部材については同一符号を付する。
本発明の第3の実施の形態による誘電体導波管型共振部品1Cは、第1の実施の形態による誘電体導波管型共振部品1Aで用いられている誘電体導波管型共振器と同様な2つの誘電体導波管型共振器を結合したものであり、誘電体導波管型フィルタとして利用される。なお、図7〜図10に示した第1の面11、第2の面12及び側壁面13−1,13−3は、2つの誘電体導波管型共振器が結合されているので第1の実施形態とは面積が異なり、スロット19−1、19−2が形成されているため形状も異なるが、ここでは、図1及び図2と同一符号を付して説明する。
誘電体ブロック10Cは、第1の実施形態と同じく高さHを隔てて互いに反対側に位置する第1の面11及び第2の面12と、第1の面11の外周縁と第2の面12の外周縁との間に位置する4つの側壁面13−1〜13−4とを有するとともに、スロット19−1、19−2の内壁面を有する。誘電体ブロック10Cは長さL’、幅W及び高さHの略直方体の基本形状を持つ。高さHはたとえば約5.5mmであり、長さL’はたとえば約25mmであり、幅Wはたとえば約12mmである。
側壁面13−1はスロット19−2によって仕切られた側壁面13−1aと側壁面13−1bからなる。また、側壁面13−3はスロット19−1によって仕切られた側壁面13−3aと側壁面13−3bからなる。
誘電体ブロック10Cの材料は、誘電体ブロック10Aと同様に、たとえばMgO、TiOを主成分とするセラミックであり、比誘電率εrが20程度の誘電体セラミックスを好適に使用することができる。
誘電体ブロック10Cは、2個の共振器を構成するように第1の面11から第2の面12にかけて側壁面に形成されたスロット19−1、19−2によって仕切られており、スロット19−1、19−2の大きさで共振器間の結合を調整することができる。
誘電体ブロック10Cの第1の面11には、長手方向で見て、各共振器中央部に凹部14−1、14−2が形成してある。誘電体ブロック10Cの第1の面11、第2の面12、側壁面13−1〜13−4、凹部14−1,14−2の内壁面、及びスロット19−1,19−2の側壁面には導体膜15が形成してある。本実施形態では、TE101モードの2段誘電体導波管型バンドパスフィルタが構成される。
図10に示すように、誘電体ブロック10Cの凹部14−1、14−2の底面には、非メタライズ部16−1、16−2が形成されている。
凹部14−1、14−2の底面に非メタライズ部16−1、16−2を設けることで各共振器の共振周波数を上げることができ、非メタライズ部16−1、16−2の面積を変えることで、共振周波数を調整することができる。
なお、非メタライズ部16−1、16−2の面積は同一でも異なる値に設定されてもよい。非メタライズ部16−1、16−2の面積を互いに異なる値とすれば、異なる共振周波数を設定することができる。
誘電体ブロック10Cの第2の面12には、外部回路と接続するための入出力端子20−1及び20−2が設けられている。入出力端子20−1は第2の面12及び側壁面13−4の導体膜15から隔絶されるように設けられる。入出力端子20−2は第2の面12及び側壁面13−2の導体膜15から隔絶されるように設けられる。
なお、入出力端子20−1及び20−2は、第1の面11と第2の面12とのうちのいずれかの面に設ければよいが、第2の面12に設けることで、入出力端子20−1及び20−2を有する第2の面12を実装基板に実装した後に、第1の面11の側から非メタライズ部16−1、16−2の面積を変えて共振周波数を調整することができる。
図7〜図10に示した第3の実施形態の構成例は、第1の実施形態の誘電体導波管型共振部品1Aで用いられている誘電体導波管型共振器の二つを結合したものである。しかし、第3の実施形態の他の構成例として、第2の実施形態の誘電体導波管型共振部品1Bで用いられている誘電体導波管型共振器の二つを結合して、誘電体導波管型フィルタとしてもよい。
図11は本発明の第3の実施の形態の他の構成例による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。図12は図11のA−A’部の断面図である。
図11及び図12において、図7〜図10の構成部材と同一構成部材については同一符号を付する。本構成例において、誘電体導波管型共振部品を底面側から見た模式的斜視図は図9に示した模式的斜視図と同一である。
本実施形態の他の構成例による誘電体導波管型共振部品1Dは、図11及び図12に示すように、誘電体導波管型共振部品1Cの非メタライズ部16−1、16−2に替わって誘電体ブロック10Dに非メタライズ部17−1、17−2を備えている。非メタライズ部17−1、17−2はそれぞれ第2の実施形態の非メタライズ部17と同じ構成となっているので、ここでは詳細な説明を省略する。
図11及び図12に示すように、非メタライズ部17−1は、誘電体導波管型共振部品1Dの長さ方向(A−A’部の方向)の誘電体導波管型共振部品1Dの中心から遠い側の凹部14−1の円周に沿って形成され、非メタライズ部17−2は、誘電体導波管型共振部品1Dの長さ方向の誘電体導波管型共振部品1Dの中心から近い側の凹部14−2の円周に沿って形成されている。図12に示すように、A−A’部における、誘電体導波管型共振部品1Dの中心から、中心から遠い側の凹部14−1の円周までの距離を距離L1とし、誘電体導波管型共振部品1Dの中心から、中心から近い側の凹部14−2の円周までの距離を距離L2とすると、距離L1>距離L2となる。
非メタライズ部17−1、17−2を設ける位置は、凹部14−1、14−2の円周に沿っていればよく、特に図11及び図12に示した位置に限定されない。例えば、非メタライズ部17−1と非メタライズ部17−2は、互いに対向するように、すなわち、誘電体導波管型共振部品1Dの長さ方向(A−A’部の方向)の誘電体導波管型共振部品1Dの中心から近い側の凹部14−1、14−2の円周に沿うように形成されてもよい。この場合、非メタライズ部17−1の一部領域17a及び一部領域17bと、非メタライズ部17−2の一部領域17a及び一部領域17bとは、互いに対向するように凹部14−1と凹部14−2の円周に沿うように形成される。
誘電体導波管型共振部品1Dにおいては、非メタライズ部17−1、17−2を備えることで各共振器の共振周波数を下げることができ、非メタライズ部17−1、17−2の面積を変えることで、共振周波数を調整することができる。
なお、非メタライズ部17−1、17−2の面積は同一でも異なる値に設定されてもよい。異なる値とすれば、異なる共振周波数を設定することができる。
なお、共振器の個数は、2個に限るものではない。また、凹部の形状は円柱状に限るものではない。
(第4の実施形態)
図13の(A)は本発明の第4の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す底面図、図13の(B)は図13の(A)のA−A’部の断面図である。本実施形態の誘電体導波管型共振部品は誘電体導波管型共振器である。図13において、図1及び図2の構成部材と同一構成部材については同一符号を付する。
本発明の第4の実施の形態による誘電体導波管型共振部品1Eに用いられる誘電体ブロック10Eの形状及び材料は、第1の実施の形態に用いられる誘電体ブロック10Aの形状及び材料と同様である。
本実施形態の本実施形態の誘電体導波管型共振部品1Eは、凹部14の底面に対向する第2の面12の領域の少なくとも一部の領域に、非メタライズ部21が設けてあり、非メタライズ部21において、誘電体ブロック10Eの誘電体セラミックが露出している。非メタライズ部21は、たとえばダイヤモンドの刃先を具備したリューター等で導体膜を除去することで形成される。
本実施形態において、誘電体ブロック10Eの第1の面11に、導体膜15を内壁に有する凹部14を設けたことで凹部14が電界に摂動として作用し、共振周波数が下降する。また、凹部14の内壁の底面に対向する第2の面の領域に設けた非メタライズ部21の面積で第1の実施形態と同様に摂動量が変化するため、非メタライズ部21の面積を変えることで共振周波数を細かく調整することができる。
ここでは、非メタライズ部21の形状を円形状とし、図2に示した非メタライズ部16と同じ直径φとしたが、非メタライズ部21の直径は非メタライズ部16と同じでなくともよい。
また、非メタライズ部21の形状は、円形に限るものではなくその他の形状でも良い。例えば、四角形、楕円形等であってもよい。非メタライズ部21の形状は凹部14の断面形状の相似形となっているが、凹部14の断面形状と異なる形状であってもよい。
本実施形態の誘電体導波管型共振部品1Eにおいて、非メタライズ部21に加えて、第1の実施形態と同様に非メタライズ部16を設けるか、第2の実施形態と同様に非メタライズ部17を設けてよい。また、非メタライズ部16と非メタライズ部17との両方を設けてもよい。この場合、非メタライズ部21と、非メタライズ部16及び/又は非メタライズ部17とを用いて共振周波数を調整することができる。
(第5の実施形態)
図14は本発明の第5の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。図15は本発明の第5の実施の形態による誘電体導波管型共振部品の底面側から見た模式的斜視図である。図16は図14のA−A’部の断面図である。図14〜図16において、図13及び図7〜図10の構成部材と同一構成部材については同一符号を付する。
本発明の第5の実施の形態による誘電体導波管型共振部品1Fは、第4の実施の形態による誘電体導波管型共振部品1Eで用いられている誘電体導波管型共振器と同様な2つの誘電体導波管型共振器を結合したものであり、誘電体導波管型フィルタとして利用される。
本発明の第5の実施の形態による誘電体導波管型共振部品1Fに用いられる誘電体ブロック10Fの形状及び材料は、第3の実施の形態に用いられる誘電体ブロック10Cの形状及び材料と同様である。
図15及び図16に示すように、凹部14−1及び凹部14−2の底面にそれぞれ対向する第2の面12の領域の少なくとも一部の領域に、非メタライズ部21−1、21−2が形成されている。非メタライズ部21−1、21−2の面積を変化させることで、共振周波数を調整することができ、歩留まりの良い小型の、誘電体導波管フィルタを提供できる。
非メタライズ部21−1、21−2の面積は同一でも異なる値に設定されてもよい。非メタライズ部21−1、21−2の面積を互いに異なる値とすれば、異なる共振周波数を設定することができる。
なお、共振器の個数は、2個に限るものではない。また、凹部の形状は円柱状に限るものではない。
誘電体ブロック10Fの第1の面11には、外部回路と接続するための入出力端子20−1及び20−2が設けられている。入出力端子20−1は第1の面11及び側壁面13−4の導体膜15から隔絶されるように設けられる。入出力端子20−2は第1の面11及び側壁面13−2の導体膜15から隔絶されるように設けられる。
なお、入出力端子20−1及び20−2は、第1の面11及び第2の面12のいずれかの面に設ければよいが、第1の面11に設けることで、入出力端子20−1及び20−2を有する第1の面11を実装基板に実装した後に、第2の面12から非メタライズ部21−1、21−2の面積を変えて共振周波数を調整することができる。
また、図7〜図10に示した第3の実施形態のように、凹部14の底面に非メタライズ部16−1、16−2を設ける場合に比べ、第2の面12は平面であるため非メタライズ部21−1、21−2を形成するための導体膜の除去が容易であり、より細かい面積の調整が可能となる。
本実施形態の誘電体導波管型共振部品1Fにおいて、非メタライズ部21−1、21−2に加えて、第3の実施形態と同様に、非メタライズ部16−1、16−2を設けるか、非メタライズ部17−1、17−2を設けてよい。また、非メタライズ部16−1、16−2と非メタライズ部17−1、17−2との両方を設けてもよい。この場合、非メタライズ部21−1、21−2と、非メタライズ部16−1、16−2及び/又は非メタライズ部17−1、17−2とを用いて共振周波数を調整することができる。
以上説明した第1〜第5の実施形態の各実施形態によれば、製造上若干の寸法バラツキがあっても、非メタライズ部を設けることで共振周波数を調整することができ、歩留まりの良い小型の、誘電体導波管型共振器及び誘電体導波管型フィルタを提供できる。
したがって、誘電体ブロックの寸法、又は窪みの大きさや位置によって共振周波数を設定する場合に比べて共振周波数の調整が容易となる。
本発明は、高性能化が要請されている基地局用途などの移動体通信機器に好適に共振部品として適用することができる。
1A、1B、1C、1D、1E、1F 誘電体導波管型共振部品
10A、10B、10C、10D、10E、10F 誘電体ブロック
11 第1の面
12 第2の面
13−1〜13−4 側壁面
14、14−1、14−2 凹部
15 導体膜
16、16−1、16−2 非メタライズ部
17、17−1、17−2 非メタライズ部
18 円周縁
19−1、19−2 スロット
20−1、20−2 入出力端子
21、21−1、21−2 非メタライズ部

Claims (7)

  1. 相互に反対側に位置する第1の面及び第2の面と、該第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、前記第1の面に設けられた凹部と、を有する誘電体ブロックと、
    前記誘電体ブロックの外面及び前記凹部の内壁に形成された導体膜と、を備え、
    前記導体膜を取り除いた非メタライズ部を有し、
    前記非メタライズ部は、前記凹部の底面の少なくとも一部の領域、前記凹部の開口端の外周縁の少なくとも一部を含む領域、及び前記凹部の底面に対向する、前記第2の面の領域の少なくとも一部の領域のうちの少なくとも一つの領域に設けられている、誘電体導波管型共振部品。
  2. 前記凹部は前記誘電体ブロックの中央部に形成されている請求項1に記載の誘電体導波管型共振部品。
  3. 請求項1又は2に記載された誘電体導波管型共振部品を誘電体導波管型共振器として複数備え、複数の該誘電体導波管型共振器が相互に結合された誘電体導波管型共振部品。
  4. 前記非メタライズ部は、前記凹部の底面の少なくとも一部の領域と、前記凹部の開口端の外周縁の少なくとも一部を含む領域とのうちの少なくとも一つの領域に設けられ、
    前記第2の面に入出力端子が設けられている、請求項3に記載の誘電体導波管型共振部品。
  5. 前記非メタライズ部は、前記凹部の底面に対向する、前記第2の面の領域の少なくとも一部に設けられ、
    前記第1の面に入出力端子が設けられている、請求項3に記載の誘電体導波管型共振部品。
  6. 相互に隣接する前記誘電体導波管型共振器を仕切るためのスロットを備える請求項3から5のいずれか1項に記載の誘電体導波管型共振部品。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の誘電体導波管型共振部品の前記非メタライズ部の面積を変えることで共振周波数を調整する誘電体導波管型共振部品の特性調整方法。

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