JP2020191181A - 蓄電デバイスの評価方法、金属片、治具セット、および蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

蓄電デバイスの評価方法、金属片、治具セット、および蓄電デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な蓄電デバイスの評価方法を提供すること。【解決手段】(a)蓄電デバイスが準備される。(b)蓄電デバイスの内部から電極体が取り出される。(c)電極体の外面に金属片が配置される。(d)金属片が電極体に押し込まれる。(e)金属片が押し込まれた電極体の状態により、蓄電デバイスが評価される。金属片が押し込まれる時に、押し治具と、ガイド治具とが使用される。ガイド治具に、貫通孔が設けられている。押し治具は、貫通孔に挿し通される。金属片は、リング形状を有する。金属片は、貫通孔内に配置される。押し治具が金属片を貫通孔から押し出すことにより、金属片が電極体に押し込まれる。【選択図】図1

Description

本開示は、蓄電デバイスの評価方法、金属片、治具セット、および蓄電デバイスの製造方法に関する。
特開2008−270090号公報(特許文献1)は、内部短絡試験の方法を開示している。
特開2008−270090号公報
例えば、蓄電デバイスの製造過程において、金属片が電極体に混入することが想定される。電極体は蓄電デバイスの要部である。電極体は、少なくとも正極および負極を含む。蓄電デバイスの使用開始後に、製造時に混入した金属片によって、内部短絡が発生することが想定される。そのため、金属片による内部短絡を模擬する方法が求められる。
特許文献1の方法においては、電極体の内部に金属片が挿入される。すなわち、電極体が部分的に解体される。解体後、正極と負極との間に、金属片が配置される。通常、正極と負極との間には、絶縁層が配置されている。絶縁層が正極と負極とを電気的に絶縁している。絶縁層は、例えば樹脂材料製の多孔質膜等であり得る。一般に樹脂材料製の多孔質膜は、「セパレータ」と称されている。
従来、金属片はL字形状を有し得る。金属片が挿入された部分が、電極体の外部から、加圧子によって押圧される。従来、加圧子は角柱であり得る。金属片が挿入された部分が押圧されることにより、金属片が絶縁層を突き破る。絶縁層を突き破った金属片が、正極および負極の両方に接触する。これにより、内部短絡が発生し得る。
ただし、電極体の内部に金属片を挿入する作業は、熟練を要する。金属片の挿入時、意図しない所で短絡が発生することがある。
通常、電極体は、解体可能な部品群により構成されている。しかし、例えば全固体電池の電極体は一体物であり得る。全固体電池の電極体は、解体が困難である。
金属片の挿入後、電極体の運搬中に、金属片が動くこともある。加圧子による押圧位置と、金属片の位置とがずれることにより、内部短絡が発生しないこともある。
蓄電デバイスに対して、容量増加が継続的に求められている。蓄電デバイスの容量が増加する程、電極が厚くなる傾向がある。電極が厚い場合、押圧時に金属片が電極に埋もれることがある。その結果、内部短絡が発生しないこともある。
本開示の目的は、新規な蓄電デバイスの評価方法を提供することである。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
〔1〕 本開示の蓄電デバイスの評価方法は、以下の(a)から(e)を含む。
(a) 蓄電デバイスを準備する。
(b) 蓄電デバイスの内部から電極体を取り出す。
(c) 電極体の外面に金属片を配置する。
(d) 金属片を電極体に押し込む。
(e) 金属片が押し込まれた電極体の状態により、蓄電デバイスを評価する。
金属片が押し込まれる時に、押し治具と、ガイド治具とが使用される。
ガイド治具に、貫通孔が設けられている。押し治具は、貫通孔に挿し通される。
金属片は、リング形状を有する。金属片は、貫通孔内に配置される。
押し治具が金属片を貫通孔から押し出すことにより、金属片が電極体に押し込まれる。
本開示の蓄電デバイスの評価方法においては、金属片が電極体の外面に配置される。金属片が電極体の内部に挿入される場合に比して、作業が簡便である。
本開示の蓄電デバイスの評価方法においては、金属片が電極体の外面に配置される。すなわち、電極体の解体が不要である。したがって、本開示の蓄電デバイスの評価方法は、電極体の解体が困難な蓄電デバイスにも適応し得る。電極体の解体が困難な蓄電デバイスとしては、例えば、全固体電池等が挙げられる。
本開示の蓄電デバイスの評価方法においては、ガイド治具の貫通孔内に、金属片が配置される。ガイド治具は、金属片の動きを制限し得る。ガイド治具の貫通孔に、押し治具が挿し通される。ガイド治具は、押し治具の動きも制限し得る。よって、押し治具と金属片との位置ずれが起こり難い。押し治具と金属片との位置ずれが起こり難いため、内部短絡の成功率が向上し得る。
本開示の蓄電デバイスの評価方法においては、金属片がリング形状を有する。本開示の新知見によれば、リング形状の金属片は、電極に埋もれ難い傾向がある。金属片が電極に埋もれ難いため、内部短絡の成功率が向上し得る。
〔2〕 本開示の金属片は、上記〔1〕に記載の蓄電デバイスの評価方法において使用される。金属片はステンレス鋼製であってもよい。金属片は、0.2mm以上0.5mm以下の高さ、0.1mm以上1.5mm以下の内径、および0.3mm以上2.0mm以下の外径を有していてもよい。
本開示の金属片は、蓄電デバイスの評価方法に適した熱容量を有し得る。金属片が適度な熱容量を有することにより、短絡層数(後述)の制御が容易になり得る。
〔3〕 本開示の治具セットは、上記〔1〕に記載の蓄電デバイスの評価方法において使用される。治具セットは、ガイド治具と、押し治具とを含む。ガイド治具および押し治具の各々は、ベークライト製であってもよい。
本開示の治具セットは、蓄電デバイスの評価方法に適した熱伝導率を有し得る。治具セットが適度な熱伝導率を有することにより、短絡層数の制御が容易になり得る。
〔4〕 本開示の蓄電デバイスの製造方法は、以下の(A)および(B)を含む。
(A) 複数個の蓄電デバイスを製造する。
(B) 複数個の蓄電デバイスのうち1個以上の蓄電デバイスを、上記〔1〕に記載の蓄電デバイスの評価方法によって評価する。
本開示の蓄電デバイスの評価方法は、蓄電デバイスの製造方法に組み込まれ得る。本開示の蓄電デバイスの評価方法は、例えば、蓄電デバイスの製造工程における抜き取り検査に利用されてもよい。本開示の蓄電デバイスの評価方法は、例えば、蓄電デバイスの開発工程における仕様検討に利用されてもよい。
図1は、蓄電デバイスの評価方法のフローチャートである。 図2は、角形電池の概略図である。 図3は、電極巻回体の概略図である。 図4は、電極積層体の概略図である。 図5は、円筒形電池の概略図である。 図6は、パウチ形電池の概略図である。 図7は、金属片の配置を説明する概略断面図である。 図8は、金属片の平面図の一例である。 図9は、金属片の断面図の一例である。 図10は、金属片の押し込みを説明する概略断面図である。 図11は、電極体の電圧プロファイルの第1例である。 図12は、ガイド治具の平面図の一例である。 図13は、ガイド治具の断面図の一例である。 図14は、押し治具の平面図の一例である。 図15は、押し治具の断面図の一例である。 図16は、電極体の電圧プロファイルの第2例である。 図17は、本実施形態の蓄電デバイスの製造方法のフローチャートである。 図18は、試験1における金属片の概略図である。 図19は、試験1における金属片の配置を示す概略断面図である。 図20は、試験1における電圧および荷重プロファイルである。 図21は、試験2における電圧プロファイルである。 図22は、試験3における金属片の配置を示す概略断面図である。 図23は、試験3における電圧および荷重プロファイルである。 図24は、試験4における電圧プロファイルである。 図25は、試験5における電圧プロファイルである。 図26は、試験6における電圧プロファイルである。
以下、本開示の実施形態(本明細書においては「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
以下の説明においては、図面が適宜参照される。説明の便宜上、図面中の寸法関係は変更されていることがある。図面に現れている寸法関係が、実際の寸法関係を示すと解されるべきではない。
<蓄電デバイスの評価方法>
図1は、蓄電デバイスの評価方法のフローチャートである。
本実施形態の蓄電デバイスの評価方法は、「(a)蓄電デバイスの準備」、「(b)電極体の取り出し」、「(c)金属片の配置」、「(d)金属片の押し込み」および「(e)評価」を含む。
《(a)蓄電デバイスの準備》
本実施形態の蓄電デバイスの評価方法は、蓄電デバイスを準備することを含む。本実施形態においては、1個の蓄電デバイスが準備されてもよい。複数個の蓄電デバイスが準備されてもよい。
ここでは、蓄電デバイスのSOC(state of charge)が調整されてもよい。SOCは、例えば50%以上150%以下に調整されてもよい。SOCは、例えば80%以上120%以下に調整されてもよい。SOCは、例えば90%以上110%以下に調整されてもよい。
(蓄電デバイス)
「蓄電デバイス」は、電気エネルギーを蓄積するデバイスである。蓄電デバイスの具体的構成は、特に限定されるべきではない。本実施形態における蓄電デバイスは、あらゆる構成の蓄電デバイスを含み得る。
蓄電デバイスは、例えば「電池」であってもよい。蓄電デバイスは、例えば、一次電池であってもよい。蓄電デバイスは、例えば、二次電池であってもよい。蓄電デバイスは、例えば、鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムイオン電池、全固体リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、リチウム一次電池等であってもよい。
蓄電デバイスは、例えば「キャパシタ」であってもよい。蓄電デバイスは、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等であってもよい。
蓄電デバイスは、外装材および電極体を含む。「外装材」は、電極体を収納する部品である。外装材は、例えば「筐体」、「ケース」、「缶」等とも称され得る。外装材は、特に限定されるべきではない。外装材は、例えば金属材料製の容器であってもよい。外装材は、例えばアルミラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。
本実施形態の「電極体」は、少なくとも正極および負極を含む構造単位を示す。電極体は、その構造等に応じて、例えば「電極群」、「電極組立体」、「電極集合体」、「電極巻回体」、「巻回電極体」、「電極積層体」、「積層電極体」、「巻回コア」、「積層コア」、「電極アレイ」等とも称され得る。電極体は、正極および負極に加えて、その他の要素をさらに含んでいてもよい。電極体は、例えば樹脂材料製の多孔質膜を含んでいてもよい。電極体は、例えば電解質を含んでいてもよい。電解質は液体電解質であってもよい。電解質はゲル電解質であってもよい。電解質は固体電解質であってもよい。
以下、蓄電デバイスの代表例である角形電池(prismatic−shaped battery、またはrectangular−shaped battery)、円筒形電池(cylinder−shaped battery)、およびパウチ形電池(pouch−shaped battery)の概略が説明される。
(角形電池)
図2は、角形電池の概略図である。
角形電池100は、蓄電デバイスの代表例のひとつである。角形電池100は、外装材110および電極体120を含む。外装材110は、角形の容器である。「角形」は、直方体形状を示す。外装材110は、例えば、金属材料製であってもよい。外装材110は、例えば、アルミニウム(Al)製、Al合金製等、ステンレス鋼製、鉄(Fe)製、樹脂材料製等であってもよい。外装材110は、例えば、注液孔、ガス排出弁、CID(current interrupt device)等を備えていてもよい。外装材110は、密封されている。外装材110は、電極体120を収納している。
(電極巻回体)
図3は、電極巻回体の概略図である。
本実施形態の電極体120(図2)は、電極巻回体130(図3)であってもよい。電極巻回体130は、帯状のシート群を含み得る。
電極巻回体130は、正極131、負極132およびセパレータ133を含む。正極131、負極132およびセパレータ133は、いずれも帯状のシートである。正極131、セパレータ133、負極132およびセパレータ133がこの順に積層され、さらに、これらが渦巻状に巻回されることにより、電極巻回体130が形成され得る。角形電池100においては、例えばプレス加工により、電極巻回体130が扁平状に成形され得る。電極巻回体130には、電解液が含浸されている。
正極131は、例えば、正極集電体および正極活物質層を含む。正極集電体は、例えば金属箔等を含んでいてもよい。正極集電体は、例えば、Al箔等を含んでいてもよい。正極活物質層は、正極集電体の表面に配置されていてもよい。正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含む。正極活物質層は、正極活物質に加えて、例えば、導電材およびバインダ等をさらに含んでいてもよい。例えば、リチウムイオン電池における正極活物質は、リチウム含有遷移金属複合酸化物(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052等)等を含んでいてもよい。
負極132は、例えば、負極集電体および負極活物質層を含む。負極集電体は、例えば金属箔等であってもよい。負極活物質層は、負極集電体の表面に配置されていてもよい。負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含む。負極活物質層は、負極活物質に加えて、例えば、導電材およびバインダ等をさらに含んでいてもよい。例えば、リチウムイオン電池における負極活物質は、黒鉛等を含んでいてもよい。
セパレータ133は、例えば、樹脂材料製の多孔質膜を含む。セパレータ133は、例えば、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製、ポリアミド(PA)製等であってもよい。多孔質膜は多層構造を有していてもよい。例えば、多孔質膜は、PP層、PE層およびPP層がこの順で積層されることにより形成されていてもよい。
セパレータ133は、樹脂材料製の多孔質膜に加えて、例えばセラミックス層等をさらに含んでいてもよい。セラミックス層は、例えば多孔質膜の表面に配置されていてもよい。セラミックス層は、例えばセラミックス材料およびバインダを含む。セラミックス材料は、例えば、アルミナ、ベーマイト等を含んでいてもよい。
電解液は、液体電解質である。電解液は、例えば溶媒および支持塩を含む。例えば、リチウムイオン電池における溶媒は、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を含んでいてもよい。例えば、リチウムイオン電池における支持塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)等を含んでいてもよい。
(電極積層体)
図4は、電極積層体の概略図である。
本実施形態の電極体120(図2)は、電極積層体140(図4)であってもよい。電極積層体140は、矩形状のシート群を含み得る。
電極積層体140は、正極141、負極142およびセパレータ143を含む。正極141、負極142およびセパレータ143は、いずれも矩形状のシートである。正極141および負極142が交互に積層されることにより、電極積層体140が形成され得る。セパレータ143は、正極141と負極142との間のそれぞれに配置される。電極積層体140には、例えば電解液が含浸されている。
(円筒形電池)
図5は、円筒形電池の概略図である。
円筒形電池200は、蓄電デバイスの代表例のひとつである。円筒形電池200も、外装材210および電極体220を含む。外装材210は、円筒形の容器である。外装材210は、例えばステンレス鋼製、Fe製、樹脂材料製等であってもよい。外装材210は、密封されている。外装材210は、電極体220を収納している。電極体220は、正極221、負極222およびセパレータ223を含む。電極体220は、例えば、電極巻回体であってもよい。電極体220は、例えば、筒状に巻回されていてもよい。
(パウチ形電池)
図6は、パウチ形電池の概略図である。
パウチ形電池300は、蓄電デバイスの代表例のひとつである。パウチ形電池は、例えば「ラミネート型電池(laminated−type battery)」等とも称され得る。パウチ形電池300も、外装材310および電極体(図6においては不図示)を含む。外装材310は、アルミラミネートフィルム製のパウチである。パウチは、例えば熱溶着により密封されている。外装材310は電極体を収納している。電極体は、例えば電極巻回体であってもよい。電極体は、例えば電極積層体であってもよい。
《(b)電極体の取り出し》
本実施形態の蓄電デバイスの評価方法は、蓄電デバイスの内部から電極体を取り出すことを含む。
例えば、図2における外装材110が開封されることにより、角形電池100の内部から電極体120が取り出され得る。例えばリチウムイオン電池等のように、水と反応しやすい材料が電極体120に含まれている場合、電極体120の取り出し、およびその後の作業は、ドライルーム内において実施され得る。
《(c)金属片の配置》
図7は、金属片の配置を説明する概略断面図である。
本実施形態の蓄電デバイスの評価方法は、電極体10の外面に金属片20を配置することを含む。本実施形態においては、電極体10が解体されずに、金属片20が配置され得る。よって作業が簡便である。本実施形態は、解体が困難な電極体10にも適応し得る。解体が困難な電極体10としては、例えば全固体電池の電極体等が挙げられる。
図7の例においては、セパレータ3が電極体10の外面を形成している。ただし、電極体10の外面に、正極1または負極2が露出していてもよい。電極体10の外面に、セパレータ3以外の絶縁材料が配置されていてもよい。
電極体10の外面において、金属片20が配置される位置は特に限定されるべきではない。金属片20は、例えば、電極体10の外面のうち、電極体10の幾何中心に最も近い位置に配置され得る。該位置を中心とする円領域内に、金属片20が配置されてもよい。円領域の大きさは、例えば、電極体10の大きさ等に応じて調整され得る。なお、金属片20は、例えば、後述されるガイド治具31と共に、電極体10の外面に配置されてもよい。
(金属片)
「金属片」は、蓄電デバイスの製造過程において、電極体10に混入し得る物質を模擬している。例えば、溶接時のスパッタ、切断時のカス等が、金属片20によって模擬され得る。金属片20は、例えば「金属小片(small piece of metal)」、「金属異物(metallic foreign matter)」、「金属パーティクル(metallic particle)」、「金属フラグメント(metallic fragment)」等とも称され得る。
図8は、金属片の平面図の一例である。
図9は、金属片の断面図の一例である。
本実施形態の金属片20は、リング形状を有する。金属片20はリング形状を有するため、電極に埋もれ難いと考えられる。本実施形態における「電極」は、正極1および負極2の少なくとも一方を示す。本実施形態においては、金属片20が電極に埋もれ難いため、内部短絡の成功率が向上し得る。
金属片20は金属材料製である。金属片20は導電性を有する。金属片20は、小さい熱容量を有していてもよい。金属片20は、大きい熱容量を有していてもよい。ただし、金属片20の熱容量が過度に大きいと、短絡による熱が金属片20に吸収され得る。後述されるが、金属片20の押し込みは、例えば、所定量の電圧降下が検出されることにより停止される。短絡による熱が金属片20に吸収されることにより、所定量の電圧降下が検出されるまでの押し込み深さが大きくなることもあり得る。押し込み深さが大きくなることにより、例えば、短絡層数が2層以上になり得る。
金属片20の構成材料は、例えば、200J/(g・K)以上700J/(g・K)以下の比熱容量を有していてもよい。比熱容量は、例えば、示差走査熱量計等により測定され得る。金属片20の構成材料は、例えば300J/(g・K)以上の比熱容量を有していてもよい。金属片20の構成材料は、例えば400J/(g・K)以上の比熱容量を有していてもよい。金属片20の構成材料は、例えば600J/(g・K)以下の比熱容量を有していてもよい。金属片20の構成材料は、例えば500J/(g・K)以下の比熱容量を有していてもよい。
金属片20は、例えば、ニッケル(Ni)製、鉄製等であってもよい。金属片20は、例えばステンレス鋼製であってもよい。ステンレス鋼製の金属片20は、適度な熱容量を有し得る。金属片20が適度な熱容量を有することにより、電圧降下が大きくなり、短絡層数の制御が容易になり得る。ステンレス鋼は、例えば、SUS200系(例えばSUS201等)、SUS300系(例えばSUS304、SUS316等)、SUS400系(例えばSUS403、SUS430等)であってもよい。なお「SUS304」等の記号は、「JIS G 4303:2012 ステンレス鋼棒」に規定される「種類の記号」を示している。
金属片20は、例えば、1.5×10-7kJ/K以上2.5×10-7kJ/・K以下の熱容量を有していてもよい。熱容量は、例えば、示差走査熱量計等により測定され得る。金属片20は、例えば1.6×10-7kJ/K以上の熱容量を有していてもよい。金属片20は、例えば、1.7×10-7kJ/K以上の熱容量を有していてもよい。金属片20は、例えば、1.8×10-7kJ/K以上の熱容量を有していてもよい。金属片20は、例えば、2.4×10-7kJ/K以下の熱容量を有していてもよい。金属片20は、例えば、2.3×10-7kJ/K以下の熱容量を有していてもよい。金属片20は、例えば、2.2×10-7kJ/K以下の熱容量を有していてもよい。
金属片20の高さ(h)は、図8および図9におけるy軸方向の寸法である。高さ(h)は、例えば、電極およびセパレータの厚さ、硬さ等に応じて調整され得る。金属片20は、例えば、0.2mm以上0.5mm以下の高さを有していてもよい。金属片20は、例えば0.3mm以上の高さを有していてもよい。金属片20は、例えば0.4mm以下の高さを有していてもよい。
金属片20の内径(φ1)は、例えば、電極およびセパレータの厚さ、硬さ等に応じて調整され得る。金属片20は、例えば、0.1mm以上1.5mm以下の内径を有していてもよい。金属片20は、例えば、0.3mm以上の内径を有していてもよい。金属片20は、例えば、0.5mm以上の内径を有していてもよい。金属片20は、例えば、0.7mm以上の内径を有していてもよい。金属片20は、例えば、1.3mm以下の内径を有していてもよい。金属片20は、例えば、1.1mm以下の内径を有していてもよい。金属片20は、例えば、0.9mm以下の内径を有していてもよい。
金属片20の外径(φ2)は、例えば、電極およびセパレータの厚さ、硬さ等に応じて調整され得る。金属片20は、例えば、0.3mm以上2.0mm以下の外径を有していてもよい。金属片20は、例えば、0.5mm以上の外径を有していてもよい。金属片20は、例えば、0.7mm以上の外径を有していてもよい。金属片20は、例えば、0.9mm以上の外径を有していてもよい。金属片20は、例えば、1.8mm以下の外径を有していてもよい。金属片20は、例えば、1.6mm以下の外径を有していてもよい。金属片20は、例えば、1.4mm以下の外径を有していてもよい。
金属片20の外径と内径との差(φ2−φ1)は、例えば、電極およびセパレータの厚さ、硬さ、目的とする熱容量等に応じて調整され得る。外径と内径との差は、例えば、0.05mm以上1mm以下であってもよい。外径と内径との差は、例えば、0.1mm以上であってもよい。外径と内径との差は、例えば、0.2mm以上であってもよい。外径と内径との差は、例えば、0.3mm以上であってもよい。外径と内径との差は、例えば、0.5mm以上であってもよい。外径と内径との差は、例えば、0.9mm以下であってもよい。外径と内径との差は、例えば、0.8mm以下であってもよい。外径と内径との差は、例えば、0.7mm以下であってもよい。
なお図8においては、金属片20の平面形状が円形であるが、金属片20の平面形状は、円形に限定されるべきではない。金属片20の平面形状は、例えば、楕円形、正方形、長方形、平行四辺形、六角形等であってもよい。金属片20の平面形状が円形ではない場合、金属片20の外径(φ2)は、平面図(図8)における最大径を示す。内径(φ1)についても同様である。
また図8においては、金属片20がその周方向において全周にわたって連続している。ただし、金属片20は、その周方向において全周にわたって連続していなくてもよい。例えば、金属片20が、C字形状等を有していてもよい。
《(d)金属片の押し込み》
図10は、金属片の押し込みを説明する概略断面図である。
本実施形態の蓄電デバイスの評価方法は、金属片20を電極体10に押し込むことを含む。本実施形態においては、金属片20を押し込む時に、特定の治具セット30が使用される。治具セット30の使用により、内部短絡の成功率が向上し得る。
電極体10は、正極1、負極2およびセパレータ3を含む。セパレータ3は、正極1と負極2とを電気的に絶縁している。金属片20は、電極体10の外面に配置される。金属片20は、例えば、ガイド治具31と共に、電極体10の外面に配置されてもよい。ガイド治具31が配置された後、金属片20が配置されてもよい。金属片20が配置された後、ガイド治具31が配置されてもよい。ガイド治具31には、貫通孔35が設けられている。金属片20は、貫通孔35内に配置される。金属片20は、例えば、金属片20と電極体10との接触面積が最大となる姿勢で配置され得る。
押し治具32は、貫通孔35に挿し通されている。例えば、サーボプレス機等によって、y軸方向に、押し治具32が動かされる。押し治具32は、電極体10に向かって動かされる。押し治具32が金属片20を貫通孔35から押し出す。これにより、金属片20が電極体10に押し込まれる。
金属片20は、正極1および負極2の両方に接触する深さまで、押し込まれる。これにより、金属片20によって内部短絡が引き起こされる。
金属片20の押し込み速度は、例えばサーボプレス機等によって制御され得る。金属片20の押し込み速度は、特に限定されるべきではない。金属片20の押し込み速度は、例えば、0.001mm/sec以上0.1mm/sec以下であってもよい。
金属片20が押し込まれる時、例えば、電極体10の電圧が測定されてもよい。電極体10の電圧は、電極体10に含まれる正極1と負極2との電位差を示す。電極体10の電圧は、一般的な電圧測定装置等により測定され得る。
図11は、電極体の電圧プロファイルの第1例である。
図11の縦軸は電圧を示す。図11の横軸は時間を示す。
金属片20によって内部短絡が生じると、電圧降下が生じる。所定量の電圧降下が検出された時、金属片20の押し込み動作が停止されてもよい。図11の例においては、内部短絡が発生する前、電極体10の電圧は4.100Vである。例えば、2mVの電圧降下が検出された時、金属片20の押し込み動作が停止されてもよい。すなわち、電極体10の電圧が4.098Vに達した時、金属片20の押し込み動作が停止されてもよい。
短絡層数は1層であってもよい。短絡層数は2層以上であってもよい。「短絡層数」は、短絡に関与した電極層の総数の半数を示す。例えば、1層の正極1と、1層の負極2とが短絡した場合、短絡に関与した電極層の総数は2層である。短絡層数はその半数である1層である。なお、例えば電極巻回体130の場合(図3)、正極131および負極132は、各1枚である。この場合、例えば、1枚の正極131内であっても、1周ごとに別の層であるとみなされ得る。
実際に、金属片20の混入によって内部短絡が発生した場合、その短絡層数は「1層」になり易いと考えられる。実際に近い内部短絡が発生するように、各種条件が調整されてもよい。すなわち、短絡層数が1層になるように、各種条件が調整されてもよい。例えば、金属片20の寸法、金属片20の熱容量、ガイド治具31の熱伝導率、押し治具32の熱伝導率、押し込み速度、停止条件(電圧降下量)等が調整され得る。これらの条件の調整により、短絡層数が制御され得る。
(治具セット)
治具セット30は、本実施形態の蓄電デバイスの評価方法において使用される。治具セット30は、ガイド治具31と、押し治具32とを含む。治具セット30は、ガイド治具31と、押し治具32とからなっていてもよい。ガイド治具31と押し治具32とは、同一材料によって形成されていてもよい。ガイド治具31と押し治具32とは、互いに異なる材料によって形成されていてもよい。
ガイド治具31および押し治具32の各々は、例えば、導電性であってもよい。ガイド治具31および押し治具32の各々は、例えば、電気絶縁性であってもよい。ガイド治具31および押し治具32の各々が電気絶縁性であることにより、例えば、短絡層数の制御が容易になることもあり得る。
ガイド治具31および押し治具32の各々は、例えば、低い熱伝導率を有していてもよい。ガイド治具31および押し治具32の各々は、例えば、高い熱伝導率を有していてもよい。ただし、ガイド治具31および押し治具32の熱伝導率が過度に高いと、短絡による熱がガイド治具31および押し治具32に吸収され得る。これにより、所定量の電圧降下が起こるまでの押し込み深さが大きくなり得る。押し込み深さが大きくなることにより、例えば、短絡層数が2層以上になり得る。
ガイド治具31および押し治具32の構成材料は、例えば、0.1W/(m・K)以上0.5W/(m・K)以下の熱伝導率を有していてもよい。熱伝導率は、例えば、レーザフラッシュ法等により測定され得る。ガイド治具31および押し治具32の構成材料は、例えば、0.2W/(m・K)以上の熱伝導率を有していてもよい。ガイド治具31および押し治具32の構成材料は、例えば、0.4W/(m・K)以下の熱伝導率を有していてもよい。
ガイド治具31および押し治具32は、例えば、樹脂材料製であってもよい。樹脂材料は、例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等であってもよい。ガイド治具31および押し治具32の各々は、例えば、ベークライト製であってもよい。ベークライトは適度な熱伝導率を有し得る。ガイド治具31および押し治具32が、適度な熱伝導率を有することにより、電圧降下が大きくなり、短絡層数の制御が容易になり得る。
(ガイド治具)
図12は、ガイド治具の平面図の一例である。
図13は、ガイド治具の断面図の一例である。
ガイド治具31は、例えば「押し治具ガイド」、「スリーブ」等とも称され得る。ガイド治具31には、貫通孔35が設けられている。貫通孔35は、例えば丸孔であってもよい。貫通孔35は、例えば角孔であってもよい。例えば、貫通孔35の平面形状、金属片20の平面形状、および押し治具32の平面形状は、相似であってもよい。
貫通孔35の直径は、xz平面(図12)における最大径を示す。貫通孔35の直径は、xz平面における金属片20の動きを制限する程度に、小さくてもよい。貫通孔35の直径は、y軸方向(図13)における金属片20の動きを妨げない程度に、大きくてもよい。貫通孔35の直径は、例えば、金属片20の外径の1倍超、2倍以下であってもよい。貫通孔35の直径は、例えば、金属片20の外径の1倍超、1.5倍以下であってもよい。貫通孔35の直径は、例えば、金属片20の外径の1.05倍以上1.5倍以下であってもよい。貫通孔35の直径は、例えば、金属片20の外径の1.1倍以上1.2倍以下であってもよい。
(押し治具)
図14は、押し治具の平面図の一例である。
図15は、押し治具の断面図の一例である。
押し治具32は、例えば棒状であってもよい。押し治具32は、例えば丸棒であってもよい。押し治具32は、例えば角棒、六角棒、平棒等であってもよい。押し治具32は、ガイド治具31の貫通孔35に挿し通される。押し治具32の直径は、図14の平面図における最大径を示す。押し治具32の直径は、例えば、金属片20の内径よりも大きくてもよい。押し治具32の直径は、例えば、金属片20の外径よりも小さくてもよい。押し治具32の直径は、例えば、金属片20の外径よりも大きくてもよい。押し治具32の直径は、例えば、金属片20の外径以上、貫通孔35の直径未満であってもよい。
《(e)評価》
本実施形態の蓄電デバイスの評価方法は、金属片20が押し込まれた電極体10の状態により、蓄電デバイスを評価することを含む。電極体10の状態の確認は、所定の期間にわたって実施され得る。例えば、所定の電圧降下が検出された後、1分以上1日以下の期間にわたって、電極体10の状態が確認されてもよい。
本実施形態の「電極体の状態」は、例えば電極体10の外観、電極体10の表面温度、および電極体10の電圧からなる群より選択される1つ以上を含む。
電極体10の外観は、目視等により確認され得る。外観は、映像および画像等に記録されてもよい。外観には、例えば変色、発煙等の変化が生じ得る。例えば、外観における変化の有無、外観における変化の大きさ等によって、蓄電デバイスの性能が評価されてもよい。例えば、外観の変化が小さい程、性能が良いと評価されてもよい。
電極体10の表面温度は、例えば、熱電対等により測定され得る。例えば、表面温度の高低により、蓄電デバイスの性能が評価されてもよい。例えば、表面温度が低い程、性能が良いと評価されてもよい。例えば、サーモグラフィにより、電極体10における熱分布が測定されてもよい。熱分布により、蓄電デバイスの性能が評価されてもよい。
図11は、電極体の電圧プロファイルの第1例である。
図16は、電極体の電圧プロファイルの第2例である。
金属片20によって内部短絡が生じると、電圧降下が生じる。電圧降下の後、金属片20の押し込み動作が停止され得る。押し込み動作の停止後、図11のように、電圧上昇が生じることがある。押し込み動作の停止後、図16のように、電圧降下が継続することもある。
電圧上昇は、金属片20の周囲の正極集電体が溶け広がり、短絡状態が解消されたことを示すと考えられる。この現象は「溶断」とも称され得る。溶断が起こりやすい蓄電デバイスは、内部短絡が発生しても、内部短絡が継続し難いと考えられる。例えば、溶断が起こりやすい蓄電デバイス(図11)は、溶断が起こり難い蓄電デバイス(図16)に比して、性能が良いと評価されてもよい。
<蓄電デバイスの製造方法>
図17は、本実施形態の蓄電デバイスの製造方法のフローチャートである。
本実施形態の蓄電デバイスの製造方法は「(A)蓄電デバイスの製造」および「(B)蓄電デバイスの評価」を含む。
《(A)蓄電デバイスの製造》
本実施形態の蓄電デバイスの製造方法は、複数個の蓄電デバイスを製造することを含む。蓄電デバイスの製造方法は、特に限定されるべきではない。蓄電デバイスは、任意の製造方法によって製造され得る。同一仕様の蓄電デバイスが、複数個製造されてもよい。仕様が互いに異なる蓄電デバイスが、それぞれ製造されてもよい。
《(B)蓄電デバイスの評価》
本実施形態の蓄電デバイスの製造方法は、複数個の蓄電デバイスのうち1個以上の蓄電デバイスを、前述された蓄電デバイスの評価方法によって評価することを含む。
本実施形態の蓄電デバイスの評価方法は、例えば、蓄電デバイスの製造工程における抜き取り検査等に利用されてもよい。例えば、ある製造ロットから、1個以上の蓄電デバイスが抜き取られてもよい。例えば、1個以上の蓄電デバイスの評価結果に基づき、当該製造ロットの良否が判定されてもよい。
本実施形態の蓄電デバイスの評価方法は、例えば、蓄電デバイスの開発工程における仕様検討等に利用されてもよい。例えば、ある仕様の蓄電デバイスが複数個製造されてもよい。例えば、1個以上の蓄電デバイスの評価結果に基づき、当該仕様の採否が決定されてもよい。
以下、本開示の実施例(本明細書においては「本実施例」とも記される)が説明される。ただし、以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<検討1.内部短絡の成功率>
検討1においては、各種方法において、内部短絡の成功率が確認された。
《試験1》
蓄電デバイスとして、以下の定格容量を有する角形電池が、各3個ずつ準備された。
定格容量 5Ah、25Ah、50Ah
各角形電池において、定格容量以外の仕様は以下のとおりであった。
外装材 Al合金製の容器
充電上限電圧 4.100V
放電下限電圧 3.000V
電極体 電極巻回体
正極活物質 リチウム含有ニッケルコバルトマンガン複合酸化物
負極活物質 黒鉛
セパレータ 樹脂製の多孔質フィルム(3層構造)
角形電池の電圧が4.100Vに調整された。すなわち、SOCが100%に調整された。ドライルーム内において、外装材が開封された。外装材から電極体が取り出された。
図18は、試験1における金属片の概略図である。
試験1における金属片40は、Ni製であった。金属片40は、L字形状を有していた。L字形状は、幅 1mm×全長 2mm×高さ 0.2mmの寸法を有していた。
図19は、試験1における金属片の配置を示す概略断面図である。
電極体10が部分的に解体された。正極1と負極2との間に、金属片40が挿入された。すなわち、電極体10の内部に金属片40が配置された。
アクリル板片51が準備された。アクリル板片51は、アクリル樹脂製であった。アクリル板片51は、5mm×5mmの平面寸法を有していた。ゴム板片52が準備された。ゴム板片52は、ゴム製であった。ゴム板片52は、アクリル板片51よりも大きい面積を有していた。アクリル板片51とゴム板片52とが積層されることにより、押し治具50が作製された。
電極体10が電圧測定装置に接続された。電極体10の外面において、金属片40が挿入された位置の直上に、押し治具50が配置された。押し治具50がサーボプレス機に接続された。押し治具50により、電極体10が押圧された。ロードセルにより、押し込み荷重が測定された。
図20は、試験1における電圧および荷重プロファイルである。
図20の左側の縦軸は電圧を示す。図20の右側の縦軸は荷重を示す。図20の横軸は時間を示す。
押圧開始後、押し込み荷重が徐々に増加した。その後、電圧降下が検出された。金属片40による内部短絡が発生したと考えられる。電圧が4.098Vまで降下した時点で、押し込み動作が停止された。すなわち、電圧降下量が2mVに到達した時、押し込み動作が停止された。押し込み動作の停止後、電圧上昇が観測された。正極集電体(Al箔)の溶断が起こったためと考えられる。
試験1においては、角形電池の定格容量が大きくなる程、電圧降下量が小さくなる傾向があった。定格容量が大きくなる程、定格容量に対する、短絡により消費される容量の比が小さくなるためと考えられる。
なお、押し込み荷重が400Nに到達した場合は、電圧降下の有無にかかわらず、押し込み動作が停止された。押し込み荷重が400Nに到達するまで、金属片40による内部短絡が発生しない場合は、それ以上押圧しても、金属片40による内部短絡が発生する可能性が低いためである。また、それ以上押圧すると、金属片40による内部短絡とは、異なる現象が観測される可能性がある。
各定格容量の角形電池において、それぞれ3回ずつ、試験が実施された。各試験後、短絡層数が目視により確認された。結果は下記表1に示される。下記表1の短絡層数の欄における「0(ゼロ)」は、内部短絡が発生しなかったことを示す。本検討においては、内部短絡が発生しないことは、不成功とみなされる。短絡層数にかかわらず、内部短絡が発生した場合は、成功とみなされる。
試験1においては、定格容量が大きくなる程、内部短絡の成功率が低下した。すなわち、5Ahの定格容量においては、成功率が100%であり、25Ahの定格容量においては、成功率が67%であり、50Ahの定格容量においては、成功率が33%であった。本検討においては、定格容量が大きい程、電極が厚かった。電極が厚くなる程、金属片40が電極に埋もれやすくなるため、成功率が低下したと考えられる。試験1における成功率の全体の平均は、67%であった。下記表1の成功率の欄の値は、全体の平均を示す。
《試験2》
試験1と同様に、電極体10の取り出しまでが実施された。試験2においては、リング形状の金属片20(図8および図9)が使用された。試験2における金属片20は、ステンレス鋼製である。試験2における金属片20(リング形状)の熱容量と、試験1における金属片40(L字形状)の熱容量とは、同等であった。
図7に示されるように、電極体10の外面に金属片20が配置された。図7に示される治具セット30が準備された。治具セット30は、ガイド治具31(図12および図13)と、押し治具32(図14および図15)とからなっていた。ガイド治具31および押し治具32の各々は、ベークライト製であった。
ガイド治具31の貫通孔35内に金属片20が配置された。押し治具32が貫通孔35に挿し通された。サーボプレス機に、押し治具32が接続された。
図10に示されるように、押し治具32が金属片20を貫通孔35から押し出すことにより、金属片20が電極体10に押し込まれた。
図21は、試験2における電圧プロファイルである。
図21の縦軸は電圧を示す。図21の横軸は時間を示す。
試験2の電圧プロファイル(図21)は、試験1の電圧プロファイル(図20)と略同等であった。試験2における金属片20の熱容量と、試験1における金属片40の熱容量とが同等であったためと考えられる。
各定格容量の角形電池において、それぞれ3回ずつ、試験が実施された。各試験後、短絡層数が目視により確認された。結果は下記表1に示される。試験2においては、定格容量の大きさにかかわらず、成功率が100%であった。
《試験3》
図22は、試験3における金属片の配置を示す概略断面図である。
試験3においては、試験1において使用された金属片40(L字形状)および押し治具50が使用された。金属片40が電極体10の外面に配置された。サーボプレス機に、押し治具50が接続された。押し治具50により、金属片40が電極体10に押し込まれた。
図23は、試験3における電圧および荷重プロファイルである。
図23の左側の縦軸は電圧を示す。図23の右側の縦軸は荷重を示す。図23の横軸は時間を示す。
試験3においては、電圧降下が検出されなかった。試験3においては、電圧降下が検出されないまま、押し込み荷重が400Nに到達することにより、押し込み動作が停止された。金属片40が電極体10に刺さらず、金属片40が正極1まで届かなかったためと考えられる。試験3においては、定格容量の大きさにかかわらず、成功率が0%であった。
Figure 2020191181
<検討2.金属片の熱容量、および治具セットの熱伝導率>
検討2においては、金属片20の熱容量、および治具セット30の熱伝導率が検討された。検討2においては、試験2における金属片20の熱容量が基準量とされた。なお、前述のとおり、試験2における金属片20(リング形状)の熱容量は、試験1における金属片40(L字形状)の熱容量と同等である。
《試験4》
下記表2に示されるように、試験4においては、金属片20の熱容量が基準量の1.5倍とされた。これを除いては、試験2と同様に試験が実施された。
図24は、試験4における電圧プロファイルである。
図24の縦軸は電圧を示す。図24の横軸は時間を示す。
試験4における電圧降下量は、試験2における電圧降下量に比して、小さくなった。また、試験4においては、定格容量が大きくなる程、電圧降下時の傾きが小さくなった。短絡による熱が、金属片20によって吸収されたためと考えられる。
試験4においては、押し込み動作の停止後の電圧上昇量も、小さくなった。短絡による熱が、金属片20によって吸収されたため、正極集電体(Al箔)が溶断し難くなったと考えられる。
表2に示されるように、試験4においては、定格容量が大きくなる程、短絡層数が増加した。押し込み深さが大きくなったためと考えられる。
《試験5》
下記表2に示されるように、試験5においては、金属片20の熱容量が基準量の2倍とされた。これを除いては、試験2と同様に試験が実施された。
図25は、試験5における電圧プロファイルである。
図25の縦軸は電圧を示す。図25の横軸は時間を示す。
試験5においては、試験4に比して、電圧降下時の傾きがさらに小さくなった。金属片20の熱容量が大きくなったためと考えられる。
《試験6》
下記表2に示されるように、試験6においては、ガイド治具31および押し治具32が、ステンレス鋼製とされた。これを除いては、試験2と同様に試験が実施された。
図26は、試験6における電圧プロファイルである。
図26の縦軸は電圧を示す。図26の横軸は時間を示す。
試験6においては、電圧降下時の傾きが検討2の中で最小になった。試験6においては、短絡層数が検討2の中で最大になった。さらに、試験6においては、押し込み動作の停止後、正極集電体(Al箔)の溶断が起こらず、電圧降下が継続した。ガイド治具31および押し治具32の熱伝導率が高いため、短絡による熱が、ガイド治具31および押し治具32を通じて放散したと考えられる。
Figure 2020191181
上記された本実施形態および本実施例は、すべての点で例示である。本実施形態および本実施例は、いずれも制限的ではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内におけるすべての変更を含む。
1,131,141,221 正極、2,132,142,222 負極、3,133,143,223 セパレータ、10,120,220 電極体、20,40 金属片、30 治具セット、31 ガイド治具、32,50 押し治具、35 貫通孔、51 アクリル板片、52 ゴム板片、100 角形電池、110,210,310 外装材、130 電極巻回体、140 電極積層体、200 円筒形電池、300 パウチ形電池。

Claims (4)

  1. 蓄電デバイスの評価方法であって、
    蓄電デバイスを準備すること、
    前記蓄電デバイスの内部から電極体を取り出すこと、
    前記電極体の外面に金属片を配置すること、
    前記金属片を前記電極体に押し込むこと、
    および
    前記金属片が押し込まれた前記電極体の状態により、前記蓄電デバイスを評価すること
    を含み、
    前記金属片が押し込まれる時に、押し治具と、ガイド治具とが使用され、
    前記ガイド治具に、貫通孔が設けられており、
    前記押し治具は、前記貫通孔に挿し通され、
    前記金属片は、リング形状を有し、
    前記金属片は、前記貫通孔内に配置され、
    前記押し治具が前記金属片を前記貫通孔から押し出すことにより、前記金属片が前記電極体に押し込まれる、
    蓄電デバイスの評価方法。
  2. 請求項1に記載の蓄電デバイスの評価方法において使用される、金属片であって、
    ステンレス鋼製であり、
    0.2mm以上0.5mm以下の高さ、
    0.1mm以上1.5mm以下の内径、および
    0.3mm以上2.0mm以下の外径
    を有する、
    金属片。
  3. 請求項1に記載の蓄電デバイスの評価方法において使用される、治具セットであって、
    前記ガイド治具と、前記押し治具とを含み、
    前記ガイド治具および前記押し治具の各々は、ベークライト製である、
    治具セット。
  4. 蓄電デバイスの製造方法であって、
    複数個の蓄電デバイスを製造すること、
    および
    複数個の前記蓄電デバイスのうち1個以上の前記蓄電デバイスを、請求項1に記載の蓄電デバイスの評価方法によって評価すること、
    を含む、
    蓄電デバイスの製造方法。
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