JP2020188406A - サーバ、通信端末装置、移動体、通信システム、地図情報を提供する方法及びプログラム - Google Patents

サーバ、通信端末装置、移動体、通信システム、地図情報を提供する方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】送信側の通信端末装置が直接無線通信方式により受信側の通信端末装置が位置しているエリアを指定してデータを送信することができるように、そのエリア指定を伴うデータ送信に用いる地図情報を一括管理して通信端末装置に提供する。【解決手段】サーバは、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、通信端末装置の直接無線通信方式による通信宛先の指定に用いる通信識別子が管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶し、通信端末装置の現在位置の位置情報を含む地図情報要求を通信端末装置から受信し、通信端末装置から受信した地図情報要求に基づいて、通信端末装置の現在位置を含む管理エリアに対応する通信識別子と通信端末装置の現在位置その周辺の一又は複数の管理エリアに対応する通信識別子とを含む地図情報を通信端末装置に送信する。【選択図】図1

Description

本発明は、移動体間の通信に用いる通信端末装置、その通信端末装置を備えた移動体及び通信システム、並びに、その通信端末装置に地図情報を提供するサーバ、方法及びプログラムに関するものである。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)のLTE(Long Term Evolution)や次世代(NR)の仕様では、移動通信網(コアネットワーク)を介さずに、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2P(Vehicle-to-Pedestrian)、V2X(Vehicle-to-Everything)などの近距離装置間(D2D:Device-to-Device)でPC5と呼ばれるインターフェースを用いて直接無線通信するSidelink方式(以下「PC5通信方式」という。)の標準仕様が策定されている(非特許文献1、2、3、4参照)。
PC5通信方式では、階層化通信モデルのデータリンク層(Layer-2)におけるデータの処理単位であるフレーム(「MACパケット」とも呼ばれる。)を識別する通信識別子(以下、「フレーム識別子」又は「Layer-2 ID」という。)が定義されている。送信側の通信端末装置は、例えば、移動通信の上りリンクの無線リソースの一部を用い、送信先(通信宛先)のフレーム識別子(Destination Layer-2 ID)をヘッダに指定してデータを含むフレームを送出する。受信側の通信端末装置は、例えば、受信したフレームのヘッダに含まれる送信先のフレーム識別子(Destination Layer-2 ID)が、自装置に割り当てられたフレーム識別子(Layer-2 ID)に一致している場合、又は、所定サービス(例えば、装置間の近接度に基づいたサービス(ProSe:Device-to-Device Proximity Service))に割り当てられたグループフレーム識別子(Layer-2 Group ID)に一致している場合に、当該フレームのデータ(メッセージ)を含むパケットを上位層に上げて当該サービスのアプリケーションに使用できる。
3GPP TS 23.285 V16.0.0 (2019-03), 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Architecture enhancements for V2X services (Release 16) 3GPP TS 23.303 V15.1.0 (2018-06), 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Proximity-based services (ProSe); Stage 2 (Release 15) 3GPP TS 24.386 V15.2.0 (2018-12), 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; User Equipment (UE) to V2X control function; protocol aspects; Stage 3 (Release 15) 3GPP TR 38.885 V16.0.0 (2019-03),3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Study on NR Vehicle-to-Everything (V2X) (Release 16)
上記従来のPC5通信方式では、送信側の通信端末装置が位置する現在位置の周辺に位置する特定エリアを、送信側の通信端末装置から送信したデータを受信側の通信端末装置で受信して使用可能なエリアとして指定することができない。
本発明の一態様に係るサーバは、地図情報を提供するサーバである。前記サーバは、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、前記通信端末装置の直接無線通信方式による通信宛先の指定に用いる通信識別子が前記管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶する記憶手段と、前記通信端末装置の現在位置の位置情報を含む地図情報要求を前記通信端末装置から受信する要求受信手段と、前記通信端末装置から受信した前記地図情報要求に基づいて、前記通信端末装置の現在位置を含む管理エリアに対応する通信識別子と前記通信端末装置の周辺の一又は複数の管理エリアに対応する通信識別子とを含む地図情報を、前記通信端末装置に送信する地図情報送信手段と、を備える。
前記サーバにおいて、前記直接無線通信方式による電波を所定の受信電力で受信可能な無線通信可能距離の情報に基づいて、前記通信識別子を前記管理エリアごとに対応付けて設定する情報処理手段を、更に備えてもよい。
前記サーバにおいて、前記情報処理手段は、前記無線通信可能距離以下のエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに異なる通信識別子を設定し、前記無線通信可能距離よりも長いエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに同じ通信識別子の設定を許容してもよい。
前記サーバにおいて、前記直接無線通信方式によってデータを送信した送信側の通信端末装置から、前記送信側の通信端末装置の現在位置と送信電力と通信識別子とを含む情報を受信し、前記直接無線通信方式によってデータを受信した受信側の通信端末装置から、前記受信側の通信端末装置の現在位置と受信電力と前記送信側の通信端末装置の通信識別子とを含む情報を受信する情報受信手段を、更に備え、前記情報処理手段は、前記送信側の通信端末装置及び前記受信側の通信端末装置それぞれから受信した情報に基づいて、前記送信側の通信端末装置の位置を中心とした受信電力及び伝搬損失の分布を算出し、前記無線通信可能距離を推定してもよい。
前記サーバにおいて、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアのそれぞれについて、前記管理エリア内の通信端末装置の移動方向が互いに異なる複数種類の通信識別子が対応付けられていてもよい。
前記サーバにおいて、前記直接無線通信方式は、3GPPの標準仕様に含まれるPC5インターフェースを用いた直接無線通信方式であり、前記通信識別子は、階層化通信モデルのデータリンク層におけるデータを含むフレームの識別子であってもよい。
本発明の他の態様に係る通信端末装置は、直接無線通信方式により通信可能な通信端末装置である。この通信端末装置は、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアから選択した特定の管理エリアに対応する通信識別子を通信宛先の通信識別子として付加したデータを、前記直接無線通信方式によって送信するデータ送信手段と、当該通信端末装置の現在位置と前記データの送信電力と当該通信端末装置が位置する管理エリアに対応する通信識別子とを含む情報を、サーバに送信する情報送信手段と、を備えてもよい。
また、本発明の更に他の態様に係る通信端末装置は、直接無線通信方式により通信可能な通信端末装置である。この通信端末装置は、当該通信端末装置が位置する管理エリアに対応する通信識別子を通信宛先の通信識別子として付加したデータを、前記直接無線通信方式によって受信するデータ受信手段と、当該通信端末装置の現在位置と前記データの受信電力と前記データに付加されている送信側の通信識別子とを含む情報を、サーバに送信する情報送信手段と、を備える。
前記通信端末装置において、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアのそれぞれについて、前記管理エリア内の通信端末装置の移動方向が互いに異なる複数種類の通信識別子が対応付けられていてもよい。
本発明の更に他の態様に係る方法は、地図情報を提供する方法である。この方法は、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、前記通信端末装置の直接無線通信方式による通信宛先の指定に用いる通信識別子が前記管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶することと、前記通信端末装置の現在位置の位置情報を含む地図情報要求を前記通信端末装置から受信することと、前記通信端末装置から受信した前記地図情報要求に基づいて、前記通信端末装置の現在位置を含む管理エリアに対応する通信識別子と前記通信端末装置の周辺の一又は複数の管理エリアに対応する通信識別子とを含む地図情報を、前記通信端末装置に送信することと、を含む。
前記方法において、前記直接無線通信方式による電波を所定の受信電力で受信可能な無線通信可能距離の情報に基づいて、前記通信識別子を前記管理エリアごとに対応付けて設定することを含んでもよい。
前記方法において、前記無線通信可能距離以下のエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに異なる通信識別子を設定することと、前記無線通信可能距離よりも長いエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに同じ通信識別子の設定を許容することと、を含んでもよい。
前記方法において、前記直接無線通信方式によって互いに通信している送信側の通信端末装置から、前記送信側の通信端末装置の現在位置と送信電力と通信識別子とを含む情報を受信し、受信側の通信端末装置から、前記受信側の通信端末装置の現在位置と受信電力と送信側の通信端末装置の通信識別子とを含む情報を受信することと、前記送信側の通信端末装置及び前記受信側の通信端末装置それぞれから受信した情報に基づいて、前記送信側の通信端末装置の位置を中心とした受信電力及び伝搬損失の分布を算出し、前記無線通信可能距離を推定することと、を含んでもよい。
前記方法において、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアのそれぞれについて、前記管理エリア内の通信端末装置の移動方向が互いに異なる複数種類の通信識別子が対応付けられていてもよい。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、地図情報を提供するサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、前記通信端末装置の直接無線通信方式による通信宛先の指定に用いる通信識別子が前記管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶するためのプログラムコードと、前記通信端末装置の現在位置の位置情報を含む地図情報要求を前記通信端末装置から受信するためのプログラムコードと、前記通信端末装置から受信した前記地図情報要求に基づいて、前記通信端末装置の現在位置を含む管理エリアに対応する通信識別子と前記通信端末装置の周辺の一又は複数の管理エリアに対応する通信識別子とを含む地図情報を、前記通信端末装置に送信するためのプログラムコードと、を含む。
前記プログラムにおいて、前記直接無線通信方式による電波を所定の受信電力で受信可能な無線通信可能距離の情報に基づいて、前記通信識別子を前記管理エリアごとに対応付けて設定するためのプログラムコードを含んでもよい。
前記プログラムにおいて、前記無線通信可能距離以下のエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに異なる通信識別子を設定するためのプログラムコードと、前記無線通信可能距離よりも長いエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに同じ通信識別子の設定を許容するためのプログラムコードと、を含んでもよい。
前記プログラムにおいて、前記直接無線通信方式によって互いに通信している送信側の通信端末装置から、前記送信側の通信端末装置の現在位置と送信電力と通信識別子とを含む情報を受信し、受信側の通信端末装置から、前記受信側の通信端末装置の現在位置と受信電力と送信側の通信端末装置の通信識別子とを含む情報を受信するためのプログラムコードと、前記送信側の通信端末装置及び前記受信側の通信端末装置それぞれから受信した情報に基づいて、前記送信側の通信端末装置の位置を中心とした受信電力及び伝搬損失の分布を算出し、前記無線通信可能距離を推定するためのプログラムコードと、を含んでもよい。
前記プログラムにおいて、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアのそれぞれについて、前記管理エリア内の通信端末装置の移動方向が互いに異なる複数種類の通信識別子が対応付けられていてもよい。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、直接無線通信方式により通信可能な通信端末装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。前記プログラムは、通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアから選択した特定の管理エリアに対応する通信識別子を通信宛先の通信識別子として付加したデータを、前記直接無線通信方式によって送信するためのプログラムコードと、当該通信端末装置の現在位置と前記データの送信電力と当該通信端末装置が位置する管理エリアに対応する通信識別子とを含む情報を、サーバに送信するためのプログラムコードと、を含む。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、直接無線通信方式により通信可能な通信端末装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。前記プログラムは、当該通信端末装置が位置する管理エリアに対応する通信識別子を通信宛先の通信識別子として付加したデータを、前記直接無線通信方式によって受信するためのプログラムコードと、当該通信端末装置の現在位置と前記データの受信電力と前記データに付加されている送信側の通信識別子とを含む情報を、サーバに送信するためのプログラムコードと、を含む。
本発明によれば、送信側の通信端末装置が直接無線通信方式により受信側の通信端末装置が位置しているエリアを指定してデータを送信することができるとともに、そのエリア指定を伴うデータ送信に用いる地図情報を一括管理して通信端末装置に提供することができる。
実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す説明図。 実施形態に係るPC5通信方式による車両間のデータ通信の一例を示す説明図。 (a)及び(b)は参考例に係る通信システムにおける課題を示す説明図。 実施形態に係る地図サーバで管理されている地図情報の管理エリアとL2IDとのを対応付けの一例を示す説明図。 実施形態に係る車両のUEの要部構成の一例を示すブロック図。 実施形態に係る地図サーバの要部構成の一例を示すブロック図。 実施形態に係る受信側の車両のUEにおけるPC5通信方式によるデータ通信手順の一例を示すフローチャート。 実施形態に係る送信側の車両のUEにおけるPC5通信方式によるデータ通信手順の一例を示すフローチャート。 実施形態に係る通信システムにおけるハザード停止した車両のUEからのPC5通信方式によるデータ送信の一例を示す説明図。 (a)実施形態に係る通信システムにおけるPC5通信方式によるデータ送信時のビーム形成の一例を示す説明図。(b)比較例に係る通信システムにおけるPC5通信方式によるデータ送信時のビーム形成の一例を示す説明図。 実施形態に係る通信システムにおける一方通行道路を走行する車両のUEからPC5通信方式によるデータ送信の一例を示す説明図。 実施形態に係る地図サーバにおける道路新設前の管理エリアとLayer−2 ID(L2ID)との対応付けを行うマッピングの一例を示す説明図。 実施形態に係る地図サーバにおける道路新設時の管理エリアへのLayer−2 ID(L2ID)の対応付けを行うマッピングの更新の一例を示す説明図。 実施形態に係る車両のUEから地図サーバへの通信情報及び位置情報のアップロードの一例を示す説明図。 図14の情報のアップロードを受けた地図サーバにおける伝搬損失の算出結果とLayer−2 ID(L2ID)のマッピングの一例を示す説明図。 実施形態に係る道路工事による片側通行における車両のUEから地図サーバへの通信情報及び位置情報のアップロードの一例を示す説明図。 実施形態に係る受信側の車両のUEにおけるPC5通信方式によるデータ受信時の情報のアップロード手順の一例を示すフローチャート。 実施形態に係る受信側の車両のUEにおけるPC5通信方式によるデータ送信時の情報のアップロード手順の一例を示すフローチャート。 実施形態に係る地図サーバにおけるLayer−2 ID(L2ID)のマッピング手順の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す説明図である。本実施形態の通信システムは、例えば、車両移動経路としての道路90を走行している複数の移動体としての車両30の通信端末装置31が、移動通信網(セルラーネットワーク)を介さずにPC5通信方式によりV2V(Vehicle-to-Vehicle)等の直接無線通信を行うことができる通信システムに適する。なお、本実施形態における車両30は、例えば乗用車、トラック、バスなどの自動車であり、本発明は車両の種類及び数に制限されない。また、本発明は、移動体が上空や水上などに設定された移動経路を移動する飛行体、船舶などの車両以外の移動体である場合にも適用することができる。
図1において、本実施形態の通信システムは、PC5通信方式による車両30間の直接無線通信に用いる地図情報を管理する地図サーバ10を備えている。本実施形態の地図サーバ10は、例えば、移動通信網15の基地局16に設けられたMEC(Multi−access Edge Computing)装置である。MEC装置からなる地図サーバ10は、基地局16と移動通信網15のコアネットワークとの間のノード又はコアネットワークの外側に設けてもよい。
地図サーバ10は、車両30の通信端末装置31が移動可能な対象エリア(ユーザへのサービス提供エリア)を構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、通信端末装置31のPC5通信方式による通信宛先の指定に用いる通信識別子(例えば後述のLayer−2 ID)が管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶し、通信端末装置31からの要求に応じて地図情報を提供する各種のデータ処理を行うことができる。地図サーバ10で管理される地図情報は、道路90の位置、形状、幅W、車線91R,91L,92U,92D,93U,93D、信号機設置位置、横断歩道の位置中央分離帯の有無、路側のガードレールの有無などの道路に関する情報を含んでもよい。
基地局16は、一つ又は複数のセル(セクタ、セクタセルとも呼ばれる。)を形成する。セルは地上又は海上に2次元的に形成してもよいし、上空から地上又は海上に向けて3次元的に形成してもよい。セルは、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセル、大セル等であってもよい。複数のセルは、複二次元的に又は三次元的に隣り合うように分布するセルラー構造を構成してもよいし、階層的に一部又は全部が重なり合った階層セル構造を構成してもよい。基地局16は、マクロセル基地局、スモールセル基地局、フェムトセル基地局、ピコセル基地局、大セル基地局、地上等に固定設置された固定基地局、地上、海上、上空などを移動可能な移動型の基地局等であってもよい。基地局16は、eNodeB(evolved Node B:eNB)、gNodeB(gNB)、en−gNodeB(en−gNB)、アクセスポイント等と呼ばれる無線通信装置であってもよい。
車両30の通信端末装置31は、移動通信サービスの加入者として使用可能なユーザ装置(以下「UE」という。)である。UE31は、ユーザ端末、端末、端末装置、移動局、移動機等と呼ばれる無線通信装置であってもよい。車両30のUE31は、車両30の中で利用者が携帯した状態で使用する装置でもよいし、車両30に組み込んで設置された装置(例えばナビゲーション装置の一部として組み込まれた装置)であってもよい。
車両30のUE31は、第1の通信方式であるネットワーク通信方式(例えば、3G、LTE、又は次世代のNRの方式)により移動通信網(セルラーネットワーク)の基地局16を介して地図サーバ10と通信可能である。UE31は、基地局16との無線区間がアイドル状態から第1通信方式による接続状態に遷移した後、地図サーバ10に対して各種情報を定期的に(例えば周期的に)又は不定期に送受信することができる。
UE31が地図サーバ10から受信する情報は、例えば、サービス対象エリアの互いに異なる複数の管理エリアについて管理エリアごとにL2IDを対応付けた(紐付けた)地図情報を含む。
UE31から地図サーバ10に送信される情報は、例えば、車両30(UE31)の現在位置を示す位置情報と、他の車両(UE)との間のデータ通信に関する通信情報とを含む。車両30(UE31)の現在位置を示す位置情報は、例えば、UE31に設けた現在位置取得手段としてのGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機の出力(測位結果)に基づいて算出することができる。また、UE31は、現在位置取得手段として、GNSS受信機、ジャイロスコープ、加速度センサ、速度センサ及び磁気センサの少なくとも一つを備え、その出力に基づいて、車両30のGNSS受信機による現在位置の測定精度が低い場合でも車両30(UE31)の移動経路を算出して車両30(UE31)の現在位置を精度よく推定したり、車両30の姿勢や向いている方位を推定したりしてもよい。この推定結果は、地図サーバ10に送信する情報に含めてもよい。
UE31から地図サーバ10に送信される情報は、車両30(UE31)の速度V3と、車両識別情報(車両ID)とを含んでもよい。車両30の速度V3は、例えば、車両30の駆動制御装置から取得することができる。車両30(UE31)の速度V3は、UE31に記録されている移動履歴情報における位置情報の時間変化(移動距離及び移動時間)に基づいて算出してもよい。ここで、車両30の「速度」は、車両30の移動の方向と速さ(=速度の絶対値、大きさ)で表されるベクトル量である。
また、車両30のUE31は、移動通信網(セルラーネットワーク)の基地局を介さない第2通信方式により、他の車両との無線通信(以下「車車間通信」ともいう。)を行うことができる。第2通信方式は、例えば、PC−5(以下「PC5」ともいう。)インターフェースを用いるSidelink方式(以下、「PC5通信方式」又は「PC−5 Sidelink方式」ともいう。)である。PC−5インターフェースは、UE同士、UEと他の装置(例えば車両)、車両同士、又は、車両と他の装置が、基地局を介さないで直接通信を行うD2D(Device to Device)のインターフェースであり、3GPPリリース12以降で標準化されている。PC5通信方式(Sidelink方式)は、PC−5インターフェース等を用いて、UE同士、UEと他の装置(例えば車両)、車両同士、又は、車両と他の装置が、基地局を介さないで比較的狭いエリアで直接通信を行う近距離の無線通信方式である。
PC5通信方式では、階層化通信モデルのデータリンク層(Layer−2)におけるデータの処理単位であるフレーム(「MACパケット」とも呼ばれる。)を識別する通信識別子(フレーム識別子)であるLayer−2 ID(以下、適宜「L2ID」と略す。)が定義されている。図1中の車両30の後方に枠で囲んで例示した3桁の数字は、車両30が位置する管理エリアに対応付けられたL2IDの値である(後述の図2参照)。
図2は、本実施形態に係るPC5通信方式による車両間のデータ通信の一例を示す説明図である。図2の複数の車両30(1)〜30(3)それぞれの下方には、各車両のUE31(1)〜31(3)における階層化通信モデル310(1)〜310(3)の一例を示している。各階層化通信モデル310(1)〜310(3)では、最下位から上位に向かって、物理層からなるレイヤ1(L1)、MAC(メディアアクセス制御)層とRLC(無線リンク制御)層とPDCP(パケットデータ収束)層とによりデータをフレーム単位で処理するレイヤ2(L2)、各種プロトコル(例えば、IP,Non−IP,ARP)を用いてデータをパケット単位で処理するネットワーク層、アプリケーション層などで構成されている。アプリケーション層におけるデータは「メッセージ」とも呼ばれる。
図2において、第1通信端末装置(送信側の通信端末装置)である車両30(1)のUE31(1)は、例えば、移動通信の上りリンクの無線リソースの一部を用い、レイヤ2(L2)における送信先(通信宛先)の通信識別子としてのフレーム識別子であるDestination L2ID(以下、適宜「Dst.L2ID」と略す。)を指定してデータ(メッセージ)をフレーム単位で送信する。図2の例では、Dst.L2IDとして「yyy」を指定している。第2通信端末装置(受信側の通信端末装置)である受信側の車両30(2),30(3)のUE31(2),31(3)は、受信したフレームのヘッダに含まれる送信先のフレーム識別子(Dst.L2ID)が、自装置に割り当てられたフレーム識別子(L2ID)に一致しているか否かを判断する。
また、図2において、車両30(2)のUE31(2)は、受信したフレームのヘッダに含まれる送信先のフレーム識別子(Dst.L2ID):yyyが、自装置に割り当てられたフレーム識別子(L2ID):yyyに一致していると判断し、受信したフレームのデータ(メッセージ)を含むパケットを上位層に上げるようにデータ処理することにより、当該データをアプリケーションに使用できるようにする。一方、車両30(3)のUE31(3)は、受信したフレームのヘッダに含まれる送信先のフレーム識別子(Dst.L2ID):yyyが、自装置に割り当てられたフレーム識別子(L2ID):zzzに一致していないと判断し、受信したフレームのデータ(メッセージ)を含むパケットを上位層に上げないようにデータ処理することにより、当該データをアプリケーションに使用できないようにする。
しかしながら、図3(a)に示すように、送信側の車両30(1)のUE31(1)は、周辺の特定の管理エリアに位置する送信先(通信宛先)である車両30(2)のUE31(2)のDst.L2ID(yyy)の情報がわからず、Dst.L2IDを指定したデータ送信を行うことができない場合がある。この場合、図3(b)に示すように、Dst.L2IDを指定せずにブロードキャストとしてデータを送信することにより、当該データを車両30(2)のUE31(2)が受信して使用できるようにすることが考えられる。しかし、ブロードキャストとして送信したデータは、UE31(2)以外の他の周辺のUE31(3)〜31(6)でも受信して使用できることになるために、周辺の特定の管理エリアに位置するUEのみにデータを送信する用途としては使いづらい。
そこで、本実施形態では、対象エリア(サービス提供エリア)の互いに異なる複数の管理エリアのそれぞれに、通信識別子としてのL2IDを対応付けている(紐付けている)。送信側の車両30のUE31は、そのUEの現在位置の周辺に位置するデータ送信先の特定エリア(特定の管理エリア)に対応するL2IDを送信先の通信識別子(Dst.L2ID)として付加したデータをPC5通信方式によって送信する。また、受信側の車両30のUE31は、PC5通信方式によって受信したデータに付加されている送信先の通信識別子が、自UEの現在位置を含む管理エリアに対応するL2IDに一致しているか否かを判断し、一致している場合に受信したデータを上位層に上げてアプリケーションで使用できるようにデータ処理を行う。このように対象エリア(サービス提供エリア)の管理エリアそれぞれに対応付けて設定された複数のL2IDのいずれかを選択して、PC5通信方式の通信識別子(Dst.L2ID)として指定することにより、送信側の車両30のUE31がPC5通信方式により受信側の車両30のUE31が位置しているエリアを指定してデータを送信することができる。そして、当該エリア内に位置する受信側の車両30のUE31のみ、当該データを受信してアプリケーションに使用することができる。
また、本実施形態において、前記サービス対象地域の互いに異なる複数の管理エリアについて管理エリアごとにL2IDを対応付けた(紐付けた)地図情報は、地図サーバ10に記憶されて管理されている。地図サーバ10は、地図情報のデータベース(DB)として機能し、各車両30のUE31から受信した通信情報や位置情報に基づいて地図情報の管理エリアとL2IDとの対応付けを新規設定したり更新したりする。各車両30のUE31は、任意のタイミングで地図情報の要求を地図サーバ10に送信することにより、自UEが位置する在圏エリア(管理エリア)及び周辺の管理エリアそれぞれにL2IDが対応付けられた(紐付けられた)最新の地図情報をダウンロードしてUE内に記憶することができる。
上記管理エリアとL2IDとの対応付けは、例えば、PC5通信方式によって所定の受信強度で通信可能なPC−5通信可能範囲(無線通信可能範囲)内の管理エリア間でL2IDが互いに重複しないように行い、充分に離れた管理エリア間ではL2IDの重複を許容するように行う。これにより、PC5通信方式によるデータ送信先の車両30のUE31が位置する特定の管理エリアの指定を確実に行うことができるとともに、そのデータ送信に使用するL2IDの個数を最小限に抑えることができる。なお、L2IDの対応付けは、対象エリア(サービス提供エリア)のすべての管理エリアのL2IDが互いに異なるように行ってもよい。
また、本実施形態では、同じ管理エリア内であっても車両30の進行方向ごとに互いに異なるL2IDを対応付けてもよい。この場合、送信側の車両30のUE31は、PC5通信方式により、受信側の車両30のUE31が位置しているエリア内の車両(UE)の互いに異なる複数の移動方向のいずれかを指定してデータを送信し、当該エリア内の指定した方向に移動している車両30のUE31のみで当該データを使用できるようにすることができる。
図4は、本実施形態に係る地図サーバ10で管理されている地図情報における管理エリアとL2IDとのを対応付けの一例を示す説明図である。図4の例は、対象エリア(サービス提供エリア)が、車両30の移動可能な移動経路としての道路90である場合の例である。図4の道路90の各管理エリア内に記入されている数字は、管理エリアに対応付けられたL2IDの値である。
図4において、対象エリアは、図中左右方向に延在する道路のエリアを構成する複数の管理エリアA101,A102,A103と、図中上下方向に延在する2つの道路のエリアそれぞれを構成する管理エリアA201,A202,A211,A212と、道路の交差点のエリアを構成する管理エリアA301,A302とを有する。この対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、管理エリアごとに且つ車両進行方向ごとにL2IDが対応付けられている。例えば、図中左右方向に延在する管理エリアA101では、右方向のL2IDとして「001」が対応付けられ、左方向のL2IDとして「002」が対応付けられている。また、図中上下方向に延在する管理エリアA201では、上方向のL2IDとして「003」が対応付けられ、下方向のL2IDとして「003」が対応付けられている。また、交差点の管理エリアA301及びA302にはそれぞれ、方向に関係なく、L2IDとして「101」及び「102」が対応付けられている。
図5は、本実施形態に係る車両30のUE31の要部構成の一例を示すブロック図である。図5において、UE31は、地図情報取得部(地図情報取得手段)311と、位置情報取得部(位置情報取得手段)312と、情報記憶部(情報記憶手段)313とを備える。
地図情報取得部311は、前述のサービス対象エリアの互いに異なる複数の管理エリアについて管理エリアごとにL2IDを対応付けた(紐付けた)地図情報を、地図サーバ10から受信して取得する。例えば、位置情報取得部312は、ネットワーク通信方式(例えば、3G方式、LTE方式、5G等の次世代のNR方式など)を用いて、UE31に割り当てられた無線リソースを使って移動通信網(セルラーネットワーク)15の基地局16と無線通信することにより、地図サーバ10にアクセスして地図情報をダウンロードする。
位置情報取得部312は、前述のGNSS受信機などにより、自車両30のUE31の現在位置の位置情報を取得する。
情報記憶部313は、地図情報取得部311によって地図サーバ10から取得した地図情報と、位置情報取得部312によって取得した自車両30のUE31の現在位置の位置情報とを記憶する。
更に、UE31は、識別子取得部(識別子取得手段)314と、識別子選択部(識別子選択手段)315と、データ送信部(データ送信手段)316とを備える。
また、識別子取得部314は、周囲の車両のUE等にデータを送信する場合、情報記憶部313に格納されている地図情報を参照し、自車両30のUE31の現在位置の周辺における複数の管理エリアに対応する複数のL2IDを取得する。また、識別子取得部314は、周囲の車両のUE等からデータを受信する場合、情報記憶部313に格納されている地図情報を参照し、自車両30のUE31の現在位置を含む管理エリア(在圏エリア)に対応するL2IDを取得する。
識別子選択部315は、周囲の車両のUE等にデータを送信する場合、識別子取得部314で取得した複数の通信識別子から特定の管理エリア(データ送信対象のエリア)に対応するL2IDを、Dst.L2IDとして選択する。なお、識別子選択部315は、PC5通信方式によるデータ送信を伴う通信のサービスの種類及び通信の用途の少なくとも一方に応じて、特定の管理エリア(データ送信対象のエリア)に対応するL2IDを、Dst.L2IDとして選択してもよい。この場合は、PC5通信方式によるデータ送信を伴う通信のサービスの種類ごとに、その通信の用途ごとに、又は、その種類及び用途の組み合わせごとに、異なるエリアを指定してデータを送信することができる。
データ送信部316は、データ送信対象の特定の管理エリアに対応するL2IDをDst.L2ID(送信先の通信識別子)として付加したデータを含むフレームを、PC5通信方式によって周辺エリアに送信する。
また、UE31は、データ受信部(データ受信手段)317と、データ処理部(データ処理手段)318とを備える。データ受信部317は、PC5通信方式によって周辺の車両のUEからデータを含むフレームを受信する。
データ処理部318は、データ受信部317によって受信したデータにDst.L2IDとして付加されている送信先のL2IDが、自車両30(UE31)の現在位置を含む管理エリアに対応するL2IDに一致している場合に、前記受信したデータをアプリケーションで使用可能にするデータ処理を行う。
また、UE31は、地図サーバ10に各種情報を送信する情報送信部(情報送信手段)319を備える。例えば、情報送信部319は、データ送信部316によるデータ送信を行ったときに、自車両30(UE31)の現在位置と、データの送信電力と、自車両30(UE31)が位置する管理エリアに対応するL2IDとを含む情報を、地図サーバ10に送信する。また、情報送信部319は、データ受信部317によるデータ受信を行ったときに、自車両30(UE31)の現在位置と、データの受信電力と、受信データに含まれる送信側の通信識別子とを含む情報を、地図サーバ10に送信する。
図6は、本実施形態に係る地図サーバ10の要部構成の一例を示すブロック図である。図6において、地図サーバ10は、地図情報記憶部(記憶手段)101と、要求受信部(要求受信手段)102と、地図情報送信部(地図情報送信手段)103と、車両(UE)情報受信部(情報受信手段)104と、地図情報設定・更新部(情報処理手段)105とを備える。
地図情報記憶部101は、車両30の通信端末装置31が移動可能な対象エリア(ユーザへのサービス提供エリア)を構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、通信端末装置31のPC5通信方式による通信宛先の指定に用いるL2IDが管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶する。
要求受信部102は、UE31(車両30)の現在位置の位置情報を含む地図情報要求をUE31から受信する。
地図情報送信部103は、車両30のUE31から受信した地図情報要求に基づいて、当該UE31(車両30)の現在位置を含む管理エリア(在圏エリア)に対応するL2IDとUE31(車両30)の周辺の一又は複数の管理エリアに対応するL2IDとを含む地図情報を、当該車両30のUE31に送信する。
車両(UE)情報受信部104は、PC5通信方式によってデータを送信した送信側の車両30のUE31から、その送信側のUE31(車両30)の現在位置と、送信電力と、送信側のUE31のL2IDであるSource L2ID(以下「Src.L2ID」という。)とを含む情報を受信する。また、車両(UE)情報受信部104は、PC5通信方式によってデータを受信した受信側の車両30のUE31から、その受信側のUE31(車両30)の現在位置と、受信電力と、前記送信側のUE31のSrc.L2IDとを含む情報を受信する。
地図情報設定・更新部105は、PC5通信方式の無線伝搬路の環境変化(例えば電波の伝搬の障害物となるビルの新設など)に対応できるように、PC5通信方式による電波を所定の受信電力で受信可能な無線通信可能距離の情報に基づいて、前記L2IDを管理エリアごとに対応付けて設定する。
例えば、地図情報設定・更新部105は、前記無線通信可能距離以下のエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに異なるL2IDを設定し、前記無線通信可能距離よりも長いエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに同じL2IDの設定を許容するように処理する。この場合、PC5通信方式によるデータ送信先の車両30のUE31が位置する特定の管理エリアの指定を確実に行うことができるとともに、そのデータ送信に使用するL2IDの個数を最小限に抑えることができる。
なお、地図情報設定・更新部105は、送信側の車両30のUE31及び受信側の車両30のUE31それぞれから受信した情報に基づいて、送信側のUE31(車両30)の位置を中心とした受信電力及び伝搬損失の分布を算出し、前記無線通信可能距離を推定してもよい。この場合、PC5通信方式の無線伝搬路の環境変化の最新情報を取得して前記L2IDの管理エリアごとの対応付けの設定及び更新を行うことができる。また、前記無線伝搬路の環境変化の最新情報の取得に、データ送受信を行った送信側の車両30のUE31及び受信側の車両30のUE31それぞれから受信した情報を用いるので、前記無線伝搬路の環境変化の最新情報を取得するための処理を別途行う必要がない。
図7は、本実施形態に係る受信側の車両30のUE31におけるPC5通信方式によるデータ通信手順の一例を示すフローチャートである。
図7において、受信側の車両30のUE31は、所定のタイミングで定期的に(例えば周期的に)又は不定期に、基地局16を介して地図サーバ10から、前述の地図情報をダウンロードする(S101)。地図サーバ10からの地図情報のダウンロードは、例えば地図情報が更新されたタイミングに実行してもよい。
次に、受信側のUE31は、所定のタイミングで定期的に(例えば周期的に)又は不定期に、測位処理を実行して自UE31の現在位置を取得し、地図情報を参照して、その自UE31の現在位置を含む在圏エリア(管理エリア)のL2IDを取得する(S102,S103)。なお、自UE31の現在位置及びL2IDの取得は、例えば車両30(UE31)の前回取得時からの走行距離が予め設定した基準距離よりも長くなったタイミングに行ってもよい。
次に、受信側のUE31は、PC5通信方式によって周囲の車両(UE)から送信されたデータを含むフレームを受信したとき、そのフレーム(データ)に付加されているかL2IDが、自UE31の在圏エリア(管理エリア)に対応するL2IDか否か、すなわち、自UE宛のデータを受信したか否かを判断する(S104)。
自UE宛のデータを含むフレームを受信したとき、受信側のUE31は、受信フレームに含まれるデータを、階層化通信モデルにおける上位層であるアプリケーション層に渡してアプリケーションで使用できるようにする(S105)。
図8は、本実施形態に係る送信側の車両30のUE31におけるPC5通信方式によるデータ通信手順の一例を示すフローチャートである。
図8において、送信側の車両30のUE31は、所定のタイミングで定期的に(例えば周期的に)又は不定期に、基地局16を介して地図サーバ10から、前述の地図情報をダウンロードする(S201)。地図サーバ10からの地図情報のダウンロードは、例えば地図情報が更新されたタイミングに実行してもよい。
次に、送信側のUE31は、所定のタイミングで定期的に(例えば周期的に)又は不定期に、測位処理を実行して自UE31の現在位置を取得し、地図情報を参照して、その自UE31の現在位置を含む在圏エリア(管理エリア)のL2IDと、現在位置の周辺の一又は複数の管理エリアのL2IDを取得する(S202,S203)。自UE31の現在位置及びL2IDの取得は、例えば車両30(UE31)の前回取得時からの走行距離が予め設定した基準距離よりも長くなったタイミング、又は、データ送信前のタイミングに行ってもよい。
次に、送信側のUE31は、PC5通信方式によって周囲の車両(UE)にデータを送信するサービスの種類に応じて、データを送信したい対象車両及びその対象車両が位置すると予測される周辺の特定エリア(管理エリア)を選定する(S204)。
次に、送信側のUE31は、上記選定した特定エリア(管理エリア)に対応するL2IDをDst.L2ID(送信先の通信識別子)として付加して指定し、そのDst.L2IDを指定したデータを含むフレームを、PC5通信方式によって周辺に送信する(S205)。
特に、図8のデータ通信手順の例によれば、サービスの種類に応じて選定した特定エリア(管理エリア)に対応するDst.L2ID(送信先の通信識別子)を指定することにより、サービスに応じてPC5通信方式の宛先のエリアを変えてデータを送信することができる。
図9は、本実施形態に係る通信システムにおけるハザード停止した車両30(1)のUE31(1)からのPC5通信方式によるデータ送信の一例を示す説明図である。
図9において、ハザード停止した車両30(1)のUEは、Dst.L2ID(送信先の通信識別子)として、車両30(1)の後方エリアである管理エリアA101の車両30(1)に近づく方向(図中右方向)に対応付けられたL2ID(=001)を指定して、ハザードで停止していることを示す注意喚起の情報を含むデータ(フレーム)を送信している。この場合、車両30(1)のUEは、自車に近づいてくる後方エリアの車両30(2)のみに上記注意喚起する情報を出力させて伝えることができ、上記注意喚起が不要な他の車両30(3)〜30における上記注意喚起の情報出力を回避することができる。
また、図10(a)は、実施形態に係る通信システムにおけるPC5通信方式によるデータ送信時のビーム形成の一例を示す説明図である。図10(a)において、車両30(1)のUEは、Dst.L2ID(送信先の通信識別子)として、自車両が位置する在圏エリア(管理エリア)で自車両と同じ方向(図中右方向)に対応するL2ID(=007)を指定して、PC5通信方式によってデータ(フレーム)を前方及び後方に送信している。この場合、前方及び後方のデータ送信のビーム310f,310bのビーム幅を絞ることなく、在圏エリア(管理エリア)で自車両と同じ方向に走行している車両30(2),30(3)のみに情報を伝えることができ、反対車線を逆方向に走行している車両30(4)への情報伝達を回避することができる。従って、PC5通信方式のアンテナのビーム幅を緩和することができ、低コストで小型のアンテナを搭載することができる。
これに対し、図10(b)のDst.L2ID(送信先の通信識別子)を指定しないブロードキャストを行う比較例の場合、自車両と同じ方向に走行している車両30(2),30(3)のみに情報を伝えるには、データ送信のビーム310f,310bのビーム幅を絞る必要があるため、PC5通信方式のアンテナの低コスト化及び小型化が難しい。
図11は、本実施形態に係る通信システムにおける一方通行道路99を走行する車両30(2)のUEからPC5通信方式によるデータ送信の一例を示す説明図である。図11において、一方通行道路99のエリアの正しい方向(図中の右方向)には、通常のL2ID(=007)が対応付けられている(割り当てられている)。一方、一方通行道路99のエリアの逆走方向(図中の左方向)には、通信の優先度が高いL2ID(=901)が対応付けられている(割り当てられている)。
一方通行道路99を正しい方向(図中の右方向)に走行している車両30(1)のUEは、例えば自車両の位置情報の変化により自車両の走行方向を認識し、Dst.L2ID(送信先の通信識別子)として、一方通行道路99のエリアの逆走方向(図中の左方向)に対応付けられている通信の優先度が高いL2ID(=901)を指定し、且つ、通信優先度のパラメータ(例えば、SL−Priority−r13)の値として高優先の値(=1)を設定して、PC5通信方式による警告情報のデータ送信を行う。この場合、逆走している車両30(2)のみに、逆走していることを警告する警告情報を送信して優先的に出力させることができる。
一方通行道路99を逆走している車両30(2)のUEは、例えば自車両の位置情報の変化により自車両の走行方向を認識し、Dst.L2ID(送信先の通信識別子)として、一方通行道路99のエリアの正しい方向(図中の右方向)に対応付けられているL2ID(=007)を指定し、且つ、通信優先度のパラメータ(例えば、SL−Priority−r13)の値として高優先の値(=1)を設定して、PC5通信方式による警告情報のデータ送信を行う。この場合、一方通行道路99を正しい方向(図中の右方向)に走行している車両30(1)のみに、逆走している車両の存在を警告する警告情報を送信して優先的に出力させることができる。
次に、本実施形態に係る通信システムにおける各管理エリアとL2IDとの対応付けの設定及び更新について説明する。
図12及び図13はそれぞれ、本実施形態に係る地図サーバ10における道路新設前及び道路新設後における管理エリアとL2IDとの対応付けを行うマッピングの一例を示す説明図である。
図12の道路新設前における道路90のT字路の交差点よりも右方向の管理エリアA102は、道路の交差がなく、互いに逆向きの2方向それぞれに対して互いに異なるL2ID(005と006)が割り当てられている。
図13において道路96が新設されてT字路が形成された場合、新設された道路96の管理エリアA211における互いに上下逆向きの2方向それぞれに対して互いに異なる新規なL2ID(007と008)が割り当てられている。また、新規に形成されたT字路の交差点の管理エリアA302に新規なL2ID(102)が割り当てられ、その交差点よりも右側の新規に定義された管理エリアA103における互いに左右逆向きの2方向それぞれに対して互いに異なる新規なL2ID(009と010)が割り当てられている。
図12及び図13に例示したように道路の新設などがあった場合、管理エリアやL2IDの新規設定及び更新を行う必要がある。しかしながら、道路工事など道路条件が時間によって変わることがあり、管理エリアやL2IDの新規設定及び更新が煩雑となる。また、管理エリアに対応付けるL2IDとして割り当て可能な値は必要最小限に抑えるために、PC5通信方式の通信可能距離を考慮して極力同一の値をL2IDとして使いまわしたい、という要請がある
そこで、本実施形態では、各車両30(UE31)がデータを受信できたPC−5通信方式における受信電力と送信元のL2ID(Src.L2ID)を含む通信情報を、各車両30(UE31)の位置情報とともに、地図サーバ10にアップロードして集約し、データ送信元の車両30(UE31)からアップロードされた位情報置及び送信電力と照合することで電波伝搬損失を算出し、その電波伝搬損失に基づいて、各管理エリアにおけるPC5通信方式の無線通信可能距離(無線通信可能範囲)を求め、各管理エリアにL2IDをマッピングしている。
図14は、実施形態に係る車両のUEから地図サーバ10への通信情報及び位置情報のアップロードの一例を示す説明図である。図14において、PC−5通信方式でデータ送信を行った送信側の車両30(1)のUEは、自車の在圏エリア(管理エリア)に対応する送信側のSrc.L2ID及び送信電力を含む通信情報と、自車の位置情報とを、基地局16を介して地図サーバ10に送信する。なお、送信側の車両30(1)のUEは、PC−5通信方式によるデータ送信時に自車の位置情報をデータに付加してもよい。
送信側の車両30(1)のUEからのデータを受信できた受信側の車両30(2),30(3)のUEは、データに付加されていた送信側のSrc.L2ID及び受信電力を含む通信情報と、自車の位置情報とを、基地局16を介して地図サーバ10に送信する。なお、送信側の車両30(1)のUEから受信したPC−5通信方式によるデータに、送信側のUEの位置情報が付加されている場合は、その送信側のUEの位置情報もいっしょに地図サーバ10に送信してもよい。
送信側の車両30(1)のUEからのデータを受信できなかった受信側の車両30(4)のUEは、自車の位置情報のみを、基地局16を介して地図サーバ10に送信する。
図15は、図14の情報のアップロードを受けた地図サーバ10における伝搬損失の算出結果とL2IDのマッピングの一例を示す説明図である。図15の下側部分に示したグラフ中の「○」はそれぞれ、データ送信元の車両30(1)のUEの位置を基準にしたデータ受信側の複数の車両のUEの位置における電波の伝搬損失の算出結果例である。伝搬損失の算出結果の近似曲線が所定の閾値Th以下の距離(範囲)が、PC5通信方式の無線通信可能距離(範囲)Rである。図15中の道路90の右端部の管理エリアA103は、無線通信可能距離(範囲)Rの外側に位置するので、道路90の左端部の管理エリアA101と同じL2ID(=001,002)を割り当てている。
図16は、本実施形態に係る道路工事による片側通行における車両30(1),30(2)のUEから地図サーバ10への通信情報及び位置情報のアップロードの一例を示す説明図である。図16において、片側通行のエリアを通行しているPC−5通信方式による送信側の車両30(1)のUEは、自車の在圏エリア(管理エリア)に対応する送信元のSrc.L2ID及び送信電力を含む通信情報と、自車の位置情報とを、基地局16を介して地図サーバ10に送信する。一方、片側通行のエリアの手前で停止して送信側の車両30(1)のUEからのデータを受信できた受信側の車両30(2)のUEは、データに付加されていた送信側のSrc.L2ID及び受信電力を含む通信情報と、自車の位置情報とを、基地局16を介して地図サーバ10に送信する。地図サーバ10は、車両30(1),30(2)のUEから受信した通信情報及び位置情報の変化から、図中のエリアA401が暫定的に片側通行になっていることを検出することでき、そのエリアA401を暫定的な管理エリアとして定義し、通信の優先度が高いL2ID(=901)を暫定的に割り当てる。この通信の優先度が高いL2ID(=901)の割り当てにより、片側通行のエリアを通行している車両30(1)のUEは、注意喚起の情報を含むデータを、片側通行のエリアの手前で停止して送信側の車両30(1)のUEに優先的に受信させ、注意喚起の情報を優先的に出力させるこができる。
図17は、本実施形態に係る受信側の車両のUEにおけるPC5通信方式によるデータ受信時の情報のアップロード手順の一例を示すフローチャートである。図17において、受信側の車両30のUE31は、PC5通信方式でデータを受信する(S301)と、そのデータを含むフレームから、送信元のSrc.L2IDと送信元の位置情報とを抽出する(S302)。次に、受信側の車両30のUE31は、自車のUEの現在位置を測定する測位を行い(S303)、送信元のSrc.L2ID及び受信電力を含む通信情報と、送信元の位置情報と、自UEの位置情報とを、基地局16を介して地図サーバ10に送信する(S304)。
図18は、本実施形態に係る受信側の車両のUEにおけるPC5通信方式によるデータ送信時の情報のアップロード手順の一例を示すフローチャートである。図18において、送信側の車両30のUE31は、PC5通信方式でデータを送信する(S401)と、自車のUEの現在位置を測定する測位を行い(S402)、送信元のSrc.L2ID及び送信電力を含む通信情報と、送信元の位置情報とを、基地局16を介して地図サーバ10に送信する(S403)。
図19は、本実施形態に係る地図サーバ10におけるL2IDのマッピング手順の一例を示すフローチャートである。図19において、地図サーバ10は、PC5通信方式によるデータの送受信を行った送信側の車両のUEと複数の受信側の車両のUEから通信情報と位置情報を受信する(S501)。送信側の車両のUEから受信する通信情報は、送信元のSrc.L2ID及び送信電力を含む。受信側の車両のUEから受信する通信情報は、送信元のSrc.L2ID及び受信電力を含む。
次に、地図サーバ10は、送信側の車両のUEから受信した送信電力と、複数の受信側の車両のUEから受信した受信電力とに基づいて、各受信側の車両のUEにおけるPC5通信方式による電波の伝搬損失を算出し(S502)、その伝搬損失の分布から、送信側の車両のUEの位置を中心としたPC5通信方式によるデータ送受信が可能な無線通信可能距離の2次元的な範囲であるPC5通信可能範囲(無線通信可能範囲)を算出する(S503)。
次に、地図サーバ10は、PC5通信可能範囲(無線通信可能範囲)に基づいてL2IDのマッピング(新規設定又は更新)を行う(S504)。
以上、本実施形態によれば、車両30に組み込まれたUE31が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて管理エリアごとに対応付けられた複数のLayer−2 ID(L2ID)のいずれかを選択して、PC5通信方式の送信先の通信識別子(Dst.L2ID)として指定することにより、送信側の車両30のUE31がPC5通信方式により受信側の車両30のUE31が位置しているエリアを指定してデータを送信することができる。
また、LTE又は第5世代(NR)等の次世代の3GPP標準仕様の階層化通信モデルにおけるデータリンク層(Layer−2)のみを使って(アプリケーション層は意識せずに),PC−5通信方式の宛先のエリアを限定することができる。
また、アプリケーション層における不要なデータの処理を減らすことができ、アプリケーションの要件を緩和することができる。
また、PC5通信方式のアンテナ指向性ビームの要件を緩和することができ、PC5通信のアンテナの小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、送信側の車両のUEがPC5通信方式により受信側の車両のUEが位置しているエリアを指定してデータを送信することができるとともに、そのエリア指定を伴うデータ送信に用いる地図情報を一括管理して各UEに提供することができる。
また、PC5通信方式の通信識別子としてのLayer−2 ID(L2ID)のマッピングを自律的に行うことができる。
なお、本明細書で説明された処理工程並びに通信端末装置(UE)、基地局、サーバ、MEC装置及び通信システム(衝突危険通知システム)の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、eNode B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 :地図サーバ
15 :移動通信網
16 :基地局
30 :車両
31 :通信端末装置(UE)
90 :道路
96 :道路
99 :一方通行道路
101 :地図情報記憶部
102 :要求受信部
103 :地図情報送信部
104 :情報受信部
105 :更新部
310 :階層化通信モデル
310b :ビーム
310f :ビーム
311 :地図情報取得部
312 :位置情報取得部
313 :情報記憶部
314 :識別子取得部
315 :識別子選択部
316 :データ送信部
317 :データ受信部
318 :データ処理部
319 :情報送信部

Claims (16)

  1. 地図情報を提供するサーバであって、
    通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、前記通信端末装置の直接無線通信方式による通信宛先の指定に用いる通信識別子が前記管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶する記憶手段と、
    前記通信端末装置の現在位置の位置情報を含む地図情報要求を前記通信端末装置から受信する要求受信手段と、
    前記通信端末装置から受信した前記地図情報要求に基づいて、前記通信端末装置の現在位置を含む管理エリアに対応する通信識別子と前記通信端末装置の周辺の一又は複数の管理エリアに対応する通信識別子とを含む地図情報を、前記通信端末装置に送信する地図情報送信手段と、を備えることを特徴とするサーバ。
  2. 請求項1のサーバにおいて、
    前記直接無線通信方式による電波を所定の受信電力で受信可能な無線通信可能距離の情報に基づいて、前記通信識別子を前記管理エリアごとに対応付けて設定する情報処理手段を、更に備えることを特徴とするサーバ。
  3. 請求項2のサーバにおいて、
    前記情報処理手段は、
    前記無線通信可能距離以下のエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに異なる通信識別子を設定し、
    前記無線通信可能距離よりも長いエリア間距離で互いに離れている複数の管理エリアについては、互いに同じ通信識別子の設定を許容することを特徴とするサーバ。
  4. 請求項2又は3のサーバにおいて、
    前記直接無線通信方式によってデータを送信した送信側の通信端末装置から、前記送信側の通信端末装置の現在位置と送信電力と通信識別子とを含む情報を受信し、前記直接無線通信方式によってデータを受信した受信側の通信端末装置から、前記受信側の通信端末装置の現在位置と受信電力と前記送信側の通信端末装置の通信識別子とを含む情報を受信する情報受信手段を、更に備え、
    前記情報処理手段は、前記送信側の通信端末装置及び前記受信側の通信端末装置それぞれから受信した情報に基づいて、前記送信側の通信端末装置の位置を中心とした受信電力及び伝搬損失の分布を算出し、前記無線通信可能距離を推定することを特徴とするサーバ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかのサーバにおいて、
    通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアのそれぞれについて、前記管理エリア内の通信端末装置の移動方向が互いに異なる複数種類の通信識別子が対応付けられていることを特徴とするサーバ。
  6. 請求項1乃至5のいずれかのサーバにおいて、
    前記直接無線通信方式は、3GPPの標準仕様に含まれるPC5インターフェースを用いた直接無線通信方式であり、
    前記通信識別子は、階層化通信モデルのデータリンク層におけるデータを含むフレームの識別子であることを特徴とするサーバ。
  7. 直接無線通信方式により通信可能な通信端末装置であって、
    前記通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアから選択した特定の管理エリアに対応する通信識別子を通信宛先の通信識別子として付加したデータを、前記直接無線通信方式によって送信するデータ送信手段と、
    当該通信端末装置の現在位置と前記データの送信電力と当該通信端末装置が位置する管理エリアに対応する通信識別子とを含む情報を、サーバに送信する情報送信手段と、を備えることを特徴とする通信端末装置。
  8. 直接無線通信方式により通信可能な通信端末装置であって、
    当該通信端末装置が位置する管理エリアに対応する通信識別子を通信宛先の通信識別子として付加したデータを、前記直接無線通信方式によって受信するデータ受信手段と、
    当該通信端末装置の現在位置と前記データの受信電力と前記データに付加されている送信側の通信識別子とを含む情報を、サーバに送信する情報送信手段と、を備えることを特徴とする通信端末装置。
  9. 請求項7又は8の通信端末装置を備えることを特徴とする移動体。
  10. 請求項1乃至6のいずれかのサーバと、請求項7の通信端末装置と、請求項8の通信端末装置と、を備えることを特徴とする通信システム。
  11. 地図情報を提供する方法であって、
    通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、前記通信端末装置の直接無線通信方式による通信宛先の指定に用いる通信識別子が前記管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶することと、
    前記通信端末装置の現在位置の位置情報を含む地図情報要求を前記通信端末装置から受信することと、
    前記通信端末装置から受信した前記地図情報要求に基づいて、前記通信端末装置の現在位置を含む管理エリアに対応する通信識別子と前記通信端末装置の周辺の一又は複数の管理エリアに対応する通信識別子とを含む地図情報を、前記通信端末装置に送信することと、を含むことを特徴とする方法。
  12. 請求項11の方法において、
    前記直接無線通信方式によって互いに通信している送信側の通信端末装置から、前記送信側の通信端末装置の現在位置と送信電力と通信識別子とを含む情報を受信し、受信側の通信端末装置から、前記受信側の通信端末装置の現在位置と受信電力と送信側の通信端末装置の通信識別子とを含む情報を受信することと、
    前記送信側の通信端末装置及び前記受信側の通信端末装置それぞれから受信した情報に基づいて、前記送信側の通信端末装置の位置を中心とした受信電力及び伝搬損失の分布を算出し、前記直接無線通信方式による電波を所定の受信電力で受信可能な無線通信可能距離を推定することと、
    前記無線通信可能距離の情報に基づいて、前記通信識別子を前記管理エリアごとに対応付けて設定することと、を含むことを特徴とする方法。
  13. 地図情報を提供するサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアについて、前記通信端末装置の直接無線通信方式による通信宛先の指定に用いる通信識別子が前記管理エリアごとに対応付けられた地図情報を記憶するためのプログラムコードと、
    前記通信端末装置の現在位置の位置情報を含む地図情報要求を前記通信端末装置から受信するためのプログラムコードと、
    前記通信端末装置から受信した前記地図情報要求に基づいて、前記通信端末装置の現在位置を含む管理エリアに対応する通信識別子と前記通信端末装置の周辺の一又は複数の管理エリアに対応する通信識別子とを含む地図情報を、前記通信端末装置に送信するためのプログラムコードと、を含むことを特徴とするプログラム。
  14. 請求項13のプログラムにおいて、
    前記直接無線通信方式によって互いに通信している送信側の通信端末装置から、前記送信側の通信端末装置の現在位置と送信電力と通信識別子とを含む情報を受信し、受信側の通信端末装置から、前記受信側の通信端末装置の現在位置と受信電力と送信側の通信端末装置の通信識別子とを含む情報を受信するためのプログラムコードと、
    前記送信側の通信端末装置及び前記受信側の通信端末装置それぞれから受信した情報に基づいて、前記送信側の通信端末装置の位置を中心とした受信電力及び伝搬損失の分布を算出し、前記直接無線通信方式による電波を所定の受信電力で受信可能な無線通信可能距離を推定するためのプログラムコードと、
    前記無線通信可能距離の情報に基づいて、前記通信識別子を前記管理エリアごとに対応付けて設定するためのプログラムコードと、を含むことを特徴とするプログラム。
  15. 直接無線通信方式により通信可能な通信端末装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    通信端末装置が移動可能な対象エリアを構成する互いに異なる複数の管理エリアから選択した特定の管理エリアに対応する通信識別子を通信宛先の通信識別子として付加したデータを、前記直接無線通信方式によって送信するためのプログラムコードと、
    当該通信端末装置の現在位置と前記データの送信電力と当該通信端末装置が位置する管理エリアに対応する通信識別子とを含む情報を、サーバに送信するためのプログラムコードと、
    を含むことを特徴とするプログラム。
  16. 直接無線通信方式により通信可能な通信端末装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    当該通信端末装置が位置する管理エリアに対応する通信識別子を通信宛先の通信識別子として付加したデータを、前記直接無線通信方式によって受信するためのプログラムコードと、
    当該通信端末装置の現在位置と前記データの受信電力と前記データに付加されている送信側の通信識別子とを含む情報を、サーバに送信するためのプログラムコードと、を含むことを特徴とするプログラム。
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