JP2020186950A - ボルト、及び、検出システム - Google Patents

ボルト、及び、検出システム Download PDF

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Shinji Murata
眞司 村田
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Abstract

【課題】被締結部材の締結状態の変化を検出する検出精度の高いボルト、及び、検出システムを提供する。【解決手段】ボルト100は、外周面にネジ122が切られ、内部に空間123を有する円筒部120を備えたボルト本体100Aと、空間123内に配置され、ボルト本体100Aの伸縮に応じて変化する空間123内の圧力を検出する検出部160とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ボルト、及び、検出システムに関する。
従来より、軸力検出用ボルトに、ピン型ロードセル、送信器基板、ICタグが装着された締結体ユニットがある。受信ユニットは、軸力検出用ボルトに対して、ワイヤレス電力供給技術を用いて電力を送り、送信器基板では、受け取った電力を用いて歪信号を測定し、受信ユニットに送る。ピン型ロードセルは、軸力検出用ボルトの挿入孔に埋め込まれており、起歪体に歪ゲージが接着された構成である(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−216804号公報
ところで、従来の締結体ユニットは、挿入孔の壁面と起歪体との変位(ずれ)を歪ゲージで検出しているため、歪ゲージが起歪体に貼り付けられている接着力や、歪ゲージが起歪体に貼り付けられる向きのばらつきによって検出精度に大きな影響が生じるおそれがある。歪ゲージを起歪体に貼り付ける作業は行い難い作業であるため、検出精度への影響を排除するのは困難であった。
そこで、被締結部材の締結状態の変化を検出する検出精度の高いボルト、及び、検出システムを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態のボルトは、外周面にネジが切られ、内部に空間を有する円筒部を備えたボルト本体と、前記空間内に配置され、前記ボルト本体の伸縮に応じて変化する前記空間内の圧力を検出する検出部とを含む。
被締結部材の締結状態の変化を検出する検出精度の高いボルト、及び、検出システムを提供することができる。
実施の形態1のボルト100を示す断面図である。 ボルト100に含まれるアンテナ140、キャパシタ145、ICチップ150、及び圧力センサ160を示すブロック図である。 ボルト100を含む検出システム500を示す図である。 ICチップ150が実行する処理を示すフローチャートである。 実施の形態2のボルト200を示す断面図である。
以下、本発明のボルト、及び、検出システムを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1のボルト100を示す断面図である。以下では、XYZ直交座標系を用いて説明し、平面視とはXY面視のことである。
ボルト100は、頭部110、円筒部120、セラミック基板130、アンテナ140、IC(Integrated Circuit)チップ150、及び圧力センサ160を含む。頭部110及び円筒部120は、ボルト本体100Aを構築する。なお、図1に示す断面は、円筒部120のZ軸に平行な中心軸を通り、XZ平面に平行な断面である。
ボルト100は、部材10及び20の貫通孔11及び21に円筒部120が挿通され、ナット50が円筒部120にネジ留めされることにより、部材10及び20を締結する。ボルト100及びナット50は締結部材であり、部材10及び20は被締結部材である。
頭部110は、ボルト本体100Aの頭部であり、一例として平面視で正六角形である。頭部110の−Z方向側には、円筒部120が連続的に形成されている。ボルト本体100Aは金属製であり、一例として鋼材製である。
円筒部120は、頭部110から−Z方向に延在する円柱状の部分であり、外周面の先端121側にはネジが切られたネジ部122が設けられている。ネジ部122には、内周面にネジ部122に対応するネジ部が形成されたナット50がネジ留めされる。
また、円筒部120は、先端121に設けられる開口部121Aと、開口部121Aから連通し、+Z方向に延在する内部空間123とを有する。内部空間123は、開口部121A以外の部分は閉じているため、開口部121Aに連通する穴部である。
内部空間123には、セラミック基板130、ICチップ150、及び圧力センサ160が収納される。図1に示す内部空間123は、Z方向において円筒部120の内部に設けられているが、内部空間123の+Z方向側の端部は、頭部110の内部にまで到達していてもよい。
セラミック基板130は、円筒部120の開口部121Aから表出するように内部空間123内の−Z方向側の端部に固定されている。セラミック基板130は、一例として内部空間123の内表面に接着剤135によって接着されることで固定されている。また、このようにセラミック基板130が接着剤135によって接着されることにより、内部空間123のうちのセラミック基板130よりも+Z方向側の空間は封止されている。
セラミック基板130は、配線131とアンテナ140が設けられ、+Z方向側の表面にはICチップ150及び圧力センサ160が設けられている。アンテナ140は、セラミック基板130の+Z方向側の表面でICチップ150に接続され、内部を通って−Z方向側の表面に延在している。ICチップ150と圧力センサ160は配線131によって接続されている。
ここで、図1に加えて図2を用いて説明する。図2は、ボルト100に含まれるアンテナ140、キャパシタ145、ICチップ150、及び圧力センサ160を示すブロック図である。ICチップ150にはキャパシタ145が接続されている。
アンテナ140は、ICチップ150と接続され、パッシブ型のRFID(Radio Frequency Identification)タグとして機能する。アンテナ140は、一例として、所定の周波数(例えば915MHz)における波長の電気長の1/2の長さを有する2つのアンテナエレメントを含むダイポールアンテナである。アンテナ140としての2つのアンテナエレメントの給電点は、ICチップ150に接続される。
ICチップ150は、セラミック基板130の+Z方向側の表面に実装されており、アンテナ140に接続されるとともに、配線131を介して圧力センサ160に接続されている。ICチップ150は、CPU(Central Processing Unit)や不揮発性メモリのような記憶装置等を含むマイクロコンピュータである。
ICチップ150は、図1の拡大部分に示すように、制御部151、温度測定部152、補正部153、通信部154、及びメモリ155を有する。ここで、制御部151、温度測定部152、補正部153、通信部154は、ICチップ150の機能を表したものであり、メモリ155は、ICチップ150の記憶装置を機能的に表したものである。
ICチップ150は、アンテナ140とともにパッシブ型のRFIDタグとして機能するため、バッテリ等の電源を有さない。ICチップ150は、リーダ装置からアンテナ140で受信した電波の電力を整流してキャパシタ145に蓄え、キャパシタ145に蓄えた電力で起動し動作を行う。
制御部151は、ICチップ150が起動すると、内部空間123内の圧力を検出するための処理(検出処理)を開始する。具体的には、制御部151は、圧力センサ160に圧力を検出させ、温度測定部152に温度を測定させ、検出された圧力を表すデータ(圧力データ)を補正部153に補正させ、補正された圧力データを通信部154にアンテナ140から放射させる。
温度測定部152は、一例として絶対温度に比例した出力電流を生成する二端子集積回路温度トランスデューサである。温度測定部152は、ICチップ150が起動すると温度を測定し、測定した温度を表すデータ(温度データ)を補正部153に出力する。
補正部153は、温度測定部152から温度データが入力されると、メモリ155に格納された補正式を参照し、温度データに基づいて圧力データを補正し、通信部154に出力する。補正式は、温度測定部152によって測定される温度(温度データが表す温度)と基準温度との比を用いて、圧力センサ160によって検出された圧力データが表す圧力を基準温度における圧力に補正する。
ここで、基準温度とは、ボルト100及びナット50で部材10及び20を締結した直後に圧力センサ160で圧力が測定された際の温度、又は、点検等でボルト100及びナット50を増し締めした直後に圧力センサ160で圧力が測定された際の温度である。
通信部154は、補正部153にとって圧力データが補正されると、補正された圧力データをアンテナ140から放射する。放射された圧力データを含む電波はリーダ装置によって受信される。
メモリ155は、補正部153が利用する補正式を表すデータの他に、ICチップ150のIDや、制御部151、温度測定部152、補正部153、通信部154が上述の処理を行うのに必要なプログラム及びデータ等を格納する。
圧力センサ160は、セラミック基板130の+Z方向側の表面に実装されており、配線131を介してICチップ150に接続されている。圧力センサ160は、セラミック基板130によって封止された内部空間123の圧力を検出する検出部の一例である。圧力センサ160としては、例えば、ピエゾ抵抗効果を利用した半導体圧力センサのような圧力センサを用いることができる。
圧力センサ160は、ICチップ150から圧力を検出するコマンドを受信すると、圧力を検出し圧力データをICチップ150に出力する。
ここで、ボルト100を部材10及び20の貫通孔11及び21に挿通し、ボルト100とナット50を締め合わせて締結すると、ボルト100は、部材10及び20を挟んでいる頭部110の−Z方向側の表面とナット50が係合するネジ部122との間がZ方向に引っ張られ、Z方向に引き延ばされる。この結果、セラミック基板130によって封止されている内部空間123はZ方向に引き延ばされるため体積が増え、内部の圧力が低下する。
また、ボルト100及びナット50が部材10及び20を挟んで締結している状態で、ボルト100とナット50が相対的に緩むと、部材10及び20を挟んでいる頭部110の−Z方向側の表面とナット50が係合するネジ部122との間をZ方向に引っ張る力が低下し、Z方向に引き延ばされる量が低減する。この結果、セラミック基板130によって封止されている内部空間123の体積は、部材10及び20をナット50と協働して挟んで締結した直後のボルト100における内部空間123の体積よりも減り、内部の圧力が上昇する。
したがって、部材10及び20を挟んで締結した直後のボルト100において圧力センサ160が検出する圧力を検出しておき、経時による圧力の低下を検出すれば、ボルト100とナット50の緩みを検出できる。
図3は、ボルト100を含む検出システム500を示す図である。検出システム500は、ボルト100、リーダ装置300、及びPC(Personal Computer)400を含む。リーダ装置300は、外部装置の一例であり、ビーコン信号を出力してボルト100を探索し、ボルト100から圧力データを受信する。
リーダ装置300は、ケーブル401を介してPC400に接続されており、ボルト100から受信した圧力データをPC400に出力する。
PC400は、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力インターフェース、及び内部バス等を含む。また、PC400は、締結状態検出部410を含む。
締結状態検出部410は、ボルト100を部材10及び20の貫通孔11及び21に挿通させてボルト10とナット50で部材10及び20を締結した状態において、経時による圧力データが表す圧力の変化に基づいて、ボルト10とナット50との締結状態の変化を検出する。
典型的には、部材10及び20をボルト100及びナット50で挟んで締結した直後の内部空間123の圧力を計測し、例えば半年後又は1年後に再度圧力を計測することで、内部空間123の圧力に変化があるかどうかを測定すればよい。また、点検等でボルト100及びナット50を増し締めした直後の内部空間123の圧力を計測し、例えば半年後又は1年後に再度圧力を計測することで、内部空間123の圧力に変化があるかどうかを測定すればよい。
例えば、PC400のメモリに、圧力の変化量と、ボルト10及びナット50の締結トルクの変化量との関係を表すテーブルデータを格納しておき、ボルト10及びナット50を締結した直後の圧力に対する半年後又は一年後の圧力の変化量に基づいて、締結トルクがどれだけ変化したかを把握できるようにすればよい。
図4は、ICチップ150の制御部151が実行する処理を示すフローチャートである。
制御部151は、リーダ装置300からのビーコン信号を受信すると、ビーコン信号の電力で起動する(ステップS1)。
制御部151は、圧力センサ160に圧力を検出させて圧力データを取得するとともに、温度測定部152に温度を測定させる(ステップS2)。
制御部151は、圧力データを補正部153に補正させる(ステップS3)。
制御部151は、通信部154に、補正された圧力データをICチップ150のIDとともにアンテナ140から放射させる(ステップS4)。
この結果、リーダ装置300は、ボルト100のICチップ150のIDと、温度で補正された圧力データを入手する。また、ボルト100のICチップ150のIDと、温度で補正された圧力データはPC400に転送され、締結状態検出部410がボルト10とナット50との締結状態の変化を検出する。
以上のように、ボルト本体100Aの内部空間123に、アンテナ140、ICチップ150、及び圧力センサ160を実装したセラミック基板130を接着することで、ボルト10及びナット50を締結状態の変化を圧力の変化として検出可能なボルト100を作製することができる。
締結状態の検出は、セラミック基板130に実装した圧力センサ160によって検出される圧力データに基づいて行われる。圧力センサ160のセラミック基板130への実装は非常に容易であり、圧力センサ160のセラミック基板130への貼り付け具合等によって圧力値に影響はほぼ生じない。また、アンテナ140及びICチップ150のセラミック基板130への実装も同様に容易であり、セラミック基板130のボルト本体100Aの装着も容易である。すなわち、ボルト100の組み立てにおいては、圧力センサ160によって検出される圧力に影響を及ぼす要素は、ほぼ無いと言える。
したがって、被締結部材の締結状態の変化を検出する検出精度の高いボルト100、及び、検出システム500を提供することができる。
また、ボルト100は、円筒部120の先端121側にアンテナ140を備える。特にボルト100の円筒部120の先端121の方が頭部110よりも金属部材に囲まれていないような環境では、先端121側にアンテナ140を設けることで、ビーコン信号をより受信しやすい構成にすることができる。
なお、円筒部120の先端121側に開口部121Aを設け、アンテナ140、ICチップ150、及び圧力センサ160を実装したセラミック基板130を設ける形態について説明したが、頭部110の+Z方向側の表面に開口部と、開口部に連通する内部空間を設け、頭部110の+Z方向側にアンテナ140を設けてもよい。
また、以上では、ボルト100がパッシブ型のRFIDタグを構築するアンテナ140及びICチップ150を含む形態について説明したが、バッテリ等の二次電池を備えるアクティブ型のRFIDタグを含んでもよい。この場合には、キャパシタ145を二次電池に変更し、予め充電した状態でボルト本体100Aに封止すればよい。二次電池は、キャパシタ145と同様に、アンテナ140で受信する電波の電力を充電するように構成すればよい。
また、以上では、圧力センサ160をセラミック基板130に実装する形態について説明したが、圧力センサ160をセラミック基板130に実装せずに、内部空間123に接着等で実装してもよい。
<実施の形態2>
図5は、実施の形態2のボルト200を示す断面図である。図5(A)にはボルト200が組み立てられて未使用の状態を示し、図5(B)にはボルト200が部材10及び20の貫通孔11及び21に挿通され、ナット50とともに締結されている状態を示す。図5(B)に示すボルト200は、図5(A)に示すボルト200よりもZ方向に伸びている。
ボルト200は、頭部210、円筒部220、セラミック基板230、アンテナ140、ICチップ150、電極260A、260B、及び電極保持部270を含む。以下では、実施の形態1と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
頭部210及び円筒部220は、ボルト本体200Aを構築する。なお、図5に示す断面は、円筒部220のZ軸に平行な中心軸を通り、XZ平面に平行な断面である。
頭部210は、ボルト本体200Aの頭部であり、一例として平面視で正六角形である。頭部210の−Z方向側には、円筒部220が連続的に形成されている。ボルト本体200Aは金属製であり、一例として鋼材製である。
また、頭部210は、頂部211に設けられる開口部211Aと、開口部211Aから連通し、+Z方向に延在する内部空間212とを有する。内部空間212は、開口部211A以外の部分は閉じているため、開口部211Aに連通する穴部である。
内部空間212には、ICチップ150が埋め込まれたセラミック基板230、電極260A、260B、及び電極保持部270が収納される。
円筒部220は、頭部210から−Z方向に延在する円柱状の部分であり、外周面の先端221側にはネジが切られたネジ部222が設けられている。ネジ部222には、内周面にネジ部222に対応するネジ部が形成されたナット50がネジ留めされる。
セラミック基板230は、頭部210の開口部211Aから表出するように内部空間212内の+Z方向側の端部に固定されている。セラミック基板230は、一例として内部空間212の内表面に接着剤235によって接着されることで固定されている。また、このようにセラミック基板230が接着剤235によって接着されることにより、内部空間212のうちのセラミック基板230よりも−Z方向側の空間は封止されている。
セラミック基板230は、+Z方向側の表面にアンテナ140が設けられ、+Z方向側の表面に表出するようにICチップ150が埋め込まれて、アンテナ140はICチップ150に接続されている。
また、セラミック基板230の−Z方向側の表面には電極260Aが設けられている。電極260Aは、セラミック基板230の内部の配線を介してICチップ150に接続されている。
また、内部空間212の−Z方向側の端部212Aには、−Z方向側に凹んだ凹部222Bが設けられており、凹部222Bには電極保持部270の基部271の端部271Aが挿入され、接着剤271Bで固定されている。なお、接着剤271Bを用いる代わりに端部271Aを凹部222Bに圧入してもよい。
電極保持部270は、基部271と保持部272とを有する。基部271は柱状の部分であり、凹部222Bに挿入されて固定される端部271Aから+Z方向に延在している。保持部272は円板状の部分であり、基部271の+Z方向側の端部に連通して一体的に設けられている。このような電極保持部270は、セラミック又は樹脂等の絶縁体製でよい。
電極260Bは、保持部272の+Z方向側の表面に設けられ、接着剤等で固定されている。電極260Bは、図示しない配線でICチップ150に接続されている。電極260A及び260Bは、Z軸方向において対向しているため、ボルト本体200AがZ軸方向に伸縮すると静電容量が変化する。電極260A及び260Bは、ボルト本体200AのZ軸方向における伸縮量に応じて変化する静電容量を出力する一対の電極の一例である。
ICチップ150は、セラミック基板230の+Z方向側の表面から表出するように埋め込まれた状態で実装されており、アンテナ140に接続されるとともに、電極260A及び260Bに接続されている。
ICチップ150は、アンテナ140がビーコン信号を受信すると、電極260A及び260Bから出力される静電容量を取得し、静電容量を表すデータを含む電波を放射する。放射された電波はリーダ装置300(図2参照)によって受信され、PC400に静電容量を表すデータが転送される。
以上のようなボルト200は、図5(B)に示すように部材10及び20の貫通孔11及び21に挿通されナット50とともに締結されることによって伸びると、主に円筒部220が−Z方向に引っ張られる。この結果、電極保持部270が−Z方向に移動することで電極260Bが−Z方向に移動する。図5(B)では、円筒部220がZ方向にZ1だけ伸びることにより、電極260A及び電極260Bの間隔もZ1になっている。
このようの電極260A及び260Bの間隔が広がると、電極260A及び260Bの静電容量は低下する。このため、部材10及び20を挟んで締結した直後のボルト200において電極260A及び260Bが出力する静電容量を取得しておき、経時による静電容量の低下を検出すれば、ボルト100とナット50の緩みを検出できる。
例えば、PC400のメモリに、静電容量の変化量と、ボルト10及びナット50の締結トルクの変化量との関係を表すテーブルデータを格納しておき、ボルト10及びナット50を締結した直後の静電容量に対する半年後又は一年後の静電容量の変化量に基づいて、締結トルクがどれだけ変化したかを把握できるようにすればよい。
以上のように、ボルト本体200Aの内部空間212に、アンテナ140及びICチップ150を実装したセラミック基板230を接着するとともに、内部空間212に電極260A、260B、及び電極保持部270を設けることで、ボルト10及びナット50を締結状態の変化を静電容量の変化として検出可能なボルト200を作製することができる。
締結状態の検出は、内部空間212に設けられた電極260A、260Bから出力される静電容量を表すデータに基づいて行われる。電極260A、260Bの実装は非常に容易であり、電極260A、260Bの取り付け具合等によって静電容量に影響はほぼ生じない。また、アンテナ140及びICチップ150のセラミック基板230への実装も同様に容易であり、セラミック基板230のボルト本体200Aの装着も容易である。すなわち、ボルト200の組み立てにおいては、電極260A、260Bから出力される静電容量に影響を及ぼす要素は、ほぼ無いと言える。
したがって、被締結部材の締結状態の変化を検出する検出精度の高いボルト200、及び、検出システム500を提供することができる。
なお、以上では、頭部210の頂部211に開口部211Aを設け、アンテナ140及びICチップ150を実装したセラミック基板230を設けるとともに、内部空間212の先端221側の凹部221Bに電極保持部270の基部271の端部271Aを挿入し、セラミック基板230及び保持部272に電極260A及び260Bをそれぞれ設ける形態について説明した。しかしながら、円筒部220の先端221の表面に開口部を設けるとともに、開口部に連通する内部空間を設け、円筒部220の−Z方向側にアンテナ140を設けてもよい。
また、以上では、電極保持部270が絶縁体製であり、電極260Bが図示しない配線を介してICチップ150に接続される形態について説明したが、電極保持部270は金属製であってもよい。この場合には、保持部272を電極260Bとして用いてもよい。また、電極保持部270はボルト本体200Aを介してICチップ150に接続されてもよい。
また、電極260AがXY平面内で2分割されていて、2分割された電極260Aがセラミック基板230の内部の配線を介してICチップ150に接続されていて、電極260BがICチップ150に接続されていない構成であってもよい。この場合には、一方の電極260Aと電極260Bとの静電容量と、他方の電極260Aと電極260Bとの静電容量との合計の静電容量の変化をICチップ150で監視すればよい。
また、以上では、セラミック基板230が内部空間212の内表面に接着剤235によって接着されることで固定される形態について説明したが、セラミック基板230は、内部空間212の内表面に対して弾力性を持たせた状態で固定されていてもよい。
また、以上では、セラミック基板230が接着剤235によって接着されることによって内部空間212のうちのセラミック基板230よりも−Z方向側の空間が封止されている形態について説明したが、必ずしも封止しなくてもよい。
以上、本発明の例示的な実施の形態のボルト、及び、検出システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100、200 ボルト
110、210 頭部
120、220 円筒部
123、212 内部空間
130、230 セラミック基板
140 アンテナ
150 ICチップ
160 圧力センサ
260A、260B 電極
270 電極保持部

Claims (12)

  1. 外周面にネジが切られ、内部に空間を有する円筒部を備えたボルト本体と、
    前記空間内に配置され、前記ボルト本体の伸縮に応じて変化する前記空間内の圧力を検出する検出部と
    を含む、ボルト。
  2. 外部装置からの信号に応じて前記検出部による検出処理を開始させる制御部をさらに含む、請求項1記載のボルト。
  3. 温度測定部と、
    前記温度測定部によって検出される温度に応じて前記圧力を補正する補正部と
    をさらに含む、請求項1又は2記載のボルト。
  4. 前記検出部によって検出される圧力を表すデータを外部装置に送信する通信部をさらに含む、請求項1乃至3のいずれか一項記載のボルト。
  5. 外周面にネジが切られ、内部に空間を有する円筒部を備えたボルト本体と、
    前記ボルト本体の伸縮に応じて変化する静電容量を出力する一対の電極と
    を含む、ボルト。
  6. 外部装置からの信号に応じて前記一対の電極から出力される静電容量を取得する制御部をさらに含む、請求項5記載のボルト。
  7. 温度測定部と、
    前記温度測定部によって検出される温度に応じて前記静電容量を補正する補正部と
    をさらに含む、請求項5又は6記載のボルト。
  8. 前記一対の電極から出力される静電容量を表すデータを外部装置に送信する通信部をさらに含む、請求項5乃至7のいずれか一項記載のボルト。
  9. 請求項4記載のボルトと、
    前記外部装置と
    を含む、検出システム。
  10. 前記ボルト本体を被締結部材の貫通孔に挿通させて前記ボルト本体とナットで前記被締結部材を締結した状態において、経時による前記圧力の変化に基づいて、前記ボルト本体と前記ナットとの締結状態の変化を検出する締結状態検出部をさらに含む、請求項9記載の検出システム。
  11. 請求項8記載のボルトと、
    前記外部装置と
    を含む、検出システム。
  12. 前記ボルト本体を被締結部材の貫通孔に挿通させて前記ボルト本体とナットで前記被締結部材を締結した状態において、経時による前記静電容量の変化に基づいて、前記ボルト本体と前記ナットとの締結状態の変化を検出する締結状態検出部をさらに含む、請求項11記載の検出システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI737574B (zh) * 2021-03-16 2021-08-21 國立高雄科技大學 應力感測螺絲
WO2023084793A1 (ja) * 2021-11-15 2023-05-19 日本電信電話株式会社 Uボルト、監視装置及び監視方法
WO2024014036A1 (ja) * 2022-07-11 2024-01-18 芳隆 秋野 緩みセンサ付きボルトとその使用方法並びに緩み検出システム

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