JP2020186782A - 蒸気弁駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性を向上させることができる蒸気弁駆動装置を提供する。【解決手段】実施の形態による蒸気弁駆動装置は、弁体を開方向に押圧する開方向シリンダと、弁体を閉方向に押圧する閉方向シリンダと、を備えている。開方向シリンダへの作動油の供給は、開側供給制御弁によって許可または阻止される。開方向シリンダからの作動油の排出は、開側排出制御弁によって阻止または許可される。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、蒸気弁駆動装置に関する。
蒸気タービンへの蒸気の供給を制御する蒸気弁は、蒸気弁駆動装置によって開閉駆動される。このような蒸気弁駆動装置には、タービン運転時に蒸気弁の前後差圧により発生する負荷を上回ることが可能な駆動力で蒸気弁を開く機能が求められる。この駆動力は、蒸気圧力と蒸気弁の弁口径に比例して増大し、およそ数十トン程度にもなる。一方、蒸気弁駆動装置には、危急時にタービンに流入する蒸気を速やかに遮断するための急閉機能が求められる。一般的に、蒸気弁駆動装置には、油圧シリンダと、閉鎖ばねを収容するばね箱と、を備えた油圧アクチュエータが用いられている。
ここで、従来の蒸気弁駆動用の油圧アクチュエータの構造について、図10を用いて説明する。図10に示す油圧アクチュエータ100は、蒸気弁SVの弁体VBを開方向(図10における上側)に駆動するための油圧シリンダ101と、危急時に蒸気弁SVを急閉させるための閉鎖ばね102を収容するばね箱103と、マニホールドブロック(図示せず)と、を備えている。マニホールドブロックには、油圧アクチュエータ100の動作方向の切り替えや位置制御、急閉動作などを実現するためのアクセサリ部品が設けられている。このアクセサリ部品の一例として、図10では、マニホールドブロックに、サーボ弁104、ロジック弁105およびトリップ電磁弁106が設けられている。
サーボ弁104は、油圧シリンダ101の開方向シリンダ室107への高圧の作動油の供給を許可または阻止するように構成されている。このサーボ弁104によって、開方向シリンダ室107への作動油の供給が制御され、蒸気弁SVが開閉駆動される。
また、ロジック弁105は、開方向シリンダ室107からの作動油の排出を阻止または許可するように構成されている。トリップ電磁弁106は、ロジック弁105のパイロットポート(Xポート)への作動油の供給を許可または阻止するとともに作動油の排出を阻止または許可するように構成されている。トリップ電磁弁106が、ロジック弁105のXポートから作動油を排出させると、ロジック弁105が開く。このことにより、開方向シリンダ室107に充填されている作動油を急速に排出することができ、ばね箱103に収容された閉鎖ばね102のばね力で蒸気弁SVの弁体VBを閉方向(図10における下側)に急速駆動させることができる。このようにして、蒸気弁SVを急閉することができる。更に、閉鎖ばね102は、蒸気弁SVを急閉させるだけでなく、タービン起動時において蒸気弁SVの弁体VBが、蒸気の前後差圧によって浮き上がることを防止し、全閉状態を保持する役割も担っている。
このように、蒸気弁SVの急閉は、閉鎖ばね102の押圧力によって実現されている。蒸気弁SVをスムースに急閉させるために、閉鎖ばね102は所望の押圧力を発生させるように構成される。このため、閉鎖ばね102のサイズが大きくなる。この場合、油圧アクチュエータ100のサイト据付時における作業性が低下し得る。また、サイト据付後、油圧アクチュエータ100へのアクセスが困難になり、メンテナンス性が低下するという問題も考えられる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、コンパクト化させることにより、据付時の作業性を向上させるとともにメンテナンス性を向上させることができる蒸気弁駆動装置を提供することを目的とする。
実施の形態による蒸気弁駆動装置は、作動油を用いて蒸気弁の弁体を開閉駆動する蒸気弁駆動装置である。この蒸気弁駆動装置は、弁体を開方向に押圧する開方向シリンダと、弁体を閉方向に押圧する閉方向シリンダと、を備えている。開方向シリンダへの作動油の供給は、開側供給制御弁によって許可または阻止される。開方向シリンダからの作動油の排出は、開側排出制御弁によって阻止または許可される。
本発明によれば、コンパクト化させることにより、据付時の作業性を向上させるとともにメンテナンス性を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における蒸気弁駆動装置について説明する。
(第1の実施の形態)
図1および図2を用いて、第1の実施の形態における蒸気弁駆動装置1について説明する。ここに示す蒸気弁駆動装置1は、高圧の作動油を用いて蒸気弁SVの弁体VBを開閉駆動するための油圧駆動装置(油圧アクチュエータ)である。
図1および図2を用いて、第1の実施の形態における蒸気弁駆動装置1について説明する。ここに示す蒸気弁駆動装置1は、高圧の作動油を用いて蒸気弁SVの弁体VBを開閉駆動するための油圧駆動装置(油圧アクチュエータ)である。
図1に示すように、本実施の形態による蒸気弁駆動装置1は、蒸気弁SVの弁体VBを開方向に押圧する開方向シリンダ10と、弁体VBを閉方向に押圧する閉方向シリンダ20と、を備えている。
開方向シリンダ10は、シリンダ室11と、シリンダ室11内に摺動可能に設けられたピストン12と、ピストン12を弁体VBに連結するピストンロッド13と、を有している。シリンダ室11のうちピストン12の一側(図1における上側)に、ロッド側シリンダ室14が設けられている。このロッド側シリンダ室14には、ピストンロッド13が配置され、ピストンロッド13は、ロッド側シリンダ室14を貫通している。シリンダ室11のうちピストン12の他側(図1における下側)に、開方向シリンダ室15が設けられている。この開方向シリンダ室15に、蒸気弁SVを開く際に作動油が供給される。なお、ロッド側シリンダ室14には作動油は供給されるようにはなっていない。
本実施の形態では、蒸気弁駆動装置1は、上述の開方向シリンダ10を複数備えている。図1においては、2つの開方向シリンダ10によって、弁体VBが開方向に押圧される例を示している。このことにより、蒸気弁駆動装置1のサイト据付時における作業性を向上させることができるとともに、サイト据付後の蒸気弁駆動装置1へのアクセス性を向上させることができる。また、図10に示す従来の油圧アクチュエータ100の油圧シリンダ101を2つに分割したことにより、従来の油圧アクチュエータ100に比べて蒸気弁駆動装置1のコンパクト化を図っている。なお、各開方向シリンダ10の開方向シリンダ室15は、互いに連通しており、充填される作動油の圧力が等しくなるようになっている。
閉方向シリンダ20は、図10に示す従来の油圧アクチュエータ100の閉鎖ばね102のばね力の少なくとも一部を代替えするための構成である。このため、後述する閉鎖ばね30のばね力が低減され、閉鎖ばね30を収容するばね箱31のコンパクト化が図られている。
閉方向シリンダ20は、シリンダ室21と、シリンダ室21内に摺動可能に設けられたピストン22と、ピストン22を弁体VBに連結するピストンロッド23と、を有している。シリンダ室21のうちピストン22の一側(図1における下側)に、ロッド側シリンダ室24が設けられている。このロッド側シリンダ室24には、ピストンロッド23が配置され、ピストンロッド23は、ロッド側シリンダ室24を貫通している。シリンダ室21のうちピストン22の他側(図1における上側)に、閉方向シリンダ室25が設けられている。この閉方向シリンダ室25に、蒸気弁SVの開状態および閉状態のいずれにおいても(すなわち、常時)作動油が供給されて、蒸気弁SVを閉じる方向に作動油による押圧力が作用するようになっている。なお、ロッド側シリンダ室24には作動油は供給されるようにはなっていない。
本実施の形態では、蒸気弁駆動装置1は、閉方向シリンダ20を1つだけ備えている。しかしながら、このことに限られることはなく、閉方向シリンダ20は複数設けられていてもよい。
本実施の形態による蒸気弁駆動装置1は、弁体VBを閉方向に押圧する閉鎖ばね30を更に備えている。閉鎖ばね30は、ばね箱31に収容され、閉鎖ばね30のばね力は、ばね受け部32で受けられるように構成されている。ばね受け部32は、後述するばねロッド33に連結されており、閉鎖ばね30のばね力が、ばねロッド33に伝達されるようになっている。なお、ばね受け部32は、ばねロッド33を介してカップリング部34に連結されており、閉鎖ばね30のばね力は、ばねロッド33およびカップリング部34を介して、弁棒VAに伝達されるようになっている。
2つの開方向シリンダ10と1つの閉方向シリンダ20は、駆動伝達バー35に連結されている。この駆動伝達バー35は、カップリング部34に連結されている。本実施の形態によるカップリング部34は、ばねロッド33の端部に設けられたカップリングフランジ34aと、弁棒VAの端部に設けられたカップリングフランジ34bと、を有している。両者のカップリングフランジ34a、34bが、ボルト等で締結されて、ばねロッド33と弁棒VAとが連結されている。駆動伝達バー35は、開方向シリンダ10と閉方向シリンダ20の押圧力を弁棒VAに伝達するために、少なくともカップリングフランジ34bに固定されていればよい。このようにして、開方向シリンダ10の押圧力および閉方向シリンダ20の押圧力が、駆動伝達バー35およびカップリング部34を介して弁棒VAに伝達されるようになっている。なお、図1および図2においては、カップリング部34の一側(図1および図2における左側)に2つの開方向シリンダ10が配置されている例が示されているが、開方向シリンダ10は、ばねロッド33または弁棒VAの周囲において、ばねロッド33または弁棒VAを囲むように周方向に均等に配置されるようにしてもよい。例えば、2つの開方向シリンダ10は、ばねロッド33または弁棒VAを中心にして対称(図1および図2における左右対称)に配置されていてもよい。
2つの開方向シリンダ10の押圧力の合力は、閉方向シリンダ20の押圧力と閉鎖ばね30のばね力と蒸気弁SVの弁体VBの前後差圧との合力よりも大きくなっている。このことにより、2つの開方向シリンダ10の押圧力で、蒸気弁SVを開くことができる。このような力関係を満たすことができれば、各開方向シリンダ10のシリンダ内径と閉方向シリンダ20のシリンダ内径およびシリンダ本数は任意に設定することができる。例えば、各開方向シリンダ10のシリンダ内径と閉方向シリンダ20のシリンダ内径は、等しくしてもよい。また、この力関係を満たすことができれば、開方向シリンダ10の本数も閉方向シリンダ20の本数も任意である。
このような構成により、各開方向シリンダ10の開方向シリンダ室15に作動油が供給されると、作動油の圧力で、ピストン12が、ロッド側シリンダ室14の側(図1における上側)に押圧される。このことにより、弁体VBを開方向に移動させることができ、蒸気弁SVを開くことができる。蒸気弁SVを閉じる際には、開方向シリンダ室15から作動油が排出される。このことにより、弁体VBを閉方向に移動させることができ、蒸気弁SVを閉じることができる。
本実施の形態による蒸気弁駆動装置1は、開方向シリンダ10および閉方向シリンダ20に作動油を供給するマニホールドブロック(図示せず)を更に備えている。マニホールドブロックは、作動油を供給する供給口40と、作動油を排出する排出口41と、を有している。このうち供給口40は、図示しない作動油供給系統に接続されており、この作動油供給系統から高圧の作動油が供給口40に供給されるようになっている。作動油供給系統とは、主として、図示しない高圧油ポンプと、高圧油ポンプの下流側に設けられた図示しないフィルターとで構成されている。排出口41は、図示しないドレン系統に接続されており、排出口41から排出される作動油は、このドレン系統に排出される。
また、マニホールドブロックは、サーボ弁42(開側供給制御弁)と、開側ロジック弁43(開側排出制御弁)と、トリップ電磁弁44と、を有している。本実施の形態では、蒸気弁駆動装置1が、1つのサーボ弁42と、2つの開側ロジック弁43と、2つのトリップ電磁弁44と、を備えている例について説明する。
サーボ弁42は、供給口40から開方向シリンダ室15への作動油の供給を許可または阻止するように構成されている。すなわち、サーボ弁42は、供給口40から2つの開方向シリンダ室15への作動油の供給を許可する状態と、当該作動油の供給を阻止する状態とに切替可能に構成されている。より具体的には、サーボ弁42のPポートは、供給口40に接続されている。また、サーボ弁42のBポートは、2つの開方向シリンダ10の開方向シリンダ室15にそれぞれ接続され、Tポートは、排出口41に接続されている。
サーボ弁42は、図示しない制御装置から送信される電気信号を受けるコイルを有している。また、サーボ弁42のスプール弁用のXポートには、図示しないラインを介して、供給口40からパイロット油としての作動油が常時供給される。本実施の形態においては、サーボ弁42が、コイルに入力される電気信号の大きさによって、スプール弁の位置が制御される位置制御機能を有している例を示している。
例えば、サーボ弁42のコイルに開方向の電気信号が入力されると、図1に示すように、スプール弁が移動し、サーボ弁42のPポートとBポートとが連通する。このことにより、供給口40から各開方向シリンダ室15への作動油の供給が許可され、供給口40から各開方向シリンダ室15に作動油が供給される。一方、コイルに閉方向の電気信号が入力されると、図2に示すように、スプール弁が移動する。この場合、サーボ弁42のPポートとBポートは遮断され、供給口40から各開方向シリンダ室15への作動油の供給が阻止される。
図1に示すように、各開側ロジック弁43は、開方向シリンダ室15からの作動油の排出を阻止または許可するように構成されている。すなわち、開側ロジック弁43は、対応する開方向シリンダ室15からの作動油の排出を阻止する状態と、当該作動油の排出を許可する状態とに切替可能に構成されている。より具体的には、開側ロジック弁43のAポートは、対応する開方向シリンダ室15に接続されている。開側ロジック弁43のXポートは、トリップ電磁弁44のAポートに接続され、Bポートは、対応する開方向シリンダ10のロッド側シリンダ室14を介して排出口41に接続されている。
各開側ロジック弁43は、トリップ電磁弁44によって制御される。すなわち、図1に示すように、各トリップ電磁弁44のAポートから開側ロジック弁43のXポートに作動油が供給されている状態では、Xポートが作動油によって加圧されて開側ロジック弁43は閉じ、開側ロジック弁43のAポートとBポートとが遮断される。このことにより、対応する開方向シリンダ室15から排出口41への作動油の排出が阻止される。一方、図2に示すように、開側ロジック弁43のXポートから作動油が排出されている状態では、開側ロジック弁43は開き、開側ロジック弁43のAポートとBポートとが連通する。このことにより、開方向シリンダ室15から排出口41への作動油の流れが許可され、当該開方向シリンダ室15から排出口41に作動油が排出される。
各トリップ電磁弁44は、開側ロジック弁43への作動油の供給を許可、または開側ロジック弁43からの作動油の排出を許可するように構成されている。すなわち、各トリップ電磁弁44は、開側ロジック弁43への作動油の供給を許可する状態と、開側ロジック弁43からの作動油の排出を許可する状態とに切替可能に構成されている。このようにトリップ電磁弁44が開側ロジック弁43を制御することにより、開側ロジック弁43は、開方向シリンダ室15からの作動油の排出を阻止または許可する。より具体的には、トリップ電磁弁44のPポートは、供給口40に接続されている。トリップ電磁弁44のAポートは、開側ロジック弁43のXポートに接続され、トリップ電磁弁44のTポートは、排出口41に接続されている。なお、図1および図2に示す本実施の形態においては、各トリップ電磁弁44のAポートは、両方の開側ロジック弁43のXポートに接続されており、充填される作動油の圧力が等しくなるようになっている。また、一方のトリップ電磁弁44から2つの開側ロジック弁43に作動油を供給可能になっている。
トリップ電磁弁44は、図示しない制御装置から送信される電気信号を受けて励磁されるコイルを有している。このコイルが励磁されると、図1に示すように、トリップ電磁弁44のPポートとAポートとが連通し、供給口40から開側ロジック弁43のXポートへの作動油の供給が許可される。このことにより、供給口40から開側ロジック弁43のXポートに作動油が供給される。一方、電気信号が無くなると、コイルの励磁が解かれ、図2に示すように、トリップ電磁弁44のAポートとTポートとが連通し、開側ロジック弁43のXポートから排出口41への作動油の排出が許可される。このことにより、開側ロジック弁43のXポートから排出口41に作動油が排出される。
図1および図2に示すように、本実施の形態による蒸気弁駆動装置1は、閉方向シリンダ20へ作動油を供給する閉側供給路50と、閉方向シリンダ20から作動油を排出する第1閉側排出路51と、閉方向シリンダ20に設けられたリリーフ弁52と、を更に備えている。
閉側供給路50は、作動油の供給口40と閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25とを接続している。このため、閉方向シリンダ室25は、閉側供給路50を介して供給口40に接続されている。閉側供給路50には、サーボ弁42などの弁は設けられていない。このため、本実施の形態では、供給口40と閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25とは、蒸気弁SVの開状態および閉状態のいずれにおいても(すなわち、常時)連通しており、供給口40から作動油が常時供給されるようになっている。
第1閉側排出路51は、閉方向シリンダ20のロッド側シリンダ室24と排出口41とを接続している。このため、閉方向シリンダ20のロッド側シリンダ室24は、第1閉側排出路51を介して排出口41に連通されている。閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25からロッド側シリンダ室24に流出した作動油は、第1閉側排出路51を介して排出口41に排出される。
リリーフ弁52は、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力を制御するための弁である。より具体的には、リリーフ弁52は、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力が所定のしきい値よりも高くなった場合に、閉方向シリンダ室25から排出口41への作動油の排出を許可する。すなわち、リリーフ弁52は、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力がしきい値よりも高くなった場合に開き、当該圧力がしきい値以下の場合に閉じるように構成されている。このようなリリーフ弁52により、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力が過度に上昇しないように圧力制御(圧力監視)がなされている。なお、リリーフ弁52は、閉方向シリンダ室25の近傍に設置することにより、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力上昇を精度良く検知することが可能になる。このため、リリーフ弁52は、閉方向シリンダ室25に直接的に取り付けられていてもよく、閉方向シリンダ室25に比較的短いラインを介して接続されていてもよい。リリーフ弁52を通過した作動油は、第1閉側排出路51に排出されるようになっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、ここでは、蒸気弁駆動方法について説明する。図1は、蒸気弁駆動装置1の開状態の系統図を示し、図2は、蒸気弁駆動装置1の閉状態の系統図を示しているが、便宜上、各開方向シリンダ10の状態、閉方向シリンダ20の状態、閉鎖ばね30の状態、および弁体VBの位置は、開状態と閉状態とで区別させずに示している。後述する図3〜図9についても同様である。図中に示す実線は、作動油の圧力が付加されている状態を示し、破線は、その圧力から解放されている状態を示している。
蒸気弁SVを開く(リセットする)場合、各トリップ電磁弁44が励磁される。すると、図1に示すように、トリップ電磁弁44のPポートとAポートとが連通し、供給口40からトリップ電磁弁44を介して、各開側ロジック弁43のXポートに作動油が供給される。このことにより、各開側ロジック弁43のXポートが加圧されて、各開側ロジック弁43は閉じる。このため、各開方向シリンダ10の開方向シリンダ室15から排出口41への作動油の排出が阻止される。
また、蒸気弁SVを開く場合、サーボ弁42に開方向の電気信号が入力される。すると、図1に示すように、サーボ弁42のPポートとBポートとが連通し、供給口40からサーボ弁42を介して、各開方向シリンダ10の開方向シリンダ室15に作動油が供給される。
開方向シリンダ室15に作動油が供給されると、開方向シリンダ室15内の作動油の圧力が高まる。このことにより、開方向シリンダ10のピストン12が開方向シリンダ室15内の作動油の圧力で押圧され、ピストン12は、開方向に(図1における上側)に移動する。この作動油からピストン12が受ける押圧力は、駆動伝達バー35およびカップリング部34を介して弁棒VAに伝達され、弁体VBが開方向(図1における上側)に移動する。このようにして、蒸気弁SVを開くことができる。
なお、蒸気弁SVを開く際であっても、閉方向シリンダ室25には、供給口40から作動油が供給される。2つの開方向シリンダ10のピストン12が作動油から受ける押圧力が、閉方向シリンダ20のピストン22が作動油から受ける押圧力と閉鎖ばね30のばね力と蒸気弁SVの弁体VBの前後差圧との合力よりも大きいため、駆動伝達バー35を介して、閉方向シリンダ20のピストン22は、弁体VBを開方向に移動させる方向(図1における上側)に移動する。このため、ピストン22の移動に伴い、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力が高められる。
しかしながら、閉方向シリンダ室25に、リリーフ弁52が設けられている。このことにより、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力がしきい値に達すると、リリーフ弁52が開く。このため、閉方向シリンダ室25内の作動油はリリーフ弁52を介して第1閉側排出路51に排出され、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力が低減される。この結果、開方向シリンダ10の押圧力によって、弁体VBは開方向に移動し、蒸気弁SVを開くことができる。
一方、蒸気弁SVを急閉する(トリップする)場合、各トリップ電磁弁44の励磁が解かれ、トリップ電磁弁44のばねの作用によってトリップ電磁弁44がトリップする。すると、図2に示すように、各トリップ電磁弁44のAポートとTポートとが連通し、各開側ロジック弁43のXポート内の作動油が、トリップ電磁弁44を介して排出口41に排出される。このことにより、各開側ロジック弁43が開く。各開側ロジック弁43が開くと、開側ロジック弁43のAポートとBポートとが連通する。このことにより、対応する開方向シリンダ10の開方向シリンダ室15内の作動油は、開側ロジック弁43および開方向シリンダ10のロッド側シリンダ室14を介して、排出口41に排出される。
また、蒸気弁SVを急閉する場合、サーボ弁42に閉方向の電気信号が入力される。すると、図2に示すように、サーボ弁42のPポートとBポートとが遮断され、供給口40から開方向シリンダ室15への作動油の供給が阻止される。
このため、開方向シリンダ10のピストン12が受けていた押圧力が喪失される。一方、閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25には、供給口40から作動油が供給されるため、ピストン22が閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力で押圧される。このため、閉方向シリンダ20のピストン22が作動油から受ける押圧力と、閉鎖ばね30のばね力で、弁体VBは閉方向(図2における下側)に移動する。このようにして、蒸気弁SVを急閉することができる。
また、蒸気弁SVを急閉する場合、開方向シリンダ室15内の作動油は、排出容量が大きい開側ロジック弁43から排出されるため、開方向シリンダ室15内の作動油を急速に排出することができる。このことにより、弁体VBを、閉鎖ばね30のばね力で閉方向に急速に移動させることができ、蒸気弁SVの急閉が可能になる。
このように本実施の形態によれば、閉方向シリンダ20が弁体VBを閉方向に押圧している。このことにより、閉方向シリンダ20で、弁体VBの閉方向の押圧力を確保することができれば、閉鎖ばね30を不要にすることができる。このため、蒸気弁駆動装置1をコンパクト化することができる。この場合、蒸気弁駆動装置1のサイト据付時における作業性を向上させることができる。また、サイト据付後、蒸気弁駆動装置1へのアクセス性を向上させて、メンテナンス性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、閉方向シリンダ20だけでなく、閉鎖ばね30によっても蒸気弁SVの弁体VBを閉方向に押圧されている。このことにより、閉方向への弁体VBの押圧力を高めることができ、蒸気弁SVをより一層スムースに急閉することができる。上述したように、閉方向シリンダ20も弁体VBを閉方向に押圧していることから、閉鎖ばね30の押圧力を低減することができ、閉鎖ばね30をコンパクト化することができる。このため、蒸気弁駆動装置1をコンパクト化することができる。
また、本実施の形態によれば、複数の開方向シリンダ10によって弁体VBを開方向に押圧することができる。すなわち、本実施の形態による蒸気弁駆動装置1は、図10に示す従来の油圧アクチュエータ100の開方向シリンダ室107を2つの開方向シリンダ10に分割した構成となっている。このことにより、各開方向シリンダ10をコンパクト化させることができる。このため、上述した閉鎖ばね30のコンパクト化と、開方向シリンダ10のコンパクト化と合わせて、蒸気弁駆動装置1をコンパクト化することができる。
また、本実施の形態によれば、蒸気弁SVの弁体VBを開方向に押圧する開方向シリンダ10は、ピストンロッド13が配置されるロッド側シリンダ室14と、作動油が供給される開方向シリンダ室15と、を有している。そして、ロッド側シリンダ室14は、シリンダ室21のうちピストン12の一側に設けられ、開方向シリンダ室15は、ピストン12の他側に設けられている。すなわち、開方向シリンダ室15は、ピストン12に対してロッド側シリンダ室14とは反対側に設けられている。このことにより、作動油が供給される開方向シリンダ室15に、ピストンロッド13が配置されることを回避でき、ピストンロッド13が貫通して作動油の漏れを誘発し得る貫通部が、開方向シリンダ室15に形成されることを防止できる。このため、開方向シリンダ10から外部への作動油の漏れを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、作動油が供給される閉方向シリンダ室25は、ピストン22に対してロッド側シリンダ室24とは反対側に設けられている。このことにより、閉方向シリンダ室25に、ピストンロッド23が配置されることを回避でき、ピストンロッド23が貫通して作動油の漏れを誘発し得る貫通部が、閉方向シリンダ室25に形成されることを防止できる。このため、閉方向シリンダ室25から外部への作動油の漏れを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25に、蒸気弁SVの開状態および閉状態のいずれにおいても作動油が供給されており、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力が、リリーフ弁52によって制御されている。このことにより、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力がしきい値よりも高くなった場合に、リリーフ弁52を開いて、閉方向シリンダ室25から排出口41に作動油を排出することができる。このため、蒸気弁SVを開く際に、閉方向シリンダ20のピストン22が作動油から受ける圧力を低減させることができ、蒸気弁SVをスムースに開くことができる。また、閉方向シリンダ室25には、常時作動油が供給されていることから、蒸気弁SVを急閉する場合には、開方向シリンダ10から作動油を排出させることにより、弁体VBを迅速に閉方向に移動させることができ、蒸気弁SVを急閉することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図3および図4を用いて、本発明の第2の実施の形態における蒸気弁駆動装置について説明する。
次に、図3および図4を用いて、本発明の第2の実施の形態における蒸気弁駆動装置について説明する。
図3および図4に示す第2の実施の形態においては、閉方向シリンダへの作動油の供給が閉側供給制御弁によって阻止または許可され、閉方向シリンダからの作動油の排出が閉側排出制御弁によって許可または阻止される点が主に異なり、他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図3および図4において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図3に示すように、蒸気弁駆動装置1は、閉方向シリンダ20への作動油の供給を阻止または許可する閉側ロジック弁60(閉側供給制御弁)と、閉方向シリンダ20からの作動油の排出を許可または阻止する閉側排出制御弁61と、を備えている。閉側ロジック弁60は、閉側供給路50に設けられている。主として、これらの閉側ロジック弁60および閉側排出制御弁61が設けられている点が、本実施の形態が、図1および図2に示す第1の実施の形態と異なっている点である。
閉側ロジック弁60は、閉方向シリンダ室25への作動油の供給を阻止または許可するように構成されている。すなわち、閉側ロジック弁60は、閉方向シリンダ室25への作動油の供給を阻止する状態と、当該作動油の供給を許可する状態とに切替可能に構成されている。より具体的には、閉側ロジック弁60のAポートは、供給口40に接続されている。閉側ロジック弁60のXポートは、トリップ電磁弁44のAポートに接続され、Bポートは、閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25に接続されている。
閉側ロジック弁60は、トリップ電磁弁44によって制御される。すなわち、図3に示すように、トリップ電磁弁44のAポートから閉側ロジック弁60のXポートに作動油が供給されている状態では、Xポートが作動油によって加圧されて閉側ロジック弁60は閉じ、閉側ロジック弁60のAポートとBポートとが遮断される。このことにより、閉方向シリンダ室25への供給口40からの作動油の供給が阻止される。一方、図4に示すように、閉側ロジック弁60のXポートから作動油が排出されている状態では、閉側ロジック弁60は開き、閉側ロジック弁60のAポートとBポートとが連通する。このことにより、供給口40から閉方向シリンダ室25への作動油の流れが許可され、供給口40から閉方向シリンダ室25に作動油が供給される。
本実施の形態によるトリップ電磁弁44は、各開側ロジック弁43だけでなく閉側ロジック弁60も制御するようになっている。すなわち、トリップ電磁弁44は、各開側ロジック弁43および閉側ロジック弁60への作動油の供給を許可、または各開側ロジック弁43および閉側ロジック弁60からの作動油の排出を許可するように構成されている。すなわち、各トリップ電磁弁44は、開側ロジック弁43および閉側ロジック弁60への作動油の供給を許可する状態と、開側ロジック弁43および閉側ロジック弁60からの作動油の排出を許可する状態とに切替可能に構成されている。
このようにトリップ電磁弁44が開側ロジック弁43および閉側ロジック弁60を制御することにより、開側ロジック弁43は、開方向シリンダ室15からの作動油の排出を阻止または許可し、閉側ロジック弁60は、閉方向シリンダ室25への作動油の供給を阻止または許可する。より具体的には、トリップ電磁弁44のPポートは、供給口40に接続されている。トリップ電磁弁44のAポートは、対応する開側ロジック弁43のXポートおよび閉側ロジック弁60のXポートに接続され、トリップ電磁弁44のTポートは、排出口41に接続されている。なお、図3および図4に示す本実施の形態においては、各トリップ電磁弁44のAポートは、両方の開側ロジック弁43のXポートおよび閉側ロジック弁60のXポートに接続されており、充填される作動油の圧力が等しくなるようになっている。また、一方のトリップ電磁弁44から2つの開側ロジック弁43および閉側ロジック弁60に作動油を供給可能になっている。
トリップ電磁弁44のコイルが励磁されると、図3に示すように、トリップ電磁弁44のPポートとAポートとが連通し、供給口40から開側ロジック弁43のXポートおよび閉側ロジック弁60のXポートへの作動油の流れが許可される。このことにより、供給口40から開側ロジック弁43のXポートおよび閉側ロジック弁60のXポートに作動油が供給される。一方、電気信号が無くなると、コイルの励磁が解かれ、図4に示すように、トリップ電磁弁44のAポートとTポートとが連通し、開側ロジック弁43のXポートおよび閉側ロジック弁60のXポートから排出口41への作動油の排出が許可される。このことにより、開側ロジック弁43のXポートおよび閉側ロジック弁60のXポートから排出口41に作動油が排出される。
図3および図4に示すように、本実施の形態においては、閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25と排出口41とが第2閉側排出路62で接続されている。この第2閉側排出路62に、上述したサーボ弁42が設けられている。より具体的には、第2閉側排出路62は、閉方向シリンダ室25からサーボ弁42のAポートおよびTポートを通って排出口41まで達する流路となっている。
本実施の形態によるサーボ弁42は、上述した閉側排出制御弁61としても構成されている。すなわち、サーボ弁42は、開方向シリンダ10への作動油の供給を許可または阻止する開側供給制御弁と、閉方向シリンダからの作動油の排出を許可または阻止する閉側排出制御弁61と、が一体に構成されており、閉方向シリンダ20からの作動油の排出を許可または阻止するようにも構成されている。このため、サーボ弁42は、閉方向シリンダ室25から排出口41への作動油の排出を許可する状態と、当該作動油の排出を阻止する状態とに切替可能に構成されている。そして、サーボ弁42のコイルに開方向の電気信号が入力されると、図3に示すように、サーボ弁42のAポートとTポートとが連通し、閉方向シリンダ室25から排出口41への作動油の排出が許可される。一方、サーボ弁42のコイルに閉方向の電気信号が入力されると、図4に示すように、サーボ弁42のAポートとTポートとが遮断され、閉方向シリンダ室25から排出口41への作動油の排出が阻止される。
次に、本実施の形態による蒸気弁駆動方法について説明する。以下では、主として閉方向シリンダ20について説明する。
蒸気弁SVを開く(リセットする)場合、図3に示すように、各トリップ電磁弁44が励磁され、閉側ロジック弁60のXポートに作動油が供給される。このことにより、閉側ロジック弁60のXポートが加圧されて閉側ロジック弁60のAポートが閉じる。このため、供給口40から閉方向シリンダ室25への作動油の供給が阻止される。
また、蒸気弁SVを開く場合、サーボ弁42に開方向の電気信号が入力される。すると、図3に示すように、サーボ弁42のAポートとTポートとが連通し、閉方向シリンダ室25から第2閉側排出路62およびサーボ弁42(AポートおよびTポート)を介して、排出口41に作動油が排出される。このことにより、作動油による閉方向シリンダ20のピストン22の押圧力が喪失される。同時に、サーボ弁42のPポートとBポートとが連通し、供給口40からサーボ弁42(PポートおよびBポート)を介して、開方向シリンダ室15に作動油が供給される。このため、開方向シリンダ10の押圧力が、弁棒VAに伝達されて、弁体VBが開方向(図3における上側)に移動する。
蒸気弁SVを急閉する(トリップする)場合、図4に示すように、各トリップ電磁弁44の励磁が解かれ、閉側ロジック弁60のXポートから作動油が排出される。このことにより、閉側ロジック弁60のAポートが開く。閉側ロジック弁60のAポートが開くと、供給口40から閉方向シリンダ室25に作動油が供給される。
また、蒸気弁SVを急閉する場合、サーボ弁42に閉方向の電気信号が入力される。すると、サーボ弁42のAポートとTポートとが遮断し、閉方向シリンダ室25から排出口41への作動油の排出が阻止される。このことにより、閉方向シリンダ室25内の作動油の圧力が高まり、閉方向シリンダ20のピストン22が受ける押圧力と、閉鎖ばね30のばね力で、弁体VBは閉方向(図4における下側)に急速に移動する。このようにして、蒸気弁SVを急閉することができる。
このように本実施の形態によれば、閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25への作動油の供給が、閉側ロジック弁60によって阻止または許可され、閉方向シリンダ室25からの作動油の排出が、サーボ弁42によって許可または阻止される。このことにより、蒸気弁SVを開く場合に、閉方向シリンダ室25に作動油が充填されることを防止でき、作動油による閉方向シリンダ20のピストン22の押圧力を喪失させることができる。このため、大きな駆動力を必要とする蒸気弁SVを開く際に、開方向シリンダ10から弁棒VAに伝達される押圧力が低減されることを防止でき、弁体VBが開方向に効率良く移動させることができる。この結果、蒸気弁SVをスムースに開くことができる。
(第3の実施の形態)
次に、図5〜図7を用いて、本発明の第3の実施の形態における蒸気弁駆動装置について説明する。
次に、図5〜図7を用いて、本発明の第3の実施の形態における蒸気弁駆動装置について説明する。
図5〜図7に示す第3の実施の形態においては、作動油を加圧下で貯留して閉方向シリンダに供給するアキュムレータと、アキュムレータからの作動油の供給口の側への流れを遮断する逆止弁と、を更に備えている点が主に異なり、他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図5〜図7において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図5に示すように、蒸気弁駆動装置1、閉側供給路50に接続されたアキュムレータ70と、閉側供給路50に設けられた逆止弁71と、を更に備えている。主として、アキュムレータ70および逆止弁71が設けられている点が、本実施の形態が図1および図2に示す第1の実施の形態と異なっている点である。
アキュムレータ70は、作動油を加圧下で貯留して閉方向シリンダ20に供給するように構成されており、閉側供給路50の途中に設けられた接続点P1に接続されている。言い換えると、アキュムレータ70は、閉側供給路50において、供給口40と閉方向シリンダ20との間に設けられた接続点P1に接続されている。アキュムレータ70は、一例としてガス式アキュムレータになっている。すなわち、ガス式アキュムレータは、窒素ガスなどのガスが封入されて、このガスを圧縮させることにより作動油を加圧下で貯留するように構成されている。
閉側供給路50のうち接続点P1よりも上流側(供給口40の側)に、逆止弁71が設けられている。言い換えると、逆止弁71は、閉側供給路50において供給口40と接続点P1との間の位置に配置されている。逆止弁71は、アキュムレータ70からの作動油の上流側(供給口40の側)への流れを遮断するように構成されている。すなわち、逆止弁71は、供給口40から閉方向シリンダ室25への作動油の流れを許可するが、閉方向シリンダ室25およびアキュムレータ70から供給口40への流れを遮断するように構成されている。
本実施の形態による蒸気弁駆動装置1は、図1および図2に示す第1の実施の形態や図3および図4に示す第2の実施の形態に示すような閉鎖ばね30、ばね箱31およびばね受け部32は有していない。本実施の形態によるカップリング部34は、弁棒VAの端部に設けられたカップリングフランジ34bを有し、弁棒VAと駆動伝達バー35とを連結するように構成されている。このため、2つの開方向シリンダ10の押圧力の合力は、閉方向シリンダ20の押圧力と蒸気弁SVの弁体VBの前後差圧との合力よりも大きくなっている。このことにより、2つの開方向シリンダ10の押圧力で、蒸気弁SVを開くことができる。
本実施の形態において、蒸気弁SVを開く(リセットする)場合、図5に示すように、供給口40から逆止弁71を介して閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25へ作動油が供給される。この間、アキュムレータ70にも作動油が供給されて、アキュムレータ70に加圧下で貯留される。
蒸気弁SVを閉じる(トリップする)場合、図6に示すように、各トリップ電磁弁44の励磁が解かれ、各開側ロジック弁43が開く。各開側ロジック弁43が開くと、開方向シリンダ10の開方向シリンダ室15内の作動油は、開側ロジック弁43のAポートからBポートを通過し、開方向シリンダ10のロッド側シリンダ室14を介して、排出口41に排出される。これと同時に、図6に示すように、アキュムレータ70から貯留していた作動油が閉方向シリンダ室25へ供給される。このことにより、閉方向シリンダ室25に作動油が急速に供給される。このため、閉方向シリンダ20のピストン22が作動油から受ける押圧力で、弁体VBは閉方向(図6における下側)に移動する。このようにして、蒸気弁SVを急閉することができる。
このように本実施の形態によれば、蒸気弁駆動装置1が、閉側供給路50に接続された、作動油を加圧下で貯留するアキュムレータ70を有している。このことにより、蒸気弁SVを急閉する場合、閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25に、作動油を急速に供給することができる。このため、弁体VBを閉方向に急速に移動させることができ、蒸気弁SVを急閉することができる。また、アキュムレータ70から作動油を閉方向シリンダ室25に供給することにより、図1および図2に示す第1の実施の形態や図3および図4に示す第2の実施の形態に示すような閉鎖ばね30を不要とすることができる。このため、蒸気弁駆動装置1をコンパクト化させることができる。さらに、作動油供給系統から供給口40への作動油の供給が絶たれた場合においても、アキュムレータ70から閉方向シリンダ室25に作動油を供給して蒸気弁SVを急閉することができ、蒸気弁駆動装置1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、閉側供給路50のうち、アキュムレータ70が接続された接続点P1よりも上流側に逆止弁71が設けられている。このことにより、アキュムレータ70からの作動油が上流側へ流れることを防止できる。このため、閉方向シリンダ室25に、作動油をより一層急速に供給することができ、蒸気弁SVを急閉することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、アキュムレータ70が、ガス式のアキュムレータである例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図7に示すように、アキュムレータ70は、ばね式アキュムレータであってもよい。ばね式アキュムレータは、内蔵されたばねを圧縮させることにより作動油を加圧下で貯留するように構成されている。この場合、作動油を加圧下で貯留させるためのガスを不要にすることができる。このため、ガス漏れなどでアキュムレータ70での作動油の貯留量が低下することを防止でき、信頼性を向上させることができる。アキュムレータ70の代わりにばね式アキュムレータを用いた場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
(第4の実施の形態)
次に、図8および図9を用いて、本発明の第4の実施の形態における蒸気弁駆動装置について説明する。
次に、図8および図9を用いて、本発明の第4の実施の形態における蒸気弁駆動装置について説明する。
図8および図9に示す第4の実施の形態においては、作動油を加圧下で貯留するアキュムレータと、アキュムレータからの作動油の供給口の側への流れを遮断する逆止弁と、を更に備えている点が主に異なり、他の構成は、図3および図4に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図8および図9において、図3および図4に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8および図9に示す本実施の形態は、図3および図4に示す第2の実施の形態と、図5および図6に示す第3の実施の形態とを組み合わせた構成を有している。主として、アキュムレータ70および逆止弁71が設けられている点が、本実施の形態が図3および図4に示す第2の実施の形態と異なっている点である。
本実施の形態においては、図8に示すように、蒸気弁駆動装置1は、閉側供給路50に接続されたアキュムレータ70を更に備えている。このアキュムレータ70は、図5および図6に示すアキュムレータ70と同様に、作動油を加圧下で貯留して閉方向シリンダ20に供給するように構成されており、閉側供給路50の途中に設けられた接続点P1に接続されている。本実施の形態によるアキュムレータ70は、図5および図6に示す第4の実施の形態と同様に、ガス式のアキュムレータであってもよいが、図7に示す形態と同様に、ばね式アキュムレータであってもよい。
閉側供給路50には、図5および図6に示す第4の実施の形態と同様に、逆止弁71が設けられている。
本実施の形態による蒸気弁駆動装置1は、図3および図4に示す第2の実施の形態に示すような閉鎖ばね30、ばね箱31およびばね受け部32は有していない。このため、2つの開方向シリンダ10の押圧力の合力は、閉方向シリンダ20の押圧力と蒸気弁SVの弁体VBの前後差圧との合力よりも大きくなっている。このことにより、2つの開方向シリンダ10の押圧力で、蒸気弁SVを開くことができる。
本実施の形態において、蒸気弁SVを開く(リセットする)場合、図8に示すように、供給口40からアキュムレータ70に作動油が供給されて、アキュムレータ70に作動油が加圧下で貯留される。
蒸気弁SVを閉じる(リセットする)場合、図9に示すように、各トリップ電磁弁44の励磁が解かれ、閉側ロジック弁60が開く。閉側ロジック弁60が開くと、アキュムレータ70から閉方向シリンダ室25に作動油が供給される。このことにより、閉方向シリンダ室25に作動油が急速に供給される。このため、閉方向シリンダ20のピストン22が作動油から受ける押圧力で、弁体VBは閉方向(図9における下側)に急速に移動する。このようにして、蒸気弁SVを急閉することができる。
このように本実施の形態によれば、蒸気弁駆動装置1が、閉側供給路50に接続された、作動油を加圧下で貯留するアキュムレータ70を有している。このことにより、蒸気弁SVを急閉する場合、閉方向シリンダ20の閉方向シリンダ室25に、作動油を急速に供給することができる。このため、弁体VBを閉方向に急速に移動させることができ、蒸気弁SVを急閉することができる。また、アキュムレータ70から作動油を閉方向シリンダ室25に供給することにより、図3および図4に示す第2の実施の形態に示すような閉鎖ばね30を不要とすることができる。このため、蒸気弁駆動装置1をコンパクト化させることができる。さらに、作動油供給系統から供給口40への作動油の供給が絶たれた場合においても、アキュムレータ70から閉方向シリンダ室25に作動油を供給して蒸気弁SVを急閉することができ、蒸気弁駆動装置1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、閉側供給路50のうち、アキュムレータ70が接続された接続点P1よりも上流側に逆止弁71が設けられている。このことにより、アキュムレータ70からの作動油が上流側へ流れることを防止できる。このため、閉方向シリンダ室25に、作動油をより一層急速に供給することができ、蒸気弁SVを急閉することができる。
以上述べた実施の形態によれば、コンパクト化させることにより、据付時の作業性を向上させるとともにメンテナンス性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
1:蒸気弁駆動装置、10:開方向シリンダ、11:シリンダ室、12:ピストン、13:ピストンロッド、14:ロッド側シリンダ室、15:開方向シリンダ室、20:閉方向シリンダ、21:シリンダ室、22:ピストン、23:ピストンロッド、24:ロッド側シリンダ室、25:閉方向シリンダ室、30:閉鎖ばね、40:供給口、42:サーボ弁、43:開側ロジック弁、44:トリップ電磁弁、52:リリーフ弁、60:閉側ロジック弁、61:閉側排出制御弁、70:アキュムレータ、71:逆止弁、P1:接続点、SV:蒸気弁、VB:弁体
Claims (9)
- 作動油を用いて蒸気弁の弁体を開閉駆動する蒸気弁駆動装置であって、
前記弁体を開方向に押圧する開方向シリンダと、
前記弁体を閉方向に押圧する閉方向シリンダと、
前記開方向シリンダへの前記作動油の供給を許可または阻止する開側供給制御弁と、
前記開方向シリンダからの前記作動油の排出を阻止または許可する開側排出制御弁と、を備えた、
蒸気弁駆動装置。 - 複数の前記開方向シリンダを備えた、請求項1に記載の蒸気弁駆動装置。
- 前記開方向シリンダは、シリンダ室と、前記シリンダ室内に摺動可能に設けられたピストンと、前記ピストンを前記弁体に連結するピストンロッドと、前記シリンダ室のうち前記ピストンの一側に設けられ、前記ピストンロッドが配置されるロッド側シリンダ室と、前記シリンダ室のうち前記ピストンの他側に設けられ、前記作動油が供給される開方向シリンダ室と、を有している、請求項1または2に記載の蒸気弁駆動装置。
- 前記閉方向シリンダは、シリンダ室と、前記シリンダ室内に摺動可能に設けられたピストンと、前記ピストンを前記弁体に連結するピストンロッドと、前記シリンダ室のうち前記ピストンの一側に設けられ、前記ピストンロッドが配置されるロッド側シリンダ室と、前記シリンダ室のうち前記ピストンの他側に設けられ、前記作動油が供給される閉方向シリンダ室と、を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸気弁駆動装置。
- 前記閉方向シリンダに前記作動油を供給する供給口と、
前記閉方向シリンダ内の前記作動油の圧力を制御するリリーフ弁と、を更に備え、
前記供給口と前記閉方向シリンダとは、前記蒸気弁の開状態および閉状態のいずれにおいても連通している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸気弁駆動装置。 - 前記閉方向シリンダへの前記作動油の供給を阻止または許可する閉側供給制御弁と、
前記閉方向シリンダからの前記作動油の排出を許可または阻止する閉側排出制御弁と、を更に備えた、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸気弁駆動装置。 - 前記弁体を閉方向に押圧する閉鎖ばねを更に備えた、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蒸気弁駆動装置。
- 前記閉方向シリンダに前記作動油を供給する供給口と、
前記作動油を加圧下で貯留して前記閉方向シリンダに供給するアキュムレータと、
前記アキュムレータからの前記作動油の前記供給口の側への流れを遮断する逆止弁と、を更に備えた、請求項1〜4および6のいずれか一項に記載の蒸気弁駆動装置。 - 前記閉方向シリンダ内の前記作動油の圧力を制御するリリーフ弁を更に備え、
前記供給口と前記閉方向シリンダとは、前記蒸気弁の開状態および閉状態のいずれにおいても連通している、請求項8に記載の蒸気弁駆動装置。
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JP (1) | JP2020186782A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114183580A (zh) * | 2021-10-28 | 2022-03-15 | 武汉船用机械有限责任公司 | 混凝土吊罐的弧型门的液压控制系统 |
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2019
- 2019-05-15 JP JP2019092406A patent/JP2020186782A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114183580A (zh) * | 2021-10-28 | 2022-03-15 | 武汉船用机械有限责任公司 | 混凝土吊罐的弧型门的液压控制系统 |
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