JP2020185545A - 組成物及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌のような処理対象が含有する、重金属又は放射性物質のような吸着目的物を吸着するための新たな方法を提供する。【解決手段】溶媒と、多孔質材料と、ポリフェノール系吸着剤と、を含む組成物。組成物は、吸着目的物を含有する処理対象に散布して用いられる。【選択図】図1

Description

本発明は、組成物及び処理方法に関し、例えば、柿渋タンニンによる有害物質、重金属、及び放射性物質等の隔離による除去方法に関する。
これまでの歴史の中で、柿渋タンニンのようなポリフェノール系材料が、ウイルス又は細菌に対して強い抗菌効果を有していることが知られており、社会において実用化されている(例えば特許文献1)。
一方で、現代の科学技術により、柿渋のようなポリフェノール系材料が、様々な吸着目的物に対する安定した吸着カを持つことが発見されてきた。例えば、非特許文献1は、柿渋タンニンがタンパク質又は脂肪等の汚濁物質を選択的に吸着することを開示している。
さらに、非特許文献2も、柿渋液が、重金属、放射性物質、貴金属を吸着する作用を有しており、これらの物質の除去又は回収のために使用可能であることを開示している。このように、柿渋のようなポリフェノール系材料は、重金属又は放射性物質のような有害物質を強く封じ込める性質を有することも知られていたのであり、このような研究に対しては国によっても多額の補助金が交付されている。
また、特許文献2に記載の発明は、耐水性結合剤としての柿渋を多孔質に担持させることにより、抗菌活性を持つ銀をより強く多孔質と結合させ、抗菌材として銀の取り扱いの容易さを大幅に向上させることに成功している。
特許第5770955号公報 特開2017−008004号公報
井正 勝利,他四名,"バイオマス廃棄物を有効使用した重金属含有魚介類廃棄物の適正処理技術の開発",[online],平成17年,環境省,[平成31年4月18日検索],インターネット<URL:http://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/kagaku/h17/kagaku/data/K1721.pdf> 井正 勝利,"タンニンゲルによる貴金属・重金属・セシウムの吸着・回収",[online],平成25年12月19日,第56回アグリハイテクシンポジウム,[平成31年4月18日検索],インターネット<URL:http://kinkiagri.or.jp/activity/Sympo/sympo56(131219)/5inoue.pdf>
上記のような特性を有するポリフェノール系材料の有効な活用法を発見することは、今後の更なる研究課題である。すなわち、柿渋のようなポリフェノール系材料の特性は、例えば特許文献2のように組み合わせて用いる素材を選択することで、有効活用することができる。
本発明は、土壌のような処理対象が含有する、重金属又は放射性物質のような吸着目的物を吸着するための新たな方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、例えば、一実施形態に係る組成物は以下の構成を備える。すなわち、溶媒と、多孔質材料と、ポリフェノール系吸着剤と、を含み、吸着目的物を含有する処理対象に散布して用いられることを特徴とする。
土壌のような処理対象が含有する、重金属又は放射性物質のような目的物を吸着するための新たな方法を提供することができる。
一実施形態に係る組成物の使用方法を説明する図。 一実施形態に係る処理方法のフローチャート。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(組成物)
本発明の一実施形態に係る組成物は、溶媒と、多孔質材料と、ポリフェノール系吸着剤と、を含む。この組成物は、吸着目的物を含有する処理対象に散布して用いることができる。
多孔質とは、多数の細孔を持つ構造の物質のことを示す。多孔質の持つ細孔のサイズは様々であり、0.2nm以上であってもよい。また、多孔質の持つ細孔のサイズは、1000nm以下であってもよい。多孔質は、細孔の孔径及び分布等に応じた分子を吸着する特性があるため、多孔質の持つ細孔のサイズは、吸着目的物の種類に応じて選択することができる。一方で、本実施形態においてはポリフェノール系吸着剤も吸着目的物の吸着に寄与するため、比較的大きな細孔のサイズを持つ多孔質を用いることもできる。本明細書において、細孔のサイズは、JIS Z8831−2:2010又はJIS Z8831−3:2010によって測定されたピーク細孔径のことを指す。
多孔質の種類は特に限定されず、例えばゼオライト、セラミックス、サンゴ、活性炭、
多孔性金属、ポリウレタン、又はコンクリート等が挙げられる。軽量性と高い吸着性を兼ね備えているという観点から、多孔質の好ましい例としては活性炭が挙げられる。活性炭は、一般に、その表面積に由来する優れた吸着性能を持つ。活性炭としては、例えば、直径1〜20nmの細孔を持つ活性炭を用いることができる。
多孔質中に安定に吸着材及び吸着目的物を吸着する観点から、多孔質は大きい表面積を有していることが好ましい。例えば、多孔質の1g当たりの表面積(比表面積)は、1m/gよりも大きいことが好ましく、10m/gよりも大きいことがより好ましく、100m/gよりも大きいことがさらに好ましく、300m/gよりも大きいことが特に好ましい。比表面積は、JIS Z8830:2013に従って測定することができる。
多孔質の形状は特に限定されず、例えばブロック状であってもよいし、粉粒体であってもよい。例えば、多孔質は粒状又は粉末状であってもよい。散布を容易とするために、又は組成物中での分散性を向上させるために、一実施形態において多孔質の平均粒径は5mm以下である。平均粒径は、JIS K1474:2014に従って測定することができる。
多孔質は粒状に破砕されていてもよい。破砕法は特に限定されないが、所望の吸着力が達成できる粗さの多孔質を得ることができる破砕法を用いることができる。破砕された多孔質を用いることにより、粒状の多孔質材料が溶液内に分散されており、多孔質材料がポリフェノール系吸着剤を吸着及び担持している、複合吸着剤を得ることができる。
ポリフェノール系吸着剤とは、ポリフェノール類を含有し、吸着目的物と結合する性質のある材料のことを指す。ポリフェノール類とは、芳香族環にフェノール基を2つ以上持つ物質の総称である。ポリフェノール系吸着剤の種類は特に限定されず、用途に応じた吸着力を持つポリフェノール系吸着剤を用いることができる。ポリフェノール系吸着剤が含有するポリフェノール類としては、例えばタンニンが挙げられる。タンニン以外のポリフェノールとしては、例えば、カテキン又はコーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)も挙げられる。これらのポリフェノール類は、フェノール基(−OH)に由来する金属吸着能を持つことで知られている。
ポリフェノール系吸着剤の具体例としては、柿渋又はリンゴジュースカス等が挙げられる。柿渋は渋柿を圧搾することにより得られた搾汁を濾過し、発酵及び熟成することにより得られたもので、ポリフェノールの一種であるタンニンを含有する。非特許文献1,2に示されているように、タンニンは重金属又はタンパク質等に対して強い吸着性を示す吸着剤として機能する。
溶媒の種類は特に種類は限定されないが、使用する多孔質材料及びポリフェノール系吸着剤の種類を考慮に入れて選択することができる。例えば、溶媒として、多孔質材料が不溶な溶媒を用いることができる。また、溶媒として、ポリフェノール系吸着剤が可溶な溶媒を用いることができる。溶媒の具体例としては、水及び有機溶媒が挙げられる。
上述のように、この組成物は吸着目的物を含有する処理対象に散布して用いられる。処理対象は、吸着目的物を含む複数の材料で構成され、その種類は特に限定されない。一実施形態において、処理対象は土壌又はその他の粉末材料のような粉粒体であり、別の実施形態において、処理対象がゲルであってもよい。
吸着目的物の種類は特に限定されない。吸着目的物120は、構成要素として一つ又は複数の成分を含んでいてもよい。吸着目的物は、例えば、重金属又は放射性物質を含んでいてもよい。また、吸着目的物は、有害物質であってもよく、この場合吸着された吸着目的物を廃棄することができる。また、吸着目的物は価値のある物質であってもよく、この場合吸着された吸着目的物を回収することができる。
重金属は、比重が4以上の金属のことであり、例えばPb、Hg、As、Cd、及びCr等が挙げられる。重金属には様々な種類があり、人体に必須の重金属も存在するが、人間にとって毒性が強い重金属も数多く存在している。組成物を好適に適用可能な重金属の例としては、クロム等の6族元素、金等の11族元素、希土類元素、及びウラン等のアクチノイドを含む遷移金属元素、並びにカドミウム等の12族元素等が挙げられる。
放射性物質とは、放射性同位元素を含む物質である。放射性物質は、放射性同位元素が放射性崩壊を起こす際に放射線を放出する。放射線は、直接DNAを切断する、又は放射線が体内の水を電離させることで生成したラジカルがDNAを切断することによって、細胞を破壊することで知られている。今日では、原子力発電所事故等による土壌の放射能汚染が問題となっている。放射性物質の種類は特に限定されず、例えばセシウム、又はウラン等の放射性重金属が挙げられる。
一実施形態に係る組成物は、活性炭又はゼオライト等の多孔質材料の表面及び細孔に、柿渋タンニンのようなポリフェノール系吸着剤が吸着された構造を有している。このような多孔質材料とポリフェノール系吸着剤との組み合わせにより、有害物質、重金属、又は放射性物質等の吸着目的物を、強く吸着し、及び封じ込めることができる。言い換えると、柿渋タンニンのようなポリフェノール系吸着剤は、吸着目的物と多孔質材料との連結役として働くため、吸着した吸着目的物の剥離又は流出を強く抑制できるのである。
本実施形態に係る組成物は、処理対象中の吸着目的物を効率的に吸着するために、溶媒を含有している。例えば、本実施形態に係る組成物は、活性炭等の多孔質材料に、柿渋タンニン等のポリフェノール系吸着剤を含む液体が含浸した構成を有している。このような構成により、吸着目的物の細孔中への取り込みが促進される。とりわけ、処理対象が土壌のような粉粒体である場合、組成物が溶媒を含むことは、溶媒を介して吸着目的物と多孔質材料とが接触しやすくなるために好ましい。このような観点から、溶媒としては吸着目的物が可溶な溶媒を用いることが好ましい。なお、吸着目的物が微量である場合、吸着目的物は溶媒に対して微溶性であってもよい。一実施形態に係る組成物は、吸着を効率的に行うために、溶媒量が保たれるように保管、輸送、及び散布される。
また、ポリフェノール系吸着剤は、乾燥により耐水性を発揮することがある。例えば、古来より魚網又は蛇の目傘等の塗料として使用されていることから分かるように、柿渋は乾燥により不溶化し、耐水性を発揮することが知られている。このようにポリフェノール系吸着剤が乾燥によって不溶化していると、吸着目的物の吸着力が低下する可能性がある。例えば、多孔質材料に吸着された柿渋が乾燥により耐水性を発揮していると、吸着目的物と多孔性材料との親和性が低下することが考えられる。一方で本実施形態に係る組成物は、溶媒を含有している。このため、ポリフェノール系吸着剤は溶媒中に存在し、乾燥しない。一実施形態において、ポリフェノール系吸着剤は溶媒に可溶であり、溶媒中に溶解している。このような構成によれば、処理対象中の吸着目的物の吸着効率を向上させることができる。
一方で、ポリフェノール系吸着剤として、柿渋のような、乾燥により耐水性を発揮する吸着剤を用いることにより、多孔性材料中に吸着された吸着目的物を封じ込めることができる。一実施形態において、柿渋タンニンのようなポリフェノール系吸着剤は、溶媒中に溶解している状態で、吸着目的物の多孔性材料への付着及び浸透を助ける作用を示すことができる。一方で、吸着後に柿渋タンニンのようなポリフェノール系吸着剤が乾燥して耐水性を発揮することにより、吸着目的物に吸着された吸着目的物を多孔性材料に固着させることができる。
一例として、水分を含む柿渋液及び活性炭により構成される組成物を処理対象に散布すると、活性炭の強い吸着力によって吸着目的物は活性炭の表面及び内部に吸着される。その後、水分の蒸発とともに柿渋タンニンは乾燥し、活性炭とともに吸着目的物を固着させる。このような例によれば、吸着された吸着目的物が剥がれることを抑制できるため、このような組成物は有害物質を強く捕捉するために特に有用である。
多孔性物質、ポリフェノール系吸着剤、及び溶媒の比率は特に限定されない。例えば、組成物全体に対する多孔性物質の重量比は、1%以上であってもよい。また、組成物全体に対するポリフェノールの重量比は、例えば30ppm以上であってもよい。さらに、活性炭に対するポリフェノールの重量比は、0.1%以上であってもよく、又は1%以下であってもよい。また、濃縮組成物を調製し、使用時に濃縮組成物を溶媒で薄めてもよい。このような濃縮組成物全体に対する多孔性物質の重量比は、例えば10%以上であってもよい。また、濃縮組成物全体に対するポリフェノールの重量比は、例えば300ppm以上であってもよい。
ポリフェノール系吸着剤として柿渋を用いる一例において、以下のように組成物を調製してもよい。すなわち、多孔性物質に対して、重量比で5%以上又は30%以下の柿渋原液を混合することにより、濃縮組成物を調製することができる。こうして調製された濃縮組成物は、溶媒で10倍以上又は100倍以下に薄めた後で、処理対象に散布してもよい。
(組成物の使用方法)
以下では、一実施形態に係る組成物の使用方法について説明する。一実施形態に係る処理方法は、組成物を、吸着目的物を含有する処理対象に散布する工程と、組成物が散布された処理対象を攪拌する工程と、組成物が散布された処理対象を攪拌する工程と攪拌された処理対象を乾燥させる工程と、を有している。以下、このような実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
ステップS210では、上記の実施形態に係る組成物110が、吸着目的物120を含有する処理対象130に散布される。散布方法は特に限定されず、処理対象130に対して組成物110をスプレーすること、及び処理対象130の上から組成物110を流すことも、散布に含まれる。散布のためには、タンクローリー、スプレッダ、又はホースのような散布機140を、処理対象130の種類及び規模に応じて用いることができる。散布機140が組成物110を均等に散布可能であってもよい。散布量は、吸着目的物120又は処理対象130の種類又は量に応じて選択することができる。一例として、処理対象130上の組成物110の層の深さが5cm以上、又は15cm以下となるように、組成物110を散布することができる。
ステップS220での攪拌を容易に行うために、処理対象130は仕切られた空間内に存在していてもよい。処理対象130は、例えば、区分けされた土壌又はトレイ内のゲル等であってもよい。
ステップS220では、組成物110が散布された処理対象130が攪拌される。こうして、組成物110と処理対象130とが混合され、効率的に処理対象130中の吸着目的物120が組成物110中の多孔性材料に吸着される。ステップS220においては、撹拌機150を用いて処理対象130と組成物110とを混ぜ合わせることができる。満遍なく攪拌を行うために、処理対象全体に対して複数回にわたって攪拌を行うことができる。撹拌機150の種類は特に限定されず、処理対象130の種類又は量に応じて、例えば、ショベルカー、プラウ、又はスパーテル等を用いることができる。
処理対象130が土壌である場合、所望の深さにまで土壌を攪拌することができる。攪拌の対象となる土壌の深さは、吸着目的物120の分布に応じて選択することができる。一実施形態においては、20cm以上にわたって、土壌が攪拌される。なお、土壌を汚染する放射性物質は、時が経つにつれて徐々に地中へと浸透していくものの、その速度は極めて遅く、大部分が表層付近に留まることが知られている。例えば、放射性セシウムの下方浸透速度は約1〜10mm/年であることが知られており、耕作層より深い土壌への移行はごくわずかである。このため、吸着目的物120が放射性物質である場合、例えば30cm程度の深さにまで土壌を攪拌することにより、放射性物質を有効に封じ込めることができる。
ステップS230では、攪拌された処理対象130が乾燥させられる。乾燥方法は特に限定されず、例えば、自然乾燥が行われてもよく、又は加熱などによる人工乾燥が行われてもよい。こうして、組成物110と攪拌された処理対象130から水分が蒸発し、処理対象130中の吸着目的物120は組成物110中の多孔質材料に保持される。
このような処理方法により、処理対象130中の吸着目的物120は、ポリフェノール系吸着剤の作用によって多孔質材料に強固に吸着される。このため、例えば、重金属又は放射性物質のような有害物質である吸着目的物120が、例えば雨水等の作用により、処理対象130から次第に流出することを抑制することができる。この効果を向上させるために、処理後の処理対象130が防水性部材(例えば防水シート)で覆われてもよい。また、重金属は多孔質材料に担持されるので、万が一処理後の処理対象130が飛散したとしても、人体に対する影響が低減されることが期待できる。
とりわけ、多孔質材料として活性炭を含み、ポリフェノール系吸着剤として柿渋を含む組成物は、土壌中の有害物質を吸着するために適している。この例において、散布された組成物が土壌と攪拌されることにより、組成物に含まれる、柿渋を担持している活性炭と、活性炭から分離している余剰の柿渋とが、土壌中に広く拡散する。活性炭及び活性炭が担持する柿渋は土壌中の有害物質を吸着し、さらに余剰の柿渋もまた活性炭による吸着作用を補う働きをする。
その後、土壌を乾燥させる過程においても、活性炭及び柿渋による有害物質の吸着は継続する。やがて完全に水分が蒸発すると、柿渋の可溶性タンニンが不溶化し、活性炭とともに吸着された有害物質を固着させる。柿渋は、古来より蛇の目傘の塗料とされていることからもわかるように、一度乾燥すると優れた耐久性及び耐水性を有し、基材に密着するという特性を持っている。この性質により、柿渋によって密封された有害物質は、水に接触した場合であっても外部へと流出しにくくなり、すなわち土壌の中で無害化される。したがって、この処理方法は、土壌の除染のために有効に利用することができる。
加えて、このような処理方法により有害物質を土壌中に封じ込めることにより、周囲の水質及び空気を時間と共に浄化することができ、また動植物に対する影響を低減することができる。こうして、有害物質により汚染された環境を縮小することができる。
なお、ステップS220の後、ステップS230の前に、攪拌された処理対象130の上に組成物110をさらに散布するステップS225が行われてもよい。ステップS225においては、攪拌後の処理対象130を追加の組成物110で覆うことができる。このような工程により、吸着目的物120を含む処理対象130を外気から遮断できるため、吸着目的物120の流出をさらに抑制することができる。また、追加の組成物110は、処理対象130内の吸着目的物120をさらに吸着することができる。追加の組成物110の散布量は、吸着目的物120又は処理対象130の種類又は量に応じて選択することができる。一例として、これらの効果を得るために、処理対象130上に追加される組成物110の層の深さは、5cm以上であってもよく、又は15cm以下であってもよい。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
110 組成物、120 吸着目的物、130 処理対象、140 散布機、150 撹拌機

Claims (10)

  1. 溶媒と、多孔質材料と、ポリフェノール系吸着剤と、を含み、吸着目的物を含有する処理対象に散布して用いられる、組成物。
  2. 前記組成物中で前記吸着剤は前記溶媒に溶解しており、前記吸着剤が乾燥すると耐水性を示す性質を有している、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記吸着剤が柿渋であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記多孔質材料が活性炭であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の組成物。
  5. 前記多孔質材料が粉粒体であることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の組成物。
  6. 前記溶媒が水であることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の組成物。
  7. 前記吸着目的物が重金属又は放射性物質であることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか一項に記載の組成物。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の組成物を、吸着目的物を含有する処理対象に散布する工程と、
    前記組成物が散布された処理対象を攪拌する工程と
    前記攪拌された処理対象を乾燥させる工程と、
    を有することを特徴とする処理方法。
  9. 前記処理対象が土壌であることを特徴とする、請求項8に記載の処理方法。
  10. 前記攪拌された処理対象の上に、請求項1乃至7の何れか一項に記載の組成物をさらに散布する工程を有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の処理方法。
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