JP2020184658A - 干渉波演算方法、干渉波演算装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
以上から、大容量な無線ネットワークを構築するためには干渉対策が必要となり、干渉対策手法としては、多くの市中製品で変更可能であり干渉量に直接影響を与える送信電力の制御などが考えられる。その制御には各アンテナ間の干渉量推定が重要である。従来の干渉推定技術として、マルチホップネットワークにて各アンテナ間の干渉量を算出し、送信電力を変更することで干渉を緩和する手法が提案されている(特許文献1参照)。
アンテナ10は、ミリ波FWAを使用するアンテナである。アンテナ10は、通信相手のアンテナ10と通信を行う。図13において、アンテナ10−Aは地点Aに設置され、アンテナ10−B1及び10−B2は地点Bに設置され、アンテナ10−Cは地点Cに設置されているものとする。また、アンテナ10−Aと、アンテナ10−C間の双方向通信を、地点Bを経由して実施するものとする。アンテナ10−Aとアンテナ10−B1及びアンテナ10−B2とアンテナ10−Cは、無線により接続されている。また、アンテナ10−B1と10−B2とは有線もしくは本システムとは別途用意した無線接続により接続されている。
アンテナ制御装置200は、パラメータ記憶部2001、受信強度算出部2002、干渉強度算出部2003、マージン算出部2004、送信電力制御部2005及び通信部206を備える装置として機能する。
ステップ1として、アンテナ制御装置200は、制御対象である干渉波Iや所望波Cを定量化(数値化)する。
アンテナ制御装置200は、図13に示す各アンテナ10における無線パラメータや電波伝搬パラメータに基づいて、アンテナ10毎に所望波強度Cと干渉波強度Iを算出する。なお、以下の説明で示す数式は、全てdB表記とする。
また、電波伝搬パラメータは、無線通信による電波の伝搬に関するパラメータを表す。電波伝搬パラメータは、例えば距離、干渉方向及び周波数チャネル、降雨量や湿度、霧の有無などである。距離は、被干渉アンテナと与干渉アンテナとの距離(例えば、被干渉アンテナの中心点と与干渉アンテナの中心点の間の直線距離を表す。干渉方向は、アンテナ10が電波干渉する方向を表す。
周波数差が0、つまり同一チャネルではK(f1−1)となり、周波数差がある場合には一般にマイナスの値をとる。そのため、アンテナ制御装置200は、周波数チャネルの差異と電波スペクトル特性を考慮して干渉波強度Iの計算を行う。
・送信電力P
・アンテナ最大利得Gmax
・アンテナ指向性利得Gx(θr1−r2)(θr1−r2はr1アンテナにおける正対方向とr1−r2アンテナを結んだ直線方向の成す角度を表し、 Gx(θr1−r2)はアンテナ指向性パターンGx(θ)における角度θr1−r2での利得を表す。)
・伝搬損失L(f、Rr1-r2)(Rr1-r2はr1−r2アンテナ間の伝搬距離、fは使用周波数。L(fx,Rx−y)は例えば自由空間伝搬損失の場合には、L(f、Rx−y)=20log((4πfxRx−y)/c)などで計算される。ここでcは光速を表す。※Lは距離R、周波数f以外にも降雨や霧の量など多数の値から算出されるが、簡単のため今回はRおよびfのみ表記する。)
・チャネル間漏洩電力K(f)
式(1)においてPB2はアンテナ10−B2の送信電力を表す。式(1)においてGmaxB2はアンテナ10−B2のアンテナ最大利得を表す。式(1)においてGmaxCはアンテナ10−Cのアンテナ最大利得を表す。
また、式(2)においてIB1→Cはアンテナ10−B1からアンテナ10−Cへの干渉波の受信強度を表す。式(2)においてGB1(θB1−C)は指向性パターンGB1(θ)における角度θB1−Cでの利得を表す。また、θr1−r2はr1アンテナにおける正対方向とr1−r2アンテナを結んだ直線方向の成す角度を表す。
まずCIR、干渉波強度I、CINRのマージンをそれぞれCIR_mar、I_mar、CINR_marとし、所要CIR、所望干渉波強度のマージンをそれぞれCIR_req、I_reqとすると、図13に示す各アンテナ10の持つマージンは以下の式(21)〜(28)のように表される。
受信強度算出部2003は、パラメータ記憶部2001に基づいて、各アンテナ10における所望波強度Cを算出する。また、干渉強度算出部2002は、パラメータ記憶部2001に基づいて、各アンテナ10における干渉波強度Iを算出する(ステップS1001)。
以上、干渉量推定とそれを用いたCIR、CINRの算出法を述べた。これらを用いて干渉対策として例えば送信電力制御をする場合、所要CIR、所要CINRなどのマージンを算出し、そのマージンに基づいて送信電力低減などが可能となる。これにより、システム全体の干渉量を下げることができ、干渉補償ができる。
本発明の一態様は、複数のアンテナを備える無線通信システムにおける干渉波演算方法であって、各アンテナの指向性、位置及び向きの情報に基づいて、与干渉アンテナを決定する決定ステップと、決定した前記与干渉アンテナからの干渉波を用いて被干渉アンテナにおける干渉波の受信強度を算出する受信強度算出ステップと、を有する干渉波演算方法である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における無線通信システム100のシステム構成を表す構成図である。無線通信システム100は、複数のアンテナ10(10−A,10−B1,10−B2及び10−C)及びアンテナ制御装置20を備える。複数のアンテナ10及びアンテナ制御装置20は、有線もしくは本システムとは別途用意した無線接続により通信可能な状態に接続される。なお、図1では、無線通信システム100が4台のアンテナ10を備える構成を示しているが、無線通信システム100は3台以上のアンテナ10を備えていればよい。
アンテナ制御装置20は、被干渉アンテナの受信強度を算出する。アンテナ制御装置20は、例えばノートパソコン、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の情報処理装置やクラウド上の仮想マシン等を用いて構成される。
図2(A)はミリ波FWAを使用するアンテナの角度毎のアンテナ利得を表す図であり、図2(B)は周波数毎の電波の減衰量を表す図である。図2(A)及び図2(B)に示すように、ミリ波FWAを使用するアンテナは、アンテナ利得の指向性が鋭い。またミリ波帯の中でもWiGigなどで使用されている60GHz帯を使用するときは酸素吸収損失も高く、他の周波数より距離に応じた伝搬損失が大きくなるため遠方からのアンテナの干渉量は総干渉量により寄与しなくなる。そのため、干渉波として与干渉アンテナ10に影響を与えるのは以下の第一の条件、第二の条件及び第三の条件のいずれか又はいずれかの組み合わせを満たした場合と考えられる。なお、図2(B)の図は、下記参考文献の図を引用している。
(参考文献: "P.676: Attenuation by atmospheric gases," FIGURE 5, ITU-R Recommendation P.676-11 (September 2016).
(URL: https://www.itu.int/rec/R-REC-P.676-11-201609-I/en))
ここでビーム方向とは、例えばメインビームの方向を基準にした所定の角度の範囲内の領域のことであり、例えばアンテナ指向性利得が3dB落ちる角度や、これを一般化してXXdB落ちとなる角度などである。
(第二の条件):アンテナ間の距離が閾値以下である、すなわちアンテナ10同士が近接している
上記の記載は、請求項3記載の発明の実施形態例に相当する。
図5は、第三の条件を説明するための図である。図5に示すように、任意の曲線Sに応じて、干渉を考慮するエリアが決定される。例えば、角度θ毎に「伝搬電波強度や受信電波強度がA[dBm]となる伝搬距離RA(θ)」を求め、RA(θ)を繋げた曲線をSとする。ここで、伝搬電波強度はアンテナから送信された信号が空間を伝搬するときの電波強度であり伝搬距離、電波の周波数、伝搬路の湿度、酸素濃度等により変化する値である、また、受信電波強度は伝搬電波強度に更に受信アンテナのアンテナ利得を加味した値である。そして、得られた曲線Sに基づいて算出する閾値Tで干渉を考慮するエリアが決定される。なお、閾値Tは、曲線Sと同値(T=S)としても良いしSに応じた関数T=f(S)として定義しても良い。Sに応じた関数f(S)を使用する場合の例として、受信電波強度がAとなる伝搬距離伝搬距離RA(θ)を求め、RA(θ)の算出に使用したパラメータの誤差を想定しさらに10メートルの余裕を持たせ、閾値T=f(S)=RA(θ)+10メートルとすることなどが考えられ、このTで定まる境界閉領域よりも外側のエリアは干渉として考慮しないと決定する方法などが考えられる。
上記の記載は、請求項2記載の発明の実施形態例に相当する。
・アンテナ10−Aは、アンテナ10−B1のビーム方向に位置している。
・アンテナ10−Aは、アンテナ10−B2及び10−Cとは距離が閾値よりも離れている。
・アンテナ10−B1は、アンテナ10−Aのビーム方向に位置している。
・アンテナ10−B1は、アンテナ10−B2との距離が閾値以下である。
・アンテナ10−B2は、アンテナ10−B1との距離が閾値以下である。
・アンテナ10−B2は、アンテナ10−Aのビーム方向に位置している。
・アンテナ10−B2は、アンテナ10−Cのビーム方向に位置している。
・アンテナ10−Cは、アンテナ10−B2のビーム方向に位置している。
・アンテナ10−Cは、アンテナ10−A及び10−B2とは距離が閾値よりも離れている。
アンテナ制御装置20は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、制御プログラムを実行する。制御プログラムの実行によって、アンテナ制御装置20は、パラメータ記憶部201、干渉対象決定部202、受信強度算出部203、干渉強度算出部204を備える装置として機能する。なお、アンテナ制御装置20の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、制御プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
図6は、パラメータテーブルの具体例を示す図である。
図6において、パラメータテーブルは、アンテナ10のパラメータに関する情報を表すレコードを複数有する。レコードは、無線パラメータ、設置パラメータ及び通信相手のアンテナIDの各値を有する。無線パラメータは、アンテナ10の無線通信に関するパラメータを表す。パラメータテーブルには、無線パラメータとして、送信電力、アンテナ最大利得、アンテナ指向性パターン及び電波スペクトル特性の値が登録されている。
送信電力は、アンテナ10に供給されている送信用の電力を表す。アンテナ最大利得は、アンテナ10で得られる最大の利得を表す。アンテナ指向性パターンはアンテナにおける角度毎の利得の値を表し、アンテナ正面方向からずれた角度へ放射する場合、ずれた角度からの電波を受信する場合のアンテナ指向性パターンによる放射電力、受信電力の軽減量を示す。電波スペクトル特性は、アンテナ10が放射する電波のスペクトル特性を表し、例えば異なる周波数チャネルを使っているアンテナ間の干渉電力を計算する時の、同一チャネル使用時に比べたときの軽減量を示す。
通信相手のアンテナIDは、アンテナIDの項目に登録されているアンテナ10と通信を行っているアンテナ10の識別情報を表す。
図7において、干渉情報テーブルには、被干渉アンテナIDと与干渉アンテナIDとの干渉に関連する情報が登録されている。干渉情報テーブルにおいて「---」と記載されるセルはブランクを表しており、例えばアンテナAAAからアンテナAAAに向かう干渉波は干渉波として考慮しない場合は該当セルに「---」を記載する。また、「---※」は、通信相手から到来する所望信号であるため干渉とはみなされないことを表し、ブランクとなる。その他の各セルには与/被干渉アンテナの関係を表す情報を格納する。格納情報としては、例えば以下の情報がある。
・与/被干渉アンテナ間距離
・被干渉アンテナから見た各与干渉アンテナの角度
・与干渉アンテナから見た各被干渉アンテナの角度
干渉対象決定部202は、パラメータテーブル及び干渉情報テーブルに基づいて、与干渉アンテナを決定する。
受信強度算出部203は、各アンテナ10の所望波強度C及び干渉波強度Iを算出するとともに、CIRをアンテナ10毎に算出する。例えば、受信強度算出部203は、与干渉アンテナから被干渉アンテナへの干渉波を用いて被干渉アンテナにおける干渉波の受信強度(干渉波強度I)を算出する。また、例えば、受信強度算出部203は、被干渉アンテナの通信相手のアンテナ10からの所望波を用いて被干渉アンテナにおける所望波の受信強度(所望波強度C)を算出する。
干渉強度算出部204は、与干渉アンテナの干渉強度を算出する。
干渉対象決定部202は、パラメータテーブル及び干渉情報テーブルに基づいて、与干渉アンテナを決定する。(ステップS101)。具体的には、干渉対象決定部202は、パラメータテーブルに登録されている各アンテナの指向性、位置及び向きの情報や、干渉情報テーブルに登録されている与/被干渉アンテナ間距離、被干渉アンテナから見た与干渉アンテナの角度、与干渉アンテナから見た被干渉アンテナの角度に基づいて、第一の条件及び第二の条件及び第三の条件のいずれか又は両方を満たすアンテナ10を与干渉アンテナとして決定する。干渉対象決定部202は、決定した与干渉アンテナの情報を受信強度算出部203に出力する。
上述した第1の実施形態におけるアンテナ制御装置20は、請求項1、8及び9記載の発明の実施形態例に相当する。
第2の実施形態では、アンテナ制御装置20が送信電力制御を行う。第2の実施形態におけるシステム構成は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
アンテナ制御装置20aは、有線・無線もしくは本システムとは別途用意した無線接続を用いて、各アンテナ10の送信電力を制御する。
無線通信システム100aは、アンテナ制御装置20aの構成が異なる点を除けば第1の実施形態における無線通信システム100と同様である。そのため、アンテナ制御装置20aについてのみ説明する。
アンテナ制御装置20aは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、制御プログラムを実行する。制御プログラムの実行によって、アンテナ制御装置20aは、パラメータ記憶部201、干渉対象決定部202、受信強度算出部203、干渉強度算出部204、マージン算出部205、送信電力制御部206及び通信部207を備える装置として機能する。なお、アンテナ制御装置20aの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、制御プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
送信電力制御部206は、マージン算出部205によって算出されたマージンに基づいてアンテナ10の送信電力を制御する。
通信部207は、アンテナ10との間で通信を行う。例えば、通信部207は、送信電力制御部206に算出された送信電力の値を設定するようにアンテナ10に通知する。
ステップS102の処理が終了すると、マージン算出部205は、受信強度算出部203から出力された所望波強度C、干渉波強度I及びCIRの値と、干渉対象決定部202から通知された与干渉アンテナであるアンテナ10の情報とに基づいてマージンを算出する(ステップS301)。図1に示す例の場合、マージン算出部205は、式(29)〜(36)又は式(37)〜(44)によって、マージンを算出する。マージン算出部205は、算出したマージンの情報及びCINRを送信電力制御部206に出力する。
一方、全体のマージンが所望量未満である場合(ステップS304−NO)、アンテナ制御装置20はステップS302以降の処理を繰り返し実行する。
送信電力制御部206は、マージン算出部205によって算出されたマージンが所定置B以下であり、かつ、マージンが最小であるアンテナ10(以下「APmin」という。)を選択する(ステップS401)。送信電力制御部206は、選択したAPminに基づいて、APminの通信相手の送信電力を増大、又は、APminの最大干渉源の送信電力を低減するいずれかの制御を実施する(ステップS402)。送信電力制御部206は、全体のマージンが最大化したか否かを判定する(ステップS403)。全体のマージンが最大化した場合(ステップS403−YES)、送信電力制御部206は図9の処理を終了する。
一方、全体のマージンが最大化していない場合(ステップS403−NO)、送信電力制御部206はステップS401以降の処理を繰り返し実行する。
送信電力制御部206は、ループ回数iを0とすることで、ループ回数iを初期化する(ステップS501)。次に、送信電力制御部206は、ループ回数iに1を加算する(ステップS502)。送信電力制御部206は、マージンが所定値B以下のアンテナ10を選択する(ステップS503)。ここで、マージンが所定値B以下のアンテナ10が複数台ある場合には、送信電力制御部206はマージンが所定値B以下の全てのアンテナ10を選択してもよいし、複数台のうち一部のアンテナ10、例えばマージン最小アンテナ10やランダム選択したアンテナ10だけを選択してもよい。
ループ終了条件が満たされていない場合(ステップS506−NO)、送信電力制御部206はステップS502以降の処理を実行する。
また、ステップS504の処理において、いずれかのアンテナ10において通信相手の送信電力が所定値A未満である場合(ステップS504−NO)、送信電力制御部206は各アンテナ10の通信相手の送信電力を、規範に基づいて再設定する(ステップS508)。再設定の方法は、ステップS505と同様である。その後、送信電力制御部206は、ステップS506の処理を実行する。なお、ステップS505及びステップS508の処理は、請求項5及び6記載の発明の実施形態例に相当する。
また、アンテナ制御装置20aは、被干渉アンテナ及び与干渉アンテナのうち通信品質が所定の値以下のアンテナ10の通信相手のアンテナ10又は最大干渉源のアンテナ10の送信電力を制御する。これにより、通信品質を改善することができる。
また、本実施形態では、自システム内の与干渉アンテナから到来する干渉波を想定したが、他システムから到来する干渉波であっても、その他システム側の位置や方向等が分かれば本発明は適用可能である。適用する場合、送信電力制御としては自システムの送信電力の増大による自システムのCIR改善等の制御が考えられる。
本実施形態では、ビーム方向として、メインビームの方向を例に説明したが、アンテナ指向性パターン等を加味し角度ごとに距離閾値を定める方法を適用してもよい。この場合、サイドローブが大きく、サイドローブ方向でも干渉が生じる場合にその干渉波を加味することができる。使用するアンテナ指向性パターンとしては、カタログ値を使用する方法やアンテナ10の個体値を加味して実測により求めた値を使用する方法などが考えられる。このように構成される場合、アンテナ制御装置20,20aは、ビーム方向として、メインビームの方向以外にサイドローブの方向において第一の条件を満たす場合には、第一の条件を満たすアンテナ10を与干渉アンテナと決定する。
本実施形態では、ミリ波FWAを前提に記載したが、無線パラメータや電波伝搬パラメータが既知のFWA以外の無線システムやミリ波以外の周波数帯の信号に対しても同様に適用可能である。
アンテナ制御装置20,20aは、クラウドリソースのような仮想マシンであっても構わない。
Claims (8)
- 複数のアンテナを備える無線通信システムにおける干渉波演算方法であって、
各アンテナの指向性、位置及び向きの情報に基づいて、与干渉アンテナを決定する決定ステップと、
決定した前記与干渉アンテナからの干渉波を用いて被干渉アンテナにおける干渉波の受信強度を算出する受信強度算出ステップと、
を有する干渉波演算方法。 - 前記決定ステップにおいて、
各与干渉アンテナを置局座標や置局の方向に応じて閾値判定する、請求項1に記載の干渉波演算方法。 - 前記決定ステップにおいて、前記被干渉アンテナの角度及び前記被干渉アンテナと前記与干渉アンテナとの距離のいずれか一方又は両方に基づいて、前記与干渉アンテナを決定するための閾値を定め、前記閾値以内のアンテナを前記与干渉アンテナと決定する、請求項2に記載の干渉波演算方法。
- 前記決定ステップにおいて、前記被干渉アンテナのビーム方向にアンテナが位置、又は、前記アンテナのビーム方向に前記被干渉アンテナが位置していること、もしくは、前記被干渉アンテナと前記アンテナとが互いのビーム方向に位置していることを条件とする第一の条件、及び、前記被干渉アンテナと前記アンテナとの距離が閾値以下であることを条件とする第二の条件のいずれか一方、又は、両方を満たすアンテナを前記与干渉アンテナと決定する、請求項1又は2に記載の干渉波演算方法。
- 前記被干渉アンテナ及び前記与干渉アンテナのうち1以上の任意のアンテナの送信電力を制御する送信電力制御ステップをさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の干渉波演算方法。
- 前記送信電力制御ステップにおいて、前記被干渉アンテナ及び前記与干渉アンテナのうち通信品質が所定の値以下のアンテナの通信相手のアンテナ又は最大の干渉源となる与干渉アンテナの送信電力を、前記与干渉アンテナの干渉量を定式化した式内で1回以上算出することによって前記送信電力を制御する、請求項5に記載の干渉波演算方法。
- 複数のアンテナを備える無線通信システムにおける干渉波演算装置であって、
各アンテナの指向性、位置及び向きの情報に基づいて、与干渉アンテナを決定する干渉対象決定部と、
決定した前記与干渉アンテナからの干渉波を用いて被干渉アンテナにおける干渉波の受信強度を算出する受信強度算出部と、
を備える干渉波演算装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の干渉波演算方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
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